約 3,703,449 件
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/182.html
クリフトとアリーナの想いはPart7 39 :トルネコさんと1/5 ◆XJ3Ut0uuQQ :2007/03/07(水) 11 56 57 ID JBc0rd1S0 クリフトは、トルネコと2人、星空の下、無言でレイクナバの街を歩いていた。 古い友人と共に教会に行く、と言うトルネコに付き合ったクリフトだったが、その古い友人の息子が、教会のシスターと結婚していることを知り、驚愕した。 神に仕える身でありながらこの人を愛してしまったと、しかし、幸せそうに夫を見つめて微笑むシスターの姿は、いつまでもクリフトの脳裏を離れなかった。 沈黙をやぶって、トルネコがクリフトに話しかけた。 「クリフトさんは…結婚なさらないのですか?」 トルネコも、先ほどの夫婦のことを考えていたらしい。 「私は、神に仕える身で…。」 クリフトは、その種の質問に対し、いつも用いている常套句を口にしかけて、今回に限ってはそれが通用しないことに気づいた。 トルネコは、顔をしかめたクリフトにくすくす笑った。 「そうそう、だめですよ、クリフトさん。今回はいつもの決まり文句では逃げられませんよ。 たった今、神に仕えながら素晴らしい家庭を築いている人にお会いしてきたばかりですからね。」 「…私は、不器用ですから…。信仰と家庭の両立などできません…。」 クリフトはトルネコから顔をそらすと、苦しげに言った。 トルネコは、笑い顔を引っ込めた。 再び2人の間に沈黙が落ちる。 夜のレイクナバには人影もなく、石畳に、2人の足音だけが響いた。 トルネコは、しばらく無言で歩いていたが、やがてポツリと呟いた。 「…家庭を持つと言うことは、いいものですよ。」 さっきの話を蒸し返すつもりか。 クリフトは、逆にトルネコに質問することで攻撃をかわすことにした。 「だったら、トルネコさんは、なぜご家族を置いて旅に出ていらっしゃるのですか。」 実際のところ、以前から不思議だった。 エンドールの大商人であるトルネコが、どうしてこんな危険な旅に出たのか。 街にいれば、愛する妻と子と、何不自由なく豊かな生活が送れるというのに。 「そうですね、もし、私とネネだけだったら、旅に出てなかったかもしれません。 でも、ポポロが生まれたから…だから、私は旅に出たんです。」 クリフトは不思議そうな顔をした。 逆ではないのか。家族が増えれば、逆に家を離れられなくなるのが普通だろう。 トルネコは、満天の星空を仰ぐように上を向いた。 「私はね、ポポロに、平和な世の中を残してやりたいと思ったんですよ。 そのために、勇者さんたちと一緒に旅をすることにしたんです。」 「…でも、それだったら、他の方法だって…。何も、こんな危険な旅をしなくても。」 「おや、私はこのパーティでは、お役に立ってませんか?」 「いえ、そんなことは…。」 確かに、トルネコは戦闘能力こそ低いものの、その宝を探す能力、武器の目利き、行く先々の街での人脈など、今の一行にはなくてはならない人物であった。 「私は、世界を良くするために、自分を一番効率的に使える方法を選んだだけなんですよ。」 効率は大事ですよ、と商人の顔でトルネコは笑った。 「子供のために、親は、世界をより平和に、住みやすいようにしようと自分の持てる力を尽くす。 そうやって世界は少しずつ良い方向に変わっていくと思うんです。」 そう言って、トルネコは、クリフトを正面から見据えた。 トルネコは、もう笑っていなかった。 「クリフトさん。確かに、神様にお仕えすることも、大事なお仕事です。 でも、自分の子供に平和な世界を残してやるという喜びは、親にしか経験できません。 私は、クリフトさんにも、その喜びを経験して欲しいんです。」 クリフトは、トルネコの真剣さに気圧されたように顎を引いた。 「どうして、私に…?」 「クリフトさんだけじゃない、ソロさんもアリーナさんも、マーニャさん、ミネアさん…、お若い皆さんには、全員、幸せになってほしいんです。 傷ついて、戦って、その先には、あなたたち皆に、幸せな生活が待っていると信じたいんです。」 「トルネコさん…。」 「私の夢は、クリフトさん、あなた達が、いつかは愛する人と結婚して幸せな家庭を作る、 そんな平和な世界が来ることなんです。」 「…トルネコさんの夢……いつかは、私も、愛する人と…。」 クリフトは、トルネコの言葉をつぶやくように繰り返していたが、やがて、静かに首を振った。 「トルネコさん、ありがとうございます。」 「…。」 「でも、私は…。 …トルネコさんは、私の気持ちをご存じだから、こんなことを言われるのでしょう?」 トルネコは驚いたようにクリフトを見た。 クリフトが自分の想いを他人にあからさまにすることは今までなかったことだ。 クリフトの表情は、星明りの下、どこか儚げに見えた。 「確かに、私は、姫様をお慕いしております。」 トルネコは、言葉もなくうなずいた。 「でも、だからと言って、私は自分が姫様と結ばれたいとは思っておりません。」 何か言いたそうに口を開けたトルネコを、クリフトはさえぎった。 「いや、それは、私も弱き人間ですから、そうなったらどんなにか…と夢見ることはあります。 しかし、姫様には、誰もが祝福するふさわしい相手と、幸せな結婚をしていただきたいのです。」 そして、それは私ではあり得ないんです、とつぶやいた。 「だから、アリーナさんとの結婚は望まないと…?クリフトさんは、それでいいんですか?」 「胸が全く痛まないと言ったら嘘になりますが…。」 クリフトは、以前、勇者とアリーナのことを誤解したときのことを思い出し、苦笑した。 「でも、これは、私の、偽らざる気持ちです。」 きっぱりといった。 「…そうですか。」 トルネコは、それ以上クリフトを追及することはなかった。 十字路に来た。 クリフトは、トルネコに向き直った。 「トルネコさん、やはり、私はもう少し教会で祈りを捧げてから帰ります。」 そして、分かれ道を、ゆっくりと丘に向かって登っていった。 トルネコは、そのクリフトの後姿を愛情溢れる表情で見つめると、独り言を言った。 「クリフトさん。あなたは、アリーナさんが幸せになるために一番大切なことを忘れてますよ。」 一番大切なのは、アリーナの気持ち。 そして、トルネコは、アリーナ自身、気づいていないかもしれないその気持ちが、 誰に向かっているのか、分かっているような気がした。 「私は、アリーナさんの父上のような予知能力はないですがね。」 ―――ここ一番というときの、私の勘は、外れたことはないんですよ。 トルネコは微笑むと、ゆっくりと宿への道を向かった。
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/46.html
【脳筋】クリフトとアリーナの想いは3【ヘタレ】 79 :1/5:05/02/27 02 42 34 ID /lqs+HkT 薄暗い部屋の中。 髪を撫でられる感触がして、アリーナは重たげに目を開けた。 どうやら少し眠ってしまっていたらしい。 まだ夜中であると判り、ほっとする。外は、満月。 部屋にはカーテン越しに優しい月の光が入ってきている。 視線を移すと、そこには最愛の人の顔があった。 「クリフト…」 「姫様」 視線が重なる。 そして、唇に優しい感触。 ――こんな日が、本当に来るなんて。 半年前、初めて想いを伝えたあの日も、今日と同じ満月だった。 冒険か終わり、消えていた人々がこのサントハイムの城に戻ってきて間もない頃。 意を決して扉をノックした、あの日。 ――クリフト…私、あなたのことが好き。 旅のさなか、彼が倒れたときに気付いた自分の本当の気持ち。 それだけを言うのに、どれだけの勇気を要しただろう。 ――私もです。ずっとお慕い申しておりました。愛しております、アリーナ様。 彼はそういって、優しく抱きしめてくれた。恐れや不安を打ち消すように。 そして、初めてのキス。 それ以上、言葉は要らなかった。 それ以来、月に一度はこうして人目を忍んで逢瀬を重ねている。 朝が来れば、また王女と臣下に戻らなければならない。 恋人同士でいられるのは、夜明けまでのわずかな時間だけ。 こうして過ごす時間が、クリフトとの時間がいとおしい。 「ずっとこうしていられればいいのにな」 言ってしまって、はっとなる。 初めて意識してしまった。今まで触れないようにしてきた可能性を。 彼と二度とこうして会うことすらできなくなるかも知れないということを。 一国の王女である以上、彼と結ばれることは許されないこと。 この恋が知られてしまえば、たちどころに引き裂かれてしまうだろう。 クリフトとの永久の断絶…想像したくはないが、脳裏を過ぎってしまう。 アリーナの顔に影が差したのを、彼は見逃さなかった。 「どうなさいました、姫様」 「…ううん、なんでもないから気にしないで」 「いえ、私に話してください。どんなことでもいいんです」 彼は目の前の恋人を真っ直ぐに見つめながら言った。 この瞳に、嘘はつけない。 「…本当にたいしたことではないの。ただ…その… 私って、王女として生まれてこなかったほうがよかったのかな、と思って。 だってほら、私が王女なんかじゃなければ、クリフトだって私のために こんなに苦労しなくたってよかったわけじゃない。 それに…王族とかじゃなきゃもしこのことが他の誰かに知られてしまっても そのことであなたと会えなくなったりはしないじゃない…」 いつの間にか泣いてしまっていたらしい。クリフトがが涙をそっと拭いてくれた。 「…私は、神に感謝しております。このような運命を私に与えてくださったことを。 あなたが王女様だったからこそ、私は姫様とめぐり合うことができたのです。 そのうえ、今こうして思いを通じ合わせることまでできたのです。 …私はこれ以上、何も望んではおりません」 「でも…クリフトは怖くないの?」 「姫様…」 「私…クリフトを失うのが怖い。 もし今クリフトと引き離されてしまったら、と思うと…」 不意に、クリフトはアリーナを強く抱きしめた。 「姫様…正直、私も怖いのです。しかしこれだけは約束させてください。 たとえどのような時であっても、私は姫様のお傍にいるということを…」 そっとささやく。その一言が不安が瞬く間に溶かしていく。 これがクリフトの強さ。この強さに、今までずっと守られてきたんだと思う。 「クリフト…」 アリーナもクリフトの背中に手を回す。 「好き」 「私もです、姫様」 腕に力が込められる。優しく、それでいてしっかりと。 全身にクリフトの暖かさが伝わってくる。 夜が明けるまで、この温もりに身を委ねていたい…せめて今夜だけは。 いつしか不安は完全にかき消えていた。
https://w.atwiki.jp/gamebag/pages/183.html
