約 3,000,679 件
https://w.atwiki.jp/unispe/pages/37.html
ブラウザを起動するのに最低限のコード 下記を見て分かるとおりInternet ExplorerとGoogle ChromeにはDriverServerというツールを経由して実行しないと例外が発生する。 さらにIEだけは現在PC上で使用しているIEのセキュリティ設定と同一にしないとこれまた例外が発生するので必要となる。(2~3行目) Internet Explorer System.setProperty("webdriver.ie.driver", "conf/selenium/IEDriverServer.exe");DesiredCapabilities ieCapabilities = DesiredCapabilities.internetExplorer();ieCapabilities.setCapability(InternetExplorerDriver.INTRODUCE_FLAKINESS_BY_IGNORING_SECURITY_DOMAINS, true);WebDriver ieDriver = new InternetExplorerDriver(ieCapabilities);ieDriver.get("http //yahoo.co.jp"); Firefox WebDriver ffDriver = new FirefoxDriver();ffDriver.get("http //yahoo.co.jp/"); Google Chrome System.setProperty("webdriver.chrome.driver", "conf/selenium/chromedriver.exe");WebDriver chromeDriver = new ChromeDriver();ChromeDriver.get("http //yahoo.co.jp/");
https://w.atwiki.jp/dragonkiller/pages/690.html
公開日:2019年04月13日 更新日:2019年04月13日 Webブラウザー Netscape Navigator 開発:ネットスケープコミュニケーションズ社。開発終了。 動作:Windows、MacOS リリース (1994) Internet Explorer 開発:Microsoft社。 動作:Windows リリース Internet Explorer(1995) Internet Explorer2 Internet Explorer3 Internet Explorer4 Internet Explorer5 Internet Explorer6(2001) Internet Explorer7(2006) Internet Explorer8(2009) Internet Explorer9(2011) Internet Explorer10(2012) Internet Explorer11(2013)開発終了 Opera https //www.opera.com/ja/computer/windows 開発:Opera社。 動作:Windows、MacOSX、Linux リリース (1995) Safari(2003~) 開発:Apple社。 動作:MacOSX,iOS リリース Safari(2003) Firefox(2004~) ★関連記事Firefoxまとめ 開発:Mozilla Foundation。 動作:Windows、MacOSX、Linux、iOS、Android Netscape Navigatorの後継ソフト。 リリース Firefox 1.0(2004) Firefox 52(2017)XP/Vista可 Firefox 57(2017)リニューアル Chrome(2008~) ★関連記事Google Chromeまとめ 開発:Google社。 動作:Windows、MacOSX、Linux、iOS、Android リリース Chrome(2008) Chrome 49(2016)XP/Vista可 Chrome Microsoft Edge(2015~) https //www.microsoft.com/ja-jp/windows/microsoft-edge 開発:Microsoft社。 動作:Windows10、iOS、Android Internet Explorerの後継ソフト。 リリース Microsoft Edge(2015)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1953.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第20話:CHROMEHOUNDS 漆黒の巨躯が疾走し、瞬く間に眼前に迫ったヴァッフェバニーをチーグルで叩き潰す。 『……一つ』 祐一のカウントも終わらぬうちに、ヴァッフェバニーと戦っていたツガルへ近接。 握り合わせた両拳で殴りつけ、そのままザバーカの回し蹴りで止めを刺す。 戦場に展開していた残存3機の神姫たちは、ストラーフに対抗するべく、にわか仕込みのチームを組んで陣形を展開するが、しかし。 『……無駄だな』 その証明は即座と言って良い展開で行われた。 前衛は左右から襲い掛かるマオチャオとサイフォス。 後方に砲撃支援を遂行するフォートブラッグ。 並みの神姫であれば手詰まりとも言える布陣だが、彼女が並ではない事を祐一はよく知っていた。 「―――Ryyyyyyyyyyyyye!!」 漆黒の悪魔は奇声と共に、切りかかって来たサイフォスの頭を鷲掴みにし、それを武器にマオチャオを殴打。 続いて飛来したフォートブラッグの砲弾数発を、サイフォスを盾にして防ぐとそのまま“それ”を砲弾代わりに投げ飛ばす。 重甲冑を着込んだサイフォスの直撃を受け、フォートブラッグが共々敢え無く沈む。 「―――Syeeeeeeeeeee!!」 最後に、逃げようとしていたマオチャオの脚をつかんで振り上げ、勢い良く地面に叩きつけこれを撃破。 漆黒の悪魔は、僅か30秒程の時間でもって、5機の神姫を撃破してのけた。 ◆ 『相変わらずバケモノだな、アイツ……』 「……ん」 一方的な蹂躙劇を廃ビルの屋上から観察していたアイゼンは、祐一の声に短く頷く。 『……けどまあ、勝てない訳じゃない。……行くぞ、アイゼン』 「……わかった」 膠着姿勢のまま、左右のチーグルにセットされた滑空砲を展開。 照準を連動させたアサルトライフルのスコープで狙いを定め、超長距離からの精密砲撃を二発。 『着弾まで、3、2、1―――』 直撃が一発。 至近弾となった榴弾の爆風で更にダメージ。 しかし。 「Syaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 『やっぱこの程度じゃ足りないか……。仕方ない、ビルの中で迎撃しよう』 「……ん」 彼方から疾走してくるストラーフ。 ランク6、“蜘蛛”と俗称されるストラーフ、アーシュラがこの大会最初の相手だった。 『蜘蛛の能力は近接格闘に集約されている。……高出力化のカスタムを施されたチーグル六つとザバーカを主兵装にし、頭部にマウントされたアンクルブレードと併用しての高威力かつ多角的な近接打撃戦は、サイフォスの装甲すら一瞬で粉微塵に粉砕する、……が』 「……狭い所ではいっぱいある腕が邪魔。……あと、頭悪い」 アイゼンの言葉に違わず、蜘蛛は不利と承知している筈のビルの中に躊躇わずに突入してくる。 チーグルに換装された左右の腕部と、更に背中から展開するチーグル2対。 脚部も合わせ、8本の肢をもつストラーフである蜘蛛には、屋内は障害物だらけの鬼門だが、そこを避けるという概念は無いらしい。 『……多分、戦闘用のルーチンだけで自律的に行動しているんだろうな……、マスター側の指示も殆ど受け付けないって言うのはデメリットだが、それを補って尚余りある反応速度が武器。……差し詰めバーサーカーって所かな?』 5F。最上階まで駆け上がってきた蜘蛛に対し、アイゼンは通路の端から銃撃。 アサルトライフルの銃弾では大部分が装甲で弾かれるが、狭い通路内では滑空砲の使用は困難なのでやむを得ない。 爪の先で通路の床や壁、天井すらも削りながら突進してくる蜘蛛を置き去りに、アイゼンは背後の階段から階下へ移動。 階段の踊り場を抜けてすぐの室内に飛び込んで滑空砲展開。 無人の踊り場に砲弾を二発。 着弾した榴弾の爆炎に、飛び込んできた蜘蛛が巻き込まれる。 しかし、アイゼン自身は即座に閉ざした扉で爆炎を防ぎ、無傷。 そのままチーグルで床をぶち抜き階下へ落下。 「……3階」 真上、今しがた落ちてきた穴の上に榴弾を一発。 4階の扉を突き破ってきた蜘蛛がそれに巻き込まれるのを待たずに隣室へ移動。 更に床をぶち抜き2階へ。 