約 215,768 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/334.html
凪さん家の弁慶ちゃん 「義経、準備は良い?」 「…はい、TR-2全システムオールグリーン…いつでもどうぞ」 「おっけ!じゃあいくわよ!皆!」 「「「了解!」」」 凪さん家の弁慶ちゃん/0 「TR-2」 「アーサー、ハンゾー、義経、状況を報告!」 「アーサー異常なし!」 「…ハンゾー、問題ない」 「義経、異常ありません」 「よし、アーサー、ハンゾーはそのまま前進、義経はユニット展開後待機!」 「「「了解」」」 今回もうまくやってみせる。私はそう誓った。 今回は「T3」として私こと義経はこのリアルバトルのチーム戦に参加していた。 しかし今回の戦いでは指揮を担当するマスターは一人という制約が課せられている。 なので通常、早坂未来が私に指示をだすのだが今回は渡瀬美琴がチーム全体の指揮を取っていた。 この大会でアーサーはTR-1という強化ユニットを装備、これは陸戦型アーンヴァル、または量産型ストラーフといった感じの装備で、脚部はアーンヴァル純正装備にストラーフの脚部装備を移植、そしてストラーフのサブアームのマニュピレーターを汎用性の高いものに交換し長さを調節したものだ。 その手には奇跡の剣という名の剣が握られていた。 そしてハンゾーにもこのTR-1ユニットが搭載され、こちらはカロッテTMPを二丁装備している。 そして私はこの二人とは違う装備を身につけていた。 TR-2 これは高威力の超長距離射撃を行う事を目的に、現存する神姫純正武装でアッセンブルされたものだ。 脚部はストラーフの脚部装備をアーンヴァルのブースターなどで固め右腕にはアーンヴァルのLC3レーザーライフルが二門装着されている。 しかし使用するのは一門のみ、あとの一門はレーザーの増幅器として機能する。 背部には吠莱壱式が二門。これは攻撃用ではなく、あくまでも緊急移動用としての装備である。 いちいちブースターを吹かすより実弾兵器の反動の方が始動が早いのではないか…という目的で取り付けられたものだ。 本当にそうなのだろうか? そして各部アタッチメントコネクターにはヴァッフェバニー用の背部タンクやジェネレーターが装備され、そのすべてをレーザーライフルに直結させる事によって限界まで威力を上げている。 はっきりいって神姫用の装備としてはあまりにも特化しすぎており、これで神姫といえるのだろうかという疑問も生まれてくると言うものだ。 しかしこれが後に世に出る姉妹達への開発データになるのならば、甘んじて受けるとしよう。 「義経、TR-2装備完全展開完了」 「よっし!相手方に一発でっかいのをお見舞いしちゃいなさい!」 「了解!エネルギー充填開始…収束率増加、ロックオン完了…発射!」 ヒュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン… 砲身にエネルギーの渦が形成され ビャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!! 空気を切り裂く青白い光が照射された。 その太さは通常のレーザーライフルのものに比べるとはるかに図太く、禍々しい。 その光が敵チームを包み込み一瞬にして行動不能にした。が、何とか逃げ延びた神姫がいたようだ。 「どう?」 「右腕に衝撃による不具合が少々、でも予測範囲内です」 「わかった、次いける?」 「もちろん!」 「よし!じゃあ第二射!てぇー!!」 「了解!」 なんだ、楽勝ではないか。この装備初弾である程度敵チームを壊滅させれば第二射までアーサーとハンゾーが私を護衛してくれれば勝利は間違いない。 または右腕への損傷を最低限にするならばこのまま私は待機して、あとは二人に任せても良い。 「TR-2はほぼ成功ですね」 「ええ、中々良いわ」 「よし、第二射充填完了…いきます!」 ひゅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ… 再びエネルギーの渦が形成される。そして青い光が大地をえぐる… はずだった。 ビビー!!ビビー!!ビビー!! 「!?」 「義経!?」 ライフルの砲身部から異常。あまりのエネルギー量にライフルの許容限界を超えたらしい。 そのエネルギーの一部が逆流して、システムに過大な負荷を与えている。 「く、ライフルへのエネルギーを全カット!砲身切り離し、緊急離脱ブースター展開!」 ライフルからエネルギーの光が漏れる。その光が私を包もうと迫ってくる。 「!く…腕が…!」 「早く離脱しなさい!義経!?」 「そうしたいですが…無理みたいです。腕が挟まって…抜けない…」 崩壊を始めたライフルなどのパーツにより、私の右腕は付け根からがっちりと挟まっていた。 「あぁもう!!諦めるなぁ!!」 「くそ!くそぉ!」 こんなところでスクラップになってたまるか!! 「こうなったら…!!」 私は脚部に装備されていたナイフを手に取り 「うあぁぁぁぁ!!」 自らの右腕に突き刺した。 「っくぅぅぅぅ!」 なんという激痛か…しかし! 「まっけるかぁぁぁぁ!!」 バチィィィ!! 左腕で右腕を抉り、無理やり引き剥がした。 そしてブースターを噴射。瞬間ライフルユニットが爆発。その爆炎が迫り私を完全に包む。衝撃と高温で体が焼かれる。しかし間一髪スクラップは免れたようだ。 赤い光に包まれていた景色がドームの光りに照らされたいつもの景色に戻る。 ブースターはすべて焼ききれたようで噴射できない。 そのまま自由落下により大地に叩きつけられた。 ドッザァァァッァァァ!! 「ぐぅぅぅがはっ!!うが、あぁ…くぅ…」 状況は芳しくないな…右腕破損…頭部に損傷…両脚部損壊…か…まぁAIに以上は無いようだ…。でも戦闘は無理だな…。とりあえず活動限界か…。 『ピピーピピーピピー試合中止、試合中止』 ドーム内に響く音声、私の意識はそこで切れた。 「む…」 充電完了…各部異常なし…生きている…のか 「…つね!よしつ…!!義経!」 「く…未来…?」 私の目の前にはマスター、早坂未来の顔があった。 「起きたぁ!」 「義経!」 「…起きたか」 「…ふむ」 「おぉ!」 「う…う~ん…!?」 「気付いた?その体」 「頭部形状…それに右腕が…これは…」 「アドバンスドユニット」 その声の先には渡瀬美琴。 「?」 「衝撃対策として右腕間接を汎用強化間接ユニット「リボルバージョイント」に換装、そして頭部ユニットを換装して情報収集能力を上げたの。本当はバイザー式にするつもりだったのだけど、損傷がひどかったから丸ごと換装したんだけど…どうかしら?合わなかったら既存パーツに交換するけど」 アドバンスドユニット…体に施されたマーキングライン以外は既存の素体であった私の体が…強化された? 確かに視覚ディスプレイに追加された項目がある…これは今後装備されるTRシリーズのためか…?それに右腕…今回の戦闘での意見がフィールドバックされたのだろうか…。 「合わないかな?」 「いえ、そんな事はありません」 「そう、よかったぁ~」 「それに合わなかったら合わせます。それが私です」 「ふふ、そうね。まぁ今日は一日ゆっくりして慣らしていって」 「はい、分かりました。ありがとう、美琴」 「はいな、んじゃまた明日」 「ええ、また明日」 「有難うございました、先輩!」 未来が美琴達にぺこりとお辞儀した。 そういえばここは…あぁ部室か…。 明日からまたさまざまな装備を試す毎日が始まる。武装…決まった装備が無い私にとっては毎回毎回ワクワクする時だ。 そりゃ今回みたいな危険は常に付きまとう。 しかし誇りに思う。 私に装備された物がブラッシュアップされ、次の世代の神姫の武装になる…。 そんな特別な関係性に…。 渡瀬美琴は既存部品を組み合わせて新たな武装を作り出す優秀な装備開発者だ。 そして神姫開発の上層部に父親がいて、武装神姫の初回モニターでもある未来…。 私に装備されたものは情報として逐一開発部に送信される。 今回のTR-2がどうなるのかは分からないが…。 この時、砲撃用に特化した装備…という部分が後のフォートブラッグへと繋がることは私達はまだ知らない。 知る事になるのはTR-5が開発され、新たな仲間、弁慶が来てからの事である…。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/716.html
春の風にしてはやや肌寒い感じが残る鳳凰カップ初日 雲ひとつない日本晴れがまさにイベント日和といった感じだろうか 予選開始時間は十時 初日である今日の予定はバトルカップ予選とブース出店 ちなみにバトルカップの解説は決勝リーグからとなっている だから今日の俺にはあまりやることがないのだ 本来イベントの始めにおこなわれる開会式は軽く開会宣言のみで、主催者挨拶なんかは決勝リーグ前におこなわれるらしい 御袋曰く「運動会前の校長先生のお話ほどやる気が無くなるものはないからねぇ~」とのこと 俺はその判断に激しく同意していた 「グッジョブ、御袋…」 そう頷く俺の両隣には 「うっわぁ~スッゴイ人の数~」 「こんなに大掛かりなイベントだったのか?」 と人間大のマオチャオとアーンヴァル 言わずもがな、神姫のコスプレをしているインターフェイス使用中のミコとユーナである ………やっぱり神姫なのに神姫のコスプレするのってなんかおかしいよなぁ いや、俺がさせてるんじゃないよ?よいこのみんなならば犯人が誰だか解ってくれるよな? そう、犯人は勿論今回の祭りの主催者にして俺の宿敵… 「ふおっほっほ、やはり似合っとるぞ美子ちゃん、優奈ちゃん!」 うちのクソジジイさ 「兼じぃだ~」 「でたなジジイ」 「くたばれジジイ」 「登場して間もないのに凄いブーイングじゃな…」 美子、優奈、俺の三段コンボは老人の心を少し傷つけた 「当たり前だ。なんたってこいつらにこんなかっこさせにゃならんのだ」 いくら神姫のイベント会場にいたとしてもこいつら二人の格好はかなり目立つ それとともに俺も一緒となると吊るし上げをくらったようなもんだ 正直周りの目線がキツイ オイコラ、勝手に写メを撮るな 「祭りには可憐な華が必要じゃろ。二人には祭りの盛り上げ役として力を貸してもらいたくてのぅ」 可憐な華? こいつ等が? うん、それじゃあよいこのみんなもお兄さんと一緒にジジイに並んで二人の姿を観察してみよう!! 俺は前にも見たことはあるんだが、この際上から下までジックリと観察してみることにする うちの三人の中では一番小柄な美子 控えめな胸、細身の体、そしてくりくりとした目のはちょっと危ないロリ属性 「にゃ……お、お兄ちゃん…」 すらっと伸びた両足、結構ボリームのある胸、オレンジ交じりの髪から覗く首筋、赤くなった頬に少しつり目のツンデレ属性、優奈 「あ、アニキ…目が……えろいぞ…」 というか二人ともモジモジと身悶えするんじゃない お前らのほうがよっぽどえろいからさっきよりも周りの視線が集まってるじゃないか 「後は毎朝優しく起こしてくれる幼馴染ぐらいは欲しいのぅ」 ボソッと老人らしからぬ発言 まぁこれは今に始まったことじゃないんだがな… 「老人の朝は早いから起こしに来るのは無理なんじゃねぇの?」 しかし、うちで朝起こしてくれる幼馴染キャラといえば俺の左肩に座っている奴が最も近かろう 「御爺様、私はよろしいのですか?」 一人だけ神姫素体のノアである 三人の中じゃ最も俺との付き合いは長いし、お互いのことも相当理解してる 朝起こしに来てくれるのもノアだしな もっとも、俺の中じゃ炊事に洗濯、掃除に買い物、何でも来いのクールな万能メイドさんのイメージが濃いのでそれもどうかと思ったりするのだが… 「ノアちゃんはいいんじゃよ。明人がこのイベントに参加するんじゃ。神姫を一人も連れとらん明人なんぞに価値はありゃせんわい!」 物凄く酷い言われようだがもっともなので言い返しはしない こちらとしても武装神姫のイベントに神姫も連れず、代わりに神姫のコスプレしている女の子を三人も連れて歩くウザイ野郎になることは御免こうむりたいのだ 「ノアちゃんは一番顔が知れとるからの。それにほら」 ジジイがノアにパンフレットを指差してみせる 俺たちは四人ともジジイの指差すパンフレットの位置を覗き込んだ そこはブース案内の國崎技研の紹介箇所 「國崎技研……ああ、ミラコロを共同開発してるとか言ってたな」 「そうじゃ。しかしあれからさらなる機能が追加されたんじゃ。國崎にできる若造がおっての…と、今言いたいのはそこじゃないんじゃ。内容を読んでみい」 ジジイに言われるがままもう一度パンフレットに目を落とす 「ヘンデル及びグレーテルのデモ、体験。グレーテルを使ったお菓子作りコンテスト。優勝商品はグレーテル通常版……お菓子作りコンテスト?」 「うむ、そこの『グレーテル』とは神姫用のシステムキッチンのことじゃ。なかなか小粋な宣伝をしよるわ。ふぉっほっほ」 神姫用のシステムキッチンねぇ… あいにくうちの神姫は普通のキッチンで毎日俺にメシ作ってるからなぁ… っておい、まさか…… 「ジジイ…コレにノアを出させようとか思ってんだろ?」 「薦めてみようと思っとるだけじゃ。無理にとは言わん」 なんだ…良かった ノアが出たら反則気味に有利になっちまうからなぁ 「無理に言わんでも結果はでとるからのぅ…」 「は? 何か言った…」 そこまで口にすると左肩から物凄い気配を感じる 悪い予感が渦巻く中、そぉっと視線を左に移すと… 「お菓子作りですか……ふふふふふ、腕が鳴ります」 地獄の番犬様が両目を閉じて微笑んでいらっしゃいました 燃えてらっしゃいます 橘家の台所番長様が闘志を燃やしてらっしゃいます 橘さんちの番犬さん、お菓子作りコンテスト参加決定… それから少しの間ブースを回る 大手企業各社に噂のアマチュア『F-Face』と三屋八方堂 凄い人の波でそれだけ回るとかなりの時間が経っていた バトルカップ午前の部が終了したことを知らせるアナウンスを聞き、俺たちは足を止める 「もうこんな時間か…」 「ひとまずアルティさんたちと合流しますか?」 「そうするか…」 携帯を取り出すと葉月からのメールが一件入っていた ブース、喫茶店LENに集合!(*^▽^*) 簡潔に記された用件と最後に顔文字… 「コレはあれだな。嬉しいけど内容は直接話したくてとり合えず早くメールしてしまえと……」 「よくわかるなアニキ…」 「まぁ一応あいつの兄貴だしな。とり合えず今のところ全員勝ってるみたいだ」 パンフレットを持っているノアのナビを頼りに待ち合わせのブースに向かおうとして思いとどまる 「おっと、おまえら…そのままだったらまずいな…」 「あ、葉月んがいるんだもんね~」 ノアのインターフェイス時は紹介してあるから問題ないのだがこの二人はまだだったりする というか説明するのがめんどくさい 「じゃあ鳳条院のブースまで戻るか?」 ミコとユーナのために鳳条院の企業ブース兼、総合本部の裏にロケバスを用意してもらっている そこで神姫素体とインターフェイスの交換を自由にできるようにとのジジイからの処置だ しかし、そこまで戻るのか…面倒だが仕方がない 少し遅れるとメールを早打ちすると若干早歩き気味で本部へと歩き出した 「兄さん遅いよ~」 予選も休憩時間となり、出場者や予選観戦客もブースの方へと移って来たので人の波も混雑して約束のブースまで15分もかかっちまった オープンカフェになっている喫茶店LENはランチタイムともあって大盛況の様子だ 「わりぃ、ちょっとあってな」 俺用に用意していてくれたのか、葉月とアルの間に空いている席に座る 「こっちにいたならそんなにかからないでしょ?」 