約 802,615 件
https://w.atwiki.jp/dreamstarswiki/pages/80.html
大地を変えたテキーラ 番組、THE 世界遺産のサブタイトルである。 魔法少女まどか☆マギカの最終話の放送時、CMとして幾度となく放送された事で多くの人達の脳裏に焼き付いただろう。 謎の白い液体と称されており、ケフィアとの関連性が気になる。
https://w.atwiki.jp/lavato_heros/pages/437.html
ギミック・ファイル 解説 [カードタイプ:豚族]の持つ高い戦闘力・容易なSP管理・強力な山札破壊能力に注目した、ファイルアウトへの派生系。 大別はフィフティ・フィフティであり、山札破壊によって相手の戦略を制限し要所々々を豚族の持つ戦闘力で押し返す。 そのまま押し切れそうであれば、LP削りによる勝利を見込んでも良い。 パーツ 主パーツは【豚】に、サブパーツはファイルアウトに準ずる。 その他採用の可能性のあるカード 基本的には憎愛の王『グレバドス』/号令する巨大豚の2種をひたすらに使い回すことになる。 自分の山札の損耗も激しい為、墓地から豚族を回収する手段は豊富に採用したい。 知恵をえた巨大豚 条件付きながら、[墓地]からカードをランダムで1枚[山札]へ戻せる。 聖なる輝き LP回復と共に、[墓地]から[ユニットカード]をランダムで3枚選び[山札]に戻す。 関連 フィフティ・フィフティ 【豚】
https://w.atwiki.jp/ressenrowa/pages/77.html
【名前】ザシアン 【性別】図鑑解説によると姉なのでおそらくメス。 【出典】ポケットモンスターソード 太古のガラル地方にて人の王と協力して ブラックナイトという未知の脅威に 兄弟のザマゼンタとともに立ち向かった伝説のポケモン。 通常の姿はれきせんのゆうしゃと呼称され 赤銅色でおさげのような毛をぶら下げた 凜々しい碧色のオオカミといった外見である。 持ち物のくちたけんを持つと頭部には偉大な王を思わせる冠、 背には翼のような装備、そして口には美しい剣を咥えた けんのおうの姿へと変身する。 そのスピードは肉眼で捉えることが不可能なほどで 斬撃をくらった者は切られた瞬間すらも認知せず敗北するという。 まさにけんのおうと名乗るのに相応しい絶対的な強さを持つのだ。 追跡表 023 守り抜く不撓の剣 028 マスクウーマン誕生!!の巻 把握手段 ゲームの「ポケットモンスターソード」
https://w.atwiki.jp/yosan/pages/57.html
流水 殴り礼司にあこがれて 作ってみたキャラ また、ロボにも有利なステになるので 羽はえたロボ目指してます♪ スピード遅めの~ ロウシくらいな体感で、敵倒せます^^ 勿論、自前水必須ですが>< タイヘン!たげられてるぅ>< って助けてくださるのはいいんですけど 状況くらいは見て下さい;; 嘲笑恐怖症どす;; PTだとお荷物気味。。。 なのに殴り面白いと誘ってくれて PTにいた礼司さん、るみにも水かけてくれた 攻撃班扱いされるとトテモウレシイ(よあいケド) 最近は チャットに出没するカンジで あと、装備の交換窓口です^^ ざくざくあげには向きません なので、たまにこそっと昇段します よっしぃのお供に 水かけにお出かけしてたら イイカンジにれヴぇるあーっぷ! そんなーるみーは 人間56段?% ロボ42段?% 意外とロボたのしいんだよ~♪
https://w.atwiki.jp/syumitowatch/pages/51.html
◎ 朝鮮人の終戦直後の危害事例 (クリックで証拠に飛びます) ① 終戦直後のように、土地や建物を日本人を殺して占有 ② 終戦直後のように市街地で機関銃で占拠 ③ とりしまる警察を警察署を取り囲み脅す ④ 朝鮮韓国人以外の人種であっても、日本人と比較して犯罪率が高く、比較的まとまりのあるイスラム教徒に選挙権を与えた オランダの事例を動画でご覧ください。 ⑥ ちなみに朝鮮人の犯罪率は異常(日本人の6倍)です。
https://w.atwiki.jp/asato/pages/267.html
このように、自らの貢献は何かという問いに答えを出すためには、三つの要素を考える必要がある。第一は、状況が求めるものである。第二は、自らの強み、仕事の仕方、価値観である。そして第三は、成果の意義である。 そこから、とるべき具体的な行動が明らかとなる。行うべきこと、始めるべきこと、始め方、目標、期限である。 全人類の歴史を通じて、これまでこのような選択肢をもちえた者はほとんどいなかった。みな、運命か主人によって、行うことが決められていた。その仕方も、同じように決められていた。目標も決められていた。 他方、単に好きなことをするというだけでは、自由はもたらせれない。気ままにすぎない。それではいかなる成果も上げられない。いかなる貢献も行えない。自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。責任をもつがゆえに、自由となる。 明日を支配するもの?, p. 218
https://w.atwiki.jp/bokuchu777/pages/102.html
様々な騒動があった初日だったが、ユリアさんもレンさんも、学校での生活には1週間もたてば随分慣れていた。 まあ、やっぱりたまにずれた発言があったり、妙なことを言い出したりすることはあったが、それをいったらクラスメイトの大半が変人で構成されているわけで。 そうして暮らしているうちに、だんだんとあの2人の性格も色々と掴めてきた。 ユリアさんはどこかおっとりしているようだが、絶対に譲れない一線になると頑なになるようだった。たいていの場合、それは倫理に反するかどうかという判断で下されているように思う。 ユリアさんはとにかくまっすぐで、純粋で、正しくあろうとしている。それは、まさに物語の中のお姫様のように。 レンさんはというと、こちらもまっすぐなのだが、ユリアさんとは少し違う。 レンさんにはまずユリアさん第一という前提条件があり、それを中心とした自分自身の信念を貫いている。それは、たまに他人とぶつかることもあるだろうし、受け入れられないこともあるだろう。 それでも、レンさんはまっすぐにそれを貫いている。そこに、レンさんなりの何かしらの思いがあるのだろう。 気がつけば、彼女達がやってきてから1週間が経っていた。 大翔「もう、結構経つよなあ……」 夜も更け、街全体が寝る時間。そんな時間に、俺は夜の街をぶらついていた。本当にぶらつくだけで、何をするわけでもない。たまに、意味もなくランニングをしたりもする。 警察に見つかったら、ちょっと嫌かもしれない状況だった。 大翔「警察といえば……」 丁度、近くにあった掲示板を見ると、大きなポスターが張ってあった。 <注意! 最近、巨大な刃物を持つメイドに警官が気絶させられるという事件がありました。皆さんも、お出かけの際には十分注意してください> あまりにも身に覚えのあるその注意に顔が引きつる。実際、レンさんと外に出るときなんかはほんとに怖かったりしたこの数日だ。とはいえ、そのことも杞憂に終わったようだ。レンさんはどうやら、近所の奥様方に対して受けがいいらしく、お買い得情報なんかはこの1週間で俺とためを張るほどになっていた。 ……そういえば、テレビのリモコンの電池が切れてたな。 ふと思い出して、足を24時間営業のコンビニへ向ける。 電池で思い出したけど、ユリアさんもレンさんも機械に対してとにかく音痴だった。扱い方がわからずに叩いてみたり振ってみたりは当たり前。時には投げてみたり落としてみたりなど、当たり前にそれに触れてきた俺達からしてみたら斬新な扱い方をいくつも披露してくれた。 かと思えば、一度使い方を覚えたら子供のようにそれに張り付いて離れない。特に2人ともテレビがお気に入りなようで、レンさんは特に時代劇に目を輝かせていた。 ……そのうち、侍のいるところにつれてけとか言わないだろうな、あの人。 ありえるなぁ、などと考えているうちに、コンビニに着いた。えーっと、乾電池は…… 貴俊「あれ、大翔じゃん。こんな時間に何してんだ?」 大翔「貴俊? いや、っつーかそれはお前にも言えることだろ。そっちこそ何してんだよ」 偶然、貴俊と出会ってしまった。ああ、これは今日の運勢は最悪だな。 貴俊「なんか今、お前からの熱い愛を感じたんだが。そうだ、今からホテルにでも行かないか?」 大翔「存在しないものを感知している辺り、お前のセンサーは物凄く役立たずだな。あと、いい事思いついたみたいな顔をするんじゃない」 軽く小突いてやる。それすらもニヤニヤと受け止める貴俊。 大翔「……お前、最近妙に機嫌いいな」 貴俊「おう~、何しろ、存分に頭フル回転させてっからなぁ」 大翔「そっか。