約 4,409,183 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2225.html
人影にいち早く気がついたガロードはティファを連れて素早く岩陰へと隠れた。 岩に背を預けたまま顔を覗かせ、背後の様子を窺う。 彼の視線の先には四人の魔導師がいた。 内、二人は金髪の若い男。 もう二人は女性で、片方はどう見ても子供だ。 そのことに一瞬戸惑いを感じたがガロードだが、時空管理局は才能と本人の意志さえあれば入局出来ることを思い出す。 恐らくあの子供もそういう者の一人なのだろうと結論付け、再び様子見を始めた。 幸いにもまだ誰にも見つかってはいないようで、ガロード達を探して辺りを見回している。 更に後方にはガロードが潜入した白い船が停泊しており、それを見た彼には魔導師らの目的が容易に想像出来た。 (あいつら……ティファを連れ戻しに来たな) 一難去ってまた一難。 ガロードは緊張を解いた体を再度引き締め、GXを持つ手に力を入れる。 手と額にはうっすらと冷や汗が滲んでいた。 一方、ティファを追って来た四人の魔導師達――正確には二人の魔導師と二人の騎士―― 大破したガジェットを囲み、燦々たる有り様を目の前にしていた。 「I型とは言え、AMFを持ったガジェットをここまで見事に破壊するとはな」 その内の一人、ヴォルケンリッターが将・シグナムはその場にしゃがみ込み、ガジェットの破損具合を見極めていた。 ガジェットの状況や傷口から、破壊した人物の情報を少しでも得るためだ。 先程まで激しく燃えていたであろう炎も今は納まり、今は黒い煙だけが立ち上っている。 しかし破損状況は思ったよりも酷く、ガジェットの残骸から得られる情報は無いに等しかった。 唯一解ったことと言えば、鋭利な刃物で両断されたということ位。 ある意味予想通りの結果に溜め息をつき、シグナムは立ち上がった。 「こりゃ、久々に骨のある相手と戦えそうだぜ!」 その横で、白と赤が目立つバリアジャケットを着た魔導師が己の闘志を燃え上がらせていた。 彼の名はウィッツ・スー。 ジャミルに傭兵として雇われおり、二丁のライフル銃型ストレージデバイス『ガンダムエアマスター』を操るフリーの魔導師である。 根が熱い性格であるウィッツは強い相手と戦えるとあり、任務を忘れて気分を高揚させていた。 そんなテンションの上がるウィッツを、少し離れた所から冷めた目で見ている魔導師がまた一人。 「ウィッツの奴、張り切っちゃってまぁ。やることだけちゃっちゃとやって、ギャラ貰うのが大人じゃないのかねぇ?」 濃い緑のバリアジャケットを身に纏い、腕、肩、足など体中を兵器型のデバイスで武装しているのは、ウィッツと同じくフリーランスで魔導師をやっているロアビィ・ロイ。 体中に装備された様々な兵器型デバイスの管制・運用を行っている高処理性能ストレージデバイス『ガンダムレオパルド』の所有者で、彼もまたジャミルに腕を買われ雇われていた。 ウィッツとは対照的にクールな性格のロアビィは敵の魔導師に大して興味がなく、一見するとやる気がないようにも見える。 「お前! 口動かしてないでさっさと探せよな!」 「はいはい、分かってるって」 その姿勢が癪に障ったのか、すぐ側でティファの捜索をしていたヴィータはロアビィに向かって怒声を浴びせた。 愛機グラーフアイゼンを振りかざして懸命に威嚇するも、残念な事にあまり怖くない。 ロアビィはヴィータを軽く受け流し、ティファの捜索を再開した。 四人はゆっくりと、ゆっくりと、ガロード達へ着実に近づいて行く…… 第二話「あなたに、力を…」 (来る……っ!) スラッシュフォームに変形させたGXを握り、ガロードはシグナム達の動きを伺っていた。 少しずつ近づいてくると同時に緊張も高まってくる。 相手は四人、こちらは実質一人。 圧倒的に不利な状況の中、現状を脱出できる最良の策を必死になって考える。 (ここから逃げても見通しがいいから見つかっちまう。見つかっても逃げきれる方法! なんか、なんかないか!?) 考えれば考えるほど思考は泥沼化し、一向に良い案など浮かばない。 更に刻刻と近づく足音がガロードから落ち着きを奪っていく。 すぐそこまで迫る複数の足音。 頭を抱えて悶え苦しむガロードだったが、ふと、一つの名案が迷走する頭に閃いた。 ……この場合、迷案と言った方が正しいのかもしれないが。 兎にも角にも、もう一刻の猶予も残されていない。 ガロードはこの状況を脱するべく立ち上がった。 横ではティファが心無しか不安げな表情を投げ掛けていたが、安心させる為に笑顔で答える。 シグナム達がいるであろう方を向き、ガロードは隠れ蓑にしていた岩に飛び乗った。 「やーいっ!! お前達!!」 開口一番、大声を張り上げその場にいる全員の視線を集めた。 見た目からして腕利きの魔導師三人(ヴィータは数に入れていない)を前にしても、ガロードの声色は全く変わらない。 一人でアフターウォーを生き抜いてきた彼にとって、こんな状況はさして珍しくないのだろう。 大きな賭は慣れっこなのだ。 「出やがった、なぁっ!?」 「が、ガキンチョだぁ!?」 対するウィッツ達は未知の魔導師の登場に驚愕し、同時に落胆した。 ガジェットを撃破した魔導師がこんな子供という事実に。 特にシグナムとウィッツは久々に実戦で魔導師と手合わせ出来ると踏んでいただけに、落胆の具合も半端ではなかった。 ロアビィとヴィータに関しては呆れ果てて物も言えない。 目の前がそんな状態になっているとは露知らず、ガロードは一世一代の賭け始めた。 「もし攻撃したら恐ろしい事になるぞ! いいか、よーく聞けよ! このデバイスにはなぁ、おっそろしい魔法が記録されてるんだぞ!!」 「ほぉ……それは興味深いな」 かかった! シグナムの呟きを耳にしたとき、ガロードはそう確信したという。 残念な事に、その言葉に含まれていた大きな皮肉の意を全く理解せずに。 妙な自信をつけたガロードは更に続ける。 「だから! それを使われたくなかったら大人しく……」 『Rifle bullet』 『Grenade launcher』 「ん?」 不意に、デバイスの音声が響いた。 ガロードが音声の発生源を見ると、ウィッツとロアビィが自分に向けてデバイスの銃口を見せている事に気がつく。 銃口にはそれぞれ魔法陣が展開されていた。 ……まさか。 冷や汗が頬を伝った瞬間、光の銃弾と高密度魔力弾がガロードを襲った。 「おわああぁっ!? ととっ!?」 急に仰け反った為バランスを崩し、そのまま岩の横へと倒れ込むガロード。 それが幸いし、ウィッツのライフルバレット、ロアビィの放ったグレネードランチャーを奇跡的に避けることが出来た。 が、代わりに左半身が硬い地面に直撃。 少し高さがあった事も手伝い、鈍痛がガロードの体を駆け巡る。 「馬鹿か! んな見え透いた嘘が通じるワケねぇだろ!!」 「嘘はイケないなぁ、嘘は!」 くだらない嘘を聞かされ怒りが増し、今にもガロードを撃ち殺さん勢いで怒鳴るウィッツ。 続くロアビィも言葉こそは軽いが、強い呆れが聞いて取れる。 「く、くそぅ……なんでバレたんだ?」 バレていないとでも思ったのか。 ウィッツ達は痛む脇腹をさすりながら立ち上がるガロードに冷めた視線を向けた。 ……人を騙すにはそれなりの材料とシチュエーションが必要になる。 今回ガロードには、相手に秘密兵器を持っていると思い込ませるだけ材料の不足していた。 更に騙す側が冷静さを忘れてしまっていたのだから、この結果は至極当然と言えるだろう。 一世一代の賭け、早くも終了である。 それでもガロードは立ち上がり、GXの刃先をウィッツ達に向けた。 飽くまでも対抗する気らしい。 「ったく……さっさと伸して船に連れ帰っちまおうぜ。ガキの相手なんかしてられっか」 「待てよ」 「あぁ?」 痺れを切らしたウィッツがエアマスターの銃口を再びガロードに向けようとした時、その行動を止める人物が現れた。 邪魔をされたウィッツは露骨に嫌そうな顔で止めさせた人物を睨み付ける。 意外にもそれは、普段血の気の多いヴィータであった。 ウィッツの睨みにも全く動じることなく、寧ろ睨み返している。 「相手はまだ子供だ。んな目くじら立てなくても、話し合いでどうにかなんだろ。ここはあたしが説得してやる」 エアマスターの銃口を無理やり下ろさせると、ヴィータはウィッツを押し退け一歩前へ出た。 ウィッツは不満に顔を歪めていたが、言い争うのも面倒だと早々に諦める。 因みに、「お前も子供だろ」と思ったのはここだけの秘密だ。 「ヴィータにしては珍しいな。高町なのはに触発されたか?」 「るせぇ」 シグナムの嫌味を流しつつ、ヴィータはグラーフアイゼンを待機フォルムへと変形させた。 実際、ヴィータは『高町なのはの一件』以来確実に大人の対応が出来るようになってきている。 『話し合いの場には武器を持ち込まない』という10年前の自分の言葉を律儀に守っているのも、その影響なのだろう。 発端はともかく、シグナムはヴィータがこの数年で変わってきた事を、将として内心嬉しく思っていた。 「おい、お前」 「な、なんだよ!?」 ガロードはGXの魔力刃を見せつけ、急に声をかけてきたヴィータを威嚇する。 だが彼女は全く気にした様子もなく、涼しい顔で言葉を続けた。 「誘拐、並びにデバイスの窃盗。これだけでも結構な罪だ。普通だったら即逮捕、だな。だけどな、おまえが浚った少女をこっちに渡せば、お前にはまだ弁護の余地ってやつがある。武装を解除して素直に」 投降しろ、とヴィータは言おうとしていた。 ――この後数分間押し問答を繰り返し、最後には自首させる。 どうしても話し合いに応じない場合にのみ、なのは流で『お話する』―― それがヴィータの考えだった。 しかし、それはガロードの爆弾とも言える発言の前に脆くも崩れ去ったのだった。 「うるせえっ! 『チビ』の癖に難しい事ゴチャゴチャ言いやがって! 『ガキ』はお家に帰ってお人形遊びでもしてろよっ!!」 