約 962,621 件
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/805.html
光源氏計画 深夜零時を回った頃、俺はやっと帰宅する。 玄関の開く音を聞いて、タタタと寄ってくるまだ幼い体。 俺がどこで何をしてたかなんて絶対に聞けない、ただ従順な犬みたいな奴。 俺の愛したあの人は天国から見ているのだろうか?哀れな俺と、こいつを。 つやのある漆黒の髪にすっと通った鼻筋。そして俺を呼ぶ声。 こいつは俺の愛した貴方に、目も鼻も口も髪も声も...全てそっくりなんです。 あの頃幼すぎた俺は貴方を手に入れる事ができなかった。 でも今は.... 「ぅ....ん、ぁ...」 「もっと腰を使って...そういい子だな」 俺の腹の上で息を荒げてよがる淫猥な少年の姿を見て、俺は貴方を思い出す。 今は目も大きく手足は細い、子供特有のそれだが後数年すればもっと貴方に似るだろう。 「あ、ぁ、もう....」 限界も間近なのか整った顔を涙や涎でぐしょぐしょにしながら俺を見下ろす。 「じゃあ、イけ」 俺は下から激しく突いてやると、白い内股がビクンと痙攣しあっけなく果てた。 その時の顔も全て俺好みで、ここまで完璧だとなんだか笑いが込み上げてくる。 今の俺を見たら貴方はどんな顔をするでしょうか。 代償行為がむなしい事と知りつつも 俺はコイツを腕に抱いている時だけ貴方を思い出し、幸せだったあの頃にに還る事ができるんです...。 眼鏡
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/1788.html
「チラシの裏にでも書いてろ」 明け方、屋根を打つ雨の音に目が覚める。 肌寒さを感じて隣にあるはずのぬくもりを求め手を伸ばすと、ひんやりとした冷たさが主の不在を示した。 それは同時に俺の頭を、昨日の怒りを蘇らせつつ覚醒させていった。 朝っぱらから不愉快極まりない気分だ。 雨だと言うのにチュンチュンピチュピチュ鳴く小鳥を煩く思い腹が立つ。 雨樋を伝ってポチャポチャ落ちる雨だれさえも俺をイラ付かせた。 二度寝する気にもなれやしない。 舌打ちしつつ寝床を出て水を飲みに台所へ行くと、瞋恚の源たる男がテーブルに突っ伏し寝ていた。 寒そうな肩をざまぁみろと憎々しく横目にしながら側を通り抜けようとすると、テーブル一面に何やら紙切れが散乱していることに気が付いた。 一体何事だと驚きながら見ると、それらは裏面の白いチラシ。 しかも、方眼紙にでも書いたのかと思うほど規則正しく隙間なくまっすぐびっしり字が書かれている…赤い文字で。 今月分のチラシは全て使い切ったのか、あと2日残っているにもかかわらず、10月のカレンダーまで犠牲になっていた。 力尽きた様で眠るあいつの手には、まだペンが握られたまま。 確かに…昨夜、大喧嘩をした際に、とは言っても俺が一方的に怒りまくりあいつは釈明の一手だったのだが、その際に、 あまりに小賢しい言い訳ばかりするもんで、これ以上聞いてられるかと、言いましたよ、言いましたね、言いました。 チラシの裏にでも書いてろと、捨て台詞の如く。 …これ、全部読まなきゃだめですか? 「ぅう…」と寝苦しそうなうめき声を上げて、あいつが顔をこちらに向けた。 起きたのかと思ったが、呆れるほどのアホ面がまだ夢の中にいることを教えた。 顔の下になっていた場所の文字がにじんでいるのは、涎が為したか、はたまた涙か。 見ていると何だか馬鹿馬鹿しくなって、俺の怒りは急速に萎えていった。 「わかってるよ」 そう言って俺は、デコに反転して写った赤い「愛してる」の文字に口付けた。 ホモソーシャル
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/165.html
