約 1,718,609 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7236.html
前ページ次ページラスボスだった使い魔 また夢である。 ……前回の仮面の男とトーホーフハイとのやり取りでネタ切れかと思っていたが、どうやらまだ何かあるらしい。 (見せてくれるって言うんなら、見るけど……) まあ見世物としては割と面白いし、教訓めいたことも内容には含まれているので謹んで拝見させていただくことにする。 「ドロシー! もうこの戦いは無意味だ。武装解除して、降伏するんだ!」 「………」 「■■■■■■■■■さえ倒せば、平和な世界を作り出すことが出来る!」 何かの要塞らしき建物の中で、ルイズと同じか少し年下くらいの金髪の少年が、同年代の少女に向かって訴えかけていた。 しかし少女はかぶりを振ると、その少年の言葉を否定する。 「そんな世界は無意味よ……」 「!?」 「戦いのない世界なんて作り出すことは不可能。 ……わたくしの父はね……わたくしを悲しませないために戦って、死んだわ! だから、わたくしも美しく戦って死ぬの!」 (美しく戦って、死ぬ……) 彼女の言い分は、ハルケギニアの貴族のあり方にどこか似ていた。 祖国のために。名誉のために。誇りのために。 華々しく戦い、見事に散る。 後にはその勇姿と、名誉が残るであろう。 (……でも……) かつての自分であれば、それを当たり前だと感じたかも知れない。 しかし、その言葉を発した少女を見ていると……何故だか、悲しさを感じた。 「人類の全てに見せつけてやるべきだったのよ! もう戦いなんか見たくないと思わせるような、悲惨な戦争を!」 「それが……この戦争の意義だというのか……?」 「そうよ! 人類から戦争をなくすためには、兵器を取り上げるだけじゃ駄目なのよ! 人類の心そのものを変革させないと……それをしなければ、人類は……お父さまのように、滅んでしまうわ!!」 頬を涙で濡らしながら、自分の理想と心に刺さった棘とを同時に語る少女。 そんな少女と対峙する少年は、ゆっくりと穏やかに彼女に語りかけた。 「君は優しいんだね……僕以上に」 そう言いながら、少年は少女に『優しさ』の必要性を説いていく。 「……ドロシー、君はかつての僕と同じなんだ。 戦いを憎むあまり、自分の優しさを許せなくなる。……その優しさが人類に必要なんだ」 この少年の過去に何があったのか、『この部分』のみを切り抜かれて見せられているルイズには分からない。 だが、その言葉には確かな実感と言うか……重みのようなものが感じられる。 「優しくなければ、人類なんか存在する意味はないんだよ。自分だけが生き残ることを考える人類は……この宇宙には必要ないんだ……」 (……………) これを理想論だと一笑に付すことは簡単だ。 と言うか、戦いの場でこんなことを言うなんて愚かと言われても仕方がないだろう。 ……仕方がないかも知れないが、それが単なる理想論に過ぎなくても……『理想』を抱いているのならば、その心は気高いと言えるのではないか。 (『理想』……) 少なくとも、今の自分は持ち合わせていない。 それに代わる『何か』も、見つけていない。 (……何だか、自分の小ささを思い知らされてるような気がするわね……) やや自嘲気味に苦笑しながら、ルイズは夢を見続けていく。 「トレーズ、貴様の正義とは何だ? 何故、この戦いを始めた!?」 「……かつて、ボタン一つで全ての戦いに決着が付いてしまう時代があった。そして、その戦いに人間性は介在しなかった。 今でもその状況は変わらない……無人の機動兵器モビルドール、そしてデビルガンダム……人間性が介在しない無粋な兵器はこの世界から駆逐しなければならない」 今度はいきなり戦闘シーンからである。 激突する二体の鋼の巨人。 緑と青のそれは、戦いながらも問答を行っていた。 「戯れ言を! その武器は貴様らが作り出したものだろうが!!」 「戦争から人間性が失われれば、勝利も敗北も悲惨なものとなる。……神は、どちらにもその手を差し伸べてはくれない」 「きれい事をぬかすなぁぁっ!!」 緑の巨人を操る少年は激昂した様子だが、対する青の巨人を操る男はあくまで落ち着いている。 いや、男の方は少年との会話を楽しんでいる素振りすら見せていた。 ……と、よくよく声を聞いてみれば、この男は確か以前に『仮面の男』と話していた男のようだが……果たしてこの男と少年の問答の中に、何があると言うのだろうか。 「貴様のために戦火が広がり、多くの人が死んでいった! 貴様が戦う相手は、俺だけで十分なはずだ!!」 「その通りだな、五飛。……君と対決した時、私はこの戦争における君たちの新たな存在意義を見出した」 「だから、あの時に俺を殺さなかったというのか!?」 「そう。数少ない私の理解者を殺すことなど……出来ない」 「ふざけるなぁ!!」 叫びと共に少年が緑の巨人を飛びかからせ、その手に持つ光の槍を突き出す。 男もまた青の巨人が持つ光の剣を振るわせて、繰り出される連撃を受け流し、時には反撃していく。 「貴様は、そうして人を見下すことしか出来ない男だ! 所詮エゴでしか戦っていない!! 貴様のために何人の人間が死んだと思っているんだ!?」 おそらくは男に対して反省や後悔を促すための少年の問いかけ。 だが、それに対して男は、 「聞きたいかね? ……昨日までの時点では九万九千八百二十二人だ」 「な……!?」 「戦いのために犠牲となった人々の名は全て記憶している……。皆、忘れられぬ者たちだ」 正確な数字を提示し、そしてそれら全ての名を記憶していると告げた。 (……凄い) これにはルイズも驚く。 正確な死者の数字を把握し、しかもそれらの名前を一人一人記憶しているとは。 しかも『昨日まで』ということは、一日ずつそれを数えているということだろうか。 この発言が本当かどうかを確かめる術など自分には持ち合わせていないのだが、もし本当だとしたら自分には逆立ちしたって出来はしない芸当である。 「私は死者に対し、哀悼の意を表することしか出来ない。だが、彼らは決して無駄死になどしていない。 この『混乱の時代』を乗り越え、地球という名の統一国家を作り出すことによって……人類はようやく銀河系の同胞と肩を並べることが出来るのだ……」 (この人も『理想』を持ってる……) しかもそのための犠牲を『必要』として忌避せずにいながら、決して犠牲を軽んじたり無駄にしようとはしていない。 ……記憶力がどうとか言う以前に、この男のその信念が凄まじかった。 場面は変わり、今度は別の鋼の巨人……白を基調にして青と赤でカラーリングされたものと、紫と黒に染められた禍々しい印象を与えるものとが対峙している。 「やはりお前とはこうなる運命だったようだな、ヒイロ!」 「……この戦いの十分すぎる意味という奴を聞かせてもらおうか」 そして、ここでもまた問答が行われていた。 白い巨人を操る黒髪の少年と、黒い巨人を操る金髪の男。 彼らは互いに光の剣や銃弾、また銃と思しきものから発射される光の束、鞭のようなモノを交差させながら互いの意見をぶつけ合っていた。 「戦わなければ、戦いの愚かさは分からぬものだ。全人類にそれを知らしめなければならない!」 「何故、そんな役割を引き受けた?」 「サンクキングダムの王家には二人の子がいた……。 一人は王国を滅ぼしたTDFに復讐するため、あえてTDF特殊部隊OZに身を置いた。もう一人は……完全平和主義を完成させるため、人々を導く存在となった」 (……………) 『王家』や『王国』という言葉にルイズは反応した。 それはこのハルケギニアにも存在しており、また自分が属しているものだったからだ。 「だが、この戦いなくして完全平和主義の実現はあり得ない。だから私はゼクス・マーキスという仮面を被り、血塗られた道を歩むことを選んだのだ!」 ここにもまた『理想』と、そのための方法論があった。 平和を確立するための前段階としての戦争。 あのドロシーという少女も、トレーズという男も、そのために行動を起こした。 戦争に『理想』や『信念』を持ち出す、というのはナンセンスなようにも思えるが……そういうものが無くなってしまえば、先程のトレーズの言葉のように『勝利も敗北も悲惨なものとなる』のだろう。 問題は、その『理想』の中身がどのようなものなのか、だが……。 (……って、いつの間にか決着が付いてるわね) ふと気が付くと、戦いは少年が駆る白い巨人の勝利に終わっていた。 そして、少年は男に対して諭すように語りかけていく。 「……俺はガイアセイバーズと行動を共にして学んだことが一つある。それは……地球圏が孤立した存在ではないということだ」 「……………」 「俺たちが生きる宇宙は予想以上に広い……その中では地球人類の個々の主義や大義など小さなものに過ぎない」 「主義や大義なくしてどうやって人を導くというのだ!?」 「俺たちのような力を持った者が……それを考えるべきではない。そして、これからの世界を導く者に兵器は必要ない」 「それはリリーナのことか……!?」 この少年は、自分が戦うことしか出来ない人間だと知っている。 だから『これからの世界を導く者』のために戦い、そしてそのためならば自分の命すら厭わない。 肝心なのは、それが『誰かに強制されたから』だとか『そう思い込まされているから』ではなく、自らの意思で決めて実行しているという点だろう。 ……そうさせるだけの何かが、その『これからの世界を導く者』とやらにはあるのだ。 「お前とトレーズは同じだ。弱者を守るために大義を振りかざす。……しかし、それは決して弱者を助けることにはならない」 「弱者を作り出すのは強者だ! 忘れたか!? 地球という強者の存在がコロニーという弱者を作り、追い詰めていったのだ!」 「ゼクス! 強者など何処にもいない。この宇宙では人類全てが弱者なんだ。俺もお前も弱者なんだ!!」 そうして自分を弱者だと認められることこそが、既に『強い』ということの証明になっている。 ルイズだって、自分のことを弱者などとは思わない。……いや、思いたくない。 だが、ならば自分は強者なのだろうか? (……少なくとも強者じゃないわね) 『ゼロ』と呼ばれて蔑まれ、鬱屈した思いを抱えていた自分。立派な貴族に、立派なメイジになりたかった自分。今もこうして夢に対して頭を抱え、深く悩んで考え込んでいる自分。 これのどこが強者だと言うのだろう。 (……『俺もお前も弱者なんだ』、か……) 時刻は夜明け前。 「…………、はぁぁ~~…………」 夢の終わりと共に目覚めて、ルイズが最初にやったことは溜息をつくことだった。 ……『夢の中の登場人物』と『現実の人間』を比較してもどうにもならないことくらい分かっているつもりなのだが、胸の奥から出てきてしまったものは仕方がない。 「今の夢に出て来た人たちが、誰か一人でもいいからトリステインにいてくれれば……」 まあ、トレーズとやらと戦っていた少年については少し問題がありそうだったが、それでもトリステインに対する刺激にはなると思う。 刺激した結果どうなるのかは、また別問題なのだが。 「……………」 それはそれとして、今の夢はなかなかに衝撃的だった。 メッセージ性で言えば、いつかの『救世主など必要とはしていない』に比肩するほどである。 戦争の目的。 ……と言っても、あんな全世界に渡る規模の『理想』を提示されても、ルイズとしてはピンと来ないというのが正直なところだ。 今の夢に出て来た彼らは、それぞれ自分の意思で戦場に立っていたようだが……それにしたって、実際に戦うのは万単位にも及ぶ名もない兵士たちだろう。 「『理想』があるのは、羨ましくも思うけど……」 それに振り回される方の身にもなって欲しいものである。 「……はぁ」 再び溜息をつくルイズ。 だが夢の中に出て来た彼らは、その方法に問題はあっても……それこそ人々を振り回すため、最大限に良い表現をすれば人々を導くために、確固たる『理想』や『信念』を持ち合わせていた。 そういうものを持ち合わせていない自分としては、持っている人間が眩しく見えてしまう。 では、これから戦争を行おうとしている我が国の女王陛下はどうなのだろうか? 「多分、無いわね……」 つい最近まで王女としてカゴの鳥のような扱いをされ、女王に即位してからまだ半年くらいしか経っていないのだから贅沢は言えないのだが、やはり夢の中の人物たちと比べると相対評価でどうしても見る目が厳しくなる。 「……………」 アンリエッタが主導し、もはや秒読み段階に入っている今回の戦争にしてもトリステイン側としては『タルブで先に攻撃されたから、これ以上やられる前にこっちから攻撃しよう』というだけで、主義も大義も正義も道義もない。 ……いや、大義名分としてはそれで十分なのかも知れないが、例の誘拐事件の背景を知ってしまっているルイズとしては穿った見方になってしまうのだ。 「まあ、わたしもタルブの時は戦いに参加したけど……」 あの時は、とにかくトリステインやアンリエッタのために何か自分が出来ることはないだろうか、と無我夢中だった。 そしてユーゼスに命じ、ジェットビートルを飛ばして(行き当たりばったりな要素もかなりあったが)『虚無』を使い、アルビオン艦隊を壊滅させた。 ……あの時の自分の行為が間違っていたなどとは思わないし、そうしなければ今頃トリステインはアルビオンの占領下だっただろうが、アンリエッタに戦争を踏み切らせた要因の一つはあの一件にあるはずだ。 「……後悔すればキリがないわね」 夏期休暇が終わって、もう二ヶ月も経つ。 王軍に志願した男子生徒たちは、じきに戦地であるアルビオンへと赴くはずだ。 いや、男子生徒だけではなく、教師たちも、元から兵士だった人たちも、平民も、誰も彼もが殺し合いをするためにアルビオンへと向かう。 ―――「貴様のために何人の人間が死んだと思っているんだ!?」――― ―――「聞きたいかね? ……昨日までの時点では九万九千八百二十二人だ」――― この戦争で一体どれくらいの人が死ぬのかなど、ルイズには想像もつかない。 単純に駆り出されている人間の数はトリステインとゲルマニアとアルビオンを合わせて十一万ほどらしいが、軍人ではない者が巻き込まれる可能性は十分すぎるほどあるし、戦争が長びけば後から追加人員が投入されて死者が増えることも考えられる。 そうすると早期決着のため、自分はアルビオンに行った方が良かったのか……などと一瞬思うが、それは要するに『戦争を早く終わらせるために人を早く殺す』ことと同義なわけで。 ハッキリ言って、自分は虐殺者になんてなりたくないし。 まあ、つまるところ。 『虚無』などという規格外の力以外、政治力も経済力も軍事力も持ち合わせていない自分には、これはどうにもならない問題なのである。 「はぁ……」 三度目の溜息を吐いて、考えても仕方がないことを考えるのをやめた。 今のクロムウェルのようにトリステイン王家を打倒して自分が王になろうなんて気は全くないし、現状の王政府の不満をタラタラと並べたところで、何かが変わるわけでもない。 どうせ同じく悩むのなら、もう少し現実的で身近な問題について悩むべきではないか。 そう、例えば自分の使い魔のこととか。 「……むぅ」 夢に頻繁に出てくる『仮面の男』と自分の使い魔の関係とかは気になるところだが、先程と同じく夢の中の話を現実に持ち出すわけにはいくまい。 アレはアレ、コレはコレである。 さて。 最近のユーゼス・ゴッツォの行動を振り返ってみると、どうもルイズは自分がないがしろにされているような気がしていた。 いや、正確に言うと『姉たちに比べて対応がおざなりなように感じていた』のだ。 例えば、上の姉と下の姉は名前で呼んでいるのに、主人である自分はいつまで経っても『御主人様』呼ばわり。 例えば、エレオノールとは割と軽い口調(その『口調の違い』が分かる人間は非常に限られていたが)で話しているのに、主人である自分に対しては事務的な口調を崩さない。 例えば、『どのような人間なのか判断がつきにくい』とかいう建前(だとルイズは思っている)でもってカトレアのことは色々と自分に質問したりするくせに、主人である自分のことは何にも聞こうとしない。 ―――おかしいでしょ。 そりゃ姉さまたちも大事だろうけど、それよりも大事にするべき人がいるでしょ。 だって言うのに、エレオノール姉さまとはしょっちゅう何か話をしてるし、ちい姉さまとは妙になごんだ空気を出しちゃってるし。 「…………むむむぅ」 ユーゼスは自分が召喚した使い魔なのに、最優先対象がその自分になっていないような気がする。 いや、それよりも。 「なんか……アイツって、わたしに対して変化が無いんじゃない?」 そう、それだ。 召喚してから今までそれなりに……いや、かなり色々あったはずなのだが、自分へのユーゼスの態度は全くと言っていいほど変わっていなかった。 常に一歩か二歩ほど引いた立ち位置を維持しようとして、使い魔の仕事もそれほど積極的にこなそうとはせず、主人であるルイズを試すような口振りで接する。 フェオの月に召喚してからウィンの月の現在まで八ヶ月、ずっとこんな調子なのだ。 それはつまり八ヶ月の間、ユーゼスの中のルイズの……何と言うか、順位やポジションのようなものが小揺るぎもしていないということである。 「……エレオノール姉さまや、ちい姉さまに接する態度は少しずつ変わってるのに……」 ユーゼスが自分に召喚される前のことはよく知らないが、少なくとも自分の使い魔として召喚されてからは、他の誰よりも自分がそばにいて見続けてきた。 カトレアより、エレオノールよりもだ。 だって言うのに、あの銀髪の研究バカは御主人様のことを大して気にも留めていない。 むしろエレオノールやカトレアの方に比重を置いている様子さえ見せている。 「…………っ」 何だか自分のことが軽んじられているような気がして、思わず歯噛みするルイズ。 いや、分かってはいる。 タルブ戦の直前、姉も交えて三人でやり取りした時に言われたこと。 一番最初に『アンタは使い魔としてわたしに従いなさい』と命じたのは自分で、ユーゼスは自分に対してあくまで『使い魔としてのスタンス』をほとんど崩さないだけなのだ、と。 要するにユーゼスは、ルイズとの関係を『主人と使い魔』という形で固定してしまっているのである。 それは、使い魔としてとても正しい姿であるのだが……。 「…………なんか、ムカつくわ」 そして『どうにかして今以上の関係になる方法はないものかしら』と悩み始めるルイズだったが、やがて『何でわたしはこんなことを真剣に考えてんのよ!?』という方向に悩みがシフトし……。 その悩みの原因であるユーゼス・ゴッツォが起こしに来るまで、ベッドの中で唸りを上げ続けるのだった。 士官教育終わりたてホヤホヤの予備士官となったギーシュは、勢い勇んで首都トリスタニアの中ほどにあるシャン・ド・マルス練兵場にやって来た。 トリステインの軍隊は、大まかに分類して三つ存在している。 その時の王、今で言うならアンリエッタ直属の軍団となる『王軍』。 各地の大貴族たちが領民を徴兵して作った『国軍』あるいは『諸侯軍』。 貴族士官や多数の水兵たちが混ぜこぜになった『空海軍』。 ギーシュのような学生士官は、主にこの内の『王軍』と『空海軍』に配属されることになっている。……仮にも『貴族の学生士官』を下手な貴族の下に付かせるわけにもいかないから、当然ではあるが。 そして教練士官に書いてもらった紹介状を頼りに、ギーシュは自分が所属することになった王軍の『ド・ヴィヌイーユ独立大隊』とやらの元へと向かっていた。 二万もの兵でひしめき合う練兵場をあっちこっちにウロウロしながら、それでもギーシュの心は妙な興奮で満ちている。 ……ぶっちゃけギーシュはヴィヌイーユなんて名前を見かけたことも小耳に挟んだこともなかったが、初陣ということで張り切っているのである。 何せ自分は、末席とは言え栄えあるグラモン家の一員なのだ。 この戦争にしても、一番上の兄はグラモン家の軍を預かっており、二番目の兄は空軍の艦長、三番目の兄は王軍士官……と、家の男の全員が出征していた。 自分だけが後れを取るわけにはいかない。 ここは一つ、このド・ヴィヌイーユ独立大隊とやらで……まあ手柄を立てられるかどうかは少し自信がないが、あわよくば名前の一つも売っておきたいところであった。 「…………あれ?」 だが、その独立大隊が見当たらない。 おかしい。 いくら何でも存在しない大隊に配属されるなんてことはないはずなので、自分が見付けられないだけだと思うのだが……。 「む、むう……」 仕方がないので近くにいたコワモテの士官に声をかけ、『戦場では“自分の隊が分からなくなりました”などと言っても誰も教えてはくれんぞ』と頭を叩かれつつも大隊の場所を教えてもらう。 