約 2,010,599 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4176.html
これは、ある休日に、正義達のパトロール中に起こった出来事。 勇弥「ではパトロール開始ッ!」 正義&コイン「「おーぅ!」」 奈海「張り切ってるわね・・・。」 大王「・・・何故だろうか、慣れたな。」 このままいつも通りの日常が始まる。そう思っていた。 ???「黄昏!」 ふと、前から聞きなれた声がする。[黄昏]と呼ぶ女子と言えば・・・。 正義「十文字さん?」 大王「(しまった!?隠れられない・・・。)」 コイン「(今隠れたら逆に変だし、・・・ど、どうしよう?!)」 勇弥「また都市伝説の調査ですか?」 奈海「それとも散歩かなにか」 次の言葉で、この事件は幕を開けた。 楓「今すぐ私と戦え!黄昏!」 一同「・・・は?」 最初は冗談だと一同は思った。しかし次の言葉で、事の深刻さが大きくなった。 勇弥「なんですか十文字さん。いつかの試合のリベンジでも」 楓「『都市伝説と契約した』者同士は、命を懸けて戦う宿命にあるのだろう?!」 奈海「もぅなッ、・・・今、何って言ったの?」 楓「私は都市伝説と契約した。そして!黄昏も契約者なのだろう?」 正義「え?!なんでそれを!?」 楓「なら、戦うまでだ!」 十文字が、不意に衣服を脱ぎ捨てる。 奈海&勇弥&コイン「きゃ」「は」「え」「「ちょ!?十文字さん!」」 すると、下には柔道着を着ていて、その帯を改めて締めなおす。 楓「“キュッ”さぁ、私の方は準備できたぞ!いつでもかかって来い!」 正義「・・・どうしても、戦うの?」 そんな会話を余所に、勇弥がポツリと呟く。 勇弥「あぁ、なんだ・・・。ちょっと期待しちゃったじゃんか・・・。」 コイン「・・・何に?」 勇弥「服を脱がないと発どッ」ボカッ! 奈海「もぅ、だいたい分かってたわよ!アンタも充分正義くんに悪影響じゃない!」 そんな雑談は無視し、ここでは戦いにくいと判断し、正義は場所を移す事を提案する。 本来なら罠とみて戸惑うところだが、正義の性格から判断してか、十文字は戸惑う事なく付いていく事にした。 大王「(どうやら本気で戦うようだな。)少年、やはりここは」 正義「大丈夫だよ。なんとか十文字さんは気絶させて、その後でゆっくり説明するよ。」 大王「そうか、なら安心だ。」 無論、これは十文字を気遣っての言葉ではない。大王は世界征服のために十文字を使う気なのだ。 十文字の情報収集力と、それをまとめ、解析する能力。それは世界征服に不要な能力ではない。 正義「だからと言って、大王の世界征服も、それに十文字さんを巻き込む事も許さないよ。まぁ十文字さんが従う事は無いと思うけど。」 大王「まぁ、そう言うとは思ったがな。」 そして都市伝説の心が読める正義に、大王のその意思は読まれている。世界征服のためにはまず正義から。これが大王の課題なのだ。 ―――数十分後、彼らはある場所に辿り着いた。 そこには荒野が広がっていて、断面が見える絶壁もあるという、まさに特撮にでも使われそうな場所。 ここは、正義達が学校町に来た時から利用している、修行のための場所だった。 楓「なるほど、ここなら人目にもつかないな。」 正義「そして、誰にも邪魔されない。さ、始めようか。」 楓「あぁ。ところで、日向と心星はどうする気だ?」 勇弥「無論、丁重にお断りする。正義だけで充分だろうしな。」 奈海「正義くん、ファイトぉー!」 楓「では、まずは黄昏、お前からだ!」 十文字が正義に跳びかかる。しかし今まで修行もし、戦いなれた正義にはそんな攻撃は当たらなかった。 そして、前の柔道の試合のおかげで十文字の行動パターンは正義の頭の中に入っていた。彼女は攻撃する時に必ず隙ができる。 正義「残念だけど。」 つまり今が攻撃のチャンス。そう思っていた。 楓「1!」 正義「ッ!? え?!」 正義は十文字を掴み損ね、十文字は間合いを取り直す。 楓「2!3!」タッ 大王「少年!これは柔道の試合では無いんだぞ!?手加減するな!」 奈海「なんで掴まないのさぁ!」 正義「ご、ごめん!・・・なんで・・・?」 正義は、さっきの現象を勘違いだと思い、あえて次は正義から跳びかかる。 すぐに捕まるかと思ったが、こちらが先に掴むかと思った時・・・。 楓「無駄だ。1!」 正義「ッ!また!?」 大王「なん、だ、と・・・?」 勇弥「ど、どういう事だ・・・?」 奈海「まさか、これが・・・?」 次の現象は、誰の目にも分かるくらい顕著だった。正義の腕が、十文字の数cm前で止まっていた。 小刻みな揺れから、自分の意思ではないのだろう。となると、答えは1つだ。 楓「2、3!」ガシッ、ブゥン! 正義「うっ!」ダン! 目の前で止まっていた正義を、十文字は掴み、投げ飛ばした。正義はなんとか受身を取ったが、それでも下は地面。少々ながらダメージを受けた。 正義「くぅ・・・、それが、キミの都市伝説?」 楓「そうだ!【三秒ルール】は知っているか?」 勇弥「【三秒ルール】!?なるほど、厄介だな。」 奈海「私でも知っている話だもんね。強いんじゃないの?」 【三秒ルール】とは、迷信の1つで、『地面に落ちたとしても3秒以内なら悪い菌に感染しない』というもの。 例えば友人にキャンディーを渡すときに誤って落としてしまい、気まずい雰囲気が流れた場合に使用される。 ただしアイスクリームや湿ったキャンディーなど粘着質な食品ではめったに使われない。 また、ある科学者が調べた結果、乾いた床に落ちた食品はたしかに安全だが、菌などで汚染されている床ではやはり相当数の菌が付着したらしい。 ちなみに、5秒ルール、10秒ルール、15秒ルールとこれには様々なバリエーションがあり、地域によってばらつきがある。 十文字さんは高らかにこれを説明した。勇弥・・・。 楓「つまり私はこの都市伝説によって、『三秒間の間だけ誰も触れる事ができなくなる』能力を得た!」 正義「3秒間の間、悪い菌が付かないように?」 勇弥「こりゃやばいな・・・。流石に加勢させてもらうぞ!」 奈海「本気みたいだしね。いくわよ、コインちゃん!」 コイン「え?でも・・・、もうやるしかないか!」 大王「まったく、勝てない訳ではないが・・・。」 正義が押されているとなると、危機を悟り、全員での戦闘に切り替える。 勇弥「と言ったものの・・・。」 楓「てぇりゃあぁぁ!」ブゥン! 勇弥「ぐえっ!」ゴズン! 勇弥―――敗退 勇弥「すまねぇ・・・。オレ、お前らとは違うんだ・・・。」 正義「勇弥くぅぅぅん!」 大王「いや、ふざけている内は問題ないだろ?」 楓「さぁ、次は誰だ?」 奈海「うっ、こうなったら・・・。」 コイン「まさかこんな時に使うとはねぇ。」 奈海はいつも掛けているウェストポーチから、謎のパーツを取り出す。それを組み立てると、『銃』のような形になった。 大王「?それはいったい・・・。」 奈海「これ?これは勇弥が作った新アイテム、『コインシューター』よ!」 説明しよう!『コインシューター』とは! 勇弥がコインちゃんの協力の末、完成した全く新しい武器である! 名の通り、弾丸の変わりに十円玉を射出する。 しかし真の能力は、コインちゃんが入った十円玉をグリップの収納スペースに装填する事によって発揮される。 なんとグリップを握っている間、コインちゃんつまり【コックリさん】の能力が所有者に発揮される! さらに、銃弾として装填されている十円玉にも、【コックリさん】の能力を分け与えられるようになっている! 一瞬勇弥が起きていたように見えたが、何事もなかったかのように倒れた。 正義「勇弥くゥゥゥん!?」 大王「問題ないだろ。」 奈海「コックリさんコックリさん、この中に入ってください。」 コイン「OK!」 お決まりの呪文でコインは十円玉の中に入り、その十円玉をグリップに収納する。さらに十円玉を数枚、弾丸用に装填する。 奈海「私はあまり力が無いから、悪いけど武器を使わせてもらうわ。」 楓「問題ない。その程度のハンデなら!」 武器を持っている相手でもお構い無しに挑んでゆく。さすが十文字さん!奈海はとっさに十円玉を3発放つ。結果は見えていた。 楓「無駄だ!1!2!3!」 大王「やはりダメか。逃げろ少女!」 十文字は能力で十円玉の動きを止め、奈海に向かっていく。十文字が奈海の腕を掴――― 奈海「残、念♪」 楓「なにッ?!」 奈海を掴もうという瞬間に、奈海が体を翻す。 奈海「【コックリさん】の能力を忘れてない?」 コイン“「私の力であなたの行動は読めていたの!と言ってもギリギリだったけどね。」” 大王「スピーカーまで付いているのか。さすが友だな。」 コイン“「十円玉の中ではずっとしゃべれなくて寂しいって言ったら付けてくれた。」” 正義「さすがは勇弥くんの、遺作・・・。」 大王「大丈夫だろう?!」 楓「しかし、避けているばかりでは私は倒せないぞ?」 コイン“「人の事言えないじゃん!」” 奈海「それと、たまには後ろにも気をつけた方がいいわよ?」 楓「なに?まさかッ!?」 気付くのが遅く、後ろから飛んできた十円玉が十文字の首元にヒットし、十文字がよろける。 楓「か、は・・・。何故だ?」 奈海「コインちゃんはねぇ、別の十円玉にも【コックリさん】の効力を分け与えられるの!」 コイン“「そして私のもう1つの能力、『誘導』のおかげで、十円玉があなたを追いかけ続けるのよ!」” 大王「なるほど、『十円玉が勝手に動く』という話からか!便利な能力だな。」 コイン“「推進力がなくなったら止まるけどね。」” 正義「充分すごいよ!」 楓「だが!その程度で私はッ、んッ?!」 急に十文字の口が閉じられた。 正義「えっ?!何が起こったの?」 奈海「【コックリさん】はねぇ、呪いの能力もあるのよ。『コックリさん中に十円玉を放したら呪われる』ってね。」 コイン“「まぁ、まだ子どもだから、ちゃっちいけどね。今のは『喋れなくする呪い』。」” 楓「んんぅー!」 奈海「つまりこれで、あなたは能力が使えない!」 奈海は十文字に向かって十円玉を放つ。しかし何故か急に十円玉が止まる。 楓「・・・。」 奈海「えっ?!あ!」 十文字が奈海の方へ突っ込み、奈海の銃を持つ手を払う。コインシューターが地面に叩きつけられ、コインも飛び出す。 コイン「あぃたたた・・・、心の中で数えるなんて卑怯よ!」 楓「・・・ぷはっ、お前に言われたくはないな。」 奈海「あ、離したから呪い解けちゃった。」 楓「私は必ず、お前達を倒してでも生き延びる!」 正義「くぅ、どうすれば?!」 ???「(―――まったく、世話が焼ける契約者ですね―――。)」 ふと、正義の耳に不思議な声が聞こえる。離し方から察するに、これは・・・。 正義「も、もしかして、キミが【三秒ルール】?!」 ???「(おや?私の声が分かるのですか?不思議なものですね。)」 楓「・・・何を言っているんだ?すでに【三秒ルール】と契約したと言っただろう。」 奈海「何を言ってるの?」 大王「・・・なるほど。少女、少年は放っておいて戦うぞ!」 奈海「え?あぁ、もう!」 大王の言葉で、奈海はコインシューターを拾い直し、十文字に向かっていく。 しかし正義は、謎の声と会話していた。 数秒ルール「(いかにも。私は楓さんと契約している、正確には【数秒ルール】という都市伝説です。)」 正義「・・・そう。ところで、キミが十文字さんを?」 数秒ルール「(とんでもない、誤解ですよ。どうも楓さんは夢見が悪かったようで。)」 正義「そう・・・。」 数秒ルール「(私もあなた方と戦う気なんて無いのですよ?できるなら、楓さんを止めたい・・・。)」 正義「・・・なら、ボク達を信用できる?信用できるなら、手伝うよ!」 数秒ルール「(・・・、いいでしょう。では、私の弱点を教えます。)」 正義「弱点?」 ―――その頃。 楓「どうした?!その程度か?!」 奈海「く、えい!」 奈海は十文字に向かって十円玉を放つ。しかし1度見た手。十文字は能力を使い軽々と避ける。 楓「1!2!」 奈海「えっ!?」 十文字は奈海の前で数分止まり、瞬時に奈海の後ろへ回る。 大王「バトル漫画の王道だな。」 奈海「うぅ!」 奈海は身構えたが、コインのおかげで十円玉が足元に落ちた。十文字は距離をとり、カウントを終える。 楓「3。まだまだだな」 勇弥「てぇえりゃあぁぁ!」 カウントが終わった瞬間、勇弥が十文字に飛び蹴りしようとする。しかし攻撃は・・・命中した。 楓「なッ、か、くぅ・・・。」 奈海「え?なに?何やったの?」 大王「まさか、お前の能力か・・・?」 勇弥「ん、違うよ大王さん。よく考えれば分かるトリックさ。」 コイン“「トリック?」” 勇弥「十文字さんは能力使用の度に、距離をとるか攻撃するか、つまり相手の攻撃を避けていたんだ。」 奈海「?当たり前じゃない。止めたんだったら止まっているうちに」 大王「なるほど!永続的に攻撃を止めるのではなく3秒間のみという事か!盲点だったな。」 勇弥「正、解。なら3秒おきに間があるんじゃないか、って観察していたんだ。すると案の定使用の度に1.5秒ほど。」 コイン“「さっすが勇弥くん!」” 勇弥「や、というか、自分で調べろよコインちゃん。何のためにスピーカーまで付けたんだよ?」 コイン“「え?ほ、ほら、私は答えるのが専門だから!」” 奈海「誤魔化さない!よし、十文字さんを倒しますか。」 大王「同じ手が通用するかは分からんがな。」 すると、正義がやってくる。 正義「ごめん皆!ちょっと話をしてて。」 奈海「だから誰と話していたのよぉ!」 勇弥「ん、だいたい想像はついているが、なんて言っていたんだ?」 正義「【数秒ルール】の弱点だよ。」ボソッ 勇弥&奈海&コイン「「弱点!?」」 大王「でかしたぞ。どのような弱点なんだ?」 正義「いい?―――。」 堂々とされた作戦会議に苛立ったか、十文字が立ち上がり、攻撃を再開しようとする。 楓「何をしているんだ!?その隙に攻撃するぞ!」 正義「よし、行くよ!」 作戦会議が終わり、まず正義が無謀にも突っ込む。 楓「無駄だ、1!」 正義「3!」 勇弥「2!4!」 奈海「1!2!1!」 十文字がカウントしだすと、全員が騒ぎ出した。すると十文字が混乱しだす。 楓「なッ?」 大王「成功か?なかなか脆いものだな。2、2、2、1!」 コイン“「3!1!4!1!5!9!」” 勇弥「3!4!2!4!1!2!1!」 奈海「2!1!2!1!2!4!」 楓「うぅ・・・。」 正義「終わりだよ。」ガツッ 全員が無茶苦茶に数字を叫ぶ中、正義は十文字の首の後ろを打ち、十文字は気を失った。 正義「・・・勝った。」 