約 1,013,404 件
https://w.atwiki.jp/oper/pages/96.html
第3幕 (岩山の頂。モミの木の森が舞台右手を区切っている。左手には洞窟への入口があるが、この洞窟は天然の大広間となっており、その上が岩山の頂上となっている。舞台後方は視界が完全に開け、大小さまざまの岩石が斜面の壁となってそびえる。そのさらに後方は、見えないながらも急な絶壁となっているようである。ちぎれ雲が嵐に飛ばされるように激しく、岩山のへりを通り過ぎていく) 前奏曲と第1場 (ゲルヒルデ、オルトリンデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテ。あとから、ヘルムヴィーゲ、ジークルーネ、グリムゲルデ、ロスヴァイセ、ブリュンヒルデとジークリンデ)(ゲルヒルデ、オルトリンデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテは、岩山の頂きにある洞窟の脇やその上に陣取り、鎧兜に身を包んでいる) ゲルヒルデ (もっとも高いところに陣取って、後ろからやってくる厚い雲に呼びかける) ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!ハヤッハー! ヘルムヴィーゲだわ!こっちよ!馬と一緒に来なさいよ! ヘルムヴィーゲの声 (舞台後方から) ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー! (雲の中で稲妻がぱっとひらめくと、戦死者を鞍にくくりつけた騎乗のヴァルキューレが現れる。そのヴァルキューレはこちらに近づくと、岩山のへりを左から右へと舐めるように通り過ぎる) ゲルヒルデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテ (近づいてくるヴァルキューレに呼びかける) ハヤッハー!ハヤッハー! (さきほどの雲は、舞台右手のモミの森の中に消える) オルトリンデ (森へと呼びかける) あなたの馬を、私の馬と一緒につなげばいいわ。 あなたのブラウナー(鹿毛)なら、私のグラウエ(葦毛)と、仲良く草を食むでしょうから! ヴァルトラウテ (森へと呼びかける) 鞍にぶらさがっているのは誰? ヘルムヴィーゲ (森から出てきて) これは、ヘーゲリンク族のジントルト! シュヴェルトライテ だとしたら、二人の馬を近づけてはダメだわ! オルトリンデの馬は、イルミング族のヴィティヒを運んできたんだから! ゲルヒルデ (頂から下りて近づきながら) たしかに、ジントルトとヴィティヒは仇どうしの間柄! オルトリンデ (飛び起きて) やだ!あたしの馬に体当たりしてきたわ! (オルトリンデは森に駆けていく) (シュヴェルトライテ、ゲルヒルデ、ヘルムヴィーゲは大声で笑う) ゲルヒルデ 戦士の仲の悪さが、馬にのりうつったのね! ヘルムヴィーゲ (森にいる馬に振り返って呼びかける) こら!おとなしくして!! 場を乱してはだめよ! ヴァルトラウテ (ゲルヒルデに代わって高い地点に立って見張っていたが、右手後方へと呼びかける) ホイホー!ホイホー! ジークルーネね!何をぐずぐずしていたの? (右側に向け耳を澄ます) ジークルーネの声 (左手後方から) 仕事がたっぷりあったのよ! もうみんなそろっているの? シュヴェルトライテ、ヴァルトラウテ (右手後方に呼びかける) ホヨッホー!ホヨッホー! ハヤッハー! ゲルヒルデ ハヤッハー! (ヴァルキューレ達の身ぶりと、モミの森から出てくる輝きで、ジークルーネが森に着地したことがわかる。そのとき奥から、二つの声がいっぺんに響く) ゲルヒルデとロスヴァイセ (左後ろから) ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!ハヤッハー! ハヤッハー! ヴァルトラウテ (左に向いて) あれはグリムゲルデとロスヴァイセ! ゲルヒルデ (同じく左に向いて) 二人で馬首をそろえて騎行してくる。 (稲妻光る雷雲が左からたなびき、その中に騎乗のグリムゲルデとロスヴァイセの姿が現れる。二人の鞍にはそれぞれ一人ずつ戦死者がつながれている。ヘルムヴィーゲ、オルトリンデ、ジークルーネは森から出て、岩山のへりから二人に手を振る) ヘルムヴィーゲ、オルトリンデ、ジークルーネ ようこそ!騎乗の女武者! ロスヴァイセとグリムゲルデ! ロスヴァイセとグリムゲルデの声 ホヨッホー!ホヨッホー! ハヤッハー! (ロスヴァイセとグリムゲルデの姿は森の中へと消える) その他6人のヴァルキューレ ホヨッホー!ホヨッホー!ハヤッハー!ハヤッハー! ゲルヒルデ (森の二人に呼びかける) 森の中で馬を休ませてあげないと! オルトリンデ (同じく森の二人に呼びかける) でも、馬は一緒につながないほうがいいわ・・・ 勇士たちの憎しみが収まるまでは! (ヴァルキューレはみんな大笑いする) ヘルムヴィーゲ (みんなの笑い声の中で) もう私の勇士は怒って、オルトリンデの葦毛に復讐しちゃったけど! (ヴァルキューレはまたみんな大笑いする) ロスヴァイセとグリムゲルデ (森から出てきて) ホヨッホー!ホヨッホー! その他6人のヴァルキューレ ようこそ!ようこそ! シュヴェルトライテ あんたらは一緒に出かけたの? グリムゲルデ 初めは別々だったけど、今日合流したの。 ロスヴァイセ さあ!みんな集合ね!ぐずぐずせずに、 早くヴァルハラに戻って、 ヴォータンに戦死者を差しだしましょう。 ヘルムヴィーゲ まだ8人よ。ひとりだけ足りない。 ゲルヒルデ ブリュンヒルデは、きっとまだ、 あの褐色のヴェルズングのところにいるのね。 ヴァルトラウテ じゃあ、もう少しここで待たないと・・・。 ブリュンヒルデを待たずに私たちだけで行くと、 きっとお父さまは機嫌が悪いから! ジークルーネ (岩の上から、遠くを見張りながら) ホヨッホー!ホヨッホー! (後方に向かって呼びかける) こっちよ!こっち! (他のヴァルキューレ達に) すごい勢いで、 ブリュンヒルデが向かってくるわ。 8人のヴァルキューレ (全員、岩山の上の見張り台に急ぐ) ホヨッホー!ホヨッホー! ブリュンヒルデ!こっちよ! (全員、いぶかしそうに眺める) ヴァルトラウテ よろめく馬を、なんとか森に向かわせている。 グリムゲルデ 速く走らせすぎよ!グラーネったら、ひどい鼻息! ロスヴァイセ こんなに速く飛ぶヴァルキューレは初めて! オルトリンデ 鞍の上には? ヘルムヴィーゲ 戦士じゃないわ! ジークルーネ 女よ! ゲルヒルデ 女なんか?どうして? シュヴェルトライテ こっちに挨拶もしない! ヴァルトラウテ (下に向いて呼びかける) ハヤッハー!ブリュンヒルデ!聞こえないの? オルトリンデ お姉さまが 馬から降りるのを手伝わないと! (ゲルヒルデとヘルムヴィーゲは全速力で森に駆けていく。ジークルーネとロスヴァイセもそれにつづく) ヘルムヴィーゲ、ゲルヒルデ、ジークルーネ、ロスヴァイセ ホヨッホー!ホヨッホー! オルトリンデ、ヴァルトラウテ、グリムゲルデ、シュヴェルトライテ ハヤッハー! ヴァルトラウテ (森を見つめながら) あの屈強なグラーネが倒れるなんて! グリムゲルデ 急いで女を鞍から降ろしている! オルトリンデ、ヴァルトラウテ、グリムゲルデ、シュヴェルトライテ (ヴァルキューレは、全員、森に駆けていきながら) お姉さま!お姉さま!どうしたの? (全員で舞台に戻ってきたヴァルキューレの中には、ジークリンデを脇にかかえて引っぱってくるブリュンヒルデがいる) ブリュンヒルデ (息せききって) 私をまもって!この窮地から救って! 8人のヴァルキューレ ひどく急いでたけど、どこから飛ばしてきたの? いったい誰から逃げようとしていたの? ブリュンヒルデ 追われる身となったのは、生まれて初めて。 私、お父さまに追われているのよ! 8人のヴァルキューレ (激しい衝撃を受けて) ねえ!正気?教えて!どういうこと? お父さまに追われている? 逃げているのはお姉さまですって? ブリュンヒルデ (不安そうに体をそらし、辺りを見回し、また向きなおる) ああ・・・みんな・・・岩の頂きから見下ろして! 北を見て!お父さまが近づいてこない!? (オルトリンデとヴァルトラウテは、岩の頂きに飛びあがり、そこから見張りをする) 早く!何か見えて? オルトリンデ 雷雲が北から近づいている。 ヴァルトラウテ 厚い雲が立ち昇っているわ! その他の6人のヴァルキューレ お父さまが神馬で駆けてくる! ブリュンヒルデ 怒り狂う狩人が、私を追って、 北から近づく!・・・近づく! みんな、私を守って!そして、この女性も! 6人のヴァルキューレ この人は何なの? ブリュンヒルデ 急いで聞いて・・・。 この人は、ジークムントの妹であり妻であるジークリンデ。 ヴォータンは、 このヴェルズング族の兄妹を呪い、 私に、 ジークムントの勝利を取り下げるよう命じられた。 でも、私はジークムントを盾で守ったわ・・・ 神に逆らって! 神は自らの槍で介入し、 ジークムントは死んでしまった。 でも、私は、この女の人を助けるため、 あなたたちのところにやってきた・・・ ねえ! この不安におびえる私を、 罰の一撃から守ってちょうだい! 6人のヴァルキューレ (話を聞いて仰天して) お姉さん?狂ったの?何てことをしたのよ!? ああ!ブリュンヒルデ!何てことよ! お父さまの神聖な命令に そむくなんて!? ヴァルトラウテ (見張り台の上から) 暗闇が北から来るわ! オルトリンデ (同様に見張り台の上から) 怒りの嵐がこっちにくる! ロスヴァイセ、グリムゲルデ、シュヴェルトライテ (舞台後方に向かって) お父さまの馬がけたたましくいなないている。 ヘルムヴィーゲ、ゲルヒルデ、シュヴェルトライテ すごい鼻息がこちらにも響いてくる! ブリュンヒルデ この人が可哀想すぎる!もしもヴォータンにつかまったりしたら!ヴォータンはヴェルズング族を皆殺しにしようとしているのだもの!ねえ!誰でもいいわ!一番身軽な馬を貸してくれない?早く!この人を逃がすために! ジークルーネ あたしたちにまで、お父さまに逆らえというの? ブリュンヒルデ ロスヴァイセ!ねえ! あなたの馬を貸して! ロスヴァイセ どんな速い馬だって、お父さまからは逃げられないわ。 ブリュンヒルデ ヘルムヴィーゲ!お願いよ! ヘルムヴィーゲ あたしはお父さまに従うわ。 ブリュンヒルデ グリムゲルデ!ゲルヒルデ!馬を貸して! シュヴェルトライテ!ジークルーネ!私の気持ちをわかって! 私があなたがたにそうだったように、今は私に尽くして! どうか、この可哀想な女の人を救ってあげて! ジークリンデ (ジークリンデはこの間ずっと凍ったように虚ろな目をしていたが、ブリュンヒルデが彼女を守るように強く抱きしめた途端に、突き放すような身振りで体を起こす) もう私にかまわないで・・・ あたしなんか死んだほうがいいのよ! どうしてあなたは、 私を敵から守って逃げたりしたの? あの戦場の嵐の中で、私はいっそのこと ジークムントが受けたのと同じ剣をこの身に受けたかった・・・そうすれば、 あの人と一緒に死ねたでしょうに! もうジークムントはいない…ジークムント…あなたは! ああ!私の望みどおりにして!死なせて! 私を逃がしたことを あなたに恨むことはできないけれど、 どうか私の願いを聞きいれて・・・ あなたの剣を私の胸に突き刺して! ブリュンヒルデ 生きて!生きるのよ!愛のために! ジークムントの愛の証しを救うのよ・・・ (力強い声で、ジークリンデを説得するように) あなたの体の中には、もうひとりヴェルズングがいるのよ! ジークリンデ (はじめはただ驚いていただけだったが、いきなり、輝かしい歓びが顔からあふれ出す) 私を生かしてください!この子を助けてください! ヴァルキューレの乙女たちも!どうか・・・どうか私の身を守ってください! (ますます濃くなっていく雷雲が背景に立ち昇る。雷鳴が近づく) ヴァルトラウテ (見張り台の上から) 嵐が近づいてくるわ。 オルトリンデ (見張り台の上から) あの嵐が怖いなら逃げて! 6人のヴァルキューレ その女の人を逃がして!危機が迫ってるわ・・・ ヴァルキューレでは誰もこの人を守れない! ジークリンデ (ブリュンヒルデの前にひざまずいて) 守ってください!どうか!母になる私を救って! ブリュンヒルデ (意を決し、きびきびと、ジークリンデを立ち上がらせながら)じゃあ早く逃げて!一人きりで行くのよ! 私はここに残り、ヴォータンの罰を受けます・・・ 私がヴォータンの怒りを一手に引き受けている間に、 あなたは怒りの手を逃れるのよ。 ジークリンデ 一体どこに行ったらいいの? ブリュンヒルデ みんなのなかで、東へ行った人はいる? ジークルーネ 東はずうっと森ばかりよ。 ファフナーがニーベルングの財宝を奪い取って隠しているわ。 シュヴェルトライテ あの怪物は龍の姿をして、 洞窟にアルベリヒの宝を隠しているのよ! グリムゲルデ 一人きりの女にはふさわしくないところよ。 ブリュンヒルデ でも、その森ならば、ヴォータンの怒りからも守ってくれる…最強の神ですら、あの森は恐れて近づかない場所だわ。 ヴァルトラウテ (見張り台の上から) ヴォータンが凄い形相で この岩山に向かってくる。 6人のヴァルキューレ ブリュンヒルデ!あの音が聞こえないの!? ブリュンヒルデ (ジークリンデに手で方角を指し示しながら) さあ急いで!東へ行くのよ! 歯を食いしばって耐えるのよ・・・どんな苦しみにも・・・ どんな飢えや乾きにも・・・どんな茨や岩場にあっても・・・ 笑うのよ!どんな逆境や苦しみにあっても、笑うの! でも、今から私が言うことだけは思い出して、それを心の支えにして!「この世で最もすぐれた男の子が あなたの身には宿っています・・・!」 (ブリュンヒルデは、ジークムントの剣の破片を鎧の中から取り出すと、その厚い破片をジークリンデの手にゆだねる) その子のために、この剣の破片を大切に持っていて! その子の父の斃れた地から、私が何とか拾い集めた破片を…いつかきっとその子は、この剣を鍛え直して振り回すはず。 その子の名前は私から授けましょう・・・ ジークフリート・・・勝利をことほぐ者・・・と! ジークリンデ (心の底から感動して) ああ・・・なんて神聖な奇蹟!なんて素敵な女性! あなたの誠実さに、私はほんとうに慰められ、救われました! 私たちが愛したあの人のためにも、私は可愛いこの子を守ります・・・いつか必ず、私の感謝の気持ちが、あなたに微笑みますように!さようなら!ジークリンデの悲しみをあなたの力に変えてください! (ジークリンデは舞台の前方を右手へ走り去っていく。その時すでに岩山の頂きは黒い雷雲におおわれている。嵐の吹きすさぶ猛烈な音が舞台後方から聞こえてきて、舞台右手では炎がますます赤々と照り返す) ヴォータンの声 逃げる気か!?ブリュンヒルデ! (ブリュンヒルデはしばらくジークリンデを見送っていたが、舞台後方に向きを変えてモミの森を見つめた途端、再び恐怖にとらえられたような仕草を見せる) オルトリンデとヴァルトラウテ (見張り台から駆け降りながら) お父さまの馬がこの岩山に着いたわ! 8人のヴァルキューレ かわいそうに!ブリュンヒルデ!復讐の炎が燃えている! ブリュンヒルデ ああ!みんな助けて!心が折れてしまいそう! みんながお父さまをなだめてくれないと、 お父さまの怒りで、私は砕け散ってしまうわ。 8人のヴァルキューレ (ヴァルキューレ達はおびえながら岩の頂へと逃れる。皆に手を取られたブリュンヒルデも、その後ろに従う) さあ、こっちよ!しょうがないお姉さん!見えないように隠れて!あたしたちにぴったりくっついて、呼ばれても黙っていて!(ブリュンヒルデを取り囲み、その姿を隠すと、おびえた目でモミの森を見つめる。森から炎のどぎつい光が赤々と輝く一方で、舞台後方は真っ暗闇となっている) ああ!ヴォータンが馬から飛び降りた・・・! 仕返しをしようと、すごい勢いで向かってくる! 第2場 (ヴァルキューレ全員とヴォータン) (ヴォータンは、憤怒の形相で興奮して森から姿を現す。ブリュンヒルデの姿を求めつつ、凄まじい勢いで岩山の頂きにいるヴァルキューレの群れのもとにやってくる) ヴォータン ブリュンヒルデはどこだ?掟を破った女は? お前らは、あの悪人をかくまおうというのか? 8人のヴァルキューレ なんと凄まじい怒りよう! ねえ、お父さま、あたしたちが、 お父さまをそんなに怒らせることをしましたでしょうか? ヴォータン 馬鹿にするな!生意気な口を叩くな! お前らがブリュンヒルデをかくまっていることなどお見通しだ。永劫の呪いを受けた女などと関わってはならん・・・ あの女は、自らの価値をおとしめ、放り投げたのだ! ロスヴァイセ お姉さまは追われて逃げてきたのです。 8人のヴァルキューレ お姉さまは、あたしたちの庇護を求めてきたのです! お父さまの怒りを怖れて、恐怖で胸をいっぱいにして・・・ どうかお願いです・・・可哀想なお姉さまのために。 怒りを抑えて落ち着いてください。 お姉さまへの優しさを取戻し、怒りを収めてください! ヴォータン 軟弱な女たちめ! そんな弱い心を私から受け継いだのか? 私は、お前たちを、戦場に耐えうるような 強く厳しい心の持ち主に 育てたはずなのに、 たかが不実な女ひとりを罰するからと言って、 そんなに泣きわめいたりするのか? 知っているのか?泣き虫ども。 臆病なお前たちが泣いてかばっているこの女のしたことを・・・。 私の心に秘めた想いを、 この子ほど知っている者はいなかった。 私の本当の意志を この子以上に知る者はなかった! ましてや、私がこの世に望みをつないだ理由も、 この子がいたからこそだったのだ・・・ それなのに、この子は幸福な絆を断ち切り、 不実にも私の意志に逆らい、 私の命令を公然と嘲笑い、 私に武器を向けたのだ! この子の幸せを願って、私が作った武器を・・・! 聴こえるか?ブリュンヒルデ! お前に鎧を、兜と武器を、喜びと慈愛を、 名前と身体とを与えたのは、この私ではなかったか? そんな私の嘆きの声を聴きながら、 お前はおびえて身を隠し、 卑怯千万にも罰をまぬがれようというのか? ブリュンヒルデ (ヴァルキューレの一団の中から歩み出ると、控えめではあるがしっかりした足取りで、山頂をくだり、ヴォータンのすぐ前に進み出る) お父さま・・・私はここにいます。罰を下してください! ヴォータン 私が罰するのではない・・・ お前自身がお前を罰すればよい。 お前は私の「意志」によってのみ存在していたはずなのに、 私に逆らう意志を持ったではないか。 私の「命令」を果たす立場だったのに、 私に逆らう命令を出したではないか。 お前は「望みの乙女」だったはずなのに、 私に逆らう望みを抱いたではないか。 私の「盾」となる女だったはずなのに、 その私に盾ついたではないか。 私の意にそって「運命を決める」女だったはずなのに、 私に逆らって運命を決めたではないか。 勇士の「心を動かす」立場だったのに、 私に逆らうよう勇士を動かしたではないか。 かつては、お前のあり方は、ヴォータンが決めていた。 だが、これからのお前のあり方は、お前自身が決めればよい! もはやお前は「望みの乙女」ではない。 かつてはヴァルキューレだったかも知れないが、 これからは、どのようにでもなればいい! ブリュンヒルデ (激しい衝撃を受けて) 私を追放するの?本気でそんなことを? ヴォータン もうお前をヴァルハラから送り出すことはない・・・ お前に割り当てた戦死者を ヴァルハラの広間に 連れてこさせることもないし、 神々の和やかな晩餐で、 私の盃に酒を注いでもらうこともない。 もう、お前の子供っぽい口もとを撫でることもない・・・ お前は神々の一族から追放され、 不死の種族ではなくなる。 もう二人の絆は絶たれた・・・ 二度と私の前に姿を見せるな。 8人のヴァルキューレ (興奮した身振りで、それまでの場所を離れて、少しずつ下のほうに降りて行きながら) ひどいわ!ひどすぎる! お姉さん!お姉さん! ブリュンヒルデ すべて奪うつもりなの?お父さまからいただいたものを! ヴォータン 奪うのは、お前を手に入れる者だ! 私は、お前をこの山に置き去りにする・・・ 無防備の眠りに、固く封じ込めるのだ・・・ そして、通りすがりの人間の男に見つけられ、起こされれば、 その男の餌食になるだけのことだ。 8人のヴァルキューレ (ヴァルキューレ達は極度に興奮して岩山を駆け降りると、不安そうに群れ固まりブリュンヒルデを取り囲む。ブリュンヒルデはヴォータンの前で片膝を立ててひざまずいている) やめてよ!お父様!そんな呪いは取り消して! 輝かしい乙女が、人間の男のために身を落としてしまうなんて?お願いですから聞いてください!おそろしい神! そんな辱めをお姉さんに加えないでください!そんなことを すれば、妹のあたしたちも一緒に汚されるのですよ! ヴォータン 聴こえなかったのか?刑の宣告が? 約束を破ったこの女は、 お前らからは切り離され、 もはや馬に乗って空を駆け巡ることはない。 乙女の花は枯れてしまうのだ・・・。 夫に愛嬌を振りまき、ただの女となって、 その者に一生従順にしたがえばよい・・・。 台所に座って、糸を紡ぎ、 世の物笑いと嘲りを一身に受けるのだ。 (ブリュンヒルデは叫び声をあげて地にくずおれる。他のヴァルキューレは驚きのあまり大声で叫び立てながら、ブリュンヒルデのそばを離れる) おそろしいか?この女の運命が?ならば去れ!この破滅した女から!去るがいい!遠くへ去れ! あえてここにとどまり、 私に逆らって、 こんな哀れな女の味方をするならば、 そんなバカ者は、この女と同じ運命になるぞ! そんな女には、まったく同じ運命を下してやる! さっさと去れ!この岩山に近寄るな! 早くここから去らなければ、 お前らもとんでもないことになるぞ! 8人のヴァルキューレ ひどいわ!なんてひどいことなの! (ヴァルキューレ達は激しい叫び声を上げながら散り散りになり、急いでモミの森の中へと逃げ込む。岩山のへりのすぐ傍に黒雲があるが、森の中で物凄い音が聞こえると、その雲の中からぎらりと稲妻が光る。雲の中には、一団となってひしめき合いながら、馬の手綱を緩めて物凄い勢いで疾駆していくヴァルキューレ達の姿がある。しばらくすると嵐は治まり、雷雲は少しずつ遠ざかっていく。次の第3場では、ようやく回復した天候のもと、たそがれの光が広がり始め、幕切れでは夜となる) 第3場 (ヴォータン、ブリュンヒルデ) (ヴォータンと、彼の足元にじっと横たわっていたブリュンヒルデだけが舞台に取り残される。長く重たい沈黙が続く。変わらぬ姿勢のままで) ブリュンヒルデ (ゆっくりとだが少しずつ頭をもたげ始める。初めはおずおずとしていたが、やがて声を高めて) 私の犯したことは、そんなにも恥ずべきことでしたか・・・? そんなに恥ずかしい罰を下されるほど。 私のしたことは、そんなにも不品行なことでしたか・・・? そんなに深く私の品位を傷つけるほど。 私は、そんなにも不名誉なことをしたというのですか・・・? 名誉を勝手に奪い去られてしまうほど。 (次第に身を起こし、ひざまずいて) 教えて!お父さま!私の目をよく見て・・・ どうか怒らないで、私に教えてください。 どんないかがわしい罪を私が犯したと言うの! お父さまが、ご自身の意に逆らってまでも、 大切な我が子を追放せざるを得ないほどの! ヴォータン (身じろぎひとつせず、真剣で陰鬱な顔をして) お前のしたことをよく考えてみろ。そうすれば、その罪が分かるはずだ! ブリュンヒルデ 私はお父さまの命令を果たしただけです。 ヴォータン お前に命じたか?ヴェルズングの側に立って戦えなどと・・・ ブリュンヒルデ 戦場を司る神として、お父さまはそうお命じになりました! ヴォータン だが、その指示は撤回したではないか! ブリュンヒルデ フリッカがお父さまの本来の意志を歪めたからです・・・ フリッカの考えに従ったとき、 お父さまは、あなたご自身の敵となったのです。 ヴォータン (小声で、苦々しく) お前なら私の思いを理解してくれる…私はそう思っていた。 そうと知っていて叛いたからこそ、罰したのだ。 お前はこの私を・・・愚かで卑怯な男とみなしたのだ! お前は、私が裏切りに罰を与えないとでも思っていたのか・・・? お前にとって、私の怒りは、そんなに軽いものだったのか? ブリュンヒルデ 私は知恵の回らない娘です。ですが一つだけ知っていたことがあります・・・ それは・・・お父さまがヴェルズングのジークムントを愛していたこと。 そのことをすっかり忘れねばならないという 引き裂かれる気持ちが、私に伝わりました。 お父さまはご自身の意に反して、事を進めていたのです。 あまりにもつらすぎたのです…そうだと認めることは… お父さまがジークムントを守れないということは。 ヴォータン そこまで分かっていたにもかかわらず、あの男を守ろうとしたのか? ブリュンヒルデ (ひそやかに語りはじめる) 私がそうした理由は、 「それ」を見たからです。 お父さまは、別のこととの板挟みになって、 「それ」に仕方なく目を背けざるを得なかったけれど! いつも戦場でヴォータンの背中を追いかけていた娘は、 今初めて、お父さまが見なかったものを見たのです・・・ あの「ジークムント」を、私はこの目にしたのです。 私は、彼に死を宣告するために歩み出て、 その瞳を見つめ、声を聴きました。 心の底からの苦難の声を聴き、 比類なき勇者の嘆きを耳にしたのです。 ああ・・・最も自由な恋愛が直面した恐ろしい苦悩・・・ 最も悲痛な心情が企てた力強き反抗! そのとき、耳に残り、目に焼き付いたもの・・・ それは深く心に突き刺さり、 存在の底の底から、私を揺さぶったのです。 恥ずかしさのあまり呆然として、私は立ち尽くしました。 この人の役に立とうとしか考えられなかったのです・・・ 勝利でも死でも、ジークムントと分かち合おう・・・ 私が選び取るべき道はそれしかありませんでした! この愛を・・・私の心に注ぎ込んだもの・・・ 私をヴェルズングと共に戦わせたもの…それはお父さまご自身の想い。その想いを胸に抱きしめ、私はお父さまの命令に逆らったのです。 ヴォータン そうか・・・お前は私が望んで果たせなかったことをしたわけだな・・・苦しみに引き裂かれる私にはできなかったことを。 だが、心の歓びをそんなに簡単に手に入れられるとでも思ったのか? 私はどうなる?…心を悲しみに焼き尽くされた私は… つらい苦しみが打ち続くあまり、 憎悪ばかりが膨れ上がって、 苦しみ病める心で 世界が「愛」へと向かうことを妨げている私は・・・。 自分自身の現実の姿に 死ぬほどあらがいつつ、 気が狂いそうな苦痛のために、 激昂して立ち上がり、 狂わんばかりの憧れに浸りながら、 この世界を木っ端微塵にすることによって、 永遠に続く悲哀を終わらせようという 恐ろしい願いをもてあそぶ私は・・・。 そんな私を横目に見つつ、お前は甘い歓びに浸るのか・・・。 歓びの到来に陶酔するあまり、 お前は笑って愛の薬を飲むというのか・・・? 私の身を神々の危機がむしばむこの時に。 お前はそんな軽薄な女だったのか・・・ならば勝手にやればよい・・・私との絆はもう断たれたのだから。 もうお前と一緒にいることはできない。 お前と二人で色々な思いをめぐらすことも、 もうできない。 これからは離れ離れになったまま、 何一つ共にはできないのだ・・・ この生が続く限り、この空が続く限り、 お前と私とが、再び出会うことはないのだ! ブリュンヒルデ ほんとに、こんな愚かな娘は何のお役にも立てませんでした・・・ お父さまに何を教わっても ただ驚くだけで、まるで学び取れなかったのですから。 でも、私が学んだことが、 たった一つだけあります。 それは「愛すること」です…あなたが愛したものを…。 私は追放され、もうお会いすることはできませんが、 お父さまのほうも、今まで体の一部だったものを捨て去り、 遠くに半身を置きざりにするようなものなのですよ。 かつてはお父さまの一部分だった私という存在を・・・ お父さま!神よ!それだけは忘れないで! お父さまの永遠の半身である私を辱めないで! お父さまご自身の屈辱を望まないで! 恥辱に沈む私を見れば、 お父さまの身も辱めることになるのですから! ヴォータン お前は、愛の力に屈したのだ・・・ ならば愛する定めの男には、誰であれ従うほかないのだ! ブリュンヒルデ 私がヴァルハラを離れ、 もうお父さまとは行動を共にできず、 この先は人間の男に仕えねばならないとしても、 決して口先だけの卑怯な男には与えないでください! 私を手に入れる男が、無価値な男でないようにしてください。 ヴォータン お前と私は縁を切るのだ・・・ だから、私が選ぶことはできない。 ブリュンヒルデ (小声で、内緒ごとを相談するかのように) お父さまは高貴な一族を創り出しました。 そこから弱い男が生まれるはずはありません。 最もすぐれた勇者は・・・そうです・・・ あのヴェルズング族から生まれてくるのです。 ヴォータン なぜヴェルズング族の話などを! お前と縁を切った時、私はヴェルズング族からも縁を切ったのだ・・・妬みが、あの一族を滅ぼしたのだ! ブリュンヒルデ ヴェルズング族の命脈は、お父さまの手を逃れたあの女性がつないだのです。 (内緒ごとを言うかのように) ジークリンデのお腹の中には清らかな赤ん坊がいます。 どんな女性も味わったことのないような苦しみの中で、 あの女の人は お腹に宿ったその子を産むでしょう。 ヴォータン あの女の庇護を私に求めようとでも言うのか!? その腹の中の子供までもか!? ブリュンヒルデ (内緒ごとを言うかのように) お父さまがジークムントのために作った剣は、今あの女性の手にあるのです。 ヴォータン (声を荒らげて) 私はその剣を砕いたではないか! 小娘め・・・!なぜ私の意志をくじこうとする・・・! お前は来たるべき運命を待つがいい。 もう私はお前の運命を決められないのだ! ああ・・・行かねばならない・・・ ずいぶんここで時間を無駄にしてしまった。 これ以上、謀反人などと付き合っていられるか。 お前の願いを聞くことなどできない・・・ 私は罰の執行を見届けるために、ここにいるだけだ! ブリュンヒルデ 私が我慢できるような罰を・・・お考えになったのですか? ヴォータン お前を深い眠りに封じ込める・・・。 無防備な女の姿のお前を見つけ、眠りから覚ました者が、 お前を妻とするのだ! ブリュンヒルデ (祈るようにひざまずいて) 私が深い眠りに閉じ込められ、 弱い人間の男の手に入るとしても、 たった一つだけはお聞き届けください。 ほんとうに、ほんとうに、お願いです! 眠る女を護ってください!近寄りがたい何か恐ろしいもので! そうすれば、恐れを知らない自由な勇者だけが、 いつか岩山の私を見い出すはずです! ヴォータン 望みが過ぎるぞ!そんなに甘やかせるものか! ブリュンヒルデ (ヴォータンの足にすがりついて) どうしてもお聞き届けください! 私・・・お父さまにすがりつくこの私を打ち殺し、 粉々に踏みにじってもいい・・・ 跡形も残らないほど、槍で体を引きちぎってもいい・・・ ですが、お父さまがどんなに残酷な方でも、 恥辱だけは・・・ひどすぎる辱しめだけは私に与えないで! (我を忘れたように激しく) お父さまの命令で炎を燃やし、 燃え上がる火焔で岩山を取り巻いて! ゆらめく炎で岩山を焦がして! そうすれば、弱い男が私に近づいてきても、 その炎が飲み込んでくれるわ! ヴォータン (ヴォータンはブリュンヒルデの激しい願いに圧倒され、深く心を揺り動かされ、感情を取り戻して彼女のほうへ振り向く。ひざまずいていたブリュンヒルデを起き上がらせると、あふれる想いのままに、その眼に口づけする) さらばだ・・・勇敢で立派な我が子よ! 我が心の清らかな誇りよ! さらば・・・さらば・・・さらば! (愛情をあふれさせて) 別れねばならない。 お前と、愛を込めて 目配せを交わすことはもうできない。 並んで馬を走らせることもできないし、 酒宴(うたげ)の酒を注いでもらうこともない。 愛するお前を失ってしまう・・・ 我が眼の癒しそのものの、お前の笑顔を・・・ 花嫁を守る炎よ!燃え盛れ! 乙女を求めるどんな若者も見たことがないほどに! 岩山を取り巻け・・・ 焼き尽くし、燃やし尽くして、 弱い者が近づけないようにするのだ・・・! 弱き者は、ブリュンヒルデの岩山に近づいてはならない! なぜなら、この花嫁を手に入れる者は、 神である私より、もっと「自由」でなくてはならないからだ! (ブリュンヒルデは感極まってヴォータンの胸に顔を沈め、父と娘はずっと抱きしめ合ったままでいる。やがてブリュンヒルデは顔を起こし、なおもヴォータンを抱きしめながら、荘厳なまでの感動を込めてヴォータンの瞳を見つめる) このきらめく両眼・・・ 何度も、にこりと私に微笑んだ・・・ 戦場でのお前の勇気を称えて、私が口づけしたとき・・・ ろれつの回らぬ舌で、可愛く唇をふるわせながら、 勇者を讃える歌をお前が歌ったとき・・・ このかがやく両眼で、 なんども戦場でまばたきし、 希望の憧れを心に燃やし、 不安に揺れる私の想いを、 現世の歓びへの願いに変えてくれたとき。 それも今日が最後なのか・・・。 お前の想いを伝えてくれ・・・ 最期の別れの、この口づけで! お前を手に入れる男には 幸せの星がまたたくだろうが、 不幸せで、不死な私には 別れの結末があるだけだ。 (ブリュンヒルデの顔を両手に包みながら) お前から神は去っていく・・・ 私の口づけが、お前から神性を奪うとき! (ヴォータンは長い間、ブリュンヒルデの目に口づけする。ブリュンヒルデは目を閉じ、静かに体の力を抜きながら、ヴォータンの腕の中で仰向けに倒れていく。モミの木の太い枝が空を遮る苔むす丘の上に、ヴォータンはブリュンヒルデを横たえる。ヴォータンはブリュンヒルデを見つめながら、兜の目庇(まびさし)を閉じる。そうしながらも、ヴォータンは、ヴァルキューレの大きな鉄の盾にすっぽりと覆われながら眠っているブリュンヒルデの姿から目を逸らすことができない。ようやくゆっくりと目を逸らしたかと思うと、またもう一度、苦悩に満ちた眼差しで振り返る。だが、ついにヴォータンは意を決して、重々しく舞台の中央に進み出ると、手にした槍の穂先を巨大な岩へと向ける) ローゲ!よく聴け! はじめ私はお前を、燃え盛る「ほむら」(ローゲ)として見出だしたな!しかし、お前は、私から逃げてからは、 さまようだけの「ほのお」(ローエ)となってしまった! 私は今こそ、昔とらえたお前の姿を解き放つのだ! 来るのだ!燃えはじける炎よ! 燃えさかりながら、この岩山を取り囲め! (ヴォータンは次の台詞とともに、岩の頂きを槍で三度突く) ローゲ!ローゲよ!来たれ! (その岩からは火が溢れだし、次第に明るさを増す炎となって膨れ上がる。突如、炎が勢いよく天を突いて赤々と揺らめく。その火焔は、ゆらゆらと揺れながら物凄い勢いでヴォータンを取り囲むが、ヴォータンはその火の海に対して、岩山のへりを取り巻いて流れるように槍で命じる。すると炎はすぐに舞台後方へと遠ざかっていき、山裾を取り巻いて燃え続ける) 我が槍の穂先を怖れる者よ! 絶対に・・・この火を越えてはならないぞ! (ヴォータンは、禁令を発するかのように槍を伸ばすが、やがて苦悩に満ちて振り返り、ブリュンヒルデの姿を見つめる。もう一度だけ振り返り、ゆっくりと去って行こうとするが、またも振り返り、ブリュンヒルデをじっと見つめる。ヴォータンの姿は次第に炎に隠れて見えなくなっていく。幕が下りる) DRITTER AUFZUG Auf dem Gipfel eines Felsenberges. Rechts begrenzt ein Tannenwald die Szene. Links der Eingang einer Felshöhle, die einen natürlichen Saal bildet darüber steigt der Fels zu seiner höchsten Spitze auf. Nach hinten ist die Aussicht gänzlich frei; höhere und niedere Felssteine bilden den Rand vor dem Abhange, der - wie anzunehmen ist - nach dem Hintergrund zu steil hinabführt. Einzelne Wolkenzüge jagen, wie vom Sturm getrieben, am Felsensaume vorbei VORSPIEL UND ERSTE SZENE Gerhilde, Ortlinde, Waltraute und Schwertleite, später Helmwige, Siegrune, Grimgerde, Rossweisse, Brünnhilde, Sieglinde, Gerhilde, Ortlinde, Waltraute und Schwertleite haben sich auf der Felsspitze, an und über der Höhle, gelagert, sie sind in voller Waffenrüstung GERHILDE zuhöchst gelagert und dem Hintergrunde zurufend, wo ein starkes Gewölk herzieht Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha! Helmwige! Hier! Hieher mit dem Ross! HELMWIGES STIMME im Hintergrunde Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! In dem Gewölk bricht Blitzesglanz aus; eine Walküre zu Ross wird in ihm sichtbar über ihrem Sattel hängt ein erschlagener Krieger. Die Erscheinung zieht, immer näher, am Felsensaume von links nach rechts vorbei GERHILDE, WALTRAUTE UND SCHWERTLEITE der Ankommenden entgegenrufend Heiaha! Heiaha! Die Wolke mit der Erscheinung ist rechts hinter dem Tann verschwunden ORTLINDE in den Tann hineinrufend Zu Ortlindes Stute stell deinen Hengst mit meiner Grauen grast gern dein Brauner! WALTRAUTE hineinrufend Wer hängt dir im Sattel? HELMWIGE aus dem Tann auftretend Sintolt, der Hegeling! SCHWERTLEITE Führ deinen Brauen fort von der Grauen Ortlindes Mähre trägt Wittig, den Irming! GERHILDE ist etwas näher herabgestiegen Als Feinde nur sah ich Sintolt und Wittig! ORTLINDE springt auf Heiaha! Die Stute stösst mir der Hengst! Sie läuft in den Tann Schwertleite, Gerhilde und Helmwige lachen laut auf GERHILDE Der Recken Zwist entzweit noch die Rosse! HELMWIGE in den Tann zurückrufend Ruhig, Brauner! Brich nicht den Frieden! WALTRAUTE auf der Höhe, wo sie für Gerhilde die Wacht übernommen, nach rechts in den Hintergrund rufend Hoioho! Hoioho! Siegrune, hier! Wo säumst du so lang? Sie lauscht nach rechts SIEGRUNES STIMME von der rechten Seite des Hintergrundes her Arbeit gab s! Sind die andren schon da? SCHWERTLEITE UND WALTRAUTE nach rechts in den Hintergrund rufend Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! GERHILDE Heiaha! Ihre Gebärden sowie ein heller Glanz hinter dem Tann zeigen an, dass soeben Siegrune dort angelangt ist. Aus der Tiefe hört man zwei Stimmen zugleich GRIMGERDE UND ROSSWEISSE links im Hintergrunde Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! WALTRAUTE nach links Grimgerd und Rossweisse! GERHILDE ebenso Sie reiten zu zwei. In einem blitzerglänzenden Wolkenzuge, der von links her vorbeizieht, erscheinen Grimgerde und Rossweisse, ebenfalls auf Rossen, jede einen Erschlagenen im Sattel führend. Helmwige, Ortlinde und Siegrune sind aus dem Tann getreten und winken vom Felsensaume den Ankommenden zu HELMWIGE, ORTLINDE UND SIEGRUNE Gegrüsst, ihr Reisige! Rossweiss und Grimgerde! ROSSWEISSES UND GRIMGERDES STIMMEN Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Die Erscheinung verschwindet hinter dem Tann DIE SECHS ANDEREN WALKÜREN Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha! GERHILDE in den Tann rufend In Wald mit den Rossen zu Weid und Rast! ORTLINDE ebenfalls in den Tann rufend Führet die Mähren fern von einander, bis unsrer Helden Hass sich gelegt! Die Walküren lachen HELMWIGE während die anderen lachen Der Helden Grimm büsste schon die Graue! Die Walküren lachen ROSSWEISSE UND GRIMGERDE aus dem Tann tretend Hojotoho! Hojotoho! DIE SECHS ANDEREN WALKÜREN Willkommen! Willkommen! SCHWERTLEITE Wart ihr Kühnen zu zwei? GRIMGERDE Getrennt ritten wir und trafen uns heut . ROSSWEISSE Sind wir alle versammelt, so säumt nicht lange nach Walhall brechen wir auf, Wotan zu bringen die Wal. HELMWIGE Acht sind wir erst eine noch fehlt. GERHILDE Bei dem braunen Wälsung weilt wohl noch Brünnhilde. WALTRAUTE Auf sie noch harren müssen wir hier Walvater gäb uns grimmigen Gruss, säh ohne sie er uns nahn! SIEGRUNE auf der Felswarte, von wo sie hinausspäht Hojotoho! Hojotoho! in den Hintergrund rufend Hieher! Hieher! zu den anderen In brünstigem Ritt jagt Brünnhilde her. DIE ACHT WALKÜREN alle eilen auf die Warte Hojotoho! Hojotoho! Brünnhilde! Hei! Sie spähen mit wachsender Verwunderung WALTRAUTE Nach dem Tann lenkt sie das taumelnde Ross. GRIMGERDE Wie schnaubt Grane vom schnellen Ritt! ROSSWEISSE So jach sah ich nie Walküren jagen! ORTLINDE Was hält sie im Sattel? HELMWIGE Das ist kein Held! SIEGRUNE Eine Frau führt sie! GERHILDE Wie fand sie die Frau? SCHWERTLEITE Mit keinem Gruss grüsst sie die Schwestern! WALTRAUTE hinabrufend Heiaha! Brünnhilde! Hörst du uns nicht? ORTLINDE Helft der Schwester vom Ross sich schwingen! Gerhilde und Helmwige stürzen in den Tann. Siegrune und Rossweisse laufen ihnen nach HELMWIGE, GERHILDE, SIEGRUNE, ROSSWEISSE Hojotoho! Hojotoho! ORTLINDE, WALTRAUTE, GRIMGERDE, SCHWERTLEITE Heiaha! WALTRAUTE in den Tann blickend Zu Grunde stürzt Grane, der Starke! GRIMGERDE Aus dem Sattel hebt sie hastig das Weib! ORTLINDE, WALTRAUTE, GRIMGERDE, SCHWERTLEITE alle in den Tann laufend Schwester! Schwester! Was ist geschehn? Alle Walküren kehren auf die Bühne zurück; mit ihnen kommt Brünnhilde, Sieglinde unterstützend und hereingeleitend BRÜNNHILDE atemlos Schützt mich und helft in höchster Not! DIE ACHT WALKÜREN Wo rittest du her in rasender Hast? So fliegt nur, wer auf der Flucht! BRÜNNHILDE Zum erstenmal flieh ich und bin verfolgt Heervater hetzt mir nach! DIE ACHT WALKÜREN heftig erschreckend Bist du von Sinnen? Sprich! Sage uns! Wie? Verfolgt dich Heervater? Fliehst du vor ihm? BRÜNNHILDE wendet sich ängstlich, um zu spähen, und kehrt wieder zurück O Schwestern, späht von des Felsens Spitze! Schaut nach Norden, ob Walvater naht! Ortlinde und Waltraute springen auf die Felsenspitze zur Warte Schnell! Seht ihr ihn schon? ORTLINDE Gewittersturm naht von Norden. WALTRAUTE Starkes Gewölk staut sich dort auf! DIE WEITEREN SECHS WALKÜREN Heervater reitet sein heiliges Ross! BRÜNNHILDE Der wilde Jäger, der wütend mich jagt, er naht, er naht von Norden! Schützt mich, Schwestern! Wahret dies Weib! SECHS WALKÜREN Was ist mit dem Weibe? BRÜNNHILDE Hört mich in Eile Sieglinde ist es, Siegmunds Schwester und Braut gegen die Wälsungen wütet Wotan in Grimm; dem Bruder sollte Brünnhilde heut entziehen den Sieg; doch Siegmund schützt ich mit meinem Schild, trotzend dem Gott! Der traf ihn da selbst mit dem Speer Siegmund fiel; doch ich floh fern mit der Frau; sie zu retten, eilt ich zu euch - ob mich Bange auch kleinmütig ihr berget vor dem strafenden Streich! SECHS WALKÜREN in grösster Bestürzung Betörte Schwester, was tatest du? Wehe! Brünnhilde, wehe! Brach ungehorsam Brünnhilde Heervaters heilig Gebot? WALTRAUTE von der Warte Nächtig zieht es von Norden heran. ORTLINDE ebenso Wütend steuert hieher der Sturm. ROSSWEISSE, GRIMGERDE, SCHWERTLEITE dem Hintergrunde zugewendet Wild wiehert Walvaters Ross. HELMWIGE, GERHILDE, SCHWERTLEITE Schrecklich schnaubt es daher! BRÜNNHILDE Wehe der Armen, wenn Wotan sie trifft den Wälsungen allen droht er Verderben! - Wer leiht mir von euch das leichteste Ross, das flink die Frau ihm entführ ? SIEGRUNE Auch uns rätst du rasenden Trotz? BRÜNNHILDE Rossweisse, Schwester, leih mir deinen Renner! ROSSWEISSE Vor Walvater floh der fliegende nie. BRÜNNHILDE Helmwige, höre! HELMWIGE Dem Vater gehorch ich. BRÜNNHILDE Grimgerde! Gerhilde! Gönnt mir eu r Ross! Schwertleite! Siegrune! Seht meine Angst! Seid mir treu, wie traut ich euch war rettet dies traurige Weib! SIEGLINDE die bisher finster und kalt vor sich hingestarrt, fährt, als Brünnhilde sie lebhaft - wie zum Schutze - umfasst, mit einer abwehrenden Gebärde auf Nicht sehre dich Sorge um mich einzig taugt mir der Tod! Wer hiess dich Maid, dem Harst mich entführen? Im Sturm dort hätt ich den Streich empfah n von derselben Waffe, der Siegmund fiel das Ende fand ich vereint mit ihm! Fern von Siegmund - Siegmund, von dir! - O deckte mich Tod, dass ich s denke! Soll um die Flucht dir, Maid, ich nicht fluchen, so erhöre heilig mein Flehen stosse dein Schwert mir ins Herz! BRÜNNHILDE Lebe, o Weib, um der Liebe willen! Rette das Pfand, das von ihm du empfingst stark und drängend ein Wälsung wächst dir im Schoss! SIEGLINDE erschrickt zunächst heftig; sogleich strahlt aber ihr Gesicht in erhabener Freude auf Rette mich, Kühne! Rette mein Kind! Schirmt mich, ihr Mädchen, mit mächtigstem Schutz! Immer finstereres Gewitter steigt im Hintergrunde auf nahender Donner WALTRAUTE auf der Warte Der Sturm kommt heran. ORTLINDE ebenso Flieh , wer ihn fürchtet! DIE SECHS ANDEREN WALKÜREN Fort mit dem Weibe, droht ihm Gefahr der Walküren keine wag ihren Schutz! SIEGLINDE auf den Knien vor Brünnhilde Rette mich, Maid! Rette die Mutter! BRÜNNHILDE mit lebhaftem Entschluss hebt sie Sieglinde auf So fliehe denn eilig - und fliehe allein! Ich bleibe zurück, biete mich Wotans Rache an mir zögr ich den Zürnenden hier, während du seinem Rasen entrinnst. SIEGLINDE Wohin soll ich mich wenden? BRÜNNHILDE Wer von euch Schwestern schweifte nach Osten? SIEGRUNE Nach Osten weithin dehnt sich ein Wald der Niblungen Hort entführte Fafner dorthin. SCHWERTLEITE Wurmesgestalt schuf sich der Wilde in einer Höhle hütet er Alberichs Reif! GRIMGERDE Nicht geheu r ist s dort für ein hilflos Weib. BRÜNNHILDE Und doch vor Wotans Wut schützt sie sicher der Wald ihn scheut der Mächt ge und meidet den Ort. WALTRAUTE auf der Warte Furchtbar fährt dort Wotan zum Fels. SECHS WALKÜREN Brünnhilde, hör seines Nahens Gebraus ! BRÜNNHILDE Sieglinde die Richtung weisend Fort denn eile, nach Osten gewandt! Mutigen Trotzes ertrag alle Müh n, - Hunger und Durst, Dorn und Gestein; lache, ob Not, ob Leiden dich nagt! Denn eines wiss und wahr es immer den hehrsten Helden der Welt hegst du, o Weib, im schirmenden Schoss! - Sie zieht die Stücken von Siegmunds Schwert unter ihrem Panzer hervor und überreicht sie Sieglinde Verwahr ihm die starken Schwertesstücken; seines Vaters Walstatt entführt ich sie glücklich der neugefügt das Schwert einst schwingt, den Namen nehm er von mir - "Siegfried" erfreu sich des Siegs! SIEGLINDE in grösster Rührung O hehrstes Wunder! Herrlichste Maid! Dir Treuen dank ich heiligen Trost! Für ihn, den wir liebten, rett ich das Liebste meines Dankes Lohn lache dir einst! Lebe wohl! Dich segnet Sieglindes Weh ! Sie eilt rechts im Vordergrunde von dannen. - Die Felsenhöhe ist von schwarzen Gewitterwolken umlagert; furchtbarer Sturm braust aus dem Hintergrunde daher, wachsender Feuerschein rechts daselbst WOTANS STIMME Steh ! Brünnhild ! Brünnhilde, nachdem sie eine Weile Sieglinde nachgesehen, wendet sich in den Hintergrund, blickt in den Tann und kommt angstvoll wieder vor ORTLINDE UND WALTRAUTE von der Warte herabsteigend Den Fels erreichten Ross und Reiter! ALLE ACHT WALKÜREN Weh , Brünnhild ! Rache entbrennt! BRÜNNHILDE Ach, Schwestern, helft! Mir schwankt das Herz! Sein Zorn zerschellt mich, wenn euer Schutz ihn nicht zähmt. DIE ACHT WALKÜREN flüchten ängstlich nach der Felsenspitze hinauf; Brünnhilde lässt sich von ihnen nachziehen Hieher, Verlor ne! Lass dich nicht sehn! Schmiege dich an uns und schweige dem Ruf! Sie verbergen Brünnhilde unter sich und blicken ängstlich nach dem Tann, der jetzt von grellem Feuerschein erhellt wird, während der Hintergrund ganz finster geworden ist Weh ! Wütend schwingt sich Wotan vom Ross! - Hieher rast sein rächender Schritt! ZWEITE SZENE Die Vorigen, Wotan Wotan tritt in höchster zorniger Aufgeregtheit aus dem Tann auf und schreitet vor der Gruppe der Walküren auf der Höhe, nach Brünnhilde spähend, heftig einher. WOTAN Wo ist Brünnhild , wo die Verbrecherin? Wagt ihr, die Böse vor mir zu bergen? DIE ACHT WALKÜREN Schrecklich ertost dein Toben! Was taten, Vater, die Töchter, dass sie dich reizten zu rasender Wut? WOTAN Wollt ihr mich höhnen? Hütet euch, Freche! Ich weiss Brünnhilde bergt ihr vor mir. Weichet von ihr, der ewig Verworfnen, wie ihren Wert von sich sie warf! ROSSWEISSE Zu uns floh die Verfolgte. DIE ACHT WALKÜREN Unsern Schutz flehte sie an! Mit Furcht und Zagen fasst sie dein Zorn für die bange Schwester bitten wir nun, dass den ersten Zorn du bezähmst. Lass dich erweichen für sie, zähm deinen Zorn! WOTAN Weichherziges Weibergezücht! So matten Mut gewannt ihr von mir? Erzog ich euch, kühn zum Kampfe zu zieh n, schuf ich die Herzen euch hart und scharf, dass ihr Wilden nun weint und greint, wenn mein Grimm eine Treulose straft? So wisst denn, Winselnde, was sie verbrach, um die euch Zagen die Zähre entbrennt Keine wie sie kannte mein innerstes Sinnen; keine wie sie wusste den Quell meines Willens! Sie selbst war meines Wunsches schaffender Schoss - und so nun brach sie den seligen Bund, dass treulos sie meinem Willen getrotzt, mein herrschend Gebot offen verhöhnt, gegen mich die Waffe gewandt, die mein Wunsch allein ihr schuf! - Hörst du s, Brünnhilde? Du, der ich Brünne, Helm und Wehr, Wonne und Huld, Namen und Leben verlieh? Hörst du mich Klage erheben, und birgst dich bang dem Kläger, dass feig du der Straf entflöhst? BRÜNNHILDE tritt aus der Schar der Walküren hervor, schreitet demütigen, doch festen Schrittes von der Felsenspitze herab und tritt so in geringer Entfernung vor Wotan Hier bin ich, Vater gebiete die Strafe! WOTAN Nicht straf ich dich erst deine Strafe schufst du dir selbst. Durch meinen Willen warst du allein gegen ihn doch hast du gewollt; meinen Befehl nur führtest du aus gegen ihn doch hast du befohlen; Wunschmaid warst du mir gegen mich doch hast du gewünscht; Schildmaid warst du mir gegen mich doch hobst du den Schild; Loskieserin warst du mir gegen mich doch kiestest du Lose; Heldenreizerin warst du mir gegen mich doch reiztest du Helden. Was sonst du warst, sagte dir Wotan was jetzt du bist, das sage dir selbst! Wunschmaid bist du nicht mehr; Walküre bist du gewesen nun sei fortan, was so du noch