ブツンッ。 ガロードが言い放った刹那。 その場に、張り詰めた糸が、千切れたような音が響いた。 直後、先程まで涼しい顔をしていた筈のヴィータの様子が急変。 腕が微弱に痙攣し、額には血管が浮き出る。 目もつり上がり、まるで鬼の形相かと見紛う程だ。 そして何より、怒りの対象であるガロードだけでなく、無関係のウィッツやロアビィまでもが鳥肌を感じる程の、炎のように赤い殺気を全身に漲らせていた。 「お前ら、引っ込んでろよ……」 腹の底から絞り出したような低い声で後ろの三人を威圧するヴィータ。 既に彼女の手にはハンマーフォルムとなったグラーフアイゼンが握られている。 そして次の瞬間。 「こいつはあたしがぶっっっっ殺す!!!」 阿修羅と化したヴィータがガロードに突撃した。 話し合いを持ち掛けた方がこれでは、もう話し合いも何もあったものではない。 後ろで傍観していたシグナムは、己の考えを直ちに訂正したという。 やはりヴィータはヴィータか……と。 一方、急に襲われたガロードはヴィータを迎えうち、激しい鍔迫り合いを繰り広げていた。 「くっ……!」 「うぉおりゃあああ!!」 ヴィータのとてつもない気迫に押されて行くガロード。 グラーフアイゼンとGXの刃の交差部からは激しい火花が飛び散っていた。 ――このままじゃやられるっ! 危機感を覚えたガロードは全力を持ってグラーフアイゼンを押し返す。 しかしヴィータが後退する気配は微塵もない。 寧ろヴィータの力は増していき、ガロードの方が更に押し返されていた。 それに気づいたガロードはとっさに分が悪いと判断。 押し返すのではなく受け流そうとGXの刃を傾ける。 「うおっ!?」 これは思いの外うまく行った。 真正面に膨大な力が掛かっていたグラーフアイゼンが魔力刃の上を滑るように振り下ろさる。 そのままガロードの体ギリギリを素通りし、地面に小さなクレーターを作った。 ヴィータもグラーフアイゼンと共に大きく前へ仰け反り、大きな隙が生じる。 チャンス到来だ。 ガロードはがら空きになったヴィータの背にGXを振り下ろした。 だがヴィータもこのまま黙ってはいない。 地面を抉って無理やりグラーフアイゼンを引っ張り出し、柄でGXの刃を防ぐ。 「なっ!?」 「ヌルいんだよっ!!」 ヴィータの力技に驚愕し目を見開くガロード。 その瞬間今度はガロードに隙が生まれた。 ヴィータの鋭い目線がそれを捉える。 GXをガロードごと押し返すとグラーフアイゼンを大きく振りかぶった。 「しまっ……!!」 「おらあああああああ!!」 「飛龍一閃!」 鉄槌の一撃がガロードを襲うかと思われたその時。 二人を紫の光龍が襲った。 光龍を素早く視界の端に認めたヴィータはその場から後ろへ跳躍し難なく交わす。 しかし反応が遅れたガロードは直撃こそ免れたが、衝撃波をまともに受けた。 吹き飛ばされ、背中から地面に滑り落ちる。 そのままティファの隠れている岩陰まで砂埃を上げながら引き擦られていった。 「引っ込んでろっつっただろ!!」 今のでヴィータの怒りの矛先が変わったのか、彼女は魔法が飛んできた方を睨みつける。 視線の先にはシグナムが涼しい顔で立っており、愛機であるレヴァンティンを鞘に納めていた。 「お前こそ熱くなりすぎた。我々の任務は飽くまでティファ・アディールの保護。このままお前が暴れれば、近くに隠れているであろう彼女にも危険が及ぶぞ」 「ちぇ! わぁってるよ!」 シグナムの忠告をすんなりと受け入れたものの、やはり怒りの熱(ほとぼり)は冷めないらしい。 つまらなそうに吐き捨て、グラーフアイゼンを肩に担いだ。 吹き飛ばされたガロードはというと、シグナムがヴィータに説教をしているうちに岩陰のティファの下へ戻っていた。 ヴィータの怒りが籠もった攻撃を受けた手は、デバイド越しだったというのに未だに少し痺れている。 ガロードは手を強く振って痺れを紛らわし、同時にヴィータを戒めるシグナムの言葉にしっかりと耳を傾けていた。 そしてシグナムの説教が終わった直後、新たな策がガロードの頭に閃く。 (そ、そうか、あいつらティファを狙ってるんだっけ。それじゃあ……) なんとかこの場を切り抜けるため、ガロードはティファに向き直った。 一方、ヴィータの暴走により蚊帳の外へ追いやられたウィッツとロアビィは、ティファが隠れている岩陰のすぐ側まで近付いていた。 既にティファを視認しており、今にでも確保出来る程の距離だ。 (しっかし、シグナムさんも策士だねぇ。ヴィータちゃんの暴走餌にして、その隙に俺達が目標を確保しろってんだから。出来る女って、俺好みかも) (そうかよ。……そろそろ行くぜ、あのガキ戻って来やがった) (おっ、それはちょっと不味いね。じゃ、1、2の3で行こうか?) (ガキか。まぁいい……1) (2の……) ――3っ! 念話をそこで切り、ウィッツとロアビィはガロード達へと襲いかかる。 いや、襲いかかろうとした。 「っ! 待て!」 「何ぃ!?」 ロアビィが声を張り上げウィッツを引き止めた。 ウィッツも目の前の光景に思わず目を見開く。 なんと、再び岩の上へと躍り出たガロードがティファの首に魔力刃を突きつけているのだ。 驚いたのはウィッツ達の反対側にいるシグナム達も同じで、絶句したまま動けないでいる。 「これでどぉ? 撃てるもんなら撃ってみる!?」 「このヤロっ!」 「おおっと動かない。この子に傷がついちゃってもいいわけ?」 「くっ!」 ティファの首に突きつけられた魔力刃を強調するようにちらつかせ、ガロードは強気の態度でヴィータを脅す。 頭に血が上っていたヴィータも、今度ばかりは迂闊に手が出せないでいた。 そしてヴィータの反応を目の当たりにしたガロードは、今度こそ自分が優位に立ったことを確信し、更に畳み掛けるように言葉を続ける。 「やっぱ撃てないよねぇ? なんたって、あんた達の狙いはこの子なんだから! 少しでも下手なことしたら、どうなるか分かってるよね?」 「ちぃっ! 卑怯なマネを!」 「なかなかやるじゃない」 「ハートのエースはこっちが握ってるって事、お忘れなく!」 『Reflector wing』 シグナム達四人にただならぬ緊張感が漂う中、ガロードの背に銀色に輝く『X』を象った魔力の翼が現れる。 するとどうだろう。 ガロードの体がティファと共に二、三センチ程地面から浮き上がった。 「じゃあね!」 シグナム達に軽くウインクし、ガロードはティファを抱えたまま岩の上から飛び上がった。 そのまま地面に着地し、ホバリングのように地面から少し浮いて一目散に森へ疾走する。 スピードはなかなか速く、滑走した後に砂埃を巻き上げていった。 しかし、それを黙って見つめている程ウィッツの気は長くはない。 「あの餓鬼っ! 馬鹿にしくさって!!」 「待てっ!」 エアマスターの銃口を向け今度こそガロードを狙撃しようとした時、今度はその行動をシグナムによって制止させられた。 「何回も何回も止めんじゃねぇっ!!」 「今攻撃すればティファ・アディールにも確実に当たるぞ!」 「っ! ……くそっ!!」 いい加減に嫌気がさしたウィッツは激情し、シグナムに食ってかかる。 だがシグナムの尤もな意見の前に、ウィッツの怒りはまたも不発に終わった。 溜まった鬱憤をぶつけるように足下の小石を思い切り蹴飛ばす。 そうこうしている内にガロードの姿は既に無くなり、舞い上がった砂埃だけが虚しく漂っていた。 その光景に溜め息をつき、ロアビィはウィッツに話し掛ける。 「俺は一度フリーデンに戻るよ。契約がある間はデバイスのメンテとかタダだし。あそこの技師、腕いいんだよね」 「俺も一服するぜ。……ったくよぉ、一休みしないと腹の虫が収まらねぇ!」 「あたしもだ!」 内から湧き上がる殺意を隠そうともせず、ウィッツとヴィータはフリーデンへ向かって飛び立った。 そんな二人に呆れたのか、シグナムは小さな溜め息をつくと同じくフリーデンへと飛び立つ。 ロアビィはその後を追うように、足に装備したローラー型デバイスで地面を疾走していった。 その頃、上手くシグナム達を撒いたガロードはすぐさま魔力刃を消し、抱えていたティファを降ろた。 辺りの安全をしっかり確認し、バリアジャケットを解除する。 青白い光がガロードを包み、一瞬の内に元の赤いジャケット姿へと戻った。 そしてティファへと向き直り、すこし不安げな表情で彼女の顔を見る。 「……ごめんな、怖くなかったか?」 首に傷がついていないか確認し、心底済まなそうに謝るガロード。 それ対し、ティファは口元を緩ませ仄かに微笑む。 「信じて、いたから」 ティファのこの一言に、ガロードの心が一気に軽くなる。 不安は安心へと変わり、こそばゆい気持ちにティファを直視できなくなる。 「……うん」 照れくさそうに頬を掻きながら、ガロードもティファに微笑み返した。 人質にしたのだから流石にティファも自分に不信感を抱いたのではと不安に思っていたガロードだったが、それはいらない心配だったようだ。 そんな和やかな雰囲気の中、二人を茂みの中から見つめる人影が一つ。 鋭く光るその視線は、ガロードの手にしているGXに注がれていた。 (へへへっ……こりゃ、久々に透き通った酒にありつけるぜ) AFTER WAR LYRICAL NANOHA XtrikerS- 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/myfavoritepcsettings/pages/226.html
