約 164,204 件
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/4367.html
EX神羅ユニバース・バズーカ~火炎放射~ 火 スーパーレア 7 50000 アーマード・ドラゴン/ユニバース・EX ■究極進化ダブルMAX―自分の究極進化クリーチャー2体の上に置く。 ■G・ブレイカー ■このクリーチャーがブレイクするシールドは手札に加えられるかわりに墓地に置く。 ■このクリーチャーはブロックされない。 作者:影虎
https://w.atwiki.jp/battlefield1942/pages/491.html
こんなのありましたっけ・・・ -- 名無しさん (2010-12-02 16 21 56) あるある -- 名無しさん (2010-12-04 16 58 55) 戦時中の国策映画にも出てきたね。空挺部隊が使ってた。 -- 名無しさん (2010-12-12 08 01 27) 戦時中の日本ニュースの映像で見たことある! -- 名無しさん (2010-12-14 17 42 06) アメリカ軍はこの火炎放射器を見て自分達の火炎放射器を作ったと言われる(^ω^) -- 名無しさん (2012-12-03 18 51 17) 一番言いたいのは何で映画で出したってことだε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘ -- 猫型ロボット (2012-12-03 18 55 30) 火炎放射器じゃなくて火焔放射器じゃね? -- (名無しさん) 2014-07-17 11 46 13 火焔投射器 -- (名無しさん) 2022-01-17 09 07 52 確か「空の神兵」だった記憶。 -- (名無しさん) 2023-02-28 16 49 29
https://w.atwiki.jp/aoi0405/pages/28.html
製作中
https://w.atwiki.jp/aoi0405/pages/26.html
製作中
https://w.atwiki.jp/aoi0405/pages/25.html
製作中
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/414.html
DEAD END(後編) ◆ew5bR2RQj. 「がはっ……あぁ……」 身体から日本刀が引き抜かれると、右京の口から夥しい量の血液が溢れる。 続いて傷口から鮮血が吹き出し、糸の切れた人形のように崩れ落ちる身体。 誰もが呆然とする中、右京の身体は壊れた玩具のように痙攣し始めた。 「ハハハハハハハ! クハハハハハハハハハハハハハハ!」 数秒の静寂が続く中、最初にそれを打ち破ったのは浅倉の笑い声。 目の前で起こった出来事が心底面白いというように、狂ったように笑い続ける。 「こいつは傑作だな! ベノスネーカー、食っていいぞ」 浅倉は機嫌を良くしたのか、指示を出す声は微かに弾んでいる。 ベノスネーカーも新たな餌を確保し、意気揚々と地面を移動し始めた。 翠星石やみなみは数分前のこなたの最期を思い出すが、ミラーモンスターの猛進を止めることなどできるわけがない。 多くの者が諦観する中、ベノスネーカーはあっという間に右京の元まで辿り着く。 短い鳴き声を発し、鎌首をもたげる。 そして、いざ眼の前の餌に食い付こうとした瞬間。 「ウオオオオオォォォォォォッ!」 その長い胴体に、烈火のごとき深紅色の巨大な龍が噛み付いた。 「龍……ということは、あいつか」 またしても行動を妨害されたにも関わらず、浅倉が機嫌を悪化させることはない。 むしろ失くした玩具を数年振りに発見した時のような、感慨深そうな様子で新たな訪問者を見据えていた。 「城戸……」 「浅倉ッ!」 仮面ライダー龍騎――――城戸真司。 北岡秀一ほどではないが、浅倉が本気で殺したいと思っていた相手の一人。 そんな相手が、ライダーに変身した姿で目の前にいた。 「ハァ……ハァ……」 「か、かなみちゃん、どうしてここに!?」 一方で上田とみなみは、真司と一緒に現れたかなみの存在に驚きを隠せずにいた。 彼女は戦力にならないため、警察署に残っているはずだったのである。 「やっぱり……私にも……なにかできないかと思って……」 肩で息をしながら、かなみは今までのことを回想する。 会議室を抜けた彼女は、あの後に真司が眠る仮眠室へと走った。 彼はシャドームーンとの戦闘でずっと眠り続けていたが、心に直接呼び掛ける自身の能力なら覚醒させることができるかもしれないと気付いた。 カードデッキを持つ彼ならば、きっと大きな戦力になるだろう。 制限をかけられたアルター能力の使用は著しく精神力を消耗させたが、それでも彼女は呼び掛けることを続けた。 そのまま数分間が経過すると、真司の瞼がゆっくりと開かれる。 混乱する彼に今までの経緯を説明し、最後に協力を申し込んだ。 怪我人に鞭打つようで忍びなかったが、今の彼女が出来ることはこれしかなかったのだ。 断られるかもしれないと不安を抱いていたが、真司は微笑みながら二つ返事で承諾。 彼女のアルターでこの場を探し当て、彼らはここまで来たのである。 「ッ! 右京さん!?」 血みどろに沈む右京を見下ろし、拳を強く握り締める真司。 そして、血の滴る刀を持ったまま立ち尽くすライダーの方を向く。 「アンタがやったんだな!?」 「ああ」 淡々と何でもないことのように応える彼を見て、真司の怒りは最高潮に達する。 「俺はアンタを絶対に許さない!!」 デッキから一枚のカードを取り出し、左腕のドラグバイザーに素早く装填する。 すると傍に設置されたカーブミラーから、ドラグレッダーの尾を模した剣・ドラグセイバーが降り注いだ。 「翠星石! 右京さんを連れて下がって!」 「は、はいですッ!」 翠星石はここは下がるのが最善と判断したのか、重症を負った右京の身体を刺激しないように花弁で持ち上げながら下がる。 「城……戸くん……」 そんな中、右京は血に塗れた唇をゆっくりと開いた。 「絶対に……殺しては……いけません……」 それは彼らが最初に出会った時も右京が語った言葉。 傍にいた翠星石は僅かに顔を顰めたのに、真司も右京も気づかない。 「……分かってます!」 ゆっくりと噛み締めるように間を置き、真司は右京の言葉を何度も反芻させる。 そしてドラグセイバーを構え、二人のライダーが闊歩する戦場へと足を踏み入れた。 ☆ ☆ ☆ 「…………あぁん?」 カズマが目覚めた時、最初に目に飛び込んできたのは青空と太陽だった。 続いて感じたのは、右腕に走る鋭痛。 思わず逆の腕で抑えるが、その手触りから右腕に布が巻かれていることに気付く。 少々無骨ではあったが、しっかりと患部は包み込まれていた。 「カズマくん、目が醒めたんだね」 頭上から声に驚き、飛び上がるカズマ。 そこには、彼よりも少しばかり年長と思われる精悍な顔をした青年がいた。 「……誰だアンタ」 「え? さっきからずっと一緒に……ってまだ自己紹介はしてなかったか 俺は南光太郎、かなみちゃんやLさんから君のことは聞いてるよ、カズマくん」 爽やかに笑いながら自己紹介をする光太郎。 その言葉を聞いている内に、意識を失う前の記憶が少しずつ蘇り始める。 (ソウジロウと戦った後、カメレオンみたいな奴と戦って……) 「かなみッ!」 彼は、自らの本来の目的を思い出した。 「おい、こんなとこでなにやってんだ!? 」 眉間に皺を寄せ、光太郎の胸ぐらを掴むカズマ。 彼の目的は一刻も早くかなみと合流することであり、こんなところで油を売っている時間はない。 呑気に休憩するなど以ての外である。 「は、離してくれ……ッ!」 光太郎は苦しげに顔を歪めながら、自らの胸倉を掴む腕を引き離そうとする。 カズマは相当力を込めたつもりだったが、不思議なほどあっさりと腕は解かれてしまった。 「いいかい、君は倒れたんだよ? 腕からあんな血を流して下手したら死んでいたかもしれない いくら急いでいたとしても、そんな大怪我を放っておくことはできないよ」 光太郎の言い分は最もだ。 カズマの右腕から流れ出る血液の量は夥しく、このまま放置すれば失血死しかねない程だった。 それに光太郎も休憩なしで十二時間以上活動し続けており、疲労や空腹もピークに達してきていた。 急がなければいけないのは事実だが、無理をして倒れては元も子もない。 何処かで休憩を摂る必要があったのだ。 「クソッ!」 カズマの右腕が淡い光に包まれ、周辺にある地面の一部が粒子へと変換される。 その粒子はカズマの右腕へと集まり、やがて黄金色の手甲・シェルブリットへと変化した。 「な、なにをする気だカズマくん、君の腕はまだ――――」 「うっせぇ! 俺は一秒でも早くかなみのところに行かなきゃならないんだよ!」 右拳で地面を叩き上げ、地響きと共にカズマは宙へと舞い上がる。 しばらく飛距離を稼いで落下した後、再び地面を殴って空中を駆ける。 これを繰り返すことが、カズマが持つ最速の移動法だ。 「待ってくれ!」 あっという間に離れていくカズマを見て、光太郎も全速力で走り出した。 ☆ ☆ ☆ 「右京さん……早く止血を!」 「その必要は……あり……ません……」 新一の残した最後の傷薬を使おうとするみなみを止めたのは、右京自身だった。 「自分の身体のことは……自分が一番よく分かります……僕は……もう……」 「そんなこと言わないでください!」 「そうだ! 諦めるな! ベストを尽くさないでどうする!」 上田やかなみが応援の言葉を投げてくるが、右京は血を吐き出しながら首を横に振る。 桐山に刻まれた傷は、右胸を深々と貫通していた。 喋るだけで全身を激痛が苛み、赤黒い靄のような物が意識を侵食し始めるのを感じる。 これが死なのかと、右京は朧気に感じていた。 「一つだけ……伺ってもよろしいでしょうか……?」 右腕を震わせながら上げ、握りしめた拳から人差し指だけを突き立てる。 