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俺がハルヒと出会ってもうすぐ1年が経とうとしていた3月の話だ。 春休みを目前にして北高生徒たちはほんのり余裕のある毎日を送っていた。 だが俺にとっては一生悔いの残る春だった。 今日は10日。あと一週間ほどで春休みだ。 短縮授業が始まったことにより、部活動に所属していないほとんどの生徒は午前中の授業が終わると足早に下校を始める。 部活動には所属していない俺だが生徒会非公認の部活(部活と呼べるものでもないが)SOS団に所属していたため授業後は下校せずに部室に向かった。 部室と言っても正確には文芸部なのだがハルヒによって乗っ取られ、今となってはSOS団の根城となっている。 部室のドアを開けるとそこにはやはり椅子に座って本を読んでいる長門がいた。 「よう、長門。」 長門は俺を一瞥すると再び本に目を落とす。 これが長門流のあいさつ。いつもの光景だ。 俺はパイプ椅子を引き寄せ、腰掛けた。 時間は12時か。 腹が減ったな。弁当食うか。 俺は腹の虫を黙らせるため鞄の中の弁当を取り出して机に広げた。 なかなかうまいぜお袋。 弁当をかき込みながらふと思った。 やっぱり長門は宇宙人なんだから食べなくても平気なのだろうか? 以前長門のマンションに行ったときレトルトのカレーを出されたことがあったな。 あのときは気づかなかったが長門でも家ではメシは食ってんだな。 だが学内で食べてるところをほとんど見たことはない。 長門は昼はいつも部室で本を読んでいる。 万能な長門のことだからその気になれば一流シェフ並の料理ができそうな気もするんだがな。 聞いてみようか。 「長門。お前は料理とかしないのか?」 長門は無表情で俺を見ると、 「・・・・・しない。」 「いつぞやお前のマンションに行ったときに出してきたようなレトルトをいつも食べてるのか?」 「・・・そう。・・・手間がかからないので余計な行動をしないで済む。」 「レトルトだけじゃ栄養偏るぞ!」 「・・心配いらない。私はあなたたち人間とは違う。基本的に食べなくても活動自体に支障はない。」 やはり長門は食べなくても平気なのか。 それでも食べるってことは一応長門にも食欲はあるんだな。 長門には日頃から世話になりっぱなしだからな。今度どこかうまい店に連れてってやろうか。 「たまには自分で料理してみればいいさ。お前ならできるよ。」 長門はすこし考えこんだように沈黙すると、 「・・・・・承知した。」 そう言って再び本に目を落とした。 俺が弁当を食い終わり空の弁当箱を片付けていたとき部屋がノックされた。 「どうぞ。」 開かれたドアの向こうには憎らしいほどのハンサムフェイスを持った古泉が立っていた。 古泉は俺と長門を見て、 「おや?まだお二人だけですか。涼宮さんと朝比奈さんはまだのようですね。」 微笑面を浮かべながらいけすかない超能力野郎は俺の隣に座った。 こいつは料理とかするんだろうか? まぁ長門よりは可能性はありそうだが。 「なぁ古泉。お前は料理とかするのか?」 古泉は相変わらずの微笑面で俺の顔を見て、 「なんですか藪から棒に。珍しいですね。」 「で、どうなんだ?」 「えぇ、料理だけでなく洗濯や掃除などもしていますよ♪」 「男のお前がか?」 「僕も機関の指示で家族と離れてこちらでは一人で生活してますからね。全部一人でやってますよ。」 「ご苦労なこった。」 「まさかあなたから労いの言葉がもらえるとは思いませんでしたよ。なにか良いことでもあったのですか?」 「いや、聞いてみただけだ。大した理由はない。」 「あなたも料理くらいしてみたらどうですか?楽しいですよ♪」 「悪いが俺の中学のときの家庭科の成績は1だ。お前のように器用じゃない。」 古泉は俺に顔を近づけ、 「そんなこと練習次第でどうとでもなりますよ。なんなら僕が一から手とり足とりお教えしましょうか?」 古泉よ、目の前に長門がいることを忘れてないか?人がいる前でそこまで顔を近づけるのはやめてくれないか?いや、二人のときに言われたらもっと嫌だが… 「断る。俺の性分に合わねーよ。」 俺が古泉から離れながら言うと古泉はふふっと微笑みながら、 「それは残念です。」 何が残念なんだ? まぁいい。 すると再び部室のドアが小さな音でコンコン鳴った。 この小鳥がつついたような叩きかたはあの方しかいない。 古泉が応える。 「どうぞ。開いておりますよ。」 ドアが開くと廊下に立っていた人は頭をペコリと下げながら、 「ご、ごめんなさい。遅くなっちゃいました。」 この朝比奈さんの愛くるしい仕草は俺の目の保養だね。 あなたがいくら遅れても俺は怒りませんし、あなた待っててと言うならいつまでも待ちますよ。 朝比奈さんは顔を上げて部室内を見回すと、 「涼宮さんはまだ来てないんですかぁ?よかったぁ。」 朝比奈さん今のは少し問題発言ですよ。ハルヒに聞かれてたらまたあなたは悲劇のヒロインを演じてしまう。 「ハルヒならまだ来てませんよ。」 朝比奈さんは机の上に鞄を置き俺たちを見ると、 「キョン君、古泉君」 とニコリと微笑んだ。 これは今から朝比奈さんが着替える合図である。 いつまで愚直にハルヒの命令を守るつもりなのか。 まぁ俺としてはいろんな衣装の朝比奈さんを見れるわけで嬉しいんだが。 「おい。古泉。」 「はい。」 俺と古泉は部室の外に出てドアを閉めた。 今この中の光景を目にできないのは残念でならないね。 数分後ドアが開くとメイド服姿の朝比奈さんが、 「お待たせしちゃってごめんなさい。」 「いえいえ。」 別に謝らなくて結構ですよ。 あなたの迷惑ならいくらでも受けましょう。 「あ、お茶いれますね♪」 朝比奈さんはそのままお茶をいれる用意をしていた。 格好も行動もまさにメイドさんだ。 わざわざ先ほど長門と古泉に聞いた料理のことは朝比奈さんに聞くまでもないな。 朝比奈さんは既に実証済みだ。 同じ理由でハルヒもね。 そういえばハルヒはまだ来てなかったな。 学食にでも行ってるのか? まぁあいつがいないと平和でいいぜ。 することもないので古泉とチェスをすることになった。 口では偉そうにチェスの魅力を語っておきながら実力は相変わらずだ。 朝比奈さんはお茶をいれるためお湯を沸かし、長門は黙って本を読んでいる。 すると突然、バタンとドアが開き、 「遅れちゃったわ!」 とハルヒが現れた。 ハルヒは団長の席に座ると満面の笑みを浮かべて、 「みんな聞いて!SOS団に朗報よ!とうとうSOS団の名が全国に知れ渡るときが来たわ!」 またわけのわからないことを言い出しやがった。 「頼むから最初から説明してくれよ。」 ハルヒは立ち上がると俺の前に来て一枚のチラシを突きつけた。 『ミス女子高生日本一決定戦・予選受付開始』 なんだこれ? 「見ればわかるでしょ!ミス女子高生日本一を決める大会のチラシよ!」 「それは見ればわかる!お前は何が言いたいんだ!?」 ハルヒは腕を組み、 「あんたホントにバカね。この大会に出場して日本一になればSOS団の名も全国区に鰻登りよ!」 わかってはいたが一応ハルヒに聞いてみる。 「で、誰が出るんだ?」 ハルヒは朝比奈さんに抱きつくと、 「もちろんみくるちゃんよ!みくるちゃんならグランプリ間違いなしだわ!」 朝比奈さんはハルヒに抱きつかれ戸惑っている。 「えぇ~!?私が出るんですかぁ~?む、無理ですぅ~。」 「大丈夫よみくるちゃん!あたしが必ずグランプリにしてやるわ!」 「そ、そんなぁ~!」 またハルヒの横暴が始まった。 「おいハルヒ。朝比奈さんばかりに頼ってないでお前が出たらどうだ。たまには団長らしいとこ見せてくれよ。」 ハルヒは俺を睨み、 「なんで団長のあたしが出なくちゃならないのよ!団員なら団長の言うことに黙って従いなさい!」 「だったらお前も団長なら団員のことを少しは気遣ったらどうだ!少しは他人の迷惑も考えろよ!」 ハルヒは俺のそばに寄ると、 「迷惑?みくるちゃんはあたしのオモチャなのよ!あんたにそんなこと言われる筋合いはないわ!」 オモチャ? こいつが以前同じような発言をして俺が殴りかかろうとしたことがある。 あれから半年近くが経ってこいつも少しはマシになっていたかと思ったがちっとも変わっちゃいなかった。 「ふざけんな!朝比奈さんはお前のオモチャでも奴隷でもないんだよ!いつまでも子供みたいなこと言ってんじゃねえよ!」 俺は怒りに震えハルヒを怒鳴りつけた。 古泉が俺を止めようと俺の肩に手を置く。 ハルヒは一瞬驚いたような表情を見せたがすぐに俺を睨みつけ、 「そんなにあたしが嫌なら出て行きなさいよ!あんた一人いなくてもSOS団の活動になんら支障はないわ!」 この言葉を耳にして俺の中の何かが音をたてて切れた。 「や、やめてくださぁい。私なら大丈夫ですから喧嘩しないで下さぁ~い。」 そんな朝比奈さんの言葉も今の俺には届かなかった。 気がつくと俺はハルヒの頬を平手でひっぱたいていた。 パチンと渇いた音が部室内に広がる。 その音で俺は我に帰った。 しばらくの沈黙が流れハルヒが、 「なにすんのよ!」 と怒りだした。 「すまんハルヒ。つい・・・」 ハルヒは怒り顔のまま、 「あんたの考えはよくわかったわ!もうここには来なくていいわよ!破門よあんたなんか!死んじゃえバカ!」 ハルヒは鞄を取ると、怒っているのか泣いているのかなんとも言えない表情で走って部室を出ていってしまった。 やっちまった… あのハルヒとは言え俺は女に手をあげてしまった。 それもハルヒの心を深く傷つけてしまったらしい。 男として俺は最低だった。 「・・・キョン君。」 朝比奈さんは今にも泣きそうな顔で俺を見ている。 古泉がいつになく真剣な顔で俺を見ると、 「正気ですか!?男性であるあなたが女性に手をあげるなどとは!」 流石の古泉も今回の俺の行動には怒っているようだ。 古泉は真剣な顔で続ける。 「これは涼宮さんの性格や能力以前の問題です!あなたは涼宮さんの心を深く傷つけた!」 わかってはいるんだ古泉。だがあのときの俺は止めようがなかった。 「手をあげる気なんてなかったんだ・・・」 「それでもあなたが涼宮さんに手をあげてしまったのは事実です。すぐにでも謝るべきでしょう!」 「ああ、わかってる。」 泣きそうな顔の朝比奈さんは、 「ごめんなさいキョン君。・・・あたしのせいで。」 「朝比奈さんのせいじゃありませんよ。悪いのは俺なんです。」 「わ、私が言うのもなんなんですが涼宮さんには謝ってほしいです。涼宮さんきっと傷ついてます・・・」 「はい。わかってます。」 俺はハルヒを追うため部室を出た。 急いで校門に向かい坂道を下りるがハルヒの姿はない。 もう帰っちまったのか… 俺は携帯を取り出すとハルヒの番号にかけた。 「おかけになった電話は電波の届かないところにあるか電源が入っていないためかかりません。」 聴こえてきたのはハルヒの声ではなかった。 自力で探すしかないな… 結局その後夜まで不思議探索ツアーで行った場所やSOS団が活動した場所を探したがハルヒを見つけることは出来なかった。 諦めて帰ろうとしたとき背後から、 「キョン君。」 俺を呼び止める声がした。 振り返るとそこにはいつもより大人びた格好をした朝比奈さんがいた。 いや違う。これはさっきまでの朝比奈さんじゃない。 「ふふ♪またお会いしましたねキョン君。」 それは今まで何度も助けてくれた朝比奈さん(大)だった。 「朝比奈さん。また何か厄介事でもあるんですか?」 朝比奈さんは優しく微笑むと、 「今まさにキョン君が遭遇してるじゃないですか。」 ああ、そうか。この朝比奈さんもそれを体験済みなのか。 「キョン君。詳しくは禁則事項なので言えませんが明日世界にとってとても良くないことが起こります。この時間の私はそれに気づきません。そして長門さんでさえも。」 朝比奈さんは俺の手を取ると長方形のお守りを渡してくれた。 「このお守りはあなたを守ってくれます。今日は肌身離さず持って寝て下さい。」 「詳しくは教えてもらえないんですね。」 「ごめんなさい禁則事項です。ほんとはもっと早い時間に来るべきだったのですがどうしてもこの時間軸より前に遡行することができませんでした。」 「ハルヒの力ですか?」 「はい。とにかく明日涼宮さんに素直に謝ってあげて下さい。」 「わかってます。」 朝比奈さんはニコリと笑うと、 「それでは私は戻ります。涼宮さんのことを大切にしてあげてね。」 そのまま足早に俺の前から姿を消した。 とりあえず帰るか。 すっかり暗くなった空を見上げて俺は家路についた。 俺は家でシャワーを浴び、朝比奈さん(大)の言うとおりお守りをポケットに入れたまま床についた。 翌日になると俺はメシも食べずにいつもより早く家を出た。 早くハルヒに謝りたい。 