約 1,709,752 件
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/332.html
今日は、俺が妹から人生相談を受けた話をしようと思う。 おっと、妹とは言ったが、おそらく皆が思い浮かべたであろうヤツのことではないぞ? 「ねーねー、高坂くん! いいの? ホントにいいの?」 「ああ、どれ頼んでもいいぞ」 「やったー! よーし、あたしいっぱい頼んじゃうもんねっ」 キラキラと表情を輝かせながらファミレスのメニューを覗き込んでいる、おさげ頭の女の子。 それは黒猫の妹、五更日向だ。 念のために言っておくが、「ファミレスで飯をおごること」が俺の受けた人生相談ってワケじゃないからな? その話は、もうちょっと後で出てくることになる。 さて、俺がどうして黒猫ではなく、その妹である日向ちゃんとファミレスなんぞでメシを食おうとしているのか。 疑問に思っている方もいるだろう。 ぶっちゃけた話、それは俺の作戦だった。 この時の俺には2つの狙いがあったのさ。 ひとつは時間つぶし。 そしてもうひとつは……。 「にゅふふ~、どうしようかなぁ~、迷っちゃうな~」 まるでエロゲヒロインを誰から攻略するか悩んでいるどこぞのオタクっ娘のようだな。 微妙にイラッとくるぜ。 しかしこれでいい……これでいいのだ。 まさに計画通りッ! 「じゃあじゃあ~、このチーズハンバーグをセットで。あと、ピザをマルゲリータとエビマヨの2つ。最後にケーキ3つね」 「どんだけ食う気だよこの欠食児童!」 なに? 最近の女子小学生ってこんなに食うの? 「えぇ~、1人で全部食べるわけないじゃん」 慄く俺に、日向ちゃんはその頬をぷっと膨らませた。 「ルリ姉と珠希にもお土産でどうかなってさ」 「あー、そうかよ。ピザとケーキがテイクアウトね。わかったわかった」 ちったあ遠慮しろとも思ったが、そういうことなら納得できなくもない。 疲れた仕草で緩慢に呼び鈴を押す俺を、ニヤリと日向ちゃんが見つめてくる。 こうやって見ると、やっぱ姉妹だな。 俺をからかって遊んでいる時の黒猫にそっくりだ。くそう。 料理が運ばれてくるまでの間、飽きもせずメニューを眺めたり、ドリンクバーを何往復もしたりしていた日向ちゃんだが、鉄板に乗せられたチーズハンバーグが目の前にデンっと置かれると、すっかりその姿に魅了されてしまったようだ。 陶然として、今にも口からヨダレがこぼれそうな顔をしている。 そういや、五更家では魚好きでヘルシー料理の鉄人である黒猫姉さまが高頻度で食事の用意をするらしいし、でかいハンバーグなんて滅多に出てこないのかもな。 「ほれ、遠慮せず食えよ。熱いうちに食っちまった方がいいだろ」 「そうだね、ありがとう高坂くん! じゃあ、いっただっきまーす! はぐっ……もぎゅもぎゅ……お、おいしーwww」 やれやれ。 多少出費がかさんだが、ここまで喜んでくれるなら悪い気はしない。 幸せそうに肉を頬張る姿を見ていると、素直にそう思うよ。 それに……フフフフフ。 俺の計画は、今この時、完全に達成されている。 そう! 五更日向の口封じという、密かなる計画がな! あ、誤解の無い様に言っておくが、なにか後ろ暗い秘密を握られたから■すとか、そういったあやせ的な話ではない。 メシ食っている間は黙っておとなしくしてるだろうってことだ(肩透かしだったらすまん)。 知っての通り、俺はつい先日かわいい恋人ができたばかりなのだが。 その恋人の妹である日向ちゃんは、姉が連れてきた恋人、つまり俺に興味シンシンなのである。 こいつはこの手の話好きそうなマセガキだしな。 黒猫と一緒の時はまだ多少の遠慮(というか姉の報復に対する警戒)があるようだが、黒猫がちょっとでも席を外すと、 「ねぇねぇ、ルリ姉とはいつケッコンすんの?」 「シンコン旅行は何年後とか決めてるの?」 「いつになったら高坂瑠璃とか五更京介って呼べるようになるの?」 などとうるさく質問を浴びせかけてくる(ちなみに「全部同じコト聞いてますよねえ?」などと突っ込んではいけない。調子に乗って余計に話しかけてくるからだ)。 そんなわけで、短時間ならともかく、長時間こいつと2人でいると非常に疲れるのだ。 黒猫に伝わる可能性を考えると、あまりいい加減なことを言うわけにもいかず。 かといってそう上手く話題を逸らすことも出来ない口下手な俺だ。 窮余の一策としてこいつをファミレスに連れ込むことを思いついたわけさ。 フッ。なかなか冴えてるだろ? 「ところでさー(もぎゅもぎゅ)高坂くんにさー(もぎゅもぎゅ)ルリ姉のことでー(もぎゅもぎゅ)聞きたいことがねー(もぎゅもぎゅ)あるんだけどー(もぎゅもぎゅ)」 「メシ食ってる時ぐらい黙ってろよ! 行儀悪すぎだぞおまえ!」 かえせ! 俺の計画の犠牲となった一葉さんをかえせ! 「ちゃんと飲み込んでからしゃべってるよ?」 そういうことじゃなくてだな……。 しかし、よく考えてみると、食事中でも軽く会話ぐらいはするわなー。 俺はなんで「食事を始めると静かになる」なんて思っちまったんだ? どうも追い詰められて正常な判断力を失っているような気がする。 「それよりさぁ、聞きたいことがあるんだってば」 「あんま答えたくねえ」 こんな体たらくでは何を言ってしまうかわかったものではない。君子危うきに近寄らずだ。 「もーっ! えーとね、ワリとマジメな話だからさ、ちゃんと答えて欲しいかなって、思う」 「む……?」 そう言う日向ちゃんの目は、確かにいつもよりちょっと真剣に見えた。 さっきも思ったけど、時々似てるんだよな、あいつに。 その表情は、真摯に何かへと取り組む黒猫の姿を思い出させる。 だから「ここは避けてはいけない」と、そんな気になったんだよ。 「わかった。話してみろ」 「うん」 神妙に頷く日向ちゃん。 その右手には、ハンバーグの刺さったフォークが握られていたけどな! まあ、ここは見て見ぬふりをするのが大人の対応というものだろう。たぶん。 「高坂くんはさ、なんでルリ姉とつきあってるの?」 すごい直球な質問だなオイ。 いつものようにニヤニヤと質問してきてるのならはぐらかすのだが、真剣な眼差しを見るにそういうわけにもいかないだろう。 しかし、こういうことを本気で話そうと思ったら……やたらと照れるな。 さらに追い討ちをかけるように、さっき見た黒猫の……。 いかんいかん! 顔が熱くなってきた。 「その、だな。お前の姉ちゃんから、こ、告白されたんだよ。で、OKして今に至る。い、以上だ」 「ちょ、照れすぎ……えーと、来年大学生だよね?」 「うるせーな! しかたねーだろ、女の子と付き合うどころか、告白されたことさえ生まれて初めてなんだぞ」 「高坂くんってさぁ、情けないことを平気で言うね」 「フッ……ホレんなよ?」 「ホレるわけないじゃん。マイナスポイントじゃん」 女子小学生にすごい冷たい目で睨まれた! 死にたい。 「……お前の姉ちゃんは俺の情けないところも好きと言ってくれたんだがな」 「ルリ姉シュミ悪……知ってたけど」 「実姉に対して容赦ねえなおまえ!」 あと、悪趣味の象徴にされた俺は結構傷ついたんですけどねえ。 「チッ、なんだよ、あれか? 俺と黒猫じゃつりあわないとか言いたいのか?」 「えっ?」 日向ちゃんはちょっと驚いたような顔をした。 これは図星だったか? 「まあ気持ちはわからんでもねーよ。黒猫は、言動とか行動とかにアレな所はあるが、美人だし、頑張り屋だし、すげーいい奴だしな。なんで俺みたいなのを選んだのかがわかんないんだろ?」 「えーと、高坂くん?」 「隠さなくてもいいんだぜ? なんつったって、俺にもわからん」 黒猫に対して辛辣な言葉を吐く日向ちゃんだが、その言葉とは裏腹に、姉をたいそう慕っている……なんてことは、鈍い俺にも十分すぎるぐらい分かっている。似たようなのが身内にいるからな。 その慕っている姉が、俺みたいなのを恋人として突然連れてきたら。 そりゃ変だなと思うだろうよ。 怒り狂ってもおかしくないね。「あたしの友達に手を出したら殺す」と脅してくる、どこかの誰かさんみたいにさ。 「けどな、その、好きだって言ってくれたからさ。すげー嬉しかったから。そしたらもう、付き合うしかねえじゃん? 情けなくても、自信がなくても、あいつの気持ちに応えてやりたいって、そう思ったからな。たとえ俺が、その場でOKの返事が出せないヘタレ男でもだ」 「へ? 告白されてその場でOK出せなかったの?」 「おおおおおうああああっ! ナシッ! 今のは忘れろ! というか忘れてお願い!」 なんだって俺はこう、ますます自分の株を下げるようなことを暴露してるんだ! こんなことで日向ちゃんに愛想を尽かされて小姑化されたら……まぁ、あいつにはこれ以上ないほど醜態をさらしまくって来たから、いまさら恋人解消なんてことにはならないだろうが……今日みたいに気軽なお家訪問ができなくなる可能性がある。 そいつはなんとか回避したいところだ。 というわけで、俺はその場を取り繕おうと思い、日向ちゃんに声をかけようとしたのだが―― 「にゅふっ……そっか」 なぜか日向ちゃんは呆れてもなかったし怒ってもなかった。 それどころか随分と上機嫌になって、にこにこ笑顔でハンバーグの攻略を再開していた。 正直わけがわからん。 その時の俺を傍から見ていたら、相当間抜けな顔が拝めただろうな。 「あのさ、高坂くん、ありがとね」 「んん? いや、だから遠慮せず食っていいって」 「ぶふぅっ。やめてよ、ハンバーグ吹くじゃん」 日向ちゃんは可笑しくてたまらないと言った感じで、 「あ、でも……そっか、『情けないところも好き』か……そーいうことなのかなぁ」 などと、なにやらふむふむと1人で納得し、 「ま、とにかく。今後ともよろしくね、お兄ちゃん!」 と、終始笑顔でお願いしてきたのだった。 相当混乱していた俺は、その時初めて日向ちゃんから「お兄ちゃん」と呼ばれたという事実に、かなり後になってから気付くことになる。 さらに言うと、日向ちゃんの真意を「はー? まだ気付いてなかったの? さすがお兄ちゃん」などと呆れながら解説してもらうには、更なる月日を必要とした。 「あのね、奥手で、不器用で、初デートに『あの衣装』で出陣するようなルリ姉が、ちゃんと恋愛できてんのかなって心配してたの。高坂くんが引きまくってたり、イヤイヤ付き合ったりしてるんじゃないかってね。でも、ルリ姉のことわかってくれた上で、喜んで付き合ってくれてるみたいだったし、なにより」 「『あのルリ姉より奥手で、不器用で、情けない人』なんだってわかったから。ホッとして、よかったなって思ったんだー」 その解説を聞いて、「ああ、黒猫はいい妹を持ったな」と思う前に、「実姉同様俺にも容赦ねえなこのクソガキ!」と叫んだ俺を誰も責められはしまい。 