約 3,382,158 件
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/53.html
草木も眠るウシミツ・アワー。 マッポーめいた価値観の支配する暗黒大都市・ゴッサムシティの港は都市部とは異なりお通夜めいた静けさに満たされている。 だが、だからといって人の気配がない訳ではない。 倉庫街の一角に複数の人影、同じジャケットとジーンズで服装を統一したヨタモノじみたティーンの集団の姿がある。 彼らはこの倉庫地帯を根城にしているストリートギャングだ。 強盗、殺人といった犯罪行為で生計を立てている彼らは今日もドラッグや煙草、酒を口にしながら本日の戦利品を分配している。 上機嫌に下卑た笑いを浮かべるギャング達を小さな影がジッと見つめている。 それは一人の少女だ。 雪の様に真っ白な肌とオーガの角めいたアクセサリ、そして血の様に真っ赤な双眸が特徴的な少女だ。 グルグルと湾岸を巡回するサーチライトが少女の姿を照らす。 少女とギャングの一人の視線が交差した。 「エ?」 ギャングが声をあげる。 なんでこんな所に少女がいるのか。 ドラッグのし過ぎで幻覚でも見ているのではないか。 仲間に声をかけようとして、ふとギャングは気が付いた。 急に、自分の周りが暗くなっている事に。 ギャングは上を見上げた。 「エ?」 ギャングが声をあげる。 なんで自分の頭上に巨大な機械の腕があるのか。 ドラッグのし過ぎで幻覚でも見ているのではないか。 仲間に声をかけようとして、ふとギャングは気が付いた。 頭上の腕が、ドンドン近づいてきていることに。 ギャングは目を見開いた。 「エ?」 ギャングが声をあげる。 なんで自分に向かって巨大な機械の腕が降ってきているのか。 ドラッグのし過ぎで幻覚でも見ているのではないか。 仲間に声をかけようとして、ふとギャングは気が付いた。 既に、そんな余裕はなかった事に。 ギャングは身動き一つ取ることができなかった。 地響き、ゴシャリと何かがひしゃげる音。 そして水音と共に赤い飛沫が舞った。 「……アンドレ?」 ギャングのリーダーが何かが落ちてきた先にいた筈の仲間の名前を呟く。 舞う土煙に隠れてその姿は確認できない。 しかし、罅割れたコンクリートの地面と、そこから染み出すトマトジュースめいた赤い液体がアンドレがどうなったのかを如実に語っていた。 港に一陣の潮風が吹く。 風に流され土煙が晴れた先にいた者を見たとき、その場にいたギャング達は潜在的恐怖に支配された。 「「「「「アイエエエエエエエエエエエエエ!?」」」」」 本能的にギャング達が叫び声をあげる。 おお、なんたるゴアめいた光景か! 砕けて大きく陥没したコンクリートにネギトロめいた飾りと真っ赤なペイントががされている。 飾りとペイントの材料はアンドレの血と肉だ。 そしてそのゴアめいた空間に立つ一つの人影は更にギャング達の恐怖を助長させる。 男がいた。 ソバシェフ装束を着込み、筋肉質な上半身をはだけ、その顔の大部分をメンポで覆った奇妙な男だった。 だが、男の何よりもの異常性はその両腕だ。 男の両肘より先はコミックに出てくるロボットめいた巨大な鉄塊の如きサイバネアームに置換されている。 男の右腕にはところどころ赤い塗装がなされ、筋肉繊維がこびりついている。 ギャング達にその腕が哀れなアンドレを押しつぶしたのだと言外に語っていた。 「全部、全部だ」 メンポの男が声を発する。 地獄の底から響くような暗い声と共に、男の狂気に支配された両目がギャング達を捉えた。 その瞬間、ギャング達は理解する。 次は自分たちがアンドレと同じ末路を辿ることに。 ギャングの一人が半狂乱になりながら銃を構えた。 BANG!! BANG!! BANG!! 銃声が響く。 しかし、メンポの男は銃弾など異にも介さず、銃を撃った男に向かって疾走する。 「アイエエエエ! ナンデ!? 無傷ナンデ!?」 銃を撃っても人が死なない。 そのあまりにも常識外の光景からくる恐怖によって銃を撃っていたギャングはしめやかに失禁! メンポの男が駆け寄りながら右拳を引く。 サイバネアームが盛大に蒸気を吐き出す。 「アバッ」 猛スピードで放たれた拳がギャングのいた場所を通過する。 破壊の鎚が通り過ぎた後には、腰から上を消失した遺体がスプリンクラーめいて血を吹き出しながら転がっていた。 「全部だ! 全部だ! 全部だ! 全部だ!」 メンポの男は止まらない。 その目は既に別のギャングを捉えている。 蒸気を吹き出しながら次のギャングへと駆け寄る。 「アイエッ!?」 「全部だ!」 CRAAAAASH! サイバネアームが振り下ろされる。 哀れギャングはネギトロめいた姿になって即死! メンポの男は次のギャングに向かって駆け出す! 「アイエッ!?」 「全部だ!!」 CRAAAAASH!! サイバネアームが振り下ろされる。 哀れギャングはネギトロめいた姿になって即死! メンポの男は次のギャングに向かって駆け出す! 「アイエッ!?」 「全部だ!!!」 CRAAAAASH!!! サイバネアームが振り下ろされる。 哀れギャングはネギトロめいた姿になって即死! メンポの男は次のギャングに向かって駆け出す! なんたる凄惨な光景か! 男がサイバネアームをふるう度にギャングが死んでいく。 その様はさしずめに全てを破壊する嵐といったところか。 「ヒッ、ヒィィィィ!!」 運よく助かったギャングの一人が近くのコンテナの裏に隠れる。 何故、こんな事になってしまったのか。 今までの悪行がこの結果を招いてしまったのか。 ギャングは神に祈り、助けを乞う。 ここから助かる事ができればこれまでの行いを悔い改めることを誓う。 足音が近づいてくる。 ちょうどコンテナを挟んで向かい側に男の気配がする。 ギャングは気付かずにいてくれる事を願う。 ボシュウと蒸気の上がる音が響く。 ギャングが両手を組み、目をつぶる。 衝撃がギャングを襲い、そこで意識は途絶えた。 「ハァーッ! ハァーッ!」 ギャングのリーダーが肩で息をする。 既に彼以外のギャングは死んでしまった。 逃げる一瞬、メンポの男がコンテナの裏に隠れた仲間をコンテナごとサイバネアームで吹き飛ばした光景が目に入った。 一刻も早く逃げなければ。 警察に事態を話して保護してもらわねば。 錯乱する中どうにか思考をまとめ、ふらつきながら港の出口を目指して歩くギャングの前に、一つの小さな人影が立ちふさがった。 「ワッザ!?」 目の前にいたのは少女だった。 それはアンドレと呼ばれたギャングが偶然発見した少女であったが、このギャングには知る由もない。 だが、一目見てその少女が異常な存在である事は理解できた。 人らしからぬ見た目である事はもちろんだが、その少女の周囲には不気味な球体が浮かんでいた。 黒く、猫耳のような突起のある球体だった。 その球体一個一個がむき出しの歯が生えた口を開き、べろりと舌を出す。 少女のサーチライトめいて光る赤い双眸がギャングを見据える。 「ア……、ア……」 「ヤレ……、バーサーカー……」 後ずさるギャングの背にトン、と何かが当たる。 振り向くとそこにはサイバネアームを振り上げるメンポの男の姿があった。 ギャングはこの少女がメンポの男を、バーサーカーと呼ばれた男を使って自分たちを襲った事を知る。 何故、どうしてと少女に問うよりも早く、大質量のサイバネアームが振り下ろされた。 一瞬の内に幕の開いた惨劇を生み出した少女が血に塗れた破壊の跡を見下ろす。 凄惨極まる光景だが、少女は顔色一つ変えない。 そして、傍らに立ったバーサーカーを、少女のサーヴァントを見上げた。 「魔力、溜マッタ?」 「……」 バーサーカーはこくりと頷く。 狂化によって言語能力を失っている為、会話自体が行えない。 彼の発する「全部だ」という言葉もうわ言のような者で意味のある言語とはなっていない。 フルフェイスのメンポの奥に光る瞳にはただ全てを破壊せんとする狂暴な意思しか殆ど残っていないのだ。 「霊体二戻ッテ、バーサーカー」 少女の指示を受けて、バーサーカーは霊体化する。 再び静寂が戻った港で少女が一人月を見上げる。 深海棲艦。 ある世界において、人類の敵性存在として海の大半を支配した存在。 その中でも棲姫と呼ばれる上位存在の一つが彼女、北方棲姫であった。 彼女がここにくる前までにあった記憶は、艦娘と呼ばれる少女達との戦いだった。 配下の艦は全て沈み、それでもなお艦載機を飛ばし抗戦していた彼女に降り注ぐ無数の散弾。 息も絶え絶えの彼女の視界には、いつか配下が拾ってきた人形が鈍い光を放っていた。 何事かと人形に手を伸ばすと、気づけばこの港に彼女はいた。 脳裏に浮かぶのは聖杯戦争の情報。 彼女の傍らには理性を失ったバーサーカーのクラスのサーヴァント。 何度か北方棲姫はバーサーカーとの会話を試みたが、バーサーカーが会話に応じる事はなかった。 バーサーカーの破壊衝動に取りつかれた瞳は、どこか彼女たち深海棲艦の一部に見られるものと同じだと北方棲姫は感じた。 憎しみ・恐怖・怒り・悲しみ。そういった感情すらもなく、ただ衝動に支配されるままに破壊を振りまく存在。 あるいは深海棲艦という存在だからこそ、このサーヴァントを呼び出したのかもしれない。 全てのきっかけであるあの戦いで見上げた空とまったく同じ月夜を見上げながら、北方棲姫は思考を打ち切る。 バーサーカーが呼ばれた理由など、彼女にとっては些末事に過ぎない。 バーサーカーは強い。魔力の消費も魂喰いを行っていけば、北方棲姫が生成する艦載機を複数呼び出して戦闘を補助する程度の余裕はある。 この聖杯戦争で勝ち抜く事は決して不可能ではない筈だ。 「必ズ、カエル」 北方棲姫は直観的に感じていた。ここは自分がいるべき世界ではないと。 夢見た光景はここでは手に入らないと。 帰らなければならない、本来彼女があるべき世界へ。 例え、元の世界で滅びる運命にあったとしても、それがこの世界で朽ちていい理由にはならない。 船の汽笛がどこかから聞こえる。 港に人影はもうどこにも見当たらなかった。 イツカ、楽シイ海デ、イツカ…… 【クラス】 バーサーカー 【属性】 混沌・狂(悪) 【真名】 ランペイジ@ニンジャスレイヤー 【ステータス】 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A 【クラス別スキル】 狂化 C 魔力と幸運を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。 【保有スキル】 戦闘続行 B 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 金属と融合した身体と破壊衝動に飲まれた精神は致命的な一撃を与えない限り全てを破壊し続ける。 威圧 C 戦闘時に対象の敏捷に若干のペナルティを与える。同ランク以下の精神干渉を無効化するスキルで無効化が可能。 威圧的な両腕、そして強大なニンジャソウルはプレッシャーとなって相対した者の動きを阻害する。 【宝具】 『青銅纏いし剛力の鬼神(アカラ・ニンジャ)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:自身 常時発動宝具。 負傷しても両腕のサイバネアームなどから金属繊維が這い回り負傷箇所をただちに修復する。 修復する度にマスターの魔力が消費される。 遥か古代に名を馳せた半神的存在であるニンジャの一人、アカラ・ニンジャのニンジャソウルがバーサーカーには憑依している。 このニンジャソウルが憑依したものは異常ニンジャ膂力と金属同化能力を宿す。 その膂力は生身の時点で、素手によるパンチのみでビルを解体できる程である。 また、金属同化能力によってバーサーカーは重機や鉄塊を連想させる両腕の巨大なサイバネアームを自身の手の様に自由に動かせるだけでなく、自らの負傷の治癒にも使うことが可能となっている。 【weapon】 両腕の巨大サイバネアーム 破壊力が高いだけでなく、蒸気を任意で吹き出せるので接近時のけん制や目くらましも可能。 【人物背景】 本名はゼンダ。 元々はキョートで働く善良なソバ職人だったが巨大企業の工場建設の反対運動の折にソバ屋の廃業・妻の死を経験し絶望する。 結果、彼は装甲車に改造した巨大ビークルで工場建設現場を破壊して回った「ソバシェフ・ランペイジ事件」を起こして逮捕される。 収監後もその憎悪は収まることがなく、「ソバシェフ・ランペイジ事件」を続行するために脱走したところ、デスドレインという忍者に勧誘を受け、彼の仲間となる。 その後はニンジャ「ランペイジ」としてデスドレインの司令塔のようなポジションについて破壊活動に従事し、ある戦闘で両腕を失った事を機に巨大なサイバネアームを手に入れた。 最終的にはニンジャスレイヤー・ダークニンジャとの戦闘中に破壊衝動に呑まれて暴走したところニンジャスレイヤーによって致命傷を負わされる。 末期に意識の戻った後はデスドレインと言葉を交わし、ゼンダではなくランペイジとしてその生涯を終えた。 アカラ・ニンジャというニンジャのソウルに憑依されているが憑依した明確な時期の記述はなく、デスドレインがソバシェフ・ランペイジ事件の新聞記事を見て勧誘を決めたことから、事件が起きる前段階でニンジャソウルが憑依していた可能性が示唆されている。 【サーヴァントの願い】 全てを破壊する 【マスター】 北方棲姫@艦隊コレクション 【マスターとしての願い】 元の世界に帰る 【weapon】 艦載機 たこ焼きに似ている球状の艦載機。口からエネルギー弾を発射するがサーヴァントにはダメージは与えられない 【能力・技能】 魔力を消費して艦載機を生成可能 主砲など艤装については元の世界の戦闘で破壊されたので使用不可 【人物背景】 深海棲艦の中でも実際の基地や飛行場の特性を持つ「棲姫」と呼ばれる上位存在。 見た目はロリロリしい少女だが、その見た目とはかけ離れた火力をもってアリューシャン作戦に挑む艦娘達を迎え撃った。 モデルとなったダッチハーバーやアリューシャン作戦で無傷のゼロ戦が鹵獲された事から、航空機に対して執着を見せる。 「カエレッ!」や「コナイデッテ、イッテルノ」というセリフから深海棲艦の中でも好戦的ではない部類の存在だと思われる。 余談だが下着は黒の紐パンである。 【方針】 バーサーカーは一撃の威力は高いが肉薄する距離まで接近されると攻撃が行えず途端に不利になる。 その弱点のカバーは北方棲姫の艦載機が行うので、艦載機の運用とバーサーカーの安定した戦闘の為魔力の貯蔵は必須。 魂喰いに拒否感は微塵もないので、魂喰いを行いながら優勝を目指す形になるか。 同盟については視野にもいれていない。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/44.html
