約 150,356 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/880.html
優希「おりゃー! ロンだじぇー!」 京太郎「おいおい……まだ5巡目だぞ……」 優希「アタシにゃタコスがついてるからなっ!」 京太郎「それ作ったの俺なんだけどな」 優希「うま~♪」モグモグ 京太郎「あ~……でもやっぱ東場はお前に勝てないなぁ」 優希「ん~……でも、お前も随分上手くなったと思うぞい?」 京太郎「おお、そう思うか?」 優希「んまっ! お前がアタシに勝つなんて1万光年早いけどな!」 京太郎「………」 優希「………」 京太郎「光年は距離だぞアホ」 優希「う、うるさいじぇ! 今気づいたわ!」 京太郎「おお、自分で気づけたとは。偉いぞ優希」ナデナデ 優希「ぬが~! 腹立つじぇ~!!」 優希「イエーイ! これで3戦3勝っとぉ!」 京太郎「お前相手に持ち点20000の東風戦は卑怯だろ……。 ……今何時だ?」 優希「9時前……だじぇ。 咲ちゃん達遅いじょ~」 京太郎「お前も入ってくりゃよかったじゃねえか」 優希「お恥ずかしながら、自由行動に入ってすぐ風呂に直行しちゃって……」 京太郎「あぁ、そうだった……。 ……合宿所の風呂ってなんかワクワクするよなぁ」 優希「そうそう! なんか特別な感じしちゃうよなっ!」 京太郎「だからと言って夕飯前に風呂入るってどうなんだ」 京太郎「……3度も」 優希「へへっ。 面目ないっ」 優希「……んぁ? ココアが無い……」 優希「きょーたろー、ココア買ってきて~」 京太郎「ああ? なんで俺が」 優希「負けたんだから文句なしだじぇ! さっさと行ってこーい!」 京太郎「お前……覚えてろよ……」 京太郎「自販機……ロビーの方だっけか」 京太郎「広いんだよなここ……。 咲じゃなくても迷う自信あるわ……」 京太郎「……っと、あったあった……って」 京太郎「誰かいる……」 「んー……! んー……!!」ピョンッピョンッ 京太郎「あれは……」 「あう……届かない……」 京太郎「龍門渕の……」 「こんぽた……」 京太郎「天江さん?」 衣「んぅ?」クルッ 衣「おお、清澄の」 京太郎「どうも。 覚えててくれたんですね」 衣「四校女子合宿だというのに男子が一人混淆してるんだ。 忘れるほうが難しい」 京太郎「あー、まーそうですね」 衣「御陰で、うちのとーかが『わたくしよりも目立ってる!』って哮り立ってたぞ」 京太郎「ははは……」 京太郎「天江さんはどうしてここに?」 衣「あ、う……その……」 京太郎「?」 衣「自販機でな? ……飲み物を1つと思ってたんだけど……」 京太郎「ほう」 衣「その……」 衣「とどかなくて……」 京太郎「……あぁ……」 衣「こんぽた……」 京太郎「コンポタ? ……あぁ」 京太郎(調度良く一番上の段だな。 これじゃ届かないか) 衣「一度召してみたかったのに……」 京太郎「………」 衣「うぅ……こんぽた……」 京太郎「………」 ヒョイ 衣「ひゃぁっ!?」 京太郎「っと。 これでどうですか?」 衣「な、お、お前、清澄っ! これは……!」 京太郎「おお。 天江さん、軽いっすね。 子供みたいだ」 衣「こ、子供じゃない! 『ころも』だ!」 衣「こんな……懐抱なんて……」 京太郎「でもほら、目の前目の前」 衣「んぅ? ……おおっ!」 衣「こんぽたぁ!」パァァ 京太郎「ねっ?」 衣「こ、こうしてはいられん!」 衣「貨幣貨幣! き、清澄の! これを貨幣入れに!」スッ 京太郎「あ、はいはい。 どうぞどうぞ」チャリンチャリン 衣「おおおっ! こんぽたが光ったぞ!」 京太郎「さぁ、天江さん。 一思いに!」 衣「う、うむ……」 衣「え……えいっ!」ピッ ガコンッ 衣「うわぁ……! うわぁ……!」 京太郎「良かったですねっ」 衣「うん! 良かった!」 衣「ありがとう! 清澄の!」 京太郎「ふふっ……」 ナデナデ 衣「ふぁっ」 京太郎「……あ。 すいません、つい」 衣「こ、子供扱いするなぁ!」 京太郎「ご、ごめんなさいっ」 衣「全く……全く……」プクー 京太郎「……」 京太郎(ああ……頬突きてえ……) 衣「……そういえば名前を聞いてなかったな」 京太郎「……名前は覚えてくれなかったんですね……」 衣「す、すまない……」 京太郎(……可愛いなぁ) 京太郎「……ふふっ。 なら改めて」 京太郎「清澄高校麻雀部男子部員、須賀京太郎です」 衣「むっ。 なら衣もっ」 衣「龍門渕高校麻雀部女子大将!」 衣「天江衣だ!」 衣「よろしくな! きょーたろー!」スッ 京太郎「はい。 ……これから一週間」スッ ギュッ 京太郎「よろしくお願いしますっ。 天江さんっ」 時は戻り――――同日 AM11 00 久『えー。 この度は合同合宿にご賛同いただき……』 久『そして、ばっちりお集まりいただきまして……』 久『まことにありがとうございます!』 衣『わーい』 久『移動の疲れもあることと思いますので、今日は自由行動ということで……』 久『……の前に。 須賀くーんっ』 京太郎『えっ。 あ、はいっ』 久『自己紹介なさい』 京太郎『は、はいっ』 ダンシー? セータカーイ アンナノイタッケ? キョウチャン... 京太郎(き、緊張する……) 京太郎『え、えー。 おれ……自分の名前は須賀京太郎』 京太郎『この清澄高校の麻雀部員の一名です』 京太郎『今回の合宿、部長の意向ということで自分も参加させていただきました』 エー オ、オトコノヒト... オレトオナジクライカ ? ニャー? ザワザワ 京太郎『……女子しか居ないこの合宿所に男一人というのはどうかと思われるかもしれません』 京太郎『でも、それでも自分は……ここに来たいと思いました!』 京太郎『純粋に……麻雀がうまくなりたいから!』 シーン... 京太郎『俺は決してみなさんの邪魔はしません! 誓います!』 京太郎『むしろ俺を使ってくれてもいいです! どんな雑用だってやります!』 京太郎『だから! みなさんの腕を勉強させてください!』 京太郎『お願いします……!!』 京太郎『どうか俺を……俺を仲間に入れてください!!!』 『………』 京太郎『……』 ......パチッ パチパチパチッ 京太郎『!!』 パチパチパチパチパチ !! 京太郎『あ……ありがとうございます! ありがとうございます!!』 イイゾー! イイヒトダ... ホウ? キョウチャン...カッコイイ... 久『……はい。 というわけで異例のメンバー追加に関しても許可を貰ったわけだしっ』 久『今から自由行動ということで!』 『『異議なーし!!』』 ―――同日 PM 21 30 清澄の合宿部屋 京太郎「……ふぅ」 京太郎(緊張したなぁ……。 昼の事だってのに、まだ手が震えてる……) 京太郎「……情けねえなぁ……」 優希「んぅ……」 京太郎「あ、悪い。 起こしちまったか?」 優希「ふぁあ……。 ん……きょうたろー……」 京太郎「疲れたろ。 ゆっくり寝とけ……」ナデナデ 優希「……うん……」 京太郎「………」ナデナデ 優希「……すぅ……すぅ……」 京太郎「……寝顔は可愛いんだよな、コイツ」ボソッ 優希「、っ!」ビクッ 京太郎「ん?」 優希「ぐ、ぐぅ~……」ドキドキ ―――同日 同時刻 :通路 まこ「ええ湯じゃったのぅ」 久「ホントねぇ。 どうして宿泊先のお風呂ってこんなに気持ちよく感じるのかしら」 まこ「優希が3度も入った気持ちがわかるのぅ」 久「それはないわ」 咲「お風呂上り? 私はコーヒー牛乳かなー」 和「私もコーヒー牛乳は嫌いじゃないんですけど、やっぱ普通の牛乳ですね」 咲「あっ、コーヒー牛乳と言えば。 京ちゃんコーヒー牛乳が大好きなんだった」 和「あら。 でしたら今から買ってきますか?」 咲「んー……。 いや、湯冷めしたらなんだし止めとこうよ。 明日買えばいいって」 和「そうですか? ……それもそうですね」 和(須賀くんはコーヒー牛乳派……っと……) 久「そうそう、咲。 実はここの合宿所、11時の消灯以降はお風呂の使用が禁止されてるのよ」 咲「え? 知ってますけど……」 久「だから夜中はだーれも寄り付かないってことね」 咲「は、はぁ……それがどうかしたんですか?」 久「……わからない?」 久「11時以降なら須賀くんと混浴できるかも、ってことよ」 咲「 」 和「なっ!?」 まこ「ちょっ!?」 咲(京ちゃんと……混浴……? 混浴……こん……よく……) 咲「……えっ……えっ、えっ、えっ」 咲「えええええええええええええ!!!!!???」 久「女子の合宿所なんだから当然だけど、須賀くんは誰も入れなくなった消灯以降じゃないとお風呂に入れないわ」 久「でも消灯とは言え敷地内なら出歩きは許可されてるのよね~」 久「つまり……わかるでしょう?」 和「ちょ、ちょっと!! 