bist! BRÜNNHILDE heftig erschreckend Du verstössest mich? Versteh ich den Sinn? WOTAN Nicht send ich dich mehr aus Walhall; nicht weis ich dir mehr Helden zur Wal; nicht führst du mehr Sieger in meinen Saal bei der Götter trautem Mahle das Trinkhorn nicht reichst du traulich mir mehr; nicht kos ich dir mehr den kindischen Mund; von göttlicher Schar bist du geschieden, ausgestossen aus der Ewigen Stamm; gebrochen ist unser Bund; aus meinem Angesicht bist du verbannt. DIE ACHT WALKÜREN verlassen, in aufgeregter Bewegung, ihre Stellung, indem sie sich etwas tiefer herabziehen Wehe! Weh ! Schwester, ach Schwester! BRÜNNHILDE Nimmst du mir alles, was einst du gabst? WOTAN Der dich zwingt, wird dir s entziehn! Hieher auf den Berg banne ich dich; in wehrlosen Schlaf schliess ich dich fest der Mann dann fange die Maid, der am Wege sie findet und weckt. DIE ACHT WALKÜREN kommen in höchster Aufregung von der Felsenspitze ganz herab und umgeben in ängstlichen Gruppen Brünnhilde, welche halb kniend vor Wotan liegt Halt ein, o Vater! Halt ein den Fluch! Soll die Maid verblühn und verbleichen dem Mann? Hör unser Fleh n! Schrecklicher Gott, wende von ihr die schreiende Schmach! Wie die Schwester träfe uns selber der Schimpf! WOTAN Hörtet ihr nicht, was ich verhängt? Aus eurer Schar ist die treulose Schwester geschieden; mit euch zu Ross durch die Lüfte nicht reitet sie länger; die magdliche Blume verblüht der Maid; ein Gatte gewinnt ihre weibliche Gunst; dem herrischen Manne gehorcht sie fortan; am Herde sitzt sie und spinnt, aller Spottenden Ziel und Spiel. Brünnhilde sinkt mit einem Schrei zu Boden; die Walküren weichen entsetzt mit heftigem Geräusch von ihrer Seite Schreckt euch ihr Los? So flieht die Verlorne! Weichet von ihr und haltet euch fern! Wer von euch wagte bei ihr zu weilen, wer mir zum Trotz zu der Traurigen hielt - die Törin teilte ihr Los das künd ich der Kühnen an! Fort jetzt von hier; meidet den Felsen! Hurtig jagt mir von hinnen, sonst erharrt Jammer euch hier! DIE ACHT WALKÜREN Weh! Weh! Die Walküren fahren mit wildem Wehschrei auseinander und stürzen in hastiger Flucht in den Tann. Schwarzes Gewölk lagert sich dicht am Felsenrande man hört wildes Geräusch im Tann. Ein greller Blitzesglanz bricht in dem Gewölk aus; in ihm erblickt man die Walküren mit verhängtem Zügel, in eine Schar zusammengedrängt, wild davonjagen. Bald legt sich der Sturm; die Gewitterwolken verziehen sich allmählich. In der folgenden Szene bricht, bei endlich ruhigem Wetter, Abenddämmerung ein, der am Schlusse Nacht folgt DRITTE SZENE Wotan, Brünnhilde Wotan und Brünnhilde, die noch zu seinen Füssen hingestreckt liegt, sind allein zurückgeblieben. Langes, feierliches Schweigen unveränderte Stellung BRÜNNHILDE beginnt das Haupt langsam ein wenig zu erheben. Schüchtern beginnend und steigernd. War es so schmählich, was ich verbrach, dass mein Verbrechen so schmählich du bestrafst? War es so niedrig, was ich dir tat, dass du so tief mir Erniedrigung schaffst? War es so ehrlos, was ich beging, dass mein Vergehn nun die Ehre mir raubt? Sie erhebt sich allmählich bis zur knienden Stellung O sag , Vater! Sieh mir ins Auge schweige den Zorn, zähme die Wut, und deute mir hell die dunkle Schuld, die mit starrem Trotze dich zwingt, zu verstossen dein trautestes Kind! WOTAN in unveränderter Stellung, ernst und düster Frag deine Tat, sie deutet dir deine Schuld! BRÜNNHILDE Deinen Befehl führte ich aus. WOTAN Befahl ich dir, für den Wälsung zu fechten? BRÜNNHILDE So hiessest du mich als Herrscher der Wal! WOTAN Doch meine Weisung nahm ich wieder zurück! BRÜNNHILDE Als Fricka den eignen Sinn dir entfremdet; da ihrem Sinn du dich fügtest, warst du selber dir Feind. WOTAN leise und bitter Dass du mich verstanden, wähnt ich, und strafte den wissenden Trotz doch feig und dumm dachtest du mich! So hätt ich Verrat nicht zu rächen; zu gering wärst du meinem Grimm? BRÜNNHILDE Nicht weise bin ich, doch wusst ich das eine, dass den Wälsung du liebtest. Ich wusste den Zwiespalt, der dich zwang, dies eine ganz zu vergessen. Das andre musstest einzig du sehn, was zu schaun so herb schmerzte dein Herz dass Siegmund Schutz du versagtest. WOTAN Du wusstest es so, und wagtest dennoch den Schutz? BRÜNNHILDE leise beginnend Weil für dich im Auge das eine ich hielt, dem, im Zwange des andren schmerzlich entzweit, ratlos den Rücken du wandtest! Die im Kampfe Wotan den Rücken bewacht, die sah nun das nur, was du nicht sahst - Siegmund musst ich sehn. Tod kündend trat ich vor ihn, gewahrte sein Auge, hörte sein Wort; ich vernahm des Helden heilige Not; tönend erklang mir des Tapfersten Klage freiester Liebe furchtbares Leid, traurigsten Mutes mächtigster Trotz! Meinem Ohr erscholl, mein Aug erschaute, was tief im Busen das Herz zu heilgem Beben mir traf. Scheu und staunend stand ich in Scham. Ihm nur zu dienen konnt ich noch denken Sieg oder Tod mit Siegmund zu teilen dies nur erkannt ich zu kiesen als Los! - Der diese Liebe mir ins Herz gehaucht, dem Willen, der dem Wälsung mich gesellt, ihm innig vertraut, trotzt ich deinem Gebot. WOTAN So tatest du, was so gern zu tun ich begehrt, doch was nicht zu tun die Not zwiefach mich zwang? So leicht wähntest du Wonne des Herzens erworben, wo brennend Weh in das Herz mir brach, wo grässliche Not den Grimm mir schuf, einer Welt zuliebe der Liebe Quell im gequälten Herzen zu hemmen? Wo gegen mich selber ich sehrend mich wandte, aus Ohnmachtschmerzen schäumend ich aufschoss, wütender Sehnsucht sengender Wunsch den schrecklichen Willen mir schuf, in den Trümmern der eignen Welt meine ew ge Trauer zu enden - da labte süss dich selige Lust; wonniger Rührung üppigen Rausch enttrankst du lachend der Liebe Trank, als mir göttlicher Not nagende Galle gemischt? Deinen leichten Sinn lass dich denn leiten von mir sagtest du dich los. Dich muss ich meiden, gemeinsam mit dir nicht darf ich Rat mehr raunen; getrennt, nicht dürfen traut wir mehr schaffen so weit Leben und Luft darf der Gott dir nicht mehr begegnen! BRÜNNHILDE Wohl taugte dir nicht die tör ge Maid, die staunend im Rate nicht dich verstand, wie mein eigner Rat nur das eine mir riet zu lieben, was du geliebt. - Muss ich denn scheiden und scheu dich meiden, musst du spalten, was einst sich umspannt, die eigne Hälfte fern von dir halten, dass sonst sie ganz dir gehörte, du Gott, vergiss das nicht! Dein ewig Teil nicht wirst du entehren, Schande nicht wollen, die dich beschimpft dich selbst liessest du sinken, sähst du dem Spott mich zum Spiel! WOTAN Du folgtest selig der Liebe Macht folge nun dem, den du lieben musst! BRÜNNHILDE Soll ich aus Walhall scheiden, nicht mehr mit dir schaffen und walten, dem herrischen Manne gehorchen fortan dem feigen Prahler gib mich nicht preis! Nicht wertlos sei er, der mich gewinnt. WOTAN Von Walvater schiedest du - nicht wählen darf er für dich. BRÜNNHILDE leise mit vertraulicher Heimlichkeit Du zeugtest ein edles Geschlecht; kein Zager kann je ihm entschlagen der weihlichste Held - ich weiss es - entblüht dem Wälsungenstamm. WOTAN Schweig von dem Wälsungenstamm! Von dir geschieden, schied ich von ihm vernichten musst ihn der Neid! BRÜNNHILDE Die von dir sich riss, rettete ihn. heimlich Sieglinde hegt die heiligste Frucht; in Schmerz und Leid, wie kein Weib sie gelitten, wird sie gebären, was bang sie birgt. WOTAN Nie suche bei mir Schutz für die Frau, noch für ihres Schosses Frucht! BRÜNNHILDE heimlich Sie wahret das Schwert, das du Siegmund schufest. WOTAN heftig Und das ich ihm in Stücken schlug! Nicht streb , o Maid, den Mut mir zu stören; erwarte dein Los, wie sich s dir wirft; nicht kiesen kann ich es dir! Doch fort muss ich jetzt, fern mich verziehn; zuviel schon zögert ich hier; von der Abwendigen wend ich mich ab; nicht wissen darf ich, was sie sich wünscht die Strafe nur muss vollstreckt ich sehn! BRÜNNHILDE Was hast du erdacht, dass ich erdulde? WOTAN In festen Schlaf verschliess ich dich wer so die Wehrlose weckt, dem ward, erwacht, sie zum Weib! BRÜNNHILDE stürzt auf ihre Knie Soll fesselnder Schlaf fest mich binden, dem feigsten Manne zur leichten Beute dies eine muss du erhören, was heil ge Angst zu dir fleht! Die Schlafende schütze mit scheuchenden Schrecken, dass nur ein furchtlos freiester Held hier auf dem Felsen einst mich fänd ! WOTAN Zu viel begehrst du, zu viel der Gunst! BRÜNNHILDE seine Knie umfassend Dies eine musst du erhören! Zerknicke dein Kind, das dein Knie umfasst; zertritt die Traute, zertrümmre die Maid, ihres Leibes Spur zerstöre dein Speer doch gib, Grausamer, nicht der grässlichsten Schmach sie preis! mit wilder Begeisterung Auf dein Gebot entbrenne ein Feuer; den Felsen umglühe lodernde Glut; es leck ihre Zung , es fresse ihr Zahn den Zagen, der frech sich wagte, dem freislichen Felsen zu nahn! WOTAN überwältigt und tief ergriffen, wendet sich lebhhaft zu Brünnhilde, erhebt sie von den Knien und blickt ihr gerührt in das Auge Leb wohl, du kühnes, herrliches Kind! Du meines Herzens heiligster Stolz! Leb wohl! Leb wohl! Leb wohl! sehr leidenschaftlich Muss ich dich meiden, und darf nicht minnig mein Gruss dich mehr grüssen; sollst du nun nicht mehr neben mir reiten, noch Met beim Mahl mir reichen; muss ich verlieren dich, die ich liebe, du lachende Lust meines Auges ein bräutliches Feuer soll dir nun brennen, wie nie einer Braut es gebrannt! Flammende Glut umglühe den Fels; mit zehrenden Schrecken scheuch es den Zagen; der Feige fliehe Brünnhildes Fels! - Denn einer nur freie die Braut, der freier als ich, der Gott! Brünnhilde sinkt, gerührt und begeistert, an Wotans Brust; er hält sie lange umfangen. Sie schlägt das Haupt wieder zurück und blickt, immer noch ihn umfassend, feierlich ergriffen Wotan in das Auge Der Augen leuchtendes Paar, das oft ich lächelnd gekost, wenn Kampfeslust ein Kuss dir lohnte, wenn kindisch lallend der Helden Lob von holden Lippen dir floss dieser Augen strahlendes Paar, das oft im Sturm mir geglänzt, wenn Hoffnungssehnen das Herz mir sengte, nach Weltenwonne mein Wunsch verlangte aus wild webendem Bangen zum letztenmal letz es mich heut mit des Lebewohles letztem Kuss! Dem glücklichen Manne glänze sein Stern dem unseligen Ew gen muss es scheidend sich schliessen. Er fasst ihr Haupt in beide Hände Denn so kehrt der Gott sich dir ab, so küsst er die Gottheit von dir! Er küsst sie lange auf die Augen. Sie sinkt mit geschlossenen Augen, sanft ermattend, in seinen Armen zurück. Er geleitet sie zart auf einen niedrigen Mooshügel zu liegen, über den sich eine breitästige Tanne ausstreckt. Er betrachtet sie und schliesst ihr den Helm sein Auge weilt dann auf der Gestalt der Schlafenden, die er mit dem grossen Stahlschilde der Walküre ganz zudeckt. Langsam kehrt er sich ab, mit einem schmerzlichen Blicke wendet er sich noch einmal um. Dann schreitet er mit feierlichem Entschlusse in die Mitte der Bühne und kehrt seines Speeres Spitze gegen einen mächtigen Felsstein Loge, hör ! Lausche hieher! Wie zuerst ich dich fand, als feurige Glut, wie dann einst du mir schwandest, als schweifende Lohe; wie ich dich band, bann ich dich heut ! Herauf, wabernde Lohe, umlodre mir feurig den Fels! Er stösst mit dem Folgenden dreimal mit dem Speer auf den Stein Loge! Loge! Hieher! Dem Stein entfährt ein Feuerstrahl, der zur allmählich immer helleren Flammenglut anschwillt. Lichte Flackerlohe bricht aus. Lichte Brunst umgibt Wotan mit wildem Flackern. Er weist mit dem Speere gebieterisch dem Feuermeere den Umkreis des Felsenrandes zur Strömung an; alsbald zieht es sich nach dem Hintergrunde, wo es nun fortwährend den Bergsaum umlodert Wer meines Speeres Spitze fürchtet, durchschreite das Feuer nie! Er streckt den Speer wie zum Banne aus, dann blickt er schmerzlich auf Brünnhilde zurück, wendet sich langsam zum Gehen und blickt noch einmal zurück, ehe er durch das Feuer verschwindet. Der Vorhang fällt この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Wagner,Richard/Die Walküre
https://w.atwiki.jp/oper/pages/3267.html
DRITTER AKT Spielt im 1. Stock-Vestibul eines hocheleganten Hotels in Wien. Sowohl rechts wie links vorne führen Stiegenausschnitte zu dem höheren Stock-Werk, rechts und links rückwärts solche zu dem tieferen. Die ganze Rückwand ist eine Marmorbalustrade, in der Mitte breite Freitreppe, rechts und links von mächtigen Kandelabern flankiert. Die Freitreppe führt von der Bühne (also vom 1. Stock) ins Parterre zu einem Konzertsaal, der erleuchtet ist und aus dem leise Zigeunermusik hörbar ist. - Alle Beleuchtungskörper (Kandelaber, Luster, Stiegen und Tischlampen) von vornehmster Ausstattung, Klubmöbel, zierliche Tischchen, Teppiche aller Arten, kurz, jeder moderne Komfort. Die Personen die quer über die Freitreppe in der Mitte und über die Stiegenaussehnitte rechts und links rückwärts die Bühne betreten, sind zuerst nur mit dem Kopf, dann erst mit dem Oberkörper usw. sichtbar. Es ist nach Mitternacht - unmittelbar an die Vorgänge des zweiten Aktes anschliessend. Alles ist hell erleuchtet. Aus dem Konzertsaal im Parterre gedämpfte Klänge einer Zigeunerkapelle, hie und da Gläserklirren und lebhafte Ausrufe. Nach einer kleinen Pause kommen über die breite Freitreppe von unten nach oben - nach und nach sichtbar werdend - Sylva und Boni. Sie sind in derselben Toilette und derselben Verfassung wie im Finale des zweiten Aktes, nur hat Boni Überzieher an und Claque auf. Boni führt Sylva zu einem Etablissement rechts, wo sie sich in einen Klubfauteuil fallen lässt. Boni sinkt ihr gegenüber in einen anderen Fauteuil. Kleine Pause. ▼ERSTE SZENE▲ ▼SYLVA▲ seufzt ▼BONI▲ ebenso, nur lauter, dann zündet er sich eine Zigarette an, macht in paar Züge; mit einem missbilligenden Blick auf Sylva. Is dir jetzt leichter? ▼SYLVA▲ Ja! Tausend-, tausendmal leichter. ▼BONI▲ Also ich will dir keinen Vorwurf nicht machen, aber du hast dich benommen wie Titelrolle in “Wildente“. ▼SYLVA▲ Die Achsel zuckend Olala! Ich bin, schon so gebaut! ▼BONI▲ Ja, olala! Wütend Aber ich bin nicht so gebaut! Springt auf, läuft aufgeregt auf und ab Komm ich da unschuldig in Sauce hinein wie Lämmerchen. Was wird sich Gesellschaft von mir denken? ▼SYLVA▲ ruhig Was sie will - das ist mir Wurst! ▼BONI▲ So? - Du hast manchmal Ausdrücke! Wurst! So was nimm ich nicht einmal in Mund hinein. ▼SYLVA▲ stützt sich auf beide Ellbogen, sieht ihm ruhig ins Gesicht. Sag’ willst du mit mir streiten? ▼BONI▲ gleich besänftigt, tritt zu ihr, sagt Nein, Sylvikam, aber schau’ bin ich dein Frajnd? Wozu war notwendig ganzer Skandal. Was hätt’ er denn noch machen sollen, der Edwin? Mehr wie dich heiraten wollen, kann er doch nicht! ▼SYLVA▲ Mich hat er nicht heiraten wollen! Die Gräfin Kancsianu, die ja - aber die Sylva Varescu - die nicht! ▼BONI▲ Aber geh’ - das ist doch ein- und dasselbige sich vergessend Das ist doch ganz Wurst! Da Sylva sich bei diesem Wort zu ihm wendet, sich verlegen verbessernd Will ich sagen Salami! ▼SYLVA▲ bebend Er hat sich meiner geschämt! ▼BONI▲ Was fällt dir ein? Wann einer sich schämt, wird er doch rot - und er war immer ganz blass. ▼SYLVA▲ Du guter Kerl, du willst ihn verteidigen. Beginnt leise zu weinen. ▼BONI▲ Geh’, Mutzikam, wein nicht! Schneuzt sich. Weisst, kann ich Frau’nzimmer nicht weinen seh’n. Wirft sich in einen Fauteuil links, auf der anderen Seite der Bühne Na also, da hast es! Weint und schneuzt sich komisch. ▼ZWEITE SZENE▲ ▼FERI▲ Zigarette im Mundwinkel, Zylinder schief auf dem Kopf, Überzieher mit aufgestelltem Kragen, die Hände in den Überziehertaschen, in der Rechten den Stock, dessen Griff in der Tasche steckt, kommt pfeifend von unten über die Freitreppe, will nach links über die Stiege, erblickt Boni, dann Sylva, bleibt stehen, schaut von einem zum andern, fängt vor Freude zu lachen an Ja, schlaf’ ich oder träum’ ich! Boni! Sylva! Jaj mamam! BONI und SYLVA blicken auf, ihr Weinen geht in Lachen über, sie springen auf Feri bacsi! Feri bacsi! ▼FERI▲ macht Luftsprünge, Boni und Sylva drehen ihn übermütig vor Freude im Kreis herum, fällt Sylva um den Hals Sylva, Einziges, gut schaust aus! Umarmt Boni Bonikam, Liebliches, elend schaust aus! Was für Teifel hat den Eich dahergeschneit? ▼BONI▲ Was machst denn du da ? ▼FERI▲ mit Würde Ich bin hier - in Dienst! ▼SYLVA▲ In was ? ▼FERI▲ In Dienst! Als Beschützer von weiblicher Tugend. Sollt Ihr gleich seh’n! Eilt über die Treppe hinunter. Boni und Sylva treten neugierig zur Balustrade. Feris Stimme von unten Juliska, Aranka, Madels, kommt’s herauf - schaut’s, wer da ist! ▼DRITTE SZENE▲ ▼DIE MÄDCHEN▲ stürmen die Treppe herauf Wer denn? Wer denn? Erblicken Sylva, sind ganz ausser sich vor Freude Sylva! Sylva! Umarmen und küssen sie. ▼SYLVA▲ Nein! So was! So eine Überraschung! ▼DIE MÄDCHEN▲ erblicken Boni, stürzen auf ihn zu, umarmen ihn, rufen Boni! Boni! ▼JULISKA▲ zu Boni Hast mir was mitgebracht? eine Tüte hervorziehend Ja, Kugler Bonbons mit Seegras gefüllt. ▼FERI▲ erklärend Sind alle in Apollo engagiert - treten morgen auf. ▼SYLVA▲ lachend Was machst denn du dabei? ▼FERI▲ Ich bin mitgefahren - väterlich! Weil alle sind in mich verliebt! - Jaj, Sylva, wird das Aufsehen machen in Budapest, dass du wieder da bist! Haus wird brechen, wenn du wieder auftrittst. ▼SYLVA▲ Ich trete nicht mehr auf. ▼FERI▲ Was? ▼DIE MÄDCHEN▲ Warum denn nicht? ▼SYLVA▲ Ich heirate! ▼ALLE▲ Ah! ▼FERI▲ Ja, wen denn? ▼BONI▲ rasch Den Edwin! ▼DIE MÄDCHEN▲ in die Hände klatschend Also doch! Wir gratulieren! ▼SYLVA▲ unterbrechend Ist ja nicht wahr. Es ist ein anderer. ▼ALLE▲ Wer? Wer? ▼SYLVA▲ auf Boni deutend Er! ▼ALLE▲ brechen in grosses Gelächter aus ▼FERI▲ Also wenn du den nimmt - das wär’ grösste Dummheit von deinem Leben. ▼BONI▲ So ist es. ▼FERI▲ Der passt zu dir wie ein Elephant zu ein Klavier. ▼BONI▲ Sehr richtig! Eljen! ▼FERI▲ Was brauchst du überhaupt heiraten? Komm zurück zum Theater! ▼SYLVA▲ Nein - nie mehr! ▼FERI▲ Geht’s hinunter, Mädels, alle, lasst’s mich allein mit ihr - werd’ ich einmal zeigen, was alter Feri kann! Mädchen lachend mit Boni über die Mittelstiege ab ▼FERI▲ nimmt Sylva bei der Hand Komm, Sylva. Schau mir in Aug’ hinein. Tut dir weh um Edwin, was? ▼SYLVA▲ schweigt. ▼FERI▲ Kann dich ja versteh’n. Hab’ so was selber durchgemacht. Aber deswegen ganze Zukunft wegschmeissen - das darfst du nicht! Warm, zart Wenn L i e b e hat dein Herz gekränkt, Kunst wird wieder alles schenken - Vergessenheit. Komm zurück zum Theater. dort ist Heimat deiniges! Wann du dort oben stehst auf Brettel zufliegen alle Herzen – besonders die männlichen - dann wird vor dir versinken Welt andre und du wirst wieder sein was du warst Singvogel kleiner, goldiger, mit Glück in Schnabel, mit Glück in Herzen! Dann wirst du wieder Sylva sein - unsere Sylva! ▼SYLVA▲ gerührt Feri bacsi! ▼FERI▲ Komm zurück! Öffnet die Arme Willst du? - Ja - willst! Seh’ ich dir am Nasenspitzel an! ▼SYLVA▲ sich an ihn lehnend, bewegt Ich - kann nicht! ▼FERI▲ Kannst! Läuft zur Treppe, ruft hinunter Boni, komm mit die Zigeuner! Boni und Zigeuner kommen. Die Zigeuner im Gegensatz zum 1. Akt, wo sie im Frack waren, jetzt in roten, goldverschnürten Uniformen. ▼FERI▲ Her, Zigeuner! Spielt’s ein Stückel feuriges - was ihr geht in Blut hinein! Pickt dem Primas eine Banknote auf die Stirn; auf Sylva deutend Sie braucht noch ein Ruckerl, ein letztes! Nr. 14 Terzett ▼FERI▲ Nimm, Zigeuner, Deine Geige, Lass seh’n, was du kannst! Schwarzer Teufel, spiel’ und zeige, Wie dein Bogen tanzt! Spiel’ ein Lied, das weint und lacht, Spiele, bis der Bogen kracht, Spiele, bis heranbricht das Morgenrot, Spiele, Betyar, schlage mir die Sorgen tot ! Jaj mamam, Bruderherz, ich kauf’ mir die Welt! Jaj mamam, was liegt mir am lumpigen Geld! Weisst du, wie lange noch der Globus sich dreht, Ob es morgen nicht schon zu spät! ▼ALLE▲ Jaj mamam usw. ▼SYLVA▲ Spiel’, Zigeuner, mir was Feines, Etwas fürs Gmüt! Alles spiel’ mir, nur nicht eines - Nur kein Liebeslied! Spiele auf dem Kontrabass So zum Spass mir irgendwas! Spiel’ mir ‘einen Feuercsardas - spiel mir ihn! Bring’ das dumme Herz zum Schweigen mir da drin! Jaj mamam, Bruderherz, ich kauf mir die Welt! usw. ▼ALLE▲ Jaj mamam usw. ▼BONI▲ Ganzes Dasein ist ein Schmarren! Freunderl, sei gescheit! Heute über fünfzig Jahren Leben andre Leut’ ! Dieses ganze Jammertal Ist für mich ein Nachtlokal. Überhaupt fahr’ ich in Himmel vorderhand Und verkaufe, wenn gefällig, mein Gewand. ▼ALLE▲ Jaj mamam, Bruderherz, ich kauf’ mir die Welt! usw. Alles ab. ▼VIERTE SZENE▲ Edwin über die Wendeltreppe rechts, gefolgt von einem Hotelgroom. ▼GROOM▲ Bitte hier zu warten. Werde den Herrn Grafen verständigen. Ab. ▼EDWIN▲ Geht ungeduldig auf und ab, zündet sich nervös einige Zigaretten hintereinander an, wirft sie wieder weg. ▼BONI▲ über die Freitreppe Servus, Edwin! Hab’ gewusst, du wirst nicht schlafen können. ▼EDWIN▲ Wo ist Sylva ? ▼BONI▲ Sylva? Sieht ihn einen Augenblick zögernd an, dann Sylva is in Konzert. ▼EDWIN▲ sprachlos In was? ▼BONI▲ In Konzert - mit Feri bacsi! ▼EDWIN▲ Mit Feri? ▼BONI▲ Ja, da- schaust - nicht wahr? Wohnt zufällig auch da im Hotel der Feri bacsi! ▼EDWIN▲ Sie kann in ein Konzert geh’n, während ich … Wo ist dieses Konzert? ▼BONI▲ ausweichend Im Konzertsaal! Muss gleich aus sein. ▼EDWIN▲ Ich werde warten. Geht erregt auf und ab. ▼BONI▲ Ist zum Tisch links gegangen, lehnt sich an einen Stuhl Einen Schlaf hab’ ich , dass ich umfallen könnt’ ! ▼EDWIN▲ auf- und ablaufend Sie kann in ein Konzert geh’n! O diese Weiber! Diese Weiber! Während der folgenden Szene schläft Boni stehend langsam ein. ▼EDWIN▲ nach einer kleinen Pause, sich erregt zu Boni wendend Über dein heutiges Vorgehen sprechen wir noch! Das geht ich dir nicht so durch! Ein Jugendfreund, dem ich so blind vertraut habe! Ein Mensch, auf dessen Treue ich Häuser gebaut hätt’! Wie oft hast du mir sagt, du wirst mir jedes Opfer bringen!? Du wirst für mich durchs Feuer geh’n, du wirst für mich wachen- und jetzt! Hahaha! - Du hast Sylva die Verlobung verraten, du hast mich in diese Situation gebracht! - Du kommst in unser Haus und spielst mir eine lächerliche Posse vor - du musst mich rein für einen Idioten halten! ▼BONI▲ lässt im Schlaf den Kopf auf die Brust sinken. ▼EDWIN▲ wütend Du nickst? Das verbitt’ ich mir! Ich kann auch anders mit Dir reden! ▼BONI▲ schnarcht. ▼EDWIN▲ wie oben Du lachst? Jetzt hab’ ich’s satt! Geht auf Boni zu, rüttelt ihn bei der Schulter Was glaubst du denn eigentlich ? ▼BONI▲ erwachend Wo bin ich? Ganz erstaunt Du hier? Da ihn Edwin anfasst Mörder! Hilfe! ▼EDWIN▲ Keine Ausflüchte! Klipp und klar Warum hast du Sylva für deine Frau ausgegeben? ▼BONI▲ verschlafen Hab’ ich gar nicht! ▼EDWIN▲ Was ? ▼BONI▲ wie oben Sie hat mich für ihren Mann ausgegeben. Das is Unterschied, bitte. ▼EDWIN▲ Ich habe nur Geduld mit deiner grenzlosen Dummheit, sonst … ▼BONI▲ plötzlich, ganz munter Was Dummheit? Bitte, modernisier’ dich! Ja? Erst verlobst dich und heiratest nach allen Seiten und Richtungen und dann tunkst du mich in deine Suppen hinein! Schüttelt ihn Wie komm ich dazu? ▼EDWIN▲ Boni! ▼BONI▲ Jetzt will Sylva mich zum Mann haben! Schüttelt ihn. Wie komm ich dazu, deine Frau zu heiraten - während ich in deine Braut verliebt bin? schüttelt ihn Wie komme ich dazu, eine Frau zu heiraten, die einen Mann hat, der verlobt ist mit einer Braut, die ich zu meiner Frau machen’ will? schüttelt ihn. Wie komme ich dazu eine Braut zu meiner Frau machen zu wollen, die einen Bräutigam hat, der eine Frau hat, dich mich zu Ihrem Mann haben will? schüttelt ihn. ▼EDWIN▲ Lass mich los! Was erlaubst du dir? ▼BONI▲ Gleich für gleich bitte! Ich muss auch einmal mein Herz ausschütten! ▼GROOM▲ mit einer Visitkarte auf Boni zutretend Dieser Herr wünscht den Herrn Grafen zu sprechen. ▼BONI▲ sieht auf die Karte Der Teufel! ▼EDWIN▲ Wer ? ▼BONI▲ Der Teufel - soll’s holen! Schau, wer da is! Zeigt ihm die Karte. ▼EDWIN▲ rasch Mein Papa! Ich will ihn nicht seh’n! ▼BONI▲ Geh’ nur da hinein, zeigt Tür links ich hol’ dich schon später. Edwin links ab. ▼FÜNFTE SZENE▲ ▼FÜRST▲ sehr aufgeregt War Edwin da? ▼BONI▲ Ja! ▼FÜRST▲ Wo ist er? Wo? ▼BONI▲ verlegen In - im Kaffeehaus. ▼FÜRST▲ Ist er heil? Ist nichts passiert? ▼BONI▲ Nix. ▼FÜRST▲ Gottseidank! Stürzt zum Tischtelefon 14212! Ja, bitte! Horcht, wendet sich mit der Muschel am Ohr zu Boni Was hat er denn gesagt ? ▼BONI▲ Nix. Geschimpft hat er wie Nachtigall. ▼FÜRST▲ der Anschluss gefunden hat, spricht in den Apparat Anhilte, du? Hier Leopold Marie. Gottseidank, er ist da! Nein nein, nichts passiert! Ich bring’ ihn schon nach Haus! Läutet ab. ▼BONI▲ hat sich die Telefonnummer auf die Manchette notiert. 14121. Gut zu wissen. ▼FÜRST▲ Ohne deine alberne Komödie hätte die Verlobung stattgefunden. Jetzt ist das arme Mädel, die Stasi, kompromittiert. ▼BONI▲ O nein, bitte. Verlobung wird heute noch stattfinden. ▼FÜRST▲ barsch Was heisst das? ▼BONI▲ feierlich Das heisst - In anderem Ton Bitte nur ein Augenblick. Zieht sich seine weissen Handschuhe an, dann feierlich Ich habe die Ehre, Durchlaucht um die Hand von Fräulein Stasi zu bitten. ▼FÜRST▲ Du bist ja verrückt! Das Mädel liebt ja den Edwin. Nie würde sie einwilligen! ▼BONI▲ Werden wir ja gleich sehen. Geht zum Telefon, sieht auf die Manschette, läutet 14212, bitte! ▼FÜRST▲ Was treibst du? ▼BONI▲ Hallo! Hier Graf Kancsianu ! Bitte Komtesse Stasi zum Telefon! Zum Fürsten Scheint Gesellschaftstelefon. ▼FÜRST▲ Wieso? ▼BONI▲ Weil ich soviel Stimmen höre. Hineinsprechend - Hallo! Sehr freundlich Komtesse - verbeugt sich mehrmals Küss, die Handerln, küss’ die Handerln, bitte. Horcht. Sind bös’, bitte? Bin unschuldig wie Amen im Gebet. Horcht. Ja, ja. Bin mit Durchlaucht da mit alter, bitte. Horcht. Ja, Ja... Nur noch eine Kleinigkeit, bitte. Aber bitte sehr, nicht umfallen! Hab’ ich nämlich erlaubt bei Durchlaucht um Hand von Gnädige anzuhalten. Horcht. Sie lachen, bitte! - Bitte, sagen Sie gutes Wort - handelt es sich um mein ganzes Lebensglück. Horcht Wie bitte? Horcht mit steigender Freude. Ja! Ja? Ja! Dafür muss ich Ihnen Bussel geben! Küsst ins Telefon hinein. Ich bin glücklichster Mensch von ganzer Welt! Drückt die Muschel an sein Herz. Ja! Pah! Schluss! Läutet ab. Sehen Sie, das is einmal richtige Verbindung Schwiegerdurchlaucht, alter, kannst mir gratulieren ! Klopft ihm auf die Schulter. Du darfst mir “du” sagen, Onkel! ▼SECHSTE SZENE▲ ▼FERI▲ zu Boni Du Boni, Sylva lässt dir sagen, du sollst packen kommen. ▼BONI▲ Ich packe nicht, ich reise nicht. zum Fürsten Das ist Missverständnis. Keine Sylva, kein Weib auf ganzer Welt hat ein Recht auf mir. ▼JULISKA▲ auf der Treppe Boni! Geliebter! Komm doch! ▼BONI▲ winkt ihr lebhaft ab, verlegen, zum Fürsten Das zählt nicht, bitte. ▼GROOM▲ a tempo Herr Graf, zwei Damen lassen bitten. Sie warten im Vestibül. ▼BONI▲ Gleich zwei! zum Fürsten Die kenn’ ich gar nicht! Beiseite Wie wenn sie’s zu Fleiss täten! zum Fürsten Entschuldigen, Durchlaucht, auf einen Augenblick! zum Groom Ich komm’ schon, ich komm’ schon. Ab mit Groom. ▼SIEBTE SZENE▲ ▼FERI▲ Verzeihung - hab’ ich die Ehre mit altem Edwin? Sich vorstellend Ferencz Ritter Kerekes von Ferlsö-Mezötur und Also-Kirishaza, in Pest genannt der Feri bacsi. ▼FÜRST▲ Sehr angenehm. Leopold Maria Fürst von Lippert-Weylersheim. Verbeugung. ▼FERI▲ Verzeihung, wenn ich mich da bissel misch’ in die Familie hinein - aber Edwin is lieber junger Freund von mir, und weiss ich von alles. ▼FÜRST▲ Um so besser. - So werden Sie auch einseh’n - ▼FERI▲ Entschuldigen schon, kerem, aber seh’ ich gar nicht ein. Wann einmal Bursch Madel gern hat, dann muss Vater nachgeben. ▼FÜRST▲ Aber man kann doch schliesslich nicht von mir verlangen, dass ich eine Chansonette zur Schwiegertochter nehme! ▼FERI▲ Warum nicht, bitte? Ich selbst, bitte, bin doch auch Edelmann und hätt’ mir alle Finger abgeschleckt, wenn ich bekommen hätt’ die Kupfer Hilda von Orpheum in Miskolcz, wie sie Witwe war, is mir wieder der Graf Zentler Geza zuvorgekommen. ▼FÜRST▲ entgeistert Was sagen Sie da? Die Witwe des Grafen Zentler? Irren Sie sich auch nicht? ▼FERI▲ Aber nein! Zieht sein Portefeuille Das is sie! Trag’ ich noch Bild von ihr - in alle Ehren. Zeigt das Bild dem Fürsten, der es in die Hand nimmt. ▼FÜRST▲ wankt, beiseite Meine Frau! Eine Chansonette!! ▼FERI▲ Was ist Ihnen? Kennen Sie sie ? ▼FÜRST▲ Nein, nein - mir ist nur auf einmal so - würgend Ein bisschen Luft - ▼ACHTE SZENE▲ ▼FÜRSTIN▲ aufgeregt Wo ist mein Sohn, wo ist Edwin? ▼FÜRST▲ aufspringend Gut, dass du da bist, Ich habe mit dir zu sprechen. ▼FÜRSTIN▲ erblickt Feri, beiseite O mein Gott, Feri! ▼FERI▲ beiseite Hilda? zum Fürsten Frau Gemahlin, nicht wahr? Erlaube mich vorzustellen Ferencz Ritter Kerekes von Ferlsö-Mezötur und Also-Kirishaza. Ich schätze mich glücklich die Bekanntschaft von Euer Hochgeburt zu machen! Im Abgehen mit enttäuschtem Blick auf die Fürstin Jaj mamam! Ab. ▼FÜRST▲ Gottseidank, er hat sie nicht erkannt! ▼NEUNTE SZENE▲ ▼FÜRSTIN▲ Stasi wartet unten mit dem Grafen. - Was machst du für ein Gesicht? Was gibt es denn? ▼FÜRST▲ Was es gibt? Sich zu ihr neigend, mit finsterem Gesicht Ich sage nichts als Orpheum in Miskolcz! ▼FÜRSTIN▲ erschrocken O mein Gott! ▼FÜRST▲ Also wahr? Ich habe die Primadonna von Miskolcz geheiratet! Jetzt verstehe ich Edwin, der Bursch kann ja gar nicht anders! Er ist erblich belastet! ▼FÜRSTIN▲ Leopold Maria! ▼FÜRST▲ Ich gebe jeden Widerstand auf. Zwei Chansonetten in der Familie, mein Stammbaum zerfällt in lauter Brettl! ▼FÜRSTIN▲ Leopold Maria! ▼FÜRST▲ gebieterisch Miskolcz! ! Beide ab. Die Fürstin voraus mit gesenktem Kopf, Fürst mit ausgestrecktem Arm auf die Tür zeigend hinter ihr. ▼ZEHNTE SZENE▲ ▼STASI▲ Das ist eine Nacht! An die werd’ ich denken! ▼BONI▲ selig Ich auch. Es ist die glücklichste meines Lebens! Sie verliebt anblickend Vorläufig! ▼STASI▲ lachend Sind Sie aber komisch! ▼BONI▲ Damit is aus, bitte. Jetzt kommt Ernst des Lebens. ▼STASI▲ Nein, bleiben Sie nur wie Sie sind! ▼BONI▲ In Allem? ▼STASI▲ In Allem! ▼BONI▲ Dann erlauben schon! Küsst die ganz Überraschte plötzlich. ▼STASI▲ Was ist denn das? ▼BONI▲ Haben Sie gesagt, ich soll bleiben wie ich bin. Und ich bin so. Wenn ich verliebt bin, muss ich busseln. Küsst Sie wieder. ▼STASI▲ sich schwach wehrend Aufhören! ▼BONI▲ Aber fang’ ich ja erst an! Stasi, Stasikam, Braut süsse, liebe einzige, sag’ mir Wann machen wir Hochzeit? ▼STASI▲ Nicht eher, bis Sylva und Edwin vereint sind, das ist meine Bedingung. ▼BONI▲ Bitte, das überlassen Sie mir! Im Vereinen von Liebenden bin ich Fachmann. Noch heute Nacht bringe ich die Sache in Ordnung. ▼STASI▲ Wie werden Sie das anfangen? ▼BONI▲ Das ist mein Geheimnis. Bitte, betrachten Sie sich schon als mit mir verheiratet. Küsst sie. ▼STASI▲ Aber Boni! Wehrt sich. ▼BONI▲ Comtesse, ich liebe sie. ▼STASI▲ Und wenn ich sie nicht so lieben sollte … ▼BONI▲ Es macht nichts. Meine Liebe ist genug für beide. Nr. 15 Reminiszenz ▼BONI▲ Mädel guck Ich hab’ noch nicht genug! Es ist noch - lang nicht Schluss Gib mir schnell - noch ‘nen Kuss Mädel schau Bald sind wir - Mann und Frau - Und da nimmt man’ s nicht so genau. ▼STASI▲ Nicht so stürmisch, nur hübsch parlando! Glaub’, dass Dir das schon passen möcht’ - Kommst Du einmal erst, Freundchen, unter mein Kommando, Burscherl, dann geht’s Dir schlecht! ▼BEIDE▲ Das ist die Liebe. Die dumme Liebe! Die macht das Männchen (Weibchen) wie den Auerhahn so blind! Erst in der Ehe, So in der Nähe, Da merkt man, dass die Männchen Schwindler- (Weibchen Drachen) sind! Beide ab. ▼ELFTE SZENE.