約 2,067,522 件
https://w.atwiki.jp/redcomet/pages/14.html
作成中 ギルド『red★comet』とは 前身ギルド『シャア専用』の難民避難所です 【ギルド目的】 楽しく遊べたらいいんじゃないのかな? って誰かが言ってました その通りだと思う 【ギルドルール】 特にありません 特にありません 大事なことなので2度言いました 【ギルド特色】 1.赤い彗星軍団 →やっぱ色を出さないと!そのままですけど赤色で♪ 2.超攻撃的・堅苦しい作戦無しの領土戦を敢行 →負けたっていいじゃない!メンバー全員領土初心者だもんw楽しくできればいいじゃん♪ 3.ギルマス サブマスの適当で軽いギルド運営 →最終判断はギルマスが「いてまえ打線」できめちゃいます! 多数決?そんなの面倒でやってられねぇ~wってだれかが言ってました →マネします 【ギルド特典】 領土宣戦でのcoin徴収は無し →領土取れるまではへそくりから宣戦します →でも僕お金ないんで宣戦オークには勝てませんw 【ギルド課題】 1.領土戦メンバー不足 →メンバーを随時募集! →サブは入隊無理ですか?貴方にとってサブでもウチのギルドにとっちゃメインじゃ~い♪ 自由な領土戦をしていますので、領土戦を体験したい方、領土戦初心者の方には、登竜門としていいギルドだと思っています! 【ギルド設立~現在】 ・2008年11月8日(土)にシャア専用解散につき避難所的ギルド『red★comet』(レベル1)を設立。ギルド名の由来は「通常より3倍の速さ」でレベル上げをしようとの決意から名付けられた『シャア専用』のイメージを受け継いだものである。決してネタギルドでも、Gマニアギルドでもないのだ。
https://w.atwiki.jp/toho/pages/792.html
COUNTDOWN TO RED サークル:MA s Attack Number Track Name Arranger Original Works Original Tune Length 01 亡き王女の為のセプテット UU 東方紅魔郷 亡き王女の為のセプテット [05 54] 02 人形裁判 NEET師匠 東方妖々夢 人形裁判 [04 26] 03 A Sacred Lost Zubrowks 東方霊異伝 A Sacred Lot [01 59] 04 フラワリングナイト arua 東方花映塚 フラワリングナイト [04 53] 05 レトロスペクティブ京都 UU 東方文花帖 レトロスペクティブ京都 [05 41] 06 もう歌しか聞こえない happy is. 東方永夜抄 もう歌しか聞こえない [02 50] 07 今昔幻想郷 NEET師匠 東方花映塚 今昔幻想郷 [03 13] 08 御伽の国の鬼が島 UU 東方萃夢想 御伽の国の鬼が島 [04 44] 09 U.N.オーエンは彼女なのか? arua 東方紅魔郷 U.N.オーエンは彼女なのか? [03 44] 詳細 コミックマーケット71(2006/12/31)にて頒布 イベント価格:500円 ショップ価格:?円 レビュー 日本では馴染みの薄い雰囲気のアルバムだ(特に当時においては)、時代が早すぎたのだろう。 トラック04とトラック09は"Apex Twin"を思わせるサイキック(或いはアシッド)が聴ける。 トラック08はロッテルダムテクノなようでちょっと違う不思議なハードコア。 とても素晴らしいアルバムだ。 -- 名無しさん (2015-08-15 10 41 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/stalker_soc/pages/66.html
Red forest スコーチャーのせいで立ち入った人間は少ないといわれる森。 中へ入った数少ない人間も戻ってこないか、発狂した状態で帰ってくるという。 一体この先には何があるのだろうか…… このMAPから放射能汚染が強くなる。放射能対策のアーティファクトを揃えておこう。 場所 道路沿い…Monolith 兵がうじゃうじゃ居る。T-15 の検問以外は復活しない。 L~M-9~11…幻影犬やsnorkの巣窟。森林部全域にアノマリーがありゾンビの小隊が徘徊している。 L-6…フェンスに穴。森林部を通ってアンテナに到達する事も可能。 ここにある ecologist の消えない死体を保管場所にすると良いだろう。 T-1…Monolith 兵の駐屯所。紫印の Stash 以外には大したものはない。 K-6…噂の小部屋。フェンスの間の梯子から上れる。こじ開けても medikit x3以外に何も無い。 F-6…X10 入り口。アンテナ施設敷地内の貨車から進入する。 X10 内に monolith 兵から得られる番号では開かないキー付き扉が二箇所とキーは無いが 「ロックされている」と表示されて開かない扉がある。これらはダミーで扉の向こうには何も無い。 アンテナ停止後 C~F-5~7…アンテナ停止後はMAP切り替えの度に地下研究所入り口を中心にモノリス兵とArmyが戦っている。 G~J-3~5…アンテナ停止後は坂道に数箇所ある焚き火にLonerが群がる。 こいつらの補給はArmy warehousesから徒歩で。道沿いと森どちらも通る。 M-2…検問所にモノリス兵。常にPripyat側から補給される。 アンテナ停止後はO-5あたりから常にDutyが攻め込む。 又アンテナ停止後初回は Freedom 兵も登場し Duty と戦闘が起こる。 T-15…Monolith 兵が沸く検問。たまに Army が居るときもある。 アイテム等 K-13…壁際に電気Battery、炎Battery、Spring。炎Battery、Spring は定期的に収縮し、 縮んだ状態だと地面に埋もれて見えない。Springは沸く時間外では出現せず(初期配置) L-13…Goldfish (初期配置) L-10…墜落したMI-26。付近にstash。 Q-11…狙撃兵が居るプレハブの上にPSZ-9d Duty Armor R-5…貨車の中に Berill-5M armored suit E-7…貨車の中に PSZ-9Md Universal Protecion E-5…貨車内に monolith suit x2 P-11~12…スナイパーがいた付近の岩の間にkolobok
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/1008.html
時は同じく、エヴァンジェたちがえっせらおっせらやっている時。 時空を異する世界では、違う事が起こっていた。 ――――鬼、が攻めてきたのである。 @Oh!!江戸戦機―あぅまぅど・こぅあ― 外伝 ある昼下がり、男が地面をほじり返していた。 男の名前は友永英治郎。 十石の旗本の息子である。 「お?!」 その彼が何かを見つけたようである。 「コリャ何と!!」 それは、ダンガンガーと同種のものであった!! ・ ・・・ ・・・・・ 夕刻――燃える町。 人間の住んでいた家や、土地が燃える。 人自身も燃える。皆燃える。皆死ぬ。 その現況を作った、張本人は暴れている。 正確には人ではなく、鬼。 その鬼が操る、世幻魔(せいげんま)によって齎された。 鬼は巨大な腕を自分と同化させて動かしている。 燃えている建造物を踏み荒らし、 燃えていないところには火を放つ。 人の営みはこうも簡単に崩れ去るのである。 実にあっけない。 非難した人々は途方に暮れている。 しかし、 彼らを助ける者がきた。 難民の一人が夕陽を指をさす。 「あれは何でおJALか?!」 もう一人が 「鳥だ!!」 もう三人目が 「飛行機だ!!」 最後の一人が 「いや、観音様だ!!!!!」 皆の歓喜の声が鳴り響く。 鬼は歓喜の対象へと振り向き、目を見据える。 しかし、夕陽が眩しくまともに見れない。 そこを攻撃が喰らうと立ってはいられず倒れた。 入れ違いに観音は降り立ち、名乗りを挙げた。 『ややや、御免。 しかし悪には謝る言葉は在りやせぬ。 旗本脱してこの一〇年、 いっか至りとも忘れぬこの気持ち。 ばばっと爆発大放出。 あやや、裁切観音ダンガンガリオンというのは俺ッちたちのぉおことよぉおおおおお!!』 きんきんという木が叩かれる音と共に下からライトアップされた観音は、さくら吹雪に散らされ、見えなくなった。 やっとこ起き上がった世幻魔は辺りを見渡すがダンガンガリオンの姿は見えなかった。 ごん!!!! ごごおおおおん!!!!! 突然の爆音。 そして、世幻魔は音と共に倒れた。 『やられたーーーー』 夕陽が隠れた闇の中、姿をあらわす観音はひっそりと必殺技を告げる。 『観音殺法―さくら殺し―』 「わーい!」と難民 「うひー!」と難民 「いはー!」と難民 だがそのどうでもいい難民の声は英治郎には届かなかった。 違う声が彼には聞こえていたのである。女の悲痛な叫びであった。 ―――どうしたの!立って……立ってよ!!』――――― 誰かが困っている声。 だがこの声は耳に聞こえてくるのではなく、心に響いてくるのだ。 まことにこの世の法則ではなく、異界の法則。 その証拠に次元の裂け目が急に現れた。 英治郎、ダンガンガリオンは臆することなくその中に入っていく。 ―――泣くこを助けるため、 ―――――生けるものを悲しませないため、 ――――未来を守るため、 ――――彼らは往くのだ、
