約 4,409,728 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/311.html
南イタリア ネアポリス空港 両替所にて、クロノはある程度まとまった金を両替した。 「すまない、市内までタクシー代はどれくらいかかるだろうか?」 「4000~5000ってとこかね」 「そうか、ありがとう」 金を財布に入れ、もう一人の同行人の元に戻ると、札束の半分辺りを手渡す。 「おおよそ、10、20万あるはずだ、ある程度雑貨品も買い込む必要があるし足りなくなれば言ってくれ」 「お金の管理はちょっと苦手かも…ユーノ君お願い出来るかな?」 「いいけど、持つときは複数の場所に分けてね、スられた場合の保険に」 肩にフェレット、ユーノを乗せた高町なのは。いつもの制服ではなく私服なので、多少は周りに溶け込めていた。 「こういう服はあまり着た事無いから…ちょっと慣れないな」 「似合ってるよクロノ君、普通の人みたい」 「いや、普通の人だが」 対してクロノはいつもの執務官服ではなく、黒の上下に藍色のジャケットを羽織っていた。 二人とも少々大きめのスーツケースを引いている。ぱっと見は単なる旅行者以外の何物でもない。 「普段は普通に見られていなかったのか…」 「さて、タクシーで拠点に向かおうか、なのは」 がっつりと落ち込むクロノはあえて無視する。 「そ…そうだね…」 「ねえ、タクシー探してる?」 二人(と一匹)に声をかける者がいた。 「アルバイトでこれから帰る所だから安くしておきますよ…8000でどう?」 服は胸元がハートの様な形に開いた、暗い配色の…制服…だろうか? 輝く様な金髪の前髪を3つ丸めて束ねている、年の瀬はクロノより少し年上なのだろうか。 「厚意はありがたいが、ちゃんとタクシー乗り場で乗る事にするよ…流石にそこまで暴利ではね」 「く…クロノ君…」 なのはは物言いを多少咎めるのと同時にタクシー乗り場に目をやった。 乗り場にはかなりの長蛇の列、タクシーが来る時間の割合を考えると1、2時間で済むだろうか…? 「…あっちの客には声をかけないのか?」 「君達が断るなら…これから…、じゃあ、2000円ならどうかな?」 「…いきなり安くなったな」 「チップは無しなんだから、荷物は自分で助手席に積んでくれ、そっちのレディは別だけどね…」 「…わかった、それでいい…なのはは後部に荷物と一緒だ、僕は荷物を前に載せて後ろに」 「うん」 かなり大きめの荷物を前に乗せるクロノ。 「ちゃんと指定の場所まで送ってくれよ?僕らはただの観光客じゃないんだからな…」 「正直に送り届けますよ」 そして、なのはとクロノが後ろに乗り込もうとした時 「ただし、空のバッグだけを、ですがね」 車が急発進した。 「…ふぇぇ!?ま、まだ乗ってないよ!」 「早速か…やれやれ…誰も手をつけたがらないのも納得だ…」 「止めるよ!」 少年はバックミラーで二人の表情を確認した。呆気にとられて慌てる少女と頭に手をあてやれやれと首を振る少年。 だが、追ってくる様子すらない、奇妙に思ったが振り切ってしまえば此方の物だ。 「チャオ」 だが空港を抜けようとしたその時、車がガクン!!と前につんのめり、止まった。 タコメーターはエンジンの不調を訴えてはいない、ガソリンも十分。だがタイヤは地面を空回りするばかりで前に進まない。 「ユーノ君……凄い…」 「一瞬でこれだけのバインドを編んだのか…」 一般人には見えないが、二人には見えていた。周囲にあるガードレールや電柱に縦横無尽に絡まり車を二重三重に捕縛したチェーン・バインドが。 「僕だって一応修行してるんだよ、ま、奴への引導は二人にお願いするけど」 クロノは焦る事無くゆっくりと車に近づく。運転している少年はまだ車を弄っていた。 「言っただろう?ただの観光客じゃないって…」 声をかけ、助手席の扉に手をかけると、流石に感づいた様で少年は運転席から飛び出した。 「荷物だけ置いていけばいい、追う必要もない…」 当然、クロノはこの少年が計画が失敗した事でパニックと罪悪と敗北の表情をするだろうと思った。 しかし…彼はそのどの表情もしなかった…少年は微笑んでいるのだ…… ただ平然ともの静かに微笑んでクロノを見ていた……… その表情には『光り輝くさわやかさ』さえある様にクロノには感じられた………。 少年はそのまま、さっと踵を返し何処へと消えた。 「クロノ君、大丈夫?」 「ああ…だがちょっと奇妙な奴だった…しかし、」 「二人とも…後ろの二人がちょっと面白い事を話してる…」 クロノの話を遮ってユーノが割り込んできた。二人はそのまま聞き耳を立てるが旨く聞こえない。 「念話で聞こえる様にするよ…」 「案外万能なんだな…」 「ユーノ君の一族遺跡発掘のプロだからね、言語、念話関連は凄く得意みたいだよ」 話の内容を漏らさぬ様に、急いだユーノのお陰ですぐに声が聞こえてきた。 「…ョルノの奴エンストして失敗したみたいだぞ」 「あいつ、半分日本人のくせして日本の旅行者をだまそうとするからバチが当たったんだ」 「もっとも、あの髪の色じゃあジョルノ・ジョバーナを日本人とわかる奴はいないがな…」 「いや…染めたんじゃないらしいぜ、黒い髪だったのがここ最近、急に金色になったらしいんだ、妙な体質だな…」 「本人はエジプトで死んだ父親の遺伝と言っている…」 「ジョバーナ…?」 クロノは胸元から写真を取りだした、黒髪の少年で、此方の組織と取引している条件…体組織の採取するべき少年だ。 「ジョルノ・ジョバーナ…汐華初流乃………初ルノ…シォハナ…」 「それ…さっきの人なのかな?」 なのはに言われて、先程の男の顔と当てはめてみる、確かに似てはいるが、まだクロノには今ひとつ確信が持てない。 「わからん…組織とコンタクトをとってより情報が手に入れば良いんだが…」 「クロノ、ところで君の荷物は…?」 言われて助手席に目をやるが、先程確かに自分で助手席に積んだ筈のスーツケースだが、それが今は影も形も無い。 「無い…だがさっきの奴は何も持っては……?」 よく見ると、助手席のところに何かへばりついている。粘性のボールの様な『それ』は更に内部に何かが入っている。 「これは…僕の荷物…なのか!?」 先程のクロノのスーツケースについていた名札『黒野』と言う文字が中に見える。 しかしそれは何度か鼓動を脈打ちながら別の物に変化…いや成長してゆく。 『それ』は呆気にとられているクロノの目の前で生物に変わってしまった。 『カエル』に 「魔法なのか…聞いた事もないぞこんな魔法はッ!!」 カエルはぴょいっとクロノの手にのっかる、ペトリとした粘性の手足の感触、重量、それは蛙に他ならない。 「生き物だ…変化魔法の類や幻術でもない…本物のカエルだ…」 「で、でも…最初はスーツケースみたいだったし、生き物だとしたらクロノ君の荷物は…?」 狼狽える二人を尻目に、カエルはクロノの手を飛び降り、そのまま排水溝から下水へと消えた…。 「…なのは、すまないが別行動だ僕はあいつを捜してみる、拠点の住所は覚えているだろう?そこに向かっていてくれ…なのはを頼むぞユーノ」 「はいはい」 「あまり無理しないでね…」 クロノはそのまま、市街へ向かって駆けだしていった。 「で、どうしようか、なのは」 「地図で見ると…少し歩くけどケーブルカーがあるみたい…そっちの方が良いかな」 二人は流石にこれからタクシーに乗る気は起きなかった。 ジョルノ・ジョバーナを探しに市街方面に向かったクロノだったが、その本人はまだ空港敷地内にいた。 滑走路の外れ、離陸する飛行機を眺めているジョルノ、待ち合わせしている様にもみえる。 相手はすぐに現れたようだ。先程のカエルが側の排水溝から、ジョルノの手の上に飛び乗った。 「よし…」 そのカエルは見る間に膨れあがり、先程のクロノのスーツケースへと戻った。 その場で中身を改めるジョルノ、だが容量の割に中身は少なく金になる物はせいぜい衣類か宿泊セット、目的のパスポートや財布は鞄の中ではなかったようだ。 「……やれやれ…無駄骨か…これだから無駄な事は嫌いなんだ、無駄無駄…」 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/cwc_dat2/pages/79.html
