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とある少女の悪巧み―シリアスver― 1 12月下旬、この日番外個体は上条と美琴に会うため第7学区の『あの』公園に来ていた。第3次世界大戦が終わり、上条が学園都市に帰ってきて1ヶ月ほどが経ったいた。そして最近は上条に美琴が付きっきりで勉強を教えている、という情報を番外個体が偶然手に入れ、その際に悪巧みが生まれたことが今回の騒動の始まりだった。その悪巧みとは自分が未来から来た2人の子どもだと言い驚かす、という企みだ。学園都市に戻って来て1ヶ月ちょっとが経ったが、番外個体は未だ上条とも美琴とも面識はない。一方通行が上条に自分のことを話したこともないようなので好都合だ。だが会うため、とはいってももちろん会う約束などはしていない。だから事前に最近の上条と美琴についていろいろと調べて、この公園で待ち合わせをしていることを知ったため、ここにやってきたというわけだ。「さ~て!どこにいっるのっかな?」今の時刻は5時過ぎ、この時間帯に2人は待ち合わせをしているらしいのでいるはずなのだが……「ん~……?いた!いたいた!!」いた、しかも2人そろって。番外個体は目を輝かせて2人の元へ走っていく。「ちょ~とそこのお二人さん♪」元気よく声をかけると上条は「なんだ?」といった様子で、美琴はあからさまに嫌そうに振り向いた。どうやら美琴は上条との2人っきりの至福の時を邪魔されたと感じたようだ。しかし振り返った時の様子は違っても番外個体を見た2人の反応は同じだった。「「………え!?」」目の前にいる少女の存在が信じられない、といったような反応だ。すると美琴が声を荒げる。「ちょ、アンタ何者!?まさか私の新しいクローン!?」いきなりの正解、しかし番外個体は動揺しない。こういうことくらいは予想していたし、完璧にだますため何度も練習してきた。「やだな~違うって!ミサカはクローンなんかじゃないよ?」「じゃ、じゃあお前何者なんだ!」番外個体としては『まってました!』というような質問だった。「ミサカ?ミサカはね~……未来から来た2人の娘だよ☆」「「………は?」」上条と美琴の反応を見て番外個体は快感を覚えた。(~~~~~~!!うわっ!なんかめっちゃ気分いい!!騙すのって最高~♪)気分がかなりよくなった番外個体はさらに饒舌に続ける。「ミサカの名前は御坂麻琴、20年後の未来からきたんだ。」「え、あ、そ、そんなわけない……だろ…?」そんなわけない、口ではそうは言っても上条は心の底ではそう思っていなかった。魔術、吸血鬼の存在、あのクローンの実験のこと、人の中身の入れ替わり、学園都市襲撃事件、イギリスでのクーデター、第3次世界大戦などなど……それらの出来事、またそれに関わっている最中にどんでもないことを体験してきた上条にとって未来から子どもが来ることは否定しきれなかった。「いやいや~ミサカは正真正銘、2人の娘だから!証拠は…この外見でどう?」そう言うと番外個体はくるりと回ってみせた。「じゃ、じゃあ私……コイツと…結婚してるの…?」「もちろん!まあお母さんが不幸にならないために、ってことで上条性じゃなくて御坂性だけどね。」上条と美琴はまだ信じきれないというような表情をしていた。そこで番外個体は1つ面白そうなことを思いついた。「詳しいことは……また明日話すよ!今日はもう未来へ帰らないといけないからさ♪」それは今日は本当のことを話さず1日じらすということ。本当ならこの日話すつもりだったが2人は予想以上にうまくひっかかってくれた。そのため急遽予定を変更することにした。「じゃ、明日の5時にまたここに来るから!2人ともちゃんと来てよね!」そして番外個体は黄泉川のマンションへ向かって走り出した。上条と美琴は何か言おうとしていたようだがそこは華麗にスルーした。これ以上何か話してボロを出さないためだ。(あっは!これは明日が楽しみ楽しみ~☆)番外個体は上機嫌で公園を出た。だがこの嘘がのちに大変な出来事を引き起こすことになるとは思ってもいなかった。◇ ◇ ◇この少女はいったい何を言っている?上条はわけのわからないまま御坂麻琴と名乗る少女の話を聞いていた。自分と美琴の娘?そんなことありえるわけがない。しかしそう思おうとして過去の経験からありえないことはない、と思ってしまう。ただただ膨大な疑問が生まれたが、その疑問を生んだ少女は詳しいことは何も言わずにどこかに去っていってしまった。(ちょっと待て……俺と御坂の娘!?しかもアイツの話からすると俺が20歳の時の子どもなのか?いや落ち着け上条当麻、こんなことがありえるわけ……ない…?…ありえるんじゃないか?魔術だって存在したし……じゃ、じゃあ俺は御坂と付き合って結婚するのか!!?)頭の中は完全にパニック状態。落ち着け落ち着け、と上条は深呼吸をする。しかしあまりの衝撃的な出来事になかなか落ち着きを取り戻すことができない。そこで隣の美琴のことを思い出し落ち着くためにも声をかける。「あ、あのだな御坂、その、えーとなんだ、子どものことなんだが―――――」そこまで言った上条にかなり強い電撃がとんだ。もちろん右手でかき消しはしたがあまりの強さに尻もちをついた。「お、おい御坂何を……」上条はびびりまくっていた。今まで鉄橋で美琴を止めた時以外にこれほどの強い電撃を撃たれたことはないからだ。当たれば死ぬのではないか、というほどの電撃だった。そんな上条と目を合わせることもなく電撃を放った美琴は常盤台の寮の方向へ全速力で走って行った。「え……御坂?」上条は呆然と美琴が走っていった方向を見ていた。空が暗くなってきた寒さが増してきた公園に上条は1人取り残された。◇ ◇ ◇「ヤバい……う、嬉しい……」ここは常盤台の寮、美琴は自分の部屋のベッドに勢いよくダイブすると幸せそうな表情を見せている。美琴としては今日も上条に勉強を教えるつもりだったのだが恥ずかしさのあまり電撃を撃って逃げて来てしまった。2人きりになれる時間は今日はなくなってしまったが上条と結婚できることがわかったのだ。これで嬉しくないはずがない。「さ、さっきは恥ずかしさのあまり電撃撃っちゃったけどアイツなら大丈夫よね?それにしても子どもかぁ……」麻琴の話だと18歳で妊娠することとなるようだが正直それは困る。18歳ということは美琴はまだ高校生か大学生だ。親にも学校にも迷惑をかけることになるし学園都市がどんな行動にでるかわからない。しかし今子どもを生まなければ麻琴の存在はなかったことになってしまう。18という年齢で子どもを産むのは少し早い気がするが自分は生まなければならない、なんとも複雑だ。「でもできちゃうんだろうなぁ……あと……アイツはもう私のこと好き…なのかな……」美琴としては今の上条の気持ちが気になってしょうがない。ひょっとしてもう自分のことを好いてくれているのだろうか?もし好いてくれているなら、それを考えると幸せな気持ちがあふれてくる。しかし美琴には上条が自分のことを好いてくれているか、など確かめる勇気は到底ない。だが明日麻琴と名乗る自分の未来の娘が何か行動を起こしてくれたなら、上条と付き合えるかもしれない。「早く明日に……明日にならないかな……」明日が楽しみで楽しみで仕方がない。結局この日美琴は1睡もできなかった。◇ ◇ ◇翌日の放課後、美琴は大急ぎで学校を飛び出した。理由はもちろん上条に会うため。本当はメールか電話で会う約束をしようと思っていたのだが緊張してできなかった。「いつもの公園にいれば会えるわよね……あれ?」いつもの公園に向かって走っていたのだがその足が止まる。上条がいた。いつもはこの場所は通らないはずなのでなんで?と思ったがそんなことはどうでもいい。「ちょっとアンタ、こんなとこで何やってんのよ!」いつもより嬉しそうに声をかけた――――――――――のだが、ビクッ!と上条はいつもより驚いて振り返った。「え……アンタどうしたの…?」振り返った上条はいつもの上条ではなかった。いつも自分を対等に見てくれる上条とは違う、何かに怯えているように見える。「み、みさ、か……………ご、ごめん!!」それだけ言うと美琴に背を向け全速力で走っていってしまった。「ちょ、ちょっと!………行っちゃった……なんで…?」あまりにわけがわからなかったので美琴は追うに追えなかった。その場でなぜ上条は自分を避けるような行動をとったのだろうか、と少し考えた後答えは出た。「あ……アイツ…私と結婚するの…嫌なんだ……」最悪の結果。上条は自分のことなど好いてはいなかった。むしろ一緒にはいたくない存在だった。昨日突然現れた娘、その娘から聞いた未来の状況。その状況から一緒にいれば確実に結婚するだろうことが容易に想像できる、つまり上条はそれを避けるために自分を避けたのだ。遠ざけるのに謝ったのは彼の優しさからだろうか?美琴は上条が走っていった方向を見つめながらその場に呆然と立ち尽くした。まるで魂が抜けたように―――――◇ ◇ ◇「あれ~?おっかしいな~……」この日も番外個体は上条と美琴に会うためあの公園にきていたのだが2人の姿が見当たらない。昨日は『5時にここに来てくれ』と言ったが少し準備に手間取り15分ほど遅れてしまった。「ひょっとして帰ちゃったのかな……ん?」今日は諦めようかと思った時、探していた人が目に映った。上条はいないようだが美琴がこちらに向かって歩いていた。番外個体としては昨日あれから2人がどうなったか気になって仕方がない。「いたいた~♪おーい!お母さ―――」早く話したいと思い叫びながら美琴の側へ走っていったがその声は途中で途切れた。「あ……麻琴……」「ちょ、ちょっとどうしたの!?」番外個体が驚くのも無理はない。美琴からは全く生気が感じられなかった。「何!?何があったの!?」「……う、うぅ……アイツ、が……」「アイツ?アイツって誰!?その人に何かされたの!?」その言葉に対し美琴は小さく首を横に振り、ついにこらえきれなくなったのか涙が溢れ始めた。「まこっ、と、わ、たし、もうっ、どうし、て、いいっ、か、わか、らな、い……」それだけ言うと美琴は番外個体に抱きつき大声で泣き出した。これで番外個体はさらに驚いた。番外個体は今まで美琴とは会ったことはなかったが、ミサカネットワークを通じて美琴の性格などは完全に把握していた。だから美琴が『妹達』の事件以外で泣くということはありえないという考えがあったからだ。「ちょっと落ち着いて!ほ、ほらあそこにベンチで詳しく話聞くからさっ!」番外個体は今にも倒れそうな美琴をベンチへ連れて行き座らせた。その際美琴に肩を貸したのだが驚くほど脱力していることがわかった。そしてベンチに座った美琴はうつむいて泣き続けた。番外個体にはそんな美琴の背中をさすることくらいしかできなかった。(なんでこんなことに……?まさかまた何か実験に巻き込まれたとか?)美琴が落ち着くまでいろいろと考えはしたが結論はでなかった。すると「麻琴……ごめんね、ありがと……」少し落ち着いたのか美琴は顔をあげこちらを向いていた。しかしまだ元気はなく目は真っ赤だ。「そ、それで何があったの?」番外個体としてはなぜ美琴がこんな状態になってしまっているのか気になってしかたがなかった。「あのね……アイツ、私のこと…嫌いだったみたい……」その言葉を聞いて番外個体は『アイツ』が誰か理解し、それと同時に美琴がなぜこんな状態に陥ってしまったのかも少しだが理解できた。「さっきアイツに会ったんだ……でも…でもアイツは―――」美琴は先ほど上条と会った時の出来事をすべて話した。話している最中美琴は必死で涙をこらえていた。「未来から来た麻琴ならわかるでしょ?私がどれだけアイツの事が好きか……」「え、あ、まぁ……」「アイツは私にとって欠けちゃダメな絶対的存在だった。ロシアから帰ってきたときアイツの存在のありがたみがわかって結構積極的にアタックしてたんだけど……無駄だったみたいね……」番外個体はミサカネットワークにより美琴が上条のことを好きだということは知っていた。だからこそ2人の子どもという嘘をついたのだ。しかし、ここまでとは思いもしなかった。美琴の上条への想いはもっと軽いものだと思っていたのだ。だがそれは違った。美琴にとって上条はすべてであり、唯一絶対の存在だった。美琴の想いをすべて理解した番外個体はとんでもないことになってしまった、と焦りを隠せなかった。だがそんな番外個体の様子に美琴は気づかない。そしてふいに美琴はこう言い出した。「ねぇ……パラレルワールドって…知ってる?」パラレルワールド、つまり今いる世界とは別に存在する平行世界のことである。「え、まあ、知ってるけど……」「じゃあ話しは早いわね…きっと麻琴はパラレルワールド、つまり私たちとは別次元の未来から来たのよ。」ここまで聞いて美琴が何を言いたいかわかった。「だから私とアイツが麻琴の話す関係にならなくても麻琴は消えたりしないはずよ……でも……」美琴はそこで一旦言葉を切った。そしてここまで必死にこらえていた涙が再び溢れだした。「私も……私も麻琴の世界の私みたいに、アイツと一緒に幸せになりたかったなぁ……」そして美琴はまた顔を下に向け声を押し殺すように泣き始めた。その様子に番外個体はもういても立ってもいられなり自分が未来から来た子どもではないと言おうとした。―――が、番外個体は開きかけた口を閉じた。本当のことを言ってどうなる?本当のことを言えば上条が美琴を避けている、という状況だけが残りなんの解決にもならない。ならば―――「……大丈夫だよ、絶対幸せになれるから。」「…………え?」美琴は涙を流したまま顔を上げ、番外個体が立っているほうを見た。「パラレルワールドなんかじゃない、ミサカはこの世界の未来からきた子どもなんだから安心してよ!」番外個体は嘘を重ねた。だが悪意のある嘘ではない。少しでも美琴を安心させたい、という思いからついた嘘だった。「だからちょっとここで待っててくれないかな?ミサカが…ミサカが絶対なんとかするから!」それだけ言い残し番外個体は上条の元へ走り出した。上条がどこにいるかはわからない、だがそれでも今の美琴を見ると何か行動に移さずにはいられなかった。◇ ◇ ◇上条当麻は怯えていた。御坂美琴に忌み嫌われることに―――――学園都市に帰ってきてからのこの1ヶ月あまりは楽しかった。またみんなと学校生活が送れるようになったし事件も何も起こらない。補習や寮に帰ってきた後にする膨大な課題は大変だったが、補習はクラスメイトに、課題は美琴に教えてもらいながらだったので楽しくできた。それに美琴は毎日付きっきりでとても丁寧に教えてくれいるのでとても助かっている。そしてインデックスは小萌先生のところに預かってもらっているため、毎日上条の部屋で2人きりだ。さらに夕飯までも作ってくれたりもしてくれていた。上条はそんな美琴に恋愛感情を抱くようになった、とまではいかないが美琴を親友かそれ以上の存在だと思っていた。だが昨日の出来事ですべてが変わった。美琴は自分となど一緒にいたくないのだ。今まで勉強を教えてくれていたのは『妹達』の事件での借りを返すためであってそれ以上は何も思っていなかった。だから昨日あれほど強い電撃を撃ってきたのだろう。自分との子どもができる、将来的には結婚する、それを嫌がって消し去りたいと思ったのかもしれない。それが上条にとってこの上なく恐ろしかった。そして放課後、上条はいつもと違う道から帰ることにした。「とにかく……今日は御坂とは会わねぇようにしねぇと……」まだ気持ちの整理ができてないため今日だけは絶対に会いたくない。その思いからいつもとは別の道を選んだのだが―――「ちょっとアンタ、こんなとこで何してんのよ!!」今1番会いたくない相手に見つかってしまった。まさかこの道で会うことになるとは思ってもいなかったので上条は思いっきり驚いた。美琴は今からどんな行動にでるだろうか。電撃を撃ってくるか、いや電撃ならまだいいほうだ。もし忌み嫌っていることを言葉にされたら?消えろ、などと言われたら?上条は少し治まっていた『怯え』が全身に広がるのがわかった。美琴など直視できない。ただ絞り出すように「み、みさ、か………ご、ごめん!!」と、だけ言って走りだす。後ろなど振り向かずただただ全力で走る。もし追ってこられていたら?と考えたため全くスピードを緩めずに、目的地など決めずに、とにかく体力がなくなるまで走り続けた。どこまで走ったかわからないが体力も尽き、上条はいつもと違う公園で足を止め中央にあった噴水の淵に手をついた。「はっ……はっ……クソッ!!俺は……怖い…のか?」ふと下に目をやると水面には自分の姿がはっきりと映っていた。その表情は怯えきり、憔悴しているようにも見える。「なんて表情してんだ……これでどうやって御坂に会えばいいってんだよ……」もう美琴とは会わない、などと考えはしたがそうはいかない。未来から子どもが来ているのだ、もし会わなければ未来は変わってしまう。しかしどうやって美琴に接していけばいいのだろうか。その答えは、どうやってもでてこない――――――――――◇ ◇ ◇「ダメだ…どこにもいない……」ここは上条の寮の前、もう完全に日は暮れすっかり暗くなってしまってる。美琴と別れてからすでにかなりの時間が経過、その間いろんな場所を走り回ったがまだ上条を見つけることはできていない。『ミサカネットワーク』により上条の部屋を知っていたため寮に来ることはできたが、まだ帰ってきていなかったため途方に暮れていた。「お姉様にはああ言ったけど……どうしよう……」番外個体は上条をなかなか見つけられないことにいらだり、焦りがピークに達しようしていた。一体上条はどこへ行ったのだろうか。美琴を嫌って避けているのであれば絶対に会わないようにするため友人の家にでも行っているかもしれない。もしそうなったら今日は上条に会うことはほぼ不可能だ。「くそっ!ミサカがあんな嘘ついたせいで……」いらだちのあまり自分を責める。自分が2人の子どもだという嘘さえつかなければ美琴はあんなに苦しむことはなかった。その思いから罪悪感でいっぱいになる。それに上条と会ったとしても、もし上条がはっきりと美琴のことを嫌っているなどと言ったら?そうなった場合最早どうしようもなくなる。どうする?どうすればいい?番外個体は今までにないほど脳をフル回転させ対策を考えようとした。何かないか、この状況を解決する方法は―――――「み、御坂……」と、そこに聞いたことのある声が聞こえてきた。その声のする方向をむくと、いた。上条だ。暗くてはっきりとは見えないが上条であることは間違いない。だが向こうは暗くて見えないためか自分のことを美琴だと勘違いしているようだ。「あ、あのさ…」番外個体は自分が美琴ではないことを告げようとすると「ま、待て御坂!お前の言いたいことはわかってる!俺のことを嫌いだって言いたいんだろ!?」などとわけのわからないことを言い出した。それも早口で話しているしなぜか右手を前に出している。「俺はお前に嫌われたって別にいい!けど麻琴のこともあるし1回でいいから話しを「ちょっと!!」…」依然早口で話し続けている上条の言葉を番外個体が遮った。「ちょっと……勘違いしてない?」「え……あ…麻琴か……」ようやく上条は目の前にいる少女は美琴ではないと気づいたようだ。上条はほっと一息ついてから近づいてきた。近づいてきてわかったのだが上条の顔色はあまりよくない。「麻琴、それで…なんでここに…?」「なんでって……お母さんのことなんだけど。」番外個体は上条に対してもまだ本当のことを言わないと決めていた。言わないほうが美琴について聞くのに都合がいいからだ。「な、なんだ?」「その前に、さっき言ってた“俺のことが嫌いなんだろ?”ってどういうこと?」番外個体は当初ストレートに美琴をどう思っているのかを聞くつもりだった。しかし先ほど上条が言ったことがどうも府に落ちないのでそちらから尋ねることにした。「いや……そのままの意味だよ。御坂には……嫌われてるからな……」「はぁ!?」番外個体は驚いた。美琴に嫌われている?上条が美琴を嫌っているのではなかったのか?「はぁ!?って……まあ未来から来たお前が驚くのも無理ないか……」「い、いやそういうわけじゃ……なんで嫌われてると思ってるの?」「そりゃ嫌いじゃなかったらあんな強い電撃撃ってこないだろ……」電撃、確かに美琴がさっき説明したとき上条に電撃を撃ったと言っていた。ならば上条も美琴もただの勘違い……?そこで番外個体は上条に確認をとる。「あの……お母さんのこと嫌いじゃなかったの……?」「俺が御坂のことを……?何言ってんだよ、そんなわけないだろ?毎日勉強教えてもらってありがたいと思ってるのに……それに俺はむしろ御坂のことを―――」上条はそこまで言って言葉を切った。番外個体には上条がなぜそこで話すことを止めたのかわからなかった。上条は何かに気づいた、という表情をしているように見える。「?何?どうしたの?」「いや……なんでもない……」上条は寂しそうにそう答えた。結局上条が何を言おうとしたのかはわからなかったが番外個体には1つわかったことがある。それは上条は美琴のことを嫌ってなどいない、ということ。それがわかっただけで心底安心した。もし上条が美琴のことを嫌っているのであったなら対策のとりようがなかった。だが嫌っていないというなら誤解を解くだけだ。ここで番外個体は考える。どうやって2人の誤解を解くか。上条を美琴の元へ連れていくのが1番てっとり早いのだがどうやって連れていくべきか。自分が2人の娘ではないと話してからでもいいがそれだと説明に時間がかかる。今は一刻でも早く美琴の元へ戻りたい。ならば―――「まあ安心してくれ麻琴、御坂とはいずれなんとか話をつけるからさ。じゃ、もう遅いから上条さんは―――」そう言って寮へと入って行こうとした上条を番外個体は腕を掴んで引き止めた。「お、おい麻琴?何を……」「今ね、お母さんがすっごいピンチなんだ、だからミサカはここへ来たんだよ。」「!!?」番外個体はまた嘘をついた。だがこれも決して悪意のある嘘ではない。2人を救うための嘘だ。それにこうでも言わないと上条を公園へ連れていけないと考えたからだ。驚きを隠せていない上条に対し、さらに番外個体は続ける。「今公園でお母さんはすごく苦しんでる。もちろん病気とかじゃないよ?」「それほんとか!?御坂に何があった!?」「……それは…お父さんに嫌われてると勘違いしてるんだ。」「え……?」そして番外個体は上条に説明する。美琴がなぜ上条に電撃を放ったのか、今どのような状態になっているかなどだ。ただ美琴が上条に好意を抱いているということは話さなかった。「それは……本当のことなのか…?本当に御坂は俺のことを嫌って…ないのか?」「本当だって!!とにかく急がないと!お母さんを救えるのはお父さんしかいないんだから!」番外個体の真剣な表情に上条は即座に決断する。「よし麻琴……公園まで走るぞ!!」「うん!」こうして2人は全速力で公園へと向かった。かなりハイペースで走ったため思いのほか早く到着できた。だが―――「あ、あれ?いない?なんで?」美琴が待っているはずのベンチに美琴の姿はなかった。「お、おい!ここに御坂がいるんじゃなかったのか!?」「ちょ、ちょっと待ってってば!とりあえず探さないと!ミサカはこっちを探すからさ!」