俺のしちまったことは許されることじゃないかもしれないが、もしハルヒが許してくれるなら俺はなんだってする。 教室に着くとまだ誰もいなかった。 俺は自分の席に座りハルヒを待つことにする。 どうやってハルヒ謝ろうか? ハルヒは許してくれるだろうか? 俺にはハルヒを待つ1秒1秒がとても長く感じた。 どれくらい経っただろうか。 クラスに人が増え始める。 俺は教室の扉を見つめながらハルヒを待った。 予鈴が鳴りほとんどのやつらが席につき始めたときあいつはやってきた。 ハルヒは俺の顔を見ると俺の後ろの席に座った。 今俺の心臓は緊張で爆発寸前だ。 だがこのまま放っておくわけにはいかない。朝比奈さんとも約束したしな。 俺は勇気を出してハルヒに話しかけた。 「な、なぁハルヒ。昨日のことなんだが。お前に謝りたいんだ。」 ハルヒは眠たそうな顔で、 「なに?昨日のこと?どうゆうこと?」 良かった。 一応口は聞いてくれるみたいだ。 「昨日は俺もどうかしてたんだ。あんなことするつもりじゃなかった。悪いのは全部俺だ。本当にすまん。」 ハルヒは、 「だから昨日のことってなによ。なんで謝ってんのよ!あんた寝ぼけてんの?それとも夢であたしに変なことしたんじゃないでしょうね?」 「い、いやだからお前の顔に平手打ちをしてしまったことだ。許してくれとは言わん。お前の気の済むまで俺を殴ってくれても構わん。」 ハルヒは俺を睨みつけると、 「あんた夢の中であたしにそんなことしてんの?あたしになんの恨みがあんのよ!」 夢?さっきからなに言ってるんだハルヒは。 「夢じゃないだろ!」 「あたしはそんなことされた覚えないわよ!もしあたしにそんなことしたら死刑にしてやるから!」 覚えがないだって? 俺が叩いたせいでハルヒの記憶が飛んじまったのか? 「夢でもあんたに平手打ちくらったなんて気分悪いわね。放課後たっぷりお仕置きしてあげるから部室から逃げるんじゃないわよ!」 「俺はSOS団破門じゃないのか?」 「なに?あんた辞めたいわけ?いい度胸じゃない!あんたの罰ゲームが増えたわ!」 さっきからハルヒと話が噛み合わないのは何故だろうか? ハルヒは昨日のことを忘れようとしてくれてるのか? まぁいい。ハルヒが許してくれるならどんな罰だって受けてやる。 「放課後部室に行っていいんだな?」 「当たり前じゃない!来なきゃ死刑よ!」 俺とハルヒがそんな話をしていると担任の岡部が現れHRが始まった。 岡部の話を聞いてると話してる内容が昨日と同じである。 ハンドボールのやりすぎでとうとうボケたのか? 「なぁハルヒ。岡部のやつ昨日と同じこと言ってないか?」 頬杖をついたハルヒは、 「知らないわよ。いつも聞いてないから。」 それもそうか。 まぁいい。ハルヒの機嫌は悪くないしな。 そして岡部の話が終わると授業が始まった。 一時限目は昨日と同じ数学だった。 数学?今日は物理のはずだ。 時間割に変更でもあったのか? だが授業を聞いてると内容が昨日と全く同じだった。 ハルヒの不可解な言動といい、岡部の話といいさっきからおかしいぞ? 昨日の出来事はハルヒの言うとおり夢だったわけか? いや、違う。 俺のポケットには確かに朝比奈さん(大)から貰ったお守りがある。 朝比奈さんは俺に気づかせるためにこのお守りを持たせてくれたのか。 じゃあ一体どういうことなんだ? 俺だけが昨日にタイムスリップしちまったのか? 長門なら何かわかるかも知れない。 俺は午前の授業が終わると急いで部室に向かった。 俺が部室のドアを開けると昨日同様本を読んでいる長門がいた。 俺は座っている長門の両肩を掴み、 「一体これはどういうことなんだ長門!お前ならわかるだろう!」 長門は俺を見ると、 「あなたの言ってることは理解できない。」 俺は絶望した。 いや、待て。昨日の朝比奈さんの言葉を思い出せ。 確か長門さえも気づかないと言っていた。 じゃあ何故俺だけ? すると部室のドアがノックされた。 開いたドアの向こうにはやはり古泉がいた。 俺は古泉に向かって、 「おい古泉!今日は何日だ!」 古泉は微笑面で、 「今日は10日ですよ。今日もいい天気ですね。」 やはりこれは昨日だ。 もはや頼みの綱はこの2人に昨日のことと朝比奈さん(大)のことを話すしかない。 「古泉、長門。信じられないかもしれないが聞いてくれ。」 俺は二人に全てを話した。 「ってことなんだ。信じてくれるか?」 長門は俺を見て、 「あなたは嘘をつかない。私は信じる。」 よかった。 「ありがとう長門。それとこれがなんだかわかるか?」 俺はポケットから朝比奈さん(大)から貰ったお守りを長門に見せた。 長門はお守りに手をかざすと、 「この物体には時空振動に対しての防御シールドが展開されている。これを持っているといかなる時空振動の影響も受けない。」 …なるほど。 これが朝比奈さん(大)のお守りの正体か。 どうりで俺だけ昨日の記憶があるはずだ。 俺と長門の話を黙って聞いていた古泉が、 「あなたの話は本当でしょう。涼宮さんの力によって時空操作が行われたに違いありません。」 「古泉お前にはわかるのか?」 「ええ、8月の時間ループのことを思い出して下さい。いまおそらくあの時と同じことが起きてるんですよ。」 「なんでこんなことになったんだ?」 「簡単なことです。涼宮さんもあなたと同じように自分の行為を後悔していたのですよ。それにあなたに平手打ちされて気づいたのです。だから時間を戻せないかと考えてしまい、それが現実に起こってしまったのです。」 …そういうことか。 だが俺が謝りたいのはこの時間のハルヒじゃない。昨日のハルヒに俺は謝りたいんだ。 「もとに戻すことはできないのか?」 すると長門は、 「・・・可能。私が涼宮ハルヒの力の仲介となり時空操作を行う。」 「できるのか?じゃあやってくれ!」 「あなたにとっての昨日の何時に戻せばいいのか教えてほしい。」 何時?確かあれは12時を30分ほど過ぎたころだ。 「12時30分頃だ。頼む長門。」 長門は少し沈黙すると、 「了解した。これよりあなたの記憶の中にある時間に合わせて時空操作を行う。」 長門は立ち上がり手を上にかざした。 古泉が、 「むこうの僕にもよろしくお願いしますね。」 と微笑んだ。 長門は、 「あなたのいるべき時間はここじゃない。あなたはあなたの世界に帰るべき。あなたには帰る場所がある。」 「ありがとな。長門。古泉。」 「目を瞑って。」 俺が目を瞑ると頭の中が回転したように感じ、光の中へ飛び込んで行った。 俺が目を開けると目の前にはハルヒがいた。 ここは部室。 ハルヒは走って部室を出ていった。 なるほど…ドンピシャだぜ長門。 前に見たときは気づかなかったがハルヒはあの時怒っていたのではなく泣いていたんだ。 追わなければ。 これでハルヒを見失ってしまったら時間遡行してきた意味がなくなる。また同じことの繰り返しだ。 俺は急いでハルヒのあとを追った。 ハルヒに謝りたい。ただそれだけなんだ。 俺の前を走るハルヒは1年5組の教室に飛び込んでいった。 あの時ハルヒは教室にいたのか。街で発見できないはずだ。 俺は覚悟を決めて教室に入った。 ハルヒは自分の席に腕をついて顔を伏せている。 「・・・ハルヒ」 ハルヒはなおも顔を伏せている。 「ハルヒ。俺が悪かった。お前の気持ちも考えずに手を上げちまったことを謝る。すまん。」 ハルヒはなおもうつむきながら、 「・・・ぇっぐ・・あ・・あんたは私のこと迷惑だと思ってるんでしょ?」 ハルヒは明らかに涙声だ。 「確かに毎回お前に振り回されて迷惑することもある。だがお前を嫌いになったことなど一度もねぇよ!」 「・・・ぅっぐ・・・・ホントに?」 「ああ。お前が俺たちを勝手に振り回してるのになぜ俺たちがお前と一緒にいるかわかるか?」 ハルヒは黙りこんでしまった。 「それはなハルヒ。お前のことが好きだからだよ!俺も古泉も長門も朝比奈さんもみんな好きだから一緒にいるんだ。」 ハルヒは顔を上げると立ち上がり俺を見た。 やはりハルヒの目には涙が流れてる。 俺のしちまったことは重大だな。 「・・・その言葉信じていいの?」 ハルヒは涙を流しながら真剣に俺を見ている。 「同じSOS団だろ?団長なら団員の言葉を信じろよ!まぁ今の俺はお前に破門されちまったから団員じゃないがな。」 ハルヒは涙を服の袖で拭うと、 「有希とみくるちゃんと古泉君の3人に免じて破門だけは撤回してあげるわ。」 「ごめんなハルヒ。今の俺をお前の気の済むまで好きに殴ってもらっても構わん。これからどんな罰ゲームでも受ける覚悟はできてる。」 ハルヒは俺に近づきながら、 「そんなことするわけないでしょ。あんたを殴ってもあたしの気はおさまんないわよ!」 「じゃあどうしたらお前の気が済むんだ?俺に出来る範囲ならなんでもするつもりだ!」 「・・・なんでも?それは本当ね?」 「ああ。男に二言はねえ!」 ハルヒは俺のすぐ前まで来て俺の顔を見る、 「だったらあたしのこと抱きしめなさい!」 抱きしめる?なんでそんなこと。 「なんでも言うこと聞くんでしょ?早くしなさい!」 ハルヒの考えてることはよくわからんがそれでハルヒの気が済むなら… 俺はハルヒを抱きしめた。 今俺の胸の中にいるハルヒがどんな顔をしているのかわからない。 怒っているのか、泣いているのか、笑っているのか、照れているのか。 だがハルヒがどんな顔をしていたとしても俺は全てを受け入れるつもりだ。 そのまましばらく沈黙が続きハルヒが俺の胸から離れると 「今日はこれで許してやるわよ。そのかわり今度からあんたにはいっぱい償ってもらうからね!」 「わかってるよ。」 その後のハルヒとの会話は覚えていない。 俺たち二人は部室に戻り、他の団員に和解を伝えた。 なんとか全て丸く納まり俺たち5人は今下校のため坂道を下っている。 俺がハルヒに謝れたのはお守りをくれた朝比奈さん。状況を理解して俺に教えてくれた古泉。俺のことを信じてこの時間へ送ってくれた長門。 この3人のおかげだ。 この3人はそのことを知らないだろうが… 「朝比奈さん、古泉、長門。・・・・・ありがとな。」 朝比奈さんは頭に?マークを浮かべて、 「なんのことですかぁ~?」 古泉は得意の微笑を浮かべて、 「おや?僕に料理を教わる気になったのですか?」 長門は不思議な顔で俺を見つめていた。 「じゃあ僕たちはこの辺で。」 朝比奈さん、古泉、長門はそれぞれ違う方向に帰っていった。 残った俺とハルヒは二人で街中を歩いている。 俺たちは途中で見つけた雑貨屋に何気なく入った。 雑貨屋の中を歩き回っているとハルヒが足を止め、ある商品を見ている。 そこにはピンク色のリボンつきのカチューシャが飾ってあった。 そういえばハルヒはカチューシャが好きだったな。 「なぁハルヒ。今日のお詫びにこれをお前にプレゼントするよ。」 ハルヒはいらないと言っていたが俺はすぐさま購入し、ハルヒに無理やり押しつけた。 ハルヒは戸惑いながら、 「あ、あんたが勝手に渡してきたんだから礼なんて言わないわよ!」 「礼なんていらんよ。俺のお詫びだ。ここでつけていけよ。」 「い、嫌よ!あたしはこっちのほうが気に入ってるの!」 と頭を指差す。 まぁなんでもいいさ。 ハルヒが俺を許してくれたみたいだからな。 俺の背中を後押ししてくれた朝比奈さん・古泉・長門。 そして目の前にいるハルヒ。 改めて思ったよ。 みんな俺にとってかけがえのない存在だってことをな。 今なら胸を張って言えるぜ。 「俺はSOS団団員その1だ!」 ってな… ◆エピローグ◆ 日曜日の話だ。 俺たちSOS団は今日も駅前に集合し不思議探索を始める予定だった。 だが当日になって朝比奈さんと古泉と長門が揃って欠席した。 俺は仕方なく駅に向かうとハルヒがすでに待っていた。 ハルヒは意外と機嫌は悪くなく笑顔で、 「さ~て今日の欠席の罰ゲームは何にしてやろうかしら!」 またなにやらよからぬことを考えてるらしい。 「さぁ行くわよキョン!」 俺の手をひいて歩くハルヒの頭には俺がプレゼントしたピンク色のカチューシャが掛かっていた。 「…似合ってるぜハルヒ。」