1: 「実に素晴らしい手腕だったよ、君」 黒檀のプレジデントデスク越しに、体格の良い白人男性が、実に機嫌の良さそうな笑みを浮かべてそう言った。 見るからに上機嫌と言うような体である。この場に彼だけを取り残したら、最高級のウール絨毯が敷き詰められたこの部屋で、1人スキップでもし始めそうである。 「恐縮です、局長」 局長と呼ばれる男性の目線の先に居る、首にクラバットを巻き、ワインレッドのスーツを身につけた男が、恭しく一礼する。 貴族然服装をした、実にきざったらしい男性であるが、その恰好が妙に様になっているのが、また奇妙だった。 「確か向こうでは20歳で検事になったそうじゃないか。自由の国アメリカでも、この年齢で検事になるのは大変な事だよ。 君は、日本の検察界における麒麟児として、法曹の世界で見られていたのではないかね」 「いえ、私は少しだけ記憶力が人より優れていたものですから……知識の詰め込みが得意だっただけの事。私が今のような検事になれたのは、私の師の存在があってこそです」 「日本人は謙遜が上手いなぁ」、と局長は笑い飛ばした。つられてワインレッドのスーツの男も微笑みを浮かべる。しかしスーツの男の胸中は複雑であった。 スーツの男はどちらかと言えば、自らに検事の何たるかを叩き込んだあの男の事など、もう2度と思い出したくない程トラウマだった。 だがしかし、どんなにあの男の事を嫌悪しようが、忌避しようが、結局自分が今検事と言う身分で活躍出来ているのは、ひとえにその男が検事として、 そして指導力が優れていた、と言う事実が確かにあるのである。このような場で話のタネになれる事が、せめてもの幸い、と言うものなのだろうか。 「それにしても、同じ師匠に師事した検事が日本から研修にやって来ると聞いた時には、どんな恐ろしい人物がやって来るものかとハラハラしたが……。 君のような人物ならば、私も歓迎だよ。どうだね、此処で働いてみないかね。待遇は向こうよりも良くしてあげるが」 「ハハハ、お誘いの言葉は嬉しいのですが、私はあちらの方が性に合ってるのですよ、局長。それにゴッサムの検事局には、私の姉弟子がいる筈。 彼女を抑えている限りは、十分局長の評価は約束されておりますよ」 と、スーツの男はやんわりと局長のヘッドハントを断るが、局長はそれに対して少しだけ渋面を作る。 どうもスカウトを断られた事よりも、スーツの男が言った、冥と言う人物に対しての表情のようだ。 「うーむ……冥くんの事か。彼女も確かに優秀なのだが、いかんせん……」 「いかんせん……?」 「……法の庭で鞭はいただけないんだよなぁ」 「御尤もです」 スーツの男は苦笑いを浮かべた。あのじゃじゃ馬は、この地でも相変わらずであったようだ。 「兎に角、今日は御苦労だったな御剣くん。下るであろう評価を、楽しみにしていたまえ」 「ありがたい事ですな」 「下がっても構わんぞ、ゴッサム地方検事局にいたいと言うのならば、部屋に残っても構わんがね」 「いえ、失礼させて貰います」 ハハ、とゴッサムの地方検事局長は、乾いた笑いを浮かべるが、瞳は余り笑っていなかった。 デカい魚を釣り上げかけ、あと一歩と言う所で逃してしまった釣り人のような表情で、局長は、日本から海外研修にやって来たエリート検事、御剣怜侍の退室を見送った。 退室しドアを閉めてから、ふぅ、と一息つく御剣。 あそこまで解りやすいヘッドハントを受けるとは思ってもみなかった。御剣も人間であるから、高い給金にはそれなりの魅力を感じる。 しかし、故郷である日本を離れてまでは……、と言うのが、彼の偽らざる本音でもあった。それに、このゴッサムでヘッドハントをされたとしても、意味がないのである。 そろそろ検事局を退社する時間だ。今日は1件、携わっていた裁判案件を解決させてやや疲労が溜まっている。帰って少し、身体を休める必要があるだろう。 そう思い歩きだし、十m程進んだ、その時だった。真正面から、とてもよく見知った女性が、此方へと近づいてきた。 「局長から随分と気に入られたのではなくて、レイジ」 ジュラルミンのような銀髪をした、如何にもタカ派、と言う風な装いの美女が、棘を含んだ声音でそう言った。 狩魔冥。40年間と言う驚異的なまでの無敗記録を誇る、伝説の天才検事、狩魔豪を父に持つ、紛う事なき天才検事。 そして、御剣の妹弟子――冥の方は断固として自分の方が姉弟子であると譲らない――でもある女性である。 「熱烈なアプローチを受けて来た所だよ。断ったが」 「あら、このゴッサムで活躍するのが怖かったのかしら、レイジ?」 「君の検事局での居場所を奪うのが忍びなかっただけだ、メイ」 優越感溢れる笑みを浮かべていた冥の顔が、途端に不機嫌そうなそれに変わる。 そして次の瞬間、懐からビニール製の一本鞭を取り出し、ピシィッ、と床を強かに打ち付けた。 床を叩いた時の音と言い、見事なまでの鞭捌き、と言うものだった。 「被告はゴッサムの中堅マフィアの幹部達、そして弁護するのはそのマフィア達の顧問弁護士。馬鹿が見たって解る、黒い弁護士よ。 社会のゴミから有罪を勝ち取る気分はどう? 胸が空くような気分じゃないかしら、レイジ?」 「弁護団の悔しそうな顔と被告側の怒号が今でも思い出せる。あれは良いものだったな、日本では味わえない」 日本ではどちらかと言うと、被告の側にも少しばかり同情の余地がある者を相手にする裁判の方が多く、有罪を勝ち取った御剣でも、 本当にあれで良かったのかと思う事は多々あったが、ここゴッサムでは麻薬を売買だったり殺人や強盗だったりと、 法の素人が見ても有罪確定の犯罪者を相手に裁判をする事が殆どだ。こう言う相手には御剣も心置きなく、全力で有罪を勝ち取りに行ける。 そうして勝ち取った有罪判決は、何とも快哉を叫びたくなるような気分になるのだ。被害者の権利を守ると言う検事の仕事の意味を実感できる瞬間であった。 「……貴方が此処に研修にやって来ると聞いた時には、驚くと同時に、内心喜んだわ。姉弟子としての力を見せつけてやれるのだから」 「私としてはメイが此処にいると聞いて憂鬱だったよ。こんな所でも鞭に打たれると思うと気分が晴れない」 「歳は貴方の方が上だけど、此処では私の方が先輩よ。ありがたく鞭を頂戴しておく事ね」 ここでは後輩は冥に鞭で打たれる事が当たり前らしい。何とも酷い職場もあったものである。 「アメリカでの初の裁判を勝利で飾れた事は姉弟子として誇らしく思うわ。だけれども、アメリカは私のホームグラウンド。日本の常識は通用しないわ。 このゴッサムで、どちらが検事として優れているか、そして、私の検事としての実力をとくと目にしておく事ね!!」 再び、床を鞭で一叩きした後で、ツカツカと御剣の横を冥は通り過ぎて行く。 心なしか、イキイキとしているように御剣には思えた。このゴッサムに見知った顔、しかも同じ師を持つ人物がやって来たのである。 ライバルとして認識し、張り合いがあると思うのは無理からぬ事かも知れない。 このゴッサムでの狩魔冥は本当に、御剣怜侍のよく知る彼女そのものだった。 最後に出会った時と、些かもその峻烈さは変わっていない。だからこそ、御剣には信じられなかった。 あの狩魔冥が本物の狩魔冥ではなく、ただのNPCである、と言う事実が。 2: 無二の親友である成歩堂龍一の月給を24ヵ月分は貯めなければ到底買えない程の値段の真っ赤なスポーツカーを運転し、御剣は夕のゴッサムの都会を走っていた。 総生産額で言えば東京の方が遥かに上であり、その面だけで見るならばあちらの方が都会であろう。 しかしゴッサムシティーの、近未来的なデザインの高層ビルが立ち並び、幾億ものネオンが光彩陸離と乱舞するその夜景はまた、格別のものがある。 見知った東京の光景よりも、此処ゴッサムの方がより進んだ都会に見えるのは、御剣が長い事東京で過ごしていたせいであるからだろうか? アメリカ暮らしの長い冥には、この光景が当たり前なのだろうか。 ゴッサムシティなる都市は、アメリカ合衆国には存在しない。 過去本当に、アメリカに海外研修に行った事のある御剣は、アメリカの地理にはそれなりに明るい。 無論、極めてマイナーな田舎レベルの町は流石の御剣も知識の範囲外であるが、ゴッサム程進んだ都市を御剣が知らない訳がない。 ……尤も、そんな推理を巡らせるまでもなく、御剣はこの街が偽りのそれであり、何故自分がこんな所にいるのか、と言う事もしっかりと理解していた。 簡単である脳に刻み込まれているのである。この街の情報、そして、聖杯戦争についての事柄が。 国内で起ったある殺人事件を、御剣が担当していた時の事。 相棒であり腐れ縁とも言うべき糸鋸圭介刑事が、奇妙な人形を殺害現場から発見し、御剣に対してそれを渡して来た事があった。 明らかに日本でよく見られる様な和風のデザインでなく、外国の土産屋で売っていそうな風のデザインをしていたその人形。 奇妙に思い調べてみると――御剣怜侍は、アメリカはゴッサムシティーへと転移させられていた。 自らの本当の記憶を取り戻したのは、数日前の事だった。 日本からやって来た海外研修にやって来たエリート検事と言うロールを与えられた御剣は、その時は自分の行っている事に疑問を覚えず、担当事件の解決に当たっていた。 しかし何かが引っかかる。自分が担当していた事件は、別にあったのではないか。其処まで考えた瞬間、御剣は全てを思い出していた。自宅の執務室での事である。 そこからの展開は、さして特筆する所はない。 混乱こそしたが、自分が取り組んでいたゴッサムでの案件を粛々と処理し、擁護の余地もない、冥に言わせれば社会のゴミに有罪判決を下させて。 結局この地でも、検事としての役割をただこなしていただけであった。 海外研修の最中に住む事となっていると言う設定の、如何にもアメリカと言うか欧米風と言うか、兎に角豪華な一車庫付き一軒家の賃貸住宅に到着する御剣。 車庫にスポーツカーを入れ、玄関から自宅のなかに入る御剣。1人で住むには広すぎて、逆に不便になる程の大きな一軒家だ。 「真宵くんを案内したらはしゃぎそうだな……」と、ふと、元居た世界での知り合いの事を考える御剣。 この世界には成歩堂と真宵はいないだろう。アメリカ、しかもなにしおう犯罪都市で生活するNPCとしては、あの2名は明らかに不自然である。御剣は、そう考えていた。 家の大きさに見合った広さのリビングへと足を運び、御剣は革製のソファへと腰を下ろした。 ビジネスバッグから書類を取り出し、リラックスがてらにその書類に目を走らせる。それは、次に御剣が引き受ける裁判の参考書類であった。 「随分と働きますねぇ、御剣検事」 何処からともなく、楽しむような声が聞こえてくる。声の方角から言って、御剣の前方方向からだった。 しかしそこには、80インチもある大きな液晶テレビと、クリスタルガラスの長テーブルがソファとテレビの間においてある以外には、何もない。 それこそ目に見えない幽霊が物を喋っていると解釈しなければ、声を発する者などいる筈がないのだ。 ただ御剣はそう言った現象には慣れているらしく、書類に目を通しながら、口を開いた。 「検事と言う仕事は暇じゃないのだよ、ランサー」 御剣の言葉に呼応するように、彼の前方方向、より詳しく言えばガラスのテーブルを隔てた向こう側に、書き割りを変更するように1人の男が現れた。 茶色の後ろ髪を長く伸ばした、眼鏡をかけた赤目の長身男性。かなり若々しい美形である。果たして誰が信じられよう、この男が三十路を超えた年齢であると言う事実を。 この男よりも老けている二十代の男性など、世に掃いて捨てる程存在しよう。此度の聖杯戦争に於いてランサーのクラスで召喚されたこの男。 真名を、ジェイド・カーティスと言うらしい。御剣には俄かに信じられない事であるが、彼のいた世界とは根本的に異なる世界の住人であると言う。 「ハハ、こう見えても国家の要職に携わっていた身ですから、法廷周りの忙しさは理解していますよ。ただ、貴方の場合は、働き過ぎですよ」 「そうだろうか」 書類に目を通しながら御剣は言う。ジェイドには、目もくれなかった。 「聖杯戦争の参加者はNPC、貴方とは何の縁もない人間ですよ。少しばかり手を抜いて臨んでも良いと思いますが」 「ランサー。国家の要職に就いていた貴方には釈迦に説法と言うものかもしれないが、正式な法手続きを経て下された判決と言うものは、非常に重い意味を持つ」 「理解しております」 「弁護人は依頼人の利益の為に動き、依頼人の無実を証明する為にいる。対して検事は、被告人に有罪の立証し、被害者の溜飲を下げ、彼らの権利を守る為にいる。 行う仕事は全く違うが、共通して言える事がある。それは我々が、人の社会的な地位と、これからの人生を守る事も滅茶苦茶にする事も可能だと言う事だ」 「正式に下された判決と言うものは、基本的には正しいものとして扱われ、民衆もその判決は事実なのだろうなと認識する」 「その通り。だからこそ、我々は手を抜いてはならない。人はどうしても間違いを犯す生き物だ。正しいと思っていた事柄が実は間違っていたなどと言う事は良くある事。 だが、裁判でそれは許容できない。無罪であった人間を有罪にする、有罪の筈の人物を無罪にしてしまう。後からそれが間違いだと気付き、判決を撤回させても、 彼らが心に負った傷と、失った社会的な立場は、永久に取り戻せはしないのだ。我々は、責任の重大な仕事に就いているのだ。手を抜く事は、出来ないよ、ランサー」 思い出すのは2年前、御剣に殺人の濡れ衣を着せようと画策した、灰根高太郎の事である。 御剣が検事を志す決定的な要因となったあのDL6号事件の被告人であり、ある時まで当該事件の犯人であると思われていた人物。 結局あの事件は解決し、真犯人も灰根ではない事は今となっては明らかな事なのだが、彼は1人の心無い弁護士による弁護を受け、心神喪失のフリをして無罪になれ、 と強要され、ありもしない濡れ衣を着せられた結果、家族を失い、社会的な地位も失ってしまった。 自分に罪を着せようとした灰根に対して怒りを覚えるのが普通の筋なのだろうが、御剣にはそれが出来ずにいた。 確かに怒れる所もあるのだが、灰根に対する同情の余地が其処にあるからだった。 弁護士と検事が仕事を適当にやるだけで、此処までの禍根を残すと言う事実を、御剣は身を以て知っている。 だからこそ、例え呼び出された仮初の世界とは言え、与えられた役目が検事と言うそれであるのなら、御剣は全力でこれに打ち込む。 御剣怜侍は完璧をもってよしとするのだから。 「成程。御剣検事、確かに貴方の言う事は尤もです。人の命運を左右する職業の以上、生半な仕事は許されない。素晴らしいプロ意識だと思います」 「ですが」、そう言ってジェイドは言葉を区切った。御剣はなおも書類の文面に目を走らせていた。 「それだけが本心ではないでしょう」 「何の事だろうか」 「あなたは聖杯戦争から逃げているのではないのですか?」 ピクッ、と、御剣の身体が反応した。 尚も書類に目を通してはいるが、瞳は、其処に記された文字を追っていなかった。 「聡明な貴方に聖杯戦争についての概要を教える事はしません。ですがこれだけは、重要な事柄なので何度でも言います。聖杯戦争は戦争の名の通り、人が死にます。 そして、我々は生き残りたいのであれば少なくとも人を殺します。NPCだけじゃありませんよ、マスターもサーヴァントも、です」 理知的な光の宿った赤色の瞳を御剣に向けながら、ジェイドは言葉を続ける。 「御剣検事。私には貴方が、直視したくない辛い現実から目を背けたいが為に、聖杯から与えられた仮初の役割に打ち込んでいるように見えてならない」 重い沈黙が、リビングに流れる。