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クリフトのアリーナへの想いはPart5 68 :【レディースタウン】1/2 ◆cbox66Yxk6 :2006/04/25(火) 21 35 16 ID erlbjV0k0 「な、なんだか、その、はずかしくて・・・あの、私、馬車に戻ってもよろしいでしょうか・・・」 もう限界です・・・。 早々と出されたクリフトの敗北宣言に、ソロが深々とため息をつく。 「いや、おまえ、ちょっと・・・」 根性なさすぎ。 呆れた調子でそう言うソロに、「なんとでもおっしゃってください!」と切羽詰った声が返る。 よくよく見ると半分涙目になっているようだ。 さすがにソロもかわいそうに思い、口を開こうとした途端、かっと目を見開いたクリフトが絶叫した。 「うわぁぁぁ、もう駄目だ~!!!」 「お、おい」 咄嗟に肩を掴んだソロの手を振り切ると、クリフトは一目散に馬車に向かって駆け出した。 あまりのことに言葉を失い呆然としたソロの背後から、聞きなれた声がかかる。 「あれ?クリフトは?」 なんか声が聞こえたと思ったのだけど? ソロが振り返るとそこには天使のレオタードをまとったアリーナの姿。 (あー、絶叫の原因は・・・) これか。 今日はホフマン主催、レディースタウン祭。 天使のレオタードをまとった女性にいろいろな特典が与えられるため、町のあちこちにレオター ド姿の女性が闊歩する日。別名、天使のレオタード祭。 ―――どうやらクリフトには刺激が強すぎたらしい。 (おまけ) 「そういえば・・・」 あいつ、馬車で何してるんだ? 1番、「おぉ神よ」と懺悔中 2番、刺激が強すぎて出血中 3番、・・・とても言えないこと。 「気になるなぁ・・・」 そう呟くと、ソロはにんまりと笑いアリーナを手招きした。 「な、アリーナ、わりぃけど、馬車の中、覗いてきてくれないか?」 その後のクリフトの運命は杳として知れない。
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クリフトのアリーナへの想いはPart6 764 :【新年の抱負】1/4:2007/01/14(日) 02 43 13 ID C8GLoWLF0 その日、世界を救った一行は、新年を祝うため、エンドールにあるトルネコの家に集まっていた。 最初は、マーニャが有志を募って、今年の初カジノに挑むという企画だったのだが、堅苦しい祝賀パーティーが苦手なライアン、田舎の正月が3日で飽きたソロ、新年の挨拶と称してお見合いさせたがる父親から逃げてきたアリーナ、子守のブライ、お見合いを横目で見ながら気が気でなかった煩悩神官ことクリフト、姉の財布の監視役ミネア、と予想外に人が集まってしまい、ついでということで、トルネコの家にやっかいになっているわけだ。 ネネの家庭料理を味わい、エンドールの地酒が回り始めたところで、ソロが急に立ち上がった。 「ここいらで、今年のみんなの抱負を聞きたいと思います。まず、ライアンさんから」 周囲は、ソロの唐突な提案にあっけにとられながらも、一斉にライアンの方を向いた。 ライアンもいささか面食らったのか、数瞬動きが止まる。 「私は、今年も、バトランドのために尽くすつもりです」 若干の沈黙。 「・・・・・・それだけ?」 「そうだが・・・ソロ殿、何かご不満でも?」 「いや、別にないけど・・・・・・じゃあ、次はブライさん」 指名を受けたブライは、コホンとひとつ咳をして、居住まいを正す。 「ワシの今年の抱負は・・・・・・」 「今年も最後まで生きられますように」 ソロがふざけて十字を切った。 「ちょっと、ソロ、それ洒落になってないって!」 そういいつつも、マーニャは半分噴き出しそうになっている。 「おぬしら! 正月くらいおとなしくワシの話が聞けんのか! 本来ならサントハイムのパーティーに出ておる頃なのに、姫様がどうしてもと仰るからわざわざ・・・・・・ぶつぶつ」 この後、新年の抱負ではなく、お説教が30分近く続くことになった。 「ミネアさんは?」 「私は、そろそろ自分の店を持ちたいと思っています」 「ミネアさんならきっといい占い師になれるわよ! 私が保証する!」 アリーナが相槌を打つ。 「ふふ、ありがとう」 確かに、ミネアの本気モードの占いは外れたことがなかった。 ところが、人とは面白いもので、百発百中の占いはかえって不気味に感じるらしい。 現に、このメンバーの中で、ミネアに重要なことを占ってもらおうとする人間はいなかった。 「今年の初占いで、アリーナちゃんの恋愛運を見てあげるわ」 「ダメです! 絶対にダメです!」 思わず大声をあげてしまった神官。気まずい雰囲気が流れる。 「ちょっとー、何がダメなのよ」 マーニャがニヤニヤしながらクリフトを小突く。 「クリフトったら、ミネアさんの占い嫌いなの?」 アリーナだけが、神官の心の叫びを理解していないようだ。 「そ、そうではなくてですね、れ、恋愛というものは、姫様のご意志で決めるべきで、いくらミネアさんの占いが正確だからと言って、それに左右されるのは・・・・・・ぼそぼそ」 「しかし、部屋を借りるとか小道具を集めるとか、いろいろとお金がいりそうですね」 神官を差し置いて、トルネコが話を現実に引き戻す。 「今頃は溜まってたはずなんですけどね。誰かさんが無駄遣いしなければ・・・・・・」 そう言って姉を一瞥する。 「さ、さあ、何のことやら・・・・・・」 「では、浪費家マーニャさんの抱負を」 「今年こそカジノで一発大儲けね、さあ、次の方」 「ちょっとミネア! 私の台詞取らないでよ! しかも浪費家って誰のことよ!」 「じゃあ、姉さんの本当の抱負は?」 「それはね、今年こそスロットで・・・・・・って違うわよ、今年こそいい男を見つけるのよ」 マーニャは自信ありげに髪をかきあげて見せる。 それは、抱負と言うよりも、普段から聞かされている願望と同じなのではないだろうか。 ふと、そんな考えが一座の脳裏を掠めた。 「次、トルネコさんの番」 新年早々の姉妹漫才を他所に、ソロはトルネコを指名する。 「私ですか。私は商人ですからね、今年も商売繁盛、と言いたいところですが、冒険と商売で家族サービスがおろそかになっていたので、今年はなるべく家族と過ごせるように努力しますよ」 「へえ、トルネコさん、案外いいこと言うじゃない」 「姉さん、一言余計よ」 勇者やブライならツッコミが入るところだが、そこはトルネコ、顔色ひとつ変えない。 「そうそう、もうひとつ。マーニャさんに貸した1000Gを、今年こそきっちり返してもらいますから」 「姉さん、また借金なんかして!」 「そ、それは時効よ。ね?」 「はて、時効ではなく利息ならつきますがね」 「アリーナは?」 