約 2,810,497 件
https://w.atwiki.jp/mousouyomi/pages/3447.html
▲【格闘家の壁】 ◆76(複数人数の壁) 所属テンプレ数『24』 01 >拳で抵抗する21歳と頭の悪い人と熱盛 02 >ちいさなメダル 03 >見えない奴 04 =グレイウーズ 05 >30人の幼女 06 >15人の幼女 07 >反応速度が音速の成人男性 08 >オートバイに乗った成人男性 09 >どうしてこんなになるまで放っておいたんだ! 10 >成人男性三人 11 >三闘神 12 >ひろゆき 13 >マリー 14 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 15 >ハムの人 16 ≧成人男性二人 17 >古勃起須瑠太郎 18 >両親 19 =鍛えた成人女性と少年 20 >ガーディアンイエロ 21 >ももり 22 >赤おにジョージ 23 =ウルルン 24 =杉田かおるとLia ▼【刃物の壁】 UP!76【複数人数の壁】・75番艦「機尋(はたひろ」 モチーフ:SLAM DUNK より「桜木軍団のほか三人」 ■選定理由: 桜木軍団をそのまま出すと強すぎなので、桜木と洋平は除いた。 ■壁画に入れた台詞: 名乗りシーンより
https://w.atwiki.jp/type74rx-t/pages/166.html
更新履歴 09/09/01イベント発生条件によって「戦闘行動の強制」が無効になってしまう事がある不具合を修正しました。仕様も追加しておりますので、よくお読みください。 08/07/16連続スキルモード時にスキル以外の行動も連続して起こしてしまう不具合を修正しました。 08/04/27コモンイベントが発生するスキルを使用時にイベントが発生しない不具合と連続行動中にアクターのMPが足りなくてもスキルを使えてしまう不具合を修正しました。 08/01/31行動前の味方か行動者が複数回行動ステートになるとエラーが出る不具合を修正しました。ステートに対応していなかった不具合を修正しました。 08/01/26自動戦闘キャラがいる時やオートバトルモード時に対応させました。 必須ベーススクリプト A(Ver1.05以上) 効果 アクターに複数回行動させることができます。 攻撃と回復、もしくは防御を1ターンの間で行う事ができます。 装備によってもステートによっても複数回行動が可能になるので装備物、スキル、イベントなどに対応できます。 また、オプションとしてFFで言う「れんぞくま」の機能(連続スキル)も備えています。 導入上のご注意 このスクリプトの導入は、なるべくセクションの最後の方に配置してください。 システムワードの設定 システムワード(連続スキルは、お好みで設定してください。) 行動回数x(xには行動回数を設定) 連続スキル(行動回数の設定に加えて、このシステムワードを追加してください。) 対象:装備物・ステート 仕様 連続行動の最後に「防御」を選択しないと防御が成立しません。 連続行動の最後に「防御」を選択すると、ツクールVXの仕様上、先制攻撃ができてしまいます。 装備物によって決まった行動回数と、ステート変化により決まった行動回数では回数の多い方が優先されます。なお、装備物に機能が被っていた場合の効果優先順位は、以下の通りです。装飾品>身体防具>頭防具>盾(二刀流武器)>武器 08/04/27追加…速度補正値が反映するスキルやアイテムは連続行動の最後に選択したものが採用されます。 09/09/01追加…イベントで「戦闘行動の強制」の対象になったアクターはそのターン中は、ツクールの仕様上コマンド入力で事前に決定した行動が無視されます。 敵キャラの複数回行動と併用したい方はアクターと敵キャラの複数回行動をご使用ください。 スクリプトのダウンロード txtファイル:スクリプト
https://w.atwiki.jp/chapati4it/pages/77.html
複数選択モード(標準) 単一選択モード 連続した項目なら複数選択できるモード サンプルダウンロード JListSingle.java 解説 JListの複数選択/単一選択サンプルです。 JListの複数選択、単一選択を設定するにはJList.setSelectionModeを使います 設定できるのは以下の3パターンです 複数選択モード(標準) JList.setSelectionMode(ListSelectionModel.MULTIPLE_INTERVAL_SELECTION) 単一選択モード JList.setSelectionMode(ListSelectionModel.SINGLE_SELECTION) 連続した項目なら複数選択できるモード JList.setSelectionMode(ListSelectionModel.SINGLE_INTERVAL_SELECTION) ソース(単一選択になってます。切り替えはコメント解除でどうぞです) import java.awt.Component; import java.awt.ScrollPane; import java.io.File; import javax.swing.DefaultListCellRenderer; import javax.swing.DefaultListModel; import javax.swing.JFrame; import javax.swing.JList; import javax.swing.ListSelectionModel; import javax.swing.filechooser.FileSystemView; /* * JList複数選択/単一選択サンプル * ・JListの複数選択、単一選択を設定するにはJList.setSelectionModeを使います * ・設定できるのは以下の3パターンです * * 