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ニンテンドー3DSとは 本体概要 スペック比較 機能・サービス ニンテンドー3DSとは 20100929nintendo3ds.jpg 発売日 2011年2月26日(日本) 販売価格 25,000円(希望小売価格) ニンテンドー3DSとは任天堂が開発、発売予定の携帯型ゲーム機です。 日本では2011年2月26日に発売を予定しています。(アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアでは同年3月予定) ニンテンドーDSシリーズ(ニンテンドーDS・ニンテンドーDS Lite・ニンテンドーDSi・ニンテンドーDSi LL)の次世代に当たる携帯ゲーム機です。 ニンテンドーDSシリーズとの相違点は大きく5点あります。 1点目、裸眼で3D(立体映像)を見る事ができます。 2点目、新たな入力デバイスが存在します。(スライドパッド、モーションセンサー、ジャイロセンサー) 3点目、通信の強化がされています。すれ違い通信では同時に複数のソフトで、すれ違うことができる様になりました。 4点目、グラフィックの大幅進化。(DS=64レベル、3DS=GC、PS2レベル) 5点目、マルチタスク対応。 参考画像:スパ4の3DS(左)とXBOX360(右)比較 参考画像:MGS3の3DS(左)とPS2(右)比較 参考画像:バイオの3DS(左)とHD機(右)比較 参考画像:バイオの3DS(左)とHD機(右)比較 ※(2D時の画面です。個人の感覚だと思いますが3Dでは3割増で綺麗に見える?という体験者の話もあったりします。) ▲上に戻る 本体概要 ニンテンドー3DS 本体概要(PDF) ニンテンドー3DS サイズ 約134(横)×74(縦)×21(厚さ)ミリ(閉じた状態) 重さ 約230グラム 上画面 3.53インチ裸眼立体視機能付きワイド液晶(800×240ピクセル) 下画面 3.02インチ液晶(タッチ入力対応、320×240ピクセル) カメラ 内カメラ×1/外カメラ×2(各640×480ピクセル) 無線通信 2.4GHz(3DS同士の対戦プレイが可能)、無線LANアクセスポイント経由でネット接続(IEEE 802.11・WPA/WPA2対応)、スリープ時に自動で3DS同士でデータを交換したり、ネットからデータを受信する機能 入力 A/B/X/Yボタン、十字ボタン、L/Rボタン、スタート/セレクトボタン、スライドパッド(360度のアナログ入力可能)、タッチスクリーン、内蔵マイク、カメラ、モーションセンサー、ジャイロセンサー その他入力 3Dボリューム(3D表示の立体深度をスムーズに変更可能)、HOMEボタン(本体内蔵機能を呼び出す)、無線スイッチ(ゲーム中でも無線をオフできる)、電源ボタン コネクタ ゲームカードスロット、SDメモリーカードスロット、ACアダプタ接続端子、充電端子、ヘッドホン端子 サウンド 上画面左右のステレオスピーカー タッチペン 伸縮可能(伸ばした状態で約10センチ) バッテリー リチウムイオン ゲームカード 3DS専用カード(サイズはDSカードと同等、容量は発売時点で最大2Gバイト) ▲上に戻る スペック比較 3DS DSi LL DSi DS Lite DS 横 134mm 161mm 137mm 133mm 138.7mm 縦 74mm 91.4mm 74.9mm 73.9mm 84.7mm 厚さ 21mm 21.2mm 18.9mm 21.5mm 28.9mm 重量 230g 314g 214g 218g 275g 上画面サイズ(インチ) 3.53ワイド 4.2 3.25 3 3 上画面解像度. 800×240(3D表示時 400×240) 256×192. 256×192. 256×192. 256×192. 下画面サイズ(インチ) 3.02 4.2 3.25 3 3 下画面解像度 320×240 256×192 256×192 256×192 256×192 内カメラ 1個 1個 1個 × × 外カメラ 2個 1個 1個 × × 画素数 640×480 640×480 640×480 × × SDカードスロット ○ ○ ○ × × スライドパッド ○ × × × × モーションセンサ ○ × × × × ジャイロセンサ ○ × × × × 3Dボリューム ○ × × × × HOMEボタン ○ × × × × 無線スイッチ ○ × × × × 使用可能ソフト DLソフト . 3DS/DS(i)用ソフト 3DS用DLソフト DSiware DS(i)用ソフト. DSiware DS(i)用ソフト. DSiware DS/GBA用ソフト.. DS/GBA用ソフト.. ゲームソフト容量(※上記太字ソフト) 2GB~ 512MB(0.5GB) 512MB(0.5GB) 512MB(0.5GB) 512MB(0.5GB) ※重さや長さはおおよそ。 ※ゲームソフト容量は現時点で採用がわかっている最大のもの。 ▲上に戻る 機能・サービス 機能 サービス 参考画像 いつの間に通信 ニンテンドー3DSがスリープモードの際、ニンテンドーゾーンや無線LANアクセスポイントを自動的に探索し、ゲームのデータ・無料ソフト・映像などを“いつの間に”か届けてくれる。 すれ違い機能 ニンテンドー3DSがスリープモードの際に、自動的に他のニンテンドー3DSとデータを交換する機能。最大12種類の3DSソフトの通信を同時に行うことが可能。 ダウンロード ダウンロード販売サービス Wiiにおける「Wiiショッピングチャンネル」と「みんなのニンテンドーチャンネル」に相当する機能です。ソフトの購入に加え、体験版DL、ソフトの紹介映像やランキングなども閲覧可能です。岩田社長のインタビューで3D映画配信をしたいとのコメントも。 ショップ1ショップ2VC1VC2 ソフトとデータの引っ越し機能 購入済みのダウンロードソフトを別のニンテンドー3DSに移す事が可能です。DSiやニンテンドーDSi LLからニンテンドーDSiウェアを引っ越しすることも可能です。※引っ越し回数には制限があります。引っ越しできないソフトもあります。 内蔵ソフト 思い出きろく帳 ソフトのプレイ記録と歩数計の機能を組み合わせた物の様です。歩数計機能には歩数に応じて「ゲームコイン」というものが貯まるようになっていて貯めると対応ゲームで共通で使える予定 Miiスタジオ Wiiの「似顔絵チャンネル」が更に強化されました。パーツが増えた事もさながら、ニンテンドー3DSで撮った写真から自動的にMiiを作成可能です。また、WiiやDSソフト「友達コレクション」で作成したMiiを連れて来る事ができます。 Mii用QRコード すれちがいMii広場 ネットワーク経由で「Miiスタジオ」で作成したMiiの交換が出来ます。すれ違った人がプレイした最新ソフト等を見る事ができます。 Mii広場1Mii広場2 AR(拡張現実)ゲームズ 付属のARカードを外側カメラで映すと実際の映像に、バーチャルな映像を重ねてゲームができる。 ニンテンドー3DSカメラ 立体写真が撮影できます。合体カメラ(2人をの顔を合体させる)他いろいろなモードあります。 ニンテンドー3DSサウンド 音楽プレーヤー。本体マイクで録音し再生や加工。最大10秒間の音声データをSDカードに180個まで保存可能。SDカードに保存された音楽ファイル再生。曲の流行がわかる、すれちがいヒットチャートなど 顔シューティング カメラで撮影した人物の顔が敵になり打ち落としていくシューティングゲーム すれちがい伝説 冒険ゲーム。すれちがいMii広場で集まったMiiを使って冒険(詳細不明) インタネットブラウザー インターネットができます。 互換機能 ニンテンドーDSのソフトも遊べます。 保護者による使用制限機能 子どもにも安心して使えるように、レーティングによるゲームの起動制限やブラウザーの起動制限,3D表示不可設定など HOMEボタン ゲーム中に押すとHOMEメニューを表示します。ゲームを終了させることなく一時中断し、別の作業をしたあとまたゲームが再開ができます。※ソフトの状態によって機能が使用できない場合があります。 3D動画撮影? 将来のバージョンアップで3D動画撮影も可能したいと岩田社長の公式発言がありどうなるか未定 ▲上に戻る 名前 コメント ▲上に戻る
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114 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/09/06(日) 01 33 11 ID ??? カロッゾ「息子のことで悩んでいるとか」 ラル「えっ、息子がいらったんですか!てっきり娘さんだけかと」 セルゲイ「ええ、でも高校生の時に家から出ていったきりで………」 カロッゾ「どうして、またそんなことに」 サジ「えっ、アンドレイさんってセルゲイさんの息子さんだったんですか!!」 アンドレイ「まあな………」 セルゲイ「アンドレイは小さい時は内気な子でしてね、独りでジェンガやジグソーパズルをやっていた子でね………」 アンドレイ「…母は早くになくなり…父は当時特殊部隊にいてね……」 ちびっこアンドレイ「おとうさん、あのね、今度、授業参観があるんだけど…………」 セルゲイ「すまんな。仕事があるからいけん。」 ちびアンドレイ「今度、運動会があるんだけど……」 セルゲイ「すまんな。任務が入ってな」 セルゲイ「ってことがありましてな、 その為、出来るだけ休暇を取り、良くキャンプに行ったもんでした」 ちびアンドレイ「父さんもう寒いよ………なんでシベリアなんかに来たの。僕たち防寒着じゃないのに……」 セルゲイ「気合いだアンドレイ!、後二十キロでキャンプ地につくぞ」 アンドレイ「ってことばかりでね、高校生になってからは家から出で下宿してたんだけど…… ……最近、実家に帰ってみたら乙女と二人暮らししてやがって!!母さんは忘れたのかと!!俺は彼女いないのにあの親父は!!!」 ちなみにアンドレイは本当にジェンガとジグソーパズルが趣味です 116 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/09/06(日) 02 24 43 ID ??? 114 パズルはともかくジェンガも一人でやるのか?w アンドレイ「ここなら抜けるはず…」 グラグラ アンドレイ「くそっ無理だな…ならこっちから…いやいやっ!一度触れた以上それを抜くのがルールだ!」 ガラガラガッシャン アンドレイ「倒れたぁ!!…よし、積み直してもう一回…」 117 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/09/06(日) 02 28 39 ID ??? 116 脳内乙女を駆使して、1人プレイから7人プレイぐらいまで対応出来るはずだ。 118 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/09/06(日) 02 41 21 ID ??? 117 アンドレイ「私の脳内乙女は108人まで再生可能です」 119 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/09/06(日) 02 57 26 ID ??? 117 もうそれ本当に単に駄目な奴だ……ww アンドレイ「ラブ○ラス最高の乙女だ…」
