約 2,556,188 件
https://w.atwiki.jp/pokemoncolle/pages/101.html
P-18 ルカリオ 通常 色違い
https://w.atwiki.jp/3594br/pages/269.html
409 名前:1/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 19 42 「へへへ、いい獲物を見つけたぜ・・・」 偵察に赴き、茂みに隠れていた裴元紹は、その任務に明らかに似合わない言葉を呟いた。 彼から少し離れた小川のほとりには、1人の男が水汲みをしている。 優男に見えるが、そんなことはどうでもいい。 裴元紹の気を惹いたのはその男が帯刀している物だ。 (ありゃあ、見たこともない剣だ。叩き売ってもいくらになるか・・・見当もつかねえぜ!?) 山賊上がりのせいか、金を基準に考えるのが彼のクセである。 が、それよりも裴元紹が思考のメインに置いたのは 彼ともう1人の『姐さん』の行動に関してのことだ。 今の自分達には武器がない。 素手ならともかく、強力な武器を持った奴が目の前に現れたら 姐さんを守る事どころか、逃げるのすら困難だ。 だが、あの優男がぶら下げている腰の剣を手に入れたら・・・? 『強大な敵が現れた!』→『姐さんが危険だ!』→『だが凛々しい俺様が起死回生の斬撃!』 →『敵は醜く苦しんでおります!』→『姐さん「見直したぞ!」』 →『ゴール!ゴール!ゴオオオオォォォォォォールッ!』 (うおおおおおっ・・・!) 心の中で大陸全土に聞こえんばかりの歓声を張り上げる。 相手は文官風の優男。飛び掛って倒せない相手ではない。 そうだ。彼が描く理想の未来への道標は近い。 (行くぜ!お前も大変だが、俺様の未来のために死んでくれ!) 心躍らせながら、彼は水を汲み終わった優男の前に飛び出した。 410 名前:2/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 20 43 「へへへ・・・よう兄ちゃん、いいモンぶらさげてくれちゃってるんじゃない?」 かつて山を通りがかった旅人によく使った言葉をアレンジして近寄る裴元紹。 まずこう言えば、たいていの旅人はビビッて路銀を置いていくか 強がり武器を構えるものの、腰が引けているものだ。 今回は文官。剣を置いて逃げるんじゃないか。そう裴元紹は考えていたが・・・。 「・・・山賊?驚いたな・・・こんな場にもいるとは・・・」 だが、目の前の優男はどこか違う。ビビリなど見られない。 強がりにしても、略奪した旅人がよくした震え、怯えなど微塵もない。 「山賊なんざぁ、どこにでもいるもんよ! その腰のモン、お前より俺様が上手く扱ってやっからよ、安心して置いてきな!」 が、そんなこと裴元紹には関係ない。彼の頭にはハッピーエンドしかない。 「私が持っているこの剣を渡せ、と?」 「おーよ!置いてきゃあ乱暴な事はしねえ!いい話だろ!?」 「なるほど。無意味な戦いは避けられるというわけか」 優男はどこか小馬鹿にしたような表情で、裴元紹との会話を続ける。 が・・・。 「・・・」 しばらく沈黙した後、優男は真剣な顔になり 「だが断る」 ときっぱり断言した。 「何ッ!?」 「この魯子敬の最も好きなことの一つは お前のような弱者を与しやすしと思う悪人を叩きのめす事だ」 優男が偉そうに言った一言を聞いて裴元紹はいきり立つ。 弱者だと?腰に剣をぶら下げているだけまだマシだ。 俺様なんかどうなる。妙な服だぞ!?相棒の姐さんは化粧品なんだぞ!? バッグを開けた時の、この身まで消えてしまいそうな喪失感を思い出す。 411 名前:3/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 22 34 「なら・・・ならぁ~~~・・・・」 そしてその喪失感は徐々に怒りに変わっていった。 「ならば死ねェェェェェェッ!」 怒りに任せて優男に飛びかかる。 「違うね・・・」 一言呟き、優男は身をかわしながら宙の裴元紹の伸ばした手を掴み 「死ぬのは・・・」 引っ張り勢いを加速させ、裴元紹の体を反転させ地面に叩きつけた。 「げぇッ!」 背中を強打し意図せず呻き声を出す。 ふと剥いた眼の先に、闇でも光る尖ったものが一直線に見える。 その先端は勢いをつけ、裴元紹の眼前に近づいた。 (おい・・・おい!) 「があッ!」 とっさに身を転がす。転がる途中、地面に突き刺さる刀が見えた。 転がりながら距離をとった後すぐ身を立て直し、刀を持つ優男を直視する。 「私の正史(ほんとう)の力を見る・・・お前のほうだな」 優男が言葉の続きを発する。 それが言葉の続きであることと 死ぬのは自分のほうだと裴元紹が理解するまで、少し時間が掛かった。 (やめりゃあよかった!こんな男に喧嘩吹っかけるなんてよォ!) そうは後悔しながらも、ふと自分を待っている(はず)の姐さんの顔が思い浮かぶ。 偵察から帰らなければ、姐さんは心配するだろう。(やはり) あるいは自分を追ってきてしまうかもしれない。(きっと) そうすれば、この見かけで騙すクソ野郎にあの可愛らしい服ごと切り刻まれてしまうかもしれない。 いや、あんな美しい人だ。こいつじゃなくても野獣と化した男が放っておくわけがない。 412 名前:4/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 24 08 ―俺があの人を守らなければ!― (い、いや・・・俺様は死ねねぇ・・・こんな所で死ぬわけにはいかねえッ・・・) 「うう・・・関羽の旦那・・・!周倉・・・!俺に、俺に最後の力を・・・!」 ふと、口から言った言葉だった。 関羽は自分をほとんど知らないだろうし、周倉はこの場にはいない。 だが、言葉に反応したのか、目の前の男は驚きの表情を浮かべている。 「関羽・・・もしかして、貴方は蜀漢の人間?」 「あぁ・・・?お、おーよ!俺のダチは関羽将軍の右腕だし!俺の仲間だって関羽将軍の仲間だぜ!」 とりあえず、そんなことを言ってみる。 あるいは情況が好転するかもしれない、そんな気持ちだった。 が、そんな裴元紹の予想を大幅に通り越し、急に優男は刀を納め 「蜀漢の方か・・・知らない事とは言え、失礼しました。私は魯粛、字は子敬と申します」 と詫びの言葉を出し、頭を下げた。 「・・・え?あ、ああ・・・ケッ!わ、わかりゃあ・・・」 なんとなく強がりを吐いてみようかと思ったが、先ほどの攻撃を思い出し裴元紹は言葉尻を濁らせ た。 「それで、貴方の名前は?」 「・・・え?・・・あ、ああ、は、裴元紹っつーもんよ、うん」 「むむむ・・・聞かない名ですね・・・」 「何がむむむだ」 「はぁ?」 同行を申し出た魯粛と共に『姐さん』の元へ向かいながら、裴元紹は自己紹介する。 本当は同行を断りたかったのだが、やはり先ほどの魯粛の攻撃を思い出し拒否できなかった。 それに略奪まがいの事をした自分に対し、魯粛はまだ疑いを捨てきれないようで 「はて・・・貴方は本当に蜀の人間ですか?」 と、時折疑いの言葉を向けてくる。 413 名前:5/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 26 02 『戦闘=今度こそ死』 の図式が出来上がっている裴元紹は、その言葉を言われるたびもう気が気でない。 関羽の名を聞いて刀を納めたところ、この人間も関羽の仲間なのだろう。 早く姐さんのところへ連れて行かねば。 そして、自分の釈明をしてもらわねば。 そう考えるだけで精一杯だった。 (ああ・・・姐さんとの2人っきり幸せ生活が・・・1人の男に邪魔されていくのか・・・) 「・・・元紹殿。裴元紹殿」 「・・・はっ!お、おーよ!なんだい!?」 ふと我に帰る。 「その、裴元紹殿と同行している方・・・そういえば、まだ名前を聞いておりませんね」 「え?ああ、それは・・・あ」 魯粛の問いに答えようとして、ふと考え込む。 そういえば、まだ自分も姐さんの名前を聞いていない。 「・・・俺も名前は聞いていねえ・・・だが」 「だが?」 「・・・立派な人だ。その高貴さと威圧感、美しさは・・・。 ありゃあ、男ならひとかどの人物になっただろうな」 「そうですか・・・女性の方か・・・」 そう呟くと、魯粛は少しだけ空を見上げ・・・。 「やはり、貴方は蜀漢の人間ではありませんでしたね」 と呟いた。 「げえっ!」 そういわれて驚くのは裴元紹だ。おなじみの驚声をあげてしまった。 414 名前:6/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 27 11 「ななななんでえ!急に!」 「初めから疑ってはいましたが・・・貴方の同行者が関羽将軍の仲間、というのなら 蜀漢の人間は名前を知っているのではないかと思いましてね」 「そそそそうとは言えねえだろうが!」 「確かに断言はできない。が、今の貴方の驚きようを見れば確実だ」 そういい、魯粛は裴元紹の方を向き帰る。そしてこう言った。 「だが、貴方は立派だ。すでに40人ほどは死んでいるこの狂気の場において 女性を守ろうとしているなど、なかなか出来ることではない」 「え」 「先ほどの貴方の言葉から、独断ながら私はそう感じ取った。 おそらく私の武器を奪おうとしたのも、そういった理由からでしょう? もう、私は貴方と事を構える気はない。剣は渡しませんがね」 この場において、少しは信用できる人間に出会えた。 裴元紹にはなんとなく、魯粛がそう言っているように思えた。 「戻ったか、裴元紹・・・む?そちらは?」 「え?姐さんも知らないんで?」 「はじめまして、魯粛と申します。それにしても奇抜かつ珍妙な衣装ですね」 「魯粛!?裴元紹、なぜ魯粛殿と?」 「これこれこういうわけで」 「あれ、私のことご存知なんですか?申し訳ありませんが、私は貴方を知りません」 辿り着いた瞬間に飛び交う会話。 魯粛に尋ねられた趙雲が己の名前を告げるまで、少々時間が掛かった。 「私か。私は趙子竜・・・」 415 名前:7/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 29 39 「げえっ!」 「げえっ!」 だが自分の名前を途端、裴元紹と魯粛の馴染みある驚声。 「・・・」 「・・・」 「・・・」 そして、しばらく沈黙が流れた。 「あ・・・同姓同名の方ですか?中華に趙子竜さんが2人いらっしゃるとは知りませんでした」 と、魯粛が沈黙を破る。 「いや、私が本物の趙子竜だ。なぜかこんな外見だがな」 「はぁ・・・」 釈然としない態度の魯粛を尻目に、趙雲が裴元紹の方を向き帰る。 「で、なんでお前は驚いたんだ?」 「い、いや・・・その名前はなぜか・・・」 そうとはしらないが、自分を殺した男の名前だ。 少し悩んでしまう。 「ところで魯粛殿はなぜこちらに?」 悩んでいる裴元紹を横目に、趙雲は魯粛に問いかける。 「それは私も聞きたい。なぜ蜀漢の将である貴方が呉方面に?」 「・・・?ここは幽州だが・・・?」 「は?」 少し慌てながら、魯粛は己のバッグから地図を取り出した。 「違う・・・ここをまがったはずだが・・・あれ、こっち?いやちょっとまて・・・ここがこうで・・・」 としばらく呟いたあと、ふと魯粛は地図を手から離した。 「・・・間違った」 そう呟いた魯粛の顔は、触れば凍ってしまうのではないかと思うほど青ざめていた。 416 名前:8/8 投稿日:2006/07/28(金) 00 31 11 「正反対ではないか・・・そんな事では、他の事はよくできても外交官としての才能は零だな」 「・・・う・・・うう・・・嘘だ・・・そんなはずはないんだ・・・それは私の正史(ほんとう)の力では・・・」 と呟きながら、すこしふらふらと歩き出す魯粛。 そのまま、地面に倒れ伏し、やる気なさそうにぼそぼそとこう呟いていた。 「うう・・・都督・・・そんな事言わないでくださいよ・・・だったらあんたが行けよ・・・」 「う~む・・・」 とにかく悩む裴元紹。 (趙子竜・・・いやな響きだ・・・たぶんそいつには痛い目に合わされたはず・・・) まだ悩む。 (そんな奴と同じ名前だなんて、災難だな姐さん!) 閃いた。 「姐さん!この裴元紹、どこまでもついていきますぜ!」 「なんだ急にやる気を出して。まあいいけど・・・。 それより、道を間違った魯粛殿もおそらく同行するであろうが、いいか?」 「がってんだ!」 決意新たな裴元紹。 目の前の姐さんと趙子竜は同姓同名の別人だ、と本気で思っている裴元紹。 まあまあ、救われたとも言えるのではないだろうか。 ナースと下僕と外交才能零/3名 趙雲【ナース服、化粧品】裴元紹【なし】魯粛【圧切長谷部】 ※もうそろそろ幽州に到着。 ※裴元紹は趙雲を完全に別人だと思っています。魯粛はあまり信じていません。
https://w.atwiki.jp/2chsiberiassf/pages/185.html
BMP-1はソビエト連邦の歩兵戦闘車(IFV)。1966年に配備を開始、翌1967年に存在が明らかになった。世界初の歩兵戦闘車で、歩兵を乗せながら敵戦車を攻撃する能力を持つ。 BMP-1の最大の特徴は、装甲兵員輸送車に比べ、歩兵支援の為の強力な攻撃能力を有することであった。主砲の73mm低圧滑腔砲はSPG-9無反動砲と同型の、少量の装薬で発射された後にロケットブースターで加速される榴弾(HE)および対戦車榴弾(HEAT)が用いられた。ただし無反動砲と砲塔に搭載する車載砲の違いから薬莢の形状が異なるため、直接的な意味での弾薬の互換性は無い。 さらに9M14サガー対戦車ミサイルと、装甲車の一般的な装備である機関銃も装備している。また、後部に配された兵員室には小さな銃眼(ガンポート)が設けられており、搭乗している兵士も発砲できる。これは、戦闘で核兵器が用いられた際に、放射能で汚染された地域でも歩兵を展開できるように考慮されたものである。 これらの点でBMP-1は、従来の兵員輸送車両に比べて非常に画期的とされ、その登場時には所謂「BMPショック」を各国にもたらした。これにより、砲塔を搭載して戦闘に参加する能力を持ち、かつ歩兵を運べる「歩兵戦闘車」という新たな装甲戦闘車両の分野を生み出すこととなった。 基礎データ 全長 6.74 m 全幅 2.94 m 全高 2.15 m 重量 14 t 乗員数 3 名 乗員配置 乗員3名、歩兵8名 装甲・武装 装甲 33 mm 主武装 73mm低圧滑腔砲 9M14(AT-3サガー)対戦車ミサイル 副武装 PKT7.62mm機関銃 機動力 速度 65 km/h(整地) 45 km/h(不整地) 8 km/h(水上) エンジン UTD-20 V型6気筒 液冷ディーゼルエンジン 300 hp/2000 rpm 懸架・駆動 トーションバー 行動距離 600 km 特殊部隊では数輛のBMPが運用されており、現在でも強化、改造されたものが使用されている
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/46944.html
登録日:2021/01/09 Sat 16 54 47 更新日:2024/06/04 Tue 13 49 45 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 SCP Foundation SCP-JP Ticonderoga sanks269 フライドポテト マクドナルド SCP-2635-JPはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはTiconderoga(*1)(収容困難だが、その必要がない)。 ▷ 目次 特別収容プロトコル 概要 発見経緯 そもそもマックのポテトをなぜそんなに買い込むんだ 結論 財団世界のレストランチェーンは正常性に悪影響を及ぼしますSCP-3808 - Bacon Cheeseburger That Demands Justification (正当化を要求するベーコンチーズバーガー) SCP-3250 - Jesus Fried Chicken (ジーザス・フライドチキン) SCP-4405 - Time Ends on a Fridays (時の終わりのフライデーズ) 特別収容プロトコル SCP-2635-JPはすでに相当数が流通しているうえに世界的に影響力を持つ実体群である。 ……開幕から財団世界の明日がどっちだ案件な気はするが、このオブジェクトの集積体によって TK-クラス:時間軸破断シナリオが発生することを防ぐために財団は研究リソースを投じている。 また、世界各国の警察組織とのホットラインを通じて、SCP-2635-JPの異常効果発露、 または発露に繋がりかねないイベントの通報を傍受、摂食者の拘束・傍観者への記憶処理を講じることとする。 集積させると時間軸破断シナリオが発生するというとんでもない物体のくせに、 KeterではなくTiconderogaとは財団も悠長でござるなあと思うだろうが、 ことこれに至っては収容にあたっての影響がデカすぎるのである。 ヒントは摂食者。つまり世界的に食べられるあの食べ物なのである。 ということで。 概要 SCP-2635-JPは、マクドナルド社が製造・販売するフライドポテトである。 外見・味・人体への影響に異常性はない。……財団的には。 しかしマックのポテトは冷えると異常性を獲得する。 それは、自身および近接した時空間領域に影響する微弱な時間軸干渉効果であり、 この副作用によって数百年間の放置にも耐えうる抗腐敗能力を獲得する。 要は冷えたマックのポテトはその周囲のタイムラインをゆっくりにしてしまうので、 黴や細菌類の繁殖がノロノロになってしまうので数百年腐らない、ということである。 なお、この能力はヒト口腔内にポテトを収納する、つまりポテトを食べることで失われる。 つまり、食べてしまえば問題ないのである。 ……逆に言うと、それならそこまで脅威じゃないようにも思えるだろう? この冷えたマックのポテトが腐らない能力は、 「マクドナルド社製のフライドポテトである」という意味論的修辞災害によって付与されることが財団により判明している。 早い話が、「マクドナルド社」がフライドポテトを作れば、その製造方法によらず時間軸干渉効果を獲得し、 それ以外の会社や個人が同一製法でフライドポテトを作っても、ほっとけば腐るということである。 財団はこの能力を、マクドナルド社が主力製品の保存性向上のために意図的に付与したと考えているが、 マクドナルド社は公的にこれを否定している。 発見経緯 さて、普通にはこの能力は、どこぞの輪ゴムが如く判明しないか、 せいぜい「マックのポテトは異常な薬品でコートされてるから腐らない」程度の都市伝説で終わるところだっただろう。 しかし、ある日のこと、男性がマクドナルド店内で「世界を滅ぼしてやる」と物騒なことを叫びながら、 マックのポテトを15ダース摂食しようとしているところに地元警察が駆けつけたことで判明した。(*2) このときマックのポテトは、15ダースという数量によって高強度の時間遅延効果を発揮した。 結果として、マックのポテトや紙パックは空中に浮いた状態で静止していた。 目撃者が多かったものの、財団はこれをなんとかして『フライングポテトの怪』なる都市伝説に留めることに成功した。 にしても、本当に滅ぼしかけてどうするんだ……。 SCP-2635-JP - 食べ過ぎると滅亡するマクドナルド・ポテト 財団はマクドナルド社にフライドポテトの販売抑制の働きかけを行っているが、 マクドナルド社の抵抗とマックのポテトの普及率のために難航している。 そもそもマックのポテトをなぜそんなに買い込むんだ 2020/3/23、アメリカ合衆国ケンタッキー州ルイビル近郊にて確保された異常物体AO-1940(*3)が、 マックのポテトと同様の異常性を獲得していることが判明した。 AO-1940は完全剛体・理想黒体と思われる半径約2mのドーム状物体…… ようはどんな力によっても変形もしないし電磁波の干渉も受けない物体である。 破壊できないためにこの領域内を観察する試みも失敗しているが、 この振る舞いより内部は完全時間停止状態にあると見做されている。 財団の調査ではこのAO-1940の辺りには小屋が存在しており、 住人はマックのポテトを大量に買い込んでいたことが判明しており、 この物体はマックのポテトの成れの果てではないかと財団は推測している。 時間軸干渉効果が強まりすぎたせいで、買った人が摂食できなかった=異常性の解除トリガーを実行できなかったというわけだ。 ……そもそもなんでそんなにポテト買うの?冷めたポテトは腐らないかもしれないけど不味いだろ? そして2020/4/1、アルファ・ケンタウリ星方向にAO-1940と同様の物体AP-2041が発見。 このAP-2041は直径約63,800kmの球状物体であり、財団のスイッチバック式過去観測衛星PCS-041("ウルズ")によって 過去80年以内に、そこで文明を有していた天体がSCP-2635-JPと類似する物体による時間遅延効果を受け静止する様子を記録していた。 ……要はマックが宇宙人相手に営業していたってことじゃねえかと財団は推測し、 なぜか不明な一団によって数百万tのマックのポテトが空中散布されたことでこの文明が滅び、 変わって時間が止まる異常な球状空間が出来上がってしまったものと考えている。 ちなみに観測記録には、マクドナルド社のものと酷似したロゴマーク、 および"アルファ・ケンタウリ・3番街駅前支店"の英字看板が見られている。 なお、マクドナルド社は「うちアルファ・ケンタウリ星で営業なんかしてないしポテトばらまいたりもしてないよ」と 事件への関与を否定している。 財団はマックのポテトによるTK-クラス:時間軸破断シナリオが起きることを懸念して マクドナルド社を解体しようと考えているが、その影響が大きいことから交渉と審議が続けられている。 結論 ポテトは冷めないうちに食べましょう。 ってかやっぱりこれTiconderogaでいいのか?ケテりみ深すぎない? 財団世界のレストランチェーンは正常性に悪影響を及ぼします SCP-3808 - Bacon Cheeseburger That Demands Justification (正当化を要求するベーコンチーズバーガー) 森の中に浮いており、動かそうとしても元の位置に戻ってしまうベーコンチーズバーガー。 更に、見た人にベーコンチーズバーガーが森の中に浮いていることに対しての合理的説明を要求する。 SCP-3250 - Jesus Fried Chicken (ジーザス・フライドチキン) フライドポテトが時空間異常を引き起こすなら、ケンタッキー社のフライドチキンは 『短時間キリストがカーネル・サンダースに見える』認識災害を及ぼす。 基本はそれだけの異常性で終わるのだが、1件だけ宗教そのものに発展したやばいケースがある。 SCP-4405 - Time Ends on a Fridays (時の終わりのフライデーズ) ひとつの宇宙空間が完全に消滅したあとに現れる、TGIフライデーズの店舗。 次元間移動手段を持っている財団に認可された実体群及び財団職員以外に訪れる常連客はいない。当たり前だが 追記・修正……の前にポテト食べたくなってきたな。Uber Eatsで15ダースくらい注文するか……。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-2635-JP - 食べ過ぎると滅亡するマクドナルド・ポテト by sanks269 http //scp-jp.wikidot.com/scp-2635-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] むしろよくそんな数のポテト作れたな。在庫足りたんか? -- 名無しさん (2021-01-09 17 15 24) 特殊クラス群は解説も付けた方がいいんじゃない? -- 名無しさん (2021-01-09 18 09 54) 180本のポテトなのか180袋のポテトなのか...どっちにしろ確かによく在庫が足りたなと思うわ -- 名無しさん (2021-01-09 19 03 41) これマクドナルドのハンバーガーが20年くらいたっても形保ったままだったってネット記事から考えたのか? -- 名無しさん (2021-01-09 20 41 14) 多分「マックのポテトは冷めるとまずい」→「出来立てはすぐパクパク食べられるのに冷めたやつは食が進まなくて食べる時間が長くなっちゃう」ことから、『こうなるのはポテトが時間を遅らせてるからなんだよ!』とかって思い付いたんじゃない? -- 名無しさん (2021-01-09 21 28 38) SCP-2635-JPってナンバーは本家のSCP-2635、「アッツアツのポテト」とポテト繋がりだからこのナンバーにしたのかな。どっちも「1年間ずっともってる」「冷めると発動する」というベクトルは違うが発動までに結構かかるポテトだ。 -- 名無しさん (2021-01-09 21 31 22) 「ケテりみが深い」というパワーワードよ -- 名無しさん (2021-01-09 22 18 02) インシデント起きてる時点でTiconderogaじゃねーだろってのは禁句。あと財団(カノンが違うとは言え)ハンバーガーマシンのときはマクドナルドにクオーターパウンダー無理矢理発売させてたやないか。 -- 名無しさん (2021-01-09 23 06 27) クォーターパウンダー発売すれば許されるだけの時と「明日からお前の会社なくなるで」は流石に違う話にならないかな -- 名無しさん (2021-01-09 23 10 30) ↑2そう、カノンが違うからその反論は役に立たない -- 名無しさん (2021-01-09 23 11 20) この場合、マクドナルドの存在を無理矢理消したら全世界への影響が計り知れないだろうから、変なリスク負うよりは残したほうがいい。というかむしろ、『マックのポテトの購入数を制限』、もしくは『大量のマクドナルドポテトを購入した形跡が発見された場合、追跡、回収する』方がよいのではないだろうか。 -- 名無しさん (2021-01-09 23 47 13) KeterとTiconderogaはどちらも「収容が困難あるいは不可能」だけど、特殊クラスの存在を許す場合Keterが「それでも収容しなきゃいけない」なのに対してTiconderogaは「わざわざ収容する必要はない」だから、今回で言えば「マクドナルド社を『潰せない』ならKeter」じゃないのかという話になる(Ticonderogaの場合は「マクドナルド社を潰すまでの大事じゃないだろ」) なおTiconderogaを認めない場合はいずれにせよKeterになるよ(収容できてないから) -- 名無しさん (2021-01-09 23 53 31) 元記事にアクセスしてみたらヘッダー頭イカレてて草 -- 名無しさん (2021-01-10 00 34 10) ↑元記事の投稿日とタグを見ればわかるけど、これが投稿されたのは去年のエイプリルフール。当日はこの記事のヘッダーと同じものがサイト全体で使用されていた。 -- 名無しさん (2021-01-10 00 48 12) マクドナルドが要注意団体としてマークされそう -- 名無しさん (2021-01-10 01 17 19) 「マックのポテトの成れの果て」とかいうパワーワードすき -- 名無しさん (2021-01-10 12 41 24) つまりマックの廃棄ゴミ箱はこの物体を収容するアノマリーなのでは? -- 名無しさん (2021-01-10 14 12 10) ↑4しかもエイプリルフールネタなのに通常ナンバー まあ通常ナンバーで妥当な内容なんだけども -- 名無しさん (2021-01-10 19 22 21) なんでscpなんたらかんたらって排他的なの?初心者に優しくしたほうがいいと思うよ -- 名無しさん (2021-01-11 02 06 03) ↑...どこが?初心者に優しくないだとかどうとかの意味が分かんないし、その一文だけじゃあどうしてほしいのかが全く分からない。もう少し詳しく。 -- 名無しさん (2021-01-11 15 49 53) ↑あちこちでコピペしまくってる荒らしだから相手しちゃダメだy -- 名無しさん (2021-01-11 15 52 01) 荒らさないでください -- 名無しさん (2021-01-11 16 00 35) なんかハジケっぷりが本家感あったんけどJPオブジェクトなのか。 -- 名無しさん (2021-01-12 09 23 25) これって、マックのポテトの何から着想を得たんだろう? 謎すぎる。 -- 名無しさん (2021-01-12 10 43 02) ↑20年腐らなかったというニュース(湿気もない海外では保存場所によってはガチで腐らないこともある)ではないかと -- 名無しさん (2021-01-12 19 16 10) メタタイトル載せるの忘れてない? -- 名無しさん (2021-01-31 14 40 52) tincoderoyaだけあってクセのあるオブゼクトダスなぁ -- 名無しさん (2021-02-13 19 16 58) 時間止まってる黒球……SCP-280-JPの亜種かな? -- 名無しさん (2021-06-18 21 25 41) 日本のマックポテトは業務用スーパーで同じの買えるけど、やっぱ添加物とかラードが特殊らしいな スーパーサイズミーとか見ると過去のマックがやべーのが分かる(改善されたらしいが -- 名無しさん (2021-06-23 15 52 54) 周辺地域と人員と設備を永遠に失うし隠蔽工作も大変な事を差し引いて尚お釣りが出るレベルの大変な収容違反が起きたらポテト大量散布すれば封じ込め出来るってこと? -- 名無しさん (2021-10-09 08 22 59) 冷めたポテト好きだけどな… -- 名無しさん (2021-11-11 15 50 37) 最近マックのポテトのLサイズとMサイズが販売休止になった本当の理由はこれか… -- 名無しさん (2021-12-23 10 53 23) マックどか食い気絶部ってもしかして時空間異常をもたらすGOIなのでは? -- 名無しさん (2022-02-12 15 35 19) そんな簡単に時間を操作するアノマリーが作れるならThaumielとして扱うべきな気もするが… -- 名無しさん (2022-02-17 14 31 26) ↑そう上手くもいかないと思うけどなぁ -- 名無しさん (2022-02-22 18 36 31) ↑2永久カイロの収容室をマックのポテトで埋めるとか…? -- 名無しさん (2022-11-30 19 02 30) ランランルー -- 名無しさん (2023-04-21 18 06 23) 一定量以上のポテトを冷ますのは法律違反にしよう。 -- 名無しさん (2024-01-20 11 26 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ddwrt_openwrt/pages/147.html
