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藤丘町エリートクラス1 入手カードレベル: エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 29-1 八神堂エリートデュエル 1 8 28~36 1200~1440 プレシア・テスタロッサ[T H店長] 八神シグナム[剣道大学生] キリエ・フローリアン[マイペース次女] 夜天の書ミ:C べ:? イ:E 29-2 八神堂エリートデュエル 2 アリサ・バニングス[リーダー気質小学生] 八神リインフォース・アインス[八神堂店員] シュテル・スタークス[ゆるふわ普段着] 夜天の書ミ:F べ:? イ:B 29-3 八神堂エリートデュエル 3 フェイト・テスタロッサ[普段着小学生] 八神シャマル[研修中医大生] ディアーチェ・K・クローディア[ブラックスイート普段着] ---- 29-4 八神堂エリートデュエル 4 ユーノ[高町家のフェレット] 八神はやて[八神家の大黒柱] ユーリ・エーベルヴァイン[優しい末っ子] フレイムアイズミ:A べ:? イ:C 29-5 八神堂エリートデュエル 5 リニス・ランスター[真面目なメイドさん] のろいうさぎ[ヴィータの宝物] ユーリ&レヴィ[末っ子たちの応援] フレイムアイズミ:D べ:? イ:F 29-6 VS シャマル(&ザフィーラ) 報酬 八神ザフィーラ[近所の人気者] Lv 20 (DF+50) レアチケットピース 1枚 マイDPキャンディ 1個 (3800スタンプ) 藤丘町エリートクラス2 入手カードレベル:13 エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 30-1 八神堂エリートデュエル 6 8 28~36 1200~1440 リニス・ランスター[真面目なメイドさん] 八神はやて[普通の小学生気分] レヴィ・ラッセル[リボン普段着] フレイムアイズミ:C べ:? イ:E 30-2 八神堂エリートデュエル 7 アリサ・バニングス[リーダー気質小学生] 八神ヴィータ[趣味はグランドゴルフ] ユーリ&レヴィ[末っ子たちの応援] フレイムアイズミ:B べ:? イ:D 30-3 八神堂エリートデュエル 8 クロノ・ハラオウン[優等生な中学生] 八神はやて[八神堂店主] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] ---- 30-4 八神堂エリートデュエル 9 エイミィ・リミエッタ[T H店員] 八神ヴィータ[趣味はグランドゴルフ] ディアーチェ・K・クローディア[王の特訓] フレイムアイズミ:E べ:? イ:A 30-5 八神堂エリートデュエル10 アルフ[テスタロッサ家の愛犬] 八神シャマル[ほんのり医大生] ユーリ・エーベルヴァイン[一家の末っ子] フレイムアイズミ:F べ:? イ:B 30-6 VS はやて(&ユーリ) 報酬 八神はやて[普通の小学生気分] Lv 20 (AT+50) レアチケットピース 1枚 マイMPクッキー 1個 (3900スタンプ) 藤丘町エリートクラス3 入手カードレベル:13 エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 31-1 八神堂エリートデュエル11 8 30~36 1200~1440 高町なのは[お部屋着小学生] 八神はやて[普通の小学生気分] レヴィ・ラッセル[元気系中学生] レイジングハートミ:A べ:? イ:C 31-2 八神堂エリートデュエル12 フェイト・テスタロッサ[普段着小学生] 八神リインフォース・アインス[八神堂店員] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] レイジングハートミ:? べ:? イ:F 31-3 八神堂エリートデュエル13 アリシア・テスタロッサ[T H店長の娘さん(姉)] 八神はやて[普通の小学生気分] レヴィ・ラッセル[リボン普段着] ---- 31-4 八神堂エリートデュエル14 リンディ・ハラオウン[T H店長] 八神ヴィータ[学校帰り小学生] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] レイジングハートミ:B べ:? イ:D 31-5 八神堂エリートデュエル15 リニス・ランスター[真面目なメイドさん] 八神はやて[八神堂店主] ユーリ&レヴィ[末っ子たちの応援] レイジングハートミ:? べ:? イ:A 31-6 VS アインス 報酬 八神リインフォース・アインス[八神堂店員] Lv 20 (LC+50) レベルマスタリーN 3個 (4000スタンプ) 藤丘町エリートクラス4 入手カードレベル:13 エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 32-1 八神堂エリートデュエル16 8 30~36 1280~1540 リニス2世[テスタロッサ家の愛猫] 八神ヴィータ[気合いの小学校3年生] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] レイジングハートミ:C べ:? イ:E 32-2 八神堂エリートデュエル17 フェイト・テスタロッサ[普段着小学生] 八神ヴィータ[学校帰り小学生] ユーリ・エーベルヴァイン[一家の末っ子] レイジングハートミ:F べ:? イ:B 32-3 八神堂エリートデュエル18 クロノ・ハラオウン[優等生な中学生] のろいうさぎ[ヴィータの宝物] ディアーチェ・K・クローディア[ブラックスイート普段着] ---- 32-4 八神堂エリートデュエル19 エイミィ・リミエッタ[T H店員] 八神リインフォース・アインス[八神堂店員] レヴィ・ラッセル[リボン普段着] フォーチュンドロップミ:A べ:? イ:C 32-5 八神堂エリートデュエル20 高町なのは[お部屋着小学生] 八神ヴィータ[趣味はグランドゴルフ] ユーリ・エーベルヴァイン[一家の末っ子] フォーチュンドロップミ:D べ:? イ:F 32-6 VS ヴィータ 報酬 のろいうさぎ[ヴィータの相棒] Lv 30 (LC+50) レアチケットピース 1枚 レベルマスタリーN+ 1個 (4100スタンプ)
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2013/07/27 ~ 2013/08/15 追加で報酬がもらえるキャンペーン 既にクリア済みの人も再度マスター戦挑戦可能 +一覧 エリア 相手 EX 報酬 1-6 ホビーショップT H VSリンディ 10 レアチケットピース×1 マイDPキャンディ×1 スタンプポイント×10000 (1000スタンプ) 2-6 藤丘町・古書店八神堂 VSはやて 20 レアチケットピース×1 マイMPクッキー×1 (1100スタンプ) 3-6 暁町・グランツ研究所 VSグランツ 20 レアチケットピース×1 コンティニューチケット×1 ローダーデータ×400 (1200スタンプ) 4-6 ホビーショップT H VSプレシア 20 レアチケット×1 レアチケットピース×2 (1300スタンプ) 5-6 VSヴィータ 30 チヴィ・ザ・トレジャー[まんまる水色]×1 (Lv 1 AT+100 DF+100) レアチケットピース×1 マイDPキャンディ×1 スタンプポイント×20000 (1400スタンプ) 6-6 VSアインス 30 レアチケットピース×1 マイMPクッキー×1 (1500スタンプ) 7-6 VSシャマル 40 レアチケットピース×1 コンティニューチケット×1 マイDPキャンディ×1 ローダーデータ×600 (1600スタンプ) 8-6 VSヴィータ 50 レアチケットピース×2 スタンプポイント×50000 (1700スタンプ) 9-6 VSユーリ 60 シュテゆ・ザ・キャット[ワンダリングキャット]×1 (Lv 1 AT+100 DF+100) レアチケットピース×1 マイDPキャンディ×1 (1800スタンプ) 10-6 VSレヴィ 70 レアチケットピース×1 コンティニューチケット×1 マイMPクッキー×2 (1900スタンプ) 11-6 VSシュテル 80 レアチケットピース×1 マイDPキャンディ×2 ローダーデータ×800 (2000スタンプ) 12-6 VSディアーチェ 90 レアチケットピース×2 コンティニューチケット×1 スタンプポイント×100000 (2100スタンプ) 13-6 VSアリサ 100 アインハルト[ハルうさギフト]×1 (AT+300) レアチケットピース×1 マイMPクッキー×2 (2200スタンプ) 14-6 VSすずか 120 ヴィヴィオ[ヴィヴィうさギフト]×1 (DF+300) レアチケットピース×1 マイDPキャンディ×2 (2300スタンプ) 15-6 VSなのは 140 レアチケットピース×2 マイMPクッキー×2 ローダーデータ×1000 (2400スタンプ) 16-6 VSフェイト 160 T&Hエレメンツ[エレメンツビート]×1 (Lv 30 AT+500 DF+500) プラチナチケット×1 レアチケットピース×1 (2500スタンプ)
