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13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 持っていかれたな、というのが正直なところの感想だった。 浅倉の見やる先で巻き起こる新たな戦い、それは赤と黒の高速戦闘だ。さながらルーレットのように両者は旋回し、しかしながらルーレットならざる身ゆえに、幾度となくぶつかり合う。 「うううううううううううううううううううぅぅぅぅぅ!!」 「ぐ……!」 圧倒的な猛攻を加える女に対し、天道を秘める赤い仮面ライダーが攻勢に転じることはない。 専守防衛だ。過剰なほどの外殻を切り離し、スマートな体格となった姿だからこそ攻撃に応じることが出来るが、同時に衝撃をもろに受けることになっているのか、その挙動と声には苦しみが滲んでいた。 (馬鹿が……) 攻めれば良いものを、と麻倉は思う。精々俺が行くまで生き延びろ、とも。 「浅倉ぁ……!」 名を呼んで振り向き、眼前に迫る靴裏をベノサーベルで払いのけた。 どれほど強固にして強靭な脚なのだろう、斬れることも削れることもなく、迫る脚は弾かれただけで終わってしまった。だがそうした動きの乱れさえも利用して、蹴りの連続は発動する。 「死ね!」 「ダラぁ!」 右に払い、 「消えろ!!」 「ウラぁ!!」 左に払い、 「潰れろ!!!」 「オラぁ!!!」 受け止めて、 「「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーー!!」」 重複する叫びに互いを弾き合った。 じゃ、というアスファルトを擦る音を引き、2人の仮面ライダーは距離を開ける。 「殺してやるぅ……」 ベノサーベルを構える浅倉に対し、緑の仮面ライダーがとる姿勢はまるで野獣のようだ。 中腰の姿勢で腰を折り、尻を高々と掲げる態勢。両肘はだらりと路上につき、掌はアスファルトを愛撫するかのようだ。全てを睨み上げるようにひねられた首には、死体に睨まれているような心地がする。 まさしく幽鬼といった風情だ。 「悪くねぇ」 考え無しに加虐したものの、ここまで形になるのは予想外だった。てっきりあのまま、地と嘔吐の中に倒れ、適当に誰かに踏み潰されて終わるものだと浅倉は思っていたのだ。 しかし今、少女は仮面ライダーとして自分と拮抗する。 悪いのは自分の体調だった。 (……っ) ミラーワールドに引きずり込む以前のこと、相川との戦いで受けた傷が痛む。今の応酬で傷が開きつつあるのだろうか、しかし鎧の上からでは自覚症状以外に被害を把握する術はない。 (だせぇなぁオイ) せっかく盛り上がってきたというのに、始めた自分がこれでは楽しめない。 もっと滾れよ、と浅倉は自らの体に思う。 と、 「……当たり前よぉ」 聴こえたのは相変わらずの陰気な声だった。緑の仮面ライダーが、姿勢を一定させることもなく、ゆらゆらと揺れながら声を吐き出している。 「悪いのはぁ……全部あんたぁ…………私は清廉潔白良い子ちゃんなんだからぁ…………」 「言ってろ」 高揚しつつある感情を剣に込め、踏み出した脚で緑色の頭を狙う。 対する緑の仮面ライダーも急激な動き、猫背を戦闘にした跳躍はまるで烏賊か蛸のようだ。そのままもんどりうって前転、ベノサーベルの刀身と交差するようにして、踵をこちらの顔面へと振り下ろす。 そして、 「……!!!?」 強烈な閃きに目が眩み、怯んだためにお互いの攻撃を受ける形となった。 「がっ!」 浅倉は顔面から吹っ飛び、 「ぎゃんっ!」 緑の仮面ライダーは胸を斬りつけられて火花を散らす。 転げ回る2人の姿の姿は白と黒の二色刷り、余りにも強い光が有色を殺し、光当るところを白、当らぬところを黒と明瞭簡潔に切り分けたのだ。 2人だけではない、大通りの一角は、まるで太陽が降り立ったように輝いている。 否、降り立ったのは雷か。 それとも、神か。 「……溶解だと!?」 それは浅倉だったかもしれないし、緑の仮面ライダーだったかもしれないし、他の誰かかも知れなかった。しかし言われた通りの事実が発生している。 大通りに並ぶビルの1つが、突如として融解したのだ。 じゅ、と蒸気をあげるコンクリートはまるで溶岩といった風体、瓦礫を呑み込み、手前の歩道を伝って、大通りのアスファルトにまで生コンを垂れ流す。 そして、コンクリートの泥から現れるのは巨大な、 「野犬?」 違う。それは流動によって野犬の形をとりつつある、ビルの鉄骨だ。1棟分の鉄材は帯電によって光を迸らせ、表面を真っ赤に灯らせた溶岩のように変形していく。ビルの4隅は4脚となり、天に向かって伸びる長方形は高さを落とし、引き換えに前後へと太くまとまる。 「……ふっ! とっ! どっ! きィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 声がしたのは、鋼の巨犬の頭部辺りだ。人間で言うならばうなじ、頭部と首の境目あたりに、長い耳たぶを振り乱す雷の男がいる。 いる、というよりも、合一している。 四肢を雷電に変化させた男は四つん這いにも似た姿勢だ。4つの雷電は巨犬の内部へと浸透し、未だにそれを赤く輝かせる力の原動力となっているようだ。 「“雷治金”応用版ーー“雷獣・鉄”!! 雷なる我が手足を通わすことで鋼鉄は現在進行形で形を変える!! その重量! その高熱!! その高圧電流で!!! 路上にこびりつく炭となるがいい!!!」 ベノスネーカーに匹敵する巨体で、赤熱する鉄犬は遂に歩き出す。歩くたびに道路は赤く変色し、足裏のままに硬度を緩めて陥没していく。男の言う通り、度を超えた熱量と重量が為せる業だ。 『…………!!!』 鉄犬が音もなく吼える。 生物ではないそれに声帯や肺などある筈はなく、四肢を踏ん張らせて顎を開いたところで、浅倉達はそよ風一つ感じることはない。 ただし、巨体が発散する熱気と稲妻はその限りではない。鉄犬の出現とともに周囲の気温は上昇し、体毛のように迸る電気は頻繁に弾け、変動する明度と炸裂する電気の末尾が視覚と聴覚は撹乱する。 鉄犬よりも遥かに小さな浅倉としては、鉄犬の首に乗っている雷の男の姿は見ることができない。 しかし、その声は明確に聞き取れた。 「まずは貴様からだ“紫鎧”! 愚考と愚挙に全身の体液を流して詫びるが良い!!」 芸も細かく、鉄犬の凶暴な顔が浅倉を見据えた。 「人を鎧の色で呼びやがって……」 文句を漏らすが、しかし内心ではそれほど悪い気持ちではない。 何故なら、未だ出さずにいる力を発動する機会を得られたからだ。 「お前等ぁ!」 浅倉の呼びかけに答えたのは、怪物達だった。 『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!』 『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!』 『VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』 深紅、紫紺、燻銀、それぞれにそれぞれの色を持つ怪物達が一斉に並び立つ。浅倉に、正確には浅倉が使うカードデッキに隷属するミラーモンスター達だ。 だがそれさえも雷の男は嘲笑う。 「ヤハハハハハ! 珍獣を並べたところで私に敵うと思ったか!?」 彼我の戦闘力の差が解るのだろう。浅倉ですら解るのだ、雷の男に解るのもまた道理。 だから、浅倉は三たびにベノバイザーを現してスリットを起こす。 バックルのカードデッキから抜き放たれるカード、その名は、ベノバイザーが眼光を点滅させて告げる。 『UNITE VENT』 それは王蛇のカードデッキだけが持つ、特殊なカードだった。 『『『OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOーーーーーーーーーー!!!!』』』 「……!!?」 バイザーの宣言に呼応して同時に叫ぶ化物、それに気圧されたのか、雷の男は一歩たじろいだ。 それは、カードの効力が果たされるには十分過ぎる時間となる。 『VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』 変化の始まりはメタルゲラスだった。 もがくようにして外殻を掻き毟り、人型の犀が唐突に倒れる。だがそれは立てないほどの痛みや苦しみがあるからではない。犀として本来の姿、4脚によって体躯を支えることを目的としていたのだ。野太い両腕が道路に突き刺さる。 続いての変化は体積だ。 お、と吐瀉を寸然にしたような呻きを幾度も零し、メタルゲラスの体がどんどんと膨れていく。まるで空気を吸い込んでいく風船のように、外殻同士の接続を解き、赤紫の体色を露出させる。 今やメタルゲラスの体躯は、ビルの2階辺りまで肩が届く大きさだ。 それを待ち受けて動いたのは雷の男、ではなく、天地からメタルゲラスへと迫る2つの長胴だった。 地にはベノスネーカー。 天にはドラグレッダー。 それらは一様にメタルゲラスの背後へと回り込み、そして背中へと飛び込んだ。 『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』 『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!!』 メタルゲラスの背中と頭部が発光し、いかなる変容がなっているのかは把握出来ない。しかし光の中を大蛇と飛龍が左右に並列しながら進み、野太いうなじへと至り、遂にはメタルゲラスの顎より上を削ったのだった。 消えてしまったメタルゲラスの頭はどこにいったのか。答えはドラグレッダーとベノスネーカー、いやさそれらであったものの頭部にある。 ドラグレッダーだったもののに右半分を、ベノスネーカーだったものに左半分を分ち、覆い隠してたのだ。今やメタルゲラスの頭部は龍と蛇の顔を半分だけ隠す仮面となっていた。 そして2体の化物を“だった”と過去形にする理由は一つ。 発光が止んだ今、メタルゲラスの背へと突っ込んだそれらは、メタルゲラスの体と融合しているからだ。 最早そこに立つのは3体のミラーモンスターではない。最強と、最悪と、最硬を兼ね揃える、帝の名を冠する化物だ。 『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!!!』』 巨大化したメタルゲラスの体を胴体とし、右にドラグレッダー、左にベノスネーカーの首を生やす四足の地龍は、歓喜のままに2本の尾を振り回して周囲のビルを抉り裂いている。 今や轡を並べる龍に、無双の名は失われた。 番う頭の龍を表すは又を並べた双の一語、虚無は無として新たなる契約モンスターが生まれた。 双帝ジェノサイダー・アレンジ、浅倉はそれをそう呼ぶことにした。 『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!』』 「……小賢しい!!!」 もはや力も体躯も鉄犬と同等以上になった化物が、2つ並んだ顎を先駆けにして突撃する。 『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーー!!!』』 「…………!!!」 双頭の化物と、異形の巨犬が正面から激突した。 轟音と火花が2体の設置面より弾け、大きく開けた大通りを震撼させる。 「ぬうぅ……!!」 『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!!』』 猛牛など比べるべくもない突撃力の応酬、しかし分はジェノサイダーの方にある。 鉄犬の重量、熱量、帯電を受けてなお拮抗しうるジェノサイダーを前にして、それだけの特殊効果を満足に通用させられなかった鉄犬が、いつまでも拮抗を維持することなど出来るはずがなかったのだ。 「がぁあああああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!」 雄叫びも虚しく、ジェノサイダーに押された鉄犬は、首に乗せた雷の男ごと背後のビル群に押し倒される。 舞い上がる粉塵と蒸気、鉄もコンクリートもアスファルトも、ジェノサイダーの圧力と鉄犬の熱量が蒸発させた。噴煙と悪臭が路上を包み、だがその中で剣戟は再開される。 浅倉もだ。舞い上がる土埃を貫いて、緑の仮面ライダーが飛び蹴りとともに現れる。 「浅倉ぁーーーーーー!!!」 「はははっ!!」 憎悪に答えるのは歓喜、武器としての靴裏をベノサーベルが迎え撃つ。 (……楽しい!! 楽しくて仕方がないなぁ!!!) 浅倉の胸中は歓喜で渦巻いていた。 何もかものが望み通りだ。本来ならばもう仮面ライダーならざる者は全て消滅しているだろうに、それが起こらない不思議も気にならない。というよりも、思い浮かぶことさえない。 ただ浅倉威は、自らが開いた修羅の庭を堪能するだけだった。 【浅倉威@仮面ライダーリリカル竜騎】 【状態】仮面ライダー王蛇、疲労(中)、全身ダメージ(中)、右手に火傷 【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル竜騎、ベノサーベル 【道具】サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル竜騎、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル竜騎 【思考】 基本:戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物 1.紫髪のガキ(柊かがみ=仮面ライダーキックホッパー)を手始めに殺す 2.エネル→天道→キング、相川始、金居→その他手近な参加者、の順で戦う 3.鎌を持った奴(キャロ)、フェイト、はやて、ヴィータ、シャマル、ユーノと戦う 4.首輪を外したい 5.プレシアに「規定人数を殺害した参加者には希望した人間の居場所を教える」という特典を採用してほしい 【備考】 ※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています ※ヴィンテルシャフトのカートリッジシステムに気付いています ※カブトに変身できる資格があるかは不明です ※なのは、フェイト、はやては自分の知る9歳の彼女達(A s)とヴィヴィオの言っていた大人の彼女達(StS)の2人がいると考えています ※カードデッキの使用制限時間が極端に短縮している事に気付いていません 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】仮面ライダーキックホッパー、ツインテール剥離・頭皮出血、肋骨数本骨折、やさぐれ(極) 【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】なし 【思考】 基本:みんな死ねばいいのに 1.