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https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/4772.html
420 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/10/04(月) 15 11 31 ID ??? ウッソ「でも、一番意外なのは姉さんがこんな女の子っぽい服を持っていたことですよ」 セレーネ「持っててもいいでしょ。もう十数年も前の話なんだから」 キラ「押入れの奥から見つけてきたんだよ。こんなの着るの、ウチじゃ姉さんかロラン兄さんくらいだよね」 ロラン「サラッと僕を選択肢に加えないでください」 422 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/10/04(月) 15 34 05 ID ??? ジュドーはガン無視ですかそうですか ティエリア「…着ないぞ!」 424 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/10/04(月) 16 41 26 ID ??? スメラギ「ねえティエリア?」 ティエリア「学校への潜入以外では女装はしないはずだが? (*1)スメラギ・李・ノリエガ?」 425 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/10/04(月) 17 45 15 ID ??? ガロード「と、いうわけで頼むよ」 カリス 「どういうわけで僕なんです? しかもメイド服にバージョンアップしているように見えるんですが」 シャギア「(カメラの準備はいいか、オルバよ)」 オルバ 「(高く売れそうだね、兄さん)」
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概要 このチュートリアルではあなたのマップにGod Ray(日差しみたいな物)を設定する方法を学びます。 原文リンク http //www.youtube.com/watch?v=CrUrUbfJBhc その1 まずマップにスカイドームとDominantDirectionalLight(環境光)アクターを設置します。 その2 設置したDominantDirectionalLightアクターのプロパティを開き、Lightの中の一番下にあるLightShafts(ここがGpd Rayの設定箇所)を開き、Render Light Shaftsにチェックを入れます。 これでGod Rayが有効になりました。 その2 最後にLightShaftsの設定をすれば完了です。 お疲れ様でした。 設定例 UDK June BetaにおけるDM-Deckの設定例: 注意 God Rayのサポート追加されたのはUDK May Beta以降です。 ~
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GOD TROY「CODE NAME 魔王」 格納庫内 説明 ゴッドトロイの封印状態の原因が核心部品のコア出力にあることが分かりましたが、同時にゴッドトロイをフル稼働させられるコアは現代の技術力では開発できないということも確認されました。そこでロボット工学者たちは、ヘルモードインストールというメインコアリミット解除システムを設置、緊急時にゴッドトロイの性能を100%フル稼働させるシステムを導入しました。しかしヘルモードインストールは、コアの過負荷問題によりかなり短い時間しか使用できないことが欠点です。 コード レベル 種類 識別 HP EN タイプ 攻撃 防御 スロ 速度 燃料 消耗 探知 積荷 バフ GODTROY UNKNOWN 65 大型 Troy-G 57000 26000 近接 3800 2700 5 160 150000 84 2200 5000 防御力+45%(100%) 入手方法 クエスト ゴッド トロイの手がかり[Lv55] 完了条件 報酬 トロイエースの部品[0/500]Dr.トロイの設計図TYPE.T[0/100] 封印されたゴッドトロイ[50] クエスト1 封印解除のためのコア1[Lv60] 完了条件 報酬 強化ブラックトロイ2DXのコア[0/1] 1,000,000exp クエスト2 封印解除のためのコア2[Lv60] 完了条件 報酬 未完成ビッグトロイのコア[0/1] 1,000,000exp クエスト3 封印解除のためのコア3[Lv60] 完了条件 報酬 クイーントロイのコア[0/1] 1,000,000exp クエスト4 ゴッドトロイ降臨[Lv60] 完了条件 報酬 封印されたゴッドトロイ[Lv50] ゴッドトロイ[Lv65]3,000,000exp 解説 変形により5分間ヘルモードになれるCT1時間 コメント 情報サイトの稼動SSを見る限り、イラストほど良くない、羽(?)の処理が雑でマジン●ーZが後半合体する飛行ユニットっぽく見える(4gamer.netなどで見てください) -- 名無しさん (2011-09-01 07 47 19) 口元はターンA、頭はちょんまげ生やしたバカ殿、腕を組んでいる姿はガンバスター、所々エピオン・・・ -- 名無しさん (2011-09-01 10 18 49) 顔のデザインはマスタッシュマンことソウルゲインに似てるような気もするが -- 名無しさん (2011-09-11 00 54 14) 人相悪いからツヴァイザーゲインのほうか -- 名無しさん (2011-09-11 00 55 24) S3が3回で落ちるらしい。全チャ情報 -- 名無しさん (2011-09-12 15 48 20) 確かに3回でおとああれましたw s3 -- 名無しさん (2011-09-12 15 53 14) スロットが5個なのがおしい -- 名無しさん (2011-09-25 23 34 54) 何か全体的にガン○ムWのデスサイズカスタム・・・・ -- 通りすがりのミサカ (2011-10-05 21 31 53) ヘルモードは今のところ最速移動速度かな?中佐ブースターと大勲位、シンクロ200でブースト1722、通常移動も315と移動に便利なヘルモードである -- 名無しさん (2011-10-12 19 34 52) 近接距離での殴り合いでの火力はS3さえも凌ぐ勢い、十分に用意をしていけばLv67の感染ルーフェミをソロで討伐可能、しかしいかんせん射程がどれも短い上にサブはすべてチャージ時間があるので使いにくい -- 名無しさん (2011-10-19 02 04 29) シンクロ200、中佐走行、熱暴走などがあれば ヒラ艦が2機いると新60のビッグトロイのタゲを全て持って耐える驚異の壁っぷり -- 名無しさん (2011-10-21 02 37 50) 肩は真ゲッターのようにも見え…る -- 名無しさん (2011-11-05 14 48 46) クエスト欄の枠組みわかりやすかったので、他のページにも使わせていただきました。 -- 名無しさん (2011-11-22 03 24 00) 絶対防御あれば、(ヒラ艦1機)真60のトロイでも耐えられる -- 名無しさん (2012-01-06 16 07 58) 別にクエこなせば手に入る機体ですが・・・武器装備が異常なまでに高いのですよGTは何とかしてもらいたいですね -- ナナシ (2012-02-13 23 16 25) PD壁としては近接機体で最高防御力を持ってるけれど、武器の性能がひどくてQTにタゲを奪われてしまう。 -- 名無しさん (2012-02-14 14 14 04) Lv55になったのに最初のクエストが出ないのはなぜ?出現条件とかあるの? -- 名無しさん (2012-08-01 11 51 53) 推測ですが、旧(Drトロイの秘密工場)で未完成のビッグトロイのコア(ステーションコア)を集めましたか?集めてないなら、それの次がビッグトロイのクエかもしれません。 -- 名無しさん (2012-08-01 14 33 35) クリアしてないクエストがあったのでおそらくそれだと思います。回答ありですmm -- 名無しさん (2012-08-02 13 05 55) 乗ってる人どのくらいいるのだろうかゴッドトロイ・・・ -- 名無しさん (2012-12-30 23 15 31) こいつもクイーントロイみたいにマーク2来ないかな・・・ -- 名無しさん (2013-01-02 19 51 00) 「持ってる」人はかなりかと。「乗ってる」となると使い勝手が…^^; -- 名無しさん (2013-01-03 00 48 37) これ雑魚すぎる・・・可変で防御下がるし・・・ -- 名無しさん (2013-02-03 14 25 45) 雑魚とか関係ないと思うよ武器そろえば意外と使えるから↑は武器もそろえられない低能でFA -- 名無しさん (2013-02-05 02 42 36) 格納庫の無駄だね、移動ならテンペストのR1チューニング使えばいいし -- 名無しさん (2013-02-09 16 13 19) 武器集めたうえで言ってるんですけどね。 ↑の↑ -- 名無しさん (2013-02-09 16 15 15) カコイイそれだけで強い、↑の米うざいからいい加減黙って -- 名無しさん (2013-02-09 16 17 11) 変形が制限無しで出来てサブ武器のCTがせめて半分だったら強かったのに -- 名無しさん (2013-02-09 17 52 24) あるいはパンチの準備なしとかスロ6とかならね -- 名無しさん (2013-02-10 13 09 03) 名前 コメント
