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Pixivコメントログ。 156 聖剣伝説ライクなキャラ絵 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581344 絵にまとまりがある絵。 ちょっとだけ遊んで、ほんのり民族衣装風なら、頭の角を一度大きくして角の形を色々試してからサイズを小さく戻してみたり。 角にちょっとだけタトゥーを加えたり。 服なら生地を厚くしたり薄くしたり、絹みたいにさらさらにしたり、上手にちょっとだけちょい固め素材を服や皮膚に取り入れたり。 でも全体が壊れないように上品に。 新しい要素を取り入れるって大変? でも楽しく遊んでみるのもいいかもよ? ある日のある人の頭の中に架空の民族衣装のバザールがあって、服や装飾を選んでいく若者がいて、ざわざわしていてそんな日もあるかも? 157 映画生まれの人気者エイリアンのイラスト http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581402 誕生から数十年、いまだにイラストで描かれ忘れられてないのが凄い。 もしエイリアンが前衛芸術どまりだったら誰からも相手にされずに終わったかも? 前衛芸術の力に気づき、それを映画にしたスタッフが凄いと思ってます。 理解されてない前衛芸術はまだたくさんあるのかも。 エイリアンと言えば私の近所。 加古川250号線と加古川が交差するところにあるエロビデオ店に2m程度の金属製エイリアンが居座っていました。 金属製の中々立派なやつです、残念なことに彼は動きませんが彼を買ってきた店主が彼について教えてくれました。 東南アジア生まれで、現地には車の残骸を組み合わせて溶接して生まれた彼の親戚や他の作品達がたくさん並んでいるそうです。 なんだか楽しそうな店ですね。 サビ止めをぬって大切にしてあげたくなる話でした。 地球に優しいリサイクルエイリアン? 141 宇宙刑事イラスト http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10399162 小さくてわかりにくいですがヴァイオリンに肩車に雑談に、一人ひとり生き生きし宇宙刑事が描かれています。 クリック必須なイラスト。 142 夢日記描けるかナナナイラスト http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10399206 c_open=1#one_comment 下地が味わいのある紙な色合いをした描けるかなテンプレ。 手軽に鼻歌交じりで描かれた感じのキャラが可愛いです。 春のお絵かきは歌声と共に。 143 ポケモン ボーマンダ de クルビット http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10421343 クルビットというのは戦闘機のバク転のようなものですがそれをポケモンにやらせてみようという話。 翼がついているので、戦闘機とは違う原理の運動がたくさん出来そうな絵。 空中での猫並み機動考案に期待? 144 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10407784 c_open=1#one_comment よく見るとUFO vs 戦闘機な絵. 多分日本のお祭りに参加しにきたUFOと航空ショーとかに違いない、にぎやかしのフレアーが綺麗。 145 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10472744 大人の服を着てみた男の子、ぶかぶかが可愛い絵。 146 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10541750 本気のクッパさま楽勝の図。 ただし一発逆転の手もありそう。 私は一つ考えてみましたが、あなたならどんな展開を期待します? 147 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10541835 c_open=1#one_comment クリックするとダンスの一つも踊りそうな猫の絵。 148 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=8377690 台詞なしでも情景が分かるのが凄い。塗り絵用イラならぬ台詞公募とかしてみてもいいかも? 149 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581201 c_open=1#one_comment 絵も面白いけれどタグで勝負する気がないのが面白いミク絵。タグだけでアクセス数かせいでいる方も多いし、絵だけで勝負って感じ? 150 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581202 けいおんキャライラスト。 なんというか、右から左へデコ大型化、進化の道をたどっているような? 151 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581189 覗いたら何が見えるのか? 凄くドキドキしそうな設定の3D望遠鏡イラスト。 152 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581233 階段だらけの図書館。 