約 2,281,264 件
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/556.html
al fine (後後) 7 ◆Live4Uyua6 ・◆・◆・◆・ 燦々と輝く太陽と妖艶に煌く媛星の下で賑やかに騒ぐ者達がいた。 彼らはナイアによる第一のゲームを乗り越えた者達。 そんな彼らも今は羽を休め百花繚乱と広がる花畑にて昼食を取っている。 彼らに広がるのは笑顔。 そして、二つの大きなレジャーシートが広がる先の一つ。 この殺戮の島で奇跡とも言える再会を果たした親子。 そして神の悪戯によって数奇なすれ違いがおきている二人。 この四人の楽しい食事を覗いて見る事にしよう。 ・◆・◆・◆・ 「うん、美味しいな。流石だ」 「……あらあら、褒めても何も出ないわよ」 「ううん、ママは料理が上手だ」 「……そうかしら?……とはいってもサンドイッチは誰でも出来るわよ」 「……その誰でも出来るサンドイッチすら充分に作れない人はいるけど……くくっ」 「な、なんだとっ!? ファ、ファル。それはどういうことだ!」 「……あら? なつきさんとは言ってないけど?……ふふっ自覚があるのかしら?」 「な、なっ!?」 「まぁまぁ……なつきも落ち着いて」 「ふふっ」 色とりどりの花が広がる中、これもカラフルなシートを広げ四人は食事を取っていた。 中央には強い陽の光を遮るための大きなパラソル。 その面子はなつき、ファル、クリス、むつみ。 直ぐ左隣では同じくシートを広げ美希、九郎、碧が騒がしく食事を取っている。 シートの上に広がるのは花畑と同じく色とりどりのサンドイッチ。 色々な種類が一つの箱にぎっしり詰まっていて、一つ一つががとても美味しそうであった。 「しかし……楽しいな。ママ」 なつきは本当に幸せそうにそう呟いた。 彼女の隣には大好きな母親が居て、大切な恋人が居る。 これ以上に幸せなものなんてなつきには思いつかなかった。 そんななつきが浮かべるのは満面な笑顔。 今、目の前にある最上の幸せをゆっくりとしっかりと噛み締めるように。 「……ええ、本当に……本当ね」 むつみはそんななつきの言葉にゆっくりと応える。 そして小動物のようにサンドイッチを頬張るなつきの髪を梳こうとして……それを止めた。 自然に伸ばした手が不意に戸惑い、やがてゆっくりと戻る。 そのむつみの表情は伸ばした手と同じく何処か戸惑っている様だった。 そんなむつみを見てクリスは少し苦笑いを浮かべる。 (やっぱり……まだ慣れないのかな) クリスが思い出すのは昨日の事。 ずっとずっと触れ合えなかった親子の再会の時。 母と娘の本来無かったはずの再会の事。 あの時の不器用で、でも何処か温かい再会の事を。 クリスは彼にしか見えない小雨に濡れる色取り取りの花を見つめながらそれをゆっくりと思い出していた。 ・◆・◆・◆・ 陽が沈みかけ始めた頃。 オレンジの光が差し込む教会の一室。 そこに居るのは三人。 予期せぬ再会を果たした九条むつみと玖我なつきの親子、そしてなつきの恋人であるクリス。 その三名がほんの少しの間を挟んで対面している。 「あ、あの……その、何だ……えっと」 なつきはむつみを前にして言葉がでず戸惑うばかり。 死んだと思っていた母親に対してどんな言葉をかければいいか思いつかなかったから。 生きていてよかったとか会えて嬉しいとかそんな言葉を思いつくも相応しくないと思って。 なつきにとってむつみと会えなかった約十年間はとても長い空白だった。 感情は溢れて止まらないのに言葉でなくて。 直ぐにこの間を埋めて抱きしめたいのにそれが出来ない。 その空白は長く、なつきを足止めさせていた。 「……」 それはむつみも同様だった。 会うはずは無かった、こんな殺し合いが起きるまでは。 今更、どういう風に接すればいいのだろうか。 母親ぶっていいのだろうか、なつきは許してくれるのだろうかと。 十年間なつきを放って置いた自分を母親として認めてくれるのだろうかと。 聞くのが怖かった、否定されるのが怖くて。 話しかけようにもそれができなかった。 その二人の距離感は近いのに何処か遠く感じて。 互いが一歩踏み出せばそれは埋まるのに。 その一歩を踏み出す勇気が二人には生まれない。 ままならない時間が暫く流れていた。 「…………ほら、なつき」 不意にクリスがなつきの背を押す。 なつきはビクッと体を震わせ一歩進む。 なつきは戸惑い振り返り、クリスを見る。 クリスは笑って。 「難しく考えないで。素直になればいいんだよ」 難しく考える必要なんて存在しない。 クリスはそう思ったから。 素直に再会を喜べばいいだけなんだから。 だってなつきとむつみは親子なんだから。 そんな空白や距離感なんて直ぐ埋まる。 誰かが一歩踏み出せば。 そう思ったからこそ 「なつき……ほら、行きなよ。大丈夫だから」 もう一度強く背を押す。 なつきはそのまま押されてバランスを保てず一歩、二歩とよたよた進んで崩れそうになる。 「なつきっ!……あ」 「……あ」 その時、むつみがなつきを受け止める。 距離が―――埋まった。 なつきは目を潤ませそして 「―――――――――――ママ」 ずっと。 ずっとずっと。 言いたかった事。 待っていた事。 それをゆっくりと静かにけれどしっかりと告げた。 「……ええ……ええ!……私が……私がお母さん……だよ」 だから。 むつみも静かに肯定する。 この時が来るとは思っていなかったけど。 それでも訪れたのは確かなのだから。 今はそれを受け止めよう。 だから……肯定できた。 長かった、長かった空白が埋まっていく。 母と娘の感情が溢れていく。 望んでいた、欲しかったものがやっと、やっと手に入った。 「ママ……ママ……ま……ま……ぁ……あいたかった……生きていたんだ……よかった……よかったよぉ」 「ええ……ええ……なつき……なつき……なつき!」 涙が溢れていく。 ただ、喜びが溢れていって。 それがとまる事はなく、ずっと溢れていた。 「よかったね……なつき」 クリスはそう呟いて部屋から静かに出て行く。 もう、大丈夫。 空白は埋まっていくから。 今はただ、親子でその空白を埋めていけばいい。 長い長い離別からやっと開放されたのだから。 その分の想いを……伝える時間なのだから。 だから今は邪魔をせずに二人で。 やっと出逢った親子だけで。 温もりを感じていればいいから。 「ママ……ママ……もう、居なくならないよね。ずっとずっと居るよね……」 「ええ……ええ」 もう二度と離さないでと。 もう何処かにいって欲しくないから。 それを静かに肯定して。 「ママ……ママ……」 「なつき……」 抱きしめる。 言葉にしなくても想いは伝わっていく。 確かな温かさから。 互いの鼓動から。 ゆっくりと、ゆっくりと。 しっかりと、しっかりと。 優しく、温かい、空間が 親子の再会を祝福するように 確かに存在していた。 ・◆・◆・◆・ 「……本当によかったね。なつき」 クリスはあの再会の時を思い出し自然に笑顔になっていく。 なつきがずっと欲しかったのが手に入ったのだ。 そして今なつきはとても幸せそうで。 素直によかったとそう思えるのだ。 「……なあ……ママ」 「……なあに? なつき?」 なつきは切った果物が沢山入っている箱からオレンジを取って食べてながらそっと呟く。 むつみはハムサンドを口にしながら微笑んで答えた。 あやす様に優しくなつきの返答を待つ。 なつき頬を朱に染めながら 「私は……幸せだ……ママとクリスが居て……嬉しい」 そう呟く。 ただ、単純に幸せで。 ただ、単純に嬉しくて。 それだけで心が一杯だった。 「私は……この幸せを受け入れていいのかな?……私にそんな資格があるのかな?」 思うのはたったひとつの不安。 些細な小さな棘のような不安。 それは独りで生き続けていたなつきだからこその不安。 突然訪れた幸せの享受の事だった。 今まで無かったからこそ資格があるのか、受け入れても大丈夫かと思ってしまう。 そんな小さな不安。 「いいんだよ……なつき。資格なんて必要はないから。幸せになるのに……資格なんて無いんだ。誰でもなれるものだよ」 「そうよ……いいのよ。なつき。貴方は……喜んでいいのよ」 その不安を彼女が愛する者達が、彼女を愛している者達が一蹴する。 なつきが幸せと思うのならそれを受けいればいいだけ。 素直に受け入れれば幸せはいつでも傍にある。 そういうように。 「そうか……いいんだな……よかった……よかった」 その言葉を切っ掛けになつきの不安が融解していく。 少しずつ目が潤んでいく。 その涙を流さない為に弁当箱に入っている苺を取って頬張った。 口に広がる甘さと酸っぱさの中にしょっぱさが混ざっている気がした。 それでもなつきは笑っている。 幸せを素直に受け取っているように。 笑顔を浮かべていた。 その笑顔にクリスもむつみも笑う事ができた。 幸せが連鎖していくように笑っていたのだった。 「………………ねぇクリスさん」 「……うん?」 そんな温かい空間が流れている時にファルが口を挟む。 その表情は笑ってはいるが何処か強張っている様。 ウサギ型に切られた林檎を食べながらクリスに問い掛けていた。 