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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 空には2つの月と星。 机の上に置いた藁を敷き詰めた箱の中で怪我をしたフェレットが寝ていた。 ルイズは腕を枕に机に突っ伏して、そのフェレットを見ているた。 今日は本当に疲れた。 人間用の回復の秘薬は小動物には強すぎるので薄めないと使えない。 それを何回も何回も傷口に塗り続けている。 それでやっと治ってきた。 「ねえ、元気になってよね」 返事はない。 「早く名前くらいつけさせてよ。私はルイズって言うのよ。ご主人様の名前よ。しっかり覚えなさい」 やっぱり返事はない。 また指先に薬をつけて塗っていく。 「そうよね。まだコントラクト・サーヴァントもしてないんだものね」 だんだんまぶたが重くなる。 「手間の……かかる……使い魔ね……」 疲れ果てたルイズはそのまま夢の世界へ落ちるように旅立った。 ルイズが夢の世界へ旅立ってから少し立った頃、箱の中のフェレットは前足を立て、体を起こした。 ルイズの体をしげしげと見て、机から飛び降りる。 扉が少し開いているのを見つけると、フェレットはその隙間から部屋を出ていった。 ルイズが目を冷ましたのはまだ暗いときだった。 薬を塗る時間が過ぎたのにあわてて箱の中を手で探るがなにもない。 「どこ?私の使い魔、どこに行ったの?」 窓の外に赤く光る小さな点が見えた。 何か根拠があるわけではないがルイズはそれが使い魔が首からかけていた赤い宝石だと思った。 あわてて部屋を出て階段を駆け下りる。 外に出ると赤い光が消えるのが見えた。 あの先には学院の出入り口がある。 「外に出ちゃったの!?」 あわててルイズは追いかける足を速めた。 木の生い茂る森の中でも見失ったりはしなかった。 見えなくなる度に赤い光が見えて方向を教えてくれる。 木の根につまづいたり、枝が服を破いたりしたけど使い魔に逃げられるよりはずっとましだ。 走っているうちに随分遠くに来た気がする。 やがて少し開けた場所で赤い光が止まった。 追いついて使い魔をつかまえようと思ったが止めた。 使い魔が光りだしたからだ。 「な、なに?」 茂みに隠れてのぞき見ると、フェレットだった使い魔は人間の姿に変わっていった。 「あの男の子……」 どこかで……夢で見たような気がする。 男の子は周りを見回す。 ルイズの方を見た。 見つかった!と思ったとき、ルイズの後ろでうなり声がした。 「きゃあーーーーっ」 目だけが爛々と光る獣のような者がいた。 襲いかかってくる歪んだ影を見ると、ルイズの身はすくみ、思わず目をを閉じてしまった。 「ルイズ!」 名前を呼ばれ、目を開ける。 さっきのフェレットが変身した男の子がいた。 手を前に突きだし、光の魔法陣で獣を防いでいる。 「来ちゃったんだ……」 「え?なに?どういうこと?なんで私の名前を知ってるの?」 「それは……う……」 男の子がうめき出し、魔法陣の光が霞む。 獣が魔法陣から下がり、着地した反動で縮めた体を伸ばし、もう一度魔方陣めがけて突進する。 「うぁああああああ!」 「きゃああああ!」 消えかけた魔法陣では二人を守りきれない。 はじき飛ばされ、何度も地面を転がった。 「なにあれ。逃げないと」 手を引っ張って走り出そうとしたけど男の子の子はうずくまったまま動かない。 苦しそうに手で体を押さえていた。 フェレットだったらルイズが薬を塗った場所だ。 「あなた、やっぱり」 獣のうなり声がまたした。今度は上から。 ルイズは少年を引きずって飛び退く。 そばにある木が真っ二つに割れた。 「あんなのって……どうすればいいの?」 地面にめり込んだ獣が触手を出してもがいている。 すぐには出られないみたいだが、そんなに長くはかからないだろう。 あそこから出られたら捕まってしまう。 逃げても獣の方がずっと早い。 ルイズの手が男の子に引かれた。 「ルイズ……使って。魔法の力を」 「だめよ」 ルイズは叫ぶ。 「私には魔法が、魔法なんて使えないの!」 「大丈夫」 男の子は苦しそうだ。 「君には資質がある。だから、これを」 男の子はルイズに赤い宝石を握らせる。 「これ……」 「それを手に、目をとじて、心を澄ませて」 「え?これを」 何が何だか解らなかった。 「はやく!」 男の子が叫ぶ。 ルイズは男の子の言葉通りに目を閉じた。 「僕の言ったとおりに繰り返して」 「わかったわ」 「いい?いくよ」 「いいわ」 男の子が目を閉じる。 「我、使命を受けし者なり」「我、使命を受けし者なり」 男の子の言葉にルイズが続く。 宝石の光が強くなる。 「契約のもと、その力を解き放て」「契約のもと、その力を解き放て」 宝石から鼓動が聞こえた。 「風は空に、星は天に」「風は空に、星は天に」 ルイズの鼓動と宝石の鼓動が1つになる。 「そして不屈の心は」「そして不屈の心は」 宝石の力とルイズの魔力が合わさる。 ルイズと男の子の言葉も同時に響く。 「この胸に。この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ!」 「stand by ready.set up.」 召喚の時に聞こえた異国の言葉をもう一度聞いた。 宝石の光がさらに広がった。光は天をつき、獣をひるませ、ルイズを驚かせる。 「落ち着いてイメージして。君の魔法を制御する魔法の杖の力を、そして君の身を守る強い衣服の姿を」 「いきなり言われてもそんなの……あ……」 思い出した。 学院に入学する少し前。わくわくしながらベッドの中で思い描いたこと。 誰にも負けないすごいメイジになった自分の姿を。 途端に、ルイズ自身が光り出す。服がほどけ、別の服が編み上げられる。手にはいつも持っている杖ではなく、もっと強い杖が握られる。 「成功だ」 光が消えたとき、男の子はルイズの新しい姿を見た。 