あやかしびと-幻妖異聞録-PORTABLE あやかしびと-幻妖異聞録-PORTABLEID+ゲーム名 ID+ゲーム名 _S ULJM-05426 _G Ayaka Shibito Portable
https://w.atwiki.jp/animesongs/pages/1964.html
魔法少女リリカルなのはA s 魔法少女リリカルなのはA s サウンドステージ02 魔法少女リリカルなのはA s サウンドステージ02(Amazon) 発売元・販売元 キングレコード株式会社 発売日 2006.01.12 価格 2500円(税抜き) 内容 はやて、帰宅 管制人格 無限の旅路〜友へ〜 歌:シグナム(清水香里) なのは&フェイト、本局内部見学 なのは&フェイト、二人の将来? 海鳴大学病院 はやて、闇の書の意思と出会う 闇の書の意思、騎士たちの過去を語る なのは&フェイト、クロノと なのは、ユーノと電話 フェイト、夜空の下で 翼 歌:フェイト・テスタロッサ(水樹奈々) はやてと、闇の書の意思と 記憶の彼方 八神家の午後 夜〜夜天の主、星空を見上げて Snow Rain 歌:八神はやて(植田佳奈) 次回予告 備考
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/9619.html
■魔法少女リリカルなのはA s ビジュアルエフェクト ■関連タイトル 魔法少女リリカルなのはA’s Vol.1
https://w.atwiki.jp/ktom/
『ボカロとなのはなの』へようこそ まだまだ、未完成です。 編集を手伝ってくれる方、募集中です このwikiは、VOCALOID関連、アニメ関連、もしかしたらゲームのことで行きたいと思います。 お知らせ 若干解放された感じなので、これからもがんばっていきたいです。 更新履歴 取得中です。 人気ページ 総合 トップページ メニュー ボカロカラオケ速報 カラオケ配信曲一覧 ぼくらの16bit戦争 まりあ†ほりっく UGA配信曲一覧 乙女はお姉さまに恋してる 愛 to you アニメテンプレTest1 いろは唄 歌詞用 一富士二鷹三茄子 いやはてに吹く風 曲一覧 悪食娘コンチータ 愛言葉 イケ恋歌 息吹 更新履歴 今日 イノセント 昨日 カウンターの値があるページは1つもありません。 未作成のページ一部 多すぎてごめんなさい。 受験が終わったら何とかします。 初音ミク 魔法少女リリカルなのはa s 魔法少女リリカルなのはstrikers 魔法少女リリカルなのはvivid 魔法戦記リリカルなのはforce 鏡音レン がくっぽいど 鏡音リン kaito 巡音ルカ meiko ~ 亞北ネル(初音ミク) 神威がくぽ 鏡音リン 鏡音レン (yanagi) 重音テト メグッポイド 亞北ネル 管理者の紹介 まりあ†ほりっく 登場人物 原曲 akaito めぐっぽいど ryo wing webデザイン アナロ熊のうた〈long ver.〉 星空に願いを込めて -good night- アナロ熊のうた long ver. スサノヲ 旋律王姫 -senritsuouki- soundless voice mirror from y to y 月花ノ姫歌〈秦野pver.〉 目の無い私 無条件幸福 never cross u adam レンゾク♪リンク♪ 1st summer the 9th バグ・不具合を見つけたらまた、 要望がある場合は、 お手数ですが、メールフォームでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/312.html
「それでは、フェイトちゃんの嘱託魔導師試験合格を記念して・・・」 「乾杯!」 アースラ艦内では、本局で試験を終えたフェイトのささやかな祝賀会が開かれていた。最低限のオペレーター以外は食堂に集合し、そ の主役のフェイトはその中で恥ずかしそうにしつつ、皆に持ち上げられていた。 「あ・・・ありがとございま」 「飲めー!歌えー!騒げー!デストローイ!!!」 「ハイ、ハイ、ハイハイハイハイリンディ提督のちょっといいトコみてみたーい!!!」 「YEAAAAAAAAAAAAAAAAAAHUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!」 ささやかと言うには騒ぎ過ぎである。この艦の理性でもあったクロノ・ハラオウンがいないと言う事はこれほどまでに混沌を呼ぶのか。 「どーしたのー?フェイトちゃんの為の宴なのに~」 「リンディ提督、いえ、その・・・うわ、酒臭」 「ぶふ~ん、リンディママに全部話して御覧なさ~い、っていうかなのはちゃんでしょ~?」 「・・・はい」 その時、通信音が響き、ヘッドセットをつけっぱなしのエイミィが出た。 「はいはい~ああ、クロノ君?」 通信に応対するエイミィのさりげない言葉に戦慄が走り、全員が一瞬で凍りつく。 「うん、今フェイトちゃんの試験終わって・・・え?組織の人と連絡取りたい?わかった・・・最寄の電話ボックスと組織の人を繋ぐから」 「組織・・・?」 フェイトがリンディに怪訝な顔をして尋ねる。リンディは少々顔を引き締める。 「ええ・・・クロノとなのはちゃんには今、捜査の依頼が来ていたからそちらに向かってもらっていたの、後数時間で定期連絡が来るだろう し、その時に一度戻ってもらうように言っておきましょうか?」 「いえ・・・大丈夫です、ですが」 フェイトは真っ直ぐにリンディを見つめ、言った。 「私の方から会いにいきます」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ネアポリス市内のケーブルカー 車掌の笛の音が響く。 「ふぇぇー!!待ってぇ!待ってください!」 ドアが閉まりきる前に間一髪滑り込んだなのは、周りの乗客の注目の的となり、軽く誤魔化し笑い。 「危なかったぁ・・・」 「もう少し待ってくれてもいいよね・・・外国の交通はしんどいよ・・・」 席を探すなのはとユーノだがその最中とんでもない人物を見つけてしまった。 「あ」 「あ」 「あ」 先程空港で自分達を騙した人物・・・ジョルノ・ジョバーナと聞いた彼がボックス席にいた。 「えと・・・座ってもいいですか?」 「え?いや、ああ、どうぞ・・・」 ジョルノと向かい合って座るなのは、荷物は通路側に置く。なのはの横の座席にユーノがちょこんと座る。 「君は・・・いや、覚えてないのか・・・?」 「さっき、空港で会った、ジョルノ・ジョバーナさんですよね?」 「・・・ああ、そうだけど・・・」 「荷物・・・無いんですか・・・」 若干落胆した顔を見せるなのは、ジョルノはそこで話を切り出す。 