約 949,432 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7469.html
前ページ次ページ雪風とボクとの∞ 「雪風とボクとの∞(インフィニティ) ∞6」 ――……今日はミツナリとデート……ランラランララーン……。 ――……でもただ1つ心配なのは……メガネスキー・ミツナリのいつもの暴走……。 「……ミツナリ……お願い……今日だけは1日怒らずにいて……」 「? ボクは1度も怒った事など無いぞ」 拝むようにして頼んだもののあっさり流されて、タバサの頭に大粒の汗が出る。 「……とにかく……今日1日怒っちゃ駄目……の約束……」 そう言うとタバサは三成の小指に青い細紐を巻き付けて微笑んだ。 「!!」 小指に結んだ約束 ケンカばかりの不良学生。そんなアイツが気になる風紀委員長の私。 「もうケンカしないで」 アイツの小指に結んだ約束。 けれどアイツはその約束を破った。 「もう知らない!」 でもそのケンカの理由を知った時私の心は……。 これはひと昔前の恋愛ものの黄金パターンであるが、今なおその輝きは色あせる事はない。 眼牙書房「あの日あの時あのセリフ‘80」(平賀才人著)より抜粋 (感動ー!!) 小指を立てて全身で感動を表現する三成。 「わかったよ、タバサ。この小指に誓ってボクは今日1日仏様のように……」 頬を赤らめ笑みを浮かべてタバサにそう誓った三成だったが、その誓いを終えるより早く彼の背後で美女達がビラの配布を開始した。 「コンタクトレンズフェア開催中でーす」 「この機会にレッツコンタクトー!」 「ムガー!!」 「……早い……」 女性達に飛びかからんばかりに吼える三成をタバサはどうにか押さえ、小指に巻いた細紐を見せて正気を取り戻させる。 「……ミツナリ……小指……」 「はぅあ!!」 「……とにかくここから離れよう……」 タバサはなおも猛る三成の腕をつかみ、引きずるようにして(というか本当に引きずって)その場を後にしたのだった。 それからしばらくして、お洒落なカフェの店内に2人の姿があった。 「もう大丈夫だよ、タバサ。すっかり落ち着いたよ」 「……本当……」 頷く三成の視線は、入店した客に笑顔で対応する眼鏡をかけたウェイトレスに向けられていた。 「あのめがねのウエイトレスさんを見たら、心はすっかり穏やかさ」 「……ミツナリ……デート中……」 若干声を荒げながらも、三成が落ち着いた事に安堵しつつタバサはジュースを口にした。 (……まあ……機嫌が直ったからいいけれど……) そんな事を考えていると、隣のテーブルに座っている客の会話が耳に入ってくる。 「あの店員美人だな~」 「ああ」 「でも眼鏡を外した方がもっといいよな」 「うん」 客達の発言に三成は眼鏡の向こうから激しい光を放ち、タバサは飲んでいたジュースを噴き出した。 「あ、でも最近よく聞くんだけど、めがねっ娘萌えってあれ何なの?」 「ほら、よくあるじゃん。不細工な女が眼鏡外したら可愛くてキューンって。あれあれ」 「あー、そういう事かー」 「ちが――」 「……ミツナリ小指……」 今まさに絶叫せんとする三成を再度何とか押さえ込んだタバサだったが、三成にとって彼らの言葉は到底許しがたいものだった。 「ハルケギニアでは決闘を申し込む時に手袋を投げつけるというが、奴らの発言は僕にとってまさにそれ!」 「……それほど……」 タバサはとにかくこの場を離れるべきだと考え、三成を連れてカフェから出る事にした。 「……出よう……ミツナリ……もうすぐ芝居が始まる……」 劇場の客席に座り、タバサは心配そうな表情で三成に視線を向ける。 「……大丈夫……ミツナリ……」 「大丈夫……、大丈夫だよタバサ……」 そう答えた三成だったがその肉体からは尋常ならざる殺気が放出されていて、どう考えても大丈夫そうには見えなかった。 「………」 「本当に大丈夫さ。僕はね、劇場が大好きなんだ」 「……あ……私も……芝居はやっぱり劇場で見ないと……」 「違うよ。芝居観る時めがねかける人が多いだろ♪」 (……そこなの……) ほわーんとした三成の表情に一瞬苛立ったタバサだったが、 (……まあ……ミツナリの機嫌が直ってくれれば……あれ……何で私が怒るのを我慢しているんだろう……) 三成の機嫌が直った事に複雑な思いをしながらもひとまず安堵したタバサ。 しかし、三成の怒りを臨界点に導く存在は2人のすぐ傍まで迫っていた。 「ん? お前なんで芝居見るのに眼鏡外すの?」 すぐ前の席に座っているカップルの言葉がもたらす破滅を予感し、タバサの心臓が激しく高鳴る。 「だってこれ伊達眼鏡だしー、枠邪魔で見づらいからー」 「じゃあ何で眼鏡かけてんだ?」 「えーっ、だって眼鏡かけてると頭のいい人に見えなくなーい?」 「あー、見えるー! 超頭よく見えるー!」 「あ、お前あれじゃん、眼鏡っ娘じゃん。萌え~」 「やだー、キモーイ」 「萌えー」 「キモーイ」 「萌え萌えー」 「キモキモーイ」 本人達にしてみれば軽口のつもりなのだろうが、軽口とは受け止められない存在がすぐ隣に座っているタバサにとって彼らの言葉は洒落にならない暴言であった。 恐る恐る三成に視線を向けたタバサは、血が流れるほどに強く唇を噛み締めている三成に無数の手袋が投げつけられている光景を幻視した。 