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151: 名前:マロン☆11/02(月) 私とユキちゃんは見つめあったままだった 何もしゃべらず静まり返っていた時ユキちゃんがしゃべりだした 《ユキチャント貴方ハ同ジダネ? 貴方モ未那ッテ子ガ憎インデショウ? 殺シタインデショウ? ユキチャンハネ、クラスノ皆ニ虐メラレテイタノ》 なんで私に話すのよ? 私とユキちゃんは違うもん!! 私は、ユキちゃんと違っていじめられてなんかいないし 祐梨亜に仲間って思われているもん!! 「わ…私は…貴方とは違う!! 私はあなたと違うわッ!!貴方と一緒にしないで!!」 私はユキちゃんに向かって叫んだ だけど、内心少しだけユキちゃんを信じてみようとどこか心の端っこで考えていた 私の言葉を聞いたユキちゃんは私を少し悲しげな眼で見つめると 《違ワナイヨ…ユキチャント優奈チャンハ同ジダモン》 そういうとユキちゃんは私のほうへと歩み寄ってきた 153: 名前:マロン☆11/05(木) 22 33 20 ユキちゃん目線 優奈チャントユキチャンハ違ワナイヨ… ユキチャンハ、優奈チャンノコト思ッテ言ッテイルノニ… 優奈チャンハ、ユキチャント同ジダヨ 優奈チャンモ虐メラレテイルヨネ? 『未那』ッテ言ウ女ノ子ニ… 祐梨亜チャンモ優奈チャンノこコトナンカ心配シテナイヨ? 皆、優奈チャンノコト嫌ッテイルンダヨ? ナンデワカルカッテ? ダッテ…優奈チャンハ ユキチャンノ生マレ変ワリダカラ… ユキチャンノ家ハネ? 必ズ、胸元ニ黒イ竜ノアザガアルノ ユキチャンニモアルヨ? ア…デモ、彫刻等デ八ツ裂キニサレタカラ 残ッテイナイヤ 名前:マロン☆11/07(土) 11 58 31 新井優奈目線 「こっち来ないでよ…なんでこっちくんのよ?!」 ユキちゃんは確実に一歩一歩私のもとへと歩み寄ってくる 私は逃げようとしても足がセメントに埋められたのかのように動かない 「嫌ァ!!来ないでェェ!!来ないでよォ!!」 私は、必死に抵抗した 私が抵抗している間にユキちゃんは私の目の前に来ていた そして、私の服のブラウスのボタンをブチッと女の子の力とは思えない 男の子以上かもしれない力ですべてのボタンをちぎり取った そしてそのボタンを廊下に投げると私の胸元にあるアザを見て怪しげに笑い 《フフ…ヤッパリアッタ…黒イ竜ノアザ》 と不気味に言った。ブラウスのボタンをちぎられ一瞬何が起こったのかわからない私はしばらく放心状態だったのかもしれない ユキちゃんの不気味な声でハッと我に返った私はやっと今の状態が分かった ユキちゃんが見ていたあざは、私が生まれた時からお母さんもおばあちゃんも先祖からずっと受け継がれているらしい …って今はそういう場合じゃない!! 私は、その場を走って逃げだす 右手でボタンをちぎられた所をぎゅっと握りしめながら 見られたくなかった… 誰にもこの胸元のあざを見られたくなかったのに この胸元のあざは私のコンプレックス的なもの このあざが嫌いで私は、昔ここを包丁で刺したことがある まあ、そんなグッサリとじゃなくてプスッぐらい 包丁で刺した場所が治ってもこのあざの一部が消えることはなかった それより、刺してもまた浮きあがってくる… 私は昔からこのあざを嫌って自虐を続けていた 162: 名前:マロン☆11/08(日) 21 23 18 ―10年くらい前― 私の年齢は今、14なんだ この話は10年も前の話になる 私が4歳のときに幼稚園であったプール遊びでのこと この時ってあんまり、男のからだとか女のからだとか気にしたりしない頃じゃん?(男子は下はいてたけど) だから、みんな裸になって夢中でプールで遊んでいた時のことだった 突然私の初恋相手の進藤歩(シンドウ アユム)が私の右の胸元を見て言った 「お前、その右のそれどうした?」本来はこんなにうまくしゃべれてなかったんだけど それを言われた私はその時になって思った 私の右の胸元にできているあざはどうにかならないのかって 誰が広げたのかわからないけどそれから幼稚園で私は虐められるようになった 私が幼稚園へ行くと皆必ず声をそろえてこういう 『うわァッ!!!こっち来るんじゃねーよ!!お前の体腐ってんだからさ』 私はその言葉を言われるたびに胸が苦しめられた 私だって好きでこんなあざ作っているわけじゃないし ―私の体は腐ってなんかいない!!!― しばらくは我慢できた私だったけど年長になったあの日だけは許せなかった 私は年長になって、幼稚園へ来た時のことだった 一人ずつ与えられているロッカーの中に鞄をしまおうとした時だった ロッカーを開けると猫の死体が入っていた 幼稚園で猫の死体ってお前らドラマに影響されすぎだっつーの!!今思えばこう思える 私はその猫を幼稚園のグラウンドの端っこにお墓を作って上げた 私は教室に入り、友達も誰もいない私だから静かに家から持ってきた本を読んでいた 年長にもなれば本は読める わからない感じのところはお母さんに振り仮名を振ってもらったし それに、この本は私の今はいないおばあちゃんが私に買ってくれた最後の本だし すると、誰かに本を取り上げられた その相手は、そう私の初恋相手進藤歩だった 「何?この本?意味わかんねーし!!こんなの捨てちゃおうぜ!!」 進藤歩は私が呼んでいた本を少し読むとすぐにつまらなそうな顔をして私の本を床に投げつけた 私は驚いて立ち上がる 歩は男友達がすごく多いので歩が床に投げつけた本をその仲間たちが拾ってどこかへ持ち去って行った 私は、クラスでもすごく足が速かったので男子にすぐに追いついた 私が男子たちの後ろの襟をつかんだ すると、驚いたのか男子たちは、私を押して外へと逃げ出した 私は、尻もちをついて転んだがすぐに立ち上がり男子たちの後を追った 167: 名前:マロン☆11/09(月) 21 27 09 先生たちが口々に「先生たちが行くからここで待ってなさい」と言っていたけど私は先生たちの言葉を無視した 幼稚園の外に出た私は辺りを見回す 見つけた!!男子たちが向かっている方面は、川のほう 私は直感的に嫌な予感がした 私は急いで男子たちの後を追う それから数分後。男子たちの走るペースが落ちている 私は全力疾走で男子の本を持っているやつを追い詰める そいつは、川がもう真後ろに来ているところまで逃げ切ったけど その先は、川だったし正面からは私が追い詰めているから逃げれなかった 私は、男子に少し震えた声で言った 「私さ…あんた達になんか悪いことした!!?あんた達に憎まれてもしょうがないようなことした!!? なんであたしばっかり虐められなきゃいけないわけ!!?」 私は怒りと悲しみを交えたような声で男子に怒った そう、何故私ばかり虐められるのか その瞬間だった。私の怒りに驚いたのかそれとも、私をいじめるためにやったのか今考えてもわからないが 私が追い詰めた男子が川に本を投げたのだ 川に本を投げた男子は少し驚いた顔をして、しばらく放心状態だった 私は放心状態になっていた男子を押しのけた川の中へと潜って行った 綺麗な川だったのが幸いだった。 もぐって、目を開ければ遠くのほうまで見えるほどきれいだった ただ、川の深さは小さい時の私で壁に手が着かないととても浮かんでいられる状態じゃなかった それで、やっとおばあちゃんが買ったくれた本を見つけることができた ビニールのブックカバーを付けていたし、川に入って直後に取れたからなのかあまりぬれてはいなかった 私は、その本を陸に置くと少し深呼吸をした だけど、近くにいた男子は面白半分に本をけってまた川へと落とした。 すごい勢いで蹴ったので遠くに飛ばされた 私は男子を睨むと本が落ちた場所へと泳いで向かった しかし、運悪くその場所は先ほど私が浮かぶために手についていたような壁もないし、先ほどの所よりも深かった 私は、大きく息を吸うと川の中へと潜った やばい…全然本が見つからない… おばあちゃんが買ってくれた大事な本なのに…!! ごめんね…ごめんねおばあちゃん!!必ず本見つけるから許してね 私は心の中で何度も何度もおばあちゃんに謝りながら本を探した だけど、本は見つからなくてもう諦めようと思って水面に上がろうとした時だった 足にとてつもない痛みを感じた そう、足がつってしまったのだ 足がつった私は、何とか水面に顔を出そうとしたけど足が痛くてたまらない 呼吸もできないし…苦しい… 私このまま死ぬのかなぁ? なんで私が死ななければならないのですか?