約 1,790,544 件
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/2263.html
笑っていいとも!2005春の祭典SP(2005.04.11) B枠2'30″…ROHTO ロート製薬 0'30″…S SUZUKI、DC CARD、glico(江崎グリコ)、マンダム、KDDI、セキスイハイム(積水化学工業)、P G
https://w.atwiki.jp/iitomo/pages/68.html
2018年の総括
https://w.atwiki.jp/iitomo/pages/10.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/netwatch-ishiguroaya/pages/37.html
笑っていいとも!(2009-04-30) 画像が期限切れなので、どんな汚弁当だったのかレスで想像してください 892 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 13 08 25 ID mTpQ39qkO 柿ピーからあげパクリだよ。 先月だったか、テレビで見ておいしそうだったからって、友人が持ち寄りの会に持ってきた。 897 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 13 12 58 ID HhDs3xLrO 882 今日の番組見てなかったんだけど鯖味噌に汁粉使ってたの? その料理、誰か私も覚えてないけど、料理の裏技というか時間短縮レシピとして半月くらいまえに紹介されてたよ 品川だったかな? 899 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 13 14 52 ID Qa71iuyKP 鯖味噌に汁粉とかあんこってのはもうだいぶ前に おもいっきりTVかなにかで紹介してた。 少なくとも年単位で前の話。 901 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 13 17 34 ID sZgfJCbm0 897 番組中では味噌とあんこを使うんですよ~とか言ってましたよ。 家族に出しても誰も気づいてくれませんでしたとも言ってたよ('A`) 904 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 13 21 22 ID V7wzw+4Q0 南野陽子 「それ自分で考えるんですかぁ?」 グロ 「そうです」(←得意顔で即答) タモリ 「簡単って、けっきょく何分時間短縮できるの?」 グロ 「なにより調味料が楽で~」(←こんな感じでタモリの問いには回答せず) 944 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 16 33 18 ID 0YEdRy/X0 ㌧㌧ 意味の分からんところに旗やら何やらぶっ刺してるなー 何で煮物との間に何も挟まないでオニギリ入れてんの 全体的に盛り付けバランス悪いし汚らしい 948 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 17 23 30 ID lFJU7Dr6O 弁当に輪切りの蒸かしサツマイモ入れたんだwww どんな弁当だよ まじウケるwww 956 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 19 03 23 ID FvUDfnusO 貼り㌧です。 なんか……重箱にごてーっと詰めるんじゃなくて 1人分ずつ小分けにしたらまだごまかしがききそうなのに。 本当に汚らしいね。メインのメニューだけがゴースト有りだったのかな? 自分も【戦時中】に1票!最近の芋続きに加えて 行楽弁当にまで素のまま輪切りさつまいもはちょっとインパクトがあった。 962 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 21 20 30 ID 7kKbkHxK0 コーヒーだっけ? コーヒーなんて最近ようやく飲めるようになった程度なのに よく家にあったなw 976 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/04/30(木) 22 31 05 ID cIVSGldiO 962 伊東家で前にコーヒーの苦味はデミグラに似てる苦味だからって、コーヒーゼリーでハンバーグソース作ってた ソースまでパクリ…? 37 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/05/01(金) 10 59 37 ID 9aMZC4N/0 あれ?そういえば、昨日りむちゃんのお弁当は写メ撮ってたよね? それなのにいいとも弁当の写メは撮ってる暇がなかったって… 「撮らなかった」じゃなくて「自分で作ってないから撮れない」の間違いですよね? 39 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/05/01(金) 11 36 46 ID bpKz0P4v0 1さん乙。 屁゜、自分で作ってたら絶対に写メ撮ってるでしょ。 それに5時起きしたわりに、そんな弁当?ってくらい、 クイズに使われたメインの段以外のお重には大した物入ってないというか、 普段の屁゜作弁当まんまってかんじだったから、 1の重(ブロコ入りだし)と3の重(トマトやイモ、カニカマ、 きゅうりちくわはいつもの汚弁当おかずだし)は 自分で作ったんじゃないかと思う。 57 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/05/01(金) 13 17 57 ID SCcpicuIO いいとも弁当が少しも美味しそうに見えない。ゴミ箱みたいにごちゃごちゃ詰め込み過ぎてなにがなんだかわからなかった。 