約 1,493,431 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/759.html
「わからないのか? おまえは「運命」に負けたんだ! 「正義の道」を歩む事こそ「運命」なんだ!!」 「やめろ このちっぽけな小僧がぁあああああああああああああ」 グシャァァ ~~~~~~~~~~~~~~ 子供の使い魔 ~~~~~~~~~~~~~~ 「うわあああああああああ」 「プ、プッチ神父!?」 急に左手に激痛が走り目を覚ますと、見たことのない風景と二つの人影が見えた それは黒服の頭のてっぺんが寂しい男の人と桃色の髪の少女が立っていた 「終わりました、ミスタ・コルベール」 「それでは私は戻りますね」 そういうと寂しい男性何か呟き、宙に浮かび建物に向かっていった 「ここはどこですか?それに今の飛んで行ったのはスタンドですか?」 少女に尋ねると、 「ここはトリスティン学園、あんたは私に召喚されたてさっきの契約で私の使い魔になったの それにスタンドって何? あれはフライ、魔法よ」 「トリスティン・・・・?それってどこですか?それに魔法って?」 「トリスティンも知らないなんて・・・・それに魔法も知らないって本気?あんた一体どこの田舎から来たの?そもそもあんた誰?」「僕の名前は・・・・僕の名前はエンポリオです!」 魔法?何を言ってるんだろうこの子 それにトリスティンってどこなんだろう・・・・? プッチ神父を倒したから魔法なんてものが現れたんだろうか? プッチ神父・・・・あいつは・・・・ 「あ、あんた何でいきなり泣いてんの!?」 エンポリオは泣いた・・・・素数ヲタ・・・あ、神父か、と戦い死んでいった 徐倫、承太郎、アスナイ、ウェザー、そしてえっと・・・男顔の・・・ うーん、誰だっけ?兄・・・兄貴・・・あ、そうだ プロ・・・じゃない エルメェス、エルメェス兄貴だ!の事を思い出して・・・
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1261.html
ヴェストリの広場へ向かう4人の少女と1匹の使い魔。 双月は雲に隠れているため、道中はけっこう暗い。キュルケが魔法で灯したランプを頼りに進んでいく。 「別に着いて来なくてもいいのに」 ルイズがシエスタと名乗ったメイドの少女に話しかける。 「いえ、原因の発端は私ですし……」 「だから別にあんたの為に決闘するんじゃないんだってば」 もう何度目かになるそのやり取りをキュルケは苦笑しながら聞いていた。 「それに、ミス・ヴァリエールの使い魔さまにもいろいろお世話になりましたし」 それを聞いたルイズは足を止めた。すぐ後ろを歩いていたタバサがルイズにぶつかる。 「痛い」 「あ、ゴメン。………シエスタ。ブラック・サバスがどうしたって?」 「お手伝いしていただいたんです。夕食の準備とかを」 もっとも邪魔にしかならなかったが、それは言わないでおく。 「あいつ……!一日姿を見せないと思ったら何やってんのよ……」 不機嫌そうに呟くルイズを見て、シエスタは余計なことを言ってしまったことに気づく。 「あ、いえ、あの」 なにかフォローになることを言おうとするが、何も思い浮かばない。 ルイズから他の貴族とは違う何かを感じていたとはいえ、貴族は貴族。やはり恐怖心はあった。 そこに助け舟を出したのは意外にもタバサだった。 「昼間図書館で会った」 「え?」 タバサの方を向き疑問符を上げる。 「会ったって。ブラック・サバスと?」 コクリとうなずくタバサを見て、ルイズは質問を続けた。 「図書館で何してたのあいつ」 「何かしゃべってた」 実際にはタバサは図書館でブラック・サバスの姿を見たわけではなく、ただ話しかけられただけでしかない。 しかし、今さっきの食堂でのブラック・サバスの声とセリフを聞いて、昼間の図書館の声の主がそれだと理解したのだ。 「そういえば、私も昼間に中庭で会ったわよ。あんたの使い魔の…ブラック・サバス?」 今度はキュルケが思い出したように話し出す。 「あんたも!?ほんとにあいつ一日中ほっつき歩いてたの!?」 ルイズはブラック・サバスに文句のひとつでも言ってやろうとして…ふと止まる。 「キュルケ、あんたブラック・サバスはさっきまで死んでたと思ってたんじゃなかったの?昼間に会ってんじゃない」 言われたキュルケは思わず、う……と声を漏らす。 まさか昼間に会ったルイズの使い魔を幽霊と勘違いしたとは言えまい。 「そ、そんなことより!早く行かないと、不戦敗になっちゃうわよ!」 急に慌てだしたキュルケに疑問符が浮かぶも、彼女の言うことももっともだったので思考を切り替える。 「サバス!この話の続きは、決闘の後でゆ~っくりするからね!」 さっきまで最後尾をヒョロヒョロついてきていたブラック・サバスに向かって言う。 が、そこには話題の中心になっている使い魔の姿は無かった。 「…………ええええ!?まさかまた勝手にどこかに行ったの!?あのバカ犬!!!?」 今度はルイズが急に慌てだす。 「ちょっと!ヴァリエール!落ち着きなさい!うろたえるんじゃあないッ! ドイツ軍人はうろたえないッ!」 「ドイツ軍人ってなによ!」 「いいから落ち着きなさいって、もしかしたら先に行ってしまったのかも……」 言いながらキュルケは、ランプを前方へ向けた。その灯りの中にブラック・サバスの仮面のような顔がヌッと浮かびあがる! 「キャア!」 後ろから甲高い悲鳴が上がった。 「サバス!!!フラフラしないの!私の影の中にいなさい!」 ルイズが杖を向けながら怒りの声を上げる。 「だいたいあんた影の中しか歩けないんでしょうが!なんで普通に歩いてんのよ!」 そこまでまくし立てて、気づく。 「……………………そうか。今あんたが立ってるところも影なのか」 さっきまでルイズは、ブラック・サバスは『自分たちの影』を踏んで付いて来ているとばかり思っていた。 しかし今、このパーティーはブラック・サバス、ランプを持ったキュルケ、ルイズとシエスタ、タバサの順番で並んでいる。 ブラック・サバスは誰の影も踏めてない。ならばブラック・サバスが踏んでいる影は、何の影か? 恐らくブラック・サバスは『月を隠している雲の影』を踏んでいるはずだ。 (てことは…………今暗いところは全部雲の影で……てことは………暗いところは全部こいつのテリトリー?) 今度は急にニヤニヤし始めたルイズにキュルケは少なからず不審の目を向ける。大丈夫かしらこの子。 「ワケが分からないけど…自己解決したみたいね」 「ええ。これで勝ちは決まったも当然よ。私が手を出さなくてもサバスだけでも勝てるわ」 またもや妙に自信満々に言う。 「この使い魔そんなに強いの?」 疑いの目でキュルケはブラック・サバスを見る。 「もちろんよ。こう見えてこいつ、ものすっごい力持ちなんだから」 ルイズは昨日と今朝で二度、ブラック・サバスに捕まる経験をしていた。 あのとき感じたパワーは今まで体験したことの無いものだった。 物理的な強さというよりも、なんというか魂ごと押さえ込まれるというか……。 この自信満々のルイズに対して疑いの目を向けるのはシエスタもだった。 どう考えてもこの使い魔が力持ちとは思えない……。大丈夫かこの人。 「サバスちゃんと言うこと聞きなさいよ!働きようによっては、特別に今日フラフラ歩き回ってたこと許してあげてもいいわ」 ルイズは上機嫌だった。もう勝った気でいる。 (後で泣くことにならなければいいけど) キュルケの心配をよそに、ルイズは勝った時の決めゼリフへと思考を移していた。 「遅刻」 後ろからのタバサのつっこみでやっと一行はヴェストリの広場へ歩き出した。 To Be Continued 。。。。?
