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金のかんむり 英歌詞 対訳 日本語詞 日本語詞英訳 英歌詞 戻る There are many things I like to wish for. Things that can't be bought and can't be sold. A rainbow butterfly, a candy mountain high, But most of all, I'd like a crown of gold. A crown of gold, gold, gold Upon my head, head, head With emeralds green, green, green And rubies red, red, red. A crown of gold, gold, gold! Look at it shine, shine, shine! I wish that crown, crown, crown... Could be all mine. The cowboys wear big hats that hold ten gallons, And Little Reds wear riding hoods for cold. But I'd take my beret and throw it far away If I could have a shiny crown of gold. Did you know a crown of gold is heavy? Did you know a crown can make you sweat? To keep it shining bright takes morning, noon, and night. A crown of gold is more work than a pet! A crown of gold, gold, gold Just isn't fun, fun, fun. You cannot play, play, play; You cannot run, run, run. People stare, stare, stare All over town, town, town. This crown of gold, gold, gold, It weighs me down, down, down! A crown of gold, gold, gold! Look at it shine, shine, shine! I wish that crown, crown, crown... Could be all mine. 対訳 There are many things I like to wish for. (欲しいものはたくさんあるわ) Things that can't be bought and can't be sold. (お金で売り買いできないもの) A rainbow butterfly, a candy mountain high, (虹色のちょうちょ、山盛りのキャンディ) But most of all, I'd like a crown of gold. (でも何より一番欲しいのは金の冠よ) A crown of gold, gold, gold Upon my head, head, head (頭の上でかがやく金のかんむり) With emeralds green, green, green And rubies red, red, red. (ちりばめられたエメラルドにルビー) A crown of gold, gold, gold! Look at it shine, shine, shine! (見てごらん!このかがやき!) I wish that crown, crown, crown... (かんむり、かんむり、かんむり・・・) Could be all mine. (ひょっとしたら ぼくのものになるかもね) The cowboys wear big hats that hold ten gallons, (カウボーイは大きなテンガロンハット) And Little Reds wear riding hoods for cold. (赤ずきんちゃんはフードをかぶってる) But I'd take my beret and throw it far away If I could have a shiny crown of gold. (でも、もし金の冠が手に入るなら) (あたしはベレー帽なんて放り捨てちゃうわ) Did you know a crown of gold is heavy? (金のかんむりが重たいって知ってた?) Did you know a crown can make you