ゲームズアリーナニュース 【経済学科】スポーツ庁長官をオンライン表敬訪問&広島ドラゴンフライズでのサービスラーニング! - 福山大学 「2022 LoL World Championship」北アメリカの複数都市で開催へ! - e sports plus Riot Gamesの新eスポーツ社長がNBAとのコラボ、Netflixヒットシリーズ、NFTについて語る - TechCrunch Japan 2022年の世界大会「2022 リーグ・オブ・レジェンド World Championship」北アメリカの複数都市で開催されることを発表! - PR TIMES Arcaneの公開を記念し、Wizards of the Coastとライアットゲームズがコラボレーション。「Magic The Gathering Secret Lair x Arcane」を発売 - PR TIMES アニメ『Arcane』が『イカゲーム』の記録を塗り替える大ヒット あらためて紐解く『LoL』と関連コンテンツの強さ(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 中国モバイルゲーム、10月売上高は世界上位100社の4割(36Kr Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース Riot Games 『リーグ・オブ・レジェンド』初のアニメシリーズ『Arcane』公開記念イベント「ARCANE DAY」が開催! - PR TIMES プロバスケBリーグのオールスター戦、沖縄アリーナで開催 来年1月14・15日 - 沖縄タイムス 仮装してアイススケート!?氷上イルミネーションも!『MGC三菱ガス化学アイスアリーナ』で『アイスハロウィン2021』開催。10月31日。 - 株式会社ユニークワン 停電のアクシデント発生も、大仁田厚が“令和版”4面爆破デスマッチでA小林に連勝し米遠征に弾み【FMW-E】(TOKYO HEADLINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース K1女子初参戦☆SAHO☆、真優と対戦 狙うは王者KANAのベルト - ニッカンスポーツ 『Apex Legends』新レジェンド「アッシュ」登場のストーリー「灰は灰に」映像とシーズン11概要公開(Game Spark) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース チーム型オンライン対戦ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』初のアニメ作品『アーケイン』プレミアイベントが11月7日に開催決定。ミラー配信を認める異例の試みも(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ブロック・レスナーが王者レインズに“ヘイマン裏切り”を示唆する心理戦【WWE】 - 株式会社ヘッドライン 琉球キングス快勝、暫定首位 川崎に105―86 バスケBリーグ1部西地区 - 沖縄タイムス RIZINビッグマッチ!山本美憂がRENAと再戦「リベンジしたい」 - ニッカンスポーツ 試合終盤、ゲームをコントロールして勝利に導いたキーファー・ラベナ選手 - びわ湖大津経済新聞 RIZIN初参戦の牛久絢太郎「格闘家人生全てをかけて」王者斎藤裕と対戦 - ニッカンスポーツ RIZIN大島沙緒里「勝ちたい」来月3歳の誕生日迎える双子に勝利誓う - ニッカンスポーツ リーグ・オブ・レジェンドの国際eスポーツ大会「2021リーグ・オブ・レジェンド World Championship」10月5日(火)20時にいよいよ開幕! - PR TIMES オクタンしか勝たん!Apexコラボ実施中の「MONSTER ENERGY」ブースで勝利と敗北を味わいました - funglr Games 「野獣」レスナーが王者レインズから襲撃も余裕のジャーマン2発 - ニッカンスポーツ キングス開幕2連勝 強豪A東京に82―75 - 沖縄タイムス 仮想空間メタバースが「次のリアル」になるために必要なこと(Forbes JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『リーグ・オブ・レジェンド』のアニメシリーズ『アーケイン』が11月7日より配信開始。上坂すみれが「ジンクス」役を、小林ゆうが「ヴァイ」役を担当(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース オンラインPCゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」157体目の新チャンピオン『終わりなき憂鬱、ヴェックス』が実装! - PR TIMES 実方拓海が判定で勝利 地下格闘技17戦、プロ3戦全勝の伊藤澄哉が初黒星 - ニッカンスポーツ 【eスポーツ】テックウイングが小学生Fortniteリーグ『U-12 TFリーグ』Season2予選の参加者の募集を開始!小学生プレイヤーのエントリー受付中!:時事ドットコム - 時事通信 K1デビュー石井慧が辛勝「京太郎戦までこぎつければ」左ハイキックも出た - ニッカンスポーツ レスリングリオ五輪銀・太田忍、転向2戦目プロ初勝利「最高峰ベルト目指す」 - ニッカンスポーツ 堀江圭功判定勝ち「力は見せられた」 寝技の佐々木憂流迦に打撃で制す - ニッカンスポーツ RAGE PARTY 2021 Autumn Apex Legendsアリーナチャレンジカップ出演者情報解禁! - PR TIMES 名古屋市の大須商店街にeスポーツ施設「OSU e-SPORTS ARENA」がオープン!ゲーミングPCが無料体感できる! - funglr Games VRバンド演奏ゲーム『BEAT ARENA』、Steam(R) VRにて本日から配信開始! - PR TIMES 「リーグ・オブ・レジェンド」の世界大会「2021 リーグ・オブ・レジェンド World Championship」を10月6日から11月7日までアイスランド レイキャビクで開催決定! - PR TIMES Epic Games、『フォートナイト』でクリエイティブ期間限定モードを開催! エモートアイコン「上昇中」など報酬が手に入る | gamebiz - SocialGameInfo 19歳青山華依が11秒57で優勝 重圧の五輪後はお菓子解禁「食べたいだけ食べました」 - THE ANSWER 桐生祥秀、10秒18で優勝! 涙したリレー決勝から22日、五輪後初レースで貫禄 - THE ANSWER DMM GAMES『英雄*戦姫WW』にて『アリーナピックアップガチャ』を追加!新規英雄『山田長政(バニー)』が登場! - PR TIMES LILITH GAMES、スマホ向けの放置型育成ファンタジーRPG『AFKアリーナ』の事前登録を開始 | gamebiz - SocialGameInfo LILITH GAMES、『AFKアリーナ』アップデート実施! 新英雄登場、試練ダンジョン追加、1200ダイヤプレゼント | gamebiz - SocialGameInfo Lilith Gamesの新作『AFKアリーナ』がApp Store売上ランキングで8位とトップ10入り 無料ランキングでも首位をキープ | gamebiz - SocialGameInfo LILITH GAMES、放置型育成RPG『AFKアリーナ』のサービス開始! 30連ガチャのシリアル配布やナコルル登場のコラボイベントを開催! | gamebiz - SocialGameInfo 日本男子、29年ぶり白星 バレー男子〔五輪・バレーボール〕 - 時事通信ニュース 《7月21日配信開始》『ポケモンユナイト』が世界的流行になる可能性を秘めたゲームである“理由”とは - 文春オンライン ユービーアイソフトが新作マルチプレイFPS「エックスディファイアント」発表! - funglr Games 白鵬、後味悪い白星 大相撲名古屋場所 - 時事通信ニュース 巨大怪獣&ヒーローバトルゲーム『GigaBash』日本語に対応し、2022年前半に配信へ。人が逃げ惑う街を破壊しながらアリーナバトル - AUTOMATON 続報!中央区神道寺にある自動車販売店『スズキアリーナ桜木』が『スズキアリーナ藤見』として移転リニューアルオープンするらしい。移転先は東区小金町。 - 株式会社ユニークワン 新潟市内在住者限定!各日25組無料招待!『夏の暑さを吹き飛ばせ!!Go To Iceキャンペーン ~MGC三菱ガス化学アイスアリーナ~』開催。8月対象の12日間。申込7月11日~18日。 - 株式会社ユニークワン コンテンツ&ピッチに特化した6ヶ月間のアクセラレーションプログラム『TCIC Pitch Campus2021』の募集を、7月7日(水)より開始 - PR TIMES Bリーグの2021-22シーズンは9月30日に琉球ゴールデンキングスvアルバルク東京の一戦で開幕(バスケット・カウント) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「Fight of Animals Arena」のSwitch版が10月14日にリリース。新ファイターや最大4人でのオンライン対戦機能を追加 - 4Gamer.net 「Apex Legends」で“ジェネシス・コレクションイベント”が6月29日より開催へ。初期キングスキャニオン/ワールズエッジの期間限定復刻など - 4Gamer.net イージー・ライフ、ゲーム『フォートナイト』とのコラボレーションが本日開始 - NME Japan 賞金総額100万ドルかけた世界最高峰のeスポーツ大会「Apex Legends Global Series Championship Grand Finals - APAC North」開幕! - PR TIMES 荒篤山が新十両 元小結阿炎も復帰―大相撲名古屋場所 - 時事通信ニュース ザギトワ、愛犬マサルとの2ショット公開 ファンから「美女とMASARU」「グラビア!?」とコメント殺到 - iza(イザ!) 『海底探検』『インサイダーゲーム』のOink GamesがSwitch移植に向けクラファン - KAI-YOU 紅白戦、高橋藍ら活躍 西田は捻挫―バレー全日本男子 - 時事通信ニュース 「チームファイト タクティクス」の新セット「レコニング」が本日実装 - 4Gamer.net オリンピックとeスポーツ。IOCはオリンピック・ヴァーチャル・シリーズを発表。