年明けには君と二人で 「蕎麦も伸びきってんなぁ」 「汁が見えませんね」 「こんなの食えるか。しかし、ひと仕事終えたから腹も減ったよな、 コンビニ行ってカップ蕎麦でも買ってくるか?」 「カップラーメンならありますよ」 「バカ、年越しは蕎麦だろうが」 「外も寒いしラーメンでいいですよ、同じ麺類ですしいいじゃないですか」 「お前も屁理屈ばっかりだな」 「応用力があるんですよ、お湯入れますね」 「紅白はどっち買ったんだろうなぁ」 「そうですね、大トリ見てたら急患でしたしね」 「処置してたら年越してたもんな」 「カウントダウンも出来ませんでしたね」 「あー、年越した感じしねぇなぁ」 「だったらもう一度2人で仕切り直しますか?」 「は?」 「2人だけでカウントダウンです。いい考えじゃないですか?」 「ふ、ふたりで?」 「よしやりましょう、すぐやりましょう。 テレビは紛らわしいから消しますね」 「ちょっと待て、まだ心の準備が・・・」 「新年は待っちゃくれません。ハイ、10」 「え、おい、・・・9」 「8。今年も忙しかったですね」 「7。そうだなー当直ばっかりだしな。」 「6。でも俺は楽しかったですよ、当直」 「5。まぁ、勉強にもなるしなぁ」 「4。だっていつも大好きな石田先生と一緒で嬉しいしね」 「は?ちょっとそれはどういう・・・」 「さ、後は2人で一緒に!」 「3、2、1!ハッピーニューイヤー!」 「なぁ、今のは」 「石田先生、今年はもっと仲良くしてもらっていいですか?」
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/52.html
はじめてのおつかい はじめて、あの方が一人で買い物へ行きたいと仰った。 幼い頃からボディガード無しには外出できない身分であった彼は、気ままに買い物をするなんて経験は全く無かったのだ。 もっともそんなご身分だからこそ、私が歳近いお目付役としてお近づきになれたのだが。 「欲しい物がおありでしたら、こちらで用意致しますが」 「駄目だ、俺は自分で見て買いたいんだ」 「何故私がお供してはいけないのですか?」 「俺はもう子供じゃない。たまには羽根をのばさせろ。」 結局説得はかなわず、その『はじめてのおつかい』は決行された。 当日は秘密裏に街中にSPが配備される厳戒態勢。 気づかれぬように超小型の隠しカメラ、発信機などが彼の服に仕込まれ、街の防犯カメラなどと連携した監視ルームで、私は彼の動向を見守っていた。 彼と長い時間離れるのはどれ程久々だろうか。正直気が気じゃない。 「…ああ、もう」 彼は服屋でLサイズの服を何着も買い込んでいる。貴方はMサイズじゃないか。 貴金属店や書店などでもどうにか買い物を済ませ、洋菓子店に入ったようだ。 店員と何か話している。少しして店員がケーキに乗せるプレートを持って彼へ見せて、… 私は思わずそこの部分の映像を拡大した。 「…ああ」 何故忘れていたのだろう。 明日は、彼と私が出会ってちょうど10年になる記念日なのだ。 はじめてのおつかい
https://w.atwiki.jp/takujijo/pages/583.html
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/1013.html
こたつでミカン 「……眠い」 「寝るな。風邪引く」 「……」 「……」 「……」 「あ、てめっ、靴下脱ぐなよ!」 「うっせーよ、熱いんだよ」 「やめろって! 狭いんだから足蹴るなよ!」 「うっせ、ばーかばーか」 「あ、てめこのやろ! セクハラするぞちくしょう!」 「な、なに言ってんだお前!」 ~数十分後~ 「……ほんとにしやがったな」 「お前が煽るのが悪い。みかん食うか」 「食う。くれ」 「ん」 日常の一こまということで。 レニングラード攻防戦のような緊迫した状況下にあるカポ、或いはカポ未満のふたり
https://w.atwiki.jp/ayanami_nagato_ruri/pages/83.html
