約 1,319,727 件
https://w.atwiki.jp/hoshinokaabyi/pages/28.html
ゼロ 説明 星のカービィ3のラスボス。 ダークマター族の親玉。 シューティング形式で戦い、目の周り辺りからビームのようなものを出したり、 小さなダークマターを出したり等してくる。 倒すと目玉が飛び出してきてカービィに向かってくる。 出演 星のカービィ3 ←もどる
https://w.atwiki.jp/kurokage136/pages/116.html
【あとがき】 たくっちスノー 「wikiの方では初めまして、たくっちスノーだ」 たくっちスノー 「今回はゼロゼロまで読んでくれてありがとうございます」 たくっちスノー 「もう1つのゼロワン編はこれを持って完結、3人のヒーローが誕生しました」 たくっちスノー 「‥‥‥‥‥ここからはアナザー2本編の奏の本性と響の末路を見ている事を前提で話をします、ちゃんと見てるよね?」 たくっちスノー 「本編じゃ最期に響の完全な調教を達成してご満悦の奏」 たくっちスノー 「しかし本ストーリーじゃ或人達に(意識せず)邪魔され調教が解かれてしまったのでぶちギレ、このような結果に‥‥‥」 たくっちスノー 「そしてただ奏の愛に振り回され、利用され、惨たらしい末路を迎えてしまった響も今作では立派に成長したぞ!」 たくっちスノー 「奏は正直全然魅力出せてない気がする、鑢七実初めて出した時も同じこと言ったかな?」 たくっちスノー 「まあいいや」 たくっちスノー 「さて、改めて解説を」 【音ノ小路響】 たくっちスノー 「仮面ライダーゼロゼロの変身者にして夢の守り人」 たくっちスノー 「沢山の夢が心の原動力で、それら全部を叶えたいっていう幼稚だが或人から見て綺麗な夢を持っている」 たくっちスノー 「ああそうそう響は或人の『夢』が好きの一点張りで、カップリングとかそういうのは無い‥‥‥‥はずだ!!」 たくっちスノー (でも正直R-18SS書きた‥‥‥‥) 【音ノ小路奏】 たくっちスノー 「アナザー2きってのヤベーヤツ」 たくっちスノー 「実を言うと天津垓善人化ルートを結構渋ったのは‥‥‥‥天津を倒さないってなると奏をラスボスにせざるを得なくて、でも奏の本性は本ストーリーで見てもらいたいと思ってて‥‥‥」 たくっちスノー 「仮面ライダー奏は絶対フォースライザーがいいと思った、スパイダーはゼロワンが使用した時の電磁ワイヤーが調教っぽいと思ってナイスでした」 たくっちスノー 「以上!ここまで見てくださりありがとうございました」 たくっちスノー 「逃走中は‥‥‥‥また逃走中について勉強したら、いずれ!」 たくっちスノー 「このシリーズといい作ると結構時間持ってかれるんだよなぁ‥‥‥ストーリー系より多く見てくれるけど」 たくっちスノー 「以上、たくっちスノーでした!」
https://w.atwiki.jp/yaruojla/pages/170.html
DATA二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 モチーフ:なし 分類:ダークヒーロー/大富豪二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二DATA【ゼロ】 l. . . . ./ . . ./ .// / . . . . ./ .///l . . . .| . . . . . .l ' . . . / . . ./ . .// /| . . . ./ .////| . . . .| . .| . . .| ノ l .l ./ . . / // /| l . . ./ .//// |i . . .| . .| . | l //|.| .| . .l ./A| ./l | | . / .////_..-|l . . l . . .l . .| |. ノ´ l | .| . . .|r=rz|l、リ、| ./ .////_,r==ミ} . . .ノ . .| | |l| .lri. . .',仆-´ィ ミ.l ,' ///_,イシ-イ フ . ./.l .. . lヽ i!| .|',|. . .ヽ`¬ '´ リ i}/´ ` =‐7 . .// | . .l| ヽl|{ヽヽヽ i! //l´| .lヽl ヽ l .l\ _`_ /イ | .l l| .l ` }/| . .|\ ─- ` ,イ .| ./l .||l `ー / l /_| `丶、 , ' |/|l| | { ` /´ {ニニrニニニニ}ニニ} `ー |∧ | | | | ∧ | __ノ))(,-.| | | |,-)( | _ -─= ̄. 孑劜.| | | |(卅)\ _-─´ 卞 | | | | 干  ̄ ` 丶 、二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二DATA 「俺はこの街に法を通す。」 「街の闇に潜む悪がゼロになるまで戦う。」 本名、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア 表向きの姿はワゴンゼルスに本社を構える巨大企業【ブリタニア財団】の若き社長、 その正体は闇に潜む悪を見透かす断罪人、【ゼロ】である。 先代社長である父が相当にあくどいやり方で利益を貪っていることに気付きながら、 父親の法さえ握りつぶす権力になにもできず、自責の念を抱えて過ごしていた。 しかしある日、『悪党殺しの処刑人』の噂を聞き、父が犯した不正の情報をリーク。 その翌日、父親は惨殺死体となって発見された。 そこから独自の情報網を使って犯人と思しき人物と突き止め、 『エグゼキューティー』こときらきーに接触、互いの能力の不足を補い合うべくタッグを結成する。 とはいえ、ノリが軽くて自由奔放なきらきーに振り回されっぱなしである。 父の死後、財団を継いだことで莫大な額の金銭と、蜘蛛の巣のように張り巡る広大なコネクションを手にしており、 傘下の企業だけでなく、国家やオカルト絡みの組織にすら顔が効く。 それを余すことなく動かせる頭脳も相まって、その情報網は途方もなく巨大。 惜しむらくは生まれながらの虚弱体質で、喧嘩どころかパワードスーツの着用もままならない。 バットマンやアイアンマンになりきれなかった男、というのが最も的を得ているか。 戦闘にこそ出られないが、その広大な情報力と経済力でエグゼキューティーをサポートする。 また、自らが前線に立てない分、一般的なヒーローやヴィジランテが相手に取りにくい相手…… 裏金で私腹を肥やす政治家、詐欺紛いのやり口で暴利を貪る企業、汚職を重ねる政府の官僚など、 そうした政界・経済界に潜む悪を法規に乗っ取って叩きつぶしている。 そして、その法が通じないほどの巨悪にはエグゼキューティーの出番である。 きらきーにも負けず劣らずの強い正義感の持ち主であるが、 戦う動機の根底にあるのは悪行の限りを尽くしてきた父親に対するコンプレックスで、 世界から悪を撲滅することで「自分は父親とは違う」ことを証明しようとしている。 ゼロ ヒーロー名である【ゼロ】も、『世界の悪を無にする』という決意に由来する。 【黒の騎士団】という犯罪組織の監視・調査を目的とした私設機関のスポンサーにして運営者であり、 接触可能なヒーロー達には謎の情報提供者として、犯罪組織の動向を伝えている。 AA出典:ルルーシュ・ランペルージ(【コードギアス】より)
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2169.html