何はともあれ、その教えてもらった場所に行ってみると。 「う……、む?」 宿舎のすぐそばにあるため日当たりが悪かったが、まあ、これは別にいい。 問題はそこにいる人間たちだった。 いかにも怠惰な雰囲気で宿舎の壁にもたれかかり、何をするでもなく空を見上げている者。 真っ昼間の、しかも王軍の練兵場だというのに酒を飲んでいる者。 カードで遊びながら、ツケがどうのこうのと言い合う者……いや、このくらいは別にいいのだろうか。 ともかく、そんな感じにだらけきった人間ばっかりなのである。 さすがに注意しようとするギーシュだったが、よくよく観察してみればこの場にいるのは老人兵や『やる気』という言葉をどこかに忘れてしまったような者たちがほとんどだということに気付いた。 ……何と言うか、もう、色んな意味でダメな部隊だ。 そう認識すると同時に、ギーシュの胸に嫌な予感が去来する。 「ま、まさか、ここが……」 嫌な予感が外れて欲しいという願いを込めて、近くにいた老人の傭兵に向かってやや焦り気味に問いかけた。 「お、おい、兵隊」 「はあ、何でございましょう?」 「……『ド・ヴィヌイーユ独立大隊』というのは、ここか?」 「さようで」 ガックリ、とギーシュは肩を落とす。 ―――「私の経験から言うと、上司や部下や同僚というものは恵まれる時は非常に恵まれるが、恵まれない時は全く恵まれないものだ」――― とユーゼスに聞かされてはいたが、まさかここまでとは思わなかった。 周囲を見回せば、老兵や不良兵ばかり。 要するにこの大隊は、頭数を揃えるだけのカス大隊なのである。 『“独立”大隊』と銘打ってあるのは、おそらくそれが理由だろう。 トリステイン王軍は、十二個連隊の二万の兵という名目で成り立っているのだが、この『連隊』というものは(非常に大雑把な説明だが)いくつかの大隊が寄り集まって出来たものだ。 つまりどの連隊も、この大隊を自分のところで預かるのを嫌がったということになる。 「……………」 そこまで思考が及んだところでギーシュは思わず頭を抱え、絶句するのだった。 「だだ、大隊長どのはどこだ?」 やや上ずった声で老傭兵にそう尋ねたら、彼は隅の一角を指差して目当ての人物の場所を教えてくれた。そしてギーシュがその指差した方向に目をやると。 「……アレが大隊長……?」 棺桶に片足を突っ込んでいそうなヨボヨボで白髪の老人が、杖を支えに立っていた。 その横には、参謀記章を肩に付けている若く太った貴族が一人。 察するに、あの場所が『大隊本部』らしい。 「も、物凄い貧乏クジを引いてしまった……」 どんよりと暗い気持ちがのしかかってくる。 こんな大隊に配属されたなんて、恥ずかしくって家族にもクラスメートにもユーゼスにも、モンモランシーにも言えやしない。 ……何だか手柄を立てることはおろか、生き残ることすら難しいような気がしてきた。 「うぅ……」 だが、いつまでもこうしてはいられない。 こんなのでも取りあえずは大隊であり、自分はそんな大隊に配属されてしまったのだから。 「よ、よぉし」 何はともあれ大隊長に着任の挨拶をしなくては……ということで、ギーシュは『大隊本部』へと歩いていく。 「予備士官ギーシュ・ド・グラモン、ただいま着任いたしましたぁ!!」 ギーシュ的には精一杯元気よく挨拶をしたつもりだったのだが、 「はぁ? 何じゃ! 何事じゃ!?」 大隊長であるド・ヴィヌイーユは小刻みに震えつつ、大声でギーシュに問い返してきた。どうも耳が遠いようである。 仕方がないので、ギーシュは大隊長の耳元まで近付いて叫んだ。 「ギーシュ・ド・グラモンであります! 当大隊の予備士官として配属されました!! 着任許可を頂きたくあります!!」 「おお、そうか!」 ホッと息をつくギーシュ。 しかし。 「食事の時間か! 腹が減っては戦は出来んからなぁ! おぬしもしっかり食うのじゃぞ!」 結局通じていなかったことを痛感し、ズシャリと膝を地面に落とした。 そんな感じにギーシュがうなだれていると、隣にいた大隊参謀が大隊長に何かを耳打ちし……。 「な、何じゃ、配属か! だったらそう言わんか!」 ……最初からそう言ってるのに。 思わず不満が顔に出そうになってしまうが、着任した瞬間に大隊長の機嫌を損ねるわけにもいかないのでグッと我慢する。 「せ、せ、せいれーつ!!」 年老いた大隊長は『自分の中の何か』を切り売りするような様子で大声を張り上げ、自分の兵隊たちに号令をかけた。 兵隊たちは、のろのろとした動きで集合してくる。 そして整列した部隊員たちに向かってド・ヴィヌイーユ大隊長はギーシュを紹介する。 「新任の、中隊長を! しょ、しょ、紹介する!」 「え?」 ちゅうたいちょう? なに、それ? 唐突に不可解な単語が出て来たので首をひねっていると、大隊長は更に言葉を続けた。 「えー、我が栄えあるド・ヴィヌイーユ独立銃歩兵大隊に配属された……あ~……、名前!」 「ギーシュ・ド・グラモンであります!」 「えー、そのグランデル君には、第二中隊を任せる! したがって第二中隊はこれより『グランデル中隊』と呼称する!! 中隊長に、けいれーい!!」 「いや、グランデルじゃなくてグラモンなんですけど……」 名前の間違いを訂正するが、聞き入れてもらえなかった。 いや、それよりも。 今、この爺さんはとんでもないことを口走らなかっただろうか? えーと、確か、中隊長? 僕が? ……………………無理だぁ!! 「ちょ、ちょっと大隊長どの! 僕は学生士官ですよ!? そんないきなり中隊長なんて!!」 面倒そうに敬礼している中隊所属の兵隊たちをチラリと見ながら、ギーシュが叫ぶ。 中隊と言えば、最低でも百人ほどの人数からなる規模である。 超即席の士官教育を終えたばかりの、新兵とも言えないような自分がそんな(ギーシュにとっての)大所帯を指揮出来るわけがない。 だが大隊長はぶるぶる震えながらギーシュの肩に手を置き、その理由を語り始めた。 「いやぁ、中隊長が今朝、脱走しおってなぁ。ちょうど後任を探しとったのじゃ」 「ええー!?」 中隊長が脱走って……斜め上の意味で物凄い大隊だが、それにしても……。 「僕みたいな新任じゃなくって、先任士官がいるでしょうが!」 「あー、ワシと大隊参謀と各中隊長以外、この大隊に貴族はおらん。したがって、余っとる士官は君しかおらん。よろしくな、中隊長」 学生士官を登用するくらいだから、王軍は士官不足なのだ。 ギーシュはそう噂に聞いていて、その話に『なるほどな』と得心もしていた。 (……でも、いくら何でもコレはないだろう……) ド・ヴィヌイーユ独立銃歩兵大隊は、その名の通り鉄砲隊で総数は約三百五十人ほど。それが第一、第二、第三と三つの中隊に分かれている。内訳は鉄砲中隊が二つ、護衛の短槍中隊が一つ。 その二つの鉄砲中隊の内の一つである百五十名の兵を、いきなりギーシュは任せられることになってしまった。 しかも『鉄砲隊』と銘打ってあっても見かけるのは旧式の火縄銃ばかりで、新型のマスケット銃はまったく見当たらない。 (ど、どうすれば……) さすがにユーゼスもこんな場合の対処法は教えてくれなかった。……いや、こんな場合を想定している方がおかしいのだが。 『六万分の一』の兵力のつもりでやって来たのに、あれよあれよと言う間に『六万分の百五十』をまとめるという大役を任せられてしまい、ギーシュの頭は混乱していた。 (って言うか、それ以前に……) 配属されたのが鉄砲隊、ということがまず大問題である。 何故なら士官教育を受けたこの二ヶ月というもの、ギーシュは銃についての教育をカケラほども受けていないのだから。 ―――「最初から“この人間はこの隊に配属させる”と決めておいて訓練を始めるか、あるいは訓練中の成績や適性などを見て配属先を決める、というのが一般的だな」――― そんなユーゼスの言葉を思い出しつつ、トリステイン王軍は一般的じゃなかったのか、とあらためて肩を落とすギーシュ。 『急遽大量の傭兵を集め、それをまとめるための士官不足に苦しんでいる王軍は、混乱が尋常ではなく酷い』と聞くだけ聞いてはいた。 しかし、混乱するにも程がある。 「うぅぅう……」 懊悩するギーシュだったが、そんな彼の元に中年の男が近付いてくる。 飄々とした様子のその男は銃身の短い火縄銃を背負い、腰にはこれもまた短めの剣を差している。更に頭には鉄兜、厚皮に鉄の胸当てが付けられた上着を羽織っていた。 「よろしくでさ、中隊長どの」 「よ、よろしく。……君は?」 「中隊付き軍曹のニコラでさ。自分は副官の真似事など、やらしてもらっとりました」 「は、はあ……」 額の切り傷、日焼けした顔。更によくよく見てみれば身に付けている武具は相当使い込まれているようだ。これは『真似事』というのは控えめな表現で、実質的にはこのニコラという男が中隊を切り盛りしていたのだろう。 「いやぁ、災難ですねぇ。来て早々、中隊長をやらされるなんてねぇ。……見たところ、まだ書生さんだ」 「う、うん」 傭兵軍曹に親しげに話しかけられ、多少まごつきながらもギーシュは頷く。 「まあ、中隊の面倒は自分と仲間が見ますから。隊長殿は、ドッシリと構えとってくだせえ」 「わ、分かった」 そもそも『ドッシリと構える』ということをやった経験がないのだが、とにかくこの歴戦の傭兵が近くにいてくれれば何とかなりそうな気がしてきた。 ……と、その時、遠くでラッパが高らかに鳴らされ、中隊長たちが声を上げ始めた。 「おお、将軍閣下の訓示ですな。では中隊長殿、我々も行くとしましょう」 ニコラに促され、ギーシュもまたぎこちなくはあるが中隊員たちに声をかけていく。 間もなくアルビオン遠征軍総司令官であるオリビエ・ド・ポワチエ将軍による兵たちへの訓示と激励があり、その後このシャン・ド・マルス練兵場に集合した二万の王軍は港町ラ・ロシェールに向かう。 兵たちはそこで艦に乗り込み、戦場となる浮遊大陸アルビオンを目指すのだ。 ハルケギニアの暦における最後の月であるウィンの月、その第一週のマンの曜日。 二つの月が重なる日の翌日であり、アルビオンがハルケギニア地方へと最接近するこの日、トリステイン・ゲルマニア連合軍六万の兵は五百隻以上の大艦隊で次々にアルビオンへと向かっていく。 ちなみに『五百隻以上』と言ってもその内で本格的に武装を施している艦は六十隻ほどで、他の約四百四十隻は兵や補給物資などの運搬を担当している。 「……まるで、種子が風に吹かれて一斉に舞うようですな」 ラ・ロシェールの港、イグドラシル桟橋の最上部に立ったマザリーニ枢機卿が、隣に立つアンリエッタへと感想を告げた。 「大陸を塗り替える種子です」 「白の国を、青に塗り替えんとする種子ですな」 連合軍の艦隊の内、トリステインの艦が掲げている王家の旗は、青地に白の百合をあしらったデザインとなっている。 そしてアルビオンへと向かう艦隊の壮大な光景を眺めながら、マザリーニが呟く。 「負けられませんな」 「負けるつもりはありませぬ」 アンリエッタはやや硬質な声でそれに答え、枢機卿と同じくジッと艦隊を見つめていた。 そんな女王に対してどのような思いを抱いたのか、マザリーニは明るい情報を君主に提示する。 「……ド・ポワチエ将軍は大胆さと慎重さを兼ね備えた名将です。彼ならきっとやってくれるでしょう」 「…………そうですわね」 『きっと』という部分にやや希望的観測が混じっていることを感じ取るアンリエッタ。 ―――ハッキリ言って、ド・ポワチエ将軍は『名将』と呼ばれるような将軍ではない。自分の国の中枢人物の評価くらいは、彼女とて知っているのだ。 だが、彼以上の人材は今の王軍に存在しない。 探すとなると、他の国か歴史上を見回すしかなくなってしまう。 こういう時にアンリエッタはトリステインの国力が低いことを感じ取るのだが……。 「するべき戦でしたかな」 やや陰鬱な心境になっている女王の耳に、枢機卿の言葉が届く。 アンリエッタはジロリとそんなマザリーニの方を向き、不満まじりに疑問の声を上げた。 「何故にそのようなことを?」 「……アルビオンを空から封鎖する、という手もありました。慎重を期すのならば、そちらが正攻とも思えます」 「何を今更。それに泥沼になりますわ」 表情を変えないままで言うトリステイン女王。 「そうですな。白黒をつける勇気も必要ですな。私はいささか年を取ってしまったのかも知れませぬ。……しかし、そうなると『虚無』を投入出来なかったのが痛く感じられますな、陛下」 『虚無』という言葉が出た瞬間、アンリエッタの顔が強張った。 今回の戦争には参加しない、と明確に記したルイズに対して、アンリエッタは物凄い勢いで『考え直しなさい』だとか『わたくしにはあなたの力が必要です』だとかの文面の手紙を合計で七通送ったが、返って来たのは言い回しは違えど全て『お断りします』という内容のみ。 「…………っ」 最後の手段として実力行使を匂わせてみたが、すると『もしそちらが強引な手段に出た場合、わたしも“持てる力の全力で”抵抗します』とまで返してきた。 持てる力の全力。 空を埋め尽くす艦隊を一瞬で全滅させるほどのそれを向けられるとあっては、アンリエッタも諦めざるを得ない。 ちなみに、この『アンリエッタとルイズの手紙越しのやり取り』についてであるが、終盤ではルイズも意地になっており、“持てる力の全力”うんぬんは勢いで書いてしまった部分がかなりあるのだが……。 当然、アンリエッタはそんなことは知らない。 「まあ、物は考えようです。我らは『虚無』を温存している、と思うことにいたしましょう」 「……本当に考えようですわね」 全く自分の言葉に従ってくれない友人だったはずの少女を思い出して苛立つアンリエッタだったが、枢機卿はそんな彼女へと一つの言葉を投げかけた。 「此度の戦、負けたら何とします? 陛下」 「……………」 それを聞いて、アンリエッタの心にあった熱が急速に冷めていった。 負けたらどうするか。 いや、どうなるのか。 ―――順当に考えればトリステインはアルビオンに併合……いや完全に侵略されて『アルビオン国のトリステイン地方』とでも名を変え、自分たちトリステインの首脳陣は軒並み処刑されるか、あるいは厳重に幽閉されるか。 実際にはどうなるのか不明ではあるが、おそらくはこんな所だろう。 やがてアルビオンはその牙をトリステインに組したゲルマニアに向け、ガリアに向け、ハルケギニアの根幹を成すブリミル教の総本山であるロマリアに向け……。 「っ」 そこまで想像が及んだところで、アンリエッタは身震いした。 最も忌避したい未来予想図であるが、そうなってしまう可能性は十分に有り得る。 そしてその手始めは、まぎれもなく『自分が引き起こしたこの戦争』がきっかけとなってしまうのだ。 「この身を焼くことで罪が赦されるのならば……、喜んで贖罪の業火に身をゆだねましょう」 やや恐怖感をにじませた口調で、アンリエッタはそう言った。 今の彼女の根底にあるのは、暗く重い復讐の炎だ。 その復讐のためならばどんな罪でも被ってやろうという意気込みでここまで来たが……たまにこうして、ふと炎の勢いが弱まり、我に返る瞬間がある。 その時、自分は決まってその罪深さに苦しみ、もがく。 この戦は、決してする必要のある戦などではない。 国のためでも、民のための戦でもない。 自分の中にある復讐の炎が行き場を求めた結果、つまりアンリエッタ個人の憎しみや怨みを晴らして、恋人だったウェールズの仇を討つためだけに起こした戦だった。 そのために国中を巻き込み、隣国のゲルマニアを巻き込み、そして親友と呼んだ幼なじみを巻き込もうとしたのである。 それをハッキリと自覚しながら、しかしアンリエッタは高らかに愛国を謳って死地へと向かう軍を見送り、自分のトリステイン軍がアルビオンを蹂躙することを期待するのだ。 (……勝っても負けても、わたくしの罪が消えることは無いわね……) だが、事態はもうここまで動いてしまった。 今更後戻りなど出来はしない。 だからこのトリステイン女王である17歳の少女は、飛び立っていく艦隊に向かってこう叫ぶのである。 「ヴィヴラ・トリステイン(トリステイン万歳)!!」 何とも……少なくともアンリエッタにとっては、虚しい万歳であった。 しかしその叫びに呼応して、見送るアンリエッタに対し艦の甲板上で敬礼し続けていた将兵たちもまた次々に万歳の声を上げ始める。 「ヴィヴラ・トリステイン!! ヴィヴラ・アンリエッタ!!」 「ヴィヴラ・トリステイン!! ヴィヴラ・アンリエッタ!!」 やがてその叫びは全艦隊に波及し、六万の将兵による圧倒的な大渦となる。 「ヴィヴラ・トリステイン!! ヴィヴラ・アンリエッタ!!」 「ヴィヴラ・トリステイン!! ヴィヴラ・アンリエッタ!!」 まるで六万の兵から一斉に責め苛まれるような万歳の声。 彼らの声によって彼女の罪の意識は深まり、悔やむ気持ちもまた増大していく。 だが――― 「それでも、わたくしは……」 その六万の声をもってしても、アンリエッタの心にくすぶり続ける復讐の炎を消すことは出来なかった。 ……その感情の炎は『後悔の念』という強風にさらされ、その勢いをごく一時的に弱めながらも、再び燃え上がる時を今か今かと待っている……。 前ページ次ページラスボスだった使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7440.html
前ページ次ページラスボスだった使い魔 ドンドンドン!! 「ユーゼスぅ、ユーゼス・ゴッツォぉぉ~~!!」 研究室のドアを乱暴に叩く音と、自分を呼ぶ叫び声。 ハッキリ言って騒音以外の何物でもないこの二つの音を止めるため、ユーゼスはドアに向かって歩き出した。 この前にトリスタニアで買った本も読み終わったので、そろそろ睡眠を取ろうと思っていたところだったのだが、まさかこんな時間に来客があるとは思わなかった。 ……と言うか、今は夜中の十二時過ぎである。 隣近所の部屋への迷惑も考えてもらいたい。 「……………」 かくしてユーゼスは隣近所の平和のため、その来客を迎えたのだが……。 「おそいわよぉ、ユーゼスぅ! せっかくわたしがあなたに会いに来たんだからぁ、一秒以内にドアを開けなさぁい! ……ひっく」 「……エレオノール?」 開けたドアの向こうに立っていたのは金髪眼鏡の美女だった。 こんな時間にやって来るとは珍しい。 しかし何だか顔がやたらと紅潮しており、目が『トロン』と言うか『ドロリ』としていて、足下がフラフラとおぼつかない様子で、加えて口調もいつもとは違っている。 ついでに言うと、その手にはワインよりももっと強い酒のビンを持っていた。 これらの情報から判断するに、 「酔っているな」 「酔ってなんかぁ、ないわよぉ! ……ひっく」 どこからどう見ても酒に酔っぱらっているエレオノールは、ユーゼスを押しのけて研究室の中に入っていく。 「ジャマするわよぉっ」 「む……」 エレオノールはフラついた足取りのままで研究室を進み、来客用のソファにドカッと腰掛ける。 そして『レビテーション』使って器用に部屋の中にある棚からコップを浮遊させ、手元に引き寄せた。 「ぅう~~……ういっく」 コップにドクドクと琥珀色の酒を注ぎ込み、それをグイッと一気に飲み干すエレオノール。 見る者が見れば『なかなかに良い飲みっぷり』と評するであろう飲み方だったが、そのような視点を持てないユーゼスはごく冷静に彼女へと言葉をぶつける。 「酒は身体に悪いぞ、エレオノール」 「うるっさいわねぇ! そんなことは分かってるわよぉ!」 そう言いながらも酒をあおり続けるアカデミーの主席研究員。 ……妹のルイズもアルコールには弱いが、どうやら姉であるエレオノールもそうらしい。 ちなみにカトレアは酒を医者に止められているので『酒を飲む』という行為そのものをほとんどしたことがなく、強いのか弱いのか不明である。 「ひっく。ほらぁ、ユーゼス! あなたもこっちに来て座りなさぁい!」 エレオノールはいつもとは違った妙な迫力を振りまきながら、ユーゼスにそう命じる。 ここで断ると何をされるのか分かった物ではないので、ユーゼスは黙ってその言葉に従ってエレオノールの隣に腰かけた。 「……どこからそんな酒を持って来たのだ?」 「ぅあ? えっとぉ……元々はぁ、わたしの部屋に寝酒があったんだけどぉ、あなたのインテリジェンスソードと話しながら飲んでたらぁ、無くなっちゃってぇ、仕方ないからぁ、食堂からいただいてきたのよぉ~」 「……………」 最近デルフリンガーを見かけないと思っていたら(別に平時においてはいなくても特に困りはしないが)エレオノールが持っていたのか、と納得するユーゼス。 