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· 黄泉川家短編集その1の1 · 黄泉川家短編集その1の2 · 黄泉川家短編集その1の3
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──九月十日── ??「『了解、電話を変わる』おい、お前宛の依頼らしいぞ」 ??「私に?他の誰かではダメなのか?」 ??「『電話の男』はお前を所望だそうだ──手塩」 手塩「『ブロック』の手塩恵未だ今回の依頼について聞こうか」 手塩「…………………」 ??『こちら佐久、ターゲットの調子はどうだ?』 手塩「…………」 佐久『黙ってちゃ分からん、ターゲットの調子はどうだ、と聞いている』 手塩「不機嫌だ、それに気分も悪い」 佐久『おや?ターゲットに何かあったのか?こちらからは異常は見られない』 手塩「私が不機嫌で気分が悪いと言っているんだ佐久」 手塩「『ブロック』に依頼だぞ?それが何だ!!依頼の内容は──!!」 佐久『ハッハ、大声を出すな、ターゲットに気付かれるだろ』 手塩「それが私が不機嫌な理由だ!依頼内容は監視だったが」 手塩「──守るぞ」 佐久『ハァー、ったくターゲットの直接干渉は禁じられているんだ』 佐久『だが、手塩……依頼内容の変更などするな俺達は[ブロック]、プロのプレイヤーだ』 佐久『身の程を弁えろ、冷静になれ手塩』 佐久『[守る]、そういう事は大きな声で言うな──行動で示せ』 手塩「ターゲット?ターゲットだと!?ただの中学生じゃないか!!」 手塩「それになんだ!?『依頼内容は佐天涙子の監視』だと?ふざけるな!」 手塩「百歩譲って依頼内容は受け入れよう、しかしあのような子供に暗部が動くだと?」 手塩「……、くだらん電話なら切るぞ」 手塩「監視を続行する」 初春「佐天さん!退院おめでとうございます」 佐天「おーありがとさん、あれ?御坂さんと白井さんは?」 初春「あ、お二人は後から合流するそうです」 佐天「ういはるーそれとねぇー」 佐天「あたしの退院祝い欲しいなぁ」ニヤニヤ 初春「あっ!佐天さん、実は用意してるんですよ……えーっと何処に仕舞ったっけ……」ガサゴソ 佐天「……ふっ……隙ありっ!!」 佐天「おやおや初春さぁん……菖蒲の花柄のミニショーツですかぁー新しいパンツですねこのー」 佐久『最近の中学生はお洒落な下着を着用しているのだな』 手塩「……、無駄な私語は慎め……そういったのは佐久、お前だ」 佐久『手塩、お前よりお洒落なパンツ穿いてるんじゃないか?』 手塩「基本的には動きやすいものを着用しているからな、ていうかいい加減黙れ」 佐久『うーむ、差し詰め十日の菖蒲といったところだな』 手塩「それじゃあ後の祭りじゃない……」 手塩「……、先ほど彼女は『御坂』と言わなかったか?」 佐久『そうだな、事前調査では第3位の超電磁砲の御坂美琴と知り合いのようだ』 手塩「だとするとこの距離は危険だな、もう少し離れ──」 ??「お?そこに居るのは恵未じゃんかーこんな所で何してるじゃん?」 手塩「──黄泉川愛穂……、そのセリフはそのままお返しするのだけれど」 黄泉川「相変わらず手厳しいじゃんねー、もっと気楽に──」 手塩「──気楽にした結果が『アレ』とは言わせないわよ」 黄泉川「……そう、じゃんね……『アレ』を贖う事は一生できないと思ってるじゃん」 手塩「──、そう……用が無いなら私は行くわ」 黄泉川「待つじゃん!よかったらお茶でも──」 手塩「私は忙しいから今度──」 佐天「あ!こんな所で何してるんですか?」 佐天「あ!こんな所で何してるんですか?」 黄泉川「うん……?あ、あぁ……こないだの」 手塩「!?(佐久、どういうことだ!?)」ヒソヒソ 佐久『あー、忠告はしたんだが、お前は聞こえてなかったようだな』 初春「佐天さんもお知り合いなんですか?」 佐天「あははー、幻想御手の件でちょっとお世話にー」 御坂「あぁ……夏休み中に学校に行ってたんだっけー」 白井「それは……災難でしたわね、それでこのお方たちはその時の?」 佐天「こっちの人にはお世話になりましたけど、こちらの方には……」 黄泉川「あー、コイツは手塩恵未で私と同じ警備員じゃん」 手塩「……、どうも」 佐天「えーっと、あたし達これからケーキ食べに行くんですけれどよければ一緒にどうですか?」 ミサカ「そうやって誘ってケーキ代を浮かせようとしているんですね、とミサカは言及します」 佐天「うっ……!そ、そんなことないですよー」 黄泉川「別にいいじゃんよー私は暇だし……恵未もいいじゃんね?」 手塩「いや、私は……」 佐久『ここでターゲットから離れると再接近は少々厳しいかもしれない』 佐久『第3位のレーダーに引っかかるかも知れないしな』 佐久『付き合ってやれ、第3位の前では怪しい動作は避けたいから電話は切るぞ』ピッ 手塩「~~~!!──、わかった私でいいなら付き合おうか」 ──ケーキ屋にて 佐天「へぇーお二人とも同じ部署で働いていたんですかー」 黄泉川「そうじゃんよー二人で警備員の『黄泉ノ塩』と呼ばれていたじゃん」 手塩「そう呼んでいたのは貴女だけよ……」 手塩「それにしても、第3位と言ってもこうしてみると普通の中学生のようね」 佐天「あーえっと、あそこのケーキバイキングで妹さんと言い合ってるのは──」 黄泉川「ま、超能力者の前に人間じゃん、それに女の子じゃんー甘いものの前じゃ喧嘩も起きるじゃん」 佐天「あはは、(多分言い合ってるのは白井さんのセクハラの所為かと)」 手塩「まぁ私達警備員は体作りが重要だからあまり甘いものを沢山食べられないけれどね」 手塩「(……、参ったな……子供と話す話題が無い……)」 黄泉川「!!そ、そうじゃんね!警備員は体が資本じゃん!」 手塩「愛穂、貴女また──」 黄泉川「ち、違うじゃん!付き合いで呑みがちょっとばかし多くなってるだけじゃん!」 手塩「やんわり断ればいい事でしょ!全く……」 佐天「あはは、お二人さん仲良しなんですねーあたしちょっとトイレ行ってきますねー」 手塩「あ、あぁ……気をつけて」 黄泉川「トイレに気を付けるも糞も無いじゃんよ!あ、糞はあるか」 手塩「そろそろ黙る時間よ愛穂」 ──女子トイレ 佐天「ふー、少しの間とはいえ入院していたから体力落ちてるなー」 佐天「それに……うーん」 ドォ────z____ン!!! 佐天「……ぶはっ!限界っ!!」 佐天「1秒も止められなくなってる……やっぱり体力落ちたからかなぁ?」 佐天「ま、手洗って戻りますかー」ジャバジャバ 佐天「……痛ッ!?……うん?」コツンコツン 佐天「ん?水の中に何かあるのかな?水止めてみよ」キュッ 佐天「??何も無い……なんだったんだろ?ま、いっかー」 佐天「ただいまーってあれ?黄泉川さんと手塩さんは?」 初春「黄泉川さんは警備員の仕事に、手塩さんは用事があるとかで出て行かれましたよ」 佐天「あちゃー、黄泉川さんにお礼言い忘れたなぁー」 白井「お礼ですの?」 佐天「はい、黄泉川さんや他の先生に教わって諦めない心や限界について学ばせてもらいましたから」 初春「へぇ~そういえば佐天さん身体検査を楽しみにしておけって言ってましたけど」 佐天「あー、それについてはまだ秘密なのだよ初春君!」 御坂「まぁ私はなんとなく分かってるけどねー」 ──店から200Mほど離れた場所にて 手塩「ふう、何とか自然に出られたか……」 佐久『どうやら店外に出られたようだが、そのまま店内に居たほうが良かったかもしれん』 手塩「どういうことだ?何かあったのか?」 佐久『分からん』 手塩「は?いい加減に──」 佐久『店内で彼女がトイレに行ったときに能力が発動した反応があった』 佐久『書庫上では彼女は無能力者だが、一体どういうことだろうな』 手塩「……、店内には第3位含め沢山の生徒がいたが、その生徒達の悪ふざけとは?」 佐久『考えにくい、あの時の力場の発生箇所は女子トイレでトイレには彼女しか居なかったからな』 手塩「ステルス系の能力者の仕業では?」 佐久『その線は薄いどころか無いな、あくまで能力は一瞬女子トイレから発生していた訳だからな』 手塩「……、何であっても監視を続行しよう」 佐久『そうだな、暗部組織か何かに動きがあったら伝える』 手塩「(書庫のデータでは無能力者だが、彼女は能力者なのかも知れないな……極めて稀な)」 手塩「(書庫のデータを改竄するのは容易の事じゃない、やはり暗部が関わっているのか?)」 手塩「…………(何にせよ暗部に彼女を良いようにはさせない……)」 佐久『こちら佐久、彼女達一行が店から出るようだ』 手塩「了解」 佐天「いやー、美味しかったですねー」 初春「そりゃ学び舎の園のケーキ屋さんですよ!美味しくない訳がないです!」エッヘン 白井「どうして初春が威張るんですの、それにしてもお姉様はご機嫌ですわね」 御坂「え?ご機嫌?一体どうして?確かにケーキは美味しかったけど──」 ミサカ「おや、学舎の園には似合わぬツンツン頭の少年を発見しました、とミサカは彼を目掛けてダッシュします」ダッ 御坂「な、何でアイツがここにいんのよ!!待てーーー!!」ダッ 白井「お、お姉様!?いけません、あんな類人猿のところなんかに行っては──!!」シュン 佐天「あれれー、気付いたら二人になっちゃったね初春ー」 初春「そうですね、これからどうしましょうか?」 佐天「初春の行きたいところに行けばいいんじゃなーい?あたしはケーキ屋さえ行ければ良かった訳だし」 初春「行きたい所ですか……」 佐天「特に無いなら帰るー?」 初春「27箇所ほど見たいところがあるので付き合ってください佐天さん!」 佐天「に、27箇所!!??ちょ、ちょちょっちょっと待って~~~」 ──2時間後 佐天「初春さん……蛙が鳴くから……」 初春「蛙なんて何処にも居ませんよ?さぁ行きましょう!次は──」PiPiPi!! 初春「チッ……『はい、初春飾利です……分かりました直ぐ向かいます』」 初春「どうやらここでお預けのようですね、風紀委員の支部に向かいますんで代わりに行っておいてください」 初春「じゃっ、よろしく頼みましたよ佐天さん!」 佐天「──またこのパターンかよ!!」 ──学舎の園にある噴水傍のベンチにて 佐天「はぁー、ようやく回り終わった……初春も退院したての人間にこんな事させるなんて酷い……」 佐天「でも、楽しかったなぁー、学舎の園に来るのは二度目だけれど飽きないわねぇ」 佐天「初春も厳選に厳選を重ねて27箇所だったのかね──あっソフトクリームが売ってる」 佐天「九月とはいえ暑いから買っちゃおうっ!店員さーん」 佐天「ふいーこれだけ暑いとすぐ溶けちゃうなー早く食べちゃわないと」ペロペロ 佐天「学舎の園じゃ露店のソフトクリームまで美味しいのねー……」ガキッ 佐天「痛ッ!?……うん?氷か何かに当たったのかな?まぁいいやさっさと食べて帰ろうー」 佐久『どうやら学舎の園を出るようだな』 手塩「今のところ彼女の近辺になにか異常はあるか?」 佐久『これといった異常はないようだな、このままターゲットがお家に帰ったら仕事終了だ』 手塩「だといいがな……(考えすぎか?彼女にアレイスターの関与など)」 佐天「あちゃー、結構遅くなっちゃうなーよしっ!近道しよう!」 佐天「路地裏にはいい思い出は無いんだけど近道ならしょうがないっ!!」 佐天「……(ま、いつまでもトラウマに縛られてちゃダメ、だしね)」 佐天「(そこの角を左に行けば大通りに出てっと……)」 ??「失礼、お嬢さん」 佐天「うん?どちら、様ですか?(あれ?この男の人いつからあそこに居たんだろう?)」 ??「垣根帝督。ちょっと仕事を頼まれちゃって」 佐天「仕事?あたしには手伝うことないんで──」 垣根「俺も大概だがアレイスターもぶっ飛んでるよな、こんな可愛らしいお嬢さんを殺せってよ」 佐天「えっ──!?殺──えっ?」 手塩「どういうことだっ佐久!!どうしてあんな奴が出てくる!?」 手塩「衛星の映像で監視していたんじゃないのか!?」 佐久『わ、分からん……今も彼女の前には何も居ないように見えるが……』 手塩「く、くそっ……」ダッ 佐久『おい!まて手塩──』 手塩「(くそっ、ここからじゃ走って2分は掛かる……監視場所を建物の上なんかにするんじゃなかった!!)」 垣根「まぁ可哀想だが素直に素敵な死体になってくれやお嬢さん──」 垣根帝督と名乗った少々ガラの悪い少年の背中に真っ白な六枚の翼がゆったりと羽ばたいていた。 ──垣根はその六枚の翼のうち一枚を佐天涙子に叩きつける。 ゴッ!!という人間には耐えられなさそうな轟音と衝撃音を響かせて砂煙が舞い上がる。 垣根「何にせよアレイスターの糞野郎を恨んでくれや、ってん?」 垣根「おいおい、お前は死体になってなきゃいけない筈なんだが」 佐天「はっ……はぁ……はぁはぁ……(危なかった……)」 垣根「事前調査では無能力者の筈なんだが……空間移動系の能力者だったか?」 佐天「……(どうしよう……どうすれば──)」 垣根「俺は質問したんだぜ?『貴女は空間移動系の能力者ですか?』ってな、シカトされちゃ参るぜ」 佐天「どうして……どうしてあたしを殺すなんて言うんですか?」 垣根「オーケーオーケー、あくまで俺の質問には答えてくれないってか」 垣根「答えてやるよ、答えは『そんなモン知らねぇ』だ、お嬢さん聞きたきゃ直接アレイスターに聞きなっと」 垣根帝督の六枚の翼のうち今度は【六枚】全部を纏めて佐天涙子の頭上にたたきつけた。 ──ゴッ!!という音と共に佐天涙子のいる路地裏のビルごと崩れていく、筈だった。 垣根「…………」 佐天「はっ……ハァハァ、これは……?」 佐天涙子の頭上には今にも佐天涙子を押しつぶさんと六枚の翼が迫っているが、そのどれもが静止していた。 ──否、静止しているのは六枚の翼だけではない、垣根帝督と名乗った少年も静止しているように見える。 佐天「えっと、あたし一体何を──」 佐天涙子の能力は、『時間を止める』、『時間を遅くする』の二つ 『特定のものを静止』など彼女の能力にはない。 しかし、彼女は頭上に迫る六枚の翼に向かって何かをしたことを覚えていた。 ──佐天涙子は六枚の翼が叩きつけられる直前に【右手】を頭上に突き出していた。 佐天「止まって……る?こんなの私の能力じゃ──」 佐天「な、何にせよ逃げなきゃ!!」ダッ 垣根「……!!……ん?妙な手ごたえだったが殺ったのか?」 ──PiPiPi 垣根「『……今回の依頼は終了、ふーん楽な仕事だったな切るぞ』」ピッ 垣根「アレイスターの野郎何を考えてるんだ……やっぱ俺が『第一候補』になるしかねぇな」チラッ 垣根「……(あの小娘の死体どころかビルすら崩れちゃいねぇ、一体どんな手品を使ったんだ)」 垣根「まぁいい、『俺の』仕事は終わったんだからな、後は頑張れよ」 手塩「──、…………」 手塩「彼女はどうなった?佐久」 佐久『言っただろ映像じゃ何も映ってない』 佐久『彼女がどうなったのかもな』 手塩「くそ!!もっと早く駆け付けられれば──!!」 佐久『多分それでも無理だったろう、お前が見た少年は恐らく【垣根帝督】第二位だ』 手塩「……、くそったれ……」 佐久『今さっき電話があった、任務終了お疲れさん、だとよ』 手塩「とことん人を馬鹿にする気だなアレイスター!!」 佐久『今回の件は俺も頭に来ている、クソッタレ……』 手塩「……(愛穂の事なんて何も言えないじゃない……救える立場だったのに救えないなんて……)」 手塩「……、佐久そういえば『結標淡希』って知ってるか?」 佐久『誰だ?ソイツは……いや聞いたことがある──』 手塩「そう、忌々しい『窓のないビル』の案内人らしいわ」 佐久『ソイツがどうしたってんだ?』 手塩「アレイスターを潰す計画を思いついた、これ以上は直接話しましょう」 ──佐天涙子の部屋── 佐天「やっぱり……あの時のは幻とかじゃない──」 佐天「あたしの【右手】……これはきっと……」 佐天涙子の足元には【時を刻むことやめた】時計が落ちている。 時計の故障ではなく、佐天涙子の能力で──。 佐天「このくらいの大きさの物だと1分くらい止めてられるみたい……!!」 佐天「右手で触れたものの時間を止める能力、かぁ……」 佐天「右手……当麻さんみたい──」 ──窓のないビルの深部── アレイスター「垣根帝督も手塩恵未も十分すぎる仕事をやってくれた」 アレイスター「ふふ、成長が早くて何よりだ【佐天涙子】」 アレイスター「上条当麻の【第二候補】としては十分すぎる能力だな」 アレイスター「彼女を【計画】に組み込むことも可能だ」 アレイスター「もう少し……もう少しで計画が本格始動できる──」 398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 22 00 32.39 ID b/L64ISO サテンさんの能力の全貌がイマイチわからんぜよ ↑ あーっと簡単に言うと右手に触れたものの時を止める能力、です。 止めたものは大きさによって止めていられる時間が変わります。(人間程度なら20秒ほど) しかし、今回の垣根帝督のように止めるものと体がつながっている場合、人間の方も止まります。 なので飛び道具系の能力を使われたら垣根帝督は止まらず、飛び道具だけ止まっている状態になるって感じです(伝わるのか?) 例① ・佐天涙子が垣根の翼に触れる→垣根の翼と体は一体(なの?)なので垣根自身も20秒程度時が止まっている状態になる。 例② ・佐天涙子が神裂の七天七刀の鋼糸の一本に触れる→七天七刀の鋼糸の全ては静止するが神裂さんは止まらない。でも七天七刀は止まってるから使えない。 例③ ・佐天涙子が右手で誰かに触って静止させたとしても飛び道具を発射していた場合には、飛び道具は止まらない。
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[17]Accelerator05―結標淡希の一番長い一日 その4 丁度とある坂道でちょっとした窃盗事件が起きていたのと同じ頃、黄泉川愛穂の部屋は結構散らかり始めていた。 結標がこの部屋に来た時には驚くほど片付いていたはずなのだが今では見る影も無いぐらいに混沌としている。 (あの短時間でここまで散らかせるとは……) 結標は思わず顔に手を当てた。 これで片付けた人間と散らけた人間が同じだなんて、正直な話全然信じられない。 いや、もしかしたら自分で散らけるからあれだけ片付けに力が入るのだろうか? (いや、それは考えすぎね) 一方通行がいうのは部屋が片付いてる時は何か揉め事というか、問題が起こったときだけ、との事だったが。 結標のつま先に何かが当たった。 空き缶だ。 下を見れば床には空き缶がいくつも転がっている。 ぐびが生だったり、札幌が黒かったり、端麗が緑だったり、七福神の一人があれだったり、冬季限定のサワーがどうだとかアクアがブルー だとかギュギュっと何かが搾ってあったり。とにかく銘柄はいろいろ。 (えーと、一本、二本、三本……あぁ、めんどくさい、あといっぱい!) 全部集めれば冬休みの工作として結標の身長くらいありそうなでっかい電気ネズミとか作れたりしそうだ。 作るのが誰かは知らない。少なくても私では無い。と結標は思った。 とりあえず手当たり次第で手に持った学園都市指定のゴミ袋へと空き缶達を次々放り込んでいく。 自分だって客のはずなのになんで結標が掃除してるのか……それは結標本人にだってわからない。 一つわかっている事は、今この部屋にいる人間の中で彼女以外は掃除しそうに無いって事だけだ。 芳川なら掃除ぐらいしそうなのだが、彼女も今は散らける側っぽい。 「ん……?」 空き缶は当然、発生源になっている黄泉川、芳川両名の側に集中している。 酒のつまみにとガラステーブルの上の深皿には、柿の種とかチーズおかきとかのお菓子類がこんもりと盛られていた。 打ち止めにはお酒は飲ませないようにしていたので彼女用のオレンジジュースのコップも置かれていた。 そのすぐ側には打ち止めの小さな背中。 可愛らしい青のワンピースは打ち止めによく似合っている。 後ろを向いてるので表情まではわからない。 でも、なんだか小刻みに小さな肩が震えている。カリカリと変な物音もする。 「打ち止め?」 どうしたんだろう?と疑問を持って結標が声をかける。 声に応えて打ち止めがくるりと振り返った。 (うわぁ……まじで?) 結標はそう思った。 「ハムスターみたいよ……打ち止め」 そして率直な感想が口に出た。 「――、―――――、―――――」 振り返った打ち止めの口元には食べかすがいっぱい。 口いっぱいに頬張っている。まさにハムスター。 でも頬張ったまま喋るのでまるで言葉になっていない。 「ごっくんしなさい……打ち止め。ごっくんってしてから喋りなさい」 こくこく。打ち止めの首が上下に大きく振られた。可愛い。 「お酒のつまみばかり食べてると鼻血でるわよ、打ち止め」 オレンジジュースが減っていく。 「っぷは――チーズおかきの真ん中っておいしいかも……。ミサカはミサカはもうコレに夢中だったりする」 小皿の上には真ん中だけ無くなったチーズおかきの成れの果て。 ごっくん、と残骸を飲み込んだ打ち止めの口元をスカートのポケットからハンカチを取り出して拭ってあげる。 打ち止めは「うにゅ~」とわけのわからない鳴き声を発していた。ますます小動物のようだ。 「はぁ……なんで私こんな事してるんだろう……」 元凶たる人物の方へと視線を送り、やがて諦めたかのようにぼやく。 