「貴方……幸せになるのに資格は必要無いといったわね」 「うん」 「なら……聞きたいんだけど……」 ファルはそう聞いて一口水を飲む。 冷たい水が喉を通り潤していく。 そして聞く。 「私は酷い人間よ。やった事はあの時聞いたでしょ? 誰かを貶め死の原因を作ったりもしたわ。幸せになる為に。こんな酷い人間でも幸せになれるというの? それでも資格は必要無いというの?」 クリスが言った事へ尋ねる。 ファルがやった罪を聞いても彼はそれを言う事はできのだろうかと。 クリスはタマゴサンドを頬張りながら事も無げに言う。 「……うん、なれると思うよ。資格なんて無いもの。幸せになりたいと思うのなら……なれるよ。きっと」 余りにも普通に簡単になれると断定した。 罪を追求せず酷い人間と責める事もせず余りにも簡単に。 そう、クリスが思っているから。 だから簡単に言えた。 ファルは驚き……そして 「ねぇ……クリスさん。ちょっと聞いてもらえるかしら?」 「うん?」 「ちょっとした話よ」 ファルは一回深呼吸をして決心をしそして語り始める。 不安と期待が混ざりながら。 「私は酷い人間。価値観が違うのよ。私は幸せになりたい。出来れば歌で」 「……それで」 「その為ならどんな事だってしてきた。努力は惜しまずに。利用できるものは利用して。価値があるものだけを選び取って。私の『恋人』だってそうなのよ?」 「……え?」 「利用価値があったから。彼の音に価値があったから。利用しただけ。それだけなのよ」 「……」 「恋人とか行っても結局そうでしかないのよ。結局の所、人は一人では生きていけない。私も、あなたも。皆が皆、誰かを利用しているんじゃないのかしら?」 それはファルが『恋人のクリス』にいった問いと一緒。 『恋人のクリス』が否定した価値観を。 『ここにいるクリス』に問うた。 「『恋人』は言ったわ。それは違うって。利用じゃない、助け合うって事って。馬鹿馬鹿らしい事をね。誰も君のように考えてないって そんな事を。私は感謝もしない、利用するだけ。そんな価値観なのよ。酷い人間でしょう? 貴方も『彼』と同じでそういうのかしら?」 ファルは改めてクリスに問う。 『彼』と一緒というなら否定すると願って。 ましてはなつきという恋人が居る『ここのクリス』は絶対否定するだろう。 そう思って。 だけど 「―――それは、それでいいと思うよ」 「……え?」 クリスは肯定した。 あの馬鹿と同じように。 「今の僕には……御免。それを信じる事はできないけど……」 「ほら結局……」 「もし、僕が君を本当に心の底から愛しているんだったら……きっと『価値観』まで肯定し好きになれると思うから」 「……か、『彼』も一度は迷って……それでも肯定はしたわ。共に進む事を決めたわ。だから同じよ」 「……いや、僕は最初から肯定するよ。君が酷い人間と言うのなら……最初からそれを肯定し……認めて……そして」 そして。 クリスは笑って。 「君を幸せにしようと……思うんじゃないかな? 君が幸せに生きれるように……きっと。そうすると思うよ。最初から……心の底からね」 「……そう」 「仮定でしかないけど……ね」 「……いえ、有難う。心のつっかえが取れた気がするわ」 「そう。ならよかった」 クリスはそのまま林檎をとり齧りつく。 そしてまたなつきと話し始める。 幸せそうに笑う。 ファルの為になったかなと思って。 けど、その言葉は、その答えはファルを絶望に突き落としていた。 このクリスは違う。 改めて今回の問いでそう思った。 それで、完全に吹っ切れた気がした。 それは確かなのだ。 だって『恋人』は絶対こんな事言わないから。 そう知っているから。 別人だと思えた。 だからもう『このクリス』とは御終い。 そう考え吹っ切ることができた。 でも。 例え別人だとしても。 別人のようにしか思えなくても。 『このクリス』は『クリス・ヴェルティン』なのだ。 その方程式は永遠に崩れない。 だったらこんな可能性が現れてしまう。 もし。 もしだ。 ファルがやり方を変えていれば。 もう少し努力していたならば。 『恋人』である『クリス・ヴェルティン』はこの彼と同じような考えをしてくれたのだろうか……と。 もしもう少し方法を変えていれば。 もし最初から全てをばらしていれば。 もし…… もし…… そればかり浮かんでしまう。 可能性を考えたらきりが無いのに。 考えてしまう。 最善だと思っていたのに。 目の前にある『一つの可能性であるクリス・ヴェルティン』が居る限り。 ファルシータ・フォーセットはその『有り得るかも知れない可能性』を考え続けてしまうだろう。 ファルは不意に顔を上げた。 太陽は輝き続けているのに。 何故か滲んで見え続けていた。 それはファルの心の様で。 ずっと涙で滲んでいる様だった。 ・◆・◆・◆・ 「もう、九郎さんったら食べすぎですよう」 玖我親子と、既知であり遠い二人が輪を囲むその隣、同じ様に広いレジャーシートを敷き日傘を挿したそこで美希が頬を膨らませていた。 彼女の目の前には重箱から取ったおにぎりをふたつみっつと頬張る九郎がおり、対面する二人の脇に碧とダンセイニが座っている。 「んぐ……俺は、もぐ……喰える時に、もぐもぐ、カロリーは……ぐ、摂取しとくって……もぐもぐ、なんだよ」 「ちょっとちょっと九郎くん。食べながら喋るのは行儀よくないよ。ほら、お茶」 「てけり・り」 大きめの水筒からお茶を入れて差し出す碧に「どうも」と頭を下げると九郎はそれをぐいと一気に飲み干した。 いささか、というほど以上に行儀はよくなかったが、しかし彼の通常の食生活を知っている者であれば仕方ないと思えたかもしれない。 職業探偵などというものは肩書きが無職でないとぎりぎり言える程度のものでしかないのだ。赤貧、赤貧の毎日なのである。 「そういう美希ちゃんもずいぶんと食べるじゃない。ま、私もなんだけどさ」 「はい、これはなつきさんのお母様であられるむつみさんじきじきのお弁当。イコール100%ママの味なのですよ」 なので母の味分を補給なのです。と、美希は甘く煮た人参をぱくりと口の中に放り込んだ。 この殺し合いの舞台に連れて来られてより、だれも彼もがほとんど料理をする余裕もなくろくな食事をとってきていなかったが、 美希からすればそれは元の世界でもそうでかなりの月日を遡ったとしてもそれは変わらない。寒貧、寒貧の毎日なのである。 「でもま、ありあわせの材料だけでこんな立派なお弁当作れちゃうんだからすごいよね」 「てけり・り」 碧はあまくふんわりとした卵をつまみながらなつきのママさんである九条の腕前に感心する。 手作りドレッシングの野菜サンド。丁寧に油を抜いたツナのトーストサンド。ボリュームたっぷりなハムサンド。 塩味が疲労に優しい海苔巻きおにぎり。酸味が食欲を刺激する梅おにぎり。一風変わったカレー風味の焼きおにぎり。 とりももと人参を甘く味付けた煮物。ごろごろとしたフライドポテト。などなどに加え、おまけにオレンジなどの果物各種。 雑貨店から適当に掻き集めてきた食材の、しかも昨晩の残りを使ってというにはあまりにも見事な出来栄えだった。 見た目だけでなく味もたいしたもので、プロのとまでいかなくても美希の言うとおり懐かしい母の味がする。 ”新しい禁止エリアは、14時より「D-8」。16時より「E-1」となる。” 不意に聞こえてきた神崎黎人の声にランチを楽しんでいた7人と1体の手はぴたりと止まる。 地平線まで広がる花畑の真ん中でお弁当を囲むという、あまりにも牧歌的で平和な光景ではあったが、 まだここは殺し合いの舞台の上なのだと、冷たい声がそう彼らに再認識させた。 「そういえば、こんなひろーい場所でお昼広げてても大丈夫なんですか? 今更ですけど」 気をとりなおして食事を再開し、美希は碧に尋ねた。 今や勝負は参加者側と主催者側との対抗戦なのである。組織として人員を活用できる主催者側がここで襲ってこないとも限らない。 だが、碧はちちちと唇の前の指を振ってそれを否定し、少し離れた場所で地面にうずくまっている愕天王へと目をやる。 「私と愕天王としてはこういうだだっ広い場所の方が何かと動きやすいのよ。 主催者側に居場所が知られているのはどこも変わんないからね、だったらここがいいって私が指定したの」 何より気持ちいいじゃない。と、碧は手を広げて笑った。 「まぁそれに、九条さんが向こうを出てくる前に打ったって言う”手”も正しく機能しているみたいじゃない? あちらさんが手を出してくる様子は今のところ全然ないしね」 言われて美希が視線を隣のシートに座る九条の方へと移すと、彼女は携帯電話を片手に誰かと話しをしているようだった。 おそらくは電話の向こうにいるのはアルかトーニャで定時連絡なのであろう。 朝に教会を出立して以後、1時間毎ぐらいに互いの安否とそれぞれが予定通りに事を進めているのかを確かめ合っている。 今は先ほど発表された禁止エリアについて話しているのかもしれない。 もっとも予定のルートとは関係ない場所だったので特に影響はないのだろうが……と、そこで美希は重大なことに気付いた。 「な、なんで……おにぎりとおかずが全滅っ!?」 「あれ? お前もう食べるの終わってたんじゃなかったのか? なんかぼーっとしてたし」 ランチ全滅事件。下手人は誰か問うまでもない。