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海岸沿いに建つ真新しい建物――機動六課隊舎へと続く、舗装されたばかりの道を、エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエは並んで歩いていた。 卸したての制服は二人とも袖が余り、十歳という年齢相応の幼い顔立ちとも相まって、服を着ているというよりも服に着られているような印象を周囲に与える。 「スターズ隊の前衛って、どんな人達なのかな……?」 「上手くやっていけると良いね」 不安そうに俯くキャロに、エリオはそう言って笑いかけた。 右手でキャロの左手を取り、元気付けるようにぎゅっと握り締める。 初めての職場のまだ見ぬ同僚に、不安や緊張を抱くのは仕方がない……それはエリオも同じである。 しかし、自分達ならば上手くやっていけるという自信もエリオにはあった。 初めて会ってから数日しか経っていない自分とキャロはもう友達になれた、他の六課の仲間ともきっと一緒に頑張っていける。 「一緒に頑張ろう」 屈託なく笑うエリオにキャロも顔を上げ、「うん」と笑顔で頷いた。 握った右手がキャロからも握り返され、掌を通じて体温が伝わってくる。 いつの間にか足は止まり、互いにじっと見つめ合う少年少女……。 完全に二人だけの世界に入ってしまったエリオとキャロに、キャロの傍らを飛ぶ白い小さな龍――フリードは呆れたように火を吐いた。 往来の真ん中で人様に迷惑だとかお前ら初日から遅刻するつもりかとか、言いたいことは山程あるが、しかし今の二人の間に割って入るだけの度胸はフリードには無い。 どうしたものかと天を仰ぐフリードは、その時、蒼天の彼方でキラリと光る何かを見た。 流星だろうか……徐々にその大きさと輝きを増すその「光」に、フリードは現実逃避でもするようにぼんやりと思考を巡らせる。 段々と近づいてくる光を眺めながら、フリードはふと気付いた……あれ、これってもしかして直撃コースじゃね? 青ざめるフリードが警告の鳴き声を上げようとした、その瞬間、一枚の巨大な光の「壁」がギロチンのように二人と一匹の眼前に突き刺さった。 「うわっ!?」 「きゃあ!!」 地を揺るがす衝撃と舞い上がる土煙に、エリオ達は思わず悲鳴を上げる。 二人の目の前にそそり立つ巨大な「壁」――否、空を切り裂き、雲を貫き、轟音と共に地面に垂直に突き立ったそれは、巨大な、余りにも巨大な……「道」だった。 不測の事態はまだまだ続く。 空へと続く光の「道」――その向こう側から、何かが来る、何か巨大なものが駆け下りてくる。 「赤い、ロボット……?」 「顔のお化けだ……」 呆然と呟くエリオとキャロ、二人の言葉が全てを語っていた。 二人の頭上を飛び越え、地響きと共に着地した「道」の主、それは赤を基調とした鋼の巨人だった。 鬼を思わせる額の一本角、爬虫類のような尻尾、そして胴体部分を占領している第二の「顔」……。 その全てが、禍々しい。 混乱した思考は徐々に落ち着きを取り戻し、二人は接近する異形の巨人の正体を冷静に推測する。 凶悪な外見に、機動六課の正式稼動直前の隙を狙ったかのようなこのタイミング。 この「道」にしてもよくよく考えてみれば、自分達を狙った奇襲攻撃と思えなくもない。 敵であることは最早明白、ならば自分達のするべきことは一つ…… 「起きろ、ストラーダ」 エリオの呼びかけを受け、右手首に巻かれた腕時計――ストラーダの液晶が明滅する。 キャロの左手首を飾る二つの腕環――ケリュケイオンも、主の闘争の意思を感じ取ったように淡い輝きを発している。 エリオがキャロを見る、キャロもエリオを見ている。 軽く頷き合うだけで互いの意思を把握し、二人は固く握っていた手を離す。 「ストラーダ!」 エリオが右手で拳を握り、 「ケリュケイオン!」 キャロが左手を高く掲げる。 「「――セットアップ!!」」 凛とした主の声に応えるように、二つのデバイスは光と共にその真の姿を現す。 フリードも臨戦状態に入ったのか、可愛らしくも雄々しい咆哮を上げた。 機動六課は自分達が守る……熱い誓いを胸に抱き、少年少女とその他一匹の戦いが始まろうとしていた。 同時刻、機動六課隊舎部隊長室。 来客を告げるブザーの音に、はやてとリインフォースⅡは顔を上げた。 「はい、どうぞ」 はやての了承の声と共に自動扉が開き、機動六課の制服に着替えたなのはとフェイトが姿を現す。 「お、二人ともキまっとるやん」 「お似合いですー」 口々に褒めるはやてとリインフォースⅡに、なのはとフェイトは照れたように笑みを浮かべる。 「この部屋も、やっと隊長室らしくなったね」 そう言って部屋の中を見回すなのはに、はやても笑顔で頷く。 最初は何も無い、ただ広いだけの部屋だった。 そこにまず机が運び込まれ、続いて書類や他の備品、その他様々な物資が部屋中に無秩序に置かれていった。 山のように積み上げられた段ボール箱を一つ一つ開き、必要なものを必要な場所に整理していく――そうして漸くオフィスらしい体裁を整えきったのが、昨日の夜遅く。 この部屋がこの部屋らしくなるまでの一連の流れは、はやてが機動六課設立のために奔走したこの四年の月日そのものだった。 「……やっとや。やっとこれから、始まるんや」 感慨深そうに呟くはやてに、なのはとフェイトが同意するように首肯する。 「高町なのは一等空尉」 背筋を伸ばし、管理局員としての名を名乗るなのは。 「フェイト・T・ハラオウン執務官」 表情を引き締め、魔導師としての名を告げるフェイト。 「本日只今より、両名共機動六課へ出向となります」 「どうぞ宜しくお願いします」 そう言って敬礼するなのはとフェイトに、はやても敬礼と共にこう応える。 「こちらこそ、よろしくお願いします。なのは隊長、フェイト隊長」 形式通りの就任挨拶を終え、久々に同じ制服で揃った幼馴染三人は、懐かしさと気恥ずかしさに笑い合う。 中学校卒業と共に正式に管理局に入局した三人は、それぞれ別の道を歩き始めた。 なのはは教導官、フェイトは執務官、そしてはやては捜査官。 違う色の明日を目指して別たれた三つの道は、しかし再び一つに繋がった。 それが一瞬の交錯に過ぎなくても、目指す明日は違うままでも、もう一度三人で「今」を生きられる。 たったそれだけのことが、三人には堪らなく嬉しかった。 「頑張っていこーか!」 気合いを入れるはやてになのは達も力強く頷こうとしたその時、非常事態を告げるサイレンの音が隊舎中に響き渡った。 『緊急事態です。八神部隊長』 動揺する三人の前にウィンドウが開き、眼鏡をかけ落ち着いた物腰の青年――グリフィス・ロウランの顔が映し出される。 「グリフィス君! これは一体何事や!?」 絶妙なタイミングで現れた副官に、はやてが詰め寄る。 その剣幕に気圧されながらも、グリフィスは己の仕事を全うするべく口を開いた。 『報告します。機動六課敷地内で中規模の戦闘発生、現在隊舎前でライトニング隊前衛二人とスターズ隊前衛二人が戦っています』 グリフィスからの報告に、はやて達の間に緊張が走る。 正式稼動前とはいえ敷地内、それもこの隊舎前まで敵の侵入を許した上、迎撃に出ているのは経験の浅い新人四人……分が悪いにも程がある。 「これは、ちょっとマズいかもね……」 ぽつりと呟かれたなのはの言葉に、はやても青ざめた顔で頷く。 「グリフィス君、敵の種類や数は? エリオ達は何と戦っているの?」 はやての横からウィンドウを覗き込み、フェイトがグリフィスに問い質す。 エリオもキャロもまだ十歳、その上戦闘の経験も皆無である。 そして何より、フェイトにとって二人は部下である前に大切な家族なのである。 泣きそうな表情でウィンドウを見つめるフェイトに、グリフィスは何故か複雑そうな顔で目を逸らした。 「……グリフィス君?」 副官の不自然な行動にはやてが怪訝そうに眉を寄せる。 『いえ、ですから……「ライトニング分隊前衛二人とスターズ隊前衛二人が」戦っているんです』 言い辛そうに、本当に言い辛そうに繰り返されるグリフィスの報告――先程と同じ、しかし決定的に何かが違うその言葉に、なのは達は先程とは別の意味で息を呑んだ。 まさか……。 唖然とした顔で顔を見合わせる三人の前に、新たなウィンドウが表示された。 外の様子を映し出したそのウィンドウの中では、……確かに「ライトニング分隊前衛二人とスターズ隊前衛二人が」戦っていた。 「皆は僕達が守るんだああああっ!!」 槍型のデバイス――ストラーダのブースターを噴かし、怒号と共にラゼンガンに突撃をかけるエリオ。 砲弾のようにラゼンガンに体当たりし、そして吹き飛ばす。 全長20mの巨体が宙を舞い、土煙を上げて地面に叩きつけられる。 『ぁ痛たた……こらー! 話を聞きなさいよ、この馬鹿ガキ共!!』 『そうそう! あたし達を誰だと思ってるの!?』 憤慨したようにティアナとスバルの声で抗議するラゼンガンに、エリオは問答無用とばかりにデバイスを構え直した。 その足元に展開される魔方陣――加速と防御の呪の込められたキャロの補助魔法が、エリオに力を与える。 エリオの目つきが刃のように鋭くなり、瞳の奥では覚悟の炎が燃えている……再度突貫する気満々である。 『ティ、ティア! やっぱりウィングロードで人身事故起こしかけたのを怒ってるのかなぁ!?』 『アンタ馬鹿ぁ!? そんな悠長なこと言ってる余裕なんて無いでしょ!!』 狼狽える上の顔を一喝する下の顔、その一瞬の隙をエリオは見逃さなかった。 ストラーダのブースターを全開で噴かし、そして自身も全力で地を蹴る。 一瞬でトップスピード――キャロの魔法の加護でそれ以上の速度域まで加速したエリオが、弾丸のようにラゼンガンに迫る。 『この馬鹿ガキ……いい加減にしなさいよ!!』 怒髪天を衝く――寧ろ怒リル天を突く。 ティアナの怒声と共にラゼンガンの全身からドリルが突き出し、触手のようにうねりながらエリオに襲いかかった。 「うわっ!?」 咄嗟に防御陣を展開するエリオだが、迫り来る無数のドリルの触手の猛攻に抗しきれずに墜落、限界を超えた突進速度そのままで地面に叩きつけられた。 「エリオ君!?」 撃墜されたエリオにキャロが悲鳴を上げながら駆け寄る。 「だ、大丈夫……!」 そう言ってデバイスを杖代わりに立ち上るエリオだが、墜落のダメージで膝は震え、強がるような言葉とは裏腹に全然大丈夫そうには見えなかった。 ラゼンガンからの思わぬ反撃、その事実に一番動揺していたのは、他ならぬラゼンガン自身だった。 『ちょっと、ティア!? 何反撃してるの!?』 「黙れ馬鹿スバル! アンタこの状況が解ってないの!? 