sweat? (頭は汗で蒸れちゃうし) To keep it shining bright takes morning, noon, and night. (1日中みがかなきゃいけない) A crown of gold is more work than a pet! (ペットを飼うよりも大変なんだ!) A crown of gold, gold, gold Just isn't fun, fun, fun. (金のかんむりなんていいもんじゃない) You cannot play, play, play, (遊ぶことなんてできないよ) You cannot run, run, run. (走ることだってできやしないし) People stare, stare, stare All over town, town, town. (町中の人からジロジロ見られるんだ) This crown of gold, gold, gold, It weighs me down, down, down! (ぼくにとっては重しでしかないんだ!) A crown of gold, gold, gold Upon my head, head, head (頭の上でかがやく金のかんむり) With emeralds green, green, green And rubies red, red, red. (ちりばめられたエメラルドにルビー) A crown of gold, gold, gold! Look at it shine, shine, shine! (見てごらん!このかがやき!) I wish that crown, crown, crown... (かんむり、かんむり、かんむり・・・) Could be all mine. (ひょっとしたら ぼくのものになるかもね) 日本語詞 あれもこれもほしいわ お金じゃ買えないけど 虹のちょうちょ キャンディの山 一番ほしいのは 金のかんむりが頭でキラリ 宝石キラリ まぶしくキラリ 金のかんむりが頭でキラリ ぼくのかんむりだといいな 大きなカウボーイの帽子 寒がりの赤ずきん 私のベレー 空に飛ばし かんむりがほしいのよ 金のかんむりは重たい みんなが苦労する いつもいつもみがき続け 犬を飼うよりも大変 金のかんむりがぼくを縛る 外で自由に遊びたいよ 街中の人に見られ ぼくは独り いつも独り 金のかんむりは 夢のかんむりは 誰が一番にあうでしょう? 戻る 日本語詞英訳 I want this and that. Though these things is what can't buy for money. Rainbow butterflies, mountains of candy What I want most of all is ... A golden crown shines on one's head. A sparkle of jewels, a dazzling sparkle A golden crown shines on one's head. I wish it's my crown. A big cowboy hat. Red Riding Hood who sensitive to the Cold My beret, I'll fly it to the sky. Bcause I wanna A golden crown. A gold crown is so heavy. Everyone is having a hard time. Always, always, must keep it polish. It's harder than having a dog. The crown of gold binds me. I wish I could go out and play freely. I'm always exposed to the eyes of people in the city. I'm alone, always alone. The crown of gold is... The crown of dreams is... Who is best uited for it?