それはまあいいんだけど、ひとついっといていいか?」 貴俊「はいはい、マイスイート? なんとなく言いたいことはわかるけど、何かな?」 貴俊がニヤニヤと口をひん曲げて、目を弓のようにゆがめて笑っている。それはいいんだが、ずっと昔に注意した癖が直ってないぞこいつ。 その、目の奥で相手を威嚇する癖、いい加減治せってのに。 大翔「じゃあ、お前の予想の斜め上を狙ってやろうか。あのな……俺を騒動に巻き込むのは自由だけど、俺の家族は巻き込むな。以上」 貴俊「ふむ……家族。家族ねぇ……それ、血のつながりをいってんのか?」 大翔「それじゃあ美優はどうなる。あいつを勝手にうちの一家から外すんじゃねーっての」 貴俊「んじゃあ、苗字が一緒、とかか?」 大翔「乃愛さんにはさんざんお世話になってるんだけどな。ガキの頃から、ずっとだ」 乾電池は……あれ、単何だったっけ? ……えっと、まあ、3でいいだろ。うん。家電って大体そうだしな。 それと……なんか眠くなる食べ物ってないかな…… 貴俊「大翔」 大翔「ん、何」 振り返ると。 貴俊が、心底面白いことを見つけたといわんばかりに笑ってた。そうそう、こんな顔だ。 野生の獣さえもおびえてしまいそうな、こんな顔。貴俊が面白そうと思ったときよりもさらに、さらに、さらに深い笑み。心底愉快を覚えたときにしかみせない、そんな笑み。 貴俊「了解だ。俺はお前の願いならなーんでも聞くぜ。お前がそういうのなら、お前の家族にゃ手はださねぇよ」 大翔「そうしてくれ。最近、美羽が妙にせわしなくてな。あんまり手を煩わせるのもアレだろ。ユリアさんとレンさんは、学校にいるときもずっと何か探してるみたいだし」 確かに、2人とも純粋に学園生活を楽しんでいる。ただ、それだけじゃない。そういうことだ。 学園初日、なぜユリアさんが俺が目覚めてすぐに保健室に来たのか訊ねたところ、帰ってきたのはこういう答えだった。 ユリア『学園のあちこちに風を置いてあるんです。その風は、私の元へ声を運んでくれます。それで、ヒロトさんが目覚めたことがわかったんですよ』 それはつまり、俺を心配してみていたわけじゃなく、学園全体を見張っているということだった。 さて。そんなことをして何が目的なのか。学園長にあったってんだから、何かまずいことをしているわけじゃないとは思いたいけどね。 様子からしてわかっていることは、ユリアさんとレンさんの事情を美羽が手伝っているって事ぐらいか。あのお節介め。人には簡単に手を差し伸べるくせに、自分が他人の手を借りるのは嫌いなんだよな。 貴俊「けどなぁ大翔。俺はガンガン関わってくぜ。楽しそうだからな、お前らは」 大翔「……俺もかよ」 貴俊「ん? おいおい、勘違いするなよ。俺の愛をちゃんと受け取ってるか? 俺はお前らって言ったんだぜ。お前が、中心なんだよ」 大翔「いつも思うけど、お前のその考えには賛同しかねるな。今回に関してはどう考えても中心はユリアさんたちだろ」 貴俊「どうかねぇ……お前は才能があるからな。厄介ごとに巻き込まれる、いや、厄介ごとを巻き込む、才能が」 ……滅茶苦茶欲しくないな、その才能。ていうか、厄介ごとを引き連れて歩いているような人間が何をいっとるんだか。 買うものを買ってコンビニを出る。結局、乾電池以外に買ったものはなかった。 貴俊「んじゃ、俺はそろそろ帰るぜー」 大翔「俺もそろそろ帰るか。ていうか、結局お前は何をしてたんだ」 貴俊「ふっ、お前と俺の愛が俺をここに呼び込んだ――冗談だ、冗談だからそんな睨むなって。偶々だよ。ちょっと散歩してただけ。そういうお前はどうなんだ?」 大翔「同じだな。俺も、ちょっと散歩してただけだ」 実際は、ちょっとという時間を大幅に超えていたりするわけだが。 貴俊「へぇ、まさしく運命だな。俺達の愛は世界すらも動かすってことだ」 大翔「……正直、お前のその妄想力と美優の妄想力、どっちが上なのか興味が出てきたよ」 貴俊「俺に興味が出てきたか! じゃあ、ホテル行こうぜホテル! なんなら、その辺の公園だっていいぜ! 俺いいスポット知ってんだ!!」 大翔「さっさと帰るかあるいは土に還れこの変態野郎!!」 足元に転がってた小石をぶん投げる。ひょいとそれをかわすと、貴俊は明らかに近所迷惑な大声で笑いながら走って夜の闇に消えていった。 ……なんて気持ちの悪い奴だろう。 家に帰るまでに30分。それから布団に入るものの、どうにも寝付けなかった。 今日は珍しく弁当なんぞを作ってみた。結局寝付けなかったので、手の込んだ弁当を作ってみた次第だ。 俺と美羽と美優、そしてレンさんとユリアさん。最低でも5人で食べるわけだから、かなりの量になる。さらにそこに貴俊や陽菜が入る可能性も考えると……足りるか、重箱ひとつで? なんか2つくらい用意しといたほうがいいような気になってきたな……。 大翔「……ていうか、作るのはいいんだけど正直持ち運びが面倒なんだよな」 ごめんなさい、無精者で。 そもそも俺って別に働き者じゃないんだよ。美羽がしっかりしてるから、結構ゆるーくやっても家の事回るし。ああでもここ最近、美羽が学校から帰ってくるのが遅かったりして、家の中結構汚れてきたな。レンさんがこまめに整理してくれてるけど、たまに配置変わるんだよな流石に。 大翔「まあ、片付けは帰ってからでいいか。……昨日も一昨日も同じこと考えてた気がするが」 愚痴っても仕方ない。やることやらないと後で困るのは自分だしな。 そんなことを考えていると、上がなにやら騒がしくなってきた。あの足音は、美羽か? 朝から何騒いでんだ? 2階のあちこちの部屋を行き来した後、階段を転げ落ちるような速さで降りてきてリビングの扉を騒々しく開いた。 美羽「あぁっ!? 嘘、遅刻!?」 大翔「朝っぱらからいい度胸だテメェそこに直れ」 人の顔を見るなりいきなりの失礼発言。お兄ちゃん怒ってもいいかな? だが、美羽は美羽で朝っぱらから血圧の高そうな顔をしている。何をそんなに興奮してるんだ。 美羽「あれ、時間いつもどおりだ……え? 兄貴、ちょっと、何やってんのよこんな時間に起きるなんて…………」 大翔「だから、そういう怖ろしいものを見るような目をしてんじゃねぇ! ガタガタ震えるな!」 美羽「だって、兄貴がこんな時間に起きてるなんておかしいじゃない! どう考えてもへんだよ!? ねえ、何かへんなことでもあったの?」 美羽が本気で心配してくれてるのがわかる。人に心配されることがここまで腹立つのは初めての経験だった。 続いて、とたとたとた……ひょこ、と顔を出したのは、美優。 美優「……お姉ちゃん……どうした……のっ!? あ、あれ? ワタシ、遅刻しちゃった……?」 大翔「さすが姉妹似たような反応をありがとうなちくしょうめっ!!」 弁当ひっくり返していいかなぁっ!? ユリア「みなさん、どうしたんです……か…………ひ、ヒロトさん……?」 レン「姫様、そんなところで固まっていったい何が……ヒロト殿!?」 大翔「あんたらもかっ? なんかそれだけで俺に対する認識がわかろうってもんだぞ、おい!?」 最近確かによく朝寝坊してたけどさぁっ! 美羽とか美優は知ってるだろ、俺が本来そんなに寝坊しないの! 妙に寝起きが悪いの、ここ1ヶ月くらいじゃねぇかよぉ……。って、今日は単に寝てないだけだから別に早起きってワケでもないか。 大翔「あのなぁ……人が朝から台所に立ってるのがそんなに変か……」 美羽「変って言うか……何してんの、兄貴?」 美羽はいまだに困惑している様子だ。 大翔「弁当作ってたんですー。つか、そんな扱いするんならもう弁当作るのやめるぞ」 美優「お、お兄ちゃんのお弁当……? た、食べるよ、ワタシ食べる!」 美羽「兄貴が弁当作ったの? 珍しいなぁ、それにしても、何でいきなり?」 大翔「作りたくなったから作ってるだけだよ。別にいいだろ、理由なんか」 まさか、夜眠れないから、とか言うわけにもいかないし。 ユリア「それにしても、これだけの量を作るのは大変だったんじゃないですか? かなりの量ですよ、これ」 大翔「や、時間だけはあったから、へーきへーき」 ユリア「……………………」 ユリアさんは、真剣な表情で俺の目を覗き込む。 ユリア「ヒロトさん、ちょっと、いいですか?」 大翔「へ? って、と、ち、ちょっと?」 返事をする前に手をつかまれて引っ張られる。見送る三人の視線を背中に受けながら、俺はユリアさんの部屋に連行された。 ユリア「えっと、少し聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」 大翔「ああ、うん、大丈夫だけど……」 とか言いながら地味に緊張してる自分を意識する。……考えたら、ユリアさんの部屋に入るの初めてだ。じろじろ見たら悪いだろうなーとか思いながら、ついつい視線が室内に向いてしまう。 ユリア「……ヒロトさん」 大翔「うわぃっ!!」 