「僕は……間違っていたのでしょうか……」 右京の問いに、三人は閉口してしまった。 例えどのような人間であろうと、全ての参加者を生きたまま保護する。 現代日本での命の価値はみな等しく、どのような状況であろうとそれは変わらないと思っていた。 だが、その考えは多くの者に否定された。 ここにいる参加者の多くは、別々の世界から収集されている。 同じ日本ですら、まるで別の世界なことも珍しくない。 世界が違えば、常識が違うのは当たり前である。 それでも命の価値と尊厳は不変であり、決して軽んじられていいものではないはずだ。 だから彼は自らの信条に従い、全ての参加者の命を守ろうとした。 ――――だが、お前はこの殺し合いを掻き回す事は出来ても止める事は出来ない ――――君の正義はいつか暴走する、そして周りの人間たちを滅ぼすだろう だが、結果はこれだった。 もし翠星石が桐山を殺すのを見過ごしたり、デストワイルダーに引き摺られる桐山を助けなければ。 おそらく自分が致命傷を負うことはなかっただろう。 全ての参加者の命を守ろうとして、結果的に自らが命を落とす。 これを以上の皮肉が果たしてあるのだろうか。 「右京」 他の三人が答えあぐねている中、翠星石が溜め息を漏らすように右京の名を呟く。 「翠星石は……お前の考えは正しいと思いますよ」 右京と目線を合わせずに翠星石は答える。 彼女が自らの意見を肯定したのは、彼にとって意外でもあり喜ばしくもあった。 蒼星石の仇を取る千載一遇のチャンスを、右京はこの手で握り潰してしまったのだ。 彼女の立場からすれば、決して許すことはない相手だろう。 「命が大切なのは当たり前のことです!」 「そうだ、そんなことは誰だって知っている、今更言うまでもない!」 「そうです……だから死なないでください!」 翠星石の言葉を皮切りに、他の三人も口々に肯定の意を示す。 そう言う彼らの顔を覗き込むが、視界が赤黒い靄に覆われて見えなかった。 「そう……ですか……」 多くの参加者に否定され、最後は自らの命すら奪った信条。 だが、最後の最後で四人の参加者が賛同してくれた。 自分の命がここで尽きても、この心情だけは彼らの心に生き残る。 それだけでも、右京は自分が間違っていなかったと実感することができた。 「ありがとう……ござい……ます……」 掠れる声で謝礼の言葉を述べる。 それを最後に右京は力尽き、二度と目覚めることはなかった。 【杉下右京@相棒 死亡】 「右京さん! 右京さん!」 「死ぬな! 君はこんなところで死んでいい人間ではない!」 事切れた右京の傍で叫び続ける上田、かなみ、みなみの三人。 その少し後方で、翠星石は右京の遺体を憐れむように眺めていた。 「でも……正しいことばかりがいいとは限らないのですよ……」 誰にも聞こえないように、小さな声で彼女は呟く。 そうして右京の遺体から、三人のライダーが殺し合う戦場へと視線を移す。 やはりと言うべきか、佳境に立たされているのは真司であった。 シャドームーンとの戦闘の傷や疲労が残っているのか、それとも右京が最後に残した言葉が枷になっているのか。 本気で殺そうとしている桐山と浅倉に対し、彼の動きはあまりにも鈍すぎる。 「ッ!」 ドラグレッダーとベノスネーカーの衝突で地響きがなり、翠星石は堪らず尻もちを着いてしまう。 ミラーモンスターの中でも屈指の巨躯を誇る二匹の戦いは、その余波の大きさも尋常ではなかった。 「いたた……ん?」 打った臀部を庇うように立ち上がる翠星石。 そうして立ち上がった直後、彼女の足元に見覚えのある道具が転がってきた。 「これは……」 何故これがここに存在するのか分からないが、あっても決して不思議ではない。 一つだけ確かなのは、これが今の戦況を覆す可能性を持つということだ。 ごくり、と生唾を呑み込む。 ――――絶対に……殺しては……いけません…… 右京が死ぬ間際に真司に残した言葉。 自分が致命傷を負ったにも関わらず、未だにこんな事を言う彼に憤怒と憐憫が入り混じった感情を抱いた。 生命が大切など、そんなことは百も承知だ。 だが、それなら蒼星石の命を奪った桐山はどうなる。 右京は法が裁きを下すと言ったが、違う世界にいる相手にどうやって法の裁きを下すのか。 人間でない蒼星石を殺したとして罪に問えるか分からないし、別の参加者に殺されてしまう可能性も十二分にある。 人間が定めた法など穴だらけだ。 なら、翠星石が裁きを下してもいいのではないか。 ――――ありがとう……ござい……ます…… 足元に転がっている物を拾い上げる翠星石。 その胸の内に抱く真意は―――― ☆ ☆ ☆ 「……ッ!」 それは突然訪れた。 オルタナティブ・ゼロの鎧に包まれた桐山の身体から、細かな粒子が上り始める。 変身が解除される時間を示す合図が、他の二人よりも早く訪れたのだ。 オルタナティブ・ゼロのデッキは、神崎士郎の研究を元に香川英之が作り上げた物である。 龍騎や王蛇を正規品と称すなら、オルタナティブ・ゼロは模造品。 スペックなどは正規の物と遜色なかったが、変身していられる時間だけは僅かに短くなってしまった。 正規品が9分55秒なのに大して、オルタナティブ・ゼロは8分25秒。 長期戦にもつれ込んでしまったため、九十秒の差が戦況に現れてしまったのである。 ――――FINAL VENT―――― 功を焦ったのか、桐山はファイナルベントのカードを使用。 正規の物とは違う、女性の声での認証音が響く。 傍に設置されたカーブミラーから勢いよくサイコローグが現れ、その身体を次々とバイクに変形させながら桐山の元に駆けつける。 桐山は縮地を用いて包囲網を掻い潜り、迫ってくるサイコローグの座席に飛び乗る。 ――――FREEZE VENT―――― そしていざ攻撃に移ろうとした瞬間、サイコローグは不意に動きを止めた。 「ほう、こいつはなかなか面白いな」 ベノバイザーの先端を地面に刺し、声を弾ませながら浅倉は言う。 先程彼が使用したのは、絶対零度の冷気でミラーモンスターを凍結させるフリーズベント。 デストワイルダーとの契約で新たに入手したカードだ。 「行け! ベノスネーカー!」 同時にドラグレッダーも凍結したため、ベノスネーカーの相手をする者がいなくなる。 指示通りにベノスネーカーが突進する姿を見ながら、浅倉はデッキから更なるカードを取り出した。 ――――UNITE VENT―――― ベノスネーカー、エビルダイバー、デストワイルダー。 王蛇と契約した三体のモンスターが集合し、ベノスネーカーを基点に交じり合う。 デストワイルダーのはもがくように腕を振り上げ、その背にベノスネーカーの身体が重なり、さらにその上にエビルダイバーが乗る。 三体の咆哮が三重奏のように轟く中、それぞれのモンスターの融着点は曖昧になっていく。 デストワイルダーの首から上が消滅し、そこから飛び出すように現れるベノスネーカーの首。 同時に臀部に穴が空き、毒々しい模様が刻まれた紫色の尾が生える。 そして融着したエビルダイバーの鰭が四枚に分裂し、さながら鋼鉄の翼のように広がる。 最後にベノスネーカーの頭頂部にデストワイルダーの耳が生え、三体の融合は終わりを告げた。 首と尾がベノスネーカー、背中がエビルダイバー、胴体と頭がデストワイルダー。 それぞれの特徴を残しつつも、何処か歪に交じり合った醜悪な怪物。 虐殺者の異名を司る合成獣・獣帝ジェノサイダー。 デストワイルダーではなくメタルゲラスが本来の素材であるが、これもジェノサイダーの一体である。 ――――FINAL VENT―――― 間髪入れず、浅倉はファイナルベントを発動。 ジェノサイダーの腹部に巨大な穴が空き、全てを虚無へと還すブラックホールが発生する。 「うおぉ……吸い込まれるぞ!」 ブラックホールの吸引力は凄まじく、遠くに離れている上田たちも人事では済まされない。 傍にある外壁にしがみつくことで凌いだが、上田の声が無ければいつかは吸い込まれていただろう。 浅倉のデイパックから散乱した支給品が、次々とジェノサイダーの腹部に吸い込まれていく。 この中に放り込まれたら、例えライダーといえど二度と戻ってくることはできない。 仮面ライダー王蛇が有する正真正銘の最終奥義だ。 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 勢いよく助走をつけ、錐揉み回転の飛び蹴りを繰り出す浅倉。 その双眼が見据えているのは、ジェノサイダーと自身の対角線上にいる真司。 今までのダメージが重なり、真司は蹲ることしかできない。 「死ねェッ!」 飛び蹴りは命中し、真司は空中に放り投げられる。 必死に空中でもがき続ける真司だが、ブラックホールはすぐ傍に迫ってきていた。 浅倉の狂った笑いが場を支配する中、真司の最期を想像し傍観者たちは目を背ける。 そして、ついに真司の身体が吸い込まれようとする瞬間だった。 「なにッ!?」 地面から幾本もの巨大な植物が生え、ジェノサイダーの身体の覆い尽くしたのは。 「なんとか……間に合ったです……」 肩で息をしながら現れたのは翠星石。 その右手には、美しい色をした金色の如雨露が握られている。 「はぁ……はぁ……助かったよ」 「全く……カッコよく駆けつけたなら、最後までしゃんとするです!」 辛うじて浅倉の蹴りから逃れた真司は、はにかみながら謝礼を述べる。 植物に受け止められていたため、彼はすぐに復帰できる程度の体力は残していた。 彼女が所持している如雨露は、元々は浅倉のデイパックに収納されていた一品。 デストワイルダーに引き裂かれたことで、中にある品が散らばったため彼女の手元に戻ってきた。 庭師である彼女のみが扱うことができ、植物を操る力を持つ庭師の如雨露だ。 「何度も何度も邪魔しやがって……イライラさせやがる、どうして俺に気持ちよく戦わせねぇんだ!」 鬱憤が溜まり過ぎたのか、浅倉は地団駄を踏み始める。 だが、その身体からは既に粒子が上がりつつあった。 既に桐山の変身は解除され、戦況は確実に翠星石や真司の方に傾いている。 