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静かでのどかな午後の田舎。鍵の閉まっていない窓が、音もなく開き、 「そろーり……そろーり……」 と、静かかといわれればそうでもない不思議饅頭を招き入れた。 這う小麦粉――もとい、薄汚れた野良れいむは、粘つく餡子カスが目尻にこびりついた目で 室内をねめつけ、人影がないことを確認すると、下品な笑みを浮かべた。 「れいむはここがきにいったよ! ここをれいむの『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね! …………ゆ…………?」 『この放送は、爽快な甘味と回復力、"おれんじじゅーす"の提供でお送りします』 ゆっくりれいむを、ゆっくり達の本能に刻まれた定型句で出迎えたもの。 「ゆ……なんなの、これぇ?」 それは、「ピッ ピッ ピッ」と一秒ごとに正確な電子音を放つ、一台のラジオだった。 その台詞は言わせない4 ~ここをれいむのおうちにするよ! 編~ キャンセルあき 「……。ここをれいむのゆっくりぷ『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね! ……なんなのおお?」 『この放送は、堅牢性と透明性を追求する、"クリアボックス株式会社"の提供でお送りします』 無骨なサイコロ型の、頑丈そうなラジオは、れいむから透明な壁を挟んだ向こうにあって、 れいむにとっては訳の分からない"ていきょう"を喋ると、三回「ピッ」という電子音を発する。 そして、一定の間隔で『ゆっくりしていってね!』と言ってくるのだ。 「――ゆっくりしていってね! ……ゆっくりできないよ!」 『この放送は、社会の景観を守り、甘味を提供する"加工所"の提供でお送りします』 「ゆ……れいむにはそんなのかんけいないよ! ここをれいむのおうちにす『ゆっくりしていってね!』 ――ゆっくりしていってね! ……なんでえええええぇっ!?」 『この放送は、悶絶する体、黒く染まる舌、"クソ苦いコーヒー"の提供でお送りします』 「どおしてそれしかいわない『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね! ゆがあああっ! ゲスはせいっさいっ! するよ!」 『ゆっくりしていってね!』だけを連呼してれいむのおうち宣言を邪魔するなんて! あまりにもゆっくりしていない、こいつは"ゲス"だ。 全部この"げす"が悪い。 そうにちがいない。 そうに決まってる! れいむは、速度に優れるぴょんぴょんでもって、"げす"に制裁すべく、透明な壁の向こうに回り込んだ。 「ゆ……どおしてかべさんがむこうがわにも『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね! あるのおおおぉぉぉ! これじゃあ"げす"を"せいっさいっ!"できないでしょおおおお!」 『この放送は、みんなのゆっくり みんなのあまあま、"ゆんドーナツ"の提供でお送りします』 いちいち『ゆっくりしていってね!』の放送に返事せずに居られないれいむは、それでも 透明な壁の近くに、詰まれた三冊の"週刊少年跳躍"を発見した。 「ゆ! ゆふふふふ! このうえにのれば、とうめいなかべさんをこえられるよ! れいむはほんとうにてんっさ『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね!」 『この放送は、市民の治安を維持する"公餡"の提供でお送りします』 「ゆああああああっ! ゲスをせいっさいっしてやるううぅ!」 完全に怒髪餡を衝いたれいむは、自称かもしかのようなあんよで雑誌の上に飛び乗ると、 「ゆっくりしねえええ!」 と言って、ラジオを四方から囲む透明な壁の向こうへと跳躍した。 一瞬の浮遊感。 「れいむ、おそらを『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってしねえええええええ!」 れいむは、ラジオの上に墜落、ではなくて着地、でもなくて"ぼでぃぷれす"を成し遂げると、 ぼっすんぼっすんと跳ね回りながら、 「いまならっ! あまあまでっ! ゆるしてっ! あげるよっ! たくさんでっ! いいよっ!」 ――などと意味不明なことを供述しており、その間にサイコロ型の頑丈なラジオは、 確かな鋭さと熱量が自慢の"キリライター"を宣伝していた。 「それからゆっくりしないでしんでねっ! 『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね! ――どぼじでじなないのお゛お゛ぉ! れいむはにげ……どぼじでかべざんがあるのおおっ!?」 れいむの跳躍+雑誌の厚み > 壁の高さ > れいむの跳躍 ゆっくりの構造よりも単純な不等式によって、ラジオを囲む透明な壁――もとい"透明な箱"は今や、 おうち宣言も無いままに、れいむの特別なゆっくりぷれいすとなっていた。 「だぜえええっ! でいぶをおぞどにだぜええっ! 『ゆっくりしていってね!』――ゆっくりしていってね! ゆんやあああああっ――ゆっくりさせてええぇぇぇ!」 侵入したゆっくりとラジオ放送、両者の間で繰り広げられる、不毛な言葉のドッジボールは、 家の住人であるお兄さんが帰宅するまで耐えることは無かったという。 提供の宣伝と、たった一言からなるその放送は、周波数3636kHz―― 通称ラジオゆーえむは、今日も、ゆっくりとした二十四時間放送を続けている。 終わり。 ふたばの方でおうち宣言をさせない4コマネタがあったので、書いてみました。 ネタをもらってばかりでごめんねー! 過去作品 anko1728 そして何かが軽くなった anko1666 春のとくっばんっ!編 anko1659 越冬のススメ anko1521 その台詞は言わせない3 anko1508 その台詞は言わせない2 anko1481 その台詞は言わせない
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『かけがえのないいのちなんだよ!(後編)』 23KB 虐待 観察 野良ゆ 子ゆ 現代 虐待人間 うんしー それでも命は大切にね! ゆひゆひ言いながら必死に駆けてきたれいむは、下半身にうんうんをこびりつかせていた。 庭でバーベキューセットを前に座るわたしに向かって叫んでくる。 「おにいざんっ!!」 「やあ、れいむ。すーぱーうんうんたいむはもういいのかい」 「おぢびぢゃんになにをじでるのおおおぉぉ!!?」 「ああ、これかい?」 れいむはぶるぶる震えながら、私が手に持っている子ありすを見ている。 「なに、ちょっと小腹がすいたんでね。この子をおやつにしようかなと思っていたところさ」 「みゃ、みゃ………だじゅっ、だじゅげ………どぎゃいばじゃ……にゃい……ぎゃびゃああああぁぁぁっあっ!!!」 片方の手でライターの火をつけ、子ありすの体を再びあぶる。 ぷしっ、としーしーを漏らし、目玉と舌を飛び出させて子ありすはまた絶叫した。 すでに顔以外の全身が、ほんのり茶色く変色している。 子れいむの方は透明な箱に閉じ込めて見物してもらっている。泣きながらなにか叫んでいるが放っておく。 「ゆっぐじやべでねっ!!やべでええぇぇぇ!!!なんでええええぇぇ!!?」 「おいおい、何をそんなに騒いでるんだ?」 私はわざと大仰な仕草で肩をすくめてみせた。 「腹が減ったから、殺して食べる。当たり前のことだろう? 当たり前のことをなんでやめなきゃいけないんだい?」 「おぢびぢゃんがいだがっでるでじょおおおおお!!?」 「うん。だから?」 「がわいぞうでじょおおおおぉぉ!!おぢびぢゃんはぢいざいがらやざじぐじないどいげだいんだよおおぉぉ!!」 「あの芋虫さんも、おちびちゃんが沢山いるって言ってたなぁ……」 「ゆっ!!?」 「あびぎゅうっ!!?」 再びライターを灯し、子ありすをあぶりながら私は言ってやった。 「ものすごく痛がってたよなぁ、あの芋虫さん。 あんよを千切られて、苦しんでいるところを少しずつ少しずつ千切られて食べられて…… 痛かったろうなあ。苦しかったろうなあ。なあ、れいむ?」 「だじゅげぢぇええええぇぇ!!あっづううううぅぅぅいいいぃぃぃみゃみゃあああああぁぁぁ!!!」 「ゆ゛…………ゆ゛………なんで…………?」 我が子の絶叫にも返事をせず、れいむは冷や汗をだらだら流して私を見ていた。 「私たち人間にはなんでもお見通しなのさ。芋虫さんは美味しかったかい?」 「…………!!…………あの、あれは……れいむはしんぐる………まざー、だか……ら……」 「あの芋虫さんもシングルマザーだと言っていたよなあ?沢山の子供を育てていると言っていたよなあ?」 「おぢっ………おぢ、びぢゃ…………」 「ぅづううううぅぅぅぅ!!!ゆぎょおおおおおおおぉぉお!!!があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーっ」 私たちの間で炎に焼かれながら、限界以上に口を開いてあらんかぎりの絶叫を絞り出す子ありす。 美しい光景だ。 子ありすの金髪が燃え上がり、溶けてゆく。 「なあ、れいむ」 「ゆあああああおぢびぢゃっ!!おぢびぢゃのがみがあああぁぁぁ!!」 「私は感動したんだ。お前が、命は尊い、かけがえのないものだと言ったとき。 お前たちのような無力な生き物にも、真実の尊厳が、魂の輝きというものがあるのだと感嘆した。 だが、れいむ。私は裏切られた。お前は私を裏切ったんだ」 バーベキュー用の金属の串を取り出し、とくに意味はないが、炎であぶる。 「命は尊いと言ったお前が………なぜ殺した? あんなにゆっくりしていた芋虫さんを、恐らくはお前よりも弱い体で辛い思いをしながら多くの子供を育てていた芋虫さんを、 お前はなぜ殺したんだ?」 「ごめんなさいいいいぃぃぃ!!」 涙を滂沱と吹き出させてれいむは詫びた。 金属の串の先端を、子ありすの口の中に突っ込む。 なるべく皮に近い部分、そして子ありすの顔面の中心を通るように、炎で熱された串がゆっくりと子ありすの体を貫いていった。 子ありすの絶叫。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!」 子ありすから手を放すと、顔面以外の皮膚が茶色く焼け焦げた子ありすが金串に貫かれてぶら下がる。 上顎から額を貫く金串にほとんど顔面の皮膚だけでぶら下がっているので、 顔面が中心でひきつって盛り上がり、とても面白い顔になっている。 「おぢびぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「なぜ殺したのかと聞いてるんだが?」 「おなががっ!!おな、おなががずいでっ………」 「私もおなかがすいているんだ。この子でおなかをゆっくりさせてもらうよ」 「あ゛ーーーーーっ!!あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーっ!!!!」 金串に挿したまま、子ありすを辛口のタレに漬ける。 ごぼごぼと口から空気(呼吸は必要ないはずだが)を吹き出し、全身にしみ込む辛味の苦痛にさらに子ありすが身悶える。 しばらくそうしてから引き上げ、そのまま子ありすをアルミホイルで包み、焼き網の上に置いて蒸し焼きにする。 金串に貫かれ、アルミホイルの中で高熱に蹂躙され、子ありすは元気よく歌いつづけていた。 「お前さえ命を大事にしていれば、私もこの子の命を助けてやったんだがなあ」 「ごべんだざい!!でいぶがばがでじだ!!でいぶがばぢがっでばじだ!!いのぢはだいぜづでず!! いぼぶじざんもだいじなだいじないのぢざんでず!!でいぶがげずでじだ!!ゆっぐじじでばぜんでじだ!! おぢびぢゃんだげはっ!!おぢびぢゃん!!でいぶをだべでぐだざい!!おぢびぢゃんだげはだべだいでぐだざいいい!! でいぶのっ!!でいぶのだがらぼどだんでず!!おぢびぢゃんがいながっだらいぎでいげばぜん!! おぢびぢゃんはわるぐだいんでず!!ぜんぶでいぶのぜいでず!!おぢびぢゃんはいのぢをだいぜづにじばずっ!! でいぶはげずだげどおぢびぢゃんはゆっぐじじでるがらっ!!おでがっ!!おでがいでずだずげでぐだざい!! いっじょうのおでがいでずがらおぢびぢゃんをだべだいでぐだざいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 私の足元にすがりつきながら鳴き続けるれいむの声を楽しみながら、子ありすの焼き上がりを待つ。 「そんなに元気に跳ね回って叫べるのも、芋虫さんを苦しめて殺して食べたからなんだよねえ。 謝るなら私にじゃなくて、芋虫さんにだろう?もうお前のお腹の中だけど、まだ聞いてくれるかもよ」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅ!!! ごべっ!!ごべなざっ!!いぼぶじざんごべんだざいいいいぃぃ!! ゆっぐじぶーじゃぶーじゃじでごべんだざい!!いだいいだいじでごべんだざい!! でいぶがわるがっだでず!!だぐざんおぢびぢゃんいるのにっ!!ごろじでごべんだざあいいい!! でいぶがっ!!でいぶはげずでずっ!!じぶんがいぎるだべに、いぼぶじざんをごろじだげずでずっ!! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ごべんね!!ごべんで!!ごべんでえええええぇぇぇ!!!」 「お前もバカだねえ。なんで殺して食べたりなんかしたの? いつものようにすればよかったじゃないか。いつものように、生き物じゃない食べ物を食べればよかったのに。 そうすればこの子だってこんな目に遭わずにすんだのに……なに?ちょっとスリルを楽しんでみたかったわけ?」 「ゆ゛んあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ごべんだざっ!!でいぶがうぞっ!!うぞづいでばじっ………」 「もしも!生き物を食べないってのが嘘だったら、私は怒ってしまうなあ。 あそこに残っている子まりさも食べてしまわないとなあ」 「!!!!」 「あと一日あるじゃないか。子まりさは残しといてやるからさ、あと一日がんばってみなよ。 今回は子ありす一匹のペナルティで見逃してやるからさ、引き続きお前のいつも通りの生活を見せてくれ。 れいむは嘘なんかついてないよな?命を大切にするんだよなあ?」 「……………!!!ゆ゛ぅぅぅぅぅ………!!!」 わかりきっている。このれいむに逃げ場なんかない。 私の休日も残りあと一日、目一杯楽しませてもらうつもりだ。 「さて、焼き上がったかな」 金串を持ちあげ、アルミホイルを破いて子ありすを出す。 全身がすっかり蒸し上がり、涙も枯れ果ててびくびくと痙攣していた。もちろんまだ生きている。 ふうふうと息を吹きかけて冷ましてから、底部からかぶりついた。 「ゆ゛ぎぃっ!!」 びくんと震える子ありす。 わかってはいたが、マズい。もともとゆっくりなんて人間にとっては甘すぎて食用に適さないし、 蒸し焼きにしたカスタード饅頭なんて期待するようなものでもない。 だが、顔をぐしゃぐしゃにして見つめている母親の顔が極上のスパイスとなっていた。ウマい! 私はそれから、カスタードが一気に漏れださないように巧みに持ち変えながら、 小刻みに少しずつ少しずつ、生きたまま子ありすを食べていった。 蒸し焼きにすることでカスタードクリームがある程度固まっていたおかげで長持ちし、 皮膚と顔をすべて剥がれて完全なカスタード玉になってからも、 ふたまわり以上小さくなるまでびくんびくんと震え続けていたのが面白かった。 動かなくなったのを機に中枢餡ごと飲み下し、れいむに声をかける。 「丹精込めて育てたおちびちゃん、おいしかったよ!!また御馳走してね!!」 「ゆ゛んぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 怒りと絶望に歪んだ顔をぶるぶると震わせて叫ぶれいむ。 普通は逆ギレし、自分を棚に上げて「ゆっくりしねぇ!!」と跳びかかるのがゆっくりだが、 道理のわかる善良な個体を選んだおかげで、自分に何の反論もできず慈悲を乞う権利もなく、 子れいむを人質に取られた今どんな逆ギレも命取りになることを理解している。 どうにもならない状況下に置かれ、ただただ叫ぶしかないゆっくりの表情ほどこたえられないものはない。 ああ、今回の虐待を思いついてよかった!! 「さて、ペナルティはおしまい。もう戻っていいよ、今度こそいつも通りの生活を見せてくれ」 「おぎゃーじゃん!!おぎゃーじゃあああん!!!」 透明な箱の壁に顔を圧しつけて泣き叫ぶ子れいむを見ながら、れいむは歯を食いしばってうつむいた。 「おっと、でもさっき芋虫さんを食べたからな。あと一日ぐらい食べないでガマンされちゃうかもなあ」 そう言い、私は用意してあった注射器を持ち出した。 「ゆ゛………?」 「ちょっと失礼しますよっと」 「ゆ゛びぃっ!!?」 れいむの腹部に注射器を差し、薬品を注ぎ込む。 「ゆ゛っ………ゆ゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅ!!?」 即効性の薬品だった。 ゆっくり用の下剤を注射されたれいむはとたんに脂汗を流して震えだし、 たちまちのうちに水っぽいぴーぴーうんうん、すなわち下痢便を吹き出す。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛!!?だべっ!!だべええ!! でいぶのあんござんででいがだいでえええぇぇ!!どまっでぇ!!うんうんどまっでよおおおおぉぉ!!!」 新鮮な餡子を持っていかれる激痛に叫びのたうちながら、れいむは景気よく茶色い下痢便を吐き散らしてくれた。 たっぷり三割の餡子を便としてひり出し、げっそりと痩せたれいむ。 「ゆ゛………あ………あ゛………あ………………」 「おーっと、すっかり痩せちゃったなあ。こりゃあ今すぐ食べないと本当に死んじゃうなあ。 でも大丈夫だよな!いつも通り、普通に食べればいいんだもんな。さあれいむ、頑張って狩りに出かけようか。 あ、明日の日没までに帰ってこなかったら、あの子食べちゃうから☆」 れいむは、私を見上げた。 その表情をビデオに撮っておかなかったことを、私はあとあとまで後悔したものだ。 ―――――――― れいむにはもう何もわからなかった。 何がいけなかったのか、なんでこうなってしまったのか、どうすればよかったのか。 そんなことを考える余裕さえなく、ただ意識にあるのは嵐のように吹き荒れる空腹と、可愛いおちびちゃんだけだった。 ほとんど見えない視界を頼りに、森を彷徨する。 道端の雑草を口にしようとした途端に、『ゆっくりしていってね』の声が聞こえた。 「………ゆ゛っ…ぐじじ、で……いっで、ね」 本能で返す挨拶はひび割れている。 れいむはすぐに「食糧」を探すことをやめた。 生きていない食べ物を探し回る時間はなかった。 「………………」 木々に囲まれた空間で、れいむは動かなくなった。 目の前にあるそれをじっと見る。 それは小石だった。 れいむは舌を伸ばし、それをつついた。 「……ゆっぐじ、じで……いっでね」 挨拶は返ってこなかった。 それを喜ぶ余裕もなく、れいむはそれを舌で掴みあげ、口に入れた。 今まで口にした中で一番硬質の、拒絶に満ちた味と感触が口内に広がる。 「……むー、じゃ……む………ゅげぇぇぇ」 異物感に堪え切れず、力なく小石を吐きだす。 一旦吐きだしたそれをじっと見つめながら、れいむは一筋の涙を流すと、再びそれを口に含み、 今度は一気に飲み下した。 「んっぐっ…………ゆっげええぇぇぇ!!」 本能は強烈だった。 ゆっくりの餡子はほぼなんでも消化し、餡子に変換してしまう、他に類を見ない消化機能を有しているが、 それでも限界はある。 食糧として認識できないものを体内に感知すると、すぐに嘔吐なり排便なりで吐きだそうとする強い本能がある。 とにかくなんでもいいから腹に入れて空腹をしのごうとしたれいむだったが、 悲しいかな、ゆっくりの体はそういう面で融通が利かなかったようだ。 土くれを掘り返して食った。 それも嘔吐した。 枯れ枝を噛み砕いて飲み込もうとし、口内がずたずたになった。 喉を痛めながら呑みこんだ枝も吐いてしまった。 そして今、れいむはそれを凝視していた。 ぼろぼろと涙をこぼし、再び反芻する。 どうしてこんなことになってしまったのか。 こんなことになる前に打つ手はなかったのか。 「……ゆっぐじ、いだだぎばじゅ………」 泣きながら、れいむはついにそれに口をつけた。 自らのうんうんの味は想像以上にひどいものだった。 空腹という調味料さえ、その悪臭を遮ってはくれなかった。 何度も飲み込み、何度もえずき、肉体を叱咤しながら、れいむはそれを必死に呑みくだして体内に入れた。 口内に頑固に残るうんうんを水で洗い流すこともできず、その悪臭はずっとれいむを苛んだ。 もはや1グラムの餡子も無駄にできなかった。 古くなって排泄される餡子――吐瀉物と大小便を、排泄したはしから再び体に取り込んだ。 ゆっくりできないげろげろとうんうんを無理矢理飲み込まされた体は反乱を起こし、 なおさら頻繁に苦痛を伴う排便が行われ、れいむの体力を確実に消耗させていった。 それだけやっても、体内の餡子は一切増えない。 排出した餡子を再び取り込むことで餡子の総量はそう変動しなくなったが、 古くなって質の悪くなった餡子の割合は時を追うごとに増加し、れいむの身体機能を奪ってゆく。 一刻の猶予もならなかった。新しい餡子を補給しなければならない。 食欲と母性がれいむを突き動かしており、それ以外の理性はすべて沈黙した。 ぶるぶると震える自分のもみあげを、れいむは見つめた。 それをそういう意識で見るのは生まれて初めてのことだった。 そんな時がまさか来ようとは想像してみたことさえなかった。 ぎゅっと目をつぶり、ついにれいむは自分のもみあげにかぶりついた。 激痛が意識を染め、視界に星がちらつく。 ゆっくりにとっての髪は、人間にとってのそれとは全く異なり、一度抜ければ二度と生えてこない。 そしてもみあげ部分に限ったことだが、任意に動かせる。 ゆっくりのもみあげは、むしろ人間にとっての手足に対応すると考えていい。 つまり、もみあげを千切るということは、肉を裂き骨を砕いて腕をむしり取るのと同じことなのだ。 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ぎぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ!!!!」 れいむは叫び、泣きわめき、それでも何度も何度ももみあげに噛みついた。 少しずつ少しずつ食い千切っては咀嚼し、飲み下す。 味を考えている余裕はなかった。ただ、ほんの少しずつでも空腹が満たされていくのがわかり、 この世のものとは思えぬ苦痛を代償に、れいむはわずかなゆっくりを手に入れていた。 口が届く範囲の髪を食べ尽くしてしまうと、後頭部や頭頂部の髪を食べるべく、 木の幹に自分の体をごしごしと擦りつけ、髪をそぎ落としにかかった。 木の皮に皮膚が擦られてところどころに餡子が滲んだが、 それ以上に粗い木肌に擦られて髪がそげ落ちていく激痛はれいむをのたうち回らせた。 それでも空腹は容赦してくれず、次の食糧をひっきりなしに求めた。 まだか。 まだか。 まだ日は落ちないか。 約束の日没まで堪え切らなければならない。生き抜かなければならない。 道端に突き出している枝に片目を突き刺してえぐり出し、それにむしゃぶりついた。 もはや痛みとすら呼べないほどの激痛と引き換えに得られるのは、一時間も持たない、ほんのひとときの気休めだけだ。 まだ何かないか。何かないか。 上唇に噛みつき、食いちぎった。 歯で挟める範囲の皮膚は、すぐにあらかた食ってしまった。 自らの体を食い千切るたびに、激痛に流れ出す自分の涙すら、れいむは必死にぺーろぺーろと舐め取った。 唇をすべて食い、口の周りの歯茎が剥き出しになり、ぽたぽたと餡子がしたたる。 これ以上皮は食べられなかった。体内の餡子が多く漏れだしてしまう。 歯を砕いた。 道端の石に突進して、剥き出しになった歯を叩きつけた。 歯を砕く痛みはそれまでの苦痛をしのぐものだった。 一度体当たりするだけで、れいむは苦痛に叫びのたうち回った。 それでも、二本の歯にようやく罅が入っただけだ。 泣きながら、叫びながら、れいむは体当たりを繰り返した。 髪を食い尽くし片目をえぐり出し唇を飲み下し歯まで砕き呑みこんだた今、 食べられるものはもう、一つしか残されていなかった。 お飾りのリボンをはずし、れいむはぼろぼろと涙をこぼした。 どれだけ泣いても涙が枯れないのが自分でも不思議だった。 すべて食べ尽くすわけにはいかない。 お飾りをなくせば、愛しい我が子が自分を判別できなくなる。 それでも、もう他に食べられるものはない。 ようやく少しうす暗くなってきた空を見上げながら、 食糧を求めて暴れ回る腹をなだめ、かすむ視界を回復させるために、れいむはリボンにかぶりついた。 歯のなくなった口で、少しずつ溶かしていくようにリボンを食いちぎってゆく。 子供が判別するために、少しだけ、ほんの少しだけ………… 「ゆ゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーっ!!!」 命よりも大事なお飾りを、ただその日の食事のために自らの手で削り取ってゆく絶望感。 れいむは一際長い叫びをあげた。 ―――――――― 「さすがに引くわー」 夕暮れの中、庭に現れたそれを見て私は苦笑した。 全身擦り傷だらけ、片目は抉りだされて空洞となり、唇を失って歯茎が露出し、 でこぼこになった頭部にはほとんど髪がない剥げ饅頭。 その口には、真ん中の結び目の固まりだけが残ったリボンが咥えられている。 引いてはいたが、この結果に満足してもいた。 今までさまざまな虐待を実行してきたが、 生きるために自らの体を喰えるだけ喰らうまで追い詰められたのは今回が初めてだ。 ゆっくりの意思の強さも馬鹿にはできない。もちろん、あらかじめそういう個体を選んだ上でのことだったが。 改めて思う。 正しく生きようとする姿の、なんと滑稽なことか。 「………あ゛………あ…………あ゛……………あ゛ぁ……………」 消耗しきったれいむは、もはや言葉を喋る気力もないらしかった。 縁側に座る私は、れいむが足元に這い寄ってくるまで待ってやった。 ようやくたどり着いて私の顔を見上げてきたところで、私は子れいむを掴みあげて言った。 「やあ、れいむ。間にあったようでうれしいよ。よかったな!」 「ゆ゛………おぢ、び………ぢゃ………だじゅ………」 「これからこの子を殺すところだったんだ。特等席でゆっくり見ていってくれ!」 一つだけ残った右目がいっぱいに開かれた。 真っ赤に血走ったその目の瞳は瞳孔が開き、点のように小さくなっている。 初めて会ったときのゆっくりした笑顔は見る影もない。 れいむは叫びだした。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ゆ゛あ゛があ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーっ!!!」 「あれ、どうしたんだい?私は約束通り事を進めようとしているだけだよ。 