浅倉威を最優先で殺す 2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する 【備考】 ※デルタギア装着により放電能力を得ました ※心身に対するショックで、一部の参加者やそれに関する知識が戻っている可能性があります ※極度の錯乱状態です。自分以外の生物全てを分け隔てなく憎んでいます ※変身時間の制限にある程度気付いています(1~1時間30分程度の間隔が必要という事まで把握) ※エリアの端と端が繋がっている事に気付いています 【エネル@小話メドレー】 【状態】“雷治金”発動中、疲労(中)、胸に打撲痕(大)、全身に切傷(小)、『死』に対する恐怖、激怒 【装備】巨大な犬型鉄像(“雷治金”により形態操作中) 【道具】支給品一式、顔写真一覧表@オリジナル、ランダム支給品0~2 【思考】 基本:主催含めて皆殺し。この世界を支配する 1.この珍獣(ジェノサイダーA)めがぁ~~!!! 2.この場にいる全参加者を皆殺しにする 3.浅倉威からカードデッキ(王蛇)を奪う 4.ヴァッシュに復讐したい 【備考】 ※心網の策敵範囲がおよそ1エリア分だと気付いています ※黒い鎧の戦士(カリス=相川始)、はやてと女2人(=シャマルとクアットロ)を殺したと思っています ※自身の制限およびゴロゴロの実の能力を使っても首輪が外せないと気付いています ※なのは(StS)のことはうろ覚えです ※なのは、フェイト、はやてがそれぞれ2人ずついることに気付いていません ※背中の太鼓を2つ失い、雷龍(ジャムブウル)を使えなくなりました ※ヴァッシュに『参加者の現在地と生死を把握する能力』があると思っています ※ヴァッシュに対する恐怖と怒りで“心網”が使えなくなりました。払拭された場合のみ使用可能になります 【ジェノサイダー・アレンジについて】 ・ベノスネーカー、メタルゲラス、ドラグレッダーがユナイトベントで融合した形態。10000AP ・四つん這いのメタルゲラスの背中が、ベノスネーカーとドラグレッダーと癒着している。メタルゲラスの頭部は左右で分断され、それぞれベノスネーカーの顔左半分とドラグレッダーの顔右半分を覆っている ・ベノスネーカーの口から強酸を、ドラグレッダーの口から火炎を吐く。どちらも単体でのものより強い ・極度のダメージを受けると3体に分解する。各個体はジェノサイダーAと同等のダメージを維持する ・ファイナルベント:ストームスディ(11000AP) アクション順序 ・ジェノサイダーAの背を駆け登り、敵の直上へ跳ぶ ・2つの頭部が吐き出した火炎と硫酸を脚に巻き付ける ・敵に垂直からの蹴りをぶつける ・衝撃で火炎と硫酸が解放され、大規模な粉砕・灼熱・溶解の渦が発生する ・ジェノサイダーAの胸部にブラックホールが開き、舞い上がった全てを呑み込む 【共通の備考】 ※F-6 レストラン前(ミラーワールド)に以下のものが落ちています ・相川始のデイバック(ベルト破損) 収納:支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ ・浅倉威のデイバック 収納:支給品一式×2、ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、肉×10kg、魚×10kg、包丁×3、フライパン×2、食事用ナイフ×12、フォーク×12、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS ・柊かがみのデイバック 収納:支給品一式、Ex-st(残弾なし)@なのは×終わクロ、柊かがみの制服(ボロボロ)、スーパーの制服、ナンバーズスーツ(クアットロ) ・キース・レッドのデイバック 収納:支給品一式、ヴァッシュのコート@リリカルTRIGUNA s、首輪×2(優衣、なのは@A s)、優衣のデイバック【収納:レリック(No.・)@魔法少女リリカルなのはStrikerS】、カレンのデイバック【収納:支給品一式、ランダム支給品0~2】、アンデルセンのデイバック【収納:各種弾薬30発ずつ、カートリッジ×13、レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、杖@ゲッターロボ昴】 ・アレックスのデイバック 収納:支給品一式、Lのデイバック【収納:首輪探知機(電池切れで使用不能)、ガムテープ@オリジナル、ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レリック(No.・、幻術魔法により花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察を記したメモ】、ザフィーラのデイバック【収納:支給品一式、ランダム支給品1~3】 ・金居のデイバック(ビル内部) 収納:支給品×2、トランプ@なの魂、いにしえの秘薬(残り7割)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、砂糖1kg×8、USBメモリ@オリジナル ・キングのデイバック 収納:支給品一式、おにぎり×10、ハンドグレネード×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ギルモンのデイバック【収納:支給品一式、RPG-7+各種弾頭(榴弾5/照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、トランシーバー×2@オリジナル】、アグモンのデイバック【支給品一式、菓子セット@L chenge the world after story】、C.C.のデイバック【支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX】 ・アーカードのデイバック 収納:支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)、ヘルメスドライブの説明書 ・ヴィヴィオのデイバック 収納:支給品一式、フェルの衣装、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS ・天道総司とヴィヴィオが争うビルの側に爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸が突き刺さっています ・万丈目準のデイバック 収納:支給品一式、考察などを書いたノート ※レストラン前に装甲車@現実 が駐車しています。鍵はすでに入っている状態です ※多種多様な火器が装甲車の周囲に散逸しています(全て人間が所持して使用するタイプのものです) ※アーカードがいるビル屋上、および左右2棟に量産型フェイトが変身する仮面ライダーオーディンが100体います。 【ミラーワールドについて】 カードデッキによって鏡(景色を反射するもの)から出入りできる異世界。その中に生物はなく、現実世界側の被害は受けず、またミラーワールド側の被害も影響しない。カードデッキを持つ者は鏡越しに出来事を見ることが出来る。 以下、本バトルロワイヤルにおける制限 ・ミラーワールドにいる参加者は、カードデッキ系仮面ライダーを装着していない場合、12時間後に消滅します ※ミラーワールドから脱出すると、あらゆる変身状態は解除されます 【ミラーワールドサバイバル戦・現在の状況】 対戦カードa:キースレッドvsアレックス ※ARMS同士のタイマン勝負。どちらも被害を増やしやすい武器の為、余波が他の戦いに影響する? 対戦カードb:ジョーカー(相川)vsギラファ(金居)vs魔王ゼロ(キング) ※同郷の三つ巴戦。キングはゼロを演じており、この場にいる参加者には正体が知れていないのがミソ 対戦カードc:カブト(天道)vs聖王ヴィヴィオ ※豪快に誤解で始まった戦い。天道の説得力次第ではヴィヴィオと協力する事が可能かも? 対戦カードd:アーカードvsリニス&量産型フェイト2~5号体 ※遂に始まった参加者と主催側の戦闘。主催側の武装は協力だが、殺意がないのが逆転の秘訣? 対戦カードe:王蛇(浅倉)&ジェノサイダーAvsキックホッパー(かがみ)vs“雷神”エネル ※2対1対1の変則戦。王蛇とジェノサイダーAに対してかがみとエネルは協力していないのがミソ ※ミラーワールド内部からの離脱手段 ・カードデッキ(王蛇)…浅倉威が使用中 ・カードデッキ(ベルデ・ブランク体)…浅倉威が所持中 ・主催仕様カードデッキ(オーディン)…量産型フェイトが使用中 ・専用の転移魔法…ミラーワールドではリニスのみが使用可能 【ミラーワールド生存者 残り12人と1匹と1種(合計100体)】 Back 13人の超新星(6) 時系列順で読む Next ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない 投下順で読む Next ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない 浅倉威 Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 柊かがみ Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE エネル Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 新庄・運切 Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE キース・レッド Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE アレックス Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 相川始 Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 金居 Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE ヴィータ Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE キング Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE ヴィヴィオ Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 天道総司 Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 高町なのは(StS) Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE アーカード Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE 柊つかさ GAME OVER 万丈目準 GAME OVER プレシア・テスタロッサ Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE リニス Next D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE
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パンドラの箱は王の手に ◆jiPkKgmerY 会場の中心にそびえる巨大な建築物――地上本部。 その二階にはやてとキングの二人は居た。前方にキング、その後方にはやて。 はやては決してキングの横を歩こうとせず、その後ろを歩き、キングは自身の携帯をいじりながらマイペースに歩を進めていた。 (これからどないするかな……) キングの後ろ姿を眺めつつ八神はやては思考を始める。 思考の内容はこれからの行動について。 ――まず始めに何をするか。 これは今更考えるまでもない。 戦力の確保。 殺し合いに乗っておらず且つ戦闘に長ける戦士を集結させる。 今のところその第一候補はヴィータ、そして他の守護騎士の面々。 ただヴィータを仲間にする為にはある問題を解決する必要がある。 その問題とは、関係の修復。 ヴィータから見れば自分は赤トカゲを殺した張本人。あのヴィータが、そんな殺人鬼と協力関係を結ぶ訳がない。 とはいえ問答無用に攻撃される事も無いとも思う。 何故なら自分は「八神はやて」だから。 先の戦闘においてもヴィータは自分にトドメを刺さなかった。いや、刺せなかったのだろう。 『何でオメーはそんなにはやてに似てるんだよ!』 この台詞を口にしたヴィータからは、大きな葛藤が感じられた。 殺人鬼だと頭で理解していても、攻撃することが出来ない。 この殺人鬼があまりに「八神はやて」と酷似しているから。 怒りの鉄槌を何処に振り下ろせばいいか分からない。 そんなヴィータの苦悩が、あの一言から垣間見えた。 (なかなか厄介なことになっとるなぁ……) 「八神はやて」に似ているとはいえ、明らかに敵として見られている状況。 協力関係を結ぶことは決して容易ではない。だが、やるしかない。 この遊戯でプレシアに辿り着くには、戦力が必要不可欠。しかしその戦力は限られていて、時が経つにつれ減少していく。 実力者は必ず懐に入れなければならない。 まずはヴィータ。その力を必ず手に入れる。 知らず知らずの内に必要以上の力を込めていた両手。 このゲームを乗り越えた時、自分は『本当の家族』を救う事ができる。 これはチャンスなのだ。今尚苦しんでいる彼女達を救える唯一のチャンス。 必ず乗り越えてみせる。 「みんな、待っててや……」 ギュッと両手を握り締め、『本当の家族』を思う。 そしてその瞬間、数時間前まで確かに存在した迷いがはやての瞳から消え、代わりに悪魔の如く冷酷な瞳が携さわった。 ――全てを利用する。 ――なのはちゃんも、フェイトちゃんも、ヴィータも、シグナムも、シャマルも、ザフィーラも、六課のみんなも、『本物のヴィータ達』を救うために利用する。 ――悪魔と罵られても、構わない。 この時、夜天の主は人の道を踏み外す覚悟を、決めた。 □ (へぇ、なかなか良い顔になってきたじゃん) そしてその覚悟の表情を盗み見た男が一人。 最強のアンテッドを自負する男――キング。 僅かに顔を横に向け後ろを見ると、良い感じに思い詰めた顔をしたはやて。 最初に出会った時とは比べものにならない程の冷淡さを見せているはやてを見て、キングは愉悦を感じる。 (狂人さん一人出来上がりってね。案外チョロかったね) 一言二言追い討ちを掛け、後ろを歩く少女を更に狂わせたい。 だがキングはそれをしない。 何故か? 見つけたからだ――はやてを壊す以上に面白いものを。 (これは相当な量だね。出来ればゆっくり確認したいんだけど……) 携帯の画面に映る『それ』を見ながらキングは思案する。 『これ』は相当な量を誇る。とてもじゃないが歩きながら全てを把握するのは不可能に近い。 何とか一人になり、ゆっくりと『これ』について考えたい。 何か方法はないか――――アイディアは直ぐに浮かんだ。 「ねぇ、はやて?」 「へ? あ……な、何や?」 殺伐とした思考の中、いきなり現実に引き戻され、はやては僅かに狼狽を見せた。 だがそれも一瞬。 直ぐさま微笑みの仮面を被りキングに応対する。 「なにキョドってんの? しっかりしてくれよ、頼むからさ」 「……ゴメンな。ちょっと考えごとしてて、な」 流石ははやて。古狸とも呼称されるだけのことはある。 嘲りを含んだキングの言葉にも、微笑みの仮面は揺らがない。 「それでどうしたん? 何か見つけたんか?」 「ああ、一つ提案がね」 提案、という言葉にはやては何か嫌な予感がした。 この何も考えてなさそうな男が提案? どうせロクな物ではないだろう。 「あのさ。もうちょっとこの建物を調べていかない?」 ――やっぱり。 心の中で大きく溜め息を吐き、だがそれを面に出す事なくはやては口を開く。 「調べるって……今からか?」 そう言いはやては自分が立つ床、つまり地上本部を指差す。 そんなはやてににキングは微笑みながら頷く。 「うん。もしかしたら何か武器とか隠されてるかもしれないじゃん」 キングの言葉にはやては困ったような苦笑いを浮かべ―― (何言うとんのや、コイツは……) ――心の中で大きく舌打ちをした。 ――今この瞬間にも、貴重な戦力であるヴィータはドンドン離れて行っている。 ヴィータを見失ったらどうするつもりだ? お前がヴィータの代わりに戦うとでも? ショボい念力しか使えないお前が? ふざけるな。 それにこの巨大な地上本部を二人で調べ尽くせと言うのか? 有るか分からない希望に縋り時間を無駄にしろと? ヴィータという確実性の高い戦力を捨ててまで? 馬鹿も休み休み言え。少しは物を考えて判断しろ。 「……私としては今すぐにでもヴィータを探しに行きたいんやけど……」 怒りと呆れを心中に押し隠し、言葉を紡ぐはやて。 「んじゃ俺は上の方調べてくから、はやては地下を宜しく。一時間経ったら最上階にある展望室に集合ね」 ――だがそんなはやての言葉にもキングは聞く耳を持たない。 ヒラヒラと手を振り階段がある方へと歩き始めた。 「ちょ! ちょっと待っ――」 制止の言葉も虚しくキングは角を曲がり完全に消えた。 最早怒り、憤りを通り越し、呆然とする事しかできない。 「なんなんや! あのアホは!!」 キングが去って数秒後、はやては感情のままに怒鳴り声を上げた。 仮面を被ることすらも忘却の彼方。 その手に握られたツインブレイズは、哀れ渾身の力で床へと叩き付けられた。 □ それから数時間後、キングは計画通りに一人で地上本部最上階の展望室に居た。 全面に張られた巨大なガラス窓から映る圧巻の光景。 それは会場全体を一望するには余りある程である。 しかしそこに居る唯一の男は、そんな絶景にも脇目を振らず、片隅に置かれた長椅子に腰を下ろし一心不乱に携帯を見つめていた。 「……ふうん」 『それ』を一言で言い表すのならば異質であった。 今時の携帯には必ずある機能――インターネット。 パソコンと比較すれば確かに制限はあるが、ふとした時に調べ物をする時にはこれ以上なく便利な代物だ。 それは携帯愛好者のキングも例外ではなく、度々に利用させてもらっている。 ――そして『それ』はインターネット機能の一つ『お気に入りフォルダ』の中に隠されていた。 「……こんな物が隠されてたなんてね。プレシアもやってくれるよ」 元々フォルダに登録されていたサイトは全て消されていた。 残されていたサイトは『これ』のみ。 そのサイトのタイトルは―― 「――『CROSS-NANOHA』、ね……どうにも訳が分かんないな」 携帯の画面に目を向けながらキングが呟いた。 その表情はキングにしては珍しく疑問の色に染まっている。 それは不思議なサイトだった。 背景は真っ白。あるのは十数のリンクのみ。 ――『HANNMOKU NO SUBARU』、『YUUGIOU-GX』、『NANOSHING』、『MASUKARE-DO』、『RYU-KI』、 『KABUTO』、『DEJIMON』、『TRIGUN』、『NANOSUTA』、『KATAYOKU NO TENSHI』、『SESSYOUMARU』、『OWAKURO』、『MEBIUSU』、『L』、『GETTA-』、『MEDORE-』、『ARMS』 それぞれのリンクの先にはまるで漫画や小説のようなタイトルがあり、そして長々とした文章が続く。 それらは意味を為さない文章ではなく、立派な物語として成立していた。 「……何なんだろ、これ」 正直に言えばさっぱり意味が分からなかった。 物語ということは理解できた。そしてこれらの物語にはある特定の人物達が必ず と言っていい程に登場する事も。 その登場人物と同姓同名の人物がこの殺し合いに参加している事も。 「なのは、フェイト、はやて、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ…………大体の物語はコイツ等を中心に動いている……」 他にも多数の人物が登場するが、特にこの七人は別格の扱いで出てくる。 その中でも群を抜けている人物が、高町なのは。 殆どの物語で、絶対的な実力を持った魔導師として扱われている。 そしてその親友として出てくる八神はやてとフェイト・T・ハラオウン。 スバル達はなのは達の教え子で、なのは達と共に事件解決に奔走する役所だ。 基本的にこれら十数の物語は四つに分類できる。 一つ。突如違う世界から現れたある人物が、なのは達と協力し、ジュエル・スカリエッティという男の野望を阻止する物語。 『KATAYOKU NO TENSHI』、『SESSYOUMARU』、『L』『ARMS』、『MEDORE-』、などが分類できる。 二つ。別世界に渡る力を持つなのは達が、謎の未開拓の世界に飛び事件を解決していく物語。 これには『YUUGIOU-GX』、『DEJIMON』などが分類できる。 三つ。初めからなのは達の世界とまた別の世界が混濁されており、なのは達や別の世界のキャラが協力、または敵対し進んでいく物語。 これに分類出来るのは『HANNMOKU NO SUBARU』、『NANOSHING』、『NANOSUTA』、『KABUTO』、『RYU-KI』、『OWAKURO』、『GETTA-』 四つ。『子供時代』のなのは達が登場し、ある世界から飛ばされたキャラと出会ったり、元々世界が混濁された状態から様々な事件を解決していく物語。これら物語にはスバルやティアナ達は登場しない。 『MASUKARE-DO』、『TRIGUN』、『MEBIUSU』などがそうだ。 時系列もバラバラ。平行世界という言葉を信じたくなる程に様々な物語が繰り広げられている。 だが、基本的にどの物語でも高町なのは等の性格は変わらない。軸がぶれることなく、自らの信念を通している。 「でもあのはやては……?」 だがそこである疑問が浮かんだ。 それは、自分が出会った「八神はやて」について。 あの八神はやては明らかにおかしい。 このサイトに掲載されているどの八神はやてとも違い、非常に腹黒い印象を受ける。それこそ、仲間が襲われているという状況だけで簡単に殺害を犯す程に。 「少なくともこのサイト内にそんな性格のはやては居なかった…………やっぱ嘘も混じってるのかな、コレ?」 しかし、とキングは再び熟考する。 これらの小説が全て嘘だという事もまた断言できない。そもそもコレだけの文量。しかも閲覧者は自分のみ。 自分一人を騙す為にこれ程大掛かりの文章を創作するのか? そして決して無視する事の出来ない一つの物語――『MASUKARE-DO』。 それは不思議な話だった。 子供時代のなのは達、幾人にも及ぶライダー達、そして怪人、ワーム、アンデッド。 それぞれが絡み合い物語を形成する、それが『MASUKARE-DO』であった。 そして『MASUKARE-DO』に登場するキング――――全てが自分と同じ。境遇も、選択も、まるで何者かから観測されたかのように記されていた。 そう、『MASUKARE-DO』内のキングは正に自分そのもの。 その事実にキングは底知れぬ不気味さを感じた。 「ホント訳分かんないね……」 そして最後に残るもう一つの事実。 『CROSS-NANOHA』内にある小説、その中から同姓同名の人物がこのゲームに参加している事。 例えば『HANNMOKU NO SUBARU』からはルルーシュ・ランペルージ、C.C.、カレン・シュタットフェルト、シャーリー・フェネットの四人。 『NANOSHING』からはアーカード、アレクサンド・アンデルセン、インテグラル・ファルブルゲ・ヴィンゲート・ヘルシング、シェルビー・M・ペンウッドの四人。 以上のようにそれぞれの物語から一人から四人、誰かしらがこの殺し合いに参加している。 「コイツらも俺同様、誰かしらに観測され物語として記録された? そもそも観測者って誰? 可能性として一番高いのはプレシアだけど、それぞれの文章が違い過ぎる……まさか組織ぐるみでの作業? だとしたらプレシアが指揮して? それとも偶然発見し盗み出した? …………ああ、もう! こんがらがってきた!!」 それまで真剣な表情で考察を続けていたキングであったが、最後の叫び声と共に携帯を閉じベンチへ寝転がる。 「そもそもこんなの考えたって分かる訳ないじゃん。…………まぁ話半分に受け取っておけばいいか……」 相当な量の文章を朗読した事、慣れない考察を長々と続けた事、それらが予想以上にキングを疲労させていた。 気分転換の意味も込め、この時初めてキングは窓外に視線を向ける。 視界に映る数多のビル群、その先にボンヤリと見える緑の森林、そしてこの殺し合いの会場でも変わらず世界を照らす太陽。 圧倒的な光を放つそれを目を細め眺めていると、ある人物がキングの脳裏に浮かんだ。 といっても正確な姿形は全く浮かばない。 分かるのは男という事だけ。 その男は『MASUKARE-DO』の中でこう言っていた。 「自分は天の道を往き総てを司る男だ」と。 そしてその男は言葉通りの実力を有し、常に不遜な態度を崩さない。 数々のライダーの中でもずば抜けた力を持つライダー――仮面ライダーカブト。 その人間体、天道総司。 この殺し合いにも参加している男だ。 「天道、か……会ってみたいね」 理由は勿論一つ。 天道を、この何処までも自分を信じているこの男を――壊したい。 自分が如何に無力なのかを教え、そして絶望に歪んだ顔を見てみたい。 「ふふ、楽しみだなぁ」 無邪気な微笑みと共にキングが立ち上がった。 手に携帯を持ち、天を照らす太陽を見つめ、王は動き出す。 「んじゃ、はやてが来るまでノンビリしようかな…………ってアレ?」 ――そして発見する。 自分が座るベンチの右手側、方角で言えば北に位置するベンチの前にあるそれを。 二重の円に三角形が二つ組み合わさり形成された六亡星。円と円の間に書かれた謎の文字列――俗に言う魔法陣がそこにはあった。 □ 十人程の人間が乗れる透明なエレベーター。 その中で八神はやては一人、怒りに身を震わせていた。 何処までも自分勝手なキング。 その発言一言一言が気に触るキング。 ウザったい。ふとすれば殺意すら湧く。 結局あの後、はやてはキングの言う通り地下を探索した。 正直、キングを放置し一人で行動する事も考えたが折角の戦力を失う事は忍びない。 それにデバイスが無い今、はやて自身の戦闘力は皆無と言ってもいい。 そんな状態で外に出て、殺し合いに乗っている参加者に出会えば、それだけでゲームオーバー。 キングを捨て置くのは余りに拙い。 「せやけど、あの馬鹿はどうすればいいんやろ……」 キングのことを考える度に溜め息が出て、頭が痛くなる。 唯我独尊。我が儘で自己中心的。 その癖に実力はあまり高い訳でもなく念力が使える程度。 駒としては最悪の部類だ。 (早いとこ手ぇ切らんとあかんな……) はやてがその結論に至ったその時、甲高い電子音と共にエレベーターが止まる。 自動的に扉が開き、そして視界に広がる圧倒的な光景。 とはいえはやてには見慣れた光景。大した感動を覚えるでもなく、はやては首を左右に振り目的の人物を探し始める。 「あ、やっと来たね」 と、探し出す前に向こうから声を掛けてきた。 相も変わらず右手で携帯をパカパカと開け閉めしながら、近付いてくる。 「そっちは何か見つかった?」 「いや、こっちはなんも無かったで」 途端、あからさまなまでにキングの顔が変化する。 「はぁ? 何時間も時間掛けて何も見つけられなかったの? おいおい、止めてくれよマジで」 両手を広げ、ヤレヤレと首を左右に振るキング。 身体全体で大袈裟に表現される落胆。再びはやての頭に血が登り始める。 「ま、良いけどさ」 だがはやてが怒りを爆発させるより早く、キングはそう言い後ろに振り返った。 突然の行動に訝しげな表情を浮かべるはやてをそのままに、何処へともなく歩を進め始める。 「ついてきなよ。コッチに面白いものがあるよ」 ――面白いもの? その言葉に疑問符を頭に浮かべ、はやてはキングの後を追い円形状の展望室を右手側に歩く。 巨大な窓から射し込む日光が時間の経過を教えてくれる。久方振りに見た太陽は眩しかった。 「これだよ」 二十秒と歩かず、それの存在にはやても気付いた。 管理局局員が良く談笑を繰り広げているベンチ。その直ぐ側に描かれた緑色の魔法陣。 はやての表情に僅かな驚愕が浮かぶ。 「これは……」 「どう? 面白いだろ?」 