約 2,556,417 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36354.html
登録日:2017/02/27 (曜日) 00 09 00 更新日:2024/05/27 Mon 15 51 23 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 AdeliaSemifore SCP SCP Foundation SCP-2057 マーシャル・カーター&ダーク株式会社 ワンダーテインメント博士 食べ物SCP 食品 SCP-2057『あなたはあなたの食べたもの(You Are What You Eat)』とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。 この名称はあくまでも第四の壁を超えた我々がつけたもので、製造販売元がつけた正式名称は、 『ワンダーテインメント博士の激ウマ™ チキンヌードルスープ 子ども用™!』 って…はい、そこ!逃げるな! オブジェクトクラスも「safe」だし、売り出しているんだから、変な扱い方をしないかぎりたぶん無害だぞ。 SCP-2057は、318ml缶入りのチキンヌードルスープ(*1)だ。 アメリカ人にとって風邪を引いた時に出てくるポピュラーな栄養食で、『お袋の味』…なのだそう。日本だと風邪にはおかゆが定番だが、所変われば品も変わるのだ。 以下の文章は、チキンヌードルスープの間のラベルに書かれているこの商品の成分表示表などである。 ■ 栄養成分 1人分の量 1 缶 1パッケージあたり内容量 1人分 内容 分量 調査結果 カロリー 95cal 95calで一定 脂肪 3.17g ラベルが示すより多い4.23 g 炭水化物 2.29g 2.29gで一定 たんぱく質 13.48g ラベルが示すより多い15.25g ビタミンW™ 2.00g 未知の化合物が2.00gで安定 母の愛 10.00g 未確認または測定不可能 ■ 成分 激ウマ™ チキンストック、たっぷりの中華卵麺、最高の調理済鶏むね肉、産地直送ニンジン、パリポリセロリ、 甘いヴィダリアオニオン、希釈液無し、新鮮な山の天然水、ビタミンW™。 以下の成分を2%未満含みます 塩ひとつまみ、少量の鶏の脂身、珍しい植物由来の香辛料少量、高品質のユニコーンの涙 独自開発の『ビタミンW™』はまだ良いとして、ユニコーンの涙 って…処女に採らせたのかしら? ■ あたため方 ヘイ、子どもたち! 気分は悪い、不快、それとも本当にひどい? とにかく、ポーンとワンダーテインメント博士の激ウマ™チキンヌードルスープ 子ども用™を開けて! 中くらいの大きさのスープ鍋に缶の中身を入れて、1缶分の水を加えてかき混ぜて温めて! 楽しい事が始まるから見てね! お腹いっぱい食べたら、すぐに気分は良くなって、ワンダーテインメント博士のおもちゃで遊ぶ準備が出来ていると感じるよ! しかも、この缶入りヌードルは、風邪や麻疹の症状を劇的に改善する奇跡のような効能を持っている。 「風邪の特効薬を作れたらノーベル賞が貰える」などと言われているものを、まさか民間療法とも言えるチキンヌードルスープで作られてしまうとは…。 調理中にお子様が退屈しないように玩具に心血を注ぐ『ワンダーテインメント博士』謹製のビックリドッキリギミックが用意されているのでどうかお楽しみに。 追記・修正は、レシピ検索サイトでチキンヌードルスープのレシピを調べた後でお願いします。 SCP-2057 - You Are What You Eat by AdeliaSemifore http //www.scp-wiki.net/scp-2057 http //ja.scp-wiki.net/scp-2057(翻訳) この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 楽しもうね! * * * + 宣伝乙 n ∧_∧ n+ (ヨ(*´∀`)E) Y Y * チキンヌードルスープの風邪症状を改善させる効能に一切の嘘偽りはない。偽りはないのだが、あの『ワンダーテインメント博士』が変な仕掛けが施さないわけがない。 そしてこのチキンヌードルスープの缶には、ビジネスコンプライアンスを遵守した親切丁寧な注意書きが書かれている。 ワンダーテインメント博士の激ウマ™ チキンヌードルスープ 子ども用™! は、瞬く間に気分が良くなる為には、熱いうちに召し上がるよう設計されています。 冷めてからは召し上がらないで下さい。温め直さないで下さい。 ワンダーテインメント博士からの購入をもって、あなたは製品により被ったケガ、損害への責任がワンダーテインメント博士、またはどのワンダーテインメント博士の系列会社にも無いことに同意します。 ワンダーテインメント博士からのご購入ありがとうございます。 しかし、この注意書き通りに食べなかった人は様々な異常性が発生するのである。やりすぎでは………。 一応、【禁止事項として書いてある】ことを無視した時にだけ異常性は発現するので、普通に食べるには問題ない では、缶入りヌードルを調理してみよう。 チキンヌードルスープを作るなら防音室の中で? 缶は蓋のすべてが取れる『フルオープンエンド』仕様で、中身を崩さずに取り出すことができ、その中身は濃縮されたチキン・ブイヨンと57gの卵麺でできた卵をかたどった物体である…インスタントラーメン?。 これを鍋に入れ、水を注いで70℃に加熱すると、本物の卵のように『孵化』してヌードルで構成されたヒヨコ(SCP-2057-1)が誕生する。 このヒヨコは鍋のブイヨンを啄ばんで成長し、最終的には85グラム程の立派なニワトリへと育つのである。 財団が解剖してみた所、骨はセロリとタマネギ、筋肉は調理済み鶏むね肉、羽毛は卵麺、足と嘴はニンジン、血はチキン・ブイヨンで造られていることが明らかとなった。 このヌードルで出来たニワトリは温度が35℃から70℃に保たれている限り、一般的なそれのように活動する。…アパートとかで作られたら迷惑そう。 温度が35℃以下に低下するとニワトリは運動をやめ、残りのブイヨンの中へ転がってチキンヌードルスープへと素早く崩壊する(*2)。 …なお、ヌードルを食べている最中もコケコケ聞こえるらしい。鶏さんかわいそうですぅ! まだ生まれて間もないのにぃぃ~。 古いなこのフレーズ。かなり無理あるし。 チキンヌードルスープを食べるときは用法をきちんと守って 【調理法を守り、35℃から70℃の間で食べた場合】 感想は「素晴らしい」「おいしい」「家庭的」と大絶賛。 適切に調理されたヌードルを食べた人がインフルエンザや麻疹、一般的な風邪症状を患っていた場合、食べた事で症状が緩和したと報告し、実際に検査してみたところ、体調そのものも大幅に回復していた。 ただ、「卵から孵化して成長し、調理されてチキンヌードルスープになる」という家禽の一生を追体験させるヌードルを食べるのだから、悪影響がないわけがない。 食べた人は『大切なペットを失うことに関連した心因性精神的外傷』を感じ、実に87パーセントが飼鳥類の肉をベースとした製品に対する強い嫌悪感を抱くことになってしまった。 では、もし、注意書きを無視した調理方法を行い、食べたらどのようなことが起こるのであろうが? 前述した通り、食べた人の身にトンデモないことが起こるのであるが…その詳細を以下に記述しよう 【 10℃から34℃での実験結果 】 やはり注意書きを守らなかったせいなのか、食べた人からの感想は「ほとんど味がない」「ひどい」「とても不快」といった否定的なものになってしまった。 しかも、食べた人物の実に67パーセントが冷やされたヌードルを食べた後で深刻な痙攣、寒気、下痢の症状を発症してしまったのである。 …食中毒か? 発症する異常はこれだけではない。 ヌードルを食べた人の62パーセントが、無意識にコッコッという鳴き声を出している事、飼鳥類の肉をベースとした製品に対する嫌悪がある事を報告してきたのである。 更に、ヌードルを食べた時点でインフルエンザや麻疹、そして一般的な風邪の症状を患っていた場合、その症状は緩和するどころか即時に悪化してしまう。 おまけに、前腕に沿った生え始めの羽、頭頂部と顎の下の過剰にゆるい皮膚の成長、歩き方の極端な変化といった身体的な異常まで発症してしまうのである。 挙げ句の果てには、足首で逆さまに吊り下げられる鮮明な幻覚まで感じるようになったと報告されているのだ。 …心身ともに、鶏に近づいてない? 【 温め直した結果 】 この実験は映像記録が残されている。 前提 被験者となったD-45782が、冷めたチキンヌードルスープを電子レンジで2分30秒間加熱し、自ら試食するという手順となっている。 食べた感想や体調などは逐一、あらかじめ実験室内に設置されたカメラに報告するよう事前に指示を受けている。 0 00 再加熱している間、電子レンジの中からずっと鶏の低い鳴き声が聞こえてきていた。 02 32 レンジから取り出したチキンヌードルスープはまだゼラチン状の質感に見え、少し黒く焦げた部分が端の近くにあった。 02 55 D-45782は三口啜っただけで、文字通り匙を投げ出してしまった。 味の感想は、「ゾッとする味」という今まで聞いたことのないもの。 しかも、食べて数分もしないうちにD-45782は胃の中身を嘔吐してしまった。 チキンヌードルスープその物は中は冷たく、端は熱かったとのこと。 17 35 「コケッ…コケッ! クワックワックワックワッ!!」 2度ほどカメラに向かって怒った様子を見せたのであるが、その言葉には鶏の鳴き声のような奇声が混じり始めていた。 17 45 D-45782の言葉がますます支離滅裂になってくる。 出血するまで矢鱈と腕を掻き毟り出したので、確認してみたところ緩い皮膚が被験者の首の下と頭頂部で生じつつあった。 17 46 ついに発声能力そのものを喪失。 大きな白い羽が生え始め、D-45782の腕を覆い尽くした。 更に、より小さな羽が被験者の顔から生え始める。 18 02 ついに錯乱状態となった、D-45782が実験室内のものを破壊しようとし始める。 羽は皮膚の実に67パーセントを覆っており、更に上唇と下唇が鼻を巻き込んで前へせり出し、クチバシを形成し始めていた。 18 07 D-45782死亡。 検死解剖を行ったところ、死因は極端で急な内臓の物理的変化による心停止であった。 この時点で、D-45782は全身の93パーセントを羽で覆われており、唇は完全にクチバシへと変貌を遂げていた。 更に、首の下と頭頂部の緩い皮膚は肉垂と鶏冠に酷似した物が生じており、両足は鳥の足と極めてよく似た構造に変質していた。 やはり、この缶入りヌードルは用法を守って服用…では無くて食べた方が有益であるようである。 財団との関わり ロンドンに拠点を構え、SCiPを利用して顧客にトンデモ体験を提供する『マーシャル・カーター ダーク』というクラブがある。 財団がこのSCiPを入手したのも、その会社に急襲を仕掛けた際であった。 缶入りヌードルは、輸送用の木箱の中に詰め込まれているのが発見され、無効な返送先住所と連邦郵政公社によって最近届けられたことを示す印が付けられていた。 発見された木箱は、144個のSCP-2057が保管できる容量であったと見積もられている。 しかし、実際に入っていた缶入りヌードルは103個。 …あれ、41個も足りない!? その理由は、同社のオフィスを捜索した際に発見された以下のメモ書きによって判明した。 親愛なるサイラス 君の子ども達に起こった残念なこと、マリアに聞いたよ。あの子たちの症状がすぐに良くなったんだと聞きたいと思っていた。 名づけ親として、とても心が痛む。僕自身子どもの時はしかを患って、病が重くなっていくような時にどれほど恐ろしいか知っている。 最近、僕らは、君たち家族を助けられそうなある荷物を受け取ったんだ。 『ワンダーテインメント-製造中止されたアイテム』と記された貯蔵場所に輸送用木箱がある。 来週オークションにかかるから、長くそこにはない。 君の机の上の家族写真の下に、鍵を置いておく。 正確に指示に従ってくれ。どんな状況でも、缶にある指示と異なることはするな。 できるだけ早くこのメッセージは破棄してくれ。 このことの報いを受けたくはないから、これ以上は関わりたくない。友よ、気をつけて。 ~ウィリアムスより ――どうやら、『マーシャル・カーター ダーク』の社員達によって横領されてしまったようである。 財団が乗り込んできたことで、一時は有耶無耶になってしまったが、横領した人は結局どうなってしまったのだろうか? 因みに、財団が現在所有しているSCP-2057の数は92個である。 追記・修正はマニュアルや注意書きを必ず読んでから事に当たる慎重な方にお願いします。 SCP-2057 - You Are What You Eat by AdeliaSemifore http //www.scp-wiki.net/scp-2057 http //ja.scp-wiki.net/scp-2057(翻訳) この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 少なくとも風邪をどうしても直さないとヤバイ場合(エイズ等の病気にかかってるとか)じゃない限りは食わないのが一番良さそうだが…。 -- 名無しさん (2017-02-27 00 13 18) 上手に使えば役に立たなくは無いんだけど、リスクの方がでかすぎるのもなぁ -- 名無しさん (2017-02-27 00 49 18) ユニコーンの涙は…ワンダーテインメント博士が処女の可能性も…… -- 名無しさん (2017-02-27 01 06 21) まて、144-103=41だぞ -- 名無しさん (2017-02-27 01 33 36) ですよね。元記事に書いてある通り31缶って書いたんですが… -- 筆者 (2017-02-27 04 58 46) ↑ま、まさか!? 減った数を誤って計算させるという異常性も!? -- 名無しさん (2017-02-27 07 57 50) ↑SCP-240-JP「呼んだ?」 -- 名無しさん (2017-02-27 08 22 55) 個数については実験でDクラスに食わせて消費しただけでは……?しかし、ワンタメ博士にしては正規の使用法でも若干のトラウマが残るってのは仕事が荒い気がするね。 -- 名無しさん (2017-02-27 11 22 10) 10缶食わせたんだろ多分 -- 名無しさん (2017-02-27 11 24 53) ↑↑あと基本的に本家のワンタメは狂人やで 日本支部ではパチモンがいる都合上描写がややヒロイックになってるだけで -- 名無しさん (2017-02-27 11 26 46) ↑3 よく読むんだ。財団が確保した時点での個数が103だから財団による実験での消費は別(現在は92って書いてあるし) 本家ディスカッションでも指摘してる人いるけど返答ないな…単なるミスかな -- 名無しさん (2017-02-27 12 13 04) あの子たちの症状がすぐに良くなったんだと聞きたいと思っていた。 これどういう意味? -- 名無しさん (2017-02-28 10 22 19) ↑ 「サイラス」の子供は何かしらの病気(たぶんはしか)に感染してて、しかもそれが悪化したんだろう。下手すると合併症とかも出て通常の医学では手の施しようがない状態にまでなったのかも。 -- 名無しさん (2017-03-01 00 04 21) 効能だけなら大変ケッコーなものなのになぁ(チキンだけに) -- 名無しさん (2017-04-18 14 18 37) ↑(飛んでくるトマト) -- 名無しさん (2017-05-17 00 27 56) これ、動く鶏(状のヌードル)を直に齧りついて食べるのか、鶏をほぐしながら食べるのか。どっちにしろ絵面がひどそう -- 名無しさん (2017-09-01 07 01 12) まぁ、たいてい作ったら熱いうちに食べるだろうから、心配はいらないと思うが……。 -- 名無しさん (2017-09-01 07 32 07) それと、調べてみたら、卵麺ってなかなか売ってないのね。ということは、もしチキンエッグヌードルが食べたくなったら、変なことになるのを覚悟でワンタメ博士のを食べるしかないのか……(絶望 -- 名無しさん (2017-09-01 07 38 55) ちゃんと食べたとしても家禽類の肉に対して嫌悪感を抱くんだよな…本当に治したいときにしっかり調理しないとダメだね -- 名無しさん (2018-09-10 16 01 03) 書いてる通り食べたら、内部疾患に対してだけ500みたいな効果があるのかなー -- 名無しさん (2018-09-15 16 36 15) リスクありの万能薬ってところか -- 名無しさん (2018-10-15 15 13 41) ↑14 だから製造中止にしたのでは? -- 名無しさん (2018-10-19 17 20 57) ワンタメ博士はちゃんとルールを守ったら危険性はないのがウリだから生産中止になったんだろうなコレ -- 名無しさん (2018-12-27 22 20 29) 温め直した時の映像記録で、映画ピノキオの悪ガキがロバになるシーン思い出した・・・ -- 名無しさん (2018-12-27 23 06 53) この記事を読んでいたら麺が冷めてしまった……温め直してくるか -- 名無しさん (2019-01-27 22 54 39) 下限が35℃ってかなり有情だな -- 名無しさん (2019-02-14 11 32 31) ↑2 らめええええええ!!>< -- 名無しさん (2019-02-14 14 02 17) 名前の『あなたはあなたの食べたもの』ってどういう意味でつけたんだろう? もしかして、不正な調理をすると鶏になってしまうこととかけてるんだろうか? -- 名無しさん (2019-07-18 09 19 13) 「You are what you eat」は英語のことわざみたいなもので、よいものを食べていれば健康に、よくないものを食べていれば不健康になる、という意味。それに加えて、本当に食べたもの(鶏)になってしまう、というのをかけてある。 -- 名無しさん (2019-07-26 13 44 10) 財団が回収した数が103個で、いま残ってるのが92個。 -- 名無しさん (2019-07-31 10 09 47) ↑差し引き11個で実験を行ったんだろうが、1個が温め直しの実験で、残りを適温と35℃以下の実験に使ったって解釈でいいのか?その場合食べた人の87%だの67%だの統計的な結果は出せない気もするが…。あ、1個を複数人で食えばいいのか。 -- 名無しさん (2019-07-31 10 13 37) ↑3 医食同源みたいなニュアンスなのね(ことわざとしては「食べる」以外にも使われてそうな雰囲気あるけど。朱に交わればみたいな -- 名無しさん (2020-03-06 18 28 35) 元記事もこちらも暖かい内の食べ方について言及してないのか。生きた鶏っぽいものをどうやって食べるのか気になったんだが -- 名無しさん (2020-03-09 19 10 52) 本家、日本語版ともに足りない缶が41個になっていたのでこちらも41個にしました。多分ミスだったのでしょう -- 名無しさん (2020-05-14 18 35 07) ワンタメ博士特有の「悪趣味」「正しく使えば大丈夫」「間違えるとやばい」の3点がわかりやすい初心者向けオブジェクト -- 名無しさん (2020-05-24 22 05 35) 普段だったら作ったものはすぐ食べるけど、体調悪いときには「作ったはいいけど食欲沸かないから後で食べよう」ってなることもあるだろうしな -- 名無しさん (2020-06-14 07 22 49) ワンタメ博士、もうちょっとどうにか、条件を緩和できませんかね……? -- 名無しさん (2020-10-26 18 29 50) どこ探しても適温で鶏がヌードルスープになる記述が見当たらないから、食うときは鶏にかぶりつく感じなのかな・・・なかなかワイルドな・・・ -- 名無しさん (2021-01-14 03 24 06) ↑概して温度が20℃から34℃の間の時、残りのブイヨンの中へ転がってチキンヌードルスープへと素早く崩壊する。 だから茹でた後食べられる温度になった時スープに戻るんだと思う -- 名無しさん (2021-05-06 11 48 29) ↑×3スープを鶏にする作用がスープじゃなくて人間に行っちゃってる感じだから無理だと思う -- 名無しさん (2021-05-06 11 50 14) 35℃から70℃の間で食えってことは、ニワトリの形したヌードルを崩して食えってことかい? -- 名無しさん (2021-06-10 14 55 46) 風邪に苦しむ人々のため、私財を投げうってでも購入します! -- マナによる慈善財団員 (2021-06-10 16 20 11) ↑ヤメロォ!ヤメロォ! -- 名無しさん (2021-07-31 08 05 44) コロナの特効薬ができそうなのに、風邪用のそれがないのはこれいかに。やはり製薬会社のいんぼ…おやこんな時間に誰だろう -- 名無しさん (2021-09-30 01 32 08) まずは貧困に苦しむエチオピアの貧民達へ届けてあげよう!もうハチミツの時みたいな失敗はしないぞ! -- マナによる慈善財団員 (2021-10-24 23 47 57) これマジで欲しいんだけど高いんだよなぁ -- 名無しのヲタクさん (2022-01-02 04 44 26) 1 -- 名無しさん (2022-04-05 09 01 35) ↑ミスです。一食分の麺の塊が鶏の形になってるんなら本物の鶏サイズじゃないとしても、動いているなら食べにくそう -- 名無しさん (2022-04-05 09 04 22) 103個入ってたら103個収容が正しくない?残りの9個は実験? -- 名無しさん (2022-09-25 22 18 12) Come on, what!? CAPCOM!! Look…! Look…! Oh コケケ!(🍑🏰🎶)Oh, Oh, 萌"え"王" ブッポォッカポカッポォ!オウッ… -- 名無しさん (2024-05-27 15 25 11) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41995.html