そうだろう? さて、話をファミレスに戻そう。 ここで終わっていれば、微笑ましい青春の1ページと言えなくもなかったんだがな。 残念ながら、俺にはまだ、語るべきことがある。 そう、妹からの人生相談だ。 「ところでさあ、高坂くん」 「んー、なんだー?」 とっくに食事は終わり、現実逃避気味に……いや、誤魔化してもしょうがない。雑談でお茶を濁していた俺達だが、お互いそろそろ現実と戦わなければならないことには気付いていた。 もう「あの不幸な事故」から1時間以上経過してるしな。いいかげん怒りも収まってきているだろう。 おっかなくてメールもしてないし、これ以上時が経つと本気で心配させてしまいそうだ。そんなことになれば、ますます不興を買いかねない。 けどなぁ……はぁ。どうしたものやら。 あれこれと悩んでいると、日向ちゃんが何か思いついたようにぱんっと拍手を打った。 「あっ! そうそうあれがあるんだー、人生相談ってヤツ?」 「ほう、そう来たか」 黒猫から聞いたんだろうな。「……っふ……あの雄はね、妹から人生相談を持ちかけられると何でもホイホイ聞いてしまう哀れな家畜なのよ」とでも言いやがったに違いない。 OKだ。ならばその期待に応えてやろうじゃないか。 相談してくる内容も予想付いてるしな。 「ルリ姉をからかいすぎて家を追い出されちゃったあたしは、どう謝ったら許してもらえると思う?」 そろそろ、状況が知らされずイライラしてる人もいるだろう。 現状を簡潔にまとめてみたい。 今日の朝だ。黒猫との逢瀬を楽しみにしすぎていた俺は、予定時刻の1時間も前にルンルン気分で五更家を訪れた。 たまたま玄関を掃除していた日向ちゃんに案内され、五更家の敷居をまたがせてもらった。 そこで半裸の黒猫と遭遇した。 バスタオル以外何も着てなかった。 珠希ちゃんも半裸だった(と、思う。正直、黒猫に目が釘付けになってあまり見ていなかった)。 湯上りでほんのり朱に染まる、黒猫の白い柔肌。バスタオルの隙間から覗くそれが、見る見るうちに真っ赤になった。 「ひゃぁぁぁ~ん、くぁwせdrftgyふじこlp;(日向ちゃんが黒猫をからかっていたようだが、内容は全く覚えてない)」 真っ赤だった黒猫の表情が、違う意味で真っ赤に燃え上がるのが見えた。 その“堕天聖の獄焔(ノヴァ・メギッド)”は“無垢なる冤罪人(ノー・ギルティ)”である俺を“破廉恥な雄(メイル・オブ・エロス)”と“理不尽に罵倒(カオティック・シャウト)”させ……(中略)……日向ちゃんと2人揃って家から追い出された。 説明終わり。 てゆーか、ひどくね? 早く黒猫に逢いたくていそいそと出向いてきたのにこの仕打ち。 誰だ、早起きは三文の徳とか言い出したのは。とんでもねぇ大嘘だぜ。 「だいたいさぁ、高坂くんがいけないんだよ。『ルリ姉の裸見れてほんとは嬉しいんでしょ』って聞いたら、あんなにだらしなく『ま、まぁな。うへへ、黒猫おおおおん!』とか言っちゃうんだもん」 「『うへへ』からは言ってねえよ!? ホントに言ったっぽく捏造するな!」 「でも、あれで完全にキレたのはジジツだよねぇ?」 いや、その、ね? マジやばかったんだって! 風呂上りでしっとり濡れた黒髪とか、ほんのり湯気が立ち上る桃色の肌とかさあ! しかも、恥ずかしがってバスタオルで体を隠そうとするんだけど、強く握りすぎて余計に肌の露出が増えて、またそれが絶妙な感じでチラチラと…… って、だからそんなことはどうでもよくて! 「おまえが姉ちゃんに許してもらえる方法か……俺が黒猫に許してもらう方法と同じぐらいの難題だなそりゃ」 日向ちゃんと俺は、どちらともなく目を見合わせる。 そして同時に漏れるため息。 本当のところを言えば、その方法も道筋も見えてはいるのだ。「そのために」ピザとケーキを買ったんだしな。 お土産として秀逸なチョイスとは言えないが、手ぶらで戻るよりはマシってもんだろう。 つまり、あとはひたすら謝るだけ……なのだが。 はてさて、それが何時間かかるやら。 「ま、ここでグズグズしててもしょーがねえ。戻って一緒に頭を下げようぜ。晩のおかずが闇に消えないぐらいには庇ってやるよ」 「イマイチ頼りないけど、もうそれでいいや。じゃあ矢面はまかせたからね、高坂くん!」 ちぇ、調子の良いガキだな。 けどまあ、いいさ。やってやるよ。 なんたって俺は、妹の人生相談はホイホイ聞いてしまう男ですからねえ。 それにさ。いままで受けた人生相談を、俺は一度も投げ出さなかった。 まったく自慢にもならない、無様でみっともないやり方だったけど、ちゃんと最後までやり遂げてきた。それは俺にとって勲章みたいなもんなんだよ。ちっぽけなモンだけどな! だから今回も、無様にみっともなく黒猫に許しを請うさ。 そしていざとなったらいつものように―― 「いろいろスンマセン! 反省してます! 許して! この通り!」 最近めっきり板についてきた、必殺の土下座を繰り出すだけさ。 おわり
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/27028.html
くろねこもんたーじゅ【登録タグ NexTone管理曲 あんP く 初音ミク 曲 殿堂入り】 作詞:あんP 作曲:あんP 編曲:あんP 唄:初音ミク 曲紹介 縛られているのは嫌いだけど 一人ぼっちじゃ飽きてしまう あんP の11作目。 PVを 6274氏 が、エンコードを kenji氏 が手掛ける。 歌詞 暗闇から爪音をたてて 気付かないよに獲物探してる 一瞬さえ目と目があったのなら ほらもう逃げられない キュートな耳しなやかなしっぽ 揺らしながらきみの待つ場所へ きらり光る首輪で誘惑して ねえ魅惑的でしょ 切ない夜に恋焦がれて 寂しい朝に優しさ欲しいならば その傷口にこの手を当てて 施してあげるから のら猫はまた今日も気まぐれで 恋心いつでも揺れ動くの 愛らしいしっぽに触れたいなら 早く来てとりこにさせてよ 闇に光るつぶらな瞳は 君の本音見分けるレーダー 無関心なふりしてごまかしても ほらお見通しだよ 逃げないように首輪つけて 変わらないまま繋がってるつもりでも ハートの中は錆びついていて いつか割れてしまうの 奪いたいこころがあるとしても 見せかけの愛に興味はないわ どうせ一度きりの夢みるなら 思う存分踊らさせて さりげなく近づいて かわいさ振りまいて 思わせぶりな態度で また君の瞳を狙う のら猫はまた今日も気まぐれで 近付いたと思えばまた離れて 縛られているのは嫌いだけど 一人ぼっちじゃ飽きてしまう 視線浴びて今夜も踊りましょ あの子のことなんてどうでもいいわ 満たされる居場所があればいいの だから私らしくいくだけ 今日は誰を狙おうかしら コメント 追加おつ! -- 名無しさん (2013-10-11 20 13 31) 中毒wwww絵がかわかっこいい! -- ちょり (2013-10-13 10 21 25) 動画も素敵だしミクの独特の声も可愛い♪ -- 紅猫 (2013-10-14 00 11 16) この曲今1番はまってる曲(*^^*) -- 名無しさん (2013-10-16 18 19 08) 歌詞が見たことある内容に雰囲気が似てるな…あと音が軽すぎる。調教は好きだけど -- 名無しさん (2013-10-26 19 37 27) 好きです!! -- 名無しさん (2013-11-22 17 57 21) この歌で、あんpの事を知りました、 -- 良太 (2015-01-15 12 27 35) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/927.html
226 名無しさん@お腹いっぱい。 mail sage 2012/01/24(火) 13 42 18.88 ID Z2k2QyQe0 厨二的雪兎か…… 日向 「る、ルリ姉? ……何コレ?」 黒猫 「……雪うさぎに決まっているでしょう。見て分からないかしら?」 日向 「イヤ分かんないって! むしろ分かる人いないって! 何でウサギにでっかい羽が付いてんのっ!?」 黒猫 「フッ……特別に教えてあげるわ。何を隠そうこの兎は、聖天使の加護を受けし氷晶の精霊なのよ。 その証にほら、御覧なさい。双方の目の色が違うでしょう」 日向 「細かっ! てか止めてよっ、たまちゃんが羽の生えたウサギもいるとか信じちゃったらどうすんのっ!?」 黒猫 「……あなたこそ何かしら、その潰れた柏餅のような雪うさぎは。 それを見て珠希がお腹を空かせてしまったら一体どうしてくれるの」 日向 「こっ、これはあたしの個性だってっ! げーじゅつ的表現なんだってばっ! 図工の先生に『五更さんの作品は個性的でいいですね』って褒められたことあるもん!」 黒猫 「フッ、図工ですって? ズコーの間違いじゃないかしら?」 日向 「ズ……って、それはルリ姉のカラオケでしょっ!」 黒猫 「…………ほう。……たった今、今晩のおかずはピーマン尽くしにすることに決定したわ」 日向 「ひ、ひどっ! おーぼーだ! しょっけんらんよーだーっ!!」 黒猫 「……そこまで言うなら、珠希にどちらの雪うさぎがより優れているか、選んでもらって決着を付けましょう。 ――珠希?」 珠希 「んしょ、んしょっ……。なんですか? 姉さま」 二人が振り返るとそこには、非の打ち所の無い完璧な造形の雪うさぎを作った珠ちゃんの姿があった……。
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/820.html
