約 2,485,869 件
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/605.html
パチュリー8 うpろだ201 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺も本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺は飽きたので、席をそっと立つ。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺はしのび足でパチュリーの後ろに回りこむ。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読ん「何読んでるの?」「きゃあ」 腋の下に手を挟み込み、肩にあごを乗せて覗き込みながら言う。 目の前には珍妙な顔をした太陽と月の絵のある本と、 目の横には柔らかい白い頬を赤にしたパチュリーの顔がある。 「あなた、自分の本はどうしたの」 「飽きたので擦り寄りに来ました。で、何読んでるの?」 「錬金術の本よ。で、あなた本はどうしたの。魔法使いになるんじゃなかったの?」 「進歩した科学は魔法と区別がつかないんだ」 言いながら首筋に頬擦りをする。 「理由になってないわ。それとやめなさい」 「いいじゃないか、減るもんじゃなし」 今度は首の下に頭を差し込む。 「髪の毛がちくちくするわ。やめて」 「じゃあ引く」 そう言って頭を先刻まであった場所に戻す。 「ひゃああ」 同時にパチュリーが体をぶるりと震わせる。 「もう。だからやめなさいって。あなたさっきから何がしたいの」 「飽きたので甘えにきました。というわけで遊ぶよろし」 両手を肩に置き、顎をパチュリーの頭の上に乗せて言う。 「わかったわ。噴水と滑り台どっちがお好み?」 「アスレチックの方がいいな」 「そう。それじゃ」 「一人で遊んでいらっしゃい!」 「二人で遊びにいきましょうな」 「木h「いや、それやったら図書館壊れる」 瞬間、パチュリーの動きががくんと止まる。 右手とこっちを交互に見ながら、眉根を寄せて、どうしたものかと考えているらしい。被害については全くの慮外だったようで、どうにもずっと悩んでいる。 「も…もk「だから壊れるって」 このままおろおろするパチュリーを見るのも楽しいが、もう少し楽しいことを考え付いたので実行に移すことにする。 まず、先ほどと同じようにすり足で近づく。 未だパチュリーはうろたえている。 まだ近づく。まだうろたえている。 まだ近づく。少しいぶかしんだようだ。 まだ近づく。怪訝な表情で見ている。 一気に飛びつく。驚いている。 「ちょっとなにするの」 「遊べ」 「遊べじゃ無いでしょ」 「じゃ膝貸して」 抱きしめながら言う。 肩の辺りの肉がぷにぷにしていて、つまむと気持ちいい。 顎でもってぐりぐりとするのもまた楽しい。 「痛い痛い」 「あ、ごめん」 パッと手を離す。 「ひざまくらーひざまくらー」 「わかったわよ。でもどうやるの?」 「うん? 頭を膝の上に乗っけるだけでしょ」 「だからどうやって体を横にするの?」 そういわれてみればそうだ。椅子を並べて寝るのは痛そうではなはだ体に悪そうである。 「じゃベッドで」 「それはだめ」 「なら長椅子」 「ならいいわ」 難なく解決。 しかし更なる問題は、 「ところで長椅子どこ?」 「さあ。私は見かけたことは無いわ」 辺りを見回してみるが、やはり無い。元より椅子に座るような者など殆ど居ないのだから、当然とも言えるか。 「じゃあやっぱりベッドに……」 「私のベッドはだめよ。二人入れるところじゃないわ」 「じゃ俺の寝床」 「あそこも二人も入るところないでしょ」 自慢ではないが俺のベッドの上には本やら被服やら、あるいは実験道具やらが散乱している。メイドらも片してくれればいいのにとは思うが、基本的に部屋の中のことまではやってくれないらしい。いや、そもそもやる気が無いだけかもしれない。 パチュリーの部屋は本の山で、単に手がつけられないというだけのようだ。狭い部屋大量の本を閉じ込めてやったおかげで、紙とインクの臭いが三年閉じっぱなしの集密書庫より凄絶なものになっており、正直な話こっちとしてもあまり入りたくない。 ベッドの使用が不可なので、代替手段を考えなければならない。 床で寝るのは汚いし、絨毯がちくちくするのでアウトだ。木の椅子並べて寝るのも厳しい。 ふと、長椅子のありそうなところを思いつく。 「ああ、あそこなら有ったなあ」 「? どこ?」 「なんて言うんだろう? リビング? テラス?」 「図書館の外じゃないの」 確かに図書館の外である。しかしベッドが駄目なら致し方ない。 「しかもあそこは……リビングね。あそこにあるのは長椅子じゃなくてソファよ」 「それ言い方変えただけじゃないの?」 「あとレミィ居るわよ」 「何か支障でも?」 誰が居ても問題ない。ただ寝るだけである。 膝枕で。 「異論の無しならいざ往かん」 「待ちなさい。レミィに何言われるかわからないわよ」 「それがいいんじゃあないか」 「何が良いのよ!」 俺も分からないがまあいいや、とりあえず行っとこう。 「言う事聞かない子はこうだぞ」 「きゃあ」 否やパチュリーの背中と膝裏に手を添えて持ち上げる。俗に言うお姫様抱っこの形だ。 「待ちなさい。あなたそんなことしたら」 「うお、……腰が……痛い……」 「何やってるのよ……」 「俺はもう……駄目だ……」 ゴポ、と血を噴くような仕草をする。 パチュリーはそんな俺をじっと見下ろして言う。 「ほら、早く立ちなさい」 「ん。抱っこ」 「しないわよ」 すげなく断られる。まあいっか。 立ち上がり馬鹿に大きい扉をやっとのことで開ける。 ……体当たりせにゃ開かん扉なんざ使えねえだろ。 「リビングどっちだっけ?」 「階段上って左」 「階段ドコ?」 「こっちよ」 言うと、とことこと歩いていく。なんだかんだ言っても案外乗り気だ。 しかし、あまり先に進まれるとはぐれかねない。勝手知らない場所ではあるが、この歳で迷子になるのはさすがに恥ずかしい。 「どうしたの?」 「ん。あんま先に行かんのよ」 小走りで追いつき、手を握る。 「?」 「はぐれるでしょ」 「家の中でそんなこと無いわよ」 「まあいいじゃない」 二人でてこてこ歩いて行く。 途中いくらかメイドらに見られていたが、気にしない。 「ここがリビング」 「ずいぶん遠かったなあ」 ここに来るまでにたっぷり10分は歩いたろう。途中2回階段を上り下りした気もするが、ずいぶん複雑な構造なのだろうか。 「これまたでかい扉やのう」 「レミィはこういうの好きだから」 図書館より小振りではあるが、目の前には樫だろう、白い立派な扉がある。ノックし、ノブを回してやはり全体重をかけてドアを押し開く。 「あら、パチェと…。ずいぶん久し振りね」 「そうかしら」 「そうよ。最近図書館に篭りきりじゃない」 「いつものことじゃないの」 二人は随分仲良さそうに話し込む。 一人取り残された俺は寂しいので、パチュリーに抱きつく。 「なにするの」 「いや寂しかったし」 「貴方達、本当仲良いわねえ」 けらけらと笑いながらレミリアが言う。 俺は、その通りと言わんばかりに頬擦りをする。 「もうっ、やめなさい」 「いいじゃないの。睦まじい」 レミリアが言う。 「いいじゃないの」 「良くないわよ」 真似して俺も言ってみる。しかし嫌がられたようなのでしょうがなく離れておく。いくらかパチュリーの表情が曇った気もするが、見間違いだろう。 「それで、どうしたの? 見せつけに来ただけじゃないでしょう?」 「いや、見せつけn「ソファーを借りにきたのよ」 俺の言を阻むようにパチュリーが言う。 「ソファー? いいけど何で?」 「いろいろあるのよ」 「いろいろねえ。いいじゃない、教えてよ」 ほれ、なんぞサポートせい、という目をレミリアがこちらに向ける。面白そうなので乗っかってみることにした。 「話してもいいんじゃない? 図書館に持っていくわけじゃないんだし」 「そうよ。持っていくわけじゃないんだし」 「いえ、持っていくわよ」 パチュリーさんがさらりととんでもないことを言ってくれる。 ソファーは3人掛け位の大きさがある。これを二人で、しかも虚弱児二人で運ぶのは随分と酷だ。 「別に、魔法を使ってもいいし、そこに吸血鬼がいるじゃない」 「え? 私に運ばせるつもりなの?」 「ええ。駄目かしら」 見掛けの所為で忘れていたが、そういえばレミリアお嬢様は吸血鬼だ。吸血鬼といえば怪力の代名詞的存在。高々3人掛け、50Kg程度の代物軽々と運んでしまうだろう。 しかし、 「運ぶのはいいけど、それなら理由教えてよ」 「それはいや」 まあ、そう言うやなあ。普通は。 「あなただって嫌でしょう?」 「別に構わないだろう?」 パチュリーさんいきなり話をこっちに振らないでください。 後お嬢様睨まないでください。 「で、どうなんだ」 いくらか語尾を強めてレミリアが言う。怖い。すごく こうなれば返答は1つ―― 「私は一向に構わんッ!」 「なッ……」 「私も一向に構わんッ!」 「ちょっ……」 いやお嬢様。アンタはそうでしょうよ。 「ほらパチェ、2対1よ」 「早く話してしまいなさい」 二人して言い放つ。あれ、俺何しに来てたんだっけ。 「くっ……」 まあ、たじろぐパチュリーさんかわいいし、どうでもいいか。 「ほら早く!」 「言ってしまいなさい!」 レミリアと俺で声を繋げて畳み掛ける。 「何でそんなに息ぴったりなのよ……」 「仲良しですからな」 「そう、こんなに」 そう言ってレミリアが俺の背中に飛び乗る。 そして俺の腰が砕ける。 「誰か……湿布を……ッ」 「……寝かせてたほうがいいのかしら」 「ほっといてもいいわよ」 心配してくれるレミリアに対して冷たく言い放つパチュリー。俺がいったい何をしたというのだ。 「まあ、パチェも膝枕でもしてやればいいじゃない」 「いいじゃない。もともとそれが目的なんだし」 「なッ――!」 「なんだ、そうだったの」 だからパチュリーさんうろたえすぎ。 「ちょっと! 何で話しちゃうのよ」 「別に。すぐにばれることだし」 主に小悪魔のいいふらしで。ほんに女子はお喋りの好きなことで。 「パチェ早くしてやりなさいよ。ひ・ざ・ま・く・ら」 顔を赤らめるパチュリーに対してこの言動。お嬢様マジ悪魔。 しかし腰が痛い。 「とりあえずソファに横になってていい?」 「ほらパチェ待ちかねてるわよ」 違わないけど違う。 ゆっくりと立ち上がり、腰を曲げたままソファに向かい、横になる。 「早くいってあげなさい」 大外から煽りまくるお嬢様。 応じるように手招きする俺。 見る見るうちに顔を赤くするパチュリー。 「パチェ?」 いつまでも動かないパチュリーに、レミリアが声をかける。 それに応じる気配も無く、うつむくパチュリー。 手招きを続ける俺。 「……」 そのうちに、焦れてきたのかレミリアがゆっくりとパチュリーの後ろに回りこむ。 そして、 「早く行きなさいって」 ぐいっと後ろから持ち上げる。 「ちょっと! レミィ!?」 じたばたするパチュリー。しかしその程度であのお嬢様がどうこうする訳も無く、なんらの支障も無しにソファに運ばれた。 「ほら、早く膝枕してやりなさい」 そう言いながら、パチュリーを俺の頭の上に降ろす。柔らかい幸せが頭を包む。が重い。でも幸せ。 「なにするの!」 「だから早く膝枕してやりなさいって」 「いやそれよりちょっとどいて」 だんだん頭がじんじんしてきたよ俺。 「もう。強引なんだから」 「悪魔だしね」 「どいてってばさ」 早くどかないと噛み付くぞ。 「きゃあ」 「どうしたの?」 「噛み付かないで」 「ふぁやくほいて(早くのいて)」 やばいもう限界だ。 言っていることを理解したのか、レミリアがパチュリーを持ち上げる。 俺はまた載せられては溜らんと、すぐに頭を上げ、ソファにもたれかかる。 「あー、痛かった」 「何で噛み付くのよ」 「だって気づいてくれないんだもん」 しょうがないじゃないのよさ。 しかしあれだ。今パチュリーはソファの淵に座っている。そして俺はソファにもたれかかっている。 これはチャンス。 少し体を起こし、そのまま傾ける。頭はすっと地面に近づき、パチュリーの胸元を過ぎソファの手置きでとまる。 「あらら」 言いながら俺はずりずりと体を後ろに持っていく。少し下がると頭はさらに落ち、パチュリーの膝に留まった。 「寝心地はどう?」 レミリアが聞いてくる。 「なかなかいい感じ」 頭を二三度揺すりながら答える。その間パチュリーがこそばゆそうにしている。 「……なんかくすぐったいわね」 「まあ、人が乗ってるんだし、物が載ってるのとは違うやね」 「慣れれば違ってくるよ」 レミリア貫禄の発言。 「お嬢様も誰ぞに膝枕を?」 「この頃フランが妙にへばりついてきてねえ」 妹様か。色気の無い。しかし面には出さないようにする。 「今何か失礼なこと考えなかったか?」 「ナンノコトカナ」 Damm it! 読心術か! 思わず片言になってしまった。これは少々ヤバいかも知れん。 「レミィ」 パチュリーが唐突に口を開く。 「悪いけど、図書館からいくらか本を持って来てくれないかしら」 「本を忘れるなんて珍しいじゃない。別に構わないけど」 「強引に連れ出されたのよ」 パチュリーが、スイとこちらに視線を移す。しかしその目に、本が無いことの不快感は無い。 「どういう本がいいの?」 「なんでもいいわ。字が書いてあって綴じてあれば」 そう、とだけ言ってレミリアが出て行き、後には二人だけが残された。 レミリアが去った所為で辺りにはしん、とした空気が流れている。どうしたものか、普段膝枕なんてしない/されない二人である。なれない事に口数 ―ただでさえ大して多くないものなのに―が減るのもまあ当然だろう。 膝枕をされるほうは目を閉じ、しかし所在無さげな風にし、するほうは手の置き場に困ったように両手を彷徨わせている。 そんな状態がいくらも続いた。 ふと、パチュリーが俺の頭を撫で付けてくる。驚いて頭を傾け、右目だけ開けて見てみれば、一瞬驚いたような顔をし、すぐに手を明後日の方へ追いやった。 それを見て傾けていた頭をゆっくり戻し、幾分膝の深い位置に据え直して、撫でろとばかりに揺さ振る。 またいくらかの間が空き、意を決した様にパチュリーの手が再び頭に触れ、頭を上から下に丁寧に撫でてくる。 リビングには二人。誰も何も言わない、しかし居心地のよい静けさが辺りを満たす。その中で俺は自然と眠りに落ちていった。 「レミィ。あなたいつから見ていたの?」 「パチェが撫でようか撫でまいか迷ってるころからかな」 「鍵穴からのぞいていないで早く入ってきなさい」 「いや、珍しいものだったしねえ」 くつくつとレミリアが笑い、それを見たパチュリーが憮然とした表情をする。何のことも無い。頭を撫でて微笑んでいるのをレミリアにのぞかれていたことを恥ずかしがっているのだ。 「あなたにのぞきの趣味があったなんてね」 「いいじゃないか。そっちものぞいてたんだから」 「なッ……!」 瞬間パチュリーの顔が沸騰する。 「のぞき込んで目に触ったり唇撫でたりしちゃって」 全く熱いんだから、とばかりにレミリアが団扇で扇ぐようなしぐさをする。パチュリーも口をパクパクさせて何かを言おうとはするが、なんら声にはならないようだ。 「まあ落ち着きなさいよ」 なんら悪びれた様子も無く笑いながら言う。それを見て、やっと落ち着いてきたパチュリーもため息つきながら言う。 「はぁ……もういいわ」 「そう。ところでパチェ、紅茶飲む?」 言いながらレミリアが辺りを見回す。すると唐突に一人メイドが現れる。 「そうね。もらうわ」 「咲夜。紅茶二人分ね」 メイドは、かしこまりました、と頭を下げてまた忽然と消える。 紅茶が出るまで数分の間が空く。その間にレミリアは寝ている男の顔を突付いたり額を弾いたりし、その都度パチュリーに止められるということをしていた。 不意に、お待たせいたしました、と言ってまたメイドが現れ、紅茶を置いてはまたも即座に消え失せる。 「咲夜が妙に急いでるわね。何かあったのかしら?」 「いつもあんなものだよ」 パチェは図書館から出ないから、と付け足されパチュリーもそんなものかと思う。働き人が図書館に来るのは休みのときだろうに、それでわざわざ急ぐ必要もあるまい。 「まあ、私が本を選ばせた所為もあるかもしれないけど」 前言撤回。 「本? そういえばどんな本を選んだの?」 それを聞いてレミリアが苦笑し、これを見たパチュリーが怪訝な顔をする。 レミリアは思う。何を不思議がっているのだろうこの魔女は、と。あの図書館の本の虫が、本の上で眠り、本を枕にし、寝巻きにもしようかというフリークが本のことをスッパリと忘れているのだ。可笑しくないはずが無い。 詰まるところそれほどまでに入れ込んでいるのだろう、この男に。 レミリアにはそれが面白かった。無論、それに気づいていないこの魔女のことも含めて、だ。 「こういう本だよ」 取り出したのは三冊。料理の本と服の色あわせについての本、それと恋愛小説。どれもメイドらの娯楽用の棚から持ってこられたものだった。 「……これは何?」 「料理と色は咲夜のチョイスだよ」 「そう」 たまにはやれってことなのかしら、とパチュリーが呟き、そうじゃないだろうとレミリアが苦笑する。 「こっちは?」 「それは私の。面白そうでしょう」 眉根をひそめながらパチュリ-がぱらぱらとめくり、面白くなさそうな顔で机の上に置く。 「あまり良さそうじゃないわね」 「そう? まあ、読んでみればいいよ」 言うとレミリアはカップを傾け、さらに言う。 「じゃ、私はちょっと外に出てくるから」 「あらそう。いってらっしゃい」 「うん。それじゃごゆっくり」 後にはまた二人だけが残された。 「おはよう」 「あら、起きたのね」 レミリアが出て行ってから、いくらかして目を開ける。 「どうしたの?」 「いや、なんも」 ………… 「ねえ……」 「なあに?」 「何で耳引っ張ってるのん?」 一瞬きょとんとした顔をし、パチュリーはあわてて手を離す。そんなパチュリーに苦笑しながら俺は手を伸ばした。 「べつにいいんだけどねえ」 言いながら顔をパチュリーの体のほうに入れ替え、手を頬に伸ばす。と、パチュリーの顔がほんのり赤く染まる。それを見て、リンゴみたいだとか、赤くなってばかりで、明日風邪を引いたら俺のせいだろうか、とかとりとめも無いことを考える。 こんなことを考えている間にも、俺の耳はまた盛んに引っ張られ続けている。ぐいぐいと上やら下やら前やら後ろやら引き上げたり押し込んだりとまるでせわしない。 「なあ、パチュリー。楽しい?」 「意外と。あなたはいや?」 「まあいいんだけどな」 言葉を濁すが、正直くすぐったいだけであまり気持ちいいものではない。しかし、頬に触れている手をもう少し伸ばすだけでパチュリーの耳に届く。それほど面白いのなら、自分も試してやろうと、思い切って手を伸ばす。 耳に触れた瞬間、パチュリーの体がびくりと跳ねる。うむ、なかなか面白い。そのまま耳を下に引っ張ると、釣られてパチュリーの顔も下がってくる。 仰向けの体勢をとり、他方の手をパチュリーの首後ろから頭に回し、耳に触れていた手も頭に寄越し、俺とパチュリーは真正面から向かい合う形になる。 そのまま見つめ合う時間が続く... いくらの時間が過ぎたろうか、外は全くの暗がりに変わっていた。その巨大な窓からはゆらゆらゆれる星々とゆらりとたたずむ下弦が見える。 「もうすっかり暗いわね」 「だな。少し外に出てみるか」 パチュリーは足が痺れたか、ふらつきながら歩く。それを支えながら、二人連れ立ち外に出る。外は纏わり付くような熱気とそれを拭い去らんと言う風が拮抗していた。 「ちと暑いな」 ふとぼやく。 「少し肌寒いわ」 パチュリーが呟き、寄ってくる。俺は小さく息を吐き、引き寄せ言う。 「夜は冷える」 パチュリーは、そうねと微笑み体をこちらに預けてくる。 しばらくの間、二人寄り添って過ごす。 「夜も更けてきたし、そろそろ戻りましょうか」 パチュリーが言い出し、俺も同意する。戻るすがらパチュリーが唐突に言い出す。 「ねえ、今度はあなたが枕になって」 「膝枕? いいけど」 パチュリーは一瞬眉間にしわを寄せ続ける。 「ええ、膝枕もいいけど、今日は腕枕にして頂戴」 問い返す。 「今日は?」 「いえ……そうね、今日からお願いするわ」 「ねえパチェ」 「なに? レミィ」 「せっかく膝枕しているんだし、耳掃除やってやれば?」 ! 「耳掃除ねえ。そういえば私してあげたこと無いのよね」 「ならやってやればいいわ」 そういってレミリアは、さくやー、と声を上げる。 三度瞬時にメイドが現れ、用事を申し付かればまたかき消え、手に数本の耳かきを持って現れる。 「何でこんなに持ってきたのかしら?」 パチュリーが不思議そうに言う。 「手に合う合わないがあるんだよ」 なるほど、確かに太さも長さもまちまちである。 「じゃあ耳を出して…」 言い終わる前に俺はぐるりと一回転し、ソファから転げ落ちる……前に足を着き逃げようとする。 「逃げられると……思っているのか?」 しかしまわりこまれた! レミリアが羽を広げて、両腕広げて、およそ戦闘体勢で迫ってくる。これではとても逃げられそうに無い。 「っていうか、何で逃げるのかしら」 パチュリーが不思議そうに言う。 「オレは実は耳掃除が苦手だぞオオ!」 「そうか」 いやレミリアさん、人がせっかく叫んだのに一言で流さないでください。 「そう、耳掃除が苦手だったの」 「ん。だからあまりやられたくないのよ」 「んー、まああれだ。ねえパチェ」 「?」 「ええそうね」 二人して何かを企むような笑みを見せる。非常に可愛らしいのだが、同時に非常に不安な気持ちにさせられる。 『これから良くしていけばいいじゃないか/の』 「痛い痛い痛い」 「動かないの!」 「随分痛がってるなあ」 レミリアが紅茶なぞ飲みながら、のんきに言ってくる。 「じたばたしないで! 危ないでしょ」 「――ッ!」 ソファをバンバン叩く。 「パチェは耳かきが下手なんじゃない? そんなに痛がるんなら」 レミリアは依然、面白そうにいってくる。オノレ対岸の火事と思って。 「なら、レミィのほうが上手いって言うの?」 パチュリーは少し不服そうに返す。 「いや、咲夜は上手かったよ。 何も感じないですぐに終わった」 「それ時止めてやっただけじゃないの?」 レミリアが手を打ち、パチュリーがため息をつく。 