約 1,808,992 件
https://w.atwiki.jp/overture/pages/67.html
理想の女性 アサシン/ステンノ キャラクター EX:花 2 コスト:花花星 タイプ:サーヴァント A P : 3 D P : 2 S P : 2 DMG : 3 [宣言] [0] バトル中に使用できない。このキャラと「アーチャー/エウリュアレ」1体を入れ替える。 エキスパンション:Fate/Grand Order 1.0 レアリティ:【U】 ILLUSTRATION ミヤスリサ:LO-0048 考察 収録エキスパンション Fate/Grand Order 1.0【U】 Q A類 その他 フレーバーテキスト:「私には戦う力はないの。本当よ?」 名前
https://w.atwiki.jp/englishlanguage/pages/1023.html
DAI... Daigi, Yuta. 大喜祐太. 2021.「独英存在構文の文体的特徴に関する一考察 テクスト内の結束性に着目して」『文体論研究』67 41-52.
https://w.atwiki.jp/overture/pages/69.html
理想の少女 アーチャー/エウリュアレ キャラクター EX:花 2 コスト:花花 タイプ:サーヴァント A P : 1 D P : 2 S P : 2 DMG : 1 ステップ [0] [宣言] [0] 味方「アサシン/ステンノ」1体にDMG+1する。 エキスパンションFate/Grand Order 1.0 レアリティ:【C】 ILLUSTRATION 矢野たくみ:LO-0050 考察 収録エキスパンション Fate/Grand Order 1.0【C】 Q A類 その他 フレーバーテキスト:「うるさいひとは嫌いよ。乱暴なひとも嫌い。……いいえ、ヒトは、嫌い。」 名前
https://w.atwiki.jp/dactiltoeb/pages/857.html
あなたが望む理想のクラスは 2007 (12/3現在) 1 ロード(64) オウガセット 2 オーヴァーロード 竜言語? 3 リッチ 暗黒魔道器 4 ソーサーラー 召還 W杖 5 ジェミニ レリクスソード W死霊の指輪 6 リッチ 竜言語? 8 団長 オウガセット 8 ワイズマン ストノヴァ W杖 9 フレイルモナーク 禁呪 W輪 11 ジェミニ 禁呪 W輪 11 ダークストーカー セントクロスボウ Wオーブ? 12 内藤ホライゾン ブリュンヒルド 聖杯 聖なる腕輪? 13 うぃっち サラマンダー ストライクノヴァ 腐ったかぼちゃ? 14 ゾンビ にぎりが臭い剣? むずがゆい小手 死霊の指輪 15 リッチ エクスハラティオ にぎりが臭い剣? ファイアクレスト? 16 ゲイビアル 掘りラン W聖輪 17 マッドハロウィン 腐った南瓜?x3 18 ファントム 禁呪 W杖 19 ブラッククィーン? ディープキッス ブラッドウィップ 20 ジェネラル(Q) オウガブレード オウガシールド 死霊の指輪 21 ウォリアー 必殺技 W輪 22 キラ様 23 棺桶 暗黒魔導器? 24 ダークプリンス(64) ノーブルファー 破魔の盾 知性の指輪 25 レリクスナイト ブリュンヒルド 破魔の盾 聖なる 26 ゲンザ 27 棺桶 ブリュンヒルド 破魔の盾 知性の指輪
https://w.atwiki.jp/clockgrail/pages/43.html
★★★★★ 大知閑閑 小知間間 大言炎炎 小言詹詹 其寐也魂交 其覚也形開 与接為構 日以心闘 大知は閑閑たり、小知は間間たり。 大言は炎炎たり、 小言は詹詹たり。 その寐るや魂交わり、 その覚むるや形開き、 ともに接りて構を為し、日に心を以って闘わしむ。 『荘子』斉物論篇 ★★★★★ ★★★★★ 「"汝に命ず、生相より晶相へ"」 魔術師の詠唱が、花園に響く。目前の少年姿の"アルターエゴ"と名乗るサーヴァントは、魔術師の詠唱とともに硝子のように転じ、あっさりと砕かれた。 しかしその手応えのなさに、魔術師は狙いが外れたことを察する。 「ハッ。我が叡智とサーヴァントを恐れ、寝込みを襲う卑怯者共でも我が魔術への対策位は用意してきたか」 叡智を誇る魔術師は、物質の八相の移り変わりをすべて看破し操作すると豪語する超人だ。 "固相"、"液相"、"気相"、"霊相"、"生相"、"炎相"、"晶相"、そして魂そのものたる"魂相"。 魔術師はその変転を理解するがゆえに、高度な魔力探知と肉体強化、再生術すら応用で備えていた。 なまじの英霊ならば、正面から撃破可能な達人。 それこそが彼の自認であり、事実であった。 「僕は君と、話をしにきただけだって言ってるのに」 花園の蝶たちの中に、忽然と再び少年の影が立つ。学ランの上に袍をふわりと羽織った姿は、まるで重力を感じさせない。 この少年───"アルターエゴ"は、確かにこちらを攻撃する姿勢は一切見せてはいなかった。 それでも、魔術師にとって、夢に入り込んできた不埒者共の話を聞く理由など何も無い。 そう。ここは夢だ。魔術師の夢の中の、花畑に過ぎない。 見た目は多少現実らしいが、魔術師の知覚を欺くことが出来るほどでもない。 「夢魔の類か、それとも夢に縁あるつまらぬサーヴァントか、さて」 ───自らのサーヴァントと引き離され、敵サーヴァントと一騎打ちをする。 一般的に絶望的とも言える状況ながら、魔術師は動揺を見せていなかった。 それは自身の魔術に信を置いているのみならず、目前のサーヴァントがどう見ても"弱い"ことにも由来していた。 英霊の戦いにおいては、これまでの対面は十分に長い。なのに"アルターエゴ"は、一度もこちらに有効打となる攻撃をしてこない。 (攻撃をする気がないのか、手段がないのか。どちらにせよ、我や英霊の領域においては致命的な隙よ) 例え夢の中であっても、彼の魔術ならば英霊の霊核に届きうるという確信がある。 魂にすら届く術式というのは、そういう意味だ。 対話に応じる気配のない魔術師に、アルターエゴは薄い笑顔で告げる。 「つまらないね。君の叡智は、君の剣を輝かせるためだけのものなの?」 「貴様ごとき白痴が、我が叡智の限界を語るか、笑わせる」 アルターエゴは皮肉げに笑う。 「人の知恵なんて狭小なものだとは思わない?魔術師。僕たちは夢を観ているのか、僕たちが現を夢見ているのか。木から離れた林檎は大地に落ちているのか、それとも大地が林檎に落ちているのか。神は死んだと哲学者は言ったけど、果たして死んだのは神の側か僕らの側か。一体誰が、真に理解していると───」 滔々と語る少年の言を、魔術師が遮る。 「───黙れ。その言で確信を持ったぞ。東洋の蛮人、紀元前の化石、無知を誇る未開人の詭弁家」 「ああ、さすが智者。僕の真名に辿り着いたんだ」 アルターエゴは眠たげな顔で微笑む。周囲を飛んでいた蝶の一匹が、その指先に止まる。 「"群生に命ず。生相より晶相へ"」 魔術師の詠唱が鋭く走る。狙いは少年───ではない。 「アルターエゴとやら、貴様の真名は"荘子"だな。異教の開祖、厭世家の狂人。ならばその不死身のカラクリも知れようというもの」 魔術師の狙いは、少年の指先の蝶───そして、周囲の蝶の全てだ。みしりと、何かが歪む音が夢を満たす。美しい藍色の蝶たちは瞬時に硝子細工のように代わり、そして成長し硝子の木に変じる。 「はは。流石だね───」 同時に少年の姿も搔き消え、その場には魔術師と硝子の森だけが残された。 「"胡蝶の夢"。我らが世界とたかだか夢を等価だなどと語る、未開人の妄想がその力の根源だ。貴様は現実では人で、夢では蝶となるのだろう?ならばここでの貴様は蝶に過ぎん」 下らん弱小が手こずらさせよって、と自嘲しながら魔術師は踵を返す。 「我らが叡智は未開人の問いなどとうに解決している。林檎は大地に落ちるとともに、大地も林檎に落ちている。神々は死して解体され、その骸が我らの手にある。証明され尽くした真理だ。」 確かな手応えを、魔術師は感じていた。 硝子の森には動くものはなく、ただ風だけが吹いている。 もはや干渉者のいなくなった、無用の夢から覚めようと魔術師は意識する。 ───その瞬間。 背後から、刃物が魔術師の心臓を貫いた。 「───な。馬鹿な」 魔術師は崩折れながら、背後を見る。そこには長い白衣を着た女がいた。その手には赤い令呪がある。 (アルターエゴ──荘子の、マスター) 魔術師の背から抜け落ちた刃物───ハサミを拾うと、女は悲しげに魔術師を見下ろす。 「名乗る前にこんなことをして、ごめんなさいね。私の名前は空島想恵。アルターエゴのマスター」 魔術師は叫ぶ。 「貴様の、名などっ、どうでもよい!何故我が探知を超え、我を刺せた?何故ただのハサミが我の肌を貫く?何故我の体が───この、この程度の傷で───死にかけて、いる?」 あり得ない。あり得るはずがない。 八相の移り変わりを看破した、この偉大なる魔術師が、何故。 魔術師の信ずる、あらゆる知識に反している。 ここは魔術師の夢だ。魔術師の理解の通りに、魔術が振るえていた。何故今更。 「"全景に命ずる。生相より火相へ"!」 周囲の生物を遍く焼くはずの魔術師の詠唱は、ただの血を吐く叫びとなって落ちる。空島想恵と名乗った女に、なんらの影響もない。 さらに目前に、もう一つの不条理が生じる。橙色の蝶がどこからか飛んできて、空島想恵の肩に止まる。 「僕は別にいいけど、ずいぶん出てくるのに時間かかったね。こいつを倒すのなんて、いつでも出来たのに」 蝶は眠たげな少年の声で語りかける。 魔術師は、ただ呻く。 「何故だ。何故まだ、貴様が。未開の詐欺師」 空島想恵は少し困った顔になる。 血に濡れたハサミを持つ姿と妙にアンマッチで、魔術師は臨終の苦痛の中でも苛立ちを感じる。 「ええと。一つずつ説明するわね」 「魔術師さん。ここはもう貴方の夢じゃないのよ。ここは私の夢。だから───私に理解出来ないものは、存在しないの」 空島想恵は、さらりと語る。 「……は?」 魔術師は絶句する。 空島想恵は、構わず言葉を続ける。 「私はずっと、魔術の存在を知らず生きてきたの。聖杯に知識は与えられたけれど、まだ理解には全く及んでないわ。だから───私の夢には、理解できない魔術は出てこない。私が出てきた時点で、そうなるの」 侵入者を発見する魔力探知も、肉体を強化する術式も、致命傷すら回復する再生術も、全ては無意味。 唖然とする魔術師の前で、蝶は少年の声で吹き出すように笑う。 「あはは。僕のマスターは面白いよね。理論と経験とで固く立てられた基盤の上で、夢すら定義してしまってるんだ」 「だからこそこんなことも出来るし、君の夢を上書きすることだって出来るんだよ」 「そしてここでは当たり前に、現実のように、死ねば二度と蘇らない」 だから残念だけど、君は死ぬんだ。 アルターエゴはあっさりと告げる。 そんな馬鹿なことがあってよいものか。 「我らが叡智が。100年先をゆく、魂と物質の根本の真理を操作する魔術が、貴様ら未開に理解できるものか」 「ええ。随分長く見させて貰ったけれど、ほとんど理解できなかったわ。本当に、学べるものならぜひ学びたかったのだけれど。待たせてしまってごめんなさいね、アルターエゴ」 蝶は呆れたように、パタパタと羽をはためかせる。 「僕がまだ居る理由も聞いてたかな、魔術師」 少年らしい高い声には、明確な憐れみがある。 臨終となってなお疑問を呈す、哀れな智者を憐れんでいる。 「当たり前のことだよ。僕は胡蝶の夢。いったい誰がどうやれば、夢から蝶を消し去ることが───蝶という自由な生き物そのものを、忘れることが出来るんだろうね。智者たる君なら、知ってるのかな」 有り得ぬ。何だ。これは。 叡智が無知に負け、開明が未開に負けるなど。 「我らが……我らが叡智への冒涜だ。馬鹿が理解できぬと云うだけで、我らが叡智が通じぬなどと」 「ええ。ごめんなさいね。貴方の魔術はこんなにも完成されているのに、私はその理解から遥か遠い」 魔術師の悪罵に、空島想恵は目を伏せる。 「どうか許してちょうだい。貴方の魔術の精髄を、この一端しか理解出来なかったことを」 空島想恵の手が伸びてくる。 止めろ、触れるな。馬鹿が。無知が。未開が───。 喉は血で塞がり、言葉にならない。 空島想恵の、柔らかな声が響く。 「"汝に命ず。生相より晶相へ"」 ───空島想絵が理解した魔術は、彼女の夢の中で存在を許される。 世界が歪む。叡智を誇った魔術師は小さなうめき声だけを残し、硝子の木に姿を変え果てた。 ★★★★★ ★★★★★ 「───ん」 空島想恵は、大学の研究室のデスクで目を覚ます。 彼女のロールは、この研究室の若き助教だ。 現実では彼女はアメリカの大学で助教をしているが、設備や分野に大差はない。 着たきりになっていた白衣を払い、彼女は立ち上がる。 まだ空が白み始めたばかり、明け方前の研究室には他に人影はなく、彼女はアルターエゴに念話を送る。 『おはよう。アルターエゴ』 『その挨拶は、僕には無意味なものだけど。それでもおはよう、マスター。良い朝を君が送っているよう願っているよ』 ───あの魔術師の叡智はアルターエゴ、"荘子"の本質をほとんど看破していた。けれど、一つだけ些細な見逃しがある。 荘子のクラスが"アルターエゴ"である理由。 『あなたが私のサーヴァントで、本当に良かったわ。"夢の中の蝶"そのもの。なんて美しい救いかしら』 『現実に実態を持たないサーヴァントなんて、普通引いたら外れだと思うはずなんだけどな』 荘子の思想を体現したエピソード、"胡蝶の夢"。 究極の相対主義。"荘周が蝶の夢を見ている"のか、"蝶が荘周の夢を見ているのか"。どちらが真実かなど誰にも分かりはしないし、どちらが真実だとしても同じことだと謳ったエピソード。 それゆえに、夢の蝶たる"荘子"もまた英霊として存在を許された。"そちらが真実である世界"もまた、等価に存在するのだ。 英霊より完全に分離した、一部でありながら全てでもある特異な英霊。 よって"荘子"のクラスは、アルターエゴ以外ありえない。 そしてアルターエゴは、夢の世界にしか実体を持たない。そして、夢の世界において彼を倒すのも難しい。 最弱に近い英霊ながら、それゆえに"倒しにくい"英霊。それが"荘子"だ。 『あら、そんなことを言って。あなただって現実に干渉出来ないわけでもない、そうでしょう』 『そうだけどさ。本当に、蝶の羽ばたきくらいでしかないのに───よく、思いつくよね』 空島想絵の手には、夢の中で魔術師を刺したハサミがある。 しかし今度は、それは正しい用途で使われている。すなわち、紙を切るために。 『ふふふ。切り絵は、子供の頃から趣味なの。両親も兄さんも、褒めてくれたのよ』 デスクの上には、沢山の切り絵が量産されている。その全てが蝶だ。アゲハ、モンシロ、ルリタテハ、オオムラサキ、その他諸々………中には、この世には存在しなさそうな蝶もいる。 空島想恵は謳うように、柔らかく呟く。 「蝶の羽ばたき程度に、現実に干渉出来るのなら───当然、切り絵の蝶を飛ばせることも出来る」 紙で出来た、切り絵の蝶たちがふわりと舞う。群れだって未明の研究室の中空を飛ぶ。夢世界のアルターエゴが、これを操っているのだ。 これだけなら、ただ綺麗なだけに過ぎない。 けれど、空島想恵には特権がある。 彼女の肩書は"生化学系研究室の助教"。そして、もう一つは"投資家"。 『"邯鄲散"とやらをこの蝶たちに染み込ませるなんて。この世界には存在しない麻酔ガス。液体状で安定的に保持でき、コントロールしやすい刺激で気化、そして僅かな量で強力な作用を持つ───僕の好みじゃないけど、とても綺麗で効果的だとは思うよ』 空島想恵の投資により元の世界で販売された、高性能な麻酔ガス"邯鄲散"。彼女はそれをこのラボで、聖杯戦争に必要な程度を生産していた。 この切り絵の蝶たちの役割は3つある。 魔術に疎い主従ははっきりとは認識していないが、切り絵の蝶は偶然にも、アルターエゴの現世における依代として機能してもいる。 1つ目は、アルターエゴの現実への知覚基盤。彼はこの蝶を介して、現実の状況を知覚できる。 2つ目は、麻酔ガス"邯鄲散"により睡眠に落とすこと。出力を調整すれば、自然なうたた寝に見せかけることも、即座に昏倒させることも出来る。 3つ目は、アルターエゴが夢から夢へと渡る架け橋。彼は、この蝶の側で眠る人間の夢に狙って入ることが出来る。 ───あの魔術師も、町中で他主従を倒しているところを、切り絵越しに探知をしていたアルターエゴが見つけた。そして、寝込みに蝶を忍び込ませたのだ。 現実での戦闘能力を欠くアルターエゴ主従にとって、この切り絵の蝶たちは貴重な手札だ。 『私が来た世界と、この世界は少し違うのよね』 美しく巡る蝶の群れの中で、空島想恵は首を傾げる。