https://w.atwiki.jp/shachozero/pages/14.html
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 00 34.31 ID gckj6eAy0 __ _, ´ `丶、 / \ / , / / / ヽ `ヽヽ l l j __ // ,イ 、ハヽ }! ハ l l 「 j_从7ヽハ !七大 ` } リ }/ | l Vf゙仡圷/ jl ノィアト、ヘ// / j l l V_ ソ ´ V リ /jイノ , ハ ヘ. ` , l ! / / l ヽ ー ‐ .厶 |ハ // ∧ 弋ト 、 __ , r<7 l ヽ 「我が名はルイズ・フワンソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール / / / ∧ Vー、 Kヽ{ ヽ ヽ 五つの力を司るペンタゴン。この物に祝福を与え、我の使い魔となせ」 / /./ /¨} ,__∧_j_l ハ \ }/ ,′ l { / / / ヾ ☆Y ハ X { V r / / \__j 入xぅ/ \ ヽ l { / / V //∠ , } ! j/ / ! ∧V _二} ヽ / / / { 〈 l / | j/ -ーソ ノ / / / |ヽ \ l /∠/j rテ 〃 ( ヽ , . / / 、__jノ ∧{ / ,/ { _/ ハ `ー彡 / 〃 、__ > / ;> ´ /! ∨ヘ ヾ \ < _ ヽ {{ =ァ 彡< / { く{ ヽ ヽ ユ=― ´ 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 03 36.57 ID gckj6eAy0 / \ / / . . ..丶 / / / / \ . ... . . . . ヽ ./ / l . .l / \ . .ヽ丶 . `、 . . . . ハ l l | .!.{ . .{ ._{_, ._ヽ 斗 ト . ,. . .l . . . . , . .} | | l. l厶. イヽ .ヽ . ..ハ. l_}ヽ..}ヽ| . . . . . } / i i V _ヾ{z=k ハ.. . / ィ戈 〒ヾl . . ./∧ ノ ∧. ヽ ,ィf戈. ノ! }. / V≧ソ / / K . . .ヽ 「ん……」 / . / ハ . ,` ヘ≧= ´ ´ ̄ イ . . . .| . .ヽ . .} / .. . / . . ヘ. ヘ . . ! . . . .l . . . . / / . . / . . . . ム . . 、 , ′ . ∧ . . . .{ ヽ . . { . . ./ .l . .ト、 ´’ イ . . . . ./ ヽ_ . . ヽ、 )ノ . .ヽ . . .j ! . l. > 、__, ィ ´ / . . . . ./ `ヽ . . . .  ̄ `ヽ , -一 . . / .∧ } . . V | 〉く ./ . / l . . . . . . . . } / . . . . / . . .{ \/ . . .l Ⅳ⌒ヽ// / / ヽ . . . . . . ., . / . . . . / . . . . .l / . . . } マ=マ / /. . ヽ ∧ . . . . . / { . . . / . . . . . . ./ . . . .人 弋7 { . . . . ヽ___ / l . . . . / `ヽ . . . ヽ . . ./ . ./ ヽV∠-ヘ . . . . . \ ! . . . .{ ノ . . .} . .{ .. . . ./ / ヘ . . . . . ヽ. | . . . . ゝ __ノ! ヾニ二 人 . / . .ヽ . . ./ ∧ \ . . . . . . .j | . . ヽ . _ノ 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 05 42.08 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「何をする貴様! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! 俺のファーストキスを奪いおって! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ 許さんぞ!! 後悔するがいい!! \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ 貴様には地獄を見せてやる!!」 ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 09 21.51 ID gckj6eAy0 , イ \ / \ \ / ヽ , | { l | _ 〉 、 | |/ ,、ヽ / \ { / ヽ∨  ̄≧ュ、 〉 __,. , 「ずいぶんと気性の荒い使い魔だが、ちゃんと契約はできたようだねミス・ヴァリエール { ノ r リ  ̄´ 斤ォー / 人間の使い魔というのは聞いたことがないが、しっかりと世話をするんだよ」 ∧ヽゝ ヽ  ̄ー ├ー |ゞ′、/ , \| | ヽ、__ノ !、__ノ _ / l l } / / ヾ ヽ __ ー / ノ ` ー- 、 \ < _ / / \ ヽ __ / _ -──  ̄  ̄/ ̄ 7 、 -─ / / ` ─- 、 / / >ー───── 、 / / / / 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 11 39.66 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 「この俺が世話をされるだと? ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! ふぅん。ここまでくると怒りを通り越して呆れるわ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ ……む? なんだ!? 左手が……! ぐぅぅぅ!?」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 14 44.55 ID gckj6eAy0 __ _, ´ `丶、 / \ / , / / / ヽ `ヽヽ l l j __ // ,イ 、ハヽ }! ハ l l 「 j_从7ヽハ !七大 ` } リ }/ | l Vf゙仡圷/ jl ノィアト、ヘ// / j l l V_ ソ ´ V リ /jイノ , ハ ヘ. ` , l ! 「すぐ終わるわよ。待ってなさいよ / / l ヽ ー ‐ .厶 |ハ 『使い魔のルーン』が刻まれて……って……えぇ!? // ∧ 弋ト 、 __ , r<7 l ヽ ちょっとあんた!? なによそれ!?」 / / / ∧ Vー、 Kヽ{ ヽ ヽ / /./ /¨} ,__∧_j_l ハ \ }/ ,′ l { / / / ヾ ☆Y ハ X { V r / / \__j 入xぅ/ \ ヽ l { / / V //∠ , } ! j/ / ! ∧V _二} ヽ / / / { 〈 l / | j/ -ーソ ノ / / / |ヽ \ l /∠/j rテ 〃 ( ヽ , . / / 、__jノ ∧{ / ,/ { _/ ハ `ー彡 / 〃 、__ > / ;> ´ /! ∨ヘ ヾ \ < _ ヽ {{ =ァ 彡< / { く{ ヽ ヽ ユ=― ´ 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 17 41.26 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 「これは……デュエルディスク!! / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 馬鹿な! 