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RPG 117 名前: 名無しさん@1周年 投稿日: 2000/07/16(日) 02 29 AMELってもう紹介されてる? http //homepage1.nifty.com/sakurayama/ 275 名前: 備中守 投稿日: 2000/08/22(火) 09 59 よそのスレで既出だが「AMEL BROAT」ってどうか。 「さくらやまスクエア」に置いてある。 276 名前: 名無しさん@1周年 投稿日: 2000/08/23(水) 00 57 http //mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=game key=966215299の5です。 途中で止めた私ですが評判良さそうなのでもう一度やってみようと思います。 421 名前: 名無しの野望さん 投稿日: 2000/10/11(水) 02 16 ここのRPGの「AMEL BROAT」ってどーよ。 絵がヘボいのがナンだが。 http //homepage1.nifty.com/sakurayama/ 120 名前: 80 投稿日: 2001/02/26(月) 18 52 AMEL BROAT(既出) http //www.vector.co.jp/soft/win95/game/se073871.html ヲレ的には、これを入れて「四天王」としたいところで、 何が凄いかって、プログラムで作っているということ。 一部では「グラフィックがしょぼい」とか、「たるい」とか、 いろいろと聞くけど、技術的にもシナリオ的にも凄いので、 おすすめ。 317 :287 :01/10/04 19 49 ID SjzU4wKA アメルブロートの作者の新作、RPGだけど、これおもしろいよ。オススメ。 61 :名無しさんの野望 :02/11/05 21 56 ID NbnbqnF2 無駄に見えるアイテムはトレードイベントを逃さないよう 手元に残すのが自分的に常識だったり。 売るのはいつでもできるし、そういう遊び心のあるゲームに 決定的に金が足りなくなるほど厳しいものはほとんど無いからな。 ただAMELのたけざおにはやられますた・・・まさか初期装備で来るとは(つД`) 63 :名無しさんの野望 :02/11/05 22 14 ID xIRgTMNp 61 たけざおは救済措置として雑魚キャラが低確率で落としたような。 363 :名無しさんの野望 :03/01/08 17 42 ID ZM1xV1X4 難易度が高めでアイテム収集の楽しみがあるRPGってないですか? できればツクール以外で 欲を言うとストーリーもある程度あったほうがいいです・・・ クルクートとか好きでした 379 :名無しさんの野望 :03/01/08 19 10 ID 12FHtH5M 376 AMEL BROATぐらいかな。ツクール以外でまともにたのしめそうなのって言ったら。 380 :名無しさんの野望 :03/01/08 19 11 ID QIvjt9df 379 AMELは絵見ただけで拒否反応起こす人がいるから万人受けするとは言い難いんだよな。面白いけど。 777 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/02/08(土) 01 59 ID dyXDDG7b スタダスがだめな俺におすすめRPGをチョイス頼む、ソムリエさん 780 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/02/08(土) 02 27 ID 7xOH3ilx 777 AMEL そういえばやったこと無いな・・・、グラフィックがなんとなくやる気を削がせるが 評判がいい。 336 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/10/01(水) 19 10 ID UMG/hssZ AMEL BROATをやっているんですが、岬の遺跡?で無限ループが解除できません。 何回試してもうまくいかないよ…誰かボスケテ 361 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/10/01(水) 20 14 ID ykjPyq7E AMEL BROATをプレイしたことがある方、 336に答えてくれませんか 362 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/10/01(水) 20 15 ID RBCY1CoS 大分古いから、もう忘れた。 363 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/10/01(水) 20 29 ID KPB12bcY 362 やったことはあるが、細かいことは覚えていない。 詰まるようなところは、特に無かったと思うが。 作者のページにはAMEL関係のものはほとんど残っていないようだが、 「AMEL BROAT 攻略」あたりでぐぐってみたら、ファンの作った攻略ページが いくつかあるようだ。そのへん見れば。 392 名前:336 投稿日:2003/10/02(木) 04 34 ID KTFE5xuV ぐぐって攻略ページを見つけました。 363さん他のレスしてくださった人たち、ありがとうございます。 479 名前:名無しさんの野望 投稿日:2003/10/03(金) 21 13 ID DX+Y1nnh むしろアメルとクレスを差し替えろ。 アメルのが漏れには数十倍楽しめたぞ 694 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/07/21(水) 00 06 ID U4Lb/nrJ 今更ながらAMEL BROAT 面白かったよ。 グラフィックがしょぼいのはやむを得ないとして、非ツクールで あれだけ中身の濃いのは初めてかも。 今度は同じ作者のクレスタージュもやってみようかと。 105 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/08/09(月) 15 11 ID +WL/QqqF アメルブロートを暇つぶしにやっている今日此の頃。 質問なんですが、わらしべイベントってどんなのなんですか? 107 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/08/09(月) 15 34 ID XR+vV8y3 105 物々交換のこと。 くだらない役に立たなそうなアイテムを捨てたり売ったりせずに持っていれば 交換してくれーってイベントがいろいろなところで発生する。 AMELは攻略サイトもあるから自分で探してみれ 108 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/08/09(月) 15 35 ID +WL/QqqF 107 いろんなところで・・・ですか?一箇所かと思っていました。 132 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/08/09(月) 18 53 ID eK0N8YEq 108 竹槍を交換するのとイベントアイテムを次々交換するのと2種類あったような。 148 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/09/05(日) 19 40 ID c2ioMwwv 夏の間にやったRPG。面白かったよ。ともに NEC - PC98時代のゲーム。 ドラクエというよりFFかな?ここまで絵がヘタレだと逆にゆるせてしまう。 内容のほうは良いよ。ストレスなく遊べます。 Amel Broat ttp //homepage1.nifty.com/sakurayama/download/download.html 52 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/12/04(土) 14 59 ID 0U+n58T4 どなたかAMELBLOATのMIDIおいてある場所知りませんか?