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絶望の罪人~大災害、そして終わらない宴~ ◆jiPkKgmerY 「ふはっはっはは……は、はははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」 破壊の権化が占領する空に最強の吸血鬼が吸い込まれていく。 その破壊を待ち望んでいたかのように両手を広げ、明確な死へと向かって、距離を詰めていく。 「――だがな」 不死王は不意に動いた。 先程までの爆笑は一瞬で鳴りを潜め、虚しげな笑みを浮かべたまま、男は右腕の十字架を構える。 縦棒の短い方を、近くに飛ぶ瓦礫へと向けた。 「貴様に殺される訳にはいかんのだよ」 まるでロケットランチャーを発射するかのように十字架を構え姿勢で、男は呟く。 ――そして十字架から黒い流星が発射された。 流星は狙いすました通りに瓦礫に直撃、周囲に真紅の花を咲かせ烈風を巻き起こす。 その真紅に全身を舐められながらも不死王は烈風に弾き飛ばされ、地面へと落下、易々と着地した。 同時に破壊の権化が急速に空気の中へ溶けていき、消滅。 不死王は死の光球からの脱出に成功した。 「化物を倒すのはいつだって人間だ……人間でなくてはいけないのだ!」 その言葉は誰に向けられたものか。 男、アーカードは破壊が消え再び広がった青空へと叫んだ。 「……さて大分飛ばされたな」 瓦礫の山と化した市街地を見渡す。 周りにあの素晴らしい闘争を与えてくれた人間達は居なかった。 だが、アンデルセンやあの剣士があれで死ぬとは思えない。 という事はあの場所に再び集結する可能性もあるか? 「……まぁ良い、時間は山のようにある。何をしても無駄ということは無いだろう」 アーカードは十字架を片手に握り空を見上げる。 十字架―――これにはガトリングとランチャーが備え付けられている。 このドクロの持ち手がトリガー、回転させる事により切り替えを行うらしい。 気付いたのは先の剣士との戦いの直前。 十字架を包む小汚い布を取り去った時だ。 明らかに通常の十字架とは違った風貌、少し観察するだけで気付いた。 早速、光球の脱出に利用させてもらったが、成る程、凄まじいまでの破壊力を有している。 「だがこれでは面白くないな……」 吸血鬼さえも殺しきるであろう兵装。 人間相手に振るうにはあまりに過ぎた兵器。 だからこそ、アーカードは先のセフィロスとの戦闘でパニッシャーの真の力を使わなかった。 それでは余りにつまらないからだ。 それでなくともアーカードは異常な力を持っている。 力を出し惜しみするつもりでは無いが、この武器は強すぎる。 アーカードの身体能力でパニッシャーを扱えば、それこそ誰が相手であろうと戦闘を楽しむ暇すら与えられないだろう。 だからこそアーカードはパニッシャーを銃器としては使用しなかった。 使うとしたら、それは更なる強者が現れた時のみ。 セフィロスやアンデルセンのような、いやそれすらも越えた強者。 それは更なる力を発揮した彼等自身かもしれないし、また全然関係のない別の人物かもしれない。 アーカードはパニッシャーから延びた紐を肩に掛け、空を見上げる。 彼の大嫌いな太陽がそこにはあった。 「十字架の武器とはな……この武器の持ち主は吸血鬼ハンターか?」 吸血鬼ハンター――自身の口から出た言葉にアーカードは自分を従えるマスターの姿を思い出した。 ――主人、お前は今どこで何をしている? お前が命じない限り私は止まらない。 ヘルシングの狗としてではなく、ただの吸血鬼として人間達へ平等に死をばらまく。 お前の事だ。誰かと手を組み主催者の打倒を目指しているのだろう。 だが、どうする? お前が俺を止める前に全てを滅ぼしてしまったら? お前の仲間の仲間を殺してしまったら? お前はどうするのだ? 迅速に行動しろ、インテグラ。 ヘルシング局長として。 奴の血を引く者として。 我が主人として。 この遊戯を打ち破ってみせろ。 「期待して待っているぞ」 一笑と共に吸血鬼は歩き始める。 十字架を持ち、日光に照らされてもその吸血鬼は眉一つ動かすことはない。 彼を止めるのは、化け物か、人間か、それとも主か。 吸血鬼は崩壊の市街地を闊歩する。 果てぬ夢はまだ終わらない。 【1日目 朝】 【現在地 G-5】 【アーカード@NANOSING】 【状況】疲労(中) 【装備】パニッシャー(砲弾残弾100%/ロケットランチャー残弾80%)@リリカルニコラス 【道具】首輪(アグモン)、拡声器@現実、基本支給品一式 【思考】 基本:インテグラルを探しつつ、闘争を楽しむ。 1.戦場に戻る。 2.Devil May Cryにて、自分に闘争を挑む人間が来るのを待つ。 3.アンデルセンとスバル達に期待。 【備考】 ※スバルがNANOSINGのスバルと別人であると気付きました。 ※パニッシャーが銃器だという事に気付きました。が、相当な強者にしか使用するつもりはありません。 ※放送を聞き逃しました。 ■ 飛行と言うには余りに無理矢理な方法で、アンデルセンは空を飛んでいた。 着地法など考えていない、というか思い付かない。 この噴出に掛けたカートリッジ一発分の魔力が尽きるまで、アンデルセンはグルグルと回りながら待つことしか出来ないかった。 グラーフアイゼンのラケーテンフォルムによるロケット噴射。 それがアンデルセンの考え付いたエンジェルアームからの脱出方法であった。 宙に巻き上げられてるなか、驚愕に頭を沸騰させながらも迅速にカートリッジを装填し、直ぐにリロード。 ラケーテンフォルムへと移行させ、その推進力で脱出する。 操作不可、カートリッジの消費、不明な着地点、数々の難点があったが、あの時点でアーカードが思い付いた脱出方法はコレしかなかった。 もう一分近く、高速で回り続けている。 流石のアンデルセンと言えど、そろそろ停止を願いたいところであった。 そして空の旅は不意に終わりを告げる。 アンデルセンの行く手に破壊を免れた一棟のビルが現れたのだ。 アンデルセンには避けようが無い。 ただ片手で顔を覆い、衝撃に耐える事のみ。 数瞬後、轟音と共にビルへと突っ込むアンデルセン。激突した箇所がガラス窓だったのは幸運と言ったところか。 「チッ、ここは何処だ……」 ガラスにより負った切り傷の治癒はもう始まっていた。 アンデルセンは立ち上がり元の姿に戻ったグラーフアイゼンを拾い上げる。 部屋を見渡すが人の気配は無し。 アンデルセンは近くに置いてあった椅子を寄せその上に腰を下ろすと、デイバックから水を取り出し喉を潤した。 次いでカラー印刷された地図を取り出し、目を通す。 「駄目だな、目印になる建物がねぇ」 だが数秒で地図を仕舞う羽目になる。 地上本部など、目印となる建築物が見えない状況で位置を把握できる程アンデルセンは測量に詳しくない。 「さて、どうする……」 位置確認を諦めたアンデルセンは、椅子を揺らしながら思考を巡らす。 現在の第一目標はアーカードの討伐。 だが、今から先程の場所に向かうにしても瓦礫だらけとなり目印が一つもない状況で辿り着ける気がしない。 ならば先の光弾が発射された方に向かうか。 あの光弾は南東から飛んできた。 おそらく化け物の一人が狙い撃ったのだろう。 異常な破壊力、異常な射程、おそらくはアーカードにも迫る化け物の仕業。 コイツから狩るのもまた一興。 その次いでにはぐれたヴァッシュの探索でもすれば良い。 「待ってろよ、化物(フリークス)共」 光弾を撃った人物、アーカード、ミレニアム――――この場には塵に返すべき塵が多すぎる。 いや、これ程の量の化物共を一層できるのだ、寧ろ好機と受け取った方がいい。 これもまた神の導き。憐れな狂信者はそれに従うのみだ。 「Amen」 数分にも満たない休息の後、アンデルセンは日に満ちた市街地へと足を踏み出した。 彼の目には僅かな迷いも存在しない。 神のため、法皇のため、何より自分が自分であるため、アンデルセンは進み続ける。 【1日目 朝】 【現在地 G-6】 【アレクサンド・アンデルセン@NANOSHING】 【状態】疲労(中) 【装備】グラーフアイゼン(0/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】各種弾薬(各30発ずつ)、カートリッジ(23/30)、レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER 杖@ゲッターロボ昴、基本支給品一式。 【思考】 基本:この場から脱出する。売女(プレシア)の言う通りにするつもりはない。 1.南に向かい、光弾を放った化物を殺す。ついでにヴァッシュを探す。 2.仲間を集める。また、優しい神父として振る舞う。 3.最後の大隊は皆殺し。 4.異教徒共と化け物については一先ず保留。ただし、殺意を抑えられるか……? 5.脱出に必要な情報を集める。 6.脱出が不可能な場合は優勝を狙う。 【備考】 ※第九話終了後からの参戦です。 ※制限に気付きました。 ※クアットロが魔法少女リリカルなのはStrikerSからの参戦とは気付いていません。 ※グラーフアイゼンはアンデルセンを警戒しています。 ※アンジールを最後の大隊の構成員だと判断しました。 ※放送を聞き逃しました。 ■ 覚醒を果たした時、セフィロスは既に空中へと舞上げられていた。 瞬時にセフィロスは事態の異常に気付き、状況の理解に努めた。 ――白色の世界。 ――宙に巻き上がる瓦礫、そして自分。 ――その先には、凶々しい光を放つ巨大な球体。 ――あの光球はマズい。 そう判断したセフィロスは、宙に翻弄されつつも片翼を発動し、服を掴んだまま気絶しているはやて毎、空を疾走した。 そして辿り着いたのは一つのビル。 しかし片翼発動の疲労、アーカードから受けたダメージが重なりセフィロスは屋上に舞い降りると共に気を失った。 数分後、目を覚ましたのは八神はやて。 また助けられたことに気付き、再び自己嫌悪に陥りかけるが、頬を叩き無理やりに活力を注入。 セフィロスを引き摺る形でビルの中に身を隠した。 それからはやてのしたことは、自分、そしてセフィロスのデイバック漁り。 どんな些細な物でも良いから、セフィロスの治療を促進できる道具が無いか確かめるためだ。 だが、セフィロスのデイバックには武器と基本支給品しか入っていない。 自分のデイバックもそう。 前に確認した通り、マハとデュエルディスク以外の支給品は入ってなかった。 何も出来ない――――再び自分の無力さを思い知らされる。 失いたくないのに。 リインや、シグナムのように、もう誰も失いたくないのに。 自分は何も出来ない。何が夜天の主、何が歩くロストロギアだ。 大切な人さえ救えない私にそんな大層な名前を名乗る資格なんてない。 はやては傷心を抱え、ただうなだれることしか出来なかった。 ―――この時、幸運の女神が笑い掛けてくれていることにはやては気付いていなかった。 俯くはやての足元に転がっている古ボケた小さな巾着袋。 つい先程、はやてが引っくり返したデイバックから転がり落ちた物だが、はやてはそれに気付けなかった。 それは先に行った支給品の確認の際にも、あまりの小ささに気付く事がなかったアイテム。 はやては知る由も無いことだが、その中には大豆のような豆が二個だけ入っている。 食糧の一種、という訳ではない。 それは食した者の身体を完全に回復させる魔法のような代物。 名は仙豆という。 制限により全快とまではいかないが、一粒食べさせるだけセフィロスの身体は大幅に回復する筈だ。 だがはやては気付かない。 思考を止め、自己嫌悪の殻に閉じこもってしまっている。 「セフィロスさん……」 喉から手が出る程に求めている物が直ぐ足元にあるのに、少女はただ涙を流し続ける。 罪悪感がその純粋な心を蝕み続ける。 螺旋階段を一段一段降りていくように、少しずつ少しずつ増していく自責の念。 それは真綿で首を締めるようにはやてを苦しめていく。 苦心のはやてはそれに気付き、セフィロスを救うことが出来るのか? それは神のみぞ知る、だった。 【1日目 朝】 【現在地 F-5 ビルの中】 【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(大)、魔力消費(大)、体中にダメージ 、気絶中 【装備】バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、 【道具】支給品一式×3、 トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、ランダム支給品0~4個 【思考】 基本 元の世界に戻って人類抹殺 0.