「決まってるじゃない! 今年もますます強くなるのよ!」 アリーナは袖をまくって、力瘤を作ってみせる。 「少しは、お年頃らしいことを仰ってもらわないと・・・・・・ぶつぶつ」 ブライは茶を啜りながら、効き目のない小言を繰り返す。 「姫様がお強くなられるのは構いませんが、あまり筋肉質になられるのは・・・・・・ い、いえ、もちろんいかがわしい意味ではなくてですね・・・・・ぼそぼそ」 一人で勝手に頬を染める神官。どうやら、彼の煩悩は108つでは済まなそうだ。 「あれ、アリーナに同じこと言われちゃったな」 ソロはバツが悪そうに頭をかく。 「へー、ソロもなんだ」 逆にアリーナは、鍛錬仲間ができて顔がほころびる。 「だって、勇者がそのへんの兵士に負けるとかカッコワルイだろ?」 「そうだよね。今度お手合わせ願おうかしら」 「いいな。呼ばれたらいつでもいくぜ!」 意気投合する二人。それを傍目に、黒いオーラを出す神官。 「ザ・・・ザラ・・・」 「めでたい席で不吉なことをするでないぞ、クリフト・・・・・・」 「最後、クリフト」 いよいよ自分の番になったクリフトは、殺気を決してすまし顔になる。 「今年も、敬虔な信徒として神にお仕えしたいと思っております」 「つまんなーい!」 マーニャが即座に横槍を入れる。 「あんた、本当は別の抱負があるんでしょ? 『今年も』じゃなくて『今年こそ』さあ・・・・・・」 「な、何もありません!」 「えー、なになに、クリフトったら隠し事してるの?」 隠し事の対象が身体を前に乗り出してくる。 「隠し事などしておりません!」 「あ、さては、またザラキしてザオリクしたんでしょ」 「姫様の中で私のイメージはどうなってるんですか(涙」 「あのねえ、クリフトは・・・・・・」 「マーニャさん! 本気でザラキしますよ!」 「もう、クリフトったら煩いわよ!」 クリフトは、それから一時間近くマーニャとアリーナに弄ばれることになったという。 もちろん、このあとでマーニャがカジノですっからかんになったのは言うまでもない。
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クリフトのアリーナの想いはPart11 178 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2010/04/24(土) 21 06 03 ID aZ9mTD1HO エロはありませんが、下ネタです。 ぞうさん 小さな町に到着した勇者の一行。 天気のいい今日は、子供たちが泉で水浴びをするはしゃぎ声が響いていた。 ミネアが「あら、かわいいわねえ」と微笑む。 マーニャ「本当、ぞうさんがいっぱい♪」 ミネア「姉さん…^_^;」 するとアリーナから爆弾発言が 「うん、クリフトみたいね!」 (一同)………… 「クリフト、おまえ…」 「クリフト、おぬし…」 勇者ソロとブライが同時に叫ぶ。 「まだ『ぞうさん』だったのかよ!」 「姫に手を出しおったのか?この生臭坊主!!」 ブライがマヒャドの詠唱に入る。 「うわああ、ブライ殿誤解です!姫さま、それは子供の頃の話でしょう、 私はもう『ぞうさん』ではなく『かめさん』です!!」 「あの頃は、暑いと素っ裸で水浴びしたわね。ぞうさんに絵の具でお目々を描いてあげたのよ。 かわいいからチュッてしてあげたら、ピクンってはねるのが楽しくって!」 ………… 「クリフトのやつ…くっそー、おれだってシンシアとそこまでデキなかったのに…」 「幼少のみぎりとはいえ、一国の姫のあられもないお姿を見て、しかもry)な若い男がいるとは… 生かしておいてよいものか…」 苦い顔をする少年と老人にキョトンとしていたアリーナは、思いつきにパッと顔を輝かせる。 「そうだ、クリフトにまた落書きしたいな。今はぞうさんじゃなくてかめさんなの? それはそれでかわいいわね。さあ、出して!」 「とんでもありません、これをお見せするのは晴れて夫婦となった時…ってあわわわ、 わー氷の刃が~~~」 3人が去った後。 ソロ「なあ水晶玉さん、ホントに奴は『ぞうさん』を卒業してるのか、ちょっと教えてくんない?」 ミネア「やめて!私の水晶玉にそんなフケツなモノを映させるなんて許しません!」 手から竜巻を出しながらソロを追い払う。 水晶玉には、今より少し大人になったアリーナが映っていた。 「『ぞうさん』じゃなくて『かめさん』ってこういうことだったのね//////」 赤面してうつむくアリーナがおずおずと顔を上げると、アングルが視線の先にパンしたが、 モザイクがかかっていたのであった。
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クリフトのアリーナへの想いはPart6 861 :828(1/6):2007/01/31(水) 18 50 35 ID BaM2vXTL0 俺達は、新しく仲間になったアリーナ、ブライ、クリフトの3人を加え、総勢7名でミントスを旅立った。 これだけ人数が増えると、魔物と戦うときも全員の力は要らなくなる。 俺は、旅の間の戦力をなるべく温存するためにも、非常事態でない限り、戦闘メンバーは4名と決めた。 また、魔物の群れと戦うには、メンバーの息のあったプレイが不可欠だ。 そこで、とりあえずは、一番長く一緒に旅をしている俺、マーニャ、ミネアの3人を基本に新しい連中を1人ずつ組み入れて、コンビネーションを見ることにした。 「それだと、私、しばらく休みっぱなしになっちゃって、申し訳ありませんねぇ。」 この提案に、トルネコさんは、全然申し訳なくなさそうに、満面の笑みを浮かべて賛成した。 アリーナ、ブライとそれぞれ一緒に戦ってみて、俺は2人の戦闘能力の高さに驚いた。 まあ、ブライは、位の高い宮廷魔術師だから、高等魔法を操るだろうとは予想していたけど、アリーナには、もう、たまげたとしか言いようがなかった。 一見、小柄で愛らしいお姫様が、ベビーサラマンダを改心の一撃で倒したときには、俺は唖然として、危うく横から突っかかってきたブルホークに串刺しにされるところだった。 その後も、俺達は何度かアリーナやブライと一緒に戦った。 しかし、俺は、クリフトを戦闘メンバーとして呼び出したことはまだ一度もなかった。 森の外れの水場で休憩中、パトリシアの首筋をなでてやっていると、クリフトが近づいてきた。 「ソロさん。」 「ん?」 「何故、私を戦わせてくれないのですか。」 クリフトの表情は固かった。 無理もない。大事な姫様が戦っているのに、自分は馬車でのうのうとしてるなんて、こいつとしては非常に心外なのだろう。 ま、そこらへんをアリーナ自身は全然気にしていないところが、気の毒っつーか、何つーか。 「んー、特に理由はないけどさ…。