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総合 DSステーション(現・3DSステーション)設置店 発売日から2011年でもすれちがいしている人が数名確認。 但し、大都市圏近い場所が有効。地方になればなるほど無効。東日本大震災後には格段に落ちている。 日にち(主に平日)や時間帯(平日限定、開店時間~PM2 00、PM8 00~閉店時間。休日の場合は出来る時間帯が拡大する)によってはすれちがいできない事もある。 山手線圏内全般 移動中にすれちがい通信状態にしている人が多く、ターミナル駅で乗り換え利用客が通る通路などは非常に効率よく数を稼ぐことができる。人通りが多い駅では、立ち止まっての通信は邪魔にならないよう注意。改札内のカフェなど座って長居できる場所がオススメ 電車内でもすれちがい通信をしている人もいる。時間帯によっては短時間に3人が来る事もある。他社の電車と比べてもかなり多い。 2009年のリーグ戦や日本シリーズ時には東京ドーム、神宮球場の帰りの人達から午後9時以降にメッセージ(中日頑張れ、巨人勝て他多数)でそこそこ確認。 新宿 いたる所の改札近辺で、通勤時間帯なら相当すれちがえる。 Science BAR(サイエンス・バー)という歌舞伎町のバーでは充電器も貸し出してくれる。 水道橋 JR水道橋駅の改札近辺で、通勤時間帯なら相当すれ違える。朝8時から10時の間で50人程。夕方17時から19時の間で同じく50人程とすれ違えた。 お台場 潮風公園 等身大ガンダム像を見に集まる人が多くてオススメ。 フジテレビエントランス 8月いっぱいお台場合衆国をやっている。ドラクエブースにはドラクエやっている人だらけ。 椅子もあって座ってできる。1日で100人くらいすれ違える。 豊洲 ららぽーと キッザニア前にDS持った子供の行列 東京駅 駅構内中央の通路は割とすれちがえる。 改札外なら丸の内口地下の動輪の広場にリーマン多し。 下北沢 344 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/07/19(日) 23 56 53 ID T/iCjrI90 下北沢を散歩したら、30人くらいとすれ違いできた。 愛知、福岡、宮城の人が居たよ~ あと場所柄か雑誌編集者、ライター、漫画家、劇団員等々、自称だけどさまざまで面白かった。 中野 駅構内や、中野ブロードウェイですれちがい報告あり。 特に、中野ブロードウェイは、いっぱいすれ違えてます。 立川 都下では一番のオススメ地域か? 駅前の通勤客を狙うと効率がいい。改札横のコンビニの隣がお勧め。 ビックカメラの中ですれ違える 都心はずれで未だにすれ違いができる貴重な場所。 夕方以降立川駅5・6番線で高尾or大月行と青梅行の待ち合わせがあれば3人すぐ埋まるときがあります。(通勤快速運行時間帯が目安) 町田 JR町田駅、私鉄小田急町田駅 駅構内が狙い目。 町田ヨドバシカメラ 100 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/07/20(月) 17 53 40 ID Cc2DxRpvO 町田ヨドバシだけど、40分で13人とすれ違えた。 それ以外にも、Wi-Fiクエスト期間中も結構すれ違いやすい。 ソプマップ町田店 駅から若干離れているのでヨドバシカメラより格段に落ちるが、すれちがいが可能。 八王子 駅構内でどんどんすれ違える 改札前、北口エスカ下などがお勧め ヨドバシカメラ7Fでも。 吉祥寺 236 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/07/20(月) 19 19 07 ID Q3UfwUFa0 吉祥寺ヨドもたくさんいたよ もっとこまめにセーブすればよかった ついでに井の頭公園にも一人 吉祥寺ヨドoシ(1F、5Fゲーム売り場に多い) 土日は30分弱で20人以上ととすれ違えました。 まさゆきの地図8枚(!)、川崎ロッカー1枚、もらいました。 ヨドバシでずーっと待ち伏せもいいけど、同じくずーっと待ち伏せしてる人がいてチト恥ずかしい 穴場は井の頭線の改札前、JRと違って改札が1つしかないから、みんな前を通り過ぎる。 電車一本止まるごとに2,3人だからペースは遅いけど、次の電車来るまでに挨拶まわって地図回収とか 出来るからテンポはちょうどいい。今の時期は暑いけどね。 三鷹駅 駅構内結構すれ違ったよ。通勤でみんな鞄に入れてるんだろうけど。 あと南口マックでも数人すれ違えた。 府中 くるるに在るTOHO映画館のチケット売り場がおすすめ。 またB1にあるトイザラスもすれちがえる 東京競馬場(府中市) 競馬開催日はかなりのすれ違いが期待できると思います。(G1レースの日は特に) 天皇賞の日(11/1)は1レースから最終レースまでで余裕で100人以上すれ違えました。 有楽町(ビックカメラ有楽町店本館) ビックカメラB2に設置してあるDSステーション周りに多数のDSを持った人がいる。 平日18時付近(社会人の帰宅時間)や土日に特に多く、多いときは1時間で50人超えるくらいすれ違う。 各フロアを歩きながらでもかなりすれ違うので、お買い物ついでにいいかも。 錦糸町(ヨドバシカメラ錦糸町店) 2Fゲーム売り場入り口のDSステーション付近にDS持った人多し。平日夕方および土日がピーク 売り場周辺をDS鞄に入れてぶらぶらしてたら15人程すれ違い確認。まさゆき、魔王などレア地図もゲット出来た 大手町 リーマン街で誰もいないように見えて割といます。 乗り換え用の階段付近が狙い目です。 茅場町 大手町と同じく乗り換え用階段付近が狙い目です。 高円寺 通勤、帰宅時間が狙い目です。 昼までも割といます。改札付近で待っていると、たくさんすれ違えます。 恵比寿 日比谷線乗り換え時に地上に出るので地下鉄改札←→JR改札の間に多数すれ違い可能 通勤、昼、帰宅時間帯のそれぞれですれ違い確認。 目黒 恵比寿と同じく地下鉄・JR間乗り換えのために移動する人ですれ違い多数。 ただし適当な居場所が無い。 品川 通勤、帰宅時間が狙い目です。メーカー系の社員が多いためか、高確率ですれ違えます。 中央改札を出たあたりなら、立ち止まっても邪魔になりません。 北千住 北千住駅のJR常磐線ホームや東武線1階ホーム・日比谷線3階ホーム・千代田線ホームがおすすめです。 特に夕方・夜の混雑時の東武線1階下りホームと日比谷線3階下りホームでセットするとすぐに3人やってきます。おすすめスポットです。 上野 JR上野駅の常磐線ホームから山手線・京浜東北線ホームまで移動する間ですぐに3人やってきます。 特に夕方・夜の混雑時の山手線・京浜東北線ホームでセットするとすぐに3人やってきます。おすすめスポットです。 江東区・東京ビックサイト コミックマーケットとジャンプフェスタ2010限定。 コミケは、夏が最も多かった(冬もそこそこすれちがえられた)、お勧めはゲーム日(それ以外の日は保障しない)。 ジャンプフェスタは、メーカーブースのモリーの配信のおかげで、すれちがえられる。 六本木 言うまでもなくカラオケパセラの「ルイーダの酒場」で、9とDS版6のすれちがい通信が出来る。 但し、入場に人数制限がある上に店内が非常に狭いのでDSやソフトが飲み物でかぶる可能性が非常に高い。 東京都青少年保護条令により、午後6 00以降に、年齢制限あり。 時間帯によっては、すれちがえる人数に波あり(特に休日の昼と平日の夕方以降は落差が激しい)。 最終入店時間はかなり遅いので、宿泊込みなら問題は無いが、近場の場合は終電に間に合わなくなる事もある。 最終入店時間のすれちがいは、相当落ちるが、前の時間と比べても比較的に空いているので、食事重視なら意外にも狙い目である。 プレオープン時には、某公式の人物から間接的に堀井雄二(キャラクター名、ジョルジュ、地図名、残された光の地図Lv91)とすぎやまこういち(キャラクター名、すぎまろ、地図名、呪われし夢の地図Lv42)の地図が貰えた。 交響組曲ドラゴンクエスト9先行視聴会でも、すぎやまこういちが、会場・カラオケパセラの「Bajamar」でキャラクター名、すぎやんの「あらぶる魂の地図Lv99」を配布した。更に「ルイーダの酒場」に乱入して、同マップを配布した。 それ以降は、某公式の人物から、間接的に堀井雄二とすぎやまこういちのマップが、不定期に配布される。 完全にネタ地図配信専用所。 ネタ地図以外の、すれちがい通信は上記の店内に状況により、店外での待ち時間でやった方がお勧め。 更に、プレオープン時のすぎまろマップの公式配布者の戦歴が明らかにおかしい事がブログや画像で確認済み(この時点で、収集アイテムコンプ率100パーセントはありえない為)。 2010年の夏休みでは、多くすれちがう場所になっている為に、改造マップ配布者も出始めている。
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すれちがい通信とは、DSワイヤレスプレイの機能を利用して、すれちがったオーナーさん同士でグッズや写真、オーナーカードを交換することです。 足を運ぶのサブメニュー [おでかけ] で、[ねこカフェ]に行くとすれちがい通信が選べます。 すれちがった場合は、オーナーカードが交換され、すれちがい相手の情報が街のマップに追加されていきます。 フタを開けてみて「通信相手を探しています・・・」の画面のままだと、すれちがってません。 すれちがってない場合、グッズ等はなくなっていないのでご安心を。 2匹目スレ281さんの情報 ・すれ違い設定時、ふたを閉じていても音楽や効果音が鳴り続ける ・すれ違っても特に合図なし(ずっとイヤホンで聞いてたけど、すれ違ったことに気付かず) ・すれ違い設定のあいだ、猫が鳴いたりするけど関係なし ・通信成功→OK→猫がプレゼント箱くわえてくる→アイテムGET→カードはオーナー地図で確認できます、のメッセージ (この時点でオーナー名は確認できず) ・nintendogsのような相手猫との戯れは皆無 ・続けて通信できるように、添付アイテム選択画面へ戻る ・人からもらった写真は、アルバム内で青く表示される ・人にあげたアイテム、写真は消える 2匹目スレ739さんの情報 ・通信中は電源ランプが点滅→すれ違いが終了すると点滅が止まり、点灯しっぱなしになる ・通常のすれ違いで猫が持ってくる箱の色は赤だが、 一度すれ違ったことのある人と再びすれ違うと、猫が持ってくる箱の色が青になる ・相手にメッセージを伝えたい時は、写真のタイトルを利用すると便利 ■なかなかすれちがえない方へ すれちがいオフ専用スレ 夢ねこDS・すれちがい通信 あります。 ここを編集
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内容 マップサイズ 20×11 攻略ターン数 25ターン 難易度 ★★ 勝利条件 相手の旗艦ユニットを撃墜する 敗北条件 自軍の旗艦ユニットが撃墜される 概要 敵艦隊と遭遇した。 どこまでも広がる岩礁群を前に 我々は戦闘態勢をとるのだった。 出現敵ユニット 兆級巡航艦×1(旗) 四十四型戦闘機×8 五十五型戦闘機×8 氷塊×2 トレジャー 名称 場所 粘性皮膚状組成(TACⅡ) MAP中央 資源 ソルモナジウム 0 エーテリウム 0 バイドルゲン 2(160) 攻略 謎戦闘機が合体して襲いかかる。しかし分離して襲ってくる事も多い。 特筆すべき箇所として戦闘機・フォースの両方が波動砲を持っている点だろう。 しっかりチャージキャンセルして敵に撃たせないようにしたい。 逆に言えばチャージさえキャンセルすればそれほど恐ろしくはない。 ここでもベルメイト本体が役に立つ。 高い攻撃力に加え、何より構成上、射程1の攻撃を無効化できるのが謎戦闘機には有効。 トレジャーまでは道なりに進んで行くルートがオススメ。 最後まで道なりに進んだとしても、それでもクリアターンには十分間に合う。 最初の曲がり角での混戦を切り抜ければ決して恐ろしくはない。 ちゃんと索敵して、ちゃんとチャージキャンセルして乗り切ろう。その後、MAP中央のトレジャーを回収。 周辺には、ケツに五十五型を付けた四十四型もいるのでベルメイトの衝撃波などで倒しておく。 敵旗艦の兆級巡航艦は左下に鎮座している。そこまでの到達方法は2通り。 1つは岩の道なりに進んで倒す方法。進みやすくベルメイトでの索敵がし易い点がメリット。 ただしターン数がややかかり、MAP下部の敵とも戦う必要あり。敵旗艦の艦首砲にも注意。 もう1つは、MAP左上の氷塊を破壊し上部から強襲する方法。 氷塊を破壊した先に五十五&四十四型が1セットいるが、岩陰からベルメイトでリセットしてやればいい。 氷塊のあった辺りに旗艦やデコイ等を置きフラフラしていると、敵旗艦はのうのうと上がってくる。 あとはバイドシステムでデビルウェーブを浴びせるなり、フォースシュートするなりすればカタがつく。 氷塊を壊した先が危険な様に思えるが意外な程にそうでもなく、ターン数や敵との交戦が少なくて済む。 特に拘りが無ければこちらがお勧め。この場合トレジャーの回収忘れだけ注意。 このステージのトレジャーを取る事により、念願の亜空間機体アンフィビアンが作れる。 威力が低いとはいえ、2ターンチャージの正面射程4の波動砲もこの時点では魅力。 もしもこのステージをやり直す事になった場合でも作っておこう。どちらにせよ必要な機体だ。 岩礁沿いのルートでは間に合わない!という人は右下の氷塊から進入するといいかも。その分損害は増えるけど、フォースが2つほどあればフォースシュートで敵艦を2、3ターンで沈められる。 -- 名無しさん (2010-03-13 18 08 41) 後ろに撃てるデビルウェーブを活用したいところだが、位置取りにフォースが邪魔になる事もあるので、時には分離したまま搭載しよう。 -- 名無しさん (2010-03-13 20 24 46) 左上の氷塊を破壊して戦艦上空から攻めるのもアリ。また、始めの曲がり角は亜空間アンフィビアン(フォース付)でふたをすると進軍をかなり抑えられるとのこと。氷塊破壊後の空間(近辺)にはユニットを置かない事。敵波動砲を食らう。デコイを生け贄にして切り抜けよう。 -- 名無しさん (2010-03-25 23 52 01) 右下から進軍する場合は壁越えデビルウェーブを活用しよう -- 名無しさん (2010-03-26 00 04 40) 此処に居る敵は基本的には「グループ内の誰かの索敵圏内に機影を捉えると行動開始」となっている模様 チャージ済みバイドシステムをベルメイトに艦載してギリギリまで近づきつつ衝撃波でチャージキャンセル、 頃合を見て一気に突撃すれば最初の曲がり角での被害をかなり低減出来る 謎戦闘機は前方向には強いが上下と後ろには弱いので、このMAPでは頭を抑えやすくかなり楽な筈 -- 名無しさん (2010-05-22 12 01 28) ベルメイト本体が優秀過ぎて鉄板ではあるが、一応ボルドも悪くはない サブ砲門のおかげでベルメイト本体より多くの謎戦闘機をチャージキャンセル出来る 道なりに進むルートなら最後の直線でカラドボルグ砲も役立つ筈 但し中盤の後退時に本体への直接攻撃を受ける可能性がある 必ず護衛に先行させよう 駆逐艦ポジションの筈なのにベルメイト本体強すぎだろう… -- 名無しさん (2010-06-02 11 59 14) 戦艦並の火力・迎撃能力、巡航艦以上の索敵5、搭載5と万能艦。理想的な航空戦艦といえよう -- 名無しさん (2010-06-03 00 22 22) ステージの相性みたいのがあるのか、ここが最悪だった。 グリトニルよか死んでるわ・・・。 -- 名無しさん (2010-06-21 16 05 20) これベルメイト+フォース付必須22ターンでおkクリア可能 -- コンバイラリリル (2010-08-23 19 30 15) なるほど、ベルメイトか・・・ここで詰まってやめてたが、久々にやってみようかな -- 名無しさん (2011-03-15 16 56 22) MAP左上の氷解から強襲を仕掛けると、MAP中央の敵や氷塊の裏に潜む敵とも交戦することになる上に、巡洋艦の主砲の餌食になってしまう。開始位置から下にある氷塊からの強襲がおすすめ。このルートは無駄な敵と交戦せずにすむ。チャージしつつ氷塊裏に部隊を展開しておき、いるならアンフィビアンで亜空間索敵をしておく。敵のチャージを潰しつつ(デコイに波動砲を撃たせ、同士討ちさせるのも良い)進軍する。巡洋艦はチャージさえ潰せは怖くないので、フォースシュートなり目玉ミサイルなりで殴ってあげればおk。この方法で17ターンで終了しました。あまり交戦していないので敵生存率は58%でした。参考までに。 -- 名無しさん (2015-01-28 01 22 54) 撃墜0でクリアしようと思うと激ムズなステージ -- 名無しさん (2018-01-02 22 52 00) めっちゃ久しぶりに初めからやったらなんだこのステージw キャンセルすれば問題ないと書いてあるけど、敵戦闘機の回避率が元々高いから、こちらのバイドシステムのレーザーが当たらない事がよくあるから序盤で1ユニット消し飛ぶなんてことがありすぎて戦力不足だわw -- オルボボ (2018-05-12 11 58 28) 名前 コメント
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すれ違う理想と友情 その出来事は、『放送』が始まるより前まで遡る。 「はい皆、一旦きゅうけーい!」 南の街の、とある民家。 そこにぞろぞろと、5人もの少女達が入ってきた。 当然、そこに住人はいない。ただ、空き家というわけでもなく、ある程度家具も置かれている。 まるで、前に誰かが住んでいたのかと思わせるかのような雰囲気があったが、推測するにはそれ以上の証拠がなかった。 「結構立派な家ね……」 「私、ちょっとキッチン見てくるね!」 先ほど、声を張り上げたのはこの集団を先導する、所恵美。 部屋の広さに関心しているのは如月千早、我先にと奥へ向かったのは佐竹美奈子。 その後ろからは、松田亜利沙と高槻やよいが浮かない表情を浮かべ、ついてくる。 皆、思い思いに行動していく。そこに、殺伐としたものはない。 ここにいた少女達は皆、この『殺し合いの場』において、そんな行為に反抗する意思を持っていた。 (……まだ、油断できないです…チャンスを、待たないと……) ――少なくとも、表面上は。 やよいが浮かべた、苦々しい表情を見たものは、誰もいない。 それぞれの内に秘めた思いは、誰も知る事はない。 「所さん…ここでしばらく休憩って、言っていたけど」 「皆、結構疲れてるでしょ? それに、うちらが知ってる事も整理しなくちゃって思ってね」 一旦、民家に入って休もうと提案したのは恵美だった。 街までの道で合流した美奈子とやよい、そして市民プール前で合流した亜利沙。 特に亜利沙に言えたことだが、この異常な状況下で、皆疲労の色が見え隠れしている。 それに彼女達も、ここに至るまでに誰かと会い、何か経験したかもしれない。 一度どこかで腰を落ち着けて、そんな情報を共有するべきだと、彼女は考えていた。 「それに……もうすぐ、なんか発表とかあるらしいじゃん。備えとかないと」 そして、懸念していたのはそれだけではない。 恵美の言葉に、皆がぴくりと反応を示す。 「えっと……6時間ごとに、って言ってましたから、あと30分ぐらい…ですよねー」 「確か…死んだ人を発表する、って……」 場に、重苦しい雰囲気が漂う。 こうしている間にも、このイベントは進行している。 自分達のように反抗するものだけならいいのだが、正直、嫌な想像の方がいくらでもできる。 そんな事を考えてしまう状況、誰しも心中穏やかではない。 「………っ」 そしてここには、唯一それを現実として目の当たりにしている少女がいた。 俯く少女、松田亜利沙の顔色は悪く、ここに来てから何も喋れていない。 これからの事を考えるなら、自分の知る事を皆に言うべきなのだろう。 けれど、今に至るまでできないでいた。 市民プールの前で、4人に合流した時、ひどく消耗していた彼女に対し皆は気にかけた。 ここに来るまで、何かあったのか。誰か、出会ったのか、と。 そんな問いにさえも、口を開けられていなかった。 それだけ、彼女の知っている現実は、あまりにも残酷で。 「………?」 何より、彼女の前で言う事がはばかられた。 思わず彼女――如月千早と目があって、あわてて目を逸らす。 亜利沙が未だ自分が今までの事を話せないのは、彼女がいるからに他ならない。 自らが知っている『彼女の死』に、一番動揺するであろう人物は彼女だから。 それだけ2人は仲が良くて。彼女の中で、大きな存在になっている。 アイドル達の事をよく見ていた彼女には、それが辛い程によくわかっていた。 結局、合流したその時は口を閉ざす亜利沙を見て、主に恵美の提案の元、一旦保留という事になった。 薄汚れた制服。不自然な恰好。挙動不審に近い態度。 不信感を抱いてもおかしくなかっただろうに、そうせずに皆は彼女を気遣って。 亜利沙は、そんな皆に感謝の気持ちと、一種の負い目を抱いていた。 「松田さん」 そんな中、いきなり声がかけられる。 ハッとして顔を上げると、そこにはさっきまである程度距離があった筈の人の姿。 千早が、目の前にまで来ていた。 「あっ、あの」 「隣、失礼するわね」 慌てて何か声をかけようとする亜利沙を横目に、千早は彼女が座るソファの横に腰掛ける。 そして、流れる気まずい沈黙。 ここに来るまで、随分と挙動不審だった。 何を聞かれても、何を言われても。不思議じゃない。 「一つだけ、聞いてもいい?」 そして、言葉をかけられる。 優しく言い聞かせるかのような、穏やかな声。 あたりを見ても、美奈子はまだ帰っておらず、恵美とやよいは互いに何か話している。 2人は2人で、情報交換でもしているのだろう。他に、誰かが聞いているという事はなさそうだった。 亜利沙は意を決し、「はい」と返事を返す。 何を聞かれるのかは、分からないけれど。 「……春香に、会ったの?」 その言葉を聞いた瞬間、心臓をわしづかみにされたかのような感覚を受けた。 「っ!?」 「図星、みたいね」 突然言い当てられ、びくりと体が跳ね狼狽える亜利沙を見て、千早は息を吐く。 その表情は、憂いを帯びていた。 一体、何故分かったのか。息は自然と荒くなり、心臓はばくばくと暴れる。 「なっ、な……」 「確証があったわけじゃないのだけれど……。 少し、それに見覚えがあって。もしかしたら……って」 驚いて呂律も回らない亜利沙の事を、見つめる。 その視線は、彼女の顔よりも少し上を向いていて、それで気付いた。 (……あっ) 彼女は長い髪を束ねてはいるが、いつもは簡素な髪留めで済ます事が多い。 こうして、リボンを使う事自体まれで、可愛げのある赤いリボンが、目についたのだろうか。 決意の為につけていた、彼女の形見。 そうして、自らその形見を手にふれ。 「―――――!」 血の気が、さっと引いた。 そのリボンに、赤黒くにじんでいた――血にふれて。 「ちっ、違います千早さん!これは……っ!!」 思わずがたりと立ち上がって、弁解する。 その物音に、蚊帳の外にいた恵美とやよいがこちらに気付く。 言葉が、続かない。否定しようとしても、何も言えない。 血に染まった友人のリボンを見て、想像する事。 それは、違ってなどいないのだから。どう取り繕っても、言い訳にしかならない。 「……その……」 一転して、場がしんと静まりかえる。 気まずい雰囲気が、流れる。 何も喋ってはいないが、この態度と状況を見れば嫌でも察するだろう。 天海春香は、どうしたのか。出会ったとして、何故今ここにいないのか。 そして、こんな態度では勘違いされてもおかしくはない。 松田亜利沙が、天海春香を――― 「心配しなくても、疑ってなんかないわ」 そんな心を、見透かしたかのように。 挙動不審に狼狽える彼女に、千早は声をかける。 「あなたが……アイドルの事が大好きなあなたが、アイドルに手をかけるはずないもの」 「……っ!」 そして穏やかに紡いだ言葉は、亜利沙の言葉を詰まらせる。 当たり前、とでも言う程に彼女はあっさりと言いのけていた。 そんなの、この異常な状況ではどうとでもなるかも分からないのに。 「ねえ……話して、もらえないかしら」 そして、千早は口を開く。 彼女の方でも、最悪の可能性が頭を過り、それが否定したくても、否定できないでいて。 亜利沙の知る事が、残酷な事であるというのも薄々分かっていても。 「何が起きたのか……知りたいから」 大切な人の事から、目を逸らしたくはなかった。 「……!」 透き通るような、まっすぐな瞳を向けられて、亜利沙はぴくりと体をこわばらせる。 彼女の決意が、目の前に突き付けられているかのような。そんな錯覚を起こす。 「教えてもらったの。諦めない事、逃げない事を」 ちらりと、千早は横を見やる。 そこには、まだ2人が何を話しているのか理解しきれていない恵美の姿があった。 ここで終わろうと――逃げようとした自分を、止めた人。 彼女に感化されて生きると決意した以上、どんな現実でも受け止めて、それでも前へ進まないといけない。 「だから……教えて。あなたの、知っている事……春香に、何があったのか」 瞳が、より近づけられる。 千早の言った、『春香』という名前に、見ていた2人もぴくりと反応する。 まだ亜利沙は、直接春香にあったと明言したわけじゃない。 ただ、その反応は確実に何かを知っている。 「………ッ」 そして、それが言いづらいような、とても辛い事だと知るには十分すぎた。 恵美もやよいも、神妙な面持ちでそちらの方に目を向けている。 「ただいま~……あれ? 皆、どうしたの?」 そんなタイミングで、家の中の探索を終えた美奈子が戻ってくる。 妙に緊迫した場の雰囲気に、戸惑う。 話すべき仲間、4人はここに集まり、丁度良く舞台は整った。 「……分かりました」 そして彼女は、閉ざしていた口を、開く。 * * * 亜利沙が話し終えて、静まり返る。 彼女が見た事、全てを話し終えた。 とは言っても、そこまで多いわけじゃない。 ただ―――天海春香の死体を見た、それだけの事。 「そんな……っ」 不意に声を漏らしたのは、佐竹美奈子だった。 アイドルが、天海春香が、死んでいた。誰に、殺されたかも分からずに。 殺し合いなんてありえない。誰もしないんだと言う甘い考えを、淡々と打ち砕かれて。 息も震えるほどの、衝撃を受けていた。 「………」 恵美とやよいも、実際に死人が出たと聞いて何も感じないわけじゃない。 かつて仲間だった子が、仲間を殺した。 実際にそれを見たわけじゃなくとも、現状はそうとしか考えられず。 突きつけられた現実は、場を重くする。 けれど、彼女達はそれ以上に。 「……そう」 その事実を。 友人の死を聞かされた彼女の事を気にかけていた。 