気絶中 1.状況が落ち着いたら、八神はやてと共に機動六課隊舎へ向かう 2.アレックスに会ったら誤解を解く 【備考】 ※現在行動を共にしている八神はやてが、本物の八神はやてであると認識しました ※機動六課でのことをはやてに自ら話すつもりはありませんが、聞かれれば話します ※身体にかかった制限を把握しました ※アレックスが制限を受けていることを把握しました ※八神はやてが無事なことから、アレックスはゲームにのってないと判断しました ※殺し合いを止めるというスタンスは尊重するが、不可能と悟った時には殺すことも辞さない つもりです ※参加者同士の記憶の食い違いがあることは把握していますが、特に気にしていません ※トライアクセラーで起動するバイク(ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~)は、立体駐車場に埋もれていると思っています。 とはいえ、運転はできないので、無理に探すつもりはありません。 ※「リリカル龍騎」における仮面ライダーの情報を得ました ※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があるのではないかと思っています ※放送を聞き逃しました。 ※ランダム支給品0~4個の中に、治療に使えそうアイテムは入っていませんでした。 ※正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使はG-5・市街地に落ちています。 【八神はやて(A s)@仮面ライダーリリカル龍騎】 【状態】疲労(小)、魔力消費(小)、自己嫌悪 【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、憑神刀(マハ)@.hack//Lightning 【道具】支給品一式 【思考】 基本 殺し合いを止め、誰にも悲しい思いをさせない 0.ごめんな……セフィロスさん 1. セフィロスが目を覚ますまで、見守る 2. 仲間たちと合流 3. アレックスに会ったら、殴ったことを謝る 【備考】 ※セフィロスが自分を知っていることを知りません ※憑神刀のプロテクトは外れました ※憑神刀の中にシグナムの面影を見出しました。憑神刀にシグナムを投影している傾向があります ※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があると思っています ※足元に仙豆が入った袋@ドラゴンボールZクロスが落ちています。気付くか、気付かないは後の書き手さんに任せます。 ※放送を聞き逃しました。 ■ アンジールは呆然と虚空を見詰めていた。 意識はとうの昔に回復した。身体も、ダメージはあるが動けない程ではない。 なのに行動を開始できない。身体に力も気合いも入らない。 遠方にて発生した、超常的な破壊を成した光弾にも、身体は反応しない。 その原因は数分前に流された放送であった。 いや、放送にて呼ばれた一人の名前と呼んだ方が正解か。 『――ディエチ』 感情に乏しい面があったが優しい妹だった。 誰もが当たり前の事だと思っていた戦いという行動に対し、一人迷いを見せていた少女。 機械仕掛けとは思えない「心」を持った少女であった。 「何故だ……」 小さな呟きが小さな応接間に霧散する。 強く握り込まれたアンジールの右手は僅かに震えていた。 「何故だッ!」 テーブルが真っ二つにへし折れた。 アンジールの右手が、感情に任せ叩き付けられたからだ。 だがそれでもアンジールの心は晴れない。心に空いた穴が塞がることはない。 「何故あいつが死ななければいけないんだ……!」 涙は流れなかった。 ただ自分に対して憤怒が湧き上がる。 何もできなかった自分に、何もしていない自分に、怒りだけが募る。 非運などではない。 単純に自分の力が足りなかったのだ。 自分がもっと迅速に行動していれば、自分があの男達を退け先に進めていれば、 もしかしたら助けられたのかもしれない。 ―――何がいけない? ―――何を間違えた? ―――自分はどうすれば良かったのだ? 「俺は……俺は……」 目を覚ました時、奴らは消えていた。 拳銃一丁を残し、全ての武器を奪い、奴らは消えた。 身ぐるみを剥ぎ取り、気絶している自分を放置して何処かへ去っていた。 俺を止める為、わざわざ追い掛けてきてまで自分と戦ったヴァッシュからは考えられない行動。 これが―――気絶した者から武器を奪い、放置する事が、奴の言う殺し合いを止める為の手段なのか? 分からなくなる。 自分は奴を買い被りすぎているのか? これが奴の本質なのか? 「俺が甘かったのか……?」 元々あの狂人とヴァッシュは手を組んでおり、自分はヴァッシュが演じた仮の姿に騙され、殺意が挫かれ、力の全てを出し切れずに敗北。 そして武装を解除され、放置された。 考えてみれば、狂人が行った最後の不意打ちも充分な殺意が込められたものであった。 残された拳銃は精々足掻いてみせろとの嘲りか。 分からない。 ヴァッシュが身を呈し自分と狂人の戦闘を止めたのも事実。 ヴァッシュが自分を殺すつもりがなかった事も事実。 だが最後の狂人が行った不意打ちに殺意が込められていたのも事実。 最終的に、武器を奪うだけ奪って見知らぬ場所に放置したのも事実。 どちらかが偽で、どちらかが真。 ―――長い長い思考の後、アンジールは答えを出した。 「……俺が間違っていた」 それだけ呟き、アンジールは拳銃を片手に立ち上がり、外へと退出した。 ―――俺が甘かったのだ。 奴らは手を組み、参加者を騙し陥れる卑劣な害敵。 最初にヴァッシュが戦闘の間に入ったのも、そういう段取りだったのだろう。 身を呈し、命を賭けたように見せ、信用を買う、それが奴らの手段。 今考えれば可笑しな点もあった。 ヴァッシュは狂人の一撃を腹に受け、口から血を流した。それは内臓にダメージを受けた証拠だ。 なのに、奴は俺と戦闘をする為に駆けて来た。そしてダメージを全く感じられない動きで、自分と同等の戦闘を繰り広げた。 ―――おかしい。狂人の一撃を受け、ダメージを負ったにも関わらず、何故あんな動きが出来た。 ―――考えられる答えは一つ。 ―――つまり、あれは演技。 ―――ヴァッシュは事前に決められたタイミングで間に入り、狂人は事前に決められたように力を緩める。 ―――ヴァッシュは口から血を流しダメージを負った風に見せ、死さえ厭わずに殺し合いを止める戦士に見せ掛けたのだ。 ―――つまり自分は騙されたのだ。 「学ばせてもらったぞ、ヴァッシュ」 そして後は二人で協力し、ヴァッシュは不殺を貫く戦士として戦い自分の油断を誘い、狂人はその油断につけ込み自分を仕留めた。 生きていたのは幸運だっただけ。 奴らもからかいを込めて拳銃だけを残し全てを奪って、何処かに消え失せた。 「俺は甘かった。甘かったから遅れを取り、甘かったから妹を助けられなかった…………だがな、もう二度と間違えない」 ディエチの死を知り、奴らの姦計に気付き、目が覚めた。決意が、固まった。 どんな奴だろうと、妹達以外の参加者は全て敵だ。 妹達に危険が及ばぬよう、全てを排除する。 ヴァッシュも、狂人も、セフィロスも、先程の異常な光弾を放った奴も―――全て殺す。 「これ以上の犠牲は決して出さん。それが俺のできる全てだ」 ―――ヴァッシュがアンジールを放置した理由は、ナイブズとの戦いに巻き込ませない為。 武器を置いていかなかった理由は、アンデルセンが持っている為。 銃を置いていった理由は、せめてもの償いの現れ。 ヴァッシュの行動、その悉くを悪い方、悪い方へと剣士は捉えてしまった。 もし、あの放送で妹の名が呼ばれなければ、まだ冷静な判断ができたのかもしれない。 だが、今のアンジールにはそれが出来ない。彼の中で答えはもう形成されてしまっている。 その考察の殆どが間違っていることなど知らずに、剣士は修羅の道へと一歩を踏み出した。 【1日目 朝】 【現在地 G-6 ビルの中】 【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(小) 、頭部打撲(小)、右脚と左肩に銃創、決意 【装備】アイボリー(7/10)@Devil never strikers 【道具】支給品一式、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:妹達(クアットロ、チンク)を守る。 1.チンクを保護するためにも、スカリエッティのアジトを目指す。 2.妹達以外の全てを殺す。 3.武器を手に入れたい。 4.ヴァッシュ、アンデルセンには必ず借りを返す。 5.セフィロス…… 【備考】 ※第七話終了~第八話、からの参戦です。 ※ナンバーズが違う世界から来ているとは思っていません。 もし態度に不審な点があればプレシアによる記憶操作だと思っています。 ※制限に気が付きました。 ※ヴァッシュ達に騙されたと思っています。 ■ 「あ、あああ、あ……」 様々な戦乱に耐えてきた病院、その残骸の中心にてヴァッシュは一人涙を流していた。 過去に殺した大都市の住民達を思い、泣いているのか? 死んでしまった仲間を思い、泣いているのか? 禁忌の力を発動してしまった事に対して泣いているのか? おそらくどの候補に対しても男は涙を流すだろうが、今の涙はそのどれにも当てはまることは無かった。 「フェイト、フェイト……」 涙に覆われた男の視線は、目の前の死体へと向けられていた。 それは、数十の肉片へと斬り刻まれた惨たらしいバラバラ死体。 ただ不思議なことに頭部だけは傷一つ無く、その死体の正体が誰なのか、男には分かってしまった。 それはフェイト・T・ハラオウン―――厳密に言えば、男が知っている姿から十年の年月を重ねているフェイト・T・ハラオウン―――の死体であった。 しかし錯乱状態にいる男はそれが大人となったフェイトの姿だと気付けない。 ただ自分の手で大切な仲間を殺したことに呻き、涙を流し続きることしか出来なかった。 ―――殺してしまった。 ―――自分の手で、フェイトを、仲間を、なのはの親友を、苦しむ自分を助けようと近付いてきたフェイトを、斬り殺してしまった。 「うあぁぁぁあああああああああああああああ………」 壊れてしまったかのように声帯は意味を成さない音しか出さない。 封印されていた記憶が、自分を支えてくれた仲間の死が、人を――仲間を殺害してしまった事実が、男の精神を押し潰す。 ―――男は怖かった。 ―――また自分の力が制御不能になることが。 ―――自分の意志に反し行動する左腕が。 ―――遭遇する人をまた殺害してしまうことが。 不意に男は立ち上がりその場から立ち去る。 涙を流し続けたまま、左肩を潰すかのように握り締め、人に遭遇しないように――――ただそれだけを望み男は走り始めた。 その両肩から生える翼が、逆光に照らされる。まるでその姿は羽根を生やした天使の如く見えた。 【1日目 朝】 【現在地 H-6】 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA s】 【状態】疲労(大)、精神疲労(大)、悲しみ、錯乱 、融合、黒髪化三割 【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish 【道具】なし 【思考】 基本:どうしたら良いか分からない。 1.誰にも遭わないように逃げる。 【備考】 ※第八話終了後からの参戦です。 ※制限に気付いていません。 ※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。 ※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。 ※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。 【フェイト・T・ハラオウン(StS)@仮面ライダーカブト 死亡】 ※病院が崩れ落ちました。 ※フェイトの死体、デイバッグ、基本支給品、大剣・大百足@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえるがH-6・病院跡地に放置されています。 Back 絶望の罪人~双翼~ 時系列順で読む Next 牙を持つカード 投下順で読む Next 牙を持つカード アーカード Next XANADO セフィロス Next 月蝕 八神はやて(A s) Next 月蝕 アレクサンド・アンデルセン Next Burning Dark(前編) ヴァッシュ・ザ・スタンピード Next Face アンジール・ヒューレー Next 月蝕 キース・レッド Next Reconquista(前編) フェイト・T・ハラオウン(StS) GAME OVER