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/11493.html
■ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 編集 ■龍の歯医者 編集 ■HILL CLIMB GIRL 編集 ■ME!ME!ME! オンライン編集 ■Carnage 編集 ■安彦良和・板野一郎 原撮集 編集 ■西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可 編集 ■until You come to me. 編集 ■そこからの明日。 編集 ■電光超人グリッドマン 編集 ■ヤマデロイド 編集 ■Kanón 編集 ■SEX and VIOLENCE with MACHSPEED 編集(土田栄司と共同) ■おばけちゃん 編集 ■オチビサン 編集 ■三本の証言者 編集 ■I can Friday by day! 編集 ■ME!ME!ME! CHRONIC feat.daoko/TeddyLoid オンライン編集 ■(Making of) evangelion Another Impact オンライン編集 ■イブセキヨルニ 編集 ■神速のRouge オンライン編集 ■ハンマーヘッド 編集(辻田恵美と共同) ■関連タイトル Blu-ray ヱヴァンゲリヲン新劇場版 Q EVANGELION 3.33 YOU CAN REDO. 初回版 オリジナルサントラ付き
https://w.atwiki.jp/lightnovel-words/pages/40.html
小説探偵GEDO 「責任がないとは言わない。でもあの子たちは、自分に対してだれか大人が責任を持つことなんて望んでやしないわ。そんなことができると思う大人は傲慢よ。奢っているのよ。」 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 小説探偵GEDO/桐生祐狩
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/156.html
⑦*⑧*⑨ 途中幾度か、前衛撹乱型のパルヴァライザーと交戦を経てガロは、大した損耗を被ることもなくコーテックスビルを中心とする建築物群エリアに進入した。周辺戦域に追跡動体が接近していない事を確認してから、エンシェントワークスの保有する運搬用の私設ターミナルへ滑り込み、同施設の制御ネットワークにアクセスする。 『──識別符号:TS002-EW011』 『──識別符号、照会完了しました。どうぞ、進入してください』 ネットワークの制御システムが承認の返答を遣し、それと共に自動シャッターが開口した資材搬入用の保管廠内部へシックフロントの機体を滑り込ませた。大型資材運搬用の昇降台へ機体を搭載し、制御ネットワークに最下 層地下核部への降下を指示する。 『了解しました。到着所要時間は五分です──降下を開始します』 通達と同時に一瞬接地面が震動、昇降台が降下を開始しガロは自動閉口していくシャッターの隙間から地上の景色を最後に見おさめた。 昇降機の降下速度が徐々に加速し最大速度に固定維持されたのを確認すると、ガロは戦術支援AIに指示して統合司令部ターミナルスフィアへの通信要請を行った。 しかし、数秒待ってから戦術支援AIが返してきた報告は、 『──現在区域に重度の電波障害が発生しています。通信回線を確立できません──』 その予想外の結果にガロは回線接続の再度試行と、エンシェントワークス専用回線への接続も指示したが、数秒経って戻ってきた結果はやはり同じであった。地下核部への高度降下に伴って機体搭載のレーダー機能にも若干のブレが出始め、その事実にガロは胸中で小さく首を傾げた。 「施設は独立電源の筈だが──廃棄ラインからか?」 ガロが現在急行中の地下核部周辺区域は、コーテックスビルを中心に聳える中央経済特区の直下千数百メートル部分に位置している。──エンシェント・ワークスの組織としての事務機能は地上経済特区に存在しているが、彼らの本懐足る主業務はその特異性から、地下核部に程無く近い下層の施設空間で行われていた。 地下核部の存在自体は公式的には記録として残されていないが、五年前の兵器災害発生により閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】が建造された際、以前から同地に在った要塞都市の名残りとしてその姿を現在も留めている。現在は施設機能の殆ど全てが停止しているが、それまでは多方面と直結した地下軍事ラインを通して必要物資などの搬出入などを行うなど、地下ターミナルとしての役割を大きく担っていた。閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】の建造後、それらを扱う必要性がなくなった事と都市防衛の重要性から地下核部は丸ごと廃棄された事になっているのである。事実、地下核部に直結している軍事ラインなどは一部を除いてほとんどが封鎖状態にあり、他都市への交通手段としての使い物にはならない。 ターミナルスフィアは、その秘匿性の良さに目をつけ、自ら経済支援を施して其処にエンシェントワークスの活動拠点を構築した。その影響範囲内に置いては施設設備の独立電源が稼働し、また施設自体のネットワークシステムも通常通り機能する為、その中に現在合って回線の接続ができない道理はないはずだった。 「既に手遅れ──いや、まだ早計か……?」 ノウラと最後に通信を交わした時点では、地下核部への敵性勢力侵入はないという事になっていた。 だが、実際にはどうだ此れは── 若干の機能弊害を起こしてはいるもののまだ最低限の機能を果たすレーダーに、自身以外の動体反応は見当たらない。通信障害が発生し、統合司令部と連絡が取れない以上この現状についてガロが今、言及出来る事は推測以外に何もなかった。 しかし、指示を受けて現場に急行中である事に変わりはなく、これが既に担当業務の範疇内である事をガロは意識していた。当該現場へ現着し、其処で何もなければよし──鬼が出れば鉛弾を撃ち込んでやればいい。 統合司令部とエンシェントワークス専用回線、そのどちらとも連絡が取れない以上、最も近くに受けた指令を遂行するのが常套であるといえる。独断専行で下手に動いては、それはあまり良い結果を生まないことが多い。 ちょうど五分後、ルートマップに表示していた昇降機動体が最下層へ到着し、それと共に昇降台前方の両開式ハッチがオープンする。施設各部に敷設された警戒灯が不気味な赤い光を放ち、空間全体を淡く照らし出している。目視戦闘を行うには若干心許無い光量であり、ガロは夜間戦闘支援システムを起動した。メインディスプレイ内に映る有視界が暗緑色に染まり、その中にはっきりと施設空間の全容を出力する。 シックフロントに搭載している頭部の正規品は元々安価を売りにした普及品である為、値の張る機能などは一切付加されていない。それをガロがより実戦性を高めるため、自身の手で諸々の機能を搭載させたその中に夜間戦闘支援システムと戦術支援AIも含まれていた。 3Dルートマップを出力し現在座標を捕捉、位置は地下核部下層部の連絡通路に在り、既に当該現場には到着している。此処から更に移動を開始し、第四ターミナルエリアへ機体を向かわせた。エンシェントワークスの設備空間は第四ターミナルエリアに程無く近い数階層上に点在している為である。 広域索敵態勢に在るレーダーには、いまだ自機以外の動体反応はない。 「──ふん。気分の悪い事だな……」 一切の動体反応がない当該現場の現実とは裏腹に、ガロの研ぎ澄まされた六感はそこから何らかの感触を感じ取っていた。どこからかは分からない──だが、脊筋を這い上がるざらついた獣のような気配が、搭乗機体であるシックフロントを見ている。そんな感じだった。 ──いるのか? 強い確信は持てない。しかし、自身の六感が告げるその事実をガロは信用していた。それもまた戦場で長らく生きてきたガロが持ち経てきた経験則であり、だからこそガロは機体制御態勢を第一種戦闘態勢に固定維持、同時にレーダー制御を動体反応の捕捉と同時に第一種狭域索敵態勢へ移行できるよう準備していた。 フットペダルを踏み込み、通常歩行で薄暗い連絡通路を進行していく。