【数秒ルール】の弱点、それは時間をしっかりカウントしないと能力が発揮できない事。 つまりあれは、十文字のカウントを混乱させるための行動だったのだ。 大王「よし、家に送るぞ。」 奈海「OKって、え?大王さん?」 大王「ん?なんだ?」 勇弥「いや、まさか大王さんの口からそんな言葉が出るとは・・・。」 コイン「なんか隠しているんじゃなぁい?」 大王「知らん。少年の家が1番近いのか?」 正義「できれば、勇弥くんに運んでくれたら速いんだけど。」 勇弥「ん?何でオレ、ってあぁ、忘れてた。じゃあしっかりつかまれよ。」 全員が勇弥につかまると、全員を0と1のヴェールが取り囲む。 ―――気が付くと、勇弥宅の前に着いていた。 勇弥「今思ったんだけど、気絶した年頃の女を部屋に連れ込むのってどうなんだ?」 奈海「私がいるから問題ないと思うけど・・・。」 正義「それならボクに任せて。」 正義の言葉を信じ、勇弥はインターホンを押す。 “声「“ガチャ”どちら様でしょうか?」” 勇弥「日向勇弥、ただいま帰りました。」 “声「はい、直ちにお迎えに上がります。」” 奈海「時々思うのよ。なんでわざわざ金持ちって雇っている人を玄関まで呼ぶの?勝手に上がればいいじゃない。」 勇弥「ん、なんでだろうな?あ、あと友人が3人」 正義「待って。えと、途中で女の子が気を失って倒れてたので、危険だったのでここまで運んだんですが、良ければ気がつくまでここで休ませてあげてくれませんか?」 “声「まぁ!それは、直ちに向かいます!“ガチャ”」” 勇弥「・・・あぁ、その手があったか。」 奈海「・・・私、絶対そんな言葉出てこない。」 数分と待たず、玄関からタンカーが現れて、十文字を乗せて玄関に戻っていく。それに正義達も付いていった。 こうして、十文字は日向家ゲストルームに無事運ばれた。 楓「・・・。」すぅ・・・すぅ・・・ 日向「さて、しばらくどうする?」 コイン「ゲームに決まってるじゃない!」 奈海「騒がしい。静かにしなさい。」 コイン「はぁーい。」 コインがゲームを漁りだした。 大王「俺は友の最新の発明を見ておきたいが。」 正義「ボクもォ!」 勇弥「ん。まぁ『コインシューター』に集中していたからあまりいい物は無いぞ?」 コイン「なにさぁ、私の所為でいい物が造れなかったって言うの?」 勇弥「逆。『コインシューター』が名作過ぎて他はちゃっちいよって事だ。」 大王「そんなにすごい事を成し遂げていたのか?」 正義「さすが勇弥くん、凄い!」 ―――数十分後 楓「ん・・・。」 大王「お、やっとか。」 正義「良かった。おぉい、十文字さん。」 楓「ん?うわぁ!?」 十文字は突然周りの状況が変わったことに驚いたようだ。・・・驚かない方が怖いが。 勇弥「大丈夫っすよ十文字さん。ここはオレんちですよ。」 奈海「それはそれで問題だと思うわよ?」 楓「・・・何故コロさない?」 正義「・・・そこからか。」 正義は、さすがに溜め息をつき、呆れたような口振りで話し始める。 正義「いい?別にボクは人をコロす気なんか無いし、そもそも契約者同士で戦うとかいう話も無いの。」 楓「・・・なら!夢に出ていたあいつは?あの声は?!」 奈海「たぶん、契約して混乱してたから、そんな夢見たんじゃない?十文字さんの都市伝説は喋ってくれないもんね。」 楓「そうか・・・。」 どうやら、負けてかつ、ゆっくり話し合った事で落ち着いたらしい。と同時に、湧く感情が1つ。 楓「・・・すまない、皆。私の勘違いなんかで、傷付けるどころか・・・。」 奈海「もういいから。そもそもいきなり変な力を手に入れたら、どうしたらいいか分からなくなるもんだって。」 勇弥「・・・そんなもんだ。」 正義「?・・・とにかく、十文字さんはこれからどうするの?」 楓「これから?それは・・・。」 正義「何もせずに一生を終えるのか、その能力で何かするのか。別にボクはどっちでもいいと思うよ。」 不意に、正義は十文字に選択を突きつける。 正義「何もせずに一生を終えれば、それはそれでキミは楽になれると思う。」 奈海「ちょ、なんかそれって。」 大王「(自殺を誘発させそうな発言、だな。)」 正義「でもね。そんな事をすれば、結局キミは悪人のままだよ。」 楓「・・・ならどうすれば良い?」 正義が説教を続けようとした時、勇弥が語りだす。 勇弥「なら人を傷付けようとした分、人を守れば良い。そうする事で、お前の罪は消える。」 楓「そんな事で、罪は消えるのか?」 勇弥「本当ではないが、嘘でもない。・・・これを信じて、お前は生きるか?」 楓「・・・。」 数秒の間―――そして運命の選択―――の後、十文字の口から回答が出る。 楓「なら・・・生きて、罪を償ってみせる。お前の、その言葉を信じて。」 勇弥「よし、じゃあ改めて。」 正義&奈海&勇弥「「ようこそ、『都市伝説研究同好会』へ!」」 思いもよらない言葉で、十文字は、やっと目が覚めたように話し始めた。 楓「そうか・・・、ありがとう、皆。一瞬『都市伝説研究同好会』の存在を見失っていたよ。だが完全に目が覚めた。」 正義「うん。」 楓「私は、これからは、この力を使って人を助け、悪い都市伝説と戦う事にする!」 正義「うん!かっこいいよ!」 奈海「まっ、って、もう都市伝説とも契約しちゃったから、それでいいんだ。」 勇弥「そ。仲間が1人増えたって事だ。」 急に、奈海のウェストポーチのお守り袋からコインが飛び出す。 コイン「じゃあ、自己紹介しておいた方がいいわよね。」 楓「うわっ!?き、キミは・・・?」 コイン「ちょっと前まで戦っていたじゃない。改めまして、【コックリさん】の[コイン]ちゃんでーす。」 楓「【コックリさん】・・・なるほど、そう言っていたな。宜しく。」 大王「そして。」 十文字が寝ているベッドの横に大王が立つ。 大王「俺は【恐怖の大王】だ。会長の少女が仲間となってくれて嬉しいぞ。」 急に、楓が紅葉を始めた。 大王「(ん?言葉のミスは無いはずだが。まさかバレたか?)」 勇弥「あ、十文字さーん。大王さんには気をつけてくださいよ。」 奈海「正義くんのおかげで何もしてないけど、本当は悪い人なんだから。」 大王「なっ、いや、あの2人は嘘を言っていてだな、本当は」 正義「大王!十文字さんを世界征服には利用させないって言ったよね?」 大王「(ダメだったか。)」 ふと、大王の手に暖かいものが被さる。手を見ると、十文字の手のようだ。 楓「大王様!私にその世界征服のお手伝いをさせてください!」 一同「「・・・はあぁぁあぁあぁぁぁあ???!!!」」 今まで実例も、想像もしていなかった出来事に、ただただ声を上げるばかりだった。 楓「あなたのためなら、なんでもします!」 大王「・・・そうか。ありがとう会長よ。会長が仲間ならとても心強い。」 楓「・・・ありがとうございます!」 とうとう俺にも仲間ができたぞ!記念すべき最初の仲間は会長だ。 基礎能力の情報収集力と柔道の腕に、【数秒ルール】の能力が加わった彼女なら、強い戦力となるだろう。 ―――世界征服への道は近 正義「大王も十文字さんも!世界征服しようとしたらボクが絶対止めるからね!」 ―――やっぱり世界征服への道は遠い。 第5話「支配者」―完― 前ページ次ページ連載 - 舞い降りた大王
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/438.html
22: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 23 24 14 ~教室~ 「おい、まーいー??」 心配そうに覗き込む康介。 「いいかげん、機嫌なおせよぉー」 ごめんね、康介。まだ、許せないんだよね。 「舞ちゃん」 声の主は、蔵間君。 「さっきは連が失礼な事言って、ごめんね」 「蔵間君が謝ることないよ」 「蓮は言われるまで気づかないから・・・」 「だからって、甘やかせちゃダメだよ!! 蔵間君も困ってるんならなおさらだよ!!?」 「う、うん・・・」 蔵間君はおどおどしてる。 オネエの時のあの自信は、どこへ・・・。 我慢の限界がきて、私はアイツの席に行く。 バァンッ!! 「っ!?」 突然、私が机を叩いたから驚いた蓮君。 「チビにもプライドがあるの!! ちょっと腕だして!!」 「はぁ・・・?」 訳が分からない蓮君、怒り狂ってる私。 「いいから!!腕、出してってば!!」 「は?え、ちょっ・・・!!」 グイッ!! 強引に蓮君の腕を引っ張って、 パシッ!! 思いっきりしっぺをした。 見ていた康介、鈴音、蔵間君、 そしてやられた蓮君は唖然・・・。 「もうチビって言わないでよ?」 「・・・・・・」 「ちょっと?」 「・・・・・・・・・」 「ねぇってば!!ちょっと!?」 「・・っく、ぷく、く、あっはははははは!! ダメだぁーーーー!!我慢できねぇーーーー!! あはははははははは!!」 私の開いた口がふさがらない・・・。 どうしてこんな状況で笑えるの・・・? 「おっ、お前っ・・・・くくくっ・・・。 お仕置きに“しっぺ”って・・・くく・・!! お笑いにもほどがあんだろ!!」 「なっ!?バカにしないでよ!! 暴力は嫌いなだけ!!」 「おっ、おい、・・・くくっ、早乙女! こういう奴なのか?・・・ぷっくく!」 「うん・・・まぁね。あんま笑わないであげて」 なぜか、笑いがどっとこみ上げてるみんな。 私だけ、その日の数時間は不機嫌でした。 24: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 23 48 28 ~教室~ 私は久しぶりに朝早く登校。 まだクラスの中には誰もいないから、 教室の窓から一人で景色でも眺める。 こうやってゆっくり景色を見るのもいいよね・・・。 「何やってる、ストーカー女」 そう、こういった幻聴も聞こえるんです。 そう、聞こえるんです。 え?聞こえるんです?幻聴?ちょっと待って。 今、もんのすっごい聞いたことのある声が・・・。 「何スルーしてんだ、しっぺ女」 「な、何でいるんですか!?」 「何でっていて悪いのか?」 「いや、全然いいよー。ってチガウ! 何でこんなに早く来てるの?ってこと!!」 「あ?そりゃー、お前だって同じだろ?」 「私は気になるから質問してんです!」 「気になるも何も、俺ら日直じゃん」 「あ・・・」 何のために早く来たの・・・。 何のためにめざましを早くセットしたの・・・。 そう、日直だから・・・。 言われるまで全然気づかなかった。 学校にくるまで全然思い出せなかった・・・。 「お前、天然だよなー。ぜってぇー告られても分かんねーよ」 「失礼な!告白くらいは分かりますー」 「フン・・・。ま、鈍感女にゃそれぐらいがいいんじゃね?」 何、その言い方。また、頭にくる・・・。 でも・・・なんかこの時間が楽しく感じる。 蓮君といれるこの時間が・・・。 私のことは、チビとしか見てないだろうけど それでも会話で目が合ってるなら幸せだな・・・。 「おい?なに、ニヤけてんだ?」 「えへへっ!別にー」 「・・・変な奴」 「お互いさまにね」 不良を感じさせない蓮君の態度、 それになにげに優しくしてくれる。 そういうところがもっと愛しくなるんだよ。 ねぇ、天然なんかじゃないよ。 ねぇ、鈍感なんかじゃないよ。 ちゃんとこの気持ちが何なのか、分かってる。 蓮君の目に私が映るように頑張るよ・・・。 心の中でそう語りかけた。 君に夢中になるまであと5秒・・・。 25: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 10 16 36 ~4時限目 数学 ~ 「ですから、ここにXを・・・」 先生は必死に黒板に板書。 それをもろともせずによそ見している、蓮君。 蔵間君はちゃんと集中してるのに・・・。 この差はなんだろうか・・・。 と、よそ見をしている蓮君に気づいた先生。 「じゃあ、亜久間君、ここの問題解いてください。 よそ見しているほど、この授業はつまらないようですからね」 先生がイヤミっぽく言う。 蔵間君が心配した顔で蓮君を見る。 「そうっすね。つまらなかったんで。 ここの問題解きゃいいんですね?」 「もちろんです。まぁ、難問ですからすぐには・・・」 「解けました」 「!?」 先生もクラス中もこれにびっくり。 何より先生の顔が、驚きと悔しさであふれてる。 蓮君はなにくわぬ顔で、席に戻る。 男子なのに、字が綺麗なのも驚き・・・。 それにクラスの女子(鈴音と舞を除く)は、 もろともしない蓮君を見て黄色い歓声・・・。 「先生、これで文句ないですか?」 「え、えぇ・・・」 先生も面目丸つぶれ・・・。 蔵間君は安心した顔で、私に微笑んだ。 蓮君、不良なのに頭良かったんだ・・・。 新たな発見に、少しドキッとした4時限目の数学---。 26: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 10 48 39 ~お昼休み~ 「あぁーーーー!!やーーっと終わったぁ~!!」 康介が4時限目終了のチャイムと同時に叫ぶ。 蓮君は相変わらず、つまらなそうな顔。 蔵間君はお昼の準備・・・。 私と鈴音はいつも屋上でお昼を食べる。 「舞、屋上行こう」 「あ、うん。待ってね、今行く」 お弁当箱を出して、屋上に向かうその時・・・。 「しっぺ女」 呼び止められた・・・。 「な、なに?」 声をかけられたのに内心驚く。 「蔵間もいっしょだから、俺らと食え」 「何を?」 「昼に決まってんだろ。嫌か?」 嫌も何も・・・いきなり?? 「んと、鈴音も一緒でいいの?」 「俺が特別に許す。屋上で食べるぞ」 本当に俺様だなぁー・・・。 すると後ろから康介が「俺も!」ってねだるから 仕方なく康介も・・・。 ん?待ってよ。このメンツでお昼って・・・。大丈夫なの?? 27: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 11 44 38 ~屋上~ 「へぇ~、鈴音ちゃん一人っ子かぁ~」 「まーね。寂しく感じる日、多いけど」 「じゃ、その時は俺、鈴音ちゃん家に行くよ」 「本当?ありがとう!そういや、蔵間くんオネエはどうしたの?」 「んー?あぁ、入学式限定のキャラ!」 「元は普通なんだね?安心したー」 「ありがとね。あ、鈴音ちゃんアド交換しようよ」 「全然いいよ~」 鈴音ちゃんは普通に蔵間君と仲良くなってる。 康介は蓮君に質問の嵐。 「なぁ、不良やって何年目?」 「知るか。いちいち数えてっほど暇じゃねぇんだよ」 ぶっきらぼうな蓮君。