これまでろくに会話に加わらず食べ続けていたはらぺこ探偵の仕業である。 探偵が犯人。ありえなさそうで使い古されてきた古典的なオチだ。 「食べ物の怨みは七代祟る! ママの味を返せっ!」 「てけり・り」 それって猫を殺すとじゃ? と、九郎がつっこむ間もなく美希が動いた。 バックステップでダンセイニの上に可愛いおしりを沈めると、その反動を利用して重箱の上を跳び越して九郎へと肉薄。 そして―― r''ニ ''ー.、 _ ,-―,=、ヾ \ , -、 r 、 「ヽ ,' , ', /~i ,、 ゙ー'/ゝ,,゙`'' .... \ r" ,-、 ! r 、. | ! ヽ ! ゙ ヽ' '_ ', / ! | /,, ! ,^ 、 'J´r' ,、ー .. \ i ', ノ ノ rヽ | 、\ | r^、 ‐' `^'' ー'-> - 、i, | / ,レ / /〉 'J  ̄~`ヽ . \ i '´ `ヽ,| !,ヽ ,! ,- 、 '' =≡三 . ヽ ゙' '、/ 〈/ ∵ ;. ヽ, . \ / | ', r⌒', i| ,r 、 ー ,/= . rヽ \ o _ ; ∴ : ' ヽ . ヽ / | 〈 ', ', ノ ノ-' ,/ ,-'" `i . ,,_ノ_'-'^トr-、 , へ '、 . ) / /| | 〈゙',,', ', " / ノ . ( | ., -''" | _,,`ヽ_〉ヽシ ∴',_,,..,_ノ . / |/ ! | ', ',_} ',/ il_/ r゙ // ////_/ ー->‐‐- 、  ̄"ヽ{ O ┿┿ ,ゝ__ノ , (l||!__,, ; ,ノ /イ´、|Vレ / 〃´ -ー<´ ,; }_ ィ Y | |/ | : ,- 、 ' i|!  ̄ /_,イ ! ! ', ,r´-ァ`イ  ̄~`'',; /‐-、)| _; ! o | / ∴ / ニl) ! // { ! | | レ゙/l// /// ..,; ' /`==' V,'´ ;/ 。 | / / ッィ , " ,/! ' ! } ! . / / /´ / ,; ' / ) 、;;( |, イ |/ / /- 、 '" . ゞ, ! ,' ,' / イ、,,ィ<_、 / / ,' | ' | _,, ノ' ノへ '~ヽ、 ,r'´ . /i\ i i i . i ヾ`i="ノ| ,イ_/ }´/´ ←九郎 ,r'´/ /ノノ , ヘ ゙i | r〈 ', ヾ! . i `',}l´/ !,.ト.,・,ノ ,' / _,,,, ノ´ッ/__/ー、` ' ノノノ; ! ! . ,' ', '、.ヾ'、 . ..!ノ /,/!ヾヲ /. '´/´ , ,( 「==イ,゙ 、 ‐、ソ( ) ,| / ヾ 、 \'、 . . . . / ,' /l/ / // ´(( ! ,〈,ト、_, シ ノ { | i `\\゙ーァ ... .. . . // ,' ム'´/ (|,ノ、 |゙',く「r'ニ、)( ! | ヾ、 | /.... / ノ、 , '´ ノ(ィ l ) ) | ! ', ト、 _,,, -''゙ /-' ,' r〈ーヤ |´ ,} ! ', ', ヽ ,,_ _゙''=-,,_ /ヽ、,∧_,, ィ `-' r'ニ´. ヽ ヾ', \ '、  ̄ ̄  ̄ ̄` `く_/ ,' ! ',_〉 l´r _ ノィ_ノ ` `ヾ 、 ', `'┬ ャ''゙ ', 'J´  ̄ ――美希のJETアッパーが九郎の顎を捉え彼を花畑の中へと沈めた。 しかし、そんなことをしても九郎の胃の中に飲み込まれた食べ物は返ってはこないのだ。 喪失と痛み。悲しみから来る怒りとそこから生まれる暴力。そしてその結果、新しく傷つく者が現れ、それは無限に連鎖する。 人と人との間にある壁が生み出す争い。そして連なる哀しみの連鎖。得られるものよりも失われるものの方が多い世界。 「てけり・り」 かくも争いとは醜いものだなぁと、ダンセイニはただひとり心の内で静かにそう思うのであった。 al fine (後後) 6 <前 後> al fine (後後) 8
https://w.atwiki.jp/aki323/pages/17.html
Hybrid Fine 0.6 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 値段126円 恐らく廃盤 カタログには載っているが紺茶が載っていなく、黒赤青のみの限定商品となっている。 よくHFと略される。 外国のHybrid Gel Gripと同型であり、代用できる。 グリップが良く改造に使われる。 有名な改造は、RSVP MXなどがある。 グリップを取るのには、マイナスドライバーなどを使って取るときれいに取れる。 チップをCom-ssaに取り付けることにより重量化可能。
https://w.atwiki.jp/pen_insert/pages/14.html
本体がHybrid Fineのペン: Hybrid Jell http //penspinning.jp.land.to/phpBB2/viewtopic.php?t=511 HybridSG MMX http //penspinning.jp.land.to/phpBB2/viewtopic.php?t=6530 HybridSG MX http //penspinning.jp.land.to/phpBB2/viewtopic.php?t=5417 Hybrid Fine本体のサイズ:146mm x 外径8mm (内径6mm) インサート部分:80~90mm x 6mm(6x3.14≒18.8mm)
https://w.atwiki.jp/juudenki/
juudenki server wiki へようこそ! 停電発生からサーバー復旧しました(2/8 19 40) 新HPへ移行しました→新HP
https://w.atwiki.jp/juudenki/pages/35.html
深海ワールド 深海ワールドは水深約200mの底にあるワールドです。工夫をすれば幻想的な風景を再現できます。 その代わり死亡するリスクが高い場所となっております。水中呼吸などを駆使して、 夢に出てきそうな建築物をどんどん建築しましょう!! ※深海ワールドの海上に建物は作らないでください。
https://w.atwiki.jp/aki323/pages/40.html
R.S.V.P Fine 1174392257.jpg RSVPの中では印字銀、本体透明と割とシンプルな作り。 よく改造されるのはRSVP MXやRSVPMMX。また、MXの改造行程のものをV1,V2と呼び、MMXをインフィニティ系をやりやすいようにAny ballのグリップをつけたものをRSVP AMMXという。 RSVP MXは世界で一番回されているペンで、その人気からか世界中で同形のペンが探されていて、現在、見つかったのは同じくアメリカのSunburstやオーストラリアのFrancheville Glitter Gel Penなどである。 色は赤、青、黒、紫、ピンク、緑、水色の計7色 他にも種類があり、それぞれ独特な色がある 他にはMED、Razzle Dazzle、moonz、cubix、sunburst(sunburstはRSVPと同形だが、厳密言うとRSVPではない)などある。 インクが漏れやすいリフィルがあるため、改造の際にはほかのペンのリフィルと変えると良い場合があります。
https://w.atwiki.jp/dcab/pages/157.html
【GM名】 fine_GM 【使用チャンネル】 /join #fine表,#fine裏 【GMから一言】 ルルブ前提ですが、良いと感じたら独自裁定もあります。直感です。 探索や見識などの判定をGMから提示する事は少ないです。積極的に参加してください。 判定よりも行動を重視する傾向にあります。想像力を働かせてください。 NPCは生きている登場人物で世界の一部です。GMの都合で発言、行動することは殆どありません(性格上できません)。 高難易度ゲームの需要が低い為、ルールを減らしました。 手加減攻撃などはGMに都度、尋ねて下さい。 【世界観について】 べーしっく環境において、ヤーガイムは別大陸として存在し、べーしっく環境で使用できない職業や種族等も、あくまで“システム上選択不可”なだけで、きちんと存在します。 また、人族に友好的な蛮族の住む“平和を歩む村”ピースウォーカーもリニューアル前と同様に存在し、ナシュト・リーデンから店を譲渡された新しい店主が、蛮族冒険者の拠点“鈴の鱗”を経営しています。 りゅうかごサイト内におけるハウスルールの項目『ルールブック・サプリメントの取り扱い』では、ルールブックⅠ~Ⅲまでの適用とあり、これをシステム上だけとするか、世界設定も含め記載されていないものは存在しないとするかで解釈は分かれると思いますが、冬GMでは前者とし、後発のサプリメントで登場した設定(蛮族冒険者・追加種族・追加職業など)は上記の通り存在するものとします。