まさかいなくなっているとは思ってもいなかったため2人はパニックに陥る。そして焦りながらも二手に別れて公園内に美琴の姿がないか探し始めた。◇ ◇ ◇「どこにもいねぇ……御坂のやつどこ行ったんだよ……」上条は真っ暗になった公園で美琴を探し続けていた。数分間探したがどこにも美琴らしき姿は見当たらないし暗くて近くしか見えない。他に誰か人がいれば美琴らしい人を見なかったか、尋ねようと思ったが人すら見当たらない。とりあえずさっきのベンチに1度戻ろうとすると「アンタ……なんで…ここにいるの……?」「!!?」美琴がいた。どうやら飲み物を買いに行っていたらしく手には缶ジュースが握られている。見つけることができた、ほっと一安心したがそれがいけなかった。緊張していた気持ちが解けてしまった。そのため治まっていた『怯え』がまた上条の中に姿を現した。「なんでって……麻琴に呼ばれて…お、お前のことが心配になってきたんだよ……」『怯え』のため声が震える。本当に嫌われていないのだろうか、昨日と今日のことを思い出すと正直のところ番外個体の言ったことは完全には信じられなかった。今すぐにでも拒絶の言葉を浴びせられるかもしれないと思うと足がすくむ。「あ、の御坂、それで…大丈夫……なのか?」「………大丈夫よ。」それを聞き上条はほっと胸を撫で下ろした。『怯え』も少し治まった。だが―――「あのね、アンタに言いたいことがあるの。」言いたいこと、その言葉に上条の鼓動は一気に加速するし今までで1番大きな『怯え』が心を蝕んだ。「い、言いたい……こと…って…なんだ…?」聞きたくない、しかしその意思に反して逆に聞いてしまう。頼む、今だけは不幸よ起こらないでくれ、上条は心の底からそう願った、しかし―――「うん、私ね、もうアンタと会わないようにしようと思うの。」「え―――――」恐れていたことが起こった。美琴からの拒絶。やはり美琴には嫌われていた。すべてわかり目の前が真っ暗になった。美琴が何か言っているようだが全く耳に入らない。そして美琴は上条に背を向け立ち去っていく――――― とある少女の悪巧み―シリアスver― 2 ◇ ◇ ◇美琴は暗くなった空の下、公園のベンチでずっと待っていた。日が落ちたためかなり寒い、だが麻琴の言ったあの1言が美琴をこの場に留めさせていた。「幸せになれる、か……」今や麻琴の存在だけが美琴を支えていた。麻琴がこの世界の未来からきたというならば、自分は上条と一緒にいられる。パラレルワールドのことを考え1度は麻琴の存在も揺らいだ、しかし今は信じてただただ麻琴の言うことが本当であってくれと祈っていた。「にしても麻琴遅いな……飲み物でも買ってこよ。」そしてあの自販機でヤシの実サイダーを買い、ベンチに戻ろうとした時、「アンタ……なんで…ここにいるの…?」上条とはち会わせた。驚いたが麻琴が連れてきたんだろうと理解した。そして美琴は少し期待していた。ひょっとして上条はこれからも自分と一緒にいてくれるのではないかと。だがその想いはもろくも崩れた。「なんでって……麻琴に呼ばれて…お、お前のことが心配になってきたんだよ……」ああやっぱりそうか、と美琴は思った。上条の言葉と態度でわかった、やっぱり上条は自分のことを避けたがっている、と。上条の声は震えており今までの態度とは違った。目を会わせてくれないし一定の距離をとろうとしている。やはり前の関係には戻れないのだ。それは美琴にとってとても悲しいことだった。上条に大丈夫か?と聞かれたので大丈夫と答えたが内心はボロボロだった。そして美琴は1つの決断を下す。「あのね、アンタに言いたいことがあるの。」それは美琴にとって、とてもとても大きな決断だった。「い、言いたい……こと…?」「うん、私ね、もうアンタと会わないようにしようと思うの。」本当はこんなこと言いたくなかった。しかしどうせもう元の関係には戻れないし上条は自分を避けようとする。ならば、いっそのこと自分から遠ざけようと考えたのだ。「アンタも私に会いたくないんでしょ?なら丁度いいじゃない、私としてもアンタに迷惑かけたくないしね。」この言葉に対し上条は何も言わない。ただこちらを見続けているだけだ。「そうだ、もう1つ言いたいことがあったわ……」美琴は泣きたかったが我慢した、これ以上上条に罪悪感を感じさせないために。「今まで、ありがと……さよなら……」そして上条に背を向ける。それと同時に目から大粒の涙が溢れかける。だがまだ泣けない、せめてこの公園を出るまでは我慢しなければ。そのまま公園を立ち去ろうとする。と―――「いたっ!!やっと見つけたよ。」息を切らした麻琴が現れた。麻琴を見た美琴の足は止まった。◇ ◇ ◇番外個体は上条と美琴の様子がおかしいことに気づいた。だがそれより2人の誤解を解きたかった。「2人とも、少し……いや、たくさん話したいことがあるんだけど、いいかな?」番外個体は上条と美琴にそう尋ねた。しかし2人は全く返事をしない。「ちょっと聞いてる!?話を聞いてほしいんだけど?」そう言って美琴の腕をひっぱった。「あ……うん……ごめんちょっとぼーっとしてた…」美琴は素直に従った。しかし上条は何も見えず、何も聞こえず、意識がないようにも見えた。「………えい。」「!!?」あまりに上条が無反応なので番外個体は微量の電気を上条に流した。「ねぇ……ちょっと聞いてくれる?」「お、おう……」上条は急な衝撃に驚いた様子だったが無意識状態は治った。これで話を聞いてもらえる状況は調った。「それで話って…なんなの?」「あ、うん、今全部話すから。」そして番外個体は1度深呼吸をした。嘘をついてこんな状況を作り上げてしまったことに上条と美琴は怒るだろう。それにこれから2人はまともに接しようとしてくれないかもしれない。だがそれでも自分で蒔いた種だ。意を決して話しだす。「じゃあまずは……2人とも…ごめんさない!!」番外個体は頭を下げ上条と美琴に謝った。「え?な、何がだ?」謝られたことに上条は全く理由がわからなかったし美琴は上条との関係が悪化してしまったことに対しての謝罪だと思った。だがもちろん番外個体はそんな意味で謝ったのではない。「あの、冷静になって聞いてね。実はミサカは―――」番外個体の言葉の後、真っ暗な夜の静かな公園はより一層静まり還った。世界中の時が止まっているような感覚にみまわれる。それほど公園は静かだった。そんな静寂の中、美琴はゆっくり口を開く。「今……なんて言ったの…?」美琴はそうは言ったものの本当は聞こえていた。だが番外個体の言ったことはとてもではないが信じられないかった。「もう1度言うよ、ミサカは未来から来た2人の子どもじゃないんだ。本当はお姉様のクローンなんだよ。」クローン、その単語に上条は食いつく。「ク、クローンって……また何か実験が行われてたってことか!?」「それはないから安心してよ、ミサカのことは後でちゃんと説明するから。」上条は怪しんでいたがとりあえず番外個体の言うことを信じた。「じゃ、じゃあ……あの話はすべて…嘘?」「うん…嘘ついて本当にごめんなさい!」2人は混乱していた。何がどうなっているのか。つまり、あれが嘘で、何が、本当?そして上条がようやく理解したことは麻琴は未来から来た自分たちの子どもではないということだた。だが美琴の気持ちについてよくわからなかった。さっき寮の前で番外個体が言ったことが本当なのか。美琴が言った“会わない”ということが本心なのか。そこでおそるおそる美琴を見てみると―――「な!?おい御坂!」美琴は泣いていた。目から大粒の涙がとどまることなく、そしてそれを隠すことなく泣いていたのだ。美琴としては麻琴の存在は最後の希望だった。麻琴が上条と自分の子どもなら、まだ上条とうまくいく可能性はある。パラレルワールドの話しをしたときも、つい先ほど上条に会わないと告げた時も、心の底ではこれから麻琴の言う通りに上条と恋人の関係になれるのではないかと淡い希望を持っていた。だから先ほど番外個体が話をしたいと言ったときも素直に従ったのだ。だがその最後の希望も完全に失われてしまった。麻琴が自分たちの娘ではないとわかった時、美琴の中で何かが崩壊した。番外個体が『クローン』と言ったことも耳に入らない。ただ泣くことしかできなかった。「御坂!!」「お姉様!」そんな美琴を見て上条と番外個体は美琴の元へ駆け寄った。だが側までは近づけない。美琴の顔は真っ青になり、全身は震え、かなりの電気が漏れだしてきていた。上条には『幻想殺し』があるが電気は拡散しているため近づけば上条でも黒こげになってしまうだろう。美琴の状態はおかしさは尋常ではない。完全に能力のコントロールが失われていた。上条も番外個体も美琴がなぜこんな状態になってしまったのか全くわからなかった、が、番外個体には美琴のこの状態を抑える方法があった。「お姉様聞いて!!」この声が今の美琴に聞こえているかはわからない。漏れだす電気は徐々に増え、広範囲に広がっているため上条も近づけない。だが、それでも番外個体は美琴へ話しかけることを止めなかった。「お姉様は、嫌われてなんかない!」公園内に番外個体の声が響き渡った。そしてそれと同時に美琴から漏れだしていた電気が弱くなった。声が届いた、そうわかった番外個体は間髪入れずに「上条当麻はお姉様を嫌ってなんかない。」と、美琴に告げた。それが聞こえたのか美琴から漏れだしていた電気はほとんど止まり、少しだが生気が戻ったような気がした。「……それ……本当…?」美琴はうつむきながらぽつりとつぶやいた。それはとても小さく、消えてしまいそうな声だった。だが上条と番外個体にはしっかりと聞こえていた。「ほんとだよ。ね?」「ああ!本当だ、御坂、嘘なんかじゃねぇ!嫌ってるどころか最近俺は御坂と一緒にいることが楽しいんだ。」上条の言葉を聞いた美琴はゆっくりと顔を上げた。目には光が戻ってきている。「じゃ、じゃあなんで…あの時私から逃げたの……?」あの時、というのは今日の昼の出来事のことだ。少しの静寂の後、上条は口を開く。「それは……御坂に嫌われてると思って……それで、その、怖くなって逃げたんだ。」「だからさ、簡単に説明するとお姉様も上条当麻も、2人ともが嫌われてるって勘違いしてたんだよ。」番外個体が付け加えて説明した。そして美琴の震えが止まった。「勘違い……?じゃあアンタは…私のこと嫌いじゃないの……?」「ああもちろんだとも!何度でも言うけど嫌ってなんかねぇよ。」それを聞いた美琴に完全に生気が戻った。もう顔色も悪くないし電気も漏れていない。「よかった……ほんとによかった……」「そうだ……あの、俺も聞きたいけど御坂は俺のこと…嫌ってないよな?」「当たり前じゃない!嫌ってなんかないわよ!私はむしろアンタのことが―――――」美琴はそこまで言うと急に顔を真っ赤にして再びうつむいた。「??どうした御坂?今何が言いたかったんだ?」鈍感な上条は美琴が何を言おうとしたのかわからなかった。だが番外個体は違った。(今……お姉様絶対好きって言おうとした…よね……そういえば上条当麻もさっき同じようなことを……まさか!?)1人考え込んでいる番外個体の前では美琴がテンパっていた。「な、なんでもない!そ、そうだ!昨日も今日も電撃放ってごめん!!」美琴は照れ隠しに急に話題を変えた。明らかに不自然だったが上条は気にしない。「ああ、別に気にすんなよ。ちょっとびっくりしたけどな。」「ほ、ほんとにごめん……思えば私の電撃で勘違いが始まったんだもんね……」自分から話題を変えたのになんだか落ち込んでしまう。そんな美琴に上条は優しく受け答えをする。「だから気にすんなって。俺もお前から逃げちまったしおあいこ様だよ。」「う、うん……あの、さっきは会わないなんて言っちゃったけど…これからも今までの関係で……いてくれる?」「ああ、もちろんだとも。そんなこと聞くまでもないさ。」また上条と一緒にいられる、美琴の凍っていた心は完全に溶かされた。すると番外個体が美琴の腕を引っ張った。「ちょっとお姉様!」「え、な、何よ。」番外個体は上条に聞こえないように美琴と話す。「お姉様は今のままでいいの?」「へ?ど、どういうことよ?」「だから上条当麻との関係が今のままでいいのかって言ってるの!」「―――――――!?そ、そりゃ……やだけどさ……今はこのままでも―――――」「じゃあ今告白しよ!告白!!」そう言う番外個体の目は輝いていた。美琴の言うことなど聞いてはいない。番外個体には上条が美琴を好きだという確信がある。だからうまく2人を付き合わせれば少しは今回の騒動の償いにもなるし面白いものも見られる。その思いから数分間、必死に美琴を説得した。「ほ、ほんとなの?本当の本当?」「ほんとだって!ミサカを信用してよ!」かなり悩んだが美琴は先ほどとは違う大きな決断をした。そして美琴はありったけの勇気を絞り出した。「あ、あのさ―――――」◇ ◇ ◇美琴が決死の告白を実行してから数分後。美琴と番外個体はベンチに腰掛けていた。結論から言おう、美琴の告白は失敗に終わっていた。美琴は放心状態で番外個体がいくら声をかけても何の反応も見せなかった。すると“長いこと寒空の下にいて冷えちまっただろ?”と言って暖かい飲み物を買いに行っていた上条が戻ってきた。「コーヒー買ってきたぞ!えーと……番外個体だっけ?ほら。」「ああ、ありがと……」番外個体はコーヒーを受け取り美琴が座っている左側を見る。「……ほら御坂、コーヒー…飲むだろ?」上条がなんとも気まずそうにコーヒーを渡そうとしていた。そんな上条に対し美琴は無言で受け取った。ぎくしゃくした様子の2人を見た番外個体は耐えきれなくなった。「……あのさ…1つ言ってもいいかな?」「……なんだ?」番外個体は美琴、上条、そして手に持っているコーヒーの順番に視線を移してからため息をつく。「……2人とも……せっかく付き合うことになったんだからもっと何か話したら?」「う……話したらって言われても……なんか、その、話しづらくて……なぁ?」「ぅん……」訂正しよう、上条は気まずそうにコーヒーを渡していたのではない。恥ずかしかっただけだ。そして恥ずかしかったのは美琴も同じ、だから無言で受け取ったのだ。放心状態だったのは上条と付き合えたことが信じられない、ということだった。前途多難だね、と番外個体はため息まじりにつぶやいた。そしてなぜ美琴の告白が失敗に終わったのに2人が付き合うことになったのか、ということだが理由は簡単。「でもびっくりしたわよ、まさかアンタのほうから告白してくれるなんて……」美琴の言葉通り上条が告白したのだ。つまり美琴の告白は失敗したが上条の告白が成功したというわけだ。美琴は告白を決断したにもかかわらず、なかなか言い出せなかった。しかしそれを見た上条は奇跡的に美琴の言いたいことを察した。否、奇跡ではないのかもしれない。「そりゃ……番外個体のおかげだよ。」「へ?」「今回のことで俺にとってどれだけ御坂が大切な存在かわかったからな、それもこれも番外個体の作り話のおかげさ。ありがとな。」予想外だった。まさかお礼を言われるなんて思ってもいなかった。責められて当然、いつ責められるかとさえ考えていたところへのお礼。番外個体はなんだかむずかゆくなり先ほどの美琴と同じように強引に話題を変えた。「あ、いや、そ、それにしてもお姉様……以外とヘタレだったね…あれだけミサカが後押ししてあげたのに……」「い、いやあれは……もう少ししたら言うつもりだったのよ…」番外個体は目をそらし苦笑いするしかなかった。(……本当にミサカはこのお姉様のクローンなのかな?)それから3人はコーヒーを飲み終わるまでの数分間、今回の騒動や番外個体についてなどいろいろ話しをしていた。「あー……もうこんな時間か……もっといろいろ聞きたいんだけど…今日はもう遅いしまた明日会えるか?」「あ、うん。ミサカもそのほうがいいかな。」現在の時刻は8時前、当然完全下校時刻は過ぎているし番外個体もそろそろ帰らないと黄泉川が心配しだす時間帯だ。それに12月のこの時間帯はかなり寒かった。「……なあ御坂、寒くないか?」「そりゃ……寒いけど?」「じゃあ俺の上着貸してやるよ。」そう言って上条は上着を脱ごうとした。「へ?い、いいいいいやいいわよそんなの!アンタが寒くなるでしょ!」美琴は顔を少し紅くしながらそう言った。ちょっとした上条の気遣いがとても嬉しく、それだけで全身が暖かくなったように感じる。と、急に上条は美琴に顔を近づけた。「ぅえ!?な、何よアンタ!」「いや…顔赤いみたいだけど大丈夫か?」暗くて見えづらいため上条はさらに美琴に顔を近づけた。それを見た番外個体は何か面白いことを思いついたかのか、ニヤリと笑って上条に背を軽く押した。「「―――――!?」」番外個体に押された上条はどうすることもできずそのまま前によろけた。そして前にあるのは美琴の顔。つまり―――「それは今回の騒動のお詫びだよん♪じゃ、また明日ねお二人さん!初キスおめでと☆」それだけ言って番外個体は黄泉川のマンションへと帰っていった。「な、な……やられた……」上条はこれ以上ないというほど顔を真っ赤にして番外個体が走り去って行った方向を見ていた。唇にはまだ柔らかい感触が残っている。そこではっと気づく。今美琴はどんな反応をしている?付き合うことになったのだからキスをして怒っている、ということはないだろう。しかしもし機嫌が悪くなっていたら?ゆっくり後ろを振り返ってみると……「………お前…すっごい嬉しそうな顔してるな…」美琴は顔を赤くしながらも最高に幸せそうだ。それを上条に指摘され慌てて顔を下に向ける。「しょ、しょうがないじゃない!だって……嬉しいんだもん……」「……なら…もう一回するか?その…俺としては…ちゃんとしたいし……」「!?」美琴は素早く顔を上げた。少し驚いた様子だったが何も言わずにそのまま目を閉じた。「う……」自分からすると言ったのだがやはり恥ずかしい。数秒戸惑ったあとようやく行動に移す。美琴に近づき肩に手をおいた。「その…じゃ、じゃあ…ん―――」本日2度目のキス、今度は上条の意思でのことだ。数秒後、恥ずかしそうながらもとても幸せそうな2人の姿があった。すると急に美琴が「あ、あのさっ!さっきの……訂正していい…?」と、言い出した。“さっきの”と言われても上条にはそれが何を指しているのかはわからない。だがそこまで言われて断るわけにもいかないので承諾する。美琴は上条と目を合わせ恥ずかしそうに「えと……今までありがと…そして…これからもよろしくね。」そう言った。上条には何を訂正したのかわからなかった。しかし今の言葉が悪い意味でないことはわかる。「ああ……よろしくな、美琴。」そして2人は少し言葉を交わすと美琴は上条の右腕に抱きつき、仲睦まじく上条の寮の方向へと歩いていった。そして公園には誰もいなくなった――――――ように思えたが「にゃはっは~いいもん撮っちゃった♪」その声とともに番外個体が姿を見せた。実は帰るふりをして物陰に隠れていたのだ。そして右手にあるのはカメラ、もちろん学園都市製のもので暗闇でも、どんな距離でもはっきり写るすぐれものだ。このカメラを用意していたため5時に公園に来られなかったのだ。さらにこのタイプはすぐに写真が出てくるタイプ。番外個体の左手には2人がキスしている写真と仲良く寮へ向かって行く写真があった。「抱き合ってる写真でも撮れるかと思ったけど予想外に面白い物が……これは明日が楽しみ楽しみ♪ 今度は今日みたいなことがないようにしないとね☆」今回は予想以上の騒動になったがそれでも悪巧みは止められない。どうやらとある少女の悪巧みは明日も続くようだ―――
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『並行世界(リアルワールド)』 「っ!?」 バードウェイは生まれて初めて、絶望を知った。 光の無い闇。 死を待つだけの無力感。 彼女に去来した感情が心を震わせた。 虚栄でもいい。 『明け色の陽射し』を統べるリーダーとして、年端も行かぬ少女は肩を張らなければならなかった。そうしなければ、周囲に認めてもらえず、自分の居場所が無くなってしまう。 法律も倫理も通用しない世界で生きていく為には、必要な「鎧」だった。 だが、絶対的なチカラの前では、全てが吹き飛ばされてしまう。 金と権力が人を狂わせるように。 一つの過ちが正義を悪に変えるように。 チカラは人の心を丸裸にする。 竜王の腕が迫りくる中、バードウェイは、死に怯えるただの少女だった。 バギンッ!!! だが、幾ら待っても死は訪れない。 「―――?」 涙で霞んだ瞳を開けると、彼女の眼前には一筋の光が見える。 『闇』に手を伸ばす一人の少年の姿が、そこにはあった。 その姿は、いつも、彼女が想う小さな勇者だった。 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』は全てを打ち消す。 竜王の腕が砕け散る。 学園都市全土を覆うほどの竜王の腕は、腕の形に圧縮された雲であり、幻想殺しによってただの水蒸気へと変わり、霧散した。肌寒い突風にドロシーは小さく声を上げる。 「きゃっ!?」 突如として、零度以下の風が吹き荒れた。 冷たい風が彼らを襲う。地上付近で発生した雲は、地熱で温められ、冷たい雨が崩壊した都市を濡らした。 右手を突き上げたまま、空に浮かぶ英雄。 周囲を見渡す。 「…これは、ひどいな」 海は荒れ狂い、大地は揺れ、空を歪んだ。 シンラのベクトル操作で空中に舞い上がっていた上条当麻は、静かに降り立った。 少年は紅い空を見上げた。 螺旋状に霧散した雲。 紅い月が世界を照らし、地上は鮮血のように染められている。 世界を破滅させる大魔術、「神戮」は既に第三章に突入していた。 竜王の腕を形成するために、莫大な水蒸気が凝縮された。気候を大きく左右する雲が意図的に操作されたことによって、地球の環境が変動し、生態系に大きな影響を及ぼすことなる。 上条当麻は知覚する。 学園都市だけでは無い。戦争の余波は世界中に広がってしまった。 被害を最小限に抑えるために、周到な準備を行い、雲川芹亜を中心にして戦略を練った。神上派閥を総動員し、学園都市、ローマ正教、イギリス清教や様々な組織に協力を得て、事を起こしたというのに。 「くそっ…!」 世界を託された重圧が両肩にかかる。神上派閥の総帥として動いてきた上条当麻は、悔しさに唇を噛みしめた。 「……当麻」 恋人の背中に、御坂美琴は声をかける事が出来なかった。どんなに優しい言葉をかけても、人一倍責任感の強い彼には、慰めにならない。どのような厳しい言葉をかけたとしても、それは重みの無い言葉となってしまう。 だが、上条当麻に消極的思考(ネガティブ)は似合わない。 「…待てよ」 幾つもの死線を潜り抜けてきた少年は、逆転の勝機を見出した。 指をコキコキと鳴らし、 「…一か八かだ」 「『現実守護(リアルディフェンダー)』、『幻想守護(イマジンディフェンダー)』を解放する」 右手の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が次元を越える。 ビシリ、と空間に穴が開いた。 瞬間、ドバァッ!と膨大な光が噴出する。 上条当麻を囲むように見ていた魔術師や能力者は目が眩んだ。闇夜に目が慣れ、瞳孔が開いていた事もあり、光の漏洩を直視できる者はいなかった。 