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喧嘩番長現る ミッドに迫る闇 夜の闇と静寂が支配する荒野で二つの影が戦っていた。 一方は赤い鎧を身に纏い、炎で出来た羽と剣、盾を持つ竜人。 もう一方は赤いマントで全身を覆った、悪魔を連想させる翼を持った巨人。 「あのマント野郎……結構やるじゃねぇか」 竜人の右肩、その上に立つ青年は巨人を正面から満足げな笑みを浮かべ睨み付ける。 この世界に来てから五年間、今回のように気性の荒い奴に襲われる事は多々あったが目の前にいる巨人ほどの強敵はいなかった。 自分の相棒、子分である竜人と共に戦いここまで苦戦したのは五年前に戦った聖騎士達、そしてこの世界の神と戦った時以来だろう。 「兄貴、どうする?」 視線を巨人に向けたまま、竜人が青年に話しかける。 巨人は散々自分達を苦しめた紅蓮の炎を右掌の上に燃やし、いつでも放てる体勢を整えている。 竜人の操る炎と互角かそれの威力を持つ巨人の炎……まともに喰らえばただでは済まないのは巨人の炎で吹き飛び、クレーターが出来上がった大地を見ればわかる。 それに、あの巨人はまだまだ余力を残しているであろう事を青年と竜人は直感的に悟っていた。 「どうするかって? へっ……決まってんだろ!」 竜人の問いかけに青年は笑みを浮かべる。 相手はまだ余力を残し、こちらは最初から全力で飛ばして苦戦している現状からして普通は逃げるべきかもしれない。 しかし、青年に逃げるつもりはない……相手が強ければ強いほど燃えてくると言う物だ。 竜人も最初から青年がそう答えるのは理解しており、両手に構える炎の剣と盾を大剣へと一体化させる。 「行くぜ、シャイングレイモン!」 「おぉっ!」 竜人、シャイングレイモンは大剣を振りかざし巨人へと正面から挑みかかる。 巨人は右手に燃やす炎をシャイングレイモンへと向け、放つ。 「フレイムインフェルノ!」 シャイングレイモンの炎の大剣、巨人の放つ紅蓮の炎。 二つの炎が正面から激突し、荒野一帯を爆発が包み込んだ。 同時刻、樹海の奥深くにその入り口を覗かせる洞窟の最深部でトーレは確保を指示された目標物を発見した。 紫色の毒々しい色をしたタマゴを両手で抱きかかえるように持ち上げ、後ろに控えていたセインが持っていたケースへと入れる。 「しっかし、こんな妙な世界にまで来てこんなタマゴを持ってこいなんて……ドクターは何考えてるんだろうね?」 セインはケースに入れられたタマゴを見やりながら生みの親であるドクター、ジェイル・スカリエッティの指示への疑問を口にする。 今いるこの世界は自分達はおろか、管理局すら存在を知らない未確認の世界。 5年前のある日に突然現れ、協力を申し出てきたあの男からの説明を受けねば知ることは無かっただろう。 「知らん。それに、今回の指示もドクターというより……あの男からの要請だぞ?」 「そうだよねぇ。あいつからの要請素直に聞くなんてドクターらしく無いって言うかさぁ……それで気になったんだけど」 「何か考えがあっての事だろう……あの男の目的はわからんが、何か物騒な連中を手駒に揃えているようだしな」 トーレの言葉にセインは顔を引きつらせ、「あいつ等かぁ」と小さく呟く。 今回の任務にはもう一人、水先案内人と言う形で同行している者がいた。 今は野暮用があると別行動中でこの場にはいないが……内心、セインはホッとしている。 「私、あいつ等苦手……っていうか嫌いだなぁ。何考えてるかわかんないし」 「ここで愚痴を言っても始まらんだろう……目的は達した、さっさと帰るぞ」 「りょーかい」 ケースをセインが抱きかかえ、二人は洞窟を後にする。 同行者との合流ポイントまで向かい、そこで元の世界へと帰還する。 二人が持ち帰ったタマゴが、後に自分達の目的とする計画に与える影響など二人はまだ知るよしもない。 レジアス・ゲイズは手に持っていた書類を軽く読み流した後、ゴミでも捨てるような仕草でデスクの上に置く。 内容は聖王教会の騎士カリム・グラシアの持つ稀少技能、預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)による予言の内容。 半年から数年先の未来を詩文形式で書き出し、予言する能力。 「フン……くだらん」 大規模な事件や災害に関する予言の的中率が高く、聖王教会や次元航行部隊のトップも目を通す物。 しかし、レジアスは自身の稀少技能嫌いもあって好意的には見ていない。 本音を言えば読む前に処分したい所だが、重要書類扱いであるこれを気軽に処分する事など出来る筈も無い。 (この予言……まず間違いなくアイツの事か) 予言に書かれた内容……全てでは無いが、彼は察しがついていた。 旧い結晶と無限の欲望が交わる地 七つの大罪解き放たれ、王の翼は蘇る 悪夢は始まり、大地は終わらぬ蹂躙に汚れ果て やがて、王の翼は海を消し去り全てを闇へと還すだろう この予言の最初の文に書かれた旧い結晶は4年前かた度々発見されているロストロギア、レリック。 残りの部分はさっぱり解らないが、あの男が何か事を起こそうとしているように取れる内容だ。 「今の内に釘を刺すなりしておいた方がいいかもしれんな……」 普段なら気にも止めない所だが、内容の一部を下手に理解出来てしまった為に捨て置く訳にもいかない。 念の為、最高評議会の方にもそれとなく警戒するように伝えようとも思ったが……あの三人はあの男を自分達の手駒と信じ切っている。 伝えた所で「無用な心配だ」と言い返されるのが目に見えるようだ。 「言った所で無駄だな……」 予言が書かれた書類をファイルに閉じ、本棚に仕舞った所で乱暴にオフィスの扉が開かれる。 見ると、自分の秘書であり娘でもあるオーリスが荒くなった息を吐きながら開け放った扉に手をついていた。 普段から生真面目で優秀な秘書の娘が取るにしては乱暴な行動に、何かが起きたのだと察するのに時間はかからなかった。 「オーリス、何があった?」 「中将! 外を……空を見てください!」 言われるがままに後ろの窓から日が沈み、暗くなった空を見上げる。 普段なら夜空を彩る星が浮かぶ空……そこに、有り得ない光景が広がっていた。 「なっ……なんだ、あれは?」 レジアスの視界に映り込む物。 夜空に開いた穴と、その穴から出現する炎の翼と大剣を持つ竜人だった。 同時刻、八神はやては知人との食事を終えて帰路へついていた。 夢にまで見た自分の部隊、機動六課を立ち上げたばかりでまだ色々と忙しい時期故、最初は断るつもりだったのだがどうしても、と半ば強引に誘われてしまった。 どうも知人は連れてきていた管理局の重役に、自分の事を紹介したかったようだ。 (まぁ、コネが一個増えた思って前向きにとらえよか) その重役は決して良い男では無く、むしろ嫌いなタイプであったが、はやては前向きに思考を切り替える。 管理局のお偉いさんとのコネが出来たと思えば、この先色々と都合が良いかもしれない。 (……活用する気は無いけどな) などと心の中で毒づき、帰りのタクシーでも拾おうと駅前まで来た時であった。 何やら、街ゆく人々が一斉に空を見上げている。 「ん? なんや……何か……あ……った……って……?」 その光景に、はやては言葉を失った。 夜空を引き裂くように突如として開かれる大きな穴。 その中よりゆっくりと、炎の翼を持った巨大な何かが姿を現したのだ。 かなり上空にいるのか、姿ははっきりと見えないが、少なくとも鳥や飛行機の類では無い。 「ちょ……なんや、あれ」 何が起きているのかと呆気にとられ、茫然と空を見上げていると、不意に首から下げたデバイスから電子音が鳴り響く。 六課からの緊急通信の際になるアラームだ。用件は聞かずとも解るが、通信に出ない訳にはいかないだろう。 「はい、こちらはやてやけど……用件は空のあれ?」 『はい。突然クラナガン上空に出現した……恐らく、生物だと思われますが』 「せやろなぁ……」 『それと、微弱ながら空間の歪みも検知出来ます……恐らく、異世界の者かと』 映像は無く、音声だけの通信だが相手の……六課で自分の補佐をやっているグリフィス・ロウランの面喰ってる様子がリアルに想像できる。 普段から余り表情を崩さず、慌てない人物だけにその様子を是非とも見たかったが、流石にそう茶化す余裕もない。 『現在、こちらから動けるのはなのは隊長と……』 「あぁ……それより、ちょっと飛行許可だしてくれへん?」 『は?』 「いや、そっちからなのは隊長とか飛んでくるより早いやろし……っていうか、今現場の真下におるんよ」 『……えぇっ!?』 通信機の奥から聞こえてくる、普段のグリフィスからは想像もできない裏返った声。 本当に、どんな表情をしているのか見てみたかった。 「なんかえらい騒ぎになりかねんし、こういう場合はさっさと対応した方がええ」 『は……はぁ、しかし危険では……?』 「危険なのは誰がやっても一緒やって。一応、何があってもええようにそっちでも準備はしといてくれる? ほれ、さっさと許可出して」 『あ、はい。飛行許可、承認しました』 「了解。さて、ほないっちょ行ってきますか」 通信を切り、軽く準備運動のつもりで両肩をぐるりと回してからデバイスを手に持ち、起動させる。 「セットアップ」 全身が光に包まれ、一瞬で茶を基調とした管理局の制服から黒のアンダーと白のジャケット……自身のバリアジャケットを身に纏う。 右手に愛用の杖型デバイス、シュベルトクロイツを握り締め、背中から伸びる六枚の黒翼を羽ばたかせて飛翔し、一気に飛び上がる。 視界に捕えた巨大な何かは、出現した場所で静止して周囲を窺っているのか、目立った動きは見えない。 (すぐに襲われる……って、事は無さそうやけど) 相手が未知の存在である以上、油断はできない。 戦闘にでもなったら、自分も街もただでは済まないだろうと覚悟しつつ、相手を刺激せぬように対応しなければならない。 やがて、はやては目標の……太陽のように紅く燃える翼を持った竜人と、その肩に乗る青年の正面で静止した。 深呼吸し、相手との対話を始めようと口を開いた、その直後だった。 「うぉっ!? 人が空飛んでる!?」 「……は?」 青年のどこか間の抜けた、驚きの声が聞こえてきた。 彼は茶色がかった髪を後ろで軽く纏めた、黒地のノースリーブシャツの上にまた袖の無い赤い上着を着込んだ少年だった。 (歳は、私と同じぐらいかな……? 顔つきからして、日本人っぽい気もするけど……) 見た目からしてそう判断し、さっきの言葉からあまり悪い人でも無いんじゃないか、という妙な安心感すら抱いてしまう。 ハッとなって軽く頭を振って、やや鋭い目つきで少年を見やる。 油断しては駄目だ。見た目や口調で相手を判断するのは危険すぎる、と自分を戒めて再度口を開こうとしたら……。 「兄貴、空飛べる人間っているもんなんだな」 「あぁ、世界は広いっていうけどなぁ」 「……えぇっ!?」 思わず声が出た。 青年はともかく、まさかこの竜人まで人語を使用し、普通に喋れるなんて思ってもいなかった。 しかも、その言葉使いはかなり流暢で思わず感心してしまうレベルだ。 「しゃ、しゃ……喋った……?」 「ん? どうか、したのか?」 「えっ!? い、いや、何でも無いです」 おまけに心配までされた。 中々に気が効くと言うべきか、何と言うべきか。 (って、完全に出鼻くじかれてるやん私!?) 張りきって来てこれでは、何と言うか色々と立場が無い。 あまり空の上で話し込んでいる、と言うのも問題であるし、せめて場所を移すべきかもしれない。 「え、えっと……お二人さん?」 「「何だ?」」 「色々と聞きたい事あるんやけど……ええかな?」 