タイミングだよ、タイミング。」 「だったら、次は、姫様の代わりに私を…。」 「いや、でも、えっと、ほら!お前、まだ病み上がりじゃん。」 この言葉に、クリフトは頬を紅潮させて抗議してきた。 「そんな!もう、完全に回復しました!いつまでも特別扱いはやめてください!」 あちゃー、逆効果だったか。 「うん、分かったよ。次回は考えておくから。」 俺は、まだ言いたいことがありそうなクリフトから逃げるようにその場を離れた。 俺がクリフトを戦闘メンバーに使わないのは、別にクリフトの回復を気遣ったわけじゃない。 先日、2人きりのときに、神官嫌いのマーニャが言っていた言葉。 「だいたい、神官なんて戦闘の役に立つかしらねぇ。」 「…一応、剣の心得はあるって言ってたけどな。」 攻撃呪文を持たない神官は、回復や補助呪文などで、後詰めに回るのが通常だ。 実際のところ、前線に出て戦う神官というのは、余り聞いたことがない。 マーニャの疑問ももっともだった。 ただ、あいつには、奥の手がある。 一瞬にして、敵の命を奪う、禁断の呪文。 今のところ、そのことを知っているのは、仲間の中では俺だけだ。 ミネアは、もしかして勘付いているかもしれないけど。 あいつが、戦闘に参加すれば、その呪文を使わざるを得ないだろう。 俺としては、できる限り、あいつにその呪文を使わせたくなかった。 あいつが、闇の力を操る自分を、心の底で苛んでいるのを知っているから…。 ―――でも、いつまでも、戦闘に出さないわけにもいかないよなぁ。 そんなことを考えながら歩いている俺の耳に、トルネコさんの鋭い叫び声が聞こえた。 「敵です!囲まれてます!」 気がつくと、周辺から魔物の気配が押し寄せてきていた。 「マージマタンゴ…!」 マージマタンゴは単体ではたいしたことはないが、集団で襲ってくるとタチが悪い。 「マーニャ!ミネア!アリーナ!戦闘態勢に入れ!」 俺は瞬間的に3人の名前を叫んでいた。 走りながら、ちらりと馬車の方を振り返ると、青ざめて唇を噛み締めるクリフトの顔が目に入った。 しかし、それを気にする間もなく、俺の後方から炎の玉が飛んでくる。 「べギラマ!」 マーニャの火炎呪文を皮切りに、激しい戦闘が開始された。 俺は、奴らの繰り出すヒャドの氷柱をなぎ払いながら、剣で攻撃する。 右側では、アリーナがものすごい勢いでマージマタンゴを端から蹴散らしていた。 ミネアも、左前方でバギをかまして応戦している。 しかし、今回、奴らは数が多かった。 しかも、奴らはホイミを使うために、倒すのにけっこう手間がかかる。 俺もマーニャもミネアもアリーナも、なかなか減らない敵の数に、だんだん疲労してきた。 ―――このままだと、まずい、かも。 そのとき、再びトルネコさんの悲痛な声が響いた。 「新手です!がいこつ剣士です!」 マージマタンゴのきのこ頭の向こうに、両手にサーベルを下げた骸骨どもが見えた。 奴らは、手を挙げて、呪文の詠唱モードに入っていている。 ―――やばい!この状態で、ルカナンを唱えられたら…! そのとき、俺の背後から澄んだテノールが聞こえてきた。 「マホトーン!」 同時に、がいこつ剣士の詠唱の動きがとまる。 振り向くと、クリフトが走り寄ってきて、俺の横に並んだ。 「ソロさん、これは非常事態です。全員戦闘参加ということで、よろしいですね!?」 クリフトが、厳しい顔をして前を向いたまま、俺に問いかける。 そして、俺の返事を待たずに、今度はマージマタンゴの群れにマホトーンをかけた。 さらに、口の中でものすごい速さで詠唱を済ませると、両手を挙げて叫ぶ。 「スクルト!」 俺達の体が淡く光り、目に見えない守護の力に体が包み込まれるのを感じた。 クリフトは、背中から長剣を抜いて構えると、そこでやっと俺のほうを見た。 「…見損なわないで下さい。あの呪文を使わなくったって、私は、戦えます。」 「…。」 「それに、あの呪文を使ったって、全然構わないんです。私の左手を頼りにしていると言ったのは、あなたです。」 クリフトの怒りに燃える目を見たときに、俺は、自分が大きな間違いを犯していたことに気付いた。 「…うん、悪かった。ごめん。頼むよ、お前の力、貸してくれ。」 俺の言葉に、クリフトは唇の端を上げて、神官らしからぬ笑みをもらした。 「『力を貸してくれ』じゃありません。一緒に、戦いましょう。」 その言葉に、俺もクリフトに笑みを返した。 「オーケー。んじゃ、一緒にあいつらを蹴散らそうぜ!」 次の瞬間、俺達2人は剣を構えて前に飛び出した。 「ひょーっ、やったわね~。」 魔物達の死骸の山を前に、マーニャが他人事のようにつぶやく。 今回みたいに大量の魔物相手に、逃げずにこれを撃退したのは、初めてだった。 クリフトは、早速アリーナに回復魔法を施している。 俺がみたところは、それほど大きな怪我はしてないみたいだけど。 マーニャは、クリフトをちらりと見て歩み寄ると、鉄扇をぱちんと鳴らした。 「なかなかやるじゃない、神官さん。見直したわよ。」 「…ありがとうございます。」 実際、クリフトの剣の冴えはたいしたものだった。 派手な力強さこそないものの、素早く、確実に魔物をしとめていく。 あの呪文を唱えるまでもなかった。 ―――こいつだって、何年も旅をしてきたんだもんな…。 俺は、空を見上げ、改めてクリフトにすまなく思った。 そのとき、クリフトが「ぐっ」と奇妙な声を上げた。 何ごとかと振り返ると、クリフトが前のめりに倒れ、アリーナがクリフトの名前を叫びながら、クリフトに覆いかぶさっている。 「ど、どうした、クリフト!?」 クリフトは、気絶していた。 「クリフトが、痛いところは全部言えっていうから、ここが痛い、ってボタン外して見せたら、急に倒れちゃったの。」 クリフトを揺さぶっていたアリーナがこちらを見上げて、俺はクリフトが倒れた理由が分かった。 アリーナの胸元がかなり際どいところまで肌蹴けており、そこに青あざが見え隠れしていた。 「姫!なんとはしたない…!クリフトもクリフトじゃ!こんなことで気絶するなぞ、情けない…!」 ブライの理不尽な怒り方を聞いて、マーニャが噴き出した。 俺も、ミネアもトルネコもつられて笑い出す。アリーナはきょとんとしていた。 笑いながら、俺は思った。 ―――まったく、頼りになるんだか、ならないんだか分からない奴だけど…。 だけど、どうやら、いい相棒にはなれそうだ。