何故これが俺の腕に! ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! 本社の金庫に保管してあるはずだぞ!」 . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 19 40.32 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 「でゅえるでぃすく? ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 なんなのよそれ! ていうかルーンはどうしたのよ!?」 `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 22 32.59 ID gckj6eAy0 , イ \ / \ \ / ヽ , | { l | _ 〉 、 | |/ ,、ヽ / \ { / ヽ∨  ̄≧ュ、 〉 __,. , 「落ち着きなさい、ミス・ヴァリエール { ノ r リ  ̄´ 斤ォー / よく見たまえ、彼の左手にはちゃんとルーンが刻まれている ∧ヽゝ ヽ  ̄ー ├ー |ゞ′、/ おそらくそのアイテムは使い魔の特殊能力に関連しているんだろう , \| | ヽ、__ノ !、__ノ さぁ、これで全員の契約が終わったな。よし、じゃあみんな教室へ戻るぞ」 _ / l l } / / ヾ ヽ __ ー / ノ ` ー- 、 \ < _ / / \ ヽ __ / _ -──  ̄  ̄/ ̄ 7 、 -─ / / ` ─- 、 / / >ー───── 、 / / / / 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 25 18.88 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 「くっ……はずすこともできんとは / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! おい貴様、ルイズと言ったな ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! もう一度だけ説明するチャンスをやろう . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ これはいったいどういうことだ」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 28 33.58 ID gckj6eAy0 _ __ /´ `ヽ_ , -‐ `ヽ / \ . / / ヽ l / ,′/. / .〃 . .丶 丶 . .ヽ l l l l | l . .l . .ト、/ . . { . . .ヽ. \ .j .! │ l lハ l. . |. ..!. .{\八 . . .ヽ ,__匕厶} │ l ヽ∧ . ! . 从7tーゝヽ . イヘ ノ│ l ヽ、 「なんでこんなに偉そうなのよこの平民……! jハ>ハ `‐ j /  ̄ / リ `ヽ、 ……まぁいいわ、説明してあげる | } ´ 、 / / . . \ 私はあんたのご主人様なんだからね」 _ ノ ゝ , `マZ三)′ 厶;._ } / `ヽ┐ . . . . /> ´ / ヽ . / / ) {_, }. . . . / / _ -ヘ . . . . .∨ { ┐r /. . .〃 /_ -‐ ´ ヽ . . . / 入 / ̄ ̄`V / l | . . . ト、 / . .Y / ̄ ̄ヽ . . . . ./ l l . . . . . . .\ ヽ . .レ l-‐、__{ l { . . . . . . . . . \ ) .l \ \ l ヽ . . . . . . . . . . . ヽ / . .ヽ ヽ ヽ l } . . . . . . . . . . . . } 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 29 39.62 ID gckj6eAy0 -――- 、 , ‐ ´ \ / 、 ヽ |l l /〃 ヽ ヽ} | l , \ .ljハ トkハ 从斗j │ ハ \ l∧}ヾソ V ヾソ ! ! ヽ \ \ __ __ リ.人 v‐┐ / ト、 ヽ ヽ {心下ヽ / >ゝ- <{ Vl } } ゝ<}ノ \ ( Y Y ! ヽヘ { { ~説明中~ 7´ ̄ ) ) ∨ __ ヽ } \ \丶、 / / /ィ ´ヽ ノ / ヽ ヽ `ヽ ! ≦∠__ノ | /ハ / ゝ、 `、 リ ノ | . . l __ヾ\ ≧ 、ヽ { l_ . . / v l \ ヾ  ̄ , }> ヽ. V | ! l∧ Vリ i `ドー rL.」 厶 ! l j ̄ 7 ├‐ ト、 ! \ / / ! ! `、 ! `/ /ー‐‐┤ 「¨¨ ヽ / ,′ / ! ! レ ´ ┴‐┴━━━ゝ-┴ 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 33 07.67 ID gckj6eAy0 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! 「ふぅん。なるほど魔法世界というわけか / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! よかろう、納得してやる ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! ふぅん、俺も遊戯のせいでオカルトに耐性がついてしまったな . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ よし、女。このあたりの地理を把握する。着いて来て説明するがいい」 \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 37 07.17 ID gckj6eAy0 , -‐ ´ ` ー、 / `ー-、 ,‐´ 、 `ヽ、 f‐ | ヽ ヽ ヽ / ー、 ヽ_ / ヽ ヽ ヽ\ ヽ / } _ l ヽ ヽ/! ヽ i ヽ i l / / ヽ l、 ヽ l ハ/f-f、 }l l、 |リ l l l_l_lr- {_ゝヽ ヽ |//fc リ /! /リ 「ちょっと!? 待ちなさいよ!! l |. . } l ハ、=ゞ==リ / ムソ /イ 〈 勝手に決めるんじゃないわよ!! ノ l. . l イ /´七C、ム/ .. lゝ、ヽ、 あんたは! 使い魔で! 私が! ご主人様なんだからねぇーーーーー!!!!!! `ー-´ _-‐!. . ヾ l 弋ソ .. .. }l  ̄ ー----- f´ ヽ. . ヽ、 ,__ -= /ヽ、 . . . _-―‐´、 ヽ. . . ヽ、 /  ̄ノ/! ヽ、 . . . ヽ ヽ、 \ . . . ヽ、_ー‐ニ‐´ !. . ヽ、 . . . . .