約 3,217,533 件
https://w.atwiki.jp/kdash/pages/27.html
・魔法少女リレー……「まじかる・ストライクス!~Magical-StrikeS!!」 メンバーが魔法少女であればオールオッケー! 敵・味方・敵組織の設定……全て自由! オールドスタイル・今時スタイル・色物スタイル(滝汗)などなんでもOK! さぁ、「そこのあんた、魔法少女にならないかい?」 *同士となるためには? 基本的にデータ製作+シナリオ製作をして頂きます。 データは最低1名分(メインキャラクター)+マスコット(無くても可)。 敵キャラクターの上限はありませんが、程々に。 シナリオに関しては最低1eveが原則です。 なお、「今は作れないが……作る気はある!」という方は一応データのみでもOKとします。 サイズについては、20~100KBが原則。 20以下・100以上は禁止です。100以上は前後編での提出ならOKとします。 が、20KB以下のシナリオは如何なる場合でも厳禁とします。あしからず。 能力指標についてはあえて言いません。他の等身大シナリオを参考に。 魔法少女……といっても、タイプは色々あります。 ・「純粋魔法使い系」~カードキャプターさくら、魔法少女リリカルなのは ・「格闘ヒロイン系」~ふたりはプリキュアシリーズ、美少女戦士セーラームーンシリーズ ・「変化球系」~魔法少女プリティサミー、ナースエンジェル小麦ちゃんまじかるて ・「オールドスタイル系」~魔法使いサリーなど などなど。 今シナリオでは、魔法少女ならば全て許可します。 王道で行くか、あえて変化球で行くか……全てにおいてライターの自由とします。 勿論、巫女さん魔法少女・激オールドスタイル魔法少女・超変化球魔法少女全てOK。 ただ、変化球ばかりだとシナリオがカオスの局地に陥るので……勘弁してね。 ……ちなみに、上記のタイプについての質問は一切うk(ry K’は1話を担当し、以降は全て他のライター様にお任せします。 なお、最終話は公募しますが、誰もいなければK’が担当します。 画像系統でのみの参加も大歓迎です。 魔法少女なグラフィックが書きたい人は是非。 MP3ファイルの同封は、ファイルが大きすぎる為原則として厳禁とします。 やった奴は容赦無くスキマ送りにしますのでご注意。 ##########リンク ・リレー討議掲示板 http //b4.spline.tv/kazud/ ・アップロードスペース (キーワードはディスクネームの最初の7文字) http //nurupo.net/index.php?d=magical-src
https://w.atwiki.jp/gakuen/pages/46.html
あ行 / か行 / さ / た行 / な行 / は行 / ま行 / や行 / ら行 あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/841.html
手に汗がにじんできた。緊張する。 何しろ信長の居城に忍び込んでいるのだから。 もし見つかったらと思うと、喉もからからになってくる。 「ごくり」と唾を飲み込む。 その途端、私の意識は闇に消えた。 【高町なのは@魔法少女リリカルなのは 死亡確認】 [死因] リリカルカワイソスのジンクスにより、唾を飲むだけでも飲み物禁止に抵触した。
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/477.html
Alive a life ~ゲームは止まらない ◆gFOqjEuBs6 キングの足元に転がっているのは、ヒビだらけになった家電量販店の看板。 それから、二匹の龍が争った事で破壊されてしまった無数のコンクリートの塊。 少年の姿に戻ったキングは、足元の瓦礫の一つをこつんとを蹴り飛ばした。 しかし、蹴ってもまるで動かない瓦礫に、足の爪先の方が痛みを感じてしまう。 人間とはなんて不自由な生物何だ、と考えながらも、仕方なく瓦礫を一つ一つどけていく。 「うーん……運が良ければこの変にあると思ったんだけどなぁ」 言いながら、探し物を続ける。 キングが探し求めているのは、パソコンだ。別にノートでもデスクトップでも何でもいい。 出来る事なら持ち運びが可能なノートが欲しいところだが、この際贅沢は言わない。 情報戦に有利になる為には、何かとパソコンは使える筈だ。実際に自分だって元の世界ではパソコンを使っていたのだから。 家電量販店と言うからには、パソコンの一台くらいはあるだろうと考えたのだ。 しかし、今回は騒ぎが大きすぎた。商店街の半分以上を破壊してしまうなんて、規模が大きすぎる。 その影響で家電量販店はもはや建物ですらないし、いくつか見付けたパソコンも最早使い物になりはしない。 だが、落胆するばかりではない。これはキングにしてみれば、この殺し合いにやってきて最大のイベントなのだ。 全く面白くなかったと言えば嘘になるし、考え方によっては何よりも楽しかった。 「おっ、これなら使えるかな?」 暫く探し続けて、ようやく閉じられたノートパソコンを発見。 嬉しそうな笑みを浮かべながら、パソコンを開けて見る。 スリープ状態になっていただけなのだろう。開けられたパソコンは問題なく起動。 その状態に満足する。だが、残念な事に電池はもうすぐで切れてしまいそうな状況であった。 充電器は無いかと周囲を探すが、流石にそこまでは見つからない。 結局役立たずかよ、とパソコンを捨てようとした、その時だった。 「ん……何だこれ?」 デスクトップの背景の隅で、アイコンが点滅していた。 キングにも、それがメール受信の知らせだという事は一目で解る。 だけど、一体誰がメール何か送るのだろうか。そんな疑問がキングの脳裏を過る。 まぁいいか、と。キングはカーソルをメールのアイコンに合わせて、クリックした。 メールの内容を心中ですらすらと読み上げていく。 「……は?」 それがキングの第一声だった。 各施設の調査―― これは別に言われなくてもやる。大きなお世話だ。 地上本部の罠―― これは自分にとっては有益だったし、罠なら罠で構う事はない。スルー。 放送内容の反復―― そもそも殺し合いの行く末に興味がないキングにとってはどうでもいい。スルー。 さて、どうにもスルーする訳には行かないのは、この次の項目だ。 キングへの警戒―― 何だよそれ、と。心中で愚痴を零す。勝手にこんな事をされては、キングとしても困るというもの。 すずかというのは確か、なのは・フェイト・はやて三人の友達だった筈だ。少なくともキングはそう記憶している。 そう考えると――というかそう考えなくてもこんなメールを送る人物はまず一人しか思い当たらない。 「あのタヌキ……やってくれるじゃん」 柄にもなく、苛立ちに表情を歪める。 自分と面識を持っており、地上本部の仕掛けを知っているもの。 さらに言えば、この会場にいるなのは、フェイト、はやての内の誰か。そこまで言われて気付かない筈がなかった。 ナメてるのかあのタヌキ女、と。堪らなく本人に直接言ってやりたい衝動に駆られた。 ここで一旦ため息を落とし、落ち着きを取り戻す。冷静さを欠いてはいけない。 そっちがこういう挑発をするなら、こっちにも考えがあるよ、と。不敵に笑う。 取りあえずこの宛先にメールの返信でもしてやろうか――と思ったが、却下。 別に脱出派という訳でもない。仲間が欲しい訳でもない。ならば下手に自分の情報を与える道理はない。 ならばどうするか。メールを返信する意味はあまり無い。 何とかしてはやてに報復出来ないか。いや、それならそれでキングにもやりようはある。 ポケットから携帯電話を取り出し、データフォルダを物色。 探すのは、赤い恐竜の死体を撮影した時の画像――探すのは数秒、すぐに発見。 何枚か撮影した内の数枚を表示させる。 赤い恐竜――ギルモンが血を流して死んでいる傍ら、殺害者であるはやてが写り込んでいる画像。 はやてがギルモンを殺した直後に撮影した画像なのだから、殺害直後のはやてが一緒に写っていても何ら不思議では無い。 しかも自分が殺しましたと言っているかのように、血に汚れたツインブレイズまで握りしめてくれている。 「ほらー、顔怖いよはやて」 携帯の画像に写ったはやてに、嬉しそうに笑い掛ける。 他者の命を奪った直後の人間が。特にはやてのような元々は平凡な人間が。 平然とした表情で居られる筈がなかった。 キングのデータフォルダに入ったはやての画像は、まさに修羅の如く歪んだ一瞬。 別にこんなことをする為に写真撮ってた訳じゃないけど、と心の中で弁明する。 そう、実際キングは趣味で“写メ”を活用しているだけに過ぎない。 ――でも、そっちが先に僕に喧嘩売って来たんだし、仕方ないよね♪ 悪びれる様子もなく微笑む。また面白い遊びを見付けたとでも言わんばかりの表情だ。 やはり八神はやてという女は面白い。キングを十分に楽しませてくれる。 非常に上機嫌そうに、キングは皆の元へ戻って行った。 ◆ その場所は、見渡す限りが虹色に輝いていた。 上も下も、右も横も無い。奇妙な浮遊感。 しかし、不思議と嫌な気持はしなかった。 「私は、死んだのか……?」 宙に漂うような感覚に支配されながら、ペンウッドは呟いた。 そうだ。自分はなのはを守るために、死んだのだ。槍で体を串刺しにされて。 でも、後悔はない。自分の行動で誰か一人でも救う事が出来たのだから。 ペンウッドが瞳を閉じようとした、その時だった。 ――君はまだ死んではいない。 「え……!?」 聞こえる声に、瞳をこじ開ける。 何処かに誰かが居るのだろうか。そんな不安が、全身を駆け巡る。 「だ、誰だ……!? 私が死んでいないとは、ど、どういうことだ……私は確かに――」 ――君は目の前で散りかけた命を、その身を犠牲にして救った。 ――俺は君の行動に感銘を受けた。君をこのまま、死なせたくはない。 尚も聞こえる声。何処か暖かいような、不思議な感覚。 しかし、ペンウッドの中の不安感は消えない。 手足をばたばたと動かす。が、虚しく虹色の空間を彷徨うだけだった。 姿なき声は、尚も説明を続ける。 ――君が命を投げ出そうとした瞬間、俺は君の身体と融合した。 「ゆ、融合……?」 聞こえる声に、復唱で返す。 訳がわからなかった。自分の身体が何かと融合してしまったという事は、つまり吸血鬼にでもなったのか。 自分は人間では無くなってしまったのか。そんな不安が波となって押し寄せる。 ――そうだ。もしも俺と分離してしまえば、君はまた死んでしまうだろう。 「そ、そそそれは困る! どうすればいいんだ?」 慌てて声を張り上げた。 一度は投げ出した命でありながらも、生き延びられるのであれば生き延びたい。 ペンウッドは、額に汗を浮かべながら慌てて問うた。 ――俺と共に、このゲームを打ち破って欲しい。救える命を救い、ここから脱出するんだ。 「そ、そんなことが簡単に出来たら……」 ――ここには俺の仲間も居る。皆で力を合わせれば、必ず主催者を打ち破れる筈だ ペンウッドは思考する。生き延びる方法がそれしかないのであれば、自分はそれに賭けたい。 というよりも、それしかない。融合することでしか生きられないのなら、そうする他に道は無いだろう。 殺し合いにも乗っていないとのことで、少しばかり安心。無理矢理思考を前向きに持って行こうとする。 だけど、どうしても不安な事が一つだけあった。 「わ、私はこのまま、ずっと君と融合していなければならないのか……?」 ――ずっとでは無い。長期間融合していれば、君の身体もじきに回復する筈だ。 安心させるような声だ。ほっ、と安堵の表情を浮かべる。 一気に肩から力が抜けて行くのを感じた。 ――……そろそろ時間だ。君の仲間達が呼んでいる。 「え……え!? ま、待ってくれ……君の名前は!?」 声が急に何処か遠くへ行ってしまうような気がして、ペンウッドは慌てて呼び止めた。 ペンウッドの視線のずっと先に、青と銀色の姿をした宇宙人の様な影が垣間見えた気がした。 人間に良く似た、されど何処か人間離れした不思議な雰囲気。 ――俺の名前はヒカリ……ウルトラマン、ヒカリ。 「ウルトラマン……ヒカリ?」 