約 1,041,648 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2137.html
ウサギのナミダ ACT 1-20 ◆ 月曜日の夜、九時閉店少し前に現れた客は、息を切らして店に入ってきた。 端正であろう顔には疲労が濃く、目は赤く充血している。 徹夜明けであろうか。 夜通し楽しくフザケていたわけではないようだ。 その証拠に、疲れ切ったその顔の、両の瞳だけが、意志の光を強く放っている。 もちろん、今彼の置かれた状況を考えれば、楽しくフザケる気分ではないわけだが。 右手には痛々しい包帯。デイバッグを担いでいる。 シャツの胸ポケットからは、うさ耳の神姫が顔をのぞかせていた。 息を整えている、その青年に声をかける。 「いらっしゃい……遠野くん、だったかな?」 「はあ、はあ……店長……ご相談が、あります」 「……自分の中の整理はついたのかい?」 「……はい!」 迷いのない返事だった。 すべてを決めて、ここへ来たのに違いない。 ホビーショップ・エルゴへと。 青年の短くも熱い答えに、胸に炎が宿ったような気がした。 日暮夏彦はそういう男だった。 日暮店長は、アルバイトの店員と、彼の神姫・ジェニーに後を任せると、遠野貴樹を店の奥へと誘った。 □ ティアを神姫学校のスペースに預け、俺は店長に続いて店の奥へと入った。 わざわざティアを預けたのは、これから先の話をティアには聞かせられなかったからだ。 俺がこれから何を使って、何をするのか。 それを聞いたら、ティアはショックを受けるだろうし、俺を止めようとするだろう。 しかし、俺にはこの方法しか思いつかなかった。 だから、ティアには教えられない。 ティアを救うために。 店の奥、事務所兼休憩室のようなところに連れてこられた。 お世辞にも広いとは言えない。 だが、内緒話をするにはぴったりだった。 日暮店長は、電源が入ったままのPCの側の椅子に座り、向かいの席を俺に勧めた。 席に着く。 俺が小さなテーブルの上にデイバッグを置くと、店長はPCのそばにあった雑誌を俺の方に出した。 例のゴシップ誌の今週号だった。 ……つまり、店長は俺が今置かれている状況や、何の相談に来たのか、だいたい把握しているということだ。 「……話が早いですね」 「菜々子ちゃんから、この件で事前に連絡を受けていてね……先に調べさせてもらった」 やはり、私立探偵か何かなのだろうか。神姫専門の。 「店長の広いコネクションを見込んで、お願いがあります」 俺はデイバッグの中から、「それ」を取り出した。 取り出したものは二つ。 パッキンで厳重に包んだものと、メディアケース。 俺は日暮店長の前にそれを差し出した。 「見てもいいかい?」 包みを手にした店長に、俺は頷いた。 慎重にパッキンについたテープを剥がしていく。 包みは手のひらにすっぽり収まるほどの長細いものだ。 パッキンの下から、さらに布のハンカチが出てくる。 店長はそっと、その布をめくった。 「……っ」 さすがにちょっと驚いたらしい。 いくら神姫のボディを見慣れているといっても、人型のものに頭がないと、やはり生理的に嫌悪を感じてしまうのだろう。 その布の下にあるもの……それは、かつてのティアのボディだ。人間そっくりに作られ、あらゆる性的虐待に対応できる冗長性を兼ね備えた違法ボディ。 「……こっちのメディアケースは?」 「ティアの、過去の記憶です。ティアのメモリにはいっていたものを、光学ディスク三枚とメモリカードにそれぞれ収めてあります」 これが俺の最後の切り札だった。 違法ボディとティアの記憶。それは『LOVEマスィーン』が違法営業であることを裏付ける。 それゆえにティアは店から追われているが、それゆえに武器にもなる。 「この二つは、ティアが……俺の神姫が風俗店に所属していた証拠になるはずです。記憶の方には、風俗店のスタッフや常連客の記録もあります」 「……」 「これで……神姫風俗店『LOVEマスィーン』を告発したいんです。 ただし……ティアには何の関わりもないように」 俺が譲れないことは、そこだった。 ティアが警察の証拠として持ち去られたら、どうなるか分かったものではない。 この件はティアになんの影響も及ぼさないように事を進めなくてはならない。 日暮店長は、俺が差し出したものを、手にとっては眺めている。 「警察には連絡したかい?」 「していません。警察に相談したら……ティアを押収すると言うにきまっていますから。だから、日暮店長のところに相談に来たんです。久住さんが、神姫関係の探偵のようなことをしている、と言っていましたので」 「探偵、ね……」 店長は苦笑した。 そして、俺を見た。真っ直ぐで熱い視線が俺を射る。 「ひとつ聞きたいんだが……これを警察が知れば、君の神姫はともかく、君自身が警察から呼ばれるかも知れない。君にとって都合が悪いことになるかも知れんぞ?」 「かまいません」 即答だった。予測の範囲内だ。その覚悟は、昨晩終えていた。 「俺は、どうなってもいいんです。警察に証言しにいってもいい取り調べを受けてもいい、それで何か罪状があるなら甘んじて受けます。裁判で必要なら、証言だってしに行きます」 「……たかが、神姫一体のために?」 「……それで、ティアが安心して暮らせるようになるのなら」 店長の物言いに、俺は一瞬むっとしたが、それが揶揄ではなく、真剣な問いだということを、彼の視線が物語っていた。 俺はそれに応えるように、言葉を紡ぐ。 「俺は……ティアを無理矢理に自分の神姫にしました。自分の好みの武装をさせて、戦わせて……俺はティアに夢を叶えてもらったんです。 でも、それはティアが望むことじゃなかったかも知れない。それでもティアは笑ってくれるようになってきたから……その笑顔を守ることが、俺の、マスターとしての、責任だと思っています。 たとえ、俺のすべてをかけることになっても……ティアを守りたい。それが夢を叶えてくれたティアにしてあげなくてはならないことだから」 俺の奇妙な主張を、日暮店長は真剣な表情で聞いてくれている。 「無理な相談であることは、承知の上です。 でも、俺が頼れる伝手は、日暮店長しかいなかった。 俺が言うことが無理でも、次善の策を一緒に考えてください。 どうか……お願いします」 俺は深く頭を下げた。 日暮店長が、深く息をつく気配。 「君が警察に捕まったら、君の神姫はどうするんだ? ひとりぼっちになってしまうだろう」 「そのときは、久住さんに預けます。彼女なら分かってくれるだろうし……信じていますから」 「そうか……」 日暮店長は、視線をはずすことなく、俺を強く見つめている。 俺も視線を逸らさない。 もう決めたことなのだ。俺の決心は揺らがない。 やがて、日暮店長が笑った。 「わかった。なんとかしてみよう」 「……あ、ありがとうございます!」 「あ、これは借りておくぜ? 大丈夫、悪いようにはしない」 「……で、俺はどうすれば……?」 「そうだな……とりあえず、待っていてくれ。君が必要なとき、何かあったときには連絡する」 店長は左手を差し出した。握手に応じる。 日暮店長の握手は、やはり熱く堅いものだった。 これから店長が何をするのか、俺には想像もつかないが。 だが、彼は理屈抜きに信じられる、そんな気がしていた。 ◆ 閉店作業も終わり、アルバイトも帰った夜遅く。 ジェニーは自分のマスターを捜している。 「もう、マスターったら、なにしてるんでしょう……」 閉店直前にきたお客さんを相手していた。 だが、そのお客さんが帰った後も、店の仕事をほったらかして、姿をくらましたままだ。 はたして、日暮夏彦は、自分の部屋のPCの前で、にやけていた。 そのPCの画面を見て、ジェニーの頭は沸騰した。 「マスタアアアァァーーーーーーー!!? 仕事さぼって何やってんですかああぁぁ!!」 ディスプレイには、さきほど神姫学校に預けられていた、ある神姫の痴態が表示されている。 「うわああぁぁ!? ジェニーさんっ!? いや、ちょっと落ち着けって!?」 「これが落ち着いていられますかっ! 仕事さぼって何やってるかと思えばっ!!」 「だからっ!! これが次の仕事のネタなんだってええぇっ!?」 ジェニーは、いましもファイナルアタックライドをかましそうになったブレイドブレードを、すんでのところで止めた。 「次の……仕事?」 「ああ。久々の副業だぜ?」 にやり、と笑う夏彦。その口調からふざけた調子は消えていた。 PCのディスプレイに表示された画像が次々と変わる。 あられもない、を通り越したどぎつい画像の数々に、ジェニーは目を逸らした。 「ったく……神姫風俗でこんなことやってたなんてな……反吐が出る」 「じゃあ、なんでこれ見ながら、さっきはにやにや笑ってたんですかっ」 「いや、あれは思い出し笑いよ?」 きょとんとするジェニーを見ながら、夏彦はまたさっきのように笑い出す。 「だってよ、自分のすべてをかけても、神姫の笑顔を守りたいって言うんだぜ? あの青年は」 「神姫の笑顔を……?」 「そうだ。俺と同じくらいの神姫バカだ。