その日、朝の肌寒さのせいか、ルイズは早くから目を覚ましてしまった。 ルイズは腕から茨を伸ばして窓を閉じつつ、布団を茨でかけなおす。 一通り用事が終わると、茨はその場でフッ…と消えた。 ルイズにしか見ることのできない『茨の冠』は、文字通りルイズの手足となっていた。 ルイズが使い魔を召喚した日、誰にもその存在が確認できないことから、皆がルイズを馬鹿にした。 それだけならまだしも、コルベール先生ですらルイズを疑ったのだ。 だが、『私にしか見えない茨の冠を被ったら、私の腕から私にしか見えない茨が生えました』なんて言えるものだろうか。 って言うか、言った、力説した。 最終的に、オールド・オスマンが直接ルイズの腕を確かめて、やっとルイズが使い魔を召喚したのだと結論づけられた。 確認の方法は簡単で、水桶の中に砂を敷き詰め、茨をそこに這わせただけだった。 それをオールド・オスマンが触れて確認し、ルイズは落第を免れたのだが…困ったのはその後。 ルイズの腕から生える透明な茨は、視認がほぼ不可能であり、言わば悪用し放題なのだ。「まぁ~、ヴァリエール家の娘が悪用するはずはないじゃろうなぁ~」 と、ルイズのプライドを刺激して、悪用しないよう警告したが、それも苦肉の柵。 オールド・オスマンは、ディティクトマジックでも認識できないルイズの使い魔に、頭を悩ませていた。 そしてルイズ自身も頭を悩ませていた。 この使い魔のせいで、ルイズはある人物に付き纏われることになったのだ。 「ヴァリエール、いるー?」 コンコン、とノックの音が響くが、ルイズは気づかない。 「ちょっと、ヴァリエールー?」 ルイズの部屋をノックしていたのはキュルケだった。 本来は禁止されている『アンロック』の魔法で鍵を開けると、ルイズの部屋にずかずかと乗り込み、ルイズの布団を引っぺがした。 「ふえっ、らり?」(え、なに?) 「まだ寝てるの?朝食の時間になるわよ」 「ふわ…って、ツェルプストー、なんで人の部屋に勝手に入ってるのよ」 「あら、あんたを起こしてあげたんじゃない、感謝してほしいぐらいよ」 キュルケがルイズの手を掴むと、おもむろにルイズの手を頬にすりよせる、俗に言う頬ずりって奴だ。 「ちょちょちょちょちょちょっと!なにしてんの!」 「あら、つれないわねえ…ね、あの触手、ちょっとだけ出してよ」 「イヤよ!触手じゃなくて茨よ!い・ば・ら!」 「何よもう、触った感じじゃ、太さといい固さといい…何よりも何本もあるなんてのが素晴らしいじゃない!」 「とっとと出て行け色ボケ女ぁ!」 ルイズが枕を投げ、続いて腕から伸びる茨を使って手当たり次第に部屋の中のものを投げる。 たまらずキュルケが退散し、廊下を走って逃げていった。 ルイズは部屋で、朝から息を切らせてしまい、疲れている様子。 「…ハァ、ハァ…、なんでこの茨、妙に太くて棘が丸っこいのよ…これじゃまるで(検閲)じゃない…」 (※アニメ版です) キュルケに茨の形状を知られて以来、毎朝毎朝こんな調子だった。 「それに、こいつは触手じゃなくて『ハーミット・パープル』なんだから…もう」 ルイズは愚痴を言いつつ服を着替え、食堂へと足を進めた。 朝食を終えて授業の時間、コルベール先生の授業は独特で、火の魔法講義と言うよりは、火の利用法講義だった。 火単体の能力より、火と水、火と土、火と風…火を媒介とした利用法を考案し、発表している。 火の魔法に自信を持っているキュルケは、それが不満らしいが、火が生活のあらゆる面で活用されているという話には喜びを見せていた。 タバサという生徒は少し特殊で、攻撃や攪乱に役立ちそうなものに関心を寄せている。 彼女はいつも本ばかりを読んでいる上に、キュルケの友達ということもあって、なかなか人が寄りつかない。 ルイズも本来なら、彼女のことなど気にも留めていなかっただろう。 だが、彼女には、ルイズを共感させる何かがあった。 最初は偶然だった。 ルイズのことを「魔法成功率ゼロのルイズ」と馬鹿にしたマリコルヌの首を、ちょっとだけハーミット・パープルで締めてやろうと思ったのだ。 マリコルヌに気づかれぬよう、首と頭にハーミット・パープルを這わせると、ルイズの頭に何かが伝わってきた。 『ミス・ロングビル…ボンテージ着てたらどんな感じだろう…』 「はあ?」 突拍子もない思考に、ルイズは思わず呆れた声を出してしまった。 「ミス・ヴァリエール、どうしましたか?」 「あ、いえ、なんでもありません」 授業を担当している教師、ミスタ・コルベールに注意され、ルイズは慌てた。 しばらく待ち、再度ハーミット・パープルでマリコルヌの頭に触れると、また同じように声のような何かが伝わってきた。 『あのメイド、おっぱい大きかったなあ』 「………」 思わず、ルイズは惚けた顔をしてマリコルヌの方を見てしまう。 マリコルヌがルイズの視線に気づいたので、慌ててルイズは正面を向いた。 正面を向きつつもハーミット・パープルは解除せず、マリコルヌの思考を聞く。 『なんだろ…もしかしてヴァリエールの奴、俺に気があるのかな!?でもあんなゼロの乳じゃな…』 とりあえずマリコルヌの首を一瞬で締め上げてから、ハーミット・パープルの『能力』を他でも確かめようと、違う生徒達の頭にも這わせてみた。 その結果、ハーミット・パープルは『人間の思考を読める』ということが解った。 ついでに、ルイズは意外なことまで知ってしまい、一日の授業が終わった後で自己嫌悪に陥ってしまった。 キュルケは、ルイズを馬鹿にするとき、軽い気持ちで馬鹿にしているが、心配するときは本気で心配している。 言うなれば、裏表がなく正直な奴だった。 ただ自分に言い寄ってくる男に対しては、ものすごい軽い気持ちで接しているようだ。 次に教室では目立たないタバサという少女の思考も読んでみた。 まずタバサというのは偽名、本来ならシャルロットと名乗りガリアの王女様になるところだったが、叔父の策略で父は殺され母は自分の身代わりとなって毒の犠牲に。 しかも母は、タバサを危険な任務に行かせるために、生かされている状態…つまり人質だった。 トリステイン魔法学院には、身分を隠して生活するため、また毒の解毒法を探すために図書室を利用しているのだとか。 他にも何人もの生徒の心を読んでみたが、ルイズはタバサ以上の苦しみを見つけられなかった。 ただ一人匹敵すると言えば、コルベール先生だろうか。 彼は昔、任務とはいえ一つの村の人間をすべて焼き殺し、その贖罪として火を平和的に利用するための研究をしているらしい。 ご丁寧なことに、殺した人の数はしっかり記憶していた。 そんな重たい思考を探ってしまい、ルイズはは自己嫌悪に陥ってしまったのだ。 「みんな、苦しんでるんのね…」 ベッドに寝そべり、天井を見上げつつルイズが呟く。 「ゼロって呼ばれてる私だけど、家族がみんな無事だし、ちい姉さまも病気がちだけど、生きてる」 思い出すのは、タバサ…シャルロットの思考。 「私より辛い思いしている人なんて、沢山居るんだ…」 ルイズは姉の姿を思い出す。 ちいねえさま「カトレア」は、魔法こそ優秀だが身体が弱く、ルイズのように外を飛び回ることも出来なかった。 タバサの母は心を病み、人形を娘だと思いこんでいる。 その身に負っている症状の違いこそあるものの、明日からタバサと同じように図書館に通ってみようと思うルイズだった。 図書館にて、ルイズはまた一つ別の発見をした。 トリステイン魔法学院の図書室『フェニアのライブラリー』の蔵書数はものすごく、案内図を見ても迷ってしまう。 案内図を見て、人体を治療する魔法薬について書かれた本を探そうとしたが、それだけでも1000を超えている。 姉の身体を治療する薬についても調べたいが、ここはタバサを優先しようとした。 「精神を治す魔法薬って、どの本なのかしら…もう、多すぎて解らないわよ」 片っ端から読むには多すぎる、どれか一つに絞りたい。 