『……動きは速いけど読み易い。……地下で仕掛けるぞ』 「……わかった」 先ほどと全く同じに、上階への榴弾の砲撃から扉を閉ざして隣室へ移動。床板をぶち破り階下へ。 『……一階』 そして三度。 アイゼンは榴弾を叩き込んでから、隣室の床をぶち破った。 「―――Wryyyyyyyyyyyyeeeeeeeeeeeee!!!!」 『……さすがに怒るよな』 祐一の苦笑も終わらぬうちに、扉をぶち破った蜘蛛が階下へ落下。 そして……。 『……罠に落ちる、と』 地下室へ落下した蜘蛛は、薄暗い室内を索敵。 しかし、彼女の目には次に突き破るべき扉は見えず、標的の姿も無い。 「Shieeeeeeee……?」 狭い室内には隠れる場所など無く。 彼女自身が避ける場所も無かった。 「……上」 呟くような標的の声に真上を見れば、見失った筈のストラーフが滑空砲の照準を付け終えた所であった。 「―――Syaaaa!!」 「……!!」 発砲。 着弾と同時に爆発する榴弾は回避は困難だが威力の方は致命的とまではいかない。 現に、数発の至近弾を受けながら、蜘蛛の装甲には然したるダメージは無い。 当然、蜘蛛は回避よりも攻撃を優先した。 『……勝ったな』 跳び上がろうとする蜘蛛が、“徹甲弾”の直撃を受け床に叩きつけられる。 「―――!?」 叫ぶ間も無く、左右の滑空砲を交互に連射。 重金属の徹甲弾頭が頑強な蜘蛛の外殻を打ち砕いて行く。 狭い地下室で身動きも取れぬまま、蜘蛛の巨体が見る見る打ち砕かれ、そして……。 「……トドメ―――」 『―――避けろアイゼン!!』 祐一の声に反応し、アイゼンは即座に後方へ跳躍。 同時に赤熱化している前方の壁に気付く。 「―――!?」 一階の外壁に灼熱が浴びせ掛けられ、瞬く間に貫通。 そのまま地下まで貫き爆発、瀕死の蜘蛛にトドメを指した。 『プロトンビーム(陽子砲)!?』 驚愕する暇も無く、振動がアイゼンを襲う。 落下する天井と、ひび割れ、崩壊する壁。 アイゼン自身がぶち抜いた床と外部からのプロトン砲の直撃で、廃ビルは崩落を始めていた。 『脱出しろ、急げ!!』 「―――ッ!!」 手近な脱出口は前方の大穴。 プロトンビームで出来た穿穴だけだった。 連射は無い。 そう信じて、アイゼンはビル外へと飛び出す。 そう、信じるしかなかった。 ◆ 「―――ふむ、避けましたか。……さすがは祐一様の神姫、手練ですね」 「…………。……誰?」 脱出したアイゼンをプロトン砲の神姫、赤いハウリンが待っていた。 祐一の名を出したと言う事は、彼女のマスターを知っていると言う事になるが、アイゼン自身にはそのハウリンに見覚えは無い。 「―――申し遅れました。……初見となります、我が名は“焔星(エンシー)”。アイゼン様と手合わせするべく参上いたしました」 『……焔星?』 その名は祐一にも聞き覚えが無い。 しかし……。 『(……中国語で炎の星。……まさか)』 心当たりだけはあった。 そして同時に確信する。 『(……もしも万が一、あの人の神姫だとするならば……)』 それが、尋常ならざるバケモノだとしても驚きはしない。 『アイゼン!! 距離を取って榴弾で弾幕。近寄らせるな!!』 「―――!?」 即座に反応するも、アイゼンの予想していた指示とは違っていた。 「……マスター?」 敵は真紅の素体を持つハウリン。 武器は大型のビーム砲とシールドと思しき装備。 背面にビーム砲と直結したエネルギーユニットらしきものを背負ってはいるが、装甲類の乏しい軽装タイプ。 見るからに高機動型の砲戦タイプで、距離を取って警戒するより一気に懐に飛び込んで格闘戦で制圧する方が良い相手だ。 それを相手に防御を優先した砲戦を指示すると言う事は、只ならぬ相手と言う事。 アイゼンの経験上、祐一がこの手の指示を出す相手は……。 (ランカー級の相手……?) 息を呑むアイゼンに焔星が砲口を向ける。 「我が主の命により、その力計らせて貰います……!!」 ―――白光。 唐突に放たれたプロトン砲の一撃をアイゼンは跳びのいて回避する。 ハドロン砲とも呼ばれる強粒子の一撃は、莫大な数の重粒子を加速してぶつけるだけの兵器である。 ベースとなっているウィトゥルースの粒子ビーム砲を重粒子化し、威力と射程を向上させた強化兵器だ。 レーザーとは違い余分な輻射熱が無いため至近弾には害は無く、直撃でなければ意味が無いと言う兵器ではあるが、直撃時の威力は高出力のレーザーと比しても遜色の無いものである。 更には、着弾時に跳ね返る一部の粒子同士が干渉し合い、爆発的な熱量の増加、即ち本物の爆発を発生させると言う、言わば榴弾砲のエネルギー兵器版とも言える性質をも有している。 『直撃ならほぼ即死、至近着弾も被害が大きすぎる……。……けどっ!!』 先ほどの砲撃を見ても明らかに、リロードの時間は少なくない。 現に、今も一撃撃った後、焔星は追撃をせずに、回避行動に移っている。 つまり。 「……戦車のように戦場で直接砲火を交えるタイプじゃなく、一撃射ったら移動して反撃を避わす、言わば自走砲タイプの敵」 『なら、リロード時間が隙だろう? ……行け、アイゼン!!』 「ん」 チーグルの爪を地面に突き立て、自身を前方へと投げ飛ばす強引な手法で加速し、急速接近。 如何に疾走力に長けるハウリンとは言え、あれほどの威力のプロトン砲が重くない訳が無い。 カウンターウェイトとして大型シールドを反対側の腕に装備しているのだろうが、重量バランスは取れても過重そのものが減る訳ではない。 ましてや焔星は後退、アイゼンは前進だ。 鈍重なストラーフと高い走破性を持つハウリンとの差異は極限まで薄くなり、そして……。 逆転した。 「……捕まえた」 「甜(甘いッ)!!」 移動中でもアサルトライフルが必中する距離に入り、尚も加速。 完全にアイゼンの間合いだが、焔星も牽制の為に脚部のハンドガンを連射してくる。 未使用の火器を脚部のハードポイントに保持しているだけだ、と思っていたのなら、格納状態から自動で展開して射撃してくるそれは奇襲ともなったであろうが、しかし。 『アイゼンの装甲にそんな豆鉄砲が効くか!!』 その尽くが装甲で弾かれ、飛散。 そしてアイゼンは至近にまで接近し、左右の手でアングルブレードを振り上げる!! 「那么马(ならば)―――」 背部ユニットと直結したプロトン砲を格納し、その手を背後に回す焔星。 「―――这(これで)っ!!」 振り下ろす手には光り輝くレーザーブレード。 小さく軽く、場所を取らないそれは予備兵装には最適の武器ではあるが、しかし。 『それも無駄』 帯磁処理されているアングルブレードがレーザーブレードに干渉。 そして、そのまま過負荷でその基部を破壊した。 「不寻常没有(馬鹿な)!?」 ただの一合で破壊されたレーザーブレードの基部を見て、焔星が驚愕に目を見開く。 「……こっちは最初から光剣使いを倒す気で居る。……砲戦機如きの予備兵装に、手間など喰わない」 「堕再(だとしても)!!」 使い物にならなくなった光剣を投げ捨て、今度は左腕の盾で殴りかかって来る。 と、盾が根元から大きく開き、獣の顎のごとく噛み付いてくるが。 「……それも」 『無駄だ』 防いだチーグルに噛み付くも、それを砕くほどの噛力は無い。 「苦ッ!?」 「……吹き飛べ―――」 噛み付かれたままのチーグルを、焔星ごと振りかぶり……。 「―――【ブーストアーム】!!」 格納された滑空砲の反動で、地面に叩き付けた。 初速650m/sを超える砲弾の反動と、神姫用の格闘兵装でも屈指の重量を持つチーグルの質量。 その双方が乗算として叩き出す威力は足元の岩塊など粉微塵に砕き、余剰した運動エネルギーを轟音と衝撃波に変換しその周囲に撒き散らす。 滑空砲など、比するのもおこがましい程の破壊がそこに顕現した。 ◆ 「…………」 『…………』 粉塵が収まり、地面に穿たれた大穴が見え出す頃、ようやくアイゼンが立ち上がる。 少し離れた場所には焔星。 咄嗟に離れて難を逃れたのだろう。損傷は殆ど無い。 『さすがに、今ので終わるほど甘くは無いか……』 「……でも、プロトン砲以外は大した事無い。……このまま押し勝つ?」 『いや、油断しないで確実に機能を奪うほうが良い。……先ずはプロトン砲を潰すぞ」 「……わかった」 簡素な作戦会議が終わるタイミングを計ったかのように、焔星が立ち上がる。 「的确(なるほど)、……好强(お強い)」 「……もう、手は無い。……それでもまだやる?」 「哂(ふふ)……。確かに我が主の仰るとおり……。刹那の間に全ての手の内を暴かれましたか……」 「……?」 「しかし、手が無くなったのは“私”だけです……」 『……なに?』 「此処からは、本気で行かせて頂きます。……力を計る為ではなく、……倒す為に……!!」 その場に立ったまま、右手の人差し指をアイゼンに向け……。 「出马(出でよ)、式神弐式(シーセンアーシ)『光阴(コウイン)』!!」 「……!?」 遥か上空より飛来する物体。 自らにかかる影で、それに気付いたアイゼンがその場を跳び退いた直後、それは着弾した。 「……砲弾?」 