あるいは、吸出しツールかなんか・・・ 63 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/12/04(土) 15 53 ID LIRQZwqS 52 AMELってすごい懐かしいの持ち出すね、おまいさん。 AMELのmidiは確か本家サイトで落とせたぞ。 ttp //homepage1.nifty.com/sakurayama/ ここね。 64 名前:63 投稿日:2004/12/04(土) 15 56 ID LIRQZwqS ああ、すまん。 今行ってみたらなかった。 79 名前:名無しさんの野望 投稿日:2004/12/04(土) 18 05 ID 7a2qEz9Y 63 AMEL ジュークボックスつかえばいいさ… クリアしてないとだめだけど… 彼女俺にまたがりっぱなしで、朝まで休ませてもらえんかったww http //younube.net/calnova/52901 -- (ボンちゃん) 2009-05-30 12 23 50 気持ちよすぎてマジ天国みたいだったよwwwhttp //frskfrsk%2ecom/mentosss/11019141 -- (デロリ庵) 2009-06-01 05 41 33 名前 コメント すべてのコメントを見る
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迷い人とリンゴ ミーティングルームにてウィッチたちは集められた。 尚、ミーナがオレは別の世界から来た人間という事を説明した。 オレ「というわけで、この部隊で働く事になったオレだ。よろしくなー。」 手をヒラヒラさせて、軽く挨拶する。 他の者たちは驚き戸惑いを隠せなかった。 ペリーヌ「この泥棒と仲良くするなんて冗談ではありませんわ!!」 エイラ「サーニャに手を出したら許さないからナー。」 サーニャ「・・・・・・。」 予想はしていたが、言われると腹が立つな。 言い返そうとした時、ミーナが説明する。 ミーナ「オレさんは、ウィッチという結果が出ましたので私達の部隊に入隊する事になりました。」 シャーリー「へぇー、男性なのにか?」 ルッキーニ「すっごーい!!」 エーリカ「ふーん、それは面白いね。」 坂本「リーネ、宮藤。」 リーネ・宮藤「「はい!!」」 坂本「オレの基地案内を頼む。オレはあの二人について行くんだぞ。」 ――――――――――――――――――――――――基地内 ~風呂場~ リーネ「ここが、お風呂場です。」 オレ「へぇー。」 宮藤「私達がお風呂に入る時間帯は後で教えて置きますね。」 オレ「ああっ・・・。」 ~食堂~。 リーネ「ここが食堂です。」 オレ「腹が減って、リンゴを盗んだからな。ここは知っている・・・。」 宮藤「あはははっ・・・」 ~ハンガー場~ リーネ「ここが、私達のストライカーユニットを整備しているハンガーです。」 オレ「ここが、ねぇ・・・。」 宮藤「後、シャーリーさんルッキーニちゃんがよくここにいる事があります。」 オレ「シャーリーがオレンジ色の髪で、ルッキーニはツインテールで肌が褐色の子だよな。」 リーネ「ええっ。そんな感じです。」 オレ「だいたいは、見回ったな・・・後は、使い魔でも探してみるわ。」 宮藤「一人で大丈夫なんですか?」 オレ「大丈夫だ、問題ねぇ。」 手をヒラヒラさせてハンガーから去り、使い魔を探しに森林へ向かう ――――――――――――――――――――――――森林 オレ「なんの使い魔にしようかね。」 森を探索するオレ。 だけど、犬や猫が全然、見つからない。 オレ「参ったな・・・。」 使い魔が見つからず困っている。 オレの背後から何かが近づいてくる。 勿論、オレは気づいていない。 音も無く忍び寄る何か。 オレはようやく気付いて背後を見ると・・・一匹の大蛇がいた。 オレ「なんだ・・・どうしたんだ?」 手をクイクイッとすると大蛇はオレの手に昇る。 噛みついてくる様子は無い。どうやら、人になれている蛇の様だ。 よく見ると結構傷だらけである。相当な戦を潜りぬけた様子が解る。 オレ「・・・まぁ、蛇を使い魔にするのも悪くないかもな。なーんて。」 そう言うと、大蛇はニョロニョロとオレの後ろに回り、鎌首をしてポンッと尻に当てた。 オレ「・・・マジか?」 眩い光に包まれた。 閃光が晴れるとオレの腰から蛇の尻尾が出ていた。 オレ「ふーん・・・なんか、カッコいいねぇ。」 ――――――――――――――――――――――――翌日・滑走路 坂本「よーし、これから、訓練を行う!!」 宮藤・リーネ・ペリーヌ「「「はいっ!!」」」 元気に返事を返す3人の少女。肝心のオレはというと・・・。 オレ「・・・めんどくせぇ。」 物凄くやる気のない顔だ。 坂本は顔色を変えずに、オレに言う。 坂本「鍛錬を怠れば、死に直面するぞ。」 オレ「・・・そいつは困るな。やるとしますかね。」 ダルそうに立ち上がり、背を伸ばしコキコキと肩を鳴らす 坂本「態度は悪いが、やる気があれば十分だ。まずはランニング基地10周走って来い!!」 スタコラッと基地を十周走る事になった。 ~訓練なので省略~ オレ「・・・しんどい・・・。」 ペリーヌ「情けないですわね・・・。」 坂本「休んでいないで、次は筋トレだ。」 オレ「うへぇー・・・」 ~訓練なので(以下略)~ 坂本「訓練終了!!」 オレ「・・・あんの眼帯女。キツイ訓練ばかりやらせやがって。」 大の字に寝っ転がって疲れながらも憎まれ口は言う。 宮藤「あははは・・・・。」 リーネ「お、お疲れ様です・・・。」 オレ「・・・よっと、あら?」 立ち上がった途端、景色がグニャリと曲がり倒れてしまった。 ――――――――――――――――――――――――医務室 オレ「・・・・ハッ!!」 宮藤「あ、気が付きました?立ち上がった途端、倒れたんですよ。」 オレ「・・・情けないな。」 リーネ「・・・あの、オレさんって別の世界から来たんですよね?」 オレ「んっ・・・、そうだけど?」 宮藤「だったら、家族とか待って「いねぇよ、家族なんて」・・・えっ?」 オレ「事故で死んじまったよ。俺を残して・・・。 俺は半分、自暴自棄になって喧嘩に明け暮れて、 最後は両親と同じように・・・車に轢かれて死んだかと思ったさ。」 リーネ「そう、だったんですか・・・。ごめんなさい。」 オレ「謝る必要はねぇーよ。 話の続きだが、車に轢かれそうになったガキを助けたんだよ。 どういう理由かは知らないけど、こうして俺は生きてんだ。 少しだけは神様に感謝しているさ・・・。」 皮肉に言って笑う。二人はなんか、悲しく申し訳ない顔をしていた。 オレ「んな、顔するなって・・・。」 宮藤「オレさん。」 オレ「あー・・・そのよう、女は泣いてると幸せが逃げるぜ。」 リーネ「は、はい・・・すみません。」 オレ「少し横になるわ。もう、大丈夫だからさ。」 宮藤「はい、お大事に。何かあったら呼んでくださいね。」 二人は医務室から出て行く。 一人残されたオレはフゥーとため息をつく。 オレ「・・・なんで、あんな事を話したんだろうかな。俺は・・・。」 昔の俺だったら、突き離す様な言葉を言うか無視するかだったのに・・・。 なんで、こんな事を言うのか。 それが何なのか、今の俺には理解できなかった。 護りたいモノへGOー