神様 悪いのは幼稚園のみんななのに すべて私が悪いことになるのですか?神様 神様は私の味方じゃなくてあいつらの味方なんだ… 不公平…すぎる… 心の声とともに私の意識は遠くなっていった 174: 名前:マロン☆11/16(月) 12 13 27 目を覚ました私が最初に見たものは白い天井だった 目を覚ました私は、周りを見渡した そうか…ここ病院なんだ… 私助かったの…? 私は、横になっていた体を半分起こした 「私は…助かったの?それとも…死…んで…いるの?」 私は、震えていた。もし、自分が死んでいたらどうしようかとここが夢の世界で実際に私は川でおぼれ死んじゃったって その時、病室のドアが開いた 入ってきたのはお母さんだった お母さんは私が起きているのを見て目から大粒の涙をこぼしていた 「優奈ァ…生きててくれてありがとう…生きててくれて本当に…あり…がとォ……」 お母さんは私に涙を流しながら抱きついた これは、夢?それとも、現実? 「お母さん…私は…生きて……るの?」 私は、恐る恐る聞いてみた 本当は聞きたくないことだったけど 勇気を出して聞いてみた お母さんは私をさらに力強く抱きしめて 「優奈は生きてるよ……ちゃんと生きている」 お母さんは私を抱きしめながら優しい声で言った お母さんの言葉を聞いた私は今までずっと我慢していた感情があふれ出した 「う…うぁぁぁぁぁッ!!!」 大声で泣いた。声がかれるんじゃないかってくらい 最終的には声は枯れたんだけどね… お母さんからの話によると 私が全然水面に上がってこないから怖くなった男子たちが幼稚園の先生に言いに行ったらしいんだよね それで、先生たちは救急車とレスキュー隊?みたいな人を呼んだらしい 先生達は誰一人おぼれている私を助けようとしなかったんだと思うと怒りが込み上げてきたがそれは何とか抑えつけた それで、レスキューの人たちが川に潜って、おぼれている私を助けてくれたのはいいんだけど その時は、大量に水を飲んでいて危険な状態だったらしく すぐに病院に連れて行ったんだって お母さんが病院に着いたころには私は病室で寝ていたんだけど そのまま7日も眠り続けていたらしい お母さんの話を聞いた気がついた おばあちゃんが買ってくれた本は…!!? 「お母さん!!本はッ!!?おばあちゃんが買ってくれた本はッ!!?」 私は少し興奮気味にお母さんに聞いた お母さんは黙ってうつむいたまま答えない そっか…本は見つからなかったんだね… あはは…そっか…おばあちゃんが買ってれた…本は… 私は声を出さずにただただ、涙をこぼして泣いていた するとその時心の中の誰かが私に言った 全部幼稚園ノ皆ガ悪インダヨ 皆ガ優奈ト仲良クシテイレバコンナコトニハナラナカッタノニ… スベテ幼稚園ノ皆ガ悪インダヨ そうだ…すべてあいつらが悪いんだ 「殺してやる…」 呪いの鬼ごっこ-助かる確率1%-
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合計 : - 今日 : - 昨日 : - 只今の時刻 2021年12月11日 (土) 21 38 02 トップページ 地域分類 鳴門うどん 2011-04-24T14%3A55%3A41-efd12.jpg 母さんのライスカレー180円 三流のレトルトカレーて言う感じ、 このカレーぬるいカレーだった。 所々半煮えの部分があった。 生温いカレー普通なら客に出せないだろう。
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254 名前:ss「手の話」[sage] 投稿日:2009/08/17(月) 21 44 39 ID 3pmuvB1U 澪「はぁ……」 梓「? どうしかしましたか澪先輩?」 紬「なんか元気ないわね…」 律「大丈夫だって。澪は思ってるほど見た目太ってないからさっ」 澪「いや、そうじゃなくてだな……」 唯「イチゴのショートケーキっぽいのにイチゴが乗ってないのが不思議なの? それはりっちゃんが澪ちゃん来るまでに食べたからで―――」 律「おわっ、あっさりばらすなよ唯!りっちゃん塗装業者がどれほど苦労してクリーム調整したか…」 澪「…ああ、それは大方検討ついてたからいいんだけど、ねっ」プスッ 律「あ"-!!私の甘いストロベリー!返せっ」ガシッ 梓「律先輩イチゴとか好き過ぎですよ。毎回毎回」 紬「と、いうより澪ちゃんに構って欲しい方が…」ゴニョ 澪「……はぁ。はい、返すよ」 律「およ? いや、返されると無性に…いや、ほら、あーん」 澪「そ、そんな恥ずかしい事…… あーん」パクッ 唯「わー、澪ちゃんかわいー…♪」 澪「ちょっ、唯っにやにやしないで!」 梓「で、何の溜息なんですか?」 澪「…ああ、いや。律、手出して」 律「手? ほい」 澪「ん」ピトッ 律「? どうしたんだ?」 澪「ほら、……私の手、デカいだろ」 唯「んー、確かに指出ちゃってるね」 梓「でもそれは澪先輩の方が背高いですし」 澪「いや、小さい頃は私の方が背高かったけど、手は小さかったんだ」 紬「……」ポチッ(●REC 律「あー、そうだっけ?」 澪「うん。んで、今大きいからなぁ…って…」 唯「手がおっきいのは包容力があるって証拠―って言ってたよ?」 澪「は?」 256 名前:ss「手の話」[sage] 投稿日:2009/08/17(月) 21 45 58 ID 3pmuvB1U 唯「テレビで手相の番組でね、"手大きいですねー"って占い師みたいな人に言われてさ。 女の人が"いつもバカにされてまして"って言われてて」 梓「あ、私も見てました。"手が大きいってのはね、人を包み込む力があるって事だよ"って言ってましたね」 唯「そうそうっ。私の手は憂よりちょっとだけ小さいし、ムギちゃんは私やりっちゃんよりちょっと大きいし」 紬「昔はりっちゃんの方が引っ張っていったって言ってたわね」 唯「うん。だから、澪ちゃんが一人立ち…っていうのもおかしいけど、成長したから大きくなったんじゃない?」 澪「唯……」 律「て、事は今澪は私のお母さん的存在ってことか?」 唯「私も澪ちゃんの子供になりたいなぁー♪」 澪「ちょっ、それは話が違うだろ!」 梓「私も澪先輩の子供だったら…」 澪「え、梓?」 紬「それじゃー今日は一日澪ちゃんは軽音部のお母さんって事で♪」 一同『さんせーい』 澪「え、ちょ」 唯「お母さん肩揉もうか?」 澪「ひゃっ、ちょ、ゆ、唯…」モミモミ 律「お母さんごめん!私のケーキあげる!」 澪「い、いやいいよ…」 梓「お母さん、この部分の弾き方が…」 澪「あ、それはね…ってそれ普通!」 紬「すっかりお母さんねぇ、エプロンまでつけて」 澪「へっ、うわ!ていうかメイド服だろこれ!誰だ!」 さわ子「私よ」 澪「いっ、いつの間に!こんなもん脱いで……」 唯「おかーさーん♪」 澪「って唯引っ付くな!脱げない!!」 紬「澪ちゃん髪も長いから、いいお嫁さんにみえるわね」 さわ子「そうよねぇ♪………このまま保育所連れて行こうかしら」 律「あーそれいいねぇ。小さい子から放課後ティータイムの根っこを伸ばして…… 澪「あーもー!やーめーてぇー!!」 出展 【けいおん!】田井中律はパワフルロック可愛い69【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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「ふっふっふーん♪」 …部屋からお父さんの鼻歌が聞こえる。何があったんだろう? 「どうしたのお父さん、鼻歌なんか歌っちゃって」 「いやぁ、部屋の整理をしてたらこんなものが出てきてなぁ~」 そう言ってお父さんが取り出したのは…なにやら剣のようだった。 所々刃こぼれしてボロボロ、装飾品もくすんで鈍い輝き。こりゃそーとー古い剣と見た。 「なにそれ?」 「いやぁー、この剣を見ると昔を思い出してなぁ…」 「あぁ、そういえばお父さん、小説家になる前は冒険家だったんだよね」 「あの頃は父さんも変わり者だとか無鉄砲だとか言われたもんだけどこいつは最大の相棒だったよ」 「ふぅん…でもお父さん、剣を見つけて喜ぶのはいいけど片付け手伝ってよ」 「はっ!!」 