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フガ。 -- ヨシダ (2008-12-08 00 46 10) サムイ。クライ。 -- ヨシダ (2008-12-08 06 13 31) あ -- 008 (2008-12-08 16 47 27) なまえ: コメント
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このページのアクセス数: - ところでみんな元気かね?? -- ヨシダ (2010-05-12 00 40 08) 元気ダヨ。(久々にココ開いたけど) -- kuma (2010-05-12 12 49 15) ならよし。 -- ヨシダ (2010-05-12 22 53 51) なまえ: コメント
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Part13-11-12 蝙蝠男(ショッカーマーク) レイラ レイババ 正義の巫女―小夜ちゃん― 家電リサイクル法 プレミアムリーチ 封印 《蝙蝠男(ショッカーマーク)》 効果モンスター 星4/闇属性/悪魔族/攻 1500/守 600 このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合、 そのターンのエンドフェイズ時にそのモンスターを自分フィールド上に特殊召喚できる。 このカードが破壊された時、この効果で特殊召喚されたモンスターをすべて破壊する。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 初見で仮面ライダーネタとは気づかなかったorz さてヴァンパイアベビーやジャッカルの聖戦士もどきの効果を持っているが、 違うのはこのカードの破壊時に頂いたモンスターを全て破壊してしまうポイント。 リビングデッドの呼び声と関係が非常に酷似している。 なので頂いた後はこのカードを生け贄に捧げて上級モンスターやカードの効果を使ってみよう。 特殊召喚したモンスターは生き残る事になる。だが基礎ステータスが貧相である事に変わりは無い。 フィールド魔法や他のカードで底上げをして攻撃していこう。生還の宝札は相性が良いはず。 名前 コメント 《レイラ》 効果モンスター 星3/闇属性/アンデット族/攻 1450/守 0 このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時に、 このカードを墓地に送ることで手札かデッキから 「レイババ」を1体自分フィールド上に特殊召喚することができる。 このカードが戦闘によって破壊されて墓地に送られた場合、 このカードを破壊したしたモンスターは以下の効果を得る。 ●このカードの攻撃宣言時にこのカードのコントローラーはライフを1000失う。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 どう見ても人名なのに種族はアンデットである。 名前から察するに女性だと思われるが、どんなバックストーリーがあるのだろうか? さて難解な効果である。 このカードを破壊した事で発生する効果を使えるモンスターの効果の発動有無は、 コントローラーが行うからである。 即ち、レイラを用いてレイババを呼び出すには相手に 押し付けてから破壊するという回りくどい方法を使わなければいけない。 なのでこのカードを最大限に使うには死のマジックボックスや強制転移などを用いればいいだろう。 ちなみに普通に効果を押し付けても1000ライフの強制効果というのはかなり使える。 普通にデッキに入れてもさほど支障にはならないだろう。 トマト・ピラタから出せるので生贄封じの仮面を使えばいやらしくなりそう。後半の効果はよく分からない、レイババを特殊召喚する効果は相手モンスターに付加されるのかな? -- 名無し (2007-06-06 07 47 56) すいません~、文の書き方が非常に悪かったです…このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時に、このカードを墓地に送ることで手札かデッキから「レイババ」を1体自分フィールド上に特殊召喚することができる。は効果欄の一番最初に書くべきでした…正しくは、普通に自分のレイラが相手モンスターを戦闘で破壊したターンのエンドフェイズに~ でお願いします大変ご迷惑をおかけしました -- 作成者 (2007-06-07 18 56 07) 元ネタはカードヒーローですね -- s (2007-12-21 19 42 15) 名前 コメント 《レイババ》 効果モンスター 星5/闇属性/アンデット族/攻 2000/守 300 このカードは通常召喚できない。「レイラ」の効果でのみ特殊召喚できる。 このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合 このカードを破壊したモンスターは以下の効果を得る。 ●このカードの攻撃宣言時、このカードのコントローラーはライフを2000失う。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 レイラの効果で特殊召喚したのは良いが、あまり強いとはお世辞にも言い難い。 というのも攻撃抑制効果を持っているのだが、 よくよく考えれば六芒星の呪縛や拷問車輪のように生け贄にされて効果をリセットされるのがオチである。 せっかく難しい条件を用いて特殊召喚するのだから、 もっと建設的なボーナス的効果があっても良いような気がするのだが……。 名前 コメント 《正義の巫女―小夜ちゃん―》 効果モンスター 星4/光属性/魔法使い族/攻1800/守1200 手札を1枚捨てる。 フィールド場に存在する墓地から特殊召喚されたモンスター1体をゲームから除外する。