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フジテレビ系列 FNS27時間テレビ にほんのスポーツは強いっ! スポンサー 2019年11月2日18時30分~2019年11月3日1時30分 18 35~19 12 ローカル@フジ0’30”…富士住建、avex trax、AKRACING、JRA(PT) ネットセールスA枠(19 17~19 46) 1’00”…AsahiKASEI 0’30”…HONDA、日清食品、KIRIN(キリンビバレッジ)、西松屋、SoftBank、McDonald s、TOYOTA、ROUND1(PT)、映画 天気の子(PT)、再春館製薬所(PT) ネットセールスB枠(20 00~20 34) 1’00”…Kao 0’30”…SUNTORY、高須クリニック、足リラシート、ライフネット生命、SUZUKI(PT)、ANIPLEX(PT) ネットセールスC枠(20 39~21 02) 1’00”…KIRIN(キリンビール) 0’30”…日本生命、日本臓器製薬、ケンタッキーフライドチキン、Takeda、久光製薬、おとなの自動車保険、MITSUBISHI ELECTRIC、au、GungHo、シュミテクト ネットセールスD枠(21 24~21 38) 1’00”…大和証券グループ、DAIHATSU、meiji 明治、ENEOS ネットセールスE枠(21 39~22 12) 1’00”…第一三共ヘルスケア、SUBARU(「令和教育委員会」コラボCM)、JT、SoftBank(0’30”=Y!mobile) ネットセールスF枠(22 13~22 45) 1’00”…HONDA、Kao、Aflac、au、セブン アイHLDGS.(セブン-イレブン・PT)、エスエス製薬(PT) ネットセールスG枠(22 46~23 00) 1’00”…レイクALSA、丸美屋食品、Yellow Hat、NTT docomo(PT) ネットセールスH枠(23 18~23 42) 1’00”…TOYOTA 0’30”…アコム、創味食品、東京上野クリニック、AGC、レイクALSA、Kracie、Play Station、★SAPPORO、Kao(PT)、unicharm ユニ・チャーム(PT) ネットセールスI枠(23 43~24 03) 0’30”…スポーツくじ BiG、ソニー損保、レイクALSA、HONDA、アクサダイレクト、森永製菓、KOSE(PT)、unicharm ユニ・チャーム(PT) ネットセールスJ枠(24 03~24 35) 7’00”…FINAL FANTASY VII REMAKE(SQUARE ENIX・ロゴは1’00”仕様) 2019年11月3日1時30分~6時00分 ネットセールス部分(25 37~26 24) 0’30”…アイフル、KOSE、出光昭和シェル、O-net、アデランス、avex trax、MITSUBISHI ELECTRIC、oppo(PT)、SUZUKI(PT)、BUSHIROAD(PT) 2019年11月3日6時00分~9時00分 ネットセールスA枠(07 01~07 31) 0’30”…アサヒ飲料、久光製薬、森永製菓、AGC、ヤマザキパン、sky ticket、西松屋、Aj AJINOMOTO、MITSUBISHI ELECTRIC、ORIHIRO、BOATRACE 振興会(PT)、大塚製薬(PT) ネットセールスB枠(07 36~08 03) 1’00”…セブン アイHLDGS.(セブン-イレブン・PT) 0’30”…ROUND1、日本生命、Paloma、P G、ミサワホーム(PT)、BUSHIROAD(PT) ネットセールスC枠(08 03~09 20) 0’30”…NiSSHiN OiliO 日清オイリオ、三菱電機ビルテクノサービス、SUNTORY(CM=AC JAPAN)、Zoff、ACECOOK、P G、日本香堂、ニトリ、小林製薬、NAGAWA、レイクALSA、SUZUKI(PT) 2019年11月3日9時00分~13時30分 ネットセールス部分(12 11~12 39) 1’00”…しじみ習慣 0’30”…HONDA、レイクALSA、アクサダイレクト、一建設、ネオ・コーポレーション、au、LIXIL、oppo(PT) 2019年11月3日13時30分~18時00分 ネットセールスA枠(13 42~14 15) 1’00”…明治安田生命 0’30”…Aj AJINOMOTO、ライフネット生命、McDonald s、proactiv+(PT)、SMBC 三井住友銀行(PT)、大塚製薬(PT) ネットセールスB枠(16 48~17 19) 0’30”…P G、ソニー損保、佐川急便(PT)、SUNSTAR(PT)、セブン アイHLDGS.(セブン-イレブン・PT)、TOYOTA(PT)、YKK AP(PT)、Unilever(PT) ネットセールスC枠(17 27~17 56) 0’30”…en エン・ジャパン、AGC、森永製菓、ライフネット生命、エステー、ミツウロコ、久光製薬、MITSUBISHI ELECTRIC、P G、ほけんの窓口、unicharm ユニ・チャーム(PT)、再春館製薬所(PT) 2019年11月3日18時00分~21時54分 ネットセールスA枠(18 00~18 06) 0’30”…AEON、株式会社SUMCO、Kracie ネットセールスB枠(18 28~19 02 サザエさん) 1’00”…NISSAN 0’30”…日清食品、Kao、宝くじ、西松屋、Aj AJINOMOTO(AGF)、Daiwa House、amazon、こくみん共済 全国労働者共済生活協同組合連合会 coop ネットセールスC枠(19 39~20 08) 0’30”…HONDA、第一三共ヘルスケア、SUNTORY、日本生命、GungHo、ENEOS、森永乳業(PT)、kewpie(PT)、SUBARU(PT)、meiji 明治(PT)、セブン アイHLDGS.(セブン-イレブン・PT)、SUNSTAR(PT) ネットセールスD枠(20 41~20 50) 1’00”…meiji 明治、Kao、Coca-Cola(PT) ネットセールスE枠(20 50~21 14) 1’00”…Unilever、KIRIN(キリンビール)、AsahiKASEI ネットセールスF枠(21 16~21 42) 1’00”…SUNTORY、HONDA、Daiwa House、小林製薬 提供読み 420秒 SQUARE ENIX 240秒 Kao HONDA 180秒 レイクALSA 150秒 KIRIN SUNTORY 120秒以下 AsahiKASEI KDDI P G MITSUBISHI ELECTRIC meiji 明治 Aj AJINOMOTO AGC 小林製薬 JXTGエネルギー(ENEOS) SoftBank 第一三共ヘルスケア Daiwa House TOYOTA 西松屋 日本生命 久光製薬 森永製菓 ライフネット生命 アクサダイレクト Aflac Yellow Hat GungHo Kracie 佐々木食品工業(しじみ習慣) JT SUBARU ソニー損保 DAIHATSU 大和証券グループ NISSAN 日清食品 McDonald s 丸美屋食品 明治安田生命 Unilever
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screen?name=God%2BHand size=small スペル G8 レア 自分の全てのユニットはターン終了時まで+2Attackを得る自分の全てのユニットは-2Countdownされる キーワード Crimson BullとRallyingを一枚にして合計コストを1上げたスペル。 終盤、リソースよりも手札が不足する場面で 一枚から逆転を狙えるのが強み。
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魔法 この世界の魔法は「プログラム」として準備され、詠唱や集中のトリガーによって発動される技術である。 魔法を扱うものは、そのプログラムを自分自身や魔法の発動体にセットして行使する。 魔法を発動させるためのエネルギーとなるのは術者が体内で生成する「魔力」であり、その容量や資質は個人によって異なる。 訓練を受け、魔法を使いこなす者たちは「魔導師」と呼ばれる。 災害救助や事件捜査をはじめ、さまざまな場面で魔導師たちは活躍する。 デバイス 魔導師たちが魔法の発動体として使用する精密機器。杖状のものをはじめ、様々な形状・種別がある。 魔法データの保存や発動補助、打撃武器としての使用、使用法も個人によって様々に異なる。 中でも人工知能を組み込んだタイプは「インテリジェントデバイス」と呼ばれ、術者とともに経験やデータの蓄積によって進化していく。 なのはが保有する「レイジングハート」もインテリジェントデバイスである。 レストリクトロック 対象を拘束する「バインド」系魔法の一種。「指定空間内の物体をその場に固定する」機能を持つ。 エースオブエース・高町なのはが10年前、一番最初に覚えた高位魔法である。 ディバインバスター・エクステンション 魔力を撃ち出す「砲撃魔法」。高密度に集圧された魔力は長距離を減衰することなく直進し、対象を撃ち抜く。 なのはが最初の覚えた攻撃魔法であり、習得以来10年、最も愛用し、得意とする魔法でもある。 飛行 魔導師たちは飛行可能なものも多いが、飛行にはいくつかの適性がある。「飛行」や「浮遊」自体は比較的初歩の魔法ながら、 高高度を自由に飛行する状況においては、空間把握能力や各種の安全措置、飛行のための魔力安定維持等、さまざまな能力が必要とされる。 このため、ミッドチルダでは正規の訓練や適性試験をクリアしたものでないと、高々度飛行魔法の学習はできなくなっている。 一方、高所作業時の安全確保のための浮遊・落下緩和魔法(「高所リカバリー」と呼ばれることが多い)は誰でも学ぶことができるため、 訓練時間のかかる高所飛行魔法は修得しないまま自身の魔法を極めてゆくものたちも多い。 時空管理局では、高所飛行が可能な者を「航空魔導師」、飛行能力を選択しなかった者たちを「陸上魔導師」と呼称する。 魔導師ランク試験 次元世界の司法機関「時空管理局」では、魔法を扱う者達に対して、「魔導師ランク」という資格試験を設けている。 魔法の方向性によって、医療・開発・学問等、さまざまな分野に分類されており、 戦闘関連の魔法ランクは種別は対応空間に応じて「陸戦・空戦」の2つに分けられている。 これらの魔導師ランクは単純な魔力や戦闘能力の強さではなく、あくまで「規定の課題行動を達成する能力」の証明である。 なお、一般の武装隊員はD~Cランクがもっとも多く、Bランクは多くの空・陸戦魔導師たちが最初にぶつかる壁として知られている。 バリアジャケット 魔導師達が身にまとう、戦闘用の防護服。自身の魔力で作り出す。 布地・装甲部分以外にも不可視のバリアが常時張られ、衝撃・温度変化・魔力攻撃等に対して防御効果を発揮する。 スバルとティアナのバリアジャケットは、インナーは2人のオリジナル。上着は陸上武装隊共通のものである。 通常、武装隊所属の魔導師はインナーも含めて規定・あるいは部隊ごとのジャケットが決まっているが、 2人は通常勤務ではバリアジャケットを使用しない部署(災害担当)であるため、試験用にと作成したものである。 サーチャー・オートスフィア 魔力で駆動する遠隔操作・自律行動機械。 サーチャーは映像送信用の機械で、オートスフィアは戦闘訓練用の「攻撃してくる的」である。 試験では試験監督が配置・管理・操作する。 リボルバーナックル スバルの使用する右手用デバイス。 手首の回転リング「ナックルスピナー」で魔力を加速、回転の力を加え打ち出す・あるいは打撃の威力強化を行う機構を持つ。 手首上部にセットされたカートリッジシステムでの「カートリッジ」消費により、瞬間的に爆発的な威力を発生させることも可能。 スバルはとある事情から、非常に深い思い入れを持って愛用している武装である。 カートリッジは6連リボルバー。弾丸補給はシリンダーごと交換する。 自作ローラー スバルが自分で組んだ、走行用の簡易デバイス。 