打ち止めの不思議そうな瞳でそれを見ていた。 「淡希っちぃ、その制服って霧ヶ丘女学院(きりがおかじょがくいん)だろ?結構いいとこ通ってるじゃんよ」 声の主は一人掛け用ソファーには背を預け、缶ビール片手にほろ酔い状態の黄泉川。 飲み始めより大分アルコールがまわって来た様で頬はほんのりと桜色に染まっている。 髪をかきあげる。ただその仕草だけでも同性である結標から見ても妙に色っぽい。 (こういうのってフェロモンっていうのかしら?それとも大人の魅力?) 結標だって年頃の女の子だ。化粧もすればアクセサリーだってつける。 いつもは二つに分けて纏めている髪をほどいたりして髪型を変えてみるのも良いだろう。香水を少しつけてみるのもありだ。 クローゼットを開いてコーディネイトを考えて時間をかけてオシャレな服を選んで着こなせば、それなりに大人びて見えたりもする。 (……と思うわ、この人見てるとなんか自信無くなるけど) だが黄泉川のソレはそういう後付の色っぽさとは一線を画す物だ。人工物では無くあくまでも本人から滲み出る天然の色気。 (着ているのは普通のジャージの上下なのに……羨ましい限りだわ) ピンク色の毛布を抱えた結標はとりあえず、「ええ、"一応"」と限りなくグレーゾーンの言葉でお茶を濁した。 結標淡希は一応霧ヶ丘女学院所属にはなっているがそれはあくまでも記録上だ。 残骸事件の影響でいまだ扱いは留学中のまま。 学園都市の中にいないと言う事になっているので今は霧ヶ丘女学院の女子寮には住んでいない。 現在はあのプカプカ逆さ人間がどこからか手配したワンルームマンションで一人暮らし中。 風の噂で耳にした話だと残骸事件で結標に協力していた仲間達も似たり寄ったりな境遇らしい。 もっとも連絡は取れた試しが無いのだが。 (とはいえ、実際問題として霧ヶ丘への復学の見込みは低いのよね……。アレイスターは長点上機学園か常盤台付属辺りにでも転入処理して やっても良いとか言っていたけど、どこまで本気やら) 実際、大能力者(レベル4)である結標が申請を出せば大抵の学校は「はいはい」と二つ返事を返してくるだろう。 少し考えただけでもいろいろなパターンが思い浮かぶ。 転校、転入、新しい空間。 (それもいいかもしれない) 結標がふと口を開いた。 そういえばこの黄泉川は現役の教師だったはずだ。 (どんな学校なんだろう) 「黄泉川さんの所の学校……」 少しばかり黄泉川の勤める学校に興味が湧いた気がした。 「うん?」 「高校でしたか?」 「そうじゃんよ」 グビっと缶を傾ける黄泉川。教え子達の事でも考えてるのか、その表情は柔らかい。 「どんな学校ですか?特徴っていうか、その、特色みたいな?そんなのってあります?」 「いや、全然無いじゃん」 即答。 思考時間にして一秒以下だろう。 「学力レベルが高かったり?」 「いや、全然」 これも即答。 空き缶が床に転がった。 「スポーツが盛んだったり?」 「コレといって記録を残してるクラブは無いじゃんよ」 三度即答。 ガラステーブルの上の皿から柿の種を口に運び、ぽりっと齧る。 「小学校からエスカレーター式のマンモス学校?」 「うちは高校のみの単品だったりするじゃん」 しつこいが即答だ。 辛いものばかり食べてたら甘いものが欲しくなったのか、今度はコンビニ羊羹に手を伸ばす。 「じゃあ……」 少し間を空けて結標が本命を聞く。 器用に片手と口で羊羹の包みが開かれた。 「能力開発が」 「それもいたって平凡なもんじゃんよ。上は強能力者が片手の指でお釣りが来るぐらい。下は正真正銘の無能力者まで。 特徴っていう程の特徴は……、無いことも無いか。強いていえば生徒がやたらと個性的な事ぐらいじゃんよ。 特に一年生のクラスの一つは個性的って言葉が馬鹿らしくなる様なのが何人かいるじゃん。まぁ、見てる分には退屈しないかもね」 皆まで言うなとばかりに途中で先を言われてしまった。 ここで黄泉川が再び缶ビールを呷り始めたので結局それ以上は聞くことが出来なくなってしまった。 「ふぅ」 (個性的……。個性的とそうでないの線引きってどこからかしら?) 結標はそこで毛布を持って三人掛けソファーの前まで来て、そこで寝ている人物へと視線を落とした。 そう、個性的な人間ならここにもいる。それもとびきりの。 学園都市最強。質、量を問わず、あらゆるベクトルを支配下におく超能力者(レベル5)。学園都市の全能力者二百三十万人の中の第一位。 現在むかつくぐらい気持ち良さそうに睡眠中。 穏やかな寝息が結標の耳に届く。 変な人格の人間を個性的って乱暴に一括りにしてもいいのなら、結標の知っている人物の中に一方通行程個性的な人間も見当たらない。 彼がこうなったのは確か十分ぐらい前の事だっただろうか?確か三十分まではいかなかったと思うが、とにかく少し前。 「勝手にやッてろ」 の捨て台詞と共に三人掛けソファーを大胆に占領して、不貞寝してしまった事だけははっきり思い出せる。 (一方通行って学校行ってるの?) 結標の手がソファーで寝ている一方通行の肩辺りまで毛布を掛けた。 もともと、こうする為に隣の部屋から毛布を持ってきたのだ。 更にソファーのアームレストは枕には少々硬すぎるだろうと、少年の頭を下から少し持ち上げて白と水色のクッションを二つ折りにして 滑り込ませた。 毛布がくすぐったかったのか一方通行が身じろぎし、ゴロンと寝返りを打った。 横を向いていた白い少年の顔が九十度向き変更で結標の正面へと来る。 ビクゥ!?と露出している結標の肩が大きく震えた。 「び、びっくりさせないで欲しいわ……」 多分今の台詞を一方通行が聞いていたら確実に半殺しモードだろう。 だけど寝顔だけは、なんというかとても穏やかであり、なんだかカワイイ気がしないでも無い。 「う゛ッ……」 思わずたじろぐ結標。不覚にもスヤスヤと寝息を立てぐっすりと夢の中にいる一方通行に目を奪われてしまう。 (反則だわ……この顔は反則だってば……なんでこんなに) 「カワイイじゃんよぉ。なんなら襲ってもいいよ淡希っち」 「ひぇえぇぇ!?」 結標の心の声に合わせる様に黄泉川の声が訪れた。 変な悲鳴が結標の喉から飛び出た。 完全な不意打ちに呼吸は乱れ、心臓はバクバクと落ち着かない。 ただ口をパクパクと開いたり閉じたりするだけで声にならない。 それでも、しどろもどろでなんとか言い訳を探す。 「み、見とれてませんよっ!寝顔がカワイイなんて思ってませんよ!」 結標はそう言い切り、身振り手振りを織り交ぜてブンブン両手を振り回して黄泉川に訴える。 が、返ってくるのは暖かな視線が二つ。 いつの間にか芳川まで「あらあら、初々しいわねぇ」とかすっかりお姉さんモードだ。 ガラステーブルを挟んで黄泉川と一緒に 「若いわねぇ」 「若いじゃんよ」 「でも口喧嘩してなかった?」 「喧嘩するほど仲が良いじゃんよ。それに一方通行と口喧嘩できるなんて人間、そうそういないじゃんよ」 とか少し暢気な会話をしている。 「夫婦喧嘩っていうんだよね。ってミサカはミサカはミサカネットワークから引き出した情報を得意気に使ってみたりする」 にょきっと出てきた打ち止めが会話に乱入した。そして結標のスカートの裾を引っ張る。 「淡希、夫婦喧嘩って何?ミサカはミサカは詳しく聞いてみる」 「ぁぅ……」 答えられない。 「違うじゃん打ち止め、あれは痴話喧嘩っていうじゃんよ。キチンと固有名詞で登録しておくじゃん」 「愛穂」 「何?桔梗」 「あんまり打ち止めに変な事ばかり教え込まないで頂戴」 「そっかそっか、わかったじゃん。なら打ち止め、夫婦の一個下のランクで『恋人』とか『彼女』とか登録しておくといいじゃん、これなら バッチリじゃんよー」 なにがバッチリなのかわからない。 ばちこーん☆と黄泉川のウインク。 「だ、だから違うっ!私はコイツ(アクセラレーター)とは何でも無いんですって!?さっきから何回もそう言ってるのに信じ――」 「ぶぅぇつにぃー、淡希っちの事だとは一言も言って無いじゃんよー」 「あらあら……墓穴を掘ったわね」 ニヤニヤとした生暖かい視線の中、結標に出来るのは両手をバタバタと振って抗議する事ぐらいだった。 「ミサカもこの人で遊びたいかも、とミサカはミサカは準備運動を始めてみたり」 幼女が助走をつけようと壁際まで下がったのはすぐ後の事。 ソファーにダイブしようとした打ち止めを結標が空中で阻止して一言。 このままでは自分の身が持たない、と結標の目が物語っていた。 「ら、打ち止め……さ、散歩、そう、外に散歩とか行きましょうよ。ついでにお菓子的な物、買ってあげるから、ね、ね」 [12月23日―PM15 17]
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学園都市の一角に教員専用のマンションが建っている。様々な実験の対象となっているために格安で人気は高い。 そのマンションの見晴らしのいい13階に住むのは黄泉川愛穂。これといった特徴のない高校で体育教師をしている。非常時には警備員(アンチスキル)として学園都市の治安を守ったりもするらしいが普段の彼女からはその姿はまったく想像できないと一方通行は考えている。 (こンなこと本人に言ったら何されるかわかったもンじゃねェが……) 今も居候その1となにやら取っ組み合いをしている。 「これは最後のプリンなのってミサカはミサカはお伝えする。やっぱりこういうものは小さい子にあげなきゃねってミサカはミサカは都合のいいときだけ子ども扱いを求めてみたり」 「最後のひとつだからこそこれは家主サマがたべるべきじゃん。先に冷蔵庫から取り出した私が食べるんじゃんよ」 「むきーってミサカはミサカは……」 「むむー……」 (たっくなにやってンだか……) 一方通行は呆れ顔で二人のやりとりを見つめ大きなため息をついた。 「二人ともおやめなさいな。プリンひとつでみっともない」 ここぞとばかりに良識的なのは居候その2の芳川桔梗だ。キッチンのほうでなにやら探し物をしていたらしくカウンターから顔をのぞかせている。 『だってー』 二人の声が重なる。とはいえ芳川の言葉に不満をあらわしながら休戦中の双方とも目はまだあきらめてはいない。 「ちょっと貸してみなさい」 キッチンから出てきた芳川の手にはお皿と包丁を乗せたトレー。どうやら最後のプリンを分けるために包丁をとりにいったようだった。 このままでは決着はつかないと悟ったのか一刻も早くプリンを食べたい打ち止めと黄泉川は芳川の言葉に従いプリンを渡す。 「確かにこのプリンおいしかったわね。学園都市の試作品なんてまともなものはないとおもっていたのだけれどそうでもないのかしら」 芳川はそう言いながら怪しげなマークのついた学園都市謹製まったり濃厚とろとろプリンのふたを開ける。そしてお皿をプリンの容器にかぶせるとそのまま反転。容器のそこについた突起を指で折る。「ぷりん」と聞こえてきそうなほど柔らかな動作でプリン本体がお皿の上に着地。どうやら二人の争奪戦程度ではプリンは型崩れしないらしい。 打ち止めと黄泉川が見守る中芳川がプリンに包丁を入れる。芳川の持つ包丁がプリンから離れると二人は本の少しでも大きい方のプリンを手に入れるべくプリンを凝視している。 しかしその瞬間二人は驚くべき光景を目にする。 芳川が再びプリンに包丁を入れたのだ。一度目の切り口と垂直に交わり、上から見ると半月形だったプリンが扇形になる。 『あー!』 再び二人の声が重なる。 「なぁに? だって最後の一つなのでしょう? 私だって食べたいわ。あなたも食べるわよね、一方通行?」 声をかけられて居候その3の一方通行は言葉に詰まる。 (これは……どうすりゃいいンだ?) 正直彼はプリンは割りとどうでもいい。もともと甘いものはそれほど口にしない。しかしここで辞退すると話しはさらにややこしくなりそうだ。おそらく彼が辞退すれば一つの四分の一を巡って再度プリン争奪戦が始まる。もしかすると今度は三つ巴の争いになるかもしれない。 (俺は静かに昼寝でもしたいンだけどなァ。仕方がない) 「食うに決まってンだろ。さっさとスプーンをよこしやがれ」 再度ため息をつきながら一方通行は打ち止めたちが囲むプリンの皿に手を伸ばす。 それはかつての学園都市最強の日常の一こま。一人の少女との出会いによって彼が手に入れた平穏な時間。そしてただ3等分よりも4等分の方が簡単だったというお話。 ちなみにその後芳川が用意した果物や生クリームのトッピングに満足した打ち止めと黄泉川は終戦協定を結んだのだった。
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英国 聖ジョージ大聖堂 「はぁ…」 煙草を咥え、煙と共にステイルは溜め息をついた。 溜め息の理由は 「おなかすいた…」 「…」 「おなかすいたって言ってるんだよ!」 服の裾をぐいぐいと引っ張るのは、暴食シスターインデックス。 彼女は霊装を運ぶステイルの後ろを歩きながら 「せっかくお手伝いで来たっていうのに、大したおもてなしもされないまま、すぐに掃除なんて酷いかも」 「君は元々イギリス清教のシスターなんだから、掃除を手伝うのは当然だろう。 それに、さっき昼食を食べたばかりじゃないか」 「もうおやつの時間なんだよ!」 はぁ、とまた溜め息をつく。 しばらく地下通路を歩いていると少し開けた広場へ出た。 あちらこちらに霊装やら書物が置いてあり、それを整理する人員もちらほらといる。 今、ステイル達は地下の霊装保管庫から霊装を運び出しているところだ。 聖ジョージ大聖堂はとある一戦により地下まで崩落しており、復旧作業が行われているが地下はとても使える状態ではない。 しかし、地下保管庫には普段使う霊装から貴重な物まであるので、復旧するまでそのまま… というわけにはいかない。 そして霊装の中には配置を覚えとかなければならないとか、厄介な物もある。 そんなわけでステイルはインデックスと霊装を運び出しているのだが 「これが運び終わったらおやつにしてほしいかも!」 「はいはい、わかったよ」 途端にインデックスの表情が明るくなる。 「やった!それじゃぁさっさとするんだよ!」 今まで後ろを歩いていたインデックスだが、ステイルの服を引っ張りながら前を走る。 両手に霊装を抱える彼からすれば正直迷惑な話だが、実際は満更でも無いようだった。 「これはここで、その箱はこっちなんだよ!」 霊装を並べる広場に、インデックスの元気な声が響いた。 そんな元気な声の響く広場の一角。 「う~ん」 男たちが何かを考えているのか、難しそうな呻き声を上げていた。 「この服…どう考えても、考案者と俺たちには同じ血が流れていると思うんよな」 建宮斎字は、静かに呟く。 「これはやっぱり、着てもらうしかないんよな」 周りの男たちもうんうんと頷く。 彼らは天草式十字凄教(の男衆)である。 イギリス清教の傘下に入った彼らもまた、例外なくこの大掃除に参加させられていた。 そして今、彼らが円形に立つ中心にあるのは… 「どう見てもメイド服よな」 そう、いつの時代のものか、古ぼけたメイド服があった。 しかもどこかの義妹が着ているような由緒正しきメイド服とは違う。 胸の辺りは大きくひらけていて、付属品では頭の上に着けるわっかのような物がある。 それは… 「これこそ堕天使エロメイドの元祖だったのよな!」 おぉ…と、その場にいる男衆がざわめく。 「でも、どうやって女教皇様に着てもらうんすか?」 男衆の中でも小柄な少年、香焼が尋ねる。 「それを今から考えるんよ。よし、班をわけるぞ」 おぉ!と無駄な団結力を示す男衆を対馬は遠巻きに見ていた。 「ったく…くだらないことで時間を…って五和?」 隣に目線をやると、対馬の隣にいた五和はなにやらモジモジと胸のあたりを見ていた。 「はっ…そうですね!さっさと片付けましょう!」 そそくさと去っていく五和。 対馬は小さく溜め息を付いた後… 「…」 チラリと、 自分の胸に視線を動かした。 「はぁ…」 こちらの一角では金髪碧眼の少女が溜め息をついていた。 彼女の格好は、別に運動をするわけでもないのにラクロスで使うような服を着ている。 「なーんで私たちがこんなことしないといけないかなぁ」 「仕方ないわ、むしろこれくらいで済むのなら安いものでしょ」 銀髪の少女は荷物を抱えながら言う。 彼女たち『新たなる光』のメンバーは、ある年齢詐欺女から 「あれほどの騒ぎを起こしけるのだから、これくらいは手伝いべくものよ」 と、笑顔の威圧を受け今に至っている。 「あんの女狐め…」 「それよりフロリス、ランシスは?」 「ん、くすぐったさと戦ってる」 フロリスの指差す方向では、ランシスがピクピク肩を震わせながら他の修道女と荷物の整理をしていた。 「危なっかしくて荷物を運べないからねぇ」 「困ったものね…レッサーは?」 あれ?とフロリスは首を傾げる。 「さっきベイロープと一緒にいたじゃない」 「見失ったの。まったく…あんまり仕事しないくせにすぐどこか行くんだから… ま、後ででいっか」 ベイロープは溜め息をついて、荷物運びを再開した。 「それじゃぁよろしく頼むよ」 「はい。よろしくお願いします」 上条は差し出された手を強く握った。 黄泉川の車で警備員の支部に到着した後、ふらふらな足取りのまま連れられたのは支部長室という部屋。 そして、さっきの校長室と同じようにソファーに座らせられ、いくつかの書類を記入させられた。 初めはここの支部長の男性からいくらかの謝罪を受けたが 上条はむしろ感謝していると言うと、困ったように笑われ黄泉川からは拳骨を食らった。 「ったく…そう思ってるのはアンタぐらいじゃん」 ともあれ、書類を記入した後簡単ながら規則などの説明を受けて今に至る。 「まぁ習うより慣れろです。以後のことは黄泉川に従ってください」 支部長は言いながら黄泉川のほうを見た。 「さ、それじゃさっさと行くじゃん。失礼しました」 「あ、失礼しました」 何やら書類を見ながら歩く黄泉川の後ろを上条は付いて行く。 「っと…まずはココじゃん」 黄泉川が立ち止まる。 自動扉には「男子更衣室」と書かれていた。 「さて…と」 黄泉川は上条に視線で何かを促す。 「?」 何かを求められているようだが、何をすればいいのか分からない上条は首を傾げた。 「私は女だから男子更衣室のIDは無いじゃん。さっさと手出して」 「あ、あぁはい」 上条が扉の横に付いていたパネルに手を触れるとロックが解除される音がして扉が開く。 「誰もいないか見てきて欲しいじゃん」 中に入るとロッカーがいくつも並んでいて、人は誰もいなかった。 誰もいませんよー と入り口に声を掛けると黄泉川も入ってきた。 「アンタのロッカーは…ここじゃん」 黄泉川はロッカーの一つを指差した。 上条が手を掛けると、ここでも指紋か何かを読み取っているのか自動的にロックが解除される音がした。 ロッカーの中には警備員が普段の警邏活動で使用しているジャケットと、有事の際に着ている戦闘服が入っていた。 「へー手際がいいじゃん。サイズ合ってるか、着てみるじゃん」 「はい…」 と、上条が着替えようとして止まる。 「どうかしたじゃん?」 「あのー黄泉川先生は出るか、少なくともむこうを向いてくれないのでせうか?」 「なんでじゃん?今の男子はそんなに人目を気にする程デリケートだったっけ? ウチのクラスの奴でも女子がいるところで堂々と着替えてるじゃんか」 「それは他の男子もいるし、女の子だってまじまじと見ないからいいんです!」 上条は叫びながら黄泉川を回れ右させた。 黄泉川は納得がいかないようで、何やらぶつぶつ言っていたが聞かないことにした。 「着替えました」 「お、まぁまぁ似合ってるじゃん」 上条は近くにあった鏡を見る。 警備員の戦闘服。 「重い…」 「何言ってるじゃん?今は装備付けてないからいいけど、作戦時はそれより更に重くなるじゃん。 あとアンタにはあまり持たせたく無いけど、場合によってはライフルだって装備するし…」 あぁそれと…と黄泉川は言って。 「これ、現場に行く時は付けるじゃん」 「フェイスマスク…」 「警邏活動の時は第七学区から離れるから付ける必要は無いじゃん。 でも緊急の時はそうはいかない、第七学区かもしれないし、カメラだってある」 要するに、知り合いに警備員をしているのを知られないための措置らしい。 とはいえ、別学区で知り合いに会わないとも限らない。 御坂美琴が22学区の温泉へ通っていたように、土御門元春が諜報員として様々な学区を駆け巡っているように、学区の移動は自由だ。 加えて、上条は知らないが風紀委員は都市内のカメラを自由に見れる。 頭に花畑を営む少女が所属する風紀委員の支部でも例外は無い。 むしろ一般の支部よりも深部の情報を手にしている。 「でも俺だけコレ付けてたら不自然じゃ…」 「隊員の中には付けてる奴もいるからそうでもないじゃん」 ま、いざと言う時は何とか言い包めるから安心するじゃん。 という答えを聞いて、案外知られたくないのは一部の警備員だけで、上層部はそうではないのかもしれないという適当な予想をする。 気休め程度だろう。 「サイズが大丈夫なら次行くじゃん。着替えて」 「…」 この後、上条はもう一度突っ込みを入れることになった。 更衣室を出た後もいろいろな所に案内された。 広い施設だったので、少し歩き疲れたなーとか上条が思っていると。 「ま、だいたい案内するところはしたじゃん。あとは使う時に教えるじゃん」 黄泉川は腕時計で時間を確認しながら言う。 「今日は以上、もう帰るじゃん」 上条も携帯電話で時間を確認する。 