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ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 「バカな、キュルケ… ホントに、なんというおろかなことをしてくれたんだ」 地べたに転がったまま、ギーシュは奥歯がガチガチ噛み合わなかった 鳥の巣頭がチリチリと焼け焦げアフロと化したあの男は しばらくボーゼンと立ち尽くした直後 ブワァァァッ ビンッ ビンッ ビンッ カゲロウのように周囲の空気をゆらめかせ、 髪の毛があおられるように逆立っていく 「アレのことをいうのか? 怒髪天っていうのは… あいつはもう止まらない 取り返しがつかないんだぞッ!?」 「ったく、非ッ常識な頭だこと…」 「まっまだ怒らせる気かぁ――ッ」 ヒステリーのようにわめくギーシュを放って キュルケは考える (「殺す」のは簡単だと思うけど… トライアングルメイジの全力を以てすれば、ね) 「殺し方」はすでにできていた あの男がこちらに近寄ってくるところへ 火×1の魔法で足下に火を放ち、さえぎる ムカドタマ真っ最中の男は迂回などせず ナゾの力で地表をまとめてぶっ飛ばし鎮火するだろう 一瞬だが足は止まる さすがに生身で炎に突っ込むわけがない そこへ火×2の魔法で扇状になぎ払い、とどめとなる 火×3は使わない、長い射程は必要ない どうせ近寄ってくるのだからそのときが最後だ 灼熱の中で窒息しながら焼け死ぬのだ 必要とあらばやる キュルケはそれができる女だった だが、それだけでもなかった 「…」 チラリと見る ルイズとは、先祖代々宿敵同士なのだ こと、微熱のキュルケの性(さが)において その因縁はきわめて重大だった 「……」 (この私が本気を出すの? ゼロのルイズの使い魔に? …却ッ下だわ、そういうのはね…大人げないっていうのよッ) 男がこちらに歩いてくるのが見えた 嵐の前の静けさというやつだった 殺さないなら方針も違う そのためのギーシュだった 「手伝ってもらうわ、ギーシュ…ちょっとばかりね」 「手伝えだって? 無責任なッ アレをああしたのは君じゃあないかッ!? ボクは知らないぞ、知らないんだッ」 「大金星を拾えって言ってるのよ、あなたに」 「ああ、口ではなんとでも言えるだろうさ 人を乗せるのがウマいからな、キミは だけどボクはだまされないッ」 キュルケの目がスゥッと細くなった ビクッ 「な、なんだね、今度は脅そうとでも言うのかい?」 「そ…『あのこと、バラすわよ』」 ズン ある意味、最悪の魔法だった ギーシュには身に覚えがありすぎた 「な、何だい? あ、『あのこと』とは?」 「『あのこと』よ」(フフフ…) ザッ!! 戦闘態勢をとるキュルケ これ以上はさすがにノンビリかまえていられないッ 「あいつが『ぬかるみ』にハマッた瞬間に、錬金で足下を石に変えるのよ、いい?」 「『ぬかるみ』だって?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「ハマッた瞬間でなければ意味がないわ、目をこらしてなさい…」 ボンッ 再び放たれた火球は、今度はまっすぐ男に向かった 避けなければ焼けて死ぬ これで決まれば世話はない キュルケは素早く駆け出していた 「あなた、どこのどちら様? カッコイイわよその髪型…最初のアレよりずっとねぇ?」(フフ) 走るついでにオチョクッていく 知らない言葉を使っていたようだが 笑われたことに怒っているのなら多分通じているのだろう そうでなければアレは危険な狂戦士(バーサーカー)だ 殺してしまった方が世のためということ ダムッ 男は炎を横飛びに回避してからキュルケに向かって飛んでくる これでふたつわかった ・男は炎の直撃に耐えられるとは自分でも思っていない ・バカにされていることを理解するだけの脳ミソはある だが、飛んでくる勢いが大砲のそれだったことだけはわかりたくもなかった ギャン!! 一瞬のうちに2メイル以内にまでカッ飛んできていた 走ったくらいじゃどうにもならない (何よ、これは… 風系統の魔法じゃない 杖がなきゃ魔法は使えない 地面を殴って、その反動で自分を飛ばしてきたとでも言うの? …とにかく、まずいッ!!) 反射的に身をかばい、顔の前で腕をバツの字に組む 今度は威力を知る番だッ 「DORAaa!!」 ズドドバァ 見えない拳が突き刺さる すれ違いざま五発くらいが飛んできた ドッ ミシッ パキッ ポキ ゴシャア 第七肋骨、亀裂!! 右肩胛骨、亀裂!! 右手骨、粉砕ッ!! キュルケは全身に疾る鈍い音を聞いた ゼロのルイズと同じように空中に舞い上がり、落っこちる 目の前が真っ暗になっていたが、おかげで意識はなんとか戻る 馬車に轢かれた気分だった 少しの間、遅れてきた痛みに歯を食いしばって仰向けに空を見上げていたが 「いッ…… ~~~ ッたいわねぇぇぇぇッ!!」 身を転がして一息に立ち、闘志のメーターが恐怖にふれかかったのを怒鳴り散らして引き戻す パワーはともかく、速さを読み違えていた あの男は20メイルをひとっ飛びで駆け抜け すれ違った相手を五発は殴って反対側に着地できるらしい あまりうまく着地はできなかったようだ 逃げて端に寄っていたクラスメート達のド真ん中に転がり込んだ男は 草にまみれて肩口を押さえていた キュルケはすかさず頭の中でメモを付け加えた ・最初に考えた「殺し方」はダメだ 高速で突っ込まれたら対応できない ・だがアレは、あの攻撃をやりなれてはいない うまくすれば自滅を誘えるかも… 一方、追いついてきたコルベールはツルリ光る頭を抱えたい気分だった あの男は危険すぎた 放っておけば死人が出るだろう だからその前に私が殺す 殺さねばならない そう思っていた だが (生徒の中に着地するとは…) コルベールもまたトライアングルメイジである 火×3の魔法で男の周囲のみに局地的な完全燃焼を起こし アッという間に窒息死させるつもりだった どんな能力を持とうが、どんな力で殴れようが関係のない処刑法だった 彼の理念に真っ向から反する行動だが生徒のためならやむをえなかった だが見ての通り目論見はつぶれた (これでは皆まで巻き込んでしまうぞッ…!!) 「このぉぉッ、イミフメーな髪型の分際でキレてるんじゃないわよッ」 なんということだ 聞こえてきたあの声を叱りつけねばならない 「やめなさいミス・ツェルプストー ここは生徒の出る幕では、ありませんッ」 「…あら、コルベール先生 先生こそ下がっていて下さいませんこと? 『火の本質は破壊ではない』んですものね? ですが私は微熱のキュルケ 荒事は好みですのよ」 「どうするつもりなのですか、そのような有様でッ」 「何を言っても遅いんですわよ先生 …だって、もう、来ますもの」 チッチッチッ 舌を鳴らしながらキュルケは 男に向かって左手の甲を突き出し、人差し指をクイックイッ 万国共通、キット通じる「かかってこい」だッ 右手は使えないから仕方なかった 変形させるフシギなチカラで骨が変な風にくっついたらしかった 「……」 しかし今度は男は来ない 戦闘態勢はとったままだが キュルケと回りを交互に見て動かない (…チョットぉッ) キュルケは苦々しげに舌打ちする (攻撃をためらうの? なんで今更ッ いいわよ、だったらもう一押しすればいいだけッ) 「…ファイヤッ」 ボワン 火×1 魔法の杖から放たれたそれは空高く舞い上がり 男の背中まで回り込んでから落着する まわりくどい軌道に魔力をとられて威力は落ち込んだが これでクラスメートを巻き込む問題なしッ 完全(パーフェクト)ッ!! 「さぁ…いらっしゃい、こっちにッ 今度はツルッパゲにしてやるわ」 ドワッ!! 男の足が、土から、離れたッ!! 4へ
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格闘ゲームの面白さってなに?キャラクターを思い通りに動かす楽しさ 読み合いの面白さ ゲームを通じて他のプレイヤーと交流する楽しさ 格闘ゲームの面白さってなに? キャラクターを思い通りに動かす楽しさ キャラクター固有のアクション、動きを思い通りに出し、画面を飛び回る爽快感。ラグナであれば、「ダッシュから相手の攻撃を5Bで潰すorダッシュからジャンプで牽制を飛び越えながら攻撃する」のような、相手の思考・動きを読んで、自分の操作で潰す、という読み合いをする面白さ。 ハザマであれば、「相手をドライブ牽制で簡単に近寄らせず、相手に寄られたら派生移動で反対側に逃げる」というような、縦横無尽な動きで相手を撹乱する面白さ。 読み合いの面白さ 『対戦ゲーム』なので、乱入してきた相手と「血の通った読み合い」を楽しめる。しかし、読み合いの構造を理解できていない場合、「何が悪かったのかが理解できない・勝てないので、楽しさを感じられない」というのもある。その点は駆け引きをお読みになってから、改めてリベンジを誓いましょう。 ゲームを通じて他のプレイヤーと交流する楽しさ ゲーム全般に言えますが、同じタイトルを遊んでいるプレイヤー同士での交流は、「互いに『同じ物』を経験している」という意味で繋がりがあり、楽しいものです。