私だったら鬼ごっこ(←日本の子供の遊び)を行うね。最後は子供達が迷子になるかもしれないけれど。 153 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581141 ニワトリさんがいい味のイラスト。 古典の復活ジャパニーズ和紙アート 154 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581284 c_open=1#one_comment けいおんの間違い探しイラスト 全部見つけられるかな? 問題だと7つだけど、本当の間違いの数は8つかも? 155 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581285 首部分がとってつけた感じのする竜イラスト。でも体の表現やボリューム感は非常にいい感じ。 158 スズメの絵 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581487 羽毛のふさふさ感がとっても素敵。おもわず手に持ってなでてみたくなる感じ。 159 FF12 http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10581462 二人は一緒、どこでも一緒、なんだかホンワカする絵ですね。うーん一緒に家まで帰るのでしょうか、ちょっとお散歩日帰りクエスト? 160 雨漏りポケモン http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=10494670 c_open=1#one_comment 溜まった水はどこに行くのでしょうw ちょっと可愛いイラストです。 Pixivコネタ帳コメントログ4
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内気で感情表現の苦手な私は人とのコミュニケーションが上手く出来なかった。 それでも高校生になってからは今までよりも沢山の友達に出会えた。 全ては入試の時出会った、底抜けに明るい小柄な少女のおかげ。 偽れない気持ち 人を夢の世界から現代へと呼び戻す時計の音が鳴り響いた。 手を伸ばしてその音を止める。毛布からはみ出した腕が部屋の寒さと羽毛の温かさを、布団の中にいる身体の体温と対比して教えてくれる。 こんな気温だと起き上がるのは億劫だが、学校に行く支度をするべく私は身にしみる寒さを覚悟しベッドから背中を浮かせた。 当たり前といえばそうなのだが、窓から見える景色は普段と何ら変わりない。何処からか小鳥のさえずりが聞こえて、私はいつも通りの朝を実感する。 リビングへ足を運ぶと、既に朝食が作られてテーブルの上に置かれてあった。炊き立てのご飯に香り立つお味噌汁が食欲をそそる。 「おはようみなみ」 台所からエプロンを外しながらお母さんが姿を現す。 「おはよう」 「朝ご飯にしましょう」 私は頷いて、促されるままに椅子を引いて着席した。両手を合わせてこれから私の栄養となる食物に感謝の意を告げて、朝食の時間は始まった。 箸を手に取り黙々と食べ進める。時間がないわけじゃないけど特に喋る事もないわけで、我が家の食卓は大体いつもこんな感じだ。時たま会話を交わすけど、私から話題を振る事は殆どない。 普段はそうなんだけど、今日は違った。私は食事の手を止めてお母さんの方を向く。 「お母さん、今日もしかしたら帰りが遅くなるかもしれない」 「何かあるの?」 部活動に所属していない私が放課後外で時間を使うのは珍しいと思ったのだろう、お母さんは尋ねてきた。私は昨日の夜から考えていた事を話す。 「もしゆたかが良くなってたら……気晴らしに遊びにいこうと思って……」 「まぁ、良い事ね」 お母さんは優しげな微笑みを浮かべた。 「けどあまり遅くなっちゃダメよ」 「うん、分かってる」 忠告に了解を示して、私は再び箸を持った手を動かし始めた。 豆腐を口に入れようとしたところで、私はお母さんがまだにこにこと私を見つめているのに気づく。 「……何?」 何か言いたげな表情に問いかける。 「ううん、別に」 しかしお母さんはそう答えて食事を再開した。本当に何もなくただ見ていただけなのか、私の思ったとおり言いたい事があるけどあえて言わなかったのか。 後者の可能性を疑ったが、隠す理由が見当たらないし何か考えがあっての事だろうから私はそれ以上の詮索を止める事にした。 もうすっかり通い慣れた通学路もやはりいつもと変わらず、多くの学生や社会人で賑わっていた。 寒さに身を縮こまらせひたすら歩く人、友達と楽しげに喋りながら目的地を目指す人、防寒対策完璧に自転車で風を切りかっ飛ばしている人。 真冬の冷たい風に吹かれるこの街の一角は、私の知らない多様な人々でいっぱいだった。 整えられた歩道を歩いていくと学校が見え始めた。校門では先生や委員会の人が挨拶の声を飛ばしている。 私は軽く会釈をして門を潜り抜けると、下駄箱へと向かった。こんなに寒いのに、朝早くから始業寸前まで外にいるのは偉いと思うけど、どうしても見知らぬ人には挨拶を返し辛かった。 自分の靴を下足入れに、代わりに上履きを取り出して履き替える。教室までの最短ルートを脳内に描き歩みを進めた。 最も短いと言っても、それは平日何回も往復している道程。改まった確認の必要は全くないのだけれど。 少しくすんだ箇所が見られる廊下は外と同じくらい冷え込んでいた。所々から寒いとの天候に関する不満の声を聞きながら、私は足を自分のクラスへと進める。 