気がつけばここに着いてから2時間以上も経っていた。 「明日から訓練所でみっちり鍛えてやるじゃん。 だから今日は早く帰って明日に備えて寝る!」 「は…はい」 あ、それと。 と黄泉川は何かを思い出し、手元の書類をあさる。 「これ、IDカードじゃん。 この支部やアンチスキル関連施設に入るのに指紋と声紋とこれが必要だから、無くさないように。 あと身分証明証にもなるじゃん」 IDカードと言われたが、定期入れのような物を渡された。 つまりはドラマのように相手に、警備員だ!と言って見せる物にもなるらしい。 IDカードには書庫に登録されていた写真を使われたのか、やる気のない目でレンズを見る自分に、さっきの警備員の制服が合成されていた。 「明日からは学校終わったら第二学区の訓練所に来ること。 あ、明日は学校休みか… とにかく、電車ならそのIDでタダじゃん」 「わかりました」 「まぁ…学校のある日なら私が送ってやったほうがいいんだけど、どうする?」 「えっと…」 上条はしばし考える。 毎日のように黄泉川の車に乗るところを青髪や土御門が黙って見ているわけがない。 「電車にします…」 本当なら黄泉川に車で送ってもらったほうが楽なのだが、ここは泣く泣く電車を選んだ。 (不幸だ…) 上条がいつもの言葉を心で呟いていると、ピピピピピと無機質な電子音が鳴った。 音のするほうを見ると黄泉川の携帯電話が音を上げていた。 黄泉川は携帯電話のサブディスプレイで相手を確認すると、ニヤリと笑う。 「アンタの担任からじゃん。 多分アンタを心配してのことだろうけど」 2つ折りの携帯電話を開け、黄泉川は電話に出る。 「はい、黄泉川」 『あっ…あのっ!黄泉川せんせー!ウチの上条ちゃんは…』 声が高いためか、焦っていて大きいためか電話から声が漏れて上条にも聞こえる。 「大丈夫じゃん。 別にやましい事したわけじゃないし…」 と、ここで黄泉川は黙って何かを考える。 電話から何か声が漏れるが、相手はもう落ち着いているためか上条は聞き取れない。 ただ、この状況からして相手も困惑しているだろう。 「月詠先生、話したいことがあるじゃん。 この後、いつもの場所で」 『え…えぇ!?あの、状況が少し』 再び焦ったのか、声が鮮明に漏れていた。 だが、黄泉川は電話を耳から離し通話を切る。 黄泉川の行動に上条も怪訝な表情で見ていたが、黄泉川は上条に笑いかけながら。 「前言撤回。今日は帰りが遅くなるじゃん」 「はぁ?」 突然の前言撤回と共に意味の分からないことを言い出す黄泉川に、上条は間抜けな顔でしか反応できなかった。 「こんなのまだあったのか…」 上条が黄泉川に連れて来られたのは、 昭和の雰囲気漂う屋台、赤い提灯、頑固そうな親父、おでんと書かれたのれん。 黄泉川愛穂御用達のおでん屋だった。 「何してんのさ、早く席着くじゃん」 屋台を見て呆然と立っている上条に、黄泉川は席に着きながら声を掛ける。 「あ…あぁ、はい」 「じゃ、親父。まぁいつもどおり適当に頼むよ」 頑固そうな親父は無言のままカチャカチャと食器を準備し始める。 しばらくして、おでんと一升瓶が出された。 「ちょ、先生車じゃ…」 「代理頼むじゃん。 あぁ、アンタはどうしようか」 「水で大丈夫です」 コップとボトルに入ったミネラルウォーターが出される。 「あの、黄泉川先生… さっきの電話で小萌先生に言ってたことは…」 コップに入れた水を飲みながら上条は聞く。 「んー?」 黄泉川はおでんを頬張っているのですぐには答えてくれない。 ハフハフと熱さを我慢しつつ、途切れ途切れに話す。 「じき…に、あつっ…わかる、じゃん」 答えになってない答えに、上条は納得しないながらも、自分も出されたおでんを食べようとする。 すると 「黄泉川せんせー!」 遠くから聞こえる幼い声。 「ほらな」 しばらくすると、学園都市七不思議とされる幼女先生がのれんを揺らさず登場した。 「あれ?上条ちゃん!どうしてこんな所に?」 「私が連れて来たじゃん。ホラさっさと座って」 よいしょ、という可愛らしい掛け声。 「今日は一体何事だったのですか?」 小萌も黄泉川と同じように親父におでんを頼みながら首を傾げる。 「ま、そのことで呼んだわけじゃん」 「まさか…上条ちゃんが留年? でも先生はそんなこと聞いてないのです!」 早くも涙目になる小萌。 「違う違う。 上条、自分から言うじゃん」 「え、いいんですか?」 さっきあれほど周囲に知られるのを嫌っていたので、上条は少し驚いた。 「月詠先生はアンタの担任。 そうでも無い私が知ってるのに、一番近い先生が知らないのはおかしいじゃん」 それに、と黄泉川は続け 「こういう心配性な人がいれば、アンタ少しは無理しないじゃん?」 「…」 黙って考える上条を見て、小萌はオロオロする。 「あの、上条ちゃん? そんなに言いにくいことなら、無理して先生に言う必要は無いのですよ?」 「先生!」 「はっ…はい!」 まるでプロポーズを受けるかのごとく、背筋をピンと張る小萌。 「俺、今日呼ばれたのは…」 そこまで言って、上条はカウンター越しにいるおでん屋の親父を見た。 親父は上条に目を合わせなかったものの、黙って小型ラジオを取り出し耳にイヤホンを挿し込んだ。 イヤホンから音が漏れて聞こえたところで、上条はさっき貰ったIDカードを見せる。 「アンチ…スキル?」 小萌は不安そうに呟いた。 「臨時ですが… アンチスキルになったんです」 「…どうして、ですか?」 小萌は下を向いたまま、机の上でキュッと小さな手を握りしめる。 「上条ちゃんは…ただの生徒なのに…」 「その経緯に関しては私から説明するじゃん」 その後、黄泉川から上条が臨時警備員として選ばれた経緯が話された。 上層部からの命令であったこと。 支部も含めて必死に抗議したこと。 激情したあまり上条を殴ってしまったこと。 中には上条に伝えられていないこともあった。 そして、最後に黄泉川は上条を責任を持って護ることを約束した。 小萌は話を聞いている間、ずっと俯いたままだった。 「そう…ですか…」 話が終わり、しばらくの沈黙があったが小萌がそれを破った。 「先生からは何も言うことは無いのです」 顔を上げる小萌、いつもの笑顔を見せるがその目は潤んでいた。 そんな小萌を見て、妙な罪悪感に駆られる二人。 「確かにとても不安です。 でも、上条ちゃんはいつも誰かを助けるために全力を尽くして、今回だってこうして立ち上がってくれました。 それは先生にとっては凄く嬉しいことなのですよ」 小萌はコップのお酒をぐい、と飲み。 「いつも通り独りで突っ走っちゃうのなら、先生は止めていたかもしれません。でも…」 目が潤んでいるのに気付いたのか、ごしごしと両手でこする。 「今回は、黄泉川先生がいるので安心なのです!」 ぐっと手に力を込めて、自分に言い聞かせるように言う小萌。 それを見て、黄泉川は上条を全力で護らなければならないということを、改めて実感した。 「黄泉川先生、ウチの上条ちゃんをよろしくお願いします」 黄泉川に向き直り、丁寧に頭を下げる小萌。 対する黄泉川は自信に溢れた笑みを漏らした。 「まかせるじゃん。 私だって、こんな生徒が持ちたかったんだ」 「さ、それでは今日はお祝いってことで先生の奢りなのです!」 「何言ってるじゃん。 私だってお祝いするじゃんよ」 がやがやと騒ぎ出す二人を見て上条は、自分は不幸とは言ってられないな、と思いながらコップに手を伸ばす。 黄泉川が説明している間は水を飲む気が引けたので我慢していた。 その結果、乾いた喉を潤すためにコップを一気に傾けたのだが。 「あ、上条。そのコップは私の…」 小萌との話に夢中になっていた黄泉川は、上条が自分のコップを取ったのに反応が遅れた。 「ぶっ!」 上条は口に入って初めて酒だと気付いたが、吹き出すのも汚いので必死に堪える。 口に入った酒を徐々に喉に通していく、アルコールがキツイのか、喉元が焼けるように熱い。 「お、案外いける口じゃん?」 「教師兼アンチスキルが未成年者飲酒を公認でせうか!?」 ぜぇぜぇと息を荒くしながら上条は叫ぶ。 なんとか言ってくれよと小萌を見るが。 「うへぇ今日は無礼講なのですよ」 既に潰れ始めていた。 彼女の横には既に空になった一升瓶。 「え、あのしんみりとした空気から何分経ちましたよ? 明らか小萌先生コップで飲んでませんよね! なんとか言ってください!お願いします!」 頭を抱える上条を尻目に、黄泉川は特に気にした様子もなく 「親父、もう一本頼む」 顔を青く(なった気がした。実際は赤い)する上条。 親父は何の気兼ねも無く、黄泉川に一升瓶を手渡した。 おい親父、未成年者の飲酒を黙認するっていうのなら、 まずはそのふざけた幻想をさっそく警備員という立場を使ってぶち殺そうか、 とか上条は考えながら親父を睨むが。 親父のほうは、 若い頃を思い出すわ、ちなみにコイツらの感性はわしが育てた。 と目で語っていた。
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[17]Accelerator05―結標淡希の一番長い一日 その4 丁度とある坂道でちょっとした窃盗事件が起きていたのと同じ頃、黄泉川愛穂の部屋は結構散らかり始めていた。 結標がこの部屋に来た時には驚くほど片付いていたはずなのだが今では見る影も無いぐらいに混沌としている。 (あの短時間でここまで散らかせるとは……) 結標は思わず顔に手を当てた。 これで片付けた人間と散らけた人間が同じだなんて、正直な話全然信じられない。 いや、もしかしたら自分で散らけるからあれだけ片付けに力が入るのだろうか? (いや、それは考えすぎね) 一方通行がいうのは部屋が片付いてる時は何か揉め事というか、問題が起こったときだけ、との事だったが。 結標のつま先に何かが当たった。 空き缶だ。 下を見れば床には空き缶がいくつも転がっている。 ぐびが生だったり、札幌が黒かったり、端麗が緑だったり、七福神の一人があれだったり、冬季限定のサワーがどうだとかアクアがブルー だとかギュギュっと何かが搾ってあったり。とにかく銘柄はいろいろ。 (えーと、一本、二本、三本……あぁ、めんどくさい、あといっぱい!) 全部集めれば冬休みの工作として結標の身長くらいありそうなでっかい電気ネズミとか作れたりしそうだ。 作るのが誰かは知らない。少なくても私では無い。と結標は思った。 とりあえず手当たり次第で手に持った学園都市指定のゴミ袋へと空き缶達を次々放り込んでいく。 自分だって客のはずなのになんで結標が掃除してるのか……それは結標本人にだってわからない。 一つわかっている事は、今この部屋にいる人間の中で彼女以外は掃除しそうに無いって事だけだ。 芳川なら掃除ぐらいしそうなのだが、彼女も今は散らける側っぽい。 「ん……?」 空き缶は当然、発生源になっている黄泉川、芳川両名の側に集中している。 酒のつまみにとガラステーブルの上の深皿には、柿の種とかチーズおかきとかのお菓子類がこんもりと盛られていた。 打ち止めにはお酒は飲ませないようにしていたので彼女用のオレンジジュースのコップも置かれていた。 そのすぐ側には打ち止めの小さな背中。 可愛らしい青のワンピースは打ち止めによく似合っている。 後ろを向いてるので表情まではわからない。 でも、なんだか小刻みに小さな肩が震えている。カリカリと変な物音もする。 「打ち止め?」 どうしたんだろう?と疑問を持って結標が声をかける。 声に応えて打ち止めがくるりと振り返った。 (うわぁ……まじで?) 結標はそう思った。 「ハムスターみたいよ……打ち止め」 そして率直な感想が口に出た。 「――、―――――、―――――」 振り返った打ち止めの口元には食べかすがいっぱい。 口いっぱいに頬張っている。まさにハムスター。 でも頬張ったまま喋るのでまるで言葉になっていない。 「ごっくんしなさい……打ち止め。ごっくんってしてから喋りなさい」 こくこく。打ち止めの首が上下に大きく振られた。可愛い。 「お酒のつまみばかり食べてると鼻血でるわよ、打ち止め」 オレンジジュースが減っていく。 「っぷは――チーズおかきの真ん中っておいしいかも……。ミサカはミサカはもうコレに夢中だったりする」 小皿の上には真ん中だけ無くなったチーズおかきの成れの果て。 ごっくん、と残骸を飲み込んだ打ち止めの口元をスカートのポケットからハンカチを取り出して拭ってあげる。 打ち止めは「うにゅ~」とわけのわからない鳴き声を発していた。ますます小動物のようだ。 「はぁ……なんで私こんな事してるんだろう……」 元凶たる人物の方へと視線を送り、やがて諦めたかのようにぼやく。 打ち止めの不思議そうな瞳でそれを見ていた。 「淡希っちぃ、その制服って霧ヶ丘女学院(きりがおかじょがくいん)だろ?結構いいとこ通ってるじゃんよ」 声の主は一人掛け用ソファーには背を預け、缶ビール片手にほろ酔い状態の黄泉川。 飲み始めより大分アルコールがまわって来た様で頬はほんのりと桜色に染まっている。 髪をかきあげる。ただその仕草だけでも同性である結標から見ても妙に色っぽい。 (こういうのってフェロモンっていうのかしら?それとも大人の魅力?) 結標だって年頃の女の子だ。化粧もすればアクセサリーだってつける。 いつもは二つに分けて纏めている髪をほどいたりして髪型を変えてみるのも良いだろう。香水を少しつけてみるのもありだ。 クローゼットを開いてコーディネイトを考えて時間をかけてオシャレな服を選んで着こなせば、それなりに大人びて見えたりもする。 (……と思うわ、この人見てるとなんか自信無くなるけど) だが黄泉川のソレはそういう後付の色っぽさとは一線を画す物だ。人工物では無くあくまでも本人から滲み出る天然の色気。 (着ているのは普通のジャージの上下なのに……羨ましい限りだわ) ピンク色の毛布を抱えた結標はとりあえず、「ええ、"一応"」と限りなくグレーゾーンの言葉でお茶を濁した。 結標淡希は一応霧ヶ丘女学院所属にはなっているがそれはあくまでも記録上だ。 残骸事件の影響でいまだ扱いは留学中のまま。 学園都市の中にいないと言う事になっているので今は霧ヶ丘女学院の女子寮には住んでいない。 現在はあのプカプカ逆さ人間がどこからか手配したワンルームマンションで一人暮らし中。 風の噂で耳にした話だと残骸事件で結標に協力していた仲間達も似たり寄ったりな境遇らしい。 もっとも連絡は取れた試しが無いのだが。 (とはいえ、実際問題として霧ヶ丘への復学の見込みは低いのよね……。アレイスターは長点上機学園か常盤台付属辺りにでも転入処理して やっても良いとか言っていたけど、どこまで本気やら) 実際、大能力者(レベル4)である結標が申請を出せば大抵の学校は「はいはい」と二つ返事を返してくるだろう。 少し考えただけでもいろいろなパターンが思い浮かぶ。 転校、転入、新しい空間。 (それもいいかもしれない) 結標がふと口を開いた。 そういえばこの黄泉川は現役の教師だったはずだ。 (どんな学校なんだろう) 「黄泉川さんの所の学校……」 少しばかり黄泉川の勤める学校に興味が湧いた気がした。 「うん?」 「高校でしたか?」 「そうじゃんよ」 グビっと缶を傾ける黄泉川。教え子達の事でも考えてるのか、その表情は柔らかい。 「どんな学校ですか?特徴っていうか、その、特色みたいな?そんなのってあります?」 「いや、全然無いじゃん」 即答。 思考時間にして一秒以下だろう。 「学力レベルが高かったり?」 「いや、全然」 これも即答。 空き缶が床に転がった。 「スポーツが盛んだったり?」 「コレといって記録を残してるクラブは無いじゃんよ」 三度即答。 ガラステーブルの上の皿から柿の種を口に運び、ぽりっと齧る。 「小学校からエスカレーター式のマンモス学校?」 「うちは高校のみの単品だったりするじゃん」 しつこいが即答だ。 辛いものばかり食べてたら甘いものが欲しくなったのか、今度はコンビニ羊羹に手を伸ばす。 「じゃあ……」 少し間を空けて結標が本命を聞く。 器用に片手と口で羊羹の包みが開かれた。 「能力開発が」 「それもいたって平凡なもんじゃんよ。上は強能力者が片手の指でお釣りが来るぐらい。下は正真正銘の無能力者まで。 特徴っていう程の特徴は……、無いことも無いか。強いていえば生徒がやたらと個性的な事ぐらいじゃんよ。 特に一年生のクラスの一つは個性的って言葉が馬鹿らしくなる様なのが何人かいるじゃん。まぁ、見てる分には退屈しないかもね」 皆まで言うなとばかりに途中で先を言われてしまった。 ここで黄泉川が再び缶ビールを呷り始めたので結局それ以上は聞くことが出来なくなってしまった。 「ふぅ」 (個性的……。個性的とそうでないの線引きってどこからかしら?) 結標はそこで毛布を持って三人掛けソファーの前まで来て、そこで寝ている人物へと視線を落とした。 そう、個性的な人間ならここにもいる。それもとびきりの。 学園都市最強。質、量を問わず、あらゆるベクトルを支配下におく超能力者(レベル5)。学園都市の全能力者二百三十万人の中の第一位。 現在むかつくぐらい気持ち良さそうに睡眠中。 穏やかな寝息が結標の耳に届く。 変な人格の人間を個性的って乱暴に一括りにしてもいいのなら、結標の知っている人物の中に一方通行程個性的な人間も見当たらない。 彼がこうなったのは確か十分ぐらい前の事だっただろうか?確か三十分まではいかなかったと思うが、とにかく少し前。 「勝手にやッてろ」 の捨て台詞と共に三人掛けソファーを大胆に占領して、不貞寝してしまった事だけははっきり思い出せる。 (一方通行って学校行ってるの?) 結標の手がソファーで寝ている一方通行の肩辺りまで毛布を掛けた。 もともと、こうする為に隣の部屋から毛布を持ってきたのだ。 更にソファーのアームレストは枕には少々硬すぎるだろうと、少年の頭を下から少し持ち上げて白と水色のクッションを二つ折りにして 滑り込ませた。 毛布がくすぐったかったのか一方通行が身じろぎし、ゴロンと寝返りを打った。 横を向いていた白い少年の顔が九十度向き変更で結標の正面へと来る。 ビクゥ!?と露出している結標の肩が大きく震えた。 「び、びっくりさせないで欲しいわ……」 多分今の台詞を一方通行が聞いていたら確実に半殺しモードだろう。 だけど寝顔だけは、なんというかとても穏やかであり、なんだかカワイイ気がしないでも無い。 「う゛ッ……」 思わずたじろぐ結標。不覚にもスヤスヤと寝息を立てぐっすりと夢の中にいる一方通行に目を奪われてしまう。 (反則だわ……この顔は反則だってば……なんでこんなに) 「カワイイじゃんよぉ。なんなら襲ってもいいよ淡希っち」 「ひぇえぇぇ!?」 結標の心の声に合わせる様に黄泉川の声が訪れた。 変な悲鳴が結標の喉から飛び出た。 完全な不意打ちに呼吸は乱れ、心臓はバクバクと落ち着かない。 ただ口をパクパクと開いたり閉じたりするだけで声にならない。 それでも、しどろもどろでなんとか言い訳を探す。 「み、見とれてませんよっ!寝顔がカワイイなんて思ってませんよ!」 結標はそう言い切り、身振り手振りを織り交ぜてブンブン両手を振り回して黄泉川に訴える。 が、返ってくるのは暖かな視線が二つ。 いつの間にか芳川まで「あらあら、初々しいわねぇ」とかすっかりお姉さんモードだ。 ガラステーブルを挟んで黄泉川と一緒に 「若いわねぇ」 「若いじゃんよ」 「でも口喧嘩してなかった?」 「喧嘩するほど仲が良いじゃんよ。それに一方通行と口喧嘩できるなんて人間、そうそういないじゃんよ」 とか少し暢気な会話をしている。 「夫婦喧嘩っていうんだよね。ってミサカはミサカはミサカネットワークから引き出した情報を得意気に使ってみたりする」 にょきっと出てきた打ち止めが会話に乱入した。そして結標のスカートの裾を引っ張る。 「淡希、夫婦喧嘩って何?ミサカはミサカは詳しく聞いてみる」 「ぁぅ……」 答えられない。 「違うじゃん打ち止め、あれは痴話喧嘩っていうじゃんよ。キチンと固有名詞で登録しておくじゃん」 「愛穂」 「何?桔梗」 「あんまり打ち止めに変な事ばかり教え込まないで頂戴」 「そっかそっか、わかったじゃん。なら打ち止め、夫婦の一個下のランクで『恋人』とか『彼女』とか登録しておくといいじゃん、これなら バッチリじゃんよー」 なにがバッチリなのかわからない。 ばちこーん☆と黄泉川のウインク。 「だ、だから違うっ!私はコイツ(アクセラレーター)とは何でも無いんですって!?さっきから何回もそう言ってるのに信じ――」 「ぶぅぇつにぃー、淡希っちの事だとは一言も言って無いじゃんよー」 「あらあら……墓穴を掘ったわね」 ニヤニヤとした生暖かい視線の中、結標に出来るのは両手をバタバタと振って抗議する事ぐらいだった。 「ミサカもこの人で遊びたいかも、とミサカはミサカは準備運動を始めてみたり」 幼女が助走をつけようと壁際まで下がったのはすぐ後の事。 ソファーにダイブしようとした打ち止めを結標が空中で阻止して一言。 このままでは自分の身が持たない、と結標の目が物語っていた。 「ら、打ち止め……さ、散歩、そう、外に散歩とか行きましょう。ついでにお菓子的な物、買ってあげるから、ね、ね」 [12月23日―PM15 17]