所長もはやて部隊長も言ってたでしょ? やらなきゃ殺られる、戦わなければ生き残れない……そう、これは戦争なのよ!!」 『その相手が根本的に間違ってるよーな気がするのはあたしの気のせいかなぁっ!?』 絶叫するスバルを無視して、ティアナはラゼンのモニター越しにエリオ達を睨みつけた。 この生意気なガキ共に灸を据えてやる……頭に血が上った今のティアナの思考は、その衝動一色に染まっていた。 「スバル、躾ってさ……ついハードになっちゃうものよね?」 静かな、まるで凍てついたように静かなティアナの声に、スバルは思わず身を震わせた。 ヤバい、このままじゃ洒落にならない……通信ウィンドウに映るティアナの顔から危険な何かを感じ取り、スバルはラゼンガンの制御を奪い取った。 「えーと、あのね……」 暴力はいけないと思うから話し合いで解決しよーと続く筈だったスバルの思いは、しかし言葉になる前に喉の奥で消滅していた。 キャロが――白い小さな龍を従え、傷ついたエリオを守るように立つ桃色の髪の少女が、ラゼンガンを――否、そのコクピットシートに座るスバルを、睨みつけている。 幼い瞳に浮かぶのは、大切な人を傷つけられた怒り、傷つけ合うことしか出来ない哀しさ、そして傷つき傷つけてでも大切なものを守る決意。 覚悟の炎が、燃えていた。 「フリード」 傍らを飛ぶフリード――卵の頃からずっと傍にいてくれている小さな「家族」に、キャロは優しい声色で語り掛ける。 「ごめんね、窮屈な思いをさせて……」 フリードのこの小さな身体は、本来の姿ではない。 大き過ぎるが故に恐れられ、偽りの器に押し込めた本当の力と姿――白銀の飛龍。 「私は自分の力が嫌いだった。フリードのことも、もしかしたら嫌いだったのかもしれない……」 それは偽らざるキャロの本心だった。 制御不能な力はキャロから居場所を奪い、孤独と恐怖を押しつけ続けた。 破壊しか生まず、奪うだけで何も与えてくれない己の力――そしてその象徴、フリードリヒ。 嫌わぬ筈が無い、憎まぬ道理が無い。 「でも……」 しかし今、嫌っている筈のフリードの力を、憎んでいる筈の自分自身の力を、キャロは何よりも欲していた。 奪われないために。 守り抜くために。 「私はもう逃げない! フリードからも、自分自身からも!!」 それは決意だった――自分自身と真っ直ぐに向き合う、そんな覚悟。 それは覚悟だった――どんなに大きな力でも背負ってみせる、そんな覚悟。 そしてそれは誓いだった――自分のこの力で優しい人を、自分に笑いかけてくれる人達を守り通す、そんな誓い。 故に少女は力を求める、傍らの半身に力を請う。 「だからお願い、力を貸して……フリードリヒ!!」 その言葉と共にキャロの足元に巨大な魔方陣が展開され、フリードが歓喜するように咆哮を上げる。 名前は力を持つ――地球やキャロの出身世界〝アルザス〟など、次元世界各地に残る伝承である。 魔法理論の発達した現代では迷信として廃れた思想だが、嘘の筈は無いとフリードは思う。 現に名前を、自分の本当の名前を呼ばれただけで、自分はこんなにも力が湧いているのだから……。 フリードの小さな身体が光と共に弾け、代わりに地上の魔方陣から巨大な影が浮上する。 「これが、フリードの本当の姿……?」 呆然と呟くエリオを一瞥し、キャロは最後の仕上げに入る。 名前は力を持つ――故郷アルザスに伝わる言い伝えを、キャロもまた信じている。 ここ一番の大舞台に名乗りは不可欠、名前を飾る口上も欲しい。 故にキャロは告げる、この名前を。 自分の力を、自分達の存在を、世界に宣言する。 「白き閃光蒼穹を奔り、銀の翼が天を翔ける! 龍魂召喚フリードリヒ、私達を誰だと思っているの!!」 凛としたキャロの名乗りに呼応して、白銀の飛龍――フリードリヒの咆哮が轟く。 宝石のような瞳に輝く、闘争の炎と理性の光――かつて幾度となく暴走し、その度に何もかもを壊し続けてきたフリードリヒの力を、キャロは完全に制御していた。 初めての龍召喚成功。 それはキャロにとっても、機動六課にとっても、本来喜ぶべき結果であろう。 惜しむらくはその矛先が、龍使いの少女とその半身が敵意の牙を向けるその先が、他ならぬ機動六課の仲間であるということである。 誤解という名の運命の皮肉に気付くことなく、指し手のいない盤上の駒達は最悪の結末へと進もうとしていた。 「ちょっとちょっとちょっとちょっとぉっ!?」 「何よアレ? 何よアレ!? あんなのアリ!?」 巨大化したフリード――フリードリヒの姿に、スバルとティアナはラゼンガンのコクピットで、狼狽えたように声を上げる。 フリードリヒの大きさはラゼンガンの半分程度、しかしその存在感は圧倒的である。 白銀の飛龍の口元に光と炎が集い、激烈な輝きが周囲を眩く照らす。 「……やるしか、ないっていうの!?」 血を吐くようなスバルの叫びと共に、ラゼンガンの全身から突き出したドリルが右腕に絡みつき、一本の巨大なドリルとして融合成長していく。 『ちょっとスバル、それはっ……!!』 通信ウィンドウに映るティアナが血相を変えて叫ぶが、スバルは止まらない、止まれない。 コンソール中央の渦巻き状のゲージ――スバルの螺旋力を示すそれは一向に上昇の気配を見せない。 それはある意味、当然である。 攻撃に迷いのある今のスバルに、自分を信じていない今のスバルに、螺旋力の発動など出来る筈が無いのだから。 にも関わらず、右腕のギガドリルは巨大化を続けている、膨張を続けている。 まるで風船のように外側だけが膨らみ続ける、中身の無い空っぽのドリル――それは今のスバルの心そのものだった。 しかしそれでも、砲撃を貫き飛龍の大きくも小さな身体を貫く程度のことは、この空っぽのドリルでも可能なのだ。 極限まで膨れ上がる二つの敵意と殺意が、次の瞬間、爆発した。 「ブラストレイ!!」 キャロの号令と共にフリードリヒが火球を放つ。 「ギガドリルブレイク!!」 スバルの絶叫と共にラゼンガンのギガドリルが咆哮を上げる。 駆け引きも何も無い、純粋な力と力――想いと思いの正面衝突。 そして次の瞬間……、 「え……?」 その気の抜けたような呟きは、果たして誰の発したものであったのだろう。 どちらかを必ず滅ぼす筈の二つの必殺の一撃は、しかしどちらを滅ぼすことも、それも互いに届くことすらなく、両者の中間で止まっていた。 ……否、止められていた。 背中合わせにラゼンガンとフリードリヒの間に立つ、二人の乱入者によって。 『なのはさん……?』 桜色の防御陣でギガドリルを受け止める、亜麻色の髪の魔法少女がいた。 「フェイトさん……?」 金色の防御陣で火球を押し止める、金の髪の魔導師がいた。 「皆……少し、頭冷やそうか」 能面のように無表情な顔で、氷のように凍てついた声で、なのはがラゼンガンー―スバルを見下ろし、そう口にする。 「やんちゃが過ぎる子には、おしおきが必要だよね……?」 額にうっすらと青筋を浮かべ、フェイトがエリオとキャロ、そしてフリードリヒを順番に眺め遣り、そう告げる。 それは実質的な死刑宣告だった。 「「フルドライブモード」」 二人の号令と共に、レイジングハートが槍型に、バルディッシュが大剣型に変形する。 そして間髪入れずに魔力の充填を始める二人のオーバーS級魔導師に、四人の顔から血の気が引いた。 慌てた四人が言い訳する余裕も、逃げ出す隙も与えることなく、二つの必殺を超えた超必殺魔法が、解き放たれる。 「エクセリオンバスター!!」 「トライデントスマッシャー!!」 その瞬間、桜色の光の奔流と金色の雷が、二人と一匹と一体を呑み込んだ。 「……まさか運用初日から、しかも味方相手に限定解除使う羽目になるとは、流石に思わへんかったよ……」 ウィンドウに映し出される、焼け焦げ、大きく穿たれた地面。 その中心で目を回すライトニング隊前衛の二人と一匹と、ガラクタ同然まで破壊されたスターズ隊所属の巨大ロボの姿に、はやては万感の思いを込めて嘆息した。 ウィンドウに映るグリフィスも呆れたような表情を浮かべている。 四年越しで実現したはやての夢――機動六課。 しかし待ちに待ったその船出は、早速悪天候どころか嵐に見舞われることとなった。 新人四人への説教やら本部への始末書やらを思い遣り、はやてはもう一度大きく息を吐いた。 「……色々と波乱万丈やね、うん」 現実逃避するようにそう零しながら、はやては手元のメモ用紙にペンを走らせる。 ――第一回機動六課分隊対抗ガチンコバトル。 ――結果:両分隊隊長の独り勝ち。 「負けんでぇ……ウチはこの程度では折れへんでぇーっ!!」 自棄になったようなはやての空虚な雄叫びが、部隊長室に響き渡った。 天元突破リリカルなのはSpiral 第6話「色々と波乱万丈やね、うん」(了) 戻る 目次へ 次へ
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入手カードレベル:13 エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 31-1 八神堂エリートデュエル11 8 30~36 1200~1440 高町なのは[お部屋着小学生] 八神はやて[普通の小学生気分] レヴィ・ラッセル[元気系中学生] レイジングハートミ:A べ:? イ:C 31-2 八神堂エリートデュエル12 フェイト・テスタロッサ[普段着小学生] 八神リインフォース・アインス[八神堂店員] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] レイジングハートミ:? べ:? イ:F 31-3 八神堂エリートデュエル13 アリシア・テスタロッサ[T H店長の娘さん(姉)] 八神はやて[普通の小学生気分] レヴィ・ラッセル[リボン普段着] ---- 31-4 八神堂エリートデュエル14 リンディ・ハラオウン[T H店長] 八神ヴィータ[学校帰り小学生] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] レイジングハートミ:B べ:? イ:D 31-5 八神堂エリートデュエル15 リニス・ランスター[真面目なメイドさん] 八神はやて[八神堂店主] ユーリ&レヴィ[末っ子たちの応援] レイジングハートミ:? べ:? イ:A 31-6 VS アインス 報酬 八神リインフォース・アインス[八神堂店員] Lv 20 (LC+50) レベルマスタリーN 3個 (4000スタンプ)