しまった油断した! お、おこられる!? ん? なんか、ユリアさんの様子が少しおかしい? ユリア「その……私たちが来てから、体の調子がおかしかったりすることとか、ありませんか?」 大翔「ないよ」 気づいた時には勝手に口がしゃべっていた。嘘をつこう、なんて考える暇もなかった。思わずという言葉すら、この場合には当てはまらないかもしれない。 あまりの反応の速さにユリアさんが少し驚いた顔をしている。ていうか、言った俺がそもそも驚いていた。 ……ここで会話を途切れさせるのは、よくないか。 大翔「どうしてそう思うの?」 ユリア「あ……その、以前、レンが夜中にヒロトさんと公園で訓練したという話を聞いたんです。……それで、実は昨晩と4日前、夜中に目が覚めたときにヒロトさんが出かけるのが見えたので、もしかしたら眠れないのかな、と思ったんです」 ん? 見られてたんだ。 ていうか、それは単に寝付けないだけで体調不良といえないような……ああ、不眠症か? 大翔「んー、それは単に寝付けなかっただけなんだけど。別に体調が特に悪いとか、そういうのはないよ」 ユリア「っ。じ、じゃあ、妙に胸騒ぎがしたり、感覚が敏感だったりとかいうことはないですか?」 少し考える。簡単にNOということもできるけど、ユリアさんの真剣な様子を見て、それをすることはできない。 大翔「多分、ないと思うよ。……何か、気になることでも?」 ユリア「その……ほら、私たちの魔法って独特じゃないですかっ。そ、それで、そのせいでもし、ヒロトさんに何かの影響が、出てるかもしれませんし……」 ユリアさんは必死に言葉を選んでいる様子だった。 何を、そんなに心配しているんだろうか。そもそも、他人の魔法のせいで体調不良を起こすなんて、聞いたことがない。いくら独特の魔法を持っているからってそんなことが起こるんだろうか? 大翔「大丈夫だよ。別に夜に眠れなくなるのは、初めての事じゃないから。ま、ユリアさん達が来てちょっと緊張してるんだと思うよ」 ユリア「あう……やっぱり、迷惑ですか?」 大翔「ぜんぜんそんな事ないよ。っつーか、むしろ来てくれて楽しくなったくらいだから」 ユリア「そうですか。それは、その、なんていうか……ありがとう、ございます」 はにかむユリアさんを見て、一瞬心臓が大きく跳ねたような気がした。だから、そういう、無防備な顔は、やめてってば……。 ユリア「えへへへへ……」 大翔「あはははは……」 2人顔を見合わせて笑いあう。明らかな愛想笑いは、基本的に長続きしない。 ユリア「……………………」 大翔「……………………」 妙に居心地の悪い沈黙が流れる。お互いにどこか視線を合わせるのをためらいながら、相手の様子を伺っている気配がする。 ……こういう場合、どういう風に動くのが正解ですかっ!? なんだこう、この、妙な空気は……ユリアさんは、どんな様子――っ! 目があった。こっちをチラ見していたユリアさんが目を見開いて、同じタイミングで顔をそらす。耳まで赤くなっていくのがわかる。多分、ユリアさんも同じだろう。 ど、どうしたらいいんだぁっ!? そのとき、救いの手が差し伸べられた。こんこん、と扉がノックされる。 レン『お二人とも、そろそろ、時間が押してきましたが……』 ユリア「にゃぁっ! れ、レン!! わ、わわわ、わかったから! すぐ行くから……きゃっ!?」 大翔「うぉわっ!?」 突然のレンさんの登場にフリーズ解除されたユリアさんは、焦って立ち上がろうとしてしまってバランスを崩してしまった。俺もレンさんの声に注意が向いていたせいで、反応するのが遅れてしまった。結果、 ユリア「……………………………………」 大翔「……………………………………」 倒れこんできたユリアさんを、俺が抱きとめるカタチになっていた。 ユリアさんの体は柔らかくて、暖かくて、髪からほのかにいい香りが漂っている。すっぽりと腕の中に体をおさめて、しなだれるようになったユリアさんと目が合う。 先ほどから赤かった肌は、もはや気の毒なくらいに真っ赤に染まり、吐息も微かに荒い。密着した胸のやわらかさと、その奥の心臓の鼓動が俺の理性をかき乱していた。 ユリア「……………………………………」 大翔「……………………………………」 突然の事態に完全に動きを止めた俺達は、 レン「姫様?」 がちゃり、とドアを開けると同時にレンさんがはいてくると同時に、部屋の端と端にまで飛びのいていた。 大翔「ぐあっ!?」 飛びのきすぎて壁に頭をぶつけた。ユリアさんは、飛びのく途中でひっくり返っていた。 レン「……お二人とも、何をなさっているので?」 大翔「いや、これは、その…………あ、あははははっ! そ、それじゃあ俺、弁当の仕上げしてくるんで!!」 ユリア「あ、はい! お昼、楽しみにしていますねっ!!」 レン「????????」 明らかに挙動不審な俺達に、レンさんは疑問不を浮かべていた。が、俺は一刻も早くこの場を離れないといけない。じゃないと、なんか気分がおかしいっていうか、なんだよさっきまでのピンクな俺はあぁぁぁぁ!!! その後、洗面所で頭から冷水をぶっ掛けても、なかなか顔の火照りは取れてくれなかった。 うう……ユリアさんと顔があわせ辛い…………。 昼休み。 4段の重箱という高校生にあるまじき巨大弁当を持参した俺は、周囲の視線を集める午前を終え、屋上に弁当を広げていた。 美羽はなにやら忙しいということで、少しおかずを食べただけでさっさと行ってしまった。ユリアさんたちと何か話していたが、その内容までは聞こえなかった。 そんなわけで、今ここにいるのは俺、美優、ユリアさん、レンさん、貴俊、陽菜に加え、なぜか沙良先生が加わっていた。ちなみに、沙良先生は弁当持参。いや、何でいるんすか、先生? 沙良「いや、噂の結城兄の激ウマランチが食えるいう話やったからな。顔出して見たんや。それにしても、ホンマにうまいなあ、アンタの飯」 大翔「誰ですか、そんなわけのわからん情報を垂れ流してる人は……」 沙良「乃愛やけど?」 大翔「あの人は…………」 ちなみに、乃愛先生には以前の反省を生かして小さい弁当箱に別につめて持ってきた。まあ、アレだけ喜んでもらえたらこっちも嬉しいが……。 沙良「なんや、職員朝礼でいきなり自慢するもんやけん、どんだけのもんかちと気になってな」 大翔「あの人はっ……!」 何つーことをしてくれてるんすか……。 美優「でも、お兄ちゃんの料理、おいしいから……」 大翔「ほめてくれるのは嬉しいが、あまり理由になってないぞ、それ……」 貴俊「だが実際、お前の料理がうまいのは事実だ。うん、これで俺の将来の食事の心配はないわけだな」 大翔「そういうわけのわからん話をするのならさっさとここから飛び落ちろ」 貴俊はばくばくと勢い良く弁当を平らげていく。特に唐揚げが気に入ったらしい。ていうか、もっと野菜を食え、お前は。 レン「しかし、この弁当には工夫がこもっているな。どれも長時間の保存と味の変化を考慮したものになっている」 レンさんは相変わらず、俺の料理の分析に余念がない。お互い、妙なライバル意識が生まれている気がする。 陽菜「ううう……お弁当の味付けはこっちはこっちで凄いおいしい……! うだー! 陽菜の勝てる要素がいったいどこにっ!?」 陽菜は相変わらず良くわからないことを吼えていた。食事中に大口を開けないの。 そして、ユリアさんは…… ユリア「…………(チラッ)」 大翔「……………………」 ユリア「(もぐもぐもぐもぐ)…………(チラッ)」 あまり会話に参加せず黙々と食べ続けている。ただ、時々伺うようにこちらをちらちら見ているけど。 ていうか。あの。 すんごい、気まずいの。どうしよ、この状況。 陽菜「あのー、ヒロ君? なーんかユリアちゃんの様子がおかしくないっかな? なんかあったの?」 大翔「え? いや、何も……いや、あったかもだけど。いやしかしそれはだな」 陽菜「あ、わかっちゃたよ! アレでしょ、ヒロ君がユリアちゃんを怒らせちゃったんでしょ? もー、ダメだよヒロ君」 こら。なんでそんな結論にいきなり至るのか。 ていうか、周りの連中もなんかそれに同意するような視線を向けるんじゃありません。 陽菜「仕方ないなぁヒロ君は! ここはこの陽菜ちゃんが、ふたりの仲直りのお手伝いをしちゃってあげるんだから!! おーい、ユリアちゃーん」 大翔「おーい、陽菜さーん。そろそろその勘違いをやめちゃってくれませんかー?」 けど陽菜は聞かないやめないとまらない。 陽菜の言葉に、ユリアさんは顔を上げる。陽菜は何もいわずにユリアさんの手を引いて、俺の目の前に引っ張ってきたっておいおいおいおい。 陽菜「ほら、ユリアちゃん、座って座って」 ユリア「え、あの、でもその私は……」 陽菜「もう、だめだよ、喧嘩しちゃあ。ふたりとも仲良くしないとねっ!」 そういって、陽菜はギャラリーに戻る。 ねえ、何その投げっぱなし解決策。あとは俺達でどうにかしろって、なんかそれ凄い無責任すぎやしませんか? 俺とユリアさんは困って顔を見合わせる。