デミソースだかのレシピを公開してる時観客の「うわっ…」とか「えっ…」と引いた声が小さく一瞬聞こえた いいともの他板のレス 399 ねぇ、名乗って 2009/04/30(木) 12 59 45 ID 8iQFLVv6O いいとも出てる。 料理の彩りが悪いし、何か食べたくないようなものばかり…。 唐揚げにかきの種を使う、ハンバーグに麩を入れるってメディアで散々紹介されてるじゃん…パクリ? デミグラスソースをコーヒーと味噌で作る、サバ味噌を味噌とあんこで作る…なんていくらCOOKPADで絶賛されてても作りたくない。 お好み焼きをパンの耳で作るってかなり貧乏なんだね。 タモリが呆れた顔してた。 いまいち、コーナーも盛り上がらず、客はしょっぱなからドン引き。 試食してたけど、多分不味かったんだろうね。 しかも小さい子供にそんなものを食べさせるなんて神経疑う。 変わったレシピを必死で考えてテレビに出ようと思ったのかな? いいともってゲストは番組の終わりに宣伝するのが恒例なのに石黒はしてなかったよwww おまけにメイクが古い。 顔がくすんでて、なんか…とにかく見てて痛かった。 400 ねぇ、名乗って 2009/04/30(木) 15 05 31 ID AyxL6sNf0 小島よしおが盛り上げなかったら、悲惨なコーナーに なってたなw 401 ねぇ、名乗って sage 2009/04/30(木) 22 58 05 ID RoZ0Jp0I0 見てて痛々しくて、 見ているこっちのほうが恥ずかしくなったよ。 402 ねぇ、名乗って sage 2009/04/30(木) 23 06 15 ID zQi3V9BtO 本人が得意げでよけいいたたまれない あの人は今って正に石黒の事なのに、小島に感謝なんかしないんだろうなw 405 ねぇ、名乗って 2009/05/01(金) 08 36 39 ID AXIb44nP0 節約料理が必要なのは小島じゃなくて、石黒の方だろw 屁゚流w柿の種からあげレシピ(画像なし) 卵液や小麦粉を使ってないので柿の種がボロボロ落ちるのでは? http //s01.megalodon.jp/2009-0623-1158-53/ameblo.jp/ishiguro-aya/archive1-200904.html この日のりむちゃんのお弁当 (いいともに出ていたハンバーグやからあげなど見当たらない) http //s01.megalodon.jp/2009-0623-1233-04/ameblo.jp/ishiguro-aya/archive7-200904.html 「笑っていいとも!」を「笑って!いいとも」と何度も間違える http //s03.megalodon.jp/2009-0623-1245-13/ameblo.jp/ishiguro-aya/archive6-200904.html 出演中、タモリのことを「タモちゃん」呼ばわり、「タモちゃんて…(汗)」と出演者をドン引きさせる ぐっさんのことも平気で「ぐっさん!!ぐっさん!!」 と連呼していた模様
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/2265.html
笑っていいとも!2004秋の祭典SP(2004.10.04) A枠1'00″…TOYOTA、エステー化学、SUNTORY、メナード化粧品、AsahiKASEI(旭化成)、P G B枠2'30″…ROHTO ロート製薬 0'30″…KDDI、glico(江崎グリコ)、P G、セキスイハイム(積水化学工業)、SUZUKI、マンダム、DC CARD(PT)
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/2262.html
笑っていいとも!2006春の祭典SP(2006.04.10) A枠1'00″…AsahiKASEI(旭化成)、P G、TOYOTA、エステー化学、SUNTORY、メナード化粧品 B枠2'30″…ROHTO ロート製薬 0'30″…P G、S SUZUKI、DC CARD、セキスイハイム(積水化学工業)、KDDI、マンダム、glico(江崎グリコ)
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/44199.html
【検索用 しんてもいいとおもうほとにねむりたいことかある 登録タグ VOCALOID saikawa し アルセチカ バロン 初音ミク 曲 曲さ 藍瀬まなみ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:saikawa 作曲:saikawa 編曲:saikawa 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『死んでもいいと思う程に眠りたいことがある』(しんでもいいとおもうほどにねむりたいことがある) saikawa氏の13曲目。 vocalmix/mastaring:バロン(Twitter) movie:アイセチカ(絵 アルセチカ/動画 藍瀬まなみ) ボカコレ2021春参加曲。ルーキーランキングで第18位を獲得した。 歌詞 (piaproより転載) 頭が重いから首を曲げている 鈴蘭の花のように 目に見えない 命と名付けられたものに囚われているのだ 物凄く大切なのにどういうわけか誰も知らない そうやって囚われることで生きている こうやって言葉にしないと生きていることが曖昧になって 終いには夢でしたなんてさ そんな夢でした 布団の中に埋まった自分の身体を見つけた あぁ ちゃんとある そのなんでもないことでなにもないことに気尽く 世界中の幸せを搔き集めたようなお墓から出られないのは 寒さのせいではないだろう 冬の後ろには春が並んでいるように 幸せな時ほど憂鬱が後ろで待っている気がした きっと今か今かと律儀に順番待ちをしている真面目な奴なんだ 生まれたときに実行されたコードがまだ動いている エラー処理は為されてないようだ 深く深く 化石みたいにこびりついた布団の中 もう春が咲く 寒さのせいじゃないようだ 窓を蹴る桜が呼ぶ どうして綺麗なものは枯れたり散ったりするのだろう そのままじゃいられないのだろうか 悲しみたいみたいだ 布団の中に埋まった私は生きているだろうか 土の中に埋まった貴方と何が違うのだろうか 眠たいと死にたいは似ている気がした 死んでもいいと思う程に眠りたいことがある 代替で眠ればいいんだ どうして私の前からいなくなったりするんだよ 私も貴方の前からいなくなってしまうだろう コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/29.html