呟くペンウッドの先で、ヒカリと名乗ったウルトラマンの影が急速に遠のいていく。 しかし、遠のくだけでは無い。彼方から、眩い光を放ちながら、青い何かが近づいてくるのが見えた。 青い何かは、ペンウッドの腕に向かって―― ◆ ――ペンウッド! おい、ペンウッド! 自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。 この声は確か、エメラルド色の髪をした女性――C.C.の声だったか。 そこで、ペンウッドは何処か不自然だと感じた。何故C.C.の声がまだ聞こえる。 そもそもさっき見た夢は幻だったのか。刺された脇腹はどうなったんだ。 そんな疑問を浮かべるが。 「……あれ!?」 がばっ、と。ペンウッドが起き上がる。 急いで全身を確認する。特に脇腹を念入りに、だ。 しかし、傷と思しき傷は何処にも見当たらない。 いや、そんな筈はない。くまなく全身を見渡すが―― 「あ、あの……これは一体……?」 ふと、目に止まったのは、自分の右腕の装着された青いブレスレット。 ブレスレットに収められているのは、金色の短剣のような形をした装飾品だった。 腕に装着されたブレスレットを、眼前の一同に向け、疑問を投げかける。 「それ、確かペンウッドさんの支給品に入ってたブレスレット……ですよね?」 「支給品……そ、そうだ! あの時、何の役に立つのか解らなかったから……」 学校で支給品の確認をした際の出来事を思い出す。 確かにこんな形のブレスレットが、自分に支給されていたような気がする。 しかし、短剣のようなものが入ってはいるものの、実際に使うには短すぎる。おまけに本当に剣なのかも定かでは無い。 ブレスだからといって、通信気にも見えない。どちらかといえば本当にただの装飾品のように見えた。 だからこそペンウッドも金居も、それを碌に調べずにデイパックの中へと仕舞い込んだのだ。 だが、今ではハッキリと解る。このブレスレットが、自分の命を救ってくれたのだろう。 「そうだ、このブレスレット……このブレスレットに私は救われたんだ!」 「そのブレスレットのお陰で、内臓を貫くほどの傷が回復できた、というのか?」 半信半疑な目つきで、C.C.がペンウッドを睨む。それでもペンウッドは勢いよく頷いた。 ペンウッドは知らないが、C.C.もまた人並み外れた回復能力を備えている。そんなC.C.だからこそだろう。 人に元々備わった能力では無く、ブレスレット自体が回復の力を秘めている事が理解出来ないという様子だった。 このブレスレット――ナイトブレスこそ、自分の命を救ってくれた支給品。 ウルトラマンヒカリと名乗った何者かの意志で、自分は助けられたのだろう。 だが、そう考えると何故プレシアはこんな支給品を参加者に配ったのか、という疑問が残るが……。 ◆ それからややあって、チーム内での情報をもう一度纏める事にした。 皆の話を纏めるリーダー役を買って出たのが高町なのはだ。 元々C.C.とペンウッドを纏めていたなのはを中心に話した方が、スムーズに事が進むと判断したからだ。 C.C.達の話は既に知っているために、まずは新しく合流した天道とキングから話を聞く。 その前提として、ペンウッドが寝ている間に簡単なお互いの自己紹介は済ませていた。 「じゃあ、天道総司さんもキングさんも、殺し合いには乗っていないということでいいんですね?」 「当然だ。俺を誰だと思っている。俺は天の道を往き――」 「まぁね。そりゃあギラファとはいつか決着付けなくちゃいけないけど、ここで殺し合ったってどうにもなんないし」 天道が、ゆっくりと人差し指を天に翳そうとしたところで、キングが喋り出した。 それも、わざと天道の言葉を遮断するようにだ。まるで一度自己紹介された時に聞いた挨拶を、二度も繰り返させまいとするように。 割とすぐに並行世界という説を理解してくれた天道だが、本人の話では10歳中頃の自分達にも同じような自己紹介をしていたという。 こればっかりはなのはも、キングの空気を読んだ行動を素直に評価しながら、話を続ける事にした。 「じゃあ、少なくとも今は仲間だと……信じていいんですね?」 「まぁ、殺し合いにはあんまり興味無いし、どちらかと言うと味方でいいと思うよ」 「はぁ……解りました」 殺し合いには興味がない。つまりは、殺し合いに乗りはしないが、脱出がしたい訳でもない。と。 故に完全な味方では無く、“どちらかというと味方”という曖昧なポジションだ。 以上の事柄から、結論を導き出す。やはりキングは要注意人物だ。 天道総司も、キングを睨む時の視線はまるで何かを疑っているかのような視線だし、それが一番だろう。 とにかくキングはあまり信用し過ぎない方がいい、と。なのはが考えることにした。 天道に関しては、恐らく殺し合いに乗っていないというのは本当なのだろう。 決め手となったのは、ペンウッドを初めて見かけたときの天道の表情。 少なくともなのはには本当に心配しているように見えたし、何よりも天道が悪い人間ではないということは見れば解る。 どうにも絡みづらい相手だという事に変わりはないが、敵では無いことに間違いはない筈だ。 次に、危険人物や保護対象の話を纏める。 現在の段階で、天道総司の証言により追加されたリストはこうだ。 敵対的:アーカード、アンデルセン、相川始、浅倉威 友好的:機動六課組、ヘルシング 要注意:クアットロ、キング(なのはの私見) 追加されたのは連続殺人、及び強盗犯の浅倉威。敵対的から要注意へと移動したのが、キング。 キングを疑う理由は言わずもがなとして、浅倉威という人物は相当に危険な人物らしい。 また、天道総司が言うには、浅倉威もまた天道と同じ世界の住人らしい。 浅倉威も龍騎と同じようなカードデッキで変身し、一度は天道が変身したカブトに倒されたとの事。 それから一度警察に逮捕されたらしいが、実際にその後から連れてこられたのか、 はたまた別パラレルワールドの別人なのかは定かでは無い。 「……それから、カードを使う黒い仮面ライダーにも襲われたな」 ふと、天道が言った。 この会場に呼ばれてからすぐに出会った仮面ライダー。黒い体に赤い瞳。カードを使うライダー。 そいつに突然奇襲を受け、自分は痛手を負った、と。 なのはが敵対的な人物リストに、“黒いライダー”を追加しようとした、その時だった。 キングが、ちょっと待って、とその手を止めさせる。そのまま携帯をいじり始めた。 「それってもしかして、コイツの事?」 「これは……」 ややあって、キングが見せたのは、ベージュ色のコートを着た若い男が映った動画。 周囲に別のライダーや怪人も居るようだが、この際それは問題では無い。 最も注目すべきは、ベージュのコートの男が黒いライダーに変身する瞬間だ。 どうやらこの動画は、キングが何らかの方法で男が変身する瞬間をカメラに収めた映像らしい。 全員に見えるように、キングが携帯を皆の前で開き、再び動画を再生。 天道の証言が正しければ、その若者は危険人物と言う事になるが―― 「ちなみにキングさんとその仮面ライダーはどんな関係なんですか?」 「は? 仮面ライダー? 違う違う、こいつはアンデッドだよ。53番目のね」 その言葉に、なのはは聞き覚えがある気がした。 そう。金居達と情報交換をした際にも、同じような話を聞いた気がする。 「もしかしてその人が……ジョーカー?」 「そうそう、正解。よく知ってるね」 ぱちぱちとわざとらしく拍手をしてみせるキング。 なのはは苦笑いを浮かべつつも、キングに拍手を辞めさせる。 しかし、キングの話はこれだけでは終わらなかった。 「ジョーカーは血も涙も無いような奴だから、この殺し合いにも乗っちゃったんだろうね ……と、そうそう。忘れてたよ。もう一人危険な奴がいるよ。」 思い出したかのように、キングが再び携帯をいじり始める。 やがて開いた画像に映っていたのは、血まみれになった赤い恐竜。 それと、血に濡れた双剣を携えた―― 「はやてちゃんッ!? どういうこと……!?」 「そうそう、八神はやて。最初にここに飛ばされた時にちょっと一緒に行動してたんだけどさ……結構ヤバいよね、この子」 「ヤバいって、何がですか……?」 友達を侮辱されたとあっては、流石のなのはも怒りを覚えずには居られない。 表情を曇らせたまま、なのははキングに詰め寄った。 しかし、キングは携帯電話の画面をなのはの眼前に押しつけながら、悪びれる様子無く続ける。 「はやてって子はこのゲームに乗っちゃってるってこと。この顔見ればわかるでしょ」 「そんな……そんな筈ありません……だって……」 「信じる信じないは君の勝手だけどさ。あんまり油断し過ぎない方がいいと思うよ」 確かに、キングの言う通りだ。携帯に写ったはやての表情は、とてもまともな人間とは思えない。 言うなれば、ゲームに乗ってしまった狂気の殺人者とも表現できる表情だ。 なのはは何処か、心が揺さぶられるような感覚を覚えた。 確かに自分は殺し合いに対する認識は甘いかも知れない。 だけど、友達を疑うのはあまりいい事では無い。出来る事なら、信じていたい。 しかし、あの画像も偽物とは思えないという事実が、なのはの胸を締め付ける。 (友達でも、信じちゃいけないって言うの……?) 心中で呟いた。質問に答えてくれる人間等何処にも居ないのに。 俯き、考える。このままでは完全にはやては悪者になってしまうが……。 ◆ 天道は、考えていた。 本当にキングの言う事は全てが信じられるのかどうか。 写真にまで撮っているのだから、ジョーカーとはやての件は本当なのだろうが―― (どうもきな臭いな……) やはり、キングは何かを企んでいる。相手がアンデッドならば、尚更だ。 アンデッドであるキングが、人間を貶めて一人勝ちを狙っているとしても何ら不思議では無い。 かといって、キングは中々ボロを出しはしないだろう。 どうするか、と。思考を巡らせる。 まずはジョーカーに関してだ。 こいつは有無を言わさず突然自分に襲いかかってきた。これは自分の目で見た事実だ。 あの時天道が感じた殺意も、まさしく本物。故に、キングが言っている事も本当なのだろう。 以上を踏まえて、ジョーカー=相川始については要注意。 倒さねばならないのであれば、今度は確実に倒す。一度負けた借りは返さなければ気が済まない。 次に、八神はやてについてだ。 まず気になったのは、八神はやてが天道の知ってる子供の姿では無く、なのはと同じく大人になっている事。 なのはが言うにはパラレルワールドの別人との事だが、今まで子供だと思っていた相手がいきなり自分と 年齢が近い大人になっているとあれば、驚かないのも無理はない。 しかし、それ以上に驚いたのは、あの八神はやてが誰かを殺したという事だ。 高町なのはが大人になれば、こんな人間になるのだろうという事は、目の前のなのはを見ていても別段不自然には思わない。 しかし、八神はやてがこの十年でここまで豹変してしまうとは考えづらい。 何処かの世界で、彼女は変わってしまったのか。それはもしかしたら自分の世界のはやてかも知れない。 どちらにせよ、はやてについても保留。要注意として認識し、もし話す機会があれば話を聞く事も必要かもしれない。 そんな天道の心中を知ってか知らずか、今度はキングが天道の顔を覗き込んできた。 「どうしたのさ龍騎。そんなに浮かない顔して」 「何だと……?」 「だって君は今日から仮面ライダー龍騎なんだろ? なら、カブトを取り戻すまで君は龍騎だ」 相変わらずの、バカげた言い分。 こいつはアンデッドだ。仮面ライダーを人間では無く敵として判断するのは不自然では無い。 故に人間としての名前では無く、仮面ライダーとしての名前で呼ぶのだろうか。 とにかく、キングから目を離してはいけない事に変わりはない。 しばらくは龍騎で我慢するしかないか、と深いため息を落としつつ。 「……龍騎じゃない。俺様だ」 一応否定はしておいた。 こういう輩の相手は一番疲れる。故に簡単にキングの言葉を流した。 ふと、ポケットに入った二枚のカードを取り出す。 CONTRACTと書かれたカードと、SEALと書かれたカードの二枚だ。 これはインペラーのデッキの契約モンスターを全て倒した事により出現したカードなのだが、 天道はそれについては知らない。