(if・俺の妹猫がこんなに可愛いわけがないⅡ(前編)からの続きです) ☆ その後すぐ日向が買い物から帰ってきて。 黒猫がシャワーから上がって、珠希ちゃんを起こして、今度は日向がシャワーを使って。 三姉妹揃ってのお出掛けともなると、支度をするのにもてんやわんやだ。 三人が挙って客間に閉じ籠もって何やら始めてから、俺はざっとシャワーを浴び、外出着に着替える。 だが、すっかり俺の準備が整っても、三人は一向に出てくる気配がない。 ……黒猫一人でも身支度に時間が掛かるほうだが、三人となるとそれも相当だな……。 暇潰しがてら、これから行く予定のお祭りのチラシに目を通す。 割と規模の大きいお祭りで、出店も多く、夜には花火大会がある。 かなりの人出になりそうだ。皆と逸れないように気を配らないと……特に日向は目を離すと危なっかしいからな。 それからしばらくして、漸く天岩戸は開かれる。 「……お、お待たせ。兄さん」 その声に、やっとお出ましかと顔を向けると。 ――そこには。 三者三様の雅やかな浴衣を纏った、三姉妹の艶姿があった。 「…………おぉ」 完全にその光景に意識を奪われてしまい、それ以上の言葉が出てこない。 「ど、どうかな。キョウ兄ぃ」 日向の着る浴衣は、涼しげな檸檬色。 髪型はいつものお下げ髪だが、結び目に浴衣と同じ色のリボンを付けている。 服装に合わせてリボンを替えるのが、日向なりのお洒落なんだろう。 天真爛漫な雰囲気の日向には、その明るい色の浴衣はよく似合っていた。 「どうでしょう、兄さま?」 その場でくるっと一回転する珠希ちゃんは、淡いピンク色の浴衣。 髪の片側にはお約束の薔薇の花飾り。もう黒猫のお株を奪うトレードマークになりつつあるな。 その体型も相まって、愛らしさと艶っぽさが入り混じったアンバランスな魅力を醸し出している。 「……似合う……かしら?」 気恥ずかしそうに佇む黒猫の浴衣は……見覚えのある、その名の通り瑠璃色の浴衣だった。 暖色系の浴衣を着た妹たちと並ぶと、一際落ち着いた雰囲気だ。 長い黒髪を纏め上げ、襟元から白いうなじが垣間見える。 そのせいか、普段より幾分か大人びて見えて……少しどきっとさせられた。 「あ、ああ……、よく似合ってるよ。三人とも」 ようやく口に出せたのは、そんなありきたりな褒め言葉。 我ながらもっと気の利いたことが言えないものかと思うが、それでも三人は頬を染め、嬉しそうに微笑んでくれた。 「随分着替えに時間が掛かるなとは思ったが……なるほど、こういうことか」 「ええ。浴衣なんて初めてだったから。……フッ、でもこれで私は理論上浴衣の着付けの達人よ」 「「「…………」」」 理論上の達人が当てにならないことはここにいる誰もが周知の事実なので、あえて誰も突っ込まなかった。 それにしても、浴衣を着た女の子って普段より一段と可愛く見えるよなぁ。 華やかで、優雅で。それでいて、どことなく色っぽくて。肌の露出とか全然ないのにな。 そんな考えを巡らせていると、ふと前からずっと気になっていたことを思い出した。 「そういえば、ひとつ重要なことを確認しておきたいんだが」 「重要なこと? ……何かしら」 俺はキリッと表情を引き締める。 それは、これが事の本質を見極める上で非常に大切な問題であるという証拠だ。 「…………絶対にろくなことを考えていない気がするわ。兄さんがそういう顔をするときは」 「失敬な」 一呼吸置き、俺は予てからの壮大な疑問を口にした。 「浴衣って、下着着けないの?」 「………………」 「っな、なな……!」 「もう、兄さまったら……♥」 黒猫に冷たい視線を浴びせられ、日向はわなわなと動揺し、珠希ちゃんはくすくすと悪戯っぽく笑う。 何ていうか、実にこいつららしい三者三様のリアクションを返された。 ……ってか、男子なら当然の疑問だよな!? あ、いや、決して疚しい気持ちで訊いているわけじゃないぞ!? 妹たちの状態を把握しておくのも兄の務めというか、何かあったときに対処できないと困るというかだな……っ! 「……はぁ……そんなことだと思ったわ。……着けているに決まっているでしょう」 「そ、そそ、そーだよっ。着てるに決まってるじゃん! キョウ兄ぃのエッチっ!」 やれやれといった風の黒猫とは対照的に、やけに慌てた様子の日向だったりする。 分かりやすいというか、隠し事ができない性質というか……こういうときのこいつは、大抵何かあるんだよな。 ……まさかとは思うが……。 「そんなこと言って。お姉ちゃん、最初パンツまで全部脱いでいたじゃないですか」 「うわーーッ! うわーーーッ!!」 ……やっぱりか。 大声で珠希ちゃんの台詞を遮ろうとするが、時既に遅し。 「日向、お前…………ぱんつ穿いてないの?」 「はっ、穿いてるから!! さ、最初はその……和服のときは“着けない”って聞いてたからさっ……」 顔を真っ赤にしてしどろもどろに弁明する日向。 まあ、今回ばかりはそんな日向のお陰で俺の面目は保たれたわけだが。 「ホラ、そういう認識の人もいるってお前自身が証明してるじゃん。別に俺がエッチなわけじゃないだろ?」 「う、うぐっ……」 痛いところを突かれたように、言葉を詰まらせる。 だが、他の二人の姉妹はと言えば。 「……日向はともかく、兄さんが言うとセクハラにしか聞こえないのよ」 「日頃からエッチことばかり考えているからですよね」 「ははは、何か俺という人間を誤解してないかい、君たち?」 爽やかに諭しても、妹たちは呆れ顔のまま。 どうやら、面目が保たれたと思ったのは気のせいだったようだ。 ……がっくりと肩を落とす俺だった。 すると、そんな俺を慰めるように珠希ちゃんが声を掛けてくる。 「そんなに気を落とさないでください。兄さまがエッチなのは事実ですけど、半分は的を射ているんですから」 ……『半分』? どういうことだ? とりあえず、事実云々の部分は華麗にスルーしておく。 「パンツは穿いてますけど、ブラは着けてませんよ?」 「…………なん……だと……?」 珠希ちゃんから、再びの暴露発言。 俺はクワッと双眸を見開き、三姉妹の胸部を凝視する。 最早セクハラを通り越して変態の域に達している気がするが、兄妹なのでギリギリセーフ。だよな? 「お、お前ら……、の、のーぶ……?」 「どっ、どどどこ見てるんだよキョウ兄ぃっ!」 俺の視線に気付いた日向が慌てて両腕で胸を隠す。 見れば黒猫も同じ格好で後ろを向き、真っ赤な顔で俺を睨んでいる。 ひとり珠希ちゃんだけが気にも留めずにぽやーんと立っていた。 「ごっ、誤解のないように言っておくけれど……、何も着けていないわけではなくて、胸はさらしを巻いているのよっ」 「さらし……? さらしって、あの包帯ぐるぐる巻きみたいな、アレ?」 「そ、そうよ」 ほう。 あれって極道の姐さんとか、男装の麗人とかの御用達だと思っていたが。 「和服を着るときは、なるべく体の凹凸を抑えたほうが見栄えもいいし、着崩れもおきにくいのよ」 自称着付けの達人さんが、どこかのHPの丸暗記のような説明を口にする。 「その為の『和装用ブラ』なんていうのもあるみたいですけど、わざわざ買うのも勿体無いですし」 「それでさらしをグルグル巻いて補正してるってワケ」 なるほどな。 見栄えに拘るというか、見えないところも手を抜かないのはコスプレイヤーとしての習性かね。 日向はコスプレはしないけど、姉妹のそういう姿を日常的に見てれば嫌でも知識は身に付くだろうし。 「でも、それなら別に恥ずかしがることないじゃん」 「キョウ兄ぃの目がエッチっぽかったからだよっ!」 そうかなー。 単に兄として心配しただけなんだがなぁ。 だって、可愛い妹たちのぽっちが見えちゃってたりしたら大変だろ? なんて、口に出しては言わないけどね。本気で目を潰されそうだから。 「さらしなんて巻いてもらったの初めてで……結構苦しいものなんですね。浴衣ってもっと気楽なお召し物だと思ってました」 「あー、珠ちゃんは無駄におっきいから、思いっきりきつく巻いてあげたからねっ」 「む、無駄……? ……ふっ、お姉ちゃんはいいですよね。大して苦しくなさそうで」 「あ、あたしだって苦しいって! しょーがないじゃん、あんまり出っ張ってないほうがいいって言うんだから!」 「………………」 ……俺の数ある特殊能力のひとつ、〝負の想念〟を感知する能力が、急速に増大していく〝それ〟を感じ取った。 探すまでもない。それは、この話題に入れない長女のほうから発せられている。 この世の全てを呪わんばかりの強大な怨念だ。や、やっぱり結構気にしているんだな……っ! 日向も珠希ちゃんも、当人に悪気は全く無いんだろうが、ここでその話題は〝禁忌(タブー)〟だろ! 間違っても「そもそもさらしも必要ない人は」とか口走るなよ? その命が惜しかったら! 「さ、さて! 準備もできたみたいだし、そろそろ出掛けようぜっ?」 「……そうね。花火が始まる前に、ゆっくり見て回る時間が無くなってしまうわ」 「うんっ、早く行こー! 出店、どんなのがあるかな~♪」 「お姉ちゃん。はしゃぐのはいいですけど、無駄遣いは駄目ですよ?」 ふぅ。俺のナイスフォローによって、とりあえず世界滅亡の危機は去ったようだ。 そんな気苦労も知らず、三姉妹は和気藹々と玄関へ向かっていった。 やれやれ、寿命が縮まったぜ。 ……これだから、こいつらは放っておけないんだよ。 ☆ そうして祭りに出掛けた俺たちは、花火が始まるまでの間、出店を巡って時間を潰した。 金魚すくいでは、日向がまさに獲物を狙う猫のような俊敏さを発揮して、店の金魚を一掃する勢いだった。 運動神経だと、こいつは姉妹の中では飛び抜けているからな。 まあ結局、そんなに大量の金魚は家では飼えないので、最後には全部お店の人に返したが。 射的では、黒猫も然ることながら、珠希ちゃんの射撃の腕前が凄かった。 どうやっても動きそうにないでかいぬいぐるみを、要所要所に的確に弾丸を撃ち込んであっさりと落としてしまったのだ。 ただ、最後の一発のときに仰々しいポーズを取って「ティロ何とか!」とか叫ぶのは恥ずかしいから止めてほしい。 型抜きでは、やっぱり黒猫の手先の器用さが際立ってたな。 珠希ちゃんの腕も黒猫に負けず劣らずだったが、今回はスピードの面で黒猫に軍配が上がった。 俺と日向? ……開始10秒で割れたよ。くすん。 と、まあ。 多少お金はかかるが、折角遊びに来たんだし。 こういうときくらいは気兼ねなく思いっきり楽しまないとな。 そうして、一通り出店を堪能した俺たちは、大通りから少し離れたベンチで一休みすることにした。 「ふー、いろいろやったらお腹空いたねー。何か食べようよ~」 日向が、ヨーヨー釣りで釣り上げた水風船を片手でぽんぽんしながらそんな提案をする。 「わたあめならありますよ?」 メルルのキャラが描かれたわたあめの袋を見せる珠希ちゃん。 「それよりも、もうちょっとお腹に貯まるものが食べたいわね」 ベンチに腰を落ち着ける黒猫の頭には、マスケラのお面。 三人とも、それぞれの戦利品にご満悦の様子。 楽しそうなこいつらを見ていると、こうして出掛けてきた甲斐もあるってもんだ。 にしても、そうだな。花火が始まる前に腹ごしらえしておくか。 「んじゃ、たこ焼きでも買って来るわ」 ちょうど食べたいと思ってたとこだったしな。お祭りとくればたこ焼きだろ、やっぱり。 妹たちをベンチに待たせて、俺は食料の調達に向かった。 出店が立ち並ぶ大通りは相変わらずの人ごみだが、それでもさっきまでよりは多少人影も減っているようにも見える。 花火の開始時間が近くなってきて、皆そちらの会場に移動しつつあるのだろう。 俺たちも、一息ついたら早いとこそっちに向かわないとな。いい場所が埋まっちまうぜ。 ……だが、何故だろう。 花火の時間が迫るにつれ、俺の心の中に言い様のない、もやもやとした気持ちが湧き起こっている。 黒猫も、日向も、珠希ちゃんもお祭りを楽しんでいるし、俺だって楽しい。その筈なのに。 俺はぶんぶんと頭を振り、その良く分からない気持ちを払拭する。 折角のお祭りだ。深刻に考えていても仕方ない。 