なあ、れいむ。私はこう言ったんだよ、「普段通りの生活を見せてくれ」ってね。 それなのに君は見せてくれなかった。そこまでして、普段何を食べているのか隠したかったのかい?」 「ごろっ!!ごろじゃながっだっ!!なにぼごろざながっだあああああ!!!」 「ああ、命を大切にしているのはわかったよ。で、何を食べてるんだ? この二つの問いは同じことだぞ、れいむ。 すべての生き物は、殺さなければ生きられない。そういうふうにできているんだ。 人間も、獣も、微生物に至るまで、他の生物を消費し取り込んで生きている。 お前たちゆっくりが、なにも殺さずに生きているとすれば、それは完全な理想郷に生きているということだ。 なあ、私は本気で思っていたんだ、ゆっくりがそんな生き物だとしたら、私たちはゆっくりに学ばなければならないと。 さあ、お前は、何を食べて生きているんだ?」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「目を抉り、髪を飲み下し、歯を砕き、お飾りをむしり―― まさか、普段からそんな食生活でしたなんて本気で主張するつもりじゃないよな。 それだったら、お前もおちびちゃんもとっくに死んでいるはずだもんな」 「がん……ばっだっ!!がんばっだどに!!でいぶ!!でいぶごろざだいでがんばっだどにいいいいいい!!!」 「ああ、頑張ってたな。だから?」 私は用意してあった二つの水槽を指し示した。 「君たちのために、とっておきのラストステージを用意しておいたよ、れいむ」 「ゆ゛っ…………?」 二つの水槽の中には、それぞれ土が一杯に詰まっていた。 「まずは、あんよをもらうよ」 変わり果てた母親の姿を見てぶるぶる震えている子れいむを掴みあげ、 バーベキュー用の鉄板に載せて焼く。 「ゅあ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「おぢびぢゃああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 子れいむのあんよがこんがり焼き上がったところで、母親も同じように処置する。 「おぢびぢゃん!!おぢびぢゃん!!おぢびぢゃん!!おぢびぢゃ!!おぢびぢゃおぢびぢゃっおぢびぢゃああああああ!!!」 れいむはなんとも面白い悲鳴を上げるようになっていた。 さすがに私にもわかった、このれいむはもう全てをあきらめている。 ただ、最後におちびちゃんと会えたこのひと時を、死ぬまでに目一杯味わっておこうというつもりらしい。 ひたすら我が子を見つめ、我が子を呼び、我が子のこと以外を意識から追い出そうとしているようだった。 私とて鬼ではない。最後の救いまでは取り上げるつもりはなかった。 「さあ、おちびちゃん、れいむ。これから君たちのおくちを塞いじゃうよ」 絶望の表情で私を見上げる子れいむ。この子も、小さいなりに実に深みのある表情を見せるようになった。 「お話ができるのもこれで最後だ。お母さんに、最後に何か言うことはあるかな?」 「…………………!!!」 ぼろぼろと涙としーしーをこぼし、もみあげをわさわさと震わせながらじっと私を見たあと、 次に変わり果てた母親を見やり、子れいむはぎゅっと目をつぶった。 やがて目を開き、涙をいっぱいにたたえた満面の笑みで叫んだ。 「おきゃーしゃん………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」 「おぢびぢゃん!!おぢびぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!!」 今回の虐待は素晴らしい結果に終わった。 帰りの車内で、私はにやにや笑いを止められずにいた。 来週にでも、またここに戻ってこよう。 その時に、録画モードにしてあるビデオの中身をゆっくりと楽しませてもらおう。 「命の大切さ」などと、人間にも手に余る矛盾に満ちた命題を身の程知らずにもふりかざすようになったゆっくり。 それを口にすることはどういうことか、その身の丈でも理解できるように突きつけてやった。 気分爽快。 本当に命を大切にする生活を強いた結果、実に滑稽な末路をたどることとなった。 「命が大切」などと寝ぼけたことを言えるのは、自分の手で殺す必要がなく、殺される心配もほとんどない、 地上最強の生き物だけなのだ。 都合の悪い事実には耳をふさいで聖者を気取り、眠たいお伽噺を子供たちに吹き込めるのは、 人間が地上最強の地位にあり、あらゆる生殺与奪をその手に握って、 その欺瞞に異を唱えることができる存在、天敵が存在しないから浮かれていられる、ただそれだけのことなのだ。 残念ながら、ゆっくりには人間がいる。 欺瞞もごまかしも許さず、矛盾なき解答を迫れる上位の存在がいる。 人間にはいない。 そう、ただそれだけのことなのだ。 それを見誤ったゆっくり。 問題の本質もわからずに右往左往するその滑稽さは、今も昔も、わたしの興を掻き立て続けてくれる。 私は速くも、次の虐待プランを練り始めていた。 ―――――――― 「…………!!…………………!!」 「………!!…………!!…………………………!!!」 れいむ親子は、ガラスの壁を隔てて見つめ合っていた。 向かい合うように設置された二つの水槽、それぞれに親と子が入れられている。 お互いの様子がじっくりと観察できるように、壁面に触れんばかりの位置に置かれた。 二匹ともほぼ同じ状態だった。 あんよは黒く焼き焦がされ、口はハンダごてで溶接され、目は瞼を切除されて閉じられず、 一切の身動きがとれないまま泣きながら黙って見つめ合うしかなかった。 カリ…… 足元の感触に、二匹はびくんと身を震わせる。 水槽に詰められた土は、蟻の巣だった。 この土の下に、何百匹もの蟻が蠢いている。 『命を大切にする君たちに用意してあげた、これが最後の晴れ舞台さ。 君たちたった二つの命が、沢山の、沢山の命の糧になれるんだ。 自分たちのみじめな餡子が、輝ける無数の命の糧になる、その様子をじっくりと楽しめるように配慮しておいた。 嬉しいかい?嬉しいだろう?笑えよ。どうして笑わないんだ? ――ゆっくりしていってね!!』 足元の焦げ付いた黒い皮を、蟻たちが探っている。 ひび割れたあんよの隙間から、やがて蟻たちは侵入してくる。 普段なら歯牙にもかけず踏み潰し喰らっていた蟻たちを、 口をふさがれ身動きのとれない今はどうすることもできない。 違和感が痒みになり、痒みは痛みになり、痛みは激痛になり、激痛は狂乱となる。 根気よくかじってこじ開けた隙間から蟻たちは体内に侵入し、 少しずつ、少しずつ、れいむ達の餡子を削り取っていった。 「!!! !! !!!! !!!!!!」 体の小さい子れいむのほうが、必然的に惨状の進行は早かった。 涙を溢し、眼球をぐるぐると回し、全身から脂汗をたらし、激痛にぐーねぐーねと狂い悶えた。 蟻は内部から食い荒らしているため、外見上はとくに変化はなかったが、 それでも我が子の苦痛を思い、れいむは涙を流して凝視した。 自らの体が激痛に苛まれ始めたころには、子れいむは死に瀕していた。 体の表面を無数の蟻が這いまわり、体内にはその数十倍の蟻が蠢く。 目の隙間から、しーしー穴やあにゃるから、蟻がひっきりなしに出入りしていた。 蟻たちに押し上げられ、眼球が不規則な動きを見せる。 左目がこぼれ落ち、開いた眼窩からぞわりと無数の蟻が蠢き出た。 それでも、子れいむの死にはまだまだ時間がある。 体内のほとんどの餡子を失うか、中枢餡が完全に破壊されるか。 どちらかの条件を満たすには、小さな蟻たちの進行はあまりにも緩慢だった。 もうなにも考えられなかった。 二匹のれいむ親子は、互いに見つめ合いながら踊り続けた。 いつまでもいつまでも、その身を苛む嫌悪感と激痛に踊り続けた。 その脳裏に、やはり蟻たちの命を思う思考はなかった。
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律「おりゃあ!」 もみゅん 紬「きゃぁん!?」 律「うお~!やわらけ~!」 紬「ちょ、ちょっと!?りっちゃん!?んんッ!」 もみもみもみもみもみもみもみもみ 紬「やめ…て、やめてぇ…!」 律「だってさ~、こんないいおっぱいがめのまえでぷるんぷるん…」 もみゅもみゅ 紬「だ、だからってぇ…あっあッ、んんん!」 律「いやあ、すえぜんくわぬはおとこのはじだし…」 ふにふにん、ぐにん 紬「あ、あなた女の子…やん!」 律「むぎはかんじやすいんだな~♪ほれほれ~♪」 紬「(こ、これは…仕返しなの…?)」 律「うはっ!ちくびたってる!」 紬「やぁ~…」 律「あはははは!すごいすごい!」 くりくりくりくり 紬「だめぇ…そこは…だめなのぉ…」 くにくにくりくにくりくりくにくり 紬「(駄目…本当に駄目…このままじゃ…)」 律「どうだ?たいなかしきマッサージはきもちいいか~?」 紬「も、もう…やめ…んんんんッ!!」びくんびくん 律「ひゃっ!?えっ!?え!?ま、まさかいま…」 紬「(イかされた…おっぱいで…イかされちゃったぁ…)」びくん 紬「りっちゃんの…ばかぁ…」 律「ご…ごめんなさい」 紬「な…なんでこんなことするのよぉ…(やっぱり仕返し…?)」びくん 律「いや、その…みおにやってるのとおなじのりで、つい…」 紬「澪ちゃんと…?(やっぱり今でもお風呂に入ってるのね…!)」 律「いや、しかし…おんなのこにさわられてイっちゃうとはおもわなくて…」 紬「い、言わないで…恥ずかしい…!」 律「あ、ごめん!ごめんな…ほんとにごめんな…」 紬「…秘密よ?」 律「え?」 紬「りっちゃんとお姉ちゃん…二人だけの秘密だからね?」 律「う…うん!わかった!ひみつひみつ!」 紬「はふぅ…(悪くないかも…)」 紬「はぁ…」 律「だいじょうぶか?」 紬「うん…少し落ち着いたわ…(じゃあ、今度は下のほうを…)」 律「わたし、さきにおふろはいってるから!」 紬「えっ!?でも」 律「ごめんな。もうわたしがあらわないほうがいいもんな」 紬「う、ううん、そんな…そんなこと…」 律「とうっ!」 じゃぶん!! 律「うははっ!ひろいひろい!むぎもはやくあらってはやくこいよー!」 紬「う、うん…(残念だわ…罪悪感を持たせるべきではなかったわね…)」 ガチャッ 律「はあ~、さっぱりした~!きもちよかった!な?」 紬「うん、そうね♪(若干悶々としてるけどね…)」 律「あんなにおふろがひろかったら、まいにちたのしいだろうな~」 紬「…そうでもないわよ」 律「…そうか?」 紬「ええ。たとえ狭くても…今日みたいに誰かと一緒に入るほうが何百倍も楽しいわ!」 律「そっか。そうだな!」 紬「ふふっ、ええ♪」 律「たしかにきょうもたのしかったし、みおといっしょにはいるときとかもたのしいもんな!」 紬「………」イラッ そのころ秋山家では 澪「あー、ぜんぜんいい歌詞が思いつかないよ…」 澪「律のやつ、大丈夫かな…」 澪「…もしこのまま律が元に戻らなかったら…また小学生からやり直すのかな…?」 澪「一緒に学校生活を送ることも、一緒に卒業することも…できないのか…」 澪「そんなの…そんなの嫌だよ…」 澪「私は…私には、律がいないと…駄目…!」 澪「あ…!か、歌詞が浮かんだ…!」 澪「えっと…律がいないと…何もできないよ…律のご飯が…食べたいよ…」カリカリ 澪「うん…悪くないかも!」 …… ガチャッ 律「たっだいま~!」 紬「うふふっ、ただいま~!」 律「おふろもはいったし、いまからはじゆうじかんだな!あそぼう!」 紬「ふふふっ、そうね♪あ、でもその前にお勉強もしないと…」 律「あぅ…おねえちゃん、ぼくなんだかすごくねむいんだ…」 紬「あっ!こ~ら~♪…あら?…あっ、りっちゃん、さわ子先生からメールが来てるわよ?」 律「さわちゃんから?なんだって?」 紬「ええと…『りっちゃんのご両親に話はつけました。しばらくは大丈夫のはずです。』」 律「おお!さすがさわちゃん!」 紬「『体が元に戻ったら家族会議になると思うので、覚悟するよう言っておいて下さいね☆』…だって」 律「…かぞくかいぎってなんだよ!あのメガネ!どんなせつめいしたんだよ!」 紬「修羅場修羅場~♪」 そのころ山中家では さわ子「りっちゃんのお父さん泣いてたわね~」 さわ子「高校生なんだからそんなに珍しいことでもないでしょうに…」 さわ子「私が現役の頃なんか…もう…こう、ね…」 さわ子「…はあ、人肌が恋しいわ…」 さわ子「…寝よう」 …… 律「…うー…」かくん、かくん、びくん 紬「りっちゃん眠たそうね…」 律「うん…やっふぁ……ころもだからかなあ…ふあああ」 紬「まだ十時ちょっとなのにね…」 律「うん…」かくん、かくん、かくん、びくん! 紬「(可愛い…!)」キュォン! 紬「じゃあ、今日はもう寝ましょうか。色々あって疲れもたまってるでしょうしね…」 律「うん…ごめんなー…むぎ…」うつらうつら 紬「ふふっ、気にしないで~♪」 律「えっと…わたしはどこでねるの?」 紬「そうねえ…私のベッドで一緒に寝ましょうか?」 律「うん…おねちゃんと…いっしょ…」 紬「(…録画したいわ…)」キュキュキュン! 紬「じゃあ、電気消すわね」ピッ 律「うん…」 紬「じゃあ、りっちゃん、おやすみなさい」 律「おあすみー」 紬「もし夜中におトイレに行きたくなったら、遠慮しないで私を起こしてね?」 律「うんー…わかったよ…おねえちゃん…」 紬「(ほぼ無意識的に私をお姉ちゃんと呼んでくれてる…嬉しいっ…!)」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「りっちゃん、子守唄でも歌いましょうか?」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「りっちゃんは…好きな子とかいるの?」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「おう田井中~、怖い話しようぜ~♪」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「…ちぇっ」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「…全然眠れる気がしないわ…」ちらっ 律「…すぅ…すぅ…」 紬「……可愛いなあ…」ゴクリ 律「…すぅ…すぅ…」 紬「………」ごそごそ パシャッ! 紬「…みんなに送信しちゃおっと」 律「んん…」 紬「!?」 律「ん…」ごろん 紬「た、単に寝返り打っただけか…びっくりしたわ~」 律「ぅん…」ごろん 紬「………」はぁ、はぁ、はぁ… 紬「どうしよう…また悶々としてきちゃったかも…」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「…えい」 ぎゅっ 律「…んっ…ん…ぐ…」 ぱっ 律「んふー…すー…ふすー…すぅ…」 紬「鼻をつままれてもまるで起きる気配がないわ…」 紬「…よし!」ゴクリ 律「…すぅ…すぅ…」 もぞっ 紬「………」ふるふるふる… 律「…すぅ…すぅ…」 紬「……んんん…」ふるふるふる… ちゅっ 紬「はうん!」がばっ 紬「(う、奪ってしまった…りっちゃんのくちびるを…奪ってしまったわ!)」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「も…もう一回…!」 紬「…い、いきます!」 律「…すぅ…すぅ…」 紬「……はあっ…!」 ちゅっ ちゅぅぅ~っ 紬「んっ…んん…」 律「…んぅ…ん…」 紬「……んはっ!」ちゅぽん 紬「はぁ、はぁ、はぁ…」 律「ん……すぅ…すぅ…」 紬「すごい…キスって…気持ちいい…!」 紬「も、もう一回かましてやろうかしら…!」 律「ぅうん……んにゃ…むぎ…?」 紬「ほえっ!?り、りっちゃん!?お、起きちゃったのかしら!?」 律「んむぅ…さむい…」もぞもぞ ずりずり ぎゅぅっ 紬「えっ!?ちょ、ちょっと…ええっ!?」 律「えへへ…おねえちゃんあったかい……すぅ…すぅ…」 紬「りっちゃん……そうよね…うん!私ももう寝ましょう!」 紬「おやすみなさい、りっちゃん♪」ぎゅっ 紬「ふふっ、りっちゃんやわらかくてあったかくて…すごく抱き心地がいいわ~♪」 紬「(…お尻ぐらいなら揉んでも…いやいやいや)」 そのころ平沢家では 憂「ぐぅ…ぐぅ…」 唯「ういー、もう寝ちゃった?」 憂「ん…あ、お姉ちゃん…どうしたの…?」 唯「えへへ…あのさ、今日は一緒に寝てもいい?」 憂「え?あ、うん、いいよ!一緒に寝よう!」 唯「わ~い!おじゃましま~す!」 憂「いらっしゃいませ~!」 唯「えへへ~、あったかあったか♪」 憂「あったかあったか♪」 唯「………むふふん♪」 ぷにん 憂「きゃん!?え!?お、お姉ちゃん!?」 唯「あはぁ~!ぷにぷに~♪ほれほれ~♪」 憂「ちょ、ちょっと!あん!お、おねえちゃ…んッ!なにして…」 唯「女と女が一つベッドの中ですることといえば…決まってるじゃ~ん♪」 憂「き、決まってないよぉ…やぁっ!そ、それに…なんでこんな、急…に…」 唯「今日ロりっちゃんがね、『お前は憂ちゃんをかわいがってあげなさい!』って言ってたのを思い出したんだよ~♪」 憂「そん…なぁ…あんッ!」 唯「今夜は寝かさないぜ、仔猫ちゃん☆」 憂「やぁぁ~ん!(律さんありがとう…)」 憂『その日、私はお姉ちゃんにたくさん触られました』 …… ピリリリリッ、ピリリリリッ、ピリリリリッ 紬「ん…んん……ふはぁ…んんん~っ!…はあ、よく寝たわ~♪」 紬「ほら、りっちゃん起きて?もう朝よ?」 律「う…ん……んぁ…あ…あれ?ここ…どこ…?」 紬「え?」 律「ふああ!?どこ!?ここどこ!?おうちじゃない!どこ!?こわいよ!!こわいよ!!」 紬「ちょ、ちょつとりっちゃん!?落ち着いて!大丈夫よ!ここは私の部屋よ!?」 律「あっ!?あ…ああ、そうだった……」 紬「どうしたの?だ、大丈夫…?」 律「あ、うん…ごめんな。いつものくせで」 紬「(そんな癖あったかしら…?)」 律「うん!めがさめた!おはよう、おねえちゃん!」 紬「あ、うん!おはよう、りっちゃん!よく眠れた?」 律「うん!なんだかあったかくてやわらかくて、すごくきもちよかった!」 紬「うふふふふ、私もよ~♪」 紬「さあ、顔を洗ったら朝ごはんよ~♪」 律「は~い♪」 ガチャッ 斉藤「お早うございます、紬お嬢様。律お嬢様」 紬「おはよう、斉藤」 律「おはようございます!さいとうさん!」 斉藤「…さ、さあ、朝食の準備ができておりますよ…」キュン! 律「うわあ~!あさごはんもごうせいだなあ~!」 紬「ふふっ、たくさん召し上がれ♪」 律「はーい!いっただっきま~す!」 紬「それで、これからのことなんだけど…」 律「んむ?」もぐもぐ 紬「斉藤、例の件は?」 斉藤「は。万端整いましてございます。10時には始められるかと」 紬「そう。ありがとう。…りっちゃん、今日は手配は済んだわ」 律「てはい?」もぐもぐ 紬「ええ、言ったでしょう?りっちゃんを元に戻す方法を探すって」 律「あ…うん」もぐもぐ 紬「琴吹家選りすぐりの科学精鋭部隊を手配したから、今日は検査を受けてもらうわ」 律「けんさか~。なんだかこわいなあ」 紬「ふふっ、大丈夫よ。斉藤が全て面倒を見てくれるから」 斉藤「は。私めに全てお任せくださいませ」 律「う、うん…」 紬「…やっぱり私も今日は学校を休もうかしら」 律「あ、ううん!だいじょうぶだよ!わたし、ひとりでもへいき!」 紬「でも…」 律「しんぱいいらないよ!だから、おねえちゃんはがっこうにいってだいじょうぶだよ!」 紬「りっちゃん…そうね、りっちゃんは強い子だものね!」 律「うん!わたしはつよいこ!」 紬「うふふっ、いい子、いい子…あぁ、手が届かない!!」 紬「……というわけで、今日はりっちゃんはお留守番してるの~♪」 6
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約束しよう 25KB 【注意】 冗長です ネタ被りはご容赦を 初夏のある日、うちの畑にゆっくりが入り込んでいた。 「おい」 「ゆ゛!?」 「何やってるんだ、お前ら」 「ごべんだざいいいいいいいいいいいいい!! でいぶはどうなっでもいいがら、おぢびぢゃんだぢだげでもだずげでぐだざいいいいいいいいいい!!」 声をかけたら、返事がこれだった。 【約束しよう】 逃げようとするでも無くの、突然の敗北宣言に少々面食らった俺は、こいつの話を聞いてみることにした。 「悪いってわかってるのにどうして来た?」 「じがだながっだんでずうううううう!! おぢびぢゃんだぢのだべにぼ、おやざいざんぼじがっだんでずうううううう!!」 「ゆわああああああああん!! おがあざんじんじゃやだあああああああああああ!!」 「おでがい、おがあざんにひどいごどじないでえええええええ!!」 「わかったわかった、話次第じゃ許してやるから耳元で大声出すな」 「ゆ……ぼんどに?」 見つけたときから、こいつの様子は少し変だった。 今まで畑を荒らされたときは、ゆっくりどもは脇目も振らずに野菜を食い漁っていた。 俺に気付かずに潰されたやつも多いくらいだ。 それが、こいつは野菜を前にして、何もせずにじっとしていた。 一緒にいた子ゆっくりたちも、親を見上げてじっとしていた。 ゆっくりを潰すとゆっくりの死臭が付くらしく、その日は我が家で飼っているちぇんが怯えて仕方が無い。 何もしないで帰るなら──今までそんなことは一度も無かったが、手を出さずにおくつもりだった。 が、いつまでも動かないこいつらを眺めているのにも飽きて、冒頭のやり取りになったというわけだ。 れいむは森の奥で群れのはずれに暮らしていた。 まりさと番になり、子供も生まれた。 れいむとまりさが1匹ずつの、とてもゆっくりした赤ちゃんだ。 ここまでは幸せだった。 ところが、子供が育っていくにつれ、餌が足りない日が多くなった。 日に日に増していく子供たちの食欲に、まりさの狩りでは追いつかなくなったのだ。 小さい子供たちを狩りに連れて行くにはまだ早い、だかられいむは巣の近くで取れる餌を集めるようになった。 だが、いくられいむが集めても、満足できるだけの量には届かない。 れいむが頑張る分だけ、まりさが手を抜くようになっていたのだ。 それにれいむがはっきりと気付いたときには、まりさは自分で食べる分しか取ってこなくなっていた。 れいむは決して狩りが下手ではないが、子ゆっくり2匹の旺盛な食欲を賄えるほどではない。 最初はれいむの分まで子供たちに与えていたが、するとれいむが満足に動けなくなり、かえって餌が足りなくなった。 れいむの群れにはドスがいる。 ドスに頼ることも考えたが、すっきり制限を破って内緒で子供を作ったれいむを、ただ助けてくれるとは思えなかった。 近所のありすやぱちゅりーに相談したが、信じてもらえなかった。 外面は優しいまりさが、れいむの話とあまりにも違いすぎていたのだ。 まりさにどれだけ懇願しても、ゲスの本性を現したまりさは話を聞かなかった。 それどころか、れいむにも子供にも暴力を振るっていった。 子供たちはまりさを怖がり、れいむの狩りに付いてくる。 子供を連れては、群れの皆の目に付くような場所では狩りが出来ない。 皆がいないような場所は、餌が無いから誰もいないのだ。 ますます餌に困っていくスパイラルに落ち込み、とうとう人間の畑にやってきた。 畑を荒らしたときの人間の恐ろしさは、ドスに散々教えられている。 だから、今まで見たことも無いご馳走を前にしても、恐怖で食べることが出来なかった。 まりさからの虐待で親の態度に敏感になっていた子供たちも、れいむの様子を察して野菜にかぶりつくことが出来ない。 そうして悩んでいるところに俺が来た、ということらしい。 「どうしてそんなにされてまで巣に帰るんだ? まりさが怖いんじゃないのか?」 「ゆぅ……。 おうちがないと、おちびちゃんたちがゆっくりできないよ。 だけど、ほかにおうちにできるばしょがなかったよ。 まりさはこわいけど、れいむのおうちはあそこしかないんだよ…」 何ともまあ、のんきな饅頭だと思っていたが、ゆっくりにもこんな泥臭い話があったとは。 俺は家でちぇんを飼っているくらいなので、決してゆっくりが嫌いではない。 だからと言うか…このれいむにちょっと同情してしまったのだ。 畑の脇の切り株に腰掛け、れいむを抱え上げて膝の上に乗せる。 土埃が付くが、もともと野良仕事のための格好なので、気にすることもない。 「なあ、れいむ。人間の畑に入ったのは悪いことだ。わかるな?」 「……わかるよ。でも! わるいのはれいむだよ! おちびちゃんはゆむぐっ!?」 「話は最後まで聞け。 れいむは悪いことをした、だから罰を受けてもらう。いいか?」 「むぅ……」 足元では、まだ拳ほどの大きさの子ゆっくりたちが、母を助けようと体当たりをしている。 そんなもの当然効きはしないので、無視して話を進める。 「れいむに与える罰は、俺の畑の番だ。ほかのゆっくりに荒らされないようにな」 「むぐ?」 「れいむが逃げないように、子供たちは俺の家の中に入れておこう。 飢え死にされても困るから、餌くらいは用意してやろう。 期間は子供が自分で狩りが出来るようになるまでだ。 いいな?」 そこまで言って、れいむの口をふさいでいた手を離してやる。 れいむは呆けたように俺を見上げている。 子供たちも体当たりを止め、れいむを見上げている。 「……いいの?」 「いいも何も、これは罰だ。絶対にやってもらうぞ」 そう答えて、ぽん、とれいむの髪に手を置くと、れいむはぼろぼろと涙をこぼし始めた。 「ゆっぐじおでがいじばずうううううううううぅぅぅぅぅぅ」 「お前がちゃんとやれば、俺も約束は守る。頑張れよ」 「にんげんざんありがどうございばずううううううぅぅぅぅぅ」 それかられいむと子ゆっくりの合わせて3匹を交えての生活が始まった。 朝は俺とちぇん、れいむたちで朝食を取る。 もともとちぇんの餌も間引いたクズ菜を野草でかさ上げしたものだったので、れいむたちにも同じものを与えた。 それでもれいむたちにはご馳走だったようで、大喜びで食べていた。 朝食が済めば、子供たちはちぇんに預け、俺とれいむは畑に出る。 俺は畑を耕したり、草むしりをしたりと、畑の手入れをする。 その間、れいむは切り株の上に乗り、畑を荒らすゆっくりがいないか見張りをさせる。 ゆっくりが来ようものなら、あの騒がしさで俺もすぐに気付く。 だからこれはままごとの様なものなのだが、それでもれいむは真剣に辺りを見張っていた。 昼になれば家に戻って飯を食い、日が暮れるまで働いたら風呂に入り、飯を食い、床についてまた明日だ。 俺にとってはいつもと変わらない、ちぇんにとっては友達が増えただけの日々。 だがれいむ一家には、久し振りのしあわせーな日々。 そんなものが終わるときはあっけなかった。 「う…」 れいむがうちに来てから半月ほど経ったその日、俺は朝から腹の具合が悪かった。 「ゆ? おにいさん、だいじょうぶ?」 「あまり大丈夫じゃない…厠に行ってくる」 伸びをして見送るれいむに手を振りながら、俺は畑を後にした。 そうして四半刻ほど厠で脂汗をかき、ようやく痛みが治まった頃。 どんっ! 「おうっ!?」 突然厠の戸が音を立てた。 「おにいさん、たいへんだよ!」 「あ、ちぇんか?」 「おちびたちがでていっちゃったよ! ゆっくりしないででてきてほしいよ!」 「何?」 急いで始末をして、洗っていない手で嫌がるちぇんを抱えながら畑に向かった。 