そもそも、喧嘩なんかしてないんだけどなぁ……ユリアさんも同じ考えなのか、苦笑を浮かべていた。 ああでも、コレでようやくまともに顔を合わせられたんだし、そこのところは陽菜に感謝しよう。 ユリア「ええと……今から、何をすればいいんでしょうか?」 大翔「まあとりあえず、仲がいいことを証明すればいいんじゃないですか?」 普通に会話するとか、どうやって証明すればいいのかいまいちわからないけど。さて、どうやって陽菜たちを納得させるべきか……ん? なにやら、ユリアさんが真剣な表情で考え込んでいる。と、おもむろに卵焼きを取り、箸をこちらに差し出してきた。左手は添えるように差し出され、ユリアさんは期待に満ちたまなざしで俺を見ている。 まあ、なんつーか。 いわゆる『あーん』のポーズだった。 …………あの。 大翔「ユリアさん? あの、なんでしょう、コレは……」 ユリア「昨日、テレビでやっていたんです。仲のよい男女は、このようにして相手に食事を食べさせ合うのだといっていました」 違っ! それ、仲いいの意味が違っ!? 横を見てみるとそれぞれがそれぞれの表情を浮かべていた。 美優は夢見る乙女のような、きらきらした顔で。 貴俊は愉快な見世物を見るような、にやけた顔で。 レンさんは珍しいものを見るような、驚いた顔で。 陽菜は衝撃に身を打ち震わせて、愕然とした顔で。 沙良先生はいかにも『若いってええなぁ』な顔で。 要するに、割と他人事っぽい扱いで。 ユリア「さ、ヒロトさん」 大翔「いや」 ユリア「ささ、ヒロトさん」 大翔「あのですね」 ユリア「さささ、ヒロトさん」 大翔「ユリアさん?」 ぜんぜん聞いちゃいない。多分、テレビでやってたことをそのままやるのが楽しいんだろう……うう、なんだ、この針の筵。ていうか、屋上にいるのは俺達だけじゃないんだ。他のグループからも凄い視線が集まってるんだけど……! 仕方なしに、ユリアさんの差し出してくれた卵焼きにぱくりとかぶりついた。ユリアさんは実に楽しそう。何で俺1人、こんな恥ずかしがってなきゃいけないんだ……。 陽菜「うわあぁぁぁっ! し、しまったぁぁぁっ!!」 ようやく陽菜が動き出した。頭を抱えてのけぞる。悪かったな、俺があーんしてもらうのがそんなに衝撃的な光景で。 ユリアさんはやたらと満足そうな顔で―― ユリア「あー」 大翔「…………」 どうやら、ここからが本当の地獄らしい。 結局、その後は俺とユリアさんによるあーん合戦を鑑賞しながら飯を食う会になっていた。 飯を食い終わっても、美優は妄想をひたすらに広げていていまだに帰ってこないし貴俊は腹を抱えて笑い転げていた。沙良先生は大福に座って爪楊枝を咥え、陽菜は叫びすぎて息切れしていた。 状況だけ見たらひるご飯の後とは思えないだろうな。 大翔「はぁ……ユリアさん、楽しそうですね……」 ユリア「はい! 実は、てれびで『あーん』を見たときから、やってみたかったんです」 大翔「いや、まあいいけどね……満足した?」 ユリア「はいっ!」 元気に答えるユリアさんに苦笑して、美優にするようになんとなくその頭を軽くなでる。ユリアさんは気持ちよさそうに目を細めた。 と、そのとき、 ?「まてぇぇぇぇい!!!!」 屋上全体に響き渡るほどの大音声。 なんだ、今の声は? 声のしたほうを振り返ると、そいつは屋上の入り口の上のさらに上、貯水タンクの上に立っていた。 青い長髪を風になびかせ、口に真っ赤なバラを咥えたそいつは、青空を背景にこれでもかといわんばかりに――へんなポーズをとっていた。 突然の驚きに支配された屋上。だが、その姿を見たものはひとり、またひとりと、 「ぶっ」「ぷ、くくく……」「くすくす」 笑いに沈んでいく。 なんという破壊力……出オチでアレだけの笑いを取るなんて、あいつはもしや次世代を担う芸人か!? 変人「おい、そこの貴様!」 変人が、へんなポーズのまま口を開く。顔が真面目なだけに余計に面白さが増してしまっている。 変人「こら、何を笑っている!? お前だといっているのだ、そこの庶民!!」 先ほどから変人は何者かに対して呼びかけている。誰だろう? 俺にはさっぱりわからない。 変人「ええい、きょろきょろと周りを見回している貴様だ! 庶民、それはわざとではなかろうな!?」 ……いや、気づいてたよ? だってあいつ、最初からずっと俺のほうをじぃっと見てるし……。いやだなぁ……関わりあいたくないなぁ……。 俺が反応するのを渋っていると、美優がくいくいと袖を引いてきた。 大翔「ん、どした?」 美優「お兄ちゃん……あの人、なんか怖い……」 大翔「……まあ、確かに、アレだけ敵意満々で見られたらなぁ。けど、あいつが見てるのは俺だから、美優は少しはなれてな」 そう微笑みかけると、 美優「……………………」 ぎゅ。袖をにぎる力に力がこもる。逃げない、と目が言っていた。 どうやら、逆効果だったらしい。苦笑を浮かべて、変人を見る。……とりあえず、今後美優に何かないように始末をつけないといけなくなったな。 変人「ふ……どうやらようやく自分の事だと理解したようだな庶民」 大翔「っつーかさっきから庶民庶民うるさいぞ。お前に名乗る名前はないけど庶民はやめろ」 変人「ふん、ボクも君の名前なんか知りたくもないがね! だが、庶民ごときにお前と呼ばれるのを無視するわけにもいかない。仕方がないから、特別にボクの名前を教えてやろう。心して聞くがいい! このボクこそが次期サフィール家当主――」 貴俊「なあ、あいつ結構いい面してるんだが、あいつは俺の愛を受け止めてくれると思うか?」 大翔「はなから相手を馬鹿にしてかかるような奴だし、難しいんじゃないか? まあ、お前が俺への愛とやらをささやくのをやめてくれるんなら全力でそっちに愛を傾けて欲しいが」 貴俊「じゃあいいや。あいついらね」 大翔「いや、そもそもお前のもんじゃないだろ、あれは……」 生徒A「ねえ、あのポーズって何かの流行なの?」 生徒B「えー、あんなダッサいポーズが? ちょおセンス悪くない?」 生徒C「こんな感じか、あのポーズ? あ、もうちょっと右手を上げる感じか?」 生徒D「なあ、次の授業の課題終わってないんだけど、教えてくれない?」 ざわざわ、ざわざわ、ざわざわ、ざわざわ 誰一人として変人の言葉を真面目に聞いちゃいなかった。ここまで無視されるとさすがに哀れに見えてくる。 変人「え、ええい! こらお前達、このボクの名前を知りたいとは思わないのか!? くそっ、これだから庶民は……!!」 だむだむとタンクを踏みつける変人。美形がああやって慌てふためくのはギャップがあってなかなかコミカルだった。 美優「お兄ちゃん……あの人、なんか可哀そう……」 大翔「優しいなぁ美優。けど、アレはほっとこう。なんか関わっちゃいけない空気が駄々漏れだ」 美優「う……うん…………」 とりあえず今のうちに逃げようと、ユリアさんとレンさんに声をかけようとする。が、2人は揃ってぽかーんと変人を見ていた。 どうしたんだ? ユリア「エーデルさん!?」 レン「サフィール殿!?」 2人の声が重なるが、口に出した言葉は違うものだった。つまり……さっき次期当主だとかなんとか言ってたから、エーデルが名前で、サフィールが苗字、か? エーデル「ふっ、お久しゅうございます。姫、ミス・ノア」 ユリア「なぜ、あなたがこちらにいるのですか!? サフィール家嫡男ともあろう、あなたが!」 エーデル「それを仰るのであれば、王族であるあなたがここにいることがまず問題となりましょう」 エーデルとかいう男の言葉に、ユリアさんが言葉を詰まらせる。なんだ、この状況は? 様子からして、どうやらこの3人は知り合いらしい。同じ国の出身だろうか? エーデル「ボクがここへ来たの理由はただひとつ……あなたに、愛をささやくためですっ」 エーデルは懐からバラの花束を取り出し、空中へ振りまいた。その姿を見た屋上にいた生徒の心がひとつになる。 一同『やばい…………こいつ、バカだ!!』 ひらひらと舞い落ちるバラの花を思い思いに避ける生徒達。俺もなるべく触れたくないのだが、何しろ野郎の目標であるユリアさんのすぐそばにいるため、振ってくる量も他の場所とは段違いにおおい。とりあえず、美優があんなのに触れないように保護する。 美優「お兄ちゃん……あの人、今まで見た中で一番、痛々しいよ…………!?」 大翔「とりあえず、そういうことは思っても口に出さないように」 こくんとうなずく美優の頭をなでる。なんかこいつ、たまに無意識的に強烈な毒吐くよな……。 ユリア「愛ですか。愛はいいものですね、父もよく言っています。でも、ささやいていては周りの方に聞こえませんよ?」 レン「……姫様、おそらくサフィール殿はもう少し別の意味で愛をささやくと言っておられるのだと思われますが」 ……なんか、この3人の関係が一気に見えてきた気がする。つまりあれか、あの見るからにお坊ちゃまな奴はユリアさんが好きで、ユリアさんはそれに気づかなくて、レンさんはそれを見ている、と。 