複数選択モード(標準) * ・JList.setSelectionMode(ListSelectionModel.MULTIPLE_INTERVAL_SELECTION) * * 単一選択モード * ・JList.setSelectionMode(ListSelectionModel.SINGLE_SELECTION) * * 連続した項目なら複数選択できるモード * ・JList.setSelectionMode(ListSelectionModel.SINGLE_INTERVAL_SELECTION) */ public class JListSingle extends JFrame { JList list; DefaultListModel model; public JListSingle(String title) { super(title); init(); setDefaultCloseOperation(EXIT_ON_CLOSE); setBounds(100, 100, 300, 200); setVisible(true); } private void init() { // 表示データ作成 File dir = new File("C \\"); File[] childs = dir.listFiles(); // リストモデルを生成 model = new DefaultListModel(); // 表示データをリストモデルに設定 for (File file childs) { model.addElement(file); } // リストモデルを使ってJListを作成 list = new JList(model); // MULTIPLE_INTERVAL_SELECTION = 複数選択モード(標準) // list.setSelectionMode(ListSelectionModel.MULTIPLE_INTERVAL_SELECTION); // SINGLE_SELECTION = 一個だけ選択できるモード list.setSelectionMode(ListSelectionModel.SINGLE_SELECTION); // SINGLE_INTERVAL_SELECTION = 連続した項目なら複数選択できるモード // list.setSelectionMode(ListSelectionModel.SINGLE_INTERVAL_SELECTION); // リストモデルは通常スクロールペインを使います。 ScrollPane sp = new ScrollPane(); sp.add(list); // 自作のセルレンダラーを設定します list.setCellRenderer(new FileListCellRenderer()); add(sp); } public static void main(String[] args) { new JListSingle("JList複数選択/単一選択サンプル"); } /** * JList用のセルセンダラー */ class FileListCellRenderer extends DefaultListCellRenderer { FileSystemView fs = FileSystemView.getFileSystemView(); public Component getListCellRendererComponent(JList list, Object value, int index, boolean isSelected, boolean cellHasFocus) { super.getListCellRendererComponent(list, value, index, isSelected, cellHasFocus); // valueがFileクラスの場合、テキストとアイコンを設定します。 if (value instanceof File) { File f = (File) value; setText(fs.getSystemDisplayName(f)); setIcon(fs.getSystemIcon(f)); } return this; } } }
https://w.atwiki.jp/gamemaker_dev/pages/20.html
データ構造ってPro版のみじゃん・・Liteで何とかならないの? →自前でキューオブジェクト作ればいいんじゃね 以下,文字列用キューオブジェクト及びスクリプト デキューがちょっと頭悪いので要改善 [objQueue] [Create Event] DataPointer = 0; [Scripts enuqueue] //enuqueue(QueueObject,Data) with(argument0){ Data[DataPointer] = argument1; DataPointer+=1; } [Scripts deuqueue] //dequeue(QueueObject) var i,tmp; with(argument0){ if(DataPointer 0){ tmp = Data[0]; for(i=0;i DataPointer-1;i+=1){ Data[i] = Data[i+1]; } Data[i] = false; DataPointer-=1; return tmp; }else return ""; } 使い方 キューオブジェクトを作成して,Scriptの引数にオブジェクトとデータを渡す. queue = instance_create(x,y,objQueue); enqueue(queue,"Fox"); enqueue(queue,"Cute"); dequeue(queue); draw_text(x,y,dequeue(queue)); [出力] Cute 同一インスタンスで複数のキューを扱いたいなら queue = instance_create(x,y,objQueue); queue2 = instance_create(x,y,objQueue); enqueue(queue ,"Fox"); enqueue(queue ,"Cute"); enqueue(queue2,"Love"); dequeue(queue); draw_text(x,y,dequeue(queue)+dequeue(queue2)); [出力] CuteLove 逆に複数インスタンスで同一のキューを扱いたいならglobalで作成すればいい [objPlayer1] global.queue = instance_create(x,y,objQueue); enqueue(global.queue ,"Fox"); enqueue(global.queue ,"Cute"); dequeue(global.queue); [objPlayer2] enqueue(global.queue ,"Love"); enqueue(global.queue ,"Favorite"); draw_text(x,y,dequeue(global.queue)); [出力] Fox 名前 コメント 登録タグ一覧 キュー データ構造
https://w.atwiki.jp/thecockrockshockpop/pages/1309.html
Kiske / Somerville Kiske / Somerville 2010年9月24日 ( HD ) 1. Nothing Left To Say / 2. Silence / 3. If I Had A Wish / 4. Arise / 5. End Of The Road / 6. Don t Walk Away / 7. A Thousand Suns / 8. Rain / 9. One Night Burning / 10. Devil In Her Heart / 11. Second Chance / 12. Set A Fire
https://w.atwiki.jp/shinmegamitenseiif/pages/33.html
JOKERS STARS 1PLAY1~8コイン 9個のリールのシンボルが縦、横、斜めのライン上に3つ揃えば当たりです。 賭けるコインの数は1枚から8枚までです。 【A】ボタンで賭けるコインの枚数を増やせます。 賭けるコインの枚数で当たりとなるラインが横、斜め、縦と増えます。 コインを減らす時は【B】ボタンを押してください。 【SELECT】ボタンで賭けるコインが自動的に8枚になります。 【R】ボタンでスタートです。 9個のリールのシンボルが縦横斜めの賭けたライン上に3つ揃えば当たりです。 ☆が4つ以上出ればリプレイです。9つ出た場合はコインが200枚もらえます。個数によってリプレイの内容が変わります。 8(CORNER JOKER)・・・・ 4個のコーナーのリールがJOKERになってリプレイです。 7(CROSS JOKER) ・・・・ センターリールをクロスして囲む4個のリールがJOKERになってリプレイです。 6(CENTER JOKER) ・・・・ センターのリールがJOKERになってリプレイです。 5(SIX HOLD) ・・・・・・・ 6をHOLDしてリプレイします。 同じシンボルが4個以上出ると、シンボルの種類と賭けたコインの枚数によってコインが加算されます。 【L】ボタンでゲーム終了です。
https://w.atwiki.jp/core-connection/pages/87.html
効果分類を参照
https://w.atwiki.jp/jinro-info/pages/156.html
関連用語 CO 騙る 用語集へ
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/449.html
「明日へと繋ぐ力」/SABI クリスマスイブ、トリニティのリーダーのミユキさんはお仕事ということでダンスレッスンはお休み。 寒いので公園での自主練習もお休みし、わたし達4人はラブちゃんの部屋に集まっていた。 「ブッキー、いつもありがとう」 せつなちゃんがわたしに綺麗にラッピングされた薄いカードみたいなものを渡してくれる。 わたしだけじゃなく、美希ちゃんにも。 「せつなちゃん、ありがとう」 なるべく、破れないように慎重に開いていくと、赤いシンプルなカード。 表には、せつなちゃんの字で、アカルン使用券と書かれている。 「アカルン使用券?」 「ええ、ラブがクリスマスにはお世話になった人にプレゼントするものだって言ってたから」 せつなちゃん、それはお歳暮のことじゃないかしら。 それか大人の人だったら、恋人同士でプレゼントを交換するとかはあるかもしれないけど。 「ラブが以前、お父さんとお母さんに肩たたき100回券を渡したって聞いたし」 それって、勤労感謝の日のこと? それとも、父の日、母の日とか。 もしくは、お誕生日のプレゼント? ひょっとして・・・・ 「せつな、それは父の日とかじゃない」 美希ちゃん、的確なお言葉いつもありがとう。 「みんなにいつもお世話になっているから、感謝のしるし。でも、私はそんなにお金をかけられないから」 「それでこのカードって訳ね」 「せつな、偉いんだよ。カオルちゃんのドーナツくらいしか、お金使わないの」 「カオルちゃんのドーナツは日本一、いえ世界一、もしかしたら全パラレルワールド一かも」 せつなちゃん、カオルちゃんのドーナツは確かに美味しいけど、そこまでは・・・。 ラブちゃんは・・・って、百円玉貯金を見たら、前より減ってる? 「あはははは・・・。最近ちょっと出費がありまして」 せつなちゃんと美希ちゃんは納得したように頷いている。 一体、何のこと? わたしが美希ちゃんの方を見ると、二人には気づかれないようにしてか小声で、 「ラブがせつなにプレゼントしたの」 そうだったんだ。だから最近せつなちゃんが明るくなったの。 「お父さんやお母さんにいつまでも迷惑を掛けられないから、それで貯金してるの。 