『違う、中に何かいるぞ!!』 巻き上がった粉塵に目を凝らすアイゼンに祐一が警告を飛ばす。 そして、粉塵を吹き散らしそれがその姿を現した。 初見の印象は、“高速回転する球体”。 斥力か何かで浮かび上がる“それ”が、変形を始めてようやく先ほどの一撃が『着弾』では無く、『着地』であったと理解できた。 真っ二つに分れ、両端からはパワーアームが展開し、間からは頭部が。 顎部に『弐』の刻印の刻まれた狗頭。 即ち。 『ぷちマスィーンズ!?』 ハウリンの補助兵装。自立支援を行うサポートメカの姿がそこに顕現した。 「……でも、大きい。……神姫級の大きさのぷちマスィーンズ……?」 頭部と腕部を格納していた球体と、両のパワーアームで保持する神姫用の大鎌。 双方を合わせたボリュームは神姫素体と比しても決して小さくは無い。 そもそも神姫にとって、自律稼動する随伴砲台を複数運用するのは容易ではない。 故にぷちマスィーンズは個々の性能を犠牲にしてまで小型、簡易化を推し進め。4,5機を同時運用する事で単機による連携を可能としたのだが……。 『あの大きさと煩雑さでは複数運用は難しい筈。……つまり、単機での運用を前提とした前衛専用機。……要するに、本体がプロトン砲を撃つ為の壁役って所か?』 「错(否)、これだけだと思わないで頂きたい」 「……まさか」 「出马(出でよ)、式神参式(シーセンカンシ)『闇阳(アンヤン)』!!」 直後、視界の隅でマズルフラッシュ。 打ち出された砲弾が着弾するまでに僅か2秒。 『もう一体!? こっちは砲撃用のぷちマスィーンズか!?』 「……3対1……」 「そう、三位一体の戦陣。……如何にして打ち破りますか、アイゼン様?」 「……知恵と、……勇気と、……愛?」 『なんで愛だけ疑問系?』 「……マスター、大好き」 『……あ、ありがとう』 「……ん、愛あった」 『え? あれ確認だったの!?』 「……と言う訳で。……勝つ」 「良いでしょう、見せて頂きます!!」 戸惑う祐一を置き去りに、神姫同士の高速戦闘が再開された。 「……っ」 勝つ、とは言ったものの、状況は極めて不利だった。 球体の前衛機の装甲は下手な神姫よりも頑丈で、片手間に破壊できるような強度ではない。 かと言って前衛機に掛かりっきりになれば、後衛の四足型からの砲撃と本体のプロトン砲が飛んで来る。 逆に後衛機を先に狙えば、高機動モードへ変形し瞬時に射程外へと離脱してしまう。 『……こっちも変形するのか!?』 前衛機の光阴は、浮遊する上半身のような格闘形態と、腕と頭部を格納した防御形態への変形。 後衛機の闇阳は、四足の砲撃形態と、双胴の飛行形態を使い分け、アイゼンを翻弄する。 その上で本体からのプロトン砲と多彩な近接武装の二択を迫る攻撃。 アイゼンが防戦に回るのは、至極当然とも言える展開だった。 『完全に向こうのペースだね……』 「……的が絞れない。……絞ると他から集中攻撃される」 『うん、その上で命中率よりも威力を重視した攻撃が複数。砲撃もサイズ(鎌)もプロトン砲も、どれも無視できない威力……』 「……どうする、マスター?」 問いながらも、プロトン砲の爆発範囲から離脱し、強襲を掛けてくる球体の攻撃を捌くアイゼン。 防御に徹する限りそう簡単に敗れはしないだろうが、だからと言って勝てる訳でもない。 『(……時間は稼げる。……けど、これでは埒が明かない。……それに……)』 相手の装備の装備の構成を見れば、祐一は嫌でも“それ”に気付いてしまう。 『……さて、如何したものか……』 稼げる時間にも、限度があるようだった。 ◆ 「なんて事!! ……まだ、こんな神姫が居るなんて……」 リーナの焦燥も無理は無い。 事前に警戒するべき敵の情報はある程度入手してある。 だがしかし、焔星と名乗るハウリンはその範疇には居なかった。 「厄介な相手ですね。……充分に戦力となる子機との連携で、一撃必殺を数撃ってくるタイプですか……」 「つまり、数撃ってくるから避わし辛いって事よね?」 肩の上に腰掛けながら、モニターを見上げるフェータに、主である美空が問う。 「でも、確か祐一は万能の神姫なんか作れないって言ってたけど?」 「正確には、万能の神姫では役に立たない、と言うことだけれどもね……」 「……? どういう事?」 首を傾げる美空に、リーナはモニターから目を逸らさぬままに続ける。 「装甲による防御力と、機動性による回避能力は、どちらも敵の攻撃で倒されない為のものよ」 「うん」 「でも、重たい装甲と、機動性による回避力は相反する。……両立するより、どちらかに特化する方が有意義なの」 「……フェータが装甲を捨てて、回避力を取ったみたいに?」 「そう、正にその通り。……レライナやマヤアみたいに、機動性に重きを置きつつもある程度の装甲を残すタイプや、アイゼンみたいに装甲を重視しつつも致命的な大技を回避する手段を残している神姫も居る。……けどね。それでも殆どの神姫はどちらかに傾倒し、得意分野を持つものなのよ」 例外的に、セタのように装甲も機動性も平均値程度と言う神姫も居る。 しかしその場合でも、セタは姿を見せずに曲射砲で攻撃する事により、攻撃対象にならない事自体を防御手段としている。 「防御以外の手段だって同じ。経験による動作の最適化である程度の修正が付くとは言え、神姫の総合性能自体はどんな神姫でも大して変わらないわ」 「つまり、アイゼンもフェータもレライナも……、あとセタとかも大体強さは同じって事?」 「……極論だけどね。総合的な性能は皆同じで、得意分野が違うって言えば分り易いかしら?」 「……まぁ、分る、と思う……」 眉を寄せながらも何とか納得する美空。 「あ、でも。そういう事なら、あの赤いハウリンだって得意分野以外はダメって事にならない?」 「……」 美空の結論に、リーナは応えなかった。 「……あの神姫、機動性と火力を両立しつつプロトン砲の為のジェネレーターと、子機制御の為のコントロールユニットを有しています。……その分装甲や腕力に劣るのですが……」 「……?」 リーナの変わりに口を開いたフェータすらもそこまで言って言いよどむ。 「強すぎるのよ、あのぷちマスィーンズ達が、ね……」 致命的な威力の大鎌に滑空砲の直撃すら凌ぐ頑強な装甲、そして浮遊による機動力の高さ。 砲戦型神姫並の長距離から正確な砲撃を行える砲を備えつつも、高速飛行することで得られる高い移動力。 「……どちらも、下手な神姫より強いじゃない……!! そんなぷちマスィーンズが居る訳無い!!」 無視できず、減らす事もできない頭数。 それが、焔星の脅威でもあった。 ◆ 「そろそろ降伏した方が宜しくないでしょうか? 正直、貴女に勝ち目があるとは思えません」 傍に寄ってきた“球体”を撫でつつ、焔星が問う。 「……勝つって言った。……だから、勝つ……」 「本気で、愛で勝てると思って居るのですか?」 「……思ってない。……でもまだマスターは諦めてない。……そのマスターを、信じる力なら愛で充分」 「なるほど、我ら神姫とはそうあるべきですね……」 嬉しそうに微笑みつつ、焔星は光阴から手を離す。 「では、私も我が主への忠義をもって挑みましょう!! ……来なさい、闇阳!!」 飛行形態で突進してきた闇阳に飛び乗り、サーフボードの要領でアイゼンを轢きに来る焔星。 「…っ!!」 両のチーグルを交差させてガード。 頑強な副腕はアイゼンを致命傷から守るが、しかし。 「後ろががら空きです!!」 残ったぷち、光阴がアイゼンの背後から体当り、防ぐ術の無いアイゼンを突き飛ばす。 「……まだっ!!」 体勢を立て直すより早く、宙返りして向きを変えた焔星のボードアタック。 チーグルの肩アーマーを破壊されつつも、致命傷だけは防いだアイゼンに、今度は球体化し、高速で回転する光阴の体当り。 二体の連携によるヒット&アウェイに、アイゼンは成す術も無く追い込まれてゆく。 『(技が豊富すぎて対策を立て辛い上に、強すぎるぷちマスィーンズ……。このままじゃ勝てない。…………アレを使うしかないか?)』 「……マスター、ダメ」 『アイゼン?』 「……“アレ”は、カトレアと戦うときまで取っておかなくちゃ……」 このバトルフィールドに持ち込んだ“もう一つの装備”。 それは祐一とアイゼンにとっては文字通りの切り札だった。 基本的に装備の変更が出来ない大会において、装備を入れ替える裏技と言っても良い奥の手。 カトレアに対抗する為の装備を、カトレアと戦う時まで隠しておく。 それこそがカトレアに勝つために考えついた数少ない手段。 アイゼンの装備を、チーグルのみしか脅威と捕らえないカトレアに対する最高の奇襲であった。 しかし。 ◆ 「ハッキング!?」 天海神姫センターの中央制御室と言う意外な場所に招かれた浅葱は、その危機に声を漏らした。 「はい、現在7層ある電脳防壁の内、5層までが突破されています。村上先輩のお陰で進行速度は大きく遅れましたが、ハッキング自体は現在も継続中で……」 見ればなるほど、制御室の中央でコンソロールについているのは、見慣れた男の後姿だった。 