「これは……!」 地面が震える音が響く。 真司や翠星石に聞き覚えはなかったが、上田やかなみはどうやら違うようだ。 顔をぱっと明るくさせ、音源である北に顔を向けている。 「カズく――――――――――――――――ん!!」 「かなみいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」 互いの名前を叫び合う二人。 現れた男――――カズマは右腕のシェルブリットを乱暴に叩きつけ、終焉を迎えようとしている戦場に駆けつけた。 「光太郎さん!」 「光太郎くん!」 みなみと上田の声が重なる。 カズマと共に現れたのは、主催者に立ち向かう者の中でもトップクラスの力を持つ光太郎。 傍にいればこれほど頼り甲斐のある者はいないだろう。 「カズくん! カズくん!」 カズマに到着に涙を流し、彼のもとに駆け寄ろうとするかなみ。 上田やみなみは援軍の到着に歓喜し、状況を不利と判断した浅倉は逃げ出そうとする。 真司や翠星石は顔見知りではなかったが、かなみの反応から味方と判断した。 多くの犠牲を出してしまったが、これで二人の悪人を取り押さえることができるだろう。 翠星石はそんな事を考えるが、桐山の顔を見た瞬間に悪寒が走った。 これだけ圧倒的不利であるにも関わらず、彼の顔には一切の動揺が見られない。 最初に出会った時と同様、氷のような無表情を貼り付けているのだ。 「そこにいる――――」 桐山の口が開かれる。 無表情だったはずの顔が、ほんの少しだけ笑ったような気がした。 「そこにいる赤と紫のライダーが敵だ」 ぽかんと口を開ける翠星石。 桐山の放った言葉が、彼女の理解を越えていたのだ。 赤と紫のライダーが、龍騎と王蛇のことを指しているのは分かる。 王蛇はともかく、龍騎はこちらの味方だ。 こんな見え透いた嘘を吐いて、一体何になるというのだろうか。 誰も信じるわけが―――― ――――カズマくんは嘘は吐くようには見えないかな…… ――――違う、カズマはあいつにとどめを刺さなかった 悪寒が、全身に広がる。 蒼星石と桐山の話が正しければ、彼らは僅かな時間だがカズマと行動を共にしている。 そして桐山が本性を表したのはほんの十分前の話。 つまりだ。 、 、 、 、 、 、 、 、 、、、 、 カズマは桐山和雄を仲間だと思っている。 「そいつの言ってることは嘘ですうううッ!!!!」 悲鳴のように大声で翠星石は叫ぶ。 真司や浅倉に襲いかかろうとしていた二人は、一斉に足を止める。 「え……?」 だが、全てが遅かった。 腰を落として左手を刀の柄に添え、右脚と右手を前に出す桐山。 その体勢のまま一瞬で加速し、前に出ていたかなみの傍へと接近。 そして、鞘から日本刀を引き抜き。 首を、切り裂いた。 「なんだ、これ」 首から鮮血を吹き出しながら、かなみの身体はぐしゃっと崩れ落ちる。 桐山は最後までそれを見ることなく、瞬く間に逃げ去っていく。 浅倉もいつの間にか居なくなっていて、ジェノサイダーの姿もそこにはない。 「かなみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!!」 全ての敵が居なくなった戦場で、カズマの絶叫が空しく響いた。 【由詑かなみ@スクライド 死亡】 ☆ ☆ ☆ 「何があったのか……教えていただけますか」 戻ってきた六人を見て、Lは神妙な表情を浮かべた。 まず真っ先に目が向いたのは、カズマと光太郎に抱かれた二つの遺体。 カズマがかなみを、光太郎が右京を持っている。 帰ってきたメンバーが、最初に出ていったメンバーと大分違っていることにもすぐ気付いた。 「何があったのか、じゃねぇだろ」 刃物のように目を尖らせるカズマ。 普段の彼だったら殴っていただろうが、かなみの遺体で塞がっているため手を出すことができない。 だが思わず目を逸らしたくなるほどに歪んだ表情が、彼の怒りの強さを物語っていた。 「どうしてかなみを行かせた!? 怪我してただろうが! なんで止めなかったんだよ!」 「…………」 「黙ってないで何か言えよッ!」 今にも食って掛かりそうな状態だが、それでもかなみの遺体が彼の腕から離れることはない。 遺体の目の下には一筋の血の痕があり、まるで彼女が血の涙を流しているように見えた。 「……ッ!」 パシン、と乾いた音が響く。 目の前で起きた出来事を見て、真司と上田は驚愕する。 ただ、光太郎だけがとても悔しそうに握り拳を震わせていた。 「なんで……なんで貴方はそんな顔ができるんですか……」 みなみの手の平が、Lの頬を打ち抜いていた。 「人が死んだんですよ……蒼星石さんも……右京さんも……かなみちゃんも……泉先輩も! なのに、なんで貴方はそんな平気そうな顔ができるんですか?」 それは数時間前――――第一回目の放送直後の出来事を再生しているようだった。 嗚咽を漏らしながら、Lを言葉の限りに罵倒するみなみ。 それでも収まらず拳を出そうとするが、光太郎の代わりに真司がそれを抑える。 叫び声を上げながら抵抗する彼女の姿は、どうしようもない程に痛々しい。 あの時の右京のように、彼女を諭す者はいなかった。 「少しは人の気持ちを考えやがれです、お前には付いてけないですよ」 やがて叫び疲れたみなみが、項垂れるように抵抗するのを止めた頃。 心底呆れたといった様子で翠星石は呟き、Lの横を通って警察署の奥へと進んでいく。 「同感だね」 彼女を追うように、カズマも後に続く。 「何処に行くつもりだ?」 「こういうところには霊安室ってのがあるんだろ、そこにかなみを置いていく」 光太郎の質問に背を向けたまま答えるカズマ。 そのまま光太郎が二の句を告げる前に、彼は足早に奥へと立ち去ってしまう。 それを皮切りに、みなみ、上田、真司もLの横を通り過ぎていった。 「……Lさん!」 最後に残った光太郎は、下唇を噛み締めながらLを見る。 喉まで出掛かった言葉を必死に呑み込もうとしているような、そんな表情だった。 「憎まれ役は馴れてます、光太郎くんも皆さんの元に行ってあげてください」 「でも、それじゃあ!」 「少し……一人にさせてください」 懇願するようなLの言葉に、思わず光太郎は黙り込んでしまった。 「……すいません」 最後にそう言い残し、光太郎は身体を翻す。 そうしてLの横を通って、ゆっくりと去っていく。 大きかったはずのその背中は丸まっていて、まるで子供の背中のように小さく見えた。 「……」 その背中が遠くなっていく様を、Lは無言のまま見続ける。 時折はみ出るように見える右京の顔は、まるで眠っているように穏やかなものだ。 しかし、彼は眠っているのではない。 そこにあるのはただの抜け殻で、右京の魂はもう何処にも無い。 この地で最初に出会った相棒は、もう死んでしまったのだ。 (何故……) 背中が見えなくなり、Lは握り拳を壁に叩きつけた。 (何故……私は行かせてしまったんだ……) 一般人である右京やかなみを戦場に送り込んでしまった責任。 本気で止めようと思えば止められたのに、自分はその義務を放棄した。 頭脳労働を担当しておきながらこの醜態。 招かれてしまった最悪の結果に、彼は深い自責の念に囚われていた。 (私は……私は……) ここに、誰も把握していない一つの事実があった。 かなみのアルター能力・ハート・トゥ・ハートは、他人の深層心理にアクセスする能力である。 非常に幅広い活用方法が存在し、その一つに使用者の感情や思考を他者に伝達する力があった。 あの時、彼女がLの制止を振り切って会議室の扉を開けた時。 無意識下でアルター能力が発動し、かなみはLの深層心理に訴えかけていたのだ。 ”私にも何か出来ることをさせてください”と。 (何故……私は……) だが、そんな事を知らないLは自身を苛み続ける。 未来永劫、永遠に。 【一日目 午後/H-9 警察署ロビー】 【L@デスノート(漫画)】 [装備]無し [支給品]支給品一式、ニンテンドーDS型詳細名簿、アズュール@灼眼のシャナ、ゼロの仮面@コードギアス おはぎ×3@ひぐらしのなく頃に、角砂糖@デスノート、確認済み支給品0~2 [状態]健康 [思考・行動] 1:協力者を集めてこの殺し合いをとめ、V.V.を逮捕する。 2:大量の死者を出してしまったことに対する深い罪悪感。 ※本編死亡後からの参戦です。 ☆ ☆ ☆ 霊安室のベッドには、三体の遺体が並べられていた。 蒼星石、杉下右京、由詑かなみ。 数十分前まで動いていた彼らが再び動き出すことは、もう二度とない。 日常の世界で最も尊かった物が、今はこうもあっさり失われていく。 みなみには、それが堪らなく恐ろしいことに感じられた。 「これはこうやるのだ」 「悪ぃな、オッサン」 「いや、なに……その……私がもう少ししっかりしていればかなみ君は……」 「……アンタのせいじゃねーよ」 上田に手順を教わりながら、かなみの遺体に線香を添えるカズマ。 Lに食って掛かった時とは違い、地を震わす程の怒りはすっかり鳴りを潜めている。 その姿は、親に叱られて拗ねている子供のようだ。 本当は彼も分かっているのだろう、 かなみが死んだのは上田のせいでも、Lのせいでも、ここにいる誰が悪いというわけではない。 直接手を下した桐山か、あるいは彼女を殺し合いに巻き込んだV.V.か。 真に憎むべきは彼らであって、先程のLに対する言動や行為はただの八つ当たり。 振り上げた拳の下ろし場所が分からず、あんな暴挙に出てしまったのだ。 そんなことはカズマも、翠星石も、そしてみなみ自身も分かっていた。 「……」 線香の特徴的な匂いがみなみの鼻をくすぐる。 ふと前を見ると、既に三人の遺体の傍の鉢に線香が設置され終えていた。 「黙祷を……しよう」 上田の言葉を合図に、霊安室にいた六人は手を合わせる。 そして、目を瞑った。 「……」 視界が黒に染まる。 そのせいか、線香の匂いがより深く感じられた。 死を連想させる嫌な匂いだと、見えないように眉を顰めるみなみ。 