それで、ブッキーはどこに行きたい?」 え、わたしが最初?うーんそれじゃ。 「サンディエゴ動物園」 「ブッキー、即答!」 「しかも、外国!?」 「じゃあ、早速行きましょう」 「サンディエゴ動物園って、アメリカのカリフォルニア州にあって・・・・」 ってあれ。みんなおーい、わたしの話聞いてる? 「サンディエゴ動物園へ」 4人は赤い光に包まれた。 「ここって本当にサンディエゴ動物園?」 「そのはずだけど」 「なんか人、誰もいなくない?」 「クリスマスシーズンだから休園日ということはないと思う」 動物園というよりは、ちょっとした谷になっていて、草木が生い茂り岩もゴツゴツしていて、とても人が歩けそうな感じじゃない。 左右にある樹木は日本にあるような木でなく、熱帯地方にあるような。まるでジャングルを探検しているみたい。 それに、何かの気配がする? 「なんかちょっとまずくない?」 その気配は少しずつ近づいてきて・・・ そして姿を現した。 白い虎、ホワイトタイガー。 「なあんだ、ホワイトタイガーかあ。だったら、ブッキー・・・」 「しっ、ラブちゃん、静かに」 「船上パーティの時のホワイトタイガーさんは赤ちゃんの時から人間に慣れているの。 でも、このホワイトタイガーさんはどうか分からない。 それに数年前、サンフランシスコ動物園では虎が逃走して死者がでる事件が起きていて・・・」 「ええーー!!うごうご」 わたしからは見えないけど、美希ちゃんとせつなちゃんが必死にラブちゃんの口を押さえているのだろう。 足が竦み、体が震える。 でもわたしがやらなくちゃ、自分を信じて。 お父さんが前に言ってた。動物さん達と理解し合うためには、怖くたって、お互い一歩ずつ近づかなくっちゃいけないんだって。 「キルン」 「キ―」 (ホワイトタイガーさん、わたし達は・・・あなたがたに危害を加えるつもりはありません) (・・・・・・) (迷ってしまってこちらに来たんです。人目のつかない所を教えて下されば、すぐに出て行きますから) (・・・この建物の裏側は人間が少ないようだ) (ありがとう、ホワイトタイガーさん) 「せつなちゃん、アカルンで建物の裏に」 「分かった。アカルン」 赤い光に包まれる直前、わたしはもう一度ホワイトタイガーさんにお礼を言った。 アカルンで瞬間移動したときにみんなと離れてしまったのか、周りには誰もいない。 わたしが辺りを見回していると、体格のいい制服を着た黒人の人が近づいてくる。警備員さんかな? 「May I help you? ――――」 その警備員さんらしき人がわたしに声をかけてくる。 えっと、いくらミッション系の学校に行っているからって、ネイティブの英語は・・・・ わたしがぐずぐずしていると、尚更早口になってまくしたてるように話しかけてくる。 親切で話しかけてるとは思うけど、言葉が通じないって、本当に怖い。 「すみません、その子アタシの連れです」 背後から美希ちゃんの声が聞こえてきた。 美希ちゃん、警備員さんに日本語で言っても通じないんじゃ・・・ でも、警備員さんはにっこり笑って、わたし達から離れていった。 迷子だって思われたのかな? でも、美希ちゃんと同い年なんだけどな。そりゃ、わたしは童顔で、背も美希ちゃんより小さいけど・・・ 「何?ブッキー、顔になんかついてる?」 美希ちゃんの顔を凝視していたみたいで、不思議そうな顔する。 「ううん、なんでもない」 「それより、大変!ラブとせつながどこにもいないのよ。せつなはアカルンがあるからいいけど、リンクルンで連絡とってみる?」 「でも携帯は海外だったら通じないし」 わたし達がそんな会話をしていると、美希ちゃんのリンクルンが鳴りだした。 「ラブからだ・・・。はい・・・・・うん分かった・・・・うん、それじゃ」 「ラブとせつなは一緒なんだけど、別々に行動して後で合流しようって。ブッキーは行きたいとこある?」 「この動物園はパンダとコアラがいて、それに動物と触れ合える場所もあって、でも広いからどれかに絞ったほうがいいかな」 「ブッキーが行きたかったところだから、ブッキーに任せる」 「ありがとう、美希ちゃん」 しばらく歩くと、木枯らしのような音が聞こえてきた。 でも、天気は晴れで風も弱い。日本でいうなら小春日和って感じの陽気。 だけどその音は消えることなく、だんだんはっきりしてきて、ささやきみたいになってきた。 (・・・マ・・マ・・・・・マ・・マ・・) (・・・・ニ・・・・ンゲ・・・ン、・・ニ・・ンゲン・・だ・・・) その声はもっと大きくなって、わたしの脳内に鳴り響く。 (ママー、ママはどこにいるの) (僕達いつまでここにいなくちゃいけないの) (ニンゲンだ、ニンゲンがまたキタ) そんな大声で話されたら、わたしの耳がおかしく・・・・ 「――ブ―――、―――ブ――キ―――、ブッキー、どうかした?」 「なに、美希ちゃん」 「なにじゃなくって、急に立ち止まるから。ブッキー顔色悪いよ、また気分でも悪くなった?」 「ううん、平気」 「こっちのベンチに座ってちょっと休もう」 わたし達の間に沈黙の時が流れる。 いつもの何も話さなくても居心地がいい雰囲気じゃない。話したいことがあるのに、どちらも口にしない重苦しい感じ。 「美希ちゃん、やっぱりわたし獣医さんになりたい、ううん、獣医さんになる」 「・・・・・・」 「わたし、小さい頃お父さんとお母さんに連れられて動物園に行くのが大好きだった。 図鑑やテレビでしか見ることができない動物達をたくさん見ることができて、嬉しくて幸せだった」 「・・・・・・」 「このサンディエゴ動物園は希少動物の保護に熱心な動物園で、世界的にも有名な動物園で・・・。 飼育されているところも、広い場所に動物さんの生まれ故郷の環境に近くなるように作られているの。 だから、この動物園の動物さん達は、みんな幸せだって思ってた。 でも、動物さん達の中には家族と離れ離れになった子や、人間に見られるのが嫌な子達もいる・・・・」 「だから、わたしは人間と動物達の橋渡しをしたい、そうなれたらいいと思う」 美希ちゃんは黙って立ち上がり、わたしに手を差しのべてくれる。 わたしはその手をとって立ち上がり、そしてそのまま手を繋いで、前へと歩き出す。 今日はクリスマスイブ。 わたし達の前方から親子連れがこちらへやってくる。 クリスマスプレゼントなのか大きな袋を持ってはしゃいでいる女の子、それを見て微笑む両親。 わたし達とすれ違うその親子が向かう先からは、動物達の鳴き声が聞こえてくる。 了