▲ Nach der Reminiszenz ▼BONI▲ eilig Sylva kommt! Jetzt mach’ ich meinen Schwindel vor. Setzt sich zum Telefon, ohne zu klingeln Hallo? Bist du’s Edwin? Hier Boni! Warum zitterst du so mit Stimme? Du siehst ja ganz blass aus! ▼SYLVA▲ ist schon einen Moment früher erschienen, hinter ihr der Groom Ja, ja, zum nächsten Zug! Groom verbeugt sich, ab. Sylva bleibt stehen und hört Boni zu, der sich stellt, als ob er sie nicht bemerkt hätte. ▼BONI▲ Edwin, was sagst du? Ich bitte dich, mach’ keine Dummheiten! Es kann ja noch alles gut werden. Was sagst du? Kannst ohne Sylva nicht leben? Aufschreiend Bitte, gib Revolver weg! ▼SYLVA▲ wankend, sich am Stuhl haltend O mein Gott! ▼BONI▲ fortfahrend Ich bitte dich, ich beschwöre dich, gib Revolver weg! In so jungen Jahren - bist ja noch Knospe! Kannst ja noch spriessen! Aufschreiend, sich die Haare verwirrend Ha! Wart’ doch noch! Noch nicht! Schiess nicht! ▼SYLVA▲ die in steigender Erregung zugehört hat, stürzt auf Boni zu Lass mich mit ihm sprechen! Will ihm das Hörrohr aus der Hand reissen. ▼BONI▲ es krampfhaft festhaltend Weg da! Stösst sie zurück Ein Menschenleben steht auf dem Spiel! ▼EDWIN▲ Erscheint im Hintergrund, von beiden unbemerkt, hört erstaunt zu. ▼BONI▲ telefoniert weiter Edwin, bin ich dein Freind? Aufschreiend Er zielt auf mich! Edwin, Sylva ist da, sie lasst dir sagen - Zu Sylva in natürlichstem Ton Was lasst du ihm sagen? ▼SYLVA▲ mit ehrlichster Empfindung Dass ich ihn liebe, dass ich seinetwegen gekommen bin. Dass ich ohne ihn nicht leben kann. Sie wankt. ▼EDWIN▲ stürzt auf sie zu, hält sie, Sylva stösst einen Schrei aus. Edwin fällt ihr zu Füssen, bedeckt ihre Hände mit Küssen. ▼BONI▲ hat davon gar nichtsbemerkt, telefoniert weiter Sie lässt dir sagen, dass ich dich liebe, dass sie meinetwegen gekommen ist, dass du ohne mich nicht leben kannst! Schiess nicht! Was soll ich ihr sagen? Was ist dein letztes Wort? Horcht ▼EDWIN▲ Dass ich sie liebe, dass ich ohne sie nicht leben kann. ▼BONI▲ Danke, Schluss. Dreht sich um, beim Anblick Edwins schreit er auf Der selige Edwin! ▼ZWÖLFTE SZENE▲ ▼STASI▲ Nun? ▼BONI▲ stolz Mein Werk! Zeigt auf Sylva und Edwin Wann machen wir Hochzeit? ▼STASI▲ Wann du willst! Umarmung. Schlussgesang ▼ALLE VIER▲ Tausend kleine Englein singen…. usw. V o r h a n g DRITTER AKT Spielt im 1. Stock-Vestibul eines hocheleganten Hotels in Wien. Sowohl rechts wie links vorne führen Stiegenausschnitte zu dem höheren Stock-Werk, rechts und links rückwärts solche zu dem tieferen. Die ganze Rückwand ist eine Marmorbalustrade, in der Mitte breite Freitreppe, rechts und links von mächtigen Kandelabern flankiert. Die Freitreppe führt von der Bühne (also vom 1. Stock) ins Parterre zu einem Konzertsaal, der erleuchtet ist und aus dem leise Zigeunermusik hörbar ist. - Alle Beleuchtungskörper (Kandelaber, Luster, Stiegen und Tischlampen) von vornehmster Ausstattung, Klubmöbel, zierliche Tischchen, Teppiche aller Arten, kurz, jeder moderne Komfort. Die Personen die quer über die Freitreppe in der Mitte und über die Stiegenaussehnitte rechts und links rückwärts die Bühne betreten, sind zuerst nur mit dem Kopf, dann erst mit dem Oberkörper usw. sichtbar. Es ist nach Mitternacht - unmittelbar an die Vorgänge des zweiten Aktes anschliessend. Alles ist hell erleuchtet. Aus dem Konzertsaal im Parterre gedämpfte Klänge einer Zigeunerkapelle, hie und da Gläserklirren und lebhafte Ausrufe. Nach einer kleinen Pause kommen über die breite Freitreppe von unten nach oben - nach und nach sichtbar werdend - Sylva und Boni. Sie sind in derselben Toilette und derselben Verfassung wie im Finale des zweiten Aktes, nur hat Boni Überzieher an und Claque auf. Boni führt Sylva zu einem Etablissement rechts, wo sie sich in einen Klubfauteuil fallen lässt. Boni sinkt ihr gegenüber in einen anderen Fauteuil. Kleine Pause. ERSTE SZENE SYLVA seufzt BONI ebenso, nur lauter, dann zündet er sich eine Zigarette an, macht in paar Züge; mit einem missbilligenden Blick auf Sylva. Is dir jetzt leichter? SYLVA Ja! Tausend-, tausendmal leichter. BONI Also ich will dir keinen Vorwurf nicht machen, aber du hast dich benommen wie Titelrolle in “Wildente“. SYLVA Die Achsel zuckend Olala! Ich bin, schon so gebaut! BONI Ja, olala! Wütend Aber ich bin nicht so gebaut! Springt auf, läuft aufgeregt auf und ab Komm ich da unschuldig in Sauce hinein wie Lämmerchen. Was wird sich Gesellschaft von mir denken? SYLVA ruhig Was sie will - das ist mir Wurst! BONI So? - Du hast manchmal Ausdrücke! Wurst! So was nimm ich nicht einmal in Mund hinein. SYLVA stützt sich auf beide Ellbogen, sieht ihm ruhig ins Gesicht. Sag’ willst du mit mir streiten? BONI gleich besänftigt, tritt zu ihr, sagt Nein, Sylvikam, aber schau’ bin ich dein Frajnd? Wozu war notwendig ganzer Skandal. Was hätt’ er denn noch machen sollen, der Edwin? Mehr wie dich heiraten wollen, kann er doch nicht! SYLVA Mich hat er nicht heiraten wollen! Die Gräfin Kancsianu, die ja - aber die Sylva Varescu - die nicht! BONI Aber geh’ - das ist doch ein- und dasselbige sich vergessend Das ist doch ganz Wurst! Da Sylva sich bei diesem Wort zu ihm wendet, sich verlegen verbessernd Will ich sagen Salami! SYLVA bebend Er hat sich meiner geschämt! BONI Was fällt dir ein? Wann einer sich schämt, wird er doch rot - und er war immer ganz blass. SYLVA Du guter Kerl, du willst ihn verteidigen. Beginnt leise zu weinen. BONI Geh’, Mutzikam, wein nicht! Schneuzt sich. Weisst, kann ich Frau’nzimmer nicht weinen seh’n. Wirft sich in einen Fauteuil links, auf der anderen Seite der Bühne Na also, da hast es! Weint und schneuzt sich komisch. ZWEITE SZENE FERI Zigarette im Mundwinkel, Zylinder schief auf dem Kopf, Überzieher mit aufgestelltem Kragen, die Hände in den Überziehertaschen, in der Rechten den Stock, dessen Griff in der Tasche steckt, kommt pfeifend von unten über die Freitreppe, will nach links über die Stiege, erblickt Boni, dann Sylva, bleibt stehen, schaut von einem zum andern, fängt vor Freude zu lachen an Ja, schlaf’ ich oder träum’ ich! Boni! Sylva! Jaj mamam! BONI und SYLVA blicken auf, ihr Weinen geht in Lachen über, sie springen auf Feri bacsi! Feri bacsi! FERI macht Luftsprünge, Boni und Sylva drehen ihn übermütig vor Freude im Kreis herum, fällt Sylva um den Hals Sylva, Einziges, gut schaust aus! Umarmt Boni Bonikam, Liebliches, elend schaust aus! Was für Teifel hat den Eich dahergeschneit? BONI Was machst denn du da ? FERI mit Würde Ich bin hier - in Dienst! SYLVA In was ? FERI In Dienst! Als Beschützer von weiblicher Tugend. Sollt Ihr gleich seh’n! Eilt über die Treppe hinunter. Boni und Sylva treten neugierig zur Balustrade. Feris Stimme von unten Juliska, Aranka, Madels, kommt’s herauf - schaut’s, wer da ist! DRITTE SZENE DIE MÄDCHEN stürmen die Treppe herauf Wer denn? Wer denn? Erblicken Sylva, sind ganz ausser sich vor Freude Sylva! Sylva! Umarmen und küssen sie. SYLVA Nein! So was! So eine Überraschung! DIE MÄDCHEN erblicken Boni, stürzen auf ihn zu, umarmen ihn, rufen Boni! Boni! JULISKA zu Boni Hast mir was mitgebracht? eine Tüte hervorziehend Ja, Kugler Bonbons mit Seegras gefüllt. FERI erklärend Sind alle in Apollo engagiert - treten morgen auf. SYLVA lachend Was machst denn du dabei? FERI Ich bin mitgefahren - väterlich! Weil alle sind in mich verliebt! - Jaj, Sylva, wird das Aufsehen machen in Budapest, dass du wieder da bist! Haus wird brechen, wenn du wieder auftrittst. SYLVA Ich trete nicht mehr auf. FERI Was? DIE MÄDCHEN Warum denn nicht? SYLVA Ich heirate! ALLE Ah! FERI Ja, wen denn? BONI rasch Den Edwin! DIE MÄDCHEN in die Hände klatschend Also doch! Wir gratulieren! SYLVA unterbrechend Ist ja nicht wahr. Es ist ein anderer. ALLE Wer? Wer? SYLVA auf Boni deutend Er! ALLE brechen in grosses Gelächter aus FERI Also wenn du den nimmt - das wär’ grösste Dummheit von deinem Leben. BONI So ist es. FERI Der passt zu dir wie ein Elephant zu ein Klavier. BONI Sehr richtig! Eljen! FERI Was brauchst du überhaupt heiraten? Komm zurück zum Theater! SYLVA Nein - nie mehr! FERI Geht’s hinunter, Mädels, alle, lasst’s mich allein mit ihr - werd’ ich einmal zeigen, was alter Feri kann! Mädchen lachend mit Boni über die Mittelstiege ab FERI nimmt Sylva bei der Hand Komm, Sylva. Schau mir in Aug’ hinein. Tut dir weh um Edwin, was? SYLVA schweigt. FERI Kann dich ja versteh’n. Hab’ so was selber durchgemacht. Aber deswegen ganze Zukunft wegschmeissen - das darfst du nicht! Warm, zart Wenn L i e b e hat dein Herz gekränkt, Kunst wird wieder alles schenken - Vergessenheit. Komm zurück zum Theater. dort ist Heimat deiniges! Wann du dort oben stehst auf Brettel zufliegen alle Herzen – besonders die männlichen - dann wird vor dir versinken Welt andre und du wirst wieder sein was du warst Singvogel kleiner, goldiger, mit Glück in Schnabel, mit Glück in Herzen! Dann wirst du wieder Sylva sein - unsere Sylva! SYLVA gerührt Feri bacsi! FERI Komm zurück! Öffnet die Arme Willst du? - Ja - willst! Seh’ ich dir am Nasenspitzel an! SYLVA sich an ihn lehnend, bewegt Ich - kann nicht! FERI Kannst! Läuft zur Treppe, ruft hinunter Boni, komm mit die Zigeuner! Boni und Zigeuner kommen. Die Zigeuner im Gegensatz zum 1. Akt, wo sie im Frack waren, jetzt in roten, goldverschnürten Uniformen. FERI Her, Zigeuner! Spielt’s ein Stückel feuriges - was ihr geht in Blut hinein! Pickt dem Primas eine Banknote auf die Stirn; auf Sylva deutend Sie braucht noch ein Ruckerl, ein letztes! Nr. 14 Terzett FERI Nimm, Zigeuner, Deine Geige, Lass seh’n, was du kannst! Schwarzer Teufel, spiel’ und zeige, Wie dein Bogen tanzt! Spiel’ ein Lied, das weint und lacht, Spiele, bis der Bogen kracht, Spiele, bis heranbricht das Morgenrot, Spiele, Betyar, schlage mir die Sorgen tot ! Jaj mamam, Bruderherz, ich kauf’ mir die Welt! Jaj mamam, was liegt mir am lumpigen Geld! Weisst du, wie lange noch der Globus sich dreht, Ob es morgen nicht schon zu spät! ALLE Jaj mamam usw. SYLVA Spiel’, Zigeuner, mir was Feines, Etwas fürs Gmüt! Alles spiel’ mir, nur nicht eines - Nur kein Liebeslied! Spiele auf dem Kontrabass So zum Spass mir irgendwas! Spiel’ mir ‘einen Feuercsardas - spiel mir ihn! Bring’ das dumme Herz zum Schweigen mir da drin! Jaj mamam, Bruderherz, ich kauf mir die Welt! usw. ALLE Jaj mamam usw. BONI Ganzes Dasein ist ein Schmarren! Freunderl, sei gescheit! Heute über fünfzig Jahren Leben andre Leut’ ! Dieses ganze Jammertal Ist für mich ein Nachtlokal. Überhaupt fahr’ ich in Himmel vorderhand Und verkaufe, wenn gefällig, mein Gewand. ALLE Jaj mamam, Bruderherz, ich kauf’ mir die Welt! usw. Alles ab. VIERTE SZENE Edwin über die Wendeltreppe rechts, gefolgt von einem Hotelgroom. GROOM Bitte hier zu warten. Werde den Herrn Grafen verständigen. Ab. EDWIN Geht ungeduldig auf und ab, zündet sich nervös einige Zigaretten hintereinander an, wirft sie wieder weg. BONI über die Freitreppe Servus, Edwin! Hab’ gewusst, du wirst nicht schlafen können. EDWIN Wo ist Sylva ? BONI Sylva? Sieht ihn einen Augenblick zögernd an, dann Sylva is in Konzert. EDWIN sprachlos In was? BONI In Konzert - mit Feri bacsi! EDWIN Mit Feri? BONI Ja, da- schaust - nicht wahr? Wohnt zufällig auch da im Hotel der Feri bacsi! EDWIN Sie kann in ein Konzert geh’n, während ich … Wo ist dieses Konzert? BONI ausweichend Im Konzertsaal! Muss gleich aus sein. EDWIN Ich werde warten. Geht erregt auf und ab. BONI Ist zum Tisch links gegangen, lehnt sich an einen Stuhl Einen Schlaf hab’ ich , dass ich umfallen könnt’ ! EDWIN auf- und ablaufend Sie kann in ein Konzert geh’n! O diese Weiber! Diese Weiber! Während der folgenden Szene schläft Boni stehend langsam ein. EDWIN nach einer kleinen Pause, sich erregt zu Boni wendend Über dein heutiges Vorgehen sprechen wir noch! Das geht ich dir nicht so durch! Ein Jugendfreund, dem ich so blind vertraut habe! Ein Mensch, auf dessen Treue ich Häuser gebaut hätt’! Wie oft hast du mir sagt, du wirst mir jedes Opfer bringen!? Du wirst für mich durchs Feuer geh’n, du wirst für mich wachen- und jetzt! Hahaha! - Du hast Sylva die Verlobung verraten, du hast mich in diese Situation gebracht! - Du kommst in unser Haus und spielst mir eine lächerliche Posse vor - du musst mich rein für einen Idioten halten! BONI lässt im Schlaf den Kopf auf die Brust sinken. EDWIN wütend Du nickst? Das verbitt’ ich mir! Ich kann auch anders mit Dir reden! BONI schnarcht. EDWIN wie oben Du lachst? Jetzt hab’ ich’s satt! Geht auf Boni zu, rüttelt ihn bei der Schulter Was glaubst du denn eigentlich ? BONI erwachend Wo bin ich? Ganz erstaunt Du hier? Da ihn Edwin anfasst Mörder! Hilfe! EDWIN Keine Ausflüchte! Klipp und klar Warum hast du Sylva für deine Frau ausgegeben? BONI verschlafen Hab’ ich gar nicht! EDWIN Was ? BONI wie oben Sie hat mich für ihren Mann ausgegeben. Das is Unterschied, bitte. EDWIN Ich habe nur Geduld mit deiner grenzlosen Dummheit, sonst … BONI plötzlich, ganz munter Was Dummheit? Bitte, modernisier’ dich! Ja? Erst verlobst dich und heiratest nach allen Seiten und Richtungen und dann tunkst du mich in deine Suppen hinein! Schüttelt ihn Wie komm ich dazu? EDWIN Boni! BONI Jetzt will Sylva mich zum Mann haben! Schüttelt ihn. Wie komm ich dazu, deine Frau zu heiraten - während ich in deine Braut verliebt bin? schüttelt ihn Wie komme ich dazu, eine Frau zu heiraten, die einen Mann hat, der verlobt ist mit einer Braut, die ich zu meiner Frau machen’ will? schüttelt ihn. Wie komme ich dazu eine Braut zu meiner Frau machen zu wollen, die einen Bräutigam hat, der eine Frau hat, dich mich zu Ihrem Mann haben will? schüttelt ihn. EDWIN Lass mich los! Was erlaubst du dir? BONI Gleich für gleich bitte! Ich muss auch einmal mein Herz ausschütten! GROOM mit einer Visitkarte auf Boni zutretend Dieser Herr wünscht den Herrn Grafen zu sprechen. BONI sieht auf die Karte Der Teufel! EDWIN Wer ? BONI Der Teufel - soll’s holen! Schau, wer da is! Zeigt ihm die Karte. EDWIN rasch Mein Papa! Ich will ihn nicht seh’n! BONI Geh’ nur da hinein, zeigt Tür links ich hol’ dich schon später. Edwin links ab. FÜNFTE SZENE FÜRST sehr aufgeregt War Edwin da? BONI Ja! FÜRST Wo ist er? Wo? BONI verlegen In - im Kaffeehaus. FÜRST Ist er heil? Ist nichts passiert? BONI Nix. FÜRST Gottseidank! Stürzt zum Tischtelefon 14212! Ja, bitte! Horcht, wendet sich mit der Muschel am Ohr zu Boni Was hat er denn gesagt ? BONI Nix. Geschimpft hat er wie Nachtigall. FÜRST der Anschluss gefunden hat, spricht in den Apparat Anhilte, du? Hier Leopold Marie. Gottseidank, er ist da! Nein nein, nichts passiert! Ich bring’ ihn schon nach Haus! Läutet ab. BONI hat sich die Telefonnummer auf die Manchette notiert. 14121. Gut zu wissen. FÜRST Ohne deine alberne Komödie hätte die Verlobung stattgefunden. Jetzt ist das arme Mädel, die Stasi, kompromittiert. BONI O nein, bitte. Verlobung wird heute noch stattfinden. FÜRST barsch Was heisst das? BONI feierlich Das heisst - In anderem Ton Bitte nur ein Augenblick. Zieht sich seine weissen Handschuhe an, dann feierlich Ich habe die Ehre, Durchlaucht um die Hand von Fräulein Stasi zu bitten. FÜRST Du bist ja verrückt! Das Mädel liebt ja den Edwin. Nie würde sie einwilligen! BONI Werden wir ja gleich sehen. Geht zum Telefon, sieht auf die Manschette, läutet 14212, bitte! FÜRST Was treibst du? BONI Hallo! Hier Graf Kancsianu ! Bitte Komtesse Stasi zum Telefon! Zum Fürsten Scheint Gesellschaftstelefon. FÜRST Wieso? BONI Weil ich soviel Stimmen höre. Hineinsprechend - Hallo! Sehr freundlich Komtesse - verbeugt sich mehrmals Küss, die Handerln, küss’ die Handerln, bitte. Horcht. Sind bös’, bitte? Bin unschuldig wie Amen im Gebet. Horcht. Ja, ja. Bin mit Durchlaucht da mit alter, bitte. Horcht. Ja, Ja... Nur noch eine Kleinigkeit, bitte. Aber bitte sehr, nicht umfallen! Hab’ ich nämlich erlaubt bei Durchlaucht um Hand von Gnädige anzuhalten. Horcht. Sie lachen, bitte! - Bitte, sagen Sie gutes Wort - handelt es sich um mein ganzes Lebensglück. Horcht Wie bitte? Horcht mit steigender Freude. Ja! Ja? Ja! Dafür muss ich Ihnen Bussel geben! Küsst ins Telefon hinein. Ich bin glücklichster Mensch von ganzer Welt! Drückt die Muschel an sein Herz. Ja! Pah! Schluss! Läutet ab. Sehen Sie, das is einmal richtige Verbindung Schwiegerdurchlaucht, alter, kannst mir gratulieren ! Klopft ihm auf die Schulter. Du darfst mir “du” sagen, Onkel! SECHSTE SZENE FERI zu Boni Du Boni, Sylva lässt dir sagen, du sollst packen kommen. BONI Ich packe nicht, ich reise nicht. zum Fürsten Das ist Missverständnis. Keine Sylva, kein Weib auf ganzer Welt hat ein Recht auf mir. JULISKA auf der Treppe Boni! Geliebter! Komm doch! BONI winkt ihr lebhaft ab, verlegen, zum Fürsten Das zählt nicht, bitte. GROOM a tempo Herr Graf, zwei Damen lassen bitten. Sie warten im Vestibül. BONI Gleich zwei! zum Fürsten Die kenn’ ich gar nicht! Beiseite Wie wenn sie’s zu Fleiss täten! zum Fürsten Entschuldigen, Durchlaucht, auf einen Augenblick! zum Groom Ich komm’ schon, ich komm’ schon. Ab mit Groom. SIEBTE SZENE FERI Verzeihung - hab’ ich die Ehre mit altem Edwin? Sich vorstellend Ferencz Ritter Kerekes von Ferlsö-Mezötur und Also-Kirishaza, in Pest genannt der Feri bacsi. FÜRST Sehr angenehm. Leopold Maria Fürst von Lippert-Weylersheim. Verbeugung. FERI Verzeihung, wenn ich mich da bissel misch’ in die Familie hinein - aber Edwin is lieber junger Freund von mir, und weiss ich von alles. FÜRST Um so besser. - So werden Sie auch einseh’n - FERI Entschuldigen schon, kerem, aber seh’ ich gar nicht ein. Wann einmal Bursch Madel gern hat, dann muss Vater nachgeben. FÜRST Aber man kann doch schliesslich nicht von mir verlangen, dass ich eine Chansonette zur Schwiegertochter nehme! FERI Warum nicht, bitte? Ich selbst, bitte, bin doch auch Edelmann und hätt’ mir alle Finger abgeschleckt, wenn ich bekommen hätt’ die Kupfer Hilda von Orpheum in Miskolcz, wie sie Witwe war, is mir wieder der Graf Zentler Geza zuvorgekommen. FÜRST entgeistert Was sagen Sie da? Die Witwe des Grafen Zentler? Irren Sie sich auch nicht? FERI Aber nein! Zieht sein Portefeuille Das is sie! Trag’ ich noch Bild von ihr - in alle Ehren. Zeigt das Bild dem Fürsten, der es in die Hand nimmt. FÜRST wankt, beiseite Meine Frau! Eine Chansonette!! FERI Was ist Ihnen? Kennen Sie sie ? FÜRST Nein, nein - mir ist nur auf einmal so - würgend Ein bisschen Luft - ACHTE SZENE FÜRSTIN aufgeregt Wo ist mein Sohn, wo ist Edwin? FÜRST aufspringend Gut, dass du da bist, Ich habe mit dir zu sprechen. FÜRSTIN erblickt Feri, beiseite O mein Gott, Feri! FERI beiseite Hilda? zum Fürsten Frau Gemahlin, nicht wahr? Erlaube mich vorzustellen Ferencz Ritter Kerekes von Ferlsö-Mezötur und Also-Kirishaza. Ich schätze mich glücklich die Bekanntschaft von Euer Hochgeburt zu machen! Im Abgehen mit enttäuschtem Blick auf die Fürstin Jaj mamam! Ab. FÜRST Gottseidank, er hat sie nicht erkannt! NEUNTE SZENE FÜRSTIN Stasi wartet unten mit dem Grafen. - Was machst du für ein Gesicht? Was gibt es denn? FÜRST Was es gibt? Sich zu ihr neigend, mit finsterem Gesicht Ich sage nichts als Orpheum in Miskolcz! FÜRSTIN erschrocken O mein Gott! FÜRST Also wahr? Ich habe die Primadonna von Miskolcz geheiratet! Jetzt verstehe ich Edwin, der Bursch kann ja gar nicht anders! Er ist erblich belastet! FÜRSTIN Leopold Maria! FÜRST Ich gebe jeden Widerstand auf. Zwei Chansonetten in der Familie, mein Stammbaum zerfällt in lauter Brettl! FÜRSTIN Leopold Maria! FÜRST gebieterisch Miskolcz! ! Beide ab. Die Fürstin voraus mit gesenktem Kopf, Fürst mit ausgestrecktem Arm auf die Tür zeigend hinter ihr. ZEHNTE SZENE STASI Das ist eine Nacht! An die werd’ ich denken! BONI selig Ich auch. Es ist die glücklichste meines Lebens! Sie verliebt anblickend Vorläufig! STASI lachend Sind Sie aber komisch! BONI Damit is aus, bitte. Jetzt kommt Ernst des Lebens. STASI Nein, bleiben Sie nur wie Sie sind! BONI In Allem? STASI In Allem! BONI Dann erlauben schon! Küsst die ganz Überraschte plötzlich. STASI Was ist denn das? BONI Haben Sie gesagt, ich soll bleiben wie ich bin. Und ich bin so. Wenn ich verliebt bin, muss ich busseln. Küsst Sie wieder. STASI sich schwach wehrend Aufhören! BONI Aber fang’ ich ja erst an! Stasi, Stasikam, Braut süsse, liebe einzige, sag’ mir Wann machen wir Hochzeit? STASI Nicht eher, bis Sylva und Edwin vereint sind, das ist meine Bedingung. BONI Bitte, das überlassen Sie mir! Im Vereinen von Liebenden bin ich Fachmann. Noch heute Nacht bringe ich die Sache in Ordnung. STASI Wie werden Sie das anfangen? BONI Das ist mein Geheimnis. Bitte, betrachten Sie sich schon als mit mir verheiratet. Küsst sie. STASI Aber Boni! Wehrt sich. BONI Comtesse, ich liebe sie. STASI Und wenn ich sie nicht so lieben sollte … BONI Es macht nichts. Meine Liebe ist genug für beide. Nr. 15 Reminiszenz BONI Mädel guck Ich hab’ noch nicht genug! Es ist noch - lang nicht Schluss Gib mir schnell - noch ‘nen Kuss Mädel schau Bald sind wir - Mann und Frau - Und da nimmt man’ s nicht so genau. STASI Nicht so stürmisch, nur hübsch parlando! Glaub’, dass Dir das schon passen möcht’ - Kommst Du einmal erst, Freundchen, unter mein Kommando, Burscherl, dann geht’s Dir schlecht! BEIDE Das ist die Liebe. Die dumme Liebe! Die macht das Männchen (Weibchen) wie den Auerhahn so blind! Erst in der Ehe, So in der Nähe, Da merkt man, dass die Männchen Schwindler- (Weibchen Drachen) sind! Beide ab. ELFTE SZENE. Nach der Reminiszenz BONI eilig Sylva kommt! Jetzt mach’ ich meinen Schwindel vor. Setzt sich zum Telefon, ohne zu klingeln Hallo? Bist du’s Edwin? Hier Boni! Warum zitterst du so mit Stimme? Du siehst ja ganz blass aus! SYLVA ist schon einen Moment früher erschienen, hinter ihr der Groom Ja, ja, zum nächsten Zug! Groom verbeugt sich, ab. Sylva bleibt stehen und hört Boni zu, der sich stellt, als ob er sie nicht bemerkt hätte. BONI Edwin, was sagst du? Ich bitte dich, mach’ keine Dummheiten! Es kann ja noch alles gut werden. Was sagst du? Kannst ohne Sylva nicht leben? Aufschreiend Bitte, gib Revolver weg! SYLVA wankend, sich am Stuhl haltend O mein Gott! BONI fortfahrend Ich bitte dich, ich beschwöre dich, gib Revolver weg! In so jungen Jahren - bist ja noch Knospe! Kannst ja noch spriessen! Aufschreiend, sich die Haare verwirrend Ha! Wart’ doch noch! Noch nicht! Schiess nicht! SYLVA die in steigender Erregung zugehört hat, stürzt auf Boni zu Lass mich mit ihm sprechen! Will ihm das Hörrohr aus der Hand reissen. BONI es krampfhaft festhaltend Weg da! Stösst sie zurück Ein Menschenleben steht auf dem Spiel! EDWIN Erscheint im Hintergrund, von beiden unbemerkt, hört erstaunt zu. BONI telefoniert weiter Edwin, bin ich dein Freind? Aufschreiend Er zielt auf mich! Edwin, Sylva ist da, sie lasst dir sagen - Zu Sylva in natürlichstem Ton Was lasst du ihm sagen? SYLVA mit ehrlichster Empfindung Dass ich ihn liebe, dass ich seinetwegen gekommen bin. Dass ich ohne ihn nicht leben kann. Sie wankt. EDWIN stürzt auf sie zu, hält sie, Sylva stösst einen Schrei aus. Edwin fällt ihr zu Füssen, bedeckt ihre Hände mit Küssen. BONI hat davon gar nichtsbemerkt, telefoniert weiter Sie lässt dir sagen, dass ich dich liebe, dass sie meinetwegen gekommen ist, dass du ohne mich nicht leben kannst! Schiess nicht! Was soll ich ihr sagen? Was ist dein letztes Wort? Horcht EDWIN Dass ich sie liebe, dass ich ohne sie nicht leben kann. BONI Danke, Schluss. Dreht sich um, beim Anblick Edwins schreit er auf Der selige Edwin! ZWÖLFTE SZENE STASI Nun? BONI stolz Mein Werk! Zeigt auf Sylva und Edwin Wann machen wir Hochzeit? STASI Wann du willst! Umarmung. Schlussgesang ALLE VIER Tausend kleine Englein singen…. usw. V o r h a n g Kalman,Emmerich/Die Csárdásfürstin
https://w.atwiki.jp/mawarusekai/pages/16.html