「その・・・さ、こう言うのは何だけど君は危機感が足りないように思えるんだ、僕が泥棒まがいの事をしていると知っているならわざわざ近寄ったりしないと思うし、荷物だって抱えて持つほうが安全じゃないか?」 「じゃあ、また盗むんですか?」 流石のジョルノも頭痛を覚えた。 「出来るなら今やってみてください」 「(なのは・・・ちょっと怒ってる・・・?)」 「(うん)」 念話での会話すら・・・いや、念話だからこそなのはの静かな怒りが伝わってきた。元よりなのはは曲がった事が嫌いであった、如何なる 理由があっても、どんな境遇であろうと、犯罪に手を染める事を許せない、頑固で真っ直ぐな性格であった。 「出来るのなら今すぐに、盗んでみてください」 「・・・なら、遠慮無く」 ジョルノは即座になのはの荷物を掴む、だが、そこまでだった。 「これは!?重い・・・!!」 出発前 「はいこれ、なのはちゃんは女の子だから色々入れなきゃいけないでしょ?盗まれたりするかもしれないし、特性のスーツケースを用意したのよ」 「なのはちゃんの魔力波動を登録すれば他の人には開けるどころか持つ事すら出来ないようにしてみたよ、開けっ放しには注意してね」 「ありがとうございます、エイミィさん、リンディさん」 「提督・・・僕には・・・」 「それじゃあいってらっしゃい」 「・・・はい・・・」 ジョルノは自分の判断が間違っていた事に気付いた。 この少女は・・・危機感が無いのではない。 危機感を持って、あえてこの場所にいるのだ・・・と 「そうか、お前がジョルノ・ジョバーナか・・・」 そんな中、唐突に話しかけてくる男がいた。ケーブルカーの上の方からゆっくりと歩いてくる、おかっぱ頭の男。 「・・・あんた、誰です?」 「あ、すみません、今ちょっと取り込み中なのでお話なら後にして・・・」 なのはの言葉が途切れる、そばで見ていたユーノは男がなのはに向かって手を突き出したのを見た。 「すまないが・・・ちょっと話したい事があってね、少し時間をもらうよ」 男がすぐに手を離した、にも拘らずなのはは口を塞がれたかの様に呻いている。 「むぐッ!?むぐう!!?」 『ジッパー』がなのはの口に縫い付けられている所為で喋れないのだ。 「ば、馬鹿な!?こんな事が・・・」 「ジョルノ・ジョバーナ、率直に聞きたい・・・このような能力を使う者を見た事は無いか?」 「この様な・・・他にも能力を持つ者がッ!!」 殴った。振り下ろすような拳がジョルノの顔を打ち抜く。 「質問はいらない、ただ答えればいい・・・ここ数日ギャングの中で腕に心得のあるやつが連続して狙われている・・・俺の仲間もその襲撃にあっている、それはどうやら特異な能力を持った奴らが、何らかの目的で集中してここ一帯を狙っている・・・という事なんだ・・・」 「・・・」 「お前が空港周辺で稼いでいるのは知っている・・・だから、妙な奴が来たなら一番お前が詳しいと思ってな・・・」 「・・・魔術士連続襲撃事件か」 「(ゆ、ユーノ君!)」 男が声の方向に向き直る、しかしフェレットであるユーノを当然無視してなのはへと。 「今のは君の声かい?オカシイ、な?口を閉じているのに喋るなんて・・・それに何やら・・・連続襲撃事件と聞こえたが気の所為かい・・・?」 「(ごめんなのは・・・!!)」 「・・・」 なのはは何も言わずじっと堪えた。男はそれを恐怖で緊張していると感じ取ったのか、少し優しい口調で 「じゃあ一つだけ答えてくれないかな・・・?俺の言ったギャングが連続して狙われている事件について、君は心当たりがある・・・イエスかノーか首を動かして答えてくれ」 イエスと応じれば、当然更なる追及を受けるだろう。 ノーと応じれば・・・解放してはくれないだろう、解放してくれたとしても背後関係を洗われる。 どちらも選べない状況で逡巡するなのは、顔に一筋流れる汗を ベロンッ! 男が舐め取った。 「!!??!?!?」 「(こいつ・・・!!)」 「・・・」 「俺ね・・・人が嘘をついてるかどうか汗の味で解るんだ・・・この味は答える事に嘘・・・つまり答える事を隠したい・・・って事」 今度はなのはの肩口から二の腕の辺りまでがジッパーで大きく開かれた。 「ムゥー!!ムグゥー!!」 なのははすっかり気が動転していた。無理も無い、こんな身の危機では成人男性ですら悲鳴を上げて逃げ出す程だ。 「もう少し、話を聞く必要があるようだな・・・俺の名はブローノ・ブチャラティ・・・あまりにだんまりが続くようなら質問を『拷問』に変える必要があるぜ・・・」 「(なのは!!目くらましと解呪をセットでぶつける!!この場は脱出だ!)」 念話の声に理性を取り戻すと同時に、閃光弾の様な光が炸裂した。 「ぐぅっ!!?」 「うああッ!!」 ジョルノとブチャラティが目を押さえて仰け反る。 解呪によって身体のジッパーが無効化した事を確認すると、脱出経路を探そうと目を走らせた刹那、なのはに見えた。 『Protection』 窓の外で鉄槌を振りかぶる少女の姿が 「おらあああぁぁぁ!!!!」 窓ガラスを突き破って来た少女の鉄槌がなのはのプロテクションに食い込み・・・ぶち破った。 衝撃でそのまま反対側の壁まで吹っ飛ばされるなのは 「っかはっ・・・」 瞬時にバリアジャケットを展開していなかったら壁に叩きつけられて気絶していただろう・・・同時にレイジングハートを展開し、対峙するなのは。 「誰なの!?」 「命はもらわねぇ・・・おとなしくやられてくれ」 to be continue・・・ 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/adx992/pages/123.html
没ボイス 前作同様に没ボイス(台詞)が多数ある。 ステージ1~9のコール、キャラクター選択画面、戦闘準備完了、戦闘時のドロー、時間切れ勝利・敗北、乱入、前作ストーリーのザフィーラの素振り(SE) アミタのみキャラ選択キャンセルもある。 (もしゲームで聞けたら報告お願いします) アミタ キャンセル 「やっばり妹ですか!?妹のほうですかぁぁぁぁ!?」 ドロー 「決着成らず・・・ですか?」 タイムアップ勝利 「それでも私の勝利です!・・・多分」 タイムアップ敗北 「認められません!こんな敗北は!」 キリエ ドロー 「ドローゲーム?なんかスッキリしないの」 タイムアップ勝利 「これもキリエの計算通り!トリプフK!」 タイムアップ敗北 「うっそぉん、こんなのってありなの?」 なのは ドロー 「えっ!?引き分け!?」 タイムアップ勝利 「なんとかなった・・・かな」 タイムアップ敗北 「タイムアウト!?そんなぁ」 フェイト ドロー 「あ・・・」 タイムアップ勝利 「ここまでかな」 タイムアップ敗北 「そんな!」 はやて ドロー 「あら?引き分け?」 タイムアップ勝利 「スッキリはせぇへんなぁ」 タイムアップ敗北 「えぇ!?そんなぁ」 ユーノ ドロー 「えっ!?引き分け!?」 タイムアップ勝利 「お互い無事でなによりってことで」 タイムアップ敗北 「やっぱり、足止めくらいにしか・・・」 アリア ドロー 「引き分けねぇ・・・」 タイムアップ勝利 「ま、一応こっちの勝ちってことでね」 タイムアップ敗北 「仕留めきれなかったわね・・・」 ロッテ ドロー 「うん・・・まぁ、仕方ないか」 タイムアップ勝利 「あ~モヤモヤする!」 タイムアップ敗北 「うっそでしょぉぉぉぉ」 王様 ドロー 「フン、まぁ良かろう」 タイムアップ勝利 「認めぬぞ!こんな決着!」 タイムアップ敗北 「チッ!命拾いしたようだな」 雷刃 ドロー 「引き分け!?えぇ、じゃあもう一回!」 