ヽ、ヽ ヽ、_ ヽ、! ヽフニイ / /ヽ . . ヽ . . ./ヽ、ヽ `ー-ヽ. . ヽl ll l / ヽ、. . ヽ . . . i ヽ \ }. . } l 7 | / }. . . } . . l \ `ヽ、 /. . . . , ヽTl / / /. . / . . .l \ \/. . . . /`ヽ、/ /. . . / . ./ ヽ/. . . . / / l| /. . . ,-‐´ 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20 43 19.70 ID gckj6eAy0 第一話 ~最悪の使い魔~ 終了 予告 第二話 ~瀬人の花嫁?~ / \ / `ヽ 丶 / . ノ , ヽ / / / . . / ヽ . ヽ ヽ V l l. .| / . ./.;イ ヽ ... . l. . . | .. l l ! |. .| . l . \!/ l . { . . .|ヽ . }ヽ . j . .! | . | ヽハ l .| ! . . jV\{ 八 . . .l } /_,j;ィト .l . l . | 「なんで私がこんな目にあうのよ! ヽ从 . iイfチ心ハ 、从ィ厶斗<V . .jl . | それにあいつってばいつも勝手なことばかりして! \ト小._V;zソ ノ/ V;;_z1 / . . . ハ . . 八 あぁ! 使用人のメイドとなにやってるの! リ } . , .. / . . . /. .ヽ . . ヽ あんたは私だけに仕えてればいいのよーー!!」 _..ノ/八 / . . . /. . . . .\ . . \ , -‐´ / . . >,.、 ´ ヽ ィ′ . . . ハ;.__ . . . . \ . .  ̄`丶、 〃 . . / . . . . . ノ ¨ ヽ、_ , ィ≦7 . . ./ ´ ヽ. . . . .` ー- 、 . ヽ l . ./ . . . . . ;. イ\ ノ} /`∨ . . . { ゝー、. . . . . . . ヽ . } {. / . . . . . / } Vx1_/ { . . . ヽ ∧. . . . . . . } . . ,′ 〃 . . . ./ j/  ̄ ̄ ヽ入 . . . . .\ ヽ. . . . ./ . / { . . . .{ | / \ . . . . .\ ) . / .;イ 前へ トップページ 次へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/396.html
パーティはどうやら食堂の上のホールで行われるようでした 着飾ったルイズの美しさにそれまでゼロのルイズと呼んでからかっていた同級生たちまでもが 群がってダンスを申し込んできます ですがルイズはそれを全部丁重に断りどうにかこうにかバルコニーに逃げてきました バルコニーから見えた景色の中に自分の使い魔も含まれていました 「・・・あいつが来るわけないわよね」 なんとなくこういうきらびやかな舞台に来ることを自分の使い魔は嫌っているの 目立ちたくないだけなのかどうなのか知らないが来ないものを期待するほどバカでもない その使い魔はなにをするでもなく、ただ星を見ていた 使い魔の男はなにをするでもなく学院の庭で星を見ていました (・・・俺の野望) その使い魔、ディアボロは少しばかり構想にふけていました (俺はなぜ野望の成就を目指したのだったか) 単純な考えでした。彼は己の野望を追い求めていました ですがそれは失敗に終わり、地獄を経てこの世界に来たのです 不意に自分を打ち倒した金髪の青年の言葉を思い出しました 「生き残るのは…この世の「真実」だけだ… 真実から出た『誠の行動』は、決して滅びはしない…」 ならばこの世界での生は自らが真実に到達したからだろうか 「そしておまえの行動が真実から出たものなのか それともうわっ面だけの邪悪から出たものなのか」 そうだ。簡単な考えだったのだから答えだって簡単だった (俺は・・・ただ幸福になりたかっただけではなかったのか?) 星を見上げる使い魔は答えに到達しました 自らを帝王にするという野望はただの幻想だということにして 今の自分は幸福にあろうとそう考えました この先、この世界で死にGERがまた発動したのならこの答えは一時のものでしょう ですが今は 「主人ルイズに仕える使い魔であるとしよう ―――なんだ。俺は彼女に好意を抱いているのか」 いたって他人事のようにそう言いました 「きっとお前も同じなのだろうな。ドッピオ」 自らのもう一つの人格に話しかけるディアボロ、返答はありません 「・・・・・だが」 一つため息をついてディアボロは 「・・・俺は幸福にあるべきではないな」 きっと彼は暖かくあることを恐れているのでしょう 自らの娘が出来たところで野望を成就させようとした自分は殺そうとしました 自分は幸福にあろうとすることは許されない 暖かさを拒絶した自分にはもう訪れさせてはいけない ・・・そう。幸福を得ようとした代償に大量の他者の幸福と暖かさを奪ってきた自分にその権利は無い 「・・・だが、お前はちがう。 ドッピオ、お前には権利はある」 もう一度、もう一つの人格に話しかけます。もちろん返答はありません 「お前は主人格である俺に命令されただけだ。おまえ自身の意思は介入していない ―――もしも、俺が消えてお前が残ることがあるのなら」 お前だけでも幸せになれ、その言葉をディアボロは心の中に止めておきました 特にやる事も無く星を見ていたディアボロの横に 「なにしてるのよ?ディアボロ」 自らの主人が来ていました 「・・・何もしていない。だがよく私だと分かったな」 ふとした疑問を主人にぶつけました 意識変更による多少の肉体の変換はありますが基本的に殆どドッピオと変わらないはずです 「分かるわよ。雰囲気っていうか周りの空気っていうか・・勘で分かるのよ」 「そうか」 会話はそこでとまりました。ディアボロは話すことなんてありませんので基本はルイズからの返答のみです 「・・・ねえ」 ふとルイズに話しかけられました 「何だ?」 簡単な返答を返します 「・・・頑張って、頑張りぬいた人が最後に報われないっていうの、どう思う?」 「それは仕方の無いことだったのだろう。所詮、努力を重ねたところでそれが叶うかどうかなど未知数だ 努力は単に成功率を上げるためにする行動だ」 「・・じゃあアンタはどうなの?」 「それも同じだ・・・だがそれが他者から奪い作られた努力なら別だ」 「でもアンタはフーケを倒したっていうのに・・・何にもないなんて」 ディアボロは目の前の主がただ報われないのが嫌なだけということを理解しました そしてこう答えました 「使い魔なのだから賞賛されるのは主だろう。私にはそれで十分だ」 「でも・・!」 「あと賞賛するのであればドッピオにしてくれ ―――私にはその資格はない」 そういってディアボロは寮へ歩いていきました (それでも・・・アンタだけが報われないなんて) ルイズには彼の言葉への反発しか生まれませんでした 「絶対に・・・認めない。アンタだけが報われないなんて」 そう言ってその背中を追って行きました ですがその後を追って部屋に行ってもディアボロはもう眠っていました 「・・このくらいならいいわよね?」 彼以外、誰もいない部屋でつぶやき 「・・今回は助かったわ」 そのお礼の言葉をつぶやきました
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/840.html
カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌは考える。 妹はどうしているだろうか。 今頃は使い魔を召喚して、喜んでいるだろう。 今はそういう時期。自分の相棒となる使い魔を召喚する時期。 だが妹より年上のカトレアは未だ使い魔を召喚していない。 何故なら学校に行ってないからだ。 理由は引きこもりや、学校に行ったら負けかなと思っているのではなく、体が弱いために行けないのだ。 だから彼女は考える。学校に行っている妹の事を。 そして妹がどんな使い魔を召喚したのか想像している内に自分も使い魔を召喚したくなった。 本来はいけない事だが召喚だけして契約はしなければバレないだろう。 彼女を責める事は出来ない。彼女は自分の領地(それでも結構広いが)から出たことがないのだ。 このちょっとした好奇心と悪戯心から召喚のための魔法、サモン・サーヴァントを唱える。 使い魔が出てくるはずのゲートが開いた。何故か下に向かって。 そしてそこから現れたのは人間の男だった。それも超スピードで落ちてきた。 ぐしゃっと言う何かが潰れた様な音が鳴った。潰れたのは召喚された男らしい。 「え?え?どういうこと?」 おそらくは落ちている最中に召喚されたのだろうがカトレアにはそんな事知る由もなく、ただ混乱していた。 混乱から解けたカトレアはとりあえず治癒の魔法を男にかける。まだ息があったからだ。 そして男の傷はふさがって行く。 間に合った事に安堵したカトレアはちょっとした気の緩みから後ろに倒れこむ――が意識を取り戻した男が間一髪で支 えたので倒れなかった。 「ごめんなさい、体が弱くて…」 「そうでしたカ、どうすれば良いデスカ?」 「とりあえず…お屋敷まで運んでください」 「お屋敷?ああ、あれデスネ?」 男はカトレアを担いだままヴァリエールの屋敷に向かって歩きだした。 「そういえば…アナタお名前は?私はカトレアよ」 「トニオ・トラサルディーといいます。トニオと呼んでください」 屋敷に入り、カトレアの案内で部屋までたどり着く。 そして部屋のベッドに寝かせ、話が出来そうな状態になったのを確認してから質問を始めた。 「具合が悪いところスミマセン。ここは何処なのでショウ?ワタシはある鳥の卵をとるために崖から飛び降りたはずな のデスが」 「だから落ちてきたんですか?」 「ハイ、それでイキナリ地面が現れたのでぶつかって大怪我をしたはずなのですガ…」 「私が魔法で治したんです。怪我をしたのも私のせいですけど…」 「そうでしたカ、助けてくれてアリガトウゴザイマス」 カトレアは驚いた。自分が怪我をさせたというのにトニオは怒らなかったのだ。 「何かお礼をしたいデス。ちょっと両手を見せてくだサイ」 「え?あ、はい」 「フーム。体が弱いと言っていましたがソウトウですね」 「わかるんですか?」 「ワタシは両手をみれば肉体全てがわかりまス。ちょっと厨房をお借りしマス」 普通だったら初めて会った人間にそんな事はさせないのだが トニオは自分が召喚し、そして怪我をさせた人間だ。だから厨房を使わせるくらいなら、とカトレアは使用許可を出した。 数時間後 「出来ましタ!どうぞ召し上がってください」 料理が完成したらしい。 カトレアはちゃんと頂きますをしてから料理を食べた。 食べ終えたカトレアの体に異変が起こった。 体中にとてつもない痛みが走るのだ。 「こ…れは…?」 「落ち着いテ!痛みは一時的なものでス」 そしてトニオの解説が始まった。要約するとこれで健康になるらしい。 眉唾な話だったがカトレアは信じた。 数時間前に会ったとばかりだというのにトニオに奇妙な信頼を置いていたからだ。 そして痛みが収まり、カトレアは自分の体が健康になった事を実感した。 「すごい…これは先住魔法?」 「フム、実のところワタシにもよく分かってないのですが…多分そうでしょう」 「はあ…でもスゴイですね。こんな事ができるなんて!」 「スゴイ?…ワタシが?」 「そうですよ。こんな事他に出来る人はいませんよ。」 「……アリガトウゴザイマス」 トニオの目には涙が浮かんでいた。彼の料理は気味が悪いといわれ、認められなかったのだ。 それをカトレアは認めてくれた。それが嬉しかったのだ。 カトレアもまた泣いていた。自分のどうしようもない弱点であった原因不明の病気をトニオは治してくれたのだ。 それはつまり『普通の生活をする』という。彼女の望みを叶えた事になる。 互いに互いの最大の望みを叶えた。そんな二人が恋に落ちたのは当然だったかもしれない。 そしてトニオはヴァリエール家に料理人として雇われ、徐々にラ・ヴァリエール公爵に認められることになる。 パール・ジャムが先住魔法という事になっているため彼は普通の平民ではなく、元貴族かもしれないと言う事と 誰にも治せなかったカトレアの病気を治したと言うことからあまり話はこじれなかった。 最後にヴァリエール家で自分の子供達に囲まれながら寿命を迎えた彼の最後の一言をもってこの物語を終えようと思う。 「ここはもしかしたら異世界かもしれませン」 それは最初に気づこうよ、トニオさん。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/290.html
第一話 僕は使い魔① 第二話 僕は使い魔② 第三話 ゼロのルイズ① 第四話 ゼロのルイズ② 第五話 メロンとメイド 第六話 当然の理由 第七話 使い魔の決闘① 第八話 使い魔の決闘② 第九話 使い魔の決闘③ 第十話 使い魔の決闘④ 十一話 虚無の曜日 第十二話 デルフリンガー
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/732.html
「あ…ありのまま、今起こった事を話すわ! 『呼び出したばかりの使い魔を叩き起こそうと思ったらいつのまにか息を引き取っていた』 な…何を言ってるのかわからないと思うけどわたしも何が起きたのかわからなかったわ… 頭がどうにかなりそうだった…」 こんなことを口走ってしまう程混乱したルイズは自分の部屋へ行き2時間眠った… そして…… 目を覚ましてからしばらくして 使い魔が死んだことを思い出し………笑った… 使い魔の死、それはメイジにとって半身の消失とも言える重大事だったが、 ルイズにとってそんなことは関係なかった、自らが望んだ再召喚の機会が向こうから転がり込んできたのだ 流石に死んだ使い魔には哀れさを感じたが、何もしていないのに死んだということは 呼び出した時点で致命傷を負っていたか、何か病を抱えていたのだと考えた‐つまりは自分に責任は無いということだと そう結論付けたルイズはまず中庭に向かい死体を埋葬することにした だが不思議な事に中庭についた時には使い魔の死体は影も形も無く消えていた そのまま部屋に戻ったルイズは今度こそ自分にふさわしい使い魔を召喚すべく杖を振るった 「な・ん・で、またアンタなのよ!」 振るった杖の先に現れたのは、先程呼び出し、そして死んだ筈の男だった 姿も態度も変わらないまま、一つだけ違うのは左手に使い魔のルーンが刻まれている点だけ そうすでにルーンが刻まれているのだ、ルイズと契約した証が そのことに気付いたルイズは嘆息した 誰も見ていないことを幸いに無かったことにもできない、ルーンの消し方など知らないからだ 諦めたルイズは男のことを問い質すべく声をかけた 「アンタ誰?」 「今度はどこに……ここはどこだ……」 「次はど…… どこから…… い…いつ「襲って」くるんだ!? 」 「オレのそばに近寄るなああ―――――――ッ!!」 自分の質問が無視されたこと、質問に質問が返されたこと、うるさいこと、 そしてそれが自分の使い魔であることにルイズはあっさりとキレた 「うるさ―――――――い!!」 「ここはトリスティン魔法学院学生寮のわたしの部屋」 「わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、 ヴァリエール公爵家の第三公女でアンタを使い魔として召喚したメイジよ、 つまり貴族でアンタの御主人様よっ」 矢継ぎ早に言葉を発して男を黙らせると、そのまま扉の外に蹴り出した 「とりあえずそこで一晩頭を冷やしなさい」 ルイズはそう告げると非情にも扉を閉じた 朝、あまりの寒さにルイズは目を覚ました 「うー、寒い」 吐く息が白い 「もう春だって言うのに何でこんなに寒いのかしら」 突然の寒さに疑問符を浮かべながらベッドから降り、身嗜みを整えたルイズは食事に向かうべく扉を開けた 開けた扉の向こうから真っ白に凍りついた使い魔が部屋の中に倒れこみ………ブチ割れた ■今回のボスの死因 季節外れの寒波で凍死………のち粉砕