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◆◇◆◇ 神だの、運命だの。 奇跡だの、信仰だの。 そういうものに、触れたことはない。 “あたし”の世界に、現れなかったから。 幼い頃の、遠くて近い記憶。 まだ10代にすらなっていない日の思い出。 それは、いつも似たような形をしていた。 見上げてみれば、灰色の天井。 いつも私を閉じ込めて、何処にも行かせてくれない。 ぬらりと佇む、大きな身体。 あたしを見下ろす、冷たい眼差し。 あたしは見上げて、いつも横たわる。 口の中には、生暖かい鉄の味が広がる。 身体のあちこちに、痛みが走る。 畳の敷かれた、小さな部屋。 母の愛人は、あたしを冷淡に見つめる。 苛立ちを隠さず、口元を歪ませる。 酒臭い息を吐いて、顔は赤らんでいる。 あいつの傍で、母は目を泳がせてる。 自分のせいじゃない、自分が悪いんじゃない――そう言いたげに佇んでいる。 けれど、あたしを助けたりはしない。 幼い頃の、“いつもの光景”。 脳裏に焼き付いてる、“ありふれた日々”。 神も奇跡も、よく知らない。 見たことがなかったから。 今日は別に、変わらない。 甘い洋菓子の味よりも。 血の味の方がずっと馴染みがある。 それがあたしの幼少期。 そして、あたしの青春。 ◆ “記憶”という映像が、早送りされる。 目まぐるしいスピードで、先へと進む。 ◆ あたしはよく、空を見上げていた。 澄んだ色が、果てしなく広がる。 鮮明なまでの青色が、視界を覆う。 何処までも、何処までも、彼方まで。 幼い頃とは、まるで違う光景なのに。 未だにあたしは、狭い天井の下にいる。 幾ら足掻こうと、未だに抜け出せない。 あたしはずっと、閉ざされている。 母親も、あいつの愛人も捕まって。 私は、児童養護施設に預けられて。 でも結局、上手く馴染めなくて。 幼い頃の経験が頭から離れなくて。 気がつけば、問題ばかり起こして。 そうして各所を転々として。 今では、施設を抜け出して彷徨ってる。 何をしているかって? 非行を繰り返して、喧嘩ばっかしてる。 今のあたしは、立派な不良少女だった。 青空を、見上げている。 コンクリートの地面で、仰向けになりながら。 さっきまで、同世代の不良達と殴り合ってた。 何人もの束になって、わらわらと迫ってきたけど。 あたしはそいつらをぶちのめして、追い払ってやった。 誰かを殴るとき、あたしの拳はいつも炎みたいに“何か”が迸っていた。 それが何なのかを、理解することは出来なかったけど。いつも不思議と、力が漲っていた。 尻尾を巻くように逃げ出す不良どもの後ろ姿は、随分と笑えた。 で、今のあたしは――大人数と殴り合って、流石に疲れて、力尽きて倒れているという訳だ。 温かい液体が、つうと鼻から垂れ落ちる。 口の中は、やっぱり血の味で溢れかえっている。 昔と変わらない。なんにも変わらない。 閉ざされた天井に見下されて、独りぼっちのまま何処にも行けなくて。 未だにチョコレートなんかよりも、血の味ばかり喰らっている。 ああ、でも――ヤニの味だけは、覚えることができた。 口元からは、薄ら笑いばかりが溢れる。 へらへらと、軽薄な笑みだけが流れ落ちる。 何に笑っているんだろう――きっと、諦めと虚しさに対してだ。 酷く遣る瀬無い。なのに、嗤うことしか出来ない。 あたしはとうに、何かを駄目にしている。 神様は、相変わらず知りもしない。 神様を見つける機会なんて、来やしなかった。 あの日も、同じだった。 虐げられて、噛み合わなくて、荒みきって。 そんなだからあたしは、自分の身体がとうに病んでいることにも気付けなかった。 私の命は、とうに蝕まれていた。 ◆◇◆◇ ――そこは、枯れ果てた荒野だった。 雲一つない青空が、地上を見下ろす。 其処にあるのは、赤茶けた大地だけ。 岩場もなければ、植物も茂らない。 野生の動物も、オアシスも存在しない。 ただただ、地平線の彼方まで、平地が広がる。 土と砂によって作られた世界が、延々と続く。 そんな荒野のど真ん中。 幌布で作られた大きなパラソルが、地面にぽつんと突き立てられていた。 まるで樹木か何かのように、それは軽く傾くような形で佇んでいる。 パラソルのちょうど真下。陽射しから守られるように、1台の古めかしいテレビが置かれていた。 テレビからは、音声と映像が流れ続けている。その小さな画面の前に、一人の男が胡座をかいてじっと座り込んでいた。 その男は、隠者か何かのようだった。 革か何かで作られたような、生成り色の質素な衣服を身に纏っている。 後頭部には一振りの羽飾りを付けている。肌は大地のように赤みがかっており、その顔には険しい皺が刻まれる。 歳は壮年ほど。鎮座するその姿からは、威厳すら滲み出ている。 それでいて、孤独に忽然と取り残されているような――そんな虚しさを纏っていた。 その男は、インディアンだった。 その男は、サーヴァントだった。 クラスは、キャスター。魔術師の英霊。 男の姿を、少し離れて見つめる少女がひとり。 プリンになりつつあるショートヘアの金髪。荒みながらも、まだあどけなさを残した顔立ち。 質素な黒いパーカーに、青いジーンズ――そんな出で立ちだった。 華村 悠灯(はなむら ゆうひ)。この聖杯戦争に招かれたマスターの一人。 眼の前にいるキャスターを召喚した存在だった。 悠灯は、キャスターをじっと見つめた。 何かの“繋がり”を感じ取るように、右手の甲を軽く撫でる。 ――紅い痣のような紋様が、微かに浮かんでいる。 令呪。聖杯戦争のマスターにとって、自らとサーヴァントの繋がりを示す証。 それが目の前の男との“接点”であることを、悠灯は既に理解していた。 「……なあ」 やがて悠灯は、ぽつりと呟く。 