BLAZBLUEの場合、・ 格闘ゲームとしてのBLAZBLUEが好きな人 (キャラ自身に興味はあまりない)・ キャラクターの魅力が好きな人 (格闘ゲームは得意ではない)という人同士でも「同じタイトルを遊んでいる」ということで交流しやすい、という魅力があります。(森PがBLAZBLUEの基礎理念として「BLAZBLUEという『総合エンターテイメント』という言葉を掲げているのは、そういう意味合いでのこと) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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鏡の世界は左右対称で、生き物は『許可』しないかぎり一匹たりとも存在しないが、それ以外は非常に忠実に外の世界を再現する。 爆発音についでルイズの声(なんか怒ったような調子で俺を呼んでいた)、少なからず危険を感じたオレは とりあえず鏡の中から『外』の様子を推測してみる事にした。(ビビってるんじゃない、慎重なんだ。) 生き物(主に人間だな)が映らなくとも、その気配を探るのは割りと簡単な事だ。 人が歩く時、そいつが特に気を使わなければ、荷物は空中を移動し、絨毯は撓み、ドアはひとりでに開く。 (鏡の世界になれていない奴が見ると、相当に気持ちの悪い光景だ) もっと注意してみれば埃の舞い上がる様子だとか。どれぐらいの人数がどちらへ移動するか、大体ならばわかるのだ。 無残に吹っ飛ばされたドアから、大人数が出て行く感じがある。 ふうん、授業だとか言ってたかな、あのハゲ。ここは学校なのだろうか。 慎重に『教室』と思われる部屋を覗き込む。確かに大学なんかの講義室に似ている・・・・が、 机や椅子は派手に吹っ飛び、窓ガラスは割れ、酷い有様だ。やはり爆発か? 爆発だとしたら、鏡の中でも危険だな。 『物体』はこちらの世界でも変わらず動く。 ラリッた野郎がナイフを振り回したり銃を乱射したりすれば、それらは俺に当たるんだ。 勿論半端なモンならマン・イン・ザ・ミラーで叩き落とせる。パワーは無いが、鏡の中はコイツの世界だ。 オレはどんなに頑張ったってティッシュボックス一つ動かせはしない。が、 正反対に『マン・イン・ザ・ミラー』は、全てを動かす権利を持っている。 (『許可』して引き込んだものはその限りじゃあないんだが。『鏡に映ったもの』だけが、マン・イン・ザ・ミラーの自由になる。) だが爆発ってのは突然だし、思いもしないもんがスッ飛んで来るじゃあないか。 咄嗟に破片を防いでも、衝撃で後ろから本棚なんか倒れてきたら笑えもしないし 大体弾が出るモノは銃の形をしているが、爆発するものは爆弾の形をしていない方が多いだろ。心構えが出来ない。 『マン・イン・ザ・ミラー』はそんなに素早い動きは出来ないからな・・・・ 『熱風』なんかが無い分やっぱり『こっちの世界』の方が安全なんだが、それでも危険なのに間違いは無かった。 恐る恐る周囲の状況を探る・・・・オレを守れよ、『マン・イン・ザ・ミラー』・・・・何が爆発したんだ・・・・? 「おっと。」 足元で何かが動く・・・・塵取り?塵取りと箒だ。無駄の多い動きでガラス片を集めている。 ――――『罰掃除ですか?そんな・・・・』 『こっち側』へ引っ込む前に聞いた言葉を思い出す。 という事は、ここにルイズが居るって事か?掃除を? (罰掃除・・・・って事は、この爆発はルイズのせいなのか。) それなら原因なんか探す必要も無い。爆発物は『ルイズ』だ!『ルイズのスタンド』だッ! スタンド使いを前にして大切な事は、『よく考える事』だ。 スタンドって言うのは考えれば考えるほど色んな事が出来て、色んな事が出来ない。 自分は何をすべきか、相手は何が出来るのか、考える事が『大切』―――― ルイズのスタンドは(『なんとか・サーヴァント』ってやつ)動物を連れてくるって言っていたな。 爆発なんて、言っていなかった。隠していたのだろうか? 昨日の会話を思い出し、推測し、結論を出すべきだ・・・・『爆発する』『それを隠していた』事を踏まえて・・・・ ――――あたしは猫とか梟とか、出来たらドラゴンとかが良かったの! 動物を呼び出してどうするんだ?大体何に使うんだ 動物のがマシよッ!アンタみたいに口答えしないでしょ ――――『サモン・サーヴァント』は召還するだけで、帰すなんて出来ないわ ――――それに出来たってね、帰しやしないわ。あんたは私の使い魔だもの。あたしの―――― あ、あたしの・・・・何だって・・・・これは、これはッ! 恐ろしい仮説が成り立つッ!『サモン・サーヴァント』・・・・不自然な所の!説明がつくッ! 『それに出来たってね、帰しやしないわ・・・・あんたはあたしの――――爆弾だもの。』 こ、こういうことじゃあ、ないのかッ?! 『何処かから生き物を呼び出し、そいつを爆弾に変える』もしくは『爆弾を取り付ける』・・・・凶悪な能力だ。 呼び出された動物が勝手にうろつくのを利用して、離れたところでドカン!か? 『動物がいい』のは『口答えしないから』。確かに人間だと面倒くさい。説明が無いのもうなづける。 こんにちは、イルーゾォ。早速だけどあなた、もうじき爆発するから――――なんて言われたら、俺はすぐさまあいつを殺すだろう。 だとすれば、どうする?オレはもうルイズのスタンド攻撃を受けている!『まだ爆発していない』ことは確かだが・・・・いつだ? 『爆弾をとりつける』ってんなら、オレはもう安心だ。『マン・イン・ザ・ミラー』はオレしか許可しなかった・・・・ 知らず知らずのうちに取り付けられた『爆弾のスタンド』は、鏡の外に置き去りにされたはずだ。 だが、もうひとつ可能性がある。『オレ自身が、爆弾になっている』、十分にありうる!(スタンド能力ってのは、理屈なんかお構いなしだからな。) 鏡を通り抜ける時、違和感が無かった。無い、『それこそ違和感』だッ。後者のほうが、後者のほうが可能性が高いんじゃあないか? その場合、ヤバい。物凄くヤバい。いつ爆発するかさっぱりわからないぞ・・・・どうする?オレは?何かきっかけがある筈だ・・・・ (怖がってる時間は無い!冷静に考えるんだ、イルーゾォ・・・・おまえは暗殺者だ!) そうだ、さっきルイズの奴。なんて言った? イルーゾォは何処なのよ、だ。居なくなったオレの事を気にしていた。そりゃあ爆弾なんだから、危険なものだから気にはするだろう。 だが、その危険なものがさっき、ルイズの近くで爆発していた! でかい爆発なら本体も危険。遠距離がいい。『爆弾の動物』を遠くまで歩かせて、爆発させるのが。それが何故だ? 無理矢理になるが・・・・一つ可能性をあげるならば、『爆発は近くでしか起きない』だ。 勿論そんなのはおかしい。近くで物が爆発するスタンドなんて危険で仕方ないからな。 しかしそこで、『イルーゾォは何処』、だ。仮に『近くで爆発する』なら、近くに居ないオレの事を気にする必要があるか? そう、そうだ・・・爆発は『近く』じゃない、『見えるところ』で起こる! ルイズが視認する限りッ!ルイズが、『爆弾に変えた生き物』は『爆発させることが出来る』!! こ、これで間違いないはずだ、『サモン・サーヴァント』の能力・・・・仮説は間違ってないはずだッ (注:根本から間違っています) う、うあああああああ・・・・『ルイズにサモン・サーヴァントについて聞こう』だなんて・・・・俺は恐ろしい事を考えていた。 そんなもん聞いたら十中八九、消し飛ばされる!危ない、危ないところだったぞ・・・・ しかし、逆に考えると、俺の『マン・イン・ザ・ミラー』の能力ならルイズから隠れきる事が出来る。 ありがとう、『マン・イン・ザ・ミラー』。お前のお陰でオレは大丈夫だ! しかしそんな危険なスタンド使いの『爆発』にビビらず、しかも『罰掃除』なんか言いつける奴が居るって事は、 どうやらこの学校、スタンド使いだらけらしい。(なんて事だ!) スタンド使いだらけのギャング組織だってあるし、スタンド使いだらけの学校があっても不思議じゃあないな。 って事は勿論、幹部に当たる『教師』も、ボスの『校長』も、まとめて殆どスタンド使いで、ルイズよりも『格上』・・・・ッ! 畜生!どうすればいい・・・・味方は居るのか?オレは、オレはどうやって帰ったらいいんだ! 唯一つ確かなのは、『鏡の中は安全』・・・・それだけ! オレは『此処からでちゃあならない』!めったな事が無い限りッ!
