約 2,010,591 件
https://w.atwiki.jp/girlfriendline/pages/306.html
出会い [苗字]!忘れ物だよ!…うん、ちょっとこっちにおいで。…ねね、このオトナな本はキミのだよねぇ?あぁ、大丈夫〜。没収なんかしないって!ささ、しまってしまって! マイページ 通常 おーい、青年!今日も元気に妄想してるー? 日直 登校 朝 ムム?寝ぼけた顔してどーした!? しっかりせーい! 昼 ムム?寝ぼけた顔してどーした!? しっかりせーい! 夜 ムム?寝ぼけた顔してどーした!? しっかりせーい! アルバイト お、[名字]。奇遇だねぇ。ん?私は船買いたいから貯金のために~ってね。 好感度レベルアップ キミとの距離がこんなに縮まるなんて、思ってもみなかったなぁ。なんかテレるね。 デート 約束 あーい、大丈夫。どうしたーへ?私を?随分突然だねぇ…、びっくりしたわー。そうだなぁ、うーん、まぁ、いいけど。あぁ、まぁ、空いてるね。あ、お忍びな感じになるけど、いいよね?ってことでよろしくー。 当日 ボス戦 開始 どっか〜んとデカイの釣り上げようって、ね! 勝利 敗北 むぅ…まぁなんてーの?そういうこともあるわよ人生。うんうん。 バトル 開始 ガンガン全力で行こうかね! 勝利 敗北 タッチボーナス なんだーい?
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1289.html
つかさ「こなちゃんって、笑ってること多いよね。」 とある冬の放課後、学校の帰り道をいつものメンバーで歩いていると、不意につかさがそんなことを言い出した。 みゆき「言われてみれば、そうですね。」 こなた「いや~、そうでもないよ。かがみの鋭い突っ込みに何度涙を流したことか。うぅ、ホロリ。」 かがみ「ほぉ、その涙とやらを見せていただきましょうか?」 かがみはこなたを見下げながら(身長的な意味で)こぶしをボキバキと鳴らした。いち早く危険を察知したこなたはみゆきの後ろに素早く隠れた。 こなた「も~、かがみったら、冗談に決まってるじゃん。」 かがみ「まったく・・・。」 こなた「あはははは、・・・・・・ふぅ・・・。」 つかさ「どうしたの、こなちゃん?」 こなた「え?あ、いや、・・・ちょっと、昔のこと思い出しちゃって。」 みゆき「昔のこと、ですか?」 かがみ「どうせ、くだらないことなんでしょ。」 こなた「う、うん、まぁ・・・ね・・・。」 いつもと様子の違うこなたにかがみたちは一瞬戸惑った。 かがみ「ど、どうしたのよ、あんたらしくないじゃない。」 つかさ「こなちゃん?」 みゆき「あまり思い出したくないことでもあったのですか?」 こなたの様子が変わったのは、“昔のことを思い出した”というあとである。そのことから、みゆきのような結論に達するのは至極当然であろう。 こなた「あ、いや、えと・・・。」 かがみ「言いたくないことなの?」 こなた「・・・」 つかさ「こなちゃん・・・」 みゆき「泉さん・・・」 かがみ「・・・」 こなた「まぁ、べつに隠さなきゃいけないことでもないし、話しちゃうよ。」 こなたたちは近くの公園のベンチに座わった。こなたの左にかがみ、右につかさとみゆきがそれぞれ座っている。手には途中で買ったらしい紙パックの飲み物がある。こなたとみゆきはココア、つかさはオレンジジュース、かがみはお茶が入っていた。中身から察するに、かがみはダイエット中のようだ。 こなた「4年前の中学2年生の時にね、約束したんだ。笑ってるって・・・」 こなたと魔法使いの約束 こなた「さぁ、帰ろうか、魔法使いくん。」 魔法使いくん「おぅ!」 とある中学校に仲の良い男女がいた。女の方はこなたである。そして、男の方は魔法使いと呼ばれていた。 魔法使いくん「ところでこなた。」 こなた「何、魔法使いくん?」 魔法使いくん「その魔法使いくんって言うのやめてくんない?かなり恥ずいんだけど・・・。」 こなた「え~、だってこの間の授業参観の時に将来の夢は魔法使いですって言ったじゃん。」 魔法使いくん「た、たしかにそう言ったけど・・・。」 こなた「だから、君は魔法使いくん!あなたに拒否権はありません!以上!!」 こなたは魔法使いと呼ぶ男に“ビシッ”と指を突き立てて言い放った。 魔法使いくん「なんじゃそりゃ・・・。」 魔法使いと呼ばれる男も少々呆れぎみだった。 魔法使いくん「まぁ、いいや。とっとと帰るか。」 こなた「うん!」 そう言うとこなたは、魔法使いと呼ぶ男の腕にしがみついた。そして、二人はそのまま教室を出て行った。 (((((お熱いことで・・・))))) 教室に残っていたクラスメイトはそんなことを考えるのであった。 魔法使いくん「ふぁ~」 こなた「どうしたの、そんな大きな欠伸しちゃって。」 魔法使いくん「いや、昨日お前に付き合わされてずっとネトゲやってたから。」 こなた「ふ~~ん。」 魔法使いくん「しかし、よくお前は平気だな。俺と一緒にネトゲやってたのに。」 こなた「大丈夫、その辺のところは鍛えてあるから。」 魔法使いくん「もうちょっと有意義なことしろよ。」 こなた「えっへん!」 魔法使いくん「ほめてないから・・・」 極小な胸を突き出して威張っているこなたに、呆れて溜息を吐く魔法使いくん。 魔法使いくん「時々お前の将来が心配になるよ・・・。」 こなた「うん?」 魔法使いくん「そういや、お前、この間の授業参観の時に将来の夢、なんつったっけ?」 こなた「私?私はねぇ・・・誰かに寄生して生きたい、だよ。」 魔法使いくん「なんじゃそりゃ。」 こなた「え~、誰だって憧れるでしょう、そういう生活。」 魔法使いくん「憧れねぇよ。て言うか、寄生された方はものすごく迷惑だ。」 こなた「やっぱり、料理ができる人がいいよね。それともお医者さんがいいかな。」 魔法使いくん「待て待て、誰もそんなこと聞いてないから。」 こなた「それとも・・・弁護士がいいかな。」 魔法使いくん「いやいやいやいや、ちょっっと待て。お前、なんかやらかす気満々か!?」 こなた「さぁ、どうだろうねぇ。」 魔法使いくん「・・・」 ニマニマと笑うこなたに、魔法使いくんはかなり引き気味になってしまった。 こなた「冗談だよ、冗談。いくら私でも、警察のお世話になるようなことはしないよ。」 魔法使いくん「そうであってほしいな・・・。」 こなた「で、君の将来の夢は魔法使いだったね。」 魔法使いくん「いや、あれはうけねらいで・・・」 こなた「そっか。じゃ、将来は“ピー○カ・ピリ○ラ・○ポリナ・ペー○ルト”とか言うわけだ。」 魔法使いくん「おい!それ、魔法使いじゃなくて魔女だし!!しかも見習いの!!!」 こなた「ん?それとも“汝のある○き姿に戻れ”?」 魔法使いくん「それも魔法使いとは少し違うって!まぁ、さっきのよりはメジャーだろうけど・・・。」 こなた「“テクマ○マヤコン”?」 魔法使いくん「古い!!」 こなたに対する突っ込みの連続のせいか、魔法使いくんは疲れだしたようであった。 魔法使いくん「はぁ~」 こなた「くすくすくす・・・」 魔法使いくん「な、なんだよ、なに笑ってんだよ。」 こなた「ん~ん?いやぁ、なんだかんだ言っても魔法使いくんは私にあわせてくれてるなぁ、と思ってね。」 魔法使いくん「へ?」 こなた「こうやって私の言うことに突っ込んでくれるし、買い物にも一緒に行ってくれるし、ネトゲもそうだしね。」 魔法使いくん「そ、それは・・・」 こなた「まぁ、だから好きなんだけどね、魔法使いくんのこと。」 いきなり、なんのためらいもなく“好き”と言われて魔法使いくんの顔が赤くなる。確かに、二人は付き合っている、という仲なのだが、不意にそんなことを言われれば顔が赤くなるのも当然かもしれない。 魔法使いくん「や、べ、別に、お、お前にあわせてるわけじゃなくて、ち、違うものを違うと言ってるだけで、買い物だって、お、俺が行きたい所がたまたま一緒なだけで、その、えと・・・」 こなた「ニヤニヤ。」 魔法使いくん「こ、こなた?」 こなた「男のツンデレっていうのもけっこう乙だね。」 魔法使いくん「こ・な・た~!!」 こなた「いや~ん、魔法使いくんにおっそわれる~ん。」 こぶしを握って怒りを表している魔法使いくんに対して、キャハキャハとはしゃぐこなたなのであった。 魔法使いくん「まったく、お前は。」 こなた「にゃははは、怒らない怒らない。あ、そうだ、今日もネトゲしよ。一緒に森の怪物を倒しにさ。」 魔法使いくん「は?いや、今日は無理だろ。」 こなた「え?なんで?」 魔法使いくん「だって今日、英語の宿題出ただろ。明日提出の。ネトゲしてる時間ないって。」 こなた「そっか・・・。じゃ、明日、写させて。」 魔法使いくん「自分でしようという選択はないんかい。」 こなた「ない!」 魔法使いくん「即答かい・・・。でも、それも無理だぜ。提出は明日の1時限目だから写してる時間はないと思うぞ。」 それを聞いたこなたはピタリと歩くのが止まった。魔法使いくんが振り返ると、そこにはなにやらごそごそと自分のかばんを漁っているこなたがいた。 魔法使いくん「こなた、もしかして英語の教科書置いてきたのか?」 こなた「英語に限らず全部置いてってるけどね。」 魔法使いくん「おいおい・・・。」 こなた「ごめん、一回教室に戻って取ってくる。」 そう言うとこなたは、来た道を戻り始めた。 悲劇はその時に起きた。 こなたが戻り始めた道の先の交差点はあまり見通しの良い所ではなかった。 それゆえにこなたは自分に近づいてくる車に気が付かなかった。 車の方もこなたに気が付いていないようだった。 車はスピードを緩めずこなたも交差点を飛び出す形となってしまった。 結果・・・ キーーーーー、ドン!! こなたは突き飛ばされてしまった。 しかし、痛みはほとんどなかった。 車に撥ねられたような感覚はなく、どちらといえば人に押し飛ばされたような感じであった。 こなた「あ・・・あれ?」 こなたは自分の置かれている状況がつかめずにいた。自分は車に轢かれたのではないのか、と考えていたが、そうではないのだとすぐに分かった。こなたは後ろを振り返った。 こなた「え?」 そこには先ほど走っていた車があった。そして、その先には、 こなた「そ、そん・・・」 こなたを車に突き飛ばされるのを助けた、ついさっきまで一緒に話していた魔法使いくんの姿があった。 こなた「いやぁぁぁあああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」 黒い制服の一部を赤くして・・・。 ピーポーピーポーピーポー・・・ こなたと魔法使いくんを乗せた救急車が病院に向かって走っていた。魔法使いくんの体には脈を計るためにコードが付けられている。魔法使いくんはまだ、意識がなかった。 こなた「ねぇ、起きて・・・お願い、死なないで・・・」 救急隊員「患者を揺すらないでください、脳震盪を起こしている可能性があります。」 泣きながら魔法使いくんの揺すっているこなたを救急隊員が止めた。 魔法使いくん「う・・・あ・・・」 魔法使いくんが意識を取り戻したようだ。 こなた「あ!起きたの!!」 魔法使いくんはその声のする方、つまりこなたのに向かってゆったりと顔を向けた。 魔法使いくん「ひでぇ顔してんな、こなた。」 魔法使いくんはクスリと笑いながらそう言った。 こなた「え?」 魔法使いくん「すっげぇ泣き顔だぜ。」 魔法使いくんは弱々しい声になっていた。 こなた「だって、だって・・・」 こなたはその先何も言わなかった。否、言えなかった。それは、魔法使いくんがゆっくりと手を伸ばして、こなたの頬に触れたからである。そして、触れている手の人差し指で優しく涙を拭き取った。 魔法使いくん「笑え。」 こなた「え・・・?」 魔法使いくん「こなたに泣き顔なんか似合わない。」 