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クリフトとアリーナの想いは Part4.2 121 :煩悩神官が現れた!:2006/02/07(火) 10 28 26 ID RljX13BW0 「なぁ、バレンタインデーって、チョコレートがもらえるんだろ? すっげー、楽しみ」 ソロさん、世間ではですね。『もらえない』ということも多々あるのですよ。 後で泣きを見なければいいですね。 「そうですね。でもソロさん、贈り物がチョコレートだとは限りませんよ。 私は去年、妻から手作りの腹巻をもらいました」 あぁ、トルネコさんのお腹じゃ、どうみても既製品では無理ですよね。 ネネさんもご苦労なことです。 「そうそう、拙者なんかワラで作ったお守りをもらってな。 今でも肌身離さず大事に持っているでござる」 ライアンさん、その人形、呪われていて手離せないだけですから。 「ふ~ん。で、クリフトは? アリーナから何もらったんだ?」 「一緒にお茶をすることはありますが、特に何も貰っていませんよ。 姫様はそういった『庶民』の行事に疎くていらっしゃいますから」 「そっか、あいつあれでも姫さんだもんな」 「それもそうですね」 「アリーナ殿は特に疎そうですからな」 そうそう、お三方、いいお返事ですね。 そう、私は貰えないじゃないのです。 姫様がご存知でないので、『仕方がない』のですよ。 間違えちゃいけません。 でもまぁ、これでなんとか面目は保てましたね。 私が内心汗を拭った、その時でした。 「何を言っておる。姫様は毎年、陛下やワシに手作りチョコを くれておるぞ。じゃがな、おぬし、普段から鼻血ばっかり噴いて おるじゃろう?姫様にどんなチョコが良いか聞かれたときに 『クリフトにはチョコは不要』と申し上げておいてやったわい。 なに、礼などいらぬよ。かわいい部下の健康を思えばこそじゃ」 ブライ様が棺桶に両足を突っ込まれました。 あとは後ろに倒れるだけですね。それでは・・・ お手伝い(ザラキ)してさしあげましょうね。 こうしてバレンタインは過ぎていった・・・。 みなさま、チョコの食べすぎには十分お気をつけください。 煩悩神官より (おまけ) 「アリーナ、クリフトの分は?」 「あ、いいの。クリフトには毎年別のものを贈っているから」 ふたりっきりの、あま~いティータイムを、ね。
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クリフトのアリーナへの想いはPart5 700 :【伏兵・ミネア】1/5 ◆YdWRYb4NOY :2006/07/29(土) 23 22 52 ID QGvMJydZ0 目を覚ますと、私はベッドの上で横たわっていた。 額に手を当て、記憶を手繰り寄せようとするけど、何も思い出せない。 私はどこでどうしていたのかしら… 「あ、ミネアさん。気がつかれましたか。」 聞き覚えのある低くて落ち着いた声。クリフトさんだ。 「まだ動いちゃだめですよ。肉体と魂の融合がまだ完全ではありませんから。」 「融合…?完全…?」 私はまだ意識が朦朧としていて、クリフトさんの言ってる意味が理解できなかった。 「私…何かしたんですか…?」 クリフトさんはふっと小さなため息をつくと、そばにあった椅子に腰掛けた。 「全く無茶な方ですね、ミネアさんは。まさかあの状況でメガザルを使われるとは。」 「私が、メガザルを…ですか?」 「ええ。私も驚きました。いつの間に覚えていらっしゃったんですか?」 メガザルの呪文。 自らの生命と魔力の全てと引き換えに、詠唱者が望む者の体力を全快させ、 散った生命をこの世に呼び戻すという、究極の魔法。 亡き父のエドガンが、錬金術とともに日々研究を重ねていたようだ。 父の秘密の研究室で、偶然この呪文に関する書物を手に入れた私は、 旅の合間に少しずつ読みあさり、先日ようやく習得したばかりだった。 そうだ、私はあの時メガザルの呪文を使ったんだわ。でも、どうして? 苦労の末に覚えたものの、その代償が怖くて呪文を唱える勇気がなかったというのに。 頭の中に散らばった記憶の断片を拾い集め、私はゆっくりと目を閉じた。 記憶の中の私たちは、人界ならぬ場所で魔物の群れと戦っていた。 でも、予想以上に奴らの猛攻は凄まじく、それに加えて体力も魔力も 消耗しきっていた矢先に遭遇したのも、また不運だった。 百戦錬磨の戦歴を誇る仲間たちが一人、また一人と倒れていく度に、 クリフトさんの悲痛な叫び声が辺りに響く。その様子は、馬車の中にいた私にも伝わった。 馬車の中で水晶玉を抱えて震える私。もうホイミを唱える魔力すら残っていない。 こんな時に、足手まといにしかならない自分の情けなさ。私は我が身を呪いたい気分だった。 どうか、生き延びることができますように。 そんな私の願いは、金切り声に近い悲鳴で無残にも切り裂かれた。 「姫様、しっかりなさって下さい!姫様、姫様ぁー」 馬車の幌から覗き込んだ私の目に飛び込んだのは、半狂乱になって叫びながら 事切れたアリーナさんを必死で揺り動かすクリフトさんの姿だった。 こんな時に非常識だったかもしれないけど、私はクリフトさんの腕の中にいる アリーナさんに微かな嫉妬を覚えた。あれが私だったら、と。 私はすっと立ち上がり、馬車から不毛の大地へと降り立った。 「ミネアさん、来てはなりません!せめてあなただけでも…逃げて下さい!」 満身創痍のクリフトさんが、最後の力を振り絞って私を諌める。その右胸には 魔物たちの牙が深々と刺さり、出血のショックで剣を支えに立っているのがやっとだった。 このままでは、他の仲間たちと運命を共にするのも時間の問題だろう。 クリフトさんを死なせたくない。 私は無意識のうちに両手を組み、覚えたばかりのメガザルの呪文を詠唱し始めていた。 体力も魔力もほんのかけらしか残っていないが、今はこれに賭けるしかなかった。 お父さん…どうか私に力を貸して下さい! 魔物たちの爪や牙が私を襲う。それでも私はさらに祈りを込め、詠唱を続けた。 どちらが先に目的を果たし終えるか、一分一秒を争う大勝負だった。 先に呪文の最終節を唱え終わったのは私だった。辺り一面に、まばゆい白い閃光が走る。 力尽き倒れた仲間たちの目覚めの声が次々と聞こえ、お互いに手を取り合って喜びの声をあげた。 クリフトさんの傷が完全に癒えるのを見届けた直後、私の視界が黒一色に染まった。 全身が脱力感に覆われ、呼吸と心拍が少しずつ速度を落としていく。でも、思ったより苦しくない。 ありがとう、お父さん。みんなを、そしてクリフトさんを助けてくれて。 私の意識は少しずつ薄れ、先ほど仲間たちが旅立った世界へと、一人旅立った。 記憶の世界から離脱したばかりの私に、クリフトさんは優しく微笑みを浮かべた。 「この町で宿を取って休養した後、ザオリクの呪文を使いました。」 「あの後、私たちは魔物たちを倒し、何とかあの邪悪な世界から戻ることができたのです。 これも全てミネアさんのおかげです。本当にありがとうございました。」 お礼を言うべきなのは私の方だ。あなたがいたから、私はメガザルを使う勇気が持てたのに。 「とにかく気がついてよかった。