直接彼女が関わる部分以外にも、大小様々な差異がある。最も大きいのは、この"東京"自体だ。 『色んな人の夢を覗いたけれど、結局まだ分からないわ。どうして、2024年に東京があるのかしら?』 忘れるはずもない。 空島想恵の元の世界では、2009年に東京は滅んでいる。全域でありとあらゆる形の破壊が吹き荒れ、数え切れない人命が失われた。 そして、彼女の愛する両親は"行方不明"になり、愛する兄は二度と目覚めない眠りについた。 学校の行事で東京を離れていた、彼女ただ一人を残して。 物音一つ立てず、研究室の中に少年の幻像が現れる。干渉の起点たる切り絵の蝶がこれだけいれば、この程度の幻像を用いた干渉は十分可能だ。 学ランの上に袍を羽織った少年───アルターエゴは、眠たげな笑みのまま、空島想恵に語りかける。 『逆に考えるべきだと思うな。"どうして、2009年に東京は滅んだのか"』 「………震災と、外国の大規模テロが最悪の形で合わさった大災害よ。それが…、?」 空島想恵はそう答えるが、直後に気づく。 "魔術"の世界の一端を知った今、考えるべきことは"真の原因"だ。 果たしてこの巨大都市東京が本当に、表向きの理由だけで滅んだのだろうか? 『君も見たんでしょう?彼女を』 「あの子が、東京を滅ぼしたって言うの?」 ───一つだけ、原因に心当たりがあった。 あるマスターの夢に入ったとき見た、光の剣を振るう女の子の記憶。 燃える東京を背後に天真爛漫に笑っていた、白髪の少女の記憶。 地獄の風景の中で、ただ真っ直ぐに水晶の瞳を輝かせていた彼女の記憶。 名前は、確か。 「神寂、祓葉」 つい彼女に見惚れているうちに、夢は終わっていた。その主従も見失い、追跡も出来ていない。ただ一瞬の、記憶に残る残滓を見ただけに過ぎない。 それでもその印象は、焼き付いたように残っている。 本来一人の少女が東京を滅ぼしたと言われても、冗談のようにしか聞こえないのに。神寂祓葉には、何故かそれだけの説得力があった。 アルターエゴは笑う。 『さあ。マスター。貴方の家族を殺した、仇の名前───かも、しれないものが分かったよ』 『それでも、君の願いは変わらないかい?』 願い、というのはもちろん聖杯に願う願いだ。 15年前の真実を知ることなど、確かに万能の願望機でも使わなければ困難を極めることかもしれない。 あるいは、それを願いにする───あるいは、復讐を望む人だっているのかもしれない。 けれど。 「アルターエゴ、それは愚問というものよ」 「知っているでしょう?私にとって万能の願望機は、万能でもなんでもないの」 空島想恵は、理論と経験で固く立てられた世界で生きている。 万物は物理化学の理に沿って巡り、死者は生き返らず、エントロピーは常に増大し、時間は戻ることがない。 そうであるべきだと、信じている。 夢想なき理想家。それが、彼女の自認だ。 だから、夢の中ですら───愛する家族に、再び会うことすら出来ない。 魔術師に理不尽を味あわせた空島想恵の夢は、そのような精神性の結果でしかない。 「私には、"出来ることしか出来ない"」 「そんな私が聖杯を使っても、万能なんてものとはかけ離れているわ」 知り得ない知識を知ることすら出来ない。 死者を生き返らせることすら出来ない。 ただ何かを作り出すことすら、もしかしたら出来ないかもしれない。 そんな卑小な万能こそが、空島想恵の戦いの果てにあるものだ。 空島想恵が信じられるのは、自ら学び、確固たるものとした基盤だけ。理論だけ。 そうでないものなどすぐに崩れると、15年前に───2009年に、知ったから。 きっとこの場にくる前なら、聖杯をほいと与えられても空島想恵はただ困惑するだけだっただろう。 願わなければ叶わないことは叶えられなくて、願わなくても叶うことしか叶わないだろうから。 「あなたに会えたのは、本当に、奇跡のようなもの」 「人はあなたのようになれるのだと、学べたんだもの」 だからこそ。 アルターエゴは、荘子は、彼女にとって唯一無二の英霊だ。 彼女の理解からはるか遠い魔術や神の奇跡ではなく、精神と思考によって超克を成した覚者の欠片。 「誰もがあなたのように、自由に夢を見れる───夢の中で願いを叶えられる、そんな素敵な世界を望んでもいいと知れたのだもの」 「この願いが、変わることなんてないわ」 ───そんなささやかな明晰夢の自由を、自分に、世界の皆に与えることこそが、空島想恵が聖杯に捧ぐ願いだ。 "夢の中でもいいから、家族に再び会う"ために。彼女は夢を血で染めることを選んだ。 2009年に静かに壊された少女は、今もなお一つの論理と理想のために動いている。 アルターエゴは、満足そうに───あるいは寂しそうに、憐れむように笑う。 『あはは。いや、本当に、愚問だったね』 ───サーヴァント・アルターエゴこと、荘子。彼は聖杯に願う願いを全く持ち合わせていない。 彼はあるがままを受け入れた、無為を信奉する隠者。本来の"荘子"こと荘周は、ルーラークラス以外では召喚されないほどだ。 だが荘周であることを忘れた胡蝶ゆえに、"アルターエゴ"には蝶の好奇心が残されている。"ルーラー"にない私心がある。 幸せに生きればいいはずの夢すら規定し自縄する、この憐れな理想家への好奇心がある。 その一欠片の好奇心が、彼がこの聖杯戦争に手を貸す理由だ。 『天に覆われて人を知らざる僕を、呼び出せた人』 『僕を殺しうる渾沌の七穴。僕とは違う理想家───あるいは、僕以上の夢想家』 大切な飴玉を舐めるように、アルターエゴは"空島想絵"と名前を呟く。 いつも憐れみを含んだ笑顔の彼が、真剣な顔を作る。 『聖杯になんてちっとも興味はないけど、君の行く末には興味があるんだ』 『この聖杯戦争の果てまで、僕を連れて行ってくれたら嬉しいな』 アルターエゴの言葉に何かを返す前に、少年の姿はかき消えていた。 東京の未明の空を、窓から出た切り絵の蝶たちが飛んでいく。彼の僅かな幻覚により、遠目にはそれらはただの蝶と区別はつかなかった。 「───ええ。勿論」 手の中にたった一匹残った切り絵の蝶を、空島想絵はそっと撫で、胸にしまい込んだ。 【クラス】 アルターエゴ 【真名】 荘子@荘子 【属性】 中立・中庸 【ステータス】 筋力E 耐久E 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具EX 【クラススキル】 単独行動 EX マスターの支援なしで、単独で行動し続けることが出来るスキル。 アルターエゴは現世に実体を持たず、それゆえに支援を一切必要としない。 しかし要石たるマスターを失えば現世への干渉手段を失うので、ただ夢の中で飛んでるだけの蝶になってしまう。 あまりにもピーキー故の、EX。 陣地作成 D+++ アルターエゴの夢を、周囲に展開するスキル。 現世においても行使出来ないこともないが、基本的には精々僅かな幻視を見せる程度の意味しかない。 夢の内部においては、やろうと思えば相手の夢を上書きして書き換えることも出来るほどの出力を持つ強力な幻術として作用する。 基本的に攻撃には使用されず、彼の"対話"の一部として使うことが多い。 【保有スキル】 存在しない者 A 本体が夢の中に存在し、現実に一切存在しないことを表すスキル。それ故に魔力消費は理論上ゼロに等しく、またある程度距離の概念を超えて現実に干渉出来る。 なお、宝具使用時は現実に実体を曝す関係上このスキルの効果は喪失する。 夢蝶の羽搏き E 夢世界に実体を置きながら、現実に干渉するスキル。所詮はただの蝶であるため、ランクは低い。 最大出力でも、物理的に干渉出来るのは蝶の羽ばたき程度。一方で現実の知覚情報の探知は、マスターや依代を介した上ではあるがそれなりの精度を持つ。 また、複数の依代を介することで現実に幻影を生じさせることも可能。 万物斉道 A すべての者が"道"を持つことを知っており、またそれを知覚出来るスキル。 アルターエゴはただの蝶でありながら、夢から夢へと飛び他者の夢へと入り込むことが出来る。 また、彼が望むなら少数の人物を共に他者の夢に導くことも出来る。 【宝具】 『斉物論篇・胡蝶之夢(ドリームオブアバタフライ)』 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:? 最大捕捉:? 「世界が僕を夢見ているのか、僕が世界を夢見ているのか。