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銃の形をした召喚器。それはトリガーに過ぎない。 本来ならば、その身体を銃身とし、精神を火薬とする。 ならばその撃鉄は、この言葉であろう。 ――ペルソナ。 03 Burn My Dread 藤堂綾也は星が好きだ。月が好きだ。それらを抱く夜空が好きだ。 何故、と聞かれると返答に窮する。ただなんとなく、ぼんやりと好きと感じるだけだからだ。 幼少の頃、引き取ってくれていた義父とともに夜空を見上げることが多かった。もしかするとそのせいかもしれない。 十年前……両親を亡くし、綾也自身にも重大な惨禍をもたらしたあの事故の後。 ただでさえ親戚が少なく、なかなか引き取り手が現れなかった綾也の前に現れた人物。 それが彼の義父となる男、藤堂 尚也だった。 義父は不思議な人だった。子供心に、何かを感じ取った覚えがある。 その何かは綾也を惹きつけてやまなかった。 綾也が中学生になった時、同時に正式な養子となって性を貰った。 妙に嬉しく感じたのを、覚えている。 ミッドチルダの夜。綾也はあの頃と変わらないように見える月を見上げ、そして腕時計に視線を落とした。 あと数分で、影時間が訪れる。感慨に浸る時間もそろそろ終わりだ。 これからの事に、視線を向けるべきだろう。 目下の所、問題はシャドウの出所だ。自分の知る限りでは、あのように市街地に出現するのは少数のイレギュラー。 大半のシャドウは、「巣窟」のような場所にいる。と思われる。 それが以前のように巨大な塔だったら分かりやすいんだけど、と内心独りごちた。 「タルタロス」。ギリシア神話の冥界の最奥地、「奈落」の名を持つそれは、神話とは逆に天へと昇る広大な塔の形をしていた。 その正体は、以前の世界での有数の複合企業、桐条グループが起こした“実験事故”の影響で、影時間にだけ姿を現す迷宮だ。 桐条グループは、いや正確には、桐条鴻悦……つまり当時の桐条グループの総帥は、「時を操る神器」を作ろうとしていたらしい。 そのため、鴻悦はシャドウを研究し、その特性を調べていたそうだ。 しかしシャドウを調べるうち、鴻悦は次第に虚無感に苛まれ、世界の滅びを願うようになったという。丁度その頃から、鴻悦の研究は当初の目的とずれていった。 破滅願望をもった鴻悦は、世界を滅ぼす研究へと身を投じたのだ。晩年の鴻悦の狂気を、その孫娘はこう語る。 「祖父は、何かに取り憑かれているようだった」……と。 鴻悦の研究は進み、もう少しで実験が完成する、最終段階まで来ていた。最後の実験……その最中、一人の研究者による実験の強制中断によって、その研究は「実験事故」という形をもって終結した。 実験事故は同時に、大惨事を引き起こした。周辺一帯を吹き飛ばす程の大爆発、住民の被害も甚大。 この時、綾也は両親を亡くしていた。 そしてその実験事故の禍根はそれだけに留まらない。後腐れ、副産物とも言うべきものが発生していた。それが、影時間とタルタロスだ。 これは後に知った事なのだが、実際には、影時間の発生は大量のシャドウを集めたことにより、起こるべくして起きたことだという。 シャドウには微力ながら、時空間に干渉する力があると考えられている。そしてシャドウが寄り集まり、時空間に干渉する力が集積した結果、影時間が発生する。 シャドウを大量に集めた結果。時空間に干渉する力の集大成。それが影時間というのは、ごく自然に思われる。 つまり、影時間とは「シャドウの力の正しい表れ」なのだ。 そうなれば、この世界でもシャドウの力を集積、増幅させた何らかの要因、そしてその原因があるはずである。 シャドウの力を増幅させた何か、それがそのまま巣窟である可能性もある。が、それは考えにくい。 何故ならそんなことができるのは、シャドウの事をよく知る「人間」である可能性が高いからだ。 どちらにせよ、敵の居場所が分からない以上こちらからのシャドウへのアタックは不可能なのが現状。 とはいえ、今のところ戦力は綾也ただ一人。いくら綾也が強いといっても、一人で敵地に乗り込むのも危険過ぎるために、身動きが取れない。シャドウの巣窟を見つけたとしても、結局は動けないのだ。 何か、嫌な感じがする。 シャドウがこの世界に蔓延っているのは事実なのに、こんな膠着状態のままで落ち着いていていいのだろうか? 現状に対する不安や焦りが、綾也の心中にあった。 しかしひとまず綾也はそれを打ち消し、今できることに集中することにした。すなわち、六課の周辺にシャドウが現れた場合の掃討である。 攻めることはできなくても、守ることはできる。守ることしかできない、とネガティヴに考えることもない。 守ることができるというのは、それだけでも重要なことだからだ。 イレギュラーが発生した場合、機動六課の周辺だけならば、綾也一人でもカバーできるはず。 しかし……と、どうしても考えてしまうことがある。 (僕が、探査型のペルソナを持ってさえいれば……) ペルソナには、戦闘に向かない「探査能力」に特化したものがある。「生体エネルギー」のようなものを敏感に感じ取り、それを解析できる能力。 広域をサーチすることにも長けたこの能力は、今の綾也にとって必要不可欠なものだ。この能力さえあれば、シャドウの居場所や出所も突き止められるはずである。 しかし生憎、綾也は補助能力に特化したペルソナを持ちこそすれ、それはカテゴライズするなら「戦闘用」にすぎない。 数多のペルソナを使いこなし、どんな敵とでも戦ってきた綾也に欠けている能力。それは「戦わない」力。 探査能力のスキルや素質を、綾也は欠片も持ち合わせていなかった。 いわゆる、適材適所。ペルソナにもそれがあるということだ。綾也は今まで常に先頭に立ってシャドウを倒してきた。 リーダーという役割があったからだ。 その裏で、バックアップの役はいつでも存在していた。その大切さが、今になって身に染みる。これでも十分、その重要性は理解していた筈だったのだが。 溜息をつきたくなった。確かにイゴールの言うとおり、前途多難だ。 直後、体が異様な感覚を受けた。時間と時間の境界に足を踏み込む時の、あの一瞬の感覚。 深い暗闇に身を置いた時のように、胸の奥がざわざわとして、胃が空くような感触を受ける。 闇が頭上に迫り、覆い包まんと被さってくる。そして、月が不気味に光り輝く。 影時間の訪れだった。 綾也は素早く辺りを見回す。 この瞬間だ。シャドウの住処が影時間にだけ現れるのなら、影時間に入った瞬間、何処かになんらかの動きがあるはずだった。 少なくとも、シャドウの住処になるような巨大な場所が出現するのならの話だが。 しかし、そのような動きは見られなかった。つまり、シャドウの住処は堂々とそびえ立つような建造物ではない、ということになる。 もともとこれでシャドウの住処が見つかるとは思ってなかったし、「見つかればいい」程度に考えていたので、そこまでショックなことでもないのだが。 そして、本題はここからだ。イレギュラーによる被害を減らすための、パトロール。 古典的だが、先人の知恵は借りるもの。タルタロスや影時間を消そうとしていた先輩たちも、戦力が増えるまではこのようにゲリラのような活動をしていたと聞く。 召喚器を腰に、綾也は市街地へと繰り出した。 月明かりだけを光源に、とは言っても十分に明るいのだが、不気味に静まり返った市街地はさながらスプラッター映画の舞台のようでもある。しかし飛び出してくるのは殺人鬼ではなくシャドウだ。人を襲うという点で、似たようなものだが。 血溜まりのように足元に広がる赤い染みや、異様に明るい月に青緑に染まる空と地面。 所々に西洋風の棺が樹立している。適正無き人間の、象徴化した姿だ。 シャドウと影時間の影響を遮断する作用が、影時間の中において視覚化されたものである。 象徴化している人間はそもそも影時間に立ち入ってはおらず、適性のある人間からすれば、象徴化している人間は相対的に言えば「止まって」いる。 故に象徴化している間の人間は、影時間に起こるさまざまな事象に影響を受けない。しかしシャドウによって影時間に引きずり込まれた者は、シャドウの格好の餌食となるのだ。 餌食。自分で考えていて胸が悪くなる。見慣れた影時間の風景が、今は少し不快だ。やっとの思いで消した影時間が、この世界でも。 ぐちゅり、と背後で奇妙な音がした。 綾也は振り向き、道路に蠢く黒いわだかまりを認めた。青白い仮面が、同じく綾也を捉えている。 ホルスターから召喚器を引き抜いた。そのまま流れるような動作で銃を回転させ、その銃口をこめかみに向ける。 躊躇なく引き金を引きながら。 「タナトス!」 そして、死を司るその名を叫ぶ。と同時に現れる棺を纏う黒衣の死神。タナトスが、跳躍したその勢いのまま、その腰に佩かれている剣を引き抜くと、その身体を真っ二つにすべくシャドウに切り掛かる。 シャドウがその兜割りのような上空からの強烈な一撃を受けきれるはずもなく、敢え無く一刀のもとに両断された。 両断され、二つに分裂したシャドウはすぐに原形を失い、霧消した。役目を終えたタナトスはかすかに揺らぎ、消えていく。 綾也は召喚器をホルスターに戻す。 内心、拍子抜けしていた。手ごたえがまるでない。これまで幾度となく強敵を相手に戦ってきた綾也には、雑魚同然だった。 しかし、と気を引き締める。そんな雑魚でも、野放しにはしておけない。無力な一般人は、いかに惰弱なシャドウであろうとも、それから逃れることはできないのだ。綾也は散策を再開した。 シャドウは、人間の精神のエネルギーを餌として食らう。餌食となり、精神を食われた人間は心神を喪失し、完全な無気力状態に陥る。 こうなった人間は「影人間」と呼ばれ、誰かの保護なくしては生きてゆくことさえできないような状態に追い込まれるのだ。 つまりそれは、緩やかな殺害に他ならない。 ミッドチルダ……この大都市だ、イレギュラーの数も少なくないはず。 綾也一人ではどうしたってカバー出来ないところもある。多少の被害は、諦めるしかない。 しかし、影人間となった人を見殺しにすることもできない。 影人間を元に戻す方法が、ひとつだけある。大型の、他とは一線を画す強力なシャドウを倒すことだ。 これは強い力を持った、いわばリーダーを失ったシャドウの勢力の低下が原因と思われる。 しかしそれも一時的なものだ。いずれまた大型のシャドウが現れ、影人間が増殖する。 イタチごっこのようだが、それを続けなければいずれは全ての人たちが影人間と化してしまう。 それを防ぐためにも、不毛に思える戦いを続けなければならないのだ。 しかし無限に思われるそのサイクルに、どうすれば終止符を打つことができるのか。その方法は、おそらくこの世界の影時間を消す方法と同じはずだ。 シャドウの存在は、影時間と直接の関係はない。 しかしシャドウがその姿を現し、人を襲うことができるのは影時間の中でだけだ。 影時間を消せば、シャドウがこの世界に直接関与することはできなくなる。 シャドウの存在そのものを完全に消し去ることはできないが、シャドウがこちらに干渉してこれる時間を消すことで、シャドウによる被害は無くすことができるのだ。 そのためには、影時間を消す手がかりと、影時間ができた原因を突き止める必要が……。 結局、思考は堂々巡りだ。今は考えても無駄なこと。綾也は考えるのをやめた。とりあえず今は、この時間の中、出てくるシャドウを消していくだけだ。 そうすれば、少なくともこの周辺での被害は減るはず。 その綾也の考えは間違ってはいない。しかし、同時に一つ簡単な、それでいて重大な見落としをしていた。 シャドウが出現するのは、なにも屋外だけとは限らないのだということを。 機動六課、局内。 灯りは全て落ち、窓から差し込む月明かりだけが廊下を照らしだしている。 時の刻みが停止し、静寂に包まれた暗闇で、なのははひたすら走っていた。 背後に迫る気配。振り返らずともその姿はなのはの目に焼き付いている。影のように黒い体に、のっぺりと青ざめた仮面を張り付けたような異形。なのはは知る由もないが、「マーヤ」と呼ばれるタイプのシャドウだった。 最もポピュラーで、戦力もさほど高くない小型のシャドウ。マーヤは、仮面ごとに1~12までのタロットのアルカナになぞらえて分類される。 このマーヤのアルカナは、魔術師。逆位置の啓示を名に持つ、「臆病」のマーヤだ。 数あるマーヤの種類の中でも最弱の「臆病のマーヤ」だが、今のなのはにとっては十分な脅威となりうる。 マーヤは真っ直ぐに、獲物であるなのはを追っていた。 どうする?どうすれば。頼みの綱の綾也は、周辺のイレギュラー掃討に向かっている。 影時間が明けるまで帰ってこないだろう。救援は望めない。 この時間内、なのはは、それどころか六課全体は完全に無防備になる。魔術師の要のデバイスが使えず、機械も使えない。 こんな悪夢のような状況でできることと言えば、あのシャドウから逃げ続けることくらいだった。 しかしそれもいつまで持つか。戦闘時の機動を飛行魔法に頼っているなのはは、普段は極度の運動音痴。 持久力だって高くない。走り続けることもできなくなったら、待つのは死。それだけだ。 (そんな……っ) いくらなんでも、あんまりではないか。局内は安全だと思い込んだが故の危機。しかしその判断ミスを誰が責められよう。 シャドウは外からやってくるものだという認識が、四人の内に共通していた。 ほんの数分前、影時間が訪れてすぐのこと。なのはは六課の局内を捜索していた。 影時間の事を、局員にどう伝えるべきか。日中は、綾也が六課に入隊することを決めた後、なのはも含めた四人で、対策を話し合った。 結果、影時間に適応していない者にはそれを伝えず、適応者のみに影時間を打ち明けることになった。 適応していない、その事実をしらない者たちに真実を話したところで何ができるわけでもなく、いたずらに混乱させるだけだと考えてのこと。 不安を煽るメリットは、皆無だ。下手をすればこちらの正気を疑われかねない内容なのだから、尚更である。 よって、影時間に入ってから適応者を捜索するという手順に至り、影時間内での行動も、ここで決められた。 綾也は周辺のパトロール、残った三人は六課内部で適応者の捜索。 三人で手分けして、象徴化していない適応者を探す事になっていた。 しかし、まさかこんな事になるなんて。 とりあえず行くあてもなく、なのはが廊下を歩いていた時、不気味な音と共にそれは訪れた。 聞き覚えのある、気味の悪い音。なにかが潰れたような、得体の知れない奇妙な音。 恐る恐る振り向けば、そこにあったのは小さな黒い塊だった。丁度月の光が届かない、影になっている部分に生じている「何か」。 いや、正体は分かっている。この闇の中、生じる影よりもなお黒く昏いその異物。 塊は徐々に大きさを増し、奇妙な箇所から腕を二本生やすと、なのはの方を振り向いた。 大きさ、高さはせいぜいなのはの膝程度。昨夜のシャドウと同じように、光を全く映さないゴムのような表面。 仄かに発光している、青白くどこか物悲しげな表情をした仮面。その仮面が、なのはの姿を「見た」。 瞬間、なのはの背筋に氷柱が通ったがごとく全身が強張る。 マーヤがなのはの方へ滑るように向いだしたのと、なのはが逆方向へ逃げ出したのはほぼ同時だった。 一度覚えた恐怖は、そう簡単に拭い去れるものではない。この異形の正体を知っていても、それを前にして立ち向かうことなどできない。 昨夜出くわしたあの大型のシャドウとは違って体も小さく、腕だって二本きり。 その手に刃が握られているわけでもない。 少なくとも、あれよりは遥か格下の存在だということは分かった。 しかし風貌的に昨夜のシャドウを思わせるマーヤは、なのはの心の根元的な部分にある恐怖を呼び起こす。 この先一度でも立ち止まったら、きっとその場で動けなくなる。なのはは直感的にそう感じていた。 シャドウの動きは、ともすれば子供の駆け足並みに緩慢だった。しかし、それでいてなぜか振り切れないスピードでなのはを追ってくる。 足を必死に動かし続ける限りは、捕まることはない。しかし、影時間が明けるまで走り続けることができるのか。 綾也によれば、影時間はおよそ一時間。 (できっこない……!) だからと言って、諦めるのか。ここで己の生が終わる事を、よしとしていいのか。 目を、逸らしてはなりません…… 「!?」 心の奥底で、自分のものではない声がした。いや、本当に声だったのだろうか? なのはは呆然と立ち止った。漠然と心の中に溢れる、この不思議な感覚。心臓が、早鐘を打っている。 人が誰しも心に抱える恐れや怖さというものは、自分にとって何が危険なのかを教えてくれる重要なもの。 そして逆に言えば、何も恐ろしいと思わなくなったとき、人は立ち止まらなくなる。 自らの行いを、そしてその行動の結果を、恐れなくなるからだ。 人は、恐れに縛られれば、何もできなくなる。 かといって、恐れを全く抱かなければ、行動に犠牲を出す事すらを厭わなくなる。 真の恐怖を覚えた時、何が人を支えるのか。それは自分を信じる心。そして、自分の信じる何かへの信頼。それだけだ。 自分から眼を逸らさず、向き合ってこそ、恐怖へ立ち向かうことができるのだ。 背後のシャドウを振り返り、緩慢な動作で迫るそれを見据える。 なのははシャドウを通して、見詰めていた。真の恐怖の、その先にあるもの。 そして信じた。自分の力を。自分の中に眠る、可能性を。 (綾也君……) 心の中で彼の姿を思い描く。その後ろ姿が、拳銃を自らの頭に突き付ける。 なのはは、自分の手を銃を持つ形にしてこめかみに宛がった。 仮想のトリガーを握る指の動きが、彼の動きとリンクする。 今、この行為の意味が理解できた。必要なのは、勇気と覚悟。そして……この、言霊。 震える吐息を吐きだして、深呼吸を一つ。気持ちを落ち着かせて、一音ずつ、呟くように。 恐怖を燃やせ。 ……トリガーを、引いて。 「ペ・ル・ソ・ナ」 そして。 弾丸が放たれた。 なにかが弾けるような音とともに、なのはから精神の欠片である青白い結晶のような板が散乱し、そしてそれは徐々に人の姿を象って行った。 なのはを立ち止らせたその 声なき声 が、なのはの脳裏に囁きかける。 我は汝……汝は我……。 我が名は内なる仮面。 汝の心理に宿りし魂が刃。 我は汝の心の海より出でしもの。 白銀の車輪、アリアンフロッド。 極彩の虹もちて、あらゆる悪を調伏せしもの。 我、汝の運命の刻みと共にあらん……! 現れたのは、後光が差しこむように感じる光の女神、アリアンフロッド。 後光のように見えていたのは、一定の速度を保ちながら絶えず回転している、巨大な白銀の煌めく車輪だった。 その車輪はそれ自体が光を放っており、赤から紫へと七色のグラデーションを燈しながら周囲を染めている。 その光を受け、流麗に流れる絹糸のような頭髪。まさに虹のように光り輝き、その軌跡に淡い燐光すらを残してゆく。 その身にはゆったりとしたローブのようなものを羽織っており、額にはティアラを頂いている。 頭上には、天使の輪の如くに虹が浮かんでいた。 ゆっくり、誘うようにアリアンフロッドがその手を差しのべた。 するとその手は聖なる光を発し、虹のような七色のスペクトラムの流れがシャドウを射抜く。 たちまち蒸発を始め、もとから存在しなかったかのように、跡も残さずに消え去った。 それと同じように、白銀の車輪が揺らぎ、アリアンフロッドの姿も消えてゆく。 なのはは、召喚のショックからか、呆然とその光景を眺めていた。 「わたしが……ペルソナを、出せた……」 やがて呟いた一言には、紛れもない驚きが含まれていた。 あのとき自分は何をした?無我夢中で、心が導くままにトリガーを引いたのは覚えている。 あのときの不思議な感覚。シャドウに対する恐怖のくびきが抜き取られ、すべてがクリアに、鮮明に感じられた。 言葉にするなら……そう、覚醒。あれが、もう一人の自分。 アリアンフロッド、それがわたしのペルソナ。 わたしは、ペルソナを得たのだ。 余韻に浸る暇もなく、なのはは眩暈を感じると、そのまま意識を失い、倒れこんだ。 それからほどなくして、影時間が明けた。 最後のシャドウを消し終えた綾也の息は、少し上がっていた。 小一時間ぶっ通しで、唯一人現れるシャドウを倒し続けるのは、相手がいくら雑魚とはいえ消耗を強いられるものだった。 ともあれ、綾也は通常の時の流れに身を戻し、六課への帰路を急いだ。 何故か、自然と早足になる歩みを抑えられない。 問題はないはずだ。なのに、何か嫌な予感がしていた。ぼんやりと、実体をもたない漠然とした不安。 僕は、何か見落としをしている――? 何を見落としているのか。それがわかれば、スッキリするものを。 しかし、この不安は杞憂ではないと、直感的に感じていた。 ……急ごう。綾也は、ついに走り出した。 前へ 目次へ 次へ
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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 砲撃魔法ディバインバスターはいつまでも撃ち続けられるような魔法ではない。 短距離走にも似て、砲撃時間は長くはない。 その限界時間まで撃ち終えたルイズは、レイジングハートを上に向けて顔をしかめた。 「ルイズ?」 「駄目。届いてない」 暴走したギーシュのゴーレムを撃破したとき、城下町で暴れる木を撃ち抜いたとき、どちらもジュエルシードをつかんだ、という手応えがあった。 だが今は限界まで撃ち続けてもその手応えがない。 魔力がジュエルシードまで届いてないのだ。 「なら、もう一回!」 再び魔力を溜め直せばディバインバスターは撃てる。 ルイズは今度こそと再びレイジングハートを構える。 そのとき、またルイズは閃光を感じた。 ジュエルシードの力が高まっているのだ。 その証拠にむき出しのジュエルシードが輝き、その中でゴーレムが急速に復元していく。 復元が簡単な土のゴーレムであっても、あの速度は異常だ。 「その前に撃ち抜いてやるわ」 ルイズの呪文に応じて作られた光球──ディバインバスターの発射台となるそれは、ディバインスフィアと呼ばれる──が徐々に大きくなっていく。 その間もゴーレムは急速に復元していき、ついにはルイズの魔法が完成する前に復元を終えた。 そしてルイズに右腕を向ける。 ルイズは呪文を止めない。この距離ならゴーレムが手を出せるはずがないからだ。 それに砲撃魔法以外にルイズには選択肢がない。 「リリカル・マジカル」 魔法の完成まであと一回というときにゴーレムが突き出した手がぼろりと崩れた。 崩れた腕の中からは黒い筒が現れる。 それを見たユーノが顔色を青くして、なおも力ある言葉を唱え続けるルイズの前に出る。 ディバインスフィアの前にだ。 「ルイズ!駄目だよ!よけて」 ゴーレムが突き出す黒い筒から爆発音がする。 同時にユーノが右手に作り出したシールドと何かがぶつかって爆音をあげる。 「早く、ルイズ逃げて!」 ルイズは訳がわからない。 あのゴーレムが何をしたのか、何が爆発したのかさっぱりわからない。 魔法を使ったのというのもおかしい。即席のゴーレムがそこまで高度なことをするはずがない。 それでもユーノの言うことはわかる。 光るフライアーフィンで宙を滑り、ゴーレムとの距離を開けた。 さらに、ゴーレムの黒い筒から3回音がする。 高速で飛ぶルイズには、ゴーレムが黒い筒から火を噴くおかしな形の火矢を射出したのがわかった。 それは本当におかしな形の火矢という他はない。 鏃の代わりに口を貼り合わせた黒いカップみたいなものがついている。 いくら火矢でもあんな尖ってない鏃では意味がないだろうとは思うが、ユーノが警戒しているのなら、きっと危険なものなのだろう。 その火を噴く矢が三つ、ルイズめがけて飛んで来る。 「な、何よ!あれ」 このままでは火矢に当たってしまう。 ルイズはただ後ろに飛ぶのをやめ、右に滑る。 どんな矢でも横に避けてしまえば当たりはしない。 「えっ?」 ルイズは驚きとともに速度を上げる。 矢は普通、真っ直ぐにしか飛ばない。 だが、この火を噴く矢はルイズが避ける方向に向きを変えて追ってくる。 「何よ、こいつ」 ルイズは自分より少しだけ速い矢を振り切るべく、今度は地面に向けて加速した。 学院の品評会場であわてていたコルベールもゴーレムと、それと戦うメイジに気づいていた。 会場にいる他の生徒や教師と同様にコルベールも空を見上げる。 「あれは……」 コルベールもメイジを追跡する火矢を考えたことはあった。が、今はその研究は止まっている。 「ほう」 コルベールはほんの少しの間、危険を忘れて感嘆の声を上げた。 火矢はルイズを追い、地面に向きを変える。 肩越しにそれを見たルイズは、地面にぶつかる寸前で反転。地面を蹴って今度は急上昇する。 ルイズを追っている火矢も向きを変えてルイズ追い、上昇に転じようとするが、1本は間に合わなかった。 地面に激突し、そして…… かぜっぴきのではなく、北風のマリコルヌは人混みを外れて少し休んでいた。 そろそろ会場に戻ろうとしたところで、空気を切る鋭い音が聞こえてきた。 振り返ると何か白いものが落ちて、すぐに上に飛んでいく。 顔はわからないがスカートをはいた女の子にも見えた。 上に飛んでいく少女にマリコルヌはしばし注目する。 スカートはどんどん高く飛んでいき、マリコルヌは首をどんどん上に傾けていく。 「もうちょっと。ああっ、おしい」 しまいには体をのけぞらせてまで上を見る。 そしてマリコルヌは仰向けに倒れてしまった。 同時に爆発が起こり、土砂がマリコルヌの上に落ちてくる。 「うわ。ぺっ、ぺっ」 顔に落ちた泥をはたいたマリコルヌは見失ったスカートの代わりに足元を見た。 「ひぃっ」 そこにできていた大穴に腰を抜かしてしまう。 ──もし、あのまま立っていたら…… マリコルヌは歯をがちがち鳴らせた。 空にまで及ぶ爆風の圧力にあおられ、ルイズはわずかに上昇した。 その下をルイズほどにはあおられない火矢が二本、ルイズを追い越して走っていく。 ルイズはレイジングハートを前に向ける。 二本の火矢は方向を変えるために速度を落としている。 そしてルイズにはディバインバスターを撃つために溜めていた魔力がまだ残っていた。 「シュートっ」 一瞬の魔力光が火矢の一本を貫き爆発を起こす。 バリアジャケットで防ぎきれない熱い風になぶられ、顔を赤くしたルイズは後ろに飛んだ。 次に襲ってきたのは爆煙を突き破り飛んでくる最後の火矢。 あわてて速度を上げようとするが近すぎる。逃げられない。 「!!!」 ルイズは目をきつく閉じた。 爆発。 闇の中で予感した衝撃は届くことはなかった。 「ユーノ……」 彼女の使い魔が、また火矢をシールドで防いでいた。 衝撃も熱風も届かない。 ルイズはもし直撃したときのことを想像した。 地面にできた穴。バリアジャケットでも防ぎきれない炎。 「あんなのを、防いでいたのね」 ──ユーノが来てくれなかったら 背中が少し寒くなる。ルイズの体が少し震えた。 地上のゴーレムは空を見上げて動かない。 ルイズも少し休みたかった。 爆発のおかげで変な耳鳴りがするし。 ばっさばっさ。 きゅるきゅる。 訂正。耳鳴りではなかった。 いつかと同じように後ろに何かいる。 「ねえ、ルイズ」 空でもすっかり聞き慣れたキュルケの声。 「リリカルイズ」 訂正するタバサ。今日も真顔だ。 「わかってるわよ!で、リリカルイズ。なにやってるのよ」 ルイズはくるり振り向く。 「なにやってるのよ。じゃないでしょ。キュルケ。ここは危ないよの。タバサまで連れてきて。早く逃げなさい!」 「大丈夫よ。魔法少女リリカルイズがぱぱっとやっつけてくれるんでしょ。あのときみたいに」 「できるくらいなら、ぱぱっとやってるわよ」 「なんで?あのときみたいに、あなたの魔法でどーんと行けばいいじゃない」 「なんでって、あのね……えーと」 説明しようとするが詰まってしまう。 ルイズも感覚ではわかっているが、うまくは説明できない。 「それはね」 目が明後日の方向を向くルイズに変わってユーノが説明を始める。 「あのゴーレムを倒すには、ル……」 「ユーノ!」 「あ、うん」 あわてて言い直すユーノ。 「リリカルイズが十分な魔力をジュエルシードに当てないと行けないんだ」 「ジュエルシードって?」 キュルケが首をかしげる。 「あのゴーレムの中にある青い宝石だよ」 「あ、ユーノ!教えちゃっだめ!」 「あっ」 口を押さえるユーノを見て、キュルケがにやにや笑う。 ──ふーん、ジュエルシード。 言われてみれば、城下町のお化け大木にもそんなのがあった。 「ささ、言っちゃいなさいよ。手伝ってあげるから」 キュルケに促されて決まり悪そうなユーノが説明を再開する。 ルイズは止めたかったが、いい方法が見つからないのでキュルケに教えることにした。 「リリカルイズの魔法だったら一回の砲撃だとジュエルシードに十分な魔力が届かないんだ」 「だったら2回撃てばいいじゃない」 「2回目を撃つには魔力を溜めないと行けないんだ。でも、その間にゴーレムは復元してしまう。そしたら、またやり直しになるんだ」 「近づいて撃ったら?」 「あの質量兵器にやられると思うんだ。僕もあれを防ぎ続けるのは難しいと思うし」 「質量兵器って?」 「質量兵器というのはね、えーと」 本を何冊か読んだが、この世界には質量兵器という分類はない。 ユーノはとりあえずのわかりやすい説明を考える。 「大砲みたいな武器のことだよ」 「あれって、大砲なの?」 ルイズが問いただす。爆発でとばしているみたいだから、そうといえないこともないかもしれない。 「うん。でも、あのタイプは誘導の機能はないはないはずなのに。ジュエルシードの影響かな」 ユーノはそう言って考え込む。 キュルケも手伝うといってしまったので考えてみるがどうもいい方法が思い浮かばない。 遠ければ魔力が届かない。近ければ魔力を溜める間に大砲の的になる。 キュルケは自分の火の魔法でゴーレムを爆破するというのも考えたが、とてもではないが十分な威力はありそうにない。 「私に考えがある」 タバサが唐突につぶいた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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魔法少女リリカルなのはVS轟轟戦隊ボウケンジャー クロス元:轟轟戦隊ボウケンジャー ExtraTask 01 異界の来訪者 ExtraTask 02 隠されし術 ExtraTask 03 新たなる冒険者(1)(2) 魔法少女リリカルなのは―MEIOU クロス元:冥王計画ゼオライマー 第一話 冥王、黄昏に降臨す 第一話―B 少年は牢獄に己を失う フェイト外伝――月下光影―― クロス元:忍~Shinobi~ ※完結 第一話 朧月 第二話 嵐 第三話 双雷 最終話 暁光 なのは×錬金 クロス元:武装錬金、からくりサーカス、鋼の錬金術師 シャンバラを往く者 第1話 郷愁/黒死の蝶 第2話 海鳴の途絶える日/Link 第3話 真理の扉/からくり~しろがね 第一幕 開幕ベル 第4話 『光』(前半)(後半) LYRICAL THAN BLACK クロス元:黒の契約者 最終更新:09/12/21 予告編 第一話 彼女の空を星は流れ……(前編)(前編―B) 第二話 彼女の空を星は流れ……(後編)(後編―B) 第三話 新星は夜天の空を焦がし……(前編)(前編-B)(前編-C) 4/20 作者:LTB3話を微修正。次回は5月上旬を目標に。 拍手感想レス :LYRICAL THAN BLACKは設定に違和感がなくて面白いです!! :黒の契約者が面白いです。待ってます。 :塞がれた瞼から 流れ出した涙 :繰り返し蝕まれる 理性と血の欠片 :気づいたんですが、海鳴市って東京にはないんですよ。 :うっわーーw続き読みてぇーっつか、あの黒契をよくくっ付けたなーw最高b コメント欄 感想、ご質問等ございましたらお気軽にお使いください この続きをどれだけ待ち望んでいたか・・・・ -- 名無しさん (2009-12-21 23 33 43) LYRICAL THAN BLACKの続きが見れて、本当にうれしいです! これからも体調に気をつけて頑張ってください! -- 名無しさん (2009-12-22 08 05 36) DARKERきた!