今は、お腹を空かせている子猫たちに、早くご飯を届けてあげないとな。 程なくして目的の物を手に入れた俺は、小走りで妹たちの元へと戻るのだった。 「――お待ちどう。買ってきたぜ」 「お疲れさま。はい、どうぞ。兄さん」 買ってきたたこ焼きのパックを黒猫に預けると、それと引き換えのように紙コップを手渡される。 中には、よく冷えた麦茶が注がれていた。 「お、サンキュ。飲み物持ってきてたのか」 見ると、黒猫の座るベンチの傍らに水筒が置かれている。 俺以外の三人には既に麦茶は行き渡っているようだった。 さすが、五更家自慢の長女は気が利くぜ。 俺はそれをぐいっと一気に呷り、渇いた喉を潤す。 もう一杯頂こうかと、水筒に手を伸ばすと。 爪楊枝に刺したたこ焼きをふーふーしていた黒猫が、何故かこっちをじーっと見つめているのに気付いた。 「ん。……あぁ、熱いかも知れないから気をつけろよ?」 こいつ猫舌だからなー。黒猫だけに。 「……そ、それなら……兄さんが先に食べて確かめて貰えるかしら……っ?」 そう言って、黒猫はたこ焼きを刺した爪楊枝を俺の顔の方へ差し向ける。 へ? ……こ、これはもしかして……それを「あーん」して食べろってことかっ? 「よ、楊枝が2本しか入っていなかったのよ……。だから、は、早くして頂戴」 顔を真っ赤にして、楊枝を持つ手はぷるぷる震えている。 何とも可愛らしい光景だが、あまりこのままにしておくと、刺さったたこ焼きが地面に落下しそうだ。 「そ、それじゃ……、はむっ」 俺は差し出されたたこ焼きを頬張り、はふはふと咀嚼する。 「……どう、かしら?」 「うん、旨い。ちょうど食べ頃じゃねえかな」 「そう。……ふふっ」 目を細め、嬉しそうに微笑む黒猫。なんか、ここだけ見ればちょっとデートっぽくて照れくさい。 ……が。 「あーっ! ルリ姉、ズルいっ!」 「さ、流石ですね。姉さま……」 ……こいつらがいるんだった。 「ず、ずるくないわよ。さっきも言ったけれど、爪楊枝が2本しかないのだから。皆で一緒に使うしかないでしょう」 「みんなで一緒……? にゅふっ、それじゃー次はあたしの番だねっ! ……って、もう楊枝がないっ!?」 「はい、兄さま。あーん♥」 「た、珠ちゃんっ、いつの間に!? ってか、順番的に次にキョウ兄ぃに食べさせてあげるのはあたしでしょーっ!」 「ふっ。そんなの、早い者勝ちに決まってるじゃないですか」 「き、キョウ兄ぃだってそんなに一遍に食べられないって!」 「平気ですよね、兄さま? さ、お口を開けてください」 「わ、分かったからお前ら少し落ち着けっ!」 ……結局、3個連続で熱々のたこ焼きを食べさせられる羽目になった。 どうしてこう、この姉妹は妙なところで張り合うんだ……。 歳が近い姉妹ってのは、どこもこういうもんなのかね? ☆ ――そうして、花火大会が始まった。 会場の河川敷に移動した俺たちは、河原の土手の一角で人ごみに混ざる。 立ち見になるが、ポジションとしては悪くはない。 日向と珠希ちゃんを前にして、その後方に俺と黒猫が並ぶ格好だ。 ――ぱぁん。――ぱぁん。 漆黒の夜空に咲く色とりどりの炎の花に、黒猫も、日向も、珠希ちゃんも目を奪われている。 だが、先程から俺の目に映るのは……そんな花火の光に照り返る、傍らに佇む恋人の横顔だった。 それは、本当に綺麗で。 今日一日、本当に楽しくて。 でも、湧き上がるこの気持ちは―― ――足元が消えてしまうような不安と、暗闇に取り残されたような焦燥――? 「……えっ、き、京介っ?」 気付けば、俺は黒猫の手を引いて人ごみを抜け出ていた。 そのまま早足でぐいぐいと黒猫を引っ張って歩いていく。 背後で黒猫が何度か言葉をかけてきたが、このときの俺の耳には全く届いていなかった。 ただひたすらに歩き辿り着いた先は、すっかり人気(ひとけ)の無くなった神社の境内だった。 特別に意識してここを目指したわけじゃない。ただ、人の居ないほうへと進んできただけ。 そこで漸く歩みを止め、手を引いてきた黒猫のほうへ向き直る。 「……突然、一体どうしたのよ……京介……?」 俺の早足は、黒猫にとっては小走りに近かったのだろう。少し息を荒げて、小さな肩を上下させている。 そして、乱暴に引いてきたせいか、折角綺麗に纏めていた髪が解け、知らぬ内にいつもの髪型に戻っていた。 月明かりに照らされる、瑠璃色の浴衣。そして、黒猫の長い艶やかな黒髪。 その姿が、俺の記憶にフラッシュバックして―― 「……京介……、……泣いているの……?」 黒猫にそう言われて、俺は自分の目から涙が零れていることに気付いた。 そのまま、全身の力が抜けたかのように膝を折る。 ただ、黒猫を引いてきた手だけは、ずっと握ったままに。 黒猫は唯々心配そうに、一緒になって屈み込み、ハンカチを取り出して俺の目元を拭ってくれた。 そんな黒猫の慈しむような優しさに、俺の感情は堰を切って溢れ出す。 「…………かないで、くれ……」 「……えっ?」 「……何処にも……行かないでくれ……っ。俺を、一人にしないでくれ……頼むから……っ」 脳裏に甦る、あの日の〝儀式〟。 ――『先輩と、別れる。』 そのたった一文が、俺たちの心に深い傷を刻み込んだ。 夜空に咲いて散る花火のように。月に攫われるかぐや姫のように。 夏の夜に忽然と消えてしまった、俺の“恋人”――。 確かに、それで全てが終わってしまったわけではない。 長い道程は、まだ続いている。〝呪い〟は未だ、解かれていない。 そうやって俺は、仮初の免罪符を得て、納得したふりをして、その傷を心の奥に封印していた。 だが、その封印が一度解かれてしまえば――こんなにも弱い、こんなにも脆い俺の本性が曝ける。 怖かった。再びあの一文を見せられるんじゃないかと。 怖かった。また俺の目の前から黒猫が消えるんじゃないかと。 そして思い知った。俺の心はもう二度と――“黒猫を失うことに耐えられない”と。 ――俺にとって、いつしか黒猫はこんなにもかけがえのない存在になっていたのだ。 握った手に力がこもる。それを離すまいとするかのように。 もう決して、攫われないように。 「…………怖い、夢を見たのね」 そう言って黒猫はそっと俺の頭を抱き、そのまま自分の胸元に埋めた。 黒猫の温もりと、少し高鳴った鼓動が、直に俺に伝わってくる。 穏やかで、暖かい抱擁だった。 「莫迦ね。……何処にも行く筈がないでしょう。私たちはずっと一緒だったのだから。今までも、……これからも」 そして、握られていないほうの手で、俺の髪を優しく撫でてくれた。 まるで、幼子をあやすように。 実際、今の俺は駄々を捏ねて泣く子供と一緒だ。 本当に情けない。これじゃ、へたれと言われても仕方ないよな……。 「京介は一人になんかならないわ。私が、いつまでも……例え来世までも……ずっと傍に居るから」 そんな俺を、黒猫は見捨てずにいてくれるだろうか。 「それに、日向や珠希も。あの子たちが、京介から離れるわけないでしょう?」 こんな俺を、日向や珠希ちゃんは頼ってくれるのだろうか。 「それでも、まだ不安だって言うのなら……」 黒猫は抱えた俺の頭を静かに離し、俺と目線を合わせる。 俺の頬に添えられた黒猫の掌が、とても温かかった。 「――――〝証〟を……あげるわ」 そう言って、黒猫は潤んだ瞳をそっと閉じる。 月明かりに照らされる長いまつげと、桜色に紅潮した頬。 その可憐な唇が、ゆっくりと俺に近づいて―― pipipi♪――pipipi♪――! 「「――――っ!?」」 刹那、静寂を破る電子音に、触れ合う寸前の俺と黒猫は驚きのあまり反射的に飛び退った! ――な、何だよ! こんないい場面でっ!! 落ち着いて探ってみると、その音は俺の懐から発せられているようだった。 ……くっ、何だ、ケータイかよ。ビックリさせやがって……。 ケータイを取り出し、ディスプレイに表示されている着信相手を見る。 『日向』 「……げ」 しまった。気が動転していて、あいつらに黙って黒猫を連れて姿を消してしまったんだった。 ど……どうする。何て説明すれば……? 「……貸して。私が出るわ」 当惑する俺からケータイを取り上げ、黒猫はその通話ボタンを押す。 『キョウ兄ぃっ! ナニ勝手にどっか行っちゃってくれてんのっ!? 今ドコっ!?』 きーん。 スピーカーに耳を当てなくても、日向の大声は俺の耳にもしっかりと響いてきた。 黒猫も予想していたのだろう。最初からケータイを耳には添えず、顔の正面に構えたまま話し出す。 「……少し落ち着きなさい、日向」 『あれ……ルリ姉っ? や、やっぱりキョウ兄ぃと一緒だったんだっ!? ふ、ふふたりで一体ドコでナニを……っ!?』 『兄さまと姉さま、ご一緒なんですかっ? お姉ちゃん、ちょっと私にもお話させてくださいっ!』 『ちょっ、ケータイ引っ張んないでってば! 今あたしが話してるんだから!』 ……何だかえらい騒ぎになっていた。 「べ、別に何もないわ。……私がお花を摘みに行くのに、一人じゃ不安だったから兄さんに付き添って貰っただけよ」 『な、なんだ、そーいうこと……。って、ちゃんと言ってってくれないとさ、急に居なくなってたらビックリするじゃん!』 「それは……悪かったわ。あなたたち、花火に夢中になっていたから、水を差してはいけないと思って」 黒猫の機転に救われながらも、流石に自己嫌悪せずにはいられない。 あいつらに心配をかけたばかりか、黒猫に嘘まで吐かせてしまった自分に。 ……こんなんじゃ、兄貴失格だろ。 後で、きちんと埋め合わせしないとな。 俺は黒猫に「代わってくれ」と右掌を差し出す。 『どーしよ? どっかで待ち合わせする?』 「――いや、そっちに戻るよ。さっきの場所の近くに居てくれ」 『キョウ兄ぃ? ……うん、分かった。待ってるからね』 「……日向」 『ん?』 「……悪かったな。珠希ちゃんにも、そう伝えておいてくれ」 『――私たちなら大丈夫ですよ。でも、早く戻ってきてくださいね? お待ちしていますから』 『わっ、珠ちゃん! あたしのケータイっ!』 ――pi。 通話を終了し、ケータイを懐に仕舞う。 「黒猫も……悪かったな。変な気を遣わせちまって」 「別に、構わないわ。……いつも通りの京介に戻ってくれたみたいだから」 そう言われて気付く。 黒猫の優しさに触れ、日向や珠希ちゃんの心配する声を聞いて、俺の心の波紋はすっかり凪いでいた。 今更ながら、自分のあまりの情けなさに顔から火が出そうだ。 「す、すまん……みっともないところを見せちまった」 「ふふっ、それこそ構わないわ。むしろ、ありのままの気持ちを私だけに見せてくれて、嬉しかったくらいよ」 黒猫はそう言って頬を染め、本当に幸せそうな微笑を浮かべる。 間近で見た、月明かりに照らされた“あの時の顔”も捨て難いが、やっぱり笑顔の黒猫が、俺にとっては一番愛おしかった。 「……そういえば、〝証〟……って……」 そう言いかけた俺の言葉にびくっと反応し、黒猫はいそいそとこの場を立ち去ろうとする。 「ちょっ……」 「き、今日は残念ながら星の巡りが悪くて魔力が足りないようね。フッ、〝儀式〟はまた後日改めて執り行うことにするわ」 やけに芝居がかった例の調子で意味不明の言い訳をする黒猫。 どうやらタイミングを逃して、すっかり照れてしまったようだった。 「……後日また、してくれんの?」 「な……何を期待しているのよっ、莫迦。べっ、別に『する』と決めているわけではないのよ……っ?」 虚勢を張って切り返すその顔は、もう耳まで真っ赤だ。 ああもう、本当に純情で可愛いなぁ、俺の恋人は。 「な、何をにやにやしているのよ……。全く、は、破廉恥な雄ね」 どんな破廉恥なことをするつもりだったのかじっくり聞いてみたい気もするが、これ以上苛めるのも可哀相だ。 俺は黒猫に歩み寄り、そっとその手を握った。 さっきとは違い、優しく、慈しむように。 「ひゃ。……き、京介?」 「人ごみが流れてるから、逸れないように、な。……んじゃ、戻るとするか」 「…………そうね……ふふっ」 そう言って、黒猫も俺の手を柔らかく握り返してくる。 どちらからともなく、その指が絡まる。それはまるで、二人の想いを確かに繋ぎ合わせるかのように。 俺たちはお互いに微笑み合い、ゆっくりと歩き出した。 淡い明かりが、繋がった二人の影を作る。 今夜の月は、瑠璃色のかぐや姫を、いつまでも攫うことは無かった。 -END-(if・俺の妹猫がこんなに可愛いわけがないⅡ)