死亡した三人を弔う気持ちはあったが、彼らに対する嫉妬心が心の片隅に存在するのも否定できなかった。 彼らはきちんと弔われたのにも関わらず、こなたは遺体すら残らない。 黙祷をしているが、彼女の事を思っている者は果たして居るのだろうか。 語った言葉が事実なら、彼女はかがみを殺しているのだろう。 さらにデイパックの中からは、何者かの背骨と眼球も発見された。 彼女は誤魔化していたが、殺人に手を染めていたのは否定できない事実だろう。 それでも泉こなたという人間は岩崎みなみにとって大切な人であることに変わりなかった。 ――――ゆーちゃんがこのまま死んじゃったままでいいの!? ねぇ!? ゆたかも死んで、かがみも死んで、みゆきも死んで、こなたも死んだ。 もしここから脱出できたとしても、元通りの日常が戻ってくるわけではない。 全てを取り戻すには、それこそこなたが言っていたようなリセットボタンが必要になるだろう。 ――――んーそうだね、何か願いも叶えてあげるよ。 死者への鎮魂を祈りながら、彼女が選ぶ道は―――― ☆ ☆ ☆ こうして、一つの言葉から始まった惨劇は幕を下ろす。 四人もの命を奪い、多くの者の心に癒えない傷を刻んだ。 探偵や改造人間は自らの無力を苛み、人形やアルター使いは復讐心に身を染める。 しかし、これは終わりではない。 今回は生き残った彼らも、次に命があるかは分からない。 最後の一人が残るまで、全ての物語は通過点に過ぎないのだ。 彼らの物語は、まだまだ続く。 【一日目 午後/H-9 警察署霊安室】 【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】 [装備]庭師の如雨露@ローゼンメイデン、真紅と蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン [支給品]支給品一式(朝食分を消費)、真紅のステッキ@ローゼンメイデン、情報が記されたメモ、確認済支給品(0~1) [状態]疲労(中) [思考・行動] 1:殺し合いから脱出。 2:真紅が最後に護り抜いた人間に会い、彼女の遺志を聞く。 3:水銀燈を含む危険人物を警戒。 4:桐山に対する強い復讐心。 [備考] ※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。 ※真紅のローザミスティカを取り込んだことで、薔薇の花弁を繰り出す能力を会得しました。 【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】 [装備]無し [所持品]支給品一式×3(朝食分を消費)、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)、確認済み支給品(0~3) 、劉鳳の不明支給品(1~3) [状態]ダメージ(中)、疲労(大) [思考・行動] 1:右京の言葉に強い共感。 2:やっぱり戦いを止めたい。 3:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。 4:翠星石のことは守り抜きたい。 5:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。 ※絶影を会得しました、使用条件などは後の書き手の方にお任せします。 【岩崎みなみ@らき☆すた(漫画)】 [装備]無し [支給品]支給品一式、君島の車@スクライド、情報が記されたメモ [状態]健康、疲労(小)深い悲しみ [思考・行動] 1:…… 2:友人たちの仇を取りたい、その為の力が欲しい。 3:Lに対する強い嫉妬。 4:V.V.とこなたの言葉が気になる。 5:つかさに会いたい。 【上田次郎@TRICK(実写)】 [装備]無し [支給品]支給品一式×3(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説)予備マガジン3本(45発)、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、 情報が記されたメモ、発信機の受信機@DEATH NOTE、不明支給品0~1 [状態]額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲 、疲労(中) [思考・行動] 1:これからどうするか…… ※龍騎のライダーバトルについてだいたい知りました。 カードデッキが殺し合いの道具であったことについても知りましたが、構造などに興味はあるかもしれません。 ※東條が一度死んだことを信用していません。 【カズマ@スクライド(アニメ)】 [装備]暗視ゴーグル [支給品]支給品一式、タバサの杖@ゼロの使い魔、おはぎ@ひぐらしのなく頃に、Lのメモ [状態]疲労(大)、ダメージ(大)、右腕、背中に裂傷(処置済み) [思考・行動] 1:桐山に対する強い復讐心。 [備考] ※Lのメモには右京、みなみの知り合いの名前と簡単な特徴が書いてあります。夜神月について記述された部分は破られました。 ※蒼星石とはほとんど情報を交換していません。 【南光太郎@仮面ライダーBLACK(実写)】 [装備]無し [支給品]支給品一式、炎の杖@ヴィオラートのアトリエ、包帯×5@現実、高荷恵の傷薬@るろうに剣心 [状態]疲労(小) [思考・行動] 1:この殺し合いを潰し、主催の野望を阻止する。 2:主催とゴルゴムがつながっていないか確かめる。 3:信彦(シャドームーン)とは出来れば闘いたくない……。 4:自らの無力さへの強い怒り。 ※みなみを秋月杏子と重ねています。 ※本編五十話、採石場に移動直前からの参戦となります。 ※以下のアイテムが回収されました。 浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品1~3 瑞穂のデイパック(支給品一式、シアン化カリウム@バトルロワイアル、不明支給品0~1) かなみのデイパック(支給品一式、不明支給品0~1) 右京のデイパック(支給品一式×2(水と食事を一つずつ消費)、S&W M10(0/6)、S&W M10の弾薬(24/24)@バトル・ロワイアル、首輪(魅音) ゼロの剣@コードギアス、女神の剣@ヴィオラートのアトリエ、拡声器@現実、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、傷薬×1@真・女神転生if... ※警察署で六人(L、上田、かなみ、翠星石、みなみ、桐山)で情報交換を行い、以下の事柄に関する情報を入手しました。 また、情報を記したメモにはこれらの情報が全て記されています。 1:浅倉威、水銀燈、後藤、田村玲子、シャナ、シャドームーン、夜神月、竜宮レナ、騎士服の男(スザク)、メイド服の女(咲世子)が危険人物であること。 2:それぞれのロワ内での大まかな動向、及び元からの知り合いに関する情報 3:寄生生物、ローゼンメイデン、カードデッキ、アルター能力についての情報。 4:Dー7で起こった爆発の主犯が北岡秀一であること。 ※浅倉のデイパックから散乱した物に関しては、ジェノサイダーの腹部に吸い込まれて消滅した可能性があります。 【一日目 午後/G-9】 【桐山和雄@バトルロワイアル】 [装備]防弾チョッキ@バトルロワイアル、コルトパイソン(5/6)@バトルロワイアル、夢想正宗@真・女神転生if... [所持品]支給品一式×2、コルトパイソンの弾薬(22/24)、情報を記したメモ、オルタナティブゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎(二時間変身不可) [状態]疲労(中)、ダメージ(中)、右上腕に刺し傷 [思考・行動] 1:遭遇した参加者から情報を聞き出した後、利用出来るなら利用、出来ないなら殺害する。 2:水銀燈、浅倉、カズマ、光太郎、騎士服の男(スザク)、警察署で出会った面子は次に出会えば殺す。 [備考] ※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。 ※縮地、天剣を会得しました。(縮地が全力のものかどうかは次の書き手さんにお任せします) 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 [装備]FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) [所持品]支給品一式×2(水とランタンを一つずつ消費)、王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎(二時間変身不可) 贄殿遮那@灼眼のシャナ、発信機@DEATH NOTE、ルイズの眼球、背骨(一個ずつ)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎×1、未確認支給品0~2 [状態]疲労(中)、イライラ(大)、全身打撲 [思考・行動] 0:北岡を探す。 1:北岡秀一を殺す。 2:五ェ門、茶髪の男(カズマ)、学生服の男(桐山)、金髪の男(レイ)を後で殺す。 3:全員を殺す。 [備考] ※ライダーデッキに何らかの制限が掛けられているのに気付きました。 ※デイパックに発信機が仕掛けられていることに気付いていません。 ※ジェノサイダーに本来の素材からなる個体との差異はほとんどありません。 ※桐山、浅倉の二人が何処に向かったのかは次の方にお任せします。 ※支給品一式×4、水鉄砲@ひぐらしのなく頃に、レイピア@現実、前原圭一のメモのコピー@ひぐらしのなく頃に 知り合い順名簿のコピー、バージニア・メンソール@バトルロワイアル、北条悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃にはジェノサイダーの腹部に吸い込まれて消滅しました。 【CONTRACTのカード×2@仮面ライダー龍騎】 斎藤一に支給。 ミラーモンスターと契約することができるカード。 契約とは銘打っているが、ミラーモンスターに拒否権はない。 【発信機@DEATH NOTE】 城戸真司に支給。 原作にて火口の車に仕掛けられたもの、小型の受信機も一緒に支給されている。 【包帯×5@現実】 由詑かなみに支給。 何処にでも置いてあるような包帯。 【高荷恵の傷薬@るろうに剣心】 稲田瑞穂に支給。 有名な医療一族である高荷家に伝わる傷薬。 桜柄の容器に入っており、剣心がよく効くと褒めた代物。 おそらくだが切り傷に効くと思われる。 時系列順で読む Back DEAD END(中編) Next 茶会 投下順で読む Back DEAD END(中編) Next 茶会 131 DEAD END(中編) 杉下右京 GAME OVER 由詑かなみ 桐山和雄 146 はぐれ者 浅倉威 135 飢える魂 上田次郎 134 それぞれの行く先 城戸真司 翠星石 岩崎みなみ 131 DEAD END(前編) L 125 How many miles to the police station? 南光太郎 カズマ