以下人名対照一覧 コレル:骨の髄まで奴隷根性の日和見青年。 バレッタ:ネバン的ルシェ魂至上主義の精神。 ハンコツ:偉い奴は大嫌い。 マンザラ:今の暮らしはそこそこ満足。黒目の離れた鳥類ではない。 ニコレット:優しい先輩のお姉さん。 ……さて、話の続きを書く前にここらで一つ注意書きを挟んでおこう。 この世界には六つの国家と、そして民族、種族、出身によって違う様々な考えがある。 もしもこのノートを僕以外の人が見ているとするなら、それはどんな事情か知らないが 一つだけ知っておいてほしいことがある。 僕は卑屈で小心なアイゼン・ルシェだ。 他の国に行ったことはおろかこの間まで都からも出た事の無かった世間知らずで、 アイゼンの価値観ばかりに気を取られて無意識に他国の価値観を否定するし、言い訳もたくさん書く。 だから決して僕の書いたことに共感はすれ、僕の書いたことを鵜呑みにしないで欲しい。 そんなこと分かってる、自意識過剰だって? 僕もそう思うけど、でも一応書いておきたい。 ……だって、これを呼んでいるのはもしかしたら僕の子供かもしれないじゃないか。 もし世の中のことを正しく知りたいと思うのなら、 このノートだけでなくいろいろな国の、いろいろな人の書いたものを読むことだ。 自分にとっての真実、他人にとっての真実、世界にとっての真実、 これらを別々に捉えられるようになってこそ物事を見る目というのは培われるらしい。 色々と書いたが結局のところ、このノートには僕の自分勝手な思いの軌跡が綴られている。 そして僕は後からこれを読み返しては我が身を反省したりするのだ。 ……もっとも、出来れば僕としてはこのノートには別の役割を期待したくないことも無い。 異邦人同士の交流には、立場や思想が違うからこそ新たな発見や相互理解の喜びがある。 いろいろな国の人たちが来るここに来て、このノートにはそんな交流の記録をつけていけたなら それはかなり素晴らしいことなんじゃないだろうか。 ……嬉しいことに、それは遠くない未来に実現できそうだったりする。 いつものように前置きを書いたところで話の続きに戻ろう。 無自覚に彼女――バレッタさんを思い切り傷つけそのショックのあまり反射的に繰り出された 半月蹴りにノックアウトされた僕だが……さて、謝りにいくといっても彼女はどこだろう? 宿の中は夕食やら宴会やらの準備で忙しいが、なんとなく人がたくさんいる場所に彼女はいない気がする。 となると喧騒から離れた人の通りかからない場所…… 勝手口、鯉の池、食材置き場。 そんな場所を捜し歩き、やがて僕は、廊下の灯りに淡く照らされた庭で農具倉庫の裏に彼女の姿を発見した。 「……」 暗がりにしゃがみこんだ彼女の耳は気の毒なほどしおれきり、 欝なオーラをまとって沈黙するその姿はとてもじゃないが声を掛けづらくてしょうがない。 まるで親とはぐれて隙間に隠れたまま震えている子猫のようだ。 ……きっとそれはあながち間違いな表現ではないだろう、 誰も信用できる人がおらずに異国に放り出された彼女の心情は、その例えに近いだろうから。 意を決して僕は彼女に歩み寄った。 「っ」 足音に気付いて彼女が顔を上げる。 僕の顔を見て、やってきたのが僕だと知ってその顔に色々な感情が浮かんだ。 疑念、警戒、そして敵意。 まるで外敵に対して針を逆立てたハリネズミのようだ。 そんな彼女を前に僕はどうしたかというと、 ……思わず手をあげていた。 ホールドアップ的な意味で。 「「………」」 沈黙。 見つめあう僕と彼女。 「……」 「……」 「……なにやってんのよ……」 うん、自分でもよく分からない。 警戒はどこへやら、彼女がよこしたのは呆れ気味な視線だった。 きっとこれは結果オーライだ。 とりあえず警戒を解くことには成功したのだから。 手を下ろし、言葉を探す。なんと言うべきだろう? 「えと……その」 「……」 「……ごめん」 だあああ僕の馬鹿!! 目一杯口ごもってようやく出てきたのが『ごめん』とはなんだ! 口下手にも程があるというかイラつかせるだけというかそもそも何に謝っているのかさえ分からないじゃないか! 「……何に対して謝ってるのよ」 「ほら言われた!」 「???」 「あ、いやこっちの話」 いかん、目一杯怪訝な顔で首をひねられてしまった。 落ち着け、それまずは深呼吸。 すー。はー。 落ち着いて、僕はもう一度彼女を見つめなおした。 「あのっ」 「っ、何よ?」 「あの……酷い事言ってごめん」 「……」 「あんなこと言うつもりじゃなかったんだ、ほんとは、あの、その、」 「……いいわよ」 「あ、うん」 「……」 「……え?」 「いいわよって言ったでしょ」 「いや、それはそうなんだけどさ」 そんなにさくっと許されてしまうと、かえって不安になったりする。 どうしていいのか分からず、僕は当たり障りのない質問を繰り返していた。 「その、許してくれるの?」 「別に……許すも許さないもあんたは本当にそう思ってるんでしょ。 あんたがそういう考えなのなら、それは私がどうこう言えた義理じゃなかったんだし。 ……ただ、自信が無いのかなって、そう思っただけだったのよ」 「ごめん」 「だから何に謝ってるのよ」 「えと、心遣いを無にしたことに対して。あと、なんか泣いてたって言うから……」 「!!」 「あ」 「……っ……!」 口を滑らせた、と思ったときにはもう遅く、彼女は声にならないうめきを上げながらガシガシと頭をかいた。 普通泣いてたなんて、人に知られたくないことなんだから当たり前だ。 「どこで、誰、見られて、……っ、他に誰が知ってんの」 「えと……僕の他に最低四人……」 申し訳なさそうに告げると彼女はますます頭を抱え込んだ。 「そいつらに言っといて……次に私が会うまでにその記憶消しとけって」 「無理だと思うよ……」 「……」 黙り込んでしまう。 こちらも申し訳ない気分だった。元々は僕が原因なのだ。 人を傷つけるようなことを、言うまいと思っていたのに。 「……とにかく、そういうわけだから謝らせて。ほんとにごめん。あんなこと言うべきじゃなかった」 改めて謝罪すると、彼女はゆっくりと顔を上げた。 どこと無く気疲れした顔だが、険は取れていた。 「うん……ま、気にしなくていいわよ。 ルシェにあんなこと言われるの初めてだったから……ちょっとびっくりしただけだから」 「……」 言葉とは裏腹な、沈みがちで疲れた口調だった。 何も言えず僕は黙り込む。 そんな僕に、彼女はもう一つ思い出したように問いかけた。 「……ね、ほんとなの」 「え?」 「アイゼンのルシェにも、ネバンのルシェは嫌われてるの」 「……」 僕は迷った。 ここでそうだと答えるべきだろうか。 でも、あれは嘘だよと言うのも違うと、僕は思った。 慎重に言葉を選びながら答える。 「少し、そういうこともあるよ。ちょっと言ったけど、アイゼンに住んでるルシェの殆どは、 ルシェであることを誇りに思っていてもネバンプレスの死を恐れない考え方とかは理解できない。 でもネバンプレスの人はそれこそがルシェの本質だって言うから……じゃあ自分達はなんなんだ、ってなる人もいる。 ……ネバンプレスに憧れてる人もいるんだよ?ルシェには住みやすいとこらしいし」 「いいわよ、下手なフォローしなくて。それにネバンでは形だけルシェでもダメよ、心が無きゃ。 そうね……こっちで暮らすあんた達に押し付けたのが間違いだったかしら。ガキ臭いこと言って悪かったわ」 「そんなこと」 「でも」 「?」 「あたしはネバンの皆をルシェと呼ぶわよ。あんた達が東の民を人間と呼ぶように」 「それは……うん」 「いいの?」 「呼び方なんて些細なことだよ。アイゼンではいまだにキツネうどんかタヌキうどんか、そんなことで争ってるんだよ」 「は……よくわかんないけど」 「前読んだ本に、自らの真を捨て世の真に媚びるは勇無きなり、されど世の真を捨て自らの真に逃げるは智無きなり、って。 自分の信念を貫くことと同じくらい人の信念を理解してあげるのは大事だよ、って意味だったはず」 「……そうね。それでいいわ」 「じゃ、仲直りってことでいい?」 「なによ、まだそんな事気にしてたの?」 「だって」 「いいわよって言ったんだからそれでいいのに、これだから……」 「アイゼンの国民性だもの」 「む……この話の流れだと反論しにくいわね」 「はは」 「まったく……あ」 場の空気が和んだところで気の抜ける音が鳴った。 彼女のお腹が空腹を訴える音だった。 「こんなときに鳴らなくたっていいじゃない……」 「あ……えと、その…… ジェン爺が、ウチで働かないし金も払わない奴に飯なんてやる必要はないとか言ってて……」 「……分かってるわよ、いいから心配し」 「だから、これしか」 「……へ?」 「あの……僕の分、半分なんだけど……これしかないんだ」 「ちょっと待って。 えーと、つまり、これを私にくれるって言いたいわけ?」 「そうだけど」 僕の差し出したパンを前に、彼女はしばし逡巡した。 「……くれるって言うなら遠慮はしないわよ? あ、あとアイゼンの物を貰うときの作法なんて知らないし」 「気にしなくていいよそんな事、さ食べて食べて」 「えーと、じゃ、貰うわ……ありがと」 「どういたしまして」 少し冷えてしまった玄米パンをとり、彼女はもそもそと食べ始める。 「雑穀の粉を蒸かしてあるのね……」 「ごめん、白米とか上等なものはあんまり出なくて……」 「ネバンじゃアイゼン風に炊いた米なんてまず食べないわよ。こういうののほうが馴染み深いわ」 「あ、そっか」 そう言うとあとは彼女は何もしゃべらず、ただ食べる音だけが薄闇に聞こえる。 気だるげな表情でパンを食む様子を見ながら、僕はふと思ったことを聞いてみた。 「それで、バレッタさんはこれからどうするつもり?」 「ん?そうね……ここにはルシェの、ネバンの仲間は来ないの?」 「来るかもしれないけど、少なくとも僕は見たこと無いよ」 「でしょーね……でも、仲間にお金を借りる以外にここから出て行く方法なんて……」 「やっぱり帰るんだ」 「そりゃね。こんな所に長く……ごめん取り消すわ。 でもやっぱりここじゃ私は一人だもの。信頼できる仲間がいないとこでなんて…… 別にあんた達が信頼できないって言ってるわけじゃないわよ」 「分かってるよ」 ……なんだか複雑な気分だった。 彼女の言いたいことは分かる。異国の地で友達もなしに留まるなんて普通は耐えられない。 とはいえここにネバンプレスの人が来るなんてそうないだろうし、 なによりそうなったら彼女がここからいなくなってしまうわけで…… ……なんだかなあ。 「ま、でも」 「?」 「居てくれたおかげで少し気が楽になったわ。その……ありがとう」 「どういたしまして」 お礼を言われるほど何か出来たとは思わない。 けれど、慣れない様子でありがとうと言う彼女に僕はせめて誠意を持ってどういたしましてと返した。 翌日。 相も変わらずせっせと仕事に精を出す僕はハンコツさんに声を掛けられる。 「で、どうだったんだ?」 「バレッタさんのことですか」 「おう。遅いからまたノされてるんじゃないかと昨日は心配してたんだけどよ」 「仲直りは出来た……と思います。いろいろお互いの話をして、それで遅くなっちゃって」 「ふぅん。ま、それならいいけどよ」 「そうですね……と、あれ」 ふと上体を起こした先に見える木立。 朝の空気の中、その木陰でこちらを窺う彼女の姿がそこにあった。 軽く手を上げると向こうも近付いてくる。 「……おはよう。どうしたのそんなとこで、っていうか昨日はどこで寝たの?」 「どこでも何も……その辺でうつらうつらしながら夜を明かしたわよ。寒かったわ」 「そりゃそうだ。