タイムアップ勝利 「タイムアウトでも勝ちは勝ち!」 タイムアップ敗北 「あぁぁ、こんなの認めない認めなぁぁぁい!」 星光 ドロー 「引き分けとはまた、珍しい結末です。」 タイムアップ勝利 「燃えたりませんが、勝利の名乗りはしておきましょう。」 タイムアップ敗北 「無念です・・・あと少し時があれば・・・」 アルフ ドロー 「引き分け?なんだかスッキリしないねぇ」 タイムアップ勝利 「ま、これでも勝ちは勝ちだよね」 タイムアップ敗北 「あぁ、クソ!こんなことになるなんて!」 クロノ ドロー 「引き分けか」 タイムアップ勝利 「うん・・・まぁ、これも決着だ」 タイムアップ敗北 「クッ!読み違えたか」 ヴィヴィオ ドロー 「えっ!?判定ドロー?決着無し!?」 タイムアップ勝利 「判定勝ちでも勝ちは勝ち!」 タイムアップ敗北 「う~ん、やっぱり私まだまだだぁ」 アインハルト ドロー 「勝負なし。残念です。」 タイムアップ勝利 「攻めきれませんでした・・・」 タイムアップ敗北 「私の拳はまだ弱いです・・・」 トーマ(リリィ) ドロー リリィ「引き分けだよトーマ?」 トーマ「クソッ!しくじった!」 タイムアップ勝利 トーマ「仕留めきれなかったか!」 リリィ「でも平気!こっちが優勢!」 タイムアップ敗北 リリィ「トーマ!時間が!」 トーマ「あぁ、クソッ!あと一歩で!」 プレシア ドロー 「あなたはそこで朽ち果てなさい」 タイムアップ勝利 「私は行くわ。アリシアの為に!」 タイムアップ敗北 「下らないわ」 リニス ドロー 「五分と五分。まあ、引き分けですね」 タイムアップ勝利 「知恵の勝利と言って頂きましょう!」 タイムアップ敗北 「あと一歩が届きませんでした・・・」 リインフォース ドロー 「差は無いか」 タイムアップ勝利 「傷付けずに済んで良かった」 タイムアップ敗北 「やはり、か・・・」 シグナム ドロー 「うむ・・・」 タイムアップ勝利 「どうにか勝ちは拾ったか」 タイムアップ敗北 「クッ!不覚!」 ヴィータ ドロー 「チッ!引き分けか!」 タイムアップ勝利 「勝った・・・のか?」 タイムアップ敗北 「クソッ!ハッキリしねぇなぁ!」 シャマル ドロー 「あらら?もしかして引き分け!?」 タイムアップ勝利 「えと・・・一応勝ち、ですよね?」 タイムアップ敗北 「そんな~」 ザフィーラ ドロー 「うむ・・・痛み分けか」 タイムアップ勝利 「これも決着だ」 タイムアップ敗北 「クッ!!不覚!!」 ユーリ(U-Dは低く台詞を言う) ドロー 「勝負無し・・・ですね・・・」 タイムアップ勝利 「時間は残酷です・・・」 タイムアップ敗北 「これもまた・・・運命でしょうか・・・」 キャラクター没ボイス http //nicovideo.jp/watch/nm16795411 名前 コメント すべてのコメントを見る 「やっばり妹ですか!?妹のほうですかぁぁぁぁ!?」 -- (アミタ) 2013-10-24 17 23 30 ↓もう少し詳しくお願いします。ストーリーの台詞を全て確認した訳ではないですが、戦闘と思われる列にありません。 -- (名無しさん) 2012-01-25 04 04 13 フェイトがストーリーモード中しばらく勝ちポーズで(おそらく)「フェイト・テスタロッサです」と言っていた。コスチューム01をダウンロードしたあたりから言わなくなったようだ -- (名無しさん) 2012-01-24 21 12 33
https://w.atwiki.jp/k2727324602/pages/467.html
「スーパーロボット大戦MX PORTABLE」の攻略・その他記録集です。 ネタバレ等については自重しておりませんのでご注意ください。 (画像:スーパーロボット大戦MX PORTABLE) <リンク集> 公式ページ:http //www.suparobo.jp/srw_lineup/srw_mxp/index.html Wikipedia:スーパーロボット大戦MX スーパーロボット大戦Wiki:http //hiki.cre.jp/SRW/?SuperRobotWarsMXPortable <作品概要> <◆基本情報> 関連ページ:スーパーロボット大戦 No No.38 発売日 2005年12月29日 ハード PSP 定価 5,040円 開発 バンプレソフト/トーセ 販売 バンプレスト 主題歌 OP:VICTORY/JAM ProjectED:約束の地/JAM Project 時系列前後 (No.37)スーパーロボット大戦J(No.38)★スーパーロボット大戦MX PORTABLE(※)スーパーロボット大戦i(A)(No.39)スーパーロボット大戦XO <◆バンプレストオリジナル/味方サイド> 「ツェントル・プロジェクト」/本流ヒューゴ・メディオ(声:高橋広樹):主人公。 アクア・ケントルム(声:白鳥由里):パートナー。 ミタール・ザパト(スーパー系搭乗機)ガルムレイド→ガルムレイド・ブレイズ(G/S) (リアル系搭乗機)サーベラス→サーベラス・イグナイト(G/S) <◆バンプレストオリジナル/敵サイド> 「ツェントル・プロジェクト」/敵役アルベロ・エスト(声:宝亀克寿):ライバル エルデ・ミッテ(声:小林優子):ライバルのパートナーメディウス・ロクス:アルベロ&エルデの搭乗機 メディウス・ロクス(第2形態) (汎用)フロンス (汎用)テルグム (汎用)シニストラ (汎用)デクステラ メディウス・ロクス(最終形態) AI1<最終ボス機> <◆参戦作品> 初出年代 作品名 1970-74年 1972年:マジンガーZ 1974年:グレートマジンガー 1975-79年 1975年:UFOロボ グレンダイザー 1975年:ゲッターロボG 1975年:勇者ライディーン 1978年:闘将ダイモス 1980-84年 (なし) 1985-89年 1985年:機動戦士Ζガンダム 1986年:機動戦士ガンダムΖΖ 1986年:マシンロボ クロノスの大逆襲 1987年:機甲戦記ドラグナー 1988年:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1988年:◆冥王計画ゼオライマー 1990-94年 1994年:機動武闘伝Gガンダム 1995-99年 1995年:新世紀エヴァンゲリオン 1998年:劇場版 機動戦艦ナデシコ 2000-04年 2000年:GEAR戦士電童 2002年:◆ラーゼフォン 2005-09年 (2005年/本作) ※年代参考:資料01:SF映像作品リスト ※初出年次順で掲載。新規参戦なし。◎は機体のみ参戦。◆付はMX(PS2)で初参戦した作品。 <(参考)非リスト作品> ※上記リストにはないものの、実質的に参戦している作品 初出年 作品名 備考 - オリジナル 1974年 劇場版マジンガーシリーズ 原作再現あり(グレートvsゲッター/ギルギルガン)(空中大激突/ピクドロン他)(グレンダイザーvsグレート/バレンドス親衛隊長他)(決戦!大海獣/ドラゴノザウルス) グレートマジンガー(桜多版) 原作再現あり(グレートマジンガー/元祖 他) 1997年 新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 原作再現あり(Air/まごころを君に) <ゲーム情報> 【全話一覧】スーパーロボット大戦MXシナリオ一覧(まとめ中) <攻略記録・その他雑感> coming soon...