目次 ↑ 概要 URL インストール 設定 Tips 類似アプリ タグ 概要 独自のファイル関連付けを定義してシステム側のファイル関連付けの代わりに使える 使い方の概要 PEW_Launch.exe にファイル名(パス)を渡すと、設定したファイル関連付けを用いてアプリが起動される PEW_DropZone.exe を起動するとデスクトップ上にアイコンが常駐するので、そこにファイルをドラッグ&ドロップすると、設定したファイル関連付けを用いてアプリが起動される 一つの拡張子に対して複数のアプリが関連づけられている場合は、いったん"Open With List"ダイアログボックスにアプリ一覧が表示されるので、実際に使うアプリをその中から選ぶ 仕様上の特長 レジストリを使用しないので、USBメモリ等を使ってファイル関連付けの設定ごと持ち運べる(ポータブル) Microsoft .NET Framework 4.0 を必要とする (XP以前のWindowsでは、ポータブルでない) URL http //www.donationcoder.com/forum/index.php?topic=27928.0 (本家; 英語) http //www.howtogeek.com/102594/portable-extension-warlock-creates-temporary-file-associations-while-using-portable-apps/ (紹介記事&動画; 英語) インストール インストーラで もしくはインストーラの拡張子 .exe を .zip に変更してからそのまま展開してポータブルアプリとして 設定 Applications exeファイルが置かれたディレクトリ(末尾の「\」付き)を pewdir で参照して相対パス指定できる例) pewdir ..\TeraPad\TeraPad.exe Launcher Preferences "Open With List" Icon Size 16x16 "Open With List" Font Size 8 [X] Show Missing Applications in "Open With List"? [X] Display Application Icons in "Open With List"? Tips Find and Run Robot から使うには Options Settings Launching Files を以下のように設定 [X] Use custom tool to open documents <Portable Extension Warlockディレクトリ>\PEW_Launch.exe Q-Dir から使うには Extras ... more options Association に1行だけ追加(相対パス使用可) *.*=<Portable Extension Warlockディレクトリ>\PEW_Launch.exe coffee(eXpresso)から使うには あらゆる拡張子に PEW_Launch.exe を関連づける PEW_Launch.exe のショートカットを %USERPROFILE%\SendTo に置いておくと、右クリックでのコンテキストメニュー経由で起動できる ただしポータブル性が損なわれるので非推奨 既知の限界 ファイル関連付けの置き換えが常に機能するわけではなく、意図どおりでない振る舞いを示すケースが存在する: ショートカット(*.lnk)を渡すと、それが指しているファイルに対して関連付けが適用されない。システム側の関連付けが使われてしまう。 フォルダパスにアプリケーションを関連づけられない。渡されたパスがフォルダを指している場合、無条件にエクスプローラを開いてしまう。エクスプローラ以外のアプリケーション(ファイルマネージャ類)も指定できるとよいのに。 拡張子のないファイル名( README など)にアプリケーションを関連づけられない。拡張子のないファイル名を渡すと、単にエラーになってしまう。 デフォルトのアプリケーションを指定できない。関連付けの定義のない拡張子のファイル名を渡すと、単にエラーになってしまう。いったん汎用の"Open With List"ダイアログボックスが表示されて、そこからアプリを選択して起動できるとよいのに。 上記の限界を軽減する方法がないわけではない。その方法とは・・・ 類似アプリ PortableFileAssociator Coffee eXpresso PEM タグ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1575.html
更新履歴 トップページ クロス元別インデックス R-TYPE Λ氏 魔術士オーフェンstrikers氏 メニュー レザポ氏 作者別インデックス ◆e4ZoADcJ/6氏 リリカル龍騎 メタルサーガsts氏 戦国の鉄の城氏 その他単発4 魔法少女リリカルなのはStylish氏 なのはVSボウケン氏 シレンヤ氏 ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏 地獄の四兄弟氏 真祖の人氏 その他単発5 無名氏 Strikers May Cry氏 なのはStylish19話 リリカル遊戯王GX氏 一兵卒氏 ARMSクロス『シルバー』氏 単発SS・小ネタ(クロス別) ジョジョクロス『愚者の書』氏 タイトル別インデックス なのはStS+φ’s正伝氏 なのはStylish18話 高天氏 ロックマンゼロ氏 その他リンク集 キャロとバクラの人氏 なのはStS×覚悟のススメ氏 なのは×終わクロ氏 リリカル・コア氏 赤字氏 なのはStylish17話 なのはStylish8話 完結作品インデックス リリレッド氏 Strikers May Cry1話 R-TYPE Λ氏/コメントログ DBなのは なのはStylish15話 なのはStylish16話 なのはStylish12話 19氏 仮面の男氏 なのはStylish6話 ◆Y0DG7nGjbg氏 なのはStylish7話 ロックマンゼロ-赤き閃光の英雄-同人誌特設ページ RqeOY7ls1U氏 なのはStylish11話 リリカル・パニック氏 なのはStylish14話 なのはStylish10話 遊戯王なのは なのはStylish9話 なのはStylish13話 NOCTURNE氏 OSGS氏 Strikers May Cry2話 ロックマンゼロ第1話 45氏 魔導新世紀リリカルなのはXtS氏 LMS1話 Strikers May Cry3話 テルミドール氏 Strikers May Cry7話 CCなのは氏 BLASSREITER LYRICAL氏 魔術士オーフェンstrikers1話 Strikers May Cry4話 キャロが千年リングを見つけたそうです16話 その他226 ロックマンゼロ第2話 R-TYPE Λ1話 魔法少女リリカルなのはGoodSpeed氏 リリカルプロファイル1話 ティアナ・ランスターの憂鬱氏 キャロが千年リングを見つけたそうです10話 魔術士オーフェンstrikers5-2話 キャロが千年リングを見つけたそうです21話 キャロが千年リングを見つけたそうです9話 四代目スレ292氏 LMS氏 キャロが千年リングを見つけたそうです12話 マスカレード氏 魔術士オーフェンstrikers3話 リリカル剣(ブレイド)氏 キャロが千年リングを見つけたそうです13話 ロックマンゼロ第3話 s.TRI..ed氏 りりかるな黒い太陽一話 超魔法重神氏 魔術士オーフェンstrikers5-1話 魔術士オーフェンstrikers6話
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/378.html
怒れる神の黙示、あるいは悪魔の王の寓話。 俺たちの世界は死んだ。 邪宗の男が告げた破滅、光は呼ばれおこる。 混沌-カオス-は、地底の底より這い出す。 死が死を襲う焦土。 祈る神を探そうにも、いるのは悪魔と死神だけだ。 嘲笑う闇が、俺に虚言する。 真実は、燭台の火の中に浮かび上がると。 「異界に消えたある男の手記」より。 …少年は、世界を生まれ変わらせる為の儀式『東京受胎』にまきこまれた。 …少年は、金髪の子供から『マガタマ』と呼ばれる虫のようなモノを与えられ悪魔の体を得た。 …少年は、『受胎』によって出来た『ボルテクス界』と呼ばれる世界を巡る事になった。 …少年は、ボルテクス界を巡る最中、『アマラ深界』と呼ばれる場所へ迷い込んだ。 …少年は、アマラ深界で車椅子の老紳士からメノラーと呼ばれる物を集めて欲しいと頼まれた。 …少年は、メノラーを奪った『魔人』と呼ばれる悪魔と戦い、全部で11のメノラーを奪い返した。 …少年は、魔人を倒しメノラーを取り戻した礼として様々な真実を知らされた。 …少年は、その教えられた真実の内容によって、ある存在へ怒りを覚えた。 …少年は、その怒りのままにアマラ深界の最深部へ赴き、心まで悪魔へと変えてしまった。 …少年は、その身に宿る悪魔の力と心で、友人を、幼馴染を、『受胎』を起こした男を殺した。 …少年は、最後に世界を生まれ変わらせるための光。無尽光・カグツチ呼ばれるものと戦いそして… ―― 世 界 を 殺 し た ―― 少年は、紅い空間で目を覚ました。 (ここは…?、俺はたしか、カグツチを倒して…それで…!?) 目覚め、立ち上がると背後に突然、金髪の子供がいた。 そう、彼にマガタマと呼ばれる物を与え悪魔の力と体を与えた者が。 金髪の子供は少年に向かい語り始めた。 「カグツチはその光を失ってしまった。 ひとりのアクマのてにかかって。 せかいはもう、うまれかわれない。 もうソウセイはできなくなってしまった。 うまれ、そだち、ほろび、……そしてまたうまれる。 それがこのセカイのあるべきすがただったのに。 ひとりのアクマがそれをゆるさなかった。」 突如、子供の影が伸びその先には車椅子の老紳士がいた。 メノラー奪還を少年に依頼し、アマラ深界の最奥にて、彼の人としての心を奪い、悪魔としての心を与えた者が。 車椅子の老紳士も金髪の子供と同様に語りだす。 「世界が生まれ、人が現れ、そして滅んでいく……。 