ルイズは自分が考えたとおりの服着て、新しい杖を持った自分自身を見つけた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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テレビアニメ共演リスト ・ #039; #039;浅野真澄 #039; #039;(7)(乙女はお姉さまに恋してる、鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、D.C.S.S.~ダ・カーポ~セカンドシーズン、ときめきメモリアル Only Love、ハヤテのごとく!、魔法少女リリカルなのはA #039;s、流星戦隊ムスメット) ・ #039; #039;小林沙苗 #039; #039;(7)(蒼穹のファフナー、ダイバージェンス・イヴシリーズ、超変身コス∞プレイヤー、ヒットをねらえ!、魔法少女リリカルなのはA #039;s、ヤミと帽子と本の旅人、LOVE #9829;LOVE?) ・ #039; #039;清水愛 #039; #039;(7)(鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、ストロベリーパニック、W~ウィッシュ~、ときめきメモリアル Only Love、魔法少女リリカルなのはシリーズ、メルヘブン、ヤミと帽子と本の旅人) ・ #039; #039;斎藤千和 #039; #039;(6)(ARIA The NATURAL、ストロベリー・パニック、月詠-MOONPHASE-、ときめきメモリアル Only Love、ぱにぽにだっしゅ!、吉永さん家のガーゴイル) ・ #039; #039;能登麻美子 #039; #039;(6)(鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、シムーン、ヒットをねらえ!、ヤミと帽子と本の旅人、LOVE♥LOVE?、MEZZO-メゾ-) ・ #039; #039;石毛佐和 #039; #039;(4)(SDガンダムフォース、月詠-MOONPHASE-、ぱにぽにだっしゅ!、メルヘヴン) ・ #039; #039;植田佳奈 #039; #039;(4)(tactics、ぱにぽにだっしゅ!、ハヤテのごとく!、魔法少女リリカルなのはA #039;s) ・ #039; #039;佐藤利奈 #039; #039;(4)(ダイバージェンス・イヴシリーズ、D.C.S.S.~ダ・カーポ~セカンドシーズン、ハヤテのごとく!、びんちょうタン) ・ #039; #039;沢城みゆき #039; #039;(4)(鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、さよなら絶望先生、 #039; #039;ぱにぽにだっしゅ! #039; #039;、ひだまりスケッチ) ・ #039; #039;白石涼子 #039; #039;(4)(蒼穹のファフナー、D.C.S.S.~ダ・カーポ~シリーズ、ハヤテのごとく!、魔法少女リリカルなのはシリーズ) ・ #039; #039;豊口めぐみ #039; #039;(4)(シムーン、蒼穹のファフナー、ときめきメモリアル Only Love、メルヘヴン) ・ #039; #039;広橋涼 #039; #039;(4)(ARIA The NATURAL、鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、ぱにぽにだっしゅ!、 #039; #039;ロミオ×ジュリエット #039; #039;) ・ #039; #039;水樹奈々 #039; #039;(4)(鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、シムーン、魔法少女リリカルなのはシリーズ、吉永さん家のガーゴイル) ・ #039; #039;門脇舞以 #039; #039;(3)(月詠 -MOONPHASE-、ときめきメモリアル Only Love、ぱにぽにだっしゅ!) ・ #039; #039;金田朋子 #039; #039;(3)(鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、W~ウィッシュ~、B-伝説 バトルビーダマン炎魂) ・ #039; #039;桑谷夏子 #039; #039;(3)(ストロベリーパニック、D.C.S.S.~ダ・カーポ~シリーズ、魔法少女リリカルなのはシリーズ) ・ #039; #039;後藤邑子 #039; #039;(3)(乙女はお姉さまに恋してる、さよなら絶望先生、ひだまりスケッチ) ・ #039; #039;新谷良子 #039; #039;(3)(W~ウィッシュ~、ぱにぽにだっしゅ!、ひだまりスケッチ) ・ #039; #039;水沢史絵 #039; #039;(3)(シムーン、ダイバージェンス・イヴシリーズ、 #039; #039;ロミオ×ジュリエット #039; #039;) ・ #039; #039;渡辺明乃 #039; #039;(3)(ARIA The NATURAL、鍵姫物語 永久アリス輪舞曲、ダイバージェンス・イブシリーズ) ・ #039; #039;堀江由衣 #039; #039;(2)(D.C.~ダ・カーポ~シリーズ、ぱにぽにだっしゅ!) ラジオ ・(有)櫻井工房( #039; #039;櫻井孝宏? #039; #039;) ・(有)チェリーベル( #039; #039;櫻井孝宏? #039; #039;、 #039; #039;鈴村健一? #039; #039;) ・ATLUS presents めぐみゅうの神楽坂ハッピーチューナー( #039; #039;豊口めぐみ #039; #039;) ・松来未祐と金田朋子のRADIOデコピンないと( #039; #039;金田朋子 #039; #039;) ・おしゃべりやってまーす木曜日( #039; #039;小野塚昌也? #039; #039;、 #039; #039;茅原美里? #039; #039;) ・聖應女学院放送局( #039; #039;後藤邑子 #039; #039;) 声優一覧 ま行 声優一覧:ま行(女性)?