その意味を解説する。(平林久和) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ライアットゲームズの『リーグ・オブ・レジェンド』とユニクロ「UT」のコラボ商品「リーグ・オブ・レジェンド」UTを5月17日(月)より発売 - PR TIMES オンラインPCゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」155体目の新チャンピオン『聖なるお針子 グウェン』が実装! - PR TIMES 7月名古屋場所開催「歓迎します」 愛知県知事と名古屋市長前向きな返事 - ニッカンスポーツ 『LoL』モバイル版が本格始動 NTTドコモと共同で大会を開催 - 日経クロストレンド バスケットボールゲーム「NBA 2K21」がApple Arcadeで待望のデビュー - iPhone Mania 本当に高校生? ハイレベルな戦いに固唾をのんだ「第3回全国高校eスポーツ選手権」LoL部門はN高KDG N1が2連覇! (1/4) - ASCII.jp 弾いて!叩いて!奏でて!VRライブを盛り上げよう!『BEAT ARENA』本日発売! - PR TIMES Riot Gamesが主催する国際eスポーツイベントリーグ・オブ・レジェンドの「MSI」とVALORANTの「VCT Masters Stage2」を5月にアイスランド(首都レイキャビク)で初開催! - PR TIMES 東区小金町に『スズキアリーナ藤見』がオープンするらしい。 - 株式会社ユニークワン モバイル・PC向けオートバトルゲームTFTがアップデート チームファイト タクティクス『宿命:獣たちの宴 』スタート - PR TIMES 公式からクリスマスプレゼント!「Fight of Animals Arena」がアップデート&スペシャルキャンペーン実施! - funglr Games 優勝賞金は1.1億円!「Shadowverse World Grand Prix 2020」の日程&会場が決定!決勝の舞台はさいたまスーパーアリーナ! - funglr Games 今度は大乱闘!あの動物たちが暴れまわる「Fight of Animals Arena」が遂に発売! - funglr Games 「League of Legends」の世界観を継承した2021年発売予定『Ruined King(ルインドキング) A League of Legends Story』のゲームプレイ動画が公開! - PR TIMES 記念すべき10大会目となったリーグ・オブ・レジェンドの世界大会『2020 World Championship』の観戦データが公開! - PR TIMES 最新作「Fight of Animals Arena」に新たに肩幅がすごいあの犬が参戦決定! - funglr Games 動物たちの激闘「Fight of Animals」の新作大乱闘ゲーム「Fight of Animals Arena」発表! - funglr Games 『チームファイト タクティクス:宿命 』がスタート! PC・スマホ向けラウント制オートバトルゲームTFTがアップデート! - PR TIMES 世界中で大ヒット中のスマホ向けMOBA『伝説対決 -Arena of Valor-』新スキン登場 - PR TIMES 【Sp!cemartゲームアプリ調査隊】リリース1週間でセルランTOP10入りを果たした新進気鋭の放置型RPG『AFKアリーナ』、国内ヒットの背景を分析 | gamebiz - SocialGameInfo 【伝説対決】呂布の評価とビルド【AoV (Arena of Valor)】 - GameWith 【伝説対決】スカッドの評価とビルド【AoV (Arena of Valor)】 - GameWith 『Pearl Abyss』最新作バトルロワイヤル「シャドウアリーナ」クローズドβテストを2月27日より実施! - PR TIMES リンク集 - 滋賀県立アイスアリーナ - bsn.or.jp 2試合で4万人以上を動員! 通算7度目のジャパンゲームズは大熱狂の中で幕を下ろす - バスケットボールキング バトルロワイヤルで楽しむMMORPG『ハンターズアリーナ:レジェンド』 - PR TIMES 【写真特集】7度目の開催決定…過去のジャパンゲームを振り返る - バスケットボールキング DeNA、テンセントゲームズと提携--スマホゲーム「Arena of Valor」日本版を配信 - CNET Japan 全世界ユーザー数2億人の『Arena of Valor』が日本上陸!『伝説対決』本日より事前登録開始 - Game Deets ゲームの決戦「eスポーツ」、若者が熱狂のワケ - 東洋経済オンライン 『スター・ウォーズ』の対戦ゲームが登場!『スター・ウォーズ:フォース・アリーナ』配信開始!! - Game Deets ゲームズアリーナ、iチャネル向けサイト「オンライン・有名ゲームch」を開設 - iNSIDE ゲームズアリーナ、「かまいたちの夜」シリーズ2作品を「モバゲータウン」で配信。序章は無料で提供 - GAME Watch ゲームズアリーナ新作タイトル,オンラインRPG「Blade Chronicle:Samurai Online」を発表 - 4Gamer.net 純国産/完全新作 MMORPG 『Blade Chronicle Samurai Online』 発表のお知らせ - PR TIMES (プレスリリース) 株式会社ゲームズアリーナ ファンタジーMMORPG、「Lost Eden ~神々のきえた国~」 日本版サービス提供を発表 - PR TIMES (プレスリリース) ティーアンドイーソフト,ドワンゴ傘下のゲームズアリーナグループの一員に - 4Gamer.net ゲームズアリーナくちこみ情報 #bf 公式サイト ゲームズアリーナ
https://w.atwiki.jp/punihiroader2/pages/22.html
ジャンクリーグ ゲーム開始直後に参戦できる大会。 大会に優勝するとクラスCの装備がショップに再入荷される。 フレッシュプニヒ杯 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 100,000新円 新人ローダーパイロット向けの大会。レンタルメックでも参加できるため、サンデーパイロットが多く参加している。まずはここから挑戦しよう。 オリオンチャレンジカップ 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 200,000新円 オリオンホビーが主催するビギナー向けの大会。パーツサポートが受けられるためオリオンホビー製のパーツで組んだローダーが多数登場する。 ジャンクバトルカップ 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 3 優勝賞金 140,000新円 ネオアサヒカワジャンクヤードが主催する大会。ジャンクパーツセールも同時開催されているためジャンカーたちの憩いの大会となっている。 フードフェスタネオアサヒカワ 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 180,000新円 飲食にアツい思いを持つぷにひたちが自慢のローダーで殴り合う奇祭。実は誰でも参加する事が可能。 ネオエゾ・リエナクトメント 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 3 優勝賞金 200,000新円 偉大なヒストリーに愛着を持つぷにひたちが集うイベント。誰でも参加可能なオープンレギュレーションはジャンクリーグに登録されている。 駅前商店街杯 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 180,000新円 ネオアサヒカワ駅前商店街主催の大会。市内から様々なチームが集まる。観客が多めで、若いチームの登竜門と言われている。 ワーキングプニヒ振興杯 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 120,000新円 ローダーバトルを趣味としている働くぷにひたちが集う大会。業務用ローダーを改造して参加する者が多く、撃墜されると明日困る。 光芒寺建立記念杯 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 280,000新円 光芒寺住職がローダーバトルに熱狂しており、建立記念をうたいつつ高い頻度で開催される謎のトーナメント。癖の強いチームが集う。 ネオアサヒカワ開拓記念杯 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 2 優勝賞金 200,000新円 歴戦のチームが出場している難関トーナメント。かつては年に一度の催事だったが、今では市民からの要望によりほぼ毎日開催されている。 武神オープン 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 近接武器と盾のみ 試合数 2 優勝賞金 400,000新円 メカケンドー同好会とジェットボクシング協会が共同で主催するトーナメント。「ローダー同士の熱いぶつかり合いが楽しめる」と密かな人気を集めている。[近接武器もしくは盾を装備したローダーのみ参加できます!] アマチュアリーグ昇格戦 大会クラス ジャンクリーグ 装備制限 制限無し 試合数 6 優勝賞金 1,000,000新円 ジャンクリーグで優秀な成績を残したチームがアマチュアリーグ昇格権を巡って戦う。最強のチームとしての偉大なる一歩を踏み出そう! 優勝する事でグレードBのジャンクパーツと戦術書がショップに入荷される。
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/126.html