https://w.atwiki.jp/777townforandroid/pages/1521.html
デザイン imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 機種 パチスロ北斗の拳 転生の章 アニメーション あり 備考
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/412.html
DEAD END(前編) ◆ew5bR2RQj. 最初に言い出したのは誰だったのか。 殺し合いの苛烈さに多くの者たちが憔悴していく中、一つの情報が参加者の間で広まっていった。 『誰かが警察署で人を集めている』 誰かというのは、世界的に有名な名探偵だったのかもしれないし、警視庁きっての切れ者と呼ばれた男だったのかもしれない あるいは、全く別の人物だったのかもしれない。 どちらにせよこの情報は、絶望の淵に立たされていた者たちにとって一縷の希望となった。 これは、そんな希望を抱いて集まった者たちの話。 希望を抱き、死んでいった者たちの物語だ。 ☆ ☆ ☆ 最初に警察署に辿り着いたのは、L、泉こなた、上田次郎、由詑かなみで形成される四人組。 右京たちが居ないのを確認すると、彼らは施設内の散策を始めた。 散策の方法は先ほどと同じ。 剣を持つこなたが先頭に配置し、戦える”振り”をしているLが後方を固める。 その間に上田とかなみが入るという、四人全員が一緒に行動するものだ。 四人全員が別々の散策する方が効率的だが、こなたを単独行動させたり誰かと二人きりにさせることを避ける必要があった。 彼らはしばらく警察署を散策したが、大量のカップ焼きそばぐらいしか見つからない。 数時間前に訪れたロロと次元が、有用な品物の多くを持って行ってしまったためである。 だが上田とかなみはデイパックを奪われていたため、食料品もそこそこの収穫と言えただろう。 「何も見つかんないからつまんないな~」 「さっきは宝探しみたいで楽しそうって言ってたじゃないですか」 「何も見つかんなきゃつまんないよ」 壁に背中を預けながら退屈そうに呟くこなた。 一見するとお気楽そうに見えるが、その手は女神の剣を握り締めたままである。 歩き続けて疲労が溜まった彼らは、散策中に見つけた大きな会議室で休憩を取っていた。 ここは正面にある駐車場の様子がよく見えるのと同時に、非常階段が傍にあるため襲撃を受けた際にすぐに逃げることができる。 非常階段への入り口は内部から施錠しておいたため、外部からの侵入者がここを使用する可能性は低い。 最も、カズマのシェルブリットのような大技には無意味だが。 「あれ、なにか聞こえる」 最初に気付いたのは、机に突っ伏していたかなみだった。 彼女の言葉で、他の三人も窓の外から聞こえてくるその音に気付く。 聞こえてきたのは、車の駆動音。 Lが窓の方まで駆け寄り、ブラインド越しに駐車場の様子を伺う。 「安心してください、あれは私の仲間です、今から迎えに行きましょう」 そして、すぐにそう告げた。 「ご無事で何よりです、右京さん」 車から降りてきたのは右京を含めて四人。 右京に背負われている茶髪の青年と、オッドアイの小柄な少女、そして―――― 「みなみちゃん!?」 「泉先輩……?」 泉こなたと同じ制服を着た少女、岩崎みなみだった。 「先輩……先輩ッ!」 「おぉ~、会いたかったよ~」 出会った瞬間、二人は互いに駆け寄って抱き締め合う。 Lの中のこなたへの疑惑は既に膨らみきっていたが、今の彼女は本気で再会を喜んでいるように見えた。 「Lくんこそご無事で何よりです、おや、光太郎くんが居ないようですが……」 「彼とは途中で別れました、後から来ると思います」 「何かあったのですか?」 「ええ、銃を持った少年に襲われまして……そちらの方は?」 「彼は城戸真司くん、恐ろしい力を持った参加者と戦っていたところを私が保護しました まだ意識が戻らないようなので、出来ればここで休ませてあげたいのですが」 真司は未だに眠り続けており、破けたジャンパーから見える赤黒い傷が痛々しい。 「分かりました、上田さん、彼を医務室まで運んでください」 「……私が運ぶのか?」 「ええ、この中では上田さんが一番力持ちなので」 「ふぅ、しょうがない、この私の力が必要とあってはな、彼は私が責任を持って背負おう」 上田は煽てられて上機嫌になり、右京から真司の身体を預かる。 たかが背負うくらいで大袈裟だとLは心中で呟くが、拒否されても面倒だと口を紬いだ。 その際に真司が背負っていたデイパックは、Lが代わりに受け取った。 「皆さん、つまる話は中でしましょう、既に大勢で話し合うのに適した部屋を確保してあります」 「待ってくれないか」 Lの言葉を合図に、集まった面子は次々と警察署に進もうとする。 だが、更なる来訪者の声が彼らの足を止めた。 「どぅわ!!」 突然の来訪者に驚きの声を上げる上田。 今の今まで気配を感じなかったため、突然その場に現れたように錯覚したのだ。 「貴方は誰ですか?」 集団の最後尾にいたため、Lが来訪者の応対をする。 「俺は桐山……桐山和雄だ、この中にL、杉下右京、岩崎みなみはいるか?」 「私がLです」 挙手をしながら、Lは値踏みするように桐山の身体に視線を這わせる。 学生服を着用していることから、彼が学生であることは間違いない。 だがその雰囲気は学生にしては妖艶過ぎていて、長身であることも相まってスーツでも着ていたら成人と勘違いしそうだ。 「どうかしたのか?」 「いえ、なんでもありません、何故私達の名前を?」 「カズマに聞いたんだ、警察署で人を集めている者たちがいると」 「カズくんに……カズくんに会ったんですか!?」 カズマの名前を聞き、上田の影に隠れていたかなみが反応を見せる。 「ああ」 「カズくんは……無事なんですか!?」 「分からない」 「そうですか……あの……カズくんとはいつお会いしたんですか?」 「さっきまで一緒にいた」 「それで――――」 「由詑さん、話は中でしましょう、ここだと危険人物に見つかる可能性があります」 「あ、すいません……」 「いえ、それでは桐山さんも一緒に来てください」 「ああ、だがその前に近くに隠れている仲間を連れていきたい、先に行っていてくれないか?」 「分かりました、では我々は二階の会議室にいます」 ☆ ☆ ☆ 「そ、蒼星石!?」 現れた人物を見て、翠星石は思わず声を荒らげる。 桐山と一緒に現れたのは、彼女の双子の妹である蒼星石だった。 「良かった……良かったですよ無事で……」 「翠星石こそ無事で良かったよ、怪我とかしてないかい?」 パイプ椅子に腰掛けていた翠星石は、一目散に蒼星石のもとに駆け寄る。 そして両手を広げ、その身体を勢いよく抱き締めた。 「苦しいよ……」 一瞬だけ顔を歪める蒼星石だが、その後は満更でもなさそうに頭を撫で始める。 彼女たちは姉妹たちの中でも特別な絆で結ばれているため、再会の喜びも人一倍大きいのだ。 「あの……」 「あ、スマねーです」 「いえ、あとでゆっくりと休む時間を設けますから」 Lの申し訳なさそうな視線を浴び、翠星石たちは恥ずかしそうに離れる。 いつの間にか着席していた桐山を傍目に捉えながら、彼女たちは用意された椅子に座った。 集まった会議室は二十畳ほどの大きさで、正面には壇上とホワイトボードが設置されている。 名探偵に警察官という実績を持つLと右京は司会を務める形でそこに上がり、それ以外の面子は大量に設置された長机とパイプ椅子に腰掛けてる。 なお、真司は治療を施した後に、仮眠室のベッドに寝かされていた。 「では皆さん、お疲れの方もいるとは思いますが時間がありません、情報交換を始めましょう」 翠星石と蒼星石が着席したのを見て、右京が情報交換の開始を宣言する。 緊張のあまり唾を飲む者もいる中、Lは神妙な表情を浮かべていた。 「どうかしましたか、Lさん?」 「いえ、情報交換の前に一つやっておきたいことがあったので」 右京が尋ねると、Lは前に座っているある人物へと視線を移す。 「由詑かなみさん」 「な、なんですか!?」 突然名前を呼ばれ慌てふためくかなみ。 だが、Lはそれを意に介する様子もなく話を続けていく。 「単刀直入に伺います、貴女はアルター使いですね?」 質問をした瞬間、かなみが肩を震わせたのが見て取れる。 これでは肯定しているようなものだ。 「はい……」 「まさか君が……いや、振り返れば兆候はあったか、君もカズマくんみたいに空を飛ぶのかい?」 「カズくんみたいに強くないです……」 隣に座っていた上田が話しかけるが、かなみは怯えるような態度を崩さない。 彼女のいたロストグラウンドでは、アルター能力者の人権など皆無に等しかった。 