目の前の男は、視線を動かさぬままに少女へと意識を向ける。 「夢だよな、これ」 「君と、私が見る夢だ」 悠灯の問いかけに対し、キャスターは端的に答える。 ――私は“まじない”によって、物質の外側にある“神秘”を認識することができる。 ――そして君は、魔力供給によって私との“魂の接点”を持つ。 ――それ故に我々は、同じ“精神世界”を共有できるのだ。 壮年のインディアンは、淡々とそう語る。 ――要するにキャスターと自分は魔力で繋がってるから、“まじない”の力で同じ夢を共有できているらしい。 そんなふうに悠灯は、相手の漠然とした説明をそれなりに噛み砕く。 それから悠灯は、静かに、ゆっくりと。 テレビの前に座する男へと、歩み寄る。 一歩、一歩と、赤い土と砂を踏み頻り。 男を見下ろせる位置まで、近付いた。 そうして、テレビの画面へとすっと視線を向けて。 「隣、いいか」 「構わぬ」 悠灯は、男からの返事を受ける。 そのままキャスターのすぐ隣へと、同じく胡座をかくように座り込んだ。 陽の光から遮られる、幌布の日陰。 少女と賢者は、横並びに座り込み。 テレビの映像を、黙々と見つめる。 茶と白のボディを持つ、ブラウン管のテレビ。 それは、骨董品のような姿をしていた。 こじんまりとした画面からは、モノクロの映像が流れる。 それが何時の時代のモノなのか、悠灯には分からない。今よりずっと昔、遥か過去に作られた古い映画ということだけは理解できる。 六頭もの馬に引かれる馬車が、凄まじいスピードで荒野を疾走している。御者は手綱を振るい、馬達を只管に走らせる。 馬車の屋根にはカウボーイハットを被ったガンマン――公爵(デューク)のような偉丈夫である――が伏せて、迫りくる“外敵”へとライフルを構え続けている。 蹄の音。土や砂を蹴る音。繰り返される銃声。籠もった音質の中で、様々なサウンドが命を伴って躍動する。 迫る。迫る。駆け抜ける馬車へと迫る――敵の軍勢が。 逞しい馬を操り、奇声にも似た甲高い雄叫びを上げ、無数の“蛮族”が襲撃する。 半裸の戦装束を纏い、頭には羽飾りを付けた、インディアンの群れだ。 彼らは馬に乗り、疾走する馬車を囲むように追い立て、ライフルや弓矢を構える。 「西部劇ってやつ?」 「そうだ」 巌のように険しい顔立ちをしたキャスターは、静かに答える。 彼はただ、神妙な面持ちで画面を見つめていた。 開拓者達と、先住民族。 明白なる天命に従う白人と、開拓を妨げる恐ろしい蛮人。 鮮明に二分される善悪の境界が、スペクタクルなアクションと共に画面上へと映し出される。 活動写真に投影される、開拓時代の物語。 限りない荒野をその掌中に収めた、星条旗の国家が作り出した伝説――。 「“神話の世界”だ」 静かに、されど明確に。 キャスターは、そう呟く。 悠灯は、ただ彼の言葉を黙って聞き続ける。 「伝説は語り継がれ、人々の魂に“像”を刻み込む」 “駅馬車”と“先住民の軍勢”による、壮絶な銃撃戦。 両者は荒野を駆け抜け、幾度となく銃声を轟かせていく。 「……“像”には、大きな力がある」 撃たれ、斃れ、転げ落ちていくインディアン達。 それでも奇声を上げながら、彼らは馬車を追い立てていく。蛮族のような荒々しさと獰猛さを以て。 ――騎兵隊の到着による逆襲の場面(シーン)へと辿り着くまで、彼らは開拓の脅威として駆け抜ける。 「時代への爪痕を残す……大きな力だ」 演劇。小説。銀幕。“像(イメージ)”は、物語の中で形作られる。 鮮烈な“像”というものは、人々の意識と記憶に深く刻み込まれる。 時にそれは、実態すらも凌駕して、語り継がれていく。 彼は、それをよく知っている。 “白人”に敗北し、“白人の活劇”で語り継がれた“先住民の大戦士”は、何よりもそれを理解している。 キャスターのサーヴァント。 その真名、“タタンカ・イヨタケ”。 またの名を――“シッティング・ブル”。 アメリカ・インディアン、ラコタ・スー族の呪術師。 “幻視”を知覚し、運命を予知することに長けた賢者。 西部開拓史において、白人の軍勢に抵抗する先住民達の精神的支柱となった大戦士。 ◆◇◆◇ 私の声は、“精霊”と繋がっている。 私の心は、“神秘”を感じ取れる。 私の魂は、“自然”と共にある。 だが、それは――。 我々の運命を、変えたか? 我らの信仰は、何の意味があった? 忌まわしき白人の前で、何の価値があった? ただただ、虚しくなる。 何も得られず、何も報われず。 私の耳には、“風の声”が通り過ぎていくだけだった。 保留地で飢餓に苦しみ、疫病に苛まれ、朽ち果てていく。 幼い子供も、年寄りも、皆等しく痩せ細って野垂れ死んでいく。 部族に迫る破滅と閉塞を前に、やがてはゴースト・ダンスの“終末思想”に狂っていく。 そんな仲間達の姿を、幾度となく見つめた。 彼らを救うことは、遂に叶わなかった。 精霊はただ、其処に在り続ける。 我らの行く末に、何の関係もなく。 神秘は今でも、私に囁き続ける。 “大自然の摂理”は、幻想などではない。 しかし、我々に応えてはくれない。 