「ヤスっちは見知らぬ幼女を誘拐しようとしていたのだった…」 こちらに来たのは女の人が一人に男の人が二人。全員この男の人の友人のようだった。 「戻ってきたのかよ・・・。先行ってろって言ったじゃねぇか・・・」 男の人の方がガックリと項垂れる。 「甘いなヤスっち、そこに面白さを感じればすぐ駆け着く。それが私さ・・・」 ヤスっちと呼ばれた男の人に対して親指を立てる女の人。 「して安田俊明くん。この幼女は誰なんだ?」 「えーっと、だな」 思わず口ごもるさっきの男の人…安田俊明という名なのか。 「おっと何故口ごもるヤスっち…。まさか本当に幼女誘拐を…?」 「黙ってろ千尋。オレはただ、人間の良心に従って行動してただけだ」 泣いてる女の子がいたのでハンカチを渡した…という理由ではきっと恥ずかしいのだろう。そんな感じがする。 「えっと、私がですね」 「ストップだぜ幼女!…その前にだな」 やたらテンションが高いなこの女の人…。 「私たちは君の名前がわからない、君は私たちの名前がわからない…あとはわかるな?」 要するに自己紹介をしようと言うことか。 どうしようか。身分を偽ろうか・・・。一応戸籍は複数持ってるからその中の一つを・・・いや。 …今さら私の正体がバレたところで、どうでもいいか。どうせ終わるのだから。 「まぁ私から言うと、名前は守屋千尋。これでも高一さ」 さっきの女の人は守屋千尋という名前だったのか。活発な性格なんだろうな…やっぱり。 「オレの名前は安田俊明。まぁ、よろしくでいいのか?」 安田俊明。少し目付きが悪い男の人。でも見ず知らずの私に声をかけたってことは根は優しいのだろう…多分。 「俺の名前は椎名俊一。以上」 感情変化が少ないクールな人そうだ。イマイチ何を考えてるかは表情から読み取れそうにない。 「俺の名前は松尾亮也ね。よろしく。というかなんで自己紹介タイムに入ってるの?」 人懐っこそうな笑顔を浮かべて話し掛けてくる金髪の少年。他の人と比べると背が高いな。髪はきっと染めているのだろう。 「さて、君の出番だぜ…?」 千尋さんが松尾さんをスルーして期待に満ちた目で私を見る。 「私の名前はシュタムファータァ。端的に言うならば、この街を消しに来た人です」 淡々と、今までの空気を打破るように機械的に感情を込めないで言う。 場が一瞬にして鎮まる。みんなが私を怪訝な表情で見つめる。 「・・・・・・この街を消しに来たというのは、どういうことだ?」 言葉を失って絶句している中、椎名さんが冷静に口を開く。 「次に消えるのがこの揺籃…という意味です。私はそのためにここに来ました。所謂組織の人間というヤツです。ま、正確には人間ではないんですけど」 「ちょい待ちちょい待ち、シュタムファータァちゃんだっけ?君みたいな幼女が街を消しに来たってのはこれなんてエロゲ?くらいの摩訶不思議アドベンチャーなわけで…」 「・・・千尋、お前落ち着け」 驚くのは無理はない。いきなりこんな子供が荒唐無稽なことを言い出したら大半の人間はそれを冗談として受け取って笑うだろう。 「信じられませんか?」 「にわかには信じがたい話なのはたしかだな」 椎名さんはこちらを警戒するような瞳で見ている。本当に冷静な人だ。 「見せましょう証拠を。これが貴方たちの現実の理解を越えている事象だということを。私がリーゼンゲシュレヒトであるということを」 "セカイ"を体に循環させていく。ヒトが、ヒトでなくなるためのステップ。 体中の血液が沸騰していく感覚。……何年ぶりなのだろうか。この感覚は。 『現界せよ我が体、-罪深き始祖-シュタムファータァ』 その言葉を紡ぐと、私を白銀の光が包み込み、段々その光が肥大していく。 公園全体を覆い尽くす程になった瞬間光が消え…そこに現れたのは、羽根のように存在する12枚のプレートを纏った白銀の巨人だった。 「な、なんだ…!?」 四人とも驚愕の表情を浮かべる。目の前に突如“非現実的な事実”を見せ付けられたのだから当然だろう。 「これで信じますか?」 「…こいつは、想像すら出来なかった」 さっきまで冷静な表情を崩さなかった椎名さんが、驚愕な表情を浮かべている。 「やっべぇ…すげぇ、スーパーロボットだーっ!」 きゃっほー、と嬌声をあげながら私の膝元にへばり付く千尋さん。 「……へ?」 「……守屋は、こういう女の子だ」 椎名さんが呆れたように言うが、顔は笑っているようにも見えた。 「お、俺も触っていいか!?」 松尾さんが私の返事を待たずにもう片方の足にへばり付く。 「やべぇ…サイズSの地Aか…?リアルロボットかも知れない…」 ブツブツ私の足元で楽しそうに喋り出す千尋さん。 「えっと、とりあえず元の姿に戻りますよ…?」 えーっ、と言われたが問答無用で元の人の姿に戻る。 「シュタムファータァ」 安田俊明…ヤスっちさんが私の前に出てくる。 「ま、あんま気にすることでもないだろ」 あっけらかんと、彼は答えた。 「いやそりゃ揺籃は消されたくないけど。なんつーか、オレ等はお前みたいな子供が消すって言われても、な」 「それでも、それでも!揺籃は私が消さなければいけません・・・!」 「わかってる。けど、信じられねぇんだ。まぁ、非常識な存在だってのはわかったけどな」 まさか、そんなことを言われるとは思わなかった。恨まれて、責められて、非難されて当然だと思っていた。 だが、この人たちはそれをしなかった。私みたいな女の子が、と。信じようとしなかった。 だからリーゼ化した。非常識の証拠を見せた。そのはずなのに・・・。 何故なのか…私には理由がよく理解出来なかった。 「うわ、もうこんな時間!私もう病院行かないと面会時間が!」 千尋さんが思い出したかのように慌てはじめる。 「っと、忘れてた・・・。どうする?お前も付いてくるか?」 差し伸ばされた手。私は、その手を取った。 この人たちが私を非難しない理由を知りたかったからだ。それを知るまで、この人たちに付いていってみよう。 そう、私は思った。 徒歩で二十分くらいだろうか。病院に私たちはたどり着いていた。 みんな自転車だったが、私に気を利かせてくれたのか自転車を押して移動していた。 病院の外観はとにかくデカい。聞いた話ではもともと本州にあった超デカい国立病院の副院長が独立し、揺籃に来たらしい。 設備も最新だし人員も完備されている。揺籃みたいな離島には不釣り合い…とはさすがに言い過ぎか。 「病室覚えてんのか?」 「愚問だね」 みんなを先導するように、この広い病院内を迷うことなくスムーズに入院棟までたどり着いた。 「302…伊崎千春。ここであってるな」 「いやっほーい、ちっはるー!お姉ちゃんが遊びに来たぞーっ」 ヤスっちさんがドアのプレートを確認してるときにはもうドアを開け放って入っていた。 「千尋、お前もう少し静かに入ってこれないのか」 病室のベッドには誰もいなく、変わりにパイプ椅子に座る長身の男性が一人。 「むむ、伊崎孝一…千春を何処に隠した…?」 「見慣れないお客様がいるな。どちら様だい?」 千尋さんの発現を華麗にスルーしてこちらに優しげに問い掛ける伊崎さん。 「シュタムファータァ、です」 「シュタムファータァ…ドイツ語で始祖か。素敵な名前だな」 キザな台詞だったが、この人が言うと何故か嫌な気はしなかったが。 私はあんまり始祖という言葉が好きではないので、素直には喜べなかった。 「伊崎…お前、すごいな。オレなんてただ外人ってぐらいにしか」 すると伊崎さんは呆れたように口を開く。 「あのなぁ俊明。オレはこの病院の院長…伊崎尚仁の息子であり、医者の卵でもある。医療に関わる者にとってドイツ語は英語より馴染み深い言葉だぞ?そのくらいわかって当然だ」 「あ、そう」 「で、真面目に千春は何処?」 ヤスっちさんと伊崎さんの間に身を乗り出すようにして聞いてくる千尋さん。 「実を言うとオレも今来たばかりで知らないんだな。まぁ、病院内にいるのはたしかだ。すぐに帰ってくるだろうよ」 伊崎さんは軽く笑いながらそう言った。 「どうする千尋?探しに行くのか?」 すると千尋さんは少し考える素振りを見せるが、すぐにまた明るい表情を見せた。 「んじゃあ、お姉ちゃんは探しに行くとしますわい。みんなはどうする?」 「私は、付いていっていいですか?」 「オッケオッケ、紫蘇ちゃんは私と一緒ね~」 カラカラと笑いながら二つ返事で了承する千尋さん。……いや、待て。…始祖ちゃん? 「始祖ちゃんって…私のことですか…?」 「NoNo紫蘇ちゃん。イントネーションが違うな、始祖ちゃんしなくて紫蘇ちゃんなのが個人的にミソなんだぜ」 親指を立て拳をこちらに向ける千尋さん。始祖じゃなくて、紫蘇…? 「それ、あだ名として女の子っぽくないだろ」 「ヤスっち黙れッ!」 ヤスっちさんが突っ込んだ瞬間に千尋さんの鉄拳がヤスっちさんの顔面にめり込み、体が床に沈む。 「またつまらぬ者を斬ってしまった…」 「…いや、お前殴っただろ」 ヤスっちさんが起き上がりながら突っ込みを入れる。そしてヤスっちさんの言葉を完全にスルーし、他の人たちに付いていくかを聞いていく千尋さん。 結局、私と千尋さんとヤスっちさんが千春さんを探しに行くことになった。 ……ちなみに紫蘇ちゃんというあだ名はシュタムファータァが言いにくいからとのこと。私としては“始祖”が嫌いなだけだから“紫蘇”は構わなかった。 たいした違いではないかもしれないが、私にとっては重要だった。 三人で病室を連れ立って出る。 「で、どこから探すんだ?」 ヤスっちさんがそう言うと、千尋さんは自信満々な顔で笑いながら口を開いた。 「実はね、千春の場所はもうわかってるのだよ、ワトソンくん」 「誰がワトソンだ。というより、わかってるなら何で言わなかった」 「行ってみればわかるさ、ワトソンくん」 ニヤニヤしながら千尋さんは先導しながら、上へと向かっていく。 そして千尋さんは屋上と書かれたプレートの扉の前で止まる。 「…喋らないで、ゆっくり入ってね」 「…ゆっくり入っていってね!…」 ヤスっちさんの声で小さくそんなような声が聞こえた気がしたが、扉の蝶番の金音で確証は得られなかった。 ドアがゆっくりと開いた、そこには。 * o + # * o 病院の屋上。 * o + # * o 茜色に染まった空の下。 * o + # * o 祈るように歌う、影、ひとつ。 Freude schoener Goetter funken, Tochter aus Elysim Wir betreten feuertruken, Himmlische,dein Heiligtum Deine Zauber binden wieder, was die Mode streng getelit, alle Menschen werden Brueder, wo dein sanfter Fluegel weilt. alle Menschen werden Brueder..... 「-----歓喜よ、美しい神の閃光よ、 楽園からの娘よ、 我等は情熱に満ち、 天国に、汝の聖殿に踏み入ろう。 汝の神秘な力は、引き離されたものを再び結び付け、 汝のやさしい翼のとどまるところ、 人々はみな兄弟となる------」 茜色の世界に響き渡った澄んだ声。 交響曲第九番、第四楽章。 千尋さんと同じ栗色の髪を靡かせ、まるで私たちがいたのを知っていたかのように、自然に、美しく彼女は振り向いた。 「歌は、いいね」 そう、どこか悲しそうな、遠くを想う表情で彼女は微笑んでいた。 「や、第九の後にそのセリフはマズいでしょ」 千尋さんがカラカラと笑いながら突っ込む。 「無問題~無問題~」 無邪気な笑顔で答える千春さん。小柄な身長と合わさって、まるで妖精のようだった。 「あなたは、だれ?」 千春さんが私の方を興味津津な瞳で見つめる。 「この子はねー、紫蘇ちゃんって言うんだよーっ」 「うわきゃっ」 千尋さんがそう答えながら私に飛び付いてくる。それを見て千春さんは朗らかに笑った。 「紫蘇ちゃんね~。よろしくね~」 千尋さんに抱き付かれて困惑してる私に対して手を伸ばす。 「うわぁ、駄目駄目~、千春無理しちゃ駄目っ」 千尋さんが慌てて私から離れて千春さんに近付く。 「大丈夫なのに~、そのくらい」 「万が一があるでしょ、もう」 不思議そうに見ている私の隣りにヤスっちさんが立つ。 「千春な、腹の中に子供がいてな。もうすぐ生まれるそうだから、千尋も心配で仕方ないんだろうよ」 「…そうだったんですか」 言われてみれば千尋さんのお腹は不自然に大きい。 何故こんな若い年齢で?という疑問が湧いたが口に出さなかった。 何か、私には想像もつかない理由があるのだろう。詮索は、する気になれなかった。 「ほらほら、病室で愛しの伊崎孝一が待ってるんだから、行くよっ」 「えへへ、うん、そうだね。行こうか~」 嬉しそうにな顔の千春さんを連れて、千尋さんと千春さんは屋上を後にした。 「………」 「ヤスっちさん、屋上に来てからひたすら空気でしたね」 「言うな。空気を読んだだけだ」 心なしか声を落としたヤスっちさんと共に、千尋さんの後を追うように屋上を出た。 私たちが病室に着くと、千春さんはベッドで体を起こしていた。 「おかえり、二人とも」 ベッドの上から私たちに笑いかける千春さんは、屋上にいた時よりは嬉しそうだった。伊崎さんがいるからだろうか。 「安田も来たことだし、オレはそろそろお暇する」 椎名さんがバッグを担ぎ直す。 「お、じゃあオレも帰るわ。じゃあね、千春ちゃん」 「はいはーい、来てくれてありがとね~、椎名くん、松尾くん」 松尾さんも同じくバッグを担ぎ直す。 「安田、お前はどうする?」 「そうだな…、千尋はどうするんだ?」 千尋さんは少し考える素振りを見せ、床に置いてあったバッグを拾い、担ぎ直した。 「んじゃ、私も今日帰るわ。ここで解散だね。じゃね、千春。また日曜日にゆっくり話そ」 「うん、みんなまたね~」 手を振りながら朗らかに笑う千春さんを尻目に、私たちは病室を出た。 病室を出て少し歩いた時、椎名さんがふと足を止め、口を開いた。 「紫蘇…少し、付き合ってくれないか」 そう言った椎名さんの瞳は、真摯で、厳しかった。 だが同時に、こうなるんだという確信はどこか心の中であったのかもしれない。 「椎名、お前…」 「…聞いておくべきことがあるだろう」 椎名さんがそう言うと、誰もが口をつぐんだ。 「…ここじゃなんですから、屋上で話しましょうか」 5人で屋上に向かう。その間は、誰も喋ることはなかった。 私が先導し、本日二回目となる屋上の扉を開ける。 夕焼け空は消えかけ、夜の黒い空が覆い尽くそうとしている。 「…単刀直入に聞く。お前は、オレの…、揺籃の敵となるのか?」 椎名さんがこちらを真直ぐな瞳でい抜く。私の甘さを、打ち消すかのように。 「私は…、ヤスっちさん達の敵にはなりたくない。でも、これは議会で決まったことですから、逆らうのは難しいでしょうね」 不思議と、感情を乱さず淡々と言えた。まだ会ってから一日も経ってない私に、親切にしてくれた人たちを裏切ると言ってもいいかもしれない行為だというのに。 「…議会? 世界を消しているのは、何か組織がやっていることだと?」 「ええ。私たち人外なるリーゼンゲシュレヒトの組織…“世界の意志”が行っています。」 「非現実的だな。だが、都市が消えてるっていう非現実が今現在ある以上、信じざるを得ないか」 非現実的…か。生まれた瞬間からリーゼンゲシュレヒトである自分には、最初から突き付けられた現実だった。 ヒトにとっては、非現実的なのだろう。 だが、現実と理解したところで何をしたとしても無駄だ。個人の意志など、世界の意志の前では所詮捩じ伏せられる。 それが、現実だ。 「紫蘇ちゃん」 千尋さんが、一歩踏み出した。 「そう難しく考える必要はないんだぜ?シンプルに考えるんだ」 そう言って千尋さんは私の前に立ち、目線を合わすように軽く屈み、優しい瞳で私を見る。 「納得いかないなら、逆らっていいんだよ。……逃げるのも大事だぜ」 そしてふと気付いたように顔を真っ赤にし、私に背を向けながら何かを小声で呟いた。 「逆らう、ですか…」 今まで、考えたことはなかった。今まで不満や納得いかないことはあったが、全て、逃げてきた。 ……私が…逆らう……? (……やめよう) エーヴィヒカイトの顔が頭に浮かぶ。派閥は違えど彼も同じ組織。今まで散々世話になり、甘えてきた彼を裏切るような真似だけはしたくなかった。 「まぁ、最終的な結論を出すのは自分自身だろ」 そう言ってヤスっちさんが私の頭に手を置く。 手の暖かさは、彼と同じだった。 「そういえば紫蘇ちゃん、家は?」 「今日こっちに着いたので、ホテルにはチェックインしてないですね」 …気分的にそんなことを考える余裕が無かったというのが本当の理由だが。 「ホテル暮らしなんて紫蘇ちゃんみたいな子がやっちゃいけないぜ…よし、私の家に泊まっていきな。部屋も余ってるからさ」 胸を張って千尋さんがそう言う。……厚意は嬉しいのだが、年下扱いが微妙に癪なのは言わないでおいた。 「千尋、今日はなんか気前いいな」 「私はいつも気前がいいのさっ」 そう言ってヤスっちさんの背中を叩き、屋上の出口の扉に手をかける千尋さん。 「椎名さんも、もう良いよね?」 すると椎名さんは私を見て、軽く微笑んで「ああ」と呟いた。 「じゃあ、皆さん帰りましょっ」 千尋さんの号令と共に、千尋さんたちは病院の屋上を後にした。 「………」 「松尾さん、屋上に来てからひたすら空気でしたね」 「言っちゃ駄目。空気を読んだだけなの」 心なしか声を落とした松尾さんと共に、千尋さんの後を追うように屋上を出た。 病院からの帰り道。商店街で松尾さんたちと別れて、そこから千尋さん家までは一直線とのこと。伊崎さんは、まだ千春さんに付いているらしかった。 何も違和感なく、帰路を歩く二人。何年も同じのように、とても自然だった。 いつもなら、私一人。 でも今日は三人。 私と、ヤスっちさんと千尋さん。 気分が浮ついてなかなか落ち着かない。 落ち着かないのは千尋さんも同じみたいで、さっきヤスっちさんにトイレの心配をされていた。 …デリカシーに欠けていたようで、その後すぐに千尋さんはヤスっちさんを殴り、ヒゲを引き抜いていたが。 「…くそ、まだ痛い」 顎を擦りながら呟くヤスっちさん。…自業自得のような気がしないでもない。 「ヤスっちが悪いから、当然の結果だぜ」 「…まぁ、色々あったからショックを受けたってのはあるかもしれないけどよ」 …そうだ。この人たち。温かい人たちの日常を壊すのは、壊したのは、自分だ。 「……ごめんなさい」 「いやいやー、紫蘇ちゃんが気にすることじゃないぜーっ」 私を抱き締める千尋さん。そのまま頭をガシガシと撫でられる。 ……どうして、この人たちは優しいんだろうか。 ナハトじゃないが、ヒトという生き物は“非常識”を嫌い、迫害する生き物だ。 他人は他人。友人や知人以外には必要以上に干渉しない生き物だ。 勿論そんな人たちばかりではないが、ここまで親切な人たちはそうはいないだろう。 幸運だったのは、私が落ち込んでいるときに出会えたことか。 「じゃあね、ヤスっち」 「おう…また明日」 ヤスっちさんと別れ、石段を登っていく。 ……守屋神社、か。 「(最初に守屋と聞いたとき、気付かなかったのは私のミスですね…)」 気分が優れなかったとはいえ、迂闊だった。 まあ…たいした問題ではないか。 「たっだいまーっ」 本殿の裏手にある居住区…本宅の扉を開いて中に入る千尋さん。 「おうおかえり、我が娘…よ…」 扉の向こうにいた千尋のお父さんが、私と目が合い、瞳を一瞬細める。 ……この人が、今の“守屋”の当主か。 力はないようだけど…途絶えたのか?もしくはただの人間が婿養子として入ったか…。 「ああ、お父さん、この子はね!」 「いや、何も言うな我が娘よ。私はそこまで理解のない父親ではない…!その娘を泊めろと言うのだろう!?大・歓・迎SA!」 視線を柔らかくし、高々と叫ぶ千尋さんのお父さん。 …多分、私がリーゼンゲシュレヒトだというのは看破されただろう。 感知能力はあるのか。まぁ、今は認識阻害を使ってないし、カンの良い人間なら違和感を感じるだろうし、なにより“守屋”の人間ならわかってもおかしくないか。 「…お世話になります」 「紫蘇ちゃん、私の部屋行こうぜっ」 千尋さんのお父さんに一礼してる私の手を掴み、二階の千尋さんの部屋に連れていかれる。 「あと少しで晩飯だから、もうちょと待っててね」 私は渡された座布団に座り、千尋さんが制服から私服に着替える。 「紫蘇ちゃんが泊まる部屋は私の真ん前だぜっ、見に行くかい?」 「後でいいですよ~」 その後、美味しい晩ご飯を戴き、客間を使わせて私は深い眠りについた。 …千尋さんのお父さん、孝明さんからは、特に何も聞かれたりはしなかった。 そして床に着くとき、私はたまらない、理由の知れない不安に襲われて仕方がなかった。 「………」 ……六月ももう少し で終わる。それを過ぎれば七月下旬から夏休み。 それまで特に何も無い、“安田俊明”としての退屈な日常が続くんだと思っていた。 それが突然これだ。 「-------いつまで続くかはわからないとは言ったがな」 正確には『心の中で』を追加すべきだが。 まぁ、とにかくアレだ。世の中ってのは不思議と無秩序で溢れてる。 たかが小市民数人の日常がぶっ壊れたところで、廻るセカイを止められるわけでもない。 ……まぁ、島ひとつ消えるとあったら話は別にだが、それでも一時話題になるだけ。半世紀もすればそんな話題は風化する。 窓のカーテンを閉め電気を消し、ベッドに横になり、ふとある疑問が浮かんだ。 そもそも半世紀も持つのだろうか?このセカイは……。 さしたる変化のない“日常” それは意外に脆くて、繊細だ。 だから大切にしなきゃいけない。 それを忘れたからって、どうにかなるわけじゃない。 今考えると、始まりは本当にどうでもいい事からだった。 いや、『どうでもよかった』 そう、過去形。 今は…違うから。 日常が壊れるのは、唐突なケースが多い。 きっかけは大なり小なり様々でも、一瞬でそれは崩れる。 そして現われるのは“非日常”。 だけど、それもいつかは“日常”になる。“慣れ”てしまう。 結局、“日常”なんてものはいつもすぐそこにあるんだ。 そう……ただ、気が付かないだけで。
https://w.atwiki.jp/oper/pages/1858.html
第1幕 アルヴィアーノ・サルヴァーゴの館の天井の高い大広間。午前。 第1場 アルヴィアーノ、グイドバルド、メナルド、ミケロット、ゴンザルヴォ、ユリアン、パオロ。 アルヴィアーノ 30歳くらいの醜い男、背が曲がり、ぎょろ目で、早口に。 やめろ! もういい! もう何も聞きたくない! 気分が悪くなる ひどい話だ! しかし、もともと思いついたのはこのボクだ、 夜な夜な考えをめぐらせた 夜な夜な、ああ! 君たちには想像できないだろう! 君たちには遊びにすぎない 刺激のきいた遊び、でなけりゃ何だ 人生というやつは 君たちには喜んで与えてくれるのに。 でもボクには! 渇望してボクには! ボクは様々な苦悩に 嘲られ、つきまとわれ、苛まれ 憔悴しているのに、ああ 短く、鋭く 畜生、なぜ自然は この醜悪な顔、 このコブのある背中を持ったボクに、 これほどの感情、これほどの情熱を与えたのか メナルド 囁くように お願いだから、静かに! 秩序の番人(おまわり)が起きている 野心たっぷりで。 ドアの向こうで聞き耳を立てているのは 買収された、召使たち。 庭に隠れているのは 権力の手先たち ゴンザルヴォ 大げさすぎるよ、君は。 余りに小心翼々とするのも 確かによくない。 メナルド ボクたちは、田舎娘や 女中や、町人の娘や 商売女では満足しない、 ボクたちは一番優雅で 一番美しいのを探し出す それがボクたちの趣味というものだ パオロ 何週間か前に 君がボクたちに言った あのスローガンはなんていってる? “一番の美女は一番の強者の獲物! 地上のあらゆる栄華は 精神の力に 屈する、そして 征服する者の栄光は ただ目をくらますだけの煌めきよりも、 いっそう明るく輝き、 より深く、傷つけながら、 魂の奥に入り込む!” 全員 口々に まさにその通り! 君はそう言った。 だが、それ以降は? 自分が創ったものを、 君は避けてる!ボクたちから逃げてる! あの秘密の饗宴に君はまだ 一度も姿を見せていない! ゴンザルヴォ それは娘をさらわれた父親たちが 絶望しているからか メナルド そして母親たちが 悲嘆にくれてすすり泣いているからか! グイドバルド 考えるな、 さらわれた美女たちが ゴンザルヴォ ボクらを恨んでいるなどと! ミケロット 昨日、アリッサは、 あの小柄なユダヤ娘は 何て目をしたことか! あのビパレッロの 魅力的な娘は ユリアン あの詩人の娘、実に 彼女は愛らしい! 全員 口々に、我を忘れて 毎日の生活に疲れ果てた 恋人の腕から ボクたちは彼女を奪い取る! 愛の技巧に 未熟な夫に、 “理解されない”女は 涙を流したりはしない! 狭い部屋から 松明に照らされ 芳香のただよう 広い神秘の場所に! おとぎ話がすべて現実になる! 夜ごと口に出さずにいた夢が 慄きから生まれた オリエントの夢が すべて叶うのだ! どの女も口には出さず、 待ち焦がれていた夢が突然 現実になったのだ! アルヴィアーノ 圧倒されて、少し自嘲的に、辛辣な表現で その通り、その通り! それには納得できる。 しかしながら、ひとつ 済まないが、気にそぐわない、 いつも君たちの話すのは 自分たちのこと、自分たちのことばかり 君たちは見かけがよく、優雅さも 持ち合わせている、そしてボクのことは、 この不具者のことは忘れている。 君たちの望む通りに そいつが饗宴に行ったら、 君たちを不快にしてしまう 快楽の代わりに 戦慄が入り込んでくる! パオロ 買いかぶりすぎだよ、君は ボクにはそう思える 女たちの美的感覚はすごい。 アルヴィアーノ 自制して 春の夜のことだった。 開け放たれた窓から むせかえるような魔力が 舞い込んできた、重苦しくて くらくらするような花の香り。 ボクは、熱に浮かされて 外に出ずにはいられなかった 寂しい小道へ。そして娼婦を探した 落ちぶれた娼婦に声をかけ 黄金を見せた たくさんの黄金を、だが 自分を、まるで施しを求める 乞食のように感じた。 街灯の陰で 彼女はボクの 惨めな姿をじろじろ見た、 一目で、屈辱的な 微笑を浮かべ、 ボクは血の凍る思いがした。 その時、黄金が効いた! 紅をつけた唇に 黄金の輝きが反射した、 あらゆるボクの悲惨さの中で 恐ろしく困窮しているもの、淫猥な 言葉が女の承諾を保証してくれた でもボクには力がなかった、 自分に唾を吐きかける力も 春の夜を冒涜する力も。 - - - - - 召使 来客を伝える ご主人様、公証人が メナルド、ユリアン、ゴンザルヴォ 狼狽して おい、アルヴィアーノ 君はいったい 公証人が何で? アルヴィアーノ 寂しそうに微笑みながら 心配するな! 召使に 少し待ってほしいと 伝えてくれ! 全員 アルヴィアーノに詰め寄り 何を、何をもくろんでいるんだ? アルヴィアーノ 落着いて 君たちに打ち明けるのを 忘れてた 初めは途切れ途切れの調子で ボクの島“エリジウム(楽園)”を、 すべての建築物や、 いろいろの水の仕掛け いくつものきらびやかな庭園、 見たこともない 驚くべき芸術と 自然が恵んでくれた 珍しい宝物も全部 この市に 永遠に 寄贈するんだ。 皆を呆れさせる。 パオロ 思わず口に出る 気でも狂ったのか! グイドバルド 自分のしていることが、分かってるか! メナルド 君の人生をかけた仕事だぞ! ミケロット 君の財産の半分を それに費やしたんだ、 それに惜しみなく浪費したんだ アルヴィアーノ 明日の晩、日が暮れたら 参事会員や 市長の列席のもとで、 ボクはにぎにぎしく すべての市民にそれを寄贈する。 君たちも、出席してくれ。 パオロ ああ、しかし、おい、忘れたのか だって アルヴィアーノ すべて熟慮した上だ。 メナルド 君はボクたちを裏切るんだ。 ユリアン しつこく あの地下室への通路は アルヴィアーノ 意味ありげに 発見されるのが怖いなら 今後は近寄るな。 だが、今は、これで失礼! 参事会の方々と約束がある それに公証人の立ち合いで ボクには寄贈の文言、 項目を作成する義務がある。 去る。 第2場 グイドバルド 何とかしなければ。 ミケロット ヴィテロッツォはどこだ? パオロ このバカのアルヴィアーノめ! ゴンザルヴォ ボクたちの計画はすべて 立派に大胆に考え抜かれたものなのに ユリアン ボクの可愛いジネーブラ! 思い焦がれて病気になりそうだ。 あのピエトロの奴はいったい 何をぐずぐずしているのか、 どんな悪巧みがあるのか メナルド 危険な奴だ! だが、上手く使えば、 如才ないし、抜け目ない。 パオロ ボクの疑いは確かだ。 あの悪党は ボクらが花を手折る前に 厚かましくも手をかけている ミケロット いまいましい、君が考えてるのは パオロ 自分が何を言ってるかは、分かってる。 外から声が聞こえてくる。 ユリアン タマーレじゃないか? 全員 おーい! ヴィテロッツォ! 第3場 タマーレが大急ぎで駆け込んでくる。 タマーレ 遅くなった。 グイドバルド 何かあるな! ゴンザルヴォ 息せき切って! タマーレ 大げさに 友よ 全員 どうした? タマーレ どうしたらいいのか メナルド いったい何があった? タマーレ メロメロだ ユリアン おや、まあ! メナルド かわいそうに! タマーレ なんたる美しさ グイドバルド ああ! パオロ そんなことだと思った! タマーレ あれこそ女だ! パオロ 当然! タマーレ 熱狂的に 違うんだ グイドバルド 女神様! ミケロット 天使! ユリアン 一輪の花! メナルド 分かってるよ! ゴンザルヴォ 静かにしろ! タマーレ 憤慨して、身振りで - - - - - - - メナルド ボクたちは全部 分かってる グイドバルド もっと大事なことがある。 タマーレ 激怒して 誰だ、そんなことを言うのは? 君たちに何が分かるんだ パオロ それならピエトロと話をしろ! タマーレ 本気で あのごろつきの名前を言うな! 君たちはあの神々しい 彼女の名を汚してる。 ミケロット その女の名は? タマーレ ああ、知っていたら! だが、知っていても 君たちには 隠しておく、 君たち、娘泥棒には! 全員 唖然として、口々に 何だって? 君だって必要だろ! 特上のが! パオロ その美人をどこで見たんだ? タマーレ 市役所を 馬で通りかかった時、 宴会だか祝祭だかに 市の長老たちが 金色の馬車に分乗して 向かっているところだった メナルド 他の者たちに だとさ、どう思う タマーレ 同じ馬車の中にいたんだ 聴けよ! ゴンザルヴォ 運命の赤い糸 召使 来客を伝える 参事会の方々と 市長様が! タマーレ 唖然として 畜生、またか! ユリアン 笑いながら それはいい具合に! 第4場 片側から市長と参事会員たち、並びに市長の妻とカルロッタ、 もう一方からアルヴィアーノと公証人が登場。 アルヴィアーノ ようこそ、皆様、 粗末な我が家に ご来賓賜り 感謝いたします。 市長 心から 粗末な家だなどと! サルヴァーゴ殿、 余りにご謙遜です。 我々が通って参りました 幾つもの部屋の豪華さは 本当にジェノヴァで 並ぶものがありません。 アルヴィアーノ お褒め頂き光栄に存じます 失礼ながら申し上げます 紹介しながら ここにおりますのは 我が友人たち ジェノヴァの花形の騎士たち その額からは 高貴な家系の名が 読みとれます 市長 お辞儀をし、それから ここにおりますのは 我が妻と子、 愛しい娘の カルロッタです 内密に 恐れながら, 貴方様は娘を余りに奔放だと 思われるかもしれません、 娘は社会の規範というものを 軽んじています。 貴方様の寛大さに おすがりして にやにや笑いながら 娘が 折り入って貴方様に ひとつお願いがあると アルヴィアーノ 当惑しないでもなく 奥様、お嬢様 ようこそお越しくださいました お嬢様の望みを 叶えることが 私にできるなら 幸甚に存じます! 市長 それはそうと よろしければ 参事会員たちを指しながら 参事会から 全権委任されまして、 貴方様に感謝の念と 高貴な参事会の 喜ばしい驚きをお伝え申し上げます。 貴方様の昨日のお手紙は かくも大きく、意味深い寄贈を 知らせてくれました。 かくも思いがけず 近頃では稀なことです。 市民は乏しい財産を守ることに 窮しております 苦労して稼いだ黄金が 市民の手から 消えていくのです、 税金や重荷はそれ以上に のしかかってきます。 我々はそれを耐えてきました、 大抵は辛抱して たまにはぶつぶつ言いながらも。 それでも我々には神聖な家族と マリア様への信仰が 宝物としてありました。 けれどそこに突然起こったのです 家畜の群に狼が襲いかかるように、 我々から女たちを奪うのです、 破廉恥にも我々から娘たちをさらうのです。 そして私たちは力なく、途方に暮れて 思い直して どうかお許しください、 この数週間、恥辱に苛まれ 胸がいっぱいになって、 嬉しいことをすぐに忘れ 不幸せなことを思い出すのです。 我々の心配事を 貴方様に嘆くのは、本当は 我々が参りました目的ではありません。 不安な毎日の後の 初めての光明に 我々は貴方様に感謝いたします! 幸運を告げるその島の名前を、 我々は良い前兆と 受け取ります。 声高らかに では、正義と 所有の権利を 与えてくれる その力にすがって 参事会員1 市長殿、 お考え頂きたいことがあります。 いろいろ言う人がいまして 参事会員2 少し躊躇しながら 体裁を整え 契約を結ぶために我々は アドルノ公爵の 同意が必要かと 市長 ああ、しまった 忘れるところだった! アルヴィアーノを脇に連れて行き、声をひそめて アルヴィアーノ殿 ミケロット 貴族たちに この話はまだ まとまらないように 思われる 貴族たちは脇に固まって、熱心に小声で相談する。 タマーレ カルロッタの傍で 覚えていますか、お嬢さん、 今朝、騎士が一人 黄金の馬車を見た時に 彼の黒馬は避けようとしたけれど 市長 アルヴィアーノの傍で、低い声で アントニオ・アドルノ公爵が 異議申し立ての権利を行使されると 我々は従わねばなりません アルヴィアーノ 同様低い声で、が、ぼんやりして 彼に何ができるというのか タマーレ カルロッタの傍で その騎士はしかし 二つの輝く瞳を見て、 どぎまぎして目がくらみ 馬を制するのを忘れてしまいました カルロッタ 笑いながら 思わず跪いて 美女に慇懃を尽さんばかりだった。 つまりそれは貴方でしたの? 市長 アドルノ公爵は勇敢なお方ですが、 市民の人気が気がかりで、 悪人ではないけれど、でも嫉妬深くて 非常に虚栄心が強くて ちやほやされるのが好きで、ただ カルロッタ とても楽しかったですわ。 タマーレ 貴女は残酷だ。 もしですよ 私が馬から落ちて 腕か脚を折っていたら カルロッタ 貴方には、私の眼差しは 見る価値がなかったということ? タマーレ 激しく 貴女のためなら 命を投げ出したって、でも カルロッタ それこそ私の望みだったとしたら? 貴方はそれほど背が高く それほど力があって強く 私に覆いかぶさらんばかり。 私は背伸びしないと おわかりですこと、貴方の 嘲るように その自信にあふれた 目を見るためには! 声音を変えて、甘やかされた子供がおねだりするみたいに 貴方が小さくて、身分が低くて、 貧しくて、私よりずっと下で 私の足元に届くところにいるなら タマーレ 陰鬱に 死んだら惨めだ。 カルロッタ でも死んでいて、もの言わない。 私が愛するのは、 愛の報いを求めて奮闘し苦悩し、 身を捧げて苦しむ人。 貴方が死んでしまったりしたら、 そうしたら私の愛は 貴方に何か役に立つの? タマーレ 荒々しく、突かれたように、極めて不愉快な様子で 貴女はまるで悪魔だ、お嬢様! その答えは よく考えてみます 意味ありげに それから 明日、お返事します。 行こうとする。 グイドバルド 待て、ヴィテロッツォ、何を急いでるんだ? 彼らは舞台の奥の方でタマーレを囲んでくってかかる。 メナルド、ユリアン、ゴンザルヴォ、ミケロット、パオロ 口々に 聞いてくれ! 切羽詰まっている。奴はボクたちを引き渡すんだ、卑しい市民に! 地下の広間への あの入口! 阻止しないと- - ! タマーレ 制止されて 後生だから、放してくれ 振り切る グイドバルド しつこく アドルノ公爵と話をしてくれ タマーレ 非常に興奮して 勝手にしろ ボクは手を引く! メナルド しかし、一言だけでも! タマーレ 怒って ボクは知らない、知りたくもない 恋してるんだ、ボクは愛してる 分かるか? くたばれ! 去る。 市長 アルヴァーノと前方に出て来て ではそのままで! もう一日延ばしましょう。 参事会はその前に アドルノ公爵の同意を 求めております 召使たちが奥の方の両開きドアを開ける。豪華に食事の準備がされたテーブルのある広間が見える。 そして今晩、貴方は 私のお客人 アルヴァーノ 貴方が今、私のお客人であるのと同様に。 ご来賓の皆様、 私のもてなしを 断ったりなさらないで、 簡単な食事ですが! 囁いて お嬢様、腕をどうぞ! 彼は少しはにかんでカルロッタに腕を出す。市長は妻に腕を出す。他の人々もそれに続く。従僕たちは再びドアを閉める。 第5場 マルトゥッチア、ピエトロ。 ピエトロ 激しく言い争いながらも、宥めすかして 可愛いマルトゥッチア! マルトゥッチア エプロン姿の、激昂したオールドミス やくざ者! 詐欺師! 犯罪者! 放せ! ピエトロ びっくりして お願いだから、黙ってくれ! 俺は見つかってはダメなんだ。 お前のご主人、あのちびのかたわ者、 俺はあいつのペストのような 意地悪な目が怖い マルトゥッチア 人でなし! 嘘つき! 泥棒! あんたが 生意気な口をつぐむことなく ご主人様をを侮辱するなら、 こっちだってやるよ、 卑劣漢! 恥知らず! 私は夜中じゅう待ってたんだ、 風の中で赤いショールを翻して 空しく朝まで 声を和らげて 上等のハムを 用意してたのに ピエトロ 心動かされて 上等のハムだって だが、俺に何があったか、 お前がまず聞いてくれたら マルトゥッチア 再び怒って、鋭い口調で よりによって今、 家じゅうお客人でいっぱいで、 てんてこ舞いしている時に やって来て ピエトロ ぎょっとして 家じゅうお客人でいっぱい? 誰だ? マルトゥッチア 震えあがるんだね、ならず者、お偉い参事会さんだ! ピエトロ 安心して 参事会だって? それで貴族たちは? マルトゥッチア いるよ。 ピエトロ 茫然自失と いるのか! マルトゥッチア 私ときたらこんな奴とお喋りして 仕事する代わりに ピエトロ 行かなきゃ。 マルトゥッチア へえ! ピエトロ 切迫して 聞いてくれ、マルトゥッチア 頼みがある。 傍に寄って 困ってるんだ。 この町の あるお上品な御仁に 生命の危険があってな。 ところが俺に目をつけている、 あんまりだと、俺は思うが、 それに加えて数日来 ある女が 俺をつけ回してる マルトゥッチア 何だって? ピエトロ そう、ご婦人だよ 胸をそらして 貴婦人だ つまりだ、俺じゃなくて 彼女が俺のことを 騎士のメナルドだと 思い込んでるんだ。 マルトゥッチア 睨みつけ、じろじろ見ながら 違うだろ、この厚かましさ! ピエトロ お前のいう通り、 厚かましい女さ マルトゥッチア 激怒して 違う! 卑劣漢はあんたよ! 真似をして “騎士のメナルド!”だって 残忍に笑う ピエトロ 彼女は本当に俺のことを 騎士のメナルドだと 思い込んでいて、 アドルノ公爵に告訴するつもりだ。 それで俺のもとを離れず 俺をほっておいてくれない、 そこで俺が彼女を 市門の外にある俺の家に 閉じ込めたりすれば、 最近、少女誘拐に 目を光らせている警察は、 俺を犯人だと思い、 犯人の一人だと思い、 俺を縛り首にするなんてことが 容易に起こり得る! マルトゥッチア ひどく驚いて まあ! ピエトロ そんなことはお前だって望まないだろ。 お前は、俺を愛してるから! 彼女をお前の所に置いてくれ! マルトゥッチア 何て? 誰を? ピエトロ 彼女はここにいるんだ! マルトゥッチア あっけにとられ 誰が、どこに? ピエトロ その女性だよ そのご婦人を、メナルド様のために 保護してくれ、俺は逃げる! だが、今夜、誓って言うが こっそり人目を忍んで お前の所に行くから 入って来たのとは別のドアから、大急ぎで去る。 マルトゥッチア 途方にくれて 今夜 嘆きながら ああ、あの悪人め! 私は何をしようとしているのか! ああ! 去る 外で彼女の声ともう一人の女の声が混ざり合う。その女は最初、興奮して彼女に話しかけ、その時“アドルノ”の名が聞こえる。それから二人の声は静まり、かすかになり、消える。 第6場 カルロッタ 笑いをかみ殺しながら、広間から出てくる 貴方は見事ですわ、 アルヴィアーノ様、いえ本当に アルヴィアーノ 彼女に続けて もう気分はよくなりましたか? カルロッタ 笑う、不自然で誇張した笑い アルヴィアーノ びっくりしました 突然、貴女が心臓を押えて 真っ青になったので カルロッタ 息苦しそうに ああ、子供みたい 私なら水の中の魚のように ぴんぴんしてるわ、 ところで私の父が 貴方に何かお願いしませんでした? アルヴィアーノ ええ、確かに。 カルロッタ そんなに大事なことを 貴方はもう忘れてしまったのですか? アルヴィアーノ 困惑して いえ、でも カルロッタ でもそうね、大勢の人の前では そうもいかなかった! 私が目くばせしても、 密かにウィンクしても、 何か私に見せてくれる絵か 珍しい彫刻を お持ちでないかしらという 問いかけも、役に立たないので 私は思いついたのです アルヴィアーノ 驚いて、赤くなって ああ、本当に! 貴女はボクをバカだと思うでしょう、 世間知らずで、愚鈍で子供じみてる。 でも美しい女性との 付き合いは滅多になく だからそうなったんです 分かります? カルロッタ 分かります、でも聞いて! 私は絵を描くんです。本当に、 そんなに驚いて見ないで、 動物とか人物とか、 木とか湖とか、 空とか、光とかを描くんです。 でも私が一番 描きたいのは 静かに 魂です。 アルヴィアーノ できるんですか つまり、うまくいくんですか 魂を描くことが? カルロッタ できるかどうか、分からない うまくいかなくても いつだって私のせいではない そう思うわ。 モデルを見つけるのが、とても難しいの。 ただ一度だけ、上手くいくように思えた、 絵が生れてきたの、 不思議なくらい見事に、 ただ醜い影が 顎と口もとの間に残るのです、 見て、そこ、私が思案し、 いろいろ工夫しても 何度でも出て来る。 やっと追い払って、 もう大丈夫と思ったのですが、 不意に、その影は悪意をもって 絵筆から滑り出てこびりつく! その絵を私は放棄しました、 それからはもうやめました でも なまめかしく 貴方を、貴方を私は 描きたいの。 アルヴィアーノ 毒グモに刺されたかのように ボクを? 冗談でしょう 頭がヘンになったんですか? 毒気を含んで よろしい! そういうことですね 前から思っていました 貴女はボクを真面目に見ている 他の人とは違うと。 優しい顔をして、目で誘いかけ 悪魔の心を持った、蛇のような女とは違うと。 でも、たった今も 分かりました、同じ眼差しだと カルロッタ ひどく驚いて とんでもない 正気になってよ! アルヴィアーノ 鋭く、辛辣に もしかしたら 道化として絵画の中で、 美男美女に混ざって 対照的な効果をあげる、 鈴の付いた帽子を被ってね、 せむしには悪くない 人々の嘲笑の的となり 永遠に姿を残す! カルロッタ 厳しく お黙りなさい! 婦人と話をしていることを お忘れなく。失礼ですわ 終りまでお聞きなさい! アルヴィアーノ 笑いをかみ殺して部屋の隅に腰をおろす カルロッタ あちらに、この町が広がり、 平原が一望できるところに 私は仕事場として 小さな家を持っています。 朝早くまだ通りも 広場もひっそりとして 誰もいない時間に、 早朝の青白い光が ほの暗く柔らかく キャンバスの周りに差し込むとき、 私には一番仕事に適した 時間に思えます。私の家の前を 一本の道が通っています、 高い糸杉の並木がある道 貴方もご存じでしょう、 貴方はときどきそこを歩いていました。 はにかんで背を丸め もの思いに沈んだ様子で 突然、疑い深げに窓をじろじろ見ます、 そのカーテンの後ろに 私が潜んでいることには 気がつかない。 その時、様々な色に変化させながら 日の出の先ぶれをする 妖怪の伝令さながらに 朝もやをたなびかせながら 太陽が深紅に輝いて 昇ったのです。 そして二つ目の奇跡が 起こりました。私は見たのです。 その小さな、みすぼらしい さすらい人が顔を上げるのを。 その痩せぎすの肉体の 筋肉のひとつひとつが引き締まり 両腕を天に伸びるほどに 高く上げました。 そうして彼は太陽に向かって、 輝きの中に進み、 私は、彼が大きく大きく なっていくのを見ました。 その姿は巨人のようになり、 私は心臓がどきどきしました。 そうして私は貴方を描いたのです、 アルヴィアーノ様を。そうして私は 太陽に向かって進んで行く貴方の姿を 描きました。でもまだ顔が 欠けています、そして あらゆる美が映る 陶酔した目もまだ 欠けています。 アルヴィアーノ 震えながら 恥ずかしい 知らなかった、許してください、 こんな気持ちは、人生で今まで 一度もなかった! カルロッタ 優しく 来ませんか、私の 仕事場に、その絵を 完成するために? アルヴィアーノ 彼女の手に身を屈めて、静かに 喜んで、参りましょう。 幕がゆっくり降りる。 ERSTER AKT Ein hoher Saal im Palaste des Alviano Salvago. Vormittag. ERSTE SZENE Alviano Salvago, Guidobald Usodimare, Menaldo Negroni, Michelotto Cibo, Gonsalvo Fieschi, Julian Pinelli, Paolo Calvi. ALVIANO hässlicher Mann von ungefähr 30 Jahren, bucklig, grosse leuchtende Augen, hastig. Lasst! - Genug - - ! Ich will nichts mehr hören! Es widert mich an - entsetzt mich - ! Und doch - ich - der s ersonnen, ausgebrütet in Nächten - in Nächten - ah! - Ihr ahnt nicht! Euch ist s ein Spiel - würzend - was sonst das Leben Euch willig bietet. Doch mir - ! Ein Durstender! Einer, nah dem Verschmachten - gehöhnt, gehetzt, geschunden von Qualen die - ah - ! kurz, scharf Teufel, was gab die Natur - mir - mit diefer Fratze und diesem Höcker, solch ein Fühlen, solch eine Gier - MENALDO geflüstert Ich bitte dich - still! Der Ordnung Hüter sind auf - und voll Ehrgeiz. Hinter den Türen lauern - bestochen - die Diener; in den Gärten bergen sich Schergen - - GONSALVO Du übertreibst, mein Freund. Es sind allzutiefe Skrupel fürwahr nicht am Platze - MENALDO Dass wir mit Bauerndirnen und Mägden, Krämertöchtern und Freudenmädchen uns nicht begnügen, dass wir die Feinsten und Schönsten erwählen ist ein Zeichen für unsern Geschmack. PAOLO Wie nur war die Losung, die Du uns gabst vor wenigen Wochen? "Die Schönheit sei Beute des Starken! Alle Pracht der Erde erliege der Macht des Geistes, und des Bezwingenden Glorie strahle heller und dringe tiefer, sehrender in die Seelen, als jener Glanz, der das Auge nur blendet!" ALLE durcheinander Sehr wahr! So sprachst Du. Und seither - ? Was Du schufst, meidest Du! Fliehst uns selbst! Kein s jener heimlichen Feste noch grüsste Dich! GONSALVO Weil ein paar Väter die Hände ringen - MENALDO - und ein paar Mütter herzbrechend schluchzen! GUIDOBALD Glaub nur nicht, dass die Schönen selber - GONSALVO dass sie uns zürnen - ! MICHELOTTO Gestern - Alissa - die kleine Jüdin - hei - was die für Augen machte! Und die reizende Tochter des Biparello - JULIAN - des Dichters, wahrlich - sie war entzückend! ALLE durcheinander, ekstatisch Ihrer Liebsten alltagbeschwerten Armen entreissen wir sie! Dem Gatten, unerfahren in Liebeskünsten, weint keine Träne die "Unverstand ne"! Aus engen Zimmern in weite mystische Räume - - düftegeschwängert von Fackeln durchloht! Alle Märchen werden lebendig! Alle Träume verschwiegener Nächte - Morgenlandsträume von Schauern geboren, gehn in Erfüllung! Was sich keine gesteht, und jede ersehnt - jählings ward s zur Wirklichkeit! ALVIANO gepresst, ein wenig spöttisch und mit herbem Ausdruck Ganz recht - ganz recht! Es ist überzeugend. Jedoch in einem Punkt - verzeiht - stimmt mir s nicht ganz. - Ihr sprecht stets von Euch nur. Von Euch - die ihr wohlgestalt seid, und mit Anmut begabt, - und vergesst mich, - den Krüppel. Käm der zu den Festen, so wie Ihr begehrt - er vergällte sie Euch - und statt der Lust zög das Grausen ein! PAOLO Du überschätzt, mein Freund - so will mir scheinen - gewaltig der Frauen Schönheitsempfinden. ALVIANO verhalten Es gab - Frühlingsnächte. Bei offenen Fenstern tanzt es herein - alle schwülen Zauber - Blumen- geruch, schwer und betäubend. Und ich musste fort, geschüttelt von Fiebern - hinaus in einsame Gassen. Und suchte ein Dirnchen, so recht ein verkomm nes - sprach es an - bot ihr Gold - viel Gold und fühlte mich doch dem Bettler gleich, der Almosen heischt - - -. Im Schein der Laterne mustert sie meine arme Gestalt, mit einem Blick - - einem Lächeln so schmachvoll, dass mir das Blut in den Adern gerann. Da - wirkte das Gold! Auf geschminkten Lippen spiegelt sein Gleissen, all meines Elends furchtbare Not; unflät ge Worte verhiessen Gewähr - - doch mir fehlte die Kraft, mich selbst zu bespei n und zu entweih n die Lenznacht. - - - - - EIN DIENER meldend Gnäd ger Herr - der Notar - MENALDO, JULIAN, GONSALVO bestürzt Mensch - Alviano - Du bist im Stande - Was soll der Notar - ? ALVIANO traurig lächelnd Seid unbesorgt! zum Diener Ich lasse ihn bitten, sich kurze Zeit zu gedulden -! ALLE Alviano bestürmend Was soll s - was hast Du vor? ALVIANO ruhig Ich vergass - es Euch zu vertrau n zuerst stockendenTones Mein Eiland "Elysium", mit all seinen Bauten, Wasserspielen und prangenden Gärten, mit all seinen unerhörten Wundern der Kunst und selt nen Schätzen freigeb ger Natur - zum Geschenk vermacht für ew ge Zeiten - hab ich s der Stadt. Verblüffung. PAOLO ausbrechend Du bist von Sinnen! GUIDOBALD Weisst nicht, was Du tust! MENALDO Das Werk Deines Lebens! MICHELOTTO Dein halbes Vermögen wandtest Du dran, es sorglos verschwendend - ALVIANO Morgen Abend, nach Einbruch der Dämm rung, im Beisein des hohen Senates und des Podestà, mit grossem Gepräng geb ich s preis allem Volk. Ihr Herren, Ihr seid geladen. PAOLO Ja, aber Mensch - vergisst Du denn ganz - ALVIANO Hab alles bedacht. MENALDO Du lieferst uns aus. JULIAN eindringlich Der Zugang zum unterirdischen Saal - ALVIANO mit Bedeutung Scheut Ihr der Entdeckung Gefahr - so meidet ihn künftig; doch jetzt - verzeiht - ! Die Herr n vom Rat erwart ich und mit dem Notar obliegt mir noch festzusetzen der Schenkung Wortlaut und Paragraphe. Ab. ZWEITE SZENE GUIDOBALD Es gilt zu handeln. MICHELOTTO Wo nur Vitelozzo bleibt? PAOLO Dieser Narr Alviano! GONSALVO All uns re Pläne - herrlich und kühn ersonnen - JULIAN Meine süsse Ginevra - ! Krank bin ich vor Sehnsucht. Und dieser Bube Pietro zögert - weiss die Madonna, welch schurkische Gründe ihn - MENALDO Ein gefährlicher Kerl! Doch gut zu brauchen, geschickt und verschlagen. PAOLO Mein Argwohn steht fest Mit frecher Hand streift der Bandit von so mancher Blüte, eh wir sie brechen - MICHELOTTO Verflucht, Du meinst - PAOLO Ich weiss, was ich sage. Stimmen draussen vernehmbar. JULIAN Ist das nicht - Tamare? ALLE Halloh! Vitelozzol DRITTE SZENE Vitelozzo Tamare hastig hereinstürmend. TAMARE Ich bin verspätet. GUIDOBALD Wir merkens! GONSALVO Und ausser Atem! TAMARE überschwänglich Ihr Freunde - ALLE Was gibt s? TAMARE. Ich bin fassungslos - MENALDO Sancta Maria, was ist gescheh n? TAMARE Ergriffen - JULIAN O Gott! MENALDO Unsel ger! TAMARE Von soviel Schönheit - GUIDOBALD Ach! PAOLO Dacht ich s doch! TAMARE Ein Weib! PAOLO Natürlich! TAMARE begeistert Nein - - GUIDOBALD Eine Göttin! MICHELOTTO Ein Engel! JULIAN Eine Blume! MENALDO Wir kennen das! GONSALVP Ich bitte Dich schweig! TAMARE empört, Geste - - - - - - - MENALDO Wir kennen die ganze Epistel. GUIDOBALD s gibt Wicht geres. TAMARE wütend Wer sagt das? Was wisst denn Ihr - PAOLO So sprich mit Pietro! TAMARE ernst Nennt nicht den Schurken! Ihr besudelt der Göttlichen Namen. MICHELOTTO Wie heisst sie? TAMARE Ja, wenn ich s wüsst! Doch - wüsst ich s, ich würde mich hüten, ihn Euch zu verraten, Ihr - Mädchenräuber! ALLE verblüfft durcheinander Was - ? Du hast s nötig! Ganz ausgezeichnet! PAOLO Wo sahst Du die Schöne? TAMARE Am Municipium ritt ich vorbei - ; da fuhren eben, zu irgend ner Gasterei oder Festivität, der Stadt Väter in goldnen Karossen MENALDO zu den anderen Ob da nicht - was meint Ihr - TAMARE In einer derselben - so hört doch! - GONSALVO - ein Zusammenhang - DIENER meldend Der hohe Rat - und der vieledle Herr Podestà! TAMARE verblüfft Teufel noch mal - ! JULIAN lachend Das heiss ich Glück! VIERTE SZENE Von der einen Seite der Podestà und Senatoren, sowie die Frau des Podestà und Carlotta, von der andern Seite Alviano Salvago und der Notar. ALVIANO Meinen Gruss, Signori, und Dank, dass mein schlichtes Haus gewürdigt ward, des Besuch s so illustrer Gäste, PODESTÀ sehr herzlich Euer schlichtes Haus! O edler Signor Salvago, Ihr seid zu bescheiden. Die Pracht der Räume, die wir durchschritten, hat wahrlich nicht ihres- gleichen in Genua. ALVIANO Euer Lob beglückt mich - doch wollt gestatten vorstellend Hier meine Freunde - Blüte Genuas Ritterschaft - von ihren Stirnen lest Ihr die Namen erlauchter Geschlechter - PODESTÀ sich verneigend, dann Und hier mein Weib und mein Kind, meine vielliebe Tochter Carlotta vertraulich Ich fürchte, Signor, allzufreien Sinn s mögt Ihr sie finden; sie achtet - sehr mir zuleide - gering der Gesellschaft Normen. Bewund rung Eurer Hochherzigkeit und schmunzelnd eine ganz besondere Bitte, die sie an Euch - ALVIANO nicht ohne Verlegenheit Ich heisse die Damen willkommen und wär s mir vergönnt, zu erfüllen der Signorina Verlangen - ich priese mich glücklich! PODESTÀ Doch nun, so s Euch genehm, wollen wir auf die Senatoren weisend delegieret vom hohen Senate, Euch überbringen Dank und freud ges Erstaunen der hohen Versammlung. Euer Schreiben von gestern kündet uns eine Schenkung, so gross und bedeutend, so unerwartet und selten in diese Zeiten. Schwer nur wahrt sich der Bürger die kärgliche Habe; unter den Händen zerrinnt ihm das Gold, mühselig erworben und immer noch mehren sich drückend die Steuern und Lasten. Wir haben s getragen, geduldig zumeist und nur selten murrend; blieb uns als Hort doch unsrer Familie Heiligkeit und der Glaube an die Madonna. Doch da bricht s ein wie der Wolf in die Herde, raubt uns die Frauen, stiehlt frech uns die Töchter und machtlos - hilflos - sich besinnend doch verzeiht, o Herr, wenn das volle Herz, bedrängt von der Schmach dieser letzten Wochen, das Freud ge so rasch vergisst und des Unglücks wieder gewahr wird. Euch unsre Sorgen zu klagen, ist wahrlich nicht unsrer Sendung Zweck. Den ersten Lichtstrahl nach bangen Tagen - ihn danken wir Euch! Des Eilands glückkündenden Namen, wir nehmen ihn als ein gutes Omen. erhobenen Tones So mög denn - gestützt durch die Kraft, die Recht verleiht und die Macht des Besitzes - ERSTER SENATOR Signor Podestà, es gäb zu bedenken vielleicht, und es waren Stimmen - ZWEITER SENATOR ein wenig zögernd Der Form zu g nügen und den Vertragen müssten wir wohl - des Herzogs Adorno Genehm gung - PODESTÀ Ah - bei der Madonna - bald hätt ich s vergessen! Alviano beiseite ziehend, gedämpft Edler Signor Alviano - MICHELOTTO zu den Edlen Die Geschichte hat - so scheint s - noch nen Haken. Die Edlen bilden in eifrig flüsternden Gespräch eine abseits stehende Gruppe. TAMARE bei Carlotta Erinnert Ihr Euch, Signorina, an einen Reiter, heut früh - dess Rappe scheute beim Anblick der gold nen Karossen - PODESTÀ bei Alviano, halblaut Der Herzog Antonio Adorno - - - - das Recht des Einspruchs - - - - abhängig sind wir - - ALVIANO ebenso, jedoch zerstreut Was könnt er dagegen - - TAMARE bei Carlotta Der Reiter aber sah in zwei blitzende Augen; vergass darob, verwirrt und geblendet, zu zügeln das Ross - CARLOTTA lachend - und hätt beinah mit unfreiwill gem Fussfall gehuldigt der Schönen - das wart also Ihr? PODESTÀ Ein tapf rer Herr, doch ängstlich bedacht auf Beliebtheit beim Volk, nicht grade böse, doch eifersüchtig und eitel in hohem Masse, selbst gern fetiert, sieht er s nur ungern - CARLOTTA Ich habe mich sehr amüsiert. TAMARE Ihr seid grausam. Und wenn nun - vom Pferde gestürzt - gebrochen Arm oder Bein - CARLOTTA Ist s Euch ein Blick meiner Augen nicht wert? TAMARE heiss Das Leben gäb ich gern für Euch hin - doch - CARLOTTA Und wenn s grade das wär , was ich wollt ? Ihr seid so gross, so mächtig und stark - so hoch über mir. - Ich muss mich strecken - seht - Euch nur in die, spöttisch ach, so sieges- gewissen Augen zu blicken - ! Mit veränderter Stimme, wie ein bittendes verzogenes Kind. Und säh Euch gern klein und niedrig und arm, tief unter mir, meinen Füssen erreichbar - TAMARE finster Die Toten sind arm. CARLOTTA Aber tot und stumrn. Und ich liebe die Seele, die ringt und sich quält, sich opfert und leidet um Minnelohn. Seid Ihr mal gestorben, was nützt Euch dann - meine Liebe? TAMARE rauh, hervorgestossen, in höchstem Unbehagen. Ihr seid des Teufels, Jungfrau! Die Antwort - ich will sie bedenken mit Bedeutung und geb sie Euch morgen. Will ab. GUIDOBALD Halt, Vitelozzo, was eilst du? Sie umringen Tamare im Hintergrunde der Bühne und sprechen auf ihn ein. MENALDO, JULIAN, GONSALVO, MICHELOTTO, PAOLO durcheinander So hör doch! Wir sind in Gefahr. Er liefert uns aus - diesen lumpigen Bürgern! Der Eingang zum unterirdischen Saal! Wir müssen s hindern - - ! TAMARE man hält ihn Bei der Madonna, so lasst mich - reisst sich los GUIDOBALD eindringlich Sprich mit Adorno - TAMARE sehr aufgeregt Tut was Ihr wollt - lasst mich aus dem Spiel! MENALDO Aber Du - ein Wort! TAMARE zornig Ich weiss nichts, ich will nichts - - ich bin verliebt - ich liebe - hört Ihr? Die Pest in Euch! Ab. PODESTÀ mit Alviano nach vorne kommend So bleibt es dabei! Ihr verzieht einen Tag noch. Der Senat erbittet vorher die Genehm gung des Herzogs - - - Lakaien öffnen die Flügeltür im Hintergrunde, ein zweiter Saal mit einer festlich angerichteten Tafel wird sichtbar. und heut abend seid Ihr mein lieber Gast - ALVIANO Wie Ihr nun der meine. Ich bitte die edlen Gäste, meine Einladung nicht zu verschmäh n, ein einfaches Mahl! gehaucht Signorina - Euren Arm! Er reicht Carlotta ein wenig befangen seinen Arm. Der Podestà bietet den Arm seiner Frau. Die Anderen folgen. Die Lakaien schliessen wieder die Tür. FÜNFTE SZENE Martuccia. Pietro. PIETRO in heftigem Streit begriffen, beschwichtigend Holde Martuccia! MARTUCCIA mit einer Schürze, sehr echauffiert, alte Jungfer Du Lump! Gauner! Verbrecher! Lass mich! PIETRO erschrocken Ich bitt Dich, schweig still! Ich mag nicht erkannt sein. Dein Gebieter, der kleine Krüppel, den bösen Blick fürcht ich an ihm wie die Pest - MARTUCCIA Du Ungeheuer! Betrüger! Du Dieb! Wenn Du nicht hältst Dein gottloses Maul und den Herrn beschimpfst, geh ich Dir zu Leibe, Du Elender, Du! Du Ehrvergessner! Die ganze Nacht hab ich geharrt, den roten Shawl liess ich weh n im Wind vergeblich bis früh weicher und einen Schinken hab ich bereitet - PIETRO gerührt Einen Schinken - o Gott - ! Doch wenn Du erst hörst, was