火山が近くにあるとはいえ温暖な気候じゃないからな」 「風邪ひいたりしてない?」 「そんなに柔じゃないわ……」 そう言いながらも寒さでよく眠れなかったらしく、 彼女はふあぁふ、とあくびを一つして目をしばしばさせている。 「お気の毒様というか……ところで、ヒマなら手伝ってくれるかな? 何もしないでブラブラしてるのは社会一般的にいやな目で見られるよ」 「好きでブラブラしてるわけじゃないわよ……大体なんだって私があんたの手伝いをするのよ?」 「それはまあ、昨日分けたご飯とこれから分ける朝ご飯のお礼ってことで」 「え、普通そこは無償の思いやりでしょ!?いや、別にいいけど!」 「じゃあこれ、落ち葉を集めてくれる」 「うぅ……」 彼女が唸りながらも床を掃き始める。 視線に気付いて振り向くと、ハンコツさんが意外そうな目で見ていた。 「お前ちゃっかりしてんな……なんてーか意外だわ」 「そうですかね」 「だってよ、お前のイメージといえばなんて言うかクソジジイにヘコへコしてばかり……」 「まあそうですけどね」 どうもここにきて最初の頃の言動のせいで、僕にはある種のイメージが付きまとっているようだ。 少しイメージ修正を図ったほうがいいかと思えば、ハンコツさんの口から出たのは案の定だった。 「でもねハンコツさん、よく考えてください。 僕って泣きついてここにおいてもらったクチだから、ジェン爺に対してすっごく立場弱いですよね?」 「おう。……それにしちゃお前あんまりいびられてねーよな」 「それはですね。……言うことを聞かない犬と従順な犬がいたら従順な犬を可愛がりたくなると思いません?」 「お」 「厄介者かと思っていたけどよく働くし素直だし、 そんな犬ならたまにご飯を余計におねだりしてきてもむしろ可愛い……とか」 「お前またこれが……意外と打算的な奴だったんだな……! ……ちょっと待て、言うことを聞かない犬ってのは」 「ああ。……え、口に出したほうがいいですか?」 「だー!マジか、俺はお前を対比効果でよく見せるためのスケープゴートかよ!?」 「嫌だったら仕事してください」 「くうぅー」 「……根っからの奴隷根性ですけど、それでもご主人に意見を通したいときってのはあるじゃないですか。 そういうとき説得できるかどうかは普段の働きぶりかなと、そういう打算も少しはあるんです」 「あー、そうかいそうかい。畜生どうせ俺はお前みたいに頭のつかえない脳筋野郎ですよ」 「やさぐれないでくださいよ……」 「ちょっとー、手伝うのはいいけど私一人に任せとかれちゃさすがに釣り合わないわよー?!」 いけない、彼女の事を忘れていた。 それでなくてもおしゃべりに夢中で手が動いていないなんてのは失態だ。 僕は急いで仕事に戻った。 「何話してたの?」 「こいつが腰が低いように見えて意外としたたかだって話だよ」 「あー……なんとなく分かるわ」 分かられても困るが。 「まあでも、三代続いて使用人の、生粋の従属家系だからね。そういう思考も受け継がれてるって言うか」 「「……」」 「あれ?」 「ねえ、アイゼンではたった三代でも生粋とか由緒正しいとか言うの?」 「いやあ、さすがに三代じゃ言わないだろ」 「よね。大体三代より前には何してたのよ?」 「ん、奴隷稼業」 「「……」」 「僕のおじいちゃんが子供の頃くらいに奴隷制が禁止されたでしょ? で、それまで職業奴隷だったうちの一家はそのまま使用人にクラスチェンジしたんだよ。 まあ奴隷と使用人なんて名前の違いだけで、掃除洗濯炊事に雑用、大してやることも変わらないから 特に大きな意味は無いんだけどね」 「……ちなみに、奴隷になったのはいつ頃から?」 「さあ。少なくともおじいちゃんのおじいちゃんの時代にはすでに元旦那様の家付きの奴隷だったとか」 「道理でDNAに刻み込まれてるわけだよ……」 「いやあ、それなりに幸せな環境に生まれたからだと思いますよ? 奴隷制が廃止されたのは諸外国への外聞のほかに奴隷をそれこそ物としてしか扱わない異常者が いたせいらしいですけど、僕のところはずっと伝統的な主従関係だったみたいですし」 「育ちがいいと性格もいいってか?けっ!どうせ俺は、どうせ俺は……」 「だからやさぐれないでくださいって」 「意外と気にしてんのね」 どうにも立ち直らせるのは骨が折れそうだったので、とりあえず朝食をもらって来る。 その半分を昨夜のように分け合っていると、今度はマンザラさんがやって来た。 「おう、お疲れさん。 ……なんだ、譲ちゃんとはずいぶん仲良くなったもんだな」 「はは」 「ま、こいつもヘタレだけど悪い奴じゃないしね」 「へえ、……ほんとに仲良くなったんだな。人の温かさは身にしみるか」 「……っ、ふん」 「??」 マンザラさんのニュアンスとそれに対する彼女の反応がよく分からなくて 首を傾げるが、二人ともそれには気付かずマンザラさんが次の話題を口にした。 「それはそうと気をつけろよ。今ここにちょっと厄介なお客が来てるからな」 「厄介なお客?」 思わず僕は顔を上げた。少なくともマンザラさんは穏便派で、 国籍や少しのわがままくらいでお客さんを敬遠したりする人ではない。 そのマンザラさんが厄介というからには営業妨害レベルの迷惑行為を想定しなければいけないからだ。 「それがなんと言うか、詐欺の常習犯でな。裏の情報を嗅ぎ付けにたまに来るんだ」 「……!詐欺?」 その一言で彼女の耳がピン、と立った。 「詐欺とは言ったんだが、三流で場合によってはそのまま居直って恐喝まがいの行為に及ぶ 性質の悪い男でな……ここでは目立った騒ぎを起こしてないから出入り禁止にも出来ないし、 とにかく遠巻きにしてあんまり近寄るんじゃないぞ」 「分かりました」 「……ねぇ、そいつどこにいる?」 「休憩所に、っておいこら」 「私の荷物盗っていった奴かもしれないでしょ!確かめてくる!」 止める暇もあればこそ。 彼女はあっという間にすっ飛んでいってしまった。 「やれやれ……俺の言ってたこと聞いてなかったのか?」 「聞いてなかったんでしょうね……」 「昨日盗みをして逃げた奴が今日ここにいるわけ無いと思うんだがなぁ」 「たぶんそうでしょうね……」 ため息を一つ。 「なあ、コレル。