ジェイドの方は御剣に目線を投げ掛け続け、御剣は書類に穴が空く程目を向け続ける。 その状態を破ったのは、御剣だった。ガラステーブルの上に書類を置き、胸中に渦巻く深い悩みを雄弁に語る大きなため息を吐いてから、口を開いた。 「私は弱い人間だろうか、ランサー」 「そんな事はないと思いますが」 「貴方の言う通りだ。私は人を殺すと言う現実を到底許容できなかったから、検事としての本分に打ち込む事で、それから逃げていた。検事の仕事をしている間だけ、辛い事実を忘れる事が出来た」 心底苦々しい笑みを浮かべる御剣。 「検事が人を殺す事は出来んよ。全く……、君も弱いマスターに当たったものだな」 「私は人生のある時期まで、人が死ぬと言う悲しみと恐怖を、人を殺すと言う事にまつわる恐ろしさを、理解出来ていなかった時期がありました。 今となっては、流石に理解出来るようになりましたがね。兎に角私は、人生の中の決して少なくない時間を、愚かな人間として過ごしていた時がありました」 「ランサーが、か?」 「とてもそうは見えませんか? まぁ性格面以外は優秀ですから」 肩を竦めて皮肉っぽく口にするジェイドだったが、何故だろう。 御剣にはそれが嫌味には聞こえず、寧ろ、ジェイド自身に対する果てない嘲りの念が、見え隠れしてならなかった。 「人を殺す事に忌避感を覚える貴方の方がむしろ普通なのですよ。検事の方が正しい。人を殺す事に慣れてしまう事の方が、異常だ」 「だが、聖杯戦争では人を殺さなければならない筈では……」 「どうも言い方を変える必要があるようだ。こう言った方が宜しいでしょうか、人を殺めねばならない覚悟が必要だ、と」 「覚悟」 御剣がその言葉を反芻する。そう、とジェイドは相槌を打つ。 「正直な話、私は聖杯戦争については懐疑的です。万能の願望器と称される聖杯もそうですが、それに至るまでに人を殺して行かねばならないと言う蠱毒の如き方法にも。御剣検事の事です、其処までは考えていましょう」 「一応は、な」 「これは私の推測なのですが、聖杯と言うものはどんな形であれ存在し、願いを叶えると言う力もある程度事実に基づいているのでしょう」 「……私もそう思っている」 でなければ、全く異なる世界の住民であるジェイドと御剣をこのゴッサムに呼び寄せる、と言うそれこそ神の御業のような力が納得いかない。 しかもジェイドは元居た世界では天寿を全うしていると言う。如何なる方法を用いてか、過去の人物をこの世界に呼び寄せているのだ。 過去の一件で霊媒を筆頭としたオカルトについて強い憎悪を抱き、それらをインチキと揶揄している御剣ではあるが、此処まで我が身を以て奇跡の一端を示されてしまえば、 納得せざるを得ない、と言うものであった。 「聖杯が存在するかもしれない……この事実が重要なのです。どのような人物が聖杯戦争に参加しているかは解りませんが、当然、 あるかも知れない聖杯に縋ってでも叶えたい願いの為に、人を殺しに掛かる者、最悪、思想や正義など関係なく、殺人を兎に角犯しに掛かる人物も、いないとは言い切れません」 「降りかかる火の粉は払わねばならない、と言う事か……?」 「その通り。本職の検事に説明するのは馬鹿馬鹿しいので行いませんが、正当防衛と言う奴ですよ」 「……正当防衛、か」 舌の上でその言葉を転がす御剣。検事として勉強していた時も、見事検事になって以降も、幾度となく耳にして来た言葉である。 「私は貴方に非情になれとは言いませんし、殺人を進んで犯せとも言いません。ですが、殺しに掛かって来た相手に無抵抗でいる事は、よしなさい。何の意味もありません。 そう言った輩は殺す、と言う覚悟を持っておいた方が良いですよ、検事。……無論貴方が、自らの意思で聖杯戦争を戦う意思を見せ、積極的に殺しに行くと言うのであれば、止めません。私もマスターやサーヴァントを殺しに行きますがね」 恐らくジェイドは本気で言っていた。顔つきがいつも浮かべているにこやかな笑みではなく、剣呑とした物を孕んだ表情に変化していた。 このランサーは恐らく決して少なくない数、いや寧ろ多くの人間をその手で殺めて来たのだろう。言葉の端々から感じられる重みと覚悟が違った。 張り詰めたような、緊張した沈黙が場を支配する事、十秒程。それだけ時間が経過してから、御剣が言った。 「……事件の真実に辿り着く事に必要なものと言うのは、1つには粘り強く計画的な捜査、1つには様々な人物との協力体制……そして最後が、決して考えるのを諦めない事だ」 無言で御剣の言葉をジェイドは待つ。御剣は、更に言葉を続けた。 「私はこの聖杯戦争の真実を暴いて見せたい。時には他の参加者と同盟を組む事も、視野に入れている。 ……こう言った過程で、我々を殺しに掛かる者が現れたのならば、しっかりと対処する。……それで良いだろうか?」 「検事がそれを望むのであれば、私はそれに応えるまでですよ」 真面目な表情から一転、あの人を食った様な不敵な笑みを浮かべて、ジェイドが返す。 ふっ、と、御剣もつられてふてぶてしい笑みを浮かべる。緊張がほぐれた瞬間だった。 「共に、聖杯戦争で足掻こうか。ランサー」 「えぇ、そう致しましょう。検事」 言ってジェイドは霊体化を始め、部屋から姿を消す。 それを合図に、御剣はガラステーブルに置いていた参考書類に手を伸ばし、再びその書面の目線を走らせる。 書類に集中しながらも、御剣は、自分の下した判断について考えていた。それが正しいものであると、信じていたかった。 「(これで良かったのだろう……? 成歩堂。……父さん)」 このゴッサムにはいないであろう人物の事を夢想する御剣。 1人は、灰根高太郎が仕掛けた冤罪と、師匠である狩魔豪の裏切りから自分を救ってくれた友人である、成歩堂龍一に。 そしてもう1人は、DL6号事件のせいで亡くなってしまったが、今でも御剣が尊敬している父親であり最高の法律家、御剣信。 あの2人は、御剣のこの折り合いを納得してくれるだろうか。余りにも理不尽が過ぎる聖杯戦争についての御剣が行う付き合い方、これを2人は良しとするのだろうか。 「(……貴方は私の判断をどう思うのでしょうかね……。ルーク)」 同じような事を考えているのは、霊体化しているジェイドとて同じだった。 既に答えを決めているような態度で御剣と話してはいたが、内心ではジェイドも悩んでいた。 本人の意思とは関係なく、シャブティなる人形を手にしただけで殺し合いの舞台へと招聘される、と言う余りにも理不尽かつ不条理な聖杯戦争。 それに対してはどう向き合い、どう付き合うか、ジェイドとて解らずにいた。だから、ジェイドは妥協した。 殺しに掛かって来る者は応戦し、御剣の言うところの真実を求める人物と同盟を組み、聖杯戦争のシステムそのものに立ち向かう。 嘗て仲間達と共に世界の命運をかけてヴァン謡将と死闘を繰り広げた時の事と聖杯戦争が被って見える。但し、聖杯戦争の方がその意図はより悪辣なようだった。 この最低の街と、今のところ正義の欠片もない意図で行われそうな聖杯戦争に対するスタンスは、これが正しいのだろうかと。 今この場にはいない、ジェイド・カーティスの人生で最も影響を与えたあのレプリカの青年の事を、彼は考えていた。 2名の真実へと向おうとする試みは、まだ始まったばかり。 【クラス】 ランサー 【真名】 ジェイド・カーティス@テイルズオブジアビス 【ステータス】 筋力C 耐久B 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具B+ 【属性】 秩序・悪 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 【保有スキル】 魔術:A 第七音素を除く、第一~第六音素全ての属性の譜術(魔術)を操る天才譜術師。 ランサーに唯一出来ない術の種類は、第七音素の素養を持たない為の、回復譜術のみである。 魔眼:B 大気中に満ちる大量の音素(魔力・霊力)を取り込む事で、譜術の威力を向上させる譜眼を両目に施している。 譜眼の制御装置である眼鏡を外すか、霊地や魔力に優れた土地で戦った場合、魔力ステータスと魔術ランクに大幅に有利な補正が掛かる。 魔力滞留:B もと居た世界に於いて、フィールドオブフォニムスと呼ばれていた技術。 強い属性の音素(魔力)の攻撃・魔術を行う事で、一定の土地にその属性の音素で満たさせ、そのフィールド内で特定の攻撃或いは魔術を放った場合、 その攻撃や魔術の威力がワンランクアップ、或いは全く別の強力な技・術に変化する。 但し、フィールドオブフォニムスは相手にも利用される事があり、相手サーヴァントに逆手に取られる危険性は、十二分に認められる。 話術:C 言論にて人を動かせる才。 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。 【宝具】 『不可視にされし微粒子の槍(コンタミネーション・スピア)』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:自身 最大補足:自身 物質同士がフォニムと元素に分離して融合する、コンタミネーション現象と呼ばれる現象を、ランサーが応用した技術が宝具となったもの。 ランサーは普段は槍を何処にも持っているように見えないが、これはコンタミネーション現象を利用し、槍を目に見えない程の微粒子状に分解させ、 右腕に融合させているからであり、必要な時になると瞬時に槍を取り出し、応戦する事が可能。 『惑星譜術』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1 元いた惑星オールドラントに於いて、創世歴と呼ばれる遥か昔の時代に勃発した譜術戦争の際に考案されたが、運用される前に戦争が終結してしまい、 歴史の流れの中に消えてしまったと言う譜術が、宝具となったもの。その内容は、『星の質量をそのまま任意の相手に激突させる』と言うもの。 攻撃に用いる譜術としては先ず間違いなく最高峰の譜術であり、生前ランサーはこの譜術を用いて、暴走した自らの恩師を葬っている。 発動には真名解放と令呪1区画の消費のみならず、マスターの魔力も多大に要する。 安定して惑星譜術を放つには、本来ならば惑星譜術の触媒となる6つの武器が必要かつ大規模な譜陣(魔術陣)が必要になり、生前ランサーがそれだけのお膳立てを整えて、 この術を発動した時ですら、未だ術の全容が明らかになっていない宝具の為本来の半分以下威力しか発揮出来なかった。 サーヴァントとして呼び出され、更にキャスタークラスでなくランサークラスでの召喚、かつ触媒もない状態では、 生前放った威力の更に半分の威力しか発揮出来ないが、対人宝具としてはそれでもなお、破格の威力を誇る。 【weapon】 フォニックランス: 人為的に生み出された大地であるホドに眠っていた、古代の譜術戦争時に用いられたという槍。業物ではあるが、宝具と呼ばれる程ではない。 普段は目に見えないが、前述の宝具により、右腕に微粒子状の姿になって融合している。 【人物背景】 天才的なまでの譜術博士であり譜術師としての技量と、見事なまでの槍術を操る、マルクト帝国軍第三師団の師団長。階級は大佐。 優秀な軍人を数多く輩出してきたカーティス家の養子。旧姓をバルフォアと呼ぶ。 その勇名は敵対国家であったキムラスカ王国の軍人、将軍だけでなく、世界中の譜術師や科学者達に知られている程 階級こそ大佐であるが、実際には将軍職に就ける程の実力と功績を持ち、かつ皇帝の幼馴染であると言う過去から、皇帝の懐刀とも呼ばれている。 輝かしい来歴の一方で、戦場で骸を漁るなどの噂から「死霊使い(ネクロマンサー)」の異名でキムラスカ・マルクトの両国から軽蔑されてもいた。 作中世界で多くの不幸と事件を生み出して来たフォミクリーの基本理論の開発者であり、ジェイド本人はこの装置を過去に開発した自分を殺してしまいたいと言う程嫌っていた。 人生のある時期まで、生物が死ぬと言う事象について感情が抱けなかった事があり、笑顔で魔物を殺すと言う側面があった。妹のネフリーをして、悪魔とすら言わせしめる程。 ある日、素養の無い第七音素を扱おうとした結果、恩師ネビリムを死に至らしめ、瀕死の彼女にフォミクリーを掛け、レプリカとして蘇生させようとしたが、 精神バランスの崩壊した不完全なレプリカ(モンスター)を生み出してしまう。 以降、幼馴染の1人であるディストと共にネビリムの復活を目指して研究を続けていたが、皇帝のピオニーの説得で研究を放棄。 これ以降生物のレプリカ開発を禁忌に設定。同時に、過去に行った全ての行いを悔いるのであった。 【サーヴァントとしての願い】 特に未練なく生きて来られたので、特にはなし。 【基本戦術、方針、運用法】 ランサーを名乗ってはいるが、実際は槍より魔術の方が得意である、と言うクラス詐欺も甚だしいサーヴァント。 しかし魔術の腕前は本物で、槍術の腕前自体も、実際にはそれ程低くはない。余程相手が優れた三騎士でなければ、それなりに対等に戦える。 痒い所にも手が届く、器用なサーヴァントであろう。話術も地味に小回りが利いている。 惑星譜術は言うまでもない、ジェイドの切り札である為、使用には慎重を期す必要がある。 【マスター】 御剣怜侍@逆転裁判シリーズ 【参加方法】 殺人事件の現場に落ちていた、証拠品と思しき人形を糸鋸刑事が持って来た所、それがシャブティだった。 【マスターとしての願い】 聖杯戦争の真実と、その裏にいるであろう巨悪を暴く。 【weapon】 【能力・技能】 検事として優れた頭脳と推理力を誇る。が、身体能力については、特筆するべき所はない。 【人物背景】 優れた検事である狩魔豪に師事した、若干20歳と言う年齢で検事になった天才検事。 検事となって以降は一度も無罪判決を出した事がなく、間違いなく天才の誉れが高かった検事。 彼が初めて敗北を喫したのは、小学校時代の親友である成歩堂龍一と争った時である。 父親に、当時は高名な弁護士であった御剣信を持ち、ある時期まで父のような弁護士を目指そうと決意していた事があったが、 9歳の時に経験したDL6号事件と言う事件を切欠に父親を亡くし、それ以降、犯罪者と弁護士を憎むようになる。 DL6号事件での挫折から、嘗てのような正義感を失っていた御剣だったが、親友の成歩堂と出会い、彼と裁判上で争った事で心境に変化が見られ、 実際に殺人事件の被告人に御剣がなってしまい、成歩堂が彼の弁護を引き受けた結果、完全に心境が変わる。 以降は検事について深く考える為に検事業から身を引き、1年後に復帰。ある時期まで海外研修を行っていたが、友人の矢張から成歩堂の事故を聞き、緊急帰国。 彼の代わりに特別弁護を行い、事件解決後は、再びアメリカに戻り、1か月の研修を行うのだった。 今回の御剣は、逆転検事2の第5話と逆転裁判4において成歩堂が法曹の世界にいられなくなった事件が起こる間の時期からの参戦である。 【方針】 検事業を続けながら、他の参加者を探してみるか。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/120.html