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/144.html
用語 メガ猫 読み方 めがねこ 初出 2ch黒猫スレ 解説 「眼鏡をかけた黒猫」の略。 黒猫の対京介用の最後の手段。 ギガ猫とかテラ猫はいません。
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/3217.html
《高坂 桐乃&黒猫(008)》 キャラクターカード(コンビ) 使用コスト2/発生コスト2/黄/AP30/DP10 【ネコミミ】/【オタク】 〔コンビ〕 このカードがアプローチに参加した場合、デッキの上のカード3枚を見て、その中にあるカード1枚を手札に加える。その後、残りのカードを任意の順番でデッキの下に移す。 (早く行かない? あたし、ありす+のブースに用があるんだけど。) 俺の妹がこんなに可愛いわけがないで登場した黄色・【ネコミミ】【オタク】を持つ高坂 桐乃と黒猫のコンビ。 アプローチした時にデッキの上のカード3枚を見て、その中から1枚を手札に加え、残りのカードを任意の順番でデッキの下に戻す効果を持つ。 万能サーチカード。手札に加えるカードに制限はなく、非常に使いやすい。 アプローチすれば毎ターン手札を増やせる。何気にデッキ操作も行える。 3枚のカードから好きに選べるので、更なるコンボに繋げることも可能。 アプローチフェイズ中に発動するので、コンバットトリックを手札に加えられれば強力。 《船見 結衣&歳納 京子(P002)》《伊波 まひる&種島 ぽぷら(P005)》と全く同じテキストを持つ。 カードイラストは版権絵。フレーバーは第4話「俺の妹が夏コミとか行くわけがない」での桐乃のセリフ。 関連項目 《船見 結衣&歳納 京子(P002)》 《伊波 まひる&種島 ぽぷら(P005)》 収録 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 01-008 パラレル 編集
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/656.html
ここは、2011年6月8日に発生した 黒猫の胸パッド疑惑事件のまとめページです。 事件の発端 47スレ目15 疑惑の画像 黒にゃんの自演直前の投票数まとめ 胸パッドに決まっている 56票 胸パッドなわけがない 11票 黒にゃんの自演直後の投票数まとめ 胸パッドに決まっている 56票 胸パッドなわけがない 211票(+200) 現在の投票所の様子 アンケート:黒にゃんの水着にパッドが入ってるかどうか 関連SSまとめ ソースは 俺 47スレ目323/◆y8MRojr2/6 ※本物派 偽りの肉体:47スレ目342(長編)/◆h5i0cgwQHI ※偽乳派 偽造Twitter・例の疑惑編:47スレ目364(小ネタ) ※もしもツイッターで取り上げられたら…… 『緊急特番!胸パッド増量疑惑事件を切る』:47スレ目734/◆F9eLQtUjcI ※沙織解説編 関連レスまとめ 47スレ目 24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 05 12.53 ID /UTAY2cc0 よく見たら不当に膨らみが大きいし、形がどうも不自然だな・・・ 俺の視覚野は偽乳パッド判定を出したが 紳士諸賢の判断や如何 25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 06 52.20 ID LGTeQfPs0 24 き、きき生地が厚めなだけよ…… 28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 12 09.85 ID RTLlFT2y0 胸部の中央に谷間はおろか下乳も寄っていないのにあの膨らみは不自然だ 偽乳に10票 29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 15 41.98 ID Gy5DoQUE0 このスレどんだけ黒猫に厳しいんだよw 30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 16 06.20 ID N1ulwP4O0 (ツ ´ ̄ ` (ツ | | _」L」|」 |(i」# - ソ」 <鬱欟檳檻樞歿汪楴槎槃榜棆棕掬楾楷欖棗梭樸檢殀――…… |_/i}笊/ ̄ ̄ ̄ ̄/ カタカタカタ . _____ クつ/ ヤミノセカイ /__ \/____/ 31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 16 43.86 ID /1y8jmzK0 黒猫はパッドの使い手 32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 23 59.31 ID K8aMtWYk0 パッド取れたら浮いて見えちゃうぞ 33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 26 16.22 ID X06nEj460 29 みんな瑠璃ちゃんを愛しているんだよ だから 弄りたいw 34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 28 03.79 ID N1ulwP4O0 黒猫スレなのに黒猫の水着姿にパッド判定が入るとか 自己評価の低い黒にゃんのスレだからなのかwww 35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 31 49.42 ID K8aMtWYk0 いや……前科ありだからな 37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 33 46.12 ID RTLlFT2y0 いじりでもいじめでもない。刮目してよく見るんだ 向かって右の乳を見るにそこそこボリュームがあるが その割に胸骨にシワが寄っていないし影も差していないじゃないか むしろ影を見ると不自然に水着が浮いているように見える 女性経験が豊富なら、まず間違いなく盛っていると思うはずだ まあ俺童貞だけど 39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 43 10.69 ID t/9e1TGK0 お、俺童貞じゃないからこれはパッドだと思うよ、ウン 40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 48 32.84 ID eP5ZEGiS0 ま、まあ、このぐらい一目見ただけでわかるよな。 41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 52 03.14 ID YrsMbmMi0 さあ、決着をつけようじゃない。 http //www45.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/652.html 43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 54 02.62 ID Jw0TaLj00 おまえら、事実でも言っていいことと悪いことがあるんだぞ… 44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 56 41.50 ID eP5ZEGiS0 誰かパッドじゃない票入れてやれよ。。。 45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 57 40.59 ID Jw0TaLj00 瑠璃ちゃん本人が投票したようです…。 46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 20 58 25.33 ID ZYvMA5Xa0 44 嘘をつくとあやせたんに舌を引っこ抜かれちゃうだろ 47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 01 00.96 ID ooEiP83K0 あれこれどっちにいれても胸パッドに決まってるになるわけじゃないんだ。 じゃあさっきのは単にエラーか何かかな 48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 03 06.41 ID A31n3xoX0 41 なるほど、アンケートページはこんな感じに使うわけかw 納得www 49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 03 40.35 ID eP5ZEGiS0 47 そんな鬼畜なシステムだったら笑うわw 50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 08 13.03 ID ooEiP83K0 どうやら俺のPCはそんな鬼畜なシステムみたいだ。 