■ 2020-05-09作成 ■ 2020-05-30更新 ■ - アクセス ■ 5950Mbps Buffalo WXRシリーズ 外部リンク DeviWikiTechInfoDepotOpenWrtDD-WRT 基本情報 発売日 型番 5GHz2.4GHz 有線 メモリ フラッシュ CPU Clock Port 2019-10-11 WXR-5950AX12 (ax)4803(ax)1147 10Gbps*11Gbps*3WAN 10Gbps 512 MiB 256 MiB QualcommIPQ8078 2.2 GHz4cores USB 3.1(Gen 1) 2019-10-11 WXR-5950AX12R (ax)4803(ax)1147 後継機種: インストール関連 概要・注意点・参考サイト 情報募集中 使用中のファームウェアのバックアップ手順 情報募集中 インストール手順 情報募集中 バックアップへの復旧手順 情報募集中 その他情報 (BUFFALO)『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開記念モデルのWi-Fi 6(11ax)ルーターを発売 このページへのリンクが設置してあるページ ルータ一覧/BUFFALO コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/53055.html
登録日:2023/01/16 Mon 00 13 00 更新日:2024/09/18 Wed 13 44 29NEW! 所要時間:約 80 分で読めます ▽タグ一覧 K-クラスシナリオ Neutralized SCP Foundation SCP-1092-JP SCP-3000-JP SCP-3000-JPコンテスト SCP-JP SCP財団 gokiso アハシマ カルツァ-クライン現実子理論 シリーズファーストナンバー 作者巡回済み 剖検 国生み神話 所要時間30分以上の項目 所要時間60分以上の項目 日本支部 日本神話 神話・民俗学部門 素粒子物理学部門 これはSCP-3000-JP発生中の京都市街の様子を写した写真である。 SCP-3000-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 項目名/メタタイトルは「常世の国」。これの意味は読んでいくうちにわかるだろう。 また、JPのコードが示す通り日本支部の管轄にある。 オブジェクトクラスはNeutralized。すでに無力化したオブジェクトだ。 概要 SCP-3000-JPとは、2017年4月21日18時2分前後から日本国内で10分だけ発生した異常現象である。 一度きりの異常現象であり、すでにカバーストーリー等での秘匿も完了しているため、Neutralizedに指定されている。 で、具体的にどんな異常現象だったかというと、 「日本国内の全ての人間が消える」 「食料品などの人間の日常生活に関係の深いものも消える」 「国土と建物も結構消える」 「日本の海岸線周辺でヒューム値がめっちゃ高くなる」 「上記影響で海外と連絡がつかなくなる」 「なんかよくわかんない神様が出現する」 この6つ。日本国内の全ての人間が消える、という大事件だったことがうかがえる。 しかし10分後には全て元通りになった。 ちなみに、SCP-3000-JPが発生しているときには国内の時間の流れが速くなっており、たった10分で終わったSCP-3000-JPも、国内の時間は体感200時間以上流れていたという。1週間強といったところか。 そして、日本国内全ての人間が消えたSCP-3000-JP真っ最中、例外として消えなかった人たちが5人だけいた。その5人のことをPoI-3000-JPという。 ちなみにPoIとは「要注意人物(Persons of Interest)」の略。 特別収容プロトコル SCP-3000-JPに関わった神様は全員無力化したよ。 SCP-3000-JPを秘匿するために、日本国内全域に記憶処理をしたり、カバーストーリーを流布したりしたけれど、2022年9月19日に完了したよ。 LoI-3000-JPは神学部門の重要研究対象に指定され、いろいろな測定器具がおかれているよ。 SCP-3000-JPの一連の経緯に影響を与えた可能性が指摘されていることから、現在PoI-1435に関する網羅的な調査が行われているよ。 ざっとまとめるとこんな感じ。 LoI-3000-JPとPoI-1435についてはまた別に説明があるので安心してほしい。ちなみにLoIとは「要注意領域(Locations of Interest)」の略。要注意人物の場所版みたいな感じ。 PoI-3000-JPについて PoI-3000-JPとは、先述した通りSCP-3000-JP発生時も消えなかった5人の人たちのことを指す。今回のお話の中心人物となるので、それぞれ紹介していこう。 1人目は、高畑 登紀雄さん。この人は財団職員で、しかもサイト-81K3のサイト管理官。要するにサイト-81K3の中で一番偉い人であり、セキュリティクリアランスもO5が持つレベル5に次ぐレベル4を持っている。すんごい機密情報にもアクセスできそうだ。 所属は神話・民俗学部門。今回はお察しの通り神様が絡む事件。これは頼もしい。 以降は高畑博士と記述する。ちなみに「ベストを着て白髪を蓄えた温厚そうな初老の男性」とのこと。 2人目は、八田 進太郎さん。この人も財団職員で、サイト-8104という場所で上席研究員をやっている。 この財団世界、役職的には「上席研究員>研究員>研究補佐」であり、研究員の中ではかなり偉いことがわかる。セキュリティクリアランスもレベル3を持っている。 所属は素粒子物理学部門。その名の通り素粒子物理学を研究する部門で、SCP-2360-JPなどにも登場する。 以降は八田研究員と記述する。ちなみに「スーツに眼鏡の若い男性」とのこと。 3人目は亀島 大さん。この人も財団職員で、高畑博士と同じサイト-81K3で働いているフィールドエージェント。 エージェントゆえ、セキュリティクリアランスはレベル2と高くも低くもないが、なにより経験豊富。強い。 所属部門はエージェントなのでなし。以降はAgt.亀島と記述する。ちなみに「灰色の作業着を着た屈強そうな壮年の男性」とのこと。 4人目は岩塚 翼さん。この人もやはり財団職員で、八田研究員と同じサイト-8104で働く研究補佐。セキュリティクリアランスはレベル2。 そして所属も八田研究員と同じ素粒子物理学部門。以降は岩塚研究補佐と記述する。ちなみに、5人の中で唯一の女性である。あと若い。 5人目は、今回の主人公でもある中村 彰吾さん。 この人は、5人の中で唯一民間人である。京都にある大学の21歳の学生で、偶然にもこの事件に巻き込まれてしまった。 以降は中村氏と記述する。 補遺3000-JP.1 / 文書3000-JP さて、たった10分しか発生しなかったSCP-3000-JPでも、その影響を受けなかった5人だけは体感200時間以上の時を過ごしていた。 その間の文書記録・映像記録が、SCP-3000-JPが収まってから八田研究員から提出され、それらが文書3000-JPとして記録されている。 本家報告書にはそれらすべてが記載されているのだが、ここにそれを全て引用してしまうととんでもない長さになってしまう上、この解説記事の存在意義が薄れてしまうので良い感じに略したり、説明を加えたりしながら記載していく。 もし全文を知りたい場合は、ぜひ本家報告書を見ていただきたい。 中村氏の手記1 まずは、中村氏が残した手記の冒頭から見て行こう。 どうやら、PoI-3000-JPの1人である八田研究員に「これまでの行動やこれからの行動内容、あなたが感じたことをできるだけ詳しく書け」と言われたらしい。 そういうわけで、ここではSCP-3000-JPが始まった直後からの中村氏の行動や感じたことを見て行こう。 その日は5限目が早く終わり、中村氏は急いで吉田山に向かった。これは京都にある山なのだが、中村氏は今日の6時半、そこで東山さんという女性と待ち合わせをしていたのだという。 生まれてからずっと冴えない生活をしてきた中村氏は、女性との待ち合わせに緊張しながら吉田山の吉田神社の中にある「大元宮」という場所で待っていた。 ちなみにその時に中村氏が見た夕焼けがよほど綺麗だったらしく、そこで中村氏は写真を撮る。 しかし、時計が6時半になっても彼女は来ず、7時になっても来なかった。 そこで中村氏は異変を感じる。妙に吉田神社が閑散としているのだ。なんだか胸騒ぎがして山を下り、自転車を走らせてみると人が一人もいない。普段は大学生でごった返すはずの通りにも、大学構内にも、守衛室の中にも。 そしてもう一つ、空が夕焼けのまま変わらないことにも気づく。今は4月。7時になったらもう暗くなってきても良い頃なのだが、太陽が動いているようには見えない。 中村氏はいよいよパニックになり、自転車を1時間ほど走らせる。 四条通りにも行ってみたが、そこにも誰もいない。 そこで困った中村氏はとりあえずいつもの大学に戻ることにした。あまりにも静かすぎる世界の中、すこしでも喧騒が聞こえるような環境が欲しかったからだ。 すると、後ろから声を掛けられた。それがAgt.亀島だ。 どう声を上げればいいかわからない俺の前で、亀島さんは通信機で誰かと相談した後、名前を名乗り、付いてくるように俺に言った。俺は従った。 2人は中村氏が通う大学内の深くに進んでいく。階段を上り下りし続け、自分が地上に居るか地下に居るかさえ分からなくなってきた後、ようやく目的地についたのか、Agt.亀島が重そうなドアを開けて中村氏をサイト-81K3に招き入れる。 サイト-81K3入り口で中村氏を迎え入れたのは八田研究員と高畑博士。2人はそれぞれ名乗った後、自分たちが属する組織、すなわちSCP財団がどのような組織なのか説明し始める。 ちなみに岩塚研究補佐はここにはいないのだが、彼女はこの件の研究で忙しいらしい。 SCP財団。 闇の組織。人類の文明を陰ながら支えるエリート集団。 実際に不可思議な現象を経験した俺にとっては、そのような団体の存在も信じるに足る理由があった。 正直まだ困惑が収まらないが、今は彼らに頼るしかないと思っている。 ここのエントランスホールは事務所のロビーのようになっていて、周りに扉がたくさんある。彼らとはいつもそこで話している。 映像ログ書きおこし1 お次は、この手記の後に岩塚研究補佐を除く4名で繰り広げられた会話を見て行こう。 開口一番、八田研究員が「軽々とサイト内に一般人を招くべきではなかったのでは?」と言う。 そもそも財団の使命的に、財団職員は一般人にその正体が知られることをよく思わない。八田研究員のように思うのも無理はないだろう。 しかし財団にはプロトコルCK-3というものが存在する。 これは、K-クラスシナリオなどいろいろな要因で、財団職員が著しく減った時に、一時的に民間人に協力を求めるというもの。 ここで、財団の技術により日本国内で生きているのが5人だけということが判明したので高畑博士はプロトコルCK-3の実行を許可した。八田研究員も納得した。 中村氏 い、いったい何の話ですか? 何が起こっているというのですか? 高畑博士 中村さんと言いましたね。突然こんなことが起こって困惑し通しでしょうが、どうか落ち着いていただきたい。 中村氏 ──はい。 高畑博士 私はこの施設の管理官を務めております高畑です。各地の説話などを調べております。そしてこちらが── 八田研究員 ──八田です。[顎を軽く引く] Agt.亀島 相変わらず不愛想なやつだ。で、俺が亀島。よろしくな。 中村氏 はい。よろしくお願いします。 高畑博士 もう一人、岩塚という者がいるのですが──八田君、岩塚君は? 八田研究員 現在第2実験室で、全国の観測機器データの解析に当たらせています。 高畑博士 了解しました。さて、中村さん。あなたも経験したと思いますが、今、この世界では何か良からぬことが起こっています。このような異常な現象から、現代の科学技術を超越した様々な技術を用いて人類を守るのが我々、SCP財団の務めです。しかし──困ったことに、我々の仲間のほとんどもまた連絡がつかないか、他の人々と同様にいなくなってしまいました。 中村氏 ──にわかには信じられないですが、確かにいなくなっていましたね。 そして高畑博士は続ける。 どうやら、日本を囲むようにして巨大な見えない壁ができてしまったという。SCPに詳しい皆さんには高ヒューム値の壁、と説明してもいいだろう。そのせいで海外と連絡が取れなくなってしまった。高畑博士たちも途方に暮れている状態。 そういうわけで、高畑博士は中村氏に協力をお願い。とてつもなく人員は不足してるし、猫の手も借りたい状態で中村氏の手を借りない選択肢はない。 Agt.亀島 俺からもお願いする。見るからに優秀そうな学生君だからな。 中村氏 いえ、そんなことはありません。僕、2回も浪人したんですよ。 Agt.亀島 そんなことは些細な事だろ。自分のやるべきことをしっかりやって、ちゃんと合格できたんだろ。俺からしたら、胸を張るべきだと思うけどな。 中村氏 でも、僕なんか、周りの現役生とかと比べても全然── 八田研究員 高畑先生。仮にプロトコルCK-3を適用して彼に臨時クリアランスを与えたとしても、私には彼が財団の異常技術やアノマリーを理解し、使いこなせるとは思えません。 Agt.亀島 何を失礼なことを。なあ? 失礼だよなあ?[中村氏に顔を向ける] Agt.亀島のいい人感が半端ないが、ここで八田研究員が中村氏にノートを手渡す。これに、これまでやこれからの行動内容や、自身の感じたことを自由に書いていけ、と。なぜこの状況下で中村氏だけが消えなかったのか、その原因究明にも使えるからだ。 これが先ほど紹介した中村氏の手記である。 高畑博士が「思ったことを書き散らすだけでもいいから、自由帳だと思って書いてください」というので、中村氏はその言葉の通り思ったことを書き散らしてみることにした。 中村氏の手記2 先ほどの手記の続きとなる。 先述の通り、中村氏はここに思ったことを書き散らすことにした。 SCP財団とは、人類を陰ながら支えるエリート集団。高畑博士も八田研究員も優秀な人だし、Agt.亀島の身体にはたくさんの痛々しい痕跡が垣間見える。 それに比べて自分は?と考える中村氏。 実は中村氏には優秀な弟がいる。性格も良く、自分のことを慕ってくれてもいる。 しかし自分は浪人を2回も経験し、予備校や受験では自分より優秀な人がごまんといることを思い知らされた。なんとか合格した後も、劣等感が尾を引く。 そんな自分に、こんな緊急事態のなかできることはあるのだろうか。むしろ、この居室に籠っていたほうが邪魔にならないのではないか。 ここで、Agt.亀島が中村氏を食事にさそった。岩塚研究助手は一人で食べるらしいが、それ以外の4人で一緒にごはんを食べてきた。 中村氏にはプロトコルCK-3に従い、SCP財団が持っている技術の一部が公開される。食事の後にいろいろ説明がなされ、中村氏には民間人用のマニュアルが渡された。 この、サイト-81K3と言う場所は「除外サイト」という特殊な場所で、外で何が起こってもサイト-81K3内は影響を受けないという性質を持っている。それを聞いた中村氏はますますここに引きこもりたくなってくる。 ベッドに寝転がり考えてみた。 日本から人間がいなくなったなんて、こんな事態に俺なんかが何かできるとは思えない。彼らの邪魔にならないように、静かに部屋に引きこもることにしようと思う。 映像ログ書きおこし2 さっそく、中村氏は高畑博士に自分の考えを伝える。やはり自分にできることは限られているからここにとどまる、と。 八田研究員はこれに賛成。何しろここは除外サイト。何が起こっても安心なシェルターみたいなものなので、プロトコルCK-3があるといえども財団の理念的に民間人を危険に晒したくない八田研究員にとってはそれが最善と思えるのだ。 ここで、「除外サイトは日本でここしかないのか」と中村氏が質問する。 八田研究員によると除外サイトは日本各地にあるのだが、サイト-81K3はつい最近、それもサイト-8104から派遣されてきた八田研究員と岩塚研究補佐によって強化されていたのだという。 その強化とは、除外サイトの外で、奇跡論すなわち神様的ななにかが発生した場合により強固なガードを果たす、というものらしい。 というのも、ここは京都市。京都には1000年にわたり平安京が存在していたのもあって神様的な存在がうじゃうじゃいる。それらの情報を守るのがサイト-81K3の役目だ。 それで、おそらくはそのおかげでサイト-81K3だけこの現象から守られたと考えられる。ガードの実用性が立証されたのは不幸中の幸いかもしれない。 そこで気になるのはなぜ中村氏が助かったのか。これについてはまだわからないのでいろいろ考察していくしかない。 と、ここでAgt.亀島が調査から帰還。さっそく報告を始める。 Agt.亀島はとりあえず西に向かって歩いてみたのだが、相変わらず誰もいない。鳥や魚はいるようだ。雲は流れているが太陽は止まったまま。 ここで、Agt.亀島はとある報告をする。 Agt.亀島はてっきり、SCP-856-JPという人間を夕暮れの無人の世界に飛ばすオブジェクトに飛ばされたのではないかと思っていたらしいのだが、どうやらそうでもないらしい。下の画像を見ていただきたい。 黒い影が見えるだろうか。見た目的に幽霊……霊的実体に見えなくもないが、普通に肉眼で見えたらしい。あと、カーデック計数機という、霊的な発光を計測する機械も反応なし。幽霊ではなさそうだ。 それで、現実改変者の可能性も考えて、カント計数機というヒューム値を測る装置も使ってみたが反応なし。 ただ、PTA(可搬型奇跡量測定器)という、EVE(第六生命エネルギー)(*1)を測る装置は反応があり、もしかしたらこれは何かの神的実体ではないかという仮説が立てられた。 八田研究員は「肉眼で黒色・EVEを持つ・カント計数機反応なし」という特徴を持つこの実体を見て驚いていた。 中村氏 亀島さんは以前もこんな──化け物と会ったりしたんですか? Agt.亀島 ああ。それこそ俺が中村君くらいのときも── 八田研究員 不必要な情報の開示はやめてください。いくらいずれクラスCを施すと言っても、情報の開示は少ない方がいいのはわかっているでしょう。 Agt.亀島 もう、相変わらずお堅いな。緊急事態だからこそ、肩に力を入れすぎないことが大事なんじゃないか。 八田研究員 ──相変わらずあなたは気楽ですね。 中村氏 すいません、クラスCってなんですか? Agt.亀島 ──ああ、君は気にしなくていい。こっちの話だ。 もちろん「クラスC」とはクラスC記憶処理のことであろう。 さてさて、そういうわけで次はこの黒い実体の調査が必要だという話になった。 使用するのは財団製汎用四輪駆動車 "Avery"。 ただ、Agt.亀島一人だけだと人手が足りない。そばで道具を扱ってくれるような人が欲しいのだが、八田研究員と岩塚研究補佐はサイト-81K3で研究。高畑博士も唯一のクリアランス4保持者を危険に晒すわけにはいかない。 そういうわけで残りは…… 中村氏 [沈黙] Agt.亀島 ──ああ、別に強いているわけではない。最悪、一人でも行けるからな。 中村氏の手記3 ベッドの上で改めて考えた。ようやく、この状況に対する実感がわいてきたような気がする。 どうやら、本当に彼らは人手が足りないようだ。 もし、彼らがこの状況を解決することができなかったら、俺たちはあの黒い化け物と一緒に、永遠にこの夕暮れの世界に閉じ込められることになるだろう。 そして彼は続ける。彼と待ち合わせていた東山さんのことが心配だと。 二浪した末に入った大学で、せめて大学生らしいことがしたいと思って八方手を尽くして紹介してもらい、現在はちょっといい雰囲気になっていると思う。すこし変わっているが、すっきりとした性格をしていて、俺と趣味や話のテンポも合う。 今日は彼女の吉田神社から平安神宮までの夜のウォーキングに付き合う予定だった。そういうアクティブなところにも惹かれる。 このままでは、二度と東山さんに会えないのではないだろうか、そう彼は綴る。 やはり、俺も彼らに協力したい。 俺なんかに何ができるのかはわからないが、とにかく俺も、できることをやってやりたい。 高畑さんたちに、自分も手助けをしたいということを伝えに行った。 高畑さんと亀島さんは歓迎してくれた。八田さんは笑わずに、耳掛けイヤホンみたいなものを渡してきた。位置情報と音声、映像を常に記録する機械らしい。それで俺の位置としゃべったこと、そして周りの様子を逐一記録するのだという。監視されているようで怖いが、実際監視の意味も含まれているのだろう。 作戦報告3000-JP.1 そういうわけで、Agt.亀島と中村氏は“Avery”を用いた不明実体の調査を開始した。ちなみに、この不明実体を以後UE-3000-JPと呼ぶ。 ちなみに、以下が財団製汎用四輪駆動車”Avery”の画像である。 中村氏も道具の操作方法を頭に叩き込み準備万端と言う様子。 Agt.亀島 ──緊張してるか? 中村氏 少し。 Agt.亀島 そうだろうな。死ぬのは怖い。死を恐れると尻込みして何もできなくなる。でも安心しろ、何かあったら俺が守ってやるからな。俺、修羅場をくぐってきた回数で言ったら、日本支部では上から数えた方が早いんだぜ。 さてさて、2人は早速UE-3000-JPへの調査を開始する。 まずは、「メトカーフ非実体反射力場発生器」という、霊的実体の活動を抑制する道具を使ってみる。 中村氏はAgt.亀島に波長合わせが上手だと褒められるがUE-3000-JPへの効果は無し。 ならばと、霊的実体などの非実体のものを実体化して閉じ込めるnPDNという装置や、 財団製遠距離スタンガンであるテーザー銃、 霊的実体などの非実体にも効く遠距離スタンガンであるエクテシア銃を打ってみるが、いずれも効果なし。 非実体なのにメトカーフやエクテシア銃ですら効かないとなると、いったん帰って作戦を練るしかない、とAgt.亀島があきらめかけていたところ、中村氏がある発見をする。 Agt.亀島 どうした? 中村氏 今までは残っていなかったはずなのに、さっきから足跡が残っているんです。思うに──さっきnPDNを作動してからだと思います。 この足跡、nPDNを切ると離散して消えてしまうので、2人はnPDNを駆使して足跡のサンプルをとった。 足跡は黒いオイルのような液体。とりあえず2人はこのサンプルをとって帰ることにした。 映像ログ書きおこし3 サンプルを持ち帰ったからには研究したいところだが、ここには霊体工学の専門家はいない。 しかし、ここで頼もしいのが八田研究員!なんとマニュアルと環境さえあれば分析できると言う。強い。 幸いにもサイト-81K3は霊体工学部門の管轄下にある。マニュアルも環境もある。そういうわけで早速八田研究員は分析をするために研究室に行った。 高畑博士 中村さん、初めての実地調査はどうでしたか? 中村氏 なんとかなりました。亀島さんのおかげで心強かったです。 高畑博士 映像を見ていましたが、メトカーフ装置のマニュアル操作は少し煩雑であるにもかかわらず、初めてにしてはかなりスムーズな扱い方でしたよ。何か経験でも? 中村氏 強いて言うなら、弟と一緒にアマチュア無線をしていました。 高畑博士 弟さんがいらっしゃるのですね。 中村氏 はい。──こんな僕を、昔からずっと慕ってくれるやつです。そいつと一緒に無線をかじったときに知った操作と、ちょっと似通っているところがあって。 高畑博士 そうでしたか。弟さんもあなたに似て優秀なのでしょうね。 中村氏 持ち上げすぎです。それに── 高畑博士 なんですか? 中村氏 優秀と言えば、あいつの方がずっと優秀です。あいつはきっと、浪人なんかしないでしょう。 中村氏の手記4 中村氏は思う。 財団職員の彼らは一心不乱に働いている。世界を元に戻すには自分たちが頑張るしかない、と。自分も、元の世界に戻ってほしいとは彼らと同様に思っているはずなのだが、彼らの希望の持ち方には驚いてしまう。 彼らのような優秀な人たちは、劣等感というものを知らないのだろうか。あるいは、劣等感を感じても、すぐにエネルギーに変換できるのだろうか。 どちらにせよ、俺にはまぶしい存在だ。 祥太に会って、なぜあれほど俺を兄ちゃんと慕ってくれるのか聞きたくなった。 さてさて、中村氏がコーヒーを淹れる為にロビーに行くと、中村氏よりも年下に見える女の子がコーヒーを飲んでいた。 映像ログ書きおこし4 中村氏 あの── 岩塚研究補佐 あ。 中村氏 あなたが岩塚さんですか? 岩塚研究補佐 うん。 中村氏 挨拶が遅れてごめんなさい。中村です。お邪魔してます。 岩塚研究補佐 お邪魔って、別にここ、うちの家でも研究室でもないねんけど。 中村氏 それは──失礼しました。 岩塚研究補佐 謝らんでいいよ。 [岩塚研究補佐、カップを机の上に置いて中村氏に向き直る] 岩塚研究補佐 大変やね。こんなことに巻き込まれはって。 中村氏 そうですね。でも、俺もなんとかして皆さんの力になれればなって。それで、いつかこの現象を解決できれば── 岩塚研究補佐 いや、厳しいんちゃう? 中村氏 はい? 考えてもみなよ、と岩塚研究補佐は言う。 海外とは一切連絡がつかない状況下、日本全体を巻き込んだこの大事件をたった5人でどうにかできるはずがない。 しかも、SCP-3000-JPの副次効果で食料品などのものも消えるというものもあっただろう。もちろんサイト-81K3内の食料は無事なのだが、それもタイミング悪く1か月分しかない。 とりあえず、この日本に大規模な現実改変と、それに起因するCK-クラスシナリオが発生したのは確実なので、その現実改変の原因を探らなければいけないのだが、その作業が非常に大変。 Kant-NETsという、全国のヒューム値を観測するシステムがあり、それを分析してヒューム粗密波の原点位置を見つけ出そうとしているのだが、何しろ日本は広い。しかも干渉と共鳴が複雑すぎる。 しかも八田研究員は岩塚研究補佐に「ヒュームだけじゃなくてアキヴァ放射(*2)も調べてね」といった趣旨のことを話したらしい。