万が一でもなきゃあの娘は当分帰れないと思うんだが、どうすればいいと思う?」 「そうですね……やっぱり、ここに住み込んで働くように説得するしかないと思います」 「だよなー。でも、どうもご主人とは話がこじれてるようだし今更うまくいくかな?」 「ジェン爺にもなんとかお願いして置いてくれるように頼んでみます。 ……普段真面目に働いて信用を得ているのは、こういうときのためでもありますし」 「そうかー……ま、その方がお前にとっても嬉しいしな?」 「な!」 「ハンコツから聞いたぞ、あの娘が気に入ったんだって?」 話が伝わるのが早い…… 情けない顔を向ければ、帰ってきたのは悪意のカケラもない弟の成長を見る兄のような表情だった。 やれやれ、しかしまあ、確かにそうだ。 彼女がここにとどまってくれるならそれは僕にとって嬉しいことだ……だけど。 「でも、帰りたいんだよなぁ……」 「んん?」 「そりゃ、ここにいてくれれば僕は嬉しいですけど。でもそれだと彼女は 家族や友達のところに帰れなくて悲しい思いをするんですよね…… そう思うと、喜べなくて、ネバンプレスに返してあげたいと思うんです」 「はー……お前、いい奴だな」 「そうですか」 「お前なら辛いときに優しくしてくれたんじゃなくてもお前のこと認めてくれるって」 「そう……ですか」 よく、分からない。 仲直りはしたけど、僕は彼女に認められたんだろうか? 僕は彼女に『ルシェを名乗って欲しくない』と言われた。 勇猛でも、誇り高くも無いからだ。 だけど彼女はさっき、僕の事を『ヘタレだけど悪い奴じゃない』と言ってくれた。 それはもしかして、彼女が僕を新しい価値観で理解しようとしてくれたのかもしれない。 ネバンプレスの考え方だけじゃなく、僕の訴えに応えて。 ……もしそうだったらと思うと少し、いや、とても嬉しかった。 ―――――――――――――――――――― 十数分後。 僕は客室の掃除をするために宿の中へと入っていく。 そして休憩所へさしかかったそのとき、それは起こった。 「あ」 視界の端に一瞬だけ彼女が映った。 それに気付いて視界を戻したとき彼女は休憩所の席に座る一人の男の肩に手をかけ―― ――次の瞬間、男がナイフを抜いた。 「!?」 いきなり横払いに飛んできたナイフにのけぞる彼女。 突然の凶行に、その目が驚きで見開かれる。 そして、一瞬の間を置いて。 休憩所にいたほかの誰かが悲鳴を上げた。 「なんだ」 「どうした!?」 その場所に居た人々が振り返り、近くにいた人々が顔を出す。 そして彼らが状況を理解していくにつれて、あっというまに休憩所は緊迫した空気に包まれていった。 「な……な……?」 「ち、畜生……!」 男は怯えているように見えた。 威嚇するようにナイフを握り締め、せわしなく周囲に気を配っては事が大きくなっていくのに歯噛みする。 その場に居た人々はといえば、思考が追いついていないでいた。 これはなんなのか。 本当に事件なのか。 あれは本当に刃物を突きつけているのか。 目の前の事態が真に緊迫した事態なのかどうか理解できなくて動けなくなる、 集団に流されて行動することをよしとするアイゼン人は緊急事態に直面すると往々にしてこうなってしまう。 かくいう僕も例外に漏れず、硬直しているのは他と同じだ。 「……なにがあったの!?」 後ろから声を掛けられ、はっと我に返った僕は振り返った。 「ニコレットさん」 「げ……あいつ!前々から何かやるんじゃないかと思ってたけどついにやったわね……!」 「あ、あれがマンザラさんの言ってた詐欺師もどきの」 「そうよ。それにしてもいきなり刃物沙汰なんて……」 角から様子を窺うニコレットさんにならって僕も向こうを見る。 ナイフを突きつけられた彼女は困惑しながらも退かずに目の前の男に相対していた。 「な……なんなの……」 「仲間はどこだ」 「へ?」 「他の官憲はどこだっ!!」 男は油断無く辺りを見回しながら苛立たしげに叫んだ。 「……官憲?」 「あいつ……アイゼンで何かやったのね。官憲に追われてるんだわ」 「そこへ声を掛けたから……」 ようやく事情を理解し、僕は少し後悔した。 今考えればあそこで止めるべきだった。 その男が暴力に訴えることも辞さない無法者だという時点で行かせるべきではなかったのだ。 「警察のこと?何のことだか知んないけど……私は一人よ。仲間もいないし、旅行できただけよ」 「あ……?」 男がもう一度彼女の服装を見直した。 やがて男の顔に、痛恨の先走りを犯した事への悔恨が浮かんでくる。 「……畜生!」 「そういうわけで……行ってもいい?」 「動くなっ!!」 男が半狂乱で叫ぶ。 「くそ、お前のせいで、お前のせいで……」 このとき男は手負いの獣のように興奮し、血走った目に息遣いは異常なほど荒かった。 その様子を見ながらニコレットさんが眉をひそめる。 「興奮が尋常じゃなさ過ぎるわ……薬でもやってるんじゃないでしょうね?」 分からない。確かなことは、あの男が予想以上に危険な状態であるという事だけだ。 「お前さえいなければ……」 男が憎々しげに吐き捨てた。 その言葉に思わず彼女が呟いた、その言葉がかすかに聞き取れる。 「……私だって、好きでいるわけじゃないわよ……」 「黙れっ!とにかく、ここを出るまでは……動くなあっ!!」 さて、ここに至って、ようやく他の客達は動き始めていた。 男が本当に危険だと判ると、気付かれないように、男を刺激しないようにゆっくりと休憩所から離れ始めたのだ。 男の目に留まったのはその中の小さな子供だった。 親とははぐれてしまったのか、一人でその子は休憩所から出ようとしていたのだ。 彼女に気をとられていた男が気付いて辺りを見回したとき、 休憩所に残っているのは男とバレッタさん、そしてその子だけだった。 男が見回している間に、気付かれた子供は逃げようと走り出す。 そして。 追い詰められた精神状態に、いつの間にか人がいなくなっていたという驚愕、 その子が逃げようとしたことに対しての反射的な焦り。 何を思ったのかあるいは人質にしようとしたのか、男はその子を捕まえようと突進した。 「……!?させるかっ!」 彼女が後ろから男を蹴り飛ばし、その子に声を投げる。 