約 3,532,177 件
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/2041.html
MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 機種:PS3, 360, PSV 作曲者:深澤秀行 発売元:カプコン 発売年:2011 概要 『マーヴル VS. カプコン2』以来11年振りの発売となったシリーズの第3弾。 2011年11月17日には新キャラクター12体を追加した『アルティメット マーヴル VS. カプコン3』が発売。 収録曲 サントラが発売されていないため、海外の配布されている音楽ファイル名を参照とした。 曲名 作・編曲者 出典 順位 Marvel Vs Capcom 3 ~ Introduction Movie Marvel Vs Capcom 3 ~ Fate of Two Worlds Main Menu Character Select The Daily Bugle S.H.I.E.L.D. Helicarrier Metro City Demon Village Kattlelox Island Hand Hideout Asgard TRICELL Laboratory The Battle for Earth ~ Phase 1 The Battle for Earth ~ Phase 2 The Battle for Earth ~ Phase 3 Theme of Galactus ~ The Fate of Two Worlds Victory Staff Roll Take You For A Ride (MvC 3 Mix) Here Comes A New Challenger! Here Comes A New Challenger! ~ Dynamic Next Battle! Victory ~ Dynamic Retry Continue Continue ~ Dynamic Game Over Network Ranking Arcade Clear Gallery Main Menu ~ Dynamic Character Select ~ Dynamic Mission Mode Danger Room ~ Training Area Theme of Ryu リュウのテーマ (ストリートファイターII) Theme of Chun-Li 春麗のテーマ (ストリートファイターII) Theme of Chris Redfield Majini V (バイオハザード5) Theme of Albert Wesker Wind of Madness (バイオハザード5) Theme of Dante Devils Never Cry (デビルメイクライ3) Theme of Trish Lock and Load (デビルメイクライ) Theme of Nathan Spencer Bionic Commando -メインテーマ- (Bionic Commando) Theme of Arthur 魔界村 ステージ1BGM (魔界村) Theme of Amaterasu 太陽は昇る (大神) 2011年101位和風136位アレンジ317位 Theme of Zero ZERO (ロックマンX2) Theme of Morrigan Aensland MORRIGANステージ (ヴァンパイアハンター) Theme of Felicia FELICIAステージ (ヴァンパイアハンター) Theme of Viewtiful Joe Joe The Hero (ビューティフルジョー) Theme of Tron Bonne フラッター号VSゲゼルシャフト号 (ロックマンDASH 鋼の冒険心) Theme of Crimson Viper Theme of C.Viper (STREET FIGHTER IV) Theme of Haggar SLUM (ファイナルファイト) Theme of Gouki 豪鬼のテーマ (スーパーストリートファイターIIX) Theme of Lei-Lei LEI-LEIステージ (ヴァンパイアハンター) Theme of Jill Valentine Sad But True (Bird lady Boss Battle) (バイオハザード5) Theme of Wolverine Theme of Wolverine (MARVEL VS. CAPCOM) Theme of Iron Man Theme of War Machine (MARVEL VS. CAPCOM) Theme of Hulk Theme of Hulk (MARVEL VS. CAPCOM) Theme of Deadpool MARVEL VS. CAPCOM 3 第5回359位第6回590位第7回525位第8回636位第9回709位第10回911位2011年58位 Theme of Captain America Captain America Stage (MARVEL SUPER HEROES) Theme of Doctor Doom Dr. Doom Stage (MARVEL SUPER HEROES) Theme of Super-Skrull MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Thor MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Dormammu MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of X-23 MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Spider-Man Spider-Man Stage (MARVEL SUPER HEROES) Theme of Magneto Magneto Stage (X-MEN VS. STREET FIGHTER) Theme of M.O.D.O.K. MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of She-Hulk MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Storm Storm Stage (X-MEN VS. STREET FIGHTER) Theme of Phoenix MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Taskmaster MARVEL VS. CAPCOM 3 2011年271位 Theme of Sentinel Genosha (X-MEN Children of The Atom) Theme of Shuma-Gorath Theme of Shuma-Gorath (MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER) ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3追加曲 Theme of Strider Hiryu 防衛圏(1Stage Demo)~踏み込め!(1Stage BGM1) (ストライダー飛竜) Theme of Red Arremer Introduction (レッドアリーマー 魔界村外伝) Theme of Nemesis Unstoppable Nemesis (バイオハザード3 LAST ESCAPE) Theme of Vergil Vergil Battle 2 (デビルメイクライ3) Theme of Naruhodo-Kun 成歩堂龍一 ~異議あり! 2001 (逆転裁判) Theme of Naruhodo-Kun 2 追求 ~追いつめられて (逆転裁判) 2011年164位 Theme of Frank West Adam (DEADRISING) Theme of Hawkeye ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Ghost Rider ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Doctor Strange ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Iron Fist ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Nova ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 Theme of Rocket Raccoon ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 PV
https://w.atwiki.jp/mirrors-edge/pages/57.html
Shard Two 規定タイム ☆ 1 15 ☆☆ 1 07 ☆☆☆ 1 02 Shard Oneの規定タイムクリアで解放。 参考動画 編集コメント ルートをトレースし、大きなミスが無ければ。グッドラック。 -- 名無しさん (2009-06-05 07 02 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/switchsoft/pages/2247.html
Zombie Army Trilogy FPS・TPS ホラー ゾンビ ローカル通信プレイ人数× 2 ~ 4 インターネット通信プレイ人数× 2 ~ 4 4,980円(税込)5.0GB カルトホラーシューターの名作がNintendo Swtichを襲撃だ! 3つのキャンペーン、ドキドキのホードモード、強烈なホラーアクションを体験せよ! Zombie Army Trilogy(ゾンビアーミー トリロジー)は緊張感あふれるサードパーソンシューターゲームだ。 3つのキャンペーン、ドキドキのホードモード、強烈なホラーアクションを体験せよ! 第二次世界大戦の末期、驚がくのゾンビ兵士の軍団がヨーロッパ全土を脅かさんとしていた。 1人で立ち向かうも良し、仲間と協力するも良し、ゾンビの脅威から人類を救え! 壮大なる3つのキャンペーン、魔がはびこる15のミッションを戦い抜け。 ソロプレイもアリ、オンラインまたはローカルでの2~4人協力プレイもアリだ。 君は立ちはだかる困難を乗り越えられるか? 究極のホラーパッケージ - 身の毛もよだつキャンペーン、強烈なホードモード、全て1~4人プレイ対応 魂震えるガンプレイ - ジャンル最強のライフル弾道、強力な武器や死の罠の数々でゾンビどもを葬り去れ!全てをさらすX線キルカメラで、弾丸がゾンビの頭蓋や四肢を切り裂くさまを眺めるがいい 様々なカスタマイズ要素 - プレイアブルキャラクターは8人、装備も難易度も自由にカスタマイズ可能 お知らせ 本ソフトには、インターネットに接続できる環境とNintendo Switch Onlineへの加入(有料)が必要なモードや機能があります。 メーカー RebellionInteract 配信日 2020年5月28日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 対応コントローラー Nintendo Switch Proコントローラー プレイモード TVモード, テーブルモード, 携帯モード プレイ人数× 1 ローカル通信プレイ人数× 2 ~ 4 インターネット通信プレイ人数× 2 ~ 4 対応言語 日本語, 英語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字) レーティング CERO Z 暴力 ゾンビアーミートリロジー発売日に買って今更クリアしたけどソロプレイはめちゃくちゃ疲れるゲームだったわ 雰囲気怖いしエイムアシスト無いのにヘッドショット前提のゲーム性で辛かった -- 名無しさん (2020-07-01 15 43 37) ゾンビアーミーはスナイパーエリート外伝 -- 名無しさん (2020-12-26 04 09 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/byfcarmy/
F.C.ARMY 合計: - 今日: - 昨日: - トップページの合計: -
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/788.html
ぼくらは家に帰るところ ぼくらは家路を辿るところ ぼくらは家に帰るんだ The Beatles 『Two of us』 ■ 学校を休むことにした。 律が事故に遭って入院してるから、多分学校へ行っても何もできないと踏んだからだ。 私はベッドの中に潜って、寝たり起きたりを繰り返していた。 困惑もしてるし、当然心配もしてる。だから起きている間は、ずっと律の顔が頭に浮かんでいたし、その度に胸が痛くなるのだった。 それは例えば、夜に切なくなったりするのとは全然違う。 不安の痛みだった。 静かな部屋。平日の昼。 ママには体調が優れないと言ってある。 ほとんど仮病だけど、でも、律への心配だけで体調が崩れたのと同じようなものだった。 何にも力が入らない。 何かをやろうという気にもなれないし、やっていても多分、律へ意識が逸れるだろうから。 だからこうやって、ベッドに倒れて寝ていた方がいいんだ。 何のやる気にもならないもん。 ……――。 ■ 日曜日のお昼頃、律は事故に遭った。 もう過ぎ去ったことだから何とでも言えるけど、私はもうその時のことを良く覚えていない。 確かおばさん――律のお母さんのこと――が、私に電話をしてくれたんだった。 私は宿題をやっていたけど、すぐにママに言って車で病院に駆け付けた。 今思い返してみると、あの時の私の焦り方は尋常じゃなかった。 車が信号で止まったら、ドアを突き破って走り出したいと思ってたし、病院に入ってからも、騒いじゃ駄目だってわかってるのに、私は取り乱したりして……。 律は日曜日のお昼、信号無視の車に突っ込まれた。 幸運にも、というか律の運動神経の良さからか、突っ込まれる寸前にジャンプして受け身を取り、致命傷を免れたらしい。 右手の小指の骨折と、足の捻挫、あといくつかの擦り傷程度で済んだそうだ。 お医者さんによれば、命に別条はないとのこと。 ならなんで、私がこうしてベッドでうずくまっているかって? それはできれば考えたくなかったけど。 律は意識不明だった。 命に別条もないし、目覚めないはずがないとお医者さんは言う。 だけど、律は目を覚まさなかった。 死んだわけじゃない。 律はちゃんと、血色のいい顔で寝息を立てていた。はっきりとそれは病院で見た。 緑の患者服に包まれ、カチューシャもはずされていたけど。 でも、そんな酷い律でも、目は覚めるとお医者さんは断言した。 それなのに目を覚ましていなかったんだ。 瞼はしっかり閉じられていた。 もし律がいつもみたいに笑ってくれてたら。 『なんだよ澪、心配してくれたのか?』って。 たとえ体に傷があっても骨折してても、私が病院に駆けつけた時、そんな風に私をからかってくれると信じてたのに。 だけど、期待は崩れ去って、病室では聡がわんわん泣いて、おばさんとおじさんが静かに律を見降ろしてるだけだった。 私は耐えきれなくなって、いろいろと考えて……不安で不安で、もういろいろ訳わかんなくなっちゃって。 だから日曜日のことは、あんまり覚えてなかった。 確か、律の寝ている横で私も一夜を過ごしたんだっけ。 それで月曜日の朝に家に帰ってきて、今こうしてベッドに潜ってるんだ。 律の寝顔は、まるでお昼寝でもしてるみたいに穏やかだった。 だから、律が死んじゃうのかもって不安はあんまりなかった。 だけど、代わりに早く目覚めて欲しいというじれったさと、早く律の笑顔がみたいなっていう願望ばかり溜まって。 そして、もしかしたら……とやっぱり怖いこともあって。 それが結局不安の要素にすり替わっていたんだ。 だから何にもやる気になれなくて、元気も出なくて……だからこうしてベッドに倒れてる。 もし律が目を覚ましていたら、一緒にいたのに。 律が眠ったままで意識不明なのに、その隣に私がいるのは心細かった。 怖かったんだ。律の意識が戻ってないのを、嫌が応でも認識しなきゃいけないのは。 傍にいたかったけど、大好きな人が眠ったままなのを間近で見続けられるほど、私は強くもなんともなかった。 せめて、律が起きてくれればって。 部屋が静かすぎて、高い音が耳に響いていた。ベッドの中でもぞもぞする。 「律……」 朝から、何度名前を呼ぶんだ。 さっきも考えたけど、いつもの夜に、急に律に会いたくなったり、切なくなったり、律を想うと胸が苦しくなってりする。 あれとは違うけど、律を想って苦しくなってるのは同じだった。 痛くて苦しくて、辛い。 名前ばっかり呼んでも、何にもならないって解ってるくせに。 溜め息が部屋にこだまする一方だ。 枕元の携帯が震えた。私はゆっくりと手にとって、開く。 ムギからだった。 『皆で相談して、放課後病院に行ってみることにしました』――……。 昨日の昼から、いろんな人からメールをもらった。 唯やムギ、梓、和も。とにかく知り合いからたくさんメールをもらった。 だけど決まって掛けてくる言葉は、『大丈夫』とか『元気出してね』とか、そんな明るい言葉だった。 ありがたかったけど、私はその言葉を見る度に、逃げ出したい嫌悪感に包まれた。 気持ちが落ち着いていなくて、苛々してるだけかもしれない。 大丈夫? 大丈夫なわけがない。 そんなはずがない。律が事故に遭って怪我して、眠ったままで……そんな状態なのに、大丈夫なわけがないじゃないか。 もちろん皆は私のこと心配してくれて、ホントに私が落ち込んでるんだって知ってるから。 だからこそ、そんな風に優しい言葉を掛けてくれるのもわかってる。 だけど、ごめん。 私は今、皆の優しさに笑顔で答えられるほど強くもないんだよ。 大丈夫じゃないんだよ。 大好きな律だから。律なんだから、大丈夫じゃないんだ。 ムギのメールの字面を見つめた。 皆っていうのは、唯と梓のことだろう。 三人は放課後、律のいる病院に行ってみることにしたようだった。 日曜日の昼に律は事故に遭った。 私は混乱していたから、律が事故に遭ったと皆に報告したのは、夜になってからだった。 だから、三人はまだ眠ったままの律に会っていないことになる。 今日の放課後お見舞いにやってくるようだ。 だったら私も、放課後に律に会いに行く。目が覚めてるといいな。 『私も行く。四時半に病院の入口で待ち合わせ』。 それだけムギに送り返し、私は携帯を閉じた。 深い溜め息を吐く。 眠気が酷い。 瞼の重さは朝からずっとだった。 これで何度目かわからないけど。 私は祈るしかないんだ。 神様に。 律が無事でありますように。 律が早く目を覚ましますようにって。 ■ 澪――……。 暗闇の中で、声がした。 多分、私は眠ってる。世界は黒かった。 だけど、はっきりと声は聞こえた。 私のこと、呼んでるんだ。 それも、よく馴染んだ声で。 澪ー、起きろって。 えっ? 私は、静かに瞼をこじ開けた。 ベッドの横に、律が座っていた。 ■ 「えっ……?」 私は体を起こして、両目をこすった。 寝ぼけてるんだろうか。 視界が安定しなかったし、まだ夢を見てるんだと思った。 「やっと起きたか澪」 ベッドの横に座っていた律が、そう言いながら微笑んだ。 律はいつものブレザーを着ていて、カチューシャだって付けている。 本当に普段からよく見るような、何の変哲もない律だった。 だけど私は目をこすらざるを得なかった。 そして、目の前の光景が夢だと何度も疑った。 だって、そんなのあり得ないから。律は、病院だもん。 だけど、その声も顔も何もかも、それは紛れもなく律だった。 「律……?」 「うん」 「ホントに?」 「私だよ」 律は白い歯を見せた。 私は泣きそうになって、なんで律がこんなところにいるのかわかんなかったけど、そんな理由なんてどうでもよくなって、布団を吹き飛ばして律に抱きつこうとした。 だけど。 私の体は律に触れられず、勢いのまま床に転げ落ちた。 思いっきり床に倒れて、勢いもあったから当然全身を強く打つ。 痛みが響いた。 「いてて……」 ――!? なんだ? 私は今、律に飛びついたはずだった。 だけど、私は今、律に包まれずに床にのたうち回っている。 おかしかった。私は律に振り返った。 律は、私を見ていて、さっきよりも悲しそうだった。 「澪、今さ、私……幽霊なんだ」 えっ――? 二人で並んでベッドの縁に座ると、律は淡々と語り始めた。 目が覚めた律は、なんと病院のベッドで眠っている自分を見下していたらしい。 つまり、体が分離したと思ったようだった。 だけど実際は違ってて、律は何と実体のない幽霊になっていたらしい。 物に触る触れないは自由。 つまり、物に触ろうと思えば触れる、触ろうと思わなければ触れるという、実体のない存在になってしまったというのだった。 「律は……死んじゃったの……?」 ベッドの上で、向かい合って座った私たち。 私が一番不安に思うのはそれだった。 幽霊って、人が死んじゃったら、魂がなるものじゃないの? だったら律は――……。 不安が頭を過るを通り越し、心臓を鷲掴む。 ゆっくりそれを言葉に出すと、律は静かに答えた。 「いや、死んでないよ」 「で、でも……」 「ホントに死んでないんだ。あと、これからも多分死なないよ」 「な、なんでそんなこと、わかるんだよ」 「んー、なんでだろ。まあ私の体だからな。はっきりとわかるんだ。私は絶対死なない。それだけは断言できるんだ」 だったらなんで、そんな風に幽霊になって現れてるんだ。 わけがわかんないよ。 死なないってわかってるなら、普通に目覚めてよ。 この言いようのない心配と不安は、私が全然予想しなかったものだった。 次に律と話す時は、当たり前の日常に戻れた時だと思ってたから。 それに、あまりにも非現実的な展開すぎる。 生きているのに幽霊だなんて。 私はもう一度手を伸ばして、律の頬を触ってみようとした。 触れなかった。 まるでホログラム映像で映し出されてるように、すっと私の手が律を通り抜けるのだ。 よく見れば、律の体もほんのり透けている。 『よく見れば』だから意識しなければちゃんと実体のあるいつもの律にしか見えない。 だけどホントに注意深く見れば、少しだけ透けていたのだ。 「どうするんだよ、これ」 「どうもしない、かなあ。正直私も意味わかんないんだ」 律も目を伏せた。 私だけじゃなくて、一番混乱してるのは律本人だろうということだった。 窓から差し込む昼下がりの光が、律の顔を照らす。 だけど律の表情は、さっきまでの微笑みを失くし陰りに満ちていた。 さっきは、無理に笑ってたのかな。 そうやって無理に笑ってなきゃ、やってられないくらいに不安に思ってたりするのかな。 それはきっと私も同じなんだよ。 「とりあえず、状況を整理しよう」 私は言った。 言ったけど、特に整理するような事柄もないことに気付く。 それはきっと、痛い沈黙と不安を紛らわすその場凌ぎの繋ぎ言葉だったのだ。 とにかく何か話題を提示しなきゃ、その不安の渦に巻き込まれそうだったから。 「律は今、幽霊」 「うん」 「私は触れない」 「うん……」 「律は? 律の方から、私に触れないのか?」 やってみると言った律は、ゆっくり指を私の顔に伸ばした。 ドキドキしたけど、結局すり抜けて終わる。 やっぱり駄目だったと、私も律もまた落ち込んだ。 律は今実体がない。だったら、律も私に触れないのはちょっと考えればわかったはずなのに。 でも、やっぱり期待してしまっていたんだ。触れ合えることに。 「……物は持てるんだよな?」 私は近くに置いてあった枕を律に渡した。 軽々と律はそれを抱き締めて見せる。 どうやら『物』には触れるらしい。 律が言うには、『触ろうと思えば触れる』『触ろうと思わない、すり抜けようと思えば、すり抜ける』らしい。 律は枕を抱き締めていたけど、ほい、という掛け声と共にすっと枕をすり抜けて見せた。 枕を抱き締めていた腕がそれを通り抜け、交差する。 なるほど……ただ、それは私を慰める事象にはなりえなかった。 「病院で寝ていた自分の体には触れたのか?」 「いや無理だった。なんかさ、人に触ろうとすると駄目なんだ」 つまり、というかそのままだけど――どうやら人間には触ることはできないようだった。 話を聞いてるだけは普通だったのに、だんだんと私を蝕んでいく事実。 それでも、なんとか深く考えないようにしなくちゃやってけない。 また、静かになった。 その時、携帯が震えた。開いてみると、唯だった。 「誰?」 「唯だ。『そろそろ着くよ』……って、ああっ!」 「どうした!」 私は携帯の画面の右上に表示された、小さな時計を見た。 三時五十分……寝てて全然気がつかなかったけど、そういえば唯とムギと梓の三人と、律の病室に行くって約束してたんだった。 何にもやる気でないし眠たいしで、忘れてた。 そろそろってことは、もうすぐ病院に着くってことだ。 しまった。もう約束まであと十分。走っても全然間に合わない。 病院に行く約束をしていたんだと律に告げる。 「行っても意味ないぞ。『この』私が幽霊として存在してる間は、多分本体は目覚めないだろうし」 律が自分の胸元をポンポンと叩いた。 「どういうこと?」 尋ねてみると、律は語りだした。 よくよく考えればわかることではあるけど、今目の前にいる律は実体のない幽霊。 つまり律の魂なのだ。 だから、『律』という存在に必ずなくてはならないものだし、魂がなければ人は動かない。 今律は、体の魂が分離して、体は寝ている。そして魂が私の前にやってきている状態なのだ。 二つで一つの存在が、今二つに分かれている。だったら、体だけが目覚めるはずがない。 「じゃあ魂のお前が、寝ている律に入り込めば起き上がるんじゃ?」 そういう系の漫画や映画――もちろん無理やり律に見せられたもの――では、意識不明の体に魂が入り込んで復活したのを見たことがある気がする。 あれと同じ要領で、今目の前にいる魂だけの律が、寝たきりの律に入りこめば、それは本当の『律』として復活するんじゃないのかと思ったのだ。 私がそれを言うと、律は首を振った。 「もちろん試したさ。でも、駄目だったんだ」 「そ、それって……もう、本物の律は目覚めないって、こと?」 「ち、違う。そうじゃない。ただ、よくわかんないけど……体だけの私とは、『まだ』一緒になれないだけで、このままずっと魂ってわけじゃないと思うんだ」 つまり、いつかはまた、律が本物の律として――ちゃんと触れる、実体のある律として目覚めるということ? そうだとしたら、私は安堵せざるを得なかった。 「『タイミング』があるんじゃないかって」 「『タイミング』?」 「そ。まだ体には入り込めないけど、きっとその時が来たら自然に目が覚めるよ」 「根拠は?」 「んー、これも勘かな。でも、多分そうだぜ。やっぱり体と魂は二つで一つだし、感覚とかでそういうのわかっちゃうんだ」 タイミングってのが来なければ、律は目覚めないのか。 逆を言えば、タイミングが来なければ律はこんな風に、不安定な存在のままだということだった。 律の言葉を疑ってるわけじゃない。自分の体のことだから、例え魂でも、そういうのわかってるんだって私もわかる。 律が一番、自分が心配なのも知ってる。 だけど、絶対に目が覚める保証はあっても、安心する半面、ちょっとだけ不安が残ってるのも事実だった。 「だから、病院へ行って私のお目覚めに期待しても、今日明日は目覚めないってこった」 律は明るく言った。やりきれない。 「そっか……なら、どうしよう」 「だけどもう唯たちは病院に着いちゃうんだろ?」 「うん」 「なら行くしかないじゃん」 確かに、今からやっぱり無理と送ったら、唯たちは無駄足になっちゃうし。それに、唯たちは『律が今のところは目覚めない』ということを知らない。 知ってるのは私だけだ。だから、唯たちには『病院に行かない』という選択肢を選ぶ理由が存在しない。 私にはある。律が目覚めないのなら行っても行かなくても同じな気がしてくるのだ。 私が病院に行くのは、律が起きてるかもという期待を持ってだから。 だからあらかじめ律が目覚めていないと知っているなら、行く理由はそれほどない気もしてくる。 でも、だからって行かないのも無責任だよね……。寝たきりの律の体だって心配だし。 「わかった。行こう」 「でも急がないとやばくないか」 冷静にしてたけど、よくよく考えればもう約束の時間じゃないか。 私は大急ぎで制服に着替えると、家を飛び出した。 律は幽霊だったので、なんと空中を浮かびながら付いてきた。 律には足があった。それなのに空中を飛ぶなんて……パンツ見えるぞ。 じゃなくて、なんか違和感。 今でも私は、律が幽霊であることが不思議でならなかった。 なんだろ、この気持ち。 よくわかんないよ。 戻|次
https://w.atwiki.jp/bemani2dp/pages/3717.html
GENRE TITLE ARTIST bpm notes CLEAR RATE ALL MIX VJ ARMY good-cool 135-160 872 ?%(yyyy/mm/dd) 攻略・コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/1279.html
フジテレビTWO 『韓国ドラマ (フジテレビTWO)』は別ページ参照 『寺内シモンの肉専門チャンネル』は別ページ参照 終了番組は終了番組 (フジテレビTWO)を参照
https://w.atwiki.jp/bemani2sp/pages/1385.html
GENRE TITLE ARTIST bpm notes CLEAR RATE DANCE POP XANADU OF TWO T.Kakuta With Starving Trancer + 森永真由美 160 88%(2013/10/26) 攻略・コメント 階段、二重トリル、隣接同時等 7段に挑戦するなら最低でも易クリアくらいはしておきたい -- 名無しさん (2010-11-18 12 09 22) ランダムを入れると対称地帯が難しくなるので正規鏡推奨 -- 名無しさん (2010-11-27 19 17 24) 道中はかなり楽だが運指によってはイントロとラストがかなり厳しいはず。V2の練習になるかも -- 名無しさん (2011-10-24 00 03 48) 正規はなんだかとっても良譜面 -- 名無しさん (2011-11-23 13 58 46) フルコン狙いは最初と最後の交互地帯に入る時を注意。よくそこで切れる。 -- 名無しさん (2011-11-23 15 10 44) 運指的に難しい配置が多い、つまり非常に練習になる譜面。後半もそこそこ難しいけど回復はしやすいので七段辺りの人はランダムで一曲目とかに使っても良いかも -- 名無しさん (2013-01-16 10 59 57) 七段だと正規はともかく、ランダムで一曲目なんてとても無理だと思います。少なくともランダムは八段上位はないと安定しないのでは。 -- 名無しさん (2013-01-16 13 30 23) 六段で正規易、七段で正規難。まだ七段取り立てだけど乱易でいつもやってます。落ちることはないが、二重トリルは外れるととても練習になる -- 名無しさん (2013-09-04 13 45 58) 遅い二重トリルなのでトリル系譜面のガチ押しスコア狙いの練習になる良譜面。皆伝クラスの人でもやりこむ価値あり -- 名無しさん (2014-04-25 06 47 04) ZED穴の下位互換?スコア、フルコン共に正規一択。乱でV2灰の練習にどうぞ -- 名無しさん (2014-09-06 21 56 40) R乱はアリか? -- 名無しさん (2014-11-24 04 31 33) ↑V灰とかゼファー灰とかこの曲みたいなのはR乱は有りだと思うよ。そりゃランダムの糞当たり譜面に比べれば当たりじゃないけど、高確率で正規よりはマシな譜面が引ける。 -- 名無しさん (2014-11-24 17 31 54) 所々押しにくい箇所もあるが、✩10としてはそこまでムズいって程でもなく練習にも良さそうだし、すごい楽しい譜面 -- 名無しさん (2014-12-31 02 22 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/japanesehiphop/pages/4442.html
Format Title Artist Label Model Number Release Press 7 JUST THE TWO OF US Kick a Show HMV RECORD SHOP HR7S136 2019/04/13 - Side Track Title Produce A 1 JUST THE TWO OF US SAM IS OHM B 2 接吻 SAM IS OHM ※RECORD STORE DAY 2019 PERTAIN CD AMAZON The Twelve Love
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/791.html
ごめん、やっぱり無理そう。だから学校は休むよ。 朝起きて、皆にそうメールした。ママにも学校は休むと伝えて、部屋に戻った。 朝の八時だった。普段なら学校に向かってる途中ぐらい。土日は学校に行っていないし、昨日も学校に行ってない。 もう何日も学校に行ってないんだ。まあ律がいないんだったら、学校なんて行く意味なんてほとんどないけれど。 部屋に戻ったら、律は窓際に立って外を見ていた。そこから見たって、特に景色が見えるわけじゃないのに。 それでも外を見つめる律の横顔は、朝の爽やかな陽光と相まって、とても大人っぽく色気を帯びていた。 笑ってるようにも見える。でも、そうだともいい切れない微妙な表情。 私は立ち尽くして、何も言えなかった。 律が私に気付くと、白い歯を見せた。 「おっ、ママさんなんだって?」 「うん。休むって言ったら、そうしなさいだって」 「そっか。うん、そうしなさい」 「そうするよ」 私は律の隣に行って、一緒に窓の外を見た。空は明るくて、どこまでも青が続いてる。 私の家は隣の家とかはなくて、少し広い所に一つだけあるみたいな感じだから空がよく見えた。 鳥は鳴いてたし、いつもと変わらない穏やかな世界だった。 でも、私たちは全然日常的じゃなかったし、私の心だって、天気の良さや空気の和やかさに感嘆できるほど踊ってもいなかった。 ただ律と並んで、窓際に手を付いて、外を眺めるだけ。 本当に、いつもと違う日常なのかと自問した。 でも、今はいつもと違うんだ。何回も、そう思ってしまう。 「どうする澪」 「んー……」 「学校行かないとなると、何にもすることないな」 「んー……」 「聞いてるか?」 「んー……」 私は聞こえていたけど、でも、どうにも返事をする気力がなかった。 元気もないしやる気もないし。なんだか頭がぼーっとする。 寝起きだから、じゃない。でも、まるで寝起きみたいに、ふとしたら特に大したところもないような場所を見つめてたりとかしていた。 疲れてるのかもしれない。だからさっきのような、間抜けな返事ばかりしてしまうのかもしれなかった。 「まさか一日中家?」 「駄目?」 「いや、駄目じゃないけど……何すんの?」 「うーん……読書、とか」 「こら。りっちゃんが読書で一日潰せるとお思いで?」 「なら、DVD見るとか」 「それなら一日潰せるかもな。澪んちにあったっけ?」 「最近は見ないからなあ。そこの本棚にないか?」 「うーん」 律は窓際から移動して、本棚まで行った。その姿を私は見つめる。 DVD見て一日潰す? それで私はいいんだろうか。 別にいいし、出来れば家に引きこもってたい。 でも、今はそんなの見ても楽しくなんかないだろうなって思った。読書ってさっき提案したけど、実はそんなのやりたくなかった。 気が滅入ってるから、活字をじっくり読んだらますます気疲れしてしまいそうだ。 そう思うと、私の家には一日中暇を潰せるようなものがまるでない。 まあ普通誰の家にもそんなのないかもしれないけど……漫画だってちょっとしかないし、だいたい休みの日は律と出かけたり一緒に雑誌読んでるだけで時間が潰せるから。 でも、今は雑誌読んだりじゃれあったりするだけじゃ時間は潰せないってこと、私は薄々分かってた。 いつもと違うんだ。私が雑誌読んでたら、律が膝に乗ってきたり後ろから抱きついてきたりする。 