不測の事態にも瞬時に対応できるよう、操縦把付随のトリガーには常に人差し指をかけている。 巡航推力でブースタを吹かせば数十秒の所を数分かけて連絡通路を抜け、ターミナルエリアへ直結する連結空間へ歩み出る。空間天井部までの高度は数十メートル近くあり、朽ち果てた廃棄線路が各連絡通路へと伸びている。ひどく閑散としたその空間の中で感じる不愉快な気色──そのざらつきにガロはどこかに覚えがあった。そして、それをすぐに脳裏に思い出す。 その時、搭載センサー群が警告音を発しながら収集情報をディスプレイに出力した。拡大映像の解析ラベルには【有害粒子反応】と記載されており、センサーが解析でき得る限りの粒子情報が羅列情報として表記される。 その羅列情報に瞬時に目を通した後、ガロはその事実に対して僅かな驚愕を禁じ得なかった。 「──これは、コジマ粒子?」 ──そう、口にした直後の事だった。 一閃の火線が前方連絡通路から飛来し、そいつはシックフロントの背部兵装──ミサイルコンテナに直撃した。 「な──」 不測の事態に備えていたに関わらず、瞬間的にすら反応できない弾速でその砲弾はミサイルコンテナを貫通した。戦術支援AIが背部兵装の損傷を伝えるが、ガロはそれを全て聞き届ける前にコンソールを叩いて背部兵装を分離、フットペダルを全力で踏みつけてメインノズルから噴射炎を吐き出した。爆発的な推力でその場から離脱した直後、被弾したコンテナ内部のミサイル弾頭が誘爆し、その場に大きな火球を産み出した。 強大な爆風と衝撃波が緊急離脱したシックフロントの後背部を襲い、爆発片が機体装甲の一部を吹き飛ばす。すぐ様機体姿勢を持ち直して転回、狙撃点から大きく離れた場所へ機体を停止させる。 戦術支援AIが報告プロトコルを簡略化し、今しがた受けた機体の損害状況をメインディスプレイへ出力していく。 『左肩部装甲一部損失、機体摩耗率24,56%に上昇──』 咄嗟の判断ではあったが、左後背部を被弾の盾にする事で右後背部搭載の外部搭載型レーダーを無傷で遣り通した。 「一体何処から──」 索敵プロトコルを最大速度で処理させ、第一種広域索敵態勢でレーダーを展開すると共に、先ほどミサイルコンテナを吹き飛ばした砲弾の詳細を飛来推移から情報解析し、瞬時に該当武装を特定する。 視覚情報としての目視から被弾までの時間経過より射撃地点を予測するが、レーダー上のその地点には動体反応は一切見当たらない。それどころかレーダー機能に、先ほどよりも一層濃い電波障害が発生している事に気付いた。 「ECM状況下からの狙撃──狙ってきたのか……」 予測射撃点からの攻撃を受けないエアポイントへ機体を移動させ、レーダー機能の処理プロトコルを最大出力で展開させつつ、収集し得た情報をディスプレイに映し出した。 ──砲弾の飛来推移から特定した該当武装は機動兵器:アーマードコアの規格兵装であり、その事から少なくとも精密射撃を行ってきた未確認勢力はAC兵器に分類される何れかの機体の可能性が高い。 閉鎖視界及び電子障害環境下における遠距離射撃を主な戦術圏とする、典型的な狙撃機体か── 敵性機体に対する予測の確度がその程度でとどまってほしいものだと、ガロは胸中で呟いた。 先ほど搭載センサー群が収集した環境情報の中から有害粒子に関する解析映像をディスプレイに出力し、大気の中で微量ではるが浮遊していたその粒子体を拡大出力した。 ──弱々しい白緑色の光源を湛えるその物体に見覚えがあり、そしてその事実を認識してなお冷静に臨むだけの経験がガロには備わっていた。 「活性化粒子──最悪だな」 施設設備からの粒子漏出の痕跡は見られない。もし漏出事故が起きているのなら、センサーで検出できる活性化粒子の濃度はこの程度では済まされないはずだった。それだけでもわかれば、本来ならこの場に存在し得ないはずのそれがあるのか、断片的にでも説明を付けられる。 しかし、それは直接目にしていない現状では断定するに早すぎる疑問だった。 ともかく相手が典型的な狙撃戦機体なのなら、それ相応の戦術を展開せねばならない。 ガロはフットペダルを踏み込み、立体モデルとしてのみ機能するルートマップから、なるべく分岐路が多く機体を隠す為に好都合な進路を瞬時に選択する。 相手が遠距離からの正確な射撃戦を主体としているのなら、単純に直線距離が長い連絡通路は極力避けるべきである。重度の電波妨害工作によってレーダー波は殆どが使い物にならない。その為に未確認機の位置をしる最も有効な術はなく、代わりに搭載センサーと自身の六感を最大限に活用しなければならない。 相手が機動兵器である限りは、その隠しきれない稼働音を搭載センサーが捕捉するはずである。 第四ターミナルエリアから程無く離れた連絡通路を幾つか抜けてもまだ、未だ搭載センサーが敵性動体を捕捉できない中比較的安全と思われるルートを選び、地下核部に無尽に伸びる連絡通路を走り回る。 此方から先行捕捉できない以上、継続機動の中で相手の攻撃を誘い出し、その次の射撃点から相手の移動パターンを割り出していくのが、恐らく最も有効な反転手段である。 それを成し遂げるには一時たりともその場に留まる事は許されない。 ある程度の長期戦になることを予測し、連絡通路の末端から開けた連結空間へ飛び出す。 一筋の火線が2時方角の連絡通路の先から煌き、ガロは直前にフットペダルを踏み込んで噴射炎を吹かしていたことにより、狙撃の直撃を回避してみせた。すぐ様戦術支援AIに解析させて射撃点を3Dマップにポイントし、そこから未確認機が選択し得る戦術展開とそのルートを予測表記していく。 ガロは地理状況から相手が次に選択すると思われた一パターンを選択し、自らその射撃点へ向かうべく次の連絡通路へ最大推力でシックフロントを向かわせる。 それはガロの慢心ではなかった。反応できない攻撃が、シックフロントを襲った。 左脚部に強い衝撃が走り、何が起こったのかを理解する前に戦術支援AIが機体損壊を伝えてくる。 『左脚部外部装甲、被弾──』 外部装甲が若干削られた程度に過ぎない。しかし、ガロはその不測の事態に酷く驚愕した。 ブースタ推力を最大に跳ね上げ、その場からの緊急離脱を計る。 「何故──」 計測を開始した第一射撃点から離れた時点で、次の射撃点までは時間があったはずだ。それはACを含めいかなる機動兵器でも埋められない極めて根本的な準備時間であり、それを無視して連続狙撃を展開できる兵器などはいない。 それが実行できるとなると、可能性は幾つかに絞られてくる── 『複数機、或いは規格兵装を搭載した類似兵器か?』 その両者のどちらかである可能性は確かにあるだろう。しかし、ガロはたった今受けた被弾の状況推移から、全く違う可能性にこそが真実に近いと瞬時に判断した。 先ほどから変わらず六感が感じ続ける、脊筋を這いあがる獣のようなざらつき──直前の狙撃にも全く同じ感覚がまとわりついていた。だが、正確な狙撃戦闘を戦闘の旨とし、第一射撃点から瞬く間に移動して再度攻撃を加える腕を持っているのなら、背中を向けている敵機を外す道理はないはずだ。 ガロは思い当たった。 ──外されたんだ 「嘗めた真似を……」 悪態が口をついて出た時、前方有視界に次の連結空間の仄暗い明るみが飛び込んできた。予測第二射撃点は其処だったが、それは遥か後方で既に過ぎ去っており其処に向かう事は何の意味もないかもしれない。 連結空間へ飛び出すと同時にブースタから噴射炎を吐き出し、予測狙撃点の射線軌道から機体をずらした──確実にそうしたつもりだった。 左腕部が外側から大きく弾かれ、それの気付いた時には腕部マニピュレーターが手首ごとごっそり吹き飛んでいた。左腕に握っていたレーザーライフルが支えを失って地上に落下し、続けて加えられた遠距離狙撃がレーザーライフルの砲身を容赦なく叩き折る。 『左腕部及び搭載兵装、欠損。機体摩耗率35,8%上昇──』 全く持って予測外、かつ知覚外の距離から飛来した攻撃の狙撃点を新規設定し、その場からの離脱を計る。しかし、ガロのその迅速な戦術判断をすらゆうに上回る速度をもって、次の狙撃がシックフロントの機体を襲った。 重い被弾音がコックピットに響きわたり、左腕部欠損に加えて頭部左装甲の破損が損害状況に追加される。被弾の衝撃で有視界映像が乱れる中ガロは最大推力でブースタを吹かし、左肩部に喰らい付かんと飛来した砲弾を射線上の内壁へやり過ごす。そのまま最大推力を保って連絡通路へ辛うじて滑り込み、進路を最初に地下核部へ下りてきた昇降機施設へ向けた。 その傍らで搭載センサー群が捕捉した未確認機の動体情報をディスプレイに出力し、その情報詳細を見咎めて、ガロはようやくその実体を悟った── 「やはりな……もっと早くに確信すべきだったか……」 正確無比の連続狙撃とそれを実現する圧倒的な空間移動能力──今だ見えざる未確認機の実態が何だったのか、地下核部へ下りてきた時に搭載センサーが拾い上げた有害粒子情報を目にした時点で、確信しておくべきだったのだ。 