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【種別】 人名 【初出】 五巻 【CV】 冬馬由美 【解説】 遺伝子方面を専門とする研究者。 20代も後半の女性だが、その顔には化粧らしきものが何一つなく、 服装は色の抜けた古いジーンズに何度も洗濯を繰り返して擦り切れたTシャツ、その上から新品のような白衣を羽織っている。 研究者の中では、遺伝子レベルで見分けのつかない妹達(シスターズ)の顔を必死になって覚えようとしたり、 彼女達に検体番号ではない人間らしい名前をつけようとしていたりと優しい一面も持っている。 しかし、本人も自覚しているが優しいのではなく、甘い性格。 何かを背負う程の強さを持っていないから、それは何処までいっても優しさにはならない。 それも自覚していたが故に、自分の夢である「優しい教師」を断念している。 その腕を買われ、絶対能力進化実験に参加していたが、 絶対能力進化実験の完全なる中止に伴い、現在は研究職を終われ無職に近い状態となってしまった。 なお、研究所を一つ潰してしまうという失態はあまりに大きく、もう研究者としては生きていけないようだ。 現在、黄泉川と一緒に職を探している最中である。 大学の臨時講師で金をためた後、落第防止(スチューデントキーパー)を目指すつもりらしい。 黄泉川によると、ダイエットマシンや小顔になるベルトなど「肉体を変質させる機器」を集める癖がある模様。 胸にコンプレックスがあるのか、豊胸マシンの所持がバレた時には普段見せないようなキャラになったことも。 「甘いだけの自分」を嫌い、そんな自分をたった一度でも変えたいと8月31日の事件に際し、 身を挺して一方通行と打ち止めを救う。 その結果、天井亜雄との銃弾の応酬により重傷を負い、 知り合いの医者がいる病院に入院。 黄泉川愛穂とは昔馴染みらしく、事件の後、彼女に上記の二人を預けた。 8巻時点では安心できる容態ではなかったようだが、 12巻で再登場した際には怪我の方は全快したのか無事退院。 甘い性格と自負してはいるが、タクシーでの会話等から世渡りの方法は心得ていることが窺える。 小萌先生を初めて見た際にその生体に興味を持ったらしく、 研究者魂に火が点き始めた少々危ない笑顔を浮かべていた。 一端覧祭では一方通行や打ち止めを伴って外出していたところで垣根帝督の襲撃を受け、 フロイライン=クロイトゥーネを巡る事件に巻き込まれる。 その後、サンドリヨンの余った肉体で打ち止めの脳のダミーを作ることになった際、妹達の開発に携わった時の知識を生かして協力した。 学園都市の機能停止後は、打ち止めと番外個体を連れて学園都市を離れ、 船で一時的にアラスカまで行っていたが、オーロラを見られなかった事をぼやいていた。 なお、『超電磁砲』外伝漫画では、妹達の下着の調達を行っていた様子が確認できる。 「安く手に入ったから」と説明しているが、妹達の下着のセンスは彼女による物、ということらしい。
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美琴 2 (どこだ。どこにいるんだビリビリ!!)夜の学園都市。完全下校時刻は既に過ぎており、周囲の店はシャッターを閉じている。何とか塾帰りがいる時間帯ではあるが、それが過ぎれば不良が幅を利かす。いくら美琴が超能力者であろうとも、一人の少女。それも過労で倒れたばかりを放っておけない。あてなど無い。きっと彼女が抱えている問題は、上条の想像以上なのかもしれない。放っておけない。その一心で、息を切らしながら彼は街を駆ける。「お、小萌先生とこの悪ガキじゃん」何処かで聞いた事のあるような声だった。声がした方向を見てみると、警備員の制服を着た、上条の隣のクラスの担任。黄泉川愛穂だった。「もう完全下校時刻は過ぎてるじゃんよ。お前は早く帰れ」「あ、黄泉川先生!人を探してるんです!!常盤台の制服を着た、茶髪の、短めで!――」彼女の特徴を、思い出せるだけ思い出す。それを聞いて黄泉川の額から、冷や汗のようなものが出た。「…待つじゃん。そいつの名前、まさか」「御坂美琴、です」「……一週間前、常盤台の生徒が行方不明になったって捜索願いが出されたじゃん。学校の体面もあるから公にはなってないけど、見てったんなら別じゃん。どこで見た?」……一週間。いや、もしかしたらそれよりも前から、彼女が苦しめられていたのかもしれない。その間、何も知らなかった自分を恨めしく思った。「もう遅いから、後は私達に任せるじゃん。お前はもう帰れ。言う事聞かないと、私がお前を補導する事になっちまうじゃん」「……わかりました」「また御坂を見たならすぐに警備員に連絡するじゃん」「はい」返事をして、黄泉川と別れた。彼女が見えなくなったところで上条は走り出す。もちろん、寮とは別方向だ。黄泉川先生には悪いとは思っていても体が動いてしまう。(……!)どこかで、ビリビリと電撃が走る音がした。上条は、その音がした場所へと向かった。 「ビリビリ!」美琴がいたのは、表通りから外れた、薄暗い小道だった。辺りには誰もいないが、壁が焦げ付いている。振り返った美琴の息は絶え絶えで、上条を見ると、まるで避けるように右足を半歩後ろへ下げた。「こんなところで何してんだよ。病院抜け出して」「なんだっていいじゃない。アンタには関係ないでしょ」スタスタと、上条の横をすり抜けようとした美琴。それに対し、上条は美琴の腕を掴んでひき止める。「離しなさい」「いいや。病院に戻るまでは離さないぞ」「今はまだ戻るわけには行かない。私にはやらなくちゃいけない事があるのよ!邪魔するってんならアンタも……!!」脅しで言っているわけではない。本気だと上条にはわかった。それでも今、この手を離せば後悔すると、上条は思った。「だったら俺の所に来い!問題が解決するまで、いつまでも!!だから、自分を大切にしてくれ」「何、言ってるのよアンタ」「放っておけないんだよ。倒れて、病院まで抜け出して……そんなやつを見て何もしないなんて、俺には出来ない」その言葉を聞いて、美琴はふふっ、と笑う。逃げようともせず、その体を上条に寄せた。顔を上条の体に埋めて、決して上条からは見えないようにしながら。「……やっぱ馬鹿ね。アンタ」
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/記憶鮮明! 「何か思い出さないか?」 「残念ながら、こうモヤモヤっとはしてるのよね、それが思い出せない苛立ちなのか、それともそれが『私』に繋がるナニか、とまで分からないけど」 「そうか、期待してたわけでもないが……」 やはり気落ちをしてしまう。 映画館の跡は封鎖され中には入れないようだ。いや、目の前の柵や立ち入り禁止と書かれたテープを無視すれば入れないこともないが、奥で物音がするしチラッと人影も見える。早くも片付けが始まっているのか、それとも警備員の調査が続行しているのだろう、その中へ踏み込むには無理があった。 犯人捜しと言ってもミサカミコトには当時の記憶はない。それを思い出させるのが目的であるも、あまりに情報が少なかった。 「うーん、どうすっかな」 手掛かりが少ない上条は迷う。こうして眺めていても時間が経つだけである。 「夜にでも忍び込む?」 ミサカミコトからの提案。一考に値するも、夜にはまだ時間があった。それまでの時間を持て余すことになる。そして捜査のプロでも無い上条が犯人に繋がる手掛かりを見つけ出せるか疑問だった。 考えていると 「あれ」 中で動いている人影に見覚えのある人物を見つけ、声に出ていた。 「黄泉川先生じゃ?」 それに応えるように、その人物が振り向く。 警備員の制服を着込んだ長い髪の女性、上条が通う高校の教師の一人、黄泉川愛穂で間違いなかった。 「あっ、ホントだ、黄泉川さん……ってアンタ、黄泉川さんを知ってるの?」 「知ってるも何も」 上条が言いかけると 「小萌先生ところの上条じゃん」 その黄泉川が上条達へと近寄り、声をかける。 「俺んとこの先生」 「え、そうなんだ。『私』は黒子、風紀委員と警備員との関わりで知り合い」 実態は複雑、御坂美琴としては白井を間に入れて事件に関わるたびに黄泉川とは協力関係にあったと言えよう、また妹達としては打ち止めの大家兼大人の保護者でもある。 「そんなところじゃん。デートか、こんなところで上条?」 「そんなんじゃ」 黄泉川は不満顔のミサカミコトをチラッと見て 「冗談じゃん、中を見たいんだろ」 クスッとしかし陰りのある顔で言った。 「いいんですか、先生?」 「普段なら駄目だ、今回は事情が事情だからな」 「先生はその……」 「分かってるよ、それ以上は言うな」 事情を何故か知っているらしい黄泉川に招き入れられ、上条達は事件現場へ足を踏み入れる。 まずエントランスホール。 「ここは中からの炎が燃え移っただけだ」 「これで?」 「スプリンクラーが働いてこれぐらいで済んだ」 寒気がした。 「じゃあ中は」 「来るじゃん」 開け放たれた観客席の入り口。 わざと閉めずおいてあるわけでもなく、重いドアの蝶番が外れていた。ドア自体は既に処分されたのだろう。 暗く明かりが少ない観客席へと進む。 外からの光でうっすらと中が見える。 そこは外から見る以上に酷い有り様だった。焼けただれ、金属などが溶けている。原形を留めている物が見当たらない。 かろうじて元は座席と分かる物が散らばっていた。 中を見渡すともう一人女性の警備員がいた。 「鉄装、このことは他言無用だ」 こちらを見たその警備員に黄泉川が声をかけた。頷きを返し、その警備員は上条達と入れ替わりに外へと出て行く。 「もう、検分は終わってるからな、改修工事が始まるまで不審者が立ち入らないようにしてるだけさ」 「そうだったんですか」 「見ろ」 黄泉川が指差す。 黄泉川が指差した先には何も無い。それが逆に不気味だった。何故ならそこは館内の中央付近、本来なら座席が座っている筈の場所だ。 「そこが爆心地と考えられている、まあ証言からも間違いないな」 「ここが……」 「何も無いのが不思議か?」 「片付けたとか?」 そうではないと心の声が囁く。 ぽっかり空いた空間は直径5m以上の円型。 「手は着けていない」 やはりと心の臓が掴まれる。 「彼女がいなければどれだけの被害があったか……ここからは独り言じゃん」 上条は黄泉川がまだ機密になっている調査結果を話してくれるつもりであるのを察し頷く 「映画館に居合わせた者の証言では彼女が注意を呼び掛けた時、オレンジ色の火球を目撃している。彼女の指示で一斉に出口へと殺到した時には彼女は火球を押し潰そうとしたそうだ」 そこまでは白井からも聞いていた話しだった。 「おかしいじゃん」 「え」 「炎がなんで燃えるか」 「あ」 「彼女がやった事は正解じゃん、酸素の供給が無ければ燃え広がったりしないじゃん」 そう美琴は物量で炎を押し詰め酸素の供給を絶とうとした、炎は鎮火に向かうはずだ。 「炎を酸素の供給無しに操作したじゃん」 上条は映画館を飛び出した。 そしてもどかしげに電話をかける。 炎の正体は超能力ではない。発火能力者は起こり得ない状況で火を起こし燃え立たせる。それ故の超能力、であるが万能ではない。そもそも燃え立たせる燃料が無ければ炎を起こせない。学園都市の超能力は科学原則を元にしている限りこの世界の理を無視できないのだ。ならば 「ちょっと、どうしたのよ?待ちなさいってば」 後ろから追いかけてきたミサカミコトが呼び止める。 上条は電話をかけながらも早足で歩いていた事に気付き足を止めた。 そして短絡的だったかと思い直す。 「相変わらず『私』の事は放って置いて突っ走るんだから」 「そ、そんなつもりじゃ、その犯人に思い当たったヤツがいて、つい」 「?あんだけの情報で」 「あー、改めて考えると違うよなって思い始めてるところ……ごめんな」 「うっ、その、あう、いいわよ、でもその電話どうするの」 「あっ」 言われて、電話を耳にあてるとちょうど向こうも電話に出たところなのか 『カミやーん、土御門元春と書いて、義妹のためなら人生を投げ捨てる男と読むオレに何の用かにゃー』 いつもに増してハイテンションな声が聞こえてきた。 「ああ、すまねー。今、電話大丈夫だったか?」 級友である土御門は複雑な立場にいる、勢いで電話をしてしまったが、良かったものか尋ねてみた。 『忙しいっちゃ忙しいが電話ぐらい、どうって事ないにゃー』 「そうか、じゃあ」 言いよどむ、証拠と言える物は無い、符合が合うだけで、同じ事ができる者は他にもいるかも知れない、上条が知る人物では一人しかいないだけだ。 疑ってかかるのは悪いと思いながら、とりあえず犯人候補を減らせると思い尋ねてみた。 「たいした用事じゃないんだが……ステイルはロンドンか?」 『は?ステイル?ステイルの居場所が気になるのか?』 「連絡取ろうにも連絡先を知らないもんでさ」 『なんだインデックスからプレゼントでもあんのかにゃー』 ガシャン 「そんなところだ」 『おっ、ホントにプレゼントか、ステイルも報われる日が来たと思うと感慨深いにゃー』 ガラガラドシャン 「後ろで物音がしているが大丈夫なのか土御門?」 『大丈夫、大丈夫。ちょっと猫が立てかけて置いたもん倒しただけだぜい、それよりステイルだが別任務で学園都市に来るように聞いてるぜい、もう来ているかもにゃー』 上条の息を呑む音が聞こえるとともに電話は切れた。 「不味かったかにゃー」 土御門が呟くと 「不味いに決まってるじゃないか!」 怒り心頭の声が響く。 「まあまあ、インデックスからのプレゼントもあるんだし」 「そんなもの僕は……いや、そうじゃない、なんでややこしくなるような事をしたんだい」 「ステイル」 土御門と話している人物は上条が行方を聞いたステイル=マグヌスその人だった。 「お前の責任たい」 「ぐっ」 「御坂美琴が重傷を負ったのは何でだ?」 「それは……」 「お前の責任じゃねえのか」 「確かに僕が悪い、だが」 「甘んじてカミやんの怒りを受けろ」 「そうするしかないのか僕は」 「それ以上に大変な事態なんだぜい、今は」 「ああ、そうだね」 「まあ、監視を頼まれたが実のところ、私自身は学園都市がどうなろう構わない、先行きを楽しむには君のそばが面白いと思っただけだ」 「はあ?」 「彼にしても予想外だったらしくてね、修正に利用しようにもプランそのものが破綻する可能性があるなら今回は事態を静観するつもりのようだ」 「彼?アンタに私を監視するように頼んだ人?」 「そうだ、窓のないビルの住人」 ギリッと奥歯が鳴る。本来ならそんな音が鳴るわけない。今、美琴は肉体のある存在ではないからだ。 「ほら、そんな事をするとまた学園都市に災厄が降るじゃないか、君の大切な友人達に何かあったらどうするつもりだい」 「え、そんなまさか、今のでまた何か」 「心配する事はない、私が一緒にいる間は不測の事態は起こらないよ」 「……人が悪いわね」 「人ではないな、分かってるのではないかな」 「慣用句でしょ、それぐらい……『ドラゴン』とは、あまり呼ばれたくない?」 「『ドラゴン』は人が私達を記号化したものだ、物語の役割上今回は受け入れているが、人から見たら君も同じ『ドラゴン』になるのか……ふむ、やはり個を特定する呼び名は必要か、私を呼ぶときはエイワスと呼ぶと良い」 「エイワスね、じゃあエイワス」 「何かな」 「私はこれから、どうなるのかしら?」 「さあ」 「さあ?」 「君が望むようにしかならない」 「私が望むようにって、アイツのそばにいられないなら、死んじゃったら、そんなもの」 「君はまだ死んではいない、それでは私の楽しみがなくなる」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/記憶鮮明!
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過去ログ http //ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1269/12698/1269876593.html 現行 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282971345/ 作者コメント 時系列、細かい設定は気にしないor脳内補完して頂けると幸いです 第一話 芳川「愛穂、FF5のオメガが倒せないわ」 黄泉川「……桔梗、いい加減働くじゃん」 芳川「暑いし今は時期じゃないわ」 黄泉川「半年前は寒いから出たくないって言ってたじゃん」 芳川「いいじゃない人様に迷惑かけてるわけじゃなし」 黄泉川「いい年した女性が独り身で日がな一日ブラブラしてるのは世間的に問題じゃん」 芳川「そうねぇ……」 一方通行「…………」ズズ 芳川「一方通行」 一方通行「………?」ゴクゴク 芳川「結婚して」 一方通行「ぶほっ!……げほごほ」 黄泉川「ななな何言ってるじゃん桔梗っ!?」 芳川「未だ独身で働いてないのが不味いんでしょう?なら身を固めれば問題は解消されるわ」 黄泉川「何甘い考え持ってるじゃんよ!結婚したら主婦業が待ってるじゃん!」 芳川「夜のお世話頑張るわ」キリッ 黄泉川「料理・洗濯・掃除だろそこわっ!?」ビシッ 芳川「そうなの?そっちもそこそこ頑張るわ」 黄泉川「どの口が言ってるじゃん!?」 芳川「最近は主夫も珍しくないわ」 黄泉川「結局やらねえのかよ!夫に家事を任せるなら働くしかないじゃん!」 芳川「一方通行のお金で生きていくわ」 黄泉川「玉の輿でニートなんてご近所様とやってけないじゃん!」 芳川「いいわよどうせ引きこもってるし」 ギャーギャー 一方通行「……俺の意思は?」アキレ 黄泉川「だ、大体年齢差があるじゃん?一教師として賛成できないじゃん」 芳川「愛があれば年の差なんて」 黄泉川「だからどの口が言ってるじゃん!?」 黄泉川「一方通行だって年老いていく妻を見たくないじゃんよ?一緒に年をとって生きたいじゃんね?」 芳川「付き合ってれば年なんて釣り合ってくるわよね?」 一方通行「あァ?……そうだな……一度細胞分裂で発生、形成しちまったものを戻すのは厄介だから幼児化は困難だが……」ブツブツ 一方通行「……成体かその一歩手前までは細胞の促進、新陳代謝で誤魔化せるな、寿命面はカエル医者に任せるとして……」ブツブツ 一方通行「……そうだな、まァ16~18ぐらいまでなら若返りは可能なはずだぜ」チーン 芳川・黄泉川「結婚して(するじゃん)」ズズイ 一方通行「目つきが尋常じゃなく怖いンですけどォ……待て、婚姻届を構えるな、服を脱ぐなっ脱がせるなっ」 ・・・ 打ち止め「ただいまーってうわあっ!?ミサカはミサカは死屍累々と裸で倒れている保護者二人に何があったかパニくったり!」 一方通行「正当防衛だっ!」プンスカ 打ち止め「ねえねえ、ミサカも16歳になれるの?ってミサカはミサカは期待を込めてあなたの瞳を覗き込む」 一方通行「そうだなァ、栄養さえ摂取しながらなら細胞分裂の速度を速めりゃァできると思うぜ(元々10歳児姿の0歳だからなァ……)」 打ち止め「私もあなたと同年代になりたい!ってミサカはミサカは我が侭を言ってみたり!」 一方通行「ァあ?ガキが何言ってンだ?」 打ち止め「だってロリコン&ロリカプなんてもう言われたくないもん!ってミサカはミサカは社会の批判に徹底抗戦するんだけど!」 一方通行「……ハァ……ガキはガキらしくガキを楽しンでりゃいいンだよ」ナデナデ 打ち止め「……」ビリ 一方通行「亜mmでkghsんf、mねljmljf:」 ちうわけであくせられーたマジックで同年代になった一行 黄泉川「くううううっ、失われた青春が戻って来たじゃんっ」ピチピチーン 芳川「はっはっはっは!!このあふれるパワー感だ!!もどったぞ!!若がえったのだー!!」プリプリーン 打ち止め(最終形態)「わーい、これぞミサカ・ラストドリームエディッションってミサカはミサカは自分の理想像に酔いしれるっ」ムチムチーン 一方通行「人の能力で遊びやがって……大体何が嬉しいってンだよ」クター 黄泉川「ふん、過ぎてみないとわからない、その時の貴重さがあるものじゃん」 芳川「この姿になった今、足りないものが一つあるわね……」 最終形態「足りないもの?」 芳川「わからないかピアノ、もとい最終形態(ラストエディション)」フフン 黄泉川「もったいぶらないで早く言うじゃん」 芳川「それは…………制服っ」ドドーン 黄泉川・最終形態「!!!」 芳川「愛穂、こういう時こそあなたの出番よっ」バッ 黄泉川「おうともよっ!知り合いのツテに当たるじゃんっ!」グッ ちうわけで…… 小萌「皆さーん、なんと転校生が四人も来てくれましたー」 黄泉川「黄泉川愛穂でーす♪」キャピ 芳川「芳川桔梗でーす♪」キャピッ 最終形態「最終形態でーす♪ってミサカはミサカは自己紹介!」キャピーン 一方通行「どうしてこうなった」 上条・土御門「」ポカーン 青髪ピアス「うおおっ美少女が4人も!我が世の春が来たでぇーっ!」ウキウキ 一方通行「おりゃァ男だっ!」ギロッ 小萌「あ、一方通行ちゃん、先生も最終形態なれますかー?」モジ…モジ… 一方通行「学園都市、いや神への挑戦になるな……つーか想像できねェ」 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 第二話 小萌「それでは転校生の皆さん、席について下さいねー」 上条「えーと……黄泉川先生、ですよね?」 黄泉川「おっ、わかったか、上条」 上条「そりゃ名前がそのまんまですし……一体どうしたんですか」 黄泉川「実はな、かくかくしかじか」 上条「へえ、お前って本当に何でもありだなあ」 土御門「まったくだにゃー」 一方通行「ハン、学園都市に7人しかいないレベル5の頂点に立ってンだ、できねェことなンざねェよ」 芳川「まったく見栄っ張りなんだから……私は愛穂の同居人の芳川桔梗。