よって、ルールブック上は“敵対的”と表記されているモンスターであっても、個々の特性として“中立”である場合もあるかもしれません。 PCがそれを“知らない”というのは至極自然なことですが、PLが『世界観的に存在するのはおかしい』『べーしっくにはいない』と解釈するのは控えてください。 ※管理側より公式に、べーしっくとあどばんすがパラレルワールドである旨の発言や公示がされた場合は、この限りではありません。 【敵の思考・参考資料】 おおむね知能で行動や攻撃対象を決定します。 ■低い:基本、何も考えない。ランダム多め ■動物並み:即物的、反射的な行動。迷ったらランダム ■人間並み:重要な相手から倒すが、感情や計算ミスによるブレがある ■高い:正確な作戦を立てる、部下に指示を出すことも。基本的に強いが、相手を侮る場合も ■命令を聞く:命令に応じて異なる。攻撃回数が多い敵はランダムな攻撃対象(バランス考慮) 【補助ルール】 ■振りなおし:GM、PLは任意のダイス判定を振りなおし、どちらかの出目を選択できます。PLは誰かが使ったら、それ以降は使えません。 ■経験点:依頼の成否に関わらず、経験点は予め設定されたものになります。1000+ボス&取り巻きMLx10程度が相場です。 依頼失敗時は、報酬(お金)のみ減少しますのでご注意。 ■選択式経験点:(PT内の最大冒険者Lvx50)+1000がセッションの選択式経験点になります。 ■戦利品の無い敵:一部の敵からは戦利品を得られません(ほぼボスのみ)。 ■報酬上限:PT内の最大冒険者Lvx1000ガメルがセッション報酬上限になります。 ■防御ファンブル:使用しません。 ■逃走:敵との遭遇時、または敵の手番が全て終わったタイミングで、PCたちは全員一斉に戦闘からの逃亡を選択できます この時、敵ML+7を目標値とした 冒険者レベル + 敏捷 による判定を行い 失敗したPCは「威力(MLx3)+ML@10」の魔法ダメージ(軽減不可)を受けます。騎獣などはカウントしません ダメージの結果、気絶などしても一緒に逃走できたものとします(全員が行動不能になったら全滅です) もし踏みとどまるPCがいた場合、そのPCは無条件でPC全員ぶんの上記ダメージを受ける事になりますが 他のPCはダメージを受けずに済みます 【敵データについて】 ■敵は固定値:ボスも含めて固定値で処理します。GMの意図していない結果が起きにくくするためです。 ■ボス属性:盲目または睡眠のようなボスを無力化する状態異常は効果がありません。細かいものは尋ねてください。 なお取り巻きには効くので、思う存分使用してください。 ■HPMP隠蔽:欠片数は基本的に分かりません。また、一定以上の経験帯のボスはHPやMPが通常と異なり、その数値は分かりません。 ■連続攻撃など:HP0以下になったキャラクターへの連続攻撃などは発生しません。 ■転倒の起き上がり:それが可能な場合、宣言なしでも自動的に起き上がります。PCにも適用されます。起きたくない場合は宣言すると安心。 ■簡易戦闘ルール:時間の足りないときに利用し、必ずPCは勝利し、1体分の戦利品を獲得できます(できない事もあります)。 PC全員が「威力(魔物のMLx3)@10+ML」の魔法ダメージ(軽減不可)を受けます。 ■隠された能力:魔物知識でも詳細が分からない能力を持つ敵が存在します。 攻撃的な能力を隠し持っている、等のヒントが添えられます。RP等でヒントが与えられるケースがあります。 【魔法・アイテムの裁定】 ■リピート・アクション:手番のいつでも使用でき、どの行動に効果を適用するか選べます。 ■バトル・ソング:使用した時点で範囲内に入っていたものに、以後効果が続きます。 効果は使用したキャラの手番まで続き、継続するか否かを選択します。 ■バレット系範囲攻撃:1Hのガンでは使用できません(9929さん案より頂きました)。 ■HPを全快する魔法:威力100として処理します(アルさん案より頂きました)。対象は魔法のみです。 ■幸運のお守り:戦利品判定時に貸し借り自由です。 ■オルガン人形によるMシェル録音:呪歌の効果は10mになります。 ■マナチャージクリスタル:1人1つしか持てません。 ■背水のネックレス:主動作で使用し、持続時間は練技と同じ処理です。 ■オース:NPCに対してのみ使用できます。使用者にとって守る理由がない相手には使えません。 ■搭載:搭載されている持ち主以外のPCには騎芸の効果はありません。 ■騎獣・召喚生物の1ゾロ:所有者が経験点を獲得します。 【ゲームマスターボーナス数の管理】 11_10_08【昼卓】狂乱の渓谷(3000-6000) 11_10_10【昼卓】瘴気の沼(6000-12000) 11_10_15【夜卓】咆哮の密林(3000-8000) 11_10_21【夜卓】襲撃者の正体は?(8000-15000) 11_10_25【夜卓】融銀水の在り処(8000-16000) 12_10_07【夜卓】幸薄き冒険者(26000-36000) 12_10_26【夜卓】支配の魔杖(25000-35000) 13_03_07【夜卓】彷徨える騎士(20000-35000) 13_03_09【昼卓】花盛りの渓谷(3000-6000) 13_03_19【昼卓】魔剣の迷宮オンライン1(25000-35000) 13_03_23【夜卓】魔剣の迷宮オンライン2(10000-15000) 13_03_27【夜卓】魔剣の迷宮オンライン3(11000-17000) 13_03_31【昼卓】魔剣の迷宮オンライン4(26000-37000) 13_04_06【昼卓】魔剣の迷宮オンライン5(28000-40000) 13_04_27【昼卓】魔剣の迷宮オンライン6(32000-45000) 13_04_29【夜卓】魔剣の迷宮オンライン7(40000-60000) 13_05_01【夜卓】とある村にて……(26000-35000) 13_05_09【夜卓】忘れられしもの(30000-45000) 13_09_08【昼卓】女神の回収屋(10000-21000) 13_09_21【昼卓】しえんを求めて(30000-45000) 13_10_15【昼卓】幽霊の出る館(20000-30000) 13_11_07【夜卓】老人と迷宮(初期-6000) 13_11_23【夜卓】りんご市場のお手伝い(45000~70000) 13_12_30【夜卓】老人と迷宮 ~第二夜~(初期~7000) 14_01_25【夜卓】超越者と死の石版(20000~30000) 14_02_01【夜卓】奇妙な埋葬(40000~55000) 14_02_09【昼卓】死王の回廊(20000~35000) 14_02_16【昼卓】姿無き防衛者(30000~40000) 14_03_01【昼卓】突撃!ルキスラ地下遺跡!(15000~25000) 14_03_01【夜卓】突撃!ルキスラ地下遺跡!リベンジ!(15000~30000) 14_04_20【昼卓】湖畔にて(30000~42000) 14_08_15【昼卓】根切りの村(3000-5000) 14_09_05【夜卓】老人と迷宮 ~第三夜~(15000~25000) 14_09_07【昼卓】老人と迷宮 ~第四夜~(20000~30000) 14_10_03【夜卓】ザルツ冒険記(75000~110000) 14_10_13【昼卓】夢と信仰と(3000~6000) 14_11_03【昼卓】魔剣の迷宮オンライン8 (30000~50000) 14_11_23【昼卓】魔剣の迷宮オンライン9 (30000~50000) 15_01_02【夜卓】逃げ出した魔獣 (40000~60000) 15_05_10【昼卓】デッドマンズ・ヴィレッジ (10000~20000) 15_05_17【昼卓】妖精森の魔動機師(4500-7500) 15_05_24【昼卓】幾つかの討伐依頼(4500-7500) 15_06_06【昼卓】幾つかの討伐依頼2(3000-7000) 15_06_14【昼卓】4門の回廊(5000-9000) 15_06_21【夜卓】ファニー・メイカーの回廊(5000-9000) 15_08_01【昼卓】ファニー・メイカーの回廊2(4000-7000) 15_09_01【夜卓】消せない傷痕(20000-26000) 15_09_22【夜卓】ファニー・メイカーの回廊3(19500-26500) 15_09_27【昼卓】妖霧の森(3000-6500) 15_10_07【昼卓】響く音(5500-8500) 15_10_11【夜卓】蛮族の砦(20000-30000) 15_10_18【昼卓】一粒の涙(6000-9000) 15_10_24【夜卓】ファニー・メイカーの回廊4(8000-13000) 15_10_30【夜卓】寂れた村にて(26000-35000) 15_11_01【夜卓】蘇る死者たち(10000-15000) 15_11_07【昼卓】夜、聞こえる音(700-14000) 15_11_08【昼卓】ヤーガイム北戦場跡(3000-7000) 15_11_20【昼卓】血を収穫するもの(9000-14000 15_11_21【昼卓】老人と迷宮 ~第五夜~(31000~43000) 15_11_27【夜卓】ファニー・メイカーの回廊5(10000-15000) 15_11_28【昼卓】西平原・幻獣討伐戦(5000-10000) 15_12_02【夜卓】迷宮の怪物討伐(3000-5000) 15_12_06【昼卓】ある日、一軒家にて(3000-5000) 15_12_09【夜卓】井戸掘りのお手伝い(7000-11000) 15_12_15【夜卓】銀の竜(25000-35000) 15_12_18【夜卓】遺跡探索の帰りに(3000-6000) 15_12_23【夜卓】ヤーガイム北山脈・幻獣討伐戦(30000-45000) 15_12_27【昼卓】指輪を追って(3000-5000) 15_12_27【夜卓】突撃・魔法遺跡!