これで勝つる!! -- 名無しさん (2009-12-22 21 02 07) なのは×錬金の方もぼちぼちでいいので更新お願いします -- 名無しさん (2009-12-22 23 00 14) 遅かったじゃないか・・・感動してしまったよ -- 名無しさん (2009-12-23 13 22 00) 更新される日を楽しみに待ってました。これからも期待しています。 -- リョウ (2009-12-23 21 03 35) いつか来ると信じていた -- 名無しさん (2009-12-24 09 41 56) 待ち続けていた意味があったなぁ……おもしろいよ! -- 名無しさん (2009-12-24 23 53 40) 待っていたよ。この瞬間を -- 名無しさん (2009-12-27 13 08 45) ジャック・サイモンはまだですかー? -- 名無しさん (2009-12-31 16 58 18) ボウケンジャーのクロス、今更だけど続き気になるw;^^ -- 名無しさん (2010-01-01 11 17 09) 新たなる冒険者っていうのが気になるね? -- ボウケングリーン (2010-01-01 22 51 19) コメントありがとうございます、少々質問等に返信を。中断中の作品が気になる方もいらっしゃるようで、大変申し訳ありません。 恥ずかしながら、上記のどちらも、当時オリジナルの敵(ボウケン)や多重クロスを軽く考えていたのが中断の原因です。 錬金は特に長編になる上、ボウケン完結後と書きましたので、今からでも、しっかり固めてから再開したいと考えております。 ジャック・サイモンは次々回。 -- なのはVSボウケン (2010-01-02 23 34 53) 全く違和感なく読めてびっくりしました!続きをとても楽しみに待ってます!! -- 名無しさん (2010-01-05 00 47 19) ボウケンの続き、いつまでも待ってます! -- 名無しさん (2010-01-05 03 03 45) 個人的に話数の短いLYRICAL THAN BLACKを優先して欲しいですねww -- 名無しさん (2010-01-05 20 28 39) どうでもいい事なんですが、3話読んで気になったんですが、 風邪や花粉症と時差ボケは性質が違うのではないでしょうか?(契約者でもなるのでは?) 最後の黒さんは、警官に本当に聞きに行かれたらやばかった?これは次回で語られるんでしょうか。 -- 名無しさん (2010-01-21 21 43 33) 良かった…(つд`) 作者さんが生きてて… -- 名無しさん (2010-01-28 21 12 19) ハヴォックの話がどうなるか楽しみすぎる -- 名無しさん (2010-01-28 22 46 23) 時差ボケに関しては、今はらしくないミス、とだけ。 黒の発言は、店員がアパート隣室の黒人バボなので、口裏合わせを頼める――と思ってましたが、 改めて確認したらちょっと似てるけど別人でしたorz 何十回と復習したのに勘違いしてたようです。面目ない -- なのはVSボウケン (2010-01-29 00 44 24) DTBの雰囲気が消えずにうまくマッチしていました。続きを楽しみにしています。 警官が店員に聞きに行かれたら、たぶん黒は2人を連れて警官が聞きに行った隙にでも逃げれたのではないでしょうか。 -- 名無しさん (2010-02-01 02 52 12) 名前 コメント TOPページへ このページの先頭へ
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先日機動六課に配属された。 配属期間は六課の試験運用期間分。 気付けば『白い英雄』等と呼ばれるようになって早六年。 呼ばれるようになってから様々な部隊を転々としていた。 1ヶ月、長くて3ヶ月、早くて1日なんていう所もあり、正直うんざりしていた。 だが今回は1年間。 俺にとって、この世界で初めての長期配属だ。 これだけの期間があれば、忙しかった毎日から少しは解放されると思っていた。 そう……… 『思っていた』のだ……… ……機動六課設立から2日……… 「もっと素早く動いて!」 なのはの指示が飛ぶ。 それと同時にガシェットの攻撃がスバル目掛けて飛んでいく。 「うわわっ!」 驚きながらもウイングロードの上で素早く回避。 ここまでは毎回のように同じだ。 だがここからが違う。 彼女は回避を終えるとすぐさまガシェットを追いかける。 が、左右の路地に隠れていることに気がつかず、 「しまった!?」 囲まれてしまった。 数は5体。 囲まれた彼女はAMFのせいでか攻撃が出来ないようだ。 「ティア!」 スバルは彼女に援護を頼むが援護が来ない。 それも当然である。 スバルは先行しすぎたせいで孤立してしまったのだ。 しかも先程、ティアナもガシェットに囲まれて動けない状態になっていた。 「ならエリオ達は……!」 が、こちらからも来ない。 彼等は運悪くガシェットの大群に接触、交戦中だ。 「そんなぁ………」 スバルは力無くつぶやきながらも戦闘体勢をとるが、数の差にAMFの状況下。 圧倒的に不利である。 これでまだ2日目である。 2日でこれは正直辛いんじゃないだろうか……… と、その時、 『アムロ空威ぃ………』 スバルからの思念通話が俺を呼んだ。 恐らく援護要請であろうが、 「駄目だ。」 『ふぇぇ………』 すぐに断る。 この訓練は護衛対象となるビルを守りながら敵と交戦し、10分後の増援部隊--この場合、増援は俺だが………--の到着まで守り抜いた後、増援部隊と協力して敵を殲滅するものである。 しかし現在訓練開始から5分程しかたっていない。 「闇雲に突撃するスバルが悪いんだぞ。」 『すいません………』 沈むスバル。 そこに、 『だから言ったじゃないの!』 ティアナが喝を入れるために会話に入ってきた。 『すみません空尉!』 さらに謝罪。 「まだなんとかなる。持ち直してみるんだ。」 『はい!』 段々とだが指揮能力は上がってるようだ。 だが、スバルを制御できてないところを見ると、まだまだのようだ。 「スバルは仲間の援護を期待するな。自力で解決するんだぞ。」 『はぃ………』 スバルは突撃思考が強すぎるようだ。 もう少し仲間と連携をとれればいいが……… と、そこに、 「どう?彼女達は。」 なのはがバリアジャケットのまま降りてきた。 「筋はいいな。後は連携やチームワークだろう。」 隣に下りてくるのを見守りつついう。 「なら今日は連携を視野に入れながら……かな?」 そういってモニターを開きスケジュールに付け加える。 10 00~12 00、14 30~16 00 連携を視野に入れた訓練。 午前を変更し午後を割り込ませる。 すると午後のスケジュールが1時間半ずれた。 「また夜までか………」 そういって頭を抱えた。 ……あえてもう一度言うが、これでもまだ2日目である……… 第04話 アムロの新たな日常 「ふぅ………」 一足先に戻ってきていた俺は、食堂に来て昼食を食べていた。 辺りには昼頃ということで沢山の人が集まっている。 そこに、 「………アムロか?」 聞き覚えのある女性の声が、背後から俺を呼んだ。 振り向くと、そこには赤い髪のポニーテールの女性。 「シグナムか、久しぶりだな。」 「ええ、こうして話すのも何年ぶりでしょうか………」 そういいながら俺は同じ机の椅子を指差し、彼女もそれを見てその席に座った。 彼女とは10年前からの仲で、幾度か共同戦線を張ったこともある。 ちなみに模擬戦も何度か。 「訓練はいいのですか?」 そういって机にトレイを置く。 「俺は午後から用事で出かけるんだ。早めに切り上げたんだよ。」 「そうでしたか。」 事実、午後にシャーリーから用事を頼まれており、一緒に本局に向かうことになっている。 「それにしても………」 と、突然話題を変える。 彼女もそれに気付いて箸を止めた。 「スバルやティアナは陸士訓練を受けているからよしとして、エリオやキャロまでもここに配備していいのか?」 率直な感想を彼女に聞いた。 「と、言いますと………」 「彼らはさすがに若すぎる。」 そういった。 「しかし、魔導師としての素質もありますし………」 彼女の言い分は確かに解る。 が、 「だが俺の世界の軍でもここまでは無いぞ。」 そういい返した。 10歳という少年少女が魔導師として戦うのはどうかと思ったのだ。 ……だが実際の所、なのはやフェイト、はやてなどの初陣は9歳。 彼の世界で数十年後に13歳という若さでMS(モビルスーツ)で実戦に出た少年がいるのだが……… 「それにこの六課の戦力、はっきり言って異常だ。」 そう彼女にいう。 すると彼女は呟きながら考える。 「……なのはにテスタロッサ、主はやてに………」 「俺も一応オーバーSランクだし、君達ヴォルケンズも相当な戦力だ。」 ちなみにアムロは空戦魔導師ランクSSの能力限定4ランクダウンのA状態だ。 「何か別のものを警戒してるようにもとれるが………」 そういうと彼女は「考えすぎでは………?」と言った。 「……そうかもしれないな………」 はやてがわざわざ俺を誘ってくれたんだ。 そんなことを考えるな。 そう考えながら食事を再開した。 時間は7時を過ぎた。 辺りは既に闇に包まれている。 空には俺の世界ではありえない二つの月。 既に慣れっこだが。 シャーリーはデバイス開発改造用のパーツを手に入れるため、本局にまだ残ったままである。 「……………」 そのため、一人無言のまま六課の宿舎への道のりを歩いていた。 その途中、訓練帰りのフォワード陣の4人と偶然出会った。 「アムロさん!」 その内のエリオとキャロ(とフリード)がこちらに駆け寄ってきた。 その姿を見て、ティアナが二人を止めようと「こら二人……!」と声をあげるが。 「お帰りなさいアムロさん!」 「お帰りなさい。」 さらに「キュクル~」というフリードの掛け声に掻き消された。 だがティアナはその発言にも「敬語を使いなさい!」と声をあげる。 横でスバルがなだめているが、 「ああ、ありがとう二人とも。」 とゆう言葉にティアナとスバルは驚いた。 「「知り合い!?」」 夕食時の食堂でスバルとティアナの二人は声をあげた。 「ああ、前にフェイトが合わせてくれてね。」 「勿論別々にだが………」と付け足しながら席についた。 先程出合ったエリオとキャロの二人が夕食を誘ってくれたので一緒に食べることになった。 「道理で普通に話したわけか………」 そう呟くティアナにエリオが、 「かなり前からあってましたので………」 そうつけたす。 実際、数年前から合っており、今ではいい兄貴分のような状態だ。 と、突然、 「……ところで、訓練の方はどうだ?」 と、4人に聞いた。 「…………」 同時にティアナは沈んだように俯き、エリオとキャロはガタガタと小さく震え出した。 無理もないか………と内心地雷を踏んだようだと思う。 確かに2日でこのハードトレーニングは厳し過ぎるのだ。 3人はトラウマを抱えているとなのはに後で伝えよう……… ……訓練量は変わらないだろうが……… 「とっ…とにかく順調ですよ!」 とスバルがフォローに入った。 「はは………」 正直、苦笑するしかなかった……… ほぼ1日中訓練の観察、手伝い。 たまに他の手伝い。 これが俺の新たな日常である……… それから数週間後……… 早朝。 珍しく、空士仕様のバリアジャケットと3つのデバイスのフル装備で、なのはと共に空中でフォワード陣を見守もっていた。 そろそろとアムロは、腕に付けていた時計を見ると、後数分で訓練は終了だ。 それをなのはに伝えると、皆を前に並ばせる。 「本日の早朝訓練、ラスト1本、みんな、まだ頑張れる?」 皆体中汚れだらけで、肩で息をしている。 そのような状況でも、フォワード陣はそろって「はい!」と答えた。 すると彼女は、 「それじゃ、シュートイベーションをやるよ。」 といった。 シュートイベーションとは、教官となる人物自らが的となり、実戦のような戦いをすることをいい、主に射撃攻撃の対抗訓練に使われる。 無論、攻撃は手加減無しだ。 「じゃあアムロさん。」 「分かってる。」 そういって前に出る。 実はこのためにフル装備であったのだ。 「アムロさんにクリーンヒットを与えるか、5分間攻撃に堪え切るか………」 彼女は上空にあがり、皆を見据えた。 ジャッジをするつもりなのだろう。 「手加減はしないぞ。」 アムロは自分のデバイスを構える。 ここでの模擬戦で初めてフォワード陣との戦闘だ。 「誰か一人でも被弾したら始めからだよ。」 そういって彼女は左手をあげた。 皆に緊張が走る。 「レディ………」 皆が身構え、そして、 「ゴー!!!!」 始まった。 「行けっ!!」 そう叫ぶと、アムロは左手のデバイスを振り誘導弾を打ち出した。 数にして約5発。 実際は最大15発は撃てる。 ああは言っておいても手加減はしているようだ。 その攻撃に、 「全員絶対回避!2分以内で決めるわよ!」 ティアナは皆にそう命令を出す。 だが、 「たった5発なら大丈夫!!」 そういってスバルは突撃した。 「スバル!馬鹿!」 ティアナの制止を聞かずにウイングロードで走っていった。 確かになのはの訓練は5発10発どころでは無い数を出して攻撃してくる。 それに比べれば5発等と思ったのだろう。 しかしこの5発こそが最大の敵である。 ティアナはこの誘導弾の恐ろしさを知っているのだ。 「リボルバー………!」 拳を構え、アムロを狙う。 が、 ヒュン! 「うわっ!?」 体勢を崩して撃てなくなってしまった。 上下から計4発の誘導弾が飛んできて近くをかすめたのだ。 だが、 「まだーっ!」 誘導弾が外れたのでさらに突撃を続ける。 誘導弾の利点はその追尾性にある。 しかしその反面、カーブや前後反転等のタイムロスがある。 つまりは回避した後、背後にいる場合は少なからず隙ができるのだ。 スバルはそれを狙って突撃した………筈である。 が、 ヒュン! 「えっ!?」 自分の顔の左右を通り過ぎた。 ここまで当てない攻撃、アムロは「部隊の作戦を乱すな!」と警告をしているのだ。 しかし、 「まだまだぁーっ!」 さらに突撃してくるスバル。 「リボルバー………!」 彼女は構えるがアムロは何も動かない。 「シュートッ!!!!」 打ち出した弾丸がアムロに向かう。 が、 「無駄だ!」 その弾丸は誘導弾に撃ち落とされた。 「!?」 「スバル!」 ティアナが彼女を呼び戻そうと叫ぶ。 スバルは急いで後退しようと素早くターンをするが、ローラーブーツに無理な負荷をかけながらターンしたせいか、わずかによろける。 その瞬間をアムロは見逃さなかった。 「当たれ!」 2発の誘導弾がスバル目掛けて飛んでいく。 なんとか回避するが、その誘導弾の弾道が不可思議に動く。 「何これー!?」 カーブをするわけでもなく方向転換するわけでもなく直角に素早く飛んでくるのだ。 これがアムロ特有の誘導弾、「ファンネルシュート」である。 かつてフィンファンネルで攻撃していたときの感覚での攻撃のため、初めて接触した敵は対応できないままやられるのが大半である。 さらには発動キーとしてその技名を叫ぶのだが、彼の場合、特に何も言わないでも発動するので、隙が少ないのだ。 それを知っていたためティアナは回避を優先したのだったが、 「うわわわっ!」 スバルには伝わらなかったようだ。 なんとか正面からの攻撃をよけ安心するスバルだったが、その2発の弾はさらに彼女を追撃する。 反撃も出来ず逃げるしかなく「ひぁぁぁ!!」と情けなく叫びながらウイングロードで逃げ回るのであった。 スバルよ、一体いつになったらその突撃思考は治るんだ? 「わわわっ!」 背後からやってくる誘導弾は、確実に、かつ正確にピッタリとついてくる。 回避は絶望的だ。 『スバル馬鹿!何で言うこと聞けないの!』 ティアからの思念が入ってくる。 声だけでも怒っているのがわかる。 「ゴメン!」 謝ったが今はそんなことをしている暇はない。 その間にも誘導弾は私を狙い、腕をかすめた。 『待ってなさい、今撃ち落とすから………』 その状況を見てか、ティアは私を助けてくれるようだ。 