階段を一定の歩調で上ってまた暫く歩くと、廊下の端に位置している扉が閉まった教室に辿り着いた。 恐らく寒さの所為で窓も閉め切られていている事だろう。そんな想像をしながら教室の中に入る。 引き戸が開かれる音に幾人かの生徒が振り返ったが、特に何の反応も示さずに各々がしていた事に意識を戻していった。 普段から友好的な態度を見せないから仕方のない事だ。私は脇目も触れずに自分の机を目指す。 「あ、おはようみなみちゃん」 自分の机のフックに鞄を掛け椅子に座ると、隣の席で朝からノートにペンを走らせていた田村さんが声を掛けてきた。 「おはよう」 「いやー今日も寒いねー」 白い息を利き手に吐き掛ける田村さん。本日の気温について感想を漏らしたとおり、田村さんの頬と耳は淡い紅色に染まっていた。 「おかげで手が悴んじゃってねー、上手く絵が描けないよ」 本人は頭を掻きながらそう言っているものの、ちらりと帳面に目線を移すとそこには私の目には十分上手に映る女の子の絵があった。 「そう、なんだ……私にはとても上手に見えるけど……」 やはり素人と玄人は見方からして違うのだろう。それとも書き手の拘りという奴だろうか。 「そう思ってくれるのは有り難いけどね、自分が満足出来る絵を描かないと」 田村さんはそう言って拳を強く握った。私には分からない世界だけれど、一生懸命さはひしひしと伝わってくる。 「そう……頑張って」 「うん、ありがとねみなみちゃん」 田村さんは微笑んで作業に戻った。 「あ、田村さん……放課後時間ある?」 邪魔になっては悪いとは思ったが、私はゆたかと遊ぶ事について相談する事にした。 「うん暇だよ」 「実は今日ゆたかの気晴らしにと思って皆で遊ぼうかと思うんだけど……」 私の提案を田村さんは快く承諾してくれた。 「良いね、私もご一緒させて貰おうかな」 「うん」 後はパトリシアさんとゆたかに了解を得て――― 「それにしても珍しいね、みなみちゃんが遊びに誘うなんて」 私の思考を遮るように田村さんが言った。 「ゆーちゃん絡みだからかな?」 無邪気な笑顔を浮かべて聞いてくる。 「……うん」 私は少し考えた後肯定した。 確かに少し前までの私なら積極的に遊ぼうなんて事は言わなかっただろう。 私は心の中で、少しだけ自分を変えてくれたゆたかにお礼を言った。 「え?今日皆で遊びに?」 私の提案を聞いたゆたかがポカンと口を開けた。私はこくりと首を縦に振る。 「勿論良いよ!」 途端に向日葵のような笑顔になって答えるゆたか。その表情を見て、私はゆたかが元気な事を知って安堵した。 ゆたかは自分の健康状態を熟知しているからか、無理をするような事はあまりなかった。気分が少しでも優れなくなったらすぐに私に言ってくれる。 そのおかげで私はゆたかの様態が悪化する前に保健室まで連れて行く事が出来る。 それは自分の気持ちを伝えるのが不得意な、私が唯一確実にゆたかを助けてあげられる事。 私がゆたかにしてあげられる事はそう多くない。 だから、私はこれからもゆたかの為に保健委員の仕事をし続けよう。 ゆたかの親友として。 「みなみちゃん?」 ゆたかの私の名を呼ぶ声が、私を現実へと引き戻す。はっと気づいたらゆたかの顔が私の目の前に迫っていた。 長い睫毛に大きな瞳、白桃のような肌に少し濡れた唇。 私とは違って、可愛いという言葉がとても似合うその容姿に一瞬、頬が紅潮する感覚を覚えた。 「どうかしたの?」 「な、何でもない」 小首を傾げるゆたかを見ていると更に顔が熱くなってしまいそうだった。私は慌てて誤魔化してゆたかから目を背ける。 普段は非常に落ち着いている心臓の鼓動の音が、ゆたかに見つめられただけで煩いくらい高鳴っている。 こんな感覚、初めてだった。 何なんだろうこの感じは――― 「グッドモーニングミナミ」 胸に手を当てて考えていると、背後から陽気な声がした。 「お、おはよう」 声の主パトリシアさんは私の様子が少しおかしい事に気づいたのか、ちょっぴり眉を八の字にした。 「どうしマシタ?顔が真っ赤デスヨ?」 「な……何でも、ない……」 明らかに何でもない事ない態度で偽る。パトリシアさんはまだ腑に落ちないといった感じで私を見たが、深く追求するのは良くないと思ったのかそれ以上は何も言ってこなかった。 「あ、パティちゃんおはよう」 「ユタカ、グッドモーニング」 そこへゆたかが現れて、パトリシアさんと朝の挨拶を爽やかに交わした。 「パティちゃん、今日の放課後の事なんだけどね……」 説明不能、って程ではないけど、何故か頭がいっぱいいっぱいの私に代わってゆたかがパトリシアさんを誘ってくれた。 「モチロンワタシもトゥギャザーしマス!ミンナで楽しくショッピングしまショウ!」 いつにも増して明るくなったパトリシアさんに、ゆたかがにこりと笑う。 もしかしたらバイトがあるかもしれないと危惧していたが、どうやら無駄な心配に終わったようだ。 けれどまだ本人の口から今日は休みだっていう情報を聞いていない。 「大丈夫デスヨ。今日はシフト入ってマセンカラ」 念には念を入れて確認すると、パトリシアさんはそう答えた。 「なら安心だねっ」 それを聞いたゆたかが本当に気掛かりがなさそうな笑顔で呟く。 その表情に私は心が反応するのを、確かに感じた。 そして、それを無意識の内に隠しておこうとする事も。 授業を聞いて昼食を取って、また授業を聞いて。案外時間というものはあっという間に過ぎるもので、もう最後の授業の終了を知らせるチャイムが鳴ってしまった。 持参物を鞄の中に戻し、帰り支度を整えていると、ゆたかが待ちきれないと言わんばかりの雰囲気で私の机に駆け寄ってきた。 「みなみちゃん早く早くっ」 私の制服の袖を子供みたいに引っ張るゆたか。 