ろくに仕事も貰えず、人々には恐怖され、HOLYからは追い回される。 故にかなみは迫害されることを恐れ、アルター能力者であることを隠していたのだ。 「私は別に貴女を追いだそうとしているわけではありません、ただ一つ質問に答えていただきたいだけです」 そんな彼女の怯えを察したのか、Lがかなみの心中の考えを否定する。 「質問……?」 「はい、貴女はストレイト・クーガーという人物をご存知ですよね?」 怖ず怖ずといった様子で首肯するかなみ。 「なんでそんな質問するのかな?」 Lが二の句を告げようとしたところで、後方に座っていたこなたが口を挟む。 その声には今までの呑気さは欠片もなく、剣呑とした殺意のようなものさえ纏っていた。 「ストレイト・クーガーは誰かを襲って殺そうとするような人物ですか?」 「ちょっと無視しないでよ!」 無視されたことで怒りを露わにするこなた。 彼女の豹変ぶりにかなみは萎縮し、隣に座っていたみなみも驚愕の表情を浮かべている。 「答えてください」 「えっと……その……クーガーさんはそんな人じゃありません」 質問に答えた瞬間、こなたが舌打ちと同時にかなみを睨みつける。 濁った汚泥のような悪意を向けられ、常人よりも人の気持ちに敏感なかなみは身震いしてしまった。 「泉さん、先ほど貴女はストレイト・クーガーに襲われたと言いましたよね しかし彼の知り合いである由詑さんはこう仰ってます、これはどういうことでしょうか?」 かなみに質問を終え、Lの視線はこなたへと移る。 その瞳は、こなたへの疑惑が確信に近いことを物語っていた。 「どういうこともなにも……Lさんも見てたじゃん」 「ええ、見てました、しかし私には彼が貴女を殺そうとしているようには見えなかった」 「それはLさんからそう見えただけだよ、クーガーは本気で私を殺そうとしてた、私の仲間も見捨てたし」 「彼が貴女を本気で殺そうとしてたなら、とっくに貴女は死んでますよ 彼は変身した光太郎くんと互角の実力を持っているのに、ただの女子高生である貴女がどうやって逃げ切れたのでしょうか」 「えっと……それは……」 「それに貴女は殺されかけた直後であるにも関わらずまるで緊張感が無かった、無さ過ぎたと言ってもいい」 Lの見透かすような視線が突き刺さり、額にだらだらと脂汗が浮かび上がる。 この場にいる全員の視線が集中し、こなたは推理モノの犯人にでもなったような不快感を感じていた。 冷静に考えれば、そもそも殺されかけたなどと言う必要はなかったのだ。 下手な理由付けをしてしまったことが、不要な災いを呼び寄せている。 何とかしてこの場を切り抜けなければいけない。 切り抜けなければ、ゆたかの命は戻ってこないのだ。 「泉先輩をどうするつもりなんですか……?」 隣に座っていたみなみが俯いたままLに尋ねる。 その声色は普段の彼女と違い、明確な怒りが篭っているものだった。 「下手に情報を与えたくないので、留置所にでも入ってもらいます」 それに対し、Lはあくまで感情の篭ってない普段の声色で返す。 ドンッと大きな音が会議室に響いた。 「いい加減にしてください!」 勢いよく立ち上がるみなみ。 こなたに集中していた視線が一斉に集まり、彼女は思い出した様に顔を赤くする。 「す、すいません……でも、どうしても我慢できなくて……」 恥ずかしそうに顔を伏せながら、みなみは言葉を紡ぎ続ける。 「さっきからLさんは一方的に先輩を嘘つきと決めつけて…… かなみちゃんが嘘を吐いてるとは思いません……でも……先輩の話も少しは信じてください! 何かの間違いかもしれないじゃないですか!」 涙声になりながら、それでもハッキリとした言葉をみなみはLに叩きつける。 大人しい性格のみなみが突然大声を上げたことに、周囲の人間は驚きを隠すことができない。 その中でこなただけが心中でほくそ笑んでいた。 彼女は完全に自分のことを信じ切っている。 再会した時から期待してはいたが、L相手に啖呵を切る程とは予想していなかった。 ゆたかの親友でもあった彼女ならば、かがみと違って自分に協力してくれるかもしれない。 「先輩だった泉さんを信用したい岩崎さんの気持ちもよく分かります しかし実は由詑さんの他にもう一人、ストレイト・クーガーのことを知っている人物がいたんですよ」 絶句するこなた。 Lが自分の方を見て、ニヤリと笑ったような気がした。 「カズマさんです、最初にお会いした時に彼から話を聞きました、岩崎さんも一緒に聞いてたはずです」 カズマという人物が、余程信頼できる人物だったのか。 Lとこなたの顔を交互に見て、あからさまに狼狽し始めるみなみ。 やられた、と思った。 おそらく彼女が庇うことを見越していて、あえてこの事を言わずにいたのだろう。 「そのカズマって人が嘘を言ってた可能性も……」 「カズくんは嘘なんか吐きません!」 こなたが言い終わる前に、かなみが大声でそれを遮る。 「カズマくんは嘘は吐くようには見えないかな……」 「嘘を吐く前にぶん殴ってそうだな、彼は」 それを皮切りに次々とカズマを擁護する意見が出てくる。 カズマという人物には余程人望があったのか、翻った情勢が一気に傾いてしまった。 みなみに助けを請うが、申し訳なさそうに視線を逸らされる。 自分の身体が冷たくなっていくのを、こなたはハッキリと感じていた。 「それでは泉さん、失礼ですが少なくとも我々が情報交換をしている間は留置させていただきます」 擁護する者が居なくなったことで動こうとするL。 こなたもこれ以上の抵抗は不可能と判断し、歯軋りをしながら従おうとする。 「待ってください」 だが、彼らの動きを止める者がいた。 今まで静観していた警視庁きっての切れ者、杉下右京だ。 「泉さんが嘘を吐いていたのは分かりました、しかしそれで留置するというのは少々行き過ぎてやいませんか?」 「……と、言うと?」 「もっと穏やかな方法……例えばそう、見張りをつけて別の部屋に隔離するというのはどうでしょうか?」 一瞬だけ助けてくれるのかと期待したが違った。 嘘を吐いただけのこなたを留置する訳にはいかないという、真面目な警察官らしい意見だったのだ。 「……確かに少し行き過ぎていたかもしれませんね、右京さんの案で行きましょう」 Lは僅かに逡巡した後、渋々といった様子ではあるが彼の案を採用した。 「なら私が先輩の見張りを――――」 「岩崎さんは駄目です、貴女では懐柔される可能性がありますから」 真っ先に立候補したみなみをLは一蹴する。 そしてパイプ椅子に腰掛けている面子をぐるっと見回し、蒼星石の前で視線を止めた。 「蒼星石さん、貴女はずっと桐山さんと一緒でしたか?」 「え、えっと……ほとんど一緒だったけど……それが何の関係が?」 質問の意図を理解できず、蒼星石は首を傾げている。 「単刀直入に申せば、蒼星石さんに泉さんの監視をお願いしたいと思ってます」 「何となくそう言われる気はしてたけど、なんで僕なのかな?」 蒼星石の質問に、Lは噛み砕くように説明を始める。 まず泉こなたと一切の関わりが無いこと、見張り役が懐柔されては困るためだ。 そして体力にも比較的余裕があり、ある程度は武術の心得があること。 蒼星石はこれらの条件をクリアしており、なおかつこなたと同じ女性であることから抜擢されたのである。 先程の質問は、彼女の所持する情報が桐山と同じものかを調べるためのものだ。 所持している情報が同じならば、必ずしも情報交換の場にいる必要もないのである。 「分かったけど……Lさんや右京さんじゃ駄目なの?」 「私はこれから行う情報交換の司会を務めますし、右京さんには裏口の見張りをお願いしたいと思ってます」 正面入口はこの部屋からよく見えるため問題ないが、裏口はどうしても死角になってしまう。 故に危険人物の侵入を防ぐため、最低でも一人は見張りが必要になる。 警察官であり信頼のおける右京はその役に最適だった。 「というわけで、泉さんの監視をお願いできないでしょうか」 「はぁ……あんまり気乗りしないけど……分かったよ」 こうして蒼星石が承諾したことで、こなたは別の部屋に隔離されることとなった。 ☆ ☆ ☆ 「ちぇー、みんな酷いよ」 こなたが隔離されたのは二階にある取調室。 二階というのは簡単に逃げることができず、なおかつ飛び降りても死亡する危険性は低い。 犯罪者が集まりやすい性質上、二階というのは一般に知られている以上に重要なウエイトを占めているのだ。 「しょうがないよ、こなたちゃんは嘘を吐いてたみたいだし」 「蒼星石ちゃんも私が嘘吐いたって言うの?」 「正直なことを言うと疑ってるかな、あのカズマくんが嘘を吐くとも思えないし それにデイパックから出てきたアレもあるし……」 蒼星石が言う”アレ”とは、こなたのデイパックから出てきた骨と眼球。 隔離される際にデイパックを点検されたのだが、その際に中から現れたのだ。 その場は騒然となったが、一番驚いていたのは他でもないこなた自身。 躍起になって否定していたものの、当然疑いが晴れるわけはない。 だが、その場でLが不問としたことで、これ以上言及されずに済んだのだ。 「だからアレは本当に知らないんだよー、元々才人が持ってたヤツだし…… それでさ、そのカズマって人、そんなに信用できるの?」 「うーん、信用できるというか、なんというか……」 信用できるとは少し違う。 カズマの性格からすれば、気に入らない相手がいたらその拳で殴り飛ばすだろう。 行動パターンが簡単に推察できてしまうのだ。 「まぁ、剣とか全部取られちゃったからどうしようもないんだけどねー」 隔離される際、水や食料等の共通支給品以外を全て没収されてしまった。 武器もないのでは、抵抗するのは不可能だろう。 「それにしても蒼星石ちゃんってホントに女の子なの? 私ずっと男の子だと思ってたよ」 「なっ……もう失礼だなー、これでも立派な女の子なんだよ」 ショートカットヘアに半ズボン等、彼女の容姿は非常に中性的な嗜好が凝らされている。 実際にかつての同行者である橘あすかは、彼女を男性と勘違いしたことで一悶着を起こしていた。 