クリフトのアリーナへの想いはPart5 261 :【世界の均衡】1/9 ◆cbox66Yxk6 :2006/05/19(金) 21 28 55 ID lYbCMOsv0 スタンシアラ王は玉座に腰掛けながら、眉間にしわを寄せた。 「せっかく世界が平和になったというのに・・・」 魔族の脅威が去り、毎日笑い暮らしている予定だったにも拘らず、スタンシアラ王の心中は穏やかではなかった。 原因はわかっている。それは、世界の不均衡さだ。 世界を平和に導いた者、勇者ソロ、王宮の戦士ライアン、エンドールの大商人トルネコ、モンバーバラの美しき舞姫マーニャ、神秘の占い師ミネア、サントハイム王女アリーナ、サントハイムの重鎮ブライ、神官クリフト。そして独自の情報網で得た極秘情報によれば、ロザリーヒルというところにピサロというとてつもなく強い者がいるという。 そう、スタンシアラ王が気を揉んでいるのは、この者たちの偏りだ。 勇者ソロはブランカ、ライアンはバトランド、トルネコがエンドール、マーニャとミネアがキングレオ、ピサロは小さな連合国が集うロザリーヒル周辺。と、ここまではよい。 問題は、自国スタンシアラに導かれし者がいない上に、親交深いサントハイムに3人という事態。 スタンシアラ王は玉座から立ち上がると、握りこぶしを作り、ぎりりと歯軋りをした。 「ずるいぞ、サンちゃん!!」 遠くサントハイムの城でのんびりと過ごしているであろう友人を思い、スタンシアラ王・通称スタン君は、娘があきれ返るほどしつこく「ずるい」を連呼していた。 「ほう、スタンシアラから親書、とな?」 「御意」 恭しく差し出された親書を取り上げ、目を通していたサントハイム王だったが、顔色を変えるとわなわなと玉座から立ち上がった。 「な、なんということだ!!」 その切羽詰った様子に、年若い近習は首をすくめ、ブライは眉をひそめた。 「陛下」 どうされました? 言外に訊いてくるブライに、目線だけで指し示しながらサントハイム王が促す。 立ち上がったときに取り落とした親書を拾い上げ、すばやく目を通したブライは低い声で唸った。 「これは・・・」 困ったことになりそうですな。 そこに書かれていたこと、それは・・・スタンシアラの王女とクリフトの縁談であった。 「なるほど、そういうことですか」 内密の話があると告げられ連れてこられた王の私室で、事の次第を告げられたクリフトは顔色も変えずそう答えた。 てっきり慌てふためくものと思っていた王とブライはお互いに顔を見合わせ、不審そうな顔をした。 「それだけ、か?」 他に何か反応は? そうおずおずと切り出したブライに、クリフトはきっぱりと言い切る。 「まぁ、予想の範疇でしたから」 別段驚くようなことでもないですね。 平然と言ってのけるクリフトに、サントハイム王の目がやや細まった。 「ほう、予想の範疇とな」 で、どうする気じゃ? 王の言葉に、クリフトは少し意地悪げな表情をみせる。 「私を、スタンシアラに差し出すわけにはいかないのでしょう?」 でなければ、内密にする必要もないでしょうし。 クリフトは口の端をほんの少しだけあげる。 「でしたら、そうならないようにするだけですよ」 アリーナと接している時には滅多にみせない不敵な笑い。それは老練な政治家を思わせるしたたかな笑い。 (こやつ、いつの間に) こんな表情をするようになったのか、とブライが内心で驚いていると、いつもどおりの穏やかな雰囲気に戻ったクリフトが、明日の天気のことでも話すかのようにのんびりと口を開いた。 「では、スタンシアラへ行ってまいります。どうかこのことは姫様にはご内密に・・・」 それだけ言い終えると、静かに部屋をあとにした。 残された王とブライは狐につままれたような顔をしていたが、扉の閉まる音で我に返った。 しばらく奇妙な沈黙が部屋を満たしていたが、やがてサントハイム王がぽつりと呟いた。 「のう、何とかなるような問題であったか?」 「さぁ、しかし・・・姫様が絡んでおりますからな」 多分、大丈夫であろうか、と。 そう返したブライであったが、さすがに事が外交問題なだけに完璧に不安を拭い去ることはできなかった。 実のところを言うと、この問題を事前に封じ込める手立てがなかったわけではない。 ブライは自室の椅子に座りながら、思考の海に身を委ねていた。 机の上に置かれたお茶がすがしい香りを運んでくる。その香りを堪能しながらブライは蒼い髪の青年を思う。 この事態を防ぐ事前の策、それは、クリフトとアリーナを婚約させてしまうことであった。 そうすれば、クリフトという重要な人物が国外に流れることも防げる上、何より好きあったふたりが結ばれるという非常に喜ばしいことであったからだ。ただ、それを許さないのが身分の壁。 アリーナに兄弟があれば別だったのかもしれないが、アリーナはいま唯一の王位継承者といってよい立場にある。それ故、外交問題上その相手が一介の神官であるわけにいかず、クリフトの官位がそれ相応になるまでは話を進めるわけにはいかなかったのだ。もちろん、クリフトをただのお飾りとしてまつりあげることは可能かもしれないが、それではアリーナひとりに外交の負担がかかり過ぎてしまう上、クリフトの高い外交能力すら押し殺してしまうこととなる。それはサントハイムにとって痛手であり、それくらいならば有能な臣下として政務に関わらせたほうが有益であるとも言える。そう、クリフト自身が問題なのではない。サントハイム国内でクリフトのことを悪く言うものはおそらくほとんどいないであろうし、彼自身言わせないだろう。何といっても彼には『ザ』から始まる素敵な最終兵器があるから。だが、国外ともなればそうはいかない。 神官の身分のまま王族の仲間入りをしたとて、格式を重んじる伝統国家から疎んじられるのは目に見えている。表立って事を荒立てなくとも、水面下で貶められるのは必定だ。それ故、アリーナの婿は、諸外国から文句の付けようのない身分を持っていることが条件ともいえる。だからといって、官位制度をまげてクリフトに高い身分を与えることも反発を呼ぶのが必至であり、クリフト当人だけでなく、クリフトを密かに応援するものたちの頭を悩ませてきた。 それはサントハイム王も承知していて、数々数々数々の嫌がらせはしていたものの、一応はクリフトとアリーナの仲を認めていたのだ。これはクリフト自身もわかっているらしく、だからこそ悲観することなく日々精進していたのだが・・・。 ブライはすっかり冷めてしまったお茶をすすりながら、深々とため息をつく。 「こんなことになるくらいなら、無理矢理にでも婚約させておくのだった・・・」 サントハイムでは問題になることでも、お国が違えば事情も違う。 王女が何人も存在するスタンシアラでは、クリフトが平民であろうが全くといってよいほど問題にならない。むしろ、一神官が王女と結婚するということは民衆にとって喜ばしいことでもあり、王家にとっても民衆の受けを良くするに、絶好の機会とも言える。しかも、クリフトはただの平民ではなくサントハイム王宮付神官というしっかりとした身分を持っている上、あの『導かれし者』のひとりなのである。これで、歓迎されない謂れはない。 正直言って非常にまずい状態なのである。 進退窮まるという言葉があるが、まさにこのことを言うのであろう。 現時点でアリーナとの婚約がなされていない以上、今更それを行えば、「サントハイムに不穏の動きあり」と近隣諸国にいらぬ疑いを招くことになりかねない。それは平和に向かって躍進している世界の調和を乱すこととなるし、万が一主要国の首脳会談の折に、勢力均衡を唱えられでもしたら、クリフトとアリーナは永遠に結ばれることはないだろう。それでも強引に推し進めれば他国までもを敵に回しかねないのである。 「どうしたものかのう・・・」 王と丸一日考え続けて、それでも何一つ打開案が見つからず、クリフトに相談したものの、だからと言ってどうにかなるとは思っていなかった。 「どうなるんじゃろ・・・」 「ただいま戻りました」 スタンシアラ王の書簡を携えてクリフトが現れたのは、3日後のことであった。 その間、アリーナにクリフトの所在を聞かれては肝を冷やしてきたふたりは、クリフトの姿をみてほっと息をつき、同時に不安で胸がいっぱいになった。 それは、クリフトが難しい顔をしていたから。 (やはりだめだったのかのう?) ブライと顔を見合わせ、内心嘆息したものの、とりあえずはことの経過を知るしかなく、サントハイム王は恐る恐る訊ねた。 「して、どのように?」 これに対して、クリフトは深々とため息をついてみせると、「大変なことになりました」とだけ言い、書簡を差し出した。 サントハイム王は、このとても心臓に悪そうな書簡を自らが受け取るべきか迷った末、ブライに書簡を開かせると目を通すように促した。 (陛下、ずるいですぞ) わしだって命は惜しい。 心のうちで、そう呟いたものの命令に逆らえず、ブライはしぶしぶ書簡に目を落とした。 瞬間、ブライは目が零れ落ちんほどに見開き、絶句した。 「なんじゃ?」 ・・・まさか『ザ○キ』とか書いてないだろうな。 サントハイム王がただ事でない雰囲気に恐怖を感じたものの、ブライからの返答が得られないので、仕方なく書簡を手にし文字を追った。 と、顎がはずれんばかりに口を開き、クリフトに視線を送った。 スタンシアラ王の書簡には、非常に簡潔に以下のことが書かれていた。 サントハイム神官クリフトをわが養子として迎える。詳しいことは後ほど正式な書簡にて。 スタンシアラ王 「ということです」 何だか大変なことになってしまいましたね。 事も無げに言い切ったクリフトに、ブライが掴みがからんばかりの勢いで詰め寄る。 「おぬし、どうやったのじゃ?」 今にも血管が切れそうなほど興奮しているブライを落ち着かせると、クリフトはにっこりと微笑んだ。 「娘婿と親子の絆、どちらが堅固でしょう?」 ただ一言だったが、ブライはクリフトの言わんとするところを正確に悟った。 つまりクリフトはスタンシアラ王にこう言ったのである。 万が一そちらの王女とうまく行かず、離婚にでも至れば、私との縁は悪縁となりますよ。 でも、養子という形を取れば簡単には縁は切れません。 どちらを望まれますか?と。 「おぬし・・・」 言うべき言葉が見つからず、口をつぐんだサントハイム王に向き直ると、クリフトは改めて礼をとった。 「正式な発表はもう少し先になるかとは思いますが、このように事態を収めましたことご報告申し上げます」 ・・・いろいろと忙しくなりそうですね、お義父上。 クリフトはサントハイム王へまっすぐに視線を向け、含みのある微笑を浮かべた。 その微笑の意図するところに気づいたサントハイム王は、赤くなったり青くなったりと目まぐるしく顔色を変えた。 そう、クリフトはスタンシアラ王にもうひとつ話を持ちかけていたのだ。 もし私とアリーナ姫が結婚し子供に恵まれますれば、『導かれし者』同士の間に生まれた子供になりますね。そして、私を養子に迎えてくださった陛下は、その祖父・・・。 これほどまでにスタンシアラ王の心を揺さぶるものがあったであろうか?自分の娘との間の子では導かれし者の血は半分に。しかしクリフトを養子に迎え、アリーナ姫との婚姻を結べば・・・。 そしてその子供と自分の国の後継者を娶わせれば・・・。 「スタンシアラ王が非常に『聡明』な方で助かりました」 クリフトはそれだけ述べると辞意を示し、愛しの姫君に会うために静かに部屋を出て行った。 「あ、クリフト。おかえりー」 どこいってたの~? クリフトの姿を見つけたアリーナの嬉しそうな声が扉の向こう側から響き、それにやんわりと答えるクリフトの声が重なった。 