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/515.html
四人で肝試し/一六◆6/pMjwqUTk 「よいしょ、っと。これで全部~?おばあちゃん。」 ラブが大きな段ボールを、折り畳み式の長机の上に担ぎ上げる。せつなは浴衣の袖を気にしながら、その中身を机の上に並べ始めた。 箱の中に詰め込まれているのは、色とりどりのリボンで結ばれた、小さなビニール袋の山。中には様々なお菓子が入っているのだが・・・これがどうにも、きれいなラッピングとまるで釣り合っていない。 ドクロや悪魔の人形が付いたハッカパイプ。ハワイアンブルーやショッキングピンクのどぎつい色に、紫のマーブル模様が入った、何とも怪しげな水飴。極めつけはビニールの中身の半分以上を占める大きさのドーナツで、これがどこからどう見ても、目玉そっくりなのだ。 「いくらお祭りだからって、ここまでやる必要、あるのかしら。」 美希がビニール袋から、さりげなく目をそらす。 「うん、ホントに凄いよね。これなんて、まるで本物みたい。」 祈里は目を輝かせながら、イチゴジャムで描かれているらしい目玉の血管を、しげしげと眺める。 「いや、ブッキー・・・そういうことじゃなくて!」 美希が引きつった顔で幼馴染みに向き直ったとき。 「あんたたち、ご苦労さんだね。そろそろ子供たちが来るから、準備を急いどくれよ。」 相変わらず無愛想な顔をした駄菓子屋のおばあちゃんが、四人の前にやって来た。 今日は八月最後の日曜日。四つ葉町恒例・子供祭りの日だ。クローバータウン・フェスティバルほど大規模ではないものの、商店街には屋台が並び、ステージでは着ぐるみショーやゲーム大会が行われる。そしてこの祭りの夜の一大イベントが、町外れの小さな神社で行われる、肝試し大会だった。 ルールは至って簡単。今ラブたちがいる机のところから一組ずつスタートして、神社までの細い坂道を上り、拝殿の前に置いてあるお札を貰って帰ってくる、というもの。 片道せいぜい300メートル。小さな社がちょこんと建っているこの神社は、昼間は明るくのどかで、怖い雰囲気などひとかけらも無い。 ところがいざ肝試しとなると、この微妙に曲がりくねった坂道がクセモノだった。何度も通ってよく知っている道であっても、暗い中で先が見通せないというのは、やたらと恐怖心をあおるものだ。おまけにざわざわと鳴る木の葉のBGMも手伝って、坂道の途中で泣き出して、神社までたどり着けずに逃げ帰る子も、毎年少なからずいるらしい。 中学生のラブたちは、もう子供祭りを楽しみにする歳でもない。が、住んでいる商店街が主催のお祭りということで、それぞれの親たちに頼まれて、こうして浴衣姿で手伝いにやって来ているのだった。 「ねえ、ラブ。」 景品のビニール袋を並べ終えたせつなが、傍らの親友に向かって、小首をかしげて問いかけた。 「肝試しって、暗くて怖いのを我慢して、目的地まで行って帰ってくるだけよね。それって、何かの訓練なの?」 「え~っ!?訓練じゃないよぉ。遊びだよ、遊び。」 「怖いのを、我慢するのが?」 ますます不思議そうに訊き返すせつなに、ラブの眉毛が八の字になる。 「うーん、怖いのが楽しいっていうか・・・みんなで一緒に怖い思いして、ああ怖かったぁ!って言い合う遊び、かな?」 自信なさそうなラブに、祈里が取って代わる。 「えっとぉ、夏の夜を、涼しく快適に過ごそうっていう、昔の人の知恵ね。」 「怖いのを我慢すると・・・涼しいの?」 「ほら、怖い時って、背中がゾクゾクするでしょう?」 「それは・・・快適とは言えないかも。」 祈里ののんびりとした説明を聞いて、美希が額に手を当てる。せつなが相変わらず要領を得ない顔をしていると、ラブがパンと手を叩いて、ニコリと笑った。 「そっか、わかった!後であたしたちも行ってみればいいんだよ。せつなも体験すれば、きっと肝試しの楽しさ、わかるって。」 その言葉に、祈里は笑顔で頷き、美希は再び顔を引きつらせる。 「ラブったら。実際に行ってみなくても・・・」 「へぇ~、美希たん、怖いんだ。」 「そ、そんなことないわよ!」 ニヤ~っと半目で微笑むラブに、美希の顔がたちまち真っ赤になった。 「大丈夫だよ!ここはお子ちゃまコースだし、本当にオバケが出るわけじゃ・・・」 「ふん。オバケが出ないなんて、誰が言ったんだい。」 明るく言い放とうとしたラブの言葉を、ぶっきらぼうな声が遮る。四人が驚いて振り返ると、景品をチェックしていた駄菓子屋のおばあちゃんが、眼鏡の奥から鋭い視線を向けていた。 「おばあちゃん。まさか、前にここでオバケを見た人がいる、とか・・・」 「まぁ、オバケは夏の夜が好きだって話は、昔からよく聞くね。」 おばあちゃんの言葉に、美希の顔色が、赤からすーっと白に変わる。 「あんたたち。オバケはなにも、幽霊だけとは限らないんだよ。」 おばあちゃんは重々しくそう言って、夜風に枝を揺らす木々に目をやった。 「昔話の中には、いろ~んな物の怪が出てくるのを知らないのかい?木の精に、水の精に、風の精。ああ、大切にされた物には魂が宿る、なんて話もあってね。絵に魂が宿って、紙の中から出てきたって話を聞いたことがあるよ。それに、化け猫や化け狐なんてのも定番だねぇ。だから、いつどこでどんなオバケに出会うかなんて、わかるもんかね。」 「あ・・・。」 低くよどみのない声に、凍りつくラブ、美希、祈里、そしてやっぱりきょとんと首をかしげるせつな。そんな彼女たちの顔を見まわして、おばあちゃんは初めて、ニヤリと笑った。 「どうだい。これで少しは、肝試しの気分が出てきたかい?」 「もぉ~、おばあちゃあん!!」 