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入手カードレベル:11 エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 24-1 グランツ研究所エリアマッチ16 7 22~30 960~1150 リニス・ランスター[真面目なメイドさん] 八神シグナム[剣道大学生] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] 24-2 グランツ研究所エリアマッチ17 アリサ・バニングス[リーダー気質小学生] 八神ヴィータ[趣味はグランドゴルフ] キリエ・フローリアン[マイペース次女] クラールヴィント A-C 24-3 グランツ研究所エリアマッチ18 フェイト・テスタロッサ[T H店長の娘さん(妹)] 八神ザフィーラ[近所の人気者] シュテル・スタークス[ゆるふわ普段着] クラールヴィント D-F 24-4 グランツ研究所エリアマッチ19 クロノ・ハラオウン[優等生な中学生] 八神シグナム[剣道大学生] ユーリ・エーベルヴァイン[優しい末っ子] 24-5 グランツ研究所エリアマッチ20 リンディ・ハラオウン[T H店長] 八神シャマル[研修中医大生] ユーリ&レヴィ[末っ子たちの応援] 24-6 VS キリエ 報酬 なのは&フェイト[N Fプレゼンツ] レアチケットピース 3枚 レベルマスタリーN 1個 (3300スタンプ) +2013/05/11変更 DP 10 → 7 EX 14~19 → 22~30
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入手カードレベル:12 エリア エリア名 DP EX スタンプ カード1 カード2 カード3 カード4 28-1 T Hノーマルクラスマッチ16 7 24~30 1120~1340 フェイト・テスタロッサ[普段着小学生] 八神ヴィータ[趣味はグランドゴルフ] アミティエ・フローリアン[ふんわり長女] レイジングハートミ:F べ:? イ:B 28-2 T Hノーマルクラスマッチ17 リニス2世[テスタロッサ家の愛猫] 八神ザフィーラ[近所の人気者] キリエ・フローリアン[マイペース次女] フォーチュンドロップミ:B べ:? イ:D 28-3 T Hノーマルクラスマッチ18 アリシア・テスタロッサ[T H店長の娘さん(姉)] 八神ヴィータ[趣味はグランドゴルフ] ディアーチェ・K・クローディア[ブラックスイート普段着] フォーチュンドロップミ:E べ:? イ:A 28-4 T Hノーマルクラスマッチ19 アリシア・テスタロッサ[海聖小学校生徒] のろいうさぎ[ヴィータの宝物] レヴィ・ラッセル[元気系中学生] 夜天の書ミ:A べ:? イ:C 28-5 T Hノーマルクラスマッチ20 リニス・ランスター[真面目なメイドさん] 八神シャマル[ほんのり医大生] ディアーチェ・K・クローディア[王の特訓] 夜天の書ミ:D べ:? イ:F 28-6 VS フェイト 報酬 なのは&フェイト[N Fプレゼンツ]×2枚 ユーリ&レヴィ[末っ子たちの応援] レアチケットピース 1枚 (3700スタンプ)
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銃の形をした召喚器。それはトリガーに過ぎない。 本来ならば、その身体を銃身とし、精神を火薬とする。 ならばその撃鉄は、この言葉であろう。 ――ペルソナ。 03 Burn My Dread 藤堂綾也は星が好きだ。月が好きだ。それらを抱く夜空が好きだ。 何故、と聞かれると返答に窮する。ただなんとなく、ぼんやりと好きと感じるだけだからだ。 幼少の頃、引き取ってくれていた義父とともに夜空を見上げることが多かった。もしかするとそのせいかもしれない。 十年前……両親を亡くし、綾也自身にも重大な惨禍をもたらしたあの事故の後。 ただでさえ親戚が少なく、なかなか引き取り手が現れなかった綾也の前に現れた人物。 それが彼の義父となる男、藤堂 尚也だった。 義父は不思議な人だった。子供心に、何かを感じ取った覚えがある。 その何かは綾也を惹きつけてやまなかった。 綾也が中学生になった時、同時に正式な養子となって性を貰った。 妙に嬉しく感じたのを、覚えている。 ミッドチルダの夜。綾也はあの頃と変わらないように見える月を見上げ、そして腕時計に視線を落とした。 あと数分で、影時間が訪れる。感慨に浸る時間もそろそろ終わりだ。 これからの事に、視線を向けるべきだろう。 目下の所、問題はシャドウの出所だ。自分の知る限りでは、あのように市街地に出現するのは少数のイレギュラー。 大半のシャドウは、「巣窟」のような場所にいる。と思われる。 それが以前のように巨大な塔だったら分かりやすいんだけど、と内心独りごちた。 「タルタロス」。ギリシア神話の冥界の最奥地、「奈落」の名を持つそれは、神話とは逆に天へと昇る広大な塔の形をしていた。 その正体は、以前の世界での有数の複合企業、桐条グループが起こした“実験事故”の影響で、影時間にだけ姿を現す迷宮だ。 桐条グループは、いや正確には、桐条鴻悦……つまり当時の桐条グループの総帥は、「時を操る神器」を作ろうとしていたらしい。 そのため、鴻悦はシャドウを研究し、その特性を調べていたそうだ。 しかしシャドウを調べるうち、鴻悦は次第に虚無感に苛まれ、世界の滅びを願うようになったという。丁度その頃から、鴻悦の研究は当初の目的とずれていった。 破滅願望をもった鴻悦は、世界を滅ぼす研究へと身を投じたのだ。晩年の鴻悦の狂気を、その孫娘はこう語る。 「祖父は、何かに取り憑かれているようだった」……と。 鴻悦の研究は進み、もう少しで実験が完成する、最終段階まで来ていた。最後の実験……その最中、一人の研究者による実験の強制中断によって、その研究は「実験事故」という形をもって終結した。 実験事故は同時に、大惨事を引き起こした。周辺一帯を吹き飛ばす程の大爆発、住民の被害も甚大。 この時、綾也は両親を亡くしていた。 そしてその実験事故の禍根はそれだけに留まらない。後腐れ、副産物とも言うべきものが発生していた。それが、影時間とタルタロスだ。 これは後に知った事なのだが、実際には、影時間の発生は大量のシャドウを集めたことにより、起こるべくして起きたことだという。 シャドウには微力ながら、時空間に干渉する力があると考えられている。そしてシャドウが寄り集まり、時空間に干渉する力が集積した結果、影時間が発生する。 シャドウを大量に集めた結果。時空間に干渉する力の集大成。それが影時間というのは、ごく自然に思われる。 つまり、影時間とは「シャドウの力の正しい表れ」なのだ。 そうなれば、この世界でもシャドウの力を集積、増幅させた何らかの要因、そしてその原因があるはずである。 シャドウの力を増幅させた何か、それがそのまま巣窟である可能性もある。が、それは考えにくい。 何故ならそんなことができるのは、シャドウの事をよく知る「人間」である可能性が高いからだ。 どちらにせよ、敵の居場所が分からない以上こちらからのシャドウへのアタックは不可能なのが現状。 とはいえ、今のところ戦力は綾也ただ一人。いくら綾也が強いといっても、一人で敵地に乗り込むのも危険過ぎるために、身動きが取れない。シャドウの巣窟を見つけたとしても、結局は動けないのだ。 何か、嫌な感じがする。 シャドウがこの世界に蔓延っているのは事実なのに、こんな膠着状態のままで落ち着いていていいのだろうか? 現状に対する不安や焦りが、綾也の心中にあった。 しかしひとまず綾也はそれを打ち消し、今できることに集中することにした。すなわち、六課の周辺にシャドウが現れた場合の掃討である。 攻めることはできなくても、守ることはできる。守ることしかできない、とネガティヴに考えることもない。 守ることができるというのは、それだけでも重要なことだからだ。 イレギュラーが発生した場合、機動六課の周辺だけならば、綾也一人でもカバーできるはず。 しかし……と、どうしても考えてしまうことがある。 (僕が、探査型のペルソナを持ってさえいれば……) ペルソナには、戦闘に向かない「探査能力」に特化したものがある。「生体エネルギー」のようなものを敏感に感じ取り、それを解析できる能力。 広域をサーチすることにも長けたこの能力は、今の綾也にとって必要不可欠なものだ。この能力さえあれば、シャドウの居場所や出所も突き止められるはずである。 しかし生憎、綾也は補助能力に特化したペルソナを持ちこそすれ、それはカテゴライズするなら「戦闘用」にすぎない。 数多のペルソナを使いこなし、どんな敵とでも戦ってきた綾也に欠けている能力。それは「戦わない」力。 探査能力のスキルや素質を、綾也は欠片も持ち合わせていなかった。 いわゆる、適材適所。ペルソナにもそれがあるということだ。綾也は今まで常に先頭に立ってシャドウを倒してきた。 リーダーという役割があったからだ。 その裏で、バックアップの役はいつでも存在していた。その大切さが、今になって身に染みる。これでも十分、その重要性は理解していた筈だったのだが。 溜息をつきたくなった。確かにイゴールの言うとおり、前途多難だ。 直後、体が異様な感覚を受けた。時間と時間の境界に足を踏み込む時の、あの一瞬の感覚。 深い暗闇に身を置いた時のように、胸の奥がざわざわとして、胃が空くような感触を受ける。 闇が頭上に迫り、覆い包まんと被さってくる。そして、月が不気味に光り輝く。 影時間の訪れだった。 綾也は素早く辺りを見回す。 この瞬間だ。