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2397.html
某所の工場跡、そこには十数名の男達が集まっていた。 「リーランドさん、空港火災で例のお宝が無くなったそうですぜ。それでもやるんですか?」 不安そうに聞いた男の声を受けて、周りに居た男達もリーランドと呼ばれた人物の方を見る。 「この計画には大金を注ぎ込んだんだ、今更引けるか」 廃材にどっかりと腰掛けたまま、リーランドは苛立ったように答えた。 「だけど、ぶん取るお宝が無けりゃ意味無いんじゃ?」 「それ以外にも管制AIや金持ちどもの荷物があるだろうが。少なくとも元を取るには十分だぜ」 「ですが………」 「くどい!」 言い縋ろうとする手下の声を遮り、隅の方に目を向ける。 「心配いらねえ、絶対成功する。こっちには心強い味方が居るんだからよ。なあ、先生」 周囲の視線も釣られて向いた先、暗がりの中に壁に寄り掛かるようにして一人の男が立っていた。 「あんたがいれば問題ないだろ。なあ、ジェフリー先生」 まるで返事をするかのように、陰の中で歪んだ笑みが浮かび上がった。 エルク達がリニアに乗り込む数時間前の事である。 リリカルなのはARC THE LAD 『第二話:ミッドチルダの車窓から(後編)』 粗方の事情を聞きだしたエルクは、まず始めに貨物室を片付ける事に決めた。 慎重に室内へと体を滑り込ませ棚の陰に隠れて様子を窺うと、先程は分りにくかった内部が良く見える。 縛られた警備員五人に強盗は三人、真正面から向かって倒しても良さそうだが、聞きだした話では他にまだ仲間が居るとの事。 呼ばれると厄介だと判断し、手近にあった小物を掴むと放り投げる。 緩い放物線を描きながら飛んでいくそれは、隅に落下するとカツンと小気味良い音を鳴らし、全員が揃ってそちらを向いた。 想像通りの素人臭い動き。 その隙に一息に間合いを詰めると、槍の鎬で無防備に曝け出された後頭部を薙ぎ払った 鈍い手ごたえの後、意識を刈り取られた男達は崩れ落ちる。 気絶した連中を見下ろして、エルクはつまらなそうに息を吐いた。 (相手にならねえな) 安全を確保したエルクは警備員らの縄を解いていくと、その縄で今度は先に捕らえた一人を加えて強盗達を縛っていく。 「もう終わりましたか?」 「まあな」 入り口から顔を覗かせたキャロに警備員の介抱を頼むと、今度は強盗達の武器を取り上げていく事にした。 と言っても、建築材を加工したロッドや改造エアガンなどばかりで、武器らしい武器などなかった。 可哀想なぐらい貧弱な装備に、この強盗グループの程度が知れ、この程度で何故リニアを襲おうと思ったのかますます謎が深まった気がする。 そんな時ふと横を見ると、自由になった警備員達が壁際の装置を前に何やら話し込んでいる。 不審に思ったが気にしないでいると、やがてエルクの方へと近づいてきた。 「どうしたんだ?」 「いえ………、警報装置が止められていて通報が出来ないんです。おそらく機関室のメインシステムが停止してるんだと思いますが」 「それを復旧させろってことか?」 警備員達は顔を見合わせると申し訳なさそうに頷く。 あんな装備の奴らに圧倒されるぐらいだ、自ら向かおうというだけの気概を持つ者などいないのだろう。 「分った、俺に任せな」 ◆ エルクは一人機関室へと向かって進む。 強引に聞き出した話では残りの仲間は七人、その殆どは先程の奴らと大差ないらしいが、一人主犯格の男が雇った魔導師が居るとの事。 こんな奴らが雇った魔導師なのだから大した事無いと思うのだが、決して油断は出来ない。 かといって相手の正体が分からない以上あれこれ模索しても特に良い案も出ず、そうしている内に展望台への階段を通り過ぎ機関室の扉が見えてきた。 (あれか………) 扉に触れるが、どうやらロックされていて開かず、カードキーが必要なようである。 恨めしげにカード挿入口を眺めるが無い以上どうしようもない。 (取りに戻るか? いや、これならば) 扉からは内部の駆動音が漏れ聞こえてくる。 外に居てもこれほどの騒音である、中に居る人間には多少の物音など聞こえないだろう。 「ふっ!」 勢い良く槍の穂先を扉の隙間に差し込むとそのまま下に振り下ろす。 ギンッという音と共に鍵が壊れて扉が開いた。 機関室内部は大小無数の機器が並び、まるで機械の密林のように入り組んだ複雑な構造になっており、奥まで見渡す事が大変難しい。 身を隠して進むのには大変好都合であった。 エルクは安心して一歩踏み出し―――目が合った。 丁度運悪く機材の陰から男が顔を覗かせたのである。 「おい、お前―――ッ!?」 男が全ての言葉を吐き出す前に、エルクは素早く近寄り拳を叩き込んで黙らせた。 力み過ぎたのか相手の体からゴキリという嫌な音が聞こえたが、そんな事に気を払っている暇は無い。 カツカツと金属製の床を鳴らす靴音が近くに寄ってくる音が聞こえたからだ。 エルクの姿が見えたとは考えにくいので、殴った男の呻き声かまたは倒れる音が聞こえたか、どちらにせよ早々に何とかした方が良い。 結論付けると相手が寄ってくるのをじっと待った。 「!? おい、どうした?」 仲間の惨状に気付いたらしく駆け寄る男、その背中にエルクは煌めく白刃を振り下ろした。 どうもこの部屋には二人しか居なかったらしい。 奥には管制室の扉があり、残りの連中はそこに居るのだろう。 気付かれる前に警報装置を復旧させるには好都合だと考え、エルクはメインシステムを探した。 あっさり見つかった件の装置は魔力駆動炉に脇に設置されていて、表面にはハッキング用の計器がペタペタと張り付いている。 それらを毟り取るとエルクはパネルを操作していき、遂に復旧確認画面まで漕ぎ着けた。 しかし………、 (IDカードが必要ってどういう事だ!?) 最後の最後で必要となったカードの確認。 今更ながら入り口の段階で取りに戻っていればと後悔するがもう遅い。 余計な手間を掛けてしまえば床に転がった二人が目を覚ましかねないし、管制室から他の仲間が出てきて気付かれるかもしれない。 迅速な行動が要求されるこの場面、どうしたものかと頭を悩ませた抜いた結果、 「勝手に制御奪われときながら、このポンコツ!」 苛立って思い切り拳を叩きつけた。 「ッッッッカァー! 硬っ!」 鈍い音を立てて表面がへこむが、さすがに壊れたテレビの様には直らず、やはりIDカードがいるようだ。 痛む手を振りながら頭を悩ませていた時、突然下からニュッと心を読んだかのようにカードが差し出された。 「エルクさん、IDカードです」 危険な為貨物室に預けてきたはずのキャロがそこにいた。 「キャロ!? なんでここに?」 「おじさん達からカードを渡すように頼まれたんです」 小さな子供にこんなお使い頼むなよと思うが、あの連中にここまで来る根性を期待するのも酷であろう。 復旧させたら一旦戻ろうと、げんなりしながらカードを通そうとした時―――今までずっと黙り込んでいた装置が、泣き喚くように突如としてけたたましい音を吐き出した。 『Warning! Warning!』 機械合成された音声が発せられると同時に、エルク達に急激な慣性が掛かる。 