ルイズがそう考えた途端、右手から飛び出たハーミット・パープルが、しゅるしゅると伸びていった。 「?」 ハーミット・パープルの伸びた先には、本棚の案内図があった。 よく見ると、ハーミット・パープルは『エルフ』の棚の『上から二段目』の『右端』を指している。 「なによ、こんな高いの、レビテーションが使えないと取りに行けないじゃない」 ルイズが愚痴る。 「って、よく考えたらハーミット・パープルで取ればいいのよね…ちゃんと取れるかしら?」 しゅるしゅるとルイズにしか聞こえない音を立てて、ハーミット・パープルが本を取ってくる。 よく見るとその本は大判で、ルイズが持つには少し大きいように思えたが、不思議なことにハーミット・パープルが持つとほとんど重さを感じなかった。 「…便利ね」 これがハーミット・パープルが持つ能力の一つ、『探知』だった。 ハーミット・パープルが持ってきた本は、かなり古ぼけており、エルフの伝承について書かれている本だった。 おとぎ話のような書き方がされており、資料的価値は非常に薄いように思えたが、目次のある部分に驚くべき記述があった。 『精霊魔法』の項目を見ていくと『呪い』という中項目があり、更にその中に『生ける屍』と書かれていたのだ。 そのページを開くと、古い文字でびっしりと毒薬について書かれていた。 古い始祖ブリミルの伝承本で使われる文字と同一だったので、ルイズはかろうじて読むことができたが、難しい文字のため、ついつい小声で音読してしまった。 「エルフ…用いる魔法薬は、水の秘薬が頭脳に停滞し、精神を混乱状態で安定させる……」 難しい文字を読むため、いつになく本に集中していたルイズは、背後を通りかかった人物の気配に気づかない。 「この毒は、意識を朦朧とさせるだけでなく、認識をすり替える…人形を我が子だと思いこむ母、オークを美しい女性だと思いこむあわれな男…など、後世では呪いなどとも呼ばれる……」 「見せて」 「うきゃっ!?」 ルイズは背後から聞こえてきた声に驚き、おもわず叫び声を上げてしまった。 振り向くと、そこにはタバサがいた。 タバサはルイズが読んでいた本をのぞき込み、指でなぞりつつ内容を確かめていく。 ルイズは椅子に座ったままだ。 鬼気迫る雰囲気でページをめくるタバサに声をかけようと思ったが、怖くて無理っぽい。 本を机に置き直して、タバサが呟く。 「…始祖ブリミルの直径第一子時代のエルフに関する本、ブリミル降臨以前の精霊同士の関連図がある本」 「え?」 「なんでもない」 ルイズは思う。 もしかして、タバサは母親を助ける手段を思いついたのではないか? それか、具体的な手がかりを見つけようとしているのではないか? 「本は返す」 そう言って立ち去ろうとするタバサを、ルイズが呼び止めた。 「待って、古代ルーン文字に関する本と…始祖ブリミルの降臨以前の、ええと…そうそう、精霊の本よね、ちょっと待って」 ルイズが右手を上げて、小声で呟く。 「……ハーミット・パープル、言ったとおりの本よ、探してきなさい!」 右手から伸びた茨が図書館中をはい回り、本を一冊一冊確かめていく。 その間、ルイズの頭にはものすごい情報が流れ込んできた。 図書館にある本のタイトルや主旨が頭の中に流れ込んでくるのだ。 ルイズの意識が、精神力の尽きたメイジが無理矢理魔法を行使するかのように朦朧としてきた頃、ハーミット・パープルがいくつかの本をルイズの元へと届けた。 「…これが、多分、あなたの読みたがっ…て…る…本……」 バタン、と音を立てて、ルイズは机に突っ伏してしまった。 ルイズを心配したタバサが、ルイズの顔をのぞき込むと、ルイズはよだれを垂らして寝ていた。 ルイズの持ってきた本は、まさしくタバサの探し求めたものであり、そこには母に使われた毒と、その解毒方法を解読するには十分だった。 「一個借り」 タバサは、もう一人の友人にしたように、その不器用な言葉で感謝を表した。 なお、その翌日、ルイズは二日の謹慎を食らい、自室で自習に励んでいた。 『フェニアのライブラリー』には教師しか閲覧を許されない書棚がある。 ハーミット・パープルは、そこから本を持ち出してしまったのだ。 「もう、閲覧禁止の棚から持ってくるなんて、もうちょっと気を利かせてよね!」 自分の腕から生える茨に文句を言う。 しかし、その表情はどこか嬉しそうだった。 ハーミット・パープルは実体化、半実体化ができる。 これを利用すれば『アンロック』を使わずに鍵を開けることができ、しかも、壁を突き抜けてその向こう側を探すという驚くべきことまでやってのけるのだ。 自分の腕から生えた使い魔が、驚くべき能力を持っているとわかり、ルイズはかつてない程に満足していた。 もう一つは、タバサの母を治療する糸口が見つかったという事。 ルイズにとって、苦しんでいる身内が救われるのは、我が事のように嬉しいのだ。 左腕からハーミット・パープルを出現させると、ルイズはそのうち一本を右手に持って、話しかける。 「ね、これからもよろしくね、ハーミット・パープル」 すると、ハーミット・パープルがルイズの机からペンを取り、紙に文字を書いていった。 「何?何を書いたの?」 『ハッピー うれぴー よろぴくねー!』 意外とファンキーな奴じゃない。 と、ルイズは思った。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/171.html
「もう!あんたも気合入れなさいよ」 一つでン十万はしそうなアンティークが並んだ部屋で、甲高い声が深夜の学生寮を振るわせる 声の主はルイズであり、少し殺気が入った視線の先には召喚した使い魔―――『ペットショップ』の姿 何故にルイズが叫んでいるのだろうか? 時間は多少遡る 「使い魔の目は主人の目、使い魔の耳は主人の耳ね。うふふふふ」 ちょっと逝っちゃった笑顔を浮かべながらベッドに座るルイズ 使い魔の視覚や聴覚で得た情報を、その主人であるマスターも得る事が出来ると教師から聞いた その説明にルイズはちょっと惹かれたが、サモン・サーヴァントでマトモな使い魔が出てくるとは期待していなかった だが、ルイズは召喚に成功した!故に彼女は試してみたかった。使い魔を手に入れたら誰だってそうするだろう、ルイズだってそうする。 「ちょっとやってみよ」 ルイズの軽い言葉、だが。これから長い長い時間が経つとは誰も予想してなかった。と言っても部屋にはルイズとペットショップしか居ないが 1時間――――――― 「ぐぬぬぬぬぬぬ」 2時間――――――― 「はぁぁぁぁぁぁ」 3時間――――――― 「・・・うぉりゃぁ」 4時間――――――― 「―――――ぅあ」 5時間――――――― 何回も何回も試したが、使い魔が何を見て何を聞いてるのか欠片も分からないルイズ。 ここで冒頭の「もう!あんたも気合入れなさいよ」である 駄メイジなルイズに根本的な原因があるのだが、連帯で責任を背負わされては使い魔も溜まった物ではない。 「先生はとても簡単って言ってたのに!」 レビテーション等の『とても簡単な魔法』すら失敗する自分の不名誉な二つ名『ゼロのルイズ』の称号を完璧に忘れているとしか思えないセリフを叫ぶ それから少しの間ペットショップに当り散らしたりしていたが、さすがに気力の限界が来たのか。ベッドに横になるルイズ 「ご主人様の睡眠を邪魔したら承知しないんだからね!・・・zzzz」 と、又しても理不尽なセリフを吐いてから明かりを消して、のび太並のスピードで夢の世界に直行した。 マスターが眠ったのを確認してから、ペットショップは器用に足でドアを開けて廊下に出た 鳥である彼には暗闇は天敵であり、一寸先も見渡せないはずだが。