アレは暇な時の話し相手に打ってつけとも言えるので、その方面に有効利用してもらうことに何の不都合もない。 そして『食堂から頂いてきた』というセリフだが、食堂はとっくに閉まっているはずである。おそらく無断で拝借でもしてきたと思われるが……。 (……なぜ、この姉妹はおかしなところで妙な行動力を発揮するのだろう) ルイズは言うに及ばず、カトレアも割と自己主張する時はしてくるし、目の前のエレオノールもご覧の通りである。 (遺伝か……) 必然的にカリーヌの顔を思い浮かべるユーゼス。 まあ、それはそれとして。 「寝酒のつもりで飲んでいて、どうしてそこまで深く酔うのだ?」 「なによぅ! わたしがお酒を飲んじゃいけないって言うの、あなたはぁ!?」 「……そこまでは言っていないが」 「だったら、理由なんていいじゃないのよぉ!」 エレオノールはそう言うとグビグビゴクゴクプハァ、と酒を飲み、そしてその酒を今度はユーゼスに勧めてきた。 「ほぉらぁ、あにゃたも飲みなひゃぁい!」 「…………ろれつが回っていないが、大丈夫か?」 「んにゃことはぁ、どーらっていいのよぉ~~!!」 ぐでんぐでんに酔っぱらいながら杖を振り、棚からコップをもう一つ浮遊させてユーゼスに突き出すエレオノール。 それに対してユーゼスが何かを言うよりも早く、琥珀色の液体がそのコップに注がれ……。 「さぁ~、グイィッと飲むのよぉ~! ……ひっく」 「……やれやれ」 ここで断ったら強制的に口の中に酒を注ぎ込まれかねない雰囲気なので、溜息をつきつつユーゼスはコップを受け取り、エレオノールの言うようにグイッと口の中に酒を入れた。 (………………不味い) 苦味と辛味と酸味と、分かるか分からないか程度の甘み。加えてアルコールの焼け付くような熱さ。 それらが渾然一体となって舌の上で複雑微妙に絡み合い、何とも言えない感覚をユーゼスにもたらした。 ハッキリ言って、『心地よい味』とはとても言い難い。 しかも、それを我慢してどうにか酒を飲み込んでも、口の中に残るのは先程の味の残り香のような風味と、アルコールの残滓の刺激とが喉にまで波及してくる。 (……これの何が良いのだろう……) 『酒の美味さ』というものに関して全くと言っていいほど造詣のないユーゼスは、そのような感想を抱いた。 また、味だけではなく成分中のアルコールも問題である。 思考を鈍らせる薬物が含まれている飲料を自分から進んで摂取するなど、ユーゼスにはさっぱり理解が出来ない。 ―――いや、その『思考を鈍らせる』のがアルコールを摂取する目的なのだろうと推測は立てられるのだが、そうしたところで何がどうなると言うのだろうか。 「……………」 何にせよ今は思考を鈍らせるメリットなど一つもないので、脳内のクロスゲート・パラダイム・システムを使って因果律を操作し、体内のアルコールを除去する。 ついでに自分の味覚と嗅覚も操作して、この不快な味を無味無臭に感じるようにした。 さて、これで取りあえず泥酔する可能性は排除出来たわけだが……。 「ぅ゛うぅぅうぅぅうぅぅうううぅぅう~~……」 ふと気がつけば、エレオノールが顔を真っ赤にして(酔った影響だろうが)唸りを上げ、『私はあなたに言いたいことが山ほどあるのよ』とばかりにユーゼスを睨んでいた。 そしてユーゼスが何かを言うよりも早く、 「あにゃたは、いったい、もう…………なん、何なのよぉ~~!!」 よく分からないことを叫ばれてしまった。 「……それこそ、一体何なのだ」 「そのくらい言わなくったってぇ、わかりなさぁ~い!!」 「…………滅茶苦茶なことを言うな」 理性的とはとても言えない様子で、エレオノールはまくし立てる。 「大体っ、あにゃたは……いっつもいっつもぉ、何を考えてんるんだかよくわかんないしぃ、わたしのことをどう思ってるのかもわかんないしぃっ! ……いいえ、そもそもどういう女が好みなのよぉっ!?」 「女の好みだと?」 どうにも話の流れが読めないと言うか、予測がつきにくい。 と言うか『女性の好み』など考えたことがないので、正直困る。 (『答える必要はない』とか『私も知らん』と言ったところで、今の状態のエレオノールがすんなり納得するとも思えんし……) それに、問われた以上は可能な限り答えるべきであろう。 (……ふむ) そうして考えてみるが、どうにもよく分からない。 いや、それ以前に女性を『そういう対象』として見たことが一度もないので、どう考えればいいのかすら分からない。 (むぅ……) 『どういう女が好み』と言われて真っ先に思いついたのは“何故か”この目の前にいるエレオノールだったが……『そういう対象』として見ると、何だか、こう、途端に判断が付きにくくなると言うか、何と言うか。 まあ『好き』か『嫌い』かの二択で言えば『好き』の部類に入るとは思う。 それに『研究者として』とか『一人の人間として』などの視点では好ましく感じてもいる。 一緒にいて悪い気はしないが、いや、しかし、あくまで彼女は同じ研究者というだけの関係であって、それ以前に御主人様の姉なのだから……。 「…………っ」 珍しく、少なくともハルケギニアに召喚されてからは味わうことのなかった懊悩を噛み締めるユーゼス。 (視点を変えよう……) 女性像をエレオノールだけに限定してしまうのはよくないと思うので、ここで角度を変えてみることにする。 そういう訳で『エレオノール以外の女性』でユーゼスの脳裏に思い浮かんだのは……。 (カトレアか) エレオノールの妹で、ルイズの姉。 柔和な雰囲気を身にまとい、同じ空間にいると少しだけ安らぎを感じる女性。 たまにサイコドライバーの類なのではないかと思うほどの勘の鋭さを見せる時があるが、それはこの際あまり関係がないので置いておくとして。 「……………」 彼女もまた『好み』かどうかと聞かれると難しい。 週に二度は彼女の所に出向いているし、少なくとも嫌いということはないのだが、そこに『そういう対象』としてのフィルターを通してしまうとエレオノールのそれに負けず劣らず、とても名状しがたい感覚に襲われるのである。 (……そう言えば明日はカトレアに会いにいく日だったな) 会いに行っても簡単な診察と会話をするだけ……というのがお決まりのパターンだが、ユーゼスがその時間を貴重に感じているというのも事実。 彼女もまたユーゼスにとっては判断の付きにくい女性であった。 (いや、待て) 何故自分はこのようなことを真剣に考えているのだろう。 ふと冷静になってみると、そんな疑問が首をもたげてきた。 別にエレオノールに問い詰められたからと言って、アレコレと思考を巡らせる必要はないはずである。 (ハルケギニアに召喚されて以降、私のメンタリティが妙な方向にシフトしている気がする……) 一体、何からどのような影響を受けてしまったと言うのか。 ……心当たりが多すぎて、対象をある程度の数まで限定することすら困難だった。 と、そんな風にワケも分からず、何について悩んでいるのかも不明なまま悩んでいたら、またエレオノールが声を荒げてくる。 「にゃによぅ、そんなに悩んでぇ~っ! どうせまた微妙に話題を逸らしてぇ、のらりくらりって、誤魔化そうとしてるんでしょおけどぉ、今回はそうはいきませんからねぇっ!」 「別に誤魔化すつもりはないのだが」 「いちいちぃ、口ごたえするんじゃぁ、にゃいわよぉっ! ……ひっく」 そう言いつつエレオノールはまたコップに酒を注ぎ、ゴクゴクとそれを飲み込んでいった。 「うぃ……ぃっく、けふ。……いいのよいいのよ、どうせユーゼスはぁ、わたしみたいな女は好きじゃないんでしょぉ。ううぅっ、そうよねそうよね、わたしだって自分のこと『いい女』だって思わないもの、あのインテリジェンスソードだってそう言ってたもの。 ……そりゃあ、わたしはカトレアみたいに胸がおっきくないわよ。ルイズみたいにかわいくないわよ。あのアニエスって女みたいにカッコよくもないわよぉ。でもねぇ、そんな、そういうのがなくったって……別に、女の魅力ってそれだけじゃないのよぉ、分かるっ!!?」 「分からん」 「うぅぅぅぅうううぅぅぅぅううううぅぅう~~~~っっ!!!」 ポカポカポカ、と涙目のエレオノールに頭やら何やらを叩かれるユーゼス。 なぜ叩かれるのか、いやそれ以前になぜ自分は今このような状況にいるのかよく分からない銀髪の男は、取りあえず金髪の女性をなだめることにした。 「落ち着け、エレオノール。よく分からないが……とにかく、落ち着け」 「なによぅなによぅ、わたしにだってねぇ、わたしにだって十代の頃はあったのよぉぉ~~!! ……ういっく、ひっく」 もうエレオノールがしゃくり上げている音すら、酔いのせいなのか泣いているせいなのか判断がつかない。 そしてユーゼス・ゴッツォには、酔っ払いに対応するためのスキルや経験値が圧倒的に不足していた。 ―――よく分からない事象に対して、下手に手を出すことは逆効果になることが多い。 自身の経験からそれを嫌と言うほど知っていたユーゼスは、ひとまず何もせずにただエレオノールから投げつけられる不満や愚痴を受け続けることにした。 「どうせ……あにゃたはぁ、カトレアみたいな女の人が好きなんでしょぉ。そりゃそうよねぇ、姉のわたしから見たってカトレアはきれいだもの、あんな身体じゃなかったらとっくの昔に結婚してるものぉ……。 ……ううっ、ぅぐぅぅう~っ、なによ、結婚がなによぉ~~!! うわぁぁああ~~~~~んっ!!」 「……………」 自分の口から出た言葉に自分で反応して自分で勝手に盛り上がるな、とユーゼスは言いたくなったが、黙っていた。 「って言うかぁ、あの平民上がりの女もなんなのよぉ! 20年も前のアカデミーのことなんてぇ、その時7歳だったわたしが詳しく分かるわけないでしょお~~!!」 「……………」 おそらくアニエスについての文句を言っているのだろうが、それと20年前のアカデミーとがどう繋がるのだろう。 (まあ、あの女の個人的な事情はどうでもいいが……) それが自分に飛び火しないことを祈るばかりである。 などと思っていると。 「大体ぃっ、あにゃたがこう、いっつもいっつもぉ、思わせぶりな態度ばっかり取るのが悪いのよぉ~~っ!」 いきなり不満の矛先が自分に向かってきた。 これにも沈黙で答えるべきではあるのだが、今のエレオノールの言葉には少々聞き逃せない部分があったので、あえて問い返してみる。 「……私がいつ、思わせぶりな態度などを取ったのだ?」 「自分の胸にぃ、聞いてみなさぁぁ~~いっ! ……って、だぁれの胸が平坦で起伏ゼロで絶壁ですってぇ!!?」 「誰もそんなことは言っていないぞ」 きぃきぃきぃきぃ、と甲高い声で色々なことを叫び続けるエレオノールの話を聞きつつ、ユーゼスは今さっき言われたエレオノールのセリフについて考える。 (……『自分の胸に聞いてみろ』と言われてもな……) 心当たりがあるような、ないような。 まあ確かに客観的に他者の―――ハルケギニア人の視点から見れば自分には謎が多いように思われるかも知れないが、こんなヒステリックに喚かれるほどの言動や行動をしただろうか。 (………………うむ、していないな) 致命的な部分を履き違えたままでそう結論を出すユーゼス・ゴッツォ。 ―――毎度のことではあるのだが、彼は自分を含めた人間の、特に女性の心の機微には異常と言えるほど鈍感なのであった。 そして、酒瓶の中の琥珀色の液体が底を突き始め、そろそろ酔っぱらったエレオノールの相手が負担になり始めた頃。 「ぅ…………むゅ、ゅ……」 「む?」 いきなりエレオノールのまぶたがストンと落ちて、更に彼女の身体全体がガクリと脱力した。 そしてそのままグニャリと隣に座っているユーゼスの方へと倒れ込み……。 とさっ。 ―――ぎゅうぅ。 まるでユーゼスに抱きつくようにして、と言うより本当に抱きついて意識を手放した。 しなだれかかって、などという生易しいものではない。 下手をすると何らかの格闘技の固め技に見えなくもないほどの、強固な抱きつきっぷりであった。 「……起きろ、エレオノール」 今の騒ぎで隣の部屋にいる自分の主人や、近くの部屋にいるキュルケなどが起きてしまった場合、この状況を説明するのは非常に困難である。 いや、キュルケならまだいい。彼女は話せば分かる。 問題はルイズだ。 リアクション自体はおおむね察することが出来る。 『エ、エ、エエエエ、エ、エレ、エレエレ、エレオノール姉さまを部屋に連れ込んで!! ぶっ倒れるまで酔わせて!! それで今度は、ナニをするつもりなのよぉぉぉおぉおおおおおおおおおおおお!!!!??』 まあ、傍から見れば『酔ったエレオノールがシラフの自分にしなだれかかっている』ようにしか見えないのだから、こんな所だろうか。 だがその対処については、ハッキリ言ってどうすれば良いのか分からない。 下手をすれば真夜中の大惨事である。 よって、取りあえず自分の体からエレオノールの身体を引き剥がす必要があるのだが……。 「うゅきゅぅ~~……」 「……………」 全然離れてくれない。 こうなったら力ずくで……と思って腕力で実力行使に出ても、 「ぐ……く、ぬ……」 「みぃ……ぁぅ、ん……」 しっかりと言うかベッタリと言うかガッチリと言うか、ユーゼスもカリーヌ・デジレやアニエスとの訓練を経てそれなりに筋力は付いている筈なのだが、とにかく引き離すことは出来なかった。 これはユーゼスの力がまだまだ弱いということなのか、それともエレオノールの力が強いのか。 「くぅ…………はにゅ、ん……」 「む…………ぐ!?」 一瞬思考を回転させそうになるが、その瞬間にエレオノールがユーゼスに身体をグリグリと押し付けてきたので、強制的に思考がカットされる。 不味い。 別にエレオノールに対して劣情を催したりだとか、そういう類の欲求は……ない、はず、ではある、のだが、とにかくこれは、この状態でこの状況は非常に不味い気がする。 何が不味いのかよく分からないが、とにかく不味い。 「……んく……」 「…………っ」 この女、まさか被強姦願望でもあるのではなかろうな―――などと乱れた頭でそんなことを考えるユーゼスだが、とにかく今はこの状況をどうにかすることが先決だ。 何せ、どうにかしなくては自分がどうにかなりかねない。色々な意味で。 (……若返った肉体に引きずられて、性欲も強くなったか? 確かに性機能はあるが……) そう分析しつつ、自分自身の因果律を操作して性欲を限りなくゼロへと薄めるユーゼス・ゴッツォ。 ついでにエレオノールの因果律も操作して、彼女のアルコール分解能力を一時的に強化しておく。これで明日、エレオノールが二日酔いで苦しむことはなくなる筈だ。 「ふう……」 小さく息を吐くと同時に、ストレスもいくらか吐き出す。 ……性欲が消失した今だからこそ思うのかも知れないが、なぜ最初から因果律を操作しなかったのか我ながらかなり疑問であった。 「むにゃ……」 エレオノールは相変わらずユーゼスに抱きついたまま睡眠中だ。 「…………まったく」 人にこれだけ迷惑をかけておいて随分とのんきな寝顔だな、と半ば呆れつつも、ユーゼスは今度こそ彼女の身体を自分から引き離す。 ―――別に『何が何でも離すまい』として組み付いているわけでもないので、落ち着いて相手の関節や筋肉の構造を考慮しつつ行えば、それほど難しい作業ではないのである。 「……………」 筋から言えばこの後、エレオノールを部屋まで送るなり何なりしなければならないのだが、それも面倒だ。 このまま研究室のソファに寝かせておいた方が労力も少なくて済むだろう。 ユーゼスは取りあえず備えつけの毛布を持って来て、それを寝息を立てるエレオノールの身体にかけた。 そして。 「……………」 スッ、と。 軽くではあるが、指でエレオノールの頬をゆっくりと撫でる。 「ん……」 「……何をしているのだろうな、私は」 どうしてそうしたくなったのかユーゼス自身にもよく分からなかったが、とにかくそうしてしまった。 ユーゼスはそんな自分自身に疑問と軽い自己嫌悪を覚える。 (自己嫌悪、か) かつて人間の愚かさや醜さを忌み嫌い、同時に自分が人間であることに激しい嫌悪と憎悪を抱き……あらゆる存在を超えようとした。 そんな自分が、今では一人の女の挙動に対して右往左往している。 何とも人間らしいことだ。 「フッ、滑稽だな……」 自嘲しながら椅子に腰掛け、腕を組んで目を閉じる。 取りあえず翌朝エレオノールを起こす時には、酒の飲みすぎは控えるように言っておくとしよう……と考えながら、ユーゼスは速やかに睡眠状態に移行するのだった。 「……行軍って言うのは、もう少し立派な物だと思ってた」 アルビオンの土をズシャズシャと踏み締めながら、ギーシュはボヤき気味に呟く。 そしてそんな中隊長のボヤきに対し、中隊つき軍曹のニコラが苦笑しながら応じた。 「まあロサイスに五千を残してきたとは言え、それでもまだ五万五千の大所帯ですからなぁ。そんだけの数を一斉に動かすのにいちいち格好を付けてちゃ、ロサイスを出発するのは降臨祭の頃になっちまってたハズです」 「でもなぁ……何と言うか、五ケタの人数が揃って徒歩で敵地を移動するってのも間抜けなような気が……」 「馬を六万頭用意したり、大艦隊で堂々とアルビオンの空を飛ぶわけにもいかんでしょう」 「だよなぁ……」 はぁ、と溜息をつくギーシュ。 トリステイン・ゲルマニア連合軍が浮遊大陸アルビオンに上陸してから、早二週間ほどが経過している。 上陸する際に艦隊戦があり、少なからず損害を出しつつもそれに勝利して以降、アルビオン側からは何の攻撃もなかった。 ちなみにギーシュは艦隊戦の時は船の中で震えていただけだったが(艦隊戦では銃歩兵隊に出来ることなどほとんどない)、きっと上陸してからすぐに物凄い戦いになるに違いない、となけなしの勇気を奮い立たせてもいた。 しかしその予想は見事に外れてしまったことになる。 そしてそれは連合軍の首脳部も同じだったらしく、港町ロサイスに上陸してから起こるであろう『決戦』に備えてすぐに陣地を構築したものの、アルビオン軍が何のアクションも起こしてこないので結局は時間と兵糧を無駄に潰してしまった。 この結果に首脳部はもちろん拍子抜けしたが、兵士の多くもまた肩透かしを食らったような感覚になり、おかげで軍全体の士気は微妙なムードだった。 しかし、それも先日までの話。 トリステイン・ゲルマニア連合軍は長い行軍を終え、今まさに街道の集中しているアルビオンの古都シティオブサウスゴータを攻略するべく陣を構築している真っ最中なのであった。 予定では明日の夜明け前には進軍する手筈になっている。 ちなみにギーシュの所属するド・ヴィヌイーユ独立大隊はかなり前方、と言うかほとんど先頭に配置されていた。 しかもギーシュの中隊は大隊の中でも更に戦闘に配置されている。 これに仰天したのは他でもないギーシュである。 そりゃあ一番槍は名誉なことだが、逆に言うとそれは一番敵と戦う確率が高いという意味だ。 つまり、一番死ぬ確率が高い。 何で僕たちみたいなロクでもない大隊が……いや、ロクでもないから一番先頭なのか。 なるほどなぁと思わず納得してしまったが、そんな素直に納得してる場合ではない。 士官教育終わりたての任官したてで、いきなり中隊長を任せられたと思ったら、初陣で一番槍って。 しかも自分は学生士官。 分不相応にも程がある。 いや、手柄を立てるチャンスが目の前にぶら下がっていることは嬉しいけれども。 正直言って、痛いのや怖いのや死ぬのは嫌だ。 そんな風に功名心と恐怖心とを葛藤させつつ歩いていると、トントンとニコラに肩を叩かれる。 「中隊長殿」 「な……、何だね?」 「そっちにまっすぐ進むとシティオブサウスゴータにお一人で突撃しちまうことになりますが、いいんですかい?」 「え?」 言われて顔を上げてみれば、もうとっくに自分たち中隊が向かうように指示された位置だった。 五リーグほど離れた遠くには、なるほど確かにシティオブサウスゴータの城壁が見える。 「ぎゃあ!」 叫びながら慌てて飛び退くギーシュ。 これだけ距離が離れていればちょっとやそっと飛び退いた程度では全く影響はないのだが、そこは気分の問題だ。 「いやあ、てっきり功を焦って馬鹿なことをしでかしたかと思っちまいましたよ」 「そんなワケないだろ! そりゃ僕だって名誉や手柄は欲しいけど、同じくらい命も惜しいし、死にたくない!」 「素直ですな」 「この期に及んで嘘なんかついてもしょうがないだろ!」 何せ下手すりゃ明日には死んでしまうのである。 下手に虚勢を張ったり取り繕ったりするよりは、なるべく自分に正直に生きていたいと思うのがギーシュ・ド・グラモンという人間なのであった。 「まあどんなに遅くとも突撃は明日の朝になるでしょうから、なるべく早めに腹をくくっておくことですな」 「……くくりたくないなぁ」 ブツクサ言いつつ、ギーシュはごく簡易的な天幕の設営を始める。 