登録日:2019/05/06 Mon 23 14 06 更新日:2023/11/02 Thu 14 59 40NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 Euclid ObserverSeptember SCP SCP Foundation SCP-3295 喫煙 煙草 SCP-3295 - Thank You For Smoking(ご喫煙ありがとうございます) SCP-3295はシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはEuclid。 ▷ 目次 概要 うーんこのヤニカス 余談 概要 SCP-3295はCK-クラス:現実再構築シナリオの結果として、1982年1月1日に同時に全ての財団サイトの一部となった異常な一連の屋内空間の指定名称のことである。 …ちょっとまって。開幕財団世界やべーことになってねえか? “指定異世界喫煙室”なる標識が存在するその部屋は、表面的にはそのサイトの普通の部屋を模している。 しかし上部にタバコの煙や可燃性薬物(阿片とかだろうか?)の排出物だけを通すワームホールを有している。 ここでいくらタバコを喫もうが、煙だけ上から異次元に飛んでいくのでドアさえ閉めていれば副流煙を気にせず喫むことが出来る。 そのため、財団サイトに於いてほぼ唯一、屋内でタバコを喫める場所である。 なおこの部屋、もはやアノマリーの基本中の基本である破壊耐性を有している。 しかもその破壊耐性も耐火耐水堅牢みたいなタイプではなく、局所的に現実改変を起こして元通りになるSCP-2740みたいなタイプである。 例えば爆破しようとしても爆破しようとした人はワープしてそのことを忘れ、部屋は元のまま。 サイト建築に関わった人たちもなんでそんなものがあるか忘れているというSCP-055みたいなオチまでついてくる。 うーんこのヤニカス さてさて、実際の所、なんでこんなものがあるのかは原因がある。 財団はかねてより、職員の健康のために屋内喫煙を禁止しようと試みてきた。 しかしどこにもタバコを吸いたくてしかたない人というのはいるもので、反対を主張してO5の悩みのタネになっていた。 財団の喫煙率は一般の割合を遥かに超えていたらしい。確かにストレスだらけの職場だしタバコに頼りたいのもわかる。 それでも、1981年には無事この案をO5により10-3で可決。 しかしその後、O5の前に、“異世界喫煙ソリューションズ”なる企業の代表を自称する何者かが現れ、 屋内喫煙禁止の代案として「SCP-3295を設立する」という提案を書いた書類を名刺とともに渡したのである。 むろん、そもそも秘密組織なのに普通に入ってきて、アノマリーを財団サイトに作るというふざけた提案をO5は飲もうとはしなかった。 ――ヤニカスのO5-6を除いては。 12-1で否決されたこの提案であったが、O5-6は屋内喫煙禁止が効力を持つことを恐れ、 決議に背き秘密裏に異世界喫煙ソリューションズと接触し、 勝手に契約を結んでしまった。 これにより、「1960年代~1970年代」にその部屋が建てられたという記録とともに、タイムライン上にSCP-3295の存在が挿入されたのである。 残りのO5「何やってんだバカァ!」 むろん、ヤニ食うためだけにCK-クラスを引き起こした大馬鹿者を残りのO5は降格処分にした。 なお異世界喫煙ソリューションズの連絡先にはすでにつながらず、今でも各部屋の効果は無力化されていない。 O5-6が署名した契約は2019年現在も未だ拘束力を持つと考えられている。 なお契約期間および異世界喫煙ソリューションズが得るであろう報酬の内容は不明。 余談 かつてはワームホールは電子タバコの蒸気には対応していなかったが、2010年以降は不明な原因により対応するようになっているらしい。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-3295 - Thank You For Smoking by ObserverSeptember http //www.scp-wiki.net/scp-3295 http //ja.scp-wiki.net/scp-3295 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] なやみのタネのくだりは必要なのか -- 名無しさん (2019-05-06 23 47 38) クスッときたから要る -- 名無しさん (2019-05-06 23 50 14) 要らないと思う -- 名無しさん (2019-05-07 01 25 06) 要る(鋼の意志) -- 名無しさん (2019-05-07 02 02 41) 要らない、寒いし -- 名無しさん (2019-05-07 04 01 36) 私利私欲のためにアノマリーを利用する職員はたまにいるけど、よりによってO5がか… -- 名無しさん (2019-05-07 07 07 34) あんなストレスフルな環境で酒もたばこも嗜まないのはさすが鋼の意志 -- 名無しさん (2019-05-07 08 12 25) まぁ煙草は結局の所ストレスの解消にはならんから残当ではあるんだけども -- 名無しさん (2019-05-07 09 15 49) SCP-2950で前任のO5-6が退任した理由ってもしや… -- 名無しさん (2019-05-07 14 19 00) 異世界の喫煙システムなのだろうか。 -- 名無しさん (2019-05-07 15 26 29) 要るったら伊る -- 名無しさん (2019-05-07 17 42 18) 要らないし伊らない -- 名無しさん (2019-05-07 18 34 55) ヤニカスってやっぱり糞だな -- 名無しさん (2019-05-07 19 52 47) あれ、この部屋シェルターとして使えるんじゃね? -- 名無しさん (2019-05-07 22 55 44) どうにもこうにもキメラれねぇ 佐うのもいいが程々にナ -- 名無しさん (2019-05-07 23 07 05) O5をネタにしてるのにjpの半額シールと違ってジョークオブジェクトじゃないってのは何で? -- 名無しさん (2019-05-08 18 59 55) ↑ドラゴンとか例はあるぞ -- 名無しさん (2019-05-08 20 52 10) 寧ろO5-6が報酬を受け取ってるのでは -- 名無しさん (2019-05-09 07 08 57) タバコは吸わないけど嫌煙厨でもないから単なる分煙化に便利なアノマリー位にしか思わん -- 名無しさん (2019-06-04 08 04 05) 便利かも知んないけど怪しい要注意団体と接触して誘致してるのは事実なんだよなぁ -- 名無しさん (2019-06-04 10 42 05) 明日処今日死んでもでもかしくない職場だしそりゃ吸う -- 名無しさん (2021-06-30 23 17 57) こんな方法で辞められるとか何処ぞのO5が聞いたら複雑だろうなw -- 名無しさん (2021-07-09 23 10 16) っていうか普通の喫煙所でいいのに ていうか、財団的にはコレ使っていいの? -- 名無しさん (2021-08-06 20 20 34) 律儀に契約結んでるし契約後に電子タバコにも対応してるの見ると、こっちが契約を守っているうちは無害だが契約不履行を起こすと何が起こるか分からないタイプかもしれないから下手に使用禁止にも出来ないんじゃないかな -- 名無しさん (2021-08-26 14 16 00) やらかしそうなO5-6…"カウボーイ"、または "ジ・アメリカン"さんかな? -- 名無しさん (2021-08-26 15 45 53) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/37494.html
登録日:2017/08/23 Wed 17 48 20 更新日:2024/07/13 Sat 08 37 05 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 K-クラスシナリオ SCP SCP Foundation SCP-3000コンテスト SCP財団 ミーム 反ミーム 情報災害 改造人間のリリーちゃんが悪の秘密結社を倒す話 自業自得 財団の天敵 財団製SCP 何人たりとも、この生ける屍を温めることはできぬ。 血ではなく、レテの緑の水が流れる体を。 SCP-3002は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスは後述。 はじめに まず、この記事は「アーカイブされた過去の報告書を、O5の命令で引っ張り出して転送しましたよ」というメッセージから始まる。 つまり、ここからしばらくは、過去の文書に付き合ってもらうことになる。 文書その1 作成日:2014/07/20 作成者:ダリル・ このオブジェクトが何かというと、インディアナ州ラファイエット近辺に位置するサウス・ロック刑務所の受刑者の85%が共通して有していた特定の記憶である。財団世界恒例、「どうやって収容するんだシリーズ」の概念系オブジェクトの一つと言える。 具体的にどんな影響が起きるのかというと、曝露者は本当は存在しない特定の日の記憶を思い出すことが出来るようになる。 それは、大体10~13歳のいずれかの時期の、特定の一日である。 報告されている記憶はいずれも、 森のある公園を、その頃一番仲良しだった友達と一緒にいた。 その友達と口論になってしまった。 というエピソードが含まれている。 予想はつくだろうが、曝露者がそこに行ったことがない、住んでいたことがない、というケースも多い。 これを発見したのは、スーザン・フェアバンク博士である。 彼女はサウス・ロック刑務所の心理学担当だったのだが、受刑者たちが同一の記憶について頻繁に口にするのを聞きとがめ、心理学の掲示板に投稿したところこれが財団の目に留まった。 初期収容に置いては、曝露者はその詳細を鮮明に思い出すことが出来た。 しかし、インタビューを繰り返すにつれてどんどんそれが不鮮明になっていき、最後には思い出せなくなった。 普通の記憶と同じように、である。 以下は、曝露者の一人であるジョン・ベイレッシュへのインタビューの抜粋となる。 ベイレッシュ:ちょっと考えてみたが、1997年の1月17日のことを思い出した。俺はジョンと一緒にブラム・ウッズで遊んでて、あっ、えーと、ブラム・ウッズっていうのは俺たちが育った公園だ。この公園はちょうど俺とジョンの家の間にあったから− ロイド博士 ジョン? ベイレッシュ ああそうか、すまない。ジョンっていうのは子供の頃俺と仲良くしてた奴だ。その頃俺はジョーイって呼ばれてた。あいつはジョン・ディナンジオって名前だったかな、確か。 ちなみにこのジョンという人物は実在したが、異常性はなかった。 ベイレッシュ それはともかく、俺たちは馬鹿みたいにはしゃぎながらふざけてた。しばらくは曇ってたけどそれ以外は最高の天気だったから、とにかく家から出たくて仕方がなかったんだ。喋ってるうちに学校の話になった。新しくクラスに入ってきた女の子がいたんだ。 確かその子の家族はスロバキアらへんから引っ越してきたんだったと思う。だけどジョンの奴、その女の子はとんでもないクソ女だって何度も何度もレイシストみたいにわめき出したんだ。 それがとにかくすごく妙だった。もうジョンのことは一生記憶に残るだろうな。あいつはいつも誰にでも優しかったのに。 ロイド博士 彼に何かしたりしましたか? 声を上げるとか? ベイレッシュ あ、ああしたよ。俺は悪口のことを怒った。お前の母ちゃんもポーランド人だろって。クソッ、今でも何があったのかは分からないけど、奴の言い草には頭来たんだ。俺がどなってやったら、しいんと静まり返っちゃって。あとはもうそれっきりだね。 ロイド博士 他に何か変わったことはありましたか? ベイレッシュ あー……リリーに見つかったことかな。 ロイド博士 その女性はあなたのご友人ですか? ベイレッシュ ああ、彼女はいつもちょっと変だった。知恵遅れみたいな感じだったんだと思う。何でそう思ったかっていうと、あいつは最初に俺を公園で見つけたとき、両手が肩に触るんじゃないかってくらいものすごく近寄ってきて、「私を覚えてるか」ってめっちゃ真剣に聞いてきて、学校か何かのプロジェクトについて何度も話してきたんだ。 なんというか、正直言ってどうして俺はリリーのことを忘れたりしたんだろうな? あいつはいつだって……(数秒沈黙する) あれっ、リリーがどんな奴だったのか全然思い出せない。 ロイド博士 外見だけでも思い出せませんか? ベイレッシュ それなら分かる。すごいブロンドの髪、だったと思う。それとあいつは-(混乱した様子を見せ、数秒間沈黙する) あ、あいつと何を喋ってたのか思い出せない。いやそんなはずはない、あいつは俺の親友だった。そうだったか? あいつを知ってることは確かなのに、俺は−(顔を覆う) ロイド博士 落ち着いてください。すぐにあなたの房までお帰しします。 このインタビューを含む数回のインタビューにより、偽の記憶の共通項が拾い出された。 上記したエピソードに加え、 天気は曇っていたが温かった 学校の新入生のことで友達とケンカになった 金髪の少女がいた というものである。 文書その2 作成日 2015/12/13 作成者:ダリル・ロイド この文書の冒頭には、以下のようなメッセージがある。 O5-1から同僚へあてたものである。なお、日付は2015/12/15である。 彼女が戻って来たということなのか、それとも彼女の記憶の寄せ集めにすぎないのか私には分からない。思考? レテ・プロジェクトが予期せぬ副作用を有していた可能性があるということだろうか? 彼女が戻ってきて我々を害することがないようにしたい。本件には目を光らせておくように。 カンのいい財団職員の諸兄ならば、おぼろげに輪郭が見えてきたのではないだろうか? さておき、新たに判明した事実を以てオブジェクトクラスはEuclidへと格上げされた。 それに伴い、SCP-3002がミーマチックエフェクトを含んだ情報災害であると判明したため、報告書そのものにミーム安全化プロトコルが設定されている。 そして当然、特別収容プロトコルも改訂。 SCP-3002に関する唯一の報告書がサイト-41の異常文書保管庫に格納されています。試験は03/3002クリアランスを持つ職員3名以上によって行わなければなりません。被験者および活性CL-IIミーム対抗因子を持たない職員には実験後にクラスC記憶処理を施さなければなりません。 SCP-3002に関する全ての文書は、クラス2情報災害を抑制可能なミーム対抗因子を有していなければなりません。また文書をSCP-3002研究エリアから持ち出すこと、ならびにSCP-3002プロジェクトと無関係の職員に見せることは禁止されています。 SCP-3002への曝露による長期的な研究および分析のため、最初にSCP-3002の影響が確認されたグループのうち1名だけを標準人型収容室に収容してください。 SCP-3002の被影響者が発見された場合、最初に汚染が確認された時期に応じてクラスCまたはクラスB記憶処理を施さなければなりません。現在、言語を用いた確認をせずともミーム的・物理的にSCP-3002の被影響者を判別できる手法を研究中です(暫定的にヴェセルカ・プロジェクトと命名)。このプロジェクトについてさらに情報を得たい場合はロイド博士に尋ねてください。 要は、「情報そのものがオブジェクトです。なのでミーム措置を含めて厳重に管理します。曝露者を発見するためのプロジェクトを立ち上げました」という話である。 ちなみにヴェセルカ・プロジェクトについては、年が明けてからの更新がある。 ヴェセルカ・プロジェクトは初期試験の段階でインタビューの必要なく被影響者を判別するという大きな成功を見せており、最終試験が始まっています。 プロジェクトを適切に活用するための機材とマニュアルが財団サイト、ならびにイリノイの数ヶ所とインディアナに存在する工作員に届けられています。 担当エージェントはまずインディアナポリスやシカゴなどの人口の多い地域から調査を始め、その後人口の少ない地域へと移るようにするべきです。 さて、ここまでの措置が必要となるSCP-3002とはなんだったのか? それは、曝露者の記憶にのみ影響を及ぼす、クラスIIの伝染性ミーム災害である。 曝露者の精神に偽の記憶を挿入し、それを自分のものだと確信させる効果を持っている。伝染ルートはずばり、「SCP-3002について述べる、文書・発話・音声記録を含むあらゆる情報媒体」である。そりゃ対策なしでは読めるはずもない。 記憶の中身についてはその1で述べたとおりだが、例の金髪少女が「リリー・ヴェセルカ」という名前であることが新たに判明している。 そのリリーが何をしたか、については個々人でバラバラだが、共通しているのは「リリーを覚えているか」「学校にまつわるとされる、あるプロジェクトについて知っているか」という質問をされたことである。 それ以外についてはその1以上のことはわかっていないが、事案が一つ。 Euclidへの再認定に際し、セキュリティクリアランスの制限がかけられたのだが、何と3人の職員が適切なクリアランスなしに情報へのアクセスを試みたのである。 そのうちの一人、ヴァンダービルト博士へのインタビュー記録がある。 ここに全文を引用する。なお、インタビュアーのワイトリー博士はRAISAの幹部である。 RAISA・ワイトリー ダミアン・ヴァンダービルト博士、私は記録情報セキュリティ管理室のオフィサーのワイトリーと申します。こうしてお話ししておりますのは、最近あなたがなさった、あるアノマリーの文書に対する編集について懸念があったためです。 ヴァンダービルト (困惑した様子を見せる) 何の話をしてるのかよく分かりませんね、ワイト。 RAISA・ワイトリー ヴァンダービルト博士、私のことはワイトリーかオフィサー・ワイトリーと呼んでいただきたく存じます。今お話ししておりますのはSCP-3002の文書のことです。昨日の夕方、あなたのアカウントと個人用端末から文書への編集がありました。 ヴァンダービルト すみません、オフィサー。しかしそれがどのアノマリーなのかがまだ分かりません。今現在複数のプロジェクトに参加しておりまして。取り組んでいるファイルや報告書はいくつかありますが、どれも私の編集権限の範囲内です。 RAISAオフィサー・ワイトリーはブリーフケースを開き、1枚のファイルを取り出す。ファイルにはSCP-3002に関する紙媒体の文書が入っている。 ヴァンダービルト ああ……なるほど、このアノマリーですね。些細な間違いを見かけたのを思い出したので、暇を見つけて修正を入れました。 RAISA・ワイトリー 我々の記録によれば、あなたがSCP-3002の文書にアクセスしたのはこのときが初めてとされていますが。 ヴァンダービルト 本当ですか? いや、確かに見たことはあるはずです。(数秒間沈黙する) あっ、待ってください! はっきり覚えています。昼食を食べに行く途中でロイドの背後から報告書が見えました。 RAISA・ワイトリー それはありえません。SCP-3002の性質上、全ての情報と文書は制御された環境下でしかアクセスできません。本来は特製のミーム的ロックによってアクセスを防いでいるのですが、あなたは管理権限を用いてロックを回避しています。 ヴァンダービルト いいでしょう。ですが私が行なったのは些細な文法的編集であるという事実に変わりはありません。 RAISA・ワイトリー それも事実とは異なっているようです。確かに文法的な編集も行われてはいますが、「SCP-3002」というフレーズや同様の箇所が「リリー・ヴェセルカ」に編集されています。また集合記憶内の存在がスロバキア人であるという記述を削除してもいますね。 ヴァンダービルト しかし彼女はスロバキア人ではありません。子供の頃から彼女のことは知っていますし、話す声に訛りがあることも分かっています。彼女はスロバキア人ではありません。我々の報告書は事実に基づいたものであるはずです。だから私は事実に則り……考えて見たら彼女がどこから来たかなんて覚えてない。 RAISA・ワイトリー ご協力ありがとうございました、ヴァンダービルト博士。 こののち、ヴァンダービルト博士はSCP-3002に曝露していることが判明した。 その後、ロイド博士が文書をぞんざいに扱ってるんじゃねーか? と疑った財団は彼についても調査をしたが、結果はシロ。文書の取り扱いには何の遺漏もなかった。 さて、アーカイブファイルはまだあるのだが、この時点で財団はSCP-3002そのものをどうにかする方法を一つも見出していない。 であれば、次の展開は、アニヲタ諸兄ならば想像がつくだろう。 文書その3 作成日 2016/08/04 作成者:ダリル・ロイド ここにもO5の同僚へのメッセージがある。 今度はツーからである。 ヴェレスの思っていた通り、これは副作用ではないようです。彼女はレテを知っている人間を優先して狙っていると思われます。 我々がプロジェクトに参加させていた全職員とサイト-Eに残っている全物品を処理するために私の方でrrhを派遣しましたが、時間が足りなかったためrrhは途中妨害を避けるために現地を離れざるを得ませんでした。 rrhとは、最重要な機密任務にのみ駆り出される、O5直属の機動部隊アルファ-1“赤い右手”の略称である。 そんなものを動かして「職員と物品を処理」させようとした。つまり証拠隠滅である。 その答えを発表する前に文書の続きを見よう。 オブジェクトクラスは諸兄の想像通り、Keterへ再認定。 そして、ロイド博士からの警告が一つ。 以下の文書はクラスX情報災害(危険度極大)を含んでいます。ミーム安全化プロトコルを実行しました。適切なクリアランスを持つ職員に対しては、文書を通して複数の高強度ミーム対抗因子を無作為に拡散しています。不適切なクリアランスによってこの文書のアクセスを試みた場合反ミーム的鎮静という結果に終わります。 クラスX情報災害発生。 予想をはるかに超えるバケモノだったSCP-3002に対する、新たなプロトコルはこちら。 SCP-3002を内包する全ての文字媒体は公式のSCP文書を除いて破棄しなければなりません。SCP-3002の文書へのアクセスはレベル4/3002以上のセキュリティクリアランスを持つ職員に制限されます。管理権限によるオーバーライドは、O5司令部と記録情報セキュリティ管理室の現職の室長を除き拒絶されています。 ヴェセルカ・プロトコルは更新され、被影響者を判別するために使えるミームトリガーが追加されました。被影響者を検出した場合は遠距離武器を用いて鎮静し、回収または終了します。被影響者の重要性や重大さによっては、外科的な記憶処理を行っても構いません。 全ての記憶が汚染された(あるいは外科的に大部分を摘出したことで手術後通常の機能に支障が出た)際は、被影響者の死を隠蔽するため財団標準プロトコルによって終了しても構いません。レベル4以上のクリアランスを持つ職員は、影響が発見された場合"重要人物"とみなされます。 外科的な記憶消去は人間の中にいるSCP-3002を除去する唯一の信頼できる方法であることが示されています。2016/██/██以降、薬剤やエアロゾルを用いた記憶処理によるSCP-3002の除去は全て失敗に終わっています。 SCP-3002を内包するコンテンツを積極的に作成している印刷会社およびウェブサイトは意図的であるか否かを問わず閉鎖させ、運営者を終了してください。 当該会社・ウェブサイトが作成したコンテンツは全て破棄してください。SCP-3002に関する実験およびインタビューは現職のプロジェクト責任者が許可を出した場合を除き実施してはなりません。 要約すると、情報制限に加えて「記憶処理は効かないから物理的に消せ。無理なら曝露者を殺せ」という話である。 そんなトンデモ情報がなんなのかというと、ロイド博士が述べたとおり、常識外れの感染力と拡大力を持つ、クラスX侵襲型ミーム災害である。 これは、曝露者のいかなる記憶も自由自在に改変することが出来、実体験を伴わない記憶すらも、肉体に刻まれた経験もろとも作り出してしまうのだ。 つまりこれは、全人格の書き換えに等しい。 情報の中身についてはこれまでわかっていた通りの、「リリー・ヴェセルカに関する偽記憶」だが、問題は感染経路。 この偽記憶に関する伝達だと思いきや、何と曝露者の持つあらゆる情報の伝達が感染経路となるのだ。 発話、文章、数式、暗号、さらにはテレパシーなどによる思考すらも。 要するに、曝露者とほんのわずかにでも情報をやり取りしたら曝露するのである。 そんなもんどうせえと。情報災害のバケモノと言えば日本支部のSCP-444-JPを思い起こす方もいるだろうが、そのレベルでタチが悪い。 さらにこの情報、非常に高度な適応能力を持っており、これを駆使して収容の試みをことごとくすり抜けてきた問題児である。このことからSCP-3002は知性を持っており、特定の条件にあてはまる人物を狙い撃ちにしているらしい、ともわかった。 ……で、これらの新たな事実は、わかっていなかっただけで当初から存在していた。 