くるりと後ろを向いたおばあちゃんに、ラブと美希の抗議の声が飛ぶ。去っていく小さな肩が、それを聞いて、楽しそうに小刻みに揺れた。 ☆ そのほんの少し前のこと。 「よぉ、にいちゃん。悪いな、こんな時間に来てもらって。」 神社へと続く坂道の途中で、西隼人の姿のウエスターは、一人の男と向かい合っていた。 四角ばった顔と、それに合わせたかのような角刈り頭。小柄ながら、声の大きさと威勢の良さは、誰にも負けない。トレードマークの長い前掛けを外しているせいで、いつもよりガニ股が目立つその姿は、駄菓子屋の真ん前にある魚屋の主人――魚政の三代目だった。 ウエスターとは、彼が町の廃品回収を手伝って以来の知り合いだ。もっともウエスターには、不幸のネタを探すという別の目的があったわけだが、魚政の主人の目には、「頼れる気のいい若いモン」と映ったのだろう。 今日も、子供たちに混じって屋台をうろついていたウエスターの肩をぽんと叩いて、手伝いを頼んできた。そこでウエスターは、事情がよくわからないまま、こんなところへやって来る羽目になったのだ。 「それで、手伝いって何だ?」 ウエスターは道の真ん中に立って、額の汗をぬぐう魚政の主人に問いかけた。辺りはもう、かなり暗い。狭い道の真ん中近くまで張り出した木の枝が、やけに黒々と見える。そのくせ空気にはまだ、肌にまとわりつくような熱気が十分に残っていた。 「簡単なことさ。ほらここ、林が切れて、何だか分かれ道みたいに見えるだろ?もうすぐ肝試しが始まって、子供たちがたくさん通るからさ。間違えてこっちに行く子がいないように、ここに立っててほしいんだよ。」 言われてみれば、木と木の間の地面が踏み固められたような箇所がある。見ようによっては、そこから林の中に細い道が続いているように、見えなくもない。 「この先は、急な斜面なんだ。小さい子が迷い込んだりすると、危ないからな。」 「なるほど。ここに立って、あっちの道を行けと示してやればいいんだな?」 「さすが、にいちゃんは話が早いぜ。じゃ、頼んだよっ。」 魚政の主人は安心したようにニカッと笑うと、逃げるようにその場を立ち去ってしまった。後に残されたのは、ウエスターただ一人。 「・・・ところで、肝試しって、何だ?」 ポツリと呟くその声に答えるかのように、生温かい風が、ざわわ・・・と木の枝を揺らした。 しばらくすると、魚政の主人が言っていたように、子供たちが後から後からやって来た。みんな数人ずつで固まって、何だか上目遣いで辺りを見回しながら、恐る恐る歩いてくる。 (一体、何を警戒しているんだ?) ウエスターは、言われたとおりの場所に立ってそれを見ながら、密かに首をひねった。 帰ってくる連中は、さらにおかしかった。行きとは打って変わって、みんな転がるような早足で、坂を駆け下りていく。 既に気を緩めて、笑みまで浮かべている子。相変わらず辺りを警戒している子。周りを見ないようにして、ただひたすら先を急いでいる子など、その表情は実に様々だ。 (肝試しって・・・何なんだ?) さっきの疑問が、より強く浮かび上がってきた、そのとき。 「あーっ、先生!占いの先生じゃないか。」 ふいに親しげに呼びかけられて、ウエスターは驚いて顔を上げた。 目の前に、大・中・小、三つの坊主頭が並んでいる。その、中と小の手を引いた一番大きな少年が、目を輝かせてウエスターを見つめていた。 「俺、前に先生にアドバイス貰って、無事、好きな子をデートに誘えたんだ。」 そう言って、少年はウエスターに向かって律儀に頭を下げた。 「ありがとうございましたっ!俺、お陰で最高の一日が過ごせたっす。その後のことは・・・まぁ、これからまた頑張るっす!」 「あ・・・ああ、そうか。良かったな。」 勢い込んで迫ってくる少年に、さすがのウエスターも一瞬後ずさる。そう言えば、コイツの話を聞いて、初めて遊園地とかいうところに行ったんだったな・・・。そう思い出したとき、小さな二つの手が、少年とウエスターを引き離した。 「なぁ、兄ちゃん。早く行こうよ~!」 「いこうよ~!」 「ああ、わりぃ。じゃ、先生、またな。」 弟たちに引っ張られて、背を向けようとしている少年に、ウエスターは思わず呼びかけた。 「おい、少年。肝試しって、一体どんなイベントなんだ?」 「えっ!先生、それも知らないでここに居るのかよ。」 少年が呆れたように、口をあんぐりと開ける。代わってウエスターの問いに答えたのは、弟たちの方だった。 「この先の神社まで行って、オフダを取って来るんだい。とちゅうでコワくて泣いたり逃げたりしたら、いけないんだぞ。」 いかにもやんちゃな顔をした“中”の坊主頭がそう言うと、まだあどけない顔の“小”も負けじと胸を張る。 「オレ、オバケもバケモノも、こわくねーもん。もしもあったら、やっつけてやるんだ!」 (ほぉ。ここにはナケワメーケとは別の化け物が出るのか。まさかそいつも、不幸を狙って・・・!) そう思ったウエスターが、初めて辺りを警戒する。そのとき、たった今偉そうなことを言っていた“小”が、顔色を変えてウエスターの後ろの林を指差した。 「うわっ、にいちゃん!あそこで、なんか光った!」 弟の声に林を覗き込んだ“中”も、わっ、と言って兄にしがみつく。 「ホントだ!何か白っぽい光が飛んでるぅ!あ、あれって・・・ひ、ひ、人魂?」 振り向いて見てみると、確かに木々の間から、ちらちらと小さな光が漏れている。 「ああ、あれは懐中電灯かなんかだろ。係りの人か誰か、いるんじゃないか?」 さすがに一番上の兄は余裕を見せて、弟たちの頭をぽんぽんと交互に叩く。だが。 「いや。係りの人は、俺のほかにはいないはずだぞ。」 ウエスターにあっさりと否定されて、その手が止まった。 「え?じゃあ、あれって・・・な、なんすか?」 「わからん。お前たちの言うオバケかもしれないし、誰かが迷い込んだのかもしれないな。」 ウエスターはこともなげにそう言うと、三人の顔を見て、ニヤリと笑った。 「どれ、俺様が確かめてきてやろう。オバケかもしれないから、お前たちは先に、神社とやらに行けばいい。」 「うわぁぁぁ~!!」 その言葉に呪縛を解かれたように、弟たちが兄の手を引っ張って、全力で走り出す。