「ほら、行きなさい!」 一目散に逃げ出した子供の背中を見送る間もなく、彼女が振り返る。 その瞬間に、男は彼女に飛び掛っていた。 「っ、きゃぁっ!?」 反応は早かったが体重差はいかんともしがたく、彼女は押し倒されて床に倒れこんだ。 その喉元にナイフの刃を突きつけ、男が苛立たしげに彼女を引き起こそうとする。 「くそ、くそ、邪魔ばかりしやがって……」 「この、離、れ……!」 「うるさい、殺すぞ!!」 「……っ、ちっ……!」 後ろから首をロックされた上で首筋にぴたりとナイフを押し当てられ、彼女は抵抗をやめた。 いくらなんでもこの状態では刃から身を守るすべがなく、抵抗の仕様がない。 そのまま男は彼女を引きずるように移動し始めた。 「……まずい!人質として連れて行く気だわ」 「…………!」 僕は自らの覚悟の無さを呪った。 こんな、男がパニック状態になって人質をとるような状況になる前に、 そうならないように何かすべきだったのではないか。 平和ボケのあまり何とかなるだろう事態を傍観し続けた結果がこのザマだ! 「……、助けなきゃ」 「ちょっと!?」 その場を立つ。 玄関先に先回りしようとした背中を向けたそのとき、僕の耳に彼女の声が聞こえてきた。 「……っの……ほんっとに……散々だわ。そう悪いことばかりでもないかな、と思いなおした直後にこれだもの」 「うるさい黙れ……」 「いいわよ……騙された時点でこれ以上何があったって変わりゃしないわ」 言葉とは裏腹に、その声には泣きそうなほどの不安が滲んでいた。 ここに取り残されて孤独と不安に苛まれ、そこからようやく立ち直ろうとした矢先に 今度は凶暴な男に何処へか連れ去られようとしているのだ。 怖くないわけがない。不安に押しつぶされそうにならないわけがないのだ。 そんな彼女を、絶対に連れて行かせるわけにはいかなかった。 「……」 僕は覚悟を決めた。 男が玄関方面に行こうとして向こうを向いたのを見計らい、 こっそりと休憩所に入り込んでテーブルの影に滑り込む。 テーブルの上に置いてあった誰かの食べかけの汁蕎麦を手にとり、七味唐辛子を振る。 そして、おもむろに僕は立ち上がって二人に接近した。 二人のすぐ近くで、床が軋んで音を立てる。 「!!」 それに気付いて男が振り返った瞬間、僕は手に持った汁蕎麦をその顔面に叩きつけていた。 「ばっ……!?」 「バレッタさん!!」 反射的に突き出されたナイフが見当違いの方向へ空を切る、 その隙に刃から解放された彼女を引っつかんだ。 「っ!!」 強引に引っ張りこみ、とっさに左半身を出して庇う。 その直後、闇雲に振り回されたナイフが左腕を突いた。 血が流れる感覚とともに痛みが走る。 それでも彼女を離さず後ろに下がろうとしてその身体を引っ張った瞬間、彼女の足が跳ねた。 「……しっ!」 僕の腕の中で身体をひねり、跳ね上がった足が男の手からナイフを弾き飛ばす。 そのまま僕達は後ろに倒れこんだ。 「っく……」 「早く!」 何とか起き上がり、通路の方へと急ぐ。 待っていたニコレットさんのほうへ彼女の背中を押しやり、僕は後ろを振り返った。 今のうちに奴を取り押さえ……駄目だった。 唐辛子が効かなかったのか、男は目を拭い、ナイフを拾って立ち上がろうとしている。 その狂気じみた視線が僕を射抜いた。 「はぁっ、はぁっ……」 「っ……ホウキ!モップ……棒なら何でもいい!」 「!」 僕の声に応え、ニコレットさんがホウキを僕に向かって投げた。 それをキャッチし、向き直ると同時に男が狂おしく絶叫しながら突っ込んでくる。 「うおおおぉぉっ!」 「この……!」 萎縮する足を踏ん張り、逃げそうになる心を押さえつける。 昔覚えかじらされた護身術の通りに構え、そのナイフを握る男の手に一振りだけホウキで打ち込んだ。 ただがむしゃらに突き出していたナイフはそれだけであっけなく落ちた。 技巧も何もなく激情のままに振り回していただけならそんなものだ。 呆然とした態で男が自分の右手を見た瞬間、僕はもう一度ホウキを振り上げた。 ……ごめん、名も知らぬ詐欺の人。 見たのも出会ったのもすぐ前で、僕はあなたがどんな人間なのか、どんな事情があってこんなことになったのか知りはしない。 彼女の身の安全を確保するためとはいえ問答無用で実力行使に出たのも申し訳なかったかもしれない。 けど、同情はしない。こっちにも言いたいことはあるのだ。 「人の店でっ、刃物を出すなぁっ!!」 ――公衆店で刃物を抜くのはご法度だ。客が刃物を抜いたとき、人はそれを『刺客』と呼ぶのだ。 しっかりと踏み込みながら、お手本どおりの面をその顔面に叩き込む。 予想外に硬い手ごたえが返った。 「がッ……」 当たり所が悪かったのか、男はそのまま目を剥いて後ろにひっくり返ってしまう。 「……」 「気絶した?」 どうやらそのようだった。 つついて、完全に気絶していることを確認する。 そしてついに緊張の糸がほどけた僕は、 「……っ、お、おっかなかった……」 その場にへたり込んでしまうのだった。 「……大丈夫?」 ようやく騒ぎが知れ渡り、駆けつけてきた同僚達が壊れた食器などをかき集めていた。 足を引きずるように休憩所を出ようとするとニコレットさんが声をかけてくる。 「ちょっと腕を切られたんで医務室に行きます。……バレッタさんは?」 「……ここにいるわよ」 声のする方向に目を向ければ、そこに彼女が背を壁にもたせてしゃがみこんでいた。 彼女も負けず劣らずぐったりとしおれている。 「たかだかナイフ一本ぐらいどうってことないと思ってたのに、ね。自信なくすわ」 「たかだかって……あ、いや、あの子を助けようとしたからじゃない。 その、アイゼン人でも助けようとしてくれて、ありがとう」 それは僕の本音だった。 少なくとも彼女は昨日、アイゼン人など大嫌いだといったのだ。 「別に。他人がどうだろうと他人は他人私は私、私がルシェの戦士であることには変わりないんだし 誰に対してもルシェとして振舞えばいいんだと思っただけよ。 あんたこそ、案外ルシェの魂があって見直したわよ?その……ヘタレって言ったのは撤回してあげても……」 後半はなんだかもじもじとした言い方だった。 