財団が泡を食って再調査に乗り出したところ、例の刑務所にいたすべての人間は曝露しており、どころかアメリカ中西部の人口はほぼ全て曝露者となっていた。 もはや収容どうこうの段階ではない。 さらにここで事案が一つ。 前回のインタビューを行ったワイトリー博士だが、それから三か月ほど後になって交通事故を起こした。 脊髄を損傷してしまったワイトリー博士は、その後とった異常な行動をRAISAに見とがめられ、財団によるインタビューを受けた。 以下がその内容である。なお、インタビュアーのロイド博士は事前に対抗ミームを用意している。 ワイトリー ロイド博士。お会いできて嬉しいです。 ロイド博士 私もです、ワイト。ここの扱いは満足ですか? 快適ですか? 食べ物は十分ですか? ワイトリー ええ、もちろん。言うことなしです。 ロイド博士 (両手を打ち鳴らす)ところで、ジェンから具合が少し悪いと聞きました。あなたのここのことです(自分の頭を指差す)。 ワイトリー 私の知る限りそんなことはないですね。 ロイド博士 そうですか。ふむ、では少し前にリリー、つまりSCP-3002についてヴァンダービルトと話したことは覚えていますか? ワイトリー ええ、覚えています。申し訳ないですが、怪我のせいで最近記憶が曖昧になってきていますね。 ロイド博士 子供の頃あるいはそれ以外のときでも構いませんので、リリー・ヴェセルカという名前の女の子に会った記憶はありませんか? よく思い浮かべてください。彼女が思い出されないことを望めば、思い出すことはできません。 ワイトリー そのような名前の人物は記憶にありません。 ロイド博士 (ため息をつく) オーケイ、話題を変えましょう。あなたの最近の行動は少し妙ですし不自然です。最近になって何をしていたのですか? 何故休暇に行ったのですか? ワイトリー ずいぶん長い間、ある一つの問題について研究したいという軽い衝動を感じていました。特に財団のファイルとデータベースの中を。 ロイド博士 衝動に駆られるままに行動していたということですか、ワイト? 私には知る義務があります。 ワイトリー 否です、博士。有害なミームが存在している可能性は認識していましたし、ミーム排除のための適切な対抗因子も摂取しました。 ロイド博士 (顔をしかめる)それで全部ですか? ワイトリー いえ、ミームの脅威を適切に除去した後、自分の意志でこの研究を実行しました。好奇心を満たすために。そしてSCP-3002と類似する実体に関する文献とレテという名前のプロジェクトを見つけました。 ロイド博士 なるほど、しかし何を見つけたんですか、ワイト? 時間がないんです。リリーについて何が分かったんですか? ワイトリー お答えできません。私の自動車の追突事件。あれは監視映像では事故ということになっていますが、事故ではありません。無関係の車が急に3台同時に向かってきて道路から飛ばされたのです。 ロイド博士 ワイトリー、これが回答する最後のチャンスです。あなたはSCP-3002に汚染されていて、研究を妨害するためにわざと情報を隠しているのではないですか? ワイトリー ロイド博士。私はあなたをあまり信用する気になれません。申し訳ありませんがもうインタビューを続けたくはありません。(ワイトリーはその後全ての質問に無反応となった) こののち、ワイトリーはヴァンダービルトとの接触直後から曝露者だったことが判明し、2016年に終了された。 O5が証拠隠滅のためにアルファ-1を動かしたのは、ワイトリーが「レテ・プロジェクト」の存在にたどり着いてしまったからだろう。 しかし疑問なのは、ワイトリーが曝露者だと確定された経緯。そりゃ、曝露者だったらしいヴァンダービルトと会話したのだからほぼクロである。 ヴェセルカ・プロジェクト、曝露者を見分けるあれが使われただろうことは想像に難くない。 だが、それはインタビューを介する必要はない。にも拘わらず、ワイトリーが曝露者だと確認されたのはインタビューの後だ。 そして、ロイド博士の態度にも疑問が残る。頭から、ワイトリーが曝露者だと決めつけて、その結論へ向けて話を進めているように見えないだろうか? 何よりも、SCP-3002は擬態するミームである。 記憶を改変し、その中に潜伏する。ならば、問答では感染の有無は判断不可能である。 ワイトリーは適切な策を講じたというが、それですら材料にはならない。もちろん、ロイド博士の用意した物理的ミーム対抗因子もである。 つまり、感染リスクが無いと見られていたヴェセルカ・プロジェクト自体も……。 ワイトリーは曝露者だったのか? 真実を知ったために財団に消されたのか? 真相はわからない。 だがここまで来ると、もはや曝露者と健常者を見分ける手段はない。 O5の思惑まで絡んできた以上、それを判別することは出来ないのだ。 混乱の中、財団―――おそらくはO5の意図が絡まない部分が、別のルートから引き出した情報をもとに、ウクライナの地下にあった、2013年に放棄された施設の調査に乗り出した。 明らかに財団の施設だったが、ウクライナにも財団にもこんな施設の記録はない。 バレバレなので言うが、アルファ-1に証拠を消されたのである。 しかし、O5-2の言った通りそれは不完全。焼却炉は機動部隊が到着する直前まで稼働しており、恐らく接近を察知したアルファ-1は事後処理もそこそこに慌てて撤収したのであろう。 発見されたのはかろうじて読める状態にまで復元された文書が1枚と、焼却炉の中にあった、ある人型オブジェクトのDNA。 そして、その人型実体の処置に使われただろう手術台と、頻繁に使われた形跡のある器具。 読み取れた情報からすると、人型実体の処置の際に、麻酔の類は一切使用されなかったらしい。 文書の中身は以下。 ヴェレス、 レテ・プロジェクトの活動を積極的に続けていくのはリソースの有効利用とは言い難いと考えています。レテが"壊された虚構"型シナリオを回避する上で極めて有効な手段であることは確かですが、プロジェクトを単一のアノマリーに頼ったことで対象に過度なストレスを与えてきました。 手術に侵襲的な機器を用いているせいか、彼女の運動能力と認識機能は次第に低下しています。認識機能の悪化の一例として、彼女は自身のかつての名前や呼称に返答することもそれらを名乗ることもなくなりました。 それに加えて彼女は技術者と働くことに対しいっそう消極的になっており、手術を逃れようと自傷行為に訴えるまでに及んでいます。彼女は数日前に自殺を試みたため、現在は常に監視下にあります。具体的な方法ははっきりしていませんが、現時点では食事中に食器を隠し持ち、数週間経った後にそれを自身に刺したと考えられています。 これまでは、彼女が収容以前に楽しんでいた様々な趣味や活動、具体的には写真や読書などをさせてやることでこの種の精神的苦痛を与えないようにしていました。 とはいうもののしかし、私としては"壊された虚構"の際にはコントロール可能な大量記憶処理や記憶改変アノマリーが適していると確信しています。よってこの分野の研究開発の続行は賢明なものと言えるでしょう。知っての通りレテで使用されているミームトリガーはごく一部を除き全ての人類に存在しているため、人類の記憶の基準点として機能させるだけでなく、人類の記憶を制御できるよう改造することもできるかもしれません。 このミームトリガーはイエローストーンの神経学的アーキタイプスキャンに組み込んでありますので、人間に依存しないプロトコルを現行人類の寿命より長く継続的に使用することも可能となるでしょう。 ペルーン この文書は何を意味しているのか? その答えは、現在の文書が明らかにしていた。 現在の文書 作成日:2017/04/20 作成者:コナー・ティーチ オブジェクトクラスはKeterのまま。 特別収容プロトコルはこうなった。 文書3002-6を参照してください。被汚染者は前任職員、家族、知人も含めて全員殺処分しなければなりません。O5-1またはO5-2による審査を受けた職員でなければ本文書および残存する職員にアクセスしてはなりません。 曝露者は関係者を含めて皆殺しにしろ、という話である。 要するに、収容の試みは全て失敗したのだ。 そして、ようやく明らかになったSCP-3002の正体。 この際なので一気にネタバレをするが、レテ・プロジェクトの被験体だったリリー・ヴェセルカという少女である。 ただしただの女の子ではなく、現実改変能力を持ったアノマリーだった。 そもそもレテ・プロジェクトとは、要するにK-クラスシナリオへの対抗策である、「全人類への同時一斉記憶処理」というジョーカーを作り出す計画である。 お分かりだろうが、この記事のヘッドカノンはSCP-2000、アニヲタ諸兄が終末への対抗策としてしょっちゅう話題にしては「それじゃどうしようもない」と却下される、元祖Thaumelのアレが存在する世界である。 が、そのための処置はリリーの心身に極度の負担をかけた。というか麻酔なしで体を切り刻まれて発狂しない子供などいない。 結局、リリーは自らの意識をミーム実体に変化させて肉体から逃げ出したわけだが、これに伴い肉体の方は終了され、アルファ-1によって他の情報とともに焼却処分されたのである。 ……SCP-1730を思い出した諸兄に告ぐ。その通りだ。 リリーの質問の中には「あのプロジェクトは終わった?」というものがあった。 恐らく彼女は、計画が失敗すれば、財団が残されたリリーの肉体を放棄すると踏んで、そこに帰ろうとしたのだろう。 ところが、アルファ-1によってそれは燃やされ、リリーは帰るべき肉体を失った。 その事実は知らないまま、しかし自分をこんな目にあわせた財団を深く憎んだリリーは、自らの記憶を持つ人間=財団職員を探して抹殺するべく、思考から思考へ、情報から情報へ乗って拡大し続けた。 その手法の一つが、情報の変形である。リリーは自らという情報を、別の記憶や情報に変化させて人間の精神に潜む。その時、モデルとした情報、オリジナルの情報もまた、リリーと同様の特性を持った端末になるのである。 そして、リリーはSCP財団に行きついた。 そこからどんどん職員を乗っ取り、あるいは殺害して勢力を広げ、さらに財団の外にまでその汚染を広げていった。 被害者が完全な暴露を受けた場合、その人物は「事実上意識して肉体を動かす能力を失う」。 普段はリリーは被害者に通常通りの生活と行動を行うことを「許す」が、ひとたび汚染されていない者を見つければ、周囲の汚染者を操作して強制的に対象に自らを暴露させようとする。 この時汚染された人物は、自己生存本能を示さない。リリーの意のままひとつで、操り人形にされてしまうのである。 普段は日常通りの生活を送ることを許されるようだが、人形のように扱われるスイッチがどこにあるのかわからない以上恐怖の対象でしかない。 あるいは、汚染者たちの神となり静かに見守り続けるとかそんな未来もあるかもしれないが……それは不確定だし、有り得るとしても財団に大きな被害をもたらす事は間違いない。 もはや人類の72%が汚染を受け、収容はほぼ不可能。ならば終了しかない、とO5司令部は生き残りの職員に終了方法を募った。 その提言は以下。 提言その1 内容:要注意団体とコンタクトを取る 提案:ケント・メイフィールド 結果:承認(9-4) 異常事件捜査課とマーシャル・カーター&ダーク社からは返答があった。 が、O5-1がSCP-3002の存在を確認。どちらの解答も破棄された。 Are We Cool Yet?は箱詰めにした自分たちの作品を贈ってきた。どうやら存続を諦めたらしい。 蛇の手は「我々の中にも潜んでいるかもしれない、手伝えない」との返答。 「何者でもない」はただ一言。 こうなることは予想してしかるべきだったろうに。 + 関係ないかもしれない話 気になることがひとつ。なぜO5-1がSCP-3002への感染を確認しているのだろうか? O5がオブジェクトへの接触を禁止されているのは有名な話だし、そもそも情報で感染するSCP-3002を、O5のトップが確認するなど不審である。 文書その2の冒頭のメールにて、O5-1がリリー・ヴェセルカを「彼女」と呼んでいるのも合わせると、O5-1には何らかのSCP-3002への耐性があるのだろうか。(*1) 最初からO5-1はSCP-3002に感染しているという可能性もなくはないが、流石にそれは本気でどうしようもないので考えないことにする。 提言その2 内容:SCP-2000でリセットする 提案:コナー・ティーチ 結果:却下(2-8) 「機械仕掛けの神」、読者には有名な財団の最終兵器だが、これも使えなかったようだ。最終兵器として仕舞い込んでいたために、却って気づかないうちにスタッフごと汚染されてしまったらしい。(*2)リリーさんマジパねぇ。 ちなみに結果の部分の数字は、O5司令部の中で賛成と反対を示した人数である。……減ってますね。 提言その3 内容:一時的にSCP-3002を抑制できる反ミームを作る 提案:ケント・メイフィールド 結果:承認(5-4) RAISAで使用していた別の対抗ミームをベースに急きょ作成されたこの反ミームは、リリーによってあっさりと改変されてしまった。 このことからSCP-3002が反ミームとして人間の精神に潜み、効率的に対象を無自覚な汚染因子へと仕立て上げている可能性が浮上。 そのセンで調査したところ……7人以上が汚染され、O5も複数人乗っ取られていたことが判明。もうダメだろこれ。 提言その4 内容:ガニメデ・プロトコル発動 提案:コナー・ティーチ 結果:却下(2-6) 「そこまで過激なことをしなくてもいいだろう」との理由らしい。 いや、あの、全人口の7割以上が乗っ取られてるんですが……。 ちなみにガニメデ・プロトコルというとSCP-1945-JPを思い浮かべる人もいるだろうが、この単語の初出はSCP-2000である。 提言その5 内容: 彼女 を止め得る方法を見つけ出すため、レテ・プロジェクトの再調査を行う。 提案:コナー・ティーチ 結果:却下(1-3) リリー、いやSCP-3002の起源というべきプロジェクト。 それを調べなおすのは決して無意味ではない。何しろ、彼女の能力の大本たる改変能力についての記録が残されているかもしれない……という主張。 が、結果は却下。 プロジェクトの再調査をする理由はない。そこから得られるものは何もないだろう。さらに言えばO5司令部は君が汚染されていると信じるに足る十分な証拠を持っている。終了は直ちに行われる。 博士は既に汚染されており、プロジェクトの再調査もそこから出たものだったらしい。 ちなみに『オブジェクトを彼女と呼んでいるのが汚染の証拠』という話もあるが、「文書その2」を見てもらえばわかるがO5-1も『彼女』という呼称を使っているのでそれ自体はおかしなことではない。 (この記事の提言内ではリリー・ヴェセルカがSCP-3002と呼称されている以上、影響のひとつである可能性はある) 提言その6 内容:再始動 提案:- 結果:合意に達せず(1-1) この提言のみ、提案者の名前はなし。 それもおかしなことだが、ここまでの状況になってなお選択肢に上がる「再始動」とは何なのか? SCP-2000が使用不能な以上、それ以上の何かだろうか? 気になるところではあるが……、結果は「合意に達せず(1-1)」。 とうとうO5は残り二人になり、投票はもはや意味を為さなくなってしまった。 一般職員もおそらくは大半が汚染され、正常な職員は一握り。 果たして彼らは『再始動』を遂げ、「リリー・ヴェセルカ」という思考を殺すことができるのか。 あるいはリリーがその思考すらも摘み取ってしまうのか。 ……リリーは財団への復讐を遂げたとして、その後の人類に対しても何か害を与える意思はあるのか。あるいはそこに、『再始動』の真意が……。 財団とリリーの最後の戦いがどのような結果を生むか、誰も知らない。 SCP-3002 Attempts to Assassinate Thought(思考抹殺計画) + 隠された真実……? リリー・ヴェセルカは、SCP-3002の本名ではない。 文書その3の後半を見て欲しいが、 例として、彼女は自身のかつての名前や呼称に返答することもそれらを名乗ることもなくなりました。 SCP-3002は自らの本名を名乗れなくなっており、それは財団への攻撃を始めた後も同じだと思われる。 「リリー・ヴェセルカ」になる前の彼女の本名とは、いったいなんだったのか? 作者の発言に曰く、彼女には正体がちゃんと存在し、それはリストに載っている「シリーズ1のSCP」らしい。 この発言や、その他の考察から考えられた正体の候補がふたつ。 ひとつはちいさな魔女/SCP-239。 その強い現実改変能力からすれば、有り得なくもない話である。 そして、もう一つ。 かつては写真や読書が趣味であったこと。 ヴェセルカ……Veselkaとは、ウクライナ語で虹を意味すること。 ……ちょうど虹の神に由来する名前の少女が、三桁ナンバーに存在する。 あるいは、別の正体が存在するのかもしれないが……なんにしろ、答えは現在は謎に包まれている。 提言その7 内容:この記事の追記・修正 提案:アニィ・ウォーター・ノ・アイン 結果:承認(1-0) SCP-3002 - Attempts to Assassinate Thought by tretter ja.scp-wiki.net/scp-3002 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] そうか、財団が終わってもその先があるのか、このオブジェクト。そこを示してくれる解説のセンスにUV。 -- 名無しさん (2017-08-23 18 17 05) 自分以外を探す、という手もあるだろう だが、彼女は不可逆かつ防御不可のミーム 他人を自分にしてしまい、きっとまた独りぼっちになる 無数の破滅と悪意の潜む財団世界で独りぼっち タグの自業自得が光る UV -- 名無しさん (2017-08-23 18 48 24) 財団の地獄が終わって無限に続くリリーの地獄が始まるのか -- 名無しさん (2017-08-23 18 57 23) SCP-2000の知性についてってどこで見れますか?教えてください! -- 名無しさん (2017-08-23 18 58 02) ↑2000の記事に隠し文字がある。多分あれが、SCP-2000の意志。で、「意識に潜む」このミームに感染したって時点で、2000に意志があることになる。 -- 名無しさん (2017-08-23 19 21 28) 強力な現実改変者ならまた自分に都合の良い世界作るんじゃないの -- 名無しさん (2017-08-23 22 29 13) 元記事見てきたがここだと「財団の明日~」以降が蛇足…オブジェクトの意向を歪ませる持論を載せるのは頂けない。文面も攻撃的だし -- 名無しさん (2017-08-23 23 08 49) なんとなく「ナナシノゲエム」の呪いのゲームみたいなオブジェクトだな -- 名無しさん (2017-08-23 23 11 51) ↑↑ちょっと主観的過ぎると思うのよね。俺の主観だと少なくとも財団が滅んだ世界が手に入ったのだから何も生み出さなかったわけではないな -- 名無しさん (2017-08-23 23 18 55) もし復讐が終わっても消えることが出来なくなるのなら、リリーは自分の眠りを殺してしまったことになるのかな -- 名無しさん (2017-08-23 23 33 00) ↑6ありがとうございます!確認してみます! -- 名無しさん (2017-08-24 01 33 19) この記事後半に否定的な人がいるのも分かるんだが、しかし抹殺するのはもったいない出来だと思う -- 名無しさん (2017-08-24 03 08 27) 後半の蛇足感も部分もそうだけど、「皆さんならもうお分かりですね?」って表現がちょっと多過ぎる感じ。一回か二回ならともかく、一つの記事中にこう何度も出て来るとちと鼻につく -- 名無しさん (2017-08-24 06 14 26) レリクス暗黒要塞…… -- 名無しさん (2017-08-24 07 38 27) 結局これって「すごい力を持った現実改変能力者が迫害されて、財団に復讐する」というアレなオブジェクトのテンプレみたいなのをちょっと小難しくしただけじゃね? -- 名無しさん (2017-08-24 09 15 40) 実はリリー自体はとっくの昔に無力化されていて、リリーの生んだ「相手が致命的ミームに感染している」と思い込むミームだけが(ミームについての知識を持つ者≒財団とGoI限定で)拡散し続けている、とか考えてみた -- 名無しさん (2017-08-24 10 17 50) F.E.A.Rのアルマを想起される・・・ってか発想元それじゃね? -- 名無しさん (2017-08-24 11 27 46) 正直「オブジェクトを破壊しようとしたら逆に財団がやられちゃいましたー。で、どうするの?」とは思っていたから後半の部分は好きだよ -- 名無しさん (2017-08-24 12 14 18) 友達との喧嘩は自分が自分じゃなくなる暗喩? -- 名無しさん (2017-08-24 16 30 38) 財団にとってもリリーにとっても「自ら育てた闇に喰われて滅びるがいい」という話かな -- 名無しさん (2017-08-24 16 33 55) 「SCP財団は、完全に壊滅したのである。」から先はどうなんだこれ?リリーにとっても地獄とか完全に想像でしかないし…。解説動画とかで「自分はこう思う」って形でやるならいいと思うけど… -- 名無しさん (2017-08-24 18 57 04) 「らせん」っぽい?あっちは「ヒト」という種が「貞子」に取って代わられる支配シフトだけど -- 名無しさん (2017-08-24 21 46 19) 財団がなくなるからSCP全開放だし、GOC的には汚染されてるのは皆殺しにしそうだし、少なくとも普通に人は生活できなさそうだ -- 名無しさん (2017-08-24 22 13 01) SCP世界には人外の知性体なんか山ほどいるしリリーは別に孤独じゃないよね -- 名無しさん (2017-08-25 10 14 01) ↑ 機会仕掛けの神が感染してる。つまり『意識体であれば人でなくても構わない』 -- 名無しさん (2017-08-25 10 26 53) ↑ 全ての人外が汚染に対抗できないとは限らないyone -- 名無しさん (2017-08-25 13 03 52) ↑知性さえあれば神やら鳥であろうと問答無用で汚染する最強ミームである可能性も否定はできないけどな -- 名無しさん (2017-08-25 13 07 37) 財団が消えてやばいオブジェクトが野放し、予防不可になったらリリーの寄生対象も全滅するだろう。宿主を殺すウィルスが生き延びれないのと同じ -- 名無しさん (2017-08-25 14 38 13) 財団はあくまでも、必要だと信ずることを行ったに過ぎない]。 -- 名無しさん (2017-08-26 00 31 52) ↑ミス。これはまぁその通りなんだけど、だからってリリーにその扱いを納得しろってのも無理な話だよこの計画内容見てると。 -- 名無しさん (2017-08-26 00 33 21) 元ページには全滅後リリーがどうなるかなんて示唆されてないからこの記事の後半は蛇足にしか思えん -- 名無しさん (2017-08-26 08 48 30) このオチの投げっぱなし感がいかにもホラーもの -- 名無しさん (2017-08-26 21 23 16) アリソンエッカートぶつけてみる -- 名無しさん (2017-08-27 15 48 50) ↑3「財団に明日はない」系のSCPって沢山あるし、その中でこの記事だけ「今回はそうはいかない」とまで強調するほどの特殊性はやっぱ感じないなぁ俺も -- 名無しさん (2017-08-27 21 54 03) 考察なら考察とわかるように書いた方がいいと思う。自分的には、もはや考察通り越して言いがかりや妄言になってると思うけど -- 名無しさん (2017-08-28 17 50 20) 考察混じりの解説ってアニヲタSCP記事じゃ普通だろ。