合衆国による侵略が完遂して。 平原からインディアンが淘汰され。 あの冬の日に、私は撃ち殺された。 “シッティング・ブルが居る限り、多数のインディアンが反逆を続ける”。 白人達は、そう認識していた。私を排除したがっていた。 そして抵抗の末に、私は命を落とした。 私を撃ったのは、先住民族の警察官だった。 白人の支配に屈し、彼らに従う道を選んだインディアンだった。 彼らのような者達を、恨みはしない。 ただ、哀しみだけは遺っている。 運命とは、きっと。 神秘を超越した領域に存在するもの。 決して抗えぬ、絶対的な真理なのだろう。 そこには、祈りも信仰も介在できない。 大自然への崇拝も、死の宿命の前には力を持たない。 それでも私は、祈り続ける。 それでも私は、精霊の声を聴く。 それだけが、道標だったから。 そのことが、酷く遣る瀬無い。 ◆◇◆◇ 果てなき荒野を、二つの影が当てもなく彷徨う。 金髪の窶れた少女と、枯れた佇まいのインディアン。向かう先も無いまま、彼女達は横並びに歩く。 インディアンの独白を聞き届けて、映画を見終えて、それから二人は散歩を始めた。 陽射しは変わらず、呆然と照り続けている。 赤く煤けた土に、ふたつの足跡が刻まれる。 淡々と、緩やかに、規則正しく。 「あんたはさ、欲しいんだろ」 「……“聖杯”、か」 「うん。そいつ」 悠灯は、シッティング・ブルに問いかけた。 彼は頷くように、静かに応える。 「“聖杯”。我々の理の外側にあるモノだ」 蒼い空を茫然と見上げながら、シッティング・ブルは思いを抱く。 ――万物の願望器。あらゆる祈りを受け止める、奇跡の王冠。 道理を、摂理を、その全てを超越し、捻じ曲げて、死闘の果てに願いを実現する。 それはきっと、インディアンが信奉した“大自然の神秘”の外側より現れしモノ。 大いなる真理とは異なる世界から生まれ落ちた、異端の観念。 呪術師であるシッティング・ブルは、そのことを理解していた。 「それでも、私は求めずには居られない」 そのうえで、大戦士はそう呟く。 「そうでもしなければ、いったい何が“我々”を救うと云うのだ?」 その瞳に、深い絶望を宿しながら。 「風は……寒々しいままだ」 偉大なる賢者の声は、今もなお震えている。 喪失と閉塞を抱き、朽ち果てた祈りを背負う。 そんな彼の姿を、悠灯は何も言わずに見つめていた。 その言葉から滲み出る悲壮を、沈黙の中で受け止める。 ――彼(キャスター)は、過酷な運命の中で生きていた。 ――あの瞳と言葉の奥底に、深い悲しみを背負っている。 悠灯は、そのことを改めて噛み締める。 あの“西部劇”を見つめていた眼差しが、脳裏に焼き付いている。 初めから何も知らずにいることよりも。 幾ら祈っても、何も応えてはくれない――そう思い知らされることの方が、きっと惨いことで。 それが“信仰”というものなのだろうと、悠灯は思いを馳せる。 「……あたしはさ」 悠灯もまた、言葉を紡ぐ。 キャスターが己の願いを打ち明けたように。 「なんかさ」 彼女も、自らのことを語る。 淡々と、端的なリズムと共に。 「欲しかったんだろうな」 神とか、信仰とか。 そういうものを、悠灯は知らなかった。 ずっと、生きる希望を見出せなかった。 だからこそ。 「“自分が生きるに値しない”って理由」 それを求めて、自分を壊し続けたのだろう。 悠灯は、越えられない空を見上げる。 「でも、今は……」 けれど、今の悠灯は違った。 今は、違う想いを抱いている。 「死にたくない。生きたい」 何故ならば。 死ぬことに、近づいてしまったから。 終わりが、現実のものとなったとき。 少女はやっと、生きることを求めてしまった。 何かに祈ることを、求めてしまった。 死にたくない。生きたい。 だから、華村 悠灯は――聖杯が欲しい。 ◆◇◆◇ 視界に広がる、灰色の天井。 また、似たような光景だった。 幼い頃と、違うことがあるとすれば。 ちゃんとベッドの上で、横たわっているということだった。 壁も、シーツも、天井も、漂白されたような無地だった。 いつもの日常だった。 違うとすれば、ちょっと激しかったということだけ。 “札付きのヤツ”との壮絶な喧嘩の果てに、私は気を失っていた。 それから誰かに救急車を呼ばれて、まんまと病院に連れて行かれたという訳だった。 色々と治療を受けて、ついでに検査もされて。 そんな矢先に、思わぬことを知らされた。 あたし、じきに死ぬらしい。 体中、とっくに病気でボロボロなんだとさ。 何で自覚症状が無かったのか不思議なくらい、あたしは病みきっていたらしい。 それを知らされて、あたしは何を思っていたのか。 自分でも、正直よくわからなかった。 “そうなんだ”とか、“急な話だな”とか、そんな感想ばかりが浮かんできた。 喧嘩の時に、いつも身体から何かが迸っていた。 気力とか、魔力とか。そんな感じの不思議な感覚が、私を突き動かしていた。 それは時に――あたしを襲う“痛み”や“苦しさ”さえも、鈍らせて麻痺させていた。 