一度本部に帰ったとも言えず、誤魔化すようにウェイトレスの男性を呼んで注文する ノアとミコはチキンサンド、俺とユーナはカツサンドのコーヒーセットだ 「で、調子は?」 俺の一言に全員がニヤリとする こりゃ聞くまでもねぇみたいだな 「無論、勝っている。私達はAグループで三戦三勝だ」 「予選は何試合だったけ」 「全四試合、それに勝ち抜けば決勝リーグにいける」 なるほど、アルとミュリエルは決勝リーグまで王手をかけているわけか… 「俺達はJグループで二勝中だ」 「私達も同じく二勝。グループはMで、次が三戦目です」 「私達はアルティさんと一緒で試合がスムーズに進んだから次で最後だよ。あ、グループはBね」 とり合えずグループは分かれたみたいだな 決勝リーグまで同士討ちということはなさそうなので一安心か 運ばれてきた昼食は物凄く美味かった ちらっと特設カウンターの方を見るとここのマスターであろう女性が黒葉の学生となにやら話しながらコーヒーを淹れている うをぅ…なかなかの美人だぞ 昴が気に入るわけだこりゃ… とぼんやり考えながらマスターを見ていた俺の両太股が葉月とアルに抓られた その後、食事を終えてから皆と別れる アル達は午後の予選開始までにはまだ幾分か時間に余裕があるらしく、予選会場に近い大手企業の方を見て回る言っていた 一緒に来いと誘われたのだが、さっきまで回っていたのでさすがにお断りしておくことにした それから俺たちは律儀にも再び本部まで戻り、ロケバスでミコとユーナを再びインターフェイスに変えてから一般参加ブースを見て回るために表通りに出たところで営業二課の渡辺さんを見つけた 「渡辺さん」 挨拶しておこうと見慣れた後姿に声をかける 「あぁ若、丁度よいところに」 振り向いた渡辺さんは少しホッとした様子 「ん? 何か俺に用事?」 「はい。ですが私ではなく…」 「久しいなアキヒト」 渡辺さんの後ろから俺の名前が呼ばれる 後ろを覗き込むと不敵な笑顔の少女が一人 「観奈ちゃん」 「フッ、挨拶に来てやったぞ」 國崎技研の社長、 國崎 悠人氏の愛娘にしてランキング72位のファーストランカー、國崎 観奈ちゃんである 「久しぶりなのだノアール」 「ミチルさん…」 彼女の頭の上にはパートナーである『白い翼の悪魔』、ミチルちゃんが乗っている 「久しぶりだな。たしかアメリカに行ってたんだって?」 「うむ、NY大会が目的だったのじゃ。なかなかの猛者ぞろいで楽しかったぞ」 楽しかったか…相変わらずカッコいい性格してるなぁ… 「優勝したんだろ? 大したもんじゃないか」 「む…ただ心残りがあっての」 心残りってか? 「むこうで戦ってみたい者がおったのじゃが、奴はもうアメリカにはいなくての…」 ほう、観奈ちゃんに注目される相手か… 「気になるな。誰なんだ?」 「アキヒトも多分知っておるじゃろ。アルティ・フォレストじゃ」 「……………」 「どうした?知らなかったのか、この大会にもエントリーしとるはずじゃぞ」 「ミュリエルとのバトルが楽しみなのだ」 知ってるよ よーく知ってるよ あ~んなとこやこ~んなとこまで知ってるよ… まぁ、いたいけな少女相手にそんなこと言える訳でもないけどさ 「わらわ達はCグループじゃからの。上手くいけば奴とは決勝リーグの二回戦で当たるというわけじゃ」 腕が鳴るのうと気合満々の観奈ちゃん 「…明人さん…お久し…ぶりです」 「うわぁ!!」 いままで気づかなかったが観奈ちゃんの後ろに一人の女子高生が立っていた 「…すいません…驚かせて…しまったようで…」 「あ…あぁ、いえ、こちらこそすいません」 さっきからいたのに気づかなかった俺のほうが悪いと思うんだが彼女は丁寧に頭を下げてくれた 「えぇ~と………どちらさまでしたっけ?」 その上俺はこの人のことを憶えてないのだ 俺って無礼者? 「…憶えて…いないのも…無理は…ありません…およそ…七年ぶり…ですから…ね」 七年ぶり…ん? この独特の話のテンポは… 「もしかして…斗小野会長のお孫さんですか?」 「…はい…斗小野 水那岐…です…」 驚いた 何にって…彼女の容姿は七年前の社交界で会った時とそっくりそのままだったのだ え~と、確か俺より二つぐらい上だったように記憶していたんだが… 「…ほんと…お久しぶりです…とは言っても…明人さんの…活躍は…いつも…メディアで…拝見…させて…もらって…いますけど…」 「あぁ、それは恐縮です…えと、水那岐さんも武装神姫、始められたんですか?」 彼女の両肩にはジルダリアとジュビジーが 「…ええ…まだ…始めた…ばかりですが…二人とも…挨拶…」 「やっほー。私は火蒔里。ひじりんって呼んでね♡」 「花乃ともうします。明人さんにノアールさんですね。お二人のことは存じております。御会いできて光栄です」 眩しい笑顔で手を振るひじりんと礼儀正しくお辞儀をする花乃ちゃん 「そりゃどうも。もしかして二人も大会に出るんですか?」 「…ひじりんは…アクシデントで…出れなく…なりましたけど…花乃が…頑張って…くれて…います」 「それじゃあ今のところ…」 「…ええ…次は…Iグループの…三回戦です」 ルーキーなのに大したものだ こう見えて水那岐さん、センスあるのかもな… 「それよりもノアールだけでミコとユーナの姿が見えんが…」 いつのまにか美子にだきしめられている観奈ちゃん 「あ、あいつらは…」 アナタを思いっきり抱きしめてますよ~とも言えないよなぁ… つぅかお前は何やってるんだよ美子!! (だって可愛いんだもぉ~ん♡) 目線で返事をするな 「二人は御爺様のお手伝い中ですよ」 ノアのナイスフォロー 確かに嘘は言ってねぇよな… 「ふむ、だからアキヒトはこんな美少女を二人もたぶらかしていたと…」 ジト目になる観奈ちゃん いや、誤解だってば たぶらかしてねえし、噂のお二人はここにいますってばよ 「まぁ、わらわが言うのもおかしな話だがな…」 と、微笑交じりの最後の言葉がひっかかったが… 「それで、解説者様がこんなところで何をしているのじゃ?」 「解説は決勝リーグからだからな。今日はこれからおたくのブースでお菓子でも作りに行こうかと」 「なに、まことかっ!? それならば共に来るがよい。わらわも恋人に会いに行くところじゃ」 「恋人?」 おませさんですね、最近の小学生は… 「うむ。おぬしに劣らず男前じゃ!」 いや、観奈ちゃんの恋人だろ? 小学生か、少し年上でも中学生くらいだよな… それと比較さてれも複雑な気分だぞ 「ほら、行くぞ!!」 観奈ちゃんに背中を押され、俺たちは國崎技研のブースへと向かったのだった 追記 鳳凰杯、警備隊本部 「いまのところイベント進行は順調なようだねミス・桜」 「フェレンツェさん。えぇ、なんとか予定通りに進んでいます」 「そうか、それは何よりだよ。私はお祭りが大好きでね」 「あなたの周りはいつもお祭りのようですけどね」 「ハハハ、確かに」 「娘さんとご一緒しないんですか?」 「なに、急がなくても祭りは逃げやしないよ。私は責任があるのでね。万が一の事態に備え様子を見に来たんだよ…」 「インターフェイスですか…大変ですね」 「なに、理解ある協力者達が助けてくれている。私は幸せ者だよ」 「そうですか。なら、私もその協力者としてここの警備指揮はまかせていただきます。どうぞ祭りをお楽しみ下さい」 「…ホントに私は幸せ者のようだな。ここはお言葉に甘えるとしよう。古き友や知人がブースを出しているものでね。娘と挨拶に行ってくるよ」 「そうですか。では楽しんでいらしてください」 「君もよい祭りを…ミス・桜」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1356.html
戻る 先頭ページへ 「けーくん!」 薄暗いそこに、初めてまともな光が射し込んだ。 半壊して片方が開かないドアをくぐりぬけ、孝也は切羽詰った様子でバトルマシンに駆け寄った。 「……何しに来たんだよ」 恵太郎の声を無視した孝也は、それを見て絶句した。 「間に合わなかった……!」 孝也がそう呟いたのとほぼ同時。ずるり、とアンクルブレードがアリスの手から抜け堕ちた。 武装神姫の心臓たるCSCを白刃によって貫かれたナルは、眠っているように目を閉じている。 それでいて、その表情は何とも幸せそうだった。 「けーくん、何でこんな事をっ!」 孝也は普段の様子からは考えられない剣幕で恵太郎を捲し立てた。 しかし、それが応えた様子も無い。 「お前には、関係無いだろ」 そう冷たく言い放った恵太郎に、孝也が思わず掴みかかった。 「関係無くないだろ!……君島さんも、何でこんな事を! こんな事したって何も……」 「孝也」 初めて、恵太郎が感情を表した。 「お前が口を出す筋合いは無いんだよ」 寒気がするような、虚ろな威嚇。 それは恐怖では無く、哀しさを植え付けるような威嚇だった。 「……何も、知らない人が、口を出さないで、下さい」 君島の言葉もまた、虚ろな感情が籠っていた。 「……アリス」 「……うん」 会話とも言えない一瞬の会話。 アリスはカーネリアンの亡骸を一瞥すると、君島の肩に飛び乗った。 「君島さん……!」 孝也の声を無視し、君島は壊れたバトルセンターを後にした。 残されたのは恵太郎と孝也と、ナル。 「……孝也、先帰れ」 恵太郎は孝也の腕を振りほどくと、ナルから目を逸らすように背を向けた。 「分ったよ」 そう言った後、孝也はナルの頭を軽く撫でた。 その後は、恵太郎に何も言う事無く真直ぐに出て行った。 ただ一人、ナルを前に恵太郎は立ち尽くした。 「……ただいま」 おかえりなさい、マスター。 普段は聞こえる筈の声が、もう聞こえない。 マスター、今日は少し暑かったですね。 普段は見える筈の姿が、もう見えない。 マスター、またコンビニ弁当ですか。 俺の食生活を案じる声が。 マスター、洗濯物はこまめに洗わないと後が大変ですよ。 俺の生活態度を戒める姿が。 マスター、明日は自分で起きてくださいね。 俺の早起きを促す声が。 マスター、もう朝ですよ。 俺の目覚めを促す姿が。 マスター、今日もがんばりましょう。 もう、無い。 マスター、今日の講義はフルですよ。 大学に行っても。 マスター、たまには野菜も食べましょう。 食堂に行っても。 マスター、講義は真面目に聞かないと。 講義に出ても。 マスター、立ち読みは駄目ですよ。 本屋に入っても。 マスター、次の駅で降りますよ。 電車に乗っても。 マスター、今日は何処に行くんですか。 もう何処にも、いない。 「……何の用?」 大学校舎の屋上は今が昼の休みだというのに人影は無く。 いるのは恵太郎と君島と、そしてアリスだけだった。 「……聞き、ました。大学を、辞める、そうで」 あれから―――ナルが死んでからもう一週間も経っていた。 「ああ、うん。そうだよ」 手すりに靠れかかりながら恵太郎は座っている。 「何で、ですか」 恵太郎から少し離れた所に、君島も座った。 「……神姫を持ってない人間は、ここには必要無いだろ」 空を、見上げた。 どこまでも青い空。そこに浮かぶ白い……まっ白い雲 「新しい、神姫を、買わない、んですか」 君島のとなり、恵太郎のとなり、二人の真ん中にアリスは立っていた。 「新しい神姫、か」 ふと、恵太郎がアリスを見た。 ナルと同じ、悪魔型。 「……」 恵太郎の指が、アリスへと伸びた。 君島は、それを横目で眺めている。 指が、アリスの頬に触れかけた瞬間。 アリスは一歩後ずさった。 「……一応の予定は、ね」 恵太郎は、暫く自身の指を眺めた後、手を頭の後ろで組んだ。 「……辞めたあと、どうする、んですか」 君島は、アリスから恵太郎へと視線を移した。 「どこか、遠くに行きたい」 恵太郎は、目を細めた。 「遠く、ですか」 君島は、ただ恵太郎を見ていた。 「……部屋が、広いんだ」 唐突に、恵太郎は言った。 「……ええ」 しかし、君島は特に反応しない。 「ナルが、いない。たったそれだけなのに、部屋が広く感じるんだ」 恵太郎は、空を仰いだ。 涙が溢れない様に、空を見ながら続けた。 「それだけなのに、世界が冷たいんだ……君島、お前もそうだったのか?」 空を見ながら、恵太郎は問いかけた。 「……ネリネが、いない、世界は、地獄」 一瞬の間を置いて、君島は答えた。 「その地獄は、まだ、続いて、ます」 アリスを優しく撫でながら、君島は続けた。 「カーネリアンを、殺せば、それが終わる、と、思ってました」 恵太郎は、空を仰ぎながら耳を傾けている。 「やっぱり、地獄は、終わら、ない。あなたも、それを、味わえば、良い」 深い憎悪の籠った声。 そして、底なしの虚しさが混じった声。 「……可笑しな、話です」 ふいに、君島が空を見上げた。 「ネリネを……神姫を、ただの、道具、扱いしていた、人が、それを、失った、ことで、泣く、なんて」 薄く、君島は哂った。 「……質問は、次で、最後、です」 前置きを置いて、君島は続けた。 「あなたが、殺した、のは、ネリネ、だけ、じゃない。他にも、神姫を、殺して、いる……どうする、つもり?」 一瞬、恵太郎の表情に影が刺した。 「それも、もちろん分ってる。というか、そのつもりで慣れないテレビにも出たりしたんだけどね。君島以外、誰も来なかった」 「……次に、復讐しに、来た、人にも、同じ事を、するんです、か?」 「その、予定」 日が、翳った。 「……あなたが、それを、罪滅ぼしだと、思ってる、なら、大きな、間違い」 君島の表情から、感情が消えた。 「復讐に、来る人、は、神姫を、本当に、愛する、人。そんな、人が、神姫を、殺す事で、満足は、しない」 その言葉に、恵太郎は固まった。 「それは、あなたの、自己満足」 恵太郎は、力無く呟いた。 「他に……」 だが、君島は構わず続ける。 「何も。あなたは、なにも出来ない。しては、いけない。ただ、苦しみながら、生きていく、だけ。懺悔も、贖罪も、あなたには、許されない」 そして、最後に言った。 「あなたは、私に、神姫を、殺させた。あなたは、一体、どれだけ、馬鹿なの」 恵太郎は、暫く俯いたままだった。 「他に……考え付かなかった」 虚ろな声で、言葉を吐き出す。 「俺は、どうすれば良かったんだ……」 しかし、その言葉に君島は答えなかった。 その沈黙が、答えだった。 「……あの時点でマスターが神姫から足を洗えば良かったんじゃないですかね」 「それだと、君島達に対してどうすれば……」 「さっきも、言った、筈です。あなたは、何も、出来ない、と」 「では、額を地面に擦り付ける程の土下座は?」 「その程度で済む問題じゃ……」 「謝る、方は、それで、気が済む、でしょうが、私は、そんな、事では、許しません、よ」 「では、残った人生で全ての神姫とそのオーナーを幸せにするというのは」 「……無茶苦茶な」 「それくらい、の、覚悟、ということ、です」 「やはり、こういう事はマスター自身が見つけなければダメですね」 「……見つけられるかな。もう、ナルだっていな、い……?」 「……!?」 その瞬間、ようやく恵太郎と君島とアリスは固まった。 そこに居る筈の無い存在。 そこに居てはいけない存在。 そこに居るのは。 「……ナ、ル?」 