それでもめげない康介。 「じゃさ、何で頭いいの?」 「勉強もすんだよ。たまーにだけどな」 「へぇ~。んじゃさ、喧嘩したこと・・・」 「あるに決まってんだろ。じゃなきゃ不良じゃねぇよ」 「だよなー。過去に彼女は何人いた?」 え・・・。ちょっと、康介!? 気になってること何で康介が聞くの!? 「それ聞いてどうすんだよ」 蓮君が康介を睨む。 「どうもしねーよ。気になるんだ」 「女なんてつくらねぇよ、アホ」 「なんだ、てっきりいるんだと思ってた」 「いたらどうするつもりだったんだ」 「ん?紹介してもらうつもりで・・・」 「バーカ。誰がお前に言うかよ」 「なんだとぅ!?もっかい言ってみろ!!」 ギャーギャー 意外と息が合ってる二人。 漫才でもやっているように面白い。 なんだか蓮君が悪い人には見えない。 正義のヒーローじゃないのかなって思ったりもする。 「おい、何ニヤけてんだ?」 「わあっ!?」 「お前、今日の朝もニヤけてたよな?大丈夫か?」 「なっ!?病気じゃないから大丈夫です!」 慌てて手で顔をかくす。きっと顔真っ赤だよ・・・。 「舞・・・?」 後ろから声がした。 「ふぇ?あ、伊玖!」 驚いた顔で立っている伊玖。 「伊玖、はよ~」 康介がお昼なのに朝のあいさつ。 「伊玖、やほ~」 鈴音もにっこりあいさつ。 「鈴音、康介、新しい友達??」 「あぁ!蔵間じゅんに、亜久間蓮!」 「どーもー(ニコッ」 「フン・・・」 蔵間君は、愛想よく笑顔であいさつ。 蓮君は相変わらずぶっきらぼう、 「俺は蓮堂 伊玖」 珍しく伊玖が自分からあいさつする。 「伊玖くんってさ、無口なんだって?」 蔵間君が言う。 「人見知りだから・・・。みんなでお昼?」 「まぁね。伊玖くんもこない?」 「俺、先生に呼ばれてるんだ。じゃ」 タタタ・・・ 口数少ない伊玖は、仲良くないとたくさん話さない。 「伊玖くんて、モテるでしょ?」 ふと蔵間君が聞く。 「小学校、中学校ともに大人気。 自覚ないんだけどねー」 康介が羨ましそうに言う。 「舞と伊玖のウワサが流れたときは、 伊玖が怒ってさー。すごかったね、あれ」 康介が懐かしげに語る。その脇で鈴音もうなずく。 「お前らがか?」 予想外のことに、蓮君が聞く。 「そうそう。仲がいいから勘違いする女子が増えてねー」 鈴音が腕を組みながら思い出している。 「舞が伊玖とのウワサは嘘って言ったんだけど、 嘘じゃないんだろって言った女子一人がね、 舞の頬を平手打ち・・・」 「あの時は仕方なかったんだよ」 私は少し痛い思い出を思い出した。 「んでそれ聞いた伊玖が、 その女子にすっごく怒ったの。 その時の顔が、今まで見たことない顔でねー。 男らしいって言ったらいいのかなー。真剣だったね!」 康介がうなずく。 「そんなことがあったんだ」 蔵間君が意外そうに私を見る。 「お前でもそういうことあんだな」 驚いた顔する蓮君。 なんか言い方が引っかかる。 キーンコーンカーンコーン・・・ 「あ、そろそろ教室に戻らないと」 私が言うとみんなお弁当を片付け、 教室へ向かった。 その途中、蓮君の視線が私に向けられていたことは 知るよしもなかった・・・。 28: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 12 18 38 ~放課後~ 放課後。 私と蓮君は日直で、 教室の窓が開いてないかとか 念入りにチェックしなければならなかった。 「チョークの本数、よしっと」 チェックシートに次々と書き込んでいく。 蓮君は何してるんだろう・・・。 さっきからずっと黙ってこっちを見てる。 気になるものでもあるのかな? 「あの、蓮君??」 「・・・。」 返事がない。私の顔をじっと見る。 「もぅ、なにしてるの!?早く終わらせて帰ろうよ!」 仕事してくれないと、帰るのが遅くなる。 「・・・お前・・・」 「なに?」 「・・・」 「蓮君??」 「近くで見ると、可愛いんだな」 「・・・・・・え?」 「聞こえなかったか?なら、・・・いい」 そう言うと、蓮君は教室のカーテンを結び始めた。 え・・・?ちょっと待って・・・。 今・・・なんて? 「勘違いすんなよ。ただ、可愛いって言っただけだからな・・・」 夕日のせいだろうか。みるみる顔が赤くなる。 「ん?なっ!?お、お前、何赤くなってんだよ!!?」 「へ!?な、なってないよ!!夕日の性だから!!」 慌てて後ろを向いて顔をかくす。 もう、何で“可愛い”なんて言うのー・・・。 ドキドキが止まらない。 と同時に、どんどん蓮君に惹かれていく。 この気持ち、言葉には表しきれないでしょう---。 29: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 12 44 48 ~蓮side~ 「・・・お前・・・」 「なに?」 「・・・」 「蓮君??」 「近くで見ると、可愛いんだな」 あ・・・。心のなかで思ったことが、自然と口に出ていた。 舞は唖然としてこちらを見る。 これ以上、見つめられたらヤバい・・・。 「・・・え?」 「聞こえなかったか?なら、・・・いい」 俺は舞から視線を外し、 教室のカーテンを結びに窓の方へ行く。 「勘違いすんなよ。ただ、可愛いって言っただけだからな・・・」 夕日が俺たちのいる教室を、鮮やかに照らしだす。 ふと、気になって舞の方に視線を移すと舞の顔が超真っ赤。 「ん?なっ!?お、お前、何赤くなってんだよ!!?」 「へ!?な、なってないよ!!夕日の性だから!!」 慌てて後ろを向く舞。 舞に何赤くなってんだよって言っておいて、 自分の顔も赤いだなんて不覚・・・。 最初に逢ったときから思ってたが、 俺はコイツのこと好きなのかもしれない。 一目惚れだったのかもな。 チビで、訳も分からずしっぺしてくるコイツに。 ま、そーいうとこが可愛い。 女に「可愛い」なんて言ったのは初めてなんだからな。 佐藤舞、覚悟しておけよ? ぜってぇーに振り向かせてみせる。 だから、よそ見すんじゃねーぞ。 舞の後ろ姿に語りかけた・・・。 30: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 13 27 53 ~舞side(普通視点)~ 私と蓮君は日直の仕事が終わり、 担任の武塔先生に提出しに職員室へ向かう。 「先生、これ」 「おぉー!待ってたぞ~!どれどれ・・・」 武塔先生はまだ二十歳ちょっと過ぎくらい。 女子からの人気は絶大で、ファンレターが毎日机に置いてあるという。 「よしっ!完璧だな!!お疲れさま!」 先生の元気な声とその姿には、さすがにキュンとする。 「あ・・・。おい、蓮!」 「何か用か、ロリコン」 ちょっ!?蓮君!!?先生に向かってその口は・・・ 「相変わらず、口の悪さと喧嘩ごしなのは健在だな」 え・・・?先生がニッと笑う。 「うっせーよ。早く用件言えや」 「カギ、忘れてったろ?ほい」 「フン。たまには役に立つんだな」 「お前の担任なんだから、ちょっとは敬え」 「誰が敬うかよ」 どういうことなのだろうか・・・。 先生と蓮君は、、、友達??? 「先生、蓮君とは・・・」 「あぁ、親戚なんだよ。よく小っさいころに遊んでた」 「こんなの親戚の覚えはねぇ」 そうなんだ!だからこんなに仲いいんだ! 「そうだったんですね!仲いいですね~」 「は?コイツと俺?冗談、冗談!もう可愛くないから!コイツ!」 「可愛くなくて悪かったな、武塔せんせー?」 「うわっ!!気持ち悪っ!!せんせー呼ぶな!!」 「はぁ!?おまえが敬えって言ったんだろーが!!」 蓮君の額に血管が浮き出る。 先生は冷静に対応する。 「ほら、すぐケンカ腰。だから女が逃げるの」 「うるせぇよ、フラれたくせに」 「ぶっ・・・!なっ、なんで知ってんだよ!?」 「やっぱマジだったのか・・・」 「おい!誰に教えてもらった!?」 「蔵間に決まってんだろ。 お前に相談されるなんて思ってなかったから ビビってたぞ、アイツ」 「蔵間ーーー!!」 兄弟のような会話にフッと笑みがこぼれる。 「何笑ってんだよ、舞」 「いや、何か面白くって」 「舞さんは天使だな~」 「お前が言うと汚れるから、もうしゃべんな」 「ひどい!!」 蓮君も楽しそうで、私も嬉しくなる。 蓮君にはたくさんいい人がいるんだね。 また一つ蓮君に近づいた気がして、嬉しかった。 32: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 13 55 16 私がカバンに荷物をつめて、 帰ろうとしたとき蓮君に呼び止められた。 「おい、舞」 どきっ! 改めて名前を呼ばれると恥ずかしい・・・。 「なに?」 ここは普通にいこう。怪しまれないように・・・。 「どっか寄ってくぞ」 え!? 「ど、どっかってどこに?」 「逆に聞く。おまえはどこに行きたい?」 「え・・・?う、うーん・・・」 「特に決まってないなら、俺が決めるぞ?」 「あ、じゃあ蓮君が決めて」 「・・・分かった。じゃ、行くぞ」 「うん!」 前を行く蓮君の背中を、追いかける。 今、蓮君は何考えてるのかな・・・? 「・・・」 どんっ! 「わっ!?」 どすっ! 急に止まった蓮君にぶつかった。 「いたた・・・。ご、ごめんね、蓮く・・・」 「蓮・・・?」 蓮君の視線の先には、綺麗な女の子。 髪の毛はカールで、薔薇のいい匂いがする。 足も細くて、美人とはまるでこの人のことを言ってるよう。 「瑠菜・・・?」 私はこのときまで知らなかった。 この女の子が蓮君にとってどんな関係の人かを---。 34: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 14 20 40 ~夜~ あの後私は、 「ごめん。ちょっと急用できたから、帰っていい」 って蓮君に言われたから帰ってきた…。 なんだけど……。 さっきから心がモヤモヤしてしょーがない…。 どうしたんだろう…?風邪かな…? 目を閉じれば、さっきの光景が浮かぶ。 ズキンッ! 「痛ッッ……!」 心臓が…痛い…。 今日は早く寝た方がいいのかな…? 明日、鈴音に相談しよう。 その夜、私はあまり寝付けなかった。 35: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 14 52 25 ~翌日~ 学校に行く足取りが重い…。 やっぱり、風邪なのかなー…? 「舞ちゃん」 この声!! 「蔵間君!!」 「ちょーっと、時間もらえる?」 「え、あぁ、もちろん!」 「じゃ、屋上でもいいかな?」 「うん、全然いいよ!」 こうして二人、屋上へ向かった。 ~屋上~ 蔵間君は、 辺りに誰もいないかを確認してから言った。 「あのさ、昨日蓮と女の子に会わなかった?」 「え…」 「図星って…トコ?」 「っ……」 「そんなに蓮のこと、好きなんだ?」 「なっ…!?」 「やっぱりね~。舞ちゃん、素直だから分かるんだ~」 「いじわるしないで…」 「え?あぁー!!ご、ごめんね!ごめん!!だから、泣かないでーー!!」 -3分後- 「心臓が痛い??」 「うん…。ズキズキしてね、痛いの」 「そりゃー…」 「…?」 「ヤキモチ…じゃないかな?」 「やき餅?」 「ううん、ヤキモチ」 「それって、病気?」 「いいや。あー、でもある意味そうなのかな…」 「えぇ!?」 「あ、大丈夫!安心して!死にはしないから!」 「よ、よかったぁー…」 「舞ちゃん、蓮を好きな気持ちは今も同じ?」 「え?あ、そ、それはもちろん」 「じゃぁ、俺、協力したげる!」 「本当!?」 「うん、舞ちゃんには蓮と仲良くしてもらってるしね。 それと、今ちょーっとピンチなんだ」 「ピンチ? 誰が?」 「舞ちゃんの想い人だよ」 想い人って…蓮君!? 37: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 15 56 25 「舞ちゃんの想い人だよ」 蔵間君がそう言った瞬間、 冷たい風が私をに吹き抜ける。 「ど、どういうこと…?」 「昨日会った女の子の名前は、鳳来 瑠菜 (ほうらい るな)。 有名な会社の社長のご令嬢。 この子に気に入られたのがやっかいだったんだ」 「気に入られた?」 「そ。父親に内緒で夜中に一人で出かけてたその子は、 街でガラの悪い不良たちに絡まれたんだ。 んで、そこをたまたま通った俺と蓮が、その子を助けたってわけ。 そーしたらさぁ、蓮に惚れたご令嬢が 婚約をせまったんだけど、みごとにフラれてねー。 んでね、その子、今度フランスに留学すんだって。 だから、まだあきらめられないお嬢様は、 無理やり海外に連れてって 誰にも邪魔されないところで結婚式を挙げようってわけ」 「ずいぶんと強引だね…」 「そーなんだよー。 それに蓮が海外に行ったら、 ここら辺をおさめてる大将がいなくなるってことだ。 そしたらここらは、不良の戦争場になる。 治安が安定しないのと同じくらい、ヤバい。 そこで、あのご令嬢を説得して、 何とかあきらめるようにしてほしいんだけど…」 パンッ! 蔵間君は、両手を合わせて頭を下げる。 「舞ちゃん!! 協力してください!!」 穏やかな朝に、冷たい風が吹き抜ける。 想い人をかけてのゲームスタートまで あと5秒---。 39: 名前:雷蓮☆2011/07/17(日) 16 30 27 ~蓮side~ 昨日、瑠菜に会って言われた言葉…。 まさかここまでつけこまれるとは…。 -昨日の回想シーン- 「さっき一緒にいた女の子、誰?」 「お前には関係ないだろ」 「関係ある!私の好きな人に女がいるなんて…」 「日常生活につけこまれるくらいお前とは仲良くねーんだけど?」 「っ……!!」 「分かったらさっさと行け」 「…嫌よ…。そんなの、絶対に許さないから!!」 「何を許さないんだ?お前の夫になったつもりはねぇんだけど」 「私にできないことはないわ!! あなたを無理やりにでもフランスに連れていく!!」 「できるわけねーだろ。現実見ろ」 「この私はお嬢様よ?私一人でとは言ってないわ」 「セコい奴だな…。女のくせによ」 「別にそう思われても気にしないわ!そばにいるだけでいいの…」 「そういうのはぬいぐるみだけにしとけ」 「必ず、あなたをフランスへ連れていく。 どんな手を使ってでも…ね」 「だから金持ちは嫌いなんだ。特に女はな」 「さっきの女があなたのタイプ?」 「お前よりは何倍もマシだ」 「私、ここにいられるのはあと2週間だけなの。 それまであなたの学校でお世話になるわ。 せいぜい、最後の学園生活楽しんで。 では、ごきげんよう」 コツコツ--- -現在- あぁー…。蔵間にバレたかな…。 瑠菜、本気の目だったしヤバいかもな…。 男だったらボコボコだが…。 さすがに女相手だと、それは無理だ。 ご令嬢だしな。 下手すれば舞に何かしかけるかもしれねぇ。 ったく…。どうすりゃいいんだ…。 2週間の間に何かいい方法でも探さねぇと…。 俺がここを離れるわけにはいかねぇし、 ロリコン(武塔)に相談すっか…? -その頃の武塔- 「ぶえっくしょん!! あー…。風邪かなー。 ちゃんとネギ食わねーとな…」 君を好きになる5秒前 続き1