片付けをしているといろいろなものが出てくる。 中には、当事者ですら存在を忘れかけていたものとか、知らなかったものが出てくることもある。 例えば私なんか、気分転換によく押入れの整理をやってたりするけど、こんなものが出てきたことがあるんだよ。今日もやってるわけだけど……出てくる出てくる。 例えばほら、『絶対零度ホッカイオー』のキット。 お父さん、趣味でこういうもの作ってるらしいんだけど、ホッカイオーに関しては塗装が難しいとかで投げ出しちゃって、そのまま忘れ去ってしまったらしい。まぁ、このキットは私も持ってるんだけどね? …それから、かなり古い地図。お父さんが冒険の時に携えていたものらしい。 何処にどんなモンスターが潜んでいるかとか、詳しく書かれている。 今でも冒険家向けの地図は出てるらしいんだけど、古い地図ともなるとマニアの人気がついてかなりの高値がつくんだとか。 これは…私が小さいときに書いた作文。 今だから言えるんだけど、自分ってこんなに字ヘタだったんだなぁ…。うぅむ。 で、整理を進めていると、なんかヘンな木箱が見つかったんだよね。 「お父さん…この箱って一体なんだろ?」 「さぁ…父さんにもわからないなぁ…」 と、父娘ともに困り果てていたら、お母さんが近付いてきた。 「…あら、これは懐かしいわね~」 「あ、お母さん。この箱の中身って一体なんなの?」 「うん、実はこの中に入ってるのは私のツノなの」 「…ツノ? でもお母さん、ツノなら生えてるじゃん」 私はなんでこの箱の中にお母さんのツノが入っているのかわかんなかったけど、次の言葉でその疑問は解決した。 「あのね、こなた。私たちドラゴンは大人になるとツノが抜けて生え変わるようになっているの」 なるほど、乳歯とか永久歯っていうけど、竜のツノもそれと似たような感じなんだ。 …話によると、お母さんたちドラゴンは生まれてから100年経つとツノが生え変わるらしい。 逆にいえば、100歳になってやっと一人前ってわけ。ドラゴンってかなり長生きだからね~。 で、そのときにツノが生え変わるんだけど、ここからが面白いところ。 お母さんは自分が大人になったんだっていう記念として、このツノをとっておいてるんだってさ。 そういえば、私もドラゴンと人間のハーフなんだけど、このツノが生え変わらないうちはまだまだ半人前ってことなのかなぁ。 この先何年かかるかわからないけど、少なくとも高校卒業までに生え変わることはないみたいだ。ちょっとがっかり。 そんなわけで、いろいろなものが出てくるわが泉家の押入れ。 いろいろ懐かしんでるうちに日が暮れて、すっかり夜になってしまった…。 結局その日はいつもより遅い晩ご飯になりましたとさ。 さて、食事をしていると突然呼び鈴が鳴った。 「はーい」 私はドアのほうに駆け寄った。こんな遅くに一体誰なんだろうと思って、ドアを開けた次の瞬間だった。 「がうーるるるるる!!」 「ぎゃあ! オオカミだぁっ!!」 果たしてこのオオカミの正体は一体!?……って、次回に続いちゃったりして。
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581~590 591 ③「そういう隆の料理の腕はどうなのよ?」 隆の言う事は正しいのかもしれないけれど。 なんとなく釈然としないものを感じてそう問い掛けると、隆はふふんと笑った。 「人並み程度には。まあ、お前よりはまっとうな料理作れるぜ」 「まっとうなって……さっきから随分な言い様じゃない」 「だから言ってるだろ。料理が上手くなりたいんならマズイものを作ったらマズイって気付かなきゃ駄目だ。お前のとこの春樹やおばさんみたいに黙ってちゃ愛菜はわからないだろ」 散々な言われように言いたい事もあったはずなのに、隆の言葉に私は思わず口をつぐんでしまった。 (春樹も、お義母さんも……私に気を使って何も言わなかったのかな?) 「そう、だね。……我慢してマズイもの食べさせるなんて、可哀想だよね」 「愛菜?……やれやれ」 押し黙ってしまった私の前で、隆は困ったような顔で溜息をついた。 「春樹やおばさんに関しては確かにそうかもしれないけどな。その点、俺なら大丈夫だ。さっきから言ってるけど、お前にマズイ物喰わされたらちゃんとマズイって言ってやる」 下がり気味だった視線をゆっくり上げると、真っ直ぐにこちらを見る隆と目があった。 「だから、お前は遠慮無く俺を実験台にすれば良い。俺の胃腸は頑丈なんだ、ちょっとやそっとじゃびくともしねえよ」 「隆……ありがとう」 隆なりの優しさが嬉しくて、素直にお礼を言うと隆は照れたようにそっぽを向いてしまった。 「別に。礼を言われるほどのことでもないだろ。……俺自身のためでもあるし」 「? そうなの? 隆ってば食いしん坊なんだね」 「……」 「隆?」 「あーもう良いよ、そういう事で!」 隆はどことなく不機嫌そうにお皿に残っていた八宝菜を口に詰め込んだ。 (? 変な隆) それから二人で黙々と食事をとっていると、丁度会話の切れるタイミングを計ったかのように携帯が鳴った。 「おい愛菜、誰からだ?」 ディスプレイに映し出された番号は…… ①周防さんの携帯の番号 (周防) ②一郎くんの携帯の番号 (一郎) ③修二くんの携帯の番号(修二) ④春樹の携帯の番号(春樹) ⑤電場ボックスからの着信(冬馬) ⑥未登録の携帯の番号(美波) ⑦固定電話の番号(あれば近藤先生) ⑧非通知での着信(592の選択に続く) 592 ⑤電場ボックスからの着信(冬馬) 「電話ボックスからみたい……誰だろう?」 誰か電池が切れて、仕方なく電話ボックスからかけてきたのだろうか? そう思いながら、通話ボタンを押す。 「もしもし?」 「………」 出てみたが、相手の返事が無い。 「? もしもし? どちら様ですか?」 しばらく待つがやはり返事が無い。 「どうした? いたずら電話か?」 こちらの様子に隆が聞いてくる。 「そう、なのかな?」 電話を切ろうかと思ったそのとき、抑揚の無い声が聞こえてきた。 「……愛菜」 「え? もしかして、冬馬先輩?」 「はい」 なるほど冬馬先輩なら携帯電話をもっていなさそうだ。 それ以前に携帯番号を教えた記憶も無いけれど……。 (周防さんに聞いたのかな?) 「愛菜、心を落ち着けてください」 「え?」 「あなたの心が乱れていて、チューニングが出来ないのです」 「あ……」 そうだ冬馬先輩なら電話なんか使わなくても、私に話かけて来る事は簡単なはずなのだ。 それが出来ないほど、私は春樹が出て行ったことに動揺していたということか。 「ご、ごめんなさい」 「いいえ……」 そのまま、先輩は黙り込んでしまう。 そしてまもなくビーという音と共に、回線が切れてしまった。 「あ、切れた」 「用事はなんだったんだ?」 「それが、聞く前に切れちゃって……」 「なんだそりゃ?」 隆が訳が分からないと言う風に、首をかしげる。 (何か用事があったんだよね?) でなければ電話なんてかけてこないだろう。 (でも、先輩が電話なんて……あ、隆がいるから?) 冬馬先輩ならチューニングがうまくいかなければ、電話よりも先にこの家へやってきそうだ。 けれど冬馬先輩は私が親しくしている人がいるところには、あまり自主的に現れない。 だいたいが私と冬馬先輩が居るところへ、誰かがやってくるという感じだった気がする。 昨日も結局すぐに帰ってしまった。 (案外家の近くに居たりして……) ①チューニングをあわせてみる ②また電話がかかってくるのを待つ ③カーテンを開けて庭を見る 593 ③カーテンを開けて庭を見る なんとなく気になった私は、居間のカーテンを開けて庭を見た。 すると庭の先、道路を挟んだ電柱に一瞬だけ人影を見つた気がした。 (もしかして……冬馬先輩かな) 冬馬先輩だったら、春樹が出て行った事について詳しく知っているかもしれない。 そう思うと、居ても立ってもいられなくなる。 「私、少し外に行ってくる」 「待てよ。何言ってんだ、こんな時に」 出て行こうとする私の腕を、隆は素早く掴んだ。 私はその手を振りほどこうとしたけど、力ではとても敵わない。 諦めた私を見て、隆は掴んだ手を離すと静かに口を開いた。 「今、お前が出て行っておばさんはどうするんだ。わかってるのか」 「……だけど、このままじゃ」 「焦る気持ちはわかるが、美波って人が言っていただろう。