約 616 件
https://w.atwiki.jp/iwarpg_wiki2/pages/918.html
古代の金必要素材 アイテム名 必要数 入手場所 魔素Li 35 アンダー・フレイヴ 崩れかけた武片 105 崩れかけたカタコンベ 古文書の切れ端 140 グルッサス迷宮遺跡 ブレイズパウダー 1800 フレイムミルルの巣窟 フライムパウダー 180 フレイムミルルの巣窟 邪鬼魂 450 地獄街道 グルッサス遺跡街鬼畜の合成 幻の古代株 幻源石 虹金の手前の素材その1 蒼色に光る純正金 七色に光る邪蛇革 虹金の手前の素材その2 蒼火 熱膨張を起こした蛇革 不純物が取り除かれた蛇革
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/1209.html
【Little bird,Fly away!】 ラノで読む 困惑が、漣のように教室に広がりつつあった。 生徒たちの視線の先には各々の机上に置かれたテスト用紙…ともう一枚の紙。 この授業、『異能習熟基礎』の期末テストという今この時の状況からみれば特に問題はないはずである。 だが、それはどこか異様だった。 裏返しとなったテスト用紙は明らかに一枚しかない。しかも裏から透かして見える限りではその一枚の中ですら文章であろう黒は上半分に小さく縮こまっていた。 もう一枚の紙も、一見メモ用紙と思われる感じではあったが、ハンカチ程度の大きさというのは少々小さすぎる。 まるで着慣れぬ制服に身を包まれた入学式の日のような、そんなしっくりしない気分に囚われた生徒たちはちらちらと周囲に目をやるが、テスト開始間近というタイミングから口を開くこともできず、どことなくやる気のなさそうな――実際には十人が十人及第点には一応達してるだろうと判定するくらいには熱意があったが――担当教師もいつものごとくどこ吹く風。 そして気持ちのやり場の見付からぬままテスト開始のベルが鳴り、生徒たちは半ば反射的にテスト用紙を表返した。 ――配布してあるもう一枚の紙を持って屋上まで行くように―― テスト用紙の本文には、ただその一文だけが書き込まれていた。 困惑と我慢が仲良く限界を突破し、ざわめきがそこかしこから上がる。 そこらで沸き立つざわめきがあっという間に沸点に達する。だがその刹那、 「はい、他のクラスは…いや、『も』かぁ…テスト中だから静かにね」 どこかのんびりとした言葉が、だが的確に生徒たちに水を差す。 「うん、それじゃ急いで屋上に行こうか。時間は待っちゃくれないよ」 そう言うと教師は生徒たちを置いて教室を後にしてしまう。こうなると生徒たちもついていかざるを得ない。顔を見合わせながらもぞろぞろと立ち上がり扉の方へ向かう。 と、いつの間にやら戻ってきたらしい教師が入口から頭だけを生徒たちの眼前に突き出した。 「あ、分かってると思うけど移動中も静かに、ね」 ※ ※ ※ ※ 雲一つない青空が、教師と生徒たちを出迎えていた。 誰言うともなく半円状に並んだ生徒たちは、こんな奇妙なことをやらかした教師がこれから何をしでかすつもりなのか、一挙手一投足をも見逃すまいと教師のほうを注視している。 視線の集中砲火に晒された教師はどこか居心地悪そうに視線を彷徨わせながら言葉を舌先で躍らせていたが、やがてどう話すべきか決まったようで、小さく生徒たちに頷くと口を開いた。 「先生が大学生だった頃はねぇ、いや、今でもそうかもしれないし先生のとこだけかもしれないけどさ、いい加減な採点をする教授って結構多かったんだよ。答案を紙飛行機にして遠くに飛んだのからいい点数をつけるとか、他に…」 「先生」 冷ややかな一言が彼の話を断ち切った。 「いつもならともかく今は脱線は止めてもらえませんか?『時間は待っちゃくれないよ』ですよね?」 「ごもっともでございます」 教師は苦笑と共に肩をすくめた。 (ふむん、委員長がこんなつれない態度とはねえ) 委員長――と、彼が心中で呼称しているが実際は委員長でもなんでもなく短く切りそろえたおでこ全開の前髪と角眼鏡という姿から勝手にあだ名付けしているだけ――は本来はむしろ講義が本道なのか脱線が本道なのか分からなくなる彼の授業進行を呆れながらもきっちりフォローしてくれるありがたい人材だ。 そんな彼女にこうあからさまに苛立ちを押し殺した態度を取られてしまうと流石のマイペースな彼も少々こたえる。 「えー、じゃ、テスト内容だけ言うよ」 簡潔に、簡潔に。そう自分に言い聞かせながら教師は話を続けた。 「先生はね、採点だけじゃなくてテスト自体もダウンサイジングしようと思ったんだよ。つまりね、皆紙を持ってきたよね、今からそれで紙飛行機を折って飛ばしてよ。その飛距離で採点するから」 ※ ※ ※ ※ 一拍、二拍、三拍。 それだけの空白が、生徒たちが受けた衝撃の大きさを物語っていた。 「…な、な、な」 凍結した意識が徐々に解凍され、金魚のようにぱくぱくと開閉する口から細切れの驚愕が漏れだす。 「…何馬鹿な事言ってるんですか先生!!」 委員長の叫びを皮切りに、他の生徒もそうだそうだと抗議のシュプレヒコールをあげた。 「いやー、それがそうでもないんだよなぁ」 「え?」 だが、教師はブーイングの嵐にも柳に風とばかりに両手を広げて応じる。 「さあ、僕たちの授業、『異能習熟基礎』とはどんな授業なのかな?」 のんびりとした口調に断ち切られた流れに更に踏み込むように、教師は一人の生徒を指差し質問を投げかけた。 