正しいのはどちらか、一体誰が分かるっていうんだろうね?」 "荘子"の根幹たるエピソードそのもの。 夢と現実の垣根を壊し、世界を文字通りの"胡蝶の夢"に書き換えていく、論理により成る対界宝具。 夢に落ちた世界は、彼の思うがままに転変する。 ───と言えば極めて強力な宝具に思えるが、実際には扱いの難しい宝具。 まずそもそも消費魔力量の問題があり、世界そのものを書き換えることは実際にはかなり困難。 そして、弱点たるただの蝶に過ぎない彼本体が、夢と現実の接点として現実に出てくる必要がある。 聖杯戦争の勝敗に拘らない彼に、この宝具を使わせること自体も困難。 だがそれでも、理論上果てのない出力を持つこの宝具は、条件さえ揃えばそれだけで聖杯戦争を終わらせる鬼札となる。 【weapon】 本来はなし。 この聖杯戦争においては、想恵が作った切り絵の蝶。 夢世界に存在する彼が現実に与えられる影響は極めて微弱であり、まさしく蝶の羽ばたき程度。 しかしマスターである想絵の作る、切り絵の蝶を動かす程度は出来た。依代たるこの蝶はアルターエゴの干渉の起点となり、彼が夢から夢へと渡る橋にもなる。 そして、想恵の麻酔ガス"邯鄲散"──あるいは、他の何かの散布元にだってなる。 【人物背景】 春秋戦国時代の思想家。本名は荘周であり、『荘子』の作者として伝わる道教の開祖の一人。 超越的な存在や魔術の介入なく、ただ思索と論理によって悟りを成した覚者。 ──の見た夢の中の"蝶"としての荘子こそが、アルターエゴたる彼。 荘子の"万物斉道"の思想と、それを信じる人たちは、人たる荘周と別に、蝶たる彼もまた等価な英霊として定義した。 英霊そのものであると同時に、切り離された一部である彼はアルターエゴのクラスを得ることとなる。 サーヴァントとしての霊格自体は相応に高いが、荘子の"無用"を体現し、本来徹底的に"役に立たない"サーヴァント。 聖杯戦争に対するモチベが0、武勇の逸話0ゆえ戦闘能力もほぼ0、本体が実体すらない蝶と心技体揃った役立たず。 一般的な魔術師が何かの間違いで召喚したら、延々夢の中で冷やかしながら飛んでるだけで終わる。 道教の始祖と言われるが、彼の思想と後世の道教には多くの相違点がある。 道教において彼は"南華老仙"の尊号を与えられる高位の仙人だが、荘子は寧ろ生死に固執することや超人的な力を得ることへの無意味さを語っている。アルターエゴもこの名前で呼ばれると嫌な顔をする。やめてあげよう。 【外見・性格】 本来の外見は、見るものによって色や模様を変える一頭の蝶。 夢の中やスキル "夢蝶の羽搏き"で見せる幻像としては、黒の長髪を後ろで括った、10代前半の少年の姿を取る。 いつも遠くを見ているような、ぼんやりとした夢見がちな、虚無的な言動がデフォルト。 この際の服装は学ランの上に袍(漢服の上着)を羽織ったもの。 夢と現実の区別のつかない夢想家。道を知り、無為なるを信ずる覚者。 夢世界の蝶を本体として召喚されたが故に、その傾向は生前よりもさらに強まっている。 願いに振り回される聖杯戦争の参加者たちを深く憐んでいるが、一方でマスターが他者を殺すこと自体にも頓着はしない。 アルターエゴにとって生や死、正義や悪の観点は無意味であり、ただ道を知らず人為に揺れる彼らを憐れむのみ。 【身長・体重】 蝶としては開長60mm,0.3g。 少年としての外見は162cm,55kg。 (あくまで幻覚であり、体重は参考値) 【聖杯への願い】 本来はなし。 "荘子"こと荘周は聖杯に願う一切の願いを持たない。 しかし蝶たる彼には蝶の好奇心がある。 【マスターへの態度】 憐みと好奇心。 夢を愛しながら、夢に現実を忘れることすら出来ない想恵を憐れんでいる。 そしてこのような、荘子の思想から反する想恵がアルターエゴ──"蝶の夢"としての荘子を召喚したことと、その行く末に好奇心を抱いている。 【名前】 空島想恵/Sorashima Omoe 【性別】 女 【年齢】 26 【属性】 中立・善 【外見・性格】 穏やかな雰囲気の、肩までの長さの濃い茶髪の女性。 ある大学において助教として研究をしており、また投資家としても名が知られている。 足首近くまである白衣はサイズを間違えて注文したためだが、今では気に入ってそのまま使っている。 学外ではフォーマルな格好を好むが、地面に付きそうなくらい裾の長い上着は彼女のデフォルト。 「一夜で終わりうる世界なら、その一夜を、もっと価値あるものにしないとね」 穏やかな性格ながら、信念ある女性。 彼女の最初の願いは、きっと二度と目覚めることのない兄の眠りが幸福なものであることだった。 この信念は彼女の研究、そして投資にも繋がり、やがて彼女は世界の人々に幸福な眠りがあるようにと願うようになる。 聖杯戦争に呼ばれ、"アルターエゴ"と出会ったことで、彼女の願いはより具体的な形を持つ。 「アルターエゴ、あなたと出会えてよかったわ。モノも大事だけれど、それ以上に精神のあり方こそが、夢を──いや、世界を、幸福なものにするの。」 誰もがアルターエゴのように、自分の人生をあるがままに受け入れる世界。そのような人々であってこそ、夢は本当の意味で自由な世界となる。 彼女は理想のために、聖杯戦争を戦い抜くことを決めた。 たとえそれが、彼女の愛する夢を誰かの血で汚すとしても。 【身長・体重】 166cm, 61kg 【魔術回路・特性】 質B、量E 魔術とは元々全く無関係な人間であり、聖杯戦争に際して与えられただけのもの。 素質はあったのか質は中々良いが、量は絶望的。 もっとも彼女のサーヴァントが"アルターエゴ"である限りは大した問題はないだろう。 【魔術・異能】 "夢想なき理想家" 彼女の、論理と経験の上に強固に立つ精神。 2009年の東京の滅びが、彼女の傾向を決定づけた。 本来はただの精神のありように過ぎないが、アルターエゴの力により夢を旅する際に、特殊な性質を彼女の夢に齎すことになる。 彼女の夢の中は、彼女の現実と同じように規定されており、中では彼女が"理解出来ないこと"は一切起きない。 魔術を理解しない彼女は、ほとんど一切の魔術の行使を阻止出来る。 そして、彼女の夢の中で死んだ者は本当に死ぬ。 彼女は魔術も蘇りも、真に理解してはいない。 "解析" 彼女がまだ自覚していない、与えられた固有魔術。彼女の魔術の理解を助け、真に深く"理解した"魔術を、固有魔術の特性や生物的特性を無視して行使可能となる。 もっとも魔力消費はそのままなので、彼女の絶望的な魔力量で現実で振るえばすぐにガス欠になる。(夢の中なら魔力消費は無視出来る) また、当然理解すればするほど、上記"夢想なき理想家"で阻止出来る魔術の幅は減る。 スペック自体は間違いなく強力な魔術だが、本人との噛み合いが悪くハイリスクなものになっている。 "邯鄲散" 彼女が投資したことにより成功した製薬会社が売り出した、高性能な麻酔ガスの通称。 液体として長期間保管でき、必要な際には簡単な刺激で気化させ利用可能で、即効性が強い。 本来この"東京"には存在しない物質だが、彼女は大学の自身の所属するラボで、聖杯戦争に必要な量を自ら作成している。 アルターエゴの操作する切り絵の蝶に染み込ませ扱うことで、蝶に近づいた任意の人物を眠りに落とすことが出来る。 【備考・設定】 かつて存在した高級路線寝具メーカー、"ドリームスカイ"の創業者一家の娘。 幸せな家族の生活は、彼女が11歳の時の東京の崩壊により終わりを告げる。両親は"行方不明"になり、優しく夢見がちな兄は二度と目覚めない眠りに就いた。 これをきっかけに、彼女は理論を信奉する現実主義者となる。物理化学、生物学に傾倒したのも、自分という存在を理解しなければならないという飢餓感によるもの。そうでなければ、自分が存在していることにすら確信を持てなかったから。 彼女は海外の大学に行き、生化学分野において睡眠の機構に関する研究をするようになる。そしてその傍ら、"人類の幸せな眠り"に繋がるような企業に、積極的に投資をしていくようになる。 新興の睡眠ゲームアプリメーカー、確かな腕ある古豪ながら時代に乗れない寝具メーカー、挑戦的な小規模製薬会社。 無軌道とも言える行動はしかし成功し、彼女は"睡眠投資家"──あるいは"睡眠研究者"として名声を得る。 しかしどのように名声を積んでも、理性に支配され規定された彼女は夢の中ですら家族に再び会うことが出来ない。 彼女はやがて、両親の遺品の一つである柱時計の修理に訪れた時計店で、ある"時計"に出会う。 彼女は"第一次聖杯戦争が2009年に起きた、2024年"から呼ばれたマスター。この世界では東京の崩壊はテロリズムと震災によるものとして辛うじて神秘の秘匿が成立しているが、それに納得していないものももはや少なくはない。 【聖杯への願い】 誰もが夢の中で、幸せに生きる権利を持つ世界。 あるいは、夢の中で再び家族に会うこと。 【サーヴァントへの態度】 彼女の理想の体現者。 "夢"に対する考えは必ずしも一致しないが、その程度の齟齬は埋められるものだと考えている。