そもそもカードデッキというライダーシステム自体初めて見たのだから、無理はない。 CONTRACTは、単語の意味からして、恐らくはキングが言っていたモンスターとの“契約”カード。 そしてもう一枚、SEALは封印を意味するカードだが、何を封印するのかが天道には解らない。 (契約か……) 天道が思考する。 思い起こすのは、先ほど暴走して暴れまわったドラグレッダーの姿。 一匹でも暴走する可能性があるものを、そう何匹も契約するのは、あまり賢いとは言えない。 龍騎の力だけでも十分カブトには匹敵するし、単純にライダーとしてのスペックだけならカブト以上かも知れない。 故に新たなモンスターを見つけても契約するつもりは無いが、カードを捨てるつもりもなかった。 まずは、何故ドラグレッダーが暴走してしまったのかの理由も調べなければならない。 このカードの使い道について考えるなら、話はそれからだ。 (これも何らかの制限によるものか……?) ここに来て初めてジョーカーの襲撃を受けた時。自分の身体能力ならばもっと上手く立ちまわれた筈だ。 それなのに、自分は碌な対処も出来ないままにジョーカーに痛手を負わされてしまった。 今でこそキャロという少女のお陰で命に別状はないレベルにまで回復しているが、それでも不利なコンディションである事に変わりはない。 そこから考えるに、参加者にもモンスターにも、或いはこの空間にも、この首輪と連動する何らかの制限がかけられている可能性が高い。 もしかしたら、この空間にいる間はモンスターもある一定の条件を満たしている間しか契約者の命令を聞かないのかも知れない。 その条件が何なのかは分からないが、調べてみる価値はある。 といっても、自分ならばモンスターを扱いこなせるという自身が心の何処かにあると言うのも間違い無い事なのだが。 そう考えた天道は、一応は念のため、二枚ともデッキに入れておいた。 ふと、視線をC.C.に向ける。先程の情報交換では、あの茶色のデッキの持ち主はC.C.という少女との事だが。 「お前、C.C.と言ったな」 「ん……あぁ、それがどうかしたのか」 「お前に聞きたい事がある。あのカードデッキについて――」 刹那、ほんの小さな音が、一同の耳朶を叩いた。 それは、遥か彼方より聞こえる微かな爆発音だ。 音が聞こえた方向に、一同が視線を向ける。 どうやら爆発が発生したのは、ここよりも少し南に位置する場所のようだ。 そこからもくもくと、黒い煙が天に向かって立ち上っていた。 しかし、煙の位置から考えるに、それは間違いなく数キロは離れた位置。 そんな位置からでも爆音が聞こえるという事はつまり。かなり大規模な爆発という事になる。 天道は視線を上げ、立ち上る黒煙をじっと見詰めていた。 【1日目 昼(放送直前)】 【現在地 C-3 崩壊した商店街】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、プレシアに対する怒り、悲しみと迷い、軽い不安 【装備】グロック19(14/15+1発)@リリカル・パニック、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、 ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式 【思考】 基本:誰の命も欠かす事無く、出来るだけたくさんの仲間を集めて脱出する。 1.なんとしてもヴィヴィオを救出する。それは何よりも優先したい。 2.南で起こった爆発を調べに行きたいけど…… 3.出来る限り全ての戦えない人を保護し、仲間を集める。 4.はやてちゃん……本当にゲームに乗ってるの? 5.早く騎士ゼストの誤解を解かないと…… 6.情報処理室の事、言いそびれたな 【備考】 ※金居とキングを警戒しています。また紫髪の女子高生(柊かがみ)を気に掛けています。 ※金居の話=『ペンウッドは銀色の奴と手を組んでいる可能性がある』は半信半疑です。 ※はやて(StS)に対して疑念を抱いています ※ドラグレッダーはなのはと天道に、城戸真司の面影を重ねているようです。 【シェルビー・M・ペンウッド@NANOSING】 【状態】健康、若干の不安 【装備】ナイトブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 【道具】支給品一式×3、RPG-7+各種弾頭(榴弾5/照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、 トランシーバー×2@オリジナル、菓子セット@L change the world after story、おにぎり×10、ランダム支給品(未確認1) 【思考】 基本:自らの仕事を果たす。 1.南で起こった爆発を調べに行く。 2.ウルトラマンヒカリとは一体…… 3.アリサという少女の思いは無駄にしてはいけない。 【備考】 ※なのはを支える事が今の自分の仕事だと無意識に思っています。 ※ウルトラマンヒカリ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのはと融合することで、ヒカリの力を得ました。 ※現時点でヒカリとの融合が解除されればペンウッドは死にます。 【C.C.@コードギアス 反目のスバル】 【状況】健康 【装備】スティンガー×10@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式 、ゼロの衣装(予備)@【ナイトメア・オブ・リリカル】白き魔女と黒き魔王と魔法少女たち 【思考】 基本:向かってくる者は殺すが、役に立ちそうな物や人材はルルーシュに届ける。 1.この集団の中で行動するか、それともゼストを待つか……? 2.ピザの対価を払う方法を考える。 3.少なくともペンウッドより立場は上だ。 4.出来ればゼロの仮面も欲しい所だが…… 【備考】 ※スバルが『StrikerS』から来た事を知りません。 ※ゼストとの協力関係はギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。 ※「ギアス提供」「精神干渉」「Cの世界との交信」が不可能となっている事に気付きました。 ※再生能力も制限されている可能性があると考えています。 ※このデスゲームの中では死ぬつもりはありません。 ※プレシアのことは信用していません。 ※ゼストにはルルーシュの駒になってもらおうと考えています。 ※参戦時期は「STAGE9 ギ ア ス」(スバルを気絶させた後)からです。 ※スバルとゼストは同じ世界の住人かもしれないと考えています。 ※カードデッキの説明書はC.C.のデイパックの奥に追いやられています。探せば見つかります。 ※天道がゼロの仮面を所持している事に気付いていません。 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康、疲労(中)、右脇腹負傷、一時間変身不可(龍騎) 【装備】カードデッキ(龍騎)@仮面ライダーリリカル龍騎、カブトエクステンダー@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸、ゼロの仮面@コードギアス 反目のスバル 『SEAL―封印―』@仮面ライダーリリカル龍騎、『CONTRACT―契約―』@仮面ライダーリリカル龍騎 【思考】 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。 1.天の道を往く者として、ゲームに反発する参加者達の未来を切り拓く。 2.南で起こった爆発は一体……? 3.カードデッキとモンスターについて調べる必要がある。 4.エネルを捜し、他の参加者に危害を加える前に止める。 5.キングは信用できない。常に警戒し、見張っておく。 6.この集団は信用出来そうだが、仲間にしてやるか……? 7.カブトセクターを始めとする各ゼクターを取り戻す。 【備考】 ※参戦時期はACT.10冒頭。クロックアップでフェイト達の前から立ち去った直後。 ※なのは、フェイトは一応信用、はやてについては保留、浅倉は警戒しています。 ※身体がいつものように動かない事を知りました。 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※キャロがエネルと共にいて、かつ危険な状態に置かれている可能性が高いと踏んでいます。 ※ドラグレッダーはなのはと天道に、城戸真司の面影を重ねているようです。 ※カードデッキ(龍騎)には、「契約」のカードと「封印」のカードが一枚ずつ入っています。 ※SEALのカードがある限り、モンスターは現実世界に居る天道総司を襲う事は出来ません。 ※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。 【キング@魔法少女リリカルなのはマスカレード】 【状態】健康、上機嫌、一時間変身不可(コーカサスアンデッド) 【装備】なし 【道具】キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本 この戦いを全て滅茶苦茶にする 1.取りあえずはこの集団の中で遊んでみる 2.はやての挑発に乗ってやる。 3.浅倉とキャロに期待 4.シャーリーに会ったらゼロがルルーシュだと教える 5.とにかく面白いことを探す 【備考】 ※制限が掛けられている事に気がつきました ※ゴジラにも少し興味を持っています ※携帯電話は没収漏れです。写メ・ムービー以外の全ての機能は停止しています。 ※携帯には相川始がカリスに変身する瞬間の動画等が保存されています。 ※キングの携帯に外部から連絡出来るのは主催側のみです。 ※キングの携帯のお気に入りフォルダに『CROSS-NANOHA』へのリンクが存在します。 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※全ての参加者の性格と、おおまかな戦闘スタイルを把握しました。特に天道に関しては、念入りに調べてあります。 ※ゼロの正体がルルーシュだと知りました。 ※はやての事はゲームの相手プレイヤーという感覚で見ています。 【チーム:スターズチーム】 【共通思考】 基本 出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。 1.南で起こった爆発をどうするか……? 2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。 3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。 4.工場に向かい首輪を解析する。 【備考】 ※それぞれが違う世界から呼ばれたということに気付きました。 チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。 敵対的:アーカード、アンデルセン、相川始 友好的:機動六課組、ヘルシング、 要注意:クアットロ、キング(なのはの私見) また、アーカードについてはインテグラと合流出来れば従わせることが可能だと判断しています。 結果的にウルトラマンメビウスは、遠距離からのメビュームスラッシュという戦法を取った。 突き出された右腕から奔った閃光は、ガジェットをいとも簡単に貫いたのだ。 されど、破壊するだけならば誰にだって出来る。本当に問題なのはここからだ。 「な……!?」 咄嗟に腕を頭を庇うように突き出す。 メビウスが放った閃光が、ガジェットを貫いた瞬間。それは、戦闘機人チンクによって移動爆弾となったガジェットの起爆スイッチとなったのだ。 結果、巻き起こったのは大爆発。周囲を巻き込む程の爆風を巻き起こしながら、その爆風はメビウスを吹き飛ばそうと押し迫る。 咄嗟の、しかも予想に反して大きかった爆発に、残り少ないエネルギーで対処を取る事は出来なかった。 メビウスの身体は爆風に巻かれ、数メートル後方へと吹き飛ばされ―― 「デュア……ッ!?」 