どうやらリニアを急停止させたらしく、魔力駆動炉の駆動音が小さくなっていった。 思わずたたらを踏み何とか体勢を整える事には成功したのだが、ふと気が付くとエルクの手からいつの間にかIDカードが消えている。 あわてて探し、見つけた場所は、 (………最悪だ) ドバンと音を立てて開き、中からぞろぞろと男達を吐き出した管制室の扉、その前に転がっていたのだ。 数人の男達との対峙、僅かな睨み合いの一時。 その最中に不意にエルクの感覚が目の前の連中とは異なる刺すような殺気を掴んだ―――これは。 「!?」 危険を感じたエルクは急いでキャロの手を引き飛び退いた。 一拍遅れてエルクの立っていた位置へと幾筋もの雷が降り注ぐ。 「IDカード、か。届くのが遅いと思っていたが邪魔者が居たとは………」 カードを拾い上げ感慨深そうに呟く男は、他の連中に比べ暗く澱んだ印象を受けた。 おそらくこの男が今回の事件の主犯格。 「ジェフリー先生、そいつらの処理は頼みましたぜ」 そう言い残すと再び管制室に入っていく男。 入れ替わるようにして現れたのは、一言で表すなら魔導師だった。 ピンクとグリーンの派手なマントを纏い、先端にドクロの付いた杖をこちらに向けている。 まるで子供向けの絵本に出てくる悪い魔導師そのままの姿。 「………その桃色の髪の娘は俺によこせよ」 先程の雷はこいつが放ったのだろう。 電気に魔力を変換できるとは警戒に値する、予想以上の実力がありそうだ。 そう考えて改めて奴の服装を見れば、相手を油断させる為と考えられなくも無い。 だが仮にそうだとしても普通はそんな事はしない、そう普通ではないのだ。 「ロリコンかよ。キャロ下がってな、この変態は俺が………キャロ?」 返事がない。 不審に思いエルクがキャロの方へと目を向けると、明らかに様子がおかしい。 魔法に驚いたとか状況に付いて行けていないといった類ではなく、まるで未知の怪物にでも出会ったかのような怯え方をしていたのである。 「違う………」 一歩逃げるように後退る。 「違う………あの人、人間じゃない!」 「キャロ、下がってどこかに隠れてろ」 理由は分らないがキャロをこのままの状態にしておくの危険だ。 エルクはキャロを押しのけるように下がらせた。 「一人で相手をすると? 舐められたものだな。行け、お前ら。援護してやる」 ジェフリーと呼ばれていた魔導師の足元に波紋のように魔法陣が広がり、それと同時に弾かれたように三人の男達が駆け寄ってくる。 それぞれが思い思いの武器を手にしてはいるが、最も警戒するのはやはり奥に佇むあの魔導師。 エルクは身構えて魔法陣を展開、及び肉体強化を施して相手の魔法に応じようとした。 だが………、 「ブーストアップ・ジャンピングハイ」 ガキンッという激しい音、エルクのデバイスと金属製のバールがぶつかり合う音だ。 エルクの眼前には一瞬で距離を詰めてきた男の顔、相手のバールを受け止められたのは、臨戦態勢であるが故のある種の勘のおかげといえる。 力任せに押し返すと、エルクの上に影が差した。 慌てて飛び退くと、目の前を掠めるように流星のごとく鉄パイプが振り下ろされる。 (何だこいつらの動き!? あの野郎何したんだ!?) 先程あの男が何か唱えたのは分かる。 となると視界に映るあの二人に何らかの補助をしたと思われ………、 (………二人?) 咄嗟に槍の柄を横に繰り出すと猛烈な勢いの蹴りが叩き込まれた。 生身の足に普通の靴、にもかかわらず先刻のバールとは比べようも無い衝撃に、全身強化を施しているはずのエルクは宙へと舞い上げられる。 詠唱後の加速、及び攻撃方法による威力の違い。 空中へと浮き上がる間の火花のような思考、その中で出された答え―――奴が使ったのは、おそらく脚部限定の筋力強化。 そこまで考えた所で、エルクの視界が開けた。 天井近くまで浮き上がったがゆえに、煩雑な機械に遮られる事無く全体が見渡せる。 敵の能力は分かった、配置も見える、後はどう片付けるかだ。 だが、戦術を模索しようとしたとき、敵意の篭った強い視線を感じた。 こちらから良く見えると言う事は、裏を返せば敵の目にも留まり易いという事。 目を向けた先にはこちらに杖を向けるジェフリーの姿。 気が付けばエルクは直感的に天井を蹴っていた。 判断は正しく、背後を雷撃の軌跡が貫いてゆく。 三箇所の同時ブースト強化に加えこの砲撃、おかしな外見の割に魔導師としての力量はエルクよりも上かもしれない。 (まずいな、このままじゃ………) 落下しながら途中で幾つかの機材を蹴り、遮蔽物の密集した地点へと降り立つ。 飛び上がれば狙撃、かといって視界の悪いこの空間では飛び上がりでもしない限り、どうしても死角が出来てしまう。 通常ならば防戦一方となるこの状況、だがエルクは魔導師で魔法という便利なツールが存在する。 自らのデバイス内にある魔法の記憶野から最適なものを探し出すと、魔法陣を現した。 「炎よ、復讐の刃と化せ!」 唱えるが外見上の変化は全く無い。 だが、エルクの熱くなっていた思考は冷えて、精神は澄んだ水のようになってゆく。 感覚が研ぎ澄まされ、呼吸音や振動、加えて筋肉の軋みや放たれた熱量からでも相手の位置が手に取るように分かる。 使用した魔法は『リタリエイション』自らの五感を高める事で反応速度を上げ、カウンターを与え易くするものだ。 しかし、見た目が変わらない以上、魔導師でもない相手はそんな事分かるはずも無い。 上から不用意に飛び掛る一人目を突き上げると、そのまま勢い良く後ろに引き、石突で機材の陰から飛び出した二人目を打ち倒す。 残る三人目の方に顔を向けると、先の二人の末路を目にして気が引けたか、襲い掛かろうとするのを止めたせいで前につんのめっている。 無論そんな隙を逃すはずも無く、全身をバネにした弾丸のような強烈な刺突は、相手の体へと吸い込まれるように叩き込まれた。 (残すはあの野郎だけだな) エルクは打ち倒した強盗たちを一瞥すると、残る敵を片付けるべく再び意気込んだ。 「―――煌め……る天神よ…今………もと………」 そんな時にふと聞えた擦れたような音。 気のせいだろうか、いや、これは―――、 「―――撃つは雷、響くは轟雷………」 儀式魔法の詠唱。 気付いた時にはもう遅く、 「サンダーフォール」 雷撃の嵐が吹き荒れた。 文字通り全身を貫いた衝撃と焼け付くような痛みに、エルクの視界は明滅する。 それでも何とか意識を飛ばさずに踏みとどまれたのは魔力で全身を強化していたからか。 だが、脱力感に痺れ、さらに呼吸困難と筋肉の痙攣は止めることが出来ず膝を付いた。 まさか機関室で広域魔法を使うとは普通思わないだろう。 いくら丈夫に作られているとはいえ魔力駆動炉に雷撃を放つなど正気の沙汰とは思えない。 軽く焼けた皮膚の痛みを耐えながらただうずくまっていると、カツリカツリと渇いた靴音が近づいてくる。 間違いなくあの魔導師だ。 気力を振り絞り何とか震える四肢を抑えて再び立ち上がると、エルクは音の方へと槍を構えた。 機材の陰から悠々と現れたのはやはり、あの極彩色の魔導師。 しかし、ふらつく体と朦朧とした意識では次の行動に移ることが出来なかった。 「今のを耐えるとは………。小娘にばかり気を取られて気付かなかったが、なかなか優秀な魔導師のようだな」 上から下に値踏みするような視線を感じた。 