こなた「・・・」 魔法使いくん「だから、笑ってくれ。こなたに一番似合ってるのは笑ってる顔だから。」 こなた「・・・うん!」 こなたは笑顔で答えた。さっきまで泣いていたのだからうまく笑えなかったが、それでも精一杯の笑顔を見せた。そして、頬に触れている魔法使いくんの手をそっと両手で掴みながら言った。 こなた「私、笑っているよ。だから、だから・・・」 魔法使いくん「こなた、俺少し寝るわ。」 こなた「え!?だ、だめだよ、寝ちゃ。もし寝ちゃったら・・・」 魔法使いくん「おやすみ、こな、た・・・」 魔法使いくんは再び意識を失った。こなたが掴んでいた手が滑り落ち、ベッドの下に落ちた。と、同時に脈を計っている機械から“ピー”という無情な音が響いた。 こなた「・・・うそ、だよね?ねぇ、ねぇ・・・う、わああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」 こなたの泣き声が救急車の中を支配したのであった。 こなた「それでねその後、」 つかさ「もういいよ、こなちゃん!!」 かがみ「こなた!!」 こなたの隣で話を聞いていたかがみとつかさはこなたに抱きついた。二人とも泣いているようだ。みゆきもハンカチを取り出して涙を拭っている。 つかさ「辛かったよね、こなちゃん。好きな人が目の前で死んじゃって。私だったらたぶん立ち直れないよ。」 こなた「あの、つかさ・・・」 かがみ「あんたはいつも楽しく笑ってるんだから、きっと天国の魔法使いって人も安心して見守ってるわよ。」 こなた「えと、かがみ・・・」 みゆき「私たちはその方の変わりにはなれません。しかし、泉さんのことを親友だと思っています。ですから、泉さんを悲しませるようなことはしません。私たちも泉さんには笑っていてもらいたいですから。」 こなた「み、みゆきさん?」 かがみ「そうよ、私たちはこなたを悲しませるようなことは絶対にしないわ!」 つかさ「そうだよ、こなちゃん!」 こなた「ああ・・・えっとぉ・・・」 つかさやみゆきだけでなく、いつもは突っ込みをいれるかがみまでもこなたの話しに感傷的になっていた。こなたはなにか言いたいようだが、言うタイミングを逃してしまっているようだった。 “しばらく連絡とってないけど、今何してんのかな” かがみ(あれ?) かがみは前にこなたがそんなことを言っていたのを思い出した。先ほどの話しの流れからいくとそのようなセリフはおかしいのではないか、と疑問を持ち始めた。 かがみ「ねぇ、こな」 ?????「あれ、こなたじゃねえか?」 不意に同学年くらいの男子がこなたに話しかけて来た。 ?????「やっぱりこなただ。ひさしぶりだな!」 こなた「あ、魔法使いくん!ひさしぶり。」 かがみ「・・・は?」 みゆき「・・・」 こなたのセリフに呆けているかがみとみゆき。つかさはなぜか怯えていた。 みゆき「つかささん、どうなされたのですか?」 我に返ったみゆきが様子のおかしいつかさに話しかけた。 つかさ「だ、だって、魔法使いくんって車に跳ねられて死んじゃった人でしょ?と、ということは、ゆ、ゆ、ゆうれぇぇぇぇぇ!?」 かがみ「違うわよ!ていうか、こなた、あんたさっきの話し、うそ!?言っていいうそと悪いうそがあるでしょ!なに考えてるのよあんたは!!」 こなた「ちょ、ちょっと待ってかがみ、落ち着いてよ。」 怒っているかがみをこなたはどうにか宥めようとした。かがみはうそを言ったことよりも人を勝手に死なせたことを怒っているようだった。ちなみに、「え?ゆうれいじゃないの?」「はい、違います、そもそもゆうれいというのは(中略)ということなのです。」「どんだけ~」という会話がつかさとみゆきの間で交わされていたが、ここでは割愛させてもらう。 魔法使いくん「えっと・・・」 話しについていけずに置いてきぼりを食らってしまっている魔法使いくん。 かがみ「あんたもなんか言ってやんなさい。こいつ、あんたのこと交通事故で勝手に死なせてるのよ。」 そんな魔法使いくんの様子に気づいたのか、それとも無意識か、かがみは魔法使いくんに話しを振った。 魔法使いくん「交通事故?もしかして4年前のことか?」 かがみ「え?え、えぇぇぇ?」 かがみは話しが分からずにこなたと魔法使いくんを交互に見ていた。 つかさ「や、やっぱり、ゆうれぇぇぇぇぇ!?」 こなた「つかさも落ち着いてよ。みんな話し、最後まで聞かないんだから。」 かがみ「ど、どういうことよ。」 こなた「この話しには続きがあってね、」 こなた「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 “バコッ!!” こなた「ふが!?」 突然、泣いているこなたの頭に衝撃が来て、間抜けな声を出してしまった。なにが起こったのか分からずにキョトンとしていると、魔法使いくんは上半身を起こした。 魔法使いくん「うるさいぞこなた、おやすみって言ったのが聞こえなかったのか!?あいててて・・・」 魔法使いくんは体を抑えて再びベッドに倒れ込んだ。 こなた「え?え?ええ??」 状況が掴めずこなたはオロオロしていた。 魔法使いくん「昨日はお前に付き合わされてずっとネトゲしてて寝みぃんだ。寝かせてくれ。」 こなた「え?いや、だって、いま、ピーって・・・」 救急隊員「すいません、抜けたコード付け直したいので少し退いていただけますか?」 こなた」「・・・はい?」 救急隊員が魔法使いくんの手に引っかかっているコードを機械に付け直すと、魔法使いくんの脈が正常であることを示し始めた。こなたはそれを引きつった顔で見ていた。 魔法使いくん「頼むからうるさいしないでくれよ、マジで寝むいから。」 魔法使いくんは欠伸をしながら言った。 “ブチッ!!” そんな音が聞こえてこなたの方を見ると、ものすごい顔でこちらを睨みつけていた。 魔法使いくん「こな・・・た?」 こなた「そっかそっか、寝たいのか。OK、OKぐっすり寝かしてあげるよ。」 こなたはこぶしをバキボキと鳴らしながら表情を変えずにそう言った。 魔法使いくん「こ、こなた?こなたさん??こなた様???」 こなた「おやすみ・・・」 そう言うとこなたはこぶしを振り落とした。 “ドスッ!!” 魔法使いくん「ぐえ!?」 救急隊員「あ・・・」 小さい頃合気道をしていて、運動神経も良いこなたのこぶしは強力だった。しかも、振り下ろした所は・・・ 魔法使いくん「こなた、どう、して・・・」 こなた「私を心配させたバツです!」 魔法使いくん「ぐ・・・、ガクッ、チ~ン・・・」 救急隊員「えっと・・・死因は“キン打撲”でいいでしょうか?」 こなた「はい、いいと思います。」 こなたはハンカチで手を拭きながら答えた。 こなたと魔法使いくんを乗せて走っている救急車のサイレンが、さみしく響いていたそうな。 かがみ「・・・」 つかさ「・・・」 みゆき「・・・」 魔法使いくん「・・・」 こなた「・・・あは。」 かがみ「あは、じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 こなたはその場の雰囲気を変えようとかわいらしく言ってみたが、どうやら逆効果だったようだ。 かがみ「なんじゃそりゃ、どういうオチだ!どこの漫画ネタだそれは!!」 こなた「オチって・・・別にネタとかじゃなくて、全部本当の話しだよ、ねぇ?」 魔法使いくん「あ?ああ、全部本当の話しだが。」 こなた「ほらね。」 かがみ「なによそれ。隠すほどの話しでも思い出したくないほどの話しでもないじゃないの。」 こなた「隠してはなかったけど・・・思い出したくないことではあったけどね。」 かがみ「なんでよ。」 こなた「私のせいでさ、魔法使いくんけがさせちゃったわけだしさ。」 かがみ「あ・・・」 こなたは毒舌ではあるが、とても友達思いである。そんなこなたにとって、自分のせいでけがをさせてしまった、ということはあまり良い思い出ではないようだ。 魔法使いくん「気にすることないって。大したケガでもなかったし、跡が残ったわけでもないんだから。」 こなた「それは、そうなんだけど・・・」 こなたはうつむいてしまった。表情はよく見えないが暗くなっているように見える。 魔法使いくん「こなた・・・」 かがみ「こな、た?」 こなた「そうだよねぇ、気にする必要ないよねぇ。」 顔を上げたこなたはいつもの猫口に糸目でニヤニヤとしていた。 つかさ「わ、こなちゃん立ち直り早!!」 こなた「いつまでもうじうじしてちゃダメなのだよ、皆の衆。」 みゆき「それは、そうですが・・・」 こなた「むふふ。あ、そうだ、魔法使いくん。」 魔法使いくん「ん?」 こなた「君はちゃんと魔法の修行してるかね?」 魔法使いくん「するか!てか、どうやってするんだよ!!」 こなた「え~、してないの?“ファンファ○ファイン・ラン○ンレイン”とか。」 魔法使いくん「しません!しかもマイナーすぎだろ。」 こなた「じゃ、“魔法変身マー○・マジ・マ○ーロ”とかは?」 魔法使いくん「意外と古いぞ、それ!まぁ、俺は“ボ○ケンジャーVSマ○レンジャー”を見てみたかったがな。」 こなた「“メタモ○フォーゼ!!”」 魔法使いくん「猫ですか?蝶ですか?」 こなた「いえ、薔薇です。」 魔法使いくん「蝶と変わんないから!てか、魔法関係なくなってるし!!」 こなたと魔法使いくんのそんなやり取りをかがみとつかさは意味が分からないような感じで呆けていた。みゆきはニコニコしながらおもしろそうに聞いていたようだが。 つかさ「えっと・・・こなちゃんと魔法使いくんって仲良いね。今でも付き合ってたりするの?」 魔法使いくんがこなたへの突っ込みに疲れてゼェゼェいい始またところにつかさが話しかけてきた。 魔法使いくん「え?あぁ・・・それは」 こなた「いえ、もう別れました。」 つかさ「ほぇ?な、なんで?」 こなた「あんな紛らわしい寝方する人とは付き合ってられません。」 かがみ「なによそれ・・・」 こなた「ん~、まぁそういうもんだよ。あ、もうみんな飲み終わってるね。私捨ててくるよ。」 そう言うとこなたはかがみたちからコップを(ほぼ強引に)受け取り、自販機横のゴミ箱へ捨てにいった。 かがみ「無理しちゃって・・・。」 つかさ「え?」 みゆき「かがみさん?」 かがみ「わざと明るく振舞って心配させないようにしてさ、別れた理由だってたぶん違うんでしょ?」 かがみは魔法使いくんを横目で見ながら言った。 魔法使いくん「ああ、たぶん、負い目があるんだろうな。気にする必要もないのにさ。」 かがみ「こなたはあんなのだからね。」 魔法使いくん「そうだな。毒舌で、」 かがみ「人のことおちょくって、」 魔法使いくん「楽天的で、」 かがみ「セクハラまがいのことして、でも、」 魔法使いくん「元気で、」 かがみ「友達思いで、」 魔法使いくん「少し寂しがりなとこがあって、」 かがみ「ちょっと甘えん坊なところがある。それが、」 魔法使いくん「そう、それが、」 「「すごくかわいらしい。」」 かがみと魔法使いくんはクスリと笑った。ここまで同じ考えの人はめずらしいだろう。 かがみ「まぁ、振られちゃったのは残念だけどね。」 魔法使いくん「そうだな。でも、まだ諦めてないけどな。」 かがみ「え?」 魔法使いくん「いつかもう一度振り向かせてやるよ。こなたは俺の嫁だからな。」 魔法使いくんは親指を自分に向けて言った。その言葉にかがみはムッとした。 かがみ「残念だけど、それは無理ね。」 魔法使いくん「ん?なんでだ?」 かがみ「私がこなたの嫁だからよ。」 魔法使いくんは一瞬呆気にとられたが、すぐにその意味に気付いた。 魔法使いくん「なるほど、こなたがそう言ってわけだ。」 かがみ「ええ、そうよ。」 魔法使いくん「つまり、俺たちは一種のライバル、というわけだ。」 かがみ「そういうことね。」 二人はお互いの目を離さずにいた。表情こそ穏やかに見えるがその裏では一歩も譲ることのない戦いが繰り広げられているようだ。 つかさ「ゆ、ゆきちゃん、お姉ちゃんたち、どうしたんだろう?」 みゆき「さ、さぁ、よく、分かりませんね・・・。」 そんな二人をつかさとみゆきは半ばおびえるように見ていた。 こなた「お~い、みんな、そろそろ帰ろ。」 こなたがカップを捨てて戻ってきた。しかし、戻ってみると、かがみと魔法使いくんの様子がおかしいことに気が付いた。 こなた「どうしたの、かがみ?」 かがみ「なんでもないわよ、こなた。」 かがみはこなたの方を向いてそう答えた。だが、目はチラチラと魔法使いくんの方に向けられていた。 こなた「そう?それならいいんだけど・・・。」 こなたは少々納得できないようだった。 魔法使いくん「それじゃ俺、もう帰るわ。」 こなた「え?あ、そう。じゃあね。」 こなたは軽く手を振った。魔法使いくんも片手を軽くあげてそれに答え、そのまま後ろを向いて歩きだした。 かがみ「待ちなさい。」 魔法使いくんはその言葉に足をピタリと止めた。しかし、振り向くことはしなかった。 こなた「か、かがみ?」 つかさ「・・・」 みゆき「・・・」 つかさとみゆきは無言で見守っていた。 かがみ「私の名前は柊かがみ。あなたの名前も教えてもらえるかしら?」 魔法使いくんはクルリと振り返った。そこには不敵に笑うかがみがいた。魔法使いくんも相応の表情で返した。 魔法使いくん「宣戦布告、というわけだ。いいぜ、教えてやるよ。」 こなたをめぐる二人の戦いが静かに始まろうとしていた。 魔法使いくん「俺の名は・・・・・・ ~おわり~