銀色の装甲に包まれた身体は、背後のビルの壁へと叩きつけられた。 コンクリートの壁はメビウスの身体をを優しく受け止める事は無く、その衝撃をメビウスは一身に受け止めた。 激突したメビウスの身体は、変身しているだけのエネルギーを失い人間体――ヒビノ・ミライとしての姿へと戻る。 アスファルトへと落下した身体を引きずりながら、頭を上げる。爆風の中、薄目を開けて現状を確かめる。 ミライの視界に写っていたのは、爆発して粉々に砕け散ったガジェットの残骸。 その残骸の一つ一つが、もうもうと漆黒の煙を天高く舞い上げていた。 (こんな事、してる場合じゃ……ないのに……) 薄れ行く意識の中、ミライが手を伸ばす。 しかし、その手は何も掴めず、ただ空を切るだけだった。 意識を手放したミライの手は、重力に引かれて固いアスファルトへと落ちて行った。 【1日目 昼(放送直前)】 【現在地 E-2とE-3の境界 大通り】 【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】 【状態】疲労(大)、気絶中、胸に切り傷(回復中)、一時間変身不可(メビウス) 【装備】メビウスブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 【道具】基本支給品一式、『コンファインベント』@仮面ライダーリリカル龍騎、 『おジャマイエロー』&『おジャマブラック』&『おジャマグリーン』@リリカル遊戯王GX 【思考】 基本:仲間と力を合わせて殺し合いを止める。 0.……………………(気絶中) 1.銀髪の男(=セフィロス)からはやてを守る。 2.一刻も早く他の参加者と合流して、殺し合いを止める策を考える。 3.助けを求める全ての参加者を助ける。 4.なのは、フェイト、ユーノ、はやて、キャロと合流したい。 5.ヴィータが心配。 6.メビウスに変身出来なかった理由を確かめたい。 7.アグモンを襲った大男(弁慶)と赤いコートの男(アーカード)を警戒。 8.紫髪の少女(かがみ)を乗っ取った敵(バクラ)や、その他の未知の敵たちを警戒。 9.自分の為に他の人間の命を奪う者達に対する怒り。 10.さっき聞こえた鳴き声は一体…… 【備考】 ※メビウスブレスは没収不可だったので、その分、ランダム支給品から引かれています。 ※制限に気付いてません。 ※デジタルワールドについて説明を受けましたが、説明したのがアグモンなので完璧には理解していません。 ※参加者は異なる並行世界及び異なる時間軸から連れて来られた可能性がある事に気付きました。 ※支給品の中にカードがある事に気付いていません。 ※スーパーにかがみが来ていたことに気付きました。 また、少なくとももう1人立ち寄っており、その人間が殺し合いに乗っている可能性は低いと思っています。 ※彼が倒れていたE-3大通りの近くに、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、 治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GXが放置されています。 また、ミライはその存在に気付いていません。 Back Alive a life ~死闘(後編) 時系列順で読む Next かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです 投下順で読む Next かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです 高町なのは(StS) Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) シェルビー・M・ペンウッド Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) C.C. Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) 天道総司 Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) キング Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) ゼスト・グランガイツ Next 太陽(前編) 万丈目準 Next 太陽(前編) ヒビノ・ミライ Next がんばれ! ウルトラマンメビウス
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1078.html
リリカル遊戯王GX 第七話 レイ救出作戦! 恋する相手はなのはさん!? 「十代、そういえばスバルに何か渡してなかったか?」 オブライエンが通風口からのルートを考えている間に、ヨハンは先ほど見たことを思い出して問いかける。 フェイト達を二人に任せ逃げる直前、十代はスバルへ一枚のカードを渡していたのだ。 「ああ、スバルが『モンスターに囲まれた時に一掃できるようなカードってないの?』って潜水艦で聞いてたんだ、それでさっきつい……」 「だけど、スバル達に魔法カードが使えるのか? ディスクもないんだろ?」 「それは大丈夫だと思うよ」 二人の会話になのはが入ってくる。 先ほどと比べ、大分落ち着いたようだった、ゆっくりとだがはっきりと自分の考えを話し始める。 「私たちが三沢君を助けた時に戦ったモンスターが、途中で三人に増えたり、何もない場所から突然装備をつけたりしてたんだ」 「あ、そういえば言ってたな……ハーピィ・レディが三沢を襲ったって」 「ということは、万華鏡―華麗なる分身―と何かの装備カードを自分で使ってことか……」 「うん、だからもしかすると、外部からデュエルに介入できる私たちにも使えるかもしれない」 なのはの説明に「なるほど……」と二人は頷き、突然自分たちのカードを取り出しじっくりと見始める。 「ど、どうしたの?」 「いや、それなら俺達の余ってるカードを渡しといた方が何かあった時いいんじゃないかな、って」 「ああくそっ、ほとんど寮に置いてきちまったぜ……お?」 目ぼしいカードが無く顔を顰めていた十代は、見慣れないカードがあることに気づいた。 「薄幸の美少女に恋する乙女に……十代、こんなカード持ってたのか?」 「わぁ、可愛いね、こんなカードもあるんだ」 「い、いや、これ俺のじゃないって!」 HEROカードがメインの十代からは、まったく想像できないカードに困惑する二人へ十代は慌てて否定し、 次の瞬間には真剣な顔でそのカード達を見つめ、ぽつりと呟くように説明する。 「これ……レイのカードなんだ」 「レイちゃんの……?」 「あいつ、結構俺にデッキの相談してくることが多くてさ、たぶんその時に紛れこんじまったんだと思う」 十代は神妙な面持ちでカードを見つめる、 そんな姿を見て、なのはは少し考えた後そのカードを手に取った。 「なのはさん?」 「このカード……使わせてもらっていいかな?」 「えっと、でも、レイのカードは攻撃向けの物は少ないぜ?」 「十代君……別に私、攻撃好きってわけじゃないんだけど~」 冗談半分に言ってみるが、十代は「え!? マジで!?」という表情を慌てて直し、 ヨハンも「そ、それだったらこっちも使えるな……」とカードの選定をし直すのを見て自分の行いを反省する。 ――そういえば、こっち来てから壁を撃ち抜いたりばっかりだったっけ…… 「と、とにかく使わせてもらうね。ありがとう」 「あ、ああ、でも効果とかよく見た方がいいぜ、結構分かりづらいのもあるし」 「うん、そうだね。時間ができたら見させてもらうよ」 なのはがカードをしまったところで丁度オブライエンがやってくる。 無理矢理開けた通風口へと入りこみ、思った以上に広いスペースで動きを止めた。 「こんなところにまで……!?」 十代達の前にゾンビ生徒が現れ、デュエルを迫ってくる。 どうするべきか思案していると、アモンが前に立ってデュエルディスクを展開した。 「アモン!?」 「こいつは僕が引き受けよう、みんなは先へ急ぐんだ」 「だけど、こいつは……!」 「大丈夫、危なくなったらすぐに逃げるさ」 「アモンさん……ありがとうございます!」 後ろ髪を引かれながら、その場をアモンに任せて十代達は先を急ぐ、 アモンはゾンビ生徒と向き合いながら内心ほくそ笑んでいた。 ――十代達に恩を売って信用を得ておいた方が動きやすい……まったく、これさえなければもう少し楽なんだが。 一瞬忌々しげにデスベルトに視線を向け、デュエルを開始する。 「クロスファイア、シュート!」 「はぁぁぁぁぁ!」 無数の魔力球をフェイトはザンバーフォームのバルディッシュで一気になぎ払う、 いくつかの魔力球を牽制に置いておきながら、ティアナは後ろへと下がり続けていた。 「動けないスバルから引き離そうとしてるんだ、優しいね」 「っ!」 「だけど、無駄だよ」 『Sonic move』 高速移動魔法でティアナの背後に回って斬りかかるが、まるでそこに攻撃されるのがわかっていたかのように、 ティアナはダガーモードのクロスミラージュで一撃を受け止める。 「その言葉、そっくりお返しします」 「なっ……」 「ゾンビになると思考能力も低下するみたいですね……いつものフェイトさんなら、何度も同じ攻撃はしてこない!」 叫びながらバルディッシュを弾き体勢が崩れたところへ魔力球を放つ。 一瞬で作り上げたため粗悪な代物だが、これでも顎に当たれば脳震盪を起こすことぐらいは可能だ、 決まった――そう思った直後、ティアナは彼女が一部で何と呼ばれていたのかを思い出す。 即ち――『金色の閃光』 『Sonic form』 「楽しいよティアナ……今のは、ちょっと焦っちゃったけどね」 「そん、な……!」 ティアナの戦術は完璧だった。 冷静に相手を観察し、以前にはなかった弱点をしっかりと見抜いて撃ち抜こうとした。 ただ一つだけ、見誤っていたのだ。 躊躇いを無くした彼女と自分の、生半可な戦術では埋めきれない能力差を、ソニックフォームの視認さえ不可能なスピードを。 「ティア!」 「っ!?」 スバルの声に我に返り、よろめくように一歩後ろに下がる。 その目の前をやはり視認できるか否かの速さでバルディッシュが通り抜け、ようやくこの状況を切り抜けようと思考が回り始めた。 「ティア、クロスシフト……!」 「無理に決まってるでしょ!? 少しは自分の状況を考えなさい!」 ダメージの残る体を無理矢理起こして言うスバルにティアナが叱責を飛ばす。 危機的状況にお互いのチームワークが乱れてきた……知らない者ならそう思うだろう、 だが、二人は口で言い争いながら念話で作戦を立て直していた。 『ソニックフォームのフェイトさんについていくのはまず不可能……切り札を使うしかないわ』 『でも、受け取っておいてあれだけど本当に使えるのかな……?』 『それは大丈夫だと思うわ、問題は発動条件ね』 スバルが十代から受けとったカードを中心に思考を回す。 そのカードは「ライトニング・ボルテックス」手札を一枚捨てることで相手の場の表側表示のモンスターを全て破壊する魔法である、 使用できるならばこれはかなり強力だ、例え相手がどれだけ強くても無条件で倒すことができる。 だが――その強力すぎる効果が逆に不安だ、もしもフェイト達がモンスターを倒した時のように消滅してしまったらなのは達とは二度と顔を合わせることができない、 それに『手札を一枚捨てる』という発動条件、これをどう支払うか? ――最初に思いつくのは魔力を消費する……だけどこれだけの威力なら、カートリッジ数発分は必要かもしれない。もしくは装備の破棄……こっちは後に響くわね…… 思考を巡らせながらもティアナはだんだんと下がり始める。 ソニックフォームのフェイトの攻撃は繰り出された瞬間には終わっている、 勘と経験から基づく予測でなんとか防いではいるが、一撃一撃がギャンブルなこの状況に精神の方がまいってしまう。 ――後一つ、発動してくれるかどうか賭けだけど……これなら、必要な魔力も最低限ですむし、リスクもない。これに賭ける! 「スバル、貸して!」 「うん!」 一気に無数の魔力球を生み出し、フェイトが思わず足を止めた瞬間スバルからカードを投げ渡される。 