「なんですか、マスター。まるで幽霊を見たような顔をして」 アリスの横にちょこんと座った白髪赤目のストラーフ。 彼女に視線を釘付けにしながら、そこにいる誰もが驚愕の表情を顔に張り付けていた。 「……な、なんで。確かに、アリスが、殺した、筈、です」 「……CSCを、刺した、のに?」 硬直しながら、君島とアリスは顔を見合わせた。 そして、次に恵太郎の方へと視線を移した。 「待て、待ってくれって。俺も何がなんだかわかんねぇって!」 思わず素が出た恵太郎の言葉に、嘘は無い。 そんな三者三様の対応を受けながら、ナルは平然と口を開いた。 「まぁ、私もあの時は死ぬかと思いました」 「確かに、殺した」 ナルの能天気とも取れる言葉に、アリスがすかさず反応した。 「ええ、そうです。確かに、貴女は私のCSCを貫きました……タネ明かしは張本人に説明して頂きましょう」 まるで、示し合わせたように屋上に表れたのは高野孝也その人であった。 「……こ、こんにちは~」 空気が、凍った。 「孝也……お前、何をした」 その直後、ゆらりと立ち上がった恵太郎は静かに言い放った。 そして、ゆっくりと孝也に向って近寄った。 「せ、説明するから落ち着いてよ、ね?」 その言葉に素直に従ったのかは不明だが、恵太郎は手すりに身体を預けた。話を聞く体勢だ。 それを確認した孝也は、とりあえず胸を撫で下ろすと、咳を一つ。 「結論から言うと、クリスの力なんだ。君島さんは知らないだろうから簡単に説明するね。僕の神姫、トリスには専用装備としてナ・アシブっていう外部装甲がある。それに搭載されているシステム・ニトクリスはナノマシンによって神姫をハッキングして、感覚をかく乱するシステムがある」 そこまで聞いて、恵太郎は事の顛末を半分ほど理解した。 「……アリスをハックして、ナルを殺したように錯覚させた?」 「そんな、事が、可能、なのです、か?」 君島はアリスを見ながら呟いた。 当のアリスも信じられない、と言った様子で目を白黒させている。 「ジュピシーやジルダリアの武装を原理は似た様なものだよ。やっぱりトリスとクリスの力だけじゃそこまで完璧なハッキングは出来ないからね。ロンとトロンベにも手伝って貰ったよ」 神姫三体の演算装置を用いて行われた神姫に対するシステムハッキング。 それが、ナルが生きているタネ明かしだと言った。 「……待て、俺も君島もナルが刺される所を見ていたぞ。システム・ニトクリスは人間もハッキング出来るってのか?」 「システム・ニトクリスで出来るのはハッキングだけじゃないよ。ナノマシンを使った光学迷彩だって出来る」 つまりは、システム・ニトクリスによってアリスをハックしつつ、バトルマシン周囲を光学迷彩で覆い、さもナルが刺されたかのように見せかけた。 そういう、事だ。 「……じゃあ、これは何なんだ」 恵太郎は懐から掌大のケースを取りだした。 そこには胸が破損したストラーフが入っていた。 「ダミーだよ。先輩達に作って貰ったんだ。現場でね」 そこまで聞いた恵太郎は、脱力して地面にへたり込んだ。 「アリス。ハッキング、されて、いたの、に、気付き、ました?」 「全然」 アリスは、自らの掌を見つめた。 カーネリアンのCSCを貫いた感触がこびり付く、その掌を。 「何でだよ」 強く、強がろうとする声が恵太郎から洩れた。 「何で、こんな事したんだよ……」 「……けーくん。けーくんがアリカちゃんを止めたのと、同じ理由だよ」 その言葉は、暗に恵太郎を否定していた。 「けーくんの考えてる事は贖罪じゃない。君島さんの言う通り、ただの自己満足だよ」 「お前に……何が分るんだよ」 「分るよ。あら方、神姫を好きになって、神姫を好きな人の気持ちを理解して、それで神姫を殺される人の気もちを理解しようとしたんでしょ? 伊達に生まれた時から一緒にいないよ」 「……じゃあ、何で俺を止める」 「何度でも言う。けーくんは間違ってる。けーくんがやった事は、神姫が好きな人に神姫を殺させる、そう言う事だ」 「それ、は、私が、言い、ました」 「……とにかく、けーくんがした事は間違ってる。それだけは言える」 そこまで聞いた恵太郎は、空を眩しそうに見つめた。 「他に……考え付かなかった」 「けーくん。けーくんはどうかは分らないけど、僕はけーくんの事友達だと思ってる。僕だけじゃない。裕子先輩も、裕也先輩も、茜ちゃんも……それに、アリカちゃんも」 そこで、一旦孝也は言葉を区切った。 「だから、もっと僕たちを頼ってよ。一人で考え付かないなら、皆で考えようよ」 孝也は笑って言った。 でも、その笑顔は恵太郎には眩しすぎた。 「……アリス」 君島の一声で、アリスは彼女の肩に飛び乗った。 「聞きたい、事も、聞け、ました、から、私は、失礼、します」 その後ろ姿を見つめがら、恵太郎は暫く逡巡していたが、結局、何も言えなかった。 「孝也、さん?」 校舎へ続く扉の前で、ふと君島は立ち止った。 「私も、アリスも、神姫を殺さずに、済みまし、た。ありがとうございます」 「……うん」 「倉内……さん。私は、もう、疲れました。だから、もう、私の目の前の、現れないで」 それだけ言うと、君島は答えを聞かずに立ち去った。 恵太郎と孝也と、ナルの間に沈黙が漂った。 「……孝也、話はもう終わりか」 「まだだよ」 そう言うと、孝也は校舎へ続く扉の中に首だけを突っ込み、何かを招く動作をした。 それから間もなく、屋上にアリカが表れた。 「じゃあ、僕は下で待ってるよ」 「マスター、私も」 孝也とナルはアリカと二三言葉を交わすと屋上から立ち去った。 「……師匠、隣いいですか?」 少し戸惑いがちな、それでいて強い意志の込められた言葉に、恵太郎はただ頷く事しか出来なかった。 恵太郎の隣に腰を下したアリカは、間髪入れずに口を開いた。 「師匠、私は……」 「アリカ」 しかし、それは恵太郎の一言で止められた。 気まずそうにするアリカを余所に、恵太郎は言う。 「お前、聞いてんだろ。俺の事」 「……はい」 その問いに、アリカは素直に答えた。 「……俺には、師匠なんて呼ばれる資格、無いよ」 空を見つめ、雲を見つめ、何処かを見つめる恵太郎の言葉が、虚しく響いた。 「俺には、人に好かれる資格なんて、無いよ」 その言葉は、アリカだけに言ったのでは無く、恵太郎の知人全員に当てた言葉だった。 「だから、さ」 次の言葉は、アリカにとって最も聞きたくない言葉で、恵太郎にとって最も言いたくない言葉だった。 「俺を……」 「師匠!」 今度は、アリカが止める番だった。 「人が人を好きになるのに、資格なんているんですか!? 私が師匠を師匠と呼ぶ事に、何の資格がいるんですか!? 師匠は、私とトロンベを救ってくれたじゃないですか!? それで、私には十分です!」 半分、悲鳴にも似たその叫びは、人のいない屋上に響き渡った。 「だから……師匠を好きな事は、許してください……」 消え入りそうなか細い声、それでいて耳に残る不思議な声。 しかし、恵太郎は空を眺めたまま、口を開いた。 「……アリカ、一人にしてくれないか」 「嫌です」 「こんな顔してんの、見られたくないんだよ……!」 「じゃあ、下向いてます」 それから数分、恵太郎は静かに泣いた。 「……アリカ」 「はい」 「お前の気持ちは、嬉しい。今まで、誰かにそういう風に言われた事無かったから」 「はい」 「でも、今はまだ、答えられない」 「……はい」 「だけど、絶対に答える。だから、少しだけ待っててくれるか?」 「はい……師匠」 それが、アリカの聞いた恵太郎の最後の言葉だった。 「ナル、久しぶり……かな」 「そうなりますね、マスター」 「俺、お前を二度も殺しちゃったんだな」 「三度目は無いですよ」 「ナル、俺はどうすればいいんだろうな」 「それをこれから探しに行くんでしょう、マスター」 「……ナル、一緒に来てくれるか?」 「イェス、マスター。何処までも、何時までも」 そして、恵太郎は姿を消した。 戦う神姫は好きですか 終
https://w.atwiki.jp/blueinm/pages/146.html
学校魔改造計画とは YUKによって提案された、学校生活が楽しくなるように様々な施設を作り置いていく計画のこと。 作った施設に思い入れのあるキャラクター達の記憶を元に、雫世界に新しいリフレクターが来たので、物語が進む重要な目標となった。 施設について 作った施設は校庭・中庭の決められた場所に配置できる。配置した施設はキャラクター全員のステータスを強化する効果を持つ。さらに特定の施設はセットで置くことでステータス上昇にボーナスがかかる、重要な要素。 施設をレベルアップさせることで新たなステータス上昇効果が追加される。既にあるステータス上昇効果については、効果の高いものに強化される。(HP上昇・微とHP上昇・小の場合、小のみの効果に。) 施設にアクセスして、効果の適用をON/OFF切り替えられる施設もある。このタイプの施設には、”特定能力を強化する代わりに別の能力が下がる”といったデメリット効果を持ち合わせるものも存在する。 アイテム消費によって効果を発揮する施設は、次回のココロトープ探索時に効果を発揮し、学校に戻ってくると効果を失う。 自販機やたこ焼き屋などで実際に買い物ができたり、ベッドで好きな時間まで寝るなどのユニークな機能を持つ施設も。ホモ達の好きな施設を配置し、学校生活を楽しもう。 施設にはそれぞれS・M・Lの大きさがある。施設の配置場所にも広さが設定されている。Lサイズの大きさの設置場所には、M・Sサイズの大きさの施設も設置できるが、狭い場所に大きな施設を置くことはできない。 施設レベル3・4の強化には佳作・傑作が付いた素材が必要。素材作成時に、アイテム本質効果向上のユニット効果や、工作系タレントスキル「本質効果向上」持ちのキャラで工作すると付けられる。 建築施設に対して設置場所が足りていないので、現状施設全部を設置することができない。悲しいなぁ 素材を取る場所については、アイテムほかんこぉ^~を参照オナシャス! 一覧 サイズS 学習机セット カプセルトイ ビーチチェア 石灯籠 木人 野外用シャワー アサガオの花壇 宇宙服 天体望遠鏡 レトロな街燈 ビーチチェア(魔改造) サイズM 海の家 自販機コーナー たこ焼きの屋台 キャンプファイヤー 花畑のベッド 射的の屋台 風力発電機 井戸 たんぼ 動物の乗り物 ブランコ 笹と短冊 りんご飴の屋台 商店街ゲート 同人即売会ブース 星と月のベッド ひまわりの花壇 金魚すくいの屋台 大きなぬいぐるみ 野外ミニシアター グランドピアノ 動物の乗り物(魔改造) サイズL シンボルツリー カフェスペース 駅のホーム テント お社 コンテナ キャンプセット ロケット 縁側のある部屋 屋外コンサート会場 その他 プール風呂 施設一覧 テンプレ + ... サイズ 施設名 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 Lv.2 ×3 Lv.3 ×5+佳作×3+佳作 Lv.4 ×7+傑作×5+傑作 サイズS 学習机セット 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 状態異常耐性・小 丈夫な布×2 Lv.2 攻撃力上昇・微 木の板×3 Lv.3 状態異常耐性・中 木の板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 衝突属性攻撃力上昇・微 木の板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 学習机のデートイベントは、日向に配置すると青空教室のような感覚を味わえる。ちなみに、雨天決行である。その日の天候には注意しよう! RNさんがHSZKさんに勉強してもらうために作った施設。学校の机と椅子が2つずつ、向かい合うようにくっつけて置かれている。でも、真夏の雫世界で青空教室は暑くて集中できないと思うんですけど…実際、勉強時間は増えていない気がするとRNさん談。まぁ、教室内より外の方がいろんな施設とかレズ達からのデートのお誘いとか誘惑が多いし、気が散るのも多少はね? ビーチチェア 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力上昇・小 木の板×2丈夫な布×1 Lv.2 HP上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 防御力上昇・中 丈夫な布×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 HP上昇・小 丈夫な布×7+傑作強化繊維×5+傑作 南の島をイメージしたビーチチェア2つとビーチパラソル。あと、机には飲み物が置かれている。こんなところでHSZKさんが横になってたらレズ達からのナンパが絶えなさそう。YUK曰く、飲み物はちょっと失敗だけど、こういうのは気分が大事だから、多少はね?との事。 木人 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 戦闘訓練 木の板×1(木片)×2 Lv.2 攻撃力上昇・微 木の板×3 Lv.3 与ダメージ上昇・微 木の板×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 与ダメージ上昇・微 木の板×7+傑作強化木材×5+傑作 Lv.1の戦闘訓練は、木人にアクセスして戦闘訓練を受け、戦闘に勝利するとエーテルタイド習得可能。 カンフー映画の修行シーンで使われるやつ。飛び出た棒(意味深)を人の手に見立てて、型の練習をする。YUKやFMOの顔を貼り付けたらより熱心に練習できそう。 アサガオの花壇 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ギア強化攻撃力・中 瑠璃色の貝×1石ブロック×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 ギア強化攻撃力・大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 AO達がたんさく…(デケデケ)中に拾ったアサガオの種を植え付けを行う♂したもの。RNさんはグリーンカーテンの実験用に育てているみたいだが、大きさが足りないせいかあまり涼しくはならないらしい。こころのザーメンかけたら大きくなりそう。 天体望遠鏡 効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ノックダウン蓄積値上昇/耐性低下・大 レアレンズ×1エーテル合金×1ガラス板×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 ノックダウン蓄積値上昇/耐性低下・特大 ガラス板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 ガラス板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 本格的な天体望遠鏡。この施設がきっかけでRNさんのココロトープが現れた。YUKが、よく屋上で星を見てるRNが喜ぶかなと思って提案したらしい。