キングの言葉に答えを返すことなく、はやては膝を付き真剣な表情で魔法陣を調べ始める。 そんなはやてを後目にキングは、魔法陣の近くに置かれた看板を眺め、口を開く。 「『魔力を込めれば対象者の望んだ場所にワープできます』、だってさ。どう? 本当だと思う?」 キングの問いに、見上げるような形で顔を上げはやては答える。 「確かにこれは転移魔法の陣や……」 「転移魔法?」 聞き慣れない言葉に不思議な顔を浮かべるキング。 「ようするに対象物を任意の空間に瞬間移動させる魔法のことや。多分魔力を込めれば発動すると思うで」 はやての説明によりその意味を理解したのか、キングは一つ頷く。 そもそもキング自身、瞬間移動という特殊能力を持っている。多少の驚きは感じるものの、充分に有り得るものと判断できた。 「……ってことは本当にワープできるってこと?」 「おそらく……」 キングの問い掛けに、はやては曖昧に頷く事しか出来なかった。 ――確証がない。 確かに転移するにはするだろうが、本当に望み通りの場所に転送するかは分からない。 もしかしたら禁止エリアに跳ばされズガン、という可能性だってある。 おそらく、この転送魔法を設置したのはプレシア自身。 信用できるのか? 罠ではないのか? 眉間に皺を寄せ魔法陣を睨むはやて。 その頭を分かる筈のない疑問が浮かび続ける。 「ねぇ早くしようよ」 ――と、そこで思考の泥沼に埋まり掛けたはやてを引き上げる者が居た。 その名はキング。 キングは魔法陣の中で急かすような視線をはやてに向けている。 「早く、って使う気なんか!? こんな怪しいものを!?」 「何? もしかしてコレが罠だと思ってるの?」 そうや、と頷くはやてにキングは大袈裟に溜め息を吐く。 「こんな大人数を集めて、こんな馬鹿げたゲームを開催する奴だよ? 罠に引っ掛かって死亡、なんてつまらない殺し方をする訳ないじゃん」 純粋な悪だからこそ共感できる悪の思想。 確かに一理ある、とはやては感じた。 「それに、あんたが会いたがってた『家族』の所にも跳べるかもよ」 「…………そや、ね。物は試しや。やってみるのも悪くないかもしれへんな」 その表情には今だ迷いが感じ取れたが、だがそれでもはやては――頷いた。 ゆっくりと魔法陣に足を踏み入れる。 罠という可能性は消えない。だがこれを使えばヴィータの元に一瞬で辿り着く。 ――これは、賭けだ。 「……いくで」 「ああ」 徐々に魔力を魔法陣へと集中させていく。 淡い緑色に魔法陣が発光し始める。 光は段々と輝きを増していき、そして一際強烈な発光と共にキングとはやての姿が――――かき消えた。 □ 「……ここは?」 光が止んだと思えば、そこに立っていた。 先程までいたガラス張りのフロアとは明らかに違う景色。 地面には雑草が生え、空気は瑞々しい。 周囲には緑色の葉をつけた木々、左手の方には川が流れている。 「へぇ、本当にワープするとはね。やるじゃん、はやて…………はやて?」 男――キングにしては珍しい褒め言葉。 だがその言葉を向けられている筈の少女は何処にも居ない。 キングも首を捻り軽く周囲を見渡すが、その姿は見当たらなかった。 「あれ、はぐれちゃったかな……ま、いっか」 一分にも満たない短い探索の後、キングは思考を切り替え、歩き始める。 行き先は決めていない。何となく人の気配がする方に進み――――見つけた。 だがそれは八神はやての姿ではない。 ピンク色の髪の毛に何処か辺境の民族が着るような衣服を纏った少女が一人。 そして傷だらけ――特に脇腹から酷い出血をしている天然パーマの青年が一人、居た。 「え……あ……」 ピンク髪の少女が怯えたような視線をキングに向ける。 恐怖と猜疑、疑心が入り混じったその瞳。キングは直ぐさま理解する。 コイツは壊しがいがある存在だ、と。 「そんなビビんなくたって良いのに……俺はキング、殺し合いには乗ってないよ」 両手を頭の上に挙げ、出来るだけ優しく微笑む。 だがその微笑みには、明確な愉悦が滲み出ていた。 「アンタの名前は?」 「キャ、キャロ・ル・ルシエです……」 ――キャロ・ル・ルシエ。 聞き覚えはないが見覚えはある名前。 そう、確か『CROSS-NANOHA』の作品に登場する魔導師の一人。 八神はやての部下にして、機動六課フォワードに属するサポート専門の魔導師だった気がする。 「よろしくね、キャロ……で、そっちの男は?」 「天道総司って言ってました……ついさっき気絶してしまって……」 瞬間、キングは目を見開く。そして同時に顔を俯かせ口を抑える。 その時、キングの心中を支配した感情は圧倒的な歓喜。 (コイツが天道ね……。何だよ何だよ、偉そうな事言ってたわりにはもうボロボロじゃん) 『MASUKARE-DO』内にて最強クラスの力を持つライダー。 つい先程、心の底から壊してみたいと考えた男が直ぐ目の前に居る。 感情を押さえられない。 口にある手を離せば笑い転げてしまいそうだった。 (やってくれるじゃん、プレシア! 今だけ、今この瞬間だけは感謝してやるよ!) ――キャロ・ル・ルシエ ――天道総司 転移された先にて遭遇したものは、王が願った通りの極上の玩具。 二つの玩具を手に入れ、王は笑う。 □ あれから直ぐ、天道さんが倒れた。 やっぱり傷の具合が良くないらしく、脂汗を額に浮かべ苦しそうに呻き気絶してしまったのだ。 幸いな事に自分は治癒魔法が使える。魔力の循環効率が鈍く感じたが、一命を取り留めることは可能だろう。 川の畔に天道さんを横たえ、治癒魔法を行使する。 絶対に死なせない。 この人は言っていた。 「自分は天の道を往き、総てを司る」と。 当然のようにそう言った天道さん。 その自信に満ち溢れた姿は、疑心暗鬼になりかけていた自分の心に一筋の光をくれた。 この人なら信じられる。 本当にこの殺し合いを打破してくれる筈だ。 絶対に、死なせない。 その一心で治療を続け、そして漸く天道さんの容態が落ち着いてきたその時、一人の男の人が現れた。 赤いジャケットを羽織り、沢山のアクセサリーを付けた男の人。 こんな殺し合いの場だというのにその人は笑っていて、しかもその瞳は冷たい光を 携えていて、怖かった。 どうしよう? この人が殺し合いに乗ってたら、どう戦おう? 身構えて、でも恐怖心は隠せなくて、迷いに頭を悩ませていると、その人の両手が動いた。 降参するように両手を頭より上に挙げ、名乗ってくれた。 名前はキングさんと言うらしく、さっきから携帯を弄っている。 最初は悪い人に見えたけど、殺し合いには乗っていないらしい。 子供っぽく微笑みながら、そう語っていた。 その表情に私も少し安心し名前を名乗る。 私の名前を聞いた時、キングさんは何故だか少し驚いたような表情を浮かべていた気がした。 そして天道さんの名前も教える。 その瞬間キングさんは唐突に口を抑え俯き始めた。 私は一瞬だけ見た。笑っているキングさんを。 その笑みはさっきまでの優しげなものとは微妙に違い、獰猛な獣のそれに似て、見えた。 ――ナンデスカ、ソノホホエミハ? 途端に心を漆黒が染める。 村を追放された時の光景が、自分を置いて何処かに消えたギンガさんの姿が、心に、浮かんだ。 違、う。ギンガさんは自分を裏切った訳じゃない。 何かしらの事情が有って、仕方無く私を放置したのだ。 キングさんも、そうだ。 殺し合いに乗っていないキングさんが、あんな怖い顔をする訳が、ない。 ――天道さん。 横たわる天道さんの右手をギュッと握る。 温かい。 そうだ。みんなで協力すれば大丈夫。 フェイトさん、エリオ君、スバルさん、ティアナさん、なのはさん――みんなが居ればどんな事件だって解決できる。 大丈夫。 大丈夫。 大丈夫。 みんなが居れば――。 気付けば空が白んでいた。 天道さんの顔に浮かんでいた苦悶は消えている。良かった。 私はそう思いながら、大きく安堵の息を吐く。 そして私達から少し離れた木に寄りかかっているキングさんは、微笑みを向けていた。 【1日目 早朝】 【現在地 D-7 川の畔】 【キャロ・ル・ルシエ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(大)、精神疲労(中)、魔力消費(中)、脇腹に切り傷・左太腿に貫通傷(応急処置済み) 【装備】憑神鎌(スケィス)@.hack//Lightning 【道具】支給品一式×2、『かいふく』のマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、葉巻のケース 【思考】 基本:殺し合いを止める。殺し合いに乗っている人がいたら保護する。 1.天道さんを治療する。 2.今は自分に出来る事をする。 3.出来る限り天道を治療する。 4.仲間を探し合流する。 [備考] ※別の世界からきている仲間がいる事に気付いていません。 ※憑神鎌(スケィス)のプロテクトは外れておらず、待機形態のままです。 ※キングに対し僅かな疑心を抱いています。 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】重症(特に右脇腹)、気絶中 【装備】爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸、カブトエクステンダー@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、ゼロの仮面@コードギアス 反目のスバル 【思考】 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。 0.気絶中 1.天の道を往く者として、ゲームに反発する参加者達の未来を切り拓く。 2.カブトゼクターとハイパーゼクターを取り戻してみせる。 3.俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する。 4.感謝するぞ、加賀美。 【備考】 ※参戦時期はACT.10冒頭。クロックアップでフェイト達の前から立ち去った直後。 ※なのは、フェイト、はやて、クロノは一応信用、矢車は保留、浅倉は警戒しています。 ※身体がいつものように動かない事を知りました。 ※意識に反して、天道の体は既に限界が近い状態です。 ※取り敢えず峠は越えました。 【キング@魔法少女リリカルなのはマスカレード】 【状態】健康、非常に上機嫌。 【装備】無し 【道具】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのはマスカレード キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのはマスカレード 【思考】 基本 この戦いを全て滅茶苦茶にする 1.天道とキャロで遊ぶ 2.はやてとの合流は後ででも良いかな 3.はやてとヴィータの決着が着いたら、残ったほうに真実を伝えて、その反応を楽しむ 4.とにかく面白いことを探す 【備考】 ※制限が掛けられている事に気がつきました ※ゴジラにも少し興味を持っています ※携帯電話は没収漏れです。写メ・ムービー以外の全ての機能は停止しています。 ※携帯には相川始がカリスに変身する瞬間の動画等が保存されています。 ※キングの携帯に外部から連絡出来るのは主催側のみです。 ※カブトの資格は持っていません ※キングの携帯のお気に入りフォルダに『CROSS-NANOHA』へのリンクが存在します。 □ 時は少し遡り、E-4に位置する図書館。 海鳴市にある物と酷似したそれは、その巨大さと造りにより市街地の中でも一際輝いて見えた。 そんな図書館の一階部分、そこに二人の男女が居た。 ベンチや椅子、机などが多数置かれた空間。 通常なら勉学に精を出す学生や、文字の世界に没頭した本好きの人々が席を埋め尽くしている筈のそこには、今二人の男女――ヴィータとミライだけが座っていた。 ヴィータは膝を抱え顔を俯けた、ミライは窓から射し込む光をボンヤリと眺めている。 会話は、ない。ただ、重苦しい沈黙だけが二人を包んでいた。 ――暖かい日光に包まれ、ミライはただ後悔していた。 現れた化け物。 クロノの死。 クロノを犠牲に生き延びた自分。 自分はウルトラマン、勇気の戦士だ。なのに自分は、逃げた。 まだ幼い、未来ある少年を戦場に残しおめおめと逃げ出した。 変身さえ出来れば…………そう、何度も悔やんだ。 あの時メビウスに変身できていれば、未来は確かに変化しただろう。 あの化け物を倒す、とまではいかなくてもクロノと共に逃亡することは出来た筈だ。 だがあの時腕に嵌ったブレスレットは反応しなかった――――それが現実だ。 そしてクロノは死んだ。 大事な時に戦えないで何がウルトラマン、何が光の戦士。 僕は――戦士失格だ……。 ポタリ、とミライの唇から水滴が零れ落ちた。 それはズボンに当たり赤黒いシミを作る。 誰も死なせない。 そんな甘い決意は脆くも崩れ去り、だけどそれでも殺戮のゲームは続く。 余りの理不尽に精神(こころ)が折れそうになる。 後悔が自分の胸の中で暴れる。 (すまない……すまない……すまない……すまない……) 心の中で何度も反芻される謝罪。そして、ミライは顔を上げる。 「行こう、ヴィータちゃん」 迷いに、後悔に、心を蝕まれ、だがそれでもミライは立ち上がった。 横に座るヴィータが、ミライへと顔を向ける。 その頬には涙の痕が残されていた。 「行くって……何処にだよ……」 「助けを求めてる人の元へだよ。死んでしまった……死なせてしまったアグモン君やクロノ君の分まで、僕達が戦うんだ」 大切な仲間をむざむざと死なせた――自分は戦士失格だ。 でも、だからといって膝を折って良い訳ではない。 いくら後悔しても、諦めたくなったとしても、それは許されない。 死なせた彼等の分まで、戦う。それが僕――ヒビノ・ミライに出来る唯一の罪滅ぼし。 僕は、折れない。 仲間の死、自分の無力さ、長い長い苦悩の末にミライは答えを導いた―― 「だからヴィータちゃん、行こう! みんなを救うんだ!」 「でも、私は…………ごめん。一緒には、行けない」 ――だがミライの決意に赤服の魔導師は首を横に振った。 □ ヴィータは迷っていた。 命を賭け自分を逃がしたクロノの姿を見て、自分以上に悲しんでいる筈のミライの決意を聞き――でも、迷っていた。 どうしても譲れない事があるのだ。 それは、闇の書の主――八神はやてについて。 守らなくてはいけない。 殺させる訳にはいかない。 ミライの言う意味も分かる。自分だってクロノの意志を継ぎ、戦いたい。 でも――無理だ。 