そこから私が怒って、そのままじゃれあって、律のこといじったり、そのままああいうことに発展してお互い触りあうけど。 でも、今はそういうのにならないんだよ。律は私に触れないし、私は律に触れないんだから。 律は本棚から適当なDVDを取り出して、近場にあったDVDプレーヤーを持ち出す。 部屋の中央の小さなテーブルの上に置いてセットし、起動した。 私は窓際にいてもあれだったから、ベッドまで移動して座る。 律の横顔が見える位置。でも、全然楽しそうじゃなかった。 「澪は見ないの?」 律がボタンをポチポチ押しながら私を見た。 別にいいや、と断った。見たくないわけじゃなかった。でも見たいわけでもない。 今見て、いつも一緒に律と見てる時のような興奮を呼び覚ますことができれば、それはいいことかもしれない。 でも、頑張って元気出してもどうしようもない気がした。 私は律の横顔が見えるようにベッドに横になった。 「えっ、寝るのか?」 「いや。律を見てる」 「なんじゃそりゃ」 そのまま律はDVDを再生する。ライブのだから、歓声がまず湧き上がった。律はそれに集中できず、私の方をチラチラと横目で見ている。 どうやら私の視線が気になっているようだった。そのチラチラっとするのがなんだか可愛くて、私はじっと律を見つめた。 しばらくして律が、叫んだ。 「だあー! こっち見るなよ! 恥ずかしくてDVD見れないだろ!」 律は立ちあがると、真っ赤な顔で私に指をさす。 「だってー……やることないし」 「で、私を見つめるわけかい! えーと、澪にも何かあるだろ?」 「ない」 「じゃあ一緒に見ようぜ」 「それもヤダ」 「なんだよー、だったら何がしたいのさ」 「何にもしたくない」 「……」 律は呆れたように息を吐くと、爽やかな顔になって、DVDプレーヤーの電源を切ってしまった。私は寝転がったまま、言った。 「なんで? 見ないのか」 「よくよく考えたら、こんなときにDVDなんて見てるのは馬鹿だろ?」 「いーよ別に。どうせ暇なんだしさ。私のことなら気にするなよ」 「気にする気にする。それに、別にDVDが見たいわけでもなかったし」 律は取り出したディスクをケースにしまって、本棚に戻した。 「愛しの澪ちゅあんが悲しそうにしてて、ほったらかしになんかできねーだろ」 「そーだけど……」 私は横向きに寝ていたけど、なんだか気恥ずかしくなって、うつ伏せになって寝た。 律の足音は、聞こえなかった。幽霊のくせに、足はある。でも、足音はない。 ということは、私が律から視線を外したら、もう私は律を感じることができないってことかもしれない。 目を閉じれば、私は律を感じないのかな。 昨日寝るときは、意識してなかった。 いつもなら、律がそこにいるんだってなんとなくわかるんだ。 足音でもわかるし、そこに律がいるんだってことがわかるような、そんな確かな自信は私の中にあった。 根拠はない。 でも、センスとか感覚とか、長年の勘というか。 とにかく、律のことだったらなんでもわかると自負してる私。 でも、今だけは違うんだ。 足音も雰囲気も感覚もない。眼を閉じれば暗闇が広がって、律の気配は感じなくなる。 だって幽霊だから、仕方ないことかもしれないけど。 でも、すっと何かが冷めるように。 視界に入ってるときには感じていた安心が、暗闇に身を投じた瞬間、素早く消え去るのだった。 つまり、律は、そこに存在してるけどしてないんだ。 怖いよ。 怖い、律。 私今、律の存在がそこにあるんだって。幽霊だとしても傍にいてくれるんだって確認したり理解してなきゃ、怖くて震えるんだ。 ……そんなの嫌なのに。 私は、また泣きそうになった。 だけど。 「みーおー」 馬鹿か私は。 不安なら、律をずっと見てればいいんだよ。 わざわざ反対方向を向いて悲しんでても駄目じゃないか。 「なんだよ律」 私は体を捻って、律がいるだろう方を見た。 律は本棚の前に立ったまま私を見てた。 目が合って、数十秒見つめあう。 律は笑った。 「どっか、外に行かない?」 ■ 律は幽霊だから、空中浮遊が出来た。あと、私は行くことができないような塀の上や、ガードレールの上も歩く。 私たちは何処というあてもないまま、ただ街中を彷徨っていた。私からすると、幽霊とか云々を差し置いて、足もあるから普通の律だ。 だから、そのバランス感覚に先ほどから度々感心するのだけど、でも、幽霊だから出来て当たり前か。 「繁華街の方に行くのか?」と律。 道なりに歩いて、商店街にやってきた。ガードレールのようなものもなくなって、律は普通に私の横に並んで歩きだす。 この商店街には、クリスマス会のプレゼントを買いに来たこともあったし、何かと私と律はここに買い物に来ることが多かった。 だからなんとなく来てしまったけど、別にやることなんてないし。私は一応私服だけど、高校生。補導されたりしないかちょっと心配だった。 「んー、律は何処か行きたいところないの」 「別にー」 「外行こうって言ったの律だろ。何処か行きたい場所があったんじゃないのか」 商店街は、平日の午前中なのにやはり人はたくさんいた。 でも、休日や夕方以降に勝る活気ではなくて、でも、そのくらいの方が私はよかった。人ごみも嫌いだし。 「澪はないの、行きたいとこ」 「うーん……」 私は、人の視線が気になった。 そういえばそうだった。 私を通りすがっていくこのたくさんの人たちは、律の姿が見えないんだ。 だから、私がずっと一人で歩いて、一人で何か喋っているように見えてしまう。 そういえば全然考えてなかった。昨日、ママにちょっとだけ変に思われて気をつけなきゃって思ってたのに。 道行く人とすれ違う人が、なんだか私の方を気にしてたのは……それだったんだ。 ひとり言を喋る女の子。一人ぼっちで、誰も周りにいないのに、何かぶつぶつ喋ってる女の子。 学校も行かず何やってるんだろう。 皆、そう思ってたんだ。 それに気付くと、急にゾッとするような寒気が襲った。 怖い。不安だ。 ただでさえ目立つのが苦手なのに、無意識のうちに目立ってしまっていた。 恥ずかしい。顔は熱を帯びるというよりも、後悔や罪悪感にも似た黒っぽい切迫感が胸を締め付ける。 そして、何より。それを意識するということは、律との会話が制限されるということだった。 