約 3,276,727 件
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/497.html
第93話:穢れた自分と 「な~んか、目を合わせてくれなくなったんじゃない?」 「…気のせいよ」 ティナとアーヴァインは、奇妙な間隔をとって歩いていた。 二人目を殺すまでは無かった間隔だった。 …しかし、それには二人とも気づかない。 何と無く雰囲気が先刻までと違うという事しか。 そして、二人の間隔を徹底的なまでに具体化する存在が、彼女達の少し後ろに居た。 「やっと見つけたわ」 不意に後ろから声を掛けられ、驚きながらも振り返り武器を構える二人。 まず目に入ったのは、赤いマント。 それから、その女性の顔に視線が移る。 黒髪の、美しい女性だった。 「誰、あなた?用件は何?」 ティナは、冷たく言った。 すぐに殺してしまった方が良いのは分かっているけれど、ティナの中の何かがそれにブレーキを掛ける。 ――とりあえず相手は丸腰で、殺気も無い。いつでも、始末できるわ。 アーヴァインに、今は待つようにと目で合図を送った。 「私はアイラ。…あなたがティナね?」 女性は、流れるような口調で言う。 不思議と、彼女が自分の名前を知っていることに関してティナは驚かなかった。 「ええ、そうよ」 「あなたに渡したい物があるのよ」 そう言ってアイラは、懐から石を取り出す。 アーヴァインにはそれが何か見当もつかなかったが、ティナはすぐにそれが何かを理解した。 冷酷でなくてはならぬと封じ込めた筈の感情が、一気に彼女の中で噴出した。 「魔石…おとうさんの…?」 幻獣としての生命を終え、魔石となってティナの支えとなっていた、父マディン。 最後の戦いの終結と同時にその魔石も砕け散り、もう、会うことも無いと思っていた存在。 生涯のほんの一部だけを共に過ごした存在だけれども、彼女にとって唯一の父親。 何者でも取って代わることの出来ない存在。 「おとうさん…?」 「あなたに渡したいの」 アイラの声が、何処か優しく、何処か強く響いて… フラフラとアイラのほうに歩いていき、ティナは両手を前に差し出した。 数秒の間の後、手にズシリと重みがかかる。 次の瞬間、彼女の意識は、別の世界に飛んでいた。 ――モブリズへ。 子供たちの会話が、聞こえてくる。 …大きくなったら何になりたいの? …わたしはティナママみたいなひとになりたい! …わたしも! …ボクは、ティナママとケッコンするの! …ダメだよ!ボクがティナママとケッコンするんだ! …ボクがケッコンするの! …ダメ!ティナママはみんなのティナママなのよ! あまりに、平和で。 あまりに、無邪気で。 あまりに、清純で。 ――自分だけが、血に汚れていて。 私の斬った男の人の血? 私が焼き尽くした50人の兵士の血? とにかく私は血で汚れていて。 ――子供たちには、見せられない。 意識が、不意に現実へ戻された。 掌の中で、父の魔石が、音を立てて、割れた。 これが、おとうさんが最後に伝えたかった事だったの? 穢れ無き子供たちと血に汚れた自分… それだけあれば、何を伝えたいのか十分わかる。 「ごめんなさい…おとうさん…みんな…」 涙が、瞳から溢れ出た。 もう、生き残る願望は無く。 ただ子供の幸せを願う姿が其処には在って―― ――次の瞬間、少女の口から大量の血が吹き出した。 今本当の自我を取り戻した少女の首筋を、一本の矢が貫いていた。 「何てことをするのッ…!」 アイラの、呻きと叫びとが混じり合ったような声が、矢を放った主に浴びせられる。 それに対し、その男は何も変わらぬ口調で、言ってのけた。 「君が最初に言ったんだよね…邪魔になれば殺すって。 君がなんか泣いているの見てさ、思ったんだよ。君はもう使えない…ってね」 倒れ伏し動かないティナを一瞥すると、アーヴァインは再び弓を構えた。 「…!?」 ロトの剣を構えようとしたアイラは、ティナの身体の異変に気づいた。 アーヴァインも気づいた。弓の構えを解かずに、それを凝視した。 倒れ伏したティナの身体が、静かに、光りだす。 淡い桃色に。静かに、静かに… ――私の記憶だけでも、子供たちに残りますように―― 少女の最後の願いが、ゆっくりと光を纏う。 またゆっくりと光が収まったとき、彼女の身体は既に消えていた。 ただ其処に、不思議な石が一つ。 ――幻獣の血を引く者の最後の業。 ――魔石となって、彼女は生涯を終えたのだった。 「なんという…」 アイラは、呆けるようにそれを見つめていた。 アーヴァインも、同じだった。 二人とも、攻撃姿勢を維持したまま、不思議な光を帯びたその石を見ていた。 ――少女の髪と同じ、緑色のその石を。 【アーヴァイン 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ 行動方針:アイラを殺す、ゲームに乗る】 【アイラ 所持品:炎のリング ロトの剣 行動方針:アーヴァインを倒す(殺すのは避けたい?)】 【現在位置:ほこら近くの山岳地帯】 【ティナ 死亡】 【残り 113名】
https://w.atwiki.jp/yakuwarironri66/pages/2025.html
★第9世代 ●オリジンギラティナ ■基礎データ No. ポケモン 種族値 タイプ とくせい HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 とくせい1 とくせい2 かくれとくせい 487 ギラティナ(オリジンフォルム) 150 120 100 120 100 90 ふゆう ■タイプ相性 倍率 タイプ ×4 ×2 ×1 ×0.5 ×0.25 ×0 ※オリジンフォルムは特性「ふゆう」でじめん無効 ■主な型 ゆうかんorいじっぱり/HA/ふゆう@だいはっきんだま 確定技:ポルターガイスト/かげうち/りゅうせいぐんorドラゴンクロー 優先技:アイアンヘッド 選択技:のろい/でんじはorおにび/たたりめ/じしん ■考察 鋼テラス+ふゆうの耐性が優秀な伝説ですなwww8割が鋼テラスですぞwww AC種族値は120と低めですが、常にアイテム補正がある+技火力が高めなので数値以上には強いですなwww 両刀が多いのでBDどちらも高いのが理想ですぞwww 採用率1位の技は影打ちですなwwwボーナスですぞwww ■対策ヤケモン ヤシアン 竜技に出せますなwww先制Aアップじゃれでワンパンですぞwww それは向こうも承知なので鋼テラスしてくるでしょうが、Aアップじゃれ+インファで落とせるのでそれほど問題はないですなwww A特化ポルガイ+かげうちは確定耐えしますぞwww ヤィンルー 最安定ですかなwwwポルガイは耐性で、流星は数値で受けますぞwww ふゆうなので地震は無効ですぞwww注意する以外ありえないwww ヤンギラス 同上ですが、アイヘが痛いですなwww チョッキヤーユイ 同上...のはずですが、Bが低くてポルガイ×2+かげうちを耐えませんぞwwwなので鋼テラスで悪波受けられると無理ですなwww 一応、向こうが先にテラスを切っているor鋼テラスを読めればオバヒで勝てますなwww + 落第生、非禁伝環境ヤケモンですなwww ヤオガエン 流星以外に出せますぞwwwテラス前後両方弱点をつけますなwww ただ鉢巻を持たないとはたきでテラス前を落とせない点、テラスを読み外すと負ける点は注意ですなwww ヤオンジェン 耐性と数値で受けるができますが、鋼テラスされたあとの打点に乏しいですなwww ヤヤゲザン 一致技+アイへをすべて半減できますなwww けたぐりの威力は120ですぞwww ■その他 禁伝竜全般 こいつはS種族値がそこまで高くない+勇敢が多いのでほぼ全員上から竜技を打てますが、十中八九鋼テラスされますなwww また、流星+影打ちで動けずに負けるので役割は持てないと言っていいでしょうなwww ヤチグマ D振りすれば耐性と数値で受けるができますが、一致技を両方無効にされますなwwwありえないwww 一応じゃれなどのサブで弱点つけますが落とせませんぞwww 鋼テラスされても一致技の通りはそこまで変わりませんが、インファイトが抜群で通るようになりますなwww ●アナザーギラティナ No. ポケモン 種族値 タイプ とくせい HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 とくせい1 とくせい2 かくれとくせい 487 ギラティナ(アナザーフォルム) 150 100 120 100 120 90 プレッシャー テレパシー ■主な型 ずぶといorおだやか/HBorHD/プレッシャー@たべのこし 確定技:たたりめ/おにびorでんじは 選択技:まもる/みがわり/めいそう/はどうだん ■考察 高耐久の伝説ですなwww おにび、でんじは、めいそうなどの補助技を覚えますが、高速回復技がないので殴ってたら倒せそうですなwww 回復手段は食べ残し+守るですぞwww眠るは圏外ですなwww テラスは妖 鋼 普 毒ですなwww 鬼火電磁波祟り目を無効化できるヤチグマ等で対策できますぞwww 異教徒ポケ対策 異教徒ポケ対策 - 対策考察一覧(更新順) このページの登録タグ一覧 異教徒ポケ対策
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1791.html
本文 次へ ――15.02.1940 帝政カールスラント 俺「……寒い……」 身体を突き刺すあまりの寒さに、俺は目を覚ました。 枕元の時計を手繰り寄せて目の前に持ってくる。針は午前一時を回った所だ。 カールスラント空軍第52戦闘航空団の隊員宿舎、その管理人室が俺に与えられた個室だった。 他のウィッチは二人で一部屋を使っているのだが、女性が大多数を占めるこの部隊の中において 男女を同室にするわけにはいかず、だからと言って俺一人に大部屋を使わせるわけにもいかず、 この部屋があてがわれたのだ。俺が『管理人』などとあだ名される所以の一つである。 俺「うう、毛布……あれ。何処だ……?」 容赦なく身を蝕む冷気に震えながら、身体を包んでいたはずの毛布を手探りで探す。……ない。 俺はそんなに寝相が悪かっただろうか……と薄いまどろみの中で手を動かしていると、 むにゅりと柔らかいものに五指が触れた。この触感は少なくとも俺の部屋に置いてある物ではない。 しばらく指を動かしていると、息が荒々しく吐き出される音に混じって喘ぐような声が聞こえ……声? 振り返ると、毛布の塊が何やらぷるぷると震えていた。ええと、探し物を発見したはいいが、これは…… 「……何処触ってるんだ。ええ?」 毛布の中から部屋の寒さなど足元にも及ばないほど低く冷たい声が響き、ヴェニーシャンブロンドのアホ毛が覗く。 次の瞬間、寝惚けた頭に掛かったモヤが一気に吹き飛び、一拍置いて俺の身体も吹っ飛んだ。 「この、バカ……!」 俺「……わ、悪かったよ……。でもティナ、わざとじゃないんだ。蹴り飛ばすことないだろ……?」 床の冷たさと身体を打ち付けた痛みに涙目になりながらよろよろと起き上がると、 羞恥で顔を真っ赤に染め上げたティナ……ハンナ・ユスティーナ・マルセイユが、毛布を纏ってベッドの上に座っていた。 マルセイユ「うるさいっ!」 目尻に涙をうっすらと溜めて、俺の恋人は咆哮した。 間髪入れずに二の句を浴びせ掛けようとする彼女を、その唇の前で人差し指を立てて止める。 俺「静かに。あんまり大声出すと人が来るぜ?」 ここだけ切り取ったらまるで悪役だな……と苦笑しながら、俺は彼女の隣に腰を下ろす。 毛布にくるまったままのティナは顔を逸らしこそすれ、距離を置こうとはしない。 ……もしかして満更でもなかったのだろうか。いやいや、まさかな。 マルセイユ「~~~っ」 俺「悪かったって……機嫌直してくれよ」 ティナは肩越しにこちらを窺い、俺は彼女の顔を見ようと覗き込む。 視線が交差した途端、ティナはもともと赤かった頬をますます紅潮させて、ぷいっと向こうを向いてしまった。 普段の快活さは何処へやら、何とも愛くるしい姿だ。そんな彼女の肩を、思い切って抱き寄せてみた。 マルセイユ「なっ、ななななっ、何するんだ!」 俺「誰かさんが俺の毛布持ってっちゃったから、寒くて仕方なくてな」 マルセイユ「……バカ」 許してくれたのか、諦めたのか……。 ティナは俺に体重を預けると、まるで猫のように、寝間着越しの俺の胸板に頭をすり寄せた。 その感触を味わいながら、彼女の肩の毛布を広げて俺たち二人を包むように掛け直すと、 今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうな少女の頭をそっと撫でた。 ……俺たちはいつまでこうして居られるんだろうか。 戦況はカレンダーに比例して厳しさを増し、出撃の頻度は日に日に上がっていく一方だ。 春には大撤退作戦が計画されているという噂もある。 これから何がどうなるのか……正直な所、想像なんてとても付きやしなかった。 そんな先行き不透明な情勢の中で、俺は文字通り身を粉にして、死に物狂いで戦闘技術を鍛え始めた。 上官に頼み込んで個人的に指導を受けたり、射撃訓練場に足を運んで自主訓練に明け暮れたり……。 今は付け焼き刃でも、いつか必ず、彼女を守る力になる。 そう信じて。それが裏切られる未来なんて、一片も想像せず。 今の俺に出来ることなんて、それくらいしかないんだと思っていた。 道を誤ることも、何が間違いなのかも知らず、ただ、そう信じていた。 ところで、男女七歳にして席を同じくせずという言葉があるように、部隊においてもこの手のお泊まりは御法度である。 それがなぜ同じベッドで寝ていたのかと言うと……事の起こりは前日に遡る。 * * * ――14.02.1940 マルセイユ「なぁ俺、今日の夜は暇か?」 朝食の席にて、ティナは上機嫌な様子で尋ねて来た。 同様の質問を投げ掛けるタイミングを計っていた俺としては、出鼻を挫かれた形だ。 俺「夜……うん、まあ、暇っていうか隊舎内待機だけど」 マルセイユ「よし、それじゃ部屋に居ろ。遊びに行くから」 俺「待機だっつったろ。バルクホルン中尉に見つかったら何言われるか……」 あのクリスマスイヴの出来事から一ヶ月と半月ほど。 いわゆる彼氏彼女の関係になった俺とティナだが、互いにそれほど変化があったわけではなかった。 周囲からの視線の方が変わったくらいだ。主に女性陣が生温かい方向に、男性陣が凍てつく方向に。 バルクホルン「もう見つかっているぞ。待機中に遊ぶなど言語道断だ。大体お前たちは軍紀についてだな……」 何が悲しくて朝からお説教を食らわねばならないのだろうか。 ティナは反省の色一つ見せず、早くどっか行けというオーラを全身から発しながら中尉を睨み付けていた。 バルクホルン「……マルセイユ、言いたいことがあれば挙手の後に発言しろ。睨んだだけでは何も伝わらんぞ」 マルセイユ「ふん……言った所であんたが聞き入れるとは思えないな」 バルクホルン「理に適っているなら聞くさ。お前に出来るとも思えんがな」 マルセイユ「じゃあ言わせてもらう。相変わらず言うことだけは堅いな、妹狂いめ」 バルクホルン「何だと、この!」 マルセイユ「何だよ、この!」 俺「やれやれ、またか……」 深々と嘆息する俺の肩を、誰かがトントンと叩いた。 すぐ後ろで朝食を取っていたグンドュラ・ラル中尉だ。 ラル「おはよう、管理人。相変わらず苦労が絶えないな」 ラル中尉は、いがみ合う二人を指して意地悪な笑みを浮かべている。 当事者としては冗談ではない。 俺「他人事だと思って……。見てたなら止めて下さいよ」 ラル「お前の女なんだ、お前が何とかすればいい。私は野暮なことはしないよ」 俺「ううう……」 レクリエーションも程々にな、と言い残してラル中尉は爽やかに去って行った。 後には今にも掴み合いになりそうな二人と、途方に暮れた俺が残された。 ……俺少尉、これより介入行動に移る。殴り飛ばされませんように。 * * * 俺「……うう……ん……」 目が霞む。 視界は茶一色で、あちらこちらに木目が見える……どうやら天井のようだ。 マルセイユ「お、俺っ!!」 エーリカ「もう、やっと気が付いたよ……」 俺「ティナ……エーリカ……?」 声の方に顔を向けようとすると、鈍く重たい痛みが頬に走った。 今朝の記憶がいまいちはっきりとしないが、どうやら殴り飛ばされたらしいということだけはこの痛みが教えてくれた。 マルセイユ「まだ痛むだろ。寝てろよ」 ティナの白い手が氷嚢を俺の頬に押し付ける。 ひんやりとした感触が、患部の熱を奪うと同時に意識を現実へと引き戻した。 俺「……またか」 マルセイユ「うん……まただ」 ばつが悪そうに視線を逸らすティナ。 このやり取りも、もう何回目になるんだか。 俺「あのさ。もう仲良くしろとは言わねぇけど、せめて喧嘩しないようには出来ねぇのか?」 マルセイユ「……むう」 ますますばつが悪そうに、閉口したまま俺を見るティナ。目が口ほどに無理だと告げている。 彼女の手から氷嚢を受け取って引き続き頬を冷やしつつ、俺は苦笑と諦観の入り混じった嘆息と共に上体を起こした。 俺「……ん?」 ふと、あるべき物があるべき場所にないという何とも落ち着かない感覚がした。 俺は懐に手を突っ込んで……その感覚が間違っていないことに気が付いた。 俺「あれ? 落としたかな」 キョロキョロとあちこちを探してみるが、見当たらない。 そんな俺の姿を訝しんだのか、ティナが声を上げた。 マルセイユ「何をだ?」 俺「ええと……小さな包みなんだ。リボンが付いてて」 エーリカ「これかな?」 