「……ひいいいいっ……」 「タバサ」 「……はい……」 「1つ頼みがある」 「少しの間目と耳をふさいでいてくれないか?」 「……あ……」 その言葉の意味するところに気付かないタバサではなかったが、 「頼む!」 「………」 三成の強い意志に負けて両目を閉じ両耳をふさいでメロディーしか覚えていない歌を口ずさむ。 「……ラララーラ……ラララー……ランランララーララ……ランララー……」 幕が開いて光に包まれた舞台が姿を現す。三成達よりも後方に座っている観客には、雄叫びと共にカップルに踊りかかる影が見えた事だろう。 「シャガアアア!!」 「え!? 何!?」 「……ラララララーラ……ランラランラララン……ランラランランララン……ランラランラー……ララララーラ……」 「おのれら百万べん死ねー!!」 「きゃー!」 「ちょっと、お客様ー」 「きゃー、ケインちゃん! ケインちゃん耳血が止まらな――」 「タバサ、すまん! 本当にすまなかった!」 夕暮れの公園。三成は平謝りしつつタバサの後を追っていた。 「……約束したのに……」 「だから本当に……」 「……約束破った罰……」 そう言うとタバサはおもむろに眼鏡を外し、 「……眼鏡捨てる……」 そう言ってゴミ箱の上に眼鏡をかざした。 「わー! 落ち着け、タバサー!! 頼む、それだけは……! 反省してる! 僕が悪かった! もうしません! ごめんなさい!!」 「……わかればよろしい……」 そう言って眼鏡を上げたタバサだったが……、 「めがねの上げ方はそうじゃなーい! こうだって前にも言っただろ!!」 「……ごめんなさい~……」 前ページ次ページ雪風とボクとの∞
https://w.atwiki.jp/kingdomofsorahearts/pages/24.html
竜の風詩2攻略
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8545.html
前ページ次ページ雪風とボクとの∞ 「タバサ! これを知ってるかい?」 三成は片手に持っている液体入りの霧吹きを指差してタバサに問いかけた。 「……最近発売されたこれの事……」 タバサも同じ霧吹きを指差しつつ三成に答える。 「……めがねにシュッシュ……泡の力で汚れすっきり……その名も『メガネのシャンプー』……だから……ミツナリ……ミツナリのめがね……私がシュッシュしてあげる……」 「くはーっ♪」 撃ち抜かれたかのごとく三成は自身の胸をつかみ、満面の笑みを浮かべた。 (ああ、めがねっ娘の魔女っ娘に自分のめがねをシュッシュしてもらえるなんて、ボクは何て幸せなんだ。この幸せ、しかと眼に焼き付けよう……) しかしその時、三成は戦慄すべき事態に気付いた。 「って、見えなーい!!」 そう、近視でありながら裸眼でタバサの姿を見ようとする三成にとって、今のタバサとの距離は絶望的なまでに遠かったのだ。 「神よ! なぜボクは近眼なのですかー!?」 「……ならミツナリ……私のめがねかけて……」 天を仰いで絶叫する三成にタバサは自分の眼鏡を外して差し出すが、 「するとタバサが裸眼になるー!!」 「……はう……」 そう、眼鏡を外した三成がタバサの眼鏡で彼女の姿を見ようとすれば、必然的に裸眼のタバサを見る事になるのだった。 「ボクはタバサの裸眼を見るために生まれてきたんじゃない~!!」 「……ミツナリ~……」 猛烈な勢いで床の上を転げ回り天を仰いで再度絶叫する三成の姿に、タバサは激しい既視感を覚えていた。 (……あれ……これと同じ事が前にもあったような……エンドレス……私達は永遠にエンドレスな2人なの……) しかしそこは三成、めがねっ娘に関しては同じ間違いを繰り返す男ではなかった。 「が、しかーし!! こんな事もあろうかと、スペアの眼鏡を用意しといたのだ!!」 そう言うと三成は懐からもう1つの眼鏡を取り出してかけた。 「……ミツナリ……素敵……」 予想外の三成の思いつきに、思わずタバサは賞賛の声を上げる。 「ボクとした事がスペアの存在を忘れていたよ」 「……ふう……安心した……」 タバサは安堵の溜め息を吐いて、手洗い場の縁に寄りかかったその時。 ――パキ とタバサの掌の下で何かが軽い音を立てた。 「……パキ……」 その音に非常に不吉な何かを感じ、タバサは恐る恐る上げた手が置かれていた場所に視線を向ける。 タバサの掌の下には三成が最初にかけていた眼鏡があり、彼女の体重によって両方のレンズに亀裂が入っていた。 「タバサ~♪ 早くボクのめがねをシュッシュしておくれ~♪」 「……ひっ……」 眼鏡が割れた事など露知らず、三成は喜色満面の表情でタバサにシュッシュをせがんできた。 「じらすなよ、タバサ~。早く♪ シュッシュ♪ 早く♪ シュッシュ♪」 「……あは……あは……あはははは……」 乾いた笑い声を上げる以外不可能なタバサだったが、三成にどう対応すべきか頭を高速回転させていた。 (……ど……どうしよう……) 三成はタバサが自分の眼鏡をシュッシュする瞬間を、今か今かと待ち構えている。 そんな三成に眼鏡が壊れただなどと、タバサは言える訳がなかった。 (……ああ……ミツナリがあんなに喜んでいる……それなのにめがねが割れてシュッシュできないと知れたら……その怒りたるやもう……ミツナリの体中からあらゆる『魔』が飛び出てくるかも……ああああ……胃が痛い……誰か助けて……) するとそこに、タバサにとって救いの女神とでも言うべき人物が登場した。 