「澪?」 「……律、どこか人のいないところに行こう」 私はそっと呟いた。 この時の私の顔は、どんな顔だったんだろう。律は口を一文字に刻んで、酷く真面目な顔をした。それから、両腕を後頭部に回す。 「そうだな。公園にでも行くか」 ■ 昔からよく行く、思い出の公園だ。 今も使っている子供がいるのだろうか。例えば私と律なら、中学生ぐらいまでこの公園に来ていた。 律はドラムスティックだけ買って、この公園のタイヤを叩いて楽しそうにしてたこともあった。 私はそれを眺めてる時、すごく楽しかったんだ。 そんな思い出が、すっと流れ込んでくる公園に足を踏み入れて、私たちは二つあるブランコにそれぞれ腰掛けて、キーキーと小さく揺らしながら会話した。 「今頃、皆は学校なんだよなー」 「うん」 「サボちゃって、澪ちゃんったら悪い子ねー」 「う、うるさいな」 私はそっぽを向いて、そう返した。 今頃皆は何をしてるんだろう。時刻は十時半。ちょうど二時限目の途中ぐらいだろうか。 もし私が学校に行ってたとしたら、多分授業に集中なんてしてなかったんだろうなあ。 律のことばっかり考えてて、上の空でさ。ノートは取ってるはずなのに、途中からそれすらも面倒になってくるはず。 それで、ぼーっと定まらない視線で、黒板を見ているだけだっただろう。 それが嫌だったから。あと嫌なこと一杯あるから、だからここにいる。 もう、そういうこと考えるの何回目だ私。 そうやって反芻したり、状況を整理したり、嫌なことが一杯あるんだって繰り返す度に辛くなってるの、自分でもわかってるはずなのに。 「これから、どうなんのかな」 律がボソッと呟いた。さっきまで私をからかってた時の声とは、随分聞こえ方が違った。 私はそっぽを向いていたけど、その一言で、すぐさま律に視線を向けた。 昨日から、律の横顔を何度も見るけど、今もまた、とても大人びた顔をしていた。いっつもそうだ。律はずるいんだ。そうやって私の心、ドキドキさせてさ。 でも今は、素直にそのドキドキを受け入れられなかった。 「わかんない」 「まあ、わかったら逆にすごいよな」 「律には、わからないの?」 「わからないよ。そりゃまあ、私は死なないとか、いつかは絶対目が覚めて元通りに戻れるのはわかってるんだけどな」 「いつかって、いつ?」 「知らない。お医者さんは、なんて言ったんだ?」 「本当は、すぐに目が覚めるって言ってたけど」 「すぐって、どのくらい?」 「私が聞きたいよ」 そっか。 律は最後にそう呟いて、ブランコを揺らした。鎖の硬質な擦れる音。この律が、幽霊だなんて本当に信じれない。 何度も言えるけど。油断したら、本当にいつもの律だと勘違いしてしまうんだ。 そうだったらいいな、早くそうならないかなって想いが、余計にそうさせてるのかもしれない。 私が気になってること、不安になってるのは。とにかく早く律が目覚めて欲しいこと、あと、律が皆に見えないこと。そして……触れないこと。 特に触れないことは、私に今までで一番の痛みを作った。 私は、普段律に触れて生きてたんだ。だって、ふとした時に律に触れないことがとても辛い。 普段――つまり、いつもの日常の中で、私と律は無意識だけどたくさん触れ合ってきたんだ。 比喩じゃない、手や足や、私の肌と律の肌で、体の全てで、私は律を感じてたし、律も私を感じてたと思う。 それが今はどうだよ。目の前にいるのに、触れないんだ。 近くにいるのに遠いなんて言葉は使いたくなかった。 私と律は幼馴染だ。 今は恋人同士だけど、でも、恋煩いをしている時期は……幼馴染って関係が壊れちゃうのかなって怖かった時は、律のことを一番近くて遠い奴だと思ってた。 結果私たちは恋人同士になって、遠くなんかなくなった。 ずっと近く。 それなのに、今度は物理的に遠く感じるようになってしまった。 まるで、遠くに行ってしまった律のバーチャル映像をそこで流されているみたいだった。 確かに目では見えるのに、触ることができない。 体温や感覚で、私の体で律を感じることができない。 悲しいなんてものじゃないよ。 もう嫌だよこんなの。 「澪は私が大好きだからなー、早く目覚めて欲しいよなー」 「目覚めるのは、お前だろ」 「自分の意志で目覚めれたらとっくにそうしてるって。前も言ったけど、タイミングが来ないと多分、私は元通りになれない」 「いつなんだ、それ」 「だから、知らないってば」 「……」 不確定な未来に期待をすることなんてできない。 怖い。不安。律が死なない? 寝たきりになって、その魂が幽霊として現れたのに? 何を根拠にそんなこと言えるんだよ。私にはわからない。 幽霊には自分の元の体のことがわかるのだという。 わかっても、絶対そうだとは言い切れないじゃないか。 そこが怖い。 元に戻らなかったらどうしよう。律が死んじゃったら……律が死んじゃったら、私……――。 寒気が全身に押し寄せて、鎖を持つ手も一気に冷たくなった。 「ま、大丈夫だって! 心配すんな!」 律が笑った。 私はその笑顔が、急に憎たらしくなった。 いっつもだ。 いつもいつも、律は笑ってばっかりだ。 心配すんな。 そんなの。 そんなの、無理に決まってる。 「なんでだよ!」 私は立ちあがった。律に向かって、大声を張り上げる。 「なんで律は、そんなの元気でいられるんだよ! 笑ってられるんだよ!」 昨日から律は、笑ってばっかりだ。 私ばっかり悲しんでるんだ。 「不安なんだよ、悲しいんだよ。私は、私は辛いんだ。それなのに、律はなんでそんなに意気揚々としてられるんだ! もう私のこと、好きでもなんでもないのか? この状況で悲しむ必要がないくらい、もう律は私なんかどうでもいいんだろ!」 「ち、違うっ……それは」 「私が馬鹿みたいじゃないか。律のこと、ホントに大好きで、律が幽霊になっちゃって、不安なことたくさんあるのに。 律はそれを、全部笑って一蹴りする。私ばっかりだ。私ばっかり律のこと好きで、馬鹿みたいだ……っ!」 自分で、言ってることが意味わかんないと思った。 律の顔を見つめているのが、痛かった。 律の顔が、ちょっと歪んだ。 泣いてる、私。 その顔を隠す様に、私は腕で顔を覆って駆け出した。 私は逃げた。 泣きながら、家に帰った。 Two of us第一話|TOP|次