これからしばらくの間待機して、夜が更けたら突撃開始点まで移動して、もう一度待機して、突撃のラッパと同時に突撃―――という流れになっているわけだが、夜が更けるまで野ざらしで突っ立っているわけにもいかないからだ。 と言うか、上の方から今の内に休息を取るように命令までされている。 別に命令などされなくとも、休むときには休むのだが。 「さて、それじゃ休憩がてら飯にしますか」 「飯って……またあの肉っぽいアレかね? 正直、とてもじゃないが美味いとは思えないんだが……」 「ですが無いよりはマシですぜ」 「そりゃそうだけどなぁ」 さも食べたくなさそうな顔をするギーシュ。 彼が言った『肉っぽいアレ』とは、豆から作ったパン状の生地に『錬金』の魔法をかけて肉の味をつけた通称『代用肉』と呼ばれているものである。 外見はそれなりに肉のように見えはするのだが、先程のギーシュの言葉にもあったように味や食感の方はあまりよろしくない。 特にギーシュのようにそれなりに舌の肥えてしまっている貴族たちには不評であった。 「肉……と言うか、『肉風味の何か』と言うか、とにかくそんな感じがするんだよ」 「いやいや、金のない平民にとっては立派な『肉の代用品』ですって。値段も手頃ですし、平民の間じゃそこそこ売れてるって聞きますぜ、あれ」 「値段ねぇ」 自分たち兵士に『代用肉』が回されてくるのは、おそらくその辺りの理由によるものだろう。 何せトリステインにもゲルマニアにも金がないのだ。 いや、それなりにありはしたのだが戦のためにほとんど使い果たしてしまった、と言った方がいいか。 よって兵糧や弾薬などの備蓄も少なくなってしまい、必然的に短期決戦を挑まねばならないという状況になっている。 ちなみにこのような兵の不安を煽るような情報は士気に関わるため伏せられるのが普通である。 しかし、いくらひた隠しにしようが所詮は自軍内の情報であり、噂話程度の漏洩はいくらでも起こり得てしまう。 そして人の口に戸は立てられず、噂というものは無責任に尾ひれをつけつつ広がっていく習性を持つ。 そのためトリステイン・ゲルマニア連合軍の多くの兵は『自分たちはかなり切羽詰まった状況に置かれているのだ』という意識を持ちつつあった。 閑話休題。 とにかく配給品として『代用肉』が出されるのに変わりはない。 まあ確かに肉が全くない状況よりはマシだが、あんまり進んで食べたいと思わないのだ。 「いっそのこと、中隊長殿が魔法をかけてあの肉をもっとマシにしてみたらどうです? 戦の前に魔法を無駄使いするのはいけませんが、この戦いが終わってからってことで」 「うーん……それは僕も考えたんだが、前に知り合いに“食べ物への『錬金』は余程の自信がない限りやめろ”って言われたのを思い出してやめた」 「余程の自信? そんなに難しいことなんですかい、あの『代用肉』を作るのは?」 ギーシュの言葉を聞いて、興味深げにニコラが問いかける。 「えーと……確か『錬金』を使うメイジが餓死を意識するくらいの飢餓状態で、かつその状態で『食べたいもの』を渇望するくらいのイメージの強烈さが必要らしい」 「……そりゃまた命懸けですなぁ」 前に聞いたことをどうにかして思い出すようにしながら、ギーシュは説明を続けた。 「『ただ食べられるもの』を作るだけならそれほど難しくはないんだけど、食べものっていうのは割と些細な変化で味や食感が変わるから、最低でもそのくらいしないと『美味い』と感じるものを作ることは出来ないんだそうだ。 しかも下手するとタンパクシツやタンスイカブツとかいう成分を『錬金』し損なって、有害なものが出来かねないとか何とか……」 「はあ。……自分には難しいことは分かりゃしませんが、それが大変だってことは分かりました」 「うん、正直僕にもよく分からない」 「?」 ポリポリと頭を掻いて一応の理解を示すニコラだったが、そこでふとギーシュの言葉に不可解な点が混じっていることに気付き、その点をすぐさま質問した。 「その口振りだと、誰かからの受け売りのように聞こえますが……どこかの学者さんに知り合いでも?」 それを受けてギーシュはやや恥ずかしそうにこの知識の出所を語る。 「まあ……クラスメートの使い魔にちょっとね」 「使い魔? と言うとアレですかい、猫とか鳥とかの? ……はあ、メイジの使い魔ってのはそんな難しいことも勉強するんですなぁ。ってことは中隊長殿のモグラも?」 「ああ、いや、そうじゃなくて…………まあいいか、説明するとややこしくなるし」 説明を放棄して、地面に腰を下ろして取りあえずの休息を取り始めるギーシュ。 これからしばらくすれば、嫌がりつつも待っていた戦が始まるはずだ。 自分にとっては初陣となるが……果たしてどんなものが待ち構えていて、どんなことが起こるのだろうか? 「何にせよ、明日の夜かぁ……」 配給されたブヨブヨしている『代用肉』をかじり、遠くに見えるシティオブサウスゴータを眺めながら、ギーシュは呟く。 「魔法学院では今頃、何してるのかなぁ……。モンモランシーは元気だろうか……」 前ページ次ページラスボスだった使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8491.html
前ページ次ページラスボスだった使い魔 遥か上空から現れた、謎の蒼い巨人。 いや、『巨人』という表現は実を言うと適切ではない。 なぜならソレは人のカタチこそしているものの、明らかに生物としての質感を有してはいないからだ。 全身を隙間なく金属で覆い、更にその外見から放たれる圧倒的な威圧感や、ある種の神々しさを見てしまっては、それを『人』に類するモノであると口にするのはどうしても抵抗が生じる。 また、最低でも30メイル以上はあるだろうその全長は、ハルケギニアのいかなる生物と比べても巨大だった。 ……例として挙げるなら、火竜山脈に生息している『大きな火竜』でも全長はせいぜい15メイルほどである。 『金属で出来たガーゴイル』と言われた方が、まだ納得出来た。 それでもあのサイズの規模のガーゴイル、しかも飛行が可能なものを開発するなど、現在のハルケギニアの魔法技術では不可能だ。 ゴーレムに擬装をして『レビテーション』や『フライ』で浮かせていると無理矢理に考えることも出来なくはないが、それとて風のスクウェアメイジが何十人も必要になるだろう。 …………などと、シティオブサウスゴータの南西150リーグほどの位置で激戦を繰り広げていた人間たち(さすがにアインストにはそのような思考を行う機能はない)が考えていると。 蒼い巨人(他に形容する言葉が見当たらないので、取りあえずではあるがその呼称を使う)の胸の部分、黄金の宝玉を引き立てるように鈍い黒色をしていた箇所が、ガシャンと音を立てて開いた。 一体何が起こったのだ、と人々が蒼い巨人の様子を確認する間もなく、その開いた胸に紫電が走る。 その紫電は3秒もしないうちに蒼い巨人の胸から消え、その代わりと言わんばかりに胸の中央にある黄金の宝玉が輝き始める。 そして。 宝玉の輝きが、これもまた2秒もかからず蒼い巨人の胸全体を覆うほどにまで高まった、その瞬間。 黄金の光は、アルビオン軍、トリステイン軍のド・ヴィヌイーユ独立大隊、そしてアインストが混沌と入り乱れた戦場へ向かって、絶大な破壊力をともないながら降り注いだのだった。 「……………」 ネオ・グランゾンのコクピットの中、シュウ・シラカワの膝の上で、マチルダは唖然としていた。 ―――ここで、時間を少し巻き戻す。 クロムウェルから『アンドバリ』の指輪を取り返したマチルダたち。 一行はそのままラグドリアン湖にまで飛んで行き、ネオ・グランゾンに搭載されている精霊レーダーとやらで水の精霊の位置を割り出してからその真上まで移動、『アンドバリ』の指輪を湖の中に投げ入れて、水の精霊からの依頼を完遂させた。 それでウェストウッド村に帰ろうとしたら、この戦いに遭遇したのである。 マチルダもシュウもこの戦争の行く末自体はどうでもよかったのだが、今回のこの戦いは場所がウェストウッド村に近過ぎた。 また、その規模が大き過ぎ、出現しているアインストの数も多過ぎる。 これでは下手をするとウェストウッド村に飛び火しかねない。 「では、取りあえずアインストだけでも掃討しておきましょうか」 泥沼化しつつある戦場を見ながら、そう呟くシュウ。 それは別に構わない。 って言うか、むしろ歓迎しよう。 ウェストウッド村に危害が及ぶのは、自分としても避けたいのだし。 だからマチルダはそれに賛成した。 それから間もなくネオ・グランゾンは『隠行の術』を解き、戦場に姿を現す。 シュウはコクピットにある『こんそーる』をピピピッといじり、ネオ・グランゾンの武装を使って戦場に攻撃を加えた。 そこまではいい。 しかし。 しかし、だ。 その攻撃が、このゴチャゴチャしてワケの分からない状態だった戦場において『確実に1000体を超えていたアインストだけに正確に命中』し。 あのバケモノどもを一匹残らず消滅させ。 あまつさえ直接の人的被害がゼロというのは、もう、驚きとか呆れを通り越して、どう反応していいのかすら分からない。 「……………」 「これでこの戦闘も収束に向かってくれればいいのですが……」 のんきにそんなことを言うシュウ。 いや、実際にはのんきどころか真剣なんだろうが、マチルダから見ればのんきにしか見えない。 マチルダはどうにかしてコイツに、せめて一言くらいは何か言ってやろうとするが、 「……今の、何?」 そう問いかけるだけで精一杯だった。 するとシュウは平然と、微笑すら浮かべてその問いに答える。 「いわゆるマルチロックオンというやつです。要するに複数同時の狙い撃ちですね」 「複数同時……ねえ」 「ええ。最大で65536の目標を同時に攻撃することも出来ますよ。……まあ、そこまでの数を実際に攻撃したことはありませんが」 「ろくまんごせんごひゃくさんじゅうろく……?」 なんだ、そりゃ。 もうワケわかんない。 (……………) マチルダはシュウとそれほど長い付き合いではないし、しょっちゅう顔を合わせてもいない。 むしろそういう面ではティファニアの方が長じている。 だが、この男に関してハッキリと分かっていることが一つある。 それは、シュウは『嘘やハッタリの類だけは絶対に言わない』ということだ。 だから、この『65536の目標を同時に攻撃出来る』という言葉も、きっと事実なのだろう。 事実だからこそ。 ―――マチルダは、このことについて考えるのをやめた。 「しっかしコレ、ユーゼスに知られたら怒られそうですねぇ。思いっきり介入しちゃってますし」 シュウのファミリア(使い魔)であるチカは、そんなマチルダの内心を知ってか知らずか、いつも通りの口調で主人に話しかける。 「……彼は病的なまでにハルケギニアへの干渉を避けようとしていますからね」 皮肉げな笑みを浮かべ、その言葉に答えるシュウ。 「私に言わせれば、あのアインストもユーゼス・ゴッツォも……そして私も等しく同じですよ。 程度の差こそありますが『ハルケギニアに紛れ込んだ異物』という時点で、我々はこの世界に少なからず影響を与えています。彼はそれを理解していません。……いえ、理解はしていても、それを認めたくないのかも知れませんが」 それに、とシュウは付け加える。 「……『私たちのような存在』は、それこそ存在しているだけで『その世界』の因果律を乱す元凶になりかねませんからね……」 シュウの笑みに、皮肉だけではない別の色が混ざった。 「はい?」 何やら小難しいことを言い始めた主人に対して、首をちょこんと傾げるチカ。 そうしてチカが内心で余計なことをつらつらと考える前に、彼女(一応ではあるが、チカは女性的な性格を模して作られている)が担当しているネオ・グランゾンのレーダーに反応が現れる。 「あっ、レーダーに反応です。こりゃアインストの空間転移ですね。……ありゃ? コレ、数は少ないですけど、やけに規模が大きいような……」 「ほう……。まるで、私への対抗手段を慌てて用意したような動きですね」 「……信じられん」 アルビオン軍主力の実質的な指揮を執っているホーキンス将軍は、目の前の光景をそう評した。 何が信じられないかと言うと、もう目に映る全てと言っていい。 突然現れた蒼い巨人。 その巨人から放たれた光が、無数に存在していた『アインストだけ』を全滅させたこと。 更に巨人を迎え撃つかのごとく出現した、20メイルはあろうかという巨大なアインスト。 それが複数。 「……………」 数自体はそれほど多くない。 むしろたったの四体だ、少ないと言えるだろう。 構成だって『骨』が二体に『ツタ』が一体、『鎧』が一体。 アインストとの戦いに慣れたアルビオン軍であれば、慢心でもしない限りはどうとでもなる。 ……ただしそれは、相手が人間と同じような大きさであった場合の話だ。 量より質などという単純な問題ではなく、あれだけの戦闘力を持ったバケモノが20メイルほどの大きさで現れた。 ホーキンスが困窮し、現実を認めがたくなるのも、無理からぬ話である。 「……………」 救いなのは、あの巨大アインストがこの戦場から離れた位置、しかもちょうど側面に現れてくれたことだ。 もしまた戦場のど真ん中にでも出現したら、大混乱どころの話ではない。 前方や後方に現れても問題だ。そうなれば間違いなく、自分たちは敵味方の区別などなく蹴散らされるだろう。 もう一つの救いは、 「標的があの巨人らしい、ということだな……」 願わくば、蒼い巨人と巨大アインストどもで潰し合ってくれ。 放心状態から抜け出し、現れたモノたちの攻撃がこちらに向けられる可能性にまで考えが及んだ人間は、アルビオン・トリステインを問わずにそう考えていた。 『グゥォォォオオオオオ…………!!!』 最初の攻撃以降、空中に静止して動かない蒼い巨人に向かって、『ツタ』の巨大アインストは熱光線を発する。 20メイルサイズのアインストが発する熱光線。 轟音は無論のこと、余波だけで大気が震え、光は眩すぎるほどに周囲を照らす。 その破壊力たるや、推して知るべし。 「!!」 閃光に目がくらんでほとんどの者が目を閉じていた中、ホーキンスは辛うじてではあるが、確かに見た。 ドオン、という衝撃と共に、熱光線が蒼い巨人に直撃するのを。 そう、間違いなく直撃した。 直撃はした。 だが、その熱光線は蒼い巨人を守護するように現れた『透明な壁』によって完全に阻まれていた。 「……………」 もし自軍に向かって放たれでもしたら4ケタ単位の犠牲は覚悟しなければならないだろう攻撃。 それを受けて、蒼い巨人は小揺るぎもしていない。 『……ォオオ!!!』 ホーキンスが驚愕の言葉を発するよりも早く、今度は巨大な『骨』のアインストが動く。 人間サイズのものと同じく、武器は黄色い爪だ。 その爪を胸にある赤い光球の輝きに呼応させるようにして巨大化させ、宙に浮かぶ蒼い巨人へと一気に跳躍する。 対する蒼い巨人は、微動だにしていなかった。 まるで、動く必要すらないと言わんばかりに。 『…………!』 『骨』の巨大アインストの爪が、蒼い巨人に向かって振り下ろされる。 しかし、その爪は先ほどの熱光線と同じように透明な壁に阻まれ、それどころか逆に攻撃をした『骨』の爪の方が逆に欠けてしまった。 ―――今度は光に阻まれていたわけではなかったので、その場にいた全員が目撃し、そして理解した。 蒼い巨人を守っている不可視の壁の強度を。 蒼い巨人は本当に『動く必要がなかった』ことを。 「……………」 幾人もの人間の命を奪ってきた、アインストの攻撃。 それがあのサイズにまで巨大化したのだから、威力もそれこそケタ違いに上がっている。 そんなケタ違いの攻撃を、完璧以上に防いだ。 「……………………」 ホーキンスを初めとしたこの場にいる人間たちは、この状況をどう受け止めれば良いのか分からない。 ……そんな彼らの様子など気にした様子もなく、蒼い巨人は右腕を頭の高さまで動かして、拳を握る。 すると巨人の目の前の空間が白く輝き出し、だがその白い輝きは一瞬のうちに黒く、深い闇の色に染まった。 「な、何だ……?」 自身が作り出した闇へと右手をかざす蒼い巨人。 闇はそれに応じるかのように鳴動し、その中から一本の巨大な剣を出現させる。 蒼い巨人は、己と同じ色をしたその剣を掴み、引き抜いた。 剣を引き抜くと同時に闇は消え、後には何も残っていない。 「?」 どういう仕組みなんだとホーキンスが考える暇もなく、巨人は剣を構え、目の前にいる『骨』の巨大アインストを斬った。 『ォ…………!』 横薙ぎに一振り。 それだけで『骨』は両断される。 弱点である赤い光球も、その周辺を囲んでいた硬い骨も、お構いなしに。 『骨』は瞬時に灰化してしまうが、蒼い巨人の攻撃はそれだけでは終わらない。 バシュゥウン!! 背中から猛烈な音と光を噴出させ、一瞬にして『ツタ』の巨大アインストへと肉迫……いや、通り過ぎざまに剣で一撃を見舞わせる。 サラサラと灰化していく『ツタ』。 だが巨人はそんなものには目もくれず、続いて何か行動しようと赤い光球を光らせている『鎧』の巨大アインストへ目にも留まらぬ速さで接近。 その硬さでもってさんざんアルビオン軍を苦労させてきたはずの『鎧』の身体を、まるでクリームのカタマリでも斬るかのようにアッサリと縦に真っ二つにした。 「な……」 絶句するホーキンス。 また、驚いたのは最後に一体だけ残った『骨』の巨大アインストの方も同じだったようで、慌てたように空へと飛翔し、空船など比較にもならない速度でもって逃げようとしていた。 対する蒼い巨人は『骨』の逃亡に慌てる様子もなく、逃げた方向にゆっくりと視線を向けると、その硬質な瞳を光らせた。 再び巨人の眼前に黒く深い闇が出現する。 (また何か武器でも出すのか?) そんなホーキンスの考えは、しかし裏切られることになる。 蒼い巨人は、何と自分から闇の中に飛び込んだのだ。 「!?」 驚くホーキンスだったが、彼の驚きも長くは続かない。 なぜなら、間を置かずにもっと大きな驚きに見舞われることになるからだ。 闇に飛び込んだことによって、蒼い巨人の姿は『その場から』消えた。 飛び込んだ影響によるものか闇もまた消えてしまうが、その消える瞬間と全く同じタイミングで、逃げている最中の『骨』の巨大アインストの目の前に、巨人が作り出したものと同種の闇が出現する。 そしてあろうことか、その中からたった今消えたはずの蒼い巨人が出て来たのだ。 『!』 面食らった様子の巨大アインスト。 当然、そんな隙を蒼い巨人が見逃すはずもなく、 『…………ァ!!!』 巨人が持っていた剣によって、一撃の下に両断された。 かくして、突如として出現した巨大アインスト4体は全滅した。 「……………そんな、馬鹿な」 ホーキンスの呟きは、その一連の光景を見ていた全員の思いでもあった。 あの混乱した戦場で、アインストの一匹一匹を寸分の狂いもなく狙い撃ち、全滅させた攻撃。 巨大なアインストの攻撃を全く寄せ付けない、不可視の壁。 『鎧』を簡単に斬り伏せた剣。 間合いを一瞬にして詰める速度。 闇から闇への、一瞬の間もない移動。 段違いやケタ違いなどというものではない。 アレは強いとか弱いとか、そういう段階の話を完全に超越してしまっている。 人知を超えた力だ。 「……………」 自分たちの前に立ち塞がってきたトリステイン軍なら、即座とは行かないまでも速やかに蹴散らす自信はあった。 いきなり出て来た大量のアインストも、対処の方法はいくつか考え付く。 しかし、アレは無理だ。 人の手に負える代物ではない。 いや、人が触れていいモノでは――― 「……ん?」 戦慄し続けているホーキンスの目に、ロンディニウムの方から艦隊が迫ってくるのが見えた。 おそらくは敗走するトリステイン・ゲルマニア連合軍を追撃するためのものだろう。 とは言え、この状況ではどうにも……。 「…………いや、待て」 猛烈に嫌な予感が、ホーキンスの胸中に渦巻いてきた。 あの我が軍の艦隊は、こちらに向かって来る。 こちらの頭上を通っていく。 それはいい。 さて、ここで問題だ。 今、我々の頭上には何がいる? 更に、今の一連の流れを目撃してしまった艦隊司令が取り得るであろう、最悪の行為は? 「!!」 ホーキンスの思考が『答え』に行き着くが、空高く飛んでいる船に向かって、地上のこちらが連絡を取る手段はない。 旗流信号は船同士が連絡を取り合う際のものだし、マジックミサイルか何かで合図をしようにも、下手をすれば『あの蒼い巨人から我々のことを助けてくれ』と受け取られかねない。 だから。 アルビオン空軍の艦隊が、いまだに空中で威容を放ち続けている蒼い巨人に向かって各艦の砲塔を向けさせている光景を見ても、ホーキンスに出来ることはほぼ無いに等しかった。 「よ、よせ!!! やめろおおおおおーーーーーー!!!!」 届かないと分かってはいても、叫ばずにはいられない。 だがホーキンスの最悪の予想通り、アルビオン艦隊はあの蒼い巨人に向けて砲撃を開始してしまう。 「あ、ああ……」 愕然とした声を上げるホーキンス。 ……もっとも、艦隊司令の気持ちも分かる。 あんなモノを見せられて、冷静でいろと言う方に無理があるだろう。 パニック状態になったとしても無理からぬことだし、そもそも戦場で我を忘れてワケの分からない行動に出てしまう人間など、珍しくも何ともない。 それに蒼い巨人の矛先が我々に向けられる可能性も、決してゼロではないのだ。 とは言え。 今回はいくら何でも、相手が悪すぎる。 「……………」 数十発の砲弾が蒼い巨人に向けて撃ち込まれた。 砲弾は先程の巨大アインストの攻撃と同じように不可視の壁に阻まれ、巨人は微動だにしていない。 ホーキンスにとっては見るまでもなく分かっていたことだ。 そして当然と言うべきか、蒼い巨人は身にかかる火の粉を振り払い始める。 パシュンッ 蒼い巨人の胸の宝玉から、いくつかの光が放たれた。 その光は空に浮かぶ戦艦のことごとくに命中し、船体を崩壊させる。 「何と……」 ホーキンスが声を上げたのは、攻撃の威力についてのことではなかった。 そんな段階はとっくに通り過ぎている。 驚いたのは、艦隊の崩壊度合に関してだ。 戦艦一つ一つの詳しい状況についてはさすがに分からないが、あの壊れ具合なら生きている人間も少なくないだろう。 いくつもの戦場を経験してきたホーキンスには分かる。 今の攻撃は、艦隊を殲滅するために撃ったのではない。 情けをかけられたのとも違う。 『邪魔だから取りあえず撃っただけ』なのだ。 例えば『フライ』や『レビテーション』で空を飛んでいるとき、どこかから舞い込んできた木の葉を払うように。 ―――逆に言えば、あの蒼い巨人にとって、我が国が誇る艦隊は木の葉程度の価値しかないということにもなるのだが。 「木の葉、か」 平民とメイジ……いや、先住魔法を使うエルフ、硬い身体を持ちながら強力なブレスを吐く巨大な竜。 それ以上の開きが、アレと自分たちの間にはある。 「…………。……む、う?」 ホーキンスが次元の違いを痛感している最中、再び蒼い巨人が動き始めた。 今度は一体何をするつもりだと固唾を呑んでいると、巨人はその身から光を発して、 「は?」 目にも留まらぬスピードで、何処かへと飛んで行ってしまった。 「……………」 呆然となる戦場。 どのくらいの間、それが続いただろうか。 ホーキンスはハッと我に返り、今がどういう状況で、自分たちは何をしていたのかを思い出す。 「ぜ、全軍! トリステイン・ゲルマニア連合軍に対し、攻撃を再開せよ!!」 非常に鈍い動きではあるものの、将軍の号令に呼応するアルビオン軍。 そして、残ったアルビオン軍とド・ヴィヌイーユ独立大隊とで再び戦闘が始まるのだが―――その結果は当然、ド・ヴィヌイーユ独立大隊の全滅と言う形で幕を閉じることになるのだった。 「何だ……何なんだ、アレは!!?」 ロマリア大聖堂の地下深くで、ヴィットーリオは歯ぎしりしながら自分の机に拳を叩き付けた。 鈍い痛みが右手に走るが、それでも彼の中にある驚愕と困惑、そして苛立ちは治まらない。 「あんなバケモノが現れるなど、想定外に過ぎる……!! 1000以上は残っていたアインストを一瞬で殲滅させた上に、切り札の巨大アインストまでもアッサリと片付けただと!? ふざけるな!!!」 ヴィットーリオの感情を代弁するかのようにして両手が机を掻きむしり、机の上に広がっていた書類がグシャリと歪んでいく。 普段の几帳面な『教皇聖下』しか知らない者からすれば目を疑うような光景だったが、この場にいるのは自分の他には使い魔であるヴァールシャイン・リヒカイトしかいないので、特に気兼ねする必要もなかった。 「っ、ええいっ……!!」 とにかく一度冷静になるべきだと判断し、目を閉じて呼吸を落ち着けるヴィットーリオ。 そのまま十数分の時が流れ、ロマリア教皇は軽く頭を振りながらその目を開く。 更に大きく深呼吸し、自分に言い聞かせるように一言ずつ言葉を紡いでいった。 「…………、とにかく、まずは現状の把握が第一ですか」 何はともあれ、初期目標であるアルビオン軍の足止め自体には成功した。 進軍速度も遅くなるだろう。 トリステイン・ゲルマニア連合軍は、これで撤退を成功させるはずである。 結果的には、これでいい。 ―――あの正体不明にして規格外過ぎる蒼い巨人については、もう思考から除外することとして、だ。 続いてラ・ヴァリエール家の次女、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌについて。 彼女を動かすのは、取りあえず機をうかがう必要がある。 干渉に成功したからと言ってすぐ行動に移させるなど、浅慮どころかただの馬鹿だ。 それに、トリステインの『虚無』は戦闘経験が……扱える『虚無』の魔法の数が少ない。 戦闘用の魔法が使えない自分が言えたセリフではないが、これは少々よろしくない状態だ。 何とかして彼女には戦闘を通じて新たな『虚無』の魔法を引き出してもらいたいが、さて、どうしたものか。 「……ふむ」 更に言うなら、アルビオンの『虚無』の行方がいまだに分かっていないのも問題である。 アルビオン先王の弟、モード大公が囲っていた妾のエルフ。 その娘が最も怪しい……というところまでは判明しているのだが、そこから先がサッパリ掴めない。 いくら何でも年端も行かない少女がここまで見事に身を隠すことが出来るとも思えず、これまでブリミル教の組織力や情報網を駆使してアルビオンの隅々に至るまで探し尽くしたのだが、結果は芳しいものではなかった。 それに、今回の戦争の裏で動いていたと思しきガリアの『虚無』の動きも気にかかる。 「まったく……課題は山積みですね」 『四の四』を揃えることは難しいと覚悟はしていたが、ここまで難航するとは。 ともあれ、自分の基本方針は変わらない。 出来ることから一つ一つ、だ。 「……それではまずロマリア教皇として、今回の戦争のおかげで各国の内情がどう変化したのかを調べるとしましょうか」 「はっはっはっはっはっは!! 何だ、アレは!? なあおい、ダークブレインよ!!」 アルビオン戦争の発端から終焉までを『演出』して見せたガリア王ジョゼフ一世は、興奮気味に自分の使い魔に尋ねた。 彼は使い魔に『暗邪眼』と呼ばれる機能のごく一部を使わせ、更に使い魔のルーンの感覚共有の機能を中継させて、このアルビオンにおける戦いの一部始終を自身の目に投影していたのである。 「…………おそらく、我らと同じ他世界からの来訪者じゃろう。あれだけの能力を持った存在は『この世界』にはおらん」 主人である男とは対照的に、『我ら』という奇妙な一人称を使う老人の使い魔は淡々と応える。 その顔には、相変わらず何の表情も見えなかった。 「ほう、やはりそうか! いやいや、両用艦隊を使ってクロムウェルとかいうヤツを砦ごと吹き飛ばさせた時には砂の山を蹴飛ばしたくらいにしか感じなかったし、この大多数のアルビオン軍とささやかな数のトリステイン軍がぶつかった時にも大して面白味は覚えなかったが……」 ジョゼフは公の場での気だるそうな様子からは信じられないほど楽しそうに喋り続ける。 「あのアインストとかいうのが出て来てから面白くなったな! そして極め付けにあの蒼いヤツだ!! もしかしたら、お前が最初に俺の前に現れたあの時の姿よりも強いんじゃないのか!?」 「さてな。仮にそうじゃとしても、アレに対抗出来るように変貌すればよいだけじゃ。第一……」 「ん?」 「アレと我らがぶつかれば、『この世界』は確実に崩壊するぞ?」 「はははっ!! それはいい!!」 とんでもないことを告げられたと言うのに、ガリア王は嬉しそうにその言葉を受け入れた。 「前に言ってなかったか? 俺はそれが見たいんだよ。―――いや、違うな、それを自分の手でやってみたいんだ。だからお前と蒼いヤツとの戦いを見てみたくはあるんだが、取りあえずぶつかるのはやめておいてくれ」 「……………」 今はブレイン卿と名乗っている老人は、無言でジョゼフを見る。 その表情はピクリとも動いておらず、まるで人形のようだった。 「いやいや、最後の最後で面白いものが見れた。アレだけでもこの戦を起こした甲斐があったというものだ」 ジョゼフはそんなブレイン卿に構わず、興奮冷めやらぬ様子を見せている。 と、その時、老人の顔がいきなり部屋のドアの方を向いた。 「……………」 「ん?」 ジョゼフもつられて使い魔と同じ方向を見ると、ノックもせずにドアがいきなり開かれる。 「……デブデダビデか」 「は……。只今帰還しましてございます、ダークブレイン様」 現れたのは、今は亡き神聖アルビオン帝国皇帝オリヴァー・クロムウェルの付き人であった小太りの男だった。 デブデダビデは部屋に入るや否や、クロムウェルにとっていたものとは比べ物にならぬほど恭しい態度でブレイン卿にかしずき、ひざまづいて頭を垂れる。 しかしブレイン卿はそんなデブデダビデを一瞥しただけで、またドアの方に視線を向けた。 「スカルナイト」 『はい。私もたった今そちらの御仁からの依頼を終え、戻って参りました』 カシャカシャ、と金属音を響かせながら、頭から爪先まで全身を深い緑色の鎧で包んだ者が現れる。 スカルナイトと呼ばれた甲冑の人物の声はくぐもってはいるものの、声色から判断するに男のようだった。しかし、その顔もまたほんの僅かな隙間を除いては甲冑で覆われているため、彼の素顔を窺うことは出来ない。 そしてデブデダビデとスカルナイトが現れたことに呼応するようにして、新たな声が響く。 《クリスタルドラグーン、控えております》 声の主は姿を見せず、しかしその声は部屋の中にいた全員の頭の中に届いた。 そんな現象にジョゼフだけが興味深げな顔をするが、他の三人は大した反応も示さない。 「ダークブレイン様、お体の治癒は?」 「既に完了している」 ブレイン卿たちはそんなガリア王に構わず、彼らだけで話を進める。 「ならば、この世界をお離れに?」 「……いや、ここは通常では有り得ぬ事象が多発している……。先程確認した者は元より、監視者の生き残り、因果律を操作する力を持つ者……。それに加えて、かなり迂遠な方法で干渉を行っている者もいるようだ」 『……………』 「あるいは、ここは至高天への道程……十二の鍵……因子が集まる所かも知れぬ」 《では……?》 「今しばらくはこの世界に留まる。お前たちはこの世界の変化を促し、それらの因子の動きや変化を見極めるため、ひとまず我らを召喚したこの男の指示に従うがよい」 「仰せのままに……」 そうしてジョゼフを除く面々の話が一段落すると、わずかに開いたドアの隙間から複数の声が響いてきた。 「へえ、これが蛮人の城なのね! 外から見た形も面白かったけど、中も面白いわ!」 「おいルクシャナ! こんな蛮人の住処なんかで、はしゃぐんじゃない!」 「あら、別にいいじゃないの。それとも何? あなたは学者に対して『知的好奇心を殺せ』って言いたいの?」 「そういうことじゃなくてだな……!」 「……お前たち、我々は客人としてここに来ているのだぞ。いくら蛮人相手とは言え、それなりの礼節というものをわきまえろ」 「ですってよ、アリィー。静かになさい」 「~~~……っ。……はあ。まったく」 その声を確認したスカルナイトは立ち上がり、ジョゼフに向かって話しかける。 『……私が連れてきた方々のようですな。こちらにお通ししますか、ジョゼフ殿?』 「いや、一応は俺の客だからな。自分で出迎えることにするよ」 頷いて、ドアに向かって歩き始めるジョゼフ。 「さあて……次の脚本はどんな筋書きで書くべきだろうなあ、ハハッ」 その顔はまるで新しいオモチャを与えられた子供のように、喜色に満ちていた。 なお、今回のアルビオン戦争の最終局面における戦闘の顛末であるが。 全滅という結果に終わったものの、ド・ヴィヌイーユ独立大隊の働きは無駄ではなかった。 『撤退のための時間稼ぎ』と言う点で見れば(アインストや蒼い巨人という乱入者による要因がほとんどではあるものの)確実に任務は果たしていたし、何より大隊そのものが予想以上に奮戦したため、その時間もかなり拡大することが出来ていた。 何より、蒼い巨人が出現したことによるアルビオン兵たちの動揺。 それから立て直すのに、ホーキンスを始めとした部隊の上層部は数時間を要した。 更に一連の事件の影響は兵たちの足にまで及び、その進軍速度は大幅に遅れ……。 結局、最初の戦闘地点から10リーグ離れた場所に陣取っていた連合軍の部隊を確認するかしないかという時になって、本国から『ガリア艦隊によってクロムウェルが戦死した』という報がもたらされ、進軍は中止。 なし崩し的にではあるものの、トリステイン・ゲルマニア連合軍は撤退を成功させたのだった。 …………なお、余談ではあるが。 この戦争の最後の局面において出現した『蒼い巨人』は、後に『アルビオンの蒼き魔神』と呼ばれ、半ば伝説として語り継がれることになる。 朝の気配が薄れ、日差しが強まる頃。 ティファニアはウェストウッド村の近くの森に生っている桃りんごを、せっせと採っていた。 その理由は、言わずもがな食料の確保という面もあるのだが、 (シュウさんに、わたしの……何ていうか、存在みたいなのをアピールしておかないと……) という、下心と言うには少々可愛気のある動機も含まれていた。 ハッキリ言ってしまうが、ティファニアはシュウに対して恋心を抱いている。 だが、ここ最近のシュウは自分の母代わりであり、姉代わりでもあるマチルダと接近する機会がやたらと多く、前々から『もしかしたらあの二人は……』などと怪しんでいたティファニアとしては、ここで自分を押し出す必要性を感じたのだ。 しかも、今回は二人っきりで長期行動していると来た。 チカに監視役兼歯止め役を命じはしたものの、アレが役に立つとは言い難いし。 ここは帰ってきたシュウに桃りんごのパイでも作ってあげて、印象を良くしておかねばなるまい。 などと考えていると。 「ティファニアお姉ちゃん!」 「テファ姉ちゃーん!!」 ウェストウッド村で一緒に生活している、家族のような子供たちが自分のところに走ってやって来た。 子供たちはぞろぞろと連れ立って、一斉にティファニアに向かって来る。 「あらら、どうしたの? ジャック、サム、ジム、エマ、サマンサ、みんな勢揃いして。何かあった?」 この子供たちには、ウェストウッド村の近くに自生している食事用の野草や豆などを採ってくるよう、お願いしておいたのだが。 どうしたのだろう。 「なんだかエマが変なんだ」 「エマが?」 言われて、子供たちの中で一番小さい少女に目を向ける。 しかし見たところ怪我などはしていないようだし、他の子供たちにいじめられたのなら、その『他の子供』からわざわざ『なんだか変なんだ』なんて申告があるはずもない。 更によくよくエマを観察してみると、自分に何かがあったと言うよりは、何か『言わなければいけないけど、言いにくいこと』を抱えている―――そんなように見えた。 (直接聞くのが一番ね) ティファニアは桃りんごの採取を中断し、ゆっくりエマに近付くと、膝を曲げて視線を彼女と同じ高さにする。 「あの……」 「怖くないわ。言ってごらん」 優しくエマに話しかけるティファニア。 「森で、森でね……」 「森で、どうしたの?」 「イチゴつみに行ったら、見つけたの」 そのエマの言葉を聞いて、周りにいた少年たちが騒ぎ出す。 「なんだよ! エマ! そういうことはまず、おれたちに言えよ!」 「どうしてだまってるんだよ!」 「だって、こわくて……。血だらけで……、ふぇ……」 どうやら『面白そうなものを見つけた』ということを黙っていたのが気に入らないらしく、少年たちは強い口調でエマを責める。 そんな状況に泣きそうになるエマだったが、そこでティファニアが少年たちをいさめた。 「みんな、エマにやいのやいの言わないで。……それでエマ、どうしたの? お姉ちゃんに話してごらん?」 「……た、たおれてる人がいたの」 「また?」 ティファニアの表情が少し暗いものになる。 ここ最近、戦争の主舞台がアルビオン大陸に移行してから、このように怪我をして行き倒れている人間は多かった。 「きっとアレだよ! せんそうだよ、せんそう!」 「ねー!」 「朝に、森の近くの道を、ぎかいのぐんたいが通っていったもの!」 ティファニアは子供たちにとって戦争が日常となりつつあることに顔を曇らせつつ、エマに続きを促した。 「エマ、どこ?」 「こっちなの」 ティファニアはエマの案内で、自分にとっては庭も同然である森を進み、その後に子供たちが続く。 そうして歩くことしばし。 彼女たちは、大きな木に背中から寄りかかるように倒れている金髪の少年を見つけた。 しかもその隣には、 「……モグラ?」 巨大なモグラが、その少年を守るようにして周囲を警戒していた。 何だろう。 この少年の使い魔とか、護衛のガーゴイルだろうか。 「とにかく、様子を見てみないと……」 ティファニアたちは少年とモグラに近付いていく。 モグラも最初は彼女たちに対して警戒の色を見せていたが、すぐにこっちに敵意や危害を加える気がないということを察してくれたようで、すんなり退いてくれた。どうやらかなり知能が高いらしい。 「ありがとう、モグラさん」 巨大モグラに礼を言いつつ、金髪の少年の胸に母親譲りの長い耳を当てるティファニア。 シュウやマチルダなら手首に少し触れるだけで脈の状態が分かるのだろうが、あいにくと彼女はそんな技術を持ち合わせてはいないため、こうやって直接耳を胸に押し当てるしかないのだ。 「……まだ息は残ってる。でも、傷は深いわ。急いで手当てしないと」 「ティファニアお姉ちゃん、治せるの?」 「ばか! ティファニアお姉ちゃんに治せないケガなんかないんだよ! 知ってるだろ?」 子供たちがそう言ってくれるのは嬉しいが、そのケガを治すためにもまずはこの少年を運ばねばならない。 「村に運びましょう。モグラさん、この人を背負ってわたしたちの後に付いて来て欲しいんだけど……出来る?」 「モグ」 ティファニアの問いかけに、モグラは力強く頷いた。 そして彼女たちは、傷だらけの客人を連れて自分たちの村へと戻っていく。 その途中、ティファニアはモグラに背負われている金髪の少年をもう一度よく見てみた。 「この辺じゃあんまり見ない服ね。外国人……ゲルマニアかトリステインの人かしら?」 前ページ次ページラスボスだった使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6705.html
