約 2,010,591 件
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/162.html
先日俺は黒猫と付き合いだしたことをみんなに打ち明けた。まぁ、隠しておく理由もないしね。 桐乃「え?嘘でしょ?」 沙織「まぁ!黒猫氏と京介氏がお付き合いをなさることに!?それではぜひお祝いをしませんと」 京介「いいっていいって、そんなことでわざわざお祝いとかおかしいだろ」 沙織「断固拒否するでござる。せっかく瑠璃ちゃんと京介氏が大人の階段をのぼったというのにこれをお祝いせずにはいられますまい!」 京介「まだのぼってねえよ!」 沙織「フフフ、でもお祝いしたいのは本当なんですよ?私の親友のお二人がお付き合いすることになったんですから」 京介「グッ///…そうか、じゃあ素直に受け取っとくか。ありがとな」 沙織「いえいえ、では日程や場所はのちほどメールにてお知らせするでござる」 黒猫「///」 桐乃「…キモ……」 こんなやりとりの間も黒猫と桐乃は終始うつむき加減だった。黒猫は照れてるだけだろうが桐乃まで不機嫌にならなくてもいいのにな。別に俺が黒猫と付き合うことになったからって黒猫はお前と友達でいることはやめねえだろうよ。 で、今日がそのお祝いとやらの日なんだが… 沙織『今度の日曜日に以前のレンタルルームでお待ちしています』 以前のレンタルルームってのはあいつらが俺を励ます会を開いてくれたあそこのことだろう。 正直、あそこにあんまりいい思い出はなかったりするんだけどな…デレた桐乃は見られたけど。 京介「あんまり、気乗りしねえなぁ…」 俺が前回同様受付を終えて案内された部屋の前まで行くとそこにはこれまた前回同様看板がたっていた。そういえば前回の受付もこのお姉さんだったな。俺を見る目が不審者を見る目だったのは気のせいだと思いたい。 京介「でも今回はハーレムとか関係ないのになんであんな目を…」 『高坂京介様専属ハーレム御一行様』 ちくしょおおおおおお!使い回しか沙織いぃぃぃぃ!! げんなりしながらも扉を開くと沙織、黒猫、桐乃が座っていた。 沙織「遅かったでござるな京介氏」 黒猫「ふん、さっさと座りなさいな」 桐乃「自分のお祝いなのに遅れてくるとか馬鹿じゃないの?」 京介「いや、すまん。ちょっと寝坊してな」 と、ありがちな言い訳をしたところで沙織がこう切り出した 沙織「さて、全員そろったところで瑠璃ちゃん&京介氏大人の階段記念パーティーを始めたいと思います!」 黒猫「そのネーミングは何とかならなかったの?」 沙織「フフフ、照れなくてもよいのですよ?」 桐乃「私から見てもそのネーミングはどうかと思うけど…」 沙織「む?ではきりりん氏ならどういうネーミングならよいと言うのですかな?」 桐乃「えっ?それは…黒猫ビッチ化記念とか?」 京介「おい!なんてパーティーにするんだお前は!それに大人の階段はのぼってねえって言ってんだろ!!」 桐乃「チッ…なにマジになってんの?」 まったくなんて妹だ…。まぁ、こいつとしても黒猫と遊べる日が減るのは目に見えてるしイライラしちまってもしょうがないかもな。それに俺がデレデレしてんのは気に食わないとか言ってたし。 でも不可解なのは最近黒猫への態度もなんか冷たいように見えるんだよな。ここはストレートに聞いてみるか。 京介「お前この間から黒猫や俺に対して冷たくねえか?いや俺に冷たいのはいつも通りだが」 桐乃「はぁ?なにそれ?そんなことないし、もしそうだとしてそれ今関係あんの?」 京介「いや、関係はねえけどよ…」 沙織「まあまあお二人とも今日は祝いの席ですから…」 少し険悪な雰囲気が漂ってきたところですかさず沙織がわって入る。こいつはほんとにこういうところうまいよな。 黒猫「あなた達そのへんにしときなさい、さっきからまったく話が進まないわ。で、お祝いと言うけれど今日は何をしてくれるのかしら?」 沙織「よくぞ聞いてくれました黒猫氏!実はこれまた前回同様出し物をさせていただくでござる!」 京介「いやな予感しかしねぇ……」 沙織「さりげなくひどいこというでござるな京介氏…しかし、これをみてもそんな口がきけますかな!?」 沙織が自身満々にみせてきたものはシスカリαのディスクだった。おい、俺はもはやこのゲームはトラウマといっていいレベルで恐怖を感じるんだが…。 桐乃「あれ?シスカリαじゃん。まさかまたこいつの前でプレーさせるわけ?」 沙織「さすがに拙者もそんなミスはもう犯さないでござるよ。今回はこのディスクと拙者特製データをプレゼントでござる」 黒猫、桐乃「「特製データ?」」 黒猫と桐乃が興味津々で聞いている。やっぱりゲーマーとしては気になるんだろうな。 沙織「左様、以前はきりりん氏と黒猫氏のキャラを作りましたな。が!今回はなんと!京介氏のキャラを作ったでござる!!」 京介「ぶふぉ!」 思わず吹き出してしまった。なんてものを作ってくれてやがるんだ沙織!じゃああれか?負けると俺そっくりのキャラが触手にあれやこれやされちゃうの?嫌すぎるんだが。これは黒猫や桐乃のこと怒れんな、気持ち悪すぎるし何より見られたくねえ。そら俺をぶっとばすわ。 桐乃「あんた正気なの?」 黒猫「あなたがそこまでの変態だなんて思わなかったわ」 沙織「う…ひどいいわれようでござる。これでも結構頑張って作ったんですよ?約束の日まで時間もないし徹夜したりして……」 京介「ま…まぁ、そんな顔するなって。黒猫もあれで喜んでるって」 黒猫「!?誰が先輩なんかの裸で喜ぶのよ!恥を知りなさい俗物が!!」 京介「いやそういう意味で言ったんじゃねえよ!」 助けを求めて沙織を見てみると腹を抱えて笑っていた。さてはこうなるとわかってやがったな! 沙織「はぁはぁ、ようやく笑いも収まったところで…次はきりりん氏の出し物でござる。はりきってどうぞ!」 桐乃「……」 桐乃は無言で自分の鞄からお祝いの品であろう物を取り出すと黒猫に一つを渡し、俺の前まで来てもう一つを差し出した。 桐乃「ん」 京介「お守り?」 なんだまともじゃないかほっとしたぜ……と思ったが甘かった。お守りを裏返すとそこには安産祈願と綺麗な刺繍で書いてあった。 京介「……え?」 黒猫「…え、あ、あ……」 黒猫は真っ赤になって動揺している。これは俺が桐乃に聞かねばなるまい。 京介「桐乃…これは一体どういうことだ?」 桐乃「…はぁ?見ての通りお守りじゃん。あんたその歳でぼけだしたの?」 京介「いやそうじゃなくてだな…これ安産祈願のお守りなんだが……」 桐乃「えっ!?あたしが買ったのは学業成就のはずなんだけど!」 京介「ま、まぁ気持ちはありがたく受け取っとくよ。な、黒猫?」 黒猫「あ、え?これをありがたく?……!?何を考えてるのこの変態!!」 京介「ちょ…変な誤解をするんじゃない!ちゃんと人の話をきけって! 沙織はここでもまた腹を抱えて笑っていた。しかし桐乃なぜか不機嫌とも悲しいともとれる表情だった。そんな顔しなくてもお前の気持ちは俺にも黒猫にも伝わったと思うぞ? 京介「しかし、お祝いが学業成就って…お前のセンスはどうなってるんだ……」 桐乃「うっさい!だってあんた一応受験生なんだからそれでいいじゃない……」 京介「そうだな。ありがとな桐乃」 その後はゲームをしたりプロジェクタでアニメを見たりしてすごした。これなら俺ん家でもよかったんじゃないか?と思いつつもパーティーはつつがなく終了した。 どうもここ最近桐乃の元気がない気がする。どうもお祝いパーティーをした日から様子がおかしいようだ。かれこれ一週間になるか。 京介『最近桐乃元気ないみたいなんだがなんか心当たりないか?』 あやせ『ちょうどよかったです。学校でも桐乃元気ないみたいで、私も一度お兄さんに相談しようと思っていたんです』 京介『そうか、そりゃよかった』 あやせ『本当に桐乃には手を出してないんですね?』 京介『出さねえよ!それに俺にはもう…』 あやせ『…?もう、何ですか?』 京介『いや、とにかく頼むな』 あやせ『…まあいいです。何かあればまた連絡します』 京介『おう、それじゃあな』 彼女がいると言おうとして思わず言いよどんでしまった。黒猫という彼女がいながらも、マイラブリーエンジェルあやせたんルートが諦めきれないのだろうか…。 翌日下校中 あやせ「桐乃最近元気ないよね?どうかしたの?」 桐乃「えっ!?そんなことないけど…どうしたの?」 あやせ「だって最近ずっと何か考え事してるみたいだし、お兄さんの話もしないし。何かあったんなら相談してくれないかな?」 桐乃「うえぇっ!?考え事はともかく、兄貴の話云々はおかしくない!?」 あやせ「そんなことない。桐乃お兄さんの話してるときはいつも楽しそうだったじゃない…文句ばっかりだったけど」 桐乃「いや…でもそれとこれは……」 / / `゙==彡 / ,.イ{_ ‘, / / / / ー===―- _ ‘, ′ -―==ミ、 ヽ} / / `ヽ | ,’ / ´ // {> ? | / /, 〃ハ ,ィ==ミ、 | 〈 ー彡 、‘ノ `? | 嘘つかないで! ‘, 丶 / 〃ハ ‘ , | お願い、私桐乃の力になりたいの!! ‘, ー――‐ .. , l 、‘ノ , ./ ∧ ’. 、 . i / i ? 、 . / ? 人, / | ? {j ー― ’ /// | /”´ / 桐乃(う、これは逃げられない…) 桐乃「……実はね……」 _______________________________________________ あやせ「ええええ!?お兄さんに彼女があああ!????」 桐乃「そうなの。まぁ兄貴が誰と付き合おうと関係ないんだけどね。」 あやせ「ブツブツ……私には結婚してくれとか言っておきながら……ブツブツ」 桐乃「あ、あやせ?」 あやせ「ブツブツ……しかもお姉さんというものがありながら……ブツブツ」 桐乃「あやせってば!」 あやせ「え!あ、なんでもないのよ?大丈夫」 ____________________________________________________ あやせ「そっか、桐乃はお兄さんが取られたみたいで寂しいのね」 桐乃「そ、そんなことない!あんな奴の相手をする機会が減ってせいせいしてるくらいだってば!!」 あやせ「素直になったらいいのに。そんなんだとこれから構ってもらえなくなるよ?」 桐乃「だ、だからそんなじゃないってば!」 あやせ「ふふっ、じゃあ桐乃あたしこっちだから。また明日ね、バイバイ!」 桐乃「あ、うん。バイバイ……」 京介「ただいま?」 桐乃「ちょっと話があるんだけど。あたしの部屋に来て」 京介「え?今からか?」 桐乃「チッ…当たり前でしょ。さっさとしなさいよね」 京介「へいへい、わかったよ」 かわいくねぇなと思いつつも言うことを聞いてしまう俺。ちょっと昔はこんな妹の言動にいちいちいらついてたもんだが今となっては精々かわいくねぇ程度である。いかんな、下僕根性が染みつきつつある。駄目だ俺…早くなんとかしないと…… 京介「で、なんだ話ってのは」 桐乃「あんた、いい加減黒いのとあたしの前でイチャイチャするのやめてくれる?ぶっちゃけキモイしウザイんだけど」 京介「イチャイチャなんてしてねえよ!それにお前にそんなこと言われる筋合いもねえ!」 桐乃「はぁ?してんじゃん!!二人きりでベッドの上でイチャイチャしてたんでしょ!!それに兄さんとか呼ばせてさぁ」 京介「あれはゲーム作ってただけだって言ったろ!それにあれは黒猫が勝手に呼んでるだけだ!そもそも俺が黒猫に何て呼ばれようとお前には関係ないだろ!?」 桐乃「かん………い……る」 京介「あん?」 桐乃「関係あるって言ってんの!」 桐乃「あんたはあたしの兄貴でしょ!!それなのに他の奴ばっかり構ってイチャイチャデレデレして!!!」 桐乃「あたしも構ってくれないとやだ!せっかくまた話とかできるようになったのに…もう昔みたいに戻るのはいやなの!!」 京介「な……」 あまりの驚きに声が出なかった。桐乃がまさかそんなふうに思っていたなんて。しかし、驚くのは後でもできる。今は兄貴の義務を果たしてやらんとな。 ぽん、と頭に手を置き撫でてやる。そういえばつい先日もこんなシチュエーションがあったな 桐乃「う…うぇぇ……うわああああん」 京介「悪かったよ、お前がそんなふうに思ってたなんて全然気づかなかった」 俺はいつも桐乃を泣かせてばっかりだ、悪いなこんな兄貴で。