目の前にあるのが魔力球の形を模しただけのほんのわずかな魔力の集まりであることに気づき、一気に切り崩そうとしたフェイトへカードを突き付けた。 「マジックカード! ライトニング・ボルテックス発動!」 ティアナの宣言と同時に、その体が消えていく。 「自分を、コストに……!?」 フェイトはまったく予想していなかった光景に呆然とし――その体に容赦なく雷が襲いかかる。 「うわぁぁぁぁぁぁ!?」 「ふぇ、フェイトさん……」 想像以上の威力にスバルは呆然と呟く。 幸いにも考えていたように消滅はしないらしく、今のアカデミアの状態ならば問題は無いだろう。 ……自分たちが受けたら一発でゾンビの仲間入りだろうが。 「スバル、動ける? 復活される前に拘束しておかないと」 「あ、うん! 今のでバトル終了ってことかな、怪我は治ってるよ! ……まだ痺れるけど」 消えたはずのティアナが傷が本当に治っていることを確認しながら問いかける。 種を明かすなら、フィエクシルエットによって生み出した分身をコストとして使えないかどうか試し、それに成功したというわけだ。 そのままフェイトとエリオへバインドをかけ、一瞬動きを止めた後に慌ててスバルの側に駆け寄る。 「スバル、まずいわよ……」 「うん、気づいてる……囲まれてる、ね」 あれだけ派手に戦闘をしていたのだから当然かもしれないが、ゾンビ生徒達の気配がこちらへ集まりつつあった、 怪我こそないものの、ダメージは抜けていないし魔力も消費している、頼みの魔法カードも先ほど消えてしまった、どうやら自分たちが使えるのは一回限りらしい。 かなりつらい状況の中、二人はゾンビによる包囲を突破しようとフェイトとエリオを抱えながら駆け抜ける。 「くっそー、こっちには時間がないってのに……!」 通風口で大分距離を稼いだ十代達は、少しだけ空いたドアの陰に隠れながらゾンビ生徒をやり過ごす、 だが、次々とやってくるせいで中々前に進むことができなかった。 焦れる十代達だったが、突然カレンが鳴き出してジムに何かを訴える。 「カレン?……そうか、俺達の番だな、OK!」 「ジム!?」 ジムが突然飛び出し、側にいたゾンビ生徒の注意を引く。 慌てて駆け寄ろうとした十代を制し、ジムは叫ぶ。 「十代、先に行ってくれ! ヘイ、ゾンビボーイ、俺が相手になるぜ!」 「ジム……くそっ!」 「フリード、ブラストフレア!」 キャロの指示でフリードが火球を吐き、進路上のゾンビ生徒達を下がらせる。 そのまま明日香達と共に駆け出し、ある通路に来たところで明日香が立ち止まる。 「どうしたんですか?」 「その、余計な御世話かもしれないけど……こっちからあの二人が足止めに残ってくれた場所まで行けるのよ」 「っ!」 「そうザウルス、こっからなら俺達だけでも大丈夫ドン! 助けに行ってあげて欲しいドン!」 二人の言葉にキャロは悩む、スバルとティアナだけではない、エリオとフェイトもキャロにとって何にも代え難い人物だ、 今すぐにでも駆け出していきたいところだった、だが―― 「いえ、私は皆さんの護衛を続けます……フリード、お願い!」 「キュルゥ!」 キャロの声にフリードが一声鳴いてスバル達の下へ向かう。 「キャロちゃん、どうして……?」 「私はなのはさんに二人の護衛を頼まれました、私の今の任務はお二人を守ることです……それに、スバルさん達ならきっと、大丈夫です!」 「……わかったドン、キャロちゃんがそういうなら、俺達もあの人たちを信じるザウルス!」 「そうね……なら急ぎましょう、またゾンビ達が集まってくるわ」 「はい!」 ――エリオ君、フェイトさん……また、一緒にいられますよね…… 十代達は保健室のすぐ近くまでやってきていたが、またも多数のゾンビ生徒によって足止めを喰らう。 「くそっ、いったい何人がやられちまってるんだよ!?」 目的地は目の前だというのに動きが取れない、そんな状況に十代は焦りを募らせる、 いつあのゾンビ達が保健室の中に突入するかもわからないのだ、今すぐにでも飛び出していきたいところだろう。 「十代、こっちだ」 「え? オブライエン?」 オブライエンが呼びかけてくるが姿が見えない、 ふと頭上を見上げると、天井裏からオブライエンが顔を出していた。 「俺が表の連中を引き受ける、その間にお前たちはここから内部へ突入しろ」 「で、でも、それじゃオブライエンが危険だ!」 「問題ない、うまくやる」 「だけど……」 「大丈夫、私も一緒に行くよ」 なのはがレイジングハートを起動させながら言い、十代とヨハンは仕方なく頷いて天井裏へと昇る。 入れ替わりに降りてきたオブライエンとなのはは、通路の影から保健室の前の様子を窺いながら作戦を立てる。 「どうする? 陽動なら私が一発撃つだけで相当来ると思うけど」 「いや、それではあの数が一斉にそちらに向かってしまう。デュエルはほとんどの場合一対一で行われる、複数に迫られても影響の少ない俺が出る」 「わかった、何人か足止めして、撃退したら援護に行くね」 「頼む」 無愛想だが、冷静に判断を下していくオブライエンになのはは感心する。 留学生とは言っていたが、彼とてこのアカデミアの一員だ、 仲間があのようになってしまっても冷静さを失わないというのは多少冷たいとも思うが、それ以上に今の状況を把握しているからだろう。 なのはは自分が情けなく感じてしまう、フェイトがやられた時、何も考えずにエリオを吹き飛ばしていた、 結果的によかったものの、もしもゾンビだったのがフェイトで、エリオはそれを迎撃していたのだとしたら目も当てらなかっただろう。 「どうした? 準備はいいか?」 「あ、うん、いつでも!」 「ならば……行くぞ!」 オブライエンが飛び出し、口笛を吹いてゾンビ達の注意を引き付ける。 そのまま駆け出すオブライエンをゾンビ達は追いかけ、後方にいた五人ほどがなのはのバインドによってその場に拘束される。 「私のバインドじゃこの人数が限度……後は、アクセルシューター!」 更に数人を魔力ダメージで昏倒させようとするが、すでに一部のゾンビ達がオブライエンよりもなのはを狙ってディスクを構えていた、 そのうちの一人が前に出て、一体のモンスターを召喚する。 「これは……魔道士!?」 ―熟練の白魔術師― 攻撃力1700 防御力1900 効果モンスター 更にカードが伏せられるのを見てなのはは焦る、 マジック・ジャマーのような罠を使われてはかなり厳しくなる、その焦りから一気に片付けようと単調な攻撃になってしまう。 「ディバインバスター!」 「トラップカード……魔法の筒(マジックシリンダー)……」 魔力砲撃とモンスターの間に巨大な二本の筒が現れ、そのうちの一本になのはの魔法が吸い込まれていく。 未知の物質になのはは警戒し、もう一本の筒からディバインバスターがなのはに目がけて撃ち出された。 「相手の攻撃を跳ね返す罠!? レイジングハート!」 『ProtectionEX』 咄嗟に障壁を張って自らの砲撃を受け止める。 正直想像以上の威力に、つい今まで模擬戦などで直撃させた人たちに心の中で謝りつつ砲撃を凌ぎ切った。 そのまま相手を見るが、ゾンビ生徒はわずかに笑みを浮かべているように見えた。 「魔法カード……エルフの光……」 モンスターが淡い光に包まれ、なのはは何かの攻撃が来ると身構えたが、ゾンビ生徒はそのまま言葉を続ける 「熟練の白魔術師の効果……魔法が使われるたびに魔力カウンターを乗せ、三つ溜まった時生贄にすることで……」 言葉と共にモンスターの姿が消え、新たな騎士のようなモンスターが現れる。 なのはの本能が、そのモンスターが今までの相手とは比べ物にならない相手だという事を告げていた。 「バスターブレイダーを、特殊召喚する……」 ―バスターブレイダー― 攻撃力2600 防御力2300 効果モンスター バスターブレイダーは有無を言わせずなのはに斬りかかり、なのはは近づかせないように砲撃を放つ。 なのは一人のこの状況で、自分の懐に飛び込まれたら終わりなのを彼女は誰よりもわかっていた、だからこそ迎撃しようとしたが―― バスターブレイダーの剣は魔力砲撃を斬り裂き、その衝撃波がなのはを襲いかかる。 「あうっ……!」 「連弾の魔術師召喚……」 なのはが目の前の相手の対処に思考を巡らせる間にも、別のゾンビ生徒によって新たな魔道士モンスターが召喚される。 ―連弾の魔術師― 攻撃力1600 防御力1200 効果モンスター その光景を視界に入れながら、なのはは思考を巡らせ続ける。 自分が最も得意とする砲撃魔法が撃ち負けた、まだ彼女にはエクシードモード、更には切り札のブラスターモードもあるが、 それで勝てる確証がない以上危険だ、万が一撃ち負けた場合今度は確実に間合いに入られてしまう。 ――そうなると、これに賭ける! なのはは後ろに下がり続けながら懐からカードを何枚か取り出しざっと目を通す。 ――十代君の言った通り直接戦闘に向いたカードは少なそう……相手のモンスターを自分のコントロール下に置く!? テキストを流し読みしていると、その一文に目が止まり迷わずそのカードを使う。 「魔法カード、キューピッド・キス発動!」 キューピッド・キスのカードが消滅し、なのはの右腕にハート型の可愛らしい弓矢が装着される。 目に止まった一文以外よく見ていなかったなのはは一瞬きょとんとするが、バスターブレイダーが迫って来たのを見て慌ててその矢を放つが、 あっさりと矢は弾き飛ばされ、なのはは再び衝撃波で吹き飛ばされてしまう。 発動条件を間違ったか? そう思い諦めずに別の手段を模索するが、その暇もなくバスターブレイダーはなのはへと迫り―― 「好きだぁぁぁぁ!!」 告白した。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぇ?」 言うまでもなく、なのはは美人の部類に入る。 局でも人気はかなり高いのだが、いかんせん高根の花というイメージや、某金色の閃光の影響から告白されたことは今まで一度もなかった。 そして今、人生初の告白というものを受けたのだ――モンスターから。 ――えっと、え? 好きってあれだよね、所謂likeっていう……だってこの人モンスターだもんね? そういえばモンスターも喋るんだ、そういえばおじゃまトリオも喋ってたっけ……ってそうじゃなくて! 全力全開で現実逃避に走っていた思考を無理矢理戻し――現実を見つめた自分に後悔する。 「ええっと、あの……?」 「あんたの決して諦めないその姿勢に惚れた! 俺はあんたに協力する!」 「そ、それはありがたいんですけど……す、好きってどういう……」 「だから、結婚を前提に付き合ってほしい!」 ――助けてフェイトちゃぁぁぁぁん!! 思わずスバル達と戦っているであろう親友に助けを求めるが、バスターブレイダーは突如振り返って剣を振るう。 その一太刀で連弾の魔術師は切り裂かれ、なのはをかばうように剣を構える。 「彼女には指一本触れさせん! かかってこい!」 ――た、頼りにはなりそうだけど……ど、どうしよう…… 続く 十代「レイを救うんだ……そのためにも、こんなところでやられてたまるか!」 ティアナ「戻らなきゃ……みんなを、守らないといけないんだ……!」 次回 リリカル遊戯王GX 第八話 恐怖のバーンデッキ! 守り抜けブラストフレア! レイ「じゅう、だい……!」 ティアナ「頼りにしてるわよ、チビ竜!」 十代「今回の最強カードは二枚!」 ―スターズ2 ティアナ=ランスター― 風属性 魔法使い族 ☆4 攻撃力1400 防御力1100 自分の場に「スバル」「なのは」「フェイト」という名が付くモンスターがいる時、その枚数×200ポイント攻撃力がアップする。 このモンスターが表側表示でいる時、魔法カードの発動条件を無視して発動することができる、この効果は一度しか使えない。 ―高町なのは(キューピッド・キス)― 光属性 魔法使い族 ☆6 攻撃力2400 防御力2300 このカードは「スターズ1 高町なのは」として扱う。 このカードは「キューピッド・キス」を装備した「スターズ1 高町なのは」を生贄にすることでのみ召喚できる。 このカードが表側攻撃表示でいる限り、戦闘では破壊されない。 このカードが攻撃したモンスターは、ダメージステップ終了後破壊されていない場合自分のコントロール下に置く、 そのカードが自分の場にいる限り、このカードは表示を変更できず攻撃もできない。 このカードが破壊された場合、「スターズ」「ライトニング」と名のついた魔法使い族以外の自分の場のモンスターは破壊される。 なのは「うう、これからどうしよう……」 十代「じ、次回もよろしくな!」 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/442.html