みんなこれからよろしくね」 上条「あ、はいこちらこそよろしくお願いします……それで、そちらのどっかのビリビリ中学生に似た方はどなたでせう?」 最終形態「むーっ!ミサカは打ち止めだよってミサカはミサカは忘れられてることに憤慨してみるんだけど!」 上条「……上条さんの記憶ではもっとちんまい存在だった気がするんですが」 最終形態「これもこの人の力のおかげなんだよ!今は最終形態って呼んでねってミサカはミサカは改めて自己紹介!」 土御門「……一方通行……」 一方通行「……なンだよ」ムスッ 土御門「見損なったぜよ!幼女はそのままで充分愛らしいのに私欲でこんなグラマラスな形に作り変えるなんて」 一方通行「俺の力だが俺の意思でこいつがこうなったンじゃねェ!!」 青髪ピアス「そうやで!あーくんは全く分かってへん!一度小萌先生の補習をじっくり受けてロリの素晴らしさを再確認するんや!」 一方通行「あーくんって誰のことだよ!?ぶちのめすぞォ!」 ギャーギャー 芳川「ふふ、すぐに友達が出来るなんて。成り行きとはいえ入学してみてよかったかしら?」 上条「えー、それで一体どうしてこのクラスに?」 芳川「それは勿論制服」ムガッ 黄泉川「あー!ま、まあ教師として生徒側の視点から見てみようという言わば潜入調査じゃん?後は一方通行の社会復帰とか色々あるじゃん」 上条「そ、そうなんですか……潜入調査とは怖いっすね」 黄泉川「まあ監視とか点数つけるわけじゃあないから気楽に構えてくれれば助かるじゃん」 最終形態「ミサカは純粋に学校も楽しみたいかもってミサカはミサカは学習意欲を燃やしてみる!」 上条「ははっ、まあ俺は頭そんな良くないけど学校のことでわからないことあったら聞いてくれよな」ポン 黄泉川「そのへんは私も頼ってくれて構わないじゃん」 最終形態「ありがとー!ってミサカはミサカは二人の厚意に感謝する!」 小萌「うう……そろそろ皆さん先生の授業聞いて下さーい」ウルウル 放課後 黄泉川「ふう、こうして授業を受ける側になってみるとやっぱり新鮮に感じるものじゃん」 芳川「そうね、今ではもう忘れてしまった知識があることを確認させられたわ」 最終形態「ミサカは全てが新しくて面白かったよってミサカはミサカは勉学に励んだ時間を省みる!」 一方通行「ふァあ……下らねェ」 青髪ピアス「おーい、転校生4人衆―」 一方通行「あン?」 青髪ピアス「どうやろ?歓迎の意も込めてこれから一緒にゲーセンに行かへん?」 黄泉川「ほー、青ピよ、それは私が教師と知っての誘いか?」ニヤリ 青髪ピアス「うっ!?い、嫌やなぁ、親睦を深めましょーってだけやないですか。それに今は生徒さんでしょー?」アタフタ 黄泉川「冗談じゃん。誘いは嬉しいんだが今日は行くところがあるじゃんよ。また今度誘ってもらえるか?」 青髪ピアス「はー、そうなんでっか。残念やわー。今日はそれじゃカミやんにつっちーに姫やんで行くかー」 土御門「了解ぜよ」 姫神「やっと。出れた」グスリ 上条「ああ。それじゃあまた今度な、一方通行達」 一方通行「………ケッ」プイ 最終形態「ばいばーい!ってミサカはミサカは両手を振って別れの挨拶を言ってみる」フリフリ 黄泉川「あまり遅くならないうちに帰るじゃんよー」フリフリ 芳川「それで愛穂、行くところってどこ?」 黄泉川「ふっふっふ、更なる青春じゃんよ!」フフン 最終形態「青春?」キョトン 黄泉川「この姿じゃあ警備員としては働けないから実はジャッジメントとして活動できるよう取り次いでおいたじゃん」 芳川「なるほど。となるとこの私は後方支援に回らせてもらうわね」 最終形態「しかしこのヨシカワ、ノリノリであるってミサカはミサカは言いながらも興味津々!」ワクワク 一方通行「(面倒なことになる予感しかしねぇ)俺は家に帰って寝mんfかlkzfせろり;f;l」ズルズル 第一七七支部 固法「今日から新しく風紀委員になった4人を紹介するわ」 黄泉川「黄泉川愛穂じゃん」 黒子「白井黒子ですの。って……黄泉川先生?」 黄泉川「おう白井か、元気にしてたか?」 黒子「どうしてここに?というよりそのお姿は……?」 黄泉川「実はかくかくしかじか……で、故あってこっちで働かせてもらうことになったじゃん」 黒子「なるほど……では、そちらの白い殿方が」チラ 一方通行「…………一方通行だ」ジロ 黒子「まあ、貴方が学園都市の第一位の一方通行ですのね」ジロジロ 一方通行「先輩をつけやがれ」チッ 黒子「ムッ、風紀委員としてはわたくしの方が先輩ですわ」 一方通行「年長者も敬えねェたァ躾のなってないガキだぜ」 黒子「なんですって!」 初春「あ、あの……」 一方通行「あァ?」 初春「この前は、助けてくれてありがとうございました」ペコリ 一方通行「何のことだァ?」 初春「ほら、私が髪の長い人に襲われていた時に助けてくれたじゃありませんか」 一方通行「…………知らねェなァ、そんなこたァ」プイ 初春「そうですか……」シュン 芳川「芳川桔梗よ。……あなたは」チラ 初春「あ、初春飾利です、よろしくお願いしますね」 芳川「……あなたが噂の守護神ね」ボソ 初春「っ!?ど、どうして……?!」 芳川「ふふ、これからよろしくね」ニコリ 黒子「そ、それで、こちらのお姉さまと似ていながらも圧倒的な物量差を轟かせているご婦人はどなたですの……」ハァハァ 最終形態「ミサカのお姉さまのこと知ってるの?ミサカはお姉さまの妹の最終形態だよってミサカはミサカは何か妖しい雰囲気を晒しだすあなたに説明してみたり」 黒子「まあまあ、お姉さまの妹様ですか……随分発達がよろしいんですのね……でもこちらはこちらでまた味があって」ハァハァスリスリ 最終形態「な、なんで擦り寄ってくるの?ってミサカはミサカは胸にかかる鼻息に怖気づいてみたり」 黒子「はぁはぁ、いいではありませんの、いいではありませんのおお~」ハァハァクンカクンカ 一方通行「このマセガキがっ、打ち止めに何しやがるっ!」ベクトルチョップ 黒子「ふぎゃっ」バタン 一方通行「大丈夫か打ち止めァ」 最終形態「う、うん、ミサカは大丈夫だよってミサカはミサカはあなたの優しさに感激しつつも倒れたこの人を心配してみる」タラリ 黒子「いきなり何をしますのっ!」ムクリ 最終形態「うわっもう生き返ったってミサカはミサカは割かし本気のチョップに対する再生速度に戦慄してみる」ズササッ 黒子「後ろからか弱き女子に手をあげるなんて常識がどうかしてますの!」 一方通行「うるせェオマエに常識云々言われたかねェぞこの変態がァ」ギロッ 黒子「変態ではありませんの夢見る淑女ですの!」フンス 一方通行「ラリってるの間違いじゃねェのかァ」ハッ 黒子「なっ失礼過ぎますわっ!」キー 佐天「ちわー、遊びに来ましたー、っておおっ見知らぬお兄さんお姉さんがいっぱい?」ギョッ 初春「あ、あはは、佐天さん、大変な時に来ましたねー」ハハ 佐天「なんだか見たことある人もいるけど……一体なんなの?」 初春「一言で言ってしまえば新しく入ってこられた風紀委員です。佐天さんも自己紹介したらどうですか」 佐天「そうさせてもらうかー。じゃ、とっつげーき!」ダダ 固法「……仕事の説明とか、役割分担とか話し合いたいんだけど」ハァ ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 第三話 路地裏 「ハアッ……ハアッ……」ダダダ! 「ううっ、う…………!」ダダ 「な、何なんだ、あいつは、一体何なんだ!」ヨロヨロ 「………………」ハァハァ マイゴノマイゴノコネコチャン 「!!!」ビクッ アナタノオウチハドコデスカ 「な、んだっ!?」 オウチヲキイテモワカラナイ 「ど、どこだっ!」 ナマエヲキイテモワカラナイ 「こ、声が響いてっ……!」 ニャンニャンニャニャン ニャンニャンニャニャン 「う、うわああああああああっ!」ダダダ! 「う、ううう、うぅ……」フラフラ 「もう、嫌だ……う、ううっ」グス ひたひた 「…………?」 ナイテバカリイルコネコチャン がらがら 「う、うわあああっか、壁がぁっ!」 ひたひた 「ひ、ひいいいいぃ……」 イヌノオマワリサン 「?……い、いない!?」 コマッテシマッテ 「ど、どこに…………」 ぽん 「!!!」 一方通行「| ^o^ | < じんにく おいしいです」 「wwkkgpfgj:k;pdkglsj!!?!!??!??」 一方通行「おィ、捕まえたぞォ」ズルズル 不良女「…………」ポックリ 黄泉川「おお、今回はどうやら「穏便」に捕まえたようじゃん?」 一方通行「はン、昨日みたいに「やりすぎ」で始末書書かされたくねェからな」 黄泉川「後は警備員に引き渡すだけだな……もしもし?」 芳川『はい……ええ、ええ……わかったわ、その後はそろそろ時間だから戻ってきてね』 黄泉川「了解っと、てなわけで、ん?」 一方通行「……………」ジー 黄泉川「どうした?も、もしかして私に見惚れてるじゃん?」モジモジ 一方通行「いや……その装備は」 黄泉川「なんだ、これか(がっかりじゃん)。警備員の詰め所から失敬してきたじゃん」エッヘン 一方通行「そゥいゥの、横領って言うンじゃねェか?」 黄泉川「警備員をやめたわけじゃないからいいんだよ。それより早く帰るじゃんよ!」ダキ 一方通行「腕を組むな!……変態の奴が先に戻ってなきゃあいいが」ハァ 一七七支部 ガチャ 黒子「はああ~~~ん今日も治安維持に精を出した黒子にご褒美をくださいまし~~」ガシリ 最終形態「よしよしってミサカはミサカはこのパーフェクトボディにしがみつくシライを撫でてみる」ナデナデ 黒子「ああっ白井なんて堅苦しいですわ、私の可愛い黒子とお呼びくださいませ~」スリスリ 最終形態「私の可愛い黒子?ってミサカはミサカは呟いてみる」キョトン 黒子「はふ~~ん、風紀委員の時間もこうして妹様からお姉さま分を補給できるなんて、これはきっと毎日を高潔に過ごす黒子への天からのご褒美ですわ~」デヘデヘ 一方通行「…………」ベクトルチョップ 黒子「あべしっ」バタリ 最終形態「あっお帰りなさーいってミサカはミサカは愛しのあなたに駆け寄ってみたり」 黄泉川「ただいま帰ったじゃん」 芳川「二人ともお疲れ様」 黒子「だからいきなり不意打ちは卑怯ですの!」ムクリ 一方通行「黙れ変態、オマエが打ち止めに寄生して気付かないのが悪いンだろォが」 黒子「変態じゃなくて淑女と何度言えばわかりますの!」ムキー 佐天「にしてもレベル5、レベル4に元警備員……この支部は怖いもの知らずだねぇ……」 一方通行「だからなんで部外者が平然といるンだよ」ハァ 佐天「まーまー硬いことは言わないでくださいよー」ヘラッ 固法「二人ともお疲れ。ところで話があるのだけど」スタスタ 一方通行「あァン?始末書なら書かねェぞ」 固法「違うわ。現在のウチの内情だけど、オペレーターは私と芳川さん、初春さんで充分間に合ってるわ」 固法「あなたは反対してたけど、最終形態さんにも出てもらおうと思うわ。私達もパトロールをしない日がないわけじゃないしね」 一方通行「却下だァ」スッパリ 固法「あら、どうして?」キョト 一方通行「前にも言ったが……」チラ 黒子「妹様~、是非この黒子と愛のパトロールに出かけましょう!」ヒシッ 一方通行「こういう虫が湧くからだ」チョップ 黒子「痛いんですの!」 最終形態「でもでも、ミサカも外に出て街のために良いことしたいよ!ってミサカはミサカは奉仕精神を発揮してみる!」バタバタ 一方通行「チッ……わかった、ただしこの変態淑女は駄目だ、勿論一人も駄目だ。他の奴と組ませろ」 黒子「貴様にそんな決定権があるのか!?ですの!」 固法「じゃあチームを決めましょうか」 黒子「無視ですの!?」 最終形態「はいはーい、ミサカはあなたと一緒にパトロールしたいなあってミサカはミサカは下心を隠しつつあなたの腕を取ってみる」 一方通行「下心?」 黄泉川「(ムッ)だ、駄目じゃん!一方通行とは私とコンビを組んでるじゃん!相棒ってやつじゃん!」ガシ 一方通行「両腕を引っ張るな」 初春「……わ、私も一方通行さんと一緒にパトロールしたいかな、なんて」チラチラ 佐天「!…………う~い~は~る~」ニマニマ 初春「な、なんですかその顔は佐天さんっ!?」カアア 佐天「なーんでも~?」ニマニマ 固法「引っ張りだこね、一方通行くん」 一方通行「ああ……じゃァそこの花瓶と一緒に行くわァ」 最終形態・黄泉川・初春「「「!」」」 初春「(花瓶って……)わ、私でよろしいんですか?」アワワ 黄泉川「なんでじゃん!?」 最終形態「やっぱりロリコンだったの!?ってミサカはミサカは元に戻すことを要求してみるー!」ビリビリ 一方通行「あfkjgkl、やめろォ!戦力差のバランスを考えたらそれが一番ちょうどいいだろォが!」 芳川「あら、じゃあ……今の役割で充分満足してるけど、私がパトロールする時は付き合ってくれる?一方通行」ニコリ 黄泉川「!ず、ずるいじゃん桔梗!」 最終形態「ミサカを守ってくれるっていうのは嘘だったの!あの愛の告白は何だったの!?ってミサカはミサカは悲しみに崩れ落ちる」 一方通行「誰が何時愛の告白をしたァ!?」 黒子「黒子がいますわ妹様―!」ガバァ 一方通行「お前はオリジナルの所にすっこンでろ!」チョップ 佐天「私も忘れないでよーーーー!」 一方通行「お前は関係無ェだろォが!」ダブルチョップ 佐天「痛いよー!」 ワーワー ギャーギャー 固法「収拾がつかないわね」ハァ 黄泉川、最終形態、黒子の言い争いにより結局日替わりでチームを変えてやっていくことになりました オマケ 学校初日 キーンコーンカーンコーン 最終形態「一時限目が終わったよーってミサカはミサカは一息ついてみる」フー 芳川「あの数学の教師さん、愛穂のことずっと凝視してたわね」 黄泉川「ま、まあ全員知り合いだからなあ(原因はそれだけじゃないだろうけど……後で厳しい追求が来そうで怖いじゃん)」 一方通行「…………」グゥグゥ 「あの。」 一方通行「……うン?」パチリ 姫神「大丈夫?今」 一方通行「……寝てただけだァ」 姫神「私。姫神秋沙。HRで挨拶できなかったから」 一方通行「ン…………」 姫神「よろしく」 一方通行「(何か不思議な雰囲気がする女だな)………あァ」 吹寄「次は私の番ね。私は吹寄制理」 一方通行「………(変な名前、それにデコ)」ジー 吹寄「?これからよろしくね」 土御門「人付き合い下手で顔怖いけどよろしく頼むぜぃ」 一方通行「なンでオマエが返事してンだよ」 青髪ピアス「まーまー、あーくん口下手やから」ポンポン 一方通行「無駄口叩かねェだけだ。後あーくンやめろ。気安く触ンな」 上条「つれないこと言うなよー」ハハ 吹寄「……あなた学園都市第一位の一方通行なんでしょ?」 一方通行「…………だったらなンだってンだよ」ギロリ 吹寄「何でウチの学校なんかに来たわけ?残念ながらウチの学校は位が高い高校ってわけでもないのに」 一方通行「はっ、オマエにゃ関係無い話だ(黄泉川達につき合わされてるだけだしな)」 吹寄「どっちにしろ同じクラスメイトとしては勉学に励んでもらいたいわね。さっきの授業もほとんど寝てたでしょ?」 一方通行「うるせェなァ……俺にとっちゃあの程度の授業、レベルが低すぎて寝てたほうが有意義なンですよォオマエと違って」フン 吹寄「(イラッ)……理解してても復習に望むのが学生の本分でしょ?それに」チラリ 一方通行・上条・土御門・青髪ピアス「「「「?」」」」 吹寄「転校早々その三バカと仲良くなってちゃバカが移るわよ」 青髪ピアス「ひどいわーそれはー」タハー 土御門「人をバイキンみたいに言わないで欲しいにゃー」 上条「まあバカではあるけどな」 一方通行「…………」 吹寄「ま、ゆめゆめ気をつけて下さいな」フン 一方通行「(イラ……)おィおィ誰に口聞いてンですかァ?この学園都市一の頭脳を持つ俺がオマエらごときに影響を受けると思ってンのかよ」 吹寄「ちょっと、こいつらと一緒にしないでよ」 一方通行「俺にとっちゃ目くそ鼻くそなンですゥデコッパチ」 吹寄「で、デコっ!?」 一方通行「おーおー眩しィやめてくれよォオマエ俺と同じ能力者かァデコから光が反射してますよォ」ヒラヒラ 吹寄「き、き、き、貴っ様――――――!」グワァ 青髪ピアス「!あかん!あーくん逃げるんやっ!」 一方通行「あン?」 吹寄「覚悟―――――!」 ゴチーン 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」グラリ 一方通行「……」ポリポリ 青髪ピアス「お……おおっ!?あ、あーくんのデコが吹寄のデコに勝ちよったー!」カンドウ 一方通行「いや……反射しただけだ」 吹寄「~~~っ!~~~っ!」プルプル 上条「哀れ、吹寄……デコ士、デコに敗れる、か……」 土御門「普通に自らのデコに敗れたでいいんじゃないかにゃー」 姫神「吹寄さん。大丈夫?じゃ。ないみたい」 吹寄「~~~~~」グスリ 土御門「あーあ泣-かした泣―かしたぜよ」 青髪ピアス「こーもえせんせに言ってやろー」ヤンヤヤンヤ 上条「小学生かお前ら」 一方通行「(泣くほど痛いこと人にすンなよ……)ちっ、仕方ねェなァ」スタスタ 吹寄「…………?」グスグス 一方通行「見せてみろ」パサアッ←髪の毛かき上げ 吹寄「!」 一方通行「……あーあ、こりゃまたでっかいたンこぶ作っちまって」サスリサスリ 吹寄「(か、顔が近いっ!?)」カアア 一方通行「ンー…………(血流操作だけじゃ無理か)」ググッ 吹寄「(さ、更に近く、近くにっ!?)」アワアワ 一方通行「…………(コイツの髪の毛結構細いな)」イジリイジリ 吹寄「(か、髪の毛をいじるなぁっ!)」ドキドキ 一方通行「……これで大丈夫だろ」ナデナデ 吹寄「」パクパク 姫神「よかったね。吹寄さん。……吹寄さん?」 一方通行「これに懲りたら余計なおせっかい焼かないこったなァ……おィ、聞いてンのかァ?」 吹寄「」パクパク 姫神「人が恋に落ちる瞬間を。初めて見てしまった」 青髪ピアス「なん……やと……」 土御門「鉄壁の、カミジョー属性完全ガードの吹寄が……」 上条「ほほう、吹寄がなぁ。上条さんにも春が来て欲しいものですよ」ニヤニヤ 吹寄「!……き、さ、ま、らーーー!」バッ ゴスッ ゴスッ ゴスッ 青髪ピアス「」 土御門「」 上条「」 吹寄「はあ、はあ」 一方通行「おいおい人がせっかく治してやったのに少しは大人しくしとけよォ」 吹寄「うるさいっ……お、お、お、覚えてろーーーー!」ダッ ウワーン 姫神「あ。吹寄さん。……もうすぐ授業なのに」 一方通行「何を覚えてろってンだ……感謝される覚えはあっても恨まれる覚えは無ェぞ、変な奴」ハァ 黄泉川・芳川・最終形態「「「…………」」」 一方通行「ン?なンだよオマエら」キョトン 黄泉川「……一方通行、ちょっと来るじゃん」 一方通行「あ、あァ」 黄泉川「…………」ガシッ 一方通行「………?」 黄泉川「…………」スゥー 一方通行「おィ、なン」 ゴチーン 一方通行「」 黄泉川「」 一方通行「」 黄泉川「」 一方通行「」 黄泉川「」 一方通行「」パタリ 黄泉川「!」ギョッ 最終形態「う、うわーあの人のデコだけ赤くなってるーーー!?ってミサカはミサカは赤と白のコントラストにびっくり仰天!」アワワ 黄泉川「な、なんで反射しないじゃんよーーー!」ブンブン 芳川「……それだけ信頼してたってことかしらねぇ……」 最終形態「は、早く保健室に運ばないと!ってミサカはミサカはこの人を支えられるようになった体をフル活用!」グイ 黄泉川「い、いや、ここは気絶させた張本人の私が運ぶじゃんよ!」グイグイ 小萌「皆さーん、次の授業ですよーって一方通行ちゃんどうしたですかー!?」ガビーン 姫神「……やれやれだぜ」 十分後、一方通行くんは目を覚まし普通に授業を受けました。吹寄さんは次の授業まで帰って来ませんでした。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 第四話 一方通行「…………」スタスタ 一方通行「(暗ェ路地裏だァ)」スタスタ 「ほーっほほほほほ!」 一方通行「あァ?」 「とうとうレベル5になることができましたの!」 一方通行「この口調……変態淑女かァ?」 「これで常盤台の最大派閥は私のものですの!」ホーホホホ 一方通行「どこにいやがる?」キョロキョロ 「もはや大気を操ることなど思いのまま!我に敵なしでしてよ!」 一方通行「大気?そんな能力だったか……?」 「手始めにそこの殿方!この私の腕試しに付き合ってもらいますの!」バッ 一方通行「!?変態じゃねェのか?」 「喰らうがいいですのー!」ブワア 一方通行「ハン、俺を誰だと思ってやがる?たかが大気を操る程度、こっちにだって出来ンだよォ!」カチ 「果たしてそれはどうかしら?」ニヤ 一方通行「っ!?ベクトル操作が出来ねェだと!?」カチカチ 「もらったあ!」 一方通行「があっ!?」バフッ 「特製エアバッグのお味はいかがでして?」 一方通行「(い、息が……このままじゃ窒息……)」モガモガ 「ほーほほほほほ」 一方通行「(ぐ、ぐああ…………)」モガモガ チュンチュン 一方通行「ぐ、ぐああ…………」モガモガ 最終形態「すぴー……すぴー……」 一方通行「……………………」モガ…モガ… 最終形態「んー、可愛いウサちゃんだねー、とミサカはミサカは抱っこ……したり……」スピースピー 一方通行「……………………」 最終形態「ん、ウサちゃん?