恋人の鑑がこの野郎…YUKが星に興味がある理由を考えると涙がで…出ますよ… YUKすき 天体望遠鏡で太陽を見させる カプセルトイ コインを消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 経験値上昇・小 開かずの缶詰×1エーテル合金×1ガラス板×1 Lv.2 インファイト防御上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 攻撃力上昇・微 ガラス板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 経験値上昇・中 ガラス板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 ゲーセンとかショッピングモールとかに置いてある、ガシャポン。景品の紹介の画像にはモザイクがかけられている。HSZKさんは次回食事大盛り券を当てたことがある。割と大当たり確率はしょっぱいみたい。YUKをカプセルに閉じ込めて景品にしよう欲しい景品がある時はKRR様にお願いしよう!みょんみょんみょん…YUKはお金がすぐに無くなるけど、カプセルを開ける瞬間のワクワクには抗えないと言っている。 石灯籠 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 与ダメージ上昇/被ダメージ上昇・大 燃え尽きない炭×1石ブロック×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 与ダメージ上昇/被ダメージ上昇・特大 固形燃料×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 クリティカルダメージ上昇・小 固形燃料×7+傑作強化石材×5+傑作 火を灯すとぼんやり光る灯籠。構造は上から宝珠、笠、火袋、中台、竿♂、基礎の部分から成る。火袋の中に蜂が巣を作ってたりするので、手を突っ込むのは、やめようね!KKRが昔住んでいた田舎の家の周りに沢山置いてあって、お祭りになると火が灯って綺麗だったらしい。 屋外用シャワー 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 回復時回復・小 くじらの置物×1強化木材×1ガラス板×1 Lv.2 防御力上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 回復時回復・中 ガラス板×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 ガラス板×7+傑作強化木材×5+傑作 回復時回復は、回復行動時に追加で回復量が増す YMD虐施設海辺とかにある屋外用のシャワー。一番上にはクジラの置物も。真夏の汗もここで流せばサッパリ。KKRは洗い流しても臭そう水の勢いはかなり強いので、扱いには気をつけよう!とHOR談。 宇宙服 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 インファイト時与ダメージ増加リキャスト時間 防御力低下・大 光沢フレーム×1ガラス生地の布×1強化繊維×1万能ネジ×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 インファイト時与ダメージ増加リキャスト時間 防御力低下・特大 ガラス板×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 回復時回復・微 ガラス板×7+傑作電気回路×5+傑作 宇宙空間での活動を可能にする服。YMDさんは、宇宙服を着なくても宇宙空間で活動できるのよね?色々な機能を備えている代わりに、かなり重いらしく、支えなしで着たらきっと後ろにひっくり返るだろうとMO姉は言っている。YUKすき ひっくり返したまま真夏の炎天下で放置した レトロな街燈 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力上昇・中 レトロなランプ×1固形燃料×1ガラス板×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 防御力上昇・大 ガラス板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 回復時回復・微 ガラス板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 手動でお前の街燈に火を灯す♂古風な街燈。UTも古い本の中でしか見たこと無いが、見つめているとどこか懐かしい気分になるとの事。 ビーチチェア(魔改造) 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 経験値上昇・微 丈夫な布×2 Lv.2 防御力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 経験値上昇・小 丈夫な布×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 丈夫な布×7+傑作強化繊維×5+傑作 DLC限定設備。ビーチチェアの隣に並べて夏気分の写真を撮ることができる。 錬金釜 DLC限定ダンジョンのギミック解除に使用する。 施設レベル 設置効果 必要素材量 設置 錬金釜 うに×2ぷにぷに玉×2 Lv.2 封鎖解除 木の板×1 Lv.2 敵索敵範囲縮小 焔の黒砂×5 Lv.2 採取ポイント増加 マジカルアックス×5 Lv.2 移動ギミック追加 たちまち除草剤×10 Lv.3 封鎖解除 ぷにゼリー×5 Lv.3 敵索敵範囲縮小 一太刀ノコギリ×15 Lv.3 採取ポイント増加 強化木材×15 Lv.3 移動ギミック追加 電気回路×15 Lv.MAX 封鎖解除 ドンケルハイト×5 Lv.MAX 敵索敵範囲縮小 おかたづけモップ×20 Lv.MAX 採取ポイント追加 ハデス弁当×20 Lv.MAX 移動ギミック追加 星砕き×20 サイズM 海の家 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力上昇・微 破れたすだれ×2木の板×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 木の板×3 Lv.3 防御力上昇・微 木の板×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・微 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 秘密基地を作る目的で作った施設。なぜか海の家みたいになってしまった。かき氷ののぼりやシロップが置かれている。KKRはみんなでかき氷を食べられるからという理由で、こっちの方がお気に入りのようだ。 自販機コーナー 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→ウルオスウォーター ジュースサンプル×1エーテル合金×1 Lv.2 HP上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 e/s加速度上昇・微 エーテル合金×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 HP上昇・小 エーテル合金×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 好きな時に飲み物やハンバーガーや食べ物等が買える自販機。HNKとのデートイベントは必見見てたらパンツ交換したくなるHNKもいつでも冷えた飲み物が飲めるのは嬉しく思っており、ハンバーガーの自販機があることに驚いていた。校舎内の自販機にも飲み物はありますよね? たこ焼きの屋 縁日利用札交換 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→たこ焼き 可燃ガスボンベ×1木の板×1丈夫な布×1 Lv.2 防御力上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 たこ焼き交換料増加っぽい 固形燃料×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 貫通属性攻撃上昇・微 固形燃料×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 お祭りといえばこれ、というぐらい定番の屋台。ただし、中の具材はタコのような食感のナニカらしい。エリスロくんかな?SHさんもタコパの経験があるらしい。屋台には「星の宮名物」や「学校の風物詩」と書いてある。味の種類は、明太子、ねぎ、チーズ、天かすがある。生地をひっくり返すのには、結構コツがいるのです、とKKRが言っている。 キャンプファイヤー 固形燃料消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 回復時回復・中 木彫りの人形×1燃え尽きない炭×1木の板×2 Lv.2 HP上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 インファイト攻撃上昇・微 固形燃料×5+佳作+強化木材×3佳作 Lv.4 HP上昇・小 固形燃料×7+傑作強化木材×5+傑作 木を積み上げて作ったキャンプファイヤー。なんで材料に木彫りの人形を…?YUKとFMOをぶち込んで悲鳴を聞きながら眺めていたいHNK曰く、いつか作ってみたいと思っていたが、まさか学校で作るとは思ってなく、元の世界なら絶対に怒られていただろうとの事。 花畑のベッド 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 休憩好きな時間まで休憩(意味深)できる 寄せ集めたブーケベッドの部品木の板×1丈夫な布×1 Lv.2 ドロップ率上昇・微 木の板×3 Lv.3 経験値上昇・微 木の板×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 ドロップ率上昇・小 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 自販機ルームの前に設置することができ野外プレイを楽しめる。 花びらがハートマークになっていて、花はコスモスの想定らしい。 お花散りばめたベッド。HSZKさんはここでレズ達のお花も散らしてそうSHさんはHSZKさんとの為にベッドメイクを覚えたそうなので、散りばめたお花が崩れてもお任せください!と言っている。 射的の屋台 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 状態異常付与確率 効果時間上昇状態異常耐性低下・大 カラフルチョーク×1木の板×1丈夫な布×1七色ペンキ×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 状態異常付与確率 効果時間上昇状態異常耐性低下・特大 丈夫な布×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 クリティカル率上昇・微 丈夫な布×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 縁日でよく見る屋台。HSZKさんの射的(意味深)の施設SHさんとのデートイベントは必見。現実の屋台では、景品を打ち落とすと、それがもらえる。ここのホモ達にとっては絶好のパンチラ施設商品を打ち落とすのはなかなか難しく、熱中してお金を使いすぎないように気をつけないといけない、とSHさん談。 風力発電機 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 e/s加速度上昇・中 折れたプロペラ×1万能ネジ×1エーテル合金×1 Lv.2 防御力上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 e/s加速度上昇・大 エーテル合金×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 攻撃力上昇・微 エーテル合金×7+傑作万能ネジ×5+傑作 万が一学校が停電した時の為に作った風力発電機。これで電気については一安心らしい。YMDが学校の地下で発電してる説真っ暗なのが怖いわけではないとRNさんが言っている。RNさんを煽るメスガキHSZKさんは必見。 井戸 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力上昇・中 苔むした瓦強化木材×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 攻撃力上昇・大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 たんぼと一緒に配置するとたんぼの生産能力を上げられる。 KRRの丸くて穴の空いたもののお願いで作った施設。水を汲むための施設。古びた石でできていて、怪談に出てきそうな雰囲気だから肝試しには持ってこいとKRR談。怖がるRNさんとメスガキHSZKさんのイベントは良いぞ。なお、最近の井戸は石や木で作られていないし、管から水を汲み上げるポンプ式になっている。 たんぼ 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 稲作稲を育てて、輝く稲穂を収穫可能 輝く稲穂×1魔力の水丈夫な布×1 Lv.2 回復量上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 回復時回復・微 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 回復量上昇・上 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 お米をいっぱい食べる為に作ったたんぼ。烏よけの案山子が立っている。YUKすき 案山子のかわりにYUKを縛り付けて立たせたKKRもこれがあれば山盛りのご飯をいっぱい食べられて、お米のことを思えば稲作も頑張れると言っている。この大きさじゃ足りなさそう。 動物の乗り物 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ドロップ率上昇・小 何かのハンドル×1エーテル合金×1 Lv.2 防御力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 ドロップ率上昇・中 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 コインを入れて動かす動物の乗り物。