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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ ゴーレムの肩に乗るフーケはいつになく高揚していた。 ロングビルと名乗り、秘書を続けて、おまけにオスマンのあの行為に我慢してまで調査を続けた成果がこれから出るのだ。 それに今日はいつになく魔力が充実している。 それは気のせいかもしれないが、心躍らずにはいられない。 ジュエルシードは脈動するように明滅を始める。 明滅とともに魔力が少しずつ湧き出していく。 魔力は宝を願う者のためにゴーレムの中に広がっていく。 それはジュエルシードの力の正しい現れ方でもあった。 巨大なゴーレムの腕が宝物庫の壁にめがけて振り下ろされた。 その壁は強固なはずであった。 建築に使われた材料、技術、そして固定化の魔法。 いずれをとってもこれ以上の物はハルケギニア中を探してもそうはない。 その壁がいともたやすく砕け散り、大穴を開けた。 「なんだい。見かけの倒しの噂だけかい。これならとっととやるんだったね」 そうは言いながらも、フーケは自らの魔法の威力に満足する。 もっとも、その原因はゴーレムの中にあるジュエルシードが原因なのだが、彼女にはそれに気づく術はない。 周りには予想通り衛士はもちろん人影すらない。 とはいえ、ここでぐずぐずしているとすぐに見つかるのは目に見えている。 フーケは慣れた様子で円柱状のゴーレムの腕の上を走り、壁に開いた穴から宝物庫の中に走り込んだ。 中には様々な宝があるが、フーケのねらいはただ一つ。破壊の杖だ。 ロングビルとして目を通した資料の中には、宝物庫の図面もあった。 その図面を思い出しながら、壁を順番に見回したフーケは目当ての物を見つけた。 青い紋章入りの長方形の箱。それには『破壊の杖。持ち出し不可』と書かれたプレートが下がっている。 間違いない。この中に破壊の杖があるはずだ。 フーケはそれを抱え上げ、急いでゴーレムの元に戻る。 穴から外に出る前に一度振り返り、杖と降った。 『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』 魔法が壁にそう刻んだ。 ルイズは走りながらゴーレムが壁から腕を引き出す様子を見ていた。 素早く首を見回し、周囲を確認する。あたりには誰もいない。 ルイズはレイジングハートを手にし、小さくつぶやいた。 「レイジングハート、セット・アップ」 「stand by ready.set up.」 瞬きする時間もかけずにルイズはバリアジャケットで身を包む。 その横では人間の姿に変身したユーノがルイズと歩調を合わせている。 ルイズは足下にフライアー・フィンをつくり、ユーノとともに空に飛んだ。 空を飛べばゴーレムにはすぐに追いついた。 「ジュエルシードは、まだ暴走していないみたいだ。今なら被害も少ないはずだよ」 「そうね。早く回収しましょう」 レイジングハートと視線を塔から離れていくゴーレムに向けた。 「大きい……」 上空から見下ろした方がゴーレムの巨大さがよくわかった。 身長はおよそ30メイル。 以前ギーシュが暴走させたゴーレムよりずっと大きい。 暴走させずにあれを作り上げているのだとしたら、そのメイジはギーシュとは比べものにならない腕の持ち主なのだろう。 その巨体の中にジュエルシードがあるのは、広域サーチを使うまでもなくわかる。 あとはゴーレムの中からジュエルシードを取り出すだけだ。 「ディバインバスターを使えばいいんだけど……どうしよう」 ゴーレムを砲撃魔法で粉砕すればジュエルシードは見つかるだろう。 問題はゴーレムの肩に乗っている深くローブをかぶった人だ。 おそらくゴーレムを使い、宝物庫から何か盗み出した盗賊なのだろう。 ──いいのかな 人間をミッドチルダ式の魔法でジュエルシードの怪物同様に砲撃していいかどうか逡巡がある。 ユーノの顔をちらっと見る。使っていいかどうか聞きたいが、うまく切り出せない。 そんなルイズにレイジングハートがアドバイスを送った。 「No problem.Shoot Buster.Master.」 「それなら、そうしましょう」 問題がないのなら、それでいい。 「ルイズ、慎重にね」 ユーノはそう言うが撃っていいのなら盗賊だし、ゴーレムごと撃ち抜いてもかまわないだろう。 方針の決まったルイズは、ためらうことなく呪文を唱える。 「リリカル・マジカル」 ゴーレムもそれに乗った盗賊もルイズを気にすることなく、壁に向かって歩いていく。 その間にもルイズは魔力を溜めていく。 レイジングハートに魔力が満ち、その先に作られた魔力球がまぶしいほどに輝く。 「ディバイン・バスターーーー、シューーーーートっ」 光となった魔力が一直線に飛び、ゴーレムの頭部に直撃する。 爆発を起こしたゴーレムは少したたらを踏んで、その場に止まった。 吹き飛んだ頭部の跡には、青いジュエルシードが光っていた。 フーケに残された仕事は学院から逃げることだけだった。 塀を乗り越えて、少し行ったところでゴーレムをおとりにすれば誰にも見つかることはない。 上空に白い服を着たメイジがいるが、手をこまねいているだけだ。 あの距離で、しかもフライを使っているのなら攻撃魔法を使えるはずもないし、森の中に入ってしまえば簡単に隠れることもできる。 「さて、と」 独りごちるフーケは突如、いやな予感を感じた。 根拠はない。だが、今まで盗賊を続けてこられたのは、この予感というやつを軽視しなかったためでもある。 フーケは空に顔を起こし、目をむいた。 そこにはピンクの、明らかに魔法で作られた球体が輝度を増しつつあるのだ。 「なんだいあれは」 フライを使いながらの魔法、しかも輝きからわかるようにただごとでなく強力な魔法を使おうとしている。 見ているうちに球体はさらに輝きを増し、ついにはゴーレムに向かって降ってきたのだ。 光はゴーレムの頭部を押しつぶし、粉砕し、そして爆発を起こした。 巨大なゴーレムが頭部だけとはいえ、たった一撃で粉砕されたのだ。 「どんな魔法よ」 見たこともない魔法だ。 トリステインにあるアカデミーが開発した新式の魔法かもしれない。 いずれにせよ、上空にいるメイジが油断できない相手であることは間違いない。 「どうすりゃいいんだよ。いったい」 ゴーレムの一番大きな破損は頭部だけだが、動けるように修復するには少し時間がかかる。 その間に学院の衛士や王女の護衛が駆けつけるはずだ。 そっちは何とかなっても空のメイジがいる。あのメイジがまたさっきの魔法を使ったらどうしようもない。 「あいつから何とかしないとね」 だがフーケにはその手段がない。 フーケにはあの高さまで届く魔法はないのだ。 新たな願いを受けたジュエルシードは強く脈動を始める。 願いを叶えるには、このゴーレムだけでは難しかったが、ジュエルシードはその手段をすぐに見つける。 だが、それを使うにはさらに魔力が必要なはずだ。 