今になって振り返ると、そういうことだったのかもしれない。 灰色の天井。灰色の世界。 箱庭をいくら見つめても。 答えなんて返ってこない。 終わりが近いという実感。 それだけが転がっている。 結局、神様も奇跡も知ることがないままだった。 虐待と軋轢、あとは暴力ばかりに飲まれる、そんな17年の人生だった。 私の運命なんてものは、存外あっけなかった。 私の心の中に、“そういうものだったんだな”なんて割り切りが芽生えていた。 神秘なんて知らなかったからこそ、自分を簡単に見切れたのかもしれない。 ああ、でも。 やっぱり、思ったより。 酷く虚しくて、遣る瀬無くなる。 少しくらい、何かに祈りたかった。 僅かにでも、希望が欲しかった。 そんなことを思ってしまったから。 聖杯戦争に招かれてしまったんだろう。 やっぱりあたしは、馬鹿みたいだ。 ◆◇◆◇ 「吸う?」 果てしない荒野を、二人で歩き続けて。 夢と言えど、流石に疲れがやってきて。 悠灯とシッティング・ブルは、土の上で座り込んでいた。 二人で並んで空を見上げながら黄昏れていた矢先に、悠灯が懐から“それ”を取り出す。 「これは?」 「アメスピ」 悠灯のポケットから出てきた小さな箱――夢なので、私物も自由自在らしい――を、シッティング・ブルはまじまじと見つめる。 手のひらサイズ。黄色の箱型のパッケージに、パイプで喫煙するインディアンの絵が描かれている。 ――“アメスピ”。つまるところ、一般流通している紙巻き煙草である。 「あたしの好物」 悠灯は未成年だが、構うことなく愛煙している。 シッティング・ブルにその箱を差し出す悠灯は、にししと笑っていた。 彼はその時、初めて少女の笑顔を見たことに気付いた。 窶れるように荒んだ表情が、少しでも年相応のものへと変わった瞬間だった。 そのことに思うところがあったように、シッティング・ブルはじっと煙草の箱を見つめる。 未成年喫煙を咎めるマネはしない――そんな規則は、インディアンである彼にとっては関係のないことだからだ。 暫くの間、沈黙がその場を支配していたが。 「……頂こう」 やがて彼は箱を受け取り、煙草をひとつ取り出した。 紙に巻かれた一本の嗜好品を、慣れた手つきで口に咥える。 悠灯はすぐにライターを取り出し、シッティング・ブルが咥えた煙草に火を付けた。 それから彼女もまた、同じように“アメスピ”を口に咥えて、再びライターを着火する。 自分の口でくいくいと動く煙草に、赤い熱を燈した。 青い空と、赤い大地。 荒野に、ふたつの火が灯る。 荒野に、ふたつの煙が昇る。 哀しみと虚しさを宿しながら。 陽炎は、静かに揺らいでいく。 【クラス】 キャスター 【真名】 シッティング・ブル@アメリカ西部開拓時代 【属性】 中立・善 【ステータス】 筋力:C+ 耐久:C 敏捷:C+ 魔力:B+ 幸運:B 宝具:C+ 【クラススキル】 陣地作成:C+ 呪術師として自らに有利な陣地を作り上げる。 道具作成:C 魔力を帯びた器具を作成可能。 精霊に祝福を与えられた武器・道具などを作成する。 【保有スキル】 大いなる神秘:A この世界を形作る“大自然の摂理”。スー族は“ワカン・タンカ”と呼ぶ。 インディアンは“精霊”の存在を身近に感じ取り、生活の中で”神秘“と接続する。 呪術師であるシッティング・ブルは特に霊的な資質に長けていた。 呪術による自己強化や治癒、幻視による危機察知など、数々の超自然的な能力を操る。 また神秘との接続により、通常のサーヴァントよりも高効率で魔力の回復を行うことが出来る。 霊獣の喚人:A 自然の精霊との対話者。動物との霊的な交信を行う者。 魔力によって“霊獣”を喚び寄せ、彼らの力を借りることが出来る。 直接戦闘に長けるコヨーテやクマ、強靭な突進力を持つバッファロー、飛行能力を備えたタカ、隠密行動を得意とするヘビなど、状況に応じた召喚が可能。 シッティング・ブルは彼らとの交信により、その五感を共有することが出来る。 カリスマ:C 集団の精神的支柱となる天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 シッティング・ブルは決して指導者ではない。しかしその勇敢さと霊的資質によって、多くの同志を集めた。 騎乗:D+ 狩猟民族であるスー族の系譜を出自とするシッティング・ブルは乗馬の扱いに長ける。 その他ある程度の乗り物なら乗りこなせる。 【宝具】 『謳え、猛き紅馬(グリージー・グラス)』 ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 生前のシッティング・ブルは合衆国の弾圧に対する反抗を貫き、その勇敢な姿により数多くの同志を集めた。 シッティング・ブルの同志達が概念化した”インディアンの幻影“を軍勢として召喚する宝具。 インディアン達はいずれも低ランクの「単独行動」「騎乗」スキルを備え、トマホークや弓矢、ライフルや騎馬によって武装している。 