mir widerfahren MARTUCCIA wieder wütend, scharf akzentuiert Und jetzt - wo das Haus voller Gäst , ich alle Händ voll zu tun - kommt er daher, der - - PIETRO entsetzt Das Haus voller Gäst? Wer ist da? MARTUCCIA Zittere, Bube - der hohe Senat! PIETRO erleichtert Der Senat! Doch die Ritter? MARTUCCIA Sind da! PIETRO entgeistert Sind da! MARTUCCIA Und ich schwatz mit dem Kerl - statt - PIETRO Ich muss fort. MARTUCCIA Aha! PIETRO dringend Doch hör , Martuccia - hör , ich beschwör Dich nahe bei ihr Ich bin in Bedrängnis. In dieser Stadt ist ein anständ ger Mensch seines Lebens nicht sicher. Man interessiert sich für mich, - allzu sehr, wie mir scheint - und zu alldem verfolgt mich seit Tagen - ein Weib - MARTUCCIA Was? PIETRO Jawohl, eine Dame - eine wirft sich in die Brust vornehme Dame - ; das heisst - nicht mich - sondern den - für den sie - mich hält - und sie glaubt, ich sei - der Ritter Menaldo. MARTUCCIA starr, ihn musternd Nein - diese Frechheit - ! PIETRO Da hast Du recht, eine freche Person - MARTUCCIA wütend Nein! Du! Du! Du Schuft - nachäffend "Der Ritter Menaldo !" sie lacht grimmig PIETRO Sie hat sich s nun in den Kopf gesetzt, mich, das heisst - den Ritter Menaldo, zu verklagen bei Herzog Adorno - und geht nicht von mir und Iässt mich nicht aus - und sperr ich sie ein in meinen Palazzo da drauss vor den Toren - wie leicht könnt s gescheh n - - die Polizei - neu stens auf Mädchenräuber erpicht - hält mich für einen - hält mich für einen - und knüpft mich auf! MARTUCCIA sehr erschrocken Oh - ! PIETRO Das kannst Du nicht wollen. Du - die Du mich liebst! Nimm sie auf bei Dir! - MARTUCCIA Was - ? wen? - PIETRO Sie ist hier! MARTUCCIA perplex Wer - wo? PIETRO Das Frauenzimmer - die Dame - bewahr sie dem Ritter - Menaldo - ich fliehe! Doch - heute Nacht - geheim und verstohlen - ich schwör es - bin ich bei Dir - Rasch ab, jedoch bei einer andern Tür, als er gekommen. MARTUCCIA ratlos Heute Nacht - jammernd Ah - ah - ah - der Verbrecher! Was fang ich nur an! Oh - oh - ! ab Draussen vermischt sich ihre Stimme mit einer zweiten Frauenstimme, die zuerst aufgeregt auf sie einredet; man hört den Namen "Adorno". Die Stimmen besänftigen sich dann, werden schwächer und verlieren sich. SECHSTE SZENE CARLOTTA sich das Lachen verbeissend, aus dem Saal Ihr seid köstlich, Signor Alviano - nein wirklich - ALVIANO ihr folgend So ist Euch schon besser? CARLOTTA lacht, ihr Lachen klingt unnatürlich, übertrieben ALVIANO Ich erschrak -, Ihr grifft Euch plötzlich ans Herz und wurdet ganz blass - . CARLOTTA schwer atmend Ach - Kindskopf - mir ist wohl wie dem Fisch im Wasser, Doch sagt Euch mein Vater nicht von einer Bitte? ALVIANO Ja, - freilich. CARLOTTA So rasch vergesst Ihr solch wichtige Sachen? ALVIANO verlegen Nein - doch - CARLOTTA Nun seht - vor den vielen Leuten - es wär nicht gegangen! Und da all mein Blinzeln, verstohlenes Winken, mein Fragen, ob Ihr nicht hättet in Eurem Besitz ein Bild, eine selt ne Skulptur, mir zu zeigen - nichts half, verfiel ich darauf - ALVIANO befremdet, errötend Ah - wahrlich! Für einen Tölpel müsst Ihr mich halten, lebensunkundig, einfältig und albern. - Doch selten nur blüht mir Umgang mit schönen Frauen - so kommt s - dass - begreift Ihr - ? CARLOTTA Ich begreife - doch hört nun! Ich male. Ja, wahrhaftig, - blickt nicht so erstaunt - ich male Bilder. Tiere und Menschen, Bäume und Seen - den Himmel, das Licht - doch am liebsten male ich - still Seelen. ALVIANO Und könnt Ihr das - ich meine - gelingt s Euch - Seelen zu malen? CARLOTTA Weiss nicht, ob ich s kann - und wenn s nicht gelingt - liegt s, so dünkt mich, nicht immer an mir; man findet so schwer - die Modelle, Nur einmal - da schien es geglückt; das Bild erstand, so wundersam fein - nur ein hässlicher Schatten, zwischen Kinn und Mund - sehet - da - und wie ich auch sann und mich bastelnd mühte - er kam immer wieder. Schon glaubt ich ihn fort und für immer gebannt - da - unversehens - tückisch schleicht s aus den Pinseln und setzt sich fest! Das Bild gab ich auf; hab dann lang nichts versucht mehr - - doch faszinierend Euch - Euch möcht ich gern - malen. ALVIANO wie von einer Tarantel gestochen Mich - ? Alle Teufel - seid Ihr von Sinnen? giftig Ganz recht! - So musst s kommen. Glaubt ich doch schon - Ihr nähmet mich ernst, - wär t anders, als wie die Andern - die Schlangen, mit sanften Gesichtern, lockenden Augen und Herzen wie Teufel - doch eben - erkannt ich s - derselbe Blick CARLOTTA sehr erschreckt Urn Gotteswillen - besinnt Euch - ! ALVIANO scharf, schneidend Vielleicht als Narr in einem Gemälde, unter schönen Herren und Frauen, wirksam als Kontrast - mit ner Kappe und Schellen - der Buckel passte nicht schlecht - zum Gespött der Leute - verewigt für alle Zeiten! CARLOTTA stark Jetzt schweigt! Vergesst nicht, dass mit einer Dame Ihr sprecht. Ihr tut mir - unrecht - hört mich zu Ende! ALVIANO setzt sich mit verbissenem Lachen in eine Ecke. CARLOTTA Dort, wo die Stadt weit wird, und der Blick sich auftut auf die Campagna - hab ich als Werkstatt ein kleines Häuschen. In zeit ger Frühe, wenn einsam und leer noch die Gassen und Plätze, das bIass-fahle Licht des frühen Morgens matt und milde die Leinwand umspielt, dünkt s mich zur Arbeit die rechte Zeit. An meinem Häuschen vorbei führt ein Weg, gesäumt von hohen Zypressen - den kennt Ihr wohl - Ihr schrittet ihn oft. Scheu und gebückt in Gedanken versunken - plötzlich misstrauisch musternd die Fenster, deren Gardinen die Späherin bargen - doch Ihr saht sie nicht. Da stieg auf, purpurn glühend - Schleier in tausend Farben, schillernd, leuchtende Nebel, gespenstischen Herolden gleich, zogen, ihr Nahen kündend, voran - - die Sonne. Und ein zweites Wunder geschah - Ich sah - wie der kleine, armsel ge Wand rer sein Haupt hob. Jeder Muskel spannte sich straff in dem schmächtigen Körper - die Arme stiegen an, hoch zum Himmel gebreitet. So schritt er hinein in den Glast, der Sonne entgegen; und grösser und grösser sah ich ihn werden - riesenhaft wuchs die Gestalt, - mir klopfte das Herz - . So malte ich Euch, Signor Alviano. So malte ich Eure Gestalt, entgegenschreitend der Sonne. Doch mir fehlt noch das Antlitz, und - mir fehlt noch das trunkene Auge, darin all die Schönheit sich spiegelt. ALVIANO zitternd - - - Ich bin beschämt - ich weiss nicht - - verzeiht mir - mir war noch nie so - zu Mut - im Leben - - ! CARLOTTA zart Wollt Ihr kommen - in meine Werkstatt - dass ich - das Bild - vollende - - ? ALVIANO sich über ihre Hand beugend, leise Ich will - gern kommen. Der Vorhang fällt langsam. この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio Schreker,Franz/Die Gezeichneten/II
https://w.atwiki.jp/game_rowa/pages/59.html
「愛国者達が!!」 怒りも露わに、ソリダス・スネークは街灯を蹴り飛ばした。 鉄製の支柱が曲がる程の蹴撃は、ソリダスの高い身体能力と憤激を雄弁に物語る。 自由の子供達(サンズ・オブ・リバティ)。 ソリダス・スネークの野望であり悲願。 合衆国の軍事・経済・政治を社会の影から支配する者達。 情報を検閲し、統制する事で、その存在を隠匿し、技術を独占し、人々の思想すらも意のままにする者達。 奴等『愛国者達』の統制から離れ、真の自由を獲得する為の決起。 それをこんな形で潰してくれるとは!! ソリダスはあの二人を愛国者達の配下だと確信していた。 明らかに人ならざる力を行使してはいたが、サイコ・マンティスの様な人を逸脱ささた能力を振るうものや、 バルカン・レイブンやヴァンプの様な、超人としか言い表せられない身体能力の持ち主を知るソリダスには、別段思うところは無い。 あのウルノーガとかいう奴は………ホログラムか何かだろう。 そう結論したソリダスは、取り敢えず支給品を探ってみる。戦場においては武器の確認は基本である。 結果、出てきたのは、食料だの水だの地図だのの他に、サバイバルナイフが一本と、壊れて機能しないステルススーツ。 「クソッッ!」 再度の蹴撃を受けた街灯の支柱が、形容し難い音と共にへし折れた。 「………………………………」 八つ当たりで気を紛らわしたソリダスは、改めて今後の方針を考える。 奴等の思惑通りに、他の連中を殺して回る?論外だ。 自由を求めて決起した己が、鎖に繋がれた剣闘士の様に、他者の意に沿って闘争し、殺戮する。 そんな事をやる意志はソリダスには存在しない。奴等の意のままに振る舞う事が気に食わない。 何よりも、自由を獲得する為に行動しておきながらそんな真似をすれば、己の存在は道化に等しいものとなる。 「道は一つだけ…という訳だ」 奴等を殺す。奴等の目論見を打倒する。 『何でも願いを叶えてやる』上等だ。叶えて貰おうじゃないか。しかし、それは、他の者達を殺し回って、御褒美として施して頂くなどというものでは無い。 奴等を打ち倒し、這い蹲らせて、願いを叶えさせるのだ。 「どうか貴方様方の願いを叶えさせて下さい」そう言わせてやる。 取るべき道は一つ。ならば実行の為の手段は………。 先ずは手駒を増やす。 奴等の目的を挫く為にも、首輪を外す為にも、手勢を集める事は必要不可欠だ。 第一に、この殺し合いに反感を持つ者達を糾合する事だ。 そして殺し合いに乗った者達を皆殺しにする。 こうすれば奴等の目論見は破綻する。 その上で首輪を外し、奴等を打ち倒す。 「こうなったからには仕方がない。皆殺しにして、愛国者達の情報を得るまでだ」 首輪に付いているであろう、盗聴機能を誤魔化すべく、物騒なことを呟いたソリダスは、目指して歩いてきた建物を見上げる。 何でこんな所に警察署が有るのかは分からないが、武器を調達するには丁度良いだろう。 同じ事を考える者が、スタンスはどうあれやってくるかも知れない。 ソリダスは支給品のサバイバルナイフの柄の感触を確かめる様に、二度握り直すと、慎重に警察署内に入っていった。 【F-3/ラクーン市警/一日目 深夜】 【ソリダス・スネーク@ METAL GEAR SOLID 2 [状態]:健康・憤怒 [装備]:サバイバルナイフ@現実 [道具]:基本支給品、壊れたステルススーツ、 [思考・状況] 基本行動方針:バトルロワイアルの打破と主催の打倒 1.手勢を集める。殺し合いに乗った者は殺す 2.首輪を外す 3.警察署内で武器を探す。 4.主催者を愛国者達の配下だと思っています サバイバルナイフ@現実 ソリダスに支給された武器。武器としては微妙だが、サバイバルツールとしては非常に優秀で、無人島に漂着した際に、一つだけ道具を持ち込めるとしたら?という質問の最適解とされる。 壊れたステルススーツ@METAL GEAR SOLID 2 タンカー編OPでスネークが装備していたステルススーツ。 着地の衝撃で壊れている為機能しない。 ※ビッグシェル制圧して声明を出した後からの参戦です。 「一体どういう事かしら」 素早く周囲を見回して、何もいない事を確認したクレアは、改めて今さっき撃ち殺したリッカーの骸を眺める。 悪夢の方がまだマシと断言出来るラクーンシティから脱出した筈なのだが、何故またリッカーに襲われなければならないのか。 それに………。 「消し飛んだ筈よね」 見上げた先にあるのは、確かに記憶の中にあるラクーン市警の建物。 屋上にぶっ刺さって燃えていた、安心と信頼と実績のカプコンヘリこそ無いが。 「それにこの銃…」 種類としては短機関銃なのだろうが、威力が明らかにおかしい。襲ってきたリッカーの胴に、ただの一発で大穴を開けた程だ。 何もかもが分からないが、一つ言える事は、クレアは際限無くロクでも無い状況にいるという事だ。 クレアはどうするかを考える。殺し合いなどやる訳が無い。となれば取るべき道は一つだ。 「奴等に立ち向かうとして、まずはこれを外さないとね」 指をそっと首筋に伸ばすと、首輪の冷たい感触に触れた。 奴等に命を握られている状況。これを何とかしないと始まらない。 「警察署の中に武器やツールが有るかも知れないけど………」 中にはリッカーやゾンビが徘徊しているかも知れない。 「………………」 暫く考えた後、クレアは意を決して警察署内に踏み入った。 【F-3/ラクーン市警/一日目 深夜】 【クレア・レッドフィールド@BIOHAZARD 2】 [状態]:健康 [装備]:P90(残弾数49発)替えのマガジン2つ@METAL GEAR SOLID 2 [道具]:基本支給品、不明品(確認済み) [思考・状況] 基本行動方針:対主催1.首輪を外す2.警察署内で武器や道具を探す P90@METAL GEAR SOLID 2 クレアの支給品。 ソリダスが使っていた銃で、スティンガーミサイルも通じない、メタルギアRAYの装甲をボール紙のように貫通するトチ狂った威力の銃。 ※エンディング後からの参戦です。 ◆ 鈍い足音が警察署へと向かって規則正しく響く。 足音の重々しさは、ただそれだけで、足音の主が強い力と巨�默の主である事を知らしめる。 「S.T.A.R.S………」 襲ってきたリッカーを、ある個体は腕の一振りで無造作に屠り、またある個体は蹴り砕いて、警察署へとまっすぐに歩いていく。 足音の主は止まる事無く、警察署の壁を、腕輪を嵌めた拳で破壊すると、内部へと侵入した。 「S.T.A.R.S………」 足音の主に有るのは新旧二つの命令。 旧い一つは、S.T.A.R.Sの抹殺。 新しい一つは、生きている者全ての殺害。 足音の主の名はネメシスT~型。 このバトルロワイアルの主催者が、殺し合いを円滑に進めるべく、優れた武器を持たせて送り込んだB.O.W ネメシスは殺す。主催者の命令に従って。 ネメシスはS.T.A.R.Sを捜す。旧い命令に従って。 警察署に来たのもS.T.A.R.Sのメンバーを求めての事だ。 旧き令は未だにネメシスの中にある。 故にもし、S.T.A.R.Sのメンバーがこの地にいれば、ネメシスは最優先で殺しに掛かるだろう。 ネメシスはその者だけの死神となるだろう。 【F-3/ラクーン市警/一日目 深夜】 【ネメシス-T型@BIOHAZARD 3】 [状態]:健康 [装備]:不明(強力な事は確か) [道具]:基本支給品、不明品×2 豪傑の腕輪+3 [思考・状況] 基本行動方針:皆殺し1.S.T.A.R.Sのメンバーが居れば最優先で殺す。 豪傑の腕輪@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて 装備すると攻撃力が上がる腕輪。 Back← 023 →Next 020 魔王決戦、その果てに 時系列順 024 Reset and Rebirth 022 ポケットにファンタジー 投下順 NEW GAME ソリダス・スネーク 060 RE 2(前編) NEW GAME クレア・レッドフィールド NEW GAME ネメシス-T型
https://w.atwiki.jp/oper/pages/654.html
ERSTER TEIL Nr. 1 Einleitung Die Vorstellung des Chaos Rezitativ mit Chor RAPHAEL Im Anfange schuf Gott Himmel und Erde, und die Erde war ohne Form und leer, und Finsternis war auf der Fläche der Tiefe. CHOR Und der Geist Gottes Schwebte auf der Fläche der Wasser, Und Gott sprach Es werde Licht! Und es ward Licht. URIEL Und Gott sah das Licht, daß es gut war, und Gott schied das Licht von der Finsternis. Nr. 2 Arie mit Chor URIEL Nun schwanden vor dem heiligen Strahle Des schwarzen Dunkels gräuliche Schatten Der erste Tag entstand. Verwirrung weicht, und Ordnung keimt empor. Erstarrt entflieht der Höllengeister Schar In des Abgrunds Tiefen hinab Zur ewigen Nacht. CHOR Verzweiflung, Wut und Schrecken Begleiten ihren Sturz, Und eine neue Welt Entspringt auf Gottes Wort. Nr. 3 Rezitativ RAPHAEL Und Gott machte das Firmament und teilte die Wasser, die unter dem Firmament waren, von den Gewässern, die ober dem Firmament waren, und es ward so. Da tobten brausend heftige Stürme; wie Spreu vor dem Winde, so flogen die Wolken, die Luft durchschnitten feurige Blitze und schrecklich rollten die Donner umher. Der Flut entstieg auf sein Geheiß der allerquickende Regen, der allerverheerende Schauer, der leichte, flockige Schnee. Nr. 4 Chor mit Sopransolo GABRIEL Mit Staunen sieht das Wunderwerk Der Himmelsbürger frohe Schar, Und laut ertönt aus ihren Kehlen Des Schöpfers Lob, Das Lob des zweiten Tags. CHOR Und laut ertönt aus ihren Kehlen Des Schöpfers Lob, Das Lob des zweiten Tags. Nr. 5 Rezitativ RAPHAEL Und Gott sprach Es sammle sich das Wasser unter dem Himmel zusammen an einem Platz und es erscheine das trockne Land; und es ward so. Und Gott nannte das trockne Land "Erde" und die Sammlung der Wasser nannte er "Meer"; Und Gott sah, daß es gut war. Nr. 6 Arie RAPHAEL Rollend in schäumenden Wellen Bewegt sich ungestüm das Meer. Hügel und Felsen erscheinen, Der Berge Gipfel steigt empor. Die Fläche, weit gedehnt, Durchläuft der breite Strom In mancher Krümme. Leise rauschend gleitet fort Im stillen Tal der helle Bach. Nr. 7 Rezitativ GABRIEL Und Gott sprach Es bringe die Erde Gras hervor, Kräuter. die Samen geben, und Obstbäume, die Früchte bringen ihrer Art gemäß, die ihren Samen in sich selbst haben auf der Erde; und es ward so. Nr. 8 Arie GABRIEL Nun beut die Flur das frische Grün Dem Auge zur Ergötzung dar. Den anmutsvollen Blick Erhöht der Blumen sanfter Schmuck. Hier duften Kräuter Balsam aus, Hier sproßt den Wunden Heil. Die Zweige krümmt der goldnen Früchte Last; Hier wölbt der Hain zum kühlen Schirme sich, Den steilen Berg bekrönt ein dichter Wald. Nr. 9 Rezitativ URIEL Und die himmlischen Heerscharen verkündigten den dritten Tag, Gott preisend und sprechend Nr. 10 Chor CHOR Stimmt an die Saiten, ergreift die Leier, Laßt euren Lobgesang erschallen! Frohlocket dem Herrn, dem mächtigen Gott, Denn er hat Himmel und Erde Bekleidet in herrlicher Pracht! Nr. 11 Rezitativ URIEL Und Gott sprach Es sei n Lichter an der Feste des Himmels, um den Tag von der Nacht zu scheiden und Licht auf der Erde zu geben, und es seien diese für Zeichen und für Zeiten und für Tage und für Jahre. Er machte die Sterne gleichfalls. Nr. 12 Rezitativ URIEL In vollem glanze steiget jetzt Die Sonne strahlend auf, Ein wonnevoller Bräutigam, Ein Riese stolz und froh, Zu rennen seine Bahn. Mit leisem Gang und sanftem Schimmer Schleicht der Mond die stille Nacht hindurch. Den ausgedehnten Himmelsraum Ziert ohne Zahl der hellen Sterne Gold. Und die Söhne Gottes Verkündigten den vierten Tag Mit himmlischem Gesang, Seine Macht ausrufend also Nr. 13 Chor mit Soli CHOR Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, Und seiner Hände Werk Zeigt an das Firmament. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL Dem kommenden Tage sagt es der Tag, Die Nacht, die verschwand, der folgenden Nacht CHOR Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, Und seiner Hände Werk Zeigt an das Firmament. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL In alle Welt ergeht das Wort, Jedem Ohre klingend, Keiner Zunge fremd CHOR Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, Und seiner Hände Werk Zeigt an das Firmament. ZWEITER TEIL Nr. 14 Rezitativ GABRIEL Und Gott sprach Es bringe das Wasser in der Fülle hervor webende Geschöpfe, die Leben haben, und Vögel, die über der Erde fliegen mögen in dem offenen Firmamente des Himmels. Nr. 15 Arie GABRIEL Auf starkem Fittiche Schwinget sich der Adler stolz Und teilet die Luft Im schnellesten Fluge Zur Sonne hin. Den Morgen grüßt Der Lerche frohes Lied, Und Liebe girrt Das zarte Taubenpaar. Aus jedem Busch und Hain erschallt Der Nachtigallen süße Kehle. Noch drückte Gram nicht ihre Brust, Noch war zur Klage nicht gestimmt Ihr reizender Gesang. Nr. 16 Rezitativ RAPHAEL Und Gott schuf große Walfische und ein jedes lebende Geschöpf, das sich beweget, und Gott segnete sie, sprechend Seid fruchtbar alle, mehret euch, Bewohner der Luft, vermehret euch Und singt auf jedem Aste! Mehret euch, ihr Flutenbewohner, Und füllet jede Tiefe! Seid fruchtbar, wachset, mehret euch, Erfreuet euch in eurem Gott! Nr. 17 Rezitativ RAPHAEL Und die Engel rührten ihr unsterblichen Harfen und sangen die Wunder des fünften Tags. Nr. 18 Terzett GABRIEL In holder Anmut stehn, Mit jungem Grün geschmückt, Die wogigten Hügel da. Aus ihren Adern quillt In fließendem Kristall Der kühlende Bach hervor. URIEL In frohen Kreisen schwebt, Sich wiegend in der Luft, Der munteren Vögel Schar. Den bunten Federglanz Erhöht im Wechselflug Das goldene Sonnenlicht. RAPHAEL Das helle Naß durchblitzt Der Fisch und windet sich Im steten Gewühl umher. Vom tiefsten Meeresgrund Wälzet sich Leviathan Auf schäumender Well empor. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL Wie viel sind deiner Werk , o Gott! Wer fasset ihre Zahl? Wer, o Gott! Wer fasset ihre Zahl? Nr. 19 Chor mit Soli CHOR Der Herr ist groß in seiner Macht, Und ewig bleibt sein Ruhm. Nr. 20 Rezitativ RAPHAEL Und Gott sprach Es bringe die Erde hervor lebende Geschöpfe nach ihrer Art Vieh und krichendes Gewürm und Tiere der Erde nach ihren Gattungen. Nr. 21 Rezitativ RAPHAEL Gleich öffnet sich der Erde Schoß Und sie gebiert auf Gottes Wort Geschöpfe jeder Art, In vollem Wuchs und ohne Zahl. Vor Freude brüllend steht der Löwe da. Hier schießt der gelenkige Tiger empor. Das zackige Haupt erhebt der schnelle Hirsch. Mit fliegender Mähne springt und wieh rt Voll Mut und Kraft das edle Roß. Auf grünen Matten weidet schon Das Rind, in Herden abgeteilt. Die Triften deckt, als wie gesät, Das wollenreiche, sanfte Schaf. Wie Staub verbreitet sich In Schwarm und Wirbel Das Heer der Insekten. In langen Zügen kriecht Am Boden das Gewürm. Nr. 22 Arie RAPHAEL Nun scheint in vollem Glanze der Himmel, Nun prangt in ihrem Schmucke die Erde. Die Luft erfüllt das leichte Gefieder, Das Wasser schwellt der Fische Gewimmel, Den Boden drückt der Tiere Last. Doch war noch alles nicht vollbracht. Dem ganzen fehlte das Geschöpf, Das Gottes Werke dankbar sehn, Des Herren Güte preisen soll. Nr. 23 Rezitativ URIEL Und Gott schuf den Menschen nach seinem Ebenbilde, nach dem Ebenbilde Gottes schuf er ihn. Mann und Weib erschuf er sie. Den Atem des Lebens hauchte er in sein Angesicht, und der Mensch wurde zur lebendigen Seele. Nr. 24 Arie URIEL Mit Würd und Hoheit angetan, Mit Schönheit, Stärk und Mut begabt, Gen Himmel aufgerichtet steht der Mensch, Ein Mann und König der Natur. Die breit gewölbt erhabne Stirn Verkünd t der Weisheit tiefen Sinn, Und aus dem hellen Blicke strahlt Der Geist, des Schöpfers Hauch und Ebenbild. An seinen Busen schmieget sich Für ihn, aus ihm geformt, Die Gattin, hold und anmutsvoll. In froher Unschuld lächelt sie, Des Frühlings reizend Bild, Ihm Liebe, Glück und Wonne zu. Nr. 25 Rezitativ RAPHAEL Und Gott sah jedes Ding, was er gemacht hatte; und es war sehr gut. Und der himmlische Chor feierte das Ende des sechsten Tages mit lautem Gesang Nr. 26 Chor CHOR Vollendet ist das große Werk, Der Schöpfer sieht s und freuet sich. Auch unsre Freund erschalle laut, Des Herren Lob sei unser Lied! Nr. 27 Terzett GABRIEL, URIEL Zu dir, o Herr, blickt alles auf. Um Speise fleht dich alles an. Du öffnest deine Hand, Gesättigt werden sie. RAPHAEL Du wendest ab dein Angesicht, Da bebet alles und erstarrt. Du nimmst den Odem weg, In Staub zerfallen sie. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL Den Odem hauchst du wieder aus, Und neues Leben sproßt hervor. Verjüngt ist die Gestalt der Erd An Reiz und Kraft. Nr. 28 Chor CHOR Vollendet ist das große Werk, Des Herren Lob sei unser Lied! Alles lobe seinen Namen, Denn er allein ist hoch erhaben! Alleluja! Alleluja! DRITTER TEIL Nr. 29 Orchestereinleitung und Rezitativ URIEL Aus Rosenwolken bricht, Geweckt durch süßen Klang, Der Morgen jung und schön. Vom himmlischen Gewölbe Strömt reine Harmonie Zur Erde hinab. Seht das beglückte Paar, Wie Hand in Hand es geht! Aus ihren Blicken strahlt Des heißen Danks Gefühl. Bald singt in lautem Ton Ihr Mund des Schöpfers Lob; Laßt unsre Stimme dann Sich mengen in ihr Lied. Nr. 30 Duett mit Chor EVA und ADAM Von deiner Güt , o Herr und Gott, Ist Erd und Himmel voll. Die Welt, so groß, so wunderbar, Ist deiner Hände Werk. CHOR Gesegnet sei des Herren Macht, Sein Lob erschall in Ewigkeit. ADAM Der Sterne hellster, o wie schön Verkündest du den Tag! Wie schmückst du ihn, o Sonne du, Des Weltalls Seel und Aug ! CHOR Macht kund auf eurer weiten Bahn Des Herren Macht und seinen Ruhm! EVA Und du, der Nächte Zierd und Trost, Und all das strahlend Heer, Verbreitet überall sein Lob In euerm Chorgesang. ADAM Ihr Elemente, deren Kraft Stets neue Formen zeugt, Ihr Dünst und Nebel, Die der Wind versammelt und vertreibt EVA, ADAM und CHOR Lobsinget alle Gott, dem Herrn, Groß wie sein Nam ist seine Macht. EVA Sanft rauschend lobt, o Quellen, ihn! Den Wipfel neigt, ihr Bäum ! Ihr Pflanzen duftet, Blumen haucht Ihm euern Wohlgeruch! ADAM Ihr, deren Pfad die Höh n erklimmt, Und ihr, die niedrig kriecht, Ihr, deren Flug die Luft durchschneid t, Und ihr im tiefen Naß EVA, ADAM und CHOR Ihr Tiere, preiset alle Gott! Ihn lobe, was nur Odem hat! EVA und ADAM Ihr dunklen Hain , ihr Berg und Tal , Ihr Zeugen unsres Danks, Ertönen sollt ihr früh und spät Von unserm Lobgesang. CHOR Heil dir, o Gott, o Schöpfer, Heil! Aus deinem Wort entstand die Welt, Dich beten Erd und Himmel an, Wir preisen dich in Ewigkeit! Nr. 31 Rezitativ ADAM Nun ist die erste Pflicht erfüllt, Dem Schöpfer haben wir gedankt. Nun folge mir, Gefährtin meines Lebens! Ich leite dich, und jeder Schritt Weckt neue Freud in unsrer Brust, Zeigt Wunder überall. Erkennen sollst du dann, Welch unaussprechlich Glück Der Herr uns zugedacht. Ihn preisen immerdar, Ihm weihen Herz und Sinn. Komm, folge mir, ich leite dich. EVA O du., für den ich ward, Mein Schirm, mein Schild, mein All! Dein Will ist mir Gesetz. So hat s der Herr bestimmt, Und dir gehorchen bringt Mir Freude, Glück und Ruhm. Nr. 32Duett ADAM Holde Gattin, dir zur Seite Fließen sanft die Stunden hin. Jeder Augenblick ist Wonne, Keine Sorge trübet sie. EVA Teurer Gatte, dir zur Seite, Schwimmt in Freuden mir das Herz. Dir gewidmet ist mein Leben, Deine Liebe sei mein Lohn. ADAM Der tauende Morgen, O wie ermuntert er! EVA Die Kühle des Abends, O wie erquicket sie! ADAM Wie labend ist Der runden Früchte Saft! EVA Wie reizend ist Der Blumen süßer Duft! EVA und ADAM Doch ohne dich, was wäre mir - ADAM Der Morgentau, EVA Der Abendhauch, ADAM Der Früchte Saft, EVA Der Blumen Duft. EVA und ADAM Mit dir erhöht sich jede Freude, Mit dir genieß ich doppelt sie, Mit dir ist Seligkeit das Leben, Dir sei es ganz geweiht! Nr. 33 Rezitativ URIEL O glücklich Paar, und glücklich immerfort, Wenn falscher Wahn euch nicht verführt, Noch mehr zu wünschen als ihr habt, Und mehr zu wissen als ihr sollt! Nr. 34 Schlußchor mit Soli CHOR Singt dem Herren alle Stimmen! Dankt ihm alle seine Werke! Laßt zu Ehren seines Namens Lob im Wettgesang erschallen! Des Herren Ruhm, er bleibt in Ewigkeit! Amen! ERSTER TEIL Nr. 1 Einleitung Die Vorstellung des Chaos Rezitativ mit Chor RAPHAEL Im Anfange schuf Gott Himmel und Erde, und die Erde war ohne Form und leer, und Finsternis war auf der Fläche der Tiefe. CHOR Und der Geist Gottes Schwebte auf der Fläche der Wasser, Und Gott sprach Es werde Licht! Und es ward Licht. URIEL Und Gott sah das Licht, daß es gut war, und Gott schied das Licht von der Finsternis. Nr. 2 Arie mit Chor URIEL Nun schwanden vor dem heiligen Strahle Des schwarzen Dunkels gräuliche Schatten Der erste Tag entstand. Verwirrung weicht, und Ordnung keimt empor. Erstarrt entflieht der Höllengeister Schar In des Abgrunds Tiefen hinab Zur ewigen Nacht. CHOR Verzweiflung, Wut und Schrecken Begleiten ihren Sturz, Und eine neue Welt Entspringt auf Gottes Wort. Nr. 3 Rezitativ RAPHAEL Und Gott machte das Firmament und teilte die Wasser, die unter dem Firmament waren, von den Gewässern, die ober dem Firmament waren, und es ward so. Da tobten brausend heftige Stürme; wie Spreu vor dem Winde, so flogen die Wolken, die Luft durchschnitten feurige Blitze und schrecklich rollten die Donner umher. Der Flut entstieg auf sein Geheiß der allerquickende Regen, der allerverheerende Schauer, der leichte, flockige Schnee. Nr. 4 Chor mit Sopransolo GABRIEL Mit Staunen sieht das Wunderwerk Der Himmelsbürger frohe Schar, Und laut ertönt aus ihren Kehlen Des Schöpfers Lob, Das Lob des zweiten Tags. CHOR Und laut ertönt aus ihren Kehlen Des Schöpfers Lob, Das Lob des zweiten Tags. Nr. 5 Rezitativ RAPHAEL Und Gott sprach Es sammle sich das Wasser unter dem Himmel zusammen an einem Platz und es erscheine das trockne Land; und es ward so. Und Gott nannte das trockne Land "Erde" und die Sammlung der Wasser nannte er "Meer"; Und Gott sah, daß es gut war. Nr. 6 Arie RAPHAEL Rollend in schäumenden Wellen Bewegt sich ungestüm das Meer. Hügel und Felsen erscheinen, Der Berge Gipfel steigt empor. Die Fläche, weit gedehnt, Durchläuft der breite Strom In mancher Krümme. Leise rauschend gleitet fort Im stillen Tal der helle Bach. Nr. 7 Rezitativ GABRIEL Und Gott sprach Es bringe die Erde Gras hervor, Kräuter. die Samen geben, und Obstbäume, die Früchte bringen ihrer Art gemäß, die ihren Samen in sich selbst haben auf der Erde; und es ward so. Nr. 8 Arie GABRIEL Nun beut die Flur das frische Grün Dem Auge zur Ergötzung dar. Den anmutsvollen Blick Erhöht der Blumen sanfter Schmuck. Hier duften Kräuter Balsam aus, Hier sproßt den Wunden Heil. Die Zweige krümmt der goldnen Früchte Last; Hier wölbt der Hain zum kühlen Schirme sich, Den steilen Berg bekrönt ein dichter Wald. Nr. 9 Rezitativ URIEL Und die himmlischen Heerscharen verkündigten den dritten Tag, Gott preisend und sprechend Nr. 10 Chor CHOR Stimmt an die Saiten, ergreift die Leier, Laßt euren Lobgesang erschallen! Frohlocket dem Herrn, dem mächtigen Gott, Denn er hat Himmel und Erde Bekleidet in herrlicher Pracht! Nr. 11 Rezitativ URIEL Und Gott sprach Es sei n Lichter an der Feste des Himmels, um den Tag von der Nacht zu scheiden und Licht auf der Erde zu geben, und es seien diese für Zeichen und für Zeiten und für Tage und für Jahre. Er machte die Sterne gleichfalls. Nr. 12 Rezitativ URIEL In vollem glanze steiget jetzt Die Sonne strahlend auf, Ein wonnevoller Bräutigam, Ein Riese stolz und froh, Zu rennen seine Bahn. Mit leisem Gang und sanftem Schimmer Schleicht der Mond die stille Nacht hindurch. Den ausgedehnten Himmelsraum Ziert ohne Zahl der hellen Sterne Gold. Und die Söhne Gottes Verkündigten den vierten Tag Mit himmlischem Gesang, Seine Macht ausrufend also Nr. 13 Chor mit Soli CHOR Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, Und seiner Hände Werk Zeigt an das Firmament. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL Dem kommenden Tage sagt es der Tag, Die Nacht, die verschwand, der folgenden Nacht CHOR Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, Und seiner Hände Werk Zeigt an das Firmament. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL In alle Welt ergeht das Wort, Jedem Ohre klingend, Keiner Zunge fremd CHOR Die Himmel erzählen die Ehre Gottes, Und seiner Hände Werk Zeigt an das Firmament. ZWEITER TEIL Nr. 14 Rezitativ GABRIEL Und Gott sprach Es bringe das Wasser in der Fülle hervor webende Geschöpfe, die Leben haben, und Vögel, die über der Erde fliegen mögen in dem offenen Firmamente des Himmels. Nr. 15 Arie GABRIEL Auf starkem Fittiche Schwinget sich der Adler stolz Und teilet die Luft Im schnellesten Fluge Zur Sonne hin. Den Morgen grüßt Der Lerche frohes Lied, Und Liebe girrt Das zarte Taubenpaar. Aus jedem Busch und Hain erschallt Der Nachtigallen süße Kehle. Noch drückte Gram nicht ihre Brust, Noch war zur Klage nicht gestimmt Ihr reizender Gesang. Nr. 16 Rezitativ RAPHAEL Und Gott schuf große Walfische und ein jedes lebende Geschöpf, das sich beweget, und Gott segnete sie, sprechend Seid fruchtbar alle, mehret euch, Bewohner der Luft, vermehret euch Und singt auf jedem Aste! Mehret euch, ihr Flutenbewohner, Und füllet jede Tiefe! Seid fruchtbar, wachset, mehret euch, Erfreuet euch in eurem Gott! Nr. 17 Rezitativ RAPHAEL Und die Engel rührten ihr unsterblichen Harfen und sangen die Wunder des fünften Tags. Nr. 18 Terzett GABRIEL In holder Anmut stehn, Mit jungem Grün geschmückt, Die wogigten Hügel da. Aus ihren Adern quillt In fließendem Kristall Der kühlende Bach hervor. URIEL In frohen Kreisen schwebt, Sich wiegend in der Luft, Der munteren Vögel Schar. Den bunten Federglanz Erhöht im Wechselflug Das goldene Sonnenlicht. RAPHAEL Das helle Naß durchblitzt Der Fisch und windet sich Im steten Gewühl umher. Vom tiefsten Meeresgrund Wälzet sich Leviathan Auf schäumender Well empor. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL Wie viel sind deiner Werk , o Gott! Wer fasset ihre Zahl? Wer, o Gott! Wer fasset ihre Zahl? Nr. 19 Chor mit Soli CHOR Der Herr ist groß in seiner Macht, Und ewig bleibt sein Ruhm. Nr. 20 Rezitativ RAPHAEL Und Gott sprach Es bringe die Erde hervor lebende Geschöpfe nach ihrer Art Vieh und krichendes Gewürm und Tiere der Erde nach ihren Gattungen. Nr. 21 Rezitativ RAPHAEL Gleich öffnet sich der Erde Schoß Und sie gebiert auf Gottes Wort Geschöpfe jeder Art, In vollem Wuchs und ohne Zahl. Vor Freude brüllend steht der Löwe da. Hier schießt der gelenkige Tiger empor. Das zackige Haupt erhebt der schnelle Hirsch. Mit fliegender Mähne springt und wieh rt Voll Mut und Kraft das edle Roß. Auf grünen Matten weidet schon Das Rind, in Herden abgeteilt. Die Triften deckt, als wie gesät, Das wollenreiche, sanfte Schaf. Wie Staub verbreitet sich In Schwarm und Wirbel Das Heer der Insekten. In langen Zügen kriecht Am Boden das Gewürm. Nr. 22 Arie RAPHAEL Nun scheint in vollem Glanze der Himmel, Nun prangt in ihrem Schmucke die Erde. Die Luft erfüllt das leichte Gefieder, Das Wasser schwellt der Fische Gewimmel, Den Boden drückt der Tiere Last. Doch war noch alles nicht vollbracht. Dem ganzen fehlte das Geschöpf, Das Gottes Werke dankbar sehn, Des Herren Güte preisen soll. Nr. 23 Rezitativ URIEL Und Gott schuf den Menschen nach seinem Ebenbilde, nach dem Ebenbilde Gottes schuf er ihn. Mann und Weib erschuf er sie. Den Atem des Lebens hauchte er in sein Angesicht, und der Mensch wurde zur lebendigen Seele. Nr. 24 Arie URIEL Mit Würd und Hoheit angetan, Mit Schönheit, Stärk und Mut begabt, Gen Himmel aufgerichtet steht der Mensch, Ein Mann und König der Natur. Die breit gewölbt erhabne Stirn Verkünd t der Weisheit tiefen Sinn, Und aus dem hellen Blicke strahlt Der Geist, des Schöpfers Hauch und Ebenbild. An seinen Busen schmieget sich Für ihn, aus ihm geformt, Die Gattin, hold und anmutsvoll. In froher Unschuld lächelt sie, Des Frühlings reizend Bild, Ihm Liebe, Glück und Wonne zu. Nr. 25 Rezitativ RAPHAEL Und Gott sah jedes Ding, was er gemacht hatte; und es war sehr gut. Und der himmlische Chor feierte das Ende des sechsten Tages mit lautem Gesang Nr. 26 Chor CHOR Vollendet ist das große Werk, Der Schöpfer sieht s und freuet sich. Auch unsre Freund erschalle laut, Des Herren Lob sei unser Lied! Nr. 27 Terzett GABRIEL, URIEL Zu dir, o Herr, blickt alles auf. Um Speise fleht dich alles an. Du öffnest deine Hand, Gesättigt werden sie. RAPHAEL Du wendest ab dein Angesicht, Da bebet alles und erstarrt. Du nimmst den Odem weg, In Staub zerfallen sie. GABRIEL, URIEL, RAPHAEL Den Odem hauchst du wieder aus, Und neues Leben sproßt hervor. Verjüngt ist die Gestalt der Erd An Reiz und Kraft. Nr. 28 Chor CHOR Vollendet ist das große Werk, Des Herren Lob sei unser Lied! Alles lobe seinen Namen, Denn er allein ist hoch erhaben! Alleluja! Alleluja! DRITTER TEIL Nr. 29 Orchestereinleitung und Rezitativ URIEL Aus Rosenwolken bricht, Geweckt durch süßen Klang, Der Morgen jung und schön. Vom himmlischen Gewölbe Strömt reine Harmonie Zur Erde hinab. Seht das beglückte Paar, Wie Hand in Hand es geht! Aus ihren Blicken strahlt Des heißen Danks Gefühl. Bald singt in lautem Ton Ihr Mund des Schöpfers Lob; Laßt unsre Stimme dann Sich mengen in ihr Lied. Nr. 30 Duett mit Chor EVA und ADAM Von deiner Güt , o Herr und Gott, Ist Erd und Himmel voll. Die Welt, so groß, so wunderbar, Ist deiner Hände Werk. CHOR Gesegnet sei des Herren Macht, Sein Lob erschall in Ewigkeit. ADAM Der Sterne hellster, o wie schön Verkündest du den Tag! Wie schmückst du ihn, o Sonne du, Des Weltalls Seel und Aug ! CHOR Macht kund auf eurer weiten Bahn Des Herren Macht und seinen Ruhm! EVA Und du, der Nächte Zierd und Trost, Und all das strahlend Heer, Verbreitet überall sein Lob In euerm Chorgesang. ADAM Ihr Elemente, deren Kraft Stets neue Formen zeugt, Ihr Dünst und Nebel, Die der Wind versammelt und vertreibt EVA, ADAM und CHOR Lobsinget alle Gott, dem Herrn, Groß wie sein Nam ist seine Macht. EVA Sanft rauschend lobt, o Quellen, ihn! Den Wipfel neigt, ihr Bäum ! Ihr Pflanzen duftet, Blumen haucht Ihm euern Wohlgeruch! ADAM Ihr, deren Pfad die Höh n erklimmt, Und ihr, die niedrig kriecht, Ihr, deren Flug die Luft durchschneid t, Und ihr im tiefen Naß EVA, ADAM und CHOR Ihr Tiere, preiset alle Gott! Ihn lobe, was nur Odem hat! EVA und ADAM Ihr dunklen Hain , ihr Berg und Tal , Ihr Zeugen unsres Danks, Ertönen sollt ihr früh und spät Von unserm Lobgesang. CHOR Heil dir, o Gott, o Schöpfer, Heil! Aus deinem Wort entstand die Welt, Dich beten Erd und Himmel an, Wir preisen dich in Ewigkeit! Nr. 31 Rezitativ ADAM Nun ist die erste Pflicht erfüllt, Dem Schöpfer haben wir gedankt. Nun folge mir, Gefährtin meines Lebens! Ich leite dich, und jeder Schritt Weckt neue Freud in unsrer Brust, Zeigt Wunder überall. Erkennen sollst du dann, Welch unaussprechlich Glück Der Herr uns zugedacht. Ihn preisen immerdar, Ihm weihen Herz und Sinn. Komm, folge mir, ich leite dich. EVA O du., für den ich ward, Mein Schirm, mein Schild, mein All! Dein Will ist mir Gesetz. So hat s der Herr bestimmt, Und dir gehorchen bringt Mir Freude, Glück und Ruhm. Nr. 32Duett ADAM Holde Gattin, dir zur Seite Fließen sanft die Stunden hin. Jeder Augenblick ist Wonne, Keine Sorge trübet sie. EVA Teurer Gatte, dir zur Seite, Schwimmt in Freuden mir das Herz. Dir gewidmet ist mein Leben, Deine Liebe sei mein Lohn. ADAM Der tauende Morgen, O wie ermuntert er! EVA Die Kühle des Abends, O wie erquicket sie! ADAM Wie labend ist Der runden Früchte Saft! EVA Wie reizend ist Der Blumen süßer Duft! EVA und ADAM Doch ohne dich, was wäre mir - ADAM Der Morgentau, EVA Der Abendhauch, ADAM Der Früchte Saft, EVA Der Blumen Duft. EVA und ADAM Mit dir erhöht sich jede Freude, Mit dir genieß ich doppelt sie, Mit dir ist Seligkeit das Leben, Dir sei es ganz geweiht! Nr. 33 Rezitativ URIEL O glücklich Paar, und glücklich immerfort, Wenn falscher Wahn euch nicht verführt, Noch mehr zu wünschen als ihr habt, Und mehr zu wissen als ihr sollt! Nr. 34 Schlußchor mit Soli CHOR Singt dem Herren alle Stimmen! Dankt ihm alle seine Werke! Laßt zu Ehren seines Namens Lob im Wettgesang erschallen! Des Herren Ruhm, er bleibt in Ewigkeit! Amen! Haydn,Franz Joseph/Die Schöpfung
https://w.atwiki.jp/swtfu/pages/19.html
WHERE ALL DROIDS GO TO DIE Darth Vader Master Kota is dead? マスター・コータを片付けたか? Galen Marek Yes... はい…… Darth Vader His lightsaber. 奴のライトセイバーを。 Darth Vader My spies have located another Jedi. Kazdan Paratus is far more powerful than you. I do not expect you to survive. But if you destroy him, you will be one step closer to your destiny. 私のスパイがもう一人のジェダイの居場所を突き止めた。カズダン・パラトゥスはお前よりも格段に強い。お前が生き残れると期待してはおらぬ。だが奴を仕留めることが出来れば、お前はさらに一歩目的に近づけるだろう。 Galen Marek The emperor. 皇帝ですね? Darth Vader Yes. Only together can we defeat him. そのとおりだ。共に戦えば、我々は皇帝を倒せるだろう。 Galen Marek I will not fail you, my master. お任せくださいわが師よ。失望はさせません。 Juno Eclipse Amazing... It looks just like the Jedi temple on Coruscant. すごいわ...コルサントのジェダイテンプルそっくり。 Galen Marek Proxy, are you picking up any communications? プロキシー、なにか通信は傍受できたか? Proxy Too many to decipher. I can hear thousands of droids, all calling out to each other... This is where all droids go to die. 発信元が多すぎて混線気味です。たくさんのドロイドの悲鳴のようなものがきこえます……ここはまるでドロイドの墓場です。 Galen Marek Set us down as close to that thing as you can. できるかぎり近づけてくれ。 Juno Eclipse I will do my best, but there are not many clearings. You will need to approach the "Temple" on foot. やってみるわ、でも開けた場所がほとんど無い。遠回りだけどあなたの足で歩いていくことになると思うわ。 次 KAZDAN PARATUS, AT LAST
https://w.atwiki.jp/oper/pages/92.html
第1幕 前奏曲と第1場 ジークムントとジークリンデ (家の中。中央には巨大なトネリコの幹があり、その太く盛り上がった根は地中深くまで突き刺さっている。木のこずえは造作された屋根によって隔てられているが、屋根には隙間が空いていて、幹はそこを通り抜け、枝もあらゆる方向に向かって屋根を通り抜けて伸びている。木のこずえには葉が茂っているので、トネリコは屋根を越えて広がっていることがわかる。トネリコの幹の周りには居間がこしらえられているが、その壁は荒削りの板で作られており、ところどころ手編み手織りの壁掛けが掛けられている。舞台の右手前方にはかまどがあり、排気口は舞台脇の屋根へとつながっている。かまどの後ろには寝室がある。さらに木の階段を数段昇っていったところに納屋があるが、その前には半分まくれあがった編み壁掛けが掛けてある。舞台後方には簡素な木製のかんぬきが付いた正面扉がある。舞台左手では、同じように階段を昇っていくと、個室へとつながる扉がある。舞台左手前方にはテーブルが置いてあるが、その後ろ側には壁に沿って幅広のベンチが、手前には木製の丸椅子が数脚置かれている) (嵐のように激動するオーケストラ前奏曲が始まる。幕が開くと、ジークムントが正面扉を開けて勢いよく中に入ってくる。夕暮れどきで、激しい嵐はようやく収まろうとしている。ジークムントはかんぬきを握ったまま一瞬、室内を見渡す。彼は激しい緊張のために疲れ切っているように見える。衣装と外見の様子からは彼が逃避行にあることがうかがえる。室内に誰もいないことを確認すると、彼は扉を閉め、かまどのそばへと歩み寄ると、力尽きて熊の毛皮の敷物の上に身を投げる) ジークムント いったい誰の家だ?でも、とにかく休まねば。 (気を失って背後にあおむけに倒れると、しばらく身じろぎもせずに横たわっている。ジークリンデが寝室から出てくる。彼女は夫が帰ってきたものとばかり思っていたが、かまどの前に見知らぬ男が寝ているのを見て、心底驚いた表情を見せる) ジークリンデ (舞台の奥に立ったまま) 見知らぬ男の人だわ?声をかけてみなくては・・・。 (心を落ち着かせながら少しずつ近づく) どなたです?我が家のかまどの前で寝ているのは? (ジークムントが動かないので、さらに数歩近づき、しげしげとその顔を見つめる) 旅路に疲れて、ぐったりしているわ。 気を失っているの?意識がないの? (ジークムントに顔を近づけ、聞き耳を立てる) 息はあるわ・・・ 目を閉じているだけのよう・・・ 今は疲れて寝ているけれど、本当は強い男の人みたい。 ジークムント (いきなりがばっと顔をあげる) 水!水を! ジークリンデ 冷たい水ね。持ってくるわ。 (牛の角から造った盃を素早く手に取り、それを持って家を出て行く。戻ってくると、なみなみと満たした盃をジークムントに手渡す) 渇いた喉をうるおしてください・・・ 水よ・・・どうぞお好きなだけ。 (飲み終わったジークムントは盃をジークリンデに返す。頭を上げて感謝の気持ちを表した時、その眼は彼女の顔に次第に強く吸い寄せられていく) ジークムント 冷たい水が喉をうるおし、 疲れを取り去ってくれました。 気分がよくなって、 見る楽しみが戻ってきました。 私を癒してくれたあなたのお名前は? ジークリンデ この屋敷も、私も、フンディングのものよ…。主人はあなたを客と認めるかしら?でも帰るまではここで休んでください! ジークムント 私は丸腰なのですよ・・・ ご主人がこんな傷ついた男を拒むとでも? ジークリンデ (心配そうに、あわてふためき) 傷ですって?早く見せて! ジークムント (否定するように手を振り、 勢いよく上半身を起こしながら) いいえ、たいした傷ではありません・・・ まだ腕も足もしっかりついていますしね。 もし盾や槍が、せめて私の腕力の半分でも 私を守ってくれていたならば、 決して敵に背後を見せることもなかったでしょう。 ところが、盾も槍も砕けてしまった。 敵の群れは私を散々追いまわし、 激しい嵐が私を打ち砕いたのです。 ですが、敵から逃れたのと同じぐらい早く、 私の疲れは消え去りました。 まぶたには夜が覆いかぶさっていたはずなのに、 今は新たな太陽が微笑みかけているのですから。 ジークリンデ (酒蔵に行き、牛の角で造った盃を蜜酒で満たし、生き生きと親しみを込めてジークムントに手渡す) こんな泡だらけの甘酒しかありませんが、 あなたのお口に合いますでしょうか。 ジークムント まずあなたが味見していただけますか? (ジークリンデは盃に口をつけて酒をすすり、ジークムントに手渡す。ジークムントは、ますます熱を込めてジークリンデを見つめながら、ゆっくりと酒を飲み干す。盃から口を放し、ゆっくりとその手をおろすと、ジークムントの表情は激しく心を揺さぶられたような変化を見せる。しかし彼は深いため息をつき、視線を暗く床に落とす) ジークムント (ふるえる声で) あなたが傷を治してくれた男は不幸な男・・・ その不幸を、あなたにまで近づけるわけにはいきません! (急いで立ち去ろうとする) 私は十分休息をとりました。 もう行かねばなりません。 (舞台後方へと向かう) ジークリンデ (勢いよくジークムントに振り返って) 誰が追ってくるというの? ジークムント (ジークリンデの叫び声にとらえられて、もう一度振り向くと、ゆっくりと陰鬱に) 不幸が追ってきます・・・どこへ逃げても。 不幸がやってきます・・・どこにいようとも・・・ ですが、あなたには不幸を近づけたくない! 早く立ち去らねば。もうお目にかかることのないように。 (素早く扉へと走り、かんぬきを持ち上げる) ジークリンデ (我を失って、ジークムントの背中に向けて激しく呼びかける)それなら、ここにいてください! 不幸を持ちこむことなどできません。 もともと不幸が居ついているこの家に! (ジークムントは心に激しい衝撃を受けて立ち止まり、ジークリンデの表情から何かを読み取ろうとするが、彼女は恥じいって悲しげに目を落とす。長い沈黙の時が続く) ジークムント (舞台前方に引き返しながら) ヴェーヴァルト(悲しみの男)・・・かつて私は自らそう名乗りました。ここでフンディングをお待ちしましょう。 (かまどに寄りかかったジークムントの視線は、静かなうちにも意を決したような想いを込めてジークリンデに注がれ、ジークリンデも再びゆっくりと目を上げる。二人はずっと沈黙したまま、無上の感動にとらえられたような表情で互いに見つめ合う) 第2場 (ジークムント、ジークリンデとフンディング) (ジークリンデは突然立ち上がり耳をすますと、屋外の小屋に馬をつけるフンディングの声を聞く。彼女は正面玄関に急いで走っていき、扉を開けると、槍と盾とで武装したフンディングが広間に入ってきて、ジークムントの姿に気づくと扉のところで立ち止まる。フンディングは、厳しく問いただすような目つきで、ジークリンデを見つめる) ジークリンデ (フンディングの視線に応えるように) この人は疲れ切ってかまどの前に横たわっていました。 苦境に陥って我が家にたどりついたのですわ。 フンディング 傷を治してやったのか? ジークリンデ 喉をうるおしてあげただけ。客としてのおもてなしをしただけです! ジークムント (落ち着いて、しっかりとフンディングを見すえて) ひさしをお借りして、飲み物をいただきました。 それだけのことで奥様をお叱りになるのですか? フンディング 我が家のかまどは聖なるかまど・・・ おぬしにとっても、我が家が聖なるものであるように! (武具を外してジークリンデに手渡す。 彼女に向かって) 客と亭主に、食事の支度をしろ! (ジークリンデは武具をトネリコの木の枝に懸けて、納屋から食べ物と飲み物を取出し、テーブルに夕食を用意する。彼女は無意識のうちに再びジークムントの顔を見る。 フンディングは、いぶかしげな鋭い視線をジークムントの顔に向けると、ジークリンデと見比べながら独り言を言う) こいつ・・・やけに、うちの奴に似ているぞ! 目から蛇のようなものが、 ぎらぎら光っている。 (疑惑の念を押し隠し、何も気にしていないような様子でジークムントに向きなおる) なるほど、ずいぶん遠いところから来たようだな・・・ 馬に乗っていたわけでもないのに、ここで休息をとるのだから・・・いったい、どんな悪路に悩まされたのだ? ジークムント 森と野原を越えてきましたが、 ずっと嵐と危険に追われていたので、 どの道を通ってきたのかは、わかりません。 どこに迷い込んだのかは、尚更のこと。 教えていただければ嬉しいのですが。 フンディング (テーブルにつくと、ジークムントにも椅子をすすめる) おぬしを守る屋根と家・・・ その持ち主はフンディングだ。 ここから西へ向かえば フンディングに忠誠を捧げる 一族郎党の家がたくさんある。 さあ、客人よ・・・ おぬしの名前も教えてもらえるかな? (テーブルについたジークムントは物思いにふけるように前方をみつめる。フンディングと同時にジークムントの反対側に腰を下ろしたジークリンデは、はた目にもそれと分かる関心を示して、緊張してジークムントの様子を見つめる) フンディング (二人の様子をじっと観察しながら) このわしには教えられないというのなら、 妻には教えてもらえぬか? どうやら聞きたくてたまらぬようだ! ジークリンデ (気後れせずに、共感の気持ちをあふれさせて) あなたが誰なのか知りたいのです。 ジークムント (目をあげてジークリンデの眼を見つめながら、真剣に語り始める)フリートムント(平和を守る男)とは申せません。 できることならフローヴァルト(喜びの男)でありたいのに、 ヴェーヴァルト(悲しみの男)と名乗らねばならないのです。 ヴォルフェという名の父親から 私は双子として生まれました。 双子の妹と私です。 ですが、物心つかぬうちに、母と妹はいなくなりました。 生んだ母の顔も、いっしょに生まれた妹の顔も、 ほとんど覚えていないのです。 ヴォルフェは強い戦士でしたが、 敵がたくさんいました。 父は息子の私と狩りに出ましたが、 狩りの一団と別れて急いで帰ってきてみると、 ヴォルフェの家は空っぽでした。 豪華な広間は燃やされて瓦礫となり、 樫の木は切り倒されて切株となり、 母は打ち殺されて横たわり、 妹の姿は炎の中に消えていました。 これはナイディング一族の 手酷い仕業だったのです。 父は家を追われて私を連れて逃げ、 私は何年もの間、 深い森の中で父ヴォルフェと暮らしました。 森には何度も捜索の手が及びましたが、 ヴォルフェの親子は勇敢に身を守ったのです。 (フンディングに向かって) 今あなたに向かって語る私は、ヴェルフィング族。 人に「狼の一族」と呼ばれるヴェルフィングなのです。 フンディング 客人よ・・・なんという異様な話だ。 ヴェーヴァルト・・・ヴェルフィング族の男子! 確かその強い親子について、 わしは、おそろしい噂を聞いたことがある。 ヴォルフェやヴェルフィングには会ったこともないが。 ジークリンデ お客様・・・もう少し教えてください。 あなたのお父様は今どちらにいらっしゃるのです? ジークムント ナイディング族は大規模な捜索を森に仕掛けましたが、 彼らの多くは、狼に殺されたり、 獣に追われたりして、 森から退散しました。 私たちの敵は散り散りになったのです。 ですが、その時、私は父のもとから引き離され、 探しても探しても、父の足跡は見つかりませんでした。 ただひとつだけ、狼の毛皮を 森の中で見つけたのですが、 毛皮の下は空っぽで、父は見つかりませんでした。 そして、その後、私は森にいられなくなり、 世間の男たち女たちと知り合うことになりました。 しかし、いくら多くの人と出会っても、どこで出会っても、 友だちを作りたくても、恋人を手に入れようとしても、 いつも私はつまはじき・・・ 不幸がこの身にまとわりついていたのです。 私が正しいと考えたことが、人には悪いことに思え、 よくないと思えたことが、 人には好ましいことだったのです。 私は、この世のあらゆる場所で不和を巻き起こし、 行く先々で怒りを呼び起こし、 喜びを求めているはずなのに、悲しみしかもたらさない。 それゆえ、悲しみの男(ヴェーヴァルト)と名乗るしかなかったのです。この身は、悲しみしかもたらさないのですから。 (ジークリンデに向けて顔を上げると、 共感に満ちた眼差しに出会う) フンディング そんなにも悲惨な運命に定められたとは、よほどおぬしは、 運命の女神ノルンたちに愛されていないのだろう。 そんな男が見知らぬ客として訪れても、 誰一人歓迎するはずがないではないか。 ジークリンデ ひとりぼっちの丸腰の男を怖がるなんて、卑怯者だけですわ! さあ、お客様、話してください。 あなたが戦いで武器さえ失ってしまったいきさつを! ジークムント (ますます熱を込めて) ある娘が泣いて私に助けを求めました。 彼女の一族の者たちが、 愛もないのに、ある男と結婚させようとしていたのです。 私は彼女を守ろうと、強制的な結婚に逆らい、 押し寄せてくる縁者たちと戦い、 敵に勝利しました。 しかし彼女の兄弟たちは打ち殺されて、 娘の周りに横たわり、 娘は悲しみのあまり怒りを忘れるほどでした。 死の衝撃で、目から涙をほとばしらせて、 哀れな花嫁は 兄弟たちの死を嘆き悲しみました。 すると、一族の者たちが、また殺到して、 ものすごい勢いで復讐を叫び、 私の周りは敵でいっぱいになりました。 結局、娘が死をまぬがれることはできなかったのです・・・ 私はずっと槍と盾とで彼女をかばいましたが、 軍勢に囲まれて、どちらも砕けてしまいました。 私は傷を負い、武器もないまま その娘の死んでいく姿を見ていました。 荒れ狂う軍勢は私を追いかけまわし、 娘は兄弟たちの亡きがらの上にくずおれました。 (苦悩の炎を目に燃やしながら ジークリンデを見つめる) もうお分かりでしょう・・・奥様・・・私が 「平和を守る男」(フリートムント)と名乗らないわけを! (ジークムントは立ち上がり、かまどのほうへと歩いていく。ジークリンデは青ざめながらも、深く心を揺さぶられて床に目を落とす) フンディング (立ち上がり、きわめて重苦しい声で) わしは野蛮な一族を知っている。 他の一族にとって神聖なことが、その一族にとっては神聖でないのだ。彼らは、他のすべての者にとってと同様、 わしにとっても憎むべき者たちだ。 わしは、戦の召集を受け、 一族の流した血の復讐をしに行った。 ところが、夜遅く家に帰ってみれば、 逃げてしまった無法者が、 ほかならぬ我が家で見つかるとは・・・。 (ジークムントに近づきながら) ヴェルフィングよ。今日は我が家に置いてやろう。 ここで夜を明かすがよい。 だが明日は強力な武器で身を守るがいい。 わしは明日を戦いの日と決めたのだ。 おぬしは死者の償いをせねばならぬ。 (ジークリンデは心配そうな身振りで進み出て、 二人の間に割って入る) フンディング (無愛想に) さっさと出ていけ!ぐずぐずするな! 寝酒を用意して、 寝室でわしを待っていろ。 (ジークリンデは、意を決しかねるように物思いにふけりながら、しばし立ちすくんでいたが、やがてためらうような足取りで、ゆっくりと納屋に向かう。もう一度立ち止まると、物思いのあまり放心したように、顔を半ばそむけ、横顔だけをこちらに向けたまま立ちすくむ。だが、やがて意を決したように落ち着いて戸棚を開けると、酒杯に酒を満たし、小さな容器に入った粉薬をその中に振りかける。 そうしてからジークリンデはジークムントに目をやると、それまでずっと彼女に向けられていたジークムントの眼差しと出会うが、フンディングが様子を窺っていることに気づくと、すぐ寝室へと向かう。しかし、彼女は階段でもう一度だけ振り向くと、憧れのこもった眼差しでジークムントを見つめ、その眼差しで語りかけるように、しばらくトネリコの幹の一点を凝視する。だがフンディングが荒々しく身を起こし、激しい身振りでジークリンデを追い払うので、彼女はジークムントに最後の一瞥を与えて寝室に向かい、部屋の扉を閉める) フンディング (木の幹に懸けてあった自分の武具を取る) 男は、武器をもって戦うものだ。 (退場しながらジークムントに向かって) ヴェルフィングよ。また明日会おう。 意味が分かるな?せいぜい気をつけろということだ! (武具を持ったまま寝室に入る。部屋の中から閂が下ろされる音が聞こえてくる) 第3場 (ジークムント、ジークリンデ) (ジークムントひとり。すっかり夜になってしまい、室内はかまどの弱い炎によって、かろうじて照らされている。ジークムントは炎の近くの寝床に腰を下ろし、心は激しく興奮しつつも、黙り込んで前方を見つめている) ジークムント 父さんが話していた剣・・・ 最大の危機に直面したときに見つかる剣。 今ぼくは丸腰で敵の家にいて、 復讐のかたに取られて、ここにとどまっている・・・。 美しく気高い女性をぼくは見た。 心は歓喜と不安におののいている。 あの女性は、ぼくの心にあこがれを呼び覚まし、 甘い魔法でぼくを引き寄せる・・・ なのに、よりによってその女性を、ぼくを無力と嘲笑うあの男が自分の意のままとしているなんて! ヴェルゼよ!ヴェルゼ!あなたの剣はどこにあるのだ? 強き剣。 嵐の中で振るう剣。 その剣は、ぼくの胸の中から現れないのか? この荒れ狂う心の思いが剣とはならないのか? (急にかまどの火がはじけ、噴き出す炎から現れるどぎつい光が、突然トネリコの幹の一点を照らし出す。前にジークリンデが目で示していたその場所に、剣のつかが刺さっているのがはっきりと見える) あそこでちらちらしている赤い光はなんだ? トネリコの木から、どうしてあんな光が? 目が見えない人にも届くほどの輝き・・・ 楽しく笑いかけるような眼差し・・・ ああ、なんと心を気高く燃やす光だ! もしかしたら、これは あの花のような女性が去った時、 部屋に残していった眼差しの光だろうか? (この時から、かまどの火は次第に弱まっていく) 夜の闇が目を覆ったとき、 あの女性の眼差しがぼくに触れ、 ぼくは、ぬくもりと光をこの手にした。 あの人の輝きは、太陽のように燦々と輝いて、 ぼくを頭上から光で満たし、 山の向こうに沈んでいった。 (一瞬、炎の残照が弱く映える) 去って行ってからも、もう一度、 あの人の光は夕映えのように輝き、 古いトネリコの木さえも 金色に燃えた。 だが、今や花はしぼみ、光は消え、 夜の闇が目を覆っている。 炎はもはや光を失い、この胸の奥に残るだけ・・・。 (炎はすっかり消えてしまい、闇夜になる。隣の部屋の扉が静かに開くと、白い服を身にまとったジークリンデが現れ、音を立てずに、急いでかまどの方へと歩み寄る) ジークリンデ お客様・・・寝ておいでですか? ジークムント (嬉しい不意打ちに飛び起きながら) ここに来られるとは・・・どなたです? ジークリンデ (いわくありげにあわただしく) 私です・・・聞いてください! フンディングはぐっすり寝ています。 私が眠り薬を与えたのです。 今夜あなたが幸運を手にしますように! ジークムント (興奮して話をさえぎる) あなたが来てくれただけで十分幸運ですよ! ジークリンデ 武器のありかを教えます・・・ああ、もしあなたが手に入れれば! 最高の勇士とお呼びしますわ・・・ 最強の人にのみ与えられる武器なのですから。 さあ・・・私の言うことをよく聞いてください! 一族の男たちが、この部屋に集まって フンディングの婚礼を祝っていました。 強盗たちが人目もはばからず贈り物とした娘を フンディングは妻としたのです。 彼らが酒盛りをしている間、私は悲しく座っていたのですが、 そのとき、見知らぬ人が入ってきました。 それは、青い衣装を身にまとった白髪の老人で、 帽子を目深にかぶって、 片目を隠していました。 ですが、残りの目の光だけでも男たち全員を不安にさせ、 恐れおののかせるのに十分でしたが、 その瞳は、なぜか私にだけは、 甘い憧れにみちた悲しみと、 涙と慰めとを同時に与えてくれるようでした。 老人は私を見つめたあと、男たちをじろりと見やると、 一振りの剣を手につかみ、 トネリコの幹に、 つかまで深く突き刺しました。 これを幹から引き抜くことができる者にこそ この剣はふさわしいのだと言い残して・・・。 しかし、並み居る男たちが、どんなに頑張っても、 誰も手に入れることはできませんでした。 男たちが何人も出たり入ったりして、 最強と自負する者たちが剣を引き抜こうとしましたが、 誰一人、報われることはありませんでした。 剣は、何事もなかったように、幹に突き刺さったままなのです・・・。ですが・・・いま私にはわかりました。 悲しんでいる私に会いにきてくれたあの人が誰だったのか。 誰のために剣を木に刺したのか。 ああ・・・私は今ここで友に会いたいのです・・・ 哀れな私のために、遠い国からやってくる友に。 そうすれば、ずっと苦しみ悩んできたことが、 辱められた心の痛みが、 すべて甘美な復讐へと変わるのです! 失ったものを再びつかみ、 なくして泣いていたものを、この手に取り戻したいのです。 神聖な友を見つけ、 その勇士をこの手に抱きたいのです! ジークムント (燃えるような情熱でジークリンデを抱きしめながら) その友は、今あなたを抱いていますよ・・・ 武器と妻とを与えられる友は! あなたという素晴らしい女性を妻にしようとの誓いが 私の胸に熱く燃えています。 かつて憧れたものは、あなたの中にあり、 かつて失ったものを、あなたの中に見つけたのです! あなたが苦しむとき 私もまた心を痛め、 私が嘲られるとき、あなたもともに傷つくのです・・・ なんと喜ばしい復讐が微笑みかけてくるのでしょう! 私はいま聖なる歓びに満ちて高らかに笑い、 気高いあなたをこの手に抱きしめ、 あなたの胸の鼓動を感じているのです! (大きな扉が突然バタンと開く) ジークリンデ (驚いてすくみあがり、身をもぎ離す) えっ、誰なの?誰が来たの? (扉は広く開け放たれ、屋外には素晴らしい春の夜が広がっている。満月の光が上から射し込み、明るい光で二人を照らすと、二人は突然、互いの姿を一点の曇りもなく認め合う) ジークムント (静かに感動しながら) いいえ、誰も・・・。ですが一人だけ来た者がいます。 ご覧なさい。この部屋に射し込む春の微笑みを! (ジークムントは、力強くやさしくジークリンデを寝床に引き寄せ、ジークリンデは彼の隣に腰をおろす。月明かりは神々しさを増していく) 冬の嵐は、 歓びの月の前に消え去った。 春はおだやかに光りかがやき、 やわらかな風に乗りながら、軽やかに愛らしく 奇蹟を織りなしながら揺れていく。 森と野原に息を吹きかけ、 まなこを見開いて笑いかける。 甘い小鳥の歌を歌い、 心地よい香りを放つ。 温かな血のぬくもりで、よろこびの花を咲かせ、 力を与えて新芽を吹かせる。 優美な力で、この世をつかさどり、 冬も嵐も、その強い力の前には消え去る。 春の一撃の前には、 ぼくらを春から引き離していた どんな頑丈な扉も開かずにはいられなかった・・・。 春は、その妹である愛のもとに舞い込みましたが、 愛こそが、春を誘ったのです・・・ ぼくたちの心の奥深くにあったものが、 いまはじめて光を浴びて微笑んでいるのです。 春という兄が、愛という妹を花嫁とし、 二人を離れ離れにしていたものは打ち砕かれました。 若者は、歓喜とともに結ばれ、 春と愛とは一つになったのです! ジークリンデ あなたこそ春・・・私は待っていた・・・ 凍りつくような冬の間じゅうずっと。 心は聖なるおののきとともに、あなたを受け入れた・・・ あなたの瞳がはじめて私に向けられたとき。 今までは、すべてが見知らぬことばかりで、 身近には悲しいことしかなかった。 何が起こっても、 私にはわからないことだらけだった。 でも、はっきりとわかったの・・・あなたのことは。 私があなたを見つめたとき、 あなたはもう私のものだった。 心の奥深くに秘めていた私自身が 朝の陽ざしのようにまぶしく浮かび上がり・・・ ああ・・・鳴りわたる響きとなって、私の耳に届いたの。 見知らぬものばかりの凍てつく荒野で、 私がはじめて友を見い出したとき。 (ジークリンデは我を失ったようにジークムントの首に腕を巻きつけ、近くから彼の顔を見つめる) ジークムント (心を奪われたように) ああ・・・甘い歓び! すばらしいひと! ジークリンデ (まじかにジークムントの目を見つめる) ああ・・・もっと近くに行かせて・・・ 気高い光をはっきり見たいの・・・ あなたの顔と瞳から現れ出る 五感を甘く酔わせる光を。 ジークムント 春の月光を浴びて輝きながら あなたの髪は気高く波打っている。 私を惹きつけるものの正体が今はっきりとしました。 私は、美を目の前にする歓びに浸っているのですから。 ジークリンデ (ジークムントの額から髪をかきあげ、驚きを込めて彼の顔をしげしげと見つめる) あなたの額はなんと広く、 いくつもの血管がこめかみに集まっていることでしょう! 歓びのあまり、ふるえがとまらない! 奇蹟のような声が私の記憶を呼び起こす・・・ 今日はじめて目にしたはずのこの人は、 もうすでに会ったことのある人だ・・・と! ジークムント 私にも、愛の夢が思い起こさせるのです・・・ 熱い憧れとともに、かつて私があなたの姿を見ていたことを! ジークリンデ いつか小川に映した自分の姿・・・ それを今また見ています。 そのとき川面に浮かび上がった私自身の姿・・・ それが今目の前にいるあなたなのです! ジークムント あなたこそ 私が胸に秘めていた姿。 ジークリンデ (急いで視線をそらしながら) ねえ、静かに!声を聞かせて・・・ まるで、子供の頃に 聞いたような響きだわ。 (いらだって) いいえ、そんなはずは!このまえ聞いただけだわ・・・ 私の声が 森にこだましたあのとき・・・ ジークムント ああ・・・なんと美しい音・・・ 私がいま聞いている声! ジークリンデ (再びジークムントの瞳をのぞきこんで) あなたの目に燃える炎を見るのも初めてじゃないわ・・・ これは、あの老人が私を親しげに見つめ、 悲しんでいた私を慰めてくれた時に見た眼差し。 そのおかげで、私はあの老人の子だと気付いた・・・。 もう少しで名前で呼びかけそうなところだった! (ジークリンデはいったん話をやめ、そのあと小声で続ける) あなたの名前は本当にヴェーヴァルトなの? ジークムント あなたの愛をうけたからには、もうそうは名乗りません・・・ 私はいま最高の歓びを手にしているのですから! ジークリンデ ですがフリートムントと 名乗ることもできないのでしょう? ジークムント あなたが好きな名をつけてくれれば、私はそう名乗りましょう。あなたに名付けてもらいたいのです! ジークリンデ たしか、お父様の名はヴォルフェでしたね? ジークムント 臆病なキツネどもにとってはオオカミ(ヴォルフ)だったでしょう!ですが、その目の輝きは、オオカミではなく、 あなたという素晴らしい女性の目と同じでした。 父の本当の名・・・それはヴェルゼです。 ジークリンデ (我を失って) ヴェルゼがあなたの父親で、あなたがヴェルズング族ならば、 あの老人は、まさにあなたのために、木に剣を刺したのです。 私の愛の証として、私にあなたの名を付けさせてください・・・ジークムント・・・私はあなたをそう名付けます! ジークムント (木の幹におどりかかって、剣のつかをつかむ) 我が名はジークムント!ジークムントこそ私! 剣よ、証人となれ!ひるまずに、お前をこの手にするのは私だ!かつてヴェルゼは言った。最大の危機に陥ったとき、 お前は剣を手に入れるだろう・・・と。今こそその時だ! 神聖なる愛の最大の危機(ノート)・・・ 危機は、愛の憧れを私の心にかきたて、 あかあかと胸に燃え広がりながら、 行動するのだ、死ぬのだと、私に迫ってくる・・・ ノートゥング!ノートゥング!これがお前の名だ、剣よ・・・ ノートゥング!ノートゥング!誰もがうらやむ剣よ! 切っ先鋭い刃を見せよ! 鞘から姿を現すのだ! (恐ろしい力で一息に剣を幹から引き抜くと、驚きと歓喜のうちにあるジークリンデに、その剣を見せる) さあ、ヴェルズング族のジークムントをご覧ください! この剣を婚礼の贈り物とし、 我が妻に選んだ最高の女性であるあなたを 敵の家から奪い去るのは、 このジークムントなのです。 私とともに、ここから遠く離れた場所に行きましょう。 春が微笑む屋敷に行きましょう・・・ そこでは、ノートゥングがあなたを守ります。 ジークムントがあなたへの愛に生きる限り! (ジークリンデを抱きしめ、手を取ってその場を立ち去ろうとする) ジークリンデ (最高の陶酔に浸りながらも、ジークムントから身を離し、彼と真正面から向き合う) 私の目の前にいるあなたがジークムントなら、 あなたを求める私はジークリンデ・・・ あなたは、実の妹と 剣とを一挙に手に入れたのです! ジークムント あなたは妻にして妹・・・私は兄・・・ 栄えよ!ヴェルズング族の血よ! (ジークムントは狂おしいばかりの情熱でジークリンデを抱き、彼女は大きく声を上げて彼の胸に顔を沈める。幕が素早く下りる) ERSTER AUFZUG VORSPIEL UND ERSTE SZENE Siegmund, Sieglinde Das Innere eines Wohnraumes. In der Mitte steht der Stamm einer mächtigen Esche, dessen stark erhabene Wurzeln sich weithin in den Erdboden verlieren; von seinem Wipfel ist der Baum durch ein gezimmertes Dach geschieden, welches so durchschnitten ist, dass der Stamm und die nach allen Seiten hin sich ausstreckenden Äste durch genau entsprechende Öffnungen hindurchgehen; von dem belaubten Wipfel wird angenommen, dass er sich über dieses Dach ausbreite. Um den Eschenstamm, als Mittelpunkt, ist nun ein Saal gezimmert; die Wände sind aus roh behauenem Holzwerk, hier und da mit geflochtenen und gewebten Decken behangen. Rechts im Vordergrunde steht der Herd, dessen Rauchfang seitwärts zum Dache hinausführt hinter dem Herde befindet sich ein innerer Raum, gleich einem Vorratsspeicher, zu dem man auf einigen hölzernen Stufen hinaufsteigt davor hängt, halb zurückgeschlagen, eine geflochtene Decke. Im Hintergrunde eine Eingangstür mit schlichtem Holzriegel. Links die Tür zu einem inneren Gemache, zu dem gleichfalls Stufen hinaufführen; weiter vornen auf derselben Seite ein Tisch mit einer breiten, an der Wand angezimmerten Bank dahinter und hölzernen Schemeln davor Ein kurzes Orchestervorspiel von heftiger, stürmischer Bewegung leitet ein. Als der Vorhang aufgeht, öffnet Siegmund von aussen hastig die Eingangstür und tritt ein es ist gegen Abend, starkes Gewitter, im Begriff, sich zu legen. Siegmund hält einen Augenblick den Riegel in der Hand und überblickt den Wohnraum er scheint von übermässiger Anstrengung erschöpft; sein Gewand und Aussehen zeigen, dass er sich auf der Flucht befinde. Da er niemand gewahrt, schliesst er die Tür hinter sich, schreitet auf den Herd zu und wirft sich dort ermattet auf eine Decke von Bärenfell SIEGMUND Wes Herd dies auch sei, hier muss ich rasten. Er sinkt zurück und bleibt einige Zeit regungslos ausgestreckt. Sieglinde tritt aus der Tür des inneren Gemaches; sie glaubte ihren Mann heimgekehrt ihre ernste Miene zeigt sich dann verwundert, als sie einen Fremden am Herde ausgestreckt sieht SIEGLINDE noch im Hintergrunde Ein fremder Mann? Ihn muss ich fragen. Sie tritt ruhig einige Schritte näher Wer kam ins Haus und liegt dort am Herd? Da Siegmund sich nicht regt, tritt sie noch etwas näher und betrachtet ihn Müde liegt er, von Weges Müh n. Schwanden die Sinne ihm? Wäre er siech? Sie neigt sich zu ihm herab und lauscht Noch schwillt ihm der Atem; das Auge nur schloss er. - Mutig dünkt mich der Mann, sank er müd auch hin. SIEGMUND fährt jäh mit dem Haupt in die Höhe Ein Quell! Ein Quell! SIEGLINDE Erquickung schaff ich. Sie nimmt schnell ein Trinkhorn und geht damit aus dem Hause. Sie kommt zurück und reicht das gefüllte Trinkhorn Siegmund Labung biet ich dem lechzenden Gaumen Wasser, wie du gewollt. Siegmund trinkt und reicht ihr das Horn zurück. Als er ihr mit dem Haupte Dank zuwinkt, haftet sein Blick mit steigender Teilnahme an ihren Mienen SIEGMUND Kühlende Labung gab mir der Quell, des Müden Last machte er leicht erfrischt ist der Mut, das Aug erfreut des Sehens selige Lust. Wer ist s, der so mir es labt? SIEGLINDE Dies Haus und dies Weib sind Hundings Eigen; gastlich gönn er dir Rast harre, bis heim er kehrt! SIEGMUND Waffenlos bin ich dem wunden Gast wird dein Gatte nicht wehren. SIEGLINDE mit besorgter Hast Die Wunden weise mir schnell! SIEGMUND schüttelt sich und springt lebhaft vom Lager zum Sitz auf Gering sind sie, der Rede nicht wert; noch fügen des Leibes Glieder sich fest. Hätten halb so stark wie mein Arm Schild und Speer mir gehalten, nimmer floh ich dem Feind, doch zerschellten mir Speer und Schild. Der Feinde Meute hetzte mich müd , Gewitterbrunst brach meinen Leib; doch schneller, als ich der Meute, schwand die Müdigkeit mir sank auf die Lider mir Nacht; die Sonne lacht mir nun neu. SIEGLINDE geht nach dem Speicher, füllt ein Horn mit Met und reicht es Siegmund mit freundlicher Bewegtheit Des seimigen Metes süssen Trank mög st du mir nicht verschmähn. SIEGMUND Schmecktest du mir ihn zu? Sieglinde nippt am Horne und reicht es ihm wieder. Siegmund tut einen langen Zug, indem er den Blick mit wachsender Wärme auf sie heftet. Er setzt so das Horn ab und lässt es langsam sinken, während der Ausdruck seiner Miene in starke Ergriffenheit übergeht. Er seufzt tief auf und senkt den Blick düster zu Boden SIEGMUND mit bebender Stimme Einen Unseligen labtest du Unheil wende der Wunsch von dir! Er bricht schnell auf, um fortzugehen Gerastet hab ich und süss geruht. Weiter wend ich den Schritt. er geht nach hinten SIEGLINDE lebhaft sich umwendend Wer verfolgt dich, dass du schon fliehst? SIEGMUND von ihrem Rufe gefesselt, wendet sich wieder; langsam und düster Misswende folgt mir, wohin ich fliehe; Misswende naht mir, wo ich mich neige. - Dir, Frau, doch bleibe sie fern! Fort wend ich Fuss und Blick. Er schreitet schnell bis zur Tür und hebt den Riegel SIEGLINDE in heftigem Selbstvergessen ihm nachrufend So bleibe hier! Nicht bringst du Unheil dahin, wo Unheil im Hause wohnt! Siegmund bleibt tief erschüttert stehen; er forscht in Sieglindes Mienen; diese schlägt verschämt und traurig die Augen nieder. Langes Schweigen SIEGMUND kehrt zurück Wehwalt hiess ich mich selbst Hunding will ich erwarten. Er lehnt sich an den Herd; sein Blick haftet mit ruhiger und entschlossener Teilnahme an Sieglinde; diese hebt langsam das Auge wieder zu ihm auf. Beide blicken sich in langem Schweigen mit dem Ausdruck tiefster Ergriffenheit in die Augen ZWEITE SZENE Die Vorigen, Hunding Sieglinde fährt plötzlich auf, lauscht und hört Hunding, der sein Ross aussen zum Stall führt. Sie geht hastig zur Tür und öffnet; Hunding, gewaffnet mit Schild und Speer, tritt ein und hält unter der Tür, als er Siegmund gewahrt. Hunding wendet sich mit einem ernst fragenden Blick an Sieglinde SIEGLINDE dem Blicke Hundings entgegnend Müd am Herd fand ich den Mann Not führt ihn ins Haus. HUNDING Du labtest ihn? SIEGLINDE Den Gaumen letzt ich ihm, gastlich sorgt ich sein! SIEGMUND der ruhig und fest Hunding beobachtet Dach und Trank dank ich ihr willst du dein Weib drum schelten? HUNDING Heilig ist mein Herd - heilig sei dir mein Haus! er legt seine Waffen ab und übergibt sie Sieglinde. Zu Sieglinde Rüst uns Männern das Mahl! Sieglinde hängt die Waffen an Ästen des Eschenstammes auf, dann holt sie Speise und Trank aus dem Speicher und rüstet auf dem Tische das Nachtmahl. Unwillkürlich heftet sie wieder den Blick auf Siegmund. Hunding misst scharf und verwundert Siegmunds Züge, die er mit denen seiner Frau vergleicht; für sich Wie gleicht er dem Weibe! Der gleissende Wurm glänzt auch ihm aus dem Auge. er birgt sein Befremden und wendet sich wie unbefangen zu Siegmund Weit her, traun, kamst du des Wegs; ein Ross nicht ritt, der Rast hier fand welch schlimme Pfade schufen dir Pein? SIEGMUND Durch Wald und Wiese, Heide und Hain, jagte mich Sturm und starke Not nicht kenn ich den Weg, den ich kam. Wohin ich irrte, weiss ich noch minder Kunde gewänn ich des gern. HUNDING am Tische und Siegmund den Sitz bietend Des Dach dich deckt, des Haus dich hegt, Hunding heisst der Wirt; wendest von hier du nach West den Schritt, in Höfen reich hausen dort Sippen, die Hundings Ehre behüten. Gönnt mir Ehre mein Gast, wird sein Name nun mir gennant. Siegmund, der sich am Tisch niedergesetzt, blickt nachdenklich vor sich hin. Sieglinde, die sich neben Hunding, Siegmund gegenüber, gesetzt, heftet ihr Auge mit auffallender Teilnahme und Spannung auf diesen HUNDING der beide beobachtet Trägst du Sorge, mir zu vertraun, der Frau hier gib doch Kunde sieh, wie gierig sie dich frägt! SIEGLINDE unbefangen und teilnahmsvoll Gast, wer du bist, wüsst ich gern. SIEGMUND blickt auf, sieht ihr in das Auge und beginnt ernst Friedmund darf ich nicht heissen; Frohwalt möcht ich wohl sein doch Wehwalt musst ich mich nennen. Wolfe, der war mein Vater; zu zwei kam ich zur Welt, eine Zwillingsschwester und ich. Früh schwanden mir Mutter und Maid. Die mich gebar und die mit mir sie barg, kaum hab ich je sie gekannt. Wehrlich und stark war Wolfe; der Feinde wuchsen ihm viel. Zum Jagen zog mit dem Jungen der Alte Von Hetze und Harst einst kehrten wir heim da lag das Wolfsnest leer. Zu Schutt gebrannt der prangende Saal, zum Stumpf der Eiche blühender Stamm; erschlagen der Mutter mutiger Leib, verschwunden in Gluten der Schwester Spur uns schuf die herbe Not der Neidinge harte Schar. Geächtet floh der Alte mit mir; lange Jahre lebte der Junge mit Wolfe im wilden Wald manche Jagd ward auf sie gemacht; doch mutig wehrte das Wolfspaar sich. zu Hunding gewandt Ein Wölfing kündet dir das, den als "Wölfing" mancher wohl kennt. HUNDING Wunder und wilde Märe kündest du, kühner Gast, Wehwalt - der Wölfing! Mich dünkt, von dem wehrlichen Paar vernahm ich dunkle Sage, kannt ich auch Wolfe und Wölfing nicht. SIEGLINDE Doch weiter künde, Fremder wo weilt dein Vater jetzt? SIEGMUND Ein starkes Jagen auf uns stellten die Neidinge an der Jäger viele fielen den Wölfen, in Flucht durch den Wald trieb sie das Wild. Wie Spreu zerstob uns der Feind. Doch ward ich vom Vater versprengt; seine Spur verlor ich, je länger ich forschte eines Wolfes Fell nur traf ich im Forst; leer lag das vor mir, den Vater fand ich nicht. Aus dem Wald trieb es mich fort; mich drängt es zu Männern und Frauen. Wieviel ich traf, wo ich sie fand, ob ich um Freund , um Frauen warb, immer doch war ich geächtet Unheil lag auf mir. Was Rechtes je ich riet, andern dünkte es arg, was schlimm immer mir schien, andre gaben ihm Gunst. In Fehde fiel ich, wo ich mich fand, Zorn traf mich, wohin ich zog; gehrt ich nach Wonne, weckt ich nur Weh drum musst ich mich Wehwalt nennen; des Wehes waltet ich nur. Er sieht zu Sieglinde auf und gewahrt ihren teilnehmenden Blick HUNDING Die so leidig Los dir beschied, nicht liebte dich die Norn froh nicht grüsst dich der Mann, dem fremd als Gast du nahst. SIEGLINDE Feige nur fürchten den, der waffenlos einsam fährt! - Künde noch, Gast, wie du im Kampf zuletzt die Waffe verlorst! SIEGMUND immer lebhafter Ein trauriges Kind rief mich zum Trutz vermählen wollte der Magen Sippe dem Mann ohne Minne die Maid. Wider den Zwang zog ich zum Schutz, der Dränger Tross traf ich im Kampf dem Sieger sank der Feind. Erschlagen lagen die Brüder die Leichen umschlang da die Maid, den Grimm verjagt ihr der Gram. Mit wilder Tränen Flut betroff sie weinend die Wal um des Mordes der eignen Brüder klagte die unsel ge Braut. Der Erschlagnen Sippen stürmten daher; übermächtig ächzten nach Rache sie; rings um die Stätte ragten mir Feinde. Doch von der Wal wich nicht die Maid; mit Schild und Speer schirmt ich sie lang , bis Speer und Schild im Harst mir zerhaun. Wund und waffenlos stand ich - sterben sah ich die Maid mich hetzte das wütende Heer - auf den Leichen lag sie tot. mit einem Blicke