そのためにより強く、より多くの魔力を作り出していく。 そしてジュエルシードは暴走した。 ゴーレムの頭部があった場所でジュエルシードの輝きが増す。 「これは?」 それに気づいたフーケはジュエルシードに近寄り、それをとろうと手を伸ばした。 泥が動く音がした。 フーケの周りで泥が波を打ち、盛り上がっていく。 ゴーレムの頭部が急速に修復していっているのだ。フーケを巻き込んで。 フーケは泥の波から逃れるために走ろうとしたが、泥を強く踏んだとたんに膝まで沈んでしまう。 「こ、この、何が起こってるんだい!」 フーケは、徐々に泥の中に埋まっていく。 膝から、腰へ、腰から胸へ、胸から首へ。 「この、この」 もがくたびに沈んでいく。 沈むたびにジュエルシードの輝きが増していく。 「こいつが……まさか」 フーケにはジュエルシードが何かはわからないし、何をしているのかもわからない。 それでも青い光を放つ宝石が、この異変の元凶だということは疑いようもなかった。 これをどうするのか、どうやればいいのか。そんなことはわからない。 わからないが、フーケはジュエルシードに手を伸ばした。 それをつかめばどうにかできると信じて。 その動きがさらにフーケを泥の中に埋めていく。 ──もう少し。 指先がジュエルシードにかかった。 フーケは目まで泥に埋まる。 ──もう少し。 フーケの頭が泥に埋まる。 そして、フーケの全ては泥の中に沈んでいった。 最後までもがき続けた腕もジュエルシードをつかむことなく、泥の中に消えた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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2012-01-10 16 13 21 (Tue) ま行 ま み む め も ■ま 舞-HiME マクロスF マケン姫っ! ましろ色シンフォニー 魔法少女リリカルなのはA’s 魔法少女リリカルなのはStrikerS 魔法少女まどか★マギカ まほろまてぃっく 特別編 迷い猫オーバーラン! 輪るピングドラム 魔乳秘剣帖 まよチキ! ■み みつどもえ みつどもえ 増量中! MUJIC JAPAN 未来日記 ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~ ■む 蟲師 無人惑星 サヴァイヴ ■め 名探偵コナン 名探偵ポワロとマープル MAJOR 1st MAJOR 2nd MAJOR 5th ■も モーレツ宇宙海賊 もしドラ もっとTo LOVEる 森田さんは無口。
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media_player Portable3とは? media_player Portable3とは、dekosoft作成のマルチファイル再生専用の、メディアプレーヤーポータブルシリーズ第3弾のことです。 ボタン説明 「>」…選択されたファイルを再生します。 「||」…再生を一時停止します。もう一度このボタンを押すと再開します。「■」…再生を停止します。 「≪」…最初から再生します。 「Share」…TwitterにシェアするためのURLをクリップボードにコピーします。 「X」…プログラムを終了します。 「..」…ファイルを選択します。 再生対応形式 音楽ファイル MIDI,MP3,WAV,WMA,AU形式 動画ファイル MPG,WMV,ASF,AVI形式 ※AVIファイルも再生可能ですが、音楽ファイルと同じ扱いになります。 機能 D Dするとファイルを再生します。 ShareでTwitterにシェア可能! 再生位置を表示。 バグ フォルダーをD Dすると、エラーウインドウが出ます。 ※複数のファイルはD Dできません。 「D \abc.mid」と「D \123.wav」を同時にD Dすると - 「D \abc.mid123.wav」というファイルを再生、というようにプログラムが受けてしまいます。 バージョン 2015/02/03現在リリースされている最新バージョンは、Ver.1.3.4です。 ダウンロード media_player_Portable3ダウンロードリンク お願い 上記記載以外のバグ等ありましたら、寸君(作者)まで連絡ください! その他、「こんな機能が欲しい」、「ここをこうしてほしい」等ご意見もお待ちしております!! 出来る限りのことはしたいと思います。 連絡先 作者Twitterもしくはメールでお願いします!! ※プログラム media_palyer Portable3 は、dekosoftの著作物です。 Copyright (c) 2014-2015 dekosoft, All rights reserved.
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物理攻撃スキル 術式攻撃スキル 交渉スキル 防御スキル 特殊技能スキル(アクティブ) パッシブスキル パーソナルスキル 習得必須スキル 防御スキル 捌術(格闘士Lv21) 回避系DEFスキル。1戦闘1回限定。物理攻撃を100%避ける 説明文では物理攻撃となっているが術式攻撃も回避可能。絶対回避。 なお、パーソナルスキルのうち、絶対回避(正純、点蔵)、貧乳回避(ミトツダイラ)、高嶺舞(喜美) も同様のスキル。捌術と同時につけられる。 したがって、上記パーソナルスキルを持つキャラクターが捌術も習得すれば、物理・術式攻撃を1戦闘で2回、100%回避することができる。 パッシブスキル お祓い(侍Lv31、巫女Lv11) 特殊技能スキル。攻撃力が増し、霊属性の武器でなくても、霊属性の敵にダメージを与えられる。 不意に霊系の敵が出てきて手も足も出ない、という事態を避けられる。 スタイルチェンジができるようになった時点で早めに習得して常時付けておきたい。 先手必勝・下位(忍者Lv7)、先手必勝・上位(忍者Lv27)、 特殊技能スキル。INVの権利が取れる 毎ターン確実に先手を取れるようになる。 一撃で倒せる敵を数こなす時など、防御を選ぶ必要がなくなるため特に有効。 習得推奨スキル 物理攻撃スキル 必殺・下位(忍者Lv50or巫女Lv50)、必殺・上位(忍者Lv100or巫女Lv100)、必殺・最上位(忍者Lv200or巫女Lv200) 物理ATKスキル。相手が戦闘不能になることがある。 武器全種に対応している。COスキルなのでCOターンでも使える。 但し、MP消費は多め(下位10、上位20、最上位40)なので、長期戦のときはMP回復(ヘルパーに御広敷を入れる等)を心掛けたい。 術式攻撃スキル 石化付与・下位(黒魔術師Lv50錬金術士Lv30)、石化付与・上位(黒魔術師Lv100錬金術士Lv70)、石化付与・最上位(黒魔術師Lv200錬金術士Lv150) 術式ATKスキル。