少年は、その歪に右手を突き刺した。 インデックスは驚愕する。 「まさかっ…!」 「…ドラゴンは世界と同化したのならば、地球上の全てがドラゴンだ。ならば、いつ何時でも、そこに『在る』ってことだよなぁ!!」 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が「核」を掴む。 光の中から、一人の青年が引き摺り出された。 凹凸の激しいアスファルトの地面に、青年が転がる。 黒で統一された長点上機学園の制服に、砂利が付着した。頭痛のせいか、青年は頭を押さえながら立ち上がった。 ツンツンとした黒髪。 一七八センチの背丈。 御坂美琴とお揃いのピンクマリンゴールドのネックレスを下げ、深紅の瞳が宿った『上条当麻(ドラゴン)』がそこに存在した。 「き、貴様ァ…!」 「そもそも「神戮」なんて起こす必要も無い。普通は神が地上に現れただけで、『カバラの樹(世界の法則)』は捻じ曲げられ、世界は崩壊する。 でも、世界は壊れなかった。つまり、俺の肉体を素体としてドラゴンは世界の矛盾を防ぎ、自分自身を召喚していた。 違うか?―――ドラゴン?」 「…!」 右足を軸に回し蹴りが放たれる。 上条当麻は両腕で防いだ。 「つぅ…!」 バッドで殴られたような衝撃が、二の腕を襲う。膝が軋んだ。 (流石は俺の体。柔道、合気道、空手、ボクシング、プロレス、コマンドサンボなどなど…あらゆる格闘技と体術、そして殺し合いの実戦で鍛えてるんだ。やっぱ伊達じゃねえな) 己の肉体を自画自賛しつつ、冷静な思考で敵を分析する。 今、眼前に立ちはだかるのは自分自身。 上条当麻は、不思議な感覚を覚えた。 (…怖えーツラ、ドラゴン完全にぶち切れてるよ…だが、中々イケメンだな、俺!) 一年前の上条当麻の身長は一六八センチで、現在の身長よりも一〇センチ低く、体重も一〇キロほど劣る。故にリーチもパワーもハンデがある。 だが、 「ぐはっ!」 技術は、積み重ねてきた努力は、魂に刻まれている。 バギンッ!と拳がぶつかり合う。背の低い上条当麻は腰を屈め、正拳を鳩尾に叩き込んだ。 『竜王の鱗(ドラゴンアーマー)』が破壊される。 ドラゴンは世界から魂を乖離された反動でダメージを負い、反応も鈍い。 「ごぼっ…!」 次々と繰り出される拳。 「ふ」 地を這いずる様に逃げるドラゴンは、上条当麻に砂利を投げつけた。 ドラゴンの逆鱗に触れる。 「ふざけるなァ!余が、きっ貴様ら人間如きに屈するか!余は『竜王(ドラゴン)』!神殺しの神と畏怖された唯一無二の存在!」 ドラゴンは叫んだ。服は汚れ、顔は泥と血が混ざり合っている。 竜王は、この世で怪物と恐れられた魔術師たちを手玉に取り、『一方通行(アクセラレータ)』をいとも簡単に死地に追い詰めた。『魔神』と呼ばれた禁書目録でも、竜王の前ではただの少女になり下がる。 かつて、魔術と科学の亀裂が顕在化し、『戦争』が勃発した。 戦力としてヨーロッパに派遣された能力者の子供たちは、兵士として、人を殺した。 魔術師を殺した。 神父を殺した。 聖人を殺した。 スパイを殺した。 歯向かう者は女子供であろうと容赦なく殺した。 そして、同時に殺された。 少年少女たちは学園に命令されるがままに能力を振るい、人を殺し、魔術の存在すら知らずに殺された。 生きたまま、精神が殺された者も多かった。 二人の『超能力者(レベル5)』を失い、四〇〇〇人以上の『妹達(シスターズ)』も命を落とした。 同じく、送り出された魔術師たちによって、学園都市も戦場と化していた。 学園都市第一位の超能力者は敗北し、守るべき少女は息を引き取る。 怒り、悲しみ、憎しみ、痛み。様々な感情が交錯し、とある少年の感情に蓄積する。幾多の戦いを乗り越え、苦しみを乗り越え、近しい者の死を受け入れ、大魔術師が長い月日をかけて肥やした土壌は、成熟期を迎えた。 魔王を倒すため、人々が一振りの聖剣を鍛え上げるように。 世界の危機が、英雄を生み出すように。 『竜王(ドラゴン)』は現れた。 覚醒した神は、全てを圧倒し、支配し、蹂躙した。 抗う事さえ愚かに思えるほどの絶対的な存在。 其の頭は、万物を理解する。 其の腕は、万物を創造する。 其の体は、万物を拒絶する。 其の足は、万物を超越する。 そのドラゴンが、追い詰められていた。 顔は泥で汚れ、長点上機学園は土色に染まっていた。地べたを這いつくばり、怯えた表情で上条当麻を見つめている。 震える手で、ベレッタW78を上条当麻に向けていた。 「当麻!」 「手出すなァ!美琴ォ!」 大声で御坂美琴を制す。 御坂美琴が使い捨てていた拳銃をドラゴンが拾ってしまった。 完全な失態だった。 彼女は自責の念で心を締め付けられる。 上条当麻は、 「情けねぇ…」 声を張り上げた。 「そんな銃じゃ俺は殺せねぇよ!」 バァン! 銃声が轟く。 彼らを見守っていた人々に緊張が走った。 御坂美琴は激情に駆られ、ドラゴンを射殺してやろうとホルスターから拳銃を引き抜くが、『一方通行(アクセラレータ)』がベクトル操作で彼女を拘束する。怒りで思考が沸騰した。 「何すんだぁ!殺されたいのか!シンラァッ!」 「黙って見てられェのか?テメェは」 「んだとぉっ!」 口から発生する波動を全て『反射』に切り替え、御坂美琴の叫び声を消した。 「当麻が死ぬわけねェだろうがァ」 半狂乱に陥っている御坂を無視し、白髪の少年は親友の決着を見届ける。 銃弾は上条当麻の頬を掠め、空を突き進んでいっただけだった。 「生まれてこのかたいくつもの不幸を味わって、もう慣れっこなんだよ!俺の肉体に宿ってしまった事が、「不幸」だったなぁ!」 上条当麻は拳を振り上げる。 ドラゴンは立ち上がり、拳を握りしめる。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」 「上条当麻ァああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 二人の拳が交差し、 ガツンッ!と。 顔面に突き刺さる。 魔術師と能力者が見守る中、瓦礫と土で出来たリングでの肉弾戦は一時静止した。 全力の右ストレートを額に受けたまま、微動だにしない。 ドロリと、二人の顔面に血が伝う。 「―――――――――」 「――――――――」 『神』と『人間』は言葉を交わす。 そして、 「お前の負けだ。ドラゴン」 『竜王(ドラゴン)』は崩れ落ちる。 『神』は敗北した。 上条当麻の胸に、意識を喪失した青年は倒れ込んだ。 紅い月は光を失う。 「神戮」は解除され、世界の破滅は止まった。 周囲は歓喜に満ちる。 だが、 「な、なに?」 ゴゴゴゴゴ…と鳴る地響きに、シルビアはいち早く気づいた。 地震では無い。 世界は在るべき姿に戻る為、修正が始まったのだ。 いつの間にか発生した光り輝く霧は、急速に広がり、濃度も急激に上がる。彼の勝利をたたえ、上条当麻の元へと駆け寄っていく仲間の姿が光に塗り潰されていった。視界だけでは無く、音も遠ざかっていく。少年は『幻想殺し(イマジンブレイカー)』と呼ばれる右手を見た。 右手の輪郭が徐々に薄れる。 視界が光に包まれていく中、上条当麻はそっと笑みを零した。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 第三学区。 日は落ち、学園都市は既に夜になっていた。 セブンズホテルの最上階のスウィートルーム、プリズムルームにある大きなソファーに、雲川芹亜は深く腰かけていた。タオルで汗を拭き取り、テーブルに投げ捨てる。 ようやく、長い一日が終わる。 多くの能力者と、多くの魔術師を動員し、神を滅ぼす『戦争』は幕を閉じた。 先ほど、意思体の交換が終了し、一年前の上条当麻の肉体を『並行世界(リアルワールド)』によって無事に返還したと報告が来た。 『並行世界(リアルワールド)』作戦は成功した。 半年前から動き出していた計画に終止符を打ち、ようやく緊張から解かれた彼女は、大きな深呼吸を繰り返す。 「お疲れさま」 黒スーツを着込んだ金髪グラサンは、彼女にコーヒーを手渡した。雲川はそれを受け取り、口に含む。ミルクと砂糖が多く入っており、甘い味覚が舌を刺激する。 「…本当に忙しいのはこれからだ。既に根回しは終わっているが、経営機能を失った企業を買収し終えるまで気が抜けない。この戦争の被害を利用しない手は無いからな。神上派閥を拡大させるためには又と無い大チャンスだ。目標値に達するかどうかは蓋を開けてみなければわからんが、戦後にアレイスターがやった買収行為。そのままそっくり真似させてもらうよ」 「ブレインは大変だにゃー」 口の周りに付いたコーヒーの泡を吹き取りながら、 「ま、やりがいはあるけど…貴様に言っておく」 「任務終了だ。「土御門元春」のふりはもう止めろ」 雲川は、眼前に立っている青年に告げる。 彼は柱の陰に隠れ、サングラスを外す。 途端、パリンと何かが割れたような音がした。 金髪が黒髪に変わり、彼の素顔は影に潜めた。 雲川芹亜の場所からでは、彼の顔が分からない。 「…上条様には、本当にお優しいのですね。貴女は」 彼女はその問いに答えなかった。 土御門元春は、既に死んでいる。 『戦争』が勃発する直前、彼は裏の世界で命を落とした。 義理の妹に告げること無く、優しい嘘をつきながら、上条当麻の腕の中で息を引き取った。 一年前の上条当麻には教えてはならない情報だった。故に、『肉体変化(メタモルフォーゼ)』の「彼」が死人の役割を担ったのだ。 「……土御門の死は、必要な犠牲だった。でなければ、ドラゴンの覚醒は…」 「私は上条様に命を救われました…こんな私にも、生きる理由と帰る居場所を与えてくれた。能力ゆえに、利用されるだけの人生でしたが、人のために尽くしたいと思ったのはこれが初めてですよ」 「…それが意中の人の為だと尚更だよ。私は総帥の悲しむ姿は、もう見たくは無いんだ……」 「貴女こそ、上条様に相応しい方だと、私は思っていますよ」 「…ありがとう」 雲川芹亜は、年相応の笑顔をこぼした。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 数日後。 第七学区内で最大規模を誇る病院のとある病室。 茜色に染まる日の入りを一人占めできるという西側の個室であり、関係者の間ではいわくつきの病室だと噂されていた。 その病室とは、事あるごとに戦いに巻き込まれ、ギネス級の入退院を繰り返していた上条当麻の専用室と化してしまった病室であり、彼が入院していなくとも「上条当麻」のネームプレートを看護士が外さなかったほどだ。 彼が入院するたびに医療機材が増え、現在ではICUと遜色ない設備が整っている。それと同等に、六五インチのテレビや最新のゲーム機といった嗜好品も数多く揃っており、一般患者が多い同階の病室では一際異彩を放っていた。 「二三学区に最新鋭の兵器が非公式にあったらしくてね?被害総額は八〇〇兆円ほどだって、聞いたよ?」 「…マジですか?」 カエルのような顔をした医者は、ベッドに横たわるパジャマ姿の上条当麻に声をかけた。 テレビから流れてくる情報は、世界各地で起こった超常現象の報道ばかりで、チャンネルを切り替えても内容はほとんど変化が無い。テーブルに置かれている新聞も同様だ。 公式見解では、『樹形図の生計者(ツリーダイグラム)』の後継機である『大いなる母(マザー)』が超常現象の危険を事前に察知し、アレイスター学園長指揮の元、二三〇万人を避難させたとの事だった。だが、各学区に残る不自然な痕跡から、これは超常現象ではなく、人為的に起こされたものではないか、という話も浮上し、人々の噂が噂を呼び、報道だけではなく、ネット上でも話題を独占していた。 「これ以上、ニュースを見るかい?」 「…結構です」 リモコンを操作して、テレビの電源を切る。 コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた。この時間に来訪する人間は一人しかいない。 「あんな可愛い子に心配をかけちゃいけないよ?」 「…すいません」 「それは美琴ちゃんに言うべきだね?」 カエルのような顔をした医者は、ドアを開ける。 彼らの予想通り、手に小箱を持って見舞いにきた御坂美琴がいた。 常盤台中学の冬服の上に、至宝院久蘭と同様の黒のマントを羽織っている。茶髪のロングヘアーに、誕生日プレゼントとして上条当麻からもらったヘアピンで前髪を留めていた。 「いつも当麻がお世話になってます」 「…いきなり何言ってんだ。母親かお前は」 「恋人よ。馬鹿」 二人のやりとりを見て、カエルのような顔をした医者は小さな溜息をつく。 「君たちの事は知ってるけど、仲が良いのもほどほどにね?分かってると思うけど、君たちはこの学園都市を代表する生徒だからね?」 「はい。十分承知しています。先生」 「美琴ちゃんからも当麻君に言っておいてくれないかな?君とは違って、ちょっと物分かりが悪いからね?」 「ちょ!?本人の目の前で、何言っちゃってくれてるんですか先生!」 「それと、彼、明日退院だから」 「シカト!?」 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 箱をテーブルの上に載せる。銘柄から、美琴が贔屓しているケーキ屋の名前だとすぐに分かった。御坂美琴は花瓶に生けてある花に目を通し、その隣には、一体どれほどの人が見舞いに来たのだと言うくらい、山のように積まれたフルーツの籠がある。 彼の顔は広すぎる。御坂美琴は改めて認識させた。 「額の傷は、そんなに酷いんですか?」 巻かれている包帯を見て、御坂美琴は言った。 平静な声だったが彼女は本当に彼の事が心配なのだろう、と医者は思った。人一倍向う見ずな性格をしている彼が、今まで肉体に後遺症を残さず命を落とさなかったのは、彼女のおかげだ。そう思い、カエルのような顔をした医者はそれが杞憂であることを正直に告げた。 「治療と言うより、検査かな?目立った外傷は殆どなかったからね?」 「…そう、ですか」 御坂美琴は安心した顔で、胸を撫で下ろした。 果物で溢れかえっている籠の中から、御坂美琴はリンゴを取りだし、慣れた手つきで、リンゴの皮を果物ナイフで剥き始める。 「何だぁ?美琴。この世界の英雄、上条当麻様がかすり傷くらいでどうかなるとでも思ってたのかぁ?心配性だな。美琴は」 「…分かってるなら、ちょっとは無傷で帰ってきなさいよ!」 ザクッ!と果物ナイフをベッドに突き立てる。上条当麻の右手の人差し指と中指の間を縫うように刺さった。 「うおっ!?」 「今のは当麻君が悪いね。ちなみに破れたシーツ代は後で君に請求するから」 「マジッすか!?いじめ?これいじめですよね?なんたる不幸!」 うがー!と両手で頭を抱える少年を見て、 「今回の事は、統括理事長から聞いたよ。世界を救ってくれたことに僕からもお礼を言わせてもらう。ありがとう。当麻君」 カエルのような顔をした医者は、深く頭を下げる。 その姿を見た二人は、少々面を食らった。 「こちらこそ…なんか、慣れないんですよね。こういうの」 上条当麻は視線を逸らし、頬をかく。何照れてんのよ、と。美琴は彼の頭を小突いた。 「あと、あしたはこっちの病院にはいないから、見送りは出来ないんだ。会う機会も少なくなるだろうから、先に言っておくよ。お大事にね」 カエル顔の医者は、ドアを閉めた。 君が患者になることは二度とないだろうから…と告げて。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 「貴殿にしては、例に見ない愚策であったな」 「―――そう言うな。君に比べれば、私の謀略など子供の遊戯程度にしか見えない事は分かっている」 「なに、そう自分を蔑下するでない。長い月日を生きていた余でも、貴殿ほど存在に狂った人間は見た事が無いぞ?」 第七学区。 窓の無いビルの中で、聖人とも悪人とも、男であり女であるような人間は、緑色の手術衣を着て、弱アルカリ性培養液に満たされた巨大ビーカーの中に逆さに浮いている。 推定寿命は一七〇〇年程。 世界最高の科学者である一方で、世界最高最強の魔術師でもある、学園都市総括理事長アレイスター=クロウリーは、視線の先にいる者と会話をしていた。 「AIMといったか?『神の物質(ゴッドマター)』を地上に振りまく濃度を観測する基準は」 「…君の予想通りだよ。神々が存在し、神の肉体を構成する『神の物質(ゴッドマター)』を地上で満たし、『神の世界(ヴァルハラ)』と同等の土壌を築き上げるために、大量の人間に「開発」を行っていた。 『神の物質(ゴッドマター)』の残滓とはいえ、本質は『思考によって変化する物質』。 『自分だけの現実』を強めれば『副産物(のうりょく)』は出現する。故に、現実を直視する者は、『自分だけの現実』が「有り得ないモノ」もしくは「現実で不可能だ」という思考が無意識に働いていてしまい、能力は弱体化する」 「『無能力者(レベル0)』とは、身分不相応な願望を持たない現実主義者(リアリスト)というわけだな。 ゆえに、夢や希望を信じて疑わない子供を使ったのか。 すなわち、高位能力者ほど、稀有なる誇大妄想家ということになるな …だが、余の見てきた大義を成す人間は、大抵がそういう者ばかりだったぞ? 唯の妄想家と、偉人と呼ばれる人間の違う点を挙げるとするならば、如何ようにして願望を実現できるかを理論的に考え、実行しているか否か、という点においてのみだ。 まぁ、科学も穴だらけの空論だ。現象を文字や数字に代用しなければ共通の理解を得られない人間の限界を、余は承知しているつもりだが?」 自身を『余』と名乗る者は、言葉を続けた。 「これからどうするつもりだ?アレイスター」 「――さて、どうするかね?君は、私に何を望む?」 「つまらぬことを聞くな。魔術師。心は貴殿の宝であろう?余の関することでは無い。この酔狂な街をどうしようが、貴殿の勝手ではないか…ただ、余にも守るべきモノはある。それだけだ」 「学園都市は潰さないさ…何時の間にか、この箱庭には随分と愛着が湧いてしまったからね」 「手間のかかる矮小な存在ほど、可愛いものだからな」 ククク…と、其の者は声を小さくして笑う。 アレイスター=クロウリーは告げる。 「どうだ?上条当麻。『神上(レベル7)』となった気分は?」 窓の無いビルの中で、学園都市総括理事長と対等に会話する少年。 身長は一七八センチ。 ツンツンとした黒髪。 長点上機学園の制服。 「―――っ…悪い。アレイスター。記憶の混濁が激しくて……危うくドラゴンに呑み込まれそうになってた」 頭を押さえる上条当麻が、そこにはあった。 「パーソナルリアリティを確立しろ。自我を保たないと、人間一人の思念体など、容易く飲み込んでしまうぞ。『竜王の顎(ドラゴンストライク)』から流れる情報は莫大だ。過去、未来、現在すら、区別がつかなくなってしまう」 そう、これは雲川芹亜すら知らない。 『竜王(ドラゴン)』は『上条当麻』と完全に同化した。 『The Real World Project』の最終目的はここにあったのだ。 ドラゴンは、元来から天界に存在する神ではなく、地上に存在する異端の『神』であり、その存在は「地に堕ちた天使」、すなわち『堕天使』のエイワスと酷使している。 そもそも、死の概念が無い「神」を殺すことはできない。 人が同じ過ちを繰り返すように。 神とは人の恐怖の対象であり、いずれそれが形となって、再構築される。 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が打ち消したのは『竜王(ドラゴン)』の破壊本能であり、肉体は残留していた。 意思体を失った世界最強の能力は、そのまま上条当麻という器に内包される。 ゆえに、『神上(レベル7)』。 神を殺し、神を越えた存在。 「神になったっていう感覚はイマイチなんだけど、人間じゃ無くなったっていう感じの方が大きいかな。アレイスターを見てるだけで、アレイスターがどんな過去を生きてきたのかっていうことが手に取る様に理解(わか)るんだ。この防壁の構成要素も、製造過程も、粒子の一つ一つが辿った歴史も…未来も」 「私の死も理解(わか)るか?」 上条当麻は頷く。 「…ああ、理解(わか)る」 そっと、アレイスターは瞳を閉じた。 (自分の未来は聞かないでおこうか…)とアレイスターが言ったかどうかも定かではないが、上条当麻は彼の意思を理解した。 次に放たれる言葉すらも理解し、 「『超電磁砲(レールガン)』を選んだ理由もあるのかな?」 鼓膜が震え、上条当麻はそれが発せられた言葉だと認識する。 「…美琴と禁書目録が対立する前に、美琴を選ぶのが最良の選択だった。一歩間違えれば、インデックスが美琴の存在を抹消したり、一〇〇人を越える女たちが、公式に殺し合いを始める未来すら在った……『竜王の顎(ドラゴンストライク)』がそう教えてくれる。 そして、ドラゴンは疲れていた。 人間が繰り返す歴史に、嫌気がさしていたんだ。 人間を滅ぼしてしまいたい気持ちも、理解(わか)ってしまう…だから、ドラゴンは、俺に託したんだ。神としての役割を…」 最期に交わした言葉を上条当麻は思い出す。 『余の代わりに、永遠の時を生きよ……神浄の…討魔』 「…やはり、ドラゴンは自ら殺されたがっていたわけだな…確かに、ドラゴンの余興に付き合うという点では理解したが…あのような作戦でドラゴンを殺せる訳は無い」 上条当麻の脳内では、見た事の無いビジョンが流れ出す。 それは人がまだ言語すら知らない時代から、今現在まで辿ってきた歴史。 人は笑い、悲しみ、憎しみ、愛し、築き上げてきた世界。 上条当麻の瞳に、うっすらと涙が溜まる。 誰の為に流した涙なのか、彼自身は理解しようとしなかった。 「…これからは長い付き合いになりそうだな」 「互いに有益な関係であることを望むよ。出来れば未来永劫にね」 時すら越える『空間移動(テレポート)』の究極能力、『竜王の脚(ドラゴンソニック)』が発動する。 音も無く、影も無く、窓の無いビルから「上条当麻」は消え去った。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 再び、場所はとある病室に戻る。 二日前、アレイスターと交わした言葉が何故今、頭をよぎったのだろうと上条当麻は思いながら、 「あれ?」 御坂美琴の胸に手を伸ばす。 もにゅ。 時は夕暮れ。 昼間は彼女が買ってきたショートケーキを食べながら、御坂美琴の常盤台中学での話を聞いていた。混乱に乗じて事件が多発している事や、校舎の半壊で長点上機学園は無期限の休学になっていることなど、話す話題は尽きない。 夜は『並行世界(リアルワールド)』作戦成功を祝い、学園都市最高峰の『エドワード・アレクサンデルホテル』のホールを借りて、立食パーティーが催される予定だ。 上条当麻と御坂美琴は恋人同士である。 名目上、 少年は長点上機学園高等部二年。『絶対能力者(レベル6)』第一位。『幻想殺し(イマジンブレイカー)』。 少女は常盤台中学三年。『超能力者(レベル5)』第一位。『超電磁砲(レールガン)』。 