「え、ええと、異能を使うための基礎として魂源力(アツィルト)の制御方法を学ぶ授業です」 「うんうん、まあまあかな」 教師は大げさに頷くと囁き混じりながらも再びこちらを注視する態勢に戻った生徒たちを一瞥する。 「魂源力はいわばガソリンのようなもの、精神というエンジンを通してエネルギーを取り出さないと宝の持ち腐れなんだ」 その言葉は、最初の授業で教師が最初に生徒たちに教えた言葉だった。 「先生、もう少し手短にお願いします」 委員長の言葉から少し険が取れたのは、彼の言葉が脱線だらけながらも異能をより良く使えるよう共に苦心した日々を思い起こさせたからだろうか。 「そうだったねぇ。実はね、その紙はただの紙じゃないんだ」 まじまじと、あるいは訝しげに手中の紙に視線を落す生徒たち。疑うのも分かるけどね、と教師は話を続ける。 「ただの紙じゃなくてね、学園が出資してるだとかの研究所が開発した素材が混じってるんだ。この素材はなんでもスポンジのようなものだってさ、魂源力を吸い取るって意味で。ああ、魂源力の吸い取り紙って言った方がよかったかな?」 『それで?』『次は?』そんな意思を込めた視線が返ってくる。密かに突っ込み待ちだった教師はわずかに肩を落とす。 「君たちのエンジンを全開にしてこの紙に『紙飛行機を飛ばすぞ』って魂源力を込めるんだ。そうすればその出来不出来が飛距離になって現れる。ちなみにこの程度の素材含有量ならたいした量は蓄積できないから君たちが持ってる魂源力の大小も関係ない。どうだい?そう馬鹿にしたもんじゃないだろ、この試験も?」 ※ ※ ※ ※ ぺちゃり。投げられた紙飛行機は飛ぶことかなわず力なく墜落した。 「センセー、これホントにその素材ってやつ入ってるんすか?」 墜落した紙飛行機を拾い上げた男子生徒が疑わしげに言う。 「そうそう、先生楽したかっただけじゃないの」 近くにいた女生徒もそれに同調する。 「君たちね、教師なんて案外楽な商売って思ってるでしょ。いや、否定しなくていいよ。先生だって学生の頃はそう思ってたんだし」 女生徒の言葉に心底嘆かわしいという顔を見せ、教師はそう反論を始めた。 「でもね、教師になって初めて分かったよ。先生の仕事って本当に大変なんだ。授業は異能の授業なんてデータが少ないからほとんど手探りだし採点だって難しいし、その上クラブの面倒も見なきゃいけないし。家にまで仕事を持ち帰らなきゃいけないんだよ?もし昔に戻れるなら紙飛行機採点を小馬鹿にしてたあの時の僕をぶん殴ってやりたいよ、教授も大変なんだ、ちょっとは考慮してやれってね」 (あれ、それってこのテストが楽したいからってこと認めてるよね) 生徒たちは一様にそこに思い至ったがあえて口にはしなかった。それだけ教師の口調が哀切さにまみれていたのだ。 はあ、と疲れを溜息という形で吐き出しつつ、教師は右腕を軽く持ち上げる。そこにはいつの間に折られていたのか紙飛行機が摘まれていた。 放つ、というよりは離すと言ったほうが相応しいであろう動きで紙飛行機がテイクオフする。全く風がないはずなのに紙飛行機はふわふわと宙を漂い、生徒たちが見守る中、彼らが悪戦苦闘している場所より反対側のフェンスの方が明らかに近い場所まで到達した。 「ま、これも年の功って奴かな?」 先程疑いを表明した男子生徒に教師はそう笑いかける。 かつて有能なサイコメトラーだったというこの教師が今異能の力をほとんど失っていることは『僕のエンジンは錆付いちゃったからね~』という口癖と共に生徒たちにとっては周知の事実だった。 そんなハンデを持つ人ですら、魂源力を取り出すコツを知っていればここまでできるのか?驚きがさざめきとなって生徒たちの間に広がっていく。 「うーん、あれを合格ラインにしようと思った……んだけど、やっぱりやめとくよ」 自分の記録の半分にも及んでいない結果を一瞬見やり、あっさり自分の言葉を翻す教師。 (…絶対目にもの見せてやる!) 安い挑発ではあったが、テストが始まってからこちら感情をかき乱されっぱなしの生徒たちには効果覿面だったようだ。 一見して分かるほどに気合の入り方が変わり、かくしてテストは佳境へと突入したのだった。 ※ ※ ※ ※ 「はい、おーしまい」 終了のベルと共にそう言って教師は軽く手を叩いた。 その気の抜けた音がむきになって没頭していた生徒たちを一気に呼び戻し、彼らは白昼夢から醒めたかのように三々五々教師の元に戻ってきた。 「皆、お疲れ。皆の頑張りが見られて先生は嬉しいよ」 教師はそうねぎらいの言葉をかけるが、当の生徒たちは複雑な表情だった。 結果としては教師の飛距離に近づいたものは何人かいたものの、結局誰一人として越えることができなかったのだ。普通のテストならば終わる頃には自分ができていたかそうでないか大体の見当はつく。だが、このテストの場合採点基準がどうにも読めない。 だから、やるだけやったという達成感はありつつもどうにもそれを味わうことが出来なかったのだ。 「あ、後片付けは先生がやっとくからもう挨拶なしで解散でいいよ。次のテストも同じぐらい頑張ってね」 だが、それも最早過去の話。その一言で次のテストへの臨戦モードに入った生徒たちは慌てて小走りに走り去っていく。 あっという間に独りになった教師は大きく伸びをした後、紙飛行機を回収するために歩き出した。 「……まったく、誰も彼もなっちゃいない」 紙飛行機を指先で軽く撫で、まるで小鳥を扱うかのように優しく摘み上げながらそう言う教師。 