ちぇんが言うには、子供たちは突然れいむを呼びながら畑に向かって飛び出していったらしい。 「おにいさん! あそこ!!」 ちぇんに言われるもなくわかっている。 見ている先は、れいむがいた切り株。 上に載っていたはずのれいむは地面に落ちている。 大した高さでもないのに、潰れて餡子を撒き散らして。 おそらく、隣にいるゆっくりまりさの仕業だろう。 そいつが今、子供たちに飛びかかろうとしている。 「げすはゆっくりしぶぇえええええええええええええええ!?」 まりさが明後日の方向に吹っ飛んでいく。 俺の蹴りが間に合ったのだ。 「大丈夫か、お前ら?」 「ゆわああああああああああん!! おがあざんがあああああああああ!!」 「おがあざあああああああん!! ゆっぐりじでよおおおおおおおお!!」 子供は大丈夫そうだ。 だが、れいむは手の施しようがなかった。 体が何ヶ所も大きく破れ、すでに餡子を半分ほども失っている。 今から傷をふさいでも助からないだろう。 「おに……ざん…」 「なんだ、れいむ?」 「ごべ…ざい…はだげ…おやざ…ざん…」 「それはいい。子供たちと話してやれ」 まりさが荒らしたのだろうが微々たる物だ。 そんなものの謝罪よりも、子供たちとの最後の時間を大事にしてやりたかった。 「れ…ぶ……ばり…ざ…」 「おがあざん!! じんじゃやだよおおおおおおおおおお!!」 「じなないでよおおお!! ゆぐっ、ゆええええええええええ!!」 「おに…ざんの…いうごど…ぎ…で……ゆ…ぐりじで…でね…」 「ゆびゃあああああああああああああ!!」 「ゆびぇえええええええええええええ!!」 子供たちにも、れいむが助からないことがわかっているのだろう。 嗚咽ばかりでもはや言葉になっていない。 「…に……ざ…」 れいむの視線がこっちを向いたことで、俺に話しかけていることに気付く。 「わがばば…い…で……ごべ…ざ……おぢび…ぢゃ……だぢ…」 「わかった、子供たちのことは心配するな。約束する」 それで力を使い切ったのだろう。 れいむは目を閉じ、二度と開かなかった。 「やぢゃああああああ!! おぎでよおおおおおおおおおお!!」 「ゆびっ…おがぢゃ…ゆええええええええええええええ!!」 れいむの死骸にすがり付き、泣き叫ぶ子供たち。 その隣に、同じように泣いているちぇんを置いた。 「ちぇん、子供たちを頼む」 「おにいざん?」 「俺はやることがある」 道端の藪の中に、さっきのまりさが落ちている。 気絶したままのそいつを拾うと、横っ面を思い切り張った。 「いつまでも寝てるんじゃねえ」 「ゆべええええええええええええええええええ!?」 目を覚ました瞬間から、俺の偏見でもなんでもなく、まりさはふてぶてしい顔つきをしていた。 わずかな時間、戸惑ったような表情を見せたが、状況を把握すると醜く顔を歪ませて喚き始めた。 「なにするんだぜ!? くそにんげんはゆっくりしないでまりささまをはなすんだぜ!!」 「黙れ」 「いいからいうことをきくんだぜ!! むのうなにんげんはまりささまにゅぶうううう!!」 何のことはない、ただのゲスだ。 こういう手合いとは話すだけ無駄だ。 ゲスまりさを上下から腕で挟み込み、口を開けなくする。 さっさと潰すかとも考えたが、子ゆっくりたちにとっては親の仇なので思いとどまった。 こいつを許すにせよ殺すにせよ、子供たちが決めるべきだ。 ゆっくりたちのところに戻ると、子供たちはまだ泣いていたが、幾分落ち着いていた。 「おい、れいむ、まりさ」 「「ゆ?」」 涙目でこちらを見上げる2匹の前に、ゲスまりさを差し出す。 「お前たちの母親の仇だ。どうしたいかはお前たちが決めろ」 ところが、子供たちの反応がない。 罵るくらいはあると思っていたのだが。 そう思っていると、子供たちはしーしーを漏らして泣き始めた。 先程までの悲しみでではなく、恐怖でだ。 「ゆぎゃああああああああああああああああ!! だずげでえええええええええええええええ!!」 「ごべんだざいおどおざん!! ゆるじでええええええええええええええええ!!」 「何!?」 ゲスまりさを持ち直して話せるようにする。 途端にゲスまりさは俺を罵り始めた。 「ぐぞにんげんがああああああああああ!! どっどどばりざざばをはなぜええええええええええ!!」 「黙れ!」 「ゆぶうううううううううううう!!」 ど真ん中に拳を叩き込んでおとなしくさせる。 「おいお前、この子供たちの親なのか?」 「そうなのぜ!! まりささまのちびたちだから、どうしようとまりささまのかってなんだぜ!!」 「じゃあ、そこのれいむはお前の番なんじゃないのか?」 「ゆぺぺぺぺぺぺぺぺ!! むれいちばんのびゆっくりであるまりささまがすっきりしてやったのに、れいむはおんしらずのげすなのぜ!! おやさいさんをひとりじめするげすは、まりささまがゆっくりせいさいしてやったのぜ!」 呆れたものだ、れいむの話していた暴力亭主が、自分を棚に上げてれいむをゲス呼ばわりしている。 これでは子供たちが怯えて話が進まない。 「ちぇん、子供たちにすりすりしてやってくれ」 「わかったよー」 「ゆびゃああああああああああああああああああああああああ!!」 「ゆひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「すーりすーり」 「ゆびぇっ、ゆびぇええええええええええ!」 「ゆわああああああああああああああ!」 「すーりすーり、すーりすーり」 「ゆび……」 「ゆえ…」 どうやら子供たちも落ち着いてきたようだ。 「れいむ、まりさ。安心しろ、俺はこいつより強い」 「ゆぅ…」 「で、でも…」 「見ろ、こいつは俺から逃げられないだろ」 「ゆがああああああああああああああああああ!! なにやってるんだぜええええええええ!! いいかげんにはなぜえええええええぇぇぇぇぇぶびゅるうぅっ!!」 「力だってこの通りだ。俺はこいつをいじめることも出来るし、お前たちをいじめさせないようにも出来る」 「ゆぎゃああああああああああああ!! ぐずにんげんはばりざざばをいじめるななんだぜええええええええ!!?」 「……ゆぅ、ほんとうにゆっくりしててもいいの?」 「ああ、大丈夫だ。こいつにはもう何もさせない」 ここでようやく子供たちが安心したようだ。 子まりさがキッとゲスまりさをにらみつけると、子まりさの陰から子れいむも出てきた。 ゲスまりさが相変わらず喚き散らし、子供たちまでを罵っているが、これなら大丈夫そうだ。 ゲスまりさを地面に置き、上から押さえて動けなくも喋れなくもする。 そして、子供たちに尋ねた。 「こいつはお前たちの親だ。 だがゲスだ。 れいむを殺したとんでもないゲスだ。 お前たちは、こいつをどうしたい?」 2匹を見る。 子まりさはゲスまりさをにらみ続けているが、時折後ろを気にしてもいる。 子れいむの様子を伺っているのだ。 子れいむは母れいむの死骸を見続けていたが、しばらくしてから子まりさに向き直った。 「もういいよ、おねえちゃん…」 「れいむ…ほんとうにいいの?」 「れいむは……れいむは、おかあさんをゆっくりできなくしたおとうさんなんてきらいだよ!」 子れいむの台詞を聞いて、子まりさは吹っ切れたようだ。 2匹は俺のほうを向いて言った。 「おにいさん! まりさたちはそんなゆっくりをおとうさんだなんておもわないよ!」 「おかあさんのかたきはゆっくりしないでしね!」 「むぐううううううううううううううううううう!!!」 おおむね予想通りの答えだ。 子供たちを愛したことなどないのだろうこのゲスには、当然の報いだ。 必死に何か呻いているが、こいつの意向など関係ない。 「お前たちの気持ちはわかった。だが、こいつは殺さない」 「「どぼちて!?」」 「これでも一応、お前たちの親だ。お前たちの殺意でこいつを殺してはいけない。 それではきっと、いつかお前たちが不幸になる」 「そんなのかんけいないよ! おかあさんのかたきなんだよ!」 「おとうさんでもなんでもないよ! そんなゆっくりしらないよ!」 「わからなくてもいい。 こいつは殺さない。が、必ず罰は与える。それで今は我慢しろ」 子供たちは納得いかない様子だったが、ちぇんにもなだめられて引き下がった。 れいむに子供たちのことを約束した以上、子供たちに道を踏み外させるわけにはいかない。 間接的にであろうと、ゆっくり殺しになどなるべきではないのだ。 それに。 殺しては罰が一瞬で終わってしまうではないか。 「すみません、こいつらを預かってもらえませんか?」 「それは構わんけど、こんな時間にどこか行くのかね?」 「ちょっと森の奥まで。ゆっくりに畑を荒らされたんで、群れに教え込んでこようかと」 「日が暮れるまで長くないから、さっさと帰ってこいよ」 「暗くなるまでには帰ります」 隣の家にちぇんと子供たちを預け、俺は袋を背負って森に向かった。 群れの場所は以前にれいむに聞いておおよそわかっている。 ゆっくりの足では大変な距離だろうが、人間ならば半刻もかからぬ場所だ。 「ゆ! にんげんさんがいるよ!!」 「ここはありすたちのゆっくりぷれいすよ! にんげんさんはでていってね!!」 森の奥のわずかに開けた場所、そこにゆっくりが集っていた。 賢いドスが治めているらしく、見える範囲にいるゆっくりの数は決して多いものではない。 「ドスに用がある。呼んでくれないか?」 「どすならそこにいるよ! みえないの? ばかなの?」 ゆっくりしていない相手には見えないというあれだろう。 ふむ、下草が丸く倒れている場所がある。 場所は大体わかったが、今回は話が通じれば十分なので、どこにいようと関係ない。 「人間を恐れているなら、別に出てこなくても構わない。 とりあえず、これを見てくれ」 懐から死んだれいむのリボンを取り、前に掲げる。 「ゆゆ!? あれはれいむのおりぼんだよ!」 「そういえばれいむのことちかごろみないよ?」 「にんげんさんにゆっくりできなくされたの!?」 途端に群れのゆっくりたちが騒がしくなる。 誤解を受けているようだが、この状況なら当然だろう。 「…にんげんさんがれいむをゆっくりできなくしたの?」 少し離れた場所から、ドスのものだろう一際低い声がする。 「いや、俺じゃない。やったのはこいつだ」 そう言うと俺は、背負った袋を降ろし、中からゲスまりさを取り出した。 ちぇんのお仕置き用に使っていた防音型の透明な箱の中で、ゲスまりさには目隠しがしてある。 ゲスには今、外がどういう状況かわからないはずだ。 「ゆ! にんげんさん、まりさをはなしてね!」 「それは駄目だ。こいつにはれいむを殺した罰を受けてもらう」 「にんげんさんがころしたかもしれないでしょ! しょうこをみせてね!」 「それをこれから見せてやる。群れの連中を静かにさせろ」 「いきなりきたにんげんさんはしんようできないよ!」 「信用しなくても構わん。まりさは殺さないとだけは約束してやろう。 ほかのゆっくりにも決して手は出さない。 だから静かにさせろ」 「……みんな、しずかにしてね」 ドスの言葉に、徐々にだが群れのゆっくりたちのざわめきが治まっていく。 十分に静かになったところで、声を立てないように釘を刺してからゲスまりさの箱から出した。 「ゆがあああああああああああああ!! ぐぞにんげんがああああああああああああ!! ばりざざまをはなぜ!! はなぜええええええええええええええええええ!!」 この時点で顔が引きつっているゆっくりがいる。 優しい人気者の美まりさからは、この言葉遣いは程遠いのだろう。 「駄目だ。お前はまだ、れいむを殺した罰を受けていない」 「あんなげすはしんでとうぜんなのぜ!! びゆっくりのまりささまがすっきりしてやったのに、ごはんももってこれないくずなのぜ!!」 「おい、餌を運んでくるのは父親の役目だろう。どうして母親のれいむに持ってこさせるんだ?」 「まりささまはすっきりしたかっただけなのに、あのげすはあかちゃんをうんだのぜ!! あかちゃんなんてまたつくればいいのに、すてなかったのぜ!! おかげでまりささまはかりがたいへんだったのぜ!! そんなにあかちゃんがほしいんだったら、じぶんでごはんをとってくればいいんだぜ!!」 「実際、れいむは自分で餌を取っていただろう。なのにどうして殺した?」 「げすがかってにいなくなると、まりささまがへんなめでみられるのぜ!! しかたないからさがしにいってやったら、あのげすはおやさいさんをひとりじめしていたのぜ!!」 「野菜の生えている畑は人間のものだ。ドスに教わらなかったのか?」 「そんなのしらないんだぜ!! おやさいさんはまりささまにたべられるためにはえているんだぜ!! なのにあのげすは、にんげんさんのだからとかいってまりささまのじゃまをしたのぜ!! げすでくずのれいむはほんとうにやくにたたないんだぜ!!」 「野菜を食べる邪魔をしたから殺したのか」 「そうなのぜ!! げすにはとうぜんのむくいなのぜ!!」 「じゃあどうして子供まで殺そうとした?」 「ゆ? げすにせいさいするのをじゃましたからなのぜ!! げすのこどももげすだったんだぜ!!」 「…ゲスはお前だ」 ゲスまりさの目隠しを取る。 「……ゆ?」 ようやくゲスまりさは、自分を包む針のような空気に気付く。 群れのゆっくりたちは汚物を見るような視線を向け、中には露骨に目をそらすものもいる。 「…ゆっ! まりさはにんげんさんにひどいことをされたよ!! みんなたすけてね!!」 いまさら取り繕ったところで誰も聞きはしない。 それどころか、ゲスまりさへの嫌悪感に火をつけてしまう。 「れいむをころすなんてひどいよ!!」 「あんなにゆっくりしてたれいむだったのに!!」 「すっきりはきんしでしょ? おやさいはたべちゃだめでしょ? ばかなの?」 「げすのまりさはゆっくりしないでしんでね!!」 「おお、ぶざまぶざま」 一斉に浴びせかけられる罵声にまりさは右往左往するが、すぐに我慢できなくなって本性を現した。 「ゆがああああああああああああああああああ!! ばりざはげずじゃないいいいいいいいいいいいいい!! ばりざざまをげずっでいうげずはじねええええええええええええええええ!!」 「…まりさはげすだよ」 「ゆ゛っ!?」 突き刺さるような低い声にゲスまりさがひるむ。 何もいなかったはずの正面の空気が揺らぎ、そこから唐突にドスが現れた。 「…ゆ…ゆぴっ……」 ドスは憤怒の表情でゲスまりさを見下ろしている。 目が合ってしまったゲスまりさは、情けなくもおそろしーしーを漏らし始めた。 「みんな! げすのまりさはせいさいするよ!!」 「待て」 ドスが制裁宣言をするが、それを止めた。 「とめないでねにんげんさん! げすはせいさいしないといけないんだよ!」 「制裁はする。俺がやる」 「これはゆっくりのもんだいだよ! にんげんさんはかんけいないからあっちいってね!」 「関係ならある」 「ゆっ!?」 「れいむの子供と約束したんだ。こいつに罰を与えるってな」 「で、でも!」 「俺は最初に、こいつに罰を与えるといった。お前は証拠を見せろと言った。 俺は証拠を見せた。だから黙ってみていろ」 そこまで言うと、俺は有無を言わさずに制裁を始めた。 「ゆびいっ!?」 右手に持っているものは杓文字だ。 それをまりさの後頭部に無造作に突き刺す。 開いたところに手を突っ込んで左右に広げると、拳2つ分ほどの穴が開いた。 「や、やべでっ!! ごろざないで!!」 「れいむを殺したお前がどの口でそれを言う?」 「ゆひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?」 「安心しろ、殺しはしない」 「…ゆ?」 「食い物のためにれいむを殺したお前には、好きなだけ食わせてやる」 「ゆぎいぃっっっ!!!??」 開いた穴に杓文字を突っ込み、中の餡子をかき取る。 それを、まりさの目の前に捨てる。 「…どうした」 「ゆ゛っ?」 痛みに震えているまりさに声をかける。 「これからお前の餡子をかき出して捨てていく。食べないと中身が空になって死ぬぞ?」 「ゆわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 まりさが舌を伸ばして餡子をかき込んだのを見て、次の餡子をかき出す。 ここからはもう、まりさと話す必要はない。 「ゆぎぇえっ!! むーしゃむーしゃ! ゆがああ!! がーつがーつ!! ゆごおおおおおお!!」 最初は加減して取り出した餡子を、徐々に目一杯かき出していく。 常にまりさが餡子を食べきれない程度の速さでだ。 「ゆげえぇっ!! ば、ばっで!! ゆぎゅううう!! じんじゃう!! ゆびゃあああああ!!」 まりさの前に餡子の小山が出来たので手を止める。 ようやく一息つき、涙を流しながらまりさは餡子を食べていく。 そうして餡子山が半分くらいに減ったところで、先程以上の速さで餡子のかき出しを再開する。 「ゆばあああ!! ば、ばだだべ ゆぼおお!! お、おでが ゆあああああ!! まふっ! まふっ! ゆぎょおおおお!! も゛っ! も゛っ!」 今度は止まらないと悟ったのか、いよいよ必死になってまりさは餡子を食べることに集中する。 それでも杓文字を体に突っ込まれるたびに、痛みで咀嚼が中断する。 結局、どれほどまりさが頑張ろうが、俺の加減ひとつなのだ。 「ゆぐううう!! も゛っ! も゛っ! ゆびょおおお!! も゛っ! も゛っ! ゆぎぇええ! も゛っ…も゛っ… ゆぶぁあああ! も゛っ…も゛っ… ゆぶうううぅぅぅぅ…」 体力だって続かない。 まりさが食べる勢いは確実に落ちていく。 「ゆっ…ゆっ…」 とうとう体の餡子の3分の1ほどで小山を築いたところで、まりさは気を失った。 まりさを死なせないために、餡子の小山を体内に戻し、穴をふさぐ。 傷には砂糖水で溶いた小麦粉を塗っておいたので、そのうち塞がるだろう。 事を終えたので後始末を始め、そこで初めて俺を見るゆっくりたちの視線に気付いた。 どれもこれも、目に宿っているのは恐怖、ドスでさえ例外ではない。 「…こわいにんげんさんだね」 「俺もそう思うよ」 ドスの言葉に軽口で返す。 「ほら、こいつは返す」 「ゆ……でも、まりさはいきてるよ?」 「殺さないと約束しただろう」 ゆっくりは死ぬと地獄に行くという。 そんなもの、ゆっくりに限ったことじゃない。 生きている限りは誰しも業を負い、そのために例外なく地獄に落ちるものだ。 れいむも地獄に落ちてしまったのなら、すぐにこんなゲスに後を終われるのは気分が悪いだろう。 だから、こいつには精一杯長く生きて、後悔し続けるのが相応しい。 「いいか、こいつは殺すなよ」 「けどそれじゃ!」 「俺はこいつを殺さないとも、れいむの子供たちと約束した」 「ゆ゛っ」 「俺に約束を破らせるな。いいな?」 「ゆっ……ゆっくりわかったよ…」 まりさをどうしろとは、それ以上言わないで森を出た。 後は、ゆっくり自身でゲスに相応しい末路を用意してくれるだろう。 季節は秋に差し掛かり、日々の暑さもだいぶ和らいだ頃。 「ゆ! おにいさん! おやさいさんにむしさんがついてるよ!」 「おーう、今行く」 子まりさと子れいむはすっかり大きくなり、もうそろそろ大人と呼んでも良い頃になった。 母れいむに代わって畑を見張ると言って聞かず、あれから2匹は毎日畑で過ごしている。 一人でお留守番が嫌なのか、近頃はきれい好きのちぇんまで一緒に跳ね回っている。 「わがらにゃいよーーー!!」 「うわ蜂かよ! こっち来るなちぇん!」 「どぼぢでっ!?」 まあ、何だかんだで毎日楽しい。 まりさもれいむも十分に狩りができるようになったので、母れいむとの約束もそろそろ終わりだ。 だから、ここから先は俺と2匹との約束だ。 今日、帰ったら2匹に尋ねてみよう。 俺は、2匹がこれからもちぇんの友達でいてくれることを願っている。 ドスはゆっくりできていなかった。 ゲスまりさを殺さずに引き取ることになってしまった。 だが、群れの誰もがゲスまりさを嫌がり、もはや群れの中に居場所はなかった。 いっそ追放してしまおうか。 あるいは殺してどこかに捨てるか。 そういう考えが浮かぶたび、一緒にあの人間の顔まで浮かんでくる。 ドスはかなり長く生きたゆっくりだった。 率いた群れも、これが初めてではない。 かつて率いた群れの中には、ゆっくりできない人間に襲われ、滅びたものもある。 だからこそ、足りない食料のために厳しいすっきり制限をしてまでも、こんな森の奥に場所を構えたのだ。 人間の恐ろしさを教え、野菜はゆっくりできないと教え、徹底的に人間との距離を置いた。 あの恐ろしい人間たちに群れを滅ぼされるのは懲り懲りだったのだ。 その、かつて見た恐ろしい人間たちと、あの人間は違う。 群れを滅ぼした人間たちは、ある種の災害のようなものだった。 その場に現れ、暴れ、気が済んだら去っていく。 抗いようのない理不尽な暴力だからこそ、あきらめもついた。 しかしあの人間は違う。 あの人間はゆっくりにまで筋を通した。 あの人間の話すことはドスにも正しいと思え、だから逆らえない。 だから、あの人間と筋を違えるようなことがあれば、次にゆっくり出来なくされるのは自分だ。 そんな、精神に響く恐怖を残していった。 そのストレスがドスの本能を刺激した。 無意識に、ドスはゆっくりすることを求めていた。 昼間は群れに気を使い通し、夜はすっきり出来る相手もおらず寝るだけ。 ドスにできるゆっくりといえば、おいしいものを食べることだけだ。 普段はよく節制し、動くのに必要な分しか食べないドスだが、あれからは食べる量が増えていた。 食べれば出る、自然の摂理だ。 こうしてドスにしては珍しく、このドスはうんうんをするようになっていた。 ドスともあろうものが、みんなの前でうんうんするわけにはいかない。 だからドスは、巣の奥に作ったトイレでうんうんをする。 蓋にしていた葉をどかすと、中からうんうんの嫌な臭いと一緒に喚き声が飛び出してきた。 「だぜええええええええええええええ!! ばりざざばをだぜえええええええええええええ!! ごごはぐざいいいいいいいいいい!! ゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいい!!」 うるさいな、このおといれは。 はやくしずかになるといいのに。 「どすのうんうんでゆっくりしていってね!」 「ゆがあああああああああああああああああああああああああ!! だれがばりざをゆっぐりざぜろおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 (完) 作者:普通の制裁ものに挑戦してみました。 ネタに走らないのがこんなに大変だとは…。 挿絵 byゆんあき めーりんあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ブロリー「やっぱ、ゲスするのはさいこ最高に気持ちいい」 DIO「善良と希少種こそが、虐待したくない存在なのだ!!」 -- 2014-12-30 11 24 21 グレイト、これをもとめていた -- 2014-11-19 02 47 45 お兄さんマジイケメン -- 2013-06-28 12 48 12 レベルの高い制裁物だなこれ、良作の一つだと思う -- 2013-01-16 10 25 19 どすの表情ww -- 2013-01-05 12 26 05 とてもゆっくりできたおはなしだね!! -- 2012-03-13 20 41 21 お母さんれいむ…(;ω;) -- 2012-02-20 10 48 36 お兄さんつうか見てる間はかっけえむきむきのおっさんみたいなお兄さんかと思ってたけど挿絵見たら違った。 らそな無表情さに笑った。 -- 2012-01-05 00 24 34 お兄さんwww 無表情でまりさを刺すなwww つぼにはいっただろwwwww -- 2011-11-24 18 25 15 お兄さん、かっけぇな -- 2011-11-08 02 38 14 やっぱり制裁は救われる奴と裁かれる奴がいないとだめだな。良いSSだった。 最近は虐待と制裁の区別がつかないで良SSを荒らす奴が多くて困るな。 -- 2011-10-17 14 47 10 これは斬新。掻き出しループ後にトイレになるとはww -- 2011-09-17 12 17 38 掻きだした中身を食わせる虐待は初めて見たな。 面白かったです!! -- 2011-01-30 04 24 58 ↓純粋虐待主義者ですらない差別野郎はこういうSSでコメントするな。他人を不快にさせるだけだ。 餡子脳すぎて空気を読めないのか?それにしたって読むSSくらい自分で選り分けろよ。 -- 2011-01-21 15 50 05 はあ?れいむを駆除しないような奴は崖から落ちてずっとゆっくりしとけ -- 2010-12-18 20 36 24 いい話だなーw 特にゲスが苦しむ様とか最高wゲスいじりはみててすっきりーwしますwww -- 2010-11-22 00 13 26 良いお兄さんだった。筋を通す姿は格好良いな。 お兄さん達には幸せになって欲しい -- 2010-10-03 14 23 21 イイハナシダナー -- 2010-08-29 21 33 29 古き良き時代劇をみた後の様な気分になった。 -- 2010-08-26 20 54 14 ドスとお兄さんのキャラクターが秀逸。めーりんあきの話ではこれが一番好き。 -- 2010-08-24 01 48 14