でもお前のこと親父とおふくろの次くらいには大事にできる自信くらいはあるんだぜ? 桐乃「ぐす…ぐすっ……」 京介「俺は重度のシスコンみたいだからな、いつでも甘えて来いよ。人生相談だってこれから何回でもきいてやるさ」 桐乃「うん……ありがとお兄ちゃん」 おかしい。最近あの子と先輩との仲が良すぎる気がする。 今までも仲悪そうに見えてお互い内心デレデレなのは透けて見えていたけれど…何か今まで以上にデレデレしているように見えるわね。 黒猫「まさか…妹に浮気してるわけじゃないわよね先輩?」 京介「お前はいきなり何を言い出すんだ。確かに桐乃はかわいい妹だが浮気とかはねーよ」 やはりおかしい。以前なら「あんなかわいくねぇ妹と何かあるわけないだろ!」とか言って全力で否定しそうなものを……これは何かあったわね。 黒猫「そう…でもその割には最近やけにイチャイチャしてるようだけど?」 京介「イチャイチャなんてしてねえよ、どこをどう見たらイチャイチャしてるように見えるんだ?」 黒猫「ふん…どうかしらね」 京介「ははーん。さては嫉妬してるな」 黒猫「な!?誰が誰に嫉妬してるというの!妄想も大概になさいな!」 京介「はっはっは、そう照れるなよ。嫉妬してるお前もかわいいぞ」 このドヤ顔……どうやら完全にスイッチが入ってしまっているみたいね。 駄目だわこいつ…早くなんとかしないと…… 黒猫「ところで、今日はどこへ連れて行ってくれるのかしら」 京介「おう、そうだな黒猫はどこへ行きたいんだ?」 黒猫「私は先輩の行きたいところでいいわ」 京介「そっか…じゃあ植物園とかどうだ?」 植物園?なんておじさんくさいチョイスなのかしら…まぁ先輩が行きたいと言うのであればついていくけれど。 黒猫「わかったわ。でももうちょっとましなプランはなかったの?せっかくのデ、デートなのだから///」 京介「う///いや、すまん。」 普段の頼りになる先輩もいいけれど照れて赤くなった先輩もなかなか… しかし、自分まで赤くなっているようでは駄目ね。 黒猫「植物園に行くのはいいけれど植物園で何をするの?」 京介「えっ?そりゃあ植物園なんだから植物を見るんだろ」 黒猫「…それ楽しいのかしら?」 京介「…やっぱりゲーセンにしとくか」 京介「そういえばゲーセンに来るのも久しぶりだな。桐乃との偽装デート以来か」 それを聞いて思い出してしまった。二人で…プリクラを撮ってたわね、しかもカップル専用プリクラで…忌々しい。 黒猫「先輩?あ、あれ…い、いっしょに撮らない?」 京介「あ、あれとるのか?」 黒猫「妹とは撮れて私とは撮れないというの?」 京介「いや…そうじゃないが色々とよくない思い出がだな」 黒猫「兄さん、いっしょに撮りましょう?」 京介「呼び方の問題じゃねえ!それに兄さんはやめてくれせっかく付き合うようになったんだからさ!」 黒猫「ちょっと大声でなんてこと言ってるの!///」 京介「何か問題があるのか?お前は俺のかわいい彼女なんだからさぁ!」 京介「ふははは、俺はこの子と付き合ってるんだぜ羨ましいか!」 黒猫「っ??!!さっさと撮るわよ」 なんて恥ずかしい!なんなの?なんでこんなにスイッチ入りっぱなしなのよ!! う、嬉しくないといえば嘘だけれど、それはもっと雰囲気のあるところで二人っきりでというのが普通でしょうに! 黒猫「で、どうすればいいのかしら」 京介「まずは、ここに金を入れて…次にフレームを選ぶんだ」 黒猫「この中から選べばいいのね。……これにしましょう」 京介「え…?これか?これはちょっと……もっとこっちの黒猫らしいかんじのがいいんじゃないか?」 黒猫「…あの子とはこれで撮ったくせに」 京介「いやあれは桐乃が勝手にだな…」 出てきたプリクラを見てまた先輩の顔が妙に赤いことに気づく。ひょっとして…これは…… 黒猫「先輩、ひょっとして体調がよくないのかしら」 京介「ばれたか。ちょっと風邪気味でな」 黒猫「そんな…ごめんなさい。今日はもう帰りましょうか」 京介「いや、大丈夫だよ。ちょっと熱がある程度だからさ」 黒猫「駄目よ。今日はもう家でおとなしくしてなさいな」 ___________________________ 京介「で、何をしてるんだ黒猫?」 黒猫「見ての通り看病よ」 京介「いや、それはわかるが…」 黒猫「安心なさい。これでも妹の世話でなれているのよ」 京介「いや、でもうつしてしまっても困るしよ」 黒猫「いいから、先輩は寝てなさい」 全くこのお人よしは…こんな時くらい頼りにしてくれてもいいでしょうに…… 京介「悪いな、実はさっきから体が重くて動く気にならんかったんだ。助かるよ」 京介「う?ん?…いかん、寝ちまってた。黒猫?」 黒猫「」スヤスヤ 京介「黒猫も寝ちまってたのか。おい黒猫、そんなところで寝てたら風邪ひくぞ」 黒猫「」スヤスヤ 京介「起こすのもかわいそうか。体も楽になったし、汗もかいちまったしちょっとシャワー浴びてくるか」 京介「黒猫はベッドに移しておけばいいかな」 ___________________________ 黒猫「……?……!」ガバッ なぜ私はベッドで寝ているの?先輩は? 慌ててまわりを見渡すと信じられないものが目に飛び込んできた。 京介「げっ」 黒猫「きゃあああああああああああああ」 京介「違う違うんだ黒猫!落ち着いてくれ!誤解なんだ!!」 な…なにを裸になってるのこのけだものは!私が寝てるのをいいことに襲おうとするなんて!! はっ!心なしかスカートもめくられた形跡があるような…… 黒猫「なにが誤解よ!もはや言い逃れできないでしょう!!ええい寄るな変態っ!!」 京介「違う!話をきいてくれええええええ」 俺は何とか黒猫を落ち着かせ説得することに成功した。でもさっきの叫び声でご近所さんが通報してたらどうしよう…超心配なんですけど。 黒猫「で、シャワーを浴びたら着替えが部屋にしかないことに気づいてここで着替えていたと…そういうことね」 京介「おう。その通りだ」 黒猫「なんでちょっと自信あり気に答えてるのよ痴漢先輩」 京介「すいませんでした黒猫様。そのあだ名だけはやめてください」 黒猫「ふん、まあいいわ。そのかわり一つだけ私のいうことを聞きなさい」 京介「ははぁ、何なりとお申し付けください」 黒猫「じゃあ……その…///」モジモジ 京介「どうした?なんでもいいんだぞ?俺の名誉のためになんでも言ってくれ」 黒猫「……抱っこ……///」 京介「え?」 黒猫「何度も…言わせないでちょうだい」 そう言って黒猫は両手を広げて上目使いで甘えてくる。 やべぇ超かわいい…俺は自分の顔が風邪とは別の理由で赤くなるのを自覚しながらこう言った。 京介「おいで」 黒猫「…」 黒猫は無言で俺のあぐらの上に座り込んだ。そのまま抱きしめてやると、黒猫の体が俺の腕の中にすっぽりと収まった。 なるほどこれは抱っこといえるだろう。 黒猫「ありがとう、先輩」 京介「何がだ?それよりその先輩ってのやめないか?せっかく付き合ってるんだからよ」 黒猫「ええ、そうね…これからもよろしくね…きょ…京介」 京介「おう!これからもよろしくな瑠璃」 お兄さんに彼女ができたと聞いてからお兄さんのことばかり考えてしまう。ちょっと変態だけど基本は優しい人だしできてもおかしくはないけど… あやせ「それにしてもあのお兄さんに彼女が……どんな人なんだろう……」 あやせ「私には結婚してくれとか言っておいてあの人は…!」ギリ あやせ「はっ!い…いけないこれじゃあまるで私が嫉妬してるみたいじゃない」 あやせ「違う違うそんなことない。これはお姉さんがかわいそうになっただけだよね」 桐乃「なんか、今度はあやせが元気なくなってない?」 あやせ「えっ?そんなことないよ。私は元気だよ?」 桐乃「嘘だ?、だって露骨に元気ないじゃん。いいからあたしに話してみなよ。相談するだけでも楽になるって」 あやせ「う…うん。実はね……」 桐乃「え?兄貴の彼女?」 あやせ「うん、どんな人なのかなって」 桐乃「ま…まさか……あやせまで………」 あやせ「そ、そんなんじゃないってば!単に気になっただけだってば!」 桐乃「そっか、そうだよね。あやせとあんな地味男とじゃ釣り合わないもんね」 あやせ「……」 桐乃「え?なんでちょっと怒ってるの?」 あやせ「え?そ、そんなことないよ?それよりどんな人なのか教えてよ」 桐乃「う?ん。そうだなぁ、一言で言うと邪気眼電波女」 あやせ「え?」 桐乃「常にゴスロリのかっこして痛いこと振りまいてる危ない感じのやつかなぁ…」 桐乃「まぁ…それなりに気をつかってくれたりするいい奴なんだけどさ」 あやせ「…うそうそ…お兄さんがそんな悪い人に引っかかってるなんて……」ブツブツ 桐乃「あやせ?」 あやせ「桐乃、ごめん!今日は用事があるから帰るね!」 桐乃「う、うん……わかった。また学校でね」 机の上に置いておいた携帯がなる。 京介「誰だよ。こっちは勉強中だってのに」 京介「あやせ!?お…俺なんかしたっけ…どうしよう俺なんもしてないよな…」 うろたえながらもメールを開く。ちくしょう、なんで女の子からのメールをこんなに怯えながら開かにゃならんのだ。 あやせ『お話があります。いつもの公園でまっています』 京介「お話…」ゴクリ 一体俺が何をしたというのだろうか。最近は桐乃とも仲良くやってるし…だがここで無視しようものなら俺は明日の朝日を拝むことはないかもしれん。行くしかないのか。 京介『わかった。すぐ行くよ』 京介「さて、行くと決まったら急がないとな」 あやせ「こんにちは、お待ちしてましたお兄さん」 京介「おう。で、話ってなんだ」 あやせ「率直にいいますが、彼女さんと別れてください」 京介「え?すまん、聞き違いかもしれないからもう一回いってくれるかなあやせさん」 あやせ「だから、彼女と別れてくださいと言ったんです」 京介「い、一体何を言い出すんだあやせ!そもそもなんでお前がそれを知っている!?」 あやせ「桐乃にききました。お兄さんが邪気眼電波女と付き合っていると!」 京介「桐乃め…なんていう紹介の仕方をするんだ……いや…まぁ、外れてはいないんだけどよ」 あやせ「私はお兄さんにこれ以上変態になってもっらうと困るんです!だからそんな人とは別れてください!!」 京介「お、落ち着けあやせ!お願いだからそんな大声で変態とか叫ばないで!すぐそこに交番もあるんだから!」 あやせ「じゃあ別れてくれますか?」ウルッ グッ…かわいいかわいいが、だからって黒猫と別れるわけにはいかん。そもそも俺がこれ以上変態になったからってあやせは困らないと思うんだが…ならないけどね。まずはその辺問いただしてみるか。 京介「落ち着けって。まずはわけを言えわけを。そもそもなんで俺が変態になると困るんだよ」 あやせ「え?それはだって…桐乃に手を出されたら困るし……」 京介「いや、それならむしろ彼女がいたほうが安心じゃないのか?」 あやせ「う……じゃ、じゃあお姉さんはどうするんですか!」 京介「真奈実か?あいつとはそんなんじゃねえって」 あやせ「……お兄さんってとんでもなく鈍いんですね…どこのそげぶですか…」 京介「そげぶ?」 あやせ「はぁ…いいです。わかりました、正直にいいます。」 あやせ「わ…私はお兄さんにか…構って欲しいんです///」 京介「あやせ!?」 あやせ「私一人っ子でずっと兄が欲しくて…桐乃が楽しそうにお兄さんの話するのをずっと羨ましく思ってたんです! あやせ「お兄さんのことが、す…好きかどうかはまだよくわからないですけど…」 あやせ「でもっ!お兄さんとお話しするのは楽しかったですし、人生相談に乗ってもらうのもうれしかったんです!」 京介「あやせ…お前そんな風に……」 あやせ「……ごめんなさい。いきなり別れてくれなんて迷惑ですよね」 京介「あやせ……お前の気持ちはよくわかった」 なんてこった。あやせがそんな風に思ってたなんて…どうやら俺は自分が思っていた以上に鈍いらしい。 あやせ「きゃっ」 ようやくわかったぜあやせ…ならば俺は義務を果たさねばなるまい!俺は兄貴なのだから!! 俺はあやせを抱き寄せながら力強くこう言い放った。 京介「俺にまかせろ!しっかりお前の兄貴になってやるぜ!」 あやせ「…はい?」 京介「すまない。今までお前のそんな気持ちに気づかなかったなんて…俺は兄貴失格だああああああ!」 あやせ「死ねえ!」ドスッ 京介「ぐぼ!」 あ…あやせ?お…俺が何をしたっていうんだ……かわいい妹を抱きしめてやっただけだろうに。 さすがの桐乃も地獄突きまではしなかったぞ? 桐乃「ちょっと!さっきから聞いてればなんなのよ!!」 京介「ゲホ……きり…の…?」 なんでこんなところに桐乃がいるんだ?いや今はそんなことはどうでもいい。まずい、さっきのを見られてたとすると殺される…… 京介「いや、違うんだ桐乃これはだな……」 最近言い訳ばっかりしてるな俺。なにこの修羅場っぽいかんじ、俺とは一番遠い世界だと思っていたのに。 桐乃「うっさい!前も言ったでしょ!あんたはあたしの兄貴なんだから、いくらあやせでも妹とか兄貴とか言ってんじゃない!!」 あやせ「はい?」 京介「お、落ち着け桐乃!ほんとの妹はおまえだけだ!」 ワァワァギャアギャア あやせ「…はぁ…………」クスリ 桐乃「私の兄貴でしょ!他の妹にデレデレしてんじゃない!」 京介「お前はエロゲのやりすぎだ!あやせとはあくまでも仮の兄妹としてだな!」 あやせ「じゃあ、私のことは遊びだったんですかお兄さん?ひどい!私(抱きしめられたの)初めてだったんですよ?」 京介「あやせ!?こんな時にシャレにならない発言をするんじゃない!」 桐乃「!?あ、あんた一体何したの!」 京介「違う!話をきけえええ!!」 あやせ「ふふっ、今はこれでいいです。でもお兄さんのこと諦めたわけじゃないですからね」 京介「…?あやせ何か言ったか?できれば桐乃の説得を手伝ってほしいんだが…って、いてぇ!!」