【クラス】 アサシン 【属性】 混沌・中庸 【真名】 チップ=ザナフ@GUILTY GEARシリーズ 【ステータス】 筋力C 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運C 宝具D 【クラス別スキル】 気配遮断 A サーヴァントとしての気配を断つ。 完全に気配を絶てば探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。 このスキルは自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクが大きく落ちるが、後述の宝具の効果によりアサシンの気配遮断は攻撃時でもランクの低下が発生しない。 【保有スキル】 魔力放出(気) B 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。 アサシンは人体に宿る気の力を操る事で攻撃の威力や速度を増加させたり、気そのものを放出して相手を拘束する事ができる。 仕切り直し B 戦闘から離脱する能力。 同ランク以上の追撃スキルがなければ細くは困難を極める 隠形や転移など自身の姿を晦ます術など逃走に有用な技能を多数取得している 単独行動 C マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。 【宝具】 『毅式迷彩』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:自身 瞬時に自身の姿を不可視にし気配遮断状態となる。また、攻撃時に気配遮断のランク低下が発生しない。 正確には宝具ではなく限界まで鍛えた一つの術。 相手の意識の隙を突き、一瞬でその姿を消すだけでなく殺気や気配を完全に気取らせない。 実体が消える訳ではなく、もし宝具発動中に攻撃を受けた場合は効果が解除される。 【weapon】 手裏剣 苦無 腕部に仕込んだブレード 【人物背景】 アメリカ国籍(自称日本国籍)の忍者。 元ストリートの孤児で、麻薬のバイヤーであった時に売り物に手をつけたことがバレ、始末されそうになったところを毅という人物に助けられ更生。彼の元で忍術と気の法術を会得した。 その経歴からヤクザやマフィア、無暗に権力を行使する存在や偽善者を嫌っている。 血の気が多く直情的な性格で基本的な思考は弱肉強食。 だが自身の力とは無関係に「弱い立場」にあるものが多かった世の中を変えたいという願いを持ち、その為に大統領という地位に着く事が夢だった。 勤勉な努力家で、本物の忍者から指導を受けた事もありその実力・忍術は本物。 また師匠の故郷である日本を深く愛しているが、彼の世界では日本が滅んでいた事もあって日本文化の知識も浅く、よくある海外の間違った日本人像そのままのキャラを形成してしまっている。 最新作では彼を慕う人間もかなり増えてきており「オカシラ」と呼ばれている。 【サーヴァントの願い】 マスターの願いを叶える
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/20.html
私はゴッサムシティの住民だ。 時折酒場のピアニストとして日銭を稼いでいるが、基本的には路地裏暮らし。 何やら白い猫だのハウスキーパーの少女だのを見ると構えてしまうが、いたって普通の市民だ。 この衆愚の都市でホームレスなんて珍しくもなんともない。 これからも時折働き、時折飲んで渇きを潤し、何事もなく生きていくのだろう。 いや、チガウ。 オレは鬼の末裔だった。 いつか内にある鬼に呑まれてケモノになりゆく存在。 ケモノになった者は同族に始末される……父は自分で処理すらしたくないらしく、化物殺しのバケモノを俺の側に置いた。 オレはそいつの孤高が羨ましくもあった……友人だと、守りたいとも思った。 だけどある日、ついに俺はケモノになって、そいつを殺した。 そしたら父は俺を殺して、妹はバケモノを助けて……バケモノはやっぱりオレから全て奪っていった。地位も、名も、家族も全て。 だから、オレから奪っていったやつは殺してやった。 父も、バケモノも、あの女も。 そしたら……私はバケモノに殺された。 いや、違う。 わたしはパン屋の娘だった。 どこにでもいる普通の娘。 ただ普通に学校に通って、店の手伝いをして、いつか父の店を継ぐつもりだった。 けれどある日、とてもおなかがすいた。 飢えて、渇いて、貪りたくてたまらなくて、でもそれはいけないことで。 ガマンして我慢してがまんしてガマンしてガマンシテガマンシテガマンシテ 耐え切れなくなって、父の血でわたしはのどを潤した。 そして町のすべてを舐り尽くして、その果てに私はあの女に殺された。 いや、ちがう。 僕は 俺は あたしは ボクは わたしは 我は 妾は 私は 俺は わしは 余は 僕は おれは 私は 俺は、誰だ…? 私は教会の司祭だった。 永遠を探求する、一廉の魔術師。 それに対する答えとして「転生」を考案、それを実行に移すために白の吸血姫を利用して死徒になった。 数年後、彼女は教会と手を組んで私を滅ぼした。 しかし、そのときにはすでに魂を『転生』出来るように加工する作業を終えていた。 用いたのが、これだ。 それは権力者の象徴。 それは輪廻転生の願い。 再誕を助ける働きもあるとされる、来世のしもべを表す像。 自らの牙で継子を増やすことが重要な死徒にとってその暗示は無碍にできたものではない。 故に、編み上げた「アカシャの蛇」の術式には「再誕」と「下僕」を示す「シャブティ」を用いた。 そうだ、この像はかつて私が永遠を求めた始まりの一部。 私の名は、ミハイル・ロア・バルダムヨォン。 記憶の混乱が収まるとともにシャブティが形を変える。 美しくも恐ろしい女戦士の姿に。 「お前が私のマスターか」 対峙した瞬間、互いに理解する。 互いが人を喰らう鬼/悪魔であることを。 「わたしの名はシレーヌ、ライダーのサーヴァント」 「私の名はロア、鬼の末裔に宿った死徒だ。まずは食事でもしながらゆっくり話そうではないか」 近付きの印に……人を殺し、喰らう。 聖杯を目指し……人を殺し、喰らう。 白の吸血姫/最強の悪魔人間と再び相見え、×したいがため。 【クラス】 ライダー 【真名】 シレーヌ@デビルマン 【パラメーター】 筋力B 耐久C 敏捷B+ 魔力C 幸運E 宝具A 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 騎乗:B++ 騎乗の才能。野獣クラスなら乗りこなし、また悪魔に近似するものならば魔獣クラスでも乗りこなす。 なお後述する宝具により乗機と一体化すれば幻想種とて乗りこなす可能性を秘める。 対魔力:A+ 現代の魔術はおろか神代の魔術を用いても彼女を傷つけるのはほぼ不可能である。 数百万年以上の長きにわたり積み上げたその神秘は破格のランクを誇る。 【保有スキル】 怪力:B 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 使用する事で筋力を1ランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。 戦闘続行:A+ 不屈の闘志と頑健な肉体。 瀕死の傷であっても戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けたとしても絶命のその瞬間まで戦い続ける。 戦場の華:B 美貌と勇猛さをもって戦場を駆ける華。同ランクの勇猛も内包する。 シレーヌの戦う姿は、敵味方を問わず意図せずして精神に影響を与える。 味方は力強く後押しされ、敵は畏怖を覚え、敗北したとしても決して辱められることはない。 精神防御で抵抗可能。 【宝具】 『死を纏いし天使より麗しき悪魔、血に濡れて(デーモン・ド・ノワール)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0~2 最大捕捉:5人 デーモン族の戦士であるシレーヌの肉体と超能力そのもの。 口からの火炎放射、細胞から放つ電撃や熱線、翼による飛翔、鋼の如き爪の遠隔操作、変身能力など多彩な力を発揮できる。 人間の姿に変身すればステータスおよび魔力消費を低下させることが可能。 最大の特徴は他の生物、および無生物と合体しその能力や記憶を得る事。サーヴァントや宝具も例外ではない。 両者同意の上での合体や無生物との合体ならば再度の分離も可能。無生物を取り込む際には魔力の糧とすることも可能。 ただし善良で純粋な心を持ち正義を愛する者ならば、合体時にシレーヌに乗っ取られることなく、逆に乗っ取りかえすことができる。 『稲妻の如く早き悪魔、見よその怪力に敵は無し(カイム)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:100人 デーモン族でも1、2を争う怪力を持つ獣型の戦士。 本来なら一個のサーヴァントとなってもおかしくない実力者だが、シレーヌの死後も付き添い続けた逸話と何より彼のシレーヌへの愛情から宝具としてシレーヌの力となる。 宝具にその身を堕としたため本来持ちえた合体能力は失っている。 それでもその圧倒的な身体能力や雷による攻撃力はシレーヌも上回り、優れた乗機として活躍するだろう。 『美しき月よ、醜い血で染まりたくなくばその身を雲に隠せ(アドル・カメ・マレソ・サロイ・セウ・ベアタム・ベールゼブス)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:― 最大捕捉:― 人間を1人生贄にささげることでデーモンの戦士を独立した存在として召喚する。 召喚可能なのはゲルマ―、アグウェル、ワグレグ、イルーゲ、アリーダといった生前の部下のみ。 実力としてはシレーヌやカイムの足元にも及ばず、サーヴァントとして最低限の戦闘力。 ゲルマ―は水との、アグウェルは鉱物との一体化など便利な能力を持つが他の面々は際立った特徴は再現されていないモブデーモン。 【weapon】 宝具、および超能力に依存 【人物背景】 数百万年前に地上を席巻したデーモン族の戦士の一人。 その中でも最強の女戦士、天使より美しき悪魔など謳われた高名かつ強力なデーモン。 多くの同族と共に氷河期に氷の中に閉じ込められていたが、現代において復活。 一足先に復活していた地獄の野獣の異名をとるデーモン最強の戦士、アモンが人間不動明に乗っ取られたと聞き、魔王ゼノンの命を受けその抹殺に動いた。 アグウェル、ゲルマ―を差し向け二人が敗北した隙を突き殺そうとするが、不動明の仲間の援護により失敗。 デビルマンとなった不動明と真っ向勝負になる。 その戦いにおいて致命傷を負い、ゼノンに助力を求めるとイルーゲなどの部下と共に盟友カイムが現れる。 イルーゲらが足止めをしている間にカイムと合体、カイム・シレーヌと化し圧倒的な力と超能力によりデビルマンをあと一歩まで追い込むがとどめを刺すほんの一歩手前で絶命。 満足しきった美しい笑みを浮かべ立ち往生した。 そのため死後もデビルマンとの決着を求める。その執念は地獄に落ちようともあせることはない。 その根本にあるのはかつての同朋アモンに対する…… 【サーヴァントの願い】 もう一度『不動明』と戦い、殺す 【マスター】 ミハイル・ロア・バルダムヨォン@真月譚月姫(漫画) 【マスターとしての願い】 永遠を求める。 【weapon】 『血刀』 遠野四季の「自身の肉体を自在に動かす」という性質を応用し、血液を硬質化・変形させて作る武器。 『ナイフ』 何の変哲もないナイフ。 短刀・七夜と何度も斬り合えるくらいには頑丈。 【能力・技能】 死徒二十七祖番外位『転生無限者』『アカシャの蛇』と謳われる吸血鬼。 魂を転生させているため肉体の能力は器に依存する。 十八代目ロアの器は『混血』の青年、遠野四季。 その能力は『不死』と『共融』。 この『不死』は不死身ではなく、正確には「簡単には死なない体質」。 傷ついた肉体を再生させるのではなく、その部分が欠損しても生きていけるように肉体を作り替える『拒死性肉体』。 さらに四季の混血としての能力の究極とも言える能力に、接触融合呪詛「蝕離」がある。 「蝕離」は他人の肉体を摂取し、自身の肉体に還元する。端的に言えば臓器移植の何でもありバージョン。 現在は完全にロアが肉体を乗っ取っているので四季の人格の影響は極めて薄く、また吸血鬼としての一面が強いため日光も弱点となる。 設定上混血としての能力は使えないらしいのだが、本編においてアルクェイドを血刀で貫くシーンがあるため漫画版を出典とするこのロアは使用可能と解釈したい。 魔術回路は平均的な魔術師と同程度。 カバラ魔術を専門とし、雷属性の魔術攻撃や結界術、MBAAではそれに徒手格闘を加えた戦法をみせた。その魔術知識は魔術協会の王冠に匹敵する。 魔術師としての技能は達人級であり、埋葬機関の代行者や真祖をもってしても破壊困難な『城』の作成も可能とする。 「直死の魔眼・偽」 直死の魔眼に似て非なる「物を生かしている部分(=命)」を視覚情報として捉える魔眼に目覚めている。 当然、生物に対してしか力を発揮しない。代わりに脳への負荷はなく、平然と命の源である「線」を視て、生命力を消すことが出来る。 なお、「生命力を消す」ため、線・点を攻撃してから死ぬまでには若干のタイムラグが存在する。 この間に生命力を回復すると死を免れることができる。 【人物背景】 元聖堂教会の司祭で魔術師。 永遠を探求し、それに対する答えとして「転生」を考案、それを実行に移すために死徒になることを考える。 そこで、吸血衝動が芽生えはじめていたアルクェイド・ブリュンスタッドを利用、彼女に血を吸わせて死徒となった。 後に教会と手を結んだアルクェイドに殺されるがその時にはすでに魂を『転生』出来るように加工する作業を終えており、以後、ロアは幾度も渡って転生を繰り返した。 18代目のロアは遠野家長男・四季に転生。 人格そのものが不安定化する手法ゆえ、18代目ともなれば混在してしまって、初代の人格などほとんど残っていない。 それに加え一目見たアルクェイドの姿に「永遠」を幻視してしまった彼は全てを捨ててまで挑んだ純粋に「永遠」を探求するという事が出来なくなっていた。 そして自らの純粋さを奪い、堕落させたアルクェイドを憎み、転生する度に彼女と相対する時を願い続けた。 実際はその憎しみの正体はアルクェイドへの恋慕であったのだが彼自身は気付かぬまま、その執着を「永遠の希求」と思い込んで、無意識下でアルクェイドと相対することを目的に生きてきた。 そしてアルクェイドと再会し、彼女に魔眼でもって死をもたらした後、真の直死によって自らも命を落とした……その直後の参戦。 言うならば19代目ロアがここにいる。 【方針】 願いを手にするまで何度でも生をやり直す。 願いのために何度でも他者に死をもたらす。 ……秘めたる思いを未だ彼らは自覚していない。
https://w.atwiki.jp/touhoukashi/pages/2857.html