じっとしてどうs」 一方通行「」チョップ 最終形態「あうう!?な、何?何がどうしたのってミサカはミサカは大パニック!」ビックリ 一方通行「こっちが何だこのクソガキ!何で勝手に俺のベッドで寝て勝手に俺を抱き枕にしてやがる!窒息死させる気かァ!」 最終形態「ぶー、ちっちゃかった頃はよくこうしてあなたの布団で一緒に寝たじゃないとミサカはミサカは過去との扱いの差にぶーたれてみる」ブーブー 一方通行「昔のことみてェに言うンじゃねェよちっちェえ頃から許してねェよ!あの頃も勝手に入ってきてただろうが!」ガアア 芳川「うるさいわね……もう少し寝かせてちょうだい」モゾモゾ 一方通行「なァンでオマエも俺の後ろで寝てるンですかねェ!?」ビシッ 芳川「そりゃあ今の最終形態の姿だと何か間違いがあったらいけないし」フアア 一方通行「じゃァ止めろよ!」 芳川「最終形態はまだ子供よ?引き離すなんて可哀想じゃない」シレッ 一方通行「俺は可愛そォじゃないンですかァ!?」 黄泉川「おーい朝ごはんの用意が出来たじゃんよー」ガチャリ 一方通行「黄泉川も当然の如く入ってくンなァ!」 学校 上条「おはよう」 最終形態「おはよう!ってミサカはミサカは元気に挨拶!」 青髪ピアス「おはようさーん。あれ?あーくんは?」 黄泉川「おはようじゃん。いや、学校までは来たんだけど」 最終形態「『オマエのせいで寝覚めが悪かった』ってミサカはミサカは自分に架せられた冤罪に文句を言ってみる」ブー 芳川「校門までは一緒だったんだけどその後の行方は知れないわ」ヤレヤレ 吹寄「何ですって!アイツは一体学校に何をしに来ているの!」プンプン 土御門「残念だったにゃー吹寄ー」ニャーニャー 吹寄「な!何が残念なのよ!」ガルル 上条「おーいそろそろ先生が来るぞー」 校庭の外れ 一方通行「……ああークソっ」スタスタ 一方通行「(寝覚めが悪かったせいかダリィ)……どっか適当な所で寝なおすかァ」スタスタ 一方通行「…………」スタスタ 一方通行「…………んん?」スタ 「うっうっ…………」グスグス 一方通行「何だァあの女……草むらで体育座りして……何か異様な気配がするが……」 「ふ、ふぇぇ………」グスグス 一方通行「…………」スタスタ 「しくしく………?」グスグス 一方通行「そンなところでなァに惨めったらしく泣いてンですかァ」 「…………」クルリ 風斬「出番が無いんですぅ~」グスリ 一方通行「(!?何だこの女、何か、俺とクソガキに関わるような、元凶のような、不吉な感覚が!)」ゾォォォ 風斬「…………それでせっかく出来た友達も空気で……」グシグシ 一方通行「あー……いいじゃねェか、友達がいるだけで」ポリポリ 風斬「その空気の友達にすら原作、二次創作登場数では負けていて……」ホロホロ 一方通行「そればっかりはなァ……ホラ、特徴とか、扱いやすさ(いじりやすさ)とかがあるしよォ」 風斬「眼鏡っ娘で巨乳の女の子って需要があるはずじゃあないですかあ?」 一方通行「(どっかで聞いたことある台詞だなァ)いや、この作品は巨乳多いし、メインヒロイン達はロリ・貧乳志向だからな」 風斬「ううっ……大体キャラソンは出させたくせに何でこんなに冷遇なんです~」 一方通行「(かまちーとか編集者に言えよ……)俺は結構出てるのにキャラソン出してもらってねェぜ?(まったくわかってねェな営業は)」 風斬「いいんです、私どうせ人間じゃありませんので……」グスッ 一方通行「そンなの気にすンなァ……俺なンか人には化物って呼ばれてるぜェ」ポンポン 風斬「…………化物ですか……?(この人も……?)」ピクッ 一方通行「あァ、鬼とも悪魔ともセロリとも呼ばれるがなァ」シミジミ 風斬「でも私中身ありませんし……」チラ 一方通行「(中身?)俺は性別不明だが人気あるぞ」 風斬「……変身とかしちゃうんですよ?」ワクワク 一方通行「俺だって羽根出るぜ」ブワッ←黒翼 風斬「!!(やっぱり!)わあ!綺麗ですね!(堕)天使みたいです!」パアアア 一方通行「こンなのがキレイだァ?天使なンてお行儀の良いもンじゃねェよ」チョイテレ 風斬「私も出せるんですよ!」ピカアア 一方通行「(グッ妹達的に不吉な感覚がまた!)お、おォ、オマエこそ天使みたいでキレェじゃねェか」ゾゾ 風斬「そ、そんな、照れちゃいますぅ」モジモジ 一方通行「まァそンだけ出来ンなら後はオマエの頑張り次第だァ。同じよォな俺が二次創作じゃあ引っ張りだこのウッハウハなンだからなァ」グッ 風斬「は、はい!頑張ります…………あ、あの」ドキドキ 一方通行「あァ?」 風斬「……と、友達になってくれませんか?」ドキドキ 一方通行「あァン?俺なンかとかァ?」キョトン 風斬「あ、あなたとが良いんです」ウルウル 一方通行「あー……(柄じゃあねェンだがなァ)いいぜェ似た者同士(翼攻撃持ち)だしなァ」 風斬「やったあ!ありがとうございます!私、嬉しいですう!(同属!同属!)」ダキッ 一方通行「お、おィ、引っ付くンじゃねェ(rtな、何か演算補助に異常が)」 風斬「あっすみません!……そう言えば自己紹介がまだでしたね、私、風斬氷華と言います」ペコリ 一方通行「俺は一応一方通行って呼ばれてる」 風斬「(アクセラレータ……やっぱり人間じゃない)一方通行さん、これからはあなたを見習って頑張ってみます!」 一方通行「あァ、何はともあれ特徴を前にドンドン出していきゃァなンとかならァ」 風斬「はい!早速行ってきます!」バサバサ 一方通行「あっおィ!……行っちまったァ……サボりの俺が言うのもなンだが授業は良いのか?」 一方通行「…………」 一方通行「友達、かァ……」 一方通行「ハッ、なンか人?助けしちまったなァ」ポリポリ 一方通行「(何かとンでもないことをしてしまった気がするが気のせいなンだぜ)」 「あーっ、こんなところにいたわっ!」 一方通行「あァン?」クルリ 吹寄「貴様ァ!授業をサボってこんなところで何してるのよ!?」ダダダ 姫神「吹寄さん。待って」タタタ 一方通行「そうだな……まあちょっとした生徒指導ってところだァ」サワヤカ 吹寄「生徒なんかいないじゃない!制裁―!」ゴォッ 姫神「あ。この構図は。見覚えが」 ゴチーン 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」プルプル 一方通行「…………」 吹寄「」プルプルプル 姫神「…………」ジー 一方通行「…………」 吹寄「」プルプルプルプル 姫神「…………」ジジー 一方通行「……わァったよ」スタスタ 吹寄「!」 一方通行「学習能力がねェのかオマエは」パサアッ←髪の毛かき上げ 吹寄「(ままま、またこの展開!?)」アワワ 姫神「ああ。悪循環」 吹寄さんは2時間連続で欠席しました。姫神さんと一方通行くんは2時限目はちゃんと授業を受けました 放課後 街中 ザワザワ ザワザワ 「…………」 ネーナニアノヒト パフォーマンス? 「…………」 ホラトシデンセツノ エッジャアワタシタチ 「ふう、今日も暑いな」パタパタ 一方通行「あァすいませンどいてくださいどけどきやがれェジャッジメントのお通りですよォ」スタスタ 「…………?」 一方通行「もしもしそこのお方ァ、ジャッジメントが来ましたよォ」フー 「ほう、何か事件があったのかい?」キョトン 一方通行「…………」キョトン 「…………?」 一方通行「あァ、ちょっと頭が茹だってたみたいだァ。なンだってェ?」ブンブン 「だから事件があったのかと」 一方通行「今俺の目の前に事件があるンですよォ!」ダンッ 「?君と私の間には何もないが?」ジロジロ 一方通行「喧嘩売ってンのかァ!オマエが事件そのものなンだよ!」ダンダンッ 「私が?何故?」 一方通行「頭沸騰してンのかァ自分の体見て物言えよコラァ!」 「?私の体には異常はないが?」ジロジロ 一方通行「どこの世界で下着姿でうろつく女が異常じゃない女なンですかァ!」 「ふむ……前にもこのようなことがあったが起伏に乏しい私の体に劣情を催す男性がいるとは思えないのだが」 一方通行「オーケェオーケェ」スゥ 「…………?」 一方通行「露出狂はみんな自意識過剰なのかねェ!?見てて見苦しいンですよォ」 「なるほど、不快にさせたら謝ろう。」 一方通行「だったら大人しく「しかし皆がそう思ってない限り服を着なくても見逃してはくれないか」 一方通行「」フラァ 「頼むよ、なあ?」ポン 一方通行「だああもういい!」イライラ 「何せ、この暑さではな」パタパタ 一方通行「……名前とご職業をお聞かせ願えますかァ?」トントン 木山「……木山春生、職業は少しポカをしてな、募集中だ」 一方通行「無職ねェ。じゃあ申し訳ないですが一緒に来てもらえますかねェ」 木山「……少年よ」キッ 一方通行「あァン」イライラ 木山「老婆心だが、こんな年増をデートに誘うより他にもっと良い娘がいるだろう?」ポン 一方通行「」ポカーン 木山「」グッ 一方通行「」キョトーン 木山「」グッグッ 一方通行「」ブチ 木山「どうした?そんなに若さを持てあましているなら付き合ってやらんことはないが」 一方通行「ンならとっとと服着やがれええええええェェェェ!」グイ 木山「こら、服が破れる」グイイ 一方通行「!?(こいつっ意外と力がっ!)」グラァ 木山「おっと」グラリ どさ 一方通行「ぐゥ…………畜生がァ」グググ 木山「…………」ズリズリ 一方通行「ちっ服が絡まって………」モゾモゾ 木山「んぅっ!…………なぁ」 一方通行「おい服放しやが」マムマム 木山「少年よ、流石にこのようなところでこういった行為を致すのは少しばかり不衛生だと思うが」ポンポン 一方通行「」ブチブチ 木山「本当に若さが有り余ってるのだな。うらやましいよ」ナデナデ 一方通行「勘違い甚だしいンだよォおおおおおクソババアァァァァ服着る服着れ服着ろっおおおおおおォォォォォえああ!!」ガバァ 「あーーーーーーーー!」 一方通行「!」 木山「?」 最終形態「ちょっと目をはなした隙にあなたが女性に襲い掛かってるってミサカはミサカは飢えた野獣に憤怒の形相!」ギロォ 一方通行「ラ、打ち止めァ、ち、違」 木山「年甲斐もなくときめいてしまったよ」ニヤリ 一方通行「このアマァァァゥあゥあゥあちっとはフォローしgマkkgmlgんkしろろklst」 最終形態「この淫獣っ!ってミサカはミサカは強制連行!」ズルズル 一方通行「(クソッタレがああああああああああああ!)」ズルズルゴツン 木山「……ふむ、面白い少年だった」ムクリ 第一七七支部 一方通行「………………………」ピクピク 黄泉川・芳川・黒子・初春「「「「ジャッジメント(じゃん・よ・ですの・です)!」」」」ババッ 一方通行「…………ふぁmgけ」ピクピク 黄泉川・芳川・黒子・初春「「「「婦女暴行で拘束(するじゃん・するわ・しますわ・します)!」」」」ビシィッ 一方通行「(へへ……光の中で……真面目にお仕事してこれかよォ!あの女ァ覚えてろォ!)」ビクンビクン 書いててわかりにくい一方通行を取り巻く人物相関図 黄泉川・芳川~ラブラブ同居人→一方通行~同居人→黄泉川・芳川 打ち止め~愛しのあの人→一方通行~うるさいクソガキ→打ち止め 吹寄~気になってなんか!→一方通行~うるさいデコ助→吹寄 風斬~同属!同属!→一方通行~情けない友達→風斬 固法~期待の同僚→一方通行~牛乳(読みはぎゅうにゅうだよ)女→固法 黒子~チョップマン→一方通行~変態淑女→黒子 初春~憧れの恩人→一方通行~歩く花瓶→初春 佐天~憧れのチョップマン→一方通行~ヤベェ、あだ名が思いつかねェ→佐天 木山~興味深い子だ→一方通行~絶対ェ復讐ゥ!あと仕事だから更正させる→木山 一方通行~どうでもいい→その他大勢 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 第五話一方通行「……………………」 一方通行「…………ここは?」キョロキョロ 一方通行「…………喫茶店?」 「おまんじゅうなのです」チョコン 一方通行「…………まンじゅう?」 「早く先生を食べるのですよー」 一方通行「…………」ヒョイ パク 「あ、あうぅ、もっと優しく噛んでくださいー……」 一方通行「…………」ゴクン 一方通行「…………」フゥ 「おまんじゅうです」ポン 一方通行「…………あンまン?」 「冷めないうちに食べやがれ」ホカホカ 一方通行「…………」モグ 「あっふっ、そ、そんなに噛み付かないで……印がついちまうだろうがぁ……」 一方通行「もぐもぐ……もぐもぐ……」ゴクン 一方通行「…………」ゲプッ 一方通行「…………」 一方通行「…………?影が…………?」ゴゴゴ 「おまんじゅうでございます」ヒュー ズドン 一方通行「ぐっはァ!?」 「おやまぁ、どうなさいました?」ズブズブ 一方通行「う、埋まっ、ちょ、待て」バタバタ 「遠慮せずに食べないともったいないでございますよ」ズブズブ 一方通行「し、死ぬ……この俺が、こんな不様な……!」バタ…バタ チュンチュン 一方通行「し、死ぬ……」バタバタ 黄泉川「ぐうぐう……キツネうどんにいなりも入ってるって?」ズブズブ 一方通行「…………」バタバタ 黄泉川「むにゃむにゃ……残念、それは私のおっぱいさんじゃん……」ズブズブ 一方通行「…………」ガブリ! 黄泉川「ぎぃにゅあーーーーーーーーーっ!!」 一方通行「…………」ガブガブ 黄泉川「やめるじゃん!私のおっぱいさんはおまんじゅうじゃないじゃん!」ブルンブルン 一方通行「うるせェしがみつくンじゃねェ!」ブルンブルン 黄泉川「うう、絶対痕が残ってる……ちょっと寝相が悪かっただけじゃん」グスリ 一方通行「自爆するサイバイマンのように四肢を回り込ませておいて何がちょっとだ!」 芳川「ドラゴンボールはともかく変態仮面はわかる人いるのかしら」フアア 一方通行「当然のように寝てるンじゃねェ!」ズビシッ 芳川「一方通行さんは何か嫌な予感がしてたんだ」プルプル 一方通行「消えろ、ぶっとばされんうちにな」ビシッ 一方通行「…………(このコーヒーも飽きてきたな……っていう系の台詞、禁書SSの俺どれくらい使ってるんだろう)」スタスタ 「あ、あの」 一方通行「…………(後はクソガキ関係、ってのが俺が街を歩く大半の理由だよな)」スタスタ 「す、すみません」 一方通行「…………」ピタ クルリ ルチア「あ、貴方は神を信じますかー?」 一方通行「…………」 ルチア「…………」 一方通行「そォいゥの間に合ってますンで。洗剤とかもけっこォですから」スタスタ ルチア「ま、待ってください、せめて話だけでも、話だけでもー!」トタタタ 一方通行「あのね、俺は科学サイドのキャラなの。そもそも魔術サイドに絡まないの。そンな俺がなンで宗教に入らなきゃならないンだよ」 ルチア「だってそうしなければ魔術サイドのキャラ出れないではないですか」 一方通行「面倒臭い。嫌だ。断る」キッパリ ルチア「私だって嫌ですよ、何故単身でこんな島国に来て、しかもローマ正教でなくイギリス清教の布教をしなければ……」ドヨーン 一方通行「そりゃお前が下っ端だから。つか何その後ろに背負ってる車輪みたいなの」チラ ルチア「そ、そうです信仰しないというのなら力尽くで傘下に入れるまで。お覚悟!」ドゴーン 一方通行「反射ァ」カキーン ドゴーン ルチア「なっ!?くぅっ!」スパア 一方通行「ありゃ、なァンか上手く反射できなかったな」ポリポリ ルチア「車輪の爆破が効かない…………?」ハラリ 一方通行「………………」 ルチア「………………?」ペラーン 一方通行「…………見えてンぞ」 ルチア「え…………!?きゃああああ!」ババッ 一方通行「気づけよ…………」ポリポリ ルチア「う、うう、見られた、異教の徒の、腐った目で、舐めまわすように見られた」ドヨーン 一方通行「あいにく俺ァ無宗教だ。話を戻すがどうせ勧誘キャラとして入れるならちゃんと修道女してるキャラがいいンだって」 ルチア「それならシスター・アニェーゼやシスター・オルソラでもよろしいでしょう!?」キッ ←涙目 一方通行「いや、このお話は基本三下とけっこォ確立したフラグが立っているキャラは出ないことになっているンだ」キッパリ ルチア「私は立ってないのですか!?」ガビーン 一方通行「実際立ってねェだろその二人に比べたら」 ルチア「な、ならシェリー・クロムウェルならば……」ヨロヨロ 一方通行「……シェリーは友人を失ったことからの行動理念や、ゴーレム、芸術家としての意外な一面など、色々と充実している。つまり……」ゴゴ ルチア「…………」ゴクリ 一方通行「アニェーゼのおまけのお前と違って原作で目的とかやることあって充分キャラが立っているンだ!」ズバア ルチア「」ピシィ 一方通行「ちなみに何故アンジェレネでないかというとオマエのほうがいじりやすそうだからだ」 ルチア「」カチコチ 一方通行「……ま、この話の作者も魔術サイドのキャラをどう出せばいいか頭を悩ませているらしィ。せィぜィ三下にとってのレッサー的ポジションを頑張れ」スタスタ ルチア「」ヒュルルー 一方通行「…………(もっともオマエの出る意味は次の女とある関わりがあるからってのもあるンだがな)」スタスタ 一方通行「やれやれ、迷える子羊に道を示していたら時間を食っちまったな……」スタスタ 一方通行「ん?あれは」スタスタ 風斬「あっ、一方通行さーん」タタ 一方通行「よォ」ヒラ 「誰なんだよひょうか?あっ、いつかの翼が生えてた人!」タタ 風斬「こちらは(化物の)友達の一方通行さんです。それで、こちらは(人間の)友達の」 インデックス「インデックスなんだよ!決してインなんとかやイカ娘じゃないんだよ!」 一方通行「いつかの本好きシスターか……で、何してンだ?」 風斬「はい、二人でどうやって出番を増やしていこうかと相談してたんです」 インデックス「やっぱり他のキャラをSATSUGAIせよなんだよ!思い出を血に染めてやるんだよ!私とひょうかが手を組めば出来るんだよ!」ガシ 風斬「そ、それはちょっと……」 一方通行「(こいつ本当にシスターか?)あァ、まァ二人ともストーリーの肝なンだし大丈夫だろ」 インデックス「それだけじゃ駄目なんだよ!この世は弱肉強食、お金を出す人のニーズがモノをいうんだよ!」ズバ 一方通行「風斬は大丈夫だろ。21巻未読のこの話の作者は大活躍って聞いて焦ってるぞ」 風斬「で、でも、所詮私は火力ですし、戦いに出ても日常生活に出てこれない気がするんです」ウジウジ インデックス「やっぱり短髪を[ピーーー]しかないんだよ!次のスピンオフはとある慈愛の完全記憶なんだよ!」フンス 一方通行「ゲームにゃ出るみたいだからいいじゃねェか。あとオマエは神の教えとやらを学びなおせ」 風斬「うう、主人公に触れるとダメージってヒロインにとっては致命的すぎます……イチャラブが出来ません」グッスン 一方通行「何へこたれてンだァ、俺ァ今まで主人公とほとンど接触してなくても人気者だぞ」フン 風斬「一方通行さんは貴重な男性レギュラーキャラだからそう言えるんですよお」ジメジメ インデックス「そうだよ!女って設定が確立してたら少しのゆりこファンしか残ってないかも!厨二病のくせに!」ブーブー 一方通行「ごちゃごちゃ言うンじゃねェ。キャラを立たす。後はひたすら前に出ていく(俺暗部だけど)。需要はその後をついてくるンだ」 「インデックス、こんな所にいたのですか」スタスタ 一方通行「あン?」 インデックス「あっ!かおり!?なんでここに?」 神裂「少し時間が出来たので、顔を見に来ました」ニコ 風斬「あ、あの……」オロオロ 神裂「初めまして。私はインデックスの古き友人の神裂火織です。して、あなたがたは?」 一方通行「(なンだコイツ。犬塚シロってキャラに似てンな)」ジロジロ インデックス「友達のひょうかとあくせられーたなんだよ!」 風斬「わ、私は、友達の風斬氷華です」オドオド 一方通行「……俺はその友達の友達ィ」プイ 神裂「ふむ……あなたは一見すると日本人には見えませんね」ジロジロ 風斬「(当たり前です一方通行さんは人間ですらないのですから)」ハラハラ 一方通行「(ムカッ)そっちこそ随分子供っぽい格好してますねェ?」 神裂「……似合いませんか」ギラリ 一方通行「いやいや、(頭の)中身と同じで幼さが出てて良いンじゃねェの?」ニヤリ 神裂「そ、そうですか」 一方通行「(何かを回避した気がする)」 インデックス「かおりは出番が多すぎなんだよ!同人誌も多いし!私のおまけなのに裏切りなんだよ!エロカッコイイ白鳥さんなんだよ!」 神裂「な、何のことですか?……それとさっきからあなた、私をずっと見てませんか?」 一方通行「なァオマエ、コスプレとかしたことあンか?(というか今してンのか?)」 神裂「」ゴバハァ!! 一方通行「?」 神裂「な、なっなななんな何故それをっ!?上条当麻ですか土御門ですか騎士団長ですか誰から聞いたんですかあああ!?」ガシッ 一方通行「あァ?つか土御門の野郎も知ってンのかオマエ?」 神裂「ふふふそうですか土御門ですかそうですかどうやら久しぶりにこの刀を抜く時が来たようです」フフフフ 一方通行「…………?で、してンの?したいの?」 神裂「誰が望むものですか!アレは極めてイレギュラーな現象であんなエロくていかがわしくふざけててエロくて……」プルプルプル 一方通行「はァ?俺が言ってンのは普通の健全な奴なンだが?(18禁とかじゃねェしな)」 神裂「へ?堕天使エロメイドでなく?」ピタ 一方通行「なンだその聞くからに馬鹿そうなモノは。