リリカルなのはGX 第??話「最強の魔法使いデッキ」 「俺のターンドロー!」 遊城十代は、左腕に付けたデュエルディスクからカードを引いた。 デュエルの相手は、コスプレなのだろうか白いショートコートにミニスカートな格好の女性だ。 「俺は、E-HEROスパークマンを召喚!カードを一枚伏せターンエンド」 十代のターンが終了し、白服の女性のターンが来る。 「私のターン…ドローなの!私は、ティアナ・ランスターを攻撃表示で召喚!」 現れたのは、二丁拳銃を持ったツインテールの女性だった。 「ティアナ・ランスター攻撃力1650・防御力1200のモンスターか」 「私は、カードを一枚伏せティアナで攻撃!」 『クロスファイヤーシュート!』 白い服を着た女性なのはの攻撃宣言により攻撃を開始するティアナ。 「そうは行くか!トラップカードオープン!」 十代が伏せていたカードは、トラップカード・ヒーローバリアだった。 「ヒーローバリアの効果で、E-HEROへの攻撃を無力化する!」 「私のターンは終了よ」 「そんじゃ、俺のターン…ドロー!俺は、手札のE-HEROクレイマンと場のスパークマンを融合! 現れろ、E-HEROサンダー・ジャイアント!」 十代の持つ融合のカードで現れたのは、雷をまとった巨大なヒーローだった。 「サンダー・ジャイアントの特殊効果発動!ヴェイパー・スパーク!」 その効果で場にいるティアナは、激しい雷に撃たれ破壊される。 「キャァー!」 「ティアナ!」 ティアナが破壊され、少し表情が曇るなのは。 「ザンダー・ジャイアントの攻撃は終わってないぜ!行けぇぇぇ!ボルティック・サンダー!!」 攻撃力2400のダイレクトアタックが決まり、なのはのLPが1600まで削られてしまう。 「くっ、罠カードオープン、魂の綱!1000ライフポイントを払うことでデッキから☆4以下のモンスターを特殊召喚!」 現れたのは、守備表示のフェレットだった。 「(ん?トラップのタイミングミスか。サンダー・ジャイアントの攻撃時に召喚すればダメージを受けずに済んだのに)」 十代が、そんなことを考えているとデュエル相手の女性が話しかけてくる。 「十代くん、バトルフェイズが終わったけどターン終了はまだかな?」 「あ、えーと、カードを1枚伏せターン終了だ」 十代がターン終了を宣言したのを聞いたなのはは、カードをドローする。 「私は、ユーノくんの効果でライフを500回復」 なのはが表側守備表示で出していたユーノくん攻撃力500守備力2050は、 スタンバイフェイズに一度ライフを500回復させる効果がある。 「そして、ユーノくんを生贄にフェイトちゃんを召喚!」 生贄召喚されたのは、☆6つの上級モンスターフェイト・T・ハラオウンと言う女の子だ。 攻撃力2500守備力1500の魔法使い族だ。 「すげぇぇぇ!そんなカードがあるなんて、翔が見たら喜びそうだなぁ」 「そして、装備カード・使い魔の援護を発動!この効果で攻守700ポイントアップ!」 攻撃力3200と成ったフェイトには、更なる効果があった。 「フェイトちゃんで、サンダー・ジャイアントを攻撃!」 「バルディッシュ!」 『Haken Saber』 金色の刃が黒い斧杖から発射され、サンダー・ジャイアントを切り裂き破壊する。 「ぐっ」 十代のライフは800削られLP3200となった。 伏せカードを使おうと考えた十代だったが、サンダー・ジャイアントの破壊前に使えなかったのだ。 「何故、伏せカードが使えないんだ?」 「フェイトちゃんの効果なの。一ターンに一度相手の場の伏せカードを1枚封じるの」 「すげぇ効果」 「そして、カードを1枚伏せターン終了なの!」 なのはの出した少女にサンダー・ジャイアント破壊されながらも、楽しくて仕方がない十代。 「ドロー!俺は、フレンドッグを守備表示で召喚!そして、カードを1枚伏せターン終了」 十代は犬型機械族モンスターを召喚し、伏せカード2枚目をセットしターンを終了した。 「私のターン、ドローなの!」 彼女は引いたカードをほほ笑む。 「私は、儀式カード・白き戦神を発動なの!☆8以上のモンスターを生贄に…出でよ!高町なのは!!」 手札のクロノ・ハラオウン☆8を儀式のコストとし、☆8の儀式モンスター・高町なのはを召喚したのだ。 その攻撃力は3200、守備力は2800と凄まじい。 「さぁ、私の攻撃!フェイトちゃんでフレンドッグを攻撃!ハーケン・セイバー」 金色の刃によって切断されるフレンドッグ。 「フレンドッグの効果発動!墓地に送られた時、墓地のE-HERO1体と融合を手札に加える」 「まだ、私のバトルは終わってないの!ディバイーン・バスター!!」 『Extension』 凄まじいピンク色の光が十代を襲う。 「伏せカードオープン!」 「フェイトちゃんの効果で1枚封じるよ!…そのカードを封じるわ」 「ラッキー!俺が発動するのはこっちだ!」 なのはが封じたのは融合解除だったのだ。 十代が発動させたのは、もう一つの方だった。 「ヒーロー・シグナルで、デッキからE-HEROを特殊召喚する!現れろ、バースト・レディ!」 炎のヒーローE-HEROバースト・レディが守備表示で召喚された。 なのはの攻撃は、バースト・レディを粉砕する。 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/gakuen/pages/47.html
あ行 / か行 / さ / た行 / な行 / は行 / ま行 / や行 / ら行 あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/155.html
書き手リスト 投下SS数 名前(敬称略) 代表的な登場キャラ 備考 44 ◆Vj6e1anjAc セフィロス、スバル・ナカジマ、ルルーシュ・ランペルージ、ディエチ 元◆9L.gxDzakI氏、元本スレ書き手、反目のスバル氏 38 ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、八神はやて(StS)、泉こなた、柊かがみ 38 ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、柊かがみ、キース・レッド、ブレンヒルト・シルト 元◆RsQVcxRr96氏 21 ◆gFOqjEuBs6 相川始、柊かがみ、金居、キング、天道総司、ヒビノ・ミライ 本スレ書き手、マスカレード氏 19 ◆Qpd0JbP8YI セフィロス、八神はやて(A s)、ユーノ・スクライア、L 10 ◆jiPkKgmerY ミリオンズ・ナイブズ、アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、殺生丸 本スレ書き手、リリカルTRIGUN氏 6 ◆WslPJpzlnU 新庄・運切、エネル、ヴィータ、アーカード 本スレ書き手、なのは×終わクロ氏 5 ◆WwbWwZAI1c 柊つかさ、金居 元◆wsuikZ7zFc氏 5 ◆LuuKRM2PEg 天道総司、アンジール・ヒューレー、キング 本スレ書き手、地獄の四兄弟氏 3 ◆UOleKa/vQo 本スレ書き手、リリカル遊戯王GX氏 3 ◆vXe1ViVgVI 2 ◆WMc1TGFkQk 2 ◆yZGDumU3WM 元本スレ書き手、ゲッターロボ昴氏 2 ◆Qz0BXaGMDg 1 ◆ga/ayzh9y. 本スレ書き手、ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏 1 ◆C1.qFoQXNw 1 ◆19OIuwPQTE 高町なのは(StS)、ヴィヴィオ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3563.html
~フロシャイムミッドチルダ支部アジト(仮)~ 「フロシャイムの怪人たちよ良くぞ集まってくれた…」 普段とは打って変わり薄暗い居間にて、ヴァンプは壁にかけたフロシャイムのロゴを背に立っている。そしてそれを囲むように怪人たちが集まっていた。 「明日行う作戦について話そう…まず当日は3つのグループに別れてもらう。1号、2号、タイザ!アジトに残り守りに徹するのだっ!!」 「「「キーッ!!(ハイ!!)」」」 「次にデビルねこ、Pちゃん改…お前達は緊急時に備えアジトにて待機。そして残るメダリオ、カーメンマン、ウサコッツは私と共にリニアレールで聖王医療院へと向かうのだ!!何か質問はあるか?」 「ハッ!ヴァンプ様、何故病院へ向かわれるのですか?」 一通り説明が終わった所で1号から質問が出る。それに対しヴァンプは作戦時独特の口調で答えた。 「1号よ、これは我々にとって重要事項なのだ。それは… 聖王医療院に入院されておられる元参謀、ミレガス樣のお見舞いだ!!」 『天体戦士リリカルサンレッド』この物語はミッドチルダにて繰り広げられる善と悪の壮絶なる闘いの物語である――― FIGHT.03『遭遇、命無き兵団!!』 「んしょ、え~っと聖王医療院前は…あったこれだ!!」 駅に着いたヴァンプ達一行は切符を買うために券売機に向かおうとし、そこでウサコッツが「あ、僕やる~っ!!」と元気よく言い、ヴァンプは彼に頼むことにしたのだが… 「あ、小銭が足りない!?え~っとないからお札を…『投入金が不足しています』あ~もぅ五月蝿いなぁ~っ!!」 小銭が足りずにモタついてる所を音声案内に催促され、それにうんざりしながらも切符を購入出来た。 「はぁ~やっと買えたよ…いつも思うけど券売機とかって少しでもモタつくとすぐに催促するよね、10秒弱で。 友愛も子ども手当てもいいけどさ…『待ってあげる優しさ』って言うのも大切だと思うよ。最近はそう言うのが蔑ろにされ過ぎだよね全く…あ、ヴァンプ様~切符買えたよ!!」 「ありがとうウサコッツ。さ、皆ホームへ行くよ」 ウサコッツから切符を受け取った一行はリニアレールへと乗り込んだのだった… 「うわぁ~速い速い!!」 「相変わらずお子ちゃまだなぁ~ウサは(笑)」 「ほらほら二人とも、周りの人に迷惑になっちゃうから静かにね。ん?どうしたのカーメンマン?」 初めて乗るリニアに興奮しているウサコッツとそれを茶化しているメダリオに注意をしていたヴァンプは顔を下に向けて憂鬱そうにしているカーメンマンに気付き声をかけた。 「いや、これ(リニア)だと聖王医療院まで遠回りじゃないですか。笹塚~下北沢を徒歩じゃなく新宿経由で向かう感じで。車だともっと早く行けたからなぁって思って…あぁ無理してでも持ち込んどけば良かったよなぁ~」 ミッドチルダの交通事情は溝の口や日本の都市部と比べ、お世辞にも良いとは言えない。 リニアレールは設置こそされているがそれはミッドチルダ全域を山手線の様に円上に走っているのみであり地上本部のある中心部、首都クラナガンへ向かうにはバス等が主流となっている。 この背景には太陽光発電や水素と酸素を化合させ、発電する燃料電池など環境に配慮した所謂エコカーが低価格で普及しており、 地球と比べ軽自動車クラスなら一般家庭でも容易に手が届くことで、車社会に拍車をかけている要因として挙げられる。 特に最寄りの駅まで徒歩40分以上かかるなど公共の交通機関があまり充実していない六課の周辺地域はそれが顕著だ。 そしてカーメンマンが浮かない顔をしているのは今回のリニア利用の件だけでなく、アジトからかなり離れた場所にあるスーパーへ買い物に行くヴァンプ将軍を思ってのことだ。 