その輪廻が時を刻み、輪廻の死が時を止める……。 今また、時が死を迎えた。 創りかえられるはずだった世界と引き換え生まれてきたのは、 混沌を支配し死の上に死を築いてきた、闇の力だ。 もはや、おまえには解ってはいないだろう。 自分の意思の向かう先、力の向かう先がな。 大いなる意思は、その意に逆らったお前を呪い……、罪科の償いを永遠にせんとするだろう。 案ずるな。お前は、その呪われた身をもって初めて真に世界を征服する道を歩むことができるのだ。 だが、そのためには最後に、おまえの内なる闇の力を見なくてはならん。 そう、大いなる意思の生んだ、最高の闇の力をもってな……。」 そう言い終えると、子供と老紳士の影がゆらめき交ざり少年の背後に巨大な存在を形作る。 それは、かつて明けの明星と呼ばれ神の右に座ることを許されていた者。 天界において、『ルシフェル』と呼ばれていた存在。魔王・ルシファーだった。 ……最後にして、始まりの戦いが始まった。 しばらくして、その死闘を征したのは、少年だった。 「キミのちから、みとどけさせてもらった。みごとだったよ。」 そう言って子供は目の前で老紳士へ姿を変える。 そして老紳士は宣言する。 「闇に潜み、刻が来る日を待ち続けた者たちよ。 今、新たな闇の悪魔が誕生した。……刻が来たのだ。」 そう言うと同時にカラスが二羽、少年の背後へ飛び去る。 その先には黒い太陽があった。そして少年はそうするのが当然と言うが如く黒い太陽のほうへ向きを変える。 「つどえ!そして行こう!」 その瞬間、老紳士が高らかに告げる。 それと同時に少年の目が血の様に紅く輝き、背後に無数の悪魔が出現する。 そして少年がそれらを引き連れるように歩き出す。 そう黙示録に記された神と悪魔の最終決戦…、《アポカリプス》とも《ハルマゲドン》とも呼ばれる戦いの始まりだった。 ――あの天使は……、 己が心の形に似せて新たな悪魔を創りたるか。 ならば、私は滅びをおこう。 わたしと、おまえの間に。わたしの末と、おまえの末の間に―― あらゆる可能性を秘めた存在であるがゆえに完全な悪魔となった少年。 だが、唯一絶対なる大いなる意思にも、少年を悪魔へ変えた魔王にも、予測することは出来なかった。 世界の定めにない存在であった少年が持つ《無限の可能性》。 無限であるが故の可能性の一つ、《完全な悪魔となったはずの少年が人の心を取り戻す》などということが起こるとは…。 少年が完全な悪魔となり最終戦争が始まってから、どれだけの時間がたったのだろう。 数ヶ月?数年?数十年?それとも数百年だろうか…。 それは少年にもわからず、ただ覚えている事といえば、 戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して 殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って 戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して 殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って 戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して 殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って 戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して戦って殺して そう、『戦って殺す』ただそれだけだった。 そして、少年はいつからかその行為に疑問を持つようになった。 (何故、自分はこんな事をしているのだろう。こんな事をしたいがために悪魔になったんだろうか?) だが、それは在りえるはずのない疑問。 (最初は、理不尽な運命を押し付けるカミサマが腹立たしかっただけなのに。) 人間であるならともかく《完全な悪魔》となったはずの少年が持つはずのない疑問。 (悪魔になって、力を得る事が、敵と戦う事が、…殺す事がとても楽しかったはずなのに。) そう、持ってはいけない疑問。 (ナゼイマハコンナニモ…、ココロガサメテシマッテルンダ?。) 持つことが許されない疑問。 それでも、その疑問を抱えたまま少年は戦い続けた。 そうしていれば、この胸のモヤモヤも消えると考えて…。 だが、その疑念はいつまでも消えず、日を追うごとに強まっていった。 そしてその思いが最大にまで膨れ上がった時、少年は…、戦場から消えた。 戦場から逃げ出した少年は、マガツヒと呼ばれる紅い魂のようなモノの海を漂っていた。 (ココはどこだ?俺は一体どこにいる?) 少年は戦場を抜け出しさ迷い行くうちに、《ココ》ヘ辿り着いた。 彼がかつて人から悪魔となった世界のあった場所へ…。 (まあ、いいか…。もう…疲れた。もう戦うのも…面倒だ……。) そして少年は、目をとじ……ようとして、すぐに開く。 (誰か……、来る!!) 何者かが少年の方へ向かってきていた。 そう、少年に対して《殺意》を持った何者かが。 それは見覚えのある男だった。 両手に二挺の大型拳銃を下げ、背に大剣を背負った赤い服の男。 かつて、少年が世界を殺す前に一時とは言え共に戦った事もある男。 「久しぶりだな。会えてうれしいぜ少年。お前もそう思うだろ。」 悪魔狩人のダンテであった。 「……"大当たり"ってヤツだな。この辺りで戦ってりゃいつかは来ると思っていたぜ少年。」 少年をにらみつけ、その両手に持つ巨大な拳銃の片方を向けながらダンテはさらに続ける。 「正直、お前にはがっかりしたぜ。なかなかガッツがあるヤツだと思ってたのにな。」 そう言って、銃を連射する。 もちろん少年も黙って当たるわけはなく、ダンテが放った弾丸を回避する。 「ハッ!そうこなくっちゃな!さっきまでの気が抜けた顔が少しはマシになったじゃないか!」 「クッ!ダンテ…。」 少年は、小さくうめきながら、何故だと思う。 悪魔として戦っていた自分なら嬉々として応戦したであろう今の状況を、逃げ出したい、と感じている事に。 だが、そんなことを考えている間にもダンテは攻撃の手を緩めることなく次々と銃弾を放ってくる。 「どうした、人を捨ててまで手に入れた力は逃げ回るだけのものか!?」 そう言って銃撃を止め、背中に背負った大剣『リベリオン』で切りつけてくる。 「クソッ!」 悪態をつきながら身をひねってその斬撃をかわし右拳を打ち込もうとするが、 「甘いな、少年。」 そんな声が聞こえ、やばいと感じた瞬間、少年は吹き飛ばされていた。 返す刃で、横薙ぎが叩き込まれたためだ。 だが、吹き飛ばした少年のほうを向いたダンテは不敵な笑みを浮かべた。 「なるほど、伊達に場数は踏んじゃいないということか…。」 視線の先の少年は、左手に魔力で作った青白い光を放つ剣を握っていた。 直撃すれば、悪魔の身といえど大きな痛手となったであろう先程の横薙ぎをその剣で受け止めたのであろう。 そして、少年にも変化が現れていた。 「ハァ…、ハァ…、ハァ…、ハァ…、フッ、フフフフッ…。」 そう、笑っていた。 戦うことに疑問を持ち戦場から逃げ出した時以来、久方ぶりの高揚感だった。 「結構ギラギラしてきたな!分かるぜ、楽しいんだろ?……俺もそうだからな!」 そう言って、リベリオンを握りなおし少年に向かって走ってくる。 少年も、その高揚感を抑えることはせず、魔力剣を出したままそのままダンテに向かって駆け出す。 両者が剣が火花を散らし激突する。 そしてそのまま、剣での殺陣が始まる。 常人の目には見えない剣の舞。 誰も見る者のいないこの場所で、二人はまるで舞うように剣を振るい続ける。 少年が正面から切りつけ、ダンテがそれを一回転してかわし、 ダンテがその勢いを利用して首を狙った横薙ぎを放つ。 少年はそれを弾き飛ばし再び切りかかっていく。 それを繰り返していくうちに、お互いの身は細かく傷つき、その身に流れる血が流れてく。 永遠に続く輪舞曲《ロンド》と思われたその殺陣も終焉の時が訪れた。 一際大きい金属音がしたかと思うと両者の体は大きく弾き飛ばされ、離れた。 「なかなかだぜ、少年。俺とココまで斬りあうなんてな。」 そう、かつてダンテが少年と共に戦っていた時、少年は剣の心得などまったく無いという話を聞いていたからだ。 そして、ダンテは『最強の魔剣士』とまで呼ばれた悪魔・スパーダを父親としてもち、そのスパーダから剣術を教わっている。 そのダンテの剣を少年は凌いで見せた。己の腕だけで。 今までの殺し合いの中で、無意識にどういう風に戦えばいいのか考えてきたのだろう。 その結果が今この少年をここに立たせていた。 だが、やはり何の心得の無い者と剣の扱いを教わった者の差は出ており、少年のほうがダンテよりも多くの傷を負っていた。 「だが…、これでフィニッシュだ。少年。」 そういったダンテの体から、真紅の魔力が噴きだす。 「そういえば…、ボルテクスでは見せることはなかったな…。俺の『悪魔』としての姿を。」 そう言ってダンテはさらに魔力を高める。 それでも少年はあわてた様子はなく、うつむき、肩で息をしている。 うつむいているため様子はわからないが、その顔は笑っているようだ。 そしてダンテは少年を気にも止めず、高めた魔力を解き放つ。 それは悪魔へ変じる為の引き金、《デビルトリガー》だった。 ……まさしく、悪魔と呼ぶに相応しい姿だった。 四枚の蝙蝠がごとき羽を広げ、元から大きかった体躯はさらに巨大になり、 その両腕にはオーラで出来た剣が伸びており、その顔は彼の面影も残していなかった。そして…、 『征くぞ。』 そう聞こえた瞬間、すさまじいスピードでダンテが迫ってきた。 「アアアアアアアアアアアアアッ!ダァァァンテェェェェッ!!」 少年は、無意識に叫んでいた。 それは恐怖から叫んだのか、それともまた別の何かなのか…。 ただ少年は、その両手に魔力剣を出しダンテに向かっていく。 だが、その決着はすぐにつくこととなる。 スピードも、パワーも、全てが違いすぎたからだ。 『懺悔の時間は終わったか?少年。』 ダンテはいつもと変わらず、冷静に問いかける。 少年は何も答えず、その血まみれの体を無理やり立ち上がらせる。 『さすがだな、掃き溜めに堕ちたにしちゃかなりガッツあるぜ…。だが…、終わりだ。』 そう言ってダンテは魔力を集中させる。 少年のほうも傷ついたその体で、魔力を高めていく。 そして、極限にまで高められた両者の魔力は解放される。 ――マグマ・アクシス―― ―― ドゥームズデイ ―― 両者が放った魔力の奔流は激突し、両者が存在している周りの空間をも歪めていく。 ぶつかり合った互いの魔力は凄まじい爆発を起こし、少年もダンテも吹き飛ばされる。 そして、少年が覚えているのは、そこまでだった………。 ――これは、この二人がうちら三人と出会う前の物語。 ――これから奏でられる夜想曲《ノクターン》の結末がどんなものになるかそれは私達にもわかりません。 ――でも、必ず素敵な演奏になると信じて…、 魔法少女リリカルなのはA s -NOCTURNE- 始まります。 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/686.html
魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc 次元の狭間の闇を、進む。 無限に広がる世界を繋ぐ、次元空間の大海原を、黄金の舟が進んでいく。 最期のスターライトブレイカーが放たれた直後、聖王のゆりかごのレプリカは、次元航行モードへの移行を完了した。 高町なのはの命の輝き――あの桜色のビッグバンが、ヴィヴィオが最後に見た光景となった。 生きざまを、最後まで見届けたのだ。 「っ……う、うぅっ……」 そしてだだっ広い玉座の間では、1人の少女がうずくまり、抑えた嗚咽を響かせていた。 これで本当に独りきりだ。 プレシアのデスゲームからの生還者は、本当に自分1人だけになってしまった。 想いを汲み取ったはずなのに。 それがなのはの心からの願いだと、納得した上で撤退したはずだったのに。 それでも涙が止まらない。 悲嘆と後悔と自責の涙が、次から次へと溢れ出す。 「強くなりたい」という願いは、母の末路を見たことで、半ば折れかかってしまっていた。 「どうして……どうして、こんなっ……!」 強くなると決めたはずだった。 この手の届く限りの命は、守りたいと願ったはずだった。 それは今でも変わらない。変えることなどあり得ない想いだ。 最愛の母が死を選んだのは、自分の力が足りなかったから。 ガジェット達に苦戦して、帰還する余力を失ったのは、これまでのなのはの戦いを、助けてやることができなかったから。 きっとキングとの戦いで、ブラスターモードを使っていなければ。 コーカサスアンデッドとの戦いの時点で、既に助太刀に加わっていたならば。 いいや、なのはだけではない。金居との戦いへの参加が早ければ、ユーノの消耗も抑えられたはずだ。 そうなればもっと余裕をもって、ガジェット達に対処することができただろう。 ブラスター3を解放したのがあの場だったなら、ナンバーズさえも撃退できただろう。 つまるところ、自分が不甲斐なかったから、なのは達は死を選ばざるを得なかったのだ。 弱いのだ、私は――ヴィヴィオは。 「こんなはずじゃ、なかったのに……っ!」 痛みと嘆きは連鎖する。 最愛の母を喪った苦痛は、新たな苦痛を呼び起こす。 この30時間の戦いの中で、あまりに多くの命が喪われてしまった。 燃え盛る地獄の業火に焼かれ、命を落としたというルルーシュとシャーリー。 目の前で死んでいったもう1人のフェイトと、死体を嬲ってしまったキャロ。 少し怖い顔をしていたけれど、一度は自分を救ってくれた、浅倉威という男。 怒りに狂った自分の手で、命を奪ってしまった相川始。 こなた、スバル、リイン……共に生き残るために頑張ってきた、かけがえのない仲間達。 その他大勢をも含めた、60人をも超える命。 それら全ての重圧が、ヴィヴィオの双肩へとのしかかってくる。 何故だ。 何故彼らは死ななければならなかった。 こんな殺し合いさえなければ、普通に生きられたはずだったのに。 この殺し合いから出られれば、暖かな日常へと帰れたはずなのに。 自分が弱い子供でなければ――そのうちの何人かは確実に、この手で救えたはずなのに。 こんなはずじゃ、なかったのに。 「……?」 その、時だ。 不意に、目の前が明るくなった。 がらんどうの玉座の間に、淡く青白い光がともったような気がした。 否、光っているのは部屋ではない。 光っているのは自分自身だ。 漆黒と純白の騎士甲冑が、いつの間にか、淡い光を放っていた。 「あっ」 ぽぅ、と光が指先から離れる。 追いかけるように伸ばした手から、全身の光が離れていく。 青く白く光る何かは、数メートルほど漂ったのち、自分の目の前に留まった。 いつからそこにあったのだろうか。 そこに静かに浮いていたのは、2つの青い宝石だった。 光は宝石のもとに集まって、少しずつ形を変えていく。 不定形の青い光が、少しずつ輪郭をなしていき、2つの個体へと変わっていく。 「なのは、ママと……フェイトママ……?」 光の中から現れたのは、高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。 ちょうどもう1人のフェイトのような――自分の知る2人の母よりも、随分と年下の幼い姿だ。 本来の自分の姿よりも、いくつか歳は上だろうか。昔何かの折で見た、9歳くらいの頃の姿が近いかもしれない。 「貴方達は、一体……?」 それでも、自分の知る彼女らとは別人だ。 目の前の2人が纏う衣装は、9歳当時の彼女らのそれとは、微妙に異なったデザインとなっていた。 なのはのバリアジャケットは、先ほどまで自分の母が着ていた、エクシードフォームを思わせるものに。 フェイトのバリアジャケットも、大きな違いはないものの、より装飾が大人しいものに変わっていた。 《私達はジュエルシード……古の人々の願いと共に、この世界に生まれた結晶体》 「ジュエル、シード……?」 ヴィヴィオに微笑みかける幼いなのはは、自分達のことをそう名乗った。 確かそれは、かつてなのは達が回収していたという、ロストロギアの名前だったはずだ。 もちろん、そんなものを持った覚えはない。 そのジュエルシードとやらが、このゆりかごに現れた理由は、皆目見当もつきそうにない。 《かつてプレシア・テスタロッサが、虚数空間の海へと落ちた時、 私達9つのジュエルシードもまた、道連れに次元の狭間へと沈んでいった》 《アルハザードの周囲を漂っていた私達は、貴方の放つジュエルシードの気配に引かれて、貴方のもとへやってきた。 そしてこの姿は、貴方の心の中にある、想いの形を具現化したもの》 《貴方とお話をするために、貴方の心の中から借りた、貴方の強い想いの形》 代わる代わる言葉を紡ぐ、なのはの幻とフェイトの幻。 そこに浮かんだ穏やかな笑顔は、思い出のそれと変わらないのに。 その口から放たれる懐かしい声色は、思い出のそれと違わないのに。 その事務的な口調には、人としての温もりを感じられず、どこか歪な印象を受ける。 本当に目の前に立っているのは、ただの幻に過ぎないのだと、否応なしに思い知らされる。 「……強くなんて、ないよ」 ゆらり、と金のサイドポニーを揺らし。 ルビーとエメラルドの光を地へ向けて。 目の前の幻が言い放った何気ない言葉に、ヴィヴィオは己が顔を俯かせて、呟く。 「私は強くなんてなかった……私のちっぽけな想いなんかじゃ、結局誰も、救えなかった」 罪を懺悔するかのように。 頭を垂れた聖王が、言った。 強くなりたいという誓いは、結局死の運命を打倒できなかった。 手が届くところにあったはずの命にさえ、手を伸ばすこともできなかった。 何も救えなかった自分が、そんなに強いはずがない。 何も守れなかった想いが、強いだなんて言えるはずもない。 《信じて》 それでも。 目の前の幻が口にしたのは、そんな言葉だった。 《魔法は胸の内に込められた力を、具現化させて解き放つ力……人の想いを形にした力》 《だからこそ、魔力の結晶である私達には、人の想いを叶える力が備わった》 《「死んでいったみんなのためにも、強くなって生き続けたい」…… ……他の誰でもない、貴方の強い想いの力が、私達を呼び寄せた》 《たとえ今は弱くとも、その想いが貴方を突き動かすのなら、貴方はもっと強くなれる。 貴方の抱く強い想いを、魔法は決して裏切りはしない》 これはヴィヴィオはおろか、全ての参加者が知り得なかったことだが、 ジュエルシードによって張られたフィールドにいた参加者達は、 少なからず、ジュエルシードの性質を持った魔力を、その身に浴び続けていた。 それが2つのジュエルシードを、ヴィヴィオの下へと招いたのだが、彼らはそれだけでは足りなかったと言った。 ヴィヴィオの強い願いの力こそが、彼らをこの舟へ引き寄せたのだと。 ヴィヴィオの強い想いの力こそが、奇跡の力を呼び寄せたのだと。 『ヴィヴィオ』 不意に、少女の首元から声が響いた。 明滅する空色の宝石は、インテリジェントデバイス・マッハキャリバー。 この30時間の戦いで散ってしまった、スバル・ナカジマの相棒だったデバイスだ。 そういえば今この瞬間まで、半ば存在を忘れかけていた。 ここまでずっと自分を支えてきてくれた、大事な仲間の1人だったというのに。 『以前、私は相棒に、こんなことを言ったことがあります。 貴方が私に教えたもの……私の生まれた理由、貴方の憧れ……それを嘘にしないでほしい、と』 「あ……」 『一度起きてしまったことには、もう取り返しはつきません。 それでも貴方には未来があります。同じことを繰り返さないよう、努力するチャンスが残されています。 生きて責任を果たすこと……生きて帰って、強くなると約束したこと…… Ms.