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/747.html
Story 酔いman 氏 「こんにちは」 客「こんにちはッ!」 「いやぁ~、最近は本当に暖かいですね」 客「そーですねッ!」 「桜も満開みたいですね」 客「そーですねッ!!」 「さぁ、今日のゲストは水銀燈さんからの紹介で薔薇水晶さんです!」 「……こ、こんにち…は」 客「キャー!キャー!かぁわいい~♡ 不思議可愛いぃ~!!」 「いや~、相変わらずの人気ですね~」 「………」 「あれ?どうしたのですか?」 「………」 「もしもし?薔薇水晶さん?」 「………はい」 「もしかしてテレてる?」 「………うん…ちょっと……」 「人前は恥ずかしい?」 「……近いから…」 「近い?あぁ、このスタジオは客席から近いからね~、そういうのは苦手?」 「…ちょっとだけ…苦手……あっ、そうだ…これ、おみやげ」 「どうも、ご丁寧に、これは何が入ってるのかな?」 「……みかん…」 「みかん、どこか有名なみかんですか?愛媛とか」 「……知らない…スーパーで買ったから……」 「あっ、そ、そうなんだ…みかんとか好きなの?」 「……普通……」 「へぇ~、ふ、普通なんだ? 所でみんなからは何て呼ばれてるの?」 「……みんなからは…ばらしーって呼ばれてるよ…」 「ばらしー、可愛いな、今度からそう呼ぼうかな?」 「……ダメ…」 「ダ、ダメなの?どうして?」 「……何となく…」 「ほぉ~、俺がばらしーって呼んだらダメなんだって(笑い)」 客「アハハハハハ~~~」 「所でみんなから不思議とかって言われてるでしょ?」 「…言われないよ……みんなからは…ばらしーって言われてる…」 「い、いや、それは名前でしょ?」 「…うん…私の名前は…薔薇水晶…ローゼンメイデンのキーボード…」 「いや、そうじゃなくて、雰囲気とか存在が不思議な感じって言われない?」 「…言われないよ……ばらしーって言われるよ……」 「あぁぁあ、解った。そうだ、話題変えようか?」 「……うん…」 「好きな食べ物とかって何?」 「……みかん…」 「えっ、さっき普通って言ってなかった?」 「……言ってない…みかんは好き」 「そぉ、みかん好きなんだ、すっぱいのとか平気なんだ?」 「……すっぱいの苦手…」 「まぁ、すっぱいのはダメだけどみかんは大丈夫なんだ?」 「……普通…」 「えっ?いま、みかんは好きって言ったよな?」 「……言ってない……みかんは普通…」 「たまに自分で何を言ってるか解らない時ってあるでしょ?」 「…そんなことないもんッ!……タモさんキライ…プンプン」 「あぁ、わかったわかったから怒らないでよ(笑い)」 「……じゃ、怒らない……エヘッ」 「いや~、本当に不思議な子ですね~あっ、もう時間が来ちゃった」 客「えぇぇぇ~~~」 「誰かお友達を紹介してもらえますか?」 「…銀ちゃんッ!!」 「いや、それはちょっと、水銀燈さんからの紹介で来たから別な人を」 「……じゃ……山辺さん…」 「山辺さん?誰ですか?同じ事務所の方?」 「…マンションの……管理人さんだよ…」 「いやぁ~、素人の方はちょっと~~ッ」 「…素人じゃないよ…山辺さんは…そろばん1級もってるよ」 「1級は凄いなぁ~~って、今回はカンベンしてもらえますか? 同じバンドのメンバーで誰かいませんか?」 「……うぅ~、解った……電話してみる」 プルルルッ、プルルルルッ――――――ガチャッ 「はぁい、もしもしぃ~だぁれ?」 「……銀ちゃん…私、薔薇水晶だよ…」 「ばらしー、どうしたの?いいともに出てるんじゃないのぉ?」 「……うん…タモさんがね、銀ちゃんに電話しろって言うの…」 「えっ、うそぉ~、ちょっとタモさんに代わってよぉ」 「もしもし、水銀燈さん?」 「タモさんこんにちはぁ~、どうしたのぉ?また私が出るのぉ?」 「いや、水銀燈さん、助けてよ(笑い)」 「何となく解ったわぁ~、友達の紹介でばらしーが私に電話をしてきたのでしょ~? いいわぁ、ちょうど隣に金糸雀がいるからぁ~代わるわぁ~」 「もしもしかしらぁ~」 「こんにちは金糸雀さんですか?」 「そーかしらぁ~」 「タモリです、明日のいいともに出てくれるかな?」 「いいともかぁ~しぃ~らぁ~~ッ!」 「明日のゲストは金糸雀さんになりましたよ」 「……エヘヘッ、金糸雀は…いい子だよ…私、大好き…」 「う、うん、いい子みたいですね、と言うことで薔薇水晶さんでした」 「……じゃぁね……バイバイ」 短編連作SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/kitakoutarou/pages/72.html
ショッピングモールの地下。 薄暗い闇が支配するこのフロアに、今現在5人の人間と1匹の正体不明の生き物がいた。 まどか「わぁ……」 さやか「凄い……。みるみるうちに傷が塞がってる……」 鹿目まどかと美樹さやかは目の前で起きている現象に驚きの声を上げる。 今、2人の前では魔法少女・巴マミが治癒魔法でキュゥべえの回復を行っている真っ最中だ。 さやかの言葉どおり、治癒魔法を受けているキュゥべえの身体は徐々に傷が消えていき、血色も良くなってきている。 ――そんな光景を横目に、3人と1匹から少し離れた場所に立っているもう1人の魔法少女・暁美ほむらが口を開く。 ほむら「いずれ後悔するわよ、そいつを助けてしまったこと……」 マミ「…………」 さやか「転校生……!」 その言葉に対して、マミは無視を決め込み、さやかは敵意の籠った眼差しをほむらに向けた。 翔一「あ、暁美さん、駄目だよ、そんな自分から敵を作るようなこと言っちゃ……」 ほむら「事実を正直に言ったまでよ」 翔一「あ、暁美さ~ん……」 そして、5人の中で唯一の男子である沢野翔一がほむらを咎めようとするが、ほむらは全く聞き耳を持たなかった。 そんな会話が繰り広げられているうちに、キュゥべえは完全に回復したようだった。 キュゥべえ「ありがとうマミ、助かったよ!」 ぱっちりと目を見開き、起き上がったキュゥべえが開口一番――といっても、キュゥべえは会話の際も口を開かないため、この言葉は正しいのか微妙なところだが――マミへお礼を言う。 さやか「しゃ、喋ったあああああ!?」 まどか「さ、さやかちゃん、落ち着いて……」 そんなキュゥべえが、いきなり人間の言葉を発したので、何も知らなかったさやかは、驚きのあまり2、3歩ほど後ろへ後ずさってしまう。 対して、キュゥべえの助けを求める声を聞いてここまで来ていたまどかの方は、特に何の反応も示さなかった。 ――そして、この男も内心驚いていた。 翔一(や、やっぱり喋れたんだ……) マミ「お礼ならこの子たちに言って。私は魔女を追っていたところを偶然通りかかっただけだから」 マミにそう言われたキュゥべえは、すぐさままどかとさやかの2人の方を見やる。 キュゥべえ「言われてみれば、そうだね。ありがとう、鹿目まどか、あと美樹さやか」 まどか「やっぱり、あなたなのね。私を呼んだのは?」 さやか「ちょ、ちょっと待って……! まどか、あんたコイツと知り合いなの!?」 まどか「ううん。初対面だよ。ただ、さっきこの子の『助けて』って声が突然頭の中に聞こえてきて……」 キュゥべえ「そう。僕がまどかに助けを求めていたんだ。でも、まさか本当に来てくれるなんて……。やっぱり、まどかは僕の見込んだとおりだ!」 さやか「あ、あのさ……。勝手に話進めちゃってるところ悪いんだけど……アンタ、誰? 何で私たちの名前を知ってるの?」 キュゥべえ「おっと、失礼。僕の名前はキュゥべえ」 まどか「キュゥ……べえ?」 さやか「見かけによらず、何か冴えない名前ね……」 キュゥべえ「まぁ、名前のことは今は置いておいて……。今日は君たちにお願いがあって来たんだ」 さやか「へっ?」 まどか「お願い?」 ほむら「――!?」 翔一「? どうしました、暁美さん?」 キュゥべえ「僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ!」 そう言いながら、キュゥべえはまどかたちに愛くるしい笑顔を浮かべた。 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第4話「私はそう思わない」 OP http //www.youtube.com/watch?v=yEXxEny2BvY ほむら「駄目……!」 翔一「あ、暁美さん!?」 突然、ほむらがまどかたちの方へと歩み寄ろうとする。 が、そんなほむらの行く手をマミが阻む。 ほむら「……どきなさい」 マミ「嫌よ」 ほむら「あなたは……!」 マミ「彼女たちはキュゥべえに選ばれたのよ? 魔法少女になるか、ならないかを決めるのは彼女たち自身。あなたや私じゃないわ」 ほむら「……!」 翔一「ま、まぁまぁ……。暁美さんも、巴さんも、押さえて押さえて……」 マミ「……ところで、沢野くん」 翔一「はい?」 マミ「よく考えたら、何故あなたがここにいるのかしら?」 翔一「え? あぁ、それは……」 まどか「あ、あの~……」 翔一「ん?」 マミ「あら?」 不意に、今しがたキュゥべえと話をしていたはずのまどかに声をかけられ、マミは振り返る。 マミが目を向けると、そこにはまどかだけでなく、さやかの姿もあった。 さやか「い、いや~、こんな時に言うのもタイミング悪いような気がするんですけどね……」 まどか「さ、さっきは助けてくれてありがとうございました!」 まどかは、お礼を言うと、さやかと2人でマミに対して頭を下げた。 マミ「あぁ、いいのよ、気にしないで。私は魔法少女として最低限の勤めを果たしただけだから……」 まどか「魔法……少女?」 マミ「そういえば、自己紹介がまだだったわね。私は巴マミ。あなたたちと同じ見滝原中学校の3年生よ」 まどか「か、鹿目まどか、2年生です……!」 さやか「同じく、2年の美樹さやかでっす! まどかとは同じクラスで親友やってま~す!」 マミ「鹿目さんに美樹さんね。よろしく」 さやか「ハイ、よろしくお願いいたします!」 まどか「…………」 翔一「ん?」 まどか「あ、あの……あなたは?」 翔一「あ。俺は沢野翔一。巴さんのクラスメイトで、ここには……まぁ、いろいろあっているんだ。