https://w.atwiki.jp/millionbr/pages/187.html
すれ違う理想と友情 その出来事は、『放送』が始まるより前まで遡る。 「はい皆、一旦きゅうけーい!」 南の街の、とある民家。 そこにぞろぞろと、5人もの少女達が入ってきた。 当然、そこに住人はいない。ただ、空き家というわけでもなく、ある程度家具も置かれている。 まるで、前に誰かが住んでいたのかと思わせるかのような雰囲気があったが、推測するにはそれ以上の証拠がなかった。 「結構立派な家ね……」 「私、ちょっとキッチン見てくるね!」 先ほど、声を張り上げたのはこの集団を先導する、所恵美。 部屋の広さに関心しているのは如月千早、我先にと奥へ向かったのは佐竹美奈子。 その後ろからは、松田亜利沙と高槻やよいが浮かない表情を浮かべ、ついてくる。 皆、思い思いに行動していく。そこに、殺伐としたものはない。 ここにいた少女達は皆、この『殺し合いの場』において、そんな行為に反抗する意思を持っていた。 (……まだ、油断できないです…チャンスを、待たないと……) ――少なくとも、表面上は。 やよいが浮かべた、苦々しい表情を見たものは、誰もいない。 それぞれの内に秘めた思いは、誰も知る事はない。 「所さん…ここでしばらく休憩って、言っていたけど」 「皆、結構疲れてるでしょ? それに、うちらが知ってる事も整理しなくちゃって思ってね」 一旦、民家に入って休もうと提案したのは恵美だった。 街までの道で合流した美奈子とやよい、そして市民プール前で合流した亜利沙。 特に亜利沙に言えたことだが、この異常な状況下で、皆疲労の色が見え隠れしている。 それに彼女達も、ここに至るまでに誰かと会い、何か経験したかもしれない。 一度どこかで腰を落ち着けて、そんな情報を共有するべきだと、彼女は考えていた。 「それに……もうすぐ、なんか発表とかあるらしいじゃん。備えとかないと」 そして、懸念していたのはそれだけではない。 恵美の言葉に、皆がぴくりと反応を示す。 「えっと……6時間ごとに、って言ってましたから、あと30分ぐらい…ですよねー」 「確か…死んだ人を発表する、って……」 場に、重苦しい雰囲気が漂う。 こうしている間にも、このイベントは進行している。 自分達のように反抗するものだけならいいのだが、正直、嫌な想像の方がいくらでもできる。 そんな事を考えてしまう状況、誰しも心中穏やかではない。 「………っ」 そしてここには、唯一それを現実として目の当たりにしている少女がいた。 俯く少女、松田亜利沙の顔色は悪く、ここに来てから何も喋れていない。 これからの事を考えるなら、自分の知る事を皆に言うべきなのだろう。 けれど、今に至るまでできないでいた。 市民プールの前で、4人に合流した時、ひどく消耗していた彼女に対し皆は気にかけた。 ここに来るまで、何かあったのか。誰か、出会ったのか、と。 そんな問いにさえも、口を開けられていなかった。 それだけ、彼女の知っている現実は、あまりにも残酷で。 「………?」 何より、彼女の前で言う事がはばかられた。 思わず彼女――如月千早と目があって、あわてて目を逸らす。 亜利沙が未だ自分が今までの事を話せないのは、彼女がいるからに他ならない。 自らが知っている『彼女の死』に、一番動揺するであろう人物は彼女だから。 それだけ2人は仲が良くて。彼女の中で、大きな存在になっている。 アイドル達の事をよく見ていた彼女には、それが辛い程によくわかっていた。 結局、合流したその時は口を閉ざす亜利沙を見て、主に恵美の提案の元、一旦保留という事になった。 薄汚れた制服。不自然な恰好。挙動不審に近い態度。 不信感を抱いてもおかしくなかっただろうに、そうせずに皆は彼女を気遣って。 亜利沙は、そんな皆に感謝の気持ちと、一種の負い目を抱いていた。 「松田さん」 そんな中、いきなり声がかけられる。 ハッとして顔を上げると、そこにはさっきまである程度距離があった筈の人の姿。 千早が、目の前にまで来ていた。 「あっ、あの」 「隣、失礼するわね」 慌てて何か声をかけようとする亜利沙を横目に、千早は彼女が座るソファの横に腰掛ける。 そして、流れる気まずい沈黙。 ここに来るまで、随分と挙動不審だった。 何を聞かれても、何を言われても。不思議じゃない。 「一つだけ、聞いてもいい?」 そして、言葉をかけられる。 優しく言い聞かせるかのような、穏やかな声。 あたりを見ても、美奈子はまだ帰っておらず、恵美とやよいは互いに何か話している。 2人は2人で、情報交換でもしているのだろう。他に、誰かが聞いているという事はなさそうだった。 亜利沙は意を決し、「はい」と返事を返す。 何を聞かれるのかは、分からないけれど。 「……春香に、会ったの?」 その言葉を聞いた瞬間、心臓をわしづかみにされたかのような感覚を受けた。 「っ!?」 「図星、みたいね」 突然言い当てられ、びくりと体が跳ね狼狽える亜利沙を見て、千早は息を吐く。 その表情は、憂いを帯びていた。 一体、何故分かったのか。息は自然と荒くなり、心臓はばくばくと暴れる。 「なっ、な……」 「確証があったわけじゃないのだけれど……。 少し、それに見覚えがあって。もしかしたら……って」 驚いて呂律も回らない亜利沙の事を、見つめる。 その視線は、彼女の顔よりも少し上を向いていて、それで気付いた。 (……あっ) 彼女は長い髪を束ねてはいるが、いつもは簡素な髪留めで済ます事が多い。 こうして、リボンを使う事自体まれで、可愛げのある赤いリボンが、目についたのだろうか。 決意の為につけていた、彼女の形見。 そうして、自らその形見を手にふれ。 「―――――!」 血の気が、さっと引いた。 そのリボンに、赤黒くにじんでいた――血にふれて。 「ちっ、違います千早さん!これは……っ!!」 思わずがたりと立ち上がって、弁解する。 その物音に、蚊帳の外にいた恵美とやよいがこちらに気付く。 言葉が、続かない。否定しようとしても、何も言えない。 血に染まった友人のリボンを見て、想像する事。 それは、違ってなどいないのだから。どう取り繕っても、言い訳にしかならない。 「……その……」 一転して、場がしんと静まりかえる。 気まずい雰囲気が、流れる。 何も喋ってはいないが、この態度と状況を見れば嫌でも察するだろう。 天海春香は、どうしたのか。出会ったとして、何故今ここにいないのか。 そして、こんな態度では勘違いされてもおかしくはない。 松田亜利沙が、天海春香を――― 「心配しなくても、疑ってなんかないわ」 そんな心を、見透かしたかのように。 挙動不審に狼狽える彼女に、千早は声をかける。 「あなたが……アイドルの事が大好きなあなたが、アイドルに手をかけるはずないもの」 「……っ!」 そして穏やかに紡いだ言葉は、亜利沙の言葉を詰まらせる。 当たり前、とでも言う程に彼女はあっさりと言いのけていた。 そんなの、この異常な状況ではどうとでもなるかも分からないのに。 「ねえ……話して、もらえないかしら」 そして、千早は口を開く。 彼女の方でも、最悪の可能性が頭を過り、それが否定したくても、否定できないでいて。 亜利沙の知る事が、残酷な事であるというのも薄々分かっていても。 「何が起きたのか……知りたいから」 大切な人の事から、目を逸らしたくはなかった。 「……!」 透き通るような、まっすぐな瞳を向けられて、亜利沙はぴくりと体をこわばらせる。 彼女の決意が、目の前に突き付けられているかのような。そんな錯覚を起こす。 「教えてもらったの。諦めない事、逃げない事を」 ちらりと、千早は横を見やる。 そこには、まだ2人が何を話しているのか理解しきれていない恵美の姿があった。 