『もう一つの感覚』を持つ彼には暗闇など物の数ではない 彼の頭に浮かぶのはルイズの最後の言葉『睡眠を邪魔するな』 (マスターの命令を遂行しなければならない) (守らなければならない) (■さなければならない) (やらなければ) と、そこまで考えて突然雷鳴が走るように思考に別の異物が混じる (マスター?)(こいつは違う)(命令は違う)(ここは違う)(早く戻らなければ)(DI・様の元へ) 彼は思った。まただ、また頭に疑問が浮かんだ 何かが違う、だが、それが何なのか彼はわからない パズルが完成している、しかし、そのパズルのピースが本来の物とは全くの別物になっているような―――辻褄の合わない感覚 最後の思考が一番大事な物だと感じたが、深く考える前に命令を遂行する事が重要だと彼は結論付けた そして朝に事件は起きた 時間は朝 学生寮の廊下を二人の女が歩いている 「ルイズは寝坊かしらねぇ」 「・・・・・・・・・・・」 赤い髪をした大きい方はキュルケ。 青い髪をした小さい方はタバサ。 キュルケの後ろに居る火竜山脈のサラマンダーを見れば分かるが、どちらもメイジとしての腕もかなりの者。 タバサなんてシルフィードなる青いドラゴンを使い魔として使役している。 そんな彼女達が何故に歩いているのかというと、授業に出て来ないルイズを起こしに行くからである。 その行為は親切心からではなく、わざわざライバルから起こされるルイズの悔しそうな顔を見たいが為。 ルイズの顔を想像して笑みを浮かべるキュルケをタバサは呆れたような顔で見る、が、幸いな事にキュルケは気付いていない 目の前にはルイズの部屋のドア、ルイズの使い魔がその脇に見える 「使い魔より起きるのが遅いなんて、ルイズは本当に駄目ね」 そんな事をぶつくさ言いながらドアを開けようするキュルケ ―――次の瞬間キュルケは服をタバサに思いっきり引っ張られた! 「ちょ、何すんのよタバ「ドゴォ!」!?」 不可思議なタバサの行為に抗議しようとしたキュルケ。だが、顔の直ぐ傍にいきなり氷柱が生えては黙らざるをえない 長さは1メイル程で、壁を薄紙のように突き破っている。こんなのが顔に当たったら普通に死ぬ 慌てて発生源を見るキュルケ、するとそこには―――― 「グガガガガガッ!!!」 得体の知れぬ冷気を放ちながら翼を広げるルイズの使い魔の姿 実践経験が無いキュルケとタバサにも感じられる程の殺気を放っている 泣く子も黙るほどの殺気を放ちながら、ペットショップは主人の命令『睡眠を邪魔する者は即座に抹殺せよ』を遂行するッ! 羽ばたくペットショップの周りに氷柱が瞬時に生成!そして半秒の間も無く発射! 『それ』はタバサの得意とする『水』『風』『風』の攻撃呪文、『ウィンディ・アイシクル』に酷似していた しかし『ウィンディ・アイシクル』より弾の数は少ないが、大きさと速度は全くの別物! 勿論その氷柱が放たれるのを黙ってみているキュルケでは無い 「ファイヤファイヤファイヤファイヤファイヤファイヤァァァァッ!」 自分に当たりそうな物だけを見極め『火』*1の呪文で叩き落すッ! 外した物はフレイムの火炎が補助! 外れた残りの氷柱は、ドゴゴゴゴゴッ!、と。 氷柱がぶつかったとはとても思えない音を立てながら窓を粉砕し床に穴を開ける (トライアングル・・・・・・いや!スクゥエアクラスのメイジ並じゃない、この鳥!) 冷や汗を流すキュルケ、だが一瞬の停滞も無しに次の動作に移る 「タバサッ!!」 「エアハンマー」 キュルケの言葉に阿吽の呼吸で放たれるタバサの魔法! 杖から放たれる空気の槌。通常は不可視の波動であるそれを『もう一つの感覚』で感知して回避行動を取ろうとするペットショップ しかし、タバサの狙いはルイズの使い魔では無かった! ドゴォン! 轟音と共にルイズの部屋の扉が粉々に砕けて吹っ飛ぶ キュルケとタバサの狙いに気付き、急いで氷柱を発射しようとするペットショップ! だが、回避行動を取ろうとした時間のロスが、タバサとキュルケをルイズの部屋に入り込ませる隙となってしまった 部屋に侵入者を入り込ませてしまった!その事実に激するペットショップ 「キョオオ―――z______ン!!!」 聞く者を振るわせる声を一発かました後、彼もルイズの部屋に飛びこんで行った 「ルイズゥゥ!!!!!」 部屋に入った瞬間、怒声を張り上げるキュルケ ルイズの使い魔に殺されかけたのだから、その行為も自然な物だ。 しかしルイズを見付けたと同時にキュルケは腰砕けになりかけた 何故か?それは 「zzzzzzzz」 何とも幸せそうな顔でルイズが寝ているのである! 部屋の直ぐ側であんな爆音が響き、ドアを物凄い勢いで吹っ飛ばされたのにまだ寝ている! (こいつはグレートね) と、キュルケは思考停止しかけたが 「キュルケ。鳥が来る」 タバサの少々焦ったような声で通常の思考を取り戻す キュルケが振り返ると、あの鳥が部屋に入ってくるのが見えた だが、無防備なマスターのすぐ近くに居るのだから、あの使い魔も無茶は出来ないだろうと予測するキュルケ その思惑通りに、使い魔はこっちを睨むだけで手出しをして来ない だけどまだ安心は出来ない 「あたしはルイズを起こすから、タバサ見張っててくれない?」 鳥の注意を相棒に任せると ポカッ! 使い魔に殺されかけた分のお礼も込めて、ルイズの頭を杖で強めに殴った 突然魔法の才能が覚醒した私は、ライバルのキュルケと決闘して完膚なきまでに叩きのめした 「うーん」 土下座するような体勢で気絶しているキュルケ、私はそんなキュルケの頭に足を乗せて高笑いをしていた 幸せの絶頂―――ボカッ! 「あ痛ッ!」 突然の痛みに意識が覚醒した。頭を押さえて悶える私 涙が出てきそうな目を開けると前方に笑っているキュルケが見えた 「あら?良い音がするじゃない、頭の中身も『ゼロ』じゃなくて良かったわね」 あまりにもあんまりな言い草に、怒りが許容量を突破する。『プッツン』と言うやつだ 「あ、あああああ、あんたッ!何で勝手に入ってきたのよ!それに人の頭を殴るなんて何考えてるの!?」 怒りで震える口を何とか動かしながら叫ぶ。 すると、キュルケはあからさまに呆れてるような溜息を突いた。激しくムカツクわね 「授業に出てこないアンタを起こすよう先生に頼まれたのよ」 あれ、私寝坊しちゃったのか・・・・・・だけど殴って起こすのは無いわよ!常識的に考えて! と抗議しようと思ったが、周囲を見回していた私は気付いた、ドアが粉々になってるッ!? 「いきなりアンタの使い魔に襲われちゃってね、正当防衛ってやつよ」 私の視線から気付いたのか、尊大に言い放つキュルケ。私は口をパクパクさせる事しか出来ない 「それから廊下の窓や床もアンタの使い魔が滅茶苦茶にしちゃったから、後でちゃんと弁償しときなさいよ?」 使い魔の責任は主人の責任よ~、等と言いながらタバサを連れて部屋から出て行った・・・・・・わぁ、私凄く腹立ってる! 怒りに突き動かされるまま、私は近付いて来たペットショップに叫んだ 「ペットショップ! あんた、ご飯抜きだからね!」 マスターと何か話をしていた侵入者共は出て行った 追い駆けて『始末』するより先に。マスターの安全を確認するため私は近寄った すると、いきなり 「ペットショップ! あんた、ご飯抜きだからね!」 マスターの怒声。マスターは怒っている。何故だ? 「いきなりキュルケとタバサを襲うなんて何考えてんの!?それに廊下やドアを滅茶苦茶にするなんて正気!?」 どうやら私はマスターの友人を攻撃してしまったようだ。なるほどマスターが怒―――――(違う)(マスターなら)(・IO様なら) 「・・・・・・・・・ョップ?ペットショップ聞いてんの?」 目の前にはマスターの顔――何処と無く不安そうな顔で私を見ている 「まあ、いいわ。罰としてご飯抜くんだから、ちゃんと反省しなさいよ」 先程の思考が何なのかはもう思い出せない、無理に思い出そうとしても思考の一部に靄が掛かったような感じがして判別できない ―――――とても、とても重要な事だったような気がする、私の存在する意義に関わる程 「ペットショップ」 私は考え込んでいたが、マスターの声で我を取り戻した 寝巻きから制服に着替えたマスターが手を振る。「着いて来い」と言っているのだろう。 私はマスターの元に飛んでいった 廊下の惨状を目にしたルイズが大きな溜息を突き 弁償として割と少なくない額の金を払う事となったのは関係無い蛇足である