よろしく」 まどか「沢野……」 さやか「翔一……?」 マミ「あら?」 翔一「ど、どうしたの、2人とも? 俺の名前に何か問題でもあった?」 翔一の名を聞いた瞬間、突然黙りこむまどかとさやか。 しかし、次の瞬間―― さやか「あぁー! うちのクラスの転校生が、転校初日早々いきなり告った3年生の先輩ってあなたのことかー!」 翔一「……はい?」 マミ「あぁ……」 ほむら「――――」 ガンっ! ほむら「…………」 突然のさやかの爆弾発言に、翔一は目を点にし、マミは「またか」というような顔をする。 ほむらにいたっては――表面上では冷静を装っていたが――後頭部を寄りかかっていた壁に強打してしまう有様だ。 翔一「あ~……。それ、完全に誤解だから」 昼休みの出来事を思い出した翔一は、さやかたちの誤解を解くために説明をはじめた。 翔一「確かに俺は暁美さんから直々に呼び出されたけど、美樹さんたちが想像しているようなことは断じてなかったから……」 さやか「えっ? そうなんですか?」 まどか「な、な~んだ、そうだったんだ~……」 ほむら「……鹿目まどか、今のその発言はどういうことかしら?」 まどか「ち、違うの! ほむらちゃんって見かけによらず惚れっぽい子だったんだな~とか全然思ってなかったから……!」 ほむら「……思ってたのね?」 まどか「ご、ごめん……」 キュゥべえ「……何か、さっきから僕の存在を忘れられているような気がするけど、ちょっといいかな?」 いつの間にかまどかの足元へとやって来ていたキュゥべえが、まどかたちを見上げながら、声をかける。 その声に、その場にいた全員の視線がキュゥべえに集中した。 キュゥべえ「まどか、その子にそんな無用心に近づいちゃって大丈夫なのかい? 彼女は元々は僕を狙っていたとはいえ、君にも襲いかかろとしていたんだよ?」 まどか「あっ……!」 さやか「そういえば……!」 キュゥべえの言葉に、先ほどの出来事を思い出したまどかは自然とほむらと距離を取り、そうしてできたまどかとほむらの間のスペースにさやかが割って入った。 ほむら「…………」 マミ「そういえば、聞いていなかったわね。何故あなたがキュゥべえを狙ったのか……!」 そう言いながらほむらの側面に立ったマミの手には先ほど同様、マスケット銃が握られていた。 まどか「ひっ――!?」 先ほどマミがほむらに銃を向けた光景を思い出したのか、それを見たまどかはビクリと一瞬身体を震わせ、さやかの影に隠れてしまう。 ほむら「――鹿目まどかをソイツと契約させるわけにはいかない」 そう言いながら、キュゥべえに鋭い視線を向けるほむら。 ちなみに、まどかがさやかの影に隠れてしまったため、今現在キュゥべえはマミの足元に移動している。 マミ「だから鹿目さんと接触する前にキュゥべえを襲った……と?」 ほむら「それ以外に理由がある?」 マミ「…………」 再び一触即発の空気があたりに漂う。 しかし―― 翔一「……あの~、いきなり横から割り込んですいませんけど、俺からひとつ質問していいですか?」 マミ「? 沢野くん?」 ほむら「沢野翔一――」 マミとほむらの間に、右手を上げながら翔一がひょっこりと割って入った。 マミ「沢野くん……あなた、状況というものを少し理解して……」 翔一「いや~、すいません巴さん。多分すぐに終わる質問なんで……」 そう言いながら、翔一はその場にしゃがみ込んで、マミの足元にいるキュゥべえに話しかけた。 翔一「えっと、君は……キュゥべえ……だっけ? さっきから君や暁美さんたちが口にしている『契約』って何だい?」 キュゥべえ「!? 君は……」 翔一「? どうしたの?」 キュゥべえ「君は……僕の姿と声がわかるのかい?」 翔一「あぁ、わかるよ。そういえば、君って先日もうちの学校に来てたよね? 廊下で走っているところ見かけたよ」 キュゥべえ「――――!?」 一見ほむら以上の無表情に見えるキュゥべえの顔に、一瞬だけ驚きのような表情が浮かんだ――ように見えた。 キュゥべえ(僕を視覚できて、声まで聞こえている――まさか……) マミ「あぁ、キュゥべえ、驚かせちゃってごめんなさい。どうやら彼、一種の特異体質みたいでね……魔法少女やその候補者でもないのに、あなたの姿が見えていたのよ」 キュゥべえ「特異体質?」 マミ「えぇ。でも、まさか声まで聞こえるなんて私も思わなかったけど……」 キュゥべえ「…………」 キュゥべえ「……そうか、特異体質か。さすがにそれは僕も驚いたよ。僕の姿や声は、マミが言ったとおり、本来は魔法少女とその候補者である女の子にしかわからないからね」 さやか「そ、そうなの?」 キュゥべえ「うん。だから僕は常日頃魔法少女の候補者を探しているんだ」 ほむら「……よく言うわ」 さやか「ねぇ、今沢野さんも聞いてたけど、その『契約』っていのは何? あと、魔法少女のこととかも詳しく教えてほしいんだけど……」 キュゥべえ「そうだね。君たちには知る権利がある。1から説明するよ」 翔一「あ。だったら、一度場所を変えません? ここって本来なら立ち入り禁止の場所なんで、いつまでもいるのはマズいような……」 マミ「そうね……。それなら、これから私の家に行きましょうか?」 まどか「ま、マミさんの家……ですか?」 マミ「えぇ。こう見えても私1人暮らしだから、他の人に話を聞かれることもないし……。いかがかしら?」 さやか「おぉ! 是非行かせていただきますとも! まどかももちろん行くよね!?」 まどか「え? ……う、うん。さやかちゃんが行くなら……」 さやか「よし、決まり!」 翔一「えっと……。巴さん、俺も行っても……?」 マミ「構わないわよ。今日説明しきれなかった魔法少女のこともついでに教えてあげる」 翔一「わかりました。それじゃあ、お邪魔させていただきます」 マミ「…………」 ほむら「…………」 マミ「……他の子たちはみんな来るそうだけど、あなたはどうする?」 ほむら「私が用があるのはあなたじゃない」 マミ「飲み込みが悪いのね。今回はお咎め無しにしてあげるって言ってるの」 ほむら「…………」 マミ「あなたがキュゥべえを狙ったのにも何か他に訳がありそうだし、同じ魔法少女なんだから、少しぐらいはお互いのことを知ってもいいんじゃないかしら?」 ほむら「私は他人と馴れ合うつもりはないわ」 そう言うと、ほむらはその場から立ち去ろうとする。 が、その前に翔一が割って入った。 翔一「まぁまぁ、暁美さん。いいじゃない、ちょっとばかり家にお邪魔するくらい……。巴さんだって今回のことは許してくれたんだから……」 ほむら「どきなさい、沢野翔一。さもなければ、力づくでも押し通るわよ?」 翔一「あ~……。でも、ほら、こうして5人いると何か部活動みたいじゃない? ここにいるのってみんなキュゥべえが見える人たちだから、さしずめ『キュゥべえ愛好会』みたいな……」 ほむら「…………」 翔一「あ! そうか、暁美さんはキュゥべえのこと嫌いなんだっけ!? ゴメンゴメン……。『魔法少女部』とかの方がよかった? あ……それだと俺が入れないか……」 ほむら「…………」 翔一「あ、あ~……じゃあこうしよう。暁美さんは鹿目さんに『契約』っていうのをしてほしくないんでしょ? それなら、鹿目さんがその契約をしないように見張るという名目で一緒に行けば……」 まどか「ええっ!? な、何でそこで私の名前が出てくるんですか、沢野さん!?」 翔一「いや~、こうでも言わないと来てくれないかもしれないじゃない? 俺、出来ることならみんなに仲良くしてほしいし……」 ほむら「……わかったわ」 まどか「だからって、私を勝手に話の……って、え!?」 翔一「ほ、本当かい暁美さん!?」 ほむら「あくまでも鹿目まどかがアイツと契約することがないように監視することが目的よ。そこを勘違いしないでほしいわ」 さやか「……マミさん」 マミ「何、美樹さん?」 さやか「あの2人――沢野さんと転校生って、意外と仲良いんじゃないでしょうか?」 マミ「そ、そうかしら……?」 キュゥべえ「…………」 ほむら「……沢野翔一」 翔一「? 何だい、暁美さん?」 マミに連れられ、一同が彼女の家へと案内されている道中、ほむらが不意に翔一に声をかけた。 ほむら「本来なら最初に言うべきだと思っていたけれど……私以外の者には可能な限りあなたがアギトであることは隠しておきなさい」 翔一「え? まぁ、今までも暁美さん以外の人には黙ってたけど……。巴さんにはそろそろ俺の方から明かしてもいいんじゃ……?」 ほむら「駄目」 翔一「えぇ~……?」 ほむら「……この世界にとっても、私たちにとっても、アギトは必要な力だから……」 翔一「? 今何か言った?」 ほむら「別に……」 とある町外れのマンションの一室、そこが巴マミの家だった。 マミ「ここよ。さっきも言ったけど、一人暮らしだから遠慮しないで」 翔一「お邪魔します」 ほむら「…………」 さやか「おぉ、これはこれは……」 まどか「素敵なお部屋……」 マミ「お客さんなんてまず来ないし、おまけに今回は急なことだからろくなお持て成しも出来ないけど……紅茶でいいかしら?」 まどか「あ、はい……」 ほむら「…………」 さやか「……アンタも、そんな所いつまでもつっ立ってないで、こっちに来て座ったら?」 ほむら「私がここにいるのは、あくまでも鹿目まどかの監視。あなたたちと馴れ合うためじゃない」 さやか「あ~そうですか~」 翔一「まぁまぁ、美樹さん。元はといえば、俺が無理やり連れてきたようなものだし……」 まどか「ほ、ほむらちゃん、こっちに来なよ? さすがに私もそんな所から見られてばかりいるっていうのも恥ずかしいし」 ほむら「……近くならいくらでも見ていいと?」 まどか「い、いや、そういうわけじゃなくてね……」 翔一「……今の暁美さんなりの冗談かな?」 さやか「いや、素で言った可能性もなくはないっすよ?」 その後、マミから出された紅茶とケーキ――一応、ほむらの分も用意されていたが、やはり彼女は手を付けなかった――を頂きながら、魔法少女という存在についての説明を受けることになったまどかとさやか。 翔一もほんの数刻前に簡単な説明はされていたが、本格的な説明を聞くのは初めてなので、まどかたちと一緒にマミから語られるこの世界に隠されたもうひとつの素顔について耳を傾けることにした。 マミ「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。魔法少女の証であると同時に、魔法を使うために必要な魔力の源でもあるの」 さやか「うわぁ……。綺麗ですね~」 まどか「あ、あの……。今もまた出てきましたけど、その『契約』というのは……」 キュゥべえ「それは僕から説明するよ」 声のした方にまどかたちが目を向けると、いつの間にか床にいたはずのキュゥべえがテーブルの上に座っていた。 ――ちなみにこの時、翔一がキュゥべえに対して「食事に使うテーブルに腰掛けるなんて行儀が悪いよ」と発言したが、見事にスルーされた。 キュゥべえ「僕は君たちの願い事を何でもひとつ叶えてあげられるんだ」 まどか「願い事?」 キュゥべえ「うん。何だって構わない。どんな願いだって叶えてあげられるよ」 さやか「何でも!? 億万長者とか不老不死とか満漢全席とかでも!?」 キュゥべえ「もちろん」 翔一「へぇ~……。凄いんだね」 ほむら「…………」 キュゥべえ「その代わり、その代償として出来上がるのがソウルジェムなんだ。これを持つ者は、魔女と戦う使命を課される」 まどか「魔女?」 さやか「それって魔法少女とは違うの?」 キュゥべえ「似ているようで、全然違うよ。魔法少女は『願いから生まれるもの』だけど、魔女は『呪いから生まれた存在』だからね」 さやか「の、呪い……?」 翔一「――ん? ちょっと待って。それって……具体的にはどう違うの?」 キュゥべえ「? どういう意味だい?」 