「千早……」 恵美が、ちらりとそちらの方をみやる。 気持ちうつむいていた彼女の表情は、思っていたよりは落ち着いている。 けれど、腕を握る手はぎゅっと強く絞められていて、震えていた。 「……誰が、というのは……」 「ありさが見た時には、もう……だから、分からないです…」 自殺なんていうのは、ありえない。 となれば、確実に殺した誰かがいるという事だ。 けれど、亜利沙は誰が手をかけたかというのまでは分からなかった。 どこかも分からない場所で親友が死に、誰のせいかも分からない。 その心中を深くまで察する事なんて、できやしない。 「……話してくれて、ありがとう」 それでも、取り乱す事はなく話し終えた亜利沙に声をかける。 そんな彼女の姿に、亜利沙は言葉を返すでもなく不安気な表情を浮かべる。 彼女もまた、親友が死んでしまった千早の心中ばかりが気にかかっていた。 表面上は冷静を保っているように見えるからこそ、不安を感じずにはいられない。 「……あのっ」 ふと、亜利沙は声を上げる。 そして、自らの髪を結んでいたリボンを解いた。 血で汚れてはいるが、まだところどころに鮮やかな赤は残っている。 「これっ、もしよかったら、千早さん、に…」 「私はいいわ」 これは千早にとって、親友の形見となるもの。 だから、彼女に託した方がいいと手渡そうとして、しかし彼女はそれを首を振って拒否する。 「あなたの、決意の表れなんでしょう? なら、あなたに使ってくれた方が……」 どこかぎこちない笑みを浮かべて、彼女にそのリボンをぎゅっと握らせる。 千早にとっても、亜利沙が説明をする中で、強い決意の元、それを持ち出した事は分かっていた。 その形見が、彼女に力を与えているのなら。それは、彼女に託していた方がいいのだろう。 「千早さん……」 「……っ」 その方が、あの子も良いと思ってくれるだろうから。 そう思った瞬間に、言葉に、詰まる。 彼女はもう、この世にいないのだと。 段々と、実感しつつある自身を感じていて。 「……ごめんなさい。すこし、外の空気を吸ってくるわね」 やがて彼女は、逃げだすように振り向き、去っていく。 「あ……っ」 それを止められる者は、誰もいない。 彼女がどれだけ辛いか、それを止めて、慰められもしない。 誰も、かけられる言葉も、呼び止める声さえも出せなかった。 そして、理由は単純にそれだけではない。 仲間が殺されていた。おそらく、かつての仲間の手によって。 それは千早ほどでないにしても、他の皆にも少なからず衝撃を与えていた。 千早がいなくなって、気まずい沈黙が流れる。 誰も何も、言葉を発する事すらできない。 先ほどまでの、仲間と共にいるが故のある程度希望に満ちていた雰囲気はどこにもない。 この先、どうなってしまうのだろう。自分達も、いずれそうなってしまうのだろうか。 誰が口に出すでもなく、そんな不安を感じずにはいられない。 「……ごめんね、亜利沙」 そんな空気の中で、一人声を出す。 「えっ?」 「辛かったでしょ、話すの。 それに、千早の事。気遣って、ずっと背負ってて、さ」 突然声をかけられて困惑する亜利沙をよそに、恵美は語る。 情報を伝えられて、皆、ショックを受けただろう。 けれど、それで心に傷を負ったのは伝えられた皆、だけじゃない。 この中で唯一、実際にそれを見て『しまった』子。 一番近くで、その絶望を見て。 合流して、ずっと悩んでいて。 「…ありがと。よく頑張ったね、亜利沙」 そうして今にも崩れ落ちそうな、彼女の頭を、撫でた。 「………っ」 俯いていた彼女の姿が、震える。 ここに至るまで、ずっと気張っていた精神がゆれる。 違う、褒められる事なんかじゃない。 「そ、そんな……ちがいます、ありさ、は、なにも……!!」 そう思いながら、視界がにじんでいく。 触れた優しさ、何もできなかった自分への不甲斐なさ。 色んな思いがまじりあって、胸の奥底からこみあげるものを押えきれない。 じわりと視界がにじんで、そしてぼろぼろと涙がこぼれだした。 「なにも、できなくて……っ! うぅ、うあぁぁぁっ…!! えぐっ、ひぐっ……!」 「おー、よしよしよし。ごめんね、そこまで思い詰めさせちゃって…」 止まらず、泣きじゃくる彼女を抱きしめる。 これからどうするか、なんて恵美にも分からない。 けれど、それでもなお目の前で思い詰めている仲間の事を見過ごす事はできなかった。 落ち着くまで、少しの間でも一緒にいてあげる。 やがて嗚咽も落ち着いてきた頃、恵美はちらりと美奈子の方を見た。 「よーし……ねぇ、美奈子」 「えっ、あ、何?」 「ごめん、ちょっと亜利沙とやよいの事任せていい?」 胸にうずくまる亜利沙の頭をポンとたたいて、美奈子にお願いをする。 この場では、美奈子が一番の年長者だ。頼るなら、彼女になるだろう。 まだショックの余韻の抜けない美奈子は、少し上の空といったようにうなずく。 それを見た恵美は、亜利沙を優しく座らせる。 「千早の事も、ほっとけないからさ。それじゃ、よろしくね!」 一人席を外した千早の事も、彼女はもちろん心配だった。 何と声をかければよいのか分からない、というのは彼女も一緒である。 けれど、だからと言って放っておくわけにもいかない。 一旦ここを置いて、千早の元へいこうとする。 「……恵美ちゃん」 「ん、何?」 それを、美奈子は呼び止める。 振り返ると、彼女は不安気な表情を浮かべていた。 確かに、今ここの一番の年長者は彼女だ。 年上として、少しはみんなの事を見ているつもりだった。 「無理、しないでね?」 だからこそ、そうやって、皆を気に掛けすぎる彼女の事が心配になった。 「………ん」 そんな美奈子の言葉に、はっきりとしない返答をする。 無理をするな。そういわれても、分かったとはっきり言えない。 今、無理をしてないといえば嘘になる。けれど、だからと言って仲間を放ってはおけない。 少しだけばつの悪そうな表情を浮かべた後、恵美も千早の行った方向へと向かっていった。 「……」 それを見送ると、美奈子は振り返り、この場に残った子達をみやる。 亜利沙は落ち着いたとはいえ、まだ情緒が不安定な部分がある。 やよいも、あれから険しい表情を崩せない。 そして、現実を伝えられて衝撃を受けているのは美奈子も同じだ。 (……ううん、私がしっかりしないと) そんな弱い心を、首をぶんぶんと振って追い払おうとする。 みんな、不安なんだ。 私が一番お姉さんなんだから、しっかりしないと。 そんな風に、自分を鼓舞する。 なによりも、このどんよりとした雰囲気が耐えられない。 このままじゃ、認めたくなかった『何か』を、認めてしまう。 いつも通りで、いないといけない。こんなのは、嫌だ。 ……いつも通りとは、何だろう。こんな時、『佐竹美奈子』はどうやって、皆を元気づけるだろうか。 重い空気の中で、何か焦りのようなものも感じる中、 ぴーんぽーんぱーんぽーん。 追い打ちをかけるように、それを始まった。 * * * 放送が流れ終わり、部屋の中にいる3人は一様に黙り込んでいた。 「うそ…なんで…そんな……!」 しんとした中で声が響いて、やよいは少し顔を上げてちらりとあたりを見渡す。 亜利沙はがたがたと震えて、頭を抱えている。 瞳は揺れて、唇まで真っ青に染まっている。 対して美奈子の方も、目の焦点が合っていないように思えた。 どちらも、精神的にかなり動揺しているようだ。 当然だろう。この事実には、彼女も驚愕を隠せないでいたのだから。 12人。この6時間の間に、死んだ人数。 おおよそ、全体の4分の1。考えていた以上に、早いペースだ。 やよいの思っていた以上に、このイベントに積極的になり、仲間を殺した人がいるのかもしれない。 かつての、仲間が。その事に哀しみを覚え、そして自分もそうである事に負い目を感じる。 けれど、その考えをやよいはすぐに振り払った。 たった1人生き残ると決めた以上、そんな事を思ってる暇はない、と。 口に出すこともせず、決意を固める。 「………ね、ねぇ」 ふと、誰かが口を開いた 何事かと俯いていた顔を上げると、美奈子が一歩前に踏み出していた。 ぎこちない笑顔で、額に浮かぶ汗をぬぐおうともしない。 無理に、自身を鼓舞しているようにも見える。 「皆……そんな、落ち込まないで、ね?」 こんな状況で励まそうとしているのだろうか。 けれど、それでどうにかなるような状態でないのは明らかだ。 事実、彼女自身も相当狼狽えている。 とすれば、彼女はどうするだろうか……。 そこまで考えて、はっとする。 ここにいる皆を元気づけようと、世話焼きの彼女が起こす行動。 丁度ここは民家で、時間も時間。なら、もしかすると。 運命の時は、近づいている。やよいは、心の中ではやる気持ちを抑え。 「……そうだ! もうお昼だし、何か食べようよ!私が作ってあげるから! お腹いっぱいになったら、きっと元気がでるよっ!」 ――来た。 その瞬間、やよいの心臓はどくりと反応した。 食材も、場所もある。時間も丁度、正午。こんな提案をするのは、必然だったのかもしれない。 そして、それは同時にやよいの持つ『武器』が使える、その瞬間でもあって。 「…そう、ですよねっ!私もお手伝いしますから、元気出してくださいー!」 やよいも声を上げ、その提案に呼応する。 その瞬間に、心がちくりと痛んだ。 自らの信念、家族の掟を、破る瞬間が近づいてきている。 信頼してくれている皆の事を、裏切る瞬間が近づいてきている。 それでも、やりとげる為に。偽りの言葉と、偽りの笑顔を浮かべる。 亜利沙は相変わらず、反応らしい反応がない。 12人もの、仲間が死んだのだ。 アイドルが、仲間が大好きだった彼女への、追い打ちをかけるかのような衝撃は、痛いぐらいによくわかる。 けれど、今はその方が都合がいい。 目ざとい彼女が万全な状態だったなら、こうやって自分を偽る事も見破られてしまいそうだったから。 「じゃあ、2人が帰ってくる前に食材の下ごしらえでもしよっか! さっき探してたら、ちゃんと色々あったんだよ! 腕、振るわないとね!」 やよいが同調してくれた事で、美奈子はぱぁっと笑顔を見せた。 焦っているか、錯乱しているかのような。 その姿は、やよいにもわかる程に無理をしている。 先ほど彼女自身が恵美に指摘した事が、そのまま今の彼女のような状態で。 けれど、それを指摘する事はない。それもまた、都合がいいから。 仲間の心配すべき状態を、都合がいいからという理由で、切り捨てる。 それだけじゃない。最終的には、殺すのだ。 食事に毒を仕込むという、一番、彼女の思い出を穢す方法で。 どれだけ、どれだけの罪を重ねても、彼女の悲痛な歩みは止まらない。 アイドルと、笑顔と、仲間を信じ抜こうとする松田亜利沙。 危うい中でいつも通りに執着し、そうあろうとする佐竹美奈子。 そして、たった一人生き残る為、心の内でその時を伺う高槻やよい。 彼女達がそれぞれ抱く『理想』は、致命的な程にすれ違う。 【一日目/日中/G-4 民家】 【松田亜利沙】 [状態]健康 、深い悲しみ [装備]天海春香のリボン、競泳水着 [所持品]基本支給品一式、不明支給品1~2 [思考・行動] 基本:笑顔の力を信じる。 1:??? 【高槻やよい】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1)、青酸カリ [思考・行動] 基本:最後の一人になる。 1:焦燥。絶対に死ねない。 2:料理に、毒を仕込む……? 3:とにかく機会を窺い、慎重に動く。 【佐竹美奈子】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2) [思考・行動] 基本:仲間と一緒に脱出っ、わっほ~い! 1:皆を元気づけるために、料理を振る舞おう! 2:不安。誰かと接していないと押し潰されそう。 3:みんなと一緒ならきっと何とかなるよね……? * * * 真上の太陽が照らす街中で、恵美は追いかける事も忘れ立ち尽くしていた。 彼女も、千早を探す道中ですぐに放送によって足を止められていた。 放送、12人の名前、死亡、禁止エリア。たくさんの情報が、頭の中で浮かんでは消えていく。 頭を抱えた。楽観的に考えていたつもりはなかったのだが、まさかここまで、だなんて。 「………?」 そんな中、恵美の耳に何かひきつるかのような声が聞こえた。 泣き声、だろうか。それが何か、すぐに思い当たる。 その瞬間に、恵美はその方向へと駆け出す。 まだ、整理はつかないが、今は近くの仲間の方が優先だ。 「……っ、う………」 走っているうちに、探し人はすぐに見つかった。 5人が入った民家から、そう遠くない道で。 千早は、へたりこんでいた。声をかけようと、後ろから近づく。 「どうして……あなたまで私を、おいて……っ!」 けれど、その伸ばした手が触れられる事はなかった。 後ろにいる恵美の事も気づく事なく、彼女は誰に言うでもなく泣き崩れている。 それに、かける言葉が見つからなかった。 「……っ」 伸ばした手が下ろされ、恵美は目を逸らす。 彼女が大切な人に先立たれる、という事は、これが初めてではなかった。 それは、彼女の中でも特に深刻な問題で、フラッシュバックしてしまえば、その衝撃は大きい。 他人の言葉で、癒せるものではない程に。 (…何やってんの、アタシ) 下ろした手を、ぎゅっと握りしめる。 沢山の仲間が死んで、目の前で仲間が悲しんでいて。 そんな中で、一体彼女は何ができた? この6時間の間、ただ殺し合いの実感も十分にないまま歩いていただけ。 それが自分の無力さを、まじまじと見せつけられているようで。ただ、歯痒さと自己嫌悪が頭の中を支配する。 かなしみに暮れる彼女の後ろで、今もこうして、何もできずに立ち尽くして。 かつて信じていた『友情』さえも、哀しい程にすれ違う。 【一日目/日中/G-4】 【如月千早】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、プラスチックのスティック [思考・行動] 基本:最後まで諦めない。皆で脱出する。 1:春香…… 【所恵美】 [状態]健康 [装備]灰皿 [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1) [思考・行動] 基本:最後まで諦めない。皆で脱出する。 1:落ち着いたなら、千早を連れ戻したい、けど…… 2:自身に疑問と、嫌悪。 刻まれてる誓い 時系列順に読む かざはな 刻まれてる誓い 投下順に読む かざはな The Trojan Horse 如月千早 紳士の昼食会 松田亜利沙 佐竹美奈子 高槻やよい 所恵美 ▲上へ戻る