「ん? あぁ、別に構わねぇ……っていうか、俺達も色々聞きたいし、な?」 「あぁ」 青年と竜人、やはり話が解るのか快く申し出に応じてくれた。 ほっと胸をなでおろし、はやては続ける。 「あと、何時までもここに追ったら色々と迷惑掛かるんで……場所移してもええかな? 案内するから」 「あぁ、それもそうか……下、これ街だよなぁ」 眼下の街を見下ろしながら、青年は頷く。 彼らとしても、何時までもこの場にいると言うのは本意では無かったようだ。 「それじゃ、私についてきてな」 「あぁ、行くぞシャイングレイモン」 「わかった、兄貴」 シャイングレイモンと呼ばれた竜人は青年の言葉に頷き、先を飛ぶはやての少し後ろにぴったりついて移動を開始する。 やはり、十五メートル近い巨体が空を飛ぶとなると少しばかり風が乱れるが、はやてが飛ぶのに支障が出る程度では無い。 むしろ、はやてが自身の飛行で巻き起こす風で吹き飛ばぬように遠慮しながら飛んでいるのではないか、とさえ思えるような飛び方だ。 (……流石に、考えすぎかなぁ?) いくらなんでもお人よしすぎないか、自分と心中で苦笑する。 相手が誰なのかも解らないのに、そうそう自分の都合の良いように捕えていい物か。 「大門大だ」 「へっ?」 突然、青年が口を開いた。 「俺は大門大だ。一応名乗っとこうと思ってな」 「あぁ……私は、八神はやて。よろしゅうな」 「おう。こいつは俺の子分、シャイングレイモンだ」 「よろしくな」 青年、大門大と共にシャイングレイモンも小さく頷く。 それを見て、はやては二人を交互に見やって、呟いた。 「……でっかい子分やなぁ」 それはあまりにも、あんまりすぎる意見であると共に、誰もがそう思うであろう感想であった。 「そんなにおっきいと一緒におるんも一苦労ちゃう?」 「いや、別にそんな事ねぇよ。普段からこんなにでけぇ訳でもないし」 「あれま、そうなんや」 機動六課所属の仲間に、竜を使役する召喚士の少女がいた事をはやては思い出す。 彼女の連れている竜のように、普段は力を封印して小柄な姿で行動する召喚獣もいると聞くから、シャイングレイモンもその手の類なのだろう。 最も、人語を喋る召喚獣なんて見た事も聞いた事も無いのだが。 (まぁ、魔法使ってる感じもなんかせぇへんしなぁ……) もし、シャイングレイモンの姿が召喚などの魔法による物なのであれば何らかの魔力を感じ取れる。 しかし、そんな気配は全く感じ取れない。 では一体何なのか、と思考を始めるもよく解らない。 (むぅ……) 好奇心が刺激され、今すぐにでも問いただしてみたいが、飛びながらするような話でも無い。 とりあえず誘導先である六課隊舎で、腰を落ち着けてゆっくりと聞くまで我慢しよう。 真下は海。ここを超えれば、後十分経たずに隊舎に到着するのだから。 『八神部隊長!』 「ん?」 緊急アラームと共に正面に通信ウィンドウが浮かび上がり、グリフィスの顔が映し出される。 何があったのか、非常に慌てている様子で焦りや驚愕が表情に見てとれる。 「うお!? なんだそれ!?」 「あぁ、ちょっと静かにしてくれる? で、グリフィス君、どないしたの?」 後ろから通信ウィンドウを興味深そうに覗き込む大を抑え、はやてはグリフィスへ向き直る。 『クラナガン上空にて、空間の歪みが発見されました!』 「なんやて!? 私が今連れて行ってる二人の時のとは違うんか!?」 『全く別の……新たな反応です! 現在の隊長達の位置からそう遠くな……で……さ……』 「ちょ、ちょっと!? グリフィス君!? グリフィス君!? ちょっと、どうなってんの!?」 突如、通信ウィンドウが歪み音声が途切れ始める。 やがては壊れたテレビのように砂嵐のような画像と耳障りな雑音が流れ、完全に通信が途絶えた。 舌打ちしてウィンドウを切り、イラついたようにはやては吐き捨てる。 「何がどうなってんねんなっ、ほんま!?」 「おい、どうしたんだよ?」 「んっ? あぁ、ちょっと厄介な事起きてるみたいでな……」 大へ適当に返事をしつつ、はやてはイラついた頭を冷やし、思案する。 空間の歪み、とグリフィスは言っていた。それはかなりの大事だ。 ほんの少しならともかく、その歪みが大きなものならば他の世界をも巻き込むほどの次元震を引き起こしかねない。 更に、他の次元世界と比べても圧倒的と言ってよいほど、空間が安定しているクラナガンでそれが二度も起きるなどふつうはあり得ない。 (誰かが、意図的に起こしたんか……それとも……) 「あれは……兄貴! はやて!」 「どうした!?」 「へっ!?」 はやての思案を遮る様に、シャイングレイモンが空の一点を見やりながら叫ぶ。 二人がそこに目を向けると、夜空を引き裂くように開かれた巨大な穴より、赤いマントの巨人が出現しようとしている、その瞬間であった。 背中より翼を伸ばし、天に向かって突き立つ二本の角を持った、十数メートルの巨体の赤いマントの怪物が。 「なっ……なんや……あれ……」 「兄貴、あいつは!」 「あぁ……間違いねぇ、ヤツだ!」 「二人とも、あれが何なのか知ってるんか!?」 はやての問いに二人は答えない。 ただ、ひたすらに敵意の籠った目であの巨人を睨みつけていた。 巨人は完全に出現を終えると共に、ゆっくりと周囲を見渡し、小さく唸る。 「ふぅむ……不味いな」 言葉の内容とは裏腹に酷く落ち着きはらった様子で、巨人は呟く。 目的の世界には移動できたが、出る場所が大きくズレてしまったのだ。 普段の巨人ならば、決してありえぬ失敗だった。 (まぁ、出てしまったものは仕方があるまい。今回ばかりは、どうにもならん) 少々空間移動を行う手順と状況に問題があった。 ただ、それだけの事と巨人は片付ける。 一度出てきてしまったのなら仕方が無い、さっさとこの場を立ち去ればよいだけの事だ。 そう考え、巨人がゆっくりと顔を向けると……。 「……ほぅ」 こちらへ真っ直ぐに飛んでくる竜人の姿が確認できた。 その肩に乗る人間と、すぐ後を追うように飛んでいる人間がもう一人。 「これは、珍しい処で出会う物だな」 自身の前で静止し、対峙する竜人……シャイングレイモンと大門大。 「……やれやれ、面倒な事になったものだ」 「何妙な事言ってやがる!?」 巨人の落ち着きはらった、それでいてどこか楽しげな口調に反し、大の声は怒気を含んでいた。 「テメェだろ! 俺達をこんな処に飛ばしたのは!」 「はて? 何の事かな? ワシには身に覚えが無いが……」 「とぼけんじゃねぇ!」 その場に少し遅れて到着したはやての耳にも、その会話は届いていた。 「デジタルワールドでテメェと戦ってた途中でこんな処に飛ばされたんだ! お前以外に誰がやるってんだよ!」 「なっ……ちょっと、それどういう……」 「成程……お前は、決定的な勘違いをしているようだな」 「んだと!?」 はやての言葉を遮り、大の言葉を無視して巨人は進める。 「詳しく説明する義理は無いが一つ言っておこう。お前達がこの世界に飛んできたのは単なる偶然だ、ワシがやった事ではない」 「ふざけんな! そんな話、信用すると思ってんのか!」 「信用してもらおう等とは思っておらんよ」 巨人はふんと鼻を鳴らし、右掌に炎を出現させる。 「それともう一つ。お前と遊んでいる暇は無い」 無造作に右手を振り上げ、その炎を放つ。 咄嗟にシャイングレイモンが体を捻ってそれを回避し、はやても反射的に回避行動をとる。 「なっ!? いきなり攻撃やなんて……っ!?」 炎は完全に回避したが、それにより発生する熱風がはやての身に叩きつけられる。 バリアジャケットで防御している筈なのに、まるで直接肌を焼かれているかのような熱さだ。 もしも直撃をすれば、消し炭にすらならないであろう事は、明白だった。 「っ……んのぉ! 先に手ぇ出してきたんはそっちやで!」 攻撃を受けたのならば、正当防衛が成り立つ。 あの炎をもう一度放たれる前に、万が一にでも街へ被害が出る前にあの巨人を取り押さえねばなるまい。 はやてはシュベルトクロイツを掲げ、詠唱を開始する。 非殺傷設定、出力調整を行い、はやての足元に展開されるのは魔法陣。 周囲に浮かび上がる、四つの魔力球の狙いを巨人へ定める。 「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ」 本来、海上とはいえこんな場所で使用するような魔法では無い。 しかし緊急事態だ。あとで始末書を何枚でも書いてやる、と心の中で吐き捨て、放つ。 「フレースヴェルグ!」 闇夜を切り裂くように魔力が解き放たれ、閃光と如き砲撃が巨人を直撃する。 立て続けに四発。いくら非殺傷設でとはいえどもたたでは済まない一撃だ。 「ほぅ……」 「なっ!?」 しかし、爆発の中より現れたのは無傷でたたずむ巨人の姿。 その身を包むマントすら傷ついた様子もなく、平然と佇んでいる。 手加減をしての攻撃だったといえ、いくらなんでも無傷は、マントすら傷つかないのはあり得ない筈だ。 体格差も考え、威力もさほど押さえずに撃ち込んだと言うのに。 「この世界の人間は面白い技を使うな……聞いていた通りだ」 「無傷……そんなっ!?」 「はやて! どいてろぉ!」 巨人の側面より、轟音を立てながらシャイングレイモンが炎を纏った拳で殴りかかる。 その巨体に加速の勢いを乗せた一撃が繰り出されるも、巨人は難なくその拳を左手で受け止めた。 「ぐっ!?」 「ふん……人の話を聞かない連中だ」 そう言うなり、巨人は無造作にシャイングレイモンを放り投げる。 「ぬあっ!?」 空中へと投げ飛ばされるシャイングレイモン。 「おぉわぁっ!?」 「兄貴!?」 「危ない!」 その肩よりバランスを崩し、大が海面へと向かって落下する。 空を飛べる筈もなく、重力に従って墜ちていく大の真下へと移動し、両手を広げたはやてが全身を使ってそれを受け止める。 「っう!?」 人一人の体重と落下分の勢いが加算された衝撃がその身を貫くが、バリアジャケットの防御機能で持ちこたえる。 崩しかけたバランスもどうにか整え、大を両手で抱えたままはやては空中へと飛翔する。 「っぅ……大門君、大丈夫かいな?」 「あ、あぁ……助かったぜ。そっちこそ、大丈夫かよ?」 「私は平気。こう見えても結構丈夫なつもりやで」 「そっか……って、シャイングレイモンは!?」 直後、激しい激突音と共に海面に巨大な水柱が立ちのぼる。 それが、シャイングレイモンが海へと落下した為の物だと二人が気付くと共に、巨人が口を開いた。 「言った筈だ。お前達と遊んでいる暇は無いとな」 「てんめぇ!」 「ちょっ、落ち着きや!」 腕の中の大を抑えつけながら、はやては巨人へ問う。 「あんた……一体何者や?」 あきらかに余力を残した状態で圧倒された敵へ向ける物とは思えぬ程、強い意志の籠った瞳で睨みつける。 先程の一撃はやては巨人との実力差を感じ取っていた。しかし、だからどうしたと言うのだ。 この騒ぎで仲間達もすぐに駆けつけてくれるだろうし、何より管理局員の、部隊の隊長としての意地がある。 この程度の事で、敵に屈する事はあり得ない。 「ほぉぅ……」 その目に巨人は小さく、感心したように唸りながらも、小さく首を横に振る。 「答える必要は無い」 「何ぃ!?」 「今知らずとも、いずれ嫌でも知る事になる」 マントの奥、蒼く怪しく光る目を歪めながら巨人は言う。 背中の翼を広げ、ゆっくりとその巨体を舞いあがらせる。 「テメェ! 逃げんのか!」 「お前達とはいずれまた戦う事になろう……その時は、もう少し遊んでやる」 そうして、巨人はその巨体からは想像もつかぬ程の速度で夜空へと消えていった。 「んだとぉ!? 待ちがやれ、コラァ!」 「ちょっ! 暴れんな言うたやろ!? ええ加減にせんとバインドで縛るで!」 この後、はやてが大をバインドで拘束するまで五分と掛からなかったと言う。 「……以上が、現場よりの報告です」 地上本部、自身の執務室でオーリスが受け取った報告を聞きながら、レジアスは忌々しげに鼻を鳴らした。 機動六課……何度聞いても忌々しい名前だ。 本局所属の部隊が地上にて自由に活動している、と言うのは正直気に入らない。 クラナガンの、地上を守っているのは自分が率いる地上部隊だと言う誇りを汚されているような気分になる。 「解った……で、その竜人を連れた奴はそのまま六課が?」 「はい。身柄を保護するそうです」 「ふむ……」 報告の内容は、現場からとりあえずという形であがってきた物でお世辞にもまとまっているとは言い難いが、竜人を連れた青年の事は少々気になる。 