前ページ次ページラスボスだった使い魔 ○番外編02:使い魔のお悩み 『レコン・キスタ』による内乱が終わった直後だと言うのに、今度はまたトリステインやゲルマニアとの戦争ムードが湧きつつあるアルビオン。 しかしアルビオンという国全体で見ればかなり危険なムードが漂ってはいるが、それでもまだ本格的な戦争が起こった訳ではない。 それに戦争が起こったとしても、国全体のそこかしこが戦場になる訳でもない。 むしろ全体から見れば、『戦場』の比率など一握りにも満たないだろう。 つまり、そんなものと無関係で平和な地点など、探せば幾らでもあるのだ。 「……ほう……、マチルダ姉さんが、惚れ薬を……」 「あ、あのー、ティファニア様?」 そんな平和な地点の一つである、のどかなウェストウッド村。 ワラぶき屋根の家の中で、その家の主である少女ティファニアは、居候の男の使い魔である青い小鳥こと、チカからの報告書をじっくりと読んでいた。 「…………つまり、マチルダ姉さんはシュウさんにベタベタと引っ付いて? 半分裸みたいな格好で迫り? 一緒にネオ・グランゾンに乗って? あげくの果てには『ミス』を付けずに呼び捨てで呼ばれるようになった……と?」 「そ、その通りでございます」 思わず必要以上に口調を丁寧にしてしまうチカ。 ……別にそのようなことをする必要などはないのだが、今のこのハーフエルフの少女からは、そうしてしまうだけの迫力と言うか威圧感を感じてしまうのである。 「ふぅ、ん……」 バサ、とテーブルの上に報告書の束を放るティファニア。 そして彼女は、ゆっくりとチカに語りかけた。 「……それでチカちゃん。チカちゃんは、姉さんがシュウさんにこんなことをやらかしてる間、何をしていたのかしら?」 「え? ……い、いや、何にもしてませんよ、あたしは!?」 チカの言葉を聞いたティファニアの目が、僅かにではあるがスッと細くなる。 「…………そうね。『何もしてない』わね。 ところでチカちゃんは、わたしが二人を監視するようにお願いしたことの意味を分かってるの?」 「意味?」 いきなりそんなことを聞かれても、『二人の様子を見て報告しろ』としか言われてないのだから、そうするしかないと思うのだが。 それをそのまま告げたら、ティファニアはこれ見よがしに溜息を吐いてチカを軽く睨み付けた。 「まったく……。いい? ただ『見るだけ』なら虫でも出来るわ。『見たことをしゃべるだけ』なら子供でも出来る。でもね、『見た状況に合わせて行動する』って言うのは、それなりの能力が必要なの」 「は、はあ……」 ……おかしいなぁ。 初めて見た時は、この女の子は世間知らずで純真無垢、ちょっと天然の入った女の子として認識していたはずなのに、今のこのボスキャラみたいな風格は何なんだろう……? チカのそんな困惑を知ってか知らずか、ティファニアは淡々と言葉を続ける。 「わたしはチカちゃんにそれを期待してたのよ。……でも、どうしてチカちゃんは『何もしなかった』のかしら? それとも『何も出来なかった』の? 『何かしようとした』んなら、それなりに酌量の余地もあるんだけど……」 「しゃ、『酌量の余地』って……」 そんな難しい言い回しをするティファニアなんて、ティファニアじゃない。 何者だ貴様は、と叫びそうになるが、しかし彼女から発せられる有無を言わさぬプレッシャーに圧倒されてそれも出来ない。 「……この報告書を読む限り、そんな姿勢は何にも見えないわね?」 「え!? いや、あの……」 「勘違いしないでね、チカちゃん? わたしはこんなこと、やりたくてやってるんじゃないの。ただちょっと悪い子なチカちゃんに、ほんのちょっとだけお利口になって欲しいだけなの」 「そう言いながら、何であらかじめ用意しておいた裁縫道具に手を伸ばすんですか!?」 「…………チカちゃんの羽根って、見れば見るほど綺麗よねぇ…………」 「た、助けて御主人さ……モガッ、ガ、ギャァァアアアアアアアア~~~~~!!!」 「……と、まあ、以降の詳しい言及は避けますが、こういうことがあったんですよ」 かつてユーゼス・ゴッツォがギーシュ・ド・グラモンと決闘を行ったヴェストリの広場の片隅で、チカは自分が受けた仕打ちについての愚痴をダラダラとこぼしていた。 ちなみに、その愚痴をこぼす相手は誰か、と言うと……。 「はぁ、それは災難だったなぁ」 「僕たちも今の御主人様に召喚されたからまだ良いようなものの、もし心無い人間に召喚されたり捕まえられたりしてたら、そうなってた可能性はあったかも知れないね」 「やっぱり、下手に喋れたりすると色々と面倒なことになりそうなのね……」 キュルケの使い魔であるサラマンダーのフレイムと、ギーシュの使い魔であるジャイアントモールのヴェルダンデ、そしてタバサの使い魔である『風韻竜の』シルフィードである。 彼らはたまにこうやって寄り集まって、暇を潰したり、情報を交換したり、主人には言えないことを主人には理解の出来ない言語で漏らしたりするのであった。 ……補足するが、彼らのこの会話は人間には『モグモグ』、『キュルキュル』、『チチチチ』、『きゅいきゅい』という鳴き声の応酬にしか聞こえていない。 「いや、でも『喋れるのに喋れない』ってのは、けっこうキツいものがありますよ? あたしも前に御主人様に連れられて人の沢山いる所に行ったんですが、『地上の鳥は人語を解さないのが常識ですからね』とかいう理由でずーっと黙ったまま! おかげで地上じゃ、ほとんど喋れやしませんでしたよ!!」 「その辛さはシルフィも分かるのね。ホントは喋れるのに喋れないっていうのは、かなりもどかしくってイライラするのね。そのせいで、今朝はちょっと悲しいことが……」 そしてシルフィードは、ねぐらにしている森で起こったちょっとした事件を語り始めた。 ……なお、彼ら使い魔たち(ユーゼスを除く)の間では、シルフィードがハルケギニアにおける古代の竜、韻竜の眷属であることはとっくの昔にバレている。 しかし彼らは『韻竜ということがバレたら困る』というシルフィードの訴えを聞き入れ、そして『同じ使い魔同士』であるという仲間意識によって、そのことを主人にも秘密にしているのだった。 「うーん、善意で女の子の忘れ物を届けに行ったのに、逆に『竜だー』って怖がられちゃったんですか」 「それは悲しいね。君は韻竜だというのに、そこらの竜扱いされたのかい?」 シルフィードからことの顛末を聞いた使い魔たちは、シルフィードに同情的な視線を向けた……のだが、ヴェルダンデの放ったフォローはどうにも的が外れていた。 韻竜だろうがそこらの竜だろうが、『竜』という幻獣はハルケギニアの大半の人間、しかも魔法の使えない平民にとっては絶対的な恐怖の象徴なのである。 脆弱な人間にとって『強大な力を持った別種の動物』とは結局、『恐れの対象』でしかない。 よって、『竜である』ということを怖がられてしまった以上、この問題はもうどうしようもないのだが……。 「でも……怖がられたのは悲しいね。君はこんなに気が良いのにね」 「……ゴツい顔をしているからだろ?」 「人間ってのは、まあ、見た目で判断する生き物ですからねぇ。恐ろしいものを目にすれば、そういう反応をしてしまうのも仕方がありませんよ」 フレイムが炎を吐きつつ笑いながら言ったセリフを、チカがパタパタと翼をはためかせながら肯定する。 「酷い言い方するのね、あなたたち!」 「まあ、人間にどう思われようが別にいいじゃないか。元々違う生き物なんだ。別に好かれなくたって生きていける」 「……問題発言だな、赤いの。君は使い魔がイヤなのかい?」 ヴェルダンデはジトッとした目をしながらフレイムに尋ねる。 ……ちなみに普通の人間の目から見ても、その視線のどこがどう変化したのかはサッパリ判別が付かない。判断が付くのは同じ使い魔同士か、彼の主人くらいであろう。 「イヤなもんか! メシには困らないし、御主人様は優しくしてくれる。ドラゴン共が威張ってるあの火竜山脈に比べれば、ここは天国だよ! 頼まれたってやめるつもりは無いね!」 「はぁ、あたしは御主人様の無意識から作られましたら、そういう『自然の厳しさ』みたいなのはよく分かりませんけどねぇ……」 自分には理解の出来ない世界の話をされて、チカは少し困った。 だが、確かに自然には自然の厳しさがあるが、人間世界には人間世界なりの厳しさがあるのである。 「でもですね、たまにあたしは自分の存在意義に悩むことがありますよ。何せウチの御主人様ときたら、ありとあらゆることを何でもかんでもほっとんど全部、自分一人でこなしちゃうんですから。『正直、あたしって要らないんじゃ?』って思うことは、一度や二度じゃないです」 はあ、と溜息をつくチカに、シルフィードが賛同した。 「あっ、それも分かるのね! シルフィのお姉さまもそう! 何度かお城からお仕事を言い渡されたことがあるけど、その時にシルフィの意見を聞き入れてくれたことはまずないのね! って言うか、ほとんど無視!!」 「お互い、苦労してますねぇ……」 「きゅいきゅい……」 青い竜と青い小鳥の使い魔は、お互いに『優秀すぎる主人を持つ苦しみ』を分かち合う。 ヴェルダンデは『主人によっても色々あるんだなぁ』、などと思いつつ、しかし変な方向に逸れてしまった話の方向を修正する。 「……ところで、この話は君が人間の女の子に怖がられたことが発端じゃなかったかな?」 「あっ、そうなのね」 気を取り直して、シルフィードは話を戻した。 「まあ主人による扱いの違いはさておいて、今は生活環境の話なのね。 あなたたちは身体が小さいから、こことか部屋の中で寝起きが出来る。でもシルフィはそういうわけにはいかないのね。森で寝起きしてるシルフィには、ご近所付き合いというものがあるのね。嫌われたら、居心地が悪いのね! おまけに怖がられたら傷付くのね!!」 「うんうん、周りの人には色々と気を使わなきゃいけませんよ」 そんなシルフィードの言葉に同意するチカ。ファミリアは普通に人間の言葉を喋ることが出来るために、必然的に人間とのやり取りが多くなるのだ。 「しかしなぁ。繰り返すが、贅沢を言ったら始まらんよ。ほら、そこの彼を見てみ?」 そんな風韻竜と小鳥に対して、サラマンダーはアゴをしゃくって『使い魔の一例』を指し示す。 チカとシルフィードとヴェルダンデがその方向を見れば、そこには銀髪に白衣を着込んだ男がいた。 彼は広場に備えつけられた椅子に腰かけ、ゆっくりと本などを読んでいる。 「ああ、あの彼か。ギーシュ様と引き分けて、更にギーシュ様に色々とアドバイスを送っている……。うん、彼は僕たちみたいな人間じゃない者たちにも気を配ってくれるし、いい奴だと思うよ」 「うむ。主人の盾となり、嫌な顔一つせず主人の命令に従い、時には主人に対する苦言もいとわない。彼は立派な使い魔、まさに使い魔の鑑だと僕は彼を尊敬している。だが、そんな彼に対する扱いを見たまえよ」 本を読んでいる銀髪の男の隣に、桃髪の少女がひょっこりと現れて何やらわめき始めた。 そして男は読んでいる本を閉じて立ち上がると、少女の後を付いて行こうとする。 しかしそこに金髪の眼鏡をかけた女性がやって来て、二人に向かって高圧的に何かを言う。 桃髪の少女は物凄く不服そうな顔をして、金髪の女性に何やら抗議のようなものを行い、そして銀髪の男の右腕を引っ張ってその場を立ち去ろうとした。 だが納得が行かないのは金髪の女性も同じなようで、銀髪の男の空いている左腕を掴み、桃髪の少女とは全く逆の方向へ歩こうとする。 そして、桃髪の少女と金髪の女性は、銀髪の男を挟んで睨み合い……。 しまいには、その矛先を銀髪の男に向けて詰め寄り始めたのである。 「見たまえ、アレを。彼自身は全く悪くないはずなのに、主人とその姉にいわれのない仕打ちを受けている。凶暴なんて言われる僕ら火トカゲだって、理由もなく怒ったりはしない」 「それに比べたら、青いの。君の悩みは贅沢だね。近所に住む人間にどう思われたっていいじゃないか。怖がられるのがイヤ? 贅沢すぎる! 贅沢すぎるよ!」 「きゅい……」 フレイムとヴェルダンデの意見も、まあ、もっともだ。 主人やその周囲の人間に虐待されるのに比べれば、自分の悩みなどちっぽけだと言えよう。 「……アレはある意味じゃ、自業自得なような気もしますけどねぇ」 なお、ボソッと放ったチカの呟きは、誰にも聞かれることはなかった。 「でも君らはまだ良いよ。身体が小さかったり、空を飛べたりするから、自分たちの主人とあちこちに行けて。僕らなんて中途半端に大きいもんだから、そうそう御主人様と一緒に出かけることも出来やしない!」 「全くだ。僕たち使い魔にとって一番大事なのは、あくまで御主人様だからね。有事の際にその御主人様に置いて行かれるって言うのは、君、かなり辛い物があるんだよ?」 キュルキュルモグモグと、サラマンダーとモグラのコンビも自分たちの現状に対する不満を口にした。 彼らもまた、色々と鬱積した物があるらしい。 「そりゃさ、別に『強敵をやっつける』とか、『事件を解決に導く』とか、自分たちに対してそういう活躍を期待してるわけじゃあないんだよ、うん」 「そう。ちょっと、ほんのちょっとだけでいいから御主人様の手助けがしたいのに、その手助けが出来ないのは辛い。いや何も出来ないのならともかく、その場にいることすら出来ないってのは、かなり辛い」 そんな彼らの言い分に異を唱えるのはシルフィードである。 「……でも、お姉さまはシルフィのことを囮に使ったり、シルフィがお願いしても無視したり、シルフィをあんまり気遣ってくれないし、何と言うか……そう、雑! 扱いが雑なのね!」 「雑でもいいじゃないか。過保護に扱われてるってことは、信頼されてないことと同じだよ。逆に言えば、雑に扱われてるってことは『ある程度は放っておいても大丈夫』と信頼されているってことさ」 「そうかなぁ……?」 「そうさ」 (……うーん、みんなにも色々あるんだなぁ) 使い魔たちの悩みを聞きつつ、チカはそんなことを思った。 当たり前だが、人間には人間の、使い魔には使い魔の悩みがあるのである。 第三者から見れば取るに足らない問題に見えても、その当人にとってみれば天地がひっくり返るほどの大問題だったり。 あるいは主人から見ればどうでもいいことでも、使い魔にしてみればのっぴきならない事態だったり。 その悩みの大きさは、悩みを抱えている本人にしか理解は出来ないだろう。 (結局、悩みは自分で解決するしかないのかも知れない……) なら相談した意味はあったのだろうか、とも思うが、『誰かに悩みを聞いてもらう』という行為は、それだけで何となく気分が軽くなったりするものなのだ。 チカの悩みに対する解決方法はまだ見えないが、しかしハッキリしていることがある。 それは……。 「……私の名はチカ。慇懃無礼で厚顔不遜な主人、シュウ・シラカワには必要な仕事をしている」 「いきなり何を言ってるのね、チカ?」 「…………シルフィードさん。カッコよくキメつつ締めようとしたのに茶々を入れないでください」 前ページ次ページラスボスだった使い魔
https://w.atwiki.jp/keitaiwikisenshi/pages/17.html
1.扇動 2.宣伝 3.マッチポンプ 4.検索乞食 5.捏造 補足 1.扇動 携帯が最も得意とする基本的な手法で、潰したいターゲット=悪い奴だと印象工作を行う事で、自らの手を汚す事を最小限に、第三者を対象に直接攻撃を行うよう誘導する。 主に東方有頂天アンチスレや評議会wikiを利用して行われる。 現在では携帯が一個人の荒らしとして認識され(かつては無数のIDを使い分ける事で、あたかも大人数のように見せかけられていた) 手口も完全に看破されている為成功率は低くなっているが、往時はアンチスレを洗脳と攻撃指示の前線基地として支配し、東方有頂天界隈各所に被害をもたらしていた。 なお、2以降の全ての手口も究極的にはこの扇動に通じて行く。 114 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/02/08(金) 15 50 19.77 ID C+wd1Upm0 あと「炎上している」「叩かれている」という状況を作ることに終始する 特に叩いている奴がいない状況でも何か話題さえ数コメ出ていれば 「叩かれているな」「炎上しているな」とコメントすることで 動画が問題を起こして叩かれているイメージを印象づける 可能であれば評議会wikiを利用して 「アンチスレでは○○という理由で叩かれている」と言い切ることで 「こいつは叩かれるような奴ですよ」ということを広める ここで動画の話をする時も会話相手をひたすら煽って騒動を起こすことで それを「動画や作者に問題があるから炎上した」と結びつける 当の本人は「動画紹介」と「会話相手の煽り」と 「炎上していることを主張する」くらいしかしておらず 動画の内容もここに書かれていることを復唱するくらいが関の山 2.宣伝 これはターゲットの動画やニコニコ大百科、ファンサイト等への直接攻撃行為である為、巣に寄り付かなくても遭遇してしまう場合があり、注意が必要。 唐突に「○○の悪行、詳しくは評議会wikiで検索!」などという文句をURL込みで貼ったり、それ以外のURLでもターゲットの風評を貶める可能性があり 携帯にとって都合の良いものであればリンクを貼って誘導を試みる。 その場で反論をしたり、さらにそこから罵り合い等に発展してしまうと荒れてしまう為、実際の所これは荒らしの手口としては最も悪質。携帯に限らず古今東西の荒らしの狙う所である。 あからさまに不自然なその誘導に乗るか否かはともかく、その場は無視して通報やNGを行ったり 携帯の悪行が十分に知られていない場であれば、携帯本体を相手にせず彼の危険性を周囲に啓発し、無視や通報を呼び掛けるのが良いだろう。 余談だが、かつてはもっと直接的な荒らしを本人自ら行っていたと考えられるが、現在は通報対策か、このような陰湿な方法を主としている。 一説には既にメインで使っていたニコニコ動画のアカウントは既に運営による処分で潰されており あの手この手で第三者を洗脳して突撃させようとするのも、それと関係しているのではとも言われる。 また、過剰な宣伝・集客行為はアンチスレでも常に行われており、スレ完走の時期になる度に必ず次スレの 1にwikiのURLを混ぜ込んで来る。 (元々はテンプレの一部だったが、携帯登場以後、評議会wikiは騒動の根源として他の住人には蛇蝎の如く嫌われており、リンクを外す事でほぼ合意している。 また管理人がアンチスレからの叩きを回避する為「当wikiはアンチスレとは無関係」とほざいている為、勝手にリンクを貼られているなら文句の一つも言わないのはおかしい。) 実際の所このような行為を行わなければ訪問者・利用者ともほぼ0である事が明らかになっている。 荒らしを目的とするwikiならではの、ステルスマーケティングならぬ炎上マーケティングである。 なおその結果、現在wikiに常時住み着いているのは、並のアンチですら忌避する東方有頂天屈指の超弩級問題児「霊地王生路」ほぼ一人。 まさに因果応報と言う他あるまい。 +霊地王生路に関する補足 東方有頂天界隈の中でも、携帯・評議会wiki管理人と並びトップクラスの破壊者。 詳しくは当サイトのようなまとめwikiが別に存在しているので詳細は省くが、界隈広しと言えども 単体でまとめサイトが一つ作られる程の膨大な罪状があり、しかもそれがファン・アンチの別無くほぼ支持されているのは、携帯とこの霊地王くらいである。 と言っても、携帯のような完全に純粋な悪とはまたベクトルが違い、端的に言えば「困ったファン」の極端に悪質な例である。 その為、評議会wikiでおかしな妄言を吐いていても「攻撃意思を持った荒らし行為」とはまた性質が異なり、問答無用で規制するには荒らしよりハードルが高い。 このような天災としか言いようのない人物に目をつけられたのも、ひとえに評議会wikiの過剰な宣伝行為による物。 もう一度言うが、現状、評議会wikiに常駐しているのはほぼ霊地王一人。まさに因果応報と言う他あるまい。 ここからはどこかで一定数の支持を得られている内容ではなく、筆者の個人的な感想なので、そのつもりで読んで欲しいのだが いくら携帯が本当に問題ある人物をあまり叩かず、個人的に気に入らない物に矛先を集中させていると言っても、この霊知王を叩く事は極端に少ないように思える。 (完全に叩かないわけではない。あくまで他と比べてターゲットにしないというだけ) 大した問題の無い人物のどうでもいい発言はしつこく炎上させようと頑張る割に、年中問題発言を連発しており、叩く発言に困らない霊知王に対し ほぼノータッチなのは妙な違和感を拭えない所である。 流石に実は霊知王の味方という事は常識の範囲内では考えにくいので、自分が私怨を持つ相手以外は、どんなに客観的に問題ある者であろうがどうでも良い といった所か。 もっとも携帯と評議会wiki管理人の言動に常識など求められる物でもないが。 余談となるが、2ちゃんねるに存在するアンチスレ以外にも、携帯が自分にとっての敵を振り切る為に作ったと思われる、荒らし前線基地だった頃のアンチスレの雰囲気準拠の掲示板がある。 「陸の孤島」などと揶揄されるほどの、誰にも発見出来ないようなマイナーなそこに常駐し稀に寂しく書き込みをしているのは その内容や書き込み数・頻度・反応の無さなどから携帯たった一人。もっと言えば掲示板を立てた人物自体が携帯ではという見方が成されている。 本題はここからで、筆者が上記の「携帯が霊地王を叩かないのは不自然」という内容を書いたその当日に、そこで霊地王を叩くレスがついた。 携帯の手口リストにも書いてあるが、分かりやすい奴である。 さらにこの管理人の正体すら不明の掲示板を、評議会wiki管理人はやはり管理人名義で、2chのアンチスレに代わる拠点として推奨している。 wiki管理人として、自身の管轄外な上に管理すらされていない所を、さながら評議会wiki公式掲示板であるかのように誘導するのは非常識にも程がある。 評議会wiki管理人=謎の掲示板管理人(=携帯)であるがゆえに何の疑問も持たずにそうしたのなら、納得の行く言動と言えるが。 2013/3/26 管理人、評議会wikiにおける霊知王生路のアクセス規制を実施した事を告知。当然の如く理由の説明は無し。 合理的・論理的な理由説明を一切せず、恐らく「気に食わない」という理由だけで利用者を規制する行為は、東方有頂天界隈においては かつて大手ファンサイトの管理人を務めるも、過剰すぎる規制で「独裁者」と呼ばれ界隈のほぼ全員から忌み嫌われ アンチスレ・評議会wikiでも大いに叩かれた「湖岸」のそれそのものである。 