魔法の記憶をはじめとする補助機能はほとんどなく、ごく単純な作りとなっている スバルの魔力で駆動、思考によって前進・後退・踏ん張り時の車輪ロック等の挙動を行う。 アンカーガン ティアナの自作デバイス。機能は最低限ながら、魔法記憶や弾丸加速といった基本部分は押さえてある。 弾丸は2連装。一発のカートリッジロードで、最大十数発の魔力弾発射が可能。 高威力・高性能な弾丸や魔法ほど魔力消費量は大きく、カートリッジの消費も早くなる。 シュートバレット ティアナの基本魔力弾。圧縮した魔力を弾丸状に形成、加速を加えて打ち出す。 魔力運用により、中~長距離での射撃や範囲攻撃、遠隔効果発生といった、一般イメージにおける 「いわゆる魔法」であるミッドチルダ式魔法の術者であればほぼ全員が一度は学習する基本中の基本魔法だが、 ティアナは射撃の専門家を目指すべく、徹底して鍛え上げている。 シューティングアーツ スバルの使用する、魔力駆動ローラーの使用が前提の格闘技術。 ローラーで前進・加速・車輪ロックによる踏ん張りを駆使し、全身で叩き付けるような突撃・打撃攻撃が特徴。 武器・身体強化や直接戦闘を旨とした前衛型術者のための魔法術式「ベルカ式」との組み合わせが基本。 リボルバーシュート リボルバーナックルから放つ衝撃魔法。 魔力発射を不得手とするベルカ式が前提で、射出武器も持たないシューティングアーツの術者が、 ショートレンジで離れた相手に対抗するための魔法。スピナーで加速した衝撃波を発射、対象を破壊する。 距離による減衰が早く、打撃と比較して威力も劣る傾向にあるが、離れた相手への一手や、「面」での攻撃として有効な場面は多い。 オプティックハイド 幻術魔法。術者・あるいは接触した相手の体・衣服の表面に複合光学スクリーンを発生させ、一時的に不可視の状態にする。 レーダーやセンサーも、単純なものであれば騙すことが可能。 激しい動きや強度の魔力使用を行うと、スクリーンの持続時間は加速度的に短くなる。 クロスファイアシュート ティアナの射撃魔法。複数弾丸の同時制御による空間制圧射撃を目標として組んだ魔法で、発射した弾丸は誘導制御が可能。 この射撃魔法を中心に組んだスバルとのコンビネーションが「クロスシフト」となり、2人が最も得意とするコンビネーションである。 最終障害 オートスフィア 魔導師ランク試験の内容は、ランクごとに4~8種類程度のメニューの中から、ランダムで課題が選出され、 試験官・試験監督がルールに従ってそれを配置する。 Bランク試験では約4分の1の確率で選出されるこの大型狙撃オートスフィアは、一般的なBランク魔導師では対処が非常に困難であり、 これが最終課題となった場合、受験者の大半が落第すると言われている。 基本の対処法は、他の課題でタイムを短縮し、大周りでオートスフィアを避けて通る、回避防御スキルをフル活用し、 攻撃を避けてゴールを目指す、の二種である。 2人もスタート時にはこの二種の合わせ技(十分な距離を取りつつ、幻術とフットワークで狙撃を回避してゴールする)を想定していた。 フェイクシルエット 高位幻術魔法。任意の幻影を作り出し、それが本物のように動作させる。 シルエットは衝撃を受けると破壊されてしまうが、実際に触れない限り、目視や簡易なセンサー類で真贋を識別するのは極めて困難。 魔力消費は極めて大きく、現在のティアナの魔力・制御能力では、2~3体を数分維持するのが限界。 ウイングロード スバルの特殊魔法。魔力によって生成した「道」を作成し、空中を移動する。 生成した道は、スバル以外の他者でも乗って移動することが可能。 バリアブレイク 対象が張ったバリアのプログラムに対して割り込みをかけ、浸食・破壊する魔法。 不器用なスバルは腕力と魔力任せ、力押しでの破壊の割合が高いが、試験突破をかけた意地の一撃が、オートスフィアのバリアを破壊した。 ディバインバスター 火災救助時に目の当たりにしたなのはのバスターへの憧れから、スバルが自分で組み上げた魔法。 本来魔力を射出するのが苦手な近代ベルカ式術者のスバルながら、必死の努力によって生み出された「砲撃魔法」。 射程はわずか10数メートルと、砲撃とは言えないほどに短いが、カートリッジの魔力に加え、 体内の魔力を瞬間的・かつ爆発的に撃ち出すその威力は圧倒的。 高密度に圧縮された魔力に捻じ込む回転力が加わり、その破壊力貫通力は、スバルの持つ攻撃のうち、ナンバーワンの威力を誇る。 反面、モーションの大きさ・魔力チャージと発射シークエンスの長さから、使い所の難しい魔法であり、今後の課題と言える。 アクティブガード 衝突・衝撃緩和の魔法。低速度の衝撃爆発を発生させ、高速移動する対象を柔らかく受け止める・速度を軽減させることを旨とした魔法。 なの派の命令と魔力を受けて、インテリジェントデバイス「レイジングハート」が、スバル・ティアナの重量を想定・速度を計測、 速度ゼロになる威力を瞬時に調整、発動させている。 ホールディングネット 対象を受け止めるためのネット。墜落回避等のシチュエーションで多用され、 空を飛び慣れない魔導師の教導などの際には練習空域全域に張り巡らせることもある、なのはにとっては使い慣れた魔法。 柔らかき支柱【ヴァイヒ・スツーツ】 【防壁スポンジ】とでも言うべき、衝撃緩和用の緩衝材を発生させる魔法。 衝突物に対して自動的に伸展し、衝突物を受け止める。 シェルバリア 近代ベルカ式、ギンガの防御魔法。 発動時に大きな魔力消費を伴うが、発動後は一定時間維持され、熱や衝撃から内部の人間や物品を保護する。 プラズマスマッシャー フェイト愛用の砲撃魔法。 電気を伴う魔力砲で、インテリジェントデバイス「バルディッシュ」の微調整により、状況に合わせた的確な威力調節が可能。 ディフェンサープラス 防御魔法。衝撃・温度変化防御の機能を持つ。 ソニックムーブ フェイトの高速移動魔法。飛行速度を瞬間的に加速し、高速での移動を可能とする。 フェイトの魔導師としての最大の資質は「高速機動」であり、その能力を支える基本魔法の一つである。 ギンガの救出時には衝撃緩和の魔法も同時使用しており、ソニックムーブでの救出時にもギンガの体にダメージを与えないよう配慮している。 氷結の息吹【アーテム・デス・アイセス】 広域凍結魔法。 圧縮した気化氷結魔法のキューブを生成、凍結地点に打ち込むことで周辺から一瞬で熱を奪い、凍結させる。 はやての魔導師としての資質は「遠距離・広域」で、後方からの攻性支援については圧倒的な能力を持つ。 反面、単身戦闘をはじめから想定していないはやては直接的な攻撃力は低く、シグナム・ヴィータら守護騎士たちのような強力な前衛に守られ、 司令部やパートナーであるリインからの正確な支援を受けることで最大の能力を発揮し、その強力な支援能力を持って前衛達を守り、 状況を突破するという能力資質となっている。 ソニックムーブ フェイト直伝の、エリオの高速移動魔法。 フェイトのソニックムーブは飛行強化の魔法だが、陸戦型のエリオはダッシュ・ジャンプの加速に性能をチューニングしてある。 地面や壁面を跳ねることで、攻撃・回避といった基礎動作において空間を立体的に使えるよう、フェイトが教え、エリオが鍛えた。 救出用の衝撃緩和魔法は、フェイトがソニックムーブとセットで教えていたこともあり、今回も上手に使用したようだが、 着地の失敗は未熟さ故とも言える。 探査魔法 魔法による目標物の探査。 はやての能力が「攻性支援」とした場合シャマルは「防性支援」の能力に特化しており、通信・探査・治療といったバックアップ能力に長けている。 ガジェットドローンの探査を行い、ヴィータたちに指示を出した。 鋼の軛 魔力によって生じさせた拘束条により、対象の動きを止める魔法。 本来は拘束・捕獲や進路妨害のための魔法だが、対象に直接突き刺すように発生させることで攻撃的な使用も可能。 シュワルベフリーゲン 鉄球をハンマーヘッドで撃ち出し、対象を貫き、破壊する魔法。 重量を伴う実体の鉄球は、魔力付与とハンマーヘッドの加速によって、並の魔力防御や装甲であれば紙のように撃ち抜く破壊力を持つ、 ヴィータの中距離主力魔法。ガジェットが展開したAMFをものともせず貫通している。 リインフォースII 機動六課部隊長補佐であり、空曹長。はやてとは親子のような関係で、はやての守護騎士・シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラと同列。 なのはやフェイトらとも顔見知り。30cmあまりの身体サイズ、常時飛行しているその生態。 機動六課の新規メンバーらも、その正体や本質について理解していない者も多いが、異世界交流が盛んなミッドチルダ故、 大半は「まあ、こういう人もいるのだろう」と、なんとなく流している。 その能力や存在の理由については、追って明かされてゆくことになる。 陸戦空間シミュレータ シャリオが設計、なのはが完全監修を行った、陸戦魔導師を鍛えるための空間を疑似生成するシミュレータ。 市街地や森林をはじめ、建物や障害物や足場状況を様々に設定することで、演習のための移動時間を大幅に短縮することができる。 なのはとフォワードたちにとっては、機動六課での日々の大半を過ごすことになる空間である。 ガジェットドローン 正体不明の機械兵器。自律判断による行動を行い、ロストロギアの探索を行う。 画像は現在確認されている「I型」。人間程度のサイズで、高速での浮遊移動を行う。 内部に【アームケーブル】と呼ばれる触手状の腕を持っており、物品の確保や電子機器への介入を行う他、 魔力を使用しない、内蔵電源による熱光線攻撃も行う。 リボルバーシュート 複数対象への範囲攻撃として、攻撃の「面」を使用したが、残念ながら命中に至らなかった。 ルフトメッサー スバルと同じく近代ベルカ式の使い手であるエリオは、射撃・射出攻撃を持たない。 そのため、やり方デバイス・ストラーダによる斬撃の際、魔力によって周囲の空気を圧縮・加速し、 空気の刃を飛ばすことでショートレンジに対応している。 付与した魔力がわずかながら残っているため、刃には魔力光の色が残っている。 ブーストアップ ミッドチルダ式の魔導師であるキャロは、味方の支援に能力が特化しており、ブースト魔法を対象に付与することで、 対象の各能力を向上させることができる。 召喚士は、個人で戦う際には、ブーストを自身の召喚獣にかけて戦闘支援を行うことが多いため、召喚とブーストは相性が良く、 一般的な組み合わせと言える。 (召喚士自体が「一般的」というデータを取れるほどには数が多くないものの、管理局に登録されている召喚士の多くがブースト系を使用魔法に加えている)。 弾丸強化・打撃強化・防御強化の他、フィールド貫通や加速など、さまざまな効果付与を使い分けることができる。 キャロの魔力や魔法の上達に応じて、強化の度合いも強くなる。 AMF Anti Magilink-Fieldの略。 範囲内での魔力結合・魔法効果発生を無効化する高位のフィールド系魔法防御。 カートリッジシステム ベルカ式術者のデバイス「アームドデバイス」には、魔力カートリッジシステムが搭載されている。 