とことん報われないな、あのエーデルって奴は。 大翔「えーっと、結局あいつはなんなんだ、ユリアさん?」 ユリア「彼は私の国の最有力貴族、サフィール家の次期当主のエーデルさんです。愉快な方なんですよ」 大翔「はぁ……で、なんでそいつがいきなりここへ?」 レン「サフィール殿は姫様の行く先にはどこにでもついて来られるからな。だが、まさかここまでついてくるとは予想外だったが……それにしても、どうやってこちらへ……」 ぶつぶつと呟くレンさん。どうやっても何も、飛行機でも使えば簡単にこられると思うんだが。それとも、何か別に理由があるんだろうか? エーデル「おいこら! そこの庶民! ボクの姫になれなれしく話しかけるんじゃない!!」 貴俊「おいこら! そこの変態! 俺のスウィートに乱暴な口きいてんじゃねぇぞ!!」 大翔「貴俊お前は状況をさらに混乱させるだけだから何もしゃべるな」 もはやどうやってこの状況をまとめたらいいのかが思いつかない。とりあえず、ユリアさんに頼むしかないか。 大翔「ユリアさん、ちょっといいですか……」 ユリア「はい、なんですか?」 ユリアさんの手を引く。とりあえず、いったん落ち着ける場所を探して話し合ったほうがよさそうだ。何を話し合うのかも良くわからないけど、このまま放置するよりはましだろう。 そう、思ったのだが。 エーデル「だ、か、ら…………! ボクの姫になれなれしくするなといっているのだ、庶民!!」 大翔「!?」 美優「え?」 ぞわり、と全身に悪寒が走る。振り返ると、エーデルはへんなポーズのまま全身に淡い光をまとっていた。 エーデル「1度痛い目を見なければわからないらしいな……庶民! 我が意に従い牙をむけ、大いなる水の力を知らしめよ!!」 その言葉が終わると同時、貯水タンクが震えたかと思うと、弾け飛んだ。だが、水は弾けることなく、渦巻き、荒れ狂い、蛇を形作る。エーデルはその水蛇の頭に飛び乗る。 ユリア「エーデルさん!?」 エーデル「さあ、庶民! ボクの力の前にひれ伏すがいい!! みっともなく命乞いをすれば、この場は見逃してやろう!」 己の力を誇示し、エーデルが高らかに宣言する。強大な魔法を駆使し、己の力として傲慢なほどに他者を見下す。 ――むかついた。 大翔「おい、アホ王子」 美優「おにい……ひっ」 美優がおびえてるのがわかる。けど、フォローは後回しだ。今は、あいつがむかついて仕方がない。 大翔「てめえ、周りよく見ろよ。どれだけの人間がいると思ってんだ? こんなところでそんな大掛かりな魔法使って、誰か怪我したらどうすんだ」 エーデル「ふん……そのような瑣末事に関わっていられるほど、僕は暇人ではない」 大翔「……よくわかった。とりあえず、お前はむかつく。ぶっ飛ばすから覚悟しろよ」 エーデル「庶民が……このボクに楯突いたこと、痛みの中で後悔するがいい!!」 水蛇が体を大きくしならせ、牙をむいて突進してくる。その速度はすさまじく、一瞬でこちらまで到達するだろう。あの巨体と勢いに正面からぶつかり合えば、こっちの身は持たないだろう。なら、狙うのは蛇の頭に立つ、奴だけだ。ギリギリまでひきつければ、相打ち覚悟でどうにか一撃を―― 美優「――お兄ちゃん」 大翔「――――――」 あー。だめだ。それダメ。相打ちとかね、俺のキャラじゃねーわ。熱くなりすぎ。頭冷やせ、俺。 こんな奴相手にするために、家族泣かせたら馬鹿みてーじゃん。 大翔「美優、貴俊。悪いけど頼んでいいか。情けないけど、俺じゃ魔法がうまく出るかどうかわかんねー」 美優「うん――平気」 貴俊「当然! 俺があいつをぶん殴ってやりたかったからな!」 袖をにぎっていた美優の手をぎゅっとにぎりかえす。貴俊は獰猛な表情で、俺の横に並んで立った。 エーデル「庶民が揃って……このボクを止められるかな!?」 沙良「もうええて。あんた退場や」 蛇の口がひときわ大きく開かれた瞬間、暢気な声の持ち主が軽い動作と共に俺達の前に立つ。そして、その小さな人影を飲み込む寸前、水蛇の動きが止まった。 エーデル「な……? い、いったい何をした!?」 沙良「何でもええやろ。ていうかな、アンタ。いくらなんでも、この学校でウチの世話になる人間をほいほい量産しようとか考えんなや。はっきり言って迷惑やで。そういうオイタは、ウチの『流理』に負けん位の力をつけてからやるべきやな」 沙良先生はいつもの調子で、くるくると余った白衣の袖を回す。すると、しゅるしゅると水蛇が形を崩し、貯水タンクのあった場所に渦を巻いた。 エーデル「なぁっ!?」 沙良「そんで、アンタにはお仕置きが必要やな……ウチの庭で勝手なことしたら、ただじゃおかんで。なあ、ましゅまろ」 言葉と共に、沙良先生の白衣の下からあの大福のぬいぐるみが現れた。ぽんぽんと跳ねるそいつは、 エーデル「ぶごふっ!?」 沙良「ああ、それからな……ウチの学園は関係者以外立ち入り禁止や。てかな――ウチの生徒に手ェ出してんじゃねえよ、カスが」 全力でエーデルの顔面に突っ込んだ。さらに追い討ちで、 沙良「ちぃぇすとぉぉっ!!」 エーデル「ごふぁっ!?」 沙良先生の後ろ回し蹴りが華麗に炸裂した。先生……アンタさっき、自分の世話になる人間をだすなって言ってませんでしたっけ? みんなの視線を受けながら、沙良先生はエーデルを大福に乗せ、そのまま屋上を出て行こうとする。 沙良「ああ、せや。水はウチの力でしばらくこのままにしとくけど、こんなかに修復系か復元系の能力の子はおるか?」 沙良先生の言葉に、数人の生徒が手を上げる。 沙良「ああ、せやったらアンタらちょっとタンク直したってな。ウチはこいつを学長のタヌキんとこにもってかないかんさかい。ほな、後よろしゅう頼むわ」 そういって、沙良先生は屋上を去っていった。一連の出来事に呆然としていた俺達は、やがて屋上の片付けに取り掛かる。といっても、タンクの破片を拾ったりするだけだが。 それにしても…… 大翔「美優、魔法の発動随分早くなったな」 美優「練習、してるから……」 俺はいつの間にかそこに存在していた姿見サイズの鏡を指でピンと弾く。鏡は震え、さらさらと光になって消えていく。 美優は学園に入ってから確実に魔法の力を高めている。それは、あの努力家の美羽にもいえることだろう。それに比べ…… 大翔「あー、なんか情けねーな、俺……さすがにちょっと凹みそうだ。魔法が使えねーのもそうだけど、熱くなって美優の事頭になくなったりとか」 あのまま相打ち覚悟でやっていたら、もしかしたら美優も巻き込んでいたかもしれない。最初に冷静になろうって思ったくせに、ちょっと気に食わないことを言われたからって熱くなったのは、なんていうか、情けない。 美優「でもあの人、酷い事言ったから……お兄ちゃんは、悪くないよ」 大翔「ありがとな、美優。けどやっぱ、俺がもっとしっかりしてりゃなって思うよ、俺は」 貴俊「なーに、俺とお前の愛があればどんな困難も打ち砕く! それが、愛の力って奴だぜ」 大翔「お前はいいから……。ユリアさん? どうかしたの?」 ユリアさんは、沙良先生が出て行った扉をじっと見ていた。 ユリア「いえ……多分、平気です」 レン「姫様…………」 ユリアさんとレンさんは深刻な表情で空を見上げた。俺もつられて空を見上げる。 空は、気持ちいいくらいに突き抜けるくらいに、ただ、青く深く広がっていた。 これが、俺とエーデル・サフィールとの出会いだった。 お互いの最初の印象は、最悪。互いに互いを嫌いあう、そんな間柄となった。 そんな奴が、俺の運命を大きく変えるきっかけになると、このときの俺はまだ知らなかった。 ああちなみにまったくの余談になるが。 美羽「兄貴! なんか屋上でやたらとラブラブ空間を展開していた馬鹿の目撃証言があったんだけど、何か言い残すことは!?」 大翔「ちょ、お前いきなりジ・エンド確定ってなんだそりゃ!? せめて事情の説明くらい」 美羽「うるさい黙れ、この馬鹿兄貴!!」 大翔「おいこらやめろいくら俺でもそんなもので殴られたら脳味噌がいい具合に愉快なことになるって……ぐああぁぁぁっ!?」 そろそろ、このパターンやめねえか、美羽。
https://w.atwiki.jp/chinatiku/pages/15.html
三国・両晋十六国 確定者(9名) 鄧艾 197年?-264年 石勒 274年-333年 祖逖 王猛 符柳が挙兵した際、これを鎮圧。 陝城を落し、符[庚]を捕えて長安に送り内乱を平定。 前涼が前秦に侵攻した際、姚萇と共に涼軍を撃退。 李儼が救援を符堅に請うた際、王猛は各地に兵を派遣して守備を固めさせた上で楊安と共に枹罕救援に向かい、迎撃してきた前涼の張天錫を大いに破り、前涼軍に、戦死者・降伏した兵を合わせて一万七千の打撃を受えた。 これにより絶縁していた前涼は再び前秦に藩属した。 ~3スレ目 126より~ 劉曜 ?-328年 慕容垂 326年-396年 慕容恪 桓温 312年-373年 拓跋珪 371年-409年 候補者(5名) 陶侃 石虎 謝艾 謝玄 冉閔