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/261.html
「ささやき いのり えいしょう ねんじろ!」 旧式の召還呪文を唱える。旧式だが伝統ある呪文である。 この呪文では神代のものが呼ばれると言われている。 が、落ちこぼれの魔術師がそんな呪文を成功させられるはずもない。 瞬間、爆発がおこった。 「なんだってのよ!」 爆発を起こした本人が叫ぶと煙の中から地獄の底から絞り出したような声が聞こえた。 「UREYYYYYYYYYYYYYY」 ぞくぞくとした感覚があたりの者たちに伝わって行く。 自分が呼びだしたモノだ、そういった意識が働いたのか、落ちこぼれの魔術師は勇気を振り絞った。 「あんた・・・名前は?私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 煙の中の影が答える。 「お前が、私をよんだのか? そうか・・・私の名は・・・」 煙が晴れ、姿が現れる。 圧倒的な存在だった。そして続ける 「・・・荒木飛呂彦だ」
https://w.atwiki.jp/setukai15/pages/23.html
ゼロのプロフィール 編集してお使いください(この文章は削除してもかまいません。)
https://w.atwiki.jp/2chgwed/pages/12.html
ゼロ オールラウンダーでありどの距離でも戦えて相手の殆どの行動に対応できる。 最強の空対空JBからの択が強く、またその択はお手軽でループ性がある。 必殺技のバスターライフルは上手く使えば相手を封殺することができ 相手の投げ抜け潰しにも使えるなんとも嫌らしい武器。 メガ秘は最弱クラス、ガードされれば全キャラどの距離でも反撃可能。 対戦で初心者が最初にぶち当たる壁。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mgdb/pages/75.html
名前 ZERO よみがな ゼロ 本名 ディビット・オウ 登場作品 MGS3/MGS4 別名 トム少佐/ゼロ少佐/サイファー 所属 FOX/サイファー/愛国者達 生年月日 1909年 没年 2014年 概要 ネイキッドスネークの戦友であり、ソリッドスネーク時代の黒幕。 ザ・ボスの遺志を継ぎ、暗躍するも志半ばで意識が消滅する。 経歴 1909年、誕生 1941年、北アメリカ戦線でザ・ボスと行動中、戦友を亡くす。 1951年、ザ・ボスとともに第22SAS連隊の立ち上げにかかわる ザ・ボスの失踪後、ジョンに接触する。 1962年、ソコロフの亡命の手助けをするも返還されてしまう。 ザ・ボスの協力を得て、FOX部隊を設立する。 同時に、スカルフェイスをバックアップ部隊XOF部隊の指揮官に任命。 1964年、ヴァーチャスミッション参加。スネークイーター作戦参加。 1967年、エヴァを保護。 1970年、サンヒエロニモ半島事件発生。国家反逆罪で拘束される。FOXを解散する。賢者達の遺産を確保し、CHIPERの前身を発足。 1972年、恐るべき子供たち計画発動。ビッグボスと決裂することに。 病に倒れ、ニューヨークの隠れ家に移動。 パシフィカ・オーシャンと面談し、ピースウォーカー事件に派遣する。 1975年、ビッグボス襲撃を受け、キプロスへの護送を指示し、ファントム計画を開始。 スカルフェイスをアフリカに左遷する。 オセロット、ミラーに連絡を行う。 1976年、スカルフェイスの襲撃に遭い、昏睡。 1977年、ニューヨーク大停電に乗じ、移送される。 キプロスのビッグボスを訪問し、その後消息が途絶える。 2014年、ビッグボスの手で絶命させられる。 関連人物 ジャック FOX部隊の部下であり、友人。 意見は合わなかったものの、友人としてずっと気にかけていた。 ザ・ボス 尊敬する友人。 彼女の遺志を継いだことをきっかけに、不幸が始まった。 シギント FOX部隊での部下。 UMA同好会の縁からか、愛国者達AIを託した。 パラメディック FOX部隊の部下。 恐るべき子供たち計画を指示した。 オセロット 尊敬する人物の息子。 最終的に仇として見られる。 エヴァ 友人を生還させた恩人。 ビッグボス没後、仇として見られることに。 ソリッド・スネーク 自分の名前を授けた、親友のクローン。 自分の支配を終わらせた。
https://w.atwiki.jp/zeromoon/pages/86.html
前ページゼロの白猫 「ご苦労じゃった。よく全員無事に『破壊の杖』を取り戻してきてくれた。しかし、ミス・ロングビルがフーケじゃったとはのう……」 ルイズ達は学院長室にて、今回の件の結果を報告していた。ルイズの足下にはレンも同伴している。 学院に着いた時には、フーケは魘される事はなくなっていた。しかし、それまでの間に全ての力を吸い取られたかのように、人形のようにぐったりとしていた。 フーケの連行は、男性教師共がこぞって申し出たが、結果は女性教師のみで行った。『レビテーション』を使うので、体格や力の有無は関係ない。 なのに何故男性の申し出が多かったのかは、ルイズは考えないことにした。決して、女性に猿轡をかませた上束縛している姿に欲情したからの筈はない。断じてない。 「いったいどのように採用されたのです?」 何故か学院長室にいるコルベールが訪ねる。彼は昨日から学院を離れており、先程戻ってきたところらしい。 院長室へ出向いてみると、彼がオスマンと話している最中だった、と言うわけである 一旦出直そうとしたのだが、何故かコルベールまで報告を聞くことになったのであった。単純にコルベールの事件への関心にオスマンが折れただけかも知れない。 「うむ、彼女と会ったのはとある酒場じゃった。彼女がわしの横を横切ったとき、この手が彼女の尻に悪さをしての」 ぺしっと自分の右手を叩きながら言うオスマン。部屋の中に居る人物の視線が冷たくなった。 「しかし全く怒らんもんじゃから、思わず鷲掴みにしてしまったのじゃ。それでもニコニコしとるんじゃもの。こいつ、わしに惚れとる! とティンと来たのじゃ」 オスマンはうんうんと頷いている。他の面子はじっと冷たい視線を向けるのみだった。 「おまけに魔法まで使えるというんじゃ。こりゃゲッチュせねば、と思うじゃろ?」 「同意を求められても困ります」 コルベールの答えはとてもすげなかった。 「クケーーーッ!!」 オスマンが吼えた。迫力はあったが威厳はなかった。 「思えばあれがフーケの手口じゃったのじゃろう。色仕掛けで相手に近づき、秘宝に近づく。じつにけしからん方法じゃが、まんまと乗せられたという訳じゃ」 もし、視線だけで人を殺せたなら、オスマンは三人と一匹の目力で串刺しにされていたことだろう。 そして、残りの一人はと言うと。 「ま、まあ、そうですな、美しさは罪とはよく言ったものです!」 「じゃろう!?」 あはははは、と乾いた笑いをオスマンへ返していた。その言葉で、こいつも同類か、と三人と一匹は断定したのだった。 ひとしきり笑った後、オスマンがオホンと咳払いをして、ルイズらへ向き直った。 「今回の働きを称えて、諸君らにはシュヴァリエの爵位申請をしておく。