「でもリアルでボクっ娘って初めて見たよ、くは~、萌えるね~」 「別に萌えとか意識してるわけじゃないんだけどなぁ」 こなたと二人きりになってもうすぐ十分を過ぎようとしているが、Lが言っているように彼女にはまるで緊張感がない。 殺し合いの舞台であるにも関わらず、彼女の態度はあまりにも自然体過ぎるのだ。 Lからは情報交換が終了次第、自分たちを迎えに来ると言われている。 それまでは警戒を緩めず、監視を続けることにした。 ☆ ☆ ☆ 「それでカズマさんは瀬田宗次郎と戦闘を開始したんですね?」 「そうだ、私が戦おうとしたんだが、カズマくんにどうしてもと言われて譲ったのだよ」 Lの質問に対し、上田は脚色を加えながら返答する。 かなみからは溜息を吐かれ、その他の参加者からは疑いの眼を向けられるが、上田はまるで気付いていない。 朗らかな声を上げながら、上機嫌に笑い続けていた。 「それでカズマさんと瀬田宗次郎が戦っている最中に、桐山さん達が出くわしたと」 「そうなるな」 「そして瀬田宗次郎を倒した後、光太郎くんの加勢に向かったわけですね」 最終的に残ったL、上田、かなみ、桐山、翠星石、みなみの六人で行われた情報交換。 全員が支給されたメモ帳に情報を書き記している。 警察署には印刷機が設置されており、この場にいない面子とも情報交換することが容易い。 そうする価値があるほど、今回得られた情報は大きかった。 Dー7で起きた火災の原因となる乱戦の経緯と、シャドームーン討伐のための二度の闘争 人間を仮面ライダーへと変身させるカードデッキの存在。 他にも多くの情報を得ることができ、それだけでも価値は十二分にあったと言える。 「……」 だが、同時に歯噛みするような事態にも直面していた。 ここに集まっている戦力が、想像以上に貧弱であったことだ。 かなみやみなみは論外、Lや右京も瀬田宗次郎のような強者には太刀打ちできないだろう。 上田は空手の達人を名乗っているがいまいち頼りなく、蒼星石も専用の武器が無いのでは全力を発揮できない。 結果として戦力に数えられるのは、花弁を操れる翠星石とカードデッキを所持している桐山くらいだ。 ここに来て、光太郎と別れてしまったことが響く。 光太郎やカズマが来るまで、誰にも襲撃されないことを祈るしかないだろう。 「桐山さん、一つお尋ねしてもいいでしょうか……?」 「なんだ」 怯えたように桐山を見上げるかなみ。 彼女と桐山の身長差は頭二つ分以上あり、必然的に見上げて会話する形になる。 カズマや君島との交流である程度は免疫がついていたものの、やはり初対面の桐山との会話は緊張してしまうようだ。 「その……瀬田宗次郎さんをこ、殺したのは……カズくんなんですか?」 ビリッと電流が駆け抜けたかのような緊張感が訪れる。 もしカズマが殺していた場合、彼を殺人犯として扱わなくてはならない。 Lは殺人犯であろうと使えるものは使うが、他の人間はいい感情は抱かないだろう。 とくに右京が殺人を強く忌避していることが翠星石との話で判明している。 下手をすれば、たったこれだけでもコミュニティが崩壊してしまうかもしれない。 「違う、カズマはあいつにとどめを刺さなかった」 抑揚のない声での返答。 かなみはほっと胸を撫で下ろし、Lも心中で安堵した。 「ということは、貴方達が去った後に何者かに襲われたということですかね」 「そうなるな」 答えると同時に、桐山はすぅっと立ち上がる。 「スマない、トイレに行ってもいいだろうか?」 いきなりの申し出に訝しむLだが、理由を聞いて納得がいった。 彼と蒼星石は今まで一度も施設に寄っておらず、当然トイレに寄る機会もなかった。 十二時間以上もそれが続けば、催しても無理は無いだろう。 Lが許可を出すと、桐山は出口まで歩を進める。 「待ってください」 ドアノブに手をかけたところで、不意にLが制止を促す。 「デイパックは置いていった方がいいのではないですか?」 桐山の背に掛けられているデイパック。 どういう原理かは知らないが、これは中にどれだけ物を詰め込んでも一切重さを感じない。 さらに車のような巨大な物でも収納でき、挙句の果て無限に詰め込むことができる。 現代の科学力でこれを再現するには、あとどれくらいの歳月を要するのだろうか。 「そうだな」 桐山は背負っていたデイパックを無造作に放り投げる。 綺麗な弧を描きながら飛ぶそれは、彼が座っていた席にぽすんと落ちた。 「……」 ドアノブをゆっくりと回し、扉を小さく開けて外へと出る桐山。 扉が無言のまま閉まるまで、Lの視線が彼から離れることはなかった。 ☆ ☆ ☆ こなたが隔離されてから一時間が経過。 会話する内容も尽きて沈黙が訪れた頃、不意にこなたが蒼星石に話しかけた。 「あの……蒼星石……」 両脚を閉じ、スカートの裾を僅かに引っ張る。 そして艶かしく身体をくねらせながら、ほんのりと顔を赤らめていた。 「な、なにかな……?」 蒼星石は嫌な予感を感じつつも、最低限の冷静さを保って対応する。 「……レ……」 「え?」 こなたが何か呟くが、あまりに小声なため聞き取ることができない。 そんなやり取りがしばらく続く。 「トイレだよトイレ! 何度も言わせないでよ恥ずかしい!」 顔を真っ赤に染め上げながら、こなたは大声で叫んだ。 「えー……我慢できないの?」 「さっきからずっと我慢してたの! もう限界だよ!」 交互に足踏みをして、いかにも急いでいるような素振りを見せるこなた。 いや、実際に急いでいるのだろう。 尿意を催すことのない蒼星石でも、我慢する苦しみを想像できてしまうのだから。 「も、もう少し我慢できないかな?」 それでも蒼星石は、彼女に我慢することを強いた。 Lからは、絶対に彼女を出すなと言われているからだ。 「無理だよ~! あ~! 大声出したら余計に漏れそうに……」 股間を押さえながら慌てふためくこなた。 もし真紅がこの場にいたら、彼女をはしたないと嗜めていただろう。 狼狽する彼女を尻目に、蒼星石は思考を展開する。 彼女が本当に尿意を催しているのか、それを見極めなければならない。 蒼星石も暇な時間はテレビの前に座り、真紅や雛苺と一緒にくんくん探偵を眺めている身。 幾多もの事件を追体験し、多少は探偵としての素養が備わってきているはずだ。 逮捕された犯罪者がトイレに行きたいと告げ、何らかの方法で逃げ出すというのは常套手段である。 それを鑑みれば、彼女に許可を出すべきではないだろう。 だがそんな簡単に思いつく方法を、俗に言うオタクである彼女が使ってくるだろうか。 「あ~、もう漏れちゃう! ここで漏らしちゃうかも!」 「え、それは……」 こなたの発言に蒼星石は凍りつく。 取調室のような密閉空間で漏らされたら、たちまち臭いが立ち込めるだろう。 窓ははめ殺しになっており、換気することもできない。 「蒼星石! 絶対に逃げないからトイレ行かせてよ! お願い!」 こなたは扉の前まで行き、ドアノブをガチャガチャと回し始める。 だが、内部から施錠されているため扉が開くことはない。 それが分かっていながらも、彼女は必死にドアノブを回し続ける。 限界が近いのだろう、今にも漏らしてしまいそうな雰囲気だ。 武器は全て没収されているし、格闘戦になったとしても普通の人間に負けるつもりはない。 何よりもし彼女が演技でなかった場合、悲惨な状況を産み出してしまう。 「はぁ……もうしょうがないなぁ……」 観念した蒼星石は、Lから預かった取調室の鍵を取り出す。 「やった!」 「でも――――」 扉の前まですたすたと歩いて行き、鍵を挿し込んで解錠する。 「僕も付いて行くからね」 「そんなのどうでもいいよ! 先に行くね!」 「あ、待ってよ!」 鍵穴から鍵が刺し抜かれると、こなたは一目散に駆け出す。 皆が集まる前から警察署に居たため、トイレの位置は完全に把握しているのだろう。 物凄い勢いで疾走するこなたに、蒼星石は付いて行くのがやっとだった。 「ちょっと……速すぎるよ……」 蒼星石がトイレに到達した時、既にこなたの姿はない。 代わりに一番手前にある個室の鍵が、使用中を示す赤色に変わっていた。 「……」 しばらくすると個室の中から水の滴るが流れ出す。 トイレに行きたいという要望が事実だったことに、蒼星石は思わず安堵した。 もし嘘だったのなら、彼女は大失態を犯したことになるのだから。 「……」 無言のトイレの中を水温の音だけが鳴り続ける。 他人の排泄音を聞くというのは、あまり気分のいいものではない。 だが他にやることがない以上、どうしても流れる音に集中してしまう。 「……はぁ」 湿った溜め息を吐く。 蒼星石に汗を掻く機能はないが、人間だったら確実に発汗しているだろう。 居心地の悪さがすり減った彼女の神経を蝕んでいく。 一人の時間を得て、ふと頭に過ぎったのは二人の少年の顔。 初めての同行者である橘あすかと、自分を庇って死んだ北条悟史。 他にも大勢の人間の犠牲があるからこそ、今の自分たちはここにいるのだ。 そう思うと、悪寒が止まらない。 「……はぁ」 二度目の溜め息を吐く。 手の平に不快感を感じ、泥や砂で汚れていることに気付いた。 目の前に洗面台まで進み、汚れ一つない蛇口を捻る。 そこから噴出した水に、彼女は汚れた手を預けた。 泥や砂は綺麗に洗い落とされるが、こびり付いた血液はなかなか消えない。 握りしめた際に付着した悟史の血液だろう。 「ん?」 ガシャン、と音がした。 振り返ると、そこにはガラスの残骸が散乱している。 目を凝らして見てみると、それは全員に支給されたランタンであった。 「なんでこんなものが……」 すたすたと足音を立てる蒼星石。 水の滴る音は、まだ止んでいない。 そして―――― 「――――ッ!?」 頭上から飛び掛ってくるこなたの姿を最後に、彼女の意識は暗闇の中に落ちていった。 ☆ ☆ ☆ 「どうかしましたか?」 トイレから戻ってきた桐山を見て、Lは覗き込むように質問する。 冷静沈着な彼には珍しく、息を荒げているのがはっきりと分かった。 