純粋無垢に私を急かすゆたかに、私の心はまたしても反応を示す。音にすると、ドキッといった感じだろうか。 また、頬が赤い。 「わ、分かったから、そんなに引っ張らないで……」 込み上げてきた恥ずかしさを掩蔽するように俯くと、ゆたかはゆっくりと手を離した。 その顔が少しだけ名残惜しそうに揺れた気がしたが、私は速さを増す一方の脈動に気をとられてそれどころではなかった。 私は単に恥ずかしいだけなのだろうか。自分に問い掛けてみるものの、当然答えは返ってこない。 誰かに誉められたり、感心されたりした時とは少し違う、初体験の気持ち。そこにちょっとの気恥ずかしさはあるかもしれないけど、何かが異なっている。 分からない事は山積みだけど、いつまでも皆を待たせるわけにはいかないので、止めていた手を動かし始める。勉強道具を詰め込んで、鞄の口を閉め手に持つ。 「お待たせ……行こうか」 近くで待っていたゆたかに声を掛ける。 「うんっ」 ゆたかは笑顔を取り戻して、歩き出した。 「二人とも行くよー」 教室の出口で田村さんが私達を呼んでいる。隣にいるパトリシアさんも合わせて待たせてしまったようだ。私は少し急ぎ足に教室の出口に向かった。 「さて、どうしようか」 田村さんが丁度下駄箱に着いた頃に言い出した。どうするとはこの後の予定の事だろう。 「ゆたかは……何処が良い?」 私は自分の靴を出しながらゆたかの方を向いた。ついでにゆたかの靴も取って渡してあげる。 「私が決めて良いの?」 ゆたかは小さな手で受け取りながら聞き返してきた。 私は他の二人を見回す。その感じからして異論はないようだ。 私は再びゆたかに向き直る。 「うん……」 爪先を地に着けたり浮かしたりして靴を履いていたゆたかは、私の声を聞いて手を口元に宛がった。 「特に行きたい場所はないけど……商店街をぶらぶらしたいかな」 「ソレでいきマショウ」 ゆたかの提案にパトリシアさんが賛成した。私も田村さんも異議は唱えない。 他に行く宛もなかったし、何よりゆたかの意見を尊重したかった。 ゆたかの為に私が出来る細やかな事なのだから。 「じゃあ行こっか!」 そう言うとゆたかは極自然に、私の手を握って走り出した。 ふわりと、ゆたかの甘い香りが鼻腔をくすぐる。 田村さんやパトリシアさん、それに他の下校途中の生徒達も私達を見ている。それでもゆたかは形振り構わなかった。 死ぬほど恥ずかしかったけど、離してとは言えなかった。 ゆたかの手が、冷え込む空の下の私には温か過ぎたから。 二人とも置いて来てないかな……大してスピード出してないからすぐに追いつけるだろうけど。 「ちょっと~!ゆーちゃんいつからそんな大胆にっ!?」 「ビバ無邪気責めデスネ!やはりジャパンの発想はエクセレント!」 後ろから私達を追いかけているであろう二人の声がする。良く聞き取れなかったが、恐らくは私達を呼んでいるのだろう。 後方を確認しようとしたが、私はゆたかの背中から目が離せなかった。 「う~、寒い~」 太陽が役目を終え、暗闇を纏い始める空の下は急速な冷え込みを見せていた。吹きつける夕風は神経を麻痺させるかのように身体を冷やす。 「大丈夫……?」 凍えるゆたかの方を向いて心配する。病み上がりなのに、長い時間外を連れ回すのはまずかったかもしれないと今頃悔やんでしまう。 「うん、大丈夫」 そう言うゆたかだったけど、私はまだ合点が行かなかった。 どうしてかゆたかが無理をしているように見える。本人が平気だと言っているのだからその通りなのだろうけれど、無性に気掛かりな自分がいた。 いつもの私なら素直にゆたかの言葉を信じる事が出来ただろうに、一体どうしてしまったのだろうか。 「寒くなったら、言って……」 一人悩んでいても仕方がないから、私は考えるのを止めてゆたかにそう伝えた。 「うん」 そう答えるゆたかの姿も、何処か元気がなさそうだった。 微妙な態度の変化ををおかしく思ったが、それは私にもまた言える事であった。 今までなら、健康な事を示すゆたかをここまで憂える事はなかったはずだ。 私は何故ここまでゆたかに構いたがるのだろうか。 友達だから?本気で心配だから?ゆたかの元気な姿がみたいから? どれも今の心情を表す理由としては不適切で、私は良く分からないといった結論に至る他なかった。 正体を知りたいがしかし、それは言葉では表し難いもの。考えれば考えるほど、底のない沼にのめり込んでしまうようだった。 何なんだろうこの気持ち――― 「じゃあさ、何か温かいものでも買ってく?」 そう申し出る田村さんの指差す先には、電灯が目映いコンビニが立地していた。自分の事もあるだろうけど、寒さで震えるゆたかを気遣っての事だろう。 「イイデスネ」 「じゃあそうしようかな」 当然反対の声を上げる者はおらず、私達は髪を靡かせながら自動ドアを潜った。 店員の型に嵌った歓迎の言葉を受け、店内に入ると暖房が効いている屋内が天国のように思えた。少しでも長居したいと思ったけど、そうもいかないから私はさっさと物色を始める。 弁当類が置いてある場所に近くに位置する、ホットドリンクが並べられている棚に目線の先を移す。多種多様の温められた飲料は、さながら寒空に覆われた外界の希望だ。 そんな事すら思えるほどの飲み物の群れを羨望の眼差しで吟味する。どれにも個々の魅力があり、つい選ぶのに時間を掛けてしまう。 暫しの間脳内で討論を繰り広げた結果、私はココアの缶を手に取った。冷たい以外の感覚を忘れていた手が温もりを取り戻す。 会計を済ませるべくレジへ移動すると、ゆたかが困った様子でコートのポケットや手荷物の中を探っていた。その少し焦った感じに店員は訝しげな表情を見せている。 