カートリッジ消費によって瞬間的に魔力を高め、攻防に生かす。 ミッドチルダ式のデバイスでも希にカートリッジシステムを搭載しているものがあり、なのは・フェイト・ティアナのデバイスがそれに該当する。 魔力変換資質「電気」 魔術師の中には、希に「魔力変換資質」と呼ばれる、魔力を直接的なエネルギーに変換することをごく自然に行える資質を持つ者がいる。 通常は魔法としての制御が必要なそれらの技能を自然に行えることで、自身の魔法に変換したエネルギーを付与することが容易となり、 意図的に変換する際にも高い効率で行うことができる。変換資質は1人1種のみ。 六課メンバーではフェイト・エリオが「電気」、シグナムが「炎熱」の資質を保有している。 スピーアシュナイデン ストラーダによる斬撃。高威力の斬撃だが、現状のエリオの能力では、いまだ魔法陣展開や長いチャージが必要で直接的な戦闘向きではないが、 障害物の突破などに有用。フォワードメンバー4人中、現状で「切断」の属性を有するのはエリオのみなこともあり。積極的に使用している。 ナックルダスター リボルバーナックルによる打撃。スピナーの回転によって高めた魔力で上体~拳を強化。直接打撃で対象を破壊している。 接近戦型のベルカ式術者はこういった「魔力結合に頼らない」戦い方が可能なため、AMFに対応しやすい傾向にある。 ブラストフレア 飛竜フリードリヒによる火炎砲。 火炎発射は、フリード自体の種としての能力だが、キャロの魔力を受け、着弾時爆裂・簡易バインド効果の性能を得ている。 (ただし炎弾が直撃しない限りは威力・バインド能力ともさほど高くない) 現状のフォワードメンバー4人の中では、スバルのリボルバーシュートと並ぶ数少ない範囲制圧攻撃である。 錬鉄召喚 鋼の鎖を召喚する魔法。 鎖は単なる鋼鉄の鎖だが、付近で動くものを自動的に捕縛する「無機物自動操作」の魔法をあらかじめ付与してある。 ヴァリアブルシュート 多重弾殻生成による対フィールド弾。外部の膜状バリアは対応するフィールドに対して激しく反応し、 その反応によってフィールドを瞬間的に中和、保護された弾丸をフィールド内へと到達させる。 射撃魔法の「最初の奥義」と言える技術だが、 フィールドを使いこなす高位の魔導師が相手の直接戦闘のような特殊な状況以外では必要とされない技術であり、 ここまで到達することのない「射撃型」も多い。 ティアナがこの魔法をすでに習得していたことは、そのままティアナの「射撃」に対する思いの深さと、 将来を見据えた鍛錬を重ねてきたことの現れでもある。 八神家 「夜天の主」八神はやてを家長に、守護騎士シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ、リインフォースIIを加えた6人で構成される「家族」。 この一家についての詳細は。新暦65年に発生した「闇の書事件(※)」の記録データに詳細が記載されているが、現在、特秘事項になっている。 おだやかでおおらかな家長を中心に、それぞれ強い絆で結ばれた家族であり、もっとも遅く家族となったリインフォースIIは、 一家の末っ子的存在でもある ※「魔法少女リリカルなのはA s」の中核を成す事件
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機動六課前線部隊初任務――山岳輸送リニアレール奪還作戦は、新人四人の列車突入によって本格的に幕を開けた。 「スターズ隊見参! あたし達を誰だと思ってる!!」 先頭車両側面の壁を突き破り、スバルが雄々しく名乗りを上げる。 突然の侵入者に車両内を浮遊していた無数の楕円型の魔導機械――ガジェット・ドローンが迎撃行動に移ろうとするが、スバルの方が一瞬早く、そして速く動いていた。 右手首のタービンが回転し、魔力の風が螺旋を描いてスバルの拳に集束する。 「リボルバーシュート!!」 怒号と共に、スバルの拳から衝撃波が撃ち出された。 手近なガジェット目掛けて直進する魔力塊は、しかし次の瞬間、まるで蜃気楼のように掻き消えた。 「……あれ?」 間の抜けた声と共に動きを止めるスバルに、ガジェットの放つ光線――ムガンのビームとは違い、恐らくは魔力弾――が殺到する。 慌てて防御陣を展開するスバルの背中からティアナが飛び出し、二挺拳銃の引き金を引いた。 しかしティアナの放った魔力弾も、まるで見えない壁の中に溶け込むように、目標に届く前に消滅してしまう。 「バリア……いえ、あれはフィールド系ね。魔力を掻き消すなんて……!」 舌打ちするティアナと未だ唖然と固まるスバルに――そして最後部車両に突入したエリオとキャロにも――ロングアーチからの通信が入る。 『こちらロングアーチ。解析の結果、今の現象はAMFによるものであると推測されます』 「AMFって……アンチ・マギリング・フィールド!?」 オペレーターの言葉に、ティアナが瞠目したように声を上げた。 AMF――効果範囲内のあらゆる魔力結合を強制分解し、魔法を無効化するフィールド系防御魔法。 ランクはAAA、しかし難易度に反した実用性の低さから使用例は皆無と教本の片隅に補足されていたが……こうして相対してみると、厄介極まりない魔法である。 しかし……ガジェットの光線を防御陣で弾きながら、ティアナは眉間にしわを寄せる。 AMFの効果対象に例外はなく、フィールドの中心にいるガジェットも当然その影響を受けている筈である。 魔導兵器ならばAMFの効果で自身の動力炉も活動を停止し、仮に質量兵器であればそもそも魔法を使えない――常識的に考えて、機械のAMF展開は不可能な筈なのだ。 (ね、ねぇ、ティア……えーえむえふって何?) (取り敢えずこいつらには魔法が効かないってことだけ解ってればよろしい) 念話越しに戸惑ったように声を上げるスバルを一言で切って捨て、ティアナの意識は再び思考の海に埋没する。 機械にAMFは使えない、理論上矛盾しているからだ。 にも関らず、ガジェットは何の問題もなく稼動を続け、しかも自分達に攻撃まで――流石にAMFと両立は出来ないようだが――仕掛けてきている。 どうなっている……無限ループに陥る思考を、しかしティアナは次の瞬間、我に返ったように頭を振って放棄した。 矛盾に悩むのは後からゆっくりやれば良い、今はこの悪趣味な玩具の駆除が先決だ……。 謎は謎のままで良いと割り切り、ティアナは目の前の戦闘に思考を戻す。 敵に魔法は効かない――この時点でスバルは兎も角、自分はあらゆる攻撃手段を封じられてしまっている。 本当にそうか……脳神経ネットワークの迷宮の奥で、もう一人のティアナが疑問の声を投げかける。 敵に魔法攻撃は効かない、そう断定するのは些か早計ではないか? 思い出してみろ……露払いとして先行したなのはは、ムガンに寄生したガジェットを射撃魔法で苦もなく破壊していたではないか。 なのはの撃ち落としたガジェットが、車両内のガジェットと性能的に異なる――例えばAMFを張れないなど――とは考え難い。 AMFを突破して敵を倒す方法はある、自分がガジェットに対抗する手段は存在する筈なのだ。 何だ、何が足りない……ティアナは思考を研ぎ澄ませた。 この状況を打開する最後にして最大のピース、なのはにあって自分に無いものとは一体何なのだ……? 思考のループが螺旋に変わり、ドリルのようにティアナの心を掘り進んでいく。 そして遂に、ティアナは一つの答えに辿り着いた。 そうか……ガジェットへの対抗策を考え出し、ティアナが仲間達に念話で指示を出す前に、 「分かったぁっ!!」 溌剌とした声と共に、スバルがガジェットに突撃していた。 ティアナが思考の海に沈む間、スバルもまたガジェット攻略法を考えていた。 敵に魔法攻撃は通用しない、ならば自分の執るべき手段はただ一つ。 「あたしの魔法が通じないなら――」 吼えるスバルの右手首のタービンが起動し、唸りを上げて回転する。 ……鼓動が聞こえる。 胸のコアドリルが、両脚のマッハキャリバーが、高まるスバルの気合いに合わせて脈動している。 唸る右拳を振り上げ、スバルは最寄りのガジェットに飛び掛った。 「――あたしの拳で叩いて砕く!!」 怒号と共に繰り出されたスバルの拳が、ガジェットの装甲に音を立ててめり込んだ。 無論、素手でガジェットを破壊出来ると考える程スバルも自信過剰ではない。 スバルの拳には魔法と螺旋力の他にもう一つ、奥の手とも言える「力」が秘められている。 インヒューレントスキル――ISと呼ばれる戦闘機人の先天固有技能、鋼の肉体と共に与えられた破壊の力。 スバルがかつて忌み嫌い、そして今は受け入れた「人間でない証」……。 「奥の手発動! 振動――」 雄叫びを上げ、スバルが己の「力」を解き放とうとしたその時、ガジェットの眼――のように見えるレンズ部分――から光が消えた。 そのまま糸が切れたようにガジェットは落下し、ごとりと音を立てて床に転がる。 「ぅえ? あ、あれ……!?」 「嘘……」 火花を上げながら沈黙するガジェットを、スバルとティアナは唖然と見下ろした。 予想外の敵の打たれ弱さ――或いは予想外のスバルの馬鹿力――に、脳が事実の認識を拒否している。 「ティア……」 困惑したような表情を浮かべ、スバルがティアナを振り返った。 助けを求めるような顔で自分を見つめるスバルに、ティアナは咄嗟にかける言葉が見つからない。 しかし次の瞬間、 「――こいつら意外と結構脆いよ!?」 「んな訳あるかぁ!!」 ……あっさりと開き直った親友に、ティアナは力の限りに絶叫していた。 「ったく……馬鹿スバル! ちょっと試したいことが出来たから、段取り整えるまでアタシを守って!!」 二挺拳銃を構えながら叫ぶティアナを、スバルはきょとんとした顔で見つめた。 「……こいつら全部、アタシの必殺技でぶち抜いてやるわ」 「ほほう?」 鷹のように鋭く眼を細め、不敵に唇の端を持ち上げるティアナに、スバルの瞳がキラリと光る。 必殺技……そのフレーズを聞いた瞬間、明らかにスバルの目の色が変わった。 「任された!」 胸を張ってそう宣言し、スバルはガジェット達へと向き直った。 防御陣を全開で展開し、ガジェットの放つ光線の雨を気合いで全て弾き返す。 全ては、ティアナの必殺技を見たいがために……。 ちょろいな……己の相棒の扱い易さに内心ほむそ笑みながら、ティアナは術式の構築に集中した。 射撃型の自分が、攻撃を無効化されて「はいそうですか」などと素直に引き退がることが出来るだろうか? 答えは、否――届かないものを届かせなければ、無理を通して道理を蹴飛ばさなければ、この過酷な世界では生き残れない。 二挺拳銃の銃口の前で魔力弾が生成され、更にその周囲を魔力の「膜」が覆っていく。 なのはの攻撃が通用していたところを見た限り、どうやらAMFによる魔法の無効化には限界があるらしい。 許容量を超えた魔力でねじ込んでやれば、攻撃はAMFを突破して本体まで届く……つまりはそういうことなのだろう。 なのはの場合は恐らく「密度」――膨大な魔力を小さな弾丸の形に圧縮して撃ち出すことで、AMFを貫きガジェットを撃破したのだと思う。 集束系の魔法はなのはの十八番、無意識に魔力を籠めていても不思議ではない。 