重湯を用意しますから、少しだけ待ってて下さい。」 クリフトさんの背中を見た瞬間、置いていかれそうな不安に駆られた私は、 思わずベッドから立ち上がった。でも、脚に力が入らない。私は2、3歩も歩かないうちに よろめいてしまった。気がついたクリフトさんが、素早く私を抱きとめる。 危なかった。おかげで私は転倒せずにすんだ。 「無茶をしてはなりません。あなたは4日間も眠り続けていたのですよ。」 私の現在位置は、クリフトさんの広くて温かい胸の中。あまりにも突然のことで、私は窒息しそうだった。 胸の鼓動が伝わるのを恐れ、息をひそめてしまったからかもしれない。 クリフトさんも私と同様、顔が赤くなっていた。それでも体勢を整え、私を軽々と抱きかかえると 再びベッドに戻した。部屋を出た後、大きな靴音を立てて階段を駆け降りる音が聞こえた。 その時の彼の顔を想像して、私はくすっと笑った。 私たちの関係は、決して良好なものとは言えなかった。 最初に出会った時、私は病気がうつるのではないかと心配して、 重い病のために苦しそうだったクリフトさんに近寄ろうともしなかった。 その後、クリフトさんたちが仲間に加わってからは、私は馬車で待機することが多くなった。 勇者様の判断は間違ってはいない。回復役としては彼の方が優秀だったから。 でも、私は悔しくて…いつしかクリフトさんのことを逆恨みしていた。 クリフトさんは、王女であるアリーナさんに恋心を抱いていた。 本人は密かに想いを寄せているつもりらしいが、当のアリーナさん以外には周知の事実だった。 だから私は、そんな彼に意地悪をしてやろうと思った。 私は袖をまくり上げ、銀色に輝く腕輪を見つめる。浪費家の姉、マーニャのせいで 大嫌いになったカジノにこっそり通い続け、やっとの思いで手に入れた『星降る腕輪』。 装着する者の敏捷性を倍増させる、不思議な装飾品だ。 腕輪を身につけてから、その効力を生かして、私はアリーナさんを最優先に 回復の呪文を施すようになった。本来、それは臣下であるクリフトさんの役目のはずだ。 それが彼の使命であり、生き甲斐でもあるからだ。 つまり、私の行為はそんな彼にとって邪魔でしかなかったのだ。 でも、クリフトさんはそんな私に嫌な顔を一つせず、笑顔で優しく接してくれた。 始めは悪意の捌け口に過ぎなかったアリーナさんへの回復が、やがて別の意味を持つようになった。 そのことに気がついたのは、スタンシアラ城で故郷のサントハイム城のことを思い出し、 悲しみにくれるアリーナさんを優しく慰める、クリフトさんを見た時。 私は今までにない胸の痛みを感じ、そこで初めて彼に惹かれている自分に気がついた。 だから、クリフトさんがアリーナさんに呪文を施す所を想像すると、気が狂いそうだった。 そんな場面を見るのが辛くて、私は彼女の回復係に専念し続けたのだ。 アリーナさんや他の方にばかり回復系の呪文を優先させるため、私自身へのケアは 自然とおろそかになる。気がつくと、切り傷や噛み傷が身体のあちこちに。 時々身体に激痛を感じたが、本当に痛かったのは、身体よりも心の方だったかもしれない。 私の状態に気がついたクリフトさんがこちらに駆け寄り、すぐさま私の手を取って、 ベホマの呪文を唱えた。身体が軽くなり、傷がすっと消えていった。手を握り締めているのに 気がついた私は、お礼を言うのも忘れ、思わずクリフトさんの手を振り払ってしまった。 私よりずっと大きいが、手袋を通してでもわかる、繊細で柔らかなその手。 私は大馬鹿だ。本当はずっとその温もりを感じていたかったくせに、自分から放すなんて。 顔を赤くしてうつむく私に、ますます心配そうな表情を見せるクリフトさん。 ごめんなさい。あなたを困らせるつもりではなかったのに。 別の戦闘が終わった頃、私はまたも傷だらけになってしまった。 でも、心のどこかで嬉しさを隠し切れない自分がここにいた。 だって、治癒の呪文を受ける間だけは…クリフトさんを独り占めできるから。 あの頃は、ただクリフトさんを想っているだけで幸せだった。でも、今は違う。 私は、彼の胸の暖かさと腕の温もりを知ってしまった。 今度は彼の愛する女性として、あの胸の中に飛び込みたい。恋する女なら誰でも抱く素直な気持ち。 アリーナさんを一途に想うクリフトさんの気持ちを振り向かせるのは、簡単ではないだろう。 でも、私に勝算が全くないわけではない。二人には身分の差があるし、何よりアリーナさんの 態度があれでは、進展どころか後退になりかねない。 だけど、私にはわかる。少しずつではあるが、アリーナさんが確実にクリフトさんを 一人の男性として意識するようになっていることを。 だから今のうちに、二人をなるだけ近づけさせないようにするのだ。 アリーナさんが自分の本当の気持ちに気づいてしまったら、私にもう勝ち目はないから。 そうだ、この旅が終わったら、クリフトさんに私の故郷のコーミズ村に来てもらおう。 村には教会がないから、教会を新設するということなら怪しまれることもない。 ブライさんにでもお願いしてみようかな。モンバーバラの劇場で何度か接待を繰り返せば 二つ返事で首を縦に振るだろう。だめなら接待の事実を告げると脅しをかければいい。 私がまだ見ぬ未来に思いを馳せていた頃、クリフトさんが重湯を持ってきてくれた。 「熱いですから気をつけて。むせないように、ゆっくり飲んで下さい。」 「わざわざすみません。ありがとうございます。」 ぎこちない手でコップを持つ私の手を、クリフトさんがそっと支えてくれた。 温かい重湯がゆっくりと喉を通っていく。全部飲みほした私に、彼はまた笑顔で応えてくれた。 いつか彼を私だけのものにする。アリーナさんになんか絶対渡さない。 私の密かで壮大な計画は、まだ始まったばかり。 (完)
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潮の香りが漂う、夕暮れ時のサントハイム城。 照りつける西日が城全体を照らし、白い城壁が夕焼け色に染まる。 この国の若き神官であるクリフトは、その背に夕日を受けながら 大聖堂内の書庫の一室で、膨大な書類の整理に没頭していた。 「ふう。お茶でも飲んで、少し休みましょうか…」 早朝からの作業で、酷使した身体に束の間の休息を与えるべく、 クリフトは、きつい瞬きを何度も繰り返し、長い両腕で大きく伸びをする。 最後の仕上げである深呼吸を終え、身体の緊張をほぐし切った直後、 ノックもなく入り口のドアが突然音を立てて開いた。 「あ、いたいた。ねえクリフト、これから時間空いてる?」 腰に手を当て、そう茶目っ気たっぷりに笑うのは、 少々おてんばが過ぎることで知られるこの城の王女、アリーナであった。 