「蒼星石が……死んでる」 桐山の告白は、その場にいた全員に衝撃を齎した。 「う、嘘です……嘘吐くなです!!」 桐山の告白を否定する翠星石。 顔は真っ青に青ざめていて、手は小刻みに震えている。 「ッ……泉さんは?」 「分からない、が、何処にも見当たらなかった」 ギリッと奥歯を噛み締めるL。 この場にいる人間の中では比較的冷静さを保っていられたが、それでも完全に動揺を隠すことはできなかった。 「まさか……先輩が……」 翠星石と同じように顔面を蒼白に染めたみなみが、独白のように呟く。 その後に続く言葉は、言わずとも誰にも予想できるだろう。 ”泉こなたが、蒼星石を殺害して逃げた” 「非常に残念ですが、その可能性は極めて高いでしょう 情報交換は中止です、これから泉さんを追います」 表情は変えないまま、しかし普段よりも荒い語調で宣言するL。 みなみの顔には、より一層暗い影が落ちる。 「でも……どうやって追うんですか? 泉さんが何処に行ったのか分からないんじゃ……」 「そうだ! 彼女が何処に行ったのかを知る方法が――――」 「あります」 「我々には無いだろう……ってなに?」 かなみの指摘に上田は長々と便乗するが、Lはたった四文字で切り捨てる。 「彼女のデイパックを調べた時に発信機を仕込んでおきました、受信機はここにあります」 くすんだ色のジーパンのポケットから、リモコンほどの大きさの機械を取り出す。 これは元々は真司の支給品であり、預かった際にこっそり拝借していたのだ。 「上田さん、お願いします」 「Why? 何故私が!?」 手に持った受信機を、呆然としている上田に差し出す。 すると上田は露骨に狼狽し、口早に異を唱えだした。 Lがその内心を知る由もないが、上田はこの殺し合いに乗っている者に対して恐怖を抱いていた。 東條悟、ミハエル・ギャレット、稲田瑞穂、前原圭一、瀬田宗次郎。 今まで出会ってきた者たちは、頭のネジが何本も抜けているような者ばかりだった。 いくら天才的頭脳を有していても、彼らのような人種とは会話ができない。 ハッキリ言って、関わりたくなかったのだ。 「上田さんしかいないんです、この中で一番腕っ節が強いのは貴方なんですから」 「し、しかし……」 「お願いします」 上田がいくら目を逸らしても、Lは不健康そうな隈に彩られた目で追い続ける。 あまりにも居たたまれず、やがて上田は観念したように肩を落とした。 「ふぅ……仕方がないな、この私の頭脳と手腕が必要とあっては力を貸さないわけにはいかない」 放つ言葉は尊大なものの、普段のような張りのある声ではなかった。 「……私も行かせてください」 上田との交渉を終えた直後、影に隠れていたみなみが前へと出てくる。 「……先ほども言いましたが、泉さんが蒼星石さんを殺した可能性はかなり高いです、それでも行きますか?」 「足手まといにはなりません、それに……先輩が何でこんなことをしたのか知りたい」 みなみの目を覗き込む。 ただの女子高生であるみなみを外出させるのは避けたいが、上田だけではどうしても不安が残る。 「なら、俺も行こう」 静観していた桐山が立候補した。 「俺にはカードデッキがある、襲われたとしても返り討ちにできる」 デイパックの中から黒いカードケースを取り出し、学生ズボンのポケットの中に仕舞い込む。 確かにカードデッキの力があれば、並大抵の敵なら跳ね除けることができるだろう。 真司が気絶中である以上、現状の最強戦力は彼だ。 「分かりました、岩崎さん、桐山さん、お願いします」 表情を崩さないまま、Lは二人にこなた探索隊に加えた。 「私は……蒼星石を見に行きます……」 嗚咽を漏らしながら、翠星石は自らの意思を告げる。 自分自身の半身ともいえる蒼星石の死は、怒りよりも悲しみの方が大きかったようだ。 それに、もしかしたら桐山が見間違えただけかもしれない。 自分の目で確認するまで、彼女は蒼星石の死を認める気はなかった。 「分かりました、私も彼女の遺体を拝見します」 「えっと……私は……」 ほぼ全員の役割が決まったが、かなみだけがまだ決まっていない。 自分だけが蚊帳の外であったため、不安に苛まれたのだろう。 「由詑さんはここに残っていてください」 「でも……!」 彼女は子供であり、さらに左腕を骨折している。 探索隊に加えても足手まといになるのは目に見えているのだ。 「私も何かしたいです! 出来ることなら何でもしますから!」 包帯の巻かれた腕を不便そうに振るいながら、必死に懇願するかなみ。 その姿を見て、Lは数秒間だけ思考した後にこう告げた。 「では、裏門にいる右京さんを呼んできてください」 「わ、分かりました!」 指示を受けると、彼女は一目散に駆けていく。 誰にでもできることであったが、とにかく何かをしたかったのだろう。 「殺人を犯した可能性のある泉さんを放置しておくわけにはいきません、迅速に確保してください」 こうして、彼らは会議室を後にした。 ☆ ☆ ☆ 「これは……」 女子トイレに集まったL、右京、翠星石の三人は、目の前に広がる惨状を見て思わず声を漏らした。 着衣が乱れ、事切れた蒼星石の姿。 強烈な打撃を受けたのだろうか、顔には痛々しい痣ができている。 そして何よりも目立つのは、喉元に深々と突き刺さった鉛筆。 鉛筆は蒼星石の細い喉を貫通しており、これが死因となったのは間違いないだろう。 「そんな……蒼星石……」 崩れ落ちる翠星石。 もしかしたら生きているかもしれないという淡い希望も、あまりに呆気無く打ち砕かれたのだ。 「遺体を検分してもよろしいでしょうか、翠星石さん?」 そんな彼女を尻目に、Lは無表情のままだ。 こなたとの悶着で彼の性格をある程度は理解していたつもりだったが、自らが当事者となるとその不愉快さに辟易する。 「勝手にしやがれです」 今更なにを調べる必要があるのかと思うが、もしかしたら予想もできない真実が見つかるかもしれない。 それを達成できるような人物は、Lや右京のような頭のいい者たちだろう。 だがそれでもLの態度が気に食わず、言葉に出てしまった。 「……」 蒼星石のマスターである柴崎元治を呪縛から解き放ち、ようやく手に入れた本当の幸せ。 だが、もうそれは何処にもない。 真紅も、劉鳳も、新一も、そして蒼星石も死んだ。 彼女の死に直面し、去来したものは怒りでも悲しみでもなく虚無感だった。 「翠星石さん、これが何かご存知ですか?」 Lの手の平には、翠星石にとって見覚えのある物が乗っている。 「蒼星石の……ローザミスティカ……」 ローゼンメイデンにとって命にも等しい代物。 これが身体の外に出たということは、アリスゲームの脱落――――死を意味する。 「これは私たちにとって命みたいな物です、できれば翠星石に渡してほしいです」 「……分かりました」 少し逡巡した後、Lは蒼星石のローザミスティカを差し出してくる。 それを受け取った翠星石は、口を結んだままそれを自らの胸に押し当てた。 (せめて、私の中で真紅と一緒に……) 翠星石の身体が眩い光に覆われ、時間と共に身体の内側へと吸い込まれていく。 彼女がこれを体験するのは二度目である。 アリスゲームに積極的だった水銀燈ではなく、否定的だった彼女がローザミスティカを二つも得たのは何の皮肉だろうか。 身体が暖かい感触に包まれるが、対照的に心は氷のごとく冷え切っていた。 (え……?) 翠星石の表情が見る見るうちに歪んでいく。 蒼星石のローザミスティカを取り込んだことで、彼女が有していた記憶がぼんやりと浮かび上がる。 そうして伝わってきたのは、予想だにしない光景であった。 時系列順で読む Back 月光 Next DEAD END(中編) 投下順で読む Back 運命の分かれ道 Next DEAD END(中編) 121 彼と彼女の事情 城戸真司 131 DEAD END(中編) 翠星石 岩崎みなみ 杉下右京 125 How many miles to the police station? 上田次郎 由詑かなみ 泉こなた 蒼星石 桐山和雄 L 131 DEAD END(後編)
https://w.atwiki.jp/izumoyuuto-knosp/pages/176.html
《Sin(シン) Space(スペース)》 フィールド魔法 自分フィールド上に「Sin World」が発動している場合のみ発動可能。 このカードがフィールド上に存在する時、このカードは「Sin World」として扱う。 このカードがフィールド上に存在する限り、自分のドローフェイズ時に通常のドローを行う代わりに、自分のデッキから「Sin」と名のついたカード1枚を選択し手札に加える事が できる。 自分フィールド上の「Sin」と名のついたモンスターが持つ『「Sin」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。このカードが表側表示で存在する 限り、自分の他のモンスターは攻撃宣言できない。』と言う効果は無効化される。 自分フィールド上に「Sin」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは1ターンに1度破壊されず、相手はフィールド魔法カードを発動できない。 関連カード Sin 《Sin World》
https://w.atwiki.jp/tipsticktack/pages/62.html
第1回汚物は消毒だ 火炎放射器だらけのサバイバル戦 ルール 優勝:世紀末覇者 ロシアンブルー キル37 デス25 デポ0 =16000P 準優勝 ブリジット キル29 デス17 デポ1 =15500P 3位入賞 おにくさん 12000P 4位 るき 10000P 5位 シルビア 9500P 6位 ルイス 9500P 7位シーマックス 8位るな 9位えるるー 10位ひろしげ 11位はるしお 参加してくれた皆様本当にありがとうございました。 次また何かありましたらよろしくお願いします。 お疲れさまでした