ミス・タバサは既にシュヴァリエを授与されておるから、精霊勲章の授与申請をしておこう」 ルイズたちの顔が輝いた。が、その後でルイズの顔が曇る。今回、自分はフーケの捕縛にほとんど役に立っていないのだ。一番働いたのは、彼女の使い魔のレンである。 使い魔の功績は主の功績。それが当然なのであるが、何だかルイズはすっきりしなかった。何かこの猫にあげられるものはないのか、と考えてレンをちらっと見てみると、レンも自分を見上げている。 その目を見て思い出した。あの破壊の杖のことをオスマンに聞かねばならないという事を。訪ねるならば今が絶好のチャンスだ。意を決してルイズはオスマンへ問いかけた。 「オールド・オスマン。お聴きしたい事がございます」 「なんじゃね?」 「その『破壊の杖』とは何なのですか? どう見ても杖には見えないのですが」 質問するルイズを、オスマンの鋭くなった瞳が見つめてくる。萎縮しそうになるルイズだが、彼女も此処で退くわけには行かないのだ。 ほんの数秒、オスマンとルイズは見つめ合っていたが、やがてオスマンの目尻が下がり、髭を撫でながら言った。 「そうじゃのう、これの為に骨を追ってくれた君たちになら話しても良いか。少々長い話になるが良いかね?」 異論などあろうはずもない。その場に居る全員が頷いた。それを確認してオスマンが語りだす。 「今から30年は前の話じゃ。わしは森の中を散策しておった。そこを運悪くワイバーンに襲われてのう」 ワイバーンとは、大きな翼を持ち、高い機動力で空を自在に飛び回り、鉤爪で相手を引き裂く、でかいトカゲのようなモンスターだ。ドラゴンのようにブレスは吐かないものの、凶暴で危険な相手である。 「最早ここまでか、と覚悟したところで、変わった御仁と出会ったんじゃ。その人が『破壊の杖』を向けると、ワイバーンが爆発したのじゃ。それでわしは九死に一生を得ることができた」 一同の顔に驚愕の念が浮かぶ。先程述べたように、ワイバーンはかなりの難敵だ。倒す、と言うだけならともかく、魔法の一撃だけで倒すとなると、相当上位のメイジでなければ不可能だ。 「ワイバーンを倒すと同時に、その人は倒れた。よく見るとその人はひどい怪我を負っておった。恩人を死なせてはならぬとわしも手を尽くしたのじゃが……」 「亡くなられたのですか」 ルイズの質問に、オスマンは目を伏せて頷いた。 「彼はずっと『元の世界に帰りたい』と言っておった。世界、と言う言葉の意味は分からなかったが、故郷へ戻りたがっていた事は理解できた。しかし情けないことに、彼の所属は全く持って掴めずじゃった。結局、亡骸はこのトリステインに葬ることにしたのじゃよ」 もしも、レンの話どおりに『月が一つしかない世界』が実在したとして、そんな異世界からやってきたのだとしたら、手がかりがつかめないというのは当然だろう。 「その人は2本の『破壊の杖』を持っておった。ワイバーンに使用した一本はその人と一緒の墓に入れ、もう一本は恩人の形見の品として宝物庫に保管したのじゃ。『破壊の杖』と名付けて、な」 学院に保管していたのは、『破壊の杖』の危険性を考えただけでなく、恩人の形見を自分の手元に置いておきたい、という意図もあったらしい。 「じゃが、あの杖はどんなにわしが振っても同じ魔法が出せなんだ。もしかすると、あの人だけが使える魔法だったのかもしれん。もう確かめようもないがの」 レンは『破壊の杖』の事を銃と言っていた。それが本当なら、あれはワイバーンをも一撃で倒す銃と言うことになる。その事実にルイズは戦慄した。 「さて、湿っぽい話は終わりじゃ。フーケは捕らえ、破壊の杖も戻ってきた。今宵の『フリッグの舞踏会』は予定通りとりおこなおう。今日の主役は諸君らじゃ。楽しんできてくれたまえ」 「そうでした! フーケの騒ぎですっかり忘れるところでした!」 キュルケが応える。年頃の貴族において、舞踏会というものに憧れない者はほとんど居まい。キュルケは微熱を燃え上がらせるチャンスだ、と張り切っている。 三人は一礼すると、今宵の舞踏会に向けて部屋から退室した。 「結局手がかりは無し、か。がっかりね、学院長まであの調子じゃ帰れるのは何時になるのやら」 ルイズの部屋で、人型になったレンがため息を付きながらが言う。 人の姿になったのはルイズがそう命じたためだ。ルイズが命じると、レンは嫌そうな顔――猫の時でも表情は有るものだ――また一瞬で猫から幼女になった。そして開口一番に出た言葉がこれである。 「それで、何の用? 私はご飯食べに行きたいんだけど」 「レン、あんた帰りの馬車で何してたの?」 「あら、何の話ですかマスター?」 不適に微笑んで返してくるレン。ルイズは声を荒げて追求する。 「眠ってるフーケに何かしたでしょ!? すっごく……う、魘されてたじゃない!」 喘いでいた、とはとてもいえない乙女なルイズ。もにょもにょと言葉を濁すルイズに、レンは妖しげな流し目を送る。 「……聞きたいですか?」 「だから言いなさいって言ってるじゃない!」 追求の手を緩めないルイズ。そんなルイズの姿にレンは一層笑みを深くする。だが、その笑いは、 「もう一度お聞きします、マスター。ホ ン ト ウ ニ オ シ リ ニ ナ リ タ イ デ ス カ ?」 にっこりと微笑んでいるレンの顔はとても綺麗なはずのに、ケタケタ笑うその口は、まるで悪魔のようにも感じられた。 「わ、分かったわよ、そんなに言いたくないなら聞かないで上げるわよ」 「お気遣い痛み入ります」 暖かい気温なのに、いつの間にか背筋を濡らす汗。それを極力意識しないようにして会話を切り上げる。 レンは相変わらず笑っているが、先ほどの禍々しい雰囲気は雲散霧消していた。 胸を撫で下ろすルイズだが、もちろんすっきりしない。これでは主人の威厳とか尊厳とかいうものが無いではないか。 そんなルイズを置いてけぼりに、レンが話を振ってくる。 「それじゃ、舞踏会楽しんでらっしゃい」 「あんたはどうするの?」 「ご飯食べて寝るわ。今日は疲れたし」 ぐーっと伸びをしながらレンは言った。 「疲れたのは私もよ……」 「舞踏会は御褒美に近いでしょ。せいぜい素敵なジェントルマンを射止めてきなさいな」 ひらひらとルイズへ手を振るレン。使い魔に見送られながら、ルイズは着替える為に会場へと向かった。 「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢の、おなーーーりーーー!!」 衛士がルイズの到着をホールに居る貴族たちへ告げる。 今回の主役であるルイズは、主役に相応しい格好に着替えていた。真っ白いパーティドレスに、ドレスとおそろいの色の長手袋。自慢のピンクブロンドの髪はバレッタでまとめてある。 肩と胸元が露出しており、そこが寂しくないように、赤いガーネットがあしらわれた首飾りを身に着けた。香水はフローラルのカーネーションを選んだ。 ガーネットは真実・忠実といった事を象徴する宝石。カーネーションの花言葉は『あらゆる試練に耐えた誠実』。どちらも、今回盗賊の事件を解決したルイズにはぴったりだろう。 何処に出ても恥ずかしくない万全の状態で、ルイズはホールへと入場した。 場内がどよめく。普段『ゼロ』と蔑んできたルイズが、見事なレディの姿になっていることに皆驚いたらしい。 男子生徒はこぞってルイズへとダンスの誘いをかけてきた。 キュルケとタバサはも既にホールにやってきていた。 キュルケの方は、黒い派手なパーティードレスに身を包んでいる。しかし、これまた際どい。胸元はおろか、浅黒い色の腹と臍まで見えているではないか。コルセットはどうした。 しかして、男どもの多くはそんなキュルケの野生的な色気に惹かれているらしい。ルイズと同じように多くの男性のダンスの誘いを受けている。 それはまあいい。