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決まらない、ああ決まらない、決まらない。 ・・・・・・彼女は悩んでいた。 今日は2月の12日。明後日は2月の14日。 彼氏がいるわけではない。 が、今のご時勢友チョコなる代物を配る必要もあり、色々と面倒なのだ。 ・・・いや、それは言い訳。 友チョコの分は既に店で適当なものを買ってきている。 そう、彼女を悩ませるものは本命チョコ。 流石にこればっかりはお店で買ってきておしまいというわけには行かないのだ。 彼氏はいないが気になる相手はいる。ある意味、恋人に渡すより緊張する。 「ねえ、きめぇ丸。何か良い案はないかしら?」 「バレンタインですか?てきとうなものをあげればいいでしょう」 「おお、けなげけなげ」 厨房に立って頭を抱えている彼女の傍らで軽口を叩いているのは最近になって急に姿を現した謎の生物。 ゆっくりと呼ばれ、生物というよりも動く生首饅頭といったほうが適切かもしれないその奇妙な生き物が2匹、その名にふさわしくない機敏さを意味も無く披露している。 このゆっくり達はきめぇ丸と呼ばれる種でゆっくりでありながらゆっくりをゆっくりさせないことを生きがいとする珍種であった。 「ふんっ・・・あんた達に聞いたのが間違いだったわ・・・ッ!?」 「そんなにつんけんしなくてもいいじゃないですか」 「おお、つんでれつんでれ」 「ツ、ツンデレって・・・意味を判って使っているのかしら?」 「もちろんですよ。ところで、ひとつよいあんがあるのですが、いかがです?」 意外にもきめぇ丸の提案はなかなか面白く、それなりに凝っているように思えるものだった。 なので、これと言っていい案の思い浮かばない彼女は素直にその案を採用し、翌日にはそのために必要なものを全て揃え、早速チョコ作りに取り掛かった。 「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」」」」 夕方立ち寄ったデパートで買ってきたものはウイスキーとチョコレート。 それから、8匹の赤ちゃんゆっくり。ちなみに内訳はれいむとまりさが4匹ずつ。 そう、女性がこれから作るチョコとはチョココーティングされたワイン饅頭なる代物だった。 「ゆゆっ!おねーしゃんはゆっくちできるひとにゃの?」 「まりしゃにゆっくちおかちをもってきちぇね!」 「ゆーっ!れいみゅもおなかちゅいたよ!」 各々好き勝手なことを口にする赤ゆっくり達を尻目に女性はチョコ作りのための準備を進める。 赤ゆっくり達が何も知らずに箱の中でじゃれている間にも、チョコレートはしっかりと熱されて溶けて行く。 更に餡子の甘みを抑えるための微量のカプサイシンを溶かした辛い水や、ウイスキーを混ぜた糖液なども用意されている。 「さて、まずはゆっくりにそのみずをのませてあげてください」 「おっけー。まずは・・・取りあえずこの子で」 「ゆっ?おちょらをとんでりゅみたーい!」 つまみ上げられた赤れいむはこれから何をされるのかまったく想像だにせず、ひたすら笑顔。 女性を見つめる視線には「きっと美味しいものをくれる」とか「ゆっくりさせてくれる」とか、そんな無根拠な期待が込められている。 しかし、彼女はその表情に動揺する様子も見せずにスポイトで辛い水を吸い上げて赤れいむの口に垂らした。 「ゆきゅ!?かりゃい!かりゃいよおおおお!」 すると、予想通り赤れいむは辛さにえづいて、飲んだ水を吐き出してしまった。 くりくりとした大きな目からは涙が滴り、水を垂らされて赤く腫れ上がった痛々しい舌を出しっぱなしにしている口からは嗚咽が漏れている。 しかし、女性は赤れいむに構うことなく作業を続けるべくスポイトで水を吸い上げていた。 「ゆえええええええん!ゆええええええええん!」 「「ゆゆっ!れいみゅたちのおねーちゃんになにしゅるの!」」 「「まりしゃのいもうちょをいぢめにゃいでね!」」 そんな女性に対して泣きじゃくる赤れいむの姉妹たちは果敢にも抗議の声を上げる。 買って来たときに運搬用に使った箱の中で全員揃って彼女をキッと睨みつけたまま、ぷくぅうううううと膨張する。 一方の赤れいむも姉妹たちに励まされて「しょーだよ!ゆっくちやめちぇね!」と威勢よく文句を言っている。 が、それによって何か不都合なことがあるわけでもない。 女性はゆっくりたちの抗議を完全に聞き流して淡々と赤れいむに辛い水を飲ませ続けた。 「や、やめちぇえええええええええええええ!ゆきゃあああああああ!?」 「「「「やめちぇっていってるでちょ!」」」」 「だったら、ほかのこがこのこのかわりにからいものをのみますか?」 無視され続けてもなお姉妹のために抗議を続ける赤ちゃんたちだが、にたりと笑うきめぇ丸のその一言で完全に沈黙させられた。 誰一人として自分の身を差し出そうとするものはおらず、皆して箱の隅に固まってがたがたと震えるばかり。 その無力で情けない姿からはさっきまでの威勢を微塵も感じられない。 「おねええちゃあああん。たちゅけてえええええ!」 こうなってしまっては赤ゆっくりの姉妹の絆など何の意味も持たない。 赤れいむがどんなに助けを求めても口内に何度も何度も辛い水を注がれてはその度に悲鳴を上げる凄惨な光景を怯えた目で見つめるばかり。 そうしているうちにやがてその罪悪感から逃れようとした数匹がとんでもないことを言い放った。 「ゆゆっ!たちゅけてっていうことはまりしゃたちにかあらいのをのめってこちょ?!」 「いやあああああ!れいみゅかりゃいののみちゃくないよおおおおおお!」 「そんにゃひどいこちょいうこはゆっくちできないこだよ!」 仲間を犠牲にしようとするゆっくり出来ないゆっくりに罰が当たった。 そういう風に都合よく解釈することで、赤れいむを見捨てる正当性を上手くでっち上げた。 「そうだにぇ!れいみゅはゆっくちできないね!」 「みんにゃをゆっくちしゃせてくれにゃいね!」 「「ゆっくちできにゃいれいみゅはちんでね!」」 その都合のいい解釈は仲間達の間に瞬く間に伝播していき、すぐに赤ゆっくり達の総意になってしまった。 こうして罪悪感から解き放たれた赤ゆっくり達は箱の隅で怯えるのをやめて、にっこりと満面の笑みを浮かべて遊び始めた。 赤れいむが涙をぼろぼろ零しながら助けを求めているにも関わらず、皆非常にゆっくりとしている。 「どほぢちぇそんにゃこちょいうにょおおおおおおお!?」 「おねーしゃん、まりしゃたちはとってみょゆっくちちてりゅよ!」 それを見た女性は「れいむはゆっくりできないこ」という言葉にはもう一つ別の意味があることに気づいた。 この赤ちゃん達は「れいむが酷い目に遭っているのはゆっくりできないゆっくりだから」だと解釈したらしい。 つまり、ゆっくり出来ればお仕置きされずに済むんじゃないかと考えたらしい。 結論から言えば全くの的外れなのだが、女性は目の前の赤れいむの甘みを抜く作業に夢中なので彼女らに関心を示さない。 ポタッ 「やめちぇええええええ!たしゅけちぇえええええ!」 「なかみゃをみがわりにちようにゃんて、おりょかおりょか!」 ポタッ 「やめちぇええええええ!たしゅけちぇえええええ!」 「なかみゃをみがわりにちようにゃんて、おりょかおりょか!」 ポタッ 「やめちぇええええええ!たしゅけちぇえええええ!」 「なかみゃをみがわりにちようにゃんて、おりょかおりょか!」 しばらくこの作業を繰り返していると、赤ちゃんが急に身震いし、真っ赤にはれた唇で「ちーちーちちゃいよ!」と声を上げた。 きめぇ丸によると相当の量の水分を摂取させられたことで尿意を催したらしい。 そう言われてじっくりり見てみれば赤れいむの下あごに非常に小さなくぼみが出来ている。 「で、それをとかしたこむぎこでふさいでください」 「わかったわ・・・こうかしら?」 「ゆっ!ぢーぢーできにゃいよ!?」 尿道をふさがれた赤れいむは相変わらずぼろぼろと涙を零している。 「ちいーちーもできにゃいんだね!」 「ほんちょーにゆっくちできにゃいこだね!」 そして、そんな彼女の有様を他の赤ちゃんたちはせせら笑っていた。 どうやらこの子達はゲスの家系だったらしい。食用ゆっくりなんて大体そんなもんなのだが。 「さて、このこがダメになるまえにいそいでほかのゆっくりもおなじようにしてください」 きめぇ丸の指示を聞いた女性はその赤れいむを手近なボウルの中に放り込んで、次の赤ゆっくりを取り出した。 そして、さっきと同じようにスポイトで辛い水を赤ゆっくりの口へ注いでいく。 「ゆゆっ!おしょらをとんでりゅみた、ゆきぃ!?」 「かりゃい、かりゃいよおおおおお!やめちぇええええええええ!」 「ゆきゃあああああ!?たしゅけちぇえええええ!」 「「「「「「おねーしゃんになにしゅるの!?」」」」」」 「では、だれかみがわりになりますか?」 「たしゅけちぇえええええええ!」 「みがわりになれなんていうおねーちゃんはゆっくりできにゃいこだね!」 「ほどぢでしょんなこというにょおおおおおおお!?」 「ゆっくちできないおねーぢゃんはゆっくちちんでね!」 「ゆうううううう!れいみゅうううう、たしゅけちぇええええ!」 「しゃっきれいみゅをみしゅてたおねーちゃんなんてしらにゃいよ!」 「ゆううううううう!どほちでだれもたしゅけてくれにゃいのおおおおおおおお!?」 女性は淡々と、しかし一生懸命に作業を続ける。 その傍らで、ゆっくり達は次は我が身と考えることもなく浅ましく、しかも内容に全くと言って良いほど変化の無い罵り合いを繰り返す。 その間の抜けた罵り合いは女性の作業が完了した時にようやく終わりを迎えた。 「で、ウイスキーをあびるようにのませてください」 「糖水を混ぜた奴じゃなくて?」 「ええ、そうです。ウイスキーそのものです」 きめぇ丸に指示を仰ぎ、小さなスプーンでウイスキーを掬った女性は、ボウルの中の赤ゆっくり達に目をやる。 「ゆうーっ!どほぢでたしゅげちぇくれにゃかったんだじぇ!」 「まりしゃがれいみゅをたしゅけてくれにゃかったからだよ!」 「れいみゅみたいなゆっくちできないこはゆっくちちね!」 「どほぢでしょんなこというにょおおおおおお!」 赤ゆっくり達は全員が全員を一度は見捨てたと言うのに自分のことは棚に上げて罵り合っていた。 尿意はあるのに放尿できない気持ち悪さのせいであまり動けないらしく、動きが酷く緩慢で傍目にはなんとも間抜けな光景である。 そして、動けないだけに噛み付いたり、体当たりを仕掛けたりすることが出来ず、延々と不毛ないい争いを繰り広げていた。 「えっと・・・確か一番最初に水を飲ませたのは・・・」 その中から、最初に水を飲ませた赤れいむを取り出すと小さなスプーンで掬ったウイスキーを容赦なく飲ませた。 先ほど辛い水を飲まされた赤れいむは当然口を閉じて抵抗するが、女性が少し指に力を入れればすぐに痛みで口を開く。 「いちゃいいいいいいい!」と喚くその口の中にすぐさまウイスキーを注ぎ、今度は吐き出さないように口を塞いでやる。 「んううううううううう・・んぅ?にゃんかぽかぽかちてきたよ!」 「どうかしら、なかなかいけるでしょ?」 「ひっく・・・れいみゅにもっひょのまひぇてねぇ~~~!」 あっという間に酔っ払って酒饅頭状態?になった赤れいむは更にウイスキーを要求する。 その顔は真っ赤な上に妙に品の無い笑みが張り付き、ろれつも回っていないその姿はまさに酔っ払いそのもの。 今の今まで水分を排出できずに苦しんでいたことはもはや頭の片隅に追いやられてしまったようだ。 「言われなくてもそのつもりよ」 「ゆぅ~ん・・・あちゃまがぼーっとちてきたよぉ~~~~!」 「さあ、はこのほうにもどしてやってください」 指示に従い女性はすぐさま最初に赤ゆっくりを入れていた箱に赤れいむを放り込む。 放り込まれた赤れいむはその場から動こうとする様子も無く「ゆへへ~っ!でいぶはえあいんだよー!」なdふぉとぐだを撒いている。 その様子を見届けた女性はすぐに適当なほかの赤ゆっくりを摘み上げてウイスキーを飲ませた。 「んううううううううう・・んぅ?にゃんかぽかぽかちてきたよ!」 「さあ、もういっぱいどうぞ」 「ゆぅ~ん・・・あちゃまがぼーっとちてきたよぉ~~~~!」 2匹目も完全に出来上がったところで箱の中に戻し、すぐに3匹目二ウイスキーを飲ませる作業に取り掛かる。 「んううううううううう・・んぅ?にゃんきゃぽきゃぽきゃちてきたよ!」 「さあ、もういっぱいどうぞ」 「ゆぅ~ん・・・あちゃまがぼーっとちてきたよぉ~~~~!」 箱の中の赤れいむと赤まりさは自分のことを語っているだけなのに何故か一緒に盛り上がっている。 いかにも酔っ払いといった感じであるが、元からこんな感じだったような気がしなくも無い。 が、女性は赤ゆっくり達に関心を向けることなく、一生懸命赤ゆっくり達にお酒を含ませ続けていた。 「つぎにすこしなかみのあんこをほじくりだしてください」 きめぇ丸が次の指示を出した時には最初のほうにウイスキーを飲まされた赤ゆっくり達は眠りこけていた。 大きな鼻ちょうちんを作り、無防備な笑みを浮かべたまま「ゆぴー・・・ゆぴー・・・」と虐待お兄さんが聞いたら怒りで膨張しそうな寝息を立てている。 女性はさっきと同様に一番最初に辛い水を飲ませた赤れいむ摘み上げると小さなスプーンで皮に穴を開けそこから餡子を穿り出した。 「ゆぴぃ!?・・・いぢゃい!いぢゃいよ!やめちぇええええええ!!」 一発で酔いが覚めたらしい赤れいむはこれまた変わり映えのしない悲鳴に命乞いばかりを繰り返す。いい加減鬱陶しい。 たまにはゲスっぽく「ちね!」だの「ゆがああああ!」だの威勢良く吼えて欲しいものだ。 もはや聴きなれてしまってノイズとしてさえ認識しなくなった女性は赤れいむの懇願を無視して餡子を穿り出して行く。 「ゆきゃ!?いちゃいいいいいいい!」 「ゆぎゅう!いぢゃいよおおおおお!」 「ゆぎぃ!!やめちぇええええええ!」 「ゆぎょお!ちにゅううううううう!」 本当に変わり映えしないテンプレートをなぞっているような言葉ばかり。 勿論、目には大粒の涙が浮かんでおり、これでも必死に命乞いをしているのだが、恋する乙女の耳には届かない。 愛はゆっくりをも殺すのだ。 「それからそこにさっきのよりねんどのたかいウイスキーいりとうえきをそそいでください」 「ゆっぐ・・・ゆぐ・・・もうやめちぇ・・・」 もはや抵抗する力を失い、弱々しく呟くことしか出来なくなった赤れいむの中に糖液を注ぎ込まれる。 「ゆゆ~~~っ!?ゆぴゅううううううう!ゆぎいいいいいいい!?」 「あ、やめちぇ、ゆぎょおおおおおおおおおおお!?」 「ゆくぇえええええええええええ!?」 小さな体にねっとりとした琥珀色の液体が注がれると赤れいむは何処に残されていたのかもわからない力を振り絞って再び抵抗する。 その形相は必死と言う言葉ではまだ足りないくらいの有様で、白目をむいて口から泡を吹いている。 餡子を吐き出すことがないのはこれ以上吐き出すと命に関わるからだろう。 「ゆ、ぎぃ・・・いぢゃい・・・ちぬぅ・・・」 糖液を注ぎ終え、穴を塞いだときには赤れいむは白目を剥いたままビクンビクンと痙攣していた。 もう身動き一つ取れないであろう赤れいむを適当な場所に置いた女性は再び適当なゆっくりを摘んでこの作業を繰り返した。 「ゆきゃ!?いちゃいいいいいいい!」 「ゆぎゅう!いぢゃいよおおおおお!」 「ゆぎぃ!!やめちぇええええええ!」 「ゆぎょお!ちにゅううううううう!」 餡子を穿り出すたびに赤ゆっくりが命乞いをする。 「ゆゆっ!?ゆぴゅううううううう!ゆぎいいいいいいい!?」 「あ、やめちぇ、ゆぎょおおおおおおおおおおお!?」 「ゆくぇえええええええええええ!?」 糖液を注ぎ込むたびに異物感に怯えて赤ゆっくりが悲鳴を上げる。 甘いもの好きだし、体内に入れたら元気になりそうな気がするのだが、いかんせん量が多すぎるのだろうか? 元気になる気配を見せる個体は一匹たりともいなかった。 「で、あつあつのチョコレートにひたす」 流石にこれは指示を受けずとも理解できる。 きめぇ丸が言い終えるころには女性は既に8匹の酒饅頭を溶かしたチョコレートの中に放り込んでいた。 ちなみに、赤れいむはリボンをつけたまま、赤まりさは帽子を取った上で苗の中に放り込んでいる。 「あぢゅいよおおおおおおお!」 「いちゃい!いちゃいよおおおおお!?」 「ぢぬぢんじゃううううう!」 「おにぇええざあああん!まりぢゃをだしゅけりゅんだぜえええええ!」 「あへぇ~!ひゃふぇふぇ!?」 「ゆぐううううううう!?」 「やめぢぇえええええええええ!!」 「まりぢゃをだしゅげろおおおおおおお!?」 彼女はそんな阿鼻叫喚を全く気にも留めずに鍋の中のチョコレートをかき回し、お玉で掬っては浮かんできた赤ゆっくりに浴びせていた。 「ねえ、きめぇ丸?」 「なんですか?」 「チョコレートでゆっくりが溶けたりはしないの?」 「だいじょうぶですよ。それどころかあんこがもれるのをおさえてくれます」 「ふ~ん、ってことは届ける頃にこの子達が死ぬようなことは・・・」 「ありませんよ」 それはつまり、赤ゆっくり達はチョコで拘束されて身動き一つ取れない状態のまま、尿意に苦悶しながら生かされるということ。 しかし、チョコレートに溺れている赤ゆっくりの中にその恐ろしい事実に気づけたものはおろか、2人のやり取りを聴くことのできたものさえいなかった。 「それがおわったられいとうこでひやしてください」 鍋から引き上げて、しばらくトレイの上で冷ましたゆっくりチョコを冷凍庫の中にトレイごと放り込む。 後は翌朝になってしっかり冷えて固まるまでほうっておけば良い。 やるべきことを済ませた女性は一生懸命作業を続けたせいでかいた汗を流すためにお風呂場へと歩いていった。 明日になれば、無事にバレンタインチョコが完成しているだろう。 ~おまけ~ 赤ゆっくりウイスキーボンボンチョコのレシピ 【準備するもの】 赤ゆっくり 水 ウイスキー 糖液 チョコレート 粉末状の辛いもの お鍋 小さなスプーン 【あらかじめ作っておくもの】 辛い水 ウイスキー入り糖液 とかした小麦粉 お鍋で溶かしたチョコ 【手順】 1.辛い水を飲ませて餡子の余分な甘さを取り除く (虐待を好まないなら舌を抜いておく方が良い) 2.尿意を催したら1をやめて尿道を小麦粉で塞ぐ 3.ウイスキーを飲ませて酒饅頭状態にする 4.餡子を赤ゆっくりが死なない程度の穿り出す 5.出来た空洞にウイスキー入り糖液を注ぐ 6.餡子を穿り出す際に出来た穴を小麦粉で塞ぐ 7.鍋の中の熱々の溶けたチョコの中に放り込む 8.火を止めていったんチョコと赤ゆっくりを冷ます 9.冷凍庫に放り込んで1日放置しておく これで美味しい『ゆいすきーぼんぼん』の完成です ‐‐‐あとがき‐‐‐ Q.チョコレートくらい何とかなりそうな気もする。 A.た、多分鍋の中のチョコの熱で全身火傷したんだよ! お菓子なんて作ったことないのにネタにした結果がこれだよ! byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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数時間団欒させた後、俺は再び部屋に踏み込んだ。 「ゆっ!!」 親れいむ共が例によって罵声を浴びせてくる。 「ちかづかないでね!!おちびちゃんたちにちかづかないでね!! くそじじいはゆっくりしないであっちにいってねぇ!!」 いまだに屈伏しきれないのは、ひとえに子を守りたいがゆえか。 「今日はお前らに用があるんだ」 俺はそう言うと、親れいむ共を一匹ずつ取りだした。 「ゆゆっ!?」 今まで何十日も、赤ゆっくりだけを取り上げられ、なぶり殺されてきた。 しかし今日に限っては、自分たちが取り出された。 ということは。 親れいむ共がぶるぶる震えだした。 「たっぷり付き合っていってくれよ」 「ゆっゆっゆっゆっ、お、おに、おにいさ」 震えながらも、子れいむが気丈に問いかけてきた。 「あ、あか、あかちゃんはたす、たすけてね?」 「れいむが、れいむがいじめられるから、あかちゃんは、あかちゃんはゆっくりさせてね!」 れいむ共が揃って懇願している。 その目元には安堵さえ浮かんでいた。 ようやく子供たちを死なせずに助けられる。 そして死ねる。そんな安堵だろう。 あの体験を経た今、 子供に死なれて呪われるよりも、自分が殺されたほうがましだ。 そういう思考にたどり着いたようだ。 「ああ。お前たちががんばれば、赤ちゃんたちは一匹も傷つけない。 お前たちさえがんばってくれればね」 「ゆっくりがんばるよ!!」 「れいむがゆっくりがんばっていじめられるよ!!」 「あかちゃんはたすけてね!!ごみくずでもやくそくはまもるよね!!」 俺に対する態度はだいぶ卑屈になってきたと思うのだが、 どうも、なにかの拍子にゴミクズ発言が飛び出す。 意外とれいむ種が一番タフなのかもしれない。 そんな失言は聞き流してやり、俺は早速れいむ共をカートに詰め込んだ。 別室に入ると、そこには大掛かりな機械が並んでいた。 どれも一見見たところでは用途がわからないが、わからないなりにれいむ共はがたがた震えている。 テーブルの上にれいむ共を並べ、使用人に見張らせたあと、 俺は先ほどの部屋に戻って赤ゆっくり共をカートに乗せ、連れてきた。 「ゆぅー!しゅーりしゅーりちちゃあい!!」 「おきゃあしゃん!にゃにちちぇるにょ!?」 「まりしゃとあしょんでよ!ゆえーん!」 「ゆっ!?おしょらをちょんでるみちゃい~♪」 カートの籠で喚いている赤ゆっくり共を取り出してれいむ共の傍に並べる。 「なにじでるのおおおおおおおお!?」 「ぐぞじじいいい!!あがぢゃんをばなぜええええええ!!」 「やぐぞぐう!!やぐぞぐまもれええええごみぐずうううう!!」 「何もしないさ。みんな、自分のお母さんのところに集まってね」 歯をむき出して飛びかかってくるれいむ共の方に、赤ゆっくり共を追いやる。 自然と、それぞれが自分の生みの親のところに集まっていった。 「おぢびぢゃんにはざわらないでねええ!!」 叫び続けるれいむ共。 まず、一匹の子れいむを取り上げた。 こいつの子は、赤れいむ二匹と赤まりさが一匹だ。 子れいむと三匹の赤ゆっくりを、部屋の一角に連れていく。 そこは仕切りで20cm四方余りに区切られていて、赤ゆっくりではそこから出ることはできない。 その仕切りの中に赤ゆっくりを三匹とも投げ込んだ。 「ゆべっ!」 「いちゃあい!ゆわぁぁん!!」 「ぐぞじじいいいいいいざわるなあああああああ!!」 暴れる子れいむを持ち上げ、上を向かせる。 赤ゆっくりが閉じ込められた仕切りの真上には、天井から縄がぶら下がっていた。 その縄を見せつけ、俺は言った。 「噛め」 「ゆゆっ!?なわさんはゆっくりできないよ!あまあまをゆっくりちょうだいね!!」 「噛まないなら子供の上に落とすぞ」 「ゆっ!」 ここから落とされては、真下にいる子供がすべて自分の体に押しつぶされてしまう。 慌てて開かれたれいむの口に縄を近づけ、噛ませてやる。 手を離すと、歯だけで自重を支える形になった。 「ゆぅぅ!!おきゃーしゃん!?」 「おりちぇきちぇにぇ!!しゅーりしゅーりしちぇにぇ!!」 状況がわかっていない赤ゆっくり共は、 飛び跳ねながら真上の母親の顎に呼びかけていた。 上の子れいむはぶるぶる震え、答えることもできない。 口を開けばどうなるかぐらいはわかるようだ。 そこで俺はれいむに鉄板を見せてやった。 鉄板は幅3cmとぶ厚く、およそ20cm四方の正方形をしている。 鉄板の片側の中心には紐を通す穴があり、縄が結ばれていた。 「これをこいつらの上に落としたらどうなると思う?」 「ゆぐぅううううううう!?」 「約束通り、俺はこいつらには何もしない」 鉄板の縄を子れいむの口の中に突っ込み、噛ませる。 「じゃ、頑張ってくれ」 「ううううううううぐううううううううううう!!!」 必死に首を振る子れいむの体から、俺は手を離す。 天井の縄と鉄板の縄を噛み、子れいむはくぐもった呻きを漏らしながら耐えていた。 どちらを放しても下の我が子はお陀仏だ。 この鉄板の重量は5キロ。 成体ゆっくりにとってはそれほどの重みではないだろうが、赤ゆっくりを潰すには十分だ。 そしてこの子れいむの顎には、鉄板に加えて自身の体重がすべてかかっている。 下の赤ゆっくり共は、鉄板がつり下げられるのを見て、 ようやく状況が掴めたようだ。 それでもどこか他人事のような気楽さで、母親に向かって命令した。 「ゆっ!おとちゃにゃいでにぇ!きゃわいいれいみゅたちがゆっきゅりできにゃいよ!!」 「おきゃーしゃんはゆっきゅりちにゃいでがんばっちぇにぇ!!」 「ゆうううううぐううううういいいいいいいいいーーーーーー」 子れいむの表皮からは、早くも脂汗のようなものがじっとりとにじみ出してきた。 どれだけ耐えられるだろうか。 他のゆっくりれいむで実験したところ、一時間もたなかった。 しかしその場合は、ゆっくりれいむの真下に置いてあったのは剣山だ。 自分自身ではなく我が子の命が危険にさらされたこのれいむが、 どれだけ記録を伸ばしてくれるか楽しみだ。 次の子れいむに手を伸ばす。 こいつの子は、赤れいむと赤まりさのセットだ。 「やべでえええええあがぢゃあああああんんん!!!」 二匹の赤ゆっくりを、透明なガラスケースの中に入れる。 ガラスケースの前方と後方は強化ガラスで、内部が見通せるようになっているが、 左右両脇はぶ厚くなめらかな鉄板になっていた。 鉄板はきちんと壁の役割を果たし、ガラスケースとは隙間なく接している。 鉄板の外側には、ばね仕掛けのような装置がついていた。 「おきゃあしゃん?これにゃに?」 「ゆっきゅりできりゅの?」 「おちびちゃん!!にげて!!にげてえええええ!!」 装置のスイッチを押す。 すると、ゆっくりと鉄板がケースの内側に向かってスライドしはじめた。 「ゆゆっ!?」 「かべさんこっちこにゃいでにぇ!!」 慌ててケースの中心部に集まる赤ゆっくり共。 二個の饅頭に向かって、鉄板は無情にじりじりと近づいていく。 「最終的には、あの鉄板はぴったりくっついてあの子たちを押しつぶす」 「ゆううううあああああ!!おにいざん!!あがぢゃんだずげでええええ!!!」 「いや、助けるのはお前さ」 そう言ってやり、子れいむを別の装置に設置する。 今度の装置は、一言でいえばハムスター用の車輪だ。 大きな車輪は、片側が機械に取り付けられており、 車輪内部は空洞になっている。 車輪のもう片側は丸く開かれ、ゆっくりが入れるようになっていた。 その中に子れいむを入れてやる。 「走ってみてくれ」 「ゆゆぅ!?おにいざん!?ぞんなごどよりあがぢゃっ」 「走れ。子供が死ぬぞ」 「ばじりまずうううう!!!」 言う事を聞かなければ子供を殺す、という脅しだととらえた子れいむは、一心不乱に駆けはじめた。 必死にぴょんぴょん飛び跳ねる子れいむに向かって、俺は先ほどのケースを指し示してやった。 「あれを見ろ」 「ゆはっ、ゆはっ、ゆはっ……ゆっ?」 見ると、赤ゆっくり両脇の鉄板が止まっている。 「ゆゆっ!あかちゃんゆっくりしていってねゆゆぅ!?」 「ゆあぁぁかべさんゆっきゅりしちぇよおぉぉ!!」 「おきゃあしゃあああんはしっちぇえええええ!!!」 安堵して走るのをやめた途端に、鉄板が再び赤ゆっくりに向かって動きはじめた。 慌てて走るのを再開すると、鉄板の動きが少しずつ遅くなっていき、 全速力で走ることでようやく止まった。 この二つの装置は連動していた。 「お前が走ってその車輪を動かしていれば、あの壁は動かない。 だが、走るのをやめたりゆっくり走ったりすれば、赤ゆっくりは潰れてしまうぞ」 「ゆぅうううううううううーーーーーっ!!!!」 説明を理解したらしく、必死に全速力で走り続ける子れいむ。 向かい合った鉄板の距離は、今のところ30cm足らずぐらいか。 「ゆはっ、ゆはっ、ゆはっ、ゆはっ、ゆはっ、ゆはっ、ゆっぐりでぎないいいいいいい!! おにいいざあああああんゆるじでえええええええーーーーーーーーっ」 叫ぶとそのぶん体力を消耗するのではないか。 しかし、饅頭はそのあたり人間と違うのかもしれない。 ゆっくりは声を出すことでも疲れるのかどうか、それはこれから確かめてみよう。 次の子れいむも、似たような装置に設置する。 こいつの子は、赤れいむが一匹だけだった。 今度は、まず子れいむから処置した。 子れいむを、小さな箱に入れる。 その箱は透明だが、防音に優れた特殊なガラスを使っており、 密閉すれば外側の音は入ってこないようになっている。 そして、長方形の箱の内部は、ガラス壁によって真ん中で区切られていた。 片側の空間に子れいむを入れる。ちょうどぴったりだ。 そしてもう片側に赤れいむを入れるのだが、 こちら側には機械が据え付けられてある。 機械の中心部に赤れいむをセットし、針金で縛りつける。 「ゆびぃい!いちゃいいぃ!うごきぇにゃああい!! ゆっきゅりしちゃいよぉおおお!!」 早くも泣きながら抵抗を始めた。 ガラス壁に遮られ、その声は母親の元には届かないのだが、 その様子を目の当たりにして母親は涙にくれる。 「ゆっくりさせてあげてねええぇぇ!!ゆっくりさせてねぇぇぇ!!」 箱の蓋を閉める前に、装置のスイッチを入れた。 「ゆびゃっ!?」 びぐん、と赤れいむが跳ねた。 針金に縛りつけられたまま、びぐびぐびぐと痙攣しはじめる。 「ゆぎゃっ!!びゅっ、びぃいっ!!いぢゃいぢゃいぢゃいいいいい!!!」 「あああああああおぢびじゃあああああんん!!?」 説明してやる。 「電流が流れてるんだよ。全然ゆっくりできないものだ」 「ゆびゃびゃびゃああああ!!!いぢゃいぢゃ、ゆぎゅ、ゆっぎゅり、でぎぢゃあああいいいいびゃあああっ」 言葉が発せられるのだからまだまだ余裕がある。