今だ甘い自身の認識能力を呪った時、有視界前方数百メートルに不意に現れたその機影を肉眼で捉え、ガロは自身のこめかみから冷え切った汗が一筋流れ落ちるのを体感した。 不気味なダークヴァイオレットの光を宿したカメラアイと視線が交錯する── その特徴的なシルエットは既存のAC機体のそれであり、その機影は右腕に携えた特化兵装──超遠距離用狙撃銃の砲口をシックフロントへ突き付けた。 その明らかな敵意に瞬時に反応したガロは、右腕部に残されたリニアライフルの砲口を跳ね上げほぼ同時に双方の得物から銃火が轟いた。 攻勢飛翔体の砲弾がコア上部を掠めて外部装甲を削り取り、しかしシックフロントは右舷の連絡通路へブースタ推力全速で駆け込む。互いの射線から機体を隠す直前、その時にはあの機影は既に前方有視界から消えていた。しかし、ガロは激しく流動する有視界の中で、その機影があり得ない程の強大な噴射炎を吐き出し、空間を 切り貼りしたかのような速度でその場より離脱したのを目視していた。 それは明らかに既存のAC兵器の規格機能とは異なる搭載性能であり、その機能こそが此処までシックフロントに致命打を与えた原動力だとガロは認識した。 射線を互いに逸れたとはいえ、既に搭載センサー群が此方へ向けて急速接近する機影の駆動音を捕捉している。ガロは後方別路線の連絡通路から迫りくる脅威が発する殺意を背中に受け止め、フットペダルを全力で踏みつけてシックフロントを昇降設備空間へ向かわせた。 既にガロは、未確認機の実態について悟り得ていた。接敵するまで確信こそ持てなかったが、確かにガロは過去からこれまで繋がってきた現在までの時間の中で、その存在と接点を持ってきたのだ。 ただ、それが自分とは直接関連しない形で、しかもこの状況下で現れたことに若干の焦燥を覚えていた。 三年前──そう古くはない記憶の中、確かに“奴”はいた。その時を境に奴は、紅い亡霊に引連れられて表舞台を去り、冠された名を連れて身を収めるべき冥府へと消息を絶った──。 3Dモデルのルートマップで現在地を出力し、進路上で本来行きつくはずだった第四ターミナルエリアに迫っている事を確認。 重なる致命打を受けたシックフロントでは、あの未確認機とこれ以上交戦する事は不可能である。 地下核部周域での広域警戒を要望していた彼女は、ノウラならどう考えるだろうかとガロは思考を巡らしていた。──自身の負った対応指令コードは絶対的な権限の下に突き付けられたものであり、それを彼女の承諾なしに途中破棄する事は許されていない。しかし、現状で継続戦闘を行う事は速やかな自殺以外の何物でもなく、その結果として未確認機の地下核部への侵入が最悪の可能性に直結しているのなら、その速やかな自殺とはまた、愚行以外の何物でもない。 だからこそガロは、この通信障害下により連絡がつかない状況下で自身が出来得る最大の判断を、地上への帰還と結論付けた。速やかに通信可能圏の地上へ戻り、統合司令部で陣頭指揮を執るノウラに状況報告を行い、然るべき反転作戦を行う事こそが、最悪の可能性を回避し、事態を打開する最良の方策だと行き着いたのである。 恐るべき速度で後方から未確認機が迫る中、ガロは一本の連絡通路から第四ターミナルエリアへとシックフロントの機体を飛び出させた。 かつて地下ライフラインとして機能したその名残である、廃棄列車や線路が至るところに放置されて朽ち果てたその様相は寂れ果てた地下墓地を彷彿とさせる。 そこから最短ルートとなる連絡通路へと機体を展開させ──その必要不可欠な転回動作ですら、シックフロントの隙となってしまった。 搭載センサー群が異常警報を発しそれに視線を向けた瞬間、ガロは自身の反応が一手遅れを取ったことを直感した。六感の感じ得ていた明確な殺意の接近を捉えたと同時、後背部から飛来した砲弾が左脚下方ブースタを撃ち貫き、破損したスラスター機構が内部から爆発を起こして左脚関節部を丸ごと吹き飛ばした 姿勢制御が一気に崩れたシックフロントが大きく傾ぎ、投げ出されるような震動がガロの大柄な身体に叩きつける。戦術支援AIが自律判断で姿勢制御システムの稼働率を最大レベルに跳ね上げ、辛うじてブースタ推力を維持して連絡通路へ向かうも、既に移動推力を削られた事自体が、速やかな絶望を意味していた。 負傷した野兎をなぶるかのような狙撃が連続して浴びせられ、左肩関節部に撃ち込まれた砲弾によって左腕部機能停止。度重なる被弾の末に姿勢制御システムの支援限界を超えたシックフロントが、連絡通路の入口を目前にしてターミナルエリアに轟音を立てながら崩壊した。 その衝撃によって投げ出された身体をコクピット内部の設備で強打し、叫び声をあげたくなるほどの痛みが全身を万遍無く襲う。コンソール類が火花を上げ、投射型ディスプレイに砂嵐のようなノイズが走る。 空いた左手で割れたHMDを脱ぎ払い、こめかに当てた手にぬるりとした感触が伝わる。どこかにぶつけて切ったらしく、傷口から溢れ出した血が肌を伝い、兵服を赤黒く染め上げる。 「ち、やられたか……」 役目を果たさなくなったHMDをその場に放り捨て、再度操縦把を握り込んだ。機体制御システム群の報告から機体損耗度は致命的な域に達しているが、まだコア後背部のメインブースタシステムは奇跡的に生きていた。 ──圧倒的な強化推力を生み出すオーバードブースト・システムを用いて急速接近してくる機影の圧力を感じ取り、ガロはその死中に活を見出すべく全力でフットペダルを踏み込んだ。 小破したカメラアイが、後背より迫りくる機影を先行して捉える。 再び交錯する互いの視線──絶対的な殺意の内在を相手のカメラアイに感じ、しかし、ガロはその感じ慣れたモノに臆する事無く右腕部に残されたリニアライフルを持ち上げた。 もっと早くに気づくべきだったのだ。野獣のようなざらつきを常に纏う、その不愉快な殺意の正体を──実体のない陽炎のようなその存在が、かつて自身の影とまで呼ばれていた事を──。 確信ではなかった──互いの視線に内在する意図を無意識に悟ったのかどうかすらもわからない、そんな刹那の交錯の中で、ガロは操縦把付随のトリガーにかけた指のそれ以上の動きを押しとどめた。 ──不意に訪れた静謐。 コクピット内に響く警告音すら酷く遠く聞こえ、頭から激しく脈動しつつ流れ出る出血すら度外視し、ガロは有視界至近距離で肉薄したカメラアイにのみ意識を向けていた。 既存のAC兵器に見られる規格構造体──右腕部には特定解析した通りの兵装である遠距離狙撃銃が携えられており、左腕部レーザーブレード兵装の発振装置がシックフロントの頭部紙一重に突き付けらている。 搭載センサー群がより一層けたたましい警告音を発し、機体周囲に有害粒子の浮遊を捕捉した。 やがて電波障害環境下から特定回線による通信要請を受信し、その発信源が眼前の未確認AC機体である事を捉えると、ガロは戦術支援AIに回線確立を指示した。 『──錆びたのか、ファウスト?』 酷く抑揚のない静かな声だが、そいつが讃える気配によく似た野獣のような獰猛さがその裏側からにじみ出ているのを、ガロは古い記憶を揺り起こしながら感慨を楽しむ。 「もっと早くに確信すべきだったな──、ファントムヘイズ……」 ──幻影の名を冠した機体と搭乗者。互いの顔こそ確認できはしないがガロには三年の歳月を経てもなお、相対する者の姿をはっきりと思い出すことができる。 兵器災害が猛威を振るっていた数年前──かつてジシス財団が推進していた最重要兵器開発要綱にプロジェクト参加個体として関与していたのがファントムヘイズというレイヴンであり、それ以前からガロとはいくらかの接点を持っていた。 それに関しては本人の中でもあまりに古すぎる記憶の一類に過ぎず、ファントムヘイズという男に関してはっきりと思い起こせるのは三年前前後の事のみである。 ──かつてジシス財団で技術研究の推進されていた対旧世代兵器用機動兵器──【ARMORED CORE NEXT】。その兵器構想は既存の機動兵器群とはその動力源から構造を異にするものであり、それ以前に搭乗者自体に先天的な才覚を求めたものであった。 『貴様は何時も一手が甘い──そんなモノで、よくもこの四年間を生き延びられたもんだ』 その痛烈な皮肉に対し、返答を遣す代わりに軽く口許を歪めて見せる。ガロがその動作をしてみせたことを感じていたのだろうファントムヘイズはまるで気に入らないとでも云わんばかりに、あからさまな舌打ちをして見せた。 テストパイロットとして求められた先天的適性群があまりに低すぎた為に最重要兵器開発要綱から除外された四年前──野に放り出されたも同然だった当時の後の経緯をファントムヘイズが知るはずはない。 かつて複数機先行製造された試作兵器群──最初期のプロトタイプネクストであるナインボールセラフへの試験搭乗は、結果的にガロの脳部及び身体機能に致命的な打撃を与えた。資材的価値がなくなればその時点で廃棄される──主権企業による経済支配が横行する現代でのそれはしごく当然の話であり、ガロも例に漏れずそのあおりを受けた。