石化の効果を与えることがある。 COスキルなのでCOターンでも使える。 「○系術式」のような武器属性の指定がないので、エネミーが術式防御を持っていないに使う術式として入れておいても損はない。 但し、MP消費は多め(下位10、上位20、最上位20) 防御スキル 絶対防御(騎士Lv11) 汎用DEFスキル。1戦闘1回限定。自身への物理、射撃ダメージを、1発分無効化する。 捌術とは違い、術式攻撃は無効化できない。またあくまでもダメージが0になるだけなので、状態異常は通されてしまうこともある。 100%無効化はできないが、スキルを所持していてスロットに余裕があるなら保険に入れておこう。 結界(巫女Lv11) 特殊技能スキル。1戦闘中1回限。敵の術式攻撃を無効化する。 術式攻撃に限定された100%無効化スキル。 スキルを所持していてスロットに余裕があるなら保険に入れておこう。 特殊技能スキル(アクティブ) 強壮・上位(白魔術師Lv25)、強壮・最上位(白魔術師Lv40) 特殊技能スキル。1戦闘中1回限定。使用者のMAXHP分だけ回復する。 下位は全員デフォルトで持っているが、上位・最上位と習得しセットすることで、1戦闘中にセットした数だけHPを回復させることができる。 長期戦の時に活用したい。 機動術(白魔術師) 特殊技能スキル。1ミッション中、パーティー全体のACを+2上げる 重ねがけが可能。連発してACを上げきってしまえば敵の攻撃が一切当たらなくなる。一気に押し切れない戦闘で有用。 準備にターン数を食うので、活用するには戦線維持で最大ターン数を上げ、捌術などで準備中の安全を確保しておきたい。 抵抗値上昇(白魔術師、巫女) 特殊技能スキル。1戦闘1回限定。3ターンの間、味方パーティ全員の全抵抗値が+30%される 状態異常がキツイゲームなので、開幕に撒いておけば戦闘が安定する。 パッシブスキル 速攻(学生Lv10)、早駆け(侍Lv31) 速攻:特殊技能スキル。Pリーダー所持の場合、2、5、8ターンがSPターンになる 早駆け:特殊技能スキル。Pリーダー所持の場合、3、6、9ターンがSPターンになる 捌術などの絶対回避や絶対防御、状態異常と組み合わせれば、回避・防御・パスが続く間は一方的にSPスキルを連続で叩き込むことができる。 また、SPターンにレンジ戻しなどの補助スキルを無意味に多用する一部の敵に対しても有効。 敵もSPスキルを使う機会が増える点は注意。 速必殺(格闘士Lv31/ノリキのみ格闘士Lv11) 特殊技能スキル。Pリーダー所持の場合、1ターンがHSPターンになる 開幕超必殺ぶっぱしたい方はコレ。 各種精進 スキルランクとキャラレベルに応じて該当属性スキルの威力が上がる。 同一種類の精進は複数持たせることで効果が重複する。 戦線維持・上位、戦線維持・最上位(騎士) 上位:特殊技能スキル。Pリーダー所持で、最大ターン数が20となる 最上位:特殊技能スキル。Pリーダー所持で、最大ターン数が30となる 長期戦必至となる一部の戦闘に必要。 なお、下位(最大ターン数10)は全員デフォルトで持っている。 コメント 名前 コメント ”非”推奨スキルの欄とか不要かね? うるさいだけ喝采と、キャライベの邪魔になる復旧とか。 -- 名無しさん (2013-10-20 12 06 30) ↓結界を入れてみようと思ったら各スキル一覧のどこにも結界がなかった… -- 名無しさん (2013-05-30 06 17 05) 絶対防御が有って結界が無いのは、女性のみで範囲が狭い(術式限定)だから? -- 名無しさん (2013-05-30 02 33 36) 一つ一つ「これは何かのミッションに必要かな?」とか調べんの面倒だから、あれば便利だとは思う。 -- 名無しさん (2013-05-29 11 08 17) 下関のように書いてあればわかるし、ミッションに必要なスキルはミッションのページだけでいいと思う -- 名無しさん (2013-05-29 01 30 49) 編集が出来ないので、単なる希望ですが、このページに必須スキル(持っていないとミッション参加付加となるもの)、推奨スキル(戦闘を楽にこなすためにあると良いもの)に分けたら良いのではないでしょうか。今記載されているものは、お祓い以外は推奨ですね。 -- 名無しさん (2013-05-28 22 28 09) ミッション条件の空質や、対罠系、直感も推奨にして良いんじゃない? -- 名無しさん (2013-05-28 20 36 38) お祓いと機動術追加してみました -- 名無しさん (2013-05-26 23 00 24) 「お払い」は推奨じゃなく、必須スキルじゃないかと思います。 -- 名無しさん (2013-05-26 12 03 36) 習得推奨スキルって適宜追加しても大丈夫でしょうか。個人的には「お祓い」(侍31巫女11)は対ゴースト推奨スキルだと思うのですが。 -- 名無しさん (2013-05-25 02 49 20) ↓試しました。交渉でも術式でも使えますね。ただし、勝つためには勝てるだけの攻撃力が必要です。後場合によっては戦線維持も。 -- 名無しさん (2013-05-24 16 37 05) バグ・報告ページより転載 習得推奨スキルになるのか、自分のスタイルなのかわかりませんが、白魔術師の「機動術」AC+2が使えるメンバーがパーティに二人いて攻撃防御の両方で唱えまくれば、大体6ターン目ぐらいからほとんどの攻撃があたらなくなります。それからゆっくりHP回復したりしてから殴れば、誰でも勝てます。 -- 名無しさん (2013-05-21 19 37 04)
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autolink NA/W12-104 カード名:戦闘服 なのは&フェイト&はやて カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:2 コスト:2 トリガー:1 パワー:8500 ソウル:2 特徴:《魔法》?・《武器》? 【自】このカードがアタックした時、クライマックス置場に「スタンバイ・レディ」があるなら、あなたは1枚引く。 ドライブ・イグニッション! レアリティ:TD illust.しのづかあつと 魔法少女リリカルなのはA sのTD限定カード。 “天然素材”美魚やピロスを抱くアリスなど、 初期時のレベル2青ではお馴染みのノンコストドローブーストCXシナジー持ち。 上記2枚や身構える沙耶とは違いCXシナジーのみしか能力がないが、 その分サイズが2/1バニラ並と安定して使いやすく、 関連カードの多い特徴や「なのは」?「フェイト」?「はやて」?の名前とシナジー範囲がかなり広いという強みがある。 ・対応クライマックス カード名 トリガー スタンバイ・レディ 2 ・関連ページ 「なのは」? 「&」? 「フェイト」? 「はやて」?