二十ボルトに足りない程度だ。 「今はまだ弱いけど、どんどん強くなって、そのうち永遠にゆっくりすることになる」 「いやあああああ!!!でいぶのあがぢゃんをだずげでねええええええ!!!」 「大丈夫、歌えばいい」 「ゆっ?」 「歌え!!」 怒鳴りつけてやると、れいむはおどおどと歌いはじめた。 「……ゆ、ゆーゆーゆー、ゆっゆっゆっゆゆゆ~♪」 すると、子れいむの痙攣のペースが見る間に落ちてきた。 「ゆびぃ……ゆびぃ……ゆびゅ!……びぃ……」 「お前が歌っているかぎり、電流がゆっくりしてくれる。 大きな声で歌えば歌うほど、赤ちゃんはゆっくりできるぞ。 毎日やってることだからできるだろう」 「ゆゆっ!!おうたをうたうのはとくいだよ!!」 「頑張ってくれ。ほら、また流れだしたぞ」 「ゆうぅぅ!?ゆっゆっゆ~!!ゆゆゆゆゆ~~!!」 子れいむの入っているスペースには、マイクが備え付けられていた。 このマイクと子れいむの機械はやはり連動しており、 マイクに向かって声をあげれば、声量に応じて電流が弱まる仕掛けになっていた。 実際のところ歌でなくてもいいのだが。 これで箱を密閉すれば、外から音が入ってくることもなく、 この親れいむは自分の声だけで電流を抑えなければならない。 「ゆっゆっゆっくり~♪ゆゆゆゆ~~ゆっくりしていってねぇぇ~~♪」 歌っているうちに自分もゆっくりできるのか、この子れいむはどこか余裕のある表情だった。 最後に親れいむ。 親れいむの赤ゆっくりは三匹だった。珍しく三匹ともまりさ種だ。 その三匹を、やはり透明なケースの中に入れる。 ケースは小さく、20cm四方の立方体といったところだ。 この装置は単純なものだった。 密閉されたケースの上部に、内部につながるホースが固定されている。 そのホースから、水がちょろちょろと流れ出し始めていた。 「ゆゆっ!?おみじゅしゃんはゆっきゅりできにゃいよ!!」 「おみじゅしゃんはいっちぇこにゃいでにぇ!!」 しかし、見るまに水は床一面に広がっていく。 「おちびちゃんたち!!ゆっくりしないでおぼうしさんにのってね!!」 箱の外側から母親が指示する。 慌てて帽子を下に敷き、赤まりさ共は水に浮かびはじめた。 「浮かんでいれば今のところは大丈夫だろう。 だが、そのうち水でいっぱいになるぞ」 密閉されたケースは、やがて水で満たされるだろう。 そうなれば、帽子に浮かんでいようが関係なしに全身が水没することになる。 「あがぢゃあああああんん!!ゆっぐりざぜでえええええええ!!!」 「飲んでやればいい」 箱の上方には、水を注入するホースとは別に、 ちょうど親れいむの口の高さにストローが突き出ていた。 ストローの下端はケースの床面に届いている。 「お前が水を飲めば、いつまでもケースが水でいっぱいになることはない。 赤ちゃんたちもゆっくりできるぞ」 「ゆっくりおみずさんをのむよ!!!ごーく、ごーく!!」 たちまちストローに食いつき、水を飲み始める親れいむ。 赤まりさ共が親に声援を送っている。 「ゆっきゅりしにゃいではやきゅのんでにぇ!!」 「ゆっゆっゆ~♪ぷかぷかきみょちいい~♪」 そこで親れいむの口をガムテープで塞いだ。 「ゆびゅっ!?」 ストロー以外の部分が綺麗に閉じられた。 これで、口の端から水を吐き出すというようなことはできない。 親れいむはますます必死になって飲みはじめた。 れいむ共の踏ん張りは想像以上だった。 それはそのまま、子への愛、そして子を死なせることへの恐怖をも表していた。 すでに開始から二時間が経っている。 どのれいむも、子を殺すまいと必死になっていた。 「ぅうううぅうううぐぐぐぐぐぎぎぎぎぎぎいいいいいいがががががが」 天井からぶら下がっている子れいむは、 がたがた震え全身から粘液をぼたぼた滴らせながら、気丈に顎を噛み合わせつづけていた。 ぎりぎり絞められている口元からは、餡子の混じった涎がひっきりなしに滴っている。 歯茎から餡子、つまり血が出ているようだ。 精神的に限界を超えているらしく、 両目は涙を流しながらぐるぐると高速で回転ている。 下顎からはしーしーが漏れ出していた。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 下の赤ゆっくり共は、最初のほうこそ親を応援していたが、 いまではそれにも飽き、呑気に身を寄せ合って眠りこけていた。 「ゆぎゅううううううう!!ゆっぎゅ、ゆっぎゅぢじだあああああいいいいい!!!」 「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶうううううぶぎゅぎゅぎゅ」 「かひゅうー…………ゆひゅうー…………ゆぅううううううう!!!」 車輪の中の子れいむは、いまだに必死に走り続けていたが、 最初のほうのペースは見る影もなく、うつろな目でぼてぼてと飛び跳ねているだけだ。 少量の餡子を断続的にはき散らしているが、 すでに体液は汗(のようなもの)にして流しつくしたらしく、かさかさに乾いている。 甘やかされた飼いゆっくりなら、十分走っただけでもぜいぜい息切れする。 それがもう二時間だから大したものだが、肉体的にはとっくの昔に限界を超えている。 それでも精神力だけで必死に体を鞭打っているが、 大きくペースの落ちた走りは、鉄板の移動を多少遅らせこそすれ、止めることはできなかった。 今では二匹の赤ゆっくりは、鉄板に両側から押しつぶされ、 恨めしげに親を睨みながらくぐもった悲鳴を漏らしつづけている。 もはや数分もたないだろう。 「ゆぎゃぎゃぎゃびゃびゃびゃびゃびゃばばばばばばばばびびびびびびび」 「ゆ゛ー!ゆ゛ぅー!ゆ゛ううぅう!がはっ、かっ、げほっ、はっ………ゆ゛ぅうううううううううぅぅぅ!」 ひっきりなしに電流を流され続け、子れいむはもはや虫の息だ。 ぎりぎり生きてはいるようだが、すぐに死ぬだろう。 電流だけでは、ゆっくりはなかなか死なない。 前述のように餡子がなくならない限りは死なないわけで、 沸騰した餡子が体外に流れ出すか、 あるいは黒こげに燃えて破れた皮から餡子がこぼれ出すまで待つ必要がある。 流れている電流はすでに一万ボルト近くなっていた。 すでに沸騰しはじめているだろう。 マイクに向かって、母親の子れいむは必死に歌い続けている。 しかし、その声はすでにがらがらで、もともとひどい音程もリズムももはや完全になくなり、 ただマイクに向かってがなり立てるばかりだ。 それでも声量が相当落ちているのは、赤れいむに流れている電流を見ればわかる。 「ごーく……ごーく……ゆげぇ……ゆげぇぶ………ごーくぅ……」 「おみじゅしゃんはいっちぇきちゃだみぇえええ!!!」 「のみぇええ!!!ゆっきゅりしにゃいでもっちょにょみぇええええ!!!」 「ゆぁああああああしにたきゅにゃいいいいいいいいい!!!」 親れいむの姿は面白いことになっていた。 もともと大きかった50cm大の体が、水をためこんでだぶだぶに膨らんでいる。 身長はそう変わらないが、横幅は1メートル以上になってたっぷりテーブルの上に広がっていた。 三十分を超えたところで、ひっきりなしにしーしーをしはじめた。 飲んだはしから排出するようになったので、しーしー道をガムテープで塞いでやった。 そうしたら水っぽいうんうんをするようになり、半透明の液状の餡子があちこちにピーピーまき散らされた。 面白いのでしばらく見ていたが、結局あにゃるも塞いでおいた。 そうして今、親れいむはひたすら膨れているのだが、 すでに限界らしく、ねばつく全身を苦しげに上下させている。 さっきからずっとごぼごぼせき込んでおり、 飛び出さんばかりの眼の淵からひっきりなしに流れつづけている水は涙ばかりではないだろう。 ケースの中の赤まりさ共は、すでに水かさに押されて天井に頭を押し付けている。 帽子の中に水が入りはじめており、躍起になって親を叱咤していた。 「ゆぎゃあああああああおみじゅしゃんやべぢぇええええええええごぼごぼがぼ!!」 ついに一匹が、帽子ごとひっくり返って水の中に沈んでいった。 ごぼごぼと沈んでいく我が子を前に目を見開き、親れいむはさらに必死になって飲み始めた。 初めに死んだのは、電流を流されていた赤れいむだった。 沸騰した餡子が口と眼窩から飛び出し、ぽんっという音をたてて眼球が飛び、ケースの天井に当たった。 発火する前に電流を切ったのだが、死体からは焦げくさい煙が立ち上っていた。 次に、二匹の赤ゆっくりが鉄の板に押しつぶされて事切れた。 「もっぢょゆっぎゅっ」が断末魔だった。 死骸を飲み込んで隙間なくぴったり合わさった鉄板にも気付かず、 子れいむはそれからしばらくの間のろのろと跳ねていた。 それは歩くよりも、這いずるよりも遅い走りだった。 三番目に、親れいむが水を吐き出した。 ガムテープでふさがれた口は水を逃がさず、唯一の出口であるストローから盛大に水を逆流させた。 餡子の混じった水がガラスケースの中に大量に流し込まれ、 残っていた二匹の赤まりさは、たちまちのうちに水没した。 親れいむは涙を流しながら長いこと吐き続け、 流し込まれる水の勢いでケースの中の水が循環し、 二匹の赤まりさは餡子が溶け出すまで一個の死骸とともにぐるぐると攪拌された。 以外にも、一番最初の子れいむが最後まで残っていた。 涙やら涎やらに濡れそぼったその形相は仁王だか不動明王を思わせる迫力があり、 その体の激しい震えで、縄がぶらぶら揺れていた。 しかしやがて限界は訪れ、 ついには天井側の縄を離し、体ごと我が子の元に落ちていった。 記録は二時間四十三分。 驚いたことに、このれいむは縄を離したのではなく、噛んでいた部分の歯が根本から抜けおちていたのだった。 自らと鉄板の下に我が子を敷き、子れいむは泣きながらかすかに笑っていたようだった。 その笑いは決して幸福感からのものではあるまい。 「残念だったな」 れいむ共は元の自室、大きなガラス箱のある部屋に戻っていた。 体力を使いきってぐったりと横たわるれいむ共に、俺は声をかけてやる。 「でも、お前たちは精いっぱい頑張った。 あの子たちも許してくれるだろう。 お前たちは母親として胸を張っていいぞ。あの子たちは感謝しているはずだ」 れいむ共の答えはなかった。 俺は背を向け、部屋から出ていった。 「しねぇぇぇ……」 背後からかすかな呟きが聞こえてきた。 その夜、れいむ共が眠っているときにそれは起こった。 「づぶれびゅ!!づぶれびゅうううううう!!!」 真っ暗な部屋の中にあの声が轟いていた。 車輪の中で走り続けていたあの子れいむが飛びあがり、甲高い悲鳴をあげた。 「ゆあぎゃああああああああああああ!!!」 「のみぇ!!ゆっきゅりしにゃいでのみぇえええええーーーーっ」 「ががががああああばばばばばばばばうばばばばばびびびびびび」 「ゆっぎゅりでぎじゃいいいいいいいいいぃぃ!!!」 「ゆびぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!?」 れいむ共全員が、恐怖に身をひきつらせて叫んだ。 昼間の、あの赤ゆっくり共の絶叫と断末魔が部屋中に轟いていた。 そして、あれ以来すっかり聞いていなかった絶叫。 「のりょいごろじでやりゅがらにゃあああああああああああああああああ!!!!」 今、暗い部屋の中で、かすかな照明に照らされ、 れいむ共の視界に浮かび上がっているそれは、赤ゆっくりのデスマスクだった。 あの日、母親を呪い続けながら溶けていった赤れいむと赤まりさ。 それだけではなかった。 鉄板に押しつぶされてぐしゃぐしゃになった赤ゆっくり共。 電流を流されて焼け焦げた赤れいむ。 水没してどろどろに溶けた三匹の赤まりさ。 昼間死んでいった九匹が新たに加わり、 十一匹のデスマスクが、ガラスケースの四方かられいむ共を睨みつけていた。 「なんじぇあじゅげだ!!なんじぇあじゅげだあああああああああああーーーーーーーーーーっ」 「ゆぎゃっ!!びゅっ、びぃいっ!!いぢゃいぢゃいぢゃいいいいい!!!」 「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶうううううぶぎゅぎゅぎゅ」 「じぇっだいにじぇっだいにのりょいごろじでやりゅううううーーーーーーっ!!! じにぇ!!じにぇ!!じにぇ!!ぐりゅじんでじにぇええええええええええええ!!!」 「ゆぎゃびいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」 恐怖に目を見開き、れいむ共は絶叫しながらガラス箱の真ん中に身を寄せあってがたがたと震えた。 餡子を吐き出すのはすぐだった。 監視室で確認してからすぐに部屋に飛び込み、 すさまじい勢いでえずいているれいむ共の口をガムテープで塞ぐと、言ってやった。 「一体なにをそんなに怖がってるんだ?」 「ゆぅぐううううう!!むぐうううううううううぅぅぅ!!」 涙を流しながら必死に訴えてくるれいむ共に向かって、俺は空とぼけてみせた。 「俺には何も見えないし、何も聞こえないな。 怖い夢でも見たんじゃないか?じゃあな」 そのまま、吐けなくなったれいむ共を放置して俺は部屋を出ていった。 その晩、れいむ共は暗闇の中に取り残され、 デスマスクに囲まれて子供たちの絶叫を聞き続けていた。 以上に述べた方法で、 その日からは毎日、れいむ共自身に自らの手で子供を殺させた。 子供が生まれ、装置に設置されるたびにれいむ共は必死に耐えたが、 時間制限がないのだからいずれは死なせるしかなかった。 そして、赤ゆっくりが死ぬたびにその断末魔と死骸を保存し、 夜が訪れるたびにデスマスクと断末魔のコレクションは増えていった。 いまでは、れいむ共は毎晩ガムテープを口に張られて死ぬこともできず、 子供たちに囲まれながら、人間ならたやすく発狂しているであろう恐怖を味わい続けていた。 れいむ種に施した処置は、現在のところは以上だ。 続く 選択肢 投票 しあわせー! 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『ゆっくりを食べる』 38KB いじめ 調理 現代 暑いので かすがあきです。 注意 「」は ゆっくりの発言です。 『』は 人間の発言です。 虐待は ぬるいです。 この世界に死臭はありません。 独自設定あり。 ゆっくりを食べる 『あつい………なんでこんなに暑いんだ?』 あまりの暑さに目を覚ますと、すでに13時を回っていた。 朝方まで論文を書いていたとはいえ、寝すぎた。 家族がいれば起こしてくれるのだろうが、一人暮らしの大学院生ではそれはできない。 幸いにも今日は講義もバイトもないので俺はゆっくりと起き上がり、クーラーをつけ、水を飲む。 部屋で栽培している ゆっくり ありすから ありす種とちぇん種の実ゆっくりを2個ずつとり、 足を焼いてある ありすに霧吹きで水分と栄養を与える。 人を恨めしそうに見つめる ありすを軽く叩いてから、朝食シリアルに実ゆっくりをのせ、牛乳をかける。 「………ゆぅ!?ちょけりゅぅぅぅぅうぅうううう!!!たぢゅげちぇ!!みゃみゃぁぁあああ!!! ゆっきゅり………いまれ……ちゃきゃっちゃ………」×2 悲鳴をあげ、短いゆん生(生まれいなので、表現としては不適切だろうか?)を終えるところを ありすに見せる。 「ぶぶうっっっぶぶぶっっぶぶぶぶっ!!!」 ありすは猿轡をしており、何を言っているかは正確には分からないが、大体は分かる。 ありすの叫びを聞きたい気もしたが、空腹には勝てず、実ゆっくりをスプーンで潰し、食事をはじめる。 シリアルの食感と、カスタードクリームにチョコレートと牛乳がよくあい、おいしい。 遅い朝食兼、昼食をとりながら、テレビをつける。 チャンネルはもちろん、ケーブルテレビのゆ虐専門チャンネルだ。 昼のワイドショーや昼ドラよりも、ゆ虐のほうが万倍は面白いのだ。 ----------------------------- 軽快な音楽とともに、テレビ画面に青年とゆっくりが映し出された。 『みなさん、こんにちは。【ゆっくり簡単料理】の時間です。料理担当の鬼威です。 今日は夏に美味しいデザート、【手作りアイスクリーム】を紹介させていただきます。宜しくお願いします。』 「ありすは ありすよ。とかいはな あしすたんとさんよ。 いなかものの あしすんとさん なんて ほんっとうは いやだけど、 これも おしごとだから しょうがないわね。がまん してあげるわ。」 青年とありすが自己紹介をし、お辞儀をする。 【ゆっくり簡単料理】。 ゆ虐専門チャンネルで放送されている番組で、その名のとおり、ゆっくりを用いた簡単な料理を紹介している番組だ。 ゆっくりという安価で保存もきき、自分で増やすこともできる食材を用いた料理番組なので、それなりの人気がある。 『…………それでは本日のデザートに用いる材料の説明です。』 「ちょっと まって、おにーさん!」 『はい?どうかされましたか?』 「どうも こうも ないわ!なんなの!?でざーとさんって?? そんな いなかものの いいかたじゃ あいすくりーむさんに しつれいよ! とかいはな ありすたちは もっと おしゃれさんに こういうの、すぃーつさんって。 いくら おにーさんが いなかもの だからって、これいじょう いなかものに なること なんてないわ。 ほら、はやく いいなおしなさい。すぃーつさんに もちいる ざいりょうさんの せつめいって。」 『うるっせー!!なにがスィーツだ!!』 青年が手にした包丁をありすの右目に突き刺す。 「っゆっぎゃぁぁああああああああああああああああああ!!!!」 『だいたい都会派ってなんだよ!?ああ!!?? スィーツだと!?素直に菓子って言えよ!!!』 怒鳴りながら青年は ありすに突き刺さった包丁を回す。 「やべやべやあややっやややややっべえぇぇえええええええええええ!!!??」 ありすはカスタードクリームの涙を流しながら止めるように言うが、青年の耳には届いていない。 『おしゃれだと!?名前が変わっただけで ありがたがるな!!このド低脳がぁ!!!!』 「っぐっべぇえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」 包丁を抜いた青年は、そう叫び、ありすの頭を、思い切り殴る。 「ごべごべべべべごべぇぇぇぇえぇえええええええええええええええええ!!!!!」 頬をつまみ、謝罪を繰り返す ありすを持ち上げた青年は、そのまま ありすをミキサーにいれる。 『世の中にゃ許せねえ物が3つある。 酒に氷を入れること。ゲスなゆっくり。 そして、得意げな顔して、菓子をスイーツと呼ぶヤツの存在だ!!滅びろ!!!』 そう言って、ミキサーのスイッチをいれる青年。 「っゆっべっぐっぎゃあぁああぁぁばぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!」 ミキサーの中から ありすの悲鳴が聞こえるが、やがてモーター音だけとなった。 『ふぅ。ちょっとだけすっきりした。』 『さて、少々失礼致しました。スイーツという言葉には少しトラウマがありまして、取り乱しました。 申し訳ありませんでした。』 画面の中の青年が謝罪をする。 なお、このやりとりは毎度のことなので視聴者は気にしていない。 むしろ、アシスタントの ゆっくりが虐待されることがこの番組の特徴であり、人気の一因でもある。 『それでは ここで新しいアシスタントを紹介します。』 「れいむは れいむだよ。あしすたんとさんを やってやるから かんしゃしてね! あと、あまあまを ちょうだいね!とくもりでいいよ!」 れいむがお辞儀もせずに言う。 『あまあまは、試食の時に食べましょう。それでは本日のデザートに用いる材料の説明です。』 「さっさとしてね!ぐずは きらいだよ!」 『………はい、材料です。 卵、3個。 砂糖、10グラム。 成体ぱちゅりー、1匹です。』 画面に卵・砂糖・ぱちゅりー(透明な箱にはいっている)が映し出される。 「むきゅきゅ。もりの けんじゃである ぱちぇに きょうは どんな ごちそうを だしてくれるのかしら??」 『食用でない ぱちゅりー、野良や野生の個体を利用する場合は、 事前の下ごしらえとして、3日程新鮮な食事と水を与えてください。 新鮮といっても、野菜屑や、砂糖、水道水で十分です。 これをしないと、味が酷く悪くことがあるので必ずしてくださいね。』 「これから りょうりされると しらない おろかな ぱちゅりーだね。 もりの けんじゃだなんて おおほらふきさんだよ。おお、おろかおろか。」 『はい、まずボールに卵を割りいれます。 この際、卵黄と卵白を別々のボールに入れてください。』 「ゆ!たまごさんを ぼーるさんの うえで そっとわって、らんぱくさんだけを おとすんだね! ゆっくりしないと しっぱいするから きを つけてね!もし しっぱい したら せいっさいだよ!」 『…………ええ、そうです。卵を割った後、殻に残った卵黄を、もう片方の殻へそっと移します。 これを数回繰り返すと、卵白だけがボールに落ち、殻に卵黄だけがキレイに残ります。 最後に、卵黄を別のボールに入れてください。』 青年は卵白・卵黄を別々のボールに入れながら言う。 「ゆ!さっすが おにーさんだね!きれいに らんぱくさんと らんおうさんがわかれたよ! れいむは らんおうさんが だいすきだから このまま たべちゃうよ!」 れいむが舌を卵黄のはいったボールに伸ばす。 『コラ、まだ早い。』 「っゆっべぇえぇええええええ!!!」 青年は割れた卵の殻を れいむの舌に押し付ける。 先端が尖っており、れいむは痛みに襲われる。 『れいむ、お腹が空いているのなら、卵の殻でも食べていなさい。』 「っぺっぺ!!ゆっくり ごめんだよ。たまごの からさんは ゆっくりできないよ。っぺっぺ!!」 床に卵の殻を吐き出しながら れいむが言う。 野良にとってはご馳走の卵の殻だが、れいむには不味い物のようだ。 『お見苦しいところを申し訳ありませんでした。 なお、卵白と卵黄を分けるのが苦手な方は、エッグセパレーターなどをご利用ください。 最近は100円ショップなどでも見かけますので、簡単に入手できると思います。』 「ひゃくえんしょっぷさん? ゆぎゃくぐっず ばかり かって きゃっしゅさんの ない おにーさんが もっぱら かいものを する おみせさんだね!」 『…………さて、この卵黄に砂糖を加え、軽く混ぜます。 次に、ぱちゅりーに苦痛を与えます。 ご存知のとおり、ゆっくりは苦痛に応じて甘味が増しますので、 甘いものが好きな方は特に念入りに虐待を施しましょう。』 画面に ぱちゅりーが映し出される。 『まず、このまったく似合っていない帽子を取り外します。』 「むっきゅ!!なにを するの!? もりの けんじゃである ぱちぇの おぼうしさんを とりあげるなんて、げすの することよ!! いますぐ かえしなさい!これは もりのけんじゃである ぱちぇの めいっれいよ!!」 青年はぱちゅりーの発言を無視して、紫の髪を毟り取り、竹串を用いて左眼を抉り取る。 「っむっきゅぅぅうぅううううううううう!!!や、やべで、やべでぇええええええ!!! っむっぎゃぁぁああああああああああああああ!!!っぱ!!ぱちぇの おめめざんぎゃぁあああああ!! このよの ことわりさんを すべて み゛どおず、おめめざん っぎゃぁぁあああああ!!!! っぐっべぇぇえええええ!!!っげっぼぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 生クリームを盛大に吐き出すぱちゅりーである。 「も……むぎゅぅぅ………もっど………もっど ゆぐり…じだが……だ…… そして、絶命した。 画面は ぱちゅりーの死骸から青年へと切り替わる。 『さて、ご存知のように、ぱちゅりーは大変な虚弱体質です。虐待を施そうにも、すぐに吐生クリームをし、死んでしまいます。』 「げろぶくろって あだな だから しかたがないよ!」 『そうですね。ですので、それを防ぐために、このように、口を焼き塞ぎ、吐生クリームを防ぐ方法があります。』 「ぶぶぶぶ!!!ぶぶぶぶっぶ!!!」 画面に口が焼きふさがれ、目から涙を流すぱちゅりーが映し出される。 「ゆぷぷ。なんて いっているか さっぱりだよ! れいむ みたいに かわいく しゃべってね!まねして いいよ!ゆーん、れいむったら かわいすぎるよ! かわいすぎて、ごーめんっねーー!!!」 れいむが体をひねり、ウインクをする。そんな れいむを、ぱちゅりーは泣きながら見つめている。 『…………調理に関しては この ぱちゅりーでも何の問題もないのですが、 せっかく ゆっくりを使うわけですから悲鳴を聞きたい方も多いと思います。 ですので、今日はとっておきの方法をお教えいたします。』 「っゆ!それは たのしみさんだよ!ゆっくり おしえてね!すぐでいいよ! あと、あまあまを ちょうだいね!とくもりで いいよ!!」 『…………まず、ぱちゅりーにこの絵本を与えます。 ご存知とおり、ゆっくりは平仮名ならば読めますので、本が好きな ぱちゅりー種は喜んで読みます。 ただし、まれに、平仮名すら読めないバカな固体もいますので、内容を聞いて、読めているかを確認してください。 読めない固体には、面倒ですが、読み聞かせを行います。』 「ゆ!おにーさん!その えほんさんは どんな おはなしさん なの?どこで うっているの?」 『いい質問ですね。この本は加工所製で、全国のペットショプで売られています。 本の内容としては、北欧神話の一部です。 オーディーンが、片目を差し出したり、身体に槍を突き刺して、魔術やルーン文字の秘密を得るというお話です。 豚に真珠、ぱちゅりーに知識と、いわれるぐらい、本来ゆっくりには必要のない知識を何故か欲するのが ぱちゅりー種です。 虐待の果てに知識が手に入ると知れば、虐待に耐える決意を勝手にしてくれます。 ご存知のとおり、ゆっくりとは思い込みの生物(なまもの)です。 強い決意により、ぱちゅりー種とは思えないほど虐待に耐性を持ちます。 まぁ、それでも、でいぶ程度の耐性力しか持てませんが。』 「ゆ!さっすが れいむだよ!ぱちゅりーの どりょくさんが、れいむの ふつうさんと おんなじだなんて、すごすぎだよ! れいむったら、すごすぎてごーっめんねーー!!!」 再び画面にれいむの気持ち悪いポーズが映し出される。 『…………さて、ここに先程の本を熟読した ぱちゅりーがいます。』 青年は透明な箱を取り出す。中には、本を読んでいる ぱちゅりーがいる。 『やぁ、ぱちゅりー。君もオーディーンのように知識を得たいかい?』 「むきゅ!にんげんさん!とうっぜんよ!もりのけんじゃである ぱちぇが すべての ちしきさんを えるのは とうっぜんの ことよ!」 『そうか。それじゃぁ、君に色々と苦痛を与えるけど、それに耐え切れれば全ての知識が得られるようになるから頑張ってね。』 「むきゅ!わかったわ。ぱちぇは この しれんさんに たえてみせるわ!!」 『その意気だ。頑張れ。』 「むきゅ!っむっきゅぅうううう!!!おぼうしさんを とられると、おちつかないわ! でも、これも もりのけんじゃから うちゅうのけんじゃに なるためよ!がまんするのよ、ぱちぇ!!」 青年は ぱちゅりーからナイトキャップをとり、紫の髪を引き抜く。 「っむぎゃっぁあぁああああああああ!!!ぱ、ぱちぇの かびのげざんぎゃぁぁああああああああああ!!! むっぎゅぅ………が、がばんよ、ぱちぇ。