両名とも学園都市を代表する生徒であるが、それを除けば年相応の少年少女であり、格好良くなりたい、可愛くなりたい、オシャレもしたい、異性は気になるお年頃である。 個室に二人きりで、それが恋人同士になれば行動も自ずと限られてくる。 「…あっ、ん…どうしたの?」 「おっぱい大きくなった?」 「え?わかったの?服の上から?」 「ああ。俺、美琴のおっぱい大好きだからな」 「…おっぱいだけ?私は?」 「愛してる」 歯が浮くようなセリフは、ストレートなだけに絶大な効果がある。上条当麻はそれを肌身で感じていた。 彼女は当麻、と彼女は言おうとしたがそれ以上は言えなかった。 美琴の唇は塞がれてしまったからだ。 当麻の舌は美琴の口に入り込み、それを彼女も受け入れた。丹念に舌を絡め、熱いキスを交わす。 唾液に熱が加わり、それに合わせて当麻は胸を強く揉み始めた。 「ちょ…んふ、と…ちゅ、ちゅ…とうまぁ、少し痛い」 「ごめん。久しぶりだから我慢できねえ」 当麻は再び美琴の唇を貪り始め、強引に舌をねじ込ませた。そのまま彼女の体を反転させ、ベッドにゆっくり押し倒した。当麻が美琴に覆いかぶさるような体勢になる。 慣れた手つきでニットの下から手を入れて、シャツのボタンを外していく。その隙間から桃色のブラジャーを搔い潜り、素肌を貪った。 「やっぱり…大きくなってる」 「エッチ…ん、ふぬっ、あ、む、むちゅ…」 美琴の唇から口を離した当麻はフレンチキスを数回した後、頬、顎、首筋にキスをしていった。柔らかくてザラザラとした舌の感触が美琴の脳を刺激する。 「美琴」 当麻の声が下から聞こえた。彼のツンツンとした黒髪が美琴の顔に当たる。 「ん…なに?」 ボタンを外し終えた当麻はさり気無く両手を背中にまわして、美琴を抱きしめていた。本当はブラジャーのホックを外すためだったが、彼女の体温を感じた当麻は無意識的に抱擁していたのだ。 「来週の土曜まで溜めておくつもりだったが、上条さんはもう限界です」 「…だろうと思った」 美琴は当麻の髪を優しく撫でながら彼のことばを待った。 「今日はスゴイですよ?」 「あ…」 「どうしたの?」 上条当麻は周囲を見渡し、 「この部屋、カメラとか付いてないよな?」 御坂美琴は肯定した。 「あるわよ」 「マジで!?」 しかし、彼女は前髪に静電気を立てながら、不敵な笑顔で言った。 「…私がこうなることを予想してなかったと思う?」 「美琴、大っ好きだー!」 「きゃーっ!」 彼女に勢いよく襲いかかった上条当麻は、シャツを脱がせ、ブラジャーのホックをはずした。 彼の欲望は今から満たされようとしている。 「な・に・が・大好きなのかなぁ?とうまぁ?」 世界が止まった。 上条と御坂は即座に凍りついた。 「インデックスさん…人が悪いですよ。私はあと二時間ほど待ってたほうがいいと言ったんですが…ひぃ!」 「何?私に逆らう気?」 「……いえ。何でもありません」 御坂美琴はあわててシーツで上半身を隠し、おそろおそる上条当麻が振り向くと、 ブチギレ気味のインデックスと。 冷や汗をかいているアニェーゼ=サンクティスと。 現場を直視できない神裂火織がそこに佇んでいた。 「…ノックは?」 「したよ。三回も。なのに、とーまとみことちゃんはラブラブちゅっちゅっしてて気付かないんだもん」 うっ…!と黙り込む二人。 「私が気付かないと思った?匂いとかシャワーで…前からバレバレなんだよ?」 銀髪碧眼のシスターのこめかみに青筋が浮き出ている。 対処を間違えれば、『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』が撃たれかねない、と上条の能力が教えていた。 「ご、ごほん!その、貴方とその彼女が、そ、あ…だ、男女の関係だということは知ってました、が…」 知人の情事を間近で見るのは…その、とても恥ずかしいというか…だろう。 神裂の続く言葉は分かる。 実は神裂火織とのキスが上条当麻のファーストキスだったりする。 思わぬアクシデントだったとはいえ、唇が触れあったのは確かだ。それ以来、どことなくギクシャクしていた。そんなことは死んでも美琴には言えないが、と上条は思った。 突如、 「当麻さぁぁああん!」 と、彼に跳び込むように抱きついた少女がいた。 「ごめんさない!ごめんなさぁあい!」 上条のパジャマにしがみ付き、泣きじゃくっていた。入院しているのか、所々に包帯が巻いてあり、水色のパジャマを着ている。髪はショート。二重まぶたが印象的な女の子。 「…五和」 上条当麻は腹部に柔らかい感触を感じつつも、理性を保つ。 御坂は少々を面くらったが、彼女の心情を察し、手を出さなかった。 五和は顔を上条の胸にうずめたまま、謝り続けた。 そんな彼女の髪を、優しくなでる。 「五和が謝る事は何もない。むしろ謝るのは、俺の方だ。皆にたくさん迷惑をかけちまった」 彼の言葉に、五和が顔を上げる。 瞼には涙の痕がある。一人で泣いていたのだろう、上条は思い、優しく頭を撫でながら、微笑みかけた。 彼女の顔に、徐々に生気が戻る。 そして、目つきが険しくなったと思うと。 「当麻さん…私、やっぱり諦められません」 と、告げた。 「へ?」 何かを決意した目だった。 そのまま上条当麻の顔を両手で掴むと、 「貴方が、好きですっ!」 チュッ。 五和は愛の告白と同時に、情熱的なキスをした。 「ちょっ?!」 恋人の唇が目の前で奪われ、御坂美琴は素っ頓狂な声を上げる。 『あーっ!!!』 と、インデックスやアニェーゼ、後ろに控えていた『新たなる光』のメンバーが声を上げるが、時すでに遅し。五和の大胆な行動に、神裂火織は茫然としていた。向かい側のビルから双眼鏡で覗いていた天草式十字凄教のメンバーが、「うおおおおおおっ!修羅場キタ――(゜∀゜)――!」と喝采を上げていた事には誰も気づかない。 「責任とって下さいね♪」 「何言ってんのよ!五和!というか当麻から離れろぉ!」 はっとした御坂は五和を恋人から引きはがそうとする。 こんな時でも、病院内ということで雷撃を発生しないのは流石と言うべきだろう。 「聞いたよ!とうま!五和とデ、デデ、ディープキスしただけじゃなくて、裸まで見たとか!」 その言葉にビクン!と反応した御坂美琴は、ジロリと、座った目つきで上条当麻を睨みつけた。 うーん…と、甘える声を出しながら、五和は抱きついたままだ。 上条はダラダラと冷や汗を流しはじめる。 「ねぇ…どゆこと?」 「いや、それは俺じゃなくて、ドラゴンの仕業でっ?!美琴!」 グイッ!と襟元を掴み、強い力で引っ張られる。彼女の瞳にはうっすらと涙さえ溜まっている。 少年は慌てた。 「もう許さない!私と別れるか、皆の前で最後までヤっちゃうか!どっちにする!?」 「そんなことしたら、美琴の裸が皆に見られるんだぜ?!そんなことできるか!」 「じゃあ別れるのね?!私のこと、遊びだったんだね?!当麻に私の初めてを全部あげたのに!」 「やっぱり一年前とちっとも変ってないかも!むしろ肉体関係が絡んでるからもっとサイアク!とうま!とうまにはお祈りの時間を与える余地も無いんだよっ!死刑!生きたまま噛み殺す!」 「ああっ!カオス!本当にカオスってる!もうどぅすりゃいいんだよぉぉおおお?!!」 「うわーん!当麻の馬鹿ああああああああああああ!」 ズバン! バチィ! ドガァァッ! とある病室は木端微塵に破壊された。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 時刻は一九時を回っていた。 第三学区の『エドワード・アレクサンデルホテル』の三階にあるフロアを仕切って、立食パーティが行われていた。各国から名立たるシェフが集い、古今東西の料理が並べられている。 「これなに?」と物珍しそうに料理を眺めるアンジェレネもいれば、片っ端から腹に詰め込む暴食シスターもいる。総数は一〇〇〇人強と多く、畏まったフォーマルな雰囲気は無く、どちらかというと打ち上げのような賑やかな空気に包まれていた。修道服を着ている者もいれば、学園都市の制服を着ている人もおり、そこに科学と魔術の垣根など無い。力を合わせ、世界を救ったという連帯感が彼らの心を一つにしていた。「これが噂のライスケーキであるのよ?」と生ハムとチーズを包んだ餅を口に入れ、『最大主教(アークビジョップ)』が喉に詰まらせ、あたふたするステイルの姿もあった。 主役である上条当麻は、多くの女性からあからさまなアプローチを受け、その度に受ける電撃を打ち消していた。 学園都市を一望できるラウンジで、会場から一杯のオレンジジュースを飲みながら、 「…で、俺の借金はさらに増えるのでした…と」 「なに独り言を呟いてるの?友達イナイイナイ病が発症しちゃってるわけ?…まさか、お酒飲んじゃった?」 「んな訳ねーだろ。カミジョーさんは未成年ですよ?」 ツンツンのヘアスタイルでは無く、オールバックの髪型にワインレッドのネクタイに黒スーツ姿の上条当麻の隣には、白のドレスを身に纏い、化粧でその美しさに磨きがかかっている御坂美琴が立っていた。茶髪のロングヘアーにウエーブをかけ、胸元にはピンクアクアマリンゴールドのネックレスが輝いている。 「破壊されたあの医療機材、全部で六〇〇〇万円もするんだって…」 「八〇〇兆円に比べれば、大した金額じゃないでしょ?被害総額とか、既に天文学的数字だからね。でもその分、復興資金が潤っているみたいじゃない?」 「…神上派閥の組織がどんどん増えるわけだよな。ビジネスの恐ろしさを改めて身に感じてるわけですよ。経済学もすこしかじってるから」 長点上機学園でのカリキュラムは普通の高校過程と異なるが、彼のカリキュラムは雲川の助言の元、武等の他に、各国の財界人との会合も頻繁にある為、帝王学や上級社会のマナーも授業に組み込まれている。 そして、御坂美琴は常盤台中学の授業に加え、彼に並び立つに相応しい女であろうと様々な分野を学び、二人は多忙な日々を送っていた。 故に、会える機会には激しく求め合う。 口紅が付くのも厭わず、上条当麻は恋人と唇を重ねた。 「来週の土曜…覚悟しろよ?」 「それは私と遊園地に行くこと?それとも夜のこと?」 色々と特殊なカップルだが、蓋を開ければ一七歳の少年と一五歳の少女である。 「どっちもだ。馬鹿…好きだよ。美琴」 「私も。愛してる。当麻」 どちらともなく無言で見つめ合い、無言でキスをした。影が一つに重なる。欲情を満たす口付けでは無く、愛を確かめ合うような甘ったるいキスだった。唇を離し、瞳は離さないまま美琴は、 「ねぇ、当麻」 「なんだ?美琴」 「一年前に帰った当麻も、私のこと、好きになるかな?」 「ははっ…欲張りだな。美琴は」 「いいじゃない…それくらい」 一年前の自分が、どうような未来(せかい)を辿るかは分からない。 『戦争』が起こらない世界も『在』る。 近しい友が生存する世界も『在』る。 『戦争』で敗北する世界も『在』る。 自分が死んでしまう世界も『在』る。 御坂美琴を選ばない世界も『在』る。 小さな選択肢で、幾つもの多様な未来へと別れる「並行世界」。 その中で、この上条当麻は、この世界を選びとった。 後悔は無いと言えば嘘になる。 だが、この道を選んだ責任は取る。 そうやって、彼は新たなる未来(せかい)へ進んでいく。 上条当麻は全ての思いを呑みこんで、返事を待ちわびる恋人に笑顔を送った。 「ああ…何度でも、美琴のことを好きになる」 時間は、ゆっくりと流れていく。 再び、二人は甘い口付けを交わした。 夜空をほのかに彩る満月は、一つになった人影を優しく照らしていた。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue2 7時00分。 上条当麻は強い日差しに目が覚めた。すっかり秋の季節になって少し肌寒い早朝。 「…ん、んーっ」 体を動かし、目をこすりながら起き上ろうとした。薄目で時計を確認する。 (…まだ七時じゃねーか。あと十五分くらいはいいだろー) 昨日のうちにインデックスの朝食のためのご飯の仕込みは終わっている。おかずも昨日の残りがある。冷凍食品の在庫も問題ない。 (むにゃむにゃ、あと十五分は寝かせてくださいましー) ん? 上条当麻は、ふと気がついた。 なにやら美味しそうなにおいが漂っている。コトコトと鍋の音が聞こえてくる。 (俺、タイマーをセットしておいたっけ?) そんなはずは無い。上条当麻は炊飯ジャーのタイマーしかセットしない。そう疑問に思い、布団を跳ね除けて起き上がろうとして――― 「へっ?」 上条はベッドから転げ落ちた。 「い、ぎゃあ!?」 盛大に頭から転げ落ちる上条。不器用な前転によって頭に激痛が走った。 「いってー…って、ベッド?俺…へ?インデックスは?」 自分はいつも風呂場で寝ている。ベッドはインデックスが使っていて… まだ頭が覚醒しない上条当麻は、ドタドタとフローリングの床を走る音の方向を見た。 「とうま、おはようっ!」 瞳をキラキラと輝かせた銀髪碧眼シスター、インデックスが近づく。 部屋中に漂う匂いを嗅いで、上条は 「……朝からカレー?」 「とうまが好きだって言ってたから、私早起きして作ったんだよ!」 「……え?」 と、茫然。 そして、 「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!」 少年の絶叫が、とある男子寮に響き渡った。 上条の声に驚いているインデックスの肩をガシィ!と掴んだ。 (え?カレー?作った?何を言っているんですかこの暴食シスター様は!) 「どういう心境の変化ですかインデックスさん!…はっ!?まさかおねだりですか?わたくし上条当麻はこのとーり、貧乏学生でありますよ!高価なものを買うことは…」 「…なに言ってるの?とーま。私は…その……昨日の…いや、日頃の…お礼として、カレーをつくってみただけだよ?料理するのは初めてだったけど、レシピ通りに一所懸命に作ったんだ。 ……食べる?」 昨日?はて、俺はいったい何をした?と考えを巡らせながら、視線を落としたところで、上条当麻は硬直する。 なせなら、 頬を赤らめて、もじもじとするインデックスが、とても可愛かったからだ。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 同時刻。 ここはある高級住宅街にあるアパートの一室。元来は一人の独身女性が住まう一室だったが、今では色々な事情があり、四人で生活している。 カーテンから差し込む陽射しに目が眩んだ。 無造作に布団をはねのけ、白髪の少年は、うっすらと目を開ける。 二つの大きな人影が視界を覆う。 黄泉川瑞穂と芳川桔梗が、神妙な顔つきで白髪の少年を見ていた。 「…………………………………………………………………………………………………ア?」 彼女たちの顔をアップで見た『一方通行(アクセラレータ)』は、 「…何してンだお前ラ」 とりあえず万一に備え、チョーカーのスイッチに手をかける。 ジャージ姿の黄泉川は言葉を選ぶように、 「…アクセラレータ、大丈夫じゃんよ?」 「心配だったのよ?昨日と一昨日の様子が変だったから…」 そう言われて、白髪の少年は四八時間前の記憶を掘り起こす。 裏稼業の仕事はしていない。 特にやる事も無かったので、カエル顔の医者に紹介された技士を訪れ、杖の細工を依頼しただけだ。腑に落ちない点は無い。だが、二人の反応を見るに、何かがあったらしい。 上半身を起こそうとして、左腕に不自然な重みを感じる。 「?」 布団をめくると、アホ毛をピョコンと立てた『打ち止め(ラストオーダー)』の寝顔をあった。 『一方通行(アクセラレータ)』のこめかみにビシィ!と青筋が走る。 「おいコラ……なンでコイツがここで寝てンだよ」 その言葉に、黄泉川の顔がますます険しくなっていく。 「……アクセラレータが一緒に寝ようって言ったじゃんか…私たちの忠告も無視して、ラストオーダーのはしゃぎっぷりは尋常じゃなかったし」 「ンだとォ!?」 驚愕する『一方通行(アクセラレータ)』を真剣な目つきで見ながら、黒スーツ姿の芳川桔梗が、 「…やっぱり覚えてないのね」 と告げた。 彼女の意味深なセリフに『一方通行(アクセラレータ)』は反応する。 有無を言わせない目つきで彼女を睨みつけた。 「…一昨日と昨日の二日間をフルに使って、第六学区の遊園地を回ったのよ…私たちの仕事を裏から手をまわして、休暇にしてまで…ね」 「……遊園地ィ?いつ行ったンだよ?」 『一方通行(アクセラレータ)』は周囲を見回すと、見覚えの無いモノがある。 等身大のクマのぬいぐるみや、いかにも『打ち止め(ラストオーダー)』が好みそうな品物が、部屋の至る所に多く置かれていた。 「…………どういうことだ?」 一種の恐怖を覚えた『一方通行(アクセラレータ)』が、底冷えした声を出すと、 「ぷ」 黄泉川瑞穂が、 「あっははははははははっ!そこまで覚えていたくないほど、恥ずかしかったじゃん!?ぷ、ぷくくくくくっ…アクセラレータ、結構可愛いところあるじゃん」 突然笑い出す。 「…ふふふふ、確かに「アレ」は可愛かったわね。貴方に対する印象が変わったのは、確かね…ぷっ」 彼女につられ、芳川桔梗も笑みをこぼしていた。艶の無いショートヘアの黒髪がゆれる。 心底面白かったのか、普段はクールな彼女にしてはめずらしく腹をかかえていた。 対して、白髪の少年はまったく面白くない。 「…オイ。テメェら。何が可笑しいのか、今すぐ説明しろコラ。十秒以内だ」 その態度が彼女たちの琴線に触れたのか、黄泉川瑞穂の表情はさらに緩んだ。 「あっはっはっはっは!凄んでも何も怖くないじゃん!…は、腹が痛い!ふ、ふひひひひ!桔梗、水ちょうだい!笑いが、ぷははは!と、止まんない!」 テーブルをバシバシと叩く彼女を見て、「朝っぱらから喧嘩を売るとは上等だコラァ!」と『一方通行(アクセラレータ)』はブチ切れる。 彼らのやりとりを余所に、彼の隣で寝ていた『打ち止め(ラストオーダー)』は、 (貴方と一緒にたべたハンバーグ、美味しかったってミサカはミサカは…) むにゃむにゃ…と、幸せそうな笑顔で寝言を口にしていた。 窓のそばに、一つの写真立てがある。 写真の日付は昨日の昼時で、一枚の新しい写真が入っている。 そこには第六学区のアミューズメントパークで取られたものであり、四人の姿が写っていた。全員、何らかの着ぐるみを着ていて、芳川桔梗、黄泉川瑞穂はトラ、打ち止めはヒヨコの格好をしていた。 そして、 写真の中心には、 白髪の少年の不器用な笑顔が、そこにあった。 『並行世界(リアルワールド)』 Epilogue 眩い朝日が学園都市を照らす。 ツンツンとした黒髪に、一六八センチほどの背丈。高校一年の上条当麻は、学校へと続く道のりをトボトボと歩く。 朝からインデックス作のカレーを食べ、初めて作ったとは思えないほどの出来だった。そのおかげか、上条は良い気分に浸っていた。 しかし、腑に落ちない点もある。 (…インデックスの態度が何か妙なんだよなー。やけに優しいし、目を合わせると、顔を真っ赤にするし…それに) 上条は携帯を確認する。 (日付が二日違うんだよなぁ…俺の思い違いかなぁ? やけにリアルな夢を見ていた気もするし…あれー?なのに、夢の内容をまったく覚えてねぇ…) 首をかしげながら、インデックスの態度の原因を考えるが、思い当たる節も無い。ポケットに携帯を入れようとした時、 ヴヴヴヴ…とバイブレーションが作動する。 相手を見た。 画面には『土御門元春』と表示されていた。 上条当麻の背中にいやな汗が流れる。 彼は学校のクラスメイトでありながら、実は魔術側とも繋がりのある多重スパイであり、先週も彼の連絡を発端に、魔術がらみの一悶着があったばかりだ。 インデックスの事が頭をよぎり、戦々恐々たる思いで上条当麻は通話ボタンを押した。 「もしもし、土御門か?」 『カミやん…今日は学校に来ない方がいいぜい』 「何でだよ?また魔術関連の事件が…」 『青ピが上やん討伐作戦を実行中だにゃー』 「……は?」 予想外の返答に、上条は肩透かしを食らった。 しかし、聞き流せない言葉もある。 「なんの不幸イベントだよそれ。青ピを怒らせる事…何かしたか?俺」 電話の向こうで、土御門が言葉を詰まらせたのが分かった。 『…何をしたか?だと?』 「…え?」 『カミやん。今の一言で、俺も青髪の計画に参加させてもらうにゃー』 「おいっ!土みか…」 唐突に電話を切られた。ツーツー…と音が鳴る。 今回は魔術がらみの事件では無いが、何らかのヤバい事に巻き込まれるのは理解した。 冗談ではない。 土御門の声色に明らかな殺意が混じっていた。 「…どうすっかな?学校行った方がいいのかな?」 時間に余裕を持って登校している途中、 目の先に見慣れた少女が樹木の裏側に立っていることに気付いた。 肩の高さまである茶髪に、上条よりも七センチほど低い背丈。ベージュ色のブレザーに紺色のプリーツスカートを穿いている。 (あれは…ビリビリだよなー …今学校に行ったらヤバい気がするし…適当に御坂をあしらって、時間潰すか) と、上条は生まれて初めて彼女の出会いに感謝した。 相手は俯いていて、上条には気づいていない。今日は自分から声をかけようと思い、手を振った。 「おーい。御坂ー」 ビクン!と反応し、全身がプルプルと震えだした。変なのいつも通りか、と上条は思って、彼女が振り向いた直後、 ズドドンゥ!! 一〇億ボルトの電撃が、少年の真横を突きぬけた。 即座に反応できず、腰を抜かした上条は右手を突きだしながら叫ぶ。 「み、みみみみ御坂さん!朝から致死レベルの電撃を浴びせるとは、一体何事ですかっ!」 周囲にいた学生たちが悲鳴を上げながら、散らばっていく。 前髪をバチバチと鳴らせながら、 「昨日、自分が何をしたか…覚えてる?」 常盤台中学二年、学園都市『超能力者(レベル5)』の第三位、御坂美琴は上条当麻に近づいた。 聞くまでも無い。 少年が煽るまでもなく、彼女は戦る気満々だった。 「そ、そそそそそその上条さんは、常盤台のお嬢様の気に触れる事を何かなさったのでしょうか?」 怯えた声を上げながら、上条は御坂美琴の表情を見る。 はて? 気のせいだろうか? 美琴の顔が真っ赤になっている。 「…まさか、覚えてないの?」 声が怖い。 「は、はははははははいぃぃ…インデックスに噛みつかれたせいか、昨日と一昨日の記憶が丸っきり無いのでして…」 「じゃあ、思い出せやコラ♪」 ビリビリバチィ!! と、上条の顔面目掛けて雷撃の槍が放たれた。 反射的に右手で打ち消す。 それだけでは気が済まないようで、少女の全身から不穏な雷鳴が聞こえてきた。 「それなら…私が…思い出させてやるわ… アンタはね…常盤台中学の、正門の前で……私を呼びとめて、私に……き……き、キキキキキ…」 「き?」 上条当麻の間抜けな反応に、御坂美琴はついにブチキレた。 「KILL YOU!(殺す!)」 ズドン! 音速の三倍以上のスピードで撃ち出された『超電磁砲(レールガン)』が、上条当麻の髪をかすめた。 「レールガン!?お前!本気で殺す気だな!?」 ジジジ…何かが焼け焦げた匂いがする。 本能的にヤバいと上条は感じ、学校のカバンを投げ出して逃走した。 「待てやコラァ!」 一〇億ボルトの雷撃が足元に直撃し、アスファルトの地面が抉れる。 「御坂さーんっ!!口調がどこぞの不良ッぽくなってますよー!?」 御坂美琴は次々に雷撃を繰り出し、上条当麻を追いかけ始めた。 「アンタが、あんな事を…したせいでっ!先生に、問い詰められるわっ!黒子は、鳴き喚くわっ!大変、だったん…だからねっ! アンタのせいで、全然眠れなかったんだからっ!責任取れええええええええー!」 自分の立場を忘れ、大声を張り上げながら少女は走りだす。 彼らにとってはいつもの光景であり、 理不尽な攻撃を受けて、少年はいつもの口癖を叫ぶ。 「不幸だー!」 少年の声は、快晴の空に響いた。 こうして、 上条当麻の不幸は、続いていく。 fin