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/99.html
血に飢えた獣達の晩餐 ◆Nr7qwL8XuU 手足をもがれ瓦礫に埋もれたドスハードの中、ソシエは瞬く間に変わっていった自身の状況を整理しようとつとめていた。 さっきまで交戦してたあの赤マフラーは間違いなく敵だ。 それにとどめを刺されかけたところを助けてくれた腹ペコのちっちゃいのは多分味方。 ということはそれと交戦してる赤いのは多分敵で、赤マフラーと戦ってる小型機と残りの航空機は・・・・・・あっ、ダメ。こんがらかってきた・・・。 通信機がまともに動けば状況把握も楽なのだろうが、どうも壊れてしまったらしくノイズ音の他に流れてくる音はなかった。 まっ、どうせ動けないんだから考えても仕方ないか・・・。 敵味方の認識をあきらめたソシエはどうにかなるさと気軽に考え、若干投げやりな様子で支給品の袋に手を伸ばした。 中からドンキーのパンとドロシーのコーヒーなる缶コーヒーが出てきた。 一口飲んでその甘さに咳き込んだソシエはそれを無視するとパンを頬張った。 横薙ぎにはらわれる円の動きと真っ直ぐに突き出す線の動き。一瞬早く相手を捕らえたアキトの拳が大雷凰の腹に叩き込まれる。 大雷凰の装甲が軋み、わずかに遅れて直撃した竜馬の脚にアキトはその拳を振り抜ききる前に大きく弾き飛ばされた。 「まだまだぁ!」 直後、大雷凰のブースターはフル稼働しYF-21を追って空を駆ける。アキトが機体を立て直せばその瞬間に、立て直さなければ追いついたその瞬間に一撃を叩き込むべく一度は開いた二者の間を急速に縮めていく。 そして、大雷凰がYF-21に追いつき、その蹴りが襲い掛かる。 「もらったぁ!なっ!!」 がその瞬間、YF-21はファイターモードに変形、吹き飛ばされていたその方向にそのまま加速して攻撃をかわすと135度までロール。 そして、速度を上げながら操縦桿を引き起し、スライスターンで大雷凰を正面に捉えるとすれ違いざまにガンポッドを撃ち込んだ。 「チッ!逃がすかよぉ!!」 放たれたガンポッドは大雷凰の装甲に吸い込まれ火花を散らす。だが意にも介さずといった風で振り向いた竜馬はアキトの追撃に移った。 「いつまでそうやって逃げ回る気だい?」 テッカマン・エビルが間を詰める。 「そうだな・・・。君が私の話を聞く気になるまでかな?」 凰牙が間合いを広げる。そんなやり取りが続けられていた。 全長28.5mの凰牙に対してわずか2.36mのテッカマン。にもかかわらず踏み込まれるたびに後ずさっていく凰牙の姿はもはや滑稽という他ない。 憶測ではあるがロジャーの間合いで戦えば勝機はあるだろう。しかし、懐にもぐりこまれるとおそろしくやり難い。加えて依頼の内容的に手を出すわけにはいかない。 その自覚がロジャーに現在の行動を取らせていた。 「残念だけど、お前と話し合いする必要なんかないね!」 これまで緩やかな動きから一転、テッカマンは高速で駆け出す。 「消えただと!」 それまでとの速度差、こちらの1/10以下というサイズ差、そして予想外の高速、それらの要因が絡み合いロジャーはテッカマンを見失う。 次に気づいたときには文字通り凰牙の眼前にテッカマンはいた。 攻撃を受け流す暇もなく、とっさに首を捻ってランサーをかわす。しかし、完全には避けきれず凰牙の右の角が音をたてて地面に落ちていった。 「今のをかわすなんて意外にやるね」 テックランサーを悠然と旋回させテッカマンが構えなおす。 「君は何か勘違いをしている」 背後に着地したテッカマンを追って向き直り凰牙も構えなおす。 「何をだい?」 「これは話し合いではない。取引だ」 大雷凰が市街地に身を隠したYF-21を追って大地に降り立った。 「どこに逃げやがった」 油断なく背をビルに預け周囲を警戒する。 右に敵影はない・・・。左も・・・。 空に目を移す。やはりそこにも姿はなかった。が、次の瞬間敵機の接近を告げるアラームが鳴り響く。 「クソッ!どこから・・・後ろかぁ!!」 その声とほぼ同時に背後のビルは崩れそこから姿を現したアキトの拳が竜馬を捉える。 金属がつぶれる音が響き大雷凰の胸部装甲が凹んだ。 だがそこでYF-21の拳はつかまれ 「へっ!やっと捕まえた・・・覚悟しやがれぇ!!!」 一転、二転、三転、大きく振り回される。そしてついた遠心力をそのまま利用して大空高くYF-21が投げ飛ばされる。 「貴様にも味あわせてやる!大雷凰の恐ろしさをなっ!!」 きりもみ回転で制御を失った機体の中アキトが必死で機体を立て直す。 「ラアアァァァイジングメテオ!!」 そんなアキトに構わず、大雷凰は高速で迫り 「インフェルノオオオオオォォォォォォォォォッ!!!!」 周囲に爆音が轟いた。 震えた空気の振動にモニターが揺れる。 そんな中、目の前の達磨となったドスハードにリリーナは通信を続けていた。 しかし、応答はない。 それはドスハードの通信機が壊れてしまった為なのだがそのことを知るすべはリリーナにはなかった。 ふと交渉をおこなっているはずの凰牙のほうに目を移す。角が落とされ大地に落ちていく姿が遠目に確認できた。 そして交戦しているのか時折赤い火花が散っている。 「ロジャー・・・」 信じていますと繋げたその声は直後の轟音にかき消された。 慌てて音のほうを振り向く。離れた空域に巨大な爆煙が渦巻いているのが見えた。 そして、ヴァルハラの巨体が揺れる。 次の瞬間、その制御は失われ、巨大な力にヴァルハラが引き寄せられる。 その中でリリーナは一人絶叫した。 小さな人影が地を蹴って信じられない高さまで跳躍すると槍を薙ぐ。 「取引だって?面白い。お前が僕に何を与えてくれるというのだい?」 サイドステップで避けた凰牙の装甲に槍の先端がわずかにかすり火花が散る。 「ゲーム内における君の安全と君が望んでいるであろう現実世界への帰還だ。取引に応じた場合、君の安全は私が全力をかけて守ろう。そのかわりに我々に協力してもらいたい」 その一言がテッカマンエビルの、相羽シンヤのプライドに触れた。 「お前ごときがこの僕を守るだって?フッ・・・ハハ・・・ハァーハッハッハッハ・・・」 突如、シンヤの笑い声が木霊した。その様子にロジャーは肩を竦める。 「何か可笑しいかね?」 「いいや。笑えないね」 テックランサーをロジャーに向かって投げ飛ばす。 「お前ごときが」 唸りをあげて迫るテックランサーがロジャーの脇をすり抜けいった。 「この僕を」 ランサーの先につけていたのか手元の鋼線を勢いよく引き戻す。 「守るだと?」 黒い大きな影が日光をさえぎった。 「ふざけるのもたいがいにしろよ!人間風情があああぁぁぁぁぁぁ!!」 テックランサーが突き刺さり、ワイヤーに絡め取られ、そして制御を失い強引に力ずくで引き寄せられたヴァルハラが上下逆さまに凰牙を押しつぶしてくる。 辛うじてそれをかわしたロジャーからヴァルハラに通信が飛ぶ。 「リリーナ嬢!リリーナ嬢!!応答したまえ!!!」 だがその間にも差し迫ってきたテッカマンが猛威を振るう。 その攻撃を薄皮一枚――-装甲の表面をかすらせる程度で回避したと思った瞬間、体当たりをくらい凰牙は仰向けにビルに沈み込んでいった。 一向に返ってこない通信に苛立ちを募らせつつ身を起こすロジャー。その目にヴァルハラを刻み、槍を回収するテッカマンの姿が飛び込んできた。 体勢を整えるのもそこそこに凰牙の豪腕が唸りをあげてテッカマンに放たれる。それをひらりと回避したエビルは凰牙に対峙した。 「やれやれ、もう少し話せる相手だと思っていたのだが・・・・・・。ネゴシエイションはプロとプロがかわすもの、君もプロたるべきだとは思わないか?」 「はっ!ネゴシエイターは交渉場所に武器を持ち込まないのが鉄則ではなかったのかい?」 「ネゴシエイションに値しない相手には鉄の拳をお見舞いするのが私の主義だ」 「どこまでもふざけた男だね。ハッ!虫唾がはしるんだよおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」 今しがた起こった爆発の中心にその機体は長いマフラーをたなびかせていた。 そしてわずかに離れたところを濃紺の小型機が旋回している。 ライジングメテオ・インフェルノが直撃する瞬間、機体の制御を取り戻したアキトはかろうじてそれをかわし、攻撃直後の隙を突いてビームガンとマイクロミサイルを大雷凰に撃ち込んだ。 しかし、直撃したはずの大雷凰に目立った傷跡はついていない。 だが、ここまでで相手の強固な装甲を確認しているアキトに驚きはなかった。おそらくこちらの武装で相手の装甲を抜けるのはバリアを収束させた拳か反応弾ぐらいだろう。 後者はなるべく使いたくはなかった。ここで使うとユリカまで巻き込む危険性がある。