その手にビニールの袋が握られている事から、いざお金を払う段階になって財布が見つからない、といったところだろうか。 「会計を……一緒にお願いします」 「!みなみちゃん」 私が割って入って商品を差し出すと、店員はほっとしたようにレジを打ち直した。 私は提示された金額を支払って購入した物品を受け取る。 「はい、これはゆたかの」 私は微笑んで一方のレジ袋をゆたかに手渡した。 「あ、ありがとう……」 ゆたかは居た堪れなくなったのか、顔を朱に染め逃げるようにコンビニを後にした。 私はゆたかの後を追うように扉を通り抜ける。 ゆたかは夕闇が広がりを見せる、ほの暗い空を見上げていた。 寒気に赤みをつけられる頬、薄暗がりに映える白く輝く息、風に舞うツインテールとそれを縛る黒のリボン。 その姿はまるで、儚く揺れる崖の縁の心弱い一輪の花のよう。 私の視線に気づいたのか、ゆたかが私の方に目線を移した。 「ごめんねみなみちゃん」 ゆたかの口から吐息と共に謝罪の言葉が漏れた。 「いっつも迷惑掛けてばっかりで……」 心の底から申し訳なく思っている―――ゆたかは瞳を潤ませながら俯いて、私にそんなイメージを植え付けた。 どうやらゆたかは先程の件だけでなく、普段から頻繁に具合を悪くし、その都度私が保健室まで連れて行く事が私にとって迷惑だと思い込んでいるらしい。 そんなわけは決してないのに。 「そんな事ない」 自分が出した声じゃないと思ってしまうぐらい流れるように口から言葉が発せられる。その所為かゆたかも少しだけ驚き顔を上げた。 「全然迷惑なんかじゃない」 目を逸らす事なく、続ける。 「私がしたくてしているんだから」 風が吹き抜けた。 それは沈黙を運んできたかのようで、二人は時を止められたかのようにお互いを見つめ合っていた。 会話は全くないのに、苦痛な一時ではなかった。 「……ありがと」 黙する空間を最初に破ったのは、静かに微笑んだゆたか。それにつられて私も自然と笑みが零れる。 「田村さんとパティちゃんは?」 「まだ……買い物をしてる」 ゆたかの問い掛けに、私は明るみでその便利な存在を誇示するコンビニに向き直って答えた。 「そっか。冷めると美味しくなくなるし、もう食べちゃおうかな」 そう呟きながら、手に持った袋に手を入れるゆたか。中身を捜し求める手とビニールが擦れる音が響く。 「何買ったの?」 「肉まんだよ」 私が聞くとゆたかは証明しようとせんばかりに、湯気を上方に放つ肉饅頭を見せた。お腹がそれを欲して空腹を音で知らせるけど、我慢する。 膨らんだ小麦粉の皮、漂ってくる美味しそうな香り。視覚と嗅覚の両面から攻められるものの、全ては小腹が空く事を見越して食べ物を購入しなかった私が悪い。 そんな私を気にせずゆたかは肉まんに齧りついた。 「みなみちゃんが買ってくれた肉まん、美味しいよっ」 満面の笑みで感想を述べるゆたか。 その屈託のない笑顔を見て、やっと私は求めていた理由を自覚した。 私がゆたかの為に保健委員に就任したのは、友達だからでも心配だからでもない。 子供のようなあどけないゆたかの笑顔が――― ゆたかの事が、好きだから。 「みなみちゃん。どうかした?」 もうこの気持ちに嘘をつく事など出来そうにもなかった。 しかし私達は女同士。 本当はずっと前からゆたかに恋愛感情を抱いていたのに、数々のわたし」に纏いつく要因が恋に変わりそうだった気持ちを封印していた。 ゆたかを困らせたくないなら隠しておかなければいけないと。 認めてはいけないと。 「何でもない……」 激しさを増す心臓が全身に血液を送る音が私に近づくゆたかに聞こえないように、ゆたかにこの気持ちを悟られないように、私はぶっきらぼうに背中を向けた。 込み上げる欲求を紛らわせようと、私は缶のプルタブを引いて口内に液体を流し込む。 味は全く分からなかった。 優しすぎて痛いに続く コメントフォーム 名前 コメント 肉まん半分あげないんですね。 ゆたかなら、みなみと半分こ しそうな気が… -- チャムチロ (2012-10-22 12 33 02)
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つれない笑顔 No.1514 星 最大HP 最大ATK 最大DEF コスト アニメ 3 116 180 87 5 PS 体属性の特殊ダメージを5%上昇 +限界突破時のステータス 凸数 最大HP 最大ATK 最大DEF PS 0凸 1凸 2凸 3凸 4凸 5凸 星 最大HP 最大ATK 最大DEF PS 3 つれない笑顔 116 180 87 体属性の特殊ダメージを5%上昇 [[]] 相性のいいカード シンフォギアカード 星 属性 カード名 最大HP 最大ATK 最大DEF 最大SPD 最大CTR 最大CTD スキル [[]] [[]] メモリアカード 星 カード名 最大HP 最大ATK 最大DEF スキル [[]] [[]] メモリアカード
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ホープ・エストハイムが登場する 最近更新されたページ(更新順) 取得中です。