翔一「いや……。あくまでこれは俺の個人的な考えの延長に過ぎないんだけど……。さっき君が言ったことが本当なら、魔法少女の契約で叶えられる願いっていうのは、基本的に何でもありなんだよね?」 キュゥべえ「そうだよ。それがどうかしたの?」 翔一「じゃあ、本当に例えばの話だけど――契約する女の子が、世界の滅亡とかを本気で願っちゃってるような子で、その願いで契約して魔法少女になってしまったらどうなるの?」 まどか「!?」 さやか「!?」 マミ「!?」 ほむら「……!」 翔一「もし、それで本当にその願いが叶っちゃうなら、俺からしてみたら『願い』も『呪い』も対して変わらない気がするな。下手をすれば、女の子の願いっていう欲ひとつで関係ない人たちが迷惑被るハメになっちゃうんだから……」 キュゥべえ「…………」 まどか「い、言われてみたら確かに……」 さやか「本当に何でもありなら、『嫌いな奴を殺してほしい』とか……そういう願い事もありってことなんだよね……?」 まどか「さ、さやかちゃん、何か私……今の沢野さんが言ったことを聞いたら、急に怖くなってきちゃったよ……」 さやか「あ、あたしも……」 翔一「あ……ゴメン。別に2人を怖がらせようと思って言ったわけじゃなくて……」 キュゥべえ「……いや、可能か不可能かのどちらかで言うなら、そう言った願いも一応は可能だと思うよ」 翔一「えっ!?」 キュゥべえ「ただし、あくまでも『一応』だよ。願いは叶うだろうけど、何らかの形でその内容に修正が加えられる可能性は十分ありえる」 翔一「というと?」 キュゥべえ「実際のところ、僕もそこまでスケールの大きな願いは今まで叶えたことがないから正直わからないんだよ。僕にだって契約する相手を選ぶ権利はあるしね」 翔一「あ、あぁ~……。そ、そうだよね。そりゃあ君だって、無関係な人を巻き込みたくはないもんね」 キュゥべえ「そういうこと。第一、そんな誰から見ても邪な願いを持った子と契約するなんて、僕からも願い下げだよ」 ほむら「どうだか……」 そう呟くと、今までその場を全く動かなかったほむらがまどかたちの方へと歩み寄った。 まどか「ほ、ほむらちゃん?」 ほむら「今のコイツと沢野翔一のやりとりで大体わかったでしょ? コイツは、ほんの一時期のみの幸福と引き換えに、全てを奪い去る――言ってしまえば、ドラッグの密売人のようなものだって」 キュゥべえ「そういう言い方はないんじゃないかな、暁美ほむら? 君だって魔法少女である以上、魔女と戦う使命を負ってまで叶えたい願いがその時はあったんだろう?」 翔一「確かに、言われてみたら……。一体どんな願いを叶えて暁美さんは魔法少女になったんです?」 ほむら「…………」 翔一「……あれ?」 ほむらは何も答えず、ただその場で黙りこくってしまった。 キュゥべえ「……まぁ、いいや。マミ、悪いけどここから先は君から説明してもらえるかい? 僕がこれ以上話すと説明もろくに出来そうにないしね」 マミ「えっ? ……あ。そ、そうね。じゃ、じゃあ、魔女について私が知っている限り説明するわね?」 さやか「は、はい。お願いします」 マミ「魔女というのは、簡単に言ってしまえば魔法少女とは対局に位置する存在よ。魔法少女が希望を振りまく存在だとすれば、魔女は絶望を撒き散らす存在ってところね」 まどか「絶望を撒き散らす……?」 マミ「よく、ニュースとかで原因不明の事故や自殺が報道される時があるでしょ? ああいう類の事件の裏には、高い確率で魔女が関わっているの」 さやか「嘘っ!?」 マミ「信じられないでしょうけど、事実よ。さっき、キュゥべえは魔女は『呪いから生まれた存在』だって言っていたでしょ?」 まどか「はい」 マミ「その『呪い』というのが、不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみといった負の感情なの。要は、魔女は存在そのものが負の感情の塊で、災いの種を世界にもたらしていると言っても過言ではないわ」 まどか「私たちの知らないところで、そんなことが起きていたなんて……」 さやか「でも、そんなヤバい奴らがいるのに、なんで誰も気づかないんですか? 勘の良い人なら何かしら気づくんじゃ……?」 ほむら「無理よ」 さやか「えっ?」 さやかのその質問には、気づけば先ほどと同じ場所に戻っていたほむらが答えた。 ほむら「普段魔女は自身の巣である結界の最深部に隠れ潜んでいる。だから、いくら勘が良かろうと悪かろうと、人間がその姿を捉えることなんてまず不可能よ」 まどか「結界?」 さやか「……もしかして、ショッピングモールの地下であたしたちが迷い込んじゃった、あの気持ち悪い空間のこと?」 マミ「そう。結界の中は迷路みたいになっているし、あなたたちも見たと思うけど、魔女の手下である使い魔がうようよいる……。だから、あれに迷いこんでしまった人間は普通は生きて出ることは……」 まどか「じゃあ、私たちは運が良かったんですね……」 さやか「……なぁ、転校生」 ほむら「……何?」 さやか「そういえば、アンタにはまだお礼を言ってなかった……よね?」 まどか「!? そ、そうだった……!」 さやかの言葉にはっとしたまどかも、体ごとほむらの方へ視界を向ける。 さやか「最終的にあの使い魔とかいう化け物たちをやっつけてくれたのはマミさんだけど、思えば最初にあたしたちを助けてくれたのはアンタだった……。だから、その……ありがと……」 まどか「ありがとう、ほむらちゃん」 感謝の言葉と共にほむらに頭を下げるまどかとさやか。 それに対してほむらは―― ほむら「――別に、あなたたちが気にすることじゃないわ」 と、さらりとそう答えただけで、2人の方に一瞥すらしなかった。 まどか「……でも、考えてみたら、マミさんやほむらちゃんは、今までそんな恐ろしいなものと戦っていたってことですよね……?」 マミ「そうね、命がけよ。常に死と隣り合わせの世界だもの……」 翔一「……暁美さん」 ほむら「何?」 翔一「……暁美さんほどの子でも、やっぱり魔女と戦うことを今でも怖いと思う?」 ほむら「…………」 翔一「…………」 ほむら「……ない、と言い切ることは出来ない……」 まどか「ほむらちゃん……」 マミ「鹿目さん、美樹さん」 まどか「は、はい」 さやか「何でしょう?」 マミ「これだけは覚えておいて。キュゥべえと契約すれば、どのような願いでも叶えるチャンスがある。だけど、それによって与えられる見返りは想像するよりも遥かに大きなものよ……」 まどか「…………」 さやか「…………」 マミ「だから、契約する場合、叶えたい願いが本当に見返りに足るものなのかじっくりと考えた方がいいわ」 私はそれを考える余裕もなかったから――と、呟くように最後に付け加えると、マミはソウルジェムを指輪の形に戻した。 ほむら「……代償を考えるなら、契約しない選択を選ぶ方が遥かに良いと私は言い切るけどね」 翔一「暁美さん……」 キュゥべえ「…………」 マミ「……さて、じゃあ今度は私たち魔法少女について説明しましょうか」 一度紅茶に口をつけた後、気分を変えようと、マミが再び口を開いた。 マミ「さっきも言ったけど、魔法少女が魔法を使うために必要な魔力はソウルジェムを源としているわ。だけど、それにも当然限りはある」 翔一「使い続けていれば、いずれ無くなってしまうってことですね?」 マミ「そう。魔力が枯渇してくるとね、ソウルジェムにどんどん濁りが生ずるの」 まどか「濁り……ですか?」 マミ「えぇ。おまけに、この濁りを取り除く――つまりは魔力を回復させる方法がまたちょっと厄介でね。あるものが必要になってくるの」 さやか「あるもの?」 マミ「それがコレ」 そう言いながら、マミはポケットから手のひらサイズの黒い『何か』を取り出した。 翔一(あれ? 確かあれって……) さやか「何ですそれ? 見た感じ黒いソウルジェムにも見えますけど……」 マミ「確かに見た感じは似ているけど、実際は違うわ。これはグリーフシード。魔女の卵よ」 まどか「えっ!?」 さやか「ま、魔女の卵!?」 ほむら「…………」 そう。マミが取り出したのは、昨日病院の外で発生した魔女の結界でマミとアギトが協力して魔女を倒した際に、マミが手に入れたグリーフシードだった。 マミ「あぁ、大丈夫。今のところはね」 翔一「『今はところは』……? それって、いずれは大変なことになるってことじゃ……!?」 キュゥべえ「だからこそ僕がいるのさ」 翔一「うわっ!? び、びっくりした~……。急に視界の中に飛び込んで来ないでよ」 キュゥべえ「ゴメンゴメン。でも、これはさすがに僕がやって説明しないといけないことだからね」 さやか「は? それってどういう……」 キュゥべえ「マミ」 マミ「えぇ、お願いね?」 そう言うと、マミは持っていたグリーフシードをキュゥべえの長い尻尾の先端部にそっと置いた。 グリーフシードを受け取ったことを確認したキュゥべえは、今度はそれを自身の頭の上へと移動させ、2、3度転がしてバランスをとると、最後に背中の方へとポンとそれを放り―― ――突然開いた背中の模様部分から、グリーフシードを体内へ飲み込んでしまった。 模様部が開いたのはほんの一瞬だったため、中がどのようになっていたかはその場にいた誰の目にもわからなかったが、飲み込むと同時に、キュゥべえの模様部分がカッと発光した。 キュゥべえ「きゅっぷぃ」 やがて、背中の発光が収まると、キュゥべえは軽くげっぷをした。 まどか「…………」 さやか「…………」 翔一「…………」 キュゥべえ「これでもう安全だよ。……? 君たち、どうかしたのかい?」 さやか「た、食べちゃったの……?」 キュゥべえ「これもまた僕の役目のひとつだからね」 まどか「そ、そんなもの食べちゃって、お腹とかは本当に大丈夫?」 キュゥべえ「うん。全然問題ないよ」 マミ「ま、まぁ、最初見た時は誰だって驚くでしょうね。私もそうだったもの……」 ほむら「…………」 翔一「……と、とりあえず、そのグリーフシードというものが何なのかわかりましたけど、それが魔力の回復とどういう関係があるんです?」 マミ「今キュゥべえが食べちゃったものは、さすがに容量が限界に近かったから試せなかったけど、グリーフシードは周囲の負の感情を貯め込む特性があるみたいでね、そこを応用してソウルジェムの濁りをグリーフシードに吸い取らせるのよ」 さやか「なるほど、そうすることでソウルジェムが綺麗になって、魔力も元通りになるってことですね」 マミ「そういうこと。グリーフシードは倒した魔女がたまに持っていることがあるんだけど、魔法少女にとっては魔女退治の貴重な見返りでもあるわ。でも……」 まどか「でも?」 マミ「そのせいで、魔法少女同士でグリーフシードの奪い合いが起きちゃったり、自身の魔力を常に万全に維持しておきたいがあまり、他者――特に魔法とは一切無関係な人たちの犠牲を省みずに魔女退治を行う魔法少女も多いの……」 ほむら「仕方がないわ。魔法少女となってしまった以上、ソウルジェムの輝きを維持するのは死活問題だもの」 まどか「そんな……」 さやか「う~ん……。私たちの思い描いてるゲームや漫画とかの正義の味方像とかとはかなりかけ離れてますね……」 翔一「……現実はそんなに甘くないってことだよ」 BACK 第3話 Next 第4話 part2
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2573.html