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/107.html
レシエ邸には夜間の間も奉公人が数人ながら残りそれぞれ仕事をしている。 「あの・・・メイド長ちょっといいですか?」 「ん?なんだい?」 この夜も家令を務めるセバスに昼間の事柄など伝達すべき要件を伝え、彼から今後の日中の仕事の内容などを受け取って詰所へと戻り、さてこれから少し一息つこうかと机に座ったメイド長に、付き添いで一緒に行動していたアリアが常々思っていたことを切り出す。 「メイド長ってご家族とかいないんですか?」 「いないよ?私は元々この国の生まれじゃないからね。結婚もしていないから夫も子供もいない。だからこうやってあんた達ヒヨッコがヘマしないように見張れるのさ」 「そうなんですか!?」 未婚というのはなんとなく想像していたがスラヴィア出身ではないということに驚くアリア 「そんなに驚くことかい?サンターラやピエトだってこの国の生まれじゃないじゃないか」 「それはそうですけど・・・なんかメイド長がこの国の生まれじゃないってまったく想像してなかったから・・・」 彼女の脳裏には難民としてこの島に渡り定住した両親を持つ仕事上の先輩であり友人でもある二人の少女の姿が浮かぶ。 「まぁ故郷で過ごした月日よりスラヴィアで過ごした月日のほうが何倍も長いからね」 「そうなんですか。じゃあ小さい頃にご家族とこの国に?」 「いんや、一人でさ」 「え?一人で?」 アリアは「あれ?」という表情をする、まったくそんな応えが帰ってくるとは思っていなかったのだ。 「あぁ、私ははかなり北のほうの国の生まれでね、ひどく貧しい場所でさ。私の親は私が物心ついた頃は両方おっ死んでてね、遠縁だっていう婆さんに引き取られたんだけど、その婆さんにイモ2籠で人買いに売られてね」 「それって・・・」 当の本人はいたって明るく語ってはいるが、思ってもいなかった重い話にアリアは言葉に窮する。 「なぁに、売られたって分かった時はショックだったけどね、今じゃ感謝してるんだ。そうじゃなかったら今の私はいなかっただろうからね」 そう言ってメイド長は机の上に置かれた水差しを手に取り、自分のコップへと中に入った沸かし水で薄めた葡萄酒を注ぎ入れる。 「それじゃ奴隷船でこの国に?」 「そうさ、今でも時々来てるだろ?あれに乗ってね、ドンブラコッコとやってきたわけさ」 コップを口に運びながらメイド長は応える。 「聞いたことならあります・・・実際に見たことはありませんけど・・・」 奴隷船などの交易船が寄港するのはルゥドというスラヴィア最大の港街で、そこは別の貴族の領地ということでアリア達のようなレシエの領民は特別な許可がない限りは行くことができない。 「この国に来るまでは正直恐ろしかったねぇ、外じゃこの国は化け物どもが蠢く魔境みたいに語られてるからね」 「そんな!?」 アリアは信じられないという顔をする。彼女にとっては貴族とその配下である屍者の居る日常が当然のこととして生まれてからの15年を過ごし、周囲もそれが普通のこととして過ごしているのだからある種それがこの国の平均的な反応だろう。 だがふと先程思い浮かべた友人二人が以前そんなことを冗談半分で言ってたことを思い出す。 「まぁ、外から来た私も最初は驚いたし恐ろしかったからさ、長い間お仕えして今じゃそんなこと思うこともないけど、最初はいつ食い殺されるのかと毎日ビクビクしてた」 「・・・・・」 アリアはそれになんと返答していいか悩んだ末に沈黙することを選んだ。 「だけどね、そんな私を優しく包み込んでくれた御人が居てね・・・右も左もわからず学もない私にこの国のいろんなことを教えてくれて文字の読み書きや数字の数え方そして今の私を形作っている多くのことを与えてくれたんだ・・・」 コップを両手で抱えるように持ちながらメイド長は懐かしいというような表情を浮かべる 「・・・その人とはどうやって出会われたんですか?」 やっと言葉に窮せずに済みそうな話題になったとアリアはここぞとばかりに尋ねる。 「レシエ様に運良く買われた後、私を育てるために子供の居なかった養父母に預けられたんだけどね、もうこんな国に居るなんてまっぴらだって養父母のところから飛び出してさ、裸足で夜道をさ迷ってたら偶然出くわしたのさ、後で聞いたら日課の散歩の途中だったんだと」 「え・・・夜にですか?まさかその人って・・・」 予想外の展開にアリアは思わずメイド長に尋ねる。 「あぁ、屍者様さ・・・怯える私に根気強く付き合ってくれてね、あの方と出会っていなかったらどうなっていたか・・・」 薄い葡萄酒が注がれたコップの中の波紋に昔の記憶を映すかのように眺めながらメイド長はアリアに語る。 「へーーー、あ、そういえばギルベルト様も散歩が趣味ですよね?」 「あ、あぁ・・・そういえばそうだったかね・・・」 突然出てきたギルベルトという名前にメイド長が言い淀んだのをアリアは幸か不幸か気がつかなかった。 「まぁそんな具合で、おかしなことに私が養父母の家を事あるごとに飛び出す度にその人が私を見つけてくれてね、その度に優しかったり口やかましかったりいろいろ私に話したり私の話を聞いたりするようになってね」 「ふんふん」 アリアもすっかりメイド長の話に相槌を打つだけとなっていた。 「そのうち、その人に会いたいためだけに夜に家を抜け出すようになっちまってね・・・今思えば本当に親不孝な娘だったと思うよ」 「アハハ♪」 なんとも可愛らしい話にアリアは子供時代のメイド長を想像して笑みを溢す。 「それから何年か経って子供だった私も丁度今のアリアくらいの歳にこの館に御奉公することになってね、その時は本当に舞い上がるくらい嬉しかったね。ようやく恩返しができる。いつでも会える場所に居られるってね」 「あの・・・それってメイド長その方を・・・」 ふとあることに思い当たりアリアは恐る恐るメイド長に尋ねてしまう。 「信じられないだろ?死んでる人間を好きになるなんて」 「そんなことないです!・・・・ないと思います・・・」 アリアは精いっぱい首を横に振ってまで拒定するが、何をそんなに大げさにやってるのだろうと恥ずかしくなって声を窄ませてしまう。 「最初はただのごっこ遊びみたいなものだったのかもしれない。それがいつの間にか歯止めが利かなくなっちまってね・・・」 「本当にその方を愛してたんですね・・・」 そんなことを言うアリア自身も胸がズキズキと痛いことを感じていた。 「終いには、ここを出よう、二人でどこか別の場所に逃げよう・・・そんなことを真剣に語っちゃったりね」 恥ずかしそうに笑いながらメイド長はコップを口へと運ぶ、その際アリアからは見えなかったがメイド長の顔に一瞬どこか寂しげな表情が過ぎる。 「レシエ様の領地の境にあるアカビアの木があるだろ?」 「昔、その木が欲しいが為だけにレシエ様とランバール様が一騎打ちをしたっていう木ですよね?」 小高い丘の上にまるでその丘全てが自分のものだと主張するかのように生える大木をアリアは思い返す。 「あぁ、あそこで待ち合わせをして遠くに逃げよう、そう約束したのさ」 アリアもこの年頃の娘の例に漏れず思わぬラブロマンスに興奮気味にメイド長の話を聴き入る。 彼女もこの話がいよいよ佳境へと向かっているのはなんとなく理解していた。 「それでどうなったんですか!?」 アリアは思わずメイド長に続きを催促するような勢いで尋ねてしまう。 「来なかった」 「・・・え?」 思ってもいなかった言葉にアリアは絶句する。 当然の結末である。物語の当事者であるメイド長が今もここにいるということはその物語が報われない末路を辿るということを最初から示唆していたのだから。 「待てど暮らせどその約束の日に彼は来なかった。一晩中その場所で待ってたけど彼は来なかった。朝日が昇っても待ってたんだよ?笑っちまうだろ?」 気恥かしいというような表情で語るメイド長だったが、その表情の中に交じる別のものにアリアの胸がチクチクと痛んだ。 「そんな・・・・」 「最初から無理な話だったのさ。屍者が自分の主に逆らって逃げようなんてね。それもわからくなるくらいのぼせちまってたんだねぇ」 「その後・・・その人とは?」 「それっきりさ」 「え・・・・」 「まぁ所詮は長い長い人生の暇つぶしの一興みたいなものだったんだろうね?勝手に浮かれて熱を上げていたのは私の方だけだったってことさ」 「そんな・・・」 「それからは素っ気ないもんだったよ、こっちが何を言おうがまったく相手にせずってな具合でね。あんときゃホントに惨めな気持ちになったね」 「・・・その後、その人は・・・・」 訊くべきではないとはわかっていたがどうしてもアリアは訊かずにはいられなかった。 「あぁ、死んだよ。まぁ最初から死んでるんだから死んだってのもおかしな話だけど、それからしばらく経っての饗宴に出兵してね。その話を聞いた時は胸がスカッとしたね! 「そうですか・・・・」 なんとも言えない気持ちになってアリアは押し黙る、胸がキュウキュウと押しつぶされるように痛い。 「ヒトと屍者はどうやっても結ばれるなんてことは無理なのさ・・・」 アリアの胸中を知ってか知らずかメイド長のその言葉がアリアの胸をチクチクとひどく突き刺した。 ギィ・・・・ 「・・・?」 詰所の扉が小さく軋む音でメイド長とアリアの視線がそちらに向く <ヒトの女は二人以上となると途端によく囀るようになってかなわんな・・・> そこには白銀色のリビングメイルが立っていた。 「あ・・・ギルベルト様・・・」 <今日の夜番はゼルタとアリアか・・・> 「ええ、あとはレーラがキッチンに、クロードが納屋にいますよ?何か御用ですか?」 <いや、主の部屋からの帰りだ。声が聞こえたので様子を見に来た> 「こりゃあこりゃあお気づかいどうもありがとうございます。私はてっきりまたアリアを口説きに来たのかと思いましたよ」 「メ、メイド長!?」 メイド長の言葉にアリアはギョッとした表情になる <この前もそうだったがあまり茶化すな・・・私はただアリアの話し合い手になっておっただけだ> 「そ、そうですよメイド長!そんな・・・」 そう批難の声を上げようとしたアリアだったが、ふと何かがしこりとなってその後の言葉が出てこず言葉に詰まる。 「・・・さて、一息ついたしちょっと見回りにでも行ってこようかね」 アリアのそんな様子にチラと視線の端に捉えたメイド長だったがすぐに席を立ちあがり仕事の再会を告げる 「・・・ん?あや?あら?あらら?」 しかし立ちあがった拍子に何かの異変を感じたらしくゴソゴソと腰のあたりをまさぐり何かを探す素振りを見せる。 「どうしたんですか?メイド長?」 「うーーーん・・・カギがね・・・無いみたいなんだよ。たぶんどこかに置き忘れたんだろうね・・・」 「えーーーー!?」 アリアは驚いて立ち上がる。 「あぁ、アリア、すまないけどカギを取りに行って来てくれないかい?置き忘れたのはたぶん道具部屋の奥の台の近くだと思うんだけど」 少々バツの悪い表情を浮かべてメイド長はアリアに助力を求める。 「わかりました!でも、メイド長が置き忘れなんて珍しいんじゃないですか?私はじめてかも」 「あぁ、最近歳かね?細々とした物をよく忘れてしまってね・・・頼めるかい?」」 「はい!いってきます!」 そう言ってアリアはパタパタと詰所を出て道具部屋へと駆けて行く。 「・・・良い娘だろ?」 アリアの足音が遠くに遠ざかったのを確認してメイド長がギルベルトに呟く <あぁ・・・昔のお前によく似ておる> 「そうだね、嘘を疑うことなく信じちまうところとかそっくりさ・・・」 <・・・・・> メイド長の思わせぶりな言葉にギルベルトは無言 <しかしだ・・・誤魔化すためとは言え勝手に殺されるのはなんともゾッとせんな> ふと思い出したかのようにギルベルトがメイド長へと投げかけられたその言葉には抗議の色が含まれている 「おや?どのあたりから盗み聞きしてたんだい?」 <私が宴で死ぬ少し前からだ。それに盗み聞きしたわけではない、たまたま通りがかったら聞こえただけだ> 「そうかい。でもまぁいいだろ?一度はとっくの昔に死んでるんだ。30年前に私にもう一度殺されなかっただけ感謝してほしいくらいだよ」 <むぅ・・・・> 返す言葉もないとばかりにギルベルトは呻く 「どうせあの子にちょっかい出してるのも昔と同じなんだろ?あんたは無駄にそして残酷なくらい優しいからねぇ?」 トゲのある言葉でメイド長はギルベルトに問う。 <世間話をしておったらいつの間にかあの子の父親の病の相談などを受けるようになってな・・・あまり良くないとはわかっているのだが・・・> 「わかっているならおよしよ、ただ懐かれているだけだと思ったら手遅れになるよ?今度は間違いなく殺されちまうよ?あの子は好きになったら一途な性分だよ?怖いよ~~?」 <お前が言うか・・・?> 「私は諦めたからね!あんたみたいな最低な男に振り回されなくて良かったと今は清々してるよ」 <そうか・・・悪かったな・・・・> その後、しばらく室内には微妙な沈黙が訪れる 「・・・それで?久々に顔を出したのはどういう風の吹きまわしだい?」 <ただの気まぐれだ。主と遊戯をしておったら昔の話になってな> 「あんたが無知で世間知らずな娘をたぶらかしたっていう話かい?」 <・・・いい加減許しては・・・もらえんだろうな> 「あぁ許さないね!私は一生あんたのことを許さないって決めたんだ」 <すまん・・・> 再び両者の間に微妙な沈黙が流れ 「メイド長!何もなかったんですけど!」 その沈黙を破ったのは遠くから聞こえてくるアリアの声だった。 「あぁすまないアリア!忘れたと思ったら持ってたよ!」 詰所の扉をくぐってアリアの居る方向に声を張り上げるメイド長 「え~~~~!?」 遠くでアリアの拍子抜けしたような声が聞こえてくる <・・・さて、私はそろそろ退散したほうがよさそうだな> 「あぁ、さっさと出て行けこの疫病神(ニール)!」 