今は待つしかないんだよ」 「でも……」 「それにさっきの電話で春樹の無事は確認できたんだ。明日になったら動きがあるかもしれないしな」 きっと隆は私を安心させようとしたのだろう。 けど、さっきの春樹の様子からは明日何事も無かったように帰ってくるとは思えなかった。 「……そうだよね、隆の言うとおりだよ」 「分ってくれれば良いんだ」 「私、疲れたし寝るよ」 「あ、ああ……」 隆が残っている居間の扉を閉めて、私は自室へと戻る。 チハルは規則正しい寝息を立てて、ベッドで休んでいる。 起こさないように部屋の電気を点けず、もう一度窓際に立ってカーテンを開ける。 すると私に気づいていないのか、人影がこちらの様子を伺うように立っていた。 (やっぱり誰か居る。どうしよう……) 私は…… ①チューニングをあわせてみる ②外に出る ③チハルを起こす 594 ①チューニングをあわせてみる 外に居るのが冬馬先輩かはここからだと確信が出来ない。 昨日襲撃があったばかりだし組織に関係する人かもしれないのだ。 (隆が止めてくれて良かったかも…) 少し隆に感謝しつつカーテンを閉めて、チハルを起こさないようにそっとベッドに座る。 (落ち着いて落ち着いて……) 春樹の事は心配だけれど、もしかしたら冬馬先輩がなにか知っているかもしれない。 冬馬先輩がわざわざ連絡して来たのだから、春樹のことじゃなくてもきっと大切な事だろう。 冬馬先輩を思い浮かべながら意識を集中する。 (冬馬先輩、聞こえますか? 冬馬先輩?) しばらく呼びかけていると、最近なじんできた声が聞こえてきた。 (愛菜、聞こえます) (冬馬先輩、よかった。さっきは途中で電話が切れちゃったから…。ところで、何かあったんですか?) (はい……) 先輩が頷くような気配がして、冬馬先輩はぽつぽつと話し出す。 (今日、学校で活動している主流派の者が、何者かに意識を操作されました) (それって……) 今日の放送室であったことを思い出す。 一郎君と修二君が組織の主流派と決別する事を宣言した時の事だろう。 (組織はすぐにそれに気づき、なんらかの行動を開始したようです) 冬馬先輩の言葉のとおりなら、あのとき一郎君と修二君が行動を起こさなければ春樹は出て行かなかったと言うことだろうか……? (春樹が出て行ったのも、その事に関係してるんですね?) (弟さんが出ていったのですか?) (あ、うん……春樹の本当のお父さんが迎えに来て……) そういえば、冬馬先輩には春樹が本当の弟ではないことを話していない。 (春樹のお父さんは高村なの……私も詳しくは知らないけど……。 今周防さんが調べてくれてる……) (周防が?) 冬馬先輩の様子から、春樹の消息については何も知らないのだと推測する。 (うん、今日お義母さんに聞いて知ったんだけど、春樹と周防さんて従兄弟なんだって) (……そうですか。では、弟さんの本当の父親は高村博信ですね) (高村……博信……?) 突然出てきた名前に驚くが、冬馬先輩は組織に居たし周防さんとも親しくしているようだから,その辺りは詳しいのかもしれない。 冬馬先輩なら組織の場所も知っているだろう。 そんな事を考えているとふと、今冬馬先輩はどこに居るのか気になった。 さっきの人影は冬馬先輩だろうか? ①高村博信について聞く ②春樹が連れて行かれた場所に心当たりが無いか聞く ③今、冬馬がどこに居るか聞く 595 ①高村博信について聞く (高村博信……?春樹のお父さん……?) (……はい) 春樹の口からほとんど語られたことの無い父親の存在。 私でも名前を聞くのは初めてのことだった。 お義母さんや春樹を傷つけてきた人とは一体どんな人物なんだろう。 何より、この騒動にも深く関わっているのは間違いない。 (冬馬先輩、高村博信について教えて) (わかりました。ですが周防から聞いた話ですので、知らない事もあります) (うん。構わないよ) 私は姿勢を正して、より意識を集中させた。 すると、またぽつぽつと冬馬先輩が話し出した。 (高村博信……高村研究所の所長をしている男です) (やっぱりそうなんだ) (……心当たりがあったんですか?) (うん、なんとなくだけどね) (………………) (ごめん、話の腰を折って。続きを聞かせて欲しいな) (はい) 冬馬先輩の頷くような気配まで伝わってきた気がする。 もしかしたら、少しずつ私の力も強くなっているのかもしれない。 (彼は所長以外にも、この近くの総合病院で院長を兼任していたそうです。 しかし三年前、研究に専念したいという理由で院長は退いています) (この近くの病院……それって公園のそばにある総合病院のことかな) (はい、そうです) (他は? 他に何か知ってる?) (高村博信の家族構成です) (それも教えて) (現在、妻はいません。今は、秋人……春樹さんの兄と二人で屋敷に暮らしているそうです) (秋人?) また知らない名前が出てきた。 春樹のお父さんの息子で春樹の兄である秋人という名の人物。 だけど、春樹からもお義母さんからもその存在を聞かされた事は一度も無い。 私は…… ①秋人について聞く ②春樹が連れて行かれた場所に心当たりが無いか聞く ③夜も遅いし話を終える 596 ①秋人について聞く (春樹にお兄さんがいるなんて……お義母さんも春樹も一言も……) (兄と言っても、母親が違います。春樹さんと4つ年が離れています) 4つ違いの春樹のお兄さん、という言葉に不意に春樹が家に来たばかり頃の事を思い出す。 (もしかして……、春樹のお兄さんって眼鏡をかけた人ですか) (はい、確かに眼鏡を着用しています。会った事があるのですか?) (一度だけ……) そう5年前、春樹が家出をするのではないかと勘違いしてついて行った時、その帰りにそれらしい人に会っている。 確かにあの時、春樹はあの人を「兄さん」と呼んでいた。 その人は春樹が「兄のように慕ってくれている」といっていたけれど……。 とても優しそうな人だったと記憶している。 今思うと春樹と仲よくなれたのは、ミケとあのお兄さんのおかげのような気さえする。 そういえばミケはどうしただろう? 私は当然お兄さんの連絡先は知らないし、春樹はあの後お兄さんについて話す事はなかった。 うやむやのまま、ミケはあのお兄さんに預けたままの状態になっている。 もう5年だからミケも大分年を取ったのではないだろうか? 思わず過去に浸りそうになって、あわてて冬馬先輩に意識を戻す。 (とても優しそうな人だったよ) (そうですか……?) 冬馬先輩が少し不思議に思う気配がする。 (? どうかしたの?) (いいえ、彼もあなたには優しいのかもしれません) (え? 春樹にも優しかったけど……) どうやら私と冬馬先輩の間には、秋人さんに対するイメージに隔たりがあるようだ。 とりあえず、高村を名乗っているという事は、秋人さんは力のある能力者ということだろう。 先輩に聞いてみると、頷く気配がする。 (彼はとても力の強い能力者です、三年前から急に力が伸び始めました) (そんな事ってあるんだ……) (その為か、それとも他に理由があるのか分かりませんが、三年前に博信は研究所の実権を秋人に一任しています) (え? じゃあ、今は秋人さんが研究所の所長なんですか?) (研究所の所長は、名ばかりですが今も博信です) 実権を握っているのが秋人なら、私を狙っているのはあの優しかったお兄さんなのだろうか? けれど春樹を連れて行ったのは父親の博信だ。 結局、組織の誰が何を目的に私を狙っているのかわからないから対策を打つ事ができないのだ。 ため息をついて時計を見ると、いつも寝る時間をすぎている。 ①私を狙っているのは誰なのか聞く ②私を狙う目的を聞く ③時間が時間なので今日はもう寝る 597 ②私を狙う目的を聞く とにかく、どうして私を狙うのかその目的がはっきりさせないことにはいけない。 使えない予知夢が必要なのだろうか。 それともまた別の目的があるのだろうか。 (最後に教えて。春樹のお父さんやお兄さんが私を狙っている目的は何?) (………) (知ってるのなら教えて) (組織の目的はあなたの力です。ですかそれもまた、時によって形を変えます) (時よって……変わっていく?) (ですから僕がお伝えできるのは、今迄起こった出来事とその経緯のみです) (その言葉、契約の時にも言っていたよね) (……はい) (力って言われても私なんて予知夢だけで、冬馬先輩や周防さんたちに比べたら全然力が無いじゃない) (それは……あなたの思い込みです) (……思い込み? それ、前にも言われた事があるよ。