突如出現したと言う巨人とも顔見知りであるような、敵対しているような言動を取ったのなら、ただものではない筈だ。 近いうちに、何らかの形での接触を試みるべきか、と思案する。 「あとで正式な報告書を提出させろ、明日の昼までにな」 「了解しました」 一礼して退室するオーリスの背を見送り、レジアスは背後にある窓より外を見やる。 クラナガンの街並みを一望できるこの場所は、公私ともに気に入っていた。 生まれ育ったこの街を自分が守っているのだと、そう改めて実感させてくれるからだ。 クラナガンを守っているのは、この自分だ。この街を守る為ならば、どんな事にでも手を染める覚悟ができる。 (何が起きようとも、好きにはさせんさ……) この街で、この世界で何かが起きようとしていると、長年の経験と直感が告げている。 だが、必ずその何かを叩き潰して見せよう。 自分の誇りと命に代えてでも。 機動六課隊舎前。 結局バインドで縛られ、半ば連行に近い状態の大と海より無事に飛び上がってきたシャイングレイモンを連れて、はやては帰還していた。 ふぅと一息つき、バリアジャケットを解除。光に包まれたそれが一瞬で元々彼女の身に着けていた管理局の制服へと変わる。 「服が変わった? 何だそれ、どうやったんだ?」 「ん? あぁ、まぁ後で色々説明するから……」 「主!」 「はやて!」 自分を呼ぶ声と駆け寄ってくる足音に、はやてが振り向くと二人の仲間がこちらに走ってきていた。 桜色の長髪をポニーテールに纏めた長身の少女と、二本の三つ編みに纏めた茶髪の幼い少女の二人、シグナムとヴィータだ。 「ご無事でしたか」 「怪我とかしてないよな?」 「うん、平気。怪我もなんもしとらんよ」 六課に所属する部下、仲間であると共に大切な家族である二人へと笑顔を見せ、安心させる。 「申し訳ありません。我々が動いていれば」 「いやいや、そんな謝られても困るて」 「まぁ、怪我無いならいいけど……後ろの、誰だ?」 ヴィータが目を向ける先……バインドで両腕を固定され、まるで手錠を掛けられた犯罪者のような格好の大と、跪いたシャイングレイモン。 もの凄く何かを言いたそうな眼で、無言で睨んでいるその顔は、少々怖い。 「あぁ……ごめんごめん、そろそろバインド解かんとな」 バインドを解除され、拘束を解かれた大は両腕を軽く振りながら愚痴る。 「やれやれ、やっと解いてくれたか……」 「それに関しちゃ自業自得。っと……落ち着いたところで、改めて自己紹介しとこか」 ゴホンとわざとらしく咳をして、はやては言葉を続ける。 「私は八神はやて。時空管理局古代遺物管理部機動六課隊長やってます、よろしく」 「じく……何だって?」 「時空管理局。知らんのかな?」 「全然聞いたことねぇ……て、まぁいいか」 色々と解らない事だらけ、と言うのは正直言って気に入らない。 だが、今は自分達を助けてくれた彼女への礼儀を果たすべきであろう。 大も一息置いて、改めての自己紹介を行う。 「俺は大。喧嘩番長の大門大だ、よろしくな。んで、コイツが……って、あれ?」 自分の次に、と後ろにいる筈のシャイングレイモンへ視線をやるとそこにあの巨体がいない。 一体どこにと思うよりも早く、聞こえてくるのは間の抜けた、聞き慣れた声だった。 「兄貴ぃ……ずっとバーストモードだったから腹減っちまったよぉ」 「なっ……アグモン、お前なぁ」 「……へ?」 はやては、訳が解らなかった。 確かさっきまでは、あの無骨な逞しさと太陽の如き炎を纏う巨大な竜人だった筈だ。 それが、いつの間にか見る影もない黄色い二足歩行のトカゲのような姿に変わっている。 いくらなんでも、とてつもない変わりようだった。 (フリードでもまだ面影あるんやけどなぁ……) 同じ部隊の少女が連れている、あの小さな子竜を思い出す。 あれはそのまま巨大化するような、そんな感じの変貌を遂げているが目の前のトカゲは違う。 なんというか、変身というレベルの変わりようではないか。 「……あ~、コイツはアグモンってんだ。俺の子分」 「よろしくなぁ……ところで何か喰わせてぇ……」 「あ、ぁぁ……うん。とりあえず、食堂いこか。シグナム、まだ開いてるよな?」 「え……えぇ、まだ大丈夫ですが」 目を回しながら空腹を訴える黄色い二足歩行のトカゲとは、何ともシュールな光景だろう。 恐らく二度とお目に描かれないであろう光景をシグナム、ヴィータと共に呆気にとられた様子で眺めつつ、はやては大とアグモンを連れて隊舎へと入っていく。 この出会いが、ミッドチルダ全域を、全次元世界を襲う事件へと発展するなど、今の彼女達には知る由も無かった。 目次 次へ
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初出:Record20 融合騎 真正古代ベルカ式における魔導運用技術の一つで、独立した人格型支援ユニットを術者と「融合」させる事で術者の支援を行う。 アギトが真正古代ベルカ後期型、リインフォースIIが最新ハイブリッドタイプの融合騎である 術者と融合して管制・制御するという点において融合型リアクトプラグであるリリィとの共通点は多く、 リインフォースIIはリリィの指導に当たる事が多い。 銀十字への直接通信 カレンからの通信は、銀十字の書に直接繋げられている。 フッケバインの特殊通信技術は飛翔戦艇フッケバインの装備によるものと、カレンやフォルティスなど個人の能力によるものがあるが、 トーマへの直接通信はカレンの能力によるもの。 高町ヴィヴィオ 高町なのはのひとり娘であり、現在はSt.ヒルデ魔法学院中等科の生徒。 格闘戦技ストライクアーツの競技選手であり、全国レベルの実力者でもある。 連れている小さな飛行うさぎは、補助制御型のインテリジェントデバイス「セイクリッドハート」(愛称クリス)。長年の愛機である。 煌竜/クリムゾンスラッシュ 「煌竜」は、シグナムの連結刃を駆使した炎熱攻撃。 「クリムゾンスラッシュ」はディバイダーから分断効果を使用した斬撃を飛ばす中距離攻撃。 トーマの「分断」能力はいまだ完璧にはほど遠く、エネルギー攻撃を相殺した際には停止させきれなかった分のエネルギーは爆発となって破裂する。 初出:Record21 完全複製 「ディバイダーはコピーが可能」。ヴァンデイン社の研究成果の一つである。 クリーンエネルギー 現在、次元世界のほとんどでは魔力を使った魔導炉によって発電を行い、人々の暮らしに欠かせない電力を供給している (魔力を直接の動力として使用する文化も存在するが、精密機器などに使用するには定格化が困難であり、 現在、人間が住む土地のほとんどには電気が通っている)。 魔導炉や電力の過剰使用に対する批判もある昨今、「魔力→電力」を超えるクリーンエネルギーの開発は開発者達の夢である。 CW-ADX ラプター カレドヴルフ社が戦闘用の「自立作動型汎用端末」として開発した人型機械。 戦闘装備として「ソードブレイカー」を両手に装備する他、カレド社製のAEC装備にはすべて完全対応する。 魔力結合不可状態を始め、過酷な環境下でも活動できるため、様々な状況での運用が期待されている。 慣性制御 カレドヴルフ社製のAEC装備は、一般的な装備よりも遥かに重い。 もとより武装型デバイスや物理装甲を伴う装備は重量が増加しがちだが、AEC装備は端末内部に駆動部とバッテリーを置いているため、さらに重量が増す。 このため、大型のAEC装備は慣性コントロールのシステムが搭載されており、上手く扱えばほとんど重さを感じる事なく振り回す事もできるが、 トーマはその扱いがまだ上手くないようである 初出:Record22 防衛装備 キャロが使用しているのは、フォートレスの「盾」のうち中型のS2シールド(型式CW-AEC00X-S2)。 フォートレスユニットを装備していない(キャロは体格的な問題で装備が困難な)ため、エリアルマニューバやフォーメーションコンバットなどの使用はできないが、 地上での防衛・支援ユニットとして必要十分な能力を維持できる他、愛騎フリードとの相性も考慮されている。 ディバイド・ブレイク 分断効果を駆使した破砕攻撃。 「触れさえすればどんなものでも壊せる」とはカートの談だが、実際にはある程度の制限が存在する模様。 狙撃弾 マリーヤの能力。 手に持った銃弾を誘導弾として発射する。 小石や鉄球でも、指先でつまめるサイズのものであればどんなものでも撃てるが、撃ち出し時に火薬の初速を借りられる事、 発射後に安定して飛ばせる事、「どうせ銃弾は持ち歩く」事から、マリーヤは銃弾を好んで使用する。 スタナー ロロの愛用武器。 電気を扱う能力の保有者であるロロは、電化製品および電気使用武器全般に強い。 初出:Record23 JF704式改 管理局正式採用の輸送ヘリ。 かつて機動六課で使用されていたJF704式のマイナーチェンジ版。 人員・装備の高速輸送に欠かせない、六課の重要装備の一つ。 アルト・クラエッタ もと機動六課所属のヘリパイロット。 地上本部勤務だったが、今回新たに特務六課に異動となった。 スバルとは友人であり、トーマともかなり初期から知り合っていたため、トーマ的にも「お姉」の一人。 粒子攻撃 エネルギー粒子を使用しての攻撃。 応用法の幅は広く、近接戦闘を行う(銃砲型でないディバイダーを使用する)因子保有者の多くが基本技法として使用する。 ディバイダーVG4グラディオン クインのディバイダー。 エネルギー刃が回転動作をする、モーターソー状の「剣」である。破壊能力に長けた高性能ディバイダーだが……。 初出:Record24 AEC-05X「グラディエイター」 武器戦闘型の術者に向けた、個人用のAEC装備。 剣と盾、制御ユニットからなる総合装備で、「00X-フォートレス」をはじめ、各種AEC装備とも互換性がある。 盾には合金ニードルを発射する機構が存在し、射撃戦にも対応可能。 支給された1号機は、シグナムのパーソナルカラー「フレアバイオレット×ライラックホワイト」で彩色されている。 CW-MR212 カレドヴルフ社製のモーターローダー。 AEC装備の技術を盛り込んだ電力稼働車。 都市部での陸上高速移動を目的とした機体だが、カレドヴルフ社は社外も含めたMM(モーターモービル)事業部と連携し、 「公的組織向け乗用機」の開発も行っている。 AEC-09X-2「オクスタン」 ティアナ用にチューニングされたAEC装備。 使用するカートリッジによって、複合エネルギー弾や重金属製の矢弾、電子誘導弾など、様々な弾丸を発射可能。 最初期から構想があった機体ながら、初期管理外世界に流通する「違法銃器」と酷似するその機構と外観から運用の許可が下りず、結果的に型番も後半にズレこんだ。 ヴァンガード・ドラグーン キャロとフリード用の装備。 S2シールドの後方支援用チューニングであり、支援と防衛に特化した性能が保持されている。
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リリカル龍騎の手がけた作品 002 こうして殺戮者がまた一人 016 誤解を呼ぶもの 023 死神と神父のダンス、開幕 031 怒りという名の強い意志 032 555→913 042 すれ違い、その結果 047 彼女の不運 052 Masked Rider TOPページへ バトロワまとめへ このページの先頭へ