パンダとクマ?だろうか。MO姉は昔、遊園地に行った時にHORが気に入っていたのを覚えている。また一緒に行きたいとも言っている。HORは乗り物の代わりにYMDに乗って遊んでそう ブランコ 七色ペンキ消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 バックアタック強化 錆びたチェーン×1万能ネジ×1木の板×1 Lv.2 防御力上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 HP上昇・微 エーテル合金×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・上 エーテル合金×7+傑作強化木材×5+傑作 公園の遊具の主役、ブランコ。座って漕いでも立って漕ぐのも楽しいけど、勢いをつけすぎると一回転するので注意とYUK談。YUKとFMOを座らせて永遠に回し続けたい 笹と短冊 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 弱点攻撃与ダメージ上昇弱点属性ダメージ時被ダメージ上昇・大 願掛けの笹×1丈夫な布×1 Lv.2 HP上昇・微 木の板×3 Lv.3 弱点攻撃与ダメージ上昇弱点属性時被ダメージ上昇・特大 木の板×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 HP上昇・小 木の板×7+傑作強化木材×5+傑作 HRHR姉妹虐待施設毎年7月7日の夜に願い事を書いた短冊を笹に吊るして星に祈る習慣のことを七夕という。織姫と彦星が1年に1度だけ出会える日。MO姉とHORも出会えました。YUKの身体にカッターで願い事を書き込んで吊るしておきたい りんご飴の屋台 縁日利用札交換 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→りんご飴 機織りの機械重力リンゴ×1強化繊維×1強化木材×1 Lv.2 防御力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 被ダメージ減少・小 丈夫な布×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 インファイト防御上昇・微 丈夫な布×7+傑作強化木材×5+傑作 夏祭りの美味しいものの定番。カリッとした食感とリンゴの柔らかい食感が楽しい。YUKは赤くてツヤツヤした見た目も可愛いし、いつか浴衣を着て食べ歩きしたいと言っている。YUKすき 野獣リンゴ飴を食べさせた 商店街のゲート 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 インファイト攻撃上昇・中 派手な看板×1乾かない手ぬぐい×1エーテル合金×1強化石材×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 インファイト攻撃上昇・大 エーテル合金×電気回路5+佳作×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・微 エーテル合金×7+傑作電気回路×5+傑作 残念ながら校門や水上線路の前に置くことはできない。 「ようこそ!星の宮商店街へ」と書かれた商店街のゲート。ハートの形の風船がくっついている。SHの記憶から作られたということは、SHは星の宮に住んでいたのだろうか。SHは家が商店街にあったので、これを見ると懐かしい気持ちになるらしい。商店街の左右の柱にYUKとFMOを括り付けたい 同人即売会ブース 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 クリティカル率上昇・中 誰かの同人誌×1止まった懐中時計エーテル合金×1七色ペンキ×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 クリティカル率上昇・大 エーテル合金×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 与ダメージ上昇・微 エーテル合金×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 同人誌を売るスペース。RNさんが描いた絵を見てもらえる場所の用意のために作った。おう、Y虐絵やF虐絵も描くんだよ。あくしろよRNさんもいつかは本物のイベントに参加してみたいらしい。 星と月のベッド 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 天気を晴れor曇りor雨に変えられる 星の飾り物×1ベッドの部品万能ネジ×1電気回路×1 Lv.2 経験値上昇・微 木の板×3 Lv.3 ドロップ率上昇・微 木の板×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 経験値上昇・小 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 やはり自販機部屋の前に設置することで野外プレイの見せつけが可能。 星と月の飾りをぶら下げたベッド。布団には星座がデザインされている。やっぱりHSZKさんが他のレズ達を連れ込んでイロイロする場所MO姉は星や月の飾りを見ていると不思議と心が穏やかになって眠れてしまうと言っている。睡眠薬の成分が入っているのかもしれない。YUKすき 天井にぶら下げたYUKを見ながら寝たい ひまわりの花壇 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 エーテル回復速度初期値上昇加速量低下・大 光る種×1強化石材×1 Lv.2 与ダメージ上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 エーテル回復速度初期値上昇加速量低下・特大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 震動属性攻撃上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 ひまわりを植えた花壇。HRHR姉妹が住んでいた街の近くに大きなひまわり畑があったらしい。UTとHRHR姉妹もここで出会っている。HORも夏の景色にはこれがなきゃ!と言っている。YUKとFMOとYMDを植えておきたい 金魚すくいの屋台 コイン消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 クリティカルダメージ上昇・大 空っぽの金魚鉢×1機織りの機械×1強化繊維×1電気回路×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 クリティカルダメージ上昇・特大 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 お祭りで良くある金魚すくいの屋台。”ぽい"を使って金魚を掬って、掬ったものは持ち帰ることができる。食料として持ち帰る人も屋台には「なつの思い出」と書かれている。HORはここでなら掬い放題だから、沢山練習してMO姉をびっくりさせたいらしい。 大きなぬいぐるみ 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力上昇エーテル回復速度初期値減少・大 不気味な人形×1強化繊維×1固形燃料×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 クリティカルダメージ上昇・微 丈夫な布×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 攻撃力上昇エーテル回復速度初期値減少・特大 丈夫な布×7+傑作強化繊維×5+傑作 とても大きく、もふもふなクマののぬいぐるみ。右手に抱えているのは鮭のぬいぐるみか。UTはこれを見つめていると、昔大切にしていたクマのぬいぐるみを思い出して、ずっと抱きついていたくなるらしい。クマのぬいぐるみに抱きついているレズ達ら可愛いから、みんなも見よう! 野外ミニシアター 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力上昇攻撃力低下・大 真っ白い布×1レアレンズ×1電気回路×1強化木材×1 Lv.2 回復時回復・微 丈夫な布×3 Lv.3 防御力上昇攻撃力低下・特大 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 回復量上昇・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 映画を見られる設備。図書室には本だけでなく、映画のディスクメディアもあったらしい。淫夢本編とか…いらっしゃらないんですか?KKRはここで映画フェスをやるのも悪くないと言っている。ネクナン様の聖痕の軌跡の映画もあるわよ〜 グランドピアノ 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力 防御力上昇HP低下・大 ピアノ線×1純白の灰×1強化木材×1強化繊維×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 攻撃力 防御力上昇HP低下・特大 エーテル合金×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 インファイト防御上昇・微 エーテル合金×7+傑作強化木材×5+傑作 学校に置いてあるピアノ。透き通った音を奏でる。UTはその透き通った音は自分のような人間の心も動かしてくれる。他のみんなの心にも同じように響いているのか考えているようだ。FMOを天板と響板で挟んで、ピアノを弾く振動で悲鳴を奏でたい 動物の乗り物(魔改造) 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ドロップ率上昇・微 木の板×2 Lv.2 攻撃力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 ドロップ率上昇・小 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 与ダメージ上昇・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 サイズL シンボルツリー 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 e/s加速度上昇・小 神秘の苗木×1丈夫な布×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 木の板×3 Lv.3 ドロップ率上昇・微 木の板×7+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・中 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 大きな木。本来は植えてから何十年もかかって大きく育つのだが、想いの力ですぐにほんへに出てくる大きさに育ったらしい。想いの力ってすげー!甘い果実が実るそうなので、KKRはたまに登って食べているらしい。シンボルツリーに寄りかかっているキャラにHSZKさんが近づくと手を振ってくれる。援交の待ち合わせみたい カフェスペース 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→コーヒー コーヒー×1木の板×1丈夫な布×1 Lv.2 HP上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 攻撃力上昇・微 丈夫な布×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 丈夫な布×7+傑作万能ネジ×5+傑作 SHさんが喫茶店で働いていた思い出から作られた施設。テラス席なので、設定しているココロトープの背景を選べば映えること間違いなし。SHさんは淹れたコーヒーをここでみんなに振る舞うのが楽しみらしい。ラタンの娘はザーメンコーヒー出してきそう。 駅のホーム 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力 e/s加速度上昇防御力低下・大 穴のあいた切符×1木の板×1丈夫な布×1石ブロック×1 Lv.2 HP上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 攻撃力 e/s加速度上昇防御力低下・特大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 歪曲属性攻撃力上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 学校に駅を作りたいとSHさんのお願いで作った施設。さすがに電車は来ない。周りが海に囲まれていて背景も綺麗なので、これも映える施設。どことなく下灘駅をイメージする。看板には「星の宮」「きづき」「ひのもり」の名称も。SHさんはベンチに座って風に当たっていると旅をしているような気分になれると言っている。 テント 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力 状態異常耐性上昇e/s加速度低下・大 防水塗料×1エーテル合金×1丈夫な布×1 Lv.2 インファイト防御上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 回復量上昇・微 丈夫な布×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 防御力 状態異常耐性上昇e/s加速度低下・特大 丈夫な布×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 ごく普通のテント。大きさは1人だと大の字になって寝ることができるぐらい広いが、2人だとくっつかないと狭さを感じるぐらい。教室からランタンを持ってきて、静かに読書するのもいいかも、とRNさん談。HSZKさんが四六時中レズ達を連れ込んでるので、静かな時間は無いと思うんですけど…テントは割と声が漏れるので、気をつけようね! お社 コイン消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ドロップ率上昇・大 木簡×1プロ向けカメラ×1強化木材×1七色ペンキ×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 木の板×3 Lv.3 ドロップ率上昇・特大 木の板×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 攻撃力上昇・小 木の板×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 神を祀る施設。