が、 魔力が銃の先端でチャージされ、狙いをつけてトリガーを引く。 そして弾丸が打ち出される。 筈だったが……… ガキン! 「えぇ!?」 軽い金属音と共に魔力弾は消えた。 いわゆる「弾詰まり」を起こしたのだ。。 「わぁ~!ティア援護~!!」 スバルの悲痛な叫び声が思念でなく聞こえてきた。 恐らく近くまで来たのだろう。 「この肝心なときに!!」 イライラしながらも急いでリロードする。 修理を考えていた途端にこれだ。 リロードを終え構えて狙い、撃つ。 今度はうまく撃てたが、またいつなることやら……… 「来た!」 甲高い発砲音と共にオレンジ色の弾が飛んできた。 スバルは助かったかのように声をあげた。 さらに援護弾とともに2発の誘導弾。 アムロを狙って追尾を始める。 「やるな………」 1発目を軽く受け流すと、2発目が真上に迫っていた。 だがこれを近くの誘導弾で撃ち落とす。 無駄もなく正確に。 だが、 「キュクルー!」 背後からフリードのブラストフレア。 「チィ………」 素早く左手を出しシールドをはる。 フリードの存在を忘れていた彼は不意の攻撃に防御するしかなかった。 左手でシールドをはりながらなかなか消えない炎を防ぐ。 「エリオ!今!」 だがその隙を狙われた。 気がつけば、背後にキャロの魔法で加速のついたエリオが飛んで来ていた。 「いっけぇぇぇ!!!!」 とてつもない爆音と共に周囲は煙に包まれた。 「うわあぁぁっ!」 その爆発に弾かれるようにエリオは吹き飛ばされた。 「エリオ!」 「外した!?」 スバルはエリオを心配し、ティアナは驚愕とともに驚きを隠せないでいた。 確かに直撃だったはず。 左手でフリードの攻撃を防いで、その時に背後からエリオの攻撃。 直撃以外はありえないと思ったのだ。 そのまま爆煙を見る。 すると、 「やられたな………」 アムロは無傷の状態で出てきた。 小さく笑いながら現れた彼を見た4人は絶望に似た心境だった。 なぜならこのボロボロの状態でまだシュートイベーションが続くのだ。 彼女達はデバイスを構える。 だが、 《Mission Complete》 「お見事!ミッションコンプリート。」 レイジングハートとなのはがゆっくり下りてきながらそういった。 「ホントですか!?」 エリオが驚きの声をあげた。 確かに手応えはあったが、吹き飛ばされたので防がれたと思ったのだ。 「本当だ。」 そういってアムロは自分の右脇腹を指差す。 ジャケットがダメージで黒くなっている。 それを見て皆の顔が明るくなった。 「じゃ、今朝はこれまで。いったん集合しよ。」 「「はい!」」 こうして今朝の訓練は無事に終わる、 ……はずだった……… 皆が整列する。 なのははバリアジャケットから制服になって、アムロはそのままの恰好でフォワード4人の評価をしていた。 なのはは皆が段々とチーム戦に馴れてきたと褒め、アムロがスバルの突撃、ティアナの命令を無視したことを叱る。 まさに飴と鞭の状況だ。 とその時、 「…?……フリードどうしたの?」 キャロがフリードの行動に疑問を持った。 それに対してエリオが、 「何か焦げ臭いような………」 と言うと、ティアナが気付いた。 「あ、スバル、あんたのローラー………」 「え?」 足元を見ると、一筋の黒い煙を上げスパークを起こしているシューズの姿。 「あぁっ!うわヤバッ!!」 そういって素早く外す。 「さっきの戦いで無理な回避をしたからだろうな。」 冷静に分析するアムロ。 回避の時に負荷をかけすぎたのだろう。 「あっちゃ~……」といいながらローラーを両手で抱き抱える。 「後でメンテスタッフに見てもらおう?」 「はい……」 なのははそうスバルに言うとティアナを見て、 「ティアナのアンカーガンも、さっき見てたかぎりでは故障起こしてたけど………」 「あーはい……騙し騙し使ってますし………」 と話した。 手作りのデバイスでは壊れるのも早く、故障も多い。 当然2人も例外ではない。 「そろそろ実戦用の新デバイスに切り替えるべきじゃないか?」 アムロはなのはにそう切り出した。 「そうかなぁ………」 そういってなのはは腕を組みながら考える。 するとティアナは「新……デバイス………?」と聞き返した。 早朝訓練後、休みとなったので全員で六課に戻っていた。 「一端寮に帰って、シャワー浴びてからロビーに集合ね?」 「「はい!」」 そんな会話を見て思う。 フォワード4人は体中にすすやら泥やらの汚れ。 それに対してなのはは何ともなく、俺にいたってもジャケットの右脇腹が黒くなってる程度。 ボロボロの4人と無傷の彼女。 毎回思うが、なのはは何故ここまで育て上げようとするのか、ボロボロになるまで訓練を続けるのか、未だにわからない。 彼女を見ると満足そうな笑みをしている。 まさかとは思うが、Sなのか? などと無駄なことを考えていると、 「あの車って………」 ティアナが前から来た黒塗りの車を見つけた。 その言葉に合わせて皆がそちらを見る。 俺には見慣れた黒い車。 近くに止まった車には、さらに見慣れた2人の女性の影。 片方はとても大人しいこの車の持ち主と思われる気配。 さらにもう片方はクェスに引けをとらない無邪気さを感じる。 こんな気配を持っているのは、 「フェイトさん!八神部隊長!」 この2人ぐらいだ。 車はあっという間にオープンカーの用になって、2人の姿をさらした。 フォワード4人はその車を見て驚いたり歓声をあげたりしているが、俺は当たったことに喜ぶべきかはやてに合ったことを悔やむべきか……… 「何や嬉しそうや無いなー?」 ばれた! ニュータイプか……何て下らないことを考えてないで……… 「所で、君達はどこかに出るのか?」 そう切り換えた。 はやては話をそらしたとでもいいたげな目で睨んできた。 だがその問いにはフェイトが、 「うん、ちょっと6番ポートまで。」 と答えた。 6番ポートということは……… 「教会本部でカリムと会談や。」 はやての言葉でやっと納得がいった。 あのカリムか、と。 「そうか、ならよろしく言っておいてくれ。」 そういって彼女達を送ると「了解。ほんならなー」と言いながら出発した。 こうしてフォワード4人は敬礼して、俺となのはは普通に見送った。 ここは六課の宿舎。 壁や床は鈍く反射しており、まるで金属と思わせるようだ。 反射する光の先、その先の階段に目をやるとエリオとフリードがいた。 他の3人は現在シャワー室を使用中のため待っているのだろう。 退屈そうにそこに座って腕を組んでいる。 まあ、一緒に入っていたら入っていたで大変な事に成り兼ねないだろうが……… 「アムロさん!」 そう考えていたアムロに気付いたらしく、手を振っている。 よほど退屈だったんだろう。 「やあ、エリオ。」 そういって彼はエリオの横に座った。 フリードはエリオの膝の上に乗るとこちらを見て「キュクル~」と鳴いた。 六課が出来て早2週間。 そのたったの2週間で、エリオも中々成長してきている。 そこに、 「アムロさん、さっき言ってた『カリム』っていう人……知り合いですか?」 と聞いてきた。 「ああ、かなり前にはやてとあったんだ。」 そういいつつさらにつなげる。 「カリムは、聖王教会騎士団の魔導騎士で本局の理事官をやってる。」 「理事官!!」 そういってエリオは目を丸くした。 「まあ理事官とはいえ、彼女のせいで様々な部隊に行ったり着たりなんだが………」 「へぇ~………」 と、軽く説明を終えたと同時に、足音が聞こえてきた。 着替えを終えたティアナが出てきたのだ。 「ティアナさん2人は………」 エリオは残りの2人がいないことに気付き聞くと、 「もう少しかかるみたいだから待ってるようにね。」 そういってアムロ達の近くにきた。 「アムロさんは入らないんですか?」 ティアナは突然そう聞いてきた。 だがそれに対して、 「そこまで汚れてないからまた後で入るよ。」 そういってその場を離れた。 「……………」 同じだ……… 離れながらもアムロは考えてしまった。 かつての戦友の妹、なぜか面影を感じてしまうのだった……… はやては今、聖王教会の大聖堂に来てカリムとあっていた。 外は綺麗な青空。 窓辺でお茶を楽しみながら会話をしている。 「…今日あって話すんはお願い方面か?」 はやてがそういうとカリムの表情が硬くなる。 真剣な話のようだ。 彼女は手元のモニターをいじり、カーテンを閉じる。 先ほどの青空は完全に見えなくなり、真っ暗になった。 途端にはやての表情も強張る。 カリムが続けてモニターをいじると大きなモニターが現れる。そこに写っていたのは、 「ガジェット………」 そう、彼女達の敵となっている機械の兵士の姿。 しかし、いつも見ている1型とは形状から形から全く違う。 2型と表記されている物は羽をもっており、飛行型と思われる。 3型と表記されている物は球体で、かなりの大きさのようだ。 「今までの1型以外に新しいのが2種類。性能は不明だけど………」 そうしてさらに彼女は新しいモニターを出す。 「…何や……これ………?」 映し出されたのは緑色に塗装されたガジェットらしき物。 だが画像が荒く、上手く写せてないようだ。 これを見せてカリムは、 「……さらに人型のガジェットが確認されたの。」 「人型!?」 そういってその緑色のシルエットを見る。 確かにガジェットに見られる目らしき物が頭に一つ。 そこから身体、身体から四肢らしい影。 「試作段階みたいで、すぐに撤退したんだけど………」 「……………」 そういうと2人は押し黙ってしまった。 「……ただ、本題は………」 そういってさらに本題を話し始めた。 ……緑色の影……… もしアムロが見ていたら答えは出ていたのかもしれない……… その頃、六課では……… 「うわぁー!」 「すごい………」 フォワード陣の皆が揃って声を上げた。 目の前には4つのデバイス。 そう、完成したのだ。 スバルの目の前には青い宝石のような首飾り。 リボルバーナックルと新しいローラーブーツ、マッハキャリバー。 ティアナの目の前には白いカード。 アンカーガンを新たに組み上げたクロスミラージュ。 エリオとキャロの前には以前と代わり無いストラーダとケリュケイオン。 だがリィンが言うには、基礎フレーム等の強化がされており、性能が飛躍的に上がってるとのことらしい。 そしてそれが皆に渡され、あらかたの説明を終えた後に、 「最後に、アムロさんの新型デバイスでーす!」 シャーリーがそういって彼に手渡す。 「これは!?」 それは、T字をした金属のような物。 知らない者からすれば、変な形のオブジェ程度だろう。 だがアムロにしてみれば忘れられるはずがない。 「サイコフレーム………」 かつてチェーンが持っていた物。 νガンダムのコクピット周りに使われているニュータイプの脳波を受信、強化する物。 実際試作品だったため、チェーンが腰に付けていたのだが……… 「なぜこれがここに………?」 その問いにシャーリーは、 「アムロさんがこちらに飛ばされるときにあちこちの次元からも流れて来たんですよ。」 と言った。 「これが………」 そういってそれを持つと同時に、 「このアラートって………」 「一級警戒体制!?」 アラートが鳴り響いた。 前へ 目次へ 次へ
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作品名は あいうえお順で並んでおります。 ~2005年 アニメ感想集 作品名 点数(100点満点中) あずまんが大王 80点 あまえないでよっ!! 61点 一騎当千 71点 苺ましまろ 85点 うた∽かた 87点 宇宙のステルヴィア 82点 エルフェンリート 83点 おねがい☆ツインズ 55点 おねがい☆ティーチャー 62点 Kanon(東アニ版) 72点 君が望む永遠 73点 Canvas2~虹色のスケッチ~ 74点 クロノクルセイド 66点 げんしけん 75点 極上生徒会 68点 地獄少女 68点 灼眼のシャナ 72点 真月譚月姫 75点 ジンキ・エクステンド 69点 スクールランブル(一学期) 81点 スクラップド・プリンセス 74点 星界の戦旗 80点 星界の戦旗Ⅱ 82点 D.C.~ダ・カーポ~ 59点 D.C.S.S.~ダ・カーポ セカンドシーズン~ 59点 ToHeart2 66点 ニニンがシノブ伝 66点 ぴたテン 72点 舞-HiME 87点 舞-乙HiME 83点 まぶらほ --点 魔法少女リリカルなのは 75点 魔法少女リリカルなのはA s 79点 魔法先生ネギま! 62点 まほらば~Heartful Days~ 78点 マリア様がみてる 82点 マリア様がみてる~春~ 79点 ヤミと帽子と本の旅人 72点
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来るべき近未来、人類は第三のエネルギー革命「魔法」の発見によって かつてない繁栄のときを迎えていた。 だが、その輝かしい平和の影で激しぶつかり合う二つの力があった。 時空征服を策謀する、秘密結社BF団! 「我らが、ビッグ・ファイアのために!」 ──次々に暗躍する怪ロボット達、スカリエッティナンバーズ── かたや、彼らに対抗すべく、あらゆる世界から集められた正義のエキスパート達 時空警察機構。 そして、その中に地上最強のロボット、ジャイアント・ロボを操縦する一人の少年と 白き闘衣を身に纏い、空を翔る不屈の魔法少女の姿があった! 草間大作! 名を 高町なのは! 大作「砕け!ジャイアント・ロボ!」 ガォォォォーーン! なのは「レイジングハート、セーットアーップ!」 「stand by ready!」 ジャイアント・ロボvs魔法少女リリカルなのは the StrikerS ~時空の静止する日~ 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