また、自分で「過剰な自治を叫ぶ者は敵味方に関わらず規制する」と公言していたにも関わらず、霊知王の規制を再三に渡り要求するという形で 過剰に自治を叫んでいた何者か(一名)はお咎め無し。(*1)まあぶっちゃけて言ってしまうと、このようなダブルスタンダードな対応はこの件に限った話ではない。 管理人≒携帯がいかに「ルール」という概念を軽視しているか、どれほど普段wikiを放ったらかしにして管理を怠っているのかを示していると共に 成長意欲の無い人間は、かつて先人の犯した過ちを何度でも繰り返すという、教訓じみた醜態をも披露している。 まあそりゃ「ここはルール無用、嘘・大げさ大歓迎で気に入らない奴を叩き潰すwikiです」とは表立って書けないだろうが。 3.マッチポンプ 潰したい作者・動画の信者に成りすまして「さすが○○は神だ、××なんてゴミ作品は超えたな」といった具合に、他作者を踏み台扱いする等の問題ある過剰な賞賛を行ったり 界隈の外で過剰な宣伝行為(逆に叩き誘導の場合も多々ある)を行った上で「あんな事言ってやがる、やはり○○の信者は最悪だな」という論調で1の扇動に繋いで行くやり方。 やはり荒らしであれば古今東西誰もが少なからず自然に身につけている下劣なテクニックである。 応用編として、自ら過激な信者(これは携帯用語で「聖戦士」と呼ぶ)に成りすまして東方有頂天アンチスレに攻撃を仕掛けた上で 別のIDからボコボコにして「○○の信者はとことんクズで馬鹿だな」と印象づけようとするケースもある。 そもそも初期はともかく、東方有頂天界隈は大規模ゆえに度重なる他界隈とのトラブルを経験しており(おまけに携帯がこのようなやり口で問題を作りまくる為なおさら) このような形での応援行為や、界隈外への持ち出しの自重は、中期以降は一般のファンの間では啓発が徹底されている。 ちなみに携帯が主にターゲットとしている作者・作品の特徴が調べ上げられた結果「数の多寡に関わらず、熱狂的な信者を擁している」という傾向が強く見出された。 なるほど、さもありなんという所である。 ある時期からはこのやり口をこじらせ、アンチスレ内で自分の敵(聖戦士)に化けて自分を激しく叩いて見せる事で 「何だあのウザさは…聖戦士の方がうぜえじゃねえか」的な空気を作る事も狙うようになったが 「携帯叩きはスレ民の総意(*2)」「俺様に文句つけて来る奴は携帯だ」など、過激さを狙い過ぎてあからさまに周りから浮いているわ そもそもそれを一日中末尾Oの長文でやるわ、挙句に「仮に俺が携帯だとしても俺の言葉に反論するのは馬鹿のやることだ」といった迷言を放つわ、突っ込まれてキレたら一瞬で後述する携帯に特徴的な語彙や煽り方に戻るわ、それ程激しい怒りを携帯に対して抱いている割に、別の携帯IDを使いいつも通りの珍行を並行している携帯本体と直接会話しないわ どうしようもないウザさを発揮したりもしている。 その演技を見るに、自分が嫌われている理由は理解している様子なのがこれまた哀れと言うべきか確信犯と言うべきか… その上先述のように、演技の目的・将来的に狙っている展開も早々に見破られている。 また「アンチスレを潰して携帯叩きスレに変える」などと言ってはいるが、実際はアンチスレと「携帯叩きスレ」の並立状態を作る事で自分への叩きを分散させる事が真の狙いと考えられる。 800 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/05/25(土) 16 53 29.38 ID /jc/tKFD0 「お前のせいで携帯しか持ってない俺までとばっちりじゃねぇか」 「やはり聖戦士がとうとう馬脚を現しアンチスレ潰しが狙いだったと自白された」 「潰しを企んでるのはお前だろ証拠は携帯wiki戦士wikiにもこれほど詳細にちなみにURLはこれ」 「URLを貼りまくりカウンター稼ぎなんて悪事、貴様はやはり乞食管理人と断定される」(*3) こいつら別人同士なら普通こんな感じにならなきゃおかしいわな まあいつもの事だけど、こういう手合いが居る時だけ携帯のスルースキルが異常 804 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/05/25(土) 18 33 38.11 ID TqfS1PGh0 もう片方の携帯も機械的に一回か二回携帯乙って言ってるだけだもんな あれほど怒りを熱弁してる割に元凶の携帯本人が目の前に居るのにぶつけないのはあり得ないし まして「お前のせいで俺まで携帯扱いに」っていう怒りが全く見えないのはゆーすけの友人並におかしい 他人に化ける前にコミュ障を直して人間の心をよく学べようんこ野郎 このような指摘に対しては、狂った聖戦士のIDでは「実は最初言っていなかったが俺は携帯が憎いのではなくアンチスレを潰す為にやって来た、よって携帯自体と会話しないのは自然」と言い、一方で携帯本来のIDでは、時が満ちたと判断したのか、ある時期から「とうとう聖戦士がやり口を暴露した(以下略)」などと喚き回っている。 ID末尾や口調などの時点で少なくとも筆者やスレ住人の一部は疑いようなく同一人物と判断しているが 本当に勝利したい方(携帯)が一方的に攻撃するおかしな理屈を並べているのも突っ込み所である。 この後聖戦士モードでは「スレを潰すのは現実的ではないので俺が携帯のふりをする事にする。そうすれば皆携帯だと思って叩くから動画は守られる。携帯が湧いてない時は俺が携帯として適当に書き込む」などと主張を変えてよりおかしな事を言い始める。 携帯のように誘導に引っかかって自白する事はあれど、こうして自分から高らかに狙いを宣言する工作員など居ないし それは結局携帯が望む「自分が叩かれる事でネタが供給されスレが生き残るのはむしろ狙い通り」とも合致している(詳しくは別に記す) 何より本物の聖戦士であれば、アンチスレを自分から保守するのは全くおかしい事では? 携帯の言葉を一部借りるなら、所々で携帯を守りたいという本音がポロポロ零れている状態である。 248 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/06/11(火) 07 58 13.61 ID mMmqO2Eo0 もうこいつほっといて別に動画叩くスレ立てたほういいんじゃねーの 249 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/06/11(火) 12 13 21.82 ID 2oDA9Q0w0 ID RvJGmjJFOがこの時間まで一切 248に噛み付いて来ない所を見ると 案の定ハナからそういう狙いの演技だったのかな?(*4) 250 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/06/11(火) 12 47 06.65 ID RvJGmjJFO お前は情弱すぎだ 携帯wikiをもっと読み込んでお勉強してから出直せよ 「そういう狙いか!」と名推理を披露した気になってるのかもしれんが 「携帯はスレを増やすことで自身へのタゲを分散させる狙いがある」ってのは もうずっと前に携帯wiki管理人によって暴露されてることじゃないか 今更何を言ってんだ? 251 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/06/11(火) 12 50 53.72 ID N8TUn9/I0 意味分からんけど要するに 「俺(聖戦士モード)は携帯(本体)であるという理屈であるからして携帯(本体)との利害一致は当然」ってか? 252 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2013/06/11(火) 13 04 00.82 ID RvJGmjJFO どういう意味だ? 俺は携帯なんだから携帯と利害一致するのは当然に決まってないか? 4.検索乞食 潰しのターゲットにわずかでも関係する言葉をガンガン評議会wikiにぶち込む事で、ふとした弾みからwikiを検索に引っ掛ける事を目的とした工作。地味ながら卑劣な行為である。 余談だが、別項で少し触れた東方有頂天の大手ファンサイトに対して、かつて「無関係な検索で引っ掛かるから迷惑だ!」と異様にしつこく叫び サイトを検索ロボットに拾われにくくする「検索避け」と呼ばれる措置を執拗に迫っていた層が居た。 一方携帯=管理人と目される評議会wikiは、思いがけず目にして他人を不快にする可能性の高いwikiであるにも関わらず 「○○の悪行を広める為に必要」として検索避け要求をボコボコにして突っぱねている。地味ながら卑劣な行為である。 ちなみに削除される前のwikiは「評議会wiki」というフルネームだったのだが、逃亡後は「東方有頂天評議会wiki」と、より効率的に検索に引っ掛かり易い名前になっている。 地味ながら卑劣な行為である。 5.捏造 叩く為にターゲットの不祥事をでっち上げる。 バレ難いようにある程度は事実を基にする場合が大抵だが(*5)携帯が激しく叩かれて「鎮火」の必要性がある時などは、話題を切り替える為にか、過激な内容の完全な嘘を繰り出す事もある。 基本的に匿名掲示板は言った者勝ちの世界であり、騙されて同調する情弱が多いのであれば有効な手段と言えるが、携帯はこのような手を使って来る事が分かっている為、普段の底の浅い煽りと違う妙に深く踏み込んだ・具体的な叩きネタを携帯が繰り出した場合、真偽が速攻で調べられる(ついでに毎回嘘がバレて携帯が発狂する)事が多い。 「嘘を嘘と見抜けない人には2chを使うのは難しい」という名言もあるが、評議会wiki管理人もまたこれを主義とする旨の発言をしている。 補足 あれこれ言ったが、結局は東方有頂天界隈で活動している/かつて活動していた人物に対して変なリンクや悪意を振り撒く人物はとりあえず携帯認定しておけば9割は当たる。 携帯を知らない諸氏からして見れば信じがたいだろうが嘘のような本当の話である。 また、一応これも言っておくが、東方有頂天関係者の中には、界隈の人気作品を勝手に利用して金儲けをしようとしたり、他人の作品に自分から擦り寄って来ておいて 逆恨みで荒らしに転向したりと、誰の目から見ても責められても仕方無い者も確かに少数は居り、携帯の主張全てが嘘ではない事は念の為断っておく。 もっとも、肝心の携帯が狙う作者の中にはそのような問題を孕む人物はあまり居らず、主な動機が義憤などとは程遠い私怨である事はフォローのしようが無いが。
https://w.atwiki.jp/tales-shinsakudangi/pages/13.html
テイルズ オブ ファンタジア テイルズ オブ デスティニー(PS) テイルズ オブ エターニア テイルズ オブ デスティニー2 テイルズ オブ シンフォニア テイルズ オブ リバース テイルズ オブ レジェンディア テイルズ オブ ジアビス テイルズ オブ デスティニー(PS2) テイルズ オブ イノセンス テイルズ オブ ヴェスペリア テイルズ オブ ハーツ テイルズ オブ グレイセス希望への道標編 未来への系譜編 テイルズ オブ エクシリア テイルズ オブ エクシリア2 テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2 テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3 テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー2 テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー3 テイルズ オブ ザ テンペスト テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士 テイルズ オブ ファンタジア サモナーズリネージ テイルズ オブ ファンタジア ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス フェザーダオス 未来ダオス城 塩沢 兼人/森川 智之 TOPのラスボス。シリーズラスボス中、圧倒的な人気を誇っているキャラクター。かなりの美男。光る球が体の周囲をぐるぐる回っている。 無敵な感じで、エターナルソードや魔術でしか倒せないという最強設定が存在するが、チェスターの弓でもダメージを与えられる。 ただ、エターナルソードがない状態で2度ダオスとまみえるが、死なず生きているため、とどめはさせないようだ。 PS版では、フェザーダオスの次の形態が存在する。 CVの変更は、塩沢兼人氏が事故で亡くなったため、テイルズオブシリーズのプロデューサーとしてお馴染みの吉積氏が 「ダオスの声はこの人しかいない」ということで森川智之氏を選んだ。変更されたのはPSP版ファンタジアからである。 極太レーザーを放つダオスレーザー、地面に拳をぶつけ、爆発させるダオスコレダー、4連続で拳と脚で攻撃するテトラアサルトなど 多くの固有技を持つ。ラスボスなのにマイソロ2・3、バーサスなどで最近ゲストキャラとして出番が増えた。 テイルズ オブ デスティニー(PS) ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス NEOミクトラン ダイクロフト 置鮎 龍太郎 1000年前、天上世界を支配した天上王。1000年前の天地戦争の決戦の際、とソーディアン・ベルセリオスのコアを破壊し、 そのコアを乗っ取り、生きながらえていた。 そのベリセリオスを発見したのがヒューゴ・ジルクリストである。その彼の体と精神全てを乗っ取り現世に復活した。まるで寄生虫。 PS版は、イベントヴォイスがほぼ皆無であったが、ミクトランだけはなぜか優遇され、笑い声などがヴォイスありであった。 前座に、ゾンビ化したリオン・マグナスが用意されていて、ミクトランの外道さを引き立たせる。 戦闘中、空中に浮いている。叩くと落ちる。術を主体に戦うが、強くない。というか弱い。 それを倒すと本気出す。神の眼がミクトランにエネルギー供給。なんかグロテスクな巨大肉塊に姿を変える。これがラスボス。 黒い泡みたいなものや弓矢みたいなものを飛ばしてくる。高威力のディバインパウアも使う。が、しかし弱い。 テイルズ オブ エターニア ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス シゼル(ネレイド) シゼル城 伊倉 一恵(ネレイドは青野 武) メルディのカーチャン。なんか後ろにスタンドみたいなものが見えるけど気のせい。いや、気のせいじゃなかった。ネレイドだった。 イベント時にはすごくボソボソ喋っていて聞き取り辛い。とってもそう。 術主体の攻撃を仕掛けてくる。通常攻撃のようなものも、術のようなエフェクトのものしか存在しない。 ファンからはシリーズで一番盛り上がるラスボスと評されることが多い。 理由はやはり最後のエターナル・ファイナリティ VS エターナル・インフィニティ(極光波)の演出ではなかろうか。 テイルズ オブ デスティニー2 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス -フォルトゥナ- 神のたまご 島津 冴子 運命の女神。いろいろやってたのはエルレイン。神様要りません、お断りしますと言われて怒る。故に断罪。 前座にエルレインがいて二連戦。エルレインに愚かな愚かな言われてプレイヤーもキャラクターも疲弊した状態で登場。 なんか浮いてる。神様だもの、当然よ。光弾、晶術で攻撃してくる。FOEを巧みに使う。HPが半分になると翼が生える。神様ですから。 そんでもって前衛の攻撃がジャンプしても届き辛い高さまで飛躍。そして上級晶術連射。さすが女神様。一定時間経つと降りる。 HPがかなりヤバくなるとラスト・ヴァニッシャーを使用。みんなHP1になる。神様に不可能はありません。 撃破するといい断末魔が聞けます。 テイルズ オブ シンフォニア ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ミトス デリス・カーラーン 高山 みなみ お姉ちゃんっ子というかシスコンです。 歴代ラスボスでもNEOミクトランレベル。ユグドラシルで使ってきたディースネルもアウトバーストもユグドラシルレーザーも使わなくなる。怖いのはこちらの全員を状態異常or変化とするイノセント・ゼロのみ(しかしこれもユニゾンアタック発動で回避可)しかも第二形態になると胴体がでかくなり当たり判定が大きくなり、第一形態よりも攻略しやすい。 テイルズ オブ リバース ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ユリス ユリスの領域 ??? シナリオ上のラスボスはジルバのようなものだが、こいつがラスボス。ヒトの負の感情によって生まれた。 正直登場時は、あんた誰?状態。圧倒的な力でヴェイグたちをこの旅何十回目かのぶっ倒れ演出に誘います。 人によって意見は違うが、ペプシマンなんかに似ていると言われがち。うん、似ている気もしなくもないよ。 すっごいでっかい。ラスボスですから。それにしてもでっかい。 戦闘は、開始直後に光線を奥から手前のラインにおびただしい量射出する外道っぷり。 ユリスアイをぽこぽこ生み出します。こいつらを倒さないとあれよあれよという間にボコボコにされちゃいます。 一定時間経過で隠し導術を使ってくるので実は危険なんです。でもHPが高いんでなかなか倒せず溜まるフラストレーション。 倒すとギャァアアォオオオと断末魔。倒しても釈然としないEDでもいいじゃない。それがリバースクォリティだもの。 テイルズ オブ レジェンディア ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス シュヴァルツ 時の揺り籠 川澄 綾子 グー姉さん=セイファート、神様 シュヴァルツ=ネレイド、ピッコロ グー姉さんとは対なる存在だとかなんとか。光に対する影。 人の後ろ暗いところを突っついて破滅させようとする嫌なやつ。 でもグー姉さんとは同じ顔、同じ声、同じ胸。だ~も~たまらん! イクストリームを装備し、ラスボス専用投げをかますとダメージがとんでもないことに。 負のかたまり、みたいな設定にしてはユリスやゲーデと天と地ほど差がある気がする。 ちなみにシュヴァルツとはドイツ語で「黒」のこと。ラスボスの名前が「くろ」「ブラック」・・・格好良ければそれでいいのかもしれない ツインブレイヴで参戦したボスキャラ。原作での奥義が秘奥義と化していた テイルズ オブ ジアビス ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ヴァン エルドラント 中田 譲治 預言に縛られない新しい世界を創ろうとした。たまご丼愛好家としても有名。イーフォンの中の人だ、とか言っちゃ駄目。 ルークと同じ技を結構使う。術もパーティメンバーが使えるもの。 毛色が違うのは光龍槍。ヴェスペリアのアレクセイも今では使うが、あれは光竜槍。 良かったね。龍と竜の些細な違いだけど、専用技のままだよ! 倒すと本気出す。つまり第二形態。攻撃パターンはそんなに変わらない。まあ、そんな感じ。 怖いのはジャッジメントぐらい。 マイソロ3では参戦、しかも味方として。その為通常攻撃が原作の2回から6回に増えており、振る早さも早く、光竜槍も発射までの時間短縮と強化されている テイルズ オブ デスティニー(PS2) ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ミクトランイグゼシブ ダイクロフト 堀川 りょう ソーディアン・ベルセリオスのコアクリスタルに身を潜めていた。強いと評判。PS版からのリメイクにあたり奇妙なダンスを習得したようだ。前座はなくなった。 更に声はPS版はディムロスと同じであったが、差別化するために堀川りょう氏を起用(D2の時点で起用自体はされていた)。 PS→PS2の間に何があったのか、PS版当時からは考えられないほどの圧倒的な戦闘力を持つ。お陰でテイルズのラスボス中、最強に近い。 