ぢじぎざんの だべに、ゆっぐり がばんずるのよ………」 『次は動かないように、その足を焼こうね。』 熱したフライパンに油を敷き、その上に ぱちゅりーをのせ、足を焼く。 「っむっぎゃぁぁあああああああああああああああ!!!あああぁああづうぅううううううううううううううううう!!!!」 「ゆ~ん。あまあまの においが してきたよ。れいむ、おなかが すいたよ! はやく あまあまを ちょうだいね!!さっさと してね!!すぐで いいよ!!」 『…………もう少しまってくださいね。こうやって虐待を施すことで甘味が増しますので。』 真っ黒に炭化した足で、何とか吐生クリームを堪えるぱちゅりーの左目に竹串が刺さる。 「っむっぎゅぎゃぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!!! やべでぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! ぐりんぐりんじないでぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 青年は黙って、眼球に刺さった竹串を回し、そして左目を抉り取る。 「っむっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! ぱちゅのぉおおおおお!!!ぼりのけんじゃの おめべざんぎゃぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁああ!!! で、でででででででででで、でぼ、ごごごごれでぱちぇは う゛じゅうのけんじゃにぃいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「ゆぷぷ。れいむと ちがって ばっちい おめめさん なんだから なくなっても べつに いいじゃない。」 『…………まだですよ、もっともっと辛い試練は続くよ。』 「む゛ぎゅ!?ぞ、ぞんな!!!」 『イヤなら止めるけど、止めたら目をなくしのたの無駄になりますよ。どうします?』 「むきゅ!!!!!……… つ、つづけて。 ぱちぇは、ぜっだいに この じれんざんを たえでみぜ… っむっぎゃぁぁああああああああ!!!! ばぁぁぁあああああああああああああ!!!!ばざんをぬがないでぇぇええええええええええええええ!!!! ぱちぇの しんじゅの ような はざんを ぬいじゃだべぇぇえええええええええええっっばあああああああああああああああああああ!!!!!!」 ぱちゅりーの白い歯を1本1本、ゆっくりと青年は抜いていく。 「っむっぎゃぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 「ゆぷぷ。おろかな ぱちゅりーが くるしんでいると きぶんさんが いいね! おにーさん、もっと してね!たっぷりで いいよ!!」 歯が抜かれる度に、ぱちゅりーは絶叫をあげる。 そして、隻眼の歯無しハゲの生クリーム饅頭が完成した。 『さて、これぐらいの虐待でぱちゅりーの身体は十分甘くなります。 この甘味を均一にするために、ここで、ぱちゅりーを少し休ませます。』 「む゛ぎゅぅ………む゛ぎゅぅ………」 ぱちゅりーは身体を時折ビクンと震わしながら、焦点が合わない残った目で天井を見つめている。 『ぱちゅりーが休んでいる間に、ハンドミキサーで卵白を泡立てます。』 画面にハンドミキサーによって泡立てられている卵白が映し出される。 「ゆー。おもしろそうだよ!っゆ!!らんぱくさんの かどさんが たってきたよ!」 『はい、卵白の角が立ったら、次は生クリームを泡立てます。 その為に、ぱちゅりーの おでこの部分に包丁をあて、輪切りにします。』 「っむ゛!!!!!!っむっっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 ぱちゅりーの頭が輪切りになり、生クリームが顔を覗かせる。 そして、できた穴にハンドミキサーがはいり、回転を始める。 「っむ゛っぎゅぅぅぅぅぅうぅぅううううっばあばあぁぁああぁぁぁいいああいああぁぁあぁあぁああああ ぼぼぼっっっっっぼうだだだだっべえぇぇえええあぁあああぎゃべば!!!!!!!!!……………………」 吐生クリームをする直前、ぱちゅりーは急に静かになった。 「ゆ?おにーさん、ぱちゅりーが りばーす しなかったよ!?どうして!?」 『それはですね、ぱちゅりーがリバースする直前に中枢餡をハンドミキサーで潰したかからです。 死んでしまえばリバースはできませんからね。ただ、リバース直前の見極めには慣れが必要です。 失敗が怖い方は、口を焼き固めるか、いきなり中枢餡を潰すことをオススメします。』 「ゆーん。さっすが おにーさんだよ!ゆうっしゅうだね! そんな ゆうっしゅうな おにーさんを れいむの どれいに してあげるよ!かんしゃしてね! あと、あまあまを ちょうだいね!とくもりで いいよ!!」 『…………さて、ぱちゅりーの中で、生クリームの角がたちました。次に、卵黄に砂糖を加えたものを泡立てます。』 「ゆ!らんおうさんと おさとうさんが あわあわになって、しろっぽくなってきたよ!」 『ええ、これぐらいで良いでしょう。ちなみに、泡立てる順番はどの順でも構いませんが、 この順番、卵白・ぱちゅりー・卵黄の順ですとハンドミキサーを泡立てるごとに洗う必要がありません。 ですので、私としましてはこの順番でするのをオススメします。』 「あらいものが きらいな ずぼらな おにーさんには うってつけだね!」 『…………次に、ぱちゅりーから生クリームをボールに移し替えます。 そして、この生クリームに先ほどの卵黄を入れ、ゴムベラで軽く混ぜ合わせ、最後に卵白を入れてよく混ぜ合わせます。 こうすることで、卵黄が下に こずまずに綺麗に混ざります。』 「ゆぷぷ、おにーさん。【こずまず】 だなんて ほうげんさんを つかったら だめ だよ。 ただしくは、【しずまずに】 きれいに まざるだよ。ゆっくり きを つけてね!つぎ つかったら、せいっさいだよ!」 『…………方言を使い、分かりにくい表現をして申し訳ありませんでした。 今日は使用しませんが、バニラエッセンスなどで香りづけをしたい場合は、ここで使用してください。 さて、綺麗に混ざりましたら、タッパー等に移し替えて冷凍庫で冷やします。』 「ゆっくり まてないよ!れいむは いますぐ あいすくりーむさんを たべたいよ!!」 冷凍庫にタッパーを入れる青年に向かって文句を言う れいむ。 『大丈夫です。ここにすでに冷えて固まった物が用意してあります。』 冷凍庫に先程のタッパーを置き、その隣にあるタッパーを取り出しながら青年が言う。 「ゆ!よくやったよ!ほめてあげるよ!かんしゃしてね! ゆっくり たべるよ!すぐでいいよ!!」 『…………ちゃんと固まっているようですね。それではお皿にもりつけましょう。』 「はやくしてね!れいむ、とくもりでいいよ!!」 『…………』 画面に、涼しげなガラスの皿に盛り付けられたアイスクリームが映し出される。 『こちらが、本日の【手作りアイスクリーム】になります。それでは早速試食をしてみましょう。』 「むーしゃむーしゃ……しあわっせーーー!!!」 幸せそうな顔をした れいむが映し出される。 れいむは揉み上げでスプーンを使うこともなく、顔をアイスクリームにツッコミ、尻を もるんもるんと振りながら食べている。 「うっめ!!これ めっちゃうっめ!!!ゆーん!!!つめたくって、あまくって、とっても とっても おいっしいよーーーーー!!!!! ぱねぇえ!!まじぱねぇ!!がーつがーつ! ゆっくりできるよ!ゆっくりーーーーーーーーーー!!!!!!」 そして、飲み込む前に叫ぶので、テーブルがどんどんと汚れていく。 『さて、このままでも十分おいしいアイスクリームですが、果物等でトッピングをしたりするともっとおいしくなります。 今日はその中でも、少し変り種を紹介したいと思います。』 「むーしゃむーしゃ……しあわっせーー!!! むーしゃむー っゆ!!??おそら とんでるーーーー!!??」 青年がアイスクリームを貪っている れいむを持ち上げ、キッチンへと移動する。 「なにするの?おにーさん??れいむは まだ あいすくりーむさんを たべたいんだよ! すぐに もどしてね!そしたら しんでね!すぐでいいよ!!」 『私の出身地、愛知県には【クリームぜんざい】といものがあります。 小倉餡にソフトクリームを乗せたもので子供からお年寄りまで幅広く人気があります。 ソフトクリームは家庭では中々用意できませんが、アイスクリームでも十分おいしく食べることができます。』 「ゆ?くりーむぜんざいさん?たべたいよ!れいむも その くりーむぜんざいさんを たべたいよ!!」 『さて、そのクリームぜんざいの材料ですが、先程つくったアイスクリームと、れいむ種か まりさ種を使用します。』 「ゆ?れいむしゅ??…………ま!ままままっままさかかか!!??? おおおおおお おにぃざん??れいむは れいむでも れいむじゃ ないよね?ちがうよね!!??」 『…………』 「おにいざん!!なにがいっでよ!!っゆ??? ななななにをじでるのぉおおおおおおおお!!??なななんで ふらいぱんさんを あだだめでるのぉおおおおお!!?? あぶらざんなんで ひがないでぇぇええぇぇええええええええええ っゆっぎゃぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!」 れいむの発言を全て無視して、青年はれいむをフライパンにのせ、足焼きを始める。 『さて、完全に炭化してしまいますと、苦い焦げのせいで せっかくのデザートが台無しになります。 ですので、この程度の軽い焦げで、一度火からあげます。』 れいむは上下逆さまで調理台の上におかれる。画面に映し出される足底は軽く焦げている。 『この程度の足焼きでは時間とともに歩行機能が回復してしまいます。 なので、包丁で、このように薄皮一枚を残して、網目模様に切れ込みを いれていきます。 軽い足焼きをしておきますと、足底が固く、また、暴れることもないので、慣れていない方でも簡単にできます。 もちろん、虐待に慣れているのなら足焼きをせずに いきなり足に包丁をいれてもいいですよ。』 「っゆっぎゃあぁぁああああああああああああああああああああ!!! やべでぇぇえええええええええええええ!!!でででいむの かぼじがざんの ような あんよ゛を きずづげるなぁぁあああああああ!!! っゆっぎゃぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」 軽く焦げた れいむの足に、包丁によって綺麗な網目模様ができていく所が画面に映し出される。 『さて、歩行機能を破壊した所で、次は食感のよくない髪や飾り、歯をとっていきます。』 調理台の上に置き直されたれいむから青年が飾りを取りながら言う。 「やべでぇえええええええええええええええええええ!!! れれれいぶの おりぼんざんを どるなぁぁああああああああああああああああああああ!!!!! ぞれがないど、ゆっぐりでぎないぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! がえぜぇぇえええぇぇぇえええええええええええええええええええええええええ!!! げずな じじいは ざっざど れいぶの おりぼんざんを がえぜえぇぇええええええええぇぇぇえぇ っゆ゛っべぇぇええええええええええ!!!」 騒ぐ れいむを青年が殴りつける。 『うるせーぞ!このゲスが!!』 「いっじゃぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!! なにずるのぉおおおおおおおお!!!??れいぶは げすじゃないでしょぉおおおおおおおおおおおお!!!??」 『ゲスに決まっているだろぉがぁ!!お前 ぱちゅりーをバカにしてたろ!?』 「あれは ばんぐみざんの ため でしょうがぁぁああああああああああああ!!! ぞんなごど、じっでるでしょうぅぅうううううううううううう!!??? っゆっべぇぇえええええええええええええええええええ!!!??やべ っゆっべぇぇえええええええええ!! やべでぇぇえええええええ!!!だだがないでぇぇええええええええええええええ!!!」 『何が番組の為だ!?いいか?お前ら ゆっくりはな、嘘をつくとストレスを感じて ぎこちなくなるんだよ!!! あんな楽しそうな顔ができるってことは、お前は ぱちゅりーが苦しむのを本心で楽しんでいるということなんだよ!! それにな!俺の発言に対して一々ムカつくことを言うな!!はっきりいって不愉快だ!!! 俺はな、お前みたいなゲスが大嫌いなんだよ!!!!』 青年は叫びながら れいむを殴り続ける。 「ごべ……ごげん………ばんぜぃじ……ごべん……なざぃ………」 殴れつづけ、うわ言のように謝罪をする れいむに、青年はオレンジジュースを少量かけてから話しかける。 『うるさいね。そんな謝意のない謝罪なんて意味がないよ。』 「ぞ、ぞんなごど ありばぜん!!だがらぁ……だがらぁ………」 『ふーん。だったら、これからお前をハゲにする。その際に文句を言わなかったら許してあげる。我慢できるよな?』 「ばい!なんでぼ じばずがら!あやばるがら、ゆるじでぐだざいぃいいいいいいいいいいいい!!」 れいむの言葉を聞いた青年は笑顔で れいむの黒髪をむしり取る。 「いっじゃぁぁああああああああああああ!!! やべでぇえええええええ!!!れいぶの がみざんを ぬがないでぇええええええええ!!!!! どぼじでぇええええええええええ!!!!ゆるじで ぐれだんでじょぉおおおおおおおおおおおおおお!!!??」 『ははは!やっぱり話の内容を理解していないな。そんなゲスな奴は ゆっくり苦しませてあげる!感謝してね!!』 「やべでぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! おでがいじばずぅうううううううううう!!!ぼぼぼ ぼぅ やべでぐだざいぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 髪を抜かれる激痛で れいむは泣き叫ぶが、青年はそれを気にせずに作業を続ける。 「っゆっぎゃぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! れれれいぶのもみあげざんぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああ!!! ぼ、ぼう ぴこぴこでぎないぃいいいいいいいいいいい!!!ぞんなのやじゃぁああああああああああああああ!!!」 『さ!ハゲになったとろこで、次はこの汚い歯だ!!』 揉み上げと髪を失い、ハゲ饅頭になった れいむの口にペンチがはいる。そして、歯が抜かれる。 「っゆっぎゃぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! やべでぇええええぇぇえええええええええええええ!!!!!れれれれれれいぶの ばじゃん ぎゃぁああああああああああああああ!!!!」 『ははは!さすがはツラの皮の厚さに評判がある れいむ種だ!これだけされても吐餡をしないからな! ぱちゅりーへの虐待は死なないように注意が必要でイーライーラしてたんだ!お前でその うっぷんをはらさせてもらうよ。』 「ぞんなぁぁあああああああああ!!!やべでぇえええええええええええええええ!!!! っゆっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああぁぁああああああああああああ!!! ぼ、ぼぼぼう これ いじょう ばざんを ぬがいでぇぇえええええええええ!!! ぼう むーじゃむーじゃ でぎないぃいいいいいいいいい!!!! ぞんなの ゆっぐりでぎないぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「っゆ゛!っゆ゛!………っゆ゛……っゆ゛!!」 歯のないハゲ饅頭となた れいむが画面に映し出される。 よほど辛かったのか、はたまた騒ぐ元気がないのか、ただ身体を震わしながら涙を流すだけで何も言わない。 『お見苦しい所をお見せしました。 先程の調理の際や、試食の際の態度があまりにイライラしてしまい、我を忘れてしまいました。』 青年が謝罪をするが、視聴者は誰も責めいない。 ゲスな れいむ種を許せる存在など、この世にはいないのだから。 『さて、次に、れいむの頭頂部を包丁で切断し、餡子を露出させます。』 「っゆ゛!っゆ゛!……っゆっぎゃぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!! あばばばあばばっばあああばばぁぁあああああ!!!れれれりぶのあだまぎゃぁぁあああああああああああああ!!!」 『綺麗に切断できました。次に包丁で、切断面から足にむかって切れ込みを幾つか てきとうにいれていきます。』 「あばばばああああぁぁああ!!!やべやべやべやべやべやべやべぇぇえええええええええええええええええ!!!!」 『切れ込みが入りましたら、この先端をもって、一気に皮を剥きます。』 「っゆっぎゃぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 調理台の上に、餡子を露出させた れいむが映し出される。 『この れいむをお皿に映して、先程つくったアイスクリームを乗せます。』 「っちべっぢゃいぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! ぼうやじゃぁぁあああああああああああああああああああああ!!!ぼうじがえりゅぅううううううう!!!」 『はい、これでクリームぜんざいの完成です。 餡子に冷たいアイス、それに葛餅がちょっとしたアクセントになって とてもおいしいですよ。』 画面にアイスクリームを頭に載せた、皮を剥がされた れいむと、【クリームぜんざい】というテロップが映し出される。 『なお、皮を剥ぐ前に冷蔵庫で冷やしておくと、更においしくなります。 さて、試食にはいる前に、新しいアシスタントの紹介です。』 「まりさ なのぜ!まりさは あまあまが だいっすきなのぜ!はやく たべたいのぜ!!」 画面に まりさが映し出される。 『それでは試食です。』 「ゆっくりいただくのぜ!」 青年と まりさがスプーンでクリームぜんざいを食べ始める。 なお、まりさは お下げでスプーンを使っている。 「っゆっぎゃぁぁああああああああああああああ!!!! いじゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!! やべでぇえええええええええええええええええええええぇええええぇぇえええええええええ!!! れいぶをたべるないでぇぇえええええええええぇぇえええええええええええええええええええ!!!!」 「むーしゃむーしゃ……ごっくん!……っしあわっせーーー!!! すっごいのぜ!おにーさん!!この くりーむぜんざいさんは さいっこうに ゆっくりできるのぜ!!」 『そうですね。少し溶けたアイスクリームと餡子が混ざって甘味の中に、深みのあるコクがでてとても美味しいですね。 あと、この葛餅も良いアクセントとなっていて美味しいですね。』 青年がスプーンで れいむの左目を抉り取る。 「っやっべぇえぇえええええええええええ!!!!ぞぞぞ ぞれを ちかづげないでぇぇええええええええええええ!!!!! っゆっぎゃぁぁああああああああああああああああああああああああああぁぁぁああああ!!!! めっぎゃぁぁあああああああああああああああぁぁあああああああああああぁぁああああああああ!!! れれれいぶの げがいを みわだずごうぎな おべべぎゃぁああああああああ!!!」 アイスクリームと一緒に葛餅を食べる青年。 「ゆ!おにーさん!まりさも くずもちさんを たべたいのぜ!!」 「ばりざぁぁぁあああああああああああ!!!やべでぇぇえええええええええええ!!!! れいぶの おべべざんを どらないでぇええええええええええええええええええええええええ!!!」 「ゆ?へんなことを いう くりーむぜんざいさんなのぜ。 くりーむぜんざいさんなのに、じぶんのことを れいむだなんて うそを つくのは よくないのぜ!ゆっくりできないのぜ!」 「どぼじでぇぇええええええええ!!??れいぶは れいぶだよぉおおおおおおおお!!!じんじでよぉおおおおおおおお!!!」 「ゆぷぷ。しかたがないのぜ、ここは さいっきょうの ゆっくりである まりさが おしえてやるのぜ。 いいかぜ?れいむっていうのは、しろい おはださん、くろがみさんに もみあげさん、それに あかい りぼんさんを つけているのぜ。 くりーむぜんざいさんとは まったくちがうのぜ。ゆっくりりかいするのぜ!それじゃぁ、くずもちさんを たべるのぜ!!」 「れいぶは れいぶだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じんじでぇぇえええええええええええええええええぇえええええええええええええええええええ!!!! やべやべやべでぇぇええええええええええええええええええええええ!!!! ぞぞぞ ぞれぢがずげないでぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! っゆっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 れいむの懇願を無視して、まりさはスプーンで れいむの右目を抉り取り、口に含む。 「むーしゃむーしゃ……ごっくん!……っしあわっせーーー!!! ゆ!ほんっとうなのぜ!この くずもちさんが ある おかげで、あきることなく たくさん たべれるのぜ! もっと もっと くりーむぜんざいさんを たべたいのぜ!!」 「いっじゃぁぁぁあああああああああああああああああああああああぁぁあああああああああああああ!!! っゆっぎゃぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!?? びえないぃいいいいいいいい!!!なんにぼみえないよぉおおおおおおおおおおおお!!!! がえじでぇぇえええええええええええ!!!れいぶの おべべざんをがえじでぇえええええええええええ!!!」 「もう たべちゃったから むりなのぜ。ゆっくりりかいするのぜ! それよりも、まりさは もっと もっと くりーむぜんざいさんを たべるのぜ。 むーしゃむーしゃ……ごっくん!……っしあわっせーーー!!! ゆ!?さっきよりも あまくなっているのぜ!おにーさん!!」 『ええ、ゆっくりは苦痛を感じれば感じる程甘くなるという特徴があります。 殺すことなく食べることで、より甘くなるわけですね。加えて、こんな風にしますと……』 青年がスプーンをれいむの体内に押し込む。 「っゆぴ!!っゆぴぴ!!!やべでぇぇええええええええ!!!! あんござんの ながに べんなの いでないでぇえええええええええええええっゆぴ!!!!」 『このように中枢餡に刺激をあたえることで、面白い声を聞くこともできます。』 「ゆぷぷ。おもしろい こえで とっても ゆっくりできるのぜ!!」 『どうやら、まりさも気に入ってくれたようですね。 今日の【ゆっくり簡単料理】ですが、ご自宅で簡単にできるアイスクリーム。 それを使った、クリームぜんざいを紹介しました。 どちらも暑いこれからの季節にぴったりのデザートです。みなさんも是非作ってみてください。』 「ゆぷぷ!おにーさん、でざーとさんだなんて ゆっくり できない いいかたは やめたほうがいいのぜ! いまは こういうのを わすぃーつさんって いうのぜ!」 青年が れいむから取ったリボンを再び れいむに乗せる。 その途端、まりさの顔が青ざめた。 「ゆ!?れいむ!?ど、どうしたのぜ!!?なんで そんなに ひどい けがを しているのぜ!!!??」 「ばりざぁぁああああああああ!!!??だずげでぇええええええええええええええ!!!??」 「まっているのぜ!!すぐに たすけるのぜ!!おにーさん!すぐに れいむを たすけるのぜ!!! ゆ?なにを しているのぜ!?はやく するのぜ!!これは めいっれいなのぜ!っぐっべぇぇええええええ!!??」 青年がまりさを殴る。 『うるっせー!!なにが和スィーツだ!!』 青年がまりさから帽子をとり、お下げでまりさを持ち上げながら言う。 「やべるのっぜぇえええええええええええええええ!!! いだい!!いだいのぜぇええええええええええ!!!はなずのぜ!!おぼうしを がえずのぜ!!!!」 『和スィーツだと!?素直に和菓子って言えよ!!!デザートといって何がいけないんだ!!ああ!!??』 まりさの頬を勢いよく叩きながら青年が尋ねる。 「っゆっべぇ!!!!っゆっべぇえ!!!! ごべ、ごべんなんざいぃいいいいいい!!!すぃーつざんじゃありばぜん!!でざーどざんでずぅううう!!! だがらぁぁあああ!!だがら、ぼうやべでぐだざいぃいいいいいいいいい!!っゆっべぇぇええええ!!!」 『っは!ゆっくりの辞書に反省という文字はないからな。許すわけにはいかねーな。』 「ぞんなぁぁああああああああああああ!!! あやばっだのにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 『いいか、まりさ。お前がさっきまで旨い旨いと言って食っていたクリームぜんざいは見てのとおり れいむの中身だ。 れいむ種の中は餡子だからな。それと、まりさ種の中身も餡子だ。どう思う?』 「ばばばばばばざがぁああああああああああああ!!!?? ややや やべやべ やべで!やべでぇえええええええええええええええええええええ!!!」 滝のように汗を流す まりさが画面に映し出される。 『ははは!!餡子脳のお前にも分かったか。 そう、これからお前をクリームぜんざいに調理して、みんなで美味しく食べるから。感謝してね!』 「やべでぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええええ!!! ばばば ばりざは おいじぐないのぜぇぇええええええええええええええええええええええ!!! たでだら だめ゛なのっぜぇええええええええ っゆっべぇぇええええええええええええええええ!!!! っゆっべぇええ!!だだがないじぇええええええええええ!!!やべっじぇぇえええええええええええええええ!!! っゆっべぇええ!!いじゃいぃいいいい!!!ぼ、ぼうおうじがえりゅぅぅうううう っゆっべぇぇえええええ!!!」 何度も叩かれ、まりさが涙を流しながら、口をだらしなく開ける。 青年がまりさの口にペンチを入れ、歯をぬく。 「っゆっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!! ばばばっ ばりざの しんじゅざんの ような ばざんっぎゃぁあああああああああああああああ!!!」 まりさへの虐待がテレビに映し出されながら、ワイプで、今日のレシピの おさらいが流れる。 「っゆ゛!!っゆ゛!!っゆ゛!!」 そして、れいむ同様に餡子むき出しになった まりさに、アイスクリームが乗せられた。 