https://w.atwiki.jp/airi-kumai/pages/48.html
248 :名無し募集中。。。:2009/09/27(日) 00 33 43.23 0 209 第211回 放課後、部室に集まって新しい仲間の自己紹介となった。 3人ならそこそこ広かった部室だけど、もう13人ともなると狭すぎて座る場所も危うい。 それは嬉しい悲鳴でもあるけど、もし18人になったらここに全員が入るのは不可能かもしれない。 「ねぇ、もも、ちょっといい?」 自己紹介も終わって、それぞれどう勧誘活動をするか話合っているとき、舞美に呼ばれて外へ出た。 「なに?」 「あのさ、えりを誘うかと思って・・・どう?」 「どうって?」 「いやー・・・・なんとなく気まずそうだったから」 「・・・・・まあ、小学生のころのようにはいかないから」 「なにがあったの?」 「まぁ、いろいろ」 「誘っちゃまずいかな?」 「ももがいいよって言っても、えりかちゃんがOKするわけないよ。 絶対に入りたくないって言うんじゃないかな」 「・・・じゃあ、とりあえず誘ってみる。時間もないし」 「うん・・・・・」 じゃあ、って行って舞美はそのままどこかへ行ってしまった。 えりかちゃん、えりかちゃんは・・・・・清水と一緒にももをいじめていた1人。 昔はあんなに仲良かったのになぁ、と思ったのは最初のうちで、 お弁当をゴミ箱へぶちまけられた時に、そういう甘い感情は捨てた。 憎き一人なわけだ。でも、舞美は知らない。話そうとも思わない。 きっと、無駄だろう。 249 :名無し募集中。。。:2009/09/27(日) 00 34 26.67 0 248 第212回 「でね、えり、お願い!えり帰宅部でしょ?」 教室から帰ろうと出てきたえりを捕まえて、一通り説明して、頭を下げた。 えりは黙って聞いてくれていたんだけど・・・・ 「無理だよ、やだ」 「どして?」 「いや、だって・・・」 「ももがいるから?」 「・・・・そう。嗣永のこと、嫌いなんだよね」 「何で呼び捨てにするの?仲良かったじゃん」 えりは心底嫌そうに、嗣永、とそう呼んだ。 ももちゃんって呼んでたのに。何で・・・・何があったんだろうか。 「舞美は知らないんだよ、知らなくていいし」 「教えてよ、もも何も教えてくれないんだ。えり、教えて」 「教えてもいいけど・・・・」 「じゃあ!」 「舞美に嫌われちゃいそうだから、止めとく。」 「えり!」 「ごめん、じゃ、帰るね」 「え、ちょ・・・・・」 結局何もわからず、何の成果もなくえりは帰っていった。 ももの言ったとおりだ。・・・・2人に何があったんだろう? 嗣永なんて呼ぶのは尋常なことじゃないと思うんだけど・・・・。 私は、そのヒミツが知りたくなった。 320 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2009/09/29(火) 00 31 23.96 0 249 第213回 今朝も、駅まで舞美ちゃんと歩く。 りーちゃんはお寝坊さんのようで、置いてきた。 「ってことがあったんだけど、愛理なんか知らない?」 「・・・・知ってる」 「じゃあ!」 「でも、言わない」 「えぇ・・・」 とっても知りたいって顔に書いてある。 でも、言えない。私が言うことじゃない。 「ももが言いたくないって言うなら、言わない。言えないよ。そうでしょ?」 「そりゃそうだけど・・・」 「しょうがないよ」 「・・・ももとえりはすごく仲良かったんだよ、ほんと親友って感じで・・・なのになんでかなぁ」 舞美ちゃんは腕を組んで考え込んでしまう。 その、えり、梅田先輩がどういう人かは詳しく知らない。 でも、きっとももは許せないだろうし部に入ってくれても歓迎できる気がしない。 だから、それでいい。 お互いに嫌だと言うのに無理に引き入れる理由なんてどこにもない。 「・・・私は、引っ越したし二人の間に何があったか全然知らない」 「うん」 「でも、仲直りして欲しい」 「無理だよ、いまさら」 「うぅ・・・・」 舞美ちゃんはそれっきり黙ってしまった。しょうがないこともあるってわかってよ。 321 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2009/09/29(火) 00 32 06.62 0 320 第214回 「・・・・なにあれ」 お昼休み、さすがに狭いってことで中庭で会議がてらにみんなでお昼を食べることになった。 教室にお茶を忘れて取りに戻ってきたら・・・。 みやを囲むように、前田ちゃん、梨沙子、新しく入った吉川ちゃんがいた。 みやは真ん中で楽しそうに、ううん、だらしなく笑ってる。 ・・・・ライバルが多いなぁ。多すぎる。 って会議になっていない・・・ただお昼休み集まりました的な。 「あぁ、もう・・・」 「ももち?どしたの」 「へ?あぁ、いや・・・食べるか」 「もも、こっちおいでよ」 愛理とくまいちょーが誘ってくれる。でも、みやが・・・・。 それにこの2人といると胸焼けしそうだ。 「愛理、これ食べたい」 「じゃあ、先輩こっちのウインナー下さい」 「ん、いいよ、はいあーん」 「モグモグ・・・んー!美味しい。」 ・・・・やっぱりか。ももはそっと2人から離れてみやの近くへ行った。 もも、おいでよってそう一言言って欲しかった。でも、みやは話に夢中で気付いてもくれない。 ちょっとだけ、泣きたくなった。 322 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2009/09/29(火) 00 32 48.26 0 321 第215回 お昼、文芸部には断りを入れてえりを昼食に誘った。 昨日のこともあるから断られるかと思ったけど、OKしてくれた。 そして、屋上で2人、お弁当をつついていた。 「舞美、聞かないんだね」 「なにを?」 「とぼけちゃって。聞きたいって顔してるよ」 「え、うそ?ほんと?」 慌てて顔を抑える。・・・・ってこれじゃ図星だ。恥ずかしい。 えりはずっとクールっていうか、すましているから感情は読めない。 「舞美さ、私先に言っておくことがある」 「え?」 「話してもいいよ、でもその前に言いたいことがあるの」 「う、うん・・・なに?」 えりは卵焼きを半分にお箸で割きながら小さな声でそう言った。 「・・・・私さ、舞美が好きだった。小さい頃から好きだった。」 「え?」 「でも、舞美はつぐな、ももが好きだった。」 「え、そうだっけ・・・?」 「だからかなぁ、悔しかったのかな。・・・いやいまさら正当化しても意味ないけど」 「えり?」 「・・・・私さ、舞美に再会して思ったんだよ。あぁ、今でも、好きだって」 えりは表情を一切崩さなかった。だから、それが告白だって気付くまでに、時間が随分かかった。 「好きで好きでしょうがないんだよね。こういう気持ちになったの、高3にしてやっとだよ。 ・・・きっと舞美は私のこと嫌いになる。でも、私の気持ちだけは覚えておいてよ。」 えりはそう言って、話し始めた。 395 :名無し募集中。。。:2009/10/01(木) 01 10 37.33 0 322 第216回 「高校に入ってすぐだったかな、私ともも同じクラスになったんだ。 中学の頃はあんまりもう話もしなくなってて・・・・。 で、ももは知らない人ばっかのクラスで私のこと見つけて話しかけてきたんだ。 だけど、なんかそん時のももってもっさいっていうかダサいっていうか・・・地味なやつで。 友達だなんて、周りの友達にそう思われたくなかった。かっこつけたくてさ。」 「・・・へぇ。」 「今はなんか垢抜けた感じだよね。でも、あのときはそうじゃなかった。 私は、結構派手なグループにいたからさ、もものダサい感じとか ちょっと辛気臭いとことか運動できないとことかなんか全部ウザく見えて。」 「ちょっと待った、えり・・・・もものこと?」 「そう、いじめてた。半端ないじめじゃなかったよ。違うクラスだったけど 佐紀、生徒会長も加わって、相当激しいことやった。 佐紀は表じゃいい顔してるけど、裏はものすごく黒い子だし。 ま、それはあの子らしさだからいいんだけど・・・・」 えりは淡々と喋ってる。怖い、そんな気もする。 ももは・・・いじめられてた?えりに?あんなに仲良かったのに? ももの当時の気持ちを考えたら、胸が張り裂けそうになる。 そりゃ・・・言いたくないよね。ごめん、と心の中で謝った。 「プラス、さっき言ったように私は昔から舞美が好きだった。 ももを思い出すと、舞美のことまで思い出しちゃって腹たって 余計にひどいこといっぱいした。きっと、ももはめっちゃ怒ってるんだと思う。」 えりはお弁当を置いて、腕組をしたまま空を見上げた。 後悔してるのかな、それとも、いい気味だったと思っているのかな。 えりはそんな人じゃないって信じたいけど、でも、話を聞いたからには難しい。 396 :名無し募集中。。。:2009/10/01(木) 01 11 25.23 0 395 第217回 「そんなももが、私を歓迎するとでも思う?ありえないでしょ」 「えりが・・・」 「え?」 「えりがちゃんと謝れば・・・仲直りしようよ」 「今更謝っても許すわけないじゃん。私なら一生恨む。きっとももだって同じだよ」 えりはんーっと背伸びをして屋上のコンクリートの上に寝そべった。 夏の日差しが暑くてたまらないのに、汗いっぱいかいちゃうのに。 なのに、屋上って場所に来てしまうのは何でなのかなぁ。 「待った、えりは謝る気があるの?ないの?どっち?」 「・・・・・わかんない。悪いことしたなぁって思うけど、別に反省してるわけじゃないんだよね。 後悔も特にしてない。流れっていうか、空気っていうか。そういうのあるじゃん。 それはしょうがないって思うんだよね。それは違う、って言われたら特別反論もできないけど。 ももは私なんて嫌いだろうし、いまさら無理して近づく必要性も感じない。」 えりはキッパリと言い切った。その言い切りっぷりに、 偽善的ないじめなんて・・・と言う言葉は出てこない。ほんとは言いたいけど、でも、 えりの言う「空気」は私も感じたことがある。 いじめられる方からしたら、到底理解できないかもしれないけど、 到底許せるはずのないものかもしれないけど、でも、そういう「空気」ってやつは確実に存在してる。 「で、舞美は私にどうして欲しい?」 「・・・・文芸部に入って欲しい」 「まだ言うか。それに、文芸部に入ったら私が佐紀に怒られる。文芸部嫌いみたいだし」 えりはそう言ったきり、何も言わなかった。 チャイムが鳴るまで、お弁当の残りを食べて、その後は寝そべってずっと目を閉じていた。 