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【BEASTBIND TRINITYオンライン用キャラクターシート】 【基本情報】 キャラ名 :黄泉平坂 暦(よもつひらさか こよみ) プレイヤー名:いぬはやて 年齢:外見40~50歳、実年齢不明 /性別:男 /カヴァー:闇医者 スタイルクラス:サポーター プライマリ:イレギュラー(異能者)/セカンダリ:ヴォイド(死神) 初期人間性:56 種族:人間、概念、邪神(混血児) 【ライフパス】 出自:興味/人間の世界(好奇心) 邂逅:興味/神庭未羽 エゴ:「研究」の成就 変異:黒き影を纏う。 【能力値】 【肉 体】 【技 術】 【感 情】 【加 護】 【社 会】 基本能力値 【 4 】 【 4 】 【 8 】 【 8 】 【 3 】 能力判定値 【 2 】 【 2 】 【 4 】 【 4 】 【 1 】 アーマー値 【 5 】 【 5 】 【 7 】 【 7 】 【 4 】 戦闘能力値 【白兵値】 【射撃値】 【回避値】 【行動値】 元値 【 7 】 【 7 】 【 4 】 【 11 】 修正値 【 7 】 【 7 】 【 4 】 【 11 】 最大FP値:36 【アーツ】 アーツ名 種別 レベル タイミング 判定値 対象 射程 コスト 効果・解説 ページ 魔獣化 自 1 マイナー 自動成功 自身 なし 0 魔獣の姿となり、データが変更される 170 アレナ展開 自 1 メジャー 自動成功 場面 シーン 0 アンノウンマンをエキストラ化 170 サポートフォーム 自、魔 1 常時 自動成功 自身 なし 0 ≪魔獣化≫をイニシアチブにも使用可能 108 絆の救済者 自、回 1 効果参照 自動成功 単体 シーン 愛 真の死を回避し【FP】完全回復。シナリオ1回 108 ワンモアチャンス 自 1 判定直後 自動成功 単体 シーン 2 判定振り直し。ラウンド1回 108 ヴォイドオーラ 選、魔 1 マイナー 自動成功 自身 なし 4 自分の攻撃を無属性に、対象のA値を0に DCD52 異能:ゴッドハンド 選、回 1 マイナー 自動成功 単体 シーン 4 対象を[【感情】+1D6]回復、バッドステータス回復 DOM55 チャンスメイク なし 1 メジャー 自動成功 単体 シーン 3 対象を未行動にする 109 死を想え 攻、魔 1 メジャー 【感情】 範囲 至近 3 対象に重圧と放心、ドッジは【感情】 DCD55 死の宣告 なし 1 セットアップ 自動成功 単体 シーン 2 対象が受けるダメージに+【加護B】 DCD54 スーパードクター 魔 1 常時 自動成功 自身 なし 2 【回復】のアーツまたはアイテムの効果に+(LV+1)D6 DOM44 混血児:驚異の外科手術 魔、回 1 メジャー 自動成功 単体 至近 4 [【肉体】+(LV×2)D6]回復、バッドステータス回復 DOM50 【装備品】 名称 : 種別 :判定値 : 攻撃力 :ドッジ :G値 :A値 :行動値 :射程 :備考 メス、ハサミ、鉗子 : : : : : : : : :白兵武器(小型)、基本P174 よれよれの白衣 : : : : : : : : :呪衣、基本P176 【一般アイテム】 名称 :効果 診療所 :住宅/住処、DCD119 手技 :闇医者、DCD119 超再生薬 :DCD119 超治癒薬 :DCD119 通信機器 :P181 助手兼ナース :部下/使用人P181 情報屋 :情報コネクションP181 【設定】 中肉・中背。痩せぎすで色白。 老人のような白髪を持つ、金属眼鏡の男。 池袋の裏路地、退廃的なビルが立ち並ぶ区画よりもさらに影に、さらに暗闇に立ち入った場所に、 彼の診療所『こよみ医院』は存在する。 表向きは内科から外科に精神科。美容形成、産科、避妊、性転換…と幅広く診察するが、いわゆる 闇医者であり、金銭に関わらず何かしらの“対価”を支払えば、いかなる困難な手術、瀕死の回復、 延命、あるいは違法レベルの身体改造や洗脳の類も行う、…と闇社会で評判のドクターである。 (なお、対価の支払いを拒んだ者は謎の死を遂げる事が多い) そんな彼にはもう一つの姿がある。───『魔物専門のドクター』である。 『こよみ医院』はちょうど池袋と『幻朧城塞』の境界に位置し、普段は魔物の患者が彼の医療を求めて 詰め寄せるようだ。(そして何故か魔物の患者と人間の患者は鉢合わせしない) そんな彼の現在の命題は「刹那にして永遠」といった言葉にすれば抽象的であり、常人には理解し難 いものであるのだが、彼の行う意味深な行動の全てはこの命題のために行われるものだという。 ハンターズブラッドに参加する腕の良い魔狩人であるが、魔物による事件を『往診』。依頼者を『患者』 あるいは『被験者』。魔物との戦闘を『手術(オペ)』になぞらえる癖をもつ。 同時に潔癖症であり、“素肌”での握手や他人との肌接触を極端に忌避する(他人に触れる際は清潔な 手袋を着用する)悪癖が存在する。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 魔物たちは彼の患者であると同時に被験者であるらしく、『こよみ医院』には何故か『霊安室(モルグ)』 とよばれる地下室が存在し、そこで何か怪しげな研究を行っている。 魔物に関わる理由もその研究…特に“羽根”が彼の研究テーマである「刹那にして永遠」と密接な関係 にあるようだ。 【セッションボーナス】 【成長記録】 【特記事項】 【コンセンサス一覧】 男性役(攻め手)が基本のキャラです。 また一応同意を求めますが、洗脳、改造、調教といった要素も想定していますのでご了承ください。 その他推奨・NG事項:
https://w.atwiki.jp/mankake/pages/102.html
imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 作者:佐山英治 作品概要 後でここに記載 ジャンル 作品を読む
https://w.atwiki.jp/mbga_seiya/pages/383.html
[黄泉路の番人]デスマスク タイプ テクニック 必要コスモ 15 初期攻撃力/防御力 4300/4720 初期総パラメータ 9020 最大攻撃力/防御力 10750/11800 最大総パラメータ 22550 必殺技 積尸気冥界波 効果 スピードタイプの攻 特大ダウン 【解説】 自身の正義の信念に従う蟹座の黄金聖闘士。悪を討つためなら女子供を犠牲にすることも厭わず、 守護を任される巨蟹宮には、自ら手にかけた者たちの霊が彷徨い続けている。 [黄泉路の番人]デスマスク+ タイプ テクニック 必要コスモ 15 初期攻撃力/防御力 5160/5664 初期総パラメータ 10824 最大攻撃力/防御力 12900/14160 最大総パラメータ 27060 必殺技 積尸気冥界波 効果 スピードタイプの攻 特大ダウン MAX覚醒時 初期攻撃力/防御力 7310/8024 初期総パラメータ 15334 最大攻撃力/防御力 15050/16520 最大総パラメータ 31570 【解説】 自身の正義の信念に従う蟹座の黄金聖闘士。積尸気を自在に操ることが出来、 生きたまま魂に直接干渉する「積尸気冥界波」はどんな相手も問答無用であの世へと叩き込む。
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【種別】 年表 【解説】 禁書目録、漫画版禁書目録、エンデュミオン、超電磁砲、アストラル・バディ、心理掌握、一方通行、未元物質、各アニメオリジナルエピソード、その他特典の一部をまとめた年表。 なお、革命未明(サイレントパーティー)編は排除してある。 禁書目録のみの年表は 本編 年表(旧約) 本編 年表2(新約) 本編 年表3(未編集)(創約) 超電磁砲、アストラル・バディ、心理掌握のみの年表は 超電磁砲 年表 アストラル・バディ 年表 心理掌握 年表 一方通行のみ年表は 一方通行 年表(未編集) をそれぞれ参照。 なお、特に出典話数が書いていない出来事は、基本的にSS2巻にて収録。 一昨年~昨年春頃 昨年 四月〜夏昨年 五月 昨年 六月(夏服への衣替え後) 昨年 七月前後(本編時系列での大覇星祭・九月二十日の約十四ヶ月前) 昨年 夏~冬 一月二十日 二月三日 二十三日 三月十五日 四月五日 二十六日 五月十日 十一日頃(八月十一日の三ヶ月前) 二十四日 衣替え前(冬服) 六月十四日 十七日頃(七月十七日の一ヶ月前) 七月七月一日〜三日 五日 十二日 十六日 十七日 十八日 十九日 二十日 二十日前後(九月二十日の約二ヶ月前) 二十一日 二十二日 二十三日 二十四日 二十五日 二十六日 二十七日 二十八日 八月一日 二〜四日 五〜七日 八日 九日 十日 十一日 十五日 十六日 十七日 十八〜十九日 二十日 二一日 二二日 二三日 二四日 二五日 二十七日 二八日 二九日 三十日 三十一日 九月一日 一日以降 八日 十四日 第三金曜日 十九日(大覇星祭 一日目) 二十日(大覇星祭 二日目) 日付不明(二十日からの数日中。夏服) 二十五日(大覇星祭 七日目・最終日) 二十六日 二十七日 二十八日 二十九日 三十日 十月三日 四日 七日または八日 九日 学園都市の独立記念日(祝日) 十日〜十六日 十六日 十七日 十八日 十九日 三十日 一昨年~昨年春頃 超電磁砲およびアストラル・バディにおける『才人工房(クローンドリー)』関連の時系列は、いずれも話が並行して進んでいる(または前後している)可能性があるため注意。 超電磁砲 第六十八話 ・『才人工房』第二研究室に所属していた警策看取が、『ドリー』という中学生の少女と出会い、友人関係となる。 ・警策とドリーの親しい関係が続いていた中、警策が偶然にもドリーの裸を見てしまう。彼女の身体に生命維持装置が埋め込まれていることを知る。 ・警策、能力を使用して機密情報を盗み出し、ドリーが体細胞クローンのプロトタイプであることを知る。 ・警策、ドリーに対して行われている非人道的な人体実験をやめるよう研究員に抗議するも、暴行・監禁される。 超電磁砲 六十話 ・『才人工房』第一研究室(外装代脳計画)に所属していた食蜂操祈が、実験のどさくさにまぎれ下級の研究員を支配。以後、少しずつ研究員たちの掌握を始める。 超電磁砲 第五十九話~六十話 ・ドリー、唯一の友人だった『みーちゃん』という人物(警策)に、身体の傷や機械を見られたことで気持ち悪がられ嫌われたと思い、精神的な不調をきたす。 ・ドリーのメンタル面を復調させるため、食蜂の能力に白羽の矢が立つ。 ・食蜂、心理掌握(メンタルアウト)の能力によってドリーの認識を誤認させることで、見ず知らずの『みーちゃん』に成りすまして友人関係となる。 ・食蜂とドリーの親しい関係が続いていた中、食蜂の目の前でドリーが倒れる。彼女があとわずかの命であることを知る。 ・ドリーが死去。食蜂、唯一の友人を亡くしたショックで精神的な不調をきたす。 超電磁砲 六十話 ・食蜂、『才人工房』のうち第一研究室の職員を中心とした外装代脳(エクステリア)計画関係者の掌握を完了。 アストラル・バディ 第九~十一話 ・『才人工房』第一研究室所属の食蜂操祈が、第三研究室(内部進化)所属の帆風潤子と出会う。 ・『才人工房』第三研究室(内部進化)に、弓箭猟虎、弓箭入鹿姉妹が編入。以前より所属していた蜜蟻愛愉、帆風潤子らと出会う。 ・食蜂、再び帆風と会う。心理掌握(メンタルアウト)の能力を使用して、能力開発の影響で激しい頭痛で苦しんでいた帆風の痛みを和らげる。なおこの際、食蜂は名を告げずに立ち去る。 ・第三研究室(内部進化)に幼少期から所属し、別室で療養中だった悠里千夜が、帆風と出会う。 ・帆風、悠里との会話で、自身の頭痛を直してくれた少女が別の研究室に所属する『ミサキさん』という少女であると知る。 アストラル・バディ 第十五~十六話 ・第三研究室(内部進化)で、悠里千夜の能力を使用し、所属する学生を被験者とした実験が行われる。 ・実験が失敗し、悠里の能力が暴走。帆風、猟虎、入鹿らが負傷。ほか多数の学生や研究員に死傷者を出す。 ・帆風を庇って、研究員の遠峰叶理が死去。 ・蜜蟻、悠里の能力の暴走を止めることに成功するが、多数の友人や遠峰の死傷を目撃し大きな精神的ショックを受ける。 ・悠里、昏睡状態に陥る。 アストラル・バディ 第十六話 ・食蜂、第三研究室(内部進化)のパトロンであった統括理事の女(常盤台中学理事長)と取引をし、出資を止めさせる。 ・第三研究室(内部進化)を仕切っていた蠢動俊三の前に、木原脳幹が『警告』に現れる。 ・第三研究室(内部進化)が解体される。 超電磁砲 第六十話 ・警策看取、上記の食蜂の動きによってもぬけの殻となった旧『才人工房』から脱出。 ・警策、統括理事会への復讐を決意。 昨年 四月〜夏 昨年 五月 超電磁砲 第百三十一話(御坂美琴一年生編) ・御坂美琴、例の自販機に一万円を飲まれる。 ・美琴、自販機の前で三年生の先輩・神苑小路瑠璃懸巣(しんえんこうじるりかけす)と出会い、自販機回し蹴りの技を伝授される。 超電磁砲 第百三十一話~百三十二話 ・美琴、ルームメイトで支倉派閥メンバーの潔斎雪紫から、常盤台の派閥制度と三大派閥である沙派閥、水鏡派閥、支倉派閥についてのレクチャーを受ける。 ・この際、三大派閥の長である沙淡扇、水鏡凪紗、支倉冷理という生徒の存在を知る。 ・美琴、校舎内の廊下で切斑芽美とその友人たちと出会い、互いに挑発しあう。 ・美琴と三大派閥のトップ(沙、水鏡、支倉)が、校舎内の廊下で偶然にも鉢合わせる。 ・支倉、美琴を校舎の裏庭に連れ出し、ベアリング(金属球)を用いた能力による的撃ち勝負を誘う。 ・この勝負の際、美琴が初めて超電磁砲を撃つ。 昨年 六月(夏服への衣替え後) 超電磁砲 第百三十二・五話 ・美琴と食蜂が校舎内の廊下で偶然出会う。 ・食蜂、亡くなった親友と「同じ顔」の美琴に対し怒りが湧き出す。美琴と食蜂が初めての諍いを起こす。 超電磁砲 第百三十二・五話(美琴と食蜂の初邂逅から一週間後) ・潔斎、美琴と食蜂の低レベルすぎる喧嘩を目撃する。 ・潔斎、神苑小路と美琴が親しくしている姿を見る。二人の常盤台生らしからぬ発言・言動や自販機回し蹴りにドン引きする。 超電磁砲 第百三十三話 ・支倉、学園都市の能力デモンストレーションのためフランス・パリへ出向く。 超電磁砲 第百三十三話 ・水鏡派閥の三年生で家格至上主義者の花山院つかさが、支倉派閥の二年生で地方旧家出身の炎乗香炭を挑発・侮辱し、一触即発の事態となる。 ・花山院、下校途中に何者かによって殺害されかける。 超電磁砲 第百三十三~百三十五話 ・花山院が襲撃された翌日、この事件が炎乗による犯行であると水鏡派閥が主張。支倉派閥は濡れ衣・狂言であると主張し、派閥同士で衝突寸前となる。 ・水鏡派閥の潤井葵花と朝倉・オリビア・萌亜が、支倉派閥に対しての実力行使による報復を主張。 ・潤井、朝倉とその友人が三人で下校中、何者かによって襲撃される。 ・支倉派閥による襲撃と考えた潤井と朝倉が、支倉派閥の一員である潔斎に対して報復攻撃を行う。美琴と神苑小路が仲裁に入り、潔斎への攻撃を止めさせる。 超電磁砲 第百三十五話 ・支倉派閥のメンバーに対し、パリでのデモンストレーションのため不在の支倉冷理から、単独行動や派閥間対立を避けるよう指示が出る。 超電磁砲 第百三十六話 ・支倉派閥の安賭蜴吹禾が支倉の指示無視した独断専行で、水鏡派閥の水鏡凪紗、助澤世菜、角坂凛奈の三名を襲撃。死傷を顧みない武力戦闘に突入する。 昨年 七月前後(本編時系列での大覇星祭・九月二十日の約十四ヶ月前) 超電磁砲 五十七話、六十八話 ・警策看取、学園都市統括理事長殺害を目的として統括理事会本部ビルにテロ攻撃を行うが、殺害は失敗。 ・警策、上記の事件により少年院に服役する。 昨年 夏~冬 新約十一巻 ・街中の交差点で食蜂操祈が上条当麻と出会う。 ・上条の携帯電話が食蜂の荷物に紛れ込んでしまう。 ・上条と連絡が取れなくなった蜜蟻愛愉が、グラウンド・ジオの人造湖に飛び込み自殺する(ただし後に命を取り留めていたことが判明)。 新約十一巻(上記の三日後) ・グラウンド・ジオの人造湖畔で、食蜂が自身の記憶を消去するある種の自殺行為を行おうとする。 ・食蜂、上条と再び出会う。蜜蟻の最期の地を訪ねてきた上条によって、食蜂は結果的に自殺行為を止められる。 ・以後、食蜂と上条は、たびたび街中や公園で会い親しくなってゆく。 新約十一巻 ・食蜂、超能力者(レベル5)を憎む学生集団のデッドロックから命を狙われる。 ・上条、食蜂を守るためにデッドロックと戦い瀕死の重症を負う。 ・食蜂が心理掌握による痛覚遮断の応急処置を施すが、この際に上条は食蜂操祈という人物に関する事柄を記憶できなくなってしまう。 超電磁砲 第三十七話 ・施設内にて『絶対能力進化』計画の第一次実験が行われる。 ・ミサカ1号、一方通行によって殺害される。 超電磁砲 番外編 ・風紀委員の訓練所にて、白井黒子と初春飾利が出会う。 ・郵便局に強盗が現れ、黒子と初春が巻き込まれる。 ・黒子が絶対等速と応戦し左足首を砕かれるが、美琴の陰からの援護により無事に捕縛する(美琴との出会いはなし)。 ・この時点では黒子は自身を空間移動させる事が出来ない事が判明。 一月 二十日 SS2 ・スキルアウト三馬鹿が黄泉川にしょっ引かれる。半蔵が黄泉川に恋心を抱く。(この時点で無能力者狩りは起きていない模様) 二月 三日 神裂がジーンズ屋エロ店主と共にジーンズ切り裂き魔・ヴァルキリーを追う。 二十三日 上条刀夜がイタリアで魔草売りバルビナ、リドヴィアと出会う。リドヴィアが一人でいい空気吸ってハイになる。 三月 十五日 レベル5ナンバーセブン・削板軍覇(そぎいたぐんは)がスキルアウトに絡まれた原谷矢文(はらたにやぶみ)を助ける。 四月 五日 ブラジルで貧乏な少女・イネスが御坂旅掛(みさかたびがけ)と出会い、 助言に従って家電ゴミの基盤からレアメタルを回収する事業を立ち上げ、成り上がった顛末をインタビュアーに語る。 二十六日 白井黒子が坂島道端(さかしまみちばた)の美容院でスターゲート計画と「原石」について会話。 五月 十日 魔神になれなかった男・オッレルスがフラリと寄ったミラノの町で人身売買組織を壊滅させる。 相棒のシルビアの元に引き取った子供たちを預け、またどこかへ。 十一日頃(八月十一日の三ヶ月前) 超電磁砲 第二十話 ・研究場内にてミサカ9982号が生まれる。 ・女性研究員により、施設内で殺害された、妹達最低でも10人の後片付けを命じられる。 二十四日 浜面仕上がSHINOBIソルジャー・半蔵の秘密に勘付いたため、郭に消されかける。 衣替え前(冬服) 超電磁砲 第二十五話 ・妹達の外部研修が始まる。布束砥信が同行。 六月 十四日 工山規範(くやまきはん)が守護神(ゴールキーパー)のシステムに挑戦し、敗北。 十七日頃(七月十七日の一ヶ月前) 超電磁砲三話 ・御坂美琴がスキルアウトに絡まれていた所に上条当麻が乱入。 逆に美琴を怒らせ雷撃を喰らうが無効化。以後数回遭遇→逃亡を繰り返すことに。 七月 七月一日〜三日 とある科学の超電磁砲SS② ・御坂美琴、『ショッピングセンター』で起きたオレンジの事件に巻き込まれる。 五日 ロンドンの酒場で御坂旅掛と上条刀夜と田中君が出会う。 「原石」の少女と関わったため追われることになり、最終的に無人のセスナ機を爆破して死んだふりをすることに。 十二日 雲川芹亜(くもかわせりあ)と貝積継敏(かいづみつぐとし)が「原石」の扱いについて対話。 雲川芹亜がスプリンクラーで一人雨祭りしている上条当麻に出会う。 十六日 超電磁砲一話(朝方) ・銀行強盗を起こしたレベル3の発火能力者を白井黒子が確保する。 ・同時に車で逃走を目論んだ残党を御坂美琴がレールガンで車ごと吹飛ばす。 十七日 超電磁砲二話(朝方) ・名前不明の風紀委員の女生徒が登場する。 ・御坂美琴が風紀委員に間違われ子供が無くしたバッグを探す事になりヌレヌレのグチャグチャになる。 超電磁砲三話(夕方~夜) ・上条当麻がコンビニのATMにカードを飲み込まれる。 ・河原で御坂美琴が上条当麻に決闘を仕掛けるが、上条当麻が途中で逃亡。その後一晩中追いかける。 超電磁砲四話(夕方) ・コンビニで爆弾が爆発。名前不明の風紀委員の男生徒が負傷する。 十八日 超電磁砲四話 ・レベル4量子変速能力者の釧路帷子が名前と顔写真のみ登場。 ・佐天涙子初登場。 超電磁砲五話 ・御坂が佐天、初春と共にセブンスミストに向かった際に店内で上条当麻に遭遇。 ・セブンスミストで虚空爆破事件が発生するが上条当麻と御坂の活躍により、人的被害無しで容疑者と見られる学生を確保する。 十九日 本編一巻・超電磁砲六~七話 ・ネット上で幻想御手を使用したと実名で書き込みをしていたスキルアウトらしき集団と御坂美琴がコンタクトを取るが、 御坂が絡まれていると勘違いした上条当麻の介入により失敗する。 ・スキルアウトらしき集団が御坂に焼かれる。 ・上条当麻相手に人間相手では初めとなる全力を出した御坂の雷により周辺地域で停電や電波障害等が引き起こされる。 二十日 超電磁砲七話(朝~昼前) ・勝負の後上条当麻を追いかけていたら一夜が明ける。 ・虚空爆破事件の犯人が昏睡状態になる。 ・御坂美琴と白井黒子が病院で木山春生と出会う。 本編一巻(朝方) ・上条当麻がインデックスと出会う。 ・上条当麻、インデックスと別れて登校。小萌先生の補習を受ける。 超電磁砲八話(昼頃~夕方) ・佐天が幻想御手を入手する。 ・木山春生が病院内と喫茶店でキャストオフ。 ・喫茶店を出た後、御坂美琴が上条当麻の存在を察知して追いかける。 本編一巻(夕方~夜) ・補習帰りの上条当麻が御坂美琴に遭遇。 ・インデックスを追ってきたステイル=マグヌスと上条当麻が交戦。 ・負傷したインデックスの誘導により、月詠小萌が回復魔術を使い癒す。 二十日前後(九月二十日の約二ヶ月前) 超電磁砲 五十七話、六十八話 ・警策看取が『心不全により少年院内で死去』。 ・木原幻生の手引きにより警策が少年院から不法に連れ出され、幻生と接触。 