先ほどの衝撃で、ドアを固定する金具が緩んでしまっていたが、 こういうことは日常茶飯事なのか、クリフトもさほど驚きはしなかった。 部屋の奥から工具箱を取り出し、早速簡単な修繕に取り掛かる。 「ああ、これはアリーナ姫さま。私なら特に予定はございませんが、何か?」 「だったら、今から二人でご飯食べに行かない?いいお店見つけたんだ」 「わ、私が姫さまとご一緒にですか?」 「そうよ。すごく人気のお店で、二人分しか予約取れなかったのよね。 だからお父様やブライには内緒よ。ばれたらあとでうるさいから」 アリーナは小柄な身体を精一杯伸ばし、クリフトの耳元でささやいた。 二人きりでの外食、と聞いて、クリフトは心臓が飛び出そうな感覚に陥った。 お父上である王様やブライ様よりも、この自分を選んでくれるとは。 そう思うと、あふれる感情を自身ではもう抑えることができなかった。 「ちょっと…もしかして泣いてるの?」 「はい。このクリフト、あまりにも嬉しくて猛烈に感動してしまいました!」 「何よ。それじゃまるで、お城がろくな食事を出してないみたいじゃない…」 「い、いえ。めっそうもございません。日頃のお気遣い感謝しております」 「まあいいわ。そろそろ予約の時間だし、とにかく行きましょう」 アリーナは整った眉の片方を吊り上げ、ふっとため息をついた。 歓喜の涙を拭うクリフトの腕を強引に引き離し、城の裏庭へと連れ出すと、 懐から取り出したキメラの翼を空高く放り投げた。 二人の身体はふわりと宙に浮かび、一瞬にして城から姿ごと消え去っていく。 ◇◇◇ 着いた先は、どこまでも広がるのどかな田園風景。 時差が関係しているのか、この地方はまだ日没には至っていないようだ。 南国特有の強い日差しが、二人に容赦なく襲いかかる。 「ここは…ソレッタですか?久しぶりに来ると、何だか懐かしいですね」 「目の前の看板にもちゃんと書いてあるじゃない。『郷土料理の店☆ソレッタ』って」 「いらっしゃいませ。ようこそお越しくださいました」 「こんにちは。二名で予約したアリーナです」 「アリーナ様ですね。お待ちしておりました」 「おや?あなたは…どなたかと思えば、この城の王様ではありませんか」 「はい。昼間は国王兼農夫、夜は国王兼ここの支配人をしております。さあ、こちらへ」 二人を出迎えたのは、何とソレッタの国王であった。 特産物である薬草、パデキアが奇跡的に全滅の危機から救われ、 それと同時に、貧困にあえいでいたこの国にも復興の兆しが見え始めた。 元来働き者の国王は、農作業だけでなくレストランの経営にも手を出したようだ。 経営だけでは物足りないのか、自ら広告塔役を買って出たという。 国王、いや支配人は、土仕事で荒れた手を差し出し、二人を奥座敷へと案内した。 「どんな料理がくるのか楽しみですね。やはり新鮮なお野菜が中心なのでしょうか」 「もうすぐわかるわよ。クリフトなら、きっと喜んでくれると思うわ」 「お待たせしました。こちらがお品書きでございます」 「ほう、コース料理なんですね。どれどれ…」 品書きの書かれた冊子を受け取ったクリフトは、軽い気持ちでぱらぱらとめくり始めた。 しかし、メニューの内容に目を通した瞬間、金縛りに似た感覚に襲われる。 先付:パデキア根の味噌和え 前菜:パデキアとそぼろ(あばれうしどり)のくず寄せ 吸い物:パデキアと茸(おばけキノコ)の土瓶蒸し 炊き合せ:パデキアと季節野菜(ひとくいそう)の煮付け 焼き物:巻き貝(あんこくつむり)とパデキアの塩焼き 蒸し物:パデキアと豚肉(ソレッタ産トルネコ豚)の酒蒸し 揚げ物:深海魚(しびれあんこう)とパデキア新芽の包み揚げ 酢の物:パデキアとたこ(たこまじん)の酢の物 ご飯物:鶏肉(おおニワトリ)とパデキアの釜飯 香の物:パデキア若葉の浅漬け デザート:パデキアゼリー(パデキアの種入りシャーベット添え) 「な、なんと!主要な食材がパデキアばかりではありませんか…ブルブルブル」 「こちらは当店一番の人気メニュー『パデキア薬膳会席コース(特上)』です」 「わたし、パデキアってどんな味か知らないけど、おいしそうなメニューじゃない」 「は、はあ…」 好奇心旺盛なアリーナは、クリフトが持つメニューを横からのぞき込み、 早く食べたいとばかりに身体をうずうずさせている。 一方、かつて旅先で病に倒れ、パデキアの味を嫌というほど経験したクリフトは、 すらりとした長身の身体を小刻みに震わせていた。 そんな彼の追憶を知ってか知らずか、素朴な器に盛り付けれた料理が、 支配人の合図とともに次々と運ばれてきた。 見た目は美味そうだが、果たして吉と出るか凶と出るか。 それは、料理を口にした者のみぞ知る、まさに未知の世界である。 ◇◇◇ 「ふーっ、もうお腹いっぱい。パデキアは薬草だからすごく苦いって聞いてたけど、 思った以上においしかったわ。わたし、釜飯とデザートおかわりしちゃったもの」 「ええ。私も驚きました。あのパデキアの苦味が全然感じられませんでしたから」 南国の地、ソレッタでもようやく日が西に落ち始めた頃、 料理に舌鼓を打ったアリーナは、膨れたお腹を苦しそうにさすっていた。 最初は恐怖感で食器に手を触れようともしなかったクリフトだが、 料理が盛られていた器には、食べ残しどころかかけら一つも残っていない。 「気に入ってくれてよかったわ。また…食べてみたい?」 「はい。こんなにおいしい料理なら、毎日でも飽きがこないでしょう」 「ふふっ。そう言うと思って、料理長に頼み込んで今日のレシピもらってきちゃった!」 「え、ええっ?」 アリーナは、小さく笑って懐から小さな紙切れを取り出した。 だしの取り方やパデキアの苦味の抜き方、食材の切り方や火を通す順番など、 細かな調理方法が綿密に記されている。 しかし、賢明で優れた洞察力を持つクリフトには、即座に判断できた。 そのような高度で複雑な段取りなど、今のアリーナでは到底不可能だということを。 「明日からわたしが毎日頑張って作るから、楽しみにしててね」 「い、いえ。今日のお料理だけで、私はもう十分に堪能いたしましたので…」 「お土産に干しパデキア半年分もらっちゃったし、これ、しばらくあなたの食事に使うから」 「そ、そんなぁ…」 こちらの話をまったく聞かず、無邪気に微笑むアリーナに、 クリフトは顔を硬直させたまま、ぎこちない愛想笑いを返すしかなかった。 翌日から当分の間、彼には更なる試練の日々が続きそうだ。 (完)