ねぇ、私の思い込みってどういう事?) (……………) (教えて、私は一体何を思い込んでいるの?) (……………) (お願い、答えてよ) (……………) (冬馬先輩も一郎くんみたいに、肝心な話になると何も教えてくれないんだね) (……………) 私に力が無かったら、春樹は出て行かなかったかもしれない。 この前の周防さんだって危ない目に会わせずに済んだかもしれない。 予知夢という使えない力があるばっかりに、たくさんの人たちが危険にさらされていく。 カーテンをめくりながら外を見ると、まだ人影が立っている。 きっと、組織が監視用に送り込んだ誰かかもしれない。 それだけ、私のこの力が魅力的である証拠だ。 私にとって迷惑なものでも、組織にとっては喉から手が出るほど欲しいものなのだろう。 (そんなに私の力が欲しいなら、勝手に持って行けばいいよ……) (………) (取り合いでも奪い合いでも、好きにすればいいじゃない) (…………) (もう私、疲れたよ) (…………愛菜) 冬馬先輩にしては珍しく、焦りや不安や悲しみの感情が心の交信を通して直接伝わってきた。 私は…… ①(だから、ハッキリさせたいんだ) ②(なんてね。冗談だよ、本気にしないで) ③(私、もう寝るから) 598 ①(だから、ハッキリさせたいんだ) (申し訳ありません、僕はその答えを伝える事ができません) (どうして!?) (愛菜のお母様との約束です) (お母さん……?) 唐突に出てきたお母さんという言葉に困惑する。 (けれど、これはそのままヒントでもあります。あとは愛菜、あなたが自分で思い出してください) (思い出す……? お母さんに関係するなにか……?) (…………) (これも答えられないんだ) けれど、答えがない事が答えなのだろう。 10年前に出て行ったお母さん。 お母さんと過ごした記憶はもうあいまいで、はっきり覚えているものは少ない。 美波さんの話では、私を守るために冬馬先輩を助ける手伝いをしたという。 そのお母さんが、冬馬先輩に口止めしている。 (……ヒントがもらえただけでも一歩前進なのかも) 今までなんの手がかりもなかった。それに比べたら小さなヒントがあるだけでもマシというものだ。 それが望んだ答えとはかけ離れていても。 (……冬馬先輩ヒント、ありがとうございました) (……いいえ) (今日はもう寝ますね。おやすみなさい) 通信を終えようとすると、愛菜、と冬馬先輩がかすかに引き止める声がした。 (愛菜、僕は先を知る事が出来ません。ですからあなたがどんな答えを出し、どんな力を得るのか答える事が出来ません。 ですがどんな事があっても、僕があなたをまもります。お母様との約束や、契約のためだけではなく、僕がそうしたいと思うから……。 引き止めてすみませんでした。……おやすみなさい) そういうと、冬馬先輩との通信が途切れた。 私はため息をついて、チハルを起こさないようにベッドに入る。 「お母さん、か」 目を閉じるとすぐに睡魔がやってきた。 いつの間にか濃い霧の中を歩いていた。 (夢、かな?) しばらく歩くが、どこにもたどり着かない。 だんだん不安になってきて少し早足であるく。 どれくらい歩いたか、唐突に目の前に人の影が見えた。 「あ、あの! すみません」 声をかけると、その人は振り返ったようだ。 慌てて駆け寄ってみると、その人は……。 ①お母さん ②眼鏡の男の人 ③初老の男性 599 ①お母さん (なんでそんなに悲しそうなの?) そう思っていると、はらはらとお母さんの頬に涙が伝う。 (なんで泣くの……?) 「ごめんね愛菜」 (なんで謝るの?) 「普通に産んであげられなくてごめんね」 (それって、どういうこと……?) お母さんは私の問いには答えず、そっと私を抱きしめた。 それで、私がいつの間にか小さな子供になっていることに気づく。 「おかあさん」 自分は話していないのに声がする。 (もしかしてこれは……私の過去?) 「なかないで、おかあさん。だいじょうぶだよ」 子供の頃の自分が手を伸ばしてお母さんを抱きしめる。 「おかあさんがいやなら、もうすてる。いらないから」 「愛菜……あなたは優しい子ね」 「でも、おかあさんいなくなるの」 「愛菜?」 「おかあさん、あいなをおいていっちゃうの。いっちゃやだよ、おかあさん」 「そう……わたしは愛菜を置いていくのね?」 「いやだ、おいていかないで」 泣き出した私をなだめるようにお母さんは私を抱き上げる。 「大丈夫よ、愛菜。おいて行ったりしないわ。……まだね」 「ほんとう?」 「ええ、本当よ。ねぇ愛菜、私はいつあなたをおいていくの?」 お母さんの言葉に、小さな私は首を傾げる。 「わかんない……、たかしにくまさんもらうの。そのあと……」 「そうなの……。ね、愛菜はまだ隆くんにくまさんをもらっていないでしょう?」 「うん」 こっくりと頷いた私に、お母さんは微笑んだ。 「だから、おいていったりしないわよ」 (そうか、お母さんが出て行ったのは私がそういったからなんだ) 「それじゃあ、愛菜約束よ。もう、先のことを見ないこと。もし見てしまっても忘れること」 「うん。わかった!」 「愛菜は良い子ね、それじゃあもう忘れてしまいましょう、愛菜」 優しく背中を撫でるお母さんに小さな私はすぐにうとうとと眠り始める。 私は…… ①目覚める ②先を見る ③考える 600 ②先を見る 私が眠ってしまうと、元の私は少し離れた位置で二人を見守り始める。 お母さんは眠った私をベッドに寝かせると、ベッドの端に腰掛けて静かに私の頭をなでている。 私が寝入った頃、お母さんが口を開いた。 「愛菜、私はあなたを置いてどこへ行くの?」 最初独り言かと思ったが、眠っている私が口を開く。 「けんきゅうじょ」 「研究所……? そこで何をするの?」 「とうませんぱいを助けるの」 「とうま先輩?」 「あいなをまもってくれるひと」 「その人が愛菜を守るのね?」 「うん」 「そう、そうなの」 お母さんは静かに頷いて、立ち上がる。 「まず、研究所について調べなくてはね」 強い意思をもった顔で、お母さんは歩き出す。 私が見た事のないとても強い顔。 厳しい所もあったけれど、いつも穏やかで優しかったお母さんとは全く違う。 いつの間にかまた周りは霧に囲まれている。 私は立ちつくしたまま、今見た事を反芻すた。 (お母さんが出て行ったのは、私がそう言ったから? 研究所へ行ったのも、冬馬先輩を助けたのも私がそういったから……?) そしてそれを忘れていたのは、私がお母さんとそう約束したから。 思い出してくださいと言った冬馬先輩の言葉が蘇る。 (夢の事は私が自分で思い出さないようにしていた……) 少なくとも小さい頃は夢で先を見る力があったのだ。 (ううん、今もあるんだよね) ただそれを忘れているだけ。 もしかしたら今も目が覚めたらこの事を忘れているかもしれない。 そうならないためにはどうしたらいいだろう……? ①冬馬先輩に相談する ②ここに鍵になりそうなものがないか探す ③忘れないかもしれないから起きてみる