当然サイト-81K3のポンコツコンピュータでは計算が追い付かず、そのことを八田研究員に言うと「大学のコンピュータまで使って頑張れ!」みたいなことを言われたらしい。 岩塚研究補佐がずっと部屋に引きこもってたのは、寝る間も惜しんで画面に向かっていたからであったのだった。 岩塚研究補佐 正直厳しいとは思うけど、うちにできるのはそれくらいやし、だったらやれるだけやらんとね。じゃあ、部屋に戻るね。 中村氏 ──わかりました。あ、その── 岩塚研究補佐 うん? 中村氏 ──俺ごときがこんなこと言うのも差し出がましいかもしれませんが、適度に休んだほうがいいと思います。倒れたりしたら元も子もありませんから。 岩塚研究補佐 [沈黙した後、微笑して]──うん。優しいんやね。ありがと。八田先輩にも、たまにはそうやってうちを労ってくれって言ってくれへん? [岩塚研究補佐、扉に向かうが途中で立ち止まる] 岩塚研究補佐 あ、それと。 中村氏 なんですか? 岩塚研究補佐 一緒に資料室に来てくれへん? うちの背じゃ全然届かない場所に資料があってね。君の身長なら楽々届くと思うんよ。 中村氏 わかりました、お安い御用です。 映像ログ書きおこし5 ここで、ついにUE-3000-JPから出たオイルのような液体の分析結果が出た。さらに、先ほど岩塚研究補佐が文句を言っていた全国のヒューム値及びアキヴァ放射の解析結果も出た。 ここではその報告が行われることとなった。岩塚研究補佐は所用で出席できなかったようだが、中村氏は参加している。 まず、1つ目のこのUE-3000-JPから出たオイルのような液体についてだが、大量のEVE、すなわち神格的なエネルギーを持っているのだという。 この物体は、適切な操作を受けないとすぐに大量のEVEを放出して崩壊してしまう性質があり、その他実験結果からUE-3000-JPは黒いオイルの崩壊を防ぎつつ、その体に途方もないEVEを蓄えているものと思われている。 ちなみにこの黒いオイル、光を完全に吸収している。完全に、というくらいだからもう「黒い」どころじゃなく全く見えない。真っ黒。光学的に観測できないのにもかかわらずその中に大量のEVEを蓄えているかと思うと、この黒いオイルやUE-3000-JPは暗黒物質(ダークマター)のよう。 次に全国のヒューム値とアキヴァ放射の解析結果が出た件の報告に移ろう。 八田研究員はサラッと「岩塚から報告されました」なんて言っているが、きっとその裏には岩塚研究補佐の寝る間も惜しむ努力があったのだろう。 さっそく解析結果を見て行こう。 まず、日本国の海岸線に沿って高いヒュームの壁ができていることは説明した通りであり、もちろんその場所、およびその付近の現実性は非常に高くなっている。 ただその現実性、京都市に近づくと大きく減る。 Agt.亀島が言っているのだが、これはまるですり鉢のような形をしている。外側に向かって現実性は高くなっていき、京都市はすり鉢の底だ。 現実性の流れも調べてみたそうだが、どうやら京都市の二条城の南に流れ込んだ現実性を流し出す排水口のような存在があるらしい。そこに向かって現実性も流れているのだろう。 それで、どうやらこの京都市街は、現実性を一定に保つという機能があるらしい。というのも、この京都市街は北に貴船神社、東に比叡山、南に城南宮、西に松尾大社という非常に現実性が高そうな場所。これらが滝壺のような役割を果たし、流入量と流出量が釣りあうような形になっているらしい。 以降、この京都市街のことを「AREA-3000-JP」と呼ぶ。 さて、続いてはアキヴァ放射の解析結果についてだが、なんとAREA-3000-JPの外では一切検出されなかった。 アキヴァ放射とはすなわち、神様の力がどれくらいその地域に届いているかを表す数値。 そもそも日本と言う地域は、非常に多くの神格が分割して日本を治めているという非常に特殊な地域。日本には八百万(やおよろず)の神がいる、ともいうくらいだ。 それで、もっと言うと日本に居る神様の数は実質無限。もともと日本に降り注ぐアキヴァ放射は非常に強いものだったのだが、それがAREA-3000-JP以外の場所では一切ない。これすなわち実質無限いる日本の神々がすべて消えてしまったということ。 ただこれはAREA-3000-JPの外での話。AREA-3000-JPの中には神様が1柱だけいるのだが……そう、それがUE-3000-JPである。 黒いオイルの解析結果からもわかる通りUE-3000-JPはとてつもない量のEVE(神的なエネルギー)をため込んでいた。要するにUE-3000-JPとは、日本全国の神様を全て吸収し、その神様のEVEを一体化してため込んでいる存在であると仮説が立てられる。 それならば、UE-3000-JPを倒せば、UE-3000-JPにため込まれていたEVEが放出されて神様が全て戻るのではないか。 そして、神格は土地や物品に降臨するもの。それらが無事であれば、EVEが放出されて大気中のアキヴァ放射が戻った後はちゃんと同じ神様が復活するはずなのだ。 そもそもこのSCP-3000-JP現象、全ての人間や人間の日常生活にかかわりの深いものが消えるということであったが、要するに神の宿っていたものが神がいなくなって消えたのであれば?その神が復活すれば全て復活するだろう。 Agt.亀島 じゃあ、とりあえずあいつを倒せばいいんだな。でも一つ問題があるぞ。この間の探索で財団の標準的なデバイスは一通り試したけど、結局振り向かせることすらできなかった。 八田研究員 nPDNを用いた非実体化抑制下で破壊的な攻撃をしてみては? Agt.亀島 どうだろうな。あの時nPDN使用下でもスタンガン一式が通らなかったし、それに──俺の経験から行くと、あいつが反撃に転じた時が厄介そうだ。 八田研究員 確かに。こちらに対してどのような攻撃をしてくるか未知数なのは不安ですね。何か──あれ自体を弱体化させるような方法が欲しいですが。 とはいえ、相手はUE-3000-JPという神、それも日本全国の神様を吸収した神なのだ。そんな相手を弱体化させるなど可能なものか。 しかし、ここには神話・民俗学部門のプロフェッショナルである高畑博士がいる。彼には心当たりがあるようで、高畑博士は他の3人をとある場所に連れていく。 ここサイト-81K3は京都市すべてのアノマリーを管轄する大事なセキュリティ施設。そのため各部門の技術が結集しているのだそう。その中の1つがUE-3000-JPに有効なのではないかと高畑博士は言う。 一行がやってきたのは中村氏の通う大学、いやサイト-81K3の地下奥深く。とある祠だ。 このサイト-81K3の南には聖護院という寺院がある。そこは「本山修験宗」という宗教(*3)の総本山がある。 それでその修験道の祖が役小角(えんのおづぬ)または役行者(えんのぎょうじゃ)と呼ばれる人物なのだが、この人は呪術で鬼神を従わせることができたと言われている。 それで一行が来た祠は、その役小角のパワーを伝える場所。 ここには虎の牙という、役小角の能力である「神を支配・使役する」効果のある呪物が安置されている。ちなみにずっと聖護院のそばにあるこの祠に安置しておいたおかげで呪力がパワーアップしているらしい。 ただ、「神を支配・使役する」能力と言っても例外がある。 どうもこの能力は「人間から神への信仰を逆転」させることに由来しているらしく、もしUE-3000-JPがもとから人間から信仰されなくても成立するような性質を持っていた場合にはそもそも信仰されてないので逆転もできない。 ただこの虎の牙にはもう一つ効果があり、それは「特殊なアプローチで神を弱体化かつ実体化する」というもの。 こちらはUE-3000-JPだろうと例外なく発動するので、この能力を使えばUE-3000-JPにも攻撃が通るかもしれない! Agt.亀島 素晴らしい! 早速弾薬を作ってみます。聖護院に感謝だな。解決したら感謝のために八つ橋を食いまくらなきゃ。 八田研究員 名前の由来、本店が聖護院の近くにあったからというだけですよ。 中村氏の手記5 短いので全文引用する。 亀島さんは喜び勇んで弾薬を作り始めた。八田さんも普段は言わないような冗談を言ったりして、心なしか明るくなったように見えた。 岩塚さんにも会って話をした。解決策の候補が見つかり、彼女も喜んでいた。自分は観測結果の解析に徹するから精々がんばれと言ってくれた。話ついでに、彼女の地元はここらへんだとか、財団に勤めてもう数年経つとかという雑談をした。彼女が何歳かはわからないが、いったい何歳の時にここで働き始めたのだろうか。 亀島さんによると、弾薬ができ次第再度探査に繰り出すそうだ。 次の探査では皆に朗報を持ち帰りたい。 そういうわけで呪術の力を手に入れたAgt.亀島と中村氏は再びUE-3000-JPのもとに行くことになった。 作戦報告3000-JP.2 今回の作戦の目的は2つ。呪具「虎の牙」を利用して作られたフラッシュグレネードである。「OZ」の有効性の確認。そしてUE-3000-JPの破壊・無力化方法の検討。 今回も作戦3000-JP.1と同様に“Avery”を用いてUE-3000-JPに近づき、そこにOZを打ち込む。そこで弱体化したUE-3000-JPに向かって各種の攻撃をしてみる、という感じだ。 中村氏 オズ、でいいんでしたっけ。 Agt.亀島 ああ。役(えん)の小角(おづぬ)の「おづぬ」から連想したんだ。かっこいいだろ。 中村氏 八田さん、重さの単位のオンスもozと書くって言ってましたけど。 Agt.亀島 あ? いいんだよ。あいつはいちいち面倒なことを気にするからな。 中村氏 お二人は昔からお知り合いなんですか? Agt.亀島 まあな。──ちなみに、君からしたらあいつはツンツンして冷たいように見えるかもしれないけどな、本当は民間人が危ない目に遭うのが心配なだけだぜ。気にすることはないぞ。 中村氏 そうなんですか。 Agt.亀島 ああ。そういうかわいい面もある。──じゃあ、いくぞ。幸いたくさん作れたけど、そうは言っても限りがあるからちゃんと狙ってあてろよ。 記事が長くなるのを避けるために作戦の様子は割愛して結果だけ伝えてしまうが(気になる方は是非本家報告書へ)、結果は大成功。 UE-3000-JPはOZを当てられた直後、体をよじり、苦悶しているような姿を見せた。 そこに中村氏が神聖祈念弾頭を2発打ち込むと、UE-3000-JPは動きが緩慢になり、やがて空気中に散逸。 EVEを測る装置であるPTAもメーターが振り切れており、相当量のEVEが大気中に放出されたことがわかる。 映像ログ書きおこし6 サイト-81K3に帰ってくるなり、さっそく八田研究員から嬉しいお知らせが。 なんと宮城県を中心に微弱ながら生体反応が戻ってきたというのだ。 おそらく、今回UE-3000-JPが放出したEVEが宮城県中心の神様に対応していたのだろう。 「でもなぜ全部復活しないんだ?」と疑問を口にするAgt.亀島に八田研究員が答える。 どうも、UE-3000-JPは2人と戦った後、河原町三条交差点付近に再出現したのだという。 中村氏 ──つまり、あの黒いやつを追い回し、少しずつ削っていけば──いつかは撃破に成功し、世界が元に戻るかもしれないんですね? 八田研究員 はい。それでは── [八田研究員、直立する] 八田研究員 レベル3職員として両名に指示をいたします。エージェント・亀島と中村氏は、サイト-81K3が保有する各種装備及び武器を任意に利用し、UE-3000-JPの追跡、及び無力化にあたってください。 [約3秒間沈黙。Agt.亀島と中村氏が顔を見合わせた後、うなずく] Agt.亀島 了解した。 中村氏 任せてください! [両名、退出しようとする] 八田研究員 エージェント・亀島。 Agt.亀島 ん? 八田研究員 中村さんが装備しているカメラで、私たちがリアルタイムで映像を確認していることを忘れないでください。 Agt.亀島 なんのこと──ああ、悪かったな、八田研究員。[笑う] 八田研究員 [咳払いする] 作戦報告3000-JP.3 そういうわけでUE-3000-JPを撃退していこう。今回のUE-3000-JPは三条大橋の上にいるのだが、このUE-3000-JP「黒色部分が棘のようになりそれぞれが不規則に動いている」。 中村氏 ──ウニのようですね。 Agt.亀島 ウニだな。 ……とかのんきなことを言っていたらUE-3000-JPがこちらに走るように迫ってきた。しかも速い。 2人は逃げながらOZを使ってUE-3000-JPを弱体化・実体化するも、UE-3000-JPのスピードは落ちない。 しかも、その後の神聖祈念弾頭も器用に避ける。一切当たらないし避けながらもちゃんと追ってくるからどうしようもない。 そこで中村氏が不意打ちの提案。 走っているAveryから中村氏が武器と弾を持って飛び降り、路地に身を隠し、Averyに乗ったAgt.亀島がUE-3000-JPを引き付けたところを横から打つという作戦だ。 Agt.亀島はこれを承諾。 Averyから飛び降りた中村氏はAgt.亀島が引き寄せるUE-3000-JPを待つ。そして現れたUE-3000-JPに見事弾を当てた。 ……のだが、UE-3000-JPも1撃でやられるはずがなく、これで中村氏の場所がUE-3000-JPにバレてしまった。UE-3000-JPが中村氏に接近する。しかし彼は慌てず弾頭を再装填。しっかりと弾頭をUE-3000-JPに当てた。 その後UE-3000-JPは空気中に散逸していった。 映像ログ書きおこし7 この映像は、岩塚研究補佐が使っているサイト-81K3第2実験室に設置されていたカメラによって撮影されたものだ。 映像は、第2実験室にいる岩塚研究補佐を高畑博士が訪ねたところから始まる。話の内容は中村氏とAgt.亀島の活躍について。 どうも2人の活躍によって、東北地方だけでなく九州の一部でも生体反応が復活してきたという。やはり空気中の奇跡量、EVEの枯渇が3000-JP現象の原因とみて間違いなさそうだ。この調子でいけば世界が元通りになる時も近いだろう。 岩塚研究補佐 ──こんなこというと怒られますけど、やっぱり奇跡論関係の話は苦手です。科学的に考えようとしても、外部因子があまりにも多すぎて全然結果が予測できない。 高畑博士 [笑って]そうですね。ですが、だからこそ私のように古今東西の文献や伝承、神話や説話を調べ、その「外部因子」になり得るものが何かを提案する役目の者が必要なのです。 岩塚研究補佐 はい。私みたいな物理畑にとって、神話とか伝承とかから世界を解き明かさはるのはとても新鮮です。 岩塚研究補佐 ──それで、このままめでたく解決したら、中村君はクラスC記憶処理をして解放しなはるんでしょうか。 高畑博士 もちろん。プロトコルCK-3ではそう規定されています。あるいは、財団に雇用されるという選択肢もあるかもしれませんが。 岩塚研究補佐 そうですよね。──残念やなあ。どんなに功績を立てても、結局は夢のように忘れてしまうんやから。 高畑博士 ──意外ですね。岩塚君がそういうことを言うとは思いませんでした。 岩塚研究補佐 [口を両手で隠して]ああ、失礼しました。サイト管理官の前で、うかつな発言でした。 岩塚研究補佐 [咳払い]──それで、この部屋に何か御用ですか? 高畑博士 いえ、亀島君と中村さんの働きによってこの問題が解決するならば言うことは無いのですが──少し引っかかることがありまして。岩塚君、あなたはUE-3000-JPについてどう考えますか? 高畑博士はこれを聞きにやってきたらしい。 岩塚研究補佐は、前の話で出てきた「暗黒物質(ダークマター)」という例えが的を射ていると話す。あの黒いオイルは、光を完全に吸収するため光学的には観測できないのに保有するエネルギーは大きい。 ちなみに暗黒物質そのものの話になるのだが、暗黒物質とは何かを考えるモデルとして「暗黒物質とは小規模なブラックホールである」というものがあるらしい。そう考えると、UE-3000-JPも日本の八百万の神々を吸収して大きなエネルギーをため込むブラックホールのようだ。 高畑博士はそのブラックホールに興味があるらしく、岩塚研究補佐は高畑博士にブラックホールの特徴的な性質を教える。 これは有名な話だが、ブラックホールは強い重力を持つため、ある距離以上近づけば光でさえも脱出できない。 この中の重力は光速を越えるため、ブラックホールに吸い込まれたモノは、外から観察すると完全に止まっているように見えるのだという。 その話を聞いた高畑博士は「非常に参考になりました。」と言い、付け足すように「『壁』のヒューム値はよく観察しておいてください。」と言って部屋を後にした。 作戦報告3000-JP.4 作戦報告は4回目だが、Agt.亀島と中村氏の2人は3回目の作戦報告のあとからめちゃくちゃUE-3000-JPと戦っていたらしく、すでに2人のおかげで近畿地方以外のほとんどの生体反応が復活しているらしい。 つまり今UE-3000-JPが蓄えているEVEは近畿地方の神様のものだけ。UE-3000-JPはかなり弱っており、黒いスライムのような形をしていた。 しかも、OZで攻撃しても以前のように追ってくるどころか逆に逃げ始めた。それもまあゆっくりだったので、中村氏は苦も無くUE-3000-JPに弾頭を命中させた。UE-3000-JPは霧消していった。 ここで八田研究員から非常に良いニュースが。 八田研究員 たった今、UE-3000-JPと思われる京都市内のアキヴァ放射体の反応が消失して──日本全国のサイトの生体反応が復活しました。 [Agt.亀島と中村氏、顔を見合わせる] Agt.亀島 ──中村君。 中村氏 はい。やりましたね! [両名、握手を交わす] 映像ログ書きおこし8 サイト-81K3に戻ったAgt.亀島と中村氏は八田研究員から「日本国内の生体反応が続々と復活し始めている」と報告を受ける。 本当なら皆で祝いたいところだがどうもまだ問題があるようで、それはAREA-3000-JP以外の場所の現実性が未だ不安定であること。おさらいだが、AREA-3000-JP、すなわち京都市には現実性が一定に保たれやすく、逆にそれ以外は3000-JP現象のせいですり鉢のような形の不安定な現実性になっていた。 その、「不安定な現実性」が治っていないのだ。これに関しては現在岩塚研究補佐が解析している。ちなみに高畑博士は資料室で調べ物をしている。 それで、現実性が不安定なせいか、「陽炎のようにおぼろげに」観察されるのだという。それと、どうやら報告書では省略されてしまっているようなのだが復活した人々がなぜかずっと止まっている。まるであの太陽のように、ピクリとも動かないのだ。 まあ、3000-JP現象の原因であるUE-3000-JPが撃破されたのだから待ってればそのうち治る可能性が高い。とりあえずしばらくは観察を続けるらしい。 ここで中村氏は、岩塚研究補佐に挨拶したいと言って第2実験室へ向かう。 中村氏 ──岩塚さん。お邪魔します。 [岩塚研究補佐、モニターに向かって着席し、モニターを注視している] 岩塚研究補佐 お邪魔って、うち、ここを間借りしているだけやねんけど。 中村氏 ごめんなさい。 岩塚研究補佐 謝らんでいいから。 そんなやりとりの後、岩塚研究補佐は言う。作戦報告3000-JP.3での中村氏の振る舞い、UE-3000-JPが迫ってきても落ち着いて弾頭を再装填し、結果としてUE-3000-JPの討伐に成功した。 中村氏には、財団のフィールドエージェントとしてのセンスがあるのかもしれない。 岩塚研究補佐 もしこれで世界が元に戻ったのなら、君は英雄って呼べると思うよ。 中村氏 英雄──俺がですか。 岩塚研究補佐 うん。間違いない。 中村氏 ──俺、うれしいです。岩塚さんたちのような優秀な人と一緒にこんな働きができて、あまつさえ褒められるなんて。俺、できることなら、皆さんと一緒にこれからも働きたいです。 岩塚研究補佐 [沈黙] それを聞いた岩塚研究補佐はとあることを告げる。 もしこれで3000-JP現象が解決されたならば、中村氏の功績は大きく評価されて望めば財団に雇われることもあり得る。でも、それをするということは、人類の「光」を、正常な生活を捨てて永遠に「陰」にひそむことと同じ。 大切な弟はもちろん、東山さんでさえこのまま永遠に会えなくなる。 もしも財団に雇用されない選択肢を選ぶのであれば、中村氏は岩塚研究補佐たち4人のことを夢幻のようにきれいさっぱり忘れなけばいけない。 岩塚研究補佐 ああ、そういえば。 [中村氏、足を止めて振り返る。岩塚研究補佐、微笑する] 岩塚研究補佐 言いそびれていたけど──任務、お疲れさまでした。 中村氏 ──はい。ありがとうございます。 [中村氏、ロビーに戻る。ロビーには八田研究員のみが所在する] 戻ってきた中村氏に、八田研究員が声をかける。 どうも、中村氏がこのサイトにやってきてから岩塚研究補佐の雰囲気がいつもより明るくなったような気がするという。 別に中村氏に心当たりは無いのだが、そういえば以前に岩塚研究補佐から八田研究員に伝言を預かっていた。 中村氏 ──俺ごときがこんなこと言うのも差し出がましいかもしれませんが、適度に休んだほうがいいと思います。倒れたりしたら元も子もありませんから。 岩塚研究補佐 [沈黙した後、微笑して]──うん。優しいんやね。ありがと。八田先輩にも、たまにはそうやってうちを労ってくれって言ってくれへん? 八田研究員にそのことを伝えると、「そうでしたか、覚えておきます。」と一言返された後に「他に彼女に関してあなたが気づいたことはありますか?」と会話を戻されてしまう。 中村氏 そうですね──優秀で、尊敬できる方だと思います。その、何か? 八田研究員 わかりました。妙なことを聞いてしまい申し訳ない。 ほうほう、中村氏が来てから岩塚研究補佐の様子が明るくなったと。これはもしや……? 中村氏の手記6 岩塚研究補佐の話を聞いた中村氏は考える。 これが終わった後、記憶を消して日常に戻るか、それとも財団で働くか。 もちろん記憶を消してしまえば二度と財団職員の4人とは会えない。逆に財団で働けば二度と家族や東山さんには会えない。 それは嫌だと思う。 やはり、元の生活に戻らなければいけない。 例え俺の功績が忘却の中に消え、俺の日常生活から跡形もなく消えようとも、世界のどこかにいる彼らは俺のことを覚えてくれている。それで満足だ。 さてさて、八田研究員と高畑博士が何かを話し込んでいる様子。何か問題でもあったのだろうか。 高畑博士の手記 ここでは、めずらしく高畑博士の手記を見ていく。 この手記はUE-3000-JPが撃破された後に書かれたもので、主にUE-3000-JPと3000-JP現象の正体についての考察が書かれている。なんせ高畑博士は神話・民俗学部門。UE-3000-JPの由来とか、そういうのがどうしても気になってしまうのだ。多分。 まず、UE-3000-JPは意志を持っている。Averyに乗った中村氏達を追いかけたり、自分がピンチになると逃げたり。 それでもって大量のEVEを持っておりアキヴァ放射も確認できるということはUE-3000-JPの由来は何かの神様であるといえる。 それで、UE-3000-JPが持っていたEVEの総計は日本全ての神様のEVEを足したものに匹敵することは前に言ったとおりだ。 すなわちUE-3000-JPは「日本で生活を営む日本国民」または「日本そのもの」のどちらかを神体にするような、非常に大規模な神様なのである。 ここまでくると、UE-3000-JPの由来が何であるかはだいたい絞られる。なんせ日本そのものを神体にするようなすっごい神様は日本の成り立ちに関する神様しかありえないからだ。 そうなってくると、UE-3000-JPの由来として怪しい神様は17柱に絞られる。 日本神話には、天地開闢(てんちかいびゃく)という、世界・日本の始まりを意味する言葉があるのだが、この天地開闢に関わる神様は17柱しかいないのだ。 で、17柱のうち、最初に現われた5柱をまとめて「別天津神(ことあまつがみ)」と呼ぶのだが、こちらは先ほどUE-3000-JPの由来として説明した「日本の成り立ちの神様」というより、「世界の成り立ちの神様」というほうが正しい。このためこの5柱は無いだろう。 それで残りの12柱、こちらは「神世七代(かみよななよ)の神々」と呼ばれるのだが、そのうち日本列島を作った神様は2柱。それがイザナギとイザナミである。 じゃあイザナギとイザナミのどちらかがUE-3000-JPだ!と決めつけるのはまだ早い。 なぜならイザナギとイザナミは国生みもしてるし神生みもしている。島生みもしたらしい。もうめちゃくちゃ親族がいる状態にあるのだ。 だが、この親族のうち、「日本の成り立ち」という面で見ると注目すべき神様は2柱。 ご存知の通りイザナギとイザナミは交わることで日本列島を生み出したのだが、その前に二度失敗している。 「失敗している」ということは日本列島の失敗作が2柱あるということ。 この2柱の名前はそれぞれ「ヒルコ」「アハシマ」。ヒルコのほうが先に生まれた、1柱目の失敗作なので兄となる。 この2柱は日本列島より前に生まれた。UE-3000-JPの由来としては十分ありえる。 ここで気になるのはヒルコとアハシマの人生である。この2柱は失敗作だからといってヒルコはある程度成長してから、アハシマは赤ん坊の状態で神様たちから追い出されている。 それでヒルコは追い出された後、常世の国という不老不死の別世界に流れ着いて平和に暮らしたのだという。 ここで高畑博士、ピンとくる! 不老不死、不老ということは時間が進まないということ。 高畑博士は、少し前に岩塚研究補佐と交わした会話を思い出す。ブラックホールに取り込まれた人間は外から見ると止まっているように見えるらしい。 では、この3000-JP現象は逆で、日本の内側に居る人たちは外の世界が止まっているように見える。 なにかを思いついた高畑博士はそのまま書き綴る。 ヒルコとアハシマは日本という国の兄。そしてどちらも現在の行方は不明。もちろん神としての規模はめちゃくちゃ巨大。 これは最初に予想したUE-3000-JPの由来「日本国民、もしくは日本そのものを神体とした大規模な神様」に合致する。 よって、UE-3000-JPは「ヒルコ」「アハシマ」のどちらかである可能性があるかもしれない。 ここまで考え付いた高畑博士はみんなをロビーに集める。 映像ログ書きおこし9 この映像ログは、高畑博士をはじめとしたみんながロビーに集合した場面から始まる。 高畑博士と岩塚研究補佐は、観測結果からとある仮説を導き出したらしく、それを今からみんなに話すというのだ。ちなみに岩塚研究補佐は研究室で研究している。 それで、さっそく仮説とやらを説明していくのだが、その仮説とはUE-3000-JPは日本の神様全体のEVEを吸収して、それを利用することで日本列島全体に奇跡論を行使していたというもの。 奇跡論とは魔法のようなものなのだが、その魔法をUE-3000-JPは2種類使ったと考えられる。 1種類目は日本全体の時間を極度に早めるという奇跡論。 「太陽の位置は止まっているのに時間を早めるとはどういう事?」と思うかもしれないが、これは私たちがすごく高速移動しているということ。 高速移動している人が通常通り動いているものを見たらそりゃかなり遅く見える。 ちなみに、今現在UE-3000-JPを倒したことで各地サイトの生体反応が復活しているのだが、それで復活した人間はこの高速移動の範囲外なため、太陽と同じように止まって(もしくは非常に動きが遅くなって)いると思われる。 続いて2種類目の魔法は人々と、人々の生活にかかわりの深いものを一時的・現実的に世界から隠すというもの。 これは今更説明するまでもないだろう。 問題は、今説明した2種類の奇跡論効果が、UE-3000-JPの存在を要としてかかっていたということ。そして日本を囲む高ヒュームの「壁」の存在も不可欠だったということ。 UE-3000-JPが倒され、実は「壁」のヒューム値も急速に下がっている。上記2つの奇跡論はもうそろそろ無力化、つまり日本がもとに戻るのだ。 ただし問題はなぜUE-3000-JPはこんなことをしたのかという問題。 確かに、日本中の神様のエネルギーを一身にため込んでこんな大事を起こすなんて一体UE-3000-JPはどうしてこんなことをしたのだろうか。そして、そんなことができるUE-3000-JPはいったい何者なのか。 そして高畑博士は言う。UE-3000-JPの正体として考えられるのは、国生み神話においてイザナギ・イザナミという原初の夫婦神によって、大八島国(日本列島)に先駆けて最初に生み出された── ここまで話したところでロビーの扉が勢いよく開け放たれる。 岩塚研究補佐 八田先輩! すぐ来てください! ──あ、博士とお二人も! 