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意外! 神の右手ヴィンダールヴ 人気の無い森の中までやって来た承太郎は、タバコに火を点けた。 「おめーも吸うか?」 「いや、俺は遠慮します」 とりあえず適当な岩に承太郎は腰掛け、仗助は木の根の上に座り込んだ。 「さて……何から話すべきっスかね~……」 「まずてめーが何者なのか教えてもらおうか」 「はあ……その前に一個確認させてください。今年は西暦何年でしたっけ?」 「……1989年だ、俺がこの世界に召喚されたのはな」 「そ~っスか……俺もです。参ったな、どう説明すればいいのか……」 難しそうに頭を抱える仗助。 どうやら『いきなりハルケギニアに召喚された』という訳ではないらしい。 破壊の杖の持ち主や、シエスタの祖父のように、偶然この世界に紛れ込んだのか? 「だったら答えやすいよう質問する。お前はどうやってこの世界に来た?」 「サモン・サーヴァントです。ロマリアの……えー、とある人に召喚されました」 なぜか自分の召喚者を隠す理由を承太郎は推測してみる。 「まさか……虚無の担い手か? お前を召喚したのは」 「さすが承太郎さん、話が早いっス。 そういう訳で誰が俺を召喚したかは訊かないでください、虚無の担い手って知られると俺の主の人も色々迷惑すると思うんで……」 「となると、てめーは虚無の使い魔……という訳か」 仗助は右手の手袋を外して、使い魔のルーンが刻まれた手の甲を見せた。 「神の右手ヴィンダールヴ……能力はあらゆる獣を操る事。 そして俺のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドの能力は、触れた物を『直す』……人だろうが物だろうがお構いなく」 そう言いながらスタンドを出現させた仗助は、地面に落ちていた石を拾うと、クレイジー・Dの拳で粉砕する。 しかし粉々になった石は、時間が逆回りするかのように元通りの形に戻った。 「……手の内をそう簡単にバラしていいのか? 仗助」 「別に構わないっスよ~。承太郎さんの能力もバレバレですから」 「……何ッ?」 「時間を数秒間止め、止まった時の中を動く……。知ってる人は知ってます」 まるで自分以外にも知っている人間がいるというような物言いに、承太郎は警戒心を強めた。自分の能力を知る何者かが情報をばらまいているのか? ワルドと、操られたウェールズの事を思い出したが、二人とも時間が止まった事は理解していないようだった。 他に時間停止を見せた相手はキュルケとタバサくらいのもの。 いったいどこから情報が漏れたのか? それは、自分の事を知っているような態度を取るこの東方仗助からではないか? 果たして仗助は敵か? 味方か? 「知っているなら話が早い……。てめーが怪しい素振りをした瞬間、時間を止めてスタープラチナを叩き込む」 「ちょっ、待ってくださいよ~ッ。俺は別に承太郎さんと敵対する気はね~んスから。 むしろ味方です! 日本に帰るために協力し合いたいと思ってんでスよ?」 「だったらてめーが何者なのか正直に喋ってもらおう。 虚無の使い魔だという事は解った。だがそれだけじゃあねーだろう?」 頬杖をついて仗助は溜め息を吐いた。 「信じてもらえるか自信無いけど……ぶっちゃけると俺は承太郎さんの叔父です」 「叔父……だと……?」 「ジョセフ・ジョースターが日本人女性と浮気して産まれたのが俺です。 いわゆる隠し子。この件はジョースター家は『まだ』知りません」 仗助の言葉を信じるなら、祖父ジョセフは承太郎がホリィから生まれた頃に、他の日本人女性に子供を生ませていた事になる。 ほぼ同い年の叔父という存在は実に奇妙なものだった。それが真実ならだ。 「……確かにじじいの面影はあるが……信じると思うか? そんな話……」 「そうなんスよね~……それが俺も疑問なんです。どうすれば信じてもらえるか。 という訳で俺の生い立ちとか色々話したいんですけど、いいですか?」 「……話してみな」 仗助はS市杜王町に住んでいて、そこにはスタンド使いが大勢いると話した。 その原因はスタンド能力を発現させる『弓と矢』の存在。 かつて『DIO』がそれを使い部下を増やしていたらしい。 その『弓と矢』は日本にも存在し、杜王町に様々な事件を起こした。 アンジェロに殺された祖父。虹村兄弟と父親。矢に貫かれた広瀬康一。 弓と矢を強奪したレッド・ホット・チリ・ペッパーの音石明。 スタンド能力に目覚めた二匹のネズミをハンティングに行った事。 漫画家の岸辺露伴に、幽霊の杉本鈴美。 重ちーという友人の死と、シンデレラの能力。 そして吉良吉影という殺人鬼と、写真の親父が持つふたつ目の弓と矢。 「……話が見えねーな。『弓と矢』の話は興味深いが、 てめーの武勇伝を自慢したいなら後にしてくれ」 「まーまー、これが結構重要なんです。 それにスタンド使いの情報は知っておいて損は無いっスからね」 承太郎の異論を軽く流して仗助は話を続けた。 吉良吉影のスタンド能力、川尻浩作の顔や指紋を得ての逃亡。 新たに弓と矢に貫かれた刺客達と、成長した吉良吉影との決着。 「とまあ色々あった訳ですが、この時杜王町には頼もしい助っ人がいたんです。 その助っ人のおかげで命を救われたっつーか勝つ事ができたって感じっス。 助っ人の名前は……空条承太郎。一連の事件は1999年の夏の出来事です」 突然話がぶっ飛んだ。 スタンド使いの話をしていたかと思ったら、なぜか未来の話になっている。 さすがの承太郎も困惑し、仗助の頭がおかしいのではとまで思った。 「さっき……話しましたよね、吉良吉影のバイツァ・ダスト。 1999年の秋、あれと似たようなスタンドに出会った俺は、承太郎さんがDIOを倒すために旅をしていた時代に飛ばされました。 そこで過去の自分を救い……1999年までどうすごすか考えていたら、このハルケギニアに召喚されちまった……これで全部です」 「……本気で言っているのか?」 「本気です。歴史を変えるなんてグレートな問題、承太郎さんがどう考えるか解んなかったもんですから先に話させてもらいました。 これで……日本に帰る事ができたら、1999年の夏の出来事を変えられる。 虹村形兆や重ちーだけじゃなく、多くの人が死なずにすむんです。 知っちまったからには……見過ごせませんよね? 少なくとも弓と矢は二本も回収しね~とかなりヤバイ事になります」 承太郎は無言で、しかし拳を握りしめ仗助を睨みつけていた。 最初から正直に話していれば、確かに未来の話なんて聞かなかったかもしれない。 しかし1999年の未来を案じ真剣に聞いたかもしれない。 重要なのは、仗助が騙まし討ちのように真実を最後に明かした事だ。 「騙すような真似してすみません。でも……ダチを死なせたくないんスよ」 だが仗助のこの言葉が承太郎にIFを想像させる。 もし自分がエジプトへの旅へ行く前に戻る事ができたなら、どうする? 敵のスタンド能力や攻略法まで知り時を止める事が可能な自分なら、花京院、アヴドゥル、イギーを死なせずにDIOを倒せるのではないか? 死んでしまった命は決して戻らない……しかし、戻って欲しいと思ってしまうものだ。 「やれやれ……作り話にしては出来すぎだ。正直信じ難いが……証拠はあるのか?」 「えっ、証拠っスか?」 「てめーがじじいの隠し子だとか、1999年から来たという証拠だ」 仗助は慌てて学ランのポケットを探り、財布や学生証を取り出した。 「学生証……レシートもあります。1999年って書いてある……けど」 「こんなもん偽造しようと思えば簡単だが、まあ無いよりはマシか。 それと仗助、てめーはじじいの息子だと証明する方法を知らないのか?」 学生証とレシートを確認しながら、仗助の観察を怠らずに承太郎は問う。 「DNA検査とか戸籍とか……日本に帰らないとちょっと無理っスね」 「……首の背中の付け根を見せてみな」 「首の……? はあ、解りました」 何の事だか解らないといった表情をしながら、仗助は素直に学ランを半分脱いで首の背中の後ろを見せた。 「これでいーんスか?」 「……なるほど。じじいの息子かどうかはともかく、ジョースターの血統なのは間違いないらしい」 「へ?」 仗助の首の付け根にあったのは星型の痣。 ジョセフ、ホリィ、承太郎、そしてDIOが奪ったジョナサンの肉体にもあった物だ。 それを説明してやると仗助はかなり驚いていた。本当に知らなかったらしい。 ついでにジョースターの不思議な血の波長でお互いの位置が漠然と解る事も話すと、仗助はさらに驚いて、その感覚を認識してみようと目をつむって念じたりした。 「だがまだいくつか疑問がある。話を聞く限り……おめーは俺の味方。そうだな?」 「もちろんっスよ。