二十一日 本編一巻(朝方) ・上条当麻とインデックス、小萌先生の家で一晩明かす。 ・インデックスが動けるようになるまで療養に努める。 超電磁砲九話・十話 ・木山春生、白井黒子が幻想御手だと言われている音楽ソフトをDLし本格的に捜査を開始する。 ・幻想御手を金銭で売買しようとしていたスキルアウトらしき集団と白井黒子が戦闘を開始。 ・黒子が解体予定のビルを破壊する事で偏光能力者の隙を付き拘束する事に成功するがアバラ骨を数本折られる?怪我を負う。 二十二日 上条とインデックス、小萌先生の家で待機 二十三日 二人、引き続き待機 砂皿緻密がステファニー=ゴージャスパレスに狙撃を否定される。 二十四日 超電磁砲十一~十六話 ・佐天と友人が幻想御手し意識不明になり冥土帰しの病院に収容される。 ・幻想御手の作成に使用されている脳波が木山春生の物だと判明する。 ・幻想御手を利用し木山春生が擬似的に多重能力となる。 ・警備員を壊滅させた木山春生が御坂美琴と対峙する。 ・木山春生が幻想御手を作成する事となった、理由と過去が語られる。 ・不意打ちで手痛いダメージを受けた木山春生から謎の胎児(?)らしきものが出現する。 ・幻想御手のネットワークの暴走により出現したAIMバーストと御坂美琴が交戦を開始する。 ・初春が現地の警備員と連携して、幻想御手のワクチンソフトを学園都市中に流そうと行動を開始する。 ・ファミレスでだべっている、アイテムのメンバーがちょい役で出演する。 ・学園都市中に幻想御手のワクチンソフトが流される。 ・弱体化したAIMバーストが核を撃ち抜かれ、御坂美琴に撃破される。 ・木山春生が警備員に捕縛される。 ・佐天涙子が意識を取り戻す。 本編一巻(午後8時) ・インデックスの傷が完治する。 ・上条当麻とインデックスが銭湯に出かける。 ・上条当麻が神裂火織と交戦するが敗北、意識を失う。 二十五日 超電磁砲十七話 ・美琴と黒子が常盤台中学学生寮に帰るが、寮監に見つかりプール掃除の罰を受ける。 二十六日 SS2 ・砂皿がステファニーのミスの後始末へ。 偽典『超電磁砲』 ・黒子、削板を捕まえようとするも失敗 ・美琴、那由多と交戦中に削板が乱入。そのまま美琴は削板に決闘を申し込む。 ・寮監、事態を鎮圧 二十七日 本編一巻(日付が変わる直前) ・上条当麻目を覚ます アニメ『超電磁砲』OVA 二十八日 本編一巻(午前0 00~) ・上条当麻がインデックスに施されていあた首輪を一部分を破壊、自動書記起動 ・インデックスが放った竜王の殺息により、人工衛星に搭載されていた樹形図の設計者が破砕される。 ・上条当麻が首輪を完全に破壊、光の羽によって当麻は記憶を失う。 ・カエル顔の医者初登場 超電磁砲三十三話 ・『樹形図の設計者』が、正体不明の高熱源体の直撃を受け大破したことが判明。 捜索隊が人工衛星の残骸の一部を回収。 アニメ『超電磁砲』OVA 八月 一日 とある科学の超電磁砲SS(『禁書目録』目録) ・テロリストによる燃料輸送車両のジャック事件が起きる。 ・警備員の要請により、風紀委員から初春飾利が派遣される。 ・黄泉川愛穂と初春飾利が最悪の事態を防ぐ為に奮闘する。 ・事件の顛末を見届けた御坂美琴と白井黒子が首謀者を制裁しに向かう。 二〜四日 アニメ超電磁砲オリジナル「ビッグスパイダー」編 五〜七日 アニメ超電磁砲オリジナル「乱雑開放(ポルターガイスト)」編 八日 本編二巻 ・上条当麻とインデックスが参考書を買いに行く ・帰り道に寄ったファーストフード店で姫神秋沙に遭遇、初登場 ・上条当麻、ステイル=マグヌスに姫神秋沙奪還の協力要請を受ける ・インデックスがスフィンクスを拾う ・アウレオルス=イザードの立て篭もる三沢塾に上条当麻、ステイル=マグヌス両名が潜入する ・黄金練成で切断された上条当麻の右腕から、竜王の顎が出現 九日 本編二巻 ・上条、ステイルから事件とアウレオルスの顛末を聞く。 十日 超電磁砲 第十八~十九話 ・幼少の頃の、美琴がDNAマップを提供する経緯が明かされる。 ・第七学区にマネーカードを撒いていた長点上機学園の少女がスキルアウトに絡まれるが、話術と演出だけで鎮圧する。 ・美琴が能力を使用して、長点上機学園の学生名簿にハッキングを仕掛け、寿命中断の少女の名前が、布束砥信だと判明する。 ・美琴が樋口製薬・第七薬学研究センターに進入。妹達の事を知るが、実験は行われる前に永久凍結されたと残されていた為にそれを鵜呑みに。 ・美琴と入れ違いで妹達の一人が現れ、残されていたデータを消去。 十一日 超電磁砲 第二十話 ・美琴、当面の心配事が消えてハイになり、黒子に不審がられる。 十五日 超電磁砲 第二十一~二十四話 ・美琴、妹達の一人ミサカ9982号と遭遇。 ・美琴、ミサカ9982号が自分のクローンであることを知る。 ・初春が美琴から実験の符丁(パス)についての相談を受ける。 ・ミサカ9982号、白髪の少年と合流。第九九八二実験に向かう。 ・21時00分、第九九八二次実験開始。 ・美琴、初春の手を借り、符丁(パス)から絶対能力進化計画の存在を知る。 ・第九九八二次実験、白髪の少年によるミサカ9982号の殺害で終了。 ・美琴、白髪の少年がミサカ9982号を殺害する現場を目撃。我を忘れ、白髪の少年に戦いを挑む。 ・白髪の少年の能力の前に美琴の攻撃はことごとく無力化、切り札の超電磁砲すら反射される。 ・白髪の少年の反撃前に、計画外戦闘を止めるべく妹達が到着。白髪の少年が警告を受け入れ戦闘終了。 ・美琴、相手が一方通行であることを知る。 十六日 超電磁砲 第二十五話 ・美琴、布束と再会。 ・美琴、絶対能力進化計画関連施設に対し直接間接両面から破壊活動を開始。 十七日 超電磁砲 ・美琴により施設は残り2基まで迫る。 実験の外部研究施設への引継ぎと施設の防衛が申請され、結果上層部からアイテムに施設の防衛が依頼される。 十八〜十九日 超電磁砲 第二十六~三十話 ・アイテム、キャンピングカーにて電話相手から依頼の詳細を聞き、分散し防衛に当たることに。 ・美琴、絶対能力進化計画関連施設の破壊に向かう。 ・美琴、施設内で待ち構えていたフレンダと交戦、撃破。 ・フレンダの救援に麦野、滝壺が到着。美琴と戦闘になる。 ・麦野、侵入者が美琴であることを察し、自分一人で勝負をつけるべくフレンダと滝壺を後退させる。 ・美琴、麦野と交戦。フレンダの置き土産を利用し撃退に成功。 ・研究施設の破壊後、再度麦野の奇襲を受けるがフレンダの置き土産を利用し撃退。施設からの撤退に成功。 ・もう1基の研究施設のデータ移設作業の関係で、布束が研究施設に呼ばれる。 ・布束、妹達に感情データを入力することで実験への妨害工作を試みるが、絹旗に捕縛される。 隙を突いてミサカネットワークに感情データの入力を行うが、セキュリティに阻まれ失敗。再度捕縛され連行される。 ・麦野、施設の研究員から資料を奪い絶対能力進化の全貌を知る。 二十日 超電磁砲 三十話 ・美琴、もう一方の施設に潜入。施設が稼働していない事を確認。 ・美琴、ミサカ10031号と遭遇。第一〇〇二〇次実験まで終了しており、計画が未だ進行中であることを知る。 本編 三巻 ・上条当麻が自販機に二千円札を飲み込まれ、そこに現れた御坂美琴が電撃で自販機を誤作動させる ・上条、御坂妹(ミサカ10032号)と出会う 二一日 本編 三巻 ・絶対能力進化について知った上条当麻が、鉄道の操車場で一方通行と激突、勝利する 二二日 超電磁砲 三十九話 ・美琴、上条の見舞いに行く。 本編 三巻 ・インデックス、上条の目覚めに立ち会う。 二三日 SS2 ・妹達が占いについて会話。 ・ミサカ19090号が天井亜雄製00000号に関する伏線を投入。 二四日 超電磁砲 鉄橋は恋の合図 ・上条退院、美琴クッキー渡し損ねる。 二五日 超電磁砲 四十話 ・エツァリ、海原光貴に変装して美琴のストーキング開始。 二十七日 本編 四巻 ・上条とインデックス学園都市を出る。二人で一日海で過ごす。 超電磁砲 第四十話 ・美琴、婚后光子と出会い、友人のフリをしてもらうことで海原(エツァリ)を躱す。 ・婚后、会話の流れから、美琴の名前を「海原光貴」だと勘違いする。 二八日 本編 四巻 ・『御使堕し』発動 ・上条とインデックス、家族と合流。 ・夜間、火野神作が上条当麻を襲撃、乱入してきたミーシャ=クロイツェフに撃退される 二九日 本編 四巻 ・上条宅にて火野神作と上条当麻、土御門元春、神裂火織、ミーシャ=クロイツェフらが交戦する ・『神の力』と神裂火織の交戦中、土御門元春が赤ノ式で『御使堕し』の魔法陣を破壊 三十日 とある予言の禁書目録 ・上条当麻宅に預言書『マラキの予言』が届く 三十一日 本編 五巻 ・缶コーヒーを買いに出た一方通行が打ち止めと遭遇 ・御坂美琴が上条当麻に偽恋人役を演じるよう依頼する ・街中で上条当麻とエツァリが交戦 ・一方通行が天井亜雄の発射した銃弾を頭部に受ける。同時に打ち止めに仕掛けられたウィルスが完全に除去される ・闇咲逢魔がインデックスの魔道書を狙い、誘拐する ・上条当麻と闇咲逢魔が学園都市の包囲を突破、呪いをかけられている女性を救いに行く 九月 一日 本編 六巻 ・始業式の早朝、上条当麻が外部より帰還する ・姫神秋沙が上条のクラスに転入 ・インデックスと上条が風斬氷華と知り合う ・シェリー=クロムウェルが学園都市に侵入を強行 超電磁砲 四十〜四十一話 ・婚后光子が常盤台中学に編入。自身の派閥を作ろうとするも白井黒子から警告される。 ・婚后、切斑芽美とその友人らから嫌がらせを受ける。 ・婚后、湾内絹保・泡浮万彬の両名と友人関係になる。 ・婚后、ようやく美琴の名前の勘違いが解ける。 アニメ版超電磁砲においては、この婚后の編入(登場)時期やストーリーが大幅に変更されている。 一日以降 (一方通行とエステルと打ち止めが共に外出している描写があるため) 未元物質 第一話 ・深夜、垣根帝督が不良達に狙われていた杠林檎を助ける ・垣根帝督から命令を受けた心理定規がDAの隊員から情報を引き出そうとするが、失敗する 超電磁砲 四十一話 ・御坂美琴、常盤台中学内の図書館で食蜂操祈と諍いを起こす。 八日 本編 七巻 ・オルソラ=アクィナスが『法の書』の解読に成功したと伝えられ、争奪戦が開始される ・天草式とともにオルソラがイギリス清教に 十四日 本編 八巻 ・“残骸”を巡って結標淡希と白井黒子が交戦する 第三金曜日 SS二巻 ・御坂美琴が書庫にハッキングを仕掛けるが初春飾利に返り討ちにされる 十九日(大覇星祭 一日目) 本編 九・十巻 ・吹寄制理、御坂美鈴が初登場 ・オリアナ=トムソンが『刺突杭剣』の取引の為学園都市に侵入する 二十日(大覇星祭 二日目) 本編 十巻 ・リドヴィア=ロレンツェッティが『使徒十字』と共に上空8000メートルから落下する 超電磁砲 五十~六十七話 ・ミサカ10032号(御坂妹)が何者かによって拉致される。 ・食蜂操祈が自身の能力(心理掌握)を使用して、白井黒子・佐天涙子・初春飾利の記憶から「御坂美琴との思い出」を奪う。 ・御坂美琴、縦ロールの少女(帆風潤子)や口囃子早鳥ら、食蜂派閥の面々から監視を受ける。 ・「美琴の妹」の行方を探していた婚后光子・湾内絹保・泡浮万彬が、メンバーの馬場芳郎と交戦。 ・婚后、馬場から暴行を受け救急搬送される。 ・湾内と泡浮、馬場を撃破。 ・美琴、逃亡した馬場を追撃し撃破。 ・妹達(シスターズ)の行方を探していた警策看取が、美鈴と初春を人質に取って美琴および黒子と交戦。 ・美琴と食蜂、一時協力して木原幻生の居場所を襲撃するが、幻生を捕らえることに失敗。 ・佐天、借り物競争で「借り物」が見つからず困り果てていた上条当麻と偶然出会う。「借り物」のお題であるお守りを貸す。 ・食蜂が『外装代脳(エクステリア)』を使用し、高速道路の渋滞していた車列を全てをどかす。 ・木原幻生がミサカネットワークに自作のウイルスを撃ち込む。美琴を暴走させ絶対能力者(レベル6)へと進化させようと試みる。 ・上条と削板軍覇が出会う。二人で協力し、暴走を続けている美琴の撃破を試みる。 ・黒子、警策が能力によって操る人形(液化人影)と交戦。 ・黒子、本物(生身)の警策と交戦し撃破。 ・食蜂、幻生に『外装代脳』の偽の解除コードを使わせ撃破。 ・上条と削板、暴走中の美琴の撃破・救出に成功する。 ※食蜂派閥の一員である縦ロールの少女(以下帆風潤子)は『アストラル・バディ』連載開始の際に氏名が明かされたため、禁書目録本編および超電磁砲の作中当時はまだ名前未判明。 日付不明(二十日からの数日中。夏服) 超電磁砲 第七十話 ・警策看取と食蜂操祈、かつて亡くした二人の共通の親友であるドリーの『妹個体』の救出・保護へ向かう。 ・警策と食蜂、ドリー(妹個体)を救出。『親友との再開』を果たす。 二十五日(大覇星祭 七日目・最終日) 本編 十巻、超電磁砲 六十九話 ・上条、美琴とフォークダンスを踊り、白井にドロップキックを喰らわされる。 本編 十一巻 ・上条当麻が来場者数ナンバーズで一等のイタリア旅行を引き当てる。 二十六日 本編 十一巻 ・上条当麻とインデックスが空港を発つ 超電磁砲 七十一話 ・美琴、帆風潤子から、「人の夢を見られるカード」であるインディアンポーカーを譲り受ける。 ・美琴、帆風から譲り受けたカードを試すが、「食蜂操祈に一生付き従いご奉仕する」内容の最悪な夢(※帆風にとっては最高に幸せな夢)を見てしまい、翌朝までひどくうなされる。 アストラル・バディ 一話 ・白井黒子の同僚、常盤台中学一年で風紀委員活動第〇〇三支部所属の牧上小牧が初登場。 ・前後して常盤台中学内で頻発していた『私のお姉様に近づくな!』事件のおとり捜査のため、白井が帆風といちゃつきながら歩く。 ・白井、帆風との会話で、現在進行系で『常盤台七不思議』あるいは『常盤台の怪談』などと呼ばれる謎の「幽霊」的な現象が頻発していること知る。 ・『私のお姉様に近づくな!』事件の捜査の結果、帆風潤子に恋をしている常盤台の女子生徒が、帆風に近づく他の女子生徒に嫌がらせをしていたことが判明。 ・帆風、謎の「幽霊のような少女(悠理千夜)」に取り憑かれる。 二十七日 本編 十一巻 ・上条当麻とインデックスがイタリアに到着する ・上条や天草式により、女王艦隊壊滅 ・ビアージオ=ブゾーニが行方不明に アストラル・バディ 二話(一話の翌日) ・帆風、昼過ぎまでかけて「幽霊さん(悠里)」から逃走して引き離そうとするも失敗。仕方がなく受け入れる 超電磁砲 七十二話 ・美琴と食蜂に仲良くなってもらいたい帆風の目論見で、帆風・美琴・食蜂が三人でお茶をする ・美琴や食蜂とあられもないことをする夢を記録したカードを頒布しようとしていた『BLAU(青髪ピアス)』が、隣の店に居合わせた二人の手により撃破される 超電磁砲 七十三・五話 ・空間移動系能力者の高校二年生の女子生徒が、半ズボン制服姿の小学校四年生の男子児童にいかがわしい目的で声をかけ、自宅へ誘おうとする事案。 超電磁砲 七十三~七十四話 ・白井と初春、「未来の事故や事件を予知するアプリ」の捜査をする ・白井、予知された現場で交通事故に巻き込まれかけた女子生徒を救う ・白井と初春、アプリを開発した予知能力者の小学生・美山写影と出会う ・白糸初春、美山の予知に従い行動し、川で溺れかけた小学生の女子児童を救助する ・夜、三人組の女子生徒が、とある公園の桜の木の根本に何かのアンプルを刺す 二十八日 本編 十一巻 ・オルソラがアニェーゼを伴いイギリス清教徒の寮に到着 ・上条当麻とインデックス、超音速旅客機にて学園都市に帰還 超電磁砲 八十話 ・スーパーマケットの買い物帰り、佐天涙子がサバ缶の売り切れでうなだれていた名も知らぬ外国人少女(フレンダ=セイヴェルン)に付きまとわれる。 ・佐天、仕方がなく外国人少女を自宅に招き、サバ缶を使用した自作の料理を食べさせる。 超電磁砲 七十四話 ・白井、引き続き美山の予知に従って様々な事件を早期に解決、または防ぐ アストラル・バディ 三話~四話(二話の翌日以降) ・帆風、「幽霊さん(悠里)」にとりつかれたまま常盤台中学へ登校 ・食蜂、能力を使用する際に使用するリモコンや防災ホイッスルを収めたバッグを「猿」に奪われる ・口囃子の指揮により、食蜂派閥メンバーが猿とバッグの行方を捜索、どちらも無事に確保する ・帆風、「幽霊さん(悠里)」の正体を探る目的で、白井を通して風紀委員活動第一七七支部の協力を得る。初春と佐天に出会う ・帆風、佐天から「インディアンポーカー」を紹介される。 ・カイツ=ノックレーベン、食蜂の指示でインディアンポーカーの流出経路を探りはじめる 二十九日 超電磁砲 七十四話 ・白井、引き続き美山の予知に従って様々な事件を早期に解決、または防ぐ (以下、十月三日ころまで継続) アストラル・バディ 五話~十七話 ・食蜂ら食蜂派閥、「猿」を操りバッグを奪った常盤台中学の女子生徒を確保する ・弓箭入鹿、北条彩鈴が食蜂の拉致を企て睡眠薬で眠らせる ・食蜂の拉致を防ごうと、牧上が入鹿を捕縛し、彩鈴と戦闘に突入するが敗北 ・続けて帆風が彩鈴との戦闘に突入するが敗北、食蜂が拉致されてしまう ・帆風と口囃子、食蜂派閥の総力を上げて食蜂の救出と敵を倒すことを決意する ・幽霊のような少女(悠里千夜)、誰かの過去『才人工房』第三研究室「アイデアル」の記憶を見る(『一昨年~昨年春頃』参照) ・拉致された食蜂、幽霊少女(悠里)による『憑依』と自らの能力により睡眠薬の効果を失わせ目覚める ・帆風、弓箭入鹿から廃工場に呼び出され戦闘に突入。帆風が入鹿を撃破 ・食蜂派閥が敵本拠地へ突入し、食蜂を救出奪還。この時既に敵本拠地は削板軍覇によって制圧されていた ・帆風、廃工場で再び北条彩鈴と戦闘に突入し、彩鈴を撃破。削板が乱入 三十日 本編 十二・十三巻 ・上条当麻、御坂美琴との約束で「罰ゲーム」を受ける ・インデックスと一方通行出会う。 ・上条と打ち止めが出会う。 ・前方のヴェントが学園都市に侵入、天罰術式で都市機能の九割が麻痺 ・木原数多率いる猟犬部隊が一方通行を襲撃、打ち止めを拉致する ・上条がヴェントと対峙する ・一方通行により猟犬部隊が壊滅状態となる ・ヴェントへの対抗策として、打ち止めへのウイルス打ち込みによりヒューズ=カザキリが発現させられる ・美琴、上条とインデックスをヒューズ=カザキリの元へ行かせるため、黒ずくめの男達と戦闘、撃破 ・上条がヴェントを撃破 ・一方通行が黒い翼を発現させ、木原数多を殲滅する ・インデックスが美琴の知識を借りて打ち止めのウイルスを止め、ヒューズ=カザキリを消滅させる ・後方のアックアが現れ、ヴェントを回収する ・一方通行が学園都市の暗部へ堕ちる ・アレイスターとカエル顔の医者が決別する ・学園都市が、ローマ正教に存在する通称『魔術』の独自の超能力開発を行う 『もう一つの科学サイド』について声明を出す ・この事件の結果、学園都市とローマ正教の対立が激化。後に『0930』事件または『集団昏睡事件』呼ばれることとなる 十月 三日 SS 一巻 ・早朝、一方通行を始めとする『グループ』にスキルアウト討伐のオーダーが入る ・駒場利徳と結標淡希が交戦、結標が敗北(を演出)する。その後一方通行と交戦、敗北と同時に死亡する ・午前七時二分、上条当麻がインデックスに朝食を喰らい尽くされる ・昼休み、姫神秋沙のブラを外してしまった上条当麻が強烈なボディブローによる制裁を食らう ・ロンドンにおける朝、アンジェレネが天草式特製の梅干にノックアウトされる ・イギリス清教女子寮にサーシャ=クロイツェフが来訪する ・ついに洗濯機が与えられた仕事を完璧にこなし、感極まった神裂に抱きつかれる ・完全下校時刻が過ぎた夜、上条当麻のクラス総出(+インデックス)で第七学区のすき焼き屋における鍋パーティーが開催される ・夜十時、一方通行が『サービス残業』を終えた帰り、酔っ払った御坂美鈴に絡まれる ・すき焼き屋からの帰り道、上条当麻が御坂美鈴に携帯番号を登録させられ、インデックスに噛み付かれる ・断崖大学のデータベースセンターにいる御坂美鈴を狙い、リーダーを引き継いだ浜面仕上の指揮下でスキルアウトによる襲撃が開始される ・御坂美鈴の救援を受け上条当麻が、それを見た一方通行がそれぞれデーターベースセンターに突入する ・サブ演算装置保管庫にて、上条当麻、一方通行、浜面仕上、スキルアウトによる乱戦が繰り広げられる ・非常口にて上条当麻と浜面仕上が交戦、上条が勝利する ・海原光貴の暗躍により御坂美鈴の処分が中止、カエル顔の医者の下へ上条当麻が搬送される 四日 七日または八日 (とある魔術と科学の振り返りより) 十四巻 ・左方のテッラ、後方のアックア、ローマ教皇が聖ピエトロ広場で会話 ・世界各地でローマ正教徒による反学園都市のデモや破壊活動が発生 ・上条当麻、土御門元春、青髪ピアスに加え吹寄制理が喧嘩 小萌先生と親船先生に罰として校庭裏の草刈りをするように命じられる。 ・薄暗く狭い公園で、上条が統括理事会の一人の親船最中と 騒乱の原因となった組織について話し、上条の力が必要であることを知らされる。 ・親船最中が用意した超音速旅客機で土御門元春と共に C文書を破壊するためにアヴィニョンに向かう ・パラシュートでの降下に失敗した上条が五和に救助される ・カフェで食事中、学園都市の人間だと思われデモに巻き込まれそうになる ・C文書の効力を断つためバチカンとの地脈を切断しようとするところを左方のテッラに襲われる。 ・上条当麻と五和、土御門元春が左方のテッラと対峙する。 ・学園都市の駆動鎧部隊がアビニョン侵攻を開始する。 ・上条当麻がテッラを撃破、『C文書』を消滅させる。 ・一方通行が教皇庁宮殿に投下され、テッラの死体の捜索を行う。 ・一般人を犠牲にしていたテッラをアックアが粛清する。 ・ステイルがリドヴィアとビアージオを尋問し、神の右席の情報を得る。 九日 学園都市の独立記念日(祝日) 十五巻 ・(物語開始の数時間前)スクールが人材派遣経由で学園都市外部の狙撃手を雇う。 ・打ち止めが退院。一方通行が冥土帰しからチョーカーの設計図を入手。 ・グループの土御門元春が人材派遣を捕獲し、海原光貴を人材派遣の住居に向かわせる。 ・人材派遣の住居を海原光貴が調査していたところにブロックからの襲撃を受ける。海原、ブロックの幹部に変装し、緊急避難的にブロックへの潜入を開始。 ・素粒子工学研究所を『スクール』が襲撃、『アイテム』と交戦しピンセットを強奪する ・エツァリの策で鉄網が右手を爆破される ・一方通行が査楽を撃破する ・午後一時二十九分、一方通行により衛星通信用地上アンテナが破壊される ・垣根帝督が博士を殺害する ・馬場芳郎が『避暑地』に閉じ込められる ・『ブロック』が学園都市内に傭兵を侵入させようとするが、エツァリにより大半が阻止される ・エツァリとショチトルが対決、『原典』によりショチトルが自滅し『メンバー』が壊滅する ・少年院で佐久辰彦が手塩恵未に粛清され、結標淡希が手塩恵未を撃破し、『ブロック』が壊滅する ・絹旗最愛が砂皿緻密のいるビルを爆破する ・垣根帝督が絹旗最愛を撃破する ・麦野沈利がフレンダを粛清する ・浜面仕上が麦野沈利を撃破する。