シャドウの住処が影時間にだけ現れるのなら、影時間に入った瞬間、何処かになんらかの動きがあるはずだった。 少なくとも、シャドウの住処になるような巨大な場所が出現するのならの話だが。 しかし、そのような動きは見られなかった。つまり、シャドウの住処は堂々とそびえ立つような建造物ではない、ということになる。 もともとこれでシャドウの住処が見つかるとは思ってなかったし、「見つかればいい」程度に考えていたので、そこまでショックなことでもないのだが。 そして、本題はここからだ。イレギュラーによる被害を減らすための、パトロール。 古典的だが、先人の知恵は借りるもの。タルタロスや影時間を消そうとしていた先輩たちも、戦力が増えるまではこのようにゲリラのような活動をしていたと聞く。 召喚器を腰に、綾也は市街地へと繰り出した。 月明かりだけを光源に、とは言っても十分に明るいのだが、不気味に静まり返った市街地はさながらスプラッター映画の舞台のようでもある。しかし飛び出してくるのは殺人鬼ではなくシャドウだ。人を襲うという点で、似たようなものだが。 血溜まりのように足元に広がる赤い染みや、異様に明るい月に青緑に染まる空と地面。 所々に西洋風の棺が樹立している。適正無き人間の、象徴化した姿だ。 シャドウと影時間の影響を遮断する作用が、影時間の中において視覚化されたものである。 象徴化している人間はそもそも影時間に立ち入ってはおらず、適性のある人間からすれば、象徴化している人間は相対的に言えば「止まって」いる。 故に象徴化している間の人間は、影時間に起こるさまざまな事象に影響を受けない。しかしシャドウによって影時間に引きずり込まれた者は、シャドウの格好の餌食となるのだ。 餌食。自分で考えていて胸が悪くなる。見慣れた影時間の風景が、今は少し不快だ。やっとの思いで消した影時間が、この世界でも。 ぐちゅり、と背後で奇妙な音がした。 綾也は振り向き、道路に蠢く黒いわだかまりを認めた。青白い仮面が、同じく綾也を捉えている。 ホルスターから召喚器を引き抜いた。そのまま流れるような動作で銃を回転させ、その銃口をこめかみに向ける。 躊躇なく引き金を引きながら。 「タナトス!」 そして、死を司るその名を叫ぶ。と同時に現れる棺を纏う黒衣の死神。タナトスが、跳躍したその勢いのまま、その腰に佩かれている剣を引き抜くと、その身体を真っ二つにすべくシャドウに切り掛かる。 シャドウがその兜割りのような上空からの強烈な一撃を受けきれるはずもなく、敢え無く一刀のもとに両断された。 両断され、二つに分裂したシャドウはすぐに原形を失い、霧消した。役目を終えたタナトスはかすかに揺らぎ、消えていく。 綾也は召喚器をホルスターに戻す。 内心、拍子抜けしていた。手ごたえがまるでない。これまで幾度となく強敵を相手に戦ってきた綾也には、雑魚同然だった。 しかし、と気を引き締める。そんな雑魚でも、野放しにはしておけない。無力な一般人は、いかに惰弱なシャドウであろうとも、それから逃れることはできないのだ。綾也は散策を再開した。 シャドウは、人間の精神のエネルギーを餌として食らう。餌食となり、精神を食われた人間は心神を喪失し、完全な無気力状態に陥る。 こうなった人間は「影人間」と呼ばれ、誰かの保護なくしては生きてゆくことさえできないような状態に追い込まれるのだ。 つまりそれは、緩やかな殺害に他ならない。 ミッドチルダ……この大都市だ、イレギュラーの数も少なくないはず。 綾也一人ではどうしたってカバー出来ないところもある。多少の被害は、諦めるしかない。 しかし、影人間となった人を見殺しにすることもできない。 影人間を元に戻す方法が、ひとつだけある。大型の、他とは一線を画す強力なシャドウを倒すことだ。 これは強い力を持った、いわばリーダーを失ったシャドウの勢力の低下が原因と思われる。 しかしそれも一時的なものだ。いずれまた大型のシャドウが現れ、影人間が増殖する。 イタチごっこのようだが、それを続けなければいずれは全ての人たちが影人間と化してしまう。 それを防ぐためにも、不毛に思える戦いを続けなければならないのだ。 しかし無限に思われるそのサイクルに、どうすれば終止符を打つことができるのか。その方法は、おそらくこの世界の影時間を消す方法と同じはずだ。 シャドウの存在は、影時間と直接の関係はない。 しかしシャドウがその姿を現し、人を襲うことができるのは影時間の中でだけだ。 影時間を消せば、シャドウがこの世界に直接関与することはできなくなる。 シャドウの存在そのものを完全に消し去ることはできないが、シャドウがこちらに干渉してこれる時間を消すことで、シャドウによる被害は無くすことができるのだ。 そのためには、影時間を消す手がかりと、影時間ができた原因を突き止める必要が……。 結局、思考は堂々巡りだ。今は考えても無駄なこと。綾也は考えるのをやめた。とりあえず今は、この時間の中、出てくるシャドウを消していくだけだ。 そうすれば、少なくともこの周辺での被害は減るはず。 その綾也の考えは間違ってはいない。しかし、同時に一つ簡単な、それでいて重大な見落としをしていた。 シャドウが出現するのは、なにも屋外だけとは限らないのだということを。 機動六課、局内。 灯りは全て落ち、窓から差し込む月明かりだけが廊下を照らしだしている。 時の刻みが停止し、静寂に包まれた暗闇で、なのははひたすら走っていた。 背後に迫る気配。振り返らずともその姿はなのはの目に焼き付いている。影のように黒い体に、のっぺりと青ざめた仮面を張り付けたような異形。なのはは知る由もないが、「マーヤ」と呼ばれるタイプのシャドウだった。 最もポピュラーで、戦力もさほど高くない小型のシャドウ。マーヤは、仮面ごとに1~12までのタロットのアルカナになぞらえて分類される。 このマーヤのアルカナは、魔術師。逆位置の啓示を名に持つ、「臆病」のマーヤだ。 数あるマーヤの種類の中でも最弱の「臆病のマーヤ」だが、今のなのはにとっては十分な脅威となりうる。 マーヤは真っ直ぐに、獲物であるなのはを追っていた。 どうする?どうすれば。頼みの綱の綾也は、周辺のイレギュラー掃討に向かっている。 影時間が明けるまで帰ってこないだろう。救援は望めない。 この時間内、なのはは、それどころか六課全体は完全に無防備になる。魔術師の要のデバイスが使えず、機械も使えない。 こんな悪夢のような状況でできることと言えば、あのシャドウから逃げ続けることくらいだった。 しかしそれもいつまで持つか。戦闘時の機動を飛行魔法に頼っているなのはは、普段は極度の運動音痴。 持久力だって高くない。走り続けることもできなくなったら、待つのは死。それだけだ。 (そんな……っ) いくらなんでも、あんまりではないか。局内は安全だと思い込んだが故の危機。しかしその判断ミスを誰が責められよう。 シャドウは外からやってくるものだという認識が、四人の内に共通していた。 ほんの数分前、影時間が訪れてすぐのこと。なのはは六課の局内を捜索していた。 影時間の事を、局員にどう伝えるべきか。日中は、綾也が六課に入隊することを決めた後、なのはも含めた四人で、対策を話し合った。 結果、影時間に適応していない者にはそれを伝えず、適応者のみに影時間を打ち明けることになった。 適応していない、その事実をしらない者たちに真実を話したところで何ができるわけでもなく、いたずらに混乱させるだけだと考えてのこと。 不安を煽るメリットは、皆無だ。下手をすればこちらの正気を疑われかねない内容なのだから、尚更である。 よって、影時間に入ってから適応者を捜索するという手順に至り、影時間内での行動も、ここで決められた。 綾也は周辺のパトロール、残った三人は六課内部で適応者の捜索。 三人で手分けして、象徴化していない適応者を探す事になっていた。 しかし、まさかこんな事になるなんて。 とりあえず行くあてもなく、なのはが廊下を歩いていた時、不気味な音と共にそれは訪れた。 聞き覚えのある、気味の悪い音。なにかが潰れたような、得体の知れない奇妙な音。 恐る恐る振り向けば、そこにあったのは小さな黒い塊だった。丁度月の光が届かない、影になっている部分に生じている「何か」。 いや、正体は分かっている。この闇の中、生じる影よりもなお黒く昏いその異物。 塊は徐々に大きさを増し、奇妙な箇所から腕を二本生やすと、なのはの方を振り向いた。 大きさ、高さはせいぜいなのはの膝程度。昨夜のシャドウと同じように、光を全く映さないゴムのような表面。 仄かに発光している、青白くどこか物悲しげな表情をした仮面。その仮面が、なのはの姿を「見た」。 瞬間、なのはの背筋に氷柱が通ったがごとく全身が強張る。 マーヤがなのはの方へ滑るように向いだしたのと、なのはが逆方向へ逃げ出したのはほぼ同時だった。 一度覚えた恐怖は、そう簡単に拭い去れるものではない。この異形の正体を知っていても、それを前にして立ち向かうことなどできない。 昨夜出くわしたあの大型のシャドウとは違って体も小さく、腕だって二本きり。 その手に刃が握られているわけでもない。 少なくとも、あれよりは遥か格下の存在だということは分かった。 しかし風貌的に昨夜のシャドウを思わせるマーヤは、なのはの心の根元的な部分にある恐怖を呼び起こす。 この先一度でも立ち止まったら、きっとその場で動けなくなる。なのはは直感的にそう感じていた。 シャドウの動きは、ともすれば子供の駆け足並みに緩慢だった。しかし、それでいてなぜか振り切れないスピードでなのはを追ってくる。 足を必死に動かし続ける限りは、捕まることはない。しかし、影時間が明けるまで走り続けることができるのか。 綾也によれば、影時間はおよそ一時間。 (できっこない……!) だからと言って、諦めるのか。ここで己の生が終わる事を、よしとしていいのか。 目を、逸らしてはなりません…… 「!?」 心の奥底で、自分のものではない声がした。いや、本当に声だったのだろうか? なのはは呆然と立ち止った。漠然と心の中に溢れる、この不思議な感覚。心臓が、早鐘を打っている。 