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 巫女とは神のお告げ(神託)を承ったり、神に身を捧げる聖女である。 このカードもそんな一枚。……元ネタは解りそうな気もしたんだが結局解らなかった。 さてカードの方だが、基礎ステータスから既に実戦レベルである。 効果を用いるのは早すぎた埋葬やリビングデッドの呼び声で蘇生したモンスターなどが格好のターゲットになる。 ヴァンパイア・ロードやネフティスに使うのも一つの手である。特にこの二体は壊滅的な被害を蒙るだろう。 見かけとは裏腹な強力なカードの一枚である。 名前 コメント 《家電リサイクル法》 永続魔法 機械族モンスターが墓地に送られる度に、そのモンスターのコントローラーは その時墓地に送られた機械族モンスターのレベル×200ポイントのダメージを受ける。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 家電リサイクル法とはエアコン、テレビ、冷蔵庫、パソコンなどの精密電気製品 を廃棄する際に処理料金を払うという新たに施行された法案である。 ちなみに一時期、この法案のお陰で不法投棄が後を絶たない時期があったのは言うまでも無い。 このカードは機械族メタカード。じわりじわりと効いてくるタイプである。 DNA改造手術とコンボできそうな気もするが、墓地に送られる際に元の種族に戻るのでコンボは不可だと思われる。 なので完全な機械族メタカードである。サイドデッキ向けのカード。 ただしダメージはそれなりに期待して良いだろう。 ガジェットなら1体で800ポイント、サイバー・ドラゴンなら1000ポイント。 数値的には悪くないのだから。 名前 コメント 《プレミアムリーチ》 通常魔法 自分の魔法・罠カードゾーンに「7」が2枚存在する時にのみ発動可能。 自分のデッキから「7」を1枚選び手札に加える。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 プレミアムリーチとはパチスロなどにおいて非常に出る確率の少ないリーチの種類であり、 プレミアムリーチが出た時は高確率で確率変動に入るなど、熱くする展開が期待できる。 さてそんな効果を蹴襲したような感じの効果である。 だが7のカード自体は他の装備カードを入れた方が充分に使えるので、 このカードはロマンばかりを追うカードになってしまいそうだ。 ※以下追記修正:7カードと7は別モノなのねorz 調べると3枚揃った時のボーナスは3ドロー+ 2100ライフ回復。なるほど、全然悪くない効果じゃないかorz 鑑定に対する意見はここでいいのかな…7カードと勘違いしてるのかな7は7ってカードがあるぞ -- 名無しさん (2007-06-06 04 04 55) そうだったorz 鑑定書き直しまつTTコメントは鑑定に対する意見もアリだけど、メインは各々で評価する事が第一ね。 -- 鑑定人 (2007-06-06 04 12 32) 名前 コメント 《封印》 永続罠 フィールド場に存在する裏側表示のカード1枚を選択して発動する。 選択されたカードはこのカードが存在する限り、 反転召喚(魔法・罠カードの場合は発動)することができない。 Part13-11-12 ☆鑑定人の鑑定結果 裏向きで封じるカードはRで登場したカード・ヘキサチーフやOCGの心鎮壺が上げられるが、 どちらも魔法・罠カードしか封じれなかった。 このカードは枚数を減らした代わりに効果範囲をモンスターにまで広げている。 だが裏側モンスターの表示形式を封じたトコロで、 魔法・罠カードとは違って生け贄に捧げるという選択肢が増えるので、 それほど強くは無いと思われる。 確かにリバースモンスターを意図的に封じれるのは評価できるのだが、 いかんせん使い勝手が悪いような気がするのだが……。 名前 コメント
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<< part21-121 >> アース・ドラゴン マザー・ラブ 《アース・ドラゴン》 効果モンスター 星8/地属性/ドラゴン族/攻2700/守2600 このカードは通常召喚できない。 自分の墓地の水属性モンスター、炎属性モンスター、地属性モンスターを それぞれ1体ずつゲームから除外する事でのみ特殊召喚する事ができる。 このカードが攻撃を行う場合、相手モンスター全ての攻撃力を半分にする。 このカードが魔法・罠カードの効果の対象になった時、このカードをデッキに戻す事ができる。 この方法でデッキに戻った時、相手の墓地からカードを5枚除外する事ができる。 part21-121 作者(2007/10/08 ID sWF2KA0t0)の他の投稿 part21-115 / part21-143 コメント 名前 コメント 《マザー・ラブ》 カウンター罠 相手がモンスターを生け贄に捧げた時、手札を1枚捨てる事で発動が可能。 相手が生け贄に捧げたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。 この効果によって特殊召喚されたモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。 part21-121 作者(2007/10/08 ID sWF2KA0t0)の他の投稿 part21-115 / part21-143 コメント 名前 コメント << part21-121 >>
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504 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 20 14 59 ID cvOptC+d 京太郎が麻雀部を去ってからだいぶ経った。 その日以来、京太郎は麻雀部に顔を出していない。 「彼、やっぱり戻る気はないんでしょうか……」 「もうあんな奴、知らないんだじぇ」 京太郎が去っても、麻雀部の活動はいつも通り行われている。 少しずつだが、以前の活気も少しずつ戻ってきた。 しかし、京太郎がいた時に比べるとどことなく寂しさが漂っている。 そして京太郎がおかしくなった原因を、咲だけは知っている。 ツヨナール。飲むと麻雀が劇的に強くなるという薬。 自分の弱さにコンプレックスを抱いていた京太郎は、この薬に手を出した。 そして彼は、悪魔の力を手に入れた。 ツヨナールの力で部長達をボロボロに負かし、彼はツヨナールの力に心酔した。 弱者が突然強い力を手に入れれば、次にやることはすの力の誇示。 「風越も、京太郎にやられたそうじゃな……」 「やっぱりあのお姉さんでも、ダメだったじぇ」 京太郎は麻雀部を去ってから、県内のあちこちの強豪校へと挑戦をし始めた。 そして千曲東や東福寺など、麻雀で有名な高校に乗り込んでは圧勝を続けた。 彼は先の大会で好成績を残した鶴賀学園すらも破り、そして風越女子も彼の毒牙にかかった。 最近では、藤田プロをも完膚なきまでに叩きのめしたという噂もある。 彼がまだ戦ったという話を聞かない高校といえば、龍門渕くらいのものだ。 「ごめんなさい、私のせいでこんなことになっちゃって。皆にも……須賀君にも、申し訳ないわ」 久は現状を作り出した最も大きな原因となっている人物だ。 そのことを久は、ずっと気に病んでいる。 「そんな、部長のせいじゃ……」 「そうじゃ、気にせんとき」 「と、とりあえず、麻雀しようじぇ!」 タコスの一声で、皆が麻雀の準備を始める。 まるで、京太郎のことを忘れようとしているかのように。 そんな中、咲だけは動かず喋らず、ずっと窓の外を見続けていた。 「宮永さん、どうしたんですか?」 「え……あ、ごめんなさい」 慌てて咲も卓に向かう。 しかし咲の心には、ずっと京太郎のことが引っかかっていた。 (京ちゃん……京ちゃんは今、何をしているの……) 505 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 20 17 45 ID cvOptC+d その日の夜、龍門渕麻雀部の扉を開く者があった。 現れた人物を見て、一同が身を固くする。 「お前だな、噂の須賀京太郎ってのは」 「……………………」 「たいそう、強いそうだね」 「ここに来たということは、目的は一つですわね」 「……よく知ってるな。話が早くて助かるぜ」 部室にいたのは5人。井上純、沢村智紀、国広一、龍門渕透華。 そして。 「今宵は満月、それも夜は衣の力が最も発現せし時」 「ええ、それを狙いましたからね。天江先輩」 「貴様は妖異幻怪の気形なのか?」 「さぁ……その身で確かめてみたらどうでしょう」 「こんなにも月が紅いから、本気で玩弄して打ち毀す」 「こんなにも月が紅いのに」 「「楽しい夜になりそうだ」」 須賀京太郎VS天江衣、死闘の幕が開いた。 515 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 36 54 ID s0RD2TGd ルールは25000点持ちのアリアリ、赤ドラなし。 東家から順に透華、衣、一、京太郎という席順になり、純と智紀は観戦である。 東1局。 純の脳裏に先日行われた県大会決勝の場面が浮かんだ。 福路美穂子、竹井久、原村和、東横桃子、加治木ゆみ、そして……宮永咲。 誰も彼もが常人と一線を画した力を持つ、素晴らしい打ち手であった。 (さて……この男はどんな麻雀を打つんだろうな) 純は京太郎の後ろに回って打ち筋を眺めることにした。智紀は衣についている。 まずは配牌。中が対子になっており、ごくごく普通の配牌である。 その7巡目。 「ポン」 衣から出た中を鳴き、テンパイ。そして次巡。 「ロン。中のみ千点」 「なっ……私の親が……」 透華からすぐに和了をとった。 衣:25000 一:25000 透:24000 京:26000 東2局、衣の親番ではタンピン三色の見える好配牌だったが、 「チー」 中盤であっさり喰い仕掛けに以降し、数巡後。 「ツモ。タンヤオドラ1」 これまた早和了りを達成した。 衣:24000 一:24500 透:23500 京:28000 516 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 39 26 ID s0RD2TGd (あれ……何だこりゃ……) 純は違和感を覚えた。 京太郎は確かに和了りをとってはいるが、その打ち筋は平々凡々。 先の大会で見た強豪達のような、圧倒的な気配もまるで感じない。 その心境を読んだかのように、衣が口を開いた。 「乏しいな。凡庸極まりない」 衣から凄まじいオーラが発せられた。 ざわ、と皆の体に鳥肌が立つ。京太郎は……動じない。 (き、きましたわ……) (始まる……衣の支配が……) 「フジタをも倒すほどの打ち手だと聞いてうきうきしていたが…… その程度では、衣の贄となる運命からは逃れ得ぬ。そろそろ御戸開きといこうか」 東3局。 「ポン」 早々に白と九萬を衣は鳴く。 そして京太郎から5巡目に一筒が打たれると、冷たく微笑んだ。 「昏鐘鳴の音が聞こえるか」 そのまま、ゆっくりと牌を倒した。 「ロン。白トイトイ混老頭、満貫だ」 「……………………」 衣:32000 一:24500 透:23500 京:20000 517 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 44 33 ID s0RD2TGd 東4局。 (やっぱり、一向聴から進まない……) (衣が、本格的に仕掛けてきたようですわね) 衣の力の一つ、一向聴地獄。 同卓した者が、海の底に引きずり込まれるかのように一向聴から手が進まなくなる。 この局も、一も透華も好形ながら、一向聴地獄に迷い込んだ。 (そして、この男も例外ではなかった、か) 純は京太郎の打ち筋をずっと見ているが、中盤から一向聴のまま進まない。 非常に待ち受けの広い一向聴だが、さっきからツモ切りを繰り返している。 そしてそのまま袋小路に迷い込んだ16巡目。 「……チー」 京太郎は少考した後、一から鳴いてテンパイを取った。 その時、一同に電流が走る。 この鳴きにより、海底牌をツモる者が透華から衣へと変わった。 (なっ、なんてことを……) (衣のこと、知らないわけではないのでしょう!?) そして衣は。 「リーチ」 残り1巡ながらツモ切りリーチを放つ。 衣のもう一つの力それは海に映る月を撈い取る力。 「リーチ一発海底ツモ、タンピンドラドラ。倍満」 こうして、東場が終わった。 天江衣が、その力を存分に見せ付けて。 衣:48000 一:20500 透:19500 京:12000 518 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 46 59 ID s0RD2TGd 「……下らぬ。須賀京太郎とは、この程度か」 衣は失望していた。 須賀京太郎とは、自分を満足させ得る力の持ち主なのかと思っていた。 噂を聞くたび、戦いへの期待がどんどん膨らんでいった。 だが、今目の前にいる男は、自分が想像していたような厄介な打ち手ではない。 何のオーラも感じない、ただの普通の打ち手でしかない。 「東場が終わって36000点差では、もうどうしようもないですわね」 「ま、いくら他所で勝っていても、衣には敵わないってことだよ」 透華と一も、もう決着が着いたと思った。純も智紀もそう思った。 だが、そのような空気の中、京太郎は静かに語りだした。 「……俺は最近まで、滅茶苦茶弱かった」 いきなり何事か、と皆が京太郎に注目する。 「周りは咲とか和とか、化け物揃い。そんな中、ド下手の自分は見下されていてね。 俺は強い奴が憎かった。自分に無い、圧倒的な力を持っている奴が羨ましかった。 だが、俺は力を手に入れた。もう誰も、俺を見下すことなどできはしない」 ニヤリと笑った京太郎を見て、衣は背筋が震えた。 この男は、これほどの力を見せ付けられながら、全く臆していない。 今も、ただただ勝つ気でいる――――― 「天江先輩、確かに大した強さだ。今まで俺が倒してきた連中の中でも最強かもしれない。 だがな……それでこそ、わざわざ乗り込む価値がある。壊しがいがあるってもんだよ。 さぁ、続けようぜ。南場突入だ」 夜のとばりが降りてくる。 須賀京太郎VS天江衣、まだまだ戦いは終わらない。 576 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 21 38 48 ID 7fANjYr7 南1局。水深が首元にまで達する。 (駄目……鳴けませんわ……) (このまま行くと、海底は……) 全員面前のまま進んだ17巡目、衣のツモ切りリーチが入る。 そして。 「ツモ。リーチ一発海底ツモ、満貫」 衣:56000 一:18500 透:15500 京:10000 南2局、衣の親番。 早々に東、白と役牌を二つ鳴いた衣はわずか6巡目で和了った。 「ツモ。混一トイトイ役々、6000オール」 衣:74000 一:12500 透:9500 京:4000 「相変わらずだね、衣……」 「こんなの、無理ゲーですわ!」 衣の点数は74000。追いつこうとして追いつける点差ではない。 一と透華は、もう完全に戦意を喪失していた。 だが、衣は内心穏やかではいられなかった。 衣と初めて戦った相手は皆、圧倒的な力の前に心を折られる。例外など、誰もいなかった。 だが、これほどの差をつけられても、目の前の男は顔色一つ変えていない。 その闘志にも、いささかの衰えも見られなかった。 (馬鹿な……今更何が出来るというのだ) 衣は大量のリードを奪いながらも、京太郎に対する不気味な印象を拭い去ることはできなかった。 577 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 21 41 33 ID 7fANjYr7 南2局1本場。 衣の手はタンヤオドラドラ、ツモれば1本場も含め4000オールの良形だったが。 「チー!」 ほぼ唯一といっていいくらいのピンポイントで京太郎から透華が鳴き、次巡。 「ロン!タンヤオドラ1、2000は2300ですわ」 透華は京太郎から和了り、衣の親番を流した。 ミエミエの差し込みである。 衣:74000 一:12500 透:11800 京:1700 残すは2局。衣と京太郎との点差は、72300。 親役満ツモでもひっくり返らない、絶望的な大差である。 だが、それでもなお……京太郎の表情は変わらない。まるで、予定通りというように。 「なぜだ……」 ぽつりと、衣が呟いた。 「なぜ貴様は満身創痍ながら、意気軒昂でいられるのだ……」 70000点以上の差と、たった2局という残り局数。しかも相手は、あの天江衣。 衣と戦った相手は皆、世界の終焉を見るような顔をする。 誰もが衣を恐れた。だが、京太郎は全く心がぶれていない。 「天江先輩……あんたは、自分が勝つと思っているのかい?」 「……当然だ」 「それは違う」 ぴしゃりと京太郎は言い放った。 「そんな風に思っていたら、そんな言葉は出てこない。あんたは、負けるかもと思っている。 俺を……恐れているから」 それは、衣の確信を突く言葉。 衣が京太郎に抱いていた、何やら分からぬ不気味さの正体。それは、恐怖。 この男には、殺されるかもしれないという。 「たとえ何点リードがあっても、昔の俺はあんたや咲には勝てなかっただろうさ。 だがな、今の俺は違う。今の俺から見れば、あんたも咲も昔の俺も変わらねぇよ。 点差は72300、残り2局……十分だ。あんたの息の根を止めるには十分だ」 凄まじい圧迫感が皆を襲う。 衣はガタリと音をたてて立ち上がった。その体は、小刻みに震えている。 「さあ、追うぜっ……天江先輩!」
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良い点 わかりやすかった -- 名無しさん (2011-06-24 15 37 00) シンプルでいい -- 名無しさん (2011-06-24 15 44 28) 名前 コメント 悪い点 名前 コメント 自己評価 もっとアニメーションを増やしたらよかった。 -- 名無しさん (2011-06-24 15 44 17) 名前 コメント
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良い点 シンプルで見やすいかも -- 名無しさん (2011-06-23 11 17 50) 背景好きよ -- 名無しさん (2011-06-23 11 19 45) 名前 コメント 悪い点 名前 コメント 自己評価 どんな意見が多かったか シンプル -- 名無しさん (2011-06-23 11 21 27) 名前 コメント ほかの人の作品と比べて自分の作品の感想 1枚のスライドに書く文字数が多かった -- 名無しさん (2011-06-23 11 22 34) 名前 コメント 真似したいほかの人の良かったところ 字だけじゃなく枠とか記号を使っていたところ -- 名無しさん (2011-06-23 11 23 22) 名前 コメント
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~いち~ あるところに、あおいおんなのこときいろいおんなのこがおりました。 あおいおんなのこは、きいろいおんなのこのことがだいすき。 きいろいおんなのこは、あかいおんなのこのことをおもっていて。 ふたりのきもちは、ずっとすれちがったままでした。 でも、あおいおんなのこにきすされたきいろいおんなのこは、きがついたのです。 じぶんにとって、あおいおんなのこがどんなそんざいなのか。 そしてふたりは、ついにしあわせをげっとしました。 ―――けど、きいろいおんなのこのなかで、あおいおんなのこはいちばんになれたのでしょうか。 1 シュッ、と黄色い小ビンに入った香水を手首と耳の後ろに軽く吹き付ける。 その匂いを嗅ぎながら、鏡の前で一回転。 「―――うん、これでよし、と。どこもおかしくないよね?」 最後のチェックを済ませ、確認するかのようにわたしは鏡の中の自分に話し掛けた。 この日の為に買っておいた秋物の花柄の黄色いワンピース。 いつもよりちょっと派手なデザインだったから、ちょっと心配だったけど―――。 「……これなら美希ちゃんも気に入ってくれるよね」 美希ちゃんと……友達以上の関係になったのが、夏の終わり。 それから今日まで、学校やクローバー、プリキュアとしての活動が忙しくて。 なかなか二人きり、って状況になれないまま、気が付けばもう秋の半ば。 だけど――――今日は。 「……祈里?鏡の前で何をニヤニヤしてるの?」 「え?あ……」 いつからわたしの後ろにいたのか、お母さんの声で我に返る。 ……本当……頬が緩みっぱなしだわ……。 「……や、やだ……な、なんでもないの」 軽く両手で頬を叩いて、お母さんを振り返る。 お母さんはわたしの心を見透かしたように微笑んで。 「―――ま、祈里もお年頃って事よね。おめかししちゃって……デ・エ・トなんでしょ?」 「あ、で、デートなんて……うぅ……」 からかうようなお母さんの口調に、恥かしくなって言葉に詰まってしまう。 デート……そう、今日は美希ちゃんとの初デートなんだ……。 今までだって二人で出掛けたりする事はあったけど……でも。 (こ、恋人としてって思うと……緊張しちゃうな……) 押さえていた胸のドキドキが大きくなるのを感じる。 デートコースなんかは任せてって美希ちゃん言ってたけど……わたしはどうしたらいいのかしら。 何かできる事があれば……って言ってもいつもよりお洒落するくらいしか思いつかないし……。 「何?今度は不安そうな顔しちゃって……せっかくのデートなんだからもっと楽しそうにしなさい」 「楽しそうに……」 「そうよ。自分の一番好きな人とお出かけするんだから、楽しめばいいの。何も考えないで」 ―――……一番好きな人 お母さんの言葉が少しだけ心に引っかかる。 まだ……わたしの中には残ってるんだ……。 せつなちゃんという存在が。 ―――どこかで断ち切らないといけないのに……。 わだかまりを追い払うように軽く頭を振り、もう一度、鏡に写った自分に話し掛ける。 「――――今日はお母さんの言う通り……楽しめばいいのよ、祈里……」 さっきまでは自然と笑っていたのに。 今鏡の中にいる少女は、ただぎこちなく唇の端を吊り上げているだけだった。 * 「ご、ごめんなさい!美希ちゃん、待った?」 待ち合わせ場所の公園。 入り口から美希ちゃんの姿を見つけたわたしは、急いで彼女へと駆け寄った。 「待ったも何も……まだ約束の時間まで十分もあるわよ?そんなに慌てなくても……」 「で、でも美希ちゃんもう……」 「気にしないで。あたしが勝手に早く着きすぎただけだし……ほら、汗かいてる」 バッグからハンカチを取り出して、美希ちゃんはわたしの汗を拭ってくれる。 あ、この香りって……美希ちゃんも……。 「あ、ありがとう……」 「せっかくお洒落してるんだから……もっと落ち着いてよ、ブッキー」 気が付いてくれたんだ……。 それが嬉しくて、わたしは少しだけ笑顔を取り戻す事が出来た。 「え、えへへ……。み、美希ちゃんだって今日は素敵、よ?」 全体的に彼女のイメージカラーである青を基調にしてる事は変わらないけど。 いつもなら長く下ろした髪を、後ろでシニヨン風にまとめていて。 何か……いつもより大人っぽい雰囲気。 「ありがと……ってお互いに褒めあってるのも恥かしいわね。ちょっと予定より早いから……少し公園の中でも散歩する?」 「?予定って……?」 「まだ内緒……さ、行きましょ」 歩き出す美希ちゃんの後ろを、わたしもトコトコと追いかける。 お互いに何を話すでもなく、ただ公園の中をゆっくり歩いて。 だけど、不思議とそれだけでもわたしの心は満たされていた。 (いつも傍にいたのに、こんな事意識してなかったわ) 美希ちゃんが隣にいる事が、いつの間にか当たり前になってしまってたから。 こんな風に安らぎを与えてくれる存在だったなんて、気が付かなかった。 (一番好きな人―――か……) せつなちゃんの事が再び頭をよぎる。 彼女に恋焦がれていた時は、ただ熱くて、黒い衝動がわたしの中にあるばかりだった。 今こうして美希ちゃんと一緒にいるのとは正反対。 そのどちらが一番好きだって事の証明になるのかは分からない。 ―――――けど、やっぱりまだ……。 (……ダメ、難しく考えるのは悪い癖だわ……) 今は楽しまないと。何も考えずに。 ぎゅ。 「え……?」 唐突に握られた手の感触に、驚いて顔を上げると、いつの間にか先を歩いていた美希ちゃんが隣を並んで 歩いていて。 「……こ、これくらいいいでしょ?こ、恋……人同士、なんだし……」 真っ直ぐ前を向いて、目も合わさずにそう言う美希ちゃん。 耳まで赤くして照れている様子が可笑しくて。 「ふふっ……そうよね。恋人さんだもん」 手を繋いだまま、彼女の腕に寄り添う。 今はただ、楽しもう。彼女の傍にいられる事を。 この優しさに包まれている事を。 わたし達は本来の待ち合わせの時間になるまで、ただゆっくりと公園を歩いていた。 ~に~ きいろいおんなのこのこころのなかには。 まだあかいおんなのこへのおもいがのこっていました。 じぶんにとってのいちばんはだれなのか。 かのじょは、まだそれをきめかねています。 あかいおんなのこへは、まるでひのようなはげしいこいごころを。 あおいおんなのこへは、まるでみずのようなしずかなこいごころを。 まったくちがうふたつのきもち。 はたしてかのじょはそのうちのどちらをえらぶのでしょう? 2 公園での散歩を楽しんだ後、わたし達は電車に乗って、隣町まで移動した。 美希ちゃんが言うには、最近出来たいい場所があるんだって。 「結構考えたんだけど……初めてのデートにはね、どうしてもそこに行きたいの」 手を繋いだままで、わたし達が着いたのは……。 「プラネタ……リウム?」 ロマンチックだけど……美希ちゃん星とか詳しかったかしら? チケットを買い、休日だという事もあって多少込み合っているホール内に入る。 席に着いてしばらく待つと、アナウンスと共に場内が暗くなった。 『四季の夜空を彩る星々……まずは春から―――』 ドームの天井に映し出される星達。 顔を上へと向けてそれらを眺めながら、思わず呟いてしまう。 「綺麗……」 イミテーションと分かってはいても、その星々の煌きにわたしは目を奪われた。 クローバータウンだって夜空は綺麗に見えるけど、こうまではっきり見えることなんてあまりないもの。 『次は夏の夜空。<夏の大三角>として有名な琴座のベガ、白鳥座のデネブ、鷲座のアルタイルは―――』 わたしの手を握っていた美希ちゃんの手に力がこもる。 ―――?美希ちゃん、どうしたの? 「……これはね、ブッキー、自己満足みたいなものなんだけど……聞いて欲しいの」 わたしにだけ聞こえるように、小さな声で美希ちゃんが呟く。 「夏のね、お祭りの時。あたし、初めてあなたの……せつなへの想いを知ったの。夜空を見上げてたブッキーの……涙を堪えている姿を見て」 ―――え? あの時の事……見てたの? 「本当なら、こうしてブッキーの手を握ってあげたかった。いつもみたいに。―――だけど」 美希ちゃんの手が震えているのが伝わってくる。 わたしは美希ちゃんの横顔へ顔を向けたけど、彼女はまだ夜空を見上げたまま。 「あなたの傍に駆け寄る事すら出来なくて……その事がね、ずっと後悔として胸の中にあったの」 「美希……ちゃん……」 「この夏は……すごく色んな事があって……それであたし達付き合う事が出来たけど……それだけはもうどうしても取り戻せない―――だから、せめて同じように夏の夜空を見ながら、伝えたかった」 思い切るように息を大きく吸い、美希ちゃんはやっとわたしへと顔を向けた。 「あたしが、いるわよ。ブッキー。あなたの傍にはいつだって。楽しい時だけじゃない。悲しい時も、苦しい時も、こうやって手を握っててあげる」 真剣な眼差しでわたしを見つめる美希ちゃん。 彼女の言葉を聞いているうちに、何故だかわたしは……嬉しいのに……泣きそうになって。 ポスン、と彼女の胸に頭を埋める。 「ありがとう……美希ちゃん……」 「ぶ、ブッキー、泣いてるの!?ゴメン。変な事言っちゃった?」 「ううん……ふふ……なんか結婚式の誓いみたいだね」 星空を二人で見上げる。 秋、冬と変わり行く天空の星々。 現実で季節が変わっても、年月が過ぎていっても、いつもこうしてあなたといたい。 せつなちゃんじゃなくて……美希ちゃんと……。 * 星々の輝きが消えて、場内の明かりが点く。 周りの観客達が次々と立ち上がる中、わたし達はしばらく余韻に浸るかのように座ったままだった。 「そろそろ行かないと、ね。美希ちゃん、次はどこへ―――」 そこまで言って立ち上がったわたしの目が、座っている彼女の首の後ろに釘付けになった。 今までは美希ちゃんの方が背が高いし、場内が暗かったりして気がつかなかったけど……。 ―――?赤く…なってる……? 「ん、ちょっと待ってね。えーっと……」 何かを確認するように、手帳を開いている美希ちゃん。 彼女はわたしの視線には気が付いてないみたいだけど。 「―――ねぇ、美希ちゃん。最近……どこかにぶつかったりした?……首……とか……」 「?何?ラブじゃないんだから……そんなおっちょこちょいな事しないわよ」 「―――そう―――」 彼女の首に残っている赤い痣のようなもの。 それが何かにぶつかったりしたものじゃなければ……。 (キス……マーク……?) わたしの通っている白詰草は清純なお嬢様学校だけど。 その中にも何人かはませている女の子達もいて……見せてもらった事があった。 でも……美希ちゃんが……誰と? 今までの言葉は……わたしを好きだって言ってくれたのは……嘘だったの? 「よし、じゃあ次は、と。―――?どうしたの?ブッキー?」 「―――ううん……何でもない……」 言葉とは裏腹に胸の内に暗いものが湧き上がるのを感じる。 疑念と嫉妬、そして―――失望。 (美希ちゃん……わたしは間違っていたの……?) さっきまでの優しかった気持ちが次第に消えていく。 