「姫様、子供は何人欲しいですか?」 「まぁ、その・・・」 よかったですな、大事に至らなくて。 ブライに言葉に、王はふん、と鼻を鳴らし、そっぽを向いた。 確かに、優秀な人材が国外に流出するのも防げた上、今まで懸念していたアリーナの結婚話まで一気に解決した事態は歓迎すべきものなのかもしれない。しかも、それがクリフトの機転によってなされたのであれば、彼を心底褒めてやるべきなのかもしれない。 しかし、とサントハイム王は思う。 (なんじゃ、この胸に広がる敗北感は!) 妙に腹立たしさを感じた王は、傍らに控えるブライに八つ当たりをする。 「なんとまぁ、かわいげのない性格に育ったものよな」 そちの育て方が悪かったのだ! 王にそう責められ、ブライは表面上畏まったように見せたものの、心のうちではこう叫んでいた。 (わしの人生において一番の失策は、陛下、あなたを育てたことかもしれませんぞ) 「かわいげのない息子は、いやじゃ、いやじゃ、いやじゃ・・・」 子供のように癇癪を起こし手足をジタバタとさせ、あげくしくしくと泣き出した王の傍らでブライはため息を禁じえなかった。 子供の頃から目をかけていたクリフト。 教育係として仕えたアリーナ。 そしてこのサントハイム王・・・。 ブライの教育の賜物といえる三人を思い浮かべ、己の力のなさを痛切に感じ落胆したブライは、この日、本気で宮廷を辞すことを考えたという。 スタンシアラの王女は妙に上機嫌な父王の姿に、少しだけ哀れみを感じていた。 「なんと見事にはめられたのでしょう・・・」 昔から、突拍子もなくて「お馬鹿」な父親だとは思っていたが、ここまでとは・・・。 先の魔軍戦争の折のしかめ面はどこへやら、顔の筋肉が緩みっぱなしの王は娘の目から見ても少々情けない。 王女は言葉巧みに父王を丸め込んでいった得体の知れない青年を思い出し、ため息をついた。 彼が提示した案は確かに悪くはない。だが、父王は肝心なことを忘れている。 「結局、スタンシアラ在住の『導かれし者』は手に入らなかったわね」 如雨露を片手に花に水をやり始めた父王の背中を見つめ、王女はそっと目頭を押さえた。 「アリーナ姫とクリフトさんの子供が成人するのはいつかしら・・・」 長生きしてね、お父様。 娘の心も露知らず。 小躍りを続けたスタンシアラ王はその日、お城のバルコニーから水路へ、2回宙返り1回捻りの見事な飛び込みを披露した。 この時、この王の勇気ある挑戦にひどく心を打たれたスタンシアラの国民は、王の雄姿を大いに褒め讃え、子々孫々にまで言い伝えた。 そしてその偉業はこの後、おめでたい行事の折に欠かさず行われこととなるスタンシアラ名物『王様ダイブ』と呼ばれる危険極まりない余興へと進化を遂げ、国民の間で大流行が起こった。 だが、ある文献によれば、スタンシアラ暦582年スタンシアラ王14世の御世に、そのけが人の多さから飛び込み禁止令がだされ、一時下火となったという。 それでも昔を懐かしみダイブする者は後を絶たず、スタンシアラ王国も水路の整備や浄化・危険物の排除といった手段をとり、暗黙のうちに容認していくこととなる。これは王命が民意に負けたという意味で非常に稀有で画期的な事例となるが、それはまた別の話である。 (終)
https://w.atwiki.jp/xboxonescore/pages/84.html
FIFA 15 項目数:45 総ポイント:1000 難易度:★★★☆☆ 2021年5月で配信終了済 既にサーバーは停止、オン不可に 360版とは実績内容やポイント配分が異なる 総合的にはこちらの方が若干難易度が高い 指定のあるや最初から固定されている物以外は最低難易度で解除可 ただし最低難易度でもボールは取りに来る仕様 参考動画 https //www.youtube.com/watch?v=tdEbsgjfQPA 海外のPS版なのでこちらの実績に無い物も含まれているがシステムを弄って獲れる実績などは参考にできる もうひと押し 倒れた状態から得点を決める 15 無回転シュート 無回転シュートで3得点を決める 15 トーキック トーキックで3得点を決める 15 完璧な守備 スライディングタックルで10回ボールを奪い、そのままボールを保持する 15 キーパーをかわせ キーパーとの1対1に勝利して得点を決める 15 技巧派 スキルチャレンジを解除する 15 キーパーの救世主 スライディングでゴールライン上のボールをクリアして得点を阻止する 50 粋ワクドキドキ! 試合中にボールをポストかクロスバーに当てて得点を決める 15 ジャイキリ 3レベル以下のチームを使って5レベル レジェンドのCPUチームに勝利する 30 ジーニアス フレアシュートで得点を決める 50 全員攻撃 レジェンドのCPUを相手に、オールアタックのメンタリティを使用して80分過ぎに得点を決める 50 バスの鉄壁 レジェンドのCPUを相手に、パーク・ザ・バスのメンタリティを使用して70分以降を無得点に抑える 15 でも友達だよね? FUTでフレンドリーシーズンに勝利する 30 ウィンドーショッピング EAS FCカタログからレンタル選手を獲得する 5 犬馬の心 FUTで選手を10試合以上出場させて忠誠心を芽生えさせる 15 科学反応と書き、ケミストリーと読む FUTでケミストリースタイルを使用する 5 やってやるぜ FUTで週間最優秀チームに挑戦する 10 ドライブ FUTで20パックを開ける 100 ザ・ベスト FUTシーズンでディビジョンのタイトルを獲得する 100 キャプテンの責任? FUTのキャプテンを変更する 15 いいチームだ オンラインマッチの終了時にチーム編成をコピーする 15 ミスター・マネージャー 新しいメンバー表を作成する 5 知恵を拝借 メンバー表をインポートする 5 戦術家 試合中にチームマネジメントで戦術を変更する 5 旅人 1つのキャリアモード内で3つの異なる国で3つの異なるクラブを管理する 50 旅支度 選手キャリアモードで、レンタルまたは移籍で自分のクラブから抜ける 15 トーナメントタイム 16チーム以上が参加するカスタムトーナメントを作成して勝利する 10 タッグチーム結成 ゲストとシーズンをプレイする 10 もう1試合だけ… シーズンを連続して試合をプレイする 5 スタートダッシュ オンラインプロで、チャレンジの10%を解除する 10 スタイリッシュ バーチャルプロでカスタムのフリーキックまたはPKのスタイルを有効にする 10 迷コンビ フレンドとの協力プレイでシーズンをスタートする 10 上を目指せ シーズンモードで昇格する 75 試合する? プロクラブシーズンでドロップインマッチをプレイする 10 最後まで一緒 フレンドリーシーズンを完了する 30 クラブ運営 プログラブシーズンのリーグ戦で初勝利する 10 サポーター マッチデイ ライブの試合をプレイする 10 負けないぜ フレンドのスキルゲームスコアを超える 15 見てみて! EA SPORTSフットボールクラブのアクティビティを共有する 5 感想は? EA SPORTSフットボールクラブのアクティビティにコメントする 5 私が思うには… EA SPORTSフットボールクラブのアクティビティを評価する 5 太っ腹 EA SPORTSフットボールクラブのカタログのアイテムをギフトとして贈る 15 散財 EA SPORTSフットボールクラブのカタログのアイテムを購入する 10 順風満帆 EA SPORTSフットボールクラブのFIFA 15でレベル15以上になる 75 ジーニアス キーパーの近くでLT+Bでゴールを決めれば解除 トーキック ジーニアス等のような確実に打てるキーコマンドは無いため、とにかくゴール前のこぼれ玉をひたすら打つしかない キーパーやバーに当てて跳ね返った玉だと発生率は上がる 上を目指せ オンライン対戦で勝ち点15を獲れば昇格するのだが、アイテムを駆使して一度も対戦せずに昇格も可能 ただしレベルは25程度まで上げないと必要数のアイテムは買えない
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/438.html
クリフトのアリーナの想いはPart12.5 934 1 名前 1 Mail sage 投稿日 2013/04/05(金) 18 37 38.12 ID b+2l9xf/0 「ひめさま、ぼくはひめさまがだいすきです。 どうかぼくとけっこんしてください」 サントハイム城の脇の小さな丘の上。 いつものように仲よく遊んでいた二人。 あたたかで優しい春の光にはぐぐまれたシロツメクサの花畑で作った花冠を差し出して、 少し顔を赤らめた幼い少年は、同じく幼い姫君に、突然求婚したのだった。 「へ?“けっこん”ってなあに?クリフト」 クリフトよりも幼い姫君は、結婚という言葉をまだ知らなかった。 一瞬戸惑うクリフトは頭をひねる。 「ええと、けっこんというのは、あいするふたりがするものなのですよ。 けっこんすると、ふたりはずっとずっと、いっしょにいられるのです。」 「そうなの?じゃあ、もしわたしがクリフトとけっこんしたら、 いつでもいっしょにあそべるのね? いまみたいに、ひがくれたらばいばいしなくちゃいけないってこと、なくなるのね?」 「はい。きっと、いちにちじゅういっしょにいられます。 よるねむるときも、いっしょです。」 「まあ、すてき!そしたらどんなにこわいゆめをみても、へいきだわ。」 アリーナは大きな鳶色の瞳を輝かせて、クリフトを見つめた。 「はやくけっこんしましょう、クリフト! どうやったらけっこんできるの?」 「けっこんしき、というのをするのです。」 「けっこんしきね!じゃあさっそくけっこんしきをしてちょうだい、クリフト!」 待ちきれないというように、クリフトの服の袖をつかんで、 アリーナはぴょんぴょんと跳ねた。 「ちょっとまってください、ひめさま。けっこんしきは、ぼくたちだけではできないのです。 ぼくはきょうかいで、いつもけっこんしきをみているからわかるのですが、 どうやらけっこんしきというのは、しさいさまにしていただくものらしいのです。」 「じゃあさっそく、しさいさまにおねがいにいきましょう!」 「はい!」 ふたりはお城の教会に向かって走って行った。 「これはこれは。ごきげんようアリーナ姫さま。 今日もクリフトと一緒に遊んでいらっしゃったのですか。 お二人は本当に、仲良しですね」 司祭様は、腰をかがめて視線の高さを合わせると、 小さな二人のお客の来訪を喜んで、にっこりとほほ笑んだ。 「しさいさま、きょうはおねがいがあってきたのよ。」 「ほうほう、姫様のお願いとはいったいなんでしょう。」 「しさいさま、おねがいです。ぼくたちのけっこんしきをしてください。」 