前者は最初の交錯時のように馬鹿正直に使えば当たり負けするのは明白だった。 ならば馬鹿正直には使わないだけだと腹をくくる。 YF-21はファイター形態に変形。最大出力で大雷凰に急加速突撃を開始した。 「出し惜しみは・・・無しだっ!」 構えた竜馬に向かってほぼ残弾すべてに相当する大量のガンポッドとマイクロミサイルを散布する。補給ポイントを押さえているからこそ多少の無茶も目をつぶれる。 「ちっ!なんて数だ」 最初の数発を回避するも後続につかまった大雷凰が次々と被弾していく。厚い装甲に阻まれて損傷自体はたいしたことはなくとも爆発の衝撃に翻弄され機体の安定が保たれない。 それによって流れていく先をBDIシステムが予測、アキトは懐に飛び込んだ。 YF-21がバトロイド形態に変形、右拳にピンポイントバリアが収束されていく。 「ここだ・・・・・・」 そして、速度を半減させながらも音速を遥かに超えた速度を保ったまま、その右拳は大雷凰に叩き付けられた。 とっさに軸をずらした大雷凰の頭部が砕け、破片が宙を舞う。その光景を背後に既にYF-21はその場にいない。 「なにっ!」 だが、安全圏まで距離をとったはずのアキトを奇妙な減速感が襲った。 「プラズマビュート!逃がすかああぁぁぁぁ!!」 頭部の砕けた大雷凰の腕が大きく弧を描き、YF-21が強引に引き寄せられる。 「喰らえ!カウンタアアアァァァァァァァァッスパイクッ!!!!」 そして砂嵐に埋め尽くされたモニターの中、竜馬はタイミングをはかってその蹴りを繰り出した。 足に感じる確かな手ごたえと共に地面に何かが叩きつけられる轟音が聞こえてきた。 「くそっ!」 軽く舌打ちをしたリョウは次々にモニターをサブカメラに切り替えていく。 受けた損傷の大きさに苛立ちを隠せない。 だがそんな暇もなく回復させたモニターに異常なほど巨大な砲弾が映し出された。 背中に冷たいものを感じ、反射的に機体を捻る。砲弾はわずかにかすった肩のアーマーを易々と砕いて大雷凰の遥か後方に巨大な噴煙を高々とあげた。 「おいおいおい・・・、冗談じゃねぇ・・・」 だが、竜馬はその噴煙には見向きもしない。見上げたその先には無敵戦艦の姿があった。 全長53.8mの大雷凰に対して420mのダイ。そのあまりの巨大さに圧倒される。 その圧力はあなたの眼前に全長約13~16mの世界最大の肉食生物マッコウクジラが突然姿を現し迫ってきたと考えていただくと多少は伝わりやすいだろうか・・・。 とにもかくにも、その巨体が放つ圧力は並々のものではない。 何かに呑まれたように竜馬の体は動かず。その肌には冷たい汗が吹き出てきていた。 だが、銛を持った漁師はクジラにも立ち向かいしとめる。やがて凶暴な光が竜馬の双眸に宿る。 そして、大雷凰の脇をすり抜けて伸びていった光線を追って竜馬は空を駆けていった。 凰牙とテッカマンが互いの拳を、武器を数合交え飛び退く。 「本当に思っていたよりもやるじゃないか」 「これでも軍警察にいたこともあるのでね。あまり甘く見ないでいただこうか」 「それは無理ってものだよ」 目の前のテッカマンの装甲が細く変わっていく。 不意にテッカマンが眼前から消え、凰牙は吹っ飛んだ。 「だって、その程度では僕の相手にはならな」 軽口を叩いていた口が不意に止まりその上体がゆらゆらと揺れる。 その様子を不審に思いつつロジャーは立ち上がる。 「おやおや、どうやらスタミナ切れかな・・・・・・」 シンヤの視界は歪み揺れていた。ただでさえ極限の空腹状態にあった彼である。そのうえ装甲を変形させて見せることすらやってみせた。 こうなることは必然といえば必然であった。 「なに、心配はいらないさ。お前は自分の身の心配だけをしてればい」 そこで再び言葉が途切れる。揺れる視界の中、その瞳は突如戦場に姿を現した無敵戦艦の巨体を捉えていた。 「まったく次から次へと・・・」 憎々しげに呟くと凰牙と距離をとったまま右に跳躍する。 無敵戦艦ダイと凰牙とテッカマン、三つの点が線を結ぶ。 (もつか?) (いや、もたせてみせるさ) 一瞬、そんな自問をすると彼は一つの賭けに出た。 「ボルテッカアアアアァァァァァァァ!!!!」 モニターが光に埋め尽くされ、耳を劈くような轟音が鳴り響いた。 「え?なになに??何がおこってるの?」 このロワ最大の巨体を誇る無敵戦艦の膝が崩れ、その内部にあるブリッジも傾いていく。 慌てて慣れない手つきでモニターにかじりつき敵機の姿を探す。ここにはいつものように索敵をおこなってくれる仲間はいない。 映し出されるモニターの映像とレーダーに目を走らせている間にも突然襲ってくる振動とその度に傾いていく床に足を取られて何度もこけた。 やっとの思いで艦後方に大型機を確認したと思ったその瞬間、ダイは横倒しに倒れユリカは床に叩きつけられる。 モニターに映し出されているのはいつの間に接近してきたのか赤いマフラーが印象的な一つの大型機。 その大型機が追撃を加えようとして不意に飛び下がり、ダイとの間に損傷の激しい小型機が上空から割り込んでくる姿が見えた。 「チッ!邪魔が入りやがったか」 「ユリカに手は出させない」 飛び下がった大雷凰を追って残りわずかなマイクロミサイルの残弾全てがYF-21から散布される。それを次々と蹴り砕きながら大雷凰は上空に舞い上がる。 最後の一基を蹴り砕いたとき、動きを予測し先回りしていたYF‐21が差し迫ってきていた。 「勝負だ」 迫る小型機が拳にフィールドを収束させる。 瞬時に体勢を立て直した大型機の両脚が紫の雷光を発する。 再び交錯する拳と脚。大気が震えた。 直に大雷凰の脚と激突したYF-21の拳が砕け散る。 だが、構わずに両腕を失ったYF-21は大雷凰の懐に飛び込み、両腕部の残骸と両脚部をパージ、ファイターモードに移行して――― ―――リミッターを解除した。 YF-21は機首が大雷凰の腹に突き刺さり加速していく。 激しい振動が竜馬を襲う。すぐにそれは耐え難いGにかわった。 なおも加速を続ける二機は恐ろしい速度で無敵戦艦ダイから離れていった。 視界がドロドロに歪み、目の前の光景が一瞬遠のきかける。そんな状態ながらもシンヤは踏みこたえ意識を手放さなかった。 PSYボルテッカを放った直後、かろうじてかわす凰牙が見えた。まったくもっていまいましい。 そんなことに気を取られたのも一瞬、シンヤは巻き上げられた粉塵の中に姿を消した。 「まさかこんな武器を持っていようとは・・・」 油断なく周囲を警戒しつつもロジャーは驚きを隠せずにいた。 (この威力・・・サドンインパクトの比ではない・・・。しかし・・・彼はどこへ?) 巻き上げられた粉塵にロジャーはシンヤを見失っている。 最初は姿を紛らせて接近。不意打ちをかけてくるかと思ったがその気配はなく。どうやら違うようであった。 ならば奴は何を考えて・・・まさか引いたわけでもあるまい――― 不意に粉塵の煙幕が裂け、慌ててロジャーが身構える。 その眼前を悠々とテッカマンとばらされコックピットブロックのみを残したヴァルハラが横切った。 「貴様ああぁぁぁぁぁ!!!」 ロジャーが叫び、凰牙が全速でそれを追おうとして崩れ落ちた。 凰牙の計器が燃料切れをロジャーに告げる。 「くそっ!!こんなときに!!!」 拳を計器に叩きつける。 ガン!! 凰牙のコックピットに無機質な音が響き、血が固く握りこまれた拳から滴り落ちた。 そんなロジャーを尻目に二機はビルの谷間に消えていった。 D-7地区で行われた激しい戦闘がひとまずの終局を迎えてから約十分後、そこに佇む巨大な戦艦と一つの人型機動兵器の姿があった。 「すまない。手伝わせてしまって・・・」 補給を終えた凰牙を起動させながらロジャーはユリカに礼を言う。 「いえ。このくらいのことは当然です。残りのデンドー電池は私のほうで預かっておきますので」 「感謝する、ユリカ嬢。それで君はこれからどうするつもりかね?」 「ひとまずは補給ポイントでア・・・・・・ガイさんの帰還を待ちます。ロジャーさんはやっぱり・・・」 「あぁ・・・、奴を追う。放送時間が迫っている今ならば追いつきクライアントと助けるチャンスもあるはずだ」 そういってサングラスをかけ、その表情を隠した。そこに存在するもう一つの―――リリーナの死の可能性にはあえて触れなかった。 「では時間もない。私は行かせていただこう。また会えるときを楽しみにしているよ」 そういって予備のデンドー電池を手に取り、付近刺さっていた巨大な槍を持ち上げる。 そして、眼前を睨みすえるとテッカマンが消えた方向に向かって去っていった。 まだ太陽が空に残る夕方、大気との摩擦で青白く光る二機の機体は、さながら蒼い流星の如くD-7市街地上空から西北西に伸びっていった。 「馬・・・鹿な・・・貴様、死ぬ気・・・かぁあ゛」 その凄まじいGのかかるコックピットの中で竜馬がやっとの思いで声を振り絞る。 