「あなたねえ……」 「まあいいよ。それよりパチェ、私にも少しやらせてくれない?」 お嬢様やめて。吸血鬼の腕力で間違って突付かれた日には、鼓膜破れるどころの騒ぎじゃすまないやもしれん。 「駄目よ。私の耳だもの」 レミリアが、ぷー、と長い息をつく。 「いいですねえ。おふたりさん」 なんか棒読みですよ。お嬢様。 「はいおしまい。反対側向いて」 言われて俺はごろりと動く。 「うつ伏せにならないで」 「だが断る」 耳痛いからもういい。と、完全拒否体勢に移行する。 「レミィ、ちょっとやってみる?」 「え? いいの?」 パチュリーさん即座に実力行使に出ました。説得も何もなしです。もう怖いからちゃんと反対側向きます。 「最初からそうなさい」 「なんだやらせてくれないのか」 レミリアとパチュリー、双方が不満そうに言う。……不満の意味は違うようだが。 「こっちの耳はどうなってるのかしら……こらやめなさい」 レミリアの脅しには屈した。しかし、そう易々とあきらめる俺ではない。とりあえず顔をパチュリーの体にくっつけて息を吹きかけてみる。 「くすぐったいでしょ。やめなさい」 パチュリーが笑いながら言う。 「面白いことをやってるなあ」 そういいながらレミリアもパチュリーの首元に息を吹きかける。 「もうっレミィいまで。やめてちょうだい」 パチュリーが目端に涙をためながら言ってくる。 それを聞き、さらに攻勢を強める二人。笑いながら身をよじって逃げようとするパチュリー。 遠くでメイドが笑っている。紅魔館は今日も平和である。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ203 薄暗い図書館で、今宵も魔女が泣いている。 恐らく彼女は後悔しているのだろう。 「何故、私は彼を愛してしまったのだろう」と。 恐らく彼女は誰にともなく問うているのだろう。 「何故、人間はこんなに脆いのだろう?」と。 一冊の本が声にならない叫び声を上げる。 泣かなくていい!! 俺はここにいる!! だが、魔女に言葉は届かない。 そもそも、本は喋らない。 今宵も魔女は悲しみに暮れる・・・ どれだけの時が過ぎたのだろう? 肉体を失った今となっては時間の流れも曖昧だ。 ある日を境に、魔女は泣くのを止めた。 涙の枯れた眼で、何処か遠くを見ている。 疲れきった顔で。 吹っ切れたのならそれで良い。 俺はここにいるから。 ずっと一緒だから。 悲しむ必要も、悩む必要も無いんだ。 だがやはり、その言葉は届かない・・・ 今日は何かが違っていた。 魔女は酷く空虚な眼をしている。 死人のような顔で。 笑っていた。 俺がこの姿に変わってから初めて見せてくれた笑顔。 晴れやかであって欲しい笑顔は、酷く陰惨だった。 それから魔女は、勘違いしたまま俺に向かって話しかける。 「待ってて」 止めろ!! 「私もこれから逝くから」 俺はそこには居ない!! 「これからもずっと一緒よ」 そう言って一振りのナイフを取り出す。 俺はここに居る、ここに居るんだ!! 魂を本と同化させてまでお前の傍に残ったんだ!! だから―― 次の瞬間、図書館に紅い花が咲いた。 その光景は余りにも美しかった。 いや、美し過ぎた。 俺の意識はその光景に呑み込まれた・・・ 主を失った図書館。 今日も何処かの本棚で、一冊の本が夢を見続ける。 紅い紅い夢を。 半ば永遠に続くであろう悪夢を。 鋭いナイフの切っ先と、零れ落ちる紅い命の流れ。 そして、倒れ込む魔女の姿を・・・ ふと、その光景が揺らいだ。 「○○」 誰かの呼び声が聞こえる。 懐かしい声が。 俺の名を呼ぶ声がする。 「こんな所に居たの?」 「ああ」 「随分探したのよ? 死神に訊いたらまだ来てないっていうから」 「悪かったな、謝るよ」 「ずっと傍に居てくれたのに・・・ごめんなさい」 「いいって。 それより、そろそろいこうか。 パチュリー」 これも、夢の続きなのだろうか? もしそうだったとしても・・・覚めないで欲しいと願った。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 564 「なあパチュ、図書館から出ようとしてもどうしても入り口に戻っちまうんだけど」 「入り口の空間を少し細工したのスペルカードも魔法も使えずなんの能力もない○○じゃ絶対出れないわ」 「ふーん、なんでこんなことしたんだ?」 「……○○が好きだからに決まってるじゃない 誰にも渡したくない、レミィにも咲夜にもメイリンにも」 「魔女って怖いな」 「ええ、古来より魔女は人々に恐れられてきたわ、だから魔女狩りが行われたのよ」 「……でもさ、涙を流しながら言われても説得力ないよ」 「っ!?だって、だって○○に嫌われたと思うだけで勝手に出てくるのよ」 「嫌そんなことないって」 「嘘よ、こんなことした女に愛想が尽きたんでしょ?」 「だからそんなことないって、むしろそこまで俺のことを思ってるパチュに感激してるぐらいだ」 「……本当?本当に私のこと嫌いじゃないの?」 「本当だよ、だから涙を拭いて かわいい顔が台無しだぞ」 「……馬鹿 大好き」 「ああ、俺もだ」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 654-655 日の光から隠れるように、魔女の図書館は存在していた。 己よりも本を優先させた魔女の住処は暗く、埃に塗れている。 図書館はまるで人気を嫌うように、他人には極めて居心地の悪い場と成っていた。 しかし、そんな魔法図書館には今、主以外にも二つの人影が見えた。 一つは古くから住み込んでいる悪魔、名も無いそれは小悪魔と呼ばれ、親しまれている。 もう一つは、ここに存在していることが不思議なくらいに平凡な、人間の青年だった。 二人は向かい合い、時折笑いを木霊させながら、談笑を繰り返しているようだった。 「……○○、ちょっと来て」 「おう、どうした?」 そこへ、魔法図書館の主である魔女、パチュリーの声がかかる。 青年は小悪魔との会話を切り上げて、パチュリーの元へと向かう。 「……紅茶」 「わかった、少し待ってろ」 本から目を離さないパチュリー背を向けて、小悪魔に苦笑を見せながら、青年は一人厨房へと向かった。 青年が消えただけで、図書館には不思議な静寂が訪れる。 それはこの図書館にとって、本来在るべき静寂だったのだが、何故かパチュリーは違和感を感じてしまっていた。 青年の姿を追って本から目を上げると、小悪魔と目が合う。 微笑む彼女を無視するように、正常を装ってパチュリーは本へと視線を戻す。 らしくないと、パチュリー自身が気づいていた。 「お待たせした」 「……ん」 暫くして、青年の姿が図書館へ戻ってくる。 手には盆を、その上には温かなポットとティーカップが並んでいた。 静かに注がれるそれを、パチュリーは本の端から盗み見ている。 「……」 「何だ?」 「……貴方の分が、無いわ」 並べられたカップは一つ、それはいつもと変わらないことだった。 しかし、パチュリーは心の中で、引っかかるものを感じている。 「俺? いや、邪魔したら悪いしさ」 青年の返答はいつもと同じ、気遣うような言葉だった。 それっきり、青年はまた小悪魔と何かを話している。 何も言えるはずもなく、パチュリーは再び、本に目線を落とすことしか出来なかった。 「……茶菓子は?」 「すぐに持ってくる」 「……片付けておいて」 「はいよ」 「……この本を仕舞ってきて」 「わかった、次は何の本を持ってくればいい?」 青年が小悪魔と話す度に、パチュリーは用事を伝えていった。 その意味を、パチュリーは嫌でも気づいてしまっている。 つまりは――。 「一緒に居たいですか?」 本から目を逸らさずとも、それが小悪魔の声だと気づけた。 パチュリーに驚く様子は無い、平然とした態度で、小悪魔の言葉を聞き流している。 そういう風に演じているのだから、それは当然のことだった。 「パチュリー様、誤魔化しても駄目ですよー?」 「……何」 「――好きなんですよね」 今度こそ耐え切れなくなって、パチュリーは視線を小悪魔へ向ける。 本の先には、悪魔のような微笑を浮かべた小悪魔がいた。 「パチュリー様は、○○さんの事になると子供のように単純になります」 「そんなこと――」 無いと言えば、パチュリーは嘘をつくことになる。 現に、小悪魔がにやにや笑いを浮かべるほどに、パチュリーは挙動不審だったのだ。 「一緒に話したいんですよね」 「……別に」 「無駄ですってば。あの人のことになると、パチュリー様は嘘をつけません」 いつになく絡む小悪魔に、パチュリーは視線を逸らしながら、本で顔を隠すことしか出来ない。 そして、微笑が与える無言の重圧に、パチュリーは言葉を漏らしてしまった。 「嫌われたかしら……」 「何故、そう思うんですか?」 「嫉妬ほど、醜い感情はないもの……飽きれるわ」 自嘲気味に笑みを溢すパチュリーとは対照的に、小悪魔の微笑みは深くなっていく。 まるで愛玩動物を見るような表情に、パチュリーは訝しみながら目を細める。 威圧するようなそれに、小悪魔は何も感じていないようだった。 「知っていますか?」 「何よ」 「○○さん、パチュリー様に呼ばれるたびに笑顔になって、何とか平気な顔を作ってから振り返るんです」 「……何を言っているの?」 「パチュリー様のことを話すときだけ、嬉しそうなんですよ」 「……」 「頼りにされていることを、得意になってるんです」 唐突に、青年のことを語り始めた小悪魔を、パチュリーは止めようとしなかった。 眼前で微笑みながら、瞳の端に僅かに涙を浮かべる姿を、止める事など出来なかった。 「ちゃんと、一緒にお話しましょうって言わなきゃ……」 「小悪魔……」 「素直にならなきゃ……駄目ですよ?」 パチュリーは僅かに、頷いてみせる。 小悪魔は満足したように微笑んで、顔を下げてしまった。 青年の居ない図書館は、やはり妙な違和感を感じさせる。 それはきっと、ここの住人が彼を必要としているからなのだった。 ──────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 669 「えっ? 肌が白くなってる。ハハッ そうですね、日に当たってませんから …大丈夫ですよ、この位の事 貴方と一緒にいられるなら苦でも何でもありません」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 676 パ「○○、○○は居ないの!? まったく、どこに行ったのかしら・・・・」 小悪魔「あ、あのパチュリー様○○さんはもう・・・」 パ「・・・・・・・そう、そうよねもういないのよね 駄目だわいつまで経ってもなれないわね」 小悪魔「パチュリー様・・・」 パ「ごめんなさい小悪魔、少し・・・一人にさせてもらえる?」 小悪魔「・・・・はい」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 677 耳鳴りがするほどの静寂、透き通った重圧に埃さえも舞うことは許されない。 そんな、暗い図書館で、一人の魔女が本に目を落としていた。 何かが足りない、その漠然とした想いを本の知識で埋め立てていく。 パチュリーは変わらず、本と共に在った。 「……紅茶」 静寂の中でさえ消え入るような呟きと同時に、ティーカップが音を立てる。 当然のように差し出されたそれを片手に、パチュリーは本の隅から湯気の向こう側を盗み見る。 「いかがいたしました?」 そこには変わりなく、当然のように小悪魔が立っている。 暫しの間放心していただけで、違和感など覚えてはいない。 パチュリーは、ずっと前からそうであったのだから。 「――何でも、ない」 「……はい」 小悪魔が背を向ける、パチュリーの視界から外れていく。 その先には勿論、誰の姿も見つけられない。 図書館は変わりなく、パチュリーと小悪魔の二人きりなのだから。 「……美味しい」 温かな香りを昇らせる紅茶は、極上の味を与えてくれた。 ティーカップが、小刻みに音を立てている。 「いつか飲んだ、あの不味い紅茶とは大違いだわ……」 紅い水面に波紋が広がって、小さく水音をたてた。 断続的に続くそれが、暗い図書館に嫌というほどに響き渡っていく。 「……不味い紅茶」 砂糖と塩を入れ間違えたのだろうか。 再び口をつけた紅茶は僅かな塩気を感じさせて、パチュリーの声が震える。 「○○の紅茶の方が、まだマシだわ……」 図書館で生きた平凡な青年はもう、居ない ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/marisa-kirisame/pages/32.html
対パチュリー・ノーレッジ パチュリーの魔理沙対策についてはパチュリー・ノーレッジ 攻略 ウィキ キャラ対策-霧雨魔理沙を参照。 パチュリー やる事としては相手に弾幕を作らせないこと。 パチュリー本体を殴れば弾幕は消えるのです。 遠距離 射撃の速さとしてはオータムエッジに勝てる技は先出しレーザーのみ。 向こうは適当に射撃→JC→JC射とかしていって弾幕を作った状態から攻め込みたい。 空中に飛ばれても弾幕を張られないようにするのが大事。 全然魔理沙有利距離なので落ち着いてしっかりレーザーとC射撃で抑え付けて近づきましょう。 中距離 パチュ側迂闊にC射撃つとJCするしかなくなります。 が、だからっつってJAを深く当てにいこうとしないこと。もれなく空中C射もらいます。 C射はレーザーでお疲れ様でした、ができるので… 「相手が何回空中で飛翔キャンセルしたか」をちゃんと数える。 2回したらもう相手は射撃振ったら隙のかたまりです。 つまりこういうセットで覚える。 「射撃→JC→射撃→飛翔キャンセル(以下HC)→射撃→HC」ここまで。 霊力尽きるだろうし相手側としては多分そこまで振りたくないから防御に回ると思うよ。 パチュに真上を取られると厄介なので、相手のほうが高度が高い場合は無茶しない。 降りてきたらチャンスは魔理沙側。 しっかりガード・しっかりグレイズ。この2点 近距離 やりたい放題でおkだと思うけれど、遠距離A奥距離でのC射には気をつけてくれ。 後何気にパチュは遠Aが距離長いので注意。 エメラルドシティ(スキカ)に要注意 貰うともれなく高威力スペカがついてきます 発生の速さ、威力、判定から便利性の高いスキル 少し安全な昇竜と思ってください それと、JAに注意。 C射とあわせて振ってくることもあったりするので、「どうせC射だろ」という先入観でグレイズばっかしてると喰らう。痛い。 常に相手はJAの差込を狙ってます。だってそれがダメージソースにつながる唯一の打撃なんですもの(´・ω・`) 気をつけるスペカ ハーベスター 男投げをも無力化する無敵攻撃。 霊撃に攻撃がついたものと思ってくれればいい。割り込みに鬼強い、ガードされても密着は五分。 そして2コス。これを4枚入れてないパチュはいないと思ったほうがいい。 スペカ欄よく見て誘いましょう。あると厄介。 サテライトヒマワリ 無理するな。ちゃんと画面端とか範囲外でじーっと待つ。 ロイヤルフレア 発生遅いから使う場面は相手としては… 「敵が遠くにいたり空中にいる場合、相手の霊力が少ない時」 「相手の霊力が少ない状態かつ起き上がり時重ね」 「クラッシュ連携」 性能的には5コス相応の技。 →グレイズでかけぬけちゃうよタイプ ぶっちゃけ地上ダッシュ連続でよけられるから見てから画面端までご案内して差し上げましょう。 ただし霊力は3削れるので注意。 →発生前にぶっころしてやんよタイプ 本を読むの見てからスペカを差し込んで差し上げましょう。 スペカセットしてるなーと思ったら差し込めるスペカをこっちもセットして相手の挙動をガン見。 後発動してからは奴は完全無敵なので発動が終わってからキッチリフルコン決めてあげましょう。 →ガードしたいんだけどタイプ 霊力2個半削られます。3個あるなら黙っててもOK。 我慢の緋想天を覚えるにふさわしいキャラ。 じっくりじっくり戦いましょう。当然立ち回りは有利なわけだからね。 立ち回り考察
https://w.atwiki.jp/bo2clannpnworz/pages/4.html
メンバー募集中!! 初心者大歓迎です!!(VC有) まぁなしでもおk^^/ このクランは「 清く♪ 楽しく♪ 勇ましく♪ 」をもっとうにみんなで楽しくBO2をプレイするのが目的です。 おもな活動: TD S D ゾンビモードをプレイします。 クラン戦は月に1~2回 その他にも紅白戦や鬼ごっこ などなど多くのイベントを考案し実施する予定です 必須事項はこれと言った事はありませんがVCが有るとさらに楽しめるとおもします!! あとは、マナーをしっかり守ることぐらいです^^ 加入方法はreo-orzにフレンド申請をしてくださいwww 例:name のび の☆太 文 VC有りですor無しです。+なんか意気込み的なやつwww まぁこんな感じでお願いします^^
https://w.atwiki.jp/touhou_srpg/pages/53.html
パチュリー・ノーレッジ 名前 パチュリー タイプ 魔法系 攻撃力 C 防御力 B 霊力 A 移動力 5 指揮修正 C スペルカード B 攻撃方法 名前 霊力 攻撃力 距離 相殺 コメント ファイアーボール 0 +0 近遠 × 基本攻撃 シルフィーホルン 2 +0 近 × アグニシャン 6 +0 ロイヤルフレア 5 +0 レイジィトリリトン 5 +0 近 × シルフィーホルンの強化版? サテライトヒマワリ 15 +0 近遠 ○ 上段からでるために相殺度は低い ラーヴァクロムレク 10 +0 近遠 ○ 弾幕技 ザコ 妖精メイド赤 歩兵系 妖精メイド青 防御系 妖精メイド白 突撃系 弓矢妖精 遠距離系 強弓妖精 遠距離系 魔法 マジックアロー ファイアーボール トルネード サンダー アイスショット ヒール1 ヒール2 アタック レジスト メテオ ブラスト コメント ステータスは魔理沙より低いがその分霊力が高い。 要石装備可能なためゲーム中最大の霊力を持つ。 スペルカードは多いがラーヴァクロムレク一択で良い。 Dルートでは美鈴との選択になる。
https://w.atwiki.jp/tohogyokureiki/pages/40.html
コダマ名 HP 攻撃 防御 速度 合計 属性1 属性2 攻撃属性 弱点 耐性 スキル 必要アイテム ちびパチェ 90 105 65 20 280 理 - 理炎水樹地鋼 虫霊闇 闘理 - パチュリーカード Dパチュリー 100 110 140 30 380 理 地 理地(炎水樹毒鋼) 水樹氷虫霊闇 雷闘毒理岩 動かない大図書館 守の霊珠 Aパチュリー 100 130 85 65 380 理 炎 理炎(水樹毒地鋼) 水地岩霊闇 樹闘鋼氷理炎然 動かない大図書館 力の霊珠 Nパチュリー 105 115 75 85 380 理 樹 理樹(炎水毒地鋼) 虫炎氷毒風霊闇 水雷樹闘地理 動かない大図書館 不偏の霊珠 Sパチュリー 95 105 80 100 380 理 水 理水(炎樹毒地鋼) 雷樹虫霊闇 炎水氷闘理鋼 動かない大図書館 疾風の霊珠 Pパチュリー 100 135 75 90 400 理 樹 理樹炎 虫炎氷毒風霊闇 水雷樹闘地理 動かない魔法少女 Pパチュリーカード ※青文字は属性一致、赤文字は重複弱点、緑文字は重複耐性、灰色は無効、(括弧内)はスキル効果あり #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 ちびパチェ Dパチュリー Aパチュリー Nパチュリー Sパチュリー Pパチュリー スキル 動かない大図書館 SLv×20%の確率で、スペルの威力が属性一致扱いになります。 動かない魔法少女 効果抜群の時、与えるダメージがSLv×6%増加します。 スペル スペル名 属性 威力 消費 詳細 必要銭 ちびパチェ Dパチュリー Aパチュリー Nパチュリー Sパチュリー Pパチュリー サイレントセレナ 理 80 20 通常攻撃(初期) 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 賢者の石 理 100 30 通常攻撃 20000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 理 120 40 自分の攻撃と防御と速度を10%上げます。 禁呪 - ○ ○ ○ ○ - ロイヤルダイアモンドリング 理 120 40 相手の防御を20%下げます。 100000銭 - - - - - ○ 理 150 50 相手の防御を30%下げます。 禁呪 - - - - - ○ シルフィホルン 樹 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ グリーンストーム 樹 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ ○ フォトシンセシス 樹 - 0 味方全員のVPを50%回復します。 50000銭 - ○ ○ ○ ○ - サテライトヒマワリ 樹 120 40 通常攻撃 100000銭 - ○ - ○ - ○ 樹 120 40 与えたダメージの1/4、HPが回復します。 禁呪 - - - ○ - ○ マーキュリポイズン 毒 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - 毒 120 40 与えたダメージの1/8、相手のVPを減少させます。 禁呪 - - ○ - ○ - レイジィトリリトン 地 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ - トリリトンシェイク 地 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - エメラルドメガロポリス 地 120 40 自分の防御を20%上げます。 100000銭 - ○ - ○ - - 地 150 50 自分の防御を30%上げます。 禁呪 - ○ - - - - メタルファティーグ 鋼 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ - シルバードラゴン 鋼 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - エレメンタルハーベスター 鋼 120 40 相手の防御を20%下げます。 100000銭 - ○ - ○ - - 鋼 150 50 相手の防御を30%下げます。 禁呪 - - - ○ - - プリンセスウンディネ 水 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ - ベリーインレイク 水 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - ノエキアンデリュージュ 水 120 40 相手の速度を20%下げます。 100000銭 - - - ○ ○ - 水 150 50 相手の速度を30%下げます。 禁呪 - - - ○ ○ - ジェリーフィッシュプリンセス 水 - 10 先行になります。3ターンの間、攻撃スペルのダメージを半減します。交代しても効果は継続します。 150000銭 - ○ ○ ○ ○ - アグニシャイン 炎 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ アグニレイディアンス 炎 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ ○ セントエルモピラー 炎 120 40 通常攻撃 100000銭 - - ○ ○ - ○ 炎 120 40 与えたダメージの1/8、相手のVPを減少させます。 禁呪 - - ○ - - ○ ロイヤルフレア 炎 150 50 与えたダメージの1/6、相手のVPを減少させます。 300000銭 - - ○ ○ - - 炎 200 80 与えたダメージの1/6、相手のVPを減少させます。 禁呪 - - ○ - - - カード効果 アイテム名 装備時効果 契約コダマ 入手(金額) 備考 パチュリーカード 攻撃が30増加します。 ちびパチェ 中吉印の福袋・アイテムショップ(1000000銭) 11-7クリアでショップ追加 Pパチュリーカード VPと攻撃と防御が50増加します。 Pパチュリー PH4-7初クリア報酬 -