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/208.html
「成る程、ここが魔法とやらがある世界だというのは理解した」 少女に連れられた部屋の床に胡坐をかき、ヴァニラは憮然とした表情でベットに腰を下ろしたルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、通称ルイズ、そして自称・ご主人様へ頷いてみせる 「分かった?平民が貴族の使い魔になるなんて普通じゃ考えられないことなのよ、感謝なさい」 ルイズの偉そうな態度に思わずプッツンしそうになるがここは堪える まだ聞きたいことがあるのに殺しては拙い、ここは冷静になるべきだ 「それで私はどうすればエジプトに、元の世界へ帰れる?」 この傲慢な貴族の小娘に構っている暇など無い、DIO様に万が一などありえないがまだ戦えるのなら直ぐにでもお傍に参じたい。切なる思いを胸に訊ねる しかしッ 「は?無理に決まってるでしょ。サモンサーヴァントで召喚された使い魔が帰れるわけ無いわ」 ルイズがさらりと告げた事実は忠誠心の塊であるヴァニラを凹ませるには十分ッ! しかしヴァニラは凹みはしなかった、逆に 「ふざけるなこの小娘がッ!!」 「きゃっ!」 突然の怒声と共に立ち上がったヴァニラに気圧され、ルイズは思わずベットの上に倒れる ガオンッ!! 「な、何よ突z・・・・」 気圧された事で貴族としてのプライドが若干傷付いたが直ぐにその考えを改めた 「・・・・何、これ?」 ベットに仰向けに倒れたままのルイズの視界に映ったのは見慣れた天井と、まるでワインの コルクを抜いたように綺麗に刳り貫かれた壁、そしてそこから覗く外の景色だった 「ちょっとヴァニラ、アンタいったい何したのよッ!?」 慌てて起き上がりヴァニラに詰め寄るが何故かヴァニラはヴァニラで驚いていた 「何だこれは!?」 長身の男が怯えたように身体を震わせるのは滑稽を通り越して異常ッ ましてやルイズにはその原因が見えないのだから尚更だ そう、原因はルイズに見えないもの 即ちヴァニラのスタンド、クリームだった 「小さい!縮んでいるのかッ!?」 この世界に来て始めた発動させたスタンドの姿は彼が子供の頃の状態に近かった もし元の大きさならルイズが倒れたところで問題なく亜空間にばら撒いていただろうが 生憎小さくなったスタンドではそれは叶わなかった 「何だか分からないけど・・・・・これはアンタがやったのね?」 ショックを受けているヴァニラにルイズは恐る恐る声をかける 「ああ、私がやった・・・」 ありえない、等とぶつぶつと呟きながら上の空で返すヴァニラを他所にルイズは 「凄いじゃないの!平民なんて使い魔にしてこれからどうしようかと思ったけどこれならキ ュルケにも・・・・・・」 泣きたくなるような小さな胸の中に青写真を描き、はしゃぎだした 「ヴァニラ!アンタこれから・・・・・あれ?」 青写真を現実にすべく使い魔に指令を出そうと現実に戻ったルイズ、しかし部屋には自分以外誰も居ない おまけにドアには鍵がかかっているし開錠もドアの開閉される音も聞こえなかった 他に出口といったら同じく鍵のかかった窓と 「・・・・・・まさか、この穴?」 壁にぽっかりと開いた穴の縁に触れてみるがとても人が、ヴァニラのような大男が通れるはずも無い 「いったいどこに消えたのよ・・・?」 ルイズの呟きは、壁に開いた穴から漏れる宵闇に、静かに溶けた To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1957.html
油断した、やはりあの鏡はスタンド攻撃だったか… 確かにさっきまで僕はイタリアのアジトにいたはずだが今いる場所はどうだ。 どちらが上か下かも分からない、いやそういった概念が無い場所と言った方がいいだろうか。 ともかく現在僕は、落下し続けている最中なのだ。それだけはハッキリと分かる。 次第に目の前が明るくなっていった空間が、意識を失う寸前に見た最後の光景だった。 なんだろう、笑い声が聞こえる。ここはどこだ?イタリアからそう離れていなければいいんだが… ゆっくりと、全神経を集中して上半身を起こしてみる。スタンド使いが近くに潜んでいるやもしれない。 細心の注意を払う…必要は無かった。取り囲む少年少女の傍には必ずとしてスタンド像が見える。 全員がスタンド使いとは…“一手”、遅れたか。 ここから一旦距離を取らなくては。出来るだけ遠くがいい。 しかし朦朧とした意識の中次に聞こえてきた言葉は、すぐ傍にいた(多数のスタンドに気を取られて気づけなかった) ピンク色の髪の少女の口から発せられた。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」 油断とは続くものだ。次の瞬間その少女は何の躊躇いも無く唇を合わせてきたのだ。 それがスタンド発動の条件か。 「くッ、身体が……燃えるように熱いッ……」 同時に左手の甲に記号が刻まれるのを目に焼き付けながら、再度気を失ってしまった。 くそ…“二手”遅れた… 次に目を覚ました時いた場所はやはりいつもの場所では無かった。夢などと都合の良いようにはいかないのは充分承知。 今はこれまでの経験を充分に役立てる事が先決だ。決まっている、まずは“逃げる”だ。 「あ、目を覚まされたんですね!」 くッ、次から次へと敵が現れる。次は何のスタンドがでてくるんだ一体。 ドアを開け入ってきたのは一人のメイド。歳は…僕に近いようだ。 「お体は大丈夫ですか?どこか具合の悪いところはありませんか?」 やけに悪意を感じられないメイドだ。しかし注意を怠ってはならない。 予想にもしないスタンド攻撃が無いとは言い切れない。 「ここはどこだ?」 「ここはトリステイン魔法学院です。あ、申し遅れました。私、この学院で小間使いをさせてもらっています、シエスタと申します。 …学院中大騒ぎでしたよ。ミス・ヴァリエールが平民を使い魔にした、っていう。」 なるほど、あのスタンド攻撃がそれか。…人一人を使い魔にするだと?馬鹿馬鹿しいスタンドだ。 発動条件はあれど制限が見当たらないあたり、非常に強力なスタンドであることは間違いないな。 それにしてもトリステイン魔法学院?・・・ふざけた名前だ。どこかの宗教団体と関係するものだろうか? だとしたら厄介だな。国を相手にすることに繋がるかもしれない。 少なくともイタリアでは無いわけか、ここは。 ファミリーはミスタとトリッシュに参謀を任せてあるから一通りは普段通りに動いているはず。 だが急に行方を眩ました僕を探す為奔走しようとしているのかもしれない。 希望は“僕を探さない”だが、ミスタ達の性格を察すればそれは無駄だろう。 しかし闇雲な行動が危険であることはあの二人もこれまでの経験から承知のはず。 とにかく今は早くイタリアに戻る方法を見つけなければ。 鏡台に突っ伏せているさっきの女を見つけた。通常スタンドは本体を叩けば消えるはず…しかしだ。 1.“使い魔”とされた僕が“主人”であるこの女に手を出した時に危険が及ぶのだとしたら。 2.無事“主人”を倒した後も“使い魔”の属性が消えず、例えば決められた領域から外に出られなくなる、等の移動制限がかけられていたら。 以上二点が最大の疑問だ。不用意に手を出すべきではない。 そしてもう一つ疑問が。 「このベッドは彼女のものだろう。何故彼女はあそこで寝ているんだ?」 「ミス・ヴァリエールは一晩中寝ないであなたを看病していたんですよ。 きっと疲れているんです。」 …理解できない。他人を“使い魔”にするスタンドから見れば本体の性格は恐らく支配欲の塊。 その性格があってこそあのスタンド攻撃が成立するはずだ。 