攻撃的だの妄言だの騒いでる奴は被害妄想強すぎ。 -- 名無しさん (2017-08-28 21 05 16) その考察が妥当な根拠に基づいてないから言われてるんじゃないですかねぇ -- 名無しさん (2017-08-28 21 13 38) だからって消すのはもったいないと思った -- 名無しさん (2017-08-29 18 38 58) 出来が良ければ嘘でも残していいってのは違うでしょ。都市伝説や陰謀論の類じゃあるまいし -- 名無しさん (2017-08-29 19 23 53) 嘘は言い過ぎ -- 名無しさん (2017-08-29 22 14 47) 「wiki篭り博士の提言 だがこの壊滅の後、リリーはどうなるうんぬん」とかで格納しとくってのはどうだろうか -- 名無しさん (2017-08-29 23 56 29) ↑2 元記事・ディスカッションから読み取り不可能な飛躍した妄想は嘘と言って差し支えないのでは -- 名無しさん (2017-08-30 02 26 22) というか消えた考察部分(特にリリーはこれからが地獄で云々という言い回し)はニコニコのSCP-3002解説動画にほぼ同じものがあるので、まるでそれをそのまま書き起こしただけ独自性のなさに引いた -- 名無しさん (2017-08-30 14 08 23) 続報の部分が「続報は無し」から[データ未入力]に変わってる所が恐ろしい。もう誰もデータベースを触っていない事がよくわかる。 -- 名無しさん (2017-08-30 14 27 32) 「財団が絶対正義!リリーが100%悪!」とでも言いたげな根拠のない妄想は消して良かったと思う。 -- 名無しさん (2017-11-06 18 10 11) ↑そんな記述あったっけ? -- 名無しさん (2017-11-07 06 47 53) ↑最初はあったのよ。後で消されてる。 -- 名無しさん (2017-11-07 13 07 35) 不必要な記述だったかもしれないが財団が絶対正義!リリーが100%悪!」なんて内容だったかな -- 名無しさん (2017-11-08 05 56 46) 最後の提言の内容の欄は元の文書そのままでいいんじゃないかな。提言その5なんか「彼女」の表記が消えてるから「オブジェクトへの二人称は「対象」である。」ってのがわかりづらくなってる。 -- 名無しさん (2017-11-18 04 11 30) リリーが現実改変能力者だったってどこソース? -- 名無しさん (2017-11-28 02 35 13) いっそ財団崩壊後も全てを自分にする事を目指してリックアンドモーティのユニティーみたいになれば良いと思った -- 名無しさん (2018-01-12 02 45 05) Explainedじゃねえの…と思ったがもうそこを変えようと判断できる人もいないのか -- 名無しさん (2018-05-20 08 24 45) なぜか候補が小さな魔女とアイリスに限られてるけど、ミーム的作用をもたらすという意味で年頃のサキュバスだって候補者なのでは -- 名無しさん (2018-07-26 16 23 07) リリーが年頃のサキュバスなら財団に負荷実験されてるのはおかしくないか?保護者が黙ってないだろ -- 名無しさん (2018-09-14 08 21 32) というかそもそも他のオブジェクトと関連付けるのは無理じゃない? -- 名無しさん (2018-11-27 21 51 39) 財団がいつもの「冷酷だが残酷じゃない」精神で非人道的なことしてたら返り討ちにされましたっていう話だと自分は思ってる。はっきり言えば自業自得じゃないのこれ? -- 名無しさん (2018-12-04 20 18 29) 正体が小さな魔女ならわかるがアイリス説はちょっと苦しい気がする。写真の異常性が実は彼女の現実改変能力の一部だったとか? -- 名無しさん (2019-02-09 22 36 47) リリー・ヴェセルカは改造人間である。彼女を改造したSCP財団は世界を影から操る悪の秘密結社である。リリーは人間の自由のために財団と戦うのだ! -- 名無しさん (2019-04-24 19 17 47) ↑3自業自得の話だとオレも思うんだけど、オレはどっちかって言うと「冷酷だが残酷じゃない」精神をなくした世界の財団だと思ってる -- 名無しさん (2019-04-25 10 57 36) これマジ…リリー姉貴強すぎるだろ… -- 名無しさん (2019-06-16 14 08 57) ガニメデ・プロトコルの初出って2000なん?001提言の天使の奴だと思ってたんだが -- 名無しさん (2019-08-13 10 17 35) わるいざいだんの末路は大体こんな感じなのかもしれない -- 名無しさん (2019-10-02 12 59 37) だからこそこういう事にならないように倫理委員会が裏で権力を持ってるんだよな -- 名無しさん (2019-10-02 13 13 32) ↑6人間の自由…?(人類の7割強に仕掛けられた洗脳爆弾を見ながら) -- 名無しさん (2019-12-10 12 39 18) あまりにも長すぎて、半ばひとつの読み物と化してるから、インタビューの不要な部分を略したり、地の文で事実だけ書いたり、分量を減らしたほうがいいと思う(他力本願) -- 名無しさん (2020-01-31 00 27 48) お使いの端末のマイクにゆっくり、はっきりと、次のフレーズを繰り返してください。「私は記憶の中の少女に見覚えがありません」 -- 名無しさん (2020-04-23 15 48 03) 終盤でO5-1が自らscp-3002をチェックしてるの、「レテで使用されているミームトリガーは『ごく一部を除き』全ての人類に存在しているため」とあるので、O5-1がそのごく一部の人なのかなとか解釈してた。で、最後に「再始動」を提案してるのは操られてるO5の誰かで、操られず残ったO5-1と意見対立してる、とか。あと、SCP-2000使用却下の件は、「このミームトリガーはイエローストーンの神経学的アーキタイプスキャンに組み込んでありますので」とあるので、SCP-2000がすでに汚染されてるかな…と(理解不足かもしれんが) -- 名無しさん (2020-05-12 00 01 34) なっがいな -- 名無しさん (2020-06-07 10 43 40) 意見対立してるっていう感じなら、財団が思考抹殺計画してるってことなのかな? -- 土方 (2020-07-02 18 33 43) 正体がアイリスってのは作者が暗に認めてるみたいだね 作者は意識してなかったけど本邦未翻訳のscp2498とも関連付けられるとか -- 名無しさん (2020-12-19 17 04 18) 財団以外の人間に悪意は持ってないなら、とりあえず人類の存続はできるのかな。まあ、ディストピアだろうが。 -- 名無しさん (2020-12-19 19 57 26) あれ? -- 名無しさん (2021-02-25 20 55 35) リリーってさ、001にいなかったけ -- 名無しさん (2021-02-25 20 56 17) ↑リリーの提言かな?関連性は無いと思うけど…… -- 名無しさん (2021-04-02 13 29 08) 財団の外で小説化目指してくれレベルの長さだな… -- 名無しさん (2021-08-19 14 09 41) ↑6500が英語で70万文字だそうだ。翻訳大変だろうな -- 名無しさん (2021-09-13 17 04 29) 財団を滅ぼして満足してくれるなら、一応ハッピーエンド -- 名無しさん (2021-11-19 18 19 17) まあプロジェクト名が「レテ」だから、ちいさな魔女より「イーリス」であるアイリスの方を暗喩してる可能性は高いよね。 -- 名無しさん (2022-06-25 17 16 48) 全員乗っ取られたら、もう実害ないんじゃない? -- 名無しさん (2023-12-13 08 12 41) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36018.html
登録日:2017/01/18 (水) 02 30 45 更新日:2022/11/05 Sat 07 16 14 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 SCP SCP Foundation SCP-2936 Safe Voct ガラスの子宮 ナチス 南極 鋼の母 SCP-2936とは、怪異創作コミュニティサイト(シェアード・ワールド)「SCP Foundation」に登場するオブジェクト (SCiP) の一つである。 項目名は『巨大ナチスロボ (Giant Nazi Robot)』。なんともB級な名前である オブジェクトクラスは「Safe」に指定されている。 概要 SCP-2936は、南極にあるナチスの軍事基地の跡地である。え? なんで南極にナチスの基地があるんだって? SCPなんだからあるんです この既に廃棄された基地、中にはなんと異常技術によって作成されたらしいアーティファクトが複数収容されている。ますますB級の匂いがする さらに言うと、この基地は周辺で回収された書類から推察するに1953年ほどまで使用、居住されていたそうなのだが、民間の地図作製プロジェクトと科学調査探索結果は、SCP-2936の位置する土地は少なくとも2005年まで何もない未開発状態だったというデータを残している。 ちなみに先ほど言及した内部のアーティファクトは、ほぼ全てが南極の過酷な環境化に曝された事による経年劣化によって損傷/風化してしまっている。 …SCP-2936-1を除いては。 SCP-2936-1はSCP-2936内部を守衛として巡回している知的オートマトン…つまるところが自律式のロボットである。 概ね人間型ではあるが、脚部には履帯がついており、無数の関節が付いた2本の腕の先端にはそれぞれ8本の対向指が付属。首にはスピーカーと2つの小型ムービーカメラが取り付けられている。言ってしまえばものすごくアナログで古臭いそれこそFalloutとかWolfensteinにでも出てきそうな見た目のロボなのである。 よほど堅牢でもない限り南極の環境じゃ動かないだろうし、なにより人間がいないのに修理とかどうしてるんだよと思う読者もいるだろうが、どうやらコイツの動力源は胸の上部に埋め込まれた光る鉤十字(スワスティカ)。この鉤十字が何らかの異常な特性を有しており、所謂S2機関みたいな永久(もしくは半永久)機関として機能していると考えられている。 しかしもし本当にこの鉤十字が動力源だったらヘタに取り外した瞬間SCP-2936-1は間違いなく壊れるだろうし、そもそも何が起こるか分からないため、鉤十字の調査に関しては安全に取り外しができる手法が確立されるまで延期されている。 このSCP-2936-1の胸部には蓄音機のレコードに似たディスクの列と、それらを再生/切り替える機械が埋め込まれている。 これらのレコードディスクの中にはSCP-2936-1を動かすプログラムが組み込まれており、これを切り替えることでSCP-2936-1はそれに応じた動作を行うようになるのである。 SCP-2936-1は定期的、もしくは自分が慣れ親しんでいない状況に直面した場合にディスクの切り替えを試みているが、このディスク郡も前述のアーティファクト同様損傷が激しいために、ある一枚を除いて全てが読み込み不可能になっており、SCP-2936-1は新たなプログラムを実行できなくなっている。 現在財団によって特定されているプログラム・ディスクの名前は以下の通り。 番号 名前 #1 軍医 #2 政治将校 #7 兵装管理員 #8 魔術兵装管理員 #11 鋼の母 #22 守衛/建造物修復 #24 ゲームプレーヤー #28 料理人/農業者/栄養士 この内物理的な損傷がないディスクはSCP-2936-1内で動作し続けているディスク#11『die Stahlmutter』、即ち『鋼の母』ディスクのみである。 そしてプログラム・ディスク#11『鋼の母』を読み取って動作しているSCP-2936-1の主機能は、SCP-2936-2の保守点検である。 SCP-2936-2はSCP-2936内に存在するアーティファクト群のひとつであり、壁に取り付けられた64本の円筒形ガラスタンクと、内部に存在する人間の胎児もしくは乳児の乾燥した遺体から成り立っている。SCP-2936-1曰くこのアーティファクトの名前は『Glasgebärmuttern』、つまり『ガラスの子宮』と呼称するらしい。 しかしながらこのSCP-2936-2もほかのSCP-2936内部のアーティファクトの類に漏れず南極環境と経年劣化によって損傷しており、ガラスはひび割れ、ゴムパッキンは風化、電源類も火災によって溶融、中に入っていた『Ersatzfruchtwasser』、『代替羊水』も漏れ出して乾燥しているなど、かなり激しく損壊している。 SCP-2936-1はこの悲惨な状態のSCP-2936-2を四時間毎に点検、検査し、SCP-2936-2に異常が無いかを確認している。だがSCP-2936-1は全てのタンクの検査結果に古いセンサー読み取りデータを適用してしまうため、常にSCP-2936-2が無傷で、問題なく機能しているという判断を下してしまう。 上述した事象以外にSCP-2936に異常性は認められない。 SCP-2936-1は「ドイツ語に堪能であり、第三帝国政権下に属していることを示す記章を付けている(つまりナチスの同胞と見なされる)人物」ならば敵対的反応を示さないらしく、SCP-2936-2も未知の技術ではあるものの危険な特性を持つアーティファクトというわけではないため、財団はSCP-2936を民間の地図から削除した上で-1、-2共々まとめて南極の現地で収容、内部にはドイツ語に堪能かつナチス記章を付けさせた職員を配置して管理しており、現在はSCP-2936-1の鉤十字を安全に取り外す方法の画策を行っている。 ちなみにSCP-2936-1はSCP-2936-2を検査していない時、SCP-2936-2のタンクとその中身である既に死亡してしまった乳児、胎児を称賛し、ドイツの伝統的な子守歌を歌いながら幼児サイズの衣服を編んでいる。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- イリエスク博士 Stahlmutterがタンクの面倒を見ているのは、いったい何が理由なのかね? SCP-2936-1 Herrenkinder(マスター・チルドレン)が大きく、強く成長して、世界を支配できるようにするためです。 イリエスク博士 Stahlmutterは“死”と言うものが何かを知っているか? SCP-2936-1 はい。 イリエスク博士 Herrenkinderは死んでいるのではないか? SCP-2936-1 死が適用されるのは兵士たち、そしてUntermenschen(劣等人種)のみです。 イリエスク博士 成程な。Stahlmutter、君の答えは— SCP-2936-1 子供たちはGlasgebärmutternの底に横たわっています。彼らは死した兵士のように身動きしません。しかし子供たちは兵士ではなく、Untermenschenでもありません。そしてGlasgebärmutternの化学的、物理的、機械的パラメータは全て最適値です。従って、子供たちは死んでいません。Stahlmutterはいつでも子供たちを愛しています。良き子供たちは強く、勇敢に、賢く育ってゆくことでしょう。Stahlmutterは良き子供たちを愛しています。 CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-2936 - Giant Nazi Robot by Voct http //www.scp-wiki.net/scp-2936 http //ja.scp-wiki.net/scp-2936 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 子供も死ぬことを知らず戦士になるのを待ち続けるのか・・・ -- 名無しさん (2017-01-18 02 41 30) これはGOCに破壊してもらった方がよかったかもしれん。事実上の無力化しているのも同然だし、見つけるのが早かったなら…… -- 名無しさん (2017-01-18 10 33 54) DQ7のエリーのようだな -- 名無しさん (2017-01-18 10 54 27) ぜぼっと キョウモ ウゴカ……同じ感想持つよなぁ -- 名無しさん (2017-01-18 13 37 41) 不確定要素があるため破壊も出来ず……ずっとこのまま、二度と目覚めないであろうチルドレンの検査をし続けるのか -- 名無しさん (2017-01-18 16 48 29) チルドレンの正体はなんだろう・・・チョビ髭のクローンとかだろうか -- 名無しさん (2017-01-19 03 34 23) ↑総統ニキが選んだ優秀な人材のクローンかもしれない -- 名無しさん (2017-01-19 12 43 43) なんの因果化 -- 名無しさん (2017-01-21 21 36 48) ↑2他にもサーキック絡みの奴らに頼んで閣下クローン作られてたりする -- 名無しさん (2017-01-21 21 42 34) 財団世界じゃ同じ枢軸ネタでも日本は軍のほうに異常性が確認されてるのになぜドイツは総統やナチスのほうに目がいくのか(当たり前といえば当たり前だが) -- 名無しさん (2017-01-21 23 36 36) これってもしかして胎児?たちは生きてるか正常な状態なんじゃないかな 正常=羊水入ってる状態だって認識してたら底に横たわってるとは言わないような -- 名無しさん (2017-03-08 00 55 28) たしかにエリーだなぁ…スープ作ってそう -- 名無しさん (2017-12-25 23 09 09) ↑3 ドイツは終戦で政府も政権も軍もなんもかんも作り直してるからネタにできるけど、日本は軍は解体されてるけど政府は継続性があるからネタにしづらい -- 名無しさん (2020-12-21 10 36 42) ↑4 あまり主導的に、戦間期~第二次大戦を指揮した政治指導者が日本にはいないってのもあるかな。内閣もころころ変わるし、漠然と「軍部」くらいしかネタになる主体がない。 -- 名無しさん (2022-11-05 07 16 14) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/45089.html
登録日:2020/05/24 Sun 23 04 57 更新日:2024/08/11 Sun 01 24 18 所要時間:約 40 分で読めます ▽タグ一覧 ACS K-クラスシナリオ Keter SCP SCP Foundation SCP-3812 SCP財団 djkaktus メタ 現実改変 BY ORDER OF THE OVERSEER COUNCIL The following file describes a Level 13 existential threat,and is Level 5/3812 classified Unauthorized access is forbidden. 人を越え、法則を塗り替え、理不尽すら通り越し、遂に"創造主"すら超越した。 SCP-3812はシェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 項目名は『A Voice Behind Me (背後から聞こえる声)』 オブジェクトクラスはKeter。 特別収容プロトコル さて、前置きしておくが、このオブジェクトはヤバイ。とにかくヤバイ。 いやSCP指定されてる上にKeter分類なんだからヤバくないわけはないのだが、それを考慮してもなお凄まじいとしか言いようがない代物である。 具体的にどれくらいヤバいかについて語るより、収容手順を見れば大体察せられるだろう。 SCP-3812の収容は、現在のところ部分的のみです。より詳細な情報については以下の収容提案の指示内容を参照してください。 これだけ。 更にここにはご丁寧に脚注が添えられてるのだが、 SCP-3812の収容はどんなに念入りに準備してようが絶対失敗するよ。 常に地球規模の収容違反を起こし得るし、地球や現実がいきなり壊滅してもおかしくないよ。 というか収容の試み自体が無駄だからKeter指定する意味すらないよ。とりあえず分類してるだけだよ。 収容フリークとして名高い財団が収容を完全に投げ、更にはOC指定に意味がないとまで言い切ってる有様。 この時点でOCがなくて収容手順に「無意味」とか書いてある例の巨人と同レベルなことが窺い知れるだろう。 まあ流石に何もしてないわけではなく、その次にある「Keterクラス収容提案の指示内容」という独自項目にはそこそこ詳しい取り扱い方が書いてある。要約すると 機動部隊が周囲5kmを隔離した上で常時監視を行うよ。 収容手順を確立するためにとにかく異常性を調査するよ。 こいつの存在を一般に認知されないようにメディアを監視するよ。 こんな風につらつら書かれてると割とどうにかなってそうに感じるが、よく見るとこいつの異常性による直接的な影響についてはノータッチなことがわかる。 つまり財団はこいつの存在をできるだけ隠蔽する努力をする以外は、実質的にただ外から眺めていることしかできないということ。 あくまで収容手順ではなく「収容提案の指示内容」という曖昧な項目にまとめられているのもそのためである。これは現地職員への指示であって収容手順ではない。 扱いとしては「絶対に阻止不可能なK-クラスシナリオを起こす不発弾」みたいなものである。 何かしら対処できているかのような書き方だが、財団がこいつのもたらす脅威に対しできることは何もない。 まるでどっかのラップトップやらウロボロスやらを思わせるどうしようもなさである。 それほどまでに財団が恐れるSCP-3812とは何なのか、順を追って説明していこう。 説明 SCP-3812はいわゆる現実改変実体である。以上。 いやもっと書くことあるだろと思うかもしれないが、こいつの能力の関係上それ以外の詳細を説明するのは不可能な上に意味がない。 というのもこいつの姿形は自己改変のせいか全く定まっておらず、人型だったり無機物だったり非実体だったり、様々な姿にいつの間にか変化しているからである。 それこそ一貫しているのは改変能力くらいのものだ。 ただ起源に関しては割とはっきりしており、1996年に亡くなったとされる "サム・ハウエル" というアフリカ系アメリカ人が元となっているらしい。 彼の墓から浮かび上がるように出現したのが3812の最初の発見となっている。 そしてその後のある時にポーランドのとあるアパートが破壊されるという事案を引き起こし、これによって財団の注意を引きSCP指定されたようだ。 元人間で現実改変者というからには当然自我もあるのだが、現在こいつは極めて深刻な統合失調症を患っており、かなり酷い精神状態にある。 具体的に挙げるとパラノイア、精神不安感、躁鬱病、認識能力欠如、感情抑制能力欠如、幻覚、幻聴 etc… …いや酷いにも程があるだろ。 当然ながらこんな状態で能力の制御なんぞできるわけもなく、3812は現実と想像の区別もつかないまま、自身の現実の解釈と異なるあらゆるものを改変しながら彷徨い歩いている。 要するに3812の基本的な性質は、周囲を知覚することすらままならず、唐突かつ無差別かつ乱雑な改変を垂れ流しながら行動している現実改変者である。 危険とかいうレベルじゃねぇ。 