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/224.html
今さ、布団の脇にノート置いて書き込んでるんだけど 毎晩パッチュリが布団に潜り込んで来て困っちゃうよね さすがにあんなにくっつかれたら冬でもあっついよね あっ こら、また勝手に入ってきてー そんなくっつくなって え、いや、まあ、迷惑って事でもないっつーか、うん うん……うん、 俺も、大好きだよ じゃ、おやすみ…… 6スレ目 408 ──────────────────────────────────────────────── 図書館の一画。 目当ての本を見つけた俺はパチュリーの隣に座り、本を開いた。 「仕事をサボって何を読んでるのかしら?」 言われて顔を上げると、パチュリーが本を少し下げてジトリと俺を睨んでいる。 「アガサ・クリスティーのクリスマス・プディングの冒険、 しかし本当にこの図書館は何でも揃ってるな~・・・。 少しくらい良いだろ? 本の整理は終わったし、もう特にする事も無い 大体クリスマスイヴだってのに、休みもくれないお前が悪い 今日に限って図書館に来るような物好きなんてそんなに居やしないよ。 あとの雑務は小悪魔にでもやってもらえば良い」 そう長々と答えるとまた睨まれた。 「私と過ごせるなら何処だって良い。 なんて言ったのは誰だったかしら?」 「それを言われると ぐうの音も出ない・・・」 一拍、間を置いて2人で苦笑。 お互いに視線を本に戻す。 静かに時間だけが流れる・・・。 華やかではないがこんなイヴも良いかもしれない・・・。 「なあパチュリー、部屋に戻ったら今夜はワインでも開けようか?」 俺がそういうと彼女はクスリと笑って、 「そうね」 と、一言だけ言った。 6スレ目 577 ──────────────────────────────────────────────── パッチェさんが風邪を引いた。と言うわけで見舞いに行く。 見舞いと言うからには何か持っていったほうがいいだろうから、 とりあえず紅魔館の食堂から適当にりんごでも持って行くことにした。 ちなみに食堂の食べ物がなくなると門番の食事が減らされると言う噂がある。 明らかに内部犯だろうに外にいる者の食事が減らされるというのはどうかと思うが、まあどうでもいい。 一応勝手に持っていくわけで、カウンターに身を隠しながら、置いてあるりんごに近づきすろすろと手を伸ばす。 丸い形と重さを確かめ、2,3個抱え込むように持っていく。 と、不意に声をかけられる。 「りんご持っていくんなら、ナイフはいりませんか?」 「手持ちがあるからいいや。それよりすりおろすやつおくれ」 「はいどうぞ」 「はい、ありがとう」 計 画 通 り。 パチュリー私室は、毎度黴臭い図書館内の閲覧個室の改装されたものとなっている。いや図書館自体が私室といえばそうか。 ノックをしても返事はない。いつもない。声が届かないらしい。風邪を引いているなら尚更か。 返事が無いので勝手に入る。待っていたらいつまでも入室できんぞなもし。 入って見渡すと、ベッドの上がもぞもぞと動いている。どうやら寝ているらしい。 ……と思ったら寝そべりながら本を読んでいた。 予 想 通 り。 いや、予想が当たったからと喜んでいる場合じゃない。どうにかせにゃならん。 いくら本読み魔女と言ってもゲロ吐きながら読むものじゃない。 なので、横から本を取り上げる。 なーなー言っていたが、何を言おうとしていたのか分らないので無視していすに座り、 本を体と椅子の背もたれの間に挟みこんで取れないようにする。ついでにりんごを机に置く。 「なに……するのよ」 咳き込みながら文句を吐く。 「風邪引いてるときに本を読むものじゃないだろ」 「魔女が本を読まないでどうするのよ」 「病人が寝ていないでどうするんだよ」 「む、じゃあ代わりにその本読んで頂戴」 「風邪引いてるのにこんな難しい本読むもんじゃないよ」 言いながら本を抱えてドアに向かう。 「その本がいいのよ」 無視してドアを出る。ラテン語なんか読めるか。 難しい本を戻し代わりの易しい本を持って部屋に戻ると、パチュリーはうつ伏せのまま寝入っていた。 息がし辛そうなので横向きに直してしばし寝顔を観察する。 しかし、ずっと観ているわけにもいかないので、本を持って退室する。 が、司書連中に運悪しくつかまり書庫整理の手伝いなどをやらされる。 盗難本のリストアップらしいが、照会に時間がかかり正直暇だ。というか俺いらんだろ。 捉まってから1時間ばかりたった。 仕事を10分ぐらい、後は皆で駄弁っていた。どうせまた盗られるんだし、リスト作っても無駄よね、と言うことだ。 駄弁った結論として、女って怖いなあ、と言うことが再確認された。 不意に子供の泣き声が響く。何かの魔道書かと思い音のする方へ駆けると、パッチェさんの自室だった。 訝みながらドアを開けると、パチュリーが突っ伏して泣いていた。 これはアレか、病気のときに誰もいないで不安で泣くというやつか、愛い奴め、と思いながら近づくと、 ほんーほんーわたしのほんー、と言って泣いていた。 本かよ。俺じゃないのかよ。 がっくりしながら話しかける。 「起きたかね。じゃあ、作るからすりおろしりんごでも食べなさい」 「それよりも本はどこ?」 「とりあえずりんご食え。あと水飲んで寝れ」 「寝かしつけないで頂戴。で、本はどこ」 「りんご食べたら持って来るからりんご食え」 「わかったわよ……」 同意を得たところで皮を剥き、種を取り、すりおろして器に盛る。 多少血が入った気がするが問題ないだろう。 器と匙を渡すともそもそと食べ始める。 少し寝たからなのか心なしかさっきより血色も声色も良いように思える。 食べている間に見繕っておいた本を取ってくる。 「食べ終わったわよ。で、本は?」 「ん、あるよ」 「妙に薄いわね…というかそれ絵本じゃない」 「うん? 風邪引きにはちょうどいいだろう」 「読んでくれるなら向こうの棚に入ってる本がいいんだけど」 「だから難しい本はだめだって」 アラビア語も読めんがな。 枕元の椅子に腰掛けて絵本のページをめくる。 ゆっくりとしたペースで読んでいると、パチェさんが端ににじり寄ってくる。 「うん? 遅い?」 「絵が見えない。絵本なんだから絵も見せて頂戴」 どうやら絵本が存外に気に入ったらしい。 ベッドに深く腰掛けて、腿に頭を載させるようにして読もうとするが、 「見辛い。あと首いたい」 仕方がないので、寝かせて顔の上に本を持ってくるが、今度は自分が読めない。しかも、 「いたいいたい。紙が当たってるわ」 ページをめくる時に顔に当たったり手から抜けたりするようになった。どうにも目測がつけ難い。 どうしようかねえ、と考えていると、パチュリーが枕元をぱんぱんと叩いている。 こっち来いって…ああ、そういうことか。 結局枕を退けて自分が枕代わり、と言うか座椅子になった。 背中がベッドの宮に当たっるので、邪魔な枕と布団を背中に置く。 それでも痛いのと布団の重みで体が少し丸まる。 パチュリーは頭を首筋にもたれかけ、毛布を巻いている。 なので各々が肩に頭を持っていくような格好になる。 「読むのは結構上手いわね。でも少し早いかしら」 「そうかねえ? まあもう寝て早く治してしまいなさいな」 「そうね」 そういってごそごそと動くが、 「なんで胸の上で寝ようとするの?」 「おやすみ」 「それじゃ寝にくいでしょうに」 「うーん」 不満げな声を上げる。これは動きそうにも無い。 しょうがなしに少しずつ体をずらしてベッドに横になる。 肩にかぶっていた布団を掛け、枕を頭の下に敷いてやってから抜け出そうとする。 「あら」 思わず声が出る。 服の端がしっかと握られていた。これでは出るに出られない。 無理してはずす事もできるだろうが、そうすれば起きてしまうかもしれない。 「まあ……役得かねえ」 そういって横顔を見ながら自分もゆっくり目を閉じた。 6スレ目 620 ──────────────────────────────────────────────── いつも通り本の整理をしていると急に視界がぐらついた。 疲れてるのかな? そう思った矢先 図書館の床が目の前に迫り、意識が消失した。 気がつくと俺はベッドに横になっていた。 どうやら気を失っていたらしい。 上半身だけ起こすと濡れタオルが額から落ちてきた。 「あっ!!」 声のした方を見ると椅子に座っていたらしい小悪魔が立ち上がり 「今パチュリー様を呼んできます」 と言うと駆け出していった。 しばらくするとまた走る足音が聞こえてパチュリーが部屋に入ってきた。 彼女はホッとした様子で 「良かった」と言った。 「心配させちゃったみたいだな・・・すまん」 「いいわよ、別に。 薬作ってきたから飲んで安静にしてて。 一応試しに飲んでみたけど副作用もないし、安心して飲んで」 そう言うと半透明の液体が入ったグラスを渡してきた。 色は悪くないが・・・一応覚悟して一息に飲み干す。 味も思ったほど悪くない、というかむしろ良い方だ・・・が。 このグラスの底に残ってる虫の足みたいなのは何だ? 「な、なあパチュリー。 この薬って原材料はなんだ?」 「どうしてもって言うなら教えてあげるけど、聞かない方が良いと思うわよ」 彼女がそういうなら本当に俺が知らない方が良い材料で構成されているんだろう。 知らぬが仏、俺は訊かない事にした。 「なんか、普段と立場が完全に逆だな。 いつもなら俺が看病する方なのに・・・面目ない」 「気にしなくていいわよ、とにかく大事じゃなくて良かった」 微かに賑やかな音が聞こえる 「今夜もレミリアさんの気紛れパーティーか」 「皆大騒ぎしてる、まったく人の気も知らないで」 本当に心配かけちまったな・・・ 「今後はもう少し健康管理に気をつけるよ。 そんな顔するなって、美人が台無しだぞ?」 そういって笑いかけると彼女も笑みを浮かべた。 「それよりお前は大騒ぎに参加しなくて良いのか?」 「今日はいいわよ、毎回参加してたら身がもたないし、貴方の看病もあるし、何処でもやる事は変わらないしね」 そう言うと脇に抱えていた分厚い本を見せた。 「そうか、じゃあ俺は大人しく横になってるから心配しないで読書してくれ。」 「必要な物があったら言って、すぐに用意するから」 そういうとベッドのそばの椅子に座って本を読み始めた。 しかし読み始めてすぐ「あ」と思い出したように声を上げると本から顔を上げて 少し迷うようにしてから 「添い寝、してあげましょうか?」などと言ってきた。 「おいおい、風邪だったらどうするんだよ」 「たぶんただの疲労だと思うから大丈夫」 「確かに咳も喉の痛みも無いが、本読むんじゃなかったのか?」 「寝ながらでも本は読めるし、問題ないわ」 そう言うと彼女はベッドに潜り込んできてうつ伏せになって本を読み始めた。 思わず抱き寄せる。 「ちょっと、 本が読めないんだけど」 「いや、つい。 もう少しこのままでいさせてくれないか?」 「別に・・・良いけど・・・」 遠く聞こえる喧騒の中で、ささやかな幸せを抱き締める 6スレ目 721 ──────────────────────────────────────────────── 彼女は今日もこの広い図書館で孤独に本を読み漁っている。 俺に気付くと、いつものように冷めた目でこちらを見つめてきた。 「あなたも物好きね、こんな本しか無い場所に長年通い続けるなんて」 「君がいるだけでどんな場所も楽園になるのさ」 「チープね……13点」 心持ち視線の温度が下がった気がする。どうも俺にエスプリのセンスは無いようだ。 今日もいつも通り、俺が一方的に話しかけて彼女が煩わしそうに返答するだけの一日が過ぎていった。 まあ結局こんなものか、と思って帰ろうと思い立ち上がると 「今日で49日目、お別れね。この80年、少し楽しかったわ」 唐突だった。俺のことを少しでも気にかけてくれているのが嬉しかった。 「ありがとう、大好きだよ、さようなら」 そう言って、未練を断ち切るように彼女に背を向け、ゆっくりと歩き始める。 「――――Я не могу жить、без тебя」(※1) 「え?」 思わず振り向いてしまう。 「なんでもないわ……さよなら」 それ以降、彼女は本に顔を落とし二度とこちらを向く事は無かった。 ヤーニマグー ジィーチ ビステビャー、か。 いろんな国の人を裁く閻魔様なら意味を知ってるかもしれないな。 そんなことを考えながら俺は図書館を後にした。 最後のはロシア語です。適当知識なので合ってるかは微妙。 何が言いたかったかというと 知識人の彼女は絶対こんな照れ隠しをするに決まってるんだよ!!! 補足 ※1 貴方無しにはいられない。的な意味 6スレ目 747 ──────────────────────────────────────────────── 2月14日 僅かな期待に胸を膨らませつつ、図書館へ向かう。 といっても、幻想郷にバレンタインなんてあるのだろうか? 最大の疑問を残したまま、扉を開いた。 いつも通りの埃臭い図書館 いつも通りのかび臭い蔵書の山 いつも通りの・・・パチュリー・・・。 変わった事は何もない。 全てがいつも通りだ。 「おはよう」 「・・・おはよう」 彼女は本に夢中になっているらしく、顔も上げない。 俺はいつも通り自分の椅子に座る。 な、何の素振りもない。 だが冷静になってみると がっかりというよりは変に期待していた自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。 「はあ・・・」 思わず溜息が出た。 「どうしたの?」 「いや・・・別に・・・ただ自分の愚かさに苦悩しているだけだ」 「何よそれ。 頭でも打ったの?」 物凄い呆れ顔だ。 まあ無理もないか。 俺も本のページを開いて読み始める。 一般公開されていないこの図書館では客がそう来る訳もなく 客が来ないという事は、散らかすのも俺とパチュリーと霧雨魔理沙ぐらいであり 要するに先日蔵書の整理を終えていた今日の図書館は、全くと言って良いほど仕事が無かった。 俺は自分の本を読みつつ、パチュリーが読み散らかした本を片付けるという作業を繰り返していた。 何回目かの片づけを終えた後、気晴らしに散歩でも行こうかな、と思って その旨をパチュリーに伝えると 「好きにすると良いわ、どうせ仕事ないし」 とのことだったので、俺は図書館を後にして屋敷の外に出た。 散歩といっても屋敷の敷地をぐるぐる回るだけで、なんとも退屈だ。 「どうせ戻っても仕事無いしな・・・少しぐらいなら良いか」 そう思った俺は門に向かって歩き始めた。 ちょっとぐらい時間潰しても大丈夫だろう。 「よう美鈴!! 調子はどうだ?」 「あれ? ○○さん、仕事はいいんですか?」 「いや、全然無いんだ。 退屈だから少し外の空気を吸いにね」 「そうなんですか。 こっちも今日は侵入者も無く平和です」 「お互いに魔理沙のやつには苦労するな~」 などと雑談していた訳だが、ふと疑問がよぎったので訊いてみた。 こういう時、彼女の人当たりの良い感じは助かる。 この館では貴重なタイプだ。 「なあ、変な事訊くけど幻想郷にはバレンタインって行事はあるのか?」 「どうしたんですか急に?」 「いや、別にどうしたって事は無いんだが・・・パチュリーの奴がくれる素振りも見せないんだよ。 一応俺たちは恋仲というか・・・だからそれでちょっと寂しいなあと」 妙に気恥ずかしい。 美鈴はそんな俺に微笑を浮かべて言った。 「それなら心配する事無いですよ。 パチュリー様、随分前から皆に相談してましたから」 「あいつが?」 「はい。 男の人に喜ばれるにはどういうのが良いかとか。 ほとんど参考にならなかったみたいで、結局自分で考えるようにしたみたいですけど」 「そうか・・・美鈴、ありがとな」 「どういたしまして」 笑顔で手を振る美鈴に背を向けて、俺は足早に図書館に戻った。 「ただいま」 「随分遅かったわね」 ジト目で一睨みされるが気にせず答える。 「ちょっと美鈴のやつと話してたんだ」 「そうなの」 「なんだ・・・妬いてくれないのか?」 「なんで妬かなくちゃいけないのよ?」 それっきり途絶える会話、静寂が2人を包む。 でも視線は逸らさない。 先に目を逸らしたのはパチュリーで、何度も何かを言おうとしては止める。 「何だ? 言いたい事があるならはっきり言えよ」 俺が努めて優しく言うと、彼女は恥ずかしそうな顔で机の下から綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出し 「あの・・・これ・・・作ったんだけど・・・」 そう言って手渡してきた。 「よく出来ました」 意地の悪い笑みを浮かべて言う。 「えっ?」 彼女は怪訝そうな顔をしている、発言の意図が読み取れないのだろう。 「いやあ、いつくれるのかな~とか思ってずっと待ってたから」 「知ってたの!?」 「勘でそんな気がしてて、さっき美鈴に聞いて確信に変わった」 耳まで真っ赤にしてうなだれるパチュリー。 「開けて良いか?」 無言で頷く。 丁寧に包装された箱を開くと、中には一口サイズのチョコレートが数個入っていた。 1つ口に運ぶ、彼女にとっては緊張の一瞬。 俺はじっくりと味わった。 「美味い・・・」 「本当? 良かった。 正直なところあんまり自信はなかったんだけど」 彼女の笑顔も相まって更に美味しく感じる。 甘さは的確に俺の好みを捉えていた。 「パチュリー」 「何?」 「ありがとう」 「どういたしまして」 彼女の嬉しそうな笑顔が眩しい。 同時刻、紅魔館門前―― 「邪魔するぜ!!」 白黒の魔法使い、霧雨魔理沙が咆哮し 「やっぱり今日は平和じゃなかった~!!」 門番、紅美鈴は悲鳴を上げていた。 再び図書館―― 最後の一個を食べ終えた俺はパチュリーに訊ねていた。 「俺、こんなに幸せで良いのかな?」 彼女は優しい笑顔で答える 「良いんじゃない? 私も凄く幸せだから。 2人共幸せなら何も問題ないと思うけど」 「そうか・・・そうだな」 そしてゆっくり唇を重ねた。 「ん・・・はぁ・・・甘い」 彼女が吐息を漏らす。 そのまま抱き合っていると・・・ バン!!!! けたたましくドアが開いた。 「本借りに来たぜ・・・って、あれ?」 状況が理解できない魔理沙。 「へっ!?」 同じく状況が理解できないのと、恥ずかしさの余り今にも卒倒しそうなパチュリー。 「魔理沙・・・何でお前はこんなにタイミングが悪いんだ?・・・」 邪魔されてがっかり&呆れる俺。 ちなみに、その後魔理沙によって俺たちがイチャついていた事が言いふらされたのはいうまでもない・・・ 鴉天狗、何しに来た? 6スレ目 766 ──────────────────────────────────────────────── 何だよパチュリーいきなりくっ付くなよ。 今PCやってんだから。 え? 何やってんのか見せろって? 別に良いけど。 何? 本当に浮気してないのかって・・・当たり前だろ!! そんな事するわけないじゃないか。 うわっ!! 勝手にマウスいじるなよ。 ってお前!! それ俺の秘密のフォルダ!? 止めて!! 待って!! 開かないで!! 頼む、後生だから!! 待っ―― はい・・・はい・・・俺もそうだと思います・・・。 こういう動画とか画像持ってるのも浮気だと思います・・・。 はい・・・すいません・・・嘘つきました・・・はい・・・すいません。 もうしません・・・それも全部削除して良いです。 あの、そろそろスペカと魔道書しまっていただけませんか? 違います!! 反省してます!! でも、あの、ここで火符とか使われると住むとこ無くなっちゃうんで・・・。 他の住人にも迷惑かけるし・・・色々弁償とかしなきゃいけなくなるんで・・・。 それにパチュリー様もこっちに特に知り合い、いるわけじゃないですよね? だから、それだけはお互い何の得にもならないと思うんです。 だからもう危ないのはしまってください。 ていうかしまって!! 何でも言う事聞くから!! パチュリー? それ金額見てカートにいれてる? いや、確かに欲しい本買ってあげるとは言ったけどさ。 ちょっ!? それ一冊で五千円超えてる!? 待って!! 