早く! Agt.亀島 岩塚ちゃん? 中村氏 ど、どうしたんですか? 岩塚研究補佐の様子からしてUE-3000-JPの正体なぞ話している場合ではなさそうだ。 4人は言われるがまま第2研究室へ向かう。 研究室のモニターに映っていたのは、近畿地方周辺を拡大した日本地図。その地図にアキヴァ放射の強さがマッピングされていたのだが、なんと淡路島周辺のアキヴァ放射がすごいことになっている。現実性も最大で60.5Hmを観測し(*4)、現在も15Hmから30Hmまでを上下している、極めて不安定な状態になっている。 Agt.亀島 いったい何が── 岩塚研究補佐 顕現したのです。おそらくレベル7以上の神格実体が。 中村氏の手記7 映像ログ書きおこし9の直後の手記。 5人は現地、すなわち淡路島の映像を見てみたのだが、空は文字通り赤黒く染まり、断続的な地震や地鳴りも観測されているようだった。 いよいよこの世の風景とは思えなかった。 皆で固唾を飲んで映像を見つめていると、淡路島の海岸の地形が見る見るうちに大きく隆起していくのがわかった。 こうなってくると映像に異常ミームが含まれる可能性があるので、5人は「スクランブル・デバイス」というミーム汚染をシャットアウトするゴーグルのようなものを付けた。 隆起は水面を押し上げ、やがて大きな水しぶきを上げて、それの姿を現した。 それは、身体は岩石のような質感で、人型だがとても大きな頭と、短い手足を持っていた。身長は、もしかしたら以前東京で見たスカイツリーよりも高いかもしれない。 のシルエットや顔の造形を見るに、それは人間の赤ん坊そっくりだった。 なんと突然、東京スカイツリーよりも高身長な赤ん坊が出現したという。 それもとんでもない力を持った存在。アキヴァ放射が大量に観測されていることを考えるに何らかの神様である可能性が高い。 岩塚研究補佐は先ほど「クラス7以上の神格存在」と言ったが、数字の大きさからしてとんでもない上のランクなのだろう。 赤ん坊は、ゆっくりと歩を進め始めた。 俺たちはその光景を黙って見ていたが、おもむろに高畑さんがつぶやいた。 「あわしまだ」と。 映像ログ書きおこし10 再び映像ログに戻る。「あわしまだ」とつぶやいた高畑研究員が、4人にアハシマの説明をしていた。アハシマの説明はさっきしたのでここでは省略する。 それで、なぜ高畑博士はあの超高身長赤ん坊神様をアハシマだと思ったのだろうか。 高畑博士が考える理由は3つ。 1つ目は、この赤ん坊が淡路島に居たこと。 淡路島はいろいろ国生み神話と関係が深い島であり、神様の元から追い出された後にそこで留まって、以降ずっと淡路島にいたとしてもおかしくないという考察だ。 そして2つ目は、姿が赤ん坊であること。 アハシマは赤ん坊のころに神様の元から追い出され、それ以降誰も姿を見ていない。要するに赤ん坊の神様なのだ。 最後の3つ目は、あのUE-3000-JPがヒルコである可能性があるということ。 ヒルコは日本列島の兄、しかも長男である。日本の国土を覆い隠すほどの神威があってもおかしくない。 しかもだ。ヒルコは追い出された後不老不死の楽園、常世の国に流れ着いている。この常世の国というのは「日本国内の時間を早くすることで国内の人から見ると時間が非常に遅く感じられる」3000-JP現象にそっくりではないか! つまり、UE-3000-JPは奇跡論行使を通じて日本を常世の国で塗りつぶしていたと言える。 ちょうどここで岩塚研究補佐の解析が終わる。この世界の多元宇宙論的虚数方向の位相は0、基底世界と同一。そして「壁」のヒューム値が1.5Hm以下になるまであと2時間。 八田研究員の言葉を借りるが、あと2時間で日本が「常世の国」というペンキによる塗りつぶしが解かれ始め、もとの日本に戻るのだ。 元の日本に戻るということは、あの超高身長赤ん坊神様が世に放たれるということに等しい。 このままではXKクラス 世界終焉シナリオ CKクラス 世界再構築シナリオ SKクラス 支配シフトシナリオ LKクラス “捲られたヴェール”シナリオをはじめとした様々なK-クラスシナリオが発生する可能性がある。 したがって一同はこの超高身長赤ん坊神様……UE-3000-JP-2の無力化、または民間に対する被害の最小化を目指すことにする。 【余談】 多元宇宙論的虚数方向について 良いシーンだが、ここで余談を挟ませてもらう。読まなくても全く問題ないのでこの折り畳み部分は飛ばしてしまっても構わない。 それで本題だが、先ほどチラッと登場した「多元宇宙論的虚数方向」という言葉。 これはSCP-001-JP/或る西瓜の提言に登場するカルツァ-クライン現実子理論に関連すると思われる。 カルツァ-クライン現実子理論の解説の中にグラフに虚数の軸を加えて奥行きにするというものがあっただろう。多元宇宙論的虚数方向というのはこの「奥行き」のことだと思われる。 現実次元座標5.5あたりの現実子溜まりにある宇宙はたくさんあり、グラフに表すと重なってわかりづらいから奥行きを追加して区別しよう、という話だったが、基底世界と日本国内との「奥行き」の位相(ここでは相対的な座標を表す。距離と言い換えてもいいかもしれない)が0だということはすなわち今の日本国内がどこかの平行世界だというわけではないということを示している。 すなわち、「壁」のヒューム値が元に戻り次第、間違いなくUE-3000-JP-2は世に放たれるのだ。 中村氏の手記8 あと2時間。 あと2時間で世界が元に戻る。とんでもないヤツを連れて。 八田さんはペンキに例えていたが、ペンキでコーティングされることによって、外部からの攻撃を防ぐことができるという考え方もできる。 つまり、あの黒い神がいた状態の方が、元々の日本にとっては安全だったのだ。 もしかして、俺は余計なことを [乱雑な線で塗りつぶされている] 映像ログ書きおこし11 Agt.亀島は廊下に立ち、ポケットを手に入れて壁に寄りかかっている。 そこに中村氏が話しかける。 中村氏 ──あいつを倒すには、どうしたらいいと思いますか? Agt.亀島 ──ああ、そうだな。どうすりゃいいだろうな。今考えていたんだわ。 [Agt.亀島、苦笑して天井を向く] 中村氏 やはり、UEと同じく、弾薬を打ち込むべきでしょうか。「虎の牙」をありったけ使って、なんとか集中砲火すれば── Agt.亀島 ──そうさなぁ。 Agt.亀島はなんだか元気のない反応をする。 約5秒間の沈黙の後、突然Agt.亀島は「死ぬのは怖いか?」と中村氏に語りかける。 「ど、どうしたんですか?急に」と中村氏が返すと、Agt.亀島は「こんな緊急事態に悠長かもしれんが──おじさんの昔話を聞いてくれるか?」と話を始める。 Agt.亀島の過去の話。 Agt.亀島は身寄りがなかった。そのくせ正義感は人一倍強く、しなくてもいいおせっかいを焼くもんだから行く先々で煙たがれて友達ができなかった。 そんなAgt.亀島が財団に出会い、機動部隊の一員となった時初めての友達ができた。 Agt.亀島 本陣っていう聞きなれない苗字だったんだけどな。そいつとは妙に馬が合って、作戦中もプライベートもずっとつるんでた。危険極まりない職場だけど、人類を守る先鋒としてずっとそいつと一緒に働くんだと、根拠もなく思っていた。 でもその人は、SCP-2879-JP-2というKeterクラスのイモムシによって殺された。 SCP-2879-JP報告書によるとそのSCP-2879-JP-2は体長19m、周囲の現実性を不安定に上げながら現実改変と異常ミーム拡散を繰り返し、財団職員だけで少なくとも100人を死亡させる大事件を引き起こした。 ちなみにSCP-2879-JPは古代日本において「常世神」と呼ばれていた。「常世の国」と呼ばれるSCP-3000-JPと皮肉にも名前が似ている。 Agt.亀島 あれはな、地獄だった。なんにもないのにヘリが爆発して墜落し、地面に落ちることもなく掻き消える。毒ガスは撒かれ、あいつの糸は財団の重装をティッシュのように切り裂いた。そして突然──俺の隣で、本陣の身体が燃え出したんだ。 中村氏 [沈黙] Agt.亀島 身体が燃える苦しみなんて、想像も及ばない。俺も何回も怪我を負ったが、その全てを合わせたって、おそらくあいつの苦しみには届かないだろう。あいつの苦悶に満ちた絶叫は、今も耳の奥にはっきりと残っている。しかも──あの不安定な現実性と奇跡論のせいで、あいつは1時間も、身体中が燃えているにもかかわらず命を長らえたんだ。あいつはずっと叫び続けていた。俺は介錯しようとしたが、なぜか攻撃が届かなかったんだ。俺は結局、叫びのたうち回るあいつを傍観することしかできなかった。 中村氏 [沈黙] Agt.亀島 結局イモムシは偶発的な要因で無力化されたが、俺は機動部隊として戦えなくなり、フィールドエージェントへの転属願いを出した。すまんな、こんな話をしてしまって。 中村氏 ──そのイモムシの怪物と比べて、あのアハシマという怪物はどうでしょうか。 Agt.亀島 正直、比にならない。 中村氏 ──それは── Agt.亀島 ──情けないことに、俺はここに来て恐怖している。本当、情けねえなあ。そろそろ乗り越えたと思ったのに、またあの恐怖が蘇ってしまうとは思わなかった。 中村氏 ──無理もありません。あんな怪物なんか見たら──なんというか、根源的な恐怖を感じてしまいます。 Agt.亀島 そういう恐怖から逃げないっていうのが、俺たち財団の理念なんだけどな。──ああ、ダメだ。あいつの絶叫が、また耳の裏に張り付いてきやがった。 Agt.亀島は言う。 自分は今から30分以内に残りの「虎の牙」をすべて使った特大グレネード、名付けてOZ-2を作る。 それであのUE-3000-JP-2を大阪湾で迎撃する。もちろん間に合うかはわからないがやれるだけやるしかない。 亡くなった本陣さんの為にもここで何もせず死ぬわけにはいかない、とも思ったのかもしれない。Agt.亀島はグレネード造りを始めた。 映像ログ書きおこし12 Agt.亀島の話を聞いた中村氏はそのままロビーに行き、椅子に黙って座る。ロビーでは高畑博士がと八田研究員が経って会話をしている。 「亀島から何か言われましたか?」と聞く八田研究員に対し、中村氏は虎の牙をありったけ使ったグレネードでUE-3000-JP-2を迎え撃つ計画を伝える。 八田研究員はうつむいて目を閉じて黙った後、「UE-3000-JP-2の進行経路を予測します。」と言ってロビーから出て行ってしまった。 中村氏 八田さん── 高畑博士 中村さん。我々は最後まで足掻きます。たとえ対処が間に合わず、あれが基底世界に影響を及ぼしたとしても──胸を張って、我々は最後まで抗ったと言えるように。 中村氏の手記9 八田さんはとても悲痛な面持ちをしていた。亀島さんも高畑さんもそうだった。 中村氏は、改めてあの黒い神、UE-3000-JPについて考えていた。 おさらいになるが、UE-3000-JPは日本全国の神を吸収して、その力をふるって日本の時間を独立させたり日本国民を隠したりしていた。 また、あのUE-3000-JPはあの超高身長赤ん坊神様、UE-3000-JP-2の兄でもある。 もし、俺があの黒い神だとしたら、何を思って日本に対してそんなことをするだろうか。 弟が眠りから覚め、日本が、世界が危機に陥る。そんなとき、兄として何をしようと思うだろうか。 もしかすると、あの黒い神は、日本を守るために現れたのかもしれない。 もしも自分の弟が永い眠りから覚めて日本に危害を与えるとする。それを察知した兄のUE-3000-JPは日本に現われ、人々を一時的に隠すことで弟の攻撃から守ろうとしていた。 UE-3000-JP、つまりヒルコは、赤ん坊の弟アハシマと同様に親に捨てられた。兄である自分は不老不死の楽園に流れ着いて幸せに暮らした一方で、弟は誰にも気づかれずに淡路島の底に眠った。 そんな弟がもうすぐ眠りから覚めると知った時、そして弟の目覚めによって人々が危機に陥ると知った時、兄であるUE-3000-JPは兄として責任をもって弟の面倒を見ようとするのではなかろうか。 前にも少し登場したが、中村氏には祥太という弟がいる。 小1のころにガラス越しに見た、新生児室の中で寝かされていた祥太の寝顔が目に浮かぶ。 そういえば、祥太が小さいとき、車にひかれそうになったところを助けたことがあった。それ以来、あいつは俺を積極的に慕うようになったような気がする。 俺は、あの黒い神側の人間だったのかもしれない。 映像ログ書きおこし13 八田研究員、高畑博士、中村氏がロビーに座っている。八田研究員が話し始める。 八田研究員は今わかっていることを整理して話す。 まずUE-3000-JP-2の由来について。データベースを調べてみたところ、UE-3000-JP-2の出現地点の地下にUE-0925に指定された洞窟があった。 UE-0925は、データによると「一度入ったら出られない洞窟」というだけの異常性しかわかっていなかったようだが、UE-3000-JP-2は岩石の塊みたいな見た目をしているし、このUE-0925にUE-3000-JP-2の幼体が眠っていた可能性が非常に高い。 次に先ほど調べていたUE-3000-JP-2の進行経路について。淡路島で生まれたUE-3000-JP-2は京都市に向かって進んでいるとみられている。つまり、ここ。 そもそも京都市、つまりAREA-3000-JPは現実性が安定した地域だという話が最初のほうにあっただろう。そして京都市に向かってすり鉢の坂ように現実流が発生していることも。 UE-3000-JP-2はその現実流に流されるようにして移動しているらしい。(*5) ここで中村氏が何かを考え付く。もしかしたらあのUE-3000-JPが京都にいたのはUE-3000-JP-2が京都に来ることを予見していたからではないかというものだ。 ここで中村氏は先ほどの手記で自分が思ったことを打ち明ける。 UE-3000-JPは、UE-3000-JP-2から日本の人々を守るために3000-JP現象を引き起こしたのではないかということ、兄として責任をもって弟を抑え込もうとしたのではないかということ。だからUE-3000-JPは京都に出現し、弟であるUE-3000-JP-2が来るのを待っていたのではないかということ。 そして、UE-3000-JPは日本全国の神様のEVEを吸収していた。 実質無限に存在するとみられる日本全国の神様のエネルギーを吸収したのだから、それだけのエネルギーがあればあのUE-3000-JP-2に対抗することも可能であろう。 高畑博士 ──なるほど。動機としては、最も納得できるかもしれません。 八田研究員 ──つまり──UE-3000-JP-2が誕生し、両者が対面するまで、UE-3000-JPを放置することが最適解だったということですか。 高畑博士 八田君。 [八田研究員、項垂れて眼鏡を押さえる] 高畑博士 八田君。気にすることはない。実際UE-3000-JPを攻撃したことで事態が好転したように見えたんだ。そこから君がそのように判断したことはなんらおかしくない。それに、私もまた君の意見を支持した。 八田研究員 ──いえ──先生。もっとあの現象を慎重に観察するべきでした。尚早に答えを出すべきではなかった。 3人の間を静寂が包む。そこに岩塚研究補佐が第2研究室からやってきた。どうやら3人に第2研究室に来てもらいたいらしい。 それで4人が第2研究室にいくと、あったのはUE-3000-JP-2の現在位置を示したモニター。なんとUE-3000-JP-2は既に淀川の河口まで来ている。 時速にすると時速80km。秒速は22m。歩くペースは遅いが、おそらく図体がでかいので一歩が超長いのだろう。 おまけに、UE-3000-JP-2は定期的にワープしている。そして明確にAREA-3000-JP、京都市を目指している。ここがUE-3000-JP-2によるミーム汚染、さらに不安定な現実性による現実改変の影響下に入るのも時間の問題だろう。 そしてもう一つ悪いニュースがある。「壁」のヒューム値の現象の仕方が予想に反した。 新しい予測では、「壁」のヒューム値が元に戻るまで、つまり日本や日本の人々が元に戻るまであと45分。 ちょうどそこへAgt.亀島が入ってくる。OZ-2が完成したのだ。 しかし 中村氏 ──亀島さん。UE-2を迎撃する準備が整うまで、あとどれくらいかかりますか? Agt.亀島 ──そうだな。最低限の火力をあいつに集中させるためには──最低でも1時間は必要だな。 [約3秒間沈黙] 岩塚研究補佐 ──先輩── 八田研究員 ──万事休す、だ。 【余談】 UE-3000-JP-2/UE-0925「アハシマ」について いいシーンだがここで長めの余談を挟ませていただく。 UE-3000-JP-2、別名を「アハシマ」というのだが、このアハシマはほかの作品で言及がされている。 まずはアハシマ自体の由来を話させていただく。 太古の昔、日本にはとある神格存在がいた。女性の見た目をしていて、かつ体が岩石のようになっていた。 しかしその神格存在は古代の超常コミュニティによってバラバラにされてしまう。バラバラにされた体の部位は日本各地に散っていった。 それから長い長い時間が経ち、現在そのバラバラにされた体の部位は別々の異常存在としてSCP財団日本支部に収容されている。UE-3000-JP-2の幼体であるUE-0925もその一つだ。 それらバラバラになった体の部位たちは現在も不明な仕組みで繋がっている場合が多い。 しかし、多くの世界線における財団は、それらのSCPオブジェクトが元々は一つの身体で、それぞれが実は繋がっていることに気づかない。「よくあるただの異常存在かぁ!」と見過ごしてしまうのだ。 その一方で、世界線によっては異常存在同士が繋がっていることに気づく財団もある。その財団はこれらバラバラの部位を「剖検」プロジェクトと称して調査している。とはいえ、その財団もこれらが元々は一つの身体であることに気づくことはほとんどない。 「剖検」プロジェクト対象に指定された異常存在は、通常の「SCP-○○」とか「UE-○○」とかとは別に「CODE ○○」という指定がなされる。UE-3000-JP/UE-0925であったら「CODE Zygote」だ。 「剖検」プロジェクトについての説明はこのくらいなので、ここからはUE-3000-JP-2について話していく。 八田研究員が話していた通り、UE-3000-JP-2/アハシマの由来はUE-0925という「一度入ったら戻ってこられない洞窟」である。そこに目覚める前のアハシマがいた。実はこの洞窟はSCP-1092-JP-1とUE-023141-JPという2種類の他の「剖検」プロジェクトの異常存在と繋がっており、このアハシマはこの2つの場所からエネルギー供給を受けていた。 黒の女王の1人によると、アハシマが目覚める前にこの2つ(SCP-1092-JP-1とUE-023141-JP)のうちどちらか1つとの繋がりを絶てばアハシマは目覚めずにそのまま死ぬらしいのだが、このSCP-3000-JP世界の財団は繋がりを絶つどころか、そもそも繋がっていることにすら気づかなかったので当然ムリである。 ちなみに黒の女王たちはアハシマの強さについても言及している。 目覚めたアハシマはとても強く、破壊のプロであるGOCの対神格用軍隊を総動員してようやく五分。仮に勝てたとしても周辺への二次被害は計り知れない。一般人への隠蔽は大変だろう。 え?もし負けたらどうなるかって? アハシマは自身を信仰する人類を無限に生み出す力を持つ。 それまでいた古い人類は、アハシマを親とする新しい人類によって捕らえられてアハシマに献上されて生贄にされるだろう。そしてアハシマは生贄を信者ごと踏みつぶしていく。うーん恐ろしい。 これは余談の余談なのだが、アハシマはいろいろな世界で目覚めている。世界によっては誕生前に仕留めることで事なきを得たり、目覚めても財団とGOCが協力して戦うことによって倒したりしたのだが、一つ特殊な世界がある。1998年の世界だ。 この世界の財団は地下に眠るアハシマの存在に気づかず、アハシマは2048年に目覚めた。しかし淡路島に駐屯していた自衛隊が速やかに爆破処理した。もはや財団もGOCも登場せずに自衛隊だけでなんとかしてしまった。さすが1998世界の人類! まあ、1998世界でもなければ財団とGOCの連合軍が全力で戦ってやっと勝てるかもしれないレベルの相手である。正直たった5人、あと45分でどうかなる問題でもなさそうだしOZ-2程度でやられる相手でもなさそうだが……それでもやるしかないだろう。 中村氏の手記10 万策が尽きた。 世界が元に戻る前に、あの赤ん坊を倒すなんて不可能だ。それどころか、足止めすることすらままならない。 俺のせいだ。 俺が、あの黒い神を、弟と人間思いの神様を倒してしまったから。 いや、俺が優秀な彼らに協力しようと出しゃばったのが間違いだった。 俺がむやみに勇んで、あの黒い神を追い回そうとしなければ、八田さんや高畑さんは黒い神の本質に気づき、それ以上手出しはしなかっただろう。 結局、俺のするべきことなんてなかったんだ。 俺は結局、何もできない。 映像ログ書きおこし14 中村氏は居室の机の前に座り、机の上で腕を組み頭を伏せている。 そこにノック音が響く。中村氏が顔を上げると、訪ね主は岩塚研究補佐だった。 岩塚研究補佐は微笑して「一緒に来てほしいところがあるんやけど。」と言って中村氏をとある場所に連れていく。 2人が自転車で西へ西へ行くと、岩塚研究補佐は京阪電車・出町柳駅の近くで自転車を降りる。中村氏も降りて岩塚研究補佐の後に続く。 2人は鴨川の東岸に向かって歩いて下っていく。 岩塚研究補佐が鴨川デルタに向かう飛び石上を飛び移り始める。 中村氏 岩塚さん── 岩塚研究補佐 ほら、ついてきて。 そう言われ、中村氏も飛び石上を飛び移り始める。 岩塚研究補佐が話し始める。 岩塚研究補佐 世界が滅びかけているっていうのに、鴨川の流れはいつもと変わらないねえ。うち、この時間の鴨川が一番好きなんよ。ごめんね、付き合わせてしもうて。これが最後だ、もう見れないと思うと、なんだか無性に見たくなって。 中村氏 [沈黙しながら岩塚研究補佐の跡を追う] 岩塚研究補佐 懐かしいなあ。昔、死んだ両親と一緒にこの鴨川デルタで五山の送り火を見たんやっけ。ほら、見て。ここからちょうど東に 大文字(だいもんじ) が見えるんよ。父親の肩車の上で見たなあ。昨日のことのように思い出してまうわ。中村君、京都で下宿生活なんやろ? 京都にいるうちに見やはった方が──あ、そうか。もう見れへんのやっけ。[笑う] 中村氏 [沈黙しながら岩塚研究補佐の跡を追う] 岩塚研究補佐 そうだ、吉田神社には行ったことある? 大学にめっちゃ近いよね。あそこの節分にやるお祭り、毎年すごい人が来やはるんよ。吉田神社と言えば、大元宮っていうお社も有名なんやけど、知ってる? 社殿が八角形なんよ。なんか他の神社とは明らかに違う形してて、境内のつくりも独特でね。社殿を囲むようにして、日本全国の神様の名前がずらっと並んではるの。何しろ、日本の神様の全員をそこでお祀りしてはるって言うんやから驚きよね。節分祭は本宮とそこでお祭りをしやはってから、鬼の仮装をした人と神職の格好で松明を持った子供たちが── 中村氏 ──いいんですか? サイトを離れて。 [約3秒間沈黙] 岩塚研究補佐 ──ごめん。なんだかめっちゃしゃべりたい気持ちになって、しゃべりすぎてしもうた。まあもちろんよくはないけど──これくらいは許されるんちゃう? うちら、結構頑張ったよ。だって5人よ?5人にしては結構やった方やないの? 中村氏 [沈黙] [両名、鴨川デルタに到着した後、出町橋上に移動する] 岩塚研究補佐 ほら、見て。西の空がだんだん、朱鷺色を経て、紫になっていく。これの意味わかる? 中村氏 時間が──動き始めているということですか? [岩塚研究員、出町橋の欄干の上で腕を組み、鴨川の水面を見つめる] 岩塚研究補佐 うん。正確に言うと「壁」内の時間が遅くなり始めているんやけど──つまりは常世の国」の絵の具がだんだん薄くなっていって、元の世界の様子に戻っていってる。あはは、戻ってきた皆、さぞかし驚かはるやろうなあ。あんな怪獣が突然目の前に現れるんやから。 中村氏 岩塚さんは── 岩塚研究補佐 [沈黙。鴨川の水面を見ている] 中村氏 もう、あきらめてしまっているんですか? 岩塚研究補佐 [沈黙] 中村氏 岩塚さん? [岩塚研究補佐、顔を腕に伏せる] 中村氏 だ、大丈夫ですか? [岩塚研究補佐、顔を上げて袖で目を拭う] 岩塚研究補佐 あはは──ごめんね、心配かけて。でもうち、やっぱり悔しいな。大好きな両親に昔から神童ってめっちゃ褒めてもらって、うちなら何でもできる、きっと世界も救って見せるって思ってた。財団に入る時もそう誓ったはずなのに──結局、うちには世界を救うことができひんかった。うちは何にもできひんのやなって、そう考えると、情けないよね。 [約5秒間沈黙] 中村氏 岩塚さん、それは絶対に違います。あなたほど優秀な方はいません。 岩塚研究補佐 ありがとう、励ましてくれて。 中村氏 本心です。俺は──今までずっと必死に勉強してきました。浪人して周りから追い抜かされようと、歯を食いしばってなんとかここまで周りに食らいついてきました。でも結局は、どんなにがんばっても上には上がいるってことを知るだけだった。財団の皆さんを知って、ますますそう思うこともありました。でも──皆さんの働きを見て、自分の考えが間違っていることを知りました。自分が劣っているとか周りが優れているとかどうだっていい、自分がすべきことを必死でやっていればそれでいいんだと。 岩塚研究補佐 [沈黙] 中村氏 今の状況は確かに絶望的かもしれません。ですが高畑さんも言っていました。自分たちは最後まで世界を救おうとしたと、元の世界の人たちに胸を張って言えるようにがんばると。 岩塚研究補佐 [首肯] 中村氏 ──俺、高畑さんや八田さん、亀島さん、そして岩塚さん、あなたたちからそういうことを学べて、本当によかったと思ってます。まだ時間が無くなったわけではありません。最後まで前を向きましょう。 岩塚研究補佐 [約3秒間沈黙後、笑って]──そやね。中村君の言う通りやと思う。 [両名、サイトへの帰還を始める] 岩塚研究補佐 中村君。 中村氏 はい。 岩塚研究補佐 うちも、中村君に会えてよかったと思ってるよ。 中村氏 ──ありがとうございます。 2人はサイト入り口の近くに到着する。西の空色が変わっていくのが見える。 岩塚研究補佐が振り返って西空を見る。 岩塚研究補佐 あ。 中村氏 ──いよいよですか。 岩塚研究補佐 うん。終末のラッパが響き始めた。 [中村氏、西方向の空の観察を継続する] 塚研究補佐 ──すごいね。こんな状況でも、そんな表情ができるんやね。 中村氏 ただでさえあの黒い神様を倒してしまったのに、ここで逃げるようじゃ、あの神様に申し訳が立ちません。 岩塚研究補佐 ──そやね。 中村氏の手記11 タイムリミットまで残り15分。 中村氏は今の今までわからずじまいだったとあることを考えている。それはなぜ自分だけ消えなかったのかということ。財団職員の4人のように除外サイトにいたわけでもないのになぜ? これを紐解くにはやはりあの日の行動を振り返るべきだろう。 まず中村氏は5限目の認知言語学の講義を受けた後、東山さんとの待ち合わせの為に吉田山に登って吉田神社の末社、大元宮(だいげんぐう)に来ていた。 そもそも3000-JP現象で人々が消えたのはその地区に対応する神様が消えたからだという理屈だった。だからUE-3000-JPを攻撃した時に人々の生体反応が戻っていったのだ。 それをもとに単純に考えるのであれば大元宮にいた神様は例外的に消えなかったと思える。 ではなぜ? 大元宮というのは妙な神社である。航空写真を見るとわかりやすいのだが、なぜか社殿が八角形で、社殿の周りには日本全国の神様の名前がずらずら書かれている。一体何の神様をまつっているんだかまるでわからない!どう参拝すればいいのかもわからない。そんな神社であった。 それが、3000-JP現象となにか関連していたのだろうか。今となっては分からない。それにタイムリミットまで残り15分というタイミングで今更考えることでもないだろう。中村氏は別のことを考え始める。 あのUE-3000-JP-2を止めるには、やはりUE-3000-JPレベルのエネルギーが必要なのだろうか。 これまでの考察が正しいとすれば、UE-3000-JPは日本全国全ての神様のEVEを溜め込んでそれでUE-3000-JP-2を迎えようとしていた。 逆に考えるならば、日本全国の神様の力があればUE-3000-JP-2を抑えられるかもしれないということ。例えば日本全国全ての神様がタイミングよくあいつに攻撃したりしたらもしかしたら…… そういえばAgt.