「えっ?」 司祭様は予想外のセリフに、一瞬驚きの顔をしたが、 すぐにまた微笑んでふたりを見つめた。 「どうして二人は結婚式をしたいのです?」 「けっこんしたら、ずうっといっしょにいられるのでしょ? わたしはクリフトとずっといっしょにあそびたいの。 だからよ!」 「ぼくもひめさまとずっといっしょにいたいのです、しさいさま」 二人の真剣なまなざしに、司祭様は微笑みながらも、少しだけ悲しげな顔をした。 「そうですか。ふたりはとても仲良しだから、今よりももっともっと 一緒にいたいと思ったのですね」 「そうなの!」 アリーナは元気よく答えた。 「なるほど。しかし二人とも。結婚というのは、 愛を誓う大人の男女がするもの。 まだお小さいあなた方がするには、少し早すぎですね。」 司祭様は二人の頭をなでながら、目を細めた。 「えっけっこんって、おとなにならなきゃできないの?」 「そうです」 「しさいさま、おとなになるにはどうしたらよいのでしょうか」 真剣な表情で尋ねるクリフトに、司祭様はちょっとだけ困った顔をして答えた。 「神への感謝を忘れず、日々清く正しく過ごしていれば、いずれ自然と大人になれるでしょう。」 「えー、それじゃあ、いつまでまてばいいのかわからないわ。もっとよくおしえて、しさいさま!」 「そうですねえ…。わかりやすくいうと、まあ…歳でしょうか…。」 「なんさいになったらおとな?」 「うーん…だいたい、15歳くらいでしょうか。そのくらいの年ごろになると、結婚する若者もおりますから。」 「15さいですか。15さいになれば、ひめさまとけっこんできるのですね」 ぱああと、クリフトの表情が明るくなる。それを見て、司祭様の心はまた、ちくりと痛んだ。 「…クリフト。あなたはひめさまよりも二つ年上でしょう。姫さまが15歳になるには、もう少しかかりますよ。」 「そ、そうか。えーとそうしたら、わたしが17さいになったら、ひめさまも15さいになるから…。あと…10ねんですね!」 「クリフト、10ねんってなに??どうやったらわたしは15さいになれるの?」 「おたんじょうびがあと10かいきたらよいのです、ひめさま」 「えーーーーっ 10かいも!?つぎのおたんじょうびだって、まってもまってもなかなかこないのに、それを10かいもまたなきゃいけないのね」 待つ、ということが苦手なアリーナは、その途方もない時間の長さにがっくりと肩を落とした。 「ひめさま…けっこんするの、いやになってしまいましたか…?」 不安そうに、おずおずと肩をすくめながら、うつむくアリーナの顔を覗き込むクリフトに、アリーナは視線を向けると、ふんっ、と勢いよく胸をはって答えた。 「いやになんてならないわ!わたしはずっとクリフトと一緒にいたいもの!10かいおたんじょうびがきたら、きっとけっこんしましょう、クリフト!」 「はい!」 クリフトは元気よく返事をした。そうして、二人は司祭様のほうを振り向くと、にっこり笑って言った。 「じゃあ、わたしたちがおとなになったら、そのときはちゃんと、けっこんしきをしてね、しさいさま!やくそくよ!!」 「しさいさま、よろしくおねがいします」 司祭様は何も言わず、ただ、微笑んだ。ふたりは勢いよく教会から外へ走って行って、きゃっきゃと追いかけっこを始めた。 司祭様はゆっくりと扉の外へ出て、仲良く走り回る二人の様子をさみしそうに眺めたーーーーーーーーーーー ゴーンゴーン。 青く澄みきったサントハイムの空に、教会の鐘が響き渡る。 魔族に脅かされた世界はすっかり平和を取り戻し、 失われていたサントハイム城の時間も、再び時を刻み始めてしばらくたつ。 あの春の日の約束から、季節は10回以上めぐっていた。 司祭はあの日の約束を思い出し、目を細めた。小さな子供たちに言えなかった、あの日の真実。 いくら仲が良くとも、姫君と従者。身分の壁がそこにある限り、幼い二人の純真な想いは叶うことがないのだと、心を痛めたあの日。 「……約束を…本当に果たせる日が来るとは、あの時の私は考えもしませんでしたよ」 「え?司祭様何か言った?」 「何のお話ですか、司祭様?」 目の前の、白い衣装に身を包んだ二人は、きょとんとして司祭を見た。 「いいえ、こちらのことです」 微笑みながら、すっかり立派な大人になった二人を眺めた。 約束を果たせるはずの大人に近づくごとに、 その願いは叶うべくもないことを思い知っていく神官の苦悩を、間近で見てきた。 あの日痛んだ心のままに、若い神官が現実にさいなまれてゆくのを。 しかし、自分の予想は覆されたのだ。 世界を平和へと導いた英雄となった二人は、身分の壁を乗り越え、国王からも民からも祝福されて、 今日、この瞬間、幼い日に交わした約束を果たすのだ。 「それでは、二人とも。誓いの口づけをーーーーーーーーー」
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/149.html
クリフトのアリーナへの想いはPart5 657 :光と影 1/9:2006/07/25(火) 18 50 58 ID z7kQsKZN0 エンドール市街地の中央に程近い白亜の大聖堂で、今日も婚礼の儀が執り行われていた。 神に結婚の許しを請う二人は、サントハイム王家の令嬢とエンドールの有力貴族の一人息子。 サランの聖堂の10倍はあろうかという礼拝場の一番後ろの末席にクリフトは座っていた。 彼は、サントハイムの姫アリーナと懇意であった為、平民でありながら特別にここに座る事を許されたのである。 間もなく扉が開き、サントハイムの王様とその娘であるアリーナが互いに腕を組み、ゆっくりとした歩調で礼拝場へと入ってきた。 アリーナは、人々の中に緑の聖服に身を包んだクリフトを見ると、クスリと笑った。 その鮮やかな緑の聖服が彼のトレードマークだった。 彼は、このようなところに着ていく事のできる服を他に持たなかった。 クリフトはまじめな修道士だったから、その理由は金銭的な余裕がないというよりはむしろ清貧の戒めを守るためであった。 クリフトには、白いヴェールに包まれた彼女の表情を読み取る事はできなかった。 彼が思ったのは、この日の彼女は今まで自分が見てきたどの彼女よりもキレイだという事だけだった。 純白のドレス、そしてそこから伸びる乳白色の滑らかな肌の腕、手に持つのは色とりどりの花束。 そして普段の彼女を知る彼は、そのかしこまった格好が彼女にはあまり似つかわしくない事も知っていた。 故郷サントハイムで彼女はおてんば姫と呼ばれていた。 王族が着るに相応しい豪奢な召し物より、素朴な衣服を好み、 貴族たちが開くパーティーよりも、城下の人々の生活に基づいた祭りの方が好きだった。 彼女がお忍びで城外に下るときなどには、クリフトを伴う事が多かった。 サランの下町で育ったクリフトは、城下の地理に明るかった。 子供の頃に遊び回っていた裏道までもよく覚えていて、アリーナが行きたい所へ最短の道筋で連れて行くことができた。 誠実だが気弱で何処かぬけたところのあるクリフトを、アリーナはよくからかっていたが、 このときばかりは彼に尊敬のまなざしを送るのだった。 サランの市場では店々に並ぶ海産物や交易品に目を輝かせ、異国の珍品をせがんではクリフトを困らせた。 海岸に行くと決まって彼女は海水と砂とで衣服を汚し、その度に王や姫の教育係のブライに大目玉を食らうのはクリフトだった。 春や夏には、城の北に広がる草原に行くこともあった。 原っぱは彼女のお気に入り。どこまでも続く草原と空は自由の象徴だった。 クリフトは、瑞々しい感性を押し殺し、城の中で生きなければならないこの少女を不憫に思っていた。 もちろん彼は城の外にあるものが自由だけではない事もよく知っていた。 けれでもクリフトは、アリーナの城の中では見せることのない屈託のない笑顔が好きだった。 それがたとえ王族として相応しくないものだったとしても。 王と姫は新郎の待つ祭壇の所までたどりついた。 新婦は父親の許から離れ、新郎の元へと歩み寄っていった。 そして誓いを立て、指輪を交換し、互いの唇に口づけをした。 クリフトは、その様子を末席からじっと目を凝らして見ていた。 数日前、エンドールに到着した日、クリフトはアリーナの夫となる男を始めて目にした。 二つ三つ言葉も交わした。 エンドールは商人の国。 貴族たちの生活の基盤も領地ではなく、何かしらの商売である場合が多かった。 この男も多分に漏れず、貿易を生業としていた。 船であちこちの国を渡り歩く彼の顔は、浅黒く日に焼けていた。 気取ったところは少しも無く、少々無口だが理知的な若者だった。 王様やブライ殿はよいお相手を見つけなさった、クリフトは素直にそう思った。 姫様もこのような方となら幸せになれる・・・。 新郎新婦が連れ立って聖堂の外に出るとそこには、何十人ものエンドールの民衆があった。 騒ぐのが大好きなエンドールの都会っ子がこんなイベントを放っておくはずが無かった。 人々は次々に祝福の言葉を彼らに投げかけた。 「おめでとう!」 「お姫様、本当におキレイ!」 「ちきしょー!うらやましいぞ、この果報者め!」 「ブラボー!」 「サントハイムの姫は、武道大会に続いて二度もエンドールの話題を独り占めにしおった!」 新しい夫婦は目を丸くして驚き、愉快に笑った。 そしてアリーナはブーケを放り、女たちはそれに群がった。 王、ブライ、両家のすべての人々がそれを微笑ましく見つめていた。 平民たちのようにストレートに言葉に出す事はしなくとも、皆、二人を祝福していた。 その幸せに満ちあふれた光景はあまりにまぶしすぎて、クリフトはそれを直視する事ができなかった。 クリフトはアリーナのことが好きだったのだ。 惨めな気持ちが彼の心を支配し、体中から活力を奪った。 春の事だった。 アリーナはクリフトをお供に原っぱへと出かけた。 彼女は草原を駆け、花を摘み、野うさぎと戯れた。 クリフトも彼女と共に、春の陽気を楽しんだ。 楽しい時間は過ぎ去るのも早く、気付くと日は西に傾き、あたりには夕闇が迫っていた。 クリフトは彼女に、城に帰らなくては、と告げた。 彼女はそれをしぶった。少しでも長くそこに居たがった。 「姫様。もう暗くなります。今度また来ればよろしいではないですか。 お父上が外出を許可してくださるよう私からもお願いしますから。」 アリーナは、すねた子供のように顔を背けた。 いつもと様子の違う彼女にクリフトも困惑した。 冷たい風が吹いた。それはついこないだまで大地を支配していた冬の空気だった。 彼女が口を開いた。 「私、この夏に結婚する事になったわ。」 クリフトの呼吸が止まった。 「相手はエンドール貴族の御曹司だって。 私はその人の顔も見たことはないけれどお父様が選んでくださった人だもの。 きっと悪いようにはならないと思うわ。」 アリーナはクリフトの方に向き直って、言った。 クリフトは彼女の瞳が潤んでいる事に気づいた。 