『今日もお見苦しい所をお見せしてし申し訳ありませんでした。 さて、アシストントの ゆっくりもいなくなりましたので、このクリームぜんざいはスタッフで美味しく頂きます。』 青年が頭を下げ、謝罪をするが、その顔は晴れ晴れとしている。 毎回アシスタントのゆっくりが最後に調理されるのは この番組のお約束なので、誰も怒っていない。 むしろ、同属喰いを嬉々として行うゲスを制裁できて、スッキリできるのだ。 『次回は ゆっくりを使って和菓子、【ういろう】の作り方をご紹介します。お楽しみに。 本番組では、視聴者の皆様からゆっくりを使ったレシピを受け付けています。 採用された方には、食用ゆっくり1年分をプレゼント致します。 詳しくは、web で。美味しくて楽しいレシピを待っています。 されでは、また来週。』 軽快な音楽とともに青年が頭を下げ、 画面は青年から、餡子を露出させ、アイスクリームが添えられた まりさに変わる。 「っゆ゛!!っゆ゛!!だずげ……だれが………っゆ゛!!っゆ゛ゆ゛!!」 画面に助けを求めるまりさの姿と、製作テロップが映し出される。 ----------------------- 『クリームぜんざいか。楽しそうな悲鳴も聞こえるし、ちょっと試してみようかな?』 テレビを見終えた俺は、そう呟き食用ゆっくりを求めて、ショッピングセンターへとでかける。 買ってきた食用ゆっくりの れいむをテレビで説明していたように調理する。 足を包丁で破壊し、飾りをとり、髪と揉み上げをとり、皮を剥ぎ、市販のバニラアイスクリームをのせる。 『うん!うまい!餡子にアイスなんて想像ができなかったけど、これはうまい。』 「いっじゃぁぁああああああああああああぁぁああああああああああああああ!!! やべじぇぇぇええええええええ!!れれいぶのあんござんをたべないでぇぇえええええええええええええ!!!」 れいむの悲鳴を聞きながら、クリームぜんざいに舌鼓をうっていると、ふと ありすと目があったので、ありすの猿轡を外す。 「ころじでぇぇえええええええええええ!!! おねがいじばずぅうううううううううううううう!!!ごんな いながものの ぜいがつは ぼう いやぁぁああああああ!!! ありずも ありずも くりーむぜんざいざんに じでぐだざいぃいいいいいいいいいい!!!」 『だめだよ。』 ありすの頼みを即断る。 「どうじでぇええええええええええ!!??どうじで ぞんなごど いうのぉおおおおおおおおおおおおおお!!??」 『だって、クリームぜんざいにカスタードクリームは使わないから。』 「ぞ!ぞんなぁぁああぁぁぁあああああああああああああ!!! ぞれじゃぁ、ありずは、そごの ばけもの みだいな れいむよりも いながものっでごどなのぉおおおおおおお!!??」 『まぁ、そうだな。田舎者は田舎者らしく、俺に実ゆっくりを提供しつづけてくれ。』 何が田舎者なのかは理解できないが、てきとうに言っておく。 「やっじゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!! いながものじゃないぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいI!!!ありずは どがいばよぉおおおおおおおおおおおお!!! おでがいぃいいいいいいいいいいいいいい!!!ありずを ごろじでぇええええええええ!!!! ぼう、ぼう だえれないのぉおおおおおおおおおお!!!!どがいばな おちびぢゃんが じぬのを みだぐないのぉおおおおおおおお!!!」 『だめ。甘い物がないと頭が働かないから。 それに、お前が留守中にこの家で俺が栽培していたちぇんを殺したのがいけないんだろ。 その責任はちゃんと果たせよ。』 このありす、元野良ゆっくりだった。 半年前に、戸締りを忘れた隙に、この部屋に侵入し、部屋を荒らし、実ゆっくり栽培用の ちぇんを殺したのだ。 罰として、ちぇんの代わりを ありすにしているのだ。 「ごべんなざいぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! いながぼのの ちぇんを ごろじで ずいばぜんでじだぁぁああああああああああ!!! ぼ!ぼう やなんでずぅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!! ごろじでぇええええええ!!!おでがいじばずぅうううう!!!なんでぼじばずがら、ごろじでぐだざいぃいいいいいいいいい!!!!」 ありすを無視して、クリームぜんざいを食べる。 「たべないでぐだざいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! れいぶの がわりに、ぞのありずを たべればいいでしょぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!?? おでおで おでがいじばずぅううううううううううううううう!!!れれれいぶを たべないでぇぇえええええええええええええ!!!!」 俺は ありすの「殺して」という叫びと、れいむの「助けて」という叫びを聞きながら、クリームぜんざいを食べる。 「がわっでぇえええええええええええええええ!!!おでがい!!ありずを たべでぇええええええええええ!!! おでがいじばずうぅうううううううううううううううう!!!ありずの ぼうが おいじいんでずぅうううううううううううううう!!!!! ありずを たべでぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」 「ありずぅうううううううう!!!おばえがぐわれろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! れいぶは もっど ゆっぐり じだいんだぁぁあああああああああ!!!!だずげろぉおおおおおおおおおお!!!! っゆっぴ!!!やじゃぁぁあああああああああ!!!!!!たべるなぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!! 死を望む者に生を。生を望む者に死を。 互いに ゆっくりしたい という同じ目的を持ちながら、正反対の主張をするのは聞いていて面白い。 俺は二律背反な叫びを聞きながら、デザートであるクリームぜんざいを食べ、幸せに浸る。 あとがき ぱちゅりーを虐待するのって、難しいです。いや、全ての虐待が難しいんですけどね。 ぱちゅりーを虐待するために、耐久力を持たせる方法は独自設定です。 あと、死臭がないとい設定で書いています。 気分を害された方、申し訳ありませんでした。 アイスクリームのレシピですが、ぱちゅりーの変わりに生クリーム200グラムを用意して、 砂糖を70グラムにすれば実際にこのレシピでアイスクリームができます。 劇中では、ぱちゅりーが甘くなるので、砂糖を控えめに表記しました。 暑い日になると、冷たいものが美味しいので、よかったら作ってみてください。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3986.html
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あるドスのゆっくり 15KB 虐待 理不尽 同族殺し ドスまりさ 自然界 現代 人間なし 独自設定 ストレス社会 独自設定があります。 「ごべんなざいいいいいぃぃぃ!!もう決して人間さんの畑にはいれさせませんんんんん!!! 珍しい茸さんをあげますので駆除は止めてくださいいいいいぃぃぃ!!」 「どうして赤ちゃんふえてるのおおおおおぉぉぉ!?!? もうすぐ冬さん来るんだから『すっきりー』しちゃ駄目って言ったでしょおおおおおぉぉぉ!?」 「なんでレイパーありすがこっちにきてるのおおおおおぉぉぉ!? ……ゆ!? あっちにはレイパーありすがいるから狩りに入っちゃ駄目っていったでしょおおおおおぉぉぉ!?」 「その食料さんは冬用の備蓄だって言ったでしょおおおおおぉぉぉ!?!? 『忘れてた』じゃないよおおおおおぉぉぉ!!今度は絶対食べないでねえええええぇぇぇ!!」 「ゲスな子は群れには入れられないよ!ゆっくり理解してね! ゆ~……しょうがないね……。 ゲスはこの穴に落とすよ! ゆっくり反省してね!!」 ここはとあるドスまりさが治めるゆっくりの群れ。 このドスまりさはかなり頑張っていた。 近くに住む人間との仲を取り持ち。 群れの個体調整に四苦八苦し。 ゆっくり出来ない外敵を打ち倒し。 食料の備蓄に努力を払い。 共に生きる仲間を選んだ。 それでも 「どおしてわからないのおおおおおぉぉぉ!?」 ドスの叫び声が聞えない日は無かった。 ドスは懸命に群れをゆっくりさせようとしているが、その群れのゆっくり達はそれを理解しようとせず 自分達の都合と欲望のままに行動していたからだ。 とはいえ全てのゆっくりがそういうわけではなく、ドスの事を想うゆっくりはドスの考えを理解しドスを擁護した。 そのお陰もあって、群れは危ういところではあるが何とか存続を続けていた。 「ゆ……ゆっぐりぃぃぃ……」 今日もドスはへとへとになって自分のお家である洞窟に帰ってくる。 もうすぐ冬が近いので最近はいつもこんな感じだ。 夜のお家はドスが唯一ゆっくりできる場所と時間でもあった。 「……ゆっぐりじだいいいいいぃぃぃ……」 ドスはそう呟いた。 ゆっくりとはストレスに非常に弱い。 僅かなストレスでも不快感を露にし、叫び、喚き、周りに当り散らす。 ドスという個体はストレスにかなり強い方ではあるが所詮はゆっくり。 必ず限界は訪れるのだ。 群れが無能ならばなおさらだ。 「ゆ……ゆ……」 ドスはずーりずーりと体を引きずって洞窟の奥へと進む。 そして一番奥にあるドスより少し小さいくらいの岩を横に押す。 岩はゴロゴロと音をたてて脇へとどけられる。 「オープン―――セサミ」 岩がどけられると、ドスが這っていけば通れる位の穴がそこにあった。 ドスは出来るだけ体を低くしてそこに入る。 「ずーり……ずーり……」 穴を抜けると、そこは一つの空間になっていた。 そして何匹ものゆっくりがそこで眠っていた。 「ゆ っ く り し て い っ て ね !!」 ドスがその空間に向かっていつもの挨拶をすると 「「「「「ゆ……!?ゆっくりしていってね!!」」」」」 そこに居たゆっくり達が目を覚まし返事を返した。 だが、それがドスの発したものだと理解すると 「ゆぎゃああああああああああああああああ」 「ゆっぐりでぎない”い”い”い”い”ぃぃぃ!!」 「だずげでぐだざいいいいいぃぃぃ。もう、むれをおそっだりじまぜんんんんんがらあああああぁぁぁ!!」 「ありずはい”な”がも”の”でがま”いま”ぜんんんんん!!だがらいひどいごどじないでえええええぇぇぇ!!」 「ごろざないでえええええぇぇぇ!!ごろざないでえええええぇぇぇ!!」 悲鳴が返ってきた。 「ゆ~♪」 ドスはその悲鳴を聞いてうっとりとした表情を浮かべる。 が、そのときだった。 「くずどすがあああああぁぁぁ!!ばりざざまをゆっぐりざぜろおおおおおぉぉぉ!!」 「にんっしんしてるでいぶをあなにおどじだぐぞどずはゆっぐりじないでじねえええええぇぇぇ!! 「ゆ?」 それは今日の昼ごろ、群れに入れてくれとやってきたまりさとれいむの夫婦だった。 れいむの方は胎生妊娠をしていた。 それをかさにきて増長し、群れの決まりごとを否定し、罵詈雑言を喚き散らした。 あまりのゲス思考にドスは入村を拒否。 その腹いせに群れのゆっくりに怪我を負わせたので、お仕置きとしてこの穴に落っことしたのだ。 「……」 「どずはまりさをゆっくりさせるのがぎむだぜ!そんなこともわからないのかだぜ!!ばかなの!?しぬの!?」 「おお、むのうむのう!!あわれなどすだね!!!」 「……」 ドスは無言だ。 ゆっくりと二匹の近くに近づく。 「だまってないでさっさとまりささまにしょくりょうとおうちをよういするんだぜ!!」 「あとあまあまもってこい!!」 「だ・ま・れ」 そう呟いたドスは大きな舌を振り払った。 「ゆぼべばぁぁぁ!?」 「!?」 一つ前に出ていたまりさが横に吹き飛ぶ。 そのあまりの速さ(ゆっくり基準)にれいむは思考が追いつかなかった。 まりさは壁にたたきつけられた。 そしてしばらく壁に張り付いていたかと思うと、ゆっくりと地面に落下、悲鳴を上げた。 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ いたいんだぜえええええええええええええええええええええええええええ じぬ!!!じぬうううううううううぅぅぅぅ!?!?!?」 「全く、やれやれだぜ……」 いつの間にかドスが近寄ってきていた。 「ゆぎぎあああああああああああがああああああああ!?!? ごのぐぞどずううううううううううううううううううう!! じね!!じめええええええええええええ!!」 「むかつくんだぜっ!!群れなきゃドスに勝てない人間のくせにいいいいいぃぃぃ!!」 再び舌がうなる。 今度は下から掬い上げるように来た。 まりさは天井に頭をぶつけ、さっきと同じようにゆっくりと地面に落下した。 「ゆごごごごごごごごぉぉぉぉぉ!?!?」 どうやら歯が砕けたようで、白い塊がいくらか地面に散乱した。 その後もドスはまりさに舌の連撃を繰り返した。 「ゆげえっ!!」 「こんな時期にガキなんか作るんじゃねんだぜえええええぇぇぇ!! しかもこっちが間引きしてやるって言ってやったのに『死ね』だと!?何様のつもりなんだぜあの糞夫婦がよおおおおおぉぉぉ!!」 「ゆぼごべええええ!!」 「レイパーに体触られる身にもなれってんだぜあの糞ちぇんがあああああぁぁぁ!!レイプされて死ぬなら勝手に死んでこいってんだぜ! 群れにまで連れてくるなだぜ!!」 「ご、ごべんなざ……ゆぎょ!?」 「誰が手前ら為のだけに食料を用意するってんだ、あの淫売ありすがあああああぁぁぁ!! 『とかいは』だとかレイパーのねばねばに匹敵する汚物思想なんだぜ!!役立たずの分際でえええええぇぇぇ!!」 「ば、ば、ばでぃざがばるがっだでず……ぼ、う……あやばでぃ、ゆぎいいいいいぃぃぃ!! 「ゲスは死ぬんだぜ!ゲスは死ぬんだぜ!ゲスは死ぬんだぜ!ゲスは死ぬんだぜ!ゲスは死ぬんだぜ!ゲスは死ぬんだぜ!」 凶悪な表情と暴力的な言葉を撒き散らしつつ、ドスはゲスまりさを舌でドつきまわした。 「ぼ……ゆ”……る……じ……で……」 「ゆふー……ゆふー……」 連撃が止まる。 ドスは荒い息をして体を揺らしていた。 その足元には、ズタボロになり息も絶え絶えのゲスまりさ。 一方他のゆっくり達は、自分達に被害が及ばないように隅の方でがたがた震えていた。 番のれいむも同様だ。 今まで、ドスとは自分達ゆっくりの為に尽くしてくれる都合のいい存在としか考えていなかった。 だから目の前で行なわれた凶行が信じられないと同時に、言いようの無い恐怖と、ドスとの力の差を改めて認識したのだ 「ゆわあああああ……」 しーしーと涙をだらだらと流しつつ、番のまりさを気遣う事もできずにただただ震えていた。 そこにドスの視線が刺さる。 「ゆ、ゆあああああ……」 のっしのっしと近寄ってくるドス。 れいむは恐怖で声も上げることが出来ない。 「腐った饅頭みたいな面だぜ」 「ゆ……ゆゆっ!れいむはくさったまんじゅうじゃないよ!ゆっくりしないでていせ……」 自分が馬鹿にされたことに反射的に反抗する。 その結果、ドスの舌の一撃で壁に叩きつけられて、体から餡子をもらすほどの裂傷を負う羽目になった。 「い、いだいいいいいぃぃぃ!!!あんござんがあああああぁぁぁ!!!」 「腐った饅頭みたい……じゃないんだぜ、お前らゲスは腐った饅頭なんだぜ」 「れ、れ、れ、れいぶはあああああぁぁぁ……」 「なんなんだぜ!?」 舌振り上げつつドスは強面でれいむに迫る。 「ゆっ……ゆっ……く……まん……です……」 「ゆぁぁ~?」 「ゆびっ!?」 ドスは舌より軽い三つ編みのお下げでれいむをひっぱたいた。 吹き飛んだりはしないが、大きいドスのお下げの一撃は、傷ついたれいむの体に痛みを与える。 「れ、れいむは……くさった……まんじゅう……です……」 「そうだよ。れいむ達みたいなゲスは腐ったまんじゅうだよ。だから……」 ドスがれいむから離れて行く。 そして向こう側で倒れているまりさを舌でくるみ、掴みあげた。 れいむは痛い体をかばいつつそれを不思議そうに見た。 ドスは振り向きつつ言った。 「虐待で使うくらいしか価値がないんだぜ」 そしてまりさを舌で握りつぶした。 「ゆ”っぎいぃっ!!」 簀巻きのようにまかれた舌の左右からまりさの餡子が漏れ出る。 ドスまりさはそのまままりさの体を口に運んだ。 「むーしゃむーしゃ……ペッ、やっぱりゲスはまずいんだぜ!舌が腐るんだぜ!!」 噛み砕かれてぐちゃぐちゃになったまりさの体が、れいむの前に吐き捨てられる。 餡子と皮と髪と帽子、さらにドスの唾液などなど全てが滅茶苦茶に混ざり、もはやただの生ゴミのようである。 「ば、ばりざがあああああぁぁぁ……れいぶのばりざあああああぁぁぁ。どぼじでごんなごどずるのおおおおおぉぉぉ……?」 どうやらこのれいむ、ゲスではあるようだがまりさのへの愛(笑)はあったようだ。 と、そのときであった。 「ゆ!?ゆぐぐうううぅぅ!?う”っ……う”ばれるうううううぅぅぅ!!」 にんっしんしていたれいむが突然産気づいた。 目の前での凶行によるショックだろうか? ミリミリと産道が開き、赤ゆっくり(大きさは子ゆっくり)の顔が覗く―――相変らずむかつく笑みを浮かべている。 「ゆぎいいいいいぃぃぃ……れいぶのあがぢゃあああああんんん!!ゆっぐりうばれでねえええええぇぇぇ!!」 砂糖水の大汗を流しつつれいむは叫ぶ。 そして、すぽーんと音をたてて一匹目が空中に飛び出した。 「ゆっきゅりしていっちぇ―――」 「ゆん!!」 ドスが口の先端を小さくし、吹き矢を吹くかのように何かを飛ばした。 一直線に走る光の矢の様に、それは赤ゆっくりに命中した。 「ゆ”う”う”う”!?!?」 れいむはその瞬間を見た。 赤ゆっくりが、生まれてはじめての挨拶を遂げようとした瞬間、胴体の真ん中に大穴を空けられる瞬間を。 べちゃり、という音をたてて既に事切れた赤ゆっくりが地面に落下する。 顔があったであろう部分は、髪の毛のある後頭部まで貫通した何も無い空間があるのみだ。 「ど、どういうことおおおおおぉぉぉ!?!?」 「ゆっはあああああぁぁぁ!!命中なんだぜえええええ!!!」 ドスは子供のように喜びの声を上げる。 今のは出力を下げ、さらに発射する口の大きさを小さくし、細いレーザーのように発射した『小スパーク』である。 ただ、小さいとはいえドススパーク。 人間ならば根性焼きの痛さはあるだろう。 ゆっくりならば貫通するほどの威力があり、成体でも体の一部が蒸発する。 そして生まれたばかりの赤ゆっくりは見ての通りである。 れいむの赤ゆっくりは、この世に生まれでてコンマ5秒でその短いゆん生を終えた。 「さっさと次の赤ゆっくりを飛ばすんだぜ!」 「い、いやじゃあああああぁぁぁ!!あかちゃん!ゆっくりうまれないでね!ここはゆっくりできないよ!!うまれないでね!!」 こんな状況で子供を産むほど馬鹿ではないらしい。 れいむは開きかけた産道を閉じようと必死に頑張っていた。 「……そこの辻斬りと糞レイパー」 「「ゆ”!!」」 「ゲスのガキをひりだせだぜ!」 「そ、そんなひどいことだみょん……!」 「ゆぅ……そんなのとかいはじゃないわよぉ……」 ドスが指名したのは、過去に群れのゆっくりを何度も傷つけたみょんと、レイパーの群れと戦った際に捕縛したありすだった。 「みょ”お”お”お”!?」 「ゆぎゃああ!!」 抵抗した二匹だったが、いきなり体に痛みが走った。 小スパークが頬の一部をそぎとったのだ。 「ちぇんみたいにしてやってもいいんだぜ?」 「「!!」」 二匹はとたんにがたがたと震えだした。 その視線の先には、体のあちこちに小さな穴を開けたちぇんが、蟻にたかられてその体をじわじわと小さくしているところだった。 しかもわずかに「ゆ”っ……ゆ”っ……」と小さなうめき声を上げている。 そう、生きながら蟻に中身を持っていかれているのだ。 先日、ちぇんはドスに『生きた的』にされ、散々走らされた挙句、体をじわじわと小スパークで削られていったのだ。 しかも止めを刺さずに放置し、じわじわと蟻に食われる様を見て楽しんだのだ。 無論、ちぇんを助けようとしたら舌で思い切り殴られた。 なので二匹はドスの言葉に従うしか出来なかった。 「や、やめてねっ!れいむにちかよらないでねえええええぇぇぇ!!」 母性に目覚めたのか、にじり寄ってくる二匹から、身重な体を引きずりつつ洞窟の端に逃げるれいむ。 「ご、ごめんだみょん……」 「ゆるしてぇ……」 「れ、れいむは……しんぐるまざーなんだよっ!!まりさをめのまえでころされてかわいそうなんだよ!! やさしくしないとだめなんだよ!!あかちゃんがいるんだよ!!」 「「……」」 微妙にでいぶ発言も混ざっている。 二人がそれでも近寄ってくるのを見てれいむは悟った。 「ご、ごめんなざいいいいぃ!!れいむとまりさがわるかったですうううぅ!! だからあかちゃんはころさないでくださいいいいいぃぃぃ!!」 れいむは必死に謝り始めた。 「わがままいってごめんなさい!むれのゆっくりにけがさせてごめんなさい!はんせいしますうううぅぅ!! だからゆるしてくださいいいいいぃぃぃ!!」 頭を地面にたたきつけるように謝る。 二匹はその様子を見て少し動きを止めるがすぐに動き始め、みょんはれいむのリボンと髪を咥えると仰向けに転がした。 ありすはれいむの顔の横に立つ。 「や、や、やめてぇ……あかちゃんころさないでえええええぇぇぇ……」 『赤ちゃん』 という単語が出た瞬間、ありすは身を僅かに震わせたが……意を決したようにれいむの口辺りに飛び乗った。 「やめてええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!ゆぎゅ!?」 無論、それはれいむを潰すためのものではない。 圧力を加え、まむまむから赤ちゃんをひりだすための行為だ。 ありすが乗ったとたん、れいむの内部の餡子が上下に分かれる。 そして、下にいった餡子の分だけ下っ腹が圧迫される。 行き場を失った餡子は一部はあにゃるから、そしてまむまむ内からはその中にいた赤ゆっくりをはじき出した。 「ゆ~っきゅりしちぇいっちぇ―――」 「ゆひゅっ!」 「あかちゃあああああぁぁぁんんんんん!!」 「すこし外したんだぜ。ありがたく思うんだぜ!」 れいむの目の前には、体の下半分を失い、ぴくぴくと痙攣する赤まりさが。 助けを求めているかのように、動く眼球のみで母れいむを必死に疑視していた 小スパークを外したのは赤れいむが苦しむ姿を見るためと、れいむの滑稽な姿を見るためだ。 「ぺーろ、ぺーろ、ぺーろ……」 懸命に赤まりさの体を嘗めて、傷を癒そうとするれいむ。 もちろん意味は無いが。 やがて、痙攣さえもしなくなった赤ゆっくりは、痛みと絶望の中で死んでいった。 口を吹き飛ばされていたので、親との挨拶も出来ず、ゆっくりとしてのゆん生もなにもないまま死んだ。 この世の全てを恨んでいるかのような、限界まで開かれ、血走った表情を遺していた。 「……」 れいむはその死体を前に何も言わずに体を震わせていた。 一方のドスはその様子を見てとても満足したようだった。 その表情はまさにヘブン状態! リラックスして鼻歌まで歌っている。 「ゆふふ~ん♪ ゆっくりできたんだぜ!ゲスも使いようなんだぜ!これからもゆっくりかわいがってやるから楽しみにしてるんだぜ!」 「……ど……で……」 「ゆぅ?」 「どぼじでごん”な”びどい”ごどずる”の”お”お”お”お”お”ぉぉぉぉぉ!!!!!」 れいむが絶叫した。 「あやばったのに”い”い”い”い”い”ぃぃぃ!!!ごろざないでっでいっだの”に”い”い”い”ぃぃぃ!!! どずはゆっぐり”ざぜでぐでどぅどおぼっでだのに”い”い”い”い”い”ぃぃぃ!!! ゆっぐり”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃぃ!!!ゆっぐり”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃぃ!!」 「関係ないよ」 「い”い”い”い”い”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃ……ゆ……?」 「ドスがゆっくりするためにれいむたちはここにいるんだよ。 ドスがいい声で泣いてくれると思ったゆっくりはみんなここに放り込むんだよ。 それでドスがゆっくりするの。ゲスも良いゆっくりもみんあ同じだよ。 ドスにとってはみんなゆっくりするための道具だよ。お前達も群れのみんなも。 みんなみんなドスをゆっくりさせるために頑張ってね!!」 満面の笑みでドスは部屋から出て行った。 「ゆ、ゆ……ゆっぐり”い”い”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃぃぃ……!!!!」 ストレスの多い今の社会。 人間はそれに大いに苦しむ。 ゆっくりは人間に近い精神を持っているため、賢い個体ほどストレスを感じる度合いが強くなる。 それはドスが顕著な例である。 ドスは『ゆっくりをゆっくりさせるのが仕事』というゆっくり間の常識にしたがい群れを持つ。 だがそれは、もはや『普通のゆっくりではなくなった』ドスが、仲間とゆっくりするための唯一の手段でもあるのだ。 ある意味、ドスも群れのゆっくりに依存しているのだ。 ドス自身はそれに気づいていないが……。 だからドスは群れを持つ。 それがたとえどんな愚か者の集まりでも、それをまとめようと頑張るのだ。 一人になりたくないから。 ドスとしてのあり方を保ちたいから。 みんなとゆっくりしたいから。 ただ、ゆっくりそのものに絶望する、もしくは群れではもはやゆっくり出来ないと判断したドスのみがそれを捨て、 一人でゆっくりするという選択肢を選択するのだ。 このドスは違う選択をした。 普通のドスでは考え付かないストレスの発散方法を自ら編み出し、群れの長として勤めを続けることが出来た。 己のゆっくりを満たすことが出来ていたのだ。 「人間さんごべんなざいいいいいいぃぃぃ!!」 今日もドスの絶叫が森に響く。 それに比例して、ドスの部屋の中のゆっくり達の悲鳴も大きくなる。 お陰で群れは何とか存続して行く。 ドスの巣の中のゆっくり達は、ドスの冬篭りの間の暇つぶし用に全て虐待死する運命がある。 それまでは仄暗い穴の中で、人知れずすすり泣き続けるのだ。 ―――自分達が落とされた穴から見える、一筋の光にすがりながら。 『ストレス社会』をキーワードに書いてみました。 ストレスとゆっくりが対極にある状態と捕らえました。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る なんかしっかりしたドスだなー ( ゚д゚)ハッ! 普通か!! -- 2018-01-31 22 20 18 人間は群れなきゃドスに勝てない?群れてもかすり傷一つ付けられないゴミクズ饅頭の首長ごとき が思い上がるなよてめぇこそどすすぱーくがなけりゃまともに人と戦えないただでかいだけ泥饅頭じゃねぇか -- 2016-11-08 11 03 44 これって今の社会でも言えることだよね -- 2016-02-28 18 29 00 冬籠もりなんだねーわかるよー -- 2016-01-23 00 50 11 こぼね~。(どーせなら食べちゃえばいいのに。) 食べてもいいんだねー。わかるよー。 -- 2013-07-12 17 40 04 間引きにもなってストレスも消化して ある意味饅頭社会に必要な餡黒面かもね -- 2012-08-16 20 21 50 ぉもろい -- 2012-07-14 14 07 00 これはおもしろい。 -- 2011-07-11 19 29 04 これはゆっくりできるいいドスだね 人間ならストレス発散にゆ虐って普通だけど 同種のドスがゆ虐って、かなりのドヘンタイなドスだねw -- 2010-11-20 13 15 24 自分の無能さは棚に上げてる辺り、ドスと言えども所詮はまりさ種だな -- 2010-10-28 21 14 18 ストレス解消方法を見つけたどすかー。かしこいなw 長い冬の娯楽や食料でげすも役立てそうだねー -- 2010-10-12 22 05 18 どすは自分たちをゆっくりさせるのが当然 とか思ってる屑饅頭は死ねばいいよ -- 2010-09-19 18 51 20 ゲスはいくらころしてもいいんだよー。わかるよー。 -- 2010-06-25 00 21 51 わかるよー。仕事でいーらいーらしたら、 ストレスさんを発散しないといけないんだねー。わかるよー。 -- 2010-06-24 01 30 46 大変だよね -- 2010-06-02 01 39 54