ここで終わろうと――逃げようとした自分を、止めた人。 彼女に感化されて生きると決意した以上、どんな現実でも受け止めて、それでも前へ進まないといけない。 「だから……教えて。あなたの、知っている事……春香に、何があったのか」 瞳が、より近づけられる。 千早の言った、『春香』という名前に、見ていた2人もぴくりと反応する。 まだ亜利沙は、直接春香にあったと明言したわけじゃない。 ただ、その反応は確実に何かを知っている。 「………ッ」 そして、それが言いづらいような、とても辛い事だと知るには十分すぎた。 恵美もやよいも、神妙な面持ちでそちらの方に目を向けている。 「ただいま~……あれ? 皆、どうしたの?」 そんなタイミングで、家の中の探索を終えた美奈子が戻ってくる。 妙に緊迫した場の雰囲気に、戸惑う。 話すべき仲間、4人はここに集まり、丁度良く舞台は整った。 「……分かりました」 そして彼女は、閉ざしていた口を、開く。 * * * 亜利沙が話し終えて、静まり返る。 彼女が見た事、全てを話し終えた。 とは言っても、そこまで多いわけじゃない。 ただ―――天海春香の死体を見た、それだけの事。 「そんな……っ」 不意に声を漏らしたのは、佐竹美奈子だった。 アイドルが、天海春香が、死んでいた。誰に、殺されたかも分からずに。 殺し合いなんてありえない。誰もしないんだと言う甘い考えを、淡々と打ち砕かれて。 息も震えるほどの、衝撃を受けていた。 「………」 恵美とやよいも、実際に死人が出たと聞いて何も感じないわけじゃない。 かつて仲間だった子が、仲間を殺した。 実際にそれを見たわけじゃなくとも、現状はそうとしか考えられず。 突きつけられた現実は、場を重くする。 けれど、彼女達はそれ以上に。 「……そう」 その事実を。 友人の死を聞かされた彼女の事を気にかけていた。 「千早……」 恵美が、ちらりとそちらの方をみやる。 気持ちうつむいていた彼女の表情は、思っていたよりは落ち着いている。 けれど、腕を握る手はぎゅっと強く絞められていて、震えていた。 「……誰が、というのは……」 「ありさが見た時には、もう……だから、分からないです…」 自殺なんていうのは、ありえない。 となれば、確実に殺した誰かがいるという事だ。 けれど、亜利沙は誰が手をかけたかというのまでは分からなかった。 どこかも分からない場所で親友が死に、誰のせいかも分からない。 その心中を深くまで察する事なんて、できやしない。 「……話してくれて、ありがとう」 それでも、取り乱す事はなく話し終えた亜利沙に声をかける。 そんな彼女の姿に、亜利沙は言葉を返すでもなく不安気な表情を浮かべる。 彼女もまた、親友が死んでしまった千早の心中ばかりが気にかかっていた。 表面上は冷静を保っているように見えるからこそ、不安を感じずにはいられない。 「……あのっ」 ふと、亜利沙は声を上げる。 そして、自らの髪を結んでいたリボンを解いた。 血で汚れてはいるが、まだところどころに鮮やかな赤は残っている。 「これっ、もしよかったら、千早さん、に…」 「私はいいわ」 これは千早にとって、親友の形見となるもの。 だから、彼女に託した方がいいと手渡そうとして、しかし彼女はそれを首を振って拒否する。 「あなたの、決意の表れなんでしょう? なら、あなたに使ってくれた方が……」 どこかぎこちない笑みを浮かべて、彼女にそのリボンをぎゅっと握らせる。 千早にとっても、亜利沙が説明をする中で、強い決意の元、それを持ち出した事は分かっていた。 その形見が、彼女に力を与えているのなら。それは、彼女に託していた方がいいのだろう。 「千早さん……」 「……っ」 その方が、あの子も良いと思ってくれるだろうから。 そう思った瞬間に、言葉に、詰まる。 彼女はもう、この世にいないのだと。 段々と、実感しつつある自身を感じていて。 「……ごめんなさい。すこし、外の空気を吸ってくるわね」 やがて彼女は、逃げだすように振り向き、去っていく。 「あ……っ」 それを止められる者は、誰もいない。 彼女がどれだけ辛いか、それを止めて、慰められもしない。 誰も、かけられる言葉も、呼び止める声さえも出せなかった。 そして、理由は単純にそれだけではない。 仲間が殺されていた。おそらく、かつての仲間の手によって。 それは千早ほどでないにしても、他の皆にも少なからず衝撃を与えていた。 千早がいなくなって、気まずい沈黙が流れる。 誰も何も、言葉を発する事すらできない。 先ほどまでの、仲間と共にいるが故のある程度希望に満ちていた雰囲気はどこにもない。 この先、どうなってしまうのだろう。自分達も、いずれそうなってしまうのだろうか。 誰が口に出すでもなく、そんな不安を感じずにはいられない。 「……ごめんね、亜利沙」 そんな空気の中で、一人声を出す。 「えっ?」 「辛かったでしょ、話すの。 それに、千早の事。気遣って、ずっと背負ってて、さ」 突然声をかけられて困惑する亜利沙をよそに、恵美は語る。 情報を伝えられて、皆、ショックを受けただろう。 けれど、それで心に傷を負ったのは伝えられた皆、だけじゃない。 この中で唯一、実際にそれを見て『しまった』子。 一番近くで、その絶望を見て。 合流して、ずっと悩んでいて。 「…ありがと。よく頑張ったね、亜利沙」 そうして今にも崩れ落ちそうな、彼女の頭を、撫でた。 「………っ」 俯いていた彼女の姿が、震える。 ここに至るまで、ずっと気張っていた精神がゆれる。 違う、褒められる事なんかじゃない。 「そ、そんな……ちがいます、ありさ、は、なにも……!!」 そう思いながら、視界がにじんでいく。 触れた優しさ、何もできなかった自分への不甲斐なさ。 色んな思いがまじりあって、胸の奥底からこみあげるものを押えきれない。 じわりと視界がにじんで、そしてぼろぼろと涙がこぼれだした。 「なにも、できなくて……っ! うぅ、うあぁぁぁっ…!! えぐっ、ひぐっ……!」 「おー、よしよしよし。ごめんね、そこまで思い詰めさせちゃって…」 止まらず、泣きじゃくる彼女を抱きしめる。 これからどうするか、なんて恵美にも分からない。 けれど、それでもなお目の前で思い詰めている仲間の事を見過ごす事はできなかった。 落ち着くまで、少しの間でも一緒にいてあげる。 やがて嗚咽も落ち着いてきた頃、恵美はちらりと美奈子の方を見た。 「よーし……ねぇ、美奈子」 「えっ、あ、何?」 「ごめん、ちょっと亜利沙とやよいの事任せていい?」 胸にうずくまる亜利沙の頭をポンとたたいて、美奈子にお願いをする。 この場では、美奈子が一番の年長者だ。頼るなら、彼女になるだろう。 まだショックの余韻の抜けない美奈子は、少し上の空といったようにうなずく。 それを見た恵美は、亜利沙を優しく座らせる。 「千早の事も、ほっとけないからさ。それじゃ、よろしくね!」 一人席を外した千早の事も、彼女はもちろん心配だった。 何と声をかければよいのか分からない、というのは彼女も一緒である。 けれど、だからと言って放っておくわけにもいかない。 一旦ここを置いて、千早の元へいこうとする。 「……恵美ちゃん」 「ん、何?」 それを、美奈子は呼び止める。 振り返ると、彼女は不安気な表情を浮かべていた。 確かに、今ここの一番の年長者は彼女だ。 年上として、少しはみんなの事を見ているつもりだった。 「無理、しないでね?」 だからこそ、そうやって、皆を気に掛けすぎる彼女の事が心配になった。 「………ん」 そんな美奈子の言葉に、はっきりとしない返答をする。 無理をするな。そういわれても、分かったとはっきり言えない。 今、無理をしてないといえば嘘になる。けれど、だからと言って仲間を放ってはおけない。 少しだけばつの悪そうな表情を浮かべた後、恵美も千早の行った方向へと向かっていった。 「……」 それを見送ると、美奈子は振り返り、この場に残った子達をみやる。 亜利沙は落ち着いたとはいえ、まだ情緒が不安定な部分がある。 やよいも、あれから険しい表情を崩せない。 そして、現実を伝えられて衝撃を受けているのは美奈子も同じだ。 (……ううん、私がしっかりしないと) そんな弱い心を、首をぶんぶんと振って追い払おうとする。 みんな、不安なんだ。 私が一番お姉さんなんだから、しっかりしないと。 そんな風に、自分を鼓舞する。 なによりも、このどんよりとした雰囲気が耐えられない。 