直接戦闘を得意とする戦士、呪いなどの術に長ける者、偵察において能力を発揮する斥候など、インディアン達はそれぞれに得手不得手がある。 『墜ちよ、蒼き荒鷲(ウィワンヤンク・ワチピ)』 ランク:C+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500 カスター将軍率いる騎兵隊をインディアンの大連合が殲滅した『リトルビッグホーンの戦い』――その直前にシッティング・ブルが幻視したビジョンの具現。 彼はサン・ダンスの儀式の中で『空から墜落する騎兵隊』を幻視し、その後の戦いにおけるインディアンの勝利を予知したとされる。 自らの血の一部を大地に捧げることで“結界”を展開する。 “結界”内部では真紅の太陽が常に輝き続け、降り注ぐ陽光を浴びた者達に“空から墜ちていくような重圧”が絶えず叩き付けられる。 使い魔の類いならば瞬く間に消滅し、サーヴァントも絶え間ないダメージと多大な行動制限を与えられる。 また支配・侵略の逸話を持つ英霊に対しては、更なる追加ダメージと全ステータスの1ランク低下が発生する。 この宝具の効果を受けないのはシッティング・ブルとそのマスターのみ。 またこの宝具はシッティング・ブルの精神世界によって形成されるため、結界内にインディアンを召喚することは出来ない。 【weapon】 トマホーク、弓矢、ライフル 【人物背景】 アメリカ先住民の部族であるラコタ・スー族の戦士、呪術師。部族語による正式な名称は“タタンカ・イヨタケ”。生没年1831-1890。 他の部族との騎馬戦において真っ先に最前線へと飛び出して活躍するなど、少年時代から勇猛果敢な存在だった。 “インディアン戦争”の際には、同胞であるクレイジー・ホースと共にアメリカ合衆国の保留地政策に反抗。 白人による支配を拒絶して自由を貫くその姿は多くの部族から支持され、やがてシッティング・ブルはインディアンの大集団の支柱的存在となっていく。 彼はその高い霊的資質によって、“リトルビッグホーンの戦い”におけるカスター将軍率いる第七騎兵連隊の敗北を預言したとされている。 しかし合衆国の侵略によって次第にインディアンは追い詰められ、他の大戦士たちは次々に降伏の道を選んでいく。 シッティング・ブルは同胞達と共にカナダへと亡命して数年に渡り抵抗を続けたが、厳しい気候による飢餓の果てに合衆国へと投降する。 その後はインディアン保留地での生活を余儀なくされ、また部族の窮状を訴えるために“西部劇ショー”の巡業に出演した。 それでも保留地の困窮は改善されることなく飢餓や疫病によって深刻な状況となり、やがて部族の間で白人侵略の終焉とインディアンの復活を願う儀式“ゴースト・ダンス”が流行するようになる。 シッティング・ブルはこの活動を否定的に見て距離を置いていたものの、元来の影響力ゆえに合衆国からは“反抗的儀式の扇動者”と断定される。 最後はシッティング・ブル逮捕へと踏み切った警官達との揉み合いの末に射殺された。 【外見・性格】 壮年の外見。獣の革で作られた質素な衣服を身に纏い、後頭部には一振りの鷲の羽飾りを付けている。 黒い髪を左右対照の三つ編みにして垂らしている。首には熊の爪で作った首飾りを付けている。 史実におけるシッティング・ブルの肖像に概ね近い姿をしている。 その表情には常に険しさが宿り、瞳には虚しさにも似た諦念を湛えている。 冷静沈着な性格であり、常に淡々と言葉を紡ぐ。 霊的な素質の高さにより、賢者のように鋭い直感と優れた慧眼を備える。 しかしその内面には癒えることのない絶望と虚無を抱えている。 なお彼はその資質と姿勢によって多くの仲間を集めただけであって、酋長や指導者の立場ではない。 インディアンは上下関係の概念を持たず、酋長もあくまで部族の調停者に過ぎないとされている。 【身長・体重】 175・68 【聖杯への願い】 長い歴史の中で虐げられてきた全てのアメリカ・インディアンの魂を救う“新天地”を作り出す。 【マスターへの態度】 憐憫と慈悲。ある種の父性的感情。 彼女の生きる道を、少しでも手助けしたい。 【名前】 華村 悠灯(はなむら ゆうひ) 【性別】 女 【年齢】 17 【属性】 混沌・中庸 【外見・性格】 金髪ショート。黒の地毛が見えてプリンになってきてる。 荒んだ目付きで、顔など身体の各所に痣がある。いかにも不良少女風の雰囲気。 黒いパーカーとジーンズの格好。右手の人差し指にシッティング・ブルから与えられた銀の指輪を付けている。 気性が荒く粗暴、それでいて繊細で不器用。そして自己破壊的。 誰かに傷つけられることを恐れて、他人を寄せ付けない暴力的な振る舞いをする。臆病で乱暴な子供。 しかし今は死期が迫っていることにより、幾分か角が取れている。 タバコ大好き。よくアメスピのライトを吸ってる。 【身長・体重】 160・51 【魔術回路・特性】 質:E 量:D 魔術師としての遠い血筋を引き、僅かながらも魔術回路を備えている。 尤も魔術の薫陶は受けていないし、魔術師としての素養も希薄。 