やがて、教師の足元に生徒全員の分の紙飛行機が集結する。 教師はそれを端から拾い上げると無造作に空に送り出す。その紙飛行機はどれも教師のそれと同じように落ちることなく飛び続けた。 異能は無いも同然。教師として秀でたものもない。熱意も…むしろ少ない方かもしれない。 それでも、彼は一つだけ特技を持っていた。 少年期の熱中が生み出した業。彼は、紙飛行機を飛ばせる折り方が、紙飛行機を飛ばせる投げ方が後天的な本能とも言えるレベルで分かってしまうのだ。 かつて神技と言われた指で調整を受け、神の手と呼ばれた腕から放たれた生徒たちの紙飛行機は今や彼のそれと対等の条件にある。 「まったく、誰も彼もなっちゃいない」 嬉しそうに再び呟く彼の視線の先で、ハンデから解き放たれた紙飛行機たちは生徒それぞれの魂源力(いしのちから)に支えられ、彼の紙飛行機の上を軽々と通過し、フェンスさえ飛び越え、学園の空へと飛び出していく。 「全員満点、決まりだねぇ。それじゃ次の仕事が入るまで休ませてもらいますか、っと」 雲一つない空の下、暖かい陽光に照らされながら怠惰を決め込む不良教師。そして、同じ陽光の下、そよそよと流れ始めた風に乗り紙飛行機は飛び続ける。 どこまでも。どこまでも。 おわり トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/blade_idle/pages/84.html
ver.1.20.1で追加された「鉱山」システムについてのページ 鉱山について 各鉱山でアイテムが入手出来る時間経過で受け取れる(最短1分) オフライン48hまで貯まる ムーンストーン、強化石、オプション再錬石、起源石、パワーストーン等の強化アイテムが入手可能※アプデでアイテム追加あり ステージを進めると採掘量が増える条件を満たして「募集」ボタンを押すと採掘量UP オンオフ関係なく時間で増加
https://w.atwiki.jp/iwarpg_wiki2/pages/917.html
蒼火の必要素材 アイテム名 必要数 入手場所 魔素Li 585 アンダー・フレイヴ アンダーウール 360 アンダー・フレイヴ アクアプリズム 675 アンダー・フレイヴ 蒼の硬鉱 675 アンダー・フレイヴ カゲロウの霞糸 180 ヒデリヤマ採掘場跡地 崩れかけた武片 675 崩れかけたカタコンベ ファルダングの骨 225 崩れかけたカタコンベ グルッサス遺跡街鬼畜の合成 虹金 幻の古代株 幻源石 虹金の手前の素材その1 蒼色に光る純正金 七色に光る邪蛇革 虹金の手前の素材その2 古代の金 熱膨張を起こした蛇革 不純物が取り除かれた蛇革
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/880.html
■編集テンプレ 【名称】 :双葉茜(フタバアカネ) 【カテゴリー】:エレメント 【ランク】 :上級C-0 【初出作品】 : 【他登場作品】:【蜻蛉】 【備考】 :秋になると学園島に飛来してくるトンボ型ラルヴァ。 物質を透過するというエレメントの特徴をのぞいて、生態は赤とんぼ(アキアカネ)と変わらない。 生物から溢れる魂源力(アツィルト)を餌とし、その周囲を飛び回るだけで特に害はない。 トップに戻る 上に戻る
https://w.atwiki.jp/iwarpg_wiki2/pages/913.html
虹金の合成素材 アイテム名 必要数 場所 魔素Li 1020 アンダー・フレイヴ アンダーウール 760 アンダー・フレイヴ アクアプリズム 675 アンダー・フレイヴ 蒼の硬鉱 675 アンダー・フレイヴ カゲロウの霞糸 220 ヒデリヤマ採掘場跡地 フリーズロップ 200 旧ビーシャイン大洞 黒氷 140 旧ビーシャイン大洞 崩れかけた武片 780 崩れかけたカタコンベ ファルファングの骨 225 崩れかけたカタコンベ 遺跡蛇の革 200 グルッサス迷宮遺跡 古文書の切れ端 140 グルッサス迷宮遺跡 フライムパウダー 180 フレイムミルルの巣窟 ブレイズパウダー 1800 フレイムミルルの巣窟 邪鬼魂 450 地獄街道 グルッサス遺跡街鬼畜の合成 幻の古代株 幻源石 虹金の手前の素材その1 蒼色に光る純正金 七色に光る邪蛇革 虹金の手前の素材その2 蒼火 古代の金 熱膨張を起こした蛇革 不純物が取り除かれた蛇革
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/322.html
中島 虎二 「……なーんか、ありゃいいんだけどなぁ……」 基本情報 名前 中島 虎二(なかじま とらじ) 学年・クラス 高等部1-B 性別 男 年齢 16 身長 169 体重 61 性格 目的不在によるやる気無し 生い立ち 一般的な中流家庭に育つ。魂源力が強いというだけで高校編入 基本口調・人称 ~だ。俺、彼、(同格には呼び捨て)役職だけ(格上) キャラデータ情報 総合ポイント 20 レベル 6 物理攻防(近) 1 物理攻防(遠) 1 精神攻防 4 体力 1 学力 7 魅力 2 運 2 能力 『回答は決まった(ファイナルアンサー)』、限定的未来選択 特記事項 異能名は「将来呼ばれた際の名前」2019年時点では名無し その他詳細な設定 キャラ設定 現代人がイメージするような中世の貴族らしい美形。 普通の学生生活をやってきた所を、魂源力の高さだけでスカウトされる。 