私は言うべき言葉が何かあるはずなのに、それなのに何も言えない自分の無力さを感じていた。 397 :名無し募集中。。。:2009/10/01(木) 01 12 05.65 0 396 第218回 「ところで・・・・」 「なに」 「なんかみやのハーレムみたいだったね、お昼休み」 「え?」 「3人も侍らせちゃってさ。」 「はぁ?そんなんじゃないし」 「あっそ」 夕方過ぎの、みやのバイト先。お客は生憎、もも一人だ。 カウンターの席に座って、カウンターの向こう側でコップを磨いているみやと話す。 ちょっとしたレトロっぽい喫茶店で、ももはこの雰囲気が好き。 「あの3人、みんなみやのこと好きだよ。きっと」 「ありえないっつーの。みやなんか好きになる物好きいないから」 「いや、ここにいるから」 「まぁ・・・・それは例外中の例外」 こうやっ軽い感じで喋れるのは楽しいけど、自分の気持ちが あまりにも軽視されているんじゃないかと不安になってくる。 「ももが言ったんじゃなかったっけ。好きにさせてみせるとかなんとか」 「なんだ、覚えてたんだ」 「あのねぇ・・・・そこまでバカじゃないですよーだ」 「そりゃキスまでしたんだもん、覚えてるよねー♪」 「そ、それは・・・!も、ももが勝手にしたんでしょうが!」 みやが顔を赤くして反論してくる。わかりやすい、恥ずかしがり屋さんだ。可愛いな。 まぁ、今日はこの辺で許してあげよう。 ・・・・さて、どうやったらみやはももを好きになってくれるだろう? 499 :名無し募集中。。。:2009/10/04(日) 00 54 49.85 0 397 第219回 ホントにビックリした。ビックリしすぎて、はじめは何のことかよくわからなかったくらい。 「い、いいの?」 「はい」 「お願いしまーす」 「ってことだから・・・・入部してもらっていいよね?」 「そりゃ歓迎するけど・・・でも、生徒会長」 「いいんです、もう」 「気にしないですから」 「そ、そっか・・・じゃあよろしく」 ももが、入部希望者であり、生徒会役員の徳永先輩中島先輩と握手をした。 どうしてこうなったんだろう? 連れてきた友理奈先輩は満足そうに嬉しそうにしている。 助かるけど・・・でも、徳永先輩なんて生徒会長の右腕とか聞いたことあるのになぁ。 いいのかな、ホントに。 部員のみんなはちょっと複雑な顔をしていて、すぐに歓迎ムードにはならない。 みんな、生徒会がやってきたことを知ってるからだ。 でも、徳永先輩は明るいっていうか天性の人懐っこさで、すぐにみんなと仲良くなった。 本なんて好きじゃないけど、でも、読むきっかけにしたいって言ってくれた。 中島先輩は元々本が大好きで、みんなと読み比べがしたい、なんて言ってた。 申し分ない、新入部員である。ももやみやも嬉しそう。 これで部員は15人、目標まであと3人だ。ゴールがちょっとずつ見えてきた。 私たちは気合を入れなおして、部室存続のために気合を入れなおすのだった。 500 :名無し募集中。。。:2009/10/04(日) 00 55 30.59 0 499 第220回 そんな日の放課後、私は徳永先輩と中島先輩に呼び出された。 なんだろう?と思いながら指定された中庭へ向かった。 「ごめん、来てもらって」 「いえ・・・なんですか?」 私がそう聞くと、中島先輩がちょっと言いにくそうに話し始めた。 「あのさ、私たちが入部したのは、・・・ね、あなたの協力がしたかったからなの」 「へ?」 「私たち、友理奈ちゃんのこと好きなの」 「え、・・・えぇぇ!?」 以前呼び出された経緯を聞かされ、私と話して勝ち目がなかったと感じたことまで話してくれた。 私は驚いて、何度も本当ですか?と聞き返していた。 「それでね、えっと、なんか完敗っぷりが逆に清々しいねって話になって・・・」 「じゃあちょっと入部してみるか、なんて思って」 2人とも失恋?したはずなにやけに笑顔が多い。そりゃもう、清々しいほどに。 「ってなわけで、愛理ちゃん、熊井ちゃんのこと頼むからね。あ、でも諦めてないからねー」 「同じく」 なんて言って、先輩たちは大きな声で笑った。 完敗っぷりが清々しいってちょっとよくわかんないけど、でも、楽しそうだからいいや。 でもでも、先輩は渡さないんだから! って生徒会長さんはほんとに大丈夫なのかな・・・・心配。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5065.html
目次 「…ちーっす」 「………」 「…お前だけか?」 「…何か文句でもあるの?」 「いや、そういうわけじゃないが…他の三人は?」 「有希も古泉くんもみくるちゃんもクラスの用事で遅れるんだって」 「そうか」 「………」 「………」 「…お茶飲むか?」 「んー…じゃあ頂戴」 「了解」 「………」 「………」 「…ねぇ」 「んー?」 「暇なんだけど」 「…知るか。たまにはこんな日があってもいいだろ」 「…それもそうかしら」 「…っと、ほら、お茶入ったぞ」 「ありがと…」 「…どうした?」 「…みくるちゃんが入れた方が方が美味しいわね」 「何を今更」 「でもこれはこれでいいかも」 「…なんじゃそりゃ」「………」 「………」 「…暇ねー」 「少しくらいじっとしてらんないのかお前は」 「そうは言ったってすることなさすぎよ!」 「…俺は十分なんだがな」 「そうだ!しりとりしましょ!」 「あぁ、それくらいなら別に良いぞ」 「でもただしりとりするだけじゃつまらないわね…」 「………」 「うん!負けた方は罰ゲームね!」 「…言うと思った」 「負けた方が勝った方の言うことを聞くのよ!」 「…やれやれ」 「じゃあしりとりの『り』からね」 「…リンゴ」 「ごま」 「…──」 「──」 「…イルカ」 「カラス」 「…──」 「──」 「…スイカ」 「『か』…『か』…かまぼこ!」 「…──」 「──」 「…いか」 「また『か』!?何回目よ!」 「二桁いったんじゃねぇか?詰まったら罰ゲームなんだろ?」 「うっさいわね!ちょっと待ってなさい…『か』…」 「………」 「カルサイト!」 「『と』か…扉」 「『ら』…」 「ラクダならもう言ったぞ?」 「わかってるわよ!」 「…と言うかちょっと待て」 「え?」 「さっきのやつはいったい何なんだ…あー…カルなんとかってやつ」 「カルサイト?」 「それだ。全くわからないんだが」 「そんなことも知らないの!?」 「その…何だ。すまん」 「はぁ…カルサイトってのはねぇ、石灰岩の主成分鉱物のことなの」 「………」 「石灰石とか知ってるでしょ?」 「あぁ、一応」 「カルサイトを鉱石として扱う場合はそう呼ばれることもあるわ」 「………」 「わかった?」 「…多分」 「で、なんだったっけ…そうだ、『ら』…」 「いや、それはわかったんだが」 「何よ?」 「しりとりって普通は万人が知る単語でやるものじゃないのか?」 「あ…でも少なくともSOS団のメンバーならこのくらい答えられると思うわよ?」 「…確かに…」 「じゃあ落花生の『い』からね」 「…椅子」 「──」 「…──」 「ポルカ」 「…なんじゃそりゃ」 「チェコの民族舞曲よ」 「…『か』…『か』…勝俣」 「人名はNGよ」 「………」 「もう終わりかしら?」 「…駄目だ。見つからん」 「やった!じゃあキョンが罰ゲームね!」 「…やっぱりカルサイトは反則だと思うんだが…」 「まだ言う気?」 「だって知らない単語言われて他の人は知ってるからってのはないだろ」 「だったら何よ」 「二人とも負けってことで罰ゲーム免除に…」 「駄目に決まってるでしょ!」 「…やれやれ」 「じゃあさ!二人とも罰ゲームってのはどうかしら?」 「…なんだそりゃ」 「だから…耳貸しなさい…ゴニョゴニョ…どう?」 「確かにそれは嫌だが…ハルヒはそれでいいのか?」 「…キョンが相手なら別に」 「………」 「…恥ずかしいから目瞑りなさい」 「あぁ…」 「…ん…」 「………」 「YAYAYA屋根裏に忍び込んでたかいがあったぜ!まさかキスシーンを拝めるなんてな!」 「…屋根裏…誰かに先回りされてますねぇ…」 「…パーソナルネーム『谷口』を敵性と判断…何?」 「まぁ、ここは僕に任せて下さい」 「ん?SOS団メンバーがこんな所に何のようだ?」 「まぁ、そういわずにズボンを脱いで下さい」 「おい!パンツまで脱がすな!ってなんでお前も脱いでるんだ!」 「ちっちゃいですぅ…」 「…貧相」 「やめて!見ないで!俺を蔑まないで!」 「ふんもっふ!ふんもっふ!」 「だから俺をオチに使うなアッーーーーーー!!!!!」 おわり
https://w.atwiki.jp/dericashi/pages/100.html
あ、そうそう カヤバは ○○だったよーかってにメアド書かれて、むかついた。。。 発言元のスレはいなくなった奴とかをメッセで呼んでみるスレ。 スレの主旨はいなくなった固定をメッセで呼び出そうというものであったが、 そこに 10 名前:ほじって丸めて名無しさん [2003/04/30(水) 22 27ID uz63eoI.] あ、そうそう カヤバは、 (カヤバのメールアドレス) だったよー という書き込みが名無しさんからなされた。 カヤバはこの時現役の固定であり、このスレの主旨にそぐわないレスであったため 「聞いてない」と返答され、この名無しさんは 13 名前:ほじって丸めて名無しさん [2003/04/30(水) 22 29 ID uz63eoI.] あー ごめんごめん いま、このスレにいない人だと、勘違いしちまったー と返答。更にこの後カヤバが登場し、 15 名前:カヤバ ◆0Hq6/z.w [2003/04/30(水) 22 34 ID uz63eoI.] かってにメアド書かれて、むかついた。。。 14 いたずらしなければ、オッケーですよー( ´ー`)ノ と書き込んだ人物を窘めるレスをした。 ここまでは特に変わった流れではないが、 まともだった頃のとっかむが一言。 17 名前:と [2003/04/30(水) 22 38 ID IQPxYSBo] かってにメアドかかれてむかついたって同じ人じゃん そう、カヤバのアドレスを晒した名無しと、 その名無しに対してメアド書くなと怒ったカヤバのIDはどちらもuz63eoI.。 つまり同一人物による自作自演だったのである。 その後カヤバは 19 名前:カヤバ ◆0Hq6/z.w [2003/04/30(水) 22 39 ID uz63eoI.] 17 さっすが、トレンチ★ とごまかそうとするも、その後スレは「 10-19」というレスで埋め尽くされた。 名無し潜伏と自作自演の両方を失敗するという、カヤバ痛恨のミスであった。 その後は開き直ったのか、 カヤバは名前を出したまま黒い発言をする機会が増え、 その状態を「黒カヤバ」と呼び、好むルンゲ住人もいる。 また、今でも古いルンゲ住人が自分のメールアドレスを板上で晒す時には 「あ、そうそう △△は ○○だったよー」という 潜伏失敗した時のカヤバの書き込みを真似た書き込み方をする時がある。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10289.html