この事実は統括理事長の想定外のものであり、数日後の事件で浜面仕上抹殺のため暗部組織が行動を開始することになる。 ・一方通行が垣根帝督を「虐殺」する ・『グループ』が滞空回線を解析し、『ドラゴン』の存在を知る。学園都市を出し抜く為に『ドラゴン』の情報を求めて動き出すことになる。 十日〜十六日 十六巻 (十四巻から数日経過しているらしい) ・上条当麻を追う筋肉猛獣が五和にやられる。 ・後方のアックアが上条当麻の右腕を狙い、学園都市へ侵入することが伝えられる ・五和を初めとする天草式のメンバーが上条当麻護衛のため学園都市に派遣される ・夜の十時頃、アックアが襲来。あまりに一方的な展開で上条当麻が敗北、重症を負う ・五時間後、本腰を入れた天草式がアックアに再度挑むが、『聖人崩し』を回避され、壊滅状態に陥る ・神裂火織とアックアによる壮絶な戦闘が開始される ・右方のフィアンマ初登場。立ちはだかったローマ教皇を吹き飛ばし、イギリスへ侵攻開始する 十六日 十七巻 ・夕方、ユーロトンネルで爆破事故があったことをニュースが伝える。 十七日 ・原因調査のためにイギリス清教のトップであるローラ=スチュアートによって『禁書目録召集令状』が布告される。 ・五和が神裂火織の堕天使エロメイドに対抗する為に、大精霊チラメイドに行き着く。 ・神裂が騎士団長から執拗に夜会や舞踏会の誘いを受ける。 ・禁書目録と彼女の保護者として同行した上条当麻が旅客機でハイジャック事件に遭遇。イギリス清教のステイル=マグヌスの援護もあり、無事イギリスに到着。 ・上条とインデックスがイギリス王室からユーロトンネル爆破事件の調査協力を仰がれる。 ・上条とオリアナが怪しげな鞄を運んでいる魔術結社『新たなる光』のレッサーを追跡。 十九巻 ・《迎電部隊(スパークシグナル)》が統括理事会に《ドラゴン》の情報開示を求める。 十八日 十八巻 ・遠方にあった『カーテナ=オリジナル』が、ロンドンにいるレッサーの鞄を中継してキャーリサの元へ届き、キャーリサ及び騎士団長を始めとする騎士団によるクーデターが始まる。 ・神裂が騎士団長に挑むも、英国という特殊な十字教のルール下で勝てる相手ではなく惨敗を喫する。 ・キャーリサはヴィリアンの首を刎ねるよう指示を出すが、そこへアックアことウィリアム=オルウェルが現れる。(以下、アックスではなくウィリアムと呼称する) ・ウィリアムと騎士団長が激闘を繰り広げ、勝利する。 ・キャーリサからインデックスを助け出すのにウィリアムが上条に手を貸してくれる。 ・神裂、ウィリアム、騎士団長の三人がバッキンガム宮殿でキャーリサと対決する。 ・エリザードが霊装『連合の意義』を掲げ、イギリス全土が一つに団結する。 ・激戦の末、上条が『カーテナ=オリジナル』を破壊し、キャーリサを倒す。 ・キャーリサを始末しに右方のフィアンマが現れるが、上条が阻止する。 ・フィアンマがインデックスの安全装置を奪って立ち去る。 十九巻 ・元迎電部隊のテロリストが『ドラゴン』の情報を求めて『フラフープ』を占拠する ・一方通行がそれを単独で制圧し人質を助ける ・浜面仕上と絹旗最愛が第七学区の病院へ滝壺理后を見舞いに行く ・浜面仕上と絹旗最愛が六枚羽から襲撃を受ける ステファニー=ゴージャスパレスが統括理事会のトマス=プラチナバーグを殺害 ・グループが迎電部隊の残党と戦闘。その半分が第三学区に逃亡 ・滝壺理后の退院祝いの会場となっていたビルが迎電部隊の残党に占拠され駆けつけた浜面仕上が一方通行と遭遇 ・迎電部隊の残党も全て浜面仕上、一方通行、杉谷に始末される。 ・グループと親船最中が『視察』と称して統括理事会の潮岸のシェルターに侵入 ・ステファニー=ゴージャスパレスと絹旗最愛が交戦し絹旗が勝利。その後暗部組織の混成部隊がその場に乗り込み、浜面仕上抹殺の為に学園都市が動きを見せていることを伝えられる。 ・グループと親船最中が突如壁に遮られ引き離される。グループと杉谷が交戦しグループが勝利する ・親船最中に魔術で変装していた海原光貴(エツァリ)が潮岸の着込んでいる駆動鎧を破壊。それに乗じて美濃部に変装していたテクパトルが潮岸を瀕死に追い込む。 ・エツァリとテクパトルが交戦。エツァリが勝利する。 ・グループは潮岸に『ドラゴン』について問い詰める。その瞬間『ドラゴン』によって一方通行以外が昏倒させられ、一方通行は為す術もなく『ドラゴン』敗北する。 ・『ドラゴン』の顕現がミサカネットワークの司令塔である打ち止めに多大な負荷がかかることを一方通行は『ドラゴン』から伝えられ、解決のためにロシアへ行くように言われる。 ・麦野沈利が復活し浜面仕上と戦闘するが敗北し、暗部組織に追われ学園都市から逃げるしかなくなった浜面仕上の逃亡を阻止しようとする暗部の尖兵を原子崩しで殺害。無事浜面仕上と滝壺理后はエリザリーナ独立国同盟への逃亡に成功する。 二十巻 ・ロシアが学園都市に宣戦布告する。 十九日 ・第三次世界大戦が開戦する。 三十日 ・一方通行,羊皮紙の入ったトランクを奪う。 ・上条当麻,レッサーと合流。 ・上条当麻,エリザリーナと会う。フィアンマが襲撃。サーシャ登場。ヴェント参戦。 ・フィアンマが,サーシャ=クロイツェフを連れ去る。 ・浜面仕上,滝壺理后がいるロシアの集落へ,プライベーティア襲撃。浜面,ディグルヴ,グリッキンで共闘。アックアが参戦する。 ・一方通行,ロシア軍兵士と戦闘後,番外個体の襲撃にあう。 ・一方通行が暴走し,黒い翼を出す。上条当麻が遭遇し,戦闘。上条当麻が,一方通行を退ける。 ・傾国の女,ドーヴァー海峡もイギリスvsフランスの魔術戦へ参戦。 ・一方通行,エリザリーナ独立国同盟へ入国。 ・ローマ教皇が目を覚まし、人々の暴動を鎮め、聖ピエトロ大聖堂の地下へと向かう。 ・エイワス,風斬氷華と会話。風斬,日本海を通り,ロシアへ向かう。 ・麦野沈利、HsB-02に乗り、ロシアへ向かう。 ・御坂美琴、学園都市上層部による上条当麻拉致計画を阻止するためHsB-02をハイジャックし、ロシアへ向かう。 ・ローラが,禁書目録と面会。 ・禁書目録、『自動書記』の遠隔制御霊装により、自動書式起動。ステイル=マグヌスを敵と認識し、戦闘を開始する。 ・アックアがプライベーティアを退ける。そこへ学園都市襲撃。浜面、滝壺理后逃走。 ・浜面仕上、ロシア軍工作部隊と戦闘 ・浜面仕上、滝壺理后、エリザリーナ独立国同盟へ入国するも、学園都市から襲撃を受ける。そこへ一方通行が介入し、助ける。 ・フィアンマ、上条当麻を地下より襲撃。 ・フィアンマ、フランス、モン=サン=ミッシェル修道院の尖塔、イタリア聖マリア教会の柱、インド聖ヨセフ教会のパイプオルガン部分をロシアに引き集め、ベツレヘムの星起動。 ・フィアンマ、大天使「神の力」召還。夜空に。 ・御坂美琴、HsB-02搭乗中、ベツレヘムの星に遭遇。神の力にHsB-02を真っ二つにされ、墜落。ミサカ10777号と遭遇する。 エリザリーナ、滝壺理后に回復魔術を施す。 ・浜面仕上、滝壺理后、クレムリン・レポート阻止へ向かう。 ・上条当麻、ベツレヘムの星内部で、サーシャ=クロイツェフと遭遇 ・フィアンマに裏手をかかれた、ニコライ=トルストイが、核弾道ミサイル「Nu-AD1967」の発射を命令。 ・「神の力」の対地襲撃に、キャーリサ、傾国の女が参戦。 ペレットクロスボウから、ベツレヘムの星へ地対空ミサイル発射。 ・「神の力」の上条当麻への攻撃に、ヒューズ=カザキリ参戦。一方通行と共闘。神の力を退け、力の塊に。 ・上条当麻、サーシャ=クロイツェフ、儀式場へ。ベツレヘムの星にある、「神の力」の根幹を破壊。 ・フィアンマ、杖を自ら破壊。 ・浜面仕上、滝壺理后がロシア軍に襲撃されるところを、学園都市、亀山琉太が介入。亀山が、スチームディスペンサー設置場所ごと爆破。 ・浜面仕上、麦野沈利と遭遇し、戦闘。和解し、アイテム復活を宣言する。 ・御坂美琴、ロシア軍と戦闘し勝利。ベツレヘムの星への核攻撃を阻止する。 ・上条当麻、フィアンマと交戦し、第三の腕を破壊し勝利。 ・上条当麻とフィアンマ、ベツレヘムの星からの脱出を試みる。上条当麻は拒否し、フィアンマのみ脱出する。 ・上条当麻、『自動書記』の遠隔制御霊装を破壊。 ・ベツレヘムの星が上条当麻とともに北極海に墜落。結果としてミーシャ=クロイツェフを消滅させる事となる。 ・十字教三大勢力の連合捜索隊が北極海に派遣されるが、上条当麻の生命反応は見つからなかった。 ・イギリス清教、サーチ術式にアレイスター=クロウリーを見つける。 ・アレイスター=クロウリー、フィアンマを襲撃。 ・御坂美琴、ベツレヘムの星墜落地点付近の港で上条当麻が所有していた物と見られる携帯電話のストラップを発見。 ・フィアンマ、オッレルスとシルビアと接触。 ・北海でなんとか命を繋ぎ止めていた上条は魔術結社『明け色の陽射し』の首領レイヴィニアに発見される。
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【名前】醍醐 朋樹(だいご ともき) 【性別】男 【所属】科学 【能力】 警備員としての武力を持ち合わせている程度で、 相手が能力者ならば時間稼ぎ程度の応戦はできないこともない。 ただし某シリアスをコミカルに対処する女警備員の様な冗談じみた実力は無い。 【概要】 新人警備員。元々研究職だった経験から鑑識官の様な役割を任されている。 警備員である以上教職に就いている筈だが、どの学校かは不明。 警備員の仕事柄風紀委員や他の学校の警備員の人との交流も多く、 先輩である美魔女の警備員に容赦なく教育的指導を受けている様子が多々見られる為 大多数の風紀委員からは「うだつの上がらないお兄さん」と認識されている。 世間では取るに足らないと軽視される者・物を汲み取り価値を見出す事が信条で、 その考え方は警備員の捜査で多分に活かされており若輩ながらも鑑識能力は一級品。 またその考え方の所為かなかなか物が捨てられず、自宅には用途不明の何かがごろごろ転がっている。 「繚乱家政女学校出身のかいがいしい後輩系通い妻がほしい、出来たらオプションとしてミニスカ膝枕で耳かきとか所望」 と実現の限り無く薄い妄想に思いをはせていたりする。 座右の銘は「一寸の虫にも五分の魂」。 牛乳が好きで、特にムサシノ牛乳に目が無い。これについて知り合いの原石の女の子から、 「『醍醐』だから牛乳好きっていう安直なキャラ付けなのでは……?」 と疑われているが、特にキャラ付的な意味はなく単純に好きなだけの模様。 研究者時代に、 「科学者は誰かと協力して研究を突き詰めていく以上、一部の天才以外はコミュ力が大事」 と豪語していただけあり、変わり者に対する適応力と対応力は高い。 しかしその対人能力の高さの所為か、 「一部の天才」の筆頭格である木原の少女に木原印の超高難度迷宮に監禁される、 これまた「一部の天才」にカウントされる性格に難アリな原石の少女のお守りを任される、 など、羨ましい様なそうでない様な面倒事に放り出される羽目になる事も少なくない。 特に上述の木原の少女にはヤンデレ紛いの致死率高めな嫌がらせを半ば個人的な趣味で弄ばれる事もしばしばで、 彼にとっての天敵とも言える存在。 曰く「視界に入っただけで脂汗が止まらない」らしい。 一級フラグ建築士とまでは行かないが女難の相があるようで、 彼のタイプである「癒し系エロカワ後輩通い妻」なる人物とは一向に巡り合える気配が無い。 【特徴】 鑑識官風の格好をした坊主頭の長身の成人男性。 風紀委員からおじさん扱いされるが、年齢は20代。 大学を卒業して数年程度だが学生からしてみればおじさんなのかもしれない。 【台詞】 唐突に迷言が出てくる。 「だーめだったらだーめよ、一生のお願いを安売りすんじゃねぇ」 「はー黄泉川先生相変わらずデケェんだから。ウチの先輩もあんくらいの包容力があれば精が出るってもんなんだが。まぁ、無いチチは絞れないってよく言っ―――――オゴフッ!!!!!?」 【SS使用条件】 とくになし
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そのころ、第七学区のいつもの病院にいる浜滝はというと… 「どうして入院しなければならないんだ。」 「はまづら仕方が無いよ。あのゴーレムをまともに肩に当たったんだから。」 浜面は今、入院する事になって病室にいた。 なぜ、浜面が入院しなくてはいけなくなったのかは数十分前… 「「にゅっ、入院!!」」 「そのとうりだが、見たら複雑骨折していたからな。私の手なら今日中には治せたけど、今日一日は安静にしたほうが良いからな。」 という事で浜面は今日、エリハル弐号機のせいで複雑骨折していたもんで入院する事になっていたのだ。 ちなみに、闇咲は今は一緒にいない。 「元々、罰ゲームではなかったのに初春さんに呼ばれて仕方なく付き合うことになったけど、どうして俺だけこうなるんだ?」 「はまづら、終わった事は遅いと思うよ。まあ、このあとのデートが無くなったのは嫌だったけど。」 「俺のせいでごめんな。でも、明日退院したらデートするから。」 「分かった。じゃあはまづら何か買ってくるから。と、その前に。」 というと滝壷は浜面にキスをした。 「じゃあ買ってくるね。」 滝壷は何か買ってくるために浜面の病室から出た。 そのころ、『喰わせ殺し』では盛り上がっていた。 まずは大所帯になってしまった初春達の個室だが、こちらは本当にカオス状態である。 「なるほど、白井さんが言っていたAIMジャマーが超効かない能力者って神裂さん達のことでしたか」 「絹旗、くれぐれも白井黒子達には秘密にしておいて下さい。我々の事情を知っているのなら分かってくれるでしょう?」 「超了解です。白井さんや固法先輩には私から超ごまかしておきますから」 黒子からAIMジャマーが効かない能力者がいるとは聞いていたが、それが神裂達だと知った絹旗は納得した。 絹旗はオルソラの乱の際、ずーっと天草式学園都市支部と一緒に行動し、魔術側の事情もその時に教えてもらっていたのだ。 「飾利だけじゃなく、こんな子まで私達の事情を知ってるとはね」 「絹旗なら問題は有りませんよシェリー。彼女は信頼できる子ですし、暗部のことも知っていますから我々のことにも理解がそれなりにありますから」 神裂とシェリーがこんな風に真面目な感じで話してる理由、それは単に初春が居ないからである。 その初春だが店長に罰ゲーム内容を収めた映像を皆で見られる場所を借りる為に、建宮と木山を伴って交渉に出ていた。 「妹こそ究極! 井ノ原姉、それがどうしてお前さんには分からんのにゃー!」 「寝言抜かすな、腐れシスコンが。 姉こそ最強だ! だからてめーはアホなんだよ土御門!」 こちらは顔を合わせて早々、妹と姉、どっちが素晴らしいかを激論している土御門と真昼。 その様子を真夜と彼に後ろから抱きついている赤音、そして彼氏の妹萌え全開発言に怒りを通り越して呆れている月夜が眺めていた。 「土御門も真昼さんも良く飽きないよなー。どっちが好きでも気持ちが本物なら上も下も無いのに」 「そうだよねー♪ 気持ちが本物なら二人同時でも実の姉弟でも問題ないもんねー♪ まるで私と真夜君と真昼ちゃんみたいに」 「……赤音ちゃん、変わったよね。すごく素直になった感じがするよ。井ノ原君のお陰なのかな?」 「まーね♪ 私の真夜君に対する愛、真夜君の私に対する愛がそうさせるんだー。でも月夜ちゃんも人のこと言えないと思うよ、私」 公然といちゃつく親友の赤音の変わりように月夜はちょっと嬉しく思いながらも、自分もああなのかと思うとちょっと恥ずかしくなっていた。 「ミサカは今日からおじさんの子供になるー! ってミサカはミサカは突拍子もないことを言ってみたり!」 「ぬうっ! そ、それは我の一存では決められぬし、そもそも反対なのである! ヴィリアンからも何か言って……ヴィリアンは?」 「なンか初春に付いて行っちまったぞ。色々お礼を言いたいからとか言ってよォ」 すっかり打ち止めに懐かれてしまったウィリアムは、未だに彼女を肩車したままで料理を口にしていた。 打ち止めの発言に異を唱えたのは彼女の保護者でもある黄泉川と芳川だった。 「あー、悪いけど打ち止め。あんたはウチの子だからそれは駄目じゃん。どうしてもってんなら一方通行は置いてけよ」 「ウィリアムさん、その子を養子にしたいのならもれなく一方通行が付いてくるわよ。それでも打ち止めを養子にする?」 「その少年は結局付いてくるのかそうでないのかどっちなのであるか! いや、そもそも我はこの少女を養子になどしないし、その少年はもっと要らないのである!」 実は昼間だというのにちょっとお酒を召し上がってる二人のペースにさしものウィリアムも途惑うことしか出来なかった。 自分を付属品扱いされて怒れる一方通行をいつの間にかウィリアムの肩から降りた打ち止めが、一生懸命慰めていた。 「二人って忍者さんなんですか! すごい! あたし初めて見ましたよ!」 「へ、へぇ、そうなんだ……。ところで佐天って言ったっけ? イギリス王室の王女様と一緒に来てたけどどうゆう関係なんだ?」 「知り合いです。パーティーをご一緒した仲ってだけですけど」 「それって凄いじゃないですか佐天氏! 半蔵様! これを機に私達も世界に目を向けましょう!」 半蔵と郭に興味を持った佐天は生で見る忍者に感動していたが、第三王女と知り合いだと驚かれるとは思っていなかった。 残るこの個室の利用者はインデックス、ステイル、小萌だが個室には居ない。 理由はインデックスが食欲全開で料理を個室に持ち帰らず平らげ、そんな少女をステイルと小萌が監視しているという、分かりやすいものだった。 「君はもうちょっと控えるべきだ。」 「そうですよシスターちゃん、先生の馬串がなくなってしまうんですよー!!」 「こもえはお酒を飲み過ぎなんだよ!!こもえこそ控えるべきなんだよ!!」 「そ、それは今は関係有りません!!シスターちゃんはシスターちゃんなのですから、神の教え通りに救われぬ子羊ちゃん達に救いの手をではないのですか!?」 「彼女のいう通りだ。少しはシスターとしての自覚を持ってほしいものだね」 「なっ!?タバコを年がら年中吸ってる二人に言われたく無いんだよ!!」 「「タバコが無い世界は地獄という(のです)!!」」 「ハモった!?」 「あっ、ステイルちゃんはまだ未成年なので吸っちゃダメなのです!!」 「さっきも言ったけどタバコが無い世界は地獄というと、一致したでしょう。」 「あわわわわ、タバコを先生に差し出してもダメなのですよ!!」 こうしてる間にもインデックスは食べ進めているのだが、二人はタバコ論議で気づかない。全く、困ったものです。 「まったく、どこに居ても食欲を慎むことを知らないシスターですわね」 「しゃあないって。あれがあの子のキャラゆうヤツやねんから」 インデックスの暴食をテーブルで自分達が持ってきた料理を食べながら観察しているのは青黒。 「それにしても料理をその場で食べるなんて非常識にも程がありますわ。ちゃんとルールは弁えてもらわないと」 「……なあ、黒子はん。せやったらあの子らも非常識の仲間や思うねんけど?」 「あの子達? んげっ!」 青ピが指差す方を見た黒子は女の子らしからぬ声を上げて驚いた。 そこにはインデックスと同じでその場で料理を食べている婚后、泡浮、湾内が人目を気にする事無く食べていたのだから。 「婚后さんはともかく、泡浮さんや湾内さんまであのようなことを……! ○○様、わたくしちょっと注意してまいりますわ」 同じ常盤台の生徒としてインデックスと同じことをされるのは恥ずかしいと思った黒子は婚后達に注意する。 「ちょっとそこのお三方。料理はそこで食べるものではなく、ちゃんと席に持ち帰ってから食べて下さいな」 「白井さん! あなたまでこちらにおいででしたの! ですが何を言ってますの? わたくし達と同じように食べてる方がいらっしゃるではありませんか」 「うぐっ……! あ、あれは特殊な例ですの! バイキング形式がどうゆうものか分かっていらっしゃらないんですの?」 自分達と同じようにしているインデックスを引き合いに出されて困る黒子だが、それでも婚后達に注意する。 しかし婚后の言うことを信じている泡浮が黒子に対して穏やかに反論する。 「立食パーティーみたいなものですわよね? でしたらわざわざ席に持ち帰る必要は無いと思いますが。ねえ? 婚后さん」 「は? あの泡浮さん、バイキング形式とはそもそも……なるほど、そうゆうことでしたの。分かりました、黒子が一から教えて差し上げましょう」 黒子は泡浮の発言に婚后のいつもの見栄っ張りが発動したと思い、バイキング形式の正しい説明をした。 その後で婚后のフォローをし、本人に泡浮と湾内に謝らせることに。 「本当に申し訳ございませんでしたわお二人とも。つい見栄を張ってしまい、あのようなことを……」 「気にしないで下さいまし。わたくし達はそんな婚后さんとお友達でいられて幸せなのですから」 「そうでございますわ。でも、次からはわたくし達に遠慮なく相談して下さいな。わたくし達はお友達なのですから」 更に仲良くなった3人を見た黒子は安心して青ピの所へ戻ろうとしたが、婚后からこんな提案がなされることに。 「ところで白井さんはお一人ですの?」 「え゛? ち、違いますわよ。連れというかわたくしの恋人が一緒なのですが……」 「本当ですの! それは是非ご挨拶しなければいけませんわ! この婚后光子のライバルの一人でもある白井さんの殿方、どのような方か興味がありますわ!」 「い、いや、そのような大層なお方では……いえ、立派なお方ですわ。ですがわざわざ挨拶するほどのことでは……。泡浮さんも湾内さんもお困りではありませんの?」 婚后一人なら力づくで黙らせるのだが、店内ということと人目が多いということから強行手段に出られない黒子。 仕方なく泡浮と湾内に話を振って何とかしようと思っていたのだが、お嬢様の好奇心を彼女は侮っていた。 「「わたくし達も白井さんがお付き合いされてる方にお会いしたいですわ♪」」 「……分かりましたわ(ど、どどどどうしましょう! ○○様は素敵な殿方、それは間違いありません。ですが! あの子達には刺激が強すぎますわ!)」 青ピのことは心から愛してる黒子ではあるが、婚后達の常識をある意味で凌駕してる点で不安だらけだった。 結局断るわけにも行かず、黒子は自分の恋人の青ピを紹介する為に婚后達を連れて自分の席へと戻ることに。 そのころ、神裂とシェリーはシェリーのある一言であることに気づいた。 「そういえば建宮はどこ行ったんだっけ?」 「たしか、飾利と一緒にビデオの交渉している……って」 「「あいつ、気づかない内に飾利と一緒に居やがる!」」 神裂とシェリーは自然に建宮が初春と一緒にいる事に気づいた。 そして、神裂とシェリーは初春の所に向った。 そのころの建宮達はというと… 「さっきから言ってるけど、そんな大勢で見れる所は無いんだよ。」 「ですから、そこを何とかしてくれませんか?」 初春達はビデオを見るのはOKと言われたが、見れる場所が無かったのだ。 「飾利姫が頼んでいるので、そこを何とかお願いしますよね!」 「分かった、分かった。そこまで言うなら何とかしてみるよ。」 という事で、場所は店長が何とかするということで交渉は終わった。 「建宮さん。ありがとうございます。これで何とか見れますね。」 「これも飾利姫の為にやった事なのよね。それに、飾利姫の為ならなんでもごふっ!」 建宮が何か言おうとしたらシェリーと神裂に殴られた。 「いきなり何をするのよね?」 「建宮、どさくさに紛れて飾利と一緒に居たでしょ。」 「そうだ。飾利と一緒に居ていいのは私だけだからな。」 「シェリー、あなたも何回言えば分かるんですかですか。」 さっきまで真面目に話していたシェリーと神裂は、さっきの仲は何のかけらも無く喧嘩していた。 また建宮だが、二人によって床で倒れている。 「そういえばヴィリアンさん。さっきは交渉していたものですみませんでした。」 初春は喧嘩している三人はほって置いて、さっきからいたヴィリアンと話し始めた。 ちなみに木山だが、交渉が終わるとすぐに個室に戻っていた。 「気にすることではない。私はただ、あなたに色々とお礼を言いたかっただけだから。」 「そうだったのですか。お礼なんて良いですよ。」 「私がお礼しないとすまないから。」 「分かりました。」 という事で、ヴィリアンは初春にお礼をした。 「ああ、飾利が王女様と普通に話してる……ああ、初春と言ってた頃が懐かしい。」 「ええと、確か上条からの紹介だったのか?王女様とのご対面って?」 「いいえ、飾利が兄さんの人間関係を極力調べ上げて、紹介してもらったんです。」 「なんか上条氏も初春氏も只者じゃないですね……」 「んであっちのおっさんは?もしかして歳の差カップル?」 ウィリアムは耳をピクンと立てたが三人は気にせず、 「王女様から聞いたんですけど、ウィリアムさんって言うらしくて、なんか命を助けられたみたいで、それからなんやかんやあったらしいですよ?」 「ちなみにそのなんやかんやが一番気になるんですけど?」 「それが教えてくれないんですよー、あっ、そういえば浜面さん?でしたっけ?あの人も危ないところ助けられたみたいですよ?」 「ほう、それは後でお礼しないとな……」 「それはいいいんじゃないですか?ウィリアムさんって兄さん…上条さんですけど…前殺そうとしたらしいですよ?」 「「どんな関係だよ!!」」 このウィリアムと上条との昔話は、必ずこのようなツッコミをするらしい。