ならば何故僕に対して手厚く世話をする必要がある? しばらくして目を覚まし、むくりと起き上がった少女はこちらに詰め寄り、開口一番にこう言った。 「ま、ま、まさか、へ、平民の人間なんかが使い魔になるなんて思いもしなかったけど こ、これも何かの縁だと思って諦めるわ。今日、この時よりあなたは このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔なんだから。よろしくお願いね。」 「僕は敬意を払いたくもない自分より年下の女の子の使い魔なんかになりたくないね。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」 「名前を呼ぶならルイズでいいわ。でも使い魔の願いなんてご主人様であるこの私が聞けると思う? こっちだってまさか人間が召喚されるなんて思ってもみなかったわよ! もうどうしようもないことなんだからあなたも受け入れなさいよ、もう!! だいたいあなた歳は幾つなのよ!?」 そこへシエスタが止めに入った。 「ミス・ヴァリエール。そろそろ朝食の時間です。用意をした方がよろしいかと…」 「ああ~!もう、分かってるわよ。ええっと、あなた。名前はなんて言うの? ずっと“あなた”で呼ぶのもどうかと思うわ。名前を教えなさい。」 「……ジョルノ。ジョルノ・ジョバァーナだ。歳は15。」 「変わった名前ね。しかも私より1つ年下じゃない、敬語を使いなさい。そもそも年上である以前に私は貴族なのよ、平民。 まだあったわ、あなたは使い魔で私はご主人様。…3つも理由があるじゃない。」 僕より1年先に生まれておいて常識知らずとは頭が下がるね。 「じゃあまずは使い魔としての最初の仕事を与えるわ。ジョルノ、着替えさせて。」 「…お断りします。」 「言ってくれるじゃない。じゃああなたは他に使い魔としての能力を持ってるの? いいえ持っているわけないわよね。既に試してみたけどあなたには主の目となり耳となる能力も無いようだし、 主が必要とする秘薬を捜してくる能力も無ければ、主を守ることも出来そうに無いわね、だってあなたは平民ですもの。 だからあなたには使い魔としてとても簡単な仕事を与えてあげることにしたの。 掃除、洗濯、着替えがあなたに与えられた仕事よ。文句を言わずにさっさとしなさい。」 よくもここまで噛まずにスラスラと喋られるものだ。 しかし流石に僕でも…もう限界だッ…… 「…嫌だと言っているッ!」 「はぁ?これから誰があなたを養うのか分かってるの? あなたは使い魔の癖に何もせずタダ飯を喰らうつもり!?」 「これ以上君の理不尽な話を聞き続けるのは精神的に参るね。 どうしても言うことを聞かせたいのなら君のスタンドを使って思い通りにしてみればいいじゃないか。」 「何を訳のわからないことを…ああもう遅刻しちゃうじゃない! もう、今回だけは大目に見てあげるけど今日の夜を覚えておきなさい!誰が上で誰が下なのか再認識させてあげるわ!」 スタンドが分からない・・・?まさかそんな。いや、試してみる価値はある。 像をイメージする。天道虫をモチーフにした人型のクリーチャー、スタンド名:ゴールド・エクスペリエンスが目の前に現れる。 「これが見えないのですか?」 静かに佇み前だけを見据えるG・Eを指差して聞いてみる。 スタンド使いならばスタンドが見えるはず。 「何言ってるのよあなた。まだ意識が朦朧としてるんじゃないの? そうか、だからまだ使い魔としての認識が…」 「ゴールド・エクスペリエンス!花瓶をアヒルに変えろッ!」 命令と同時に降り落とされる腕は正確に彼女の傍にあった花瓶を殴りつけ、ドグシャアと音を残す。 花瓶は衝撃を受けて宙に舞う。 「きゃあああっ!あなた、人の物に何して……え?確かに花瓶は吹っ飛んだのにジョルノは一歩も動いてない…何故!?」 「ミ、ミス・ヴァリエール、かかか、花瓶が!」 ゆっくりと、花瓶は粘土細工のように形を変えていき、やがて絨毯の上を歩き回るアヒルそのものに変化した。 アヒルから目を離せない二人はどうやら、本当にスタンド使いでは無いようだ。 G・Eに部屋内の生命エネルギーを感知してもらっているが、欠片ほどのエネルギーも新しく発生しないし 彼女らのスタンドを出して身を護ろうとする動作すら行われない。 「こ、これ、なんていう魔法なの?生き物を“創り出す”魔法なんていままで見たことも聞いたことも無いわ…」
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/387.html
康一とギーシュが、ヴェストリの広場で決闘を始めていた頃、学院長室ではコルベールが泡を飛ばしてオスマン説明していた。 春の使い魔召喚の際に、ルイズが康一という平民を呼び出したこと。 そして、その康一に刻まれたルーン文字が気になり、それを調べると、『始祖ブリミルの使い魔たち』という文献に、全く同じルーン文字が載っていたことを。 「なるほどのう……」 オスマンは、コルベールが描いた康一のルーン文字のスケッチを見ながら呟き、言葉を続けた。 「して、これは何の使い魔のルーンなんじゃ?」 「それなんですが、ここを見て下さい!」 コルベールは、『始祖ブリミルの使い魔たち』に書かれていた、ルーン文字の項を開いた。 そこには、様々な使い魔に刻まれていたルーン文字が表のようになって載っていた。 その表の中に、康一の手に刻まれたルーン文字と全く同じルーン文字が載っている。 オスマンは、そのルーン文字を見ながら目を見開いた。 「ふむ……。ほほう、これは……」 「もうお分かりかと思いますが、このルーンは何の使い魔のルーンであったか、書かれてないんです!」 オスマンは、長い髭を弄りながら首を傾げた。 「妙じゃのう……。他のルーンは全て名前が記されておるぞ。 ここに書かれている『ガンダールヴ』とかな……。なぜこれだけ記されてないんじゃ?」 何も名前が記されてないルーン文字を指差して質問してくるオスマンに戸惑いながらも、コルベールは質問に答える。 「自分なりに、二つの仮説を立てて見たのですが……」 「ふむ、言ってみなさい」 コルベールは、禿げ上がった頭をハンカチで拭きながら言った。 「まず一つは単純なものでして、単に書き忘れたか、ここの文字だけ剥げてしまったか……です」 「なるほど。して、もう一つは?」 「召喚後すぐに、何らかの原因でその使い魔が死に至ったか……です」 コルベールは、コホン、と咳払いをしてから話を続けた。 「この場合、何の種類で、どんな能力を持っていたのかわからず、名を記すことすら出来なくなりますからね……」 オスマンは瞑っていた目を静かに開くと、悟ったように言った。 「つまり、こういうことか? 『あの平民は未知の能力を持った、未知の使い魔である可能性がある』」 「Exactly(その通りでございます)」 コルベールが頭を下げながら答える。 そんなやり取りが行われてる時、ドアをノックする音が聞こえてきた。 「誰じゃ?」 オスマンがドアの前までいくと、ドアの向こうからロングビルの声が聞こえてきた。 「私です。オールド・オスマン」 「なんじゃ?」 「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです。大騒ぎになっています。 止めに入った教師がいましたが、生徒達に邪魔されて、止められないようです」 オスマンは、髭が揺れるほど深いため息をついて言った。 「まったく、暇をもてあました貴族ほど、性質の悪い生き物はおらんわい。で、誰が暴れておるんだね?」 『暇をもてあました貴族ほど、性質の悪い生き物はいない』と聞き、 貴方もその一人よ、クソジジィ! と思いながら質問に答えるロングビル。 「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」 その名前を聞き、やれやれと言った感じで俯くオスマン。 