エーリカがサイドテーブルに手を伸ばし、まさに俺が言った通りの紙包みを差し出す。 ああ、はい、それです。返して下さい。 エーリカ「だーめ。だってこれお菓子の匂いがするんだもん」 マルセイユ「お菓子?」 俺「エーリカ、今回ばかりは冗談抜きだ。返してくれ」 声のトーンを落とした俺に、エーリカは一瞬キョトンとしたが…… すぐさま合点が行ったように口の端を歪めた。 エーリカ「なーるほど。今日はそういう日だもんねぇ」 マルセイユ「あ、それ、もしかして……?」 俺「あーもう、驚かそうと思ってたのに。そうだよ、バレンタインのプレゼントだ」 エーリカ「ちなみに中身は?」 俺「クッキー。俺謹製のな」 一ヶ月半前の朝帰りが原因で、俺は当面の外出を厳しく禁じられていた。 お陰様でティナに渡すための花束を買いに出られず、せめて何かしら贈ろうと 昨日のうちに厨房を借りて手作りのクッキーを用意しておいたというわけだ。 エーリカ「手作りクッキーかぁ。いいなぁハンナ、私も欲しいなぁ。ねえ、私にも頂戴?」 スチールブルーの瞳がチラチラとこちらを窺っているが、無視を決め込む。 今日はあくまで恋人同士の日だ。功労者には感謝こそすれど、渡す物など用意していない。 俺「バレちまったし、今渡すよ。今年は外に出られなかったから花はナシだ。こいつで勘弁してくれ」 エーリカの手から紙包みを素早く掻っ攫うと、リボンを直してティナの手の中に押し込んだ。 当のティナは、いくつもの感情が入り混じった複雑な表情で手の中の包みに目を落としている。 やはりこの渡し方はまずかっただろうか。それとも…… 俺「……やっぱり、野郎の手作りなんか嬉しくねぇか? 味見はちゃんとしたんだけどな」 マルセイユ「ああ、いや、そうじゃないんだ。ちゃんと用意してくれてて、すごく嬉しいよ。 でも、イヴの時から貰ってばかりじゃないか。私、何にも返せてない……」 俺「俺はそうは思ってねぇけどな。言っただろ、俺だってたくさん貰ってるって」 そう、たくさん貰っている。身体や命を張る理由も、飛ぶ理由も、引鉄を引く理由も―― 思い返せば、今の俺を形作る大部分がティナからの貰い物だ。 俺「だから気にすることなんかねぇよ。な?」 マルセイユ「そうは言ってもなぁ……」 うーん、と唸りながら、ティナは考え込んでしまった。 クリスマスイヴにも同じようなことを言っていたが、やはり物理的に返さなくては気が済まないのだろうか? まるで時間が停滞したかのような、何とも微妙な空気が流れる。 が、程なくして、そんな空気を破って医務室のドアが開かれた。 バルクホルン「失礼する……む、目が覚めたのか。……その、すまなかったな」 ドアの向こうから、俺を今朝の記憶ごと吹っ飛ばしてくれた張本人であるバルクホルン中尉が姿を見せた。 もう一人の当事者の登場に、ティナの表情が見る見る不機嫌一色に染まっていく。 マルセイユ「ふん……よくも顔を出せたもんだな」 バルクホルン「止さないか、怪我人の前だぞ」 むすっとして椅子の上で足を組むティナを尻目に、バルクホルン中尉はベッドサイドに立つと、 それはそれは見事にぴしっと腰を直角に折り曲げた。 バルクホルン「本当にすまない。どうも、私は熱くなると周りが見えなくなってしまって……。 これが初めてというわけでもないのにな。正直な所、もうどう詫びたら良いのか……」 俺「いいですよ、もう。毎度のことなんで慣れました。痛いのは勘弁ですがね」 すぐ傍でやり取りを見ていたエーリカが「そんなことに慣れてどうすんの」と呆れ顔になる。 全くもってその通りだ。 バルクホルン「埋め合わせと言ってはなんだが、今日の訓練は全て中止にしようと思う。 司令の許可を取って、本日の夜間待機を解除、緊急以外の出撃もなしにした。しっかり休んでくれ」 俺「そいつはどうも。でも、中尉にお願いしているいつもの訓練はやります。 今は一分一秒が惜しいんです。やらせて下さい」 ティナとバルクホルン中尉が、揃って俺の言葉に目を丸くした。 それはそうとも、俺はつい先ほどまで意識を失っていたのだから。 無茶をしているという自覚はある。が、生憎と俺のような凡人は そうでもしないと追い付くことさえままならなくなってしまう。 バルクホルン「ううむ。お前が望むならそうするが……いや、しかしだな……」 エーリカ「そうしてあげてよ。頑張るのは良いことじゃん?」 エーリカらしからぬ言葉に、今度は俺とティナが目を丸くした。 渋っていたバルクホルン中尉は腕を組んでしばらく考え込み…… バルクホルン「お前までそんなことを言い出すとは……まぁいい、分かった。 では俺、訓練は予定通りに行う。時間までにハンガーに来ているようにな」 お前もそのくらい殊勝ならな、とエーリカを小突いて、医務室から出て行った。 さて、いつまでも寝ては居られない。 訓練のメニューを思い起こしながらベッドから出ようとすると、まだむすっとしているティナが目に入った。 俺「ティナ? どうかしたか?」 マルセイユ「……お前、最近やけにバルクホルンとの訓練に熱心だな?」 表情に負けず劣らずの不機嫌そうな、それでいて弱々しい声音が俺に噛みつく。 バルクホルン中尉が絡むと何かと不機嫌になるのは周知の通りだったが、 このような何処か元気がなさそうな反応は初めてで、俺もエーリカも虚を突かれてしまった。 俺「ええっと……まずいか?」 マルセイユ「いいや、お前は間違ってない。訓練するのは大いに結構だ。 お前がそれを望むのなら尚更な。でも……、でもな……」 一瞬だけエーリカを窺い、すぐに視線をこちらに戻して、ティナは再び口を開く。 マルセイユ「それは、私と一緒に居るよりも大事なことなのか?」 そう言うなり、そそくさと俯いてしまった。 耳まで赤くなっている所を見ると、相当赤面しているらしい。 マルセイユ「あ、あのな? そりゃ、一緒にご飯食べたり待機したりしてるけど、 それって今までとそんなに変わらないじゃないか。ええとだな、その、つまりだな……」 エーリカ「もう少し恋人らしく過ごしたいな、と」 マルセイユ「う、ま、まぁ、そういうことだ」 言われてみれば、ここの所は訓練と出撃が交互に繰り返されているような状態で、 あまりティナに構ってやれていなかったかもしれない……と思い当たった。 マルセイユ「それに、やっぱり私も俺に何かしてやりたいんだ。してもらってばかりだからな。 俺はいつも別にいいとか気にするなとか言うけど、折角対等な関係になったんだから」 エーリカ「そうだねぇ。俺はもう少しハンナの気持ちを考えてあげてもいいかもね」 マルセイユ「そうそう……って、お前どうして当然のようにまだ居るんだ。 お前は……その……二人きりにしてやろうとか、思わないのか?」 エーリカ「二人が不適切な行為に及ばないよう見張っているのであります。にししし」 マルセイユ「ぐぬぬ……ハルトマンんん……」 及ばねぇよと心の中で突っ込みを入れながら、二人のやり取りを ぼんやりと眺める俺の脳裏では、ティナの言葉が延々と反響していた。 ティナの好きなようにさせていたつもりだったけれど、 当人からしてみれば寂しい思いをしていたのだろうか。 俺「取りあえず、最初の質問に答えておこうか」 俺の一言に、二人はこちらを振り返った。 その、そんなに注目されても、困る。 俺「訓練はな、必要だからって言うか……今のままじゃダメだからやってるんだ」 そうしないと、ティナから貰った理由を果たせないから。 力がなければ、もっと強くならなければ、何も出来ないから。 俺「でも、ティナの言うことも分かる。これからは自主訓練の量を少し減らすよ。 そうすれば、もう少し二人で落ち着ける時間も作れるようになるだろ。それでいいか?」 マルセイユ「うん。……ごめんな、我儘言って」 俺「いや、いいんだ。こっちこそ気付いてやれなくて悪かった。 根詰め過ぎって自覚はあったしな」 彼女の頭をそっと撫でながら立ち上がると、大きな伸びを一つ。 身体に異常はないらしいことに安堵していると、いつもの勝気さを取り戻したティナが 下から顔をずいっと寄せてきた。 マルセイユ「で、何か欲しい物はないのか? して欲しいこととかは?」 俺「早速か。うーん……」 彼女の勢いに思わず仰け反りつつ、少し真面目に考えてみる。 目下切実な願いとしては『バルクホルン中尉と喧嘩しないで欲しい』これに尽きるのだが、 速やかに却下されるのは目に見えているので、別の方面から考えねばなるまい。 物は要らない。今は、強いて言うなら、力が欲しい。 そのために昼は空戦、夜は射撃と、俺に許された時間の大部分を訓練に費やしている。 力さえあれば、俺は……。いや、止そう。 これは無い物ねだりだと、あるいは本末転倒だと、すぐに自戒が思考を占める。 第一、こんなことをティナに言ってどうにかなるものでもない。 俺は軽く頭を振り、馬鹿げた考えを脳の外へと追い出した。 俺「そうだなぁ……。それじゃあ、手料理、とか? 一品でいいからさ」 マルセイユ「手料理か。分かった、女の腕の見せ所だな」 ひとまず、無難に男の夢を託すことにした。そこまでは良かったが……問題が一つ。 十年近く幼馴染をやっている俺だが、ティナが料理している所を一度も見たことがない。 マルセイユ「ふふん、存分に振る舞ってやる。覚悟してろよ!」 『覚悟』という単語がどうにも悲壮なものに聞こえてならないのが不安で仕方ないが、 愛情が不安を超越することに期待して、医務室から気力充分に走り去る彼女を送り出した。 エーリカ「……良かったの、あれで?」 良くないだろ?と言外に告げながら、エーリカが上目遣いにこちらを見る。 それはまあ、そうだ。しかしながら。 俺「急に言われてパッと思い付くほど、あいつに餓えちゃいねぇよ」 我ながら情けない方便で誤魔化して、取りあえずの懸念の方に意識を剥けた。 俺「まあ……ぶっ倒れることはねぇか。エーリカじゃあるまいし」 エーリカ「むうっ……料理のことだね。本人を前にその言い方は酷くない?」 俺「経験者は語る、ってな」 学生の頃、エーリカが弁当を作ってくれたことがあった。 既に料理の姿をしていなかった『それ』を、外見と味は別だと己に言い聞かせて一口食べるや否や、 儚くも微かな希望を裏切られて卒倒してしまったのだ。 ついでにしばらく死線を彷徨う羽目にもなった。 エーリカ「うぎぎ……」 当事者として言わせて頂くならば、あれは料理ではなかった。もっと別の……そう、おぞましい何か。 そう形容するのが相応しいと言うか、あれを料理と呼んだら世の料理に非常に申し訳ない『物体』だった。 効果も見てくれ通りに抜群だ。エーリカには悪いが、このままではいずれ犠牲者が出る。 エーリカ「でもでも、練習しないと上手くならないよう」 俺「あれからお前が厨房に入るとみんな警戒するようになったからなぁ。 まぁ、乗り掛かった船だ。同期のよしみで味見くらいはしてやるよ。死なねぇ程度にな」 エーリカ「本当? 本当に本当?」 本当ですとも。 エーリカには借りもあることだし。 エーリカ「それじゃあ私も頑張ってみようかなぁ」 結局、エーリカは料理が上達する前に上官命令で厨房入りを禁じられてしまったため、 後に俺たちが第501統合戦闘航空団で再会するに至ってなお、料理の腕も威力も相変わらずだったのだが…… それは四~五年ほど未来の話になるので、今は置いておくことにする。 * * * 俺「あいつ、何作るつもりだろう?」 エーリカと別れて医務室を後にした俺は、隊舎の廊下を歩きながら想像を膨らませていた。 不安もそれなりにあるにはあるが、正直な所、やはり恋人の手料理というものは楽しみだった。 そんな幸せオーラがダダ漏れになっていたのか…… クルピンスキー「やあ、管理人くん。殴り飛ばされた割には幸せそうだね?」 俺「うわっ、伯爵!?」 ヴァルトルート・クルピンスキー少尉……通称『伯爵』に捕獲されてしまった。 伯爵は俺の背後から喉元に腕を回して身体を寄せると、脇を締めてしっかりと抱きすくめてきた。 ……当たっている。ナニとは言わないが、当たっている。 俺は慌てて周囲にティナの姿を探す。 以前こんな風に伯爵にスキンシップされている所を見つかった時、 機嫌を損ねてしばらく口も利いてくれなくなったからだ。 俺自身は浮気なんてこれっぽっちもしていないと付記しておく。 クルピンスキー「大丈夫だよ、あの子ならさっき書庫で見たから。ホントに可愛いよねぇ、君たちは」 兎にも角にもマイペースなこの人には何を言っても無駄である。 俺は早々に話題を切り替えることにした。 俺「……で、何ですか?」 クルピンスキー「ん? ああ……うん、そうだね。悩める子羊の相談に乗りたいっていうのはどう?」 俺「却下で」 伯爵の訴えを即座に棄却しつつも、彼女の言葉に引っ掛かりを覚えた。 ティナが書庫に? 料理の本でも探しに行ったのだろうか。 クルピンスキー「まぁまぁ、そう言わずに。これでも女の子相手に場数は踏んでるから。 あのね、ここの所の二人を見ていて、気付いたことがあるんだけど」 俺「その前に、離しちゃもらえませんかね」 俺を拘束する伯爵の腕を引き剥がそうと力を入れてみるが、 対抗して伯爵も力を込めるため、ホールドされた状態から抜け出せない。 クルピンスキー「お二人さん、何となくすれ違ってないかな?」 声が発せられると同時に、俺の身体から抵抗する力が消え失せる。 それは何よりも雄弁に伯爵の言葉を裏付けてしまっていた。 クルピンスキー「図星か。自覚もあると見たね」 俺「すれ違っていると言うか……お互いに求めている物が一致していないと言うか。 まあ、その件はついさっき一応の解決を見たので、心配は無用です」 そう、と残念そうに呟く伯爵。 一瞬ムッとしたが、続く伯爵の言葉がそんな反感を吹き飛ばしてしまった。 クルピンスキー「君はさ。マルセイユを守って、マルセイユの夢を守って、 これからもきっと、あの子を守り続けて行くんだろうね」 俺「何です、急に?」 クルピンスキー「時々、あの子が羨ましくなるんだよね。 こんな騎士が居てくれることとか。それで意地悪したくなっちゃうのかもね」 騎士と呼ばれることには抵抗があったが、その前に伯爵が言ったことは否定出来なかった。 その通りだと思う。事実、俺には他の生き方を選ぶ自分が想像出来ない。 クルピンスキー「まぁそれはそれとして、君はちょっと女心に無神経過ぎるかな。 マルセイユとのすれ違いだって、彼女の気持ちをちゃんと汲んであげられなかったからじゃないの?」 俺「視野が狭いってことですか……?」 クルピンスキー「加えて言えば、想像力が欠如している、かな」 そこまで言われて、いつの間にか伯爵のペースに完全に引きずり込まれていることに気付く。 それでいて指摘は全て的確だ。なんて人だろう。一年早く生まれただけでこんなにも違いが出るのか? クルピンスキー「男も女も、大事なのは器量だよ。 それに……私だって好きでもない男にこんなにベッタリにはならないんだからね?」 俺「……それはそれは」 それ以上の言葉を、俺には絞り出すことは出来なかった。 それはそうと……失礼ながら、伯爵に対して「彼女」という呼称を用いることに 決して小さくない違和感を感じないでもない。 クルピンスキー「あ、酷いなぁ。私だって、これでも十三歳の少女なんだよ?」 普通、十三歳の少女は、女の子相手に場数を踏んでいるなどと言わない。 クルピンスキー「これは手厳しいなぁ。はっはっはっは……と」 伯爵の朗らかな笑い声が急に途切れる。 何事かと伯爵の視線を追うと、その先には銀髪を肩の上で切り揃えた小柄な少女がむすっとした表情で立っていた。 ロスマン「このニセ伯爵……ハルトマンに続いて俺まで毒牙に掛けるつもり? 私の生徒を何だと思ってるのっ!?」 エディータ・ロスマン曹長……俺とエーリカの戦技教導を担当してくれている先任曹長だ。 男の俺や長身の伯爵と並んで立つとその背の低さが際立つ。何でも、幼い頃に大病を患ったせいだとか。 俺もエーリカも少尉任官してこのJG52に配属されたが、この小さな先生には頭が上がらない。 クルピンスキー「え、聞きたい? まいったな……ここでかい?」 ロスマン「この……! 俺も俺よ! こんなのの言うことを真に受けてるんじゃありません!」 俺「はぁ。俺も何から何まで真に受けるつもりはありませんが……」 こんなのとは酷いなぁとぼやく伯爵と、興奮冷めやらぬ様子で指示棒を振り回しながらまくし立てる先生。 先生は『可愛いハルトマン』を伯爵に『あんなにされた』ことを根に持っているらしい……。 顔を合わせる度にこんな光景が展開されることも珍しくないが、個人の関係としては仲が悪いわけではないという。 ロスマン「マルセイユ、ねぇ」 クルピンスキー「二人がすれ違ってる気がしてね。聞いてみたら案の定だったよ」 その証左に、気が付けば伯爵と先生の攻防は終息し、ああでもないこうでもないと話し合っている。 それが一段落すると、先生は標的を俺に変えた。 ロスマン「ねぇ俺。俺は、マルセイユをどうしたいの? あの子に何を望むの?」 俺「え? どう、って?」 突然投げ掛けられた質問の意図を測りかねながら、医務室でエーリカに誤魔化したアレではないかと思い当たる。 そうしてさんざん首を捻った挙句、答えが言葉にならないことに、俺はうなだれた。 俺「どう……したいんだろう。よく、分かりません……」 ロスマン「きっとね、マルセイユもよく分かってないと思うの。 お互いにお互いの望む姿が見えていないのよ。二人の歳を考えれば無理もないけど」 どうしたいのか分からないから、互いに肝心な部分を相手に委ねようとするのだろうか。 だからすれ違ってしまうのだろうか? ロスマン「でもね、答えはもう出ていると思うわ。 