なのはに誓った貴方の想いを、嘘にしないでください』 そうだ。 マッハキャリバーの言うとおりだ。 殺し合いのフィールドを発つ前に、ユーノが言っていたことを思い出す。 この戦いを生き延びた自分達には、果たさなければならない責任があるのだと。 喪われてしまった多くの命に、報いなければならないのだと。 高町なのはの死を看取るまでが、自分に課せられた責務ではない。 まだやらねばならないことが残っていたのだ。くよくよしている暇はなかったのだ。 ――だから私は、ヴィヴィオに“これから”を託せるの。 なのはママの遺言が、胸の奥深くで木霊する。 自分で進むと決めた道を、貫き通せるのだと信じているから、未来を託すことができるのだと。 自らの進む道を選択し、それを最後までやり通す意志。それこそがジュエルシードの言う、想いだ。 誰よりも強く優しいママに、太鼓判を押してもらった――信じられると言われた、想いだ。 「……分かったよ」 俯いていた顔を、上げる。 聖者の印と謳われたオッドアイで、確たる意志と共に、前を見据えた。 身を屈ませた後悔の震えは、今はもうその背中にはなく。 涙に滲んだ赤と緑は、色鮮やかな光を放つ。 「なのはママがそう望んだのなら……私は生きてみようと思う。 それが、強く生きるって約束した……ひとりで立てるって宣言した、私の責任なんだから」 この30時間の戦いで、ヴィヴィオは多くの死を背負った。 肉体年齢6歳という、あまりにも幼いその背中に、あまりにも重いものを背負い込まされた。 それでも、彼女は生きることを望んだ。 過去に悲嘆する道ではなく、未来へと続く道を選んだ。 彼女も怖かったはずなのに、それでも自分を励ましてくれたシャーリーのように。 スバルやシャーリーを守り抜かんと、懸命に戦ったルルーシュのように。 戦う力を持たずとも、弱いなりに自分を支えようとしていたこなたのように。 そして何より、あの高町なのはのように。 強き想いを力へと変え、母の望む生き方を、その力で為さんと決意したのだ。 ならば、祝福すべきだろう。 ヴィヴィオが選択した道が、結局はなのはが指し示した道だったとしてもだ。 この歳で完全に自立しろというのは、それこそ酷な話だろう。それはこの先少しずつ、ゆっくりと成長しながら果たせばいい。 それでもヴィヴィオは今日この日、責任を背負うということを知った。 こうして幼かったヴィヴィオは、ほんの少しだけ、大人になった。 《願いを聞かせて、高町ヴィヴィオ》 《貴方の望む想いの形を……本当の気持ちを、私達に教えて》 目の前の幻影が語りかける。 願いを叶えるジュエルシードが、叶えるべき願いを問いかける。 「ゆりかごの針路を、ミッドチルダに……私を元の世界へ連れて行って」 確たる口調で、宣言した。 かつてプレシア・テスタロッサは、21個のジュエルシードに、娘の命を願ったという。 されどヴィヴィオが選ぶのは、死した母の蘇生ではない。 命よりも大事な願いを、なのはは自分に託したのだ。 ならば彼女から託された願いは、喪われた彼女の命以上に、優先させるべき願いだ。 《その願いを、叶えよう》 願いを聞き届けた幻のなのはは、無機質な声と共に、にこやかに微笑む。 自分が聖王化していたのもあって、身体の大きさが完全に逆転していたのが難点だったが。 それでもそこにあった笑みは、これまで愛してやまなかった、最愛の母の笑みそのものだった。 《貴方の望む道筋は、私達の力で切り拓いてあげる》 《どれだけ時間がかかろうとも、どれだけの壁に阻まれようとも、私達が必ず送り届ける》 ぽぅ――と。 その一言を言い終えると同時に、2人の幻に陰りが生じた。 青白い光から生まれた幻が、少しずつその輪郭をぼかしていく。 幻影の不透明度が落ちていき、少しずつ虚空へと溶け込んでいく。 さらさらと四肢の端から零れるのは、蛍のごとき青い光。 ジュエルシードの煌めきが、ゆっくりと霧散していって、聖王のゆりかごを包んでいく。 《あとは貴方次第だよ――高町ヴィヴィオ》 それが最後の一言だった。 その一言を言い終えると同時に、2人の幻は姿を消した。 玉座の間に静寂が訪れる。 だだっ広い空間の中で、人影がまた1人きりになる。 胸の内へと訪れるのは、ほんの少しばかりの寂寞。 「……帰ろう、マッハキャリバー」 それでも、少女の瞳に涙はなく。 晴れやかな笑みさえも浮かべて、真っすぐに前を見つめている。 ジュエルシードの幻の、最後の言葉を聞いた時、母に背を押されたような気がした。 まるでなのはママ自身に、エールをもらったような気がして、それだけで満たされたような気がした。 「私達の故郷へ……なのはママと暮らした場所へ!」 その言葉を合図としたかのように、ゆりかごの床が微かに揺れた。 2つのジュエルシードの放つ、青白いオーロラに覆われて。 黄金に煌めく聖王のゆりかごは、未来に向かって出港した。 (私は、もっと強くなる) 強くなって、生き続ける。 この命が続く限り、この身が朽ち果てぬ限り。 死んでしまった人々に報いるために。 ママとの約束を果たすために。 私を守り続けてくれた、世界一大好きなママの生涯が、無駄ではなかったことを証明するために。 未来へ続くこの道を、私は胸を張って歩き続ける。 そう。 私の行く道は終わらない。 私の道は、これからも――。 ◆ リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル・最終戦績報告 1日目・深夜 エリオ・モンディアル :柊かがみのミラーモンスターにより死亡 ギルモン :八神はやて(StS)のツインブレイズにより死亡 ティアナ・ランスター :シグナムのバスターソードにより死亡 神崎優衣 :キース・レッドのグリフォンにより死亡 1日目・黎明 殺生丸 :自身の蒼龍破により死亡 シグナム :柊かがみのヘビープレッシャーにより死亡 アグモン :アーカードの手により死亡 クロノ・ハラオウン :アーカードのパニッシャーにより死亡 1日目・早朝 矢車想 :エネルの鉄矛により死亡 カレン・シュタットフェルト :ミリオンズ・ナイブズのエンジェルアームにより死亡 高町なのは(A s) :ミリオンズ・ナイブズのエンジェルアームにより死亡 ディエチ :ミリオンズ・ナイブズのエンジェルアームにより死亡 ミリオンズ・ナイブズ :キース・レッドのジャッカルにより死亡 1日目・朝 フェイト・T・ハラオウン(StS):ヴァッシュ・ザ・スタンピードのエンジェルアームにより死亡 八神はやて(A s) :アンジール・ヒューレーのアイボリーにより死亡 1日目・午前 ザフィーラ :自身のミラーモンスターにより死亡 アレクサンド・アンデルセン :ルーテシア・アルピーノのイフリートにより死亡 1日目・昼 遊城十代 :柊つかさの手により死亡 武蔵坊弁慶 :ギンガ・ナカジマのプラズマスマッシャーにより死亡 インテグラル・ヘルシング :金居の朱羅により死亡 ギンガ・ナカジマ :金居の朱羅により死亡 ブレンヒルト・シルト :キース・レッドのグリフォンにより死亡 1日目・日中 チンク :柊かがみのミラーモンスターにより死亡 シャマル :セフィロスの憑神刀(マハ)により死亡 C.C. :首輪爆発により死亡 シェルビー・M・ペンウッド :首輪爆発により死亡 1日目・午後 早乙女レイ :ルーテシア・アルピーノのエボニーにより死亡 ルルーシュ・ランペルージ :ルーテシア・アルピーノのイフリートにより死亡 シャーリー・フェネット :ルーテシア・アルピーノのイフリートにより死亡 1日目・夕方 セフィロス :八神はやて(StS)のコルト・ガバメントにより死亡 ルーテシア・アルピーノ :キャロ・ル・ルシエの憑神鎌(スケィス)により死亡 キャロ・ル・ルシエ :フェイト・T・ハラオウン(A s)のオーバーフラッグにより死亡 フェイト・T・ハラオウン(A's) :キャロ・ル・ルシエの憑神鎌(スケィス)により死亡 万丈目準 :浅倉威のミラーモンスターにより死亡 柊つかさ :浅倉威のミラーモンスターにより死亡 浅倉威 :首輪爆発により死亡 エル・ローライト :キース・レッドのグリフォンにより死亡 新庄・運切 :エネルのジェネシスの剣により死亡 ゼスト・グランガイツ :キングのオールオーバーにより死亡 キース・レッド :アレックスのブリューナグの槍により死亡 天上院明日香 :八神はやて(StS)の愛の紅雷により死亡 1日目・夜 アレックス :金居のイカリクラッシャーにより死亡 アーカード :ヴィータのゼストの槍により死亡 ヴィータ :アーカードの手により死亡 1日目・夜中 クアットロ :キングのRPG-7により死亡 ヒビノ・ミライ :アンジール・ヒューレーのバスターソードにより死亡 1日目・真夜中 エネル :金居のデザートイーグルにより死亡 相川始 :ヴィヴィオの魔力爆発により封印 2日目・深夜 (死亡者なし) 2日目・黎明 ヴァッシュ・ザ・スタンピード :八神はやて(StS)の鋼の軛により死亡 泉こなた :八神はやて(StS)の愛の紅雷により死亡 2日目早朝 八神はやて(StS) :柊かがみのルシファーズハンマーにより死亡 柊かがみ :スバル・ナカジマの手により死亡 アンジール・ヒューレー :キングのオールオーバーにより死亡 スバル・ナカジマ :金居のジェネシスの剣により死亡 天道総司 :キングのオールオーバーにより死亡 キング :高町なのは(StS)のレイジングハート・エクセリオンにより封印 金居 :ヴィヴィオのラウズカード(ジョーカー)により封印 【ウーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【ドゥーエ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【セッテ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【オットー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【ディード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【ユーノ・スクライア@L change the world after story 死亡確認】 【残り:1人】 ◆ 天の光は全て星。 