メイド長はそう言いながらシッシッとギルベルトに向かって野良犬でも追い払うような仕草をする。 <疫病神(ニール)と来たか・・・ますます口が悪くなったな> 「これ以上言われたくなったらさっさと行きな!」 <あぁ、そうさせてもらうよ・・・> ギルベルトはそう言い残すと詰所を後にし自室のある方向へと消えていった。 「あれ?ギルベルト様は?」 詰所まで戻ってきたアリアは近くにギルベルトの姿がないことに気がつき辺りをキョロキョロと見渡す。 「帰るってさ、まったく何しに来たんだかねぇ」 「そうですか・・・」 アリアは残念そうに呟くとギルベルトの自室がある方向を向き 「ギルベルト様・・・」 その響きに尊敬や親しみ以外のかつての自分と重なる響きがあることに気がついた彼女は余計なことだとは重々承知しながらもアリアの両肩に手を置き 「アリア、ひとつだけ忠告しておくよ?優しいだけの男に惚れると後々バカを見るよ?いいね?」 「はい?」 突然のことにアリアは目をパチクリさせる 「いいね?気をつけるんだよ?」 「・・・はい」 突然のことにアリアは困惑したような表情を浮かべが真剣なメイド長に気圧されるように首肯する。 「・・・さて、アリアには余計な仕事をさせちまったね、そういえば酒精の抜けた甘い葡萄酒があったね・・・この時間ならしばらく御呼びもかからないだろうし・・・アリア一緒に飲もうか?」 「・・・はい!あ、でもメイド長見回りに行くんじゃ?」 「ん?そうだったかい?まぁいいじゃないか」 葡萄酒の注がれたコップをアリアへと差し出しながらメイド長はそうとぼけて見せた。 こうして傀儡侯女レシエ邸の夜は更けて行く、様々なヒトと様々な屍者の思いを内に秘めながら・・・ あとがき ということでレシエ関係のSSでございます。 最初は「武具でハァハァするレシエたん萌え!]という自分が作ったキャラで萌えるという一種の自家中毒的な衝動に駆られて書き始めたのですが あれよあれよと書いてる途中に思い付いたネタが増え、それらを切り捨てることができず当初のレシエたんハァハァ分より熟年恋愛成分のほうがなんだか多いぞ!?な出来に・・・ どうしてこうなった・・・どうしてこうなった・・・? 次作はレシエたんハァハァ分鬼盛りなやつ書きたいな・・・ スラヴィアンになった後も残った記憶が“父親”だったのかも知れない白銀鎧。 しかしこれは嬉し恥ずかしややこしい関係が屋敷に渦巻いてて大変ですよ、レシエ卿 -- (名無しさん) 2012-06-01 00 18 04 スラヴィアはキャラが豊富というか種族のるつぼみたいですね。当のレシエ卿以外の脇を固める屋敷の面々の日常がちゃんとあるというのがほっこりします -- (ROM) 2013-03-01 21 47 24 本人含めて良キャラ揃ってるなーレシエ領。喜怒哀楽を満喫しているレシエもこういう人達に支えられていると思うとぐっとくる -- (名無しさん) 2013-11-02 20 15 41 レシエ領の領民ってスラヴィアの中ではかなり暮らしやすい幸せな部類かね -- (名無しさん) 2014-06-24 22 21 00 名前 コメント すべてのコメントを見る -
https://w.atwiki.jp/bc5656/pages/1022.html
栄志さんが入室しました 栄志- あぁ…悪くねえんじゃねぇか? 淡い光を帯びてる。 気を抜くなよ。 栄志- あぁ、そうだ。その光を逃さないイメージで。 栄志- 己の魔力だけに頼んなよ? 何のために高い金払ってんだ? 栄志- (皮肉っぽく笑い 栄志- (隣の少女に話しかける 瑠璃さんが入室しました 瑠璃- す、すいませんっ・・・! 瑠璃- (自分の左手人差し指に着けた魔法石の指輪を凝視して 瑠璃- (神経を集中させ、魔力を高めて発光させる 栄志- ほら、出来るじゃあねぇか。 光が安定してきた。 栄志- 後はさっき覚えた詠唱で〆れば良いだけだぜ。 瑠璃- はっ、はい! すみません! 栄志- 良いから。 詠唱してみ。 瑠璃- 水脈に潜む魔物たちの主さん…すみません…宝石の魔力に導かれて…お願いします…私の命に応じて…出てきて下さい… 瑠璃- 召喚魔術(サモン)・蝦蟇主(ガマン)! 瑠璃- (瑠璃の足元に召喚される魔力を帯びた蝦蟇 栄志- おいっ、出来んじゃあねぇか。(瑠璃に笑って 瑠璃- で、出来ましたっ。。。出来ましたっ! 瑠璃- あ、、、ありがとうございますっ。。何度も付きあわせてすいませんっすいませんっっ!(深々と頭下げて 栄志- 礼を言われるような事じゃあねえよ。営業の一貫さ。 瑠璃- いえっ、いえいえいえいえっっ、(ばっと頭上げて両手ふって 瑠璃- 私なんか何やっても駄目で、その、、先輩が何度も教えてくれたからっ、、、 瑠璃- (蝦蟇がぴょこぴょこ飛び始める 瑠璃- あ、あっ、だ、だめ!! 瑠璃- (横にすっ転びながら両手で蝦蟇をキャッチする 栄志- ナイスキャッチじゃねえか。(倒れた瑠璃へ手を伸ばしながら歩み寄り 瑠璃- す、、すすいませんっっ!、じ、自分で起き上がれますからっ。。( 瑠璃- (両手に蝦蟇を捕まえたまま膝とか使って自力で立ち上がる 栄志- 懐いてるみてぇじゃあねぇか?(両手に乗ったままの蝦蟇見て 瑠璃- ぁ、、はいっ、すいませんそうかもしれません…、、、さっきも両手にあっちから乗ってきたみたいですし。。。 栄志- なら良かったじゃあねぇか? 召喚した者を手懐けなきゃ召喚士を名乗れねえからなぁ? 瑠璃- ぁ、ぇ、ぁ、はいっ、、 瑠璃- すいません……… 瑠璃- (両手に乗せた蝦蟇見て不思議そうに 栄志- (そんな瑠璃見て笑って 栄志- (キアシス魔法都市 栄志- (学生街 栄志- (浦巌栄志魔法石加工所兼自宅 流奈さんが入室しました 流奈- 浦巌先輩ちょっと聞いてくださいっあの砂奈が―――あ、あれ、お客さん、 流奈- (栄志の背の扉を開けて入ってくる女子 流奈- (ポニーテイル ミニスカセーラー服 キアシス街立雲ケ丘魔術師養成高等女学院高等部卒業生でクラス委員長で学年主席の才色兼備の可愛い子ちゃん 瑠璃- 、(瑠璃色髪のおかっぱ頭で膝下までのスカートを履いた自信なさ気なセーラー服少女 瑠璃- (両手で蝦蟇を乗っけている 瑠璃- あ、、、・・・ 瑠璃- わ、わたし! 瑠璃- 研究会の時間なので帰らなければなりませんっ! す、すみませんっ! 栄志- あぁ、気をつけてな。 瑠璃- いえいえいえいえっ、すみませんっっ、 瑠璃- ありがとうございましたっっっ 瑠璃- (瑠璃の背の方の戸から駆けてゆく 瑠璃さんが退室しました 流奈- あれ・・・邪魔しちゃった? 栄志- まぁ職場に勝手に入ってくるなって話じゃあねぇかな?(流奈に振り向き 流奈- うわー。浦巌先輩ごめんなさい。(素直に 栄志- いや、やることはちょうど終わったとこだったし、あっちも最初に時間言ってた。気にする事じゃあねぇよ。 流奈- そ、そうかなぁ…? 栄志- で、なんだって? 流奈- あ。 流奈- あとさっきの子どなたですか? 私の後輩…ですよね?(制服的に 栄志- あぁ、合ってるじゃあねぇか。 面識ねぇのか? 流奈- え、ど、どうだろう、、、 栄志- あっちはおまえの事知ってたぞ。 ま、逆も然りってわけじゃあねえか。 流奈- え? そうなんですか? 流奈- てか、よく、来るんですか? 栄志- あぁ。わりとよく来るけど? あぁ、流奈ほどじゃないけどな? 流奈- あ。そうだったんですか。 流奈- ぜんぜん知りませんでした。 栄志- そりゃあ一日中ウチに居るわけじゃあねえんだから客の顔全員覚えてるワケじゃあねえだろ? 流奈- あ、いや、はい、そうですね。 流奈- あ、うん。 流奈- で、そうですよ先輩ちょっと聞いてくださいよっ 栄志- なんだよ? 流奈- あの砂奈がですよ!? 流奈- ――――― 流奈- (お姉ちゃんの妹トークは今日も軽快に続く 流奈さんが退室しました 栄志さんが退室しました 瑠璃さんが入室しました 瑠璃- (学生街を歩く女子 瑠璃- (両手に蝦蟇を乗せて。 瑠璃- ぅあ、、会っちゃいました、東城流奈先輩、、、 瑠璃- あ、会わないようにしてたのに、、、すいません、、、、 瑠璃- やっぱり、、近くで見ても、、、、、、、、、、、、、、、、 瑠璃- ぁっ!(なにもない所で転ぶ 瑠璃- (倒れる直前に指輪と蝦蟇が青く光り、 瑠璃- (水玉のクッションを路上に作る 瑠璃- っぇ、(クッションに緩和されて 瑠璃- (転ばずに至る 瑠璃- (目をぱちくりさせて指輪を見て 瑠璃- す、すごい・・・・・・・・・ 瑠璃- もっと魔法石………詳しくなりたいな…… 瑠璃- (指輪を見てつぶやく 瑠璃さんが退室しました
https://w.atwiki.jp/seiyu-coversong/pages/124.html
かきはら てつや カバー曲一覧 曲名 収録・音源 他ボーカリスト え?あぁ、そう。 ACTORS-Deluxe Duet Edition- 小野賢章 ELECT ACTORS-Songs Collection- ELECT EXIT TUNES PRESENTS ACTORS 5th Anniversary Edition オジー自慢のオリオンビール トコナツウェーブ Calc. ACTORS - Extra Edition 4 -feat.羚、駆、士狼 CAT’S EYE 百歌声爛 男性声優編 キューティーハニー TVアニメーション「プリンセス・プリンセス」キャラクターソング Sweet Suite vol.2 1/3の純情な感情 百歌声爛 男性声優編 Just Be Friends EXIT TUNES PRESENTS ACTORS2 空色デイズ 百歌声爛 男性声優編 ダヴィンチの告白 ACTORS -Singing Contest Edition- sideA 走れ正直者 百歌声爛 男性声優編 ハッピーシンセサイザ ACTORS - Deluxe Delight Edition 浅沼晋太郎 ヒトリノ夜 百歌声爛 男性声優編 BOY MEETS GIRL プリティーリズム・レインボーライブ プリズム☆ソロコレクション byコウジ ヒロ カヅキ(CV 柿原徹也 前野智昭 増田俊樹) 前野智昭,増田俊樹 微笑みをあげたい 百歌声爛 男性声優編 勇気100% 百歌声爛 男性声優編 ゆめいっぱい 百歌声爛 男性声優編 READY STEADY GO 百歌声爛 男性声優編 ロマンス 百歌声爛 男性声優編
https://w.atwiki.jp/jososs/pages/70.html
昔々というほど昔でもなく、最近というほど最近でもない時代のあるところに、 金糸の髪とアメジストの瞳のたいそうイタズラ好きで聡明な美しき女王と、 濡れたような黒髪で、どこか可愛らしい印象の少しおつむが足りない純朴な王様がいました。 女王様は女王様らしくどSで王様は少し困っていましたが、王様はMなので結局はラブラブです。 これは、そんな二人のある日の出来事。 「ねぇ、今度のパレード用に服を新調しましょうか」 女王様は王様に問いかけているようではありましたが、 実のところ王様には女王様の発言に対する拒否権はないので、ただ女王様の言葉を肯定しました。 「そうだね、国民にみすぼらしいところは見せられないものね」 「ありがとう。そう言ってくれる思って、実はもう仕立て屋を呼んでるの」 女王様は実に仕事の早い方でした。 女王様が手のひらを打ち鳴らすと、一人の男が恭しく現れます。 「さ、どんなものがあるのか見せてちょうだい」 どうやらこの男が仕立て屋らしく、どこからか綺麗な服を何着も取り出して見せてくれました。 金色で光沢のあるドレス。赤いビロウドのドレス。空色の絹のドレス。 どれも女王様に似合いそうです。 「わあ、どれも綺麗だね」 「えぇそうね……」 このとき、女王様は何か面白そうに口端を吊り上げて微笑んでいましたが、 王様の視線はドレスに注がれていて気づくことはありません。 女王様は、仕立て屋が次に取り出したドレスに目を止めました。 「あぁ、それがいいわ」 仕立て屋の手の中にあるのは、真っ白でふわりとしたドレス。 レースがふんだんに使われていてとても上品です。 「あぁ、綺麗なドレスだね、とても似合いそうだ」 王様は嬉しそうに女王様に微笑みかけましたが、女王様は訝しげな顔で王様を見ました。 「……ドレス?何を言っているの?あれはあなたのための服じゃない」 「え?」 そう言われて王様はもう一度仕立て屋の方を見ましたが、 仕立て屋が持っているのはどうにもドレスにしか見えません。 女王様は王様にドレスを着ろと言っているのでしょうか。 王様は訳が分からず、女王様と仕立て屋を交互に見るばかりです。 「……僭越ながら、王様」 仕立て屋が口を開きました。 「私が扱う服達は実に特殊な服でして……見るものが見れば立派な男ものに見えますが、 なんともうしますか……学の足りないものが見るとドレスに見えるのです」 「……え、えぇぇええ!」 実に不思議です。 本当にそんな服があるものなのでしょうか。 女王様が、王様を見て心配そうに言いました。 「あなた、あれがドレスに見えるの?」 その言葉は王様の心に深く突き刺さりました。 つまり、あなたは馬鹿なのかと聞かれているのと同じです。 「いや、そんなわけないさ。実に格好いい服じゃないか!うん、その服を頂こうか」 王様は見栄をはりました。 どうみてもその服は真っ白なドレスにしか見えないのに。 それもそのはず、だってその服はただのドレスなのですから。 そう、これは女王様のイタズラです。 女王様は微笑んで、仕立て屋にお金を支払いました。 ドレスの値段よりも随分多めにつつんで。 「……さぁ、試着をしましょうか」 女王様は、ドレスを抱えて王様と寝室に入りました。
https://w.atwiki.jp/kakuitayaoi/pages/163.html
403 :風と木の名無しさん:2007/10/13(土) 22 10 28 ID E32UpjJM0 刃物「あぁ、この滑らかで美しい曲線!銀色に妖しく光るこの刃先!なんて君は美しいんだ!」 癒し「…。」 刃物「見ているだけで吸い込まれそうだよ。あぁ、そうだ!私は君に惹かれ、君以外なにも見えない!」 癒し「…。」 刃物「君に私の全てを捧げよう!今私とひとつになろう!」 ガシッ 癒し「それはだめ。」 刃物「うん。」 危ないナイフが好きだけど、癒しも大好きな刃物。
https://w.atwiki.jp/tohoranking/pages/516.html