それは多分、恐ろしく単純で、難しく考えているから気付かないのよ」 俺「そうでしょうか……?」 ロスマン「どんなに複雑な問題でも、答えはシンプルに出来ているものよ。 そして、それはここが知っているわ」 美しく微笑みながら、先生は人差し指を伸ばして俺の左胸をトンと突く。 その瞬間、俺の心臓が一際大きく鼓動を打ったような気がした。 クルピンスキー「エディータもまた、なかなかロマンティストだね」 ロスマン「ふふ。あんたほどじゃないわ」 先生の指の感触が、つい一ヶ月半前……クリスマスイヴの出来事を脳裏に呼び起こしていく。 あの時、俺が願ったことは何だっただろうか? たった一ヶ月半の間に俺は忘れてしまったのだろうか? ただ彼女を守る『力』を手にしたいがために、そんな大事なことを―― ロスマン「その様子だと、思い当たることがあるみたいね?」 俺「はい……知ってました。ちゃんと、覚えてました。 今はこうして思い出せるのに、どうして今までは……」 ロスマン「そのくらいにしておきなさい。思い出せるなら、それでいいのよ。 間違ってもそんなしょげた顔、恋人になんか見せるもんじゃないわ」 俺「……はい。覚えておきます」 何に迷っても、答えは『ここ』が知っている、と。 喉のつかえが取れたような、腹の中の重石が消えたような、そんな気分が身体中に満ちて、 ようやく俺は自然に笑うことが出来た。 ロスマン「ところで、昨日の夜に作ってたクッキーはちゃんと渡せた?」 俺「はい。まあ、渡す前にエーリカに見つかったんで、その場の勢いでしたけど……」 ロスマン「うーん……。渡せたなら、まあ、いいか。ムードも大事なんだけどねぇ」 クルピンスキー「なになに、何の話?」 俺は伯爵に昨晩の出来事を説明した。 出来事と言っても、厨房でクッキー作りに悪戦苦闘していた所を 偶然通り掛かった先生が見かねて助けてくれたというだけなのだが。 クルピンスキー「むう。そんな面白そうなことをしていたのに教えてくれないだなんて。 君はどうにも、先輩に対する敬愛の精神が欠けているようだね。そんな悪い子は……こうしてあげるよ」 あんたが言うなという俺と先生のツッコミを華麗に受け流して、 伯爵は俺にぴったりと密着したままもぞもぞと動き出した。 ……擦れている。ナニとは言わないが、擦れている。 俺「あの、伯爵。いい加減に勘弁してもらえませんかね?」 そろそろ生理現象を抑えるにも限界だった。こんな状態でティナに見つかったら……。 それだけは避けたい。いくら相手が伯爵であろうとも……だ。 ロスマン「伯爵、離してあげなさい。二人の仲をこじれさせたいわけじゃないんでしょ」 クルピンスキー「やれやれ、冗談の通じない人たちだね。だからこそ構いたくなるんだけど。 二人とも肝心な時にお堅いんだから……そんなのバルクホルンだけで充分だよ」 「確かに石頭は一人でいいな。いや、いっそ居なくてもいい。困らん」 低いトーンの声が空気を揺るがし、俺の全身が一瞬で凍りついた。 辛うじて首だけを声の方向に回すと、そこにはヴェニーシャンブロンドの長髪にピンと立ったアホ毛。 俺「あああの、ティナ、これは、その」 マルセイユ「随分楽しそうじゃないか? 私も混ぜろよ」 言葉とは裏腹に咎めるような視線で俺と伯爵を刺しながら、 一冊の本を小脇に抱えて腕組みをしたティナが、立っていた。 * * * ロスマン「だ、大丈夫、俺? 頬が真っ赤になってるわよ」 クルピンスキー「ううん……何か様子がおかしかったね。 前にこうなった時は頬っぺたつねってぐにぐにするだけじゃなくて、 ありとあらゆる表現で君を罵倒したのにね」 嵐の過ぎ去った場に、残されたのは二人の女と一人の男。 俺は赤く染まった患部を押さえて、じわじわと口腔を蝕む痛みに耐えていた。 伯爵の言う通りだった。 以前同じ目に遭った時は、三日三晩ヘコむ程の罵詈雑言を食らったものだ。 ところが今回はそうはならず、ティナは俺の頬を力一杯こねくり回すだけこねくり回して去って行った。 俺「そう、ですね……いてて」 客観的に見ればティナの方が全面的に正しい。 俺だってティナに男が絡み付いているのを見たら、例え冗談でも腹が立つし頭に来る。 二度目ともなればなおさらだ。 クルピンスキー「……ごめんね。二人のこと、邪魔したいわけじゃないんだよ」 俺「分かってます。でも、スキンシップはもうちょっと自重して欲しいですね」 ロスマン「本当よね。あと、他の子に対してもよ。このニセ伯爵」 先生が、手に持った指示棒で伯爵の頭を小突く。 伯爵は苦笑いしながら小さく舌を出した。 クルピンスキー「で、どうするつもり?」 伯爵の言葉に、先生も指示棒を動かす手を止めて俺を見た。 大丈夫、何てことはない。為すべきことなど最初から決まっている。 俺「会いに行きます。ちゃんと誤解を解いておかないと。 それからのことは……二人で話をして、それで決めます」 そのために必要なモノを、俺はちゃんと持っているはずだから。 もっと早く気付くべきだったのに、こんなに遅くなってしまった。 ロスマン「それがいいわね。行ってらっしゃい」 クルピンスキー「いいねえ、まさに青春って感じで……あ」 俺・ロスマン「?」 伯爵の視線が俺から外れ、さらに後ろへと向けられる。 そこに立っていたのは……先ほどのティナ同様、咎めるような視線で俺を貫くバルクホルン中尉だった。 バルクホルン「こんな所で、お前は一体何をしている?」 怒気を孕んだ声を叩き付けられ、思わず筋肉が委縮する。 懐中時計を取り出して見ると……ああまずい、訓練の約束をした時間を過ぎてしまっている。 俺「す、すみません……」 バルクホルン「どうせそこの伯爵モドキに絡まれて足止めされていたんだろうが…… カールスラント軍人たるもの、如何なる状況だろうと時間を守れないでどうする? 二人とも、彼は貰って行きますよ。先約ですから」 有無を言わさぬ強い口調で言い切るバルクホルン中尉を前に、その場の誰もが沈黙する。 先生と伯爵の人格的な信用の差か、先生には一切のお咎めなしだ…… などと心中で呟いているうちに俺は腕を掴まれ、ずるずると引きずられ始めた。 俺「ちょ、あの、少しでいいんで待ってもらえませんか……」 バルクホルン「ならん! 一分一秒が惜しいと言ったのはお前だろう。徹底的にやるからな。 そうだな……お前には目で見ずとも敵の攻撃を捌ける程度にはなってもらうぞ。 でなければあの突撃バカの背は守れないと思え!」 俺「うええ。流石にそれはちょっと人間には無理じゃ」 バルクホルン「なぁに、私たちはただの人間じゃない。ウィッチだ。 やってやれないことはないはずだ! さあ行くぞ!」 無理難題をおっしゃる。が、バルクホルン中尉は本気も本気のようだ。 抗う余地もなく、俺は悲鳴を上げながら連行されたのだった。 ……何処へって? そりゃ、地獄の一丁目さ。 ロスマン「……ううん。このまま放っておくのは忍びないわね」 クルピンスキー「だねぇ」 ロスマン「仕方ない。可愛い生徒のために一肌脱ぎましょうか」 クルピンスキー「脱ぐなら半脱ぎまでね。全部脱いだら色気どころかアグネスって痛い痛い、先生、体罰はよくないな」 ロスマン「何言ってんの! 元はと言えばあんたのせいでしょうが……って伯爵、それ何?」 クルピンスキー「マルセイユが落っことして行った本だよ。書庫から持ち出したみたいだね」 ロスマン「ふーん、これは……。そうだ、いいこと思い付いたわ。伯爵、ちょっと付き合いなさい」 クルピンスキー「ヤー。……全く、何だかんだで管理人くんには甘いんだから」 * * * 次へ ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/709.html
本文 次へ ――15.02.1940 帝政カールスラント 俺「……寒い……」 身体を突き刺すあまりの寒さに、俺は目を覚ました。 枕元の時計を手繰り寄せて目の前に持ってくる。針は午前一時を回った所だ。 カールスラント空軍第52戦闘航空団の隊員宿舎、その管理人室が俺に与えられた個室だった。 他のウィッチは二人で一部屋を使っているのだが、女性が大多数を占めるこの部隊の中において 男女を同室にするわけにはいかず、だからと言って俺一人に大部屋を使わせるわけにもいかず、 この部屋があてがわれたのだ。俺が『管理人』などとあだ名される所以の一つである。 俺「うう、毛布……あれ。何処だ……?」 容赦なく身を蝕む冷気に震えながら、身体を包んでいたはずの毛布を手探りで探す。……ない。 俺はそんなに寝相が悪かっただろうか……と薄いまどろみの中で手を動かしていると、 むにゅりと柔らかいものに五指が触れた。この触感は少なくとも俺の部屋に置いてある物ではない。 しばらく指を動かしていると、息が荒々しく吐き出される音に混じって喘ぐような声が聞こえ……声? 振り返ると、毛布の塊が何やらぷるぷると震えていた。ええと、探し物を発見したはいいが、これは…… 「……何処触ってるんだ。ええ?」 毛布の中から部屋の寒さなど足元にも及ばないほど低く冷たい声が響き、ヴェニーシャンブロンドのアホ毛が覗く。 次の瞬間、寝惚けた頭に掛かったモヤが一気に吹き飛び、一拍置いて俺の身体も吹っ飛んだ。 「この、バカ……!」 俺「……わ、悪かったよ……。でもティナ、わざとじゃないんだ。蹴り飛ばすことないだろ……?」 床の冷たさと身体を打ち付けた痛みに涙目になりながらよろよろと起き上がると、 羞恥で顔を真っ赤に染め上げたティナ……ハンナ・ユスティーナ・マルセイユが、毛布を纏ってベッドの上に座っていた。 マルセイユ「うるさいっ!」 目尻に涙をうっすらと溜めて、俺の恋人は咆哮した。 間髪入れずに二の句を浴びせ掛けようとする彼女を、その唇の前で人差し指を立てて止める。 俺「静かに。あんまり大声出すと人が来るぜ?」 ここだけ切り取ったらまるで悪役だな……と苦笑しながら、俺は彼女の隣に腰を下ろす。 毛布にくるまったままのティナは顔を逸らしこそすれ、距離を置こうとはしない。 ……もしかして満更でもなかったのだろうか。いやいや、まさかな。 マルセイユ「~~~っ」 俺「悪かったって……機嫌直してくれよ」 ティナは肩越しにこちらを窺い、俺は彼女の顔を見ようと覗き込む。 視線が交差した途端、ティナはもともと赤かった頬をますます紅潮させて、ぷいっと向こうを向いてしまった。 普段の快活さは何処へやら、何とも愛くるしい姿だ。そんな彼女の肩を、思い切って抱き寄せてみた。 マルセイユ「なっ、ななななっ、何するんだ!」 俺「誰かさんが俺の毛布持ってっちゃったから、寒くて仕方なくてな」 マルセイユ「……バカ」 許してくれたのか、諦めたのか……。 ティナは俺に体重を預けると、まるで猫のように、寝間着越しの俺の胸板に頭をすり寄せた。 その感触を味わいながら、彼女の肩の毛布を広げて俺たち二人を包むように掛け直すと、 今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうな少女の頭をそっと撫でた。 ……俺たちはいつまでこうして居られるんだろうか。 戦況はカレンダーに比例して厳しさを増し、出撃の頻度は日に日に上がっていく一方だ。 春には大撤退作戦が計画されているという噂もある。 これから何がどうなるのか……正直な所、想像なんてとても付きやしなかった。 そんな先行き不透明な情勢の中で、俺は文字通り身を粉にして、死に物狂いで戦闘技術を鍛え始めた。 上官に頼み込んで個人的に指導を受けたり、射撃訓練場に足を運んで自主訓練に明け暮れたり……。 今は付け焼き刃でも、いつか必ず、彼女を守る力になる。 そう信じて。それが裏切られる未来なんて、一片も想像せず。 今の俺に出来ることなんて、それくらいしかないんだと思っていた。 道を誤ることも、何が間違いなのかも知らず、ただ、そう信じていた。 ところで、男女七歳にして席を同じくせずという言葉があるように、部隊においてもこの手のお泊まりは御法度である。 それがなぜ同じベッドで寝ていたのかと言うと……事の起こりは前日に遡る。 * * * ――14.02.1940 マルセイユ「なぁ俺、今日の夜は暇か?」 朝食の席にて、ティナは上機嫌な様子で尋ねて来た。 同様の質問を投げ掛けるタイミングを計っていた俺としては、出鼻を挫かれた形だ。 俺「夜……うん、まあ、暇っていうか隊舎内待機だけど」 マルセイユ「よし、それじゃ部屋に居ろ。遊びに行くから」 俺「待機だっつったろ。バルクホルン中尉に見つかったら何言われるか……」 あのクリスマスイヴの出来事から一ヶ月と半月ほど。 いわゆる彼氏彼女の関係になった俺とティナだが、互いにそれほど変化があったわけではなかった。 周囲からの視線の方が変わったくらいだ。主に女性陣が生温かい方向に、男性陣が凍てつく方向に。 バルクホルン「もう見つかっているぞ。待機中に遊ぶなど言語道断だ。大体お前たちは軍紀についてだな……」 何が悲しくて朝からお説教を食らわねばならないのだろうか。 ティナは反省の色一つ見せず、早くどっか行けというオーラを全身から発しながら中尉を睨み付けていた。 バルクホルン「……マルセイユ、言いたいことがあれば挙手の後に発言しろ。睨んだだけでは何も伝わらんぞ」 マルセイユ「ふん……言った所であんたが聞き入れるとは思えないな」 バルクホルン「理に適っているなら聞くさ。お前に出来るとも思えんがな」 マルセイユ「じゃあ言わせてもらう。相変わらず言うことだけは堅いな、妹狂いめ」 バルクホルン「何だと、この!」 マルセイユ「何だよ、この!」 俺「やれやれ、またか……」 深々と嘆息する俺の肩を、誰かがトントンと叩いた。 すぐ後ろで朝食を取っていたグンドュラ・ラル中尉だ。 ラル「おはよう、管理人。相変わらず苦労が絶えないな」 ラル中尉は、いがみ合う二人を指して意地悪な笑みを浮かべている。 当事者としては冗談ではない。 俺「他人事だと思って……。見てたなら止めて下さいよ」 ラル「お前の女なんだ、お前が何とかすればいい。私は野暮なことはしないよ」 俺「ううう……」 レクリエーションも程々にな、と言い残してラル中尉は爽やかに去って行った。 後には今にも掴み合いになりそうな二人と、途方に暮れた俺が残された。 ……俺少尉、これより介入行動に移る。殴り飛ばされませんように。 * * * 俺「……うう……ん……」 目が霞む。 視界は茶一色で、あちらこちらに木目が見える……どうやら天井のようだ。 マルセイユ「お、俺っ!!」 エーリカ「もう、やっと気が付いたよ……」 俺「ティナ……エーリカ……?」 声の方に顔を向けようとすると、鈍く重たい痛みが頬に走った。 今朝の記憶がいまいちはっきりとしないが、どうやら殴り飛ばされたらしいということだけはこの痛みが教えてくれた。 マルセイユ「まだ痛むだろ。寝てろよ」 ティナの白い手が氷嚢を俺の頬に押し付ける。 ひんやりとした感触が、患部の熱を奪うと同時に意識を現実へと引き戻した。 俺「……またか」 マルセイユ「うん……まただ」 ばつが悪そうに視線を逸らすティナ。 このやり取りも、もう何回目になるんだか。 俺「あのさ。もう仲良くしろとは言わねぇけど、せめて喧嘩しないようには出来ねぇのか?」 マルセイユ「……むう」 ますますばつが悪そうに、閉口したまま俺を見るティナ。目が口ほどに無理だと告げている。 彼女の手から氷嚢を受け取って引き続き頬を冷やしつつ、俺は苦笑と諦観の入り混じった嘆息と共に上体を起こした。 俺「……ん?」 ふと、あるべき物があるべき場所にないという何とも落ち着かない感覚がした。 俺は懐に手を突っ込んで……その感覚が間違っていないことに気が付いた。 俺「あれ? 落としたかな」 キョロキョロとあちこちを探してみるが、見当たらない。 そんな俺の姿を訝しんだのか、ティナが声を上げた。 マルセイユ「何をだ?」 俺「ええと……小さな包みなんだ。リボンが付いてて」 エーリカ「これかな?」 エーリカがサイドテーブルに手を伸ばし、まさに俺が言った通りの紙包みを差し出す。 ああ、はい、それです。返して下さい。 エーリカ「だーめ。だってこれお菓子の匂いがするんだもん」 マルセイユ「お菓子?」 俺「エーリカ、今回ばかりは冗談抜きだ。返してくれ」 声のトーンを落とした俺に、エーリカは一瞬キョトンとしたが…… すぐさま合点が行ったように口の端を歪めた。 エーリカ「なーるほど。今日はそういう日だもんねぇ」 マルセイユ「あ、それ、もしかして……?」 俺「あーもう、驚かそうと思ってたのに。そうだよ、バレンタインのプレゼントだ」 エーリカ「ちなみに中身は?」 俺「クッキー。俺謹製のな」 一ヶ月半前の朝帰りが原因で、俺は当面の外出を厳しく禁じられていた。 お陰様でティナに渡すための花束を買いに出られず、せめて何かしら贈ろうと 昨日のうちに厨房を借りて手作りのクッキーを用意しておいたというわけだ。 エーリカ「手作りクッキーかぁ。いいなぁハンナ、私も欲しいなぁ。ねえ、私にも頂戴?」 スチールブルーの瞳がチラチラとこちらを窺っているが、無視を決め込む。 今日はあくまで恋人同士の日だ。功労者には感謝こそすれど、渡す物など用意していない。 俺「バレちまったし、今渡すよ。今年は外に出られなかったから花はナシだ。こいつで勘弁してくれ」 エーリカの手から紙包みを素早く掻っ攫うと、リボンを直してティナの手の中に押し込んだ。 当のティナは、いくつもの感情が入り混じった複雑な表情で手の中の包みに目を落としている。 やはりこの渡し方はまずかっただろうか。それとも…… 俺「……やっぱり、野郎の手作りなんか嬉しくねぇか? 味見はちゃんとしたんだけどな」 マルセイユ「ああ、いや、そうじゃないんだ。