【登録タグ 556ミリメートルCD CD CDE】 サークル:556ミリメートル 01 Phantom dinning tonight! 02 water, wind 03 Starry Story 04 realize my dream 05 SUPER SONIC 06 DOUBLE SHOOTER 07 輪廻天声 08 hideaway 09 Solitude World http //556mm.blog136.fc2.com/blog-entry-18.html
https://w.atwiki.jp/dh_bag/
ダンゲロス流血少女 -Girls and Bleeding- 私立 妃芽薗学園は、中高一貫の全寮制の女子校である 周囲に高い塀が聳え、塀の内側をなぞるように深い堀が設けられた鉄壁の花園 男子生徒はもちろん、男性教師すら、その存在を否定される、少女だけの世界 その塀の向こうに、甘い夢を抱く男子生徒らの淡い想いを打ち砕くかのように 毎晩繰り返される、女子生徒同士の、血で血を洗う殺し合い DANGEROUS! この先、命の保証なし! その塀の前に置かれた立て札を真に受けるものは、ごく一握りしか存在しない ダンゲロス流血少女『番外編』は生徒会の勝利で終わりました INFORMATION ダンゲロス流血少女へようこそ! 今回のキャンペーンの各ルールや進行は基本ルールガイドライン2.1に準拠しています。) 不明な点はこちらを参照するか、総合掲示板でお聞きください スケジュール 作 戦 期 間 8月31日(水) 24:00 スタメン&初期配置提出、先攻決定 9月2日(金) 24:00 質問受付終了 9月3日(土) 12:00 応援SS&イラスト提出終了 本 戦 9月3日(土) 20:30 先手陣営行動提出締め切り(非公開) 9月3日(土) 21:00 戦闘開始(先手陣営の行動公開) ※ 記載してある時間になったら開始(終了)です。例えば「24:00」締め切りの場合「23:59:59」はセーフですが「24:00:00」はアウトです 初心者の方へ 初心者の方は以下のサイトを見るとダンゲロスがどんなものか分かっていただける思います ゲームの雰囲気を知りたい はじめてのダンゲロス(進研ゼミマンガ風のプレイ解説) 第三次リプレイ(実際のゲームのレポート) ゲームの進行を知りたい ダンゲロスLite説明(イラスト入りで分かり易く解説。ただしルールが若干異なります) 基本ルールガイドライン2.1(キャンペーンの進行) (進行の詳細。是非目を通してください) キャンペーン情報 GK:メイン ぴえら サブ:アスマ サブ:ε サブ:不祝誕生日(ロンリーバースデー) キャンペーン種別:番外編
https://w.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/377.html
The story below is originally published on Mainichi Daily News by Mainichi Shinbun (http //mdn.mainichi.jp). They admitted inventing its kinky features, or rather deliberately mistranslating them from the original gossip magazine. In fact, this is far from the general Japanese behavior or sense of worth. このページは、毎日新聞事件の検証のための配信記事対訳ページです。直接ジャンプして来られた方は、必ずFAQをお読みください。 ※ この和訳はあくまでもボランティアの方々による一例であり、翻訳の正確さについては各自判断してください。もし誤訳(の疑い)を発見した場合には、直接ページを編集して訂正するか翻訳者連絡掲示板に報告してください。 Slutty schoolgirls and self-circumcisions All in a day's work for Japanese urologistsだらしない女子生徒とセルフ包皮切除:日本の泌尿器科医の日常的な仕事のすべて 拡散状況 関連ページ Slutty schoolgirls and self-circumcisions All in a day s work for Japanese urologists だらしない女子生徒とセルフ包皮切除:日本の泌尿器科医の日常的な仕事のすべて (2006年9月8日配信) Urologists are complaining about being plagued by an increasing number of embarrassing incidents related to, well, the parts of the body they normally have to deal with, according to Weekly Playboy. 週刊プレイボーイによると、泌尿器科医達は、その……彼らが通常処置する身体の一部に関する赤面モノの事件数が増加することに不平を零している。 Take the schoolgirl who s become a regular at one urologist s for treatment of her boyfriends chlamydia, a sexually transmitted disease. ひとりの女子学生を見てみよう。彼女はボーイフレンドのクラジミア(性感染症)を処置する泌尿器科医の常連だ。 "Every time she comes in, she s with a different guy. She tells me that her boyfriend complains that it hurts when he pees and asks me to fix him up," the urologist tells Weekly Playboy, who adds that it s the girl herself who is responsible for transmitting the ailment to her plentiful partners. "She s basically become like a test tube for cultivating the disease. Whenever her boyfriend of the time starts complaining that it hurts when he tries to urinate, she tells him that she knows a good doctor and brings him to me." 「いつも来るたびに、彼女は違う男性と一緒なんです。 彼女は私にボーイフレンドが小便をする際に痛みを感じると文句を言うと言い、彼を治してほしいと頼むのです」週刊プレイボーイに語ったその泌尿器科医はつけくわえる。その少女自身に多くのパートナーに病気を移した責任があるのだと。 「簡単に言えば、彼女は病気を育てている試験管のようになっています。 いつだって、そのときの彼女のボーイフレンドは、彼が排尿する際に痛みを感じると文句を言い始めるのですから。彼女は彼に自分が良い医者を知っているといい、私のもとに患者を連れてくるのです」 It s not just schoolgirls who are creating problems for urologists. One young man created havoc when he sought help for a case of genital herpes. A young, female nurse was entrusted with the job of applying ointment to his affected part, but was soon rushing to the urologist for assistance. 泌尿器科医達に問題をひきおこすのは何も女子学生だけではない。 ある一人の男性は、性器ヘルペスの問題の助けを探す際、大騒ぎを起した。 若い女性の看護士は彼の患部に軟膏を塗りつける仕事を担当していたが、すぐに助けを求めるためにその泌尿器科医のもとに駆けこんできた。 "I was baffled," the urologist says. "She was screaming out, Doctor, the patient s member has turned black and it s standing up like a rocket. I went in to have a look and quickly realized the problem was nothing more than the patient enjoying the treatment he was receiving a bit too much." 「当惑しましたね」その泌尿器科医は語る。 「彼女は叫んだんですよ。『先生、あの患者のアソコが真っ黒になっていって、ロケットみたいにそそりたっていくんです!』 私は見てみようと部屋に向かい、すぐに問題に気づきました。患者はその治療をちょっと楽しみすぎただけですよ」 The urologist says he sought to reassure his nurse and told her "That s only an erection." その泌尿器科医は看護士を安心させようとして、こういった。「あれはただの勃起だよ」 "She told me, I know that. It s just I ve never seen one that big before, " the urologist says. "My face turned bright red." 「彼女は私に言いました。『それは知っています。ただ、私、あんな大きなもの初めて見たから……』」泌尿器科医は語る。 「私の顔は真っ赤になりましたよ」 Also causing a kerfuffle is the increasing number of patients seeking prostate massages. Go to a urologist and the massage is covered by health insurance, reducing its cost to a few hundred yen; a mere fraction of what they would have to pay for the same treatment if sought through a professional sex service, where prostate massages are currently popular options on many courses. また騒動の原因は前立腺マッサージを求める患者数が増えていることにもある。 泌尿器科にいこう、そうすれば件のマッサージ料は健康保険の対象となるので数百円ですむ。プロの性的サービスでも多くのコースのうち、前立腺マッサージが現在人気のオプションではあるが、そこで払わされる料金と比べればほんの一部にすぎない。 One urologist says that he thought many of the young men were visiting his clinic to have a young nurse to administer their prostate massages for thrills, but he was shocked to learn that most of them were actually hoping he d be the one putting the rubber gloves on. ある泌尿器科医は語る。多くの若い男性が刺激を求めて、若い看護士に前立腺マッサージをしてもらうために彼の診療所を訪れると考えていたが、実際は、若い男性の殆どが彼にもゴム手袋をつけて前立腺マッサージをして欲しいのだと気づいて衝撃を受けた、と。 "It s because there are so few professional sex services for homosexual men. And it s only really urologists and those treating venereal diseases who offer treatment on the sphincter," the urologist tells Weekly Playboy. "Some patients develop a real liking for prostate massages, but I put on the gloves and make sure I let them have it so rough they won t ever want to come back for more. But even after I ve really given it to them, they still keep coming back for more." 「何故なら、男性同性愛者の為のプロの性的サービスは殆どありません。 そして、括約筋に対して処置を行えるのは、泌尿器科医とああいった性病の処置をする人だけなんです」週刊プレイボーイに泌尿器科医は伝える。 「前立腺マッサージを気に入る患者もいますが、私が手袋をはめ、ガサガサした感触がするよと彼らに確認すると、彼らはもう来なくなりました。 けれど、それでもなお私はそういった患者を受けもっています。彼らは再来院し続けるでしょう」 Also in that neck of the woods was one man who complained of, well, a pain in the ass that resulted from that patient s chosen form of self-pleasure. またそのご近所には、あー、快楽を求めるために患者になってみたところ、肛門が痛くなったと不平をもらす男もいる。 "I was shocked when I had a look through the rectal camera," a urologist says. "There were traces of wax all through his bowels, and then I found a candle wick." 「直腸カメラを見たとき、衝撃を受けました」件の泌尿器科医はいう。 「彼の腸管のスミからスミまでろう状物質の痕跡があったんです。