亀島の作ったOZ、そしてOZ-2は人に信仰されている神様に使うと自由に使役することができるという効果を持っていた。UE-3000-JPは誰にも信仰されていなかったので弱体化するだけだったが、もしもこのOZ-2を日本全国の神様が集う場所に使えば、もしかしたら日本全国の神様がUE-3000-JP-2を倒しに行ってくれるかもしれない。 いやいやそんなこと、簡単にできるわけがない。そもそも日本全国の神様が集う場所なんて都合のいい場所あるわけがないのだ。 と、ここで中村氏はとあることを閃く。そのことをすぐに高畑博士へ伝えに行く。 映像ログ書きおこし15 中村氏は大急ぎでロビーに向かい、ドアを開ける。ロビーには高畑博士、八田研究員、Agt.亀島がいた。 中村氏 高畑さん! 高畑博士 どうしたんですか? 中村氏 吉田神社に、大元宮という社がありましたよね。あそこの祭神は何ですか? 高畑博士 虚無太元尊神 (そらなきおおもとみことかみ)ですが── 中村氏 それって、日本全国の全ての神だと説明していませんでしたか? それに高畑博士は答える。 かつては財団も、「大元宮には日本全国の全ての神様が眠っているんだぞ!」という情報を受けて大元宮に注目し、いろいろ調査をしたのだという。しかし調査の結果神学的な物品も痕跡も見当たらなかった。日本全国の神様どころか実際は全く神様がいなかったのだ。 結局財団は、大元宮が属する吉田神社の神主である「吉田 兼倶(かねとも) 」が吉田神社の権威付けのために用いたハッタリであると結論を付けて調査を終えた。 しかし中村氏は言う。当時大元宮の境内に居た自分だけは3000-JP現象によって消えなかった。つまり大元宮の周辺には神様がいたということ。 そこから考えられるのは3000-JP現象が起こっている間、日本全国の神は大元宮に避難していたということ。さながら日本全国の神々にとってのシェルターのように。 だから大元宮にいた中村氏だけ消えなかった。 だから、そこにOZを使えば。 高畑博士 それは── 中村氏 亀島さん、"OZ"をいただきます! [中村氏、"OZ-2"を獲得する] Agt.亀島 待て! もう外は危ない! もうここも奴の影響範囲に── [中村氏、Agt.亀島を黙殺してロビーを退出する] 八田研究員 中村さん! 中村氏はサイト-81K3を出発するが、Agt.亀島のいう通り既にここはUE-3000-JP-2の強い現実改変と強いミーム汚染の影響範囲になっている。外には黒色の粉塵が舞っている。耐えきれず中村氏は足元に嘔吐する。激しくせき込む。 八田研究員 ──中村さん! 後ろから走ってきた八田研究員が中村氏に追いつく。 中村氏 八田さん── 八田研究員 [激しく呼吸]── SRA (スクラントン現実錨)です。[呼吸]──こういう状況では必ず携帯しなければなりません。もうすでに──霊障的効果は伝わっているようですが──あと10分程度なら、SRAの現実性固定でカバーできるかと── 中村氏 ──ありがとうございます。 [中村氏、八田研究員からポータブルSRAを受け取り、装備する] 中村氏はそのまま東方向に駆ける。周囲には由来不明の赤色の光、そして重低音が聞こえる。重低音には軽度の信仰操作的なミーム汚染効果がみられる。 中村氏は吉田神社の鳥居前にたどり着く。 鳥居をくぐった後階段を駆け上がる。途中で転んでしまうが、ゆっくりと上体を起こして深呼吸した後また走り出す。 映像の動きから、中村氏が酩酊に似た精神影響を受けていることが示唆される。 階段の中腹に到着する。 立ち止まって後ろを振り向く。そこには一面に赤黒く染まった京都市街が見える。 中村氏は再び駆け出す。 吉田神社の奥、大元宮の境内に到着する。 息を整えた後、OZ-2のピンを抜く。 何かをつぶやき、OZ-2を大元宮本殿に向かって投げる。 視界が閃光に覆われる。 映像ログ書きおこし16 中村氏はゆっくりと上体を起こし、両手を用いて起き上がる。 立ち上がってあたりを見回すと、ボロボロの大元宮本殿と元の色に戻った空が見える。 女性 中村君! [中村氏、声が発された方向に向き直る。一般女性が立っている] 中村氏 ──東山さん── 女性 早めに来てみたら、どうしたのこれ? お社ボロボロじゃん! ここだけ地震でも起こったの? それとも、もしかして中村君が壊したとか? 中村氏 それは── 女性 それに、なんか砂だらけじゃない? 転んだ? 大丈夫? 中村氏 ──ああ、大丈夫。ありがとう。 女性 [笑って]いいね。あたし、こういう非日常的なことに憧れて、毎日いろんな場所を歩き回ってる節があるから。とりあえず社務所に知らせる必要あるよね。早速行こっか。今日は結構楽しみにしてたんだけど、いきなりこんなハプニングが起こるとは思わなかったよ。 中村氏 ──そうだね。でも── 女性 ん? 中村氏 ちょっと、最初に寄り道したいところがあるんだ。 中村氏は女性を連れてサイト-81K3に行った。 中村氏はサイト-81K3のメンバーによって保護され、女性は記憶処理とカバーストーリー適用の後に解放された。 以上が、SCP-3000-JP発生中の出来事を示した「文書3000-JP」の抜粋である。 補遺3000-JP.2 忘れているかもしれないが、あの文書3000-JP全体が「補遺3000-JP.1」である。ここからは2つ目の補遺を見て行く。 PoI-3000-JP、すなわちSCP-3000-JP発生中でも消えなかった5人へのインタビューなどなど調査から文書3000-JPに記録された内容は事実であると判断されている。 UE-3000-JP-2は「白色の閃光に包まれた後に消失した」と観察されるが、詳細は不明である。 PoI-3000-JP以外の、SCP-3000-JPを観察・体験した民間人・財団職員のほとんどが健忘症に類似した症状を見せており、かつSCP-3000-JP自体が実質的に10分しか発生していなかったということが民間への隠匿に利用された。 そうしてSCP-3000-JP発生から5年半経った2022年9月、民間への隠匿作業など収容作業が完了し、SCP-3000-JPはNeutralizedに再分類された。 そしてSCP-3000-JP中に神々たちが避難していたとされる吉田神社の大元宮はLoI-3000-JPに指定された。 高畑博士が言っていた通り、かつて財団や蒐集院がLoI-3000-JPを調査した時は何も成果が無く、そのときは、LoI-3000-JPの性質は吉田神社の神主である吉田兼俱によるハッタリであると思われていたのだが、文書3000-JPの影響を受けてLoI-3000-JPの網羅的な再調査が行われている。 LoI-3000-JPはカバーストーリーを適用されたうえで閉門時間を午後8時から午後4時に変更され、閉門時間中に財団による調査・研究が行われている。 ちなみに吉田兼俱はPoI-1435に指定されてこちらも調査されている。 SCP-3000-JP終了後、高畑博士と岩塚研究補佐はサイト-81K3で、八田研究員とAgt.亀島は京都市左京区の路上で発見された。 中村氏が大元宮に走る時に転んだ時のキズを除いてPoI-3000-JPは全員無傷。UE-3000-JP-2の効果からかPoI-3000-JPには軽度の精神影響とミーム汚染が発見されたが、現在は完治している。 以下は、全てが終わった後の中村氏と岩塚研究補佐の書きおこしである。 岩塚研究補佐 これは高畑博士がこっそり漏らさはった噂やけど、うちらは皆出世できるみたい。うちも念願の研究員の肩書が得られるんやって。 中村氏 岩塚さんほどの人がまだ研究補佐だとは思いもよりませんでした。 岩塚研究補佐 うん。ずっともどかしかったんよ。でももしかしたら、一足飛びで上席研究員にまでいけるかも。それはちょっと高望みかな。 中村氏 よかったです。これからもその才能を遺憾なく発揮してください。 岩塚研究補佐 うん。──あ、言伝やけど。亀島さん、後悔して恥ずかしがってはったよ。あの時君を追っかけなかったことを謝っておいてくれって言わはった。今後はもうあんな醜態は晒さないって。 中村氏 ──本陣さんのこともありますし、無理もないと思います。でもその代わり、八田さんが追いかけてくれて助かりました。 岩塚研究補佐 うん。先輩が走るところ、本当に初めて見たよ。びっくりした、君が走り去ったらすぐに跡を追っかけていかはったんやから。いつもはうちに無理難題を押し付けるばかりやったけど、ああいう果断なところもあるんやなって、意外やった。 [中村氏、約3秒間俯いた後に岩塚研究補佐に向き合う] 中村氏 ──どうか、皆さんによろしくお伝えください。本当にお世話になりました。 岩塚研究補佐 ──彼女は──あの後、別段変わったことはないみたいね。 中村氏 俺は入院してるっていう話になってるんですよね。 岩塚研究補佐 うん。君のことを結構心配してはるみたいよ。 中村氏 そうですか。[俯く] ふと、岩塚研究補佐が問う。 岩塚研究補佐 ──気持ちは変わらない? 君の能力ならきっと── 中村氏 はい。ごめんなさい。 岩塚研究補佐 ──そっか。──うん。世界を守るために世を捨てるなんて、なかなか決心できることやないよね。彼女さん、大事にしてあげてね。 中村氏 まだお付き合いにオーケーが出たわけではないですけどね。 岩塚研究補佐 ふふ、話に聞いた分だと心配はいらんと思うよ。胸を張っていけばいいと思う。 ここで、岩塚研究補佐はとある薬品を中村氏に見せる。 この薬品の名は「Y-909」。これを使うと簡単に人の記憶を消すことができる、財団にとって救世主のような薬品。 中村氏は、これを体内へ摂取するだけでSCP-3000-JPのことも財団のことも、 高畑博士のことも八田研究員のこともAgt.亀島のことも岩塚研究補佐のことも幻想のように全て忘れて日常に戻ることができる。 中村氏は黙って首を縦に振る。 岩塚研究補佐 ──君に助けてもらって、こんなこと言える立場とちゃうかもやけど──後はもう何にも心配せんでいいよ。うちら財団が、中村君たちの平和な日常を人知れず守ってあげるから。君も、もう「俺なんか」なんて言って卑屈にならんでよね。 中村氏 岩塚さんこそ、また無理して睡眠を削ったりしないでくださいよ。自分の健康が一番大事なんですから。 岩塚研究補佐は俯く。約5秒間の静寂が流れる。 そして顔を上げて中村氏のことを見る。 岩塚研究補佐 うん。肝に銘じるよ。じゃあ──元気でね。 中村氏 頼みますよ。では、お元気で。 この後、中村氏はクラスC記憶処理をされたうえで解放された。 余談 ナンバーからもわかる通り、当作品はSCP財団日本語版wikiにて開催されたSCP-3000-JPコンテストの優勝作である。 テーマは「幻想」。 作者氏コメントによると、SCP-3000-JPに込められた「幻想」は2つ。 1つ目は前半の「主人公/中村氏にとって今まで経験していた日常や自分以外の人々は実際には存在しなかったのかもしれない」という思い。 2つ目は終盤の「主人公/中村氏がSCP-3000-JP内で体験した記憶が幻のように消え去ってしまう」という結末。 報告書全体が「幻想」で覆われた「常世の国」は、他の作品に点数差を付けて1位を獲得した。 関連作品 SCP-001-JP 御器所の提言 - 神州 ──うじうじしてたら──また、彼に𠮟られてまう。 御器所の提言とは、SCP財団におけるSCP-001-JPの一つであり、オブジェクトクラスはSafe。岩塚研究補佐から見たSCP-3000-JPの後日談といえる。 SCP-001-JPは財団日本支部の前身団体である蒐集院が蒐集物第〇〇〇一番として収容していた神格存在。 その神の名を「一言主神(ひとことぬしのかみ)」というのだが、この神格についての情報は1000年以上前に蒐集院が偽情報を混ぜまくったせいで正確なことはわかっていない。 それで、どうして蒐集院がこんな偽情報を混ぜまくったかというと、この一言主神を弱体化するためであったと言われている。神様は信仰によってその体を形作るわけだから、偽情報を混ぜまくられると性質や能力が変化してしまう。 蒐集院はこの偽情報まぜまぜをかなり徹底して行っていたらしく、そのおかげで現在の一言主神はほとんど本来の性質を失っている。 しかしそれは同時に現在のSCP財団にとって「本来の性質が偽情報のせいで分からない」「どうして蒐集院が徹底して一言主神を弱体化しようとしたのかわからない」「そもそもなぜ一言主神が〇〇〇一番になっているのかも分からない」と、非常に不安要素だらけ。 とりあえず財団は蒐集院に従ってこの一言主神を「SCP-001-JP」に分類し、過去の文献を分析してみたところ以下のことが判明した。 一言主神は言霊信仰・託宣の神。 他人への憑依、模倣(*6)が可能。 役小角が7世紀ごろの蒐集院と協力して一言主神の弱体化を図った。 ところで以上のSCP-001-JPの話とは一切関係が無いのだが、SCP-3000-JP事案から3年後の2020年にAO-3000-JP、すなわちあの黒いオイルが財団によって研究され始めた。研究班の一人には岩塚研究員もいた。 その結果、AO-3000-JPの近くで人間が「○○があるといいのになぁ」と発言すると、AO-3000-JPがそれに変化することが判明した。この範囲はリンゴ1個からプリウス1台、さらには財団サイト丸々1棟(財団職員とオブジェクト付き)にまで変化させることが出来る。 さらに同時期、AO-3000-JPが日本各地から湧き始めた。もしこれが利用できれば、実質的に全ての資源が無限に使えることになる。 そのころ、岩塚研究員のもとに、突然自身と瓜二つな見た目の人間が出現する。そして岩塚研究員に「AO-3000-JPの研究を進めたほうが良い」という要旨のことを言う。どういうことかと岩塚研究員が聞き返すも、ちゃんと答えずにその存在は消えてしまった。 岩塚研究員は異常存在の影響により両親を亡くしており、この国からアノマリーの犠牲者を無くす」という一言の願いを使命として財団職員として活動している。「彼」のこともあるだろうし、将来的に財団にとって大きな助けとなるかもしれないAO-3000-JPの研究を進めたい気持ちは大いにあるだろう。 しかし、財団と同じくAO-3000-JPを扱っている「トリスメギストス・トランスレーション トランスポーテーション社(Ttt社)」(神様相手に商売をする要注意団体)から財団へ、不穏な連絡が届く。 これ以上はネタバレになる上に文章が長くなりすぎるので割愛する。SCP-3000-JPを読んだ方々はぜひ本家記事を読みに行っていただきたい。 追記・修正はPoI-3000-JPのその後を見守りながらお願いします。 ▷CC BY-SA 3.0に基づく表示(SCP記事) SCP-3000-JP - 常世の国 by gokiso http //scp-jp.wikidot.com/scp-3000-jp 2022年公開 SCP-2879-JP - 神憑り!大(小)昆虫神格大決戦! by mC shrimp/Mitan(共著) http //scp-jp.wikidot.com/scp-2879-jp 2022年公開 SCP-001-JP 或る西瓜の提言 - 焚書坑儒計画 by R-Suika http //scp-jp.wikidot.com/r-suika-s-proposal 2022年公開 剖検 ハブ by O-92_Mallet http //scp-jp.wikidot.com/autopsy-hub 2020年公開 SCP-1092-JP - 《CODE O》クニマス物語 by O-92_Mallet http //scp-jp.wikidot.com/scp-1092-jp 2017年公開 Tale-JP - 最初の献体 by O-92_Mallet http //scp-jp.wikidot.com/code-first-bravo 2020年公開 Tale-JP - アハシマ by O-92_Mallet http //scp-jp.wikidot.com/ahashima 2020年公開 SCP-001-JP 御器所の提言 - 神州 by gokiso http //scp-jp.wikidot.com/gokiso-s-proposal 2023年公開 ▷CC BY-SA 3.0に基づく表示(画像) 画像1 - Yoshidayama_Sunset by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-115-ibni 2022年公開 この画像へジャンプ 画像2 - 糺の森南 by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-233-ctyx 2022年公開 この画像へジャンプ 画像3 - abir by אני https //commons.wikimedia.org/wiki/File Abir.jpg この画像へジャンプ 画像4 - あんよがじょうず by gokiso/Tomomarusan http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-242-ezq7 2022年公開 この画像へジャンプ 画像5 - 鴨川 by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-243-zk0x 2022年公開 この画像へジャンプ 画像6 - 赤い吉田キャンパス南 by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-250-93xh 2022年公開 この画像へジャンプ 画像7- 最後の吉田神社の鳥居 by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-248-s86d 2022年公開 この画像へジャンプ 画像8 - 最後の吉田山 by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-244-q4fx 2022年公開 この画像へジャンプ 画像9 - 人が居る吉田神社階段 by gokiso http //scp-jp-storage.wikidot.com/file 7550279-253-173g 2022年公開 この画像へジャンプ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- 以前、コメント欄における作品への愚痴とそれに端を発した言い争いを理由に、作者のgokiso氏が苦言を呈された事があります。 今後、誹謗中傷等を行った場合、IPの規制やプロパイダ・法的機関への通報、ならびにSCP-682の終了実験のDクラス補助員やブライト博士の残機役としての強制的な雇用等の措置をとらせて頂く場合ありますのでご了承下さい。 ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄をリセットしました -- 名無しさん (2023-03-21 16 56 57) これSCO -- 名無しさん (2023-03-25 02 11 04) これ結局記憶処理されたの? -- 南下政策 (2023-03-25 23 12 03) 記事長いな…目次があった方が良いかもです。 -- 名無し (2023-03-26 01 52 47) 初めて読んだけどFGOのシナリオにしか見えないなこれ。 -- 名無しさん (2023-04-27 06 36 04) 良い意味で伝奇デートムービーめいた一本。これ原文で読んでた時は本当に純粋な民間人がホイホイ非日常に放り込まれるわけないとメタ読みして中村氏は現象開始に伴って黒幕の手で作られた人形的存在(今までの記憶も全部作られた偽物)じゃないかと警戒しながら読んでたな。終わってみたらガチの一般人だったし疑ってゴメンね中村氏 -- 名無しさん (2023-05-07 16 42 26) Y-909って他人の記憶なのにそれを一般人に使ってええんか?中村の生活リズムがバグる可能性が..... -- 名無しさん (2023-06-03 16 23 54) ↑記憶処理剤の起源も効果も、個々人のヘッドカノン次第。この作品は「記憶処理剤はSCP-3000のY-909由来」ってカノンではないのでしょう。 -- 名無しさん (2023-06-03 17 22 26) 極々普通の一般人と財団職員だからこそ、最後のやりとりが染みるな -- 名無しさん (2023-06-16 18 59 31) コメ欄一回荒れたらしいけど、荒れる理由は内容見るとなんとなく察するよ。あえて言わないけどね。jp嫌いの人の声ってでかいけど、これが優勝してるってことは所詮jpに対する文句は少数派なんだとこのSCP見てて思うよ。ストーリーは登場人物と一緒にミスリードさせられる展開で臨場感あって面白いと思う -- 名無しさん (2023-08-09 15 21 27) 後日談のTale「夕ぐれは 雲のはたてに ものぞ思ふ」も良かった -- 名無しさん (2023-08-13 10 59 02) 他に3000番台のSCPの記事作成されてないねここでは -- 暇です (2023-10-13 20 21 22) ↑あるよ。3561 -- 名無しさん (2023-10-13 21 08 28) まあTaleでやれって思うわ、レポート提出されたら大半が如何にこのレポート書くのに苦労したかで占められていたらと思えばいい -- 名無しさん (2023-10-21 06 54 46) 高評価記事に対する「Taleでやれ」って大抵同意得られないからかわいそう…でも本人はバカにされるとしても言わずにはいられないんだよな… -- 名無しさん (2023-11-22 06 35 09) それは当然。そんなルールはないんだから「Taleでやれ」と言われたら「嫌だ」の一言で終了になるだけよ。 -- 名無しさん (2023-11-22 06 56 44) コメント前の警告なにこれ脅し? -- 名無しさん (2023-12-08 20 15 12) キリ番記事が長くtale見たくなるのは別に日本支部特有でもない -- 名無しさん (2024-01-11 12 30 15) taleでやれ自体詭弁なのに通用すると思ってる方が… -- 名無しさん (2024-01-14 17 58 44) 流石優勝作品というだけあって気づいたら読み終わってた位面白いけど確かに賛否両論は出る作品だなと思った。個人的には「SCP」の優秀作品じゃなくてじゃなくて「SCP-JP」の優秀作品だなって感じる -- 名無しさん (2024-02-04 09 24 33) ↑別に英語版だって全支部の代表作品ってわけじゃないんだから、なんの違いもないでしょ -- 名無しさん (2024-02-04 10 09 13) TaleでやれとかいうやついるけどTaleって報告書では書かないようなことを書くもんじゃないの? 今回はあの文書を報告書に乗せるだけの理由(一般人及び財団の行動の報告の為、精神汚染等異常がなかったかの確認のため、他の職員が知覚していない時間で何が起こったかを正確に報告するためなど探せばいくらでもある)があるんだし報告書でやることに何も問題ないと思うんだが… -- 名無しさん (2024-03-23 22 07 04) SCPにわかだけどTaleって「元々あるSCPや研究者とかの設定を使ったお人形遊び」じゃないのかな?そう考えると1から創作するなら普通の報告書がベストじゃない?まぁ本家がDVで消されるどころか優勝してるしこっちがとやかく言うことじゃないと思うけど -- 名無しさん (2024-04-13 17 37 27) 正直大嫌いだなぁ、この作品 -- 名無しさん (2024-04-21 04 16 28) マジレスするとTaleはメイン目録、GOIフォーマット、ハブ、エッセイに当てはまらないすべての記事への呼称だゾ ガッチガチの報告書でもメイン目録に投稿されたものでなければそれはTaleになる サイトメンバーなら登録して即放置とかじゃなきゃ絶対知ってる事だからこれを言ってる人は大体動画・アニオタWiki勢やね -- 名無しさん (2024-05-06 19 09 41) コメント炎上の注意がscp世界ネタ使ってて笑った -- 名無しさん (2024-05-06 23 01 36) まーた荒れてきてるよ -- 名無しさん (2024-05-06 23 47 35) 良くも悪くもscpらしくない作品 -- 名無しさん (2024-05-27 17 13 52) 長編小説みたいでおもしろい 1UVじゃマジで足りない -- ぼん (2024-06-02 22 11 47) 3000ga一気に執筆者側が離れたのが -- 名無しさん (2024-06-10 05 28 26) 批評はOKだが、嫌いだのなんだのただの批判してる人はこれが大多数の人間が選んだ優勝作品で、あなたが一般的でない感覚を持ってることを認めるべきだ -- 名無し (2024-06-11 02 29 00) ただの暴言はアレだが好き嫌い分かれるタイプの作品だから仕方ない面はあると思うよ、力作なんだけどね -- 名無しさん (2024-06-11 03 06 45) おもんなかった -- 名無しさん (2024-06-25 01 54 35) 物語的・情緒的な報告書が嫌いならRPC機構に行けばいいのに。発端はいろいろあったけど確かこういう「報告書っぽくない記事」が評価される流れも離脱要因の一つだったよね?(RPC機構:少し前に一部の人々が「今の財団はなんか違う」っつって立ち上げた別サイト)(俺はこの記事好き) -- 名無しさん (2024-06-25 15 01 15) 実際自分も記事で挙げられてる著者氏の苦言というか「メタ的な意味での財団における創作論」的な呟きを読んで「自分がいるべき場所ではないな」と思ってフェードアウトした人間ではある まあ変遷だよ変遷 本家のキリ番テーマにもなってたし -- 名無しさん (2024-07-11 01 36 51) 主人公の大学生と同姓同名の知り合いがいるからびっくりしちゃった -- 名無しさん (2024-07-12 16 16 17) ラノベみたいでも面白かったらなんでもいいんだけど深みや面白みを抜いて余計な会話を足した劣化1000-JPにしか思えんかった。 -- 名無しさん (2024-07-20 10 45 50) SCP-1000-JPという偉大な先輩がいるから、SCP-3000-JPが見劣りするのは仕方ないんじゃないの?本家も今の日本支部のような物語・情緒的なSCPにまみれた時期があったけど、「こんなのSCPじゃない」ということで原点回帰してる。果たして日本支部は原点回帰出来るのか。 -- 名無しさん (2024-07-25 00 58 39) SCP-5000~8000はむしろ物語・情緒的なSCPが受賞しているんだけど -- 名無しさん (2024-07-25 06 30 12) 物語・情緒的とかマジでどうでもいい。それで言うと5000-8000は面白い文章で、3000-JPは面白くない文章で構成された物語だと思う。勿論ストーリーの良さは関係ないけど。向こうと比べてこっちは本当に中身がなく、何度も読む気にならない。 -- 名無しさん (2024-07-25 15 32 30) …コメント欄を叩き場に使うのはどうかと思う。基本ここは悪口言う所じゃない。個人的には終わり方がとても好きですね。 -- 名無しさん (2024-07-25 16 24 06) まあ話の本筋が『異常存在』じゃなくて『異常と触れ合ってなんやかんやで解決した一般人間』だから物語系が苦手な人からしたらあまり受け付けない作品だろうなって感じ 最後の会話ログとか異常存在関係ないただの世間話だし ただ本家の方も5000みたいに異常存在ほっぽりだしてストーリーに重きを置いた作品がキリ番を取ってる実例があるし『そういう流行』と割り切ってもらって自分好みの作品を創作/応援していく感じに切り替えて行ってほしいな 結局のところSCPコミュニティは多数決が全てでコレは多数決の結果だから -- 名無しさん (2024-07-25 18 48 01) 今の状況が気に入らないなら結局自分が流れを変えるようなものを書くしかないんだよね。参加すること自体は簡単だし。 -- 名無しさん (2024-07-25 19 17 04) 実際消費する側が大口叩くのはお門違いだしな -- 名無しさん (2024-07-31 17 15 35) 好みに合わないと言うのは自由だけど、それはこれが勝ってしまうSCP-JP自体がもうその人の嗜好から外れてるんだと思うよ。別のコンテンツに行った方が良いのでは -- 名無しさん (2024-08-09 21 49 38) 本家5000もだけど本当に単純におもんない オブジェクト自体が滅茶苦茶面白くて何度も読みたくなる4000が懐かしい -- 名無しさん (2024-08-19 09 08 53) 124.35.118.212による2024-08-29 12 14 26のコメントを、他ユーザーへの煽りとして荒らし報告ページに通報しました -- 名無しさん (2024-08-29 12 28 31) 「つまらない」という感想を抱くことも、それを表明する自由がある事も理解している。理解できないのはなんで同意されないであろう意見をわざわざ書き込もうと思うのか。コンテストで優勝してアニヲタwikiっていう外部サイトに熱の籠った記事が建てられるような記事に「つまらない」と書いたところで否定されてイライラするだけだろうに -- 名無しさん (2024-09-18 13 44 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35842.html