……似てンだよ、お前が、ある漫画の登場人物に」 神裂「漫画ですか?」 インデックス「どんな物語なのかな?興味あるんだよ」 一方通行「ン、簡単に言うとオカルトが認められてる世界で、退魔師が悪霊や悪魔を倒していくストーリーだ」ウンウン 風斬「人外を倒しちゃうお話なんですか……」シュン 一方通行「いや、善良な霊や無害な魔物とか(の主に女)はむしろ助け保護する感じだな」 風斬「それは良いお話ですね」ホッ インデックス「面白そうなんだよ!見てみたいかも!」ワクワク 一方通行「そうだなァ、隠れ家にまだ残ってたら貸してやンよォ」ハン インデックス「ありがとうなんだよあくせられーた!」キャッキャッ 一方通行「主人公が基本三下なンだが、性根が腐っちゃいねェ、いざという時になンとかしてくれるヒーローなンだよ」シミジミ 神裂「それで、私はどんな人物に似ているのですか?」ジロ 一方通行「あー……サムライ(っぽい)の女の子でェ、師匠にすっげェ忠実でェ、身体能力がずば抜けてンの(そンでバカ)」 神裂「ふむ……結構まともなキャラですね」 インデックス「ねぇねぇ!私に似てるキャラはいるのかな?」 風斬「私も気になりますー」 一方通行「ンン……」ジー インデックス「…………」ワクワク 風斬「…………」ワクワク 一方通行「…………」ジー インデックス「…………」 風斬「…………」 一方通行「…………」ジー インデックス「…………?」 風斬「…………」モジ… 一方通行「(あれ?全くいなくね?)」 インデックス「どうしたの?」 風斬「…………?」モジモジ 一方通行「ン、あ、ああ、まァそのあたりは漫画貸すから自分で探してみな」ポリポリ インデックス「わかったんだよ!」 神裂「……ち、ちなみにその私に似てる女の子の年齢は?」ドキドキ 一方通行「あァ?そうだな、確か性別もわかンねェガキだったな」 神裂「そ、そこまで私が年下に見えますか!?」ギョウテン 一方通行「いやいや、事情があって成長して……ああー……中学生ぐらいまでになったンかな?」ウーン 神裂「ち、ちうがくせい……」ビシャーン 一方通行「つっても流石に中一じゃァねェだろうな」 神裂「わ、私もまだまだいけるということでしょうか?」ガシ ハァハァ 一方通行「あ、あァ、いけンじゃねェの?もう半分コスプレしてるようなもンだしな(漫画の登場人物の年齢差はあまり描き分けられてねェしな)」 神裂「……ふ、うふふ、うふふふふふ」ニヤニヤ 一方通行「まァ後は髪型と髪色だけだな……聞いてるか?」 インデックス「私もコスプレしたことあるよ!カナミンの!」エッヘン 風斬「!」ドキッ 一方通行「カナミン?超機動少女カナミンかァ?」 インデックス「知ってるのあくせられーた!?」 一方通行「あァ、あのカラーリングといい胸を熱くさせるからな」 インデックス「さっすがひょうかの友達なんだよ!あ!ひょうかも一緒にコスプレしたんだよ!」 風斬「そ、それは!」アセアセ 一方通行「へェ、そりゃ見てみてェもンだ」ニヤニヤ 風斬「あ、あうう」プシュー インデックス「私もまたカナミンの服着たいんだよ!また地下世界に行きたいな」 一方通行「地下街か?ま、ゲーセンぐらいなら今度連れてってやらァ」ポンポン インデックス「ありがとうなんだよ!かおりも一緒にコスプレしようね!」 神裂「うふふ…へ?こ、コスプレですか?」キョトン インデックス「うん!そのためにはあくせられーたの漫画を読破しなきゃね!」ムン 神裂「そうですね……あの、アクセラレータ?」 一方通行「なンだァ?」 神裂「良ければ私にもその漫画とやらを貸して頂けませんか?」 一方通行「別にいいぜ(昔いた研究所にも置いてたか?)」 神裂「ありがとうございます。このご恩はまた何かお返しを」 一方通行「気にすンなこれぐらいで」ヒラヒラ 神裂「そうですか……(借りを作ってしまいましたね)」 インデックス「あくせられーたもコスプレするんだよ!」 一方通行「俺がかァ?」キョトン インデックス「皆でコスプレすると楽しいかも!」ワクワク 一方通行「はっ、オマエが読破したら考えてやらァ。……あァ、そろそろ帰るわァ」 インデックス「ばいばいなんだよ!漫画忘れないでね!」フリフリ! 風斬「さ、さようなら~」シュー 神裂「またお会いしましょう」ペコリ 一方通行「へィへィ」ヒラヒラ 一方通行「…………」スタスタ 一方通行「…………(コスプレ、か)」スタスタ 一方通行「…………(ジークかサッちゃんあたりか?それともヒーローに)」スタ 一方通行「…………」 一方通行「(似合わねェな)」ハァ 一方通行「(でも)」スタ 一方通行「(してみてェなァ……文珠……なンでも出来る力……)」スタスタ 一方通行「…………」スタスタ 一方通行「…………」ピタ 一方通行「…………」 一方通行「(木山春生は暮井緑だな)」スタスタ 青髪ピアス「横っちと言うたら僕やろ!?ちちしりふとももーーーーー!」ブシャーー 土御門「ど、どうしたんだにゃーいきなり!?(それにしても何か寒気が止まらないにゃー)」ガクブル 書いててわかりにくい一方通行を取り巻く人物相関図 NEW!ルチア~勧誘しないとキャラとして死ぬ→一方通行~新聞勧誘→ルチア NEW!神裂~わかってらっしゃる→一方通行~犬塚シロもどき→神裂 風斬~人気者な同属→一方通行→友達に恵まれてない友達→風斬 インデックス~本貸してくれる良い人→一方通行~本好きシスターもどき→インデックス 作者コメント 神裂編元ネタわからない人ごめんなさい。昔サンデーで連載されてたGS美神という漫画です。 興味がある方は調べてみて下さい。禁書以上に二次創作数てんこ盛りですよ。 783:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/08/08(日) 22 51 23.86 ID 7wkZCaw0 乙 >三下とけっこォ確立したフラグが立っているキャラは出ないことになっている しかしこの発言の後にインデックスが出るとかwwwwww 783基本出ないであってカミやん病発症者だからといって全く出ないわけではないです そうじゃないと 一方通行「こんなオンボロアパートに、俺みたいなンざを招き入れるからこんな目に合うンだ。世の中にはマトモじゃない生徒だっているンだぜ」 ??「何を……苦しんでるのですか……?迷ってるのですか……?生徒を受け入れるのが先生の役目です。先生は目を逸らしませんよ」 一方通行「…………オマエを…………いや、ぶつけたいだけだ、いつも先生面したオマエを組み伏せたいだけだ」 一方通行「おまえの髪、好きだぜ」髪に口付け ??「はう。ふ。や。私。好きな人が」 一方通行「報われない思いなんて……虚しいだけだぜ……」 一方通行「元スキルアウトが、真面目ぶってンじゃねェよ」 ??「あ……うっ、私も、貴方も、ジャッジメントよ…………まだ私は貴方を、許せるわ」 一方通行「許してもらっても……過去も、弱さも、変えられねェよ……」 一方通行「どうだ?御坂美琴を散々苦しませた俺に嬲られる気持ちは?」 ??「…………卑怯者。そんな言い方でしか人に触れられないのですわね」 一方通行「…………抵抗しろよ、力尽くで犯してやるよ…………」 一方通行「無能力者は哀れだな、周りをつきまとうことで身を守れると勘違いしたか?」 ??「やだ、やだよ、こんな風に、されるのなんて、いやだよっ」 一方通行「欲しいものなンて、力が無きゃなンにもならねェ。力があればこそ、願いがかなうンだ」 一方通行「三下ァ、いやヒーロー、もっと囀れよ、俺の欲望を壊してくれよォ」 ??「や、やめろ一方通行……こういうことは本当に好きな奴にやることだ……」 一方通行「……結局、救われねえよなァ…………」 一方通行「義妹のことをよく考えろ。見られてると思え。誰にも傅く色欲に囚われた兄をな」 ???「舞夏のことを……言うのは……やめろっ……!ぐぅっ!あっああっ」 一方通行「痛みに歓喜を覚えたなンざ、狂ってるよなァ……お互い」 一方通行「もっと、もっと、教えてみろ、オマエのモノを全て出してみろ」 ?????「そんな、やめて、僕、僕、男の子やのに……くふ……嫌や、もう堪忍してや、やないと僕」 一方通行「泣くな。目を開け……見ろ、俺を見ろ。俺だけを、ちゃンと見ろ」 ほら見ろちょっと良いと思ってしまったのがいくつか出てしまったじゃないか ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 第六話今回(第六話)は初めて新キャラ出ないよ! 一方通行「…………」 「にゃー」 一方通行「……猫?」 「こらっ、スフィンクス、勝手に離れちゃダメなんだよ」タタ 一方通行「!?白猫が喋ってる?」 「にゃー」 「にゃー」 「にゃー」 「ああ、いぬにシュレディンガー、徳川家康、待ちなさい」タタ 「ミサカが猫になってしまいました、とミサカは顔を洗います」ペロペロ 「奇遇ですね、ミサカも猫になりました、とミサカは自分の尾を追います」クルクル 「くっくっく、量産型猫計画だ、これで借金も返せてキャットフードが買える……」 「シャケ弁食べたいにゃーん」カジカジ 「うおおっ、俺のしっぽを齧るんじゃねえ!」 「結局、この姿のほうが鯖缶にありつけるってわけよ」 「うう、何でマンチカンなのか超納得いきません……」 「大丈夫。私はそんなちびちびなきぬはたを応援してる」 一方通行「猫だらけだ…ン?」 「にゃー」ソロソロ 一方通行「お、ォ?」 「「「にゃー」」」スリスリ 一方通行「おォお」 「「「「「にゃー」」」」」ヨジヨジ 一方通行「おおおおおおォォォォォ」 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「にゃー」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 「解せぬ」 チュンチュン 一方通行「…………」ボーゼン 一方通行「…………何ィ!?」ガバァ 一方通行「……チクショウ、なンだよ夢かよ」ゴロン 芳川「…………」 一方通行「…………」 芳川「…………にゃー」 一方通行「うるせェ」 芳川「…………ふにゃー」 一方通行「…………」キョロキョロ 芳川「…………うなー」 一方通行「今日はオマエ以外いねェみてェだが?」 芳川「…………なーん」 一方通行「……何で俺のベッドで寝てやがる」 芳川「…………ごろごろ」 一方通行「出てけ」カチ 芳川「解せぬ、ね」ポーイ 街中 一方通行「ちっ、パトロールなンざ面倒臭ェなァ」スタスタ 佐天「そーですねー」トテトテ 一方通行「だからなんで部外者のオマエがいるンだよォ」 佐天「別にいいじゃないですか、ねー初春ぅー?」 初春「あ、あはは、それより佐天さんさっきから何キョロキョロしてるんですか?」 佐天「んー、またどっかにマネーカードが落ちてないかなーって」キョロキョロ 一方通行「みっともねェ真似ァやめろ」アキレ 初春「いえ、風紀委員として注意してください……」 佐天「だってだってえ、今月ピンチなんだよージュースも買えないんだよー」ヨヨヨ 一方通行「だからそンなことで騒ぐンじゃねェよ、……ほらよ」ピッ ガコン 佐天「え!奢ってくれるんですか?わあ!一方通行さん大好きー!」ダキ 初春「さ、佐天さん!」 一方通行「いちいち大げさなンだよ……」 佐天「ってこれコーヒーのしかもブラックじゃないですかー」ブー 一方通行「嫌なら返せ、俺が飲む」 佐天「いえいえ飲みますけど」プシ チビチビ 初春「ブラックコーヒー、お好きなんですか?」 一方通行「まァなァ。…………ン?」ジロ 佐天「何か騒がしいですね?」 一方通行「やっと退屈しのぎが出てきたかァ?」スタスタ 初春「ジャッジメントです、どうしました?」 一般人「スキルアウト同士が喧嘩をしてるみたいで……」 一方通行「ちっ、……行くぞォ……」スタスタ 初春「はい!」トタタ 佐天「待ってよ二人ともー」 ニット帽「おらおらぁ、もうオシマイかあ!」ドカァ スキルアウト「ぐっうっ」 緑シャツ「これでここらは俺らの縄張りだぜ」ボグッ スキルアウト「ぐはっぎっ」 一方通行「待ちなァ」 佐天「ジャッジメントだよ!」ビシッ 一方通行「オマエは違うだろうがぁ」チョップ 佐天「あうー」 初春「も、もう乱暴は止めて下さい!」 十字架ネックレス「おうおう可愛い女の子達だねー」 佐天「ん?……どっかで見た気が……」クビカシゲ ニット帽「オマエは本当に年下趣味だな……だが、ガキは引っ込んでろ!」ゴォ 初春「ひっ」ギュッ 佐天「初春!」 パシッ ニット帽「何!?」 一方通行「おィおィ弱いものイジメしかできねェのかァ?年長者同士で遊ぼうや」 緑シャツ「この杖突き野郎!」グア 十字架ネックレス「障害者が気取りやがって!」ダッ 一方通行「…………」カチ 一方通行「…………もうオシマイかあ?」パンパン ニット帽「」 緑シャツ「」 十字架ネックレス「」 佐天「ひえー」 初春「あ、あっという間でしたね」 ニット帽「ま、まだだ、まだ俺達には……」 一方通行「さて、面倒臭いが連行して……あン?」ピク 「おいおいお前たち何やってんだい」スタスタ 佐天「あっあなたは!」 姐御「アタイの舎弟をやってくれたのはアンタかい……ん?」チラ 一方通行「ジャッジメントだァ、……ァあ?」キョトン 姐御「……げ、げえっ!お前は!」 一方通行「……おやおや誰かと思えば何時ぞやの『子猫ちゃん』じゃありませんかァ」 姐御「」ガクブル ニット帽「あ、姐御ぉ!」 姐御「」ピタ 緑シャツ「どうしたんですかい姐御!」 姐御「」ダラダラ 一方通行「『迷子』の時と違って随分威勢が良いじゃねェか。あァそっかァはぐれてたンですもンねェあの時」ニタリ 姐御「」 十字架ネックレス「こんな奴簡単にブチのめしちまいましょうぜ姐御!」 一方通行「おゥおゥ多くの子分に慕われてるこってェ。……知りませンでしたァ姐御ォ」ニタニタ ニット帽「この野郎馬鹿にしやがって!」 一方通行「おお、怖い怖い」 緑シャツ「待て、姐御の知り合いみてぇだ、ここは姐御と一対一で……」 一方通行「では、前のリベンジマッチと行きましょォかァ」ツカツカ 姐御「」 姐御「う、うあああああああ!」ブゥン 一方通行「ったく、頭を殺ったら全員戦意喪失しやがって……許さなかったけどな」 姐御たち「」ズルズル 初春「さ、流石一方通行さんですね」 佐天「もー、私たちが止めなかったらどうする気だったんですかー?一応知り合いなんですよー」 一方通行「殺しはしねェさ……殺しは。知り合いならちょっと虐めすぎたかもなァ」 初春「……あ、あの」 一方通行「何だ?」 初春「…………」 一方通行「おいィ?」 初春「……こ、これを」プチ スッ 一方通行「あン?……白いバラの、髪飾り……?」 初春「さ、先ほど助けてもらったお礼です!ジャッジメントのお守りとして使ってください」カアア 佐天「ほっほー」ニヤニヤ 一方通行「お守りだァ?俺がそンなもン必要に見えるかァ?」ニヤリ 初春「…………」モジモジ 一方通行「……まァタダでくれるならもらってやらァ、あンがとよォ」 初春「!は、はい!」 初春「(白薔薇の花言葉は『純潔』・『あなたを尊敬します』そして……)はわわわわわわ」ボン 佐天「初春!?どうしたの!頭の花がドンドン伸びてるよー!」アワワ 一方通行「?やれやれ、さっさと行くぞォ」スタスタ ガヤガヤ ザワザワ 「…………」 イキダオレ? オソワレタンジャ 「…………」ピク ワッチョットウゴイタ ダレカイケヨ 「…………」 「…………」スタスタ 「…………」 一方通行「……あっれェ、なンか生ゴミが転がってると思ったらいつかのキチガイじゃありませンかァ」 木山「…………」ピクリ 一方通行「あれあれダンマリですかァ?日本語喋るのも脳みそ蕩けて出来なくなりましたかァ?」ニヤニヤ 木山「う…………」 一方通行「生憎風紀委員活動時間外でなァ、救助する必要も無ェしなァ」ゲシ 木山「ぐっ……」 一方通行「あン時は散々おちょくってくれたなァ、どうしてやりましょうかねェ?四肢もぎ取ってお人形さンにして可愛がろうかァ?」グリグリ 木山「……そこよりもうちょっと下、肩甲骨の脇を頼む」ピクピク 一方通行「……相変わらずで安心したわ。今日は機嫌良いし、踏むのも飽きたし始末するかァ」ゲシッ 木山「み…、水…」 一方通行「なァに~~きこえンな~~~」 木山「…………」バタリ 一方通行「ちっ、……つまンねェなァ」 木山「…………」ツヨキオンナハシシテモアイヲカタラズ 一方通行「…………」 ガシ ズルズル ワーヒトサライー メローネノバイクニノリマシタツイセキヲカイシシマス 木山「悪いな、しばらく何も食べてなくてね」パクパク 黄泉川「…………」ムスー 一方通行「金無くて住む所も追い出されたんだと」 黄泉川「だから?」ジトー 一方通行「……いいじゃねェか俺や芳川引き取ってんだからこいつの面倒もみろよォ」 黄泉川「目を見て言うじゃん。ウチは生活保護施設じゃないじゃん」 木山「すまないな少年」ゴクゴク 一方通行「うるせェ。ジャッジメントとして放っておけなかっただけだァ」 木山「礼は体で払おう。なんならこの前の続きをしてもいいぞ」モグモグ 黄泉川「よし今から警備員の詰め所に一緒に行くじゃん内容は未成年との淫行未遂ということで」ゴゴゴ 一方通行「そうだなァ、体で払ってもらおォかァ」 黄泉川「」 木山「わかった。なら話は早い、ベッドはどこにあるのだね?」ガタ 一方通行「勘違いすンな。調べさせてもらったが、オマエ幻想御手に関わってたな?」 木山「!」 一方通行「後、統括理事会……学園都市の裏側に関わり恨みを持ってる、持ってた、か?まァ俺にはどっちでもいい」 木山「……それが何か?」 一方通行「元々は俺も裏側の人間だ。つうことで、俺の駒となって働いてもらうぜェ」ニヤ 木山「しかし…………」 一方通行「なぜなら」 一方通行「あ」クルリ 木山「?」 一方通行「ここから2レスほど少し受信するンで画面の前のオマエら様は見なくても物語上は問題無いって言っとくぜェ」 821:とある若葉の一家団欒(ラブコメファミリー)第六話21/262010/08/10(火) 03 30 50.98 ID 7CFk3.I0 一方通行「はっきり言って、オマエ出番無いだろ?」 木山「そうだな、二次創作では登場は少ないほうだ」 一方通行「お前はスピンオフ作品である『とある科学の超電磁砲』で活躍し、テレビアニメでは乱雑開放編でその本懐を遂げた」 一方通行「そう、遂げちまったんだ。まぁ漫画はまだ連載してるから出番はあるかもしれねェがそれも乱雑開放編だろ。その先万が一出番があるとしたら何年後だって話だ。」 一方通行「その間お前みたいな奴は俺みたいな悪党として生きたり、三下のように不幸な毎日を送る主人公、レギュラーと違って」 木山「うむ、私みたいな「自分の生徒」を助けるため「だけ」に行動していただけのものが実際に物語中で生徒を助けた。そんなキャラは……」 一方通行「もうキャラとして終わってるンだよなァ、禁書(電磁)でのオマエ自身の役割が」 木山「そういうことになるな」 一方通行「いわゆるクリア済みイベントってやつだ」 木山「攻略済みキャラでもいい」 822:とある若葉の一家団欒(ラブコメファミリー)第六話22/262010/08/10(火) 03 32 10.87 ID 7CFk3.I0 一方通行「日常を繰り返してる奴と違って後先のこともあまり考えられてねェから」 木山「これといってすることがない」 一方通行「ウチにも似たような奴ガいる。となると」 木山「?」 一方通行「することを作るしかないってことだ」 木山「!」 一方通行「隠された日常とか新展開とか、『あ!実はこのことには木山先生が関わってる!』『木山先生そンなこと知ってるの?!』とか」 木山「つまりどういうことだってばよ」 一方通行「無いのなら 作ればいいだろ その出番」 木山「字余り」 823:とある若葉の一家団欒(ラブコメファミリー)第六話23/262010/08/10(火) 03 35 05.52 ID 7CFk3.I0 一方通行「つうわけでまずは便利な多才能力とやらだ。あれをちょっと使ってもらおうかね」 木山「あれは一万人の脳波ネットワークを一つに構築したものを利用した能力だ。幻想御手の利用が無くなった今では使う手も無い」 一方通行「一万人ね……」 木山「使うには人を犠牲にするし、その上幻想猛獣を発現させた失敗作だよ」 一方通行「その能力、脳波をリンクさせりゃあ一人の能力だけでも使えんのかァ?そうすりゃ化け物が生まれるこたねェだろ」 木山「そうだな……暴走は防げるかもしれん、しかし、リンクさせたもの同士の脳波が異なれば結局どうなるかわからんよ」 一方通行「だが、代理演算ってもんは実際にあるンだなこれが。脳波ネットワークには色々と物入りになるが……俺と」ツツツ 一方通行「この、ミサカネットワークを使えば……おィ芳川ァ!」 芳川「呼ばれて飛び出て」スタ 一方通行「芳川、冥土返し、木山そして……俺。ミンナで、ちょおっとした実験をしちゃいますかァ」ニヤリ 芳川「夢が広がりんぐね」 木山「ふむ、面白そうだ」 一方通行「じゃァ早速」 木山「そうだな、で、ベッドはどこなんだ?」 一方通行「話聞いてた?」ピクピク 黄泉川「…………私一人だけ仲間はずれじゃん」 最終形態「(ミサカなんてどこにいるかすら描写されてないってミサカはミサカはキャラを使い切れない作者を読者の代わりに呪ってみたり)」 オマケ 芳川「ところであなた」 木山「何だ?」 