曖昧な意識の中、相手の声が遠くから響いてくるように聞こえる。 耳障りな音に不快感を感じ、 「なかなか丈夫そうだ。お前も新しき人類としての素養があるかもしれん」 告げられた言葉でエルクの意識は一気に覚醒した。 新しい人類、この単語には聞き覚えがある。 同じ言葉を聞かされたのはほんの数時間前のことではなかったか。 「どうだ、新しき人類としてその力何倍にもしてみたくはないか?」 聞き間違いではない、こいつは件の黒服に関係がある。 燃え盛るように心に戦意の火が灯るのを感じる。 心の昂ぶりと共に全身に魔力が満ち溢れていくようであった。 「そうか………、お前も黒服の連中の一味か。無理矢理にでも話を聞かせてもらうぜ!」 「交渉決裂か、―――ならば邪魔者は死ぬがいい」 両者から殺気が膨れ上がり、互いの足元には魔法陣が浮かび上がった。 空気が張り詰め魔力が鳴動し、辺りの計器は余波を受けてガタガタ揺れる。 緊迫した一瞬、それらを全てぶち破るようにして、 「あの………、終わりましたか?」 間の悪い事にキャロが顔を覗かせた。 戦闘音がしばらく止んでいたため、もう戦いが終わったと勘違いしたのだろうか。 だが、これはあまりにもタイミングが悪すぎる。 ジェフリーの顔がニヤリと歪むのが良く見えた。 ドクロの杖をキャロへと向け、その正面に新たに展開されるもう一つの魔法陣。 (あの野郎―――!) 発動前に潰すには距離があり、かといって放置すればキャロが犠牲になる。 もはや選べる選択肢はただ一つ、エルクが壁となり相手の魔法を防ぐしかない。 迷う時間もなく、回避も反撃も封じられたエルクは敵の射線上に飛び出すと、 「炎よ、俺を護る盾となれ!」 「トライデントスマッシャー」 炎と雷が交わり、そして爆ぜた。 ◆ キャロ・ル・ルシエが戦場に足を踏み入れたのは、なにもエルクの事が心配だからという訳ではなかった。 もちろん心配はしていたが、それ以上にキャロの心を占めていたのは自分の感じたある奇妙な感覚の事であった。 信じられない、夢や幻であって欲しいという己の願いに突き動かされ、いち早く確かめるために戦いの音が止むと、とりあえず機関室へと再び入ったのである。 だが、実際には戦闘は終わったのではなく膠着していただけ。 護るべく飛び出したエルクの生み出した硬質な障壁は、三つに分かれた雷撃の中央からの一本を防いでいた。 しかし、続く上下からの二本の射撃が折り重なった大きな一つの破壊の塊は、圧倒的な圧力でエルクを防御ごと押し飛ばすと瓦礫の海へと沈める。 自らの不用意さが招いてしまった結末は、居場所を作ろうとしてくれた恩人が傷つけられるという現実と、自分が感じたものがやはり間違いではなかったという事実。 嫌悪感を抱くような笑みを浮かべて近づいてくる、あれは、あの人の形をした「何か」は。 激しい後悔と恐怖に、キャロの理性の戒めはいとも簡単に吹き飛び、眠れる竜が目を覚ました。 ◆ エルクは圧し掛かる重みと蓄積したダメージで動けはしなかったが、意識はあった為その一部始終を見ていた。 エルクを無視し、キャロの元へとジェフリーが近寄っていった時、突如としてキャロの体が爆発したかのように見えた。 現実はフリードが巨大な姿に変わる為、劇的に膨張した結果そう見えたのである。 次に視界に映ったのは紅蓮の炎。 フリードの放った炎弾はジェフリーを飲み込み、周囲の装置を穿ち、壁に大穴をあけた。 「グオオオオ!」 脅威を排除してもフリード暴走は止まらない。 でたらめに放たれた炎は天井を砕き、床を焦がし、辺りの機器を融解させる。 デバイスの補助無しでこれ程の力が引き出せるとは、さすがにキャロの魔力は桁外れだと言える。 しかし、デバイスの介在がない以上これは殺傷設定と同意である。 魔力駆動炉にでも炎が当たれば、即座に惨事を招く事になってしまう。 自分が何とかしなければ………、その想いからエルクは瓦礫を押しのけて無理矢理体を起こすとキャロの元へと歩み寄った。 「キャロ! おい、しっかりしろ!」 軽く揺するとキャロが放心したような顔を上げた。 急激な魔力放出の疲労により意識が混濁して、その目は虚ろである。 「グルルルル」 フリードが怒りの目つきでこちらを向く。 もはや敵味方の区別も付かないのだろう。 一体どうすればよいのか、まともな活路を見出せぬままフリードをただ見つめたとき、唐突に乾いた銃声が響いた。 「このバケモノめ!」 血走った眼で密造であろう銃を撃つ男、しかしその程度ではフリードの外皮を傷つけることすら出来ず、火花が舞うだけである。 この男の服装と声には覚えがある、たしか今回の事件の主犯格であった。 (あいつは馬鹿か!?) フリードの首がそちらを向き口蓋が開く。 最悪な事に男の隣には魔力駆動炉があった。 あまりに危険な状況にエルクはあせるが、そんなとき天啓のように解決策が閃いた。 「キャロ! こいつを持て、こいつだけに意識を集中しろ!」 キャロに押し付けるように渡したのはエルクのデバイス、これならば非殺傷設定に代わり危機は去るはずだった。 だがしかし、 「!?」 ビシリと音を立ててデバイスにヒビが入る。 強すぎる魔力を流し込まれて、フレームが耐え切れず破損したのである。 それならば………、 (悪いが使わせてもらうぜ) キャロにさらに持たせたのは銃型のデバイス、2つのデバイスで魔力を二分すれば制御できると考えたのだ。 果たして、フリードから放たれた火球は男を呆気なく吹き飛ばす、しかし周囲の機材には焦げ目が付く程度であった。 上手く制御できたフリードの体はみるみる縮み、キャロの頭にポスリと着地する。 「これで、一件落着、か?」 緊張が解けて忘れかけていた疲労が湧き上がってくる。 急に体が重くなった気がして思わずまどろみそうになるほどだ。 しかし、そんな余韻を断ち切るように、無粋な影が割り込んだ。 「このガキが、舐めた真似しやがって!」 魔導師ジェフリー、あれほどの炎を受けてなお禍々しくそこに存在していた。 衣服は焦げ顔も煤けているが、血走った眼から戦意の光は全く衰えていない。 むしろ狂気を含んで危険性が増したと言っても良い。 足元から滲み出すように拡がる魔法陣と連動するかのように、埒外の魔力が収束し渦を巻く、否、現実に蒼い風が渦巻いている。 魔法陣から風が吹き出しているのだ。 雷に次いで風の魔力変換、おまけに辺り一面更地にしそうなほどの魔力を込めている。 それを見るや否やエルクはひび割れたデバイスを手に駆け出した。 あれだけの膨大な魔力で高速処理など出来るはずがない、潰すなら今。 「炎よ! 熱く燃えろっ!」 掛け声と共に全身へと圧縮した魔力を流し込む。 一種のカートリッジシステムの上辺だけの真似、もちろん多大な負荷に全身の筋肉が軋むが、エルクの身体能力は一時的とはいえ飛躍的に向上した。 文字通り全身全霊を込めた突撃は一息に距離を詰め、ジェフリーの腹部に突き刺さる。 「だああああ!」 「貴様ぁぁぁ!」 衝突に伴う衝撃はエルクの質量を加えて余すことなくジェフリーへと伝わり、ジェフリーの口からは血の混じった泡が噴出した。 そのまま新緑の中へと叩き落すと一瞬の後、森の一部が吹き飛んだ。 