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赤く染まれ、すれ違い綺羅の夢を ◆PKyKffdMew 【0】 錆という現象は、我々人間によく似ている。 【1】 時刻は、そろそろ昼時に入ろうとしていた。 新たな屍も相当数積み重なり、このデスゲームも相当な加速を見せている。 火種は着々と芽を出しにかかり。 また、火種が新たな火種を呼び。 はたまた、一つの火種が鎮火したり。 哀れな子羊たちの命の焔は、三者三様に千者万別の輝きを見せるのだ。 それを美しいと受け止めるか、それとも物悲しいと受け止めるかは、それこそ一概には決められない。 世界の終わりを求道する《最悪》ならば、全ては同じことだと切り捨て、犯しそうに笑うか。 その命がこことは違うどこかで失われて久しい《迷子》ならば、悲しげに眉をひそめるか。 愛する者を失った《刀》ならば、受け止めもせずに拳(やいば)を振るうか。 正しすぎると称された《完成品》ならば、悲しいことだと受け止め、また胸の闘志をみなぎらせるか。 ならば―――、 世界を終わらせる《種子》の少女は、何を思うのか。 それを問おうものなら、きっと答えは返らない。 今の彼女は、解放された彼女は――狂乱している。 一人を殺めて暴走し、今なお正気を取り戻さないままだ。 その想影真心は随分前に響いた放送の内容も理解せぬままに、ただ徘徊を続けている。 その様はまるで浮浪者のようでもあり、また狂乱の檻に囚われし化け物のようでもあった。 今は既に亡き《操想術士》の手で解き放たれ、自我があるのかどうかは定かではない。 一見すると無防備なその姿だが、もしも彼女と戦おうと考えれば例外なく痛い目を見るだろう。 橙色の髪に、童児と見紛う華奢な体格。 とてもじゃないが、傍目からは彼女が《人類最終》と呼称される限りなく人外に近い怪物であることを見抜ける者はいないのではないか。 そんな真心は現在――文字通り、さまよっていた。 何をするでもなく、何を求めるわけでもなく。 「――――――」 彼女をこの支配から抜け出させる《鍵》になる可能性を秘めた人物は、ただ一人存在する。 彼を形容するならば、名簿にもあった通り《戯言遣い》。 ある殺人鬼は《欠陥製品》と呼称したし、《詐欺師》でも間違いではないだろう。 こうして語ると何とも近寄りがたい人物に聞こえるが、真心にとって彼の存在はあまりに大きい。 実験動物同然だった真心にとって、唯一心から友と呼べる。そんな存在だった。 数時間前、時宮時刻の術さえ振り切っての暴走攻撃に至った理由が、それだ。 《戯言》というワードは、想影真心の中で一つの重大な意味を持っている。 戯言遣い。 この殺し合いが始まってすぐの頃には、彼に会うために行動していた。 今は見る影もなく、こんな風に狂い果て、破壊者として徘徊を続けている。 人類最終――かの人類最強を、単純なパラメーター上の数値でなら上回る怪物。 いくらオンボロだったとはいえ、アパート一軒をいとも容易く完璧に破壊してしまえる程の強さ。 それとは対照的に心に隠した一つの弱さ。 戯言遣いという《断片(ピース)》が収まることで補われるべき箇所が、補われていない。 「―――いーちゃん」 口から譫言のように漏れた渾名が、今ではとてつもなく懐かしくさえ感じる。 未だ正気を取り戻さない真心の、たった一つの拠り所。 まともな判断力が機能しているかどうかも疑わしいのに、その名前だけは消えない。 どうしようもなく歪で―――噛み合わないからこそ確かな絆。 絆なんて不確かなものが、果たして想影真心を救う鍵になるのか――― それとも、逆に彼女を完全に崩壊、覚醒させる起爆装置になるのか――― 最良か最悪か。 つまるところ、極論を言えばこの世にあるそれ以外の結末は、物語にとって不要なゴミ同然だ。 そして、真心を救うにしても、真心を壊すにしても、それに準ずる《最果て》が必要なのである。 ハッピーエンドにしろ、バッドエンドにしろ、だ。 例えば、本来の歴史で真心が辿った根こそぎの物語の最果てにあった、ハッピーエンドのように。 例えば、人類最悪の遊び人が夢見た根こそぎの物語の最果てにある筈だった、世界の終わりのように。 彼女には――結末が必要だ。 ふらふらと覚束ない足取りで、しかし見る者が見たならその秘めたる力の大きさにたじろぐだろうほどの強さを全身から放って、真心はさ迷う。 向かう先に何があるかなんて、考えていない。 まして、何がしたいかなんて、考えているわけがない。 橙の髪の毛を時折揺らしながら、小柄な少女は虚ろにさ迷う。 瞳に光を写さずに―――実に戯言めいた運命を背負って。 人類を終わらせ得る《最終》の物語は、何事も起きずに続いていく。 ただし――この世界が一つの物語だったとしたら、その《作者》は余程悪趣味だったのだろう。 彼女の行く先には、二人の《毒物》があった。 片や、前日本最強と謳われる錆び付いた刀。 片や、誰もが認める負の権化たる少年。 彼ら風の表現を用いるなら、《過負荷(マイナス)》といったところだ。 想影真心と彼らの邂逅。 それが、マイナスの結果を生む以外有り得ないことは当然だった。 戯言的に――最終的に、最悪だ。 【2】 一方その頃、球磨川禊と鑢七実の二人は、何をするでもなく目的地を目指していた。 戦闘においては残虐性を剥き出しにする七実も、普段からああも獰猛者なわけではない。 対する球磨川。彼は基本的に、弱者の味方である。 七実を果たして弱者と見なせるかといえば断じてノーと答えられるが、彼女は確かに過負荷だ。 平たく言えば、《こちら側》の人間。 七実と球磨川は大分歳が離れているが、現在はマイナス13組の同志であり、仲間である。 球磨川禊という少年は誰もが認める過負荷だ。 しかし、彼は極論的に言えばどうしようもない程に《仲間想い》なのだ。 だから仲間を裏切る行為はまずしないし、仲間を失えば激しい動揺を見せる。 二人がそういう人間だからこの協力関係は成り立っているのだが――、人間一人を虐殺しておいて、またそれを見ていてこんな風に過ごせるあたり、彼らはどうしようもなく過負荷だった。 『うーん、なかなか遠いね骨董アパート』 球磨川は気だるそうに欠伸を一つする。 全てをなかったことにする過負荷を保有する球磨川も、根本では人間だ。 長い運動をすれば疲れは溜まるし、延々と歩き続ければ飽きもする。 そういう面では、飽きを見せる様子のない七実はやはり彼より大人だった。 「そうですか? わたしは全然疲れていませんけれど――ああ、それは忍法のおかげでしたね」 加えて、かつて葬った真庭忍軍のしのびから《見取った》忍法足軽。 病弱な七実を支える上で、なくてはならないものとなっていた。 仮に球磨川禊が鑢七実に襲い掛かっても、きっと数秒と保たずに倒されてしまうだろう。 唯一の欠点を克服した七実の力量は、それこそ計り知れないものがある。 ともかく、そんな二人は方針通りに骨董アパートを目指していた。 多少ばかりのイレギュラー要素は入ったが、問題にするようなことではない。 休息をとらなければならないほど、互いに消耗はしていなかった。 「そういえば禊さん、わたしはいずれ優勝しようと思っているのですけど」 『ああ、そういやそういう設定もあったね。でももう死に設定じゃないかい?』 「いえ、そうはいきません」 はっきり言うと、球磨川禊は今の今まですっかり七実のスタンスを忘れていた。 負完全の同志として、すっかり彼の心情とする『ぬるい友情』に浸っていたのだ。 だが思い出してもさして取り乱すような真似はしない――この程度で壊れる球磨川禊ではない。 過負荷の群体、マイナス13組の実質的なトップが、その程度で務まる筈がないのだから。 死の危険くらいで潰れていては―― あの『致死武器』や『不慮の事故』に笑われてしまう。 『まぁいいや。それはその時になったら考えるとしようぜ』 だから、彼はマイナスらしく明確な回答を求めなかった。 回答を先延ばしにする。最善手でありながら、なかなか打ち出せない一手である。 何しろ、それは死の危険を隣に侍らせておくことと等しい。 裏切りに疑心暗鬼になることもあるだろう――ただ、それは幸福(プラス)の言い分だが。 人を何かのきっかけがあるまで信用できる。 それは十分すぎる幸福だ。 球磨川禊は、それすら満足に出来ない人間を知っている。 過負荷なら、裏切りなんてものを恐れない。 裏切られたって「ああ、こうなっちまったか」の一言ですっぱりと諦められる。 ―――ぬるい友情なら、断ち切るのだって容易いのだ。 球磨川の仲間想い気質を考えると少々あれだが、球磨川禊は言うまでもないマイナスだ。 やがて訪れる裏切りを危惧して怖じ気づくような真似をする筈もない。 それどころか、その選択肢自体がまずない。 《彼ら》は――そういう生き物だ。 ぬるい友情に浸り。 無駄な努力をし。 むなしい勝利を手に入れる。 生まれついての負け組で、だからこそ永遠に負け犬で、しかし精神だけはいつでも勝ち馬だ。 「じゃあ、そうしておきましょう」 七実は球磨川の返答を、突っかかることもなく簡単に受け流す。 球磨川から過負荷と認められた彼女は、球磨川の行動に疑問を抱かない。 最悪だとは思っても、それを嫌悪はしない。 そういう意味では――彼らと、とある戯言遣いは違う種類の生物だった。 球磨川禊を人間未満と呼んだあの青年は、過負荷とはまた違っていたように球磨川は思う。 鏡の向こうの存在のように、酷似していながら決してイコールではない。 言うならばノットイコール、彼と球磨川はそういう関係にあるらしい。 何とも歪で――気持ちの悪い間柄だ。 「――――おや?」 その時、不意に鑢七実がその足を止めた。 忍法足軽の恩恵を受けている彼女が、疲れで足を止めたとは考えがたい。 ならば何か――その理由は単純にして明快、足を止めるだけの理由があったからだ。 前日本最強を立ち止まらせるほどの存在が、前方に見えた。 『どうしたんだい七実ちゃ……うおっと。見るからにヤバそうなのがいるね』 「はい。さっきの方なんかとは比べ物にならない手練れのようですね」 遠くからでも確認できる、鮮やかな橙色の頭髪。 太い三つ編みが、その小柄な体つきにやけにマッチしているように感じた。 少なくとも七実よりは年下、球磨川とは然程歳が変わらないのではないだろうか。 ただし、全身から放たれている溢れんばかりの威圧感は、彼の比ではない。 球磨川が見ても一目で分かるような、明らかな異物だ。 『で、どうする?』 「どうすると言われましても……逃がしてくれるかは分かりませんし。――まぁ、さっき会得したのも使ってみたくはありますし都合が良いかもしれませんね」 『ひゅー、かっくいー』 指笛を吹いて七実を茶化す球磨川だが、七実は橙色の存在を球磨川よりは重く受け取っていた。 七実の知る限り、七実の知る時間軸の限りでは、自分の弟より強いかもしれない。 