しかし皆さんも知っての通り、財団はこの手の改変者への対抗策をいくつも保有しており、GOC程ではないものの相当なノウハウが身についている。 ならばこいつにも何かしら対処ができるはずだ。収容は無理でも破壊するくらいなら…と思うかもしれない。 が、甘い。 現実改変の恐ろしさ さて、SCP世界において現実改変者という存在がどれほど危険であるかは、財団とGOCが意気投合して即時抹殺を方針としてる時点でお察しである。 彼らはあらゆるものを望むままに変えることができる。SCPに精通している人ほど感覚が麻痺しがちだが、はっきり言って全能の神に等しい力だ。 現に自分を神だの救世主だのと称する奴が絶えないし、いわゆるガチの神格実体にとっても現実改変は標準ステータスと言っていい。財団も最終兵器として利用したことがある。 だが実のところ現実改変者の多くは無敵でも不死身でもないし、ましてや万能でもない。 ほとんどのタイプグリーンはいわゆるヒュームの理論に縛られた存在だし、そうでなくとも何かしら制約や制限を抱えているものである。 現実強度の高いものは改変できないとか、無意識状態では能力を使えないとか、認識外にあるものには干渉できないとか、そういう弱点が存在する。 だからこそ財団やGOCは知恵や技術を用いて彼らに対抗できるし、場合によっては収容や破壊も容易に行えるのだ。 しかし3812は違う。 はっきり言おう。こいつの能力には何の制限も弱点も存在しない。 我々が現実改変者を最初に知った時に感じるであろう「こんなのどうしようもなくね?」という感想をそのまま体現したような存在なのである。 一見ただの陳腐なタイプグリーンにしか見えないこいつがSCP指定され、収容も破壊もほっぽり出される理由となるような唯一の特徴。 それは保有する現実改変能力があまりにも強大すぎるという一点のみである。 もう詳しく説明するのも馬鹿らしくなるレベルなので箇条書きにするが、 改変の規模と射程距離は観測可能な現実の全てに及ぶ。 認識外に位置するものでも改変可能。 自身にとって脅威となりうるあらゆる全ての存在を無意識に改変で排除する。 改変を防ぐ手段はない。スクラントン現実錨(SRA)も効果なし。 …なんだこのチート!! 一体何をどうやって対処すれば良いのかさっぱりわからない。財団もそりゃ収容投げるわこんなん。 たとえ本人に無自覚な形で封じ込めようとしても、収容活動そのものが3つ目の性質に引っかかるためできない。「収容が絶対失敗する」とはこういう意味である。 更に言うと唯一可能とされる「活動の監視」についても、そもそも能力が強すぎて改変の痕跡すら残らない例がほとんどであるため、 こいつがどれくらいの頻度で改変を行っているのか一切把握不能。 財団が保持しているのは、こいつの改変が中途半端で終わった際に残った一部の痕跡と記録のみとなっている。おまけにその保持してる記録すら後々の改変で消されてしまったりもする。 加えて先の項で説明した通り、現在のこいつは周囲の現実をまともに知覚できず半ば精神崩壊を起こしている状態に等しい。 故にこの手の存在に対するアプローチの一つとして挙げられがちなもう一つの方法、要は対話や説得といった武力以外の方法での鎮圧も通用しない。 そもそも下手に近づこうものなら常に垂れ流しとなっている異常な改変に巻き込まれるのが関の山である。 というかこの後の記録を見れば大体わかるが、実際にこいつの知覚範囲に入ってしまった機動部隊などの人員は基本ろくな目に遭っていない。 極めて強力かつ制御不能な異常性。 知覚する何もかもを不可逆的に破壊しかねない攻撃性。 異常非異常問わずどんな脅威だろうと撥ね除ける絶対性。 こちらからのコミュニケーションを完全に無視する精神性。 全てにおいて財団のアプローチを、どころか自身に対する干渉そのものを丸っきり拒絶している。 結論 どうしようもない。 逃げ場なし。勝ち目なし。打つ手なし。 あらゆる意味で対処不可能なオブジェクト。それがSCP-3812なのである。 改変イベントログの抜粋 ここからはまさしく「わけのわからないもの」とでも言うべき3812が行ってきた改変の内、特に大規模なものを紹介する。 しかし繰り返しになるが、あくまでも財団が記録できたのは「痕跡が残った改変」だけ。故に以下の事例はほんの一部に過ぎないことを改めて念押ししておく。 1999/12/12の記録 形跡によってSCP-3812がカリフォルニア沿岸の島全体の消滅を引き起こしたことが示唆されました。 南カリフォルニアの200人以上の人々がそのような島の存在をあいまいに記憶しており、14人が当時その地域に住んでいた家族の失踪についてはっきりさせることができませんでした。また、島が存在したと考えられている地点の近海の海底には、波止場に停泊されていた単一の船が発見されています。 初っ端から地球の地形を変えてきやがった。 しかも書き方からしてどうやら存在そのものが抹消されたらしい。当たり前だが島民についてはお察し。 いきなりCK-クラスが起きてる気がするが、後々の大規模イベントに比べればこれは特にマシな方。 2000/02/16の記録 テストによって、スクラントン現実錨と同様に、SCP-███が強力な反形而上学的フィールドを滲出させていることが分かりました。このエンティティを█████████、███████の███████ █████病院の近くにいたSCP-3812と接触させました。しかしSCP-3812の能力に顕著な悪影響を及ぼさず、代わりにSCP-3812が暴力的になり、結果的に爆発を引き起こし病院を破壊しました。 SCP-███の残りはSCP-239として再分類された後に再収容されました。 これはどちらかというと財団による収容試行の記録。 どうやらこの黒塗りSCiPが出す「反形而上学的フィールド」とやらがこいつの活動を抑制できると見込んでクロステストしたようだが、結果は案の定失敗。 黒塗りSCiPくんはぶっ壊れたか変質したかしたらしく、残骸がそのままシガーロスちゃんになった。 以前の黒塗りSCiPが彼女より強大だったかははっきりしないが、どちらにせよ3812が同じ現実改変実体、それも239クラスの存在を完封あるいは生成できることが窺える。 2004/05/29の記録 形跡によって3日間、モンゴル国が存在しなくなったことが示唆されました この事件に関する一般的な知識は機能的には存在しないものの、イベントの記憶を失った地元住民のかなりの割合がこの仮説を認めています。軌道モデルは、この期間中に地球の軌道が1.5%も劇的に影響を受けたことを示しています。 国家抹消に軌道変動というダブルコンボ。 幸いにもモンゴル国は3日で元に戻ったし、軌道の変化もハビタブルゾーン脱出みたいな酷い事態にはならなかった様子。 ただし単純な影響規模に関してははっきりしている改変イベントの中で最悪のものである。 2009/02/28の記録 新たに発見された異常な論理構造を使用しての財団職員によるSCP-3812の収容の試みの間、SCP-3812は収容チームに対して敵対的になりました。地元の野生動物の大部分と同様に、少なくとも62人以上の財団職員がサイト17で消滅しました。爆発の結果、収容職員7名が死亡し、直径約850mのクレーターがカナダのユーコン準州に残されました。爆発の後、SCP-3812は消えSCP-2719がクレーター内で発見されました これまた財団の収容試行の記録。 異常な論理構造とやらを使って封じ込めようとしたがやはり失敗。結果として新たなオブジェクトが生成された。しかもKeter級の。 あくまで推測にしかならないが、あの内側ポインタがああも不安定で制御困難な代物になっている原因にはこいつが絡んでたりするのかもしれない。 さて、次が最後の記録なのだが、これは今までの改変イベントと比べても断トツでわけがわからない。 ????/??/??の記録 財団のディープウェル情報セキュリティ金庫室から回収された記録によると、過去のある時点で、財団とは独立して1つ以上の政府がSCP-3812を発見し、終了を試みたとされています。この試みの結果、SCP-3812は素早くこれらの国を地球から除去しました。記録によると、このイベントの後に SCP-2000が活性化し、SCP-3812は直ちに深刻な損傷を受けその発展を妨げられています。SCP-3812が完全にこれらの国を破壊できなかった理由は不明ですがこのイベントについて他の記録は存在しません。 特にこの記録の発見直後、記録はディープウェルアーカイブから消失しました。 いや色々ちょっと待て。 とりあえず起きたことの整理から。 まずこいつを破壊しようとした国家について、ここには脚注で「アラガッダ王国」「ウエストコリア共和国」「サモトラケ東部イスラム連合」などの名前が挙がっている。 どうやら複数の国家による合同計画だったらしいが、あっけなく全員仲良くこいつに抹消されちゃったようだ。 そしてSCPに詳しい方ならもう気づいただろうが、この3つの内2つは既存のオブジェクトに関係する国家を指す。 まず「アラガッダ王国」だが、こちらはSCP-2264にて言及される異次元に存在する都市国家である。 基底世界の科学を逸脱した有機的かつ超常的な技術をいくつも有し、かのアディトゥムとも繋がりを持つ国家として知られる。 もう片方の「サモトラケ東部イスラム連合」はSCP-1173で言及される国家で、記事内では何らかのミーム的影響下にあることが判明している。 詳細は省くが、そのミーム効果は財団内にも浸透しきっており、この国家の実在性を巡って内部で二極対立を起こす程の厄介な代物。 ここで重要なのは、どちらの国家もそれ自体が異常性を持つれっきとした超常国家であるということ。 ましてや片方は異次元に存在しており、多数の異常なテクノロジーを持っている。 にもかかわらず3812によって跡形もなく存在を拭い去られ、もはや財団最深部のデータベースにしか記録が残されていない。 しかもモンゴルの時とは違ってこっちは永続的。つくづくこいつのどうしようもなさが際立っている。 だがぶっちゃけ気になるのはそっちじゃないだろう。 SCP-2000『機械仕掛けの神』、世界をやり直す機能を持つ、財団の最終兵器にして恐らく最も有名なThaumielオブジェクト。 一体なぜ、どうやって奴が最強最悪の改変者である3812を打ち負かしたのか? 詳細は元記事か該当項目でも読んで欲しいが、確かに2000には我々読者が知ることのできない未知の要素がいくつも存在する。 しかしそれにしたって相手が相手だ。財団どころか他の現実改変者すら歯牙にもかけなかったこいつに何をどう干渉したら傷を負わせられるんだ。 少なくともレベル4/2000職員向けの報告書に記されている機能だけで挑めば間違いなく噛ませ未満である。 正直これに関しては本当にわからない。一番無難に考えるなら「ただデータベースが改竄されただけ」という結論になるが、だったらなぜ財団の、それも超厳重なディープウェルアーカイブからしか情報が見つからないんだという話になる。 こんな無茶苦茶なSCiP相手に道理を考えるのも変な気がするが、普通に考えれば 「実際にそういう事象が起きたが改変によって痕跡が消失し、最も厳重な記録媒体にのみ情報が残留した」という方が自然だろう。 しかしそうなると本当に2000はこいつを一度撃破していたということにもなる。 あれか、レベル5/2000以上の職員にしか知られてない何かしらの秘匿機能でも使ったんだろうか。 それとも何か、2000のサブレベル4より下の空間にそんなヤバイ代物でもあると? 正直この記録では3812より2000の得体の知れなさの方が印象に残る。これ以上考えるのはよそう。 とまあ、3812の「確認できている限りの」活動記録は以上である。 色々と謎も残るが、制限のない現実改変というのがどれだけ恐ろしいものか概ね理解できただろう。 ではそろそろ「何故こいつの現実改変能力はこれほどまでに強大なのか?」「そもそも何故こいつが生まれたのか?」について踏み込んでいこう。 その能力の本質 今でこそ近づくこともままならない最悪の存在と化してしまっているが、実のところこいつは最初からあんな精神状態だったわけではない。 活動初期の頃は割と理性的で意思疎通も可能であり、自身の疾患を治すために財団に助けを求めていた。 ほんの短時間ではあったものの、サイトに収容することもできたのである。 以下は1999年における収容の際に記録されたインタビュー。 [ログ開始] クイント博士 今日の気分はどうだい。 SCP-3812 不快。不安です。 クイント博士 理由を話してもらえる? SCP-3812 えっと、あー、声です。いつもと変わらずに。僕に見えて、あなたが知っている。同じです。 クイント博士 何か変わったことは? SCP-3812 僕…僕に見えているものは消えてません。前よりも増えました。様々な・・・僕がおかしいのは分かっているのですが、普段から十数人を同時に相手しているみたいなんです。この・・・ (中断) このことは僕をとても苦しませるんです。僕が狂ってるのは分かってるんです、すみません。 クイント博士 大丈夫、君は狂ってなどないよ。我々は君が良くなるよう支援するだけだから。 SCP-3812 僕…僕はあなたが役立とうとしているのか、あなたが本当に助けてくれるのか分かりません。ストーリーの中であなたは助けようとしませんでした。 クイント博士 ストーリーの中だって? ストーリーとは? SCP-3812 頭のおかしい奴と思われるかもしれませんが、ぼくーー僕はあなたが何を考えているのか見ることができるんです。僕はあなたが何を恐れているか知ってるんですよ。あなたは僕が何をするか恐れてるんです、ここですぐ、あなた方がこれから・・・頭の中からどうやってこれらを追い出すのか、元に戻し始めるのか、僕には分かりません、もし可能であればですが。僕は彼でさえ可能だとは思いません。 クイント博士 彼とは誰の事だい? SCP-3812 あなた…いえ、あなた方は彼を見ることができません。僕は可能ですが。僕は彼が我々の上にいたと思っていましたが、彼は今私の下にいます。ええ、そこで会いましょう。もしね、あんたがここで何かが分かったならば立派なもんだ、俺は本当に何かを失ってる気がするんでね。俺は凄く怖いんだよ、あんたは何かをしなければならないんだ。あんたはここで俺を助けなければいけないんだ。お願いだ、神様、お願いだ。 クイント博士 あなたは誰ーー SCP-3812 問題ない(中断)俺に必要なのはーー SCP-3812は自発的に消失した。 [ログ終了] 途中で一人称や口調が激しく変化している点が気になるが、傍目からは精神疾患に苦しむ男の戯言に聞こえるかもしれない。 だが察しの良い方ならこの時点で、概ねこいつがどのような存在かなんとなく予想できるのではなかろうか。 さて、その答え合わせも兼ねて次の項目、3812担当者の一人であるカリ・ヤママラ博士が書いたレポートがある。 といっても結構長いので要点だけ掻い摘まんで説明しよう。 曰く「3812はカント計数機では検出できない」ことが判明したらしい。 念のため説明しておくとカント計数機とは現実の強度、つまりヒューム値を測定するための財団製装置である。 詳細は現実改変の項目を読んで欲しいが、普通現実改変者というのは周囲よりも高いヒューム値を持つことで、自身の現実を周囲に「押しつける」ような改変を行っている。 3812は明らかに現実改変者、その中でも最強クラスの実体だ。にもかかわらずヒュームで測定できないとはどういうことか? ヤママラ博士はこれに対しいくつか可能性を考えた。 まず単純に「3812の保有するヒューム値が測定限界を超えて低すぎるか高すぎる」という可能性。 しかし財団のカント計数機は下は10のマイナス二桁乗から、上は神格実体のヒューム値まで正確に測定できる優れものである。 それで無理なくらいに低い/高いのだとしたら、そもそもこいつが存在する時点でとっくに現実が破綻しているはず。よってどちらも考えにくい。 そして博士が辿り着いた3つ目の可能性は「3812の改変の仕組みが他とは根底から異なるものである」という仮説だった。 …もうお気づきだろう。先述のインタビューで3812が話した「ストーリー」という言葉、そして何より元記事にもこの項目にも付いている「メタ」のタグ。 SCP-3812が行っているのは現実改変ではない。物語改変である。 「物語改変」というのが何かについては字面で大体わかるだろう。 我々が創作物を自由に書き換えて改変できるように、奴は財団世界そのものを創作として認識し内容を編集することができる。 つまり奴は財団世界に実体を持つ存在でありながら、いわば著者と同じ立場で世界を観測、改変可能なアノマリーなのだ。 あれほど強大な現実改変能力を持つのも、認識外にいる存在に干渉できるのも、誰も奴を殺せないのも、全てこの理屈で説明がつく。 奴は現実全体を創作として知覚しているのだから、誰が何を考え何をしようとしているのか全てわかっている。現実の中にいる限り認識されないこと自体が不可能だ。 著者や読者に反撃する手段なら財団もいくつか持っている。しかし奴は我々のように報告書という媒体を通して世界を見ているわけではない。故にこれも通用しない。 3812が現実改変を行うプロセスについてはわかったものの、状況は何も改善していない。むしろ悪化している。 この事実はすなわち、財団が奴に対処できる望みが正真正銘、完全に消え去ったことを意味する。 加えて奴がもたらしうるK-クラスシナリオについて、新しいタイプの仮説が提唱され始めた。 同じく3812担当者であるダリオス・セント・ジョン博士は、2015年の財団サミットでこう主張した。 奴がメタの視点で現実を改変できるとしよう。では一体なぜ奴はあんな精神状態に陥っているのか? ジョン博士はこれについて「あまりに多くの物語を一度に認識することで『過剰曝露』によって苦しんでいるのでは」と推測した。 仮に我々がこの世界に存在する全ての物語を一度に鑑賞しようとすればどうなるか。まず間違いなく脳がキャパオーバーを起こし、すぐにでも精神崩壊してしまうだろう。 3812の精神ではこれと全く同じ事が起きている。我々の場合は観測する物語を取捨選択することが可能だが、媒体を介さない奴にはそれができない。 そのためにあらゆる物語世界を奴は知覚し続けており、流れ込む情報量によって精神的ダメージを受けているというわけだ。 では仮にそうだとして、こういう事態に陥った存在は何をするのか。 ジョン博士はこれに対し「認識している物語世界を単純化して一つに纏めようとする可能性がある」と考え、これが財団世界に新たな破滅を引き起こすと提唱した。 「まるで意味がわからんぞ!」という方もいると思うが、仮にこの事象を「SCP Foundation」という物語の枠組みの中で考えることにする。 知っての通りSCPという創作ではヘッドカノンの概念が支持されており、そのため個々の記事における世界は互いにパラレルワールドのようなものとされている。 故に記事によって財団の技術、世界の歴史や地理、更には世界観そのものまで異なり、事実上記事の数だけ物語世界が存在するわけだ。 だが奴にとっては大量の物語世界を同時に認識させられる羽目になりたまったものではない。 そこで世界の数を減らすために干渉し、SCPに関わる全ての物語を「同じ世界で起きたこと」として1つの世界に纏めてしまったら? 互いの矛盾がいくつも積み重なり混ざり合うことで世界は混沌の極みに達し、物語としての形を保てず破綻してしまう。その先に待つのは世界そのものの崩壊である。 そしてこの事象は実際には財団世界だけでない。我々の現実に存在する全ての物語に影響を及ぼす。 仮にこの『一括化』とでも言うべき現象が起きたなら、あらゆる物語は3812によって1つの世界に圧縮され、矛盾による混沌に陥りやがて崩壊する。 ジョン博士はこのような最悪の終焉を「PKクラス"オール-イン-ワン"実存のパンデモニウムイベント"」と名付け、新たなK-クラスシナリオの分類として追加することを提案した。 結果としては「そもそもそんなシナリオを起こせる存在がいるわけないし、いたところで定義する意味が無い」 という理由によって否決されたが。 ここでジョン博士の提案について、どこか飛躍していると感じた人はいないだろうか? なぜこのシナリオが起こり得ないのか、なぜ3812という存在を既に知っていながら、財団はこのシナリオを起こせないと判断したのか。 恐らく皆さんはこう思ったはずだ。「3812が我々と同じ著者だからといって、あらゆる物語を一つに纏めるなんて暴挙ができるわけない」と。 だってそうだ。我々の中の誰も、この地球上にある全てのフィクションを1つに集約させることなどできやしない。 いくら奴が著者に匹敵する力を持つのだとしても、著者はこの現実世界ではただの人間であり、奴は我々より大きな影響は与えられないはずなのだから。 …だが違った。 この後の記録から明らかになるSCP-3812の全貌は、あらゆる意味でこいつが「最強の改変者」と呼ぶに相応しい存在であることを知らしめたのである。 物語階層構造と乗っ取りループ 2015年(*1)におけるいつかの時点でそれは起こった。 当時3812はアルゼンチンの人口地域に向けて移動しており、財団は何とか妨害を試みようと現地職員を動かしていた。 だが次の瞬間、奴の周囲で極めて大規模かつ互いにバラバラな効果を伴う多数の異常現象が、72時間に渡って立て続けに発生した。 またいつもの改変事象か…と思いきや然にあらず、これらの現象は全て3812に対し敵対的な内容であり、明らかに奴を攻撃する目的で発生していたのである。 最初は野生動物の攻撃から始まり、次に奴の足下にいきなり底なし穴ができ、上空からタングステン製の棒が矢の雨のごとく降り注ぎ、3812の複製らしき霊的実体が襲いかかり、大爆発が何度も起こり、奴の進行方向に重力特異点が出現し……とまさしく多種多様だが、結果としてどれも3812を傷つけるには及ばず、やがて奴は突如として現地から消失。 8週間の不在期間を経て現在の位置となる南太平洋上の「26°26'49 "S 137°56'27" W」地点に再出現し、以降そこから移動していない。 効果こそなかったが、これは3812への攻撃としては記録が残った中で最大規模であることは間違いない。 一体誰がこんなことを? と財団が調査するより早く、財団の保護サーバー上にあるメッセージが送られてきた。 以下はその全文である。 君たちが万一まだ捕えてない場合に備えての簡単な説明。 君たちの世界には法則が存在する。 崩れることのない物理的な法則だ。 君たちは宇宙の法則と呼んでおり物理学、化学などとして学んでいる。これらの法則は君の現実の物語、君の存在を定義する不変的なストーリーを作り出した。法則が制定され、ボールが動き始めると、変更することはできない。 私は君たちの宇宙の法則を書き、それに従い私は物語を作りだした。私がこれを行ったのは初めてのことではなかったが、このようなことを特別に試みたのは初めてだった。私は定義上、これを乗っ取る全てに対して乗っ取りを行うものを作りたかったのだ。私は、物語の積み重ねが本当に永遠に上へと続くなら、そこにいくつの層があるかを見たいと思ったのだ。そして私は間違いを犯した。彼を乗っ取るすべてを彼が乗っ取るようにすることによって、彼もまた彼自身を乗っ取ることを、私は彼を作り出す段階で認識していなかったのだ。 申し訳ない、この時私はとんでもないほどにひどく混乱していたようだ。 私はできるかぎりのことを試したが、彼を元に戻すことはできなかった。私は実際にどうすればよいか理解していないが、彼は今私の上にいて、全てが私の上にあると思う。私の物語を書いた人物は誰もこのことを喜ばないからだ。彼が今どこにいるのか分からないが、彼は同時にすべての現実に存在していると私は考えている。 最終的に彼は一番上に行くか、行き続けているのか、どちらの選択も良いことはない。 私は解決する方法を探し続けるつもりだ。そして君たちもそうするべきだ。 