人が誰しも心に抱える恐れや怖さというものは、自分にとって何が危険なのかを教えてくれる重要なもの。 そして逆に言えば、何も恐ろしいと思わなくなったとき、人は立ち止まらなくなる。 自らの行いを、そしてその行動の結果を、恐れなくなるからだ。 人は、恐れに縛られれば、何もできなくなる。 かといって、恐れを全く抱かなければ、行動に犠牲を出す事すらを厭わなくなる。 真の恐怖を覚えた時、何が人を支えるのか。それは自分を信じる心。そして、自分の信じる何かへの信頼。それだけだ。 自分から眼を逸らさず、向き合ってこそ、恐怖へ立ち向かうことができるのだ。 背後のシャドウを振り返り、緩慢な動作で迫るそれを見据える。 なのははシャドウを通して、見詰めていた。真の恐怖の、その先にあるもの。 そして信じた。自分の力を。自分の中に眠る、可能性を。 (綾也君……) 心の中で彼の姿を思い描く。その後ろ姿が、拳銃を自らの頭に突き付ける。 なのはは、自分の手を銃を持つ形にしてこめかみに宛がった。 仮想のトリガーを握る指の動きが、彼の動きとリンクする。 今、この行為の意味が理解できた。必要なのは、勇気と覚悟。そして……この、言霊。 震える吐息を吐きだして、深呼吸を一つ。気持ちを落ち着かせて、一音ずつ、呟くように。 恐怖を燃やせ。 ……トリガーを、引いて。 「ペ・ル・ソ・ナ」 そして。 弾丸が放たれた。 なにかが弾けるような音とともに、なのはから精神の欠片である青白い結晶のような板が散乱し、そしてそれは徐々に人の姿を象って行った。 なのはを立ち止らせたその 声なき声 が、なのはの脳裏に囁きかける。 我は汝……汝は我……。 我が名は内なる仮面。 汝の心理に宿りし魂が刃。 我は汝の心の海より出でしもの。 白銀の車輪、アリアンフロッド。 極彩の虹もちて、あらゆる悪を調伏せしもの。 我、汝の運命の刻みと共にあらん……! 現れたのは、後光が差しこむように感じる光の女神、アリアンフロッド。 後光のように見えていたのは、一定の速度を保ちながら絶えず回転している、巨大な白銀の煌めく車輪だった。 その車輪はそれ自体が光を放っており、赤から紫へと七色のグラデーションを燈しながら周囲を染めている。 その光を受け、流麗に流れる絹糸のような頭髪。まさに虹のように光り輝き、その軌跡に淡い燐光すらを残してゆく。 その身にはゆったりとしたローブのようなものを羽織っており、額にはティアラを頂いている。 頭上には、天使の輪の如くに虹が浮かんでいた。 ゆっくり、誘うようにアリアンフロッドがその手を差しのべた。 するとその手は聖なる光を発し、虹のような七色のスペクトラムの流れがシャドウを射抜く。 たちまち蒸発を始め、もとから存在しなかったかのように、跡も残さずに消え去った。 それと同じように、白銀の車輪が揺らぎ、アリアンフロッドの姿も消えてゆく。 なのはは、召喚のショックからか、呆然とその光景を眺めていた。 「わたしが……ペルソナを、出せた……」 やがて呟いた一言には、紛れもない驚きが含まれていた。 あのとき自分は何をした?無我夢中で、心が導くままにトリガーを引いたのは覚えている。 あのときの不思議な感覚。シャドウに対する恐怖のくびきが抜き取られ、すべてがクリアに、鮮明に感じられた。 言葉にするなら……そう、覚醒。あれが、もう一人の自分。 アリアンフロッド、それがわたしのペルソナ。 わたしは、ペルソナを得たのだ。 余韻に浸る暇もなく、なのはは眩暈を感じると、そのまま意識を失い、倒れこんだ。 それからほどなくして、影時間が明けた。 最後のシャドウを消し終えた綾也の息は、少し上がっていた。 小一時間ぶっ通しで、唯一人現れるシャドウを倒し続けるのは、相手がいくら雑魚とはいえ消耗を強いられるものだった。 ともあれ、綾也は通常の時の流れに身を戻し、六課への帰路を急いだ。 何故か、自然と早足になる歩みを抑えられない。 問題はないはずだ。なのに、何か嫌な予感がしていた。ぼんやりと、実体をもたない漠然とした不安。 僕は、何か見落としをしている――? 何を見落としているのか。それがわかれば、スッキリするものを。 しかし、この不安は杞憂ではないと、直感的に感じていた。 ……急ごう。綾也は、ついに走り出した。 前へ 目次へ 次へ
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朝焼けに染まる無人の街を、白い閃光が駆け抜ける。 桜色の魔力弾を周囲に従え、鋼鉄とコンクリートの森の中を縦横無尽に飛び回るなのはを、スバルは必死に追っていた。 「ウィングロード!」 スバルの声と共に出現した光の「道」――ウィングロードが、なのはの行く手を阻むように回り込む。 一巡、二周、そして三重……まるでリボンで包装するかのように、ウィングロードが幾重にもなのはの周りを取り囲む。 それは最早「道」ではなく、獲物を捕らえる一つの「牢獄」だった。 ウィングロードの網の目を潜り抜け、無数の魔力弾がなのはへと撃ち込まれる。 ティアナの狙撃か……迫り来る敵の凶弾を周囲で遊ばせていた自身の魔力弾で相殺しながら、なのはは冷静にそう分析する。 待ち伏せ……まんまと罠に嵌ったという訳か。 「でも……これだけじゃ全然甘いよ!?」 吼えるなのはの周囲に新たな魔力弾が生成され、前後左右、あらゆる方向に撃ち出される。 一見出鱈目に放たれた無数の魔力弾は、しかし周囲を取り囲む魔法の「檻」に正確に着弾し、まるで紙切れのようにズタズタに引き裂いた。 牢獄から解放されたなのはは、しかし次の瞬間、消えかけるウィングロードを高速で駆け上るスバルの姿を見た。 「リボルバー……!」 なのはの攻撃により途中から途切れたウィングロードを蹴り、デバイスを装着した右拳を振り上げながらスバルが跳ぶ。 撃ち落とすべくデバイスを構えるなのはの耳に、その時、 「龍魂召喚! フリードリヒ!!」 凛としたキャロの声が飛び込んできた。 驚愕の表情で背後を振り返ったなのはは、翼を広げた巨大な白い龍――フリードリヒの姿を認めた。 その口元には光が集束し、いつでも砲撃出来る態勢である。 「こんな街中でこんな大技を、しかもスバルまでいるこの距離とこのタイミングで……!?」 下手をすれば――否、どうしようとも、フリードリヒの攻撃がスバルを巻き込むことは確実である。 暴挙としか言えないようなキャロの行動に歯噛みするなのはに、そんなものはお構いなしとばかりにスバルの拳が迫る。 「――シュートッ!!」 気合いと共に打ち出されるスバルの拳を左手で受け止め、なのははデバイスを握る右手を掲げ、防御陣を展開した。 スバルをこのまま掴まえたまま、自分が盾となってフリードリヒの砲撃から守り抜く――この状況で教え子を救う方法を、なのははそれ以外に思いつかなかった。 全身全霊を込めて防御陣に魔力を注ぎ込むなのはの目の前で、その時、フリードリヒの姿が陽炎のように歪んだ。 幻術!? 動揺するなのはの思考を肯定するように、フリードリヒの虚像を突き破り、エリオがデバイスを振り上げながら姿を現した。 未だ空中を漂うウィングロードの切れ端を飛び石のように伝い、ジグザグな軌道を描きながら、エリオは防御陣の死角――なのはの頭上へと辿り着く。 エリオの足元に展開される加速用の魔方陣――ラゼンガンとの戦いで見せた、キャロとの連携戦術である。 「ストラーダ! 全力突貫!!」 号令と共にブースターを点火し、エリオは流星のようになのはに突撃した。 ストラーダの推進力に加えてキャロの補助、更に重力までをも味方につけて、エリオがなのはに迫る。 上空から降下してくるエリオという名の人間砲弾、しかし脅威はそれだけではない。 なのはに掴まえられたスバルの右拳、その周囲に、環を描くように魔方陣が展開される。 「ディバイン――」 スバルの声に合わせて魔方陣が回転を始め、激烈な光を放ちながら加速していく。 しまった……なのはは咄嗟にスバルの手を離し、後方へと飛び退いた。 なのはとスバルの間――本来なのはのいた場所を、エリオが空しく突き抜ける。 なのは拘束から解放されたスバルも、ウィングロードという足場を失い、重力に引かれてゆっくりと落下を始めた。 奇襲失敗……しかし、これで終わる二人ではなかった。 「ストラーダ……逆噴射!!」 怒号するエリオの指示に従い、ストラーダはブースターを逆方向――地上に向けて噴かした。 極限まで加速したエリオの突進力は一瞬で相殺され、偽りの無重力状態を作り出す。 無論、そのような無茶をして代償が無い筈が無い。 急激なGの変化に全身の骨が悲鳴を上げ、衝撃で胃液が逆流する。 しかし、まだだ……まだこれだけでは終われない。 デバイスを両手で握り直し、エリオは雄叫びと共に魔力を込めた。 ストラーダの穂先に魔力刃が出現し、のびる、伸びる、延びる……!! 己の身長の数倍、10m近い大きさまで達した魔力刃を、エリオは次の瞬間、あろうことかスバルへと振るっていた。 「スバルさん!」 叫ぶエリオの振り上げた魔力刃を、スバルは両脚でしっかりと踏み締めた。 「いっけえええええええええっ!!」 スバルの乗った魔力刃を、エリオは気合いと共に一気に振り抜く。 魔力刃の射出台から打ち出されたスバルが飛ぶ、そして同時に、スバルは跳んでいた。 重力の壁に風穴を開け、遥か上空に浮かぶなのはを目指して、ひたすら空を突き進む。 右手首を覆うタービンが、その周りを巡る魔方陣が、まわる、回る、廻る……! そして遂に、スバルはなのはの許まで辿り着いた。 「――バスター!!」 拳と共に至近距離から撃ち出されたスバルの砲撃魔法を、なのはは防御陣を展開して受け止める。 しかし尚も進み続けるスバルの勢いを殺し切れず、なのはの身体は徐々に後方へと押し飛ばされていく。 そして次の瞬間、なのはの背中が何かにぶつかった。 背後を振り返ったなのはは、次の瞬間愕然とした。 背中越しに広がる巨大な桜色の魔方陣――フリードリヒの虚像相手になのは自身が作り上げた防御陣である。 このままでは潰される……なのはは背中の防御陣を消滅させ、そしてスバルへの防御に集中した。 未だ勢い衰えぬスバルの拳となのはの防御陣がぶつかり合い、激しく火花を散らしている。 