長門「……」ショボーン ルリ「姉2どうかしたんですか?」 綾波「例の彼に自分の正体を話したそうよ…」 ルリ「なるほど、それで彼に電波キャラだと思われてしまったという訳ですね。」 長門「……」ズーン 綾波「更に落ち込んでしまったわ」 ルリ子「元気づけてあげましょう」 綾波「どうやって?」 ルリ「三歳児の気持ちは私には解りません。姉1お願いします」 綾波「そうね…」 ①泣かないでを歌う ②明日がアルザスを歌う ③君が代を歌う ④子守歌を歌う ルリ「歌限定ですか」 長門「……」返事がないただの屍のようだ…
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/1259.html
同い年で老け顔×童顔 「はぁ~。俺プチ整形しようかな」 とんでもない事を言い出した親友に、俺は読んでいる本から目を上げた。 何でプチ整形?と問いかけると親友は口を尖らせてこう言った。 「B組の女子で高橋って居るじゃん」 「うん」 「俺昨日告白したんだー」 プチ整形よりも今の発言の方が驚いた。いつの間に… 「それで?」 冷静さを装いながら話を促す。 「そしたらさ、高橋が『大人っぽい人が好きなの』って」 なるほど。 高橋は目の前の親友と同じように小柄で童顔、所謂庇護欲をくすぐるタイプだ。 今までの彼氏は皆、年上か頼りがいのある奴じゃなかったかと記憶している。 それじゃフラれるのは仕方ない、と心で呟きながら俺は親友を見つめた。 すると、こいつの表情がたちまち険しくなる。 「……お前の顔ムカツク」 「はぁ?」 「お前みたいな大人っぽい顔だったら俺だってフラれなかったのに!」 「おい、ちょっと――」 「なぁ、お前みたいな顔に整形したら高橋も付き合ってくれると思わねえ?」 八つ当たりのように主張してくる親友に俺は絶句した。 中学生の時から社会人に間違われていた老け顔なんかより、コイツの方が よっぽど良い顔をしていると思う。 「何でそんな発想になるんだよ?」 「お前には俺の気持ちが分からないんだ!お前は背高いし目も鋭いし鼻高けーし 俺みたいに貧相じゃねえしそれに――」 言葉を畳み掛ける親友だったが、ふと黙りこみじっと俺を見つめた。 「お前ってよく見るとカッコいいんだな。びっくりしたー」 無邪気な顔で言う親友に俺はまた絶句した。 驚いたのはこっちの方だ。 内心そう呟くと、俺は弛む口元を誤魔化す為に手許の本に視線を戻した。 いじめられっ子×いじめっ子
https://w.atwiki.jp/konashin/pages/2480.html
泉家にて かがみ「うーん、このケーキ美味しいわね」 つかさ「うん、あんまりくどくないから何個でもいけちゃうね」 みゆき「これどこのお店のものなんですか?」 こなた「うちの店のだよ」 かがみ「うちの店って・・・あのコスプレカフェの事?」 こなた「うん」 つかさ「へー、こなちゃんのとこのに腕のいい職人さんいるんだぁー」 こなた「君達もよく知っている人だよ」 みゆき「泉さん、それってもしかして」 シン「うーん、来週は和風フェアか・・・和菓子も覚えておかないとなぁ」 前 戻る 次
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/1908.html
友人だからこその気持ち 外は暴風雨で、時折ではあるが、雷鳴さえ轟いている。これでは流石の戦闘機も飛ぶことはできまい。 アキヨシはその事実にほっとするでもなく、喜ぶでもなく、ただそれを事実として淡々と受け入れていた。 辞令は下った。明日は無理でも、明後日にはアキヨシは出撃しなくてはならないのだろう。 それを覆すことなどできはしない。十三の春に入隊をしたときから、アキヨシが国のために散ることは 決まっていたのだから。 そのために様々な技術を叩き込まれ、この食糧不足の世においても一日二回の食事を与えられていたような ものなのだ。「飼われていた」という言葉が一番しっくり来るが、それでも飢えるでもなく親父に暴力を 振られるでもない環境は、アキヨシにとっては快適といって差支えがなかった。 アキヨシはコーヒーカップに並々と注がれた黒い液体を啜る。 深い苦味のあるそれに顔を顰めると、格好をつけて「ミルクはいい」と言い張った五分前の自分を呪った。 「雨、すげぇな」 荒れた空を窓越しに見上げ、それから背後の男を振り返った。 