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クリフトとアリーナの想いは Part4.2 722 :【桜!すっぽんぽん祭り】1/6 ◆cbox66Yxk6 :2006/03/28(火) 16 42 02 ID 5LzM1dQp0 事の起こりは一通の手紙から。 「よう、みんな来てくれたんだな」 ソロから呼び出された旅の面々は、アネイルの町へやってきていた。 「ねぇ、ソロ。どこでお花見するの?」 アネイルといえば温泉地。お花見も楽しみだが、温泉もまたみなの心をひきつけていた。 そんなアリーナの質問に、ソロは嬉しそうに答えた。 「温泉に浸かりながら花見酒。一石二鳥だろ」 「温泉?じゃ、男女別々なの?」 つまんないな、とぼやくアリーナ。 ソロはにんまりと笑うと、同じようにがっかりしているクリフトの肩に手を置いた。 「ま、それはついてのお楽しみって事で」 そう言い置くと、楽しげに温泉に向かう。 他のメンバーは狐につままれたような顔をしていたが、とりあえずソロの後に従った。 「なるほど、混浴ね」 ピンクのレオタードに身を包んだマーニャが杯をあおりながら笑った。 「なー、いいだろ。こういうのも」 そういうソロの腰には少し長めのタオルが巻かれている。 「ですが、どうして男性はタオルだけなんです?」 水着でも用意すればいいのに。 少し不満げに言うクリフトに、ソロがにやりと笑う。 「まー、そういうなって。結局はさ、裾が乱れるほど飲まなきゃいいって事だろ」 ソロの言葉にマーニャが挑発する。 「あら、それじゃ、あまり楽しくないわね」 呑みすぎはともかく、それなりには呑んでよね。 マーニャはそういうや否や、ソロに酒を注ぐ。 「さ、ぐっといってもらいましょうか」 飲ませ上手のマーニャ。うまくのせられて飲まされているソロを横目に、クリフトは視線を上に向けた。 混浴という趣向はともかく、温泉に浸かりながらお花見というのは贅沢な気分になれる。 はらりはらりと舞い落ちる桜の花びらが湯に浮かび、夜空には綺麗な三日月。 クリフトはほうっとため息を漏らすと、手にしていた杯を干した。 「おぉ、クリフト、いい飲みっぷりじゃな」 酒、女、温泉と好物目白押しで上機嫌のブライが、さりげなく酒を注ぎ足す。 「あ、すみません」 クリフトが恐縮すると、ブライは呵呵と笑った。 「何を畏まっとる。今日は無礼講じゃ。楽しめ楽しめ」 「そうよ、そうよ」 ブライの言葉尻に乗っかって、アリーナまでもがお酌にやってきた。 「ね、クリフト。飲んで」 にっこりと笑ってお銚子を差し出すアリーナに、クリフトは照れながらも杯を差し出す。 「あら、折角だから、全部飲んでから注ぎたいな」 クリフトは一瞬だけ躊躇したものの、アリーナのかわいらしさに負けて飲み干した。 「いいぞ、いいぞ~」 既にかなり酔いの回り始めたソロが、へらへらと笑いながら騒ぐ。 「ソロさん、飲みすぎですよ」 そう注意したクリフトだったが、周りを見渡して唖然とした。 ミネアと飲み比べをしていたライアンとトルネコがかなり。マーニャは温泉に浸かっているということを忘れて、いつものように速いペースで飲んだせいで少し良いが回り始め ているようである。そして、さきほどまで元気だったブライも、興奮状態が祟ったのか、こくり、こくりと舟をこぎ始めている。 いくらなんでも、ペースが速すぎる! あわてて介護に向かおうとしたクリフトの肩を、思いがけず強い力が掴んだ。 「あら、クリフトさん。まだ、私のお酌を受けてませんよね」 いつもの雰囲気とは打って変わった色っぽいミネアが、うっとりするほど妖艶な笑みを浮かべて杯を差し出した。 「さぁ、飲んでください」 「え、あ、その、ミネアさん?」 あまりの豹変振りに驚いたクリフトが思わず顔を赤らめた。 「あ~、クリフト。美女のお酌とは隅に置けないわねぇ~」 マーニャが口笛を吹いて、囃し立てる。 アリーナはその様子にむっとして、ミネアと反対側のクリフトの横を陣取る。 「ねぇ、クリフト。私のお酌も受けてくれるよね」 万事休す。 逃げ道を失ったクリフトは、頭上に桜、両手に花の状態でこのあと延々と呑まされ続けることと なった。 どれほどの時間が経過したのだろうか。 燗がついてしまった面々の言動が徐々におかしくなり始めた。 そして悲劇は起こる。 「んもう、熱いわねぇ」 そう言ったミネアが急に立ち上がると、ピンクのレオタードを脱ぎ始めた。 「おお、ミネア、いい脱ぎっぷり!そんじゃ、私もすぱーんといこうか」 こちらも酔いの回ったマーニャが、妙にハイテンションな状態でレオタードを脱ぎ捨てた。 「ひょ~、いい眺め~」 自分が何を言っているのかもわかっていなさそうなソロが、それでもへらへら笑う。 そんなソロにマーニャとミネアが近づく。 「れでぇがぬいだってのに、なんであんたがぬがないのよ~」 ふたりして羽交い絞めにすると、ソロのタオルを剥ぎ取る。 「ぬわ~」 抵抗もむなしく大切な『良心』を奪われたソロが、情けない悲鳴を上げる。 「あら、まぁ」 「ふふ、かわいい」 悪魔の姉妹によって品定めをされてしまったソロは、よろよろと立ち上がると露天風呂の岩肌に 『の』の字を書き始めた。 「僕、もう、お婿にいけない・・・」 なんだか妙な展開を見せ始めた花見の宴に、クリフトは思わず息を呑んだ。 酔っ払ったモンバーバラの姉妹が、次々とタオルを剥いでゆく。 そしてその魔の手は、酔いが回ってふらふらしているアリーナへも伸びていた。 「ありーな、おんせんはね、ふくきてはいるものじゃないのよ~」 「そそ、はだかのつきあいってたいせつよ~」 眠そうに目をこすっていたアリーナがふたりの声に反応する。 「そうなの~」 じゃあ、クリフトも脱がないと~。 きゃはきゃは笑いながら、アリーナがレオタードに手をかける。 「ひ、ひめさま」 かろうじて残っていた理性でアリーナを守ろうとしていたクリフトは、次の瞬間、左右をモンバ ーバラの姉妹に抑えられてしまった。 「それ、ありーな、いまよ」 「ぬがしちゃえ、ぬがしちゃえ~」 「おっけ~」 レオタードを脱ぎ去ったアリーナがクリフトのタオルに手をかける。 「えぇ!あ、ひ、ひめさま、いけません、そんな~・・・」 悲しいかな、非力なクリフトは見事なまでに押さえ込まれてしまっている。 しかも、両腕に女性特有の柔らかな膨らみ。そして眼前には愛する人の裸体。 「☆※*▲×○◆~㊦!!!」 言葉にならない悲鳴が露天風呂に響き渡った。 午後11時。清掃のおばさんことジェシカおばさんはいつもどおり、露天風呂浴場に足を踏み入 れた。 「お~ぉ、今年も派手だねぇ」 毎年この時期になると、こういった光景は珍しいものではない。 ため息混じりに、酔いつぶれた面々を湯船から引っ張りあげ、女性陣にはバスタオルを、男性陣には桶をかぶせてゆく。 この道35年のジェシカおばさん、少々のことでは動じない神経を持ち合わせているようだ。 次々とかぶせられていく桶とタオル。そのジェシカおばさんが大変珍しいことに思わず手を止め てしまった。 「・・・収まるかねぇ」 桶と見比べて、嘆息する。 青い髪の美青年、見た目に似合わず何というか・・・。 ジェシカおばさんは柄にもなく頬を赤らめると、そっと桶をかぶせた。 「ひめさ・・・むにゃむにゃ」 青年の寝言と共に、桶が持ち上がった。 「おぉ!」 これにはさすがに驚いたジェシカおばさん。しばし硬直していたものの、そこはさすがのベテラン。 立ち直るや否や、何事もなかったかのように湯船を清掃し始めた。 モップの音、青年の寝言、そしてその度に上下する桶の音だけが、桜祭りの終わった露天風呂に 響き渡っていた。 ・・・こうしてアネイルの桜咲くすっぽんぽん祭り(事件?)は幕を閉じた。 (終)