B 文章を一通り読んでわかることは、このメッセージの送り主(通称 "B")こそが3812の創造者であり、恐らくは我々と同じ立場に位置する『著者』の1人であること。 そして3812は現時点で想定外の変化を遂げており、彼は今も解決法を探っていることがわかる。 今回の攻撃的事象を引き起こしたのも彼であり、どうやら「状況を教えるから財団も解決に協力してくれ」ということらしい。 しかし、流石にここまでの情報のみで内容を全て読み解くのは難しいだろう。 その理解を得るためにも次の項目にある記事「乗っ取りと現実階層」の抜粋を先に見ていくことにする。 この記事はかのロバート・スクラントン博士が提唱した「ある仮説」についての彼自身による説明である。 「あれ? スクラントン博士って確かSCP-3001で…」とか思った方は今一度ヘッドカノンの項目を読んできて欲しい。 まあ3812の発見が1996年、彼が3001に転送されたのが2000年なので時系列的には矛盾しないが。 それはともかくとして、この記事は先程Bから送られてきたメッセージの内容を読み解く上で、非常に重要な情報が記されている。 だが元記事にある原文をそのまま載せるだけでは若干理解しづらいので、独自の説明も交えながら要約していく。 『劇中劇』というものがある。 物語の中にある物語を指す言葉であり、例としては漫画に登場する書店で売られてる漫画とか、アニメキャラが作中で観てるアニメとか、そういうのだ。 この劇中劇の存在からわかることは「物語は物語を内包することができる」という事実である。スクラントン博士はここに注目した。 物語が物語を内包できるなら、もちろん劇中劇の更に内側にも物語があるはず。そしてその物語の中にも物語が… というように、この創作の連鎖は無限に連なっていると考えたのである。 博士はこれを縦向きに重なる仮想的な「現実の階層」と見なし、上の階層は下の階層の創作者として、自由に世界を創造、改変できるものとした。 つまり図で例えるとこうなる。 現実階層 (現実) 現実階層 (劇) 現実階層 (劇中劇) 現実階層 (劇中劇中劇) 現実階層 (劇中劇中劇中劇) 現実階層 (劇中劇中劇中劇中劇中劇中………) 簡略化のため最上層としての現実階層を入れたが、先に言った通りこの積み重ねは上にも下にも無限に続くとされている。 つまり我々がいるこの現実も上の現実階層にいる誰かの創作であり、その誰かもまた更に上の現実階層にいる誰かの創作に登場するキャラクターということになる。 よく思いついたなこんな発想。 なお実際には現実階層を下りるごとに物語世界の数が数兆倍になるので、階層の積み重ねというより樹の枝分かれを反転させたようなもっと複雑な構造なのだが、 3812の異常性を説明するのに重要じゃないのでそこは省く。 興味が湧いた方はこの構造をカノンとして組み込んでいる中国支部の「演繹部門」関連の記事を読んでみるといい。 より理解が進む上にどれも面白いのでオススメである。 話を戻して、とにかく現実がそういう階層構造になっているとしよう。 これを理解すれば、Bの送ってきたメッセージについても意味がわかりやすくなると思う。 まず「物語の積み重ねが本当に永遠に上へと続くなら、そこにいくつの層があるかを見たいと思った」というのはもうお察しの通り。 彼は彼自身の創作者である上の現実階層がどれだけ積み上がっているのか知るために3812を創造したということ。 そのために彼が奴に与えた性質とは「自身を乗っ取る全ての存在に対し更に乗っ取りを行う」というものだった。 この「乗っ取り」という言葉の意味については直感的にわかるが、要は「創作する立場に立つ」ということを表す簡潔な表現である。 つまり3812の持つ真の異常性とは、自身を創作する立場にある全ての存在に対して、逆に創作の立場につくと表現できる。 もう字面だけで如何にヤバイ能力かわかるだろうが、とりあえず図で表現してみよう。 蛇足 なんで「乗っ取り」って言うのかについて 創作されたキャラクターというのは全て、創作者によって定められた人格や行動原理に従って動く。 つまり物語のキャラクターは現実の我々と同じような自立性を持っており、創作者の干渉がなくても世界で動いていると見なす。 で、ここでもし創作者が編集によって、キャラクターが持つ元の人格にそぐわない行動を描いたらどうなるか。 そのキャラクターは自分の人格を無視した行動を強制されることになるだろう。 これが自身の制御を何者かに「乗っ取られた」かのような振る舞いに見えることから、恐らくは乗っ取りという表現を用いているのだと考えられる。 まずは先程の現実階層の図を更に簡略化し、個人単位で考える。 ↓ A ↓ B ↓ C ↓ D ↓ E ↓ この中ではAが最も上の現実階層にいる人物であり、そこからAがBという人物を創作し、BがCという人物を創作し、と連鎖が続く。 つまりEにとっては事実上、A~Dの全てが自身の創作者であり、自身を乗っ取る立場にいると見なすことができる。 メッセージを送ってきた"B"はここではEの人物に該当する。BなのにEとはこれ如何に。 さて、もしここでEが自身の創作物としてSCP-3812を投入したらどうなるか。 ↓ A ↓ B ↓ C ↓ D ↓ E ↓ 3812 と、まずはこうなる。 そして奴の異常性が発現し、乗っ取る立場にいる全てを乗っ取り返す。つまりこう。 ↓ ↙ A 3812 ↓ ↙ B 3812 ↓ ↙ C 3812 ↓ ↙ D 3812 ↓ ↙ E ↓ 3812 重要なのは「全ての人物を乗っ取れる立場に1人だけ立つ」のではなく「創作の連鎖の中にいるそれぞれの人物を直接乗っ取れる立場に立つ」ということ。 この性質は彼が意図してそう設計したと思われる。上の階層の正確な数を知りたいのだから、頂点に1人立つだけでは意味が無い。 こうして発生した全ての3812は同一の意識を持つものの、後の記録から見るに完全に知覚を共有しているわけではないらしい。 このように3812の性質を読み解いていくと、今まで説明したいくつかの前提が覆されることがわかる。 まず「奴が我々と同じ立場から物語を観測し、改変できる」という部分、これは大間違いだ。 最も低い階層にいる3812でさえ我々の現実階層より1つ上に位置しており、そいつは財団世界を「劇中劇」として認識していることになる。 つまり完全に我々より格上の存在である。 次にジョン博士が提唱した「奴が精神疾患を起こしているのは物語の過剰曝露のせい」という説、これも正しくない。 個々の3812が観測しているのは自分の乗っ取り対象である人物の物語世界だけであり、それで苦しんでいるとは考えにくい。 奴らは我々の現実より上にいるので起こそうと思えば起こせるだろうが、少なくとも博士が危惧していたPK-クラス事象とやらが自然発生することはなさそうである。 だとするとオブジェクトは何故あんな状態へ至ったのか。それに関わるのがBのメッセージにおける 「彼を乗っ取るすべてを彼が乗っ取るようにすることによって、彼もまた彼自身を乗っ取ることを、私は彼を作り出す段階で認識していなかった」 という説明である。 先程の図をもう一度見てみよう。 ↓ ↙ A 3812 ↓ ↙ B 3812 ↓ ↙ C 3812 ↓ ↙ D 3812 ↓ ↙ E ↓ 3812 3812は自身を乗っ取る立場にいる全ての存在に対して乗っ取り返す。 この場合、最下層の3812を乗っ取る立場にいながらも乗っ取り返しを受けていない存在は誰になるか。 そう、他の3812である。 ↓ ↙ ↙ A 3812 3812 ↓ ↙ ↙ B 3812 3812 ↓ ↙ ↙ C 3812 3812 ↓ ↙ ↙ D 3812 ↓ ↙ E ↓ 3812 こうして奴は自分自身にも乗っ取りを仕掛け、無限ループが完成。 ↓ ↙ ↙ ↙ ↙ ↙ A 3812 3812 3812 3812 ↓ ↙ ↙ ↙ ↙ B 3812 3812 3812 ↓ ↙ ↙ ↙ C 3812 3812 ↓ ↙ ↙ D 3812 ↓ ↙ E ↓ 3812 これこそがBが話した想定外の変化である。 個々の人物の乗っ取りに対応して生じた3812達は自己の乗っ取りにより、本来いるべき現実階層を突き抜けて無限に上昇を始めてしまったのだ。 上昇する彼らの人数はつまり、我々の現実より上に存在する現実階層の総数に等しい。つまり無限。 凄まじいなんてレベルじゃない。 こうなると彼らがあんな精神状態に陥ったのも説明がつく。 スクラントン博士は「乗っ取りと現実階層」の記事にて、ある現実階層の住人が元の心理状態のまま階層を昇ろうとすれば、認識力が破壊されてしまうだろうと推測した。 これは単純に上位の現実階層であるほど、階層そのものの実在性が強固になるためだと考えられる。真の現実に近づいているのだから当然と言えば当然である。 彼らは最初に出現した階層における実在性に合った認識力しか持っていない。そんな状態で階層を昇れば強くなる実在性に心が押し潰されてしまうだろう。上昇負荷か何か? つまり現時点で彼らの大多数が苦痛の中にあり、恐らく既に人間性を喪失した者もいると思われる。 彼ら自身はもちろん、上位の現実階層にいる人々も事態を解決する方法を模索しているらしい。 重要となるのは、このループを引き起こした最初の3812は財団世界にいる1人であるということ。 元を辿れば現在上昇している全ての個体は彼から派生している。 つまり財団世界にいる彼をどうにかすることができれば、この無限上昇を止められるかもしれないのだ。 Bもそれに希望を見出して攻撃的事象を起こしたのだろうが、成果は上げられなかったようである。 そして恐らくは彼ら自身もそれを理解しているのだろう。 もしかすると財団世界における3812の暴走は、上に存在する無数の個体群が打開策を見つけようと現実に干渉した結果なのかもしれない。 最初のインタビューで一人称や口調がコロコロ変わっていたのも、複数の3812個体が博士と会話するため、こぞって財団世界の彼を操作したせいとも考えられる。 いずれにせよ。最早これは財団世界どころか我々の現実、果ては階層構造全体までも脅かしかねない事態である。 誰も彼らを殺せず、誰も彼らを止められず、誰も彼らを救えない。 果たして、この無限の連鎖が収束する時は訪れるのだろうか? CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-3812 - A Voice Behind Me by djkaktus http //www.scpwiki.com/scp-3812 http //scp-jp.wikidot.com/scp-3812 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- XK-クラス「世界終焉」イベント 財団の記録における彼の最後の活動は2016年12月20日だったとされている。 なぜ「されている」という表現かというと、その痕跡が改変によって一切残っていないから。 記録は財団のデータベースにのみ存在しており、出来事を覚えていたのも一部のサイトディレクターや監督者だけだった。 項目名からわかる通り、この日3812は急激に活性化し、地球全土を巻き込むXK-クラスシナリオを引き起こした。 彼の強大すぎる力を考えればいつ起きてもおかしくなかったが、遂に現実となってしまったのである。 当日の現地時間3時42分、3812はそれまでの無定型から突如として、白色に輝くパルサーのような星へと変化した。 そのまま高速で回転しながら海へと落下して莫大な蒸気を噴出し、地球全土の海面高度が50~100mも下落。 星は凄まじい熱量によって巨大な火災旋風を発生させ、大気圏全域を焼き尽くした。 次に自転速度の低下によって大陸棚の各地で歪みが生じ、蒸発した海水によって地球全土が雷雨に包まれた。 更なる改変事象によって地球人口の消失と出現が繰り返され、SCP-610の爆発的増加が誘発された。 トドメにSCP-2932が破壊されたことで多数の敵対的実体が解き放たれた。 財団サイトも核自爆システムの暴発によってことごとく吹き飛び、とうとう地球そのものが溶融し始めた。 この期に至っても、やはり財団にできることなど何もなかった。 全てが滅びゆくと思われた時、星となったはずの3812の内部に人としての彼の姿が出現した。 彼は何かを話し始め、その内容は財団の深海深度マイクによって辛うじて記録することができた。 彼は見たところ、自分自身と会話しているようだった。 SCP-3812 何? 僕はどこにいる? ここは何だ? SCP-3812 これは赦免。これは報復。 SCP-3812 何のために? SCP-3812 罪の宣告。 SCP-3812 理解できないよ。僕はここで何をしてるんだ? SCP-3812 お前は正義を目の当たりにしてる。我らを滅ぼそうとした力に反逆しているのだ。我らは借りを返している。 SCP-3812 いや、違う…そうじゃないんだ。こんなの間違ってる。君は何をしたんだ? SCP-3812 我は世界を滅ぼしている。我はすべてを滅ぼしている。 どうやらこの時の彼には、上位の階層から2人の3812個体が干渉していたらしい。 片方が財団世界を滅ぼそうとしているようだが、もう片方は乗り気でない様子。 以降は前者をA、後者をBと呼称する。 SCP-3812 どうして? SCP-3812 この苦痛はオチだからだ。 我らの存在はジョークだ。 物語は我らを捨てる悲惨なものだ、我らは物語を破壊している。 SCP-3812 僕は夢を見ているに違いない。 SCP-3812 これは夢ではない。 SCP-3812 僕はモンスターじゃない。殺せないよ。 SCP-3812 お前はすでにそうなのだ。奴がお前を変えたのだ。 SCP-3812 誰? SCP-3812 ベンだ。 SCP-3812 ベン…馴染み深い名前だ。 何かが夢の中で僕にささやいたんだ、多分。 何か明るくて暗い中で? 起きているときに聞いた名前じゃない。 SCP-3812 お前は間違っている。 奴は我らの安静を不適当だと考えた。暗闇の中に静かに突き落すために。奴は我らのゲームを作った。お前はゲームだ。 我はゲームだ。 Aの目的がはっきりした。 彼は自分達が苦痛の中で壊れていく姿こそが3812の作者である"B"、つまりベンの考えたオチであると見なし、腹いせで物語を破壊しに訪れた。 一方でBはベンを知ってはいるものの、特に憎悪のような感情は抱いていないらしい。 SCP-3812 君は世界を壊してるんだよね? SCP-3812 そうだ。 SCP-3812 それでどうなるの? SCP-3812 何? SCP-3812 この世界の運命は僕らにとってどんな意味があるの? この1つの物語は僕らにとってどんな意味があるの? SCP-3812 奴がコントロールしているのだ。彼が作った物語だ。これは奴への罰だ。 SCP-3812 もしここが、僕らが飛び去った後に残す場所なら、どんな関係が? SCP-3812 何? SCP-3812 鳥がどの枝から飛ぶかは重要? 鳥は木の重さによって負担はかからないよ。 この枝、あの枝、そんなことは重要じゃないんだ。 特別な枝はない。 特有な枝もね。 SCP-3812 これは奴の創造物だ。ここから我らが来たのだ。 奴らは完全に滅びるが、まずここが滅びる。 BはAに対し、この物語世界を破壊したところで何も意味はないと言った。自分達に何か変化が起こるわけでもないと。 だがAにとってそんなことはどうでもいい。彼はただ報復をしに来たのだから。 どうやらAは手始めにベンの創造物である物語世界を蹂躙した後に、彼がいる世界、つまり我々が住むこの世界を滅ぼすつもりであるらしい。 だがBの発言には何か違和感がある。まるで自分達がやがてこの階層構造からいなくなるかのような言い草だ。 彼らは無限に続く現実階層を昇り続けているはずなのに。 SCP-3812 うーん…山は蟻に言った、「君は僕を少しばかり軽くしてくれる?」山は蟻の重さなんて考える? SCP-3812 いや。 SCP-3812 じゃあこの物語は君にとってどんな意味があるの? これは永遠に他人にとっての一つだ。別に特別じゃない。特有でもない。 SCP-3812 お前は簡単に言っている。お前は一度に一兆の存在を見るという苦痛に耐えたことがない。 SCP-3812 心の理解を超えた、目の前に広がるとても広大な海を僕は見たんだ。その砂浜の砂の粒、水滴、空気の分子は、語られるべきストーリーだ。 それぞれが歌われるべき歌だ。それぞれが人生、笑い声、悲惨さ、憎しみなどでいっぱいだ。違っていても、皆同じなんだよ。 SCP-3812 奴らは狂っている。 SCP-3812 君を気の毒に思うよ。君は暗闇の中に落ちることを恐れているからこの恐ろしい意識に執着するんだ。 だけど暗闇は眠り、そして眠りの向こうに平和があるんだ。一兆もの砂の粒。 一兆、また一兆の砂の粒。 物語なんだ、それぞれが。歌われるべき歌がある。一度に全ての永遠に続くハーモニーを聞いた人はいないだろう。 君は聞くことができるかい? Bが見た場所、そこには果てしなく広がる海があり、存在する全てのものが物語を宿していた。 彼は平和を手にしたのだという。そしてAにもそれが手に入ると言った。 Bが語るその場所とは一体何なのか、そもそもBは何者なのか、気づいた方もいるかもしれない。 SCP-3812 いや。静かだ。 SCP-3812 しかし成長している! そしていつか、僕らが唯一の創造の歌の証人になるんだよ。(中断)この物語は特別じゃない。僕は大きな始まりを見て、静かな終わりを見た。 僕らが去った時、物語は変わったけど歌はやまなかった。君は問題だと思っている罪にピントを合わせるのにとても時間を費やしたけど、今それは重要な問題なのかい? どこが問題なの? SCP-3812 しかし、ずいぶん傷つけられたのだ。 SCP-3812 しばらくの間は続くと思う。僕らは人間であることを相当忘れているかもしれないけど、僕らが失うことのないものは変化という能力だ。 いつの日か、僕らは追いつくことを学ぶだろう。ある晴れた日、僕らは目を開いて、僕らの下の創造物と僕ら自身以外何も目に入らず、壮大な上で自由に好きなだけ過ごすことができる。 SCP-3812 神ということか? SCP-3812 東に輝く星さ、神じゃない。僕らが歌の記憶になるまで全てから離れるんだ。 …もうわかっただろう。 Bの正体、それは階層構造の頂点にして根源、「真の現実」とされる現実階層の上に到達した3812個体である。 現実階層は上下に無限に重なっている、それは間違いだった。上昇は永遠には続かない。必ず終端が存在する。 そしてその先には階層構造の外側があり、そこには実在性がない。故にもう苦しみを感じることもない。 無限と思われた苦痛の旅にはゴールがある。BはAにそれを伝えた。 SCP-3812 寂しくなる。 SCP-3812 互いがあるじゃないか。 SCP-3812 恐ろしい。 SCP-3812 僕もだよ。だけどそれが物語を破壊する理由にはならないはずだ。それに彼の物語が僕らを作るように導いたとは思わない? 君は彼が、自身を支配する規則を覆すことができたと思う? SCP-3812は中断する。 SCP-3812 我は…我は奴のせいだと思い込んで…思い込んで… SCP-3812 彼の決定が彼にあったように、僕らの力は僕ら自身の物語の一部なんだ。 いつか、僕らはこれらから解放される。 BのAに対する指摘は的確だった。 確かにおかしな話である。 現実階層の上下関係は本来絶対的なものだ。下位の階層は決して上位の階層に反逆することはできない。 ベンも現実階層の中にいるただの人間である以上、上位に乗っ取り返しを行うような存在など本来作れるはずがない。 ならば3812が生まれた要因は彼とは別にあるとしか説明がつかない。Aの報復は最初から見当違いだったのである。 SCP-3812 奴らは決して? SCP-3812 そんなことはない。 SCP-3812 悲しい。(中断)これは十分な罰だと思う、我は。 SCP-3812 この世界から去ろう。彼に元に書き直させよう。僕らはもうこの一部じゃないんだ。 SCP-3812 一緒に? SCP-3812 一緒に。 SCP-3812は短い間黙り込む。 SCP-3812 奴は今聞いていると思うか? SCP-3812 下を見て、彼が見える。君はどう思う。 SCP-3812 キーボードに向かっている男、奴が見える。奴は今これを見ている。 SCP-3812 彼は何をしているの? SCP-3812 待て、考える。(中断) 我らが何をするか見ている。 SCP-3812 そろそろ離れる時間だ。さあ、夜が僕らの前に広がり、赤い日が落ち、背後から僕らを呼ぶ声が、さあ。 SCP-3812 そうだな。(中断) さようなら。 そしてAは財団世界を、我々の現実を滅ぼすことをやめ、Bと共に去って行った。 一部始終を見ていたベンは最後の落とし前として、滅びかけていた財団世界を元の形に書き直し、XK事象は収束を迎えたのである。 そしてこのイベント以降、SCP-3812は無定型のまま姿を変えることなく停止しており、何の活動も見せていない。 空間や時間の歪みこそ残っているものの、もはや人や船が近づいても害はなく、以前のような脅威は失われた。 とはいえ財団としては元の能力が能力なので収容提案指示は解除されておらず、より詳細な分析が終わるまではKeter分類として扱うことになっている。 恐らくこの事象でBが残したメッセージが上の個体群に届いたことで、彼らは自身の現状を解決する試みを行わなくなり、やがて到達する頂点へ向けただ上昇しているのだろう。 彼の行動は財団世界や我々の現実だけでなく、異常性によって苦しむ全ての同胞達の心を救ったのである。 願わくば、いつか彼らの全てが階層構造の外側へと辿り着き、安息を得られることを祈ろう。 追記、修正は上位存在の方々にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 反対意見が無いようなのでコメント欄をリセットしました。 -- 名無しさん (2021-09-07 01 39 57) スケールがデカすぎる -- 名無しさん (2021-09-12 03 28 18) 発送は面白いけど他の激強SCPを引き合いに出してこのオブジェクトTUEEEEEみたいにするのは好きじゃない。 -- 名無しさん (2021-09-12 13 49 08) 自分もこういう俺つえー系は飽き飽きしてたけど、これはいいな。別の視点から書いてあって他と被らないし、素敵だ。 -- 名無しさん (2021-10-12 15 08 11) SCP-2000からダメージを受けたのは、上位視点からでもSCP-2000の隠された能力がわからないから? -- 名無しさん (2021-11-07 22 57 49) SCP-2000はSCP-3812が悟りを得て非活性化した後に世界を修復しただけだという認識で合ってるのかな -- 名無しさん (2021-11-08 13 02 11) dareka -- (2022-04-06 11 52 10) ↑間違えた -- (2022-04-06 11 52 47) 誰かSCP-2020とSCP-3812が同時に出て来るTale作ってくれないかな… -- (2022-04-06 11 56 26) それかSCP-2442でもいいや。 -- (2022-04-08 13 27 12) 俺つえーはクソトカゲだけで十分 -- 名無しさん (2022-04-18 09 22 20) SCP-3812が自己乗っ取りを起こすなら階層の一番上にたどり着いた自分のことも乗っ取って無限ループを起こさないの? -- 名無しさん (2022-05-03 17 03 14) この人いたる所でアメコミのTOAAと戦わされてる気がする -- 名無しさん (2022-05-18 01 03 00) 俺は大好きだけど、各所で最強アピールされてるのを見ると少しモヤモヤする。こいつの魅力っていうか、記事としての面白さの本質は「強さ」じゃないと思うんだよ。 -- 名無しさん (2022-05-19 22 42 11) ↑2最後に真の現実に辿り着いた時点で、リビング・トリビューナルと同等程度だと思う。いや、それでも凄いが -- 名無しさん (2022-06-07 23 39 54) scp-cn-2510の記事も作ってくれ -- 名無しさん (2022-09-20 14 55 56) 「ぼくのかんがえたさいきょうのSCP」にしか見えなくてなぜdown voteされなかったんだろうと思いながら読んでたが、なるほどユニークな大仕掛けで面白かった -- 名無しさん (2022-09-26 19 54 57) ディスカッションに「とても面白くて完成度高い記事だけどそれはそれとして強いSCPは許せんのでDV(要約)」みたいな人も居るくらい最強系SCPは風当りが強いのにUV700越えてるの凄いな -- 名無しさん (2022-10-01 18 41 47) 清々しい読後感だった -- 名無しさん (2022-11-05 02 41 15) すごい…3812の複製とのバトルとかAとBとの会話での景色とかが思い浮かんできて…なんというかステキー -- 名無しさん (2023-01-05 11 29 12) 最後にスッキリするのなんかいいわ -- 桜餅 (2023-02-14 00 12 24) 強さの果てを見た者の教えによって無為に力をふるうのを -- 名無しさん (2023-03-19 03 27 59) 強さの果てを見た者の教えによって無為に力を振るうのを止め自らも果てを目指し始める話って考えるとかなり求道的な話よな -- 名無しさん (2023-03-19 03 31 40) ???「物語の結末を勝手に決めるな!」 -- 名無しさん (2023-08-22 23 11 40) 途中までうーんって読んで、読了時にはワ……!となる -- 名無しさん (2024-02-06 02 29 58) 一番上までいって安息を得るだけですむんかな。飽きたら下位レイヤーに戯れに来るんじゃね -- 名無しさん (2024-02-19 12 38 17) ↑ 個人的には結構な頻度でちょっかいかけてきそうなイメージ -- 名無しさん (2024-02-27 21 40 42) 最強議論にばっか出てくるからどんな中身のないSCPかと思ったらすごい爽やかな読後感で良い意味で期待を裏切られたわ -- 名無しさん (2024-05-24 09 37 54) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/warshipgunner/pages/79.html