男はバッジをたくさん付けた軍服を着込んでいたが、その顔は妙に幼い。 それもそのはずだ、エリート街道を突き進み昇格を繰り返しているとはいえ、この男――、ハルナリは アキヨシと同じ十七歳なのだ。 加えて、もう幾年も続いている世界的な食糧難だが、それはここ数年取り分け厳しく、軍人とはいえ 充分な食事を摂ることさえままならない状況なのだ。 本来ならば筋骨隆々としていなければならないはずの体が比較的細身に保たれるのも道理と言えよう。 「すまなかった」 ハルナリが、唇を噛み締め言う。涙を溜めた目でアキヨシを見つめると、もう一度「すまない」と言った。 「……なにがだよ」 「私が君にしてやれることは、何もない」 「当たり前だろ。お前はただ偉そうにしてりゃあいいんだよ。俺のことなんかで頭を悩ますな」 アキヨシは苦笑する。 ハルナリとアキヨシは、今まで真逆の人生を歩んできた。 ハルナリは親子四代に渡っての軍人であり、何不自由なく生きてきた。品も学もあり、苦労知らずのお坊ちゃまと 言う表現がしっくりくるような風体をしている。 かたやアキヨシといえば、飲んだくれの親父の暴力に耐えかね、逃げるようにして軍隊へと入隊したのだから、 そもそもの生まれからしてハルナリとは違っているのだ。 そんな二人だがアキヨシが入隊したことによって知り合い、どういうわけか馬が合ってそして友人になった。 アキヨシに出撃の辞令が下ったのは、昨日のこと。 夜に係りの者が部屋を訪れ、最後に食べたいものはないか、欲しいものはないか、 家族への連絡を望むか、と事務的に尋ねた。まるで囚人のようだ。 だからアキヨシはこうしてコーヒーを飲み友人と最後の団欒をすることを望んだわけだ。 家族への連絡は不要と断った。親父は居るが、どこでなにをしているのかもアキヨシにはわからなかったからだ。 「君に辞令が下ることは知っていた。だが、私には、なにも……なにもできなかった」 「お前に何かを望んだりなんかしてねぇよ。余計なことはなにもしなくていい」 「だが、私が父に掛け合えば……、」 「やめろよ!」 アキヨシは声を荒げ、そしてハルナリを睨んだ。 「やめろよ、お前のお情けで出撃命令を取り下げてもらってもな、俺は少しも嬉しくなんかねぇ」 ハルナリは目を見開き、アキヨシを見た。 「お情けだなんて……」 「そうだろ、俺は入隊してから、何人もの仲間が死ぬのを見たし、そういう話を聞いた。だけど お前は俺以外の人間が出撃することになったとしても、上に掛け合おうとなんかしなかっただろ」 「それは……!」 「いいか、俺はお前と同等で居たい。同等の立場で居たい。身分も違う、階級も違うが、お前と 同等で居たいんだ。お前が俺の命を救う? それができたとしたら、それはお前が俺の上官で、 親父が立派で、俺よりもお前がエライからできんだよ。そんなことをされた時点で、 俺は、お前の友達ではなくなっちまうだろ」 アキヨシは肩で息をすると、椅子に崩れ落ちた。 暫くの沈黙が落ちる。 外では、雷鳴が鳴り響いている。 「私は……、私は……」 「俺はお前が好きだ」 ハルナリがはっとした顔をし、アキヨシを凝視した。 「この世で一番大事に友人だからな」 アキヨシの言葉に嘘はない。ハルナリは下士官であるハルナリに気さくに話しかけ、頻繁に遊びに誘い、 窮屈な軍隊生活を明るいものにした。ろくなことのない人生だったが、ハルナリと居る時間は、 それなりに楽しかったのだ。 ハルナリはノリのきいた軍服の袖で目元をこするとアキヨシに向き直った。 「知っている。君は私の――、」ハルナリは困ったように笑うと「友達だからな」と結んだ。 荒れた空をもう一度見る。それからハルナリに歩み寄り、その髪をかき回すように指先を突っ込んだ。 綺麗にまとめられた前髪が、無残に乱れた。 「武運を祈る」 「ああ――、大丈夫、戻ってくるさ」 戻ってきたものなど、ほとんど居ない。それをアキヨシはわかっていた。 ハルナリが敬礼をする。アキヨシもそれに応える。 もうすぐ明日がやってくる。 友人だからこその気持ち