良くないのは、どの男子もキュルケの顔ではなく剥き出しの谷間を見ている事だ。視線が下を向いていることに気付かない女など居ないぞ、自重しろ。 タバサも同じく黒のパーティードレス。しかしキュルケとは違って、殆ど素のままの簡易なドレスだ。飾りと言えば、胸にアクアマリンが少々付いている程度。 そして振る舞いもキュルケとは対照的で、ダンスの誘いなど全く受けず、テーブルにおかれた料理を食べることに専念している。 タバサが居るテーブルだけ、空の皿が積み上げられていた。恐ろしく苦いはしばみ草のサラダを食べ始めたとき、ルイズは自分の目を疑った。 いつまでも二人の様子を観察している暇はない。目の前の貴族達がこぞってダンスに誘ってきているのだ。 その中の一人の手を取り、ルイズは頭の中で練習していた言の葉を告いだ。 「私と踊っていただけますか、ジェントルマン」 手を取られた一人の男性は微笑み、ルイズをホールの中心へとエスコートする。そして、ルイズにとって初めての『フリッグの舞踏会』が始まったのだった。 数人の男子達と踊り終えた後、一休みするためにバルコニーへ出る。外の空気はホールの熱気に比べると冷えていて、胸に染み渡る。 何故だろう。 貴族の男連中からこぞってダンスの申し込みを受けているのに。オスマンは自分たちにシュヴァリエの爵位を与えると言ってくれたというのに。この場にいる者たち全員が自分を認めている、それなのに。たいして嬉しくない。 自分がゼロと蔑まれず、持て囃されているこの空間において、ルイズが一番大きく感じるのは、虚しさだった。 (……どうして) 男連中が自分の眼鏡にかなわないから? いや、確かに自分が知っている男性に比べれば、学院の生徒連中などお子様だが、それが原因ではない、気がする。 舞台が自分に物足りないから? それも違う。舞踏会のホールは申し分なく煌びやかで、楽士たちが流すメロディーはダンスの動きをより流麗に導いてくれる。 それでは、一体何が足りないというのか。 「……馬鹿みたい」 まるで無いものねだりをしている駄々っ子だ。自分の思考にルイズ自身が呆れる。 舞踏会のために照明がたくさん使われているためか、今日はいつもよりも星が見える量が少ない。それでも星は満天に輝き、天空から地上へと降り注いでいた。 空を眺めて星の光を追って地上へ目を向けると、星明りと学院の照明に照らされて、白い物が動いているのが見えた。 「レン……?」 ちらりとしか見えなかったが、間違いなく彼女の使い魔のレンだった。 時間からしてもう食事は終えたはずだ。なのに何故とことこと外を出歩いているのか。食事をしたらすぐ寝るといっていたのに? 「……」 気が付くと、自分でも何がしたいのか分からぬまま、ルイズはバルコニーから階下へと続く階段を下りていた。 外に出た時には、もうレンの姿は見当たらなかった。確か、中庭の方へ向かっていたはずだ。そちらへ向かって一人で歩いていく。 一体何をしているのだろう、とルイズは自問する。せっかくの舞踏会だというのに、途中で抜け出して自分の使い魔を追いかけるなんて。 中庭の入り口までたどり着いた時、ルイズは息を呑んだ。 「―――」 そこは、舞踏会場だった。 照らすのはきらきらと輝かしい照明ではなく、優しく穏やかな星明り。 音楽は風にそよぐ草の音、虫の声、そしてかすかに聞こえるホールからの旋律。 中庭の中心では、静かな調べにのって、レンが両腕を広げて、何かを祝福するようにくるくると回っていた。 お伽噺の中から抜け出た妖精のように優雅なステップを刻む。その様はまるで周りの自然が祝福しているようだった。 ようやく気が付いた。あのホールに足りなかったのは、たった一つ、しかし絶対に欠いてはならないもの。 主役だ。フーケ討伐において誰よりも活躍した立役者である、レンが居なかったのだ。 今この場には、彼女を照らす明かりがあり、彼女を導く音楽があり、彼女を見つめる観客がある。舞台は完全に整い、そこで主役が踊っている。ならばこの場が本当の舞踏会場ではないか―――。 ルイズが益体もない考えにふけっていると、曲が終わり、レンのステップも止まった。 「何してるのルイズ」 その声に、心臓が飛び出るほど驚いた。いつの間にかレンがルイズの方へ向き直っているのだ。まあ中庭入り口に隠れもせずに突っ立っているのだから見つかるのは当たり前だ。 「あ、あんたが食事の後はすぐ寝るとか言ってたのにうろうろしてるから見に来たんじゃない」 「舞踏会はどうしたのよ? 音楽が聞こえるし、まだ終わってないんでしょ?」 当然の疑問にルイズの受け答えが詰まる。素直に『あんたを見かけたから追いかけてきた』等とは言えない。 「禄な男性が居ないんだもの。抜けてきたわ」 「ふーん。中世と言えど本当の紳士というのは少ないのかしらね?」 あまり興味がなさそうに呟くレン。ルイズはそんなレンを見て、なんだか分からないけどちょっと腹が立ってきた。 「あんたこそこんなところで何してんのよ。誰かに見られたらどうする気?」 「ちょっと踊ってただけじゃない。誰かに見られるような失敗はしないわよ」 「私には見つかったじゃない」 「あら、使い魔の私がマスターの接近に気づかないとでも?」 減らず口の減らない使い魔である。だからこそ減らず口と言うのだろうが。 「……レン、あんた踊れるのね」 「淑女の嗜みというものですわ」 得意げに言うレン。ルイズは、顔が紅くならないように注意しながら、レンへ命令した。 「じゃあ、わ、私と踊りなさい」 ちょっとだけどもってしまったが、割と自然に言えたとルイズは思った。しかしレンは怪訝な顔。 「ルイズ、男性パートなんて踊れるの?」 「そんなわけないでしょ。男役はあんたよ」 「……自分より小さい同性の相手に男役を勤めろと?」 「ごちゃごちゃ言わないの! 私の使い魔ならそれくらいやって見せなさいよ!!」 理屈の合わない、我侭な命令だということはルイズ自身も理解している。だが、今ルイズはここを離れたくなかった。レンと離れたくなかった。ここで開かれている舞踏会に、どうしても参加してみたくなったのだ。 主の無茶苦茶な命令に、レンは髪を書き上げてため息をひとつ。 「全く、我侭っぷりはあいつといい勝負ね……」 そう言うと、レンはルイズの手をとって、お辞儀をしてきた。 「では、私と踊っていただけますか、マドモアゼル」 表情は相変わらず、格好に不相応な不適な笑顔。しかし礼節に則った、完璧なお誘いだった。 自分の使い魔のお誘いに、ルイズもにやりと微笑んだ。 「ええ、喜んで」 そして、二人だけの舞踏会が幕を開けた。 「あんた、男性役もうまいじゃない……」 ルイズは素直に驚いていた。レンのステップは軽やかで優雅だ。全くルイズの足を踏むようなこともなく、むしろこちらの動きを読んでいるように体全体をリードしてきて、すごく踊りやすい。社交会に慣れていない学生貴族とは雲泥の差だ。 微かに聞こえる旋律に乗って二人は踊る。次第に熱は高まっていき、ルイズの視界にはレンしか映らなくなる。 「人生経験の賜物というものですわ」 自分よりも見た目で5つ以上は離れていそうな幼女に人生を語られるのは、非常に複雑な気分だった。 「そういえば、あんた何歳なの? 見た目どおりの年齢じゃないんでしょ?」 「マスター、女性に年齢を聞くなど野暮ですわよ?」 そうレンが言うと、ルイズは行き成り落下した。 「ひゃ――!?」 瞬きの内に落下感は収まる。ぐるんと回った視界に写るのは、一面の星空と、レンの妖しい笑顔だった。 なんてことはない、要するに思いっきりレンがルイズの背中を仰け反らせたらしい。レンがしっかり支えていたので倒れることはなかったが。 「な、んてことすんのよこのバカ!?」 「ダンスの終焉ですのよ? 締めは派手な方が喜ばれますわ、ねえ?」 そういってレンは広場の入り口へ視線を転じた。