利用価値のなくなったその身は民間の医療施設へ移送され、ただベッドの上で意識もなく横たわるだけの身だったガロに接触を持ってきたのが、現在の雇い主である“彼女”だった── ──二度目のチャンスをやろう。戦場に戻るチャンスをな── まるで自身が生きてきた軌跡を全て知っているかのような口振りだったが、そのあまりに洗練され過ぎた双眸の視線にガロは── 『とうに朽ちたものとばかり思っていたが、烏に戻ってまだ飛んでいたとはな……』 「──貴様こそ何のつもりだ。過去の亡霊が、騒乱のにおいにでも魅かれて来たのか?」 旧知との再会を愉しむ余裕は今のガロにはない上、もとより自身の失脚後降任としてテストパイロットに就いたファントムヘイズとはそう言った感情の介在を望むべくもない。 時期は違えど財団解体の後、接点を持たなくなった互いに残されているのは、過去から延々と続く怨嗟のしがらみのみであり、互いの得物を突きつけ合う現状が、その事実を如実に表していた。 『死に損ないの割には、まだ鼻が利くようだな。──この都市に、"彼"の望むモノがあるという話を聞きつけたものでね?』 その思わしげなファントムヘイズの口調に、ガロは僅かに眉を上げて見せた。心なしか相対するプロトタイプネクスト機体──ファントムヘイズのカメラアイに宿ったダークヴァイオレットの光が揺らいだ気がした。 「紅い亡霊が──。ふん、Links(山猫)の割には随分な忠誠だな?」 犬猿の旧知のファントムヘイズが相手ともなると、やられっ放しは性に合わない。その痛烈な皮肉の返しにファントムヘイズはようやく、唸るような野獣らしい声を上げた。 『思い上がるなよ、烏如きが──』 紅い亡霊──かつてハスラーワンという識別コードで呼ばれていたレイヴン。その男もまた、最重要兵器開発要綱にプロジェクト参画体として関与し、当時のガロやファントムヘイズですら操縦し得なかったプロトタイプネクスト──ナインボール・セラフをごく短時間では在るにせよ、実動せしてめて見せた。彼が持っていた搭乗者としての先天搭乗適性、AMS適性は他のテストパイロットよりも突出していた。兵士として恵まれ、あらゆる優遇遺伝子を持っていた彼は──三年前の財団崩壊に際して、その姿を忽然と消した。財団が最後に製造したプロトタイプネクスト、負荷低減型ナインボールを強奪して。 何故その時、彼がそんな道を歩んだのかは財団崩壊から既に時を経た現在では、当事者達ですら分らない。開発要綱への参加以前から、クレスト社専属レイヴンとして長く戦場に在ったガロですらもその心中を推し量ることは難しかった。しかし、そこから返って立てられる一つの憶測がある。 彼を理解する存在がなかったからこそ、彼は誰にも理解されずに、世界へ向けて反旗を翻したのだと── しかし、その憶測は若干の精度を欠いている。 実際には、紅い亡霊に倣って彼と同時期に姿を消した人間が、財団関係者の中に数名存在していた。 →Next… ⑨ コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/155.html
⑥*⑦*⑧ 滑走路へ出てきたシックフロントを瞬時に捕捉した敵性部隊が応対射撃を開始し、無数の火線が吹きすさんだ。ガロはフットペダルを連続して踏み込み、小気味よくブースタ噴射を展開して弾幕の下を搔い潜りながら旋回進行を試みる。 その突出展開に呼応し、後方に待機していた友軍AC部隊が援護射撃を行いながら進軍を開始した。 複数の敵性動体による機銃掃射がシックフロントを追跡し、ガロは回避軌道の斜線上に放置された航空機を発見し、燃料タンクを解析捕捉してそこへリニアライフルの砲弾を撃ち放った。 一拍置いて被弾したタンク内の燃料が引火し、大型航空機を巻き込んで大規模な爆発を起こす。視界前方が赤々しい爆炎に包まれ、捕捉目標が途切れるもガロはそこへ向けて左腕に携えるレーザーライフルの光線を連射した。そのまま燃え盛る航空機を迂回して突き抜け、爆炎の向こう側で正確なレーザー攻撃を頭部に受け機能停止した敵性目標の姿を確認した。 そのまま次の目標へ向かおうとした時、有視界の隅で辛うじて機体機能を維持していた敵性動体の一機がシックフロントの後背部へ多砲身式回転機関砲の砲口を突き付ける。機体を急速展開してリニアライフルの砲弾を放とうとした刹那、視覚外から雷鳴のような轟音と共に飛来した電磁飛翔弾が敵性動体の頭部を粉砕する。 飛び込んできた射線の軌跡をトレースし、航空施設付近で援護射撃を展開していた四脚型ACを見咎める。 オープン状態の無線を通じて相手の方から、 『撃ち漏らしは心配するな、俺が片づける。アンタはそのまま突出して敵性部隊を排撃してくれ』 「了解。引き続き掩護射撃を頼む」 その四脚ACのレイヴンとは知己の間柄でも何でもない。この該当戦域でたまたま共同戦線を張ることになったレイヴンの中の一人だ。互いの表面上の素性についてはデータリンク上で把握しているだろうが、機体構成から推察できる戦術方針の他に分かる点はない。 だが、レイヴンにとってはそれで充分であり、後のことは実戦で実証していく。事実として後方にとどまり掩護射撃を行った四脚ACのレイヴンはこの第三波迎撃戦闘でも、自身の役割を適格に把握してそれを忠実に遂行していた。正確かつ迅速な掩護射撃から、そのレイヴンが友軍である限りは心強い限りだとガロは判断し、彼の言葉に従ってメインブースタを最大推力で吹かし、突出攻撃にかかった。 ──これだから、戦場は良いんだ。 兵士として長くあり過ぎたために、それ以外の道を生きる術を失いはしたが、それでもそれを自ら肯定する事はできる。 残された人類の箱庭で、ゆっくりと腐敗しながら死滅していくのを待つというのは、性に合わない。 第三波防衛戦闘の戦火が激しさを増してゆく中、ガロは脳裏にそう遠くない昔の記憶を映し出していた。 そんな事を悟ったのは、確か五年前のあの時だった。 他愛のない、ありふれた戦場で重傷を負ったあの時── 直属経済管轄区下に巣食う鼠は、決して見逃されない。総意を異にする単純勢力は、絶対的な武力をもって排撃され、その歯牙と再興の芽は完全に摘まれる。 反体制的な単純勢力への徹底的かつ過剰な武力弾圧は、一世紀以上も世界的支配体制を確立してきた主権企業群の要諦であり、それは看過されて然るべきモノとされてきた。 総意を乱すものは逃してはならない。それが、かつての同志であったとしても── 『────!』 古い友の名を呼んだ直後、自分が撃ち込んだ銃弾に女は後頭部を吹き飛ばされ、その場に前のめりになって倒れた。湧水のように溢れ出す黒々とした鮮血が瞬く間に広がり、彼女の身体を浸し込んでいく。 彼女の危機に呼び戻されなければ、それか或いはもう少しこの場へ早く戻ってきていれば、友はその現実を目の当たりにする事はなかったかもしれない。 上空より飛来する特攻兵器群の爆発が続く戦場の中で眼前に立った友が、足元の血だまりに沈む彼女を見つめ、続いて傍の自分の双眸と視線を重ねる。 致命的な戦場の中で汚泥と煤に塗れる友は一瞬だけその顔に動揺の表情を見せたが、すぐにその感情を内側へと仕舞い込んだ。 旧世代兵器群の侵攻を足止めしている歩兵部隊の戦闘音が周囲から届く。地上へ衝突した特攻兵器の爆発を喰らった建築物が吹き飛び、血雨混じりの細かい瓦礫片が頬を叩く。 短く縮れた煙草を口許に咥える友は此方に突撃小銃の銃口を無感情に突き付ける。 「どうして、無抵抗の彼女を殺した──」 世界を襲った未曽有の災害危機の三ヵ月前に忽然と部隊から姿を消し、そして今再会した友は言う。戦場に立つ兵士として冷徹を極めた友の表情は往来のそれと変わりなかったが、鋭い眼差しに宿った人情は自分と共に戦場に立っていた頃にはなかったものだった。 「自らの死に際にも、それを問うつもりか?」 クレスト社の派遣した捜索部隊の追撃から三ヵ月もの間消息を暗まし続けていた友が、その程度の疑問を分かっていないはずがなかった。 かつては彼も──友も自身と同じ立ち位置の人間として戦場に臨み、社に反旗を翻す叛徒達を撲滅してきていたのだ。 「空を見ろ、ファウスト──」 わずか数ヶ月の間に自らとは全く異なる道を歩み、その末にたどり着いた友は言う。その言葉に倣い、前方に注視する視線はそのままに視界の上隅に映る群影を見やった。 「このままいけば、世界は大きく変わる……。なのにお前達は、お前はまだこんな真似をし続けるつもりなのか?」 黒い絶望を纏った死の使者達は地上の全てを灰に還すべく降り注ぎ、其れに対して全人類はあてもない抵抗を繰り広げようとしている。世界規模の国際ネットワークは最初期の混乱によって既に断絶状態に在り、どこの大陸でどの程度の人類が焼かれ、或いは死に絶えようとしているのかもわからない。 そして、最初期の奇襲攻撃に端を発した局地災害はたったの数日で伝染病のように全世界へ拡大し、友の言う通り世界の在り方を根本から変えようとしている。 ──しかし、そんな終末染みた中にあっても、人類はそれまでの争いの歩みを変えようとは容易にしようとしないものだ。誰が呼び始めたかは分からない──兵器災害が始まった当初、自身もその実態に内心では辟易していたものだが、結果的に自身が身を収める鞘はそこにしかなかった。鞘を捨てては、自身という腐敗した刃は数日も持たずに土に還って行くしかない。 友は、それを良しとしなかったが──。良しとしなかったからこそ、友は兵器災害の混乱で社の直属経済管轄区から除外された採掘都市の人民達を見捨てられず、彼らを連れだって部隊から離れた。そして、大規模な混乱に乗じてあろうことか敵性支配企業の一翼に、その身を売ったのだ── 死の使者達が突き落とす絶望が一層の苛烈さを増し、爆発で爆発を打ち消し合うような様相を呈し始めている。 「──意義無き戦闘、正義無き勝利。俺は、そんなモノが欲しかったんじゃない。お前はどうだった、思い出してみろ──」 「下らんな──」 間断なく返したその言葉に、友は口を噤む。敵対した者同士とはいえ、かつては同志として数多くの戦場に在った友に対して何故、そのような言葉を吐き捨てる事ができたのか。その本心を口にする事は、自分には許されていない。 「結束無き組織が、乱世を永らえる術はない。お前はそれをよく知っていたはずだ……。──貴様は私情に走り、秩序を崩した。生き延びるのなら、賢い戦場を選ぶべきだったんだ。是非は問わん、すまんな──」 その矛盾めいた言葉に、友は表情を変える事もしなかった。ただ、こちらに突き付けていた突撃小銃の銃口を若干落とし、 「──賢い戦場、だと? そんなモノはクソくらえだ。此処が俺の終着だ、すまない──」 その言葉からコンマ数秒後、瞬間的に跳ね上げた得物を友に突き付け、引き金を引いた。軽い衝撃が肩を突き抜けたが、それには構わず相対し続ける友を注視する。 左胸部に一発、奇麗な銃創を受けた友は顔を苦痛に歪める訳でもなく、それが自身の生きた戦場の締めくくりだといわんばかりの淡々とした動作で、そこに崩れ落ちた。 自動拳銃を握る手をだらんと提げ、既に物言わぬ戦場の遺物となった友を見下ろす。 「──羨ましかったよ、お前が。俺には、此処まで通じてきた戦場を捨てる事は出来ない。戦場を変える意義も、戦場を降りる度胸もないんだ。すまん──」 別たれた道が再度交わるような事は、戦火に汚れきったこの世では到底あり得ない。 ──その街での粛清任務を終えた後、派遣部隊は戦線を移動。 ──僅か二日後、特攻兵器群の強襲によって部隊は事実上の壊滅に追い込まれた 重傷による昏睡状態から覚醒した五日後、後方支援基地の医療施設に収容されていた自身の下に、本社から派遣されてきたという一人の使いがやってきた。軍人にはとても見えそうにない、ひどくひょろっとした痩せ男だが、そいつが持っていた双眸は気味の悪いような強靭な意志を湛えていた。 完治し切っていない重傷の身の為ベッドの上でろくな身動きが取れない自身の脇に男は歩み寄り、あろうことか其処で気崩した黒スーツの懐から紙巻煙草を取り出して咥えた。 「アンタは運が良い。また、戦場に戻れるんだからな……」 ──二週間後、社直々の勅令に従って北欧某地の研究施設へ出向。 ──そこで初めて知ることになった。その男の言った、戦場に戻れるという事実に与えられた対価の意味を。 ──【ARMORED CORE NEXT】開発要綱、始動。 騒乱の中で一度始まった戦闘の過程に、都合の良い予定調和を期待してはならない。不意の事態が常に当事者を先回ることを分かっていれば、それに備える事は可能だからだ。 肩部外皮装甲をロケット弾が掠め、安定尾翼を捥がれた弾頭が路面に着弾して炸裂する。その衝撃によって変動した機体バランスを姿勢制御システムが伝達してくるが、それに構わずガロは操縦把のトリガーを引いた。続いて飛来してきていたロケット弾の弾頭をリニアライフルの砲弾で貫き、バースト射撃で発射源のパルヴァライザーを粉砕する。 友軍機数の減少速度がここ数十分で著しくなり、ガロは突出していた前衛から機体を後退させ始めた。路上に散乱する瓦礫片や友軍機の残骸を盾にしながら的確に応対射撃を繰り入れつつ、後方部隊が確保していた防衛ラインまで下がる。高架道路脚部の影に機体を潜めた直後、数十基から成るロケット弾の弾幕が盾にした脚部前方から飛来し、周囲一帯を吹き飛ばした。無数の砕片と粉塵が巻き上がる中へ機体を飛び出させ、ブースタ各部を噴射して転回機動を加えながら同時に両腕部のリニアライフルとレーザーライフルによる牽制射撃を加える。 若干精度を欠いたものの複数機の敵性目標を進行不能にし、その隙をついた後方友軍機達が地対地ミサイルを連続射出した。 寸秒後一際大きな爆音が轟き、しかしそれに怯んで戦線を後退させることもなく侵攻部隊は味方の残骸を踏み越えてにじり寄ってくる。 『ポイント:4‐12、突破された。駄目だ、これ以上は抑え切れない!』 同じく前衛で防衛戦闘に当たっていた友軍機はその無線が文字通りの遺言となり、ロケット弾の応酬をまともに食らって其処に爆散した。爆発の余波を喰らった高架下の脚部が粉砕、支柱を失った高架道路が不快な軋み音と共に傾ぎはじめ、真下に居たガロはシックフロントのメインブースタを最大推力で吹かした。先行して落下してくる巨大なコンクリート片の落下軌道を戦術支援AIに追跡させ、そんな現状に構う事無く進撃してくる敵部隊への応対射撃を取りながら崩壊に巻き込まれる高架下の中をガロは走り抜けた。 崩壊した高架幹線道路が突破されつつあった地上の防衛ラインを分断し、それに伴って不意に戦闘音が途切れた。搭載センサー群をフル稼働して周囲情報をかき集め、当該戦域における戦況を更新、データリンクを通じて残 存友軍部隊へと伝達する。 戦闘開始時にはかなりいた友軍AC機体もかなりの損耗を受けたらしく、レーダー上で確認できるのはわずか数機のみである。それ以外の通常戦力──歩兵部隊や一般機械化部隊などはそれ以上の損害を被っていると思われた。搭載センサー群が拾い上げる音響情報の中には、負傷した人間の悲鳴なども交じっており耳障りなそれらを戦術支援AIに指示してカットアウトさせる。 数分ではあるが、これによって得た戦線持ち直しの機会は大きい。 統合司令部から掩護指示を受けた増援部隊が広域防衛区域から急行しており、その到着までを何とか耐えしのげば、この戦線を確立し、かつ覆すことも決して不可能ではない──つまり、総合的に見れば戦況は、少なくともガロにとってはそれほど逼迫したものではないと言えた。──残存戦力の扱い方を間違えなければ、だが。 『……もう駄目だ。こんなのを繰り返してちゃ、命がいくつあっても足りやしねえっ。俺は降りるぞ!』 ガロが戦況打開に明るい可能性を感じた矢先の言葉だった。現況に至っては数少ない生き残りのレイヴンが発したその恐慌の言葉は、オープン状態の通信回線を通じて、各友軍機へ伝わってきた。 愚挙を述べたそのレイヴンの現在位置をレーダーで確認し、そいつが搭乗機体:【シックフロント】は後背左舷のビルの影に居る事を突きとめる。 目先の危機に意識を捕られ狼狽するそのレイヴンの声を聞いて、ガロは胸中で小さく息をついた。微細な戦術判断が生死を別つ現況では、その軽率な言動は友軍部隊自体の危機をも招く。 事実、そのレイヴンが発した言葉は伝染病の如き早さで方々のレイヴンに感染し、その気配が通信回線から漏れ出てきた。 それでも何人かのレイヴンは気丈を保っており、そのうちの一人が今にも戦線離脱を犯しそうなレイヴンに対して諌める言葉を発する。 『馬鹿な事言うな。我々だけで此処を凌げば、直ぐに増援が来るんだ』 「増援が来た所で止められなきゃ同じだろうが! 全員死んじまうんだぞっ」 救いようのない恐怖に意識を塗りつぶされたレイヴンには最早正常な判断能力が失われているらしく、事実としてそいつは後方左舷の建物の角から機体を乗り出させ、防衛ライン最後方へ向けてブースタを点火した。 ガロは何を言う事もせず、代わりに独断専行で当該戦域から戦線離脱しようとしていたそのAC機体にリニアライフルの砲口を向け、操縦把付随のトリガーを絞った。 強化推力を得た砲弾は正確な射線を辿って目標機体右脚関節部を粉砕し、姿勢制御を崩した目標がその場に轟音を立てて転倒する。その隙をついてガロはさらに同兵装の砲弾を各関節部へ向けて発砲し、完全に目標の機動能力を奪った。 『テメェ、な、何しやがる──!』 「増援部隊の到着が、貴様の暴走で遅れるのは見過ごせん。戦線を離脱するのなら、自分の足で走っていけ。できないなら、其処で大人しくしていろ」 正常な判断を欠いた兵士が、こう言った時にしでかす行為は大抵良い結果にはならない。クレスト社専属時代からそれをよく知っているガロは、それを未然に防ぐためにもその愚かな友軍ACに対して武力行使を行った。周囲でその推移を見送っていたレイヴン達も同様の見方をしていたらしく、ガロに対して非難めいた言葉を投げかけてくる 者はいない。 