このままじゃ、認めたくなかった『何か』を、認めてしまう。 いつも通りで、いないといけない。こんなのは、嫌だ。 ……いつも通りとは、何だろう。こんな時、『佐竹美奈子』はどうやって、皆を元気づけるだろうか。 重い空気の中で、何か焦りのようなものも感じる中、 ぴーんぽーんぱーんぽーん。 追い打ちをかけるように、それを始まった。 * * * 放送が流れ終わり、部屋の中にいる3人は一様に黙り込んでいた。 「うそ…なんで…そんな……!」 しんとした中で声が響いて、やよいは少し顔を上げてちらりとあたりを見渡す。 亜利沙はがたがたと震えて、頭を抱えている。 瞳は揺れて、唇まで真っ青に染まっている。 対して美奈子の方も、目の焦点が合っていないように思えた。 どちらも、精神的にかなり動揺しているようだ。 当然だろう。この事実には、彼女も驚愕を隠せないでいたのだから。 12人。この6時間の間に、死んだ人数。 おおよそ、全体の4分の1。考えていた以上に、早いペースだ。 やよいの思っていた以上に、このイベントに積極的になり、仲間を殺した人がいるのかもしれない。 かつての、仲間が。その事に哀しみを覚え、そして自分もそうである事に負い目を感じる。 けれど、その考えをやよいはすぐに振り払った。 たった1人生き残ると決めた以上、そんな事を思ってる暇はない、と。 口に出すこともせず、決意を固める。 「………ね、ねぇ」 ふと、誰かが口を開いた 何事かと俯いていた顔を上げると、美奈子が一歩前に踏み出していた。 ぎこちない笑顔で、額に浮かぶ汗をぬぐおうともしない。 無理に、自身を鼓舞しているようにも見える。 「皆……そんな、落ち込まないで、ね?」 こんな状況で励まそうとしているのだろうか。 けれど、それでどうにかなるような状態でないのは明らかだ。 事実、彼女自身も相当狼狽えている。 とすれば、彼女はどうするだろうか……。 そこまで考えて、はっとする。 ここにいる皆を元気づけようと、世話焼きの彼女が起こす行動。 丁度ここは民家で、時間も時間。なら、もしかすると。 運命の時は、近づいている。やよいは、心の中ではやる気持ちを抑え。 「……そうだ! もうお昼だし、何か食べようよ!私が作ってあげるから! お腹いっぱいになったら、きっと元気がでるよっ!」 ――来た。 その瞬間、やよいの心臓はどくりと反応した。 食材も、場所もある。時間も丁度、正午。こんな提案をするのは、必然だったのかもしれない。 そして、それは同時にやよいの持つ『武器』が使える、その瞬間でもあって。 「…そう、ですよねっ!私もお手伝いしますから、元気出してくださいー!」 やよいも声を上げ、その提案に呼応する。 その瞬間に、心がちくりと痛んだ。 自らの信念、家族の掟を、破る瞬間が近づいてきている。 信頼してくれている皆の事を、裏切る瞬間が近づいてきている。 それでも、やりとげる為に。偽りの言葉と、偽りの笑顔を浮かべる。 亜利沙は相変わらず、反応らしい反応がない。 12人もの、仲間が死んだのだ。 アイドルが、仲間が大好きだった彼女への、追い打ちをかけるかのような衝撃は、痛いぐらいによくわかる。 けれど、今はその方が都合がいい。 目ざとい彼女が万全な状態だったなら、こうやって自分を偽る事も見破られてしまいそうだったから。 「じゃあ、2人が帰ってくる前に食材の下ごしらえでもしよっか! さっき探してたら、ちゃんと色々あったんだよ! 腕、振るわないとね!」 やよいが同調してくれた事で、美奈子はぱぁっと笑顔を見せた。 焦っているか、錯乱しているかのような。 その姿は、やよいにもわかる程に無理をしている。 先ほど彼女自身が恵美に指摘した事が、そのまま今の彼女のような状態で。 けれど、それを指摘する事はない。それもまた、都合がいいから。 仲間の心配すべき状態を、都合がいいからという理由で、切り捨てる。 それだけじゃない。最終的には、殺すのだ。 食事に毒を仕込むという、一番、彼女の思い出を穢す方法で。 どれだけ、どれだけの罪を重ねても、彼女の悲痛な歩みは止まらない。 アイドルと、笑顔と、仲間を信じ抜こうとする松田亜利沙。 危うい中でいつも通りに執着し、そうあろうとする佐竹美奈子。 そして、たった一人生き残る為、心の内でその時を伺う高槻やよい。 彼女達がそれぞれ抱く『理想』は、致命的な程にすれ違う。 【一日目/日中/G-4 民家】 【松田亜利沙】 [状態]健康 、深い悲しみ [装備]天海春香のリボン、競泳水着 [所持品]基本支給品一式、不明支給品1~2 [思考・行動] 基本:笑顔の力を信じる。 1:??? 【高槻やよい】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1)、青酸カリ [思考・行動] 基本:最後の一人になる。 1:焦燥。絶対に死ねない。 2:料理に、毒を仕込む……? 3:とにかく機会を窺い、慎重に動く。 【佐竹美奈子】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2) [思考・行動] 基本:仲間と一緒に脱出っ、わっほ~い! 1:皆を元気づけるために、料理を振る舞おう! 2:不安。誰かと接していないと押し潰されそう。 3:みんなと一緒ならきっと何とかなるよね……? * * * 真上の太陽が照らす街中で、恵美は追いかける事も忘れ立ち尽くしていた。 彼女も、千早を探す道中ですぐに放送によって足を止められていた。 放送、12人の名前、死亡、禁止エリア。たくさんの情報が、頭の中で浮かんでは消えていく。 頭を抱えた。楽観的に考えていたつもりはなかったのだが、まさかここまで、だなんて。 「………?」 そんな中、恵美の耳に何かひきつるかのような声が聞こえた。 泣き声、だろうか。それが何か、すぐに思い当たる。 その瞬間に、恵美はその方向へと駆け出す。 まだ、整理はつかないが、今は近くの仲間の方が優先だ。 「……っ、う………」 走っているうちに、探し人はすぐに見つかった。 5人が入った民家から、そう遠くない道で。 千早は、へたりこんでいた。声をかけようと、後ろから近づく。 「どうして……あなたまで私を、おいて……っ!」 けれど、その伸ばした手が触れられる事はなかった。 後ろにいる恵美の事も気づく事なく、彼女は誰に言うでもなく泣き崩れている。 それに、かける言葉が見つからなかった。 「……っ」 伸ばした手が下ろされ、恵美は目を逸らす。 彼女が大切な人に先立たれる、という事は、これが初めてではなかった。 それは、彼女の中でも特に深刻な問題で、フラッシュバックしてしまえば、その衝撃は大きい。 他人の言葉で、癒せるものではない程に。 (…何やってんの、アタシ) 下ろした手を、ぎゅっと握りしめる。 沢山の仲間が死んで、目の前で仲間が悲しんでいて。 そんな中で、一体彼女は何ができた? この6時間の間、ただ殺し合いの実感も十分にないまま歩いていただけ。 それが自分の無力さを、まじまじと見せつけられているようで。ただ、歯痒さと自己嫌悪が頭の中を支配する。 かなしみに暮れる彼女の後ろで、今もこうして、何もできずに立ち尽くして。 かつて信じていた『友情』さえも、哀しい程にすれ違う。 【一日目/日中/G-4】 【如月千早】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、プラスチックのスティック [思考・行動] 基本:最後まで諦めない。皆で脱出する。 1:春香…… 【所恵美】 [状態]健康 [装備]灰皿 [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1) [思考・行動] 基本:最後まで諦めない。皆で脱出する。 1:落ち着いたなら、千早を連れ戻したい、けど…… 2:自身に疑問と、嫌悪。 刻まれてる誓い 時系列順に読む かざはな 刻まれてる誓い 投下順に読む かざはな The Trojan Horse 如月千早 紳士の昼食会 松田亜利沙 佐竹美奈子 高槻やよい 所恵美 ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/16115.html