「手強い奴だ」 遠くに光の線が見える、ようやくやって来た管理局員だろうか。 見届けるかのように、役目を果たした相棒は中ほどからへし折れた。 直接の危機は去っている、しかし同時にまた新たな問題が湧き上がってきた。 (これって不味いんじゃないか?) これだけ派手に暴れたのだ、エルクもキャロも事情聴取は免れない。 そうなると当然キャロのことが管理局の暗部にも知られてしまうだろう。 エルクは迷わずキャロを抱えると、壁に空いた穴から高架下へと飛び降りた。 ◆ 高架脇の獣道をエルク達は進んでいた。 薬草を口に含み、肉体的な痛みや疲れを誤魔化してはいるのだが精神面はどうしようもなく、エルクの歩みからは傍から見ていても無気力さが伝わってくるようである。 一方エルクの数歩後ろをついてくるキャロはというと、どうにも消沈した様子でうなだれており、エルク以上に活力が無かった。 「おい、キャロ」 「………」 さすがに気になったエルクが声を掛けると、キャロはノロノロと無言で顔を上げた。 「どうした? 泣きそうな顔だぞ」 「………ごめんなさい。わたしのせいで………」 どうやら先程の事を気に掛けていたようだ。 そもそもキャロが巻き込まれる形になったのは、元はといえばエルクが警報機を力の限り殴りつけたのが原因であり、キャロが気に病む必要はないのであるが、そう言っても納得しないであろう。 「それにフリードも暴れさせてしまって………」 表情を暗くして述べるキャロ、だがここは訂正しておくべきだった。 「それはキャロが魔法の知識や訓練を欠いていたからであって、別にキャロが悪い所為じゃない。現にデバイスがあれば制御できたじゃねぇか」 「………」 「失敗してもそこから学べばいいだろ。分からない事があればちゃんと答えてやるから」 「………はい」 「そういやなんであんなに怯えていたんだ?」 今思い起こしてみてもキャロの怯え方は異常だった。 それにあの時言った言葉も気に掛かる。 「確か、人間じゃないとか言ってなかったか? ロリコンは人でなしって事か?」 「? いえ、ただあの時あの人から………」 「あいつから?」 「あの人からとても普通の人間とは思えない感情を感じたんです」 「どういうことだ?」 「………研究所でわたしは様々な生き物と暮らす実験をさせられたんです。その中で身に付けたのが生き物と心を通じ合わせる力。例えば―――」 軽く頭を起こしてエルクをじっと見るキャロ、その眼は出会ってから何度か見たことのある、考え込むような眼だった。 「エルクさんは常に何かに怒ってイライラいるけど、大抵がわたしに対する心配から来ているものだったから安心して付いて来れたんです」 自分でもガラが悪いと思っているエルクに、なぜキャロが何の不信も抱かずに付いてきてくれたのか。 エルクは今まで特に考えなかったが、その理由が解った気がした。 「でもあの人は、誰かに押しつぶされて苦しんでいる心と、取り付いている誰かの心が混じったような、そんな不気味な感情を持っていたんです」 「そういう事か」 確かにエルクも似たような事を感じた気がする。 三箇所に強化を施す力がありながら脚部のみに留まったり、バリアで防いだわけでもないのに致命傷を与えられなかったり、まるで心と体を間違えているようであった。 「ただ、ロリコンってのは間違いなさそうだな」 「………そういえばずっと気になっていた事があるんですが―――」 ◆ ミッドチルダ極北部、ここには一種の空白地帯が存在している。 ベルカ自治領の辺縁部、聖王教会と管理局の間に余計な諍いが生じぬ様に意図的に廃棄された都市群。 書類上住民はいない、という事になってはいるが実際は依然として多数の人間が暮らしている場所であり、そしてこの地はハンターズギルド発足の地でもあった。 この地域はベルカ自治領との交易ラインであったために、廃棄後も依然として残り続ける者、失った役職を埋める者、そして彼らの生活を支える者が再び集まったのだ。 そして再び人が暮らせる環境が出来ると、ある種の独立した社会が生じたのである。 しかし、政治的な摩擦を避ける為管理局も聖王教会も手を出せない間隙ゆえに、当然のようにテロリストや犯罪者、それに類する荒くれ者たちも入ってきていたのだ。 治安は維持しなければならない、しかしどこかに頼る事は出来ない。 苦肉の策として治安の維持のために作られた民間警備会社、これがハンターズギルドの雛形であった。 現在では他地域まで仕事の幅を広げるほど大きくなったギルド、その大元が治めるこの一帯は内包する犯罪者数はミッド有数の多さだが、治安の方は地方都市並みに安全と言える。 その一地域、住民からはインディゴスと呼ばれる存在しないはずの町の一角、都市鉱山として廃ビルを解体した跡地に立てられたアパートに二人と一匹の影が入り込んだ。 『―――こちらが事故のあった現場です。見えるでしょうか、市民の足として愛されてきたリニアレールは無残な姿に………』 傾いた夕日が屋内を赤々と染め、テレビからの音声のみが室内を埋める静かな一時。 『―――犯人グループの内五人死亡、二人が行方不明で、事件を解決しようとした魔導師が居たとの情報も入っており………』 その均衡を破るようにノックの音が鳴り響く。 「シュウ、俺だ。エルクだ」 「入れ。鍵は開いている」 物音一つ立てずに佇みテレビを見ていたこの部屋の住人は、ドアの方へと声を掛けた。 長身に水色の髪、軍人のような物腰だが纏う雰囲気は暗殺者のようである。 入ってきたのは声の通りの見知った顔。 「どうしたんだ急に? 連絡の一つでも遣せば良いのに」 「悪りぃ、考えてなかった。―――シュウ、暫くここに置いてくれないか?」 「構わないが………、後ろの娘は?」 「厄介ごとに巻き込まれたんで俺が保護したんだ」 焼き焦げボロボロになった服のエルクを見て、シュウの頭に先程のニュースが思い浮かんだ。 「もしやリニアでなにか………」 「疲れてるから全部後で話す」 フラフラした足取りで進むとエルクはぐったりとソファーに倒れこむ。 大変疲労の色が濃く、事の顛末を聞くのは無理だろう。 それはそうとして、 「えーと君は………?」 「キャロ・ル・ルシエです」 エルクが連れてきた少女の、じっと覗き込むような瞳からは戸惑っているようなものを感じる。 見知らぬ相手と二人で居るのはこの年ぐらいの子には酷だろう。 まずは気を許せる相手と認めてもらうのが良い。 「勝手が分らない所もあるだろうがゆっくりしていって欲しい。何か分らない所があれば聞いてくれ」 努めて優しく言ったのが功を奏したのか、少女は少し考え込んでいるようだが気まずさは多少薄れた気がする。 それゆえに、 「聞きたい事があるんですけど、いいですか? エルクさんも詳しくは分からないらしくて」 「まあ、エルクも何だかんだいってもまだ若いからな、知らない事もあるだろう。それで聞きたい事とは?」 こんな質問が繰り出される事となったのだ。 「―――ろりこんって何ですか?」 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/9618.html
■魔法少女リリカルなのはA s 作画監督 10(小) 13(小) ■関連タイトル 魔法少女リリカルなのはA’s Vol.1