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唯「りっちゃん…」 律「返事…聞かせてくれ。お前の気持ちを」 唯「わ…私…」 律「……」 唯「い…いつもぼんやりしてるし…気の利いたこととか言えないし出来ないし…」 律「それでもいいよ」 唯「そのせいでりっちゃんをイライラさせたり、嫌な思いさせちゃうかも…」 律「そんなことない。大丈夫だよ」 唯「まだ出会って短いし…りっちゃんのことだって知らないこと、いっぱいあるよ…?」 律「これから知っていけばいいんだよ。お互いに」 唯「わ…私…」 律「うん?」 唯「りっちゃん…」 律「なんだ?」 唯「こんな…こんな私でよかったら…りっちゃんの恋人に…して、ください」 律「ゆ、唯…う…う…」 唯「り、りっちゃん!?ど、どうして泣くの?私、なんか変なこと言った?」 ギュウウウウウ 律「唯…ありがとう。幸せにしてやるからな」 唯「苦しいよりっちゃん…なんか結婚するみたいだよ?」 律「ああ、それくらい唯のことが好きだからな」 唯「りっちゃん…私も、ありがとう。これからも、よろしくね」 律「私もよろしくな…唯?」 唯「なあに?りっちゃん」 律「キスして…くれるか?」 唯「え?…うん、いいよ」 律「唯…大好きだよ」 唯「私も…大好き」 チュッ 律「あはは…唯のくちびる、柔らかいな…なんか、甘かった」 唯「りっちゃん…私、キスしたの、初めて」 律「私もだよ…唯。これからは、毎日キスしような」 唯「ええ?恥ずかしいよう」 律「いいだろ?恋人なんだから」 澪「お楽しみのところ悪いけど…お二人さん?」 律「み、澪!?」 唯「あ、澪ちゃん…」 澪「人がいないからってよくもまあ…お熱いですねえ」 律「うぐ…み、見てたのか?」 澪「そりゃあな…でも、その分だと上手くいったみたいだな」 唯「うん…澪ちゃん、ありがとね」 澪「いいんだよ唯。律はおおざっぱななとこもあるけど…すごくいいヤツだから安心しろよ?」 唯「うん。わかった」 律「なあ澪…」 澪「じゃあ私は先に帰るからな?ちゃんと唯を送っていってやれよ?」 律「…ああ、また明日な」 唯「ばいばい澪ちゃん!ありがとう!」 澪「ああ、ばいばい」 澪(律…私は…唯の横で笑ってるお前を見れればそれでいい。だから…幸せになるんだぞ) 律「唯」 唯「なあに?」 律「絶対…絶対幸せにしてやるからな」 唯「うん…」 律「じゃあ…私たちも帰るか唯」 唯「うん!」 律「な、なあ、手つないでいいか?」 唯「いいよ?はい!」 律「あ、ありがと…なんかあったかいな」 唯「ちょっと汗ばんでるけどね」 律「あ、そういうこと言うな!」 唯「えへへ~」 翌日 梓(あ、また唯先輩が抱きついてくるかも…今日はパンチで対抗しよう) ガチャ 梓「こ、こんにちは~」 唯「あ!あず…」 律「ゆ~い~!?」 唯「あ…わかってるよりっちゃ~ん?こんにちはあずにゃん!」 梓「あ…あれ?」 梓「澪先輩!どうしたんですか唯先輩は!抱きついてこないなんて変です!」 澪「いや、普通抱きついてくるのが変なんだけどな…」 紬「うふふ…唯ちゃんとりっちゃんはね?お付き合いを始めたの」 梓「へ?お付き合い…って…ええええええええええええ!?」 澪「つい昨日からあの二人は…正真正銘の恋人同士になったんだ」 梓「ほ、ホントですか…」 梓「でも、澪先輩はいいんですか?だって律先輩は…」 澪「あいつが自分の気持ちに正直になって唯に告白したんだ。私はとやかく言わないよ」 梓「そう…ですか…」 紬「梓ちゃんも、二人を応援してあげてね?」 梓「は、はい…」 律「ほれ唯、あーん」 唯「あーん…もぐもぐ…とってもおいしい!」 律「そっか!頑張ったかいがあったぜ!」 澪「なんだそれ?」 律「ああ、唯に食べさせてやろうと思ってな…朝早く起きてクッキー焼いたんだ」 澪「そいつはまあ…ご苦労なこったな」 紬「あらあら…今日のお菓子、いらなくなっちゃうわね」 梓「……」 唯「りっちゃん、朝早く起きてくれるなんてありがとう!うれしいよ!」 ギュウウ 梓「あっ…」 律「こらこら唯…みんな見てるだろ?恥ずかしいって」 澪「まったく…バカップルってヤツだな」 紬「ラブラブねえ~♪」 梓「……」 梓(なにこれ…お付き合い?おかしいよ…だって女同士じゃない…そんなの…意味分かんない…) 唯「りっちゃーん♪」 律「ゆーいー♪」 澪「おいそこのバカップル!練習するぞ!」 梓(澪先輩は…どうして笑ってられるの?律先輩のこと…好きなんじゃないの?) 梓「…私」 唯「ん?どうしたのあずにゃん?」 律「あ、私のクッキー食べたいか?1個くらいならいいぞ?」 梓「今日は帰ります…具合悪いので」 紬「え?さっきまでは普通だったのに…」 澪「気をつけてな?梓」 梓「…澪先輩は、おかしいです」ボソ 澪「え?なんか言ったか?」 梓「…じゃあ、お先に失礼します」 バタン 梓(私…なんでこんなドロドロした気持ちになってるんだろ…) 梓(ケンカしちゃえばいいのに…別れちゃえばいいのに… どうしようもないくらい壊れちゃえばいいのに…) 梓(ダメ…二人は楽しそうだったじゃない…なに考えてるの私…最低だよ…!) 梓(でも本当は…二人を引き裂いてしまいたいんでしょ?でもどうして?) 梓「それは…」 ユイセンパイガスキダカラ 梓「ち…違う!私はただ…」 梓(だってそうでしょ?律先輩に嫉妬してるからこういう気持ちになるんだよ) 梓「違う…私は…」 梓(いつもくっついてくる唯先輩を律先輩に奪われたんだよ?大切なものを奪われたんだよ?) 梓「ちが…」 梓(だったら取り返そうよ…唯先輩を律先輩からさ) 梓「ち…」 憂「梓…ちゃん?」 梓「う…憂…」 憂「どうしたの?顔色悪いよ?」 梓(そうだ…憂に言えば…もしかしたら…) 梓「あ…あの…ね?憂?」 梓(唯先輩のことが大好きな憂なら…二人を引き裂いてくれるかも…私の代わりに…) 梓「ゆ…唯先輩のこと…なんだけど…」 憂「ああ、お姉ちゃん、律さんと付き合い始めたんだよね?」 梓「な…」 憂「私もびっくりしたよー… でも、律さんはいい人だし、お姉ちゃんのこと任せても大丈夫だと思うんだよね」 梓(なんなの…?澪先輩も憂も…自分の大切な人が他人と付き合って…どうしてそんな…) 憂「それでどうしたの?梓ちゃん」 梓「な…なんでもない…わ、私、帰るね?」 憂「うん!またね」 梓(私だけだ…こんな汚い感情持ってるの…嫌だ…嫌だよ… 唯先輩…律先輩のものになんて…ならないでよ…!) …… 律「ゆ~い~♪今日お前ん家で宿題一緒にやってもいいか?」 唯「いいよりっちゃん!分かんないとこ教えてね?」 澪「おまえら二人で大丈夫なのか?」 律「大丈夫!愛は宿題を救う!」 唯「あ、それなんか聞いたことある!」 紬「いわゆるラブパワーね…」 澪「いわゆるってなんだよムギ…ただのパクりだよ…」 7
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決まらない、ああ決まらない、決まらない。 ・・・・・・彼女は悩んでいた。 今日は2月の12日。明後日は2月の14日。 彼氏がいるわけではない。 が、今のご時勢友チョコなる代物を配る必要もあり、色々と面倒なのだ。 ・・・いや、それは言い訳。 友チョコの分は既に店で適当なものを買ってきている。 そう、彼女を悩ませるものは本命チョコ。 流石にこればっかりはお店で買ってきておしまいというわけには行かないのだ。 彼氏はいないが気になる相手はいる。ある意味、恋人に渡すより緊張する。 「ねえ、きめぇ丸。何か良い案はないかしら?」 「バレンタインですか?てきとうなものをあげればいいでしょう」 「おお、けなげけなげ」 厨房に立って頭を抱えている彼女の傍らで軽口を叩いているのは最近になって急に姿を現した謎の生物。 ゆっくりと呼ばれ、生物というよりも動く生首饅頭といったほうが適切かもしれないその奇妙な生き物が2匹、その名にふさわしくない機敏さを意味も無く披露している。 このゆっくり達はきめぇ丸と呼ばれる種でゆっくりでありながらゆっくりをゆっくりさせないことを生きがいとする珍種であった。 「ふんっ・・・あんた達に聞いたのが間違いだったわ・・・ッ!?」 「そんなにつんけんしなくてもいいじゃないですか」 「おお、つんでれつんでれ」 「ツ、ツンデレって・・・意味を判って使っているのかしら?」 「もちろんですよ。ところで、ひとつよいあんがあるのですが、いかがです?」 意外にもきめぇ丸の提案はなかなか面白く、それなりに凝っているように思えるものだった。 なので、これと言っていい案の思い浮かばない彼女は素直にその案を採用し、翌日にはそのために必要なものを全て揃え、早速チョコ作りに取り掛かった。 「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」」」」 夕方立ち寄ったデパートで買ってきたものはウイスキーとチョコレート。 それから、8匹の赤ちゃんゆっくり。ちなみに内訳はれいむとまりさが4匹ずつ。 そう、女性がこれから作るチョコとはチョココーティングされたワイン饅頭なる代物だった。 「ゆゆっ!おねーしゃんはゆっくちできるひとにゃの?」 「まりしゃにゆっくちおかちをもってきちぇね!」 「ゆーっ!れいみゅもおなかちゅいたよ!」 各々好き勝手なことを口にする赤ゆっくり達を尻目に女性はチョコ作りのための準備を進める。 赤ゆっくり達が何も知らずに箱の中でじゃれている間にも、チョコレートはしっかりと熱されて溶けて行く。 更に餡子の甘みを抑えるための微量のカプサイシンを溶かした辛い水や、ウイスキーを混ぜた糖液なども用意されている。 「さて、まずはゆっくりにそのみずをのませてあげてください」 「おっけー。まずは・・・取りあえずこの子で」 「ゆっ?おちょらをとんでりゅみたーい!」 つまみ上げられた赤れいむはこれから何をされるのかまったく想像だにせず、ひたすら笑顔。 女性を見つめる視線には「きっと美味しいものをくれる」とか「ゆっくりさせてくれる」とか、そんな無根拠な期待が込められている。 しかし、彼女はその表情に動揺する様子も見せずにスポイトで辛い水を吸い上げて赤れいむの口に垂らした。 「ゆきゅ!?かりゃい!かりゃいよおおおお!」 すると、予想通り赤れいむは辛さにえづいて、飲んだ水を吐き出してしまった。 くりくりとした大きな目からは涙が滴り、水を垂らされて赤く腫れ上がった痛々しい舌を出しっぱなしにしている口からは嗚咽が漏れている。 しかし、女性は赤れいむに構うことなく作業を続けるべくスポイトで水を吸い上げていた。 「ゆえええええええん!ゆええええええええん!」 「「ゆゆっ!れいみゅたちのおねーちゃんになにしゅるの!」」 「「まりしゃのいもうちょをいぢめにゃいでね!」」 そんな女性に対して泣きじゃくる赤れいむの姉妹たちは果敢にも抗議の声を上げる。 買って来たときに運搬用に使った箱の中で全員揃って彼女をキッと睨みつけたまま、ぷくぅうううううと膨張する。 一方の赤れいむも姉妹たちに励まされて「しょーだよ!ゆっくちやめちぇね!」と威勢よく文句を言っている。 が、それによって何か不都合なことがあるわけでもない。 女性はゆっくりたちの抗議を完全に聞き流して淡々と赤れいむに辛い水を飲ませ続けた。 「や、やめちぇえええええええええええええ!ゆきゃあああああああ!?」 「「「「やめちぇっていってるでちょ!」」」」 「だったら、ほかのこがこのこのかわりにからいものをのみますか?」 無視され続けてもなお姉妹のために抗議を続ける赤ちゃんたちだが、にたりと笑うきめぇ丸のその一言で完全に沈黙させられた。 誰一人として自分の身を差し出そうとするものはおらず、皆して箱の隅に固まってがたがたと震えるばかり。 その無力で情けない姿からはさっきまでの威勢を微塵も感じられない。 「おねええちゃあああん。たちゅけてえええええ!」 こうなってしまっては赤ゆっくりの姉妹の絆など何の意味も持たない。 赤れいむがどんなに助けを求めても口内に何度も何度も辛い水を注がれてはその度に悲鳴を上げる凄惨な光景を怯えた目で見つめるばかり。 そうしているうちにやがてその罪悪感から逃れようとした数匹がとんでもないことを言い放った。 「ゆゆっ!たちゅけてっていうことはまりしゃたちにかあらいのをのめってこちょ?!」 「いやあああああ!れいみゅかりゃいののみちゃくないよおおおおおお!」 「そんにゃひどいこちょいうこはゆっくちできないこだよ!」 仲間を犠牲にしようとするゆっくり出来ないゆっくりに罰が当たった。 そういう風に都合よく解釈することで、赤れいむを見捨てる正当性を上手くでっち上げた。 「そうだにぇ!れいみゅはゆっくちできないね!」 「みんにゃをゆっくちしゃせてくれにゃいね!」 「「ゆっくちできにゃいれいみゅはちんでね!」」 その都合のいい解釈は仲間達の間に瞬く間に伝播していき、すぐに赤ゆっくり達の総意になってしまった。 こうして罪悪感から解き放たれた赤ゆっくり達は箱の隅で怯えるのをやめて、にっこりと満面の笑みを浮かべて遊び始めた。 赤れいむが涙をぼろぼろ零しながら助けを求めているにも関わらず、皆非常にゆっくりとしている。 「どほぢちぇそんにゃこちょいうにょおおおおおおお!?」 「おねーしゃん、まりしゃたちはとってみょゆっくちちてりゅよ!」 それを見た女性は「れいむはゆっくりできないこ」という言葉にはもう一つ別の意味があることに気づいた。 この赤ちゃん達は「れいむが酷い目に遭っているのはゆっくりできないゆっくりだから」だと解釈したらしい。 つまり、ゆっくり出来ればお仕置きされずに済むんじゃないかと考えたらしい。 結論から言えば全くの的外れなのだが、女性は目の前の赤れいむの甘みを抜く作業に夢中なので彼女らに関心を示さない。 ポタッ 「やめちぇええええええ!たしゅけちぇえええええ!」 「なかみゃをみがわりにちようにゃんて、おりょかおりょか!」 ポタッ 「やめちぇええええええ!たしゅけちぇえええええ!」 「なかみゃをみがわりにちようにゃんて、おりょかおりょか!」 ポタッ 「やめちぇええええええ!たしゅけちぇえええええ!」 「なかみゃをみがわりにちようにゃんて、おりょかおりょか!」 しばらくこの作業を繰り返していると、赤ちゃんが急に身震いし、真っ赤にはれた唇で「ちーちーちちゃいよ!」と声を上げた。 きめぇ丸によると相当の量の水分を摂取させられたことで尿意を催したらしい。 そう言われてじっくりり見てみれば赤れいむの下あごに非常に小さなくぼみが出来ている。 「で、それをとかしたこむぎこでふさいでください」 「わかったわ・・・こうかしら?」 「ゆっ!ぢーぢーできにゃいよ!?」 尿道をふさがれた赤れいむは相変わらずぼろぼろと涙を零している。 「ちいーちーもできにゃいんだね!」 「ほんちょーにゆっくちできにゃいこだね!」 そして、そんな彼女の有様を他の赤ちゃんたちはせせら笑っていた。 どうやらこの子達はゲスの家系だったらしい。食用ゆっくりなんて大体そんなもんなのだが。 「さて、このこがダメになるまえにいそいでほかのゆっくりもおなじようにしてください」 きめぇ丸の指示を聞いた女性はその赤れいむを手近なボウルの中に放り込んで、次の赤ゆっくりを取り出した。 そして、さっきと同じようにスポイトで辛い水を赤ゆっくりの口へ注いでいく。 「ゆゆっ!おしょらをとんでりゅみた、ゆきぃ!?」 「かりゃい、かりゃいよおおおおお!やめちぇええええええええ!」 「ゆきゃあああああ!?たしゅけちぇえええええ!」 「「「「「「おねーしゃんになにしゅるの!?」」」」」」 「では、だれかみがわりになりますか?」 「たしゅけちぇえええええええ!」 「みがわりになれなんていうおねーちゃんはゆっくりできにゃいこだね!」 「ほどぢでしょんなこというにょおおおおおおお!?」 「ゆっくちできないおねーぢゃんはゆっくちちんでね!」 「ゆうううううう!れいみゅうううう、たしゅけちぇええええ!」 「しゃっきれいみゅをみしゅてたおねーちゃんなんてしらにゃいよ!」 「ゆううううううう!どほちでだれもたしゅけてくれにゃいのおおおおおおおお!?」 女性は淡々と、しかし一生懸命に作業を続ける。 その傍らで、ゆっくり達は次は我が身と考えることもなく浅ましく、しかも内容に全くと言って良いほど変化の無い罵り合いを繰り返す。 その間の抜けた罵り合いは女性の作業が完了した時にようやく終わりを迎えた。 「で、ウイスキーをあびるようにのませてください」 「糖水を混ぜた奴じゃなくて?」 「ええ、そうです。ウイスキーそのものです」 きめぇ丸に指示を仰ぎ、小さなスプーンでウイスキーを掬った女性は、ボウルの中の赤ゆっくり達に目をやる。 「ゆうーっ!どほぢでたしゅげちぇくれにゃかったんだじぇ!」 「まりしゃがれいみゅをたしゅけてくれにゃかったからだよ!」 「れいみゅみたいなゆっくちできないこはゆっくちちね!」 「どほぢでしょんなこというにょおおおおおお!」 赤ゆっくり達は全員が全員を一度は見捨てたと言うのに自分のことは棚に上げて罵り合っていた。 尿意はあるのに放尿できない気持ち悪さのせいであまり動けないらしく、動きが酷く緩慢で傍目にはなんとも間抜けな光景である。 そして、動けないだけに噛み付いたり、体当たりを仕掛けたりすることが出来ず、延々と不毛ないい争いを繰り広げていた。 「えっと・・・確か一番最初に水を飲ませたのは・・・」 その中から、最初に水を飲ませた赤れいむを取り出すと小さなスプーンで掬ったウイスキーを容赦なく飲ませた。 先ほど辛い水を飲まされた赤れいむは当然口を閉じて抵抗するが、女性が少し指に力を入れればすぐに痛みで口を開く。 「いちゃいいいいいいい!」と喚くその口の中にすぐさまウイスキーを注ぎ、今度は吐き出さないように口を塞いでやる。 「んううううううううう・・んぅ?にゃんかぽかぽかちてきたよ!」 「どうかしら、なかなかいけるでしょ?」 「ひっく・・・れいみゅにもっひょのまひぇてねぇ~~~!」 あっという間に酔っ払って酒饅頭状態?になった赤れいむは更にウイスキーを要求する。 その顔は真っ赤な上に妙に品の無い笑みが張り付き、ろれつも回っていないその姿はまさに酔っ払いそのもの。 今の今まで水分を排出できずに苦しんでいたことはもはや頭の片隅に追いやられてしまったようだ。 「言われなくてもそのつもりよ」 「ゆぅ~ん・・・あちゃまがぼーっとちてきたよぉ~~~~!」 「さあ、はこのほうにもどしてやってください」 指示に従い女性はすぐさま最初に赤ゆっくりを入れていた箱に赤れいむを放り込む。 放り込まれた赤れいむはその場から動こうとする様子も無く「ゆへへ~っ!でいぶはえあいんだよー!」なdふぉとぐだを撒いている。 その様子を見届けた女性はすぐに適当なほかの赤ゆっくりを摘み上げてウイスキーを飲ませた。 「んううううううううう・・んぅ?にゃんかぽかぽかちてきたよ!」 「さあ、もういっぱいどうぞ」 「ゆぅ~ん・・・あちゃまがぼーっとちてきたよぉ~~~~!」 2匹目も完全に出来上がったところで箱の中に戻し、すぐに3匹目二ウイスキーを飲ませる作業に取り掛かる。 「んううううううううう・・んぅ?にゃんきゃぽきゃぽきゃちてきたよ!」 「さあ、もういっぱいどうぞ」 「ゆぅ~ん・・・あちゃまがぼーっとちてきたよぉ~~~~!」 箱の中の赤れいむと赤まりさは自分のことを語っているだけなのに何故か一緒に盛り上がっている。 いかにも酔っ払いといった感じであるが、元からこんな感じだったような気がしなくも無い。 が、女性は赤ゆっくり達に関心を向けることなく、一生懸命赤ゆっくり達にお酒を含ませ続けていた。 「つぎにすこしなかみのあんこをほじくりだしてください」 きめぇ丸が次の指示を出した時には最初のほうにウイスキーを飲まされた赤ゆっくり達は眠りこけていた。 大きな鼻ちょうちんを作り、無防備な笑みを浮かべたまま「ゆぴー・・・ゆぴー・・・」と虐待お兄さんが聞いたら怒りで膨張しそうな寝息を立てている。 女性はさっきと同様に一番最初に辛い水を飲ませた赤れいむ摘み上げると小さなスプーンで皮に穴を開けそこから餡子を穿り出した。 「ゆぴぃ!?・・・いぢゃい!いぢゃいよ!やめちぇええええええ!!」 一発で酔いが覚めたらしい赤れいむはこれまた変わり映えのしない悲鳴に命乞いばかりを繰り返す。いい加減鬱陶しい。 たまにはゲスっぽく「ちね!」だの「ゆがああああ!」だの威勢良く吼えて欲しいものだ。 もはや聴きなれてしまってノイズとしてさえ認識しなくなった女性は赤れいむの懇願を無視して餡子を穿り出して行く。 「ゆきゃ!?いちゃいいいいいいい!」 「ゆぎゅう!いぢゃいよおおおおお!」 「ゆぎぃ!!やめちぇええええええ!」 「ゆぎょお!ちにゅううううううう!」 本当に変わり映えしないテンプレートをなぞっているような言葉ばかり。 勿論、目には大粒の涙が浮かんでおり、これでも必死に命乞いをしているのだが、恋する乙女の耳には届かない。 愛はゆっくりをも殺すのだ。 「それからそこにさっきのよりねんどのたかいウイスキーいりとうえきをそそいでください」 「ゆっぐ・・・ゆぐ・・・もうやめちぇ・・・」 もはや抵抗する力を失い、弱々しく呟くことしか出来なくなった赤れいむの中に糖液を注ぎ込まれる。 「ゆゆ~~~っ!?ゆぴゅううううううう!ゆぎいいいいいいい!?」 「あ、やめちぇ、ゆぎょおおおおおおおおおおお!?」 「ゆくぇえええええええええええ!?」 小さな体にねっとりとした琥珀色の液体が注がれると赤れいむは何処に残されていたのかもわからない力を振り絞って再び抵抗する。 その形相は必死と言う言葉ではまだ足りないくらいの有様で、白目をむいて口から泡を吹いている。 餡子を吐き出すことがないのはこれ以上吐き出すと命に関わるからだろう。 「ゆ、ぎぃ・・・いぢゃい・・・ちぬぅ・・・」 糖液を注ぎ終え、穴を塞いだときには赤れいむは白目を剥いたままビクンビクンと痙攣していた。 もう身動き一つ取れないであろう赤れいむを適当な場所に置いた女性は再び適当なゆっくりを摘んでこの作業を繰り返した。 「ゆきゃ!?いちゃいいいいいいい!」 「ゆぎゅう!いぢゃいよおおおおお!」 「ゆぎぃ!!やめちぇええええええ!」 「ゆぎょお!ちにゅううううううう!」 餡子を穿り出すたびに赤ゆっくりが命乞いをする。 「ゆゆっ!?ゆぴゅううううううう!ゆぎいいいいいいい!?」 「あ、やめちぇ、ゆぎょおおおおおおおおおおお!?」 「ゆくぇえええええええええええ!?」 糖液を注ぎ込むたびに異物感に怯えて赤ゆっくりが悲鳴を上げる。 甘いもの好きだし、体内に入れたら元気になりそうな気がするのだが、いかんせん量が多すぎるのだろうか? 元気になる気配を見せる個体は一匹たりともいなかった。 「で、あつあつのチョコレートにひたす」 流石にこれは指示を受けずとも理解できる。 きめぇ丸が言い終えるころには女性は既に8匹の酒饅頭を溶かしたチョコレートの中に放り込んでいた。 ちなみに、赤れいむはリボンをつけたまま、赤まりさは帽子を取った上で苗の中に放り込んでいる。 「あぢゅいよおおおおおおお!」 「いちゃい!いちゃいよおおおおお!?」 「ぢぬぢんじゃううううう!」 「おにぇええざあああん!まりぢゃをだしゅけりゅんだぜえええええ!」 「あへぇ~!ひゃふぇふぇ!?」 「ゆぐううううううう!?」 「やめぢぇえええええええええ!!」 「まりぢゃをだしゅげろおおおおおおお!?」 彼女はそんな阿鼻叫喚を全く気にも留めずに鍋の中のチョコレートをかき回し、お玉で掬っては浮かんできた赤ゆっくりに浴びせていた。 「ねえ、きめぇ丸?」 「なんですか?」 「チョコレートでゆっくりが溶けたりはしないの?」 「だいじょうぶですよ。それどころかあんこがもれるのをおさえてくれます」 「ふ~ん、ってことは届ける頃にこの子達が死ぬようなことは・・・」 「ありませんよ」 それはつまり、赤ゆっくり達はチョコで拘束されて身動き一つ取れない状態のまま、尿意に苦悶しながら生かされるということ。 しかし、チョコレートに溺れている赤ゆっくりの中にその恐ろしい事実に気づけたものはおろか、2人のやり取りを聴くことのできたものさえいなかった。 「それがおわったられいとうこでひやしてください」 鍋から引き上げて、しばらくトレイの上で冷ましたゆっくりチョコを冷凍庫の中にトレイごと放り込む。 後は翌朝になってしっかり冷えて固まるまでほうっておけば良い。 やるべきことを済ませた女性は一生懸命作業を続けたせいでかいた汗を流すためにお風呂場へと歩いていった。 明日になれば、無事にバレンタインチョコが完成しているだろう。 ~おまけ~ 赤ゆっくりウイスキーボンボンチョコのレシピ 【準備するもの】 赤ゆっくり 水 ウイスキー 糖液 チョコレート 粉末状の辛いもの お鍋 小さなスプーン 【あらかじめ作っておくもの】 辛い水 ウイスキー入り糖液 とかした小麦粉 お鍋で溶かしたチョコ 【手順】 1.辛い水を飲ませて餡子の余分な甘さを取り除く (虐待を好まないなら舌を抜いておく方が良い) 2.尿意を催したら1をやめて尿道を小麦粉で塞ぐ 3.ウイスキーを飲ませて酒饅頭状態にする 4.餡子を赤ゆっくりが死なない程度の穿り出す 5.出来た空洞にウイスキー入り糖液を注ぐ 6.餡子を穿り出す際に出来た穴を小麦粉で塞ぐ 7.鍋の中の熱々の溶けたチョコの中に放り込む 8.火を止めていったんチョコと赤ゆっくりを冷ます 9.冷凍庫に放り込んで1日放置しておく これで美味しい『ゆいすきーぼんぼん』の完成です ‐‐‐あとがき‐‐‐ Q.チョコレートくらい何とかなりそうな気もする。 A.た、多分鍋の中のチョコの熱で全身火傷したんだよ! お菓子なんて作ったことないのにネタにした結果がこれだよ! byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける