約 3,070,230 件
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/114.html
崔は古ぼけた一枚の写真を取り出した。 「何だこれ?」 写ってるのは明らかに20数年前の学生。まさか… 「写真がこれしかない。悪ぃけどこれで探してくれ。」 ふざけんな。親父の写真で人が探せたら探偵なんていらない。 「…まさか名前もわかんないとか言うんじゃねーだろうな?」 そのまさかだった。コイツらは最初から顔も名前も分からない人間を俺に探させる気らしい。 「予定変更だ。金持ち逃げされた幹部の人に会わせてくれ。情報が少なすぎる。これじゃ探せねーよ。」 「無理だ。いま刑務所。」 これで八方塞がりだ。一人一人聞いてったらいかにも探してますってのがバレちまう。 とりあえずどんな状況で持ち逃げされたのか。それを聞かなきゃわからない。 どーやら刑務所に入る前に別れた嫁に組の金をあずけたらしいんだけど、金にだらしなかった嫁は急な臨時収入を組の返さずそのままトンズラしたらしい。バカすぎる。金にだらしないのは結婚してた時にわかってた事だろーに。いまわかってる事は前の嫁の地元は俺と同じで、土地勘バッチリ。子供は川城の特進クラスで名前は「ミチ」って事だけ。ただ、男でミチってのはめずらしい。これならなんとかなるかも。俺は後輩達に連絡して総ての情報を与えて網を張った。キーワードは昔から母子家庭で名前にミチって文字が入っててちょっとひねくれてる奴。 なんで母子家庭かって言うと、俺がミチって奴ならきっと親父がヤクザって事は自慢しない。ってかそんなの黒歴史だ。親父がヤクザなんて自慢するのはよっぽどのバカしかいない。幸いミチは特進クラスに行くぐらいだからそこまで頭は悪くねー。崔は心配そーにしてたけどいまは網にかかってくれるのを待つしかなかった。 2時間後、後輩から連絡が入った。ミチが見つかった。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/76.html
待ち合わせの時間から10分香織はまだこない。待ち合わせには必ずと言っていい程毎回遅れてくる。 「ごめんね、待った?」 やっと香織が来た。 「俺もいま来たとこ。」 これもお約束だ。 「ちょっと、なんでそんなに怪我してんのよ!また危ない事してんの?」 「してねーよ。こけただけだ。」 「絶対嘘。また隠れて悪い事してる!アンタのやりそーな事はわかる!」 「…してねーって言ってんだろ!しつけーよ。」 香織は何か言いたそーだったけどとりあえず黙った。 「…それより話って何?」 俺から切り出した。待ってるのはしょうに会わない。 「…ジロー君に告られた。ってかなんで別れた事になってんの!」 「!?」 言葉が出なかった。何を言ってるのかわからない。 「…別れたんじゃなかったの?」 「はぁ!?ふざけてんの?別れるなんて言ってないじゃん!何、勝手に別れたつもりになってんの!」 コイツの考えは俺の予想の斜め上を行ってた。 「確かに心配ばっかしさせるし言うこと聞かないし手を焼かせるし、嫌なとこはいっぱいあるけど、それでも私はアンタを捨てられない。他の人がアンタの事幸せにするのなんか絶対見たくない!そんな事我慢するならいまアンタの近くで我慢してる方がよっぽどいい!そのかわり絶対に私より先に死ぬな!捕まるな!ちゃんと約束しろよ!」 …女ってすげぇ。素直にそー思った夜だった。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/106.html
俺は空を見てた。星が綺麗だ。風も気持ちいい。でも鼻血が詰まって息苦しい。顔は腫れて瞼は切れて前が見えない。奥歯はできそこないの車の窓みたいにガタガタだ。顔が熱い。立たなきゃ。そう思って立ち上がったけど、まるで生まれたての小鹿みたいだ。膝に力が入らない。息を吸うと胸が苦しい。これが恋か。なんてバカな事を考えながらもなんとか立ってる。目の前には崔が顔を覆って倒れてる。そうだ、コイツと喧嘩してたんだ。俺は無理矢理崔の上に馬乗りになった。力一杯拳を降り下ろす。いきなり後ろに引っ張られた。格さんだった。 「…もー終わりだ。このままじゃ殺しちまうぞ。」 やっと我に還った。崔は倒れてるけど俺は立ってる。 「お疲れさん。お前の勝ちだよ。」 格さんがそー言って肩を叩いた。終わった。正直俺が勝ったって事より喧嘩が終わった事の方だ嬉しかった。心臓がまだバクバク言ってる。興奮して忘れてた痛みが戻ってきた頃、乱れてた息が整ってきてやっと勝ったって実感が沸いてきた。体中痛かったけどまだ倒れてる崔に俺は言った。 「…これで喧嘩は終わりだ。アンタ強かったよ。」 「うるせー!さっさとどっか行け!」 腕っぷしのみでチョン高仕切ってきた男は自信が崩れたせいなのか、それとも朝鮮人としてのプライドのせいかわからなかったけど、泣いてた。見ててちょっとだけ可哀想になったけどこんなときに勝者が敗者に言葉をかけてもしょーがねー。格さんが単車のエンジンかけて俺に後ろに乗る様に促す。 「…じゃーな。」 そー言って俺達は佐伯水源を出た。 「なぁ。」 「なんだよ?」 「俺、ずーっと負けてばっかりだったじゃん。久しぶりに勝ったからかもしんないんだけどさ。あんまり嬉しくねーんだ。逆になんか気の毒になっちまった。」「…そんだけお前が大人になったって事だよ。でも胸はっていいと思う。あの筋肉オバケみたいな奴に勝ったんだから。」 「そーなのかな。」 「こんな時間にやってる病院なんてねーからまっすぐお前んちに行くからな。」 だんだん子供じゃいられなくなってきてる。10代なってあっという間だ。止まってるとすぐ置いていかれちまう。 走りてぇ。何にも縛られずに。俺達は族なんだから。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/37.html
俺と真也はビビりながらも相手が東龍会だと伝えた。それと、俺達のチームが原因と言う事も、オブラートに包みながらやんわり伝えた。 話終わると、飯田さんと啓一さんはこいつら余計な事言いやがって。と言うような顔でこっち見てる。仁さんはちょっと考えて、 「てめぇらも来い。いまからケジメ付けに行くぞ。」 って思い立った様に言った。 さすがに俺達はもー話ついてるし、これ以上揉めるとえらい事になるのがわかってるから思い止まる様に話したけど仁さんの暴走は止まらない。 それどころか、啓一さんに命令して雹の本隊集める様に言った。流石にそこまで行くと俺達も笑ってられなくなった。 仁さんはちょっと家に忘れもん取りに言って来ると言って表に止まってた真也のCBXを乗ってった。仁さんがいなくなった瞬間に飯田さんが、 「なんて厄介な事してくれたんだ。あの人はイケイケで、やられたらやり返す事しか考えてねぇんだよ。せっかく黙ってたのに台無しにしやがって。」と困った様に言った。 啓一さんは、 「もうしょうがねぇから俺は逃げる。後はまかせた。」 って言って帰ってしまった。飯田さんも、具合悪いからもー寝る。仁さんに巧いこと言ってなんとかなだめてお前らも帰れと言って布団に入ってしまった。その結果、俺達は飯田さんちも追い出された。とりあえず、飯田さんに仁さんちの場所を聞いた俺と真也は、ジローと幸雄を巻き込む訳にはいかないと思い、俺のKHに真也と2ケツし、ジローと幸雄を飯田さんちに残し、仁さんちに向かった。 仁さんちの外に真也のCBXが置いてあった。インターホンを押すと、特攻服姿の仁さんがいた。 俺達はそれを見て本当に帰りたくなった。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/36.html
中に入ると飯田さんの部屋まで案内された。飯田さんの部屋は二階。階段を上がるたびにギシギシ階段が軋む音が聞こえる。 「失礼します。」 ジローがそー言って入って行く。ジローに続いて真也、幸雄、俺の順番だ。飯田さんの部屋にはすでに客が二人来ていた。一人は飯田さんとタメの、隣町の暴走族で「雹」の啓一さん。もう一人はやっぱり雹のOBで飯田さんの従兄弟の仁さん。二人とも見たことない奴らが入ってきて少し警戒してる。 俺達も、緊張と同時に今日来てしまった事を少し後悔していた。 俺達が無言で立ってると、仁さんが、 「てめぇら豊の後輩か?」 ってちょっと乱暴に聞いてきた。ジローがちょっとビビりながら、 「そうです。はじめまして。飯田さん、体の具合はどーっスか?」 っと丁寧に答えた。こんな時は常識人のジローは頼りになる。すると啓一さんが俺と真也と幸雄を指差して、 「これらも後輩かよ?」って飯田さんに聞いた。 飯田さんはちょっと笑いながら、 「人の後輩これら呼ばわりすんなよ。」 って答えた。 俺と真也はこのタイミングしかないと思い、二人で一斉に、 「今回は自分らのせいで怪我させちゃってすいませんでした。」っと詫びを入れた。なぜか幸雄も意味もわからず頭下げてた。だが、次の瞬間仁さんの目付きが変わった。 「てめぇらが原因かよ。豊は俺にはそんな事一言も言ってねぇし、相手が誰かも分かんねぇって言ってたぞ。てめぇら知ってんなら教えろ。」 俺と真也は墓穴を掘った。おかげでこの日は生涯忘れられない一日になった。
https://w.atwiki.jp/6564okuen/pages/69.html
おまけアーカイブ38 依頼神さんも【了解】したはずですwww うまく伝わらないものですねwww http //anago.open2ch.net/test/read.cgi/tubo/1496658849/90 http //anago.open2ch.net/test/read.cgi/tubo/1496658849/198 http //anago.open2ch.net/test/read.cgi/tubo/1496658849/270 90 :名無しさん@おーぷん :2017/06/06(火)16 09 15 ID ??? 当事者キタ━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━!!!! ◆◆◆ニュー速+ 記事情報提供スレ 71◆◆◆ http //uni.open2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1495601850/964 964 名前:■忍法帖【Lv=12,ドラゴン,jFI】 第13艦隊◆IpxlQ2BXrcdb[] 投稿日:2017/06/06(火)16 05 52 ID TFF はぁ? 何故、こんな事態になっているの??? 【へんな依頼は避けて、依頼神さんの裁量でお願いします。】と 連絡しただけですすが。 依頼神さんも【了解】したはずです。 訳わかりません。 ん記者さん、依頼への対応ありがとうございます。 198 :名無しさん@おーぷん :2017/06/06(火)18 14 08 ID ??? 196 ここです ◆◆◆ニュー速+ 記者スレッド14 (&暫定目安箱)◆◆◆ http //uni.open2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1489063785/ 114 :■忍法帖【Lv=12,ドラゴン,jFI】 第13艦隊◆IpxlQ2BXrcdb :2017/06/06(火)17 00 10 ID TFF × 113 何となく、政経雑談の方かな〜と。 情報提供スレは依頼神さんがメインのスレッドです。 【立てるな】とか言えるはずはありません。 【注意喚起】程度です。ですので誤解を生まない様に 最後の文面を入れました。 最近は情報提供も多く、依頼神さんの負担を減らすための【対応】も 含まれていました。 上手く伝わらないものですね。 270 :名無しさん@おーぷん :2017/06/06(火)19 44 24 ID ??? 【注意喚起】の意味が俺らとポーム星では違うんだろうか? どう見ても 18のポームさんのレスは「ある種の依頼でスレ立てするな」という 「記者の裁量」を無視した【命令】もしくは【依頼】にしか見えないんだがなあ ◆◆◆ニュー速+ 記者スレッド14 (&暫定目安箱)◆◆◆ http //uni.open2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1489063785/114 114 :■忍法帖【Lv=12,ドラゴン,jFI】 第13艦隊◆IpxlQ2BXrcdb :2017/06/06(火)17 00 10 ID TFF 113 何となく、政経雑談の方かな〜と。 情報提供スレは依頼神さんがメインのスレッドです。 【立てるな】とか言えるはずはありません。 【注意喚起】程度です。ですので誤解を生まない様に 最後の文面を入れました。 最近は情報提供も多く、依頼神さんの負担を減らすための【対応】も 含まれていました。 上手く伝わらないものですね。 これまでの表示回数 -
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/34.html
ボーリング場の騒ぎから3日後、俺はようやく学校に出てきた。マッキーは予想以上にやられてたらしく、まだ学校に来てなかった。あと学校に出てきてない奴が一人。一平だ。職員トイレにたてこもった次の日からずっと休み続けているらしい。真也はキレてたけど、俺は全然怒ってなかった。 実際その場になったら、俺や真也だって出ていけたかどうかわからない。怖いのはみんな一緒だ。一平も人間だから、きっと怖かったと思う。あと、不機嫌な奴が一人いた。香織だ。 香織んちを飛び出してから全然連絡入れてなかったのを忘れてた。 香織からすれば、彼氏が出て行ったきり連絡もなく、3日も学校来ない上に顔中包帯だらけになってれば、きっと香織じゃなくても怒ってると思う。 とりあえず謝ってみたが、聞く耳はもってくれないらしい。もう一つ面倒な事が。飯田さんだ。彼は全然関係ないのに、俺達のためにフルボッコにされてしまった。申し訳なく思った俺と真也はとりあえず飯田さんに詫びを入れに行く事にした。 2年の溜り場に行くのはちょっと緊張する。俺と真也、その道連れにジロー。幸雄は飯田さんが嫌いだから行かないって言ってだだをこねたから置いてきた。 飯田さん達の溜り場はサッカー部の部室だ。ジローがノックする。出てきたのは山下さん。飯田さんの派閥の№2。顔がよくて、調子にのりやすく、俺の嫌いな奴。ジローが、 「飯田さんいますか?」 って聞くと、すかした感じで、 「来てねぇよ。」 っと言う。やっぱりコイツ嫌いだ。 でもコイツしか飯田さんの話は聞けないから我慢する。それが大人のマナー。 訳のわからない話もしてたけど、直訳すると、飯田さんはフルボッコにされた日から来てない。 けっこうひどい怪我らしい。 見舞いに行くなら自宅教える。 との事だった。 ジローが自宅を聞いて、俺達は放課後、飯田さんちに向かう事にした。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/75.html
「怪我大丈夫なのかよ?」 格さんから電話が入った。 「頭しこたま叩かれた。まだ熱あるけど大丈夫だ。」 頭から左目にかけて包帯ぐるぐる巻き。ちっとも大丈夫そーじゃない。 「マックに来れるか?いま幹部会やってんだ。もし来れそうなら来てくれ。」 「わかった。ちょっと待っててくれ。目もやられちまったから単車乗れそーもねぇんだ。歩きで行くわ。」「それなら信義に迎えに行ってもらうからちょっと待ってろ。」 「わりぃ。」 そー言って電話を切る。するとすぐに着信がきた。早えぇなって思って画面見てみると香織からだった。 「もしもーし!元気?」 …元気な訳ない。でもコイツの声聞くのは約2週間ぶりだ。 「元気だよ。久しぶり。今日はどーした?」 「ちょっと話したいなーって思って。時間ある?」 「わりぃ。いまからちょっと出かけなくちゃならないから無理っぽい。夜なら大丈夫だけど。」 「わかった。じゃー夜ね!ウチの近くの公園まで来て!来る前に連絡ちょーだい。」 「わかった。そんじゃ夜な。」 外で信義の単車の音がした。 「うわっ!ひでぇな。目、大丈夫か?見えてる?」 「微妙にな。早く行こーぜ。」 マックに着くと格さんと真也とトオルが待ってた。 「ひでぇな。寝てなくていいのかよ。」 真也が言った。 「こんな無茶苦茶されて寝てられる程、人間できてねぇよ。それよりどーする?アイツらきっとまた来るぜ。」 「たしかにな。このまま攻められっぱなじゃどーにもなんねぇ。でも一平達の49日も終わってねーのにあんまり派手にはやりたくねーな。」 格さんは続ける。 「とりあえずなめられたまんまじゃ終われねーから明日の夜、奴らの地元にのりこもーぜ。阿弥陀の人数は約40人ぐらい。俺達は25人と考えればやってやれない数じゃねー。」 「でも幽鬼連合150人と喧嘩して引き分けた奴らだぜ。気合い入れてかないとこっちが潰される。」 「明日は覚悟決めて行こーぜ。白黒つけてやる。今日はとりあえず解散しよう。明日10時にクイーンな。」 みんな内心ビビってる。きっと恐くない奴なんかいない。でも俺達は曲がれない。 止まるな、真っ直ぐ行け。 懐かしい言葉を思い出した。 これも道だ。 俺は香織のとこに向かった。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/45.html
120台。数で説明するとそんなに多く感じないが、約2キロぐらいの長さ。ちょっとした龍の様な感じだ。龍はうねりながら反対車線まで飲み込んで行く。一般の車は端に寄って停まっている。 コンビニから外を見てる奴ら。車から降りて写真撮ってる奴もいた。 トラックの運転手は懐かしいそうにこっちみてる。うらやましいだろ。俺達は無敵だ。 走り始めて30分。まだゲーセンから10キロも離れてない。蛇行しながらゆっくり進む。 コールを切るやつ、曲乗りする奴。ラッパ鳴らす奴。みんな思い思いの事しながら楽しんでた。事故現場まであと5キロぐらいの時に反対から光が見えた。しかしこっちはこの台数だ。どこが来ても敵じゃない。 向かってくる光は10台位しかなかったけどちょっと様子がおかしい。かなりスピード出して向かってくる。なんかヤバい気がしたから俺と信義は反対車線にでてその光に向かって行った。 その瞬間、両側からフラッシュの雨。悪い予感は当たった。かなりの数の警察が両側にいる。写真をバチバチ取られた。でも本当にヤバいのはこれからだ。先頭集団は警察がいるのはわかっているけど行き先は変えない。チームとしてのプライドだと思うが、警察くらいで行き先変えたら他のチームにしめしがつかない。 後からはパトカーがついてきた。7台。流石に谷先輩だけでは厳しいと思って真也とマッキーと一平が後に下がった。4人で6車線。かなり厳しい。イーグルの奴らが黙祷してる1分間はこいつらを完全に止めなきゃならない。反対車線から来るのもパトカーだ。俺は反対車線を止めに行った。 格さんも気付いたらしく、俺と2台で3車線を塞ぐ。格さんは道路にGSを倒して火を着けた。 これで前からは分離帯があって入ってこれない。格さんは信義の後に乗った。 前に進めなくなったパトカーはバックして出ようとする。俺と信義はそいつらが出られない様に、足止めする。最後尾がパトカー連れて俺達の横をすり抜けて行ったら俺達はまた反対車線を通って前に出る。 でもケツモチが1台足りない。一平がいない。俺は一平の抜けた穴を埋めに最後尾に回った。 途中逃げてく一平とすれちがったけど、いまはそれどころじゃない。 うまくケツにまわって谷先輩の横にならんだとき、俺の単車は変な音をだし始めた。キャブがおかしい。ヤバい、かぶりやがった。 どんどんスピードが落ちていき、パトカーの脇で俺は完全に止まった。
https://w.atwiki.jp/uyoku310/pages/110.html
博史が来てくれたおかげでなんとかそれなりの人数が揃った。長ランも注文したし、残るは練習だけだ。ただここで問題なのは教えてくれる奴が誰もいないって事だった。去年の応援団もやる奴らがいなくて、最終的には生徒会長やってた奴が團長やったらしい。そいつ引っ張ってきて教えさせれば何も問題はない。ただそいつは大のDQN嫌いで有名だ。俺なんかが行こーもんなら問答無用で追い返されるに決まってる。 「俺が聞いてくるわ。俺なら大丈夫だと思うから。」 博史が言った。コイツが来てくれてよかった。博史がビデオまで借りてきてくれたから完璧だ。あとは覚えるだけ。みんなは俺の記憶力だけ心配してたけどなめんな。昔からやればできる子って言われてきた俺だ。こんなのにつまづく訳ねー。でも現実は違った。…なにこれ。無理じゃね。つまずいた。体が覚えるの拒否してる。大会まであと3日。俺は思い切って言った。 「…俺、やめていい?覚えらんねー。きっとお前らに迷惑かけると思うし。」 言った瞬間、博史に殴られた。 「テメェ、何すんだコラァ!!」 博史は俺の胸ぐら掴んで言った。 「テメェが俺の事誘ったんだろーが!テメェと出会わなきゃ俺に友達なんていなかったしこんな事してなかった!!俺はお前の事尊敬してんだよ!!それなのに…がっかりさせる様な事言うんじゃねーよ。」 そー言って俺の事を離した。俺が思った以上にコイツは熱い奴だった。 「…さっきの言葉は忘れてくれ。俺が悪かった。あと3日じゃなくてまだ3日だったな。なんとかするわ。気合いももらったとこだし。」 博史は笑いながら言った。 「仕返しはすんなよ。お前の痛いんだから。」 もー後がない。俺は3日間寝ないで体に叩き込んだ。予想以上に楽しんでる自分がちょっと照れくさかった。