助けを求める者、全てを救っていたら時間が掛かりすぎる。 そんな事をしていたら、はやてに出会う確率は低下する。 早く、一秒でも早くはやてに会って守護しなければならない。 自分は――守護騎士だから。 だから。 だから。 だから。 ごめん。 本当にごめん。 私は、お前と、協力、できない。 「ヴィータちゃん……?」 「約束する! 殺し合いにのった奴としか戦わない! それは約束するよ! でも協力は、出来ないんだ! ……はやてを、少しでも早く、はやてを救わなくちゃ、ダメなんだ……」 ――少女は吐き出すように呟き、駆け出す。 ミライとは正反対の、出口へと続く道を全力で、振り返らず、走る。 「ヴィータちゃん!」 一拍遅れミライも走り出そうとし、止めた。 あれが彼女の決意。自分が決意したようにヴィータも決意したのだ。 ――最も大切な人を護る。それもまた一つの決意だ。 それを制止する事など自分には、出来ない。 でも。 だから。 せめて。 (――無事でいてくれ……) 願おう。 彼女の、そして彼女が一番大切にしている者の無事を。 何時かまた会いたい。 そして今度こそ協力して、殺し合いを止めよう。 ヴィータから数分遅れ、ミライも外の世界に踏み出す。 ヴィータの姿は何処にも見えない。もう大分遠くに行ったのだろう。 「僕も、行かなくちゃな」 大きく息を吸い込み、自らの決意を果たす為、光の戦士も歩き始めた。 【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA s】 【状態】疲労(小)、号泣、哀しみ、左肩に大きな切り傷 、迷い 【装備】ゼストの槍@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×1、デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F 、ランダム支給品0?1 【思考】 基本 はやてを救って、元の世界に帰る 1.悪い、ミライ……。 2.八神はやて及び他の守護騎士たちとの合流 3.そして彼らに偽者の八神はやてがいて、殺し合いに乗っていることを伝える 4.ヴィヴィオを見付けた場合は、ギルモンの代わりに守ってやる 5.赤コートの男(アーカード)はぶっ殺す。 【備考】 ※はやて(StS)を、はやて(A s)の偽物だと思っています ※デジヴァイスには、一時的に仮パートナーとして選ばれたのかも知れません。 ※なのは達のデバイスが強化されたあたりからの参戦です 【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】 【状態】疲労(小)、号泣、哀しみ、背に切傷 、強い決意 【装備】メビウスブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0?2 【思考】 基本:殺し合いを止める。 1.ヴィータちゃん……。 2.助けを求める全ての参加者を助ける。 3.なのは、フェイト、ユーノ、キャロと合流したい。 4.アグモンを襲った大男(弁慶)と赤いコートの男(アーカード)を警戒。 【備考】 ※メビウスブレスは没収不可だったので、その分、ランダム支給品から引かれています。 ※制限に気付いてません。 ※デジタルワールドについて説明を受けましたが、説明したのがアグモンなので完璧には理解していません。 □ そして誰も居なくなった図書館。その二階から、二人が去った一階へと降りてくる者がいた。 それは八神はやて。 茶色のショートヘアーを揺らしつつ右、左、右と周囲に首を回し大きく肩を落とす。 「なんやねん、此処は……」 幼少時に利用していた図書館、という事は理解できる。 ただ何故ここに飛ばされたのかが分からない。 転送の先にある無人の図書館。キングも居ない。 当然、望みの者も居ない。 (罠、か……) 直接死に繋がる訳ではない。それについてはキングの予想通りだったらしい。 だが、あの転移魔法は罠に違いない。 丁度会場の中心にある巨大な建築物――地上本部。 位置といい、その圧倒的存在感といい、最も人が集結し易い施設だろう。 その最上階に置かれた『魔力を込めれば対象者の望んだ場所にワープできます』という甘言。 それに釣られ人々は魔法陣を利用し、そして今の自分のように仲間と離れ離れになる。 手を組みゲームを打破しようとする参加者達を分散させる――良くできた罠だ。 「……やられたなぁ……」 先程までヴィータ達が座っていたベンチ。 その二つ後ろに置かれたベンチに腰掛け、息を吐くはやて。 キングという戦力を失ったのは痛い。だが、精神的な負担が軽くなったのも事実。 「もうそろそろ放送やし……休憩でもしとこか……」 それに一人というこの状況は、イラついていた心を落ち着けるには最適かもしれない。 喧しい協力者が消えた事に僅かな安堵を感じつつ、はやては目を閉じる。 はやては知らない。 あの転移装置が罠ではなかった事を。 初めに転移された地点――図書館・二階の直ぐ真下に探し求めていた少女がいた事を。 もし転移した後、直ぐ様階段を下っていれば少女と出会えた事を。 八神はやては、知らない。 【八神はやて(sts)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 【状態】健康 【装備】ツインブレイズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、ランダム支給品1~3個(武器では無い) ランダム支給品1~2個(キングから貰いました) 医務室で手に入れた薬品(消毒薬、鎮痛剤、解熱剤、包帯等) 【思考】 基本 プレシアの持っている技術を手に入れる 1.第一放送まで休憩する。 2.「ヴィータ」を追いかけ、彼女を戦力に加える 3.チャンスがあればキングを排除する 4.首輪を解除できる人を探す 5.プレシアに対抗する戦力の確保 6.以上の道のりを邪魔する存在の排除 【備考】 ※参戦時期は第一話でなのは、フェイトと口喧嘩した後です ※名簿はまだ確認してません ※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだという考えに行き着きました ※ヴィータの他、この場にいるかもしれない守護騎士たちに優しくするのは、 自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています ※キングのことは、ただの念力が使えるだけの少年だと思っています ※転移装置を、参加者を分散させる為の罠だと勘違いしています 【『CROSS-NANOHA』】 ロワ参加者、それぞれの世界で起きた事象が物語風に記されています。 その中身は、『リリカルなのはクロスSS倉庫』にある内容と一字一句間違い無く同じ物です。 因みに、 『HANNMOKU NO SUBARU』は『コードギアス 反目のスバル』、『YUUGIOU-GX』は『遊戯王GX』、『NANOSHING』は『NANOSHING』、『MASUKARE-DO』は『魔法少女リリカルなのは マスカレード』。 『RYU-KI』は『仮面ライダーリリカル龍騎』、『KABUTO』は『仮面ライダーカブト』、『DEJIMON』は『デジモン・ザ・リリカルS&F』、『TRIGUN』は『リリカルTRIGUNA s』、 『NANOSUTA』は『なの☆すた nanoha☆stars』、『KATAYOKU NO TENSHI』『魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使』、 『SESSYOUMARU』は『魔法妖怪リリカル殺生丸』、『OWAKURO』は『なのは×終わクロ』、『MEBIUSU』は『ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは』、『L』は『L change the world after story』、 『GETTA-』は『ゲッターロボ昴』、『MEDORE-』は『小話メドレー』、『ARMS』は『ARMSクロス『シルバー』』 となっています。 【転移魔法の魔法陣】 望んだ者の直ぐ近くの地点に転移を行う魔法陣。 微量な魔力でも発動可能。あくまで直ぐ近くの地点に転移するので、確実に会える訳ではありません。 Back クアットロがもってった!セーラーふく(後編) 時系列順で読む Next 孤独の王 Back クアットロがもってった!セーラーふく(後編) 投下順で読む Next 孤独の王 Back 仮面の告白 八神はやて(StS) Next Hayate the combat commander(前編) Back 仮面の告白 キング Next Deathscythe Back 盟友(後編) ヒビノ・ミライ Next ボクらが叶える未来 仲間を信じていたい Back 盟友(後編) ヴィータ Next アナタハマタマモレナイカモネ Back 勇気のアイテム(後編) 天道総司 Next Deathscythe Back 勇気のアイテム(後編) キャロ・ル・ルシエ Next Deathscythe
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能力の制限 全参加者共通の制限は以下の2つ。 突出した身体能力・戦闘力・再生力は制限。度合いは書き手の裁量に任せられる。 首が爆破されても死なない参加者の場合、首輪は致死確実の部位に設置されている。 以下は個人単位での制限がある参加者の一覧。 【アーカード@NANOSING】…心臓破壊で死亡、身体能力・再生力の低下、変化・使い魔召喚の不可 【アレクサンド・アンデルセン@NANOSING】…再生力の低下 【エネル@小話メドレー】…攻撃射程は最大でも300m、雷化は手足のみ、“心網”は1エリアのみ、思考の読み取りは不可 【殺生丸@魔法妖怪リリカル殺生丸】…嗅覚の低下、飛行で消耗大 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル】…対象一人当たりにつき体力・精神力の消耗大 【C.C.@コードギアス 反目のスバル】…極度の致命傷以外は時間次第で治癒、ギアス提供・精神攻撃は不可 【セフィロス@リリカルなのはStrikerS片翼の天使】…身体能力・魔法攻撃力の低下 【アンジール・ヒューレー@リリカルなのはStrikerS片翼の天使】…マテリアルパワーは消耗大。変身・双方向コピー不可 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA s】…AAの破壊力、攻撃射程は最大500m、攻撃後の消耗大、身体能力、再生力低下 【ミリオンズ・ナイブズ@リリカルTRIGUNA s】…AAの破壊力、攻撃射程は最大500m、攻撃後の消耗大,身体能力、再生力低下 【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】…変身後も人間大、変身による疲労はなし、変身解除後1時間変身不可、技の消耗大 【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】…ジョーカーへの変身後の疲労大、変身解除後1時間変身不可、ジョーカーの欲求大、極度の致命傷はカード化(死亡)、それ以外は時間次第で治癒 【キング@魔法少女リリカルなのは マスカレード】…アンデッドへの変身後の疲労大、変身解除後1時間変身不可、極度の致命傷はカード化(死亡)、それ以外は時間次第で治癒 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】…アンデッドへの変身後の疲労大、変身解除後1時間変身不可、極度の致命傷はカード化(死亡)、それ以外は時間次第で治癒 【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】…再生力の低下、ARMS変化は腕まで、“ブリューナグ”の槍は消耗中 【キース・レッド@ARMSクロス『シルバー』】…再生力の低下、ARMS変化は腕まで、“超振動”で消耗中 支給品の制限 1.デバイス系 デバイス類は、起動だけならどの参加者でも可能 カートリッジがあれば魔力の無い参加キャラでも、簡易なものなら回数制限付きで魔法使用可能 2.ライダーベルト系 ※全般 仮面ライダー関係の変身アイテムはこれ以上(33話時点)登場させる事を禁止する。登場した場合大方NG、書き直しで済む場合は書き直しで済ませる 変身アイテムによる変身時間は無制限。ただし一度変身を解くと1時間経過するまで変身不可 ※龍騎系ライダーベルトについて 12時間に1人、契約モンスターに「生きた参加者」を喰わせないと所有者が襲われるようになる 参加者を1人喰わせると猶予が12時間に補充される。猶予は12時間より増えない 変身や契約モンスターの命令を1分継続させる毎に10分の猶予を消費する 猶予を使い切ると変身や命令は解除され、契約モンスターに襲われるようになる 所有者が自らの意識でカードデッキを捨てると契約モンスターに襲われる。無意識、譲渡、強奪は適用外 ※カブト系ライダーベルトについて ベルトのみ支給品指定。ゼクターは変身時のみ、どこからともなく飛来する。 ゼクターに認められなければ変身出来ない。各ゼクターの資格条件は、以下のものを精神的に満たしている事。 ○カブト……自信 ○ホッパー……絶望 クロックアップはごく短時間のみ。使用後には疲労有り ※555系ベルト(デルタ)と剣系ベルト(カリス)のついてはそれぞれの支給品欄参照 3.巫器(アバター)@.hack//Lightning 通常、名称以外の情報や能力を確認・使用する事は出来ません。 所有者が精神的に喪失を抱え、それに伴って強靭な意志を発揮した場合のみ(それ以降は何時でも)使用可能です。 所有者が死亡すると、再び全機能の確認・使用が不能になります。。 デバイスモードの巫器が近くにある時、その存在を「鼓動」によって察知できます。 術式が既存の系統とは異なる為、AMFの影響を受けません。 各巫器はそれぞれ専用スキルを持ちますが、「データドレイン」は全巫器が共通して使用出来ます。 データドレインとは、魔力結合の術式に干渉・改竄することができる魔力弾を放つ能力の事です。 魔法やAIDAを変質・削除させる事が出来ます。 人間に命中した場合、その人物のリンカーコアに干渉・改変させる事が出来ます。 それそのものは攻撃力が無い為、一般人には無意味ですが、 魔導師には一撃必殺の効果を発揮します。 ただし膨大な魔力を消費する為、一度の戦闘では1発撃つのが限界です。 データドレインの名称は、各巫器ごとに異なります。 4.カード系の支給品(遊戯王、アドベントカード@仮面ライダー龍騎、ラウズカード@仮面ライダー剣) カード単体でも使用可能、ただし使用後に消滅。専用アイテムを使えば威力増大で何度でも使用可。 5.意思持ち支給品(自律行動あり) 首輪が装着されている。 参加者(首輪)から一定距離(50メートル)離れたら行動不能になる(爆発するかは不明/デイパック内は例外)。 特別な力には参加者同様制限が掛けられている。 首輪が参加者の物と同じかはロワの進行次第で判明する予定です。 6.制限が必要そうだが制限が決定していない物品を登場させたい場合は、事前の申請・議論が必要。