「これまでも不可解な現象はありましたが、神姫センターにハッキングをしてくるような例は数えるほどです」 そのして、その何れもが失敗に終わっている。と、天海神姫センターの店長である女、松原美樹(まつばらみき)がそう呟いた。 高校時代、浅葱、村上、そして雅の三人の一つ下の後輩であった彼女は、いまだ浅葱達に全幅の信頼を寄せている。 (……まぁ、元々手下気質でしたけど……) そのツテで便宜を図ってもらう事もある以上、彼女からの頼み事と言う珍しい事態も、決して無下には出来ない。 「……もう少し、詳しく教えて頂戴」 「ハッキングは外部から。村上君が言うには、かなり大規模なプログラムを送り込むつもりらしいわ……」 応えたのは雅。 村上と共に、浅葱より先に招かれ対策を講じていたのだろう。 「……目標はおそらく、バトルロイヤルの制御CPU。要するに、ゲームマスターの乗っ取りが目的よ……」 複数の神姫が入り乱れるバトルロイヤルは、敗退した神姫を保護する為のシステムが設けられている。 その際たる物がマスターコンピュータ。 即ち、参加する全ての神姫にリンクし、敗れた者をシャットダウンさせ、生き残った者に敗者への攻撃を禁じるプログラムだ。 「……で、私は何をすれば良いの? 言っておくけど、コンピューター関連は村上君はもちろん、雅の足元にだって及ばないわよ?」 「浅葱に頭脳労働は期待してないわ。……アンタは実力行使担当でしょ?」 「あたし、一応教師と言う頭脳労働職に就いているんだけどね……」 小さく呟かれた浅葱の反論は華麗にスルーされた。 室内の全員が、職業選択を間違えていると考えているが故である。 余談だが、もしも浅葱が格闘家にでもなっていれば、格闘技の歴史に名前を残すのは間違いない。 だがしかし、今の浅葱は割りと平凡な一教師に過ぎなかった。 「……これから、今村上君が抑えているプログラムに攻撃を仕掛けるわ。……バイパスを作ってVRフィールドに落としてから、マヤアとセタで攻撃。デルタがバックアップを行うから、普通の神姫バトルと同じ要領で出来る。……なら、アンタとマヤアは最大戦力よ、期待するからね?」 「任せろ、雅ん!! 敵も味方もネコがギッタギタにしてくれよー!!」 「いや、味方はダメだから」 「あん? じゃあボコボコ位ならOK?」 「……まぁ、それぐらいなら良いけど」 「良いんですか!?」 主の返答に半ベソ状態でうろたえる雅の神姫、セタ。 天海最強の神姫、マヤアが相手ではセタに抵抗の余地は無い。 「まぁ、死ななければいいかな~、って……」 「再起不能は許容範囲!?」 尻尾を丸めて本気で嫌がるセタ。 「帰って来たら、特選ワサビを買ってあげるわ」 「はい、ボク頑張ります!!」 ワサビ一つで落せるお手軽な神姫であった。 (……まぁ、この状況でハッキング……。正直、土方京子と無関係とは思えないけど……) 「……たしか、アイツは予選第四バトルロイヤルに参加している筈だし……」 土方京子。 武装神姫はカトレア。 現在、予選第四バトルロイヤルに参加中。 即ち、アイゼンと同じ戦場に、カトレアは存在していた。 ◆ “四足”からの重砲、至近。 衝撃に耐えるよりも、吹き飛ばされてしまう方が直接的なダメージは少なくてすむ。 着地をミスれば元も子もないが、元々重量級神姫での運用を前提としたザバーカの二重関節は、この手の衝撃吸収にもってこいだった。 「……ん!」 しかし、焔星とぷちマスィーンズの連携はその上を行く。 いつだって個の性能よりも、集団による連携こそが勝るのだ。 そういう意味では焔星はある種の最強と言ってしまっても差し支えない。 「その隙、もらいました―――」 着地の衝撃を受け止め切らぬうちに、アイゼンの眼前に踊り出る焔星。 ほんの僅かにでも生じた隙を見逃さずに、一撃必殺を誇るプロトン砲を打ち込んでくるのも、プチとの連携に長ける焔星だからこそ。 砲から漏れる白光は、最早回避の叶う距離ではない。 「―――お覚悟」 「……ッ!!」 『―――アイゼン!!』 ―――。 間断は一瞬だった。 意識があるという事は、まだ負けてはいないと言う事。 即時に戦闘続行を決意し、ホワイトアウトした視界が戻るより早く、アイゼンは前方の空間に掴みかかる。 (……掴まえてしまいさえすれば、あとは力押しで勝てる……) 辛うじて動く右のチーグルが何かを掴む。 「なっ!?」 焔星のものだろう驚愕が聞こえたのは、殆ど同時だった。 プロトン砲の直撃を、交差させた左右のチーグルで受け止め辛うじて耐え切った代償に、チーグルの左腕部は肘から先が完全に融解し消失。 左腕の下に位置していた右腕も、外装の滑空砲が完全に融解しチーグル自体も装甲剥離、握力低下と言う大損害だった。 だが、アイゼン自身の腕部には然したる損傷も無い。 「……捕まえた!!」 アングルブレードはチーグルと共に半壊し使用不能ではあるが、武器の豊富さもアイゼンの特徴の一つだ。 背面からスゥイングしてきた翼部分のフルストゥ・クレインをもぎ取るように分解し、そのまま前方に突き出す。 プロトン砲の直撃からここまで3秒。 アイゼンの視界が機能を取り戻したのはその直後だった。 「……!!」 半ばで断ち切られたフルストゥ・クレインの刃先は焔星には届いていない。 同時に断ち切られたチーグルを振り払うように後退した焔星と、入れ替わりに肉薄してくる大鎌を構えた“球体”。 プロトン砲の余波で装甲部分が融解していたとは言え、頑強さでは群を抜くチーグルを容易く両断した大鎌と、それを振り回す腕力は、すでにサポートメカなどと言うカテゴリに括って良いモノではない。 如何足掻いても、一瞬後には両断されるしかない体勢で、アイゼンに出切る事は一つだけだった。 「……兵装、パージ」 最早基部だけになってしまった背中のチーグルを爆破ボルトで強制排除し、その反動で地面に這い蹲る。 同時に排除されたザバーカを真横に両断した死神の大鎌のすぐ下を、長いツインテールが潜り抜けていった。 「…………素晴らしい反応、……いえ、光阴がカバーに入ることまで『予測』されて居ましたか……」 でも。と呟き、焔星は一歩間合いを詰めた。 「それもここまでです。……最早武器も無く、抗う術も無いでしょう……?」 彼女の声に呼応するかの如く、二機のぷちマスィーンズが集まってくる。 「……」 『……』 祐一とアイゼンの間に流れる沈黙は一瞬。 「……マスター、ゴメン」 『……仕方ない……、と言うか俺のミスだな―――』 「……?」 アイゼンが顔を起こす。 降伏などで無いことは、その目を見れば疑うべくも無い。 「…………、今更、何を……」 擦り寄ってくるぷち達を撫でつつも、焔星は警戒を崩さなかった。 『―――元より、俺達の実力で出し惜しみなんて考えた方が愚策だったんだ……』 「……でも、カトレアはどうする? マスターか他の三人が外で見てると思う。……ここで使ったら、奇襲は出来ない」 『何とかするさ。……今までだってそうして来たし……。……作戦は俺の担当だ、まかせとけ……』 「…………。……………うん、分った……」 アイゼンは応えてゆっくりと、……立ち上がった。 第21話:夜明けの翼につづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る やべぇ。 ディスガイア、やべぇ……。 わかってはいたんだけど、やべぇ。 気付いたら一月経ってやがんのな。 DS壊れるまでやった。 ゲーム機壊すまでやったのはエスコン5以来だった。 っつー訳で結論。 ディスガイアは正に悪魔のゲーム。 マジでオススメしない。 満足するまで数百時間かかるゲームなんて……。 ペルソナ4も、ドラクエ5もまだ手をつけてないのに……。 -
https://w.atwiki.jp/suffix/pages/1238.html
https //developer.mozilla.org/ja/docs/Web/Guide/DOM/Using_full_screen_modeのサイトが分かりやすい。 chromeのフルスクリーン化については、http //stackoverflow.com/questions/17791705/hide-mobile-browser-address-bar-on-chrome-androidが分かりやすい。 setTimeout(function() {window.scrollTo(0, 1)}, 100);はchrome等ではアドレスバーを非表示にしてくれないので、 webkitRequestFullScreen()を使用するとのこと。
https://w.atwiki.jp/creatrying/pages/19.html
携帯で2ch見るとき便利なアプリが話題だったの何だったか覚えてる方、教えてー!前スレにでてたのなら「ぬこ」だよ http //logsoku.com/thread/toki.2ch.net/ms/1318369405/237 試したらよかったもの.ブラウザでChrome使ってて、拡張機能の2chRevival入れてみたhttps //chrome.google.com/webstore/detail/jincbkepokdimkkecpcmjjfhjepllkdj2chのdat落ちしたスレでもChromeで表示させた後に「スレッドを復活させる」ボタン一つで見られる様になるから過去ログを置いてある所をいちいち探しに行かなくても良くなった