ちゃんと用意してくれてて、すごく嬉しいよ。 でも、イヴの時から貰ってばかりじゃないか。私、何にも返せてない……」 俺「俺はそうは思ってねぇけどな。言っただろ、俺だってたくさん貰ってるって」 そう、たくさん貰っている。身体や命を張る理由も、飛ぶ理由も、引鉄を引く理由も―― 思い返せば、今の俺を形作る大部分がティナからの貰い物だ。 俺「だから気にすることなんかねぇよ。な?」 マルセイユ「そうは言ってもなぁ……」 うーん、と唸りながら、ティナは考え込んでしまった。 クリスマスイヴにも同じようなことを言っていたが、やはり物理的に返さなくては気が済まないのだろうか? まるで時間が停滞したかのような、何とも微妙な空気が流れる。 が、程なくして、そんな空気を破って医務室のドアが開かれた。 バルクホルン「失礼する……む、目が覚めたのか。……その、すまなかったな」 ドアの向こうから、俺を今朝の記憶ごと吹っ飛ばしてくれた張本人であるバルクホルン中尉が姿を見せた。 もう一人の当事者の登場に、ティナの表情が見る見る不機嫌一色に染まっていく。 マルセイユ「ふん……よくも顔を出せたもんだな」 バルクホルン「止さないか、怪我人の前だぞ」 むすっとして椅子の上で足を組むティナを尻目に、バルクホルン中尉はベッドサイドに立つと、 それはそれは見事にぴしっと腰を直角に折り曲げた。 バルクホルン「本当にすまない。どうも、私は熱くなると周りが見えなくなってしまって……。 これが初めてというわけでもないのにな。正直な所、もうどう詫びたら良いのか……」 俺「いいですよ、もう。毎度のことなんで慣れました。痛いのは勘弁ですがね」 すぐ傍でやり取りを見ていたエーリカが「そんなことに慣れてどうすんの」と呆れ顔になる。 全くもってその通りだ。 バルクホルン「埋め合わせと言ってはなんだが、今日の訓練は全て中止にしようと思う。 司令の許可を取って、本日の夜間待機を解除、緊急以外の出撃もなしにした。しっかり休んでくれ」 俺「そいつはどうも。でも、中尉にお願いしているいつもの訓練はやります。 今は一分一秒が惜しいんです。やらせて下さい」 ティナとバルクホルン中尉が、揃って俺の言葉に目を丸くした。 それはそうとも、俺はつい先ほどまで意識を失っていたのだから。 無茶をしているという自覚はある。が、生憎と俺のような凡人は そうでもしないと追い付くことさえままならなくなってしまう。 バルクホルン「ううむ。お前が望むならそうするが……いや、しかしだな……」 エーリカ「そうしてあげてよ。頑張るのは良いことじゃん?」 エーリカらしからぬ言葉に、今度は俺とティナが目を丸くした。 渋っていたバルクホルン中尉は腕を組んでしばらく考え込み…… バルクホルン「お前までそんなことを言い出すとは……まぁいい、分かった。 では俺、訓練は予定通りに行う。時間までにハンガーに来ているようにな」 お前もそのくらい殊勝ならな、とエーリカを小突いて、医務室から出て行った。 さて、いつまでも寝ては居られない。 訓練のメニューを思い起こしながらベッドから出ようとすると、まだむすっとしているティナが目に入った。 俺「ティナ? どうかしたか?」 マルセイユ「……お前、最近やけにバルクホルンとの訓練に熱心だな?」 表情に負けず劣らずの不機嫌そうな、それでいて弱々しい声音が俺に噛みつく。 バルクホルン中尉が絡むと何かと不機嫌になるのは周知の通りだったが、 このような何処か元気がなさそうな反応は初めてで、俺もエーリカも虚を突かれてしまった。 俺「ええっと……まずいか?」 マルセイユ「いいや、お前は間違ってない。訓練するのは大いに結構だ。 お前がそれを望むのなら尚更な。でも……、でもな……」 一瞬だけエーリカを窺い、すぐに視線をこちらに戻して、ティナは再び口を開く。 マルセイユ「それは、私と一緒に居るよりも大事なことなのか?」 そう言うなり、そそくさと俯いてしまった。 耳まで赤くなっている所を見ると、相当赤面しているらしい。 マルセイユ「あ、あのな? そりゃ、一緒にご飯食べたり待機したりしてるけど、 それって今までとそんなに変わらないじゃないか。ええとだな、その、つまりだな……」 エーリカ「もう少し恋人らしく過ごしたいな、と」 マルセイユ「う、ま、まぁ、そういうことだ」 言われてみれば、ここの所は訓練と出撃が交互に繰り返されているような状態で、 あまりティナに構ってやれていなかったかもしれない……と思い当たった。 マルセイユ「それに、やっぱり私も俺に何かしてやりたいんだ。してもらってばかりだからな。 俺はいつも別にいいとか気にするなとか言うけど、折角対等な関係になったんだから」 エーリカ「そうだねぇ。俺はもう少しハンナの気持ちを考えてあげてもいいかもね」 マルセイユ「そうそう……って、お前どうして当然のようにまだ居るんだ。 お前は……その……二人きりにしてやろうとか、思わないのか?」 エーリカ「二人が不適切な行為に及ばないよう見張っているのであります。にししし」 マルセイユ「ぐぬぬ……ハルトマンんん……」 及ばねぇよと心の中で突っ込みを入れながら、二人のやり取りを ぼんやりと眺める俺の脳裏では、ティナの言葉が延々と反響していた。 ティナの好きなようにさせていたつもりだったけれど、 当人からしてみれば寂しい思いをしていたのだろうか。 俺「取りあえず、最初の質問に答えておこうか」 俺の一言に、二人はこちらを振り返った。 その、そんなに注目されても、困る。 俺「訓練はな、必要だからって言うか……今のままじゃダメだからやってるんだ」 そうしないと、ティナから貰った理由を果たせないから。 力がなければ、もっと強くならなければ、何も出来ないから。 俺「でも、ティナの言うことも分かる。これからは自主訓練の量を少し減らすよ。 そうすれば、もう少し二人で落ち着ける時間も作れるようになるだろ。それでいいか?」 マルセイユ「うん。……ごめんな、我儘言って」 俺「いや、いいんだ。こっちこそ気付いてやれなくて悪かった。 根詰め過ぎって自覚はあったしな」 彼女の頭をそっと撫でながら立ち上がると、大きな伸びを一つ。 身体に異常はないらしいことに安堵していると、いつもの勝気さを取り戻したティナが 下から顔をずいっと寄せてきた。 マルセイユ「で、何か欲しい物はないのか? して欲しいこととかは?」 俺「早速か。うーん……」 彼女の勢いに思わず仰け反りつつ、少し真面目に考えてみる。 目下切実な願いとしては『バルクホルン中尉と喧嘩しないで欲しい』これに尽きるのだが、 速やかに却下されるのは目に見えているので、別の方面から考えねばなるまい。 物は要らない。今は、強いて言うなら、力が欲しい。 そのために昼は空戦、夜は射撃と、俺に許された時間の大部分を訓練に費やしている。 力さえあれば、俺は……。いや、止そう。 これは無い物ねだりだと、あるいは本末転倒だと、すぐに自戒が思考を占める。 第一、こんなことをティナに言ってどうにかなるものでもない。 俺は軽く頭を振り、馬鹿げた考えを脳の外へと追い出した。 俺「そうだなぁ……。それじゃあ、手料理、とか? 一品でいいからさ」 マルセイユ「手料理か。分かった、女の腕の見せ所だな」 ひとまず、無難に男の夢を託すことにした。そこまでは良かったが……問題が一つ。 十年近く幼馴染をやっている俺だが、ティナが料理している所を一度も見たことがない。 マルセイユ「ふふん、存分に振る舞ってやる。覚悟してろよ!」 『覚悟』という単語がどうにも悲壮なものに聞こえてならないのが不安で仕方ないが、 愛情が不安を超越することに期待して、医務室から気力充分に走り去る彼女を送り出した。 エーリカ「……良かったの、あれで?」 良くないだろ?と言外に告げながら、エーリカが上目遣いにこちらを見る。 それはまあ、そうだ。しかしながら。 俺「急に言われてパッと思い付くほど、あいつに餓えちゃいねぇよ」 我ながら情けない方便で誤魔化して、取りあえずの懸念の方に意識を剥けた。 俺「まあ……ぶっ倒れることはねぇか。エーリカじゃあるまいし」 エーリカ「むうっ……料理のことだね。本人を前にその言い方は酷くない?」 俺「経験者は語る、ってな」 学生の頃、エーリカが弁当を作ってくれたことがあった。 既に料理の姿をしていなかった『それ』を、外見と味は別だと己に言い聞かせて一口食べるや否や、 儚くも微かな希望を裏切られて卒倒してしまったのだ。 ついでにしばらく死線を彷徨う羽目にもなった。 エーリカ「うぎぎ……」 当事者として言わせて頂くならば、あれは料理ではなかった。もっと別の……そう、おぞましい何か。 そう形容するのが相応しいと言うか、あれを料理と呼んだら世の料理に非常に申し訳ない『物体』だった。 効果も見てくれ通りに抜群だ。エーリカには悪いが、このままではいずれ犠牲者が出る。 エーリカ「でもでも、練習しないと上手くならないよう」 俺「あれからお前が厨房に入るとみんな警戒するようになったからなぁ。 まぁ、乗り掛かった船だ。同期のよしみで味見くらいはしてやるよ。死なねぇ程度にな」 エーリカ「本当? 本当に本当?」 本当ですとも。 エーリカには借りもあることだし。 エーリカ「それじゃあ私も頑張ってみようかなぁ」 結局、エーリカは料理が上達する前に上官命令で厨房入りを禁じられてしまったため、 後に俺たちが第501統合戦闘航空団で再会するに至ってなお、料理の腕も威力も相変わらずだったのだが…… それは四~五年ほど未来の話になるので、今は置いておくことにする。 * * * 俺「あいつ、何作るつもりだろう?」 エーリカと別れて医務室を後にした俺は、隊舎の廊下を歩きながら想像を膨らませていた。 不安もそれなりにあるにはあるが、正直な所、やはり恋人の手料理というものは楽しみだった。 そんな幸せオーラがダダ漏れになっていたのか…… クルピンスキー「やあ、管理人くん。殴り飛ばされた割には幸せそうだね?」 俺「うわっ、伯爵!?」 ヴァルトルート・クルピンスキー少尉……通称『伯爵』に捕獲されてしまった。 伯爵は俺の背後から喉元に腕を回して身体を寄せると、脇を締めてしっかりと抱きすくめてきた。 ……当たっている。ナニとは言わないが、当たっている。 俺は慌てて周囲にティナの姿を探す。 以前こんな風に伯爵にスキンシップされている所を見つかった時、 機嫌を損ねてしばらく口も利いてくれなくなったからだ。 俺自身は浮気なんてこれっぽっちもしていないと付記しておく。 クルピンスキー「大丈夫だよ、あの子ならさっき書庫で見たから。ホントに可愛いよねぇ、君たちは」 兎にも角にもマイペースなこの人には何を言っても無駄である。 俺は早々に話題を切り替えることにした。 俺「……で、何ですか?」 クルピンスキー「ん? ああ……うん、そうだね。悩める子羊の相談に乗りたいっていうのはどう?」 俺「却下で」 伯爵の訴えを即座に棄却しつつも、彼女の言葉に引っ掛かりを覚えた。 ティナが書庫に? 料理の本でも探しに行ったのだろうか。 クルピンスキー「まぁまぁ、そう言わずに。これでも女の子相手に場数は踏んでるから。 あのね、ここの所の二人を見ていて、気付いたことがあるんだけど」 俺「その前に、離しちゃもらえませんかね」 俺を拘束する伯爵の腕を引き剥がそうと力を入れてみるが、 対抗して伯爵も力を込めるため、ホールドされた状態から抜け出せない。 クルピンスキー「お二人さん、何となくすれ違ってないかな?」 声が発せられると同時に、俺の身体から抵抗する力が消え失せる。 それは何よりも雄弁に伯爵の言葉を裏付けてしまっていた。 クルピンスキー「図星か。自覚もあると見たね」 俺「すれ違っていると言うか……お互いに求めている物が一致していないと言うか。 まあ、その件はついさっき一応の解決を見たので、心配は無用です」 そう、と残念そうに呟く伯爵。 一瞬ムッとしたが、続く伯爵の言葉がそんな反感を吹き飛ばしてしまった。 クルピンスキー「君はさ。マルセイユを守って、マルセイユの夢を守って、 これからもきっと、あの子を守り続けて行くんだろうね」 俺「何です、急に?」 クルピンスキー「時々、あの子が羨ましくなるんだよね。 こんな騎士が居てくれることとか。それで意地悪したくなっちゃうのかもね」 騎士と呼ばれることには抵抗があったが、その前に伯爵が言ったことは否定出来なかった。 その通りだと思う。事実、俺には他の生き方を選ぶ自分が想像出来ない。 クルピンスキー「まぁそれはそれとして、君はちょっと女心に無神経過ぎるかな。 マルセイユとのすれ違いだって、彼女の気持ちをちゃんと汲んであげられなかったからじゃないの?」 俺「視野が狭いってことですか……?」 クルピンスキー「加えて言えば、想像力が欠如している、かな」 そこまで言われて、いつの間にか伯爵のペースに完全に引きずり込まれていることに気付く。 それでいて指摘は全て的確だ。なんて人だろう。一年早く生まれただけでこんなにも違いが出るのか? クルピンスキー「男も女も、大事なのは器量だよ。 それに……私だって好きでもない男にこんなにベッタリにはならないんだからね?」 俺「……それはそれは」 それ以上の言葉を、俺には絞り出すことは出来なかった。 それはそうと……失礼ながら、伯爵に対して「彼女」という呼称を用いることに 決して小さくない違和感を感じないでもない。 クルピンスキー「あ、酷いなぁ。私だって、これでも十三歳の少女なんだよ?」 普通、十三歳の少女は、女の子相手に場数を踏んでいるなどと言わない。 クルピンスキー「これは手厳しいなぁ。はっはっはっは……と」 伯爵の朗らかな笑い声が急に途切れる。 何事かと伯爵の視線を追うと、その先には銀髪を肩の上で切り揃えた小柄な少女がむすっとした表情で立っていた。 ロスマン「このニセ伯爵……ハルトマンに続いて俺まで毒牙に掛けるつもり? 私の生徒を何だと思ってるのっ!?」 エディータ・ロスマン曹長……俺とエーリカの戦技教導を担当してくれている先任曹長だ。 男の俺や長身の伯爵と並んで立つとその背の低さが際立つ。何でも、幼い頃に大病を患ったせいだとか。 俺もエーリカも少尉任官してこのJG52に配属されたが、この小さな先生には頭が上がらない。 クルピンスキー「え、聞きたい? まいったな……ここでかい?」 ロスマン「この……! 俺も俺よ! こんなのの言うことを真に受けてるんじゃありません!」 俺「はぁ。俺も何から何まで真に受けるつもりはありませんが……」 こんなのとは酷いなぁとぼやく伯爵と、興奮冷めやらぬ様子で指示棒を振り回しながらまくし立てる先生。 先生は『可愛いハルトマン』を伯爵に『あんなにされた』ことを根に持っているらしい……。 顔を合わせる度にこんな光景が展開されることも珍しくないが、個人の関係としては仲が悪いわけではないという。 ロスマン「マルセイユ、ねぇ」 クルピンスキー「二人がすれ違ってる気がしてね。聞いてみたら案の定だったよ」 その証左に、気が付けば伯爵と先生の攻防は終息し、ああでもないこうでもないと話し合っている。 それが一段落すると、先生は標的を俺に変えた。 ロスマン「ねぇ俺。俺は、マルセイユをどうしたいの? あの子に何を望むの?」 俺「え? どう、って?」 突然投げ掛けられた質問の意図を測りかねながら、医務室でエーリカに誤魔化したアレではないかと思い当たる。 そうしてさんざん首を捻った挙句、答えが言葉にならないことに、俺はうなだれた。 俺「どう……したいんだろう。よく、分かりません……」 ロスマン「きっとね、マルセイユもよく分かってないと思うの。 お互いにお互いの望む姿が見えていないのよ。二人の歳を考えれば無理もないけど」 どうしたいのか分からないから、互いに肝心な部分を相手に委ねようとするのだろうか。 だからすれ違ってしまうのだろうか? ロスマン「でもね、答えはもう出ていると思うわ。 それは多分、恐ろしく単純で、難しく考えているから気付かないのよ」 俺「そうでしょうか……?」 ロスマン「どんなに複雑な問題でも、答えはシンプルに出来ているものよ。 そして、それはここが知っているわ」 美しく微笑みながら、先生は人差し指を伸ばして俺の左胸をトンと突く。 その瞬間、俺の心臓が一際大きく鼓動を打ったような気がした。 クルピンスキー「エディータもまた、なかなかロマンティストだね」 ロスマン「ふふ。あんたほどじゃないわ」 先生の指の感触が、つい一ヶ月半前……クリスマスイヴの出来事を脳裏に呼び起こしていく。 あの時、俺が願ったことは何だっただろうか? たった一ヶ月半の間に俺は忘れてしまったのだろうか? ただ彼女を守る『力』を手にしたいがために、そんな大事なことを―― ロスマン「その様子だと、思い当たることがあるみたいね?」 俺「はい……知ってました。ちゃんと、覚えてました。 今はこうして思い出せるのに、どうして今までは……」 ロスマン「そのくらいにしておきなさい。思い出せるなら、それでいいのよ。 間違ってもそんなしょげた顔、恋人になんか見せるもんじゃないわ」 俺「……はい。覚えておきます」 何に迷っても、答えは『ここ』が知っている、と。 喉のつかえが取れたような、腹の中の重石が消えたような、そんな気分が身体中に満ちて、 ようやく俺は自然に笑うことが出来た。 ロスマン「ところで、昨日の夜に作ってたクッキーはちゃんと渡せた?」 俺「はい。まあ、渡す前にエーリカに見つかったんで、その場の勢いでしたけど……」 ロスマン「うーん……。渡せたなら、まあ、いいか。ムードも大事なんだけどねぇ」 クルピンスキー「なになに、何の話?」 俺は伯爵に昨晩の出来事を説明した。 