「あの、グラモンとこのバカ息子か。あんな寄生虫なんぞ、放っておきなさい」 「しかし……」 「おおかた女の子の取り合いじゃろう。相手は誰じゃ? どうせマリコルヌのカスあたりじゃろう」 仮にも自分の生徒を、寄生虫だのカスだの酷い男だ……。などと思いながらコルベールは聞き耳を立てている。 「……それが、メイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の少年のようです」 オスマンとコルベールは顔を見合わせた。 「……なんじゃて?」 「ミス・ヴァリエールの使い魔の少年です。教師達が、決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可がほしいと……」 オスマンの目が、鷹のように鋭く光った。 「アホか。たかがそんなことの為に、秘法を使えるか。もう一度言うぞ、放っておきなさい」 「……わかりました」 ミス・ロングビルが去っていく足音が聞こえた。 コルベールは唾を飲み込んで、オスマンに質問した。 「オールド・オスマン、まさか……」 「うむ、その『まさか』じゃ。もしかしたら凄いものが見られるかもしれんぞ」 そう言って、オスマンは杖を振った。 壁に掛かった大きな鏡に、ヴェストリ広場の様子が映し出される。 「オールド・オスマン! 危険すぎます! 万が一、あのルーンにとてつもない能力が秘められていたら……」 「その時は私が責任を取ろう。私はただ純粋に、どんなものか見てみたいのじゃよ。キミだってそうだろう?」 コルベールは静かに目を瞑り、軽く頷いた。 オスマンは、鏡の前にあった椅子に座り、ギーシュと康一の戦いの様子を静観し始めた。 康一の怒りは頂点に達していた。 目の前いる男、ギーシュは何の関係もないシエスタを傷つけた。 彼女は気絶しただけで済んだが、もし当たり所が悪ければ最悪の事態もありえた。 「よくもシエスタさんを……」 そう言って、康一は怒りの眼差しでギーシュを睨みつける。 一方、ギーシュは突然の乱入者によって完全に動揺していた。 「ぼ、僕のせいじゃない……あ、あんなの予測できるはずがない……!」 ギーシュは、今まで女を泣かしたことは何度もあったが、殴ったりしたことは一度も無かった。 それは、貴族だろうと平民だろうと、美人であろうとブスであろうと例外は無い。 ギーシュにとって、女を殴ったり蹴ったりするのは、この世でもっとも最低の行為であると思っているからだ。 「あ、あれは……あれは不可抗力だ……」 しかし、不可抗力とはいえ、女を殴ってしまった事実は揺ぎ無かった。 康一は、どんどんギーシュに近寄ってくる。 ギーシュの頭の中は、後悔、混乱、恐怖といった感情がぐるぐると交差していた。 「ち、近寄るな……」 ガタガタと震えながら後ずさりするギーシュ。 康一が迫ってくる恐怖に我慢できなくなり、ギーシュの理性が弾けた。 「ぼ、僕のそばに近寄るなああー――ッ!」 鬼でも見たかのような表情で薔薇を振り、ゴーレム達に攻撃を命じる。 一体のゴーレムが康一を攻撃しようとした瞬間、『ドガァァァン』という音と共に、粉々に弾けとんだ。 「あ……ああ……うわぁぁぁああああああー――ッ!!」 二体目、三体目のゴーレムが康一に殴りかかる。 康一が、少し体をずらした次の瞬間、二体目と三体目のゴーレムが『ズバッ』という音と共に、豆腐のように切り裂かれた。 二体のゴーレムは、真っ二つになって地面に転がる。 「く、来るなッ! 来るなッ! 来るなぁぁぁあああああー――ッ!!」 残りのゴーレムで、一斉に康一を攻撃する。 四方を取り囲み、完全に康一の体を捕らえたと思った瞬間、『ドンッ』という音と共に、全てのゴーレムが上空に吹っ飛んだ。 康一の後方で激しい金属音を立てながら、ゴーレムは思い切り地面に体を叩きつけ、バラバラに分解した。 「うぁ……ぁぁああ……」 全てのゴーレムがやられ、無防備になったギーシュを守る者はどこにもいなかった。 ギーシュの頭に絶望の二文字が浮かんだ。 一瞬でゴーレム達を倒したバケモノ、勝てるわけがない……。 そう思いながら、震えていたギーシュの目の前に康一が迫る。 「ひッ! く、来るなッ! 来ないでくれぇぇぇぇええええー――ッ!」 ギーシュは自分の杖である薔薇を投げ捨て、康一から逃げようとする。 しかし、ACT2は既に、ギーシュに『ピタッ』という音を張っており、ギーシュは一歩も動けなかった。 康一は、身動きが取れないギーシュを、鋭い眼差しで睨みつける。 ギーシュは、まるで巨大な鬼か悪魔に見下ろされたような気分になり、全身をガタガタと震わせていた。 「ひぃぃッ! こ、殺さないでくれ……! た、頼む……!」 康一は、命乞いするギーシュを無言でブン殴った。 エコーズではなく、自分自身の拳でギーシュに右ストレートを浴びせていた。 『ピタッ』という音が剥がれ、ギーシュは地面に転がった。 「あが……ぐぐぐ……ぐ……」 「いいかッ! 今のは、シエスタさんを侮辱した分だッ! そしてッ!」 康一は、ギーシュの胸倉を掴んで、さっきよりも強く拳を握り締める。 「これはお前のガラクタに殴られた、シエスタさんの痛みだァー―――――ッ!!」 「うわぁぁぁあああああああああー――――――ッ!!」 康一の渾身を込めた一撃が、ギーシュの顔面ど真ん中にクリーンヒットする。 前歯が一本抜け落ち、ギーシュは顔面を押さえながらもだえている。 康一は、地面を転げまわっているギーシュに馬乗りなった。 「も、もう止めてくれッ! 僕が悪かったッ! 謝るッ! 謝るからもう許してくれぇ……」 情けない声を上げながら、ギーシュは涙を流した。 「僕のことなんてどうでもいい……」 康一は、気絶しているシエスタをチラリと見て言葉を続ける。 「シエスタさんに言った言葉を取り消せ。そしてちゃんと頭を下げて謝るんだッ!」 「わ、分かった……。取り消す! ちゃんと謝るッ! なんでもするッ!」 馬乗りになっていた体勢を解き、康一は立ち上がった。 「本当だな? 嘘をついたら承知しないぞッ!」 「き、貴族の誇りに誓う!」 康一はニヤリと笑って、ギーシュを指差して言った。 「よし、なんでもするって言ったな……。 それじゃあ明日からさっそく……炊事、洗濯、家事の世話を全部やれ!」 「えッ!!」 「フフ……ジョーダン! ほんのジョーダンだって! フフフ……」 ギーシュの肩にポンっと手を置いて、康一はシエスタの所へ向かった。 康一に脅されたギーシュは、涙を流しながら呆けていた。 「……。(じょ、冗談に……き、聞こえなかった……)」 シエスタを抱え、歩き出そうとする康一の元に、ルイズが駆け寄った。 「コーイチ!」 「どうだい、勝ったぞ……。少しは僕のこと見直してくれたかい?」 「ふ、ふんだ。ギーシュが弱かっただけよ!」 突如、康一に重い疲労感が襲った。膝が抜け、力が一気に抜ける。 「そ、そんなことより、治療……」 「ぼ、僕は後回しでいいからさ……シエスタさんのこと……頼むよ……」 抱きかかえていたシエスタをそっと置いて、康一は地面に倒れた。 意識が朦朧とする康一に、ルイズの叫び声が聞こえてくる。 ――そういえば……僕のエコーズACT2は、物理的ダメージはないはずなのに…… どうしてあのゴーレムに対しては爆発させたり、分断させたりできたんだろうか? しかも……今までにない物凄いスピードで……まあ、今は……休みたい……な―― そんな風に思いながら、康一の意識は闇へと沈んだ。 それと同時に、康一のルーン文字の光もふっと消えた。 広瀬康一――気絶。ルイズの治療を受ける。 シエスタ――大した怪我じゃなかったため、この後、すぐに目を覚ました。 ギーシュ――この後、シエスタに謝りに行った。前歯が一本抜けたため、『歯抜け(マヌケ)のギーシュ』というあだ名がついた。 To Be Continued →