非リア充達の嫉妬から 粗方、爆破させて、満ち足りた表情の坊池 ……いや 違う 彼は、まだ満ち足りてなどいない もっと もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと もっと、リア充共を爆破させなければ 全てのリア充共を、爆破させなければ この渇きは、癒える事はない 『ナラ、ドウスリャイイノカ………ワカッテンダロォオオオオオオ??』 あぁ、そうだ、わかっている 己の内側で響く声に、坊池は笑う 「…お前、見所があるな」 「え?」 先ほどまで、共にカップルを爆破させていた少年…疾風に、坊池は暗く笑いながら、そう言う 「…どうだ?お前もこっちの計画に、一山乗らないか?」 「計画…?」 「そうさ……あるお方が、この街を支配下に置く、そして、ここから、世界中を支配していく……そのあかつきには、俺たちに充分な見返りがある」 提示された、その条件の、どこまでが真実か…坊池にはわからない だが、坊池はその真偽を見極めようとしない …悪魔の囁きで狂わされた心は、目先の利益の事しか考える事が出来なくなってきつつあった 「リア充共を爆破させて、街を混乱に陥れる。それが、俺たちのできる手伝いだ。リア充共を抹殺できて、俺たち美味しい思いができる…最高だろ?」 「…「あるお方」とやらが、約束を反故にしたらどうするんです?」 「なぁに、その時は爆破させてやればいい…あるお方は、愛人ありのリア充だからな」 …口に出していったら、結構な殺意が芽生えた訳だが、今は我慢だ 今は…街に溢れるリア充を、全滅させる方が先だ 「気が向いたなら、お前も街でたっぷり騒ぎを起こしな……迎えに行ってやるよ」 くつくつと笑って、坊池は疾風の前を後にする さて、用意されているホテルに帰るとしよう その最中、坊池は、道ばたにとまっている車の車内で、カップルがイチャついている様子を目撃して 「------爆ぜろ」 何の躊躇も、なく その車を……爆発させた 「----っ!?」 坊池が、一瞬の躊躇もなく、車を爆発させたのを …人が乗っていた車を、爆発させたのを 疾風は、はっきりと見てしまった 燃え上がる車 まだ、中に人がいる 「…っけ、警察…いや、その前に、消防車……!?」 慌てて、携帯を取り出す疾風 その心で、囁き声が響く 『見捨テチマッテモイインジャネェノォ?ドウセ、相手ハりあ充ダゼェ?』 あぁ、そうかもしれない 坊池の能力が発動したのだ 相手は、リア充に違いない だが だけれども 「……………っ」 響く囁き声を振り払うように、疾風は携帯を操作した 間に合わないかもしれない けれど、とにかく、消防車と救急車を呼ぶ事にする 『…ナンダヨ、ツマンネェナァ』 「……人の命が……かかっているんだよ……!」 リア充滅べ 疾風は、心からそう思う けれど 彼は、まだ少年だ 死んでしまえと思いながらも その命を奪うまでの行為に、踏み込むつもりはないし …もしかしたら、奇跡的に助かるかもしれない命を見捨てる事も、できない 激しく燃え上がる車 それを、半ば呆然と見つめながら …一瞬の躊躇もなく、他者の命を奪い取る行為を行った、坊池 あの瞬間の、暗い笑顔を思い出して 疾風は、小さく身震いしたのだった to be … ? 嫉妬少年のその後に続く 前ページ次ページ連載 - 悪意が嘲う
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/7093.html
京太郎「オレと別れてくれ。和」 和「忙しいスケジュールの合間を縫って久しぶりに会えたっていうのに随分な話題ですね。 理由を教えて頂けますか?」 京太郎「………勤め先の会社が潰れたんだ。で、オレは今めでたく無職ってわけ。 親父の会社も今大変らしくてとても頼れる状況じゃないし、仕事先も見つからない。 だからまぁ、そういう事だ。」 和「………意味がわかりません。京太郎君の状況は理解出来ましたが、 それが別れる理由にはならないじゃないですか」 京太郎「今は貯金を崩してなんとか生活してるけどこれから先仕事が見つかるかどうかもわからない。 片や和はプロ麻雀士として順調で、タイトルも狙えるようになった。 もう、俺とお前じゃ釣り合いが取れないって事だよ」 和「京太郎君は相手の肩書で付き合うかどうかを決めるような男性ではないでしょう。 それも理由にならないじゃないですか」 京太郎「………!! わかるだろ!? オレはもう自分の事も満足にできなくなったんだ!! 今のオレじゃもう和にラーメンを奢る事だって出来ない。 給料三か月分の指輪を買う事だって出来ないんだ。 もうオレじゃ、和を幸せに出来ないんだよ!!」 和「………わかりました。」 京太郎「…わかってくれたか。まぁ、和ならきっとオレなんかよりいい男がすぐに見つかるさ。 じゃあな。今までありがとうな」 和「つまり京太郎君は経済的な不安から私との婚姻生活に支障をきたすと考えて 私と別れる事を提案したのであって、私になんらかの落ち度や浮気をしていたわけではないんですね」 京太郎「? あ、あぁ…そういう事だよ。だからさっきも言った様にオレじゃ和を幸せに出来ないから…」 和「わかりました。では私が京太郎君を幸せにします」 京太郎「ふぁっ!? いや、あの聞いてた!?だからオレ金が無いから…」 和「今の私の年収は2000万をざっと超えています。 よほどの贅沢をしない限りは何の問題もありません」 京太郎「…オレにヒモになれってのか?和、オレにだって男としての意地が…」 和「京太郎君は料理は出来ますよね?」 京太郎「え?あ、あぁ…そりゃ凝った物は作れないけど」 和「洗濯掃除、買い物…は高校時代で散々見ましたので問題ありませんね。では、家事全般の方をお願いします」 京太郎「主夫!?いや待て和、それだと逆プロポーズって事になるぞ!?」 和「? 夫になるわけでもない人にこんな事を話しませんよ」 京太郎「いや、でも…和の両親がなんていうか」 和「私は既に成人してますし経済的にもとっくに自立しています。両親は私の希望通りの進路を歩く様に 仰っていましたし結婚相手も私自身が決めます。」 京太郎「………和はオレでいいのか?」 和「くどいですよ。何があっても最終的にこの私の傍にいればいいのです」 京太郎「やだこの人漢っぽい!?」 和「他に質問はありませんか?」 京太郎「え…いや………もうないです、ハイ」 和「わかりました。では、不束者ですがこれからもよろしくお願いします」ペッコリン 京太郎「いや、こっちこそ…っていうかこっちが不束者ですがよろしくお願いします」ペッコリン ※ ※ ※ 京太郎「あれからもう五年か……いや、ホントにあの時はぶったまげたなぁ」 「ねーねー、ぱぱー。ママとのプロポーズってどうやってやったの?」 京太郎「あー…どうだったかなぁ。ハハ…あ、ほらママテレビに出てるぞ。」 「わー!ママー!がんばれー!!」 京太郎(言えるわけねぇ…情けなさ過ぎて……)ズーン カンッ
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16045.html
梓「じゃぁ……じゃ~んけ~んポン」グー 律「ポン!」パー 梓「あ……」 律「いょし!」グッ 梓「う~」 律「言いだしっぺが負けてちゃ世話ないな」ニヤニヤ 梓「仕方ないですね、負けは負けです」 律「そうだな……じゃあどうしようかな~」 梓「簡単なお願いにして下さいよ」 律「オッケー。じゃあ『他の誰かが来るまで梓は私にタメ口』で!」 梓「……何ですかそれ?」 律「だって梓いっつもビシッとしてて敬語でつまんないんだもん」 梓「つまんないって……」 律「憂ちゃんとか代々木さんとかと居る時はダラっとしてる癖にさ~」 梓「代々木って……純の事ですか?まぁそれは友達ですし」 律「ヒドイわ!?私達は友達じゃ無いって言うのね!?」キーッ 梓「いや、先輩後輩じゃないですか……」ハァ 律「そうゆうのじゃなくてさ~、同じ軽音部の仲間だろ~?」 梓「そりゃそうでしょうけど」 律「もっとこうさ~、フレンドリーにさ~」 梓「今でも十分仲良くして戴いてると思ってますけど」 律「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ」 梓「まぁが多いですよ……」 律「誰か来るまでで良いしさ。お遊びだろ?」 梓「そう言われましても……」 律「仲良くしようよぉ~」ユサユサ 梓「そう言ってもらえるのは嬉しいですけど~」ユラユラ 律「ダメ?」 梓「出来れば別のお願いの方が」 律「だったら『今日一日ネコミミ装着』とどっちが良い?」ニヤリ 梓「なっ!?」 律「それだって『損得の無い簡単なお願い』だろ?」 梓「え~……私損じゃないですか?ソレ」 律「私はどっちでも良いぞぉ?」ニヤニヤ 梓「……前者でお願いします」 律「……します?」 梓「……お願い」 律「よろしい」 梓「ハァ……で?」 律「ん?」 梓「いや、じゃあもう、諦めてそうするけど」 律「おっ!良い感じ良い感じ」 梓「何か無いの?」 律「何かって?」 梓「話題。喋らないと意味無いじゃん」 律「……あぁ」ポンッ 梓「何か話振ってよ」 律「そうだな~……う~ん」 梓「……律っていつも行き当りバッタリだよね」 律「うぐぅ」 梓「このまま二人ともダンマリじゃジャンケンした意味すら無いじゃない」 律「ごもっともです……」 梓「そんなんで大学行けるの?」 律「行けるよ!頑張ってるよ!」 梓「ちゃんと勉強してる?」 律「もちろん!」 梓「本当に?」 律「そりゃもう!」 梓「じゃあ6+2×4=?」 律「……えっ、算数!?」 梓「いくつ?」 律「え~っと……8で……だから……」モジモジ 梓「うんうん」 律「14!」ビシッ 梓「え」 律「え?あ、合ってま、すよね?」 梓「律の事だから絶対『6+2=8で8×4だから32!』って言いだすと思ったのに」 律「そんぐらい分からぁ!」ガーッ 梓「えらいえらい」ナデナデ 律「いや~、それ程でも~」テレテレ 梓「御褒美に抱きしめてあげる。ほら、おいで?」パッ 律「わ~い」ダキッ 梓「可愛いね、律は」ギュー 律「あ~ずさ~」ギュー 梓「り~つ~」ギュー 律「あ~ずさ~」ギュー 梓「り~つ~」ギュー 律「あ~ずさ~」ギュー * * * 梓「……最高ですね!」ムフー 澪「長いよ」 梓「え?」キョトン 澪「別の話が紛れ込んできたかと思った」 梓「良いじゃないですかたまには」 澪「途中から先輩後輩が逆転しちゃってるし」 梓「妄想なんですからその位大目に見て下さいよ」 澪「まぁ良いけど」 梓「っていうか何で澪先輩が私の妄想にツッコミを入れれるんですか?」 唯「あずにゃん隊員、全部口から出てたから」 梓「あ、そうでした?いやお恥ずかしい……」テレテレ 紬「まぁ、妄想は本番までの予行練習って事でね」 澪「そうだな」 唯「じゃあ後はいつも通りで」 紬「ええ。あくまでも二人きりの時に」 梓「行動はこの部室内限定で、ですね」 澪「よし。じゃあ先ずは誰から?」 唯「今週は……ムギちゃん隊員からかな?」 紬「はい!」ビシッ 澪「それじゃ、明日はムギ以外が用事で遅れるって事で」ギュー 唯「よしっ!じゃあ今日の『第三回!りっちゃん隊長可愛過ぎてきゅんきゅんしちゃう!隊員活動会議』はココまで!」ドンドン ガチャ! 唯澪紬梓「はっ!?」ガタッ 和「やっぱり今日も会議してるのね。もうすぐ先生と一緒に上がってくるわよ」 唯「和ちゃんか~。丁度終わったところだよ」テテテ 和「へぇ、そうなんだ。今回は……両手を広げて『おいで~』?」 唯「うん。こうやって、おいで~って」パッ 和「成る程」ダキッ 唯「わおっ」 和「確かに、キュンとして抱き締めちゃうわね」ギュー 唯「でしょ?」 和「また日替わりで律に仕掛けるの?」 澪「まぁタイミングを見計らってな」ギュー 和「……澪、珍しい事してるわね」 澪「梓の『おいで~』にやられちゃってさ」ギュー 和「そうなんだ。律が来るまでに離れときなさいよ」 梓「そうですね、勘違いされちゃいますしね」 澪「そうだな」スッ 和「今日で三回目?飽きないわね、貴女達も」 紬「飽きる訳ないじゃない」 和「……そうね、そうよね」 唯「ん?どうしたの和ちゃん?」 和「気にしないで。