承太郎さんの判断力も、無敵のスタープラチナも頼りにしてます」 「だったらなぜ……俺の能力が仗助以外の奴も知っているような言い方をした? まさかてめーが言いふらしたんじゃねーだろうな」 「え? ああ、そうか。虚無に関してはあんまり情報持ってないんでしたっけ」 仗助はちょっとした優越感を持ってニヤニヤと笑った。 尊敬している承太郎より何かが秀でているというのは、何気に嬉しいものである。 「これはこの世界で虚無に関わる以上、非常に重要な問題です。 確かに承太郎さんの能力は俺が召喚者に説明しました……。 でも、承太郎さんの能力に『その人が気づいたから』から説明したんです」 「どういう意味だ?」 「虚無の担い手は、虚無の使い魔の持つスタンド能力の干渉を受けない」 仗助は真剣な表情になって言い、承太郎は目を見張る。 時の止まった世界を認識して動いていたルイズだが、認識とか動くとかいう問題ではなく、ルイズの時間は止められなかったとしたら。 「承太郎さん、こっちの世界に来て何度か時間を止めてますよね? 俺の召喚者はそのたび、時間の止まった世界の中を動いています。 最初は戸惑っていたようですけど、その事を俺に相談してきて……すぐ解りました。 承太郎さんがハルケギニアに召喚されて時間を止めた……と。 ちなみにクレイジー・Dの『直す』能力も、俺の主には効果がありません。 そして……もちろん時間を止める能力は、もう一人の虚無にも知られています」 「もう一人の虚無だと?」 「ガリア王ジョゼフ。名前が俺達の身内と似ていてアレですけど、うちの召喚者はガリア王が虚無の担い手だと睨んでます。 この事も黙ってろって言われてるんで、くれぐれも秘密にしてください。 一応俺は主と結構友好な関係を築けてるんで……」 「……やれやれ、今度は虚無について聞く必要があるようだな」 「とはいえ、喋りっぱなしでちょっと疲れましたね。一度戻って何か飲まないっスか? ルイズさんにも虚無の話はしといた方がいいだろうし……」 「……そうだな」 承太郎はタバコを消すと、仗助と一緒に天幕へと戻ろうとした。 が、その前にもうひとつ、ルイズのいない今聞いておきたい事を思い出す。 「虚無の使い魔は……虚無の担い手にとって都合のいい行動を取るようにできてるのか? 本能的に虚無の担い手を守ろうとしたり、そいつの力になってやろうとしたり」 「さぁ……どうでしょうかね~? 俺は特にそういうのは感じませんけど。 最初は勝手に召喚されてムカついたものの、元の世界に帰れるよう手を尽くしてくれてるし……こっちもそれに協力しねーと」 「……そうか」 「何か気になる事でもあるんスか?」 虚無の詠唱を聞いて高揚感や安堵を感じる自分。 この世界にいる理由を見出した途端、迷わずそれを選んだ自分。 ルイズを守り戦ってきた自分。 どこからどこまでが自分の意思だったのか……。 「いや、別に……」 「はあ。まあ後でまたじっくり情報交換すりゃ~いいか」 二人が天幕に戻ると、生還した竜騎士隊が酒盛りして大暴れしていた。 「ちょっと、こいつ等どうにかしなさい!」 完全にプッツンしたルイズに渋々従い、承太郎と仗助は結構しんどい目に遭うのだった。
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ノV || /| / //ヽ、/∠/ // / / / /|/ | \ | / |/ // / // / / / / | \ \ | / / //_ レ /i |i \ | / / / _ /||~ヽ |ヽ __ ヽ |/ // / | || | / \___ \/ / / /´ | | | |⌒ー‐===ヽヽ |/ /_,,, | | ヾ! /´_rュ_ヾ | ヾ/ /,二、~ヾ! | | `´ /( レ-、 ̄| / --rュ_! / ヽ /,! i;〉 ( | / | 〉-、 ヽ `'‐'__| / / / r、 ', /二´‐〈 / ||ヽ ', /∠-‐'""") |ヽ | \ヽ| ', '´ !-'"´ ̄( へ|i | |rヽri', ___| / \! | | | '-', / / | イ / | | ヽ / | | /| | |、 \ \ | / | / レ、 |/| \ \ \__/| |-''´ / ノ|/ | \ `'‐ 、 | ヽ / / | 吸血鬼族。 アルクェイドの世話係り。 かつて帝国の法王だった男と同名。
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歓声と怒号の飛び交うヴェストリの広場。 ルイズとヴィリエが対峙する。 まずはルイズが口を開く。 「開始の合図はどうするのかしら?」 「いつでもよろしくてよ、魔法の使えないゼロのルイズに先制攻撃されたところで私の勝利は変わりませんから」 余裕綽々と答える。 「あら、それじゃあお言葉に甘えておきたいところだけれども…魔法が使えない、は訂正して貰わないとね」 詠唱の短い、コモンマジックを唱える。詠唱は短いが、威力は十分である。 ヴィリエの手前に大穴が空く。 圧倒的にヴィリエムードであった広場はざわめく。 「確かにゼロかもしれないけれど、あなたくらいを吹っ飛ばすくらいの威力はあるわ」 ルイズも負けじと余裕を見せる。 「ゼロのルイズに魔法の侯爵をされたとあっちゃあラインメイジの名が廃れるわね」 しかし、ヴィリエは余裕の姿勢を崩さず、杖を構え、長々と詠唱した。 そして、彼女は2人に増えた。 「これが『偏在』。どう、驚いたでしょ?詠唱が長すぎるから実戦で使えるのはトライアングルの上くらいからだけれど、あなた相手の1対1の決闘なら十分使えるわ」 そう言って偏在を戻す。 しかし、ルイズは挑発に乗らなかった。 「風の魔法の講義、ありがとう。でもミスタ・ギトーの授業で十分でしたわ、じゃあ始めましょうか…… 開始の合図は……貴女がコイントスをして、そのコインが地面に落ちたら詠唱を始める、これでいい?」 「ええ、構わないわ。ただ、手加減はするつもりないの」 ヴィリエは一瞬話すのを止めて、また話し始める。 「この世で最も大切な事は『名誉』であると私は考えているの。すなわち最も忌むべき事は『侮辱』する事と考えているわ。 私たち貴族は平民と違って、金や利益のため、あるいは、劇場や食堂の席を取られたからといって、人と争ったり、命を賭けたりはしないわ。争いは実にくだらんバカのする事。 だけれども、!『侮辱する』という行為に対しては、命を賭ける。殺人も、ブリミル神は許してくれると思っている! ……あなたが決闘を受けた以上、負けたときの仮にも貴族なんだから貴族らしく覚悟くらいはしておきなさい」 観客がざわめく。 食堂の関係者数人は憎憎しげに見つめ、一部の生徒はそうだそうだと野次を飛ばしている。 「あなたこそね、さあ始めましょう」 ルイズは数歩歩き、コインを投げて渡す。 そして、両者が杖を構え、ヴィリエがコインを右手に持つ。 ヴィリエがコインを弾いてトス! コインが高々と空中を舞う。 コインが上がった瞬間! ヴィリエはルイズの意外な行動に驚いていた! なんとルイズは、ヴィリエに向かって突っ走っていった! コインをトスしたために左手だけで杖を持っていたため、杖を構えるのが遅れる。 そして、後ろでコインが地面にあたり甲高い音を鳴らしたときには ヴィリエはルイズのタックルを受け杖を落としていた。 「私の勝ちよ、ミス・ヴィリエ」 ルイズはそう宣言した。 * * * 「な、納得いかないわ、卑怯よ!開始の合図の前に突っ込んでくるなんて!」 「私は、こう言ったのよ『貴女がコイントスをして、そのコインが地面に落ちたら詠唱を始める』 合図の前に走ってはいけないなんて一言も言ってないわ」 ヴィリエは歯軋りをする。 「それだけじゃないわ!コインを自分でトスすればいいのに、わざわざコインを渡すためを装って近づいて、そして相手の片手をコイントスで塞いで注意がコインに言っている間に…」 「なんとでも言うがいいわ。普通にやってたら風のラインメイジ相手にはやればやるほど不利になることはわかってる。 でも、なんにも覚悟も戦術もない、偉そうな口上叩いて余裕ぶっていた相手ならペンタゴンだって私でも倒せるわよ。 負けたからにはあんたのいう、貴族らしくシエスタを許しなさいよ」 ルイズは片膝のヴィリエを見据えて、いや睨んで、そう述べた。 「わかったわ、あんたがなんでそこまであのメイドに肩入れしてるかはわからないけど…貴族らしく約束は守るわ」 それを聞いてルイズは背を向けて去っていく。 しかし、 「でも…あんたは許さないわ……それに、杖を落としたら負けなんて聞いてないわ!エアカッ…」 しかし、その詠唱は止められる。 観客席から乱入してきた2つの物陰に殴られて。 