知識や技術も無いKRR達が作った形だけのものだが、信じ続ければ本物にも引けを取らないご利益が生まれるかもしれない、とKRRが言っている。Y虐兄貴にバチが当たりそう コンテナ コイン交換 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→暖かい砂粒 でこぼこの鉄板×1よく燃える水×1強化木材×1万能ネジ×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 与ダメージ上昇・微 固形燃料×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 固形燃料×7+傑作万能ネジ×5+傑作 港とかに置かれているコンテナ。物置として作ってみたけど、熱が篭りやすいから食料品は置けないとHNKが言っている。YUKを閉じ込めておくしか使い道が無いじゃん石とか木材とかのかさばるものを保管するようだ。 キャンプセット コイン消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力 クリティカル率上昇・中 クーラーボックス×1年代物の皿×1強化繊維×1強化木材×1 Lv.2 被ダメージ減少・微 固形燃料×3 Lv.3 攻撃力 クリティカル率上昇・大 固形燃料×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 インファイト防御上昇・微 固形燃料×7+傑作強化繊維×5+傑作 折りたたみの机や椅子、マットにクーラーボックス、手さげカゴに食器が見られる。HORはカレーを食べたり、夜に星を眺めたり、やりたいことが無限にあって、見ているだけでワクワクするらしい。 ロケット 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 クリティカル上昇・大 宇宙の絵本×1超栄養レーション×1エーテル合金×1固形燃料×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 攻撃力上昇・微 固形燃料×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 クリティカルダメージ上昇・小 固形燃料×7+傑作電気回路×5+傑作 宇宙船。なんと有人飛行可能らしい。YUKすき ロケットに閉じ込めて宇宙まで飛ばしたMO姉曰く、実際に宇宙まで飛ぶかはわからないけど、こんなモノまで作れてしまう想いの力ってすごい…すごくない?との事。 縁側のある部屋 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 被ダメージ減少・中 懐かしの風鈴×1鮮やかな着物×1強化石材×1強化繊維×1 Lv.2 ドロップ率上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 被ダメージ減少・大 ガラス板×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 経験値上昇・微 ガラス板×7+傑作強化石材×5+傑作 アニメとかで時々出てくる縁側のある畳部屋。風鈴が飾られている。YUKは、ここでだらーっと寝転んで、扇風機に当たりながらうたた寝するのが最高らしい。扇風機に向かって「ア゛ーーー」ってしてそう。YUKすき 回転してる扇風機の刃にYUKの手を突っ込んだ 野外コンサート会場 プレミアムチケット消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 戦闘不能回避(1回のみ) スピーカー×1折れた日傘×1電気回路×1エーテル合金×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 クリティカル率上昇・微 エーテル合金×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 クリティカルダメージ上昇・小 エーテル合金×7+傑作電気回路×5+傑作 野外フェスティバルの会場。客席やスタンドマイク、スピーカーや星とハートの飾りなどが見られる。リフレクターの衣装はアイドル衣装っぽいので、結構良い感じに映える。UTは実際にフェスティバルには行ったことはないが、いつか本物のコンサートにみんなと行ってみたいと言っている。 その他(特殊) プール風呂 ふわふわバスタオル消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 HP上昇・大 温泉水×5湯沸かし器×1先頭の壁画×1 Lv.2 経験値上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 HP上昇・特大 石ブロック×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 斬撃属性攻撃上昇・微 石ブロック×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 HNKとKRRの提案により作成された、プールの水をお風呂にした施設。レズ達がこぞって浸かるお風呂。あぁ^〜良い匂いしそう、する。飲みたい。立てかけてある看板は、HNKが前作でデートしていた場所の風景が描かれている。お風呂好きなHNKとしては、いつまでも浸かっていたいとの事。YUKを熱々にしたプール風呂に放り込んで全身火傷させたい ナイトプール 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 Lv.2 Lv.3 +佳作+佳作 Lv.4 +傑作+傑作 DLC限定設備。フラグメントも手にハイルハイル 気球 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 Lv.2 Lv.3 +佳作+佳作 Lv.4 +傑作+傑作 DLC限定設備。 設置場所は桟橋固定で、他の施設と重複しない。 RNさん発案の施設なのでぜひ乗せてあげよう
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/879.html
「…見たトコバッテリー切れだな。一応ちまちま充電した形跡はあるが、満充電まではしてないね。おおかた古い型式のクレイドル使ってたんだろうさ。」 ホビーショップ『165-DIVISION』。 中央線沿線でありながら、イマイチ開発が行き届いていない某駅の南口の古いビルの地下にその店を構える、武装神姫中心のダーク系ショップだ。 大して広くも無い店の中は壁から床から真っ黒に塗られ、時々返り血を模したものか真っ赤な塗料をブチ撒けてある。 商品にしても、これまた隅から隅まで店オリジナルと思しきオノだ鉈だチェーンソーだスパイク付き首輪だ(しかも全てご丁寧に返り血ペイント付き)と、アングラ系アクセサリーで満載。 それも全てが神姫向けだというのだから呆れるというか徹底しているというか。 ……まぁよく見れば正規部品も半々ぐらい置いてあるので、一般客も考慮はしてるんだろうが。 これで実は公式公認店舗なんだという。 入り口には蜘蛛の巣やらドクロやらのステッカーに混じって、公式小売店舗を示すラベルが燦然と浮いていた。 なんでも秋葉原の専門店や、その筋じゃ有名なコギトだかエルゴだかいうホビーショップに比べれば規模は小さいものの、そこそこのバトルスペースまで確保しているってんだから驚きだ。 …一体どこにそんな金があったのやら… そして目の前では、カウンター越しにオーナー兼店主である高校時代の友人がこっちをジト目で睨んでいた。 片目に刀傷みたいな珍妙なメイク。服のあらゆる所にチェーンだのリベットだのじゃらじゃらつけたその姿は一種異様で、当時の真面目そうな雰囲気はカケラも残っちゃいなかったが。 「…で、慎。十年ぶりの再会だっつのに、挨拶もそこそこに「神姫直せ」てのはいくらなんでも酷くない?しかも営業時間外だぜ?」 「……あぁ。悪かった。スマンな縁遠。」 俺のあんまりといえばあんまりな返しに、友人…縁遠は溜息をついて苦笑した。 「まぁキミらしいっちゃらしいけどさ。とりあえずあの子だったら大丈夫だよ。中途半端な充電繰り返したせいで電池ヘタってただけだと思うから。」 当時から変わらずこっち方面の腕は確かなようだ。見た目はどうあれ、専門ショップを開いているのは伊達じゃないらしい。 「あとは…ホコリとかで結構汚れていたからクリーニングしてあげて、新しい電池に換えてきちんと充電してあげれば問題はないよ。…それで、こっから本題なんだけどさ。」 来た。握った手に嫌な汗を感じる。 「あの子はキミの神姫じゃないな?どこで拾った?」 縁遠はまっすぐにこっちを見た。 そこだけは昔と変わらない、澄んだ目をしていた。 「…実はな」 ここで俺は、サムライに逢ってからの事を包み隠さず話した。 そして、一つの頼み事も。 「……そりゃ本気で言ってんの?」 「冗談で言えるかこんなこと。実際、お前くらいしか頼れないんだよ。」 しばし睨み合い。 最初に目線を外したのは縁遠だった。 「わぁかったよ頑固モノ。できる範囲でやってやるさ。」 「……済まない。」 「でも、僕ができる事は調べるだけだ。そっから先は関与しない。いいね?」 「ああ。」 …と、一息ついたら腹が鳴った。 そういや晩飯食ってなかったなぁ… 「飯も食わずに来たのか。」 「うっせーよ笑うな。」 「まぁちょっと待ってな…ドリュー、ステーシー、お茶ー」 縁遠が呼ぶと、カウンターの奥の方からかたかたと…紅茶とスコーンを持った神姫が二体出てきた。 片っぽは浩子サンのモモコと同じゾンビ型。 もう片っぽは、ゾンビ型と同時に発売されたという処刑人型だ。 ゾンビ型同様ビジュアル面での問題があり、全くと言っていいほど出回らなかったという。 …こうもちょくちょく見かけるんじゃ、レアリティもクソもないんだがな。 店の雰囲気にやたらマッチした二体は、ゾンビ型の『ステーシー』は縁遠へ。処刑人型の『ドリュー』は俺の方へと背中につけた大きな腕で、器用にお茶の準備をした。 店の雰囲気にまるで合わない、上品なティーカップの中身を一口すする。美味い。 一応礼を言うとドリューは照れたのか、頭につけたホッケーマスクを目深に被って、ギギギだかゲゲゲだか金属を擦り合わせたみたいな音を立てた。 ……やっぱり笑ってんだろうかコレは。 「どうだ、可愛いだろ?」 カカカカカと笑うステーシーを前に、心底得意げに言う縁遠。 …すまん。やっぱ俺にはよく解らん。 その後、サムライの処置が一通り終わる頃には終電も過ぎ。 おまけに「遅ればせながら開店祝いだー!」とか喚く縁遠にしょっ引かれて、朝まで飲むハメになる。 まぁ久々に会ったことには違いないので、なんだかんだで日が昇るまで飲んで語り明かした。 翌朝。調べがついたら連絡するというので、俺はサムライと充電用クレイドルを持ち家へ帰った。 …ちなみに言うまでも無く、補修代及びクレイドル代はしっかり取られたが。商売人め。 --- 「……ん?」 「お、起きたか。どっか痛いとことか動ないとこむぐゃ」 問答無用で蹴られた。 「いきなり何しやが…!」 「なんで助けた。」 硬い口調だった。……まぁ当然か。 「今までだってアタシ一人でやってきたんだ。いつでも野たれ死ぬ覚悟くらいはあった!手前ぇなんぞにお情けもらう謂れは…!」 「だったら俺の前で倒れんじゃねぇよ。」 今度はサムライが黙った。 「…俺はな。お前さんがどこの誰かは知らんし、どこで野たれ死のうが知ったこっちゃねぇさ。」 「………」 「でもな。助けられんのが嫌なら俺の見てる前で倒れんな。目の前で死なれたりしちゃ寝覚めが悪ぃっつーか、飯がマズくなるんだよ。」 「………」 お互い黙り込む。沈黙が痛い。 「……ンだよ。なんか言えよ。」 「偽善者。」 「否定はしねぇ。」 「何様だってんだ。」 「俺様だ。文句あるか。」 「馬鹿だろ手前ぇ。」 「男は大体、馬鹿なモンだ。」 「青瓢箪。」 「職業病だ。」 「唐変木。」 「それがどうした。」 「甲斐性なし。」 「…関係ねぇだろ。」 「種無しカボチャ。」 「ぶっ壊すぞガラクタ!」 また沈黙。 そして、サムライは堪え切れずに吹き出しやがった。 「………くっせぇ台詞。」 「…………うっせ。笑うな。」 何故か笑うサムライに、耳まで真っ赤になった俺がいた。 ……多分これが一生の不覚ってやつなんだろうか。 エピローグへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/636.html