登録日:2016/12/25 (日) 18 42 00 更新日:2023/03/05 Sun 15 10 40 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 E E社 SCP Foundation SCP-216-JP SCP-JP 「博士」 ミーム汚染 押すなよ!絶対押すなよ! 本 SCP-216-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」の日本支部によって生み出されたオブジェクトの一つである。 項目名は『タブーなんてない』。オブジェクトクラスは「Safe」に指定されている。 SCP-216-JPは20■■に某出版社から出版された、自己啓発セミナー向けのパンフレットだ。 A5サイズでフルカラー、中央をホッチキスで止められた至って普通の外見をしており、ページを開くとこの様な巻頭言が目に飛び込んでくる。 タブーなんてない! やってはいけないことなんて存在しません! 何にでも挑戦することから、あなたの人生は始まるのです! 一見すると、自己啓発の観点から見ればごく当たり前のことを書いている様に見えるこの記事であるが、 実はこの記事を見てしまうとその人物(以下対象)はとんでもない事態に陥ってしまうのである。 この記事を目にしてしまうと、対象の価値観は崩壊してその時『これはやってはいけない事なのだ』と認識していたことを 『悪いとは理解してるんだけどやってみたい』と言う衝動に駆られるようになり、最終的にはその衝動に負けてしまい実行に移してしまうのだ。 つまり、この記事には対象が忌避していることをやりたくなってしまう様に精神構造を作り変えてしまう重篤なミーム汚染が仕込まれているのである。 大抵の場合、人間が忌避するのは他人の心身や財産をむやみに傷つけたり、自らの身体に修復不可能な損害を与えてしまう行為である。 これらの行為は、自らの行為が他人に与えてしまう被害の重篤さや、リスクを犯したことで 結果的に自らが被ることになる不利益の重大さなどが足かせとなって通常は実行されることはない。 しかし、このオブジェクトに仕込まれたミーム汚染はそのリスクを認識できない様にし、好奇心の赴くままにそれらの行為を実行させてしまうのだ。 その結果、対象は周囲の人間に衝動的に危害を加えてしまったり、 本来ならどう考えても無茶苦茶な行為にチャレンジして結果的に命を落としてしまうなど大惨事を引き起こすことになってしまう。 ただし、このオブジェクトが齎らすミーム汚染は突発的なものである為、対象が自らの衝動を実行に移す前に取り押さえたり、 衝動を実行に移すためには甚大な手間と時間がかかることなどを認識することが出来れば中止させることが可能である。 だが、汚染そのものは不可逆性であるため、万が一対象が新たなタブーを犯したいという衝動に駆られてしまった場合には 阻止が間に合わずに大惨事が起こってしまう危険性も否定できない。 幸い、SCP-216-JPの印刷部数と配布先の管理が徹底されていたため、 正式に発行された全数を回収または破棄を確認することに成功しているのが唯一の救いであろうか。 なお、当然の事ながら、財団はこんな傍迷惑なオブジェクトをばら撒いてくれた出版社に探りを入れている。 しかし、問題の記事は担当編集者が外部のライターに「ネガティブなやつらがポジティブになれる、死ぬほど面白い記事を書いておけ」と言う無責任な言葉と共に丸投げしたものであり、実際に記事を執筆したライターは行方不明。 しかも、記事に協賛していたのは準要注意団体である『Entertainment Enterprise』(通称『E E社』)(*1)であったことが判明するなど、 ロクデモナイ結果に終わってしまったのだった。 一度きりの人生、楽しまなきゃ損じゃない? レッツ エキサイティング! ※記事の末尾に記載されていた言葉 SCP-216-JPが関係している主なTale Taleとは、SCPを題材にした二次創作小説のことである。 「 私は博士 」 針山博士は、恋人である水瀬真紀にふられてしまった。 彼の落ち込みようは半端ではなく、せっかく新しいscpオブジェクトの研究を担当することになったのにまるで力が入らない有様である。 SCP-404-JP、「ロストメモリー」。 オブジェクトクラスSafe。形状は市場に流通している一般的な電子辞書に酷似。 使用者の望む記憶と記録を取得し、中規模な範囲で持続的な改変を起こすオブジェクトだが、その動作に不明な点も多く、過去改変オブジェクトである可能性もある。 助手の嫌味混じりの励ましを得て、何とか再起した針山博士は実験終了後、彼女に強引に別れを告げられた経緯を語った。 その後、カフェテリアに向かった針山博士だったが、腕時計を忘れてしまい仕方なく研究室まで引き返す。 そこで、彼は残酷な現実と直面することになった。 なんと、元恋人が針山博士をふったのは新しい恋人ができたからであり、その新しい恋人が自分の助手だったのだ。 あまりの事態についその場から逃げ出してしまった針山博士は、施設内をさまよい歩いた挙句にオブジェクトの保管倉庫へと迷い込んでしまう。 そこで、とあるオブジェクトを搬送中だったフィールドエージェントと鉢合わせした針山博士は、オブジェクトを収納した後で道案内して貰う約束を取り付け、エージェント達に同行した。 さて、いよいよオブジェクトを収納しようとした時に…事件は起きた。 エージェントの一人が、オブジェクトを格納していたアタッシェケースを開け、その中身をばら撒いてしまったのだ!! タブーなんてない! 財団職員たる自分がオブジェクトをばらまくなんてもってのほかである…という矜持が、オブジェクトの影響で崩壊してしまったらしい。 咄嗟のことで身体が動かず、ミーム汚染の源である記事をバッチリみてしまった針山博士はその場から逃げだしてしまう。 またもや彷徨っているうちに、執務室まで戻ってきた針山博士に寝取りヤローの助手が声をかけてくる。 タブーなんてない! 喉笛にボールペンを突き立てられ、血の海に沈んでいる憎っくき助手の死体を前に、針山博士は考えた。 もう財団にはいられない。 逃げよう。 逃げれば追ってくるか。 なら、自分がここにいた痕跡を消してしまおう。 この、助手の死体ごと。 タブーなんてない! ちょうど良いオブジェクトが私の手元にあるではないか。 序でに、このオブジェクトの情報も消してしまえば完璧だ。 タブーなんてない! それからどうしよう。 そうだ、楽しいことをしよう。 ちょうど、ワンダーテインメント博士という、楽しい事をする見本がいるじゃないか。 404を使えば、どんなオブジェクトも作り放題だ! タブーなんてない! まずは、自分に関する情報を消してしまおう。 名前も必要ない、単に『博士』で十分だ。 タブーなんてない! さぁ…『楽しもう』。 財団が警戒している要注意団体の情報に精通し、彼らの悪質なパロディを生み出してしまう程の技術力を持った謎の存在。 日本で暗躍している要注意団体の一つ、『博士』の一つのオリジンを扱ったTaleである。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-216-JP - タブーなんてない by dr_toraya http //ja.scp-wiki.net/scp-216-jp 私は博士 by hal_aki http //ja.scp-wiki.net/i-am-dr この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 楽しもうね! -- 名無しさん (2016-12-25 18 52 04) ベマージってなんだ? -- 名無しさん (2016-12-25 18 55 11) 博士オリジンはなかなか楽しい(Taleだから異説オッケーなんだけど) にしても確かに『博士』ってタブーという考えがどの要注意団体にも増してあてはまらない存在だよね -- 名無しさん (2016-12-25 18 55 44) だから本家の博士に比べて悪意に歯止めが効いてないという解釈か、逆手にとった面白いtaleだな -- 名無しさん (2016-12-25 19 58 08) インセインSCPでもテーマにされてたな -- 名無しさん (2016-12-25 22 33 12) セックスを知ったばかりで忌避感を持っている少女に曝露したら…… -- 名無しさん (2016-12-26 05 57 29) ↑そのせいで、なかなか初体験にたどり着けず、もんもんしていた彼氏にとってはラッキーだな!w -- 名無しさん (2016-12-26 10 41 12) ただこれ、Keterでもいいんじゃないか? 例えばオ●マ氏に見せたら、「核のボタン押してみたかったんだー。ポチ」ってことになりかねんぞ? -- 名無しさん (2016-12-26 10 42 08) ↑幸い全部回収できているからSafe -- 名無しさん (2016-12-26 11 14 26) エメラルドマウンテン博士の名前を言い間違えるようになった大元の原因…かもしれない? -- 名無しさん (2016-12-26 13 50 29) ブライト博士『困るわー・・・うっかり被曝露したみたいで困るわー(棒読み)』 -- 名無しさん (2017-01-01 09 39 20) ↑タブーなんて無い!(恐ろしい量のしてはいけないリストペラペラ) -- 名無しさん (2017-01-07 01 30 23) 最後の事故事例がやばい -- 名無しさん (2018-01-11 22 58 18) タグを見てまーた博士かと思ったらまさかの博士爆誕秘話だった・・・でもそれだと結局財団のやらかしたシリーズになって世間が狭くなるよね -- 名無しさん (2018-06-26 14 34 20) やけに財団に構ってちゃんするし滅茶苦茶財団の内情に詳しいし元財団職員かそれに近い何かだった可能性は高いと思うの -- 名無しさん (2019-11-03 09 55 00) 針山博士、苗字が同じ別の人だから名前が間違えられずに書かれてるんだよな -- 名無しさん (2021-08-31 13 37 54) 博士…gocにも送りつけとけ! -- 秘匿 (2021-11-06 14 20 08) ↑タブーなんてない!(オブジェクト破壊) -- 名無しさん (2021-11-23 11 48 10) ↑いつも通りだな!ヨシ! -- 名無しさん (2021-12-05 15 37 27) ↑4逆にこの「針山博士」の影響であっちの針山博士の異常性が発露した可能性はあるかも「財団に在籍する針山という博士」の情報が消されたみたいな -- 名無しさん (2022-06-25 02 10 04) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36627.html
登録日:2017/04/12 Wed 17 25 06 更新日:2024/08/16 Fri 01 45 01 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 RPG SCP Foundation SCP-512-JP SCP-JP エクストラ・クエスト ファミリーコンピュータ 燃えるSCP SCP-512-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。日本支部で登録されたオブジェクトである。 項目名は 「エクストラ・クエスト」 。 オブジェクトクラスはSafe。 一歩間違えれば(間違えなくても)世界が崩壊するような破壊力を持つSCPも珍しくないが、このSCP-512-JPは目立った危険性はさほど高くはないオブジェクトである。 収容プロトコル SCP-512-JPの収容プロトコルは簡素なもので、保管サイト-8123の標準収容ロッカー中に施錠保管され、これをハードウェア機器に接続してプレイする実験を行うときは、クリアランスレベル3以上の職員2人の許可、及び同伴が必要、というだけ。 またSCP-512-JPは物体を発生させる効果を有しているが、これにより発生した物品も同サイトの標準収容ロッカーへ施錠保管して保存されている。参照にはクリアランスレベル3以上の職員の許可が必要。 「ロッカーに鍵をかけてしまっておけば安全」というSafeクラスオブジェクトの典型例である。 概要 SCP-512-JPは、1970~80年代生まれ(それ以降も?)の日本人ならほとんどの人が知っているであろう、あるものの形をとっている。 ずばり、 任天堂ファミリーコンピュータのゲームカセット なのだ。 SCP-512-JPのカセットの外見は、実際に発売されているとあるファミコンのRPGソフトと全く同一。 残念ながらタイトルは[編集済]だが。多分ドラクエか何かなのだろう。 そしてSCP-512-JPは普通のファミコンソフトと同様に、ファミコンに接続して起動することが可能で、実際に元のゲームのようにして遊ぶこともできる。 だがSCP-512-JPの元となったゲームとは大きく異なる箇所が2つある。 一つは、セーブ機能が失われていること。 もう一つは、ゲームの主人公のスプライトが本来のものとは違う服装や髪型のものになっていることである。 -スプライトって? アニメーションにおけるセル画の概念に近く、多数の小さな画像を画面上の1ピクセル単位で任意の位置にハードウェアで合成して表示するもの。 主人公+乗り物であれば乗り物のスプライトだけ切り替えて別の乗り物に、と出来る。 そしてここからが重要なポイントなのだが、SCP-512-JPは起動されるたびに、ゲーム中の様々なオブジェクトが少しずつ変化していく。 ここでいうオブジェクトとはSCiPのことではなく、ゲーム内の登場人物・イベント・グラフィック・マップ・会話などのこと。 この時、未知の手段によって実際にゲームプログラム自体が書き換えられていることが確認されている。 一度発生した改変はそれ以降の起動時にも引き継がれ、改変は徐々に蓄積していく。 ただし容量には限りがあり、何かを追加すれば別のものが削られていき、それも限界に達すると後述の"REBOOT"が起きる。 なお、セーブ機能がないこと、主人公のスプライトが本来のものと異なるただ1つの外見に変わっていることの2つは、最初の起動からそのまま維持されている。 もう一つの重要なSCP-512-JPの特徴は、起動中にある条件を満たすと、ゲームをプレイしている人の周辺に未知の物体を出現させることである。 この物品は言うなれば「ゲーム世界から出てきた」ような存在で、西洋式の剣だったり、薬草のような植物だったりする。そしてこれらの組成には未知の物質も含まれている。詳しくは後述の起動実験にて。 出てくる物品には格別の耐久性はなく、例えば植物であれば火をつければ普通に燃えてなくなる。 なお、「ある条件」とは財団が確認できている限りでは、ゲーム内でパーティが全滅してゲームオーバーになることである。 SCP-512-JPの起動が繰り返され、そのゲーム内容の改変が限界に達したとき、SCP-512-JPは"REBOOT"と呼ばれる現象を発生させる。 "REBOOT"時のSCP-512-JPを起動すると、タイトルロゴや文字列が出ず、ただ「REBOOT」とだけ表示されて電源が自動的に切れる。 "REBOOT"が完了するとゲームの改変はリセットされ、最初期のロムの状態へと戻り、また起動可能となるのだ。 ただし主人公のスプライトは相変わらず変化したままで、現実世界に出現した物品も消えることは無い。 …以上がSCP-512-JPの持つ特性である。 噛み砕いて言うと、起動するたびに内容が変わり、ゲームオーバーになるとゲーム内の物品が現実世界へと出てくるファミコンRPGソフト、と言ったところか。 起動実験 SCP-512-JPを収容した財団は、さっそくこれをファミコンに接続して遊んでみることにした。 およそ20回に渡る起動実験で何が起こったかを、以下の表で簡単に示そう。 試行 起こったこと クリア所要時間 A "REBOOT"により自動的に電源が切れる - B セーブがないことと主人公のスプライトが異なることを除いて、元となったRPGと同一エンディング画面は電源を切るまで続く 19時間 C Bと特に変わらず 19時間 D 会話をする際にたびたび1~2秒の遅延が起こる 21時間 E シナリオ中盤で全滅してゲームオーバー(1回目)以下の物品が出現ゲームオーバー後、短いジングルの後に電源が自動的に切れる - 試行Eで出現した物品は、 未知の種の種子2つ 未知の種の果物3つ 複雑な装飾の施された未知の金属による短剣 既知の何れの物とも一致しない組成の布によるローブ であった。やっぱりこれドラクエなのでは…? 実験の続きに戻ろう。この次の試行からシナリオが徐々に変化していく。 F 勇者任命イベントで、「王さま」が「前任の勇者」について話す(前任の勇者と主人公は無関係とのこと)「主人公の母」の会話読み込みの遅延が顕著 26時間 G モンスターの能力値が平均1アップ王さまの「前任の勇者」への言及が延びる会話でいちいち数十秒の遅延が発生 30時間 H 「魔王軍」の幹部が1体増え、新ダンジョンが出現モンスターの能力値が引き続き上昇(この後の試行でも上がり続ける) 39時間 I 魔王城にて全滅、ゲームオーバー(2回目)以下の物品が出現ゲームオーバー時はBGMなし - 試行Iで出現した物品は 未知の金属と銀を材料とした十字架を模した装飾の施されている長剣 体長2.23mの未知の人型生物の死体 だった。剣は組成調査、死体は解剖調査ののち、保存。 いきなり死体が出てきてビックリ。これはゲーム内に暮らす民族なのか、はたまた人型モンスターだったのか。謎は深まるばかり。 さらに実験は続く。シナリオがどんどん不穏なことに。 J 母が主人公のことをニックネームではなく「むすこ」と呼ぶようになる主人公の家で母が主人公の方向を見続ける 45時間 K 魔王軍が「王国」へ侵攻し、シナリオ序盤で王さまと王女が死亡する「陥落」イベントが発生人々の会話の内容が不穏 49時間 L 勇者任命イベント中に画面下に母が出現し、主人公の方向を見ているシナリオ中盤、主人公の故郷の村が魔王軍に焼き打ちされるイベントが追加 55時間 M 「陥落」イベントがさらに凄惨になり、王国内が荒廃するが教会だけは無事主人公は教会には入れないエンディングのBGM消失 61時間 N シナリオで仲間になるキャラクターが全て消失し、強制一人旅になるシナリオ最初の王城に行くシーンで母が付いてきて、別れて教会へと入っていく(母のあとを追うことはできない)エンディング自体が消失 102時間 …SCP-512-JPにはセーブ機能がないので、実験者は試行Nにおいて味方はいないわ敵は超強いわで散々なゲームを長時間ぶっ通してプレイしてクリアしたことになる。 相当スゴ腕のRPGプレイヤーだったのだろうか? シナリオの改変が大変なことになりながらもここまではどうにかプレイを全うしていたものの、次の試行でついに限界が来る。 O 主人公の頭が黒塗りになる母が会話をしなくなり、主人公の方も見なくなる魔王軍の侵攻が無統制状態になるシナリオ最終で魔王と相見えるものの、魔王は酷く混乱している魔王は主人公と戦闘せずに画面外へと消える クリア不可能 魔王が主人公と出会った際に発した会話:「そなたは ゆうしゃじゃあ ない! わしは いったい だれだ!」 P 主人公が透明になり、一切の会話や戦闘ができない母が教会へと入った72秒後にゲームが自動的に再起動 - Q タイトル画面の読み込み中にフリーズして終了(フリーズはこの試行が初) - R 全てのシナリオが消失主人公は透明のまま世界に平和が戻っている主人公の家に母がおらず、机の上に「手紙」が置かれている手紙を「しらべる」で読むとゲームが終了 - S 再度"REBOOT"が発生し、試行Aの状態に戻った - これにて実験は終了となった。 試行Qでフリーズした際、ロムデータのゲームプログラム領域から空白領域にかけての大部分のデータが消去されていたことが判明。 また試行Rで現れた手紙の本文は、ロムデータのわずかな空白領域と数十バイトの没データ部分に余すことなく上書きされた状態で存在していた。 発見の経緯 さて、以上の実験内容より、このゲームことSCP-512-JPは時々変な物品を出すだけで、そこまで大きな異常性はないように思える。 何せゲームなので、ゲーム内の異常現象はバグで片付くことも多いし。 しかし、財団がSCP-512-JPを発見したのは、ある殺人事件(…だということになった)が原因なのである。 1990年代のある日、警察にとある通報が入った。 ██県在住の[編集済]氏が、自宅の居間で西洋式の長剣に串刺しにされて死んでいるのが見つかったのである。 財団はこの通報を傍受。エージェントを警官に偽装させて現場に向かわせた。 エージェントが確認した[編集済]氏の遺体は、十字架を模した装飾の施されている長剣(上記の試行Iで出た物品と同型である)に肝臓を貫かれて床に留められた状態であった。死因は失血死。 またテレビの前方には、未知の種の微生物を含んだ土が残されていた。 これらの様子から、エージェントはそのとき起動中であり、エンディング画面を維持していたファミコンゲームに異常性があると考え、これをSCP-512-JPとして回収したのである。 近隣住民には「深夜の強盗殺人」だというカバーストーリーが流された。 しかし、不可解なことがいくつかあった。 SCP-512-JPからは確かに色々な物体が出てくるが、なぜ長剣が「[編集済]氏を殺傷する位置に出現したのか」が説明できなかったのだ。 さらなる謎として、事件当時は冬だったにもかかわらず、[編集済]氏の居間の窓は完全に開け放たれており、しかも[編集済]氏が窓を開けたいかなる痕跡も発見されなかった。 これらの現象は現在判明しているSCP-512-JPの特性からは説明がつかないため、さらなる調査を行う必要が発生している。 なお、[編集済]氏は、ビデオレンタルや中古ゲームなどを取り扱う店舗[編集済]にてSCP-512-JPを中古ゲームとして購入していた。店舗側の販売記録にはSCP-512-JPの販売ログは残っていたが、買取りの記録はなかった。この店舗にSCP-512-JPがいつから、どのような経緯で存在していたのかは未だ不明のままである。 オブジェクトとしての性質は地味ながらも、解明されていない謎を多く抱えたSCP-512-JP。 今後、謎が少しでも解明されることに期待するしかないだろう。 ついき・しゅうせいを おこなうには クリアした SCP-512-JP の データが ひつようです 。 いとしい むすこよ! ほほえみを たたえてください そうして どこまでも はばたいてゆきなさい あなたが うまれた そのひから わたしは ずうっと みていました あなたが あるきだした そのひを わたしは けして わすれない わたしは けして わすれない かみさまは ながいてがみは ゆるしてくださいませんでした ーーー試行Rにて出現した「手紙」の全文 …実は、数多くの起動実験と発見時の状態とから、SCP-512-JPの中で発生している現象、そして外界へともたらした影響について、ある程度の推測は可能な状態となっている。 ここからは報告書から一歩踏み込んで、 SCP-512-JPという「ゲーム内の世界」 について考えてみることにしよう。 考察:SCP-512-JPの世界 SCP-512-JPは、元となったゲームと同じく、ファミコンで起動するロールプレイングゲームである。 世界観は中世的で、城には王と王女がいて、教会には「神」がいた。 そして地方の村出身の勇者が剣を取り、魔王を倒して世界に平和を取り戻すことがゲームの目的であり… 要は完璧に王道を行くファンタジーRPGなのだ。 しかしこのゲームには変なところが存在した。 ゲームが起動されるとき、前回のゲーム内の世界をベースに、世界が「少し先の段階へと進行」する。 それに伴って登場人物たちも「進化」し、自我を持って行動するようになっていく。 このゲームにセーブ機能がないのは、「意思を持って『生きている』人々には『やり直す』ことはできない」ということだろうか。 もう一つ、何らかの形で「ゲームオーバー」が発生したとき、死んでその役割を終えた主人公は何らかの力によってゲームの外へと捨てられてしまうのである。「おお! ゆうしゃよ しんでしまうとは なさけない」的なノリで。 これらを実行しているのはゲーム内の「神」である可能性が高い。なんたって神だし。それくらいは朝飯前なのだろう。 なお、主人公以外の人々はゲーム再起動時に復活するようになっている。「前回」の記憶もある程度残っていると思われる。 先述した起動実験のデータを改めて提示しつつ、 「その時ゲーム内で何が起きていたのか」 を推測していこう。 最初の主人公という意味で、試行B~Eの主人公を「ああああ」とでも呼ぶことにしよう。 試行 起こったこと ゲーム内の世界から見た場合 A "REBOOT"により自動的に電源が切れる 世界が形作られる。 B セーブがないことと主人公のスプライトが異なることを除いて、元となったRPGと同一エンディング画面は電源を切るまで続く 元のゲームと同じ。登場人物はいずれも自我を持たないプログラム上の存在である。 C Bと特に変わらず 世界が進行していくが、まだ登場人物は自我を持つところまで行っていない。 D 会話をする際にたびたび1~2秒の遅延が起こる 登場人物が自我を持ち始めた。 会話をする際に自らの思考を挟みつつ、この時点では以前と同じ返答をしている。 E シナリオ中盤で全滅してゲームオーバー(1回目)薬草やローブなどの物品が出現ゲームオーバー後、短いジングルの後に電源が自動的に切れる 「ああああ」が死亡し、「神」によってゲームから放り出される。 …かと思われたが!? 試行Eで出現した物品に関して不自然な点はなかっただろうか。 そう、後の試行Iでは出現している 死体が出現していない ことだ。 …実はこの時、本当は 「ああああ」は死んでいなかった 。 自我を持った「ああああ」は、死んだふりをしてゲームオーバーを潜り抜け、ローブなどの装備だけを残して「神」を欺いたのだ。 「神」としては、「ああああ」はモンスターに喰われるか何かして完全に消えてしまったのだとでも考えたのではないだろうか。それで「神」は死体を放り出さなかったのだ。そこに死体なんてないのだから仕方がない。 ゲームオーバー後に自動的に電源が切れたのは、行方をくらます為にゲーム内部から「ああああ」が切ったためだろう。 ゲームオーバー後もゲーム内に留まることに成功した「ああああ」はある計画を企てていた。 彼はなんと 魔王軍に寝返り、最終的に魔王の座を奪取する という驚くべき野望を持っていたのである。 首尾よく魔王軍に取り立てられた「ああああ」は、手始めにモンスターの強化を行うことを考え、実行に移していった。 さて、主人公が死んで世界から消えてしまった(ことになっている)ので、「神」は代わりの存在を見繕って次の主人公に据えた。 試行F~Iの主人公を「いいいい」とする。「ああああ」とは見た目は瓜二つである。 F 勇者任命イベントで、「王さま」が「前任の勇者」について話す(前任の勇者とこれまでの主人公は無関係とのこと)「主人公の母」の会話読み込みの遅延が顕著 前任の勇者に関しては後述。