週刊東方ランキング 12年7月第4週 【集計期間】 7/21(土) 6 00 - 7/28(土) 6 00 【集計方法】 (再生数÷20)+マイリスト数 【集計対象】 東方タグがある作品、タイトルに東方が入っている作品で集計日時から1ヶ月以内に投稿された作品 【エンドカード担当】 usukemk2 氏 結果(動画内では31位~100位は結果のみ紹介) ※動画名は集計時のものを使用しています。 ※自動的に次の作品にとぶようになっている一連の作品は一つの作品とみなします。 ※釣り動画、ZIP配布作品(自作の配布は除く)、東方と全く関係ない作品は除外しています。 順位 Pts 動画サムネイル 動画詳細 1 6,279 動画名 【東方×ゆるゆり♪♪】 とうほう♪♪ 【手書き】 前回順位 新作 動画ID sm18421327 備考 2 5,081 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 【第9回MMD杯予選】東方をイケメン混成バンドでロックする【PV再現(風)】 前回順位 新作 動画ID sm18404920 備考 3 4,931 動画名 東方4コマ物語10 前回順位 新作 動画ID sm18442063 備考 4 2,700 動画名 『真・雀鬼』の名シーンを東方キャラで再現 VS八雲(前編)【MMD】 前回順位 新作 動画ID sm18442924 備考 5 2,172 動画名 ショートコント第73話 『見破る!う~なび』 前回順位 前回136位 動画ID sm18402566 備考 6 2,153 動画名 【東方漫画】トキメキあやはた!動画6杯目 前回順位 新作 動画ID nm18419948 備考 7 2,067 動画名 こいしVS地霊殿 前回順位 新作 動画ID sm18427267 備考 8 2,039 動画名 【東方】してんの!その4【4コマ】 前回順位 新作 動画ID sm18443683 備考 9 1,978 動画名 【第9回MMD杯予選】レッツゴー!神霊廟 前回順位 新作 動画ID sm18407380 備考 10 1,785 動画名 【東方】サバカレー【手書きPV風味】 前回順位 新作 動画ID sm18417767 備考 11 1,670 動画名 【第9回MMD杯予選】動く「レミリアお嬢様は祝勝会がやりたかった」 前回順位 前回61位 動画ID sm18399474 備考 12 1,593 動画名 【MMD】まっさらブルージーンズ 姉御 藍様【東方】 前回順位 前回8位 動画ID sm18294859 備考 13 1,532 動画名 【第9回MMD杯予選】 東方Just Be Friends 前回順位 新作 動画ID sm18409249 備考 14 1,441 動画名 【東方MMD】旧作幽香様で、え?あぁ、そう。 前回順位 新作 動画ID sm18417421 備考 15 1,387 動画名 【東方手書き】逆『転』東方 地霊殿 第三話【逆『転』-06】 前回順位 新作 動画ID sm18430121 備考 16 1,306 動画名 ちぇんちぇんミニ東方その189 前回順位 新作 動画ID sm18412010 備考 17 1,296 動画名 【東方手書き】逆『転』東方 地霊殿 第二話【逆『転』-05】 前回順位 新作 動画ID sm18404071 備考 18 1,209 動画名 【東方手書き劇場】 メイドさんの日々DVD OP 【日泰独合作】 前回順位 新作 動画ID sm18435477 備考 19 1,125 動画名 【東方MMD】水着もこたんで☆Paradise☆ 前回順位 新作 動画ID sm18417012 備考 20 1,124 動画名 Suica姉貴.mp4 前回順位 新作 動画ID sm18438424 備考 21 1,115 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 七夕にゃん 前回順位 新作 動画ID sm18454020 備考 22 1,088 動画名 【東方×人類は衰退しましたop】幻想郷は衰退しました 前回順位 前回26位 動画ID sm18370858 備考 23 1,082 動画名 【第9回MMD杯予選】竹取物語~藤原妹紅編~ 前回順位 前回88位 動画ID sm18332103 備考 24 1,005 動画名 【第4回東方ニコ童祭】ゲームセンター東方 #02a 前回順位 前回13位 動画ID sm18221987 備考 25 1,001 動画名 【第9回MMD杯予選】CR花の霊夢~儚~ PV 前回順位 前回121位 動画ID sm18400620 備考 26 993 動画名 【第9回MMD杯予選】T4U【東方MMD】 前回順位 前回70位 動画ID sm18372657 備考 27 974 動画名 【人類は】 アリスの腰は衰退しました 【衰退ダンス】 前回順位 前回18位 動画ID sm18374049 備考 28 952 動画名 【第4回東方ニコ童祭】ゲームセンター東方 #02b 前回順位 前回16位 動画ID sm18224337 備考 29 950 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 第一話:ルーミアの馬鹿、もう知らない! 前回順位 新作 動画ID sm18403376 備考 30 883 動画名 【第4回東方ニコ童祭】霊夢とレミリアの弾幕ごっこ 前回順位 前回30位 動画ID sm18223239 備考 +31位~100位のサムネイルも展開する 順位 Pts 動画サムネイル 動画詳細 31 882 動画名 やややややや 前回順位 新作 動画ID sm18419513 備考 32 871 動画名 大妖精のソードワールド2.0【18-8】 前回順位 新作 動画ID sm18413213 備考 33 826 動画名 【東方MMD】フランにwavefile踊らせた【モデル配布】 前回順位 新作 動画ID sm18420716 備考 34 788 動画名 東方Projectが幻想入り ~歴史を紡いだ永久の歌~〈其ノ四B〉 前回順位 新作 動画ID sm18401573 備考 35 738 動画名 【第9回MMD杯予選】北東無双【東方世紀末】 前回順位 前回156位 動画ID sm18398091 備考 36 730 動画名 【東方】さんたすいっち +白蓮【現代風】 前回順位 新作 動画ID sm18426522 備考 37 676 動画名 古明地こいしの箱庭クトゥルフ 第三十一話 前回順位 新作 動画ID sm18442680 備考 38 671 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 番外編・苦労人同盟【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18406787 備考 39 597 動画名 【東方手書き】逆『転』東方 地霊殿 第一話【逆『転』-04】 前回順位 前回31位 動画ID sm18396302 備考 40 596 動画名 第4回東方ニコ童祭OP ~紡ぎたかった物語と、繋ぎたかった記憶の欠片 前回順位 前回23位 動画ID sm18223221 備考 41 579 動画名 【第9回MMD杯予選】うつほRX【予選のみ予定】 前回順位 新作 動画ID sm18414880 備考 42 549 動画名 【東方MMD】ベビードール幽々子様で紳士祭り【紳士向け】 前回順位 新作 動画ID sm18430133 備考 43 540 動画名 【第9回MMD杯予選】紅魔館は今日も平和です【大漁編】 前回順位 新作 動画ID sm18404333 備考 44 539 動画名 【現代入り】八意永琳の受難Ⅱ【ホラー】 前回順位 新作 動画ID sm18404033 備考 45 535 動画名 【東方】House set of Ten Desires 〜 Daishibyo set【ハウスリミックス】 前回順位 前回1位 動画ID sm18350640 備考 46 534 動画名 東方をスパロボ風の戦闘デモにしてみた【魔・パ・ア・霊・天】 前回順位 新作 動画ID sm18451137 備考 47 529 動画名 【第9回MMD杯予選】少女革命フラン 前回順位 前回145位 動画ID sm18393045 備考 48 529 動画名 【第9回MMD杯予選】東方だばぁー【東方MMD】 前回順位 新作 動画ID sm18412165 備考 49 513 動画名 【東方卓遊戯】さとりの完璧で幸福なTRPG 10 前回順位 新作 動画ID sm18441525 備考 50 512 動画名 【第9回MMD杯予選】ウナギの季節【モデル配布】 前回順位 新作 動画ID sm18403635 備考 51 500 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 とうほう4コマ?漫画③ 前回順位 新作 動画ID nm18430642 備考 52 489 動画名 【東方】ゆうかりんがデレました【MMD】 前回順位 新作 動画ID sm18405423 備考 53 484 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 【第9回MMD杯予選】Sweet Magic【東方MMD】 前回順位 前回146位 動画ID sm18399659 備考 54 483 動画名 【東方手書き劇場】フランドールの犬ED「どこまでもあるこうね」 前回順位 新作 動画ID sm18437720 備考 55 477 動画名 古明地こいしの箱庭クトゥルフ 第三十話 前回順位 新作 動画ID sm18403611 備考 56 473 動画名 【第9回MMD杯予選】 Foreground Eclipse - Calm Eyes Fixed On Me, Scre... 前回順位 前回222位 動画ID sm18333885 備考 57 467 動画名 ヤジュウイモート 前回順位 新作 動画ID sm18413261 備考 58 463 動画名 東日本大震災ブームが過ぎたので その1 前回順位 新作 動画ID nm18422531 備考 59 453 動画名 東方GTAどうでしょう SA サイコロの旅 第6(最終)夜 前回順位 新作 動画ID sm18422261 備考 60 447 動画名 【東方MMD】コミュ障アリス 1話 前回順位 前回36位 動画ID sm18289255 備考 61 446 動画名 東方4コマ「がんばれ小傘さん」12(QB編) 前回順位 新作 動画ID nm18447994 備考 62 446 動画名 【帆掛舟】風流東方春華快婬風神傳第弐図雛【花弁大回転】 前回順位 新作 動画ID nm18439380 備考 63 437 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 【第9回MMD杯予選】幻想郷にFPSがあったら・・・【東方MMD】 前回順位 新作 動画ID sm18426466 備考 64 429 動画名 【憩いのひととき】おしゃれな東方インストアレンジ集 前回順位 新作 動画ID sm18446622 備考 65 415 動画名 【第9回MMD杯予選】トウホウ×アルバトロシクス【東方MMDPVメドレー】 前回順位 前回107位 動画ID sm18391705 備考 66 409 動画名 【東方MMD】小悪魔しょこあデビュー!【モデル配布】 前回順位 新作 動画ID sm18414835 備考 67 401 動画名 【東方MMD】普通の魔法使いの憂鬱 前回順位 前回3位 動画ID sm18351170 備考 68 372 動画名 【第9回MMD杯予選】紅魔館アップダウンクイズ 前回順位 新作 動画ID sm18406566 備考 69 369 動画名 【第9回MMD杯予選】Shoot The Bullet !![東方MMD] 前回順位 前回164位 動画ID sm18399210 備考 70 368 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 【東方インストアレンジ】厳選メドレー【作業用BGM】 前回順位 新作 動画ID sm18431310 備考 71 363 動画名 【TAS】東方花映塚 Match Mode ルナサvs四季映姫【動作テスト】 前回順位 新作 動画ID sm18435265 備考 72 362 動画名 霊夢のテーマ(大嘘) 前回順位 前回271位 動画ID sm18401563 備考 73 361 動画名 東方けしからん劇場おさゆくの宴 其の28 前回順位 新作 動画ID sm18411759 備考 74 359 動画名 お医者さんちはもはや!手遅れです!! 前回順位 前回101位 動画ID sm18397751 備考 75 357 動画名 【合作】ZUNさん結婚おめでとう合作【神主】 前回順位 新作 動画ID sm18420579 備考 76 353 動画名 【東方手書き】逆『転』東方 神霊廟 第一話【逆『転』-07】 前回順位 新作 動画ID sm18460634 備考 77 348 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 第六十話オープニング【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18405979 備考 78 339 動画名 東方4コマ「がんばれ小傘さん」11(第二次日光旅行後編) 前回順位 新作 動画ID nm18413970 備考 79 336 動画名 古明地こいしの箱庭クトゥルフ 最終話 前回順位 新作 動画ID sm18455442 備考 80 333 動画名 【第9回MMD杯予選】MMD東方アニメ「幻想楓香抄~賽銭箱の少女」 前回順位 前回135位 動画ID sm18399349 備考 81 332 動画名 フランにビンタされる動画 前回順位 新作 動画ID sm18411733 備考 82 332 動画名 【MikuMikuDance】姫海棠はたてモデル完成【東方MMD】 前回順位 新作 動画ID sm18428674 備考 83 326 動画名 メイド戦士さくや6 前回順位 新作 動画ID sm18433890 備考 84 325 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 のんちく式フランも「too Cute!」 