現在は寮生活であり、ラルヴァが居る以外は普通の学園生活を送っている。 錦龍とは幼稚園からの腐れ縁であり、「トラ」「ドラ」と呼び合う仲。 体力は皆無だが学力はずば抜けており、主に龍にノートを貸す事で恩を売っている。 図書館に入り浸っており、そっちの方面に知り合いがけっこう居たりもする。 能力設定 自分の頭の中に選択肢を浮かべ、それに対して『どれが正しいかを考える』ことで発動する。 頭に浮かべた選択肢の中から、選ぶべき(その後最良の状況となる)ものを選び取ることができる 自らの知識内で解決できる事柄については完全に正確な選択肢を選ぶことが可能 不確定要素(未取得の知識が必要になる等)が絡む場合は、正解率が低下する。 その場合の正解率は、((180+思考に要した秒数)÷選択肢の数)パーセントとなる 『どの選択肢を選んでもロクな目に遭わない』ような場合も、その中で一番マシなものが選択される。 また、思考時間が無い、何も考えないで選択した、といった場合は異能が発動しない 本人や学園は『まだ異能が目覚めていない』と思っており、殆どの人間は存在を察していない 登場作品 【金剛の皇女様】 作者のコメント 龍よりも主役になる可能性は高いと思います。
https://w.atwiki.jp/opfan/pages/264.html
イメージ マジックストーン、魔法石(魔宝石)とも。 大量のマナを含有する鉱脈から採掘される魔力を宿した石、または持つ者の魔力を増幅させる効果を持った石の総称。 見た目は内部に淡い光を内包した透明感のある宝石。 火や水と言った属性を宿し、魔法武器や魔道具の素材として使用される。 魔力の強さや質で1等から12等まで等級分けされており、一般的な市場で扱われるのは概ね7等~12等級。 6等級から上の魔石は国や専門のギルド等で厳重に保管・取引される事となり、3等級以上は危険を伴う程の魔力を持つので繊細な取り扱いが必要となる。 関連 バルナ国 カルト鉱山 バルナ魔石戦争 クロネイコ魔石商会 東大陸で魔石の流通を担っている商人ギルド マジックリング 魔包瓶 魔石ランプ 魔石炉 皇の大剣 クリスタル 黒妖石 三源石 赤熱水晶 ダイアビートフラム ダークジュエル 封魔石 魔晶 目次に戻る
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/818.html
天地 響 「僕の目標は『最強の異能者』ではなくて『最高のパパ』になる事なんですよ」 基本情報 名前 天地 響(あまち ひびき) 学年・クラス 双葉大学理工学部助手(2009〜2016) 性別 男 年齢 30(2009年時点) 身長 179 体重 62 性格 丁寧な喋り方で温厚だが、目的の為には手段を選ばない冷酷さを持つ。息子を溺愛しているが、殆ど会った事はない 生い立ち 不明。息子が1人いる 基本口調・人称 一人称は僕、もしくはパパ。丁寧な喋り方で饒舌、話が長い。理屈的な話し方をする。相手によっては慇懃無礼に見える 特記事項 1999年以前から異能を認められ、裏の世界ではそこそこ有名な為に偽名を名乗っている。2019年現在の安否は不明。常にICレコーダーを持ち歩き、いつか子供に聞かせるべくメッセージを吹き込んでいる キャラデータ情報 総合ポイント 35 レベル EX 物理攻防(近) 7 物理攻防(遠) 6 精神攻防 4 体力 5 学力 5 魅力 3 運 2 能力 フラッシュエンド:自身の魂源力をプラズマとして放出する 特記事項 エキスパートキャラクター その他詳細な設定 長身痩躯、純粋な日本人 1999年以前から異能者として活動し、1999年の異変ではアメリカでラルヴァと戦闘していた。 その結果、裏の世界ではそこそこ名の知れた存在となる。当時は寡黙な人間だった。 2009年時点では『カオスヘッダー』という組織に息子を捕えられている為に、この組織を追っている。 その一環で『響・アマーティ』という偽名を名乗って双葉学園大学で助手として勤める事になった。 なお、双葉学園内では彼は魂源力があるものの能力未発現のカテゴリーEとして活動している。 2016年初頭に突如、職を辞して双葉学園を去る。その後の彼の行方は知られていない。 装備: 装備はプラズマを凝集し、指向性を与える為の手袋とプラズマの熱エネルギーを運動エネルギーに変換し、飛行するためのアークジェットスラスタを仕込んだ靴。 これによって響は遠距離攻撃、および飛行が可能となる。 登場作品 【X-link ハロウィン特別編 Side2009 part1】 【X-link ハロウィン特別編 Side2009 part2】 [ 作者のコメント なかなか俺tueeeなキャラですが2019年時点ではもうアレなんで勘弁してください
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/644.html