セレブ 日本のセレブ コメント 金持ちな人のこと。 日本のセレブ ムウマージorウルガモス:デヴィ夫人 プルリル:叶姉妹 サーナイトorミミロップ:森泉} チルタリス:たかの友梨 オコリザルorミロカロス:宮崎麗香 スイクン:滝川クリステル ドーブル:オノ・ヨーコ ドンファン:野崎幸助 エーフィorレシラム:青山光司 ペルシアンorオオスバメorジャローダ:熊谷裕樹 メタグロス:DAIGO リザードン:坂本龍一 ペルシアンorギャラドス 滝沢カレン ボルトロスorドーブルorネイティオ:ウィル・スミス コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 架空のセレブ チャーレム:王留美 -- (ユリス) 2021-01-23 16 25 12 オコリザル 宮崎麗香 ネイティオ:ウィル・スミス 使い手であるイツキの英語名(Will) メタグロス:DAIGO リザードン:坂本龍一 ペルシアンorギャラドス 滝沢カレン -- (名無しさん) 2021-01-21 23 35 30 草案 ラプラス:高畑充希 -- (ユリス) 2020-08-08 18 14 21 グレイシア:キャンディス・スワンポール 使い手であるスズナの英語名(Candice) バクーダ:コートニー・カーダシアン 使い手であるカガリの英語名(Courtney) ネイティオ:ウィル・スミス 使い手であるイツキの英語名(Will) -- (名無しさん) 2020-08-08 09 18 04 草案 バクオング:宮崎麗香 メタグロス:DAIGO リザードン:坂本龍一 ペルシアンorギャラドス 滝沢カレン -- (名無しさん) 2020-06-14 11 03 05 草案 海外のセレブ アメリカ マイナンorオドリドリ(ぱちぱちスタイル):マドンナ -- (ユリス) 2020-01-05 14 27 39 ポチエナ:Matt 使い手であるウシオの英語名から -- (名無しさん) 2020-01-02 21 37 05 エンペルト:北順佑 -- (名無しさん) 2019-06-08 20 13 07 草案 チルタリス:華原朋美 -- (名無しさん) 2019-05-19 15 47 07 草案 リザードン:坂本龍一 -- (ユリス) 2019-05-17 22 10 47
https://w.atwiki.jp/voice/pages/18.html
勉強系 中田敦彦のYouTube大学(Youtube) メンタリストDaiGoの心理分析してみた(ニコニコ動画) メンタリストDaiGoの心理分析してきた(Youtube) YouTube プレミアム会員にならないと、バックグラウンド再生ができないのでYouTube系を音声配信メディアと捉えるの難しいかもしれないです YoutubeプレミアムはYoutubeを一日一回見る人は一度入ってみるのをオススメします。 広告無しで見れるし、スマホでもバックグラウンド再生できるので、Youtubeの使い方変わります。 ラジオ系 Voicy 配信者が厳選されているので、コンテンツのクオリティ高い stand.fm だれでも気軽に配信できる。 基本はアプリ使用を前提としている? (PCのWebブラウザでは最低限しか使えない模様)
https://w.atwiki.jp/a-team1td1audition/pages/108.html
【エープラス 所属タレント】ダイスケがニューアルバム『tsumugu』をリリース【エーチームグループ】 ダイスケ(エープラス所属)、ニューアルバムで キマグレンのISEKI、DAIGO、ミト等と 豪華コラボ ダイスケが3月26日、ニューアルバム『tsumugu』をリリースする。 同作品はCD2枚組にそれぞれオリジナルソングとカバーソングを収録した意欲作だ。このたびその詳細が発表された。 ダイスケ(エープラス所属) CD2枚組の『tsumugu』には、それぞれ豪華ミュージシャンとのコラボレーション楽曲が収録される。 オリジナルソング盤にはISEKI(fromキマグレン)と共作した「キミは太陽 feat. ISEKI(fromキマグレン)」ほか、ダイスケがデビュー前からライブにも通っていたというクラムボンのミトが編曲とプロデュースを手掛けた「Monster」の2曲が収録される。 一方のカバーソング盤は、“ダイスケが憧れる男性シンガーソングライター”という括りで楽曲をセレクトしたもの。 岡村靖幸の「だいすき」はプライベートでも親交の深いDAIGOとカバー、灼熱のツインボーカルが堪能できる仕上がりとなった。 このほか、「恋とマシンガン」(フリッパーズ・ギター)、「田園」(玉置浩二)、「遠く遠く」(槇原敬之)など、日本のJ-POP史を彩る名曲たちをカバー収録した。 アルバム『tsumugu』はオリジナルソング盤とカバーソング盤それぞれに7曲ずつを収録した全14曲。 初回生産限定盤にはミュージックビデオを収録したDVDや、non-no監修撮り下ろし写真満載のブックレットが付属するなど、豪華仕様となっている。 なお、このリリースに先がけて2月26日にはシングル「ドレミ」がリリースされる。 リリースイベントも随時発表されており、同イベント時にアルバムを予約した方にはオリジナルクリアファイルが特典として付いてくるとのことだ。 ■3rdアルバム『tsumugu』 2014年3月26日Release 【初回生産限定盤(CD2枚組+DVD+ミニブック+ダイスケカード)】ESCL-4177~4179 4,000円(税別) 【通常盤(CD2枚組)】ESCL-4180~4181 3,333円(税別) <DISC1 オリジナルソング盤> M1「ドレミ」 M2「パプリカ」 M3「夏めく坂道」 M4「Love Loveしよう」 M5「キミは太陽 feat. ISEKI(fromキマグレン)」 M6「Monster」 M7「流星」 <DISC2 カバーソング盤> M1「恋とマシンガン」 M2「だいすき」feat. DAIGO M3「高気圧ガール」 M4「すばらしい日々」 M5「空も飛べるはず」 M6「田園」 M7「遠く遠く」 <初回生産限定盤付属DVD> 1.「ドレミ」ミュージック・ビデオ 2.「夏めく坂道」ミュージック・ビデオ ■8thシングル「ドレミ」 2014年2月26日Release ESCL-4166 1,200円(税別) M1.ドレミ M2.Best Friend M3.夏めく坂道 アコースティックバージョン M4.ドレミ Instrumental <8th SG「ドレミ」リリースイベント> 3月1日(土) 13 00~ @イオンモール北戸田 1Fセントラルコート 3月2日(日) 13 00~ @イオンモール土浦 1F花火ひろば 3月8日(土) 16 00~ @イオンモール佐野新都市 1Fセントラルコート 3月9日(日) 16 00~ @イオンモール大牟田 1F ありあけコート and more・・・ ⇒ ダイスケ Official website ⇒ ダイスケ オフィシャルブログ 「ダイスケ日記」 ⇒ ダイスケ、ニューアルバムでキマグレンのISEKI、DAIGO、ミト等と豪華コラボ | ダイスケ | BARKS音楽ニュース ⇒ ダイスケ 新アルバムでISEKI(fromキマグレン)、DAIGO、ミトらとコラボ - 夕刊アメーバニュース ⇒ ダイスケ新曲「ドレミ」のジャケット写真をnon-noがプロデュース、新ビジュアルが公開 | Musicman-NET ⇒ エープラス|所属タレント|ダイスケ ⇒ エーチームグループオーディション|所属タレント|ダイスケ ⇒ エー・プラスとは - はてなキーワード ⇒ ダイスケとは - はてなキーワード エーチームアカデミー 評判 エーチームアカデミー 費用 エーチームグループ エーチームグループ 3次審査 エーチームグループ 特待生 エーチームグループ 費用 エープラス 所属タレント ダイスケ
https://w.atwiki.jp/angeunite/pages/17.html
《理想のメイド!? 新田由美》 プログレスカード レベル3/青/ATK7000/DEF8000/STK1 【LINK(4)-ΩΣ】ATK+6000。 1枚引く。 side α/side βで登場のレベル3・青のプログレスカード。 収録 side α/side β 1-004 ブリリアントパック Vol.1 1-004