芳川「さっきも言ってたけど私とキャラが被るわ。新入りとして役割をわきまえてほしいわ」 木山「…………」 芳川「…………」 木山「…………」ヌギ 芳川「!」 木山「…………」ニヤ 芳川「…………」 芳川「…………」グテー 木山「!」 木山「…………」 芳川「…………」 木山「…………」ヌギヌギ 芳川「…………」グテグテ 木山「…………」 芳川「…………」 木山「」ヌギヌギヌギヌギヌギヌギヌギノポロリ 芳川「」グテグテグテグテグテグテグテノダラケ 一方通行「お互いの駄目な所で張り合ってンじゃねェ!」スパンスパーン 書いててわかりにくい一方通行を取り巻く人物相関図 木山~やれやれ拾われたと思ったら少年の性奴隷になってしまった→一方通行~オモチャにしてやる→木山 姐御~いぬのおまわりさん→一方通行~まいごのこねこちゃん→姐御 初春~白色のバラの人→一方通行~なんかもらっちまったァ、借り、か?→初春 佐天~優しいお兄ちゃん→一方通行~調子の良い奴→佐天 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 番外編(第七話?) 製速板の毎月一日にメール欄に「omikuji」と入れるとランダム?でクジ引きが出来る機能を利用した話です 38:【末吉】 [sage]:2010/09/01(水) 22 16 45.53 ID laIdcwc0 えーいってミサカはミサカは一撃必殺! なんか違えだろ、それ 39: 【大凶】 :2010/09/01(水) 22 19 47.98 ID laIdcwc0 ラッキークッキー八代亜紀ーじゃん 愛穂、ネタが古いわ 40: 【吉】 :2010/09/01(水) 22 21 48.98 ID laIdcwc0 ふふふ、運の良さなら5巻→8巻の九死に一生で立証されてるわ 桔梗のそれはしぶとさの間違いだと思うじゃんよ 41: 【中吉】 :2010/09/01(水) 22 25 34.47 ID laIdcwc0 学園都市最強の第一位様がお前らとは運勢まで違うってことを見せてやンよォ そもそも幸運ならそんな人生歩んでないと思うよってミサカはミサカは悲しい現実を突きつける 芳川「最強の中吉ww」ププ 一方通行「うるっせェえええ!この四人の中じゃ最高だろうがァ!」ウガー 打ち止め「ぶー、なんか微妙ってミサカはミサカは自分の結果に不満をもらしてみる」プクー 芳川「いいじゃない、年齢にあってるわよ」クスクス 打ち止め「ヨシカワ酷い!末吉の末はチビって意味じゃないもん!ねー、ヨミ、カ…ワ……」 黄泉川「…………」ズーン 一方通行・打ち止め・芳川「…………」 黄泉川「…………ふ、ふふ」ドヨーン 一方通行・打ち止め・芳川「…………」 黄泉川「確かに私は不幸じゃんよ……桔梗が来てから一月ごとの電気代は跳ね上がり、冷蔵庫はコーヒーまみれ……」 一方通行・打ち止め・芳川「…………」 黄泉川「おまけに、今日打ち止めと一緒に言ったら親子と勘違いされたじゃん……」 打ち止め「大丈夫だよ!ってミサカはミサカはヨミカワに抱きついてみる」ギュッ 黄泉川「うぅ、打ち止め……?」 打ち止め「ミサカはヨミカワがママでも嫌じゃないよ!それに大凶なんて普通のお寺じゃ滅多に出ないから珍しいよ!ってミサカはミサカは天使の笑顔で励ましてみる!」 黄泉川「嬉しくないじゃーん!」 芳川「……愛穂」ポン フルフル 黄泉川「桔梗……わかってくれるか」 芳川「そろそろお腹が空いたわ、炊飯器でいいからごは」 黄泉川「大激怒炊飯器割り」ゴーン 芳川「ウボァー!」 黄泉川「そんなに炊飯器が恋しいならたっぷりくれてやるじゃん!」ゴリゴリ 芳川「…………」ビクンッビクンッ 一方通行「なぁ、黄泉川……」 黄泉川「次は何だっ!」ギロ フーフー 一方通行「このスレ前から定期的に一方×芳川一方×芳川ってうるせェぞ」 黄泉川「」ピシッ 芳川「m9(^Д^)」 黄泉川「…………ふ」ワナワナ 一方通行・打ち止め・芳川「ふ?」 黄泉川「不幸じゃーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」ダダダ 一方通行「あ、出るならコーヒーついでに頼むわ」 47:【末吉】 :2010/09/01(水) 23 20 38.31 ID laIdcwc0 風斬「おみくじなんて生まれて初めてです……」ワクワク 48: 【ピョン吉】 :2010/09/01(水) 23 21 34.03 ID laIdcwc0 吹寄「読むだけで運がよくなる77の方法を読んだしきっと良い結果のはずだわ」 49: 【末吉】 :2010/09/01(水) 23 22 13.62 ID laIdcwc0 姫神「私は。キャラ的に。不運」 50: 【凶】 :2010/09/01(水) 23 22 58.01 ID laIdcwc0 木山「おみくじ?特に興味は無いんだが」 51: 【吉】 :2010/09/01(水) 23 23 53.96 ID laIdcwc0 神裂「まあ聖人たる私は神の加護を受け幸運なわけですから」 52: 【吉】 :2010/09/01(水) 23 24 50.70 ID laIdcwc0 インデックス「貞淑たるシスターの私が不運な訳ないんだよ!」 53: 【末吉】 :2010/09/01(水) 23 26 06.80 ID laIdcwc0 ルチア「異教の徒の呪いなど……主よ、お許し下さい」 54: 【ピョン吉】 :2010/09/01(水) 23 26 59.28 ID laIdcwc0 初春「大丈夫、花占いは良好だった……」ドキドキ 55: 【末吉】 :2010/09/01(水) 23 27 46.29 ID laIdcwc0 佐天「まー運ぐらいは、ねえ?」 56: 【大凶】 :2010/09/01(水) 23 28 34.90 ID laIdcwc0 姐御「どうかどうか、末吉以上でありますように……」 風斬「末吉、ですかあ」シュン 一方通行「まあ、凶じゃなかっただけ良かったじゃねえか」 風斬「ふふ、そうですよね、新巻で出番あっただけマシですよね」 一方通行「そうだ、挿絵まであったじゃねェかよ」 風斬「でも最後は一方通行さんがかっさらっていきましたよね」フフ 一方通行「えっ」 風斬「いきなり割って入ってきて、こっちはわけわかめでしたよ」ニコニコ 一方通行「あー、そのゥ」 風斬「人の話ろくに聞かないし、怪物呼ばわりするし」 一方通行「事実じゃねェか」 風斬「」キンッ 一方通行「!」ビクッ 風斬「オマエは後回しだとか、学園都市製には興味ねえとか、あれですか、洋モノがお好きなんですか」 一方通行「いやいやなンの話だ」 風斬「結局指図して私の力使って手柄立てるし」 一方通行「…………」 風斬「あー、ヒーローはやっぱり違いますねー」 一方通行「……その、すまン」 風斬「ふん、です」 風斬「…………」 風斬「(でも)」 風斬「(化け物が追加されるって下りは嬉しかったです)」クスクス 吹寄「」ピョンキチーン 一方通行「ぶわははは!ぶわっふ、ふひゅ、ぶわーはっはっは!」ゴロゴロ 姫神「…っ…っっ…!…っ!…………く!!」バシバシ 吹寄「…………」プルプル 一方通行「イイねイイね最っ高だねェ!流石だぜェ吹寄ェ」ゴロゴロゴロ 姫神「…ぷ。……………ぷぷ」グリグリ 吹寄「…………いっつまで転がってんのよ!」ゲシゲシ 一方通行「痛ェ痛ェ!腹が痛ェ!やめてくれェピョン吉!」 姫神「ぷっ!……私は。充分幸運」ゼハーゼハー 吹寄「ピョン吉言うなァ!服に張り付くわよ!」ムキー 一方通行「わかったわかった、悪かったからシャツに取り憑くのはやめてくれ、このシャツ高ェから」 姫神「吹寄さん。カエル生を捨てちゃ駄目」 吹寄「人生歩いてるわよ!」 一方通行「ほら、これやるよ」 吹寄「えっ、な、なによいきなり、誤魔化そうたってそうは」ドキドキ 一方通行「ゲコ太だ」 姫神「」ブホア! 吹寄「」ブチ 一方通行「カエル同士仲良くやれよな、ぎゃはは!」 吹寄「カエルの潰れた声を出すのはあんただー」ゴオッ 姫神「あ。吹寄さん。それは。死亡ふらぐ」 ゴ シーン? 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「」 一方通行「」 吹寄「え?」 一方通行「…………」 姫神「?」 吹寄「え?え?あれ?痛くない?というか、ぶつけた気がしない……」 一方通行「さンざ笑わせてもらったかンなァ、特別に反射じゃなく衝撃を他所に逃がしてやったンだよ」プププ 吹寄「な、そんなこと出来るなら初めからしなさいよ」 一方通行「何で俺がオマエの自爆をいつも止めてやらなきゃなンねェンだよ」 吹寄「それは……」 姫神「…………」 一方通行「…………」 吹寄「…………?」 一方通行「何時までデコくっつけてンですかァ?そンなにガンのつけあいしたいんですかァ」 吹寄「は!?いやこれはいつもと違ったから!」カアア ババッ 一方通行「ひゃはは、ゲコ太大事にしろよォ」ヒラヒラ 吹寄「だ、誰がするか貴様ーーー!」ダンッダンッ 姫神「吹寄さんも。幸せ」 木山「…………」 一方通行「…………」 木山「…………ふぅ」 一方通行「…………」 木山「もう九月、カールの秋のしょうゆ味が売られているがまだまだ日差しがきついな」 一方通行「……菓子ばっか食うなよ、芳川になるぞ」 木山「ああ、暑い、こんなに暑くて汗が出ないわけが無い、不快だ」ヌギ 一方通行「…………」ジトー 木山「スカートも脱がないと」ヌギヌギ 一方通行「…………」シラー 木山「ブラも透けてしまってるな」ヌギヌギ 一方通行「…………」ポケー 木山「黄ばんでなんかいないぞ」ヌギキリーン 一方通行「…………」ヘーヘー 木山「…………」スッポッポーン 一方通行「…………」 木山「…………なぁ」 一方通行「…………ンだよ」ジロリ 木山「…………何故止めない?」ニオウダチ 一方通行「…………だって」 一方通行「ここ、ヌーディストビーチだし」ナゼカハキクナ 木山「なるほど、だから君も最初から真っ裸だったのか」 一方通行「下は穿いてるだろォがたわけ」 木山「私だって絆創膏を着用している」ババン 一方通行「馬鹿なの?死ぬの?」 木山「生きる」ババン 一方通行「じゃあ生き恥晒しとけェ」ゴロン 木山「なるほどヌーディストビーチか、何故学園都市はヌーディスト都市にならないのだろう」 一方通行「(だんだんこいつが最初わざわざ服を着て生きてるのが不思議に見えてきたな)」 木山「ああなんと清清しい。やはり気候に適した体温調節は脱ぐのが一番だな」スーハー 一方通行「(ちくしょう常時反射できなくなったから確かに暑ィ)」スクッ 木山「なんだ、全然凶ではないではないか、むしろ大吉ではないのか?」ニヤリ 一方通行「(泳ぎにでもいくかな)」スタスタ 木山「泳ぐのか?絆創膏がふやけるな……ん?」スタスタ キャーアノヒトスゴイシローイ カラダホソーイ 木山「…………」スタスタ カッコイイー ステキー チチシリフトモモー 木山「…………」スタスタ ウホッ アア…イイ…ノブナガコウ! カワイイ! 木山「…………」スタスタ オラワクワクシテキタゾ! モナリザノテヲミタトキ…… 一方通行「なンか殺気のようなもんが感じられンな」キョロキョロ 木山「なるほど……これは少しむっと来るものがあるな」 一方通行「ちっなんだか人が多いぞこのへん」イラ 木山「てい」ズルンッ! 一方通行「」 ザ・ワールド! ミエル!ワタシニモテキガミエル! ゾ、ゾクブツガ! 木山「ほう、これが噂の第三の黒翼」 一方通行「ナニしやがりましてんですてえかあンあああ!?」ブワア カー カー 木山「確かにいきなり脱がしたのは悪かったと思ってる」 一方通行「許可の有無の問題じゃねェ」 木山「ちょっとした女性の茶目っ気ではないか、多めに見てくれたまえ」 一方通行「茶目っ気でフルチンにされてたまるか」 木山「もう十二分に反省してる。だからそろそろ掘り出してくれないか」 一方通行「…………」ムスッ 木山「確かに浜辺で埋めるのは×ゲームの基本ではあるが」 一方通行「…………」 木山「普通首から下までであって首から上まではおかしくないか?」サカダチ 一方通行「なンでしゃべれンだオマエは」 一方通行「さぁアクの強い奴の処理は終わったァ!さっさと済まして行くぜェ!」 神裂「何の話ですか?」 インデックス「かおりも私も吉だったんだよ!日頃の行いがものを言うんだよ」エッヘン 一方通行「ふン、俺は中吉だったぜェ」ハハン インデックス「ガーン!おかしいんだよ!あくせられーたが中吉なんて!中二キチの間違いなんだよ」 一方通行「おま、言って良いことと悪いことがあンぞォ?!」ツネリーン インデックス「いひゃひんひゃよひゅふにはへーは!」ジタバタ 神裂「まあまあ、インデックスも悪気が……悪気が……悪気がわからない年頃ですから」 インデックス「フォローされてる気がしないんだよ!?」 ルチア「くう……いきなりハブられてます……何故私だけがこのような目に……」 一方通行「いたのか」 インデックス「誰なんだよこの人。どっかで会った気がするんだよ」 一方通行「オマエ完全記憶能力とか持ってたンじゃなかったっけ」 インデックス「こまけぇこたぁいいんだよ!AA略なんだよ!」 ルチア「くっ……か、神裂火織、同じロンドンの女子寮で寝食を共にした身である貴方ならばそのような忘却の罪を背負っていませんよね?」 神裂「勿論です。インデックス、この人はシスター・ルチア。大小シスターの大のほうで少女をスパンキングするのが生きがいな修道女です」 インデックス「怖いんだよ……」ススス ルチア「シスター・アンジェレネもいないのに大とはなんですか!?それに尻叩きは体罰で生きがいでやってるわけじゃありません!」 一方通行「オマエ……ウチの打ち止めにスパンキングしてみろ、自分の尻の穴が二度と閉じないようにしてやるからな」 インデックス「エロいんだよあくせられーた!」 一方通行「オマエの思考回路がエロいわ!」 神裂「それで、何故シスター・ルチアがここに?」 ルチア「うう、やっと知り合いに会うことが出来ました。実は、そこの白サルをイギリス清教の傘下に入れるよう遣わされたのです……」 一方通行「ブチ殺すぞ」 神裂「それはまた無謀な……何故?」 ルチア「何でも『学園都市の第一位を取り込みしことで勢力図を大きく変えたりけるよ』とか」 一方通行「うわァこンな小ネタで謀り事の真相言いやがったよ」 ルチア「ですから神裂火織、貴方もどうか協力して下さい!」 神裂「そう言われてもルチア、彼は科学の出ですし……」 ルチア「入信させるまで帰れないのです~~~」 インデックス「それならこのシスター・インデックスに任せるんだよ!」 一方通行「そういやシスターだったな」 インデックス「失礼なんだよ!あくせられーた。それはともかくこれなんだよ」サッ ルチア「これは……?」 インデックス「GS美神という漫画なんだよ」 一方通行「ちょ、それ俺の」 ルチア「しかし、私は漫画などという世俗のものは……」 インデックス「郷に入れば郷に従うんだよ!それにこれは悪魔祓いをテーマにしたものなんだよ!」 ルチア「そうなんですか」 インデックス「そうなんだよ。とっても面白いからこれを読んでるちあもコスプレするんだよ!」 ルチア「へ?」 一方通行「だから持ち主の目の前で又貸しすンな」 インデックス「かおりはいつになったら読み終わるのかな?もう待ちくたびれたんだよ!」 神裂「そ、それが、竜神の超加速を会得しようとつい途中で読むのが止まってしまって……」 インデックス「早く読んで欲しいかも。私なんてもう51回は読み直したんだよ」 一方通行「だからオマエ完全記憶能力」 インデックス「漫画は覚えるものじゃないんだよ!心を潤すものなんだよ!」 ルチア「しかし……」 インデックス「読破して一緒にコスプレしたら心がつながって入信するんだよ」 ルチア「そ、そういうものなのですか?」 一方通行「ああ……仲間なら入信するかもなァ」 ルチア「では、不本意ですが読んできます……」 一方通行「(嘘に決まってンだろ馬鹿猫目シスター)」 インデックス「かおりも早く読んでね」 神裂「は、はい」 一方通行「もうコスプレしてるようなもんだってオマエは。なんか服やろうか?」 神裂「いえ、これは意味があって」 一方通行「私服ならいいだろ」 インデックス「私も服欲しいんだよ!シスター姿で歩き回ると普通視線が集まるものなんだよ」 一方通行「あーはいはい、また今度買いに行こうな、コスプレ用の」 神裂・インデックス「「コスプレ用なの(ですか)!?」」 ルチア「ついつい漫画を借り受けてしまいました……」 ルチア「…………」ペラペラ ルチア「……うっ、何て低俗な男性、こんな本を読まなくてはならないとは……」 ルチア「しかしこれも一刻も早く自由の身となるため……主よ、お許し下さい」ペラペラ 初春「」ピョンキチーン 佐天「あはは、初春ー、ピョン吉って何さー」 一方通行「(もうさんざん吹寄で笑ったからなぁ)そういうオマエは末吉だろうが」 佐天「ううー、末でも吉ならいいんですよー」 初春「…………う、ううっ」グス 佐天「う、ういはるー?」アセアセ 一方通行「おィおィ……」 初春「花占いでは、花占いでは「好き」だったのに……」ハラハラ 佐天「それは占いの種類が違うよ初春ーん……って涙かと思いきや頭の花が散っていってるよ!お水お水」 一方通行「しかたねェなァ、そこの喫佐天「呼びました?」 チョップチョップチョップ 一方通行「そこのカフェでパフェでも奢ってやるから元気出せよ」 初春「えっいいんですか?」 一方通行「ああ、なンか特盛りパフェでゲコ太がついてくるみたいだしなァ」 初春「あ、ありがとうございます!」ゲコリ 佐天「うう、三連発は酷い……って初春ー!頭の花からカエルがこんにちはー!?」 一方通行「なンの童話だァ?」 初春「すいませんこんな高いの食べさせてもらって」パクパク 一方通行「はっ、ガキは安上がりで助かるぜ、全く」 佐天「むー、何で私だけまたコーヒーのブラックなんですかー」チビチビ 一方通行「末吉はそれで充分だろうが。嫌なら寄越せ俺が飲む」 佐天「え、そ、それって間接キって痛い痛いなんでチョップするんですかー?」ヒーン 一方通行「10年早いんだよォ」ビシビシ 初春「(いいなぁ、同じメニューも羨ましいなぁ)」パクパク ジー 一方通行「?コーヒーが良かったのかァ?」 初春「!い、いいえ!パフェで全然モウマンタイです!」 佐天「いいなー私も食べたいなーパフェー」 初春「まだ残ってますし味見しますか?佐天さん」 佐天「さっすがういはるー!ありがとー」ヒョイパク 一方通行「子供は微笑ましくていいねェ」ゴクゴク 佐天「むー、子供子供って。そんなに幼くありませんよー」プクー 一方通行「そういうふうにへそ曲げるところが子供なんだよ」ニヤ 佐天「ちぇー。悔しいね初春ー」ヒョイパク 初春「あはは」 一方通行「にしても花占いなんざ、何占ってたンだァ」 初春「ブゥー!」ギュオーン 佐天「初春ー!頭の花が回転してるよー!?」 一方通行「好きな奴でも出来たか?まあ「嫌い」にならなくて良かったじゃねェか」カッカッカ 初春「あぶぶぶぶぶ」ボクヲヨンダカイ? 佐天「初春ー!一方さんが優しくて頭のカエルがヘヴンキャンセラー!?初春ー!」 デーンデン… 姐御「」 デーンデン… 姐御「」 デーデンデーデンデーデンデーデン 姐御「」 デーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデンデーデン 一方通行「姐ェェェ御ちゃァァァァァァァァン!!」ズンドコズンドコ!☆ほうちょう☆ 姐御「キョアーオ!」 一方通行「ぎゃはははははは!!ぎィはァはははははははは!!くっ、はは!?ぎはははッッッぎゃああァははははは!!」 一方通行「がふっ!!がはぐふっ!!ぎばっ、ぎはは、ぎゃハハハハはははははァァァーーーーっ!!!!!!!」 一方通行「ぎゃは」 一方通行「ぎゃはは。駄目だ、駄目だ。くっははははは」 一方通行「いひゃはははははははッッッ!!もォ抑えらンねェよ!!ぎゃは!ぎゃはははは!!全部ぶっ壊してェ!片っ端から薙ぎ払いてェ!ジャージもニートも!アホ毛も脱ぎ女も!一人残らず!!一人残らずゥ!!ぎゃははははははは!!」 姐御「こ・・・殺される・・・・みんな!殺されるぅ!やつは伝説のスーパー風紀委員なんだ・・・・」一方通行?「姐御、まずオマエから血祭りにあげてやる」姐御「う・・・うわぁ・・・・・もう駄目だ・・・・・おしまいだぁ!」一方通行?「あはぎゃは、オマエが戦う意思を見せなければ、 俺はこの都市を破壊し尽くすだけだァ!」姐御「逃げるんだ・・・勝てるわけがない!」一方通行?「ひゃはははは…姐御、舎弟がカワイイかァ?…ぎゃははッ」 舎弟1<ギャー!姐御「勝てっこない!やはり伝説のスーパー風紀委員だ!」一方通行?「また一匹、虫ケラが死にに来たかァ」 舎弟2<ギニャー!姐御「く・・・くっそ~!」一方通行?「やっと戦う気になったよォだが、その程度のパワーで俺を倒せると思っていたのかァ」姐御「スキルアウトのぉ!リーダーはぁ!このアタイだぁぁ!!!」一方通行?「出来ぬゥ!!」姐御「ふぉあ!?」キーン☆ドーン一方通行?「終わったな、所詮、クズはクズなンだァ…」 姐御「という夢を、見た、んだ……」 ニット帽「姐御……疲れてるんすよ」 一方通行「今度は青鬼風味でやってみるかァ」