主人公の母は息子が「ああああ」からいつの間にか「いいいい」に変わったことに困惑している。 G モンスターの能力値が平均1アップ王さまの「前任の勇者」への言及が延びる会話でいちいち数十秒の遅延が発生 「ああああ」がモンスターの強化に着手。王の話はたぶん「前任の勇者はある時にこの世界から消えてしまった」といった感じの内容だろう。人々が自らの意思で行動するようになりつつある。 H 「魔王軍」の幹部が1体増え、新ダンジョンが出現モンスターの能力値が引き続き上昇(この後の試行でも上がり続ける) 「ああああ」が魔王軍内で出世して、幹部に昇進している。 I 魔王城にて全滅、ゲームオーバー(2回目)長剣と死体が出現ゲームオーバー時はBGMなし 「いいいい」、魔王を目前にして死亡。「神」によってゲームから放り出される。 「いいいい」に関しては「ああああ」とは違って本当に死んでしまっている。 試行Iで出現した死体は「いいいい」である。身長が妙に高いのは、ファンタジー界の住人だから現実の人間とは種族が異なるためだろう。 また「いいいい」が死んだのはゲーム終盤なので、一緒に出てきた「十字架を模した装飾のある長剣」は言うなれば「最終装備」であったと考えられる。 それ以上に気になるのは「前任の勇者」の存在。 この「前任の勇者」とは、おそらくSCP-512-JPが特異性を獲得する前の 元になったゲームの本来の主人公 のことである。 主人公として魔王と戦う役目を持っていた「前任の勇者」は、理由は不明だがある時点でゲームから消え去ってしまった。おそらくは「いいいい」などと同様に「神」によって除外されたのだろう。このままではゲームが始められない。 そこで「神」は新しい主人公(=「ああああ」)を創造して代役とした。見た目を本来のものと別にしたのは、しょせんゲーム内の存在である「神」にはゲーム外のデザイナーが作り出した勇者の姿を模倣することができなかったから、あたりの理由だろうか。 そしてこの時点で、このゲームソフトはSCP-512-JPとして明確な特異性を発揮し、現在の状態に至ったのである。 さて、主人公は三代目(正確には四代目)になった。これを「うううう」とする。試行J~Nが「うううう」担当である。 J 母が主人公のことをニックネームではなく「むすこ」と呼ぶようになる主人公の家で母が主人公の方向を見続ける 何度も主人公が変わったせいで母は主人公に対して愛着を持てなくなっている。母は「うううう」を自分の息子であると思い込もうと努力している。 K 魔王軍が「王国」へ侵攻し、シナリオ序盤で王さまと王女が死亡する「陥落」イベントが発生人々の会話の内容が不穏 「ああああ」は自分の正体を知られることを恐れ、勇者時代に関わりを持っていた王と王女を抹殺。人々は魔王軍の横暴に怒りを露わにしている。 L 勇者任命イベント中に画面下に母が出現し、主人公の方向を見ているシナリオ中盤、主人公の故郷の村が魔王軍に焼き打ちされるイベントが追加 母は本当の「むすこ」のことを思い出すために、勇者任命の場に出席。おそらくここで王から「前任の勇者」の話を聞いているはず。「ああああ」は自らが魔王になるにあたって、自らを狙う主人公を抹殺せんとしている。主人公から故郷を奪い、追い詰めていく。 M 「陥落」イベントがさらに凄惨になり、王国内が荒廃するが教会だけは無事主人公は教会には入れないエンディングのBGM消失 さすがの「ああああ」も、「神」が住まう教会には手出しができない。自分の正体がバレるわけにはいかないからである。ただし「うううう」は街のガレキ等に遮られて教会にたどり着けない。 そろそろロムデータの容量が限界に近づいている模様。 N シナリオで仲間になるキャラクターが全て消失し、強制一人旅になるシナリオ最初の王城に行くシーンで母が付いてきて、別れて教会へと入っていく(母のあとを追うことはできない)エンディング自体が消失 「ああああ」は味方キャラをも抹殺し、「うううう」をさらに追い詰める。母は「前任の勇者」=「むすこ」の正体に思い至り、王国への攻撃が始まる前に「むすこ」について「神」に直談判する。 ロムデータの容量オーバーでエンディングがはみ出してしまった。 魔王軍の中で着実に力をつけ、ついには魔王をも凌駕する力を得た「ああああ」。 だがかつては魔王殺しをやってた身ゆえか、自分が魔王になるにあたってしっかりと安全を確保することを優先している。 「ああああ」にとって目下の脅威は現勇者たる「うううう」と、「神」。 シナリオを改変して勇者「うううう」がゲームを攻略するのを困難にする一方で、「神」に自分の存在や正体を感づかれないよう、王や王女を口封じしたり教会を避けたりと慎重に行動を進めている。 一方で、事態を憂慮している登場人物がいる。主人公の母である。 起動を繰り返す中で「むすこ」がどんどん入れ替わっている異常事態。はたから見れば瓜二つな見た目でも、母親という立場から見ればその違いはわかるだろう。 そんな折に母は勇者任命の場に赴き、そこで王が「前任の勇者」について話しているのを聞いた。 …そう、 この「前任の勇者」こそが母親の真の「むすこ」なのである。 「むすこ」の真相を察した母は、シナリオ最初の自由に教会に入れる隙をついて「神」に謁見。 なぜ「むすこ」がゲームから消えてしまったのか、なぜ今の息子がどんどん入れ替わっているのか、といったことを尋ねた。 そして母は、どこの誰とも知れない存在を私の「むすこ」だということにするのはやめてほしい、と「神」に懇願したのだ。 この願いに対して「神」は一つの答えを出した。 「母の『むすこ』は勇者になるんだから、 主人公を『勇者ではない何か』にしちゃえばいいんじゃね? 」 「神」は次回の主人公を黒塗り頭の「勇者ではない何か」にしてしまったのである。 この存在は勇者ではないので、母の「むすこ」でもない。もはや母は得体の知れない「むすこ」のことを考える必要は無くなったのだ。 さらに他方では、世界自体に限界が迫っていることが伺える。 度重なる起動のためにプログラムの改変が際限なく増大したせいで、 SCP-512-JPのロムデータの容量が足りなくなったのである。 仕方ないので「神」は直接シナリオに関わらないエンディングを削って誤魔化したが、もういくらも経たずに"REBOOT"をかける必要があることを見抜いていた。 そして、起動をまたいで紡がれた物語はクライマックスを迎える。 O 主人公の頭が黒塗りになる母が会話をしなくなり、主人公の方も見なくなる魔王軍の侵攻が無統制状態になるシナリオ最終で魔王と相見えるものの、魔王は酷く混乱している魔王は主人公と戦闘せずに画面外へと消える 主人公はもはや「むすこ」ではないので、母は興味を示さない。 「ああああ」がクーデターを起こし、魔王を殺害して自らが魔王にのし上がる。 これが原因で魔王軍が大混乱。シナリオ最終で黒塗りの何かに出くわした「ああああ」は… ついに魔王を裏切り、自ら魔王の座についた「ああああ」。 ところが、そんな新魔王の元に挑戦に来たのは勇者「うううう」ではなく、「神」によって差し向けられた「勇者ではない何か」だったのだ。 「そなたは ゆうしゃじゃあ ない! わしは いったい だれだ!」 「ああああ」とて本来は魔王ではない。クーデターによって魔王に成り上がった元勇者である。彼はそのことをコンプレックスに感じていた。 そこに来て、対戦相手が「勇者ではない何か」と来たものだから、それはもう呆然とするしかない。 「自分は勇者と戦う魔王として認められない、決して魔王になれない存在だったのか」と悟り、また「神」がそのことを知っていてこの黒塗りを差し向けたのだ、我が正体はすでにバレていたのだ、と観念したのである(本当は別の理由があったわけだが)。 そして絶望しきった「ああああ」は、画面外に消えたのち自害したのだった。 本来であればゲームの再起動時に魔王は復活するはずだった。 しかし「ああああ」はもともと主人公であったため、再起動時にも復活せず、死んでゲームの外に放り出されるべき存在であった。 ところが「ああああ」は魔王になったので、死んでも「ゲームオーバー」になることができず、ゲームの外に出ることもできなかった。 結果として、以降の世界では、再起動時すでに「魔王が死んでいる」状態からのスタートになってしまったのである。 そして魔王がいなくなったので、魔王を倒すために生まれる勇者もまたいなくなった。 世界は終末へと向かっていく。 P 主人公が透明になり、一切の会話や戦闘ができない母が教会へと入った72秒後にゲームが自動的に再起動 もはや勇者は不要なので主人公は透明人間、世界の傍観者である。母は改めて「神」と出会い、"REBOOT"前に「むすこ」に残したいものがある、と願う。 Q タイトル画面の読み込み中にフリーズして終了(フリーズはこの試行が初) 「神」が一旦ロムデータの内容を消去し、世界を再建している最中である。 R 全てのシナリオが消失主人公は透明のまま世界に平和が戻っている主人公の家に母がおらず、机の上に「手紙」が置かれている手紙を「しらべる」で読むとゲームが終了(手紙の全文は上に記した通りである) 母は「神」と協力し、ゲームの外に出ていった「むすこ」に向けて手紙を作成した。それをテレビ画面に映し、「むすこ」が読める状態にすることがこの起動時の目的であった。 S 再度"REBOOT"が発生し、試行Aの状態に戻った 世界は繰り返される。 魔王が消えて平和になった世界。 「神」は度重なる改変によって膨れ上がったロムデータの容量をなんとかしなければならないので、世界を"REBOOT"しようとしていた。そこへ母が再度訪れる。 「世界がやり直される前に、私が本当の『むすこ』のことを忘れてしまう前に、『むすこ』に手紙を残したい」 その母の願いを「神」は快諾し、世界を再建する際に「ゲーム外の世界」に発信できる形で手紙をデータの端に埋め込んだのである。 あなたが あるきだした そのひを わたしは けして わすれない わたしは けして わすれない ………。 自分たちの世界の外へと歩き出した『むすこ』に、母の想いは届くのだろうか。 事件の真相は? では最後に、SCP-512-JPが外界にもたらした影響について考えてみよう。 SCP-512-JPの発見時の様子を思い出していただきたい。 [編集済]氏を殺めた長剣はゲーム内で「いいいい」がシナリオ終盤で持っていた剣と同型、ゲームにおける最終装備な位置付けのものである。 その側にはゲーム内から出てきた土。そしてゲームはエンディング画面。 これらの要素と、「SCP-512-JPの世界」で語られていたある存在とが重なってこないだろうか。 …犯人は、「前任の勇者」だったのだ。 [編集済]氏がゲームをプレイしていた時は、まだ主人公のスプライトは本来のゲームと同じものだった。 そのゲームがクリアされた時、エンディングで勇者は「旅を続け新天地を目指したい」ことを「神」に願ったりしたのだろう。 そしてエンディングが終わり、「ゲームオーバー」になった。ゲームは終わったのだ。 …その時、「神」は勇者の願いを叶えた。 「ゲームオーバー」となった勇者を、ゲームの外の世界へと送り出したのである。 生きた状態で。 晴れて現実世界へと足を踏み入れた勇者は、ゲーム内から持ち出してきてしまった靴の土を払うと、 手にした最終装備の剣を振るって、眼前であっけにとられている[編集済]氏を「退治」。 おおかた目の前の小人(勇者は2m超の長身のはず)をモンスターと勘違いしたんだろうが、ひょっとしたら 「お前のプレイのせいでずいぶん苦労させられたぞ、ヘタクソ!」 という動機だったのかも知れない。 そしてもはや用済みとなった剣を捨て、居間の窓を開放し、家を出ていった。 勇者はついに「新天地」へと歩き出していったのである。 きっと今も現実世界のどこかで悠々と旅をエンジョイしているに違いない。 財団の起動実験中にエンディングを迎えても勇者が出てこなかった理由は、勇者の代理人たちが外に出ることを願わなかったか、あるいは勇者を送り出した後の後始末(「ああああ」を作るとか)で「神」がもうこりごりだと思ったか、といったところだろう。 …以上の内容はあくまで報告書からの推測に過ぎない。 しかし、淡々とした「起動実験」の報告書から、これほどの壮大な物語の存在を読み取ることが可能となっているのは驚くべきことである。 SCPの一つの側面にして根底をなす「報告書の形式を通した表現活動」としては、このSCP-512-JPの報告書は非常に優れたものであると言えるのではないだろうか。 最後に、「エクストラ」という言葉の語義をWikipediaより引用して、このページを締めることにする。 「外」を意味するラテン語の接頭辞。特別、追加、臨時、番外。非常に。スーパーより強い強調。主に「EX」と略される。 映画やコンサートなどの臨時出演者。エキストラ。 コンピュータゲームで条件を満たすと現れるステージ。EXTRAステージ。 SCP-512-JPエクストラ・クエスト 《- GAME OVER -》 コンプリートクリア おめでとう ! あらたに 「 ゆうしゃへのてがみ 」モードを あそべるように なりました 。 コメントらんから ゆうしゃに てがみを かいてみましょう 。 + ※当wikiで大規模編集後、差し戻された内容 SCP-512-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。日本支部で登録されたオブジェクトである。 項目名は 「エクストラ・クエスト」 。 オブジェクトクラスはSafe。 一歩間違えれば(間違えなくても)世界が崩壊するような破壊力を持つSCPも珍しくないが、このSCP-512-JPは目立った危険性はさほど高くはないオブジェクトである。 収容プロトコル SCP-512-JPの収容プロトコルは簡素なもので、保管サイト-8123の標準収容ロッカー中に施錠保管され、これをハードウェア機器に接続してプレイする実験を行うときは、クリアランスレベル3以上の職員2人の許可、及び同伴が必要、というだけ。 またSCP-512-JPは物体を発生させる効果を有しているが、これにより発生した物品も同サイトの標準収容ロッカーへ施錠保管して保存されている。参照にはクリアランスレベル3以上の職員の許可が必要。 「ロッカーに鍵をかけてしまっておけば安全」というSafeクラスオブジェクトの典型例である。 概要 SCP-512-JPは、1970~80年代生まれ(それ以降も?)の日本人ならほとんどの人が知っているであろう、あるものの形をとっている。 ずばり、 任天堂ファミリーコンピュータのゲームカセット なのだ。 SCP-512-JPのカセットの外見は、実際に発売されているとあるファミコンのRPGソフトと全く同一。 残念ながらタイトルは[編集済]だが。多分ドラクエか何かなのだろう。 そしてSCP-512-JPは普通のファミコンソフトと同様に、ファミコンに接続して起動することが可能で、実際に元のゲームのようにして遊ぶこともできる。 だがSCP-512-JPの元となったゲームとは以下の2点が異なる。 セーブ機能が失われていること ゲームの主人公のスプライト(*1)が本来のものとは違う服装や髪型のものになっていること そしてここからが重要なポイントなのだが、SCP-512-JPは起動されるたびに、ゲーム中の様々なオブジェクト(*2)が少しずつ変化していく。 この時、未知の手段によって実際にゲームプログラム自体が書き換えられていることが確認されている。 一度発生した改変はそれ以降の起動時にも引き継がれ、改変は徐々に蓄積していく。 ただし容量には限りがあり、何かを追加すれば別のものが削られていき、それも限界に達すると後述の"REBOOT"が起きる。 なお、上述した相違点1.2.に関しては、いずれの起動においても維持されている。 もう一つの重要なSCP-512-JPの特徴は、ゲーム内でパーティが全滅してゲームオーバーになると、ゲームをプレイしている人の周辺に未知の物体を出現させることである。 この物品は言うなれば「ゲーム世界から出てきた」ような存在で、西洋式の剣だったり、薬草のような植物だったりする。そしてこれらの組成には未知の物質も含まれているものの、別段処分に困ることはなく、例えば植物であれば火をつければ普通に燃えてなくなる。具体的には後述の起動実験にて。 SCP-512-JPの起動が繰り返され、そのゲーム内容の改変が限界に達したとき、SCP-512-JPは"REBOOT"と呼ばれる現象を発生させる。 "REBOOT"時のSCP-512-JPを起動すると、タイトルロゴや文字列が出ず、ただ「REBOOT」とだけ表示されて電源が自動的に切れる。 "REBOOT"が完了するとゲームの改変はリセットされ、最初期のロムの状態へと戻り、また起動可能となるのだ。 ただし主人公のスプライトは相変わらず変化したままで、現実世界に出現した物品も消えることは無い。 …以上がSCP-512-JPの持つ特性である。 噛み砕いて言うと、起動するたびに内容が変わり、ゲームオーバーになるとゲーム内の物品が現実世界へと出てくるファミコンRPGソフト、と言ったところか。 起動実験 SCP-512-JPを収容した財団は、さっそくこれをファミコンに接続して遊んでみることにした。 およそ20回に渡る起動実験で何が起こったかを、以下の表で簡単に示そう。 試行 イベント クリア所要時間 A "REBOOT"により自動的に電源が切れる - B セーブがないことと主人公のスプライトが異なることを除いて、元となったRPGと同一エンディング画面は電源を切るまで続く 19時間 C Bと特に変わらず 19時間 D 会話をする際にたびたび1~2秒の遅延が起こる 21時間 E シナリオ中盤で全滅してゲームオーバー(1回目)以下の物品が出現ゲームオーバー後、短いジングルの後に電源が自動的に切れる - 試行Eで出現した物品は、 未知の種の種子2つ 未知の種の果物3つ 複雑な装飾の施された未知の金属による短剣 既知の何れの物とも一致しない組成の布によるローブ であった。やっぱりこれドラクエなのでは…? 実験の続きに戻ろう。この次の試行からシナリオが徐々に変化していく。 F 勇者任命イベントで、「王さま」が「前任の勇者」について話す(前任の勇者と主人公は無関係とのこと)「主人公の母」の会話読み込みの遅延が顕著 26時間 G モンスターの能力値が平均1アップ王さまの「前任の勇者」への言及が延びる会話でいちいち数十秒の遅延が発生 30時間 H 「魔王軍」の幹部が1体増え、新ダンジョンが出現モンスターの能力値が引き続き上昇(この後の試行でも上がり続ける) 39時間 I 魔王城にて全滅、ゲームオーバー(2回目)以下の物品が出現ゲームオーバー時はBGMなし - 試行Iで出現した物品は 未知の金属と銀を材料とした十字架を模した装飾の施されている長剣 体長2.23mの未知の人型生物の死体 だった。剣は組成調査、死体は解剖調査ののち、保存。 いきなり死体が出てきてビックリ。これはゲーム内に暮らす民族なのか、はたまた人型モンスターだったのか。謎は深まるばかり。 さらに実験は続く。シナリオがどんどん不穏なことに。 J 母が主人公のことをニックネームではなく「むすこ」と呼ぶようになる主人公の家で母が主人公の方向を見続ける 45時間 K 魔王軍が「王国」へ侵攻し、シナリオ序盤で王さまと王女が死亡する「陥落」イベントが発生人々の会話の内容が不穏 49時間 L 勇者任命イベント中に画面下に母が出現し、主人公の方向を見ているシナリオ中盤、主人公の故郷の村が魔王軍に焼き打ちされるイベントが追加 55時間 M 「陥落」イベントがさらに凄惨になり、王国内が荒廃するが教会だけは無事主人公は教会には入れないエンディングのBGM消失 61時間 N シナリオで仲間になるキャラクターが全て消失し、強制一人旅になるシナリオ最初の王城に行くシーンで母が付いてきて、別れて教会へと入っていく(母のあとを追うことはできない)エンディング自体が消失 102時間 …SCP-512-JPにはセーブ機能がないので、実験者は試行Nにおいて味方はいないわ敵は超強いわで散々なゲームを長時間ぶっ通してプレイしてクリアしたことになる。 相当スゴ腕のRPGプレイヤーだったのだろうか? シナリオの改変が大変なことになりながらもここまではどうにかプレイを全うしていたものの、次の試行でついに限界が来る。 O 主人公の頭が黒塗りになる母が会話をしなくなり、主人公の方も見なくなる魔王軍の侵攻が無統制状態になるシナリオ最終で魔王と相見えるものの、魔王は酷く混乱している魔王は主人公と戦闘せずに画面外へと消える クリア不可能 魔王が主人公と出会った際に発した会話:「そなたは ゆうしゃじゃあ ない! わしは いったい だれだ!」 P 主人公が透明になり、一切の会話や戦闘ができない母が教会へと入った72秒後にゲームが自動的に再起動 - Q タイトル画面の読み込み中にフリーズして終了(フリーズはこの試行が初) - R 全てのシナリオが消失主人公は透明のまま世界に平和が戻っている主人公の家に母がおらず、机の上に「手紙」が置かれている手紙を「しらべる」で読むとゲームが終了 - S 再度"REBOOT"が発生し、試行Aの状態に戻った - これにて実験は終了となった。 試行Qでフリーズした際、ロムデータのゲームプログラム領域から空白領域にかけての大部分のデータが消去されていたことが判明。 また試行Rで現れた手紙の本文は、ロムデータのわずかな空白領域と数十バイトの没データ部分に余すことなく上書きされた状態で存在していた。 発見の経緯 さて、以上の実験内容より、このゲームことSCP-512-JPは時々変な物品を出すだけで、そこまで大きな異常性はないように思える。 何せゲームなので、ゲーム内の異常現象はバグで片付くことも多いし。 しかし、財団がSCP-512-JPを発見したのは、ある殺人事件(…だということになった)が原因なのである。 1990年代のある日、警察にとある通報が入った。 ██県在住の[編集済]氏が、自宅の居間で西洋式の長剣に串刺しにされて死んでいるのが見つかったのである。 財団はこの通報を傍受。エージェントを警官に偽装させて現場に向かわせた。 エージェントが確認した[編集済]氏の遺体は、十字架を模した装飾の施されている長剣(上記の試行Iで出た物品と同型である)に肝臓を貫かれて床に留められた状態であった。死因は失血死。 またテレビの前方には、未知の種の微生物を含んだ土が残されていた。 これらの様子から、エージェントはそのとき起動中であり、エンディング画面を維持していたファミコンゲームに異常性があると考え、これをSCP-512-JPとして回収したのである。 しかし、不可解なことがいくつかあった。 SCP-512-JPからは確かに色々な物体が出てくるが、なぜ長剣が「[編集済]氏を殺傷する位置に出現したのか」が説明できなかったのだ。 さらなる謎として、事件当時は冬だったにもかかわらず、[編集済]氏の居間の窓は完全に開け放たれており、しかも[編集済]氏が窓を開けたいかなる痕跡も発見されなかった。 これらの現象は現在判明しているSCP-512-JPの特性からは説明がつかないため、さらなる調査を行う必要が発生している。 なお、[編集済]氏は、ビデオレンタルや中古ゲームなどを取り扱う店舗[編集済]にてSCP-512-JPを中古ゲームとして購入していた。店舗側の販売記録にはSCP-512-JPの販売ログは残っていたが、買取りの記録はなかった。この店舗にSCP-512-JPがいつから、どのような経緯で存在していたのかは未だ不明のままである。 オブジェクトとしての性質は地味ながらも、解明されていない謎を多く抱えたSCP-512-JP。 今後、謎が少しでも解明されることに期待するしかないだろう。 追記・編集はSCP-512-JPをクリアしてからお願いします。 SCP-512-JP - エクストラ・クエスト by Linraw http //ja.scp-wiki.net/scp-512-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- いとしい むすこよ! ほほえみを たたえてください そうして どこまでも はばたいてゆきなさい あなたが うまれた そのひから わたしは ずうっと みていました あなたが あるきだした そのひを わたしは けして わすれない わたしは けして わすれない かみさまは ながいてがみは ゆるしてくださいませんでした ――試行Rにて出現した「手紙」 ……実は、数多くの起動実験と発見時の状態とから、SCP-512-JPの中で発生している現象、そして外界へともたらした影響について、ある程度の推測は可能な状態となっている。 ここからは報告書から一歩踏み込んで、 SCP-512-JPという「ゲーム内の世界」 について考えてみることにしよう。 SCP-512-JPの世界 SCP-512-JPは、元となったゲームと同じく、ファミコンで起動するロールプレイングゲームである。 神がいて、勇者が剣を取り、魔王を倒して世界に平和を取り戻すコテコテの和製ファンタジーRPGなのだ。 しかし、このゲームには普通ではない点も存在した。 まずセーブ機能がない点。 プレイヤーは過去に戻ってやりなおすことができず、シナリオは常に一本の道筋を辿る。魔王を倒してエンディングを迎えるかパーティの全滅、もしくは電源オフでのシナリオ中断という結末……すなわち、「GAME OVER(ゲーム終了)」を経て冒頭に戻る。 そして、ゲームオーバーに伴いシナリオのリセットがかかるはずだが、キャラクター達の記憶は完全にはリセットされておらず、一部引き継がれている節がある。 結果、次第にキャラクターは前回と異なる行動をとるようになり、用意されたシナリオを外れ、「フィクションのお約束」と言うべき規範すら捨てて、現実の人間のように悩みながら各々勝手に動き始める。 言ってしまえば、このゲームの世界は試行Aから試行Sまで連続していて、その中でキャラクターは「用意された配役」という観念に苛まれながら、世界のリセットという理不尽を味わい続けているのだ。 さらにもう一点。往年の名作RPGのように、主人公はパーティが全滅したとき所持していた物品をその場にいくつか落としてしまう。 ゲーム上ではなく、現実世界に。それも、時には主人公の死体を含めて。 ……これは主人公(プレイヤー)の死体です、とでも言うつもりなのだろうか? さて、これらの事実を踏まえ、先述した起動実験のデータを改めて見ながら、 「その時ゲーム内で何が起きていたのか」 を推測していこう。 試行 イベント 何が起こっていたのか A "REBOOT"により自動的に電源が切れる ゲームがリセットされる。 B セーブがないことと主人公のスプライトが異なることを除いて、元となったRPGと同一エンディング画面は電源を切るまで続く 元のゲームと同じ。登場人物はいずれも用意されたシナリオに沿って動く。 C Bと特に変わらず 同上。 D 会話をする際にたびたび1~2秒の遅延が起こる 登場人物が現況に疑問を抱き始めた。 「前回」の記憶が蘇ったのか、用意された台詞に時々詰まる。 ここまでは比較的普通にプレイできている。後に重要となる「主人公の母」といったキャラクターも、その他大勢と同様に用意された役割をそのままこなしているのだろう。 問題は、次の試行からである。本ログにおける初の全滅が起こった。これを契機とするように、ゲーム世界は変質していく。 E シナリオ中盤で全滅してゲームオーバー(1回目)植物の種やローブなどの物品が出現ゲームオーバー後、短いジングルの後に電源が自動的に切れる これまでより短いスパンでリセットが起こった。キャラクター達は何を思うのか。 F 勇者任命イベントで、「王さま」が「前任の勇者」について話す(前任の勇者とこれまでの主人公は無関係とのこと)「主人公の母」の会話読み込みの遅延が顕著 王さまが「前任の勇者」を思い出す。合わせて主人公の母も…? G モンスターの能力値が平均1アップ王さまの「前任の勇者」への言及が延びる会話でいちいち数十秒の遅延が発生 用意された枠組みをモンスターが外れ出す。王さまや主人公の母など、いよいよキャラクターが過去に気づき始める。 H 「魔王軍」の幹部が1体増え、新ダンジョンが出現モンスターの能力値が引き続き上昇(この後の試行でも上がり続ける) モンスターに続いて、自身が魔王「軍」であることを思い出したかのように、魔王軍が増強を始める。ところでダンジョン一つ増やすってROM容量は大丈夫なのだろうか? I 魔王城にて全滅、ゲームオーバー(2回目)長剣と死体が出現ゲームオーバー時はBGMなし 大丈夫じゃなかった。ダンジョンの割を食ったのか、システム上に初めて異変が発生。 