出来事と言っても、厨房でクッキー作りに悪戦苦闘していた所を 偶然通り掛かった先生が見かねて助けてくれたというだけなのだが。 クルピンスキー「むう。そんな面白そうなことをしていたのに教えてくれないだなんて。 君はどうにも、先輩に対する敬愛の精神が欠けているようだね。そんな悪い子は……こうしてあげるよ」 あんたが言うなという俺と先生のツッコミを華麗に受け流して、 伯爵は俺にぴったりと密着したままもぞもぞと動き出した。 ……擦れている。ナニとは言わないが、擦れている。 俺「あの、伯爵。いい加減に勘弁してもらえませんかね?」 そろそろ生理現象を抑えるにも限界だった。こんな状態でティナに見つかったら……。 それだけは避けたい。いくら相手が伯爵であろうとも……だ。 ロスマン「伯爵、離してあげなさい。二人の仲をこじれさせたいわけじゃないんでしょ」 クルピンスキー「やれやれ、冗談の通じない人たちだね。だからこそ構いたくなるんだけど。 二人とも肝心な時にお堅いんだから……そんなのバルクホルンだけで充分だよ」 「確かに石頭は一人でいいな。いや、いっそ居なくてもいい。困らん」 低いトーンの声が空気を揺るがし、俺の全身が一瞬で凍りついた。 辛うじて首だけを声の方向に回すと、そこにはヴェニーシャンブロンドの長髪にピンと立ったアホ毛。 俺「あああの、ティナ、これは、その」 マルセイユ「随分楽しそうじゃないか? 私も混ぜろよ」 言葉とは裏腹に咎めるような視線で俺と伯爵を刺しながら、 一冊の本を小脇に抱えて腕組みをしたティナが、立っていた。 * * * ロスマン「だ、大丈夫、俺? 頬が真っ赤になってるわよ」 クルピンスキー「ううん……何か様子がおかしかったね。 前にこうなった時は頬っぺたつねってぐにぐにするだけじゃなくて、 ありとあらゆる表現で君を罵倒したのにね」 嵐の過ぎ去った場に、残されたのは二人の女と一人の男。 俺は赤く染まった患部を押さえて、じわじわと口腔を蝕む痛みに耐えていた。 伯爵の言う通りだった。 以前同じ目に遭った時は、三日三晩ヘコむ程の罵詈雑言を食らったものだ。 ところが今回はそうはならず、ティナは俺の頬を力一杯こねくり回すだけこねくり回して去って行った。 俺「そう、ですね……いてて」 客観的に見ればティナの方が全面的に正しい。 俺だってティナに男が絡み付いているのを見たら、例え冗談でも腹が立つし頭に来る。 二度目ともなればなおさらだ。 クルピンスキー「……ごめんね。二人のこと、邪魔したいわけじゃないんだよ」 俺「分かってます。でも、スキンシップはもうちょっと自重して欲しいですね」 ロスマン「本当よね。あと、他の子に対してもよ。このニセ伯爵」 先生が、手に持った指示棒で伯爵の頭を小突く。 伯爵は苦笑いしながら小さく舌を出した。 クルピンスキー「で、どうするつもり?」 伯爵の言葉に、先生も指示棒を動かす手を止めて俺を見た。 大丈夫、何てことはない。為すべきことなど最初から決まっている。 俺「会いに行きます。ちゃんと誤解を解いておかないと。 それからのことは……二人で話をして、それで決めます」 そのために必要なモノを、俺はちゃんと持っているはずだから。 もっと早く気付くべきだったのに、こんなに遅くなってしまった。 ロスマン「それがいいわね。行ってらっしゃい」 クルピンスキー「いいねえ、まさに青春って感じで……あ」 俺・ロスマン「?」 伯爵の視線が俺から外れ、さらに後ろへと向けられる。 そこに立っていたのは……先ほどのティナ同様、咎めるような視線で俺を貫くバルクホルン中尉だった。 バルクホルン「こんな所で、お前は一体何をしている?」 怒気を孕んだ声を叩き付けられ、思わず筋肉が委縮する。 懐中時計を取り出して見ると……ああまずい、訓練の約束をした時間を過ぎてしまっている。 俺「す、すみません……」 バルクホルン「どうせそこの伯爵モドキに絡まれて足止めされていたんだろうが…… カールスラント軍人たるもの、如何なる状況だろうと時間を守れないでどうする? 二人とも、彼は貰って行きますよ。先約ですから」 有無を言わさぬ強い口調で言い切るバルクホルン中尉を前に、その場の誰もが沈黙する。 先生と伯爵の人格的な信用の差か、先生には一切のお咎めなしだ…… などと心中で呟いているうちに俺は腕を掴まれ、ずるずると引きずられ始めた。 俺「ちょ、あの、少しでいいんで待ってもらえませんか……」 バルクホルン「ならん! 一分一秒が惜しいと言ったのはお前だろう。徹底的にやるからな。 そうだな……お前には目で見ずとも敵の攻撃を捌ける程度にはなってもらうぞ。 でなければあの突撃バカの背は守れないと思え!」 俺「うええ。流石にそれはちょっと人間には無理じゃ」 バルクホルン「なぁに、私たちはただの人間じゃない。ウィッチだ。 やってやれないことはないはずだ! さあ行くぞ!」 無理難題をおっしゃる。が、バルクホルン中尉は本気も本気のようだ。 抗う余地もなく、俺は悲鳴を上げながら連行されたのだった。 ……何処へって? そりゃ、地獄の一丁目さ。 ロスマン「……ううん。このまま放っておくのは忍びないわね」 クルピンスキー「だねぇ」 ロスマン「仕方ない。可愛い生徒のために一肌脱ぎましょうか」 クルピンスキー「脱ぐなら半脱ぎまでね。全部脱いだら色気どころかアグネスって痛い痛い、先生、体罰はよくないな」 ロスマン「何言ってんの! 元はと言えばあんたのせいでしょうが……って伯爵、それ何?」 クルピンスキー「マルセイユが落っことして行った本だよ。書庫から持ち出したみたいだね」 ロスマン「ふーん、これは……。そうだ、いいこと思い付いたわ。伯爵、ちょっと付き合いなさい」 クルピンスキー「ヤー。……全く、何だかんだで管理人くんには甘いんだから」 * * * 次へ ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/wotaku/pages/13.html
此処は管理人《ryo》の部屋です。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/82625.html
アエリアパエティナ(アエリア・パエティナ) ローマ皇帝の系譜に登場する人物。 関連: クラウディウス (夫)
https://w.atwiki.jp/ddffneta-collect/pages/84.html
251 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 17 44 58 ID 0YRYZCyBO 192 ちょwガブラスも裸ではりつけられるんですね。 釣られて投下 皇帝の地雷攻撃 パラメキア「ふっふっふっふっ…」 ガブラス「C4爆弾か、やっかいだな…。」 252 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 17 58 30 ID wv5b7xfeO ちょっと借りてやってるんだけど、これはひどい7厨の為のゲームですね 253 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 18 08 50 ID N9MEbfF20 ネタスレで言われても困る 本スレにいけ 254 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 18 48 46 ID ns8LR9MvO 252 アンチスレ http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1229938635/ ここでなら大丈夫 255 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 19 54 06 ID S4cFGt870 クラウド「そうは言うが俺の技は隙が大きいからガードの練習にぴったりとか言われているぞ・・・orz」 ティーダ「ちょーきゅー何とかは斬5は強いって評判すけどねー」 WOL「まぁそれを除いたとしても、クラウドはつかいやすいと評判だからな」 スコール(どうせ俺は使いづらいさ・・・) ガーランド「約束の地へwww」 雲・ミッシー「「約束の地へwwww」 先生「ファッファっファっファッ約束の地へwww」 ケフカ「で、結局~・・・何がしたい?=約束の地へwwww」 セフィロス「・・・ 」 皇帝「約束の地へwwww」 セフィロス「貴様にだけは笑われる覚えは無い!」(リユニオン) 皇帝「ウボァー」 256 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 20 44 20 ID 438LXysF0 ティナ「ケフカ、あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」 ケフカ「ん?何ですか?」 ティナ「あの、何でケフカは女装装備ができるのかな、って…。クラウドはわかるの。 そういう趣味なんだ、ってバッツが言ってたから。でも、ケフカは何で…」 ケフカ「そりゃぼくちんが似合うからに決まってるでしょ」 ティナ「えぇ!?」 ケフカ「誰よりも美形で、誰よりもかっこいい私ですよ?女装くらい余裕です。ホワァッホッホッホ」 ティナ「じゃあちょっとお化粧とって、女装装備してみてくれる?」 ケフカ「うわ、この子目が輝いてる」 ジタン「おーい!そこで金髪ロングのすっげぇ美人なレディがいたんだけど、あれ誰!?」 バッツ「なんだって!俺も見に行く!どこで見たんだよ!」 フリオ「…ゴクッ」 セシル「あれ、ティナ。どうかした?」 オニオン「ティナ、大丈夫?僕はそんな奴よりもティナの方が…」 ティナ「私っ…真実を告げる勇気がないわっ…!」 257 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 21 06 38 ID 4KrEsH8z0 エクスデス先生でクイックバトルばかりやってたら、 先生の前掛けのグラフィックが寿司の巻物にしか見えなくなった件について。 258 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 21 11 55 ID XGei53If0 セシル「バッツ。聞きたいことがあるんだけど」 バッツ「なんだ?」 セシル「君が原作で女装をしていたというのは本当かい?」 バッツ「はぁ!? だれから聞いたんだよそんなデマ!!」 セシル「先生からだよ。なんでも、看護婦さんの格好をしたり、 ハイヒールにドレス、おまけにリボンまでつけたりしたってきいたんだけど…」 フリオ(ナースにハイヒール…ゴクッ) バッツ「あー……あれか…」 ジタン「あれか…ってことは…覚えがあるのかよ」 バッツ「一部ジョブ専用の装備品にあったんだよ、天使の白衣だとかレインボードレスだとか赤い靴だとかってのが」 WOL「それはまた…随分と男が装備するには厳しい防具だな…」 ティーダ「想像するのはさらに厳しいっすね。したくもないけど」 バッツ「ああ。思い出したくもない過去だよ…」 クラウド「俺より前に女装した■eキャラはジャミルだけだと思っていたが…まさかあんたがやっていたとはな…同志よ」 バッツ「誤解だ!! あくまで実用的な防具だ防具!! そんな目で俺を見るなぁあああっ!!」 259 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 21 13 16 ID S4cFGt870 257 先生の褌の裏を直で見てしまった俺よりましさ しかも勝利後のスローモーションシーンだから目に焼きついて離れない・・・ まさにウボァー 260 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 21 20 12 ID 9XG49HV9O コスモス・カオス共にみんな愛称が可愛くて愛しいですけど。w 167 その後セシルが「兄さん、違うよ!」って、お年玉の意味を説明して、ジタンと玉ねぎに謝るゴル兄想像した。 マジでボケてそうなゴル兄さん。 261 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 21 26 19 ID jHPtVm+FO ケフカって化粧とったらテライケメンだよな、画像検索したらすっぴんケフカがあってびびった あの顔で千葉ボイス…ゴクッ 262 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 21 51 30 ID 2ytBoIWQ0 ???A「いや、いい湯だ。戦いの疲れが吹っ飛びそうだな」 ???B「失礼しますよ~。いやー、いい湯だ」 ???A「それじゃ、私は先に上がりますよ」 ???B「あー、はいはい。じゃ、ごゆっくりさせてもらいましょうかね」 ???A「ふう(ごそごそがちゃがちゃ)、鎧を着るのも一苦労だな」 ???A改めWOL「それにしても、あの声には聞き覚えがあるような…?」 ???B「(アヒルのおもちゃに)村長さ~ん♪」 ???B改めケフカ「…それにしてもあの声、なーんか聞き覚えあるような…?」 こうなってもおかしくないんですね、解りません。 263 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 22 17 19 ID HXTtbTwvO 261 まだケフカの素顔の画像に辿り着けてない自分が………いru…orz 264 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 22 31 23 ID eXxYuNnfO ケフカは美形だしガリガリだから女装も本当に似合いそうだ・・・ 265 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 22 45 37 ID B/X3B2Yz0 歌舞伎の女形をイメージすれば近そうだな 266 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 22 48 21 ID 7RNbrRQD0 こ、これか。PSFFVIなのか? http //www.finaland.com/images/informations/hypoff/kefka/010.jpg 267 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 22 53 52 ID sB+Zb+4+O 266 PS版のおまけムービーだな アレクサンダーに焼き殺されてた記憶が… しかし改めて見るとテライケメンだなw 268 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 22 54 47 ID ehida2Xq0 右下にムンバのシルエットがあるのは何でだろうか。 269 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 23 02 12 ID 0GRAK4tiO ケフカ「すっぴん見ちゃいや~ん!上半身も裸だし…」 皇帝「フフン…哀れだな。(私はすっぴんを晒さなくてよかった)」 クジャ「バカだねぇ(僕の素顔なら恥じずに見せられるけどね)」 雲「どんな時も身なりには気を使うのじゃよ。ミッシーもそう思うか?」 ミシア「そうよ。だから気を付けなさい」 ミッシーが完全に定着w 270 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 23 12 55 ID XGei53If0 確かにいつのまにか雲がミッシーって呼ぶのが定着してるな。 口調全く変えないで呼び方だけミッシーってのがまた可愛い。 271 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 23 13 26 ID COsJSYtNO 258 それ、知らなかった… バッツはノリノリでやりそうだけどw 272 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/03(土) 23 19 09 ID 3uE/py6j0 フリオ「・・・裸リボンが最強装備なんて言ったらまたネタにされかねんな」 オニオン「ん?なんか言った?」 フリオ「いっ、いや。なんでもない」 273 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 00 22 12 ID y+/JcaRtO セシル「僕もリボンなら装備したことがあるよ。ローザに違和感無さすぎて怖いって言われたけど、 兄さんのネコ耳フードの似合いっぷりにはかなわなかったな。」 274 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 00 34 24 ID 6z7lrk2MO …ケフカはヒソカみたいにすっぴんはイケメンだとは思うけど、 鼻が長いから女装してもパクノダみたいになるだけだと思うんだ パクノダは美人だがな 275 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 00 54 28 ID gteKjYNR0 266 どこの鉄拳の人かとww 276 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 00 57 17 ID c2oH7ZdK0 俺も風間仁に似てると思った。 