にしても貴女達の会議って前進しないわね」 紬「前進?」 和「律の愛で方を考えるのは結構だけど、律と付き合えるのは一人だけでしょう?」 唯「付き合う?」 和「いや、律とどうなりたいとか無いの?」 唯「ん~」 梓「あぁ~」 澪「そうだなぁ……無い事は無いけど」 紬「皆で愛でる事しか考えてない、かな?」 和「やれやれね。そんな考えじゃ誰かに先を越されるわよ」 唯「その時はその時だよ~」ネー 澪「そうそう。律の幸せが一番だからな」ネー 紬「りっちゃんが好きな人と一緒に居るなら、それで良いわよ」ネー 和「そ。後悔しなければ良いけど」 梓「後悔?」 和「本気の人は貴女達みたいに伊達や酔狂で行動しないのよ」 唯「私達だって本気だよ!愛してるよ!」 和「愛し方のベクトルが違うじゃない」ヤレヤレ 紬「どういう事?」 和「誰かが本気出したら、奪われるのはすぐじゃないのって事」 梓「それは……そうかもしれませんけど」 和「その時、どうするのかしらね?貴女達は」 唯「大丈夫だよ~。りっちゃんの事は私達が一番くわしいもん」 澪「そうそう。今の所私達以上の隊員は居ないさ」 和「……まぁ良いわ。じゃあ私、生徒会室行くね」 唯「うん!また明日ね!」 和「皆も、バイバイ」 澪「うん」 紬「また明日」フリフリ 梓「さようなら、和先輩」 ガチャ バタン 和「やれやれね……ん?」 律「あれ?和」トントン 和「あら、律に先生。ナイスタイミングね」 律「ナイスタイミング?」 和「こっちの話よ」 律「あ、そう」 和「それじゃ。先生も、サヨウナラ」トントン 律「おう!また明日な」 さわ子「ハイ、さようなら」 和「……」トントン ピタッ 律「ん?どうした?」 和「……いや、少し考える節が有ってね」 律「あ、そう。悩み事?」 和「似たような物ね」 律「珍しいな、和が悩み事なんて」ネー さわ子「そうね。いつも即決即断で動いてる感じだものね」ネー 和「私だって人の子ですよ?」 律「そりゃそうだ」 さわ子「で、どんな悩み事?」 和「悩みというか……進むか進まないか決断を迷っているといいますか」 律「ハッキリしないなぁ」 和「どっちにしろ、階段ですれ違い様に話す様な、軽い話じゃ無いわね」ハァ さわ子「あらそう?」 律「真面目な話なんだな」 和「まぁ、私にとっては」 律「ふ~ん……」 和「まぁ、気にしないで」 律「……だったら、進んじゃった方が良いんじゃないか?」 和「え?」キョトン 律「今だって足を前に動かして降りないと生徒会室に行けないんだし、何だって進まなきゃ進めないだろ?」 さわ子「あら、良い事言うわね」 和「……」 律「……な、何かちがったか?」 和「いえ、まさか律に背中を押されるとか思ってなかったから」 律「なんだよ、失礼だなぁ」ムー 和「えぇ、そうね。進まなきゃ駄目よね」ウン 律「そうだよ。ウジウジしてるのはらしくないぞ?」 和「ありがと」 律「どういたしまして」 和「そうだ、律?」 律「何だ?」 和「この間の書類、不備が有ったから直しに来てもらって良いかしら」 律「マジで!?ゴメン、すぐ直すよ」 和「お願いするわ」 律「すぐ行こうやれ行こう。さわちゃん、皆に言っといて~」トントン さわ子「ハイハイ」 * * * ガチャ 律「ただいま!我が生徒会室よ!」クルクル バタン カチャ 和「貴女のでも私のでも無いわよ」 律「相変わらずクールなツッコミですこと」 和「どういたしまして」 律「そういえば間違えてた書類ってどれ?」 和「最近は忘れずにしっかり提出してくれてるし、不備なんて無いわよ」 律「……はぁ?」ポカン 和「しっかりしてるわよね、最近の律は」 律「なんだよ、嘘ついたってのか?」 和「えぇ」 律「なんで?」 和「そうねぇ……律は、女の子同士の恋愛ってどう思う?」 律「はぁ!?いきなり何の話だよ」 和「真面目な話よ。クラスにも居るでしょう?そんなカップル」 律「あぁ~……まぁ別に良いんじゃないか?」 和「そう?」 律「お互いがそれで良いんなら、他人がとやかく言う問題じゃないだろ?」 和「大人ね」 律「分かってないだけだって」 和「第三者だから?」 律「まぁ、そうだな」 和「じゃあ……律が澪とか唯とかに言われたらどう?」 律「どうって……想像出来ないな」 和「……ハァ」 律「なんだよ、もっとしっかり考えろって?」 和「いえ、分かってないわねって」 律「なにが?」 和「まぁ良いわ」 律「なんだか納得いってないみたいだけど」 和「まぁ、ね。例えば同性の子に告白されたらどう?」 律「そりゃ相手によるけど……好きになってくれるのは嫌じゃ、ない……かな?」 和「そう。それは良かったわ」 律「良いのか」 和「律って、甘えたい?甘えられたい?」 律「今度は何だよ?」 和「大事な話よ」 律「ホントか?」 和「ええ、とっても大事な話」 律「……う~ん」 和「律ってどちらかと言えば『甘えられる側』よね」 律「まぁ……そうだな」 和「そっちの方が良い?」 律「どうだろ?でもそれを言えば和だってそうじゃないか?」 和「え?」 律「和もいつも頼られて、甘えられてるじゃないか」 和「そうね」 律「そっちの方が良いか?」 和「……相手によるわ」 律「ふぅん……じゃあ私もそれで」 和「あら、そういう返しはズルいわよ」 律「まぁ実際、和には甘えてるしな」 和「確かにそうね」 律「いつも感謝してるよ」 和「私だって律が好きでやってるんだから、構わないわよ」 律「そっか、ありがと。で?」 和「ん?」 律「今の話と和が嘘をついた事とどう繋がるんだよ?」 和「……ハァ」 律「またタメ息!?」 和「今の話聞いてた?」 律「聞いてたよ!」 和「聞いた上で分かってないの?」 律「分かんないから聞いてるんだろ?」 和「分かったわ……アプローチを変えましょう」 律「あぷろーち?」 和「そうねぇ……先ずは嘘を吐いた理由だったかしら?」 律「おう」 和「律と二人きりになりたかったから、じゃあ不満?」 律「……え?」 和「……駄目だったかしら?」 律「いや……だったらそんな回りくどい事しなくてもさ?普通に誘ってくれれば」 和「普通に誘ったら二人きりになれないでしょう?」 律「んな事ないって」 和「いいえ。例えばさっきの階段で『話が有るんだけど』と誘うとするじゃない」 律「うん」 和「きっと貴女は『じゃあ折角だし一緒にお茶しながら喋ろうぜ!』とか言って私を部室に誘うわ」 律「……あ~、否定出来ない」 和「でしょう?だからこうやって、嘘吐いてまで二人きりになったって訳よ」 律「え~……なんで?」 和「ストレートに言わなきゃ分からない?」 律「ストレートとかシンカーとかじゃなくてだな」 和「そうね……さっきからお分かりの通り律は鈍感だものね」 律「鈍感って……何に対して」 和「私達の気持ちよ」 律「……達?」 和「鈍感な田井中さんには、どんな変化球もボール球なのよね」 律「あのさ和、さっきから何の話なんだよ」 和「自分で気付いて欲しいものなのだけど、ここまで言っても分からないのね」 律「和が自分で今言ってたろ?『田井中さんは鈍感だ』って」 和「あら、認めるの?」 律「認めちゃないけど……そうしとかないと話進まないみたいだし?」 和「確かにそうね」クスクス 律「だからさ、教えてくれよ」 和「分かったわ。じゃあ飛びっきりのストレートをお見舞いしてあげる」 律「おう!しっかりキャッチするぜ!」バッ 和「今は二人きり、誰にも見えない聞こえない、今ココでしてる話は全部、二人だけの秘密よ」テクテク 律「お、おう」 和「私が何をしても、律が何をしても、私達以外誰も知る事が無い、二人だけの空間」テクテク 律「何だよ、『ストレート』っていう割にはヤケに回りくどくないか?」 和「今はまだ投げる構えもしてないわ。マウンドをならしてる様なモノよ」パッパッ 律「そ、そうか」 和「じゃあ、行くわよ」 3
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/5671.html
351 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/08/11(木) 18 19 18.13 ID ??? シーマ「スイカ割り?あぁ、よくするよ」 コッセル「シーマ・フリート夏の風物詩だぜ」 コウ「そうなんですか」 シーマ「まず悪さしたバカやそのへんのDQNを砂浜に、縦に首まで埋めるのさ」 コウ「………ん?」 シーマ「そいつのよこにスイカを置いて、そこから始まるのさね」 コウ「…………」 シーマ「たまにスイカが割れる時もあるが、その時はオロナインぬっときゃOKさ」 コウ「反対じゃないの!?」 コッセル「シーマ・フリートある所に平和あり、って言われてるぜ」 シーマ「最近は悪さする奴も、DQNもいないからねぇ」 コウ「か、海水浴場は……地獄だ!」
https://w.atwiki.jp/83452/pages/4192.html
律「ごめんごめん。よし、始めようか」 澪「ま、待って、せめて何処に開けるのかくらい教えてくれ(もう抵抗しても無駄だよな・・・)」 律「・・・何処がいい?」 澪「へ?決まってないのか?」 律「決まってるけど、決まってない」 澪「意味がわからない」 律「よっと」スッ 澪「なんだよ、いきなり自分の耳出して」 律「どれがいい?」 澪「どれって・・・っていうかこうして見るとやっぱりすごい迫力だな、7個だっけ?」 律「あぁ。・・・澪の耳はな、私とお揃いにしたいんだ」 澪「り、律とお揃い・・・?」ピクッ 律「そうだよ。どう?」 澪「・・・」 律「・・・」 澪「いいよ(律とお揃い、律とお揃い・・・)」 律「よし、一日で全部開けるのは酷だからな。何処から開けて欲しい?」 澪「・・・軟骨は痛いんだよな?」 律「まぁ、一般的にそう言われてるな」 澪「違うのか?」 律「開けるときはそんなに痛くないよ」 澪「本当か?」 律「あぁ(上手く開けれればな)。それよりも・・・」 澪「?」 律「軟骨って言っても骨だからな、安定するまでにかなり時間がかかる」 澪「そうなのか・・・」 律「あぁ、それでピアスが引っかかったりすると、猛烈に痛いぞ」 澪「耳たぶがいい」 律「了解」チャッ 澪「ちょちょっちょっと!ちょっと待ってくれ!」 律「なんだよー、ヘタレめ」 澪「そうじゃない!なんで針で開けようとするんだよ!耳たぶはピアッサーでいいって言っただろ!?」 律「へ?『ピアッサーが許されるのは耳たぶだけだ』って言ったつもりだったんだけど」 澪「何が違うんだよ」 律「できれば耳たぶだってニードルで開けた方がいいって言ってんの」 澪「うっ・・・でも・・・」 律「それにピアッサーだったらファーストピアスがダサいぞ?」 澪「ダサくてもいいよ、針はちょっと」 律「なんだよ、ニードルで開けたら自分の好きなピアスをファーストピアスにできるぞ?」 澪「いや、でも・・・」 律「私と同じピアス余ってたからそれをファーストピアスにしたらいいかなと思ったんだけど」 澪「・・・やっぱり針でいい」 律「お?そうか?」 澪「傷の治りが早いんだよな?(律とお揃い・・・)」 律「ま、まぁそうだな」 澪「だったら針でいいよ」 律「そんじゃ、ちょっと耳に髪をかけてくれ」 澪「あ、あぁ・・・」 律「まず消毒するからな」 澪「あ、あぁ。すぐにグサッてワケじゃないんだな」 律「うん、嫌なら消毒しないけど。バイ菌が入って耳が腐っても知らないぞ?」 澪「念入りに。念入りにお願いします」ガタガタ 律「へいへい、了解」フキフキ 澪「ん・・・冷たっ・・・」ブルッ 律「・・・」カプッ 澪「!?」 律「・・・」ハムハム・・・ 澪「ちょっ、何してるんだよ!///」 律「・・・あ、ごめん。つい」 澪「つ、ついじゃないだろ///」 律「あんまり綺麗なもんだから」 澪「ま、全く・・・///」 律「よし、開けるぞ」 澪「ちょっと待て。