「タバサー、何やってんのー?」 「……ルイズ……」 涙目になりつつ、タバサはルイズに助けを求めようと声をかける。 「はっ!」 その時親友ルイズ・ヴァリエールは全てを一瞬で理解した! 首を傾げる三成をよそに、タバサ・ルイズは目と目で会話を始める。 『わかったわ、タバサ。その眼鏡、私が割った事にしてあげるわ!』 『……そんな……ルイズがあえて悪者になるなんて……』 『……それじゃまるで……「泣いた赤オーガ」に出てくる青オーガ……ルイズ……』 『あんたのためなら青オーガにだってなってあげるわよ』 『……でも……親友青オーガを失って……村人達と仲よくなれて……それで赤オーガは本当に幸せになれたの……』 『もう「泣いた赤オーガ」の話はいいのよ、タバサ! とにかく私に任せて!』 ルイズは一気に手洗い場の方に駆け寄り、 「おっと、転んで手が滑ったー!!」 とわざとらしく前につんのめって眼鏡に手を伸ばす。 「関節を外し、腕を伸ばして、キャッチ!!」 次の瞬間、三成の腕がゴキゴキと音を立てて伸びるとルイズの襟首をわしづかみにした。 「ひっ!?」 抱き合うように身を寄せ合って震えるタバサ・ルイズの目の前で、三成の腕が元通りに縮んでいく。 「ひいっ!」 「おいおい危ないじゃないか。万が一めがねが割れたらどうする? その時君はどう責任を取るつもりだい?」 ルイズにそう問いかける三成の笑顔は、控えめに言っても人間のそれではなかった。 「ひいっ、もう駄目! 逃げてタバサ! ロバ・アル・カリイエまで!」 「どうしたんだい、タバサ? さあ、シュッシュしておくれ。早くシュッシュを。シュッシュを」 幽鬼の如くタバサ達の方に接近してくる三成。 タバサの精神は限界寸前まで張り詰め……、 「……げふうっ……」 ついに限界を突破したタバサは、口から盛大に血を吐き出した。 『タバサー!?』 「急性胃潰瘍じゃな」 タバサが担ぎ込まれた保健室で、オールド・オスマンはそう診断を下した。 「うおおおお! 死ぬな、タバサーっ!」 「死にませんよー」 「オールド・オスマン! 僕の五臓六腑をタバサに移植してくれー!!」 「薬で治るわい」 完全に平静を失っている三成に、オールド・オスマンとロングビルは呆れつつも落ち着かせようとする。 その一方で、状況把握に三成が役に立たないと考えたオールド・オスマンはルイズに話を聞く事にしたが、 「――で、何があったんじゃ?」 「えっと、シュッシュを……」 「は?」 「シュッシュを……」 ルイズの答えも同様に要領を得ないものだった。 前ページ次ページ雪風とボクとの∞
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7371.html
前ページ次ページ雪風とボクとの∞ 「雪風とボクとの∞(インフィニティ) ∞5」 「誕生日おめでとう、タバサ」 アルヴィーズの食堂。そう言ってミツナリはタバサに綺麗に包装された小箱を手渡した。 「……ありがとう……ミツナリ……開けていい……」 「もちろん。タバサが今1番欲しい物だと思うぞ」 「……うわあ……何かな……」 わくわくしつつタバサが開けた箱の中身は、紐を通された2枚の板。それぞれ「S」「R」と書かれている。 (……何……) 箱の中身を目の当たりにしたタバサは、思わず心中でそう呟かずにいられなくなった。 「……あの……これは……」 正体不明のプレゼントに困惑するタバサの問いかけをよそに三成は、 「いや~、いろいろ考えたんだけど、やっぱりタバサが1番喜んでくれるのはこれかなと!」 ひとしきり満足げに頷いた後、かすかに頬を赤らめてそっとタバサに尋ねる。 「喜んで……もらえたかな?」 そう言われてしまっては、タバサとしては声のみでも喜色満面にならざるをえない。 「……も……もちろん……これずっと欲しかった……一生大切にする……」 その日の放課後、タバサは教室でルイズと三成からのプレゼントの正体に頭を悩ませていた。 「……ルイズ……どうしよう……これ……何……」 「う~ん、さっぱりわからないわ」 頭を抱えるタバサに、ルイズも有効な助言ができず困惑の表情だ。 「正直に『これ何?』って聞けばよかったのに」 「……聞けない空気だった……それにそんな事聞いたら……いつものように……」 『キミには失望した!! さらばだ!!』 『……捨てないで……ミツナリー……』 「あ~、めんどくさ~い……」 2人は気を取り直して板に書かれたアルファベットの意味について考える事にした。 「……『S』と『R』……何かの略かも……」 「となるとめがねっ娘フェチのミツナリの事だから、やっぱり眼鏡関連?」 その時、タバサの脳裏にある言葉が浮かび上がった。 「……あ……フジコフジ――」 「それは『F』と『A』! っていうか眼鏡関係無いじゃない!」 「……じゃあ……『スイカ』と『リンゴ』……」 「何でよ」 思いついた言葉をそのまま口に出しましたと言わんばかりのタバサの考えに、ルイズはツッコミを入れて自分の思うところを語る。 「相手はミツナリよ。もっと変態チックに決まってるでしょ。だから……、やっぱり……、『SM』?」 「……SM……」 タバサの脳裏に出現した地下牢では、素肌に革の下着を纏った三成が鞭を手にして彼女を待ち受けていた。 「……じゃあ……Rは……Rは何……」 「Rは……、ラ……、ラ……、ラン……ランドセル?」 