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魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 第十一話「天覇絶槍」 「周りのすべての人間は、自分のための道具に過ぎん。そのくせ君達は、自分に向けられる愛情が薄れるのには臆病だ。 実の母親がそうだったんだ・・・。君もいずれ、ああなるよ・・・。間違いを犯すことに怯え、薄い絆にすがって震え、 そんな人生など、無意味だと思わんかね・・?」 「あ・・・あ・・・・。」 スカリエッティの言葉に顔を歪めるフェイト。 その体はスカリエッティの生み出した赤い線で縛られている。最初はトーレ、セッテ相手にもなんとか太刀打ちできたのだが。 「さて・・・・私はどうしたものかな。」 彼の横にいる男が現れたせいで一気に形勢が逆転してしまったのである。男の名は松永久秀。この世界に飛ばされてスカリエッティに協力している男だ。 彼等の拘束と爆破のコンボで次第に押されはじめ、今に至る。 バリアジャケットは煤にまみれ、いたるところに切られた跡が。一方の二人は無傷。 まさに圧倒的、という所だろうか。そんな中に少年と少女の声が響く。 「違う!!」 叫んだのはモニターの向こう側にいるエリオとキャロ。横には伊達政宗と片倉小十郎の姿も見える。 二人は少し笑っている。そして次に口を開いたのは政宗だ。 「HEY!そこのフェイトとか言う嬢ちゃん!今のアンタに必要なモン・・・それは勇気だ。」 そう言うとエリオとキャロの頭にポン、と手を乗せる。 「それにこいつら、利用されてるなんて微塵も思っちゃいねぇ。ほら、言ってやんな。」 手を離し、政宗は鼻で笑うと腕を組んで背を向ける。二人は互いの顔を見て頷く。 再びモニターへ目を向け、口を開いて自分達が今、言わなければならないことを言葉にする。 「無意味なんかじゃない!」 「僕達は、自分で自分の道を選んだ!」 「フェイトさんが、行き場のなかった私にあったかい居場所を見つけてくれた!」 「たくさんの優しさをくれた!」 「大切なものを守れる幸せを教えてくれた!」 「助けてもらって、守ってもらって、機動六課でなのはさんに鍛えてもらって。」 「やっと少しだけ、立って歩けるようになりました。」 政宗は二人の言葉を聞き、普段の彼にはない、穏やかな微笑をする。 フェイトの心には少しずつ、少しずつ。希望の光が。 「フェイトさんは、何も間違ってない!」 「不安なら、私達がついてます!困ったときは助けに行きます!」 「もしも道を間違えたら僕達がフェイトさんを叱って、ちゃんと連れ戻します!僕達が・・・皆がついてる!」 「だから負けないで!迷わないで!」 そして二人の声が、重なる。それはフェイトの心に、光を灯す言葉。 「「戦って!!」」 言葉を聞いた瞬間、フェイトの体の中で何かが爆発したかのように魔力が溢れる。魔力はフェイトの体を包み込むように展開している。 「オーバードライブ…真・ソニックフォーム。」 『SONIC DRIVE』 フェイトの声を聞き、バルディッシュが金色の光を放つ。魔力はさらに上昇。そして魔力の柱へと形を変えた。 思わず身構えるトーレとセッテ。フェイトはゆっくりと目を開いて今の思いを言葉に。 「ごめんね・・・ありがとうね。エリオ、キャロ。」 バリアジャケットは今までのとは違い、マントを無くし、レオタードに近いものとなっていた。 魔力で少し浮いていた足をしっかりと地につけ、バルディッシュを優しく抱える。 「疑うことなんて・・・ないんだよね。」 金属音とともにカートリッジがリロードされるとバルディッシュが二本に分かれ、二本を両手に握る。 「私は弱いから・・・迷ったり、悩んだりをきっと、ずっと、繰り返す。だけど、いいんだ・・・・!」 体を回転させて双剣を構える。目は絶望という汚れは消え、光が宿る。その光は決して消えることのない、強い信念の表れ。 目の前にいるスカリエッティ達を睨む。 「これも全部・・私なんだ!」 スカリエッティが手を動かすと地面が爆発。しかし爆風の中からフェイトが現れバルディッシュを横に凪ぐ。 突然のことにセッテは回避しきれずに手に持っていたブーメランブレードを破壊され、倒れる。 手を握る動作をすると地面から赤い線がフェイトを捕らえようと迫る。赤い線を避け、斬り、敵へと進む。 次に立ちふさがったのはトーレだ。インパルスブレードとバルディッシュの刃がぶつかり合い、火花を散らす。 フェイトは宙で一回転、トーレはその隙を突こうとIS、ライドインパルスを発動。紫の光となってフェイトを追う。 空中で激しく激突する金色の光と紫の光。トーレの頬が切れ、フェイトの肩にも軽い切り傷が。 一回止まると二本に分かれたバルディッシュを一本に装着。大剣の姿、ザンバーフォームとなる。それでも迫ってくるトーレに向かいバルディッシュを振り下ろす。 「はぁぁぁぁぁぁっ!!」 防御したトーレだがしばらくするとインパルスブレードが砕け散った。スカリエッティと松永の横を過ぎ、壁に激突して倒れる。 次にスカリエッティへと向かうが顔に何かがかかる。 「うっ・・・!!」 目に入ってしまい、そのまま落下するフェイト。かろうじて目を開けると松永が立っていた。手には砂のようなもの。 「それは火薬かね?」 「そういうことだ。ものは使いよう・・・とも言うだろう?」 目を擦りながら立ち上がり、再び構えようとする前に顔面の真横に小さな爆発が起きる。 「ああぁっ!」 小さいとはいえ吹き飛ばすには十分威力がある。壁にぶつかり、うなだれるフェイト。 額からは血が流れ、ゆっくりと目を開けるとフェイトを守るように赤い魔方陣がそこにあった。まさに溶岩の如く。 赤い魔法陣から何か出てきた。揺らめく火の粉。火の粉は火に。火は炎に。炎は火炎に。どんどん大きさを増す。 そして爆発。 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」 中から出てきたのは人。赤いコート、赤いハチマキに槍二本。首にかけているのは六文銭。 若き虎が、フェイトの前に降り立つ。槍の切っ先をスカリエッティと松永に向ける。 「忠勝殿との色々な義により、助太刀いたす!!うおぉぉぉぉぉぉっ!!」 槍を交差させ、天に掲げる。 「天!!」 交差させた槍を一回離し、足元でまた交差させる。 「覇!!」 切っ先をまた二人に向ける。 「絶槍!!」 さすがの二人も突然のことで少し驚いているようだ。とはいっても少し目を見開いただけでたいしたリアクションではないのだが。 若き虎はあたりに炎を揺らめかせ、鋭き眼光を向ける。 「真田幸村、見ッ参ッ!!」 突然現れた赤き武将、真田幸村。そんな乱入者にも冷静に対処し、手を動かし赤い線を出現させるスカリエッティ。 襲い来る赤い線を槍で切り裂く。槍の先端には炎が宿り、描いた軌道には火の粉が降り注ぐ。 最後に火薬を投げて腰に挿してあった刀で地面を擦り、生じた火花で火薬を爆発させる。 だが、それぐらいで幸村は止まらない。煙を掻き分け尚も雄たけびをあげながら二人に向かってくる。 交わるスカリエッティがはめているグローブの刃と槍の刃。 「燃えよ・・・我が槍、我が魂!!命の限り道を開けぇ!!」 主の雄叫びに答えるように槍に宿った炎が大きくなる。スカリエッティの刃が焼け、溶けていく。 幸村は槍を引き、相手の体勢を崩すと二本の槍を一本に連結させて回転。スカリエッティを宙へと飛ばす。 「大ぃ車輪!!」 飛んできた方向にはフェイトがいる。バルディッシュを構えてまた打ち上げる。 幸村はスカリエッティの落下している真下に走る。大地を蹴り、跳んだ後に回転、槍二本の横凪ぎでスカリエッティを叩き落す。 「朱雀翔!」 叩き落してバウンドした後も幸村は逃さない。降りて目の前に立つとまた槍を一本に連結。拳に炎が集まっていく。 「虎炎!!」 炎の拳はスカリエッティの顔面に直撃、宙で人形のように吹き飛び、やっと倒れることを許された。 直撃した顔は火傷だけではなく、大きく歪んでいた。 「ほう・・・・真田幸村か。これはこれは、予想外の客だな。」 「永松久秀ぇ!今までの悪行、この真田が許さん!!」 「はっはっは、相変わらず熱いな。卿は。」 「問答無用!!虎炎!!」 炎の拳を突き出すが刀で防御され、押し返される。直後に刀を振り下ろすと胸に切り傷が入る。 素早く切り傷に火薬をかけて刀を擦り火花を当てる。至近距離の爆発を避けれるはずもなく吹き飛んだ。 「うぐ・・・ごふっ・・・・!!」 胸から溢れる大量の血。それでも幸村は立ち上がり、槍を構える。 フェイトもそんな彼を見てバルディッシュを構える。 「!?」 「貴方だけに戦わせるわけにはいきません・・・・!!」 幸村とフェイトは顔を見合わせると少しだけ笑い、また真剣な表情で松永を見る。 まず先手を切ったのは幸村だ。槍から炎を吹き出し、自身は回転。回る速さはどんどん増していき、松永に近づく。 爆発で押し返そうとするが炎に守られ、止まらない。 「ぐあぁぁぁあ!?」 炎は松永を身を包み、焼く。幸村は横を通り過ぎて槍を連結。腰を低く構えてじっと待つ。 続いて接近したフェイトはバルディッシュを振り上げて松永を宙へ。落ちてきたところを炎を纏った槍を斜めに斬り上げて吹き飛ばす。 「千両花火ぃ!!」 「はぁぁぁぁあぁぁっ!!」 千両花火でまた吹き飛んだところをバルディッシュの一撃が襲う。気を失った松永は壁をぶち抜いて倒れた。 勝負はついた。フェイトが笑顔で駆け寄ると幸村の表情も笑顔に変わる・・・・が、次第に赤くなっていく。フェイトが首を傾げて近寄る。 「ななななななななんと破廉恥な格好をしとるのだお主はぁ!?」 戦いの最中で気がつかなかったがフェイトの格好はレオタードのように露出が高いバリアジャケット。 まぁ、これで反応しない人がいるとしても女性に慣れていない幸村には多少刺激が強かったようだ。 「え・・・・えぇぇぇぇっ!?」 思わずフェイトも顔を赤くして腕を組んで胸元を隠す。 赤くなり硬直する幸村と同じように顔を赤くして体を縮みこませるフェイトという、戦いの後とは思えない光景が後に駆けつけた伊達政宗のツッコミがあるまで続いたという。 戻る 目次へ 次へ
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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル 書き手紹介 3314 :やってられない名無しさん:2013/02/21(木) 16 30 19 ID ???0 遂に完結2周年突破! リリカルなのはクロス作品バトルロワイアルの書き手紹介! 【渾名】灼熱の英雄王 【トリップ】◆Vj6e1anjAc 【投下数】44作 【代表作】「月蝕・終章」「魔法少女、これからも。(最終回)」 本スレでの連載と並行し、企画最初期からSSを投下し続けた、なのはロワ投下数三巨頭の一角。 繋ぎから熱血バトル、鬱展開と、満遍なく投下数を重ねている。 自らが元SSを連載していたセフィロスのエピソードは、「元SSの続編のようだ」と話題を呼んだ。 【渾名】叡智の司書長 【トリップ】◆7pf62HiyTE 【投下数】38 【代表作】「王の財宝」「Zに繋がる物語」 序盤と中盤の境目あたりから名乗りを上げた、なのはロワ投下数三巨頭の一角。 脳筋共が大暴れする中、着実に考察エピソードを重ね、知能面からなのはロワを支えた。 難しいテーマをめげることなく、コンスタントに投下し続けたその姿勢には、敬意を表したい。 【渾名】非情の殲滅者 【トリップ】◆HlLdWe.oBM 【投下数】38 【代表作】「崩落 の ステージ」「Round ZERO~AMBITION SECRET」 企画が軌道に乗った頃から参戦し、以降終盤まで企画を支えた、なのはロワ投下数三巨頭の一角。 他の書き手達が嬉々としてやんちゃを働く中、こつこつとキルスコアを稼いだマーダー書き手。 地味だが堅実なエピソードが多く、彼もまたこのロワの完結には、欠かせない存在であったと言えよう。 【渾名】光速の竜騎兵 【トリップ】◆gFOqjEuBs6 【投下数】21 【代表作】「タイムラグは30分」「Alive a life」 本スレでの連載と並行し、最初期から企画を支えた書き手。 記念すべき第200話では、エピローグ書き手としてロワを締めくくっている。 本ロワのウェイトを大きく占める、特撮作品への造詣が深く、数多くの印象深いエピソードを投下している。 【渾名】不屈の先駆者 【トリップ】◆Qpd0JbP8YI 【投下数】19 【代表作】「なごり雪」「Little Wish」 企画最初期から参戦し、主に中盤までを支えた書き手。 流れが停滞し始めた頃に、怒涛のごとくSSを重ねた、序盤最大の功労者の1人。 あらゆるジャンルのSSを投下していたが、特に叙情的なエピソードを得意としている。 3315 :やってられない名無しさん:2013/02/21(木) 16 32 52 ID ???0 【渾名】荒野の銃撃手 【トリップ】◆jiPkKgmerY 【投下数】10 【代表作】「童子切丸は砕けない」「それでも台風は微笑う。そして奔る」 本スレでの連載と並行し、主に中盤までを支えた書き手。 独特なムードを持ったSSは、読み手の心に深く染み込み、その心を掴んで離さない。 意外とド派手に状況を動かすことも多く、なのはロワ=大量破壊の風潮の先駆けとなった人物でもある。 