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―――捨てられる 捨てられた人間 ―――彼らは悲しみ、苦しみ、嘆くしかないのでしょうか ―――いいえ、それはちがう ちがうと思う 壱 新暦六十九年 そこには雑音が満ちていた。 研究員たちの怒号、ざわめき、悲鳴。狼狽した無数の足音。金属のつぶれる音。 頑健に造られたはずの研究施設の構造材が倒壊し、その破片をぶちまける音。 そして、それらを焼き焦がす炎の音。 匂いが満ちていた。 嗅ぎなれた、眼を醒ますたびに希望なんて無いのだと自分を暗鬱にさせた薬品臭。 無機質で冷たい金属と壁の匂い。窓の無い部屋にこもったカビの匂い。 そして、それらを焼き焦がして燃えあがる炎の匂い。 彼は衰弱していた。弱り切っていた。 苛酷な扱いを受けた幼い身体は、もとが何とも知れない細長い金属の構材を杖にしてようやく歩を進めていた。 疲労と熱とで、全身から汗がふき出す。身体が金属の杖につかまったまま、くずおれる。 いっそこのまま冷たい床に横たわりたいと身体と心が悲鳴をあげている。 空間を満たす金属と薬品の焼ける刺激臭と黒煙に、思わず彼はむせ返った。 逃げ惑う研究員たちの誰も、彼を気にかけなかった。怪我を負っている者も大勢いた。 瓦礫の下から伸びる手の主などは、生きているか死んでいるかも彼には分からない。 暗く濁った瞳に浮かぶのは、いつのまにか生まれついてからの伴侶であるかのように染み付いた諦観と、この状況への困惑と怯え。 ―――そしてほんのわずかだが、確実に、泥のように沸く感情。喜悦。 それが口を突いて出る『ざまあみろ』と。 「ハハッ……いい気味だ」 音となった言霊は、力を持って彼の心を黒い喜びにひたした。 だがそれは、心をざらつかせた。 生まれて初めて感じた胸のすくような喜びと、それを上回る不快感。 彼の幼い精神はそれを持て余した。 だから、気づかなかった。すぐそばで、瓦礫に半身を埋もれさせている男に。 「チクショウ! なんでこんなことにっ!」 知っている男だった。研究と言って、散々に自分に痛苦を味あわせた研究員。 その声が激しく大きな語調で響くだけで、彼の小さな身体はすくみあがった。 逃げ出したかった、だが逃げ出すことすら怖かった。だから眼が合ってしまった。 「NP3228、なぜお前がここに……。いや、それより。助けてくれ」 すがるような視線。声。付近に研究員の仲間はいない。 自分をモルモットとして扱った男の無力で、無様なさま。 だが、幼い心に刻まれた恐怖は、強制力を働かせた。 杖を支えに立ち上がる。 気だるい身体を引きずるように歩を進める。 男に近づいた。男は自身の身の丈の倍ほどもある瓦礫にすっかり挟まれ身動きをとれずにいる。 持ち上げる。高く、高く。 ――――杖を。凶器と変じた金属の塊を。 「おい、、、やめろ。あんなに世話をしてやったってのに。この恩知らずが!」 世話。研究員たちは、この男は、実験動物を扱う以上の扱いを彼にしたことは無い。 死なぬように、モノのように、動物のように。ただそうしただけ。 燃えるように泥が沸く。幼い心はそれが殺意だとは理解できなかった。 ただ振りあげた手のなかの凶器に、己の魔力がなかば無意識に流れた。 彼の生まれ持った資質に従い、それは魔法術式を通すことなく電気へと、致死の雷撃へと変換された。 限界を超えて注ぎ込まれた魔力は、弾けるように空中放電を起こすそれは周囲の空気を焼いた。 血のにじむほどに握りしめた金属が熱を帯びている。 手のひらを焼く音がした。肉の焦げる匂いがした。 痛みを無視することには慣れてしまっていた。 いや、その痛みは自分のモノではないのだと、他人のモノだと、そう思うことに慣れていた。そうでなければ壊れていた。 そして威力をいや増す雷撃は先端に収束し、彼の殺意にふさわしい形を具現化した。 コロすための形―――槍の形。槍の穂先を。 「やめろ。殺すつもりか。この、できそこない、、、、デッドコピーめ!」 始め黒くにごり、次に血のように禍々しい赤い炎を宿した彼の心は、最後に白熱化した。 それを映すように、彼の槍もまた極限まで圧縮された雷撃を白い刃と成す。 空中にあふれた雷撃が抉るような物質的破壊力すらともなって、周囲の壁といわず床といわず、周囲の空間を荒れ狂う。 彼の心には、もう怒りも憎悪も、殺意もなかった。 ――――ただ振り下ろした。思い切り。 * * 彼は走っていた。 左右の手のひらがひどく痛む。 焼け爛れ、癒着した皮膚を無理やり引き剥がしたそれは絶えず血をにじませ、耐えがたい激痛を彼に送り続ける。 どこを目指しているかなどもうわからない。 立ち止まればくずおれて、もう二度とは立ち上がれないという恐怖にただ突き動かされる。 様々な思念が、彼の心の表層に浮かびかけては沈んでいく。 そして徐々に、なにも浮かばない虚ろとなっていく思考。 最後に、ふと残った思念があった。『星を見たい』。 最後にそれを見たのはいつだったか。時間の感覚も、記憶も、ひどく曖昧だ。 ただそれが希望だと、自分にそう思い込ませてとうに尽きた体力を振り絞る。 酸素不足にあえぐ脳は、眼は、すでに前を見ていない。 自分が今ぶつかったのは壁なのか、それとも床なのか、本当に自分は走っているのかさえわからなかった。 だがそれも限界。意識もなにかもが闇に溶けようとしていた。 そんなときに、ふと。感じたのだ。風を。 「あァ……」 それは何と言い表すべきか。 これは弾道だと、そう思った。 彼を閉じ込めていた研究施設。檻を。彼の心を縛りつけていた闇を。 全てをまっすぐに、まっすぐに貫いていた。風穴を開けていた。 直径で数メートルほどあろうかというその大きな大きな弾道は、床を砕き、天蓋を割り、ぶ厚い壁をも貫いて、空につながっていた。 ただきれいだと思った。そこからさしこむ光は、そこから見える空は、そこから見える瞬く星たちは。 「……きれいだ」 その星たちの中に、ひときわ強く、虹色に瞬く星があった。 普通の星ではない。流れ星だって、円弧を描くように空を旋廻したりはしない。 なにより七色の虹を無秩序に撹拌して凝縮したような、そんな異様なモザイクとなった強い強い光。 そんな光を灯す星は、自然にはありえない。 その虹色の流れ星が動きを止めた。眼が合った。いや、合ったと思った。そんな気がした。 次の瞬間、星が激しく瞬いた。 網膜を焼かんばかりに輝くそれを、しかし瞬きもせずに目に焼き付けた。 その虹色の輝きが最高潮に達した瞬間。 星が、疾走した。虹色の光を炸裂させ、それを推進力に変えて。 速い。本当に速い。眼で追うことは叶わなかった。知覚すらできなかった。 ただ、あの異様な虹色に輝く光の尾の軌跡だけが、星の瞬く空を我が物顔で。 まるで星空を二つに割るように鮮やかに描かれていた。 次に感じたのは衝撃。 それは大気を震わせ、大地を震わせた。繊細な皮膚や筋繊維などものともせず、内臓にまで重く響く衝撃。 その次に感じたのは風だ。 澱んでいた空気と、白煙黒煙、瓦礫までが空へと巻き上げられた。もちろん彼の身体も。何もかもが世界全てが吹き飛ばされたようにすら感じた。 最後にもう一度、衝撃。 宙を舞ったそのままに、半ば崩れた壁に叩きつけられていた。 不思議と、痛みは感じなかった。 ただ何故か、熱かった。心が振るえ、そこから力が溢れてくる感覚。 それは、心の奥底に焼きついたあの虹色の光から与えられたものだと感じた。 そう信じたかった。そう信じた。 ならば自分も、こんなところで這いつくばってなどいられない! 世界には、あんなにも見たことのないものが、あふれるほどにちらばっていると知ったのだ。 それに気付いたならば、もうこんな見飽きた場所にいる時間は一瞬でも惜しい。 行くんだ。速く。もっと速く! 溢れる心の熱が身体を突き動かす。 それは力となり、力はみなぎる魔力となり、それは魔法になった。 魔力による単純な肉体強化。れが彼を加速させる。もっともっと速くと。穿たれた弾道の中を駆ける。 それはいびつな破孔だ。とても歩ける場所など無い。足場など無い。 だがそれがどうしたと。駆ける。走る。 床だったもの、壁だったもの、天井だったもの。それらを蹴り飛ばし、重力にも囚われずに、縦横無尽に駆け抜けた。 もうそろそろ弾道の先、空へと達しようというとき。呼ぶ声が聞こえた。 聞き覚えの無い、困惑と焦燥を滲ませるまだ若いだろう女の声。 だが彼に聞く気はさらさら無い。さらに加速する。 呼び声の主は対応を変えたようだ。 呪文。いや、デバイスに圧縮された呪文の解放を命じる声だ。 金色に輝く魔力光が収束し、疾走する身体を捕らえるべくバインドを結実しようとしている。 捕まってたまるか。 最後の加速。彼は渾身の力で、撃ち抜かんばかりに最後の一歩を蹴った。 結実したバインドが虚空を掴む。 そして彼は弾道から、文字通りの弾丸のごとくに飛び出した。 その瞬間、閃光が左右に走った。閃光の中心が青白い半球となって膨れ上がる。 強烈な光球だ。直視できないほど。 研究施設はその閃光に呑み込まれ、間も無く原形を留めぬ大崩落を起こした。 彼は空中でその爆風に揉まれながらも歓喜の感情を噛み締める。 広い広い空へと。世界へと踊り出たのだ。 その事実に、無理な強化により酷使された身体の痛苦よりも、自分をつないだ牢獄同然の研究施設から解放されたことよりも。 まだ見ぬ世界への期待と渇望が心を満たした。胸が躍った。 そのときにはもう、彼を――彼にはあずかり知らぬ事だが――保護しようとして閃光に呑まれた相手のことなど頭の中から消えていた。 ――――そのすれちがいが、彼と彼女の初めての出会いだった。 ――――――そして彼は、暫くの後ある世界の片隅でもう一つの出会いを経験することとなった。 * * 弐 二年後 新暦七十二年 あそこを逃げ出してからどれぐらいが経ったのだろうと彼は考える。 昨日のような気もするし、十年以上の昔にも感じられた。十年前に彼は生まれてもいないが。 実際は三年にも満たない時間なのだが。 彼は今、荒涼とした大地のド真ん中にいた。 そこに停められた仕事上のパートナー――相棒――の車の中で、相棒のド-ナツを無断で頬張っていた。 今は仕事中で、かつ待機中だ。相棒からの合図はまだ無い。 要するに未だ幼い彼は暇を持て余していた。 「―――懐かしい味がするなぁこのドーナツ。 ドーナツ……ドーナツかぁ」 懐かしい味に記憶が刺激される。彼は眼をつぶり思案にふけった。 このまま何もせず待機していたのでは眠ってしまう。 「そういえば、そうだった。 あの日あのとき、あの雨の日。ボクは一人で生きていた。誰にも頼らず。 いや、頼る相手も無く、一人で、ずっと……。 そこに、現れたんだ。 あの人が」 * * 参 新暦七十年 研究施設を逃げ出してからしばらくの時間が過ぎた頃。 あてもなくさまよった何者でもない少年は、この荒涼とした世界に流れ着いていた。 日々を生きるのも厳しい、そんな世界の片隅に。 その男は前触れなく現れた。 赤いシューティンググラスに、コート、髪型。浮かべた笑顔まで。 そのどれもがどこか鋭角的なイメージを抱かせた。 「よぉ、坊主。一人でなにしてる? こんなところで食事かぁ? その男は少年の手元を覗き込み、さらに言葉を続けた。 「ドーナツか。うまそうだな」 「……ほ、欲しいの?」 男の言葉に幼い体が身構える。 少年の返したその言葉と防御体勢に対してさもおかしそうに笑うとこう言った。 「だとしたらァ、どうする?」 「欲しいなら、奪ってみろ。 体の大きいあなたにはかなわないかもしれないけど、ボクはこの食べ物を離さない!」 その勇ましい反応に、さらにおかしそうな顔をすると男は笑った。大声で。 「フフッ、ハッハッハッハッハッハッ! じょぉだんだよ。俺は物盗りなんかじゃねー」 「わかるもんか! そうやって優しい声をかけてくるやつに、何度も痛い目に合わされたんだ」 男は顔に笑みを張り付かせたままその抗弁に応えた。 馬鹿にされたのかと思うと面白くなかったが、その笑顔は不思議と不快には感じられなかった。 「痛いのも裏切りも、どこにでも転がってる。そういうもんだろ? その食いものをどうする? お前はどの道を選ぶ?」 「渡さない。三日ぶりの食事なんだ」 「だったらそうしろ。それでいいんだ。そういう気持ちでいいんだよ。 ―――坊主、お前の名前は?」 唐突で意外な問いに面食らった。自分が人間ではないと知らされて以来、人に名前を聞かれる それを顔に出すのもなにか悔しくて。精一杯の虚勢を張って答えた。 「坊主なんかじゃない。ボクの名前は、エリオだ」 「エルオか」 さらっと間違えた。『やっぱり嫌いだ、こんな人』。 「エリオです!」 「だから、エルオだろ?」 「エリオだって言ってるでしょ!?」 男は手をひらひらとさせてエリオを制する。 ますます愉快そうな顔をするものだから、エリオは面白いわけもなく。 きっと誰にもこんな調子なんだろうと、憤懣やるかたない思いが募る。 完全に乗せられている。 「わかったわかったぁ。ところで・・・ ―――そのドーナツ、うまそうだなァー」 「や、やっぱり狙ってるんじゃないですか!」 エリオは手のドーナツを庇うようまた度身構えるが、男はやはりそれに頓着しなかった。 人懐こい笑みを浮かべたままだ。 「知り合いだから、頼んでるんだよ」 本当にそれは、知り合いや友達に言うような軽い口調で。 それはとても懐かしいような、そんな感覚で。 だからだろうか、いつのまにかエリオは目の前の風変わりな男に気を置けなくなっていた。 「うー……、もう、しょうがないなぁ。 少しだけなら分けてあげます」 よく見れば、男も自分と同じぐらいにやつれていることに気付いた。 だから、つい、心を許してしまった。 同情とも共感ともしれぬ感覚から発せられたその言葉に対する男の反応は、ある意味でエリオの予想を大きく逸脱するものだった。 「助かる。実は俺も三日食ってないんだぁ……。 いやな、愛車に乗って気ままな一人旅を続けていた俺なんだがな 道中か弱い女性がアーレーなんて悲鳴をあげつついわゆるやられ役みたいな奴らに追われてたんで俺の中にある正義感がふつふつと湧き上がってきたしか弱い女性を助けるのは精神的にも肉体的にもお礼があるかなと思って最速で登場したわけだ! なんせ俺はGOODSPEEDだからな! それでやられ役の男たちが俺に向かってなにか言おうとしてきたんだが最速であることを信条としている俺は会話もせずに奴らを蹴り飛ばして女性を助けることに成功したのさァ! そしたらか弱い女性が俺にお礼を言ってCHUーの一つでもしてくれるかと思ったらいきなり怒り出してよ、よく聞いてみたらやられ役の男たちは彼女の使用人で鬼ごっこをして遊んでたらしいんだよ! おいおいそんな誤解を招くような遊びをしてるんじゃないと思ったけど愛と最速を信条としている俺はすぐさま誤って即座にトンズラしたわけだがその女性の兄貴がなんと魔導師でな! 仲間の魔導師を集めて追いかけてきたもんだからさァ大変! 食うや食わずの逃亡劇が始まって早三日! 嗚呼そんなこんなしてる途中で今ここにいる○×△□?!」 「あーーーーー!うるさぁーーーい!!」 それは、聞いているだけで頭痛がしてくるかのような言葉の洪水だった。 エリオはそれをなんとかせきとめた。 でなければどれだけ付き合わされるか分かったものじゃないと、そんな確信にも似た感覚があった。 きっとこういう反応が返ってくるのは初めてじゃないのだろう。愉快そうに手を叩いて男は謝罪を述べる。 「アッハッハッハッ! すまんすまん! 悪気は無かったんだ、エルオ」 「エリオです!!」 「あ~あァ~、すまんすまん!」 そのやりとりに男はやはりというべきか、さらに喜色を浮かべるばかりだった。 「あんたって人は・・・」 「あんたなんかじゃねぇ、俺は……おっと。悪い悪い、俺の方こそ名乗ってなかったな。 ―――俺の名前はな、ストレイト=クーガー。 ―――――――――――誰よりも速く走る男だ」 そう、どこか気取った調子で話したその男。 その出会いは。その名前は。その姿は。その在り方は。 エリオの幼い心に深く刻まれることになった。 * * 四 再び新暦七十三年 「ストレイト……クーガー……。 そうだ、そういう出会いだった」 自然と、笑みが浮かんでいることに気付いた。 彼の前ではけして口にしなかったが、尊敬していた。憧れていた。 だから、今の自分があるのはあの人のおかげだと、そう思えた。 そんなとき、相棒の奇妙なでどこか嬉しそうな奇声が聞こえた。 合図ではないが、餌―――よく言って囮。であるところの相棒に、獲物であるところの強盗がかかったのは間違いなさそうだ。 そして“一瞬”で相棒と獲物との間に割り込む。 その獲物に慌てた様子は無い。余裕も見て取れる。 手練れと見ていいだろう。 女性で、エリオから見ても美人の部類だった。 相棒が奇声を上げた理由はこれか。美人に眼が無い。 「あなた! そう、そこのあなたです! あなたですか? 最近この辺りに荒らしをかけているという魔導師は」 「そうだとしたら、どうするの? 坊や?」 大人な雰囲気に内心では少々気圧されながらも、精一杯にクールな虚勢を整えた。 「その人のおかげで、ボクの依頼人がお困りでしてね。人助けをすることにしたんです」 「ついでに報酬も頂く?」 「当然!」 「それじゃあ、あなたも魔導師なの?」 「そう思ってもらってかまいません。 さぁ、こちらの事情は話しました。あなたのここにいる訳を聞かせてください」 女性はほんの少し思案する様子を見せてから、多少神妙な調子で答えた。 「時空管理局が最近開拓したっていう街を目指してるの。 ほら。近頃、よそ者たちのせいで物騒になってきたでしょ? あそこはか弱い女子供を保護してくれるって聞いたから」 「―――なるほど。いかにも、もっともらしい理由ですね」 「どういう意味かしら?」 女の余裕は崩れない。きっとこのやりとりを楽しんでいるのだろう。 確かに方角はあっているし、夜の一人歩きも魔導師であると考えればそれほど問題ではない。 辻褄は合っている。 しかしエリオは、彼女がそうだと確信を深めていた。 この問答自体、彼の誠実さからくる一応の追認に過ぎない。 だから、精一杯に挑発的な笑みを相手に突きつけて。 「嘘はよくありませんよ?」 「あら、どうしてそう思うの?」 「どんなに嘘を隠そうとしても、どうしようもなく視線は動くものです。 ボクはそういう人たちをごまんと見てきた。 