他の人はどうなのかな? 51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 09 33.30 ID A31n3xoX0 みんな、 50は黒にゃんだ! だまされるな!!! 52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 11 48.07 ID tHQAwPjC0 黒猫さん、自作自演はともかく多重投票はダメですよ 53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 12 01.64 ID K8aMtWYk0 鬼畜システム吹いた 54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 13 37.06 ID CkGU7lui0 アンケ機能を有効に活用しておるな 56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 17 38.22 ID cqzHerQi0 待て待て、そういう絵柄かもしれないし、比較対象もなしにパッドか否かを判断するのは早計だ ここはきりりんさんの胸の感じと比べてみるべき ttp //www.gazo.cc/up/41896.jpg 58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 18 08.62 ID 75aETZUW0 パットの入ってない水着なんかスク水以外ないよ 59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 18 19.74 ID N/W7dvFq0 (ツ ´ ̄ ` (ツ | | _」L」|」 |(i」*゚-゚ソ」 <試しに『胸パッドなわけがない』に投票してみたら?……っと |_/i}笊/ ̄ ̄ ̄ ̄/ . _____ クつ/ ヤミノセカイ /__ \/____/ 60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 19 55.87 ID NrmC5QbR0 56 桐乃よりデカくするまで盛るとか瑠璃ちゃんマジ見栄っ張り 61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 20 56.42 ID cqzHerQi0 58 尤もな主張だが、ここで問題になるのは 「どれだけの量を入れているか」かつ「その量が過度ではないか」 ということだ。まあ各自 56と見比べて判断されたい 62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 22 21.50 ID O1JK4+YG0 なんだなんだ、また乳戦争が始まるのか? 64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 23 51.32 ID QbWzRRX/0 41 アンケート ワロス 55 気のせいかまた黒猫が縮んでるような… 65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 23 51.65 ID X06nEj460 ぐはっ 神猫 いいじゃん 早く予約開始されないかな? はっ 三木の思い通りに・・・ 胸パッドだけど 神猫のくだりがなければ 否定派に 回ったけどねぇ ふさたんのバラシが悪いw 68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 27 44.53 ID Kw0nZAGG0 神猫figmaかぁ。こういう類に手を出したことはないから先達に教えてもらいたいんだが 買ってどうするの? どうすればいいの? 56, 60 これ当日黒猫も「や、やりすぎてしまったわ」と思ってるだろw 78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 49 13.84 ID w15SlcZU0 アンケ見たけど、みんな黒猫に厳しいな 85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 21 56 18.72 ID Kgz6V0i60 78 愛さ 91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 22 11 48.54 ID B0ATu3gP0 フッ、我が魔力にひれ伏すがいいわ。人間風情が工作しても無駄なことよ。 http //www45.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/652.html 92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 22 12 24.32 ID DcowPeFl0 工作すんなよw 94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 22 14 58.08 ID K8aMtWYk0 必死だな
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/4516.html
《黒猫&高坂 桐乃(207)》 キャラクターカード(コンビ) 使用コスト5/発生コスト1/黄/AP40/DP30 【ネコミミ】/【ヘッドフォン】/【オタク】 〔コンビ〕 このカードは、自分のターンの間、+20/+20を得る。 このカードがアプローチに参加した場合、カードを2枚引く。その後、手札1枚をデッキの下に移す。 (あんた、ごてごてしたカッコやめたら普通に可愛いじゃん。) 俺の妹がこんなに可愛いわけがないスペシャルパックで登場した黄色・【ネコミミ】【ヘッドフォン】【オタク】を持つ黒猫と高坂 桐乃のコンビ。 自分ターンの間にAP・DPが20上昇する効果、アプローチした時にデッキからカードを2枚引き、手札1枚をデッキの一番下に移す効果を持つ。 自分ターンの間は実質AP60・DP50のキャラとなる。 誘発強化としてはほぼ無条件で、アタッカーとして強力。 さらにアプローチすれば2枚ドローできる。 手札をバウンスする必要はあるが1枚づつなので、数回アプローチすればこのカードの登場コストを取り戻せる。 コスト5のコンビキャラなので非常に出しにくい。 《高坂 桐乃(001)》などを活用して出したいところ。 カードイラストは版権絵。フレーバーは第4話「俺の妹が夏コミとか行くわけがない」での桐乃のセリフ。 後にWINNERカードが登場した。 関連項目 WINNER 収録 俺の妹がこんなに可愛いわけがないスペシャルパック 02-007 パラレル,WINNER 編集
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/774.html
「――だよ、起き……」 何だ……? 意識の遠いところから、誰かに呼ばれる声がする……。 「――朝だよ、起きてっ、起きてってば~っ」 ……誰だっけ、この声……。どっかで……聞いたことがある、ような……。 「もー! 起きないとルリ姉に言って、朝ごはん抜きにしてもらうからねっ?」 ルリ姉……? ああ……そうか、この声は……。 「……ふぁぁ……、……何だ、日向ちゃんか」 深淵に沈んだ意識を引き戻し、重い瞼をゆっくりと開く。 「やっと起きた? キョウ兄ぃ」 「……へ? きょう……にぃ?」 まだぼやける視界の中、耳に飛び込んできた聞きなれないフレーズ。 ……はて、この声は日向ちゃんで間違いないと思うが。 だとしたら、一体どういう風の吹き回しだ……? 「ん? どうしたの?」 「……どうしたもこうしたも、お前、俺のことそんな風に呼んだこと……」 「へ?」 むくり、と上体を起こし、傍らに立つ日向ちゃんのほうに向き直った俺の目に映ったのは―― 「……もー、まだ寝ぼけてるの?」 「…………えっと」 ごしごし。 服の裾で瞼を拭ってみる。 数回瞬きをして、深呼吸。 よし。気を取り直して、もう一度日向ちゃんが“居るはずの”ほうを凝視する。 「今朝のキョウ兄ぃは一段と寝起きが悪いなァ。いつも起こしてるあたしの身にもなってよねっ」 「…………何から突っ込んでいいか分からないが、とりあえず、だ」 「うん?」 「……どちら様ですか?」 呼び名とか、いつも起こしてるとか、そんな些細なことはどうでもいい。 いや、良くはないがとりあえず置いておこう。 ――誰!? この目の前の美少女は……っ!? 「…………はぁ? 寝ぼけてるにしたってさ~、さっき自分であたしの名前言ってたじゃん」 腰に両手を当て、呆れるように胸を反らすその“美少女”。 それに……さっき言った『名前』って……? いや、待て待て待て待てっ! た、確かに、声は日向ちゃんそのまんまだけど……。 歳が全然違うだろ!? 日向ちゃんはまだ小学生だったはずだぞ!? 今、俺の目の前にいるこいつは……どう見たって桐乃や黒猫と同じくらいの年齢に見える。 ……た、確かに、あと何年かすれば、こんな感じに成長するのかも知れないが……。 「ほら、いい加減起きてよ~。朝ごはん冷めちゃうよ?」 「……ああ、そうか、なるほど。……夢オチだな?」 事態の理解を早々に放棄した俺は、最強にして無限の可能性を持つ結論を下した。 身も蓋もないと言われようが知ったことじゃない。 そうと決まれば、もう一眠りするとしよう……。 「意味分かんないってば。……まだ夢だって言うなら、ジツリョクで夢から覚ましてあげるけど?」 再び布団に潜り込もうとする俺を、すぐ傍まで顔を近づけてジト目で睨む日向ちゃん。……っぽい美少女。 ……これだけ近づいて見ると、ますますその面影が見える気がしなくもないが……。 まあ、これが日向ちゃんなわけないよな。だってあいつぺったんこだったじゃん? それが今、目の前で前屈みの美少女の双丘はしっかりとその存在を主張してて……立派に女の子のスタイルなんだぜ? 「はっはっは。いくら俺の目が節穴でも、日向ちゃんがこんな可愛い女の子に見えるわけないだろ?」 「んなっ……!?」 「その証拠にホラ、へたれの俺でもこんなことできちゃうぞ? 夢だからなっ」 もみもみっ 「ひゃぁんっ♥」 「ほらな? 何ともないだろ?」 ……って…………あれ? 「……夢なのに随分柔らかいな……?」 