同時に蝋燭の芯もそこで見つけました」 At the other end of town, so to speak, are those into do-it-yourself circumcision, a procedure that initially seems attractive compared to the option of forking out the considerable sums cosmetic surgeons charge to do it, but often not working out as planned, as one high school boy discovered to his chagrin. 町の反対側では、いわば、セルフ包皮切除が問題になっている。美容整形医にわざわざとんでもない金額を払うなんて選択肢より、最初はその方法は魅力的に見える。しかし、しばしば計画通りにことは進まないものだ。たとえばある高校生の少年は悔しい思いをした。 "I realize high school boys don t have much cash on them, but going that far to save a bit of money is overdoing it. This quiet, serious kid walked into my clinic with the lower half of his body drenched in blood. Naturally, he d turned pale," a urologist tells Weekly Playboy, adding that the lad had tried to lop off the extra bit on the top by stretching it out and hacking into it with a knife of the type usually used in handicrafts. "I told him that he had to go to a hospital to undergo the sort of procedure he d been seeking. Apparently, blood had spurted out everywhere. It wouldn t have been so bad if this kid was the only one I had to treat after such an incident. But he was just one of several who d done pretty much exactly the same thing." 「高校生の少年が包茎手術に対して大してお金を持っていないことは知っています。しかし、自分で包皮を切ることは、少しのお金を節約することに対して、あまりにも代償が大きいのです。 少年は私のクリニックに法律家を連れて真剣な顔でひっそりとやってきました。彼の体の半分は血まみれでした。 当然、少年の顔は蒼白です」ある泌尿器科医は週刊プレイボーイに語り、その少年が先端の余分な部分を引き伸ばしながらハンドクラフトで使うような普通のナイフで皮を切り落とすという試練に耐えたと付け加えた。 「私は彼に言いました。彼は求めるような医療行為を受けるために病院に行くべきだったと。 一見したところ、血液はいたるところに飛び散っていました。 私がこんな事件の後始末をしなければならないのがこの子だけだったとしたら、それはまあ悪くもないでしょうね。 しかし、まったく同じようなことをしでかす人々のほんの一人でしかないんです」 (ライアン・コネル) 拡散状況 Adult-DVD-Movie http //www.adult-dvd-movie.co.uk/adult_news/13066/slutty-schoolgirls-and-self-circumcisions-all-in-a-days-work-for-japanese-urologists.html Asian Sex Gazzete "Slutty schoolgirls and self-circumcisions All in a day s work for Japanese urologists" http //www.asiansexgazette.com/asg/japan/japan05news88.htm Barely 18 Movies http //www.barely18movies.com/blog/?p=363 Adult Portal 部分転載:http //www.delightfulfantasy.com/news.php?readmore=2270 Japundit http //blog.japundit.com/archives/2006/09/09/3484/ 英語サイト http //www.asianmc.net/index.php?showtopic=644 http //www.camaroz28.com/forums/showthread.php?t=471301 http //thefandomzone.yuku.com/topic/748 http //www.forteantimes.com/phpBB2/viewtopic.php?p=667602#667602 部分転載:http //mf.rox.com/archives/2006/09/08/creepy-but-in-another-way/ 部分転載:http //www.nowpublic.com/slutty_schoolgirls_and_self_circumcisions_all_in_a_days_work_for_japanese_urologists http //www.thatsjustnotright.com/forum/index.php?showtopic=19862 http //forums.yellowworld.org/showthread.php?t=31192 Cultures & Traditions "Slutty schoolgirls and self-circumcisions All in a day s work for Japanese urologists" http //cultrad.blogspot.com/2006/09/slutty-schoolgirls-and-self.html 海外ブログ 部分転載:http //enhasa.vox.com/library/post/reasons-i-wont-bwn-a-japanese-girl.html 関連ページ Adult Portal Adult-DVD-Movie Barely 18 Movies Cultures Traditions Japundit WaiWaiの記事を転載した英語サイト:A WaiWaiの記事を転載した英語サイト:F WaiWaiの記事を転載した英語サイト:M WaiWaiの記事を転載した英語サイト:N WaiWaiの記事を転載した英語サイト:T WaiWaiの記事を転載した英語サイト:Y シーファーが日本を児童ポルノ大国呼ばわりした原因 元記事一覧 毎日新聞英語版から配信された記事2006年 海外ブログに記事が及ぼした影響
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/339.html
Lonely Soldier Boys girls ◆ZqUTZ8BqI6 ナデシコの一室。やたらと散らかった部屋に、無造作にしかれた布団。 そんな汚れた暗い部屋に、シャギアは一人座り込んでいた。 疲れからくる頭痛から、仮眠をとるとガロードたちをごまかして部屋に引きこもっている。 ガロードが怪しむのをさけるため、マジンガーZを回収する時―― つまりガロードがマジンガーZを取りに出た時から、シャギアは一歩もこの部屋から出ていない。 ある意味、マジンガーZをとる必要があったため、ガロードの目が自分から離れたのは僥倖だったかもしれない。 現在、ナデシコは順調に、目的エリアへ西に走っている。 東へ走り光の壁を越えてもよかったが、基地から北上するテニアとの合流の兼ね合いで、そちらから進んでいる。 考えることは、同じこと。似たようなことばかりを延々と考えていた。 本当に、奴等は死者を蘇生する力を持っているのか? 持っているとして、それを本気で叶える気はあるのか? 持っているとすれば、それはどういった方法? 何をどうすることによって死者蘇生の事象を起こす? 奥歯をきつくかみ締める。 もし、もしもあの少女が目の前にいたとして、仮に疑問をぶつけたとしよう。 相手はなんと答えるか。考えるまでもない。彼女は、笑顔で答えるだろう。 ――もちろん全部できますの。だから……… 壁を思い切りシャギアは叩いた。 だから、安心して殺しあってくださいの。 そう、こう言うに違いない。自分が逆の立場なら、まったく同じことをしただろう。 甘言をささやき、人を殺し合わせ、最後の一人という悪夢へ誘う。 その言葉を確かめるすべはない。裏を取ることは不可能。自分で、判断するしかない。 もし、死者蘇生が何らかの装置を伴って行われる行為ならば? このままナデシコで行動し、奴等を撃破。しかるのち、その装置を使いオルバを蘇生する。 いや、最悪最後の一人の一人になり、奴等の下僕としてオルバを蘇生させることもできる。 無論その後は、連邦政府の時のように顔を下げ、奴等の首を駆るときを待つ。 いや、これは駄目だとシャギアは首を振る。 確かに、奴等は人体を治す力を持っている。 下半身不随で車椅子生活を余儀なくされていた自分が、こうやって歩いていることこそ、その証明だ。 奴等の技術が自分たちのような誰でも使える科学的、機械的なものとは思えない。 解析しようとしていた首輪に目を落とす。どう見ても、自分の知る科学技術系統のものではない。 むしろ、ひどく生物的だ。最初の巨体の異形の力もそういう系統から起因しているのではないか。 「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」とは言われるが、 そういう次元のものではない、と本能的にシャギアは理解した。 結局、疑問は最初に戻ってしまう。 いつの間にか喘ぎ気味になっていた呼吸を整える。 基準がほしい。なにか、明確に行動するための基準が。 いつも繋がっていた兄弟という支点を失い、初めてシャギアはこの殺し合いの闇を意識した。 どちらに踏み出すべきなのかが分からない。どちらが最善の一手なのか見えてこない。 このまま、オルバの蘇生がまず不可能な脱出を目指すのか。 それとも、オルバを蘇生できるのか、してもらえるのか分からない優勝を目指すのか。 もう、シャギアの中で、どのようにこのゲームのを終わらせるかはたいした問題ではなかった。 どうするれば、一番オルバを確実に生き返らせることができる? いつもは、シャギアがオルバをいさめることが多かった。 しかし、そう頻度が多いわけではないが、焦るシャギアをオルバをいさめることもあった。 サテライト兵器の時、焦る自分へまだチャージが足りないと、オルバが自分に忠告したことをふと思い出す。 どちらかが、どちらかに何かするのではない。お互いが、すべてにおいて支えあっていたのだ。 常に繋がった精神感応の力で。どんなに離れた場所であっても。 それが断たれた。 無意識に、頭を抱えるようにかきむしっていたことに気付き、手を頭から離す。 いつもそろえられた髪が乱れていたが、それを気にする余裕はシャギアにない。 「すべては、後回しだ……」 一人呟く。そう、すべてはひとまず棚上げだ。 確定している、やらなければならないことは何だ? この喪失感の何億分の一でも埋めるために必要なことは何だ? あの蒼い機体に乗るパイロットとフェステニア・ミューズを殺す。 確実に殺す。絶対に殺す。これだけは自分の手でやらなければならない。 自分が何を奪ったのか、理解させたうえで、何をしてでも殺す。 ふと、甲児君に、比瑪君に、自分のやろうとしていることを打ち明けてはどうだろうか、と考えがよぎる。 小さくシャギアは頭を振った。あの二人は、何の事情があろうと殺すことをよしとしないだろう。 それどころか、テニアの言葉を信じ、あれが人殺しであることを信じようとすらしないかもしれない。 自分が、やらねばならない。 二人を……話し合いの場まで、そう、「駒」として……生き延びさせるためにも、自分のためにもやらなければいけない。 誰の助けもいらない。理解されようともかまわない。自分ですべて完遂する。 この先を決めるのは、それからでいい。 決断を先延ばしにする後ろ暗い安息と、一時的には言え自分を支える支点を築くことで、 シャギアは自分を奮い立たせる。 だが、しかし彼は気付いていない。彼は、「駒」と呼んだ者たちを気遣ってしまっていることに。 ブリッジから通信が入る。 映し出された映像には、ベルゲルミルが写っていた。 ◇ 一方、こちらはナデシコのブリッジ。時は少しさかのぼる。 ガロード、バサラ、比瑪の三人は、周囲を警戒しながらも、ごそごそと何かをやっていた。 『これで本当に声が戻るのか?』――バサラの筆談。 明らかに疑った顔で、バサラはガロードの持ってきた、銃のような形をした注射器を凝視している。 「声が戻るわけじゃないけど……多分、歌えるようになると思うよ」 「とりあえず、やってみましょ!」 バサラは恐る恐る注射器を二の腕に押し付ける。二人の顔に、明らかに悪意はない。 それに、自分をどうにかしようとするなら、あれほど気絶している時間があったのだ。 わざわざ目が覚めてから、こんなもの押し付けてどうにかしようとするとは思えない。 チクリ、と挿す感覚。そのまま、じっとしているが……何か変わった様子はない。 特別体が痛んだりもしないが、よくなる兆候もなし。 「……ッ!?」 声の出ない喉から、息が漏れる。よく見れば、手の甲には、よくわからない印ができていた。 それを見た比瑪とガロードは、今度はシールみたいなものを取り出し、突然バサラの喉に張った。 突然のその行動に、当然バサラは反射的に抗議の声を上げる。 「ナ……ニッ!?」 当然、口は動くが喉からはかすれた息が漏れるだけだ。それを改めて理解し、肩を落とした次の瞬間。 『俺に何をした!?』 自分の声が、スピーカーから流れ出した。思わずスピーカーを見て目をむくバサラ。 その後ろでは、比瑪とガロードが「イェイ!」とハイタッチをしている。 「…………」 『おい、これはどういうことなんだ?』 口を動かす。すると今度はタイムラグなしで正確に自分の声がスピーカーから発される。 TVが突然チャンネルセットされ、謎の映像が流れ出した。 3、2、1、ドッカーンと気の抜けるエフェクトののち、金髪の女性が映し出される。 