律「うぃーっす」ガチャ 紬「あら、りっちゃん。もう先生はいいの?」 律「おう。ちょっと進路の話しただけ」バタンッ 紬「そう、今お茶いれるね」 律「さんきゅ。みんなは?」 紬「梓ちゃんは用事があるって言って帰っちゃった」 律「そうなのか。唯と澪はまだ追試中か」 紬「えぇ。澪ちゃん、大丈夫かしら」 律「可哀想だよな。風邪で休んだだけなのに唯と一緒に追試組だもんなー」 紬「あ、そういうことじゃなくて」 律「え?」 紬「ほら、追試やってるあの教室って寒いじゃない。澪ちゃん病み上がりだから・・・」 律「あ、あぁ。そういうことか」 紬「ぶり返さないといいわね」 律「あぁ、そうだな。まぁ、もしまた具合悪くなったら私がネギ買ってきてやるかな」 紬「ネギ?」 律「あぁ。ネギ。首に巻く用に」 紬「・・・」 律「え?おーい?」 紬「どうしてそんなことするの!」プンプン 律「え」 紬「澪ちゃんが可哀想でしょ!」 律「えっと、あ、はい。なんかごめんなさい」 紬「全く、どうしてそんな意地悪するのかしら」プンスカ 律「えっと・・・」 紬「?」 律「ムギは知らないのか?」 紬「何が?」 律「ネギを首に巻くといいって言うじゃん。風邪の時にさ」 紬「そ、そうなの?」 律「あ、あぁ。効果があるのかはわからないけど」 紬「ごめんなさい、そうとも知らず」 律「いいのいいの。気にすんなって」 紬「でも・・・」 律「ムギは風邪ひいたときはどうしてるんだ?」 紬「私、風邪はひかない体質なの」 律「何そのすんばらしい体質」 紬「えへへ、褒められちゃった・・・」 律「なんか可愛いからいいや」ナデナデ 紬「駄目ね、私ってば世間知らずで」 律「気にすんなってば」 紬「他には何か面白い話ない?」 律「え、えぇ?」 紬「なんでもいいの!」 律「えっと・・・そうだ!とっておきがある!」 紬「なになに!?」 律「となりのクラスのA子ちゃんとB美さん付き合ってるらしいぞ」 紬「・・・」ハァ 律「えっ」 紬「りっちゃん、そんな2週間も前の話・・・」 律「詳しいな!?」 紬「えぇ」キリッ 律「なんか可愛いからいいや」ナデナデ 紬「他には?」 律「えっと・・・あ、そうそう。澪がそのB美さんに告白されたんだよ」 紬「!!?!?!?」 律「うお、すごい食いつくな」 紬「それで!?それで!?」 律「ごめん、今の嘘」 紬「・・・!!・・・!!」 律「本当にごめんなさい」 紬「りっちゃんひどい」 律「あ、じゃあさ」 紬「?」 律「アンパンマンって産みの親はジャムおじさんじゃん?」 紬「えぇ、そうね。アンパンマンなら私もわかるわ」 律「名づけ親って誰だか知ってるか?」 紬「え?ジャムおじさんじゃないの?」 律「ううん」 紬「バタコさん?」 律「いんや、アンパンマンは自分でアンパンマンって名乗ったんだ」 紬「えっ」 律「どう?今の話」 紬「いまいち」 律「だよな」 紬「はい、りっちゃん」コトッ 律「おっ、さんきゅー」 紬「今日はショートケーキよ」 律「おぉ!今日は澪達も遅いし、二人で食べようぜ!」 紬「ダメよ・・・太っちゃう・・・」 律「うーん、そう言われると・・・」 紬「澪ちゃん達の分はとって置きましょう?梓ちゃんの分はりっちゃんが食べて?」 律「おぉ!いいの?」 紬「うん。召し上がれ」 律「へへ、やったぜ!・・・あ、そうだ」 紬「え?」 律「確か、イチゴってこの赤い部分じゃなくてつぶつぶの部分が果実なんだよな」 紬「そうなの!?」 律「おっ、今のはなかなか反応よかったな?」アハハ 紬「知らなかったわ・・・このつぶつぶが・・・!」 律「はっはっはー、物知りっちゃんだぞー」 紬「今のは『物知り』と『りっちゃん』をくっつけて、『り』を一個省いたのね!」 律「あの、いちいち解説しないでくれ、なんか恥ずかしくなってきた」 紬「いいじゃなっきゃっ!?」ツルッ ボトッ 律紬「あ」 紬「イチゴ・・・落としちゃった・・・」 律「三秒ルール!!」ヒョイッ 紬「え!?」 律「ムギ、あーん!」 紬「え、でも今落ちt」 律「いいから、あーん!」コロンッ 紬「食べちゃった・・・」モグモグ 律「どうだ!美味いか!」 紬「え、えぇ・・・でも・・・落としちゃったものを食べるなんて、お父様に怒られちゃう・・・」 律「ムギは知らないのか?」 紬「え?」 律「三秒ルールだから今のはセーフだ」 紬「三秒ルール?」 律「あぁ。落としたものも三秒以内に食べたらセーフなんだ」 紬「そうなの?」 律「あぁ。これが世間の常識だぜ」キリッ 紬「し、知らなかったわ・・・!」 律「三秒以内だったらバイキンもつかない!食べても安心!」 紬「世界は私の知らない法則で充ち溢れているのね・・・!」 律「はっはっはっその通りだ、琴吹くん。だから君がお父さんに怒られることなんてないのだ!」 紬「よかったぁ、お父様怒ったら怖いからドキドキしちゃった」ホッ 律「ホントいちいち可愛いな」ナデナデ 紬「りっちゃん、今日頭なでなでしすぎよ」ムー 律「あれ?嫌だったか?」 紬「イヤじゃないけど、撫でた分叩いて欲しいわ」 律「何その過激なプラスマイナスゼロ」 紬「だって・・・」 律「ムギのこと叩いたり出来るわけ無いだろ?」 紬「りっちゃんの意地悪」 律「意地悪くないし」 紬「むー、いいもん。私ケーキ食べる」 律「おう。それじゃ、私も食べるかn」 ヒョイッパクッ 律「」 紬「・・・」モグモグ,キラキラ 律「おい、私のイチゴ」 紬「・・・」モグモグ,キラキラ 律「あーもう!可愛いな!」ナデナデ 紬「どうして!?悪いことしたんだから叱って!」 律「もー、駄目だぞー?」 紬「りっちゃん、それじゃ子供をしつけることになったときに大変よ」 律「誰がしつけの出来ない親か」 紬「叩いてもらえると思ったのに」チェー 律「なんていうか、その、ムギは可愛いから叩きにくい」 紬「・・・」ムニュー 律「自分のほっぺた押しつぶしてどうしたんだ」 紬「これなら可愛くないでしょ?」エッヘン 律「やばい、可愛い」ナデナデ 紬「どうして・・・!!」 律「とにかく、私がムギを叩くことなんて考えにくいよ」 紬「・・・」ショボーン・・・ 律「そんな悲しげにケーキ食う人初めてみたよ」 紬「りっちゃんが悪いんだもっきゃっ!?」ベチャッ 律「あ」 紬「はっ、そうだわ!こういうときは、三秒ルールぅ!」スッ 律「こらぁぁぁ!!」スパーン!! 紬「やめて!離してりっちゃん!三秒経っちゃう!ギリギリセーフなのに!」 律「ムギ!よく見ろ!あれは確実にアウトだ!」 紬「そんな・・・三秒ルール・・・信じてたのに・・・!」 律「さすがに床に落ちたクリームはまずいだろ・・・」 紬「法則がよくわからないわ・・・」 律「ビジュアル的に適当に判断してくれ、そこは」 ガチャ 澪「よっ」 律「お、澪じゃん。唯は?」 唯「いるよ!?無視!?」 紬「だって澪ちゃんに隠れてるんだもの」 唯「えへへー、かくれんぼしちゃったね」 澪「高さはまだいいさ。でも、横幅に関しては・・・」ブツブツ 律「澪、誰も澪のことデブって言ってないから」 澪「デブって言うなぁ!」 律「だから言ってないだろ!?」 唯「ムギちゃーん、今日のお菓子なにー?」 紬「今日はショートケーキよー」 澪「うわ、美味しそう・・・!」 律「また太るかもな」 澪「うるさいっ」 紬「はい、どうぞ」 唯「ありがと!ムギちゃん!」 紬「これ、甘さ控え目だからね」スッ 澪「そんな気を使わせてごめんなさい」ズーン 紬「それじゃ、私はこれを・・・」 唯澪律「えっ」 唯「何そのグチャグチャのケーキ」 紬「これが私のケーキなの」 律「だからそれは駄目だって言っただろ!?」 紬「でも勿体無いわ・・・」シュン 澪「そうだけど・・・」 律「あ、ほら。梓の分余ってるだろ?それムギ食べろよ。な?」 紬「じゃあこれは・・・?」 唯「え、えっと、後でみんなで考えよう?」 紬「わかったわ」シュン 唯「トンちゃんもケーキは食べないもんねぇ・・・」 紬「あ、そういえば」 律「なんだ?」 紬「さっきは・・・叩いてくれて、ありがとう・・・!」 唯澪「えっ」 律「おいムギやめろ」 紬「すごく、気持よかった・・・」 律「おいコラ」 澪「何してたんだよお前ら・・・」 唯「りっちゃん・・・」 律「やましいことはなぁんにもしてないぞ」 紬「やらしいこともね」 律「上手いこと言ったつもりか」 澪「そういえば、梓は?」 律「梓は用事で帰ったんだってさ」 唯「あ、そういえば昨日憂がそんなこと言ってたかも」 紬「これ食べたら練習しよっか」 律「おう、そうだな」モグモグ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 次の日 梓のクラス 純「おはよー。・・・梓、いじめられてるの?」 梓「おはよー。・・・え?」 憂「なんか・・・グチャグチャになったケーキが・・・あと、ケーキの隣にこの紙が・・・」 『勿体ないからあずにゃんにあげるね!』 梓「なんでやねん」 おわり 戻る
https://w.atwiki.jp/airi-kumai/pages/44.html
711 :名無し募集中。。。:2009/09/04(金) 01 19 21.32 0 669 第171回 そのことに気付いたのは、朝の勧誘を始めて10分ほど経ったころだった。 気付いたときには後のまつり。もう、遅かった。 ◆ 走って生徒会室へ向かう。ダッシュってそういうレベルじゃないくらい速く。 生徒会室の前に着いて、はぁ、と息をついてガラガラとドアを開けた。 中には、生徒会役員9名がうちのことをジロっと見た。 怖い・・・なんだこの空気は。まずいまずよ・・・これは。 誰も何も言わない、静かな、不気味な空間。 「すいません!あの・・・えっと・・・忘れてて・・・ごめんなさい!」 ドアを閉めて、思いっきり頭を下げた。みんなの顔を見たくないのと言うのが 本音だけどそうもいかず、顔を上げて顔を見ると、はやり 会長の目線が一番怖く、凍てついていた。 「忘れてたってそりゃないよ熊井ちゃん」 会長がすごく怒りながら、でも、ひどく冷静にそう言った。 怒鳴られるより、よっぽど怖い。 「ごめんなさい・・・・」 うちは背中を丸めてごめんなさいとしか言えない。 非はうちにあるんだ・・・。 「やっぱだめだねぇ、掛け持ちって」 「・・・・・・・・」 「どっちかにしなよ、無理だって」 会長の容赦ない言葉が心にグサグサと刺さっていく。 712 :名無し募集中。。。:2009/09/04(金) 01 20 01.65 0 711 第172回 「・・・・いや、あの、どっちも頑張ります」 と言う言葉にも力がなく、自信もなくなっていく。 「できてないよね、この間の会合だって、途中寝てたもんね」 「あ、あの、それは・・・」 ・・・確かに、寝てた。朝が早くて・・・寝不足で。 あれ、やっぱり無理なのかな・・・・う、ううん!できる、できるはず・・・。 「あんなつまんない部なんてどうでもいいじゃん。どうせ無理なのに頑張っちゃって」 「そ、そんなことないです!みんな一生懸命に・・・!」 みんなことをバカにされて私は咄嗟に言い返した。 「私ああいうの嫌いなんだよねぇ、ばっかみたい」 「・・・・・・」 でも、会長は吐き捨てるようにそう言って頬杖をついた。 「熊井ちゃん忘れないでよ、あなたは全校生徒に信任されたからここにいるの。 あんなどうでもいい部とどっちが大切か、頭のいい熊井ちゃんならわかると思うけど」 諭すように、でも、ホントはどうでもいい、そんなニュアンスのこもった言葉。 「・・・・ど、どっちも大切です!」 って反論したけれど、次の瞬間、うちは再び固まった。 「まぁ、いいや。資料出して、時間ない」 「・・・・あ」 「熊井ちゃん、今日の会合はあれがないと話にならないんだ。早く」 今まで黙っていた、会計担当、中島が口を開いた。 「・・・・ご、ごめん・・・なさい」 「えぇ?ちょっと熊井ちゃん冗談きっついよ、それ」 次に口を開いたのは、庶務兼クラスメイトの千奈美だった。 「・・・すいません、完全に忘れてました・・・・」 713 :名無し募集中。。。:2009/09/04(金) 01 20 59.63 0 712 第173話 全く覚えていなかった。でも、今は「4日後の朝、必ず持ってきます」と みんなに約束したことを思い出していた。 最悪だ・・・もう、だめだ・・・。 みんなの視線が痛い。もう、辛すぎてなにかいい訳をする気にもならない。 「・・・・熊井ちゃん、さっきも言ったけど熊井ちゃんは選ばれてここにいるの。 やりたくても選挙で落ちた子がたくさんいるの。だから熊井ちゃんには責任があるの。 それも、副会長っていう私の次に責任がある役職なの。 ・・・ねぇ、それちゃんと理解してんの!!!??」 冷静な、冷たい声がうちを責める。そして、会長は最後に部屋中に、 いや廊下に響き渡るであろう大声で私を叱責した。 「すいません・・・・・すいません・・・・」 もう謝るしかなくて、散々文芸部ことをなじられたけど全く言い返せなかった。 言い返す資格なんてない。 実際、私は両立できていなくてみんなに多大な迷惑をかけた。 それはつまり、学校全体に迷惑をかけたことにも繋がるんだ。 それが・・・生徒会役員、副会長って役職なんだ。 その責任の重さを痛感してまた、自己嫌悪に陥る。 714 :名無し募集中。。。