「負けは負けだ、油断するならそれくらいのハンデ与えても十分戦えるようになってからするんだな」 「おーおー、俺も同じ意見だぜ。気が合うな、亜人さん」 ルイズは、ぽかんと口を開ける。 「えーと…ワムウと…あなたは確か……料理長さん?」 「ああ、料理長マルトー、以後お見知りおきをな」 「許さんぞ平民!ジワジワとなぶり殺しにしてくれる!平民の方は逃がさんぞ!覚悟しろッ!」 起き上がったヴィリエが憤怒の表情でマルトーを睨む。 「あんたがどこの貴族だかは知らんが、決闘後に背後から狙った、なんて知れたら貴族の力は使えるのかねえ?」 しかしマルトーは屈しない。 そのセリフを聞いて、ヴィリエは杖を構える。 「決闘なんていうまどろっこしいことはもう終わりよ!ルイズとその使い魔はともかく、平民一人くらい、家の力がなくても…」 マルトーはなにかを取り出しそれを注入する。 すると彼のオーラが変わりだす。 バルバルバルバル!! これがッ! これがッ! これが『ドーピングコンソメスープ』だッ! ウォォォーーム!! 「もしかしてお前、まだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」 ヴィリエは、杖を落として逃げた。 * * * ヴィリエが逃げるのを見て、ギーシュとキュルケが手を合わせる。 「しあわせぇ~~~~~っ!」 「私たち金持ちっ………! 億万長者………!」 こっそりと逃げようとする胴元。 それをギーシュがタックルで倒し、押さえ込む。 「嘘だ…夢だろ…これ…夢に決まってる…!」 「ところがどっこい…夢じゃありません!これが現実です!」 「ぐにゃ~~~~」 その日から数日間、ギーシュの羽振りが異常に良くなるが、70スゥくらいなんてすぐ飛んでいくものである。 半分だけでも実家に送れたのは幸運だっただろう。 * * * 「あ、ありがとうございました…」 決闘が終わり、広場を離れて厨房に来ている。 普段の料理長の姿に戻ったマルトーにルイズは礼を述べる。 「なあに、いいってことよ、『我らが杖』よ!俺たちがかばうはずのシエスタをわざわざこんな騒ぎまで起こして守ったんだ! その辺の貴族は嫌いだが…外見や服装だけじゃねえ、あんたは精神的にも貴族だ!気に入ったぜッ!」 周りのコックなども同意見のようで、しきりにうなずいている者も多かった。 「さーて、戦勝祝いだ!おい!1924年物のシュタインベルガーをもってこい!」 ルイズは厨房奥の部屋に案内され、そこの席に座らされる。 すると、料理が運ばれてくる。ヨダレずびっ!なくらい美味しそうだ。 料理に手をつけようとすると、シエスタが厨房に入ってくる。 「ミス・ヴァリエール!大丈夫ですか!」 実際はかすり傷一つしていないのだが、まるで今夜が山だと言われたかのような慌てぶりだった。 「だ、大丈夫よシエスタ、そんなに慌てないでよ」 「で、でもミス・ヴァリエールが私なんかのために決闘を申し込んだなんて気が気じゃなくて…」 「そうやって自分を卑下しないの。ほら、マルトーさんがすごい上等そうなワインを下さったから、一緒に飲みましょう?」 「え、い、いいんですか?ミス・ヴァリエール?」 「前から思ってたけど、そのミス・ヴァリエールっていうのやめてよ、ルイズでいいわ」 「そ、そうですか……じゃあルイズさん、乾杯……」 グラスが鳴る。 「さっ、俺たちも飲みますか。ワムウさんもどうです?」 「少々用があるんでな、その分今日の主役にでも飲ませてやってくれ」 ワムウは食堂から出て行った。 「ひ…ひと思いに宝石を…とっていってくれ」 NO NO NO 「あ…ありがね全部?」 NO NO NO 「りょうほーですかあああーーッ?」 YES YES YES 「もしかして借金ですかァーーッ!?」 YES!YES!YES! ”OH MY GOD” 追記。質素な生徒が一人増えたそうです。
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ガシャン ゴロゴロゴロゴロ ドン ガチャ ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・ ここに一つの奇妙なゲームが繰り広げられていた。 鬼は石ころ、逃げるは少女。捕まれば即死のデスゲーム、 少女、ルイズは必死に岩から逃げていた。 「ハァ・・・なんで・・・私がこんなめに・・・!」 もうルイズに自分の使い魔に対する情など完全に消えうせた。 彼女を薄情と責めるのは酷であろう。 明確に死を運んでくる死神に、誰が愛着をもてようか。 ダンダンダンダンダン ルイズは階段を駆け上がる ガンガンガンゴンガン ローリングストーンも階段を駆け上がる。 この岩は坂に登ろうと階段を上ろうと執拗にルイズを追いかけてきた。 「もお・・・・・・・・いやあああああああああああああ!!!!」 ストーンとの追いかけっこが始まってはや30分。 もうルイズの体力は限界に来ていた。ここまで逃げてこれたのは一重に彼女魔法を使えなかったことの賜物だろう。 もしちょっとの移動にも魔法を使うようなマンモーニならとっくの昔に石につぶされていたことだろう。 無論魔法を使えばもっと安全に逃げれたかもしれない。しかし・・・ バン! ルイズは近くの小屋に逃げ込んだ。 「ハァ・・・ヒィ・・・スーーー、ハーーーー」 ルイズは大きく深呼吸し少しでも呼吸を整えようと努力する。 少しでも足を止めれるときに体力を回復せねば・・・ ゴロリ 「ハァ・・・もう・・・なの・・・うわああああああああああああああん」 バン! 入ってきた時と同じくドアを乱暴に蹴飛ばし再びルイズは逃げる。 そこから同じく転がって出てくるローリングストーン。 岩は仮に撒いたとしてもいつの間にかルイズの側に現れるのだ。 「あんたはハイウェイスターかぁあああああああああああ」 ルイズは半ばやけくそ気味に絶叫した。 彼女自身ただ逃げてるだけではダメだと思ってはいるものの、脳にまわすエネルギーも全部筋力に回さねば逃げ切れない。 そして、運命の時が来た。 ドサッ ルイズの足がもつれて転ぶ。 「あう、あ、あ・・・」 必死に立ち上がろうとするが限界を超えた足腰はもう動かない。ただケタケタと笑うだけ。 ゴロン ゴロン ゴロン ブォッ そしてついにストーンがルイズに追いつく。 「ちくしょう・・・絶対化けて出てやる・・・このド低脳がああああ!」 ルイズが死を覚悟したその瞬間 ブウン! 突如現れた爪にルイズの華奢な体は攫われる。 「貴族がそんな下品な吐くことでなくてよ、ルイズ」 「キュルケ! それに・・・えっと」 「・・・・・・タバサ」 名前を忘れられてた少女・・・タバサはちょっと不機嫌になりつつもルイズをシルフィードの背中に。 「どうしてあんたが・・・ゲルマニアに帰ったんじゃないの?」 「んー、そのつもりだったんだけどね、タバサに送ってもらうつもりだったし。 まー最後にあんたのマヌケ面見ようと探してたらえらい場面に出くわしちゃったみたいね」 「・・・! そうよ、お願いさっきの礼拝堂に」 「・・・・・・捕まって」 タバサが言うが早いがシルフィードが空中でバレルロールをかます。 その横を ブオン! 大地から飛び上がったストーンが彼女たちの鼻先を掠めて落ちていく。 「岩の癖になんて跳躍力・・・まるでどこかの波紋使いね。タバサ低空飛行に切り替えて。そっちのほうが安全だわ」 キュルケの指示通りタバサは低空飛行に切り替える。 地上3メートルを猛スピードで駆け抜けるドラゴン。そこに、 「見つけたぞ、ルイズ! 昨日はよくもやってくれたな」 そこには昨日岩に脳天勝ち割られたギーシュが怒りの形相で立っていた。 「あの岩は君の使い魔だそうじゃないか。だったらこの傷の借りを返さねばなるまいね。 ああ勿論僕も馬鹿じゃない。岩に喧嘩売ろうなんて真似はしないさ。 しかしその主人たる君には責任を取ってもらおうか!」 いや、君は大馬鹿だ。と言うか空気読め。無理か。ギーシュだからか。ギーシュだしな。 「タバサ!」 ガシ 言うが早いがタバサはシルフィードを使いギーシュを掴み、 「あるぇ?」 そのままを一回転してギーシュをローリングストーンに向けてぶん投げる! 「あひょぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~!!!!!」 某ウィリソンフィリップ上院議員のように飛んでいくギーシュ。 ゴシカァン! そのままローリングストーンに体当たり?をぶちかますギーシュ。 ベキゴキバキボリガキベシャ しかしストーンは意に介さずそのまま激突してきたギーシュを押しつぶす! ギーシュは全身の骨をばらばらにされた しかしギーシュの『運命』は岩に彫られてないため死ねず・・・ そのうちギーシュは考えることをやめた。 「よかったの?