例え機体は無事でもすでに人体が耐えることのできる速度ではなかった。 それはゲッターのパイロットとして鍛えられた竜馬とて例外ではない。そして、無論アキトも無事ではいられない。 二人の腹は想像を絶するGで窪み、皮膚は波打ちその表面には血管がくっきりと浮かび上がっている。 そして、答えを返そうとしたアキトの口から鮮血が飛び散り、彼の意識は閉ざされた。 そのアキトの様子にいずれ自分もと判断した竜馬は、重くなった両手を動かすとYF-21の機首を掴む。 「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 そして果てしなく重くなったそれから逃れようと力を振り絞り、抜け出した。 蒼い流星が二つに分裂し、大きい欠片は木々をなぎ倒し森林に堕ち、小さい欠片はその光をたたえたまま大空に舞い上がり雲の狭間に消えていった。 コックピットのハッチに指がかかり、力が加わる。そして金属が悲鳴を上げて引きちぎられ強引に抉じ開けられた。その力が明らかに目の前の者が人ではないことを物語っていた。 嫌な汗が背を伝って落ちる。体が小刻みに震えてとまらない。悲鳴は喉を鳴らし、口をついて出て行こうとする。 しかし、気丈にもその悲鳴を喉元で押し殺し、強い意志の光をその瞳にたたえ、リリーナは目の前の参加者に毅然と向かい合った。 「私は地球圏統一国家外務次官リリーナ・ドーリアンです。あなたとの話し合いをの――」 そこで言葉は途切れ、その続きが紡がれることは二度となかった。 ゴトリ 音をたてて胴から切り離された頭が床に落ちる。続けて残った胴体も崩れ落ちた。血が床に撒き散らされ赤い花が咲いた。 だが、その様子にまったく気をとめる様子もなく彼――相羽シンヤは目的の食料を見つけると冷たい笑みをこぼす。そして、テックセットを解くと食料を貪り始めた。 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、空腹解消 機体状況:機体なし 現在位置:D-8市街地 第一行動方針:竜馬を殺す 第二行動方針:ロジャーを殺す 第三行動方針:機体の確保 第四行動方針:十分な食料の確保 第五行動方針:他の参加者を全滅させる 最終行動方針:元の世界に帰る 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費】 【ロジャー・スミス 登場機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:若干体力消耗 機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)、EN満タン 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:リリーナの救出 第二行動方針:リリーナを護りながら、参加者へ彼女の完全平和主義を説く 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能 備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯 備考3:ドスハードの槍も携帯】 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル) パイロット状態:衰弱 機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み 現在位置:B-6森林 第一行動方針:サーチアンドデストロイ 最終行動方針:ゲームで勝つ】 【ミスマル・ユリカ 登場機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状態:良好 機体状態:大砲一門破損、左前足損傷、腹部装甲損壊、大砲を一発消費 現在位置:D-7補給施設 第一行動方針:ガイ(アキト)を補給施設で待つ 第二行動方針:補給施設を占拠して仲間を集める 第三行動方針:ガイの顔を見たい 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考1:YF-21のパイロットがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています アキトの名前はガイだと思っていますが若干の疑問もあります 備考2:ハイパーデンドー電池8本(補給4回分)回収】 【リリーナ・ドーリアン 登場機体:セルブースターヴァルハラ(GEAR戦士電童) パイロット状態:死亡(頭部切断) 機体状態:バラバラ。コックピットのみ 】 【初日 17 40】 高高度に摩擦熱で焼け焦げた戦闘機の姿があった。そして、その焼け焦げたYF-21の中、アキトは生きていた。 大雷凰という大質量の重りがついていたことでYF-21のハイ・マニューバ・モードはその本来の速度まで達することができなかった。 そして、アキトが意識を失った時点からBDIシステムはダウン。機体は失速をはじめ、やがてエンジンは停止し、風に乗って高高度に舞い上がったのだった。 うっすらとその瞼が開く。アキトの目には眼下に大きく広がる雲海とそこに傾いていく太陽が映し出されていた。 そしてほぼ同時刻、すでに人の去ったD-7の戦場後の瓦礫が動き一つの人影がひょっこりと姿を現した。 「まったく。そろいもそろって私を忘れて行くなんて一体どういうつもりなのよーーーーーーーー!!!」 一人寂しく廃墟にその叫びは木霊していった。 【テンカワ・アキト 登場機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状態:衰弱(大) 機体状態:両手両足喪失、全身に損傷、マイクロミサイル残弾0、ガトリンクガンポッド残りわずか、EN残り20% 現在位置:A-6東部高高度 第一行動方針:機体の補給 第二行動方針:無敵戦艦ダイに帰還 第三行動方針:ユリカを護る(そのためには自分が犠牲になってもかまわない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない) 備考:脚部はD-7市街地に落ちているので回収できたらつけられるかも(?)】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:機鋼戦士ドスハード(戦国魔神ゴーショーグン) パイロット状況:なんでみんな私を忘れていくのよーーーーー!!(機体がガンダム系だと勘違いしています) 機体状況:だるま(両腕両足損失)(AIは取り外され、コクピットが設置されています) 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:新しい機体が欲しい 第二行動方針:仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒す】 【残り45人】 【初日 17 55】 BACK NEXT それぞれの立場 それぞれの道 投下順 彼らの乗機は強力です 戦場の帰趨 時系列順 アンチボディー ―半機半生の機体― BACK 登場キャラ NEXT それぞれの立場 それぞれの道 ロジャー 依頼主死すとも依頼は死なず それぞれの立場 それぞれの道 リリーナ それぞれの立場 それぞれの道 アキト 休息 それぞれの立場 それぞれの道 ユリカ 追う鬼、追われる鬼 それぞれの立場 それぞれの道 ソシエ 追う鬼、追われる鬼 それぞれの立場 それぞれの道 シンヤ 例え死者は喜ばすとも? それぞれの立場 それぞれの道 竜馬 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅
https://w.atwiki.jp/nonwater/pages/73.html
ほそい・よしこ。 渋谷のタワーレコードでバイトをしている、ちょっぴりふくよかな女性。高田洋一は恋人。 とても食いしん坊で、チャーシューを咥えたままあまりの美味しさに気絶したり、喫茶店のケーキを全種類平らげたりした。 基本的にポジティブなのだが、一度落ち込んだり思いつめるとどん底になる傾向がある。 洋一にダイエットをしないと別れると言われた後は自分なりにエステやダイエット食品、運動などに励むものの、全てにおいて失敗の連続。 挙句、バイトの後輩である秋山薫に洋一が取られたと思い込んだりもした。 街中でぶつかったヒッピー男・月曜日に惚れられたり、同じアパートの大山種五郎と朝まで飲み明かしたりと大混乱の日々。 展開次第ではなんと宇宙人を呼び出し、他の主人公の運命をも左右するというとんでもないシーンがある。 心身ともに疲れ果てた彼女は最後に、鏡に映るスリムな自分を見るのだが……。 関連人物 高田洋一? 秋山薫 月曜日 大山種五郎?