そして次の瞬間には、そこから大粒の涙がこぼれた。 アリーナは、クリフトの胸に飛び込んだ。 「クリフト!私、サントハイムを離れたくない!」 彼女からは、花の香りがした。 背中にまわされた彼女の腕は、つよくクリフトを求め、その指の一本一本から彼女の体温が伝わってきた。 彼女を抱きしめてやりたかった。 だが、それは禁じられていた。 クリフトは彼女を救う事ができる言葉を持ちあわせていた。 だが、それを口にすることは禁じられていた。 だからクリフトは、彼女を泣くにまかせ、立ち尽くすことしか出来なかった。 やがて空の色は、茜色から青へ、青から藍へ、そして漆黒の闇へと変わっていった。 最後までクリフトは彼女を受け入れる事が出来なかった。 そして、彼女は運命を受け入れた。 披露宴が終わる頃には既に夜になっていた。 出席者はそれぞれの家路につき、サントハイムの人々も宿泊している旅館へと帰った。 行きと違うのは、アリーナ姫がいないことだけだった。 今日から彼女は、サントハイム王家の人間ではないのだ。 皆疲れ果てていて(あるいは酔っ払って)、旅館に着くと風呂にも入らず寝床につく者も少なくなかった。 クリフトのような身分の低い者たちは、4人部屋に6人で泊まらされていた。 彼以外の5人は、同じ城内で働いている修道騎士たち。道中の護衛が彼らの任務だった。 クリフトが風呂から戻ってきたときには、既に5人とも眠っていて、けたたましいいびきの大合唱を繰り広げていた。 ベッドは彼らに占拠されていたので、しかたなくクリフトは床の上に毛布を敷いて眠る事にした。 クリフトは眠れなかった。 彼らのいびきもひとつの原因かもしれないが、それは昨日も一昨日も同じ事だ。 今日眠れない理由はそれとは別にある。そしてそれは明白だった。 彼とて子供ではない。アリーナたちの新居で今頃、何が行われているか知らぬはずも無かった。 それを思うと、クリフトの心の中で嫉妬の炎が燃え盛り、手足の指先まで怒気がみなぎった。 そしてそれを理性で抑えると、今度は逆に体中が脱力し、昼間味わった惨めさが再び彼を襲った。 この二つの状態を彼は夜通し繰り返していた。これでは眠れるはずもない。 やがて彼は眠る事をあきらめた。 夜風で頭と火照った体を冷やそうと、クリフトは一階のウッドデッキに向かった。 もう明け方だった。 そこには見慣れた一人の老人がいた。ブライだ。 「ブライ殿。あなたも眠れないのですか?」 クリフトは問いかけた。 「クリフトか。わしはもう眠ったよ。年寄りは朝が早いでな。」 木製のリクライニング・チェアーに身を横たえたままブライは答えた。 「そうでしたか。」 クリフトはそう言って、置かれていた椅子に腰掛けた。 「おぬしは眠れなかったのか?」 「ええ。」 クリフトの返事に、ブライはフム、とだけ言った。 しばしの間、二人の間に静寂が流れた。 先に言葉を口にしたのはブライだった。 「いい結婚式だったな。」 「・・・ええ。」 「お主も姫様もついこの間までほんの子供だと思っておったが。 時が経つのは早いな。特にわしのような老いぼれにとっては。」 「・・・・・・。」 クリフトは何も答えなかった。話したくもない話題だったから。 そんな訳で二人の間にはまた静寂が流れた。 それを破ったのはやはりブライだった。 ブライは上体を椅子から起こしてクリフトの方へ身を乗り出し、言った。 「お主、惚れておったろ?姫様に。」 このクソジジイ!と、クリフトは思ったが口にはしなかった。代わりに沈黙をもって彼に報いた。 「警戒するな。もし認めたとて咎めたりはせぬよ。姫様はもうお嫁に行かれたのだから。 それに、わしはもう公務からは引退するのだからな。」 これにはクリフトも驚いた。王家に仕えていないブライなど想像もできない。 「それはまた一体どうして?」 「姫様を教育する事だけが、わしにできる唯一の仕事だったからじゃよ。 それが終わった今、わしはもう単なる足手まといじゃ。 誰かに迷惑をかける前にいなくなったほうがいいんだよ。ただな。」 ブライは目を細めた。 「お主の事が気になってな。」 「私の?」 「お主の事まで済ませて、初めてわしは自分の仕事を終える事ができる気がするんじゃ。 もしわしに出来ることがあったら言ってほしいのだ。」 このような言われ方をしてはクリフトも弱った。 彼は自分を苦しめるもの全てを洗いざらいブライに話した。 その間中、ブライは何も口を挟まず静かに話を聴いていた。 最初はしぶしぶ話し始めたクリフトだったが、話すうちに感情が昂ぶっていき、 やがて目は真っ赤に、最後のほうはほとんど涙声になっていった。 そしてついには、むせび泣く事しかできなくなった。 ブライは背もたれに身を沈めたまま語りだした。 「お前の気持ちはよくわかった。 これからわしがお前に話す言葉は、所詮、下世話なじじいのたわごとに過ぎない。 そんなものがお前を救う事ができるなどとはわしも思っていない。 しかし、言わせてほしい。聞いてくれるか?」 クリフトは嗚咽で声が途切れ、まともに返事もできなかった。自分の弱さが恥ずかしかった。 ブライは話を続けた。 「仮にお主と姫様が結ばれたとしよう。そしたらどうなっていただろう? 式はエンドールの大聖堂などではなく、どこか小さな村の店舗教会で挙げる事になるだろう。 祝福する客は一人もいない。そしてお主たちは、人目を忍んで人里はなれた場所で一生を過ごさなくてはならない。 そんな生活を、何よりも自由を求めていた彼女が望むと思うのか? やがて彼女は愚痴ばかりをこぼすようになり、お主にとって重荷となる。 最初に求めていた理想の生活はどこへやら。あるのは厳しい現実ばかりだ。 違う結果を求めたとしても、そこにあるのは違う苦しみだけだ。 だがな、どちらの道を選んだとしても変わらないものがある。 それはな、サントハイムでお主と姫様が共にすごした時間、お主が感じた幸せ、その素晴らしさだ! だがお主は結果ばかりに目を向け、その素晴らしかった時間さえ苦しみの種としている。 こんな愚かな事があるだろうか?なぁ、クリフト。 人生に結果を求めてはならない。たとえ何かの結果が出たとしてもお前の人生はそこで終わったりはしない。 その先も続いていくんじゃ。だとしたらその結果も所詮過程に過ぎなかったということじゃないか。 突き詰めていけば、人生の結果は死でしかない。それ以外の結果はありえないんじゃ。 だから生きるという事は過程なんじゃ。お主は一人の女性に恋をし、そして破れた。 だがその結果にたいした意味はない。また明日から歩み出せばいいんじゃ。その繰り返しなんじゃ!生きるという事は!」 ブライは、肩を揺らしながらほとんど叫ぶようにして言い放った。 「わしに言える事はそれだけじゃ。」 ブライは椅子から立ち上がり、宿の中へと歩いていった。 「ブライ殿!」 クリフトは、ブライを引き止めた。 「私が彼女に恋をしたことは本当に正しいといえる事だったろうか? 神官としても、王家の家臣としても、それは正しい事とはとても言えない。 そして彼女に自分の想い1つ伝えられなかった私は、男としても中途半端だった。 私は何に関しても中途半端だった!そんな自分に私は・・・・・・絶望する!」 ブライは答えた。 「絶望する事は、何も悪い事ばかりではない。わしを見てみろ。 希望も絶望もとうに摩耗し尽くし、もはや死を待つだけの老いぼれの姿だ。 人は何かを求めるからこそ絶望する。お前は、いつか自分の喜びを見つけだせる。わしはそう信じている。 お前は、姫様たちがまぶしいと言っておったな。 だが、わしには理想を求め思い悩むお主こそがまぶしい。 そして、美しい!」 そう言い残しブライはその場から去っていった。 ウッドデッキにはクリフト一人だけが残された。 不思議と彼の心は穏やかになっていた。 それが一瞬の静けさである事を彼は十分承知していた。 自分はこれからも迷い、苦しみ続けるだろう。 しかし、それも悪くないかもしれない。 クリフトは天を仰いだ。 白みかけた初夏の空に、まだいくつかの星が瞬いていた。
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/147.html
クリフトのアリーナへの想いはPart5 633 :お題【伏兵・ミネア】1/7 ◆VmkRIFTnuM :2006/07/23(日) 02 01 09 ID 3yBn+X0n0 あなたはいつでも、誰にでも優しくて。 その笑顔が、誰かに苦しみを与えているということを、考えたことがありますか──? 第一印象。 弱々しい人だと思いました。 「姫様をお守りすることが、私の役目です」 そう言いながら、何度アリーナさんに助けられていたのか判りません。 旅の中で気が付きました。 あなたが、アリーナさんに忠誠心以上の想いを抱いていることを……。 ふとその端整な横顔を見れば、その視線の先にはいつもアリーナさん。 優しくも少し寂しげな微笑み。 その横顔に胸が痛くて、その夜、私は一枚タロットを引いた。 「隠者……」 それはクリフトさんの心の中。アリーナさんへの想いの行き着く先。 そのカードから感じるクリフトさんの想いが、私の心に小さな火を灯した。 叶わない恋。諦めることもできずに、誰にも言えずに、笑顔の中に孤独を隠して。 ……その気持ちを、痛いほど理解できるようになってしまうなんて。 「ミネアさん」 愛しいその声で名前を呼ばれる。 ほんの僅かな言葉、特別でも何でも無いそんな言葉にまで、心が喜びと切なさで悲鳴を上げる。 「は、はい」 「お願いしたいことがあるのですが……」 周囲を気にした、小さな声。吐息交じりのその声は私だけに問いかける声。 言葉を聞き取るため、そんなことをひとり言い訳に考えながら、そっとクリフトさんとの 距離を詰めた。 「あの。占いをお願いしたいのです」 「……占い……?」 「はい。あの、その……いま願ってることが、どうなるのか……」 クリフトさんは曖昧に暈かしたつもりなのかもしれない。 でも、それはあなたが抱く想いと同じ。 ばればれですよ、そんな想いは。 ……そんなところも可愛らしくて、惹かれたことは事実ですけどね。 生真面目で、一直線で、弱いくせに一生懸命で。 ああもう。何でこんな人に惹かれちゃったんだろう。 もう、その心に住んでいる人がいるのに。 占い師は、自分の未来は占えない。占ってはいけない。 でもクリフトさんの未来を占ってしまえば、それは……。 本当は、占いたくなんて無かった。口実を作って断れば良かった。 だって私は、あなたの恋が叶わずに、あなたが泣くことを願ってる。 辛い辛い気持ちを抱えて泣き叫ぶあなたをそっと抱き寄せることを願ってる。 口先だけであなたを慰めながら、心の中であなたの不幸を喜んでる。 あなたの心の痛みなんて知らない。 あなたの身体を抱きしめながら、どうやってあなたを私のものにするかを画策する。 そんな私にも、あなたは優しい。 