自分達も荷物運びを手伝っているとは言え、決して若いとは言えないヴァンプが週に何回も店とアジトを往復している姿を見ると「手続きが面倒だから」「動力部の規格を変更すると高いから」と言って持ち込まなかった事を申し訳なく思う。 他にも理由はあるがそれが一番大きな理由だ。 「カーメンマン、ありがとうね。皆の為に色々と考えてくれているだけで、私は充分に嬉しいよ」 「ヴァンプ様…」 いつもの温厚さに加え、ヴァンプの表情はどこか嬉しそうな感じだった。実の所ヴァンプはカーメンマンが悩んでいた事も、それが車に関する事であったのも知っていたのだ。 なぜならちゃぶ台のカーメンマンがよく座る周辺には「管理世界への規格外車持ち込み手続きのパンフ」や「動力部変更の見積りサービスのチラシ」等が置いてあったからだ。 だがそれがなくとも長い付き合いである彼らには何となく察しが着いていたようである。 「こういうの(リニア)に乗れるのって滅多に無いからね。それに歩くのだって立派なトレーニングだよ? 買い物と一緒にやれば一石二鳥だと思うの、私。だからカーメンマンが悩むことはないと思うよ」 「そーそー、車だってアントキラーに預けてあるんだろ?だったら別に良いじゃんかよ」 「それが余計に心配だっつーの!!あぁ絶対キズ付けるってアイツ。コ○ルカモ補償入ってないのに~」 「も~考えすぎだよカーメンマン。アントキラーはとても君の事を大切にしているんだよ。兄弟なんだし信じてあげる事も大切だと思うの、私」 槍と盾を網棚に乗せ、ヴァンプはいつの間にか寝てしまったウサコッツを抱えながら、カーメンマンをやんわりとたしなめる。カーメンマンは(アントキラーに関して)納得のいかない様子で、サングラス越しに景色を眺めながら「ウ~ン」と唸っている。 だが実際の所、アントキラーは兄の車をマンションの地下駐車場にシートをかけて丁寧に保管しており、自身の負担で車検やメンテナンスにも出している。そして遠出をする際には専ら、中古で購入したヒーロー風の赤いバイクを乗り回しているのだった。 そしてメダリオの「所で何でまたこのメンバーで行くんですか?」と言う問いにヴァンプは「やっぱり知ってる顔ぶれでいった方が向こうも安心するでしょ」と答えた所でちょうど聖王医療院前へと着いた。 ヴァンプ達は院内へと向かうのだが、普段常に持っている筈の『何か』を忘れていたのだった… ~聖王医療院、内科特別病棟・個室203号室~ 「おぉ~よく来たなヴァンプ!!」 くたびれた頭巾を被った老人、ミレガスはベッドから身を起こし点滴と腕を繋がれながらも元気そうに迎える。 「ミレガス樣、お久しぶりです」 思ったよりも元気そうな姿に安堵しながらヴァンプはセンヌキヤのフルーツバスケットを手に深々とお辞儀をし、他の怪人達もそれにならい挨拶をする。だがそれも「あ~そう畏まんな」と一蹴されてしまう。 「いえ、でも思ってたよりもお元気そうで良かったです。肺に影って聞いた時は心配しましたから…」 「まぁ良性だったからなぁ~それにこんなナリ(改造人間)だがこっちにもその手の技術があってな、医療技術も保険もミッドのが良いからこっちに来たのさ。 おかげでこの通りピンピンだ。いやぁ~しかし悪いな、折角来てくれたのにこんな状態で」 「そんな無理をなさらずに、ミレガス樣にはミッドチルダ渡航の手配をして下さいましたし…また日を改めてお礼に伺います」 「ま、こっちにもそれなりのパイプがあるって訳だ。だから礼なんぞ気にすんな 。ちゃんと次元征服に向けてのノウハウを学んでくれりゃあ問題ないからな」 「あ…はい、私たち頑張ります!!」 ミレガスの元フロシャイム参謀とは思えない言葉にヴァンプ達は表情を引き締めて答える。その後はミッドチルダでの暮らしや最近仲良くなったはやて達六課の人々の話などに華を咲かせ、平和な時間が過ぎていった… ~ミッドチルダ山岳地区リニアレール付近~ 「皆よく頑張ったね。それに初陣とは思えない位よく動けてる。これはメニューを組み直さないといけないかな…」 空中のガジェットを迎撃していたなのははキャロがフリードの制御に成功しエリオと共にガジェットを殲滅、ティアナとスバルもエリックを確保出来たと言う連絡が届き皆が無事だったことに安心していた。 だがそれ以上に嬉しかったことがある。それはフォワード陣の活躍だ。正直に言うともう少し手こずるかと思っていたが、皆が冷静に対応し予想以上の動きを見せてくれた。教え子達の思いがけない成長を思うとデバイスを握る手にも俄然、力がこもる。 「後はスバルとティアナが貨物車から客車を通ってリィンと合流、そして私たちが残りの空域にいるガジェットを殲滅すればミッションコンプリートだね。頑張ろう、フェイトちゃん」 「うん。エリオとキャロも頑張ったんだし、私たちもウカウカしてられないよ」 だがなのはとフェイトの二人が残りのガジェットに向かおうとした時、ロングアーチから緊急連絡が入った。 『こちらロングアーチ、衛星カメラにて現場に高速で接近する未確認物体を確認!!距離…これは!?』 「どうしたのシャーリー?」 『こちらでも確認できたです!!現在は減速してるですが最高瞬間速度は78km/s、とっても速いですぅ!』 リィンのから報告を聞き、なのはとフェイトは二人の驚きに納得しつつも警戒レベルを上げる。瞬間的とは言え秒速78kmを叩き出すような相手だ。 このタイミングで現れると言うことはガジェット側の援軍である可能性が高い。そう思い身構えていると予想外の事が起こった。 私たちを囲んでいたガジェットの群れが、やっと視認出来る距離にまで接近しているアンノウンに向かっていき、攻撃を仕掛けたのだ。 まるで私達よりもアンノウンの方が脅威であると判断したかのように…そして内包しているミサイルやレーザーを一斉掃射する。 対するアンノウンは光る微粒子を撒き散らし、赤い光を放ちながら輝いていた。 赤く発光している為に詳細な姿はまだわからないが、ソレは雨霰の如く降り注ぐミサイルやレーザーをまるでその隙間を縫うように舞い踊る様に、残像を残しながらアクロバティックな動きで回避する。 さらにそのすれ違い様に、発光しているソレは迫り来るガジェットの群れを体当たりで貫いていった。 そして半数以上のガジェットが撃墜された所でソレから赤い輝きが消え、姿を表した。 光が消えた先に有ったのは小さな体。 サッカーボール位の鮮やかな黄緑色をした小鳥の様なぬいぐるみとその下に抱えられている角が生えたオレンジ色の猫型ぬいぐるみ。 そのクチバシや角にはガジェットの物と思われる塗料や鉄屑がこびりついている。 そこでなのはとフェイトは思い出す。忙しかった為にまだ顔合わせ程度の挨拶と自己紹介しか済ませていないが、フロシャイムに所属している子達、確かデビルねこ君とPちゃん改だった筈だと… ならば援護に来てくれたのか?否、ここで楽観視する訳にはいかない。 相手はまがりなりにも悪の組織だ。レリックを目当てに現れた第三勢力の可能性だってある。 私達が会ったときの印象、はやてやリィン達ヴォルケンリッターからの話を聞いた限りでは信じたいが公私を分けて行っているのかもしれない。 そんな緊張感が漂う中、二人?は私達には特に何もせずにリニアへと向かう。やはりスターズの二人が持つエリックが狙いなのか? すぐさま追いかけたいが周りにはまだガジェットが残っている為、そのまま行けばガジェットもセットとなりフォワードが新たな危険に陥る可能性がある。 だがその愛らしい襲撃者達はまだスターズの二人がいる筈の貨物車を通り越し、客車の屋根を突き破って車両内へと入っていった。 なぜ遠回りをするのか、待ち伏せか、あるいは客車にもレリックがあったのか?様々な可能性が頭をよぎる。 そんな時、ロングアーチのはやてから直接通信が届いた。 『なのはちゃん、フェイトちゃん心配あらへん。あの子らは敵やない…残りのガジェットの掃討を頼むわ』 「………はやて、信じても大丈夫なんだよね?」 無論フロシャイムをという意味だが、フェイトはディスプレイに映るはやての表情を確かめながら問う。 『あぁ、大丈夫や。せやからそのデカイ胸をドンと張って行ってきぃ』 はやての表情や様子からは焦りなどは見られない。寧ろジョークを言える位の余裕はあるみたいだ。 つまり私達がまだ知らない何か判断材料があったのだろう。そう考えるとなのはは自然に頬が緩んでいた。 「わかったよはやてちゃん、後でお話聞かせてね。行こうフェイトちゃん」 なのはは先程のはやてのセクハラに狼狽え、赤面しながらあぅあぅ言っているフェイトを連れて残りのガジェットの掃討へ向かう。 最後に笑顔で「それとさっきのセクハラ、次はないからね?」と言い残して… ~六課、ロングアーチ指令所~ 「はぁ~さっきのなのはちゃん恐かったわぁ~」 二人との通信を切ったはやては息を吐いて緊張気味になった体を落ち着かせる。そして表情を改めて引き締め、 部隊長の顔へと戻した。レリックも確保した。フォワードも無事、残りのガジェットも両隊長が当たるので問題はない。 後は事後処理や各所への通達、報告書の提出などを指示するだけだ。 「しっかし色んな意味で予想外やったなぁ…」 ふと口から漏れたのはフロシャイムの事だ。正直、あそこまで圧倒的な戦闘力だとは思ってなかった。 しかもそれがたった二人の怪人(大半はPちゃんの活躍かもしれないが)とあれば尚更だ。 そして現場に現れた目的、それも意外なものだった。はやても当初二人の姿を見た時はなのはと同様に、様々な可能性を考えた。 そこでアジトに確認の為の電話をかけ、応対した1号から話を聞いた時は安心して肩透かしを食らったくらいだ。 電話に出た1号の声は焦っていた様で、寧ろ向こうからかける所だったらしい。事の真相はこうだ。 フロシャイム本部からガジェットの資料がFAXで届き、その注意欄に「最新では山岳地帯リニア付近での目撃情報あり」と記されてあり、今日リニアを利用しているヴァンプ達を心配した2号がまず携帯に連絡したのだ。 だが電源が入っていなかった為に連絡がつかず、目的地である病院に着いたから電源を切ってあるのかと考えたが…フロシャム製GPSでの反応は山岳地帯を通過中のリニア内部を示していた。 そこで待機中だったデビルねことPちゃんで現場に急行し、1号が六課に問い合わせようとしていたという訳だ。 だが乗客の避難が完了済みの車両で何故反応があったのか?そんな疑問が頭に浮かぶが自分である仮説を立てて、納得してしまった。 「ヴァンプさん携帯とかはいつもアレ(盾)に入れとるからなぁ~まぁ多分、網棚か何かに忘れてったんやろ」 このタイミングでは出来すぎた話にも思えるが、相手がヴァンプだとありあえるかもしれない。 そう結論つけ、ため息を吐くとはやては次の指示をロングアーチに出していった。 ~山岳地帯リニアレール内部~ 「で、アンタ達はそのヴァンプって人が心配でここまで来たって訳ね?」 「うん。でも良かった~荷物を忘れてただけで」 オレンジ髪でツインテールの少女、ティアナは「荷物ねぇ…」と不機嫌そうに呟き、デビルねこから先程はやてが聞いたのと同じ様な説明を聞いていた。 少し前に聞こえた何かを突き破る轟音に気づいたティアナ達はすぐさま音のした客車へと急行したが、 彼女らが目にしたのは大きな盾と槍を引きずる猫とまるで置物の様に動かない鳥だ。 一応話を聞き、ここに現れた目的と部隊長と交流がある事はわかった。 ちなみに彼女が不機嫌なのは決してデビルねこに対してではない。自分の相方の行動に青筋を立てているのだ。 「ティ、ティア~この子すごい、すごいフカフカだよ!?低反発だよ~」 そしてその件の相方、青髪でショートカットの少女スバルは動かないPちゃん(充電中)を抱え、その抱き心地に感動していた。 遭遇してからティアナが話を聞き終えるまでずっとこの調子である。 「うっさい馬鹿スバルっ!!今はまだ作戦中なんだからいい加減にしなさい」 流石に許容出来なくなったのかティアナはスバルをしかり付け、いくらかおとなしくなったが(Pちゃんを離さないまま)「ティアも抱っこしたい癖に~」とぼやいていた。相変わらず鋭いと思うが今は任務が優先だ。 「とにかくこれからリィン曹長、私たちの上司と合流するからアンタ達も一緒に来て。流石にここに置いて行くわけにはいかないから」 「あ、リィンちゃんもいるんだね。わかった!!」 