あれ」 「大丈夫よ、ギャグキャラは死なないから」 「そういう問題・・・?」 「いいからあんたは自分の心配なさい。いい、作戦は今いった通りよ」 「分かったわ・・・でもキュルケなんでここまでしてくれるの? 私とあんたは・・・」 宿敵同士じゃない、と言おうとしたルイズの言葉をさえぎりキュルケは言った。 「ツェルプストー家は代々ヴァリエール家の恋人を奪い取るのがその宿命よ。 あたしの代だけ死に逃げなんて許さないわよ、ルイズ」 「言ってなさい万年発情女」 「・・・・・・ついた」 彼女たちはシルフィードにのってそのまま『火の塔』最上階にたどり着いた。 ガランゴン! ガランラン! 階下から何かが石の階段を壊しながら近づいてくる。 「いい、チャンスは一回こっきり、練習なしよ。失敗だったらそうね・・・お墓は作ったげるわ。 墓石もちょうどあるし。」 「縁起の悪いこと言わないでよ」 「あっはっは、冗談よ冗談」 いつも通りの軽口を叩くキュルケにルイズは感謝した。 ただ逃げ回ってたさっきまでとは違う。私は運命に立ち向かうのだ。 その結果が如何なるものであったとしても・・・『立ち向かう意思』を持てた。 その誇りこそが貴族には重要なのだ。 「もっとも・・・誇りを抱いて死ぬつもりもないけどね」 ガン! ガン! ガンガン! 岩の気配がどんどん近づいてくる。そして ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 再びローリングストーンは彼女たちの前に姿を現した。 「今よ!」 キュルケは瞬時の詠唱していた魔法を開放する。 火の二乗。強大な爆炎がローリングストーンを包み込み爆発する! ドォン! すさまじい爆音と爆風が辺りを包む。 「・・・・・・・・・」 誰も言葉を発しない。わかっているからだ。こんなもので ゴ…・・・ゴ あいつを倒せるわけがない! ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・ブオン! ローリングストーンは多少のヒビを体にいれながらもなおルイズへの突進をやめない。 そしてついにストーンがルイズを捕らえんとしたその時! ガラ・・・ガラ・・・・ガラガラガラガラ キュルケの爆炎で塔の一部が崩れ落ちる。 塔の一部と一緒にルイズとローリングストーンも落ちていく。 このままいけばルイズはローリングストーンに殺されるまもなく地面に叩きつけられて死ぬだろう。 しかし、ルイズの目に絶望の色はなく、むしろその口元には笑みすら浮かんでいた。 そうここまではすべて計画通り。あとは彼女が運命を出し抜けるか・・・ 「かかったなアホが!」 彼女は落ちながらそう叫んだ。
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前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔 康一は、一本の道を歩いていた。 隣では仗助くんと億泰くんがいて、一緒に馬鹿話をしている。 道の左手からは、露伴先生が現れて、一緒に取材に行こうとぼくを誘う。 康一どのー!という声が聴こえた。右手から玉美と間田さんが合流する。 やれやれだぜ・・・。という声が聴こえた。後ろでは承太郎さんがぼくたちを見守ってくれている。 由花子さんが道端に立ってぼくを待っていた。並んで歩く。 仲間達と共に歩く。 こうして歩いていれば、ひょっとしたら雨が降るかもしれない。小石に躓いて転んでしまうかも。 でもぼくには仲間がいる。寂しくなんかない。 この道は、杜王町へと続いている。 えーんえーん・・・ 康一はふとあたりを見回した。 子どもの泣き声が聴こえる気がするのだ。 康一は道をはずれ、その声の主を探しにいくことにした。 声を追い、藪を分け入って進むと、小さな池が現れた。 池の真ん中には小船が浮いていて、鳴き声はそこから聞こえてくるようだ。 子どもが池に一人取り残されて泣いているんだ。と康一は思った。 康一は池の中に踏み込んだ。そこまで深くはない。腰ほどの高さだ。 じゃぶじゃぶと水をかき分けて進む。 船にたどりつくと、ピンクブロンドの髪の女の子が毛布にくるまっていた。 女の子は小船の中で、独りぼっちで泣いていたのだ。 「もう大丈夫だからね。」 康一はその女の子を抱き上げた・・・。 康一は目を開いた。 知らない天井?いや、馴染みこそないが、ぼくはこの部屋を知っている。 コンコン、とノックがあり、扉が開いた。 目を向けると、黒髪でメイド姿の少女が現れた。 「コーイチさん。目が覚めたんですね!」 「し、シエスタ!?」 シエスタは胸に手をあて、大きく息を吐いた。 「よかった・・・。心配したんですよ・・・。あんなに大怪我して・・・!」 康一はようやく、自分が何をしていたかを思い出した。 「そっか・・・。ぼく、気を失っちゃってたんだ・・・」 「はい。三日三晩ずっと眠り続けてました。」 「そんなに!?」 徹夜でゲームをしてしまった翌日だって、そんなに眠ったことはない。 「頭を強く打ってましたから、そのまま起きないんじゃないかって心配しました・・・。」 康一はワルキューレに散々殴られたり蹴られたりした時のことを思い出した。 「他にも、両腕にはヒビが入ってましたし、歯も折れてました。肋骨は3本ほど折れて、一本は肺に突き刺さっていたそうです。」 「う、うわぁ。重症じゃないか・・・。」 康一は他人事のように答えた。自分の体を触ってみる。 「でも・・・あれ?その割には痛くないんだけど・・・。」 脇腹を触ってもうずく程度でそんなに痛くはない。腕にもあまり違和感はない。舌で口の中を確認したが、折れたはずの歯が元に戻っていた。 「ええ。コーイチさんをここに運び込んだミス・ヴァリエールが、先生に頼んで、水魔法の治療を施してくださったんです。」 シエスタは窓を開けた。 窓から日の光が差し込んできて、康一は目を細めた。 そして気づいた。 自分のベッドのうえにルイズが頭を乗せて眠っている。 ピンクブロンドの髪が太陽の光を反射してきらきらと光っている。 「ミス・ヴァリエールはこの三日間、ずっと学校にもいかず、ほとんど寝ないでコーイチさんの看病をしていたんですよ?」 「そうなの!?」 康一はルイズの寝顔を見つめた。 この我が侭娘が、そんなにぼくのことを心配してくれたのか・・・! 康一はルイズの頭を撫でた。 ルイズは、う~ん・・・とムズがっていたが、不意に目を開けると、がばっと起き上がった。 自分の頭に手を当てて顔を赤くする。 「ななな何してんのよ!!」 「いや、寝顔が可愛かったから・・・つい。ずっと看病してくれてたんだって?」 ルイズの顔が、ボッっと音を立てて真っ赤になった。 「ば、馬鹿じゃないの!犬のくせに・・・!自分の使い魔が怪我したら、面倒を見るのは当然でしょ!!」 そしてはっとした表情になった。 「そういえば、体は大丈夫なわけ・・・?」 心配そうに尋ねる。 「うん。もうなんともないよ!」と腕を振り上げて見せた。 実はその瞬間、脇腹にビキッっとした痛みが走ったが、辛うじて表情には出さずにすんだ。 「そう・・・よかったわ・・・。」 ルイズはほっと胸をなでおろした。 「あんまり無茶するんじゃないわよ。あんた、下手したら死んでたのよ?」 「ごめん・・・。」 康一は頭をかいた。 ルイズはそんな康一に一つ溜息をつくと、立ち上がる。 「じゃあ、どいて。」 「え?」 「わたし、あんたが寝てる間ほっとんど寝てないの。眠いの。」 「え、ご・・・ごめ・・・」 「だからほら!ベッドを空けなさいよ!」 ルイズは康一をベッドから引き摺り出すと、そこにするりと飛び込んだ。 毛布にもぞもぞと猫のように包まる。 そしてそのまま寝息を立て始めた。 「追い出されちゃったよ・・・。」 苦笑いするとシエスタと目があった。 ふふふっと笑いあう。 「それじゃあ、ちょっと厨房にいらっしゃいませんか?お腹が減ってるんじゃないかと思うんですけど。」 「そういわれると・・・」 代わりに康一のお腹がグルグルキューと返事をした。 「・・・減ってるみたい。」 「よかったぁ。」 シエスタは嬉しそうに手を合わせた。 「マルトーさんに、コーイチさんの目が覚めたら連れてくるようにって言われてたんです。」 シエスタは康一に、あの学生服を手渡した。 「寝ておられる間に、洗って修繕しておきましたから。」 康一にとっては、こちらで持っている唯一の服である。 「ありがとう!助かったよ!」 康一は、寝ている間に着せられていたのであろう、パジャマのような服を脱ぐと、いつもの学生服に着替えた。 そしてシエスタについて、厨房へと向かうことにした。 前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