何でわざわざ文庫化されてるやつ単行本で買うの!? これで最後か、良かった・・・。 あれ、何で俺のパスワード知ってるんだよ!! って、即行で注文確定!? 待てよ、総額いくらだよ!? おかしいな・・・メール見れない・・・注文内容確認できない・・・。 パスワードが違う? ねえパチュリー・・・変えたの? いつ変えたの? そこでダンマリは無いだろ? ねえ、俺どうなるの!? 借金するの!? ねえ!! 数週間後―― 一括配送されてきた本の山が、俺の部屋を埋め尽くしていた。 金額は思い出したくない、俺の私物は数多くパチュリーに売却された・・・。 「俺、こっちに帰ってきてこんな事言うのなんだけどさ、幻想郷に戻りたい・・・」 「私はこっちでの生活をそれなりに楽しんでるけど」 俺はこの一件で、この世界の機械文明が怖い。 「幻想郷じゃなくてもいいから何処か、動画と画像と通販の存在しない世界に行きたい」 彼女は何も答えずに読書に夢中になっている。 しかし、暫くしてゆっくりと口を開いた。 「今度浮気なんかしたら・・・その時は大英図書館買ってもらうから」 本で顔を隠しているせいで表情は分からないが、たぶん真っ赤になっているんだろう。 可愛いやつめ。 もう2度と浮気なんかしない!! しないが・・・。 それは、個人に購入できる物なのだろうか・・・ 7スレ目 258 ──────────────────────────────────────────────── 身体が冷めていく。目を閉じると命の炎が燃え尽きるのが見える気がする。 やけにあっけない人生だった。普通に生きていたつもりが、いきなり普通じゃない場所に来てしまった。 そしてそこの何かに命を食われた。……思い返すとここに来てからロクな目に合ってない。 でもせめて、せめてもう少し生きたい。出来れば元の場所で。なるべく平凡に。 ……いや、高望みもほどほどにしよう。神様、こんな人生歩ませてくれてありがとう。そして死んじまえ。 「……はっ」 気が付くと、辺り一面が本の山だった。……訂正。自分が本に埋もれていた。 「気絶してた、か。……懐かしい夢だったな」 一度目の死。この世界に来て、その後に殺された時の記憶。 正確には死んではいないが。死にかけたところを助けてもらい、そして現在の生を歩んでいる。 本の一部が崩れて光が差し込んだ。そこから見えるのはメイドさん達。 「__ー、生きてるー?」 「あいにくと身体は頑丈なんでね、むしろこれくらいで死ぬほうがおかしいさ」 「今発掘してるからね。動いたら多分……砕けるよ?」 「それはどっちの意味だ?」 「聞かないほうがいいかも」 結局生命の危機に変わりはない、と。 時間はかかったがようやく掘り出され、起こせるようになった身体をパンパンとはたく。 「お疲れさまー」 「そっちもご苦労さん」 掘り出してくれた羽付きメイドさん達に礼を言い、本の山から降りる。 「またやったんですか、__さん」 埋もれていた本の山を見ていると、後ろから声がかかった。 「あ、すいません先輩。仕事増やしちゃって」 後ろにいたのは小悪魔先輩。背中と頭の羽がチャームポイント兼性感帯、らしい。 「そろそろその先輩って言うのはやめてもらえませんか?」 「いや、一応先輩ですし」 「どっちの意味でですか?」 「そりゃ両方に決まってます。ここの従業員として、そして使い魔として」 ……よく考えてみれば、先ほどの『死にかけた』は不適切だった気がする。何せもう九割九分九厘死んでいたから。 残った魂を少し書き換え、魔力を固めて元の体を模した物に入れておく。……言葉にすると単純だがとんでもない事を先輩の主がやってくれた。 そのおかげでこうやって命を永らえたのだ。まあ、多少は勝手が違う部分が出てくるが。 「……でも先輩って言われるとちょっとむずがゆくてそれでいて後輩萌えな感じで……」 ムッハー、と鼻から息を噴き出す先輩。先輩は名前のとおり悪魔の一種。メイドさん達から『この人絶対淫魔だよ』と囁かれていたり。 ……本人は否定してるけどその言動のせいで説得力がなかったりする。 「落ち着いてくださいよ先輩」 「え、あー……そうだ。パチュリー様からの伝言があったんだっけ。……コホン。『__。今日の業務が終わったら私の部屋に来なさい』だそうです」 伝言の内容だけ件の先輩の主……パチュリーさんの声で喋る先輩。 「了解いたしました。ならさっさと片付けないといけませんね」 「……__さんは別の所をお願いします」 「やっぱりですか」 頭を掻く。……これだけの惨事を起こしたなら仕方ないよな。先輩の命に従い、別の所へ向かう事にした。 仕事が終わり、先輩の伝言どおりにパチュリーさんの部屋へ向かった。 「パチュリーさん、__です。小悪魔先輩の言伝により、こちらに参りました」 『入りなさい』 「はい、失礼します」 扉を開けると、その向こうにも本の山。……ここにあるのは図書館には置けないようなとんでもなく危険な本らしい。 本当の意味での魔道書(グリモワール)の中で、彼女は生活している。……とことん本漬けなんだな、と思っていると。 「こっちに来なさい」 パチュリーさん本人はベッドの方にいた。今は上着を羽織っておらず、寝間着のような薄いワンピース一枚だ。 「……それで、どう言ったご用件でしょうか」 パチュリーさんに近づき、そう尋ねると。 「ええ、少し試したい事があってね。……脱ぎなさい」 ……普通の人ならここで「おい、ここは全年齢板だぞ!」とか突っ込みそうだが、俺の場合は違う。 「わかりました」 そう言って制服の上を脱ぐ。上半身をさらけ出し、パチュリーさんに見せた。 胸の辺り……元々心臓があった場所には円を描いた刺青のような模様がある。そこを彼女の指が撫でると。 「うっ……つぅ」 痛みと共に、模様のあった場所から模様の刻まれた球体が半分出てきた。……これが俺の魂の入れ物。言い換えれば核の部分だ。 六角形に並んだ点と三角の模様のうち、逆三角形に並んだ三角の模様全てに指が当てられる。 指をずらし、三角の模様を丸の模様に合わせると……丸と三角が重なり、一つの魔法陣になった。その瞬間、胸の模様が全身にまで広がる。 「っがぁぁっ……!ぐぅぅぅぅっ……!!」 同時に俺の全身に激痛が走り、思わず蹲ってしまう。これは俺が『作り変えられる』痛み。そうわかってる。だけど、この痛みだけは本当に勘弁してほしい。 しばらくして激痛が治まり、ようやく立つ事が出来た。……まだ少々痛みを引きずってはいるが。 「ご苦労様」 「……それで、どういう用件ですか?マスター」 彼女への呼び方が変わったのは俺が使い魔に変化した証。 「これ」 一冊の本を俺に見せた。……恋愛ものの小説。 「ここに書いてある『腕枕』っていうのがどんな物なのかを試してみたかったの」 「そのためだけに、俺を使い魔状態に?」 正直言ってこの使い魔状態……人から人外になった状態……には何度も変化したくない。 身体が作り変えられる際に起こる激痛が一番の原因だ。……例えとしては体中の血液が暴れまわり、血管が破裂しまくっているかのような痛みだ。 その記憶は人間に戻ったときも残っている。……だから嫌だった。 しかし目の前のパチュリーさんはジト目に涙をにじませ、こう言ってくれた。 「だって、__じゃなきゃ……」 前言撤回。彼女を泣かせるくらいならこんな激痛、耐えてみせる。 「……だからと言って、マスター。俺だって……」 「口答え『禁止』」 「うぐっ」 ……ちなみに。使い魔状態の俺はパチュリーさんの命令には絶対に従わなければならない。分類は『許可』と『禁止』の二つ。 口答え、というか自分自身の苦労を伝える事を禁止され、俺の口が止まる。 「それじゃ命令するわ。__。あなたに一晩の腕枕を『許可』する」 そう言ってベッドに潜りこむパチュリーさんに付き添い、彼女の頭を俺の腕の上に乗せる。 「それと。腕枕以外の一切の接触行為を『禁止』する」 ……それなんて生殺し?と言いたいが、禁止されてはどうしようもない。おとなしく従うしかなかった。 「所でマスター」 「何?」 「質問の許可、いただけますか?」 「……ええ、『許可』するわ。何かしら?」 「なんで俺だったんですか?先輩とかメイドさん達とかいるじゃないですか」 「……貞操の危機。こぁは絶対『パチュリー様ぁぁぁぁ!』とか叫びながらどこかの泥棒みたいに飛び込んでくるしメイド達もメイド達で寝たら何されるか」 「……すいません。聞いた俺が馬鹿でした……」 やりかねん。確かにやりかねん。特に先輩は。 「だから、あなた。あなたは使い魔の状態なら私に従ってくれる。それと……男の人の腕枕が試したかったから」 そう言ってパチュリーさんは……えっ? 「……マスター」 「何よ」 「自分から接触するのはいいんですか?」 ……パチュリーさんは、身体ごとこちらを向いて手を俺の胸の上に置き、脚を俺の脚に絡めた。 「さっき口答えは禁止って言ったじゃない」 「これは質問です。……答えを言ってください」 「……だって、いつもと変わらないから。むしろ枕が固くて頭が痛くなるわ」 「まあ、あくまでも恋人同士で愛を深めるためのものですから……寝心地を重視してるわけがないですよ」 「こ……っ!?」 恋人、その言葉を聞いてパチュリーさんの顔が赤くなる。 「やっぱり気付いてなかったんですね。……大体、腕枕をしてくれなんて誘われたら誰だって『おいおい、これってもしかして』とか思いますよ」 「……__は?」 「はい?」 「__はどう思ってるの?」 「俺は、マスターの命令でやってるだけですから……」 「そこじゃない」 パチュリーさんのジト目が細くなる。 「私に誘われてどう思ったか、って聞いてるの。あなたの本心以外の発言は『禁止』よ」 つまりはごまかし無しに俺自身の気持ちを言えって事か。……なんとも酷い人だ。 「……俺は嬉しかったですよ。でも正直言って辛くもありますが」 そうは思っても答えるしか無いが。 「どういう意味?」 「ここまで身体が近づいてるのに、俺だけ何も出来ないのは辛すぎます。……本気で発狂するかもしれません」 近づいている、というか密着している。それなのにこの主は『何もするな』と言う。これを生き地獄と言わずして何と言うか。 「……わかったわ、__。性的な意味を持たないのであれば接触を『許可』するわ」 「ありがとうございます……では、失礼します」 枕にしている腕の肘から先を起こし、パチュリーさんの頭を撫でる。……体勢的に辛いのは仕方が無い事だ。 もう枕にしていない方の手はパチュリーさんの背中を撫でていたから。寝間着のすべすべした感触が少し気持ちいい。 ……しかし、上半身をねじったままというのは辛い体勢だ。疲れを知らない使い魔状態だからこそできる技だが、正直二度とこんなポーズを取りたくない。 「……__?」 「はい、何でしょう」 「さっきの言葉、訂正するわ。ただ寝てただけじゃいつもと変わらない。でも、こうやって触れ合うとその途端に温かい気持ちになれる。愛を深め合うためというのも頷けるわ」 目を閉じて呟くパチュリーさんに、俺は微笑む。 「それは良かった。それでは、おやすみなさい」 「あ、ちょっと待って。あなたにお願いがあるの」 また目を開いたパチュリーさんが、俺にお願いを伝えた。……まあ、俺自身も予想はしてたが。 パチュリーさんが熟睡し、時間的には館の主が絶好調な頃。俺達のいる部屋に来客が。 「__さん……パチュリー様……起きてますかー……?」 小悪魔先輩だ。俺達のいるベッドに近づき、俺に向かって呟く。 「__さん、起きてるなら返事してください。……聞こえてるのはわかってるんですよ」 「……ばれてましたか」 小声で答える俺に、先輩はニヤリと笑った。 「……ふっふっふ。__さんさえ起きていればもうこちらのものです。……『__。あなたにかけられた禁止事項を全て解除するわ』」 ……やっぱり。パチュリーさんの声でそう言われ、俺は隣の本人にこう言った。 「……だ、そうですが?マスター」 「あら。そんな事言ったかしら」 むくりと起き上がるパチュリーさんと俺。 「ぱっ、ぱぱーぱぱぱぱーぱぱぱーぱぱぱ」 「ファンファーレの真似なら外でやってください」 「ちが、え、パチュリー様!?」 「あなたが扉を開けた時点で起こすように__に言ってあったのよ。……まったく、私の声色で__を誑かすなんて、ねぇ」 「あ、ちなみに。今の命令は有効にしますか?」 「……ええ、そうね」 両手をパキポキと鳴らしながら、パチュリーさんにもう一度聞く。 「それじゃあ、『先輩には逆らうな』って命令も消えますね」 「ええ、そうなるわ」 「え?あれ?そ、そこって普通『ならあなたを襲っても』とかって……」 「先輩、あなたは黙っててください」 先輩の意見を黙殺し、パチュリーさんに向き直る。 「それでは、マスター。今一度命令を」 「ええ。……目の前の大馬鹿こぁに対し、全力使用を『許可』するわ」 「了解しました。マイマスター」 もう一度先輩の方を向き、ニタリとねちっこい笑みを浮かべる。 「……というわけです。さあ、観念してください、いや。観念しやがれ」 「だ、だから私はただパチュリー様と__さんの仲を……」 慌てて言いつくろう先輩。……それが弁護の言葉になってるとでも? 「さあ、謳いなさい」 その言葉を鍵に、俺の口から唄が紡ぎ出る。 「……私は、ヘルメスの鳥」 「え、あの……」 「私は、自らの羽根を食いちぎり」 「ゆ、許してくださ……」 「……飼い、慣らされる」 俺の持てる力を全力開放し、先輩に射ち込んだ。 「地球の果てまで飛んで行け、この有害指定超弩級淫魔!」 「こぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 放出魔力ならマスタースパークにも劣らない威力を食らい、派手に天井を壊して吹っ飛んで行く先輩。 「……で、__」 「はい?」 「全力開放は許可したけど、私の部屋を壊す事は許可してないわ」 天井に見事に開いた大穴を見ながら言うパチュリーさんに、俺はこう返す。 「だったら、全ての禁止事項を解除した先輩に文句を言ってください」 「まったく、そういう言い訳は……いえ、止めとくわ」 パチュリーさんは言いかけた言葉を止め、俺に抱きついた。 「……あなたのせいで寒くなったじゃない。早く暖めて」 「はい、マスター」 華奢な身体を抱き返す。……理性よ、がんばれ。この体中で感じている柔らかい感触の誘惑に負けるな。 「__、あなたは私が好きかしら?ただし、本心以外の発言は……」 「そんな事されなくても好きだと言えます。ええ、あなたを愛しています」 パチュリーさんの頭を撫でて、そう答えた。 ……一応、先輩に感謝はするべきだろうか?しなくてもいいか。と、そう思った矢先。 俺とパチュリーさんが光に包まれる。……まだ日は昇らないはず。ならば…… 「……こぁね」 「ええ。烏に告げ口したんでしょう。……命令を、マイマスター」 「人の恋路を邪魔した烏と、それを呼びこんだこぁに天罰を『許可』する」 「認識しました。……寒くなりますが、我慢しててください」 す、とパチュリーさんから離れ、俺は自分の開けた穴から飛び立った。阿呆二人に天罰を下すために。 これは余談だが、実は俺が飛び立った直後に館の主がスピア・ザ・グングニルと言う名の馬の後ろ足を撃ち込んでいたらしく、脳天に赤い槍が刺さった二人を簡単に発見する事が出来た。 烏についてはメイド長に引き渡し、盛大に料理と掃除をしてもらっている。小悪魔先輩は……言わずもがな。 そして翌日の夜、俺はパチュリーさん共々館の皆に祝福された。……その時に少々臭みのある鶏肉が出たのは気にしないでおこう。 うpろだ197 ─────────────────────────────────────────────────────────── 彼女は、ぺたりと膝を床にぶつける様、座り込んだ。 両手を自らの体をかき抱くように回しながら。 ――唐突に。 「ゲホっ!?」 激しく咳き込む。 何かを吐き出すように。 内臓がひっくり返っているかのような、 悲鳴のような、咳だった。 発作だ――。 直感で悟った。 喘息の発作が起こった。 気持ちが高揚して、きっとそれが悪かったに違いない、発作が起こった。 止まらない、咳が止まらない。 息をつく暇さえなく、吐き出される息は、パチュリーの胸を締め上げていく。 もうすでに、咳の音はただの音だった。 「パチェ……」 レミリアが俺の横から一歩、足を踏み出した。 心配げに瞳を揺らして、パチュリーの方に歩き出す。 「来ないでっ!!」 それを、パチュリーの悲鳴が無理矢理にとめる。 普段の彼女からは想像もできない大きな声だった。 俺は初めから動けなかった足が、さらに硬くなるのを感じた。 唾液の絡んだ声で、パチュリーは言葉を続ける。 「…ごめんなさい……来ないで…。 優しくしないで……。 ごめんなさい……私、……勘違いしてました……」 搾り出すような声。 間違いなく、彼女の体に悪い。 心配でたまらない。 なのに、足が動かない。 馬鹿の様に俺は突っ立ったままだ。 「ごめんなさい……私が間違っていました…。 ……私が…○○に…………愛されるなんて………… 間違っていました…………っ…」 掠れた声で、パチュリーは謝り続ける。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――――。 声を上げる以外に動きの無かったパチュリーが初めて動きを見せた。 すっ、と。 顔を上げる。 その表情は貼り付けたような笑顔だった。 真っ青な、生きた心地のしない顔で、笑っていた。 「私が……いけませんでした…………。 畏れ多くも……紅魔館の主…レミリア・スカーレット様……」 レミリアが息を呑む。 レミィと言わずに、レミリア様と、言った。 遠回しな、それでも明らかな、拒絶。 「……ごめんなさい…………ごめんなさい…………。 どんな罰でも…………受けます……だから…………」 言葉をそこで切る。 ぼたぼたと、涙が床を濡らしてゆく。 涙で彼女の顔はぐしゃぐしゃになっていた。 それでも、笑顔を貼り付けたまま、パチュリーは言った。 「……○○だけは…………私に……下さい…」 うpろだ200 ─────────────────────────────────────────────────────────── パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺も本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺は飽きたので、席をそっと立つ。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺はしのび足でパチュリーの後ろに回りこむ。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読ん「何読んでるの?」「きゃあ」 腋の下に手を挟み込み、肩にあごを乗せて覗き込みながら言う。 目の前には珍妙な顔をした太陽と月の絵のある本と、 目の横には柔らかい白い頬を赤にしたパチュリーの顔がある。 「あなた、自分の本はどうしたの」 「飽きたので擦り寄りに来ました。で、何読んでるの?」 「錬金術の本よ。で、あなた本はどうしたの。魔法使いになるんじゃなかったの?」 「進歩した科学は魔法と区別がつかないんだ」 言いながら首筋に頬擦りをする。 「理由になってないわ。それとやめなさい」 「いいじゃないか、減るもんじゃなし」 今度は首の下に頭を差し込む。 「髪の毛がちくちくするわ。やめて」 「じゃあ引く」 そう言って頭を先刻まであった場所に戻す。 「ひゃああ」 同時にパチュリーが体をぶるりと震わせる。 「もう。だからやめなさいって。あなたさっきから何がしたいの」 「飽きたので甘えにきました。というわけで遊ぶよろし」 両手を肩に置き、顎をパチュリーの頭の上に乗せて言う。 「わかったわ。噴水と滑り台どっちがお好み?」 「アスレチックの方がいいな」 「そう。それじゃ」 「一人で遊んでいらっしゃい!」 「二人で遊びにいきましょうな」 「木h「いや、それやったら図書館壊れる」 瞬間、パチュリーの動きががくんと止まる。 右手とこっちを交互に見ながら、眉根を寄せて、どうしたものかと考えているらしい。被害については全くの慮外だったようで、どうにもずっと悩んでいる。 「も…もk「だから壊れるって」 このままおろおろするパチュリーを見るのも楽しいが、もう少し楽しいことを考え付いたので実行に移すことにする。 まず、先ほどと同じようにすり足で近づく。 未だパチュリーはうろたえている。 まだ近づく。まだうろたえている。 まだ近づく。少しいぶかしんだようだ。 まだ近づく。怪訝な表情で見ている。 一気に飛びつく。驚いている。 「ちょっとなにするの」 「遊べ」 「遊べじゃ無いでしょ」 「じゃ膝貸して」 抱きしめながら言う。 肩の辺りの肉がぷにぷにしていて、つまむと気持ちいい。 顎でもってぐりぐりとするのもまた楽しい。 「痛い痛い」 「あ、ごめん」 パッと手を離す。 「ひざまくらーひざまくらー」 「わかったわよ。でもどうやるの?」 「うん? 頭を膝の上に乗っけるだけでしょ」 「だからどうやって体を横にするの?」 そういわれてみればそうだ。椅子を並べて寝るのは痛そうではなはだ体に悪そうである。 「じゃベッドで」 「それはだめ」 「なら長椅子」 「ならいいわ」 難なく解決。 しかし更なる問題は、 「ところで長椅子どこ?」 「さあ。私は見かけたことは無いわ」 辺りを見回してみるが、やはり無い。元より椅子に座るような者など殆ど居ないのだから、当然とも言えるか。 「じゃあやっぱりベッドに……」 「私のベッドはだめよ。二人入れるところじゃないわ」 「じゃ俺の寝床」 「あそこも二人も入るところないでしょ」 自慢ではないが俺のベッドの上には本やら被服やら、あるいは実験道具やらが散乱している。メイドらも片してくれればいいのにとは思うが、基本的に部屋の中のことまではやってくれないらしい。いや、そもそもやる気が無いだけかもしれない。 パチュリーの部屋は本の山で、単に手がつけられないというだけのようだ。狭い部屋大量の本を閉じ込めてやったおかげで、紙とインクの臭いが三年閉じっぱなしの集密書庫より凄絶なものになっており、正直な話こっちとしてもあまり入りたくない。 ベッドの使用が不可なので、代替手段を考えなければならない。 床で寝るのは汚いし、絨毯がちくちくするのでアウトだ。木の椅子並べて寝るのも厳しい。 