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みんなで「上琴SS」をリレー形式で書いてもらったらカオスだった [ルール説明]・魔術サイド、科学サイド関係なく、あらゆる人物に「上琴SS」を書いてもらう・書き方はリレー形式で行う事・トップは「上」条当麻 アンカーは御坂美「琴」・一人当たりの行数制限は、3~6行程度とする・上条当麻、及び御坂美琴についてよく知らない者でも、想像で書いてかまわない・ただし、どれだけ無茶な展開になっても、「夢オチ」を使ってはならない・最後は必ずハッピーエンドにする事 [注意事項]・リレー形式のため、話の内容がgdgdになる可能性有り・書き手によっては、強引な展開や無茶苦茶な展開になる可能性有り・そもそも「上琴」を理解していない者や、理解した上で破局をさせようとする者もいる・あまり期待してはいけない [最後に]今回のプロジェクトは、今後科学サイドと魔術サイドが手を取り合い、平和を築く為に必要不可欠な事だ。我々は敵ではない。同じ地球上に存在する生命体なのだから。上琴推進委員会会長 アレイスター=クロウリー 第1創者 上条当麻(よく分かんねぇけど……とりあえず俺と御坂が出てりゃいいんだよな…?)何だか嫌な予感がする。不幸の達人上条さんには、今日が「不幸な日」か、それとも「すごく不幸な日」か、それが何となく分かるのだ。本日はおそらく後者だろう。 何故なら…「ちょっとアンタ! 待ちなさいよ!」なんて声が後ろから聞こえてくるから。第2創者 土御門元春(…それはどう考えてもフラグなんだけどにゃー。これを不幸と割り切るカミやんをぶん殴ってやりたいぜい)「ようミコチー。どうかしたのかにゃー?」「どうもこうもないわよカミやん! アンタ何で全然メールの返信してくれないのにゃー!?」「あー…すまんかったぜい……ちょっとケータイの調子が悪くてにゃー……」そう、カミやんのケータイは、日頃の不幸や度重なる戦いでもうボロボロだったのにゃー。第3創者 姫神秋沙(これは。新しい携帯電話を買いに行く。っていう展開でいいのかな?)御坂さんは。上条君の携帯電話を手にとってみた。「これはひどいわね。もう。買い換えた方がいいんじゃない?」「確かに。でも俺。新機種ってよく分からないから。御坂さんも一緒に来てくれないか?」「仕方ないわね。あ。せっかくだからスマートフォンにしたら?」「そうするかな」こうして二人は。携帯電話を買い換えるために。ショップへと出かけたのだった。第4創者 神裂火織(す、すまぁとふぉん?? 困りましたね…機会は苦手なのですが…… 携帯電話はコンビニエンスストアでも買えるのでしょうか…?)コンビニエンスストア。二十四時間年中無休であらゆる商品が買えるという、とても便利な量販店です。当然、携帯電話も置いてあります。「御坂さん、そのすとーまふぉんというのはおいくらぐらいするのですか?」「そうですね…何しろすまーふぉとんはとてもすごい携帯電話ですから、二十万円はします」「うーん…少々値は張りますが、背に腹はかえられませんね」彼は少し悩みましたが、まとーふぁすんを買いコンビニエンスストアを出たのです。第5創者 建宮斎字(プ、女教皇様!! ツッコミどころが多すぎるのよ!!)「ありがとうな御坂美琴。おかげで助かったのよ」「別にこれくらい大した事じゃないのよ」「けどこのままさよならってのもアレよな…… そうだ! 良かったらこの後何か食いにいかないか? お礼と言ったらなんだが、俺が奢るのよ!」「えっ!? じゃ、じゃあお言葉に甘えるのよ……」第6創者 吹寄制理(全く、何で私がこんな事しなくちゃいけないのよ!)「ファミレスでいいよな?」「それはいいけど上条、貴様お金は持ってるの?」上条は常日頃から貧乏自慢をしている。20万もの大金を使った後で、「人に奢る」なんて愚行、経済的にもできない筈だ。「…情けない話だけどさ、実は親から仕送りしてもらう事になったんだよね。 これで日の丸弁当からのり弁当にクラスチェンジできますよ。 だから好きなもの頼んでくれ」好きなもの…ねぇ…第7創者 ステイル=マグヌス(……………)ミ|トパイ 第8創者 黄泉川愛穂(それだけじゃ足りないじゃん! 若いんだからもっと食べなきゃ駄目じゃん!?)「それからハンバーグセットのライス、あとコーンポタージュとシーザーサラダと、デザートにティラミスも欲しいじゃん!」「なら俺は、ミックスピザに塩ラーメン、ミニ天丼に軟骨の唐揚げ、あとコーラを頼むじゃん!」やっぱり子供は、いっぱい食べなきゃいけないじゃん!第9創者 結標淡希(ていうか全然いちゃいちゃしてないじゃない……少し話を進めるか)料理が運ばれてくるまでの間、二人は雑談していた。昨日見たテレビの事、好きな芸能人の事、今日学校であった出来事……そんな他愛ない会話の中、彼はとんでもない事を聞いてきた。「そういえば御坂、貴女って好きな人はいるのか?」第10創者 ミサカ10032号(何故ヒロイン役がミサカではないのですか、とミサカは複雑な気持ちでタイピングします)「そ、それはどういう意味なのですか、と御坂はドキドキしながら聞き返します」「ただの興味です。言いたくないのであれば無理には聞きません、と上条はお姉様の動揺っぷりに若干引きます」「いえ、言います。言わせてください、と御坂は興奮しながら立ち上がります。 御坂が好きなのは―――」「お待たせしました。コーンポタージュと軟骨の唐揚げです、と店員は空気を読まずに割って入ります」第11創者 絹旗最愛(何だか超盛り上がりに欠けますね……ここは私が超面白くしてやりましょう!)一世一代の告白を邪魔された御坂は、超ふてくされていました。「あ、あの、御坂さん? 良く分かんないけど、超機嫌直してくださいよ」それでも御坂は機嫌が直りません。なので、「ほら、超あーんしてあげますから」「!!! し、仕方ないですね。 それで超許してあげます」御坂の機嫌がちょっとだけ超直りました。第12創者 オルソラ=アクィナス(それでは書かせていただくのでございますよ)「それからハンバーグはオニオンソースでお願いしたいのでございます」「御坂さんはハンバーグがお好きなのでございますか?」「そうでございますね。それから携帯電話は最新の物にした方が宜しいかと思うのでございますよ」「大丈夫でございます。実は親に仕送りしてもらっているのでございますよ」第13創者 一方通行(……? 何で会話が巻き戻ってやがンだ?)「つゥか、ンなこたァどォでもいいンだよオリジナル! テメェはあーンすンのかしねェのか!」「するに決まってンでしょォが三下ァァァ!!」「じゃァほらよ!」三下はスプーンでコンポタをすくい、強引にオリジナルの口へとねじ込ンだ。「……うめェか?」第14創者 サーシャ=クロイツェフ(……第一の自問自答ですが、私はこの二人についてほとんど情報が無いのに大丈夫なのでしょうか?)「第一の回答ですが、とても美味です。 しかしそこには、『あなたに食べさせてもらった』という付加価値が大きく関係しています」「第一の質問ですが、それはどういう意味ですか?」「第二の回答ですが……それは言えません」やはり再び告白するには、彼女も時間が必要なようです。第15創者 佐天涙子(あ~も~!じれったいなぁ!! ここはひとつ大胆に……)「それってもしかして……御坂さんが俺のこと好きだからって意味か!?」「そうよ! 私は上条さんのことが好きなの!!」「そうだったのか! 実は俺も出会ったときから御坂さんのことが好きだったんだ!」「嬉しい!! 私達両想いだったのね!!」二人は付き合い始めました。 第16創者 初春飾利(さ、佐天さん!! 二人を早くくっつけたいのは分かりますが、ちょっと強引すぎですよ!!)衝撃の告白から一週間。お二人は学園都市でも有名なカップルになっていました。何しろ御坂さんは常盤台の超電磁砲。有名人ですからね。「今日はどこへデートに行きたいですか?」「私は上条さんとならどこへでも♪」今日もお二人はラブラブデートへと出掛けるのでした。第17創者 エツァリ(なんですかこれは。 拷問ですか?)「ではアステカ展などいかがですか?」「素敵! 一度行ってみたかったの!!」こうして二人は、第12学区で開かれている、アステカ展覧会へと出かけたのです。第18創者 カエル顔の医者(若い人がデートする場所には思えないんだけどね?)「これは太陽の石のレプリカね? 確か未来の予言が書かれているとかいう?」「未来…か……俺達はこの先どうなっていくんだろうね?」彼にそう聞かれて、彼女はポツリと呟いたんだね?「…わ、私はこれからも、君の隣で歩いていきたいんだね…?」その言葉で、彼も決心したようだね?「み、美琴!! 聞いてほしい事があるんだね!?」第19創者 白井黒子(ウケケケケ!! そうはさせませんわよ類人猿が~~~~~!!!!!)「実は…実はわたくし! お姉様以外にも20人の女性とつきあっていますの!!」「な、なんですって!? 許せない! 私のことは遊びだったのね!!」「えぇそうですの!! だけどわたくしは……」「触らないで!! もうアンタの声なんて聞きたくもないわ!! さようなら類人猿、もう会うこともないでしょうけどね!! 私には…私には黒子がいるんだから!!!」第20創者 浜面仕上(ぇぇえええ!!? なにこの展開!! これをどう修正しろってんだよ!!)大体あれから1時間が経ったころ、将来を誓い合おうとした二人は破局した。もともとは大将の浮気がげんいんなのだから仕方ない。ろくでなし。第21創者 レイヴィニア=バードウェイ(浜面のヤツ、結局修正してないじゃないか。 っていうか縦読み……)上条はトボトボと歩き、何とか自分の寮へと帰宅した。「おかえりとうま! ……どうかしたのかな、ひどい顔してるんだよ?」ドアを開けたインデックスは、上条の顔を見るなり何かあった事に気付いた。上条自身は自覚していなかったが、この世の終わりのような表情をしていたのだ。「嘘…ついちまった……」第22創者 雲川芹亜(嘘、か。 やや強引だけど…まぁ仕方ないか)「嘘って…どういうことだけど?」「俺…今日、美琴にプロポーズしようとしたんだ。 でも…急に怖くなったんだけど…… 俺と一緒になったら、美琴まで不幸にしちまうんじゃないかって……」「だから…だから嘘をついたってことなのかな! わざと短髪に振られるために!!」「……そう…だけど………」 第23創者 五和(私と上条さんの絡みを書こうとしたのに……そんな空気じゃありませんね……)「上条さんはそれでいいのですかなのかな!! 私の知ってる上条さんはそんなに弱虫じゃないはずですなんだよ!!」「…インデックスさん……」「いつも私を助けてくれた、あの上条さんはどこへ行ったんですかなのかな!!!」「そう…ですね……こんなの俺らしくないですよね!!! インデックスさん!!俺、急用ができたので行ってきます!!」「うん! 行ってらっしゃいなんだよ!!」そう言って見送るインデックスさんの瞳からは、大粒の涙が落ちていたのでした。第24創者 打ち止め(ミサカはお姉様のほうを何とかしなくちゃ!ってミサカはミサカは張り切ってみる!)ショックを受けて呆然としているお姉様に、ある人が声を掛けたの、ってミサカはミサカは解説してみる。「よォお姉様。何こンな所で落ち込ンでやがンだ、って一方通行は一方通行は話しかけてみたり」「…実はこれこれこういうことがあったの、って御坂は御坂は今日一日の事を思い出しながら説明してみる」「アホか! あの人が本気でンな事言う訳ねェだろォが!! あの人が愛してンのはお姉様だけなンだからよォ!! 一方通行が愛してンのは打ち止めだけってのと同じ様になァ、って一方通行は一方通行は自分で言って照れてみたり」第25創者 番外個体(うわぁ、最終信号……自分で書いてて恥ずかしくないのかな)「そ、それじゃあ、あの人が言ってた事って…」「あァ嘘だろォな。 何か理由があンだろォけどよ」「み、御坂ちょっと急用思い出した! それじゃあね!!」「おォ、頑張れよおねーたま。 さてと、それじゃァ一方通行はその辺の幼女でも捕まえて、お医者さンごっこでもしますかァ!!!」この後第一位は、無事警備員に捕まり、学園都市の平和は守られたのでした。 ギャハ☆第26創者 麦野沈利(あ゛ー…めんどくさい)幻想殺しが走る。超電磁砲も走る。はたして二人は無事出会うことはできるのかしら。 続く。第27創者 滝壺理后(むぎの、いくらなんでも適当すぎる)みさかは北北西からかみじょうの信号をキャッチしていた。「こっち」同時刻、かみじょうもまた、みさかの信号を南南東からキャッチしていた。「こっち」第28創者 月詠小萌(上条ちゃんは色んな人から愛されているのですね。先生は嬉しいのですよ)お空はオレンジ色に染まり、太陽さんもそろそろおねむの時間。お顔を紅く照らされながら、二人はようやく巡り合えたのですよ。「…御坂ちゃん……」「上条…ちゃん……」第29創者 インデックス(うぅ…この展開は腹が立つけど、次が最後だからまとめにはいらなきゃいけないんだよね……)とうまと短髪はお互いに見つめあいながら、喉がカラカラに渇いていくのを感じていたんだよ。「とうま! 私はとうまに言いたいことがあって来たんだよ!!」「待ってくれ短髪! ここは俺に言わせてほしいかも!!」とうまは大きく息を吸い、そして……第30創者 御坂美琴(ここここの展開って、ややややっぱり「アレ」ってことよね!!!?)「美琴…俺とけっこn※ アンカーが書いてる途中で気絶【ふにゃー】したため未完
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電話連絡を受けた初春は美琴、インデックス、滝壺に気付かれないようにステイル、神裂、闇咲に常盤台の生徒を追い払ってもらうように頼み込む、理由は伏せて。 「一般生徒がここに、ねぇ。ゴーレムを見られるのは得策じゃないし、魔術の存在が多人数にばれるわけにもいかないからね。分かった、こちらで相手をしておくよ」 「私としては普通の女子を相手にするのは賛成しかねるが、魔術の秘匿の為なら已むを得まい。出来るだけ穏便に帰ってもらうようにやってみよう」 「任せて下さい! 飾利のたっての願い、お姉ちゃんとして見事に叶えてあげましょう!」 こうして3人は常盤台の生徒と接触すると思われる場所を初春から聞き、その場へと向かうことに。 美琴に秘密にした理由は3人でお引取り願うよりも凄惨な結果を生み出しかねないとう初春の懸念から。 「さて、こちらは一方通行さん相手にモトハル2ndさんがいい感じに善戦してますね。そろそろ一方通行さんの電極のバッテリーも切れそうですし」 一方通行に圧倒的に蹂躙されてるモトハル2nd二体だが、それでもいくらかのダメージを与えるという善戦ぶりを見せていた。 そして一回目のバッテリー切れを起こした一方通行に美琴からの一回目の充電が開始されたのを受けて、当麻、土白、浜面がすでに修復したモトハル2ndへと駆け出すのだった。 一方、返信を受け取った常盤台の面々は 「レベル3もなめられたものですわね。」 「常盤台の生徒を第2学区まで呼び出すとはいい度胸ですわ。」 「レベル0の分際で…小癪な。」 「まあそれだけの実績が有りますし。それよりいつになったらこの縛から解放してくださいますの?」 白井がのんびりと言うと。 「解放する訳がないでしょう?白井さん。それより実績とはなんですの?聞かせてくださいな。」 レベル0の実績なんてたかが知れてると言わんばかりに言い放つ女子生徒。 たいして白井はよどみなく言う。 「まず学園都市第一位を学園都市内で数回、ロシアで一回ぶん殴ってますわね。あと第7位も数回殴ったようですの。」 「「「「「「「「な―っ!?」」」」」」」」 「御坂お姉さまに関してはいまは…あー、いちゃついてますが以前は数数えきれないほどの電撃を無効化してますわね。紳士を自認して殴ったりはしてないようですが。」 「「「「「「「「御坂様の電撃を!?」」」」」」」」 「後は…毎日一回は喧嘩して、勝ちまくってるようですわね。後は…」 だんだん誇張されていく上条の武勇伝を聞いて青くなりだす常盤台の面々。 だが、 もう一人のレベル5は違った。 「白井さん、嘘を言ってはいけませんわ。」 士気を高めるためにあえてこう言ったのである。白井の発言に真実が含まれているのは心理掌握によって理解している。 彼女の発言を聞いた他の生徒は思った。 心理掌握のお姉さまの言うことは真実ですわ。だってあのお方に嘘をつける方はございませんもの。 と、言うことはそのレベル0はそんなに強くない。私達がやればいちころだ! と。 彼女達は知らない。 上条はこの話をほとんど知らないことと、上条と同じくらいやばい連中が待ち伏せていることを。 「じゃあ、行きましょ。」 「じゃあ、私が白井さんを連れて行くから、先行ってて。」 「○○様(←心理掌握)、それは私達がやりますから。」 「ちょっと話したいことがあるから行ってて。」 「「「「「「「「分かりました。」」」」」」」」 という事で、部屋の中には心理掌握と黒子だけになった。 「で、なんで嘘をついたのですの?」 「それは、そっちの方が面白いからに決まっているでしょ。」 「以外にSなんですね。」 「まあ、とりあえず白井さんも連れて行きますので。」 「分かってますの。」 という事で、心理掌握と黒子も部屋を出て、二人も第二学区に向かった。 そのころ、罰ゲームを受けている上条達はかれこれ一時間半も経っていた。 同時刻。 そんな騒乱が現在進行形で起きようとしているとも知らずに、半蔵と郭は第二学区で。 原石達が収容された病院の偵察を終えて帰ろうとしているところだった。 「にしても郭、何でお前があんな名簿を持ってたんだ?」 「いやー、ハハハ…女には秘密の一つや二つあるんですよー。」 「お前の場合もっとありそうな気がするんだけど?」 「なっ!なんと言うことをおっしゃるのですか半蔵さま!書くなるうえは我が身の潔白を証明して見せましょう!」 「そう言って脱ぎ出すなテメエ!!木山先生に影響されるのだけはやめろーっ!!!!!!」 「じゃあ半蔵さま憧れの黄泉川先生よろしくじゃんじゃん脱いじゃいましょう♪」 「じゃんの使い方ちげえ!!!てか俺の黄泉川先生の名を汚すなーッ!!!!!!」 ………バカ二人、第二学区にあり。 バカ騒ぎをしているせいで二人は気がつかなかった。 バカ騒ぎをしている二人の頭上50メートル、 建設中のビルの足場の上で。 極東の聖人が。 とてつもなくデカイ日本刀を手に。 『敵』をその目にとらえた事を! 聖人は呟く。 「来ましたね。」 「さて、どうのくらいの力を出せばいいんだ?」 「飾利が殺さないようにしなければなんでもしていいらしい。」 「なら、気絶はさせていいのか?」 「気絶くらいならいいでしょう。それではさっさと殺って終わらせますよ。」 神裂は、何気に殺るき満々だった。 「なんか神裂、殺るき満々だな。」 「久しぶりの戦いだからだろ。それに初春にほめて欲しいだよ。」 「そう言うことか。とりあえず私達も行きますか。」 という事で神裂、ステイル、闇咲は第二学区に来た常盤台の生徒を制裁しに行った。 そのころ、上条達は… 「もうくたくただにゃ。」 「私もつかれた。まだ一時間半しか経ってないし。」 土白が休んでた。 「おいそこのバカップル。休んでいる暇なんて与えないぞ。」 「「うわ!!」」 土白が休んでいたら、モトハルの一体が土白の方に来た。 「なんでカミやん達が止めないんだにゃ。」 「「「作戦に入ってないのにお前らが勝手に休んでいるからだろ(ォ)!!」」」 そうなのである。土白は作戦にも入っていないのに勝手に休んでいたのだ。 「しかたないにゃ。月夜行くぜよ、ってどうしたんだにゃ?」 土御門が行こうとした時、白雪に服を引っ張られた。 「(ねぇ元春、あの三人を見ているとなんかの主人公に見えるんだけど。)」 「(確かにそうだにゃ。一体なぜだろうにゃ。)」 白雪が止めた理由は、上条、一方通行、浜面が主人公に見えたからだ。(実際、三人とも主人公だが…) 「ってそんなこと言ってないで戦うぜよ」 「そうだったね。あ、さっき新しい技でも思いついたからやってみていい?」 「月夜、また新しい技でも思いついたのかにゃ?」 「まあ、ちょっと前に思いついた技なんだけどやってみるよ。」 「じゃあ、三人とも呼ぶぜよ。」 と言う事で急きょ三人を呼んだ。 「土御門、いったい何なんだ?」 「いや、月夜が新たなる技を思いついたらしいから、呼んだだけだぜよ。」 「で一体どういう技なんだァ?」 「今見せるよ。」 と言う事で白雪は、新しい技をモトハルに対して使って見た。