ラノで読む 異能力研究者の、ある夏の数日 その夜、私は仕事に一区切りつけ散歩に出かけた。 長時間のデスクワークに疲れたというのと、窓から吹き込む涼しい空気に誘われたという、二つの理由からだ。 ここ双葉区は、その創設理由から様々な結界が張り巡らせてあり、島内の環境を最適な状態に保つ役割をも担っている。 その効果からか、夏真っ盛りという今の時期でも、夜になると比較的すごしやすい気温になることが、研究棟周辺では多いようだ。 私のようなおじさんにはそれがとても有り難く、ほとんど日課になっているこの散歩を、今日もいつも通りのコースでゆっくりと行っていた。 研究棟東の小道を抜け、島の外縁に沿った通りにでる。しばらく歩くと、双葉島にいくつか設けられた人工の海岸へと続く階段がある。私はそこを下り、砂浜ではなく磯の方へと向かった。 岩礁では小さく、無害な水棲ラルヴァがまれに見られることがあり、なかば占いに興じる女学生のように「見れたらいいことがある」という願掛けにも似た行為を、私は散歩するごとに繰り返していた。 (さて、今日は何か見ることができるかな?) 少しの期待を抱きつつ、私は磯へと歩を進める。 と、その時、私の目に透き通る女の姿が飛び込んできた。 (まさか、夏だからって怪談の主役たる幽霊を見るというのか?) 一瞬、そんな馬鹿なことを考えた私だったが、それが間違いであることはわかりきっていた。 近年、ラルヴァと異能を知る者の間では、一般に心霊現象と呼ばれる事の多くはラルヴァ、もしくは異能力の残滓が引き起こすものだと考えられるようになっている。 強烈な魂源力を持つ個体の引き起こした事件、事故現場には、しばしば高濃度の魂源力が残留することがあり、それに異能を持たないものが影響されることで様々な理解しがたい超常現象を引き起こす、というものだ。 自然が起こした不思議な事象はまた別だが。 (となると彼女はラルヴァか異能者か、それともそれらの残した分身か) 私は足を止め、彼女を観察する。 足はあるし、死装束も着ていない。もちろん額に三角のアレもない。 (あの服装は学園のものだな) 彼女の着ている衣服は双葉学園指定の制服だった。夏服だからブレザーは着ておらず袖も短い。 (問題は彼女が生きているかどうかということだが……) その問題はすぐに解決した。 確認のために何歩か歩み寄った時、彼女は私に気づいて振り返り、そこに私の見覚えのある顔があったからだ。 「東くん……東明《あずまあきら》くんかな?」 「稲生《いのう》先生……」 彼女『東明《あずまあきら》』は私の講義を選択している者の一人だ。地味で目立たないが、一学期の小論文ではなかなかに面白い解釈を見せてくれた。 彼女は確かに、夏休みに入る前まできちんと受講していたし、何らかの事件、事故に巻き込まれて亡くなったという話も聞いていない。今日死んだというのならありえなくもないが、それはさすがに悪い意味でタイミングが良すぎるだろう。 つまり彼女は生きていて、彼女自身の意志、もしくは異能の暴走で、こういう姿で今ここにいると考えるのが自然だ。 「東くん、なぜ今時分にこんな所にいるのかね? まさか私と同じで夜の散歩でもしていたのかな」 翌日、私は一人の女子生徒に電話で連絡を取った。 本当はその女子生徒のパートナーに連絡を取りたかったのだが、その娘は座学を受講するタイプではなかったため、連絡先が手元の名簿からはわからなかったのだ。 「それで一体、ナオに何の用があるんですか?」 事情を説明しもせず、彼女のパートナーの連絡先を教えて欲しいといった私に、結城宮子《ゆうきみやこ》は疑念を含んだ声音でそう答えた。 実に当たり前の反応だ。友達でもなんでもない男、しかも講師が女子生徒の連絡先を知りたいなんて言えば誰でも怪しく思うだろう。 「失礼した、パートナーの君に事情を説明しないのはあまりにぶしつけだったな。 実は異能者がらみの事で彼女の力を借りたい……いや、借りずにすめばそれが一番いいのだが、最悪の事態を考えるとそれに備えておかないわけにはいかないというべきか……」 「……今ひとつ先生の仰りたいことがよくわからないんですが、危険なことなんですね?」 「そう、だな……力を借りることになれば、危険は確実にあるだろう。 ただ、事は急を要するし、私の知る限りでは彼女以外には対処できないと思う。 もちろん君からの伝聞に基づいた判断だから、実際に会って話してみないことには本当に力を借りられるかどうかはわからないのだが……」 私は彼女に謝罪し、事情をかいつまんで話したが、やはり詳しく話さなければ納得してもらえそうにない。 (できれば巻き込みたくないんだが……そうも言っていられないか) 「……わかりました。皆槻さんに連絡とってみます。 でも彼女どこにいるかわからないし、つかまらないこともありますから、あまり期待はしないでくださいね」 考え込み、押し黙っていた私に気を使ったのか、彼女は了解の意を告げた。 事の重大さを察してくれたということだろうか。 そう簡単に納得してはもらえないだろうと思っていた私は、あわてて彼女に礼を言った。 「すまない、恩に着るよ。」 「……一つだけ聞きますけど、先生って若い子が好きなんですか?」 「……私は基本的には成人女性が好きだ。 それではよろしく頼む」 最後の彼女の一言には、さすがにそこまで警戒しなくてもいいのではないかと思いながら、私は通話を終えた。 (もしかして私は女子生徒に警戒されるようなタイプなのだろうか……) 「つまり君の異能はゲートを開いて『肉体だけ』を亜空間に隔離することで、こちらの世界に『魂』とでも言うべきものを残す。それによって物質を通過したり物理法則にとらわれず宙を漂ったりすることを可能にする、ということだな。 うまく応用できれば他者にも同様の効果をもたらせるかもしれない。 どこかに潜入するにはとても便利だろうね。 君が男子でなくて良かったよ」 夜になり、私は東明と話すため再び海岸に来ていた。