リィン曹長とも知り合いだったのかと意外に思ったが、自分の上司と彼らが戯れている姿を容易にイメージが出来、つい気持ちが和んでしまった。 自分もスバルの事を言えないなと苦笑してしまう。 そして自身よりも遥かに大きい盾と槍を抱え、ズルズル引きずりながらついていこうとするデビルねこを見ていると、 何か胸にくるモノがありどこか放っておけない。 「ほら、持ってあげるから貸しなさい」 「え!?そんな何かわるいよ。あんまり重くないから大丈夫だし…」 やはり断られた。でもさっきの様な姿を見ているとお節介だと感じつつも、つい世話をやきたくなってしまう。 「だったら証拠物件として預かるわよ。一応現場にあった物だし、それに大切な人の物なんでしょ?だったら丁寧に扱わないと傷むじゃない」 そう言うとデビルねこはう~んと考え込んで「うん、じゃあお願いします」となり、スバルはその隣で「素直じゃないねぇ~ティアは」と言ってニヤニヤとティアナを見ている。 この際スバル(馬鹿)は無視しようとティアナは思った。そして盾と槍を預かった彼女はそのままデビルねこもヒョイと脇に抱え、デビルねこは「え?」と声を出す。 「こっちの方が早いでしょ?それにもうリニア内でガジェットの反応も無いから別に問題無いわよ」 「あぁ~ティアずるい!!私もねこ君抱きたかったのにぃ~」 「うっさい!!アンタはその子(Pちゃん)がいるでしょうが。ほら、早く行くわよ」 自分を羨ましがるスバルを連れてリィンと合流する為に先頭車両へと向かう中で、ティアナはデビルねこの何だか体に馴染む抱き心地に不覚にもクセになりそうと思ってしまう。 そしてこの時、彼女はわからなかった。これから時間がある時はフロシャイムのアジトへちょくちょく足を運ぶようになるとは… 「ねぇところでさ、Pちゃんの嘴やねこくんの頭にかけらとか汚れとかついてるけど…大丈夫なの?」 「ん?あぁさっきガジェットにいっぱいぶつかっちゃったから…でも大丈夫、案外脆かったから全然たいしたことないよ」 さらりと何かとんでも無い答えが聞こえた気がするが、ティアナはデビルねこの抱き心地に意識を向けることで、あえてスルーをした。 『天体戦士リリカルサンレッド』この物語はミッドチルダにて繰り広げられる善と悪の壮絶なる闘いの物語である――― 続く おまけ ~フロシャイム西東京支部~ 「おぉ、ヴァンプか!!先程お前から送られてきた報告書が届いてな、今見ているところだ」 受話器を片手に資料を読んでいるヘンゲルは現在それを送ったヴァンプに確認の電話をしていた。 「うむ、ミッドチルダの社会体制、内情、司法組織の内容が実によく纏められておる。 たった2ヶ月足らずでこれ程とは流石ヴァンプ将軍、侮れぬ男よ…」 ヘンゲルはよく纏められているヴァンプの報告書の出来に嘘偽り無い称賛の言葉を送る。 だがディスプレイに表示されている六課、主に隊長陣の戦闘映像(撮影 Pちゃん)については多少不満があったようだ。 「しかし資料にある戦闘映像…なぜ横からの視点しかないのだ?飛行タイプの怪人であればこれで事足りるだろうが、フロシャイムには飛べない怪人も多い。 次に資料を送る時には様々な、そして怪人たちの視点、即ち真下と斜め下からの映像も追加し、三次元の立体的な動きを把握する必要があるだろう。あぁ、では次回も期待しているぞ」 「あの、ヘンゲル将軍」 「何だサミエル?」 報告書の改善点を伝え、通信を切ったヘンゲルに対して傍らに控えていたサミエルは声をかけた。 「将軍の意図は理解しています。勿論もうひとつの意味も…しかしなぜ斜め下も必要なのですか?真横と真下で充分だと思うのですが…」 サミエルの問いにヘンゲルは深い溜め息を吐いてから口を開く。 「サミエルよ、わかっておらんな…大事のはチラリズムだ」 「………………」 ---智将ヘンゲル、彼のIQは150を超えると言う------ [[前へ リリカルサンレッド4話]] [[目次へ リリレッド氏]] [[次へ リリカルサンレッド6話]]
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1330.html
「――どうも、私の連れが知らぬ事とはいえ、なのはさんのお知り合いの方に、大変な粗相を……」 クロは慇懃に頭を下げ、ヤンに謝罪した。 「いや、あの状況なら、そのような誤解を受けても仕様がないだろうし」 「でも……」 「クロさん」 「はい」 「過ぎたことさ、水に流そう。それに」 ヤンは目の前で棺桶を担いで佇むクロ、ヴィヴィオときゃいきゃいとはしゃいでいるニジュクとサンジュ、そして、 「てるてる坊主、てるぼうず……」 また簀巻きにされて枝に吊されているセンを見て、 「君たちのこれからを、考えなくてはね」 そう言った。 「ヤンさん……」 「私も、別次元からの転移組なんでね」 「ッ! そうでしたか……」 「とは言え、事情はかなり違っているのだけど」 ヤンは苦笑して、後頭部を掻き回す。 「でも、気持ちは解らなくもないんだ」 「……恐れ入ります」 そして、ヤンはなのはに顔を向けると、 「と言うことで、なのは、彼らのことをほんの二、三日、君の家であずかってもらえないかな」 唐突な、お願いだった。 「……えッ、でも」 「君の言いたいことも、もちろん解る。けどね」 ヤンが言葉を続けようとした時、 「ねぇママ、見て見て♪」 ヴィヴィオが嬉しそうに駆けてきます。 「ヴィヴィオ、今大事なおはな、し、……えええッッッ!!!」 娘の姿に素っ頓狂な声を上げたなのは。 「ちょっと、何て……」 言葉が続かない。 「おおッ、これはまた……」 苦笑しつつ、やはり驚きを隠せないヤン。 それもそうです。今のヴィヴィオは色とりどりのまだら模様。全くサイケデリックな現代アートそのもの。 クロ以外の大人が絶句するのを横目に、ヴィヴィオはニコニコ顔。 「えっとね、ニジュクとサンジュ、すごいんだよ。色んなお花や木から色を分けてもらってね、ヴィヴィオに着けてくれたんだよ♪」 「へえ、綺麗なものだね」 平然とした口調で、しかし微笑みながらクロは言いました。 「えへへ」 ヴィヴィオは得意顔です。 「あの子達は、指先から色々なものの色を吸い上げて、それを他のものに移し替えることが出来るんですよ」 事もなさげに、クロはなのはとヤンに説明した。 「大丈夫、タオルで拭いたり、服を絞ったりすれば簡単に落ちますから」 「それって、魔法、ですか?」 なのはの問いかけに、 「さあ、どうなんでしょうね……」 また、あの双子に駆け寄ろうとしているヴィヴィオを見ながら、クロは言った。 「成る程、これでは尚更、無条件で管理局の保護を受けさせられないな」 ヤンは言った。 「提督?」 「なのはも見ただろう、あの子達のあの能力」 「はい」 「クロさん、あの子達には、まだ」 「ええ、まあ、まだいくつか力が」 「だそうだよ、なのは」 些か厳しい表情になる、ヤン。 「私は、あの子達を、魔導研究の材料として、供するようなマネはしたくない」 「提督……」 「あの子達は、生きているんだ。解るね」 「……はい」 「それでなくとも、彼らはこちらに来て日が浅いなんてものじゃなく、あまりに突然来訪したんだ。心の整理が必要だ。だから」 また、三人のきゃいきゃいとはしゃぐ様子を見て、いつもの柔和な顔に戻り、 「私の我が儘、聞いてくれないかな」 ヤンは言った。 「少なくとも、彼らが最も心を開ける存在は、現時点では君たち以外にいないのだからね」 その言葉に、なのははクロを見る。 顔は平然としていたが、その眼は、一抹の不安を隠しきれない様子だった。 「――了解しました、ヤン提督」 「なのはさん?」 「そうか。すまない」 「いえ、提督の仰ることも理解できますし、それに」 三人のはしゃぐ子供達を見て、 「あの子達を一緒になって捜した仲ですし」 「なのはさん……」 なのはは、クロに無言で頷いた。 「解った。では、君には彼らのことを宜しく頼むとして、後の書類やら交渉やらは私の方でやっておくよ」 「えっ、でも」 「いや、これは飽くまでも私の我が儘なのだから、そう言った一切の面倒な事は、 私がやるのが礼儀だよ。違うかい、なのは?」 と言いつつヤンは、 「でも、実際の所、面倒くさいけどね」 肩をすくめて笑った。 その様子に、 「もうッ、提督ったら」 「全く……」 二人はくすくすと笑った。 そんな三人の間を、優しく風が吹き抜ける。 「さて、人を待たせてるのでね、そろそろ私は行くよ」 「ヤンさん」 「なんだい、クロさん」 「本当に何から何まで、ありがとうございます」 頭を下げるクロ。そこには慇懃さはなく、真摯さのみがあった。 「困った時はお互い様さ、それじゃあ」 そう言って背を向け、ヤンは歩き出した。 そして、二人に聞こえるように、独り言。 「全くね。本当だったら、本日の休暇は無限書庫で、久々に優雅に読書を嗜むはずだったんだ」 ベージュのスラックスのポケットに手を入れて、歩く。 「そうしたらね、今駐車場で待っている奴が、『最高のブーメランが出来たから見てくれ』と来たもんだ」 子供達に向かって、歩く。 「そして、無理矢理私は、ここに連れてこられた」 ニジュクとサンジュの目の前で足を止め、空を見上げる。 その場にいた者達は、つられて見上げた。 ぽつりぽつりと雲の浮かぶ蒼空を、一筋の飛行機雲が切り裂いていた。かすかにキーンと音を立てながら。 「でも」 そして、双子の前にしゃがみ込み、 「君たちと出会えたこと、それには感謝しないといけないね」 微笑んで二人の頭を優しくなでた。 「おいちゃ、いっちゃうの」 「おじちゃん、もうあえないの」 二人とも、寂しそうです。 「うん、私も色々と忙しくてね」 ヤン提督も、寂しそう。 「でも、君たちが元気に、良い子にしていれば、会えるかも知れない」 「ほんとに?」 「ああ」 「ほんとうに?」 「もちろん」 提督は二人の頭をまたなでました。 「『魔術師』のおじさん……」 いつの間にか、ヴィヴィオも傍にいました。 その頭も、提督は優しくなでます。 「おじさんの歴史のお話、とても面白いから、今日も聞きたかったのに……」 「ごめん、それはまた今度だ」 そして、 「でも、その時は名前で呼んでもらえると、嬉しいかな」 そう言って、また歩き出しました。 「おいちゃ、ばいばい」 「おじちゃん、またね」 「おじさん、絶対だよ」 三人に振り向いて、ヤン提督は手を振り、そして、森の中に消えていきました。 「いい人ですね」 「管理局でも、あの人を悪く言う人は少ないですよ」 「でも……」 何か言いかけて、クロは頭を振った。 「いえ、何でもないです」 「クロさん?」 「それより、なのはさん」 「はい」 「本当に、お世話になっても、良いのでしょうか……?」 遠慮がちに、クロは尋ねる。 「何しろ、私たちは……」 「はい、そこまで」 何かを言いかけたクロを、手でなのはは制す。 「なのはさん?」 「確かに、ヤン提督のお願いだから、ッていうのもあります」 「はぁ……」 「でもね」 なのはは、まだきゃいきゃいと転げ回っている子供達を見た。 「せっかく、出会ったんですから。運命のいたずらかも知れないけど、私達、出会えたんですから」 そして、クロをまじまじと見つめ、 「もっと、お互いのこと、知りたくないですか」 そんななのはを、ただ無言で見つめるクロ。 「だから、お世話させて下さい」 にっこりと微笑んだなのは。 「これは、提督の我が儘でもあるけど、私の我が儘でもあります、えへへ」 屈託のない、笑顔。 嗚呼、とクロは思った。 この人になら、と思った。 そして、 「こちらこそ、申し訳ありませんが、宜しく、お世話になります」 深々と、頭を下げたのだった。 かくして、二つの世界は交わった。 しかし、何時かは別れの時が来ます。 だが、それが何時来るのかは、誰も未だ知らず。 だが、それが旅を続けるということです。 であるなら、彼らの別れは如何なる物になるのか。 だから私は、この一期一会は、きっと、幸せなものになると信じたいのです。 『棺担ぎのクロ。リリカル旅話』 第一章・了 「あのう、……俺、何時までてるてる坊主やらなきゃいけない訳? て言うか、俺、ここでもこんな扱い?」 まあ、当然じゃないですか? 戻る 目次へ 次へ