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機動六課司令室は緊迫した空気に包まれていた。 オペレーター達から絶え間なく送られてくる報告の一つ一つを整理し、最も的確と思われる指示を返しながら、グリフィスは額の汗を拭った。 隣のリインフォースⅡも、食い入るようにモニターを凝視している。 傍らの椅子、部隊の最高責任者の座るべき席は空――本来は司令官代理のグリフィスが座るべきなのだろうが、本人は律儀にも立ったまま己の仕事を行っていた。 モニターに映し出される二つの映像――その片方は、輸送ヘリから送られてくる、山間で展開されるなのは達の作戦状況である。 進行状況は極めて良好――ベテランの隊長陣三人が制空権の確保し、経験の浅い新人四人は列車の中に突入し、魔導機械の殲滅している。 順調、文句のつけようもない程順調に作戦は進んでいる――こちらの方は。 問題は……グリフィスはもう一つの映像へと視線を移した。 炎上する市街地、数えることも馬鹿らしい程の量のムガン相手に孤軍奮闘するはやてとフェイトの姿――軌道上の通信衛星から送られてくる、ベルか自治領の様子である。 限定解除した二人の隊長級魔導師は、絶望的な物量差をものともしない圧倒的な攻撃力を惜しみなく振るい、驚異的な勢いでムガンを殲滅している。 しかし大技の連発は体力魔力両面での急激な消耗を招き、ペース配分を無視した無茶な戦い方は必ず破綻を迎えるだろう。 長くは保たない……歯噛みするグリフィスの拳は固く握り込まれ、爪が掌の皮膚に食い込む。 無論、何もせずにただ傍観者に徹する程グリフィスは無能ではない。 機動六課の戦闘要員はなのは達正規部隊だけではない、交替部隊――前線部隊の人員が何らかの理由で不在の際、その穴を埋める人員も用意されている。 ベルカ自治領での戦況報告を受けたグリフィスは、直ちに交替部隊の出撃を命じた。 本来は前衛メンバーのオフシフト時の待機要員としての意味合いが強い交替部隊であるが、正規部隊と同時に出撃させてはならないという規定は無い。 しかし元々正規部隊が到着するまでの時間稼ぎを主目的とした代替戦力、この想定外とも言える敵の物量を相手にどこまで通用するか、不安は残る。 更にそれ以前の問題として――決して考えたくない事態ではあるが――果たして交替部隊が到着するまでの間、はやて達二人は持ち堪えられるのだろうか。 あの二人の実力を疑う訳ではないが、それでも頭に浮かぶ最悪の可能性をグリフィスは否定することが出来なかった。 隣でモニターを見つめていたリインフォースⅡが、突如グリフィス達に背中を向け、まるで逃げ出すように司令室を退出した。 すれ違いざまにグリフィスの目に飛び込んだリインフォースⅡの横顔は、大粒の涙で濡れていた。 「リイン曹長!?」 「放っておけ」 声を上げるシャリオを片手で制し、グリフィスはモニターに視線を戻した。 気持ちは解る……絶望的な状況に陥るはやて達を見て泣き出したい気持ちは、目を逸らし逃げ出したい気持ちはグリフィスも、否、この場の全員が同じだった。 しかしグリフィスには泣き出すことも、逃げ出すことも許されない――何より自分自身が、そのような無様を許せない。 将とは如何なる時も冷静に、そして気丈に振舞わなければならない。 指揮官の動揺は部下の混乱に直結し、そして部隊そのものを瓦解させる。 あくまで冷静に、気丈に、そして普段通りに――それが指揮官としてこの場に立つ、グリフィスの義務なのである。 しかし……リインフォースの消えた自動扉を振り返り、グリフィスはふと思い直す。 放っておけとはいったものの、やはりこのままでは些か後味が悪い……。 「シャーリー」 コンソール操作に戻るシャリオの背中に、グリフィスは遠慮がちに声をかけた。 「やっぱり……リインさんを追いかけてあげてくれないかな?」 冷静に、しかし冷徹はなりきれない自分は、指揮官としては落第かもしれない……甘さを捨てられぬ自分自身に、グリフィスは胸の奥で自嘲する。 司令官代理として「命令」するのではなく、ただのグリフィス・ロウランの顔で「お願い」した幼馴染に、シャリオは親指を立てて了承した。 モニターの中で、なのは達は無事に任務を達成し、はやて達は相変わらず危うい戦いを続けていた。 「……ぅ、うぅ……」 廊下の片隅で小さな嗚咽の声が響いている。 司令室から――モニターの向こうで苦戦するはやてと、状況の改善に奔走するグリフィス達から背を向けて逃げ出し、リインフォースⅡは膝を抱えて泣いていた。 自分は何をしているのだろう……何も出来ない自分、ただモニターを眺めていることだけしか出来ない自分に絶望し、リインフォースⅡはただ涙を流し続ける。 出動要請を受けた時、何か言いようのない胸騒ぎを感じたリインフォースⅡはなのは達との出撃を拒否し、この隊舎での待機を申し出た。 はやての守護騎士としての勘だろうか……リインフォースⅡの予感は見事に的中し、はやてとフェイトは今、絶体絶命の危機に陥っている。 交替部隊の出撃をグリフィスが命じた時、リインフォースⅡも同行するつもりだった。 同じ守護騎士のシャマルとザフィーラも同じ決断に達し、交替部隊と共に出撃していった。 主の危機は自分の危機、そして部隊長の危機は機動六課全体の危機でもある以上、リインフォースⅡ達の選択は当然のものと言える。 では何故、リインフォースⅡは独り、未だこの場所に留まったままなのか――理由は単純である、出撃に間に合わなかったのだ。 機動六課が正式稼動を初めて二週間、部隊長補佐という肩書きを持つリインフォースⅡだが、部署の詳細も隊舎の構造も、未だ完全には把握出来ていない。 特に交替部隊に関してははやてではなくグリフィスの管轄であり、リインフォースⅡはその存在すらも今まで知らなかったというのが本音である。 勝手に意気込んで飛び出し、迷いに迷った挙句に気がつけば独り置いてけぼり……。 肩を落として司令室に戻ったリインフォースⅡを、グリフィスは何も言わずに隣に迎え入れた。 それなのに、この無様……自分は本当に何をやっているのだろう。 惨めさにただ泣き続けるリインフォースⅡの周囲が、いつの間にか薄暗くなった。 停電だろうか……顔を上げたリインフォースⅡは、その時になって漸く、自分を見下ろす人影に気付いた。 ……科学者に化けた熊がいた。 「ひぃやぁあああっ!?」 「……何をやっている」 腰を抜かすリインフォースⅡに、ロージェノムは呆れたように息を吐いた。 「ろ、ロージェノムさん……?」 びっくりしたですーと胸を撫で下ろすリインフォースⅡに、ロージェノムは巌のような顔をにこりともさせずに再び口を開く。 「何をやっている、お前は?」 「…………」 ロージェノムにとっては何気ない、何の意図も無いその問いは、しかしリインフォースⅡの心に深く突き刺さる。 「……本当に、何をやってるんでしょうね。私は……」 顔を伏せ、リインフォースⅡは自嘲するように口を開いた。 