「こっ、ここ、この……っ」 「……気のせいかも知れん。どれ、もう一回……」 「このヘンタイっ! キョウ兄ぃのエッチ! もうずっと寝てればっ!!」 ドカッ! バキッ!! 「ぐほぁっ!?」 俺の顔面にグーパンを二発かまして、日向ちゃんっぽい女の子は怒って部屋を出て行った。 うん、まあ仮に日向ちゃんならやっぱりパーよりグーだよな。 世の中には更に頭突きをかますような掟破りの武闘派もいるしね。 ――っていうか……凄ぇ痛いんだけどッ!? 「……っぐ……、……夢じゃない……だと……?」 ポタポタ 「うお、鼻血出てるし! 夢じゃないならちょっとは手加減しろよ!? とりあえずティッシュ、ティッシュ……」 ベッドの横にある筈のティッシュの箱に手を伸ばした俺は、またひとつの違和感に気付いた。 「……って、何処だ、この部屋……」 どう見ても俺の部屋じゃない。 今まで日向ちゃん(?)の変貌にばかり気を取られて、全く認識していなかったが……。 床はフローリングではなく畳張りで、入り口はドアじゃなくて襖だ。 ……この昭和の香りを感じさせる佇まいは……そう、以前の黒猫の家のような……? 「俺、黒猫の家に泊まってたんだっけ……?」 そんな気もするし、どこか違う気もする。 そもそも、今泊まるとしたら、新しい社宅のほうだろうし……う~ん? どうにも記憶が定まらないが……とりあえず今すべきことは。 「ティッシュ、どこだ……」 ☆ 程なくして探し当てたティッシュを鼻に詰め込み、部屋を出た俺は、とりあえずお茶の間へ向かった。 廊下に出て分かったが、やはりここは以前の黒猫の家と同じ間取りだ。 いや、実際にその家……なのか……? お茶の間に近づくと、トントン、という包丁のリズムと共に、和食のいい匂いが漂ってくる。 この襖の向こうに、もしかしてさっきの女の子がいたりするんだろうか。 一瞬躊躇ったが……それでも意を決して襖を開けると。 「――おはよう、兄さん」 台所に立つ割烹着姿の黒猫が、俺に気付いて振り向いた。 「お、おはよう……黒猫」 そこには黒猫以外に人影はなく。 俺はとりあえず「知っている顔」に出会えたことで、大きく安堵の溜息をついた。 「さっき随分と騒がしかったようだけれど……って、どうしたのっ? その顔っ」 黒猫は、俺の顔を見るや、料理の火を止めてこちらに駆け寄ってくる。 その背格好、仕草、一挙一動も、やはり俺の知っている黒猫と何も変わらない。 そうなると、さっきの女の子のことがますます不可解になってくるわけで……。 「いや、何と説明したらいいのか……」 「日向の仕業ね。全く、どうしてそういつも乱暴なのかしら」 日向……やっぱりあれは、日向ちゃんなのだろうか? だが、この黒猫とは違って、俺の記憶の日向ちゃんとはかけ離れて―― いや、“この”黒猫も……それでも何か違和感があったような。 そうだ、一番最初の挨拶で、黒猫は俺のことを何て呼んだ……? 「とりあえず台所のほうに来て。タオルを水で濡らして冷やしましょう」 「あ、ああ。……にしても、どうしてまた今更『兄さん』なんだ?」 「え?」 確かに、さっき黒猫は俺のことを『兄さん』と呼んだ。 そう呼ばれたことが無い訳じゃないが、それはもう随分前の話だ。 紆余曲折を経て変わっていった俺たちの関係のように、今では呼び方も別のものになっていた筈なのに。 「最近は、その……、な、名前で呼んでくれてただろ?」 「っ……ば、莫迦。妹たちに聞かれたら困るでしょう……っ。……それは、二人きりのときだけという約束よ?」 「……そうだったか?」 そんな約束したっけ? ……なんだろう。同じようで、何処か違う、この間違い探しのような感覚……。 「ま、まあ、今は二人きりと言えば二人きりだからいいけれど……」 赤くなってもじもじと割烹着の裾を弄ぶ黒猫。 こういうリアクションといい、口調といい、やっぱり俺の知っている黒猫そのものなんだが。 どうにも釈然としないんだよなぁ……。 ひとまずは……さっきから一番気になっている件から確認してみるか。 「……なぁ、日向ちゃんって……今いくつだっけ?」 「……? 私と年子だから、今年で15の筈だけれど。それがどうかしたの?」 「 15 !? 」 「ひゃ! き、急に大声を出さないで頂戴、吃驚するでしょう」 いや、そりゃ大声も出るだろ!? 俺の知っている日向ちゃんはまだ小学生……確か11歳だったはずだぞ!? た、確かに、15歳と言われればあの容姿にも納得がいくが……。 いやいや、そういう問題じゃなくてだな……っ! 「……どうしたの? 今朝は何処か変よ?」 傍目にも動揺しているであろう俺を見兼ねて、黒猫が心配そうに声をかけてくる。 ……変? ……俺が変……なのか? 「もしかして、打ち所が悪かったとかじゃないでしょうね?」 「……そうなのかも知れん」 ここまで来ると、俺はもう自分の記憶が、信じられなくなってきていた。 夢と現実の境目が、霧に霞んだようにはっきりしない……。 「……どうにも訝しいわね。……何か憂い事があるのなら、私で良ければ話して貰えないかしら」 そう言って台所に向かった黒猫は、水で濡らしたタオルを持ってきて、俺の顔をそっと拭いてくれた。 募る不安の中で、こういう黒猫の変わらない優しさは、一筋の光明のような安心感をもたらしてくれる。 そのお陰で、ざわついていた俺の心も、多少の落ち着きを取り戻すことができた。 お茶の間には、未だに俺たち以外誰も姿を現さない。 “あの日向ちゃん”も、今朝の騒ぎからまだこっちには顔を出していないようだ。 これ以上他の誰かと出くわす前に、まずはある程度状況を整理しておく必要があるな――。 「……とりあえず、この家のことについて聞かせてくれ」 「この家、と言われても……。そうね、見ての通り、ここは“私たち”の家よ?」 そうか。やっぱりここは以前の黒猫の家で間違いないのか。 それにしても……何だろう。 またちょっと台詞の中のニュアンスに微妙な違和感が混じっていた気がする。 「……家族構成は?」 「まずは、両親ね。……尤も、二人とも仕事の関係でここ一年ばかり家を空けているけれど」 「……ほう」 ……俺の知ってる黒猫の両親も、確かに忙しい身だったが……同居はしていた筈だ。 この辺りから、俺の知っているこの家の事情とずれてくるな。 「それと、“私たち”兄妹」 「黒猫、日向ちゃん、珠希ちゃん、か」 「それと、京介。……“兄さんも”、よ」 …………。 ……俺がその黒猫の言葉の意味を理解するのに、優に数秒の時間を要した。 「――は!?」 「ひゃ」 「あ、す、すまん。……えっと……、……俺たちが、兄妹……!?」 ――これはもう、確定的に俺の知っている世界じゃない。 俺と黒猫が、『兄妹の関係』になっている――!? 俄かに信じ難いことではあるが……どうやらここは『俺の知っている人物』が居る『俺の知らない世界』。 所謂、“平行世界(パラレルワールド)”――ってことなのか。 ……俺もいよいよ、厨二病が極まってきたな。 まあいい。そう考えれば、いろいろと余裕も出てくるってもんだ。 こういうトンデモ設定には随分免疫を付けられたからな。目の前の誰かさんの影響で。 そういうことなら、“あの日向ちゃん”のことも無理矢理に納得しようと思えばできないことはない。 この世界では、歳の離れた姉妹ではなく、歳の近い姉妹になってるってことだ。 ……ただ、ひとつ気掛かりなのが。 俺と黒猫が兄妹、というなら……俺の黒猫への気持ちは……どうなんだろう。 黒猫に会えてほっとして、優しくされて安らぐような……俺のこの気持ちは……? 「……兄妹と言っても、私と日向と珠希はお母さんの、京介はお父さんの再婚同士の連れ子だから、血は繋がってないけれど」 「な、なんだ、そういう設定か……。ちょっと焦ったぜ」 「設定?」 「いや、こっちの話だ」 何とも都合のいい話だが。 ……それならまぁ、この気持ちもあり、ってことでいいんだよな……? にしても、義理の兄妹ねぇ……。ぶっちゃけ実感が湧かないぜ。 まぁ、黒猫のことは兎も角、向こうの世界でも日向ちゃんや珠希ちゃんは妹みたいなもんだったし、何とかなるか? ……って、日向ちゃんにはさっき勢いでつい粗相しちまったんだっけ。……それを思うと気が滅入るが……。 「家族構成としては、そんなところね」 「なるほど。……つまり今の俺は『五更京介』、というわけだな」 「……本当に大丈夫? 病院に行ったほうがいいのではないかしら……?」 俺としては納得したつもりの台詞だったんだが。 聞くほうの黒猫にとっては、殊更に自分のことを確認するような言葉に不安を感じたらしい。 「いや、状況は大体理解したから。そんなに心配するなよ。……ただ、あと一つだけ、聞いていいか?」 「……何かしら」 そう。もう一つだけ、どうしても確認しておきたいことがあった。 「……桐乃……、高坂桐乃は?」 「桐乃?」 「……知ってるか?」 俺がこの家の兄妹になってるなら、あいつはどうなってるんだ? ……まさか……高坂という家自体、この世界には存在しない……なんてことになるのか……? 「当たり前でしょう。私と、京介の共通の友人よ」 「そ、そうか。……良かった」 ほっと胸を撫で下ろす。 どうやら、この世界でもあいつは高坂桐乃として、ちゃんと存在しているらしい。 ……へっ、どうせ何も変わってないんだろうな、あいつのことだから。 「……仮にも自分の彼女を前にして、他の女の事でほっとするなんて……一体どういう了見かしらね?」 そんな俺の心境を見抜かれ、黒猫にじろっと睨まれた。 「すっ、すまんっ! ……って……“彼女”? ……俺たち兄妹じゃなかったっけ?」 「だ、だから義理の……だと言ったでしょう。それに……き、京介のほうから告白してくれたんじゃない……っ」 頬に手を添え、ぽっ、と頬を赤らめる黒猫。ち、ちくしょう、可愛いな……こういう仕草も。 いやまあ、それにしても……何だよ、拍子抜けだぜ。 黒猫に対する気持ちで一喜一憂していたのなんて、全くの取り越し苦労だったんじゃねえか。 何せ、もうすっかり恋人同士の間柄だっていうんだからな! そういうことなら、この世界も割といいところな気がしてくるぜ! 何て現金なんだ、俺! 「……ふふ、そうか、俺から告白したか。どうやらこの世界の俺はへたれじゃないようだなッ!」 ドヤ顔で胸を張り上げる。 その誇らしげな心境に、狂科学者風にフゥーハハハ!と高笑いをしたいくらいだ。 「十分へたれよ。……私が一体何年待ったと思っているの」 「そ、そうか……すまん」 いじけるような黒猫の口調に、俺の誇らしげな心境は、あっという間に萎んでいった。 まあ、そうですよね。どうせ俺ですもんね。……はぁ……。 「それと、一応再確認しておくけれど……、私たちの関係は、まだ誰にも秘密よ? 勿論、家族にも」 「へ? そうなの?」 「……もう。