なべて世はこともなし。 第一管理世界・ミッドチルダの宇宙は、新暦78年を終えようとするこの瞬間にも、平穏無事であり続けていた。 見渡す限りに広がるものは、暗黒よりもなお黒き闇。 漆黒のカーテンに散りばめられるのは、幾億幾兆の星々の煌めき。 どこまでも高く、どこまでも深く。 どこまでも遠く、どこまでも広く。 文字通り無限の容積を持った、光と闇の大海原に、ぽつんと浮かぶ星が1つ。 サファイアのごとく煌めく青と。 エメラルドのごとく映える緑。 生命の色に満ちたその星こそが、ミッドチルダの本星だった。 この色鮮やかな星の中で、多くの命が息づいて。 出会い、群れ合い、親しみ、別れる、大勢の命が生きている星。 漆黒の宇宙空間の中で、一際美しく放たれる輝きは、そこに暮らす人々の、命の活力を表しているのかもしれない。 《――応答願います。時空管理局、応答願います》 そんな無明の宇宙の中に、1つの影が姿を現す。 無音無酸素の宇宙の中で、声を電波に乗せるのは、金色に煌めく大型戦艦。 スラスターも噴かせることなく、無重力空間を漂い続ける、豪華絢爛な舟があった。 眩い陽光が船体を照らす。 ミッドチルダの向こうから、顔を出した太陽の光が、宇宙を黄金色に染め上げる。 気の遠くなるほどの旅路の果てに、目的地へ辿り着いた舟は、 世界そのものに祝福されているかのように、誇らしげな光を放っていた。 《私の名前は高町ヴィヴィオ……高町なのはの娘です!》 新暦79年、1月1日0 00。 新たな年の幕開けと共に、数奇な運命に翻弄された少女が、生まれ故郷への帰還を果たしていた。 【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 生還】 【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル――――――完】 Back 魔法少女、これからも。(中編) 時系列順で読む Next Beautiful Amulet(前編) 投下順で読む 高町ヴィヴィオ Next Beautiful Amulet(前編) 高町なのは(StS) GAME OVER ユーノ・スクライア GAME OVER ウーノ GAME OVER ドゥーエ GAME OVER セッテ GAME OVER オットー GAME OVER ディード GAME OVER
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2721.html
時は、待たない。始まりはいつでも唐突に、思いもよらない形で訪れる。 01 Time of darkness 機動六課。正式名称「古代遺物管理部 機動六課」は、その名の通りロストロギア関連の危険な任務を扱う古代遺物管理部の機動課、第六の部隊だ。10年前の闇の書事件の当事者、八神はやてが設立、部隊長を務めている。 時空管理局内でも特殊な位置付けとなっているこの部隊は、今。完全にシステムダウンしていた。 数分前、間もなく日付が変わろうとしている時刻。 時空管理局のエースオブエース、高町なのはは市街地に出現したガジェットドローンの殲滅に駆り出されていた。 任務自体は比較的容易なものだったが、なのはが駆り出される必要性は無かったと言ってもいい。単に部隊長であるはやての指示だ。その背景にはこんな時間に出てくるガジェットへの不満が少なからず絡んでいたのだろう。 『もう少しで殲滅完了です。がんばってください』 「うん。」 司令室からの通信を受け、微笑みながらそれに返すなのは。 カプセルに似た円錐形の機体を持つそれはガジェットドローンⅠ型と呼ばれる、最も多くみられる種類だった。量産性に富む機種というのは、往々にして性能は低い。なのはにとってⅠ型はただの玩具に等しかった。 戦地の只中とはいえ、無敵のエースは余裕を崩さない。崩れるはずもなかった。 そう、その瞬間までは。 「な、なに…?」 突如襲う、異質に足を突っ込んだ感覚。 体を包む不快な圧迫感。空は暗い緑に染まり、月は異様な存在感を持って辺りを明るく照らしていた。 足元に広がる染みが、夜空の満月を映し出す。 そして、周囲のガジェットは一機残らず機能を停止していた。 「どういうこと…?」 独り言とも司令室への問いかけともとれるその呟きに答えるものは、何もなく。 ただ静寂だけが世界を包んでいた。 「どういうことや!?」 その頃、八神はやて指揮するロングアーチでは、更なる以上事態が発生していた。 周りにいた筈の職員は、全員が棺のようなオブジェと化し、機器系統はすべてが動きを止めているのだ。 「敵の攻撃か…!?」 どんな?どんな敵が、どんな方法でここまで異常な状況を作っているというのだ? 『はやて、聞こえる?』 混乱し、焦るはやての頭に響いた念話は、なのはの出撃にあたり、待機状態であったフェイト・T・ハラオウンの物だった。その声がはやてを幾分か冷静にさせた。 「フェイトか!ってことはそっちも?」 『うん、たぶん、同じ状況だと思う。エリオとキャロが棺桶みたいなものに…』 「…どう思う、この状況?」 『…わからない。けど、まずい状況だとは思う。ライトニングで無事なのは、私とシグナムだけみたい』 「………」 フェイトの言葉に黙り込むはやて。状況がわからない以上、下手に動くこともできない。 職員のほぼ全員がオブジェと化してしまっている今、できることは皆無に等しかった。 なのはは、しんと静まり返った市街地で一人混乱していた。 司令室とも連絡はつかず、相棒であるレイジングハートも呼びかけに答えない。ガジェットも依然動きは見せない。故障か?ちらと思うが、 (そんなわけ、ないか) 全てのガジェットが一律に故障するというのも異様な話だ。 しかしガジェットどころか、まるで時が止まってしまったかのように、なのはの周りに動くものは何ひとつ存在しなかった。 物音もしない世界に変化が生じたのは、なのはがとりあえず移動をしようと歩を進めた時だった。 ぐちゅり。 背後に異様な物音を聞きつけたなのはは振り返り、 (なに、あれ…) そして、凍りついた。 腕が生えていた。まるでゴムで表面全てを覆ったような、真っ黒な腕。 煌々と輝く満月の光を受けながら、だがその腕は、僅かな輝きも放たない完全な影のようにそこに存在していた。 物音は、それの背後から響いていた。 そして、現れる。十数本もの同じような腕。 「…!」 立ち尽くすなのはの前に、腕ではない別の何かが姿を現す。 その正体は、青白く光る一枚の仮面。 目と口の部分がくり貫かれ、薄い笑みを浮かべているようにも見えるそれが、一本の腕に掲げられている。 ゆっくりと腕が振られれば、まるで仮面が辺りを見回しているかのように見える。 いや、実際「見え」ているのだろう。 動けずにいるなのはを見つめるような形で、不意に仮面の動きが止まった。 微かな金属音と共に、全ての腕に瞬きもせぬ刹那に、銀色の輝きを放つ剣が握られていた。 影の様な腕の中にあって、その剣は異彩を放ち、なのはの目を釘付けにする。 そして、影は迫る。完全に無防備ななのはに向かい、白刃を煌めかせ。 「ひっ…」 悲鳴は出なかった。ただ凍りつくような恐怖に息を引きつらせる。 強烈な死の気配に当てられて、動くこともできない足が笑う。 「レ、レイジングハート!お願い、レイジングハート!!」 なのはは必死の想いで相棒に呼びかけるが、全く応答しないレイジングハートはますますなのはの恐怖心を刺激する。 膝から力が抜け、地にしゃがみこんだ。 仮面はますます狂喜の様相を呈し、射程内に捉えたなのはに向い、腕を振り上げる。 殺される。絶対的な予感がなのはを支配した。それでも尚、その腕に握られた白人から目を離せずにいた。そして、次の瞬間―、 「タナトス!!」 かざされていた腕は宙を舞った。 地面に落下し、べしゃりと音をたてた腕は、しばらく切り離された蜥蜴の尻尾のようにウネウネと動いていたが、やがて動かなくなり、黒い液体となってから蒸発した。 オォオオオォォォォ!! 足首程まである黒のロングコートに、獣の頭蓋骨のような上顎と下顎に分かれた銀の仮面。 目があろう場所にはただ空虚な孔があいているだけだ。 棺桶の様な物体を幾つも鎖でつなぎ合わせた外套のようなものを、その身を覆うようにして浮かべている。咆哮はその怪人が発していた。 手には長い剣が携えられ、月光を浴びてその刀身が不気味に輝いている。 その姿は、さながら「死神」。生命を刈り取る剣を携え、棺に入れた死者を冥界へ誘う漆黒の影。 いまだ動けずにいるなのはと異形の前に、黒い服を着た深い藍色の髪の青年が立ちはだかった。 その青年は、片手に銃を持っていた。細身の青年は真っ直ぐに異形を見据える。 そして、黒衣の死神が跳躍した。 一息に異形との距離を詰めると、何が起こったのか理解していないかのように動かずにいる異形の腕を、荒々しく何本かまとめて押さえつけた。 その細腕からは想像もつかぬほどの力を持っているのか、そのうち何本かがぐじゃりと奇妙な音を立てて潰れた。 怪人はそれも意に介さずに、剣を振りかざす。 と、ようやく己の危機に気付いたのか、異形は緩慢な動作で手に持っていた白刃を構えたが、既に遅すぎた。 キン、と僅かな金属音だけを残し、縦一直線に振るわれた剣の一撃で、全てが叩き折られる。 「五月雨切り」と呼ばれるそのスキルが、異形の剣を持っていた腕も、掲げられた仮面も、その全てを両断していた。 異形は辺りに飛散し、黒い液体のように溶けて、霧散した。 そして最後に、獣じみた荒々しい息遣いを上げていた黒衣の怪人の姿が不意にゆらぎ、消えうせた。 全てを終え、青年は銃をクルクルと手の中で回転させ、腰のホルスターに収める。 ただ眼を見開いてその光景を見詰めていたなのはの前に、腕が差し出された。 視線を上げると、端正な顔つきをした青年。なのはを安心させようとしているのか、微笑んでいた。 「立てる?」 その言葉に我にかえったなのはは、膝に力が入らない事に気づき、青年の手を取った。 魔術師は示す。すべての始まりを、物語の、始まりを。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/majokkoxheroine/pages/194.html