ふと、長椅子のありそうなところを思いつく。 「ああ、あそこなら有ったなあ」 「? どこ?」 「なんて言うんだろう? リビング? テラス?」 「図書館の外じゃないの」 確かに図書館の外である。しかしベッドが駄目なら致し方ない。 「しかもあそこは……リビングね。あそこにあるのは長椅子じゃなくてソファよ」 「それ言い方変えただけじゃないの?」 「あとレミィ居るわよ」 「何か支障でも?」 誰が居ても問題ない。ただ寝るだけである。 膝枕で。 「異論の無しならいざ往かん」 「待ちなさい。レミィに何言われるかわからないわよ」 「それがいいんじゃあないか」 「何が良いのよ!」 俺も分からないがまあいいや、とりあえず行っとこう。 「言う事聞かない子はこうだぞ」 「きゃあ」 否やパチュリーの背中と膝裏に手を添えて持ち上げる。俗に言うお姫様抱っこの形だ。 「待ちなさい。あなたそんなことしたら」 「うお、……腰が……痛い……」 「何やってるのよ……」 「俺はもう……駄目だ……」 ゴポ、と血を噴くような仕草をする。 パチュリーはそんな俺をじっと見下ろして言う。 「ほら、早く立ちなさい」 「ん。抱っこ」 「しないわよ」 すげなく断られる。まあいっか。 立ち上がり馬鹿に大きい扉をやっとのことで開ける。 ……体当たりせにゃ開かん扉なんざ使えねえだろ。 「リビングどっちだっけ?」 「階段上って左」 「階段ドコ?」 「こっちよ」 言うと、とことこと歩いていく。なんだかんだ言っても案外乗り気だ。 しかし、あまり先に進まれるとはぐれかねない。勝手知らない場所ではあるが、この歳で迷子になるのはさすがに恥ずかしい。 「どうしたの?」 「ん。あんま先に行かんのよ」 小走りで追いつき、手を握る。 「?」 「はぐれるでしょ」 「家の中でそんなこと無いわよ」 「まあいいじゃない」 二人でてこてこ歩いて行く。 途中いくらかメイドらに見られていたが、気にしない。 「ここがリビング」 「ずいぶん遠かったなあ」 ここに来るまでにたっぷり10分は歩いたろう。途中2回階段を上り下りした気もするが、ずいぶん複雑な構造なのだろうか。 「これまたでかい扉やのう」 「レミィはこういうの好きだから」 図書館より小振りではあるが、目の前には樫だろう、白い立派な扉がある。ノックし、ノブを回してやはり全体重をかけてドアを押し開く。 「あら、パチェと…。ずいぶん久し振りね」 「そうかしら」 「そうよ。最近図書館に篭りきりじゃない」 「いつものことじゃないの」 二人は随分仲良さそうに話し込む。 一人取り残された俺は寂しいので、パチュリーに抱きつく。 「なにするの」 「いや寂しかったし」 「貴方達、本当仲良いわねえ」 けらけらと笑いながらレミリアが言う。 俺は、その通りと言わんばかりに頬擦りをする。 「もうっ、やめなさい」 「いいじゃないの。睦まじい」 レミリアが言う。 「いいじゃないの」 「良くないわよ」 真似して俺も言ってみる。しかし嫌がられたようなのでしょうがなく離れておく。いくらかパチュリーの表情が曇った気もするが、見間違いだろう。 「それで、どうしたの? 見せつけに来ただけじゃないでしょう?」 「いや、見せつけn「ソファーを借りにきたのよ」 俺の言を阻むようにパチュリーが言う。 「ソファー? いいけど何で?」 「いろいろあるのよ」 「いろいろねえ。いいじゃない、教えてよ」 ほれ、なんぞサポートせい、という目をレミリアがこちらに向ける。面白そうなので乗っかってみることにした。 「話してもいいんじゃない? 図書館に持っていくわけじゃないんだし」 「そうよ。持っていくわけじゃないんだし」 「いえ、持っていくわよ」 パチュリーさんがさらりととんでもないことを言ってくれる。 ソファーは3人掛け位の大きさがある。これを二人で、しかも虚弱児二人で運ぶのは随分と酷だ。 「別に、魔法を使ってもいいし、そこに吸血鬼がいるじゃない」 「え? 私に運ばせるつもりなの?」 「ええ。駄目かしら」 見掛けの所為で忘れていたが、そういえばレミリアお嬢様は吸血鬼だ。吸血鬼といえば怪力の代名詞的存在。高々3人掛け、50Kg程度の代物軽々と運んでしまうだろう。 しかし、 「運ぶのはいいけど、それなら理由教えてよ」 「それはいや」 まあ、そう言うやなあ。普通は。 「あなただって嫌でしょう?」 「別に構わないだろう?」 パチュリーさんいきなり話をこっちに振らないでください。 後お嬢様睨まないでください。 「で、どうなんだ」 いくらか語尾を強めてレミリアが言う。怖い。すごく こうなれば返答は1つ―― 「私は一向に構わんッ!」 「なッ……」 「私も一向に構わんッ!」 「ちょっ……」 いやお嬢様。アンタはそうでしょうよ。 「ほらパチェ、2対1よ」 「早く話してしまいなさい」 二人して言い放つ。あれ、俺何しに来てたんだっけ。 「くっ……」 まあ、たじろぐパチュリーさんかわいいし、どうでもいいか。 「ほら早く!」 「言ってしまいなさい!」 レミリアと俺で声を繋げて畳み掛ける。 「何でそんなに息ぴったりなのよ……」 「仲良しですからな」 「そう、こんなに」 そう言ってレミリアが俺の背中に飛び乗る。 そして俺の腰が砕ける。 「誰か……湿布を……ッ」 「……寝かせてたほうがいいのかしら」 「ほっといてもいいわよ」 心配してくれるレミリアに対して冷たく言い放つパチュリー。俺がいったい何をしたというのだ。 「まあ、パチェも膝枕でもしてやればいいじゃない」 「いいじゃない。もともとそれが目的なんだし」 「なッ――!」 「なんだ、そうだったの」 だからパチュリーさんうろたえすぎ。 「ちょっと! 何で話しちゃうのよ」 「別に。すぐにばれることだし」 主に小悪魔のいいふらしで。ほんに女子はお喋りの好きなことで。 「パチェ早くしてやりなさいよ。ひ・ざ・ま・く・ら」 顔を赤らめるパチュリーに対してこの言動。お嬢様マジ悪魔。 しかし腰が痛い。 「とりあえずソファに横になってていい?」 「ほらパチェ待ちかねてるわよ」 違わないけど違う。 ゆっくりと立ち上がり、腰を曲げたままソファに向かい、横になる。 「早くいってあげなさい」 大外から煽りまくるお嬢様。 応じるように手招きする俺。 見る見るうちに顔を赤くするパチュリー。 「パチェ?」 いつまでも動かないパチュリーに、レミリアが声をかける。 それに応じる気配も無く、うつむくパチュリー。 手招きを続ける俺。 「……」 そのうちに、焦れてきたのかレミリアがゆっくりとパチュリーの後ろに回りこむ。 そして、 「早く行きなさいって」 ぐいっと後ろから持ち上げる。 「ちょっと! レミィ!?」 じたばたするパチュリー。しかしその程度であのお嬢様がどうこうする訳も無く、なんらの支障も無しにソファに運ばれた。 「ほら、早く膝枕してやりなさい」 そう言いながら、パチュリーを俺の頭の上に降ろす。柔らかい幸せが頭を包む。が重い。でも幸せ。 「なにするの!」 「だから早く膝枕してやりなさいって」 「いやそれよりちょっとどいて」 だんだん頭がじんじんしてきたよ俺。 「もう。強引なんだから」 「悪魔だしね」 「どいてってばさ」 早くどかないと噛み付くぞ。 「きゃあ」 「どうしたの?」 「噛み付かないで」 「ふぁやくほいて(早くのいて)」 やばいもう限界だ。 言っていることを理解したのか、レミリアがパチュリーを持ち上げる。 俺はまた載せられては溜らんと、すぐに頭を上げ、ソファにもたれかかる。 「あー、痛かった」 「何で噛み付くのよ」 「だって気づいてくれないんだもん」 しょうがないじゃないのよさ。 しかしあれだ。今パチュリーはソファの淵に座っている。そして俺はソファにもたれかかっている。 これはチャンス。 少し体を起こし、そのまま傾ける。頭はすっと地面に近づき、パチュリーの胸元を過ぎソファの手置きでとまる。 「あらら」 言いながら俺はずりずりと体を後ろに持っていく。少し下がると頭はさらに落ち、パチュリーの膝に留まった。 「寝心地はどう?」 レミリアが聞いてくる。 「なかなかいい感じ」 頭を二三度揺すりながら答える。その間パチュリーがこそばゆそうにしている。 「……なんかくすぐったいわね」 「まあ、人が乗ってるんだし、物が載ってるのとは違うやね」 「慣れれば違ってくるよ」 レミリア貫禄の発言。 「お嬢様も誰ぞに膝枕を?」 「この頃フランが妙にへばりついてきてねえ」 妹様か。色気の無い。しかし面には出さないようにする。 「今何か失礼なこと考えなかったか?」 「ナンノコトカナ」 Damm it! 読心術か! 思わず片言になってしまった。これは少々ヤバいかも知れん。 「レミィ」 パチュリーが唐突に口を開く。 「悪いけど、図書館からいくらか本を持って来てくれないかしら」 「本を忘れるなんて珍しいじゃない。別に構わないけど」 「強引に連れ出されたのよ」 パチュリーが、スイとこちらに視線を移す。しかしその目に、本が無いことの不快感は無い。 「どういう本がいいの?」 「なんでもいいわ。字が書いてあって綴じてあれば」 そう、とだけ言ってレミリアが出て行き、後には二人だけが残された。 レミリアが去った所為で辺りにはしん、とした空気が流れている。どうしたものか、普段膝枕なんてしない/されない二人である。なれない事に口数―ただでさえ大して多くないものなのに―が減るのもまあ当然だろう。 膝枕をされるほうは目を閉じ、しかし所在無さげな風にし、するほうは手の置き場に困ったように両手を彷徨わせている。 そんな状態がいくらも続いた。 ふと、パチュリーが俺の頭を撫で付けてくる。驚いて頭を傾け、右目だけ開けて見てみれば、一瞬驚いたような顔をし、すぐに手を明後日の方へ追いやった。 それを見て傾けていた頭をゆっくり戻し、幾分膝の深い位置に据え直して、撫でろとばかりに揺さ振る。 またいくらかの間が空き、意を決した様にパチュリーの手が再び頭に触れ、頭を上から下に丁寧に撫でてくる。 リビングには二人。誰も何も言わない、しかし居心地のよい静けさが辺りを満たす。その中で俺は自然と眠りに落ちていった。 「レミィ。あなたいつから見ていたの?」 「パチェが撫でようか撫でまいか迷ってるころからかな」 「鍵穴からのぞいていないで早く入ってきなさい」 「いや、珍しいものだったしねえ」 くつくつとレミリアが笑い、それを見たパチュリーが憮然とした表情をする。何のことも無い。頭を撫でて微笑んでいるのをレミリアにのぞかれていたことを恥ずかしがっているのだ。 「あなたにのぞきの趣味があったなんてね」 「いいじゃないか。そっちものぞいてたんだから」 「なッ……!」 瞬間パチュリーの顔が沸騰する。 「のぞき込んで目に触ったり唇撫でたりしちゃって」 全く熱いんだから、とばかりにレミリアが団扇で扇ぐようなしぐさをする。パチュリーも口をパクパクさせて何かを言おうとはするが、なんら声にはならないようだ。 「まあ落ち着きなさいよ」 なんら悪びれた様子も無く笑いながら言う。それを見て、やっと落ち着いてきたパチュリーもため息つきながら言う。 「はぁ……もういいわ」 「そう。ところでパチェ、紅茶飲む?」 言いながらレミリアが辺りを見回す。すると唐突に一人メイドが現れる。 「そうね。もらうわ」 「咲夜。紅茶二人分ね」 メイドは、かしこまりました、と頭を下げてまた忽然と消える。 紅茶が出るまで数分の間が空く。その間にレミリアは寝ている男の顔を突付いたり額を弾いたりし、その都度パチュリーに止められるということをしていた。 不意に、お待たせいたしました、と言ってまたメイドが現れ、紅茶を置いてはまたも即座に消え失せる。 「咲夜が妙に急いでるわね。何かあったのかしら?」 「いつもあんなものだよ」 パチェは図書館から出ないから、と付け足されパチュリーもそんなものかと思う。働き人が図書館に来るのは休みのときだろうに、それでわざわざ急ぐ必要もあるまい。 「まあ、私が本を選ばせた所為もあるかもしれないけど」 前言撤回。 「本? そういえばどんな本を選んだの?」 それを聞いてレミリアが苦笑し、これを見たパチュリーが怪訝な顔をする。 レミリアは思う。何を不思議がっているのだろうこの魔女は、と。あの図書館の本の虫が、本の上で眠り、本を枕にし、寝巻きにもしようかというフリークが本のことをスッパリと忘れているのだ。可笑しくないはずが無い。 詰まるところそれほどまでに入れ込んでいるのだろう、この男に。 レミリアにはそれが面白かった。無論、それに気づいていないこの魔女のことも含めて、だ。 「こういう本だよ」 取り出したのは三冊。料理の本と服の色あわせについての本、それと恋愛小説。どれもメイドらの娯楽用の棚から持ってこられたものだった。 「……これは何?」 「料理と色は咲夜のチョイスだよ」 「そう」 たまにはやれってことなのかしら、とパチュリーが呟き、そうじゃないだろうとレミリアが苦笑する。 「こっちは?」 「それは私の。面白そうでしょう」 眉根をひそめながらパチュリ-がぱらぱらとめくり、面白くなさそうな顔で机の上に置く。 「あまり良さそうじゃないわね」 「そう? まあ、読んでみればいいよ」 言うとレミリアはカップを傾け、さらに言う。 「じゃ、私はちょっと外に出てくるから」 「あらそう。いってらっしゃい」 「うん。それじゃごゆっくり」 後にはまた二人だけが残された。 「おはよう」 「あら、起きたのね」 レミリアが出て行ってから、いくらかして目を開ける。 「どうしたの?」 「いや、なんも」 ………… 「ねえ……」 「なあに?」 「何で耳引っ張ってるのん?」 一瞬きょとんとした顔をし、パチュリーはあわてて手を離す。そんなパチュリーに苦笑しながら俺は手を伸ばした。 「べつにいいんだけどねえ」 言いながら顔をパチュリーの体のほうに入れ替え、手を頬に伸ばす。と、パチュリーの顔がほんのり赤く染まる。それを見て、リンゴみたいだとか、赤くなってばかりで、明日風邪を引いたら俺のせいだろうか、とかとりとめも無いことを考える。 こんなことを考えている間にも、俺の耳はまた盛んに引っ張られ続けている。ぐいぐいと上やら下やら前やら後ろやら引き上げたり押し込んだりとまるでせわしない。 「なあ、パチュリー。楽しい?」 「意外と。あなたはいや?」 「まあいいんだけどな」 言葉を濁すが、正直くすぐったいだけであまり気持ちいいものではない。しかし、頬に触れている手をもう少し伸ばすだけでパチュリーの耳に届く。それほど面白いのなら、自分も試してやろうと、思い切って手を伸ばす。 耳に触れた瞬間、パチュリーの体がびくりと跳ねる。うむ、なかなか面白い。そのまま耳を下に引っ張ると、釣られてパチュリーの顔も下がってくる。 仰向けの体勢をとり、他方の手をパチュリーの首後ろから頭に回し、耳に触れていた手も頭に寄越し、俺とパチュリーは真正面から向かい合う形になる。 そのまま見つめ合う時間が続く... いくらの時間が過ぎたろうか、外は全くの暗がりに変わっていた。その巨大な窓からはゆらゆらゆれる星々とゆらりとたたずむ下弦が見える。 「もうすっかり暗いわね」 「だな。少し外に出てみるか」 パチュリーは足が痺れたか、ふらつきながら歩く。それを支えながら、二人連れ立ち外に出る。外は纏わり付くような熱気とそれを拭い去らんと言う風が拮抗していた。 「ちと暑いな」 ふとぼやく。 「少し肌寒いわ」 パチュリーが呟き、寄ってくる。俺は小さく息を吐き、引き寄せ言う。 「夜は冷える」 パチュリーは、そうねと微笑み体をこちらに預けてくる。 しばらくの間、二人寄り添って過ごす。 「夜も更けてきたし、そろそろ戻りましょうか」 パチュリーが言い出し、俺も同意する。戻るすがらパチュリーが唐突に言い出す。 「ねえ、今度はあなたが枕になって」 「膝枕? いいけど」 パチュリーは一瞬眉間にしわを寄せ続ける。 「ええ、膝枕もいいけど、今日は腕枕にして頂戴」 問い返す。 「今日は?」 「いえ……そうね、今日からお願いするわ」 //おまけ!// 「ねえパチェ」 「なに? レミィ」 「せっかく膝枕しているんだし、耳掃除やってやれば?」 ! 「耳掃除ねえ。そういえば私してあげたこと無いのよね」 「ならやってやればいいわ」 そういってレミリアは、さくやー、と声を上げる。 三度瞬時にメイドが現れ、用事を申し付かればまたかき消え、手に数本の耳かきを持って現れる。 「何でこんなに持ってきたのかしら?」 パチュリーが不思議そうに言う。 「手に合う合わないがあるんだよ」 なるほど、確かに太さも長さもまちまちである。 「じゃあ耳を出して…」 言い終わる前に俺はぐるりと一回転し、ソファから転げ落ちる……前に足を着き逃げようとする。 「逃げられると……思っているのか?」 しかしまわりこまれた! レミリアが羽を広げて、両腕広げて、およそ戦闘体勢で迫ってくる。これではとても逃げられそうに無い。 「っていうか、何で逃げるのかしら」 パチュリーが不思議そうに言う。 「オレは実は耳掃除が苦手だぞオオ!」 「そうか」 いやレミリアさん、人がせっかく叫んだのに一言で流さないでください。 「そう、耳掃除が苦手だったの」 「ん。だからあまりやられたくないのよ」 「んー、まああれだ。ねえパチェ」 「?」 「ええそうね」 二人して何かを企むような笑みを見せる。非常に可愛らしいのだが、同時に非常に不安な気持ちにさせられる。 『これから良くしていけばいいじゃないか/の』 「痛い痛い痛い」 「動かないの!」 「随分痛がってるなあ」 レミリアが紅茶なぞ飲みながら、のんきに言ってくる。 「じたばたしないで! 危ないでしょ」 「――ッ!」 ソファをバンバン叩く。 「パチェは耳かきが下手なんじゃない? そんなに痛がるんなら」 レミリアは依然、面白そうにいってくる。オノレ対岸の火事と思って。 「なら、レミィのほうが上手いって言うの?」 パチュリーは少し不服そうに返す。 「いや、咲夜は上手かったよ。 何も感じないですぐに終わった」 「それ時止めてやっただけじゃないの?」 レミリアが手を打ち、パチュリーがため息をつく。 「あなたねえ……」 「まあいいよ。それよりパチェ、私にも少しやらせてくれない?」 お嬢様やめて。吸血鬼の腕力で間違って突付かれた日には、鼓膜破れるどころの騒ぎじゃすまないやもしれん。 「駄目よ。私の耳だもの」 レミリアが、ぷー、と長い息をつく。 「いいですねえ。おふたりさん」 なんか棒読みですよ。お嬢様。 「はいおしまい。反対側向いて」 言われて俺はごろりと動く。 「うつ伏せにならないで」 「だが断る」 耳痛いからもういい。と、完全拒否体勢に移行する。 「レミィ、ちょっとやってみる?」 「え? いいの?」 パチュリーさん即座に実力行使に出ました。説得も何もなしです。もう怖いからちゃんと反対側向きます。 「最初からそうなさい」 「なんだやらせてくれないのか」 レミリアとパチュリー、双方が不満そうに言う。……不満の意味は違うようだが。 「こっちの耳はどうなってるのかしら……こらやめなさい」 レミリアの脅しには屈した。しかし、そう易々とあきらめる俺ではない。とりあえず顔をパチュリーの体にくっつけて息を吹きかけてみる。 「くすぐったいでしょ。やめなさい」 パチュリーが笑いながら言う。 「面白いことをやってるなあ」 そういいながらレミリアもパチュリーの首元に息を吹きかける。 「もうっレミィいまで。やめてちょうだい」 パチュリーが目端に涙をためながら言ってくる。 それを聞き、さらに攻勢を強める二人。笑いながら身をよじって逃げようとするパチュリー。 遠くでメイドが笑っている。紅魔館は今日も平和である。 うpろだ201 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/touhoukeitai/pages/114.html
パチュリー ぜんそくもちで そとに めったに でないため からだが よわいが たさいな まほうをあつかえる。 タイプ エスパー 特性 トレース 分布 ともしびやま内部 右側エリア2 ともしびやま内部 左側エリア2 ともしびやま内部 右側エリア1 ともしびやま内部 右側エリア3 種族値 HP 40 すばやさ 45 こうげき 35 とくこう 120 ぼうぎょ 30 とくぼう 120 進化系統 ちびパチェLv18でパチュリーLv40でEパチェ レベルアップで覚える技 Lv01 テレポート Lv12 ねんりき Lv15 ひのこ Lv15 あわ Lv22 マッドショット Lv22 リフレクター Lv28 エアカッター Lv34 かえんほうしゃ Lv34 じしん Lv38 めいそう Lv44 サイコキネシス Lv50 トライアタック 覚える技マシン 03 みずのはどう 04 めいそう 06 どくどく 07 あられ 10 チームワーク 11 にほんばれ 13 れいとうビーム 14 ふぶき 15 はかいこうせん 16 ひかりのかべ 17 まもる 18 あまごい 19 ギガドレイン 20 しんぴのまもり 21 やつあたり 22 ソーラービーム 24 10まんボルト 25 かみなり 26 じしん 27 おんがえし 29 サイコキネシス 30 シャドーボール 32 かげぶんしん 33 リフレクター 34 でんげきは 35 かえんほうしゃ 36 ヘドロばくだん 37 すなあらし 38 だいもんじ 43 ひみつのちから 44 ねむる 45 れいげき 48 スキルスワップ 49 よめしゅぎょう 50 オーバーヒート 覚える秘伝マシン 05 フラッシュ 倒すと獲得できる努力値 とくこう +2 育成例
https://w.atwiki.jp/xboxcodsearch/pages/84.html