voll schmerzlichen Feuers auf Sieglinde Nun weisst du, fragende Frau, warum ich Friedmund nicht heisse! Er steht auf und schreitet auf den Herd zu. Sieglinde blickt erbleichend und tief erschüttert zu Boden HUNDING erhebt sich, sehr finster Ich weiss ein wildes Geschlecht, nicht heilig ist ihm, was andern hehr verhasst ist es allen und mir. Zur Rache ward ich gerufen, Sühne zu nehmen für Sippenblut zu spät kam ich, und kehrte nun heim, des flücht gen Frevlers Spur im eignen Haus zu erspähn. - Er geht herab Mein Haus hütet, Wölfing, dich heut ; für die Nacht nahm ich dich auf; mit starker Waffe doch wehre dich morgen; zum Kampfe kies ich den Tag für Tote zahlst du mir Zoll. Sieglinde schreitet mit besorgter Gebärde zwischen die beiden Männer vor HUNDING barsch Fort aus dem Saal! Säume hier nicht! Den Nachttrunk rüste mir drin und harre mein zur Ruh . Sieglinde steht eine Weile unentschieden und sinnend. Sie wendet sich langsam und zögernden Schrittes nach dem Speicher. Dort hält sie wieder an und bleibt, in Sinnen verloren, mit halb abgewandtem Gesicht stehen. Mit ruhigem Entschluss öffnet sie den Schrein, füllt ein Trinkhorn und schüttet aus einer Büchse Würze hinein. Dann wendet sie das Auge auf Siegmund, um seinem Blicke zu begegnen, den dieser fortwährend auf sie heftet. Sie gewahrt Hundings Spähen und wendet sich sogleich zum Schlafgemach. Auf den Stufen kehrt sie sich noch einmal um, heftet das Auge sehnsuchtsvoll auf Siegmund und deutet mit dem Blicke andauernd und mit sprechender Bestimmtheit auf eine Stelle am Eschenstamme. Hunding fährt auf und treibt sie mit einer heftigen Gebärde zum Fortgehen an. Mit einem letzten Blick auf Siegmund geht sie in das Schlafgemach und schliesst hinter sich die Türe HUNDING nimmt seine Waffen vom Stamme herab Mit Waffen wehrt sich der Mann. Im Abgehen sich zu Siegmund wendend Dich Wölfing treffe ich morgen; mein Wort hörtest du, hüte dich wohl! Er geht mit den Waffen in das Gemach; man hört ihn von innen den Riegel schliessen DRITTE SZENE Siegmund, Sieglinde Siegmund allein. Es ist vollständig Nacht geworden; der Saal ist nur noch von einem schwachen Feuer im Herde erhellt. Siegmund lässt sich, nah beim Feuer, auf dem Lager nieder und brütet in grosser innerer Aufregung eine Zeitlang schweigend vor sich hin SIEGMUND Ein Schwert verhiess mir der Vater, ich fänd es in höchster Not. Waffenlos fiel ich in Feindes Haus; seiner Rache Pfand, raste ich hier - ein Weib sah ich, wonnig und hehr entzückend Bangen zehrt mein Herz. Zu der mich nun Sehnsucht zieht, die mit süssem Zauber mich sehrt, im Zwange hält sie der Mann, der mich Wehrlosen höhnt! Wälse! Wälse! Wo ist dein Schwert? Das starke Schwert, das im Sturm ich schwänge, bricht mir hervor aus der Brust, was wütend das Herz noch hegt? Das Feuer bricht zusammen; es fällt aus der aufsprühenden Glut plötzlich ein greller Schein auf die Stelle des Eschenstammes, welche Sieglindes Blick bezeichnet hatte und an der man jetzt deutlich einen Schwertgriff haften sieht Was gleisst dort hell im Glimmerschein? Welch ein Strahl bricht aus der Esche Stamm? Des Blinden Auge leuchtet ein Blitz lustig lacht da der Blick. Wie der Schein so hehr das Herz mir sengt! Ist es der Blick der blühenden Frau, den dort haftend sie hinter sich liess, als aus dem Saal sie schied? von hier an verglimmt das Herdfeuer allmählich Nächtiges Dunkel deckte mein Aug , ihres Blickes Strahl streifte mich da Wärme gewann ich und Tag. Selig schien mir der Sonne Licht; den Scheitel umgliss mir ihr wonniger Glanz - bis hinter Bergen sie sank. Ein neuer schwacher Aufschein des Feuers Noch einmal, da sie schied, traf mich abends ihr Schein; selbst der alten Esche Stamm erglänzte in goldner Glut da bleicht die Blüte, das Licht verlischt; nächtiges Dunkel deckt mir das Auge tief in des Busens Berge glimmt nur noch lichtlose Glut. Das Feuer ist gänzlich verloschen volle Nacht. Das Seitengemach öffnet sich leise Sieglinde, in weissem Gewande, tritt heraus und schreitet leise, doch rasch, auf den Herd zu SIEGLINDE Schläfst du, Gast? SIEGMUND freudig überrascht aufspringend Wer schleicht daher? SIEGLINDE mit geheimnisvoller Hast Ich bin s höre mich an! In tiefem Schlaf liegt Hunding; ich würzt ihm betäubenden Trank nütze die Nacht dir zum Heil! SIEGMUND hitzig unterbrechend Heil macht mich dein Nah n! SIEGLINDE Eine Waffe lass mich dir weisen o wenn du sie gewännst! Den hehrsten Helden dürft ich dich heissen dem Stärksten allein ward sie bestimmt. O merke wohl, was ich dir melde! Der Männer Sippe sass hier im Saal, von Hunding zur Hochzeit geladen er freite ein Weib, das ungefragt Schächer ihm schenkten zur Frau. Traurig sass ich, während sie tranken; ein Fremder trat da herein ein Greis in blauem Gewand; tief hing ihm der Hut, der deckt ihm der Augen eines; doch des andren Strahl, Angst schuf es allen, traf die Männer sein mächtiges Dräu n mir allein weckte das Auge süss sehnenden Harm, Tränen und Trost zugleich. Auf mich blickt er und blitzte auf jene, als ein Schwert in Händen er schwang; das stiess er nun in der Esche Stamm, bis zum Heft haftet es drin dem sollte der Stahl geziemen, der aus dem Stamm es zög . Der Männer alle, so kühn sie sich mühten, die Wehr sich keiner gewann; Gäste kamen und Gäste gingen, die stärksten zogen am Stahl - keinen Zoll entwich er dem Stamm dort haftet schweigend das Schwert. - Da wusst ich, wer der war, der mich Gramvolle gegrüsst; ich weiss auch, wem allein im Stamm das Schwert er bestimmt. O fänd ich ihn hier und heut , den Freund; käm er aus Fremden zur ärmsten Frau. Was je ich gelitten in grimmigem Leid, was je mich geschmerzt in Schande und Schmach, - süsseste Rache sühnte dann alles! Erjagt hätt ich, was je ich verlor, was je ich beweint, wär mir gewonnen, fänd ich den heiligen Freund, umfing den Helden mein Arm! SIEGMUND mit Glut Sieglinde umfassend Dich selige Frau hält nun der Freund, dem Waffe und Weib bestimmt! Heiss in der Brust brennt mir der Eid, der mich dir Edlen vermählt. Was je ich ersehnt, ersah ich in dir; in dir fand ich, was je mir gefehlt! Littest du Schmach, und schmerzte mich Leid; war ich geächtet, und warst du entehrt freudige Rache lacht nun den Frohen! Auf lach ich in heiliger Lust, halt ich dich Hehre umfangen, fühl ich dein schlagendes Herz! Die grosse Türe springt auf SIEGLINDE fährt erschrocken zusammen und reisst sich los Ha, wer ging? Wer kam herein? Die Tür bleibt weit geöffnet aussen herrliche Frühlingsnacht; der Vollmond leuchtet herein und wirft sein helles Licht auf das Paar, das so sich plötzlich in voller Deutlichkeit wahrnehmen kann SIEGMUND in leiser Entzückung Keiner ging - doch einer kam siehe, der Lenz lacht in den Saal! Siegmund zieht Sieglinde mit sanfter Gewalt zu sich auf das Lager, so dass sie neben ihm zu sitzen kommt, Wachsende Helligkeit des Mondscheines Winterstürme wichen dem Wonnemond, in mildem Lichte leuchtet der Lenz; auf linden Lüften leicht und lieblich, Wunder webend er sich wiegt; durch Wald und Auen weht sein Atem, weit geöffnet lacht sein Aug - aus sel ger Vöglein Sange süss er tönt, holde Düfte haucht er aus; seinem warmen Blut entblühen wonnige Blumen, Keim und Spross entspringt seiner Kraft. Mit zarter Waffen Zier bezwingt er die Welt; Winter und Sturm wichen der starken Wehr wohl musste den tapfern Streichen die strenge Türe auch weichen, die trotzig und starr uns trennte von ihm. - Zu seiner Schwester schwang er sich her; die Liebe lockte den Lenz in unsrem Busen barg sie sich tief; nun lacht sie selig dem Licht. Die bräutliche Schwester befreite der Bruder; zertrümmert liegt, was je sie getrennt jauchzend grüsst sich das junge Paar vereint sind Liebe und Lenz! SIEGLINDE Du bist der Lenz, nach dem ich verlangte in frostigen Winters Frist. Dich grüsste mein Herz mit heiligem Grau n, als dein Blick zuerst mir erblühte. Fremdes nur sah ich von je, freudlos war mir das Nahe. Als hätt ich nie es gekannt, war, was immer mir kam. Doch dich kannt ich deutlich und klar als mein Auge dich sah, warst du mein Eigen; was im Busen ich barg, was ich bin, hell wie der Tag taucht es mir auf, o wie tönender Schall schlug s an mein Ohr, als in frostig öder Fremde zuerst ich den Freund ersah. Sie hängt sich entzückt an seinen Hals und blickt ihm nahe ins Gesicht SIEGMUND mit Hingerissenheit O süsseste Wonne! O seligstes Weib! SIEGLINDE dicht an seinen Augen O lass in Nähe zu dir mich neigen, dass hell ich schaue den hehren Schein, der dir aus Aug und Antlitz bricht und so süss die Sinne mir zwingt. SIEGMUND Im Lenzesmond leuchtest du hell; hehr umwebt dich das Wellenhaar was mich berückt, errat ich nun leicht, denn wonnig weidet mein Blick. SIEGLINDE schlägt ihm die Locken von der Stirn zurück und betrachtet ihn staunend Wie dir die Stirn so offen steht, der Adern Geäst in den Schläfen sich schlingt! Mir zagt es vor der Wonne, die mich entzückt! Ein Wunder will mich gemahnen den heut zuerst ich erschaut, mein Auge sah dich schon! SIEGMUND Ein Minnetraum gemahnt auch mich in heissem Sehnen sah ich dich schon! SIEGLINDE Im Bach erblickt ich mein eigen Bild - und jetzt gewahr ich es wieder wie einst dem Teich es enttaucht, bietest mein Bild mir nun du! SIEGMUND Du bist das Bild, das ich in mir barg. SIEGLINDE den Blick schnell abwendend O still! Lass mich der Stimme lauschen mich dünkt, ihren Klang hört ich als Kind. aufgeregt Doch nein! Ich hörte sie neulich, als meiner Stimme Schall mir widerhallte der Wald. SIEGMUND O lieblichste Laute, denen ich lausche! SIEGLINDE ihm wieder in die Augen spähend Deines Auges Glut erglänzte mir schon so blickte der Greis grüssend auf mich, als der Traurigen Trost er gab. An dem Blick erkannt ihn sein Kind - schon wollt ich beim Namen ihn nennen! Sie hält inne und fährt dann leise fort Wehwalt heisst du fürwahr? SIEGMUND Nicht heiss ich so, seit du mich liebst nun walt ich der hehrsten Wonnen! SIEGLINDE Und Friedmund darfst du froh dich nicht nennen? SIEGMUND Nenne mich du, wie du liebst, dass ich heisse den Namen nehm ich von dir! SIEGLINDE Doch nanntest du Wolfe den Vater? SIEGMUND Ein Wolf war er feigen Füchsen! Doch dem so stolz strahlte das Auge, wie, Herrliche, hehr dir es strahlt, der war - Wälse genannt. SIEGLINDE ausser sich War Wälse dein Vater, und bist du ein Wälsung, stiess er für dich sein Schwert in den Stamm, so lass mich dich heissen, wie ich dich liebe Siegmund - so nenn ich dich! SIEGMUND springt auf den Stamm zu und fasst den Schwertgriff Siegmund heiss ich und Siegmund bin ich! Bezeug es dies Schwert, das zaglos ich halte! Wälse verhiess mir, in höchster Not fänd ich es einst ich fass es nun! Heiligster Minne höchste Not, sehnender Liebe sehrende Not brennt mir hell in der Brust, drängt zu Tat und Tod Notung! Notung! So nenn ich dich, Schwert - Notung! Notung! Neidlicher Stahl! Zeig deiner Schärfe schneidenden Zahn heraus aus der Scheide zu mir! Er zieht mit einem gewaltigen Zuck das Schwert aus dem Stamme und zeigt es der von Staunen und Entzücken erfassten Sieglinde Siegmund, den Wälsung, siehst du, Weib! Als Brautgabe bringt er dies Schwert so freit er sich die seligste Frau; dem Feindeshaus entführt er dich so. Fern von hier folge mir nun, fort in des Lenzes lachendes Haus dort schützt dich Notung, das Schwert, wenn Siegmund dir liebend erlag! Er hat sie umfasst, um sie mit sich fortzuziehen SIEGLINDE reisst sich in höchster Trunkenheit von ihm los und stellt sich ihm gegenüber Bist du Siegmund, den ich hier sehe, Sieglinde bin ich, die dich ersehnt die eigne Schwester gewannst du zu eins mit dem Schwert! SIEGMUND Braut und Schwester bist du dem Bruder - so blühe denn, Wälsungen-Blut! Er zieht sie mit wütender Glut an sich; sie sinkt mit einem Schrei an seine Brust. Der Vorhang fällt schnell この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Wagner,Richard/Die Walküre/II
https://w.atwiki.jp/oper/pages/3365.html
第二幕 (自然のままの姿をする岩山。後方にはずっと下のほうから登ってきた山の頂があり、そこから前景に向かって地面は低くなっていく。) 前奏曲と第一場 (ヴォータン、ヴァルキューレのブリュンヒルデ、後からフリッカ。ヴォータンは武装して槍を持ち、ブリュンヒルデは彼の前に立って同じく武装している。) ヴォータン さあ、おてんばさん。馬を用意しろ。 もうすぐ激しい戦いが始まるぞ。 ブリュンヒルデが戦いに駆けつけ、 ヴェルズングの勝利を見守る! フンディングは自分のいいところに行けばいい。 やつをヴァルハルで雇うつもりはないからね。 さあ、戦場めがけて一直線だ! ブリュンヒルデ (歓声を上げ、右手の高みで岩から岩へと飛び回りながら) いざ戦いへ!さあ、行くわよ! さあ、勇敢に!万歳!戦い!ハイアハー ! (岩山の頂で立ち止まり、後ろのほうを伺って、ヴォータンに話しかける。) お父さんこそ準備を怠らないで。 ものすごい嵐が来そうだから。 嵐って、奥さんのフリッカのことよ。 羊の車に乗っておいでになるわ。 あら、いや!金のむちを振り回してるじゃない! かわいそうに羊ちゃんたちはうめいてるわよ。 車輪がぐるぐる、すごい回り方! 間違いないわ、けんかの前触れよ。 あたし、こんな争いは好みじゃないの。 もっと明るい、男同士の戦いのほうがいいわ。 だから父さん、がんばってちょうだいね。 あたしはお父さんを放り出して行ってしまうから! いざ戦いへ!さあ、行くわよ! さあ、勇敢に!万歳! ハイアハハー! (ブリュンヒルデは山の頂の後ろにまわり、脇のほうに姿を消す。二頭の牡羊に曳かれた車に乗ったフリッカが頂上に上がってきて、せかせかと車を止め、つかつかと前景にいるヴォータンのほうに歩いて行く。) ヴォータン (フリッカがやってくるのを見ながら、独り言。) いつもの嵐さ。家内のせいで毎度くたくただ! だがここはしっかりやり抜かなければ! フリッカ (近づきながら、だんだんと歩みはゆっくりとなり、威圧的な態度でヴォータンの前に立つ。) あなたが山の奥の奥に隠れて、 妻の目を逃れようとしても無駄なことですわ。 あなたが一人でおいでの時にまいりました。 助けていただきたいことがありますのよ。 ヴォータン おまえが気にかけていることは何でも言っていいよ。 フリッカ わたくし、フンディングの惨状を聞き知りましたの。 彼は復讐のためにわたくしを呼んでおりました。 結婚の女神としてわたくしは訴えを聞き、 破廉恥な行為に及んだ恥ずべき恋人たちを 厳罰に処すと約束いたしましたわ。 あの二人は大胆にも夫の権利を侵害しましたのよ。 ヴォータン いったいあの子たちは何をしたというんだね? 春の誘いに乗って愛し合っただけだ。 愛の魔法が二人を魅惑したんじゃないか。 愛の力に関しては私に何の責任もない。 フリッカ そらとぼけておいでだけれど、 とっくにご存じのはずですわ。 わたくしは、神聖なる結婚が 汚されたことを訴えておりますのよ! ヴォータン 愛のない無理な結婚など、神聖でも何でもない。 私はむしろ冒瀆と考えるね。 だいいち、これはおまえの領分だろうに。 責任転換して私に押しつけてもらっては困る。 せいぜい私に言えるのは、二つの力がせめぎ合う時は 堂々と戦うしかないってことだ。 フリッカ 結婚の誓いを破るのが神聖とおっしゃるなら、 双子が愛し合うような 恥ずべき恋を褒め称えればよろしいわ。 さぞ神聖なものでございましょうよ。 おお、動悸が打ってくる!めまいを起こしそうですわ。 兄が妹を花嫁にするなど! 血のつながった兄妹が肉体的に交わるなど、 これまでいつありましたかしら? ヴォータン 今日あったじゃないか。 自然になったままに受け入れたほうがいい。 これまでなかったからといって、悪いわけでもないさ。 あの子たちの愛がおまえを明るくする。 いいかね、私の言うとおりにしてほしい。 美しい喜びを見守ってやれば、おまえのためにもなるさ。 頼むから愛に微笑みかけて、 ジークムントとジークリンデの絆を祝福してやってくれ。 フリッカ (怒り狂ってわめきたてる) これで永遠の神々もおしまいですわ! あなたの作ったヴェルズングのせいでめちゃくちゃです! 思い切って申し上げましたけれど、そのとおりでしょう? あなたに関わっては聖なる集いも無意味になりますわ。 いったん大事にしたものでも飽きたらすぐ捨ててしまって、 自分が結んだ契りを引き裂き、 天の掟さえ笑って変えておしまいになる。 楽しみと欲望に任せて この破廉恥な双子がしたい放題ですわ。 これももとはと言えばあなたの不実のせいですのよ! わたくしの嘆きがどれほどだとお思いになって? 誓いと結婚を真っ先に破るのがあなただとは! いつもこの忠実な妻を裏切り、 高みにも深みにもお構いなく あなたは色目をお使いになる。 そしてつぎつぎと愛人を替えては わたくしの心を嘲り、苛むんですわ。 あなたの浮気心が生み出した あの忌々しい娘たちとお出かけになるたびに、 わたくしは一人悲しい心を耐えねばならなかった。 でもあなたはまだ少しは妻を恐れていますわ、 あのヴァルキューレの子たちに 希望の子ブリュンヒルデにすら、 わたくしに従うよう命令しているのが何よりの証拠。 ところが今度は今度で 新しい名前がお気に召したようね。 ヴェルゼなどと名乗って狼のように森をさまよい、 あろうことか最も卑しい行動に 身を貶めたんですわ。 いやらしい人間の女と双子をつくって、 今となっては狼同然のあいつらの足元に 自分の妻を投げつけるのですね! よろしいわ!徹底的に悪行を重ねてくださいな! 裏切られたわたくしを踏みにじるがいいですわ! ヴォータン (落ち着き払って) まったくおまえときたら、 こっちが教えてやろうとした時は聞かなかったくせに いまになってギャーギャー騒ぐんだからね。 いつもおまえはぬるま湯に浸っているのを良しとして、 何かが起きても気づかないから、 後始末はぜんぶ私がやるはめになるのだ。 一つだけ聞いてくれ。いまは英雄が必要なのだ。 神の恩寵を受けず、 神の掟に縛られることもなしに ただ自分の考えだけで行動を起こす男。 神に逆らって道を進み、 それでいて神のためになる男が必要なのだよ。 フリッカ またあれこれおっしゃってごまかすおつもりね。 英雄とかいう代物に何ができて? 神々から恩寵を受けているのに、 神々に禁じられた行為を果たせるとでも? ヴォータン 彼らの勇気を認めないのかね? フリッカ あの者どもに息を吹き込んだのは誰です? あのバカ者たちの目が見えるのは自力だとでも? あなたが守ってやるからこそ、 皆は強がっていばっているんですわ。 わたくしに向かって賛辞を口にするけれど、 結局それはあなたのなさったことですわ。 新たな策略でわたくしを騙すおつもり? 企みを練りに練って、 わたくしをごまかしても無駄です。 でもヴェルズングは何の役にも立ちません。 あの男はあなたの影響を受け、 だからこそ反抗できているのです。 ヴォータン (感動しきって) 激しい苦悩をあの子は一人で耐えてきたのだよ。 私が守ったことなど一度もないではないか。 フリッカ では、今日も守らないでくださいませ。 あなたがおやりになった剣を取り上げてください。 ヴォータン 剣だって? フリッカ そうですわ、剣です。 魔法の力を帯びた剣、 あなたが息子に与えたものです。 ヴォータン (かっとなって) ジークムントは困難の中で、 (震えないように努めながら) 自分で見つけたのだ。 (ヴォータンはこのあたりから、だんだんと何か秘密めいた様子になり、不機嫌になっていく。) フリッカ (せかせかと言葉をつづけて) 困難をでっち上げたのはあなた、 あの剣を作ったのもあなたですわ。 まさかあなた、わたくしをだませるとでも? 昼も夜もあなたの跡をつけているこの妻を? あの男のためにあなたは剣を幹に突き刺した。 あの剣こそあなたが約束した剣に決まっていますわ。 あなたはあれを見つけるために、 あの男をうまくあそこに連れて行ったのです。 否定なさることはできて? (ヴォータンはかっとなる。) フリッカ (ヴォータンの態度の変化を見て、ますます自信たっぷりになる) 尊い者は自由のない男などと争いはしませんことよ。 あの破廉恥な者など、自由な神から罰せられるに過ぎない。 あなたの力に対してならば 私も戦う価値がありますけれど、 ジークムントはわたくしの奴隷でしかない。 (ヴォータンは怒りを新たにするが、やがてぼんやりと物思いに沈んでいく。) あの男がまるで主人のようにいばりくさって、 このわたくしが従わなくてはなりませんの? あんなに破廉恥な者に汚され、 悪がはびこり、 自由な者が笑われるんですの? そんなこと、わたくしの夫が許すはずがない。 まさか女神をそこまで貶めはなさらないはず! ヴォータン (暗い声で) それで、どうしろと? フリッカ ヴェルズングから手をお引きになって! ヴォータン (はっきりしない声で) 彼には自分の道を行かせるよ。 フリッカ ですけれど、復讐者があの男を呼び出しても 守ってはいけませんことよ! ヴォータン 私は、守りはしない。 フリッカ わたくしの目を見て、ごまかそうとなさらないで! ヴァルキューレにも彼を見捨てさせて! ヴォータン ヴァルキューレは自分の意志で動くさ。 フリッカ ご冗談を!あの子はあなたの命令で動いているだけですわ。 ジークムントが勝たないようにおっしゃい! ヴォータン (内面の激しい葛藤を爆発させ) 私にはあの子を殺せない。あの子は私の剣を持ってるんだ! フリッカ あの剣から魔法を抜いて、卑しいあの男の前で砕いておしまい!武器のないまま敵の前に晒してやればよろしいのよ! ブリュンヒルデ (まだ姿は見えず、高みから) ハイアハー!ハイアハー!いざ戦いへ! フリッカ あら、あなたの勇敢な娘さんがおいでだわ。 嬉しそうに飛んでくるわね。 ブリュンヒルデ (上のほうから) ハイアハー!戦い万歳!ホヨトホー!さあ、はじめ! ヴォータン (陰鬱な独り言) ジークムントのために馬を出させたのに! (ブリュンヒルデは馬に乗って右手の岩道をやってくる。フリッカに気づくとはっと歌うのをやめ、馬を連れて静かにそろそろと下の道におり、そこにある洞窟に馬を入れる。) フリッカ わたくしだけがあなたの永遠の妻です。 ですからの妻の名誉をあの子に守らせてくださいませ。 このままでは人間に笑われ、力を奪われて 神々は滅亡してしまいましてよ。 でも今日、わたくしの神聖な権利を認め、 この勇敢な乙女に復讐させれば危機は免れましょう。 ヴェルズングはわたくしの名誉のために死ぬのです。 さあヴォータン、誓っていただけて? ヴォータン (内面の激しい怒りと絶望のあまり、岩の座面に倒れるように座りこむ。) やく…そく…しよう…。 (フリッカは後方へ歩いて行き、ブリュンヒルデとすれ違って、彼女のほうに向く。) フリッカ (ブリュンヒルデに) 戦いのお父さまがお待ちよ。 結果をどう定めたかは自分でお聞きなさい! (彼女は車に乗り、さっさと行ってしまう。ブリュンヒルデは心配そうな顔をして、ヴォータンの前に歩いて行く。彼は岩の腰掛けにもたれ、手で顔を覆って、暗い物思いにふけっている。) 第二場 (ブリュンヒルデ、ヴォータン) ブリュンヒルデ どうもけんかの結果はよくないみたい。 フリッカが勝ち誇っているもの。 ねえ父さん、あたしにどうしろって言うの? 疲れ切って、悲しそうね。 ヴォータン (腕をだらりと下ろし、うなだれて) 自分の作った罠にはまりこんだのさ。 私は身動きの取れない中でも最も不自由だ! ブリュンヒルデ どうしたの、そんなにぐったりして! いったい何が心配なの? ヴォータン (だんだんと身動きをしだし、ついには恐ろしいほど興奮を爆発させる) 聖域が侵された!破廉恥にも汚された! 神々の危機だ! この憤怒は収まらぬ!悲しみはどうして癒えようか! 私は誰よりもみじめな男だ! ブリュンヒルデ (ショックのあまり盾を放り出し、槍や兜も外して、心配そうにヴォータンの足元に座り込んで甘える。) パパ!パパ!どうしたの、いったい? あたし、びっくりしちゃうわ! ねえ、話して。秘密ならちゃんと守るから。 ブリュンヒルデのお願いよ! (彼女は信じ切った様子で心配そうに父の膝に手を乗せ、頭をすり寄せる。) ヴォータン (長いこと彼女の目を見つめ、無意識のうちに優しく娘の巻き毛をなでる。それからやっと深い思案から覚めたようにごく小さな声で語りだす) もし言ってしまったら、 意志の力がほどけて、くずれてしまいそうだ。 ブリュンヒルデ (同じく小さな声でささやき返す) パパが望むことをあたしに話すのは、 パパが自分の意志に向かって話してるのと一緒よ。 だって、あたしはパパの意志そのものでしょう? ヴォータン (小さな声で) 私の思いは誰にも言わずに 永久に心に留めておこう。 ただおまえだけは私の分身なのだから、相談してもかまうまい。 (彼女の目を見つめたまま、押し殺したようなぞっとする声で) 若い頃愛の夢が破れてしまうと、 その代わりのように権力に目を向けたのだよ。 欲望はだんだん大きくなり、 いつしか世界を支配するようになっていた。 知らぬ間に他人を欺くようになり、嘘をついて、 不幸の源を手にする羽目に・・・ 元はといえば狡猾なローゲが勧めたことだったが、 やつはいつの間にか逃げてしまった。 だが、私は愛を振り捨てることもできなかった。 権力を得ても、やはり愛を求めていたのだ。 しかし夜の申し子であるニーベルング族の アルベリヒは簡単に愛に背を向けた。 彼は愛を呪い、その力で ライン川の輝く黄金を奪って 計り知れないほどの権力を得たのだ。 やつが作り上げた指環を 私は策略をめぐらして取り上げたのだが、 乙女たちに返しはしなかった。 取り上げたその指環を私は支払いに使ったのだ。 私が今世界を支配しているあの城、 あれを建てた巨人たちに報いるために。 すべてを知る唯一の女性、 世界の知の母たるエールダが 指環から手を引くよう忠告して、 終末について警告して行った。 終末のことについてもっと知りたかったのだが、 彼女は何も言わず姿を消してしまった。 その時から私は軽やかな勇気をなくしてしまって、 どうしても知りたい思いが募った。 そこで私は地の底へと降りて行き、 愛の業でヴァーラを虜にした。 彼女は知の女神としての誇りを乱され、ついに語ってくれた。 私は彼女から知識を得、 彼女は私から愛の証を受けた。 世界で最も賢いその女性は、 ブリュンヒルデ、おまえを産んでくれたのだ。 おまえを他の八人の姉妹と一緒に育てて、 おまえたちヴァルキューレの力を借りて、 ヴァーラが言っていた 恥ずべき最期が近づくのを防ごうとした。 敵が、この軍は強力だと感じるように、 私はおまえたちに英雄を集めさせたのだよ。 かつては我々が力づくで 掟に従わせていた男たちが 私に勇気を捧げるように仕向けた。 曖昧な、よくわからない契りでもって、 彼らを盲目的に従わせて、 おまえたちに闘争と争いを 仕込んでもらい、 彼らがありあまる力で 戦争に行きたくなるようにさせた。 こうして英雄をヴァルハルに集めたのさ。 ブリュンヒルデ パパの広間を勇士で埋め尽くすことになったわ。 あたし、いっぱい連れてきたもの。 何が心配なの?あたしたち、怠けたことなんかないのに。 ヴォータン (また沈みこんだ様子で) それはまた別のことだよ。 ヴァーラの忠告を考えてくれ。 アルベリヒの軍政が 我々を滅ぼそうとしているのだ。 やつは激怒して私を恨んでいる。 もっともやつの脅しなどは少しも恐れていない。 戦いを仕掛けてきても、我らの英雄たちが勝つだろうから。 ただもしあの指環が またアルベリヒの手に渡ろうものなら その時こそヴァルハルはおしまいだ。 愛を呪ったあいつだけが 指環の力を使って すべての高貴な者を貶めることができるのだ。 私の英雄たちの力を奪い取り、 彼らを自分のために利用して 戦いに臨むに違いない。 つまり彼らをやつの手下にして襲ってくるにちがいないのだ。 さんざん心配した末に やはり指環を取り返さなければと考えた。 かつて私が呪われた黄金を支払った 巨人の一人はファーフナ―というのだが、 やつは兄を殺して奪った財宝を 後生大事に守り続けている。 やつから指輪を取り返さなくてはならないのだが、 あれは支払いとして私自ら渡したものだ。 だから奪い取ったりすれば、 契約に背くことになる。 こればかりは私としても変えられないのだ。 何しろ私は契約を守らせるためにいるのだし、 契約を司っているのだから。 私は自分自身で契約の奴隷になってしまった! 私にできないことをやれるのは一人だけ、 私が助けたことのない英雄だ。 神と接触を持たず、何の恩恵も受けずに、 よけいな知識を持たず、頼まれもしないで、 自らの困難の中で、自身の武器で 私のできないことを成し遂げる。 決して私の忠告を受けずに、 それでいて私の望みをかなえる男。 その男、神に逆らっているようでためになる、 親切な敵ともいうべき男はどこにいるのか? 決して私が面倒を見ることのない自由な者を、 反抗的だが、信頼できる男をどうやって生み出したらいい? もはや私でないまったく別の存在、 自分で立ち上がり、私の望むことばかりしてくれる者。 神々の危機だ!何と破廉恥な! 吐き気がしそうだ!私が創り出すものは 結局私自身でしかない! まったく違う者、私でない者を 生み出すのは不可能だ。 その男は自由でなければならないのに、 私が創るのは皆束縛されている! ブリュンヒルデ でもヴェルズングのジークムントは?彼は自力よ。 ヴォータン 荒れた森の中をわたしはあの子といっしょにさまよった。 神々の言葉に耳を貸さないよう、勇敢に育てた。 神々の復讐からあの子を守ってやれるのは ただあの剣だけだ。 (がっくりと苦々しげに) それも結局は私がそっと差し入れてやったものさ。 どうしてごまかせると思ったのか。 フリッカは見事に見破ってくれたよ。 ひどく恥をかかせられた。 彼女の希望を叶えるしかない。 ブリュンヒルデ それじゃ…ジークムントから勝利を奪うの? ヴォータン 私はアルベリヒの指輪に触れた。 貪欲にもあの黄金を握りしめていた! 私が呪いから逃げても、 呪いはどこまでも追ってくる。 私は愛する者を失わなければならない。 心から大事に思う者を殺さなければならない。 信じてくれているあの子を欺き、裏切るしかないのだ! (ヴォータンの身振りは恐ろしいばかりの苦痛の表現から、絶望へと変わっていく。) 神々の栄光などくたばってしまえ! 恥辱でも神々の飾りでもくそくらえだ! 私が築き上げた名誉など砕けてしまえ! 全部壊した後でやることは、私が唯一望むものだ。 すべてを終わらせること、 終末だ! (考え込んで) その終末についてはアルベリヒにやってもらうさ! 今こそヴァーラの言った あの言葉の意味がつかめたぞ。 「愛を深く憎む敵が 息子をもうけたら、 その時こそ終末は近づく」 つい最近ニーベルングのうわさを聞けば、 あの小人が黄金をちらつかせ、 無理やり一人の女を犯したそうだ。 憎しみの果実が女に宿って、 妬みの力のために激痛に苦しんでいるそうだ。 愛のない者に奇跡が起きたというわけさ。 なのに、ひたすら純粋な愛を求める私は 自由な子をかわいがることが許されない。 (苦々しげな怒りを込め、すっくと立ちあがって) ニーベルングの息子よ、祝福してやろう! 私が嫌悪するものすべてをおまえに授けてやる。 神の国の空虚な光… それをおまえの妬みで壊してしまえ! ブリュンヒルデ (ショックを受け) ねえ、パパ。それであたしはどうしたらいいの? ヴォータン (苦々しく) フリッカのために戦え。彼女の権利を守ってやるのだ。 (そっけなく) 彼女の選んだ道を、私も選ぼう。 私の意志など何の役にも立たないのさ。 自由な男一人、望んではいけないのだから。 さあ、フリッカのために戦っておくれ! ブリュンヒルデ いやよ!今の命令は取り消して! パパはジークムントが大好きじゃないの。 パパのためにあたし、ヴェルズングを守るわ。 ヴォータン ジークムントを倒して、 フンディングを勝たせてやれ! よく気をつけて、力を振るうんだぞ。 勇気をもってあらんかぎり戦うんだ。 ジークムントは必勝の剣を振るうからな。 おまえにみっともない格好は見せないだろうよ! ブリュンヒルデ あの人のことは愛するようにと教わったわ。 (とても優しく) パパにとって彼は誰よりも大事な子どもじゃないの。 その彼を負かせだなんて矛盾してるから、従わないわよ! ヴォータン この生意気め!反抗する気か? おまえはいったい何者だ。私の意志に 盲目的に従うより他に何ができる? おまえに相談したからといって、 私は自分の子どもにまであざ笑われる羽目に 陥ったとでもいうのか? 私を怒らせたらどうなるのか知ってるのか? 私が本気で怒れば、 稲妻がおまえの頭に落ちて、 勇気など吹き飛んでしまうぞ! 怒りが私の胸のうちに広がってくると、 世界を粉々にするほどの力が湧き上がる。 かつてはあんなに楽しかった世界…。 私を怒らせるやつなど呪ってやる! 逆らったところで悲しみを招くだけだぞ! 頼むから、これ以上興奮させないでくれ! 私の命令を果たすことだけを考えろ。 ジークムントを倒せ。 これがヴァルキューレの仕事だ! (彼は嵐のように飛び出していき、左の茂みの中に姿を消す。) ブリュンヒルデ (長い間ショックを受けて立ち尽くし、ぐったりと) パパがこんなに荒れ狂うのは初めてだわ。 (微動もせず、宙を見つめて) 喧嘩でご機嫌が悪いことなら何度かあったけれど。 (がっくりとかがみ込んで自分の武器を拾い、身に着け始める。) 武器が重く感じるわ。 希望に満ちた戦いの時なら とても軽いのに! 今日は残酷な戦いのために忍んでいかなくちゃいけない。 (考えにふけり、大きなため息をつく。) かわいそうなヴェルズング! あなたがいちばん苦境にある時なのに、 あたしは不実にも見捨てなくちゃいけないのね。 (彼女はゆっくりと後方へ去っていく。) 第三場 (ジークリンデ、ジークムント) (山の頂上に達したブリュンヒルデははるか下を見下ろし、ジークムントとジークリンデを見つける。ちょっとの間、彼女は逃げてくる二人を見ていたが、そのあと馬のいる洞窟に入るので、観客からは見えなくなる。ジークムントとジークリンデが頂上に姿を見せる。ジークリンデはせかせかと先を急ごうとしているが、ジークムントはそんな彼女を引き留めようと必死である。) ジークムント ここで休もう!少し足を止めないと! ジークリンデ 先へ…先へ…! ジークムント (優しく彼女を抱きしめて) もう先に行かなくていいんだよ! (しっかりと彼女を自分の胸に寄せて) ここで足を止めるんだ、僕のかわいい人! 愛に酔いしれる最中に、突然立ち上がり、 息を切らせながらいきなり走り出したね。 あまりの速さに僕はついていけないほどだったよ。 森を越え、野を越え、岩も石もかまわず、 一言も言わず、無言のまま走っていたじゃないか。 僕は一生懸命呼びかけたのに、休みもしない! さあ、休もう。僕に何か言ってよ。 黙ったままはいやだ。 ごらん、きみのお兄さんが花嫁を抱いているんだよ。 ジークムントはきみの味方だ! (彼は気づかれないように岩の腰掛けに彼女を連れて行く。) ジークリンデ (急にうっとりとジークムントを見つめ、感極まって彼の首にすがりつく。しばらくはそのままだが、突然ぎょっとしたように飛び上がる。) あっちへ!離れて!この破廉恥な女から逃げて! 汚れた腕であなたを抱いてしまった。 この体は恥と汚辱にまみれていたのに。 この屍のような女から離れて!置き去りにして! 風が私を吹き飛ばせばいいのよ、 高貴なあなたに恥知らずにも身を捧げた罰として! あなたが愛を込めてこの女を抱き、 私が神聖な喜びに目覚めて、 あなたの愛に満たされた時、 私はやっと愛に目覚めた。 神聖な甘い喜びが 私の魂の奥まで伝わってきて、 それと同時におぞましさと震えが襲ってきた。 私の受けた恐ろしい辱め! 私は愛もなしに強制する男の 言いなりになっていた! お願い、行かせて!私は恥辱の塊なのよ! 純潔を奪われて堕落した女! あなたのように純真な人のそばにいてはならない。 崇高な人のものには決してなれないんだわ 私は兄の恥になるだけ、 自由なあなたを汚してしまうわ! ジークムント あの不埒なやつはきみを辱めた罪を 自分の血で贖うことになるんだ! だからもう逃げるのはやめよう。敵を待つんだ。 やつはここで僕の手にかかる。 ノートゥングをやつの心臓に突き刺して、 きみの復讐を果たそう! ジークリンデ (びくっとし、耳をそばだてて) 聞いて!角笛よ、聞こえて? あの嫌な響きが鳴り渡っている。 森から、草原から聞こえるわ。何て耳障りな音! フンディングが深い眠りから目覚めたんだわ! 一味の者と犬を呼び寄せて、 犬たちはけしかけられながら必死に吠えている。 結婚の誓いが破られたといって、 野蛮にも天に向かって訴えているのよ! (ジークリンデは正気を失ったように、宙を見つめる。) ジークムント、どこなの?もう一度だけ お会いできるの?輝くばかりに美しい、私の愛するお兄様。 もう一度だけでもあなたの輝く瞳を見つめたい。 お願いだから、哀れな女の接吻を受けて! (しゃくりあげながら彼の胸にすがるが、また音にびくっとする。) ああ、聞いて、聞こえるでしょう!フンディングの角笛よ! 彼の手下が強い武器を持って近づいてくる。 犬がつぎつぎと襲ってきて、 剣が役に立たない。 ジークムント、投げ飛ばして!ジークムント、どこなの? ああ、あそこ!あなたが見えるわ!ああ、恐ろしい顔! 犬が歯をむき出して襲い掛かる。 あの人たちにはあなたの高貴な眼差しが届かない! あなたの足に噛みついて、放さないわ・・・ ああ、倒れた! 剣が砕け散る! トネリコが倒れて、引き裂かれる! お兄様!お兄様!ジークムント!…ああ! (彼女は気を失ってジークムントの腕に倒れる。) ジークムント 僕の妹!かわいい人! (彼は息を窺い、まだ生きていることを確かめる。彼はジークリンデの体をそっとずらし、自分も腰を下ろして彼女の頭を膝にのせる。二人は次の場の間、ずっとこのままでいる。ジークムントが心配そうに彼女の上にかがみ込み、そっと優しく額にキスをしている間、長い沈黙が流れる。) 第四場 (ブリュンヒルデ、ジークムント) (ブリュンヒルデが馬のたずなを引いて、洞窟の中から出てくる。彼女はゆっくりとおごそかに前景へと歩んでくるが、ちょっと立ち止まって、遠くからジークムントの様子を窺う。それからまたゆっくりと歩んできて、今度はかなり近いところで立つ。片手には槍と楯を持ち、もう一方の手は馬の首にからめて、厳かな面持ちでジークムントを見つめる。) ブリュンヒルデ ジークムント、私を見て! 私はあなたを連れに来たのです。 ジークムント (顔を上げて彼女のほうを向き) きみは誰?とてもきれいだけど、 どうしてそんなに重々しく現れたの? ブリュンヒルデ 死すべき運命の人にしか私の姿は見えません。 私を見た者は命から離れていくのです。 私は戦場で、高貴な者にだけ姿を見せます。 私に気づいた人は、私に選ばれた人なのです。 ジークムント (長い間彼女を探るように見つめ、それから考えこむようにうなだれるが、やがてまじめな表情でブリュンヒルデに向きなおる。) どこへ連れていくつもりですか? ブリュンヒルデ あなたを選んだ戦いの父のところへ 案内します。ヴァルハルに行くのよ。 ジークムント ヴァルハルでは戦いの父にだけ会うのですか? ブリュンヒルデ この世で倒れた戦士たちもいます。 彼らはきっとあなたを迎え、神聖な挨拶を交わすでしょう。 ジークムント ヴァルハルで僕の父ヴェルゼには会えますか? ブリュンヒルデ ええ、あなたはお父さまにお会いできますよ。 ジークムント そこでは乙女が僕にあいさつしてくれるでしょうか? ブリュンヒルデ そこには希望の乙女がたくさんいます。 ヴォータンの娘が優しくあなたに飲み物を差し出すでしょう。 ジークムント とても厳かな様子から察して、 あなたはヴォータンの娘さんですね。 でも、僕が聞いた乙女というのは違う意味なのです。 僕の花嫁である妹は僕についてくるでしょうか? ジークムントはジークリンデとともにいられますか? ブリュンヒルデ 彼女はまだこの世の空気を必要としています。 ジークムントがそこでジークリンデを見ることはありません。 ジークムント (そっとジークリンデの上にかがみこみ、その額にキスをしてから、冷静な様子でブリュンヒルデに向き直る。) ではヴァルハルとヴォータンによろしく。 ヴェルゼとほかの英雄にも挨拶を伝えてくださるよう。 優しい希望の乙女たちにもご挨拶を。 (断固として) 僕は彼らのもとにはいきません。 ブリュンヒルデ でもあなたはヴァルキューレの死の眼を見た。 あなたは私と一緒に来なければなりません! ジークムント ジークリンデが喜び、悩むところに、 僕も留まりたい。 あなたに会っても僕は少しも生気が消えたりしない。 留まることを邪魔させたりしないぞ。 ブリュンヒルデ あなたが生きているかぎり、誰もあなたに無理強いはしない。 でも死にだけは逆らえません。 私はそれを言いに来たのです。 ジークムント 僕を倒す英雄とやらはどこにいるんだ? ブリュンヒルデ フンディングが決闘であなたを倒すのです。 ジークムント 脅すならもっとましなことを言え。 フンディングなぞ怖くもない! 誰か連れて行きたくて戦場をうろつくなら あいつを選べばいいんだ。 僕がここで倒してやるから! ブリュンヒルデ (頭を振って) だめよ、ヴェルズング。よく聞いて。 運命はあなたを選んだの。 ジークムント この剣を知ってるか? この剣を作った人が僕に勝利を定めたんだ。 おまえの脅しなんか誰が怖いもんか! ブリュンヒルデ (あらんかぎりの声で) それをあなたに与えたその人こそがあなたに死を定めたのよ。 彼は剣から力を取ってしまうわ! ジークムント (激しく) うるさい!まどろむ人を怖がらせないでくれ! (彼はあふれ出る苦痛を滲ませながら、優しくジークリンデの上に屈みこむ。) かわいそうに!かわいそうに!こんなに無邪気なのに! 誰よりも誠実で誰よりもみじめな人だ! きみに向かって世界中が武器を振り上げているんだ。 そして僕は、きみが唯一信頼してくれている僕は、 きみを守ってやろうとする唯一の男なのに、 きみを助けてはいけないんだ。 勇敢なきみを見捨てて、戦いに敗れるのか? 剣を造ったやつは恥知らずだ! 約束を破って僕を侮辱してるんだ! どうしても死ぬとしても、ヴァルハルになんか行くもんか! 地獄の世話になってやる! (ジークリンデの上に深くかがみ込む。) ブリュンヒルデ (感動して) 永遠の喜びはどうでもいいの? (ためらい、言いにくそうに) そのかわいそうな女がすべてなの、 疲れ切って、あなたのひざに眠っている その女だけが? 他のことは神聖と思えないの? ジークムント (苦々しげに彼女を見上げ) おまえは若くてきれいな格好でやってきたが、 冷たくていじわるな女だ! ばかにするしかできないなら、とっとと出て行け! ほんとうにいやらしい娘だよ! 他人の悲しみが面白いって言うんなら、 僕の苦しみをたっぷり味わえばいい。 僕の苦痛で妬み心を癒せばいいんだ。 ただし、ヴァルハルの中身のない栄光のことだけは ぜったいに言ってくれるな! ブリュンヒルデ あなたの苦痛は分かってる。どんなにつらいか理解してるわ。 英雄の聖なる悲しみはあたしだって感じてる。 ジークムント、あたしが妻のお世話をしてあげるわ。 何があってもしっかり守ってあげられてよ。 ジークムント 彼女の命があるかぎり、僕以外の人には触らせないぞ。 僕が死ぬのなら、先に彼女を殺してやる! ブリュンヒルデ (だんだんと心を動かされ) ねえ、怒らないで!お願いだから聞いてよ! この人をあたしに預けて。あなたの愛の証のために。 彼女、あなたの愛の実を宿しているのよ! ジークムント (剣を抜いて) この剣は嘘つきが作ったものなんだ!僕は信じていたのに! この剣は敵の前で卑怯にも僕を裏切るんだ! 敵に役立たないなら、 愛のために使ってやるからいい! (ジークリンデに剣をかざして) さあ、二つの命がおまえに微笑んでいる。 妬みの塊のノートゥング、この命を受け取ってくれ! 一振りで僕たちを殺してくれ! ブリュンヒルデ (激しい同情に駆られて) やめて、ヴェルズング!お願い、聞いて! ジークリンデは生きるのよ、ジークムントも一緒に! もう決まったわ。戦いの結果を変えましょう。 ジークムント、あなたを祝福して勝たせます! (遠くから角笛が響いてくる。) あの音が聞こえて?さあ、準備なさい! 剣を信じて、しっかりと振るうのよ。 この武器はあなたを忠実に守ってくれるわ。 ヴァルキューレも絶対に裏切りません! さようなら、ジークムント!幸せを祈っているわ。 また戦場でお会いしましょう! (彼女は走っていき、馬といっしょに右手の山間に消える。ジークムントは嬉しそうにそれを見送っている。舞台はほとんど真っ暗になった。黒雲が後方に流れてきて、山の頂や周りの景色をすっかり覆ってしまう。) 第五場 (ジークムント、ジークリンデ、フンディング、ブリュンヒルデ、ヴォータン) ジークムント (またジークリンデの上にかがみ込み、息を窺う) 魔法のように眠りがかかって、 悲しみと苦痛から彼女を守っている。 あのヴァルキューレが 喜びと慰めをもたらしたのだろうか。 さっきの僕の思い切った行動で おびえてなければいいけど。 死んだように見えるけど、ちゃんと生きている。 楽しい夢が彼女を慰めてるんだ。 (またも角笛の音) 戦いが終わるまで ぐっすり眠っておいで。 目が覚めた時には幸福でいっぱいだよ。 (彼は岩の腰掛けに彼女を優しく横たえ、額にそっと別れのキスをする。ジークムントはフンディングの角笛を耳にすると、決心して立ち上がる。) そこで僕を呼んでるやつめ、覚悟しろ。 やつにふさわしいものを払ってやる。 ノートゥングが決着をつけてやる! (彼は剣を抜き、急いで後方に走っていって姿を消す。ジークムントが山の頂にたどり着いたところで黒雲が広がり、稲妻が光る。) ジークリンデ (夢を見ながら落ちつかなげに身をよじる。) パパが帰ってくればいいのに。 まだ兄さんと一緒に森にいるんだわ。 ママ!ママ!私、怖いわ。 あの人たちは親切でもないし、危険そうよ! 真っ黒な煙…息が詰まりそう… ああ、炎よ!こっちに来るわ! 家が焼けてる!兄さん、助けて! ジークムント!ジークムント! (飛び起きる。激しい稲妻と雷。) ジークムント!ああ! (彼女は不安のあまり必死で見渡す。舞台はいまや黒雲で完全に覆われ、稲光と雷がつづく。フンディングの角笛がすぐ近くで響く。) フンディングの声 (後ろから山の頂に近づいてくる。) ヴェーヴァルト!ヴェーヴァルト! 出てきて戦え!犬どもにはおまえが見つけられん! ジークムントの声 (さらに奥の山間から) どこに隠れてるんだ?おまえを見失ったぞ。 さっさと来い、思いっきりやっつけてやるから! ジークリンデ (不安で気が狂ったように耳を澄まし) フンディング!ジークムント! お願い、姿を見せて! フンディング 出てこい、破廉恥な求婚者め! フリッカがおまえを倒してくれるぞ! ジークムント (同じく山の頂から出てきて) 臆病者め、まだ僕が武器を持ってないとでも思ってるのか? 女の名まえなんか出さないで、自分で戦え。 さもないとフリッカにも見放されるぞ! さあ、見ろ!おまえの家の木から 僕はためらうことなくこの剣を引き抜いた。 さあ、この切れ味を味わうがいい! (稲光が一瞬山の頂上を照らし、フンディングとジークムントが戦いはじめたようすを見せる。) ジークリンデ (あらんかぎりの声で) やめて、あなたたち! 先に私を殺して! (彼女は頂上に走っていくが、戦っている二人の右上から差してくる光に目が眩み、よろめいて脇にそれる。光の中にブリュンヒルデが姿を現し、ジークムントを自分の楯で守りながら飛び回る。) ブリュンヒルデ 向かっていきなさい、ジークムント! 剣は裏切らないわ! (ジークムントがフンディングに止めを刺そうとした時、左手の雲の中から燃えるような赤い光が差してきて、ヴォータンが姿を現す。彼はフンディングの上方に立ち、ジークムントに向かって槍を突き出す。) ヴォータン この槍に近づくな! 剣は砕けろ! (ブリュンヒルデはヴォータンが現れたのでぎょっとし、盾を引っ込めてしまう。ジークムントの剣は突き出された槍の力で粉々に砕け去る。武器を失ったジークムントの胸にフンディングの槍が突き刺さり、彼は倒れて息を引き取る。 ジークリンデは恋人の最後の喘ぎを耳にし、悲鳴を上げて死んだように倒れる。ジークムントの死とともに両脇の輝く光は失せ、暗闇の中から霧が前方へ流れてくる。曖昧とした中にブリュンヒルデの姿がぼんやりと浮かび上がり、彼女がせかせかとジークリンデに駆け寄るのが見える。) ブリュンヒルデ 馬に乗って。助けてあげるわ! (彼女はジークリンデを抱き起こし、山間のあたりで馬を捕まえると、彼女を一緒に乗せてすばやく姿を消す。やがて真ん中あたりから雲が切れ、フンディングの姿が見えてくる。彼は死んでしまったジークムントの胸から槍を引き抜いたところだ。ヴォータンは雲に覆われ、岩にもたれて、自分の槍でやっとのことで体を支えながら、苦痛に満ちた表情でジークムントの亡骸を見つめている。) ヴォータン (フンディングに) 行け、卑しいやつめ。フリッカの前にひざまずけ。 ヴォータンの槍が 彼女の恥辱を晴らした、と伝えるがいい。 行け!出ていけ! (ヴォータンが軽蔑をこめて手を上げると、フンディングは倒れて死ぬ。) ヴォータン (急に恐ろしい怒りがこみあげてきて) しかし、あのブリュンヒルデ!よくも言いつけを破って! 不服従には恐ろしい罰が待ってるんだぞ。 急いで追わねば! (彼は稲妻と雷の中に消え去る。