https://w.atwiki.jp/bemanidbr/pages/684.html
VERSION GENRE TITLE ARTIST bpm notes 属性 20 tricoro DESERT ALTERNATIVE EDGE YELLOW FROG from Steel Chronicle 劇団レコード 110 1810 - 攻略・コメント 数少ない110というbpm帯の中でも練習になる貴重な譜面。DBSRerにもオススメ。最後のほうに6個同時押しが2回(同じものが)降ってくるため、一瞬だけ6個押しの練習も出来る -- FUSEI3 (2016-08-10 23 10 31) 道中は言い換えればbpm220の八分同時ガチ押し譜面で練習に良い。終盤に4個→2個→4個同時が16分感覚で降ってくる発狂が4度あり難所。☆10中位以上の高bpm同時譜面にむけてのステップアップにどうぞ。 -- YOSK! (2016-08-20 04 50 45) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/juria/pages/134.html
@あれこれ-2010年12月 [2010-12-30]ゴミアクセスランキング bookmark_hatena(show=none) [2010-12-28]「規定のブラウザ」未だ決まらず bookmark_hatena(show=none) [2010-12-30] ゴミアクセスランキング bookmark_hatena(show=none) (atwiki.jp/juria/ 内) 順位 ページタイトル ページビュー割合 前年 01 MPEG4 AAC LC エンコード 13.75% 02 02 Windows XP MS-DOS 起動ディスクって? 13.35% 01 03 Windows XP 起動の高速化 8.58% 03 04 TiMidity Windows 版 7.39% 04 05 VLC media player でストリーム配信 6.94% 05 06 あふと連携 3.89% 09 07 IME の状態表示 2.37% 11 08 Windows XP MS-DOS 起動ディスクって? その2 2.32% 07 09 BootVisの失敗 2.26% 06 10 AtPicture history こっそり 2.17% 13 次点 Lossless Audio がいいかも、流行りだし 2.12% 08 total - 65.14% - 残りの約120ページはクズですね。 良いお年をお迎え下さい。 [2010-12-28] 「規定のブラウザ」未だ決まらず bookmark_hatena(show=none) TheWorld Chrome v.4.0.2.218(Chromium 7.0.517.44ベース) 1.zip版をDL、任意の場所に展開 2.展開したディレクトリ\4.0.2.218\Locales\ に ja-jp.dll(日本語言語ファイル) をコピー 3.twchrome.exeを実行、お気に入り等のインポート・ウィザードをキャンセルして 終了させる(インポートは後からでも可能)。 展開したディレクトリにFirst Runファイル、\User Data\にDefaultフォルダが 作成される。 4.twchrome.exe を再度実行、起動。 C \Documents and Settings\ ユーザ名 \Local Settings\Application Data\ には TheWorld関連のフォルダは作成されない。 レジストリ HKEY_CURRENT_USER\Software\TheWorld Chrome HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\TheWorld Chrome Extensionsのインストールやデータの同期等の設定はGoogle公式Chromeと同じ。 twchrome.exeに引数の指定も可。 twchrome.exe "http //www.google.com/search?hl=ja lr=lang_ja num=50 q=juria" -
https://w.atwiki.jp/justicerowa/pages/147.html
Monochrome clearness ◆John.ZZqWo ヒーローってのはスーパーパワーがあるとか、コスチュームを着てるって事じゃない。 自らの意思でもって世界を良くしようと戦う人々の事を言うんだ。 ,,,〓) 深い海の底の様に黒に限りなく近い青色。そんな色の夜空に煌々と、 遥かな過去も、遠い未来にも、その姿を変えぬ真っ白な月が円を描いてぽっかりと浮かんでいた。 そんな月から降り注ぐ白い光に街の中にある様々は影を押し出され、それぞれのシルエットを浮かび上がらせる。 何に濡らされたのかじめじめとした黒い路面には誰かが落としていった片方だけの靴が転がり、 消火栓の上に被さった新聞紙がカサカサと虫のような音を立てている。 そして、そんなものに気を取られていれば路上にばら撒かれた酒瓶の欠片を踏みかねない。 避けて道の端へと寄れば側溝からは鼠の糞の匂いが立ち昇り、 顔を背ければそこには破けたゴミ袋から猫の死骸が顔を覗かせていた。 錆びついた金網がゲタゲタと悪魔の様に笑えば、割れたままのガラス窓が悪魔の牙をカチカチと鳴らす。 酔いを醒ますには最適で最悪な、気分が悪けりゃ便所の変わりにだってなる腐れきった路地。 そこに”ロールシャッハ”はいた。 着古して染みだらけのトレンチコートに、同じ薄茶色のソフト帽。 それだけを見ればなんてことはない。少しばかり時代錯誤な、パルプ誌の中のスパイか探偵の格好をした男でしかない。 だがしかし、その男の”顔”は異質だった。 目も鼻も茫洋と定かでない白地の上には何とも言い切れぬ、まるでインクを零したかのような黒い染みが浮かんでいる。 そしてその染みは彼の表情を表すかのように、しかし余人には決して想像できぬ形を持って度々形を変えるのだ。 これが、彼の”顔”だった。この怪人物こそがロールシャッハであった。 「HURM.」 溜息とも何かの確認とも取れる奇妙な嗄れ声を吐き、男は手にしていた手帳を閉じる。 なにやら年季の入った手帳にはとても後で読み返せそうもない字で何かが記されていたのだが、どうやらメモか日記らしい。 本人としては納得がいったのか、ペンを挟むと手帳を懐にしまいこんだ。 次に男はしゃがみこむと、傍に置かれていたボーイスカウトが背負っていそうバックを無遠慮に開き、中身を確認しはじめる。 どうやら中身についてもそれはボーイスカウトが背負っているバックに入っていそうな物ばかりのようだ。 一冊の新品の手帳。ルールブックを兼ねたそれをパラパラとめくり、一通り確認するとバックの脇に置く。 水の入った透明のボトルに、紙ではなくビニールでラッピングされたパン。 色付の地図に、奇妙な名前の羅列された名簿。何の変哲もない方位磁石に、最新の時計。 その他諸々。ひとつずつ確認すると脇に置き、全て確認し終えると彼はバックから出した全てをそのままバックに戻した。 取り立ててすぐに使う物はなかったらしい。バックの口をきつく縛ると彼はそれを肩にかけて立ち上がった。 と、ここで彼は胸元に手を当て、友人から貰った武器(アンカーガン)がなくなっていることに気づいた。 他にもなくなっている物はないか――もっとも、手帳とアンカーガン以外に元々たいした物など所持していないが、 彼はコートのポケットにひとつずつ手をつっこみ確認する。 どのポケットの中も綺麗に空っぽになっていた――いや、何かの感触が手袋に触れた。 取り出してみればそれはスマイリーフェイスの缶バッチだった。 50セントもしない、今時おまけにもなりやしないそれには黒ずんだ血がこびりついている。 ”コメディアン”と呼ばれた男の血である。彼の死がロールシャッハにとって今回の事件の発端だったのだ。 マスクを被り(身元を隠し)、犯罪者の前に現れては既存の法を無視し独自の判断で成敗するヒーロー(怪人物)。 30年代に現れ始めた彼らの中、その黎明より活躍していたひとりがコメディアンと呼ばれる男であった。 同じくコスチュームヒーローであるロールシャッハとは仲間という間柄にあった男だ。 実感としてはつい先ほど、今現在巻き込まれている奇妙な事態に遭遇する直前にロールシャッハはバッチを拾った。 コメディアンと呼ばれる男の遺品。無論、勝手に拝借したのだが、そこには弔いの精神よりも先に何かきな臭い予感があった。 