チーム名 もずく Qch4n(きゅーちゃん)代表者 aFomalutan(うーたん) circ1e(さーくる) QuFr4(くふら) R mayonnaise(ゴンザレス) R mustard(ますたーど様) だっしゅさん毎回楽しい大会ありがとうございます! 今回も頑張ってください!! -- (名無しさん) 2014-11-01 03 16 00 登録方法につきまして、上記に追加させていただきます。 -- (運営長 ダッシュ) 2014-11-04 21 57 42 チーム名 MfC (えむえふしー) Draco Malfoy 20 (まるふぉい)代表者 Alfin Feather (あるふぃん) CR4TS (くらっつ) L e 1 c a X (れいか) v Coffee t1me v (こーひー) REIBLICKE (れいぶりっく) 大会主催ありがとうございます 頑張ってください(๑◔‿◔๑) -- (名無しさん) 2014-11-06 00 09 39 チーム名:漆黒の翼 M o 4 t(もあっと):代表者 Annmichel(キャプテンチキン) Lisl3eth(漆黒の堕天使) Lequish(漬物) g13math(しんぺー) よろしくおねがいします。 運営ありがとうございます。 -- (名無しさん) 2014-11-06 00 18 01 クラン名 5RuN (ごりらん) kafka xx (ごりら1) 代表者 A SuuSan N (ゴリラ10 テン) Cher1o (ゴリラ8 エイト) zZZexx (ごリら0 丸) x SunsetBeach x (ゴリラ23 にーさん) うほー!うほっうほっ!うほうほうほー!(大会運営、本当にありがとうございます。5RuNと申します。よろしくお願いします) -- (名無しさん) 2014-11-06 23 19 40 クラン名 同好会 FeL1Sia(みさと)代表者 Dr HORUMON(ホルモン公爵) R1de of UnicorN(角馬) Raineey(雨男) SHoHeiPLS(しょうへいへい) Livgardet(瀬戸の花嫁) K1key Houk1(ほう金時) RiP Amuse(本田ニキ) 登録遅くなりましたが よろしくお願いします! -- (名無しさん) 2014-11-16 23 49 24
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/595.html
パチュリー1 1スレ目 18 君がいてくれるのなら、なんだって出来る。 絶対に寂しい思いなんてさせない。 喘息だって治してあげられる。 だから・・・だからパチュリー、目を開けてくれよ。 お願いだからもう一度、笑顔を見せてくれよ。 生きていた頃の君に、逢いたいよ・・・。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 260 既に日の暮れた紅魔館の中の図書館に俺はまだ居た。 俺の仕事というものがまだ終わってなかった為だ。 普通な役職の俺の主な仕事といえば、図書整理と、この中の警備の二つ。 前者は本当に時間がかかるし、後者はどこかの白黒の魔法使いが来たら、色々な 覚悟を決めなければならない事が欠点だ。 だが、そんな仕事にもいい事というのは存在するものだ。 「…仕事は終わったの?」 「あぁ、パチュリーさん。まだ終わってませんから、先に戻ってくれても構いませんよ」 この図書館の主、パチュリー=ノーレッジが、そのいい事の大半を占めている。 貴重な本を貸してくれたり、普通では手に入らない本なんて見せてもらうのも珍しくない。 それよりも俺にとっては、パチュリーさんに出会えることが一番の喜びだった。 「ダメ。私は最後まで残って、鍵を閉めなきゃならないから」 「でも、遅くなりますよ?」 「待ってるから、さっさと終わらせて」 と彼女はイスに腰掛けて、本を読み始めた。 待っていると言ったから、多分俺の仕事が終わるまでずっとここで本を読んでいるつもりだろう。 「分かりました。じゃあ行ってきます」 ……… 約一時間かかって、管理カードを書き終えて俺は戻ってきた。 白黒の持っていった本に時間がかかったという理由なのは内緒だ。 「パチュリーさん、終わりました…よ?」 「すぅ…すぅ…」 俺を待っている間、どうやら本も読み終わったらしく、パチュリーさんは眠っていた。 それにしても、身体が細くて白い。ちゃんと栄養は取っているのだろうか? いや、それよりもこの後をどうするかだ。このまま放っておくのも夢見が悪いけど、何の許可もなしに 身体に触るのもなぁ…。こういう時の頼みの小悪魔の娘も居ないし… 「仕方ないか…」 悪いとは思ったがパチュリーさんを背負う。思ったとおり彼女の身体は軽かった。 やっぱり栄養を取ったり、運動したりした方がいいよなぁ… ようやく辿り着いた時に、パチュリーさんは目を覚ました。 「ここ、は?」 「パチュリーさんの寝室ですよ」 背から降ろしてしばらく支えてやる。初めはフラフラと危なげだが何とか普通に立つ。 「それじゃ鍵は俺が閉めますから、お休みなさい」 鍵置き場から鍵を回収して部屋から出ようとすると、いきなりパチュリーさんに袖を 握られた。 そこからは、もう既にスローモーションだった。 パチュリーさんの唇が近づいてきて、俺の唇にそっと触れた。 それがキスだという事を理解するのに、二、三分はかかった気がするが、多分普通の時間的に言えば 数秒なんだろう。 「お休み…」 最後に顔の赤いパチュリーさんを見てから、俺は――さっさと部屋を出て行った。 図書館を出て鍵をかけて自分の部屋に戻ってから、まだ唇にあの感触が残っていた気がした。 やっぱり…これは、そういう意味なんだろうか? あれ以来、どうもパチュリーさんと一緒にいると気恥ずかしくなってしまった。 考えてみれば俺って、女の人にキスされた事なんてないんだよな…。 いや、ファーストキスなんてロマンチックに言う気はないけど…どうも、しっくりこない。 もしもパチュリーさんが寝ぼけててキスしたなんて言ったら、それはそれで悲しいけど。 「あ…そこ、間違ってますよ」 「…あ、すいません」 どうやらずっと考え事をしていたためか、手元の管理カードの記入にミスをしてしまっていたらしい。 小悪魔の娘に謝ってから、記入を訂正する。それほど大きなミスではないが、失敗には違いない。 「どうしたんですか?今日もボーっとしてますね」 「いや、ちょっと寝不足で…」 あながち間違ってはいない。 あの日以来、夜はずっとあの時の事を考えて、最近の寝る時刻といえば、前寝ていた時間の半分くらいだ。 「もしかして、パチュリー様と何かありましたか?」 「…!いえ、別に何にも無いですよ!?」 何やってるんだ俺。あからさますぎてバレバレだ。 俺のその様子に、小悪魔の娘はくすりと笑い、 「パチュリー様は魔理沙さんとあなたが来てからお変わりになりました。 魔理沙さんとは良い友人として、あなたに対しては――」 とそこで言葉を切る。 「…俺に、対しては?」 「恐らく、あなたが考えている事と同じだと思いますよ?」 俺が考えている事って…。いや、そんな事があるはずがないよな…。 「…それでは、頑張って下さいね」 それだけ言って、小悪魔の娘は次の仕事に移ろうとしていた。 「…待ってくれ」 俺の言葉に小悪魔の娘は振り返る。 今、彼女に対してどうしても言わなければならない事があった。 「何ですか?」 「…ありがとう、これで少しは勇気が出た」 彼女は先ほどと同じような笑みを浮かべて 「いえいえ、パチュリー様が幸せなら、いいんですよ」 それはまるで、娘を嫁に出す母親のような言葉だった。 俺の方は昨日の小悪魔の娘の言葉で、今日告白する覚悟はできた。 しかし俺は全くといって良いほど、他の可能性を失念していた。 「…どうして、今日に限ってパチュリーさんが休みなんだよ!」 「あの、図書館ではお静かに…」 「あ、すいません…」 そう今日はパチュリーさんは体調を崩してお休みなのだ。 それもかなり心配なのだが、俺がこのテンションを保つのも無理が出てきた。 昨日のままなら、まだそのままの勢いで告白できると思っていたのだが、今になって 不安が出てきた。 「…はぁ」 「やっぱりパチュリー様が居ないと作業がはかどりませんね」 俺の方を見ながら言う小悪魔の娘。 どうせ俺はパチュリーさんが居ないとやる気が出ない男さ…。 「仕方ないですし、今日はもう終わりにしましょう。あなたも面会したいでしょう?」 「あ、まぁ…」 …本当は心配でしょうがない。体調が悪いのはいつもの事だけど、俺の方もいっぱいいっぱいなのだ。 できる事なら、スパッと事を進めたい。 「…ちゃんと行ってきて下さいね」 「はいよ」 …やっぱり、何か持ってくべきだよな。しかし俺が持ってるものでパチュリーさんが 喜びそうな物なんて無いんだけどな…。 そう考えながら、俺は紅魔館の中庭に足を運んでいた。 『えっと、パチュリー様のお見舞い?じゃあ、これとか持っていってね』 初めに、服装やら何やらが中国っぽい門番にそう言われて花束を渡された。 『パチュリー様のお食事、持っていってあげてね』 その花束を持ちながら紅魔館と図書館を繋いでいる廊下近くを歩いていると いきなりメイド長に止められて、お盆とお粥まで持たされた。 …何で俺がパチュリーさんのところに行くって分かってるんだ? いや、まぁ仕事とかで一緒にいることが多いけどさ…。今日、休みだってみんな知ってるだろうか? 『果物とかも持っていってあげなさい』 最後にこの館では昼間、出会う事がほとんどありえないお嬢様と遭遇して、そんな事まで言われた。 それだけ持たされた俺の腕はほとんど機能停止寸前だったが 果物と花束を一緒に袋に詰めて、お粥を片手で持つという荒業で何とかなった。 しかし、この作戦には重大な欠点がある。 彼女の寝室に辿り着いた時、目の前のドアを開けられなかった。 「…どうしよう」 「はい、どうぞ」 救いの女神は案外近くにいた。いや正確には彼女は小悪魔だが。 とりあえず彼女に感謝しながら、俺は部屋の中に入った。 気を利かせたのか小悪魔の娘は鍵を取っていった。どうやらもう閉館予定らしい。 「ありがとう」 「いえいえ、どういたしまして」 いつもの笑顔で、小悪魔の少女は微笑んだ。 寝室で彼女――パチュリー=ノーレッジは規則正しい寝息を立てていた。 どうやら症状は安定しているらしい。 「…う…ん」 「起きましたか?」 「…何で、あなたがここに…?」 寝ぼけながら身体を起こすパチュリーさん。 「お見舞いですが、迷惑でしたか?」 「そんな事……ないけど…」 このまま行くと、気まずさが更に上がる気がして俺は慌てて話題を振った。 「こ、これ門番の人から花束です。あと、こっちはお嬢様から果物です」 「レミィ…から?」 何とも意外そうに声を上げる。お嬢様もあまり果物なんてあげないようだ。 「後はご飯ですけど…食べれますか?」 「…ちょっと今の状態じゃ、普通に食べるのは辛いかもしれないわ」 「そうですか…温かいうちが美味しいと思うんですけどね」 「……て」 とても小さな声で、パチュリーさんは何事かを呟く。 「はい?」 「た、食べさせて」 上目遣いに頬を染めながらそんな事を言う彼女に対して、その時の俺は ちょっぴり、くらっときてしまった訳で… 「え、と…じゃ、あーんして下さい」 食べさせてもらう方と、やっている方どっちが恥ずかしいんだろう?とそんな無駄な事を 考えながら俺は高鳴る鼓動を押さえていた。 「…あーん」 おずおずと小さな口を開いて、レンゲを口に入れる。 「どうですか?」 「……おいしい」 そりゃメイド長特製ですから、と言おうとして言いとどまる。 何となく言いたくなかった。理由らしい理由は、分からないけど。 結局、彼女はお粥を全部食べ終わってしまった。 しかし流石にあーんというシチュエーションは初めてだった。 やってみると死ぬほど恥ずかしい。 「…それじゃ、果物を剥きましょうか」 「レミィからの林檎ね…」 魔女が持つ林檎は毒林檎という相場が決まっているけど、パチュリーさんじゃ 適用され無さそうだな…。 「はい、じゃあ剥きますよ」 慣れているわけじゃないけど、ここにきて最初の方に叩き込まれた技能に皮むきはあった。 「……あーん」 これは、また食べさせろと? いや、死ぬほど恥ずかしいだけで、それ以外は別に問題ない。 むしろ、率先してやらせてもらいたい。 「はい、あーんです」 …そんな独特で甘い空気がしばらく流れた。 「……さて、本題に入りましょうか」 その後、しばらく本や白黒への対策など他愛のない話で盛り上がり、俺は決心した。 「私もあなたに、伝えなければならない事があるの」 まさか彼女にも重大な話があるのか? 「…別に良いですけど、急ぎのお話ですか?」 「いえ、他愛のない話だから、あなたの後で良いわ」 他愛のない話、か。じゃあ多分、大丈夫だろう。 「…えと、それじゃ一回しか言いませんから、よく聞いてください」 よく深呼吸して、呼吸を整える。今なら普通に言える、そんな気がした。 「パチュリーさん、俺、あなたが好きです」 「……そう」 「…返事は――」 「いいわよ」 「そう、ですか…やっぱり…って……はい?」 「いいって言ったのだけど」 …いい、って事はこれはOKって事だよな? 「…お、俺の用事はこれで終わりです!パチュリーさんの用事って何ですか!?」 慌てて言う俺に対して、パチュリーさんは赤い顔で俯きながら 「…あなたが大事だって分かったの。だから一生、私と居て、下さい――」 俺は、その日陰に生きる本の少女を急に愛しくなって、抱き寄せた。 「…ははっ、喜んで…パチュリー」 嬉しい時の涙という物を、俺は初めて流した気がした。 その日の俺はまさしく、人生最良の日だった。 蛇足―― これは彼が彼女に対して告白した後のお話である。 「…お嬢様、あの行動に関してなのですが」 「あぁ、咲夜の言いたい事は分かっているわよ。どうして異種族同士の恋愛を助長するような事を したのかって事でしょう?」 この館の主であるレミリア=スカーレットは紅茶を飲みながらカーテンを開く。 まだ空は完全に夕闇に染まっていない。微かに出ている月を見て 「だって友人の恋愛を応援しないものなんて居ないでしょう?」 それはそうですが、と言おうとする。咲夜の口を押さえて 「彼とパチェは寿命が違いすぎるの、きっと彼はパチェを置いてこの世を去るでしょうね」 …友人には幸せになってもらいたい。 だからこそレミリアは彼に対して、少しだけ力を使ったのだ。 パチュリーが彼を思っていることは前々から知っていた。滅多に人間の話題を出さないパチュリーは 彼の話が出てくるたびに、どことなく嬉しそうに話す。 あぁパチェは彼に恋をしているんだな、と感覚的に悟った。 たとえ非業の死が二人を別っても、愛の絆は永遠にその心の糸を結び続けるだろう。 「それで咲夜、お願いなんだけど、あの役をやってくれないかしら?」 「いえ、それはお嬢様がやるべきでしょう。二人を繋ぐ紅い糸を、作り出した張本人なのですから」 「ダメよ。私は真剣な場で何を言うか分からないもの」 「多分、大丈夫だと思いますよ。あの場では」 結婚式の場というのは、新郎と花嫁が主役だ。 そして、その愛を壊すものは誰一人としていない。 誰もが祝福をしにその場所に集まるのだから―― 「これより、行われる誓いは神の前において嘘偽りなく、 己が心に正直に答える事。よろしいかしら?」 「はい」 「はい…」 式場の中は明るく、それでいて厳かな雰囲気に包まれていた。 神父の役をやっているお嬢様は淡々と聖句を読み上げるが時折、パチュリーに 優しそうな笑顔を覗かせる。 「新郎、――。汝、健やかなる時も病める時も、新婦パチュリーに生涯、永遠の愛を誓うか?」 「誓います」 こうなる事を俺は望んでいた。 そう彼女と一緒に人生を歩む事を… 「では、新婦パチュリー。汝、健やかなる時も病める時も如何なる時も新郎――を愛する事を 誓うか?」 パチュリーはその聖句を聞きながら俺の方を一瞬見た。 「……誓います」 してやったり、といった表情を見せながらお嬢様――神父は言った。 「では、誓いの口付けを…」 「…パチュリー」 俺はパチュリーのヴェールを持ち上げる。練習とかで何度もやったはずなのに どうも、みんなの前でやるその時だけは妙な気恥ずかしさに襲われた。 唇が触れた時、俺はみんなが騒がしくなるのを肌で感じていた。 口で騒いでいるわけじゃない、心が騒いでいるんだ。 「…ありがとう」 教会――と言っても実際は大きな外部屋を改修したものだが――から出ると 大きな歓声に包まれた。この声はすべて祝福のものなのかと思うと、心地よく感じる。 太陽の光が苦手だといった彼女も、今回だけは特別なのか 眩しそうに目を細めるだけでいるだけだった。 「…神社とかでやってくれると嬉しかったんだけどねえ」 紅白の巫女が唇を尖らせていた。 「まぁまぁ、普通に祝福してやれよ。目出度い席なんだからさ」 と白黒の魔法使いが諌めるように巫女の肩に手を置く。 「おめでとうございます。――さん」 いつの間にか小悪魔の娘が近くまで来ていた。 思えばこの娘のおかげで、俺はこうなったのかもしれない。 「…ありがとう。キミのおかげで俺はこうなる事が出来た」 「いえいえ、私はちょっと後押ししただけですよ。だから、こうなったのはあなた自身のおかげです」 「…それでも、ありがとう」 俺の言葉に小悪魔の娘は「どういたしまして」と言い残して、祝福する声の渦に入っていった。 「…さぁてパチェ、そろそろブーケを投げなさい」 神父の役をしていたお嬢様もいつの間にか着替えて、ブーケが投げられるのを今か今かと 待っていた。 見ると、他の女性達もそれを待っているのか妙にそわそわしている。 「パチュリー」 「…えぇ」 上空高くブーケは投げられた。 そのブーケは弧を描き―― End 如何でしたでしょうか? これは誤字とか加筆修正を加えたものであり、あんまり内容は変わっていません。 ちなみに結婚式を、つい最近になって見てきたのは内緒です。 とりあえず、俺×パチェのSSはこれでお終いです ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 346 351-353 「よっと、邪魔するぜ」 そう言って入ってきたのは、魔理沙だった このヴワル図書館の常連者でもあり……そして本泥棒だ 「お、○○じゃないか」 「魔理沙、今日は勝手に本を持って行くなよ。 ……あとでパチュリーさんに怒られるのは俺なんだから」 「おいおい、それじゃまるで私がここに来るたびに本を取っていくような言い草じゃないか それにだ。私は本を借りているだけだぜ?」 ――未だに返しに来るところを見たことないけどね。 と、まぁ言ってもしょうがないので心の内に閉まっておく。 「それにだ、今日はパチュリーにちょっと用があってな。 本を借りに来たわけじゃない」 「パチュリーさんに?」 「ああ。というわけだ、パチュリーがどこに居るか知らないか?」 「パチュリーさんなら…えーと―――」 俺はパチュリーさんの大体の居場所を魔理沙に伝える。 「サンキュ。助かったぜ」 そして、手に持った箒に跨り―― 「そうだ。今度、また外の世界の話、聞かせてもらうぜ。 じゃあな!」 白黒の魔砲使いは俺の視界から消えていった。 私が本を読んでいると、遠くから騒がしい音が聞こえてきた。 この飛行音、おそらくは魔理沙だろう。 そして、間もないうちに白黒の魔砲使いが姿を現した。 「よぅ、パチュリー」 上空から聞こえてくる声。 「何? 今日もまた何か持っていくつもり?」 「おいおい…どうしてお前も○○も第一声がそれなんだ?」 「常習犯だからに決まっているからじゃないの」 「私は泥棒か何かか?」 「泥棒じゃないの、それもとびっきりの」 「酷い言われようだぜ」 「で、今日は何の用?」 その後、魔理沙と取り留めのない会話をする。 最近の出来事、取り留めのないこと、その他色々… しかし、どことなく違和感を感じる。 「…というわけなんだが…… どうかしたか?」 どうやら思考が顔に出ていたらしい。 ただ、向こう側から問いかけてくるのであれば、ここは流れに乗させてもらうことにした。 「魔理沙…あなた、何か隠していない?」 きょとん、とする魔理沙。 「何かって…別になんにも隠していないぜ?」 「そうかしら。さっきまでの会話、何か違和感を感じたわ ――そうね。一番聴きたい事を中々繰り出せない。 と、言ったところかしら?」 「――――」 沈黙が訪れる。 「やっぱ、分かるか?」 「私は知識と日陰の少女、パチュリー・ノーレッジよ。 私が持つ知識の中には読心術の心得もあるわ」 魔理沙は観念したかのようにため息をつき―― 「その、だな… ○○ってさ、誰か…誰か好きなヤツって……いるのか?」 息が詰まる。 今、魔理沙はなんて言ったの? 「いや、いざ本人にそれを聞くのは…ちょっと、な。 で、パチュリーなら、もしかしたら知っているんじゃないかと思ってな……」 「………け…ゃない」 「…? パチュリー?」 「いくら私でも、他人の好いている人が分かるわけないじゃない!」 「!?」 本当に自分が出したのだろうかと疑いたくなるような、大きな声。 こんなに大きな声を出したのは生まれて初めてかもしれない。 「ど、どうしたんだ、パチュリー… そんな大きな声を出して……」 「え、あ…ごめんなさい。魔理沙が変なことを聞いてくるから…つい」 「…そうか」 多分。いや、絶対。魔理沙は○○のことを―― 「その…○○だけど……」 だから私はあえて聞くことにした。 「好きなの? 魔理沙」 魔理沙の本心を。 「ああ――好きだぜ」 その後、話すことがなくなったので魔理沙は帰っていった。 そして幻想郷の夜が訪れる。 私は自分のベッドに腰をかけて、昼間のことを思い返す。 魔理沙が――○○のことを好き。 実はそのことは薄々感づいていた。 最近、魔理沙と会話するとき、大抵○○のことが話題に上がってくる。 その時の魔理沙の顔は、意気揚々としていたのに気が付いた。 だが、そのことに気がついたもの、ある一つの理由から。 だって、私も――― 「あの人の事が―――好きだから」 ある日、俺はパチュリーさんに呼び出された。 やっぱまたお咎め…か? というか、それ以外特に理由が浮かばないが… まぁ、なんにせよ。行けば分かるということだ。 数分後、パチュリーさんの部屋の前に立つ。 (さて…鬼が出るか、蛇が出るか。答えはこの扉の向こう――か) 意を決して、ドアをノックする。 「パチュリーさん、○○です」 「いいわ、入ってきなさい」 「…失礼します」 ドアを開け、部屋に入る。 そして、テーブルに備え付けられた椅子に腰掛けるパチュリーさんを見る。 「それで…なんのようですか?」 「そんなに急かさなくてもいいわ。…とりあえずこちらに来て腰掛けなさい」 「はぁ…」 意図がつかめないが… とりあえず、言われたとおり向かい側の椅子に腰掛ける。 「今回あなたを呼んだのは…そうね。少し話をしようと思って、ね」 「話…ですか」 珍しいこともあるものだ。パチュリーさんから話の誘いがあるなんて。 …まぁ、パチュリーさんと話す機会自体珍しいので、俺としてはうれしい限り。