「さ、ブッキー、行きま……どうしたの?顔色悪いけど……?」 立ち上がり、わたしの顔を覗き込む彼女。 「何でもないって……気にしないで」 「そ、そう?ならいいんだけど……じゃあ行きましょうか」 美希ちゃんは心配そうに、そっとわたしの手を引き、歩き出そうとする。 だけどわたしは―――。 「え……ブッキー……?」 唐突に振りほどかれた手に、美希ちゃんは驚きの声を上げた。 わたしは無言のまま、黙って一人場内を出る。 「…………」 「ちょ……ちょっと待ってよブッキー!」 彼女の伸ばされた手もその声も、今のわたしには届きはしなかった。 ~さん~ きいろいおんなのこのなかで、あかいおんなのこへのおもいがうすれはじめたのに。 ぴんくいろのおんなのこがのこしたいたずらが、かのじょをくるしめます。 きいろいおんなのこのこころには、くろいおもいがうずまいて。 あおいおんなのこのおもいなんて、もうとどきはしません。 ふたたびすれちがいはじめるふたりのこころ。 とおざかりはじめるふたりのきょり。 ふたりは、このあとどうなってしまうのでしょうか。 3 「―――それでそれで?この後黄色い女の子と青い女の子はどうなるの?」 「えー?これで終わりなんだけど……」 「……ラブ……ちっとも終ってないじゃないの」 わはー、とごまかすように笑うラブお姉ちゃんに、あたしだけじゃなく、せつなお姉ちゃんまで不満げな様子。 「つまんないつまんないー!ここからが一番いいところなのにー!!」 「物語としては破綻してるんじゃない?それ……」 「う……千香ちゃんが退屈してるっていうから……せっかく作ってきたお話だったのに……」 ここはあたしの病室。 退院を間近に控えたあたしを、ラブお姉ちゃんとせつなお姉ちゃんがお見舞いに来てくれていた。 日頃から何か面白い事ない?って言っていたあたしに、ラブお姉ちゃんが絵本を描いてくれたんだけど。 「これでも頑張ったんだよ?だけどこれくらいまでしか見当がつかないし……」 「?変な言い方ね?ラブの作ったお話じゃないの?それ」 「い、いやそうなんだけどね……この後どうなるかまではまだ……」 困ったようなラブお姉ちゃんに、せつなお姉ちゃんは腕組みして。 「……それにしてもそのピンク色の女の子の悪戯は酷いわね……頭にくるわ……」 「そーそー、ひどいよね!二人の仲を引き裂くような真似して!」 「本当よ!目の前にいたら精一杯叱ってあげたくなるくらい!」 「ふ、二人とも……そ、そんな悪いコじゃないんだよ?ピンクの女の子も……」 必死にピンク色の女の子の肩を持つラブお姉ちゃん。 その様子が可笑しくて、あたしとせつなお姉ちゃんは笑ってしまう。 「お話の中の事なのに、ヘンなの~」 「あ、そ、そうだよね……は、はは……」 ラブお姉ちゃんは何故かホッとした様子。 「で、ラブ。この後……何となくでも考えてないの?気になるわ」 「あたしも気になる~!教えて教えて~!」 「う~ん……この後、かあ……」 立ち上がり、ラブお姉ちゃんは窓辺へと移動した。 あたし達に背中を向けて、ラブお姉ちゃんは空を見上げながら。 「……絵本だからさ。よくある終わり方すると思うよ。この後……何があったとしても」 ラブお姉ちゃんの顔はあたし達からは見えなかったけど。 でも……何でだろう。 「きっとあのコ達なら……何があったって……ね」 ラブお姉ちゃんは少し泣いてるように……あたしには見えた。 * 人の多い大通りを、わたしは早足で歩いていく。 後ろからは美希ちゃんの呼ぶ声がするけど……速度を緩めないままで。 そんなわたしの肩に、彼女の手が置かれた。 「待ってってば!どうしたのよ、ブッキー……」 「別に……どうもしてない」 彼女を振り返る事もせず、暗い声で返事をする。 「どうもしてないワケないじゃない……ねえ、あたし……何か気に障るような事した?」 「…………」 とぼけてるの、美希ちゃん? それとも、わたしならその首の痕に気が付いても怒らないとでも思った? 「ブッキーってば―――――」 足を止めたわたしの前に、美希ちゃんが回り込んだ。 心配そうにわたしを覗き込んでくる彼女の顔から―――目を逸らす。 「ねえ……お願いだから何とか言って……あたしが悪いなら謝るし……な、何でもするから……」 「―――何でも?」 必死って言ってもいい美希ちゃんの懇願に、わたしの中の黒い気持ちが反応する。 何でも……してくれるんだ。 ―――じゃあ。 「キスして」 「キ―――」 わたしの言葉が予想外だったのか、一瞬言葉に詰まる美希ちゃん。 その様子を見て、わたしは少し歪な笑みを浮かべた。 「今すぐ、ここでキスして。何でもしてくれるんでしょう?だったら―――」 無理を押し付けてる事は分かっている。 周りには大勢の人たちが歩いてるし、もしそんな事したら好奇の目で見られるのは確実だもの。 それに読者モデルをやってる美希ちゃんが、もし気が付かれたとしたら大変だものね。 さあ、どうするの?美希ちゃん? ――――――やっぱり嫌なコだな、わたし……。 目が潤み出すのが分かる。 こんな女の子じゃ……美希ちゃんが浮気してても……何も言えないわ……。 そう考えて俯いたわたしの顎を、美希ちゃんの手が持ち上げた。 (―――え?) 驚いて、逸らしていた目を美希ちゃんへと戻した時、わたしの唇に。 ―――彼女の柔らかな唇が静かに重なって。 頭の中がぐるぐると回っている。 ―――美希ちゃん、ダメだよ!皆見てる! ―――もし美希ちゃんがモデルさんだってバレたら大変だよ! ―――どうして?どうして平気でこんな事が―――。 混乱するわたしの左手を、彼女の右手が握り締める。 壊れやすい大切な物を守るかのように、優しく。 わたしもいつしか、その手の感触に身を任せるように、そっと目を閉じた。 唇が離れ、わたしが再び目を開けた時、そこには微笑む美希ちゃんの顔があった。 「―――これでいい?ブッキー……」 「………あ……う、うん……」 ぼうっとしたままの頭で、なんとか返事を返すわたし。 やがて徐々に意識がハッキリしてきて。 「!!