「はやてちゃんのために生まれた私なのに、でもはやてちゃんがピンチの今、何も出来ずにここにいるです……」 リインフォースⅡは人間ではない――はやてによって創られたユニゾンデバイス、その管制人格である。 はやてのために生まれ、はやてのために存在する……作り物の生命に過ぎないリインフォースⅡにとって、それだけが己の存在意義であり、そして心の拠り所だった。 「はやてちゃんが呼んでくれれば、私はどんなところにでも飛んでみせる、どんな奇跡でも起こしてみせる……そう思っていたし、そう生きようと決めてたです。 だって、はやてちゃんのことが大好きだから。他の守護騎士の皆に負けない位大好きだから……!」 しかし誓いは破られた。 創造主の危機に馳せ参ずることも出来ずに、こうしてただ泣いているだけの無力な自分……。 痛みを堪えて戦い続ける主に、しかし自分は手をのばすことも、声をかけることも出来ない。 こんな筈ではなかったのに……何もかもが上手くいかない不条理な現実に、リインフォースⅡの幼い心は折れかけていた、砕けかけていた。 「想えば飛べる……か」 リインフォースⅡの独白を聞き終え、ロージェノムはどこか感慨深そうに呟いた。 その時、 「……じゃあ、飛んでみます?」 まるで出番を待っていたかのような絶妙なタイミングで、シャリオが曲がり角の陰から姿を現した。 「……シャーリー?」 困惑の声を上げるリインフォースⅡに、シャリオは柔らかい、そして力強い笑みを浮かべる。 「一緒に飛んでみませんか? リイン曹長の大好きな人のいる場所へ、皆で」 「プラズマザンバー……」 フェイトの掲げた刀身に雷が集中し、 「ラグナロク……」 はやての展開した魔方陣に光がする。 「「――ブレイカー!!」」 気合いと共に放たれた二つの光の奔流が敵を飲み込み、天空を紅蓮一色に染め上げる。 千を数える程存在していた大型ムガンの大群は、今やその半分近くまでその数を減らしていた。 「な、何や……結構やれば出来るもんやないか……!」 「為せば成るってことだね、何事も……!」 荒い呼吸を整え、デバイスを構え直しながら、はやてとフェイトは背中合わせに笑い合う。 出力限定を解除し、聖王教会によるカートリッジ補給支援を受けながらのゴリ押し戦法でここまで戦ってきたが、その効果は予想以上に絶大なものだったらしい。 時空管理局と聖王教会は表面的には協調関係にあるが、管理局本部内では教会との馴れ合いを快く思わぬ者も多数存在しているし、その逆もまた然りというのが現実である。 無断で教会と共同戦線を張り、更に補給まで受けているこの状況は、後々重大な責任問題となって自分達に降りかかってくるだろう。 協力を要請したはやてや実際に支援を受けるフェイトだけでなく、その要望を聞き入れたカリムも、何らかの処罰は免れないだろう。 自分の無茶な「お願い」を快く了承し、身を捨てる覚悟で余所者の自分達を全力で支援してくれているカリムに、持つべきものは姉貴分だなーとはやては改めて感謝する。 しかし、そのおかげで何とかなるかもしれない……僅かな可能性に望みを賭ける二人の思いは、しかし次の瞬間、新たに発生した空間の歪みによって粉々に打ち砕かれた。 蜃気楼のように揺れる空、新たに現れる大量の見飽きた影――敵の増援だった。 「フェイトちゃん……ウチ、泣いて良い?」 「私の方が立ち直れなくなりそうだから我慢して」 元通り――否、それ以上の規模に勢力を回復させたムガン群に、はやてとフェイトは思わず天を仰いだ。 誰か、助けて……絶望に押し潰され、二人の心が悲鳴を上げる。 その時、 ――はやてちゃん!! どこからか、リインフォースⅡの声が聞こえた。 空に――空間に裂け目が入り、巨大な何かが姿を現す。 まるで卵から孵る雛鳥のように、或いは獲物を食い破る獣のように、空間の裂け目をこじ開けながら這い出る鋼の巨人。 完全な人型として洗練されたフォルム――見たことのない、しかしどこか見覚えのある漆黒の巨人に、二人は思わず声を上げる。 「「ラゼンガン!?」」 『否』 二人の目の前に通信ウィンドウが開き、画面いっぱいにロージェノムの顔が映し出される。 『汎用量産型ガンメン、通称グラパール。これはその試作機だ』 『はやてちゃん!!』 淡々と解説するロージェノムを押し退け、今度はリインフォースⅡの顔がウィンドウを占領した。 グラパール腹部のハッチが開き、中から弾丸のように飛び出したリインフォースⅡがはやての元へ駆け寄る。 「ごめんなさい、はやてちゃん……。遅くなっちゃって、肝心な時に傍にいられなくて……」 「リイン……」 胸の中で泣きじゃくるリインフォースⅡを、はやては優しく抱き締めた。 螺旋界認識転移システム――ロージェノムが開発し、埋められていたものをシャリオが発掘した、新型の次元転移装置が、この奇跡を呼び起こした。 宇宙とは曖昧さであり、認識されて初めて確定する――量子宇宙論とも呼ばれる、この宇宙の理である。 認識した物質を元に次元座標を割り出し、時間も空間も無視して対象の元まで一瞬で転移する、それが螺旋界認識転移システムである。 誰にでも使いこなせるものではない。 人の認識力に依存したシステムであるが故に、緻密なイメージ力や強い想いを持つ者でなければ正確な転移は不可能なのだ。 今回の場合は、はやてをを助けたいというリインフォースⅡの強い想いが、はやて達への道を繋いだ――想えば飛べたということである。 「来てくれてありがとな、リイン。それに、ロージェノムさんも……」 胸に抱いたリインフォースⅡと、腕組みして虚空に仁王立ちするグラパールを交互に見遣り、はやてはそう言って泣きながら笑いかけた。 涙に濡れた漆黒の瞳は、希望の輝きを取り戻していた。 「リインが来てくれたから百人力、ロージェノムさんもおるから千人力や。もうあんなガラクタ共に好き勝手させへん、ちょちょいのちょいの超瞬殺や!」 己を奮い立たせるようにそう意気込むはやてに、しかし胸の中のリインフォースは笑いながら首を振る。 「違うですよ、はやてちゃん……千人力じゃないです。皆も来てくれるから一万人力です!」 「……へ?」 「皆……?」 リインフォースⅡの言葉にはやてとフェイトが疑問の声を上げたその時、グラパールの開けた空間の裂け目に新たな変化が起きていた。 まず現れたのは、一本の巨大な筒だった。 まるで砲身のような青い円筒――否、事実それは砲身である。 徐々に姿を現す、戦車に手足を生やしたような青い鋼の巨人――ラゼンガンやグラパールとは大分意匠は異なるが、それはまさしくガンメンだった。 『やっほー、はやてさんにフェイトさーん! 助けに来ましたよー!!』 瞠目するはやてとフェイトを見下ろし、西洋兜を彷彿させる青いガンメン――ダヤッカイザーがぴこぴこと手を振る。 外部スピーカーから響くその聞き覚えのある声に、二人は思わず顔を見合わせる。 「まさか……シャーリー!?」 驚愕したように声を上げるフェイトに、ダヤッカイザーは正解だとばかりに両手の親指を立てた。 唖然とする二人の横で、ダヤッカイザーの広げた空間の穴から更に新たな二つの影――トサカの生えた白いガンメンと、二つの顔を持つ紫色のガンメンが姿を現す。 