だが―― 「しかし、なんでまた」 当然の疑問といえば当然というべきか。 「特に理由なんてないわ。ただ、あなたと話がしたかった。それだけよ」 だが、彼女から帰って来た言葉はアッサリとしたものだった。 ――俺は、夢でも見ているのか? そう思いたくなるような返答。 つまりは普段からは到底考えられない理由ということだ。 「その前に…」 パチュリーさんは、テーブルに置いてあるポットを手に取り、カップに紅茶を注いでゆく。 「あ、それぐらい、自分が」 「いいのよ。たまには自分でやるのも面白いものだわ」 これまた普段の彼女からは想像出来ない行動であった。 普段なら小悪魔さんか、俺がいれるのだが…自分でやるなんてことがあっただろうか。 「はい、どうぞ」 「あ、はい。頂きます」 カップが手渡される。 それを手に取り、一つ軽い礼をして紅茶を一気に飲み干す。 「相変わらず、一口で飲み干すのね」 「あ、はい……。癖みたいなものなので……すいません」 「いいのよ。飲み方なんて人それぞれだわ。 礼儀に沿った飲み方をする人もいれば、貴方のように自分の飲み方をする人もいるもの」 「そう…ですね …ところで、話って、一体なんですか?」 「ん…そのことなんだけど 貴方、何か違和感を感じない?」 「違和感…ですか?」 別に何も感じない、と言おうとした矢先、体に異変が起きていくのを感じた。 「な…っ!?」 あ。コレは、なんかマズイ。 凄い、嫌な予感がする―――。 「ふふ…先ほど貴方に飲ませた紅茶。実はとある魔薬を含んでいてね? ふふふ……」 パチュリーさんの、目が、怪しく耀く。 「――お休みなさい。 ○○」 「パチュ―――――」 言葉を言い終えることなく――俺の精神は深遠の底へと沈んでいった。 「ふふふふふ……」 目の前には、私の薬で倒れたあの人が居た。 安らかに、まるで寝ているかのようにうつ伏せている。 「でも、もう目覚めることは――」 そう。この人は目覚めることは、もう、ない。 魔理沙が○○のことを好きと聞いてから、 私はあることを考え始めた。 この人を私のものにしたい。 この人を私だけのものにしたい。 この人を誰にも渡したくない。 この人を魔理沙に渡したくない。 この人を魔理沙にだけは渡したくない。 そして、これが私の結論。 私の部屋に閉じ込めて、私だけのものにする。 貴方の顔も、躰も、手も足も。 全て私だけのもの。 何も語ってくれないけれど――それでも 「貴方は、私だけのモノよ……」 「よぅ、パチュリー」 「…あら、魔理沙」 図書館で本を読んでいると魔理沙がやってきた。 「相変わらずな生活を送っているな。たまには外に出てきたらどうだ?」 「そんなの、私の勝手でしょう?」 「ま、それもそうだな… おお、そうだ。最近○○見かけないんだけど、知らないか?」 私は心の奥底でほくそ笑んだ。 普通であれば、何も知らないフリをするか、嘘を付けばいいのだろうけど―― 「○○なら私の部屋で寝いているわ――」 あえて私は本当の事を言う。 「―――永遠にね」 「なっ――――」 驚愕する魔理沙。 「あの人は、私だけのもの―――誰にも、特に、魔理沙だけには渡さないわ」 静まり返る図書館。 完全無音が世界を支配し、時が止まる。 そして、やはりというべきか。静寂の世界の針を動かしたのは魔理沙だった。 「それは、どういう意味だ。パチュリー」 「言葉通りよ。彼は私の部屋で寝ているわ。 しかも、ただの睡眠ではなく、私の造った魔薬によって永遠に目覚めることのない眠りに付いているわ」 その台詞に魔理沙は反応して、私の襟元を掴む。 「どういうことなんだよ、パチュリー!?」 「どういうことも…魔理沙。貴女○○の事が好きなんでしょう? 私は○○を魔理沙に取られるのが嫌だった。 だから――こうしたのよ」 流石に魔理沙も気が付いたらしく、ハッとする。 「パチュリー…まさか、お前」 「そうよ。――私も○○の事が好きだもの! だから私は彼を私だけのものにするためにこうしたの! 他の誰にも取られないようにするため! 魔理沙に○○を取られないようにするために!!」 「この……バカッ!!」 「そうよ! 馬鹿みたいでしょ!? でも、あの人の事が好きで好きで好きで好きでしょうがないのよ!」 「だったら、直接想いを伝えればいいじゃないか!!」 「しようと思ったこともあった! でも、怖かったのよ! 振られるの怖くて!」 「っ…この大馬鹿パチュリーッ!!」 瞬間、弾ける様な音が鳴ると同時に、私の頬に痛みが生じた。 魔理沙が、叩いたのだ。 「この、大馬鹿…! コレはアイツのとの約束だから言うつもりはなかったけど、 もうガマンできない!!」 「アイツはなぁ!!」 「―――嘘」 私は言ってやった。 アイツとの約束だから絶対言う事はないと思ったけど、 この馬鹿を説得するにはこれしかないと思った。 「本当だ。――この前聞いた。嘘なんかじゃない」 「…っ!」 パチュリーはこの場を離れ、自分の部屋へと飛んでいった。 「はぁ…悪いな、パチュリー。叩いちまって」 自分の手を見る。 かなり思いっきり引っ叩いたので、かなりヒリヒリする。 「…わりぃ、○○。約束、破っちまった」 それは数日前のこと。 私は○○に告白した。だが―― 「悪い、魔理沙。気持ちはうれしいけど。――俺には、好きな人がいるんだ」 と、あっけなく振られてしまった。 で、その好きな相手というのが 「俺は、パチュリーさんが――いや、パチュリーが好きなんだ。 ただ――正直向こうがどう思っているのか怖くて…… だから、いつか俺自身がパチュリーに告白するときまで この事は魔理沙の胸の内に秘めておいてくれないか?」 とのことで。 「つまりは、まぁ。両想いだったって訳だ」 とんだすれ違いや、恋に臆病な二人が起こした小さな騒動。 「ま、親友として二人を祝福するぜ」 そうして魔理沙は図書館を後にした。 ――一筋の雫を頬に流しながら。 深遠の闇が広がる世界。一切の光が存在しない世界。 俺はここにいた。 ふわふわと浮いているような感覚。 体を動かそうにもまるで動く気配が無い。 そこには、ただ薄れた意識だけが存在していた。 「……!!」 ――声が聞こえた。 懐かしい声。久しぶりに聞いたような気がする。 それと同時に、闇の中に一粒の光が生じた。 俺はそこに向かって意識を飛ばす。 「…! ……!!」 より一層光が大きくなった。 声も先程より良く聞こえるようになった。 この声は――ああ。 「お……い! ……て!!」 再び大きくなる光。先程と同じく。より聞こえるようになった声。 俺の、愛しい人の声。 その、愛しい人の名は――― 「お願い…! 起きてっ……!」 ――その瞬間、世界が光で包まれた。 「……パチュリー」 そこには――愛しい人の涙に濡れた笑顔があった。 私は紅魔館の廊下を歩いていた。 あの人が呼び出してくれた場所に向かうため。 あの後、私は安堵心からそのまま寝てしまった。 寝顔を見られたのは少々恥ずかしいが、○○が目覚めてくれて本当に嬉しかった。 あの薬は対象者を永遠の眠り――とは言っても、別に死ぬというわけではなく、 永遠に睡眠させる薬、といったものである。 外の世界の言葉を使うならば――植物人間、と言う言葉が一番近いかしら。 ともかく、本来なら目覚めることは絶対ない筈なのだが。 「奇跡……とでもいうのかしらね」 普段なら使わないであろう言葉。 だが、こんな事が起きたのであれば、それはもう奇跡と呼ぶしかないだろう。 そして―― 「お待たせ」 あの人の所へ辿り着いた。 「パチュリーさん」 優しく微笑みかけてくれる。 「それで、話って、何かしら?」 「えー、っと、その。ゴホン」 私の大切な人。 「俺は、パチュリーさん……いや、パチュリー。 ――俺は、君が好きだ。君と共に一生を歩んで行きたい。 もしよかったら、俺と付き合って…くれないか?」 「―――よろこんで、お受けいたします…」 fin えー無意味に長くなってしまいました。 結果的には『自分×パチェ』になりました。 なんかキャラが崩壊している気が…いろんな意味でごめんなさい ちょっと纏まっていない感じがする。 大抵の流れからすると「眠る=死」なんだけど、魔理沙は何故か気が付いていた模様 そこら辺は目を瞑っていただきたいorz ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 429-430 427を受けて 「貴方と一緒に生きることが、得られる筈の知識をどれほど失わせるか解る?」 「確かに君にとっては、俺はそんなものかもしれない。 だが俺は、通り一遍等の知識では到底得られないものをお前に与えてやることが出来る。 俺の今までの、そして残りの人生全てをかけて誓ってもいい。 俺は、誰よりもお前を幸せにしてやれる。どんな知識よりも尊いものをお前に経験させてやる。 絶対に後悔はさせない。だから俺と…」 しつこく食い下がる俺。俺の気持ちは、想いは、そんな一言で泡となり消えてしまうようなものじゃない。 それを感じ取ったのか、先刻までの無関心、無感情な顔をあらぬ方向へそむけるパチェ。 その表情は気のせいか、少し悲しげにも見える。 「どうしてそんなに…」 「どうして?決まってる。お前が好きだからだ。愛しいからだ。何よりも大切で、誰よりも愛してるからだ。 君のニ百年の知識がどれほどかは分からないが、俺のこの想いが劣るとは思わない」 俺が想いを放つ度に、その体躯を震わせるパチュリー。顔は完全に下を向き、表情はこちらからは見えない。 言葉を噛み締めているのだろうか、膝の上に置かれている手の、震えが、徐々に、強く、なって、いって――― その、手の上に、一滴の、涙が、零れた――――――― 長い、その長い長い沈黙は、永遠にも、一瞬にも感じられ、 さながら、罪を告白するかのように、パチュリーが言葉を紡いだ。 「………百年前、幻想郷はとても賑やかだった。沢山の妖怪や幽霊達。……それと、幾人かの人間。 紅白の巫女、白黒の魔法使い、この館のメイド長、だった、人。 毎日賑やかで騒がしかったけど、不快ではなかった。 でも、その日々は有限だった。 みんな、先に逝ってしまったわ。でもそれも当たり前、人間ですものね。 数百の年月を生きる妖怪と違って、人間はせいぜい数十年。種族が違うことを、これほど恨んだ時はなかったわ。 最初はみんな気付かない振りをしてた。 でも、宴会を開くたびに、弾幕ごっこをするたびに、 あの楽しかった日々が、もう二度と訪れない事に、みんな徐々に気付いていって。 ……そして、幻想郷は変わってしまった。 レミリアはここを飛び出したし、冥界の姫は静かにその生を終えたというわ。 ……亡霊が生を終えるというのも、変な話だけれど」 言って、パチュリーはクスッと笑う。自虐的な笑みを浮かべて。 「だから、貴方がどんなに想ってくれても、私には無理。 アレはみんなの心に深い傷跡を残した。もちろん、私にも。 もう二度と私はあんな思いをしたくない。 私はもう二度と、人間と関わる気はない」 静かな告白。俺は何も言うことが出来なくて―――― ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 821 SS書きは東方キャラを愛しているか? 「生涯忠誠! 命懸けて! パチェ萌え! パチェ萌え! パチェ萌え!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 866 _________________ 「パチュリー、紅茶淹れたぞ」 <(本を読んでいる)ありがとう、そこに置いといて。・・・○○、辞書はどこかしら> _________________ 「えーと・・・ほれ」 <ありがとう> _________________ 「・・・・・・・・」 <・・・・・・・・(ぱらぱら)> _________________ 「・・・・・・・・」 <・・・・・・・・(ぱらぱら)> _________________ 「・・・・・・・・」 <・・・・・・・・(ぱらぱら)> _________________ 「・・・・・・・・」<・・・・・・・・> _________________ 「・・・・・・・・」<・・・抱きつかないで> _________________ 「いいじゃん」<本が読めないわ> _________________ 「なあパチュリー・・・」<何よ・・・ん・・・> _________________ 「<・・・・・・・・・・・・・・>」 _________________ 「・・・ふう」<・・・ふはっ> _________________ 「なあパチュリー」<何よ> _________________ 「愛してるぞ」<・・・・・・・> _________________ 「・・・・・・・」<知ってるわ> _________________ 「・・・そうか」<・・・そうよ> _________________ 「・・・・・・・」<・・・・・・・> _________________ 「・・・・・・・」<・・・・・・・> _________________ 「・・・<・・・・・・・・・・・>」 _________________ (がちゃり) 〔パチュリー様ー、○○さーん本の整理についてご相談したい事・・・が・・・〕 「・・!!<・・・・・・・・!!>」 __________________ ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 937 パチュリー・ノーレッジ様は紅魔館一のお風呂嫌い 本を読めない時間は無駄なの、なーんて言っちゃって あれを鴉の行水って言うのよね。なんて囁かれてるし それを言うならもやしの行水よ。調理前にさっと水洗いだけだから 変化の少ない紅魔館の生活も少々飽き気味。仕事変えてもらえないかなぁ だってね、パチュリー様って暗すぎるの。図書館が暗いからかしら でも掃除部は大変だしぃ…調理部は面白そうだけど、私料理苦手なのよね 「ねぇねぇ。知ってる? 人間の男が1人雇われたって話」仲間のメイドから、驚くべき知らせ な、なんだってー(AA略 図書館に人手が欲しいし、丁度いいわ …いいオトコかしら? …あんま期待しちゃダメよね でも外界から来た人間って…? なんかすっごい弾幕とか撃ちそう…どうやっても避けられないとか カラフルなだけの弾幕とかは絶対嫌よ。意味無いしぃ 「パチュリー様、おはようございます」いつもの朝…なはずなんだけど 「…おはよう」本当パチュリー様は暗いのね。朝なのに 「もう知ってるかもしれないけど、外界から来た方よ。…ここで働きたいって」 へぇ…割といいオトコかも。少しは楽しめるかしら? 「レミィが連れてきたらしいけど…何か思うところでもあったのかしら」 うわぁ…なんか意外。あのお嬢様が、ね 「よろしくお願いします」 わわっ礼儀正しいのね。思わずドキンとしちゃったじゃない 「あ…え、えっと宜しくね」しっかりしろッ私。先輩らしく威厳ってモノを出さなきゃ 「それじゃ、あなた色々教えてあげて頂戴。」 思いもかけぬ言葉に、私の胸は高鳴るばかり それから十日ほど。私としては彼に図書館の仕事を全て教えたつもり 彼ったら真面目なの。礼儀も弁えてるし、素敵よね 私ったら彼のことばかり見て、失敗ばかりでパチュリー様に起こられたり彼にフォローされたり …その度に胸がキュンとする 「そこまで思いつめてるんなら、告っちゃいなさいよ」仲間は気軽にそういうけど 私なんてしがない一メイド 私も人間だったら良かったのに 「どう? 彼の様子は。ちゃんとやってくれてるかしら」 パチュリー様は私を呼び出すと問い掛ける。いつも通り本から目を離さずに …全然見て無いのかしら 「はい、凄く真面目ですしミスもほとんどありません。立派な方だと思いますが」 私としては素直に答えたの。本当のことだしね 「そう…」 私は見逃さなかった。パチュリー様の頬がうっすらと紅潮したことを よりにもよって、ライバルがパチュリー様だなんて 私にどうしろって言うの? 私が手を出していいわけないじゃない それこそパチュリー様お得意の魔法で一発で消し飛ばされるに決まってるじゃない 御機嫌を損ねて吹き飛んだ同僚だって見たんだからっ 木の符で吹き飛ばされるの? 水の符で貫かれるの? 金の符で押しつぶされるの? どれだって嫌よ …熱いキスを交し合ってる二人がいた 覚悟はしていたけど、いたたまれないものね 私の恋は終わった でも…こっそりサポートするのもいいかも。彼が幸せなら 義理と人情秤にかけりゃ、ってね だったら私は義理に生きるわ 彼の同僚として、先輩としてね …頑張ろっと パチュリー・ノーレッジ様は紅魔館一のお風呂好き 綺麗になるための大事な準備よ、なーんて言っちゃって ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/202.html
■パチュリー4 今日も不健康だタバコがうまい。 などと考えつつ赤と白の庭でただボーっとしていた。もち、右手にタバコ、左手は携帯灰皿で。 「しっかし」 すう、と煙を肺に入れる。 「なんで彼女に惚れたんだろ……」 煙交じりのため息と共に呟いた。 彼女、とは俺の勤める地下図書館の主のこと。 詳しい話は省くとして、こういう経緯を経て俺は彼女を好きになった。 ・館内周り→地下図書館 ↓ ・紫色の少女を見てズキュウゥゥゥゥン(否キス) ↓ ・としょかんきんむ にしろ!おれは あいつの そばにいるんだ! 三番目でメイド長さんにどつきまわされたのはぜんぜんよくない思い出だが。 そして図書館勤務について少し経った頃、驚愕の事実が言い渡された。 「紫もやしは……喘息だったんだよ!」 「な、なんだってー!?」 よりによって喘息だなんて……ヘビーではないが愛煙家の俺にとってはかなりのショックだった。 そんな感じで一応司書のこぁさんにのみ喫煙者だと教え、たまに休憩を取らせてもらってる。 「……って う お っ あ ち っ !!!」 思考にふけったせいでタバコに火がついたままだということを忘れ、火傷しかけた。 「……何やってるの、貴方」 指をふーふーしていると後ろから声をかけられた。 て言うか今の声ってただの聞きまちが いだよね幻聴だそうだよでもこれって 犯罪者の言い訳っぽいな「幻聴なんで す!誰かがこうしろっていったんです!」って 「パパパパチェ萌え、じゃないパチュリー様ぁ!?」 「まったく……いつもいつもどこかに消えると思ったら……」 「いや、それはその……たまには外の空気が吸いたくて」 「それが『外の空気』?」 タバコを指差され、しまった!とすぐに後ろに隠したがもう遅い。 魔物に見つかった後にコインをくわえる様なものだ。 「小悪魔から聞いたわ。喫煙者なんですってね」 「……はい」 ああ、もう駄目だ。よく考えればこぁさんは彼女に召喚された身。強制的にでも喋らせる事はできる。 「だったら、館の喫煙所を使いなさい。灰皿も完備されてるわ」 ……へ? 「言っておくけどここは勤務が過酷なせいかタバコを吸うメイドも少なくないわ。 だから館内には喫煙所もあるしタバコの売店もある」 ああ、なるほど。……って 「じゃあいつもいつも庭に来てこっそりタバコ吸ってた俺の気遣いは……」 「無駄」 き、きっぱり言われた…… 「無駄とか言わないでくださいよぉ……パチュリー様のためだったってのに……」 思わず小さく呟いてしまう。 「私のためって……」 「えあいやパチュリー様喘息だからというか絶対に本に臭いが付くだろうしそれに個人的な感情がほとんどですけど」 「……要約して話す」 ジト目が薄くなる。まずい。 「つまりっ、要はあなたが好きだから迷惑かけたくなかっただけです!」 全てを言うしかないだろう。後はなるようになれ、だ。 「……ふうん」 吉が出るか害が出るか……間違えた。凶が出るか、だ。 「タバコ、やめられる?」 「……無理っぽいです」 よし、振られフラグ確定。……だって、いまさらやめろったって…… 「……なら、私の前では絶対に吸わないこと。それと……」 いったん言葉を切り、唇を重ねた。 「……こういうときに苦いから吸った後は口の中を洗っておくこと」 そんな俺はセブンレボパチュリーメンソール。 5スレ目 108.111 ─────────────────────────────────────────────────────────── パチェなのにパチェじゃないと悩まされる。 つまり彼女は残留思念。 流行には乗り遅れてますよ。 「ごほっ、ごほっ!!」 紅魔館のある場所に響く苦しそうな咳。 「はぁ……」 その後に聞こえたなんとも物憂げな声。 彼は苦し紛れに漏らした。 「なんで俺が―――」 紅魔館の図書館、の途中の廊下。 俺は頭を抱えながら歩いていた。 「はぁ……」 何回ため息をついたかな。 ん? 頭を抱えている理由? 風邪引いたんだよ。 パチュリーが。 一応自他ともに認める病弱っ子だし、喘息持ちで引きこもりである。 しかし! しかしだ。 病弱っ子であるはずの奴は喘息以外の病気なんて滅多におこさないのだ。 しかも逆に調子がいいわーなんて言って俺にストレスというものを押しつけてくる。 そんなパチュリーが風邪を引いたんだ。1ミクロンほどだが驚いてやった。 ま、それだけだったのなら別になんともないし、俺は嬉々としてパチュリーが居ない平和なライフを過ごしていただろう。 看病なんて小悪魔がやってくれるだろうし、うるさい奴がいないからぐだぐだ言われないし。 数日間だけだとは思うがストレスが無い日が続くだろうなー。 なんて思っていた時期もありました。 何を思ったのかパチュリーは看病を俺に任せるなんて言いやがった。 勿論抗議したさ。 だがそんな声もパチュリーには火に油を注ぐ結果になってしまったようで、 「私が決めたの。あなたは黙って従いなさい」 って言われたら逆らえないし、これ以上言ったらなんかやられそうなので黙った。 そういうことで俺はパチュリーの看病をする羽目になってしまったのだ。 ……なんで? とりあえず現在、パチュリーの昼食となる粥を持って寝室へと向かっている。 寝室に入るのは初めてじゃないので緊張も何もせずに入る、のだが。 「遅かったわね」 「何言ってるんだ、昼食取りに行ってから一刻もたってないぞ」 上半身を起こして微熱気味な紅い頬をしているパチュリーは若干、いやかなり不機嫌そうだ。 ……どうせ本が読めないとかそんな理由だろうと思うが。 足元の本を避けてベッドについた俺はパチュリーの膝へと粥を乗せた御盆を乗せた。 