どうじに、ぱちぱちぱちと拍手が帰ってくる。 ぎょっとしてルイズもレンの視線を追う。そこには、ドレス姿のままのキュルケとタバサがいた。 「まさか使い魔と二人だけの舞踏会をしてるなんて思わなかったわー」 拍手しながらキュルケが言ってきた。 「あんたたち!? どうしてこんな所にいるのよ!?」 「いや、いい加減男連中の相手も飽きてきてさー、気がついたらあなたがいないじゃない。気分転換に探しに来てあげたのよ」 「タバサは付き添い? 貴女も割りと付き合いが良いのね」 タバサはキュルケが引っ張ってきたのである。料理が乗せられたテーブルから彼女を引き剥がすのはなかなかの重労働だった。結局今は手に持った大皿いっぱいに盛られたはしばみ草のサラダをもくもくと食べている。 キュルケは体制を立て直している二人へ近寄ると、ルイズを強引に抱き寄せた。 「ちょ、ちょっと何よキュルケ!?」 「せっかくの舞踏会、今度は私と踊ってくださらない、ミス?」 「はぁ!? なんで私がツェルプストーの女と踊らなきゃ、ってあんた話し聞きなさいよー!?」 ルイズの言葉を聞き流してステップを踏む。先ほどのレンの踊りよりも激しく、より情熱的に。 キュルケは、レンに言われた『自分は何もできなかった』ということが、あれからずっと引っかかっていたのだ。 おかげでダンスの最中も上の空。あろうことかダンスパートナーの足を踏んづけてしまった。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーにあるまじき失態である。 調子が狂っている、と自覚して休憩していると、いつの間にかルイズが消えていた。 その時、思い浮かんだのはあの白い幼女と、護送中にあられもない声をあげていたフーケ。 (まさか……ルイズまで!?) 男性経験が豊富なキュルケ嬢。脳裏に生々しいイメージが浮かんだ。 両手は拘束具で固定され、衣服は無惨に引き裂かれている。体中に鬱血の痕があり、乳房の辺りは特に多く、なだらかだった胸は先端に引っ張られるように全体が膨れ上がっていた。 だらしなく開いた口から涎を垂らし、鳶色の瞳は人形のように光がない。両足が投げ出されている所為で隠すところは丸見えで、くぱぁと開いた桜色の火所からごぽりと溢れ、水溜まりになり、鼻を覆いたくなるほど強い臭気を発する白濁――。 激烈に嫌な予感に襲われたキュルケが学院を探した結果、すぐにルイズは見つかった。なんと使い魔と仲良く踊っていたというオチである。予感は大外れだった。 しかし、その光景を見て、キュルケの中で何かが燃え上がった。恋の微熱とは違う、しかし負けぬほどに熱い何か。それは単純に言うと、この使い魔への対抗心。複雑に言えば、嫉妬のようなものも混じっていたかも知れない。 そんなわけで、使い魔からルイズのダンスパートナーを奪っていたわけである。ルイズも渋々ながら、キュルケと共に踊っていた。 「なかなかダンスがお上手ね、ルイズ?」 「ヴァリエール家の娘としてこれ位当たり前よ。あんたはさっき、パートナーを踏んでたけどね。私の足は踏まないでよ」 気付かれていたのか。キュルケの笑みが少し引き攣る。 だが、言葉くらいで今のキュルケは止まらない。より一層ダンスの動きを激しく、熱くさせていく。飛び散る珠のような汗は、明かりを反射して宝石のように輝いていた。 (どうよ) ちらりとレンの様子を横目で伺ってみる。 その時、キュルケは自分が信じがたい物を眼にしたのだった。 「キュルケは何やってるのかしらね」 隣に来たルイズの使い魔が呟いているが、タバサにとってはどうでも良いことだ。舞踏会の事も、中庭に連れてこられたことにも興味はない。 今考えていることと言えば、会場に戻って料理を追加したいことくらいだ。そろそろ持ってきたはしばみ草が尽きそうなのである。 もしゃもしゃとはしばみ草を租借していると、レンがタバサへ話しかけてきた。 「せっかくだし、私と踊っていただけませんか、ミス・タバサ」 レンの誘いを無視するタバサ。どうでも良い。この使い魔の事にはもう興味はないし、踊ってやる義理も義務も無いのだから。 だが、続いたレンの言葉にはしばみ草を噛む口の動きが止まった。 「それとも、貴女も自分の使い魔と踊るの?」 思わずレンの顔を見てしまう。それがこの使い魔の思うつぼだったと気付くが、もう遅い。レンはニマニマと嫌らしい笑いを浮かべている。 「こう言うときは踊るものよ、さあ」 手を差し伸べてくるレンの意図は全く掴めない。一体自分を踊らせて何をしたいというのか。 しかし、もし自分の使い魔の秘密に気付いているのなら、放置しておくのはまずいかも知れない。仕方なく、タバサはレンの手を取るのだった。 「貴女は女性役で良いわ」 そう言うと、先程ルイズと踊ったときのように、優雅に踊り出すレン。 タバサはちょっと不思議な気分だった。自分は同年代の女性と比べると小柄だ。そんな自分よりも背が低く小柄な幼女がしっかりと自分を導き、リードしてくる。今まで味わったことがない感覚である。 「……何が望み」 ともあれ、この白い幼女が自分の使い魔の正体に気付いているなら、何らかの形で口を封じねばならない。 慎重に相手の動向を探ろうとするタバサに対して、レンは一言。 「別に何も。貴女一人だけ突っ立ってられても目障りだっただけよ」 そう言いながら、くるりとタバサをターンさせる。 「……シルフィードのことは」 「何のことか分からないわね。けど、私は相手の秘密を徒に広めるようなことはしないし、また広められるような立場でもないわよ」 そう言うと今度はレンがターン。男性役がターンするのは珍しいがこの場では咎める物は居ない。;y=ーでターンしようとしていたら止めるかも知れないが。 ふと、タバサは自分に向けられている視線を感じた。しかも複数。 一つはキュルケだ。レンと踊っている自分を見て、なにやら激しい視線を送ってきている。 もう一つは、この場からかなり離れた木の上から。どうしてそんなことが分かるのかと言えば、視線の主が彼女の使い魔だからだ。タバサと、タバサと踊っているレンをじーっとうらやましそうに見ているのが分かる。 これは後で二人ともあやさなねばならないだろう。タバサはため息を吐いた。 そして、曲が止まる。ダンスが終わると、すぐにキュルケはルイズから離れ、レンと踊っていたタバサを抱き寄せた。 「全く、ダンスパートナーにため息を吐かせるなんて駄目ねえ。タバサ、今度は私が踊ったげるわ」 キュルケはそういって、タバサの返事も待たずに踊りだす。その踊りの激しさは、何度も踊ってきたにもかかわらず、今日一番のものだった。 呆然としているルイズにレンが傍にやってくる。 「ご満足いただけましたか、マスター?」 そういって微笑むレン。頷きそうになるルイズだが、キュルケとタバサの踊りをみて気が変わった。何より、まだ音楽は続いている。舞踏会は終わっていない。 「なに言ってるのよ。私と踊りなさいって最初に言ったでしょ。あんた主人を壁の花にする気?」 「そうですか。私でよければ勤めさせていただきますわ」 慇懃無礼に一礼すると、レンは再度ルイズの手をとった。レンは3度目のダンスも男性役。優雅に踊る幼女がルイズのステップをより華麗にする。 「レン。私、しっかりあんたの世話もしてあげる。それから、もっともっと立派なメイジになるから」 じっとレンの紅い瞳を見て、告げる。 「だから、あんたもちゃんと私の使い魔の仕事を果たしなさいよ」 そう言われたレンは、にっこりと微笑んでルイズへ返した。 「向こうへの行き方の捜索も忘れないでね?」 くすくすと笑うレンにつられて、ルイズにも微笑みが漏れた。 笑いながら踊りは続く。この一晩はルイズのみならず、4人にとって大切な思い出となったのだった。 前ページゼロの白猫