277 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 01 12 56 ID 8wPUoEwL0 セシル「バッツのものまねってすごいよね、僕達の技をそっくり再現しちゃうんだし」 バッツ「ものまねは皆の力あってこそなんだし、それほどのもんじゃないさ」 WoL「だが、ただ真似るだけではなく組み合わせて独自の技にするのは大したものだ」 ジタン「俺達だけじゃなくて、カオスの連中の技も真似たらもっと強力だっただろうなー」 ティナ「ジェクトさんみたいに大きな岩落としたりとか、なんだかすごそうね」 クラウド「俺のバスターソードをコピーとは言え片手で扱えるんだ、連中のデカい剣も振り回せそうだな」 バッツ「もし出来るならおれはあのなっっっがい刀を使ってみたいぜ、カッコイイし!」 スコール「長い刀・・・セフィロスか?」 フリオ「可能だとしてもやめておいた方が良い」 バッツ「へ、なんで?」 一同「約束の地へ(笑)」 バッツ「把握した」 セフィロス「む」 ゴルベーザ「・・・どうした?」 セフィロス「何故だか分からんが、コスモスの連中に絶望を贈りたくなった」 278 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 01 50 00 ID ngvKSXrQ0 スコールのリボルバードライヴもなかなかのネタ技だと思わんでもないw 279 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 02 34 35 ID Ji5TNV150 ゲーム開始前 コスモス「カオス討伐しちゃいましょう。もう疲れちゃいました」 Wol「お待ちくださいコスモス。いくらなんでも私1人じゃどうにもならないですよ」 コスモス「(チッ、腰抜けが)…じゃあ適当な世界探って適当に戦士達を召喚しちゃいましょう」 ガイ「フリオニール、いない。レオンハルト(ダークナイト)止めなくちゃ、いけないのに」 マリア「こんな大事なときにいなくなるなんて!」 オニオンB「あれ、Aはどこ行った?」 オニオンC「小便に行ったきり帰ってこないぞ」 オニオンD「まいったな、このパーティって替えがきかないんだぞ」 パロム「あんちゃん?どこだ?」 テラ「暗黒騎士と対峙した途端に消えたとな?」 ポロム「あ~ん、長老様に叱られるぅ」 レナ「バッツ、ご飯よ~」 ボコ「クエッ」 ガラフ「早く食事を済ませてクリスタルを見つけないとな。のぅ、バッツ」 ボコ「クエッ」 ファリス「ちゃんと言葉で話せよバッツ!」 ボコ「…クエッ」 カタリーナ「フンババよー!」 ディーン「助けてくれーティナー!」 フンババ「フンガー!」 子供達「ぎにゃああああああ!」 コスモス「ということで、カオス討伐に参加してくださいね♪元の世界へ戻りたいなら」 一同「無茶苦茶迷惑なんだけど…」 7以降思いつかなかったorz 280 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 04 51 13 ID 1AdqpMFSO ちょ、5ww 281 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 07 11 52 ID IxMyzlWxO バッツ涙目すぎるwwwww 282 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 08 26 29 ID VRZfdQ+Z0 266 シンジラレナーイ! テライケメソです。。。 283 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 13 53 26 ID 8UoYBPk+0 バッツ「新年あけまして」 ジタン「おめでとうございまーす!」 バッツ「という訳で、みんなでカルタやろうぜ!」 セシル「カルタ?」 フリオ「百人一首じゃないのか」 スコール「……(こいつ百人一首なんて知ってるのか)」 ティナ「わあ、楽しそう」 クラウド「全員でするのか」 ティーダ「人数多くないっすか?」 WoL「賑やかでいいじゃないか。では私が読もう」 オニオン「じゃあ僕は審判!!(勝てない試合は挑まない、っと)」 バッツ「よっしゃ!始めるぞー!」 WoL「ね…」 ティナ「メルトン!!」 ドカーン! WoL「か…」 ティナ「フレア!!」 ドゴーン! WoL「……アルテマ」 ティナ「アルテマー!!」 ティナ「ごめんなさい。つい熱くなっちゃって…」 クラウド「いや…(酷い目にあった…)」 WoL「黒こげだな」 オニオン「みんな大丈夫?」 スコール「(なんであんたら二人は無傷なんだ…)」 バッツ「(カルタじゃなくて羽子板にでもすればよかったかな)」 ジタン「(それはもっと危険な気がする)」 セシルとフリオは戦闘不能 284 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 14 25 22 ID p0P3wg9L0 バッツ「カオスを倒しちゃったら元の世界に戻っちゃうから皆とはもう会えなくなるのか。」 ジタン「なんか寂しいよな。」 クラウド「心配はいらん。これがある。」 バッツ「これは?」 スコール「グミシップ。別の世界を行き来する為の乗り物だ。」 ジタン「こんな物まで持ってるのか。さすが、色んなゲームにゲスト出演してる奴は違うな。よっ、広報部長!」 クラウド「動力は搭乗者の笑顔だ。さあ、実際に乗ってみろ。」 ジタン「(・∀・)おーっ!」 バッツ「(・∀・)わくわく!」 クラウド「(-_-)・・・・・・・・・・。」 スコール「(-_-)・・・・・・・・・・。」 ジタン「(・∀・)・・・・・・・・・・・・・・・・。」 バッツ「(・∀・)・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 ジタン「(・∀・;)・・・・・・・・・・・・・・・・動かないんだけど?」 クラウド「(-_-)当然だ、俺達が笑っていないんだから、お前達の笑顔は+-ゼロで相殺されてしまう。」 スコール「(-_-)4人を乗せて動かすには、お前達が常人の3倍の笑顔にならなくてはいけない。」 バッツ「(○Д○*)なんじゃそりゃーっ!?」 スコール「(-_-)だからキングダムハーツでは俺は必要以上に笑いそうな奴らと行動を共にしていた。」 クラウド「(T_T)俺は、一人じゃグミシップが動かないからヘラクレスの世界で独りで・・・。」 バッツ「(○Д○*)泣くなーっ!!」 バッツ「速い速い♪」 ジタン「スピードで過ぎっぽいけど、これなら皆の世界にすぐに遊びに行けるぜ!」 ケフカ「(◎▽◎)ウーヒャヒャヒャヒャヒャ、フェーファファファファファファファファファ、カメェェェェェェェェェェェェェェェホッホッホッホ!」 クラウド「・・・・・乗り物酔いが・・・。」 スコール「大丈夫か?」 285 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 16 46 59 ID R86gFD7f0 ティーダ「そういう時こそ笑顔の練習っす!」 WOL「・・・(普段使わない筋肉を使うからか・・・顔の筋肉が強張ってうまく動かん・・・)」 ティナ「・・・(こ、こうかな・・・笑顔って難しい・・・)」 286 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 18 16 28 ID 8wPUoEwL0 285 キマリみたいに引き攣ったかのような顔になるWoLを想像してふいたw 287 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 18 38 38 ID caNz8VU10 バッツ「よし、ここは俺にまかせてくれないか」 WOL「ぬう……どうするつもりだ?」 バッツ「ちょっとこっち来てくれ」 ティナ「うん」 バッツ「見せ場だ……行くぜ!」 ものまね【約束の地へ(笑)】 WOL「(笑)」 ティナ「(笑)」 スコール「(笑)」 クラウド「(笑)」 288 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 18 49 23 ID LYGHwHhN0 カオスはネタキャラだらけだな バッツ、セシルの兄貴の真似してくれよ 289 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 18 57 29 ID R86gFD7f0 ミッシー城 ───┐ □□□│ミ □□□│ セフィロス □□□│ ζ゚ < 約束の地へ… □□□│ □□□│ □□□│ □□□│ □□□│ ._. │ | | | │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 290 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 19 12 31 ID JSuqXZQq0 289 AAがぴったり過ぎてポーション吹いた 291 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 19 38 10 ID frG8FWHg0 セフィロス「輝きの世界を」 ミッシー「(笑)」 292 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 20 35 03 ID 96d8zXKLO 289 テラ吹いた! レモンティー返せ。 293 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 22 20 40 ID UhDKPPrHO 287 バッツ「それじゃあ次行くぜ!!」 ものまね『ウボアー(笑)』 一同「(笑)」 バッツ「さらにもういっちょ!」 ものまね『スケトウダラ~!!』 一同「(笑)」 バッツ「とどめだ!!!」 ものまね『いいですとも(笑)』 一同「……」 バッツ「あれっ?どうしたの…ハッ!!」 セシル「兄さんを…兄さんをバカにするなぁっ!!!」 スコール(まずいな…) バッツ(どうしよう…) バッツ「……で?セシルはどうしてる?」 フリオ「暗黒騎士になってすねてる。全く…悪ふざけが過ぎたな」 WOL「後でちゃんとセシルに謝るんだぞ」 ジタン「あーあ。セシルが羨ましいな…」 ティナ「どういう事よジタン?」 バッツ「だってバカにされたら怒れるような兄貴がいるんだよ…俺のなんか…アレだぜ…(泣)」 クジャ「~♪」 一同「理解した」 294 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 22 44 12 ID Tv8PjdzPO スマン、水を差すようだがあれって「約束の地へ」って言ってるのか? 俺には「約束の死を…」って聞こえるんだが あと、なんかの動画の空耳で「焼きそばの汁…」とも聞こえてネタに尽きないんだが→獄門 295 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 23 05 42 ID GVreWFzF0 本編であれだけ約束の地とか言ってるからそうじゃないの? 296 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 23 12 07 ID /7QJxxNR0 「壁にでも話してろよ」 「約束の地へ」 すごく可哀想なかんじだな。 297 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 23 26 04 ID p0P3wg9L0 魔列車「お待たせいたしました。あれ、また来たのかいダンナ?」 皇帝「ああ。さっきフリオニールに負けてしまってね。」 魔列車「地獄から現世も遠いだろうに、毎度毎度よく帰る気になるね。」 皇帝「そうだな、確かに大変だ。お前に乗らずにこのまま引き返してしまえば楽なのだが?」 魔列車「勘弁して下さいよ、こっちも決まりなんですから。さ、乗った乗った。」 皇帝「おや、あなたは。」 シーモア「おお、久しぶり。あなたもまた殺されましたか。相手は『のばら』ですか?」 皇帝「ええ。違う世界に行ってもしつこい奴です。おたくは?」 シーモア「私もいつもの通り、プロポーズをした意中の子に召喚獣でズバっと。」 皇帝「それはまた大変だったでしょう?」 シーモア「しかし、お邪魔虫がいない今がチャンスですからね。メガフレアを喰らった程度で諦めるわけにはいきませんよ。」 皇帝「そのお邪魔虫君もコスモスに呼び出されて神々の戦いに参加していますが、しぶとく生き残っていますよ。」 シーモア「いっそ始末していただけるとありがたいのですが。」 皇帝「そうですね、ジェクトが言う事を聞いてくれさえすれば楽に始末できるんですけどね。」 魔列車「終点、異界~、異界~。お帰りの方はパンデモニュウムからどうぞ~。」 皇帝「さて、また現世へ帰るとしますか。長い道のりを徒歩で。」 シーモア「まあ、歩くのは健康にいいですからね。」 皇帝「死んでる人間が言うことですか?」 皇帝 シーモア「ハッハッハッハッ☆」 皇帝「何度殺されようが、私は地獄から戻ってく・・・」 フリオニール「いいかげんに成仏しろよ。」 298 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 23 35 33 ID 4acmkKga0 ☆☆☆ ヘ(^o^)ヘいくぞ! |∧ ☆☆☆ / / (^o^)/ ☆☆☆ /( ) 四つの心を! ☆☆☆ (^o^) 三 / / > \ (\\ 三 [ブレイブブレイド] (/o^) < \ 三 ( / / く 輝きの世界を! 299 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 23 37 28 ID THFGBRk30 298 いつまで面白いと思ってるの? 300 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/01/04(日) 23 43 25 ID R86gFD7f0 善皇帝「と言う訳で半身を成仏させに来ました」 皇帝「参戦していないのに堂々と出てくるの貴様」 のばら「皇帝がふたり・・・取りあえずマスターオブアームズ!」 皇帝×2「「ウボァー」」 魔列車「だんな、また・・・って何か分裂してない?」 皇帝「私にも色々あるのだ」 善皇帝「苦しゅうない、さぁ、はやく出発しなさい」 魔列車「なんかえらく態度がでかいな・・・」 皇帝「気を悪くしたら許してくれ、こんなのでも私の半身なのだ」 シーモア「まってくれ~私も乗せていってくれ~」 皇帝「おやシーモア殿・・・って何で蜂の巣に・・・」 シーモア「いやぁ~、今回は二丁拳銃で・・・」 皇帝「多趣味なのだな・・・」 セフィロス「すまないが私も乗せていってくれ」 皇帝「おや英雄君、君もやられたのかね」 セフィロス「いや・・・」 魔列車「ん?あんちゃん生きてるね、何で生きてんのにあの世に・・・」 セフィロス「・・・約束の地にいきそびれた・・・」 一同「「?」」 クラウド、デジョン穴を見て クラウド「・・・どこに行った・・・?セフィロス・・・」
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/356.html
ロックは部屋の外の騒然とした雰囲気を感じ、目を覚ました。 「……!?………!!」 (…まさか、本当に来たのか!?) 急いで上着をまとい、装備を整え、外に出ようとしたとき、 今まさに開けようといていたドアが逆に開き、 フィガロの兵士とともに黒煙が飛び込んできた。 「ロック様!!急ぎ、ティナ様を連れ、例の場所へ!!」 そういった兵士の顔は、真っ黒な灰をかぶり、すすけている。 「あ、あぁ…。すぐ行く…。」 と、答えたもののロックは兵士の言葉よりも、 兵士の頭越しに見える風景に目を奪われていた。 もくもくと煙が立ち上り、火の手が四方八方にあがっている。 城内の兵士が担架で運ばれたり、女中、子供の、悲鳴や泣き叫ぶ声が聞こえる。 ロックは、奥歯をかみ殺し、怒りに震える自分自身に冷静に言い聞かせた。 「ロック!!」 そう呼ばれ、我に返ると、 今にも泣き崩れそうな表情を必死にこらえているティナの姿がそこにあった。 「て、帝国が…、攻めてきた…って。 みんな…私のせいで…。わ…たし、どうすれば…!?」 「…大丈夫だ、ティナ…。エドガーが、何とかしてくれるさ。それより…良かったよ…。」 「えっ?」 「…そんな表情もできるんだな…。君は感情のない人形なんかじゃない。」 ハッとした表情でティナは、うつむきかけた顔をロックのほうへ向け、思わず大粒の涙を流した。 「これが涙なの?自分で制御…できない…。」 「それが、悲しみって感情さ。焦らなくていいさ、他の感情もいずれ戻る。 それまで、俺が君を守るから…。」 「……うん。」 子供のような声でティナは、静かにうなずいた。 「お急ぎ下さい!間もなく『オペレーション・黄金のフィガロ』が発動されます!」 無線に応対していた兵士が叫んだ。 「さぁ、ティナ!こっちだ、急ごう!!」 ロックは、ティナの手を握り、駆け出した!