少年は弟たちに引きずられながら、ウエスターに向かって、何故か感動したような、うるんだ眼差しを向けた。 「先生、イケてる~!頑張って下さいっ!」 ☆ (ふん。ナケワメーケ以外の化け物がいるというなら倒してやる。不幸を横取りされてたまるか!) 頼りなげに動く光を追って、ウエスターは道なき道を駆け下りる。小さな光は、こちらで光ったかと思うとあちらで光り、近付いたかと思うとまた遠ざかって、あざ笑うかのように、ウエスターを翻弄した。 「ええい。姿を見せろ!」 その途端。まるでウエスターの声が聞こえたかのように、遠くの木の陰で、光がその動きを止めた。 「よぉし。化け物め、そのまま動くなよ~。」 ところが近付いていくうちに、ウエスターは、ん?と首をかしげた。小さな光だと思っていたものが、次第に人の形に見えてきたのだ。 どうやら浴衣を着た女の子らしい。黄色のような緑色のような、ぼぉーっとした光を放っているように見えるのは、さっき少年が言っていたように、懐中電灯でも持っているのかもしれない。 (魚屋のオヤジが心配してた、道を間違えた子供か。しかし、誰かこっちに来たのなら、すぐに気付いたはずだが。) もしかしたら、ここへ来る別のルートがあるのかもしれない。そう思って人影に近付きながら、ウエスターは再び、首をかしげた。 一歩一歩、歩みを進めるたびに、人影がいろんな人物に見える気がする。ウエスターが知っている数少ない、この世界の同じような歳恰好の少女たちに。 (あれは・・・キュアベリーか?いや、あんなに背が低くはないな。ああ、キュアパインか。いやいや、ヤツはキュアピーチだ!いや・・・違う。何っ!?あいつ・・・なんであんなところに。) ついにウエスターは、彼女が立っている木立のところまでやって来た。 近付いても相変わらず淡い光を放つその姿は、何やら草花の模様を散らした、黄緑色の浴衣を着ている。腰には銀色の細い帯。後ろ向きで顔は見えないが・・・。 (違う・・・イースではない。) それは、イースでも他のプリキュアでもなく、ウエスターの知らない少女だった。 (やっぱり迷子か。) 気を取り直して、その俯いた後ろ姿に声をかける。 「おい。そこで何をしているんだ?」 「・・・。」 「道に迷ったのか?神社なら、そっちじゃないぞ。」 「・・・。」 「ここには、一人で来たのか?」 「・・・。」 何を訊いても、彼女は俯いて黙ったまま。頼まれた役目だからと、最初は優しく声をかけていたウエスターも、次第にイライラし始めた。 「なぜ黙っているんだ。ほら、こっちに来い。上の道まで連れて行ってやる。」 「・・・。」 それでも動かない彼女に業を煮やして、ウエスターが細い肩にそっと手をかける。すると少女は諦めたように、ゆっくり、ゆっくり、こちらを振り向いた。 「どわぁぁ~っ!」 ウエスターが、叫び声を上げて飛び退く。 振り向いた少女の顔は、目も鼻も口も無い、まるでゆで卵のようにつるんとした、のっぺらぼうだったのだ。 「オバケかっ?本当にオバケかっ?」 一体誰に確認しているのか、大声で叫びながら元来た道を駆け戻ろうとするウエスターの前に、もう一度、少女の顔が現れる。 「な・・・何っ?」 少女の顔の下に、あるべきはずの胴体が無い。顔の下には当然ながら首があって・・・その首が夜目にも白く、真横に長ーく伸びているではないか。 ぐにゃりと曲がったその首の上で、ゆらり、ゆらりと揺れる真っ白な顔――それが今度は突然、カッと目を見開いた。顔の真ん中に真っ赤なひとつ目が出現して、ウエスターを睨みつける。 「うっぎゃあああああ~!!」 ウエスターはくるりと回れ右をすると、神社と反対の方に向かって全速力で駆け出した。が、いくらも行かないうちに、ふいに足元から地面の感触が無くなって・・・。 「わぁぁぁ~っ!」 急な斜面というより、コンクリートの絶壁を滑り落ちながら、ウエスターはやっとの思いで上を見る。そこには若葉色の浴衣を着た、ひとつ目ではないあどけない顔をした女の子が、嬉しそうに彼を見下ろしていた。 その表情とは裏腹に、両手を腰に当て、顎をツンと上げて、彼を文字通り「見下ろす」その態度。それは、何だかどこかで見たことがある気がしたが――それを思い出す余裕は、今のウエスターには無かった。 ☆ 「はい、完走おめでとう!これ、景品の、オバケのおやつだよ~。」 ラブが精一杯怖い声を出して、子供たちにビニール袋を渡す。 「ラブったら。マラソンじゃないんだから、完走はおかしいわよ。」 すっかり立ち直った美希も、子供たちが差し出す神社のお札を、笑顔で確認する。 せつなはラブの隣りで景品を手渡しながら、坂道を戻って来る子供たちの姿を、興味深げに眺めていた。 誇らしげな様子で、元気いっぱい駆け戻って来る子。わあわあ泣いて、友達や兄弟に慰められている子。なぁんだ、ちっとも怖くなんかなかったぞ、と聞えよがしに叫んで威張っている子――。 子供たちの様子は様々だったが、ほとんどの子が、一緒に帰って来た友達や家族としっかりと手を繋いでいたり、ぴったりと寄り添ったりしているのが、何だか微笑ましい。 「よぉ、ご苦労さん。もうすぐ終わりだからな。」 ふいに大きな声がして、魚屋のおじさん――魚政の主人が顔を見せた。 「何だい、あんた。自分の持ち場はどうしたんだい?」 机の後ろの椅子に座っていた駄菓子屋のおばあちゃんが、よっこらしょ、と立ち上がる。その姿を見て、彼は慌てたように目を白黒させた。 「やぁ、ばあさん。大丈夫だ!ちゃんと信用できる助っ人に、頼んできたからよ。」 「本当だろうね?」 おばあちゃんがそう念を押したとき、坂道の上から、三つの坊主頭が現れた。 「あれ?ラブじゃねえか。あっ!美希さんも一緒だったんすか!」 一番年長の少年が、美希の顔を見て、ぱぁっと笑顔になる。それは、四つ葉中学校二年生、ラブの同級生にして、美希の熱狂的な信者である、沢裕喜だった。 「裕喜君!あなたもお手伝いに来ていたの?」 「いやぁ、俺は弟たちの子守りっすよ。ハハハ・・・。」 美希に話しかけられて、嬉しそうに頭に手をやった裕喜が、ふいに真顔になって、魚政の主人の方に向き直った。 