昨日、彼女に聞いた事情から、おそらくここから動くことはないだろうと考えたからだ。 事実、彼女は今夜もここにいた。 そして今は、彼女と私だけの異能力研究室特別開講中だ。 彼女がここにこうして『魂』のみの姿で漂っているのは、簡単に言うと失恋が原因らしい。付き合っていた男子に体を求められて拒んだらふられた、という若いころならよくある話だ。当事者にしてみればよくあるなんて言葉で済ませられるはずもないが。 彼女の場合、その心情をより面倒にしたのが彼氏のいわゆる『二股』だった。彼女がふられた後、その男子は別の女子と仲良く腕を組んで歩いていたそうだ。これもまたよくある話ではある。 ともあれそういった事情が重なって、彼女は『もうこの世から消えてしまいたい』と願った。そして実に間の悪いことに、彼女は『この世から消える』のに最適な異能を持っていたのだ。 彼女の異能について冗談を交えながら考察する私を、東明は微笑みながら見つめる。その表情は私が教室で見るものと変わりなく感じられた。場所は違うが、いつも講義を受けているのと同じ雰囲気が良かったのだろうか。 (しかし、ここから先の話はかなり厳しいものになる。上手く混乱させずに説明できればいいが……。 結局、彼女とも連絡がつかなかったし、東くんに自力で何とかしてもらうしかないのがなんとも心もとないな……。 ともあれ、まずは彼女に戻ってくる気を起こしてもらうことが先決だが、一体どんな説得をするべきか……) 「少し休憩にしよう。 どうだい?君もお茶でも」 私はそう言いつつ、持ってきていたコンビニ袋からペットボトルを取り出す。 「いえ、結構です。 わたし、異能使ってる時はお腹すいたりのど渇いたりしなくなるんで」 彼女は両手をぱたぱたと左右に振りつつ、私の申し出を辞する。そしてその言葉は私の予想通りのものだった。 『異能使用中は飢えも乾きもない』ということは肉体とは感覚が共有されない状態にあるということであり、『肉体は何のエネルギーも消費しない』状態であるか、逆に『エネルギーを消費していても術者が気づかない』状態であるか、この二つに一つだ。 さらに言うと、時間が止まっているのでもない限り前者はありえない。彼女の異能が『肉体を亜空間に隔離する』という以上のものでないなら、ほぼ確実に後者だろう。 つまり彼女は気づかぬうちに『体力と魂源力を消費し続けている』ということになる。これはすなわち、気付かぬまま『緩やかな自殺を行っている』状態であるということだ。 「そうか、じゃあ一人で寂しく飲むとするよ。 ……ところで東くん。どのくらいの間、異能を使い続けているんだい?」 私は努めて平静を装いつつ、彼女にそう質問した。 「ええと……もう4日目ですかね。 あは、今までで一番長い間使ってます。新記録ですね」 彼女は明るく私の質問に答える。 が、その答えは正直、笑って聞けるものではなかった。 『4日』ただ単純に断食するだけなら死ぬほどの期間ではない。しかし彼女は同時に『異能を使い続けている』わけで、どんなに強力な異能者でも4日間、休まず異能を使い続けるのは相当難しい。 いや、ほとんどの場合『不可能』だといって差し支えないだろう。 (つまり、彼女の魂源力はもう、いつ底を突いてもおかしくない状態だということだ。) 肉体が亜空間に隔離されたまま魂源力が尽きれば、魂源力を回復させることは二度とかなわない。魂源力はあくまで肉体をベースに存在するからだ。 これは、魂源力を他者に分け与えることのできる異能者も『魂』自体に魂源力を分け与えることはできない事を意味する。 (そうなれば亜空間に取り残された肉体を回収する手段はなくなり……肉体が死ぬまで魂のみで存在するか、魂に残された魂源力が消費された瞬間、魂が消滅することになる。どちらにしても……) ――死だ。―― 「ふふ……。先生、そんなに心配そうな顔しないで。 先生と話しててもう『消えたい』なんて気持ち、ほとんどなくなりましたから。」 知らぬ間に私はよほど渋い顔をしていたのか、彼女が気を使うように、そう声をかける。 「あ、ああ……失礼した。 少し考え込んでしまったようだね。 ……それにしてもいつもの君に戻ってくれたようで良かったよ」 「えー?先生、わたしのこと、そんなに知らないでしょう?」 「これは心外だな。私は教室に来る生徒のことは一人ひとり、ちゃあんと見ているんだよ。」 私は彼女の言葉に答え、いかにも安心したという顔をして見せた。そして続けて言った一言に彼女が軽く噛み付き、私は講義中に見せる態度そのままに、大げさにリアクションをとってみせる。 (あとは何事もなく彼女が戻って来られるかどうか……だが) 異能には、常時発動型を除くと『解除に魂源力を必要とする』ものと『ただ意識するだけで解除される』ものがある。細かく分類するともっと多くの条件を含むものもあるが、ほとんどの場合は後者だ。 超人系だと肉体を強化することを意識している間だけ異能が発揮されるし、超能力系も大体がそうだ。もちろん超科学系もしかり。 (例外としては、テレポートで召喚した対象を送り返す場合くらいだが、まずいことに彼女の異能はこれと同じタイプだ。 ゲートを開き、肉体を隔離しゲートを閉じる。そして解除するときはまったく逆の手順を踏む……となれば当然、解除にも魂源力が消費されることになる) 解除するために消費される魂源力がどの程度か、また異能を発揮していた期間にどれほどの魂源力が消費されていたか。