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心は折れない [部分編集] エキスパンション第3弾 COMMAND 03B/C BK022C 1-黒1 (>起動):このカードが場に出た場合、自軍Gの枚数と、敵軍Gの枚数が同じであれば、ターン終了時に全ての自軍ユニットをリロールする。 (常時):カード1枚を引く。 補強 再生 黒-Z 関連リンク 以下の共通テキストを持つコマンド。 (>起動):このカードが場に出た場合、自軍Gの枚数と、敵軍Gの枚数が同じであれば、ターン終了時に全ての自軍ユニットをリロールする。 (常時):カード1枚を引く。 ()はロールコストの色と属性のGサインを示す。 小隊長着任(青、08) 策謀の大地(緑、G) 心は折れない(黒、Z) 危険な単独行(赤、UC) Gコントローラー(茶、X) 原初の機体(白、W) 監視者(紫、AGE)
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このページはこちらに移転しました とれない風船 作詞/規制用2スレ951 あの日とれなかった風船を いつかとってきてみせるから あの日とれなかった風船は きっと今頃エベレスト 俺のツバサをみたいのかあああああ 俺の勇気がみたいのかああああ とってくるぜ風船を 絶対とってくるからな そこで待ってろ 昔の俺よ
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生没年:338年~400年(享年62歳)誕生日:黄金蝶の月25日所在:エルメキア帝国・グラデニアクラス:騎兵系使用武器:剣、槍、小剣、大剣、土術肩書き/通称:『攻城王』 エルメキア帝国の将軍。 皇帝エルメキウス4世の命で、385年にミッドランド大陸の中原地方に進出して、東はエリティア海沿岸のほぼ全土から西はベンパー平野までを制覇した。 築城の技術に優れ、中原地方では現在でもバッペンハイムの建設した城塞が残る。 また、攻城戦を得意としたことから『攻城王』と呼ばれた。 所有AF:
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枯れない薔薇 一輪(かれないばら いちりん) 真っ赤な薔薇の切り花 土も水も不要で永遠に咲き続ける L:枯れない薔薇 一輪={t:名称=枯れない薔薇 一輪(アイテム)t:要点=真っ赤な薔薇、切り花、永遠に咲き続けるt:周辺環境=ヲチ藩国t:評価=なしt:特殊={ *枯れない薔薇 一輪のアイテムカテゴリ=非消費型マジックアイテムとしてみなす。 *枯れない薔薇 一輪の位置づけ=個人所有のアイテムとしてみなす。 *枯れない薔薇 一輪の効果=土も水も不要で永遠に咲き続ける}→次のアイドレス:未開示} 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 天領 08/09/23:入手 瀬戸口まつり 1 参考資料 イベント掲示板 No.21878 0923小笠原ゲーム 上へ 戻る 編集履歴:矢上麗華@土場藩国 (2009/10/16)
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こんな場所で笑うだなんて思ってもいなかった。 静寂とまではいかなくとも緩やかな空間に二人の声が強調されていた。 場違いだと怒られてしまうかもしれないが、私にとっては大きな救いだった。 まだ判明していない私が持っているだろう特異なものも笑い飛ばせるようになるのだろうか。 律と私の笑顔で淡い期待が温かく広がっているのを感じていた。 律「んじゃ、保護者じゃなきゃ診察室入れないから」 澪「分かった。行ってくる」 病室に入ると、大きな椅子に深々と腰掛ける白衣のおじさんが迎えてくれた。 医「ええと、秋山澪さん。今日は初めてですね」 澪「はい。よろしくお願いします」 医「どうぞ、話して下さい」 澪「はい。最初はなんでもなかったことなんですけど、ある日友達に指をさされて」 澪「そしたら指が飛んでくるような、突き刺ってくるような感じがして」 澪「全然向こうはそんなつもりないんですけど、どうしてかそんな風に思えて」 澪「気になりだしてから、何かに付けて……。あの、続けていいんですか?」 医「ん? ああ、お気になさらず」 こういった心療系の機関を受診するのは初めてなのだけれど、けれど違和感を覚えた。 先生と銘打たなくとも紛れも無い医者であるその人物は私の方を見ることなくタイピングに勤んでいた。 打ち込んでいる内容が光の反射でギリギリ見ることがきないのが非常にもどかしい。 何かこう詰問を受けているような窮屈さがあった。 これなら入力に立ち入る人間が医者でなくても成立するのではないか。 時折相槌をくれるものの、どこか他人事に見られているような気がしてならない。 実験のモルモットとして扱われているような、非常に厭な気分だ。 医「どうしました。そこまでしか話せませんか?」 澪「いえ、大丈夫です。それから――」 律「おかえり。どうだった」 澪「あんまり相手にされなかった気がした」 律「ふぅん。他には?」 澪「一回じゃ分からないからまた来てくれって。私から話しただけだった」 律「まぁ当日駆け込みでこの人じゃあな」 澪「律はこういうの詳しいのか?」 律「それは、あれだ、丁度この前テレビで特集やってたんだよ」 期待していた何かしらの特効薬を得られぬまま、始めての受診は終わってしまった。 正直期待はずれだったけれど、連れ添ってくれた律に申し訳が立たないのでこれ以上の毒舌は控えることにした。 次回の予約をすると早々に二人で家路についた。 帰宅途中、常に律は私と肩を擦らせていた。 摩擦に乗せられて律の気遣いが伝わってくるのだが、それくらいで不安の氷は溶けてくれそうにない。 非常に悪い予感に苛まれていた。 律「新歓ライブの件なんだけどさ」 いつものティータイムの最中、突如として律が話題を提供した。 律「申請書まだ提出してないんだ。