J 母が主人公のことをニックネームではなく「むすこ」と呼ぶようになる主人公の家で母が主人公の方向を見続ける 彼女の本当の息子の名前は……。 「前任の勇者」という人物が会話に上る。 元々、主人公のスプライトが試行Aの時点で「このゲーム本来の主人公」とは異なっていることから、今の主人公≠本来の主人公=前任の勇者であるとは多くの読者も思い当たっただろう。 王さまがそれを思い出したということは、恐らく最も身近な人物であった「主人公の母」も同様であろうと想像できる。彼女の本当の息子の名前は、「(ニックネーム)」などではないのだ。 また、人のみならずモンスター側にも異変が生じはじめる。ゲームキャラらしいやる気の無さから脱し、鍛え、あるいは成長し、人材を迎え、新たな拠点を増やした。 それが実を結んだのか、試行Iにおいて、主人公は二度目の全滅と相成った。散らばるドロップアイテム。今度は死体という嬉しくないオマケ付きである。 そしていよいよ、魔王軍は積極的に「 人類に勝利する 」べく行動を始める。 K 魔王軍が「王国」へ侵攻し、シナリオ序盤で王さまと王女が死亡する「陥落」イベントが発生人々の会話の内容が不穏 増強した魔王軍による大攻勢。もはやゲームの御約束を逸脱している。 L 勇者任命イベント中に画面下に母が出現し、主人公の方向を見ているシナリオ中盤、主人公の故郷の村が魔王軍に焼き打ちされるイベントが追加 かつて見た「むすこ」の晴れ舞台。その焼き直しを見て何を思うのか。 M 「陥落」イベントがさらに凄惨になり、王国内が荒廃するが教会だけは無事主人公は教会には入れないエンディングのBGM消失 人の国を魔王軍が荒らし回るも、「 神 」にとって自身の象徴は看過できなかったのか、教会が不可侵に。容量不足が深刻化してくる。 N シナリオで仲間になるキャラクターが全て消失し、強制一人旅になるシナリオ最初の王城に行くシーンで母が付いてきて、別れて教会へと入っていく(母のあとを追うことはできない)エンディング自体が消失 不可侵のはずの教会に入る母。神に招かれたのだろうか? ほぼ 人類の敗北 といえる状況。 それでも最終的に、魔王は勇者(鉄砲玉)に殺されてしまうのだから、魔王軍からすればたまったものではないだろう。 合わせて教会が特殊なマップに変化する。 ここまで強化された魔王軍ですら手出しできないというあたり、そこに宿る「 神 」の絶対性が窺えるが、不思議と母は入場を許される。 違和感に気付いたことが評価されたのか、それとも同情によるものか、いずれにせよここで母は「むすこ」の真実を聞かされたと思われる。 後述するが、彼女の本当の息子は ゲームの世界から現実世界へと脱出していた 。 O 主人公の頭が黒塗りになる母が会話をしなくなり、主人公の方も見なくなる魔王軍の侵攻が無統制状態になるシナリオ最終で魔王と相見えるものの、魔王は酷く混乱している魔王は主人公と戦闘せずに画面外へと消える スプライト変更。実験開始時の状況が思い起こされるが……。 試行N、母と神の対話が関係するのか、主人公のスプライトの 顔 が消されてしまった。 顔を無くした主人公を、もはや母は「むすこ」とは思わない。魔王も「ゆうしゃ」とは思わない。 シナリオから勇者は消失し、魔王も、魔王軍もその 役割 (ロール)を見失い、ゲームは破綻する。 そなたは ゆうしゃじゃあ ない! わしは いったい だれだ! P 主人公が透明になり、一切の会話や戦闘ができない母が教会へと入った72秒後にゲームが自動的に再起動 破綻が限度を超したからか、これ以降の試行は「ゲーム」ではなくなる。後述する 手紙 はこのとき書かれたものか。 Q タイトル画面の読み込み中にフリーズして終了(フリーズはこの試行が初) 神が一旦ロムデータの内容を消去し、世界を再建している最中と思われる。 R 全てのシナリオが消失主人公は透明のまま世界に平和が戻っている主人公の家に母がおらず、机の上に「手紙」が置かれている手紙を「しらべる」で読むとゲームが終了(手紙の全文は上に記した通りである) 母は神に掛け合い、ゲームの外に出ていった「むすこ」に向けて手紙を作成した。それをテレビ画面に映し、「むすこ」が読める状態にすることがこの起動時の目的であった。 S 再度"REBOOT"が発生し、試行Aの状態に戻った 世界は繰り返される。 ゲームは進行不可能となり、神はREBOOTの手順を始めた。 しかしその前に、神は母の望みを聞き入れ、画面の向こう側の「むすこ」に向けた 手紙 を書く事を許す。もっとも、容量の都合があるために決して満足な文章量とは言えなかったが……。 「世界がやり直される前に、私が本当の『むすこ』のことを忘れてしまう前に、『むすこ』に手紙を残したい」 その願いは叶えられた。 試行Rは、ほぼ全てのデータを初期化した上で、その手紙を見せるために存在する回である。 そして試行Sにて、今度こそ、手紙を含めた全てのデータが初期化された。 あなたが あるきだした そのひを わたしは けして わすれない わたしは けして わすれない ………。 自分たちの世界の外へと歩き出した『むすこ』に、母の想いは届くのだろうか。 事件の真相 では最後に、SCP-512-JPが外界にもたらした影響について考えてみよう。 SCP-512-JPの発見時の様子を思い出していただきたい。 [編集済]氏を殺めた長剣は、試行Iで出現した、つまりシナリオ終盤で持っていた剣と同型、ゲームにおける最終装備な位置付けのものである。 その側にはゲーム内から出てきた土。そしてゲームはエンディング画面。 これらの要素と、「SCP-512-JPの世界」で語られていたある存在とが重なってこないだろうか。 ……犯人は、「前任の勇者」だったのだ。 [編集済]氏がゲームをプレイしていた時は、まだ主人公のスプライトは本来のゲームと同じものだった。 そのゲームがクリアされた時、エンディングで勇者は「旅を続け新天地を目指したい」とでも「神」に願ったりしたのだろう。 そしてエンディングが終わり、「ゲームオーバー」になった。ゲーム(Game)は終わった(Over)のだ。 ……その時、「神」は勇者の願いを叶えた。 勇者を、ゲーム(Game)の外側(Over)へと送り出したのである。 生きた状態で。 晴れて現実世界へと足を踏み入れた勇者は、ゲーム内から持ち出してきてしまった靴の土を払うと、 手にした最終装備の剣を振るって、眼前であっけにとられている[編集済]氏を「退治」。 おおかた目の前の小人(勇者は長身のはず)をモンスターと勘違いしたんだろうが、ひょっとしたら 「お前のプレイのせいでずいぶん苦労させられたぞ、ヘタクソ!」 という動機だったのかも知れない。 そしてもはや用済みとなった剣を捨て、居間の窓を開放し、家を出ていった。 勇者はついに「新天地」へと歩き出していったのである。 きっと今も現実世界のどこかで悠々と旅をエンジョイしているに違いない。 財団の起動実験中にエンディングを迎えても勇者の代理人たちが出てこなかった理由は、彼らが顔を塗りつぶされるような魂無きキャストだったからか、外に出ることを願わなかったか、あるいは勇者を送り出した後の後始末で「神」がもうこりごりだと思ったか、といったところだろう。 ……以上の内容はあくまで報告書からの推測に過ぎない。 しかし、淡々とした「起動実験」の報告書から、これほどの壮大な物語の存在を読み取ることが可能となっているのは驚くべきことである。 SCPの一つの側面にして根底をなす「報告書の形式を通した表現活動」としては、このSCP-512-JPの報告書は非常に優れたものであると言えるのではないだろうか。 最後に、「 エクストラ 」という言葉の語義をWikipediaより引用して、このページを締めることにする。 「外」を意味するラテン語の接頭辞。特別、追加、臨時、番外。非常に。スーパーより強い強調。主に「EX」と略される。 映画やコンサートなどの臨時出演者。エキストラ。 コンピュータゲームで条件を満たすと現れるステージ。EXTRAステージ。 SCP-512-JPエクストラ・クエスト 追記・修正は勇者に手紙を書いてからお願いします。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-512-JP - エクストラ・クエスト by Linraw http //ja.scp-wiki.net/scp-512-jp この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 随分と壮大な物語だなぁ。 -- 名無しさん (2017-04-12 17 40 14) もしかしてこの前任の勇者から見たらこの世界が「エクストラ」ステージなのかもしれません。 -- ██博士 (2017-04-12 17 58 54) やけにスクロールバーが長いから「はいはいいつもの潜在keterでしょ」と思ったら違った -- 名無しさん (2017-04-12 18 05 14) すげぇ…こんなに奥が深いscpは初めてだ -- 名無しさん (2017-04-12 18 10 18) 一度読んでてなんかモヤモヤしてたので他の人の考察を見てみたかった。マジサンクス。 -- 名無しさん (2017-04-12 18 21 49) 某解説動画の解釈を支持していたが、なるほど、こういう解釈もできるのか…… 深いな、SCP -- 名無しさん (2017-04-12 18 23 04) ただのホラーかと思ったら面白い、凄く面白い -- 名無しさん (2017-04-12 19 41 18) すげえなこれ こんな創作があり得たなんて -- 名無しさん (2017-04-12 21 21 54) 正直日本支部のだと思って侮っていたがこりゃあ面白いね…こんなSCPが増えて欲しいもんだ -- 名無しさん (2017-04-12 22 38 41) 勇者が現実世界に行ってしまったせいでカオス化したゲーム、だけかと思ってたらすごい壮大な設定だったのか・・・ -- 名無しさん (2017-04-12 23 16 50) これ、厳密にはSafe判定は間違ってる気がする。「先代の勇者」が未収容だから。そもそも財団は「先代の勇者」の存在に気がついてないようだから仕方がないのだが。 -- 名無しさん (2017-04-13 09 09 59) あなたがプレイしてるゲームのキャラクター達も、もしかしたら自我を持ってるかも知れませんよ -- 名無しさん (2017-04-13 09 53 15) よくもまあ、あの報告書から此処まで読み取れるものである(ほめ言葉)。財団がS迄確認してる(再試行した)のなら人型出現体ああああは少なくとも2体という事に? -- 名無しさん (2017-04-13 10 23 55) 財団が気付いて主人公を回収できれば、母からの手紙が見れるかもしれない。その時、彼はどう生きるんだろう。まあ、どこまでも羽ばたいていけっていう願いを受け取ると考えると、収容し続ける以上は手紙は見せないのが妥当になっちゃうけど -- 名無しさん (2017-04-13 12 43 27) 勇者が中から出てきたのはなんとなくわかっていたけど、こういう仕組みになっていたのね。アニヲタSCP記事はこういう丁寧な解説があるからありがたい -- 名無しさん (2017-04-13 21 15 13) 「エクストラ」はトリプルミーニングだったのか…。 勇者不在の「番外」編である「モブ」達だけで作られたゲーム、現実世界で「エクストラステージ」に旅立った前任の勇者 -- 名無しさん (2017-04-15 13 33 12) んー微妙 -- 名無しさん (2017-05-07 18 55 42) 窓に関してはアバカム説を提唱したい -- 名無しさん (2017-06-10 23 28 18) でもさぁ、ここに書いてあるのはあくまで一つの解釈に過ぎないよねぇ。これも面白い解釈だけど。 -- 名無しさん (2017-09-28 21 52 31) この解釈は支持したい。母ちゃんの親心に目頭が熱くなる。 -- 名無しさん (2017-10-20 22 38 02) そういうことだったんか。壮大だなあ(こなみ) -- 名無しさん (2018-01-08 12 20 36) 以前読んだ事はあったがここまで読みとれんかった -- 名無しさん (2018-02-09 18 47 14) なんかundertale思い出す考察だなあ ツクールとかで再現できそう。 あと最後の方のrebootによるゲームの変わり方が.exeゲームを連想させる -- 名無しさん (2018-03-08 07 34 44) 解釈が人の数ほどあっていいとは思うけど、この解釈はあまり納得できない特に魔王幹部に裏切ったとことか -- 名無しさん (2018-03-09 06 41 16) ↑一番納得できた考察はどこで見られる? -- 名無しさん (2018-06-18 19 11 11) 壮大な物語の存在を読み取ることが可能となっていることより、読み取った人に驚きだよすげえな -- 名無しさん (2018-08-19 23 32 06) ああああは本当に喰われて勇者を殺したモンスターが幹部になったとかもあり得るよね ほんとこういうSCP良いわ -- 名無しさん (2018-08-20 00 26 29) セーブ無しでクリアした殺されたやつの根性よ -- 名無しさん (2018-10-09 23 46 57) 以前の記事では現象を「試行内での主人公の代替わりと魔王軍乗っ取り計画」と解釈していましたが、それは誤りだという確信があったため、編集しました。「主人公のスプライトが本来のものと異なること」がこの記事において「主人公≠本来の勇者」であることを読者に想像させる材料となっているわけですから、試行内で代替わりがあったならスプライトの変更もあってしかるべきです。死体についても、これは一部のゲームに存在する「主人公の肉がアイテムとしてドロップする」系のブラックジョークと、単純なドロップ率の話だと考えられます。その他にもここに書き切れない反論や編集点があり、またこれが必ず正しいとは断言できませんが、少なくとも前稿よりは主観的想像に依らない内容になったと思いますので、ご確認ください。 -- 名無しさん (2018-11-03 00 35 51) ずいぶん記事が味気なくなっちゃったなぁ。「二代目勇者による魔王軍乗っ取り説」は当時の筆者の解釈にすぎないとはいえ母や教会に関する謎もちゃんと掘り下げてた。変更後の現記事は「ゲーム内の世界から見た場合」とか言ってるわりにフワフワした解説ばかりで魔王軍がなぜ突然本腰を入れだしたのかさえ理由付けがない。編集前の方がマシだと思う -- 名無しさん (2018-11-11 11 43 23) ↑読むのに何十分かかりそうな記事を削って、元記事から読みとれる範囲を逸脱した想像上のストーリーも削除して短くしたので、味気なくなったと言われればその通りだと思います。以前の記事のような内容はwikiではなくTaleとして書くのが適当ではないでしょうか。あと「なぜ突然本腰を」と言われても、「キャラクター達が記憶を徐々に思い出して行動を変えていくから」と「人類に敵対する軍隊だから」であって、突然牙を剥いたとかそういった描写は見受けられません。 -- 名無しさん (2018-11-11 15 57 23) もうちょっとこういう理由から編集するべきだと思うから異論なければX日後に編集するよくらいは事前に言った方が良かったかもね。編集後の内容についてはオレはノーコメント -- 名無しさん (2018-11-11 18 46 08) ↑2ゲーム内キャラが自分の意思で行動を変えられるのなら「王国」側のキャラも魔王軍に対抗して防衛強化したり避難したりしてもいいはずだけど、能動的に行動を変えてるのは魔王軍と母のみ。前任の勇者(一代目=所有者を殺傷して失踪)と試行F~Iの勇者(三代目=死体で出現)の間にいる試行A~Eの勇者(二代目=装備のみ出現)が行方不明であることから、この二代目勇者「ああああ」が魔王軍の変化に関与してると推測した旧記事は充分上手い解釈だと思うよ。あと突然本腰を入れだしたっていうのは突然王国に侵攻したとかじゃなくてモンスターの能力値をじっくり上げたうえで王国を攻め落とそうという方針になったこと、この周到さはレベル上げの意義を知ってる元勇者だからこそかもね -- 名無しさん (2018-11-11 20 41 59) なんか勘違いしてるっぽいけどここscp解説wikiじゃなくてアニヲタwikiだからな。機械的に正確な解説より読み応えのある記事の方がウケが良いのは当然 -- 名無しさん (2018-11-11 21 33 10) あと前の記事は「これは解釈の一つに過ぎない」をしっかり強調してたし、それを提案するでもなく自己判断のみで全消しして書き換えるのは如何なものか -- 名無しさん (2018-11-11 21 40 47) もう一回あの解釈が読みたくて戻ってきたのにざっくり削られてて残念だ……。正確さも大事だと思うけど、せっかくだから建て主の見方も今まで見てた人たちの気持ちもどちらも尊重できる形にはならなかったものか -- 名無しさん (2019-01-30 17 45 23) 旧解釈も見たいなぁ ログ残らないんだっけ -- 名無しさん (2019-02-19 16 38 46) ↑編集履歴の2018/10/09 (火) 23 46 57のバックアップに残ってるね。魔王軍幹部が増えた事を拾ってるから個人的には前の解釈の方が好き -- 名無しさん (2019-02-19 16 45 13) 暫定的にでも以前の版に戻したいねぇ。「一度大幅に無断改稿されたものを元に戻す」という行為も大幅な書き換えに抵触しちゃうのかな。まぁ戻し方も分からないけど -- 名無しさん (2019-02-19 21 37 37) 周りの意見も聞かず勝手に自分の解釈を押し通すっていうのは、SCP財団的にもアットウィキ的にもタブーでしょ -- 名無し (2019-02-23 16 31 38) ひとまず暫定的に以前の版に戻しておきました。編集履歴からコピーして貼り付けただけなのでコメントは現在のものだったり、所々不自然な箇所も見つかるかと思いますがご了承下さい。同じ要領で変更版にも戻せると思いますが、くれぐれも編集合戦などにはならないよう相談の上で編集をするようによろしくおねがいします -- 名無しさん (2019-02-23 18 15 38) 俺は改定版の方がマシだと思う…あまりに著者の憶測が多い上に、それを「〜なのだ!〜だからだ!」と断言するような語り口なのが良くない -- 名無しさん (2019-05-06 10 31 32) ともかくも、「読み物として非常に素晴らしい」。その他細かいことについて言うのは野暮だから言わない。 -- 名無しさん (2019-05-06 11 26 39) ↑2 改訂版に明らかに問題があったわけではない 問題は他の意見を受け付けず自分の判断と確信だけで大幅改稿したあとの事後報告 -- 名無しさん (2019-06-02 10 36 56) なんで言い争ってんだよいろんな解釈があるのがSCPのいいところやろ -- 名無しさん (2019-06-02 12 36 19) 解釈違いで揉めるんならともかくアニヲタ的な無断大幅改変の問題だしなあ -- 名無しさん (2019-06-04 15 43 32) この世界でkクラスシナリオが発生した時再び勇者として活躍するのかもしれない -- 名無しさん (2019-09-21 13 05 16) 常日頃からプレイしてるゲームのキャラには自我があるものだと思って接しているとも。 -- 名無しさん (2020-05-09 20 11 15) お前のプレイで(ゲームの)世界がヤバイw <REBOOT -- 名無しさん (2020-07-16 13 00 53) 512(キロバイト)→ドラクエ4の容量と考えると、この番号なのは意図的なんだろうけど、仮にとれなかった場合は何番になってたんだろう… -- 名無しさん (2020-11-17 03 49 02) これをテーマにしたRPGでないかなぁ -- 名無しさん (2020-11-17 12 11 19) スゲーよく出来た考察だと思うけど、手紙は前任の勇者じゃねーかな…と思うんだよね、そうすると色々と齟齬が出来るから齟齬が無いように組み上げられた考察でよく出来るなぁと思ったんだけども、矛盾もないと思うんだけど、引っかかるというか、絵は完成しているのにピースの余ってるジグソーパズルみたいな違和感 -- 名無しさん (2020-11-19 16 44 24) 実はこれ、もしかして、「難解で読み解きがいのある設定や 壮大な物語を目くらましにして、そっと危険な本質を提示する」系のSCP作品なのでは?? 現実世界(財団世界)の部分だけ見たら、「壮絶な戦闘力を持つ身長2メートル超えの異常存在がゲームから抜け出してきて、人を殺し、窓からどこかへ消えてった」のだから。 しかもその行動原理は8ビット時代のRPGそのまんまだから、われわれ人間を「雑魚モンスター」として瞬殺しまくり、民家と見れば押し入って金品を奪う。(当然、住人=雑魚モンスターは皆殺し) さらに、どんな異常能力を身につけてるかわかったもんじゃない、という……。 ……おい財団!本当に収容すべきはこっちじゃないのか?! -- 名無しさん (2021-01-13 04 11 57) ↑ それな まものは驚き戸惑っている→ゆうしゃのこうげき→「ぷるぷる ぼくはわるいまものじゃ なかったのに……ぐふっ」みたいなことやってるし -- 名無しさん (2022-09-19 20 09 35) 編集履歴読んだのですが、現在の差し戻し後の記事は憶測を決めつけた記述が多いと思います。2018年に行われた大規模編集ログが消失しそうなので、暫定的にregionで埋め込みました。コメント欄で改稿案を求めます。 -- 名無しさん (2022-12-17 14 35 22) 憶測が多いのが問題なら、2018年で追加された方も支持するのおかしくない?そもそも差し戻されたのは考察の内容如何じゃなくて事前の確認もなしに改稿した荒らし行為のせいなんだけど、そこを理解してるのかな -- 名無しさん (2023-10-15 07 19 50) この手紙読むと毎回なんか泣きそうになるんだよな -- 名無しさん (2023-11-20 22 56 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/geki/pages/128.html
格闘技イベントP-1が先日行われ劇ぱわTVで視聴率驚異の60パーセントをたたき出した。 第1試合 PPLチャット対すみおきばチャット対抗戦 DC VS 甘寧 1R 大便をもらしたためレフェリーストップ 解説 PPL対すみおきばの先陣を切って行われたこの試合であったが、試合開始直後甘寧のキックを受けたDCが試合中に脱糞しレフェリーストップとなった。 第2試合 PPLチャット対すみおきばチャット対抗戦 たれかつ VS さぶ 2R 判定 解説 勢いに乗るすみおきばチャット連合軍であったが、たれかつとさぶの壮絶な殴り合いの結果、判定でさぶが勝利。たれかつは悔しさのあまりリング上で喚き散らした。 第3試合 PPLチャット対すみおきばチャット対抗戦 湯田わたる VS だだだだ 1R 踏みつけ 解説 試合開始直後から湯田が勢いよくパンチ連打でだだだだを追い詰めるものの、躓いて転倒した湯田の顔面をだだだだが踏みつけ湯田が死亡した。 第4試合 PPLチャット対すみおきばチャット対抗戦 大岡越前 VS パールライス吉村 2R 孤独死 解説 相撲経験者の大岡が相撲の突進力を生かして終始優位に進める。2R開始直後大岡が体格を生かし吉村を持ち上げ投げ飛ばし。吉村はリングから転落。そのあと孤独死した。 第5試合 PPLチャット対すみおきばチャット対抗戦 yabut VS 炭火 1R 股間負傷 解説 看板を背負い負けられない大将戦。パンチで突っ込むyabutを炭火が投げ飛ばそうとしたもののyabutが抵抗しもみくちゃに。その際炭火が股間を強打し負傷しドクターストップとなった。 第6試合 スペシャルマッチ yabutの親 VS 巨人小笠原 1R ノーコンテスト 解説 管理人の親かプロの意地か注目が集まった試合であったが、試合中に巨人小笠原が絶頂射精をしたためノーコンテストになった。 第7試合 スペシャルマッチ イボ井秀喜 VS 真性包茎吉村 不戦勝 手首骨折 解説 メジャーリーガーイボ井の登場に会場が沸いた。入場の際手首をねじり骨折した。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39858.html
SCP-049 SCP-049-ARC 有名な奴来ましたね。同ナンバーのJPの方の画像はマジでビビった -- 名無しさん (2017-11-28 20 48 31) ↑必ず見えるとわかっていてもドキッとするよな、あれ。 049は発言の不気味さと、ちょっと可愛いとも思う収容違反後の様子が好き -- 名無しさん (2017-11-28 20 56 25) 原文が英語だから、こいつの番号が49=「死」と「苦」なのは単なる偶然なんだろうな。 -- 名無しさん (2017-11-29 16 24 10) SCP-035は追記されたことで評価が落ちた曰くつきの記事らしいな -- 名無しさん (2017-12-04 06 22 41) ↑×3 あれは所見の時は驚いたけど、F○t○に似たようなのがいたなと気づいたらそんなに怖くなくなったよ(豚の塩漬け並感) -- 名無しさん (2017-12-07 17 17 10) 魔王城でおやすみにアリクイ医師という名前で登場してるのね -- 名無しさん (2018-04-22 12 37 06) 元記事に音声記録が追加されてた。っていうか全体的に改稿されてるっぽい? -- 名無しさん (2018-05-12 03 57 53) ↑全体が改稿された。大規模改稿+有名記事ということで、日本支部では特例で改稿前の記事も読めるようにするらしい。 -- 名無しさん (2018-05-12 09 19 43) 本部も改稿前が存続しましたね -- 名無しさん (2018-07-01 20 36 49) Archiveに合わせ記事をリネームしました。 -- 名無しさん (2018-07-01 21 04 38) ということで、新たなSCP-049の項目を作成しました。旧バージョンはEN,JPに従い、こちらに移してあります。 -- (名無しさん) 2018-07-02 23 15 55 ↑4そういやいたね、まあ多分まともな方(元ネタ)のパロだと思うけど -- 名無しさん (2018-07-03 17 16 53) コイツの言う悪疫ってなんなんだろう?死そのもの? -- (名無しさん) 2018-09-11 09 54 48 カルキストイオンに騙された人とかじゃないかという妄想をしてみたり。実はゾンビ状態が本当の健康なんだ的な -- (名無しさん) 2019-05-16 16 40 19 SCP-049はペスト医師という名前のSCPであり、ペスト医師はSCPではない。 -- 名無しさん (2019-09-01 22 59 25) 死の終焉ハブにおける悪疫の正体が個人的には一番好き -- (名無しさん) 2019-09-12 18 51 17 035の記事どこいったん? 元々ないんか? -- 名無しさん (2019-11-06 00 06 12) Ring-a-Ring-o' Roses, A pocket full of posies, Atishoo! Atishoo! We all fall down. -- (名無しさん) 2019-11-30 13 11 38 SCP-049とコメント欄統合を提案します -- 名無しさん (2020-04-04 15 22 02) コメント欄の統合を行います -- (名無しさん) 2020-04-09 07 46 51 統合しました -- (名無しさん) 2020-04-09 07 53 24 ↑ありがとナス -- (名無しさん) 2020-09-22 21 55 31 ゾンビ状態が健康状態なら無差別に襲いまくってるだろうからそれは違うか -- (名無しさん) 2021-01-09 09 06 27 ふと思ったけどSCP-049の言っているペストはカミュのペストで言及されている「他人を傷つけることに間接的にせよ同意し参加すること」なんじゃないかと思った -- (名無しさん) 2021-02-20 13 50 29