何言ってんですか部長!?」 まこ「流石にソレはまずいじゃろ!?」 久「あら、そうかしら? 夏休みを麻雀打ってるだけで過ごすなんて勿体無いじゃない」 久「真夏の夜の青春を過ごしてみるのも一興だと思うけど?」 和「そそ、それでも混浴はちょっと……」 まこ「そ、そうじゃよなぁ……?」 久「ふむ……二人はあまりノリ気じゃないわね……」 久「咲はどう?」クルッ 咲「あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」 まこ「なんかトリップしちょる!?」 咲(きょきょきょ、京ちゃんと……こここ、混浴だなんて……!) 咲(それってつまり……京ちゃんの二の腕太もも腹筋胸板うなじが見放題ってことぉっ!!?) 咲(い、いや……それだけじゃなくて……それ以上の………!!) 咲(そんな……そんな…………そんなところおおおおおお!!!) 咲「……………らめぇ…」 バタッ... 和「咲さぁああああん!!?」 久「あら、倒れちゃった。 ……湯あたりしちゃったのかしら」 まこ「……十中八九アンタの所為じゃろ」 和「咲さん!? 大丈夫ですかっ!!? 目が虚ろです!!!」ユサユサ 咲「えへ……えへへへ……」 久「……どうでもいいけど、ご近所さんに迷惑だからあまりうるさくしないでね?」 まこ「アンタ鬼じゃな……」 ―――PM 11 00 脱衣所 ガララッ 京太郎「……おお……」 京太郎「……ここが女子達がブラだのパンティーだの脱いだり履いたりしてる所か……」 京太郎「………よしっ」 京太郎「スゥ~~~~~~~~~~~~~~~ッ 」 京太郎「…………」 京太郎「……残り香が全くない……。 ……あっ」 京太郎「そりゃ脱衣所だもん、換気扇ぐらいあるか! ハハハッ!」 京太郎「はー……」 京太郎「……」 京太郎「入ろ……」 ヌギヌギ ガラッ ―――浴場 カポーンッ... 京太郎「おぉぉ……意外と広い……」 京太郎「ここでたくさんの女の子が洗ったり洗われたりされてるのか……」 京太郎「あるいはすったもんだされたり」 京太郎「…………」 京太郎「……何言ってんだ俺」 チャポンッ 京太郎「ふぅ~……」 京太郎「……はぁ~……」 京太郎「…………」 カポーンッ... 京太郎「…………」 京太郎「大浴場貸切って寂しいだけだわ」 ―――PM11 30 清澄の合宿部屋 京太郎「ただいま帰りましたぁ……」 まこ「おーう、おかえりんさい」グビッ 久「んっ……ぷふぅ……。 おかえり、須賀くん」ゴクッ 京太郎「……先輩方何飲んでんスか」 久「ああ、これ? 心配しなくてもノンアルコールよ?」 京太郎「いや、そこじゃなくて……それもだけど……」 まこ「なんなら京太郎も飲むかぁ? ホレ」スッ 京太郎「いえ、遠慮します。 断固として」 久「それにしても、随分と早かったわねぇ。 カラスの行水?」 京太郎「いやぁ……一人の大浴場って寂しいだけなんで……」 まこ「意外じゃのぅ。 お前のことだからイカガワシイことで時間を使うと思ったんじゃが 京太郎「…………」 京太郎「いや、してませんよそんなこと」 京太郎「咲達は……寝てるか」 久「あら……和もいつの間にか眠っちゃってたのね」 京太郎「優希……腹出しっぱで寝るなよな……」スッ 京太郎「咲は足出しっぱ……半分俺の布団にきてるし……」ススッ まこ「……まるでオカンじゃな」 京太郎「こいつらがガキ過ぎるだけですよ……」 まこ「ハハッ。 言うわい言うわい」 京太郎「ふわぁ…。 ……そろそろ俺も寝ますね」 まこ「おう。 しっかり休みぃや」 久「本番は明日からよ。 頑張ってね」 京太郎「はい……それじゃあ……」 京太郎「先輩方……おやすみなさい……」 まこ「おう、おやすみ。 京太郎」 久「おやすみなさい。 須賀くん」 ――― 12 00 まこ「……」チラッ 京太郎「……zzz」 まこ「……なぁ部長。 なんで京太郎も連れてきたん?」 久「ん~? 来る途中も言ってなかったっけ?」 久「……ひとりぼっちは可哀想だって思っただけよ」 まこ「……あ、そう……」 久「……何よ」 まこ「いーや、なんでも。 わしももう寝るわ」 久「はいはい。 ……私はもうちょっとだけ起きてよっかな」 まこ「それじゃ、缶の片付けよろしく~っ」 久「……あっ。 やられたっ」 まこ「へへっ。 おやすみ、部長」バッ 久「……ったくもう……」 久「んっ……」ゴクッ 久「……ふぅ」 久「…………」チラッ 京太郎「………zzz」 久「…………」 『あなたの待ち、当ててみてますよ』 『1pと7pのバッタ待ちでしょう?』 『俺もそうですから』 トクンッ 久「………」 久「…………ふふっ」 ―――翌日 AM10 00 広間 咲「京ちゃん! 早く早く!」 京太郎「わかったから急ぐなって。 また迷うぞ」 咲「さ、流石に合宿所じゃ迷わないよっ! ほら! ここっ!」 ガチャッ 「おっとそれロンですッ!」 「ツモッ! 裏入れて4000,2000です!」 「うっしゃー! リーチだしっ!」 「あ、ロン」 「ニャー!!?」 ガヤガヤ 京太郎「おーやってるやってる」 咲「うわぁ……! うわわぁ……! 早く打ちたいなぁ……!」 京太郎「……楽しそうだな、お前」 咲「えへへっ。 今日は夢見が良かったからねっ!」 京太郎「ふーん……?」 咲(京ちゃんと混浴なんて最高の夢……!) 咲「ツモッ! 嶺上開花タンヤオ三色同順……満貫です!」 モブ子「うええぇ……そんな手ありー……?」 咲「さぁ! 次行きますよぉお……!」 優希「咲ちゃん、調子良さそうだじぇ」 京太郎「ああ。 なんでも、夢見が良かったんだとかなんとか」 優希「ほーう? それならアタシも負けてられんじぇ!」 京太郎「というと? お前の夢は?」 優希「聞いて驚け……! タコスに食われる夢だ!!」 京太郎「……。 食うんじゃなくて?」 優希「食われた!! こりゃいいこと有ること間違いなし!」 京太郎「……お前がいいならそれでいいんだろうよ……」 優希「んじゃ、行ってくるじぇー!」タタタッ 京太郎「俺はどうすっかなぁ……っと」 「あっ……! きょーたろー!」 衣「きょーたろー! 久しいな!」トテテ 京太郎「天江さん。 そうですね、昨日ぶりですね」 京太郎「憧れのコンポタの味はどうでしたか?」 衣「ああ、とても甘露で美味であった!! つぶつぶが最後まで食べれなかったが……」 京太郎「そういうときはクルクル回しながら飲むといいらしいですよ」 衣「? そんなことしたら目が回らないか?」 京太郎「ん?」 衣「?」 京太郎「??」 衣「??」 「『缶を』でしょ。 そこは言わなきゃ」 京太郎「あっ」 衣「ハジメー!」 一「おはよう、衣。 京太郎くん」 京太郎「お、おはようございます!」 一「ハハッ。 よしてよ敬語なんて。 同年代なんだからさっ」 京太郎「……そうだな。 おはよう」 一「おはよう。 ボクのことは『はじめ』でいいよ」 京太郎「了解。 よろしく、一」スッ 一「うんっ。 よろしくっ」ギュッ 衣「なーハジメー。 トーカはどうしたんだー?」 一「透華はお休み中。 昨日はしゃぎ過ぎちゃったからね」 京太郎「……昨日なにかやったのか?」 一「枕投げ」 京太郎「………」 京太郎(子供か……っ!) 衣「アレはとても愉快だったな!」 一「またやろうねー」 京太郎(……子供だった……) 一「さて。 僕らもそろそろ打ちに行こうか、衣」 衣「うんっ!」 京太郎「ああ。 あっちで咲が打ってますよ」 一「ありがとっ。 んじゃ、そっち行こうか衣」 ギュッ 衣「……」 京太郎「……? な、なんスか?」 一「……衣?」 衣「……衣は……」 衣「きょーたろーと打つ!!」 京太郎「えっ」 一「おおっ?」 京太郎「ちょ、何いってんですか!」 衣「何だ? きょーたろーが打つのが法度なわけでもあるまい?」 京太郎「いやでもほら! 最初に言ったじゃないですか! 『皆さんの邪魔はしない』って」 衣「京太郎自らが乱入するならまだし、衣から誘ってるんだ。 邪魔な訳がない」 京太郎「そりゃ……そうかもしれないけど……」 一「別にいいんじゃないかな?」 京太郎「は、一まで……」 一「いいじゃないかっ。 衣と打てる機械なんて滅多にないもんだよ?」 衣「うんうんっ!」 京太郎「う、うーん……」 衣「……きょーたろーは……」 衣「衣と……打ちたくないか……?」ウルウル 京太郎「うっ……」 京太郎「……そりゃ殺し文句だ……」 ―――というわけで 咲「よろしくお願いしまーすっ」 優希「よろしゅうっ!」 京太郎「よろしく」 京太郎「……って、なんでお前らが……」 優希「ふふーんっ。 犬にはリードを持つのはアタシだからなっ!」 京太郎「いみわからん」 咲「もう……衣ちゃんったら水くさいんだから……」 衣「ん?」 咲「私と打ちたいなら打ちたいって言ってくれればいつでも行ったのに」 衣「なにが?」 咲「ふふっ。 京ちゃんと打つ建前で私と打ちたかったんでしょ? 解ってるって~」 咲(衣ちゃんは子供っぽいからねっ) 衣「そんなこと毛頭無かったけど……」 咲「えっ」 衣「衣は純粋にきょーたろーと手合わせしたかっただけだ」 衣「ひょっこり二人が参画してくれたのはありがたいが……それだけだぞ?」 咲「………」 咲(どどどどどどどどういうこと!? 京ちゃんと衣ちゃんって面識あったっけ!?) 京太郎「お手柔らかにおねがいしますよ?」 衣「ふふーん。 それは高望みが過ぎるんじゃないか?」 京太郎「うへぇ……」 衣「えへへっ」 咲(す、すっごく仲良さそう……!) 優希「こ、こらそこぉ! イチャイチャするのもいい加減にするじぇ!!」 咲「……!」ウンウン 京太郎「あ、ああ、悪い。 準備はいいぜ」 衣「ふふっ……では始めようっ!!」 優希「ロンッ! 開始早々親ッパネだじぇ!」 京太郎「やっちまった……。 昨日アレだけ打ったのに……」 優希「お前程度に見破られるほどヤワな麻雀打ってないじぇ~」 京太郎「こんにゃろ……タコス作るの止めんぞ……」 優希「ギャー! それは止めてくれー!!」 衣「……むっ」チクリ 咲「優希ちゃんばっかにいい顔させないよっ。 その9pカンッ!」 京太郎「げっ!」 咲「ツモッ! 6400の一本場で6700! 責任払いだよ、京ちゃんっ」 京太郎「残り持ち点300点……殺生な……」 咲「えへへっ。 油断大敵、だよっ!」 京太郎「いつもよりやる気だなぁ……」 衣「……むむむっ……!」チクチク 衣(なんだ……この気持……) 衣(きょーたろーと周りの者が触れ合う度……) 衣(胸が揺らぐ……苛立つ……) 衣 「 不愉快だ 」 ゴッ ! ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 咲「ヒッ!?」ビクッ 優希「な、なんだじぇこの雰囲気!!」 京太郎「……あ、天江さん?」 衣「不愉快なんだ…………とても……」 咲「えっ?」 衣「そこはかとなく……胸が騒ぐ……」 優希「ふ……雰囲気が……」 衣「……まずはお前から……」 衣「行くぞ小娘」 衣「 御戸開きだ 」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 優希「うげぇ……」 優希(東2局だってのに……配牌が悪い……!) 京太郎(いや……配牌どころかツモも悪い……) 京太郎(全くシャンテン数が進まない……!) 咲(これは……衣ちゃんが本気の時の……) 優希「うぐ……! 次でラスヅモなのにぃ……!」 衣「……どうした小娘。 それで最後のツモだぞ……?」 優希「う、うっさいじぇ! 来いっ!」 優希「……ぐぬぅ……! テンパイ出来ず……かっ!」 タンッ 「ロン」 優希「うぇっ!?」 衣「……河底撈魚だ」パタッ 優希「あああっ! アタシの必要牌が全部……!」 衣「子の倍満で16000。疾く寄越せ。 次は衣が親だ」 優希「うぎぎ……」 京太郎(す、すげぇ! ホウテイ無しじゃ和了れない手なのに……) 衣「フハハ! ロン! 河底撈魚!」 優希「うきゃぁっ!」 衣「どうした小娘! 速攻が得意なのだろう!?」 優希「うぅ……うううぅ……」 衣「これで2本場……」 衣「さぁ……」ゴッ! 優希「ひぃっ!」 衣「足掻けよ小童!!」 優希「…………」タンッ 衣「……はぁ……」 衣「ロン……河底撈魚」 優希「うあ……あああぁ……」 京太郎(さ、さっきから優希ばかり……!) 咲(鳴いてズラしても修正される……必ず優希が振り込む形に……!) 衣「鯔背な小娘よ。 煢然たる活きの良さは何処へ行った?」 優希「うあ……ああ……」 衣「これで貴様の持ち点は100。 十八番のリーチも出来ん」 優希「ああああ………ああああああ」 衣「今、どんな心地だ?」 優希「 」 京太郎「…………」 一「ま、マズイッ」 一(これじゃぁこの子も……壊れてしまう……!) 一「ころ……」 ガシャンッ! 衣「!」 咲「!」 優希「!」 一「!」 京太郎「いい加減にしてくださいよ。 天江さん」 衣「きょ……京太郎?」 京太郎「さっきから見てれば優希ばかりを狙った打ち方……」 京太郎「一見すりゃ立派な戦法なのかもしれないけど……」 京太郎「もう我慢ならねぇ……」 咲「きょ、京ちゃん……?」 京太郎「天江衣ォ!」 衣「、っ!」 京太郎「お前は……俺だけを狙え……」ゴッ! 京太郎「俺も……お前だけを狙う……!」ゴッ! 衣「なっ!?」 衣(京太郎から……これまでにない闘志を感じる……) 衣(今は東3局5本場。 京太郎と衣の点差は7万以上……) 衣(この試合は半荘戦の取り決めだが……この点差は容易には覆らない!) 衣(衣だけを狙い続けるだと……? 烏滸言を!!) 衣(できるものなら……!) 衣「やってみせよ! 須賀京太郎!!」 ダンッ! 「ロンッ」 衣「は?」 京太郎「……聞こえなかったか……?」 京太郎「なら、もう一度言おう」 京太郎「ロン、だ」 パタ..... 衣「!?」 咲「れ、人和!!?」 一「そ、そんな馬鹿な!」 優希「きょ、京太郎……」 京太郎「……32000だよ。 天江衣」 衣「ば……馬鹿な! 人和だと!?」 衣(可能性が0.038%の紙一枚にも見たぬ薄い役満……! それをコイツ…!) 京太郎「天江衣……そういえばお前の得意技は海底摸月だったな」 衣「……?」 京太郎「即ち、最後の一牌で和了ることが得意……」 衣「……! ま、まさか……!」 京太郎「学ばせてもらったよ」 京太郎「そうだよ。 ツモが悪いならツモらなきゃ良い」 京太郎「最初の一牌で和了りゃいいんだ」 衣「な、なんだと…………」 京太郎「さぁ、親だ」 京太郎「……これで持ち点は五分五分」 衣「……!」 衣(次もしもまた人和を和了られたら……衣はトバされる……) 衣(だが、衣の前には13+1牌! この中から自由に選べるんだ……!) 衣(振り込むわけがない……!) 京太郎「……」タンッ 優希「え、えと……これっ」タンッ 咲「……」タンッ 衣「ば、馬鹿な……!」 衣(河の牌と手牌……。どれも被りがない……!) 衣(安牌が……無い……) 衣(……どれを……切れば…) 京太郎「早くしろよ」 衣「ぐっ……! 急かすな!」 京太郎「……急かすさ」 京太郎「お前が優希にやったことなんだから」 衣「っ、!」 衣(どれだ……! どれが安牌……!) 衣(さっきは字牌であたった……だが、次は安全という確証もない!) 衣(どれが……どれが……) 咲「まだ? 衣ちゃん」 衣「!!」 咲「……京ちゃんが待ってるよ」 衣「くっ……クソぉ!!」 ダンッ ――――同日 PM5 00 清澄の合宿部屋 京太郎「……んっ……」 京太郎「……部屋? なんでここに……」 京太郎「まさか……夢ぇ?」 「夢じゃないじぇ」 京太郎「あ…………」 京太郎「優希」 優希「へへっ。 随分とグッスリ寝てたなっ」 京太郎「まじかよ……麻雀打って倒れるなんて初めてだ……」 優希「こっちもビックリしたじぇ。 衣ちゃんが打ったと同時に卓に突っ伏すんだもん」 京太郎「あー……悪い」 優希「卓にちょっと唾ついてたじぇ」 京太郎「……ホント悪い……」 優希「しっかし恐ろしいことしたなぁお前は……」 京太郎「……ああ……俺も驚いてる」 優希「バラバラの手牌で和了る気満々に振舞ってたから」 京太郎「……えっ?」 優希「『えっ』て……気付いてなかったのか? 役どころかメンツ1つもできてなかったじぇ?」 京太郎「ま、マジ?」 優希「いやー皆騙されてたじぇ。 どんな手牌だったのか気になって開いてみたらさぁ大変」 優希「京太郎はホラ吹きの達人だじぇ!」 京太郎「………」 京太郎「……結局最初のあの人和は偶然だった……てことか」 優希「当たり前だじょっ。 そうポンポン和了られちゃ商売上がったりだじぇ」 京太郎「……そりゃそうか……」 優希「……ま、まあ。 アタシとしちゃ、借りを返してくれた京太郎に感謝してなくもないけどなっ!」 京太郎「………」 優希「……な、なんか言えよぉ!」 京太郎「そんな顔真っ赤で言われても……」 京太郎「……そういえば……天江さんはどうなったんだ?」 優希「衣ちゃん? 衣ちゃんなら……」 優希「お前の隣にいるじぇ」 京太郎「えっ」 衣「すぅ……すぅ……」 京太郎「な、なんで!?」 優希「お前が起きるまで看病するって聞かなかったんだじぇ」 優希「アタシは和ちゃんや咲ちゃんと交代交代で一緒に看病してた」 優希「衣ちゃんだけは、ずっとお前の側にいたじぇ」 京太郎「そんな……どうして……」 優希「……さぁね~?」 優希「そいじゃ、そろそろ時間だからアタシは行くじぇ」 京太郎「ああ。 ありがとう」 優希「……むふふっ」 京太郎「?」 優希「ごゆっくり~♪」 京太郎「……」 京太郎「何言ってんだアイツ……」 京太郎「…………」 衣「すぅ……すぅ……」 京太郎「……天江さん……」 ナデナデ 衣「んぅ……。 きょーたろー……?」 衣「……きょうたろー!?」 京太郎「はい」 衣「ぐ、具合はもう良いのかっ? 吐き気はあるか? 痛い所とか無いかっ!?」 京太郎「だ、大丈夫ですよ。 おかげ様で元気です」 衣「よ……良かったぁ……」 京太郎「どうして看病を?」 衣「うっ……それはその……」 衣「つ、罪滅ぼしとして……」 京太郎「罪滅ぼし?」 衣「……衣は……お前の大切な友人を……幾度と無く攻撃してしまった……」 衣「アイツは私を許してくれたが……お前があの時衣に見せた敵意に満ちた目……」 衣「あれが……ずっと胸の中で衣を責め立てるんだ……」 京太郎「………」 衣「……すまなかった……きょーたろー……」 京太郎「……気にしないでくださいよ。 喧嘩なんてよくあることでしょう?」 京太郎「友達なんだから」 衣「えっ……」 衣「とも……だち……?」 京太郎「あれ……もしかして、俺の勘違いでしたか?」 衣「い、いや! そんなことない!」 衣「……とも……だち……!」 衣「きょーたろーと……ともだち……!」 京太郎「……そんなわけで、俺はもう気にしてませんよ」 京太郎「そもそも俺が大口張ったのも悪かったし……」 京太郎「おあいこ、ってことで」 衣「………」 京太郎「……天江さん?」 衣「『ころも』」 京太郎「えっ?」 衣「『ころも』だ。 と、友達なのに苗字呼びは違和感があるっ」 京太郎「あ、ああ。 そうですね」 衣「敬語も要らない! 『さん』もつけるな!」 京太郎「そ、それは……」 衣「……ともだち、だろぅ?」ウルウル 京太郎「うっ………」 ―――同日 同刻 通路 咲「京ちゃんが目を覚ましたのに迷うなんて私の馬鹿馬鹿!」タッタッ 咲「今度こそ迷わない! こっちで合ってる!」タッタッ 咲「……見えた! 『清澄』の文字! 間違いない!」タッタッ ガチャッ 咲「京ちゃん!!!」 京太郎「こ、衣! 口移しは友達の間ですることじゃない!!」 衣「? しかし、鶴賀の大将は後輩に口移しを迫られてたぞ?」 京太郎「それはもう友達を超えた『何か』なんだよ! だからそのコーヒー牛乳を置いて……」 衣「ならば単純だ! 衣達もその『何か』になればいいんだ!」 京太郎「そんなわけないだろ!? ちょ、どこにこんな力が……」 咲「…………」 咲「…………ああ」 咲(そうだ、これは夢なんだ。私は夢を見ているんだ) 咲(目が覚めた時私はまだ高校1年生) 咲(起きたら京ちゃんの家に行って枕元で京ちゃんにこっそり『好き』って言って) 咲(ドキドキしながら京ちゃんの香りを堪能した後京ちゃんを起こして) 咲(京ちゃん一緒に手を繋ぎながら登校して) 咲(それを偶然クラスメイトに見られてしまって) 咲(教室に入った途端京ちゃんと私の相合い傘の書かれた黒板を見て) 咲(京ちゃんと一緒に赤面しながらも笑いあうんだ……) 咲「は、ははは……はははははは…………」 咲「………あふぅ……」 バタンッ この後、2日連続で気絶した咲は、 ここ数日間他校の生徒に病弱キャラとして見られる日が続いたんだとか。 京太郎「咲? 咲~?」 咲「アハハハ……京ちゃん…駄目だよそんなことぉ……」 京太郎「………咲……」 まこ「こりゃぁ……重症や……」 和「ま、前より酷い………」 久「叩けば直るんじゃない?」 優希「よっしゃ! 任せるじぇ!」 京太郎「止めて!」 ――――――続く。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6062.html
《運命に依って心が通じる》 そう、それは本来繋がってなかった道かもしれない たまたま親戚が東京にいて、 たまたま東京の高校に進学することを許され、 たまたま親戚を通して知り合い、 たまたま気が合って、 たまたまお互い好きになった、 全部偶然かもしれない。 でも、その偶然が重なったから今、一緒にいる。 もしかしたら今頃長野でそのまま進学し、ハンドボールを続けていたか、あるいは何か別のことがあって麻雀をしていたかもしれない。 全く別のことをしている可能性もある。 そんなことを言い出したらきりがないだろう。 だから、ここにいるのは必然であり、奇跡だ。 京太郎「ただいまー」 理沙「ただいま」 京太郎「よいしょっと……それじゃ残りの荷物降ろしてくるわ」 理沙「手伝う!」 京太郎「ダメダメ、理沙はゆっくりしてて」 理沙「」ムー 京太郎「そんな顔しても許しません!」 理沙「」ショボーン 京太郎「そ、そんな顔しても……くっ」 理沙「もう一押し」 京太郎「はっ、駄目ったら駄目だ!理沙の仕事はゆっくりすること!」 理沙「わかった」 京太郎「まったく……うちの両親に感化され始めてから押しがつえーんだから……」 理沙「いい両親」 京太郎「俺は振り回されっぱなしだよ!」 京太郎「ふぅ……うん、こんなもんか」 理沙「ありがと」 京太郎「なんのなんの」 京太郎「さて、これどう配置する? 赤ちゃんグッズ」 理沙「見えるとこ!」 京太郎「そりゃそうだけど、うーん……ほらこことか良いスペースだけどキッチンからだと隠れるじゃん。キッチンからでも見える位置にしたいよな」 理沙「……!テレビの位置!」 京太郎「あー、それがいいかも。変えるしかないな」 京太郎「でもテレビ台重いしなぁ……前は父さんに手伝ってもらったけど、最近腰やっちゃったって言ってたしな……」 理沙「みさき!」 京太郎「みさきさんの彼氏手伝ってくれっかな?忙しそうだし予定合うかどうか」 理沙「来る」 京太郎「あ、そうなんだ。そん時に頼んでみようか」 理沙「」クイクイ 京太郎「ん、おいで」 理沙「」ギュー 京太郎「やっぱりちょっと不安になる感じか?」 理沙「……」コクリ 京太郎「とりあえず座ろっか」 理沙「」コクリ 京太郎(一緒に買い物行ったからかな?) 京太郎(いやいや、やっぱこういうのは一緒に選ぶもんだろ。間違ってない。こうなるのは仕方無いことなんだ) 京太郎(何か話題……) 京太郎「あ、そういや見てもらいたいもんがあるんだ」 理沙「?」 京太郎「子供の名前さ、理沙がこんな名前が良いっていくつか挙げてただろ?」 理沙「」コクリ 京太郎「そんなかの一つに俺が漢字当てはめて占いしてもらってきたんだよ。それがこれ」 『沙耶果』 京太郎「『耶』は他の人の声を聞くことに長けていて、人が集まってくるって意味があって『果』はそのまま果たす、果実に使われてる通り実らせるって意味がある」 京太郎「そこから人を尊重しつつ自分の夢も果たし、他の人が集まってくるような、しっかりした明るい子に育って欲しいって意味を込めたんだけど……どうだ?」 理沙「良い名前!」プンスコ 京太郎「……ほんとはな、『沙』を『早』に変えたほうがいいって言われたんだ。そっちのが運勢的にいいらしい」 理沙「……」 京太郎「でもさ、やっぱ『沙』の字を使いたかったんだよ」 京太郎「俺が一番好きな人の名前からあやかりたかったからさ」ポリポリ 京太郎「あ、でも、あれなんですよ。『沙』には悪いものを捨てるって意味あるから、やっぱ良い子に育ってほしいしな」 京太郎「名前の意味欲張りすぎたかな?」アハハ 京太郎「名前占いも秘められた内面?の占い結果が悪かっただけで他の結果はいいんだって」 京太郎「ほら、性格なんて最大吉でさ、話上手とか人に喜びを与えるとかべた褒めで ギューー 京太郎「り、理沙?」 理沙「…………」ヒック 京太郎「」ナデナデ 理沙「あ、ありがと」ポロポロ 京太郎「……こちらこそ。いつもお世話になってるしな」 理沙「ほんと?」 京太郎「ほんと」 京太郎「だからこうやって甘えてくれると嬉しい」ニコ 理沙「……子供」 理沙「もう一人」 京太郎「え?気早くない?まだ一人目産まれてないぞ」 理沙「京太郎から名前もらう」 京太郎「……あはは、なんかそう堂々と言われると恥ずかしいな」 京太郎「ん?てことは俺が考えた漢字は……」 理沙「採用!」 京太郎「よっしゃ!頑張って考えた甲斐があったぜ!」 理沙「」クス 理沙「……」 京太郎「……」 雰囲気に誘われてか、どちらからともなくキスをする。 自分達の空間を甘美な空気で満たしていく。 そう、ここは二人で作りあげた部屋 ―せかい―。 他の人に後押しされ 笑い合って 冗談を言い合って 恋人がするようなことをし 時には喧嘩をしたこともあった。 そうして繋がっている。 まるで最初の頃が嘘のよう。 最初は全く考えてることがわからなくてどうしようかと悩んだものだ。 それが今では言葉にしなくても理解できる。 必然であり、奇跡。 こういうのを『運命』って呼ぶのだろう――― カン!
https://w.atwiki.jp/jinkaku/pages/24.html
太郎 人格ラヂオのマネージャー大谷太郎
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/7391.html
OP&第1話 最新話 実は・・・まだ・・・ヤってないんです な…なんだってー!? あらすじ ブロリーとパルスィが付き合うようになってから一年。しかし未だにヤれてなかった。 ブロリーは自分の通っている無限大学のサークル「秘封倶楽部」に入部する。 秘封倶楽部に入部したブロリーは怪奇な事件やオカルトの真相を暴く事になる…。 解説 ブロリーとMUGEN町の人々の続編。前作とは違いシリアス要素が含まれるようになった。 OP・EDも追加されたが、キャラ崩壊率とリア充率の高さは相変わらず。 登場人物 + 主役と家族と関係者 神奈備ブロリー 主人公。未だに童貞。 水橋パルスィ ブロリーの彼女。ブロリーと早く結婚したいと思っている。 パラガス ブロリーの親父ぃ…。現在OPのみの出番。 スレイヤー ブロリーの叔父さん。バー【HAIKU】を経営している。 ヒュドラの市 スレイヤーの息子。ブロリーの従兄。オカマ。 アクマイザ―3 HAIKUの従業員。 愚地独歩 スレイヤーの兄。星矢達の父。 + 秘封倶楽部 宇佐見蓮子 秘封倶楽部部長。ケビンの事が好き。 マエリベリー・ハーン 蓮子の大親友。皆からは「メリー」と呼ばれている。ケビンに恋心を抱いている。 ケビンマスク 秘封倶楽部のメンバーの一人。蓮子とメリーの思いに気付いてない。 水舟ノブオ パルスィの従兄。パルスィ曰く親戚の中で一番影が薄い。 内藤 常にヘラヘラしている。やる時はやる男らしい。 入速出やる夫 主にネットによる情報収集担当。彼女持ち。 備府出やらない夫 やる夫の親友。筋肉バカ。 如月弦太朗/仮面ライダーフォーゼ ブロリーの親友。 巴マミ 弦太朗の彼女。 ウイングガンダムゼロカスタム ブロリーの親友。ロリコン。 ゼットン ブロリーの親友。相変わらず「ゼットン」としか言えないがブロリー達には伝わっている模様。 ガンダムエクシア ガンプラ集めが趣味。 遠野志貴 七夜のいとこ。 + 仮面ライダーとその家族 城茂/仮面ライダーストロンガー 栄光の七人ライダーの一人。やよいの思いに気付いていない。 南光太郎/仮面ライダーBLACK RX 役場勤務のチートライダー。 五代雄介/仮面ライダークウガ 学校の先生。 津上翔一/仮面ライダーアギト 喫茶店アギトの店長。 城戸真司/仮面ライダー龍騎 一児のパパ。親バカライダー其の一。 乾巧/仮面ライダーファイズ 実家の旅館を継ぐ為に猛勉強中。椛と結婚したばかり。 乾椛 巧の妻。 西行寺一真/仮面ライダーブレイド 人気絵本『オンドゥル星人』の作者。士とは同じ孤児園で育った。 西行寺幽々子 一真の妻。一日に一億のクッキーを食う。 星熊響鬼/仮面ライダー響鬼 居酒屋響鬼屋の店長。 天道総司/仮面ライダーカブト 守矢神社の神主。親バカライダー其のニ。 矢車想/仮面ライダーキックホッパー 中華料理店やさぐれの店長。暗い。 影山瞬/仮面ライダーパンチホッパー 中華料理店やさぐれの店員。暗い。 野上良太郎/仮面ライダー電王 巧の親友。輝夜との間に5人も子供を儲けた。 モモタロス 良太郎に頭を抱えている。最近EDになった。 野上輝夜 良太郎の嫁。妊娠した結果まともになった。 紅渡/仮面ライダーキバ ファンガイアキング。良太郎の親友。 キバットバットⅢ世&魔皇竜タツロット 渡の友。 プリズムリバー三姉妹 渡の妻。ファンガイアクイーン。 門矢士/仮面ライダーディケイド 一真達の大親友。自分の親の顔を知らずに生きてきた。 門矢パチュリー 士の妻。 小悪魔 パチュリーの使い魔。召喚前はとてもすごかったらしい。 左翔太郎&フィリップ/仮面ライダーW 風都を守る仮面ライダー。 火野映司/仮面ライダーオーズ 響鬼屋にてバイト中。 + 他のヒーロー ウルトラマンタロウ 光太郎の同僚。あずにゃん大好き過ぎて都市伝説になる。 ウルトラマングレート 警察官。ホモ。 ウルトラマンゼロ MUGEN学園三年。 黄瀬やよい/キュアピース スマイルプリキュアの一人。茂に恋している。 + 町の人々 サブ・ゼロ ブロリーの親友。普通に喋るようになった。 獅子座のアイオリア 獅子座の黄金聖闘士。妻がいるが掟によりまだヤれてない。 空条承太郎 ブロリーの親友。海洋学を学び中。 サウザー ブロリーの親友。 カンフーガール サウザーの嫁。 ジョルノ・ブランドー 一児の父。 羽入・ブランドー ジョルノの妻。 梨花・ブランドー ジョルノと羽入の娘。 咲夜・ブランドー ジョルノの姉。三話にて飛影の血を吸った事でスタンドを使えるようになった。 フランドール・ブランドー ジョルノの妹。 ディオ・ブランドー ジョルノの父。親馬鹿。 レミリア・ブランドー ディオの妻。ロリ巨乳。 飛影 あからさまにニンジャなのだ!彼は経験値を盗まない。いいね?三話にて咲夜と付き合うようになった。 星熊元親 響鬼の息子。 阿部刑事 MUGEN警察の刑事。男色家。 真・ゲッター 守矢神社 神主(二代目予定)現在早苗と共に地縛霊などを成仏して回っている 東風谷早苗 真の彼女。 孫悟空 スーパーベジータの店員。 博麗霊夢 博麗神社の巫女守銭奴。 + ブラックショッカー ミストさん ブラックショッカーバカ三人組の一人。 ザラブ星人 ブラックショッカーバカ三人組の一人。腰痛持ち。 シエスタ410 ブラックショッカーバカ三人組の一人。ミストの彼女。 ジュラル星人 戦闘員。 + メフィラス十二使徒 ブラックショッカーとは別に地球を狙う組織。 仮面ライダーリュウガ ブラックショッカー幹部でありメフィラス十二使徒の一人。メフィラスに忠誠を誓う前の記憶を失っている。士とはなにか関わりがあるらしい。 テッカマンランス ブラックショッカー幹部でありメフィラス十二使徒の一人。メフィラスに絶対的な忠誠を誓っている。 カーネイジ メフィラス十二使徒の一人。人肉を好む殺人鬼。 ミランダ・謝華 メフィラス十二使徒の一人。人体改造が趣味。 ゴールデンアックス メフィラス十二使徒の一人。 ツヴァイザーゲイン メフィラス十二使徒の一人。 絶対神王牙 メフィラス十二使徒の一人。他人を常に見下している。 + ??? イシュタル 士とリュウガと関わりがあるらしい謎の女性。 神龍 願いを叶えてくれる龍。 ウルトラマンノア 多元世界を渡る力を持つウルトラマン。ブロリー達を見守っている。 ツクヨミ ノアの友。 スペリオルドラゴン ノアの友。黄金の竜。 円環の理 別の世界のまどか本人。 + その他 髑髏男 第一話に登場。夜な夜な現れ人を襲っていた。ブロリー達に負けた後警察に連行され、カーネイジに攫われ食われた。 メガネ 髑髏男の被害者の一人。 ジョセフ・ジョースター 承太郎の祖父。 チップ 第三話に登場。咲夜をナンパするも失敗。その後ツヴァイザーゲインと王牙に殺されかけ逃げるも失敗、ミランダのペットの餌になる。 クローンヤクザ ニンジャに挑み爆発四散した。 コメント 記事がない?逆に考えるんだ自分で作っちゃえばいいさと -- 星君05 (2013-09-28 01 35 16) おー出来たのか -- ただの案山子 (2013-09-29 01 16 21) 名前 コメント マイリスト
https://w.atwiki.jp/kikaikitan/pages/43.html
物語内における都市伝説 現象型と発現型 発現型の都市伝説の暴走 都市伝説の強さ 対抗神話 最強都市伝説議論 都市伝説と神様の関係 魔物 都市伝説としてのクトゥルー神話 物語内における都市伝説 この物語において都市伝説とは『どこかの誰かが信じた噂』のことを指す。 書物や記録やに残されたものではなく、口伝やネットで広まる新しい神話の形。デマや噂、創作や勘違いであっても不特定多数の人間が信じればそれは『都市伝説』となる。 そのためスレ内の都市伝説はかなり広義のものとなっており、『電化製品は叩けば治る』『警察の取り調べでカツ丼が出される』『物欲センサーが存在する』などといった迷信も都市伝説の一種として扱われる。 この都市伝説が突如として現実化し始めたのが、物語開始の約30年前。 超能力、あるいは自然現象として現実となった都市伝説が世界各地で頻発し始め、原因不明のこの事態に対し各国政府は対処に取り掛かった。対策機関の設立、法整備、この事態に対処できる人材の確保等が行われ、その時期を境にして世界はその様相を変え始めた。 現在は都市伝説への対抗マニュアルの確立、都市伝説能力者の治安維持への参加のおかげでだいぶ安定し始めた時代である。 現実化した都市伝説はあくまで個人の能力として、または時々自然現象として発現するだけにとどまっており、全ての都市伝説が現実化するなどという事態は起きていない。その発生頻度はそれほど高くなく、おおよそ月に一、二回ほど。台風のようなものだと捉えればいいだろう。しかしそれは人為的な操作が加えられていない前提であり、わざと噂を広め都市伝説を創り上げるような真似をした場合はその限りでない。 現象型と発現型 現実化した都市伝説は大きく分けて『発現型』と『現象型』の二つに分類される。 現象型は自然現象として発生するものを指す。おそらく種類や数はこちらの方が多く、『樹海では方位磁石が効かない』『ハンバーガーの肉はカピバラの肉』『人が消えるブティック』などが存在する。都市伝説によっては発生したこと自体に気付きにくいものも多く、猿夢などはその最たる例だろう。 発現型は人に特殊能力や超能力として現れるものを指す。例を挙げるなら『夜中に髪や爪を切ると寿命が縮む能力』『叩いたものを元の状態に戻す能力』『命を代償に未来を予知する能力』などがあり、能力の内容は必ず発現した都市伝説のエピソードに由来する。 大抵は自然発生だが、都市伝説に関わり過ぎたことで能力に目覚めるものもまれに存在する。その原因は都市伝説に触れたことで人としての極性がそちらに引っ張られてしまうからとされている。 また、非常に珍しいが複数の都市伝説の能力に目覚めるものも存在する。その場合発現する都市伝説は似たようなものになることが多い。 発現型の都市伝説の暴走 個人の能力として現れる発現型の都市伝説だが、実際は全ての人間がその能力を自覚しているわけではなく、中には能力を制御できず暴走させてしまうものもいる。 暴走の多くは感情の昂ぶりが原因であり、本人の意志と関係なく他者に害を及ぼす場合が多い。暴走状態は一定量の物理的ダメージや本人への呼びかけなどで解くことができ、また暴走中のダメージが本人に残ることはない。記憶が残るかどうかは暴走の際、人と都市伝説のどちらが主導権を握っているかによる。 発現型の都市伝説の傾向具合は暴走状態を含めて三つの段階に分けることができ、これらはコップに入ったコーヒーとミルクで例えるとわかりやすい。 一段階目は発言したことに気付いていない、もしくは都市伝説を完全に制御できている状況。例えるとコーヒーに一滴だけミルクを垂らした状態であり、コーヒーが人、ミルクが都市伝説である。この段階では都市伝説の能力はその人を構成する要素の一つでしかなく、暴走の危険はない。 二段階目は正気を保てなくなったり深層心理の欲求に従うようになる、いわゆる暴走。コーヒーにミルクを垂らし過ぎたせいでコーヒーが自分の黒さを思い出せなくなり、自分がなにをしているのかわからなくなってしまう状態である。 三段階目は都市伝説に引っ張られ過ぎたことでそのまま都市伝説化するか、それとも人のままでいるかという境目。コーヒーにミルクを入れ過ぎ、分量が1 1になったことでそれがミルクの入ったコーヒーなのか、コーヒーの入ったミルクなのか定義が必要になった状態である。この段階で一度都市伝説になってしまったものは、もう人に戻ることはできない。 都市伝説の強さ 作中における都市伝説には、元ネタとなった都市伝説によって強さの違いが存在する。都市伝説は基本的に『有名であるほど強い』『単純であるほど強い』『無敗であるほど強い』『多能であるほど強い』と分かれている。 『有名であるほど強い』については、聖杯戦争の英霊を想像してみればわかりやすいかもしれない。都市伝説の強さは知名度の高さに比例し、より多くの人に信じられ、恐れられる都市伝説はそれだけで高いスペックを誇る。 『単純であるほど強い』については、くねくねの『見れば発狂する』、コトリバコの『女性と子供を必ず殺す』などといった例が挙げられる。シンプルかつ凶悪な特性はそれだけで脅威ということである。 『無敗であるほど強い』とは、言い換えれば弱点が有るか無いかである。例えば口裂け女は知名度・単純さ・派生の多さにおいて全国屈指の都市伝説であるが、その分弱点も多い。逆に赤マントなどは弱点や退治される逸話がないため非常に強力な都市伝説になっている。 『多能であるほど強い』とは、つまり都市伝説の派生の多さを表す。派生が多ければ多いほど応用が利き、逆に派生が少ない場合対処もしやすいということになる。 対抗神話 『口裂け女に遭った時はべっこう飴を渡すことで逃げられる』『ムラサキカガミと一緒に水色の鏡という言葉も覚えておくと死なない』など、いくつかの都市伝説にはそれに対する対処法のようなものが存在する。 それらは都市伝説を殺す都市伝説として、物語内で『対抗神話』と呼ばれている。 都市伝説は元々『噂』であり、ゆえに非常に曖昧で移ろいやすいものである。その脆弱性を突いて生まれたのが対抗神話であり、つまるところ後付の弱点のようなものである。対抗神話が存在する都市伝説には歴史の古いものが多く、知名度がある分人々が恐怖心を和らげるため弱点を付与されたケースが多い。 しかしこの対抗神話を創り出すのは容易ではなく、元となった都市伝説に匹敵する知名度が無ければ効力を発揮しない。そのため対抗神話の中には『こうすれば倒せる』ではなく『無いよりはマシ』となっているものもいくつか存在する。 最強都市伝説議論 誰もが一度は気になること。それは『最強の都市伝説ってなに?』という疑問である。 都市伝説間には相性が存在するため一概には言えないが、『マグロ食ってないゴジラ』を『戦闘力10000』と仮定した場合のそれぞれの数値が次になる。 5:一般の成人男性 50:素の京太郎 80:武道を修めた成人男性 200:拳銃を装備した警察官 400:フル装備の単独自衛隊員 500:下位都市伝説 800:怜in京太郎 1000~2000:猿夢 2000:姉帯豊音 3000:赤マント弱体化後(松実宥) 6000:星神(大星淡) 6000~7000:赤マント(松実宥) 9000:京太郎ネクサスシフト時 18000:黒太郎 20000:青山士栗 24000:小鍛治健夜(全盛期) 【番外】 1~8000:神代小蒔 1~15000:マスカレイド 都市伝説と神様の関係 都市伝説が人々が信じた噂で現実化するのなら、世界で多くの人々に信じられている神や妖怪と言った存在は同じ原理で現実化しないのか。この話を分かりやすくしてくれるのは、ニーチェが残した『神は死んだ』と言う言葉である。 実際、昔は神や妖怪などのそう言った存在は本当に実在していたらしい。神代小蒔の『神を降ろす能力』などが逆説的にその証明をしている。魔を倒すための術や神に干渉するための術の存在が、『そういうモノ』が実際に居たことを示しているのである。 しかし現代では宗教の普及とともに、真の意味での信仰が薄れてしまった。昔は心から神の存在を信じ崇拝する信徒が殆どだったのが、今では周りに合わせたり親に倣ったりなどの理由で入信する者が多くなった。つまり宗教の教えが神への信仰や感謝ではなく常識や倫理の一部へと変化し、『信じられる物』から『当たり前の物』になってしまったのである。 この現象の影響は多くの信徒を抱えるメジャーな宗教ほど大きく、ニーチェの論理で言う死の度合いが強い。純粋に神を信じている人間がいたとしても、その神は既に死んでしまっているのである。 また、宗教の分派なども神の死の理由の一つである。個人個人によって信じる神の姿や解釈が違ったことで唯一無二であったはずの神のカタチが不安定になり、都市伝説のように一定のイメージを保つことが不可能になってしまった。これもまた、ニーチェが言うところの『神の死』である。 この論理で行くとマイナーな神様はまだ死んでいないということになるが、しかしそういった神々はそもそも信徒が少ないために力がとても弱い。都市伝説として知名度が低いというのは致命的であり、顕在化すらもできないため信仰が足りないまま陳腐化するという事態が起きてしまっている。 しかし中には例外が存在し、その代表となるのが大星淡の保有する『星神』と言う都市伝説である。本来ならマイナーな神々の一つである星神信仰と言う宗教が、その教義と酷似した都市伝説の『ガイア理論』と結びつき融合したことで擬似的に『多くの人々に信じられた神』となってしまった。 魔物 原典が強力であったり発現した能力が強力であったりと、おおよそ常識の範疇には居ない存在を『魔物』や『外側に一歩踏み出した』と称すことが多い。 本来ならば極めて希少な存在なのだが、りつべ市においては既に何人もいるという奇天烈な事になっている。 本来人には限界と言うものがあり、幾ら人間が鍛えたところで自動車よりも速く走ったり、片手で1tの重りを持ち上げることは不可能だ。それと同じ理論で、都市伝説に発現した者の能力も個人個人の差には限度がある。それなのに何故魔物と言う存在が生まれるのかは、本編で京太郎が以下のような推測を立てている。 魔物は孤独や寂しさなどの心の空虚を強さで埋めている。本来なら他人が入るべき空白を強さで埋めることで二人分以上の実力を一人で発揮することを可能にし、『個のまま群に匹敵する』存在へと進化したのである。逆にその空白を別のもので埋めてしまえば魔物としての力は大きく弱まり、実際に本編で大星淡や松実宥は京太郎と一度戦いぶつかり合ったことで心の隙間が埋められ、大きく弱体化した。 都市伝説としてのクトゥルー神話 都市伝説としての神々の多くは死んでしまったが中には消滅せずに実際に現実化した神話も存在する。それが『都市伝説としてのクトゥルー神話』である。 米国の作家H.P.ラヴクラフト氏の小説群を元に多くの人の手が加えられ体系化した架空の神話であり、世界で最も新しい神話。その小説に登場する代表的な邪神の名前を借りクトゥルー神話と称され、現代でも多くの人気を集めている。 物語内では約10年前、都市伝説化したバミューダ・トライアングルから突如として古代都市ルルイエが浮上した。当時はクトゥルー神話の最盛期であったらしく、急速に知名度を上げていたという背景がある。 ルルイエ自体は小鍛治健夜により消滅させられたが、その都市伝説は当時幼児だった子供たちに何かしらの影響を与えたらしい。その詳しい内容は分かっていないが、その世代の子供たちの都市伝説発症率が爆発的に増加した。 物語の根幹に関わるであろう神話/都市伝説であり、今後の登場が期待される。 第十九話にてクトゥルー神話が都市伝説として現実化し登場した。ディープ・ワンやミ=ゴといった眷属たる神話生物を始め、クトゥルフやガトノゾーアなどの旧支配者たちも物語内に登場。 また、前述の都市伝説が当時の子供たちに何かしら与えた影響というのは、クトゥルフの精神へ影響する歌声を特殊な変換器で性質を変えたものであったらしい。以下にその計画文書を掲載する。 + 『C計画 ver.2.3.3』 『C計画 ver.2.3.3』 本計画については以上の過程を持って完遂される。 最終段階移行と共に全スタッフは撤収、以後は所定のセーフハウスにて待機。 現時点で最終段階移行と同時に作戦予定地における妨害行動は不可能と断定する。 よって機材の後始末は不要。 作戦予定地に放棄、作戦の完遂後の作戦予定地の水没と共に廃棄予定。 以下に今作戦の終了前後のプロセスを簡易に記述する。 スタッフは予定時刻までに精神防護を怠らないよう留意されたし。 作戦の最終段階移行と共に『クトゥルフの呼び声』(Call of Cthulhu)の変換機が起動。 クトゥルフ(以下Cと省略)が完全に目覚めた後の、精神テレパシーという形でのCの歌声に干渉する。 Cの歌声は子供など感受性の強いものへと強く作用し、激しい悪夢、精神異常、自殺の頻出等を引き起こす。 これに干渉することが、我々の今回の作戦の肝だと言えよう。 すなわち、この歌声を介し子供を中心とした全人類への精神干渉。 Cによる深層心理レベルの改竄、人間の『正気』へのアプローチという形での既存の問題の踏破。 「我々に逆らえない人類」を世界へと蔓延させ、それが過半数を超えればそれはイコールで我々の作戦は成功だと言える。 その時点で未来永劫、我々が世界の主導権を握る大きな流れを作り出す事が出来るだろう。 陳腐な言い回しになるが。それはつまり、我々による『世界征服』が達成されるとも言える。 人類が『正気』を保つ限り我々の手のひらの上に在るというユートピア。 実現されるかどうかは、諸君らの尽力にかかっている。 スタッフの献身に、期待する。 作戦実行班:フリーメイソン日本支部都市伝説課第28班 作戦立案・指揮・現場責任者:ナイトメア・マスカレイド
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6181.html
特別編 side永水 ※京太郎は昔から永水にいたという設定です。日記発見から中身拝見までの流れは省略します ○月×日 今日はみんなで海に行った 霞さんや小蒔さんの水着姿……すばらしすぎた 春も結構あるし、巴さんも結構水着姿が良かった 初美さんは……泳ぎ上手いね 六女仙全員でということで明星ちゃんと湧ちゃんも来ていた 色々楽しかった 初美さんと競争したり、明星ちゃん湧ちゃんと砂で黒糖食ってる春を砂で埋めたり…… アレ、俺初美さん、明星ちゃん、湧ちゃんとばっかり遊んでね?懐かれてるのは良いんだけど 俺はおもちが好きなはずなのに何故こうなった…… ま、霞さん、小蒔さん、春の水着姿見れたし、良しとしよう 霞「あらあら、またこんなこと書いて」 春「……胸ばっかり」ポリポリ 小蒔「わ、私の水着姿が良かったって……今から着替えてきます!」 巴「ひ、姫様?さすがに今からはどうかと……姫様?」 初美「むむむ……私の水着姿に対して何もないのはどういうことですかー!」 春「……差?」 初美「はーるーるー?」 霞「まぁまぁ、一番京太郎くんと遊んだのは初美ちゃんなんだから、いいじゃない」 初美「それは嬉しいんですけど、なんか納得いかないですー!!」 △月◇日 今日はえらい目にあった 小蒔さんを呼びに部屋に行ったら、いつもと雰囲気の違う小蒔さんがいた 一言で言うと、エロかった。ひとつひとつの動作、表情や目、滲み出る感じ、全てそう感じた 「なんか、暑いですね?」とか言いながらいきなり服を脱ぎだした その脱ぎ方も1枚1枚ゆっくりと脱いでいくようで、ついつい目が釘づけになった 「ふふふ、どうしたんですか?気になります?」 気になりますとも!!あの小蒔さんが!俺の目の前で自ら服を脱いでいくんだから!! 「あら、脱ぎすぎちゃった……寒いですね」ってもう下着とだけで言った 白い清楚な下着で姫様に似合っているだろうそれは、その時だけ清楚さと真逆な感じだった 「あたためて、もらえませんか?」そう言ってこちらに寄ってきた 正直、やばかった。そのまま理性とか色々なものがさよならしそうだった しかし、途中で来た霞さんが止めてくれた 霞さんと来たのか、初美さん、巴さん、春も慌てて小蒔さんを止め、俺を別室に移動させてくれた うん、頭がくらくらして1人で移動できたか怪しかったしな その後、小蒔さんはいつもの小蒔さんで、俺を誘惑してきたことは全く覚えていないようだった 後で聞いたら、いつもと違う神様を降ろしていたらしい 一体どんな神様なんだ 初美「あー、姫様がエロを司る神様をうっかり降ろした時ですねー」 春「あの時は……危なかった」 巴「あの姫様が全力で誘惑だもんねー。京太郎くんよく私達が来るまで持ったよね」 霞「そうね。京太郎くん移動させた後もなかなか手ごわかったわ」 小蒔「そ、そそそそんなことがあったんですか!?」 初美「いやー、姫様の口からあんな言葉が出てくるなんて……」 春「……すごかった」 巴「大抵の男の子は即陥落しますね」 霞「『じゃあ1日だけどうでしょう。彼を腹上死させる気はありませんよ?』なんて、小蒔ちゃんじゃ絶対言えないわよね」 小蒔「そんなはしたないことを……お嫁にいけません……」 初美「いや、京太郎はその辺り聞いてないですよー?」 小蒔「じゃ、じゃあ、お婿さんとして……」 春「それは姫様でも駄目。譲れない」 巴「でも、『じゃあみんなでどうですか?』って言われた時は少し危なかったですよね」ヒソヒソ 霞「結構いい案ではあったけどね」ヒソヒソ ☆月●日 黒糖を使ったお菓子を試作した 黒糖ケーキ、黒糖アイス、黒糖プリン、どれもいい出来だったと思う 少し目を離したら消えていた 迷わず春の部屋に行くとすごくいい笑顔で黒糖ケーキを食べようとしていた 即3つとも取り上げたらマジ泣きしそうだった 「どうして!目の前で取り上げるなんて酷いことを……!?」と春は言った あきらかにこっそり持ってったくせに何言ってるんだか。そもそも試作で作ったから小さいんだっての 「うぅぅ……京太郎の手作り黒糖お菓子……」 お前そんなに感情豊かだったかと考えるくらい泣いてた 仕方ないから半分にして2人で食べることになった 分けようと言った時、今までで一番いい笑顔で抱き着いてきたのは驚いた 春も相当おもちがあるし、いい感触だった 2人で食べた後も「すっごくおいしかった!また、絶対に作って!!」 と俺の手を握って何度も何度も言ってきた 明日のおやつにまた作ってやるかな 初美「はるるー?こういうことがあったなんて聞いてませんよー?」 春「……言ってないから」 巴「そういえば今日黒糖持ってないけど」 春「京太郎が新しいお菓子作るからって言ったから渡した。楽しみ」 小蒔「羨ましいです」 春「……お礼にほっぺにキスしてきた」 小蒔・霞・初美・巴「!?」 霞「ちょーっとやりすぎじゃないかしら?」 春「……京太郎、赤くなってて可愛かったな」 初美「むむむ~……ちょっと京太郎のところ行ってきますっ!!」 小蒔「あ、わ、私も行きます!!」 巴「はっちゃん!?姫様も!?待って下さい!!」 霞「もう、そんなに急いだら駄目よ?まずは私が先に行って……」 春「……私が先。お菓子も京太郎も譲らない」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6180.html
特別編 side阿知賀 ※京太郎は昔から阿知賀にいたという設定です。日記発見から中身拝見までの流れは省略します ○月×日 今日はみんな用事があったらしく、俺と玄さんだけだった いい機会なのでおもちについて徹底的に語り合った やはり玄さんの方が柔らかさや形など詳細まで分かっている 実際に触れることができない俺では到底届かないところまで知っているのが羨ましい 小さいおもち、穏乃や灼さんのおもちについても褒めていたのは意外だった 曰く、2人とも小さいがその分とても綺麗でささやかな自己主張がすばららしい 憧のおもちについてはバランスの取れたすばらなものだと言っていた。大きすぎず小さすぎず、そっちが好みの人にはたまらないらしい そして一番熱弁していたのは宥さんのおもちについてだ 厚着してなお、はっきりと分かる大きさ。何より形と柔らかさが一級品らしい 手を激しくワキワキさせながら語っていた とてもいい話を聞けたのだが、玄さん自身は自分のおもちについて無関心っぽいんだよな 玄さんは何も言わなかったが、充分な大きさで俺にはとても魅力的に見えていたのに やはり一回本人に言わないと駄目なんだろうか 灼「…………なにこれ」 宥「……玄ちゃん?」 玄「えっと……あ、私用事が」 憧「シズ」 穏乃「確保ー!!」ガシッ 玄「は、離してー!!あ、背中に感触が……微かにある!!」 憧「ったく、2人っきりってだけでも羨ましいのに、ずいぶん言ってくれたみたいじゃない?」 玄「褒めただけ!褒めただけだよ!!」 灼「小さい……小さいって褒め言葉?」 穏乃「うん、玄さんちょっとこれは駄目ですよ」 宥「形とか柔らかさって……京太郎くんに言っちゃったの?」 玄「ばっちりきっかり隅々までですのだ!!……あ」 憧「へぇー……こういうのって、みんな平等じゃないと不公平よねぇ?」 宥「う~ん……でも私達じゃ玄ちゃんみたいに伝えられないよ?」 穏乃「いっそ見せます?ほら、百聞は一見にしかずって言いますし」 灼「それがい……」 憧「じゃあまずは上を脱がして……あ、こら玄、暴れない!宥姉も灼も手貸して!」 玄「ご、ごめんなさい~!!」ジタバタ ※ある程度揉みくちゃにされたら許してもらいました △月◇日 久しぶりに子供麻雀クラブのみんなに会った 結構会ってなかったがみんな俺のことを覚えていたみたいで歓迎された 懐かしさからか抱き着いてきたり、俺の膝に座って打ちたがったりで結構大変だった 何人かの女の子が「私が勝ったらチューして!」とか言いだして大変だった そこから何故か女の子みんなそうしてと言い出し、結局は全員と対局することになった 流石に本当にキスするわけにもいかないから、額で誤魔化したが それが不満だったのか、帰り際、綾と凛とひなにいきなりほっぺにキスされたのは驚いた そういうのは好きな人にやってやれ、と言ってはおいたが、最近の子はませてるのかね 憧「き、きききキスって……」 穏乃「お、落ち着いて憧!ほっぺだから!」 玄「でも京太郎くんからしてくれたんだよねー」 灼「うらやまし……」 宥「私達なんて全然なのにねー」 穏乃「これ、本気かな……」 憧「本気でしょ。京太郎は気づいてないっぽいけど」 玄「こうなったら私も京太郎くんに勝ってしてもらおう!!」 灼「…………できるの?される直前に逃げたりしない?」 玄「……おねえちゃ~ん」 宥「多分私もそうだし……」 憧「悔しいけど、同じだわ」 穏乃「私も……うぅ、小学生に負けてるのか、私達」 灼「言わない方がいいとおも……」 ☆月●日 今日は松実館で話し込んでいたら遅くなってしまったので泊めてもらった しかし、大浴場で風呂に入っているとき、宥さんが「背中、流します……」と言って入ってきたのは驚いた 何が驚いたってあの宥さんがタオル1枚だったのが驚いた 大丈夫と言っていたのでありがたく背中を流してもらっていたが、途中でやっぱり寒かったのかいきなり抱き着いてきた 背中に当たるタオル1枚隔てたおもちの感触がすばらすぎて色々あぶなかった 宥さんが「あったか~い」とか言いながら抱き着いていると、今度は玄さんまで入ってきた 玄さんは「お姉ちゃんずるい!私も!!」とか言って抱き着いてきた 色々な意味で限界だったので、そこで俺は意識を失った 目が覚めたら部屋で2人に謝られた。おもちの感触がすばらだったのですぐに許したが その後はゆったりと3人で麻雀をして過ごした ……そういえば倒れた時全裸だったのに、どうやって浴衣着たんだ俺? 憧「アウト」 灼「アウト」 穏乃「アウトです」 玄「元々はお姉ちゃんですのだ!!」 宥「私!?く、玄ちゃんも入ってきたじゃない~」 穏乃「いや、そっちもですけど、最後の方ですよ」 憧「そうそう。その、きょ、京太郎の……アレを……」 灼「京太郎の裸見たの?」 憧「あ、ああ灼!?」 玄「…………」 宥「…………」 憧「ふ、2人とも?どうして黙ってるの?」 玄「……立派、だったね」 宥「……あったかかった、よ」 穏乃「え!?やっぱり見たんですね!!京太郎の…」 憧「す、ストップシズ!!それ以上は駄目ー!!」
https://w.atwiki.jp/10932tb/pages/165.html
【種別】 時間 年代 2004年 過去 【4月7日、8日】第17話、第18話 沢田由香との契約完了、ウルフイマジン 2004年04月07日へ飛ぶ、翌日08日まで持ち越す この時間で良太郎は過去の男と接触。 【3月31日】第16話 火口耕作との契約完了、ホエールイマジン 2004年03月31日へ飛ぶ 【12月24日】第2話 テツオとの契約完了、バットイマジン 2004年12月24日へ飛ぶ
https://w.atwiki.jp/10932tb/pages/238.html
【種別】 用語 【用語】 唐辛子 【よみがな】 とうがらし 【使用話】 第7話 うるさいモモタロスを黙らせる為に、ウラタロスがナオミに 「疲れをとるのに効く」という理由でコーヒーに入れさせたもの。 もちろん真っ赤な嘘である。それを飲んだモモタロスは気持ちいい眠りに落ちてしまう。 その隙に良太郎の体を無断で乗っ取りにいってしまう。 【関連するページ】 ゴールドジェントルマンコーヒー ナオミ 用語 第7話
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3350.html
京太郎「あのちびっ子タコス娘、今日という今日は許さねえ」 京太郎「普段のあの俺への仕打ちはあまりにも目に余る」 京太郎「やれタコスを作れだのタコスを持って来いだのタコスを食べさせろだの」 京太郎「マジで俺は頭にきた」 京太郎「復讐してやる……」 京太郎「まずはタコスの差し入れだ!」 京太郎「いつもいつも頑張っている優希へのタコスの差し入れをしてやる!」 京太郎「おい優希。タコス食うか?」 優希「じょ?」 京太郎「ほら」 優希「おおう。何だいきなり」 京太郎「タコスの差し入れだよ」 優希「別に頼んだ覚えはないが……。うむ。いい心がけだ、犬!」 京太郎「ははあ」 優希「う~ん。おいしいじぇ~」 京太郎「お手製だからな」 優希「褒めて使わす」 京太郎「ふふふ……。タコスを差し入れてやったぜ……。次はiPS細胞で咲と和との子供を作ってやる!」 京太郎「咲、ちょっといいか」 咲「なに京ちゃん?」 京太郎「ちょっとじっとしててな」 咲「?」 京太郎「……」 咲「痛っ」 京太郎「白髪が生えてたんでな」 咲「もう。そういうのは言ってからにしてよ」 京太郎「悪りい悪りい」 京太郎「和」 和「何でしょう」 京太郎「ちょっと髪を触らせてくれないか?」 和「な、なんでそんなこと!」 京太郎「いや咲に頼まれてさ」 和「さ、咲さんが?」 京太郎「前に咲の頭を撫でたことがあったんだけど、変にゴワゴワしててな」 和「頭を……」 京太郎「それを言ったら咲のやつ、ゴワゴワなんかしてないよって怒っちまってさ」 和「それは怒りますよ」 京太郎「んでさ、咲が前に和の髪を触ったらサラサラだったって言ってな」 和「……」 京太郎「俺が和の髪をさわってもゴワゴワだって言うんなら、俺がオカシイだけだろうって話になったんだ」 和「な、なるほど」 京太郎「ちょっと触らせてくれないか?」 和「……そういう訳なら、構いませんけど」 京太郎「すまんな」 京太郎「よし、髪の毛が手に入った!」 京太郎「これを元に卵子を作って俺の精子と受精させてやる!」 京太郎「調べてみたが、どうやらそういうことを秘密裏に請け負う機関があるらしい」 京太郎「ふふふ……待ってろよ……」 京太郎「はい、はい。ええ、分かりました」 京太郎「たった一ヶ月で赤ん坊ができちまうとは……」 京太郎「えっと、この病院に預けてあるらしいな。行ってみるか」 京太郎「すいませーん」 京太郎「ええと、俺の赤ちゃんがこの病院に入院してるって連絡があったんですけど」 京太郎「ええ、はいそうです。須賀です」 京太郎「どうもすみません……」 京太郎「まじかよ……。あんな簡単に通っちまうもんなのか……」 京太郎「すげえなあの裏機関」 京太郎「ええと、この部屋だな」 京太郎「……ドキドキするな」 京太郎「失礼しまーす」 京太郎「……寝てるな。あ、プレートがある」 京太郎「柔(やわら)と誇(ほこる)……。依頼する時に決めた名前だけど、ちょっと変な名前か?」 柔「すう……すう……」 誇「くう……くう……」 京太郎「まあ、いっか。可愛いもんな。これで晴れて二児の父だ」 京太郎「……マジでどうしようこれ」 京太郎「……おむつが膨れてる」 京太郎「消臭剤が効いてるせいか、臭いは感じないが……」 京太郎「うっ……これはうんちか……」 京太郎「しかも二人とも……」 京太郎「ええっと、あ、替えのおむつが用意されてる」 京太郎「くさっ!」 京太郎「説明通りにやれば大丈夫だよな?」 京太郎「……こういうことしてるとちょっと実感湧いてくるな」 京太郎「手、洗ってくるか」 京太郎「どうすっかな……」 京太郎「あ、そうか。ベビー用品買わないといけないな」 京太郎「しばらく大変そうだなあ」 京太郎「よし、おむつやらなんやら色々揃えたぞ!」 京太郎「育児に役立つ本や器具までありえないほどたんまり買い揃えたぜ」 京太郎「とりあえず大きくなるまでは一人でも育てていけるな」 京太郎「……大きくなった後のことはあとで考えよう」 柔「ぐうぐう……」 誇「すやすや……」 京太郎「……かわいい」 京太郎「……やっぱ母親って必要だよな」 京太郎「遺伝学的には俺と咲、和との子なんだけど」 京太郎「うーん。頼んだら殺されるか」 京太郎「優希に頼んでみようかな。まずいか?」 京太郎「……あ、優希か? おう、いや。あのさ、電話じゃ言いにくいことがあるんだ」 京太郎「明日うちに来れないか? うん。そう」 京太郎「ん、じゃあな」 京太郎「……ふう」 京太郎「どうなることやら」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……かわいいだろ?」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「誰の……?」 京太郎「え?」 優希「誰の、子供なんだ?」 京太郎「……さあ」 優希「さあって……」 京太郎「拾ったんだ」 優希「……赤ん坊が拾えるわけ無いだろ!」 京太郎「……うん」 優希「お前のか?」 京太郎「……うん」 優希「……あ、相手は」 京太郎「言えない」 優希「ど、どこ行ったんだ?」 京太郎「知らない」 優希「……そうか」 京太郎「……うん」 優希「……ううっ……」 京太郎「ど、どうしてお前が泣くんだよ」 優希「うっ……だって……」 京太郎「泣くなって」 優希「うううぅ……」 京太郎「もう大丈夫か?」 優希「……うん」 京太郎「悪いな」 優希「悪いなってお前なあっ!」 京太郎「……すまん」 優希「謝って済む問題じゃないじょ……」 京太郎「うん」 優希「……これからどうするんだ?」 京太郎「育てようかと」 優希「一人でか?」 京太郎「……そのつもりだったけど」 優希「つもりだったけど?」 京太郎「優希、母親になって貰えないか?」 優希「は?」 京太郎「男親一人だけって可哀想だろ?」 優希「そ、そういう問題か!?」 京太郎「……頼む」 優希「頼むって……」 京太郎「優希、お願いだ」 優希「……それって、結婚するってことか?」 京太郎「……そうなる」 優希「そうなるって……そんな仕方なくみたいな言い方……!」 京太郎「……嫌なら、いいよ」 優希「嫌ならって……」 京太郎「こんなこと頼んで悪かった」 優希「……待って欲しいじょ」 京太郎「……?」 優希「しばらく、時間をくれ……」 優希「……おう」 京太郎「久しぶりだな」 優希「……そうだな」 京太郎「何で部活休んでたんだ?」 優希「来れるわけ無いだろ!」 京太郎「ちょ、大声出すなって」 優希「……ボケ犬」 京太郎「ボケ犬って」 優希「いいじょ」 京太郎「ん?」 優希「いいって言ってんだじょ」 京太郎「……あ。……ああ、うん。そうか」 優希「……クソ犬」 京太郎「……仰るとおりです」 京太郎「なあ」 優希「……ん?」 京太郎「実はさ」 優希「おう」 京太郎「これ実は全部ドッキリなんだ」 優希「……?」 京太郎「あの赤ん坊はただの親戚の子だし」 優希「は?」 京太郎「今こうして一緒に暮らしてるのも今日が最後なんだ」 優希「は?」 京太郎「婚姻届もせっかく書いてもらったけど出してない」 優希「あ?」 京太郎「……ほら。あのプレート見えるか?」 今日までお疲れ様でした優希ちゃん!! 優希「…………この。……こんのクソ犬がああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 京太郎「ぐはっ」 カン!