(10000-15000) 15_12_29【夜卓】ファニー・メイカーの回廊6(90000-200000) 15_12_30【昼卓】モンスター・ハント!(24000-33000) 15_01_02【昼卓】モンスター・ハント!2(40000-50000) 15_01_03【昼卓】魔剣の迷宮・現る!(5000-11000) 15_01_03【夜卓】ベジンデッラ雑貨店にて(70000-200000) 15_01_05【昼卓】魔剣の迷宮・現る!2(8000-12000) 15_01_06【夜卓】現れた刻印(70000-200000) 15_01_10【昼卓】魔剣の迷宮・現る!3(14000-20000) 15_01_13【夜卓】突撃・魔動遺跡!(14000-21000) 15_01_16【夜卓】カプティ山岳幻獣討伐隊(14000-20000) 15_01_17【昼卓】アンデッド・バスター(14000-20000) 16_01_19【夜卓】収穫の森(14000-20000) 16_01_23【夜卓】奪われたもの(14000-20000) 16_02_05【夜卓】砂漠へと(7000-11000) 16_02_09【夜卓】魔剣の迷宮・現る!4(14000-21000) 16_03_01【夜卓】逃亡機械(25000-37000) 16_03_08【夜卓】魔剣の迷宮・現る!5(20000-30000) 16_03_12【夜卓】迷子になった少年(7000-11000) 16_03_18【夜卓】魔剣の迷宮・現る!ルキスラ偏(20000-30000) 16_03_19【昼卓】思い出の場所(4500-8500) 16_03_21【昼卓】逃げ出した獣(30000-40000) 16_03_26【昼卓】魔剣の迷宮・現る!ルキスラ偏2(20000-30000) 16_03_26【夜卓】幾つかの討伐依頼3(10000-20000) 16_03_29【夜卓】幾つかの討伐依頼4(30000-40000) 16_03_31【夜卓】幾つかの討伐依頼5(30000-40000) アド 16_04_02【夜卓】幾つかの討伐依頼6(30000-40000) 16_04_05【夜卓】幾つかの討伐依頼7(20000-30000) 16_04_09【夜卓】幾つかの討伐依頼8(30000-40000) 16_04_10【昼卓】剣と魔法と戦争モノ(4000-8000) アド 16_04_13【夜卓】幾つかの討伐依頼9(20000-30000) アド 16_04_16【昼卓】剣と魔法と戦争モノ2(7000-11000) アド 16_04_19【夜卓】幾つかの討伐依頼10(20000-30000) アド 16_04_24【夜卓】幾つかの討伐依頼11(3000-5000) アド 16_04_29【夜卓】剣と魔法と戦争モノ3ベーシック編(30000-40000) 16_05_01【昼卓】遠い街まで行商に(4000-8000) 16_05_02【夜卓】森を守るもの(26000-35000) 16_05_11【夜卓】魔剣の迷宮・現る!6(20000-30000) アド 16_05_14【夜卓】職人への道(30000-40000) 16_05_20【夜卓】幾つかの討伐依頼12(26000-37000) 16_05_21【夜卓】三叉路の獣(5000-8000) 16_05_22【夜卓】幾つかの討伐依頼13(30000-50000) 16_05_29【昼卓】幾つかの討伐依頼14(40000-50000) 16_05_29【昼卓】南から来た商人(5000-9000) 16_06_03【夜卓】イラストレイター!(3000-6000) 16_06_04【昼卓】魔剣の迷宮・現る!7(4000-7500) アド 16_06_11【昼卓】とある学者の買い付け依頼(14500-20000) 16_06_25【夜卓】過ぎた返却期限(6000-12000) 16_06_26【昼卓】神の住む島(10000-15000) アド 16_07_01【夜卓】幾つかの討伐依頼15(7000-12000) 16_07_02【昼卓】幾つかの討伐依頼16(7000-12000) アド 16_07_03【昼卓】幾つかの討伐依頼17(19000-27000) アド 16_07_10【昼卓】幾つかの討伐依頼18(15000~25000) アド 16_07/16【夜卓】失われた聖遺物(5000-10000) アド 16_07/18【昼卓】海辺の怪異(15000-23000) アド 16_07/23【夜卓】森の保護協定(10000-17000) 16_07/30【夜卓】霧に包まれた街(10000-15000) 16_08/06【昼卓】採取依頼(10000-17500) アド 16_08/07【夜卓】採取依頼・ザルツ編(10000-20000) 16_08/09【夜卓】2つの迷宮(20000-30000) 16_08/13【夜卓】不死の管理人(10000-20000) 16_08/18【昼卓】トカゲの報復者(20000-30000) 16_08/20【昼卓】沼地に住む魔獣(10000-20000) 16_09/02【夜卓】I・B(15000-25000) 16_09/10【昼卓】はとをおって(15000-25000) 16_09/11【夜卓】誓いの泉(15000-25000) 16_09/13【夜卓】魔物退治に行こう。(15000-25000) 16_09/17【昼卓】死者の村(30000-40000) 16_09/17【夜卓】技と知と魔法の迷宮(15000-25000) 16_09/18【夜卓】逃げ出した画家(15000-25000) 16_09/24【昼卓】竜の眷属(35000-50000) 16_09/24【夜卓】あおいドラゴン(17500-27500) 16_09/30【夜卓】古い風習(18000-28000) 16_10/01【夜卓】答えられぬ謎かけ(17000-30000) 16_10/02【昼卓】西都カーネージ・コロッセオ(25000-35000) 16_10/07【夜卓】崖に棲むもの(20000-35000) 16_10/09【昼卓】技と知と魔法の迷宮2(20000-35000) 16_10/10【昼卓】Multi-Buster(20000-35000) 16_10/14【夜卓】Multi-Buster-2(25000-35000) 16_10/15【夜卓】しるべの指す行方(25000-35000) 16_10/16【昼卓】いわゆる行方不明事件(8000-12000) 16_10/21【夜卓】幾つかの討伐依頼19(27000~37000) 16_10/23【昼卓】西都カーネージ・コロッセオ2(25000-40000) 16_11_05【夜卓】リルズの聖泉(30000-40000) 16_10_30【昼卓】Multi-Buster-3(40000-60000) 16_11_19【夜卓】採取依頼2(30000-40000) 17_01_07【夜卓】ディザ南にて(3000-45000) 17_01/13【夜卓】帝都怪死事件(30000-45000) 17_02/04【夜卓】螺旋の渦(30000-45000) 17_02/17【夜卓】デモニック・バトルシップ(40000-60000) 17_03/04【夜卓】ドワーフ鉱山にて(30000-45000) 17_03/11【夜卓】とある行方不明事件(30000-45000) 17_03/18【夜卓】反射世界(フリー卓) 17_03/25【夜卓】水晶洞の王(40000-55000) 17_04/01【夜卓】デモニック・バトルシップ2(45000-60000) 17_04/21【夜卓】新・討伐依頼(45000-65000) 17_04/28【夜卓】響く音・ドラゴン編(45000-65000) 17_05/01【夜卓】物音の正体は(3000-5000) 17_05/07【夜卓】遺跡探検(4000-7000) 17_05/12【夜卓】地下墓地の亡霊(3000-7500) 17_05/13【夜卓】新・討伐依頼2(3000-7500) 17_05/20【夜卓】魔剣の迷宮・現る!ルキスラ編3(4000-8000) 17_05/27【夜卓】魔剣の迷宮・現る!ルキスラ編4(3000-7000) 17_06/03【夜卓】きかいなごぶりん(3000-6000) 17_06/16【夜卓】魔剣の迷宮・現る!