【渾名】暗黒の破壊神 【トリップ】◆WslPJpzlnU 【投下数】6 【代表作】「盟友」「13人の超新星」 本スレでの連載と並行し、主に序盤に投下を重ねた書き手。 投下数こそ少ないが、1つ1つの文章が、強烈なインパクトを宿している。 暴力的なパワーを持ったバトル描写と、後半で手掛けたなのはロワ最大のどんでん返しは、まさに破壊神の名に相応しい。 【渾名】天道の探究者 【トリップ】◆LuuKRM2PEg 【投下数】5 【代表作】「罪」「解ける謎!」 本スレでの連載と並行し、終盤の展開を支えた書き手。 主に繋ぎを担当することが多く、縁の下の力持ちとして、ラストスパートを支えていた。 必然、投下数は少なくなってしまったが、今後他のロワにおいても、活躍を期待したい。 【渾名】勇気の挑戦者 【トリップ】◆19OIuwPQTE 【投下数】1 【代表作】「魔法少女リリカルなのはBR」 なんと最終回の一歩手前という、大変なタイミングで殴り込んできた書き手。 投下数は僅か1作だが、混戦を見事にまとめ上げ、続く最終回へのバトンを託した。 状況的に相当な勇気の要るタイミングでの参戦に、改めて敬意を表したい。 3352 :やってられない名無しさん:2013/03/01(金) 23 55 33 ID ???0 3314-3315 なのはロワはゲームで「星光の殲滅者」とか「雷刃の襲撃者」とか出てくるからそこから取ったのかと思われる と、2名追加で紹介してみる 【渾名】連環の言葉使 【トリップ】◆WwbWwZAI1c 【投下数】5 【代表作】「お昼ごはんの時間だよ」「Ooze Garden(軟泥の庭)」 中盤から終盤にかけてふっと現れてササッと繋ぎ話を投下した書き手。 一見どれも普通の繋ぎ話に見えるが、実はタイトルがしりとりになるという仕込みを入れている。 終盤でセリフオンリーの話を書いてみたりと、少々変わった言葉の使い方をする繋ぎ書き手である。 【渾名】開幕の遊戯士 【トリップ】◆UOleKa/vQo 【投下数】3 【代表作】「それは最悪の始まりなの」「オタクと吸血鬼とレバ剣と」 本スレでの連載と並行し、記念すべきオープニングを投下した書き手。 投下数こそ少ないものの終盤まで続くスバル&こなたのペアを生み出した事は外せない。 またオープニングで主催者プレシアにロワを「デスゲーム」と呼ばせているのは、遊戯王GXとのクロスSSを書いている氏ならではと言えよう。
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読み まほうしょうじょまどかまぎか 正式名称 別名 和了り飜 10飜 牌例 解説 魔法をかけて 槓子があり、カンチャン待ちで上がると成立。 どうやって魔法をかけるのかは不明。 成分分析 魔法少女まどか☆マギカの42%は電力で出来ています。魔法少女まどか☆マギカの37%は勇気で出来ています。魔法少女まどか☆マギカの12%は知識で出来ています。魔法少女まどか☆マギカの5%は魔法で出来ています。魔法少女まどか☆マギカの3%は時間で出来ています。魔法少女まどか☆マギカの1%は汗と涙(化合物)で出来ています。 下位役 上位役 参照 魔法少女リリカルなのは 複合の制限 採用状況
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キャラクター 4図書委員小学生 3St.ヒルデ魔法学院中等科生 2元気小学生 2召喚小学生 1リリカル魔法少女 1人造魔法少女 4ネコミミメイド小学生 3ネコミミメイド中学生 3フルーティ・ガールズ 3うさぎ少女 ブレイク 3格闘小学生 1シャワーガール 3格闘中学生 1ジャンプハイキック少女 1航空武装隊戦技教導官 1次元航行部隊執務官 1格闘家師弟 2鮮烈な物語“高町 ヴィヴィオ” 2鮮烈な物語“アインハルト・ストラトス” パーマネント 1高町ヴィヴィオ専用デバイス“セイクリッド・ハート” プロジェクト 2ソニックシューター(高町 ヴィヴィオ) 1旋衝破 2セットアップ ファスト 2イングヴァルトの記憶 1まだまだ!
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アギト一等空士 本局航空隊所属の一等空士。一般常識の範囲を超えて「小柄」なのは、彼女の出自によるもの。 通常の人間サイズになることも可能だが、勤務の現地においてはこちらの方が便利なことも多いとのこと。 本局航空武装隊 「航空武装隊」は、空戦魔導師で編成された航空部隊であり、管理世界の各地に存在する。 中でも「ミッドチルダ首都防衛隊」と「本局航空武装隊は」いずれも厳しい審査によって選ばれた、優秀な戦力が集う部隊である。 ヴァイゼン遺跡鉱山崩壊事故 新暦75年、ヴァイゼン北西部の鉱山街「アミア」が住人もろとも壊滅するという事件が発生した。 壊滅の理由は局地地震と有毒ガスの流出によるものとされ、住民約230名はほぼ全滅した。 地震とガス流出が深夜に起きたこと、周囲の地形が盆地であり、有毒ガスの逃げ場が無かったことなどが、 この悲惨な災害の原因とされているが、建築物の破壊状況、一部の遺体の損傷状態の不自然さなどを指摘し、 「事故ではなく、事件である」とする声もある。
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火神——マーズ—— グリーンの部屋のドアを開け、彼との邂逅を得ようとしていた。 ――その筈だった。だが、 「ここは……何処だ……?」 いきなり見知らぬ場所に連れてこられての拘束/高町なのはの友人らしき人物の死/そして殺しあえ。 その次の瞬間には、また違う場所へ。 チェシャキャットのイタズラだろうか――否/動機が不明。 またヴァイオレット/マーチヘア/バロールの魔眼のように幻覚を見せる能力を有していない。 それに向こうもこちらの情報を欲しがっていたと思われる。 そのチャンスを見逃すほど、グリーンも愚かではない。 二つ目の可能性――管理局――先の戦闘で見せたARMSの能力を恐れての強行。 それも否――もう一つのARMS/キース・レッドの存在に対抗するために自分は有用。 また処分を考えての行動にしても目的達成には迂遠すぎる。 三つ目の可能性――管理局の敵対勢力/列車上にいたサイボーグ。 動機/目的/いずれも不明。だが、前者の二つよりは可能性が高い。 彼らについて、顎を手に当て考える。 ――思考は空白を維持――情報が不足。 より詳しい情報/あの場で主催者らしい女と接していた高町なのはとフェイト・T・ハラオウンに会う必要がある。 と、いつの間にか手に持っていたバッグに気がつく。 恐らくはあの女/プレシアの仕業――意図が不明。 確認のために中を開ける。 食料/水/ランタン/時計/筆記用具/コンパス/地図/名簿/車の鍵/そしてカードが数枚。 これで殺しあえというのか。思わず失笑が漏れる。 だが、自分にはARMS/人を殺すには十分なものがある。問題はないのだろう。 中にあった地図を広げ、この場を形成しているであろう地形を覚える。戦略や戦術において地理の把握は必要不可欠。 今後、どう行動するにしても、覚えておいて損はない。 続いて名簿に目を移す。 その内容に目が開く――キース・レッドの名前を確認。 このゲームの主催者/レッドを含む組織との等号が崩れる――それともレッドは廃棄処分にされたのか。 ――だが、これは好都合かもしれない。 首輪が爆発したところで、コアが大丈夫な限り、その傷はARMSの能力によって再生される。 よって、死を脅迫材料にして、行動を強要するのは無意味。 しかし、未だ全容を把握出来ぬミッドチルダの科学技術に魔法技術。 もしかしたら首輪だけによってARMSを殺すことが可能なのかもしれない。 その確認のためにもレッドの首輪を、彼が生きている状態で破壊することが必要となってくる。 そこまで考えて、一度名簿から目を離す。 そしてこれからの行動の指針を考える。 闘争は自分のプログラムの核/己の存在意義/故に殺し合いに忌避はない。 だがキース・ブラックの呪縛/戦闘生命としての生は終わりを告げた。 今更、また他人にその呪いの戒め/戦闘の強要をされる謂れはない。 今は自分の意志で闘いを選び、自分の道を歩いていくと決めたのだ。 ――それが管理局に入局した理由。 ならば、この闘争を管理局の勝利として終わらせるのが自分の道/自分の闘い――そして自分の意志。 まずは六課のメンバーと合流して、情報を纏めるべきか。 立体駐車場に並んでいる数台の車に順々にバッグの中に入っていた鍵を指していく。 ――やがてジープを思わせる車に鍵がはまる。 軽快なエンジン音、スムーズなハンドリング、安定したホールディング――悪くない支給品だ。 目的地/機動六課隊舎へ向かう。 他のメンバーが向かっている可能性、彼らがいなくとも何かの情報/武器がある可能性。 ――それらを考慮しての判断。 だが、思いの外、すぐに機動六課のメンバーとの再会を果たす。 車を出して数分後、車のライトに照らされた後ろに束ねられたピンク色の長い髪/ それと調和するようにあしらわれた騎士甲冑/右手に持つ剣/機動六課所属ライトニング02副隊長/烈火の騎士/シグナム。 ジープを降りて歩み寄る。 「シグナム、無事だったか?」 同じ職場の仲間を案じての発言――だが彼女の顔に浮かぶ微かな疑問/眉間に皺が寄る。 「……お前は私を知っているのか?」 質問の意図が不明/何かの冗談だろうか。 「知っているも何も同じ機動六課のメンバーだろう」 その言葉によって彼女の表情が正される。 自分の存在をちゃんと認識してくれたのだろう。 ――だが、返ってきた彼女の言葉は自分の予想とは、またかけ離れたもの。 「お前のことは知らん。悪いが記憶にはない。 ……だが、例え本当にお前とは知り合いであったとしても、私のやることには変わりはないはだろう」 どういうことだ――その疑問を口にする前に彼女が剣を構え、それを振りかぶり、迫ってくる。 「死ねっ!」 彼女の手には不似合いな大きな剣が、激昂の言葉と共に振り下ろされる。 切るという言葉は生易しく、正に破壊の体現/衝撃と共に破砕されるアスファルト。 それを跳んでかわし、確認のために問う。 「お前は本当にシグナムか?」 「……ああ、私は烈火の騎士、シグナム。だからこそ、お前には死んでもらう」 再び振るわれる大剣/明確な殺意を含み、命を摘まんと迫ってくる。 理由は分からないが、彼女はこのゲームに乗ったようだ――故にこちらも戦闘態勢に移行する。 それと同時に死と破壊を内包する剣が目前に迫らんとする。 だが、その迫力とは裏腹にそれは存外に見切りやすい。 その大きさゆえの初動の遅れ/その重さゆえの二撃目/斬り返しの遅れ。 ――容易にかわすことが出来る。 加えて、先の模擬戦において愛剣/レヴァンティンを持つ彼女との対峙。 それと比べれば、遜色は明らか。 隙を見つけ、そこに蹴りを入れ、更に怯んだ隙に起動したARMSの腕を叩き込む。 しかし、流石はシグナムといったところか――致命傷は避ける。 そこに驚きはないが、一つに気にかかる点――ARMSを起動した瞬間、シグナムが見せた表情/驚愕/戸惑い ――そこに生まれる疑問。 「本当に俺を知らないのか?」 返答は沈黙――恐らくは肯定を意味。 より詳しい情報を望むが、今の彼女からそれを得るのは難しいだろう。 それならば情報は惜しいが、他の管理局員に被害が及ぶ前にシグナムを殺すことが得策か。 滲み出たその殺意に呼応するように、彼女は剣を手に襲い掛かる。 だが、それは無意味。 シグナムの能力/戦い方は既に知っている。 反対にシグナムはアレックス/シルバー/ARMSの能力/戦い方を知らない。 それは戦闘における一つ一つの判断速度に差をもたらし、時間の経過と共に二人の優劣をより明らかにしていく。 そして再びシグナム身に刻まれるARMSの爪痕――出血と共に堪らず片膝をつく。 それを悠然と見据え、左腕に力を込め、ブリューナクの槍/荷電粒子砲の発射態勢に入る。 しかし、心に感じる躊躇い――眼前にいるのは間違いなくシグナム/管理局員。 故に確認のために最後に問う。 「お前は管理局員ではないのだな?」 シグナムは瞑目し、その答えを考える。 騎士としての矜持/命の重さ/使命感を天秤に載せながら……。 そして紡がれる言葉。 