:2009/09/04(金) 01 23 38.40 0 713 第174話 結局、お昼休み再び集まることになって資料はそれまで作って来いっていうことになった。 時間は全然ない。でも、やらなきゃ・・・文芸部のことは頭からすっかり消えていて 資料の中身を考えることで頭はパニックになりそうだった。 「・・・熊井ちゃん、あの子、愛理ちゃんと付き合うようになってからおかしいよね。 あの子のせいじゃん、文芸部なんかに入ったのってさ。あんなのやめときな。 向かないよ熊井ちゃんには。無理無理。」 お開きになって部屋から出ようとしたとき、入り口付近にいた千奈美がそう言った。 言うことも、喋り方も会長に似てきた千奈美。 きっと普段のうちなら顔真っ赤にして怒ったかもしれない。 でも今はそんなこと言えるわけもなくてそんな元気もなくて・・・・曖昧に笑ってごまかした。 「茉麻まで巻き込んじゃってさ。熊井ちゃんの居場所はここなんだよ。 あんな小汚い部室どうでもいいでしょ?」 「・・・・・そんなこと、ないよ」 「まぁ・・・資料お願いね。なきゃ話が進まないんだから」 「うん・・・ごめん、千奈美」 小さくそう言って、生徒会室を出た。 教室へ行く途中、愛理に会ったけど話している気分ではなくて それよりもしなきゃいけないことがあって、挨拶もそこそこにその場から離れた。 ・・・今日は、最悪のスタートだった。 64 :名無し募集中。。。:2009/09/08(火) 00 28 05.36 0 前スレ 714 第175話 「ったくもう・・・」 「どしたの、機嫌悪いね」 「え?あぁ・・・うん、ちょっとね」 ほんと、気分悪い。文芸部のせいで最近はイライラしっぱなしだ。 なんであんな1年のクソガキに言い負かされちゃったんだろ。 あのとき、だめなものはだめって言い切ればよかったなぁ。 授業が始まるまで、クラスメイトで友達のえりかに愚痴をこぼしていた。 「ねぇ、佐紀・・・文芸部でしょ?ていうかあの、オンナ」 「え?あぁ、嗣永?あんなのどうでもいいよ。あんな弱虫に興味ないし。」 「じゃあ、生徒人気の高い副会長様?2年のくせに偉そうだよね」 「・・・そのくせ、文芸部に入って生徒会を疎かにしてんだよね。 今日もさ、来いって言った時間には来ないし作れって言っておいた資料も忘れてんの。 ありえなくない?そりゃ不機嫌になるよ。それに、あの熊井の恋人だよ。」 「え?恋人いんの?」 「そうだよ、そいつが元凶だよ。熊井ちゃん変わっちゃった」 「どうすんの?」 「どうしようかねぇ・・・・・」 腕を組んで考え込む。どうしようにも、文芸部は腹立たしいことに着実に部員を増やしてる。 生徒会長としては部活動が盛んになることを喜ぶべきだし、 勧誘に励む文芸部員を褒めてあげなきゃいけないのかもしれない。 けど、そんなに私は優しくない。 喜ぶわけはない。褒めるわけはない。 この一件で、同好会の部への昇格及び部室の明け渡しは遅れている。 65 :名無し募集中。。。:2009/09/08(火) 00 28 45.86 0 64 第176話 それに、単純にむかつく。 あの嗣永が元気なのがむかつく。 あいつはいつも泣いてればいいのに。 泣き顔の方がよっぽどお似合いだ。 「とにかく、熊井ちゃんにはどっちかにしてもらわなきゃだめだね。」 「生徒会か文芸部か?」 「そう、こんなのが続いたら迷惑もいいとこだよ」 チャイムが鳴って、先生が入ってきたところで会話は中断された。 ま、とりあえず勉強に頭を切り替えよう。 成績が落ちたら誰に何言われるかわかったもんじゃないんだから・・・・。 ◆ 1時間目が終わった後、茉麻が私のクラスを訪ねてきた。 茉麻は去年クラスが同じで仲良くなった。最近はあんまり会ってなかったけど。 なんの話かと思えば、今朝の熊井ちゃんの話だった。 「ちぃ、熊井ちゃんいじめるのやめてよね」 どうやら熊井ちゃんは茉麻に、散々愚痴をこぼしたらしい。 まぁ、わからなくはないけど責任は果たさないと。 「いじめてないもん、叱っただけ。それに一番怒ってたの会長だし」 「めっちゃへこんでるよ。でも、手だけはテキパキ動かしてなんか書いてたけど」 「しょうがないじゃん、言われたことできてないんだから」 「そりゃそうかもしれないけどさ、千奈美あんたは言葉きついんだって」 そんなきついこと言ったかな・・・・って自覚ないのがいけないのかなぁ。 66 :名無し募集中。。。:2009/09/08(火) 00 30 03.59 0 65 第177話 「熊井ちゃんを思っての言葉なの。それに茉麻だってよく思ってないんでしょ、あの子のこと」 「愛理ちゃんのこと?」 「そう。」 「いや・・・いい子だよ。素直だし、可愛いし、よく働くし。」 言葉じゃ褒めてるけど、どう聞いても本心じゃないのはバレバレ。 「本音に聞こえませーん」 「うるさいなぁ。・・・ま、ライバルだけどね。って千奈美もじゃん」 「どうかなぁ」 「よく言うよ。好きなくせに」 「しらなーい」 最後の最後は誤魔化して、バイバイって言って教室へ戻った。 ライバルねぇ・・・。 ・・・そんな風に思ったことはない。 でも、私は熊井ちゃんが好きだから、そうなるのかもしれない。 ・・・・鈴木、愛理か。 一度喋ってみたいなぁ。 あんなにふわぁんとした雰囲気の子のどこがいいんだろうか。 ・・・接触してみよっかな。 119 :名無し募集中。。。:2009/09/09(水) 01 21 50.92 0 66 第178話 2時間目が終わって、休み時間。 勉強なんてすっ飛ばしてひたすら資料作りをやっていたわけだけど まだ半分程度しか終わってない。時間は・・・・やばい、いや、ない。 そんなとき、隣のクラスのなかさきちゃんこと生徒会会計担当が現れた。 会長の手先・・・ではないなかさきちゃんが来てくれてほっとする。 なかさきちゃんは結構きついことも言うけど、基本的にはうちの味方・・・のはず。 会長の目があるから、表立ってはいないんだけどね。 「なかさきちゃん手伝ってよぉ」 ちょっと甘えたように声を出してみる。 「やだ、それ友理奈ちゃんのお仕事だもん」 ・・・効果なし。 「そうだけどさぁ・・・これお昼休みまでにやんないと今朝の比じゃない位怒鳴られるんだよ? そんな友理奈ちゃん見たいわけ?なかさきちゃんは」 「うん、見たいなぁ。」 笑顔で言われてガックリくる。 「・・・で、なんで生徒会のときは熊井ちゃんって呼ぶの?」 って話を変える。 「・・・なんとなく、かな」 「なんだそれ」 「それより早くやりなよ、まだ半分じゃんか」 「わかってるよ・・・でも、・・・」 「・・・はいはい、やるから貸して」 「ほんと?やった、はい!」 120 :名無し募集中。。。:2009/09/09(水) 01 23 48.41 0 119 第179話 残っているの分の半分を差し出してからまた作業に没頭した。 1年のとき、同じクラスで仲良くなった。 ちょっと生意気だけど、マジメでお勉強ができる子。 実は、うちが生徒会に入ったのはなかさきちゃんに誘われたからだった。 その責任を感じてるのか、こうして手伝ってくれているわけである。 ・・・文芸部が悪い、って散々言われながら・・・トホホ・・・反論できない。 だから、ただ黙って手を動かした。 ◆ 時間目の授業中、試験も近いから勉強に打ち込みたいけれどそうもいかない。 目の前にあるのは教科書と、その下に敷いた作りかけの資料。 友理奈ちゃんにああ言われたら断れない。・・・・嫌だって言って、嫌われたくないんだもん。 だけど、そんな風には言えないから、恩着せがましく言って誤魔化した。 2人でこの量ならきっと終わるはずだ。全く、世話のかかるヤツ。 ・・・でも、その原因はあの子だ。鈴木、愛理。 あの子と仲良く、ううん、付き合いだしてから友理奈ちゃんは変わった。 文芸部、文芸部、そればっかり言うようになって付き合いも悪くなった。 ・・・・・私が一番先に好きになったのに。千奈美ちゃんや茉麻ちゃんよりも先なのに。 なのに、一番最後に出てきて美味しいとこもって行った1年生。 許せるはずないじゃん。・・・・ってアピールしてきたのに振り向いてもらえなかった私が悪いのかな・・・。 あの意見交換会のあとから生徒会は少しおかしくなっていた。 会長は、あからさまに友理奈ちゃんに冷たくなって他の生徒会役員もそれに追従した。 私はそうしたくなかったけど、先輩たちの手前、そんなことは言えなくて・・・。 友理奈ちゃんが変わったことは確かに嫌なことだけど、でも、嫌がらせみたいなことはフェアじゃないもの。 鈴木愛理のことは許せないけど、文芸部自体が悪いわけじゃないし・・・・実はちょっと頑張れって思ってるし・・・。 なんてぼんやり考えながら授業も聞かずに資料を作っていた。 友理奈ちゃんにありがとうって言って微笑んで欲しくて。・・・・ただそれだけのために。 195 :名無し募集中。。。:2009/09/11(金) 01 19 23.45 0 120 第180話 私が2回目に先輩に会ったのは、放課後のことだった。 もう結構遅い時間。文芸部のみんなはもう帰った。 りーちゃんは今日一日で随分とももとみやに懐いたみたいで、 2人は「ケーキ食べに行こう」ってりーちゃんをみやのバイト先へ連れて行ったみたい。 ちゃんと家まで送るからってみやが言うから任せてきた。 ちょっと心配だったけど、でも・・・・今朝の先輩が気になって私は学校に残った。 先輩は生徒会室からすごく疲れたような顔をして出てきた。 「あい・・・り?」 「ま、待ってたんです、あの・・・えっと」 待ってたくせに、恥ずかしくなって下を向いてしまう。 先輩は私に近寄ってきて、私の腕を掴んだ。 「へ?あ、あの・・・?」 「ちょっと来て」 って言って先輩が私を連れてきたのは、誰もいないちょっと夕焼けで赤い、教室。 そういえばこんなところで告白されたいなぁ、なんて思ってた理想的な感じ・・・! ってそういうことではなくて・・・・どうしたんだろう? 「・・・・ごめん、今朝は」 「い、いえ・・・ただ気になって・・・」 「ほんと、ごめんね。必死だったんだ」 先輩は掴んでいた腕を離して、私をすっぽりと腕の中に入れてくれた。 暖かくて優しい心地がする場所。長い腕が私の腰の辺りにまわされてぎゅっと抱き寄せられた。
https://w.atwiki.jp/librariberia/pages/44.html
お題は ポテトチップス ( A`)「チョコレートなんかいらねえよ」 投下行きまーす 698 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 13 13 発信元 118.152.214.195 / ゚、。 /ボリボリ ( A`)ガシガシ / ゚、。 /モシャモシャ ( A`)バリバリ / ゚、。 /「支払いは俺に任せろ!」 ( A`)バ…… ( A`)「えっ」 / ゚、。 / / ゚、。 /「ごめん忘れて」 ( A`)「え?あぁ、うん……」 ( A`)……パリパリ / ゚、。 /モグモグ…… 699 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 15 10 発信元 118.152.214.201 ( A`)ゴクゴク ( A`)…… ( A`)「コーラ……ペットボトル、全部空だ」 / ゚、。 /「ん?ああ、そうだね」 ( A`)「ポテチも終わり」 / ゚、。 /「そうだね」 ( A`)「……」 / ゚、。 /「……」 (゚A゚)「わびしいんじゃゴルアァァァァーー!!!」ガシャーン!! /;゚、。 /「ええっ!?」ビクッ 700 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 16 12 発信元 118.152.214.201 (# A`)「何が悲しくて夜中に野郎二人でポテチボリボリ食わにゃならんのだよ!!」 (# A`)「えぇ!?こんなせめぇ部屋で!!裸電球一個の下で!!」 (* A`)「あれ?裸電球ってなんかエロい!エロい!?」 /;゚、。 /「落ち着いて!落ち着いて!」 (* A`)「いやっ!だめよ、見ないでぇ!丸裸なんて、恥ずかしい…っ」 /;゚、。 /「恥ずかしがらなくても良い、ありのままの君は素敵だ!」 (* A`)「でもっ!アタシのカラダ、こんなにツルツルで…子供っぽくて、とてもアナタには見せられない…!」 /;゚、。 /「そんなこたぁないさ!丸くて白い肌…とても綺麗だ!」 701 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 17 18 発信元 118.152.214.201 /;゚、。 /「それに、ほら――君は、こんなにも美しく光り輝いているじゃないか!」 / ゚、。 /「陽が沈み、夜の帳がこの地球(ホシ)を包んだ後も!君は、その暖かな光を放ち続ける……!」 /*゚、。 /「そう、君は――僕の太陽だ!」 /*゚、。 /「僕だけの、永遠に沈まない――小さな小さな、灼熱の太陽なのさ……!」 ( A`) /*゚、。 / / ゚、。 / 702 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 18 12 発信元 118.152.214.201 ( A`)「いや、その、ねぇ……?」 ( A`)「あんまり、さ……ノリノリになられても……引くわぁ」 / ゚、。 /「……言わなくてもいいよ……自分で結構後悔してる」 ( A`)「まあいいや……んなことより!問題なのは、女っ気がないことだよ」 / ゚、。 /「こんな夜中に君が女っ気のある部屋に居たら、それは嘘だよ」 ( A`)「ひでぇ言いぐさ」 / ゚、。 /「それにしても……女の子ねぇ」 /*゚、。 /「あ、そうだ。そういや、もうバr」 ( A`)「ままま待て貴様!」 ( A`)「それ以上言ったら貴様は死ぬぞ!」 ( A`)「貴様は弾けるぞ!」 ( A`)「もげるぞ!!」 /;゚、。 /「え、えー……?時期だからそっちから話題振ったんじゃないの?」 703 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 20 30 発信元 118.152.214.198 ( A`)「んなワケないでしょこのバカチンがッ!俺が自分からそんな地雷踏むか!」 /;゚、。 /「ああそう……ていうかもげるって何さ」 ( A`)「何さってそりゃあナニさ!」 ( A`)「じゃなくて!んなこたどーでも良いのよ!」 ( A`)「だいたいね!なんなんですか!え!?」 ( A`)「なんかこう、黒い…甘い?何か板状の、アレを?溶かしてー……固めてーの?」 ( A`)「デコルェーションしてーの?ラッピングしてーの?」 ( A`)「プレゼェーント…そしてI Love You…」 ( A`)「そしてMe too…」 ( A`)「そして…ッI need you…ッ!」 (゚A゚)「そしてぇッ!!!バァルゥェェンタ淫!!!」 (#゚A゚)「氏ねクソが!!!!!!」 /;゚、。 /「しっかり自力で地雷踏んでるじゃん」 704 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 22 08 発信元 118.152.214.196 (# A`)「ンマァァァァリア充!!キィアァァアリア充!!クソがぁぁあァァァアーーリア充!!」 /;゚、。 /「ちょっとちょっと、近所迷惑だよ」 ( A`)ハァハァ…… ( A )……ドヨーン /;゚、。 /「あーあー……」 ( A )「……もう、鬱行事なんてクルシミマスだけでいいじゃない。こんなのって、あんまりじゃない……」 /;゚、。 /「もー、面倒くさいな……そんなにチョコ欲しいの?」 ( A`)「チョコレートなんかいらねえよ」 / ゚、。 /「……へ?」 ( A`)「……そうじゃねえんだよ」 ( A`)「ただ……リア充と俺との差が……」 ( A`)「……絶望的なまでの、その差が……決定的なものへと変わる」 ( A`)「……その瞬間を味わうのが、苦しいんだよ」 / ゚、。 /「……」 705 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 23 26 発信元 118.152.214.201 / ゚、。 /「ふーん」 ( A`)「……」 / ゚、。 /「……そっかー。 じゃ、このチョコレートは要らないのかな?」 ( A`) (゚A゚)「はっ……?」 706 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 00 25 03 発信元 118.152.214.198 / ゚、。 /「せっかく手作り、持ってきたのになー。チョコいらないんじゃーなー。あーあ」 (; A`)「いや、え?おま、ちょっ…え!?まさかガチホm」 /;゚、。 /「失敬な。私は乙女ですよ」 (; A`)「え゛ぇぇぇぇ!初耳だよ!?」 / ゚、。 /「身長のせいで昔から間違えられまくってるもんだから、面倒で訂正してなかった。ごめんちょ」 (; A`)「ごめんちょjaNEEE!」 (; A`)「なんで今カミングアウト、女って、そんな」 ( A`) ( A`)「……え?てことは、じゃあ、コレって……」 710 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 01 00 31 発信元 118.152.214.203 /*゚、。 /「あ……えっとね。その……」 / ゚、。 /「……今まで、欠片の疑いもなく男だと認識されていたような者だけど」 (; A`)「……ごめん」 / ゚、。 /「君より20cmは背デカいけど」 (; A`)「え?嘘!?」 / ゚、。 /「今まで、ずっと普通の友達同士だったんだけど……」 ( A`)「……」 / ゚、。 /「……それでも、良かったら」 (* A`) /*゚、。 /「……貰ってくれるかな?私からの、チョコレート」 ~終わり~ 711 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 01 01 53 発信元 118.152.214.200 以上です。 最後さるくらってました。マジごめんなさいごめんなさい それではよいバレンタインをー 712 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 01 10 16 発信元 14.10.87.163 乙っした バレンタイン…… ちくしょうリア充ドクオめ 713 いやあ名無しってほんとにいいもんですね 2011/02/14(月) 02 34 37 発信元 114.150.30.92 乙 新鮮な組み合わせ
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/753.html
Side N それにしても、このままじゃ、あ〜ちゃんの家にも帰れんし。 ゆかちゃんが言うように、仕事だって出来ん。 とりあえず今日は泊まる予定だったから、良いとして。 明日…も幸いなことにオフだから問題ないね。 ちゅうことは、明日中になんとかしなくちゃいけんいうことか。 ちびあ〜ちゃんも目を覚まして、今はゆかちゃんと遊んでる。 というか、何か話してる。 やっぱり気は合うらしい。まぁ、見た目が変わっただけで、あの子はあ〜ちゃんだもんね。 それにしても、目を覚ました時の、ちびあ〜ちゃんの反応はなんだったんだろ? なんか起きそうだなと思って、顔を覗きこんでんたんけど。 まだ眠そうに目を擦って、ふっと視線が合ったら、しばらく動きが止まって。 で、急に持っていたクマさんのぬいぐるみを、ばふっと顔に押し付けられて。 何事かと思ってる間に、そのまま、ゆかちゃんの後ろへと隠れちゃったんだよね。 さっきまで、膝の上にあった温もりがなくなって寂しいです…。 なんて、しょぼんとクマさんとイジイジしてたら、またトコトコやってきて。 「ちょっと、あ〜ちゃんびっくりしたんょ。ごめんなしゃい。」 ちょっと言い難そうにしながらも、でも謝ってくれて、今度はあたしの手にあったクマさんで撫で撫でしてくれた。 うぉぉおおwwなんてカワユイんだw 抱きしめたい衝動に駆られてると 「…あ〜ちゃん?」 ゆかちゃんが呼ぶ声。それに反応してちびあ〜ちゃんが振り返る。 「えっと。一応はじめまして。わたし、ゆか。ヨロシクね?」 「ゆかたん?」 「そ、ゆかたん。」 おぅ。ゆかちゃんの笑顔が眩しいです。 そして、同じようにニコッと笑うちびあ〜ちゃんの笑顔も、最高じゃないっすか! しかも…ゆ、ゆかたんっ!なんか良いかも…。 試しに呼んだら怒られたぁ…。可愛いのにぃ。 ……とまぁ、そんな感じで今に至るわけで。 クマさんに視界を遮られる直前に見えた、ちびあ〜ちゃんの表情はビックリというか、 なんか照れたように見えたんだけどな〜。 でも、目が覚めて、あ〜ちゃんちの風景と違ってビックリしたってのもあるだろうし…。 うぅww分からん! 一人で、う〜、とかあ〜って唸っていたら、近づいていたちびあ〜ちゃんに気付かなくて。 「にょっち!」 勢い良く抱きついてきたちびあ〜ちゃんに負けて、床に倒れてしまった。 しかも、にょっちって…。 「テテ・・。あ〜ちゃん、なんでにょっちなん?」 軽く打った頭を撫でながら聞いてみる。 「う?ゆかたんが、その方がにょっち喜ぶ言ぅちゃけぇ。」 「ぇえ?ちょっと、ゆかちゃん。変な呼び方教えんでよ〜。」 「だって、ちびあ〜ちゃんが言うと可愛いじゃん?」 ま、そうですけども。 「…にょっち、ぃやなん?」 悲しげな表情で見てくるちび〜ちゃん。 「いっ、ぃや!そ、その、ね?あ〜ちゃん。そういう訳じゃなくてじゃな?」 そ、そんなうるうるなお目目で見つめないでぇw 「…にょっちって呼んでくらはい。」 「にぇへへぇ。にょっちじゃにょっちぃ〜♪」 あたしの上で足をぱたぱたさせて喜んでる。 負けた…。 お父さん、お母さん…のっちは完敗しました。今日からにょっちになります…。 ぷぷって笑うゆかちゃんの声。 「のっち、ホンマちびあ〜ちゃんに弱々じゃね〜。」 「しょうがないじゃろ?こういうあ〜ちゃんには慣れとらんのよぉ。も〜。」 「?あ〜ちゃん?」 あ〜ちゃんという名前に反応するちびあ〜ちゃん。 「ん?そうだよ?あ〜ちゃんよりもっとお姉さんのあ〜ちゃんの事。」 「おりゅの?」 「うん。あ〜、でも今は会えないけど。」 「しょうなん?」 「ふへへ、そうなの。」 「おっきあ〜ちゃんどんな人ぉ?」 とりあえず起き上がって、再びちびあ〜ちゃんを膝の上に座らせる。 「一言で言ったら可愛いに尽きるんけど…。」 そう話し出すと、なぜか恥ずかしそうにしてるちびあ〜ちゃん。 名前が同じだからね。てか実際は本人だけど。 「あと気配りが凄いし、料理が上手い。それからよく泣くんだけど、にょっち的には笑顔に負けんくらい泣き顔も可愛いと思っとる。」 本人を目の前にしてるけど、記憶が無いおかげでスラスラ言葉が出てくる。 なんかもう、言いたいこと言っちゃお。 「…んでぇ、にょっちはそんなあ〜ちゃんがだ〜い好きなんよ。」 きっと、本来のあ〜ちゃんには伝わらないけど。 目の前のちびあ〜ちゃんに、最高の笑顔を送る。 ちびあ〜ちゃんは、恥ずかしそうにクマさんをギュッて抱きしめて、ぼそっと何かを呟いた。 「ん?何?あ〜ちゃん。」 「なっ!にゃんでもにゃい!」 よく聞こうと思って耳を近づけた所に、思いっきり叫ばれて耳がww そんなあたし達のやり取りをみて、さっきから笑ってるゆかちゃん。 も〜、他人事なんだからぁ。 あぁ、でも、この感じ。やっぱあ〜ちゃんだな〜。 ぐぅ〜・・・・。 ん? 音のした方へ視線を向けると、そこには顔を赤くしてあたしを見上げるちびあ〜ちゃん。 「にょっちぃ…おなかしゅいたぁ。」 「あ。」 ちびあ〜ちゃんの言葉に、買出しを忘れてたのを思い出した。 「うわ〜。やっばい。買出し行っとらんけぇ、何もないんよ…。」 「うそぉ。マジで何もないん?」 「ん〜、かろうじてカレーが作れるくらいじゃと思う。」 そう言うとちびあ〜ちゃんが、あたしの膝から立ってトコトコ台所へと歩いて行く。 そして、いつもあ〜ちゃんがするみたいに、冷蔵庫をがバッと開けて中を確認。 指差し確認が終ると。こっちへ向き直り。 「カリェーともぅ一品、あ〜ちゃんちゅくっても、ぇえ?」 「ぅん・・・。ん?ちょちょちょ、待った!あ〜ちゃん危ないけぇ、にょっちがちゃんと作るけぇ。 あ〜ちゃん待っとってよ。