ルキスラ編5(5000-10000) 17_06/23【夜卓】死の宣告(7000-11000) 17_06/30【夜卓】新・討伐依頼3(10000-20000) 17_07/16【夜卓】畏怖する森(10000-17000) 17_08/04【夜卓】地底湖の魔物(10000-20000) 17_08/11【夜卓】死の騎士団(10000-20000) 17_08/25【夜卓】キーニングの魔法店(3000-8000) 17_08/27【昼卓】キーニングの魔法店2(3000-8000) 17_09/03【昼卓】キーニングの魔法店3(3000-6000) 17_09/10【昼卓】キーニングの魔法店4(10000-20000) 17_09/22【夜卓】幻獣被害(3000-7500) 17_11/17【夜卓】川向こうの危機(7000-11000) 17_01/09【夜卓】湖岸の古神殿(15000-21000) 18_02/09【夜卓】氷の洞窟(16000-23000) 18_03/03【夜卓】きみょうなどうぶつ(16000-23000) 18_05/26【夜卓】獣の村(15000-25000) あど 18_06/22【夜卓】採取依頼3(17000-27000) 18_07/15【夜卓】国境沿いの村にて(3000-7000) 18_08/31【夜卓】三日月島(40000-60000) あど 未使用数/総獲得数 78/190 |りゅうかごA所持枠(GMB使用数)|6枠(2+5+5=12)| |りゅうかごB所持枠(GMB使用数)|8枠(2+5+5+5+5+5=27)| |成長回数|73回| |AorB|現状|キャラクター名|成長使用数 |A||マヤー |A||レティシオーネ |A||レティシオン・デルタ |A||ウィラー |A||リリナシア |B||エーテル|成長67 |B||セレナ成長1 |B||エルテミス成長3 |B||ガーデニア |B||レティシオン・アルファ |B||スティラ・イル・ラムダ |B||スティラ・イル・テータ成長1 |B||ルキフェリア・ベート |B||ラズィーア・ゼファウィンド成長1 |B||アルフォンス |B||(引退)ティリオン・ディープウォーター |B||(引退)エーリス |B||(引退)レティシオン・プロト |A||(引退)エイル |A||(引退)グリム |A||(引退)イナンナ |A||(引退)フィーネ |A||(引退)ファーナ |A||(引退)カテリナ |A||(引退)クラレット |A||(引退)ねこ |A||(引退)S-208 |B||(引退)トリスタン |B||(引退)パニアス |B||(引退)リヒター |B||(引退)チルマ GMページ http //www51.atwiki.jp/dcab/pages/157.html
https://w.atwiki.jp/finelake777/pages/13.html
こんばんは。ご覧下さいましてありがとうございます。
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/549.html
al fine (後後) 1 ◆Live4Uyua6 深い闇に赤白の星が打たれた緞帳も昇った朝日に吊られて持ち上がり、演劇は終わりの終わりへと向け遂に始まる。 隅々まで明るく照らされた舞台の端より端へ。 劇を演ずる役者達はひとつひとつ確実にステップを刻み、歌を歌い、踊り、そして感情を露に心の内を吐き出し舞台を渡る。 己が立ち位置へと向かい、そこが不明なれど惑うことなく足を踏み鳴らし、予感を頼りに彼らは進む。 そして未だ明らかにならぬ暗がりの中にも役者の影がちらほら。 彼女達は足を止め、舞台を見下ろし、耳を傾け、その眩しさ、その喧しさに何を思うのか。 何を思い、そしてそこから生まれた想いを彼女達はどちらへと向けるのだろうか。それもこれもまだまだ不明。 辿るは道。戻るは思い出。垣間見るは心。振り返るは過去。進むは後後。明らかでないは――その先。 - ギャルゲ・ロワイアル2nd 第二幕 連作歌曲第二番 「al fine (後後)」 - 入れ替わり立ち代わり、表と裏。舞台の中と舞台の外。 演劇の第二幕は世界の端の橋。残骸としか呼べず、過去しか残っていない、そんな寂しい風景の中から始まる――…… ・◆・◆・◆・ 「追憶は風に消え、現実は変わる事は無い」 横なぐりの風に、薄い金の髪が流れる。 今はもう遠い日々、同じような光景を目にしたかもしれない。 今のように橋の上か、それともビルの屋上か、あるいは街の雑踏の中かそれとも硝煙の香りの中か。 あるいはそんな光景なんてどこにも無かったのかもしれないが、例えそうだとしても気落ちなどしない。 彼女と……キャルと過ごした日々の中には、そのくらいの眩しさはあたりまえの事だったと、それだけなのだから。 ……ふと、風に混じった砂に視界を奪われる。 気がつけば既に風の気配はなく、あるのは決して揺るがぬ景色。 俺の立つ場所は壊れた橋の上でしかありえず、追憶のそれよりも薄い色の髪の主は、もちろんキャルではない。 短い髪に揺るがぬ表情を持つ少女、『深優・グリーア』 キャルと似ている点があるかと聞かれれば、似てない部分のほうが多い……外見も、内面も。 要するに、こんな事を感じる原因は他のところに、俺の中にあるという事だろう。 「玲二」 俺へと振り向いた深優に、視線だけで返す。 そういえば俺の呼び方だけは、同じではある……そんな事は誰も気にしないだろうが。 壊れた橋の上、立ち尽くしていた深優は果たしてどのような景色を目にしていたのだろうか。 大体の想像が付くが、それは俺の考える事では無い……俺には意味の無いことでしかないのだ。 確か、九鬼耀鋼と、そんな名だったか。 憎しみに囚われて鬼と化す、そんな当たり前の男の事など。 深優がどのように感じていようと、俺には意味がない、無論俺の考えも深優に意味などない。 幾つの事実を知らされても、どれだけの言葉を重ねられても、選ぶのは自分自身なのだから。 だから深優が九鬼との邂逅をどう感じていたとしても、俺があの男に抱く感情は変わらない。 俺と同じ、愚かな男。 ただひたすら仇のみを追い求めた俺と。 仇へのそれよりも自分自身への憎しみが上回った九鬼。 どちらがより愚かなのか、論じることがもっとも愚かだろうか。 或いは深優は否定するかもしれないが、俺には否定する理由はない。 そして、愚かだととうにわかっていたとして、それを曲げるつもりもない。 いつの間にか俺のとなりに並んだ深優が、俺と同じ方向に向き直る。 少なくとも、初めて会った時の深優ならばそんな風にはしなかっただろうが…… 深優は、変わった。 間違いなく。 そして、俺も少しは変わったのだろう。 そうでなければ、こんな風に考える事も無かっただろう。 「スタンダァーープ!!であるそこの二人! こんな何も無いところで何を見つめあっておるのであるか!? む、いや待て待つである、既に我輩含めてこの場は皆立っている、つまりシットダウーーーーーンである皆の衆!!!! ふう、やれやれどっこいしょと、やたらと残骸が多いであるなここは」 「…………」 「…………」 別に長い時間見ていた訳では無いが……この男は何も変わらない。 恐らくこいつは俺や九鬼のことは盛大に愚かであると叫ぶのだろうか。 多少納得のいかない物を感じなくも無いが、否定する事も無い。 「ってそこな二人何を華麗にスルーしているであるか!! 我輩がシットダウンと言っているのであるからさっさと座るである!! あ、いや待て座ってはいかん座っては、そういえばなぜ我輩は座っておるのであるか!? はっ、これはもしや孔明の罠……? と、まあそれはどうでもいいのである、という訳で何そんな所で景色など眺めておるかそこの二人!! デートか!デートであるか!? そうなると我輩どう見てもお邪魔虫、ここはすごすごと退散するのが礼儀らしいが我輩元々礼儀など知った事では無いので盛大に邪魔してやるであーーーる!! さあ、という訳でさっさと戻ってこいなのであるそこな二人! うむ、元々の伝言も組みこめてまさに一石二鳥、さすがはドクターーーァウエスト!!である」 「「帰れ」」 「それはこっちのセリフじゃこのバカップル候補生!! というか無駄にハモるなであーる! 嫌味か?嫌味であるか!? 貴様ら二人我輩たちの護衛的なポジションだったであろ!!二人して長い時間離れるとか何考えておるのであるかーーー!! イチャイチャするならホテルに行ってからにしろと! いやまあ実際まだ10分くらいしか経っておらんのではあるが何故か我輩あの憎っくきアル・アジフめにさっさと連れ戻してこんかと文句言われたのである!! 理不尽である!反省汁! というか何故超絶大天才な上にかなり重症な部類に入る我輩がこんな事しなければならんのか非常に納得いかんのであるが成人男性なのだからとか言われては反論も出来んのである! うむ、我輩は大人である。 まあ実際はCDアルバムが一周するくらい反論し続けるなどたやすいのであるがその途中で力技に出られて今ここにいるのであるマル…………という訳でさっさと戻ってこいなのであーーーる!!