それが悔しくてたまらない。 その夜、蝋燭を灯した小さな部屋で、私たちは向かい合って座る。 ずっと長く、多くの人の気持ちを蓄えてきたタロットを、机の上に広げた。 「願ってください」 クリフトさんはタロットに想いを籠める。じっと私の手の動きを見つめる目が あまりに純粋で、悔しい。 何枚かのカードを、伏せて並べた。 ぴんと空気が張りつめる。 「まずは……クリフトさんの、今……」 慣れた手つきで、一枚のカードを表に向けた。 ──魔術師の、逆位置。 「……願いを叶えるために、あなたは何かをしようとしていますか」 「……」 クリフトさんは答えない。 「……でも、その一歩が踏み出せない。だから、私のところに来た。違いますか?」 少し怯えた表情。やっぱり、隠し事のできない方ですね……。 思わず、くすっと笑ってしまう。 「……クリフトさんの、ずっと奥……心の中の、本質を……」 もう一枚、カードを捲る。 ──正義の、正位置。 「……あなたが正しいと信じていることは、叶わない願いへの言い訳」 「……あ……」 クリフトさんが小さな声を出す。 アリーナさんとの、身分の差。そんなことを考えているのでしょうね。 それ以上追求することは止めて、次のカードを捲る。 「未来、です」 ──死の、逆位置。 「……えっ」 クリフトさんが驚いた声を出す。ああ、このカード……。 「怖い絵ですけど、悪いだけのカードではありませんよ。物事には終わりがあります。 でもそれは新しいことの始まりです。答えを出せなくて誤魔化していたこと、 それに決別を告げることです」 クリフトさんの不安な表情は変わらなかった。 今までも、このカードを見た人は、こんな表情になることが多かった。 終わりとは、始まり。それは悪いことだけでは無いのに。 「障害と、対策は……」 ──戦車の、逆位置。 「……黙ったままでは、誰にも気づいてもらえません。どんなに不安でも、 自信が無くても、声を出してください。待っているだけでは、ダメです」 その言葉にはっとしたのは、クリフトさんだけでは無かった。 そう、それは……私。 クリフトさんの顔を、思わずじっと見つめる。 仄かな蝋燭の明かりに映し出される愛しい姿。 誰もいない、狭く薄暗い部屋でただふたりきり。 「……クリフトさん。私……」 最後のカードに手をかけて、私は呟く。 このカードを捲れば、私の未来も見える。 「……ミネアさん」 クリフトさんが、そっと私の手の上に、掌を重ねた。 愛しい感触に、願っていた温もりに、心臓が早鐘を打つ。 「……ありがとうございました。ここまでで、結構です」 手を重ねたまま、クリフトさんが笑顔で囁いた。 そのあまりの愛しさに、思わずひとすじの涙が零れた。 「……申し訳、ありません……」 ふと目を逸らしたクリフトさんが、そっと呟いた。 ああ……気づいて、いたんだ。 私の、想いに。 きっと……。 ゆっくりとクリフトさんが部屋を去る。 今まであんなに暖かいと感じていた部屋の空気が、急に冷たく感じる。 震える手で、私は、最後のカードを捲る。 「……世界……正位置……」 「ミネアの占いってね、ほんとによく当たるのよ!」 姉さんはいつも嬉しそうに私の話をする。 そんな話に、私はいつも、そんなことないです、と答えていた。 でも、今日は笑顔で、言ってみた。 「ふふっ。姉さんに言われなくても、自分が一番判ってるの」
https://w.atwiki.jp/kuriari/pages/177.html
クリフトのアリーナへの想いはPart6 917 :828ペギー ◆XJ3Ut0uuQQ :2007/02/10(土) 12 01 21 ID x91RMrEZ0 ここは、モンバーバラの劇場。 パノンをスタンシアラ王のところに連れて行きたいと頼む一行に、座長は、ある条件を出した。 その条件とは。 勇者一行のうち、地元であるマーニャ・ミネア以外の誰かが、劇場で拍手喝采を浴びたら、パノンを連れて行っても良い、というのだ。 「しかし、あのおやっさんの考えてることは分かんないよなぁ。 素人の俺らに芸をさせて、どうしようってんだ?」 楽屋で首をかしげる勇者に、マーニャはひらひらと手を振った。 「いつものことよ。新しい才能の発掘が座長の道楽なのよ。」 そして、にんまりと楽しそうに皆を見回した。 「…で?誰が芸をやるわけ?」 「はいはいはーーい!」 アリーナが元気良く手を上げた。 「私が、大岩を空手で割ってみせると良いと思う~!!」 「お、それいいな!」 身を乗り出す勇者に、クリフトが慌てて叫ぶ。 「だめです!姫様にこのようなみだらなところで芸をさせるなど!」 「ちょっと!今の言葉は聞き捨てならないわね。」 目を三角にしたマーニャに、トルネコがおずおずと声をかけた。 「マーニャさん、私に駄洒落ショーをさせていただけませんか?」 「…は?」 「私の駄洒落、スタンシアラ王には通じませんでしたが、ここならばっ!」 「…。」 無言のマーニャに代わってクリフトが答えた。 「いいですね。トルネコさんの駄洒落は面白いですから、きっと受けますよ。」 「…面白がってたのはお前だけだ、クリフト。」 勇者が小さい声でつぶやいた。 案の条、トルネコの駄洒落は全く受けなかった。 「皆さん、私のお腹のことばっかり言って、聞いてくれやしない…。 ねえ、私って、みんなが言うほど太って見えますかね。」 うなだれて戻ってきたトルネコの肩を、ブライがぽんぽんと叩いた。 「気にされるなトルネコ殿。かくなる上は、わしが高等魔法で客をあっと言わせてみせようぞ!」 「…どうしてこう、オヤジ連中ばかりが出たがるのかしら…。」 胸を張ったブライに、マーニャはひそかにため息をついた。 ブライは運が悪かった。 最前列に酔っ払いの集団がいて、舞台に出たブライにブーイングの嵐をかませたのだ。 「かえれ!かえれ!」「ブーブー!」 「…っこの、無礼者!」 ブライの杖の先から氷の柱がほとばしった。 「何考えてるのよ、じーさん!ヒャドでお客さんなぎ倒すなんて、この劇場が閉鎖になっちゃったらどうすんのよ!」 怒り心頭、といった感じのマーニャだったが、ブライは全く聞いていなかった。 「このブライ、こんなはずかしめを受けたのは、初めてですぞ!」 「ちょっと、人の話しを聞きなさいよー!!」 「姉さん落ち着いて!ここでドラゴラムはだめよ!!」 うなだれるトルネコ、怒りに体を震わすブライを遠くから見守る若者3人組。 「ねえ、クリフト、やっぱり私が大岩割を・・・。」 「だよなあ、アリーナ。」 「だめですったら、だめです!」 そこへ、先ほどから部屋の隅で静かに座っていたライアンが声をかけた。 「どうだろう、クリフト殿。我々2人で剣舞を踊るというのは。」 「けんまい…?何それ?」 はてなマークを顔に貼り付けた勇者に、クリフトが説明した。 「剣を使って行なう舞のことですよ。『けんぶ』とも言います。 …そうですね…私の剣舞は、本来、神に捧げるものですが…。」 クリフトは、顎に手をあてて考えんでいたが、ややするとライアンに向き直った。 「…神学的な解釈の部分を除けば、こちらで踊っても許されるかと思います。」 よし、とライアンが、腰を上げながら言った。 「拙者の方は、宮廷の典礼用のものだが、何、基本は変わらん。 拙者とクリフト殿なら、ぶっつけ本番でも大丈夫だろう。」 ライアンとクリフトは、多少の打ち合わせを行なったのみで、舞台に上がった。 筋骨隆々の堂々たる戦士と、すらりと端正な神官の取り合わせに観客は沸いた。 「おお!新顔だー!」「なんかやれー!」「とりあえず脱いどけ!」 盛り上がる観客の声援とやじに、ライアンは顔をしかめた。 「男に向かって脱げとは、今日の客は趣味が悪すぎる。」 「仕方ありません、はじめましょう、ライアンさん。」 2人は剣を抜くと、切っ先を合わせた。 演技が始まると、観客は、2人の息のあった舞に釘付けになった。 ライアンは猛々しく直線的な動きで、迫力のある太刀筋を残し、クリフトの優美で繊細な剣の動きが、柔らかくそれに絡む。 「わー、クリフト達、かっこいいね!ソロ!」 舞台裾でこれを見ていたアリーナは、隣の勇者に囁いた。 勇者は目を輝かせて2人の演技に見入っていたが、次第にそわそわし始め、とうとう、「俺もやりたーーい!」と、剣をひっつかむと舞台に飛び出した。 クリフトは、いきなり飛び出てきた勇者に、ぎょっと目を見張った。 一瞬注意が逸れたところに、ライアンの剣が斜め上から舞い降りてきた。 クリフトは、はっと体をそらせたが、間に合わない。 ライアンの剣の切っ先が、神官服を斜めに切り裂いた。 ざすっ。 アリーナの悲鳴が上がった。 ライアンは、剣を振り下ろした格好のまま、固まっていた。 クリフトも、体をのけぞらせた姿勢のまま、動かない。 勇者は、蒼白な顔で凍りついたように棒立ちになっていた。 観客席は静まり返り、咳一つ聞こえてこない。 そのとき。 ばさ。 クリフトの肩から神官服が滑り落ちた。 クリフトは、ぎりぎりのところでライアンの刀をかわしていた。 並みの人間であれば、完全に袈裟切りになっていたところだ。 しかし、体さえ傷つかなかったものの、ライアンの鋭い剣先は、クリフトの服を右肩から左裾にかけて、アンダーシャツに届くまで、ざっくりと切り破っていた。 神官服は重い。 切られた神官服は、その重みに耐えかね、アンダーシャツもろともクリフトの体を滑り落ち、クリフトは、片肌脱ぎの状態になった。 「!!!!」 観客席はどよめいた。 「なななっ!」 クリフトはパニックになって服をかき集めようとしたが、そのとき、アリーナの心配そうな声が耳に入った。 「クリフト、大丈夫!?」 振り向くと、アリーナが今にも舞台裾から飛び出しそうにしている。 それを見て、クリフトの頭は一瞬にして冷えた。 このまま、クリフト達が演技途中で引っ込めば、一行の目ぼしい演し物は、あとはアリーナの大岩割くらいしか残っていない。 クリフトは、ぐっと歯を食いしばると、ライアンに言った。 「ライアンさん、このまま続けましょう!」 …勇者はこっそり舞台裏に消えていた。 「…なーんか、客が前よりエキサイトしてない?」 再開した演技を、客席の後方で見ていたマーニャがミネアに尋ねた。 「そりゃあやっぱり、ストイックな神官服からのチラ見せっていうのは万人共通のそそるコンセプトですもの♪」 クリフトさんお肌も綺麗だし、と嬉しそうに言うミネアに 「…ミネア、あんたって一体…。」 マーニャは呆れた視線を向けたのだった。 2人の演技が終わった後は、拍手喝采、アンコールの嵐が鳴り止まなかった。 座長は2人を絶賛し、クリフトとライアンに対し、旅が終わったら是非戻ってきて劇団に参加して欲しいと言ったが、 毛布を体に巻きつけたクリフトは、涙目で答えた。 「二度とゴメンですっ。私は人前で踊ったり脱いだりするのはイヤですよ。」 この後しばらくは、勇者はクリフトに口を聞いてもらえなかったらしい。