ここは雲の上の上の上に浮かぶ魔法の国。 魔法の国だけにウサギやアルパカは二足歩行で歩き、花は今日も演歌を熱唱し、雲は綿菓子、 その雲の機嫌がいい時は空から飴ちゃんが降ってきたりするそんなファンタジーワールド。 そんなファンタジーワールドの中央に位置するお城。(どうみても姫路城です。本当に(ry) そのお城の大広間に王様の娘、つまり王女様が呼び出されていた。 「娘よ……ばか」 ゴギャン。ジョークをジョークと見抜けない王女様は王様にライダーキックを食らわせる。 「お父様、恋に魔法に忙しい娘を呼びだしてばかとは何かしら。あと、ばかっていうほうがばかなのよ」 あんたも父親に対して失礼ぞ!的な返しをする王女様。 「まあ、そう怒らないでくれ。若くしてシワが生えるぞ」 ガガガガガガガ。今度はキン肉バスターである。 「で、用件ってなんですの?」 キン肉バスターを解除しながら、王女は問うた。 「そうだ、エリリンリン。大事な話だ……」 王様は王女様、エリリンリンに次のことを話した。 この魔法の国は地上の世界、つまり人間界の「しあわせの力パワー」で空に浮かんでいられる。 しかし、ここ最近その「しあわせの力パワー」が好評減少中なのだという。 そのせいで1日に数ミリ、下がっていきつつあるそうだ。 このまま「しあわせの力パワー」が減って、ついにはゼロになると魔法の国が地上へと墜落し、そりゃまあ大変なことになるのだという。 と、いうわけで。「しあわせの力パワー」を復活させるためにエリリンリンに地上に降りて大活躍してほしいそうだ。 201 名前:代理魔法少女リリカルハナちゃん[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 20 37 17 ID Y/RWIAbF [2/6] 「それは大変だわ!!……それはそれとして」 「何だ、娘よ」 「「しあわせの力パワー」ってダサいネーミングだわ」 ノピョーン!エリリンリンのもっともなツッコミに盛大にずっこける王様。 「ま、まあ。それは気にするな。地上に降りるにあたって、これを持って行きなさい……」 そう言って王様はエリリンリンの前にさまざまなアイテムを示した。 その道のプロフェッショナルな大人に変身できる銅鏡。 「しあわせの力パワー」がどれだけたまったかを示すメスシリンダー。 移動に使う魔法の座敷箒に魔法の国との連絡に使うipho○e的な電話。 そして「お伴の動物」的ポジのコケシ(性的な意味じゃない)。 「これら5点セットに四次元頭陀袋をつけて、いちまんえ」 バリブローン!またまたジョークをジョークと見抜けないエリリンリンは王様にジャーマンスープレックスを決めたのであった。 まあともかく、善は急げということでエリリンリンはとっとと出発することと相成った。 魔法の国から人間界へとつながる襖の前でエリリンリンは王様、王妃様、家来、コック、メイド、国民、アルパカの前で出発の挨拶をした。 「魔法の国が地上に墜落したことで、損害賠償を起こされないために……私行きます!!」 ……そういうことではない。というツッコミがあったかどうかは定かではないが エリリンリンは襖を開け、人間界へと旅立っていった。 王様、王妃様、コック、メイド、国民、アルパカに見送られながら。 202 名前:代理魔法少女リリカルハナちゃん[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 20 39 58 ID Y/RWIAbF [3/6] 東京都練馬区。その大通りの近くで人だかりができていた。 何やら「変な格好をした女の子が車にはねられた」のだという。 その野次馬の一番いい場所にいましがたフランス語塾を終えて、帰宅途中だった花野花子(7)がいた。 花子はその「変な格好をした女の子」に呆れ果てていた。 大通りの、それも横断歩道のないところにいたら車にはねられるのは当然だろうと。 お前さん、幼稚園でそれを習わなかったのかと。 「あんぜんパトロール」、ちゃんと見てなかったのかと。 そんな呆れ果てる花子の前にコケシがすっ飛んできて、花子とコケシ以外の周りの時間を止めた。 「お嬢さん、お嬢さん」 「キャッチセールスはお断りしてるの」 しれっと返され、コケシはこけそうになる。コケシだけに。 「頼みがあるんです」 赫赫云々。数行前に話したのと同じ解説をするコケシ。 「しかし、そのエリリンリン様はご覧の有様で……一命は取り留めているようですが 全治……数か月の重傷を負っているのでございます」 「それで?」 「あなたにそのエリリンリン様の代理を務めてほしいのです!」 間。 「すみません、宗教には興味ないんで」 ドゴムッツ。コケシは地面に落ちた。しかし、何とか再び浮かび上がる。 「そこを何とか!ところでお名前は……」 「花野花子。創発女子大学付属小学校2年2組」 「花野花子……。承知しました。あなたは今日から「代理魔法少女リリカルハナちゃん」です!」 また間。 「すみません。そういうのは幼稚園卒園と同時に卒業してるんで……」 203 名前:代理魔法少女リリカルハナちゃん[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 20 41 28 ID Y/RWIAbF [4/6] コケシはショックを受けていた。日本の女児は幼稚園卒園と同時に魔法少女アニメからも巣立ち、 興味があるのはおしゃれと月9ドラマというのは本当だったのか……と。 それでも、コケシは花子に無限の可能性を感じていた。 彼女なら「しあわせの力パワー」を復活させることができる……と。 こうしてコケシはエリリンリンの頭陀袋をえいこらせっせと運び、花子に渡した。 「とにかく、お願いします!」 コケシ独特ののっぺりとした表情で迫られてはさすがの花子も承知するしかない。 かくて、今ここにコケシをお供にしたがえた魔法少女が誕生する運びとなったのだ。 「はぁ、私としたことが人間界に着くなり車にはねられるなんて……」 人間界の病院。エリリンリンはベッドの上で愚痴っていた。 「こうしている間にも人間界からは『しあわせの力パワー』が消えていっているというのに」 ぶつくさ、ぶつくさ。 「その心配はありませんよ、エリリンリン様」 どこからわいて出たのか、コケシは言った。 「どういうことよ?」 「私めが、代理を見つけましたので」 ガビーン。代理ー!? 「最初にしてはいい活躍でしたよ、リリカルハナちゃん」 ガビガビーン。リリカルハナちゃんンンンンンン!? 「とりあえずは、安泰なのでごゆっくりご静養くださいまし」 ガビガビガビーン。安泰って……。 見事にどこのポニーの骨ともつかない少女にお株を奪われ、エリリンリンはショックを受けた。 そして決意する。気合いでリハビリを乗り切って、完全復帰し リリカルハナちゃん以上に大活躍してやろうと。 やれやれ。 つづかない。
https://w.atwiki.jp/adx992/pages/126.html
防御力は分数計算されている模様。1位100/150・2位100/120・3位100/110・4位100/100・5位100/90・6位100/80・最下位100/50・SF時100/40 -- (名無しさん) 2012-03-27 23 23 58
https://w.atwiki.jp/adx992/pages/23.html
編集議論・要望 本Wikiの編集に関する意見や議論などのコメントページです。 プレシアとリニスの参戦が発表されましたが、誰かページ作らないので? -- 名無しさん (2011-10-01 11 33 55) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/adx992/pages/113.html
「FD発動で吹き飛ばしてトリガー」の可能・不可能はFDBのデータに一括で入れ込みました。「不可」なキャラは「ユーノ・雷刃・闇王・アルフ・ザフィーラ・リーゼ・プレシア・リニス」の8人。それ以外はキリエのように距離制限のあるキャラもいるものの全員できるので、個別のコンボ欄には書かない方向で…。 -- (名無しさん) 2011-12-24 12 22 35 各キャラのコンボ情報が増えてきたので一覧にまとめました。 -- (名無しさん) 2011-12-25 03 14 14 コンボ一覧のシュテルのコンボの表記をパイロシューター アクセル ではなくパイロシューター発射前EXダッシュキャンセル に修正お願いします -- (名無しさん) 2011-12-25 09 22 31 コンボ一覧ページ、編集権限の設定を間違えていたので修正しました。他のページと同じく、誰でも編集できます。 -- (名無しさん) 2011-12-25 15 28 25 メニューを整理しました。 -- (名無しさん) 2011-12-26 02 11 03 「対戦テクニック」のページを作りました。対戦好きな皆さんで、テクニックやTipsなど、項目を自由に作っていって下さい。 -- (名無しさん) 2011-12-26 02 11 44