『説明しましょう! もともと、IFSは人体の感覚をエステバリスなど有人機にフィードバックする機構。 つまり、これを利用すれば、何らかのサーバさえあれば擬似的に五感を再現することもできます。 逆を返せば、失われた人体の機能を、幻視痛のように返すことで再現することもできるというわけね。 今回のケースの場合、IFSから喉の装置を通し、喉の筋肉、骨格などから元の声を算出。 その後、変化からなんという言葉をしゃべりたいか逆算し、スピーカーから生み出しているわけ』 そこまで言って、映像はプツンと切れる。 『あの金髪のおばさんはなんだ?』 「……よくわからないけど、説明するときだけ出てくるようになってるみたい」 「便利か不便かよくわからないな、それ」 ともかく細かく聞けば、比瑪もガロードも、IFSを撃てば、もしかしたら通信も可能になる上、 そこから文字を画面に直接表示できれば意思疎通も楽になると思ってやってみたわけだ。 結果は、どうやら彼らの予想以上の結果に終わったのだが、そういうものなら事前に少し言ってほしかったと思ったバサラだった。 だが、そんな事は些細なことだ。 今の自分は、喋れる! 機械を通してとはいえ、声が戻った! 唄を歌うものとして、少し思うところもあったが、今は声が出ることを純粋に喜びたかった。 バサラは、どこからともなく相棒を引っ張り出すと、それをかき鳴らす。 『一曲と言わずいくぜ! 俺の歌を聴けえぇぇぇぇ!!』 この戦艦のAI、オモイカネが、エレキギター以外の楽器の音を控えめながらも演奏する。 自分本来の声ではない。ミレーヌのような自分本来の仲間たちではない。 しかし、それでもバサラは歌う。 眠っていた時間を取り戻すように、歌えなかった時間を取り戻すように。 ベルゲルミルがレーダーに映り、彼が歌い終わるまでそれは続いていた。 ◇ 「あ! いた!?」 テニアは、対岸にいるナデシコの姿を確認し、再度飛行を開始する。 思ったより早く合流できたことに、わずかに安堵を覚える。まだ、ベルゲルミルは完全に再生していない。 残っている傷跡は、如実に誰かに襲われたことを示していた。 その傷は、エネルギー兵装しか持たないディバリウムではつけることはできない傷だ。 おそらく、この姿を見れば向こうは心配するだろう。そして、疑うことなどしないだろう。 ふらふらとナデシコへ飛ぶ。すると、むこうからの通信が入った。 「テニア、どうしたの!?」 映るのは、心配そうな顔をした比瑪。怪しんでいる様子はない。 自分の思うとおりだと内心笑いながら、テニアは泣きそうな顔をして見せた。 「基地に……基地にとんでもない化け物がいて……」 そこで、いったん言葉を詰まらせる。それだけで、比瑪は悲しげな顔をした。 横からは、前拾った眼鏡の男と、統夜より少し下くらいの知らない少年が映っていた。 「オルバが……基地に残ってるんだ! 先に逃げろって……」 途切れ途切れにそう伝える。目を見開く眼鏡の男と比瑪と……一人眉をひそめる小年。 「オルバが? 残るって言ったのか?」 明らかにオルバを知っているとしか思えない口ぶりで、少年は言う。 こいつ、明らかに怪しんでいる。態度からそれが見て取れた。だが、今説明を変えるわけにはいかない。 涙を目元にたっぷりうかべ、テニアは絶叫する。 「そうだよ! 急がなきゃ……急がなきゃオルバが死んじゃう!」 そうこういっている間に、ナデシコの格納庫は目の前だ。 甲板の上におかれたヴァイクランの下をくぐり、格納庫にベルゲルミルが入る。 あえて、ショックを受けていることを見せるため、コクピットから出ない。 そうこうしているうちに、映っていた三人が、格納庫へやってきた。 「テニア……大丈夫?」 比瑪が、ベルゲルミルの足元から、テニアを見上げる。 発作的に、このまま踏み潰したいと衝動が沸くが、それを抑える。背を押すのも、踏み潰すのもまだ先だ。 ゆっくり、降りる。そして、顔を手で押さえる。心配そうに、男たちも寄ってくる。 シャギアの姿はない。いったい、どこにいるのか。 まあ、それは後回しでもいいか。 手を肩にかけてくれる比瑪に、もう一度基地に向かうように告げようとする。 そのときだった。 「茶番はそこまでにしてもらおうか、フェステニア・ミューズ」 びゅう、と格納庫に風が入り込む。 風の元を見ようと振り向くと、格納庫のハッチが開いていて……え? 隙間から入り込んだのだろう。そこには、数mはある巨大な機械が浮かんでいた。 つけられた銃口は、間違いなく自分を捕らえている。これは、シャギアのヴァイクランのガンファミリア? でも――― 「ど……どうして?」 もれる呟き。さっきの声は、シャギアの声だった。 シャギアの姿はなかったが、どこかで通信を聞いていたのだろうか。 だが、そうだとしても自分がオルバを切り捨てたとわかるようなことは口にしていない。 死んだ、とすら言ってない。戦っているのだから迎えにいってほしいと自分は言ったのだ。 疑われることはあっても、シャギアの理性を決壊させるような要素はなかったはず。 だというのに、どういうことなのか。 「ちょっとシャギアさん! なに!?」 怒った調子で、銃口から自分をかばうように胸をそらし比瑪が立つ。 あいかわらずの甘さ。それに隠れる自分。比瑪の背中にすがりつく。 しかしシャギアの声の調子も、銃口も何も変わらなかった。 「どいたほうがいい。 そこにいるのはオルバを殺した張本人だ」 瞬間、時が凍る。誰もが「え?」という表情を浮かべている。 どうしていいのかわからず固まった格納庫にいる全員を無視し、シャギアは語る。 「お前は知らなかったろうが、我ら兄弟は、ニュータイプよりも強固な心のつながりを持っている。 兄弟どれだけ離れていようとも、何を見て、何を感じ、何を考えていたのか、お互い知ることができる」 シャギアが放つ疑問の答え。それは、予想もできない真実だった。 嘘だ、と言いたい。けれど、口ぶるが震えて言えなかった。 そんな嘘みたいな魔法の力、あるはずがない。そんなもの、そんなもの…… 「我らがこの殺し合いに参加させられたとき、即座に合流できたのはその力のおかげだ。 信じられないか? だが事実だ……そこにいるガロード・ランに聞いてみるといい」 銃口が、わずかに右に揺れる。 それにつられてテニアも視線を動かす。そこには、先ほど自分を疑うような目を向けていた小年。 彼が、ガロードなのだろう。 「ああ、そうだ。フロスト兄弟は、そういう力を持ってた。同じ世界で、そのせいで何回も手を焼いたんだ」 さらに、シャギアは続ける。 戦闘での、彼らの完璧なコンビネーションも、そこから起因するものであることを。 その力があったがゆえに、逆に世界から虐げられることになったことも。 動けない。 もし、一歩でも比瑪の影から出れば、シャギアはその瞬間自分を撃つだろう。 さっきよりも硬く比瑪をつかむ。 「理解したか? つまり、私は知っているということだ。 お前が、あの蒼い機体を相手に、オルバを切り捨てたことも! ロジャー・スミスと会ったことも! 全て! 知っているということを!」 ついに、シャギアの声は怒声へと変わっていた。最初の、どうにか押さえている調子ではない。 完全に、切れている。そして、最悪なのは、シャギアの言っていることが全て事実であるということだ。 自分しか……いや、自分とオルバしか知りえないはずの出来事を、克明にシャギアがさらす。 間違いないのだ。こいつは知っている。自分が何をしたか知っている。された側が……オルバが何を考えていたかまで。 「分かるか!? オルバ最期に送ったのだ……『兄さん助けて』と! そして、お前が何をやったかを、我々のために!」 横を見る。眼鏡の男は、ギターを握り締め、腕を震わせている。自分のやったことに怒っているのだろうか。 ガロード・ランと呼ばれた小年は、いつでも動けるように構え、敵意の目を向けている。 きっと、見えないけれど比瑪も同じような顔をしているだろう。 最悪だった。 カミーユにもばれた。ロジャー・スミスは、自分を疑っていた。Jアークもそうだ。 そして、最後の砦のはずだったナデシコまでが、ついに墜ちた。 残りの知り合いは……ガウルンが、自分を助けてくれるはずがない。カティアも、メルアも逝った。 一人ずつ、頭に思い浮かべる顔に、バツ印が刻まれる。 そして最後に残ったのは、統夜だった。 ――そうだ、統夜が自分にはいる。 最後の最後に残った、自分の想い人の顔が浮かぶ。 ここにいるのは自分の知る統夜ではない。それでも、統夜の人柄は知っている。 統夜なら、統夜一人でも仲間にできればなんだってできる。 そう想うだけで、くじけかけた意思が振い立つ。 もう、駄目かもしれない。けど、最後までやってやる。あきらめたりするもんか。 ここに来て、何回ピンチを乗り越えてきたか。何をやってきたか。 絶対に、くじけない。挫けてたまるか! まずは、比瑪を人質に取る。その上で、どうにかこの場を切り抜ける。 どう考えても穴だらけだ。シャギアがだからどうしたと引き金を引く可能性もある。 それでも、やらないよりは百倍ましだ。 そう思い、目の前の比瑪の首に手を回しそうとして、 「めぇ、でしょーっ!!」 比瑪の声が響く。さらに、突然スピーカーから耳をつんざく音楽が溢れた。 たわみがなくなるか分からず、惨事につながりかねない張り詰めていた空気が、僅かに緩む。 『少しは、落ち着いたかよ』 スピーカーから流れる男の声。ギターを掻きならした男のそばのスピーカーが音の出どころだった。 明らかに、オモイカネの声ではない。 『悪い、喉がすこし悪くてな。機械の音で』 どういう理屈か知らないが、髪を立てた眼鏡の男の声がスピーカーから流れているらしい。 突然歌い出すなんて、いったい何のつもりなのか、意図がまったくうかがい知れないことをやらかした男。 今では憮然とした顔で落ち着き払っている。 『殺したからって殺し返すなんてくだらねぇ……それに本当に死んでるかまだわからねぇだろ』 テニアは、知らない。 この目の前にいる男、熱気バサラのその言葉は……かつてアスラン・ザラにも送られた言葉であることを。 「シャギアさんも、落ち着いて。ねえ、テニア。何があったか、教えてくれない?」 顔をあげる。そこには、自分の顔を覗き込む比瑪の顔があった。 自分が想像したような、軽蔑や疑惑のこもった目ではない。人を信じて疑わない温かい瞳が、じっとテニアを見つめている。 ――ああ、そうか。 ギターの男も、比瑪も、テニアのことを疑ってない。いや疑っているかもしれないが、悪意を向けはしない。 「シャギアさんが言っているも本当なのかもしれない。けど、なにかテニアにだって事情があったのかもしれない。 一方的に言いきって終わりにしようなんて、絶対に駄目でしょ!」 比瑪は、今にも熱線が放たれそうな銃口を見つめ、凛とした声で話しかけている。 朝日を一緒に眺めた時と同じ、小さな背中が視界に広がる。でもその背中が今ではとても広く見えた。 どうもおかしなことになっている。あの時と同じようにそう思った。 宇都宮比瑪というこの少女の独特な雰囲気に、ペースが狂わされている。 こんなときでも自分をかばってくれる比瑪。そんな比瑪を見て……テニアは決断する。 思い切り、比瑪の首に腕を巻きつける。少し背伸びする形になったが、自分のほうが力は上だ。 もしナデシコの誰かを殺したとして、それを知ったら比瑪は泣いて悲しむのだろうか。 それはちょっと嫌と思った。あの顔には笑っていて欲しい、そんな感情は嘘じゃない。 お人好しなんだ。誰も彼もがお人好し過ぎるんだ。 だから――比瑪を殺そう。 仲間の死を知って、自分の裏切りに気づいて、比瑪の顔が悲しむことはないように。 彼女は幸せなまま逝く事が出来るように。 今じゃその思いも無理かもしれないけど。 それでもできることをしよう。 最初に殺す。それがテニアの出来る彼女に対する精一杯の恩返し。 「おのれ……! 比瑪君を放せ!」 シャギアのあせる声。しかし、私は無視して、比瑪を引きずるようにベルゲルミルへにじり寄る。 比瑪が何かを言っていた。――ひとつも悪いことは言っていなかった。ただ、理由を問うていた。 泣きたくなる。けど、まだそれはできない。 あと、ベルゲルミルまであとちょっと。 男たちはこちらの行動に動きかねているのか固まったままだ。 あと、少し、あと少しで届く。昇降用の足場つきのワイアーまで。 あと3m。 「くっ……!」 ガロードという少年の歯軋り。 あと2m。 『………』 無言を貫くギターの眼鏡の男。 あと1m。 「ペガアアアアアアアアアアアッスッ!」 シャギアの、叫び。――叫び? 「ラー……サー」 きしむ歯車の音。鳴り響く機械音。油圧の変化で起こる独特の音。 それらが、真横から聞こえる。テニアが振り向くのと、彼女が弾き飛ばされるのは同時だった。 「ペガスは、自己の主を自動的に守るようにプログラムされている。呼びかけなければ行動できないが、 呼びかけさえすれば……最後に乗っていた今の主である比瑪君を守るため動き出すのは当然ということだ」 比瑪の横で、腕を張り、力強く大地を踏みしめる小型ロボット。 まさか、最後の最後でこんな切り札をシャギアが持っていたなんて。 二重三重、いや四重五重にシャギアのほうが策士として格上であることを思い知る。 「お前はこのナデシコに帰ってきたときから……いやオルバを殺したときから詰んでいたのだ!」 ガンファミリアがこちらに銃口を向けるべく動き始める。 この程度であきらめるか。それでもテニアはあきらめずにベルゲルミルへ走る。 「駄目ッ!」 比瑪の叫び。比瑪がこちらへ走ってくる。 だが、明らかに遅い。ベルゲルミルにつくのも、比瑪を盾にするのも、間に合いそうにない。 はるかに銃口が火を噴くほうが早い。 「こんなんで死ぬもんかっ! 私は! 統夜と幸せになるんだぁぁああああああっっっ!!」 その言葉を最期に、次の瞬間一人の人間が、灰になる。 そう、 比瑪が。 【宇都宮比瑪 死亡】 一瞬の出来事だった。テニアの咆哮の直後、ナデシコにいない人間の声が届いた。 「テニアぁぁああああああ!!!」というテニアの名を呼ぶ、彼女の声に負けないほどの咆哮が。 同時に、ナデシコが揺れる。外部の一撃で、格納庫が傾いた。テニアも、ガロードも、比瑪も、宙に体が浮き上がる。 テニアは、ベルゲルミルの前へ。そして、テニアへ走っていた比瑪は……銃口の前へ。 ペガスにも止める暇はなかった。放たれた光は、比瑪を撃った。 ただ、それだけのことで少女の命は失われた。 「あ……」 魂すら虚脱したかのようなシャギアの声を無視し、テニアはベルゲルミルへと乗り込んだ。 かつてないほどの心臓の高鳴りが、彼女を突き動かす。彼女は知っている。自分の名を呼ぶ声が誰のものか。 統夜だ。 他でもない、誰でもない。統夜だ。 統夜は、まさしく騎士(ナイト)のように自分の声に応えたのだ。 ベルゲルミルの腕が、ナデシコのシャッターを突き破る。 外には、統夜によく似合う青い騎士の姿の機体がビルの上に立っていた。 ◇ 「ナデシコか……」 「ほー、やっぱり寄り道はするもんじゃないな」 統夜が、遠くに映る戦艦を眺め、どこか暗い声で言った。 それに対して空の彼方を見上げ、ガウルンは楽しげな声で肩をならしている。 