左腕と左脚、左の乳房のみを「サイフォス」ベースの装甲で覆った姿でエルギールはヴァーチャルスペースに現れた 金管楽器の様な凄まじく派手な銀色の装甲は、今回のフィールドである湖畔の風景を見事に天地逆さまに写している 『随分軽装だな?まぁホントの白兵戦になりゃぁ神姫用の武器は「避けられない」方がヤバいって言うし、ある意味ありっちゃありか?でも所詮そんだけだろ?ビシッとキメてやろうぜ!華墨』 (確かに軽装だ・・・が・・・・) 武士の台詞を華墨は半分聞き流している ここ数回のバトルで、華墨は少しずつではあるが自らのデフォルト武装の取捨選択を始めていた 初戦の教訓と「どうせ相手に密着するのだから」という事で、十字戟もメインボードから外し、主力武装は腰の大小に、やや肩周りの可動を阻害する肩当を捨て、ジョイントを介して「垂れ」の部分だけを直接装備、鬼面と喉当ても外していた 最後の二つは今回のバトルに際して急遽実行したのだが、それというのもポッドに入る前にちらりと、エルギールの主力武装とおぼしきものを目にしたからだ それは剣呑な黒い刀身に、禍々しい朱い模様がうねうねと描かれた、非常に大振りなダガーだった(殆どショートソードと言っても良かったかも知れない) 神姫が外出する時に、手持ちの得物の中から携行に便利な物を選んで持ち歩くというのは聞いた事があるが、華墨には何故だか判らないがそれが「護身用の武器では無い」という強迫観念めいた確信があった それで、視界と装甲の二択に(勝手に)迫られて、結果折衷案で、「兜は残して仮面は外す」という結論に至った訳だ いずれにしても、未だに胸の奥をざわざわと撫でられる様な感覚はおさまらず、目の前の軽装な姿を、武士程楽観視出来無いのだった 第伍幕 「Merciless Cult」 自分と相手の戦力差がどの程度なのか?正確に把握するには結局ぶつかってみるのが一番良い。華墨は覚悟を決めた ざくざくいう足音と共に、バーチャルの下生えが踏み潰されてゆく。(いける、いつもの私だ)ポニーテールを地面に水平になるくらい迄浮かせながら華墨は走る。右手で太刀を抜き放ち、気合一閃、一気にエルギールに斬りかかる! 白刃が虚空に白い影を描き、華墨の天地は逆転する。遅れて知覚される苦痛 「ハン!速さと装甲にモノ言わせて真っ直ぐ突っ込んで殴るだけの、単なるゴリ押しじゃない!?案の定大した事無いわね?」 (なんだ!?何をされたんだ?今!?) 地面を抉る程に叩き付けられた華墨だったが、即座に立ち上がり、エルギールから距離をとる 「どうしたの?躓きでもしたのかしら?ホント情っさけ無いわね」 憎まれ口を叩くエルギール。その手に武器らしきものは握られていない。華墨が警戒していた短剣も、まだヒップホルスターの中だ 「・・・」 「つば」を鳴らして太刀を構え直す。いつもの様に、加速をつける為の攻撃型ではなく、切っ先を相手に向けた防御よりの型だ 「・・・アタシってそんな気が長い方じゃ無いのよね・・・来ないんなら」 ヒップホルスターから短剣を抜き放つエルギール。一瞬、朱色の模様が生物の様にうねった・・・様に感じた 「こっちからブン投げてやるまでよォ!!」 「!!」 明らかに短剣が届く間合いではなかった、が、エルギールの剣は鋼線で接続されたいくつかの節に別れ、異様な動きでもって華墨の左腕に巻き付いたのだ。食い込んだ刃が、華墨の人工皮膚を・・・裂く 「くそっ!!」 鋼鉄の毒蛇に腕を拘束されたまま切り込む華墨。だが、引き手を殺されたへたれた斬撃は、あっさりとエルギールの腕甲でいなされ、挙句そのまま首を掴まれる (・・・ぐっ!) くぐもった呻きが漏れる。それは人間的な条件反射だが、神姫が「人がましく」振舞う為に動きの基礎に組み込まれている 「けだものを捕らえるには罠を使うでしょう?アタシはその罠。さぁ、ホントのアタシのフルコンボってやつを見せたげるわ!!」 首を掴んだ左手が捻られる、同時に右足が払われ、左腕の拘束を引き外す動きでそのまま吊り上げられる (これが・・・!?) 「まずは天(転)」 異様な体勢で転ばされ、なんとか残った右腕で受身を試みる 「間に人(刃)」 ぞぶりだかどすだかいう様な汁っぽい音と共に、引き抜かれ空を舞っていた刃が右腕に突き刺さる たまらず、そのまま顔面から地に倒れ付す華墨。打撃系の衝撃が、装甲ごしにでも強烈なダメージを全身に及ぼした 「最期は地に血の花を咲かせて逝きなさいな!アンタの名前に相応しい幕切れじゃない!!」 エルギールの哄笑、無理矢理体を起こそうとする華墨だが、最早戦闘能力が無きに等しいのはいかなる目で見ても明白だ (立ち上がる・・・ちから・・・) 武士が何かを叫んでいた、残念ながら華墨には何を言っているのか全く判らなかったが・・・ (ここで立ち上がる・・・ちからが・・・) だが、そんな力は華墨の中には無かった。愛も、怒りも、不屈の意思も、未だ華墨は本当の意味で理解など出来て居なかった 虚ろに過ぎるジャッジのマシンボイスを、ヴァーチャルスペースに全く意識があるままに、華墨は聞いていた 「華墨・・・負けちまったのか・・・?」 武士は腰を浮かせて、呆然とディスプレイを見ていた その肩に琥珀の小さな、冷たい手が掛かる迄、武士は彼女が入ってきた事にすら気付いていなかった 「ね、判った?闘うってこういう事なんだよ。体はヴァーチャルでも、彼女らが感じる恐怖は本物なんだ。」 小さな、だがはっきりした声だった 「だって・・・武装神姫って、バトルする為に創られたんだろ?」 のろのろと首を回す武士。琥珀の、多分名前の由来なのだろう琥珀色の瞳は、感情を深い所に隠していて、思考を読み取る事は今の武士には不可能だった 「確かに彼女達は闘う為に創られた。でもね、闘争本能を持たされていても、彼女達が本当に闘いを望んでいるかどうかは判らないんじゃないかな?」 「・・・え?」 「判らない?君は彼女のマスターだけど彼女は本当の意味で『君の神姫』になっているのかな?」 「当たり前だ!神姫は登録した人間をマスターとする様に出来てるんだろ?」 語気を強める武士、だが琥珀の口調にも表情にも、僅かな変化も見られなかった 「プログラムされた知性、プログラムされた感情、なら、忠誠心だってプログラムされたものなんだろうね」 「・・・」 にこりともしない、が、別に怒りも悲嘆も、いかなる色も彼女の表情には現れないのではないかと、武士は思った 「・・・」 「プシュ」と空気の抜ける様な音がして、華墨のバトルポッドが開く ゆっくり顔を上げる華墨に一瞬目をやってから踵を返す琥珀 「じゃ、するべき事はしたから・・・縁があったらまたね・・・」 視線だけ二人に向けて言い放つと、もうそのまま、むにむにと柔らかい足音だけ残して琥珀は去っていった 「・・・負けてしまったよ・・・マスター・・・」 「・・・あぁ・・・」 ここで取って付けた様な労いの言葉を吐く事が出来るのか?吐く資格があるのか?労ってやるべき存在?神姫は・・・? 玩具にそれをするのか?人間にそれをしないのか? 「・・・無事でよかったよ」 武士は恐ろしくばらばらな表情でようやくそれだけ吐くと、華墨を抱え上げポケットに入れ、無言でブースから出るのだった 「見事な『壁』役だったね」 「僕は厭だよ。本当はこんな役なんて」 「買って出た苦労だろう?私は何も頼んじゃいない」 「・・・・・」 「・・・君にとってはどうなんだい?」 「何がさ?」 「神姫とは高性能な知性を持った玩具なのか・・・?身長15センチの人間なのか・・・?君が佐鳴武士に叩き付けた問いについて・・・だよ」 「・・・そういう話は川原さんとでもしてなよ。帰ろうか?エルギール」 主よりも遥かに派手な神姫を肩に乗せて去る少女を見ながら、皆川はいかにも意味ありげに不気味に微笑んで見せるのだった 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/598.html
「武装神姫のリン」 第17話 「花憐」 「ぶっふぇぇ!!!」 今日はリンの2回目の"誕生日"、それでリンにプレゼントに何がいいか聞いてみた。 その返答に対する俺の反応が上のモノだ。 思わず下品にも口に含んだものを吹き出してしまった… そのリンの返答っていうのが、 「子供が欲しいです」 うん、俺の反応は間違ってないはずだ。 茉莉も口をポカンと開けるばかりでティアもさすがに閉口している。 「…リン。判ってるよな? 子供って…」 「あの、私そんなに変なこと言いましたか? マスターが子供に相当するパーソナリティを持つモデルを買ってくれるって言ったじゃないですか。」 しばしの沈黙。そして… 「もう、亮輔のバカ!!!」 茉莉の思い切りのいいビンタを頂戴した俺であった…orz そして数時間後、俺たちはエルゴの店頭にいた。 頬を腫らしている俺を見て苦笑しながらも店長はかねてからおねがいしていた"頭身が低い素体"と"成長速度鈍化""子供思考"のCSCを棚から出している。 「ヘッドユニットはストラーフでいいのかな?」 素体とCSCを接続した店長が聞いてくる。 「はい、それでおねがいします。」 俺ではなく、リンが返答する。 「そういえば…ちょっと提案があるんだけど。」 「どうしたんですか?」 「あのね、今度から神姫の髪の色を変えるカスタムのサービスを始める予定なんだけど、この子にモニターっていうか、なんていうか試しにやってみないかい?」 「リン、どうする?」 「私が決めるんですか…じゃあお願いします。さすがに全く自分と同じ顔というのは気になるので」 「わかりました、で何色がいいのかな? 好きに選んでくれていいよ」 そういって髪の色のカタログやら見本をリンに渡す店長。 見ると茉莉やティアもカタログに見入って、話しをしている。 「ちょっと、亮輔君」 その隙をみて急に店長が俺に言い寄ってくる。なぜか俺だけに話したいことがあるらしいが… レジ裏にしゃがみこんだ俺と店長。そして店長は俺にものすごい小声でこう言ってきた。 「あれってリンちゃんのプレゼントだよね?」 「そうですけど、子供が欲しい…自分で世話をするからそういう子供に相当する神姫が欲しいって」 「たぶん前代未聞だよ、母親になる神姫だなんて…まあそれは置いといて。もう1個プレゼントになりそうなものが今、ウチにあるんだけど、どうかな?」 「物を見せてくれないとなんだかわからないんですが…」 「ふれあいツール"赤ずきんちゃんご用心"って言えばわかるだろう?」 「プ…ッ(必死に吹き出しそうになるのを押さえる音)」 「あれがね~幸運にも手に入ったんだよ。結構競争率高いらしいんだけどね。」 「で、俺とリンにですか?」 「うん、リンちゃんにもそろそろ"ホンモノ"の感触を知ってほしくないかい?」 俺の脳裏にピンクな景色が一瞬広がる 「…ホントに商売上手ですね、店長。」 「じゃあ買う?」 「ハイ。」 「じゃあがんばってね」 「あの、それっていうのはどういう意味で?」 「さあ~どっちだろうw」 そんな感じで商談が成立した。 そして何も無かったかのようにリンたちの所に戻る。さっきまでのことは忘れよう、ウン。 「決まったか?リン」 「あっ、マスター。いちおう決まったといえばそうなんですが…」 「じゃあ言ってみろ」 「黒はイヤですか?」 「なんで?リンが好きならそうすればいいだろ。」 「だって、マスターって金髪好きそうなんで…」 そうして茉莉の方を見るリン。 くそ、そんなにカワイイ表情しないでくれ…さっき想像したことが再び頭の中に浮かんでくるのをかき消して返答する。 「はは、そんなこと気にするなよ、もし俺とリンの子っていうなら黒でいいんじゃないか?」 「じゃあそれで、店長。黒でおねがいします」 「たしかに承りました。処理に5分ぐらい掛かるから待っててくれるかな?」 「はい、じゃあその間に料金払っときますよ、で合計でいくらですか?」 「うん…基本のセット料金に素体の特注のライセンス料、黒髪は特別料金だけど今回は割り引きで…しめて…この値段だね。」 まあ予想通り"それっぽい名目"で書かれた料金票を見る。 うん、この値段なら予算の範囲内だ、微妙に余計な費用が加算されたりはするが…今回はジェニーさんのレジを通すわけには行かなかった。 レジと接続した状態のジェニーさんにはそういう偽装は通用しないことは以前のことで知っていた。 だからこそ、店長に直接料金を支払うのだ。物はあとで取りにいくとしてもこれだけは回避しなければならなかった。 そうして支払いを済ませて待つこと数分。艶やかな黒髪のストラーフが俺たちの前に横たわっている。 CSCは先ほどのもに加え、"おしゃれ"を選択。これはリンの提案だった。 CSCおよび素体、ヘッドユニットのチェック完了。リンの娘である神姫が起動し、ゆっくりと瞳が開かれた。 「…う~ん、眠ぃ…」 第一声がコレだった。やっぱりCSCの特性が関係してるんだろう。とりあえず俺がまずはマスター登録をする。 「藤堂 亮輔をマスターとして登録しましたぁ~で呼びかたはどうしますかぁ?」 「お父さん、だ。」 「……お父さん…お父さんですねぇ~判りましたぁ…むにゃむにゃ…」 今にも寝そうな彼女を必死に起こして言う。 「まだ名前をあげてないだろ、キミの名前は花憐だ」 「花憐…カワイイ名前です~こんな名前をもらえて花憐はうれしいです。」 名前をもらえたことがいい刺激だったのか、眠そうだった花憐の目に光が宿ったように感じた。言葉遣いも安定してきた。 「それは良かった、それで…この子がキミのお母さんのリンだ。お母さんの言うことはちゃんと聞くんだぞ~」 「はい~わかりました」 そうして 花憐はくるっと回転して、リンに向き合う。 「お母さん よろしくおねがいします。」 「ええ、花憐」 リンは花憐を抱きしめる。 リンはとてもうれしそうで、涙さえ浮かべてた。 花憐のほうもなんだか安心したような表情で。 こうしてウチに新しい家族。俺とリンの"娘"の花憐が加わった。 これでウチは以前にもまして明るくなるだろう。この幸せを大切にしていきたい。そう俺は思った。 ~燐の18「アキバ博士登場」~
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/939.html
紅い巨神・・・皆川が『ギガンティック』と呼んだそれは、バーチャルの空に向かって大きく吼えた 自らが生まれた事を誇る様に、或いは、呪う様に・・・ 「か・・・墨?なの・・・?」 『ギガンティック』の黄金の瞳がニビルを見据える ごうっ!! 「!!」 その一撃をかわせたのは全くの偶然だった 体が反射的に逃げた方向に、偶々手が来なかっただけの話で、攻撃そのものは全く見切れたものではなかった・・・それが左の爪を振ったのだと気付いたのすら攻撃直後だった その動きの速さは『G』の「Gアーム」・・・キャロラインが「ジェノサイドナックル」と呼んだ・・・に匹敵するものだった 神姫に十数倍するその体躯で神姫の最高速度近い攻撃を繰り出してきたと言う事は、この巨神が神姫を遥かに上回る速さを持っている事を意味した 「・・・あ・・・あぁぁ」 それは絶望的な戦力差と言わざるを得なかった 「奈落の底」 「画面が見えない・・・姉さま、どうなったんだろう?」 皆川は、機械をチェックすると言って出て行ってしまった 残されたランカー達は、各々露骨に不満そうな顔をしながらも、その場に皆留まっていた というのも、画面自体は見えないが、バーチャルスペースで戦闘の様なものが行なわれていると思しき音や気配がやまなかったし、ジャッジマシンがいかなる結果もまだ伝えては居なかったからであろう とはいえ、それだけの情報量ではヌルの不安感を拭い切るにはとても足りなかったのであるが 「クイントスさま・・・」 「・・・・・・やはり行く事にしよう」 「え?」 覗き込んだクイントスの表情は硬かったが、どこか嬉しそうでもあった そう言ってクイントスは華墨側のオーナーブースコンパートメントに向かう 「っ・・・待って!私も行く」 会場の誰も、ふたりが抜けた事に気付いていないようだった 明らかな戦力差だったが、ニビルは何とか回避し続ける事が出来た 何故か、使い切った筈の「ゴールドアイ」が復活したからだ それも、いつもより予見が冴えている 同時に判った事は、『ギガンティック』がほぼ「ジェノサイドナックル」「ゴールドアイ」に匹敵する速さと、先読み能力を持っている事であった (かわす事は出来ても反撃は無理ね・・・せめて空戦装備があれば話は違うのだろうけど・・・) 振り下ろされた右腕が大地を割る! 追跡してくる脚力はさながら「ジェノサイドナックル」の脚版だ、歩幅と相俟って、殆ど瞬間移動とも言える速さで移動出来る様だった (駄目、もうかわしきれない!!) 瞬間、『ギガンティック』の動きが止まる 空を見上げる様な仕草をし、どこか、ニビルに見えない遠くを見ている様だった ごつん!! 扉に剣戟で穴を開けて潜入する 強引だが、取り立てて気にした様子も無く、クイントスは佐鳴武士が居た筈のコンパートメントに足を踏み入れた そこに武士は居ない 代わりに、バトルポッドの前に、身長170センチ程の『ギガンティック』が佇んでいた 「!?」 ヌルの驚愕を無視して、クイントスが走る 「会いたかったぞ・・・!!」 ごうっ!! 剣速に音を引き連れて、クイントスの刀が鞘から引き抜かれる その一撃は、これ以上無い程明確に体格差のある『ギガンティック』の爪を一振り斬り飛ばし、刃先には一切血曇りを残さない程だった 怯んだ様子すら無く、ニビルも驚いた「ジェノサイドナックル」ばりの速さで殴りかかる『ギガンティック』・・・それを、クイントスはすんでの所で回避した 外れた拳で床が抉れる 見る迄も無い、神姫が喰らえば全壊は免れ得ない一撃だ・・・恐らく人間でもひしゃげるか、体の一部が捥げるだろう 「まだ自分の体の使い方が判っていないのか・・・?