「……ランドセル……」 タバサの脳裏に出現した三成は、赤いランドセル・黄色い(帽子)を装備してリコーダーを吹く彼女の姿を一心不乱にスケッチしていた。 「……駄目~……どこへ行くのミツナリ……そっちは闇の世界……」 「タバサ、落ち着いて」 頭を抱え、右往左往し、しまいには教室の扉に頭をぶつけたタバサに、ルイズは何とか冷静さを取り戻させようとする。 「……もう私……頭パンパン……」 「落ち着いて、タバサ! 明日私がミツナリにそれとなく聞いてあげるから」 タバサは頭を抱えて床に突っ伏した挙句、ルイズの胸に顔を埋めて泣きじゃくった。 「……ありがとう……ルイズ……」 翌日。 「あ、ミツナリ。ちょっといいかしら?」 廊下を歩いている三成にルイズが声をかけるも、 「タバサ! 昨日渡したアレの事なのだが……」 三成は彼女を無視していち早くタバサに駆け寄る。 「すまん、タバサ。ボクとした事が重大なミスをしてしまった。混乱させてしまってすまない……」 「……え……えっと……」 心底申し訳無さそうに告げる三成の様子に、タバサはその理由がプレゼントの正体に関する説明を怠っていた事だと考えた。……が。 「これを入れ忘れていた」 と紙袋を1つ手渡されて怪訝な表情になったのだった。 「……え……」 そしてその中身は「B」と書かれ紐を通された板。 (……増えたー……!!) 2人は日が暮れるまで思案するもまったく成果が出なかった。 「……駄目だわ、ギブアップ! 明日一緒に正直に聞くわよ。ね」 「……ルイズ……」 その夜、タバサは自室内の浴室で湯船に浸かりつつ溜め息を吐いていた。 「……はあ……(……ミツナリ怒るだろうな……)」 あれからほぼずっと三成からプレゼントされた3枚の札を眺めているが、手がかりの欠片さえ見つからない。 「……頭洗ってすっきりしよう……」 湯船から上がりぼやけた視界の中手探りでシャンプーの瓶を探すが、それらしい瓶は見つかったもののそれがシャンプーなのかリンスなのかはたまたボディーソープなのかが今ひとつ判別しにくい。 「……えっと……ん~……目が悪いとどれがシャンプーでリンスでボディーソープかわかりづらい……」 ふとその時、板に書かれていた「S」「R」「B」の意味がタバサの脳裏に閃光の如く閃いた。 「……わかった……」 その夜以来、タバサの部屋の浴室にはシャンプー・リンス・ボディーソープの瓶に、それぞれ「S」「R」「B」の札が掛けられるようになった。 「なるほどね。それは近眼の人にしか出ない発想だわ」 「……そう……ミツナリの優しさがたっぷり詰まった『S』『R』『B』……」 「あー、そうなの」 共に教室に向かうルイズに三成からのプレゼントの素晴らしさをひとしきり説明したタバサは、三成の姿を発見して駆け寄る。 「……あ……ミツナリ……あれ凄く便利……ねえ……あれってどうやって作ったの……」 (ま、今回はいい話だったって認めるわ) そう安堵するルイズの心情とは裏腹に、 「まず5分の1サントのプラ板を買ってきて、カッターノコで形を整えピンバイスで穴を開け、サンドペーパーで仕上げして、塗装前にはしっかりとサーフェイサーを……」 三成は事細かに製作工程を語り始め、タバサの頭上に多数の?を飛び回らせたのだった……。 (あ~、最後にオタ臭が! 残念!!) さてその夜、遙か遠き異国・ガリアの「無能王」ジョゼフは密偵からの通信をまとめた資料を読んでいた。 名前と裏腹に非常に有能であるジョゼフは、当然ながら情報の重要性を認識していた。 「ほう、おぬしが興味を持ちそうな情報が来ておるぞ」 「と、申しますと?」 彼に答えたのはフード付きの黒ローブを纏った男性であった。ローブの胸元から垂れ下がった布にはおそらく文字だろう記号が描かれている。 「その使い魔召喚の儀式でな、人間を召喚したそうだ」 その言葉に男がにやりと笑う。 「それは確かに興味深いですね」 「使い魔の名はナグモミツナリ。ルーンは胸に刻まれたらしい」 「……今、『ナグモミツナリ』と言いましたね?」 「ああ」 「そうか、やつか……。召喚されたのはやつだったか……」 男はにやりと唇を歪め、愉快そうに呟き始めた。 「……やれやれ、我が姪にも一仕事してもらわねばならぬか」 ジョゼフは呆れた表情で傍に置かれた羊皮紙とペンを手に取る。 この一筆は後に1人の少女の手に渡る事になる。 ……ローブの男の名は南雲鏡二。故あってこの地でガリア王に仕えている者であり、ガリアで勢力を増している新興宗教「めがねっ娘教団」の教祖であり、そして何より三成の実兄である。 前ページ次ページ雪風とボクとの∞
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/8493.html