……色々と事情があって、今はまだ秘密にしておいたほうがいいって、二人で決めたじゃない」 「事情、ねぇ……」 その事情とやらが、今の俺にはさっぱり分からんのだが。 「……やっぱり、ちゃんと皆に話したほうがいいかしら」 「あ、いや、すまん。二人で決めたことなら、しばらくは今のままでいいんじゃないか?」 ここは下手に状況を混乱させないほうが得策だ。 その事情とやらが分かってからでも遅くはないだろうしな。 「……そうね。……それにしても京介……さっきから謝ってばかりよ?」 「そ、そうか? すま……。こほん、……さて、どうしたもんかな」 気を取り直し、これからのことを前向きに考えるとしよう。 「とりあえず、朝食にしましょう。今日は休日だから、後のことは食べ終わってから考えるといいわ」 「……それは、名案だな」 ☆ 朝食の準備を再開し(勿論俺も手伝ったぜ)、ちゃぶ台にメニューを並べ終えた頃。 お茶の間の襖が遠慮がちに開き、15歳の日向ちゃんがようやく顔を出した。 「あら、日向。おはよう」 「お、おはよ。ルリ姉」 黒猫の挨拶に、ややぎこちなく返す日向ちゃん。 今朝の騒ぎを追及されるとでも思ってるのかね。体は大きくなっても、やっぱり姉ちゃんには弱いんだな。 ……というか。 この姿の日向ちゃんを改めて見ると、『日向ちゃん』と呼ぶのはどうしても抵抗があるな……。 ここはとりあえず、俺の心の中でだけ、日向ちゃん15歳バージョンのことは『日向』と呼び捨てにすることにする。 ――それにしても、こうして姉妹が並んでいるのを見ると、改めて日向の成長に驚くぜ。 ちんまい身長はすっかり伸びて、今や黒猫と同じくらいか、やや高いくらい。 髪も長くなって、少しふんわりとウェーブがかかってたりして。 それでも髪型がおさげのままなのは、案外あれはあれで気に入っていたのかもな。 服装も、肩と太ももを大胆に露出させたカジュアルな格好。まあ、『日向ちゃん』のときも肩の露出はあったが。 ……見れば見る程、とてもあの地味猫の未来(?)の姿とは思えない。 何より特筆すべきは、先ほどその感触をこの手に味わった胸のサイズだろう。 生意気に育ったそれは、この俺のおっぱいスカウターを持って見るに……ふむ、あやせと同じくらいか? 要するに、決して大きいわけではないが、モデルとしても通用するくらい均整の取れた体型ってことだ。 露出の多い薄着だから体のラインが強調されているというのもあるんだろうが。 実際こうして並んでいると、特に何も変わっていない黒猫との差は歴然。 成長したとはいえ、一応まだ日向は黒猫より年下の筈だが、姉妹でもこうも発育が違うものなのか。 ――などと、黒猫に知られたらその場で眼球を潰されそうな観察眼を発揮していると。 ばつが悪そうにお茶の間をきょろきょろと見回していた日向と、俺のその視線が交錯した。 その瞬間日向は、ぼっ、と顔を赤くして、さっと顔を背けてしまう。 ……なんだよ、そんなに顔真っ赤にして……まだ怒ってるのか? 「今日は朝から随分と元気だったみたいね? 日向」 「き、キョウ兄ぃが悪いんだよっ! 寝ぼけてヘンなことするからさっ」 「変なこと?」 ぎくっ。 ……そういえば黒猫に今朝の一件の詳細は話してなかったな……。 まあ、別にこの俺に疚しいところなど一点たりとも無いが。 今のこの状態の日向に説明させると、状況がややこしいことになりかねん。 ふむ。ここは俺が漢らしく、且つ迅速にこの場を収めてやろう。 「日向」 「えっ? ……な、何?」 引き締まった表情で日向を見据え、一歩踏み出した俺は。 「俺が悪かったぁぁぁーーーッ!」 ヘッドスライディングをするかの如く、伝家の宝刀である土下座を繰り出した。 ――「またかよ」とか言うなよ? へたれと言われようが、土下座男と言われようが、事態を穏便に済ますには何よりこれが最善なんだよ! 「にゃっ!? や、やめてよキョウ兄ぃっ」 「お前が怒る気持ちも分かる! だが俺もあの時は混乱していたんだ! すまんっ!」 「わ、分かったからっ。……それにあたしっ……別に怒って、ないから」 「そ、そうか?」 「うん。あの時は、ちょっとビックリしちゃっただけで……そ、そんなにイヤってわけじゃ、なかったし……」 その言葉に少し安心して顔を上げると、相変わらず真っ赤な日向の顔。 怒っていたから顔を赤くしていたわけじゃなかったのか。……だったら何でなんだろうな? ってか、そんなことより今、何か凄ぇ台詞を聞いたような……。 「い……嫌じゃなかった……って……?」 「相手が、その、……キョウ兄ぃなら……。た、ただもうちょっと場所とかムードとかさ、選んでよねっ?」 「え、そ、そうなの?」 ど、どういうことなんだ、これは。 “この世界”の俺は、おっぱい揉んでもギリギリセーフなイケメン設定なのか!? 今の俺と日向は義理とはいえ兄妹……の筈。 当たり前だが、黒猫のように実は恋人、なんてこともあるはずもない。 ということは、やはり今のこの俺には伝説のイケメン補正が……!? 「日向。……ひとつ訊きたいんだが」 「な、何?」 「俺ってカッコいい?」 「………………」 うおっ、何か物凄く可愛そうな人を見る目で見られたぞ!? 男の永遠の夢を無言で粉砕するなよ! この世界では「※但しイケメンに限る」って免罪符が使い放題かと思ったのに! くそっくそっ! 「……にゅふっ。……何だか分かんないけど、キョウ兄ぃは、キョウ兄ぃだよ」 「……どういう意味だ?」 「そのまんまがいい、ってことっ!」 よく分からないが、嬉しそうに笑う日向。 その顔は、11歳のときと少しも変わらない、屈託のない笑顔だった。 「今朝のことはもういいって。……その代わり、今ちょっといいコトあったしさ」 「いいこと?」 おっぱい揉まれたことより? 「……キョウ兄ぃ、初めてあたしのこと呼び捨てにしてくれた」 「へ? ……あ」 しまった。心の中(モノローグ)だけと思っていた矢先だったのに、つい口に出してしまっていたらしい。 もう呼んじまったもんは仕方ないが……根が正直者過ぎるのも困ったもんだぜ。 「あー……よかったか?」 「……うん。……呼び捨てが、いいな」 照れくさそうに俯き加減で俺を見る日向。 そんな“日向ちゃんらしくない”仕草に、また不覚にも……こいつのことを「ちょっと可愛い」とか思っちまう。 ……今日の俺、いや、“この世界の俺”はどうかしちまってるな。 にしても、こんなのが『いいこと』になるのかねぇ。 相変わらず、この年頃の女の子の考えてることはよく分から―― 「――こほんっ、こほんっ! ん、んっ!」 と、黒猫が不自然極まりない咳払いをして、俺を半目で睨んできた。 この俺に備わっている特殊能力の一つ、“黒猫の表情を見るだけで言いたいことが分かる能力”によると、だ。 『秘密にしているとはいえ彼女の目の前で、何を勝手に二人だけの空間を作っているのよ。殺すわよ?』 ということらしい。 ははっ、こいつとの付き合いもそろそろ長いからな。このくらいの意思疎通は文字通り朝飯前だぜ。 ――すみませんでしたぁッ!! 「と、とりあえずだ。いつまでも立ってないで、座って朝飯にしようぜ?」 この場を取り繕うべく、至極自然に二人を食卓へと誘う。 「……そうね」 渋々、といった感じで答える黒猫の表情からは、「後できちんと説明して頂戴?」という台詞が滲み出ているが。 今はとりあえず見なかったことにしよう。 ……ときに、呼び方といえば。 「なあ、黒猫」 「何かしら? 兄さん」 「その……だな、兄妹なのに黒猫って呼ぶの……やっぱり変か?」 「え?」 一瞬、何を言われたのか分からない、といった感じにきょとんとする黒猫。 ……少し言葉が足りなかったか。 ここでは一応兄妹という間柄なんだから、ハンドルネーム……いや“真名”で呼ぶのは不自然かと思ったのだ。 「……ああ、そういうことね」 意を汲んだのか、ふと破顔する。 「別に構わないわ。その呼び方は気に入っているし。……幼い頃に兄さんが私に付けてくれた愛称、だから」 「そ、そうだったか」 そう言いつつ、黒猫は俺の耳元に口唇を寄せ。 『……でも、日向を呼び捨てにする以上……二人きりのときは私のことも名前で呼んで貰うわよ?』 囁くように耳打ちした。 ……当然といえば当然の要求だが、未だに黒猫のことを名前で呼んだ事の無い俺にとっては超難題だな……。 「ナニそこ、二人でこそこそしてんの?」 そうこうしていると、今度は日向の不機嫌そうな声。 あちらを立てればこちらが立たず。 ああもう、今日の俺は一体どうすりゃいいんだよっ? 「何でもないわ。今日の兄さん、少し頭がおかしいのよ」 「あー……それはあたしも思う。いつもヘンだけどさ、今日は朝からずっと、いつもよりヘンだし」 「ははは、仮にも兄に対して酷い言い草だなお前ら?」 全く、妹っていうのは結局誰でもこんなに容赦ないもんなのかね。 ……待てよ、妹……といえば――さっきから何か物足りない気がする。 まるで、揃いの色鉛筆が一本欠けているような……。 「……あ」 そこで俺は、ちゃぶ台の上に用意された“四人分の朝食”を見て、ようやくそれが何なのか悟ることができた。 「珠希ちゃんは?」 朝からのドタバタですっかり失念していたが、黒猫三姉妹のうち、珠希ちゃんの姿だけ未だに見ていない。 俺の問いかけに、黒猫と日向は互いに顔を見合わせて。 「一応さっき声はかけたけど……タブン起きてないと思うよ?」 「……あの子、いつも朝は弱いのよ」 二人ともため息まじりにそう言った。 ……常々よく寝る子だとは思っていたが、朝もそうなのか。低血圧なのかね? 「キョウ兄ぃ、珠ちゃん起こしてきてよ」 「え、俺が?」 「いつも、日向が兄さんを起こして、兄さんが珠希を起こしているのよ?」 ふむ、そうだったのか。 なかなか面倒見がいいじゃないか、この世界の俺。 「特に珠希は、兄さんじゃないと全然起きてくれないのよね……全く甘えっ子なのだから」 「……分かったよ。えっと、珠希ちゃんの部屋はこっちでいいんだよな?」 「ええ。お願いするわ」 日向が「何で今更そんなこと訊くの?」みたいな顔をしていたが、説明するとややこしくなるだけだしな。 右掌を上げて了解のサインを送ると、俺は“この世界”での三人目の妹の元へと向かった――。 (if・俺の妹猫がこんなに可愛いわけがない(後編)へ続く)
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/912.html
黒猫が出てなくても掲載しておくべきかと。twitter企画のスレ保管庫がたまたま黒猫スレにあるという位置づけで。桐乃wikiはやらないだろうし、原作まとめさいともあまり機能していないし。黒猫wikiが半分ポータルの役目を担うということで -- (むらた) 2012-01-05 06 42 08