荷物の回収程度のどれだけの時間を使うつもりなのであるかたわらばっ!!??」 「……玲二、いくら気に障るからと言って投石はどうかと」 「そういうお前が背中に隠した石は何だ、野球でもする気か?」 ビー球程度の石を当てただけ、当たり所が悪ければ充分に武器になるがあの男相手では気にするだけ無駄だろう。 煩かったのでとりあえず黙らせてみたが、よく考えてみればその必要は無い。 ここでの用件は既に済んでいる。 かつて使用した道具の数々、レザーソーに銃が三丁、時間にしておおよそ3分程で回収し終えた。 この内の一丁、火炎放射器のような銃はアルがやたらと気にしていた代物だが、見たところ問題は無さそうだ。 問題があるとすれば二度ほど放り投げたコルトM16だろうか。 海が近い事もあるし、スコープの微調整なども考えると一度整備するべきだろう。 これ以上この場にいても特に得るものも無い……のだが。 「……しまったな」 「……ですね」 特に危機感も無くそんな会話をしながら、再び彼方に目を向ける。 どこか当たり所が悪かったのか、ウェストは倒れたまま目を覚まさない。 呼吸もしっかりしているので問題は無いがアレを背負って帰るというのは御免蒙る。 まあ、騒がしい連中と長かったのでもう少しのんびりするとしよう、と深優と意味も無く通じ合う。 連中の下に帰るのが遅くなったとして、どうせ文句を言われるのはウェストなのだから問題は何も無い。 「……玲二」 「……なんだ」 「結局、貴方は何を望んで戦うのですか?」 思い返せるかも判らない郷愁に身を委ねようか、などと似合わぬ事を考えたせいかそれは深優の言葉に遮られる。 それは、あるいは誰かに聞かれる事が予想された問いでもある。 「那岐や、九条むつみを含めて、私たちの目的は神崎黎人の打倒とそれによるこの儀式の破壊、元の世界への帰還に統一されています。 ……無論、大なり小なりの誤差は存在します、柚明さんは恐らく帰還することよりも桂さんの身の安全の方を優先していると考えられますし、私も私自身よりもこの儀式の破壊の方に重点を置いています。 逆にやよいさんや桂さんは、皆が助かるならば神崎黎人の殺害にはそれほど固執はしないでしょう、憎しみは抱いているでしょうが、いざ彼を殺せる段階に至ったならば迷い、あるいは彼の助命を請う筈です」 ただ、それでもこのゲームの破壊と殺し合いという儀式の放棄、その部分については皆が一致しています……美希さんやファルさんに至るまで」 僅かに緊張を孕んだ空気の中で、緩やかに思考する。 殺し合いを否定した人間であれ、肯定した人間であれ、大まかな目的は変わらない。 殺し合いの放棄と、主催たちとの対峙。 「ですが、貴方は違います。 神崎黎人を殺すという点までは疑いようもありません。 しかしその後、仮に私たち全員を殺せば望みが叶う、という確実な保障があるならば、貴方は再びその誘いに乗るのではないですか?」 「……否定は、しないな」 口先だけの誘いではなく、何か物証があるならば。 俺は、その時に躊躇はしない。 俺は元々『ファントム』だ、人を殺す事に躊躇いなどは無い。 ……ただ、 「だが、何にせよ誘いに乗る気は無い。 それは神崎黎人でも、ナイアとかいうのでも変わらない。 奴らの命ごと、奪い取る。 俺がするのはそれだけだ、何も変わらない」 そう、俺は奴らの誘いに乗ることなどあり得ない。 標的の命乞いに耳を貸した事など一度も無いように。 俺のすることは何も変わらない。 「ああ、だが、ナイアとかいう存在から奪い取った力。 それがもし、他の生き残り全員を殺さないと作動しないというのなら、躊躇なく実行する」 僅かに弛緩した空気が、再び硬さを取り戻す。 そういえば、深優とは元々はこういう空気の付き合いだった筈なのだがな。 いつの間にかあの連中に当てられて緩んでいたのだろう。 ……深優も、 「だから、その時は躊躇わずに俺を殺すんだな。 息の根をとめない限りは歯だけでもお前らを殺すだろうからな」 ……俺も、 話は終わりとばかりに、彼方に目を向ける。 こんな事は言わないほうが簡単に決まっている。 わざわざ宣告するような殺人者など変態以外にはいないだろうに。 「……」 「……」 乾ききった空気を流そうかというように、湿った風が吹いてくる。 冷たさを含んだ海風は、もはや記憶にもない遠い日々に浴びたこともあっただろうか。 思い起こすほどの事でも無いし、思い出せる事でもない。 「やはり、諦めきれませんか……」 「違うな、元々諦めてなどない」 それほど遠い昔の話ではない筈だが、それでもはるか昔のように思えてくる。 俺もあったらしい、連中と同じような平和な日々はとうに奪われている。 もう残されているのは、鉄と血と硝煙の死の香りがする世界のみ。 その灰色の日々の中にあって、唯一輝きを保ちつづける記憶。 そう、どんなに願っても取り戻すことのできない景色。 だが、それを望んでしまうことは間違いなのか? 誰にもそれを否定することは出来ない。 ただ、押さえ込むだけだ。 過去は変わらない。 そう、己の心に言い聞かせるだけだ。 それが、残されたものに出来る唯一の事柄。 だが……そうでは無いのだとしたら? それを間違いであると、誰が言えるのだろうか。 ・◆・◆・◆・ 「……愚かであるな」 いつの間に目を覚ましたのであろうか。 風に身を任せ続ける二人に、その場にいた最後の男の声が掛かる。 「千羽烏月といい此処には愚か者がやたら多いようである」 ドクター・ウェスト。 どこから聞いていたのか、彼は開口一番にそう述べた。 玲二の事を、彼の望みを愚かであると、一息に切って捨てた。 「……」 玲二にとってその反応は既に予想されたもので、特に怒りは芽生えない。 いや、どちらかと言えば戸惑っているというべきだろうか。 いつもの如く壊れたスピーカーのように叫び続けると思っていたのだから。 「貴方は……玲二の考えを否定するのですか?」 「否定はしておらんのである、……誰にも、出来ないのである。 我輩はただ愚かだと言ったのである」 答えない玲二に代わり、深優がウェストに問いかける。 深優からすればウェストの論調は味方に属するものであるのだが、彼の無遠慮な言葉が思わぬ引き金を引いてしまう事を警戒しての事。 ……ただ、その深優もウェストの態度にいささか戸惑っていた。 故に、再び言葉は消える、あたかもその場に吹き始めた風に消されたかのように。 「理論は……完璧だった筈である」 どれほどの時が流れたであろうか。 ポツリと、ウェストが普段からは信じられないような語彙で言葉を紡ぐ。 「いや、そもそも我輩の理論に間違いなどありえないであるから、間違いなく完璧だったのである」 そう、間違いなく完璧であった筈だ。 彼は当時も変わらず天才であり、『彼女』という共同研究者もいた。 そこで生まれた理論に、間違いなどある筈が無い。 例え、その施術の際に、彼女がこの世にいなかったとしても。 「もう、何年前のことであるか……我輩はエルザの死体を盗み出し、そして、彼女を生き返らせた」 彼は若かったが、それでもその才気ににはいささかの不足も無く、己が天才性を信じて疑わなかった。 ただ、強いていうなれば、当時の彼には今のような余力が抜けていたとでも言おうか、余裕がなかったのも事実であった。 出来て当然、己に出来ぬ事などこの世には無く、世界そのものを侮り、また己の失敗を瞬時にプラスの思考へ転換出来る、ある種超越した精神が存在しなかった。 理論は完璧だ、出来る、取り戻せる、失敗するはずが無い、したくない、失いたくない、彼を動かしていたのは、ある種の強迫観念とでも言うべきもので、 「理論は完璧であり、事実エルザは生き返った、脈動し、呼吸し、動いた……間違いなく、生きているという状態であったのである。 ……ただ一つ、『それ』がエルザではないということを除いて」 エルザでは、いや人の姿をしている以外は人とも呼べぬ化け物。 エルザの姿をした、意思の無い怪物。 それが、彼が行なった蘇生の結果。 その後どうなったか、などとどうでもいい事だ。 「死者の蘇生、その理論は完璧であった筈なのに、生まれた結果が完璧ではなかった、なら間違いは他のところにあったのである。 蘇った死者は、あくまで蘇った死者でしか無いのである。 死者を生者に戻すには、また違った理論が必要なのであろ」 それは、ある意味では正しく、ある意味では間違っている結論。 過去は変わらない、故に人は生き返らない。 生き返ったとして、それはやり直す事にはならない、ただ続きが紡がれるだけだ。 だからこそ、『彼女』は蘇らなかった、彼が取り戻す事のみを望んだが故に。 ……もっとも、それが判ったとて、今はもう彼には死者の蘇生に挑む意思は無い。 答えが判っていながらそれに挑まないなどと、彼にはありえない事なのに、それに挑もうという気が起きない。 それはその答えがまた間違うのが怖いのか、それとも正解であると証明してしまう事が怖いのか。 いずれにしろ、今はもうウェストには死者を蘇らせるという意思は無い。 己が技術の粋を持って作り上げた人形に、『エルザ』と名づけたのは単なる未練か、それとも。 いずれにしろ、『彼女』のことはもはや未練でしか無い。 