【検索用 きみとほくのはんふんこ 登録タグ 2010年 VOCALOID き りょーの アートトラック 初音ミク 曲 曲か 殿堂入り 電ポルP】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:電ポルP 作曲:電ポルP 編曲:電ポルP イラスト・動画:りょーの 唄:初音ミク 曲紹介 はんぶんこです。 曲名:『キミとボクのはんぶんこ』 電ポルPの10作目。 歌詞 たしかなモノなんてひとつもないよ 答えの半分はキミが持っているから たしかにこの罪は消せやしないよ 気持ちの半分はボクが持っているから 愛さなきゃダメって思ってる 愛せればイイって思ってる 遠くに届かずに 近くに落ちる言葉 どんなに触れたくても触れられないキミだけの半分 紅く滲む空はあの笑顔も染めていくんだ 遠い日のボクは「ごめん」って言えない 遠くに響かずに 近くに消えるキミの声を どんなに忘れたくても忘れられないボクだけの半分 紅く滲む空はこの涙も染めていくんだ 遥か過去のボクらが言えるはずのない現在だけの言葉 紅く滲む空は記憶さえも染めていくんだ 遠い日のキミに「ごめん」って言えたら たしかなモノなんてひとつもないよ 気持ちの半分もキミが持っているから ほら コメント サビの入り方がすごく良い・・・ -- 名無しさん (2010-02-01 12 13 17) うほっ 電ポルPキター! これは伸びる↑↑ -- 名無しさん (2010-02-01 17 44 55) 遠くに響かずにーって歌詞、曲聴いてると違う・・・。電ポルPドジっこか -- 名無しさん (2010-02-04 04 20 25) 最高。 -- 名無し (2010-02-11 18 55 00) サビんとこぐっと来る -- 名無し (2010-03-16 14 34 00) ↑↑合ってるよ -- 名無しさん (2010-06-28 20 08 53) 電ポルPの曲はなぜこんなに中毒性があるのか -- 名無しさん (2011-02-17 22 18 10) なんでこんなにコメントが少ないんだろう、 電ポルPさんの曲はやさしいー・・ -- み2 (2011-05-09 16 30 54) 切なくてすごく胸が・・ -- 名無しさん (2011-05-28 14 26 49) 電ポルPさんの曲好きすぎて辛い -- 名無しさん (2011-09-05 20 40 21) すごい素敵な曲…聴き入っちゃいました。 -- 名無しさん (2011-09-27 14 13 04) ちょっとプロっぽい -- 名無しさん (2012-03-16 21 27 07) すてき うん -- 名無しさん (2013-12-08 01 14 14) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/25685.html
【検索用 きみとほくまわるせかい 登録タグ 19's Sound Factory 2013年 NexTone管理曲 VOCALOID き たま まらしぃ ティッシュ姫 井草聖二 初音ミク 曲 曲か 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:19 s Sound Factory 作曲:19 s Sound Factory 編曲:19 s Sound Factory ピアノ:まらしぃ アコースティックギター:井草聖二 ベース:ティッシュ姫 イラスト・動画:たま 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『キミとボク、まわるセカイ。』 2013/6/12発売の2nd Album『キミとボク、まわるセカイ。』の表題曲であり収録曲。 歌詞 (作者blog内のLYRICより転載) ありがとう ごめんね だいすき だいきらい キミがボクに教えてくれたもの たのしい かなしい うれしい さびしい みんなみんな ボクの大切なもの 不器用なボクを 愛してくれたこと 忘れないよ 本当に嬉しかったよ 不器用なボクが キミに返せるものが 一つだけどあるんだ 今この歌を キミに贈るよ ねえ 笑ってよ 大好きなキミが ずっと幸せでありますように ねえ 笑ってよ 笑ってよ キミの涙はボクが 拭ってあげるよ ゆうやけ ほしぞら そよかぜ ざわめき キミがボクに教えてくれたもの やさしい いとしい せつない もどかしい みんなみんな ボクの大切なもの もっと聞かせてよ 楽しいお話を 知りたいんだ たくさん キミのセカイを 忘れないよずっと キミがくれた言葉 一つ一つ 紡いで 今この歌を キミに歌うよ ねえ 笑ってよ 大好きなキミが ずっと幸せでありますように ボクは 願うよ 願うよ 世界中で一番 キミが好きだよ ボクの声が好きだと言ってくれた ボクの歌が好きだと言ってくれた 今でも覚えてる 涙が止まらないボクを 抱きしめてくれた事を ねえ 笑ってよ 大好きなキミが ずっと幸せでありますように ボクは 明日も 明後日も 百年後も変わらず 願ってるよ ねえ 誓うよ 大好きなキミが いつか遠くのセカイへ行く時も ボクは 歌うよ 歌うよ キミのために いつまでも 歌い続けるよ Lalala・・・ コメント 流石やなあ…ほんま好きやこーゆうの。最近の曲ってめっちゃガヤガヤしてるからな。 -- ゆな (2013-06-05 00 19 48) リマインダーでハマってハマって、そっからツボに来るもの無かったけど此れは凄い。 -- 名無しさん (2013-06-05 15 26 17) すごく良い…!優しい感じ。 -- リン (2013-06-05 21 05 01) とても感動します! ほんわか優しい感じにせつない感じでとってもいいです!!! -- ぽて~と (2013-06-08 10 10 16) 切なくて大好きです。 -- 名無しさん (2013-06-09 11 54 30) 感動! -- 夏希 (2013-07-26 00 05 45) この歌大好き!めっちゃきれいです -- 名無しさん (2014-04-23 08 45 08) やばいこの歌泣ける…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)今まさに友達に思ってる感情です。いつ聴いてもほっとするし、じーんてなる。ボカラン見ててよかったって思いました。 -- 腐女子 (2014-06-16 16 10 12) 辛いことがあったら聴いてます。泣けます。暖かい雰囲気が最高です。作者様ありがとう泣 -- moca (2016-11-21 02 08 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6946.html
前ページ次ページ雪風とボクとの∞ 南雲三成とタバサは嬉し恥ずかし使い魔とメイジ。 ただ1つ困った事は……三成は極度のめがねっ娘フェチだったのです。 「裸眼の女はただの(ピー)だ!!」 「……ミツナリー……」 これは変態南雲と健気なタバサちゃんのめがねチックラヴストーリーである。 「……でも……使い魔の全てを受け止めてこそ真のメイジ……頑張る……」 虚無の曜日、町に買い物に出かけた三成・タバサが眼鏡屋の前を通りかかった時、 「……あ……ミツナリ……ブクブク……」 「ブクブク?」 と三成はタバサが指差した先にある台上に置かれた箱型マジックアイテムを見る。 「ああ、眼鏡洗浄用マジックアイテムの事か」 「!」 そこでタバサは何事かを思いついた表情で三成の眼鏡を外すと、 「……ミツナリの眼鏡……私がブクブクしてあげる……」 「はぐうっ(はぁと)」 好きな女性に言われたい言葉ベスト3は、 ○「ほっぺにご飯粒ついてるぞっ」 ○「今日は友達の家に泊まるって言ってきたから……」 そして、 ○「あなたのめがね私がブクブクしてあげる(はぁと)」 である。 言われた男は永遠の勝利者である。 眼牙書房「俺たちのビクトリー伝説」(平賀才人著)より抜粋 (しかもそれをめがねっ娘の主人に言われるとは……。ボクは何て果報者なんだ。この光景、しっかと眼に焼きつけよう――) と目を開けた三成だったが……、 「――って、見えなーい!!」 そう、近視でありながら裸眼でタバサの姿を見ようとする三成にとって、今のタバサとの距離は絶望的なまでに遠かったのだ。 「ぬおおおおっ! 神よ! ボクは己の近眼をこれほど呪った事は無い! 神よおおおおっ!!」 「……ミ……ミツナリ……」 激しく震えながら自身の近視への呪詛を垂れ流す三成の様子に、思わず手を止めるタバサ。 「!」 そこでタバサは再び何事か思いつい様子で、 「……じゃあミツナリは私の眼鏡かけて……」 と言って三成に自分の眼鏡をかけた。 (あ……、かすかに温もりが。そして淡い香りを漂わせていた――) しかしタバサに視線を向けた瞬間、三成は戦慄の光景を目にしたのだった! 「――ってタバサ、裸眼ー!!」 「……はうあ……」 「ギャアア! タバサの裸眼を見るくらいなら、ボクは己の眼を潰した方がマシだ~!!」 「……嫌……潰さないで……ミツナリー……」 頭を抱えて七転八倒する三成を何とか救おうとするタバサの出した答えは、 「……なら……ミツナリの眼鏡を……」 と自分自身がかける事だった。 「……眼鏡……取り替えっこになった……」 「そ、そうだな」 眼鏡をかけたタバサの姿にようやく平静を取り戻した三成。 「黒縁もよく似合うぞ」 「……ほんと……嬉しい……でもミツナリの……ちょっと度がきつい……」 そんな微笑ましい会話を交わしつつその場から立ち去ろうとして……そもそもの発端を目にしてしまった。 「――って、ブクブクはー!?」 「……あ……」 そう、肝心の眼鏡洗浄用マジックアイテムを使用していなかったのだ。 「……じゃあ……」 タバサが三成のかけている自分の眼鏡をマジックアイテムで洗浄しようとすると、 「見えなーい!!」 と必死でタバサの姿を探し求める三成。 「……それなら……」 タバサが自分がかけていた三成の眼鏡を三成に返して自分の眼鏡を洗浄しようとすると、 「裸眼ー!!」 と裸眼のタバサに悶絶する三成。 「エンドレス!! 永遠に続くメビウス地獄だあ~!!」 「……ミツナリー……」 タバサの眼鏡に対する苦悶のあまり、三成はマジックアイテムをつかむ。 「くそおっ、こんな物があるから……」 「……やめて……ブクブクには罪は無い……」 マジックアイテムをぶち壊さんばかりの剣幕の三成の腕にしがみつき、タバサは必死に止める。 「……元はといえば……私がブクブクしようなんて言ったから……」 「タバサ……」 「ああっ、なぜボク達はブクブクに出会ってしまったんだー!!」 「……ミツナリー……」 「ブクブクうるさいわー!!」 ――ドガン! 突如出現した(ように2人には感じられた)ルイズが、容赦無く爆発魔法で2人を吹き飛ばした。 「……あ……ルイズ……」 「何やってんの! みんな見てるでしょ!」 確かに周囲には2人の様子に何事かと通行人が集まっていた。 「っていうかミツナリ! タバサに何て事させてんのよ!」 「悪いが裸眼の女に費やす時間は無い! 帰りたまえ!」 ルイズの辛辣な口調にも動じる事無く、三成は眼鏡を上げつつ言い返した。 「何ですってー!?」 