『ふざけんな、お前の──』 その意味のない言葉を遮るようにリニアライフルの砲弾を一発、転倒して機動力を失ったAC機のコアの傍へ撃ち込む。 「三度は言わん。命が惜しいのなら、──黙っていろ」 レイヴンだからこそ発する事のできる、一切の冗談や妥協を度外視した宣告の言葉。愚物とはいえそいつもレイヴンの一人である為か、それ以降ガロにたてつくような言葉は紡がず、奇妙な沈黙だけが数秒の間オープン状態の無線を支配した。 その後、戦闘体勢を持ち直したレイヴンの一人──先ほど愚物に対して諌める言葉を述べた男が、ガロに言葉を投げかけてくる。 『──で、どうする旦那? 結局戦力が一機減っちまった訳だが』 「増援部隊が到着するまでの約30分間、侵攻部隊を第23防衛ラインまでで抑え切る」 『了解──。具体的な戦術展開は?』 そのレイヴンは独立勢力出身の無所属だが、中々聡明な頭脳を持っているようだと見受けられた。緊急依頼に基づいて複数のレイヴンが共同戦線を取る際に、その個々が明確な連携を持って状況を展開する機会はそれほど多くない。それを必要としなくても、レイヴンという兵士は大概の戦場を乗り切ってしまうからである。 そのレイヴンの一人がこうして同業者の戦術判断を素直に仰ぐという事は、つまり既にこの防衛戦闘はかなり差し迫っている事を意味していた。 「此方の戦力消耗に関係なく、順次防衛ラインを後退していく。敵性目標を適宜撃破して時間を稼ぎつつ、増援部隊との戦力合流を計り、それを持って反転攻撃を行う。後退戦闘に当たって無理な突出戦闘は行うな」 『了解、旦那──』 そのレイヴンの他にも生き残った数人のレイヴン達が、其々指示を承諾する返答を遣す。 そうして奇跡的に残存戦力のみでの継続戦術が確立された直後、周囲の建物を巻き込んで崩壊した高架道路の瓦礫上に侵攻部隊の前衛機群が姿を現した。 「目標捕捉、下がるぞ──」 相図と共に友軍部隊が一斉に後退行動に入りはじめ、レーダー上に点在していた愚物のレイヴンの機体反応がぷつりと途絶える。二流にしては中々賢しげな判断だとガロは考えた。幾ら旧世代受け売りの高性能AIを搭載しているとはいえ、奴らの行動基準は常に計測数値を元にした合理的判断が中心となっている。目的達成のために常に迅速な行動パターンを出力し、それを阻害するに値しない障害などは度外視するのが通例であった。 事実として死んだふりを決め込んでいるAC機体を唯の背景情報として認識したパルヴァライザーの群列が、傍を通り過ぎて行く。 後退ライン上に林立する建築物群を人工の障害物として、ガロはシックフロントのブースタを小気味よく吹かしながらその影へ機体を順次移し、敵性部隊の追加攻撃を最大限に回避していく。優先して下がらせた後方支援機から射出されたミサイル群が機体の傍を掠めて飛び過ぎ、幹線道路上を埋め尽くしていた敵性部隊の前衛を派手に吹き飛ばす。 その隙に障害物の陰から陰へと移動を展開し、それを追ってパルヴァライザーが追撃を再開。 戦況の推移は凡そ、ガロの予測通りに進行しつつある。 「奴さんがこのままなら、面倒なく終われるか……」 ガロの作戦展開に対する最悪の懸念は、この土壇場に至って自身が陣頭指揮を執ることになったが故の戦術采配ではない。この都市内有事に際して統一連邦管理局から舞い込んだ正規依頼は受諾したが、それとは異なる絶対不可避の命令を受けていた。 雇用先であるターミナルスフィア事務所長──ノウラから作戦直前に受けた強い要望が、それである。 ──その要望には事務所付のメイヴィスが処理に当たる予定だったとガロは踏んでいるが、実際には当該戦域が丁度それを重なった自身が請け負う事になった。 もとより現在、彼女は事務所専属の通信技官である為、要望の遂行に関しては事務所付レイヴンのうちの誰かがこなすことになっていたのかもしれないが。 コーテックスビルを中心に聳える商業区中央の産業建築物群の一角に、ターミナルスフィアが抱え込む隷下組織の技術者集団が研究施設を構えている。両者の関連性、特に技術者集団──エンシェント・ワークスの組織的実態については軍事方面で一部、しかも非公式にしか知られていない。そして、彼らがターミナルスフィアの経済支援を受けて何をしているか、それを知る勢力は現時点では恐らく存在しないとガロは断言できる。 その一角を含む産業建築物群は現在統合司令部指揮により、広域防衛区域に指定されており最も厳重な防衛態勢が構築されつつある。前衛戦力として各方面でAC部隊が奮闘する限り、広域防衛区域に敵性部隊が侵入することはない。つまり、ガロが当該戦域で正規依頼を全うする事がそのまま、ノウラの要望にこたえることに直結するとも言えた。 そして出来るならば、そのノウラの要望が現実にはなってほしくないものだと思っている。 ──侵入を阻止しろ。許せば此れを排撃。内事対応指令:000-ex08要の場合、此れを実行しろ 自らその指令を発した時の彼女の表情は、老獪を極めた者の凄惨さを湛えていた。その対応指令コードを創り上げたのも彼女自身であり、その意味を誰よりも理解しているからこそ無情に徹するのかもしれないが──それ以上に、ノウラという人物は、未だガロであっても理解の及ばない人間の一人であった。 ──そう言えば、エンシェント・ワークスに対する対応指令コードの設定に関与した人間がもう一人いた。そいつ自身が組織の人間で自身よりも一回り年は下だが、翌々そいつも物好きなものだ。 死ねば無関係だ──その後は、あんた達の好きにすれば良い。 対応指令コード──敵性勢力によって蓄積情報が漏洩危機に在る場合、秘匿保護或いは完全破棄を最優先事項とする。その際に敵性勢力は無論、味方のいかなる人的損耗を厭わず此れを完結せよ。 広域防衛区域──すなわち第24防衛ラインまで後退しない限り、この対応指令コードが発動する事はあり得ない。 さほど重大な案件ではない──にも関わらず、ガロの脳裏には一抹の懸念がしつこくまとわりついていた。 そしてそれを強く意識する直前、統合司令付の広域警戒機からダイレクト通信が入り、オープン状態の回線にその声が流れ込んできた。 『大型の未確認機が急速接近、20秒で広域防衛区域へ侵入する──!』 それと同時、入り組んだ多重幹線道路上を挟んだ頭上の空域から地鳴りのような音が轟き、断片的に見える空域を巨大な機影が縦断していった。 方角は今しがた広域警戒機からあった報告通り、一直線に広域防衛区域へと向かっている。何を言うまでもなかった。一瞬だったがカメラアイを介したガロの肉眼が捉えたのは、巨大な機影の後部に張り付くつくように待機していた無数の青白い眼── 「輸送個体か、どこからあんなものを──」 そう口にしたもののそんな疑問はガロにとって言葉以上の意味はなかった。ただ、空域防衛部隊があの戦艦の如き巨大な旧世代兵器を止められるかどうかが、意識の焦点となっていた。 恐らく、無理だろうが── 戦術支援AIが頭上空域の情報を収集し、すぐに迎撃態勢を展開した空域防衛部隊が未確認機に向けて航空攻撃を開始。その数秒後、 『未確認機、広域防衛区域地上へ落下──何だ、アレは……!』 広域警戒機から転送され続けている広域索敵レーダー情報に、地上へ落下したと思しき未確認機の動体反応が確認でき、まさに今、そこを基点に無数の動体反応が周囲へ拡散し始めていた。 輸送個体自体はおそらく他の例に漏れず旧式も良い所だろうが、通常戦力ではそれすらも止める事は困難を極める。輸送個体は大概使い捨てを前提に運用される事が多く、必要最低限の装甲を頼んで敵中を突破、そこから戦闘型個体を多数放出するという、所謂強襲揚陸艦のような主な機能である。 ガロは後退戦闘の傍ら、新たに迅速な戦術判断を迫られた。 広域防衛区域ギリギリまで後退し、増援部隊と戦力合流した後に大規模な反転攻撃を行うというその要諦が大きく狂い始めている。増援部隊は未だ広域防衛区域を出発していない。心配しなくとも、今しがた進入を果たした敵性勢力の突出部隊の攻勢によって到着は著しく遅れることだろう。 そして、ガロはそこでようやく脳裏に燻っていた杞憂が現実味を帯びた事を悟った。 広域索敵レーダー情報で、広域防衛区域に徐々に拡大しつつある敵性動体反応を確認し、その展開規模の中に産業複合建築物群の一角が含まれていた。 シックフロントの機体をビルの影へ滑り込ませて集中掃射をやり過ごす傍ら、ガロはコックピット内で浅く息をついた。統合司令部から通信要請が入り、戦術支援AIに「繋げ」と指示して回線を接続させる。 『此方統合司令部、ノウラだ──。広域防衛区域へ突出部隊が侵入した』 「見ていたさ。指示は?」 『遺物紛いの骨董品共にしては、中々芸が達者なようだ。要諦の一角が崩れた──お前は当該戦域を離脱、広域防衛区域から現場へ急行しろ』 「内部へ侵入されたのか──?」 『──統一政府の目的が私達でない以上、偶発的でない限りそんな事はあり得ん。お前には値の張る保険として、地下核部周域の哨戒任務についてもらうだけだ。