笑わずにはいられないぜ……うれしくってな」 そう。閉店間際に入ってきた、あの青年は言ったのだ。 自分のすべてをかけても、自分の神姫を守りたいと。 笑顔を守りたいと。 夏彦はティアの記憶を紐解いた。 彼女が風俗の神姫だったと知っていてなお、その内容にショックを受けた。 彼女の記憶を見てもなお……あの青年はティアを自分の神姫にして、さらに守りたいと願うのだ。夢を叶えてくれた、と感謝すらしているのだ。 神姫バカだ。 夏彦からの最高の誉め言葉だ。 そんな男に出会えたことが、嬉しくて仕方がない。 そして、心が熱くなる。 ジェニーには、その夏彦の気持ちがよく分かっていた。 なぜなら、自分もそうだから。 あのクールな青年は、あの神姫の笑顔を守りたい、と言ったという。 マスターと神姫が笑い合う姿。それはジェニーが一番好きな光景だ。 だが……。 「でも、マスター。……このままでは彼の神姫は……笑えないのではないですか?」 「うん。よくわかってるじゃないか、ジェニーさん」 もしあの青年が捕まったりすれば、ティアはマスターと一緒にいることはできない。 彼女は無事でも、心から笑うことなんてできないだろう。 「だからさ……俺は、遠野くんもティアちゃんも、両方救いたい……彼らが心から笑いあえるように」 「……何かいい方法が……?」 ジェニーの問いに、夏彦が今回の作戦を囁いた。 「……ま、俺たちの負担がめちゃくちゃ増えるんだが」 「やりましょう」 ジェニーは間髪入れずに答えた。 いま、一人の神姫の笑顔を守るために、すべてを賭けることを決意したマスターがいる。 そして、彼はわたしたちの力を頼ってきた。 わたしたちは彼の願いを叶えることができる。 やらない理由がどこにある? なぜなら。 わたしたちはそのために戦っている。 『G』の力はそのためにこそあるのだから。 「……これからしばらく、徹夜だぜ?」 「でも、やるのでしょう、マスター?」 夏彦は笑って頷いた。 「決まりだ。早速始めるぜ、相棒」 夏彦は携帯電話を取り出し、アドレス帳から目当ての名前を呼びだして、電話をかけた。 「ああ、もしもし、たっちゃん? そう、俺。……残業? 仕事熱心だねぇ。 で、ものは相談だ。最近旬のネタがあるんだが……」 □ それからしばらく、俺は結局、いつもの日常生活に戻った。 すぐにでも警察から連絡が来るのではないかと身構えていたが、拍子抜けするほどに何もなかった。 あの店長が動いてくれたところで、すぐに警察が動くとは限らない。 そう気がついて、結局俺自身に他に何をすることもなく、大学に行って勉強したりしていた。 ティアのことは心配だったので、できる限り連れ歩くことにした。 ティアは時々俺を見上げ、何か言いたそうにしている。 「どうした?」 「……なんでもありません」 そう言って、口をつぐんでしまう。 レッグパーツの訓練は、夕方からやっている。 幸いなことに、ティアはスランプから脱したようで、順調に進んでいた。 ティアは多くを語らないが、週末の事件で何か心境の変化があったようだ。 それがいい方向に向いているなら、それでいい。 久住さんからは、よくメールが来るようになった。 内容は他愛もないもので、俺たちやエルゴの店長について尋ねることもなかった。 最近、ゲーセンに来ている四人の女子高生と仲良くなったらしい。 俺も思い当たるグループがあった。どうやらその女の子のグループらしかった。 ここのところ平日もゲーセンに出向いて、彼女たちにバトルロンドの稽古を付けているという。 楽しそうな様子が、文面から伝わってきた。 今回の件で、久住さんにはいろいろと世話になってしまった。 落ち着いたら、改めてお礼を言いに行こう。 そんな風に平日を過ごしていた俺だった。 今思えば、このときにはすでに事態は激しく動いていたのだろう。 それについて、俺が気がつく術は何もなかった。 事態が判明したのは、土曜日の朝のことだった。 その日は、ティアと出会ってから、もっとも長い一日になった。 一日の始まりを告げたのは一本の電話だった。 大城からの、突然の電話。 「なんだ、こんな朝早くから」 「いいから、テレビ見てみろ、テレビ!!」 俺はテレビの電源を入れる。 朝のニュースが画面から流れ出す。 そして……俺は驚愕した。 『……昨晩、いわゆる神姫風俗に対し、警察による全国一斉摘発が行われました。 これはMMS保護法制定以来、初めての一斉取り締まりとなります。 MMSを利用した風俗営業は、風俗営業法違反だけでなく、MMSに対する性的虐待によるMMS保護法違反の疑いもあり……』 日暮店長との会談から五日。 俺たちを取り巻く世界は、急速にその様相を変えようとしていた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/yuyu-ryuousen2010/pages/23.html
B3級トーナメント~上位2名が決勝トーナメント進出 本戦優勝者と敗者復活戦優勝者による、優勝者決定戦を行います。 順位~1位・2位→優勝者決定戦の勝者・敗者 3位→敗者復活戦・6の敗者 B3級トーナメント表・本戦 幹事・幸村さん B3優勝者 こじかさん 決勝トーナメント出場者 こじかさん のりさん おめでとうございます 優勝者決定戦 こじか○ vs のり● 12/10(金)21:00 12/10 23:00 更新 幸村 ┌─okadama(おかだま) ┌─┤A | └─ t-minato(みなと) ┌─┤E | | ┌─+kappa+(かっぱ) | └─┤B | └─ Ex-Qisha(Qさん) ★こじかG | ┌─ yuki_cyclamen(幸村) | ┌─┤C | | └─ nori9369 (のり) └─┤F | ┌─ snowbird2002(スノー) └─┤D └─kojikasan(こじか) 敗者復活戦 ┌─A t-minato(みなと) ┌──┤1 | └─ B Ex-Qisha(Qさん) ┌──┤3 | | | └─── F nori9369 (のり) | ┌──┤5 | | ┌─C yuki_cyclamen(幸村) | | ┌─┤2 | | | └─ D snowbird2002(スノー) | └──┤4 | | | └────E +kappa+(かっぱ ★のり6 └─────── G okadama(おかだま) タイムスケジュール 第1週 11/05~ 本戦 A B C D 合計・4局 第2週 11/12~ 本戦 E F 復活戦 1 2 合計・4局 第3週 11/19~ 本戦 G 復活戦 3 4 合計3局 第4週 11/26~ 復活戦 5 1局 第5週 12/03~ 復活戦 6 1局 第6週 12/10~ 優勝者決定戦 1局
https://w.atwiki.jp/doruota/pages/1728.html
/ r- / { | . \ ---=ミ _ -= 7 / ゝ / }/ ` / i ' _ ' / \ ∨ { / , ヽハ ! / / ≧=- __,彡' , 斗=廾十 }-=ミ}、 i 、 、  ̄ / . | / 从! /从 / \ | } \ ヽ , i {才示㍉、 / x竓ミ、 } ! ! ー 、. \ ノ }∧ { r' ㌫} ∨'' ノ 心㍉ - 、 \ / } . 从乂zソ { ゞ ソノ /{ \ -=ミ, ∧ {ヽ ` `¨_彡 , '/{ \___ \ { ( / , 、ヽ 、 ヽ - ノ // { . V } ヽ ヽ \ ∧´{ {.≧s。 __ -=彡イ }.\{八 ノ / / =-- __/ノ } 、__ \ 才 _彡' } '∧ _ ≠ /} | /. . . . . .. . ≧=彡 \ ̄{ 人 r≦/ ノゝ--=≦彡 . . .、 ,. / ◇ / }ノr--r--彡 /{ }ヽ >- r<{ヽノ \ ◇ \ / .◇ ◇/ / | |/ヽ/ / 乂z乂\ヽノ | ヽ\ 八 ◇ ◇ \ / / / /{ノ/ | , . . . (__八__) . .∨\ \ \ {、 \、 \ {_彡イ ., | 人 . . . . / v ∨ . .ノ, \ \/ゝ(\ ヽ ――' `¨´乂ヽ ィ/ . . . r Y .}∨ { } / \ , 乂)  ̄ / 乂\ / . . . ./ { /ハ .} . . . |'' ∧ ̄ \. /_乂) / 乂入 , }ゝ' ∨{ } } . . . } , \ \ /_乂/ / r---ゝへ=/ /八 } { } } 彡' , } \ ゝ'_乂ノハ . 乂 ` / / ∧ { { } } { / / \ }i \ ×─────────────────────────────────────── 【名前】QB 【タイプ】フェアリー/あく 【特性】けいやく… 場に出た時、相手の特性を「けいやく」に変化させる。 【もちもの】オボンのみ… 自身の体力が1/2以下になった時、1度だけ自身の体力が1/4回復する。 【技x8:じゃれつく、こどもだまし、バークアウト、しっぽをまく、 あまえる、うそなき、わるだくみ、まもる】 こうげき:B ぼうぎょ:B とくこう:B とくぼう:B すばやさ:B 【ポテンシャル】 『エースキラーα』… 『エース』に与えるダメージを強化(1.5倍)する。 『エース』の「防/特防」の上昇(強化)を無視する。 『固有種』… 「QB」種がこの個体だけのため『オールドタイプ』を無効化する。 『虚淵精の変異』… 相手の特性が「けいやく」になった時、相手をランダムのタイプに変更出来る。 『虚淵精の尻尾』… 相手の技の「おいうち」効果を受けない。 『虚淵精の甘言』… 自身に対し味方の『アシスト』が発動する。 『グリーフシード』… 1/試/自動 「瀕死」状態になった時、相手の1番高い能力値を下げる。 『対の先』… 相手の「すばやさ」の種族値が自分と同ランクの時、中確率で自身の技の優先度を+1する。 『対毒回避』… 敵陣に「毒」ポケモンがいる時、相手の「毒」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対毒耐性』… 敵陣に「毒」ポケモンがいる時、相手の「毒」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対毒追撃』… 敵陣に「毒」ポケモンがいる時、低確率で自身の技に「おいうち」効果を付与する。 『軍略』… 自身の「全体技」の威力を強化(1.2倍)し、相手の「全体技」の威力を低下(0.8倍)させる。 『アンブッシュ』… 相手の『エース』が場に出た時、相手が場に出て最初に繰り出す技の優先度を「-1」に変更する。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz 『必ず履行される契約の正体』… QB専用ポテンシャル。 1/試/先行 自身の技に「おいうち」効果を付与し、相手に「必中」させる。 「おいうち」効果の発動時、技のダメージを2倍にする。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz 技について 名前 分類 タイプ 威力 命中率 範囲 接触 備考 じゃれつく 物理 フェアリー 90(135) 90 単体 ○ 1割「攻-1」 こどもだまし 特殊 フェアリー 40(60) 100 単体 × 優先度+3 10割「怯み」 場に出て最初以外だと失敗する。 バークアウト 特殊 悪 55(82.5) 95 相手全体 × 「音」技。 10割「特攻-1」 しっぽをまく 物理 悪 40(60) 100 単体 ○ 優先度+1 「とんぼ」技。 あまえる 変化 フェアリー --- 100 単体 × 相手の「攻」をがくっと下げる。 うそなき 変化 悪 --- 100 単体 × 相手の「特防」をがくっと下げる。 わるだくみ 変化 悪 --- --- 自分 × 自身の「特攻」をぐーんと上げる。 まもる 変化 ノーマル --- --- 自分 × 優先度+4 T終了時まで自身を「まもる」状態にする。連続で繰り出すと失敗しやすい。 タイプ相性 ばつぐん(4倍) なし ばつぐん(2倍) 毒 鋼 フェアリー いまひとつ(1/2) ゴースト いまひとつ(1/4) 悪 こうかなし(---) エスパー ドラゴン 【備考】 初登場:38スレ目 1564 美国織莉子の手持ちとして登場。 キュゥべえから進化した。 戻る
https://w.atwiki.jp/dungeon_crawler/pages/29.html
Bノビ 飛び道具を扱う職。装備は主に弓、投擲、銃。 ★戦闘に用いるダイスの数 ヒットダイス ダメージダイス ヒット&ダメージダイス ディフェンスダイス 1 1 1 1 ★スキル なし
https://w.atwiki.jp/boxtana/pages/12.html
この什器のボーナスストアPアップ効果の初期値 Bランク商品 0.2%UP Cランク商品 1.5%UP Dランク商品 1%UP トップページへ戻る 什器@wikiへ戻る 風ちゃま@wiki 上へ
https://w.atwiki.jp/game_character2007/pages/23.html
ジェニ 色決定 ジェニ 案(仮) 表情 ラフ
https://w.atwiki.jp/arcueid/pages/202.html
バンホールの酒場で働く女将兼社長。ある日、一人ふらっとバンホールへやってきたジェニファーは食堂を開いたが、バンホールの人々が酒を毎日のように飲みに来たため自然と酒場になってしまっている。ヒーラードレスを着ながら働いているが、それは「お酒で人々の心を癒している」という理由からである。美人の女将としてバンホールの人々に親しまれているのに未だに一人である理由は、リカドいわく「性格に問題があって、未だにお嫁にいけない」ということらしい。
https://w.atwiki.jp/game_memo/pages/606.html
最終更新 2012/12/05 21 53 10 氷海の柱 (11/29(木)06 00~12/13(木)14 00) Memo カード 報酬 追加イベント報酬 攻略 ボス攻略(未作成) 進行表(未作成) クリアー後 情報提供欄 Memo 初日参加でパラメーター全回復&光レア(チアキ)配給される。 一度進むと後戻りができない。 25島ずつ進むと現れるボスを倒すとプチ進化ジェリーがもらえる。(50階はルイSR+、100階はチアキL+) 冒険者に様々な恩恵を与えてくれる島がある。ジェニーの島…進むたびに1000~10000ジェニーが手に入る。 スイーツの島…各色のプチスイーツやスイーツが手に入る。 古のモンスターの島…完走時の宝箱からレア以上(?)のカードが一枚もらえる。 モンスターの島…一回毎に高確率で1枚モンスターが手に入る。 たまに落とす地図を4枚集めると次の島が「未踏の島」に変化し、報酬Getできる。(回復、ハーフ回復、温泉、ガチャ、穴、鍵) 今回、イージーモード搭載されている。(表秘宝3種類揃えるまでバトル不可) カード 図鑑ID 系統 名称 レア度 最大Lv 必要魔力 初期能力 能力MAX 単位能力 成長傾向 特殊能力 売却価格 備考 攻 防 攻 防 攻 防 攻 防 名称 効果 2092 男 エンディミオン R ? ? ? ? 炎の息+ 炎攻少し↑ 2850 2093 男 神造エンディミオン R ? ? ? ? 紳士の爪+ 紳士攻カナリ↑ 3300 2092 獣 ラース R ? ? ? ? 獣の息+ 森攻少し↑ 2850 2093 獣 超鋼ラース R ? ? ? ? 百獣の爪+ 獣攻カナリ↑ 3300 2092 女 ニアヴ R ? ? ? ? 水の息+ 水攻少し↑ 2850 2093 女 魔動ニアヴ R ? ? ? ? 乙女の爪+ 乙女攻カナリ↑ 3300 報酬 第25島…柱破壊により、プチ進化ジェリー1枚 第50島…柱破壊により、夢幻剣士ルイ(自分用Sレア+) 第75島…柱破壊により、プチ進化ジェリー1枚 第100島…柱破壊により、Sレア進化ジェリー1枚(飛竜戦士チアキ(自分用L+)) 追加イベント報酬 第125島…柱破壊により、プチ進化ジェリー 第150島…柱破壊により、ヘビーレア進化ジェリー 第175島…柱破壊により、プチ進化ジェリー+ 第200島…柱破壊により、レジェンド進化ジェリー(裏秘宝コンプが必要) 攻略 基本的に体力があれば進行可能です。 表秘宝は若干出にくいため、すぐに集めたい人はイージー解除。 ボス攻略(未作成) 進行表(未作成) クリアー後 2012/12/5の14時メンテ後追加イベント 情報提供欄 ※最新の30件のみ表示しています。 ジェニー島で1000ジェニー10回って気のせい? -- (名無しさん) 2012-12-08 08 03 02 ↑2 1回体力15消費 -- (名無しさん) 2012-12-08 18 08 42 チキンフェイク大杉ウザー -- (名無しさん) 2012-12-08 23 10 42 ↑今時まだアンチフェイクなんているのか(笑)「作戦」って言葉を知らないのか?(笑) -- (名無しさん) 2012-12-09 00 24 11 ↑5たしか180島から14消費、190か195から15消費だったと思う あと今日の2時ぐらいでクリア人数3万人ぐらいだった -- (名無しさん) 2012-12-09 13 05 46 追加の追加って残り期間考えたらエンデェングのみですよねきっと しかし難易度も報酬もやっすいイベですね -- (名無しさん) 2012-12-09 15 58 51 アンチフェイクは大抵2~3down積んでる奴。 -- (名無しさん) 2012-12-09 17 30 10 フェイクデッキにしておいて、連バトしたら3倍返しってコメしてるカインってバカがいた。どれだけ自分の都合しか考えてないんだか。フェイクが戦略なら連バトも戦略だろうが。 一回しかバトルしないなら全員フェイクにするっちゅうの。 -- (名無しさん) 2012-12-10 02 42 18 フェイクも連バトも戦略かもしれないけど、連バトはムカツクなー。 -- (名無しさん) 2012-12-10 05 36 25 何のコメント欄なのここ… -- (名無しさん) 2012-12-10 07 44 32 ↑このサイトに入る人のほとんどはもうイベント終わってるんだろうから情報はいらないんだよ -- (名無しさん) 2012-12-10 10 02 51 ↑3でも連バトを連続で退けたときの爽快感がたまらんわ -- (名無しさん) 2012-12-10 10 40 24 遺跡でもらえるカードで一番いいの何? -- (名無しさん) 2012-12-10 18 04 05 報告→月曜のメンテ後からメタルジークなどの能力高いモンスター以外も戦闘に参加するようになった -- (名無しさん) 2012-12-10 18 34 17 ↑モンスターが選ばれる基準がわからん -- (名無しさん) 2012-12-10 19 04 48 ↑防御の数値が大きいものが選ばれている風ではあるが… -- (名無しさん) 2012-12-11 13 01 37 199島で地図完成したら未踏の島まで801島って出て焦った。バグは面白いね。 -- (名無しさん) 2012-12-11 16 31 12 今クリアしてクリア人数65000人ぐらいでした -- (名無しさん) 2012-12-11 19 26 39 ジェニーの島で30000ジェニーが出た。実は二回目かも? 前回は3000の見間違いと思い込んでスルーしたような…。 -- (名無しさん) 2012-12-12 08 57 22 ↑50000もあるでー。 -- (名無しさん) 2012-12-12 11 14 14 ↑まじでー!? -- (名無しさん) 2012-12-12 15 48 36 ロンギヌでた ふっ俺にとっちゃどうでもいいカードだけどな -- (名無しさん) 2012-12-12 19 16 35 ↑お、おう・・・ -- (名無しさん) 2012-12-12 22 01 39 夕方ほどにクリアで86869人目クリアでした。追いこむ人が多そうですがお早めのほうが・・・ -- (らんらんるー) 2012-12-12 23 05 39 9時ころクリアで146728人目でした。最終的には16万人くらい?前のイベに比べてクリア人数倍くらいになりましたね -- (名無しさん) 2012-12-13 10 36 16 結局自力で遺跡だしたの一回だけでした -- (名無しさん) 2012-12-13 16 22 06 秘宝すべてコンプし第198島で終わってしまった… -- (時間切れ残念) 2012-12-13 17 34 47 ↑毎度のことですが追い込みは前日にすることを推奨します(後悔したくなければ -- (らんらんるー) 2012-12-14 13 54 00 回復ね―― -- (ごこ) 2012-12-15 16 40 02 質問者ではないですがお答えします、自分の場合メインとサブ(嫁)を持ってます、 イベント初日に両手にケータイを持ち同時にクエストを1回実行します、新秘宝を1種類ずつ手に入れます お互いにプレゼントし合う、サブからメインに送り返す。メインが4つたまったらイージー解除・コンプ。 その後サブも同じようにコンプをする、メインは仕事の休憩で進めるがサブは就寝前まで出来ないので 就寝前に追いつかせる。また両手に持ち・・・とこんな風にして同時に進めているので メインが先に新秘宝を出すと穴を使わないと防ぎきれないので(一応ずらし真Dデッキだけどチキンな者で) 何階で新秘宝が出るか気になるんです。ジャンボ節約って意味もありますしコンプに関しては効率がいいので。 -- (名無しさん) 2012-12-21 17 24 16 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/hourai2020s/pages/654.html
『ジェーン・ドゥと迷子の交換留学生』 トップ > SS置き場 ■ジェーンさん:白いゴスロリの魔法使い。 見た目は小学生。 女難の相あり。←自業自得。 通称:ジェーン・ドゥ 今生名 瑠璃堂院月子 イラストは、( 「ケモ魔女メーカー」 )にて作成 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ■セブンさん:【運命の方翼】の1人。 赤いライオンヘアでトゲトゲアクセサリーのパンクな女。 実は世界有数の大財閥の令嬢。 独占欲が強く、ジェーンさんを独り占めしたがる。 本名:葉車奈菜(はくるまなな) イラストは、( 「女メーカー」 )にて作成 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ■幸男(ユキ)さん:ジェーン大好き。女装男子→女。 中国拳法と東洋医術を修めている。 推しの幸せは...私の幸せ... 【運命の方翼】武力担当 通称:ユキ 本名:那須幸男(なすゆきお)改め 那須幸(ゆき) イラストは、( 「ひよこ男子」 )にて作成 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ■千穂ちゃん:お嬢様言葉を使う月子様大好き少女。 【運命の方翼】記憶担当、魔法使い(弱)、何気に高い行動力。 4人の中ではお母さん的存在。 本名:朋田千穂(ともだちほ) イラストは、( 「柊祈式女子メーカー」 )にて作成 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ■ジェニー ジェーンさんの因子から組み上げられた、ナノマシンで構成された機械生命体。 生きたコンピューター。 設備なしでインターネットにつながることができる。 ジェーンさんが「魔術師(ウィザード)」であるのに対して彼女は「超級ハッカー(ウィザード)」…になるかもしれない。 通称:ジェニー・ドゥ 本名:瑠璃堂院穂子(るりどういんみのりこ) イラストは、( 「ケモ魔女メーカー」 )にて作成 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 2023年3月ごろ。 旅路は順調だった。 多少の遅れがあったとしても。 3か月をかけて準備をし、先人達のアドバイスも山ほど受けた。 寮のみんなは壮行会まで開いてくれたし、家族全員でスコットランドの実家からロンドンまで見送りもしてくれた。 旅路は順調なはずだった。 嵐に遭遇するまでは。 「くっそ!雨が痛てぇ!」 激しい雨が礫となって打ちつけていた。 防水魔法をかけたローブでさえもその許容範囲を超えて浸水し、今や下着でさえもびしょ濡れだ。 濡れた衣服は体温を奪いつつあった。 「なにが『3月は快適な旅になるでしょう』だ!〇〇〇〇(自主規制)!」 その瞬間、雷が青いローブの端を焦がしながら落ちていく。 雷除けのお守り札がそろそろ限界だと言わんばかりに火花を散らしていた。 スコットランドからの無着陸飛行に挑戦中の箒(ほうき)もだいぶんくたびれてきている。 「おいおいおいおい!まっすぐ飛びやがれ!言うこときかねぇとバラバラにしてトロールの○○○○(自主規制)に突っ込むぞ!」 木の葉のように強風に煽られながらも、なんとか前へ進む箒に向かってその乗り手は拳骨(ゲンコツ)と言う方法で不満を表した。 雷雨吹き荒ぶ中、箒が目指すのは世界に数校しかない魔法学校のひとつ【マホウ○コロ】。 国際魔法使い連盟に登録されたアジア唯一の魔法学校だ。 「クッソ!アジアまで来て遭難とかマジ洒落になんねぇぞ!」 稲光がすぐ側を轟音と共に落ちて行く。 「クソ雷が!マグルの糞に頭突っ込んで死にやがれ!」 箒に必死で掴まりながらも悪態は止まるところを知らない。 そして雷除けのお守り札は遂に限界を迎え……雷は荷物を――トランクと鍋――をくくり付けた箒後部へと落雷する。 「○○○○(自主規制)!○○○○(自主規制)!」 思いつく限りの罵詈雑言を口にしながら暗い海へと高度を下げて行き、遂には高波の影に隠れて姿を消した。 ※※※※ 蓬莱学園。 日本の私立高等学校である。 東京都に所在し世界中から留学生が集まる、大変人気の高校である。 どれくらい人気かといえば、生徒数は10万人。 一説には倍の20万人とも言われている。 しかし不思議なことに――在校生からすれば至極当然ではあるが――新入生よりも卒業生が圧倒的に少なく、かつ中途退学などもほとんどない。 在校生曰く――主に4年以上在籍している者――「俺(私)たちは学園に就職した」と嘯いているとかなんとか。 学科内容は大学以上に充実しており、生徒の中にはここでしか研究できないもののために、大学卒業後に入学するものすら存在する。 一般的な学科から世界最先端、或いは超希少なもの、世界でここだけしか受けれないものが盛りだくさん。 そして、世界からは忘れられ見捨てられた学問も、ここ蓬莱学園では未だ現役であった。 そして、この学校は東京都でありながらも、本土から南へ1800キロの絶海の孤島にあるのだった。 ※※※※ 「遭難者ぁ?」 委員会センタービル1階の裏口横にある診療所(ほけんしつ)で、そこの担当医であるジェーン・ドゥは素っ頓狂な声をあげていた。 『そいです、今朝ぁ海洋冒険部の連中が朝練のぉ最中にぃ回収したんだそぃでぇ……生憎、連中の医者じゃらちがあかねぇってぇ』 酷く訛りのある女生徒からの連絡に、最初に出たのは看護師長を務めるジェーンの恋人で、拳法の達人でもある那須幸男(ユキ)であった。 そして彼女から報告を聞いたジェーンが思わず素っ頓狂な声をあげたのだった。 「まぁ、出番というなら仕方ないの」 「はい、往診の準備できてますぅ」 道すがら遭難者について引き継ぎを受けたのだが、どうにも島外の……というより海外の子供の遭難者らしいとの事だった。 しかし不思議なことに、どこに問い合わせても船も飛行機も消息不明などにはなっていないし、行方不明者もいない。 どこから来た遭難者なのか分からないという。 「なんじゃ?意識はまだ戻っておらんのか」 「いえ、意識はしっかりしてる様なんですが……どうにも会話にならないと」 「【会話にならない】?……それがなんで儂にお鉢が回ってくるんじゃ?」 ※※※※ 「……なるほど、こういう事か」 海洋冒険部基地にある病室へ入って出た言葉である。 そこには金髪、そばかす、ピアスをいくつも付けた歳の頃は15~17位の白人の美青年がいた。 しかしジェーンの眼にはその人物が魔法使いであることが見て取れた。 「これは嫌な予感がするのぉ」 「可愛い男子じゃありませんか」 魔法の素養のない幸男(ユキ)には一般人のように映っていた。 ※※※※ 「可愛くない!全っ然可愛くない!」 「嫌な予感はよく当たるのぉ」 ・ ・ ・ 時間は少し遡る。 病室には四人。 ベットの上には金髪碧眼の美青年。 その傍には銀髪金眼、右目を黒い布で隠した小学生の様なジェーン。 それにつきそうスレンダー巨乳美人看護師の幸男(ユキ)。 ドアの傍に海洋冒険部の医官、漣(さざなみ)が見守っている。 「なんじゃ、名前すら聞けとらんのか?」 「会話が成立しないんですよ 近寄ればなんか魔法みたいのでぶん殴られるし!」 この漣という男は、2年生であり海洋冒険部以外にも保健委員を兼部しているため単なる先輩後輩を超えてジェーンに頭が上がらないのである。 彼は今でこそ地上勤務をしているが、当番が回ってくれば艦(ふね)にのり船医を務める。 船医とは言え船乗りである。 日に焼けて潮風にさらされた肌は褐色で、まさに海の男と言うに相応しかった。 そんな海の男と女子小学生のやり取りは、慣れたつもりでいる幸男(ユキ)からしても、奇妙な感じは否めなかった。 ましてや、ベッドの人物からすれば奇妙極まりなかった。 漣が『魔法でぶん殴られる』という言葉通り、確かに彼の顔にはアザがあり、服装も乱れていた。 「何か良からぬことをしようとし「とんでもない!我々は海に生きるものとして!誇りにかけてその様な事は断じてありません!」……お おぅ」 では一体何があってこのような事態になっているのか? 『言葉は通じるのじゃろう?』とジェーンが不思議そうにベットの上の青年にドイツ語、フランス語、英語で話しかけた。 『随分と古い言い回しをするんだな』英語で答えが帰ってくる。 ※ジェーンが英語圏で最後に生活していたのは数百年前である為、当時の言い回しや訛りの様なものがあるのだが、読みやすさ重視のため現代的に変換済み。 『なんじゃ、普通に話せるでは無いか』 幸男(ユキ)は外国語を喋るジェーンに感心して小さく感嘆の声を上げるが、漣からは剣呑な空気が漂っていた。 (何かしら……センセェに対しての嫉妬とかそういうのじゃなさそう……後で要確認っと) 幸男(ユキ)はそう心のメモに記した。 しかし、この後彼女自身もその理由の一端を身をもって体験することになる。 「ちょいと関係各所に連絡を入れてくるから、そうじゃな……特に何もせぬで良い」 「え?それって……わかりました」 (面倒ごとじゃから儂に全部任せておけ) (この表情はセンセェ案件ってことですね) と、アイコンタクトで通じる2人であった。 ジェーンが「連絡してくる」と部屋を出てしばらくするとベッドの人物が口を開いた。 もとより喋れないわけでは無いし、ジェーンとは普通に喋っていたのだ。 しかし、引き継ぎには『会話にならない』とあったはず。 それが向こうから話しかけて来たのだから、幸男(ユキ)は警戒しながら対応する。 『なぁお前、さっきの魔女の魔法人形(マジックドール)だろう?あの魔女はどこの学校の出身だ?てか、本当に医者か?いくら日本人が童顔だと言っても、どう見ても子供だろ?』 確かに幸男(ユキ)は人形かと思うほどの美貌とスタイルの持ち主である。 それはもと男だった幸男(ユキ)の体を魔法によって理想的な体へ存在そのものを改編したからである。 外科手術での整形とは違い、因果レベルでの改編である。 そこには幸男(ユキ)の理想とジェーンの好みが若干……そう、若干盛り込まれていた。 もちろん、もともと幸男(ユキ)が美しかったという点も忘れてはならない。 そしてその身体は全身からジェーンの魔法の残滓を見ることができる。 なお魔法人形とは魔法によって作られた精巧な自立式の人形の事で、その主な目的は見た目の印象通りである事が多い。 つまり【ピグマリオンコンプレックス】或いは【アガルマトフィリア】の対象である。 もちろん幸男(ユキ)は人形ではなく人間であるし、そのような目的で存在しているわけではない。 英語で話しかけられた幸男(ユキ)は、それほど得意では無いため理解できず、漣が通訳を進んでしてくれた。 「えぇっと……センセェは腕は確かな医者ですよ 安心してください」 学園生徒であれば、学生が大人顔負けの腕前で社会を形成しているのを知っている。 現に漣の所属する『海洋冒険部』は世界的に見れば『海軍』であり、彼は軍医であった。 だがしかし、島外の者にそのことを話しても不安と混乱を与えるだけだし、魔法に関して素人な幸男(ユキ)は魔法人形が何かわからず、言葉少なく返答した。 『そう警戒すんなって あんなちんちくりんでも大人なんだろう?……まてよ……って事は小鬼(ゴブリン)の血でも混ざってるんじゃないか?ちっ……て事は【小鬼の血統】か』 【小鬼の血統】 意味は分かなかったが、そこに込められた侮蔑や嫌悪の雰囲気は感じ取ることができた。 幸男(ユキ)の中で怒りが瞬間的に湧き上がり、愛する女の為に何か言い返してやろう!何かしらギャフンと言わせてやろう!と思った瞬間、ジェーンの顔が脳裏に浮かび、拳を握りしめてその衝動に耐えた。 『お前アジア人タイプのくせに随分整った見た目してんな?隅々までよく見せろよ』 ……漣からの通訳がされない事に、不思議に思った幸男(ユキ)が振り返ると、漣は口を真一文字に結び刺す様な視線をベッドの人物に向けていた。 どうやらまたしても、聞くに耐えない何かを言ったのだと察することができた。 通訳されないのを見たこの尊大な人物は「オレ オマエのカラダ ミタイ ゼンブまで ヌイテ ゼンブ みせろ」 と、拙いながらも日本語を口にした。 「な!?君!日本語が話せるのか!?」 驚きと共に漣が聞き返すとバカにした様に、言い放った。 『アジアの猿に合わせてやる気にならなかっただけだ でも今はコイツとあのちんちくりんに興味が湧いた それだけだ』 「ふざけるな!」詰め寄る漣。 「ダメ!」と間に入って止める幸男(ユキ)。 「落ち着いて!もうすぐセンセェが帰ってくるから!そしたらセンセェにま きゃぁ!」 『すげぇな!やっぱりよく出来ている』 「那須さん退いてください!そいつをぶん殴ってやる!」 「ダメよ!落ち着い きゃぁ!」 「どうしたんです!?なにが!?」 漣は殴ってやりたい衝動で、ベッドの男へ詰め寄ろうとする反面、ユキはそれを押しとどめたい。 そんなやり取りが目の前で繰り広げられているベッドの男は、漣の事など眼中に無く目の前の幸男(ユキ)の尻を確かめるように鷲掴みにしているのだった。 「な!てめぇ!那須さんどいてくれ!ぶっ〇してやる!」 「もう!いい加減にして!」 白衣の天使の仮面を脱ぎ捨てて幸男(ユキ)はもう1つの顔である拳法の達人として、漣の関節を決めてそのままベットからの距離を取った。 「いたたたたた!那須さん!ちょ!外れる!外れる!」 「先生が帰ってくるまで我慢してください!センセェがいいって言ったらぶっ飛ばしていいですから!」 「わかりました!わかりましたから!」 「約束ですよ」そう言って漣を解放した幸男(ユキ)はベッドの男に振り返り「この代償は高くつきますからね」と冷たくいい放った。 その後、ベッドの男は英語と日本語で二人に話しかけたが、二人はドアのところでそれらをすべて無視。 しばらくして疲れた様子のジェーンが帰って来た。 「先輩!あいつぶん殴って良いですか!いいですよね!」 「可愛くない!全っ然可愛くない!」 「嫌な予感はよく当たるのぉ」 『戻ったか!お前の魔法人形とそっちの非魔法族(マグル)の躾がなってないぞ!ここに連れて来られる間も右を見てもマグル、左を見てもマグル、一体ここはどうなってるんだ!』 ※※※※ 疲れて戻ったところへ、コレである。 大きなため息を吐いて深呼吸したジェーンはベッドの人物に『待て』のハンドサインを送りながら、漣には「後で説明するから今は儂に全部任せろ」と言って退室するよう促した。 「さてユキよ、どうなっておるのか聞かせてくれるか?」 ・ ・ ・ 「なるほどのぉ……連中は21世紀になってもまだそんなことを言っとるのか……まったく」 「どういうことです?それに連中って?」 苦虫をかみつぶしたような顔で、それでも幸男(ユキ)をはじめ恋人たちには隠し事など……できるだけ……しないと心に決めているジェーンは、重い口を開きゆっくりと話し出した。 「儂がかつてヨーロッパに居たことは話したな?」 ジェーンはベッドの人物をチラリと見る。 幸男(ユキ)は「はい」とだけ答えた。 幸男(ユキ)はジェーンの事となればだれよりも理解している。 それ故に、ベッドの人物に聞かせたくない内容を含むのだと、その仕草から察することができた。 「その時にとある学校へ通っておった……それがこやつの在籍する学校と同じところじゃ」 「はい」 「こ奴のような者ばかり……というわけではないが、当時はそれが主流であった」 「はい」 「儂は周りとは違う」 「はい」 「それ故に対立は避けて通れぬものであった」 「はい」 「まぁ最終的にちょっと暴れて飛び出たんじゃがの カカカカ!」 「はい」 「儂が魔女と呼ばれるのを嫌うのも、あやつらと同じく思われるのが我慢ならんからじゃ」 「センセェ……私たちがいますからね」 「カカ!……楽しいこともあったんじゃがの」 どこか寂しそうにそういうと「さて、面倒ごとはさっさと済ませてしまおうではないか」と勢いをつけて椅子から降り立った。 ※※※※ 『さて、大体わかってはいるんじゃが、確認は金貨のごとしじゃ』 『……!……!』 「……ああ!忘れておったわ カカカ」ぱちんっと指を鳴らすと、かけていた魔法が解けて彼はさっそく悪態をつき始めた。 『クソ!なんだよ今のは!杖無しの魔法って!お前〇〇〇〇(自主規制)かよ!』 『便利じゃろうが』 『ああん?魔法族としての誇りはねぇのかよ!ああ!そうだったな!お前は【小鬼の血統】なんだったな!』 『囀るでない 己を貶めることになるぞ』 『はぁ?何をわけのわからねぇことを!』 『すぐに分かるじゃろ、で我が同胞に救助された者よ、まずは名乗るがよいぞ』そう言うとまるで手話のように左手を操って見せた。 『オリヴィア・グリーングラス……な!?なんで!?』 オリヴィアと名乗った彼は己の意思と反して、勝手に口が動くという現象に驚き戸惑っていた。 『つぎは年齢とどこから来たのか述べるがよいぞ』左手は先ほどと同じことを繰り返す。 『15歳、ホグ〇ーツ魔法魔術学校から来た……クソ!やめろ!』目の前のちんちくりんの魔法だと気が付いたオリヴィアは掴みかかろうとするも、それより早くその小さな巫女の魔法に捕らわれる。 『跪け、頭を垂れよ』 猛獣を思わせる金眼に見つめられたオリヴィアはその勢いを失い、まるで女王に謁見するかのように優雅な仕草で膝を折った。 「さすがセンセェ」二人の会話を、英語を解さない幸男(ユキ)はただ唖然と見ているしかなかった。 『旅の目的地を述べよ』 『マホウ○コロ』 『ここはどこだと思っているか述べよ』 『マホウ○コロ』 「まほう〇ころ?日本語のようだけど……魔法?センセェに関係あるんだろうなぁ」 『……グリーングラス家の家系を遡って述べよ』 『父はオリバー、その父はジェイデン、その父は……』 オリヴィアはその系譜を遡って口にしていく、そして十数人の名を口にして「アルバート」という名が出た時、これを終了の合図としてやめさせた。 『……オルラ・グリーングラスという人物について述べよ』ふと思い立ってとある人物について聞いてみた。 『杖無しのオルラ、金色(こんじき)の王女にして玉座の娼婦、白き闇の魔女、グリーングラス家の恥』 成り行きを見守る幸男(ユキ)の耳に、静かな笑い声が聞こえる。 それが誰のものなのか分からなかったが、次第に大きく、はっきりと、そしてついにその主は肩を揺らして嗤う。 それは普段耳にしたことのないモノだった。 幸男(ユキ)が知るそれは、見た目の幼さを補うための背伸びをした笑い方、されは彼女たちの前でだけ見せる愛らしい笑い方であった。 しかし今、目の前の愛する女が発するのは、今まで一度も見たことのないモノだった。 そこには見えるのは【憤怒】【憎悪】などの【負の感情】。 二人の会話を理解しないながらも【正義】はジェーンにあると信じて疑わない幸男(ユキ)。 小さな恋人を見ながら胸の高鳴りを覚えた。 今宵、今日の事をセブンと千穂にも話す。 けれど、この貌を知るのは自分だけなのだと愉悦にも似た感情が湧く。 時に【生】を、時に【死】を共にしてきた幸男(ユキ)だからこそ、ジェーン・ドゥことウル・アスタルテの隣に立つものとして誇らしく、歓びに打ち震えいた。 ひとしきり嗤って気が済んだのか本題に戻って質問を続ける。 『マホウ〇コロへ行く目的を述べよ』 『留学』 腕を組んで考える事しばし。 『箒をどうしたか述べよ』 『雷に打たれて燃えた』 『魔法の杖はどうしたか述べよ』 『海に落ちたとき無くした』 大きくため息をついて一言。 「これはめんどくさい事になるのぉ」 ※※※※ 「お疲れ様でした」 漣はそう言って熱いお茶と羊羹を出してジェーンと幸男(ユキ)を労った。 「それで先輩 彼をどうするんですか?」 「ふむ……まず最初に言っておこう 彼では無い。彼女じゃ」 「え?……え?」向かいの丸椅子に腰掛けながら、信じられないと言った様子の漣を横目に、言葉を続ける。 「こやつらの遭難時のマニュアルに書いてあるんじゃ、男のフリをし隙を見せるな とな」 「なんか……凄いですね」 先程まで暴れていたオリヴィアは、ジェーンの格闘術で当て身をくらい眠っている。 それを見た幸男(ユキ)が「眠りの魔法(物理)ですねぇ」と笑っていた。 「家族と留学先への連絡はどうします?」 「あやつら未だに電話すら持っとらんからのぉ……手紙を送るにしても……届ける手段(使い魔の梟)が無いからのぉ」 「(郵便が届かないほど)田舎なんですか?」 「(魔法的に)もはや異世界じゃ」 「(陸の孤島的な意味で)……異世界」 この認識相違をわざと作り出している小さな恋人を見ながら、終始笑顔が絶えない幸男(ユキ)であった。 「でも先輩、何かしら方法はあるんですよね?」 「有るにはあるが……気が進まんの」 「……ちなみにどう言った方法です?」 「…………直接持って行く……って儂は行かんぞ」 「でも、(中学?高校?先輩は転校生?)先輩の地元なんですよね?」 「地元のぉ……(千年近く前の人生じゃから、もはや地元とも言えぬが)地元のぉ……」 「地元なんですよね?里帰りついでに手紙を届けて頂くってのは?」 「……お主、面倒くさくなっとるじゃろ?」 「正直、非協力的な人間の相手をしてるほど暇じゃ無いですし、あの不思議現象を思うとどうにも先輩の専門分野だと思うんですよね」 魔法でぶん殴られたアザをさすりながら、漣は先輩へ押し付けたい一心であった。 (隠し事のあるセンセェは断る理由を口に出来なくて……困ってる……そんなセンセェもかわいい) そうやって小さな恋人を眺めながらふと思いついた事を口にする。 「もし届けるとなったらちょっとした観光旅行が出来ますね!」 幸男(ユキ)の中ではイギリス旅行をしているイメージが膨らんでいた。 それはバッキンガム宮殿や大英博物館、近衛兵など観光している2人+3人であった。 「観光……かぁ」 表情を曇らせながらそう言ったジェーンの脳裏には、飛びかかってくる人喰い白菜や致死性の毒を噴射してくる毒草、身長4mはあろうかという巨大原始人、そして何より血統主義に凝り固まった排他的な魔法族により、不条理な差別を受けるジェーン一行が浮かんだのであった。 「いや……行かん!行かんったら行かんぞ!」 ※※※※ 女子寮42階にあるジェーンの部屋。 8畳・風呂トイレ別・キッチン・バルコニー付き。 いまここに6人もの人物が……ベッドの上には眠らされたままのオリヴィア、この部屋唯一の椅子には女王のように振舞う赤いライオンヘアのセブンが、ベッドに寄りかかって座っているのはダークブルーの髪をローポニーテールで結ったお嬢様、千穂。 その千穂に寄りかかっているのは部屋主の妹、銀色のミディアムウェービーヘアのジェニー。 床に座っているのは妹よりも髪が長い部屋主のジェーンで、それに絡まるように寝そべって姉妹と比べると少し暗い銀髪ハイポニーテールが幸男(ユキ)。 「儂の扱い雑すぎないか?」 「相談もなしに人が一人増えたのは誰のせいなのかなぁ?」 そういわれると返す言葉もない部屋主であった。 「で?コイツは誰だって?」 「……遭難者じゃ」 「うん、で?」 「魔法使いで……行くところがなくて」 「魔法使いなのはいい、なんでここなんだよ?」 「だって海洋冒険部では面倒見きれんって」 「病院は?」 「健康な者を入院させるわけにはいかんと……まぁそこは儂が嫌われとるんじゃろうがの」 「……どっか空き部屋無かったのかよ」 「超田舎から出て来て、まともに魔法を制御できない魔法使いを1人には出来んじゃろう?」 「……生徒会に頼むのは?……ってそんなに嫌そうな顔すんなよ……まぁ、分かったよ、しょうがない、しょうがないよな……うん、しょうがない」 セブンとジェーンのやりとりであったが、最終的にセブンが自身に言い聞かせるという形におさまった。 ※※※※ 「大使館に連絡すれば良いのではないですか?よろしければ私が連絡いたしますけど」 「大使館では無理じゃな」 「どうしてですか?イギリスの方なんですよね?」 「イギリスに住んでおってもこやつは【魔法使い】じゃ。表向き 存在せんのじゃ……故に大使館ではなく、魔法省へ連絡が必要じゃが、儂は縁を切っとるから連絡手段がない」 「日本には無いんですか?その……担当部署」 「儂は知らぬな。外交官である千穂ちゃんが知らぬなら……まぁそういう事じゃろ」 「まぁそうですわね……ですが、スコットランドですか昔を思い出しますねぇ」 とある事故により前世の記憶を思い出した千穂は、ジェーンとの思い出に浸りながら状況を受け入れた。 ※※※※ 「我に選択権はない」 「あるとも じゃからこうしてお願いしとるんじゃ」 「我は、ジェーン・ドゥ(お姉ちゃん)の因子を元に作られた機械生命体。オリジナルであるお姉ちゃんが決めた事なら従う事に異論はない」 「お主は【人間】じゃと言っておろう。素材が違っても人を人たらしめるのは意識の力じゃ。お主にはそれがあるのじゃから、そのような言い方はよせと何度も言っておるじゃろう?」 「……お姉ちゃんをはじめみんなわがまま」ため息交じりにそんなことを口にしたジェニーの肩を抱きながらジェーンは続ける。 「おうとも、協調は必要じゃが協調の為の自分では無い、自分の為の協調なんじゃ。それ故に自分を主張せねばならぬ。よいな?」 「本当に優しい(わがまま)なんだから」硬い表情が一瞬ほころんで、それは幼女らしい可愛らしい笑顔を浮かべた。 「お?笑ったか?笑ったな?もっとよく見せよ お姉ちゃんに笑って見せてくれ」 「笑ってない」 「いや 見たぞ」 「しつこいと嫌いになる」 「……ごめんじゃ」 こうしてジェニーも受け入れを許可してくれたのであった。 ※※※※ 『だからってなんで俺がお前のところで世話になんなきゃいけねぇんだ!』 遭難時のマニュアルに従って男へ変身したままのオリヴィアは、海洋冒険部の病室から眠らされたままここまで運ばれたのだった。 『お主が儂の縁者じゃからじゃ』 『はぁ?』 『儂の古い名前は……はぁ……【オルラ・グリーングラス】というんじゃ』 『……ぶふっくくく……あはははは!そんなわけねぁだろう!馬鹿がよ!』 男姿のオリヴィアはそういって笑い飛ばした。 『本当にそうじゃなければよかったんじゃがの』 『……証拠を見せやがれ』 『逆に何なら信用するんじゃ?』少し考えて聞き返した。 『オルラが持って逃げたといわれる家宝のバングルを持ってるはずだ!』 『千年近くも前のものなど持っておるはずもないじゃろ、それにあれは父上……アルバートが賭けで巻き上げられたんじゃ 儂のせいではない』 『嘘だな!嘘に決まってる!』 ジェーンは一部嘘をついている。 彼女の1番古い所持品は紀元前1400年ごろに作られたイシュタルの司祭長用の宝飾品である。 当然の如く1000年程度前の物なら幾つも持っているのだが、家宝のバングルについては嘘はなかった。 二人の会話をセブンは椅子の上で胡坐をかいて、千穂はジェニーの髪をとかしながら聞いていた。 時折ジェニーが「今のどういう意味だ?」とリアルタイムでネット検索しながらも、古い言い回しやスラングなどについて二人に聞くさまが見られた。 この場で幸男(ユキ)だけが会話についていけなかったが彼女は、恋人に絡みつくので忙しいためほかのことなどどうでもよかった。 『オルラしか知らないようなことがあるはずだ!』 『儂しか知らぬことを話して、どうやってお主が判断できるんじゃ?』 『……我が家でしかわからないこととかあるだろう!」 『約千年経ってて受け継がれる秘密?もうとっくに失われとるんじゃないか?』 『……うるせぇな!いいからなんかしゃべれよ!』 『はぁ……その姿で怒鳴るな、千穂ちゃんが怖がるじゃろうが』そういって左手指でわっかを作ったかと思えば、そこを通してオリヴィアに「ふぅ」と息を吹いた。 するとまるでヴェールがはがれるように魔法がはがれて、金髪、そばかす、ピアスをいくつも付けた青い眼の少女が現れた。 『な!?また!?杖もなしで魔法を!?』 『この程度で驚くな、ウガンダにも教えておる学校があるじゃろうが』 『あいつらだって呪文は唱えるんだよ!』 『勉強不足じゃな、呪文は絶対条件ではない』やれやれと肩をすくめて見せた。 『お前が、魔法に詳しいことは分かった……しかし、それでもオルラだなんて信じられねぇ』 『まぁ信じようが信じまいがどうでもよい こちらにはお主を世話する理由があるということじゃ』 よっこいしょといって立ち上がったジェーンは伸びをして「そろそろご飯にしようではないか」と皆に呼び掛けた。 「用意はできてますよ!」と張り切って答えた幸男(ユキ)がキッチンから具材の詰まった鍋を持ってきた。 そのあとに続いたのはジェニーであり人数分の食器を運んでいた。 さらに続くのは千穂。彼女は徳利とお猪口を乗せたお盆を運んでいた。 折り畳みのテーブルを広げてその上に準備が広げられていく。 長方形の一番奥にジェーン。 その右にオリヴィア。 その隣にセブン。 その隣、ジェーンの対面に千穂。 その隣はジェニー。 その隣、ジェーンの左が幸男(ユキ)。 その席次からオリヴィアは自身がゲストとして扱われていることに一応の安堵を覚えた。 とはいえ、翌朝には早い者勝ちに変わっていたのだが。 高級牛肉がセブンの妹の九重から送られて来ていたので本日の鍋は、すき焼き鍋。 生卵でひと悶着あったものの、一口食べたら文句などどこかへ行ったオリヴィアだった。 そんななか『これ……酒じゃねぇのか?』と疑問を口にする。 食事を始めてから少ししてオリヴィアがそう切り出したのだった。 『イギリスの家庭では5歳から飲んでもいいことになってるだろ』とセブンが言う。 『そうです、それにこれは【おいしい水】です 気にせずどうぞどうぞ』とジェニーの口元を拭いながら千穂が勧めた。 オリヴィアがジェーンを見る。 その視線は(いいのか?ここは日本だろう?)と語っていた。 『おいしい水なら問題ないじゃろ』とお猪口を空けた。 『まぁ……水なら問題ないな』と考えるのをやめた。 「で、オルラ・グリーングラスって?」 セブンが座った目で小さな恋人を睨みながらそう聞いた。 セブンからすれば恋人の口から知らない女の名前が出て来たのだから、それが恋人本人の昔の名だと言っても確かめておきたかった。 『おい!お前からも教えろよ!オルラって誰だ!どんな女だ!』 昼間口にした時は魔法で喋らされたが、今こうやって本人を名乗る人物とその身内がいる場所で侮蔑を含む内容を伝えていいものか逡巡する。 セブンにせっつかれたオリヴィアは助けを求めるようにジェーンの顔を伺うが、当の彼女は満面の笑顔でお肉を口に運んでいた。 本人が――未だ信じてはいないが――その態度であるなら喋ってもいいのだろうと判断し話し出す。 『そこのちんちくりん……の姉のほうの事だ……【杖無しのオルラ】、【金色(こんじき)の王女にして玉座の娼婦】、【白き闇の魔女】、【グリーングラス家の恥】……俺は……オルラが生きた時代なら、確かに反逆者だったと思う……けれど今の時代なら……その考え方は、当然の事なんだ。だから……いいと思うぜ……うん』 セブンは、世界屈指の巨大財閥 葉車財閥の令嬢であり、自身も学園において査問委員会という裁判所に相当する委員会の委員長である。 当然の如く、頭脳明晰であり容姿端麗、スタイル抜群。 趣味がパンクロック、恋人がロリータでなければ引くて数多である。 そんなセブンもおさk……美味しい水の影響でまともな判断が出来ないでいた。 「おい!チビ!なんだその【娼婦】ってのは!?お前!俺たちだけじゃ飽き足らず【売り】までやってんのか!」 「ええ!?」そう詰め寄られたジェーンもびっくりである。 (【オルラ】は約一千年まえの人生の名前じゃし、そんな昔のことを今更言われてもなぁ……現代と違って儂らにとっては神聖なものなんじゃがなぁ) そう、不老転生体であるジェーン・ドゥことウル・アスタルテの生きた時代・文化では【愛と安産と女性の守り神】の神聖な行いとされていた。 【金色(こんじき)の王女にして玉座の娼婦】にしても、理由があった。 当時の魔法使いは杖を使って魔法を行使するのが当たり前というのが共通認識であった。 そして杖というのは持ち主を選ぶ。選ばれないのは魔法使いとして欠陥があるとされていた。 もとより杖など使わないで魔法を織るジェーンのそれは系統が違い、杖が拒絶反応を起こしても無理からぬことであった。 さらに時代は欠陥のある者の存在を許容しない……しかも【女】である。 いくら名門の家に生まれたとしても、どれほどの力を持っていたとしても扱いは非常に低いものであった。 そんな彼女が何かをなそうとすれば反発は極めて強く、それを緩和させるための手段としたのが【金色(こんじき)の王女にして玉座の娼婦】の由来であった。 その行為自体は神の――ジェーンが仕える神は別であったとしても――定めた神聖な行為であるため特になんとも思っていなかった。 だからと言って、今生は現代的な考えも理解し受け入れている為、そう言った行為は行なっていない。 行っていないが、セブンは【オルラ】の事を言っていると思っているのでそれに合わせた。 「うむ そうすることが最善であったからの」 「ばかやろう!」そういって繰り出されたビンタはジェーンの頬を張ることなく空を切った。 余裕でこれを躱したジェーンは「またしても早とちりとかしとるんじゃろう?毎度まいどぐはぁ!」後ろから千穂が抱きついていた。 「月子様!なんでそんなことしたんですか!私達じゃダメだったんですか?!」 「ええいこの酔っ払いどもめ!」おいしい水のせいで力加減が狂ってはいけないと、魔法ではなく腕力で振りほどきたいところであったが、そうする前に今度はグーが顔面めがけて飛んできたのだった。 ※※※※ 一夜明けて、ジェーンが朝の御勤めを終えて皆が起きてきたころの話。 この部屋唯一の椅子に腰かけるのはジェーン……ではなく幸男(ユキ)。 ジェーンはその膝の上に座っている。いや、幸男(ユキ)によって座らされていた。 そしてその眼下にはセブンが正座していた。 幸男(ユキ)が冷たく言い放つ。 「センセェの事が信じられないなら、出ていけば?」 「……でもよ!」 「でもじゃないわ……セブン、アンタ何度目なの?」 「それは……」 「アンタとセンセェの再会からして、アンタの勘違いだったわよね?」 「あれは……謝ったし」 「食事を与えず監禁して、下手をしたら死んでたわよね?」 (逃げ出す事くらい簡単ではあったんじゃが……普通に考えたらそうじゃよな)幸男(ユキ)の膝の上で自身の過去についての新しい発見をした瞬間であった。 「でも、それはジェーンも許してくれたし」 「そういったことの積み重ねが昨日みたいに暴力ふるうことにつながってるんじゃないの?」 「……でも」 「アンタ……やっぱりアンタにはもったいないんじゃない?」 【アンタにはもったいない】 この言葉はセブンの心に今でも深く刺さっている。 ジェーンという女に自分がふさわしいのか、それは友人としてか、恋人としてか、思い悩みんだ過去がある。 それは常にセブンの何所かにあって、何かの拍子に彼女を苛んでいた。 「それにご家族からもそのせっかちな点、早とちりな点を治しなさいって言われてるんでしょう?」 「……」普段は強気で堂々としているセブンもこの時ばかりは俯いて、誰からも顔を見られないようにしていた。 「あの程度のことで儂は怒っとらんよ」ジェーンが幸男(ユキ)の手を取って優しく宥めた。 「センセェが怒ってないのは知ってます!けれど大事な人が打たれたんです!私が怒ってるんです!」 「そうだな……うん……ユキの言う通りだ ジェーン俺を殴ってくれ」 「「「「え?」」」」 ジェニー以外のその場にいた全員が同じ反応を示した。 「なんでそうなった!?」 「俺はお前を大事にすると言った。なのに俺はお前の話をろくに聞かずに手を挙げた……俺は罰を受けるべきだ!お前が許してくれるのは分かっている、けれどもそれじゃダメなんだ!俺が……俺の気が済まないんだ!」 至極真面目な顔でセブンがそう言うものだから、そこまで言うならとジェーンが意を決したとき、ジェニーが口を開いた。 「体格的に違いがありすぎるし、お姉ちゃんも優しいから力いっぱいとか無理でしょう?なら……ユキお姉ちゃんに変わってやってもらうのはどうだ?」 「……わかった、ユキやってくれ!」そういって幸男(ユキ)を振り返ったセブンの目に飛び込んできたのは、幸男(ユキ)が八卦掌の型を気合を入れて行っている姿だった。 「あ……死ぬわこれ」 ※※※※ 「結局、みんな優しいんだね」 ジェニーがやれやれと肩をすくめてみせた。 結局幸男(ユキ)は気合だけだった。 セブンはそのあまりの気迫に目を瞑り、来ない衝撃を不思議に思って目を開けたらデコピンを食らったのだ。 「殴られて赦されようなんて思わないでほしいわぁ いつまでも自責の念に苛まれてなさい、そしたら同じことを繰り返さないでしょう?」 「ユキ……お前……」 「アンタを殴ってセンセェが悲しむ顔なんて見たくないもの……でも、次は無いから」 なんとなく場が緩んできたところで幼い声が再び爆弾を投下する。 「でもなんの罰もないのってどうなんだ?」 「……まぁそれは……そう……ですわね?」千穂が消極的に賛成した。 『社会奉仕位が妥当じゃないのか?』 『社会奉仕……ですか?』 『ああ、本人も反省してるしちんちくりんも許すって言ってんならよ』 『じゃが、外でとなると色々問題が出てくるのぉ』 『なんだよ問題って』 『そうですわね……奈菜さんにはお家とか、お仕事の関係もありますし』 『なんだ?奈菜……セブンか……お前ら名前ややこしいんだよ!ユキと千穂だけじゃねぇか統一されてんの!』 『慣れ じゃな』 『慣れ ですわ』 『慣れ だな』 『慣れ』 『呼び方バラバラのくせに言う事同じとか!これがJapaneseMagicか!』 「ふんふん……なるほど」 ジェニーに通訳してもらった幸男(ユキ)がちょっと勘違いをしたままこう言った。 「センセェの女になれば慣れるわよ」 それをジェニーが通訳したものだから、オリヴィアの混乱は増すばかりであった。 幸男(ユキ)は慣れた理由を述べたつもりが、オリヴィアは誘われたのだと解釈してしまったための混乱だった。 ・ ・ ・ 『【金色の王女にして玉座の娼婦】ならあり得ると思ってビビったぜ』 『カカカッそんなわけなかろうが!カカカ!』 「「「……」」」 「……え?うそじゃろ?」 ※※※※ 朝食をすまし登校時間が迫っていた。 オリヴィアを送り返すにしても、届けるにしても、とりあえず今日明日の事がままならないのではどうしようもない。 そこでとりあえず学園への滞在に必要な手続きをすることにした。 オリヴィアは千穂の服を借りて付いて来ている。 「とりあえず、学生課へ届けて学園での滞在許可を取とるがよいと思いますわ」 玄関で靴を履きながら千穂がそう提案をした。 「ではそれは千穂ちゃんに任せるとして、失くした服の代わりをユキに任せてよいか?」 幸男(ユキ)はセブンの服装をチラリとみて「任せてください!」と笑顔で答えた。 エレベーターで下りながら指示を出していく。 「ジェニーは日本政府のコンピュータへ侵入して魔法に関する部署を探しておいてくれ。連絡手段が分かればなおよい」 「……見当たらない……本当に存在するのか?」すぐさま侵入を果たしたジェニーは疑わし気にそう聞き返した。 「それも込みで調べておいてほしいんじゃ」 「わかった」 「儂は、ちょっとつてをあたってみるとしよう」 幸男(ユキ)と千穂とオリヴィアが学園中央部へ向かう路面電車を利用するために乗り場へ。 ジェニーは強力なネット回線を求めて寮へ逆戻り。上層階のVIPエリアへと向かった。 「ジェーン俺は?」 「……ほれ、迎えの車が来たぞ カカカ ほれほれっさっさと行くがよい カカカ」 「俺は……力になれねぇのか?」 「カカカ!今はその時ではないだけじゃ、その時が来れば頼りにしておるぞ!」 「わかった!行ってくる!」 そういって迎えのリムジンに乗り込むセブンを見送った。 「さて……嫌な予感がするのぉ……」 桜が咲いている。 普段なら「花見だ、宴会だ」と浮かれているはずの小さな魔法使いは約千年前、あの学校に通っていた時の事を思い出しながら、そうため息をついたのだった。 ※※※※※※ 迷子の交換留学生 迷子は嵐と共に編
https://w.atwiki.jp/pikukirby/pages/59.html
BF(ブラックフェザー)/Blackwing 「BF」と名のついたモンスター 《BF-音速のブースト》 《BF-逆境のストリーム》 《BF-結界のミヌアノ》 《BF-尖兵のアウストル》 《BF-特攻のバリ》 《BF-闇討ちのアリゼ》 《BF-竜巻のトルネード》 《BF-中堅のドラフト》 《BF-独裁のカラブラン》 《BF-アーマード・ウィング/バスター》 《BF-アームズ・ウィング/バスター》 《BF-爆風のバースト》 「BF」に関する魔法・罠カード 《デルタ・フェザー》 《ブラック・コール》 《共鳴する大翼》 《襲撃の旋風》 《BF-デルタトルネード》 《デルタ・クロウ-エフェクト・アウト》 《デルタ・クロウ-サモン・ウィンド》 《ブラック・サイクロン》 《ブラックフェザー・シフト》 関連項目 ・フリー投稿 ・カードの名前 ・BF