「……お前ほど強さを持っているものと出会っていれば、覚えている。 出来ればレヴァンティンを持って、お前と戦いたかったがな……」 答えは否定――それならば容赦する必要はない。 細められるシグナムの双眸からは、諦観とも取れる言葉とは反対に、折れることのない意志が見受けられる。 だが、それがどうしたことか。 ブリューナクの槍/焦点温度数万度――触れずとも、その熱と衝撃の余波だけで殺害は可能――必死は免れられない。 だが、光の槍はARMSからは放たれず、代わりに横合いから女性の甲高い声と共に 幾つもの固まりとなった光弾がアレックスに襲い掛かる。 「クロスファイヤー、シュートォッ!」 舌打ち一つ/発射プロセスを中断――急いで被弾圏内から離れる。 しかし誘導制御を受けた高密度の魔法弾にその対処法は無意味――距離を取って尚、威力を損なうことはなく、対象を狙う。 仕方なくARMSの腕を盾代わりに使用――衝撃と共に訪れる倦怠感/疲労/非殺傷設定の魔力弾の効果。 その射手は橙色の髪/ツインテール/手に持つ銃/機動六課スターズ03/ティアナ・ランスター。 彼女はこちらに銃を向けながらシグナムとの間に立った。 ■ 「大丈夫ですか?シグナム副隊長?」 支給されたデバイス、アンカーガンを油断なく構えながら、 シグナムのもとに歩み寄る。 「……ああ、すまん……助かった」 その一言は決死の覚悟で舞台に降り立ったティアナの心を沸き立たせ、喜ばせた。 シグナムを圧倒する存在。その前では間違いなく自分の実力などたかが知れている。 もしかしたら、シグナムの助けになるどころか、足手まといになってしまうかもしれない。 そういった不安は六課での経験、執務官補佐としての働きを経て尚、感じるものだった。 だけど、現状は予断を許さない。 その緊迫した状況は大切な仲間を失いたくないという一念により軽挙とも言われる行動に移させた。 私の行動は余計なものだったかもしれない――シグナムの元に近づきながらも、感じる僅かな不安。 だけど、それを綺麗に取り払ってくれるかのようにかけられる感謝の言葉。 自分の行動は正しかったのだ。 ――知らず知らずの内に頬が緩んでしまう。 とはいえ、いつまでも喜悦に浸り、油断をしている暇などはない。 表情に緊張を与え、アンカーガンを握る手に力を込める。 2対1になったからといって、相手が大人しくなる理由にはならない。 「私は時空管理局執務官補佐、ティアナ・ランスター。あなたを傷害及び殺人未遂の現行犯で逮捕します」 ハラオウン執務官の元で働き、身についた口上。 犯罪者に対して、ましてこの状況において、どの程度効果があるかもしれないけれど、 ある程度は脅しになる――そう思っての行動。 だけど、返ってきた彼の言葉は余りに予想とはかけはなれたものだった。 「俺は時空管理局機動六課所属、アレックスだ。このゲームには乗っていない」 耳に届けられる言葉は余りに馬鹿げたものだった。 よりにもよって自分がかつて所属し、既に解散してしまった部隊名を名乗りあげる。 その明白すぎる嘘は、思わず笑ってしまいたくなるものだった。 だけど、その滑稽な嘘に不思議と笑いは込み上げてこなかった。 代わりに感じたのは、かつてないほどの怒り。 犯罪者が、それも今、目の前で尊敬すべきシグナム副隊長の命を奪おうとしたものが、 自分が信じた正義を体現し、尊敬と愛着を感じていた部隊の名を騙る。 それは自分の過ごした思いを汚し、自分が築き上げた大切なもの全てを侮辱するようなものだった。 故に相手がどんなに自分を超える強さをもっていても、それは決して許せるものではない。 「ふざけんじゃないわよっ!!あんたなんかにっ……!」 我先にと口から飛び出す怒号。彼にぶつけられる怒りの言葉。 だけど最後までそれを吐き出す前に、中断を余儀なくされる。 胸に違和感――そこには何故かシグナムが持っていた剣が生えていた。 「……な……ん……?」 さっきまでの勢いが嘘のように言葉が生み出せない――何故だろう? だけど、言葉の意が伝わったのか、後ろにいるシグナムは答えてくれた。 「すまない……主のためだ」 耳に入る言葉に何故か納得。 意味が分からないが、彼女がここまですることなら仕方ないことなのかもしれない。 だけど、胸を貫く剣を見つめていても、何故か死の実感は湧かなかった。 胸に痛みはない――それが原因かもしれない。 そして、自分の気持ちを裏付けるもう一つの理由 《やっぱりシグナム副隊長が人を殺すなんて出来ないよね》 そう考えて安心 ――六課で過ごしたみんなとの日々が走馬灯のように映し出され、 その辛くとも楽しかった思い出が自分の考えにまた保証を加える。 やはり自分が感じた死の懸念は間違い。 シグナム副隊長に殺されたかと思ったなんて話したら、また彼女に殴られてしまうかもしれない。 そんな未来を思い浮かべて、ほんの少しの微笑を漏らす。 そして振り向き一瞬でもシグナム副隊長を疑ったことを謝ろうとするが、何故か身体が動かない。 彼女に殴られるという恐怖により身体が竦んでしまったのだろうか。 こんなことを知られたら、スバルはおろかエリオやキャロにまで笑われてしまうかもしれない。 そんな未来はごめんごうむりたい。 だから身体が動けるようにと、気を引き締め、 更に深呼吸をして身体を落ち着けてみようとするが、何故か息を吸うことができない。 代わりに自分でも驚くくらいの血を口から吐き出される。 《あれ?何で?》 心に浮かぶ疑問。それに対しての答えを思い浮かべようとするが、 内臓が擦れるこそばゆい感触――剣が引き抜かれていく感覚がそれを邪魔をする。 《何なのよ、こんな時に!》 思わず悪態を吐く。 人が必死になって考えようとしている時に、横槍を入れてくるのはスバルに決まっている。 また彼女が暇を持て余して、私のところにやってきたんだろう。 全く傍迷惑な子だ。 いい加減きつく言ってやらなければいけないかもしれない。 そう思いはするが、目に映るのはスバルではなく、近づいてくる地面の姿。 訳が分からない。取り合えず、受け身を取ろうと手を伸ばそうとするが、その暇もなく顔から着地。 痛い、と心の中で叫ぼうとするが、痛みなどなかった。 何なのだろう。状況に理解が及びつかない。 ひょっとしたら、夢を見ているのかもしれない。 この所、訓練づけだったし、疲れがたまっていたのだろう。そのせいかもしれない。 そういえばスバルにも早朝に、深夜にと、訓練をつき合わせてしまった。彼女もきっと疲れていることだろう。 今度の休みの日に、訓練のお礼として、いつものお店でアイスクリームでも奢ってやるとするか。 そうすればきっとスバルのことだ。喜んでくれるに違いない。 それにこんなに訓練ばっかしていたら、またなのはさんに怒られてしまう。 あの時は怖かったなぁ。まあ、でも自分が悪かったのだし、仕方ないか。 だけど、あれがきっかけでなのはさんともっと深く知リあえて仲良くなった。 情けなくはあるけれど、私の大切な掛け替えのない思い出……。 でも、何か変だなぁ。なのはさんに怒られたのは無茶な訓練して、模擬戦をやった後で、今じゃない。 あれ…………?今っていつだ? なのはさんに怒られて…………そう、ゆりかごでJS事件の決着がついて、それから六課が解散して……、 確か……フェイトさんの……補佐として働いていたはず。 その後は……八神特別捜査官に……呼び出されて、久しぶりに……えーと、六課の終結と喜んで…………それから……なんだっけ? ……ダメだ……。今は眠い。考えがうまく纏まらない……。 今日はゆっくり寝て、また明日考えることにしよう…………。 時間はまだたくさんある…………………………………………………………………………………………………………。 【ティアナ・ランスター@リリカル遊戯王GX 死亡】 ■ 現れたのは同じ機動六課メンバー/ティアナ・ランスター。 同じ管理局員と思った以上に早く会えるというのは好都合だが、状況が芳しくない。 恐らくシグナムと対峙している自分を敵と誤認。 また入局して浅い自分よりかはシグナムの方が信頼がある――それは自明。 ――故に誤解による戦闘を避けるために、ARMSを解除し、彼女に伝える。 「俺は時空管理局機動六課所属、アレックスだ。このゲームには乗っていない」 だがこの言葉を受けて、彼女の顔は怒りに染まる。 「ふざけんじゃないわよっ!!あんたなんかにっ……!」 言葉の中断――彼女の胸に刺さるシグナムのバスターソード それと共にもたらされる結論――ランスター二等陸士の死 「すまない……主のためだ」 微かに届けられるシグナムの言葉を思考。 今までの彼女の言動を思い返し、主と呼称していた人物を思い出す。 ――そして導き出す答え。 「……八神はやてのためか?」 この返答も沈黙。 だが、険しさを増す彼女の瞳は紛れもない肯定を示す。 動機が分かれば説得の道筋は立てやすい。彼女の行動を改めることが出来るかもしれない。 しかし、同時に疑問/自分にそれが可能か? 八神はやてとの付き合いの浅い自分に彼女を語る資格はない。 それにシグナムはもう仲間であり、部下であったランスター二等陸士を殺した。 後戻りは出来ないだろう。 ――故に説得ではなく、自分の認める強者としての会話を続ける。 「……何故殺した?」 幾重にも意味を込めた質問。 「……愚問だな。元より主以外は全て殺すつもりでいた。それが守護騎士である私の役目だ。 私の躊躇いや逡巡によって、主に危険が及ぶことは避けねばならない。 相手がお前のようなものやこの女のような管理局員であるというのならば、事は尚更だ。 主の命に比べれば、私の騎士としての誇りなど、何と軽いことか……」 饒舌とも言える回答/ランスター二等陸士の支給品を確認するための時間稼ぎ/阻止は可能 ――だが、彼女の言葉/思いの方が気になる。 言い終えると同時にシグナムはティアナが持っていたバッグから新たな刀を取り出す。 そしてその剣先をこちらに向け、不敵に笑う。 「レヴァンティンとはいかなかったが、これならお前にも遅れをとることはないだろう」 バスターソードと同じく規格外の武器。 しかし、それよりは彼女に馴染む剣/長大な日本刀 状況は最悪/仲間の死/仲間との戦闘 だが、目の前の彼女との闘いに喜ぶ自分がいる。 それを意識しながら再びARMS/マッドハッターを起動。 「いいだろう。俺もお前とは決着をつけたいと思っていたところだ」 【1日目 深夜】 【現在地 F-3】 【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】 【状態】健康 、疲労(小) 【装備】なし 【道具】支給品一式、はやての車@魔法少女リリカルなのはStrikerS、サバイブ"烈火"のカード@仮面ライダーリリカル龍騎、 ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本 この殺し合いを管理局の勝利という形で終わらせる 1.シグナムの排除 2.1の後、機動六課隊舎へ向かう 3.六課メンバーとの合流 4.キース・レッドの首輪の破壊 【備考】 ※シグナムに多少の違和感を覚えています ※キース・レッド、管理局員以外の生死には余り興味がありません 【シグナム@魔法少女リリカルなのはA s】 【状態】疲労(小)、胸に裂傷(我慢できる痛みです) 【装備】正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【道具】支給品一式×2、バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、ランダム支給品0~3個 【思考】 基本 はやてを優勝させるため、全ての敵を排除する 1.アレックスの排除 2.はやてとの合流 3.ヴォルケンリッターの仲間達との合流 【備考】 ※アレックスとティアナとのやり取りに多少の違和感を覚えていますが、さして重大なこととは思っていません 【支給品情報】 ※アンカーガン@魔法少女リリカルなのはStrikerSはF-3にあるティアナの死体が手にしています 柊つかさは殺し合いの夢を見るか? 本編時間順 SWORD DANCER meet TYPOON 柊つかさは殺し合いの夢を見るか? 本編投下順 アイズ GAME START! アレックス - Wolkenritter シグナム - GAME START! ティアナ・ランスター GAME OVER!