続々と現れるガンメン達を、空中のはやて達だけでなく、地上で小型ムガン相手に戦う教会騎士達も呆然と見上げていた。 はやての言葉から一騎当千の魔導師部隊を想像していたが、しかし現れたのは謎の巨大ロボ軍団――予想の斜め上を突っ走る「援軍」の登場に、騎士達は言葉を失う。 『切なる叫びが扉を開き、熱き想いが道を拓く!』 戦場全体に轟くような大音量で、ダヤッカイザーが声を張り上げた。 『縁の下の力持ち――』 『――床板ぶち抜き只今参上!』 ダヤッカイザーに追従するように、双頭のガンメン――ツインボークンが言葉を引き継ぐ。 あの声はオペレーターのアルト・クラエッタとルキノ・リリエだろう。 これは、名乗りだ……シャリオ達の口上を聞くはやて達の脳裏に、二人の少女の顔が過る。 鋼鉄の巨人を駆り、名乗りと共に敵に立ち向かう青い髪の少女。 白銀の飛龍を従え、名乗りと共に立ち上がった桃色の髪の少女。 偶然にも敵を前に似たような名乗りを上げた二人の少女は、その前後、二人とも奇跡を起こしてみせた。 『我々は補う者だ――足りぬ力があるならば、我々が追い風となり背中を押そう。 我々は届ける者だ――届かぬ思いがあるならば、我々が橋となり繋ぎ留めよう。 我々は創る者だ――見えぬ未来があるならば、我々がドリルとなり道を掘り進もう。 そう、我々は……助ける者だ』 音を失った――誰もが動きを止めた戦場で、グラパールが朗々と言葉を紡ぐ。 戦士のような気高さと王者のような力強さを併せ持つロージェノムの語りに誰もが呑まれ、そして魅せられていた。 順調に続く名乗りの口上、爆発的に戦場に広がる気合いの波に、しかし乗り切れない者もいた。 「これ、僕もやるの……?」 白いトサカのガンメン――エンキドゥのコクピットで、グリフィスがげんなりとした顔で呻いた。 元々率先して目立つような性格ではない上、自分達とは格の違うようなロージェノムの語りを聞かされた後――及び腰になるグリフィスの気持ちも当然である。 何とか理由をつけて辞退しようと目論むグリフィスだが、そうは問屋が卸さなかった。 『当ったり前でしょ、グリフィス君。 仲間外れにはしないわよ』 『責任重大ですよ? しっかりお願いしますね』 『頑張って下さい! ロウラン補佐官』 応援という形で逃げ道を塞ぐ女性陣に、グリフィスも腹を括った。 『機動六課後方支援部隊、ロングアーチ! 我々を誰だと思っている!!』 エンキドゥの叫んだ締めの言葉と共に、戦士達の反撃が始まった。 天元突破リリカルなのはSpiral 第9話「一緒に飛んでみませんか?」(了) 戻る 目次へ 次へ
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【ゲーム】エレメンタルモンスターportable 【作者名】ぶるうす 【完成度】【完結】(2009/11/05~2010/01/02) 【動画数】15 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/15710397 【備考】blog⇒http //panzer2002.web.fc2.com/ 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 以下発掘スレの000から引用 (08/12/10のレビュー) (現時点でのレビューはありません)
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【ゲーム終了までの本編SS】 【深夜】 No. タイトル 作者 登場人物 182 闇よりの使者 ◆LuuKRM2PEg アンジール・ヒューレー、キング 183 救済N/EGO~eyes glazing over救済N/Destiny s Play ◆7pf62HiyTE 高町なのは(StS)、柊かがみ、天道総司 184 罪罪(状態票) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、柊かがみ 185 Round ZERO ~MOONLIT BEETLES ◆7pf62HiyTE 金居、キング、アンジール・ヒューレー 【黎明】 No. タイトル 作者 登場人物 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 187 解ける謎!!(前編)解ける謎!!(後編) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、キング、金居、アンジール・ヒューレー 188 分かたれたインテルメッツォ ◆WwbWwZAI1c 高町なのは(StS)、八神はやて(StS) 190 S少年の事件簿/殺人犯、八神はやてS少年の事件簿/フリードの来訪にヴィヴィオの涙 ◆7pf62HiyTE ヴィヴィオ、ユーノ・スクライア 【早朝】 No. タイトル 作者 登場人物 189 戻らないD/スバル・ナカジマ戻らないD/柊かがみ ◆gFOqjEuBs6 スバル・ナカジマ、柊かがみ 191 抱えしP/makemagic抱えしP/DAYBREAK S BELL ◆7pf62HiyTE 高町なのは(StS)、八神はやて(StS) 192 ……起きないから奇跡って言うんですよ ◆HlLdWe.oBM 八神はやて(StS)、柊かがみ 193 Zに繋がる物語/白銀の堕天使Zに繋がる物語/サティスファクション ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、柊かがみ、八神はやて(StS) 194 Masquerade ◆gFOqjEuBs6 天道総司、アンジール・ヒューレー、キング、金居 195 Revolution ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ 196 Uを目指して/世界が終わる前に ◆gFOqjEuBs6 金居、キング 197 Round ZERO~AMBITION SECRET(前編)Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、スバル・ナカジマ、天道総司、キング、金居、ウーノ、ドゥーエ、オットー 【朝】 No. タイトル 作者 登場人物 198 魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 199 魔法少女、これからも。(前編)魔法少女、これからも。(中編)魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、ウーノ、ドゥーエ、セッテ、オットー、ディード 【エピローグ】 No. タイトル 作者 登場人物 200 Beautiful Amulet(前編)Beautiful Amulet(中編)Beautiful Amulet(後編) ◆gFOqjEuBs6 高町ヴィヴィオ、ジェイル・スカリエッティ、トーレ、ノーヴェ、セイン、ウェンディ