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クリフトとアリーナへの想いはPart9 343 名前 ◆HDjZd37Phw  Mail sage 投稿日 2008/09/04(木) 01 09 43 ID axFXJICj0 クリフトって、お肌すっべすべよね~!!」 「そうね。あんなに綺麗なお肌、羨ましいわ」 姉妹は草むらに腰を下ろし、自分の頬を撫でながら、しみじみと呟く。 過酷な長旅でろくなお手入れもできずに、肌は荒れていく一方だった。 「そういえばそうだね。髭なんて、見たことないし…」 アリーナは立ったまま、うーんと伸びをする。 秋の空は高く、真っ白な雲が、ゆっくりと流れていた。 「あいつはお洒落とはいえないけど、身嗜みはいつも整ってるもんね」 「でもさ…わたし、髭って結構好きなんだー」 アリーナの突然の告白に、姉妹は目を丸くした。 「お父様もだし、ブライも、ライアンも、トルネコも。髭って男らしくて、カッコいいじゃない!」 「いや、そりゃ、似合ってれば、いいんだけどさぁ……」 「クリフトさんの髭だけは……想像、できませんわ……」 ―――そこに運悪く通りかかってしまった、当のクリフト。 「ちょっとー!!こっち、おいでよーぅ」 獲物を見つけた猫のように瞳を輝かせるマーニャ。 手招きされたクリフトは、なにやら不吉な気配を感じたものの、逆らえるはずも無かった。 「何か御用でしょうか?」 「クリフトさんのお肌が綺麗ですねって、話してたんですよ」 やはり自分を肴に盛り上がっていたのかと、眉をひそめたクリフトに、アリーナが無邪気に笑いかけた。 「ねぇ、クリフト、ちょっとしゃがんで?」 「はい?」 アリーナは腰を落としたクリフトの頬へ両手を伸ばし、自分の顔の前に引き寄せてから、撫ぜまわした。 「―――ちょ!!ひ、ひめさまっっ!!!」 「やーっぱり、すべすべだねぇ。きもちいー!!クリフトなら、髭無くてもいいやっ」 クリフトの顔が瞬く間に燃え上がる。 「ちょっとさ、頬っぺた、くっつけてみてもいい?ミーちゃんみたいに…」 「いいいいいいけません!どど、ど、どうか、お気を確かにっ!!!」 振りほどく事も出来ず、全身硬直状態のクリフトを見て、マーニャとミネアは 必死に笑いをかみ殺していたが、遂にはお腹まで痛くなってきて、堪らず声を上げた。 何事かと様子を伺いに来た男達は、眼に飛び込んできたその光景に、唖然として立ち尽くした。 ――――――ただ一人を除いては…… 「こんのド阿呆めっっ!何をしておるんじゃーーーーー!!!」 電光石火のごとく二人を引き離したブライの、対魔物戦でも聞いたことのないような咆哮が、 秋の澄んだ空に響き渡った。
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クリフトとアリーナへの想いはPart9 314 名前 1/2 ◆HDjZd37Phw  Mail sage 投稿日 2008/08/29(金) 20 46 54 ID tTFXJ8C20 パデキア騒動から数日後―――。 「まだ少しふらつきますけど、もう大丈夫です。 姫様ブライ様ばかりでなく、皆様にまでご迷惑をおかけして……」 恥じ入ったようにクリフトが深々と頭を下げる。 「本当に申し訳ございません!私にできることがあれば何でも仰って下さい」 「謝って済むことか。今まで以上に扱き使ってくれるわ、阿呆め!!」 相変わらず手厳しいブライは、クリフトの方へは見向きもせずにぴしゃりと言い放ち、 御者台に腰を下ろした。 それを見たマーニャが、まるでステップを踏むように軽やかにクリフトの隣に寄ると、 自分よりも高い肩に右腕を回し、ぽんぽんと叩いた。 「まぁ、いいじゃないのさっ!無事で何より。人助けもたまにはしてみるもんだわ。 若い男が身近にいるっていうのはいいモンよね。張り合いがあるわよ、うん!」 「俺だって若い男だけど?」 「あらぁ。そうだったわね、ソロくん。御免遊ばせぇ」 マーニャがおどけて笑う。今度は左腕を絡め、クリフトに抱きつくような格好になった。 「姉さん!クリフトさんが困ってるわよ」 ミネアが諌めると、マーニャはクリフトの顔を仰ぎ見て、盛大に吹き出した。 「あはは!!なんて顔してんのよ、堅物! ……それにもう一人、こわ~い顔の子がいるわね」 皆の視線が一斉にアリーナに注がれた。 「わ、わたしは別に…そんな……」 アリーナは耳まで真っ赤になりながら、口を尖らせてぷいっと顔を背ける。 そしてわざとらしく声を張り上げた。 「あーあ!結局またブライやクリフトと一緒なのね。つまんないのー!!!」 「…あんなこと、言ってますわよ」 「クリフトは私が助けるわ!って、そりゃあもう必死だったのにねぇ」 「眼なんかうるうる潤んじゃっててさ。可愛かったよな、アリーナ」 クリフトの顔もパパパっと赤く染まり、口篭る。 「ど、どうも…ご、ご迷惑をおかけしまして…」 気付けばアリーナはパトリシアよりも遥か前方へ。 両腕をぶんぶん振って、大股で歩いて行く。 「照れるな照れるな~!」 「墓穴掘ったわねっ」 仲間の楽しそうな野次が飛んだ。 「やれやれ…余計な事は言わんでいただきたいのう。阿呆が調子に乗ると困りますゆえ。 …かしましいのやら、むさ苦しいのやら……先が思いやられるわい」 ブツブツと、それでも周りにしっかり釘を刺すようにブライが言った。 「旅は道連れ世は情け!いいじゃありませんか!人数が多いほうが旅も楽しいってもんです。 それに、ブライさんもなかなか大慌てでしたよね」手綱を握るトルネコが片目を瞑る。 「パデキアの種を手に入れてからは、早くパデキアをクリフトに! 早く早く!!と何回言っていた事やら。十は超えてましたね。ふふふ」 抜け目の無い商人は、数勘定もしっかりしている。 ブライはバツが悪そうに、それでも次には精一杯の渋い顔を作り直して 「覚えておらんな」と、白を切った。 苦笑いを浮かべながらもクリフトは、何ともいえない温かさが胸を満たしていくのを感じた。 アリーナの背中がさっきよりも更に遠くに見える。 クリフトは走り出した。 「姫様!お一人では危ないですよ。お待ちください!!」 (終)