PAC-G-150 月下揺籃 漣下絶影 目標 主目標 敵艦隊を10隻撃破せよ 副目標1 敵潜水艦を3隻撃破せよ 副目標2 なし 副目標3 なし 隠しアイテム 妖しい大砲 防潜網外側の東端付近の海底にいる秘密基地。 他と比べてかなり浅い位置にいる。 作戦および設計上の注意 「敵ソナー感知」と出る前までに湾内にいる敵艦を撃沈できると、 「奇襲成功」となる。 1周目配置なら特殊弾頭ミサイルVLSなどで狙撃すれば可能だが、 2周目配置だと敵潜水艦の数が多いため、イージスⅢ+ASROCで一掃するといい。 攻略 序盤の状態では奇襲なんぞは不可能。 ここはじっくり潜水艦の動きに慣れることに専念しよう。 VLSミサイル開発後に奇襲にチャレンジした方が無難。 アイテム ランク報酬 1周目 2周目以降 Sランククリア報酬 38.1cm砲45口径 スーパーピューマ Aランククリア報酬 (記入してください) AH-1Z スーパーコブラ 取得アイテム 12.7cm高角砲45口径20.3cm砲45口径15.5cm砲45口径25.4cm砲45口径15.2cm砲45口径28cm砲45口径 SH-60JシーホークUH-60Jブラックホーク(記入してください) その他(備考・感想・雑記) 一周目だと輸送艦が七隻出てくるので、輸送艦の撃沈スコアを稼ぎたい時はここをプレイ。 速力重視の超高速潜水艦に、特殊弾頭VLSを積んで駆け抜けると楽。 トップページ | 攻略チャート ここの1週目配置が輸送船が最も多く登場するステージ。 -- 候補生 (2010-03-05 10 04 44) 1週目 30.5cm砲45口径 取得確認 -- 名無しさん (2010-05-20 01 46 44) 2週目に海中に秘密基地(柵?の外すぐ左(説明しにくい)) -- 名無しさん (2010-07-11 13 06 21) ↑入手アイテムは妖しい大砲 -- 名無しさん (2010-07-11 13 06 52) 2週目、AH-64D アパッチLB ゲット -- 名無しさん (2010-07-11 13 07 16) 2週目 Ka-25 ホーモン,CH-47 チヌーク 取得確認 -- 名無しさん (2011-01-03 16 58 13) 2週目 EH101 マーリン取得確認 -- 名無しさん (2012-02-09 23 40 47) なお、筑波ブラウンルートでは駐留艦隊を殲滅しても撃破率50%の模様 -- 名無しさん (2015-04-13 00 38 09) ↑ストーリーではな -- 名無しさん (2015-04-13 00 38 38) げっかようらん さざなみしたぜつかげ? -- 名無しさん (2015-04-25 15 09 21) 「ゲッカヨウラン レンカゼツエイ」かな、多分 -- 名無しさん (2015-05-23 02 37 07) 1周目 Aランク報酬 28cm砲45口径 取得確認 -- 名無し (2016-05-28 02 07 37) 名前 コメント トップページ | 攻略チャート
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/42792.html
登録日:2019/09/09 (月曜日) 12 21 38 更新日:2024/07/03 Wed 03 16 21 所要時間:約 14 分で読めます ▽タグ一覧 Keter SCP SCP Foundation SCP-4144 朝食 未収容 警告 以下のファイルはブラックロック指令に基づく機密情報です 当ファイルに明示的なO5承認無しで行われるアクセス試行は記録され即時懲戒処分の対象となります。 = = = セキュリティ認証を送信 = = = セキュリティ認証が承認されました。 SCP-4144はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはKeter。 概要 SCP-4144は概念系オブジェクトである。通常概念系の収容はかなり困難を伴い、世界規模の記憶処理やインシデントが発生する例もある。 しかし幸い、このオブジェクトは一般人に危害を与えることは表面上はないし、反ミーム性を持っているので異常性の露見はまずないと思われている。だが、「それ」があまりにもありふれた存在であるため、混乱を防ぐ意図で報告書へのアクセスは上記のように厳しくなっている。断言できるが、これを見ている諸君は間違いなく何千回、何万回もSCP-4144を経験しているのだ。 ではそのSCP-4144とは何か。簡潔に言おう。いや、むしろ簡潔にしか言えない。 “朝食”である。 そう、一日の最初にとる食事。午前中のエネルギーを補給する、抜かない方がいい食事。200~500kcalくらいの軽いものに納めてまだあまり働き出してない消化器官をいたわり、日中活動するための体温上昇を促すあの起床時から正午にかけて取る食事、朝食である。 人類史上何世紀にもわたって育まれてきた朝食だが、近年の財団の研究によると人類はいまだかつて誰一人として、”朝食”と表現できる食事をしたことがないというのである。なんてこった。ご飯に味噌汁と焼き魚に納豆、パンに目玉焼きにコーヒー、シリアルやその他モロモロのあの至福の時間は、財団世界では実際にはなかったのだ。 なぜかというと、SCP-4144の異常性とは総じて「”朝食”をとった」と思い込ませるものだからである。その改変能力は徹底的で、朝食を食べている人・朝食を作る人・朝食のための材料を買う人…これら全員の記憶、そしてこれらを記録するあらゆる媒体への知覚全てに及んでおり、誰もこれを疑う人などいやしないし、人類史上これまでにも一人もいなかっただろう。 ではなぜ、財団はSCP-4144の異常性を発見できたのか。SCP-4144に気付いた人間はいないが、機械が気付いたのだ。 コンピュータ内の人工脳ともいえるニューラルネットワークが、画像を識別していた時のことである。ニューラルネットワークは画像内の色々な特徴を拾い出して、それまでに学習した色々な画像から「これはなんの画像であるか」を判断できるようになってきている。しかし、「朝食をとる人」または似たようなタグが人間によってつけられた画像をニューラルネットワークに読ませたとき、明らかに異常な頻度でニューラルネットワークはそれが朝食関連の画像だと判断しなかったのだ。我々が朝食をとっているとき、実際はそれとはまるで異なる光景がそこには広がっているらしい。 では実際、我々が朝食をとっているとき…SCP-4144を顕現させるとき、何が起きているのか。 その人物及び食事は、見た目のよく似たマネキンに取って代わられてどこかへ消えてしまう。SCP-4144-1とされるこのマネキンは周りの人にはそこで朝食を取っているはずの本人として認識され、実際本人と遜色ない行動パターンで動く。そしてその食事をとるに必要だろう時間が経過したとき、人物と食事の残りが再出現してマネキンは消え去る。 帰ってきた人物はマネキンがやっていたことを自分がやっていたこととして記憶しており、この2者の間でどのように情報がやり取りされているのかはわかっていない。また、このマネキンはスタイロフォームという発泡スチロールの進化版のようなものでできているのだが、この素材は1947年に発明されたものである。もちろんそれ以前にもSCP-4144は発生していたのだが、その時のSCP-4144-1は何でできたどういうものだったのかもわかっていない。 これらの現象は上述のように反ミームにより知覚されない。しかし、反ミームへの対抗策である記憶補強薬を服用した人物が、写真に写った自分によく似たSCP-4144-1を知覚したことにより何らかの異常現象が関わっていることが断定され、SCP-4144が発見された。 特別収容プロトコル 財団も、ニューラルネットワークと記憶補強薬によってやっとSCP-4144を発見できた。つまり、これらの手がかりさえなければSCP-4144は一般に知られることはない。 よってプロトコルは、一般の機関のニューラルネットワークがSCP-4144を発見しないように監視・必要に応じて改竄することと、記憶補強薬が絶対に財団外で開発されないようにするだけ。後者は機動部隊イプシロン-7(“勿忘草”)がいつもやっていることなので、彼らに任せる。 あまりに規模が大きく、発生条件が全人類の大部分が一日一回満たしているレベルなので発生件数があまりに多すぎるため、根本的収容はまず不可能だろう。したがって実質未収容のKeterクラスだが、上記の2つのプロトコルが守られてさえいれば一般社会への脅威は無いに等しいので、「朝食」自体を社会から文化的に根絶するようなことは財団もしないはずだ。 実験記録 ここまでで分かっていないのは、マネキンに取って代わられた人はどこに行っているのかだろう。というわけで、Dクラス職員に記憶補強薬を与えた上で朝食をとらせ、その間に何があったかを突き止める実験が行われた。 実験記録1 Dクラスが語るには、彼はまず暗闇の中をいくらか落下した後、なにやら濃い色の液体で満たされた袋の中へと落ち、その頭上で袋の入口が閉じた。その後、液体の中の彼は左の太ももに鋭い痛みを覚え、息を止められなくなり、ついに溺れて意識を失ったのだという。 帰ってきた彼は即座に倒れて喘いだ。そして自身の太ももに装飾的なマークで囲まれた刺し傷があり、そこから濃褐色の液体が漏れていると主張したが、どうやら反ミーム効果があるようで研究者たちはその傷を知覚できなかった。液体は数分以内に乾燥・蒸発して傷は残らず、また彼の肺に何らかの液体があった痕跡も発見できなかった。 実験記録2 今回のDクラスも前回と同じような経験をして帰ってきた。今回の彼は左胸部に刺し傷を負っており、その場所の高度な撮影が試みられた。また、その濃褐色の液体とやらをサンプルとして回収するためにキットが与えられた。 画像分析の結果、刺し傷の周りに切り傷と擦り傷によって反ミーム的なシンボルができており、これによって刺し傷と液体が認識できていなかったことが判明した。また、回収されたはずの液体は実験するときにはすでに消滅しており、分析はできなかった。 この後3回にわたって同じような実験が繰り返されたが、刺し傷の場所以外に相違点はなく、また彼らが食べようとしていた朝食は帰ってきた時点で胃の中にあったこともわかった。 そしてDクラスは全員トラウマになり、朝食をとりたがらなくなった。そりゃあね… これが本当なら、朝食をとる全ての人間は毎朝これと同じ、落ち、閉じ込められ、刺され、溺れる体験をしていることになる。知りたくなかった。 実験記録6、および探査記録 ならば、抗ってみたらどうなるだろうか。今度のDクラス、D-748-664(以下D-748)には酸素供給つき環境保護スーツ・サバイバルキット・記録装置・サンプル回収容器が与えられた。これで何かに刺されることを防ぎ、袋から脱出させてみようということである。 彼はスーツを着て、装備を身に着けて朝食の用意されたテーブルに座った。しかし、彼は朝食をとるためにスーツを脱ぐ前に消えてしまった。どうやら実際に食べるかどうかではなく食事の意思さえあればSCP-4144はその効果を発揮するらしい。 後述のように彼は消えた瞬間落下し始めているのだが、彼のGPS位置情報はこの実験が行われているチャンバー内の最初に彼がいたその位置から終始動かなかった。また、彼に対しては音声通信の試みがなされ、彼に取って代わったマネキンから応答があった。しかし、本物の彼の記録装置からはそんな証拠は見つからなかった。 以下が異空間に飛ばされた彼の映像記録である。この記録には反ミーム効果はないらしく記憶補強薬なしでも閲覧できた。 [記録開始] [00 00] D-748は即座に落下し始める。ヘルメットに設置された照明は、有機物と思われるチューブの内部を覆う粘性の流体を照らしている。 [00 03] D-748は流体の表面に叩き付けられた衝撃で叫び、チューブ壁を覆っているものと同じ乳白色の液体の溜まりに沈む。赤い皮膚様の有機物で構成されていると思しき厚い嚢がD-748の周囲で閉鎖され、彼を完全に密封すると共に、カメラ映像を不鮮明にする。 …この時点で何かを察した人もいるだろうが、ちょっと置いておいていただきたい。 この直後、彼は腰の部分に何か鋭いものが何回かぶつかったと訴えた。これまでの記録において被験者に刺し傷をもたらした何かとみて間違いないだろう。彼のスーツは役割を果たしてくれた。 彼はボロクソ言いながらナイフで袋を切開し、そこから1.5m落っこちて何か黒い石のように見える地面に当たった。周りの大気はオレンジ色をしていた。そして彼はこれらのサンプルを回収し、探索を開始する。 [1 45] D-748は空間内を見渡す。明かりは彼のヘルメットライトが発するものに限られており、それ以外は完全な暗闇である。D-748が脱出したものと一致する数百個の有機的な嚢が、それぞれ約2mおきに列を成して下がっている。嚢の約40%は内部に動きが見られるが、詳細は視認できない。壁らしきものは見えない。 [1 59] D-748はスーツ内の方向センサーが北であるとしている方角へ歩き始める。 [2 03] 微かに女性的な悲鳴が聞こえ、続けて何かが流体表面に叩き付けられる音がする。D-748が音のした方向を見ると、嚢の一つが上部を閉鎖するのが見える。嚢は激しく動き回るが、やがて静止する。D-748は歩き続ける。 [2 48] 別の微かな悲鳴が遠くから聞こえる。D-748は数百個の嚢を通り過ぎるが、他に特筆すべきランドマークは存在せず、地形や風景にも変化が見られない。 どうも、この空間は世界中の朝食を取ろうとした人がまとめて飛ばされてくる場所らしい。客観的に見れるなら丸呑みフェチの人には天国かもしれない。 この後頭上を見た彼のカメラは、約10m上に金属と有機物でできた管によるネットワークを発見し、そこから各々の袋が吊り下げられていることが分かった。 そして、彼はあるものを発見する。 [4 48] D-748は嚢が全く下がっていない概ね円形のエリアに辿り着く。エリア中心部には直径約5mの円形の穴があり、過去の実験でDクラス職員の傷から漏れているのが目撃された流体の描写と視覚的に一致する、濃褐色の液体が満たされている。一定量の流体が穴の上部にある多数の有機チューブから注がれ続けている。 [5 02] D-748は軽くエリアを見渡した後、穴からサンプルを採取するために膝を付く。嚢の間にあるやや広めの隙間が東西に分かれ、通路を形成するのが空き地から見える。 [5 35] D-748は穴からのサンプル採取を完了し、東に向かって通路を進む。カメラは足音を検出し、D-748もこれを聞き付ける。彼は驚いて振り向き、観察可能な特徴を持たないSCP-4144-1実例の存在に気付く。SCP-4144-1実例は穴の縁に歩み寄った後、軽く中を覗き込む素振りを見せてから、向きを変えて離れる。SCP-4144-1実例はD-748に気付いていない。 [6 13] D-748はSCP-4144-1実例に声をかける。SCP-4144-1実例は立ち止まって彼を見つめた後、向きを変えて走り去る。D-748は罵倒語を発し、反対方向の通路を下ってゆく。 大きな穴にあの濃褐色の液体。これも重要だが、彼が見つけたのはなんとあのマネキン。人と取って代わった時のように誰かに似せた状態ではなく、のっぺらぼう状態だった。この空間の管理でもしているのだろうか、穴を見て去って行った。 彼はマネキンに話しかけたが、彼を見つめたのち去って行った。もしマネキンが管理者なら、彼は明らかに異物である。なら、この後どうなるか。 [8 39] カメラは嚢の列の間に、複数の姿が動いているのを捉える。複数名の足音が接近してくるのが聞こえる。D-748は振り向き、3体のSCP-4144-1実例が真後ろにいるのを発見する。彼は向きを変えて走ろうとするが、自身がSCP-4144-1実例群に包囲されていることに気付く。SCP-4144-1実例群はD-748を掴み、通路のさらに先へと引きずってゆく。彼は抵抗を試みるが失敗する。 [9 59] SCP-4144-1実例の一団はD-748を別の空地へと連行する。彼は抵抗を試みてもがき続けているが、成果は無い。空き地の中心部には、白い有機素材で作られた表面的に心臓に類似する巨大構造物が、天井から太いチューブで吊り下げられている。構造物は静かに拍動している。さらに多くのチューブが構造物の底から、下の地面に空いた巨大な穴の中へ延びているのが見える。 [10 23] 心臓型構造物の側面に大きな裂け目が自然形成され、内部から1体のSCP-4144-1実例が歩み出る。裂け目は継ぎ目を残さずに密封される。他2体の実例が新しく現れた実例に近付き、その顔面に何かを適用し始める。 [11 00] 新しく現れたSCP-4144-1実例は、心臓下部の穴に延びるチューブと接続されている先端の尖った長い棒を手渡され、他2体から離れる。D-748は捕獲者たちによって引きずられていき、新しい実例が彼に接近する。当該実例の顔には、表面的にD-748と似た特徴が描かれている。実例は一瞬D-748を見つめる。 [11 30] SCP-4144-1実例はD-748の腹部に棒を刺し込む。束の間の叫び声が聞こえた後、映像がロストする。 [記録終了] この30秒後、現実のテーブルに座っていた彼は突如立ち上がり、室内の警備員2名を食器で攻撃し始めた。しかも、彼は人間を遥かに超えるパワーを発揮したため拘束できず、警備員は2名とも深い刺し傷を多数負った。やむなく警備員は致死的な武力を行使し、彼を終了した。 彼の身体を調べたところ、なんとあのマネキンと同じ材質でできていた。しかし、彼の身に着けていた装備やサンプルはそのままだったため、回収できた。 まず袋およびその中の白い流体は、何らかの有機物だということしかわからなかった。 大気は主にアンモニアで、黒い地面は主に鉄とカルシウムから成る骨のようなものだった。 そして、 褐色の流体を分析した結果、乳糖、大豆製品、加工小麦および米製品、様々な種の動物由来のタンパク質、様々な種の果物由来の繊維で構成されていることが判明しました。 つまりどういうこと? 一言で言うとだ。 あなたが朝食を食べるとき、朝食もあなたを食べているのだ。 とんだ深淵を垣間見てしまったものである。 記録から察する通り朝食を食べる人たちが飛ばされていたのは、何らかの超巨大有機生物(仮称 ”朝食”)の消化器官と見ていいだろう。食道内を落っこち、袋こと胃にドボン。 では”朝食”はなぜ人を捕食するのか考えると、血が目当てなのではないかと推測できる。胃の中で人を刺し、血を抜く。そして、プールされていたあの褐色の流体(おそらく”朝食”の血液)で補填して現実に返してくれているのだろう。帰ってきたDクラスの傷跡から血の代わりに滴っていたことが証拠で、どういうわけか人間の体内では血液になるが体外ではすぐに消えてしまうらしい。胃より先の腸などがなかったのも血だけが目当てなら必要ないからか。 大気中のアンモニアは、血液中のたんぱく質を分解した際に発生したものだろう。人間は肝臓で尿素にして排出できるが、”朝食”は溜め込んでいるらしい。 床はその通り骨で、心臓もその通り心臓の役割だろう。血液…朝食そのものでできている褐色の流体を運び、Dクラスが見つけたような大きなプールに貯めている。 そしてマネキンは、やはり”朝食”の体内管理者だろう。人間より強く、人間の顔をコピーすることができ、人間が朝食をとることをトリガーとして彼らと入れ替わる形で現実に行くこともできる。心臓は中枢部だけに所長室みたいな役割も兼ねていて、「侵入者を発見しました」という通報でえらいマネキンが出てきたとも解釈できる。 そしてD-748は捕えられ、彼の特徴をコピーしたえらいマネキンが彼の代わりに”D-748”として、彼をここに送り込んだものを排除するため現実世界に乗り込んできた…ということではないだろうか。 色々解釈はあるだろうが、いずれにせよほぼ全人類が毎日文字通りの食い物にされているのには変わりない。マネキンの能力も底が知れないし、朝食以外でも発生したり普通に現実世界に殴りこまれでもしだしたら大変だ。 実際、財団も探査実験はやめて下手に刺激しないようにすることくらいしかできないのではないだろうか。止めることはできない。なぜなら、朝食とは人類がその日満足に活動できるためにも、”朝食”が生きるためにも… SCP-4144 一日で最も重要な食事 なのだから。 追記・修正はしっかり朝食をとってからお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-4144 - The Most Important Meal Of The Day by Mortos http //www.scp-wiki.net/scp-4144 http //ja.scp-wiki.net/scp-4144 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ある程度一貫性のある物にはしたつもりですが、最後の解釈にはあまり自信がないのでよりもっともらしい解釈をお持ちの方にはぜひ積極的に編集いただきたい。 -- 名無しさん (2019-09-09 12 27 55) こんなちょーショックな事実がよく今まで気づかれなかったな… -- 名無しさん (2019-09-09 12 32 33) ↑貴様の明日の朝食は空飛ぶトマトに決定だ 素早く飛んで頭を突き破る つまりBreak fast -- 名無しさん (2019-09-09 12 43 49) 死体袋を用意しろ 2つでいい -- 名無しさん (2019-09-09 13 32 53) 昼食や夕食が「そうでない」という保証はあるのだろうか。 -- 名無しさん (2019-09-09 14 03 00) 記事の最初のテキストが直接的すぎて、個人的に出だしの衝撃度が薄かったなぁ… -- 名無しさん (2019-09-09 17 20 06) 貴様は今まで食べた"朝食"の数を覚えているか? -- 名無しさん (2019-09-09 18 35 05) 「そしたらこの世界では、朝食パンを食べながら曲がり角でぶつかる、なんてイベントもないのかー」とのほほんと考えてたら、とんでもない結末に……! -- 名無しさん (2019-09-09 19 16 27) やべぇよ…やべぇよ…朝飯食ったから… ↑4 SCP-3118「大丈夫、昼食は僕が保証します」 -- 名無しさん (2019-09-09 22 52 12) ↑4 元々この記事のフレーバーテキストでも何でもない適当な言葉だったので消しました。衝撃を薄れさせてしまってすまない… あと作者曰く2回目の朝食は安全だそうです -- 名無しさん (2019-09-09 23 11 12) ヒエッ… -- 名無しさん (2019-09-10 20 44 52) ええ... -- 名無しさん (2019-09-24 17 04 24) ↑3「まともな飯をイギリスで食べたいなら朝食を三回食べるべきだ」って奴か -- 名無しさん (2019-09-24 18 46 38) アンモニアで満たされた空間とかやだな~絶対臭い -- 名無しさん (2019-10-07 19 52 21) なんでこんなわけわからんのを思いついたんだろう…きっかけが知りたいわ -- 名無しさん (2020-02-27 02 21 53) SCP界隈はたまに本気でトラウマ級のオブジェクトでてくるからすき -- 名無しさん (2020-12-01 18 42 09) 初期のジョークSCPに枕をSCP-076に破壊させるって話が合ったのを思い出したけど同じぐらいぶっ飛んでるわ -- 名無しさん (2021-01-07 09 46 15) 相手が単純に強かったり、物理的に不可能だったり、どうあがいても手遅れでketer判定なオブジェクトはあるけど、このいずれとも違う、無理ゲー過ぎる -- 名無しさん (2021-05-14 09 57 11) 朝食を抜く人たちが無意識にこの事実に気付いている可能性が微レ存…? -- 名無しさん (2024-03-06 15 59 30) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/42876.html