では自分になのはと同じ芸当が出来るか――残念ながら、答えは「否」だ。 凡人の自分にはなのはのように高密度の魔力の集束は出来ない、なのはのような才能は自分には無いのだ。 力押しの出来ない自分は、だからこうして小細工に頼る……クロスミラージュの握るティアナの両手に力が籠った。 自分はなのはと同じことは出来ない、ならば自分は自分のやり方でAMFを攻略するまでだ。 攻撃用の弾体を、無効化フィールドで消される膜状バリアで包む……フィールドを突き抜けるまでの間だけ外殻が保てば、本命の弾丸はターゲットに届く。 固まれ、固まれ、固まれ……! 一心不乱に念じながら、ティアナは外殻生成に集中する。 ガジェットも、スバルの背中も、そして自分自身さえもがティアナの世界から消えていく。 ただ一つ、二挺拳銃の銃口の前で輝き続ける二つの魔力弾だけに、ティアナは意識の全てを集中させていた。 ……鼓動が聞こえる。 両手に握るクロスミラージュが、研ぎ澄まされるティアナの集中力に応えるように脈動している。 魔力の「膜」が弾体全てを覆い尽し、激烈な光が車両内に満ち溢れる。 「ヴァリアブルシュート!!」 ティアナの怒号と共に二挺拳銃の引き金が引かれ、二発の魔力弾がスバルの脇下を潜りながら撃ち出される。 放たれた魔力弾はガジェットの展開したAMFと激突し、拮抗し、押し戻し、そして遂に突き抜けた。 邪魔な「壁」を突破した二発の魔力弾はティアナの意思に操られ、不規則的な軌道を描きながら次々とガジェットを貫いていく。 フィールド系防御を突き抜ける多重弾殻射撃――自身が小細工と称したその攻撃が、本来AAランク魔導師の技能であることを、ティアナはまだ知らない。 「ティア凄い!」 破壊され次々と爆発していくガジェットを眺めながら、スバルが喝采の声を上げる。 「――必殺技にしては地味だけどっ!!」 「一々一言多いのよ! アンタはっ!!」 スバルの蛇足に猛然と噛み付き、ティアナは疲れたように息を吐いた。 その時、車両に充満する爆煙を突き破り、生き残りのガジェットが二人に突撃を仕掛けてきた。 「「!!」」 迫り来るガジェットにスバルの右拳に魔方陣を展開し、ティアナは魔力弾を生成した。 「ディバインバスター!!」 スバルの咆哮と共に放たれた光の奔流が、AMFの壁ごとガジェットを粉砕する。 もうAMFに順応している……集束砲撃魔法による一点集中突破、なのはと同じく力押しで敵を倒したスバルに、ティアナは思わず歯噛みした。 相棒と自分を隔てる才能の壁に絶望し、親友に嫉妬する自分自身に憎悪していた。 しかし、不貞腐れている暇は無い……ティアナは二挺拳銃の引き金を引いた。 初撃でコツを掴み、デバイスの補助で複数同時生成に成功した多重外殻魔力弾が、残りのガジェットを正確に撃ち抜く。 流石は最新型か……両手に握るクロスミラージュを見下ろし、ティアナは感嘆したように吐息を零した。 使い勝手の良さは折り紙つきの上、弾体生成までサポートしてくれる……優秀なデバイスに頼りきりになるような事態は避けたいが、実戦では心強いことこの上ない。 「ティア!」 感慨に浸るティアナの鼻先に、スバルが突然指を突きつけた。 その指先は僅かに震え、瞳の奥では怒りの炎が燃えている。 「幾ら地味だからって、仮にも必殺技をバンバン連発するのはマナー違反だよ!!」 「アンタは何の話をしてんのよ!? それに地味言うな馬鹿スバル!!」 ティアナには理解出来ない次元で激怒するスバルに、ティアナも怒りを爆発させる。 「大体必殺技なんてものはねぇ、須く劣化してライバルに破られた挙句、最終的には雑魚相手の露払い的な役割しか与えられなくなるのが運命なのよ!」 ギガドリルブレイクなんてその最たる例でしょーと続けるティアナに、スバルは愕然と床に両膝をついた。 「ティ、ティアが苛める……」 「純然たる真実よ」 項垂れるスバルに冷然と返し、ティアナは静寂を取り戻した車両内を見渡した。 これでこの車両のガジェットは全滅……しかしここはまだ一両目、まだまだ先は長い。 そう言えば……ティアナは背後を振り返った。 無人リニアレールの運転席、万が一のための有人制御のための機器が、そこに広がっていた。 窓の外の景色は未だ動き続けている、どうやらガジェットを倒しただけでだ列車は止まらないらしい。 「スターズ04からロングアーチへ」 ティアナはもう一度嘆息し、ロングアーチへと通信を繋いだ。 「先頭車両のガジェットは殲滅完了、しかし列車は未だ運行を続行中。ケーブルの破壊は意味ないみたいです」 『ロングアーチからスターズ04へ。こちらからの遠隔操作にも列車は応答しません。 どうやら戦闘の影響、もしくはガジェットによる破壊工作のために関係機器が無力化されているようです』 オペレーターの返答に、ティアナは思わず「え」と声を上げそうになった。 制御機器の破壊、そんな筈はない。 敵の攻撃は防御陣で弾いて一発も自分達には届いていない、その自分達の背後にある運転席も当然無傷だ。 ちょっと待て、自分は今何と考えた……ティアナは己の思考を巻き戻した。 弾いた――自分達は敵の攻撃を弾いて返したと、自分は確かにそう考えた。 ああそうだ……自分とスバルの今回使った防御陣はシールド系、弾いて逸らすのが基本の防御魔法だ。 では弾かれた攻撃はどこに行く――どこかに当たるだろう。 自分を守っている間のスバルが弾き返した敵の魔力弾の中には、真っ直ぐに跳ね返り撃ち出したガジェットをピッチャー返しよろしく直撃したものも一部存在した程だ。 ごく一部、ごく一部にはそのような稀有な弾丸も存在した……では他のものは? 考えるまでもない、滅茶苦茶に跳ね返り好き勝手に車両内を撃ち抜いただろう。 その証拠にほら、車両中に綺麗な丸い穴が無数開き、天井の穴から降り注ぐ暖かい太陽の光が車内を明るく照らしている……そこまで考えて、ティアナは現実逃避をやめた。 つまりはそういうことなのだ。 どうやら自分達の魔法の選択ミスで、運転席周辺は兎も角他の重要な機器を、不可抗力ながら問答無用で破壊しまくってしまったらしい。 こんなことを素直に報告すれば……どう考えても雷――比喩・実物問わず――や始末書では済みそうにない。 「てぃ、ティア。遠隔効かないのってもしかして……」 (しっ! 黙ってなさい!!) 余計なことを言いかけるスバルを念話で黙らせ、ティアナは再び通信を繋いだ。 「スターズ04からロングアーチへ。状況了解しました。列車はこちらから手動で停止させます」 口早にそう告げて通信を切り、ティアナはスバルへと向き直った。 「……そういう訳だけど、リニアレールの操作ってアンタ知ってる?」 「子供の頃に、ゲーセンで!」 「よしお前何にも触るな」 胸を張って即答するスバルにそう申しつけ、ティアナは運転席へと歩み寄った。 「アンタは先に行ってちびっ子達と合流して。アタシも列車止めてからすぐに追い着くから。 ガジェットの破壊よりもライトニング隊との合流が優先、多少の撃ち漏らしはアタシが片付けるわ」 「それは良いけど……ティアの方こそ、電車の運転なんてどこで覚えたの?」 慣れたような手つきでコンソールを操作するティアナに、スバルが怪訝そうな声でそう尋ねる。 スバルの問いにティアナは手を止め、そして振り返りながら真顔でこうのたまった。 「知る訳ないでしょ? そんなもん」 その瞬間、スバルは音を立てて石化した。 「バイクなら免許持ってるし、次元航行船の操縦も訓練の合間に目下勉強中。アンタの巻き添えで巨大ロボまで動かすことになったけど……流石にリニアレールは想定外よ」 「ちょっとちょっとちょっとちょっと!?」 あっけらかんと続けるティアナに、スバルは狼狽えたように声を上げた。 冗談ではない……スバルは奥歯を噛み締めた。 素人の操作では何が起こるか分からない、突然脱線して谷底に真っ逆さま――という笑えない展開も十分有り得るのだ。 この列車には自分達だけでなく、エリオやキャロも乗っている。 聡明で、しかも仲間思いのティアナらしからぬ無謀な行動に、スバルの頭はオーバーヒート寸前だった。 しかし混乱するスバルとは対称的に、ティアナの瞳には不安も迷いも存在していない。 「大丈夫、何とかする」 力強く断言するティアナに、スバルの心も不思議と落ち着きを取り戻した。 何の根拠も無い筈の親友の言葉を、何故か信用出来るような気がした。 「……信じて良いんだね?」 確認するような響きで口にされたスバルの問いに、ティアナは無言で首肯を返す。 「分かった……」 吹っ切れたような笑顔でスバルは頷き、ティアナに背を向けて出口へとローラーを転がせた。 ティアナもコンソールに視線を戻し、不慣れな制御機器との格闘を再開する。 スバルはエリオ達と合流するために、ティアナは暴走する列車を止めるために――それぞれが自分のやるべきことを、自分のやりたい形で成し遂げるために。 「ティアとなのはさんは似てるって、あたし言ったけど……あれ、撤回するね」 自動扉の前まで足を進めたスバルが、不意にそう言ってティアナを振り返った。 無言で操作を続けるティアナの背中に、スバルは笑いながら言葉を続ける。 「ティアの方が、ずっと大雑把だよ」 そう言い残し、自動扉の奥へ消えいくスバルの背中を、ティアナはミラー越しに見送った。、 「まったく……せめて大胆不敵って言いなさいよ、馬鹿スバル」 遠慮を知らない親友の物言いに嘆息しながら、ティアナはコンソールと睨み合う。 スバルは自分を信じてくれた。 ならば自分はその信頼に応え、何としてでも列車を止めなければならない。 重圧に押し潰されそうになる心を叱咤し、ティアナは黙然と作業を続ける。 リニアレール奪還作戦、ティアナ達前線部隊の初任務は……長い戦いになりそうだった。 天元突破リリカルなのはSpiral 第10.5話「初めて会っていきなりだけど、一緒に頑張ろうね」(続) 戻る 目次へ 次へ