https://w.atwiki.jp/ddffneta-collect/pages/259.html
251 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 02 30 ID eawldZW+O バッツ「ナウい息子♂」 252 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 03 48 ID deYKAqvtO 詩吟師範代フリオ フリオ「わたくし、詩吟の師範代でありますフリオニールが青年男性の気持ちを詩吟にのせて吟じてみようと思います」 フリオ「吟じます、建前くんと本音くんを~ぉ~ぉ~ぉ、買収してしまえば~ぁ~ぁ~ぁ、雲がなんかエロいことになる~」 建前、本音「みっしーに頼まれたら…」 フリオ「吟じます、アルテミシアとの~ぉ~ぉ~ぉ、戦闘のリプレイを見ていると~ぉ~ぉ~ぉ、下着の存在が気になる~」 建前「`はいてない´なのか気になるね」 本音「今度確かめてみようね」 フリオ「吟じます、ティナのパンティに~ぃ~ぃ~ぃ、こだわっていたのが女性だとわかって~ぇ~ぇ~ぇ、なんだかよりリアルに感じる~」 フリオ「あると思います」 建前「白犯しましまストラップ」 本音「赤犯にナッシングパンティも忘れちゃダメだね」 253 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 04 32 ID hdoTjKYt0 249 軽いネタ程度ならいいがモロなのは勘弁してくれ 254 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 06 36 ID 8rM2l6CzO 252 ・・・ストラップ? 255 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 06 38 ID eawldZW+O 269 卑猥だな! 256 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 10 14 ID deYKAqvtO 254 素で間違えた、ストライプだ 257 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 10 18 ID Ijso7q7V0 192 逆に考えたらカメェェェェと同レベルのスピードだからなwww 258 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 54 58 ID oYozFaXYO 252 楼蘭乙wそしてクラウド・ストライプへ… 259 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 01 55 18 ID TYCaOhfRO 269に期待 260 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 02 26 06 ID aeQA7AgqO 245 いいから君はこっちに帰って来るんだイェア ttp //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1188980806/ 261 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 03 04 13 ID eawldZW+O フリオ「かく言う私も童貞でね」 ガブラス「貴様…!性癖が悪いにも程があるぞ!」 声優ネタです卑猥だな 262 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 03 13 33 ID 2u+AibsQO 175 さすがに気持ち悪い 263 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 03 50 40 ID +ZqYCVob0 カメェェェッー! 264 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 04 05 36 ID s5eKwpi40 ツルゥゥゥッー! 265 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 04 24 20 ID 2u+AibsQO ク、クエエェー! 266 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 04 45 39 ID XiYO2gaU0 262-265 さ カ ツ ク セガのサッカークラブ経営シミュレーションゲーム乙 267 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 06 33 58 ID QRcc636YO 266 お前の直感に感動した これがサブリミナル効果かきたないさすがセガ汚い 244 トット様と負け犬は大人だな、というかオバおっと誰か来たようだ 268 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 07 13 30 ID dD8XxKwJO エクスデス「貴様らは私の本当のスピードを知らんな!」 バッツ「ハッ!そ、そういや、ギートと互角のスピードで闘ってた!」 オニオン「な、なんだって!」 スコール「と、言う事は……」 トコトコトコ…ベシャー! 「………?」 エクスデス「…うごご……」 バッツ「あ、そういやギートってカメェェェ!だったな。(ジョブマスター」 オニオン「あ、それなら納得だ(ジョブチェンジ」 スコール「無駄に見栄張ったけどやはり無理でしたパターンだな。(ライオンハート」 エクスデス「アッーーー!!!」 建前&本音「無情だなー。」 雲「今度ミネラルウォーターでも奢るかの。」 269 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 07 34 18 ID 9/n/NgJe0 249 本当に面白いと思って書いてるの? 270 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 07 54 19 ID J88JaQvp0 268 せwんwせwいw あのシーンは速く見えただけで実際にはカメェェだったのかw 271 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 08 38 15 ID dbN3Vdb1O WOL「バッツ、以前(3スレの18)君はエクスデスを植えたら花が咲き実がなったと言っていたな」 バッツ「ああ、あの実は中々美味かったよ。かじるとカメェェェッー!って悲鳴をあげるのが生々しかったけど…」 スコール(俺が言うのも何だがそんなもん食うな) オニオン「あれ、でもこの世界に他の植物なんてあったかな?」 ティナ「イミテーションじゃ…駄目だよね」 WOL「そうだ。授粉しなければ実をつけることは不可能。つまり…」 フリオ「ゴクッ…」 WOL「エクスデスは雌雄同株なんだよ!」 一同「な、なんだってー!?」 雲「エクスデスよ、何故スーパーリボンなぞ装備しておるのじゃ?」 建前「わーにあってるよー」 本音「かぶとにりぼんなんてへんなのー」 エクスデス「ファファファ…」 272 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 08 42 31 ID 1N8O7sHDO 先生…w人気だなぁ! あのガチムチ鎧がカオス側で屈指の萌えキャラになっちまうとは予想外でした。 273 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 08 48 15 ID bPZELm7lO ケフカ「ぼくちん人気ないのかな…あんまりネタにしてもらえないよ(´;ω;`)」 274 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 08 51 30 ID J88JaQvp0 273 バッツとかと相性良さそうなんだけどな。おバカな感じでw でも俺の脳みそじゃ上手く絡ませられないんだ 275 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 09 01 12 ID 35oWCmTK0 バッツ「旅をするのに自転車あった方がいいかなと思って どうせならちゃんとしたのを買いたいんだけど、どれがいいかな?」 エクスデス「プジョーだな!」 276 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 09 03 51 ID eawldZW+O ケフカ「こんな色男…初めて…///」 女装装備が出来るのも納得できる クラウドとも気が合いそうだ 277 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 09 07 30 ID CtxRNrS80 スコール「・・・・」 ティーダ「あれ?スコール何してるっスか?」 スコール「いや、さっきいきなりアルティミシアが目の前に現れたと思ったら 「学生の本分は勉強です、というわけでこのレポートに身近な昆虫の生態を観察しなさい」 だのなんだのと言われて強引にレポート用紙を渡されたんだ・・・」 ティーダ「それはまた・・・ご愁傷様っすね、でもなんで昆虫?」 スコール「時間圧縮のしすぎで今が夏だとでも思ってるんじゃないか?」 ティーダ「そういう理屈っすかねぇ・・・で、何観察するんスか?」 スコール「それを今悩んでいる」 ティーダ「虫らしい虫なんて、この世界にはいなさそうだしなぁ・・・比較的緑の多そうな次元城あたり行けば一匹くらい見つかるっスかね?」 スコール「(ティーダにしては珍しく冴えてるな・・・)・・・そうだな、行って見るか」 そんなわけで次元城 ティーダ「・・・よくよく考えたら、芝生があるだけでそこまで緑っつーわけでも無かったスね・・・」 スコール「しかし他に虫がいそうな場所なんて思いつかないが・・・・」 「ファファファ!」 ティーダ「あ、誰かと思えばエクスデス先生!」 エクスデス「日光浴を楽しんでいれば貴様等か!何の様でここまできた」 スコール「(また面倒が・・・)昆虫の生態観察をしたいのだが肝心の虫がいなくてな、探しに来た」 エクスデス「無視?」 ティーダ「いや無の方じゃなくて、つかワザとっすか?」 エクスデス「それくらい分かっておる、ふむ昆虫か・・・ならばコイツはどうだ?」(ヒョイッ) ティーダ「おおっ先生の顔のスキマからカブトムシが!」 スコール「いくら分かりづらいからって説明しなくてもいいんだぞティーダ・・・まあ何はともあれこれで観察できる、すまないな」 エクスデス「ファファファ!仮にも霊樹よ、この生物達との付き合い方はよく知っとるわ!」 ティーダ「へぇー、って事はカブトムシの他にも虫飼ってるんスか?」 エクスデス「無論!他にも80匹ばかし今この鎧の中で飼っておる」 スコール「80匹・・・・だと?鎧の中に?」 ティーダ「・・・・なんか想像したら気持ち悪くなってきたっス・・・」 エクスデス「?」 278 :277:2009/02/08(日) 09 10 06 ID CtxRNrS80 連投スマン、エクスデス先生の中っていろいろ入ってそうだよねっていう話を書きたかっただけ ところで先生ってカブトムシに見えないか? 279 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 09 36 44 ID mk24vJ/nO エクスデス「キャストオフ!」 チェェェンジ ビートォォル バッツ「キメェェェェーッ!」 280 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 09 57 04 ID kvOJGWGYO 腐女子はまじで自重してくれ… 「反省してる」は免罪符じゃねーんだぞ 273 もともとキャラのアクが強いと難しいのかもなぁ 逆に先生このスレでいきいきしてるしw 281 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 09 28 ID s5eKwpi40 ケフカの場合、ネタとしてもう完成済みなような気がするw 282 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 14 50 ID LixSHvq20 ジタン「そういやスコール、お前の世界で[食べる]っていうコマンドがあったよな」 スコール「あぁ、敵を弱らせてからじゃないと使えなかったがな」 ジタン「あれって実際…どんな味?」 スコール「敵によるな。だが、大抵は旨かった」 フリオ「た…食べる…ゴクリ…」 スコール(でも、イミテーションは不味かったな) 先生「不味だな!」 ジタン「へー、今度 俺もやってみようかな」 スコール「やめておけ(いろんな人にドン引きされるから)」 ジタン「でも…」 オニオン「ん?なんか用?」 ジタン「…いただきます」 一同「だめぇぇぇぇえ!!」 283 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 16 23 ID N5bozf+k0 FF9もキャラ限定で食べれなかったっけ? とか言ってみたけどFF9やったことないのはバレバレで・・・ 284 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 18 33 ID 1XYN5XMF0 FF9はクイナが食べるよ、食べるよ! 285 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 19 03 ID AEzGgo+v0 283 クイナが使える 286 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 20 32 ID AEzGgo+v0 アビリティ/【たべる】 ttp //ffdic.wikiwiki.jp/?%A5%A2%A5%D3%A5%EA%A5%C6%A5%A3%2F%A1%DA%A4%BF%A4%D9%A4%EB%A1%DB 287 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 22 10 ID 2u+AibsQO WOL「ティナ」 ティナ「?」 WOL「先ほどのバトルでアイテムを落としたぞ。」 ティナ「あ…ありがとう。」 「(なんて優しい人なんだろう……キュン)」 288 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 24 42 ID aeQA7AgqO 277 >(ティーダにしては珍しく冴えてるな・・・) ミッシーがティーダに化けてるのかと思っちゃったじゃないか 289 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 30 33 ID hys1eIZNO 277 ティーダ「という訳でカブトムシ貰ったっす」 セシル「カブトムシかぁ…息子も好きなんだよね」 フリオ「黒くて大きくて雄々しい所が最高だよな」 クラウド「あの重量感…たまらん」 スコール「(こいつらが言うと違う意味にしか聞こえん)」 ティーダ「まだいっぱいいたし、行けばくれるかもしれないっすよ」 バッツ「カブト狩りじゃあ~!(*゜∀゜*)」 ジタン「カブト狩りじゃあ~!!(*゜∀゜*)」 玉葱「カブト狩りじゃあ~!!(*゜∀゜*)」 セシル フリオ クラウド「カブ~ト狩りじゃああ!!(*゜∀゜*)」 WOL「待て。カブトムシごときで興奮しすぎだ。少し落ち着け」 スコール「クワガタもいっぱいいたぞ。少し増えすぎたとか言ってi…WOL「クワガタ狩りじゃああああ!!」 ティナ「ただの大きな虫なのにあのテンション…解らないわ。男の子って解らない。」 290 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 52 09 ID eawldZW+O ミーシア「世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら目と耳を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ。それも嫌なら…」 ガブラス「素子ォォォォォ!!!」 ケフカ「あの二人…何やってる…」 ガーランド「ぬぅ…声優ネタとかいうやつだな…」 ケフカ「せ・い・ゆ・う?…そういえばあなたの中の人は……ラオ…」 ガーランド「む……」 ケフカ「…今度、楽しみにしていますよ(私にもやっとネタができましたねひでぶ)」 ――後日―― ガブラス「賢者の遺産とはなんだ?」 ガーランド「大戦中、三大国の真の権力者が出しあった軍資金、1000億ドルの事だ。