ね?」 なんの違和感もなく言ってきたちびあ〜ちゃんに、なにげなく返事したけど。 慌ててちびあ〜ちゃんに駆け寄って、部屋へと連れ戻す。 「ぇえ?あ〜ちゃんちゅくるぅwちゅくりたぃw」 「ぃや、でも危ないしぃ…。」 ジタバタするちびあ〜ちゃんを必死に抑えながら、助けを求めてゆかちゃんに視線を送る。 「のっち、折角だし作ってもらえば?」 「ゆ、ゆかちゃ〜ん。でも〜。」 なんでよ!何故ちびあ〜ちゃんの味方なんよ? 「あ〜ちゃんの手作りじゃよ〜?何の問題があるんよ?」 「そりゃ、美味しいのは折り紙付きじゃけど…。」 「心配なら、のっち手伝えば良いじゃろ?」 まだ迷いながらちびあ〜ちゃんの方を見ると…。 あ、ダメだ。 めっちゃおねだりな目で見られてたぁ。 「ぅ〜わっかりましたよぅ!にょっちも手伝うけぇ、あ〜ちゃんにお願いします。」 「わーい!やったぁ〜。ゆかたんありがとぅ。」 手をぱちぱちしながら喜んでるちびあ〜ちゃん。 そんなちびあ〜ちゃんは椅子を台にしながら、あたしの心配を余所にチャキチャキと料理が進んでいって。 ん〜〜。あたしはいるんだろうか?と悩んでみたりして…。 ちびあ〜ちゃんに指示されながら、あたしは野菜を切る担当に…。 そんな感じで、あっという間にカレーを煮込むだけになり…。 はや…。 「にょっち、どぅしたん?」 軽く落ち込み気味のあたしに声を掛けてくる、ちびあ〜ちゃん。 「心配いらんかったな…と思って。ちゃっちゃと終ったし。」 「しょれは、にょっちが手伝ってくれたけぇに。」 Side K のっちとちびあ〜ちゃんがカレーを作ってる間、あたしは一人テレビを見ながら待っていた。 そろそろかな〜と思いながら、台所を覗いてみると、なぜかしょぼくれてるのっち。 きっと、あ〜ちゃんの手際が良すぎて、しょぼくれとるんかな。 あ、のっち頭撫でられてる。 あ〜ちゃん、あんなにのっちデレデレにしちゃって…。 普段やってあげたら、もっと喜ぶのにぃ。まぁ、出来たらとっくにしてるかぁ。 天真爛漫で、誰とでもワイワイして、『カッコイイ!』とか『可愛い!』『大好き!』っていろんな人に言ってるけど。 好きな人となると話は別らしく。途端に、そう言うことが出来なくて、逆に悪態をついてしまう。 特にのっちとは昔から一緒に居るからっていうのもあってか、そうなり易いみたい。 あたしもそうだけど、あ〜ちゃんののっちに対するソレには敵わないと思う。 のっちはのっちで、あ〜ちゃんとは反対に、聞いてる方が恥ずかしくなるなるようなことをポンポン言ってあ〜ちゃんに怒られる始末。 お。あ〜ちゃんが戻ってきた。 「カレーできた?」 「ぁと、にょっちが煮込んでくれるけぇ、もぅちょっとだよ?」 預かっていたクマのぬいぐるみを渡すと、大事そうに抱えて隣に座ってくる。 「それにしてもさ〜。のっちデレデレし過ぎだけどさ〜…。」 途中で止めると「ん?」て顔で見てくるあ〜ちゃん。 「あ〜ちゃんものっちに甘すぎじゃない?」 途端にボンッて音が出そうなくらい真っ赤な顔になって、手元のクマさんに顔を埋めるあ〜ちゃん。 「だ、だってぇ、いちゅものあ〜ちゃんじゃぁ出来んけぇ…。ちびっちゃい内なら良ぃかにゃってぇ…。」 つまり、ホントはいつもしたいと…。いやぁ〜、のっちちゃんと愛されとるねぇ〜。 クマさんの手をクイクイいじりながら、恥ずかしそうに言ってる姿が異様に可愛い。 のっちじゃなくても萌えるよコレ? 「じゃけぇ、にょっちには絶っっっっ・・・対!あ〜ちゃん記憶あるのにゃいしょにしとってね??」 必死な顔でお願いされちゃった。ちびあ〜ちゃん良いかも…。ってあたしはのっちかい! そうは思ったけど、勝手に口が動いちゃって…。 「じゃあ、代わりにあ〜ちゃん抱っこさせてぇ?」 なんてお願いしたら、なんだかよく分からない顔をしながら「ええよぉ?」って言ってあたしの膝の上にちょこんと乗っかってきた。 ゃん♪あ〜ちゃん可愛ぃぃ♪ やっぱ、あ〜ちゃんの抱き心地良いわ〜。 …あ。そうそう、そうなんよ。あ〜ちゃんの記憶。 実はちゃんとあったりなんかして。 だから、のっちには悪いけど、今までのちびあ〜ちゃんに関する、あ〜ちゃんとあたしの台詞と行動はほとんどお芝居だったんよね〜。 —つづく—
https://w.atwiki.jp/kannnaduki-no-miko/pages/265.html
神無月の巫女 エロ総合投下もの マコちゃんのバレンタイン 時期ネタいきます 千歌音ちゃん×姫子←マコちゃん、おまけで少しソウマ ほのぼの系 放課後、珍しく緊張した面持ちの真琴は学園の門に寄りかかりながら立っていた。 そろそろ来るかな…? ガサガサとカバンの中から小さな箱を取り出した。 今日はバレンタインデー。 本当なら女性が男性に愛を告白する日。そんでもってその想いと共にチョコを送る日。 だけど宮様こと姫宮千歌音のいるここ乙橘学園の場合はちょっと別だけど、それはさておき。 うん、まあ女の子同士で渡すのも不自然じゃないよね?実際自分も毎年部活の先輩や後輩からもらってるし。 そう思って学園の寮でこっそり用意した甘いものが大好きな親友のために作った初めての手作りチョコ。 だが想いを込めて作ったもののそれをどうやって本人に渡すのか悩んでいた。 クラスも同じなのに下駄箱にいれるのは激しく不自然。 かと言ってどこぞの漫画のように屋上に呼び出してもなんかそれも変。 でも面と向かって渡すとなるとやっぱどこか照れくさいし恥ずかしい。そんでもって緊張して絶対にぎこちなくなるのが目に見えてる。 だけどそんな変な風に渡して親友に自分の気持ちに気付かれたくないとも思う。 大体告白するなんて無謀な事するつもりは初めからない。 親友にはちゃんと宮様という背伸びしても届かない相手がいるし、あの2人の仲を邪魔するつもりも更々ない。 それでも…ただ、渡したい。 だからいつも喋るときみたいにさり気無くぱっと渡しちゃえば良いんだけど…。 そんな事を延々と考えていたらあっとゆー間に当日を向かえ、朝は結局自分が部活の朝練で渡せず。 昼は宮様との内緒の食事へ行ってしまって渡せず。 授業の合間も何だかんだで渡せず、とまあこんな具合で放課後になってしまったわけで。 まあ幸い今日は部活休みだし、うだうだ考えても仕方ない。ちゃちゃっと渡してしまおう! そう開き直って自分の作ったチョコが入っている箱に向かって微笑んだ。 するとちょうど背後から聞きなれた笑い声が聞こえてきて振り返った。 校庭を歩く少し背の低い紅茶色の髪に赤いリボン。間違いない、姫子だ。 「あ、姫……!」 門から姿を現し姫子に声を掛けた瞬間言葉が出なかった。 自分の親友の隣を宮様が歩いていて、笑いあい楽しそうな仲睦まじい2人のその姿はまるで絵に描いたかのように綺麗で。 見たことのない2人の笑顔に一瞬で引き込まれていた。 えーと、宮様は前々からだけど姫子ってこんなに可愛かったっけ…? いつも宮様の周りには取り巻きがいるはずなのに、誰も割って入ってこないのは多分姫子のあの太陽のような笑顔のせいな気がする。 隣で笑う宮様にしてもいつも以上に穏やかで、姫子に注ぐ愛情がひしひしと伝わってくる。 なんか見てるこっちの方が顔が赤くなってしまうようなそんな2人に見取れていると「あ、マコちゃん!」と姫子が真琴に気がつきこちらに向かって走ってきた。 まずい!と真琴は咄嗟に手に持っていたチョコをカバンの中に隠した。 「どうしたの?そんなところで」 「え?あぁ、別に何でもない、何でもないよ!」 訊ねる姫子に慌てて首を振って返した。 その不自然さに姫子が不思議そうに首を傾げると、何か思いついたのかはっとした表情になった。 「あ!まさかマコちゃん誰かにチョコレート渡すつもりとか?」 あんたにだよ! 心の中で突っ込まずにはいられなかったが、まさかそう答える訳にもいかず。 「え~~とまあそんなところ!部活の先輩と交換する約束でさ」 適当に思いついた嘘で笑いながら誤魔化す。 すると姫子はそれを信じ「へえ、そうだったんだ」と笑い、ほっと安堵のため息を心でつく。 「じゃまた明日ね、マコちゃん!」 そう言って手を振りながら少し離れたところで待っていた宮様のところへ戻っていった。 「ごきげんよう、早乙女さん」 「はい。ごきげんよう、宮様」 そして2人は並んで目の前を通り過ぎ学園の階段を降りていった。 遠ざかる2人の後姿に、カバンの中から渡すはずだったチョコの箱を取り出した。 柄じゃないのは分かってるけど、頑張って作ったんだけどな…。 少し残念に思う。 でもあの姫子の笑顔を見ては逆に渡すことなど出来なかった。 おどおどしてどこか頼りなかった姫子が、あの笑顔を出せるようになったのはきっと優しく見守る宮様が傍にいるおかげなのだから。 そんな2人を見て、何だか他人が踏み込んではいけない絆のようなものがあるのかもだなんて思ってしまう。 だからだろうかチョコは渡せなかったけど、どこか気持ちがスッキリとした。 「幸せにね、姫子」 口元を緩め晴れ晴れとした顔で夕焼けに染まる空を見上げた。 ※おまけ 「何やってんだ早乙女?」 「あ、ジン様」 背後から声を掛けられ振り返ると、これまた学園の貴公子大神ソウマがヘルメットを持って立っていた。 「あ、ちょうどいいや。ジン様これあげる!」 処理に困っていたチョコを無理やり受け取らせ、「じゃあね!」と学園の階段を駆け下りた。 「え?ちょ!お、おい!」 驚くソウマが止めようとするが、そこはさすがインターハイレベルの脚力。 「言っとくけど義理だからねー!」とだけ言って真琴はその場から瞬く間に去ってった。 「……」 置いてかれたソウマ。 渡された箱を見るとバレンタイン仕様なのは一目瞭然。 しかしこれは勘だが多分これは自分のために作ってくれたチョコじゃないような気がする…。 「はあ…これで何個目だ」 ずっしりと重いカバンの中に溢れんばかりに入ってる姫宮に渡すことの出来なかった敗者達から押し付けられたチョコの群れの中に早乙女からもらった箱を押し込んだ。 中には本命で貰ったチョコもあるのだが、割合が1:9という現実。 「そして来栖川からはなし…と」 そう呟いて溜息をつきながらソウマもまたトボトボと階段を降りていった。 おしまい
https://w.atwiki.jp/yamitya/pages/124.html
いその「そう・・・ところで君はさ、この館に来てから、髪が伸びてきて邪魔だなぁ~って思ったことある?」 執事「あーー・・・」 そういえば、この館に来てからそこそこ経っているはずだ。 なのに、一度も髪が伸びたと思ったことが・・・ 執事「無いな。」 いその「でしょ~。それについて、なんでだと思う?」 また俺にふるのか。 執事「んーここでは体の成長は止まる・・・とか?」 なかなかの答えでは無いだろうか。 いその「うわっ、それじゃあ、ここはまるでネバーランドだね!」 執事「あぁ、そうだな。」 またこいつ、俺をおちょくってやがる・・・ いその「でも、それは不正解だね。なんでかわかる?」 あのなぁ・・・ 執事「俺は、ここに勉強しに来たんじゃないんだぜ、先生。」 いその「ん~困った生徒だね・・・まぁ、同じ同士として見逃してあげるよ」 執事「そりゃどーも」 一向に話は進まない。 いその「じゃ、正解言っちゃおうか」 執事「頼むよ、先生。」 いその「髪の毛は伸びずとも、僕のひげは毎朝生えてくる。これが示すこととは・・・?」 結局前座から入るのね。 しかし、今のはだいぶ大きなヒントだ。 俺でも、なんとなくわかった気がする。 執事「記憶・・・いや、想像か。」 いそのは、俺を指差した。 いその「そう。まさに、想像だ。考えてみろ。君は物を出すとき何をした?銀の蓋を開ける前に何をした?」 執事「ほんとだ・・・」 面白いくらいにすべて当てはまっていく。 いその「全部、想像なんだよね。つまり、俺はこう考えた。この世界は想像で作られていて、この僕たちの体すらも、全部想像から作られている。」 あれ、わからなくなってきた。 執事「というと?」 いその「君は毎朝、あー、髪の毛がまた1㎜伸びたわ~とか、思わないよね?でも、僕のひげは違う。これはやっかいな事に、剃っても剃っても毎朝生えてくんのね~それが、当たり前になって、朝になるとひげが生えてることが記憶に残り、無意識の内に想像してしまっていたんだ。潜在意識ってやつ?」