統合司令部へは既に承諾を取り付けた、急ぐことだな?』 こっちの事情を知らないはずはないが、あくまでそれについては関知しないという態度を貫いて彼女は告げた。直 接の指示で有る上に統合司令部からの公式な許可も下りている以上、ガロにそれを拒絶する権限はどこにもない。此方の返答を待っていたノウラに短く了承の言葉を返し、回線を閉鎖。 再度、今度は細く長く息を吐き、ガロはオープン状態の通信を通して声を発する。 『此方シックフロント──統合司令部指示により、当該戦域を離脱する』 一瞬驚愕にも似たさざ波のような気配の乱れがオープン回線を伝播し、一拍遅れて聞き覚えのある先ほど指示を仰いできたレイヴンが返答を寄こしてきた。 『逼迫しているんだぞ、これ以上の戦力減衰は作戦の速やかな失敗を招く。本当に統合司令部の指示なのかっ?』 「先ほど広域防衛区域に侵入した突出部隊の攻勢展開が著しい。AC戦力の駐留していない区域防衛部隊では難しい対応を迫られるだろう」 若干の意訳を交えて対応し、ガロは広域防衛区域ラインへ直結する最短ルートの幹線道路を検索、ルートマップをメインディスプレイへ出力する。 『──了解した。此方はあんたの指示通り、規定防衛ラインまで後退戦闘を継続する。幸運を、旦那──』 「ああ、宜しく頼む。互いに幸運を──」 恐らくレイヴンは、ガロの告げた言葉の真意を朧げにではあるが悟っていたのだろう。だからこそ、それ以上の追及は無意味だと直感し、ガロの戦線離脱を承認した。 シックフロントの機体を路上中央へ移動させ、交戦ラインから離れた幹線道路へ速やかに移動すると、ガロはフットペダルを踏み込んでブースタを最大推力で吹かした。 逼迫した状況──言葉にするのは簡単だが、実際の戦況は後退戦闘が開始された瞬間から既にその状況を超過している。そのタイミングでさらに一機のAC戦力が離脱する事が何の可能性を意味するのか、レイヴンでそれを知らぬ者はいないはずだ。 この騒乱の結末は静かに、しかし急速に最悪の方向へと向かいつつあった── 十分後、広域防衛区域内── 一挙に膨大な突出部隊の侵入を許した広域防衛区域は瞬く間に激しい戦火に見舞われ、火線の飛び交わぬ区画は殆どなかった。膨大とはいえその兵力数こそ防衛部隊に劣る突出部隊は、前衛撹乱機を中心に構成されており、その特化戦術を生かして防衛部隊を壊乱状態に追い込みつつある。 →Next… ⑧ コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/red5server/pages/56.html
別にPluginとして書かなくてもプログラムの一部に自作プログラムをいれることはできます。 普通にBeanを書いて、red5-home/conf/red5.xmlあたりに呼び出しを書き込んでおけばOKです。 今回はWebSocketをやりとりするあたらしいポート待ち受け等つくるわけで、機能拡張ではないので、このやり方の方がしっくりくるかなと思います。(red5のバージョンがあがるたびにxmlを書き換えないとだめなのが非常に面倒ですが・・・) やり方 作成したjarファイルはred5-home/pluginsの中においておく。 Manifestの中にBeanで使うことを明記しておく。 red5.xmlかそこから派生しているxmlファイル内部でbeansの生成をするようにしておく。 この3点のみです。 もともとのred5の動作を邪魔しなければ、なんでもできるでしょう。 では今回まずはmanifest Manifest-Version 1.0 Name WebSocketPlugin.class Java-Bean True 続いてクラス package com.ttProject.red5.server.plugin.websocket; public class WebSocketPlugin { private String setting; public WebSocketPlugin() { System.out.println("constructor"); } public void setSetting(String setting) { this.setting = setting; } public void doStart() { System.out.println("doStart" + setting); } } red5.xmlに記述するとなると、こんな感じです。普通のbeansです。 bean id="pluginLauncher" class="org.red5.server.plugin.PluginLauncher"/ !-- 以下追加 -- bean id="hogehoge" class="com.ttProject.red5.server.plugin.websocket.WebSocketPlugin" init-method="doStart" property name="setting" value="aiueo"/ /bean !-- ここまで追加 -- とりあえずPluginLauncherのあとにいれました。
https://w.atwiki.jp/ljhvs/pages/49.html
古い東芝のノートにFedoraCore4 をインストールする。 DynaBook DB60P/4DA Satellite 2750 P60/4DA 本当はCentOS,RedHat9/7.3あたりを入れようと思ったのだけど、 なぜかインストーラーが走らず。唯一うまくいきそうだったのが FedoraCore インストール時の設定 ■自動パーティション システムのすべてのパーティションを削除 drive /dev/hda[19007MB] IBM-DJSA-220 hda2 18975MB LVMボリュームグループ VolGroup00 18921 LogVol00 / ext3 18528 LogVol01 swap 384 ハードディスク /dev/hda /dev/hda1 /boot ext3 102 /dev/hda2 VolGroup00 LVM PV 18975 ■ブートローダー GRUBブートローダーは /dev/hda 上にインストール ラベル FedoraCore /dev/VolGruop00/LogVol00 ■ネットワーク:起動時にアクティブ eth0 192.168.1.33/255.255.255.0 ホスト名 hogehoge ■ファイアーウォール まずは説明より 無しー完全なアクセスを許可。信頼できるネットワーク、あるいは後で詳細な設定を実行する予定があるときに選択 有りーユーザが明確に定義していない接続を受け付けない ただし、デフォルト設定は例外 デフォルトでは、DNS,DHCP等発信要求への対応の接続のみが許可。 システムをインタネットに接続しても、サーバの運用計画がない場合、これがもっとも安全な選択肢 無しを選択 Security Enhanced Linux 警告のみ ■パッケージグループ X Windows GNOME エディタ 技術系と科学系 グラフィカル/テクスト インターネット OFFICE サウンドとビデオ 著作と発行 グラフィックス サーバ設定ツール Web メール SMB DNS PostgreSQL MySQL 開発ツール Xソフトウエア開発 GNOME開発 KDE開発 レガシ-開発 JAVA開発 Eclipse 言語のサポート 管理ツール システムツール 印刷サポート インストール合計 3653MB 完全なログは /root/install..logに 選択したオプションを含むキックスタートファイルは /root/anaconda-ks.cfgに ■ しかし、HDDのエラーらしきものが起こりセットアップできず File "/usr/lib/anaconda/fsset.py", Line2066,in setupDervice raise SystemError,"pvcreate failes for %s" % (volume,) SystemError pvcreate failed for fsset.PartitionDevice instance at 0xb7d1d2ac ■よくわからないのでHDDを純正のものと交換し再チャレンジ MK1214GAP HDD2149 ■しかし、今度はちがうエラー ERROR Errorinforming the kernel about modifications to patition /dev/hda2 デバイスもしくはリソースがビジー状態です。 ■よくわからないので システムのすべてのパーティションを削除→リナックスパーティションを削除 にする。 フォーマットが始まるも、突然電源がおちる!