それとも所詮『まがいもの』なのか・・・?そんな程度では」 長い腕の下に潜り込み、合計4撃、極悪無比な音速剣が炸裂する それでクイントスの刀はへし折れたが、同時に『ギガンティック』の五体もバラバラに引き裂かれた 胸から大量の、人間のそれと同じ赤い血を噴き出しながら 「どんな強力な武器を持とうとも・・・それを扱う者が弱者では話にならないという事だな『華墨』とやら」 『ギガンティック』となっていた武士の胸に華墨が浮き上がり、剥離してゆくのがヌルには見えた 『よう華墨、しっかりしろよ』 (マスター?どうしたんだ一体) こんな所でぼさっとしてんなって!ニビルを倒して、クイントスに一泡吹かせてやるんだろ? 『勝とうぜ、俺達二人で!』 (あぁ・・・そうだな、そうだった、二人で勝つんだったな・・・『クイントス』に) そこは暗い奈落の底 漆黒の闇なのか、混沌なのか だが『私』は既に寄る辺無き花ではない 立ち上がり、歩き出す マスターが居てくれる・・・ならば取り敢えず、歩く道は判る だから、私のマスターで居て下さい・・・佐鳴武士 目を開けると、そこはどうもメディカルセンターの様だった 「目が覚めたみたいだね」 振り向くとそこには琥珀嬢とエルギール、それと、ニビルが居た 吹き込んでくる風が、季節の移り変わりを感じさせた どうも、私の認識から季節がずれている様に感じる 違う!季節はそう簡単にずれない、いかに今年は春が短かったからといって、この空気は私が知っている昨日迄と全く違う では、ずれているのは私の認識の方か・・・私の・・・認識・・・? 「マス・・・」 『マスターは何処に?』と聞こうとして、頭に激痛が走った 待て、待て待て華墨、お前は何か重大な事を忘れていないか・・・?何かとても重大で、そしてとても、巨大な何かを!? 「君のマスターは此処に居る、僕だ、僕神浦琥珀が、君のマスターだ」 それで、私の知る限りの全てを思い出した 「佐鳴武士は・・・死・・・」 吐いた 何かを そこで、自分のもうひとつの異常に気付いた 「君はね、普通の武装神姫では無くなってしまったんだよ・・・華墨」 「今の君は、人間とそう変わらない体を持っている、食事をし、排泄をし、呼吸をする体・・・機械と生体のハイブリッド・・・君は・・・」 吐いた、転げ回った 何も聞こえない 何も判らない 聞きたくない!!! 「落ち着きなさい!受け入れ難いのは判るけど!取り乱しても何にもならないッ!!」 ニビルに頬を張られて、動きが止まった 頭の中が真っ白になっていた ただ涙だけは出た 語る言葉も何も無く、ただ、溢れた そしてそれが、他ならぬ私自身に、状況を思い出させていた 「・・・・・・暫く一人にさせてあげよう、ニビル」 出て行く直前に、エルギールが私を見たが、それに対して何かを返す余裕は、今の私には全く無かった 「マスター・・・・・・!!」 その悲鳴に近い声は、涙と共に奈落の底に程近い今の私の心に大きく波紋を浮かべ、虚空に虚しく消えた・・・ 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/667.html
あの、白い刃を持った同類の少女。 ただ、違うのは、彼女は強い。 そして、自分の中のパルスが、沸き立つ。 ―――ああ、私は武装神姫なんだなと、思った瞬間である。 ちゅんちゅんちゅん 冬は過ぎ、春が来たと言うのに…………まだ寒い、そんな三月手前の日。 「ん……んうう?」 どれどれ……まだ寝ておるな、ふふ 「……?」 ふむ、やはり夜討ち朝駆けは基本だな、どれどれ。 さわ、とこう、暖かい感触が、なんと言うか。 「うおっ!?」 寸前で目を覚まし、慌てて頭を振る。 「……ち、起きおったか」 「ディス……なにしてんの?」 ズボンは下げられて、こー、危険一歩手前、というか、まあ、朝の元気の象徴が。 「――――神姫たるもの、朝の奉仕は基本だろう?」 艶かしく、舌をちろ、と魅せる。 「……勘弁してくれ」 流石に前屈み、仕事前に精力抜かれたらたまらん。 「―――残念じゃな」 ふ、っと笑う、ディス……ってこー上目で見るなこー欲しそうにっ、あー、あー!? 「天国に、連れて行ってやるぞえ?」 ちょっと、揺れた、というか更に危険領域にっ!? 「―――」 殺気、つーか、ピンチ!?、助けてピンチクラッシャー!? 何見てるつーかいつの間にか起きたんですか碧鈴さん!? 尻尾立ってるし、こー、なんだ……髪の毛逆立ってるっていうかこー!? 「マイロード」 爽やかで、朝の起きるときに相応しい、優しい声 「は、はひ」 即答且つ、瞬時に背中を正す。 「…………天国へ行きましょうか?」 砲莱向けながら言わないでくださいっつーかだんだんと近寄らないでー……って、え? 「……」 凍ってる、碧鈴さん……。 「……ふふふ」 笑っている、ディス。 「ん?」 ……えーっと、まあ、なんだ、原因は朝で寝起きで、そしてそのまま起立なんてしてたから―――― 「―――せ、せいよくのごんげっこのへんたいすけべしんきになによくじょうしてるんですかこのどへんたい ぽるのやろういいかげんにしてくださいもうだいたいじゅんじょからいえばでぃすよりわたしがさきというか わたしもまいろーどがのぞみならいくらでもというかこれじゅうはちきんれーといいんですかいいんですなら いろいろされるのもやぶさかじゃないですというかむしろしてくださいというか」 と、真っ赤な顔でぶつぶつという碧鈴。 「???」 正直、わけがわかりません。 「……碧鈴、本心までだだ漏れだぞ」 ディスは、どーやら聞き取ったらしい。 「―――」 ぼふん、っと顔を真っ赤にした、碧鈴は 「―――きっ、記憶を失えっ、まいろーどっ!?」 周囲に、大量の影……これは、ぷちマスィーンズ、うちにいるのは24体。 「24体……セット、一斉射撃……ファイエル!!」 職場の仕事を終え……取りあえずエルゴへ、ディスの顔見世もしないとな、と。 ……あ、れ? 「有難うございましたー」 なんで、俺、爽やかに、店員さんしてるん、だろ。 「……あむあむ」 碧鈴はもしゃもしゃ、と頭の上でポテチ一袋を貪っている、機嫌よく、尻尾を振って。 買収されたな……。 いきなり先輩に、ちょっと店換わってくれって言われてやってみれば―――はぁ ……まあ……それが「G」の仕事ならしょーがない。 とらぶった時には力になるのが俺の仕事だ。 「どないしはったん、はーちゃん」 「ちゃん言うなラスト」 「この体のときは、凛奈って呼んでくれいうたろ?」 耳を引っ張られる、いだだだ……こいつは、Dフォースのラスト。 現在は「人型なんとか」に入ってるらしいが興味はない、というかまあ、別になんとも…… 俺の厄介な上役様の一人、というかぶっちゃけ、Dの面々のぱしりの俺は立場が弱い。 「……で、凛奈さん、どしたの?」 「んー、ちいとな、働いてる若人に、お礼っちゅーやつや」 手には缶コーヒーがほかほかと湯気を立てて。 「あ、ありがとうございます」 ふう、と客も引いて、ひと段落ついた時なので、ありがたく口をつける。 「ぶううっ!?」 「ん、どしたー、乙女の入れたコーヒーが飲めへんかー?」 「……何入れました?」 「んー、そやねえ、マムシドリンクとか、本当は夏はんに使って後押ししよーかと思うてたんやけど」 ん?……彼女でもいるのかなあ、先輩さん。 「……そっちに、D-ソード、行ってるやろ?」 あ……ああ……なるほど、秋奈さんカスタムしてたんだから D、として使う気だったのを、俺に? 「まあ、今はディス、ですけど」 「……折角なんで暴走させて碧ちゃんと一緒に食べたらおいしそうかなぁ、と」 「怒りますよ?」 苦笑、この人はいたずら好きだ、知っているが性質が悪い。 「あはは、じょーだんや、疲れきった顔してるから、栄養ドリンク」 「……はあ、まあ助かりますけど……」 「マイロード」 碧鈴が、頭をの毛を引っ張る。 「ん、どうした?」 「……子供のないている声が」 「らじゃ、ラsじゃない、凛奈さん、ここ、任せます」 「了解~」 碧鈴の指示で、二階のバトルスペースへ 「……うわぁ、あ、やだ、やめてよぉ」 どうやら、子供を泣かすやつが居るようだ。 「へっへっへ、しょっぱいパーツ使ってるぜ、全くよお」 「仕方がナイでゴザルよ、餓鬼でゴザル」 あー、癇に障る声だ、こーいうの嫌い。 「何してるんだ?」 その辺に居た子供に聞く。 どうやら、こー、バトルロイヤルで力任せにサード上位の二人組みが、下位の始めたばかりの子を嬲っているらしい。 「ほら、ほら、逃げないと死ぬでゴザルよー?」 眼鏡を掛けた肥満体の男の操るアーンヴァルが足を打ち抜き。 「……あぁ?、ほらほら、舐めてるのか、ああ?」 茶髪を逆立てたモヒカンのストラーフが、相手の腕を、もぎ取る。 ――――見ちゃ居られん。 正義でもないが悪でもないが。 ―――これは、見ちゃおれん、だが全く戦闘訓練の無い、碧鈴を連れて行くには、と思った瞬間。 「儂を呼んだか、主?」 白い悪魔が、囁いた。 徒然続く、そんな話。 第六節 彼の理由、私の理由。 節終 続く 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1750.html
ホワイトファング・ハウリングソウル 第十九話 『砕かれた未来~The broken future~』 時は少し遡る。 ぽつりと、アメティスタの頬に水滴が当たる。 それが都か或いは自分の涙か、それとも雨か・・・アメティスタにはわからない。 「・・・・言いたいことは、それだけ・・・?」 都は、そういうと右手を大きく振りかぶる。 「駄目だ! マスター!!」 「マイスター!!」 都がやろうとしていることを理解したハウとノワールが止めようとするが、もう間に合わない。 大きく振りかぶられた右手は、ほんの一瞬、躊躇するように止まってから 「――――――――――――――!」 勢いよく、振り下ろされた。 ・・・・・・・・アメティスタは、ゆっくりと目を開ける。 自分の体がまだ無事であることに疑問を覚え、横を見る。 そこには都の手があった。 「・・・・壊さないの?」 その手をみながら、彼女は言った。 都は何も言わない。 「・・・・ボクは、キミになら壊されてもいいと思ってたんだけど」 「・・・・・・・・・・いだろう」 と、都が何かを口にする。 「・・・・殺せるわけ、無いだろう・・・!」 都は・・・都は泣いていた。 雨の中でも判るくらい、泣いていた。 「どうして? ボクは武装神姫・・・ただのオモチャだ。それに殺すんじゃない。壊すんだ」 「・・・私は、ハウとノワールを家族だと思ってる。・・・・サラとマイは友達だ・・・!」 「ボクたちを人間と区別していないのか。それは単なる誤解と錯覚だ。ボクたちとキミ達じゃ根本的に・・・・」 「そんなことは判ってる」 都はそういって、アメティスタを押さえつけていた左手を離す。 「・・・・・でも、殺せない」 「・・・・なぜ?」 「・・・・そんな泣いてる奴を、殺せるか」 言われてアメティスタは始めて気づく。 彼女の頬は・・・涙で濡れていた。 「・・・・・・・・・どうして」 「そんなもの私が知るか・・・畜生ッ!」 そういうと都は持っていた石を川に向かって投げつける。 大きな音がして、小さな水柱が上がった。 「・・・よかった。マスター・・・」 「・・・・ん」 と、都を止めようとしていたハウとノワールが溜息をつく。 「・・・悪かった。ついかっとなってな」 その様子を見て都はすぐに謝った。 間違いを起こす前に本気で止めようとしてくれたからというのもあるが、やはり心配をかけたからだろう。 都が謝り、発言するものがいなくなり場を静寂が包む。 その静寂を破ったのはやはり都だった。 「・・・・お前、壊れてなんていないだろう」 その言葉はアメティスタに向けられたものだった。 「・・・・どうしてそう思うのかな?」 都の言葉にアメティスタはそう返した。 「簡単だ。お前、私を怒らせようとしてたな? 昔の事を思い出させて怒らせて・・・自分が真犯人だって言って。そんなことを言われたら私がどうなるか、判っていたんだろう? 小さな予言者さん」 今までのお返しとばかりに皮肉たっぷりに都は言う。 「どうなるか判ってて何故私にそんなことをするのか。何故罪の告白がしたいのに、相手を怒らせるのか。それが判らなかったが・・・お前、もしかして殺して欲しかったんじゃないか」 アメティスタは答えない。 しかしそれは肯定と同義の無言だった。 「さっきの話だと“壊れてるからアシモフコードを無視できる”はずだ。だったら自殺だって・・・できるはずだ。じゃぁなんで私に殺させようとする? それは・・・お前が壊れてないからだ」 「穴だらけで推理とも呼べない。それは殆どがキミの妄想と傲慢と身の程知らずから来た考えにしか思えないね」 ようやくアメティスタが口を開く。 「そもそもボクが自殺したがってるって根拠は何さ。それにボクは衛にぃを・・・殺した。これで壊れていないわけが・・・」 「アシモフコードが未来予知とか、そんな事にまで対応できるわけ無いだろう。元々コードには抵触しないんだよ。・・・・衛のことはな」 「・・・・ボクが見た程度の事じゃ、マスターの死に直結するとは判断されなかったってこと?」 「そうだ」 都は肯く。 アシモフコードは今更言うまでもなくロボット三原則の事だ。その第一条・・・『ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危害を看過することによって人間に危害を及ぼしてはならない』にアメティスタの予言は抵触するか否か。 するわけが無い。 それはまだ起こっていない事、起こるかどうかすらわからないこと。 そして何より・・・予知は果たして神姫のアシモフコードに認識されているかということ。 「アシモフコードに認識されなければそれはプログラム的には“無い”ことにされるんだろう。もともと予知そのものがイレギュラーな要素だから認識されないのはある意味当然といえる」 「・・・つまり、あれは不幸な事故だったというの?」 「そうだ。アイツが死んだことで、誰か悪者を作り出すなら・・・車の運転手以外にだれもいやしないってことさ」 都はそういって黙る。 雨は、少し酷くなってきていた。 「・・・キミはそれで、納得できるの?」 「理解できないものに何か理由をつけ、理解した気になる。それが悪いこととは言わないがね。納得するさ。だってあそこで・・・私の目の前で起きた出来事には、お前が介入する余地なんかないんだから」 都は迷い無くそういいきった。 それは・・・アメティスタの罪を、許すといっているのと同義だ。 「・・・はぁ。また死に損なっちゃった。いい加減、衛にぃの所に行きたいんだけどな」 「やっと本音を言ったなこの馬鹿魚」 アメティスタのその言葉に、都はキシシと笑う。 その笑顔に偽りは無く・・・本当に楽しそうだった。 「・・・なぁ。お前、今何処に世話になってるんだ」 「山下りたとこにある神社だよ。・・・・ボクを引き取るってんならお断りだよ。ボクは今のこの生活が気に入ってるんだ」 「お見通しか」 「・・・ま、たまには遊びに行ってもいいけど」 「・・・・クク、素直じゃないな」 そういって更に笑う都。 雨はもう・・・・降っていなかった。 前・・・次