期限に余裕あったから」 紬「あら、そうだったの」 唯「あれ? 珍しく澪ちゃん怒らないね」 澪「ああ、そうだな」 気力をいくら絞っても、元気の芽が出てこない。 律「でだな、ライブをしない選択肢を考えるべきだと思う」 唯「りっちゃんそれ本気で!?」 紬「唯ちゃん落ち着いて。ほら、ね」 そう言ってムギは唯を宥めにかかる。 こちらから本心を尋ねたわけではないが、ムギは大よそを見抜いているようだ。 薄々感付いていたのだろう、私が引き起こした不安が種を植えつけたのだ。 そして成長したヤドリギの木は確実に軽音部に根付いてしまっている。 原点である種を撒き散らしたのは紛れもない私である。 唯「あっ、えと、ごめんね澪ちゃん」 唯は正直ないい子だ、それが残酷でもあるのだけど。 澪「みんなごめんな。私のせいで」 律「澪、そんな言い方すんなよ」 紬「そうよ。困った時は助け合わなくちゃ」 優しさがとても辛い。 口に苦味を覚えるけれどそれが良薬かどうかまでかは分かりそうにない。 どちらにしても、私が感けてばかりでは周りまで渋顔にさせてしまう。 痛みに慣れてきた者から言い出すべきなのだろうか。 多分そうだ、皆もそれを待っている。 澪「期限まで後三日だよな。少しだけ時間を貰えないかな」 唯「それってどういうこと?」 澪「我が侭になるけど、自分の体と向き合う時間を貰いたい。本当に無理ならその時にまた謝りたい」 律「私は異論なし。ムギはどうだ」 紬「私も構わないわ」 唯「だったら私も!」 軽音楽のような部活動は発表の場があってこと成り立つ。 演劇部しかり、ダンス部しかり、舞台上で最も輝くことを約束されている。 そして高校生という縛りあれば、その機会も当然少なくなるものである。 桜ヶ丘高校では文化祭と新歓活動、この二つで講堂ステージを使うことを許可される。 文化祭はお祭りだ、校内校外問わず様々なお客さんが訪れる。 であれば、必然ながら音楽に興味のある者が集まりやすいものである。 対して新歓では聞いてくれる人が大まかに決められている。 高校という青春に熱中できる何かを探しに見に来てくれる一年生ばかりだ。 そんな卵達を目の前にして自分達が今ある精一杯を放出する。 新入部員の確保もそうだけれど、こんなに輝いている先輩がいるんだ、なんて思ってくれるほうがよっぽど嬉しい。 そんな想いを高校生活への希望の糧にしてくれることが、先輩として何よりの喜びなのだ。 私は自らの失態でこの機会を逃したくはない。 軽音部の他の三人からも大切な青春を奪いたくない。 澪「もしもし。はい、予約の件なんですけど。出来れば早めてもらえないかと」 澪「診察時間が短くてもいいんです。どうにかお願いします――」 ―― ッピ 滑舌のいい返事ではなかったけれど、どうにか予約だけは取り付けることに成功した。 必死に考えたのだけれど解決法はこれしか浮かばなかった。 自分の力で捻じ曲げることのできない、揺るがない存在が憎い。 澪「――――それで、ライブに出たいんです。何か即効性のあるものは」 私は自論を含めた主張を言葉のマシンガンとして連射していた。 澪「大そうなものでもなくても、何かしら薬を飲んでいれば気から病を抑えてくれることもありますよね」 医「まぁそれは、無きにしも有らずですが……」 私の熱意を真正面から受け止めようとしない姿勢に苛立ちを覚えていた。 この医者に疑心を抱いていることに変わりはないのだが、国が定めた専門医であるから仕方がない。 私は藁をも掴む思いで何度も縋っては訴えていた。 医「そうですねぇ、こういう薬があるにはあります」 風邪薬に似た小さな錠剤を取り出してきた、どんな効果があるのだろうか。 医「ナルコレプシー治療薬とも呼ばれるもので、中枢神経を刺激する作用があります」 医「一時的に気分を高揚させる時に使われるものです。喜の感情の着火剤と言えば分かりやすいでしょう」 澪「これを飲めば気分が良くなって、舞台に立っても平気なんですね」 医「まぁ簡単に言えばそうなのですが――」 それから医者は言葉を濁す場面もあったが、私は一方的にでも求め続けた。 救われる道が提示されたのだ、早くその道を走って進んでみたかった。 根負けをしたのか、程なくして鈍いペン先が処方箋をなぞっていった。 薬局でその薬を手にした時、私は勝利した気分に包まれていた。 翌朝、早速一粒飲んでみた。 この感じはどうやって表現すれば良いのだろう。 一切の負の感情が消し飛ばされて、爽やかな風が吹いていた。 薄い朝日が真夏のストーブのごとく肌を焦がしにかかる。 先ほどまでの憂鬱な朝の情景がガラリとその姿を変えていた。 一見変わらない風景だけれど、最高級の色眼鏡を通して見ているようだった。 澪「おはようりーつ!」 律「んなっ、なんだそのテンションは」 澪「なんだか気分がいいんだよ。向かうところ敵なしって感じだな」 澪「そうだ。忘れないうちにもう一度アレやってくれよ」 律「え。アレって、アレのことだよな?」 律はもう一度確認を取ってからごそごそと鞄の中を探り始めた。 素朴なペンケースを取り出してボールペンを一本摘むと、やはり躊躇ってしまう。 澪「実験しなきゃ結果は分からないだろ」 律「それはそうだけどさぁ」 しぶしぶ了解した律はボールペンの尻を耳の上に乗せる、あの時のデジャブだ。 またももう一度躊躇うので、私は真剣な目で見返した。 ハァと分かりやすい溜息を吐いてから、私の目前にボールペンを放った。 一切の衝撃がないと言えば嘘になる、けれど常識の範疇だった。 有り触れた防衛本能が瞬きを促すると若干だけれど後頭部が後ろに引かれる。 それでもあの時のような貫通性はなく、ピタリと動きを止めてしまった。 律「平気か? 