それらが、彼女の肉体がこちら側に戻ってこれるかどうかの鍵を握っているのは明白だった。 「さてと……それじゃあそろそろ戻ることにしますね。 先生ちょっと離れててください」 彼女に促され、私は軽く頷いてからコンビニ袋を持って立ち上がり、数歩後退してから彼女の方に向き直った。 東明は瞑目し、魂源力を高めようと集中しているようだ。 (うまく行くのを祈ることしかできないのがもどかしい限りだな) しばらく静観するが、彼女の肉体が戻ってくる様子はない。彼女自身、今までにない経験に戸惑い、その表情に段々と焦燥の色が濃くなっていく。 「もど……れない……。 ……どうしよう……先生……戻れないよ!」 彼女は夜の闇に薄く透き通る顔をさらに青くし、私にすがり付こうとする。 だが、その手は無常にも私の手をすり抜け、触れることさえかなわなかった。 「いや……嫌ぁ……いやぁあああああ!!」 最悪の事実を突きつけられた彼女は半狂乱となり、両手で頭を強く抱えその場にうずくまった。目は限界まで見開かれ、生身であれば出血しそうなほどに激しく頭をかきむしる。 触れられないのはわかりきっているが、私は彼女をかばおうと腕を広げ、覆いかぶさる。 (やはりこうなるのか……!しかし、もう残された手段はない。せめて彼女と連絡がついていれば……) 「先生!どうしたんですか!?」 苦悩する私の耳に東明とは別の少女の声が飛び込んでくる。 声の方へ振り向くと、教え子の一人である結城宮子と、彼女のパートナーである皆槻直《みなつきなお》の姿があった。 女性の叫び声を聞いて異常事態だと感じたのだろう。彼女の声は緊迫感に満ちていた。 (連絡を受けてここまで来てくれたのか) 私は昼間に連絡した際、念のため結城宮子に教員証のパーソナルアドレスを伝えていた。生徒たちが持つ学生証のGPSで、私個人の現在地を知らせるためだ。 (しかし、素晴らしいタイミングで来てくれたものだ。幾多の戦闘を経た彼女たちの勘が、事態の危険さを報せたとでもいうのだろうか) 「二人ともよく来てくれた。簡単に状況を説明するからよく聞いてくれ。 これから皆槻くんには彼女、東明くんの異能発現をサポートしてもらう」 「え?東さん!?一体……なにがあったの?」 「結城さん……」 私が東明の名を口にすると結城宮子がすぐに反応を見せた。彼女たちは私の講義を通して面識があったのだ。 結城宮子は東明のそばまで駆け寄ると、彼女の肩に触れようとする。が、やはりその手は空をかく。 「これは……!? 稲生先生、もしかして彼女の異能が……?」 「暴走ではない、が危険な状態であるのは同じだ。 簡単に言うとガス欠だな。魂源力不足で彼女の肉体がこちら側に戻って来れない。 そこで皆槻くんには彼女が亜空間ゲートを開くのをサポートしてもらいたい。二人のゲート開閉は同じ仕組みだ。だから上手く同調すればゲートをこじ開けることができる」 私は結城宮子の問いかけに答え、一息に皆槻直に頼みたいことの概要を伝えた。 はっきりと可能であるという口調でだ。 (本当の所うまく行く可能性は低い。……だが少しでも成功の確率を高めるためには私が弱気な態度を見せるわけにはいかない。異能を上手く使うには何よりその可能性を『信じる』ことが重要なのだから……) 「ちょ、ちょっと待って先生!私の異能じゃ自分の体にしかゲートは開けないし、まして人の体を出し入れするなんて……」 私の発言を受けて皆槻直があわてて無理だと口にする。確かに彼女の異能では物質の出し入れはできないかもしれない、だが。 「だからこそ『サポート』なんだ。 一人では不可能なことも同種の能力を同調させてやれば可能になる。 皆槻くんは東くんの異能が、本来発揮するはずの効果の一部分を『肩代わり』するんだ。今回の場合は『ゲートを開くことに魂源力を使う』。この部分だ。」 「だけど……」 説明を聞いてもにわかには納得できないのだろう。皆槻直は眉根をひそめ、戸惑いの言葉を漏らす。 しかし今は悩んでいる時間すら惜しい。だから私は少しいやらしい手段を使うことにした。 「なんだ。怖いもの知らずの『ワールウィンド』ともあろう者が情けない顔をする。 君は相手が肉体を持つ人間か下級ラルヴァでなければ戦えないのか?実態を持たない他者の異能とは戦えないと?」 相手の自尊心を傷つけ、あおる。 まるで喧嘩を売る不良のごとき振る舞いだが、この際、方法の善し悪しは二の次。何よりも皆槻直の敵愾心をあおり、行動させなければならない。 「言ってくれるじゃないですか先生。 面白い……やってやりますよ!」 「ナオ!」 私の挑発に乗って前に出ようとする皆槻直を結城宮子が押しとどめ、私に強い視線を向ける。 「先生、まだ一つ言っていないことがありますよね? 昼間のお話では『危険』がある、と先生は仰いました。その危険って、上手くゲートが開けたとしても東さんの体が戻ってこられるとは限らない、悪くすれば『ナオも亜空間に飲み込まれかねない』って事なんじゃないですか?」 素晴らしいの一語だった。 彼女の指摘は完全に的中していて、だからこそ私は返す言葉を失う。 もし彼女の言葉で皆槻直の気が変われば、この状況を脱する手段は完全に失われる。そしてそれは東明への死刑宣告に等しい。 「ミヤ、いいんだ。私だってそこまで馬鹿じゃないし、危ないのはわかるよ。 でもここはあえて先生の挑発に乗ることにする。私自身、まだ知らない戦いができそうだしね。 だからミヤは、私が負けて亜空間に飲み込まれないように捕まえていて」 「ナオ……。 