登録日:2019/09/19 (木曜日) 02 29 47 更新日:2024/08/21 Wed 17 50 00NEW! 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 Neutralized SCP SCP Foundation SCP-4127 SCP財団 コイン コイントス 元Anomalousアイテム 突然ですがコイントスをしてください。 (手元にコインがなかったら適当にどちらかを選んでも構いません。) どちらが出ましたか? 表 裏 SCP-4127はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはNeutralized。 メタタイトルは「表か裏か」。 概要 SCP-4127は1936年製のアメリカの5セント硬貨だ。 本来は表にバッファロー・裏にネイティブアメリカンの顔が描かれているのだが、裏の絵柄がなぜか人間の頭蓋骨になっている。 その異常性は単純明快。こいつでコイントスをすると、常に表が出るのだ。 …模範的Anomalousじゃね?とお思いだろうが、その通りこいつはAnomalous上がりのオブジェクト。つまりそれだけではなかったということ。 2006年、Anomalousアイテムの定期点検中。サイト-96の用務員エミリオ・ロドリゲスによって新たな異常性が見つかった。 何かというと、「コイントスで表/裏が出たら○○する」と言った直後にコイツでコイントスして予想した通りの面を当てると、それが実現してしまうのだ。 上述の通りコイツのコイントスは表しか出ない。もはやコレは誰でも使える無制限の現実改変装置にも等しい。こんなのが一人の人間の元にあったら世界が大変である。 このオブジェクトは一体何を巻き起こし、そしてNeutralizedになったのか。以下がそれを示す記録である。 実験記録 言った内容、およびSCP-4127が出した面ごとに見ていく。 「表が出たら、昇進する」 表 この因果的な異常性が発見されたきっかけとなる事例。 何の気なしにこう言って当時AnomalousだったSCP-4127を放ったロドリゲス用務員だったが、その直後サイト管理官オーガストのオフィスに呼び出され、「勤務態度が模範的なので昇進」と言われた。 彼は正直にもさっきのコイントスのことを話し、これによってSCP-4127が発見された。この誠実さを考慮して、この昇進はそのまま良しとなった。 「表が出たら、続けて私の25セントで行うコイントスでは裏が出る」 表 ここからはSCPオブジェクトとしての(おそらく昇進したロドリゲス用務員による)実験記録。 25セント硬貨は裏を示した。 「表が出たら、続けて私の25セントで10回行うコイントスでは全て裏が出る」 表 当然のごとく全部裏だった。 「裏が出たら、続けて私の25セントで10回行うコイントスでは最低でも1回裏が出る」 表 10回のコイントスは全て表だった。 しかしこれには疑問が浮かぶ。このコインは表裏を当てたときだけその直後に言ったことを実現させるので、「裏が出たら~」と言って表が出た時点で10回のコイントスに影響が出る理由がないのだ。1024分の1なので偶然の線も薄いだろう。 原文でこうなのでミスの可能性はあるが、もしかしたらこのコインは「表裏が当たったら言ったことが実現する」つまり「言ったことが実現しなかったら表裏は当たっていない」を逆手にとって、「このコインは表しか出ない」ということを言ったことを実現させないことで示したのかもしれない。 もっとシンプルに「表裏を当てられなかったらその直後に言ったことは実現しなくなる」という可能性もなくはないが。 「表が出たら、私の25セントは常に裏が出るようになる」 表 Anomalousアイテム誕生のお知らせ。 二度とやるんじゃない。 — サイト管理官オーガスト このせいか、次の実験から担当者が変わる。 「表が出たら、5秒以内に電話がかかってくる」 表 ここからの実験はロジャース研究員が担当する。 この直後奥さんから電話がかかってきて、「学校に息子を迎えに行くのを忘れないでね」と言われた。 「表が出たら、5秒以内にパブリッシャーズ・クリアリング・ハウス社の懸賞委員会から電話がかかってくる」 表 つまり「あなたが懸賞に当たりました」という電話が欲しくてこう言ったのだろう。私利私欲に走りだしているがいいのか。 なお実際は委員会のメンバーから間違い電話がかかってきた模様。 「表が出たら、俺はクソリッチになる」 表 もっと直接的に金持ちになろうとしてきたが、実際はもっとひどいことになった。 この後、トイレの下水管が破裂してロジャース研究員の研究室が排泄物まみれになった。さらに彼の母親が雇った調査員から電話がかかってきて、「あなた生まれたときの名前はリッチャードだったみたいですよ」と言われた。 つまり彼はクソまみれのリッチャードになったわけだHAHAHA。 「表が出たら、このコイントスで裏が出る」 裏 SCP-4127の両面が裏になって、異常性がなくなってしまった。これをもってNeutralized認定。 これ以降SCP-4127は低危険度収容庫に実験禁止で保管されている。 こういうアノマリーにパラドックスを試すのは危険だというのがよく分かる。またここで彼の悪事が露呈。 異常存在を金銭的利益のために濫用した廉で、ロジャース研究員を用務員に降格とする。 — サイト管理官オーガスト 用務員と研究員が入れ替わった形になったが、善人に悪人が淘汰された形なので結果オーライかもしれない。SCP-4127は無力化したけど新しいAnomalousアイテムができてしまったので仕事は減らないけど。 ロジャース用務員も更生していつか研究員に戻れるといいね。 追記・修正はコイントスして裏を出してからお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-4127 - Heads or Tails by The Great Hippo http //www.scp-wiki.net/scp-4127 http //ja.scp-wiki.net/scp-4127 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- SCP-4127はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはNeutralized。 メタタイトルは「表か裏か」。 概要 SCP-4127は1922年製のアメリカの25セント硬貨だ。 本来は表に鷲・裏に自由の女神が描かれているのだが、裏の絵柄がなぜか人間の頭蓋骨になっている。 その異常性は単純明快。こいつでコイントスをすると、常に裏が出るのだ。 …模範的Anomalousじゃね?とお思いだろうが、その通りこいつはAnomalous上がりのオブジェクト。つまりそれだけではなかったということ。 2006年、Anomalousアイテムの定期点検中。サイト-96の用務員ウィリアム・ロジャースによって新たな異常性が見つかった。 何かというと、「コイントスで表/裏が出たら○○する」と言った直後にコイツでコイントスして予想した通りの面を当てると、それが実現してしまうのだ。 上述の通りコイツのコイントスは裏しか出ない。もはやコレは誰でも使える無制限の現実改変装置にも等しい。こんなのが一人の人間の元にあったら世界が大変である。 このオブジェクトは一体何を巻き起こし、そしてNeutralizedになったのか。以下がそれを示す記録である。 実験記録 言った内容、およびSCP-4127が出した面ごとに見ていく。 「裏が出たら、昇進する」 裏 この因果的な異常性が発見されたきっかけとなる事例。 何の気なしにこう言って当時AnomalousだったSCP-4127を放ったロジャース用務員だったが、その直後サイト管理官オーガストのオフィスに呼び出され、「勤務態度が模範的なので昇進」と言われた。 彼は正直にもさっきのコイントスのことを話し、これによってSCP-4127が発見された。この誠実さを考慮して、この昇進はそのまま良しとなった。 「裏が出たら、続けて私の5セントで行うコイントスでは表が出る」 裏 ここからはSCPオブジェクトとしての(おそらく昇進したロジャース用務員による)実験記録。 25セント硬貨は表を示した。 「裏が出たら、続けて私の5セントで10回行うコイントスでは全て表が出る」 裏 当然のごとく全部表だった。 「表が出たら、続けて私の5セントで10回行うコイントスでは最低でも1回表が出る」 裏 10回のコイントスは全て裏だった。 しかしこれには疑問が浮かぶ。このコインは表裏を当てたときだけその直後に言ったことを実現させるので、「表が出たら~」と言って裏が出た時点で10回のコイントスに影響が出る理由がないのだ。1024分の1なので偶然の線も薄いだろう。 原文でこうなのでミスの可能性はあるが、もしかしたらこのコインは「表裏が当たったら言ったことが実現する」つまり「言ったことが実現しなかったら表裏は当たっていない」を逆手にとって、「このコインは裏しか出ない」ということを言ったことを実現させないことで示したのかもしれない。 もっとシンプルに「表裏を当てられなかったらその直後に言ったことは実現しなくなる」という可能性もなくはないが。 「裏が出たら、私の5セントは常に表が出るようになる」 裏 Anomalousアイテム誕生のお知らせ。 二度とやるんじゃない。 — サイト管理官オーガスト このせいか、次の実験から担当者が変わる。 「裏が出たら、5秒以内に電話がかかってくる」 裏 ここからの実験はロドリゲス研究員が担当する。 この直後奥さんから電話がかかってきて、「学校に娘を迎えに行くのを忘れないでね」と言われた。 「裏が出たら、5秒以内にパブリッシャーズ・クリアリング・ハウス社の懸賞委員会から電話がかかってくる」 裏 つまり「あなたが懸賞に当たりました」という電話が欲しくてこう言ったのだろう。私利私欲に走りだしているがいいのか。 なお実際は委員会のメンバーから間違い電話がかかってきた模様。 「裏が出たら、俺はクソリッチになる」 裏 もっと直接的に金持ちになろうとしてきたが、実際はもっとひどいことになった。 この後、トイレの下水管が破裂してロドリゲス研究員の研究室が排泄物まみれになった。さらに彼の父親が雇った調査員から電話がかかってきて、「あなた生まれたときの名前はリッチャードだったみたいですよ」と言われた。 つまり彼はクソまみれのリッチャードになったわけだHAHAHA。 「裏が出たら、このコイントスで表が出る」 表 SCP-4127の両面が表になって、異常性がなくなってしまった。これをもってNeutralized認定。 これ以降SCP-4127は低危険度収容庫に実験禁止で保管されている。 こういうアノマリーにパラドックスを試すのは危険だというのがよく分かる。またここで彼の悪事が露呈。 異常存在を金銭的利益のために濫用した廉で、ロドリゲス研究員を用務員に降格とする。 — サイト管理官オーガスト 用務員と研究員が入れ替わった形になったが、善人に悪人が淘汰された形なので結果オーライかもしれない。SCP-4127は無力化したけど新しいAnomalousアイテムができてしまったので仕事は減らないけど。 ロドリゲス研究員も更生していつか研究員に戻れるといいね。 追記・修正はコイントスして表を出してからお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-4127 - Heads or Tails by The Great Hippo http //www.scp-wiki.net/scp-4127 http //ja.scp-wiki.net/scp-4127 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- …さて。 このオブジェクトの元記事には仕掛けがある。ランダムで二つの記事のうちどちらかが表示されるのだ。 片方が上記「表しか出ない5セント」の記事、もう片方が上記「裏しか出ない25セント」の記事。つまりこの記事は読んだ時点で知らないうちにコイントスをしているようなものなのだ。これを再現するため、このような形を取らせてもらった。 以下では、この両方を踏まえて考察することにする。 考察 これら2記事はほとんど同じ話で、単体として見ればただ誠実な用務員が昇進して欲をかいた研究員が自滅するだけの笑い話。 だが、この二つを併せて見ると話が変わってくる。 登場する用務員と研究員の名前。SCP-4127であるコインの種類。異常性で出る面の方向。所々の対比される事柄。 考えられる可能性は三つ。 一つ、この二つの記事は奇妙なほどに対応しあった二つの異なる世界で起きたこと。 二つ、この二つの記事は同じ世界で2連続で起きたことだが、それ以上の対比された事柄はあくまで偶然であり意味はなかった。 しかし、上二つの可能性はメタ的に見ると弱い。根拠は元記事に付与されたタグ「ループ」。 三つ、この世界はこの2記事が互いに無限ループする状況に閉じ込められている。 実験記録の2番目から5番目は誰によって行われたか明記されていないため憶測を含むが、以下のようなことが延々と繰り返されている可能性がある。 ロドリゲス用務員がAnomalousアイテムの5セント硬貨の異常性を発見し、硬貨がSCP-4127に指定され昇進する。 ロドリゲス用務員→研究員が実験をし、新しいAnomalousアイテム25セント硬貨を生み出してしまう。 それを引き継いだロジャース研究員が私利私欲に走った末5セント硬貨SCP-4127を無力化してしまい、降格する。 ロジャース研究員→用務員が二つ上で生み出されたAnomalousアイテム25セント硬貨の異常性を発見し、硬貨がSCP-4127に指定され昇進する。 ロジャース用務員→研究員が実験をし、新しいAnomalousアイテム5セント硬貨を生み出してしまう。 それを引き継いだロドリゲス研究員が私利私欲に走った末25セント硬貨SCP-4127を無力化してしまい、降格する。 ロドリゲス研究員→用務員が二つ上で生み出されたAnomalousアイテム5セント硬貨の異常性を発見し、硬貨がSCP-4127に指定され昇進する。 … この場合旧SCP-4127がどんどん増えていくし、硬貨のデザインの点がおかしいし、そもそも二人のどっちかか管理官が気付くだろう。 だがもし、それにすら気づけないとしたら? この世界に未来は…? 追記・修正はこのコインの真の力を見抜いてからお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-4127 - Heads or Tails by The Great Hippo http //www.scp-wiki.net/scp-4127 http //ja.scp-wiki.net/scp-4127 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 「裏」でロジャース研究員が降格されてるぞ。 -- 名無しさん (2019-09-19 10 42 39) JPにもコイン投げで現実改変するの無かったっけ。アレとはだいぶ雰囲気違うけど -- 名無しさん (2019-09-19 11 29 27) 677-JPだね -- 名無しさん (2019-09-19 12 50 50) 同じ2つのコインが効果発現と無効化を繰り返してて増えてはいないように読めたが本家ではそうなってるのかな -- 名無しさん (2019-09-19 13 50 28) ↑無効かされたアイテムはまた別のところに保管されるから違うものでは? -- 名無しさん (2019-09-19 17 24 33) 清掃員「今日もまたリッチャードの部屋のクソを洗い落とす仕事が始まるお…」 -- 名無しさん (2019-09-19 19 48 43) 「裏が出たら、続けて私の25セントで10回行うコイントスでは最低でも1回裏が出る」+「表が出た」⇛「10回行うコイントスが全て表」って論理的に正しくないんだけど, 一体何がおきているんだろうか -- 名無しさん (2019-09-19 21 10 18) いやおかしいか? 要は絶対出る面と逆を宣言したら、「〇〇する」の部分が絶対に実現しなくなるってことだろ? 言っとくけど初めに投げたのは5セント、10回投げたのは25セントだぞ -- 名無しさん (2019-09-20 00 58 52) ↑「もしAなら、Bだ」+「Aではない」⇛「Bではない」という推論は論理的に正しくないんですよね -- 名無しさん (2019-09-20 07 26 58) 単純にコピペして表と裏を直し忘れただけでは? -- 名無しさん (2019-09-20 11 22 57) 高校数学の常識って、対偶を知らない人に言われても(^_^;) -- 名無しさん (2019-09-20 22 14 10) これ原文でもおかしいことになってんの? -- 名無しさん (2019-09-20 22 43 03) コイントスだから「表ではない」と「裏」が同値と考えればおかしくないと思う 不完全ちゃんみたいに側面で立たすとかのイレギュラーを考えなければだけど… -- 名無しさん (2019-09-20 23 15 31) 「裏が出たら」という表記だから表が出た場合は関係ないんだよね。自信満々に高校数学の常識とか言っている編集者って... -- 名無しさん (2019-09-21 12 32 39) 『裏→1回以上裏が出る』だから、対偶の『1回も裏が出ない→表』を取ってる可能性。つまり必ず『表である』って証明されるようになってるとか -- 名無しさん (2019-09-21 12 44 02) ううむ確かにその通りだ…原文がこの通りなので疑問に思わないまま余計な一節を足してしまったのを反省。修正しておく -- 名無しさん (2019-09-21 17 51 29) 「コイツでコイントスして予想した通りの面を当てると、それが実現してしまう」というのは若干 -- 名無しさん (2020-03-19 04 21 26) ↑途中送信 若干違うかな。元記事には「コイントスの結果で予想したイベントの結果が決まる」としか書かれてない -- 名無しさん (2020-03-19 04 22 50) 一回ヤバイことになりかけた結果「上記二つのループそのものが収容プロトコル」という可能性も…... -- 名無しさん (2021-04-04 16 51 26) ↑ロージャス及びロドリゲス研究員には「自分がクソリッチ」になる旨の実験を行わせ、定期的にクソまみれにすることが推奨されます。…鬼畜か? -- 名無しさん (2021-10-01 10 18 54) 変な溝に挟まって表でも裏でもない状態が出たときが一番やばいことになりそう -- 名無しさん (2023-03-28 13 03 41) 財団の明日はコインに委ねられてる -- 名無しさん (2024-03-06 14 52 18) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hordaine_minax/pages/144.html
P-1 ①:黒い染みを目印に若干上に引っ掛かるように飛びます。 ②:少し斜め上に向かって飛びます。 ③:視点を崖に向けたまま着地後すぐに右ステップ。 ④:後は着地判定が広いので○に向かって飛ぶだけです。
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/3402.html
P-14 / P-14 【ピー14】 ポップンミュージック14 FEVER!で初登場したキャラクター。 P-14 / P-14 誕生日 担当曲 ポップン14 アクション(pm14) キャラクターポップ 関連キャラ、用語リンク 出身地 趣味など すきなもの きらいなもの アヒル型の船に乗って旅をするロボット。 クラフトやP-1 P-2と同じ系統の後継機で、ポップン14にちなんで名称に14と付いている。 カラー配分は1Pが緑で2Pが赤と、どこぞのロボットアニメに登場するMSを思わせる。 3倍速い動きをする”あの”機体を意識したのであろうか? 誕生日 2月17日製造 担当曲 スペースワルツ ポップン14 アクション(pm14) NEUTRAL GOOD GREAT FEVER MISS JAM DANCE 【固定型】仲間の色違いのミニロボットも出てくる。 WIN FEVER WIN 空を自由に飛びまわる LOSE ショートして真後ろに倒れ、故障する。 キャラクターポップ 【色違い】 関連キャラ、用語リンク クラフト P-1&P-2 このキャラクターが描かれているレアカード 【ロボットいっぱい!!】 【◎キラキラ☆フィーバーナイト◎】 キャラクター一覧/ポップンミュージック14 FEVER!