あの大戦をあと――」 ケフカ「ぐはぁ~…なんでぼくちんだけ…」 ガーランド「くわばらくわばら…」 ガブラス「ネタを持て余す…」 ケフカ「ちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちっっっっっくしょ~~~~~!!!」 ガーランド「後で私の部屋に来い…しばらく私を楽しませろ…」 ケフカ「そっちのキャラ抜いてから言えッ!戦うだけの単細胞め!!!」 ―また、後日― カオス「お前達のなかにも私の仲間がいるぞ…私を裏切ったお前たちを殺すために…お前か!いやお前だったか!」 ガブラス「嘘だ!騙されるな!おいみんな、あいつの声を聞くんじゃない!」 ケフカ「全ては…全てはアイツのせい……負け犬のくせに声質は達者で……復讐してやるじょ~!」 カオス「やあぁフグタくぅ~ん」 ケフカ「誰がマスオか!」 エクスデス「ファファファ…」 ケフカ「じょ?」 エクスデス「不様だなケフカよ。」 ケフカ「あらあらあなたは…私を嘲笑いに来たのですね?人気者は引っ込んでください」 エクスデス「無情だな…。貴様は考えたことはあるか?私と貴様の人気の違い…なぜなのか」 ケフカ「ないじょ…」 エクスデス「わたしは決してお前や彼らに比べて有名で人気のある声優ではない(と思う)ぞなのになぜ私はこれほど人気があるのか」 ケフカ「ふむ…少しだけなら話を聞きましょう…」 ↓人気理由頼む 291 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 58 27 ID s5eKwpi40 エクスデス「はぁ…体が重くて動けん…」 ジェクト「ただえさえトロイのに体鍛えねぇから体にガタがきたんだな」 エクスデス「いやどうも違うみたいだ、体の中に何か重みのあるものが詰まったような…」 ティナ「どれどれ…。!!ブドウ、リンゴ、メロンにモモとか…色んな実が詰まってる!」 エクスデス「えええええ!?」 バッツ「あ、ごめん。興味半分で種撒いてたら宿っちゃったみたいね」 エクスデス「貴様かー!取って取ってー!」 シャントット「んー、まだ完全に育っていないですわねー。完全に熟したら取りましょうか」 ティナ「そうだね。じゃあエクスデスさん美味しい果物を育ててね」 エクスデス「ちょ…わしの配慮はないのかー!おーい動けないんだってばー!」 1週間後 シャントット「さて、どんな感じになりましたかね」 エクスデス「おそかったな!ファファファ… ついに手にいれたぞ!!最強の力!世界を支配する力!『無』の力だっ!!」 バッツ「ああ、熟しすぎてFF5ラスト近くの巨大な木になってら」 シャントット「ある意味成功ですわね」 ティナ「(どういう理屈で?)」 292 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 10 59 31 ID tpgw1diDO エクスデス→カブトムシ ゴル兄→クワガタ WoL→カミキリムシ 293 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 11 04 31 ID mk24vJ/nO ゴルベーザ「この距離ならバリアは張れまいな!」 WoL「戦うことでしか、私とお前は語り合えない!」 294 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 11 07 29 ID HtU9SjWdO 292 重甲ビーファイター思い出したがてんとう虫が足りないな 295 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 11 30 19 ID LixSHvq20 バッツ「ミッシーだ!」 ジタン「雲だ!」 玉葱「トットだ」 スコール「何をしている?」 セシル「誰が一番歳とってるかでもめてるんだ」 バッツ「どう考えてもミッシーだよ!若作りしてる奴は大概年輩なんだよ!」 ジタン「違う!ミッシーは若作りできるほど若いんだ!雲なんてよく見るとシワだらけじゃないか!」 玉葱「そんなのなんの根拠にもなって無い!トットだってあの口調に時代を感じるじゃないか!」 ゴル兄「女性の年齢を探るのはよk」 三人「うるさい!いいですとも!」 ゴル兄「( ;A;)」 スコール「(バカバカしい…)だいたい、一番年寄りなのは…コスモスだろ!」 三人「!!!」 ジタン「俺は…間違っていた…」 バッツ「神…だもんな」 玉葱「納得できる…」 コスモス・ミッシー・雲・トット「殺す!」 296 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 11 32 27 ID dD8XxKwJO 290 セフィロス「エクスデス道場のおかげか少し人気になり。一部プレーヤーによってはカオスを完殺出来る事で更に人気、そしてきわめつけ。」 エクスデス「カメェェェ!!」 クジャ「隠しVoiceのおかげで更に味が出たんだよね。 あぁ、僕は無論大人気さ。この美貌が疎ましい……」 ケフカ「ち、ちくしょーーーー!僕なんか超有名な声優で、ギャグにするなら超推薦すべきなのにーーー! つまらん!」 ケフカって変な笑いがあったよな。 297 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 11 34 00 ID xeBUnTRQ0 何という自殺行為www ゴル兄は巻き込まれ事故で殺られそうだ 298 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 11 35 54 ID V/hTmFY/0 295 スコールはWolにもシメられるなw 299 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 12 01 04 ID dbN3Vdb1O 290 オニオンとヌルの声優って確か同じだったはず 300 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/02/08(日) 12 05 23 ID 2u+AibsQO 雲「ミッシー、どこに行っておったのじゃ?」 ミシア「いえ、その…」 クジャ「どうせまたコスモス勢の誰かに化けてスコールと会っていたんだろ」 雲「毎日毎日飽きんのぅ」 クジャ「今日は何か収穫はあったのかい?」 ミシア「今度、ごはんに行く約束を///」 その頃スコールは… スコール「ティーダ、この前貸してもらったゲーム返すよ」 ティーダ「え、そんなの貸してないっスよ?」 スコール「ティナ、この前話した件なんだが…」 ティナ「知らないよ、何の事?」 スコール「?!(どういうことだ…?ま、まさかこれが噂の集団いじめか?!)」
https://w.atwiki.jp/gndm0069/pages/38.html
「ムラムラした」 耳元で囁かれた言葉に、クリスティナの思考回路は終点の無い迷路状態に陥った。 ムラムラって、なんて直球な言い方をするのだろう。何故彼の部屋で彼の寝台に寝るはめになったのだろう。何故彼は寝ている私に伸し掛かっているのだろう。そもそもこの現状を生んだ原因とは何なのだろう。 クリスティナは一連の流れを回想した。 「プログラムが誤作動した。直してくれ」 そんな依頼が、ティエリアの部屋を訪れたきっかけだった。詳細を問い質すと、次のミッションの対策を練っていたら、急にコンピュータの画面が黒くなり、数式のような文字が羅列したというのだ。 しかしクリスティナからすれば、それは子供が転んで傷を負ったようなものでしかない。実際プログラムを目にしたら、切り傷どころか掠り傷程度だったので、さっさと絆創膏を貼り付けてやった。 「助かった。に、しても早いな」 「これでもスカウトされた身ですからっ」 クリスティナは親指を立てると、コンピュータから離れて、後方にある寝台にちょこんと腰掛けた。 するとそれまでコンピュータの様子を見ていたティエリアが、おもむろに近寄ってきた。上目をやればじっと見つめ返されて、照れくささに肩を縮めてしまったことをクリスティナは憶えている。 見つめ合いは随分続いた。ティエリアに突然二の腕を掴まれたクリスティナの体勢が、ゆっくり崩れるまで続いた。 回想終了。さて。 (原因って、私? ……) 冷や汗が額に流れる。そうだ。仮にも男性の寝台に、考えなしに腰掛けた自分こそが原因だ。大体にして他に見当がつかない。 ティエリアがあんなことやこんなことやそんなことをする為に、クリスティナを部屋に呼んだとは思えない。というより、有り得ない。 「あ、あのティエリア? 私、別にム……ムラムラ、させるつもりは……」 クリスティナは、カーディガン越しにティエリアの肩をそっと押した。 「だけど、そう思わせた」 手が静かに払われる。 「で、でも」と、まごついた唇に、柔らかい感触が降りた。クリスティナは驚いて、きゅっと目を瞑る。 一、二回、擦り合わせるだけの口付け。回数を重ねるごとに、ついばむようなものに変わった。 「んっ」 ティエリアの舌に下唇をなぞられて、クリスティナは肩を竦める。 「ティエリア、あの本当に、やる……の?」 「やる」 潔い、かつ簡潔な返答だった。 クリスティナは、改めて強く唇を奪われる。ティエリアはクリスティナの唇を吸って、歯で弱めに噛んでくる。それから口内に舌を押し込んできた。 「――……っふぁ」 少し息苦しくなって、クリスティナは口を大きく開けた。舌が絡む。混ざり合った唾液が、口の中にだんだん溜まった。唾液が口の端から零れそうになると、クリスティナは慌てて喉を起伏させた。 (手慣れてる、感じがする……) 熱り始めた頭の中で、クリスティナは思う。だって角度を変えての口付けを受けながら、同時に衣服も脱がされているのだ。この手際の良さは、経験が無ければ成せないだろう。無くても、ティエリアならやってのける気もしたけれど。 「うわぁー……」 クリスティナはすーっと深く息を吸って、吐く。裸を男性に見られるのは久しぶりだった。強いて加えるなら、見られた回数も指折り数えられる程度である。 「き、筋肉あるんだ。結構」 カーディガンとシャツは既に脱いで、眼鏡を外しているティエリアの腕を触ってみた。予想以上に筋肉質(アレルヤやロックオンには到底及ばないとは思うけれど)だ。 「お前は胸が大きいな」 「そう、かな」 「ああ」 乳房にティエリアの指が当たった。ふにふにと凹ますように揉まれる。その度に乳房は、ティエリアの指を見え隠れさせる。 「柔らかいし、形もいい」 「あっ」 手のひらで乳房を大きく掴まれて、クリスティナは足のつま先を伸ばした。こねられる。胸の突起がティエリアの手のひらに触れて、じょじょに硬くなる。その上にティエリアの舌が滑った。 「あっ、んぁ」 生温い温度が突起を包む。吸われてクリスティナはびくついた。少しの痛みを感じる。けれどじんわりと肌に広がる頃には、その痛みは変な痺れと化している。 「ひぅ……」 「気持ちいいか?」 ティエリアって結構意地悪だ。けれどクリスティナは、文句を垂れはしなかった。彼から受ける愛撫に、感情を揉み消されてしまうからだ。手のひらで揉まれて、舌で舐められて、それを交互に繰り返される。 「ん、んぁ……あぁっ」 乳房だけではない。舌は時折鎖骨に這うし、手は脇腹のくすぐったい場所を擦る。 「ひぁっ……あ、それ、やめてっ……」 「どれ?」 「その、あのね、胸を」 説明している自分がとても間抜けに思えて、恥ずかしい。ティエリアが真面目な顔でこちらを見下ろすので、ひとしおだ。 「強く押してから、弱くもむ、のを……あぁっ」 言っている傍からそれが自分の身体で再現されて、クリスティナは膝を立てた。全身の皮膚が汗ばむ。特に下っ腹と、足の付け根に高い熱が籠った。 「ひっ、あ、ティエリアっ……」 クリスティナの身体の変化を察したかのように、ティエリアの片手が下がり始めた。前座として承知の上だったが、やはり驚く。 「あっ!」 秘部に、ティエリアの指が割って入る。くちゅ、と上がった粘着質な音に、感じていること、濡れていることをクリスティナは思い知らされた。 「見るから」 ティエリアは言って、顔を引っ込めた。 「うん……?」と曖昧に相槌を打ったクリスティナだったが、足の付け根がつっぱって開かされてゆく感覚に、目を丸くした。 「やっ、やだ」 恥ずかしい。恥ずかしい。ひたすら恥ずかしい。 クリスティナは今、秘部全体をティエリアの目に晒しているのだ。 「今更なんだ?」 「だって、だって」 別に、秘部を男性に見られること自体は初めてではない。しかし経験が浅いゆえに、抵抗が大きい。 「言っておくが止めない」 ティエリアの息が秘部にかかる。次にぬめった彼の舌が、肉ひだの表面を這った。 「やだっ、やぁっ、いやあっ」 「嘘つきは嫌いだ」 ぬめりはじょじょに内側に潜り込んで、上下に往復する。 「ティエリア、そこ、汚いっ、汚いからっ……」 クリスティナは必死になって制止を訴える。しかし身体は正直だ。秘部からは、とろとろと蜜が流れ出ていた。果てなど無いくらいに溢れては、周りをぐっしょり濡らしてゆく。 「ひっ、あぁ」 ティエリアの舌が、蜜に唾液を上塗りする。クリスティナははあ、はあ、と大きな吐息を途切れ途切れに零した。息苦しい。 「ひゃあんっ」 一頭強い刺激に、クリスティナは背中を反った。秘部の上にある蕾に、ティエリアが唇を押し当てたのだ。 「あぁっ、ひぅっ、んあぁっ……恥ずか、しいっ……」 舐めて吸って絡めてと、集中的に蕾を攻められた。まるで最初に交わした口付けみたいだ。けれど感じ取るものは、天と地に等しい。 「ひゃっ、あ、あっ――」 クリスティナは軽く昇りつめた。ティエリアの舌が蕾を解放しても尚、余韻で膝ががくがくと震える。 「え? また、あぁっ」 そして行為はまだ終わらない。ティエリアの指が、膣の口をつついた。蜜で濡れに濡れたクリスティナの秘部は、彼の指を容易に膣内へと招き入れる。ぱくりと飲み込む。 「ん……うぅっ……」 長い指が肉壁に触れて、離れる。ティエリアが率先して動かしているのではない。クリスティナの中が、勝手に伸縮しているのだ。 「もういいな。充分だ」 慣らす必要は無いと判断したのだろう。ティエリアの指が抜かれた。その口許には微かな笑みが乗っている。 綺麗な人だ。 場違いなことをクリスティナは思った。 「ティエリアも、こ……こんなになるんだ、ね」 目をやった先にあった”もの”に、クリスティナは少し怯えた。 「当たり前だ」 「う、うん」 いれるんだ。 物凄い緊張感が寒気となって、クリスティナの背筋を駆け上がった。 「ひゃ……」 膣の口より僅かに奥のところまで、肉棒が入った。生き物のように脈打っている。 「怖いか?」 ティエリアはそれ以上進まずに、クリスティナの湿った前髪を撫で上げて訊く。 「怖くない……」 「本当に?」 「怖いです……」 「そうか。……なら努力はしよう」 思考するように途中間を空けて、ティエリアは言った。 「ひっ……あっ」 ティエリアの肉棒がゆっくりゆっくり、膣に収まってゆく。熱くて、太くて、硬い。肉壁を擦られる度に、熱い血が結合部から湧き出て、足の付け根まで沁みた。 「あぁっ、ティエリアっ……あっ」 「少し、力を抜け」 「どうやってっ、え」 「悪い。きつい」 「やんっ!」 いきなり肉壁を強く擦られて、クリスティナはシーツを握り締める。肉棒が一気に、膣の奥に侵入してきたのだった。更にそのまま肉棒は揺れ動き始めた。 「やぁ、あぁっ、そんなとこま、でっ」 深いところから浅いところまで、大きく擦られる。 「あっ! そこっ、だめっ、ぁっ……」 クリスティナの弱い箇所に、肉棒の先端がごつごつと打ち当たる。止めて欲しくて、クリスティナはティエリアの二の腕を引っ掻いたのだが、彼は眉をひそめただけで止めない。その代わりか、手のひらを握り合わせてくれはした。 肉棒が擦る角度を変えた。激しく突き上げられて、クリスティナは喘ぐ。けれど気持ちが好い。先ほどまで恥ずかしいばかりだったのに、今は全てが気持ちが好くてならない。 「ひっあ、ああぁっ……――!」 クリスティナは、意図した訳ではなかった。だが膣内が締まり、続けてティエリアの肉棒が中で大きく脈打ち、膨らんだのは確かだった。 クリスティナのまな奥で、真っ白な光が弾ける。下腹部に熱い液体の存在を感じ取ったのは、そのあと、やや経ってからだった。異物感もある。クリスティナははっとした。 「あ……ごめんなさい……」 つまり、中に。 「我慢出来なかった俺が悪い」 言って、ティエリアは腰を引いた。膣から異物感が消え、幾らか楽になる。 「何かあれば責任は取る」 「う、うん」 クリスティナは上半身を起こした。全身が重ったるい。足の付け根から膝の感覚なんてまるで無い。 「あのー……ティエリア、聞きたいことがあるんだけど」 手を動かして気づく。まだティエリアの手と繋がっている、自分の手にだ。嬉しくなって、クリスティナはぎゅっと彼の手を握った。 「なんだ?」 喜んでいる場合ではない。クリスティナは慌てて口を開いた。 「ティ、ティエリアは……」 唾を飲んで、ティエリアの顔を覗き込む。真剣に訊いた。 「女の人がベッドに座るとムラムラする体質なの?」 男にこめかみをぐりぐりと甚振られたのは初めてだった。