あなたは嘘をついている。 これは勘なんかじゃない、ボクの確信です」 「―――ふぅん。相当な手練れのようね?」 「―――まだ魔法を見せていないのに、ボクの力量を推し量るあなたも」 女性の纏う雰囲気が変質している。 まがりなりにも被っていた猫を脱ぎ捨てた、獰猛なそれに。 これじゃ猫どころか虎だ、とエリオはなんだかおかしな気分になった。 戦いの予感に、高揚している自分を意識する。 そんな二人の間にある危うい均衡を楽しむように、その虎であるところの女性は問いを発した。 「あなた、名前は?」 「エリオです」 「ああ」と女は声をあげる。「聞いたことがあるわ。確か、レアスキル持ちの雷撃使い」 「へぇ、ボクも有名になっちゃったな。 そうですね、そのエリオで間違いないと思います」 「若いとは聞いていたけれど、まさかこんなちっちゃくてかわいらしい坊やだったとはねぇ」 どこか人懐こい、そんなきれいな笑顔に見入りそうになる自分を叱咤して。 エリオは問いを返した。 「ボクのことは話しました。次はあなたのお話を聞かせてください」 「―――私? 私、私は……。そうね。私を倒せたら教えてあげる」 空間に魔力の流れを感じる。 リンカーコアが周囲の空間に漂う魔力を吸い上げているのだ。 この世界の魔力は濃い。 生まれついて強力な魔導師が多いのと、それは無関係ではないだろう。 エリオが応戦のための魔力結合と変換を開始しようとしたそのとき――――横槍が入った。 エリオの相棒―――いや、単なる仕事上のパートナーだ。と内心で訂正する。 「待て待て待てぇ! エリオ、そいつが例の荒らしなのかぁ?」 「は、はい。そうみたいですけど……危ないから下がっててください!」 間に割って入ろうとする男をエリオは手で制止しようとするが、男はまるで気にした様子は無かった。 「でもよぉ、お前みたいな強い魔導師の相手をしたんじゃあその綺麗なお姉さんがただじゃすまねぇ! エリオ! ここは俺に任せろ!」 サムズアップしながら彼の言ったことは、なんというか、少年の予想の斜め上だった。 「え、えぇえェ!? で、でも、キリシマさんは魔法なんて使えないんじゃ?」 この世界なら裏ルートを当たれば、魔導師としての才能が無い彼でも扱える質量兵器が手に入ることは知っていた。 実際、彼が銃型のそれをいくつか持っていることも知っている。 知っていたが、それは極めて原始的なもので魔導師相手に通用するとはエリオには思えなかった。 だがその男―――キリシマは軽い調子で続けた。 その顔は下心丸出しだった。鼻の下がこれでもかと伸びている。 正直エリオは大人に幻滅しそうになった。 「なぁに、お兄さんのやり方を見てなさい。そして思う存分目上の人間を敬うがいい~!」 「あら、あなたが相手をしてくれるの? 私はどちらでもいいわよぉ♪」 「はぁーい綺麗なお姉さぁーん! それじゃ男キリシマいっきま~っす♪」 そんな調子で彼女に大きく飛び上がって飛びかかっていくものだから、「あれじゃただの変態だよ……」エリオは頭を抱えそうになった。 彼らのそんな様子にはかまわず、女性魔導師であるところの彼女は、長杖型のストレージ・デバイスを構えた。 魔力によって編まれる防護装備――バリアジャケット――と環状の魔方陣が一瞬で展開される。 ミッドチルダ式の使い手だ。 「さぁ、かかってらっしゃい。これが私の魔法。 ―――シュート!」 複数が展開された環状の魔方陣。強い輝光を放つそれら全てから、同時に魔力弾が放たれる。 その射出数。速度。魔力量。集束率。誘導の正確さ。そして判断と思い切りの良さ。 その全てが彼女がこの無法の荒野の魔導師にふさわしい技量の持ち主であることを示している。 男キリシマがそれに対抗するする術は――――あるわきゃ無かった。 全弾を綺麗に直撃された彼は心持ち黒焦げになって吹っ飛ばされた。 「どぅわぁああああーーーー!!」 「だ、大丈夫ですかっ!?」 吹き飛ばされ、ゴミクズのようになった彼の元にエリオは駆けつける。 ―――黒焦げになった男キリシマは、なんというか、幸せそうな、満ち足りたような顔をしていた。 すごくたるみきったなさけない顔だ。 今度こそエリオは大人に幻滅した。 「すまねぇ、どじっちまった……。 き、気を付けろエリオォ。あの女、噂どおりすげぇ魔導師だっぜ……ゴホッ」 「わかってるなら行かないでくださいよ!?」 「期待しちまったんだよぉぉ!」 「何を!?」 「薔薇色をぉ」 「あなた絶対バカでしょう!?」 しかしキリシマはそんな、ハンカチを噛み締めているような表情から、急に神妙で真面目な表情を見せた それを見て性根から生真面目なエリオはハッとして、もしかしたら彼は自分に彼女の魔法を見せるためにわざと囮になったのかもしれないと。 揉まれてなお純粋な部分を多く残す少年エリオの脳裏にはそういった考えが浮かんだ。 キリシマは息を絞り出すようにしてエリオに語りかける。 彼の身体から力が抜けているのに気付いたエリオは顔を青褪めさせる。 「エ、エリオォ。頼む、俺のかた……かた…きを……うぐぁっ!ガクッ」 「キ、キリシマさん……。キリシマさぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 空に荒野に、エリオの慟哭が響き渡る。 だが。 キリシマはケロっと再度顔を上げた。 「ハーイ♪ 生きてマース☆」 「わかってますよ!!!」 放たれた射撃魔法はきっちり非殺傷設定だった。 しばらくは指一本ろくに動かせないだろうが、間違っても死ぬことはない。 魔導師でもない相手を殺すのは気が引けたのか。いや、ただ単に彼女もあきれたのかもしれない。 そんなキリシマの様子にあきれ半分で―――もう半分ではこっそりと安堵して―――彼を土の地面に放り出す。 ゴツゴツとした石の覗く地面に投げ出されたキリシマはカエルのような悲鳴を上げるが、エリオは今度はまったく同情しなかった。 「あーもうっ! しょうがないな! やられるくらいなら行かないでくださいよ!」 そしてやっと女性魔導師に向き直る。 どうやら待ってくれていたようで、愉快そうな顔をしてこちらを見ている。 あのバカっぽいやりとりをずっと見られていたのかと思うと、エリオは顔を真っ赤にした。 「あらぁ、かわいい。それで、次はあなたが相手をしてくれるの?」 「……ええ、そうなりますね」 「私の魔法の威力は見たはずよね?」 「ええ、見ました。かなりのものです。でも。 ―――そういうぶ厚い壁を見るとどうにも打ち砕きたくなるんですよ!」 魔力を雷に変換し全身に纏う。さらに呪文を唱える。我流の自己ブースト。 ブーストの加護を受け最高速度で肉薄し直接雷撃を相手に叩き込む近接格闘型。 それが彼のスタイルだった。 「いいわ。それじゃあ相手をしてあげる。さぁ、かかってらっしゃい! 坊や!」 「ええ、かかります! 当然そうしますとも! ――――行きます!!」 片膝を屈してしゃがみこむ。クラウチングスタートの要領だ。 四肢で大地を掴まえる、獣の戦闘体勢のような姿。 腰を突き上げ、それが静止する。 周囲の空間から吸い上げた魔力と、彼自身の魔力とが身体の内側で荒れ狂う。 それら全てを雷撃に変換し、限界よ超えろとばかりにエリオの小さな身体にそれが圧縮される。 身体からこぼれて荒れ狂い大地を舐め焼く雷撃の余波はまるで無数の電気の蛇だ。 そして唱える。 呪文ではなく、彼に速さを与える覚悟の言葉。尊敬するあの人から伝授された技。 相手を打ち倒すという決意の具現。 それに応えて彼の背中で極限まで圧縮された雷撃が解放され爆発的な推進力へと変換された。 「受けろよ! ボクの速さを!」 荒ぶる雷光の尾を曳いて。その身に宿す雷を拳に乗せる愚直なまでの一点突破。 「衝撃のォォォォッ!ファァーストブリットォォォォォォォォォォォ!!」 ――――それが荒涼とした大地が広がるばかりの世界にたどりついた彼の見つけた在り方。 彼の人生を変えた出会いがあった。 出会った一人の男に教えられた。生き方。戦い方。そして走り方。 そして、それからさらにしばらくの後に。 彼は再び彼の人生に大きな影響を与える出会いをすることとなる。 ―――強く、だがどこか脆く儚い。そんな光を宿した瞳と月に照らされ光輝く金色の髪を持つ女性と――― 魔法少女リリカルなのはGoodSpeed...Chapter1 Erio ...End To Be Continued... - 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 因果 クロス元:覚悟のススメ 最終更新:08/01/07 第一話 第二話『盟約宣誓』 第三話 『轟心招来』 第四話『葉隠禁止(前編)』 第五話『葉隠禁止(中編)』 第六話『葉隠禁止(後編)』 第七話『昴』 第八話『対超鋼・機動六課』 第九話『二人(前編)』 第十話『二人(後編)』 第十一話『頂』 第十二話『焦り』 拍手感想レス :外見は全く異なるが、根底に共通した熱い魂と優しさがたまりません。 :今後の展開が、とても楽しみです。 あまり進んで無い様ですが、今後の展開に悩んでいるのですか? :覚悟というキャラの魅力にあてられ、本屋に走って覚悟のススメを購入してしまいました! 続きを心待ちにしております。 TOPページへ このページの先頭へ
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第74回歌会リスト 2011年4月17日開催 お題「男女交換」 男性は女性曲を、女性は男性曲を歌うこと 参加者35名 企画部屋,真・声サド部屋、特撮しりとり部屋 悠 曲名 作品名/歌手名 恋愛向上committee OVAバカとテストと召喚獣 星間飛行 マクロスF オベリスク マクロスF~イチワリノウタヒメ虚空歌姫~ only my railgun とある科学の超電磁砲 熱烈歓迎わんだーらんど 咲-Saki- 慟哭ノ雨 恋する天使アンジェリーク~かがやきの明日~ ただの秘密 涼宮ハルヒの憂鬱 Perfect-area complete! バカとテストと召喚獣 恋愛サーキュレーション 化物語 帰り道 化物語 君の知らない物語 化物語 モノクロのキス 黒執事(お題) こほうぎ 曲名 作品名/歌手名 ANGEL VOICE マクロスダイナマイト7 愛のソルジャー 光戦隊マスクマン せかいのおわり シブヤフィフティーン 三国志ラヴ・テーマ 人形劇三国志 Got to keep real 仮面ライダーOOO ナ・イ・シ・ョ・Yo!おジャ魔女 おジャ魔女どれみナイショ LOOKIN' FOR THE RAINBOW 虹の戦記イリス イッキマン・マーチ 剛Q超児イッキマン wild vision バーチャファイター DIVE INTO THE MIRROR 仮面ライダーDRAGON KNIGHT たたかえバイクロッサー 兄弟拳バイクロッサー(特撮しりとり) Ride the Wind 仮面ライダーディケイド(特撮しりとり) 走れ!嵐の中を 魔人ハンターミツルギ(特撮しりとり) Brave Love TIGA ウルトラマンティガ(特撮しりとり) OVER THE TIMES~時を越えて 超光戦士シャンゼリオン(お題) ゆうゆ 曲名 作品名/歌手名 失われた伝説を求めて 機甲創世記モスピーダ Can you feel my soul OVERMANキングゲイナー 機神咆吼ッ!デモンベイン! 機神咆吼デモンベイン 参上!!ギニュー特戦隊!! ドラゴンボール改 罠 機動戦士ガンダムOO DAYS 交響詩篇エウレカセブン MID NIGHT BLUE 機動警察パトレイバー 輝く王者ドルギラン 宇宙刑事ギャバン 逆様ブリッジ 荒川アンダーザブリッジ The Next Decade 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー(特撮しりとり) STORY トミカヒーローレスキューフォース(特撮しりとり) 気のせいかな 電磁戦隊メガレンジャー(特撮しりとり) ガオレンジャー吼えろ!! 百獣戦隊ガオレンジャー(特撮しりとり) ミライボウル ドラゴンクライシス!(お題) こお 曲名 作品名/歌手名 WE AREクロスハート! デジモンクロスウォーズ リーヨ!青春のイナズマイレブン イナズマイレブン 夢光年 宇宙船サジタリウス Myself 満月をさがして ブルーウォーター ふしぎの海のナディア Dazzling world THE IDOLM@STER DS ギャラクシー ハート メタルファイト ベイブレード爆 Shining Tears Shining Tears Give a reason スレイヤーズNEXT 少年よ 仮面ライダー響鬼 ドラゴン・ロード 仮面ライダーZX 可能性ガール よりぬき銀魂さん 小さな魔法 テガミバチREVERSE Lはラブリー Theかぼちゃワイン(お題) みぃ 曲名 作品名/歌手名 ツキアカリノミチシルベ DTB流星の双子 コネクト 魔法少女まどか☆マギカ cloud 9 Wolf's Rain みちゆき ラブレス リトルグッバイ ゼーガペイン Silent Wind アルジェントソーマ oblivious 空の境界 冥夜花伝廊 刀語 Dreams DARKER THAN BLACK 僕たちの季節 銀魂 指輪 天空のエスカフローネ キミノウタ 東京マグニチュード8.0(お題) 綺羅 曲名 作品名/歌手名 魔・カ・セ・テTonight これはゾンビですか? タイトルなんて自分で考えなさいな 荒川アンダーザブリッジ 世界と一緒にまわろうよ! Rio-Rainbow Gate- SUPER∝STREAM IS インフィニット・ストラトス 微笑みフォトグラフ ラブプラス+ ハッピークレセント 神のみぞ知るセカイ ダーリンダーリン けんぷファー HANAJI まりあ†ほりっく さくらんぼキッス~爆発だも~ん~ カラフルキッス~12コの胸キュン!~ STRAIGHT JET IS インフィニット・ストラトス Destin Histoire GOSICK すぱいすがーるはーとくらぶ けんぷファー 本気戦隊ガチレンジャー みつどもえ(お題) リッキー 曲名 作品名/歌手名 GO!GO!MANIAC けいおん!! 射手座☆午後九時Don't be late マクロスF ユニバーサルバニー マクロスF~イツワリノウタヒメ虚空歌姫~ Peace of mind 蒼穹のファフナーRIGHT of LEFT~single program~ PHANTOM MIND 魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE 1ST 秘密基地 交響詩篇エウレカセブン SAKURA 交響詩篇エウレカセブン Don't say “lazy” けいおん! キミシニタモウコトナカレ シャングリ・ラ 恋の抑止力 METAL GEAR SOLID PEACE WALKER Silent Bible 魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE 月迷風影 十二国記 Parallel Hearts Parallel Hearts 暗黒天国 かみちゃまかりん COLORS コードギアス反逆のルルーシュ(お題) あとぽす 曲名 作品名/歌手名 ウルトラマンネオスTYPE2001 ウルトラマンネオス 銀河の青春 機甲艦隊ダイラガーⅩⅤ HEART TO HEART 勇者警察ジェイデッカー 輝け!!ダグオン 勇者指令ダグオン STEP BY STEP 名探偵コナン STLL TIME 幻想魔伝 最遊記 天武の舞、暁の門 魂響 岬めぐり そらのおとしもの OVER LAP 遊☆戯☆王デュエルモンスターズ メロスのように-LONELY WAY- 蒼き流星SPTレイズナー どんなときでも、ひとりじゃない WILD ARMS 2nd IGNITION Fetishism Ark CHAOS;HEAD 空の欠片 電脳コイル 桜唄 デルトラクエスト(お題) みっつん 曲名 作品名/歌手名 紅の流星機 流星機ガクセイバー スーパー戦隊ヒーローゲッター 海賊戦隊ゴーカイジャー 心つなぐ愛 仮面ライダーJ(れい♪) Dreams DARKER THAN BLACK黒の契約者(れい♪) CRUSH GEAR FIGHT!! 