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「ディバイン――」 その時、荒涼とした大地に凛とした声が響き渡った――ような気がした。 『本日は、クラナガン発特急206号線にご乗車頂き、誠にありがとうございます』 まるで押し寿司のように隙間なく乗客の詰め込まれたリニアレール車両内に、アナウンスの平坦な声が浸透していく。 停車予定に無い駅で突如停車し、その後一向に動き出す気配の無い列車に業を煮やし始めていた乗客達は、一字一句聞き洩らすまいとするかのようにアナウンスに集中する。 『只今前方の山岳貨物線にトラブルが発生しており、その影響により当列車も現在運行を見合わせております。 現場では現在時空管理局職員が全力で問題解決に当たっており、状況が改善し次第当列車も運行を再開致しますので、今暫くお待ち下さい。 お急ぎのお客様には大変ご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力をお願い致します』 アナウンスの言葉は半時間前に告げられたものと一字一句だった、同じ内容の放送を既に三回以上も繰り返し聞かされている乗客達の顔に落胆の色が浮かぶ。 この何も無い辺境の駅に押し留められてから二時間が経とうとしている、一体いつになったら走り出すのか……乗客達の不満は限界に達しようとしていた。 不穏で剣呑な空気が列車中に蔓延し、子供は泣き叫び、堪え性の無い大人は露骨に愚痴を零し、そして比較的分別のある者も苛立ったように眉間にしわを寄せている。 「一体いつまで待たせるつもりなんだ」 「ママー、電車いつになったら動くのー?」 「管理局なんだからさっさと仕事しなさいよ。損をするのはいつも私達市民なんだから」 「他の世界にばかり力を入れて、俺達地元はいつも後回しだ。これだから管理局は……!」 足止めされて苛立つ乗客達が好き勝手に不平不満を口にしているその頃、話題の「全力で問題解決中の現場の管理局職員」達は――、 「ラケェェェテン、ハンマァァァァーーーッ!!」 ――戦っていた。 「紫電、一閃ッ!」 ――闘っていた。 真紅のドレスを纏う少女、ヴィータの鉄槌が敵を叩き潰し、紫色の甲冑に身を包む女性、シグナムの長剣が敵を斬り捨てる。 空は泣いていた、空は哭いていた。 撒き散らされる無数の破片が涙のように地上に降り注ぎ、両断された敵の断末魔の爆発が慟哭のように大気を震わせる。 群れをなして蒼穹に蠢く機械仕掛けの怪鳥、AMFの鎧を纏い質量兵器で武装した魔導師にとっての最悪の敵――ガジェット・ドローンⅡ型。 しかし悠久の時を越え数多の戦場を駆け抜けた歴戦の戦士達の猛攻の前には、そのような〝子供騙し〟など足止め程度の意味も為さなかった。 爆発音が怒号のように山間に轟き、吹き荒ぶ灼熱の風が空を紅蓮色に染め上げる中、二人の騎士は戦場を翔け抜ける。 そして――、 「――バスター!!」 ――怒号と共に撃ち放たれた桜色の閃光が、ガジェットⅡ型の群れを纏めて呑み込んだ。 空を突ら抜く破壊的な光の奔流、砲撃魔法ディバインバスターに撃ち抜かれたガジェットⅡ型は、爆発することすらも許されずに一瞬で蒸発消滅していく。 出力制限の鎖に繋がれようと、管理局の誇るエースオブエース、高町なのはの砲撃は一撃必殺――その看板を誇示するかのように、白い魔女は圧倒的な力と共に戦場に君臨する。 スバル達がリニアレール奪還に奮戦しているその頃、なのは達隊長勢もまた、空の上で戦っていた。 だん――激烈な踏み込みにリニアレールの車両が大きく震撼した。 弾丸のように床を疾駆するスバルに槍を携えたエリオが追走し、車両の奥に鎮座する巨大な球体――ガジェットⅢ型を目指して真っすぐに突進する。 魔法による攻撃や身体強化を無効化されているとはいえ、スバルもエリオも、生身での戦闘に関してもかなりの「性能」を自負していた。 〝戦うために生まれた〟生命……それが戦闘機人、それが人造魔導師。 破壊の意思を秘めた鋼の拳と刃金の切っ先は、あらゆる魔力結合を打ち消すAMFの結界に囚われても尚、必殺の看板を下ろすことなく己の道を突き進む。。 ローラーブーツのサスペンションを軋ませ、籠手に覆われた右腕を振り上げながら、スバルが大きく跳躍した。 敵の頭上から拳を繰り出すスバルに合わせるように、エリオも捻りを加えながら槍を突き出す。 「「ストライクドライバー!!」」 空中から放たれるスバルの打撃と、地上から撃ち込まれるエリオの刺突が、怒号と共にガジェットⅢ型の巨体に叩き込まれる――が、 「痛っ……何これ、硬っ!?」 「駄目だ……穂先の先っちょすらも通っていない!」 二人の渾身の一撃を受けながら、ガジェットⅢ型は全くの無傷だった。 何という面の皮の厚さ……出鱈目とも言える敵の重装甲にスバルが瞠目しエリオが歯噛みする中、ガジェットⅢ型が独楽のようにその場で回転を始める。 まわる、回る、周る、廻る……高速かつ無秩序に乱回転することで更に硬度を上げたガジェットⅢ型の装甲が、まるで反発する磁石のようにスバルとエリオを弾き飛ばす。 (二人とも、危ないからちょっと離れてなさい!) 踏鞴を踏みながらも体勢を立て直すスバル達の頭の中に、ティアナの声が響き渡る。 反射的にガジェットⅢ型から二人が飛び退いた、その刹那、 「ヴァリアブル・ファントムブレイザー!!」 まるで巨大な杭が打ち込まれるかのように、橙色の光の奔流が車両の屋根を突き破り、ガジェットⅢ型の背中を直撃する。 「ティア!!」 「ティアナさん!?」 屋根に穿たれた大穴の向こうに見知った人影を確認し、スバルとエリオがその名を叫ぶ。 多重弾殻砲撃――ティアナは対ガジェットⅠ型戦の際に自身が発見したAMF攻略法を、今度は砲撃魔法に応用した。 二挺拳銃型という己のデバイスの特性を生かし、片方で砲撃魔法の術式を構成しながら、同時にもう片方で弾殻を生成。 更に弾丸全体を殻で覆うのではなく帯のようなもので包み込むように外殻を形成することで、砲撃という〝どこまでものび続ける弾丸〟への応用を可能にしたのだ。 外殻維持に魔力を割かれる分威力は落ちるが、砲撃はAMFの結界を貫き、その中心に護られた目標へ確実に届く。 しかし代償が無い訳ではない……ハッキングという用途外の運用に加え多重弾殻砲撃という無茶を強行した結果、クロスミラージュの演算回路は限界に達していた。 《Circuit overloaded. System down》 「お疲れ様、クロスミラージュ。ゆっくり休んでて」 力尽きたように沈黙するデバイスに労いの声を掛け、ティアナは屋根の残骸とガジェットⅢ型の転がる床の上へと降り立った。 車両を覆うAMFの結界は消滅し、瓦礫に埋もれたガジェットⅢ型は一向に動き出す気配は無い。 「ティア凄い! 今のは本当に必殺技っぽかった!!」 「流石です、ティアナさん!」 自分達の苦戦した強敵をあっさりと沈黙させたティアナの手腕に、スバルとエリオが惜しみない喝采を送る。 ただでさえAAランク指定の多重弾殻射撃、それを――射撃と同系統の砲撃魔法とはいえ――「別の魔法」に応用しようとすれば、当然ながら難易度は急激に跳ね上がる。 その超弩級高等魔法をBランクに昇格したばかりのティアナが平然と使いこなしているという異常に、気付いた者はこの時誰一人としていなかった。 その時、床に力なく垂れるガジェットⅢ型の触手が、冬眠から目覚めた蛇のように不気味に動き始めた。 逆三角形に並んだガジェットⅢ型の三つ目――光線の発射口も兼ねたセンサーレンズに、鬼火のような光が淡く灯る。 「皆さん! まだ終わってません!!」 逸早く異常に気付いたキャロが警告の声を発した瞬間、ガジェットⅢ型が動き出した。 光が集う、光が集う、光が集う……ガジェットⅢ型の三つ目の光に吸い寄せられるかのように、魔力の光が螺旋を描いて集束していく。 水色の光が、薄桃色の光が、橙色の光が――エリオとキャロ、そしてティアナの魔法の残滓もまた、集束する魔力の渦の中に引き込まれていく。 「まさか……集束砲!?」 青ざめた顔で呟くティアナの言葉に、スバル達の表情が愕然と凍りついた。 大気中に拡散した使用済みの魔力を再度実戦レベルで集束させるには、Sランク以上の技術を必要とする。 その超高等魔法を機械が平然と駆使するなど……出鱈目にも程がある! ガジェットⅢ型の眼前に集束する光は次第にその輝きを増し、そして次の瞬間、荒れ狂う光の奔流がスバル達へと解き放たれた。 迫り来る破壊の光に、デバイスを失ったティアナの前にはスバルが、魔力切れとなったエリオの前にはキャロが盾のようにそれぞれ立ち塞がり、バリア系の防御魔法を発動する。 展開された青と薄桃色の魔力の壁がガジェットⅢ型の砲撃を受け止め……きれない!? 濁流のように容赦なく押し寄せる魔力の奔流の前に二枚の防御陣は悲鳴のような音を立ててひび割れ、生じた亀裂は蜘蛛の巣が広がるように防御陣全体を侵食していく。 刹那、崩壊を始める二枚の防御陣を更に護るかのように、橙色の魔力光を纏う防御陣が出現した。 いつの間にかスバルとキャロの背中にティアナが仁王立ちし、二人の隙間を潜るように右腕をのばしている。 突き出されたティアナの右手には、クロスミラージュの二挺拳銃とは異なる〝第三の銃〟が握られていた。 アンカーガン――クロスミラージュを支給される以前、つまりつい数時間前までティアナが愛用していた、自作の拳銃型デバイスである。 「備えあれば憂いなし……ってね!」 ティアナの怒号と共に橙色の防御陣が眩い魔力光を放つ、同時にスバルとキャロも己の防御陣に渾身の魔力を注ぎ込んだ。 三枚の魔力陣はガジェットⅢ型の砲撃と真正面から拮抗し、そして光の奔流の消滅と共に弾けるように消滅した。 安堵の表情で息を吐くスバル達三人の傍を、赤い影が疾風のように駆け抜ける。 自身の身長を超える蒼い大型の槍を両手で握り、ガジェットⅢ型へと一直線に突き進む小柄な影――エリオだ。 AMFの結界の消えた今ならば、自分達魔導師は魔法が使える。 自身の魔力こそ使い切ってしまったが、自分にはまだカートリッジが残っている。 なのはは言っていた……どんな魔法にも長所と短所が存在し、「万能無敵の切り札」などあり得ないと。 フェイトが教えてくれた……砲撃魔法は絶大な威力を誇る反面、充填時と砲撃直後は致命的な隙を生むと! 「エリオ君!」 三人の中でただ一人、エリオの意図に気付いたキャロがバリアジャケットを脱ぎ捨て愛しい人へと投げ渡した。 キャロ自身には戦う力はない、誰かに力を託し与えることしか出来ない。 逆に言えば、キャロには力がある……魔法に己の思いを託し、戦う者に力を与え、大切な人を守り助ける為の力が。 故にキャロはエリオに託す、力を、思いを、自分の全てを戦う者に捧げる! 「ツインブースト! スラッシュアンドストライク!!」 キャロの祝詞が車両内に響く中、受け取ったバリアジャケットをマントのように肩に羽織り、エリオはカートリッジをロードした。 デバイスの刃の根元がスライドし、空薬莢が三本同時に吐き出される。 ストラーダの魔導回路内を奔り回る膨大な魔力を、エリオは〝デバイスから体内へ〟取り込んだ。 普段魔法を発動する時、体内からデバイスへ魔力を流し込むプロセスの、ちょうど逆の要領で。 骨が軋む、肉が切り裂かれる、臓物が沸騰する、神経が焼き切れる……無理矢理取り込んだ異質な魔力が、エリオの身体を内側から蹂躙する。 「シュタール――」 体内を無秩序に暴れ狂う魔力に身体が拒絶反応を起こす中、エリオは己に鞭打ち高速機動魔法を発動、一瞬でガジェットⅢ型の眼前まで移動する。 「――メッサー!!」 迸る電光を穂先に纏い獣のように唸る愛槍を、エリオが咆哮と共に敵へ突き出したその時、まるで大口を開けるかのようにガジェットⅢ型の前面装甲が大きく展開した。 大きく口を開けたガジェットⅢ型の中から、太い円筒状の何かが舌のように迫り出す。 ――ミサイル! エリオが戦慄に目を見開いたその時には、ミサイルは多量の噴射煙と共にガジェットⅢ型の口内から吐き出されていた。 高速で撃ち出された金属とセラミックと爆薬の塊が突き刺さるように鳩尾を直撃し、鼓膜を突き破るような轟音と紅蓮の炎が零距離からエリオを襲う。 「う、わぁああっ!?」 キャロのバリアジャケットに護られ、エリオ自身にダメージは無い……が、爆発の衝撃で吹き飛ばされた小さな身体は壁を突き破り、エリオは車両の外へと投げ出された。 「エリオ君!?」 中空に投げ出されるエリオの姿に、キャロが短く悲鳴を上げる。 