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◆19OIuwPQTE 氏が手がけた作品 話数 タイトル 登場人物 198 魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 登場させたキャラ 1回 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 投下回数は僅か1回。しかしその1回が、終盤の混戦を見事にまとめ上げた名作として人気を博している。このタイミングで飛び込んできた勇気と、その作品の熱さと完成度には敬意を表したい。 -- 名無しさん (2011-02-17 18 59 10) 名前 コメント
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COG RECON REPORT COG軍偵察報告 Found Desperate Stand 絶望的な防衛作戦 Recon tell us that a sinkhole has opened up in Jacinto. Never happened before. Great. We re sending troops ASAP to guard the perimeter of the hole, but we have no ideea what size/type of force expect. 偵察機からハシントに陥没エリアが出現したとの報告が入った。 遂に来たか。早急に部隊を派遣して周辺エリアの警備に当たらせなくてはならんが、 いったいどんな敵勢力を想定すればいいのか。 World s already gone to hell, guess this is the handbasket part. 我々の世界が加速度的に足元から崩れていこうとしているようだ。 Col. Victor Hoffman ビクター・ホフマン大佐 COG TAG CSID 911706-DZUHO-JN Found Aftermath-Desperate Stand We re staying behind to help with the evac. I ve been loading families onto Ravens all morning. The kids are scared as hell, but they won t want to be here in a few hours. Word is that Locust are starting to pile up through that sinkhole, and once they come full force, there ain t gonna be no more Jacinto. 我々は居残って避難の誘導に当たっている。 家族連れをレイヴンに乗せるのに午前中一杯かかってしまった。 子供達は怖がっているが、あと数時間もすれば、此処にだって居たくはなくなるだろう。 そろそろローカストが陥没エリアから大挙して押し寄せてくるらしい。 それが本当なら、ハシントもいよいよ最後だろう。 I just hope they save some Ravens for all us Gears too. ここに残っている我々兵士の為にも、レイヴンを何機か残しておいてくれるといいんだが。 Sgt. Devon Jackson デヴォン・ジャクソン軍曹 JACINTO SENTINEL NEWSPAPER ハシント センチネル新聞 Found Aftermath-Free Parking ・Hollow Storm! 地底の嵐! COG forces struck at the heart of the enemy yesterday, delivering a devastating attack that has the Locust reeling. An enormous fleet of Assault Derricks, Grindlifts, Centaurs, and King Ravens attacked the Locust-occupied city of Landown, and thoousands of Gears are now beneath the surface of Sera, wreaking havoc in the Locust Hollow. COG軍は昨日ローカスト軍の心臓部を急襲、 敵を壊滅状態に追い込む徹底的な攻撃を加えた。 多数のアサルトデリック、グラインドリフト、ケンタウロスおよびキングレイヴンからなる 大部隊は、ローカストに制圧されたランダウン市内に進攻した。 今や惑星セラの地底には何千人ものCOG兵士が降下し、 ローカストの本拠地で戦闘を続けている。 ・Chairman Prescott Danies Ruomors of Another Safe Haven プレスコット議長、新避難所の噂を否定 Rumors of another human safe haven continue to circulate around Jacinto, but Chairman Prescott denied them, saying,"I wish that were the case, believe me. There s nothing we need more. But unfortunately, Jacinto is our last, best hope. We must protect this city at all costs." 新しい避難所が設置されたとの報告がハシントで広まっているが、 プレスコット議長は噂を否定するコメントを発表した。「正直な所、私も噂を信じたい。 誰もが望む物であるのだから。しかし残念ながら、我々にとってハシントこそが最大の希望だ。 どの様な犠牲を払おうとも、この街を守らねばならない」 COG TAG CSID 444526-MI2K9-3B Found Aftermath-Tenuous Footing I saw the sky again today. Blue and bright, I watched the Raven take off into it. Could barely see the details, my vision s all blurry now from coughing so much and the punches from that Locust jailer, but I can see enough. 今日、再び空を見ることが出来た。青くて明るい空に、レイヴンが飛び立っていくのをこの目で確かに見た。 酷い咳だし、ローカストの看守に殴られまくったせいで目が霞み、はっきりとは見えなかったが、 それでも満足だ。 Never thought I d see it again, but I escaped. I made it... I Survived the Hollow. もう二度と空など見られないと思ってたが、逃げだせたんだ。やった…地底から生きて帰ったんだ。 And I got that little girl and her family on that Raven. Took these bullets, but I saved that family... no medics around now, but that s okay. それに、女の子とその家族をレイヴンに乗せる事が出来た。 弾は喰らったが、あの一家を救ったのは俺だ。メディックは来ないが、まあいいい。 The sky is so bright, and I finally feel all right, kinda warm... and I keep hearing that little angel telling e thank you, her sweet little voice... She said she d pray for me... she said she d pray for us all... 空は眩しくて、いい気分で、暖かくて…耳の奥に、まだあの子の声が聞こえる。 天使みたいな声で俺に有難うって、あの可愛らしい声で… 俺のためにお祈りしますって…皆さんの為にお祈りしますって… Sgt. Jonathan Harper ジョナサン・ハーパー軍曹 STRANDED S JOURNAL ある難民の日記 Russel ラッセル Found Aftermah-Teneous Footing Finally, we reached Jacinto. やっとハシントに着いた。 All that time it took getting here from Montevado, all the risk, but we finally made it. We re finally gere, can finally sleeo at night without worrying about Locust or Kryll attacking in the night. Natalie is so happy, makes me smile like I haven t in a long time. モンテヴァドからここまで、危機の絶えない辛い道のりだったが、遂に辿り着いたんだ。 もうローカストやクリルの夜襲を心配せずに眠れる。 ナタリーが喜んでいるのを見ると、俺も久しぶりに笑う気になれる。 I ll be signing up for Lifeboat tommorow, they won t be processing my paperwork for a week or so, after this Landown assault. But after that, I ll be a conscript... and I m okay with that. 明日、ライフボートプログラムに参加を申し込もう。でも、このランダウン攻撃の後では、 手続きは数週間待たされそうだ。何れにしろ召集される事は確かだ… それはそれで構わない。 I m just happy we made it to Jacinto... and my family is finally safe. Guess there really is someone up there looking for us. 何より、家族全員がハシントまで辿り着けたのだから、俺は幸せだ。 やはり、神は本当に居らっしゃるのかもしれない。 Russel ラッセル
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高町ヴィヴィオの朝は早い。 早朝5時。ヴィヴィオがベッドから起き、着替えていく なのは「いってらっしゃ-い」 彼女の一日は日課の早朝ランニングから始まる。 ヴィヴィオが走っていき―――目覚めた。 ヴィヴィオ「・・・えっ、あれっ・・・!?ここ・・・どこ・・・・?」 ヴィヴィオ「———なんてことが最近多くて・・大会近いからかな?」 アインハルト「私もたまに眠りながらバーベルを・・・」 コロナ「寝てる間ぐらい休もうよ・・・」 魔法少女リリカルなのは Vivid LIFE———はじまります {|memory01 vividな一日| ヴィヴィオ(わたし、高町ヴィヴィオ。St.ヒルデ魔法学院初等科4年生) 朝トレをしていたヴィヴィオにデバイスのクリスが時間を告げてきた。 ヴィヴィオ「えっ、もうそんな時間?」 (この子はわたしの愛機、クリス) ヴィヴィオ「ただいまママ!」 なのは・フェイト「「おかえり―」」 ヴィヴィオの二人のママ、なのはとフェイトが取っ組み合いする。 なのは「今のただいまは私のだよ!」 フェイト「いいえ私です!」 ヴィヴィオ(訳あってうちには二人ママがいます) フェイト「ヴィヴィオももう4年生か」 ヴィヴィオ「えっへん!」 なのは「時間が経つのって早いよね」 ヴィヴィオ「それじゃママたち行ってきます!」 フェイト「あ、待って!」 フェイト「忘れ物はない?ハンカチ持った?ティッシュは?お財布も大丈夫?」 フェイト「変な人についてっちゃダメだよー!」 ヴィヴィオ「ママ・・・わたしもう4年生・・・」 ヴィヴィオ「一限目は魔導実技のテストかー」 ヴィヴィオ(そういえばリオ張り切ってたな) リオ「めざせ1番!!」 リオ「おはよー、ヴィヴィオ~・・・」 ヴィヴィオ「あ、リオ!およは・・・」 ヴィヴィオ「・・・ってどうしたの!?」 リオはげっそりしていた。 リオ「ゲームしてたら朝になっちゃて・・・」 ヴィヴィオ「不規則な生活はよくないよー・・・」 リオ「わかっちゃいるんだけど・・・」 ヴィヴィオ「そうだ!明日から朝一緒に走らない?」 リオ「ん———・・・・・」 リオ「毎朝10kmはちょっと・・・・」 ヴィヴィオ「え~~~~、気持ちいいのに~~~~・・・」 コロナ「おはよ~」 ヴィヴィオ「おはようコロナ!」 クリス?「おぅおぅ!姉ちゃん美人だな!!」 コロナ「!?」 クリス?「どんな下着はいてんだい?」 コロナ「ふ・・・ふえぇ~!?」 ヴィヴィオがクリスにアテレコしてたリオを締め上げる。 