勝てないということはなくとも、少々気合いを入れなければいけないのは確かだった。 七実は錆び付いた刀だ。 戦うほどに朽ちて行く、呪われた天才だ。 だが、幼い頃から見てきた虚刀流の奥義はしっかりその身に刻まれている。 真庭のしのびから得た忍法足軽、爪合わせもある。 一番新しいものでは、ついさっき殺した男の《操想術》。 戦いの中で会得できるものもあるだろうし、そこまで不利な戦いにはならない筈だ。 だが―――、 (おや。珍しい感覚ですね――胸騒ぎというやつでしょうか) 鑢七実にしては珍しく、胸騒ぎが彼女の中に響いていた。 警鐘というほど大袈裟なものではないが、気を抜けば殺される、そう告げているようではあった。 当然、マイナスの資質を持つ七実はそれを無視する。 こちらの姿を見かけるなり驚異的な速度で接近してくる橙色――想影真心を迎え撃つのみ。 真心の速度を見ても、七実も球磨川も驚きはしない。 七実にだってこれくらいの芸当は朝飯前だし、球磨川の知る限りでもこの速度で走れるような怪物は存在した。 そして、人間の限界を超えた速度で駆ける二人の女性が交錯する。 「散りなさい」 七実の放った攻撃は、只の拳――しかしその実は、戦闘経験から放たれた鋭い一撃だ。 真心はそれを悠々とかわすが、それは悪手だ。 「雛罌粟」 虚刀流の奥義が、無防備な真心の頭を潰さんと放たれる。 かわせるような距離ではない。 必殺を確信した七実だったが、真心はその一撃を――バックステップで威力を殺し、受け止める。 今度は真心の手番。 繰り出すのは、《殺し名》の頂点に君臨する《匂宮》がエースの十八番。 一撃必殺の平手打ち、匂宮出夢のみに許された必殺技、《一喰い(イーティングワン)》! 溜めが大きいのが玉に瑕だが、掠りでもすればその威力は十分に味わうことが出来るだろう。 猛獣のあぎとに喰い千切られるような衝撃で、痛みさえなく肉を食い散らかす。 しかし、そこは前日本最強。 破壊をもたらす平手の一撃を、同じく驚異的な身体能力で避け、一度上に跳躍し、立て直す。 髪の毛を数本掠めただけに被害は止めたが、その威力は十分に実感できた。 七実の非力な体にあれを一度でもまともに喰らえばひとたまりもないのは明白だ。 厄介ですね――七実はそう思うが、彼女にも策はある。 彼女が天才たる最大のゆえん。 父に命を狙われる原因の一つともなった、天性の《目》が妖しく光る。 「さあ、もう一度見せてみなさい――」 鑢七実の見稽古は、二度見ることで完全にそれを会得する。 殺し屋の絶技だろうが例外なく、吸収して自分のものにする。 溜めの大きさという欠点は見えたが、虚刀流の奥義や忍法足軽を合わせて工夫すれば、克服することは不可能ではないように思えた。 七実が持つ天性の資質は、《一喰い》の本来の持ち主さえも凌駕する。 「――――」 しかし、想影真心は何かを感じ取ったのか、一喰いを放つことはしなかった。 自我を限りなく喪失していても、流石は人類最終。 そう簡単に敵の思う壺にはならない。 「………では、またこちらからいきますよ」 凶器に匹敵する打撃が飛び交うが、二人は互いの攻撃を全て避けていた。 常人なら目で追うのも厳しいような激戦の中でも、息ひとつあげない二人の怪物。 七実は攻撃のバリエーションなら真心に勝る。 虚刀流の奥義は、現代人の真心の経験程度では計れない。 単純な破壊力なら一喰いに劣るかもしれないが、当て方次第で更に大きな威力を産み出すことも可能だ。 その筈なのだが――この勝負、七実に勝てない道理はないのだが――。 七実はこれまで感じたことのないものを、目の前の少女から感じていた。 恐怖ではない。 彼女が恐れるものなど、この世にあるのかも曖昧だ。 不安でもない。 こうして打ち合っていても、勝利の隙を窺うだけの余裕は十二分に残されている。 憐憫でもない。 真心がどうして正気を失っているのか、その理由を知っても七実の心は動かなかったろう。 ――鑢七実は、単純に目の前の存在から《脅威》を感じていた。 単純に、実力だとかそういうものを一切関係なしにして、途方もない何かを感じた。 生物の本能として、《人類最終》が何たるかを無意識的に悟っていたのかもしれない。 時宮時刻。 世界の終末を渇望した男は、七実を大当たりと称した。 世界の終わりへ至る鍵として十分な存在だと、歓喜さえ示した。 だが―――。 二つの《可能性》があったとして、二つが対等だとは限らない。 鑢七実がステータスでなら真心に勝っている。 それと同じことだ。 想影真心もまた、彼女に勝っている要素を持っている。 人類最悪・西東天に選ばれたのは伊達ではなかったということだ。 その違いがこの戦いの決着にどんな影響をもたらすのか――語らずとも、その時はいずれやってくる。 ずっと超人同士の激戦を見守っている過負荷の少年が、過負荷な一手を講じる訳でもない。 最終対元最強――錆び付いた種子と錆び付いた刀。 二人の戦いは実に王道な――熱き決着で締めくくられるべきなのだから。 どんな事項があったとしてもそれは同じこと。 どちらかが潰れ、どちらかが立つ。 遥かの太古から変わらない弱肉強食の道理が、ここでもまた仕事をするだけのつまらない話だ。 竜巻でも起きたように変わっていく地形。 高速で移動し、ぶつかり合う二人に、舞台そのものが悲鳴をあげているようにさえ見える。 このまま戦い続ければ先に朽ちるのは、肉体に爆弾を抱える七実だ。 現にもう、体にはその兆候が見え始めている。 時間としてはそんなに経過していない筈だが、相手が相手。 一手一手の応酬が、七実の少ないスタミナを容赦なくもぎ取っていく。 (……しぶといですね) 内心で毒づきながら、七実はそろそろ締めにかかろうと決めた。 一喰いを見取ることに固執していて手が進められなかったが、流石にそれも潮時。 虚刀流の奥義をもってして、この化け物との戦いに終わりの楔を打ち込む。 描くは、いつか使った《雛罌粟》からの《沈丁花》、連携攻撃。 それで無理なら打撃技の混成接続、最愛の弟が開発した《最終奥義》で仕留めるのも一興だ。 余裕綽々――七実は勝負を決めるべく、最初にぶつけた《雛罌粟》を打つ――― 「――!!」 ――それは誤りだった。 想影真心は、鑢七実の《見稽古》にも近しい吸収力を持っている。 一度見た《雛罌粟》を見切っていたとしても、何ら不思議はない。 一度学習したその攻撃を完全に避け、七実に生じたほんの僅かな隙を、スロー映像でなければ見抜くことの出来ないような極少の隙を―――引き裂いた。 「か、ぁっ!」 放たれたのは手刀。 少女の姿から放たれるところを見れば大層弱そうだが、その威力は人間のそれを遥かに超越する。 無防備な七実の腹部を――《ばっさりと》切り開く。 内臓までしっかり両断して、腹の半分以上を切り裂いて、そこでやっと止まった。 噴き出す鮮血。 紅蓮の赤色。 病的に白い七実の肌と比べて、その赤色はやけに目立つ。 その赤色を見た瞬間、想影真心の中の何かが再び《ブレた》。 『おいおい、いくら温厚な僕でも――こりゃあ黙ってられないね』 真心に向かって、これまで完全に蚊帳の外だった球磨川禊が大螺子を持って突貫する。 無論言うまでもなく、彼が真心に敵う筈がない。 少なくとも今の彼のスキルでは、橙なる種に敵う理由が一切ない。 ただでさえ敗北の星に生まれついた《勝てない》男に奇跡は―― 『ぐぁあっ!!』 もちろん起こらなかった。 回し蹴りが球磨川の脇腹に突き刺さり、肉を散らして内臓を削った。 たったそれだけで、時間にして僅か五秒で、球磨川禊は地面に朽ちる。 ひどくマイナスな男の、マイナスらしい敗北が彼の終わりだった。 まぁ――彼らしいといったところか。 「―――あか」 赤色。 その色を、真心は知っている。 人類最強。 あの赤色を、知っている。 真心は七実と球磨川には目もくれずに駆け出した。 明後日の方向に、学者が目を回すような埒外の速度で消えていく。 こうして、最終対元最強の戦いは、最終が《終わらせた》のだった。 【1日目/早朝/G‐6 薬局付近】 【想影真心@戯言シリーズ】 [状態]解放 [装備] [道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3) [思考] 基本:壊す。 1:いーちゃん。狐。MS-2。 2:車。 3:赤。 [備考] ※ネコソギラジカル(中)、十月三十一日から ※三つの鎖は『病毒』を除き解除されています ※忍法断罪円を覚えました。 ※虚刀流『雛罌粟』、鑢七実の戦闘スタイルの一部を会得しました 【3】 勝者が消えた。 敗者二人は、黙って朽ち果てる。 二人ともまだ辛うじて息はあるが、七実はまず確実に手遅れだった。 重大な臓器を真っ二つにされ、血液だって全身の何割を失ったか分からない。 球磨川は彼女に比べたら軽い傷だ。 しかしそれでも、その程度は即座に処置を施さなければならないような大傷である。 もちろん、この場に医療設備などない。 彼を助けてくれるような人物もいない。 負け犬(きらわれもの)は不要物(きらわれもの)らしく――たった一人で消えていく。 ここに、二人分の屍が生まれた。 【鑢七実@刀語シリーズ 死亡確認】 【球磨川禊@めだかボックス 死亡確認】 『ま、嘘なんだけどね』 【鑢七実@刀語シリーズ 復活】 【球磨川禊@めだかボックス 復活】 死は免れないような大傷を負っていた少年・球磨川禊は何事もなかったかのように直立していた。 負った傷は痕も残らず癒え、完調以外の様子にはどうやったって見えない。 彼は別に、特殊な再生細胞を持った超人ではない。 ただ、人より大きな《欠点(マイナス)》を持っているだけであって。 『大変だったよ、怪我をなかったことに出来なくってさ。わざわざ死ぬのを待たなきゃなんなかった』 球磨川禊は、《大嘘憑き》という過負荷を持っている。 オールフィクションの名の通り、その効力はあまりに絶大。 現在では細かな制約がつけられてしまっていたが、自分と七実の死を《なかったこと》にすることくらいは容易かった。 死んでいた筈の七実も、意識こそないが息を吹き返し、怪我は綺麗さっぱり消えている。 真心に負わされたダメージはすっかりチャラになり、屍から二人は返り咲いた。 『とりあえず七実ちゃんが目を覚ますまで待たなきゃね』 言うなり球磨川禊は地面に胡座をかいて座り込む。 七実が目を覚ますまで、彼は一時の休憩を取ることにしたのだった。 その胸の内で、これまであった色々なことを回想しながら。 【鑢七実@刀語】 [状態]健康、身体的疲労(大)、気絶 [装備]無し [道具]支給品一式×2、錠開け専門鉄具、ランダム支給品(2~6) [思考] 基本:弟である鑢七花を探す。 1:……… 2:七花以外は、殺しておく。 3:骨董アパートに行ってみようかしら。 4:球磨川さんといるのも悪くないですね。 5:少しいっきーさんに興味が湧いてきた。 [備考] ※支配の繰想術、解放の繰想術を不完全ですが見取りました。 ※日之影空洞を覚えていられるか、次いで何時まで覚えていられるかは後続の書き手様方にお任せします。 ※真心の使った《一喰い》を不完全ですが見取りました 【球磨川禊@めだかボックス】 [状態]『健康だよ。だけどちょっと疲れたかな、お腹は満腹だけどね』 [装備]『大螺子が2個あるね』 [道具]『支給品一式が2つ分とランダム支給品が3個あるよ。後は食料品がいっぱいと洗剤のボトルが何本か』 [思考] 『基本は疑似13組を作って理事長を抹殺しよう♪』 『1番は七実ちゃんが起きるまで休んでおこう』 『2番はやっぱメンバー集めだよね』 『3番は七実ちゃんについていこう!彼女は知らないことがいっぱいあるみたいだし僕がサポートしてあげないとね』 『4番はこのまま骨董アパートに向かおうか』 『5番は―――――まぁ彼についてかな』 [備考] ※『大嘘憑き』に規制があります。 存在、能力をなかった事には出来ない。 自分の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り1回。 他人の生命にかかわる『大嘘憑き』:残り2回。 怪我を消す能力は再使用のために1時間のインターバルが必要。 (現在使用不可。残り45分) 物質全般を消すための『大嘘憑き』はこれ以降の書き手さんにお任せします。 ※日之影空洞を覚えていられるか、次いで何時まで覚えていられるかは後続の書き手様方にお任せします。 ※戯言遣いとの会話の内容は後続の書き手様方にお任せします。 再覚醒 時系列順 不忍と不完全の再会 再覚醒 投下順 不忍と不完全の再会 切望(絶望) 球磨川禊 哲学思考(欠落思想) 切望(絶望) 鑢七実 哲学思考(欠落思想) [骨倒アパートの見るものは 想影真心 友情の手前、憎しみの途中