エリオを追うように壁の大穴へと走るキャロの傍を、白い影が追い抜いた――スバルだ。 マッハキャリバーのアクセルを全開に傾け、加速した勢いをそのままに大穴の向こうへと躊躇なくダイブ。 まるでカタパルトから射出されたかのように勢い良く空中に飛び出したスバルの鋼の右手が、落下を始めるエリオの手首を掴まえた。 手首のタービンが唸りを上げて高速回転し、エリオの身体を螺旋の風が包み込む。 「エリオ……ちょっと歯ぁ喰い縛ってて!」 言いながらスバルはエリオを握る右腕を大きく振り被り、 「リボルバーシュート!!」 怒号と共に右腕に渦巻く魔力の風を〝エリオごと〟撃ち出した。 衝撃波に吹き飛ばされたエリオの身体が――床に強かに全身を打ちつけながら――車両内に帰還する……が、逆にスバルの身体は反動でリニアレールから遠く突き放される。 何の足場も無い空の上では、当然リニアレールまでの道も無い。 だが、問題ない……道が無ければ作れば良い、その為の魔法が自分にはある。 「ウィングロード!!」 スバルの怒号が谷間に木霊し、足元に展開された魔方陣から光の道が列車へとのびる。 届け……ローラーブーツを全力で噴かし、矢のように突き進むウィングロードの上を疾走しながら、スバルは祈るように呟いた。 自分はまだ何も出来ていない、自分の拳はまだ天に届いてすらいない。 「届けええええええええええっ!!」 スバルの絶叫に応えるように、ウィングロードは更に加速し――次の瞬間、まるで風船が割れるかのように、突如音を立てて弾け散った。 AMF……スバルの――そして車両内からスバルを見守っていた全員の――瞳が絶望に凍りついた。 おちる、落ちる、墜ちる、堕ちる……翼を失った剥き出しの肢体を重力の鎖に絡め捕られ、スバルは暗い闇の底へとゆっくりと堕ちていく。 自分の掌はもう何も掴めないのか、自分の拳はもうどこにも届かないのか? 足掻くように空へとのばされた右腕は空しく空を切り、縋るように口に出た問いに答える者は誰もいない。 しかし、次の瞬間――まるで虚空を貫くように白い閃光がティアナ達の目の前を垂直に駆け抜け、、 「ううん、ちゃんと届いてたよ」 ――青いグローブに包まれた暖かい左手が、スバルの右手首をしっかりと掴まえていた。 ギシリ……と金属の軋むような音が、スバルの頭上で小さく響く。 糸が垂れていた。 刃物とワイヤーを繋ぎ合せたような奇妙で物騒な糸が、スバルの目の前に垂れ下がっていた。 見覚えがある……連結刃形態に可変する、ライトニング隊副隊長シグナムの長剣型デバイス、これはその刀身だ。 血が滴っていた。 スバルの手首を掴む掌とは反対の腕、ゆらゆらと振り子のように揺れる連結刃の「命綱」を握る右手から、血の滴が青いグローブを赤く染めながら止めなく滴り落ちていた。 そして血に染まる右腕と、スバルを掴まえる左腕の繋がる先には――、 「遅くなってごめんね、助けに来たよ」 そう言ってスバルに笑いかける、憧れのエースの顔があった。 連結刃の「命綱」の続く先――リニアレールの屋根の上で、足を踏ん張る二つの人影がある。 シグナムとヴィータ――二人の前線部隊副隊長が、魔法を封じられたAMFの結界の中、己の腕力と体力を総動員してなのは達二人の体重を支えていた。 「往けるか、ヴィータ」 「応よ、シグナム!!」 シグナムの音頭にヴィータが応え、二人の騎士は「命綱の柄」を握る両手に力を込める。 「「でぇえりゃああああああああああああああああああああああっ!!」」 雄々しい咆哮を轟かせながら、シグナムとヴィータは長剣の柄を思い切り振り上げた。 崖下のなのは達がまるで釣り上げられた魚のようにシグナム達の眼前まで引っ張り上げられ……勢い治まらず、二人の頭上を越えて空中高くに投げ飛ばされる。 「レイジングハート、セットアップ!」 連結刃を手放した右掌の中に、なのはは己の相棒を顕現させる。 血塗れの右手に握られる魔導師杖型デバイス、双頭槍の穂先にも似たその黄金色の頭部の先端に、桜色の魔力光が集束する。 「ディバインバスター!」 抜き撃ちで放たれたなのはの砲撃が、AMFの結界を突ら抜きながら眼下のガジェットⅢ型を直撃する……が、 「そんな……なのはさんの砲撃でも全然効いてない」 天空を穿つ破壊的な光の奔流を平然と受け止めるガジェットⅢ型、その異常な耐久力にスバルが愕然とした表情で呻き声を上げる。 しかしなのはは涼しい顔で眼下の敵を一瞥し、そしてスバルへと視線を向けた。 「征って、スバル」 唐突に紡がれたなのはの言葉。 短くも絶対的な信頼の籠められたその科白を耳にした瞬間、スバルは反射的に理解した。 なのはは敵を倒す為に撃ったのではない。 天地を繋ぐこの砲撃の光は、敵と自分を繋ぐ「道」……戦場に舞い戻る自分の為になのはが用意した最高級の「花道」なのだ。 なのはの左手に掴まえられていた右手首が解放され、偽りの無重力が身を包み込む。 スバルはなのはを見た。 連結刃を命綱代わりにしたリカバリーなどという荒技をやらかした破天荒な師匠は、相変わらず不安の二文字とは無縁な笑顔で自分を見つめている。 完全に自分を信じてくれている……なのはの思いに気付いた瞬間、スバルの中の不安や絶望、そういった「後ろ向きな考え」は消え去った。 自分はなのはを信じている、自分を信じるなのはを信じている。 だから自分を信じられる、なのはの信じる自分を信じられる。 恐れるものなど、何も無い。 「征ってきます」 なのはの笑顔に短く応え、スバルは砲撃の「道」を駆け下りた。 余計な言葉など必要ない……この「道」の真下にいる敵を全力で叩き潰す、それがなのはの信頼に応える唯一にして絶対の道だと知っているから。 ――IS発動、振動破砕! スバルの瞳が金色に変わり、魔法・螺旋力に続く第三の力――「兵器」として〝組み込まれた〟破壊の力が解き放たれる。 「振動拳!!」 怒号と共に振り抜かれたスバルの拳と、高速回転するガジェットⅢ型の装甲が激突し、火花を散らして激しくせめぎ合う。 一瞬の拮抗の後、スバルの身体がティアナ達の元へと弾き飛ばされた。 「「「スバル(*1)!!」」」 駆け寄ろうとするティアナ達三人を片手で制し、スバルは目の前の敵を油断なく睨みつける。 時を同じくして、ガジェットⅢ型もまた回転を止めていた。 すり鉢状に陥没したガジェットⅢ型の頭頂部、その中央にはスバルの拳の跡がくっきりと刻まれている。 ガジェットⅢ型の前面に再び魔力の粒子が集い始める。 水色と桜色、そして僅かな青色の光が渦を描いて回り、巡り、そして少しずつその輝きを増していく。 集束砲が来る……徐々に巨大化する色鮮やかな魔力光の塊を前に、スバルは懐に右手を突っ込んだ。 アンダーウェアの下から引き出した掌には、細いチェーンに繋がれた金色のペンダント――コアドリルが握られている。 まるで花開くかのように魔力塊が弾け、破壊的な光の奔流が撃ち放たれる。 同時にスバルもローラーブーツを全力で噴かし、ガジェットⅢ型へ突進を開始していた。 「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」 咆哮と共に振り抜かれたスバルの拳と、ガジェットⅢ型の砲撃が激突する。 力は互角……押し迫る砲撃の壁と、それを打ち砕くべく捻じ込まれるスバルの拳は完全に拮抗し、一進一退の膠着状態を保ちながら車両中央で静止している。 否……金色の瞳に覚悟の焔を灯しながら、スバルは拳に更に力を込めた。 右手に握るコアドリルが、光を放ちながらゆっくりと回り始める。 思い出せスバル、自分を誰だと思っている。 自分の拳は天を突く拳だ、如何なる壁が立ち塞がろうとも打ち砕くのが自分の拳だ。 この程度の砲撃など、この程度の壁など、自分の拳の敵ではない! 回転するコアドリルの先端が光の壁を削り崩し、その度にスバルの身体は前に進む。 一歩ずつ、ゆっくりとだが確実に砲撃の壁を掘り進み、そして遂に、スバルは敵の眼前まで辿り着いた。 「コアドリルインパクト!!」 狼狽したように三つ目を明滅させるガジェットⅢ型の鼻面に、スバルは渾身の力を込めてコアドリルを握る右拳を叩き込んだ。 「スピン……オン!!」 怒号と共に捻り込まれるコアドリルを通じて、螺旋力の奔流が敵の体内に流し込まれる。 ガジェットⅢ型の球体が一瞬風船のように膨張し、まるでザクロの実が弾けるように爆破四散した。 「あたしを誰だと思っている!!」 身を焙る灼熱の風に額の鉢巻を遊ばせながら、スバルは雄々しく啖呵を切った。 残存敵戦力ゼロ、自軍の被害軽微――山岳リニアレール奪還任務、ミッションコンプリート。 天元突破リリカルなのはSpiral 第10.5話「初めて会っていきなりだけど、一緒に頑張ろうね」(了) 追加報告――、 ムガンが――そして恐らくガジェットも――狙っていたと推測される積荷、9と刻印されたレリックケースは、スターズ隊二人の素通りした第七車両でその後無事回収された。 結果だけに着目すれば、スバル達新人前線部隊の初任務は大成功だと言えるだろう……が、しかしそれまでの「過程」には、些かどころかかなりの問題を孕んでいた。 曰く、使用法不適切で新品のデバイスを早速壊した。 曰く、調子に乗って車両一つを消し炭に変えた。 曰く、頭に血が昇り結果魔力切れになった。 そして曰く……何も考えずにただ暴れ回った。 そんな部下達の不始末を本来叱責するべき立場にいる筈のなのはは、その頃……、 「なのは! 手前ぇまだその突撃癖抜けてなかったのかよ!?」 「レヴァンティンを命綱代わりに使うなど……貴様一体私のデバイスを何だと思っている!?」 烈火の如く怒り狂う副隊長二人による、雷の嵐に晒されていた。 「あうぅ……ご、ごめんなさい! ヴィータちゃん、シグナムさん!!」 半泣きの表情を浮かべて必死に二人に謝るなのはの後姿からは、エースオブエースの威厳など微塵も感じられなかったことは言うまでもない。 戻る 目次へ 次へ
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autolink N1/WE06-22 カード名:制服のなのは カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《武器》? 【永】他のあなたの、《魔法》?か《動物》?のキャラが2枚以上なら、このカードのパワーを+1500。 いってきます! レアリティ:C illust.高木信孝 《魔法》?と《動物》?版アンディ・ボガード。 条件を満たすとバニラより大きくなる上、必要なのは同作品に多い《魔法》?と《動物》?。 自身も《魔法》?持ちであるため、前列をこのカードで埋めるだけでも十分に条件を満たせる。 また、「なのは」に手札アンコールを付加する意地っ張りアリサや回収効果を付加するフェレット形態ユーノには《動物》?が付くため、 狙わなくてもほぼ高確率で効果を発揮する事が出来るだろう。 ただし、鬼教官セイバー等とは違い、あくまで素のサイズは2000。 バウンスなどで場のカードが減ってしまった際に起こるパワーダウンの影響はかなり大きいので、注意する事。 ・関連ページ 「なのは」? 《魔法》? 《動物》?