激闘!クラッシュギアTURBO tRANCE 黒神 Horizon アルジェントソーマ The Realm of Athena 聖闘士星矢THE LOST CANVAS ネヴュラチェーン~兄弟の絆~ 聖闘士星矢 アイアンキング アイアンキング(特撮しりとり) 特捜戦隊デカレンジャー 特捜戦隊デカレンジャー(特撮しりとり) 流星人間ゾーン 流星人間ゾーン(特撮しりとり) なせばなるほどロボタック テツワン探偵ロボタック(特撮しりとり) Long Long ago,20th Century 仮面ライダーBLACK(特撮しりとり) 侵略のススメ☆ 侵略イカ娘(お題) べー 曲名 作品名/歌手名 時の河 三国志 ムサシ!BUGEI伝!! からくり剣豪伝ムサシロード めぐりあい 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 風のノー・リプライ 重戦記エルガイム Red fraction BLACK LAGOON モザイクカケラ コードギアス反逆のルルーシュ Get tough! GIANT KILLING ワールド・エンド・ダンスホール wowaka feat.初音ミク 巡音ルカ FOR REAL 幻想魔伝 最遊記 ドラマチック 大きく振りかぶって Dead or Alive 鋼鉄神ジーグ 迷宮のプリズナー スーパーロボット大戦OG スター・ダスト・ボーイズ 宇宙船サジタリウス DRAGON 新ゲッターロボ 羅針盤 ジパング 初音ミクの消失 cosMo@暴走P feat.初音ミク Loop-the-Loop もっとTo LOVEる-とらぶる-(お題) よしくん 曲名 作品名/歌手名 Trust You Forever 機動武闘伝Gガンダム 少年期 ドラえもんのび太の宇宙小戦争 夢を勝ちとろう プロゴルファー猿 思い出がいっぱい みゆき TRY AGAIN マクロス7 未来 ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 星獣戦隊ギンガマン 星獣戦隊ギンガマン ウルトラマンガイア! ウルトラマンガイア 仮面ライダーBLACK RX 仮面ライダーBLACK RX 電撃戦隊チェンジマン 電撃戦隊チェンジマン Wing Love 夢戦士ウイングマン 青空になる 仮面ライダークウガ yeah!Break!care!Brake! ドラゴンボール改 MEN OF DESTINY 機動戦士ガンダム0083~STARDUST MEMORY~(お題) コバルト 曲名 作品名/歌手名 TORNADO マジンカイザー The Biggest Dreamer デジモンテイマーズ get the regret over 闘神都市Ⅲ アウトサイダー キューティーハニー THE LIVE HEATS 真・ゲッターロボ世界最後の日 Rose Hip BULLET 咎犬の血 今がその時だ 真・ゲッターロボ世界最後の日 Shining Tears Shining Tears くちづけ 屍鬼 STORM 真ゲッターロボVSネオゲッターロボ デタラメな残像 ブラスレイター このこの七つのお祝いに ポップンミュージック17MOVIE 闘艶結義~トウエンノチカイ~ 真・恋姫十無双(お題) つるつる坊主 曲名 作品名/歌手名 Voice つくものがたり 愛の負け戦 魔法少女プリティサミー電脳帝国の逆襲 都会の影 新世紀GPXサイバーフォーミュラ INMOST VOICE ときめきメモリアルGirl's Side 北の漁場 爆走デコトラ伝説2~男人生夢一路~ 娘よ はーい井上商店ですよ! チクチク・B・チック そらのおとしもの Bleed Bloody Call 時計をもどしてもう一度 テニスの王子様(声サド:川本成) 常夜灯 WILD ADAPTER(声サド:石川英郎) Secret Love セイント・ビースト Others(声サド:小杉十郎太) everywhere webラジオ「隠の王」(声サド:斎賀みつき) Heart shaped killing emotion 今日からマ王!眞魔国放送協会(SHK)(お題) ☆屁天使 曲名 作品名/歌手名 バカ・ゴー・ホーム バカとテストと召喚獣 突撃ラブハート マクロス7 DYNAMITE EXPLOSION マクロスダイナマイト7 WORLD END コードギアス反逆のルルーシュR2 Dragon Soul ドラゴンボール改 Little Busters! リトルバスターズ! solitude ヴァンパイアホスト~夜型愛人専門店~ raging waves スレイヤーズごうじゃす 月曜はキライ バカとテストと召喚獣~祭~ 本気戦隊ガチレンジャー みつどもえ Vanguard カードファイト!!ヴァンガード Light Colors 智代アフター~It's a wonderful Life~(お題) ヒデ 曲名 作品名/歌手名 仮面ライダーAGITO 仮面ライダーアギト 光のさす未来へ! ドラゴンボールインフィニットワールド JAP 戦国BASARA Allegro Cantabile のだめカンタービレ Go For It! IGPX ギリギリchop 名探偵コナン overture 名探偵コナン Action-ZERO 仮面ライダー電王 裏切りの夕焼け デュラララ 果てしなく遠い空に 今日からマ王! 超人戦隊バラタック 超人戦隊バラタック Battle of omega ドラゴンボールレイジングクラスト2 GO AHEAD!! バトルスピリッツ少年突破バシン Got to keep it real 仮面ライダーOOO マイペース大王 げんしけん Red fraction BLACK LAGOON(お題) ナチュラル 曲名 作品名/歌手名 モノクローム STAR DRIVER流星のタクト 夏鳥 たまゆら Orchestral Fantasia 水樹奈々 インモラリスト ドラゴンクライシス! SUPER∝STREAM IS インフィニティ・ストラトス fallen down そらのおとしもの 風をあつめて ラグナロクオンライン 明日もし君が壊れても 遊☆戯☆王 Spring is here スフィア(声サド:豊崎愛生) SDARLET KNIGHT DOG DAYS(声サド:水樹奈々) KEY FOR LIFE 茅原実里(ゆうこ)(声サド:茅原実里) 夜明け寸前のシンフォニー バクマン(声サド:早見沙織) ハッピークレセント 神のみぞ知る世界(声サド:東山奈央) NOW loading...SKY!! あそびにいくヨ!(常盤)(お題) あおい 曲名 作品名/歌手名 超ヒーロー伝説 バクマン 空舞う勇者!×5 デジモンクロスウォーズ 三璃紗伝説~the Brave Legend~ SDガンダム三国伝ブレイブストーリー Journey through the Decade 仮面ライダーディケイド AURA ∀ガンダム IT ツバサクロニクル I WANT OUT ジェネレーターガウル 希望の宇宙の・・・ ギャクマンガ日和+ BLUE BIRD バクマン 熱烈ANSWER バトルスピリッツブレイブ おれはウサミミ仮面 おねがいマイメロディ~くるくるシャッフル タイトルなんて自分で考えなさいな 荒川アンダーザブリッジ FOR REAL 幻想魔伝最遊記 Vangard カードファイト!ヴァンガード バカ・ゴー・ホーム バカとテストと召喚獣 またね・・・のキセツ イナズマイレブン 絶対☆少女主義!! バクマン(お題) りつ 曲名 作品名/歌手名 恋はドッグファイト マクロスFサヨナラノツバサ ローリンガール wowaka feat.初音ミク Ring my bell そらのおとしもの アクティヴ・ハート トップをねらえ Dreams 機動新世紀ガンダムX 星が瞬くこんな夜に 魔法使いの夜 放課後オーバーフロウ マクロスFサヨナラノツバサ 刀と鞘 刀語 DISCOTHEQUE ロザリオとバンパイヤCAPU∇CHU RHYTHM EMOTION 新機動戦記ガンダムW 岬めぐり そらのおとしもの 産巣日の時 かんなぎ ハロー大豆の歌 かんなぎ INVOKE 機動戦士ガンダムSEED(お題) ゆらい 曲名 作品名/歌手名 SHINING☆STAR STAR DRIVER~輝きのタクト~ WE AREクロスウォーズ デジモンクロスウォーズ またね・・・のキセツ イナズマイレブン ヴィーナスとジーザス 荒川アンダーザブリッジ ダイヤモンドスター☆ カードファイト ヴァンガード ラ♪ラ♪ラ♪スィートプリキュア♪ スィートプリキュア♪ 蒼い春 生徒会役員共 本気戦隊ガチレンジャー みつどもえ ワンダフル↑パワフル↑ミュージック! スィートプリキュア♪ white days ひだまりスケッチ×☆☆☆(声サド:小見川千明) メイズ参上! それでも町は廻っている(声サド:悠木碧) そうは云っても世界は終らない それでも町は廻っている(声サド:矢澤りえか) モーブ色のSympathy ソウルイーター(声サド:内山昂輝) タイトルなんて自分で考えなさいな 荒川アンダーザブリッジ(声サド:沢城みゆき) スーパー戦隊ヒーローゲッター 海賊戦隊ゴーカイジャー(お題) ぽにょP 曲名 作品名/歌手名 BRAVE PHOENIX 魔法少女リリカルなのはA's カラコイ~だから少女は恋をする~ ハヤテのごとく!!HAYATE THE COMMBATBUTTER(綺羅) ?でわっしょい ひだまりスケッチ×365 いちごGo!Go! いちご打 あなたの一番になりたい 機動戦艦ナデシコ めぐりあい 機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙編 本気戦隊ガチレンジャー みつどもえ増量中! 心絵 メジャー COSMIC LOVE ロザリオとバンパイア DISCOTHEQUE ロザリオとバンパイアCUP2 No Border JAM project 深愛 WHITE ALBUM Breakin' through PERSONA-trinity soul- ETERNAL BLAZE 魔法少女リリカルなのはA's(お題) たくまん 曲名 作品名/歌手名 ウルトラマンメビウス ウルトラマンメビウス 最強のフュージョン ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ UNDERGROUND 天元突破グレンラガン 特捜エクシードラフト 特捜エクシードラフト(えな) 我が名はゴーダンナー 神魂合体ゴーダンナー キン肉マン旋風 キン肉マン 燃えよ激獣拳 獣拳戦隊ゲキレンジャー WIND THUNDER 忍風戦隊ハリケンジャー その名はガイキング・ザ・グレート ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU アクタ共和国国歌 プリンプリン物語 希望への旅 闘将!拉麺男 魔導騎士ウルザード 魔法戦隊マジレンジャー(特撮しりとり) 1-2-3-4激気正義! 獣拳戦隊ゲキレンジャー(特撮しりとり) Song For Magitopia 魔法戦隊マジレンジャー(特撮しりとり) 愛に抱かれて 特救指令ソルブレイン(特撮しりとり) スーパーモンキー孫悟空 飛べ!孫悟空(お題) hanaco 曲名 作品名/歌手名 ハートキャッチ☆パラダイス ハートキャッチプリキュア コンディション・グリーン 機動警察パトレイバー デイドリームジェネレーション 幽☆遊☆白書 嘆きのロザリオ 超重神グラヴィオン 風の未来へ 伝説の勇者ダ・ガーン Stargazer 一騎当千 オベリスク マクロスF 君の知らない物語 化物語 見知らぬ国のトリッパー 魔法の妖精ペルシャ 君がいる場所 世紀末オカルト学園 ETERNAL BLAZE 魔法少女リリカルなのは STEP 魔神英雄伝ワタル Crow Song Angel Beats! 氷のエンペラーⅡ テニスの王子様ミュージカル(お題) 常盤 曲名 作品名/歌手名 続く世界 天元突破グレンラガン紅蓮編 MEN OF DESTINY 機動戦士ガンダム0083STARDUSTMEMORY tomorrow フルメタルパニック 創聖のアクエリオン 創聖のアクエリオン Resolution 機動新世紀ガンダムX modern strange cowboy NEEDLESS 書きかけのDestiny 茅原実里 オルタナティヴ アスラクライン2 Magia 魔法少女まどか☆マギカ Faze to love ガンパレードオーケストラ 翼はPleasure Line クロノクルセイド 君の知らない物語 化物語 SMOKY THRILL THE IDOLM@STER2 irony 俺の妹がこんなに可愛いわけがない Super Driver 涼宮ハルヒの憂鬱(お題) えな 曲名 作品名/歌手名 特捜戦隊デカレンジャー 特捜戦隊デカレンジャー デカレンジャーアクション 特捜戦隊デカレンジャー NEW FRONTIER マクロス ダイナマイト7 おジャ魔女カーニバル おジャ魔女どれみ Ww are the VICTORYS 爆走兄弟レッツ ゴー!!WGP 疾走 桜蘭高校ホスト部 You got game? テニスの王子様 Endless Dream 遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX キテレツ大百科 キテレツ大百科 Super Survivor ドラゴンボールZスパーキング!メテオ Battle No Limit! バトルスピリッツ少年激覇ダン Melodies of Life ファイナルファンタジーⅨ わが名は小学生 みつどもえ増量中!(お題) ゆうこ 曲名 作品名/歌手名 桜 堀江由衣 keep on デジモンアドベンチャー 消えないで… D.C.II S.S.~ダ・カーポII セカンドシーズン~ スピカ ツバサ・クロニクル 初めての色 神のみぞ知るセカイ HEART GOES ON ハートキャッチプリキュア!(綺羅) はっぴぃ▽にゅう▽にゃあ 迷い猫オーバーラン!(綺羅) きゅるるんKissでジャンボ♪♪ カラフルハート~12コのきゅるるん♪ Love song 歌お! D.C.P.S.~ダ・カーポ~プラスシチュエーション(声サド:堀江由衣) Le Secret-ル・スクレ- 乃木坂春香の秘密(声サド:能登麻美子) この部屋でまた♪ ひだまりスケッチ×☆☆☆(声サド:後藤邑子) 幸せの砂浜 アマガミSS (声サド:ゆかな) わたしの恋はホッチキス けいおん!(声サド:日笠陽子) そよかぜらいふ 貧乏姉妹物語(お題) 猫丸☆ 曲名 作品名/歌手名 背中ごしにセンチメンタル メガゾーン23 今日の日はさようなら エヴァンゲリヲン新劇場版・破 夕焼けの空 新・八犬伝 ブルーウォーター 不思議の海のナディア 草原のマルコ 母をたずねて三千里 銀河鉄道999 銀河鉄道999 愛あればこそ ベルサイユのバラ テッカマンの歌 宇宙の騎士テッカマン 青春の旅立ち スターウルフ 翼をください エヴァンゲリヲン新劇場版・破 勇者ライディーン 勇者ライディーン 海のトリトン 海のトリトン エースをねらえ! エースをねらえ! あなたの心に アベノ橋魔法商店街(お題) ぱちこ 曲名 作品名/歌手名 空色デイズ 天元突破グレンラガン みんなのピース 天元突破グレンラガン futuristic imagination 東のエデン BRAVE HEART 爆走兄弟レッツ ゴー!!MAX 恋はスリル、ショック、サスペンス 名探偵コナン 情熱 東京アンダーグラウンド Divine love セイント・ビースト~光陰叙事詩天使譚~ あなただけ見つめてる スラムダンク アタック!