憤怒のあまりルイズは三成の眼鏡を取り上げる。 「あんたの眼鏡なんか私がブクブクしてやるわっ!」 「や、やめろ!! やめろこの裸眼女!!」 三成の眼鏡をマジックアイテムにかけようとするルイズと、彼女を押さえる三成。そこへ、 「……やめて……」 とタバサがルイズを体当たりで突き飛ばし、三成の眼鏡を奪還した。 「タバサ……」 「……ごめん……ルイズ……でも……」 三成の眼鏡をいとおしげに両手で持ち、 「……他の人にミツナリの眼鏡を……ブクブクされたくなかった……」 「はうあっ(はぁと)」 かすかに頬を染めてのその言葉に、三成は見事に胸を打ち抜かれた。 同様に頬を赤らめてそっとタバサに顔を接近させる。 「ああ、今の一言で全てのわだかまりが消えてしまったよ。まるで心をブクブクしてもらったようにね」 「……誰が上手い事言ってって……」 口ではそう言っているが、タバサはかすかに赤くなった顔にわずかな笑みを浮かべて三成の顔に眼鏡を戻した。 「あ、もうこんな時間だ。帰ろう」 「……うん……」 そして2人は家路についたのだった。 「帰るの!? ブクブクはどうなったのよ!!」 「タバサ、一番星だぞ」 「……わあ……綺麗……」 「おーい!!」 ルイズの叫びは黄昏時の空に虚しく吸い込まれていったのだった……。 前ページ次ページ雪風とボクとの∞
https://w.atwiki.jp/vocaloidchly/pages/373.html
作詞:bothneco 作曲:bothneco 編曲:bothneco 歌:初音ミク 翻譯:(raku) 某一天 來到這裡 (Hello Hello Hello Hello) 主公是 何許人仕? (Hello Hello Hello Hello) 說了很多 很多話 聽著變得入神 熱衷 任意隨便 的旅行者 能和主公相遇上 真的很歡喜 希望能聽你說 更多的故事 吾身也 想要外去旅行吶 與各式各樣的人 相會遇上吶 吾身也 伴旁的話 絕對會變得更快樂喲? 果然 不可能嗎 (good-bye good-bye good-bye good-bye) 嘛 早就知道(不過…) (good-bye good-bye good-bye good-bye) 說出必定會再次回來 這些 是真與否 等待著喲 主公在揮動著手〝(Sa Yo U Na Ra)再見〞 吾身也揮動著手〝(A Ri Ga To U)謝謝〞 主公在呼喊著叫〝(Sa Yo U Na Ra)再見〞 吾身也呼喊著叫〝(A Ri Ga To U)謝謝〞 說出必定會再次回來 這些 是真與否 等待著喲 能和主公相遇上 真的很歡喜 希望能聽你說 更多的故事 吾身也下定了決心 外去旅行 携帶著最少的行李 繞世界轉圈又再轉圈 尋找未見過的陌生的地方 待覺得能與主公 相會遇上喲 在那個時候來臨 再次會面 這次的 「你」和「我」分別填上「主公」和「吾身」 的詞 沒有什麼大意思(逃)
https://w.atwiki.jp/fureisann/pages/216.html
参考にならない。 最近双剣とランスを見直した。で、大剣とともに使っている。 しかし、今回は片手がかなり弱体化している・・・・ ティガレックス グラビモス 鎧竜にして弱い竜グラビモス ディアブロス ドドブランゴ バサルモス 黒狼鳥 ガノトトス ゲリョス ショウグンギザミ クシャルダオラ 祖龍 ルーツ狩猟笛攻略 訓練所記録 クック ボウガンで1分24秒 キリン ハンマーで1分22秒 クックタイムを越してしまった。 ラージャン 大剣で14分30秒 ただいまの僕の防具
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8477.html
前ページ次ページ雪風とボクとの∞ 皆さんご存知のように10月1日は眼鏡の日であります!(ブリミル暦5997年 ハルケギニア眼鏡関連団体協議会が制定) 「さあ始まるぞ、タバサ!」 「……え……何が……」 三成・タバサが手を取って駆け出していった先では……、 「年に1度のメガネスキーフェスティバルさ!!」 屋台が多数建ち並び、大勢の若者達が異様なまでの熱気を放って盛り上がっていた。 「……メガネスキーフェスティバル……」 「めがね汁」「めがねすくい」といった珍妙な屋台の数々を、タバサは困惑の表情で見渡して尋ねる。 「……って……何でノーウェで……」 タバサ達の現在位置……すなわちメガネスキーフェスティバル会場は、トリスタニア中心部にあるノーウェ公園。 都市の中心部にありながら閑静な雰囲気を持つこの場所なら確かに大規模な催しの会場に最適だが、参加者達の雰囲気からしてそれだけではなさそうだ。 「それはここが聖地だからさ」 「……ワルド子爵……」 いつの間にか2人のすぐ傍にいたワルドが、爽やかな笑みを浮かべフェスティバル会場の由来を語り始める。 「ここノーウェ公園ノ=ズバノシ池に存在するめがねの碑。この地こそ我々メガネスキーの聖地なのさ! さらにガリア・セント=マルガリタ修道院内眼鏡之碑、ロマリアの海上都市アクレイア・眼鏡橋等ハルケギニア各地の眼鏡ゆかりの地で、同志達が眼鏡の日・10月1日を祝っているのだ!」 「年に1度の宴にようこそ、めがねっ娘を愛する同志達よ」 集まった参加者達の前で壇上に立って話し始める三成。 (……何でミツナリが司会を……) 参加者達の中で疑問に感じるタバサにはお構い無しといった様子で、式典らしきものが進められていく。 「さて、今更説明する事ではありませんが……、ただ今9時50分。あと11分で10/01の10 01。皆様お待ちかね、アレが始まります」 「うおーっ! 待ちかねたぞー!」 「……え……何……何が始まるの……」 「ME・GA・NE!!」 三成のその言葉と共に、タバサにはわからないこれから始まる「何か」への喜びに参加者達が大きなどよめきを挙げた。 「その前に、ハルケギニアメガネスキー協会会長・ビダーシャル様からのご挨拶です」 三成に促されて壇上に上がった老エルフを、参加者達が盛大な拍手で迎える。 「え~、このようなよき日にめがねっ娘の……う、うぐ……」 そこまで言ったところでビダーシャルの目に涙が浮かび、思わず彼は手で顔を覆う。 「会長?」 「会長が感極まってしまったようです。しばらくお待ちください」 参加者達の間にざわめきが起こり、やがてその中からビダーシャルを励ます声が起こる。 「頑張れ会長ー」 声に励まされてビダーシャルは三成と頷き合い、再度口を開く……が、 「め……」 その一言を発した次の瞬間、ビダーシャルの顔面からは涙・鼻水がとめどなく溢れ出し、彼はそのままむせび泣いて挨拶など望めない状態になってしまった。 「会長、ありがとうございました!!」 「よくわからないけど何かが伝わったぜ、会長ー!!」 ビダーシャルの激情に応えるかのように、参加者達も涙を流しつつ大歓声を上げた。 するとそこに、武装した衛兵の一団が現れた。 「おいっ、爆破予告をしたのはお前達か!?」 「爆破予告!?」 「何だそれ?」 騒然となる参加者達の中に入る、1人の男の奇妙な点を三成は見逃さなかった。 「むっ!」 その男は困惑する参加者達の中ただ1人冷静に……しかもかすかな笑みを浮かべていて、何より彼が掛けている眼鏡のレンズ越しに見える輪郭線は本来ならばありえない一直線になっていたのだ。 「レンズの歪みが無い! そいつ伊達眼鏡だ!」 「何、さては貴様が……」 たちまちのうちに取り押さえられる伊達眼鏡男。 「なぜこんな事を」 「まさか貴様、我々の宿敵レコン・タクトの者か!?」 3人がかりで押さえつけられても伊達眼鏡男は余裕の笑みを崩す事無く、 「ふふふ……、これで貴様らは終わりだ……ごふっ」 そう言い残して何かを噛み砕いたかと思うと、激しく吐血して息絶えた。 「こいつ奥歯に毒を!!」 「何て奴だ!!」 一方三成の方はというと、腕時計を確認して焦りの色を濃くしていた。 「くっ、まずい! あと1分で10 01!! めがねチックマジックアワーの時間だ!!」 「……だから何なの……それ……」 「今衛兵に手間取るわけにはいかん」 「ど、どうすればいいんだ?」 困惑の表情で質問するタバサの声にも耳を貸さず、三成達参加者は刻一刻と自分達に迫ってくる衛兵達を見据えていた。 「ここは僕に任せろ」 「ワルド子爵」 そう一言言って1歩前に出るワルド。 「こんな事もあろうかと、持ってるだけで捕まるマル秘召喚されし書物を僕はいつも身に付けている! 僕があえて捕まって時間を稼ぐ!!」 ワルドがはだけた上着の裏側には、『お兄ちゃんのたて笛』『はじめてのかんきん』『めがみるく』『めがねのクリーム煮』『ランドセル十番勝負パート3』……と、題名だけでやばい内容とわかる物から題名から内容がわからないだけに余計やばく感じる物まで、多種多様な召喚されし書物が収められていた。 「……いつも身に付けてるって……ワルド子爵……」 「さらば友よ!!」 「……ワルド子爵~……」 絶叫しつつ衛兵隊の群れの中に突入していったワルドに、タバサは涙を浮かべて手を伸ばす。 「10 01まであと10秒! ついに始まるぞ!!」 腕時計を確認した三成の絶叫に応え、参加者達がカウントダウンを開始する。 「9!」 「8!」 多数の参加者達が、 「7!」 衛兵達に取り押さえられたワルドが、 「6!」 顔中から涙と鼻水を溢れさせたビダーシャルがカウントダウンしていく。 「5!」 「4!」 参加者達の足踏みは大地を揺るがし、 「3!」 「2!」 参加者達が突き上げる拳は空を引き裂かんばかりだった。 「……何……いったい何が始まるの……」 「1!」 そしていよいよその時が来た! 「……はっ……」 そう叫んでタバサは飛び起きた。 「……って、夢オチなの!? それで結局何が始まるのよ!」 「……はうっ……」 自身のツッコミが鋭く決まったものの、まだ終わっていない事を予感するルイズ。 「あっ、まさか夢だけど実は夢じゃないってオチじゃないでしょうね?」 「何を言っとるんだ、君は」 咄嗟に後ずさったルイズに三成は呆れた視線を向け、タバサも困惑の表情で眺めている。 と、その拍子にルイズは後方を歩いていたワルドと激突してしまった。 「あ、ごめんなさい」 謝罪したルイズだったが次の瞬間、 ――バサバサバサッ ワルドが着ている上着の中からは、『黒縁味比べ』『ザ・縦笛』『体育座りスペシャル』『乳搾り○学生』『ランドセルマスタージョウ』……と、題名だけでやばい内容とわかる物から題名から内容がわからないだけに余計やばく感じる物まで、多種多様な召喚されし書物が落下していた。 「ワルド子爵?」 タバサもワルドも硬直する中、ルイズはひきつった表情でようやくその一言だけを口にできた。 前ページ次ページ雪風とボクとの∞