ソーディアン・ベルセリオスを駆使して薙ぎ払ったり、最高火力の晶術をためらいなく連射する。 シナリオ面では外道さが薄れた分、戦闘における外道さで補ったかのような強さを誇る。 第一形態はパツキンの浮遊しているお兄さん。第二形態のイグゼシブは全身紫の大分気持ちが悪い姿に変貌。それでもNEOミクトランよりはマシ。 ブラストキャリバーに強い威力の風属性技を持ち、自分のHPが低下すると全体攻撃を仕掛けてくる。スタンは風属性半減なので優遇。 ラスボスには珍しく弱点属性があり、火属性に弱い。どこまでもスタン優遇。だって、主人公ですもの。 ちなみに隠しダンジョンの穴子を倒すとパワーアップする。 テイルズ オブ イノセンス ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス マティウス 黎明の塔 田中 敦子 アルカ教団の教祖。アスラの転生者の半分。ルカもそうだから、アスラはんぶんこだね、えへへ。 前世で恋人イナンナに裏切られたことにより、恨み、憎しみが骨髄にまで達し、イナンナの顔。よくわからん。 そんで怒り狂って、なんでもできちゃうステキな力・創世力で世界を破滅させようとする。 最終決戦の際にアスラっぽい巨大な化け物っぽくなる。HPが高く、ハメ続けないとあっという間に全滅にされることすらある強豪。 しかし、ある程度レベルを上げて、いい防具さえあればダメージ量を1桁に抑えることは容易い。 ルカの秘奥義『魔王灼滅刃』に名前が非常によく似た『魔王界滅刃』を使用することができる。 ダンジョンの名前の読みは『 れいめい の とう 』。この塔にはバベルの塔にそっくりな伝説が残されている。 テイルズ オブ ヴェスペリア ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス デューク 古代塔市タルカロン 小山 力也 白髪の青年。 サブイベント的な場面でちょこちょこ出てくる。何回も何回も。実は目立ちたがり屋なのかもしれない。 世界のためなら人間なんてイラネ、な人。まあ、いいんじゃない。そう思ってるなら。 第2形態まである。なんかちょっとだけ浮いてる。瞬間移動する。第一形態はそこまで苦戦しない。第二形態から本気出す。明日から本気出して働く。 魔装具を全て所持している状態だと3形態になる。3形態目は名前が変わり、「虹翼をまといし者」となる。 ビッグバンが秘奥義だが、第三形態では主人公たちの秘奥義を全て組み合わせた『凛々の明星』(ブレイブ・ヴェスペリア)を使う。 マグナ様のアクアリムス並に回復するので厄介。 最終決戦後も存命しており、エンディング後に動物達と戯れている姿が見られる。五体満足で生存するのは恐らく初。 ツインブレイヴでも参戦決定。秘奥義は原作の奥義がなっている テイルズ オブ ハーツ ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス クリード・グラファイト 救世システム・ガルデニア 三木 眞一郎 結晶人(クォート)の生き残り。そして、結晶界(クォーティア)を白化させた黒い月こと、ガルデニアをリチアと共に作り上げた張本人である。 近年RPGのラスボスの女々しさが増す中、一際、外道精神に満ち溢れる性格。女の子だって容赦なく殴り、踏み、あざ笑う。 結晶界の白化後、リチアによって体を封印され、スピリア(心)のみ、原界(セルランド)へ飛び、人のスピリアに寄生し、 同じく原界へスピリアのまま飛んだリチアを探し、再びガルデニアを起動させようと目論み、一時は原界の皇帝・ジルコニアに寄生し、 シングの母らと対峙する。 もう少しで封印されるといった所で、その頃、胎児であったシングの憎しみのスピリアに寄生するも、封印される。 しかし時は経ち、シングは憎悪の感情を爆発させ、クリードは再び復活、ガルデニア起動にこぎつけるも、 シングたちの前に敗れ、最後はガルデニアに凍結されていたリチアの姉・フローラと共に、ガルデニアの自食崩壊に飲まれ、死ぬ。 戦闘時には、ミクトランイグゼシブっぽい動きとかする。初期状態の弱点は光だが、地水火風光闇の6属性のどれかひとつに弱点が変化する。 秘奥義は、デッドスター。高火力の範囲攻撃なので、パーティ全体で一箇所にいると、簡単に全滅できる。 テイルズ オブ グレイセス 希望への道標編 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ラムダ・アンゲルス ガルティアシャフト 中原 茂 リチャードは自らの間違いに気づき、ラムダを抑えている間に自分諸共、ラムダを消滅させるようにアスベル達に促すが、 アスベル達にそれはできず、ラムダを抑えられなくなり、ラムダは巨大な人型の化け物に具現化する。 至難の末、ラムダとの戦闘に勝利するが、それでも、ラムダは消滅はしなかった。 やはり、対消滅しかないと思い、ソフィがそれを図ろうとするが、その間にアスベルが立ちふさがり、 アスベルはラムダと直接、話し合いをするため、ラダムと一体化する。 ラムダとアスベルとの共有領域での話し合いの末、アスベルの器を知り、かつて自分を自らの子供にように育ててくれたコーネルの言葉を思い出し、 今まで世界の悪い部分だけを見てきたラムダだったが、世界の良いところを見ていくために、アスベルの身体の中で眠りにつくことにする。 ラムダに寄生されたため、リチャードと同様にアスベルは青と紫のオッドアイになる。カッコイイ 後述の未来への系譜編では再び目覚め、アスベルに新たな力を授けてくれる。 元ラスボスが力を貸すという熱い展開は必見。 ちなみに隠しボスを倒していると、「ラムダ・テオス」となり、各ステータス、新技などの大幅な強化がされ、 HP吸収効果のある技や高威力のメテオスォームなどで脅威のウザさを発揮する。リープウィルを使うのはやめろ。 未来への系譜編 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス フォドラクイーン フォドラの核 土井 美加 PS3移植版「テイルズオブグレイセスエフ」の追加シナリオ「未来への系譜編」のラスボス。 惑星フォドラが自己防衛のために生み出した存在「リトルクイーン」同士が大量に融合した姿。 デュークの「ビッグバン」同様全員のHPを容赦なく1にする凶悪な秘奥義を有しており、ある意味不屈ボーナス最大の障害。 瀕死時にはカウンター秘奥義を繰り出すだけでは飽き足らず、満身創痍のパーティに容赦なくリトルクイーン達を召還する無慈悲ぶり。 テイルズ オブ エクシリア ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ガイアス ミュゼ 世精ノ途(ウルスカーラ) 置鮎 龍太郎 真田 アサミ ガイアスはア・ジュールの国王、ミュゼは精霊マクスウェルによって生み出された存在。 マザーシップタイトルでは初のコンビで登場するラスボス。パッケージにもさりげなく登場している。 ラストダンジョンはあまりに味気ないが、はぐれた仲間たちが次々と秘奥義を放ちつつ駆け付けるという熱い展開でカバーする。 魔装具を鍛えていると仲間が参戦する前に倒してしまったりするが、ミュゼは一度だけ復活する。そのため、ガイアスは倒れミュゼだけになっているなんてことも。 今作では敵として戦うキャラクターはネタキャラ枠(別名ディスト枠)のイバルを除けば大抵が死ぬが、ガイアスは生存しており、エンディングで再び王として君臨している。 因みに置鮎氏がテイルズのラスボス役を演じるのは今回で2度目だったりする。 シリーズでは珍しくアイテムを使うラスボス。ア イ テ ム な ぞ 使 っ て ん じ ゃ ね ぇ ! 続編のエクシリア2では2人ともプレイヤーキャラとして参戦する。元々エクシリアでもどちらか1人が参戦する予定だったようだ。 テイルズ オブ エクシリア2 ラスボス ラストタンジョン キャラクターヴォイス ビズリー・カルシ・バクー ??? 磯部 勉 ルドガーとユリウスの父にしてクランスピア社の最高責任者。 テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ノルン カオスの洞窟 なし ダオスの故郷、デリス・カーラーンの世界樹の番人。「大罪」を犯した双子に最後の審判を下す。 ディオとメルの二人だけで戦う上に、強力な全体攻撃を無慈悲に連発してくる。連続ビッグバンは死刑宣告。 頑張ってレベルを上げるか、バキュラ戦法で倒しましょう。 ちなみに、隠しダンジョンのドルアーガの塔をクリアすると、ノリノリで女神イシターになりきってくれる。結構お茶目。 テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ノルン 審理の晶谷 伊藤 美紀 10年目でまさかのリメイク。今作では2連戦になっていて、クルールも離脱しない。 バキュラゲーと化していたあの頃と比べると随分優しくなりました。 ただ、ゲーム開始時からタンスを押し付けるという最凶の攻撃を(プレイヤーに)仕掛けてくる。 さすがノルン様マジ鬼畜。 テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス サナトス 竜の迷宮 日高 のり子 世界樹の守護竜の生まれ変わり。マザコン。 前世でも現世でもいちいち不憫な子。 シャドウニードルのピヨり率は半端ない。 テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス フリオ&キャロ レミ遺跡最下層 菅沼 久義 有島 モユ 未来のフリオとキャロ、通称わるフリオとわるキャロ。病んでるのか過保護なのかよくわからない子達。 なりきり服も黒くなっており、髪の色もそれぞれ水色とピンクに変わっている。 なりきりした状態で連戦することになる。 1戦目はフリオが格闘家でキャロが剣士、2戦目はリオンorジューダス(仲間になっていない方)とミント、3戦目はユグドラシルとシゼルといった、主人公達もなりきれる姿で戦う。 ちなみにキャロ(2戦目)のHPの低さは異常。主人公より低いってどういうこと…? テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ウィダーシン ギルガリム 島田 敏 数多くある世界をギルガリムに食わせ、一つにしようとしていた。別名ゼリー様(ウィダーインゼリーから) ソフトパッケージにも登場する数少ないラスボスである。 戦闘時はかなりアクティブな動きをしており、割と苦戦するかもしれない。 HPが減ると発動すると回避不能の大技をかましてくる。それで全滅して萎えることもあるようだ。 テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー2 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス デウスエクスマキナ ネガティブ・ネスト ??? ゲーデが変貌した姿。 もともと負の顕現であるゲーデは、自身の抱える負に苦しみながら、世界樹に流されるであう未来を嫌悪していた。 自分の道連れに世界を壊そうとするものの主人公に阻まれ、絶望感からデウスエクスマキナへと変化する。 戦闘中は宙を飛んでいるので、格闘家職で挑むと地味に不利。 ちなみに前作とは異なり2連戦。どうです?すごいでしょう! テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー3 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ラザリス エラン・ヴィタール 佐藤 聡美 生まれなかった世界「ジルディア」そのもの。人間に失望し、世界をジルディアに塗り替えようとしていた。 前作同様2連戦で、2戦目は3体のラザリス幹官を引き連れて、カオスラザリスとして登場。 テイルズ オブ ザ テンペスト ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス こくおう アール山 長 克巳 国王 ではない。こくおう なのだ。容姿はカイウスより幼い男の子。しかしその実態はダンディヴォイスの異世界の住人。 なにやら変な実験をしてカイウスたちの世界に飛ばされて自分の世界に戻ろうと100年前からいろいろやっていた。 なんかこっちの世界も欲しいとかいう感じで2つの世界の王になるとか言い出す。 ヒトもリカンツも通れない壁を作って、ハハハどうだ入れないだろう!的なことを言っていたがカイウスにあっさり突破される。 戦闘時は、テンペストワロスワロスと思いながら挑むと、若干苦戦するかもしれない。 インブレイスエンドとメテオスォームを連射し、近づくとカオスオブゲートで状態異常+吹き飛び、攻撃するとワープ・・・ 非常に鬱陶しいことこの上ない。味方AIもお世辞でも賢いといえないレベルなので、自力で頑張るしかない。 倒すと晴れてエンディング。所要時間は寄り道せずに普通に進めて10時間前後だろうか。うん、短い。 テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士 ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ラタトスク ギンヌンガ・ガップ 下野 紘 こいつがラスボスだが、これはイベント戦闘なのだ。実質ラスボスはリヒター・アーベント。3連戦。 テイルズ オブ ファンタジア サモナーズリネージ ラスボス ラストダンジョン キャラクターヴォイス ゼクス 魔王浮遊城 魔科学技術により造られたアンドロイド。自らを魔王と名乗り、世界各地に侵攻中。 元々は平和に暮らしていたが、人間に襲撃され、創造主を目の前で殺された。 典型的な「人間なんていなくなれば良いのに」タイプ。
https://w.atwiki.jp/boss333/pages/12.html
名称:テンプレート2 レアリティ:☆2 アイコン編集 タイプ・属性 火 レベル 1(10) 入手先 入手先1入手先2入手先3 成長タイプ 早熟 攻撃 100(1000) コスト 1 防御 100(1000) 売却価格 100 スキル スキル2
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/11849.html
395 名前:ゲーム好き名無しさん (スフッ Sd0a-BfUd)[sage] 投稿日:2018/08/27(月) 15 05 02.48 ID IwUKk7l2d GMのシナリオが原因でPL間で衝突した報告 ソードワールド2.5で、遺跡で発掘したロボ天使をフェロー(2.5の新要素。簡易PCとして使用できるNPC)として仲間になり、一緒に冒険しながら天使を育てるシナリオをやった。 序盤は、役に立たないポンコツ天使をいじりつつ愛でながら和気あいあいとやってたんだけど、神官のPLが和マンチじみた人で、ポンコツ天使をガンガン強化していった。 ランダムで引いた強化内容から最適な物をえらんで、他のPLにお願いしてお金を集め、能力に適した武器を装備させたりしたんだけど、 シナリオのクライマックスに、天使ちゃんが敵に攫われて洗脳され、和マンチ謹製のクッソ強い状態そのままでボス側に参戦してきた。 さすがに、行動は2回に1回だったけど、クリティカル値を限界まで下げた天使ちゃんの攻撃を食らえば、出目次第で前衛タンクがワンパンオーバーキルされる可能性も十分あって、 和マンチは錯乱して回復放棄で攻撃しにいくし、タンクはクリティカル喰らって死にかけて和マンチに嫌味吐くし、天使ちゃんの武器を買うためお金出した人は「俺が悪かった」と申し訳無さそうになるし、 和マンチはそれを見て更にムギャオるしで、楽しかった雰囲気が一瞬で吹っ飛んだ。 最終的に、こちらの出目が良くなり、GMの出目が死んだおかげで、シナリオはクリア出来たけど、PL間の微妙な空気はどうにもならなかった。 そしてNPCを強化すると不利になるなんて酷いシナリオだよ 407 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 3aeb-QcHd)[sage] 投稿日:2018/08/27(月) 19 14 02.07 ID IUj0csK20 ロボ天使は初出の2.0のシナリオブックだと超絶チートな能力値+専用武器+専用特技だけど絶望が溜まると世界の敵になるというデザイナーがまどマギ読んで思いついた的な代物なんだよなぁ…… GMだけがその設定知っててやったんなら事故と困のボーダー、そうでないなら事故ぐらいかな 422 名前:395 (ワッチョイ a6e9-wF79)[sage] 投稿日:2018/08/28(火) 07 29 40.34 ID n8XHNpSw0 補足点を ロボ天使(魔動天使)は原作の能力をすべて失っていて、普通の冒険者と同じ状態 天使の初期技能と戦闘特技はフェンサーを引いて、武器習熟Aを習得したところで マンチPLが「ピラー装備してクリティカル値8にしようぜ!」と言ってお金集めた。 クライマックスでは化け物と合体した状態で登場で、触手が生えていた。 勝利条件が天使のHPを0にする事で、天使を殴る為には触手を破壊しないとダメ 攻撃性能は味方の時と同じだけど、耐久面はエネミーデーターを使用していた (SW2.5のデータで説明すると、魔神ナズラックの頭部の行動を天使のフェロー表に差し替えてた) PCはLv3、メンバーはタンクとマンチ神官、初心者のグラップラーとソーサラー、あとシューターコンジャラー この中で範囲攻撃ができたのはマンチ神官とタンクで、シューターコンジャラーは魔法拡大数が無かった。 (ソーサラーは拡大数でなくバイオレントキャストを習得、シューターは弱いキャラをやりたいと宣言) ボスは、初心者グラップラーで回避が難しく、タンクの防護点を軽く抜いてくる取り巻き3体と 取り巻きと同じ攻撃力で高命中、少し威力の弱い範囲攻撃もできる触手2本、そして天使 マンチ神官は「MPが足りなくなるよ」というGMの警告も聞かず、敵全体に攻撃魔法を使用 で、敵の数はそこそこ減ったけど、そのラウンドに天使ちゃんの攻撃が連続クリティカルで タンクが死にかける。ここでPL感がギスギスし始めて、マンチ神官は回復魔法を撃つかと思ったら、 「前に出て囮になるわ」と宣言、回復魔法を撃つにもMPがもう残ってないとかで、 GMの警告を聞いておけばと言われたらマンチ神官が声を荒げて 「俺一人のせいにするならお前らのビルドに文句付けていくぞ!」とムギャオった。 スレ466
https://w.atwiki.jp/boss333/pages/10.html
カード図鑑 コスト:1 各カードの情報を1ページ毎に分割して作成し、 #include_cache(ページ名)によって読み込む形式で作成しておくと コスト別など他の分類の一覧を作成したいときにも利用できるので便利です。 なお、各カードを1ページにして、include_cacheを使用した場合 一つ一つのコンテンツの幅が崩れてしまうことになるかもしれません。 そういった際には、管理画面からcssを指定すると幅を揃えることができます。 例) .cardlist table{ width 90%; margin 0px; } を設定する。 アイコンと書かれている部分を image(画像URL,title=画像名,linkpage=図鑑/カード名)とすると 画像リンクを張ることができます。 image()の詳しい使い方はこちらのガイドを参考にしてください。 名称:テンプレート1 レアリティ:☆1 アイコン編集 タイプ・属性 火 レベル 1(10) 入手先 入手先1入手先2入手先3 成長タイプ 普通 攻撃 100(1000) コスト 1 防御 100(1000) 売却価格 100 スキル スキル1
https://w.atwiki.jp/boss333/pages/14.html
第1章 はじまり 第2章 海沿いの町 1-1 冒険の始まり 1-2 最初の森 アイコンと書かれている部分を image(画像URL,title=画像名,linkpage=図鑑/カード名)とすると画像リンクを張ることができます。 1-1 冒険の始まり 敵リスト アイコン アイコン2 アイコン3 消費体力 獲得経験値 獲得金 宝 -1 +1 +10~12 なし 1-2 最初の森