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ロストロギア――かつての文明の遺物。超高度技術や魔法。それら指定遺失物を総じてロストロギアと呼ぶ。 次元世界全てに危機を及ぼす可能性を秘めたそれは、時空管理局によって最優先に回収され、厳重に保管される。だが、それでも悪意ある者の手によって、もしくは自らの意思で次元世界に散らばるロストロギアは時に大きな事件を引き起こす―― Extra Task01 「異界の来訪者」 「まったく……やれやれだ」 クロノ・ハラオウンは誰にともなく、ひとりごちた。外見は二十歳かそこらの立派な青年だが、どこか幼さを感じさせる顔つきをしている。 次元空間航行船『アースラ』。船内通路を歩きながらクロノは疲れた目を押さえた。このところ忙しく、まともに休養もしていない。この仕事を選んだ時から分かってはいたが、たまに退屈が恋しくなることもある。 ブリッジの扉をくぐると、すぐに管制担当のエイミィに声を掛けられた。 エイミィ・リミエッタ。古い付き合いである彼女をクロノはパートナーとして信頼している。 「あっ、クロノ君!大変、大変!」 「どうした?エイミィ」 すぐにモニターに目をやる。モニターの多くの情報を瞬時に処理していき、 「これは……」 クロノは大きく目を見開いた。 「百鬼界の周辺に次元震を感知!?」 百鬼界――それは正確には世界の一つとしては数えられていない。次元の狭間に封印されたその世界には、昔から誰も立ち入ることはなく、誰も出てくることはない。クロノもその名前しか聞いたことはなかった。 「今、原因を調査中。だけど百鬼界は、第97管理外世界――なのはちゃん達の世界だね。そこの近くだし、地球とも関連があるみたい。詳しくはユーノ君に調査を頼んであるから」 手早く報告を済ませたエイミィはすぐに席に戻った。 ロストロギアが関わっている可能性もある。どうやらまた忙しくなりそうだ。クロノは軽くため息を吐いた後、すぐに気を引き締め直した。 プレシャス――それは危険な力を持つ秘宝。古代文明の遺産、超科学の兵器、奇妙な美術品、地球の自然を由来とする宝石や動植物、想像でしかありえないような幻獣。 これら様々なものの総称がプレシャスである。そしてその中には、遥か宇宙から地球に飛来したものもあるという。 別世界をわたってきた秘宝。そんなものが存在する可能性も0ではないかもしれない―― 「おしっ!ミッション完了!」 ビルを包む炎は、通常を上回る放水によって完全に鎮火し、負傷者は無し。 高岡映士は上機嫌で変身を解く。全身に纏った銀の光が消え、茶髪の青年――髪の一部が白い――が現れた。歳は二十代前半だろうが、老成しているような雰囲気も感じられる。 銀のジャケットの背中にはSearch Guard Successor とロゴが入っている。そのロゴは彼がサージェス財団の人間であることを示していた。 正式名称『SGS―foundation』。通称『サージェス』とは貴重な宝を回収・保護する民間団体である。プレシャスを災害救助に利用するサージェスレスキューが現在の彼の任務だ。 消防車型のビークル『ゴーゴーファイヤー』を基地へ帰し、彼は歩き出した。空は晴れ、陽射しが心地いい。たまには歩いて帰るのも悪くない。 キュウリを懐から取り出し、かじりながら街を散歩する内に、ふと周りを見回す。どうやら路地裏に迷い込んだようだ。人の気配は消え、先程までの太陽には雲が掛かりだしていた。 なにかがおかしい――映士はそう感じ始めていた。消火に当たったビルはサージェスの近くだ。知った道で自分が迷うはずがない。 肌が粟立つ。空気の流れが変わった。五感の全てが映士に異常を告げている。 (まさか……結界?) それを感じることができるのは、映士の生まれと過酷な修行故だろう。だが、この結界は映士が学んだものともまた違う気がする。 警戒しつつ歩き続ける。変わらず人の気配はない。 代わりに別の気配が急激に膨れ上がる。肌にひりつく殺気だ。 映士は専用武器『サガスナイパー』を槍状に変形させた『サガスピア』を握り締める。こんなこともあろうかと、変身前から持ち歩く癖が幸いした。 「はっ!」 後ろから振り下ろされた小型の鎌を受け止め、同時に敵の腹を蹴り飛ばす。 「手前ぇはっ!カース!」 石に魔力を込めた人形――古代ゴードム文明の大神官ガジャの使役していた戦闘員。これまで最も多く戦った雑魚だろう。 「なんで手前ぇらが!?」 だがガジャは最終決戦に破れ、海に沈んだはずだった。操る者のいないはずの人形を前に映士は問わずにいられなかった。 当然答えるはずもなく、カースは距離を詰めてくる。背後にも三体のカースが現れた。 「仕様がねえっ!まずは手前ぇらを片付けてからここから出るか!」 左手の腕時計『ゴーゴーチェンジャー』のカバーを開き、文字盤に触れる。 「スタートアップ!」 映士が叫ぶと同時に全身が銀の光に包まれ、『アクセルスーツ』を身に纏う。ほぼ全身が銀色、足から首まで身体の中心を黒のスーツ。頭部の角の様なアンテナが特徴的だ。 ボウケンシルバーはサガスピアを振り回し、最初に前のカースに袈裟斬りに切りつける。そのまま身体を回転させ、背後のカース二体を薙ぎ払う。一対四であろうと、カースごときに後れをとることはなかった。火花を散らし仰け反ったカース三体は耐え切れず、爆発し、四散した。 「よっしゃあっ!」 だが、カースは四体いたはずだ。背後にいたはずの残りのカースは振り向いた先にはいない。 瞬間、背後に滑り込んだ影に振り向く。 カースの鎌が風を切り、目前まで迫っていた。だが、その鎌は見えない壁に阻まれる。カースは何が起こっているのか理解できず、鎌をガンガンと叩きつけるのみだった。 シルバーは自分の懐に目を下ろす。 そこには――少年が両手をカースに向け、突き出していた。 「早くっ!早く止めを刺して下さい!!」 一瞬混乱したが、すぐにサガスピアをサガスナイパーへ切り替え、カースの頭目掛け撃ち込む。ビームの連射を至近距離から受けたカースは爆散した。 「「は~~っ」」 シルバーも少年も張り詰めた緊張を解いたのか、大きく息を吐き出した。同じモーションで膝に手を当てた二人の目が合う。少年は気まずそうに苦笑する。 さっき飛び込んできたのはこの少年だったのか。少年は見た目、14、5歳。金の長髪の上、眼鏡を掛けているため、中性的に見える。実際、最初は少女かと思ったくらいだ。 周りにもう敵がいないのを確認し、変身を解除する。 「それで坊主、お前はなんなんだ?」 少年は一度、映士を上目遣いで見た後、深呼吸した。 「えっと、僕はユーノ・スクライアと申します。魔導師です。あなたは……高岡映士さん、ですよね?『アシュ』についてお聞きしたいことがありまして――」 「お前、何でアシュを知ってる!?それに魔導師だと?」 ユーノが最後まで言い終わる前に、映士は彼に詰め寄っていた。 『アシュ』。それは映士にとって忘れることなどできない言葉だった。 人類の進化の過程で別の道筋を辿った高等生物。それがアシュである。その言葉通り、人間の亜種といえる。 好戦的で人間を敵視していた彼らは一部を除き、次元の狭間の百鬼界へと追放、封印された。逃れたアシュを抹殺し、アシュの封印を監視するもの。それが映士の一族、高岡家である。 だが、映士自身の身体の中にも、アシュの血が半分流れていた。それ故、彼はアシュの討滅に全てを賭けていた過去がある。 「お、落ち着いて下さい!これから順に話しますから!」 ユーノは驚き、映士をなだめようとする。映士が落ち着いたと見ると、ぽつりぽつりと話し出した―― 「魔導師……、それに時空管理局ねぇ……」 ユーノから聞かされた説明は、これまでの映士の常識を遥かに超える、とても信じ難いものだった。 「信じられないのも無理はないかと思います。でも、事実なんです。なんらかの理由により、百鬼界とこの世界が繋がろうとしているんです」 だが、戦闘での彼の結界術をこの目で見てしまうと信じざるをえない、とも思う。それにさっきのカース達、何かが起ころうとしているのは間違いないだろう。アシュが関係しているならなおさらだ。 「つまり、俺様はアシュの情報提供と調査の協力をすればいいんだな?」 ユーノはようやく理解が得られたのが嬉しいのか、少し表情が和らいでいる。 「はい。それと……この世界に原因となるロストロギアが存在しているかもしれません。その時は――あなた達ボウケンジャーに探索と回収の協力をお願いしたいんです」 「おう!プレシャス回収なら、ボウケンジャーに任せときな!」 映士はそう言って力強く頷いた。 『轟轟戦隊ボウケンジャー』 それはサージェスによって組織された秘密部隊。危険なプレシャスを回収し、プレシャスを狙う悪と戦い続けている。 その本拠地たる博物館『サージェスミュージアム』の奥にプレシャスが、そしてボウケンジャーの基地が存在する。 だが、そのメンバーが待機するサロンには、一人の青年が暇そうに座っているだけだった。 黒を基調としたジャケットの青年。普段は鋭く研ぎ澄まされたその眼も、今は眠たげに半分閉じられている。 伊能真墨――ボウケンブラックであり、現在ボウケンジャーのリーダーでもある彼は、退屈していた。このところ出動も少なく、ほとんど学芸員の仕事しかしていないのだ。 プレシャスを悪用しようとする連中――『ネガティブシンジケート』が減ると同時に出動回数も減ってしまった。別に戦いがしたいわけではない、だが、冒険の機会が減ってしまったのが退屈なのだ。 一年半ほど前のガジャとの決戦に勝利した後、ガジャは深い海の底で眠りに就いた。 恐竜遺伝子と掛け合わされ誕生した『ジャリュウ一族』も、長にして創造主のリュウオーンを亡くして以来、鳴りを潜めている。 忍者集団『ダークシャドウ』は、他の組織のように人類滅亡を企てているわけでもない、ただの営利目的の小悪党だ。その上、好戦的な副頭領『闇のヤイバ』の裏切りと死により、随分と大人しくなった。 映士と深い因縁のある『アシュ』。わずか数人に何度もピンチに陥ったが、今では封印されていないアシュは全て倒した。 その後、前リーダーのボウケンレッドと副リーダーのボウケンピンクは仲良く?宇宙へプレシャスを探しに旅立っていった。 今に不満はない。だが、宇宙へ冒険に行ったボウケンレッド――明石暁を少し羨ましく感じているのも事実だった。 「どうしたの?真墨」 いつの間にか黄色のジャケットを着た女性が真墨の顔を覗き込んでいた。両端で結んだ髪が、突然目の前に垂れ下がり、思わず椅子から転げ落ちそうになる。 「なんだ菜月か。なんでもねえよ」 真墨はうざったそうに片手を振って答える。 彼女はボウケンイエローこと間宮菜月。真墨の入隊以前からの仲間で、最も古い付き合いといえるだろう。 「暇そうですね。チ~フ」 その内、ブルーのジャケットを着た軽薄そうな男も入ってきた。 最上蒼太――ボウケンブルーであり、菜月や真墨よりも先にボウケンジャーに入隊していたが、真墨がリーダーになったことを不満に思っている様子もない。たまにからかい半分で「チ~フ」とか呼んでくるだけだ。 結局、未だ新しいレッドとピンクは入ってきていない。出動しても、ビークルを発進させる機会も少なければ、合体する機会はもっと少ないのだ。真墨を含む三人に、ここにはいないが、ボウケンシルバーの高岡映士の四人で事足りてしまうのだった。 「お~い。みんな集まってるね。」 三人で他愛もない会話を交わしていると、モニターから声が聞こえた。 そして逆さにした白いコーン(円錐)に手や顔を付けたCGキャラクターが現れる。 「なんだ。ボイスか」 真墨がボソっと漏らすと 「なんだ、じゃないでしょブラック君。なんだ、じゃ。え~、今日はみんなにちょっと用事があるんだ」 耳に障る加工音声で喋るCG。ミスター・ボイスと呼ばれるそれはボウケンジャーの司令官的な存在だ。サージェスの命令をボウケンジャーに伝えるのだが、真墨は実際に会ったことはない。 「なんだよ。用事って」 「新しいピンクとレッドの面接をしてもらおうかと思ってね。ほら、ブラック君の時もレッド君が決めてたし、君達の意思も大事だから。お~い、入ってきて~」 間の抜けた声でボイスが呼ぶよりも先に、ドアを開けて入ってきたのは二人の女性。いや――女性と子供が一人ずつ、と言ったほうが適当だろうか。 一人はピンクの長い髪を後ろで束ねた女性。かなりの美人だが、鋭い刀剣のような雰囲気を漂わせている。 もう一人の子供は、緋色の髪を三つ編みにして二つに分けている。普通にしていれば可愛いのだろうが、何が気に入らないのか、噛み付きそうな目でこちらを睨んでいる。 「ええ~~!!」 三人ともが声を上げ驚いた。言うまでもなく、子供に。 だが、この二人との出会いが真墨の退屈を流し去ってしまうことになるとは、まだ、この時点では気付くはずもない。 目次へ 次へ