「そうだ、おじさん。さっき、坂の途中で占いの先生にあったんだけどさ。林の向こうに変な光が見えたんで、迷子かも知れないって見に行ってくれたんだ。もうこっちに戻って来た?」 「なっ、何だって?」 魚政の主人のこめかみに、たらりと汗が流れる。 「まさか、信用できる助っ人ってのが、その先生かい?まったく、自分の仕事を人に押し付けるから、人様に迷惑かけることになるんだよ。」 おばあちゃんにギロリと睨まれて、魚政の主人は口を尖らせた。 「しょ、しょうがねえだろっ!俺は、高いところと暗いところは苦手なんだよ!」 「ふん、使えない男だね。高所恐怖症だけじゃ足りないのかい。」 「なんだとぉ?」 いつものようにポンポンと言い合う大人たちを尻目に、ラブたち四人もまた、別の意味で慌てた様子で、ひそひそと囁き合っていた。 「ねぇ、占いの先生ってさ。」 「うん、アタシも気になってたんだけど。」 ラブと美希の言葉に、せつなが顔をしかめて、コクリと頷く。 「ええ。きっと、ウエスターよね。」 「やっぱり、そう?」 祈里が不安そうに訊き返した、そのとき。 「嫌だ。もぉ~嫌だ。肝試しなんて、嫌いだぁぁぁ~!!」 わめき声と共に、ひゅん、と四人の隣りを一陣の風が吹き抜ける。 「い、今のって・・・。」 「・・・速すぎて、見えないわ。」 「ウエスター、泣いてたわね。」 「見えたの!?しかも、表情まで!?」 慌てて目を凝らすラブに、呆れ顔の美希、ぼそりと呟くせつな、それを聞いて目を丸くする祈里。 「はぁ、無事で良かったが・・・あと少しなんだから、持ち場を離れないでくれよぉ、にいちゃん。」 四人の後ろで、魚政の主人が大きな溜息をつくと、重い足取りで坂道を上り始めた。 ☆ 「今日はご苦労だったね。ほら、あんたたちの分も取っておいたから、持って行きな。」 すっかり景品が少なくなった長机の上に、おばあちゃんが新たなビニール袋の束を置く。今度の袋はかなり大きくて、おどろおどろしい景品の他に、普通の駄菓子やドーナツも詰め込まれていた。 「うわぁ、こんなに沢山!」 「いいんですかぁ?」 「ありがとう、おばあちゃん。」 「ありがとうございます!」 四人が笑顔で、袋をひとつずつ手に取る。 「あれ?おばあちゃん。これ、ひとつ多いよ。魚屋のおじさんの分?」 ラブが、ひとつ余ったビニール袋を手にして、おばあちゃんに問いかける。 「あんたたち、今日は五人で来たんだろう?もう一人の分も、ちゃんと取っといてあげな。」 「え?五人って?」 驚いて問い返す祈里に、おばあちゃんは肩をすくめて呆れたように言った。 「何寝ぼけたこと言ってんだい。ほら、緑色の浴衣を着た子だよ。さっきまで一緒に手伝ってくれてたじゃないか。」 「・・・え・・・?」 桃色の浴衣のラブ、青い浴衣の美希、黄色い浴衣の祈里、赤い浴衣のせつな――。 「おばあちゃん!怖い話は、もういいですよ。」 声の震えを必死で隠そうとする美希に、おばあちゃんはニヤリと笑い・・・はせずに、心底不思議そうな顔をする。 その時、まだそこに残って景品の水飴を食べていた、裕喜の一番下の弟が、無邪気に最後の駄目を押した。 「みどりのきもののおねえちゃん、いたよ~。オレ、そのおねえちゃんから、このみずあめ、もらったもん。」 途端に、長机の向こうはパニックに陥った。 「キャ~!で、で、出たぁ!!」 ラブが、せつなの腕にしがみつく。 「ラブ!こ、こここ声が、大きいわよっ。」 声を上ずらせながら何とか平静を保とうとする美希が、祈里に抱きつかれてぐらりとよろける。 「わっ、わたしたち、おっ、オバケさんと、一緒にいたのっ?」 「ラブ、痛いわよ。美希も、しっかりして。ブッキー、そんなに押さないで・・・!」 ラブにしがみつかれ、美希に寄りかかられ、勢い余った祈里に腕を掴まれて――。 (あ・・・暑いっ!何よ。肝試しって、全然涼しくなんかないじゃない。) 三人の仲間にもみくちゃにされながら、せつなの口元に、いつしか楽しそうな笑みが浮かんでいた。 ☆ 彼女は木の陰から、ウエスターが大慌てで走り去っていくのを、じっと見ていた。 (少し、やり過ぎちゃったかな。あの頃のあの子の真似をして、つい、からかっちゃったけど。) クスリと笑って、キャーキャー・・・を通り越して、ギャアギャア騒いでいる少女たちを見つめる。視線の先には、仲間たちの輪の中で微笑んでいる、赤い浴衣の少女。 (私と一緒に、いつもこちらから眺めているだけだったあなたが、今はちゃんとそちらに居るのね。) 彼女の白い頬に、ほんの一瞬、寂しげな影が浮かぶ。が、すぐに穏やかな笑みを浮かべると、彼女はもう一度、優しい眼差しで少女を見つめた。 (いつでもそばに居るわ、せつな。私が、あなたの一番思い出したくない過去から、人生で最初の幸せな思い出に、変われる日まで。) 彼女の浴衣に描かれた、クローバーの模様が輝きを増す。それと同時に、彼女の姿が少しずつ薄れ始め――。 やがて、彼女の姿がすっかり消え失せたとき、そこには四つ葉の形をした、綺麗な緑色の光が残った。 ――大切にされた物には、魂が宿る、なんて話もあってね―― 小さな光は、すーっと上空へと浮かび上がると、エメラルドの尾を引いて、虚空へと消える。そのとき一遍のそよ風が、夢のように、木々の葉を揺らした。 ☆ 「あ・・・涼しい風。」 やっと三人から解放されたせつなが、林の方から吹いてきた風に、心地良さそうに目を細める。 「さぁ、そろそろ肝試しもお終いだよ。あんたたち、最後に神社まで行ってみるかい?」 おばあちゃんの言葉に、せつなを除いた三人が、ぶるぶるっと犬のように首を横に振った。 「あたし、パスっ!」 「わたしもっ。」 「アタシも・・・また、今度にします。」 「そうかい。せっかく涼しくなれたかもしれないのに、残念だねぇ。」 おばあちゃんは、やっぱりきょとんとしているせつなと目を合わせると、楽しそうに、クツクツと笑った。 夏の終わりのぼんやりとした三日月が、銀の鎖のように空に懸る。か細い光は、今日は何だかいつもより緑がかって見えていたが・・・その理由は、小さな神社を取り巻く林の木々以外、誰も知らない。 ~終~