何とも無いのか?」 澪「ああ、もうなんともないぞ。何度でもやってくれ」 律「いや、これきりにしたいんだけど」 澪「まーともかく学校に行こう。遅刻しても知らないぞ」 律「……なぁ澪、変な薬掴まされたわけじゃないよな」 澪「医者が変な薬出すわけ無いだろ。ほーら行くぞっ」 促進された気分が高血圧を保ったまま登校に励んだ。 律が二階の教室に行ってしまう瞬間も寂しくなんてない。 気分は上々のまま教室の扉に手をかけて思い切り引いた。 澪「みんなおっはよーう!」 ―― ざわ ざわ 細い目で見られてしまったけれど私自身への影響は微塵もない。 やはりあの薬は素晴らしいものだ、目覚しい医療技術の発達と言えるだろう。 こんなにも陰口を叩かれているのに全く気が滅入る様子がない。 和「えーっと、澪?」 澪「ん、どうかした」 和「どうかっていうか、人が変わったみたいだったから」 澪「まぁ確かに変わったかもな。リニューアル澪ってところかな」 和「まぁ、元気なのは何よりなんだけど」 和はいらない心配をし過ぎなんだ、もう無理に構ってくれなくても問題ない。 そうだ、これからは逆に私が相談に乗ってあげよう。 今ならば聖徳太子もビックリの入れ知恵が沸いてきてもおかしくは無い。 そんな事を考えていたら授業が始まった。 一限目があっという間に過ぎて。 二限目にバリバリ発言して評価点を稼いで。 三限目のちょっとつまらない授業が終わって。 四限目は珍しく隣の子とお喋りなんかして。 昼休みを迎える頃に死にたくなってきた。 ジェットコースターを転げ落ちるみたく、勢いをつけて感情の最下層に沈み込んだ。 昼休みとは最も生徒が賑わい、食事を摂りながら、喋り散らかして過ごす時間である。 仲のいい者同士が固まると学校のあちこちで四方山話を繰り広げる。 他の教室の生徒も混ざって適当な話題を掘り起こしては、さも面白おかしい話に花を咲かせていた。 じわり陰口が蘇ってきた。 指を指され視線に視されて、私は一切の動きを止めると席に貼り付けられていた。 あの上機嫌さはどこに消え失せてしまったのか、今は絶望しか浮かんでこない。 これは文化祭のライブでモロパンした時以上の羞恥心だ。 鏡を見ずとも顔面蒼白になっているのが分かる。 和「あのさ澪、凄い顔色悪そうだけど。保険室行く?」 澪「ぃく。つれてって」 恥ずかしいことに早退してしまった。 自宅に戻ると、手のひらにコロコロと転がしながらその薬を見ていた。 何の変哲も無い白くて丸い錠剤である、問題はその成分にあるのだけれど。 医者は、瞬間的に気分を高揚させる、と言っていたが正にその通り過ぎていた。 爆発が済んでしまえば後にチリしか残らない、感情の残骸と言えるだろう。 それでも作用している間は確かな効果を実感していた、やはり強い薬なのだ。 あれから多少の喉のイガイガと吐き気が伴っている。 聞かされていた副作用だ、能力を得るにはそれなりの対価が必要となる。 それでも我慢できないほどではないのだから気軽に受け入れていい。 明日は早退しないように頑張ろう。 少し多めに薬を持っていけばいいだけのことだ。 律「昨日早退したって聞いたけど」 澪「ああ、気分はよくても腹痛には勝てなかった、ってだけだよ」 律「本当にそれだけか?」 澪「律は心配しすぎだぞ。親友の言う事が信じられないのか?」 律「その言い方はずりーよ」 それから私は薬を常備するようになった。 刺されるような感覚が蘇った時に一粒だけ流し込む、すると暫くは晴れやかな気分でいられた。 その代わり後から襲ってくる渇きや吐き気を我慢した、対価なら受け入れるしかなかった。 律「澪。本当にライブ大丈夫なんだな」 澪「平気だって。本人がそう言ってるんだから」 軽音部の活動の前には欠かさずに摂取していた。 講堂の使用申請書は半ば強引にだったけれど生徒会に提出させた。 その為のティータイム兼話し合いの最中、三人は何度も私を気遣う言葉をかけてくれた。 私の反論に肩透かしを食らう律の表情は見ていて辛かったが、目を瞑って受け流していた。 全ては新歓ライブの成功にかかっているのだ。 私一人が耐えてどうにかなるのなら、それで正しいに決まっている。 そんな毎日を繰り返すこと数日、新歓ライブを翌日に控えた朝のことだった。 澪「うぉぁぁ――っぺ」 吐き気が酷い、何度押し込んでも胃液が外に出たがっていた。 鼻の奥に付着したツーンという酸っぱい臭いが一向に剥がれてくれない。 長い髪を便器に纏わりつかせながら、もう三十分はこうして喘いでいた。 嗅覚に刺激されるように、鳥肌がざわざわと堰き立っては震わせてくる。 恒例の儀式は日に日に激しさを増していたのだった。 薬の摂取量は増加の一途を辿ってきていた。 始めこそ一日に一粒か二粒で満足できたものの、今では五粒ほど飲まなければ気が済まない。 瞬間的に気分は押し上げられるのだけれど、すぐに力を失っては下降してしまう。 効能としての支柱がスプリングと化していた、上下差が激しすぎる。 そんな気分ごと有耶無耶にしてしまえ、と流し込んではまた少し経って吐く。 自分でもおかしな事をしている自覚はあった。 これでは根本的な解決には繋がらないのだと。 しかしライブまでの苦労なのだから、終わってから正しい治療法に変えればいいのだと本気で思っていた。 澪「律、今朝は先に行かせちゃってごめんな」 律「え? っああ、流石に遅刻したくはないからな」 唯「あれ、確かりっちゃん」 律「りっちゃんは明日が楽しみだなぁ。なんたってライブだからなぁ」 澪「調子付きすぎてテンポ押すなよな」 律「わあってるって。それじゃ最後の練習始めますか」 紬「……マドレーヌ、おうちに持って帰ってね」 4