彼は何者かによって殺されていた。ならば他のヒーロー達も狙われるかもしれない。 予感に従い、ロールシャッハは友人宅へと足を進め――その途中でこの奇妙な事態に巻き込まれたのである。 コメディアンの死と今回の奇妙な事態。そこに因果関係はあるのか。それはまだはっきりとしない。 ,,,〓) チカチカと明滅する壊れかけの街灯に誘われるように、ロールシャッハは深夜の街を当て所なく歩く。 ゴミと汚物に塗れた通りは不潔で汚い。だが今は、ある意味で清潔で綺麗であった。 ここには下品(そのまま)な言葉でしつこく呼びかけてくる娼婦も立っていなければ、膨らんだ上着の中に麻薬を隠し持つ売人もいない。 一軒一軒店を訪ねては店主に小遣いをせびり、色付きを見れば追い立てて暴力を振るう悪徳警官の姿も見えない。 ディナーの食卓に一品加える為に人を刺す馬鹿もいなければ、戦争帰りだと哀れみを請う嘘吐きもいない。 まるで暴動が起きた翌朝のような、”掃除”しきった次の日の朝みたいな、清々しくも白けた綺麗な光景であった。 ロールシャッハを苛立たせるあらゆる人間はここにはいない。だから彼は考え事に集中しながら歩くことができた。 考えながら彼は歩く。思考にあわせて顔面の柄が奇妙に蠢き彼の内面を投影する。 思考する。この奇妙な事態――実験の主は、これもコスチュームヒーローの仲間であったオジマンディアスに違いない。 声を聞けばそれは明らかなことだ。そしてどうやら厄介なことに、この実験には同じくDr.マンハッタンが協力しているようだった。 瞬間移動などという超能力は本物の超人である彼にしかできないことであるからだ。 ならばこれはコメディアンが殺されたことと関係するのだろうか? そして他の仲間達も関与しているのだろうか? 確認した名簿の中に見知った名前は存在しなかった。 ただ、ロールシャッハが奇妙だと感じたのは、そこにどうやら日本人らしき名前が多数並んでいたことであった。 日本。正義の鉄槌(原爆投下)から40年。 築き上げた領土を解体され、アメリカの監視下、戦うことを放棄させられ、再び狭い島の中へと押し込まれた奴等は 以来、経済再生とその発展のみに注力し、仕事中毒だと揶揄されながらも日本という国を世界という舞台に押し戻してきた。 TVコマーシャルで日本製品を見るのももう珍しくはない。メイドインジャパンは今や一つのブランドだ。 例えば時計(SEIKO)。例えば携帯型ステレオカセットプレイヤー(WALKMAN)。 今年打ち上げられた宇宙船の乗組員の中にも日本人の名前があった。 彼は地球に帰還すると自分を取り囲むインタビュアに対しこう言ったという――「宇宙からは国境線は見えなかった」 その発言の意図をロールシャッハは気にしたりはしない。 宇宙から地球を見た際の素直な気持ちであっても、地上で訓練していた頃から考えていた決め文句でもどちらでもいい。 ただ、その通りだと彼は思うだけだった。 この地球には国境線なんか引かれてはいない。それはアイディンティの確立に囲いを必要とする人間の中にしかないものだ。 目には見えない。普通の人間には見えないのは当たり前でしかない。 見えるのは人間の心を覗くことができる者だけ――なぜなら、その線は人間の中に引かれているのだから。 余計なことを考えてしまうのはこの夜が静かすぎるからか。そう思った時、ロールシャッハは通りの先に男が立っているのを発見した。 ,,,〓) 奇妙な若者だった。 一見して東洋人だとわかる肌の色と顔つきだが、背が高い。 ロールシャッハは標準より小さい小柄な男ではあったが、それよりも頭ひとつ以上は高いのだから長身と言える。 もっとも、不健康そうな猫背の姿勢なので視線の位置はロールシャッハとそう変わらないのだが。 白い無地の長袖シャツにブルージーンズ。足元はくたびれたスニーカーを裸足で履いている。と、随分とラフな格好をしている。 質屋に全てを預けた帰りの苦学生か、はたまた夜中に窓を開けて突然ポエムを朗読し始める近所迷惑な輩か。 こんな夜の街にはそぐわない奇妙な清潔感があるというのがロールシャッハの第一印象だった。 しかしそのような印象は若者の目を見て軽く吹き飛んだ。 目が何よりも印象的であった。正確には目と、その下にはっきりと黒く浮かんだクマに強い印象があった。 それは何日も、いや何年も眠らずにいたかのような、まるで生まれてからずっと起きていたと思わせるような濃いクマ。 ならばこの若者はその両目で何を見続けていたのか。何を見張り(watch)続けていたのか? 若者はそんなことが気になる目の持ち主であり、”異様”な人物であった。 「――どうもロールシャッハさん。私は”L”です。」 私は”何”だと言った? 一瞬、ロールシャッハは疑問に思ったが、すぐに名簿の中に『L』とだけ短く記されていたのを思い出した。 自分の名前が知られていたことは取り立てて疑問に思わない。名誉か不名誉か、ロールシャッハの名前は知れ渡っている。 ロールシャッハは目の前の奇妙な若者に対し、何者かと問うた。どう対応すべき相手なのか、まだその材料が揃っていないからだ。 「Lと名乗ったはずですが。社会的な立場と言われれば、私は探偵です。 ……確認しますが、あなたの名前はロールシャッハで間違いありませんか?」 とてもそう見えるような風体とは言い難いが、若者は探偵なのだという。しかし嘘を言っている風でもない。 僅かな驚きを内心に隠したままロールシャッハは若者の言葉を肯定した。ロールシャッハとは”自分自身”に他ならない。 「そうですか。見た目からあなたがロールシャッハではないかと推測し、反応を窺おうと呼びかけさせていただきましたが 当たっていたようで何よりです。恥をかかなかったですし、こともスムーズに進行するでしょう」 反応(テスト)だと? ロールシャッハの顔の模様がぐにゃりと歪む。 「ええ、名前を呼んだ時に会話を求めるか、それとも問答無用で襲い掛かってくるのか。それを試させていただきました。 そしてあなたは少なくとも後者ではないと判明しました。 これは幸いなことです。多少、自衛の心得はありますが襲われないことにこしたことはありません」 ロールシャッハの若者に対する奇妙な印象はなお深まった。 この若者には全くといって悪びれる様子がない。そして言葉の中に嘘もごまかしも存在しないのだ。 自分のことを棚に上げて、ロールシャッハは若者に対して気味の悪い奴だと内心思った。 「ロールシャッハと名簿には記されていましたが本名とは思えませんね」 なんとも間の抜けた発言だ。だがしかし裏を読めば意味深な発言でもあった。こいつは俺がロールシャッハであることを疑うのかと? 「私のLという名前もひとつの呼び名にすぎませんが……ところで、そのマスク面白いですね。初めて見ます。 もしよろしければ脱いで素顔を見せてもらってもいいでしょうか?」 これが俺の顔だ。とロールシャッハは若者の要求をにべもなく断る。 さて少しは喰いついてくるのかと思いきや若者はじゃあいいですとあっさり引き下がった。全く掴み所がない男である。 「なるほど、いいでしょう。私も見せていただけるとは思っていませんでしたから。 では場所を変えましょうか。こんな所で立ち話というのも無用心です」 言うと、若者はロールシャッハの意思も確認せずくるりと踵を返した。まるでその必要はないとばかりに。 無視することも放置することもできたが、しかしロールシャッハはその背中に問うた。どうして自分がついてゆく必要があるのかと。 「簡単なことです。二人ならお互いに助け合うことができます。 ……私はこの”事件”を独力で解決できる確率は極めて低いと見積もっています。それは不可能と言っても差し支えないぐらい。 なので手を貸して欲しい。……あなたもそうだとは思っていませんか? 協力者が不可欠だと」 ロールシャッハの中に否定する為の理由は存在しなかった。 むしろ膨らむのは疑念だ。 目の前の若者はどうしてこうもあっさりと自分を信用するのか。あるいは、信用ではなく利用なのか。窺い知ることができない。 途中で反応(テスト)という言葉を若者は使った。ならば今もそうなのかもしれない。 これは彼なりの利用できる相手を見極める”面接(テスト)”なのではないかと――。 しかしそこまで考えても結局、ついて行かない理由は生まれなかった。増えるのは放置できない理由ばかりだ。 若者が悪人だとはっきりわかるならば話は簡単だが、そういうわけでもない。 結局、ロールシャッハは遠ざかる若者の背を追って歩き始めることにした。 ,,,〓) あらかじめ目星をつけていたのか、Lは十字路の角にあるコーヒーハウスに入るとそのまま一番奥のテーブルについた。 「……………………」 ロールシャッハのLについての奇妙な印象はますます強くなる。 若者は椅子の上に座っていた。いや、このままでは何の変哲もない当たり前のことだが座り方に特徴があった。 椅子の上に足を乗せ、膝を抱えるような姿勢で座っている。 まるで猿のような座り方だった。日本人を猿と例えるのはポピュラーな比喩表現だったが、この若者はそのままだ。 