【魔術・異能】 『肉体強化』 魔術回路を活性化させ、素手の打撃に魔力を帯びさせる。 また自らの身体の不調や負傷を、魔力によって鈍化・麻痺させる。 ただそれだけの能力。いつも無自覚に発動していた。 『精霊の指輪』 太陽の紋様が描かれた銀の指輪。シッティング・ブルが作り出した呪術器具である。 装着者の任意でスキル『霊獣の喚人』を限定的に発動し、“霊獣”の力を借りることが出来る。 また装着者に危機が迫ると“霊獣”が自動召喚され、対象を守護する。 【備考・設定】 喧嘩ばかりの不良少女。 失踪した実父が衰退した魔術師の家系であったため、希薄ながら魔術回路を備える。 しかし悠灯自身はそのことを知らないままでいる。彼女の実父母の関係は、一時の戯れでしかなかった。 幼い頃に母親とその愛人から日常的な虐待を受け、以後の人格形成に多大な影響を与えられる。 二人はその後逮捕され、悠灯は中学生になる少し前に児童養護施設へと預けられた。 しかし次第に周囲とのトラブルを起こし始め、各所を転々とするうちにいつしか施設を抜け出すようになる。 それから彼女は喧嘩に明け暮れ、非行に走り、自己破壊的な日々を送った。 暴力に明け暮れて、腕っぷしだけは鍛えられた。 ある日悠灯は喧嘩の末に病院へと運ばれ、“検査”を受けた。 かつては虐待を受け続け、今は喧嘩を繰り返している。彼女は度重なる暴力に曝され、身体機能に大きな損傷を受けていた。 その上で彼女は“肉体強化”の術を無自覚で発動し続け、強引に身体の不調を麻痺させていた――病状への自覚が遅れるまでに。 悠灯は若くして病に侵され、既に余命幾ばくもない状態だった。 【聖杯への願い】 ちゃんと、生きたい。 【サーヴァントへの態度】 不思議なヤツ。だけど、嫌いじゃない。 彼の生前の話には、思うところがある。
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Coldlapse/ Aoi vs. r0y Lv CHAIN 譜面属性 BPM TIME Version Genre Illustrator Effect NOVICE 05 0741 200 IV54 FLOOR syuri22 凹ーダー凸ード ADVANCED 12 1040 EXHAUST 15 1217 MAXIMUM 17 1700 + 難易度投票 NOVICE 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 ADVANCED 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 EXHAUST 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 MAXIMUM 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 動画検索 攻略・解説 譜面・楽曲の攻略についてはこちらへどうぞ 見辛さ解消の為に改行や文頭の編集、不適切なコメントを削除することがあります 名前 コメント ※文頭に[ bgcolor(#aaf){NOV}]、[ bgcolor(#ffa){ADV}]、[ bgcolor(#faa){EXH}]、[ bgcolor(#888){MXM}]をコピー ペーストすると見やすくなります コメント 楽曲やイラストなどのコメントについてはこちらへどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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【登録タグ T yashiro_P 初音ミク 曲】 作詞:yashiro_P 作曲:yashiro_P 編曲:yashiro_P 唄:初音ミク 歌詞 見上げた空は少し眩しくて 目を閉じた 移ろいゆく季節を感じて 今望むは 幼すぎて気づけないままにいたことも 自分の全てと 笑って泣き崩れてそして もう一度でも笑えるのならば 未来を見つめて生きる ここが居場所なんだと コメント タグを修正しました。 -- 名無しさん (2011-11-05 23 50 41) 名前 コメント
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・ANALOG [WORKS] 2000 11154(promo)/MURO 蜂と蝶(COLDCUT FULL MIX)/SOUL SCREAM
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曲Data Lv BPM TOTAL NOTES 平均密度 Φ7 135-135 33843370 5.60Notes/s5.57Notes/s 譜面構成・攻略 譜面画像
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