―幕が素早く降りる。) ZWEITER AUFZUG Wildes Felsengebirge Im Hintergrund zieht sich von unten her eine Schlucht herauf, die auf ein erhöhtes Felsjoch mündet; von diesem senkt sich der Boden dem Vordergrunde zu wieder abwärts VORSPIEL UND ERSTE SZENE Wotan, Brünnhilde als Walküre, später Fricka Wotan, kriegerisch gewaffnet, mit dem Speer; vor ihm Brünnhilde, als Walküre, ebenfalls in voller Waffenrüstung WOTAN Nun zäume dein Ross, reisige Maid! Bald entbrennt brünstiger Streit Brünnhilde stürme zum Kampf, dem Wälsung kiese sie Sieg! Hunding wähle sich, wem er gehört; nach Walhall taugt er mir nicht. Drum rüstig und rasch, reite zur Wal! BRÜNNHILDE jauchzend von Fels zu Fels die Höhe rechts hinaufspringend Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha! Hojotoho! Heiaha! Sie hält auf einer hohen Felsspitze an, blickt in die hintere Schlucht hinab und ruft zu Wotan zurück Dir rat ich, Vater, rüste dich selbst; harten Sturm sollst du bestehn. Fricka naht, deine Frau, im Wagen mit dem Widdergespann. Hei! Wie die goldne Geissel sie schwingt! Die armen Tiere ächzen vor Angst; wild rasseln die Räder; zornig fährt sie zum Zank! In solchem Strausse streit ich nicht gern, lieb ich auch mutiger Männer Schlacht! Drum sieh, wie den Sturm du bestehst ich Lustige lass dich im Stich! Hojotoho! Hojotoho! Heiaha! Heiaha! Heiahaha! Brünnhilde verschwindet hinter der Gebirgshöhe zur Seite. In einem mit zwei Widdern bespannten Wagen langt Fricka aus der Schlucht auf dem Felsjoche an, dort hält sie rasch an und steigt aus. Sie schreitet heftig in den Vordergrund auf Wotan zu WOTAN Fricka auf sich zuschreiten sehend, für sich Der alte Sturm, die alte Müh ! Doch stand muss ich hier halten! FRICKA je näher sie kommt, desto mehr mässigt sie den Schritt und stellt sich mit Würde vor Wotan hin Wo in den Bergen du dich birgst, der Gattin Blick zu entgehn, einsam hier such ich dich auf, dass Hilfe du mir verhiessest. WOTAN Was Fricka kümmert, künde sie frei. FRICKA Ich vernahm Hundings Not, um Rache rief er mich an der Ehe Hüterin hörte ihn, verhiess streng zu strafen die Tat des frech frevelnden Paars, das kühn den Gatten gekränkt. WOTAN Was so Schlimmes schuf das Paar, das liebend einte der Lenz? Der Minne Zauber entzückte sie wer büsst mir der Minne Macht? FRICKA Wie töricht und taub du dich stellst, als wüsstest fürwahr du nicht, dass um der Ehe heiligen Eid, den hart gekränkten, ich klage! WOTAN Unheilig acht ich den Eid, der Unliebende eint; und mir wahrlich mute nicht zu, dass mit Zwang ich halte, was dir nicht haftet denn wo kühn Kräfte sich regen, da rat ich offen zum Krieg. FRICKA Achtest du rühmlich der Ehe Bruch, so prahle nun weiter und preis es heilig, dass Blutschande entblüht dem Bund eines Zwillingspaars! Mir schaudert das Herz, es schwindelt mein Hirn bräutlich umfing die Schwester der Bruder! Wann ward es erlebt, dass leiblich Geschwister sich liebten? WOTAN Heut hast du s erlebt! Erfahre so, was von selbst sich fügt, sei zuvor auch noch nie es geschehn. Dass jene sich lieben, leuchtet dir hell; drum höre redlichen Rat Soll süsse Lust deinen Segen dir lohnen, so segne, lachend der Liebe, Siegmunds und Sieglindes Bund! FRICKA in höchste Entrüstung ausbrechend So ist es denn aus mit den ewigen Göttern, seit du die wilden Wälsungen zeugtest? Heraus sagt ich s; - traf ich den Sinn? Nichts gilt dir der Hehren heilige Sippe; hin wirfst du alles, was einst du geachtet; zerreissest die Bande, die selbst du gebunden, lösest lachend des Himmels Haft - dass nach Lust und Laune nur walte dies frevelnde Zwillingspaar, deiner Untreue zuchtlose Frucht! O, was klag ich um Ehe und Eid, da zuerst du selbst sie versehrt! Die treue Gattin trogest du stets; wo eine Tiefe, wo eine Höhe, dahin lugte lüstern dein Blick, wie des Wechsels Lust du gewännest und höhnend kränktest mein Herz. Trauernden Sinnes musst ich s ertragen, zogst du zur Schlacht mit den schlimmen Mädchen, die wilder Minne Bund dir gebar denn dein Weib noch scheutest du so, dass der Walküren Schar und Brünnhilde selbst, deines Wunsches Braut, in Gehorsam der Herrin du gabst. Doch jetzt, da dir neue Namen gefielen, als "Wälse" wölfisch im Walde du schweiftest; jetzt, da zu niedrigster Schmach du dich neigtest, gemeiner Menschen ein Paar zu erzeugen jetzt dem Wurfe der Wölfin wirfst du zu Füssen dein Weib! So führ es denn aus! Fülle das Mass! Die Betrogne lass auch zertreten! WOTAN ruhig Nichts lerntest du, wollt ich dich lehren, was nie du erkennen kannst, eh nicht ertagte die Tat. Stets Gewohntes nur magst du verstehn doch was noch nie sich traf, danach trachtet mein Sinn. Eines höre! Not tut ein Held, der, ledig göttlichen Schutzes, sich löse vom Göttergesetz. So nur taugt er zu wirken die Tat, die, wie not sie den Göttern, dem Gott doch zu wirken verwehrt. FRICKA Mit tiefem Sinne willst du mich täuschen was Hehres sollten Helden je wirken, das ihren Göttern wäre verwehrt, deren Gunst in ihnen nur wirkt? WOTAN lhres eignen Mutes achtest du nicht? FRICKA Wer hauchte Menschen ihn ein? Wer hellte den Blöden den Blick? In deinem Schutz scheinen sie stark, durch deinen Stachel streben sie auf du reizest sie einzig, die so mir Ew gen du rühmst, Mit neuer List willst du mich belügen, durch neue Ränke mir jetzt entrinnen; doch diesen Wälsung gewinnst du dir nicht in ihm treff ich nur dich, denn durch dich trotzt er allein. WOTAN ergriffen In wildem Leiden erwuchs er sich selbst mein Schutz schirmte ihn nie. FRICKA So schütz auch heut ihn nicht! Nimm ihm das Schwert, das du ihm geschenkt! WOTAN Das Schwert? FRICKA Ja, das Schwert, das zauberstark zuckende Schwert, das du Gott dem Sohne gabst. WOTAN heftig Siegmund gewann es sich mit unterdrücktem Beben selbst in der Not. Wotan drückt in seiner ganzen Haltung von hier an einen immer wachsenden unheimlichen, tiefen Unmut aus FRICKA eifrig fortfahrend Du schufst ihm die Not, wie das neidliche Schwert. Willst du mich täuschen, die Tag und Nacht auf den Fersen dir folgt? Für ihn stiessest du das Schwert in den Stamm, du verhiessest ihm die hehre Wehr willst du es leugnen, dass nur deine List ihn lockte, wo er es fänd ? Wotan fährt mit einer grimmigen Gebärde auf FRICKA immer sicherer, da sie den Eindruck gewahrt, den sie auf Wotan hervorgebracht hat Mit Unfreien streitet kein Edler, den Frevler straft nur der Freie. Wider deine Kraft führt ich wohl Krieg doch Siegmund verfiel mir als Knecht! Neue heftige Gebärde Wotans, dann Versinken in das Gefühl seiner Ohnmacht Der dir als Herren hörig und eigen, gehorchen soll ihm dein ewig Gemahl? Soll mich in Schmach der Niedrigste schmähen, dem Frechen zum Sporn, dem Freien zum Spott? Das kann mein Gatte nicht wollen, die Göttin entweiht er nicht so! WOTAN finster Was verlangst du? FRICKA Lass von dem Wälsung! WOTAN mit gedämpfter Stimme Er geh seines Wegs. FRICKA Doch du schütze ihn nicht, wenn zur Schlacht ihn der Rächer ruft! WOTAN Ich schütze ihn nicht. FRICKA Sieh mir ins Auge, sinne nicht Trug die Walküre wend auch von ihm! WOTAN Die Walküre walte frei. FRICKA Nicht doch; deinen Willen vollbringt sie allein verbiete ihr Siegmunds Sieg! WOTAN in heftigen inneren Kampf ausbrechend Ich kann ihn nicht fällen er fand mein Schwert! FRICKA Entzieh dem den Zauber, zerknick es dem Knecht! Schutzlos schau ihn der Feind! BRÜNNHILDE noch unsichtbar von der Höhe her Heiaha! Heiaha! Hojotoho! FRICKA Dort kommt deine kühne Maid; jauchzend jagt sie daher. BRÜNNHILDE wie oben Heiaha! Heiaha! Heiohotojo! Hotojoha! WOTAN dumpf für sich Ich rief sie für Siegmund zu Ross! Brünnhilde erscheint mit ihrem Ross auf dem Felsenpfade rechts. Als sie Fricka gewahrt, bricht sie schnell ab und geleitet ihr Ross still und langsam während des Folgenden den Felsweg herab dort birgt sie es dann in einer Höhle FRICKA Deiner ew gen Gattin heilige Ehre beschirme heut ihr Schild! Von Menschen verlacht, verlustig der Macht, gingen wir Götter zugrund würde heut nicht hehr und herrlich mein Recht gerächt von der mutigen Maid. Der Wälsung fällt meiner Ehre Empfah ich von Wotan den Eid? WOTAN in furchtbarem Unmut und innerem Grimm auf einen Felsensitz sich werfend Nimm den Eid! Fricka schreitet dem Hintergrunde zu dort begegnet sie Brünnhilde und hält einen Augenblick vor ihr an FRICKA zu Brünnhilde Heervater harret dein lass ihn dir künden, wie das Los er gekiest! Sie besteigt den Wagen und fährt schnell davon, Brünnhilde tritt mit besorgter Miene verwundert vor Wotan, der, auf dem Felssitz zurückgelehnt, das Haupt auf die Hand gestützt, in finstres Brüten versunken ist ZWEITE SZENE Brünnhilde, Wotan BRÜNNHILDE Schlimm, fürcht ich, schloss der Streit, lachte Fricka dem Lose. Vater, was soll dein Kind erfahren? Trübe scheinst du und traurig! WOTAN lässt den Arm machtlos sinken und den Kopf in den Nacken fallen In eigner Fessel fing ich mich ich Unfreiester aller! BRÜNNHILDE So sah ich dich nie! Was nagt dir das Herz? WOTAN von hier an steigert sich Wotans Ausdruck und Gebärde bis zum furchtbarsten Ausbruch O heilige Schmach! O schmählicher Harm! Götternot! Götternot! Endloser Grimm! Ewiger Gram! Der Traurigste bin ich von allen! BRÜNNHILDE wirft erschrocken Schild, Speer und Helm von sich und lässt sich mit besorgter Zutraulichkeit zu Wotans Füssen nieder Vater! Vater! Sage, was ist dir? Wie erschreckst du mit Sorge dein Kind? Vertraue mir! Ich bin dir treu sieh, Brünnhilde bittet! Sie legt traulich und ängstlich Haupt und Hände ihm auf Knie und Schoss WOTAN blickt ihr lange ins Auge; dann streichelt er ihr mit unwillkürlicher Zärtlichkeit die Locken. Wie aus tiefem Sinnen zu sich kommend, beginnt er endlich sehr leise Lass ich s verlauten, lös ich dann nicht meines Willens haltenden Haft? BRÜNNHILDE ihm ebenso erwidernd Zu Wotans Willen sprichst du, sagst du mir, was du willst; wer bin ich, wär ich dein Wille nicht? WOTAN sehr leise Was keinem in Worten ich künde, unausgesprochen bleib es denn ewig mit mir nur rat ich, red ich zu dir. - mit noch gedämpfterer, schauerlicher Stimme, während er Brünnhilde unverwandt in das Auge blickt Als junger Liebe Lust mir verblich, verlangte nach Macht mein Mut von jäher Wünsche Wüten gejagt, gewann ich mir die Welt. Unwissend trugvoll, Untreue übt ich, band durch Verträge, was Unheil barg listig verlockte mich Loge, der schweifend nun verschwand. Von der Liebe doch mocht ich nicht lassen, in der Macht verlangt ich nach Minne. Den Nacht gebar, der bange Nibelung, Alberich, brach ihren Bund; er fluchte der Lieb und gewann durch den Fluch des Rheines glänzendes Gold und mit ihm masslose Macht. Den Ring, den er schuf, entriss ich ihm listig; doch nicht dem Rhein gab ich ihn zurück mit ihm bezahlt ich Walhalls Zinnen, der Burg, die Riesen mir bauten, aus der ich der Welt nun gebot. Die alles weiss, was einstens war, Erda, die weihlich weiseste Wala, riet mir ab von dem Ring, warnte vor ewigem Ende. Von dem Ende wollt ich mehr noch wissen; doch schweigend entschwand mir das Weib… Da verlor ich den leichten Mut, zu wissen begehrt es den Gott in den Schoss der Welt schwang ich mich hinab, mit Liebeszauber zwang ich die Wala, stört ihres Wissens Stolz, dass sie Rede nun mir stand. Kunde empfing ich von ihr; von mir doch barg sie ein Pfand der Welt weisestes Weib gebar mir, Brünnhilde, dich. Mit acht Schwestern zog ich dich auf; durch euch Walküren wollt ich wenden, was mir die Wala zu fürchten schuf ein schmähliches Ende der Ew gen. Dass stark zum Streit uns fände der Feind, hiess ich euch Helden mir schaffen die herrisch wir sonst in Gesetzen hielten, die Männer, denen den Mut wir gewehrt, die durch trüber Verträge trügende Bande zu blindem Gehorsam wir uns gebunden, die solltet zu Sturm und Streit ihr nun stacheln, ihre Kraft reizen zu rauhem Krieg, dass kühner Kämpfer Scharen ich sammle in Walhalls Saal! BRÜNNHILDE Deinen Saal füllten wir weidlich viele schon führt ich dir zu. Was macht dir nun Sorge, da nie wir gesäumt? WOTAN wieder gedämpfter Ein andres ist s achte es wohl, wes mich die Wala gewarnt! Durch Alberichs Heer droht uns das Ende mit neidischem Grimm grollt mir der Niblung doch scheu ich nun nicht seine nächtigen Scharen, meine Helden schüfen mir Sieg. Nur wenn je den Ring zurück er gewänne, dann wäre Walhall verloren der der Liebe fluchte, er allein nützte neidisch des Ringes Runen zu aller Edlen endloser Schmach der Helden Mut entwendet er mir; die Kühnen selber zwäng er zum Kampf; mit ihrer Kraft bekriegte er mich. Sorgend sann ich nun selbst, den Ring dem Feind zu entreissen. Der Riesen einer, denen ich einst mit verfluchtem Gold den Fleiss vergalt Fafner hütet den Hort, um den er den Bruder gefällt. Ihm müsst ich den Reif entringen, den selbst als Zoll ich ihm zahlte. Doch mit dem ich vertrug, ihn darf ich nicht treffen; machtlos vor ihm erläge mein Mut - das sind die Bande, die mich binden der durch Verträge ich Herr, den Verträgen bin ich nun Knecht. Nur einer könnte, was ich nicht darf ein Held, dem helfend nie ich mich neigte; der fremd dem Gotte, frei seiner Gunst, unbewusst, ohne Geheiss, aus eigner Not, mit der eignen Wehr schüfe die Tat, die ich scheuen muss, die nie mein Rat ihm riet, wünscht sie auch einzig mein Wunsch! Der, entgegen dem Gott, für mich föchte, den freundlichen Feind, wie fände ich ihn? Wie schüf ich den Freien, den nie ich schirmte, der im eignen Trotze der Trauteste mir? Wie macht ich den andren, der nicht mehr ich, und aus sich wirkte, was ich nur will? O göttliche Not! Grässliche Schmach! Zum Ekel find ich ewig nur mich in allem, was ich erwirke! Das andre, das ich ersehne, das andre erseh ich nie denn selbst muss der Freie sich schaffen Knechte erknet ich mir nur! BRÜNNHILDE Doch der Wälsung, Siegmund, wirkt er nicht selbst? WOTAN Wild durchschweift ich mit ihm die Wälder; gegen der Götter Rat reizte kühn ich ihn auf gegen der Götter Rache schützt ihn nun einzig das Schwert, gedehnt und bitter das eines Gottes Gunst ihm beschied. Wie wollt ich listig selbst mich belügen? So leicht ja entfrug mir Fricka den Trug zu tiefster Scham durchschaute sie mich! Ihrem Willen muss ich gewähren. BRÜNNHILDE So nimmst du von Siegmund den Sieg? WOTAN Ich berührte Alberichs Ring, gierig hielt ich das Gold! Der Fluch, den ich floh, nicht flieht er nun mich Was ich liebe, muss ich verlassen, morden, wen je ich minne, trügend verraten, wer mir traut! Wotans Gebärde geht aus dem Ausdruck des furchtbarsten Schmerzes zu dem der Verzweiflung über Fahre denn hin, herrische Pracht, göttlichen Prunkes prahlende Schmach! Zusammenbreche, was ich gebaut! Auf geb ich mein Werk; nur eines will ich noch das Ende, das Ende! - Er hält sinnend ein Und für das Ende sorgt Alberich! Jetzt versteh ich den stummen Sinn des wilden Wortes der Wala "Wenn der Liebe finstrer Feind zürnend zeugt einen Sohn, der Sel gen Ende säumt dann nicht!" Vom Niblung jüngst vernahm ich die Mär , dass ein Weib der Zwerg bewältigt, des Gunst Gold ihm erzwang Des Hasses Frucht hegt eine Frau, des Neides Kraft kreisst ihr im Schoss das Wunder gelang dem Liebelosen; doch der in Lieb ich freite, den Freien erlang ich mir nicht. mit bitterem Grimm sich aufrichtend So nimm meinen Segen, Niblungen-Sohn! Was tief mich ekelt, dir geb ich s zum Erbe, der Gottheit nichtigen Glanz zernage ihn gierig dein Neid! BRÜNNHILDE erschrocken O sag , künde, was soll nun dein Kind? WOTAN bitter Fromm streite für Fricka; hüte ihr Eh und Eid! trocken Was sie erkor, das kiese auch ich was frommte mir eigner Wille? Einen Freien kann ich nicht wollen für Frickas Knechte kämpfe nun du! BRÜNNHILDE Weh ! Nimm reuig zurück das Wort! Du liebst Siegmund; dir zulieb , ich weiss es, schütz ich den Wälsung. WOTAN Fällen sollst du Siegmund, für Hunding erfechten den Sieg! Hüte dich wohl und halte dich stark, all deiner Kühnheit entbiete im Kampf ein Siegschwert schwingt Siegmund; - schwerlich fällt er dir feig! BRÜNNHILDE Den du zu lieben stets mich gelehrt, sehr warm der in hehrer Tugend dem Herzen dir teuer, gegen ihn zwingt mich nimmer dein zwiespältig Wort! WOTAN Ha, Freche du! Frevelst du mir? Wer bist du, als meines Willens blind wählende Kür? Da mit dir ich tagte, sank ich so tief, dass zum Schimpf der eignen Geschöpfe ich ward? Kennst du, Kind, meinen Zorn? Verzage dein Mut, wenn je zermalmend auf dich stürzte sein Strahl! In meinem Busen berg ich den Grimm, der in Grau n und Wust wirft eine Welt, die einst zur Lust mir gelacht wehe dem, den er trifft! Trauer schüf ihm sein Trotz! Drum rat ich dir, reize mich nicht! Besorge, was ich befahl Siegmund falle - Dies sei der Walküre Werk! er stürmt fort und verschwindet schnell links in Gebirge BRÜNNHILDE steht lange erschrocken und betäubt So sah ich Siegvater nie, sie starrt wild vor sich hin erzürnt ihn sonst wohl auch ein Zank! Sie neigt sich betrübt und nimmt ihre Waffen auf, mit denen sie sich wieder rüstet Schwer wiegt mir der Waffen Wucht - wenn nach Lust ich focht, wie waren sie leicht! Zu böser Schlacht schleich ich heut so bang. Sie sinnt vor sich hin und seufzt dann auf Weh , mein Wälsung! Im höchsten Leid muss dich treulos die Treue verlassen! Sie wendet sich langsam dem Hintergrunde zu DRITTE SZENE Sieglinde, Siegmund Auf dem Bergjoch angelangt, gewahrt Brünnhilde, in die Schlucht hinabblickend, Siegmund und Sieglinde; sie betrachtet die Nahenden einen Augenblick und wendet sich dann in die Höhle zu ihrem Ross, so dass sie dem Zuschauer gänzlich verschwindet. - Siegmund und Sieglinde erscheinen auf dem Bergjoche. Sieglinde schreitet hastig voraus; Siegmund sucht sie aufzuhalten SIEGMUND Raste nun hier; gönne dir Ruh ! SIEGLINDE Weiter! Weiter! SIEGMUND umfasst sie mit sanfter Gewalt Nicht weiter nun! Er schliesst sie fest an sich Verweile, süssestes Weib! Aus Wonne-Entzücken zucktest du auf, mit jäher Hast jagtest du fort kaum folgt ich der wilden Flucht; durch Wald und Flur, über Fels und Stein, sprachlos, schweigend sprangst du dahin, kein Ruf hielt dich zur Rast! Ruhe nun aus rede zu mir! Ende des Schweigens Angst! Sieh, dein Bruder hält seine Braut Siegmund ist dir Gesell ! Er hat sie unvermerkt nach dem Steinsitze geleitet SIEGLINDE blickt Siegmund mit wachsendem Entzücken in die Augen, dann umschlingt sie leidenschaftlich seinen Hals und verweilt so; dann fährt sie mit jähem Schreck auf Hinweg! Hinweg! Flieh die Entweihte! Unheilig umfängt dich ihr Arm; entehrt, geschändet schwand dieser Leib flieh die Leiche, lasse sie los! Der Wind mag sie verwehn, die ehrlos dem Edlen sich gab! Da er sie liebend umfing, da seligste Lust sie fand, da ganz sie minnte der Mann, der ganz ihre Minne geweckt vor der süssesten Wonne heiligster Weihe, die ganz ihr Sinn und Seele durchdrang, Grauen und Schauder ob grässlichster Schande musste mit Schreck die Schmähliche fassen, die je dem Manne gehorcht, der ohne Minne sie hielt! Lass die Verfluchte, lass sie dich fliehn! Verworfen bin ich, der Würde bar! Dir reinstem Manne muss ich entrinnen, dir Herrlichem darf ich nimmer gehören. Schande bring ich dem Bruder, Schmach dem freienden Freund! SIEGMUND Was je Schande dir schuf, das büsst nun des Frevlers Blut! Drum fliehe nicht weiter; harre des Feindes; hier soll er mir fallen wenn Notung ihm das Herz zernagt, Rache dann hast du erreicht! SIEGLINDE schrickt auf und lauscht Horch! Die Hörner, hörst du den Ruf? Ringsher tönt wütend Getös aus Wald und Gau gellt es herauf. Hunding erwachte aus hartem Schlaf! Sippen und Hunde ruft er zusammen; mutig gehetzt heult die Meute, wild bellt sie zum Himmel um der Ehe gebrochenen Eid! Sieglinde starrt wie wahnsinnig vor sich hin Wo bist du, Siegmund? Seh ich dich noch, brünstig geliebter, leuchtender Bruder? Deines Auges Stern lass noch einmal mir strahlen wehre dem Kuss des verworfnen Weibes nicht! - Sie hat sich ihm schluchzend an die Brust geworfen dann schrickt sie ängstlich wieder auf Horch! O horch! Das ist Hundings Horn! Seine Meute naht mit mächt ger Wehr kein Schwert frommt vor der Hunde Schwall wirf es fort, Siegmund! Siegmund - wo bist du? Ha dort! Ich sehe dich! Schrecklich Gesicht! Rüden fletschen die Zähne nach Fleisch; sie achten nicht deines edlen Blicks; bei den Füssen packt dich das feste Gebiss - du fällst - in Stücken zerstaucht das Schwert die Esche stürzt, es bricht der Stamm! Bruder! Mein Bruder! Siegmund - ha! - Sie sinkt ohnmächtig in Siegmunds Arme SIEGMUND Schwester! Geliebte! Er lauscht ihrem Atem und überzeugt sich, dass sie noch lebe. Er lässt sie an sich herabgleiten, so dass sie, als er sich selbst zum Sitze niederlässt, mit ihrem Haupt auf seinem Schoss zu ruhen kommt. In dieser Stellung verbleiben beide bis zum Schlusse des folgenden Auftrittes. Langes Schweigen, währenddessen Siegmund mit zärtlicher Sorge über Sieglinde sich hinneigt und mit einem langen Kusse ihr die Stirne küsst VIERTE SZENE Brünnhilde, Siegmund Brünnhilde, ihr Ross am Zaume geleitend, tritt aus der Höhle und schreitet langsam und feierlich nach vorne. Sie hält an und betrachtet Siegmund von fern. Sie schreitet wieder langsam vor. Sie hält in grösserer Nähe an. Sie trägt Schild und Speer in der einen Hand, lehnt sich mit der andern an den Hals des Rosses und betrachtet so mit ernster Miene Siegmund BRÜNNHILDE Siegmund! Sieh auf mich! Ich bin s, der bald du folgst. SIEGMUND richtet den Blick zu ihr auf Wer bist du, sag , die so schön und ernst mir erscheint? BRÜNNHILDE Nur Todgeweihten taugt mein Anblick; wer mich erschaut, der scheidet vom Lebenslicht. Auf der Walstatt allein erschein ich Edlen wer mich gewahrt, zur Wal kor ich ihn mir! SIEGMUND blickt ihr lange forschend und fest in das Auge, senkt dann sinnend das Haupt und wendet sich endlich mit feierlichem Ernste wieder zu ihr Der dir nun folgt, wohin führst du den Helden? BRÜNNHILDE Zu Walvater, der dich gewählt, führ ich dich nach Walhall folgst du mir. SIEGMUND In Walhalls Saal Walvater find ich allein? BRÜNNHILDE Gefallner Helden hehre Schar umfängt dich hold mit hoch-heiligem Gruss. SIEGMUND Fänd ich in Walhall Wälse, den eignen Vater? BRÜNNHILDE Den Vater findet der Wälsung dort. SIEGMUND Grüsst mich in Walhall froh eine Frau? BRÜNNHILDE Wunschmädchen walten dort hehr Wotans Tochter reicht dir traulich den Trank! SIEGMUND Hehr bist du, und heilig gewahr ich das Wotanskind doch eines sag mir, du Ew ge! Begleitet den Bruder die bräutliche Schwester? Umfängt Siegmund Sieglinde dort? BRÜNNHILDE Erdenluft muss sie noch atmen Sieglinde sieht Siegmund dort nicht! SIEGMUND neigt sich sanft über Sieglinde, küsst sie leise auf die Stirn und wendet sich ruhig wieder zu Brünnhilde So grüsse mir Walhall, grüsse mir Wotan, grüsse mir Wälse und alle Helden, grüss auch die holden Wunschesmädchen - sehr bestimmt zu ihnen folg ich dir nicht. BRÜNNHILDE Du sahest der Walküre sehrenden Blick mit ihr musst du nun ziehn! SIEGMUND Wo Sieglinde lebt in Lust und Leid, da will Siegmund auch säumen noch machte dein Blick nicht mich erbleichen vom Bleiben zwingt er mich nie. BRÜNNHILDE Solang du lebst, zwäng dich wohl nichts doch zwingt dich Toren der Tod ihn dir zu künden kam ich her. SIEGMUND Wo wäre der Held, dem heut ich fiel? BRÜNNHILDE Hunding fällt dich im Streit. SIEGMUND Mit Stärkrem drohe, als Hundings Streichen! Lauerst du hier lüstern auf Wal, jenen kiese zum Fang ich denk ihn zu fällen im Kampf! BRÜNNHILDE den Kopf schüttelnd Dir, Wälsung - höre mich wohl dir ward das Los gekiest. SIEGMUND Kennst du dies Schwert? Der mir es schuf, beschied mir Sieg deinem Drohen trotz ich mit ihm! BRÜNNHILDE mit stark erhobener Stimme Der dir es schuf, beschied dir jetzt Tod seine Tugend nimmt er dem Schwert! SIEGMUND heftig Schweig, und schrecke die Schlummernde nicht! Er beugt sich mit hervorbrechendem Schmerze zärtlich über Sieglinde Weh! Weh! Süssestes Weib! Du traurigste aller Getreuen! Gegen dich wütet in Waffen die Welt und ich, dem du einzig vertraut, für den du ihr einzig getrotzt, mit meinem Schutz nicht soll ich dich schirmen, die Kühne verraten im Kampf? Ha, Schande ihm, der das Schwert mir schuf, beschied er mir Schimpf für Sieg! Muss ich denn fallen, nicht fahr ich nach Walhall Hella halte mich fest! Er neigt sich tief zu Sieglinde BRÜNNHILDE erschüttert So wenig achtest du ewige Wonne? zögernd und zurückhaltend Alles wär dir das arme Weib, das müd und harmvoll matt von dem Schosse dir hängt? Nichts sonst hieltest du hehr? SIEGMUND bitter zu ihr aufblickend So jung und schön erschimmerst du mir doch wie kalt und hart erkennt dich mein Herz! Kannst du nur höhnen, so hebe dich fort, du arge, fühllose Maid! Doch musst du dich weiden an meinem Weh , mein Leiden letze dich denn; meine Not labe dein neidvolles Herz nur von Walhalls spröden Wonnen sprich du wahrlich mir nicht! BRÜNNHILDE Ich sehe die Not, die das Herz dir zernagt, ich fühle des Helden heiligen Harm - Siegmund, befiehl mir dein Weib mein Schutz umfange sie fest! SIEGMUND Kein andrer als ich soll die Reine lebend berühren verfiel ich dem Tod, die Betäubte töt ich zuvor! BRÜNNHILDE in wachsender Ergriffenheit Wälsung! Rasender! Hör meinen Rat befiehl mir dein Weib um des Pfandes willen, das wonnig von dir es empfing! SIEGMUND sein Schwert ziehend Dies Schwert, das dem Treuen ein Trugvoller schuf; dies Schwert, das feig vor dem Feind mich verrät frommt es nicht gegen den Feind, so fromm es denn wider den Freund! - Er zückt das Schwert auf Sieglinde Zwei Leben lachen dir hier nimm sie, Notung, neidischer Stahl! Nimm sie mit einem Streich! BRÜNNHILDE im heftigsten Sturme des Mitgefühls Halt ein Wälsung! Höre mein Wort! Sieglinde lebe - und Siegmund lebe mit ihr! Beschlossen ist s; das Schlachtlos wend ich dir, Siegmund, schaff ich Segen und Sieg! Man hört aus dem fernen Hintergrunde Hornrufe erschallen Hörst du den Ruf? Nun rüste dich, Held! Traue dem Schwert und schwing es getrost treu hält dir die Wehr, wie die Walküre treu dich schützt! Leb wohl, Siegmund, seligster Held! Auf der Walstatt seh ich dich wieder! Sie stürmt fort und verschwindet mit dem Rosse rechts in einer Seitenschlucht. Siegmund blickt ihr freudig und erhoben nach. Die Bühne hat sich allmählich verfinstert; schwere Gewitterwolken senken sich auf den Hintergrund herab und hüllen die Gebirgswände, die Schlucht und das erhöhte Bergjoch nach und nach gänzlich ein FÜNFTE SZENE Siegmund, Sieglinde, Hunding, Brünnhilde, Wotan SIEGMUND neigt sich wieder über Sieglinde, dem Atem lauschend Zauberfest bezähmt ein Schlaf der Holden Schmerz und Harm. Da die Walküre zu mir trat, schuf sie ihr den wonnigen Trost? Sollte die grimmige Wal nicht schrecken ein gramvolles Weib? Leblos scheint sie, die dennoch lebt der Traurigen kost ein lächelnder Traum. - Neue Hornrufe So schlummre nun fort, bis die Schlacht gekämpft, und Friede dich erfreu ! Er legt sie sanft auf den Steinsitz und küsst ihr zum Abschied die Stirne. Siegmund vernimmt Hundings Hornruf und bricht entschlossen auf Der dort mich ruft, rüste sich nun; was ihm gebührt, biet ich ihm Notung zahl ihm den Zoll! Er zieht das Schwert, eilt dem Hintergrunde zu und verschwindet, auf dem Joche angekommen, sogleich in finstrem Gewittergewölk, aus welchem alsbald Wetterleuchten aufblitzt SIEGLINDE beginnt sich träumend unruhiger zu bewegen Kehrte der Vater nur heim! Mit dem Knaben noch weilt er im Wald. Mutter! Mutter! Mir bangt der Mut nicht freund und friedlich scheinen die Fremden! Schwarze Dämpfe - schwüles Gedünst - feurige Lohe leckt schon nach uns - es brennt das Haus - zu Hilfe, Bruder! Siegmund! Siegmund! Sie springt auf. Starker Blitz und Donner Siegmund - Ha! Sie starrt in Angst um sich her fast die ganze Bühne ist in schwarze Gewitterwolken gehüllt, fortwährender Blitz und Donner. Der Hornruf Hundings ertönt in der Nähe HUNDINGS STIMME im Hintergrunde vom Bergjoche her Wehwalt! Wehwalt! Steh mir zum Streit, sollen dich Hunde nicht halten! SIEGMUNDS STIMME von weiter hinten her aus der Schlucht Wo birgst du dich, dass ich vorbei dir schoss? Steh , dass ich dich stelle! SIEGLINDE in furchtbarer Aufregung lauschend Hunding! Siegmund! Könnt ich sie sehen! HUNDING Hieher, du frevelnder Freier! Fricka fälle dich hier! SIEGMUND nun ebenfalls vom Joche her Noch wähnst du mich waffenlos, feiger Wicht? Drohst du mit Frauen, so ficht nun selber, sonst lässt dich Fricka im Stich! Denn sieh deines Hauses heimischem Stamm entzog ich zaglos das Schwert; seine Schneide schmecke jetzt du! Ein Blitz erhellt für einen Augenblick das Bergjoch, auf welchem jetzt Hunding und Siegmund kämpfend gewahrt werden SIEGLINDE mit höchster Kraft Haltet ein, ihr Männer! Mordet erst mich! Sie stürzt auf das Bergjoch zu, ein von rechts her über den Kämpfern ausbrechender, heller Schein blendet sie aber plötzlich so heftig, dass sie, wie erblindet, zur Seite schwankt. In dem Lichtglanze erscheint Brünnhilde über Siegmund schwebend und diesen mit dem Schilde deckend BRÜNNHILDE Triff ihn, Siegmund! traue dem Schwert! Als Siegmund soeben zu einem tödlichen Streiche gegen Hunding ausholt, bricht von links her ein glühend rötlicher Schein durch das Gewölk aus, in welchem Wotan erscheint, über Hunding stehend und seinen Speer Siegmund quer entgegenhaltend WOTAN Zurück vor dem Speer! In Stücken das Schwert! Brünnhilde weicht erschrocken vor Wotan mit dem Schilde zurück; Siegmunds Schwert zerspringt an dem vorgehaltenen Speere. Dem Unbewehrten stösst Hunding seinen Speer in die Brust. Siegmund stürzt tot zu Boden.Sieglinde, die seinen Todesseufzer gehört, sinkt mit einem Schrei wie leblos zusammen. Mit Siegmunds Fall ist zugleich von beiden Seiten der glänzende Schein verschwunden; dichte Finsternis ruht im Gewölk bis nach vorn in ihm wird Brünnhilde undeutlich sichtbar, wie sie in jäher Hast sich Sieglinden zuwendet. BRÜNNHILDE Zu Ross, dass ich dich rette! Sie hebt Sieglinde schnell zu sich auf ihr der Seitenschlucht nahestehendes Ross und verschwindet sogleich mit ihr. - Alsbald zerteilt sich das Gewölk in der Mitte, so dass man deutlich Hunding gewahrt, der soeben seinen Speer dem gefallenen Siegmund aus der Brust zieht. - Wotan, von Gewölk umgeben, steht dahinter auf einem Felsen, an seinen Speer gelehnt und schmerzlich auf Siegmunds Leiche blickend WOTAN zu Hunding Geh hin, Knecht! Kniee vor Fricka meld ihr, dass Wotans Speer gerächt, was Spott ihr schuf. Geh ! - Geh ! Vor seinem verächtlichen Handwink sinkt Hunding tot zu Boden WOTAN plötzlich in furchtbarer Wut auffahrend Doch Brünnhilde! Weh der Verbrecherin! Furchtbar sei die Freche gestraft, erreicht mein Ross ihre Flucht! Er verschwindet mit Blitz und Donner. - Der Vorhang fällt schnell All rights reserved © Maria Fujioka Wagner,Richard/Die Walküre+/III
https://w.atwiki.jp/7daystodie/
7 Days to Die @wiki このウェブサイトはPCにて販売中のサバイバルクラフティングゲーム『7 Days to Die』のまとめwikiです。 公式オフィシャルサイト 7 Days to Die | The Survival Horde Crafting Game 総勢 - 人がサバイバルを開始し、 今日 - 人が道半ばで倒れ、 昨日 - 人が感染者となりました。