いぶかしむ目を向ければ、この座り方で頭の回転が40%上昇するらしい。 さてテーブルにはついたが、ウェイトレスもいなければ二人とも座ったままなのだからテーブルの上に温かいコーヒーがあるはずもない。 若者は長い腕を伸ばしてテーブルの端に置かれたシュガーポットを取ると、 自分の前に置き、蓋を開けると中から角砂糖をつまみ上げ、そのまま口の中へと放り込んだ。 ひとつ、ふたつ、みっつ、あわせて10個ほどつまむと、シュガーポットをロールシャッハの前へと差し出す。 「あなたもどうですか? 頭を使う時には糖分の補給が欠かせません」 ロールシャッハもそれには同意するところだった。それにまだ今晩は夕食をとっていない。腹は空いているのだ。 手袋をしたままの手をシュガーポットに突っ込むと角砂糖を握りこみ、そしてそれをそのままコートのポケットに放り込む。 「……食事の時はと期待したのですが、まぁいいでしょう。 それよりも本題に入りたいと思います。我々に時間的な余裕はありません」 どうやらまだマスクの下に興味があったらしい。油断ならない男である。 若者はテーブルの上にルールブックを兼ねたあの手帳を広げると、なにやらものすごい勢いで文字を書き始めた。 覗いてみると、どうやらそれは『Hor』から始まる言葉の羅列のようである。 「『Hor』『Set』『Isi』――これらの文字列から想像するものはありますか?」 ロールシャッハは唸るだけで答えない。 「意味の取れない3つの単語ですが、まずこれは略称ではないと考えます。略称であれば文字は全て大文字のはず。 しかしこれは頭だけが大文字。つまり、ある単語の頭三文字であると推測するのが妥当でしょう。 この実験という企画の性質と、主催者の言葉を鑑みるに、 このルールの根幹となる言葉の意味はいつか誰かが解くもの、解かれるものだということを前提に作られています。 そうであるならば、私達が全く解けないようなものでは意味がない。 つまり、これ以上のレベルで疑う必要はない。ある単語の頭三文字であるという推測は100%正解です」 若者はなおもペンを走らせながら己の確信をロールシャッハへと披露する。 難しい問題ではない。言われれば確かにそうだと思えたが、100%かと言われると簡単に首肯することはできなかった。 「そう考えた上でですが、 『Hor』の3文字から始まる言葉は固有名詞や複数語の組み合わせを含めてもせいぜい200ほどといったところです。 例えば、すぐに思い当たるものだと『地平線(Horizon)』でしょうか。 動物であれば真っ先に浮かぶのは『馬(horse)』でしょう。他には『ミミズク(Horned owl)』なんて言葉もあります。 実験という言葉と掛け合わせるなら『測定器(Horologe)』も可能性はあるでしょうか。 全く関係なさそうな言葉であれば『空豆(Horse bean)』など――」 200はあるという単語を全て書き終えたのか、ペンを止めると若者は手帳をロールシャッハの方へと向けた。 あまり読みやすい文字ではなかったが、開いた両側のページに『Hor』から始まる言葉がみっしりと書き込まれている。 「さてロールシャッハさん。これら200ほどの、幸いなことに200程度に絞られたとも言える言葉の群れですが、 ここから正解となる言葉を見つけ出さなくてはなりません」 そんなことがどうしても必要なのか? ロールシャッハは思い浮かんだ疑問をそのまま若者にぶつけた。 何も億劫だと思ったわけではない。 単純に、こんなことに意味はあるのか。この事態の解決に向かう道は他にあるのではと思ったからだ。 だが目の前の、真摯な目をした若者は必要だとはっきり断言した。 「ええ必要です。 我々はこの事件を解決しなくてはならないわけですから、この事件の首謀者である存在を上回るためにもまず その思想、……つまりこの事件の中に置かれたメッセージを正しく理解する必要があります。 理解がなくてはそれを上回ること、ひいてはこの事件を解決することもできません」 まるで作り話の中の名探偵だ。自分のことを探偵だなんて言っていたが、この若者は重度のシャーロキアンかもしれない。 それにこの若者は”我々”という言葉を使った。彼からすればロールシャッハはもう仲間なのだ。 無自覚の詐欺師なのかもしれない。ロールシャッハはこの段階ではまだLという男の価値を測りかねていた。 「さて、少し質問しますが、4枚の伏せられたカードがあり、そのうち3枚を開いて『スペード』『クラブ』『ダイア』が出てきた場合、 残りの1枚には何の印がついていると想像しますか?」 結論を出す前に話を迂回させるのも探偵らしい。 テーブルに拳を叩きつけて話を飛ばしてもいいが、ロールシャッハは素直に『ハート』だと答えた。 「ええ、そうです。ありがとうございます。 そう考えるのが自然であり、そこに人間の恣意的なものが介在するならばその可能性は少なくとも80%は見積もれます。 私が言いたいのは、これは『Hor』『Set』『Isi』の3つの言葉に関してもそうだろうということです。 この3つの言葉には明確な関係性があってしかるべきだと――」 言いながら若者はロールシャッハの目の前で手帳のページをめくってみせる。 そこにはたったひとつだけ大きく 『 H o r u s 』 と書かれていた。 「『Horus(ホルス)』――エジプト神話における太陽神です。 世界中の神話の中に太陽神は登場しますが、例に漏れずホルスも偉大なる者。悪と対する者と捉えられ信仰の対象となっています」 若者は再びペンを取ると、『Horus(ホルス)』の下に『Seth(セト)』『Isis(イシス)』と続けて書き記した。 「これらは同じエジプト神話い登場する神の名前です。 セトは悪と戦争、嵐の象徴であり、イシスは母性を象徴し、神話の中でイシスの息子であるホルスはセトを討ち滅ぼしました」 ロールシャッハには若者が言いたいことがまだ理解できないでいた。 しかし、エジプト神話から言葉を選ぶのはオジマンディアスらしいと思った。 あの人類最高を極めた男がヒーローの名前として選んだ『オジマンディアス』という言葉そのものが同じくそうであるのだから。 「何も私がこの3つの名前を出したのは都合よく言葉が揃うからという理由ではありません。ルールをもう一度よく見てください」 今度は大きくページをめくり、若者はこの実験のルールが書かれたページを開いた。 ロールシャッハもすでに一度目を通したものだ。そこに書かれているものは記憶の中の一語一句となんら変わりはない。 『Horグループは、Setを全て殺すか、Isiを助け、実験終了時まで一人でも生かしておくこと』 『Setグループは、Horに属する者を皆殺しにすること』 『Isiグループは、ただ時間内生き残ること』 若者は続ける。 「これらの3つの神の名前とこれらのルールは当てはまります。 ホルスはセトを倒し、セトからイシスの身を守る。 セトはホルスを倒す。 イシスはそれを見守り決着を待つ。 この実験と呼ばれるゲームのルールを端的に表すと、それはつまり――」 正義と悪との対決ということになる。ロールシャッハの前で若者はそう発言した。聞いたロールシャッハの顔の模様がじわりと蠢く。 「ええ。ホルスはセトにイシスを殺害されないようにしながらセトを撃退。または殺害してしまう。 セトはホルスを出し抜いてイシスを殺害しホルスの勝利条件を奪うか、ホルスを直接殺害し勝利を狙う。 このルールが明らかになれば、全体の傾向としてこう動くだろうというパターンがいくつか想像できます。 問題はどういった基準で参加者がグループ分けされているかですが、これはこれから情報を得ることで――……」 ,,,〓) ロールシャッハは唐突に理解した。 天才の閃きが己の中にあったのではない。これは、単純に、身をもって思い知っていただけの事実だ。 この実験は縮図だ。ヒーロー(正義の味方)とヴィラン(悪役)と、その対決を見守り、時には何かの対象にする民衆。 オジマンディアスはそれをここに再現することで実験と称しているのだ。 天才である彼が何をしたいのかは、どうしてこんなことをしなくてはならないのかは別にして理解することができた。 そして目の前の若者はまだそれを理解できてはいない。実感を伴う所まで到達していない。 イシス――つまりは民衆をホルスとセトが取り合うポイントのように例えたが、それは正しい推察だが完全な正解ではない。 民衆はヒーローを憧憬の対象とすることもある。しかし、賭けの対象にもする。そして、妬みや憎悪の対象にもするのだ。 ヒーローの登場は賞賛を持って迎えられる。しかし、民衆がいつかヒーローを、神を不要だと唾棄する時が来る。 自らが吐き出す罪に塗れた奴らは度し難いほど図に乗りやすく、欲深く嫉妬深い。 高らかに謡われるのは不平の歌で、そのくせモラルという名の花畑を笑いながら土足で踏みにじる。 ルールを改めて思い返せば何もかもが明らかだ。民衆(イシス)には負ける条件が設定されていない。 ヴィランが死に絶え、ヒーローが姿を眩ましてもあいつらはちっとも困らない。 