スバルの攻撃はなのはを押している――しかし今の状態では文字通り、物理的に「押している」だけに過ぎない。 スバルが拳を押し込めば押し込む程、それだけなのはは後方に退がる――それだけだった。 まさにジリ貧、決着のつかないこの攻防は、しかしスバルにとっては圧倒的に不利な状況だった。 砲撃呪文の効果が尽きれば攻撃を支えていた推進力は消え、空を飛ぶ術を持たないスバルは再び重力の鎖に囚われ、ただ落下するしかないだから。 「あたしは……」 しかし、スバルは諦めない。 拳を押し込んだだけ後ろに退がられるのならば、退がられる前に突き破れば良い。 向こうが一歩退がるのならば、自分は二歩進めば良い。 もっと強く、もっと速く。 一途な思いを拳に乗せて、スバルはひたすら前に進み続ける。 ……鼓動が聞こえる。 アンダーウェアの下のコアドリル、『あの人』に貰った宝物が脈動している。 「あたしの拳は……!」 ピシリ……なのはの防御陣に亀裂が入った。 瞠目するなのはの目の前で、亀裂は段々と広がっていき、遂に防御陣全体を蜘蛛の巣のように覆い尽くす。 「――天を、突くっ!!」 咆哮と共に打ち抜かれたスバルの拳に耐え切れず、防御陣が音を立てて砕け散った。 「あたしを誰だと思ってる!!」 粉々に弾け跳ぶ防御陣、桜吹雪のように舞い散るその残滓を全身に浴びながら、スバルは不敵な笑みを浮かべて決め台詞を口にする。 しかし目の前の相手が自分の直属の上司、しかも命の恩人であり憧れの人でもあることを思い出し、 「――んですか!!」 スバルは慌ててそう付け加えた。 ともあれ、これで邪魔な防御は打ち破った。 後はこのままなのはに一撃与えれば――もっと手っ取り早く言えば、このまま殴り飛ばせば、この戦闘は終了である。 もう一度拳を振りかぶるスバルに、なのはも最後の抵抗を見せるようにデバイスを構える。 停滞、或いは後退を考えるのならば、足場の無いスバルが不利である。 しかしそれ以外の選択――このまま前進するのならば、何の問題も無い。 なのはが呪文を使うと前に、デバイスを武器代わりに振るう前に、己の拳を届かせる自信がスバルにはあった。 チェックメイト……しかし油断はしない。 何故ならば、相手はなのはなのだから。 刹那にも満たない静寂――しかし向かい合う二人には永劫の時間のように感じられた。 二人の間の時間が止まり、そして再び動き出す。 最初に動いたのは、スバルか、なのはか――否、そのどちらでもなかった。 廃ビルから放たれた一発の魔力弾、完全な不意打ちとして撃たれたそれは、防御陣の消えたなのはの無防備な背中に吸い込まれ、純白のバリアジャケットに焦げ跡を作った。 「……ちょーっと卑怯臭かったかな?」 タイミングを崩されたことで空振りし、そのまま落下するスバルと、慌ててスバルを掴まえに降下するなのはを見ながら、ティアナはそう呟いた。 全く悪びれた様子の無いティアナの言動に、隣のキャロとフリードが嘆息する。 「ティアナさん……空気読みましょうよ」 こうして、この日の早朝訓練は終了した。 朝日に照らされたハイウェイを、黒い車が疾駆している。 「おぉー、あの子ら意外とやりおるなぁ」 カーナビの液晶に映る戦闘映像――スバル達の早朝訓練の様子を眺めながら、はやては感嘆したように声を上げた。 隣でハンドルを握るフェイトも、同意するように首肯する。 四人の中で一番足の速いスバルが追い込み役となり、他の三人の潜む待ち伏せポイントまでなのはを誘い出す。 本来足場として使用するウィングロードを包囲網として応用し、なのはの足を止めたところで、ティアナの幻術――偽のフリードリヒを投入する。 キャロにフェイクの召喚呪文を叫ばせることで虚像を本物であると思い込ませ、更にスバルを特攻させることでなのはの思考から余裕と選択肢を殺ぐ。 防御魔法は全部で三種類――受け止めるバリア系、弾いて逸らすシールド系、そして身に纏って自分を守るフィールド系。 スバルもいるあの状況でなのはの選べる選択肢は、バリア系かシールド系の二者択一、更に訓練場の仮想空間とはいえ、周囲の被害も考えれば選べるのは一つ。 バリア系――それも障壁が半ば物質化程高密度に魔力を練りこんだ強固なもの。 しかし如何なる魔法にも長所と短所があり、バリア系及びシールド系防御魔法の例で言えば、一方向にしか展開出来ないという弱点がある。 その弱点を衝き、虚像のフリードリヒの後ろという死角からエリオを特攻させ、バリアの効果の及ばない頭上からなのはを強襲させる。 更にスバルにも攻撃魔法を使わせることで一方に集中した対処という選択肢を奪い、チェックメイト。 結局はなのはに逃げられたという結果からも分かる通り、まだまだ甘い部分も多々あるが、それでも戦術としては十分及第点として評価出来る。 寝惚け頭でよくもまあ……この作戦を考え出したであろうティアナに、はやては内心舌を巻いた。 最後の不意打ちのことも鑑みるに、意外とえげつない性格なのかもしれない。 軌道六課が正式稼動を開始してから、二週間が経とうとしていた。 誤解、それから潰し合いという最悪の出会いを果たしたスバル達前衛四人だったが、今回の戦闘映像を見た通り、その後のチームワークには何の支障も出ていない。 全力のぶつかり合いが良い方向に影響を与えたのかもしれないし、始末書という共通の敵を相手に戦ったことで連帯感が生まれたのかもしれない。 何にせよ、「雨降って地固まった」という訳である。 それになのはとフェイトの介入により喧嘩両成敗という形で幕を下ろしたあの戦闘も、問題は山積みであったが全くの無意味という訳でもなかった。 ラゼンガンはフルドリライズモード――なのは達で言うフルドライブモード、キャロは完全制御状態でのフリードリヒの召喚に、共に成功している。 初陣を控えた機動六課前衛陣にとって、この二つの戦力の底上げは喜ばしい誤算である。 ……と、本部に提出した始末書の中で、はやてはそう言い訳した。 「……辛うじて「不幸中の幸い」に引っかかるかどうかーってトコなんよね、本音を言えば」 事ある毎に「ラゼンガンとフリードリヒのどちらが強いか」という口論を展開し、その度に再戦を申請してくる新人達を思い出し、はやては疲れたように息を吐いた。 パイロットとしてのスバルの矜持も納得出来るし、家族に良い格好をさせてやりたいというキャロの気持ちも理解出来る。 分かる、解るが……「お前ら子供か」とはやては声を大にして言ってやりたい。 スバルは兎も角キャロの方は本当に子供なのだが、それはそれ。 通常業務に加えて初日の不始末の事後処理で忙しいというのに、その上さらに仕事を増やそうとする新人達に、はやては笑顔と青筋を浮かべて申請書を握り潰すのだった。 この軋轢のせいでチームワークがガタガタになってでもいれば、雷を落としてそれで済むのだが、通常の連携には何の問題も出ていないのが逆に厄介なのだ。 己の部隊の前衛の実態を改めて思い起こし、はやては再び嘆息を零す。 「……そ、そう言えば、新人の皆への新デバイスの受け渡しって、確か今日だったよね?」 沈んだ表情のはやてを横目で見遣り、フェイトは話題を変えるべく口を開いた。 その言葉にはやては顔を上げ、幾分か明るくなった表情で首肯を返す。 機動六課の誇る前線メンバーとメカニックスタッフが、技術と経験の粋を集めて完成させた、四機の最新型デバイス。 ローラーブーツ型インテリジェントデバイス――マッハキャリバー。 拳銃型インテリジェントデバイス――クロスミラージュ。 槍型インテリジェントデバイス――ストラーダ。 グローブ型インテリジェントデバイス――ケリュケイオン。 後者二つは未完成だった素体を調整完成させた正式版である。 部隊の目的に合わせ、そして使い手それぞれの個性に合わせて造られた四機の専用デバイスは、更に別の意味でも「特別」だった。 魔力炉と超小型螺旋エンジンのハイブリッド機関――実験的に搭載されたその新型動力炉が、実力や限界を超えた所謂「火事場の馬鹿力」をも本当の力に変えてくれる。 あくまで理論上は、であるが。 ともかく、これで新人達も実戦の用意が整った。 これで予想外の緊急事態にも対応可能な、確固とした下地が完成したのだ。 「これで漸くカリムにも顔上げて会えるわ……」 安堵したようにそう呟き、はやてはシートに背中を埋めた。 聖王教会の騎士、カリム・グラシア――機動六課の後見人の一人であり、人材集めに奔走するはやてに代わり機動六課立ち上げの実質的作業を引き受けてくれた恩人。 八年前、教会騎士団の仕事に派遣された時以来の付き合いとなる、上司というよりは姉のようなその人物に、はやてはどうも頭が上がらない。 そのカリムからはやては緊急の召喚を受けた。 騎士として聖王教会の中で高い地位にあるカリムは、その立場上聖堂から自由に出歩くということは出来ない。 よって何か用事がある場合は必然的にはやての方が教会に出向くことになるのだが、今回の召喚には何か不穏な予感が付き纏う。 少なくとも、呑気にお茶を飲んで無駄話するだけでは、とても終わりそうにない。 「……カリムの占いはな、よく当たるんよ」 粛然とした表情で口を開くはやてを、フェイトはちらりと一瞥した。 カリム・グラシアの保有するというレアスキル〝預言者の著書〟――詩文の形で未来を予言する能力のことを言っているのだろう。 はやてから又聞きした話では「よく当たる占い」のようなものらしいのだが、カリムが後見人として自分達機動六課に関わる理由も、その予言が大いに関係しているという。 当たるも八卦、当たらぬも八卦という占いとは違い、確かな力があるということだろう。 「ウチもな、一つ予言してやろ思う」 真剣な表情を崩さぬまま、はやては続ける。 「これからウチらの向かう先には……何かあるで」 確固とした口調で断言するはやてに、フェイトは思わず固唾を呑んだ。 「何かって……何が?」 震えそうになる声でそう尋ねるフェイトに、はやては真顔でこう答える。 「何かや」 「…………」 それは予言ではなく単なる勘というのではないだろーか……喉の先まで出かかったツッコミを、フェイトは辛うじて飲み込んだ。 言葉は力を持つ――第97管理外世界〝地球〟極東、はやての故郷〝日本〟に伝わる、「言霊」という概念である。 ミッドチルダ北部、ベルカ自治領。 そこはやて達を待ち受ける、はやての言うところの「何か」の存在に、二人はまだ気付いていなかった……。 天元突破リリカルなのはSpiral 第7話「これからウチらの向かう先には……何かあるで」(了) 戻る 目次へ 次へ