ヴィヴィオ「変なセリフ入れないでー!!」 リオ「ギブ・・・ギブ!!」 コロナ「・・・・・」 コロナ「や・・・やめて二人とも!!」 コロナ「こんなの・・・おかしいよ・・・っ」 ヴィヴィオ「えっと・・・コロナ、別にケンカじゃ・・・」 リオ「そうそう・・・・」 コロナ「わたし的には攻守が逆だと思うのッ!!」 ヴィヴィオ・リオ「「!?」」」 リオ(・・・コロナってさ、たまによく分かんないこと言うよね・・・・・) ヴィヴィオ「うん・・・・・」 コロナ「宿題やった?」 リオ「うつさせて~」 ヴィヴィオ(クラスメイトのリオとコロナ。いつも一緒のお友達です。それともうひとり———) ヴィヴィオ「・・・・あっ!」 ヴィヴィオ「アインハルトさーん!」 アインハルト「ごきげんよう、みなさん」 ヴィヴィオ「ごきげんよ・・・・」 クリス(リオ)「勝負だッ、アインハルトー!!」 アインハルト「!!」 リオのアテレコを聞き、アインハルトが構えた。 アインハルト「・・・ハッ」 ヴィヴィオ「アインハルトさん、真面目な方だから・・・」 リオ「ご、ごめんなさい・・・・」 アインハルト・ストラトス。中等科1年生。古代覇王家の直系にして、覇王流継承者。 アインハルト「お恥ずかしいところを・・・・」 コロナ「いえいえ!あの反応力、わたしたちも見習わないと!」 リオ「うんうん」 ヴィヴィオ「獅子は兎を狩るにも全力を・・・・って言いますしね!」 リオ・コロナ((う・・・兎を・・・) ヴィヴィオ(強くて可愛い先輩です) アインハルト「あの・・・時間は大丈夫ですか?」 ヴィヴィオ「大変!遅刻しちゃう!」 リオ「よーし、じゃあ教室まで競争だ!」 リオ「・・・セーフ!」 リオが教室に駆け込んだ。 アインハルト「良い勝負でした・・・」 ヴィヴィオ「・・・あの、ここ初等科ですけど・・・」 中等科のアインハルトまで来ていた。 初等科の生徒たちがアインハルトを見て、ざわめく。 アインハルト「・・・・!」 アインハルトが顔を赤らめた。 ヴィヴィオ「えっと・・・・ご同伴ありがとうございました、アインハルトさん!」 リオ(ナイスフォロー、ヴィヴィオ!) コロナ「ど・・・同伴って・・・」 リオ「コロナ黙ってて!!」 アインハルト「そ・・・それでは帰りは校門の前で」 ヴィヴィオ「はい!」 アインハルト(・・・助かりました、ヴィヴィオさん) ヴィヴィオ(いえいえ) ヴィヴィオ(でも一緒に帰るのはホントですよ!) アインハルト(!、・・・・・はい) コロナ(ほわわ~~~~~~) リオ「・・・・帰っておいで~」 放課後、校門前でアインハルトはヴィヴィオ達を待っていた。 アインハルト(・・・・・・) アインハルトは待ち続けていた。 アインハルトがそわそわしだした。 ヴィヴィオ達は近くでアインハルトを見ていた。 リオ「いい加減かわいそうだよ~」 ヴィヴィオ「も・・・もう少し・・・」 リオ「じゃあね、ヴィヴィオ~」 ヴィヴィオ「うん、また明日!」 アインハルト「では私もこれで」 ヴィヴィオ「はい、さようならアインハルトさん!」 ヴィヴィオがアインハルト達と別れて、家に返った。 ヴィヴィオ「ただいまママ~」 なのは・フェイト「「おかえりー」」 なのは「いまのは私のー-!」 フェイト「いいえ私です!」 ヴィヴィオ(これはわたしたちの平凡で、けれど色鮮やかな、そんな毎日のお話です) (続く)
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多くの裏切りから見つけ出した自分の正義。 多くの戒めから生まれた憎しみ。 一人の魔剣士は自分の為に。 もう一人の魔剣士はみんなの為に。 例え見い出した道が違くても、自分の進む道が正しき正義であるように。 祈りながら、戦いながら、互いに剣を交えて探してく。 何かの為に──── リリカルなのは~夜天に舞う反逆者~ † なのは達がはやて達と出逢う400年前、今はまだ、はやてと出逢っていない夜天の 書の守護者たちの物語。 その昔、ルーカスと言う世界は全世界の頂点に君臨する科学力を誇っていた。 物理形の兵器から魔法まで、様々な武器、人々が楽に生活する為の道具など、あ りとあらゆる物を生み出す程の技術。 だが、その魅力的過ぎる力はやがて全世界から妬まれ、奪われようとしていた。 天多にある世界を的に戦争が勃発したのだ。 手に負えないルーカスは、魔法兵器も物理兵器でもなく…他の技術を編み出した 。 古来より禁忌とされていた技術、キメラ(合成生物)である。 ルーカスの科学者たちは様々な魔物、有力な魔法使いなどの遺伝子を複合させて 、まだ産まれてない人間の子に移植する。 そうして産み出されたのが“ディメンター”(魂狩者)である。 彼等は人間の姿をしているものの、その潜在能力は計り知れない。 そのキメラの技術を使ってから二十年、漸くして誕生した最高峰のディメンター “ヴィアトリクス”、“アンヘル”。 この二人の誕生により、築かれてきた歴史は終末を迎える。 † ~ルーカス/フォニムタウン~ 蒼い瞳に、巨大な鎌を担ぎながら、静かに下水道を走る。 「こちらはCODE/V、NO/666、ヴィアトリクス・フロストリア。目標到達ポイント まで一分で着く。今回の任務は目標の全滅、捕虜は無し…で、いいな?」 『了解。セカンドフェイズ以降の連絡は緊急事態以外は拒否をする。CODE/Vは作 戦通りに遂行』 「…分かった。通信を切る」 通信がブツ、と切れる。 下水道は生臭くて嫌だが、任務の為なら仕方がない。 「…いくか」 ぴたりと止まって、上を見る。 マンホールも無くただの天井に過ぎないが、この上には今回の目標のアジトがあ る。 そこを下水の壁ごと切り裂いて侵入、後は一人残らず抹殺すればいい。 大鎌を持ち、上に向かって大きく振る。 下水のコンクリートはバターのようにバラバラになって、今度は違う素材のコン クリートが表れる。 「…フロスト・バニッシュ!」 俺が最も得意とする氷結系魔法。 というか、それ以外はほぼ使えない。 コンクリートを凍らして、その氷をまた魔法で砕く。 穴が空き、光が見えると同時に突っ込む。 「動くな。ディメンターだ」 周りを見ると、此処は小さい倉庫らしい。 他に繋がっている部屋は見当たらないから、恐らくここに居るので全員だろう。 明らかに動揺している他世界のスパイは、逃げ惑う。 それを見て、近い奴から殺していく。 命請いする奴もいれば、銃を乱射してくる奴もいる。 まあ…金を出そうが何をしようが殺すことには変わりはないのだが。 「こちらCODE/V。本日の目標、他世界スパイ七人の死亡を確認。死体の処理を頼 む」 『お疲れ様です。本部に帰還して下さい』 「迎えは?」 『無いです』 溜め息を付いて通信を切り、辺りを見回す。 「…帰るか」 部屋のドアを開く直前、何かが揺れる音がした。 「誰だ?」 ガタガタと揺れる音は木箱の中からする。 蓋を壊すと、大きめのアタッシュケースがある。 「人…じゃない?」 手で持ち上げてみても、かなりの振動がくる。 「………」 魔力を両手に溜めながら、ケースを開ける。 「これは…魔道書か」 中から出てきたのは古びた魔道書だった。 強い魔力を秘めた…どことなく不吉な本。 「名を…喚べ…」 「ん?」 「名を…喚べ」 「なに?!」 突如光り出した魔道書。 それを投げ棄てて、倉庫を避難しようとするが時遅く…光りに捲き込まれながら 意識を失った。 † 「あのバカはこの病室か?」 殺風景な白い廊下に、これまた白いコートと、長過ぎる程の剣を持った男が扉を 警備している二人に問い掛けた。 「はっ…。それで、バカ…といいますと?」 「全く真面目な奴等だ。ヴィアのことだ。此処か?」 「はい。ですが今は…」 「構わん。下がっていいぞ。もう夕飯の時間だしな」 二人の警備員は敬礼をして、和気あいあいと喋りながらこの場を去っていく。 ロックを解除して中に入ると、退屈そうな顔で寝転がる男が一人。 「ん、アンヘル?」 「ああそうだ。全く、手間を掛けさせるなよ」 ベッドの横にある椅子に腰掛けて、軽く頭を小突く。 「あそこでガタガタ揺れる木箱があるなら詮索するのがディメンターの役目だろ ?」 「ふん。口だけは達者だな」 「お前は無関心過ぎるんだよ。堅物が」 「…あの魔道書の事、何か分かったか?」 「さぁな。上は隠し事ばかりだ。まぁ、何かあれば連絡がくるだろう」 「だな」 ヴィアはA型の輸血パックをダンボールから取り出すと、そのまま一気に飲み干す 。 「どうした、いつもよりペースが早いじゃないか」 「あぁ…何故か、喉が渇いて…全身の力が無くなってく感覚がするんだ」 「おいおい…間違って俺の血を飲むなよな吸血鬼さんよ」 「はっ。誰がお前の氷みたいに冷たい血なんか飲むか」 ピピピ。 携帯の着信音は二人同時に鳴った。 ヴィアはそのまま一方的に切り、どうせ新たな任務の話しだろうからこちらに任 せてきた。 「はい。CODE/A、アンヘル。今CODE/Vと共にいるので私から任務の内容は伝えて おく」 『了解した。ルーカス南東にあるジュエルシード(神種)実験所に危険なエネルギ ーを持つ生命体を発見。直ちにCODE/V、CODE/Aは現場に急行し殲滅、もしくは捕 獲作戦に移れ』 通話が切れ、二人して溜め息を漏らしながら病室を出る。 「こっちは怪我人だってのにな…」 「我が儘を言うな。先に出てるぞ」 直ぐに窓から浮游術で飛び出し、現場の神種実験所に向かう。 ジュエルシードとは、古よりこの世界を流れる魔力ラインの中心に在った石で、 何千年もの間力を吸収してきた危険度SS+のロストロギアだ。 万が一そのジュエルシードが誰かの手に渡れば、そいつは無限に近い魔力を得る 事になる。 それで、その石を中心に実験施設が作られたわけだ。 「ヴィア!こっちだ!」 少し進むと、綺麗な円形の焼け跡の中心に人影がある。 「人…?いや、違う」 「ふん…どうせ魔力ラインに堕ちて力を得た魔物だろう」 そのまま急降下して下にいる魔物に剣を振りかざすアンヘル。 「待てアンヘル!」 「なに…?!」 そのまま素手で弾き返されたアンヘルが森の奥に吹き飛ばされた。 「ちぃ…!バカがっ!」 後を追うように森に向かう魔物に向かって氷結魔法を放つ。 「小賢しい人間め…」 「喋っただと…?!」 「消えろ!」 4、5と金属音がぶつかり合う音がする。 魔法は炎を操り、俺は氷を操る。 「ふ、はっ!はぁあ!!」 両手両足を氷結させて、そのまま腕と首を跳ねる。 噴水のように血を吹き出しているが、もう動かなくなり、地面に倒れ込んだ。 「ちっ…ヴィア、やったのか?」 「あぁ…それより、コイツは何なんだ。人間、でもない。少し、俺達と似てる気 がする」 『CODE/A.CODE/V応答して下さい。』 焼け野原に、通信機から綺麗な女性の声がする。 「シャマルか…。目標の捕獲は無理だった。一応…腕と首以外は残ってる。性別 は女、言葉を話せるようだ。主に炎系の魔法と金属化した爪での近接戦闘が主体 らしいな」 『ご苦労様。引き続きアンヘルは実験所とその周辺の調査、ヴィアは戻ってきて 』 「「分かった」」 シャマル、と言う女性はディメンターに行動指示をする現場監督のような奴で、 俺等二人とは親しい中にある。 「では俺はこれから神殿の中に調査しにいく。さっきは無茶してすまなかったな 」 「あぁ。じゃあ俺もこの死体を凍結させて本部に持っていくよ」 一時解散となり、アンヘルは実験所へ、ヴィアは本部に戻る事になった。 「ヴィア…無事でしたか?」 「あぁ、俺は軽い火傷程度だが…アンヘルが少し喰らってな」 氷らせた死体をシャマルに引き渡し、俺も解剖をする部屋まで着いていく事にし た。 「そいつ、何か分かるのか?」 「まで見ていないから分からないけど…見る限り、人だけど人じゃないみたい」 「どういう事だ?」 「キメラ、みたいな感じ」 氷結を解き、部屋には血の匂いが充満した。 シャマルはマスクと手袋を装着し、少しづつ死体を観察していく。 「…………」 「一ヶ月前…五人のディメンターが行方不明になったわ」 「それがどうかしたのか?」 「その五人の一人が、さっき貴方が殺した人なの」 「なに…?そいつが、行方不明のディメンターなのか?」 死体を再び氷結させ、部屋を出ると一段と明るく見える。 隣りを歩くシャマルは、深刻そうな顔をして喋っている。 「反逆者…なのか?」 「どうかしら…戦ってみて、何か言ってなかった?」 「小賢しい人間め…みたいな事は言ってたな」 「まるで、自分が人間じゃないみたいな言い方ね」 なんて、自室に入る前に笑顔で言いながら去っていった。 「さて、血でも飲みにいきますか」 「なんだこれは…」 ヴィアと別れた後、直ぐに実験所に入ったアンヘルだが、その光景を見て愕然と する。 「障気だと…?」 実験所内部は、紫色の空気で覆われていた。 恐らく魔力ラインから溢れだした障気だが、それにしては量が多すぎる。 「ちっ…何処だここは」 実験所はルーカスの上層部以外はエントランス以上先には行けないのだが、この 障気のせいで警備システムが全てダウンしている。 エントランスの奥の奥に進むと、書庫のような場所に辿り着いた。 そして中心には大規模で複雑な魔法陣が描かれている。 中には…蒼銀に耀く一つの石。 「これが…ジュエルシード…」 ジュエルシードの周りから障気が発生している。 「流石にこのままだとマズいな…退くか」 ジュエルシードが保管してある書庫を抜け、一気に外へ脱出する。 「くそ…胸が痛む…。何なんだ、この感覚は…」 ~二週間後、ルーカス、カーディナル本部~ 「ヴィア、今戻った」 「ん?ザフィーラか、久しぶりだな」 ザフィーラ、と言う筋肉質の男はディメンターの中でもAAクラスのエリートで、 俺とは仕事がよく一緒になる仲間だ。 因みに、シャマル、ザフィーラ、アンヘル、俺のメンバーはSS+クラスの事件に一 時結成される“夜天”と呼ばれるチームだ。 ザフィーラはディメンターの中でも異例で、人と獣の姿を自在に操れる特殊な能 力を持っている事でよくスパイ任務や、危険物処理班として色々な場所に借り出 されている。 俺と同じく氷結系の魔法を使う。 「話しは聞いた。この二週間で何か変わった事は?」 「神種実験所の障気は収まったが…例の魔物がまた現れてな。今度はアンヘルが 塵一つ残らず火葬した。それ以外は特にないな」 「そうか…分かった」 CODE/Zのザフィーラはルーカス北西にあるスパイの密集基地を壊滅させた後、夜 天のメンバーと合流し直ぐに出動出来るように待機せよ、と言われていたらしく 、さっさと自室に戻って寝ていた。 