ギャグまんが日和 ギャグまんが日和 Vanguard カードファイト!!ヴァンガード 時の扉 一騎当千Great Guardians Anything Goes! 仮面ライダーOOO 明日への道~Going my way!!~ 遊☆戯☆王5D's(お題) れい♪ 曲名 作品名/歌手名 気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです これはゾンビですか?(みっつん) 燃えろ!スーパー戦隊魂!! 百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊(みっつん) Gravity らき☆すた(みっつん) W-B-X~W boiled extreme~ 仮面ライダーW(みっつん) 勇者王誕生! 勇者王ガオガイガー(よーたろー) HEART∝BREAKER 仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブルfeat.スカルMOIVE大戦CORE(こほうぎ) キミシニタモウコトナカレ シャングリ・ラ Ready Go! オオカミさんと七人の仲間たち 赤頭巾ちゃん御用心 オオカミさんと七人の仲間たち コールド フィンガー ガール レベルE OVER SKY ストライクウィッチーズ2 ハートの確率 そらのおとしものf(りつ) ここだけの話 海月姫 Ride on Right time 仮面ライダーOOO(aoi)(お題) 杉耶 曲名 作品名/歌手名 Don't say“lazy” けいおん! 追想のディスペア ひぐらしのばく頃に絆 spiral アスラクライン トライアングラー マクロスF DA DA DA テニスの王子様 only me railgun とある科学の超電磁砲 トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/ オワタP feat 初音ミク 戦士よ、起ち上がれ! 魔装機神サイバスター 誰そ彼の月草 刀語 DRAGON 新ゲッターロボ(お題) aoi 曲名 作品名/歌手名 Anything Goes! 仮面ライダーOOO ETERNAL BLEEZE 魔法少女リリカルなのはA's NEXT LEVEL 仮面ライダーカブト 真っ赤な誓い 武装錬金(お題) こっとん 曲名 作品名/歌手名 Morning Dreamer Girls Dead Monster Girls in trouble!DEKARANGER 特捜戦隊デカレンジャー escape ひぐらしのなく頃に 祭 MY FRIENDS マクロス7 はじまりの朝に光あれ。 シャングリ・ラ キミシニタモウコトナカレ シャングリ・ラ Alice magic リトルバスターズ! God only knows第三幕 神のみぞ知るセカイ Magic∝world とある魔術の禁書目録Ⅱ run with wolves Angel Beats! コイノシルシ 神のみぞ知るセカイ LITTLE BUSTERS フリクリ(お題) ムー 曲名 作品名/歌手名 a Prcae of Love らんま1/2決戦桃源郷!花嫁を取り戻せ Seven デジモンアドベンチャー 宇宙の子どもたち 古代王者恐竜キング・D・キッズ・アドベンチャー翼竜伝説 参上!ぴゅるっとあさたろう ねぎぼうずのあさたろう Magic∝world とある魔術の禁書目録Ⅱ SUPER∝STREAM インフィニット・ストラトス COLOR フリージング 魔・カ・セ・テTonight これはゾンビですか Day dream Syndrome 夢喰いメリー More-more LOVERS!! えむえむっ ワンダフル↑パワフル↑ミュージック スィートプリキュア ハリネズミ フラクタル クライマックスホイッスル シスタークエスト2~魔剣の騎士と白銀の巫女 心のファンファーレ ポケットモンスターベストウィッシュ(お題) よーたろー 曲名 作品名/歌手名 ボルテスVの歌 超電磁マシーン ボルテスⅤ CROSS FIGHT! 破邪大星ダンガイオー(れい♪) ray of sanshine 新谷良子 愛のメディスン ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて コネクト 魔法少女まどか☆まぎか 童話迷宮 おとぎ銃士赤ずきん Littlewish~lylical step~ 魔法少女リリカルなのは なのです☆ ひぐらしのなく頃に 解 ビューナスAの歌 グレートマジンガー ダンバインとぶ 聖戦士ダンバイン HEART SOUL 一騎当千Dragon Destiny 戦いの詩 瀬戸の花嫁 正解はひとつ!じゃない!! 探偵オペラミルキィホームズ(お題) こーちけ 曲名 作品名/歌手名 キミシニタモウコトナカレ シャングリ・ラ(お題) コージ 曲名 作品名/歌手名 海賊戦隊ゴーカイジャー 海賊戦隊ゴーカイジャー マクロス 超時空要塞マクロス シルバームーン・レッドムーン 超時空要塞マクロス タイガーマスク二世 タイガーマスク二世 Venus Say・・・ ふたつのスピカ 伝説 轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊 悠久の旅人~Dear boy アイドルマスターXENOGLOSSIA 宇宙母艦ジャスダム 惑星ロボ ダンガードA 青い週末 SAMURAI GIRLリアルバウトハイスクール 特警ウインスペクター 特警ウインスペクター(特撮しりとり) キャプテンウルトラ キャプテンウルトラ(特撮しりとり) あいつの名前はレインボーマン レインボーマン(特撮しりとり) 鉄人タイガーセブン 鉄人タイガーセブン(特撮しりとり) ジムボタンの歌 ジムボタン(お題) 全員歌唱 曲名 作品名/歌手名 お江戸はカーニバル 吉宗 超星艦隊セイザーX 超星艦隊セイザーX スクランブル School Rumble GO MY WAY!! THE IDOLM@STER 海賊戦隊ゴーカイジャー 海賊戦隊ゴーカイジャー SKILL 第2次スーパーロボット大戦α ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪ スイートプリキュア♪ Utauyo!!MIRACLE けいおん!!
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ミッドチルダに突如として正体不明の青い球状物体が飛来していた。たまたま付近を飛行訓練中だったなのはが それの追跡を行っていたのだが、その時彼女の背後から赤い球状物体が飛来、そのまま飲み込まれてしまったのである。 赤い球状物体に飲み込まれてしまったなのはは、そこで不思議な体験をしていた。 「ねえ、誰なの? そこにいるのは…。」 なのはがそう訪ねると、銀色の肌に赤い模様、そして胸部にクリスタル状の物を持った不思議な何者かが現れた。 その姿と佇まいは余りにも異様であり、とても人間とは思えなかった。 「貴方は一体何者なの?」 『君達がM78次元世界と呼ぶ世界の次元人だ。』 「M78次元世界の次元人?」 『そうだ。遠い次元の彼方からベムラーを次元の墓場へ運ぶ途中、ベムラーに逃げ出されて、それを追ってミッドチルダに来た。』 「ベムラー?」 『様々な次元の平和を乱す、悪魔の様な怪獣だ。』 なのはの目の前に現れた何者かは、M78次元世界と呼ばれる世界からやって来た次元人だと言う事が分かった。 M78次元世界と言えば、現在時空管理局が持ち得る最速次元船を持ってしても辿り着くのに約300万年以上の 時間が必要と言うとてつもない遠くに存在する次元である。無論そこに何があるのか、どんな種族が住んでいるのかに 関しては分かり様も無い。しかし、そんな未知の世界から来た次元人と言うのならば、その異様な姿と 佇まいもむしろ違和感は無かった。そして次元人はベムラーなる怪獣を追って、このミッドチルダに やって来てしまったと言うのである。すると、そこで次元人はなのはに対し頭を下げていた。 『申し訳ない事をした高町一等空尉。ベムラーを追ってミッドチルダにやって来た際に誤って 君を巻き込み死なせてしまった。その代わり、私の命を君にあげよう。』 「貴方の命を? 貴方はどうなってしまうの?」 『君と一心同体になるのだ。そしてミッドチルダの平和の為に働きたい。』 やはり赤い球状物体に飲み込まれてしまった時点でなのはは死んでしまっていたのだ。 しかしそれに次元人は責任を感じ、自分自身の命を持ってなのはを蘇生させると言う。 管理世界においてどんな魔法を使っても死者を蘇らせるのは不可能とされるが、 彼…次元人にはその常識を超越した力があると言うのだろうか? すると、そこで彼はなのはに対し小型懐中電灯の様な物を渡していた。 「これは何なの?」 『ベーターカプセル。』 「ベーターカプセル?」 『困った時にこれを使うのだ。そうすると…。』 「そうすると一体どうなってしまうの?」 『ハッハッハッハッハッハッ! 心配する事は無い…。』 こうしてM78次元世界の次元人の力によって死んだと思われたなのはは蘇った。 次元人がなのはと一心同体になる事によってなのはを蘇生させたと言うのは分かるが、 じゃあ次元人がなのはの身体の何処にいるのかに関してはなのはもさっぱりだった。 とは言え、この状況においては次元人に代わってミッドチルダに飛来した青い球状物体=ベムラーを 対処せねばならない。管理世界における生物の常識を超越した怪物…ベムラーは強敵だ。 自身のディバインバスターを連続で当ててもなお決定打に至らない耐久力と、ヴォルテールのそれすら 上回りかねないベムラーの火力は凄まじい。もうダメだと思われたその時、なのはは次元人から 言われた言葉を思い出し、次元人に貰ったベーターカプセルを天に翳し、そのスイッチを押した。 その瞬間であった。ベーターカプセルから放たれた眩い光がなのはの全身を包み込み、 その姿を身長40メートル、体重3万5千トンの次元人のそれへと変えていたのである。 M78次元世界の次元人からその命を託された高町一等空尉はベーターカプセルで次元人に変身した。 マッハ5のスピードで空を飛び、強力なエネルギーであらゆる敵を粉砕する不死身の身体を手に入れたのである。 次元人の力ならばベムラーと互角に戦える。ベムラーも強力であったが、次元人もまたそのベムラーを 掴み投げ飛ばす程の怪力を見せ、最後は腕を十字に組んだ状態から放たれる光線によってトドメを刺した。 この光線はスペシウムなる物質を含んだ強力な光線であり、50万馬力・50万度の出力を誇る。 しかしそれさえミッドチルダそのものにダメージを与えない様にパワーを抑えた状態であり、 その気になれば惑星を破壊してしまう事も容易らしい。 そんな凄まじい力を持った次元人であるが、弱点もあった。何故かミッドチルダと言う環境条件下においては エネルギーの消耗が激しく、本来のそれよりも大きく力が制限されてしまう上に活動時間も数分が限度。 次元人が胸部に持つクリスタル状の物体はカラータイマーと言う名称であり、エネルギーや活動時間に 限界が来ると青から赤に変わって点滅を始める。そしてもしカラータイマーから光が消えた時、 次元人は立ち上がる力を失ってしまうのである。ミッドチルダにおいて致命的なリスクを抱える次元人だが、 それを差し引いても凄まじい力を持ち得る次元人の力は脅威的とも言えるのかもしれない。 次元人に変身している間、なのはは不思議な感覚を感じていた。今の自分が高町なのはであるのか、 この次元人であるのかが自分でも不明瞭で分からない。次元人がなのはと一心同体になっており、 彼の記憶や人格が反映されているのかもしれないが、少なくとも次元人に変身している間においてだけは 自分が高町なのはと言う人間であったと言う事を忘れ、あたかも最初から次元人であった様に感じてしまう。 それがなのはにとって自分でも不思議な事だった。 何はともあれ次元人に変身したなのははベムラーを倒し、そのまま天高く飛び去った様に見せかけて 元の姿に戻り、現場に駆けつけて来ていたフェイト達と何食わぬ顔で合流していた。 「なのは…本当になのはなんだね?」 「当たり前じゃない。私は私だよ。それはそうとフェイトちゃん、あの怪獣はどうなったの?」 「それが私も良く分からなくて、突然銀色の巨人が現れて怪獣を倒してそのまま飛び去ってしまったよ。 それにしてもあの巨人は一体何者だったのだろう。」 フェイトや他の局員も次元人とベムラーの戦いを目の当たりにしていた様だが、余りにも 突拍子も無い事に状況が掴めず誰もが首を傾げていた。しかし、そこでなのははニッコリと微笑んでいた。 「やっぱりあの人が出て来てくれたんだね。」 「あの人? なのは知ってるの?」 「うん。私もあの人に危ない所を助けられたんだよ。」 流石に次元人がなのはと一心同体になったと言う話は出来ない為、とりあえず皆に対しては 次元人に助けられたと言う方向で説明と報告を行っていた。しかし、ここで新たな疑問が浮かぶ。 「じゃあなのはを助けてくれた人の名前は何て言うの?」 「名前なんて無いよ。」 「え? 名無しのゴンベエなんて困るよ。」 「それならリリカルマンって呼ぶのはどうかな?」 「リリカルマン?」 ただ単に『魔法少女リリカルなのは』から『リリカル』を持って来て『マン』を付けて『リリカルマン』とする その場で何となく浮かんだ安直なネーミングであったが、暗黙の内に誰もが大して突っ込みを入れず、 誰もが次元人を『リリカルマン』と呼ぶ様になった。 「でもそのリリカルマンって言うのは何処かに行ってしまったんじゃないかな?」 「何処にも行かないよ。あの赤い玉は彼の次元船だったんだけど、それも爆発しちゃって故郷に 帰れなくなっちゃったんだって。でもその代わりこの世界に留まって平和の為に戦ってくれるって 言ってたんだよ。」 「何にせよなのはが無事で良かったよ。」 こうして何食わぬ顔で今まで通りに普通の人間としての生活に戻って行くなのはであったが、 これが彼女とM78次元世界の次元人=リリカルマンの戦いの日々の始まりでもあった。 ベムラーのミッド襲来を皮切りとして、ミッドやその他管理世界の彼方此方で発生する 『怪獣』と呼ばれる特殊生物群。ヴォルテールや白天王の立場が無くなってしまう程の 凄まじい能力を持った怪獣達は各地で猛威を振るった。ベムラーの襲来が引き金となって 眠っていた彼等を目覚めさせたのか、はたまたミッドや各管理世界において潜み眠っていた 怪獣達に惹かれてベムラーがミッドに襲来したのかは分からない。いずれにしても 怪獣を好き勝手に暴れさせていては、世界そのものの存亡に関わると言う事である。 怪獣の力は凄まじく、現場の局員ではどうにもならず、本来前線に出るべきでは無い 教導隊のなのはですらも前線に出て怪獣と戦わなければならないと言う状況が当たり前になる程にまで 管理局は怪獣の猛威に苦戦を強いられていた。なのは自身もディバインバスターを連続で撃ち当てても 怪獣には効果が薄いケースが多かった。 もうこれ以上はダメだとなのはが判断した時、こっそり物陰に隠れ、隠し持っていたベーターカプセルを点火する。 そうする事によって普段なのはの中で彼女の生命維持を行っている次元人=リリカルマンが姿を現し、 リリカルマンとなったなのはと怪獣の対決に移行すると言うのもまた恒例となっていた。 ちなみになのはは女性であるのだから、リリカルマンでは無くリリカルウーマンと呼称すべきなのかもしれないが、 次元人の姿の方はどう見ても男性である為、結局リリカルマンになってしまう。M78次元世界の次元人に 男女の概念があるのかどうかは不明であるが、彼が本当に男性もしくはそれに準じた存在であったと考えると なのはもちょっと恥ずかしくなってしまっていた。 リリカルマン・様々な戦い