が、このとき僕は別のところに注意をとられていた。 「え、別にルシェの魂とかでああいうことしたんじゃないよ」 「……へ?」 「あれはアイゼン男子としての行動というかなんと言うか……」 「む……、あーいうのはルシェの誇りよ」 「アイゼン魂だって」 「違うわルシェの……」 「アイゼンなんだって」 「あーはいはいはいはい。二人ともつまんないことで争わないで」 泥仕合になりかけたところでニコレットさんからストップが入った。 「コレル君、医務室に行くんでしょ?」 「ああ、そうだった。……君も一緒に行こう?少し休んだ方がいいよ」 「あ、ちょっ……痛っ!」 「?」 手を引いて医務室に行こうとしたとたん、彼女は小さく悲鳴を上げてしゃがみこんでしまう。 彼女が左足を押さえているのを、僕は見た。 「足……怪我してるの?……!ナイフを蹴り飛ばしたとき?」 「……あんたが急に引っ張ったからよ」 「ごめん……」 あの時彼女が一時的にでも男の手からナイフを弾いてくれなければどうなっていただろうか。 僕は自分が引いたせいで彼女が目算を誤り足を怪我したことにさえ気付かなかった…… 「ほんとにごめん。すぐ医務室に行こう」 「え?ちょ!?」 「あら」 彼女を両手で抱え上げ、僕は立ち上がった。 ニコレットさんに後の事を頼んでおく。 「じゃあニコレットさん、あとはよろしくお願いします」 「あ、うん」 「こら、ちょっと!降ーろーせ!恥ずかしいでしょ!?」 「足を怪我したんでしょ?だれも変だとは思わないよ」 「そういうことじゃなくて……!!」 僕はさっさと歩き出した。 休憩所に人が集まっている分、廊下は静かで誰ともすれ違わない。 ふと彼女を見下ろすと目が合った。 彼女の頬が薄く紅潮する。 「……?あの?」 「ちっ……違うわよ!?これはその、あの、 ……吊橋効果よ!あんたがあの後すぐこんなことするから……」 「え、うん。ごめん、よくわかんないけど」 「あぁもう!あんたって奴はどうしてこう人の心の隙間に入り込むようなことばっか…… あ、でも……こうして見ると……」 何を思ったのか、彼女は僕の顔をじっくりと観察した。 ポツリと呟きが漏れる。 「テチスナノナミチニテチミイ……」 「え?なんて?」 「っ、うるっさい!さっさと歩け!」 「はいはい……」 医務室はもうすぐそこだった。 そして、更に翌日。 僕達は今日もまず掃き掃除から始めるために裏庭に集まっていた。 そしてその日、僕達の顔には困惑の色が浮かんでいた。 昨日までそこにいなかった人がそこにいるからだ。 「えーと、その」 「何?」 「バレッタさん」 「だから何?」 「どうしてここに?あと、その格好は?」 そう、そこにいたのは彼女だった。 しかも昨日まで着ていた旅服ではなく、給仕用のいわゆるメイド服を着てそこにいる。 「……昨日捕まったあいつ、私から盗んだ奴じゃなかったわ。 私が騙されたのはもっと若い奴だったもの。 これ以上はもう盗まれたものは取り返せないだろうし、だから」 肩をすくめながら彼女はそう語る。が、そこまで言うと彼女は胸を張り、ふっきれた顔で続きを口にした。 「不本意だけど、ね。ここで働いてお金を貯めることにしたのよ。 もとよりお金が無きゃここからも離れられないし、しょうがないでしょ?」 「おいおい……ここの給金なんてたかが知れてるだろ?雀の涙ほどもないんだぜ?」 「ゼロじゃなければマシよ。何もしないよりはいいに決まってるわ」 「でも……いいの?当分帰れないし……信頼できる仲間がいなきゃって、前」 「だーかーら。それじゃ他にとるべき道があるかって、ないでしょ?……それに」 「??」 「その……少し一緒にいて、あんた達のこと信頼してみても、いいかなー……って、その」 その言葉を聞いて、僕はとても嬉しかった。 ついでに照れくさそうに言う彼女は非常に可愛かった。 「あ……ありがとう!」 妙に感激した僕に彼女はちょっと引いたが、すぐに気を取り直して 明後日の方向を見ながら「ま、ね」と言ってくれる。 「そういうわけで、これからよろしく!さ、仕事するんでしょ?さっさとやるわよ!」 「へいへい」 「うん!……あ、そういえば」 「何よ?」 「どうして給仕なのに僕達と同じ仕事してるの?」 「……」 彼女は黙り込んだ。 「……あの耄碌ジジイが…… お前はお客様の前に出ないで使用人の仕事をしろ、って」 あちゃー。 僕はハンコツさんと顔を見合わせた。 (……ハンコツさんもそう思いますか?) (お前もか……) 「ちょっと……今なにアイコンタクトで話したのよ……」 「あ、いや別に!別に……賢明な判断だとか、まあ当然の結果だねとかそういうことじゃなくて……あ」 「……っ……!」 また地雷踏んじゃった? ハンコツさんが呆れたように首を振った。 ああ、元旦那様。 僕は今日も元気でやっています。 そう、きっと。彼女という新しい仲間を加えて、ここでの暮らしはより賑やかになっていくだろう。 「悪、かったわ、ねっ!!」 ――最後に見えたのは、かかとの後ろだった。
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/2257.html
笑っていいとも!2007春の祭典SP(2007.04.09) A枠1'00″…TOYOTA、エステー化学、SUNTORY、メナード化粧品、AsahiKASEI(旭化成)、P G B枠2'30″…ROHTO ロート製薬 0'30″…セキスイハイム(積水化学工業)、P G、S SUZUKI、MUFG 三菱UFJニコス、glico(江崎グリコ)、マンダム、KDDI
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/2266.html
笑っていいとも!春の祭典大スペシャル(2002.04.08) A枠1'00″…SUNTORY、メナード化粧品、旭化成、P G、TOYOTA、エステー化学 B枠3'00″…ロート製薬 0'30″…glico(江崎グリコ)、P G、スタッフサービス、SUZUKI、DC CARD、マンダム C枠0'30″…P G、SUNTORY、ユニ・チャーム、Unilever