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うー、子供の夜泣きに起こされる須賀咲ちゃんです……。 お父さんもお母さんも、本当に凄いんだなぁって実感する日々を過ごしてます。 それでも、この子たちのためならなんでもしてあげようって思えるんだ! お父さんとお母さんが二人で可愛がってくれているし、私もすごく助かってます! 「よぉ、咲」 「お父さん」 「いやぁ、孫はかわいいなー! 照も咲も大人しかったけど、この子たちは元気だな!」 「そうだったの?」 「おー。あと二人ともおもらし癖が抜けなかったなー」 「やめてよお父さん!」 そうやって親しか知らない恥部を成人後に出すのは反則じゃないかな!? だいたい、子供ならみんなそうでしょ! って、お姉ちゃんもそうだったんだ。 誠に遺憾ながら、私とお姉ちゃんはよく似てるし仕方ないかな……。 で、でも私はあんなにお菓子中毒じゃないもん! というか、私もお姉ちゃんも太らないタイプじゃないのに大丈夫なのかな。 日本代表麻雀プロが肥満なんて週刊誌、笑えないよ! それにしてもお父さん、嬉しそうだなぁ。 ……お父さんもお母さんも、最初はぎこちなかった。 やっぱり一度別離してしまった以上、元の鞘に戻るなんて難しいんだと思う。 それでもこうして宮永家にみんなが住めるようになったのは、この子たちのおかげ。 屈託のない子供たちの笑いは、そんな大人の都合なんて関係なくて、みんなを笑顔にしてくれた。 宮永家のわだかまりなんてなかったかのように、みんな幸せになれた。 そして何より、こうなれた一番の理由は…… 「咲。少しは休みなよ。 毎日疲れてるだろ」 「京ちゃん、ありがとう」 そう、こうして奇跡的な和解を遂げられた理由は京ちゃんにある。 京ちゃんがお父さんとお母さんに何か言ったわけじゃないんだ。 産後だから実家で過ごしていた私に京ちゃんは言った。 『咲、お義父さんとお義母さんがよければだけど、このままこの家に住ませてもらえるように頼まないか』 京ちゃんが言ったのは本当にそれだけだ。 その時の理由としては、『まだ若い自分たちだけでは』って言っていたと思う。 ……うん、みんなわかってる。 私たちの子供が、みんなの橋渡しになったんだ。 子供たちと、そして京ちゃんがいて、私たちはみんな笑顔になった。 「ほっぺが餅みたいだな、京ちゃん!」 「界さん界さん、なんで俺の頬まで摘んでいるんですか!」 「比べているんだ。京ちゃんの頬は固いな。まぁ男だし。 これは咲の遺伝だ!」 「いや、赤ちゃんなら柔らかいんじゃないんですか?」 「京ちゃんが冷たい……。 お、赤ちゃんといえば赤ちゃん時代の咲がなー」 「お父さん!」 「咲の恥ずかしい話は慣れてますよ」 「京ちゃんまで!」 なんで私が弄られる流れになっているの! もー! でも、みんな本当に嬉しそう。頑張った私に感謝してよね、えっへん! お父さんはつきっきり。お母さんも仕事から早く帰ってくる。お姉ちゃんはさすがに忙しそうだね。 ふふふ、お姉ちゃんなんか無表情に見えるけど、誰もいない時にこっそり触りにくるんだよ。 どうしていいかわからずおっかなびっくり抱っこしているお姉ちゃん、ちょっと可愛いよ! 「あ、お腹空いたみたいだな」 「お父さん、俺たちは下がりますか」 よーし、咲ちゃんに任せなさい! いっぱい飲んで、元気に育つんだよ! カン! 目次に戻る
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人間の小屋の中にまた勝手に住み着くゆっくりがいた。 それ自体はよくあることである。 そして、子持ちである事もよくあるが、今回は少し変わったゆっくりが住み着いていた。 「う~♪ れみりゃのぷりてーなあがちゃん~♪」 「う~~♪」 一匹のお母さんれみりゃと赤ちゃんれみりゃ。 出生は不明だが、どこかのお屋敷から抜け出してきたのかもしれない。 こーまかんと、この小屋を重ね合わせているのかもしれないからだ。 邪魔な農具の類は全て乱雑にぶちまけ、開いたスペースにお尻を着いたお母さんれみりゃはニコニコと赤ちゃんれみりゃを眺めている。 「うっう~♪ おながへっだどーー!!」 突然、何の脈絡も無しにお母さんれみりゃが立ち上がり、天を指指し高らかに宣言する。 「う~ごひゃん~♪」 赤ちゃんれみりゃも純粋な瞳をお母さんに向けて微笑む。 どうやら、こちらもお腹が減ったようだ。 「う~~~いぐどぉ~~♪」 その声を聞いたお母さんれみりゃは、少しスピードを殺して、そのまま母屋の方へ戻る。 この小屋は、母屋の人間が倉庫として使っていたものだったようだ。 しかし、最近は使っていなかったらしく、それゆえゆっくりの進入を許してしまったらしい。 そんな事をこれっぽっちも知らない二匹は、さも当然のように、今まで来た事のない母屋に向かって歩を進めてゆく。 後ろからヨチヨチと赤ちゃんれみりゃが付いて来るのでお母さんはご機嫌だ。 お母さんは歩いて、赤ちゃんはお母さんの顔の高さまで浮かび上がって、仲良く歌いながら母屋の中へ。 「がぁ~お~た~べちゃ~うぞ~!!!」 「じょーー!!」 障子を破り捨てて更に奥へ進む。 目指すは台所。 「う~~♪」 台所へ着いたお母さんれみりゃは、おいしそうな香りを出しているおかずには一切目もくれずに戸棚や氷室の中を調べ上げる。 「う~!! ぽいするのぽい!!」 自分が食べたいもの以外を処理する事も忘れない。 ここも自分のお屋敷、だから何をやっても良い、自分の好きなように振舞う。 笑顔のまま、台所の棚という棚を漁りまくっているれみりゃの顔は、飛びっきりの笑顔であった。 「うーー!! ざぐやにいいづけでやるーーーーー!!!」 どうやらお気に入りの食べ物が無かったようで、家の中をめちゃくちゃにしてから、笑顔でれみりゃ親子はこの家を後にした。 「う~~~~……」 出来る限り高く(2メートル)飛んで辺りを見回すお母さんれみりゃ。 めぼしい家が見当たらないようで、迷っているようだ。 「うーーーおかーしゃん!! あのおーち!!」 赤ちゃんれみりゃが指差した家は、手前の家が陰になってよく見えないがそれなりに豪華そうな家だった。 「う~~~♪ いっくどぉ~~~~♪」 元気百倍肉饅頭のポーズでその家まで飛んでゆく。 「うーーーー!!!」 門の前まで来ると、やはり、なかなか大きな家のようだ。 「うっう~♪」 塀を飛び越え庭に、そこから家の中へ入っていく。 「うーーー!! がぁおーーー!! がぁおーーー!!!」 「ぎゃおーーー!!」 先ほどと同じように、障子を破り捨てて奥へ奥へと進んでゆく親子。 直ぐにお目当ての台所が見つかった。 しかも、この家には大きな冷蔵庫もある。 「う~~!!」 喜び勇んで早速お目当てのものを探し出す。 こっちをあけたらポイ。 あっちをあけてもポイ。 今回も全て捨てるだけなのかと思われたそのとき、親子から嬉しい悲鳴があがった。 「う~♪ ぷっでぃ~ん♪ れみりゃのぷっでぃ~ん♪」 「うーーー!! ぷっでぃーーん!!」 その手に握られていたのは、大きなプリンだった。 「「う~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー」」 自分の一丸の好物、しかもこんなにも大きなものを手に入れたれみりゃはご機嫌だ。 さっそく、食べようと蓋を剥がす。 「う~~~♪ ……う~? うーーーーーーー!!!!!!!」 おかあさんれみりゃが懸命に蓋を外そうとするが、なかなか剥がせない。 それもその筈、剥がすための出っ張りは、綺麗に切り落とされていたのだから。 「まぁまーーがんばっでーーー!!!」 「ううーーーーー!!! ううーーーーーーー!!!!」 愛娘の応援を受け、必死になって蓋を剥がそうと奮闘するお母さんれみりゃだが、小さなその手で開けられるほど、幻想郷の包装技術は遅れていない。 「ううーーーー!!! ざぐやにいいづけでやるどぉーーーー!!!!!!」 結局開けられないことが分かると、興味をなくしたようにプリンを投げ捨て更に物色し始める親れみりゃ。 「う~~~うっう~~♪」 次に見つけたのはカステラだった。 買ってきたばかりなのであろうそれは、親れみりゃの顔ほどの大きさがあった。 「う~~~~♪ おがじ~♪ むっしゃむっしゃ♪」 床に腰を下ろし、両手でしっかりと掴んで食べ始める。 「う~~? れみりゃのぷっりでーなあがじゃ~ん♪ おっがじ~あるどぉ~♪」 近くに居るはずの赤ちゃんに呼びかける、しかし、返事は意外なほど遠くから聞こえた。 「うーーーー♪ まぁまぁーー♪ れみりゃごれかいだのーーー!!!」 赤ちゃんれみりゃが手渡したのは一枚の画用紙だった。 そこにはクレヨンで満遍なく線が書いてあるだけだ。 「う~~~♪ れみりゃのこどかいてくれだの~~?」 「うーーー♪ まぁまぁをかいだのーーー!!!」 どうやら、それは自分の事を描いた絵だと認識したらしく、お母さんれみりゃはにこにこしながら両手でそれを持って眺めている。 「うーー♪ これおいじーー♪」 一方の赤ちゃんれみりゃは、先ほどの母親と同じような格好で残ったカステラに齧り付いていた。 「うっう~♪ れみりゃもかくどぉ~♪ ぐれよんどぉごぉ~?」 「うーー♪ こっぢーーーー!!!」 赤ちゃんに連れられてお母さんれみりゃが向かった部屋には、沢山のクレヨンと画用紙がばら撒かれていた。 「うっう~♪ れみりゃはぷっりでぃ~なあかちゃんど、さぐやのえをかくど~♪」 「れみりゃももっとまぁまぁのえをかくどー♪」 その楽しい一家団欒は、この家の主が帰ってくるまで続いた。 