むしろ、ヒーローとヴィランの対決など、奴らからすれば娯楽の対象にはなれ、近ければ疎ましい規律そのものでしかない。 オジマンディアスは今一度測ろうとしている。正義の存在価値を、悪の存在意義を、善良なる民の存在証明を。 しかし、おそらくこれは現実の再現になるだろう。悪は消え、正義は追放され、堕落の沼につかる醜悪な民衆だけが残る。 何を期待してオジマンディアスがこんなことを始めたのか理解できない。あるいはこれは何かを見切る為の実験なのか。 ロールシャッハはしかし、 ロールシャッハはロールシャッハ以外の何者でもない。自分自身の正義に妥協しないだけだ。 それがいつどこであろうとも。現実でも、仮想の実験場の中でも、例えば悪夢の中でも、そしてここが地獄なのだとしても。 ロールシャッハは妥協しない。彼はその矜持を命綱のように、マスクの下の暗闇の中で強く握り締めた。 ,,,〓) しばらく後、ロールシャッハとLの似ても似つかない二人は肩を並べて夜の街の中を歩いていた。 「すでに我々と同じように考え行動を起こしている者もいるでしょう」 何者かとの遭遇を期待しながら歩きつつも、Lは推理を垂れ流す。探偵は日本製らしくマルチタスクだった。 「そして、それらは何もこの事件を解決しようという方向だけにとは限りません。 ゲームが進行した方が有利だと考える者や、欲に駆られてゲームの決着を急ぐ者。 なんらかの方法で自身がセトの立場にあると確信して場を乱そうとする者もいるかもしれません。 まずはできるだけ正確に状況を把握したい。集められた人間というのもこの場合は貴重な情報源です。 危険を伴いますが人間の善悪関係なしに当たっていかなくてはないないでしょう。 そこから新しく見えてくる実験の意図というものもあるはずです」 シャッハは結局、この奇妙な男と同行することにした。その理由は単純だ。 「私は悪というものが許せないんですよ。そして正義の力が持つやさしさを信じています。 なので私はこれまで事件を解決してきた。今回も同じです。私は正義の力でこの事件を解決したいんです」 それは、ともすればヒーローに憧れる子供が言うたわごとのようであったが、しかしLの言葉には真摯さがあった。 嘘矛盾の欠片すら含まない。そして昨日今日に標榜した言葉ではない力強さがあった。 Lは若い。だがしかし”ベテランのヒーロー”であることをロールシャッハはその言葉に感じ取ったのだ。 Lが別世界における最高の探偵であることをロールシャッハは知らない。 迷宮入りとなったものを含め3500件の事件を解決し、10000人を超える犯罪者を刑務所送りにしているとは知らない。 しかし、どこの誰かはわからないが信用に価すると判断した。 そしてなにより、今までいたどの仲間よりも自分と”正義の位置”が近いと感じたのだ。 Lというこの若者も、決して己の正義に”妥協”しない男なのだろうと―― ロールシャッハとLの似ても似つかない、しかしどこかでよく似た二人は肩を並べて夜の街の中を歩いて往く。 【H-8/市街地:深夜】 【ロールシャッハ@ウォッチメン】 [属性]:正義(Hor) [状態]:健康 [装備]:ロールシャッハの手帳@ウォッチメン、スマイリーフェイスの缶バッチ@ウォッチメン、角砂糖 [道具]:基本支給品一式、不明支給品x1-3 [思考・状況] 基本行動方針:この実験を停止/破壊させ、オジマンディアスに真意を問う。 1:Lと共に行動。情報を集め事態を解決する糸口を見つける。 [備考] ※参戦時期は、10月12日。コメディアンの部屋からダンの家に向かう途中です。 【L@DEATH NOTE 】 [属性]:正義(Hor) [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品一式、シュガーポット、不明支給品x1-3 [思考・状況] 基本行動方針:この事件を出来る限り被害者が少なくなるように解決する。 1:ロールシャッハと共に行動。情報を集め事態を解決する糸口を見つける。 [備考] ※参戦時期は、夜神月と一緒にキラ事件を捜査していた時期です。 【ロールシャッハの手帳@ウォッチメン】 ロールシャッハが所持していた物。 ロールシャッハ本人の私物であり、彼が捜査メモや日記を記すために使い続けている古い手帳。 書かれている内容が誰かに漏れないよう本人しか読むことのできない汚い字でメモや日記は記されている。 【スマイリーフェイスの缶バッチ@ウォッチメン】 ロールシャッハが所持していた物。 この実験に巻き込まれる直前、ロールシャッハがコメディアンの墜死現場で拾った缶バッチ。 スマイリーフェイスはコメディアンが愛用するマークで、この缶バッチも彼が身につけていたものである。 へしゃげたりはしていないが、コメディアンの血がこびりついている。 【シュガーポット@現地調達】 Lがコーヒーハウスで調達。 コーヒーの中に入れるための角砂糖が詰まったシュガーポット。 角砂糖などどうするのかというと――そのまま食べる。名推理に糖分は欠かせないのである。 ロールシャッハも角砂糖を食べる。というかむしろ彼にとっては主食のひとつである。 時系列順で読む Back 正義の/悪の・ヒーロー/救世主 Next とあるイカ娘の侵略目録《バトルロワイアル》 投下順で読む Back 正義の/悪の・ヒーロー/救世主 Next とあるイカ娘の侵略目録《バトルロワイアル》 より強き世界 ロールシャッハ 4人のイカれる男たち 実験開始 L
https://w.atwiki.jp/savant/pages/13.html
SPELL COLOR BLACK ELEMENTS BLACK*3 CATEGOLY artifact, chronicle ATK/DEF -- Search three cards in your deck, and take them in your hand. Chronicle never permit alternation.
https://w.atwiki.jp/ysk_kwd/
Welcome to "Homepage of Yusuke Kawada" ! Yusuke Kawada is a Japanese geoscientist (post-doc fellow), working in the fields of structural geology, geodynamics and rock rheology. Now he studies a time-scale invariance in viscoelastic behaviour of rocks or crust and in temporal seismicty patterns (involving mechanical, chemical, hydraulic and electromagnetic relaxation phenomena) prior to a large earthquake or a rock failure, using the irreversible thermodynamics and damage mechanics. [Research Interests - Keywords] Rock rheology, Viscoelastic behaviour, Damage mechanics, Seismic attenuation Time-scale invariance, Critical phenomenon, Complexity science Irreversible thermodynamics (Prigogine, Biot, Schapery) Preseismic variation in atmospheric radon concentration, LAI coupling Seismo-electromagnetic radiation, Seismo-magnetic effect, Seismo-electrokinetic effect More Details... ↑ Top [Contact] Yusuke Kawada, Dr (JSPS Research Fellow) Earthquake Research Institute, University of Tokyo Division of Theoretical Geoscience, 1-611, 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0032, JAPAN mailto ykawada ][][ eri.u-tokyo.ac.jp tel +81 3 5841 5793 ↑ Home imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 Special Thanks to KZN HI!