前回順位 新作 動画ID sm18432667 備考 85 321 動画名 【東方手書き】求聞手記 前回順位 新作 動画ID sm18455782 備考 86 316 動画名 【minecraft】輝夜のマイクラ新生活part19【ゆっくり実況】 前回順位 新作 動画ID sm18429878 備考 87 310 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 第六十話終了後【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18406655 備考 88 308 動画名 [MMD] 小悪魔で「パンダヒーロー」 前回順位 新作 動画ID sm18403829 備考 89 304 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 第六十話・狩猟1【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18406122 備考 90 282 動画名 【東方自作アレンジ】ハルトマンの妖怪少女【TatshMusicCircle】 前回順位 新作 動画ID sm18417029 備考 91 276 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 第六十話・狩猟2【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18406307 備考 92 275 動画名 幽香が放水するだけ 前回順位 新作 動画ID nm18442428 備考 93 272 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 第六十話・狩猟4【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18406584 備考 94 272 動画名 【東方卓遊戯】3ボス達のTRPGな日々4-0【SW2.0】 前回順位 新作 動画ID sm18434020 備考 95 268 動画名 【第4回東方ニコ童祭】 東方三自機娘【東方手書き劇場】 前回順位 前回106位 動画ID nm18398480 備考 96 266 動画名 【手書き】東方楽耳音譚2【耽美郷】 前回順位 前回51位 動画ID sm18397008 備考 97 265 動画名 【東方】迷い込んでポッケ村 第六十話・狩猟3【MH】 前回順位 新作 動画ID sm18406451 備考 98 265 動画名 【ふぉれすとぴれお】紅魔機神フランドール【オープニングPV】 前回順位 前回?位 動画ID sm18257626 備考 99 259 動画名 [MMD] 五・・・三大老で「ねぇ」 前回順位 新作 動画ID sm18435857 備考 100 256 動画名 【雨天の】東方の手書き漫画に挑戦だその32【紙芝居】 前回順位 前回62位 動画ID sm18289976 備考 ピックアップ P 動画名 【東方】花見の仇討【落語風】 動画ID sm18436649 備考 P 動画名 【東方】みらまんが大王 ⑥ 「勝利の方程式」 動画ID sm18414144 備考 P imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 動画名 亡き王女の為のセプテットをファミコン音源で再現してみた 動画ID sm18450588 備考 P 動画名 【Minecraft】楽園を開拓するメイド+ part01【ゆっくり実況】 動画ID sm18453576 備考 P 動画名 霊夢さん その9-4「上海「ついに念願の感覚を手に入れたぞ」」 動画ID sm18440522 備考
https://w.atwiki.jp/airi-kumai/pages/34.html
175 :名無し募集中。。。:2009/07/02(木) 02 06 31.33 0 169 第11回 「ってことなんだけど、ももどう?」 お昼休み、部室へ行ったら愛理がいて今朝のことを話してくれた。 「どうって・・・・なんか興味ない、そういうの。 くまいちょーらしいよね、なんか話し合いで解決しようみたいな優等生な感じ」 くまいちょーっていっつもそう。人は話せば分かり合えるとか本気で思ってる。 ばかみたいって言ったこともあるけど意味わかんない理屈でねじ伏せられる。 コドモのくせにむかつく。ガキって思ってる分、むかつく。 今回もそうなのねと思ったらまたむかついてくる。 喋らないって言っておいてよかった。 「そんな言い方ないじゃん、熊井先輩はもものためって言ってたんだよ?」 「そういうのはため、って言わないの。わかってないんだから、あのばか」 「でも、ひどいよ。熊井先輩・・・可哀相。みやも同じようなこと言ってたし・・・」 え?みや?なんでみやが出てくるの。 「なんか、あいつはわかってない。ももはそんなの喜ばない、もものことわかってない。とかなんとか」 「・・・・ふーん、で、理由喋った?みやは」 「ううん、なんか怒っちゃって」 さすがみや。もものこと、よくわかってる。 まぁみやもちょっとした当事者だから・・・かな。 「教えてよもも、なんか2人とも隠してる」 「・・・別になんも隠してないよ?」 「ウソ、ももがこの部屋に拘ってる理由もわかんないしちゃんと説明して!」 って愛理が迫るもんだからももは放課後ね、とそれだけ言って黙り込んだ。 お昼休みが終わるまでいろいろ思い出していた。 なんだか、ちょっとだけ泣きそうになった。 176 :名無し募集中。。。:2009/07/02(木) 02 07 20.16 0 続きはまた明日 州´・ v ・)<なにがあったの? ノノl∂_∂ ル<別に ル*’ー’リ<別に 州´・ v ・)<ずーるーいー!! 204 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 00 06 23.20 0 175 第12回 「もも・・・来ないし。」 放課後ね、と言いながらもったいつけたくせに授業が終わって1時間、ももは部室に来ない。 ももは絶対部室にいるはずなのに。いなかったことなんて記憶にないくらい、 いつも部室にいるような人なのに。よっぽど話したくないことなのかな。 聞いちゃいけなかったのかな。 それにみやも来ない。私一人ぼっちだ。さみしいなぁ・・・・ 二人が知ってて私が知らないことってなんだろう? 皆目見当もつかない。みやは皆目って何?って聞いてくるからみやには言わないけど。 コミケの思案でもしようかとノートを広げたところでさっきからやっているのは ラクガキだけ。「熊井愛理」とか書いちゃって恥ずかしい! あーでもそれもありだな。先輩のお嫁さん・・・キャッ! 私にする?それともご飯?なんてベタなこともやってみたいし・・・! 「って・・・止めてくれる人いないとつまんないー!」 キキーッとキャスターつきのイスが悲鳴上げるくらいにふんぞり返って んーっと背伸びをしてみる。 「うんー!!・・・・・はぁ、寂しいよぉ誰かー」 なんて呟きは部室の外から聞こえてくる音でかき消された。 『ばっかじゃないの!?そんなの頼んでないから!!』 それは紛れもなくももの声で。激高って言葉がふさわしいくらい怖い声で。 ケンカって見ちゃいけないものだと思うけど、 気になって小さくドアを開けた。 部室から少し離れた階段の踊り場に、ももと熊井先輩がいた。 206 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 00 07 59.80 0 続きはwebで ル*’ー’リ<焼酎 ノノl∂_∂ ル<飲み 州´・ v ・)<過ぎました ノノl∂_∂ ル<うち視点ないの? ル*’ー’リ<ない 州´・ v ・)<ない ノノl;∂_∂ ル<・・・・・あっそ 208 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 00 36 41.65 0 204 第13回 放課後、いつもならすぐに部室に向かうけど・・・今日は行きたくなかった。 愛理が話を聞きたくてウズウズして待っているはずだから。 本当は話さないつもりだった。みやともそういう約束をしてた。 だけどそうもいかない事態になった。廃部になるなんて思ってもみなかった。 だから話さなくちゃいけない。話してもも側に引き入れなきゃいけない。 でも・・・気が進まないのは楽しい話じゃないからで。 どうしようか迷っていたら1時間も経っていて教室にはもう誰もいなかった。 「・・・今更こんな話聞かせてもなぁ。」 「愛理に話すの?」 「!ちょっと背後から現れないでよみやー」 急に声がしてびっくりして振り返るとそこにはみやが腕を組んで立っていた。 ったく・・・背後霊じゃないんだから。顔は濃いくせに。 「ごめんごめん。部室に行ってないみたいだったから来てみた」 「まったくもう・・・・ってみやは反対?」 「ううん、話せばいいとおもうよ。愛理賢いし、茶化したりするような子じゃないもん」 「・・・だよね、ももも思ってた。・・・ところでみやはもものこと応援してくんないの?」 「んー・・・まあツグさんにとってあの場所が特別なのはよーくわかってるつもりだけど 人数のこととか突きつけられて対抗できると思わないだけ。 それに昨日も言ったけどあそこカビくさいしうちはニガテだから・・・あんまり行かないしね」 「部室に助けられたくせにー薄情ものー!」 「なんとでも言ってよ。・・・まぁうちはももほどの思い入れがないだけなんだよ。」 「・・・・そっか。」 思い入れ・・・。 ももにとって特別な場所。でもみやにとってはそうでもない場所。 生徒会にとってはどうでもいい場所。他の部にとっては欲しい場所。 なんとかなるだろうなんて思ってた昨日とは違い、廃部が急に現実味を帯びてきて頭が痛くなった。 209 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 00 37 58.99 0 続きはあとで 州´・ v ・)<もったいつけすぎ! ル*’ー’リ<いーじゃん待ってな 州´・ v ・)<早くぅ! ノノl∂_∂ ル<まだでーす 州#´・ v ・)<むぅ 211 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 00 53 36.56 0 208 第14回 「・・・ま、あの熊井とかいうのむかつくから抵抗してもいいけどね 廃部だけは免れるかもしれない、もものためって・・・廃部が問題じゃないんだよね」 みやがももがいる近くの机の上に座った。 先輩の教室で遠慮ないなぁ・・・・この子は全くもう。 「・・・うん。そう。だからお子ちゃまなんだよくまいちょーって。背ばっかり伸びちゃってさ。 幼馴染だからってもものことわかってる気になってる。」 「癇に障ったよ、みやはね。いいことした気分になってるとこが余計に腹立つ ・・・・って早く愛理のとこいきなよ。待ってるよきっと」 「・・・だね。みやは来ない?」 「行かない。二人の方がいいよ」 「じゃあ・・・行ってくる!」 いってらっしゃい、とみやに送り出されて部室へ向かった。 みやと話して気が楽になったみたいで、今なら話せる、そう思った。 ◆ 「ももち!」 部室の手前にある階段の踊り場、呼ばれて振り返るとくまいちょーがいた。 「よかった。ここに来るだろうなと思って待ってたの」 「・・・・・・・・・」 「ね、愛理ちゃんから聞いてくれた?どう?廃部だけは・・・さ。 部屋はしょうがないよ。どうしようもないことだと思う!でも、部が残ればどこでだって・・・ね!?」 やけにテンションの高い生徒会、副会長さん。 みやの言ってたとおり、いいことした気分になってる。そんな顔してる。 いや、いいことだと思う。廃部が免れればまた新たな部屋を探すことも出来る。 でも・・・そういう問題じゃない。それがわかってない。 くまいちょーは何も知らない。なんでももが拘ってるのか、知らない。 だからももが怒るのは筋違いかもしれない。だけど、・・・だけど・・・ 「ばっかじゃないの!?そんなの頼んでないから!!」 気付いたら思いっきり大きな声で怒鳴っていた。感情は抑えられなかった。 213 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 00 55 20.42 0 続きはまた明日 州;´・ v ・)<あの、・・・これあたしと熊井ちゃんの(ry ル;’ー’リ<まあ待ってなよ 川;^∇^)ll<うち悪者じゃない?ひどいー ル;’ー’リ<まあ待ってなよ ル;’ー’リ<ま、まあ待ってなよ 233 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 20 58 35.39 0 211 第15回 「そ、そんな言い方ないじゃん!うちはももちに悲しんで欲しくないから・・・! それになんとかしろって言ったのはそっちでしょ!?」 「そんなの頼んでないから!なにそれ生徒会が廃部をエサに部室空けろって そう言ってるようなもんじゃない!なんでそれがわからないの!?」 「・・・・わかんないよ!なにも言ってくれないくせにわかれ、なんておかしいよ!」 「とにかく、意見交換会とかやめてね。出る気ないし、廃部も認めないから!」 あぁ、ズバっと言ってすっきりした。くまいちょーは黙ってしまって拳を握り締めていた。 まーちょっと可哀相かなと思うけど、おっせかいなんて勘弁して欲しいから。 「じゃあ、もも用事あるから」 「あ、ちょっ・・・!・・・ゴメン、勝手なことして・・・でもうちはももに喜んで欲しくて・・・」 「もういい。バカじゃん」 「・・・・・・・・」 くまいちょーは弱々しい声で言った。大きな背中を丸めてる。言い過ぎたかな・・・・? ももはくまいちょーの前を通り過ぎて部室へ向かった。 