その間に、絵を描く事に飽きた親子は、先ほどの家と同じように全てをめちゃくちゃにし、クレヨンで家中の飾り付けを終えたようだ。 親子とも大の字になってぐっすり眠っていた。 「……オラ、起きろ」 帰ってくるなり、我が家の変わり果てた様子に愕然とした男は、お腹に蹴りをぶち込み二匹を叩き起こす。 「うぎゃーー!!! ざぐやーーどごーー!!」 「まぁまぁーー!!! しゃくやーー!!!」 たいしたダメージにはならなかった様で、二匹とも元気にのたうち回っている。 「おい! 俺のうちで何してんだ?」 「う~ここはれみりゃのおーぢなの♪ ざぐやにいっでべっどど~、ぷっでぃ~んをはこんでもらうの♪」 「うーー♪」 早くも回復した親子がニコニコと男に語りかける。 「う!! うっう~♪」 母親が何かに気付いたようその場を後にする。 残ったのは男と赤ちゃんれみりゃだけ。 「うーーー!! うあうあ~~~♪ うぎゃ!!!」 好き勝手に踊っている赤ちゃんれみりゃを掴み上げ、引きちぎる。 中からは、おいしそうな肉まんの匂いが漂ってきたが、男はそれを食べようとはせず、お母さんれみりゃが 戻ってくるのをじっと待っていた。 「うっう~♪ はやぐこのぷっでぃ~んあげでね~♪」 先ほどのプリンを持ってきたれみりゃが、有無も言わさぬ態度で男に命令してきた。 「そのまえに、ここは俺の家だよ。そして、お前達は俺の家をめちゃくちゃにしたんだよ。分かる?」 「うーーーー!! いいがらはやぐあげるの!! ざぐやにいいつげるどぉーーーー!!!!」 あくまで聞く耳が無い。 まさに饅頭に説教である。 「わかったよ。じゃあその間これでも食ってろ。うまいぞ~♪」 「う~♪ れみりゃちゃべりゅ~~~♪」 男から渡された、モノを両手でしっかりと受け取るれみりゃ。 「う~♪ あーーn? うあーー!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 口に入れるその段階で漸く、それが自分の子供だと気付いたれみりゃは、どうして良いのか分からず持ったままおろおろとしている。 「ほら、開いたぞ。それじゃあ交換な」 ヒョイっとれみりゃの手からソレを取り上げて変わりにプリンを載せる。 なかなかゆっくり思いの男のようで、しっかりと安っぽい紙皿の上にプッチンされていた。 「……ううううう……」 「どうした? くわないのか?」 右手をバリッと食いちぎる男。 手に持っているプリンを男が持っているソレを交互に見比べながら、れみりゃは必死に何かを考えているようだ。 「うーーー!! それはれみりゃのあがちゃんなの!! たべものじゃないの!!!」 漸く考えが纏まったようで、顔を真っ赤にしてそれだけを叫んだ。 「ん? そうなのか? そいつは悪いことしたな」 「ほら、返すよ」 お母さんれみりゃの前に子供れみりゃを投げ捨てる。 「うーー……まぁまぁ……」 まだ息はあるようで、しきりに母親の名前を連呼している。 「うあーーー!! れみりゃのぷりでーなあがちゃん!! あがちゃーーん!!!」 手に持っていたプリンを投げ捨てて、必死に赤ちゃんの元へ駆け寄る。 しかし、後一歩の所で男の足が気持ち悪い親子の再会を阻んだ。 「うあーーー!! まぁまぁ!! まぁまぁ!!!」 「ああああ!!! ざぐやーーー!!! ざぐやーーー!!! ごわいひどがいるどぉーーー!!!」 必死に自分の面倒をみてるれる者の名前を叫ぶが聞こえるはずも無い。 「さて。もう一度聞くけど、お前たちが勝手に家をめちゃくちゃにした事は分かってるかい?」 「はいーー!!! だがらゆるじてーー!!!」 「ごめんにゃしゃいーーー!!!!」 何処で覚えたのか、お母さんれみりゃは必死に土下座までして男に謝っている。 そんな様子を見ていた男は、ゆっくりと赤ちゃんれみりゃを踏んでいた足から力を抜いていく。 「う!! う~~♪」 その事に気が付いた赤ちゃんれみりゃは、必死の泣き顔から一転、100万発の笑顔に早変わりした。 「おっと、そうだここは誰の家かな?」 勿論、ここまでされたゆっくりが次に言う台詞はお決まりのものである。 「「うっう~♪ れみりゃのおへやだどぉ~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー♪」」 何も言わずに再び足に力を込める。 「いっぎゃーーー!!!! ぎゃーーーー!!!!」 更に、足を捻っていく。 「あああ!! ぎゃは!! あががががが!!!!!!」 赤ちゃんがボロボロになったところで、持ち上げて母親に投げつける。 「うぎゃあ!!」 「あああ!! あがじゃんがーーー!!!!」 「もう一度だけ聞くけど? ここは誰のお家?」 「おにーざんのおーじ!! ゆるじでーーーー!!!」 「漸く分かってくれたかい? それなら良いんだ」 「うーー!! でもれみりゃたちにがわいおもいざぜたがら、ざぐやにいいつげてやるど~♪」 「そうだった。家をめちゃくちゃにしたお仕置きと、折角のプリンを落としたお仕置きが済んで無かったね♪」 子供を抱いて逃げ様としていたれみりゃの羽を掴んで、勢いよく叩き落す男。 「あががが!!!」 突然の衝撃に、お母さんれみりゃは何がなんだか分からず、痛みだけをこらえている。 その様子を笑みを浮かべて見ていた男は、ノコギリでゆっくりと四肢と胴体をばらしてゆく。 「いだい!! いだい!!!」 質の悪いノコギリのようでなかなか上手く切断する事ができない。 「うががが!!!」 ギーコ 「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーー!!!!!!!」 「まぁまぁーーーー!!!!」 「お前はこっち」 「う? ああああじゅいーーー!!!」 子供は大きな寸胴の中へ、蓋をして数時間じっくりと煮詰める。 「ああああああ!! れみりゃのあがじゃんどーずるのーーー!!!」 「食べるんだよ? どうしてそんな事聞くの?」 「なんでーー!! れみりゃはたべものじゃないどぉーーー!!!」 「何でって言われてもね。君一匹だけ売ればお金は十分だからね」 四肢を落とし終えた男は、れみりゃの目の前でソレも鍋の中に放り込んでいく。 必死に泣き叫んでいるれみりゃの声をものともせず、再度蓋をし終えた男は、れみりゃの方に向き直りニッコリとして呟いた。 「はい。これお口に入れるよ」 「う? うぐぐ!!」 「はい縫い付けるよー♪」 「うぎゃあ!! あが!! はが!! げほ!! おえ!!!」 入れられたのは先ほど楽しく描いていたクレヨン当然美味しくも無いが、吐き出すこともできない。 「人が趣味で使ってたものでこんな事するなんてねー」 口を縫い付けると、そのまま頬を思いっきり殴りつけた。 「!!! うううーーーー!!!」 何度も、何度も殴る。 「ううーーーーー!!!!」 口の中では涎とクレヨンがごちゃごちゃに混ざっている事だろう。 「よし。これ位で良いか」 ひとしきり殴り終わり、四肢も再生したソレを今度は土間まで連れ戻す。 「このままじゃ売り物にならないからね」 スプーンを使って口の中をくり貫いてゆく。 「いだい!! いだい!!! いだいーーーーー!!!!!!!」 当然、歯もボロボロと床に落ちる。 「ざぐあy---!!!! ざぐああーーーー!!!!! どごーーー!!!!」 それでも、口の中を書き出す手を休めない。 いや、既に口の中は存在していない。 「ああーーーーーーーーー!!! あーーーーー!!!」 最後の方になると、もはや喋る事もできないようで、ただ空気を吐き出しているだけになった。 しかし、直ぐに再生するので余り深く考えなくても良いだろう。 寧ろ、恐怖を与えて旨みを増幅させる事が大事なのだ。 男は、ソレを狭苦しい箱に無理矢理収めると、ダシを取っておいた寸胴で料理を始めた。 翌日。 紅魔館では、珍しく美味しい餡が入ったとびっきりの餃子が振舞われたという。 このSSに感想を付ける