消毒したあとに私の耳噛んだだろ!?もう一回消毒してくれよ」 律「私の口は菌だからけか」 澪「うっ、そういう意味で言ったワケじゃ・・・」 律「もう一回消毒すればいいんだろ?するよ、しますよ」 澪「あー、いいよ。ごめん」 律「おい、冗談だよ。ちゃんとするって」 澪「いや、いいんだ。このまま開けてくれ」 律「?」 澪「律の菌なら、いいんだ・・・」 律「・・・(私もおかしいけど、こいつも相当キてるな)」 律「それじゃ、いくぞ?(ま、可愛いからいいけどね)」 澪「あぁ・・・!」 プスッ 律「はい、貫通したよ」 澪「嘘!?もう開いたのか!?」 律「あぁ、言ったろ?そんなに痛くないって」 澪「・・・なんだか拍子抜けした」ヘナヘナ 律「おい、動くなよ。まだ耳にニードル刺さったまんまなんだから」 澪「あ、ごめん」 律(澪の耳にニードルが・・・綺麗だなぁ) 澪「律?」 律「あ、あぁ。このままニードルをピアスで押し出すように抜くんだよ」 澪「なるほど、そのピアスがそのままファーストピアスになるんだな?」 律「そういうこと。よし、やろうか」 ツツツツ・・・ 律(針が肉を通る感触、ゾクゾクする・・・) 澪「んっ、ちょっと、痛いかも・・・」 律「我慢しろよ」 澪「わ、わかってるよ・・・」 律(もう終わっちゃうよ、くそっ・・・) カラン・・・ 澪「!?ニードル、落ちた?」 律「あぁ、もう終わったよ」 澪「そっか・・・なんか、耳が熱いな」 律「ちょっとそのままでいてくれ」 澪「?わかったよ」 律「・・・」フキフキ 澪「何してるんだ?」 律「言っていいのか?」 澪「へ?あ、あぁ」 律「血を拭いてる」 澪「・・・聞かなければよかった」ブルッ 律「だろ?・・・っと、よし」 澪「終わった?」 律「あぁ、ちょっと待ってて。鏡持ってくる」スクッ 澪「わかった」 律(まだ、手に感触が残ってる・・・) 澪(思ったより痛くなかったな) 律(軟骨なんて開けたら・・・どうなっちゃんだろ) 澪(このままの勢いで軟骨も開けてもらおうかなー) 律(考えただけヤバイ。私・・・今、興奮、してるよな、絶対) 澪(早く律とお揃いになりたいし・・・) 律(澪・・・ごめん) 澪「鏡見つからないのかー?」 律(今なら、今ならまだ大丈夫だ。やっぱりこれ以上澪の体に傷をつけるわけには・・・) 澪「りつぅー?」 律「あ、あぁ。ごめん。あったよ」 澪「早く見せてくれよ」 律「あぁ、ほら」 澪「うん」パシッ 律「どう?」 澪「・・・すごい。本当にピアスしてる・・・」 律「あぁ、結構綺麗にできたと思うぞ」 澪「へー」ジー 律「なぁ、澪?とりあえず、今日はもう帰らないか?」 澪「へ?なんで?」 律(これ以上ここにいたらお前が危ないからだよ) 澪「?」 律「だから、もう遅いし。な?」 澪「まだそんな時間じゃないだろ」 律「う、あ、うん・・・」 澪「律?」 律「なに?」 澪「反対の耳、軟骨に開けてくれないか?」 律「」 澪「おーい」 律「」 澪「聞いてるか?反対の耳に」 律「聞いてる、聞いてるよ!」 澪「そっか。それで、どう?駄目?」 律「・・・駄目、じゃない」 澪「よかった。出来ればこのノリのままもう一個くらい開けて欲しくてさ」 律「・・・いいのか?痛いぞ?(頭の中で理性の糸が切れる音がしたけど、気のせいかな)」 澪「でもそんなに痛くなかったし、平気だよ(早く律とお揃いになりたいし)」 律「・・・わかった」ストンッ 澪「なんでそっち側に座るんだよ?反対の耳って言ったろ?」 律「両サイドに開けるのはやめた方がいい」 澪「なんで?」 律「両方に開けると寝るときに困るんだよ」 澪「・・・?」 律「ほら、右側に集中して開けると、左側向いて寝れば痛くないだろ?」 澪「・・・そうか、両方に開けるとどっちかに寝返りうったら」 律「下手すりゃ激痛で目を覚ますな。私も痛いと思って起きたら血だらけになってたことあるし」 澪「ひぃぃ・・・」 律「だから。さっき左側に開けたから、もう一個も左側に開けようぜ?」 澪「わ、わかったよ」 律「で、ヘリックスでいいんだな?」 澪「っていうか律と一緒にするんだから、軟骨しかないだろ」 律「それもそうだな。私、左側は3つ開いてるけど、ロブは一個しか開いてないし」 澪「あとの二つは軟骨だろ?どっちを開けてくれてもいいよ」 律「そうか、じゃあここにするか。こっちの方が開けやすそうだし」 澪「わかった」 律(澪、お前・・・馬鹿だよ) 澪「消毒はしなくていいよ、そっちの耳はさっきしたし」 律(せっかく、私が帰そうとしたのに・・・) 澪「それじゃ、よろしくな」 律「澪」 澪「ん?」 律「怖く、ないのか?」 澪「・・・怖いよ」 律「やっぱり」 澪「でも」 律「?」 澪「私、律と同じがいい」 律「・・・!」 澪「ごめん、変だよな。忘れて」 律「あ、あぁ。あのさ」 澪「なんだよ、早くしてくれよ」 律「私、本当におかしいんだ」 澪「は?」 律「だから、その、澪の耳見てるだけでドキドキするし・・・」 澪「う、うん」 律「さっき、ニードル貫通させた時なんて、ずっと心臓がバクバク鳴ってたし」 澪「それ、ドキドキと大して変わらなくないか?」 律「う、言われてみればそうだな」 澪「またドキドキしちゃうってこと?」 律「いや、だって、軟骨だぞ?」 澪「あぁ、それがどうしたんだ?」 律「こんな言い方したら気持ち悪いかもしれないけど、軟骨なんて開けたら・・・それだけでイっちゃいそうだよ」 澪「ばっ///・・・変態///」 律「そうだよ、私は変態なんだよ」 澪「・・・でも、いいよ」 律「へ?」 澪「いいよ。律の好きにして」 律「み、澪」 澪「その代わり、他の人の耳に見とれないで欲しい、な・・・」 律「そりゃ難しいな、だって」 澪「律。お前、私に何をしたかわかってるか?」 律「へ?」 澪「最終的に私も折れたけど・・・でも、半ば強引に私の体に傷をつけたんだぞ?」 律「・・・あぁ、そうだな」 澪「責任、取ってくれよ」 5
https://w.atwiki.jp/nobusukeserif/pages/147.html
セリフ番号1241~1260 1241 ここから生き残るならよぉ 相当な覚悟が必要だぜ? んで、お前はどうして生き残ろうとする それなりに理由がねぇと生き残ろうなんて思わねぇだろ? 聞かせてくれや、理由によっちゃ助けてやってもいいぜ はっはっはっ!なんだその理由!はは… いやぁ、すまねぇすまねぇ あまりにも理由が馬鹿みたいだったからよ でも気に入ったぜ、手助けしてやんよ 1242 あの枯れ葉が落ちたら、俺も死ぬのか ふっ、短い命だったが、良い人生だったな 痛ってぇな、何すんだよ! 馬鹿野郎、こんなんで死ぬかっての 冗談だよ冗談 悪ぃな、怪我しちまって 直したらどっか連れてってやるから 1243 縁起でもねぇこと言うなよ カッコ付けて哀愁に浸ってんじゃねぇ お前らしくない 謝る必要ねぇだろ 生きてりゃ怪我の一つや二つするっての おう、楽しみにしてるからな もし直んなかったら承知しねぇぞ 1244 見下されるのが好きとか 〇〇って変わってるね 恥ずかしくないの? 自分の事を下に見られて しかも物理的に 何だかこのまま 〇〇の事踏んじゃいそう いや、流石に冗談だよ 踏んで欲しいなら別にいいけど ただ、大分引くかな 1245 〇〇ってホントに馬鹿だね 本能に負けて自分の誇りを捨てた どーしようも無いただの馬鹿 恥ずかしくないのかな? 私みたいな年下に馬鹿にされて もしかして、喜んでるのかな? ふふふ、気持ち悪いね 1246 休日?ある訳ねぇだろ? 俺たちに休みなんてないんだよ あぁ、そのカレンダー間違ってるから 日月火水木金土じゃなくて 月月火水木金金だから あ…ほい、差し入れ。 俺ん家から持ってきたのだけど これがないと生きられないから ちゃんと覚えとけよ 1247 嘘でしょ、私を邪魔者扱い? あぁ、信じられない 私、より一層あなたの事が好きになったわ 何故かしら、あなたへの興味が止まらない 突き放される程に、私の恋心が、震えちゃう 1248 あれ?言った事なかった? ホント?いや流石それは、ないんじゃないかな だってほら、僕達、付き合ってるんだし 絶対に1回は言ってるよ、うん あ、あの、ごめん。嘘ついた 言った事ないよね、だって、言うのが恥ずかしくて わかった!今から、言うよ き、君のこと…す、す、す… ごめん!や、やっぱ無理ぃ… 1249 ざーこ そんなだからすぐにやられちゃうんだよ もしかして、自分が1番強いとでも思ってたのかな? だとしたら恥ずかしいねぇ もう人前に出れないね 君の直すべき所は 仲間への配慮と装備 それが出来てない時点で、勇者失格だよ? 1250 えっと、ふ、2人きりだね えへへ、何か、新鮮だね いつも騒がしい教室なのに、静かだね でも、ちょっと騒がしいかも ねぇ、聴こえるかな、私の心音 すごいドキドキ言ってる 変かな、私たち付き合ってるのに 良いのかな、こんなドキドキ言わせちゃって えへへ、ありがと、君もそうなんだ 私も君の心音、好きかも 何だか似た者同士だね、私たち 1251 あ、あぁ、そう、だな うん、確かに、そうかもな ん?何が騒がしいんだ? 確かに、聴こえるかも いや、変ではないと思う だって、俺もドキドキ言ってるし 俺の方が、騒がしいかもしれないし それに、俺は、この心音が好きかもしれない 似た者同士、か…ふっ、そうだな 1252 ねぇ、まだ寝れないの? ふふふ、困っちゃったねぇ 背中トントンってしてあげようか? トーントンって、落ち着くかもよ? それとも、お歌歌おうか? だーんだん、眠くなるかもよ? ご本読むのでもいいよ あ、それとも、一緒にねんねする? 1253 まだまだ眠れてない子はぁ、どーこーかーなー? ふふふ、みーつけた ねんね出来ないの? 眠たくなくなっちゃったんだ 困ったさんだねぇ 折角だし、夜更かししちゃおうか 私と朝までずーっと、起きてよっか 1254 後輩くん、なーにしてるのかな? 1人でお勉強かな? へぇ、偉いじゃん。 あー、そっか、テスト近いもんね 分からないとことかない? 教えてあげようか? 甘えちゃっていいんだよ? 普段真面目ちゃんなんだからさ たまには他人に甘えちゃおうよ 1255 急に告られるなんて思わんかったわ んー、せやなぁ まだ返事はして上げられへんかな もうちょい大きなったら 返事したるわ まぁそん時には 別に好きな人が出来とるやろうけど 楽しみにしといてな 1256 皆様、この季節がやって来ました お察しの方もいらっしゃるでしょう えぇ、秋は彼らがやって来ます 寒さではありません それよりも厄介な子達がやって来ます そう、カメムシです 洗濯物にカメムシの張り付く季節となりました 特に白い洗濯物はお気をつけ下さい 1257 ま、待って待って! え、そ、それってつまり… えっと、そういう、事だよね そ、その、あの、嬉しいよ、嬉しいけどさ こっちにも、心の準備ってのが あるからさ、うん、急に、そんなこと言われたら、 何も返せないじゃん 1258 ここでお前を倒したら 全部元通りになるんだ この世界も平和になる そして俺の願い 家族にもう一度合う これを叶えるには お前を倒さなきゃならないらしい さぁ、勝負だ魔王! 1259 ねぇ、そうやってスマホばっか触って 高校生活終わるのって、何かさ、つまんなくない? あのさ!少しは私の方見たらどうなの? そうやって君はスマホばっか、 何?ついに会話もスマホ頼りになった… ちょ、は!?そ、それは反則… も、もちろん良いわよ、その、これからよろしくね 1260 姉ちゃん、その、これ! バ、バレンタインの、お菓子 い、一生懸命作ったんだ… よ、良かったら、食べて欲しいな… あ!や、やっぱダメ!だ、だってこれ お砂糖とお塩、入れ間違えちゃったもん あ!だ、ダメって言ったのに…