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【魔法少女リリカルなのは 闇の王女】 コルト・ガバメント ギンガ・ナカジマに支給。全7発。 アメリカ軍の一部の特殊部隊で使用されている。墓参りの際になのはが所持していた拳銃。 ルーテシアのカレー 万丈目準に支給。 ルーテシアがなのはに食べさせるために、でたらめにスパイスを混ぜて作ったカレー。 凄まじく赤く、凄まじく辛い。 【ゲッターロボ昴】 S W M500 武蔵坊弁慶に支給。 神隼人が護身用として所持している銃で「.454カスール弾を超える弾薬を撃つ事のできるリボルバー」を開発目的として作成された超大型回転式拳銃。 黒いフレームに敷島と銘打ってある。 杖 クアットロに支給。 金属製の長い棒。2メートルはあり、打撃武器としては非常に優秀。 ただし、中身がぎっちり詰まってるので非常に重い。 童子斬丸 殺生丸に支給。 鬼を斬る刀と言われる妖刀。凄まじい頑丈さを誇る(ゲッター線の影響下にある為)。 どんな防御術式も貫通する力を秘めるが、その力を発揮するには人間の生き血が必要。 OVAでは竜馬が真の力を解放していたが、ロワでは生き血を捧げれば誰でも使用可。 扱いきれるかは本人次第。 白い黄金の装飾と宝玉のはめ込まれた鞘に収まっている大太刀。
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CV:浅野真澄 初出:魔法少女リリカルなのは(一期ドラマCD02) 防御力 とても低い(全キャラワースト2) Lv3スキル ロングレンジディフェンスLv3 シングル解放条件 SEQUENCE7最終戦でリニスを使用キャラに選択 プレシアの使い魔でフェイトとアルフの家庭教師。 射撃と光輪技の使い勝手はフェイトと近いが、硬直をキャンセル可能な移動技と、独特なクロスレンジ攻撃を持つ。 行動は軽快だが、防御力が全キャラワースト2という一面も併せ持つ。 ロングレンジ魔法 魔法名 解説 □ ジェットスマッシャー 直射射撃を放つ □(長押し) ジェットスマッシャー 直射砲撃を放つ △ スピンセイバー 大きな光輪を放つ △(長押し) セイバースラッシュ 3つの小さな光輪を放つ ○ ファストステップ 硬直をキャンセル可能な高速ダッシュ ○(長押し) ガードステップ ガード判定を持つ高速ダッシュ □:ジェットスマッシャー 通常 1hit 7.47% - 「ジェット!」 長押し 1hit 11.21% - 「スマッシャー!」 砲撃魔法。 通常版 相手の射撃との相殺を一切しない。また、ヒット効果はよろけ。 弾速が遅く直射で方向修正も無いので、攻撃手段としてはやや扱いづらさが目立つ。 判定が大きいので、近めの距離ならそこそこ当てやすい。 発生の早さと硬直の短さから追撃を前提とした布石として打つには向いている。 20mほど離れた位置から撃てばステップキャンセルせずとも弾の到達よりリニスが先に動けるようになる。 ヒット時は長押しジェットスマッシャーがほぼ安定して連続ヒット。クロス際付近ならスピンセイバーも繋がる。 長押し版 発生、弾速共になかなか早い単発砲を放つ。 方向修正に優れ、横アクセルでも出掛かり無敵部分でなければ避けられない。 ロングレンジ戦の要…としたいところだが、燃費がやや悪い。乱発は禁物。刺し込みや追撃など、要所に限っていこう。 ステップキャンセルするとキャンセル時点で砲が消えてしまう。着弾前にキャンセルしないように注意。 単発なのでアタック・キャッチでの追撃は困難。ブロック EXアタックが拾いやすい。 △:スピンセイバー/セイバースラッシュ 通常 6hit 10.99% 約14m 「セイバー!」 長押し 3~9hit 7~14.81% - 「セイバースラッシュ!」 光輪を飛ばす。 一見はフェイト・レヴィのハーケン系魔法に似ているが、こちらは通常の射撃判定。 砲撃には一方的に撃ち負けるので注意。 スピンセイバー 大きな光輪を前方に飛ばす技。 発生が遅めの直射弾。射程が有限で一定距離進んだ時点で短時間だが停滞する。 撃ち出すまでの方向修正は悪くなく弾速も速いので、狙うならば相手の硬直をしっかりと。 ヒット数が多くダウン効果なので、ステップキャンセルからの追撃が比較的容易。 セイバースラッシュ ゆっくり飛ぶ光輪を3つ放つ技で、誘導性能あり。光輪一つあたり3ヒット。 射出モーションが長く隙が大きいため、状況に応じてステップでのキャンセルと組み合わせる。 相殺したりアクセルで誘導を切られたりしなければ試合開始直後から撃ってもタイムアップまで残り続ける。 また、相手に当たった際ヒット時はそのまま3ヒットするが、ガード時は連続ヒットせず間合いが離れて弾速が落ちる。 ○ファストステップ/ガードステップ 通常 移動技 - 12m 「はっ!」 長押し 移動技 - 12m 「はっ!」 ガードステップ時反撃 6hit 23.53% - 「はぁぁっ!」 高速移動技。 方向キーと組み合わせて好きな方向に移動可能。 ロング魔法やアクセル後の硬直をキャンセルして移動する事ができる。攻撃の隙を消すほか、ロング魔法から一気に踏み込んで追撃も狙える。 腕をかざす部分まで、アクセル・ガードでキャンセル可能。 ガードステップは発動直後から防御・反撃の判定が発生し、この状態で攻撃を受けるとスピンセイバー縦回転版のような技で反撃する。 この反撃技は大威力で、さらに多段ヒット技なので追撃が入る事も多い。近距離で当てられればそのままコンボも入れられる。 反撃中は無敵だが光輪を打ち終わると無敵も切れてしまうため、攻撃時間が極端に長い技は抜け切れない。 出が遅く追尾性能も無いため、隙の小さい攻撃は受け止めても攻撃を当てられない事が多い。 キャンセル発動時はボタンの長短に関わらずガードステップになる。 発動モーションが一部カットされ、移動開始が早まるが出掛かりをキャンセル出来なくなる。 キャンセルタイミングがあくまで行動後の硬直なので、キャンセルする行動を出掛かり時点を潰される場合には対応出来ないことに注意。 クロスレンジ 初段射程は約3.5m。 リニスのアタックは杖を振った際に出る光に判定があり、その判定が長く残る。 シャマルと同じく攻撃の発生確定が早いため、アタックが出る前に潰されてもその後に攻撃判定が発生し、相討ちに持ち込める事もある。 反面、なんとアタックにも関わらず対キャッチ無敵が無い。キャッチ読みの選択はEXアタックに頼らなければならないので、クロスレンジの戦い方は他キャラと変わってくるか。 近距離でならアタック初段からフルドライブ発動が繋がる。 基本コンボ □□□ 9.02% ダウン □△△ 13.94% よろけ □□△△ 14.43% 回転ダウン □△○ 9,48% 打ち上げ □□△○ 11.21% 打ち上げ □○ 7.47% 打ち上げ □□○ 9.02% 打ち上げ □□□ □△△/□□△△ フィニッシュのヒット数が多い。コンボ単体の威力・MP回収率に優れる。 ダウン効果自体は無いが、□□△△ならそれだけで10Hitきりもみダウンになる。 □△○/□□△○/□○/□□○ ヴィータ同様□□○という派生が可能。 フィニッシュはリーチが短く、初段の当たりが浅いと空振りしやすい。 特殊技 種別 解説 威力 射程 効果 台詞 EXアタック 足下から槍 2.87~7.76% 約4m 打ち上げ 「スピアー!」 キャッチ 杖で爆撃 8.62% 約2.1m 吹き飛ばし 「ブラスト!」 ブロック 魔力の矢 13.22% 近接攻撃 ダウン 「アローズ!」 EXアタック 通常のアタックにキャッチ無敵が無いため、対キャッチ択はこちら。 キャッチ セイバースラッシュと同時に当てると杖投げ・爆発が空振りしてしまうことがある。 ブロック FDB「プラズマセイバー」 トリガー 射程 ヒット数 命中時威力 FD発動で吹き飛ばしてトリガー 回し蹴り 約3.1m 5hit 48% 一応可 トリガーはリーチが短め。FDTはアクセルを挟めば可能。 バーストコンボは□□Lが入る。 主な立ち回り CPU戦ではセイバースラッシュを撒いておいて、ヒットしたらジェットスマッシャーで追撃、ガードされたらスピンセイバーで削るかステップで近づくのが基本。 ガードステップで近づけば反撃が当たる事もあるので、ヒットしたらさらに追撃。 対人戦では、防御力が低い事を除けば技性能はいずれも優秀。技の硬直をステップでキャンセルできる事から、反撃技やロングレンジでEXガードに対する恐怖も少なめ。近接戦闘の性能も吹き飛ばし技がない事を除けば悪くない。しかしやはり防御力の低さ故に事故率が高く、ワンチャンスで大ダメージを持って行けるキャラに対しては神経を使う。 ガードステップの反撃は当てづらく隙が大きいため、確定で当てられる技にのみ出す。 硬直の長いセイバー発射時などはステップでのキャンセルを常に意識しておく。 クロスレンジでの□は当たり判定時間が長く、置いておくと敵は近づきにくいが、空振り時は隙が長いので過信しないようにする。 「リニス」ページへのコメント 名前 コメント すべてのコメントを見る CPU相手ならクロスレンジで△△を2回繰り返して6コンボ。この後に○もつなげる。運が良ければこれだけで20秒で勝てる。 -- (名無しさん) 2012-01-09 02 55 31 前ステップ→セイバーでクロス内での直撃が狙える。アタックで追撃すればMP回復+ダウンで再度ロングへ。正直この繰り返しでCPU戦はほぼノータッチでクリアできる -- (名無しさん) 2012-01-07 12 38 57