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ひきこもって約三ヶ月。 このままでは留年だと、担任の教師が電話で言っていた。 話によると三分の二以上出席しないと出席日数不足になってしまうらしい。 ダブるくらいなら辞めてしまった方が、いっそすっきりするのかもしれない。 けど退学届けはまだ私の机の中に入ったままだ。 今日は私を説得するためにクラスメイトの○○君が家まで来るらしいけど…… ピンポーン (あぁ! 本当に来た) 部屋の中で一人、右往左往する。 その間にも、お母さんともう一人の足音が私の部屋に近づいてくる。 コンコン 母「喪女ちゃん。○○君って言うお客さまだけど、この扉を開けてもいい?」 ドアを隔てて、お母さんの声がする。 (ど、どうしよう!) 【選択肢】 「うん。いいよ」 「やだ! 開けないで」 →「うん。いいよ」 それで今日は誰がくるんだったっけ? →大人しい男子 →部活男子 →お金持ちな男子 →「やだ! 開けないで」 (は、早く帰って……!) 祈るような気持ちで、この時間が去るのを待つ。 目を硬く閉じ、部屋の隅で膝を抱える。 しばらくしてお母さんもクラスメイトも諦めたのか、物音がしなくなった。 「も、もう行ったのかな……」 →ドアを開けて覗いてみる(弟) →意地でも動かない(幼馴染)
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381 名前:◆yQQT3Qk0[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 06 02 02.97 ID sp5jAbs0 [1/3] 最終回?俺の家族がくんかくんかな種族な訳がない あたし、兄貴と初えっちしちゃった。すごい痛かったけど、超きもちよかった。 兄貴の匂いがあたしを包み込んで、一瞬、森羅万象を感じちゃった。宇宙のすべてがあたしって感じ。 そして昇天、天にも昇る気持ちっていうのかな。初めてのあたしは初めての兄貴にイかされました。ていうか、愛妾最高wwwwww ブーーーーーーーー やばっ、思いだしただけで、鼻血が出た。トントン。 「おい、高坂、大丈夫か?」 「ひゃい」 不意に先生に呼ばれて、あたしはすっとんきょうな返事をして、鼻血をだらっと出しながら立ち上がった。 やばっ、今は授業中でした。クラスは大爆笑、但し、あやせ以外。あやせは瞳孔がイっちゃっているんですけど。これって、死亡フラグ?もしかして、 「あたし、この授業が終わったら、結婚するんだ」 って宣言しちゃった?な訳ないかwwwwww 放課後、あやせにゲハイメ・シュターツ・ポリツァイ・アムトなみに詰問された。あやせの「くんくん、お兄さんのにおいがする」には焦った。 さすが、あたしの親友にしてSSクラスクンカーのあやせ。仕方ないから、あたしの秘蔵の兄貴のせーえきティッシュをやったわ。だって、あたしにはもういらないもん。 本当は、友達にも初体験を自慢したいけど、これだけはあたしと兄貴の2人だけの大切な秘密。 そのはずだったんだけど…… 382 名前:◆yQQT3Qk0[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 06 05 48.54 ID sp5jAbs0 [2/3] 「ただいま」 あたしがリビングに入るとお父さん、お母さん、それに兄貴が坐っていた。お母さんはニコニコしているんだけど、お父さんは怖い。兄貴は、ばつが悪そうにしていた。もしかして、なんか嫌な予感。 「桐乃も坐りなさい」 「は、はい」 お父さんに促されて、あたしは兄貴のそばにぴたっとくっついて坐った。 「き、桐乃、離れなさい」 「あら、いいじゃないですか、お父さん」 「くっ」 なんか、お父さん、悔しそうなんですけど?ナニコレ?ていうか、お母さんニコニコしていて、おかしくなイカ? 「だって、二人は結ばれたんですから。あんなに激しくしたら、私でも感じちゃうわ」ポッ ええええええぇぇぇぇええええぇええええええぇえぇぇえぇえええええぇえええぇええええぇえええええぇええ あたし、終わった。こんなことなら学校で処女喪失宣言しておけばよかった。 さよなら兄貴。きっとあたしは函館の修道院に放り込まれて一生を過ごすのだ。でも、シスターがいっぱいいるからいいかwwwwww て、なんか、お母さんの表現がおかしくなイカ? 「今から高坂家の秘密を話すわ。実は、私とお父さんは夫婦でなくて、兄妹なのよ」 「えー」x1000、と、あたしと兄貴のコーラス。 お母さん、それってニコニコしながら、さらっと話す秘密じゃないよ。そーいうのは墓場まで持っていくもんだよ。今だって、あたしはそう思っているんだし。 「でも、あなたたちは私とお父さんの本当の子供よ」 「えーーーーーーーー」と、あたしだけ。 なんだ、あたしがかすかに期待していた義理エンド消えた。なんで兄貴はほっとしているんだよ。バカ兄貴。 「今のは、大したことではないのだけど」 そーなんですか? 383 名前:◆yQQT3Qk0[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 06 08 12.46 ID sp5jAbs0 [3/3] 「高坂家は”かぎびと”の純血種なの」 「かみびと?」と兄貴が聞きかえす。 お母さんは狂言回しのように喋りだした。 「はっさくで有名な常蛾町とかでは”かみびと”というみたいだけど、高坂家、蘇我では”嗅ぎ人(かぎびと)”。 蜜と呼ばれる男のフェロモンをくんかくんかすることによって、年下の女、特に妹は超人的な力を発揮できるのよ。それが嗅ぎ人、真のクンカー。 真のクンカーなら、蜜の力によっては、原子を組み変えることも可能よ。 高坂家は親近婚を続けることにより嗅ぎ人の血を伝えてきたわ。 だから、私は、貴方たちがそうしたいのなら反対はしない。 けれども、京介は1000年に一人の強力な蜜。蜜に引かれ、狂う者も多いわ。 でも、桐乃は京介によって森羅万象に目覚めた。 桐乃なら、今、ものすごい勢いで迫る気配を感じられるはずよ。真のクンカーの力で」 そう言われてみれば、何かが、近づいている気がする。なんだろ。こ、これは、まさか、あ、や…… どっかーーーーーーーーん 黒い弾丸のようなものが家に突っ込んできた。土煙から現れたのは、タナトス・エロス? 「すごいよ、桐乃。お兄さんのせーえきの匂い」 やっぱりあやせだ。あやせが何故かタナトス・エロス(アニメ版)の格好をして、はあはあと興奮している。 「お兄さんのせーえき嗅いでいたら、こんな恥ずかしい格好に変身して、空も飛べるの。だから」 「だから?」 「お兄さんは貰っていくね、えへっ。私たちは親友だから、いいよねww」 あやせは、いつのまにか気絶した兄貴を抱えていた。そして、そのまま来た時の穴から飛んでいった。 「京介」とお父さんが叫ぶ。 「桐乃、あなたも変身して京介を追いかけなさい、早くっ」とお母さん。 「へ、変身と言われても……」 「出来るから、お約束だから」とお母さんがすごむので、 えいっ、と思ったら、お約束どおりリボンくるくるの中でまっ裸になってメルルの格好になっていたのさ。きらっ☆ミ 「兄貴、かならず助けてみせるからね」 おわり?
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韓国ドラマ-世界で一番可愛い私の娘-あらすじ-最終回まで感想あり-初回視聴率%-全話一覧-全100話-出演ユソンやキム・ソヨン-KBS制作-演出キム・ジョンチャン-脚本調整線-相関図やキャスト-動画もあります 3人の娘がいるパク・ソンジャ! そんなパク・ソンジャは、クッパのお店を経営しているのです。 長女のカン・ミソンは、嫁いでいてお母さんが大好きなマザコンの旦那&姑!そして幼稚園に通園している娘と暮らしながら~仕事もしている多忙なワーキングママです。 そして、次女のカン・ミリは、3人姉妹の中で、1番、頭が良くて..。 高学歴なうえ、レベルが高い仕事をしてて、お給料も良い高給取りのカン・ミリ! また三女のカン・ミヒェは、本を読むことが大好き~~!! そして趣味が高じて有能な新人の小説家だったのです。 でも現在は、ニートで就活中! だが、多忙なお母さんのクッパのお店を手伝っているのだった。 そんな性格が違う3姉妹&お母さんの女性4人の日々は、まるで戦いのような毎日で..。 女性特有の嫉妬&愛憎が、渦巻いているのです。 この4人の母&娘のドラマを経由して~現代を生き抜いている世の母親&娘達に贈る労いと慰めの物語です。