「食べ終わったら端に置いておいてくれ、後で取りに来るから」 そう言い残し寝室を出ようとした――のだが、パチュリーはとんでもないことを言ってきた。 「一人で食べろって言うの?」 「……へ?」 一人で食べないならどう食べろと。 「食べさせて」 「……な、なんだって?」 「食、べ、さ、せ、て」 何を言い出すんだコイツは。 自分で食べられるだろうに……俺に食べさせろだって? うーん、これはもしや……。 「なにしてるの?」 「いや、パチュリーの頭のネジをな、探してるんだ」 ゴスッ! 「馬鹿言ってないでさっさと食べさせなさい」 むぅ……こうなったら覚悟を決めるしか無い様だ。 痛む後頭部を我慢しながら粥をパチュリーの所に持っていく。 それを食べるパチュリー。 スプーンを取ろうとして中々取れなかったり早すぎかったり。 そのたびになんかぐだぐだ言われた。 そんなこんなで長々とした時間が過ぎていく。 途中小悪魔と思われる人物が扉を開けてすぐ閉めたような気配がしたがキニシナイことにした。 よーやく食べ終わらせた俺は空っぽになったなべやかんを持って寝室を脱出した。 出る前、 「退屈だとは思うがちゃんと寝てろよ」 全力を出してパチュリーの様態を心配した言葉を投げかけたが、パチュリーは何も答えなかったのが凄まじく怪しかった。 まぁ、そんなことを言うのは結局俺の安泰のためなんだけど。 こんなのが三日四日なんて続いたら死ぬ。色んな意味で。 そんなことを思いつつ、なべやかんを食堂に返し変わりにリンゴなどが乗っかった皿を貰ってもう一度向かう。 病人の世話がこんなに面倒だったとはねー。 ……いや、パチュリーだからかな。 寝室に帰還した俺だが、今度は寝ている可能性もあるので音も立てずに部屋に入り、 そして部屋に入って俺は呆れた。 パチュリーが無理してますよオーラ全開で本をうつ伏せになって読んでるじゃありませんか。 その状況に、流石に温厚な俺も頭の上あたりに十字交差点が浮かび上がるってもんだね。 いやいや、俺のせいじゃないさ。無理をしている紫もやしのせいなんだ。 俺は皿をゆっくりと置き、変わりにHARISENを持った。 そしてうつ伏せ状態でこちらに気付いていないパチュリーの背後に近づき……。 スパーン!! いい音がしたので内心ガッツポーズ。 で、叩かれた本人はと言うと、 「なっ、にすんのよ!」 「これはお前が原因だ!」 「病人にHARISEN振り下ろしておいて何を言っているのよ!」 「やかましい! 口から咳垂れる前にむきゅーと言え!」 この後色々両者共々罵詈雑言を言い合ったが、パチュリーの身体的ギブアップにより終わった。 「覚えておきなさいよ……」 「……そんなに元気があるならもう看病しなくていいだろ」 「ああ……頭が……」 「嘘つけ」 まったくこの魔女は何をしたいんだろうか。 ってか元気じゃないのか? ……まあいいか。追求しても殺されるだけだろうし。 それよりもさっさと仕事を終わらせて平穏な時間を手に入れなければ。 そう思い、俺は置きっぱなしだった皿をパチュリーのところまで持っていき、 「後は自分で食べろよ! それか小悪魔に頼め!」 パチュリーに何も言わせずそれだけを言い残して扉を閉めた。 一応ああ言ってしまったので、小悪魔に手伝ってもらう事にする件を話すと、 「いいですよ」 と快く承諾してくれた。 「それにしても……」 「ん?」 「大変ですね、○○さんも」 こちらの心配もしてくれた小悪魔。 いい子だ。 「まったくだ……パチュリーもなんで俺を指名したんだ……」 「あれ? 分からないんですか?」 「へ?」 「ああいや、何でもありません」 そう言って小悪魔はそれじゃあと言って飛んで行った。 最後のほうの言葉はなんか引っかかるけど、何か考えことでもしてたのだろうか。 その後も色々な事があったのだが、翌日になるとパチュリーはケロリと治ってしまったそうだ。 で、俺はと言うと……。 風邪を移されてしまった。 そして小悪魔に看病されているわけだが。 「なんで俺がこんな目に……はぁ……」 仕事は休めると言っても、この状況じゃ休んだうちに入りません。 でも、パチュリーの呪縛からは一時的に解き放たれるけど。 「あ、私やる事があるので」 「ん? そうか、悪かったな。風邪なんか引いちまって」 「一応代わりを呼んでおきますね」 「頼むよ」 パチュリーとは大違いだ。泣けてくるね。 小悪魔が出て行くと、途端に部屋は静かになった。 久々の平穏にまったりとしていたら、突然部屋の空気が変わった気がした。 どちらかと言うと、危機の方に。 嫌な予感がした俺は、恐る恐る入り口のほうを見てみると……。 「パ、パチュリー……」 しかもなんか手に自然界では表現できない色の液体が! まさか、それを飲ませる気か!? 「勿論」 とかいいながら近づいてくるパチュリー。なんか怖い。 「頑張って作ったのよ」 努力があってもその色の液体は飲みたく無いぞ。 そもそも飲んで治るのか、それ。 「大丈夫、成功したらすぐ治るから」 成功したらってなんだ、失敗するのか? 「八割くらいで失敗するわね」 高っ! 失敗する確立高っ! 俺はそんなのに賭けんぞ! 「うるさいわねぇ」 そう言いながら近づいてきてもうパチュリーとの距離があと少しになってきて、 「くそっ、これじゃあ前と変わらないじゃないか! 誰だ呼んだの、出てこいコノヤロー!」 呪縛からはやっぱり解き放たれてないみたいだった。 そして同日某所。 「輝け!第十八回パチュリー様と○○さんをくっつけよう大作戦会議 in レミリア様の部屋!」 『いえー!!』ドンドンパフパフ! 「司会進行は私、小悪魔が勤めさせていただきます!」 『いえー!!』 「さて、今回は私達○○さんの食事に風邪になる薬を入れる程度しかしてませんが」 「それでも少し進展したんじゃないかしら?(咲夜さん)」 「でもですね、○○さんは全然分かってないみたいです」 「それじゃあ意味ないわね……(レミリア様)」 「それで、次どうします?」 「そろそろ夏が終わりそうだし、今のうちに湖で泳ぐとかどうでしょう?(中国さん)」 「それでいいんじゃないかしら。私は無理そうだけど(レミリア様)」 「じゃあ決定で宜しいでしょうか?」 『いえー!!』 「じゃあ次はどうするか考えましょうか」 これを、彼女と彼は知らない。 5スレ目 201-202 ─────────────────────────────────────────────────────────── ハートZUN軍曹のお言葉に、 >誰からともなく住人へ とありますが、こういうのはいいのでしょうか。 先日、東方ストライク入手したときに、 隣に積んであった本から伝言を頼まれたので、こちらに書いておきます。 パチュリーが可哀想なので。 ====== Dear 貴方様 ご無沙汰しております。 卒爾ながら、今日はお願いがあって参上いたしました。 え、誰てめぇ、ですか? これは申し遅れました。 私は、先日まで貴方様がヴワル魔法図書館で読んでいた本でございます。 何の用だ、ですか? これはこれは、単刀直入ですね。 では、私も単刀直入に。 お願いします。ヴワル魔法図書館にもう一度来ていただけませんでしょうか? 単なる本の身で、このようなお願いをする無礼は百も承知です。 ですが、パチュリー様のために筋違いながらお願いする次第です。 先日、貴方様が私を読み終わられて、図書館に来なくなってから、 パチュリー様はすっかり沈んでしまわれました。 知ってらっしゃいましたか? パチュリー様は、貴方様といると本当に笑顔が絶えないのです。 本を読みながらも、貴方様をちらちら見ていたのです。 最近写された魔道書には、全部の本のページの右隅に、貴方様の似顔絵があるのですよ。 感じてらっしゃいましたか? パチュリー様は、貴方様がいらっしゃる日には、朝からずっとそわそわしているのです。 朝早く起き、まず3時の紅茶の茶葉を確かめ、 スコーンを味見して、それに合うブレンドを作るのです。 アッサム、ダージリン、アールグレイをベースに、 少し胡椒を効かせたスコーンにはアップルティーを多めに、 甘いスコーンにはタイムなどのハーブを入れたブレンドで。 気づいてらっしゃいましたか? 貴方様がいらっしゃるときには、パチュリー様、うっすらとお化粧をしていたのですよ。 そして、貴方様が来る予定のぎりぎりの時間まで、 クローゼットの服を鏡の前で体に当てて、その日の勝負服を決めていたのです。 水色のリボンの時には、ピンク系を中心にまとめ、 赤いリボンには、エメラルドグリーンの服にイエローのアクセントをつけて。 そして、貴方様がいらっしゃるとイの一番に入り口へ行っていたのです。 覚えてらっしゃいますか? いつもパチュリー様が、自ら貴方様を書架まで案内していたことを。 しかも、しっかりと手を繋いで、頬を染めながら。 貴方様がいらっしゃる日には、パチュリー様はいつも小悪魔様に用事を言いつけておりました。 貴方様と2人きりになりたいという、乙女心だったのですよ。 その時には、貴方様が不快に感じられないように、でも意識してくれるようにと、 柑橘系の香水を軽く、振りかけていらしたのです。 顔を赤くして貴方様を待つパチュリー様は、本当に恋する乙女でした。 しかし、貴方様がいらっしゃらなくなって、パチュリー様の至福の時間も終わってしまいました。 しばらくの間は、私を抱きしめながら、 「何で、いるうちに告白しなかったのかしら」 と、ふさぎこんでいました。 最近は、私を読むとも無くめくりながら、壁を眺めているばかりです。 昨日届いた、パチュリー様が貴方様のためにと買われた可愛い服も、 小包から出さないままになっています。 図書館のドアが開くたびに、入ってくる人物を凝視しては、 小悪魔様だと知って嘆息をする、そんなパチュリー様は見るに耐えません。 わが友人の『パチュリーの日記』氏によれば、 パチュリー様の日記には、いつも貴方様のことが書いてあるそうです。 いらっしゃった日はいわずもがな、いらっしゃらなかった日も、 「今日は来なかった」で始まるとのことです。 貴方様が図書館に用事が無いのは知っています。 でも、もし一片の慈悲があるならば、 図書館に来て、パチュリー様に会ってあげてくださいませんか。 よろしくお願いします。 おっと、もうこんな時間ですか。 私がいないと、パチュリー様が大騒ぎしますので、帰らねばなりません。 「この本は、私とあの人を繋ぐたった一つの絆だから……」 とのことですが。 どうか、早く来てください。 僭越ながら、お願い申し上げます。 From ヴワル魔法図書館の一書籍 5スレ目 490 ─────────────────────────────────────────────────────────── その日も図書館で本を読んでいた。 絨毯は厚く埃も多く、喘息持ちでなくても咳き込んでしまいそうになる。 「…… 一冊読み終わり、無言で首を回す。ここの管理人はとかく煩くするのを嫌う。 次の本を持ってこようと席を立つと、対面に座っていたその管理人が、 つ、と少し顔を上げ、右側に積んであった本の山を少し差し出すとまた顔を下ろした。 (この量を戻してきてくれってのか… げんなりする程の量が積まれていたが、覚悟を決めて山に手をかける。 何冊かを束にして持ち上げようとすると、ぺしぺしと机を叩く音が聞こえた。 (私の分も追加の本を持ってきてくれ、か 彼女は基本的に乱読するので、どの本を持っていこうかと悩まないですむのはありがたい。 とはいえ、一応今読んでいる本の題名を確認し、同じような系統の本を選ぼうと考える。 (どれ、なんて本かねえ としゃがむと、ついと本を伏せられた。 なんだろうかと思うが、まあいろいろな種類の本を読みたい気分なんだろうと気にしないことにする。 いや、単なる悪戯か? いくらか本を抱え、のたのたと机に向かう。厚い本は重いし持ちにくくて困る。 上に乗っけた2冊を自分の座っていた場所に置き、残りを向かいの席に運ぶ。 音を立てないように慎重に彼女の左側に置き、ぐしゃぐしゃと頭を撫でる。 驚いたのか本から目を離し、す、と頭を上げこちらを見る。 これは好機とここぞとばかりに頬を撫でると、気持ちよさそうに目を細める。 満足したので自分の椅子に戻ろうとすると、袖を捉まれ、くいくいと引っ張られる。 されるがままに腰をかがめると、胸に顔を押し付けてくる。 愛い奴めと思っていると、さらにぐしぐしと顔を横に振る。 顔を拭きたかっただけかい。それとも眠いのか? 眠いなら寝かせよう。しかし彼女はなかなかベッドに行かない。 体が弱いくせに本を読みながら机に突っ伏して寝る、ので、風邪をひいては大変と毛布を持ってこようとすると、 腕を腰に回され、グイグイと引っ張られる。 どうしたものかと顔を上げて、なんとなく辺りを見回してみる。 よく見ると椅子の後ろが少し空いて、人が入れるようになっている。 ああそういうことか、と合点してスペースに体を滑り込ませようとするとあっさり腕がほどける。 後ろに回り彼女を膝の上に乗せて腕を腹に回し、そのまま顔を肩に乗せた。 5分後、痺れたので足を開いて落としてみた。喜ばれた。 いくつかSSとか書いててわかったんだが、俺文章固いな 5スレ目 729 ─────────────────────────────────────────────────────────── 私がこの幻想郷に来てしまってから長い時間がたった。 今では体も昔のように思い道理には動かなくなってしまった。 若い頃は、危ないと分かってても物珍しさから随分とムチャをしたものなんだが… 氷精をからかって怒らせたり、魔法の森を探索しに行って迷ったり、花畑に突貫しに行ったり… いつもボロボロになってヒーヒー言っていたな。ハハッ 本当に懐かしい、あの頃は珍しいことを聞けばすぐに行動していた。 その度に、館の人達には迷惑を掛け、メイド長には長い説教を聞かされ …ナイフが飛んでくる事もあったな。 それでも、めげずに何回もムチャをやって、何度も怒鳴られて、最後には呆れられて、それが日常となって 笑いながらバカな土産話をするようになって。 だが、そんなバカばかりやっていた頃でも出来ないことが唯一つだけあった。 いや、ちがうな… 出来なかったんじゃない、やろうとしなかったんだ。 ただ、怖かった。 この気持ちを貴女に伝える事が、この日常が変わってしまう事が 『断られたらもうこんなバカな毎日が続けられなくなる…』 そんな本当に愚かで馬鹿なことを本気で考えて、いつもは強気なくせに どうしようもなく憶病で でも、こんな馬鹿な私ですが、この思いだけは誇りたいと思う。 貴方を思ったあの日から、人として長い今までの時間、決して色あせる事の無かったこの思いだけは… 老い先短い私がこの思いを貴女に伝えることはもう無いでしょう 文にしたためる事ももう無いでしょう。 この思いは誰にも伝えず、誰にも悟らせず、私が墓場まで持って行きましょう。 貴女が私のことをどう思っているかはわかりません。 しかし、だからといって怖いわけではありません。 貴女の人生はまだ長い、そこにもう命の短い人間の思いなど背負わせたくはないのです。 貴女は その冷静な考えからよく冷たく見られます。 けれども、私は良く知っています。 貴女が感情表現が苦手なだけで、本当はとても優しい事を 貴女が本を見ているときは、とても表情豊かになることを 貴女は無関心なように見えても誰よりも周りをよく見ていることを だからこそ、貴女がどんな答えを持っていても、貴女は必ず迷うでしょう そして私が死んでしまった後、必ず後悔し悲しんでしまうでしょう。 これは私の我が侭です。 馬鹿で愚かな人間の身勝手な我が侭なんです。 だから、私は誰にも言わずただ一人思います。 あの時からこれまでの時間、そして 死が近いこれからの時間 ただ貴女一人だけに、伝えぬ 弱く、されど 強い思いを 『パチュリー、貴女を 愛しています』 5スレ目 898 ─────────────────────────────────────────────────────────── 紅魔館でクリスマスパーティーをする予定だからとメイド長に 強制的に連れ去られ馬車馬のごとく扱き使われた24時間・・・ よく考えれば、まだまだ時間があるんじゃないかと抗議したいが ・・・した瞬間、間違いなくナイフが飛んでくるんだろうな。 まあ、ひとまず一区切り付いたのでヴワル図書館なら静かかつ比較的安全に休めるだろうと 思い来てみたんだが・・・ 「寒っ!メチャクチャ寒っ!?」 扉の向こうは雪国だった・・・ 「てっ違うだろ!しかも、それはトンネルの向こうだ!!」 「うるさいわよ、いきなり何を叫んでいるの」 図書館の管理者が現れた。 「てっそれも違うな。・・・いや、意味は合ってるか」 「だから何なのよ・・・」 「いや、すまない。何か変な思考が少し」 「クリスマスの準備疲れかしら?」 「ああ・・・それは否定できないな・・・マジで」 「そっそう。・・・・・・薬でも飲む?」 「いや、遠慮しとく 永眠しそうだし」 「魔理沙じゃあるまいし、そんな危険なもの作らないわ」 「うっすまん」 いつものジト目がさらに細くなっている。 「フゥ、まあいいわ。それで何しに来たの」 「少しの間、休ませてもらおうと思って来たんだけど・・・」 「騒がなければ好きなだけ居ていいわよ」 「いや、メチャクチャ寒いんですけどココ」 「ああ、日の光が入らないから室温が上がらないのよ」 「いや、上がらないのよって、寒くないのか?」 「・・・・・・私が何か忘れたのかしら?」 さっき戻ったジト目が また細くなっていく 心なしか部屋の温度が下がった気さえする 「何かって?パチュリーだろ」 「そうじゃなくって」 目を伏せ小さくため息を吐く 「? ああ、魔女だってことか!」 「・・・どうして忘れられるのかとても疑問に思うわ」 「いや~俺にとってパチュリーはパチュリーだし」 「っ///」 パチュリーの顔が一気に赤くなる。帽子で見えないが耳まで赤いことだろう どうやら、不意打ちに弱いようだ・・・ 「どうしたんだ?」 「なっなんでもないわ!」 どうやら彼は、鈍感のようだ・・・ 「しかし、魔女か・・・なるほど魔法か」 「ええ、自分の周りを常温にしているのよ」 「へー 便利だな~」 「・・・何で近づいてくるのかしら?」 「気にしない、気にしない。」 「気になるわよ」 「そうか?ところでちょっとだけ椅子から立ってもらえないか?」 「 ? べつにいいけど」 言われたとおりにその場に立つパチュリー すかさず俺は椅子とパチュリーの間に体を入れ、パチュリーの体の前に手を回し そのまま椅子に座る 「キャッ///」 「あっ本当だ。あったけ~」 「ち、ちょっと何しているのよ!」 「後ろからパチュリーを抱きしめています♪」 「・・・・・・可愛くないわよ」 「・・・・・・自分もやって後悔した」 「それで何で私を・・・その・・・抱きしめているのかしら?///」 「ん~暖を取るため?」 「そう#」 「いやいや、ウソですウソ!」 「まあ、率直に言えば・・・抱き締めたかったからかな」 「・・・まあ、許しとくわ」 「間が気になるけど、ありがとうございます」 それからしばらく経ち、本をめくる音だけが図書館に響いていた 「・・・静かだな」 「・・・そうね」 「でも・・・暖かいな」 「ええ・・・そうね」 「・・・パチュリー」 「・・・なに」 「大好きだ」 「・・・・・・」 私も、大好き・・・よ (省略されました・・・。続きは明日発売の文々。新聞「幻想郷の甘~い!特集」をお買い上げ下さい) 6スレ目 338 ─────────────────────────────────────────────────────────── 図書館の屋根の上で夜空を見ながら煙草を一服。 それが俺のここでの数少ない楽しみの1つだ。 思えば俺がこの幻想郷に迷い込み、紅魔館に拾われて 人手の足りないという図書館で働くようになってから結構経つ。 元々本が好きなせいもあってか、仕事は大して苦にならない。 それに図書館には彼女がいる・・・ と、物思いに耽っていると 「こんな所にいたの」 「ん?」 振り返ると俺にとっての幻想郷での最大の楽しみ パチュリー・ノーレッジが俺を見下ろしていた。 俺は慌てて携帯灰皿に煙草を放り込む。 喘息もちの彼女には煙草の煙は猛毒も同じだろう。 「どうした?外に出てくるなんて珍しいじゃないか。」 「ただ何となく、貴方と話がしたかったから・・・」 そう言うと彼女は俺の隣に腰を下ろした。 何故だろう?いつも持っているはずの物を今は持っていない。 「本は?」 そう尋ねると彼女は 「今は必要ないと思ったから。」 と、これまた珍しい事を言った。 俺はあまり深くは訊かない事にした。 それにしてもこの時期に外でその服装は・・・見ているこっちが寒くなる。 まあ魔女だから魔法でも使って暖はとれるのだろうが 「夜は冷えるぞ」 そう言って、コートを脱いでかけてやる。 「大丈夫よ」 「いいから、見てるこっちが寒い」 そういうと彼女は素直に従った。 何故だか少し微笑んでいるように見える。 それから――2人で他愛もない話をした。 本当にどうでも良いような話。 彼女が時折浮かべる笑顔に俺はドキドキした。 話のネタも尽きてきて、沈黙が流れる・・・ その沈黙の中で彼女の横顔を見ながら思った。 今言わないと2度と言えない気がする。 俺は厄介事は嫌いだ。 だが、今俺は自分からとんでもない厄介事に飛び込もうとしている。 迷いはない。 「パチュリー、俺は君の事が――」 「止めて・・・」 彼女は俺の告白を途中で遮り、俯いた。 「貴方が言おうとしている事は分かってる。 だけど、言わないで・・・ 私と貴方じゃ種族が違う、寿命も・・・私はこれからも数百年生きるけど、貴方は数十年で死ぬ 私は、貴方がさっき言おうとした言葉を聞いたら、たぶん貴方が死ぬ時に耐えられない・・・だから言わないで」 彼女はそう言って悲しそうに笑った それでも俺は―― 「パチュリー、君の事が好きだ!!種族の違いなんか関係ない!!俺は残りの人生を君と過ごしたい!!」 彼女は驚きの表情を浮かべたあと 「勝手な人ね・・・」 そう言って涙を流した 俺は彼女を抱き寄せて、そっと唇を重ねた 唇を放すと彼女は微笑を浮かべて 俺の肩に頭を預けてきた 満月が2人を照らした 6スレ目 365 ───────────────────────────────────────────────────────────