シャマルとザフィーラを除く俺とアンヘルは一時的にあるモノを摂取しないと禁 断症状が出てしまう。 それは“血”である。 定期的に支給される人工血液を飲むことで身心の状態を常に正常に保つ。 筈なのだが…どうも最近調子が悪いらしい、幾ら血を飲んでも“渇き”が収まら ない。 シャマルに言ったが、まだ身体検査の報告書は出来ていないらしい。 件の反逆者、及び行方不明になっていたディメンターの内四人は既に死亡。 解剖の結果は分からず、シャマルも管轄から外されてしまったらしい。 「ん…?」 窓の外を見ると、小さな女の子がこちらを見ていた。 長い赤髪を下ろし、兎の人形を抱きながら。 「子供…?こんな場所にか」 カーディナル(聖なる真紅)と呼ばれるディメンターに任務を与え、その生活の面 倒を見る組織。 その中核であるこの本部には子供は立ち寄れない筈。 「上司が子供でも連れてきたか?」 少しして、その少女はディメンター四人に囲まれた。 なにやら説得しているようだが、子供は耳を貸さずこちらを見続けている。 「ほら!来い!」 「うるせぇよ!放せ!」 あどけない少女だったが、キレたディメンターが無理矢理連れて行こうと手首を 掴んだら、逆ギレしてディメンターを蹴った。 「この…!」 ディメンターの一人が武器である銃を突き出して、少女に発砲した。 「お前、自分が今何をしたか分かっているのか?」 俺は大鎌を少女の盾に使い銃撃から守った。 「こ、CODE/V…?!なんで此処に!」 四人は後退り、逃げようとする。 「まるで、俺が此処にいてはいけないような言い草だな…丁度いい、喉が渇いて いた。上司に敬語も使えないお前等に罰を与える」 武器は使わず、素手で下級ディメンター四人を気絶させて、血を吸う。 その光景を見ながら、少女が口を開けた。 「あ、あんたが…夜天の魔剣士…」 「なんだ、俺を知ってるのか?」 「と、とにかくっ!こっち来て話そうぜっ!」 焦りながら俺を連れていく少女。 中央広場には痙攣する四人のディメンターだけが残った。 「ほら、食え」 俺は自販機のアイスを少女に渡し、ベンチの横に座る。 「さっきは助けてくれてありがとな」 「気にするな。口には気をつけろよ」 人差し指で少女の口を指摘する。 「名前、あたしの名前はヴィータ」 「あぁ…俺はヴィアトリクスだ。ヴィアでいい」 「女みたいな名前だな」 この少女…ヴィータは足をバタバタ動かし、嬉しそうにアイスを食べている。 「そんなに美味いか?」 「…アイス、食べたの初めてだからさ。こんな味なんだなぁって思うと嬉しくて 」 「食べた事がないのか?親とかは…?」 「いないよ、産まれた時から…ずっとここにいる」 「そうか、悪い事を言ったな。詫びにもう一つ買ってやる」 「ほんとか?!」 新しいアイスを買おうとベンチを立ち上がると、携帯の着信音が鳴る。 「はい、こちらCODE/V」 『ヴィア?シャマルだけど、少し手伝って欲しい事があるから研究室まで来て』 「ったく。ザフィーラ使えってのに…了~解。直ぐに行く」 「行くのか?」 「あぁ。ほら、アイス代だ。好きなの買って食べろ」 代金を渡して、その場から立ち去ろうとすると、裾を掴まれた。 「また、会えるよな?な?」 「あぁ。また広場にでも居たら、見つけたら話し掛けてやるよ。そしたらもっと 良いの喰わせてやるからな」 「わ、分かった!また広場に居るからな!」 ヴィアの背中が見えなくなってから、新しいアイスを買ってまた食べる。 「こんな所に居たのか、モルモットめ」 「?!は、博士…」 嬉しそうにアイスを食べていたヴィータは絶句し、うつ向く。 「誰が余計な物を…。捨てろ、ちゃんと食料は与えているだろうが!」 アイスを手で払い、落ちたアイスを蹴る。 「て、てめぇ!ヴィアが折角買ってくれたのに!」 「ヴィア?ヴィアトリクス・フロストリアの事か。ちっ…また厄介な。身分的に …奴の方が上か」 地団駄を踏みながら、ブツブツ何かを言いながら思案する“博士”と呼ばれた若 い男。 「まぁいい…。モルモット、来い。」 逆らえないのか、睨みながらも無言で付いていくヴィータ。 その後、研究室の奥にある隠れ部屋に、少女の悲鳴が木霊した。 夜。誰もが眠り付いたであろう時に、それを壊す防犯ブザーが鳴った。 ヴィアやシャマルなどの特別扱いの部隊は部屋に個別のブザーがある。 周りを起こさずに、一定の人物を呼び出す為である。 対SS+事件専用対応特別組織“夜天”。 CODE/V ヴィアトリクス・フロストリア。 CODE/A アンヘル。 CODE/Z ザフィーラ。 任務伝達、及び戦闘員への任務情報指示 シャマル 真夜中に起こされた四人。 「このフォニムタウンから西にあるルーグス渓谷でリベリオンが発見されたわ。 戦闘員のザフィーラとヴィアは目標への監視、場合によっては殲滅よ。アンヘル は私と一緒に待機」 行方不明になっていたディメンター五人はルーカスへの反逆者と見なされ、リベ リオン(反逆)と呼ばれるようになった。 「何故、たった一人の相手に夜天が集結させられるんだ?」 ルーグス渓谷まで飛んでいる途中、ザフィーラが俺に話し掛けてくる。 「俺たちが起こされる前に、上級ディメンター二十人が目標の殲滅に駆り出され た。だが、戻ってきたのは二十人の遺体だ。」 「ばかな?!リベリオンは全員下級ディメンターだろう!上級ディメンターを二十人 も…」 「そんなことは分かってる。だから俺達が呼ばれたんだ」 そんな話しをしていると、直ぐにルーグス渓谷が見えてくる。 「通信機は切るなよ。俺は右、ザフィーラは左から目標を監視。気付かれたら二 人掛かりで殲滅する」 「…分かった」 ザフィーラは狼のような姿になると、渓谷の頂上まで駆け上がっていった。 「こちらヴィア…目標を肉眼で確認。現在ルーグス渓谷の中央路を徒歩で進行中 。手には…何も持っていないな」 『ザフィーラだ。こちらも何も分からない。ただ、魔力だけは本物のようだな』 奴が歩く度に、身体がぴりぴりと静電気を感じるように痺れる。 魔力では俺の方が断然上だが…何故か“強い”という気配を放っている。 『ヴィア、ザフィーラ。今本部に居るロッズ・カルン博士から目標の殲滅を直ぐ にするよう命令が来たわ』 「ロッズ・カルン?誰だそれは」 『生物専門科の…ほら、あの変人よ』 生物専門科の変人と言われたら、奴しかいない。 歴代の生物科学者の中でも最高の知恵を持ち、自分の実験の為なら何をしても平 気な変人である。 新しい薬の実験、とかで偶居合わせたザフィーラの食事に薬を混ぜてボコボコに された博士。 『ちっ。奴にどんな権利があって我々に命令出来るか知らんが、やるしかあるま い』 「分かってる。行くぞ!」 俺は大鎌を、ザフィーラは己の拳。 それぞれの武器を持って、目標を左右から挟み討ちにする。 「はぁあ!!!」 ザフィーラが目標の頬を殴る。 回避行動もせずにただ殴られた目標はそのまま岩壁に直撃し、そこに瓦礫が落ち る。 「ザフィーラ、やったか?」 「手応えはあった。だが…性別が分からんな、フードを被っていて…」 落ちた瓦礫後に近付くザフィーラ。 何か異変に気付いたヴィアが、直ぐに静止の言葉を掛ける。 「よせ!それ以上近付くなザフィーラ!!」 瓦礫は勢いよく吹き飛び、そこから目標である敵が飛び出してくる。 「行くぞケルベロス!!」 雄叫びと供に、敵は大剣を取り出す。 「な、んだ…アレは…」 「ちぃ…!!」 一瞬で蹴飛ばされたザフィーラ。 敵は大剣…だが、機械的な柄に、刃は黄色い光を放つ…見た事もない代物だった 。 「ザフィーラ!!」 『ヴィア!?今すぐザフィーラを連れて逃げて!』 「あいつの武器、なんなんだあれは!」 『アレは“デバイス”よ!』 「だから!何だよそれ!」 『説明は後、早く撤退よ!』 「無理だ…逃げても追い付かれる…ザフィーラ、お前だけでも逃げろ」 後ろからよろよろとヴィアに近付いていくザフィーラ、かろうじて逃げられるだ ろうと判断したザフィーラは、ヴィアの指示に従い撤退する。 「逃がさん!!」 ザフィーラを追おうとする敵の剣を、大鎌で受け止める。 「行かせん…!!」 肉眼では見えない程の速い剣撃。 それをガードしては剣を交える。 長い攻防の後、次第に魔法も含む大規模な戦闘になっている。 辺りはヴィアの魔法で凍りついているが、それを全く動揺せずにデバイスと呼ば れた大剣で相殺する。 「はぁ…はぁ…くそ、何だってんだ…」 「もう終わりだ。死ね、哀れな人形」 ガチャン!!ガチャンガチャン!! 三回、大剣の柄の近くにあるリボルバーが煙りをあげて回転する。 「リボルバー…!?銃か!」 「ふん。銃、か。全く、無知は良いな」 「なにっ?!」 刹那─── 銃?そんなものではなかった。 俺の腹部は、黄金の刃に貫かれていた。 ごふ、と吐血する。 大剣は、一瞬で大鎌に変わった。 「バカ…な」 「さよなら」 敵はとどめを刺そうとした時、辺りは炎に包まれる。 「無事かヴィア!!」 「また来たか、ルーカスの人形め。」 「なんだと?」 ヴィアを庇うように前に立つアンヘル。 「お前達は、自分の母親を見たことがあるか?」 「…俺の両親は、本部とは別の研究所で働いている」 「違う、そんな偽物ではない。遺伝子の元が誰だか分かるか?」 「なん、だと───?」 「我々ディメンターはな、ルーカスという世界の科学者が創り出した化け物さ。 誰かと何かの遺伝子を生まれてすらいない受精卵に癒着させる。そうして生まれ てくるのが…元々化け物の力を持った子供、我々だ」 「でまかせを!」 「何故だ、何故でまかせと分かる?考えた事はないのか?何故街で暮らしている“ 普通”の人間とは違い強力な魔法が使える?何故街に出掛けるのに許可が必要だ? 何故上層部は隠し事ばかりする?それは我々が自分の出生を知り、反逆を起こさな い為だ」 「それ以上喋るな!!!」 アンヘルが剣を構えて突進する。 「私を相手にするのは構わんが…速くしないとそいつが死ぬぞ」 「くそっ…」 ヴィアを担ぎ、直ぐに本部へ帰還するアンヘル。 ルーグス渓谷には、冷めた眼で満月を見上げる、女の姿があった―――。 前編 fin
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クロスSS作品別インデックス A~M N~Z あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 A~M 作品タイトル クロス元 作者 ACE COMBAT ~THE UNSUNG Striker~ ACE COMBAT5 ~THE UNSUNG WAR~ F-16CCV氏 THE OPERATION LYRICAL ACE COMBAT04 T-2改氏 Call of Lyrical4 CALL OF DUTY4 MODERN WARFARE T-2改氏 Gears Of Lyrical Gears Of War 第22SAS連隊隊員氏 HALO THE LYRICAL HALO3 第22SAS連隊隊員氏 上へ N~Z 作品タイトル クロス元 作者 上へ あ行 作品タイトル クロス元 作者 上へ か行 作品タイトル クロス元 作者 上へ さ行 作品タイトル クロス元 作者 上へ た行 作品タイトル クロス元 作者 魔法少女リリカルなのはSAVERS デジモンセイバーズ やまさん氏 上へ な行 作品タイトル クロス元 作者 上へ は行 作品タイトル クロス元 作者 上へ ま行 作品タイトル クロス元 作者 上へ や行 作品タイトル クロス元 作者 上へ ら行 作品タイトル クロス元 作者 上へ わ行 作品タイトル クロス元 作者 上へ
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使い魔 術者の魔力で生命を維持する魔法生命。通常、動物の肉体を依代(よりしろ)として作成する。 使い魔を維持しつづける限り術者は常に一定の魔力を消費し続け、高度な使い魔になるほどその魔力消費は大きいが、 使い魔が魔法に使用する魔力は使い魔自身が蓄え、行使することができる。 意志や自律行動を封じ。命令を受け付けるだけのロボットのような状態で作成することも可能だが、アルフは自らの意志と心を持っているようである。 サポート 封印や大型魔法の行使の際、術者はとっさに魔法の切り換えができない、詠唱や動作が始まると無防備になるなどさまざまな危険に身をさらすことになり、 そのために前衛・後衛によるサポートが必要となる。 自ら前に立ち、先制攻撃をしかけてフェイトを守るアルフは前衛型、防御魔法や結界でなのはを守るユーノは後衛型である。 ブリッツアクション 短距離限定の超高速移動魔法。射撃~近接攻撃を使い分ける中距離戦を得意とするフェイトは、主に相手の死角に入る時にこの魔法を使用する。 ディバインバスター なのはの主砲。対人使用時は魔力ダメージ、及び衝撃で昏倒させることを目的とした非殺傷性魔法としてなのはが独自に調整しているが、 並のバリアであればたやすく撃ち抜く強力なバリア貫通能力を持ち、その威力は非常に高い。 サンダースマッシャ― フェイトの遠距離砲撃魔法。電光を伴う魔力放射で対象を殲滅する。 バリア貫通能力はなのはのディバインバスターに一歩譲るが、命中時の直接的な破壊力はこちらが勝る。 サイズスラッシュ サイズフォームの刃に、瞬間的に強力なバリア貫通能力を付加し、同時に刃部分の魔力を強化する。 強化された刃は鋼鉄すら水のように切り裂く威力を持つ。 サークルプロテクション 防御系上位魔法。魔法陣から発生させた、強力な半球形バリアで術者の周囲を守る。 トランスポーター 転移魔法。範囲内に存在する対象のうち、術者および術者が許可した対象のみを一定の範囲内に瞬間移動させる。
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念話 離れた相手に言葉を伝える。魔法の中でも初歩のもので、魔法を扱うもののほとんどすべてが使用できるが、 魔力を持たないものに言葉を伝えることはできない。 レイジングハート起動 術者の魔法使用を助ける端末を、自分の魔法資質に合わせた形状に生成・起動させる。 なのはが「魔法使いの杖」をイメージしたため、それに合わせて最適な形状に決定された。 バリアジャケット着装 術者の身を温度変化や衝撃から守る防護服を生成する。 なのはは「身を守る強い衣服」というイメージで決定したため、学校制服のシルエットを強く残している。