故に、振り返る事はない、彼がドクター・ウェストである限りは。 ・◆・◆・◆・ ……少し、驚いた。 「明日からしばらくは大雨ですか……突入に支障が出そうですね……」 「潜入自体は容易くなるが証拠が残りやすくなるな。 どれだけ迅速に行動できるかが鍵になるだろう」 「む? 我輩のカンではここ数日晴れの筈であるが?」 ……気のせいだったか? あの一瞬、誰か別人のようにすら見えたのだが。 「まあとにかくである、死者の蘇生、それを行なったところで、何処かに不具合が生じるであろうな。 壊れた物でさえ完全に直す事は出来ても元に戻すことは出来ないのである。 我輩の破壊ロボとて、それは同じ。 なのでとりあえず愚かな考えは一時置いておいて我輩の下僕になって憎っくき大十字九朗を倒すのである! お前ならやれる!」 「……なぜそうなる」 「玲二、私も彼の意見に賛成です」 「……正気か?」 馬鹿は感染するというのは本当だったのだろうか。 そうなるともうあの連中も半分くらいは終わっているかもしれないな。 それなりに良い連中ではあったのだが……蛍の光程度には輝くくらいには。 まあ……墓碑に花くらいは添えてやろうか。 「現象としての蘇生であれば、おそらくは可能です」 「……そっちか」 「……? 他の話題などありましたか?」 「いや、問題無い」 便利な耳だな。 ……うらやましい。 ・◆・◆・◆・ 「『サーヴァント』という現象があります。 過去の偉人、英雄と称される存在を、現世に呼び起こす儀式。 最も、私も知識として与えられただけですが、過去の『英霊』人間としての輪廻より外れ、英雄としての型に押し込まれた存在。 それらを呼び出し、使役する法がサーヴァント、言峰綺礼ならばより詳しいことを知っているそうですが。 玲二、貴方が出会ったという黒衣の暗殺者、真アサシン。 彼の本当の名は『ハサン・サッバーハ』 世界で最も古く有名な、中東の暗殺教団『山の老人』の教主の一人です。 ただし、本当の彼はとうの昔に無くなっていますが。」 「…………」 「サーヴァントには彼ら自身の人格が存在し、己の意思で、己の望みにために行動できます。 これは確かに死者の蘇生といえるでしょう。 ……ですが、それはあくまで既に英雄として完結した存在でしかないのだそうです。 彼らの物語は、彼らの死によって完結しています、この世に再び呼び起こされたとしても、それは既に過去のものでしかない。 彼は既にハサン・サッバーハではない、いえハサンという存在ではありますが、それはあくまでハサンとして生まれかわったというようなものであり、決してその生の続きが出来る訳ではありません」 深優は語る、己の知る死者蘇生と酷似した現象を。 なるほど、それは確かに死者の復活であろう。 だが、それは断じて蘇生ではないと、そう告げた。 それはあくまで登場人物が同じなだけの、別の物語を生み出すだけだと。 続きを生み出すわけでは無いのだと。 「私はアリッサ様を蘇らせたいと思いません」 少しの沈黙と戸惑いの後。 それでも深優ははっきりと告げた。 その言葉には、いささかの迷いも無いとばかりに。 「無論未練はあります。 出会えるのであればもう一度出会いたい。 もう一度アリッサ様の側でその歌声を聞きたいという想いが、そう、『感情』があります。 ……ですが、それならば、この力は」 その瞬間、深優の両手に羽を模した光の刃が生まれる。 深優・グリーアの、深優・グリーアとしてのHiMEの力。 「これは、私のアリッサ様への想いです。 アリッサ様と私の物語の果てに、私が手にした想いです。 私がアリッサ様の死を否定するという事は、同時にこの力を、アリッサ様への想いも、否定することになります」 そして、それは許されない事。 深優・グリーアという少女が深優・グリーアである為に、否定してはならない事。 「私とアリッサ様の物語は、完結しました。 それは変わるはずの無い事実です。 ……ですが、それでもアリッサ様の物語は、私の物語の一部として続いていきます、恐らくは私が壊れるまで」 だからこそ、彼女はアリッサを望まない。 アリッサを望むという事は、同時に深優の中のアリッサを否定する事なのだから。 そんな事をしなくても、深優はアリッサの事を感じられるのだから。 「玲二、貴方がキャル・ディヴェンスを生き返らせたとしても、貴方と彼女は、決して元の姿にはなりえません。 貴方と彼女の物語は、既に二度、完結しています。 再び出会った彼女は一度目の彼女とは異なり、貴方の敵として存在しました。 二度目に出会った彼女が蘇ったとして、それが同じになりえると、どうして言えるでしょうか」 深優は、あえて己の言いたいことの全てを、口にはしなかった。 玲二が目的を果たしたとして、果たしてそれは彼の望みが叶った事になるのか、と。 暗に、彼に問いかけた。 ・◆・◆・◆・ 「御託は、いいさ」 僅かに、乾いた声を出す。 「俺とキャルの形は元に戻らない? キャル自身がそれを望まないかもしれない? そんなどうでもいい事はとうに承知しているさ」 ただ、漠然とした形としてあっただけ、だが。 あるいは、それを認めるのが怖かったのかもしれないが。 「ああ、それでもいいさ。 キャルが生きていてくれるのなら、俺がどうであっても、な」 そう、とっくに覚悟していたのだ。 その思いは、今も変わる事は無い。 「だから、俺のやることは変わらない。 神埼黎人を殺し、ナイアとやらから蘇生の力を奪い取る。 その時にもし必要なものがあるなら、躊躇う気なんて無い」 「……他に方法はあるかもしれませんが」 「そんなものを探せるほど器用じゃないさ、俺は」 そう、そんな事が出来るくらいなら、俺はとうに違う所にいる。 少しばかりの変化があったとして、俺の根幹が揺らぐ事は無い。 「ああ、安心しろ、その時はちゃんと言ってから殺しに行く。 問答無用で敵になる事は無い。 だからその時は躊躇わずに殺せ」 ただ、少しばかりの遠回りくらいはしてもよいかと、そう感じようになった程度には、変わった、それだけの事。 僅かに見える、小さな灯火 輝く時間というほどではなくとも、それこそ蛍の光程度でも、その灯火を守ろうというくらいには。 もしもの時に、僅かに、それこそ一瞬程度でも、かつてアインを撃てなかった時くらいに躊躇するくらいには。 ・◆・◆・◆・ もう話は終わり、とばかりに玲二は歩き出す。 それを、ウェストと深優は少し見送る。 「貴方が、あのような事を言うとは思っていませんでした」 「さて、我輩も、何が言いたいのであろうな……過去を振り返って我輩の時間を無駄にするなど世界の損失であるというのにである。 まあ、我輩の無駄にした分の時間の数百分の一の収穫ぐらいはあったかもしれんではあるがな」 「……先ほどのようにマジメであれば、トーニャさんの負担も少しは減るでしょうに」 「ふん、あのようなツンギレに用は無いのである、ついでに我輩はいつでも本気である」 そうして、ウェストも玲二の後を追う。 もはやこの場所には何も無いのだから。 ややあってから、深優もそれに続く。 「玲二は或いは再び私たちの敵となるのでしょうか……?」 「……最初に言ったであろ、それは誰にも否定出来んのである」 正しい答えなど、何処にも無い。 ウェストはエルザを蘇らせる事は出来なかった、そしてもうその意思はない。 深優はアリッサを失った、彼女を蘇らせる意思は深優には無いけれど、それでもその姿を汚した者たちへの怒りは消えない。 玲二は二度キャルを失った、彼女を取り戻す意思は変わることは無い……ただ、少しばかりの遠回りを許容するだけで、目的地は変わる事ない。 短い幕間は終わる。 風によって生まれた追憶は風とともに消え去り、現実は何も変わる事は無い。 事実を客観的に確認しあっただけの、目新しい発見も無い、 それでも、確かに意味はあった、言葉にしなければ、何も見えないのだから。 他人の事であれ、自分自身のことであれ。 HERE WE GO!! (出立) 後編 <前 後> al fine (後後) 2
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/3874.html
《It's fine today》 幾度の闇を払った先にある未来。 澄みわたる青空のような世界を夢見て、駆ける。 最初は歩くような速さで。 やがて、世界を貫く速度で。 今こそ紡ごう。 加速していく物語、その終わりを。 Coming Soon 主題歌 オープニング: エンディング: LiSA より、いつかの手紙 関連画像 関連ページ 歴史 其の五へ戻る ※質問、提案、要望などがあればこちらで承ります※ コメント ブルエンの『もっと光を』に代わる新OPの候補をいろいろ探してみました! どうぞ参考に! SHIT HAPPENING『OVER』 歌詞 AJISA『EXIT』 歌詞 POP DISASTER『Calling』 -- (黒い羊) 2015-04-29 21 30 55 なんやこの名曲揃い…! メロディも歌詞もグッときました。ぜひぜひ候補にいれさせていただきます! 黒い羊さんありがとうございましたー! -- (わん) 2015-04-30 21 42 24 名前 コメント すべてのコメントを見る