み、美希ちゃん!!」 「……やっとあたしの目を見てくれた……」 空いている左手を背中へと回し、美希ちゃんはわたしを抱きしめる。 「……さっき言ったばかりじゃない……悲しい時も、苦しい時もあたしがいるって……。今だって……」 繋がれた手に、力が込められた。 まるで、わたしの中の黒い思いを流し去ろうかとするように。 ―――バカだな、わたし。 ―――美希ちゃんを、疑っちゃうなんて。 ぽろぽろと涙が零れ落ちる。 「ブッキー!だ、大丈夫?!」 「え、えへへ……だ、大丈夫。今日は泣いてばっかりだね……初めてのデートなのに」 涙を拭いて、わたしも右手を彼女の背中に回す。 左手には、彼女の想いに答えるように力を込めて。 「―――ねえ、美希ちゃん。少しかがんで……首を向こうに捻ってくれる?」 「?え?ブッキー……何を……?」 「いいから……お願い……」 不思議そうにしながら、美希ちゃんが首を少し捻る。 そして、わたしの前には、例のキスマー……赤い痣が。 躊躇う事もせず、わたしはそこに口付けた。 ―――少し美希ちゃんがくすぐったそうな声を漏らしたけど……。 結婚式なら、これは、誓いのキス。 もう二度とあなたの傍を離れたりしないように―――。 赤い痕を覆い消そうとするように、激しく、強く、わたしは口付け続けた。 ちゅ……と音を立てて、唇を離した。 それから首を戻した美希ちゃんと、お互いに見つめ合う。 「な、なんだったの……今日は分からない事ばかりだわ……」 首筋を撫でながら、不思議そうにしている美希ちゃん。 わたしはそんな彼女に微笑んで。 「いいの!分かって欲しいのは―――美希ちゃんがわたしの一番なんだって事だけなんだから!」 大好きだよ、美希ちゃん。 この世界の誰より、あなたが好き。 そう、今なら―――それが言えるわ。 そして―――さよなら。せつなちゃんへの想い。 「あ……」 わたしの言葉に、顔を真っ赤にする美希ちゃん。 その様子を見て、わたしはクスッと笑ってしまう。 ――――――そして、ハッと気が付いた。 「み、美希ちゃん……ま、周り……」 「周り……って?えっ!?」 いつの間にか周りでは、道行く人々が足を止め、呆然と、あるいは頬を赤らめながらわたし達を見つめていた。 その状況に、わたしの顔も熱くなって―――――。 「み、みんな見てるよ……ど、どうしよう……」 「あ、そ、そうね!とりあえずこの場を離れなきゃ―――」 オロオロするわたしの手を引き、美希ちゃんは駆け出した。 「―――ね、ねえ美希ちゃん、この後はどこへ行くの!?」 わたしの問いかけに、美希ちゃんは微笑んでウィンクする。 「あたしのデートプランは、完璧!なんだから!楽しみにしておいて!」 その言葉に、わたしもニッコリ笑顔を返す。 ―――そしてもう離したりしないように、繋いだ美希ちゃんの手を強く握り締めた。 「勿論―――わたし、信じてる!!」 あなたが傍にいてくれるなら、きっと。 どんな事があったって、楽しいものになるって、ね。 デートだけじゃなくて。 これから先も、ずーっと続いていく……。 わたし達の物語も―――――――――……。 ~よん~ こうして、あおいおんなのこはきいろいおんなのこのいちばんになったのです。 そしてふたりのおんなのこは、それからもしあわせにくらしたのでした。 いつまでも、いつまでも。 ずーっと、ね。 ……ちょっぴり、くやしいけど。 めでたし、めでたし。 おしまい 了
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第十二奏 別々の道を 流れる涙を手でぬぐう。 あれから、10分ほどが過ぎた。 周りに広がるのは、一面の青。 ところどころでは、爆煙が立ち上っている。 『うぅ・・・・』 涙が止まらない。 どうして・・・だろう・・・。 一緒に過ごした時間は、決して長くない。 ほんの数年だった。 それなのに、 『うぅぅぅ・・・・・うあぁぁぁ・・・』 どうして、こんなに涙が出てくるんだろう。 なんで・・・なんだろう・・・・ね・・。 私は、こんなにも・・・。 学校 !? どこかで、生命反応が消えた。 しかも、私にとって、大切な人が・・・。 空の上・・・。 今なら、間に合うかもしれない・・・。 音玉「くそっ!」 どうして私は大切な人を守れないんだ! どうして!どうして! 音玉(なんて無力なんだ・・・私) 私は・・・役に立てないんだ・・・。 そのとき、また── 音玉「おっ・・・・・・・とと・・・・・・」 さっきよりも激しい眩暈がした。 やっぱ、私は消えるんだな・・・。 ??「よっ、FYTERさん」 音玉「え?」 空 珀玉「待て!」 ??「待てといわれて待つような馬鹿はいない!」 戦闘中に見かけた奴を追跡する。 こいつとは、ちゃんと話しておきたい。 珀玉「おい!待てって!」 ??「待つわけ無いだろう!」 予想以上に早い。 魔力の純度はかなり高いだろう。 量も計り知れないな。 珀玉「つばき!待てよ!」 ??「その名前は呼ぶなぁ!」 珀玉「・・・珀阿、待てって」 ??「小雨、おまえは何も変わってない。何もな」 この野朗・・・。 後で絶対にぬっ殺す。 珀玉「待てといっているだろうが。阿呆が」 バスッ ??「あいったたた・・・」 一発チョップを入れる。 珀玉「何で逃げた。逃げる必要は無いだろう」 ??「うぬぬ、貴様、殺すぞ」 バスッ! ??「うぇぇーーん、いじめたー」 阿呆だ、こいつ。 どこからどう見ても、あの時と何も変わっていない。 珀玉「お前のほうこそ、変わってないじゃないか」 ??「何を言う! おまえこそ変わってないだろうが!」 珀玉「お前なんて、見た目も性格も、ぜんぜん変わってないだろう。とても中学生には見えんぞ」 ??「人を身体的な特徴で貶すな! まだ130も無いけど!」 え、まじでか? 130cmも無いのか? 珀玉「思ったよりもちっさいな」 ??「うぬぬ!」 腕を振り回しているが、頭に手を当てているので、こちらまで届かない。 ??「うにゅーん・・・」 珀玉「ったく・・・」 『あっ!』 珀玉「え!?」 NEXT・・