結局、基地へ向かうことをやめ、一度会談会場をより楽しむため他の連中が来る前に地形などを下見するつもりだったガウルン。 その言葉に統夜は頷き、二人はまず南下して光の壁を抜けて廃虚へ向かったのだ。 そして、ナデシコを発見するに至る。 「とりあえず、どうする? 花火は全て集まるまで待つか? 前夜祭と行くか? そっちもやられっぱなしはシャクだろう?」 ガウルンの弾むような声が、よけいに陰鬱な気分にさせてくれる。 彼としては、どちらでもよかった。あのナデシコには、テニアがいない。 最後の一人になるのに、自分が全員殺す必要などない。 ガウルンと手を組む、というか組まされているのもそこが大きい。 だから、どこで誰がどんなかたちで死のうと興味がなかった。――ただ一人を除いては。 そう、テニアだけはこの手で殺す。それさえできれば何でもいい。 他のことには無関心な統夜は、虚ろに空を見ていた。 そんな統夜の様子を見て、ガウルンは目を細めた。 「いい目をするようになったじゃねぇか。そんなお前へのご褒美かもなぁ」 ガウルンが、顎でしゃくる。 興味のない視線を統夜はそっちに向けた。 そこには、20mより少々小さい機動兵器。ナデシコへそれは向かっていた。 「……それで?」 「おいおい、いいのかい? あのまま見逃して」 含みのある言葉に統夜が眉を広める。 ガウルンの目が、妖しく光ったように統夜には見えた。 「あれに乗ってるのは、お前の目当てのテニアちゃんなわけだが……なあ?」 テニアが!? テニアがあれに乗ってる!? 目を剥く統夜。ガウルンは堪えきれなくなったかのか噴出したあと、笑い出した。 酷くその笑い声が統夜は不快だった。 「頼む! 行かせてくれ……俺にやらせてくれッ!」 逸る統夜へ、ガウルンは相変わらずの笑みで、値踏みする視線を送る。 しばらく顎をなで何か考えていたが、ガウルンは笑みをいっそう深めると、指を立てた。 いたずら好きな子供が虫の足をもぐときの、嗜虐的な顔で、ガウルンは言う。 「オーケー統夜、お前の言うことを飲む。お前は好きにナデシコに仕掛ければいい。 俺はお前が仕掛けるまで何もしない。それまでは……せいぜい姿を隠しておく」 「本当なんだな!?」 「がっつくな、がっつくな。ただし、条件を一つだけつけさせてもらうぜ」 ガウルンは歌うように告げる。 「最初の一発まで、だ。それが終わったら俺も好きにやらしてもらう。 仕留めそこなった獲物を俺に取られないよう、せいぜい頑張りな」 そういうと、マスターガンダムは軽やかな足取りでビルの合間に消えていく。 ガウルンがいなくなったことを統夜は見届けると、ヴァイサーガのエネルギーを上げていく。 待機モードから、戦闘モードへ。 ヴァイサーガの脳波観測機能により、統夜の意識をフィードバックしリミットが外された。 統夜が狙うは、これまでも何度もやってきた戦法による瞬殺。 すなわち、リミッターブレイクによる光刃閃の一撃必殺。 ガウルンは、一発目までは仕掛けないといった。 だが、それで十分だ。たった、一発であの天使に似たロボットを叩き切ったこの一撃なら。 あの戦艦の格納庫を真っ二つに出来る。二撃など、最初から必要ない。 ガウルンに少し待たされたため、余計に貯まった殺意が捌け口を求めて自分の中で暴れるのが分かる。 今までのように迷いながら、悩みながらではない。絶対に絶命させるという覇気を湛え、光刃閃が放たれようとしている。 向こうは、こちらに気付いていない。 なにか取り込んでいるのか、見張りをしてないのか、役に立ちもしないレーダーに頼っているか。 どっちのみち好都合だ。このまま、このまま一気に行く。 光刃閃の最大有効射程まで、身を隠し近付く。――相手は気付かない。 さらに、近付く。――相手は気付かない。 さらに、近付く。――オープンチャンネルで通信しているのか、声が聞こえる。 ミノフスキー粒子のせいでひどい雑音が混じっていた。 さらに、近付く。――徐々にクリアになる音質。意味が聞き取れるようになる。 だが、同時に光刃閃の最大有効射程へナデシコが入った。 必倒の秘剣が、鞘から抜き放たれた。 ヴァイサーガの身体が、矢へと変わる。その超加速の最中、声が耳へ届く。 「こんなんで死ぬもんかっ! 私は! 統夜と幸せになるんだぁぁああああああっっっ!!」 ――え? 極度の集中で、引き伸ばされた時間の中、統夜はその声を聞いた。 どういうことだ? テニアは自分を殺そうとしているのではなかったのか? 利用しようとしているだけではなかったのか? なのに、何故危機に自分の名を呼ぶのか? 自分がここにいるのを知っている? そんなはずがない。 なのにどうして? ガウルンは、そう言って――ガウルン? あいつの言葉は信用できるのか? もしかして、全部ガウルンの嘘だったのか? 何がどうなっているんだ? もしかして――ガウルンがこうして機会を譲ったのは? 不意をつく声。 統夜は、一瞬自分が殺し合いに生き残り、最後の一人になろうとしていたことを忘れていた。 それを覚えていれば、彼は結局どっちであろうとも関係ないと切り捨てることが出来たろう。 しかし、その判断を咄嗟にできるほど、彼は老成してないかった。 若者特有の激情、テニアへの憎悪、その根本が揺らぎ、気迫が抜けた僅かな間。 しかし、その間も事態は進行する。 剣は、モーションに会わせてナデシコを切り裂かんと進む。 「テニアぁぁああああああ!!!」 自分でも気がつかないうちに、彼はそう叫んでいた。 最後の、ギリギリの地点で、停止の脳波が送られ、剣の軌跡が、格納庫からそれる。 その一撃は、ナデシコの表面を大きく切り裂きはしたが、けして致命傷にはならなかった。 ヴァイサーガは、そのままどこかのビルの上へ着地する。 振り返った先には……テニアの乗るマシンがこちらへ向かってきていた。 【シャギア・フロスト 搭乗機体:ヴァイクラン(第三次スーパーロボット大戦α) パイロット状態:呆然、虚脱。 機体状態:EN55%、各部に損傷 現在位置:F-1市街地(ヴァイクラン内部) 第一行動方針:??? 第二行動方針:首輪の解析を試みる 第三行動方針:比瑪と甲児・ガロードを利用し、使える人材を集める 第四行動方針:意に沿わぬ人間は排除 最終行動方針:??? 備考1:首輪を所持】 【ガロード・ラン 搭乗機体:なし パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。 機体状況:なし 現在位置:F-1市街地(ナデシコ格納庫) 第一行動方針:??? 第二行動方針:勇、及びその手がかりの捜索 最終行動方針:ティファの元に生還】 【熱気バサラ 搭乗機体 プロトガーランド(メガゾーン23) パイロット状況 神経圧迫により発声に多大の影響あり。 ナデシコの機能でナデシコ内でのみ会話可能。 機体状況:MS形態 落ちたショックとマシンキャノンの攻撃により、故障 現在位置:F-1市街地(ナデシコ格納庫) 第一行動方針:??? 最終行動方針:自分の歌で殺し合いをやめさせる 備考:自分の声が出なくなったことに気付きました】 【クインシィ・イッサー 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ~世界最後の日) パイロット状態:気絶中 機体状態: ダメージ蓄積(小)、胸に裂傷(小)、ジャガー号のコックピット破損(中)※共に再生中 現在位置:F-1市街地(ナデシコ医務室) 第一行動方針:勇の捜索と撃破 第二行動方針:勇がここ(会場内)にいないのならガロードと協力して脱出を目指す 最終行動方針:勇を殺して自分の幸せを取り戻す】 【ぺガス(宇宙の騎士テッカマンブレード) パイロット状態:パイロットなし 機体状態:良好、現在ナデシコの格納庫に収容されている。現在起動中 現在位置:F-1(ナデシコ格納庫内)】 【旧ザク(機動戦士ガンダム) パイロット状態:パイロットなし 機体状態:良好 現在位置:F-1(ナデシコ甲板) 】 【マジンガーZ(マジンガーZ) パイロット状態:パイロットなし 機体状態:装甲にダメージ蓄積・ドリルミサイル10数ほど消費・ルストハリケーン一発分EN消費 備考:飛ばした腕も回収して、今はあります】 【ナデシコ(機動戦艦ナデシコ) パイロット状態:パイロットなし 機体状態:下部に大きく裂傷が出来ていますが、機能に問題はありません。EN100%、ミサイル90%消耗 現在位置:F-1市街地 備考1:ナデシコの格納庫にプロトガーランドとぺガス、マジンガーZを収容 備考2:ナデシコ甲板に旧ザク、真ゲッター、ヴァイクラン(起動中)を係留中】 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:疲労中、全身にフィードバックされた痛み、DG細胞感染 機体状況:全身に弾痕多数、頭部破損、左腕消失、マント消失 DG細胞感染、損傷自動修復中、ヒートアックスを装備 右拳部損傷中、全身の装甲にダメージ EN90% 現在位置:F-1 市街地(隠れて今のやり取りを見ているかもしれません) 第一行動方針:統夜の今からに興味深々。テンションあがってきた。 第二行動方針:アキト、ブンドルを殺す 第三行動方針:皆殺し 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考:ガウルンの頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 】 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態 疲労中、マーダー化 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN80% 現在位置:F-1市街地 第一行動方針:どうする!? どうする俺!? 最終行動方針:優勝と生還】 【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル) パイロット状況:激しく高揚、助かったことへの安堵 機体状況:左腕喪失、左脇腹に浅い抉れ(修復中) 、シックス・スレイヴ損失(修復中、2,3個は直ってるかも) EN60%、EN回復中、マニピュレーターに血が微かについている 現在位置:F-1 市街地 第一行動方針:統夜との接触、利用の後殺害 第二行動方針:参加者の殺害(自分に害をなす危険人物、及び技術者を優先) 最終行動方針:優勝 備考1:現在統夜が自分を助けたと思っています。 備考2:首輪を所持しています】 【残り19人】 【二日目12 20】 BACK NEXT 天使再臨 投下順 遺されたもの 獣の時間 時系列順 膨れ上がる悪夢 BACK NEXT 変わりゆくもの シャギア 心の天秤 変わりゆくもの 比瑪 変わりゆくもの バサラ 心の天秤 変わりゆくもの ガロード 心の天秤 変わりゆくもの クインシィ 心の天秤 獲物の旅 テニア Stand by Me 交錯線 統夜 Stand by Me 交錯線 ガウルン 心の天秤
https://w.atwiki.jp/model_place/pages/69.html
やっとWUGの巡礼行って来れました(2017.7.9) 未来塾進学会木町通教室、その周辺 事務所、あいり実家など 望洋台公園 まゆっちがブランコ漕いでた公園 ※めちゃくちゃアクセス悪いです 勾当台公園 ファーストライブ 青葉城址(仙台城址) CDのジャケットなどにも使われています 木町通市民センター オーティション会場 ガスト仙台木町通店 オタクたちが集まるガスト 定禅寺通り
https://w.atwiki.jp/koyarift/pages/227.html
日付 昼 夜 1 ファイナルファンタジーXIV Gotham Knights 2 ファイナルファンタジーXIV Gotham Knights 3 ファイナルファンタジーXIV Gotham Knights 4 ファイナルファンタジーXIV マルチスペシャルMidnight Ghost HuntStrange Brigade 5 ファイナルファンタジーXIV Gotham Knightsクリアした 6 ファイナルファンタジーXIV V Rising 7 Crypt of the NecroDancerクリアした抽選でThe Survivalistsが当たってプレイ開始 8 抽選からWhere Angels Cryが当たってクリアした更に抽選でTrapper's Delightが当たってプレイ開始 9 Trapper's Delightクリアした抽選で魔法の女子高生が当たってプレイ開始 10 The Survivalists 11 Blackguards 選考会Shattered - Tale of the Forgotten KingSAVE ROOM - ORGANIZATION PUZZLE クリアしたA Good Snowman Is Hard To BuildElden Path of the Forgotten 燃えたSuper Adventure HandSCARF 12 Blackguards 星のカービィ ディスカバリー 13 星のカービィ ディスカバリー 14 The Survivalists 15 魔法の女子高生 16 魔法の女子高生 17 The Survivalists 18 Blackguards 選考会Defend the Rook 燃えたAnniversary Collection Arcade Classics A-JAXALLTYNEX SecondAstro Duel 2 燃えたCuberPunk 2090 燃えたWRC 6 FIA World Rally Championship 19 Blackguardsクリアした抽選でEuropean Ship Simulatorが当たってプレイ開始でも暇すぎて配信にならないので終了 星のカービィ ディスカバリークリアした抽選で逆転検事が当たってプレイ開始 20 逆転検事 21 The Survivalistsクリアした抽選でDestiny 2が当たってプレイ開始でも鯖落ちでプレイできず 22 魔法の女子高生 23 魔法の女子高生クリアした抽選でIconoclastsが当たってプレイ開始 24 Destiny 2 25 抽選Vampire Legends The True Story of Kisilovaが当たってクリアした更に抽選でYandere Schoolが当たってプレイ開始 選考会The Beast InsideMutation NationRobo Army プレイ済みだったLoop Hero プレイ済みだったSecond ExtinctionSTAR WARS:スコードロンWindbound プレイ済みだった 26 Yandere Schoolクリアした抽選でExecutive Assaultが当たってプレイ開始 逆転検事 27 逆転検事 28 Destiny 2 29 Iconoclasts 30 Iconoclasts 31 Destiny 2