小さく戸の閉まる音がして、あぁ、愛理聞いてたんだなと思った。 「よっ!あいりん」 「・・・・・・・」 部室に入ってさっきまでの空気を消そうと軽い感じで愛理に話しかけた。 けど愛理は黙ったまま何も言ってくれない。黙ったまま、下を向いていた。 「愛理?」 「・・・ひどいよもも。先輩のこと・・・・・そんなのひどい」 「そう?そんなことないよ。わからせないとあのお節介ずっと続くんだから・・・」 「・・・出てくる」 愛理はそれだけ言うと部室を出て行った。ももは何も言わずに見送った。 234 :名無し募集中。。。:2009/07/03(金) 20 59 40.56 0 続きはEVA後で ノノl∂_∂ ル<また ル*’ー’リ<飲み 州´・ v ・)<過ぎた ル*’ー’リ<りふとおふー♪ ノノl;∂_∂ ル<その命令に従うのいや 263 :名無し募集中。。。:2009/07/04(土) 23 59 03.54 0 233 第16回 信じられない。なんであそこまできつく怒れるわけ?もものこと全然わかんない。 自分からは何も言わないくせに人にそれ以上を求めるなんておかしい。 ももは自分が悪いなんてこれっぽちも思ってない。それがまたむかつく。 お節介?確かにそうかもだけどそれは全部もものためじゃん。 あーもう! とりあえず部室を出て熊井先輩を探した。あの丸まった背中を思い出すと胸が痛い。 私が先輩に憧れてるからとかそういう単純な理由じゃなくて なんだか可哀相で放っておけなかったから。 先輩は階段に座って、組んで思いつめたような顔をしていた。 私の知ってる先輩とは全然違う顔で見たことのない表情だった。 もものせいだよもう!っていうかももなに隠してんのよーっ! 「・・・熊井、先輩?」 私は小さく声をかけた。先輩は顔を上げて 「あぁ、・・・愛理ちゃんか。どうしたの?」 精一杯の作り笑いをして微笑んでくれた。その顔に胸が苦しくなる。 「あの、えっと・・・ももとの会話聞こえちゃって・・・」 「・・・そっか。バカでしょ、うち。バカなんだ。」 話を聞いていたとわかった途端先輩は笑顔を消して悲しそうな顔で言った。 「ももが悪いです!何にも教えてくれないのに・・・・」 「だよね・・・なんでかなぁ。お節介だよねうちのやってることって・・・ もものためだって思ってたけど空回りだーっ・・・最近そんなのばっかで・・・ さすがにちょっと・・・落ち込んじゃった」 先輩は膝に顔を埋めて言った。 私は何も言えなくなって先輩の隣に座った。 しばらくして、隣から嗚咽が聞こえてきた。 265 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 00 00 33.49 0 続きはwebで ノノl∂_∂ ル<愛理遅いよーうちもう眠い 州´・ v ・)<まだまだこれからの時間じゃん! ル*’ー’リ<だめだめ愛理、みやってお子ちゃまだから ノノl;∂_∂ ル<ももに言われるとむかつく! 267 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 00 13 52.45 0 263 第17回 「先輩っ・・・・」 「ご、ごめん・・・グス・・・ごめんねかっこ悪いよね・・・ごめん」 「あ、あの!ここ人も結構通るんであ、えっとこっち来てください!」 先輩が泣き出して妙に焦ってしまって、同時にこれは誰かに見られたらまずいと思って 私は無意識に先輩の腕を掴んで立ち上がっていた。 早足で階段を上って、すぐ近くの空き教室へ入った。 電気が消えていて夕日が差し込んでいる、こういう状況じゃなきゃなかなかロマンティックな場所。 あぁ、こんなところで告白されてみたい・・・ってそれどころじゃない! 「ありがと・・・愛理ちゃんは優しいね」 「あ、・・・えっと・・・す、すいません!」 先輩は目を真っ赤に腫らして涙目で笑顔を作った。 その綺麗な瞳に吸い込まれそうになって一瞬時が止まったような気がした。 ・・・けど私は先輩の腕を掴んだままなことを思い出して慌てて手を離した。 「いいよ気にしないで・・・確かにあんな場所で泣いてちゃだめだよね・・・ズズ・・・ありがとう」 私が先輩を見上げると、先輩はそっと私の頭を撫でた。 大きくて柔らかい手のひら。優しく3度撫でてくれた。 嬉しくて舞い上がってしまいそうになる。学園のアイドルを独り占めしているような気分になった。 「私は何も・・・ただももがひどいって思っただけです・・・」 「・・・グス・・・あーだめだ・・・ごめん、うちもうちょっと泣く・・・」 私がももの名前を出した途端、先輩は下を向いてしまってまた泣き出してしまった。 「ご、ごめんなさい私・・・」 「・・・愛理ちゃんのせいじゃないよ、グズっ・・・でもじばらくぞごにいで」 鼻声で、聞き取りにくい声で先輩は言った。 机に腰掛けて泣く先輩の横で私は先輩が泣きやむのを待っていた。 268 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 00 15 43.09 0 続きはあとで ノノl∂_∂ ル<みや出番少なくない? 州;´・ v ・)<いやだからこれあたしと熊井ちゃんの話・・・ ノノl∂_∂ ル<そうだっけ?学園ものでしょ? 州;´・ v ・)<いや間違ってはいないけど・・・ももー! ル*’ー’リ<なにー?みや?あぁ、無視しといてー ノノl#∂_∂ ル<・・・みやも出たいの! 273 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 01 17 13.26 0 267 第18回 「・・・もう平気。ゴメン」 あれから何分経ったか。わからないけれど結構な時間先輩は泣いていて 泣き止むとそう言って私が差し出していたハンカチを受け取った。 「本当にゴメン、巻き込んじゃったみたいで・・・」 「いいえ・・・うちの部長のせいですから」 「そっか・・・・・・うちとももちって小さい頃はよく遊んだんだ。仲良くて・・・ 中学の頃もよく可愛がってもらった。うちって兄弟で一番上だから ももちによく甘えてたんだ。・・・だから全部わかってる気でいた、ももちのこと。 全然そんなことないのにそうだって思いこんでた。バカみたいでしょ?ほんと・・・」 「・・・ももって本当のことは全然言わないんです。明るい顔して本音は心に秘めてる」 ももとは入学してからの短い付き合いだけど、でも、もものそういうところには気付いていた。 ニコニコしててぶりっこなフリして心を開かせるけど自分の心は閉ざしたまま・・・。 それから先輩はももとの思い出をいくつか教えてくれた。 楽しそうに色んな話を聞かせてくれた。 私は先輩とごく自然に話せている自分に驚いていた。 見ているだけの、写真の中の憧れの人だったはずなのに。 その人は目の前にいて吐息を感じる距離で話をしている。 信じられなくて夢かなぁと一瞬思ってしまいそうなほどで。 先輩の横顔を見て綺麗だなぁと思った。私のためだけの笑顔。 そう思うと嬉しくて嬉しくて、私は終始笑顔だった。 ◆ 「じゃあ・・・帰ろうか。ごめん遅くなっちゃったね」 しばらくの沈黙のあと、先輩は立ち上がって時計を見た。もう帰らなきゃ・・・ 「送るよ、一緒に帰ろう」 先輩の申し出は一瞬聞き漏らした。いや聞こえていたけど本当かどうか自信がなかったから・・・ 274 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 01 18 21.39 0 続きは寝なかったらもう1回 州*´・ v ・)<ケッケッケッ ノノl;∂_∂ ル<愛理怖い・・・ ル*’ー’リ<無視しとこうよあれしばらく収まらないよ 278 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 02 04 45.97 0 273 第19回 「へ?」 「帰ろう、送る」 「は、はい・・・いいんですか?」 「うん。先輩に任せて」 先輩は胸をこぶしでトントンと叩いた。 私たちは下足室で待ち合わせをして一旦別れた。 え、どうしよう送ってもらうって・・・家まで? あの熊井先輩に?みんなの憧れ熊井先輩に? いいの?・・・いいに決まってる!これを機会に先輩ともっと距離を近づけたい! 憧れ?ううん、違う。こんなこと思うのはきっと・・・ いや、この気持ちはまだ口に出さないでおこう。もう少し暖めてから・・・ 私は部室を乱暴に開けた。ももが驚いた顔をして私を見た。 「あ、あいりん?どうした?」 「・・・帰る。」 「あぁ、そっか荷物か」 「うん」 机に置きっぱなしだったカバンを掴む。 「もも・・・明日絶対聞くから」 「・・・・・・わかってる」 ももの返事を聞いて部室を出た。先輩を待たせちゃいけない。 下足室までちょっと距離があるから走った。 胸がドキドキするのは走っているせいじゃない。 早く先輩に会いたい。 私は一段階スピードを上げた。 279 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 02 06 00.43 0 続きはまた明日 ノノl;∂_∂ ル<やっと終わった・・・おやすみ ル*’ー’リ<まだ2時じゃん 州´・ v ・)<これからなのにー ノノl;∂_∂ ル<もう2時!ね、熊井ちゃん! 川;^∇^)ll<へ?あぁ、うん おやすみ 293 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 14 43 02.91 0 278 第20回 「愛理ちゃん早いね」 てっきりうちが先かと思っていたらもう愛理ちゃんは靴を履き替えてうちを待っていた。 「あ、はい!」 「ちょっと待ってね」 うちは慌てて靴を履き替えた。 愛理ちゃんはニコニコしててなんだか楽しそうで見ていて癒される。 「よし、じゃあ行こっか」 「はい」 2人で歩き出す。愛理ちゃんの歩幅に合わせて少しゆっくり歩く。 「あ、そういえば、家どこ?」 聞いてなかった。送る、とは言ったけど遠いとちょっと困る。 「えっと、○○駅の近くで・・・」 愛理ちゃんはうちを見上げて話す。 さっきからずっと思っていたことだけど目がしっかりうちの目を捉えていて それでいて上目遣いでものすごく可愛く見えた。 いや、実際愛理ちゃんは可愛い。モテるだろうなぁと思った。 「あれ、電車通学?」 「はい・・・言ってませんでしたっけ?」 「うん・・・知らなかった」 どうしよう送るって駅までじゃすぐに着いちゃうしなぁ。 ・・・・・なんだか今日はもう少し一緒にいて話がしたい。 落ち込んで、泣いて、全部愛理ちゃんに見られてしまった。 格好悪いところ曝け出してしまった。 だから、もう少しかっこ悪いうちに付き合って欲しい。もう少しうちのことをその笑顔で癒して欲しい。 「ね、愛理ちゃん、うちに寄ってかない?すぐ近くだし、帰りはうちの車で送らせるからさ」 気付いたら愛理ちゃんを誘っていた。愛理ちゃんは「え?」とビックリした顔をしていた。 294 :名無し募集中。。。:2009/07/05(日) 14 44 51.25 0 続きは夜にでも ル*’ー’リ<ひゅーひゅー! ノノl*∂_∂ ル<ひゅーひゅー! 州;´・ v ・)<桃の天然水的な? 川;^∇^)ll<愛理えっちなこと言っちゃダメ! 州;´・ v ・)<え?
https://w.atwiki.jp/konashin/pages/238.html
某アニメイトにて かがみ「ごめんねシン。なんか買い物に付き合わせちゃって」 シン「別に良いけどな、どうせ俺はこなたのパシリなだけだし」 かがみ「あ、うん(これって一応はデートみたいなもんなんだけどな……)」 シン「…………」 かがみ「…………(でも、ここじゃデートとは言えないわよね。おまけにシンは鈍感だし……)」 シン「なぁ、シ○ルイって何処にあるか分かるか?」 かがみ「え?あ………何?」 シン「いや、買い物リストにあるんだけどな。どれか分からないんだ、これ」 かがみ「どれどれ?ちょっと見せて」 シン「あぁ。えっと……これ」 かがみ「ああ。これなら確かあっちにあ…………って………っ!!」 シン「ん?どうした、柊?これってどこに―――」 かがみ「な、ななな何も!うん!なんでもないの!!」 シン「はぁ?」 かがみ「あはは……(やだ……シンの顔、間近で見ちゃって………顔が……うわっ!うわっ!うわぁぁぁ………)」 シン「???いや、だからこのマンガどこかって」 かがみ「えっと、ほら!えと………」 アニメ店長「むむっ!!あれは少女Aに従う少年B!!常に彼女の買い物を手伝う彼ではないかァァァァァァ!!!チャンスだッッッ!!! ………いィィィィらっしゃいませェェェェェェ!!!何か商品をお探しですかァァァァァァ!!??」 シン「あ、すいません。このマンガなんすけど」 アニメ店長「はい!!でしたらこちら!!ただいまアニメ放映開始記念にグッズもお付けしておりまァァァァァァすッッッ!!」 シン「そうなんすか。じゃあ、あとこれもなんすけど………」 アニメ店長「はい!!でしたらこちらにィィィィィィィィ!!!」 かがみ「…………え?あれ?私………おいてけぼり?」 シン「よし、頼まれたものは買えたな」 かがみ「良かったわね……」 シン「そっちも目当てのもの買えたか?」 かがみ「そうね」 シン「…………どうかしたか?」 かがみ「別に」 シン「………なあ」 かがみ「…………アンタ、駅にバイク置いてるんでしょ。私は歩きだから、バイバイ」 シン「………待てよ。家まで乗っけてやる」 かがみ「いいわよ別に。歩いて帰れるか………きゃ!ちょっと、手を離してよシン!」 シン「やだね、アンタの答えは聞いてない。ほら、行くぞ」 かがみ「ちょっと……!」 かがみ「や、やだ!ス、スピード落としなさいよ!!危ないじゃない!!」 シン「大丈夫だって。これ以上スピード落としたら逆に危ないし」 かがみ「……っ!」 シン「そうそう。そうやって掴まっててくれ」 かがみ「………ねぇ」 シン「乗せたのに理由とかあんまりないからな。なんか、アンタの暗い顔見たくなかっただけだし」 かがみ「え?!それって……あの……」 シン「誰かの暗い顔を見るのは、もう充分なんだよ」 かがみ「………そっか(私のためじゃないわけか……悔しいな)」 シン「うん」 かがみ「…………鈍感、ちょっとは人の気持ちに気付きなさいよね」 シン「え?何か言ったか?聞こえなかったんだけどさ」 かがみ「別に。ほら、私の家そっちよ」 前 戻る 次