わかったわ……しっかり捕まえておく」 何とか翻意させまいと考えをめぐらせていた私だったが、幸いなことに皆槻直の決意は変わらなかった。しっかりと前を見据えるその瞳には一点の曇りもなく、必ず勝つという強い意志が漲っていた。 「じゃあ始めましょうか先生!」 「ありがとう皆槻くん、結城くん。 ……東くん、彼女たちが力を貸してくれる。もう一度、しっかりとこちら側に戻れると信じるんだ。いや、絶対に戻ると決意するんだ。 そうすることで成功の可能性は大きく高まる。 あとは君を助けるために来てくれた二人を信じるだけだ」 皆槻直が左手のひらに右拳を打ちつけ、戦いの開始を促す。 私はそれに頷くと、東明に強く、決意を促し、もう一言つけ加える。 「ああ、ついでに私のことも信じてくれて構わないよ。 講義で私が間違ったことを言ったことはないだろう?」 「……先生、わりとよく『前回のあれは間違っていた』って訂正している気がしますけど」 いつもの調子で言った私に、彼女は弱々しくも的確に反論する。 さっきまでのパニックはだいぶ落ち着いたようで、その顔にはほんのわずかながら笑みが浮かんでいる。 知った顔が増えたということと、学園でも有名な異能者がサポートに当たってくれるという事実がプラスに働いたのだろう。 「そうだったかな?これは失礼。 まあ、それはそれとして、早いところやってしまいますか。 東くん、立てるかい?」 「はい」 私は大げさに肩をすくめて見せながら右手を差し出し、彼女に立ち上がるように促す。東明はそれに応え、触れられないと解っていながらも私の手のひらに左手を重ねる。 そうして私と彼女は互いの手を重ね合わせたまま、ゆっくりと立ち上がった。 「よし、それでは皆槻くんと結城くんは東くんの背中側に回ってくれ。 私はこのままの位置で指示を出す」 私の指示を受けて二人は東明の背後に立ち、結城宮子は皆槻直の腰に両腕を回し、しっかりと抱きしめる。 これで我々4人の立ち位置は、東明を中心に一直線に並ぶ形となった。 「いくぞ!東くん、ゲートを開け!皆槻くんは両手の前方にゲートを開くイメージで東くんに同調!」 私は一息に号令を出し、皆槻直は両手のひらを東明の背にかざす。 そして東明は目を閉じ、私の右手に重ねた左手に力を込める。その左手の周辺がぼんやりとした青い光を帯び、そこをめがけ空気が少しずつ流れてゆく。 徐々に亜空間ゲートが開き始めたのだろう。 「いいぞ……東くん、しっかりと、まずは左手をこちらに戻すんだ。 少しずつ、ゆっくりでいい。指先から肩に向けてゲートを移動させることをイメージして」 「はい……!」 東明は私の指示に従い、さらに指先に力をこめる。 青い光が垂直に立つ小さな光の輪へと変化し、彼女の指先から胴体方向へと移動を始め、亜空間へと消える空気の流れも急激に速まる。 それと同時に背後に立つ皆槻直の体が大きく傾いた。 おそらくゲートが開いたことで一気に魂源力をもっていかれたのだろう。 (頑張ってくれ皆槻くん……君が倒れれば全てが終わってしまう) 声を上げることで東明の集中を乱すわけにはゆかず、祈るような気持ちで視線を送る私に気づいた彼女は、結城宮子に支えられながらもグッと口の端を吊り上げてみせる。 大丈夫だという意思表示だろうそれに、私は小さく頷く。 (これで東くんの手さえ戻ってくれば……) そう願う私の気持ちが届いたのか、それまで青く透けていた彼女の左手にゆらゆらと白い手の影が見え始める。 東明の『肉体』が戻りつつあるのだ。 (今だ!) その機を逃さず、私は両手でその白い手を全力でつかむ。そこにはしっかりと、やわらかな肌の感触と温かさがあった。 彼女もその感覚に目を見開く。その表情には戸惑いとともに喜びの色が浮かんだ。 「やったぞ東くん、もう一頑張りだ! 絶対に手を離すんじゃない!いいね?」 「はい!」 私の言葉に答えた彼女の顔にはすでに絶望はなく、若々しい生気があふれていた。 そして彼女の腕へと移動しつつあった亜空間ゲートは今までにないスピードで大きく広がってゆく。ここまでは全てが順調だ。 しかしゲートが広がるということは『亜空間に飲み込まれかねない』という危険を大きくするということでもあった。 「うっ!」 ゲートが直径1メートル近くまで広がった頃には空気の流れも激しく強まり、岩場に残る海水に足をとられた私は大きく体勢を崩してしまった。 そのままゲートに向かって引き寄せられる。 が、何とか踏みとどまる。 (しまった……!) これからという時に『危険』を再認識させてしまったら生徒たちは萎縮してしまうかもしれない。 顔を上げた私の目に映ったのは案の定、不安と恐怖が入り混じった彼女たちの顔だった。 が、東明の後ろで支えあう二人の表情は、見る間に怒りに変わっていく。 (……ばれたか) 私をにらみつける皆槻直と結城宮子の目は 『あれだけ皆槻直に危険があると言っておいて、一番危険な位置にいるのはお前じゃないか』 と言っているようだった。 (……これはこれで良かったのかもしれない。 後はしっかり彼女たちに頼るとしよう) そう思い直した私は、私をにらみつけている二人に笑顔でウィンクしてみせ、大きく宣言する。 「失礼、ちょっと油断したよ! あと一息だから君たちは気を抜かず頑張って欲しい! もちろん私も気をつけます!」 私の言葉を聞いた東明はクスリと噴出し、その背後の二人は怒りつつ苦笑いといった難しい表情を浮かべる。 なんとか上手く空気を変えることができた様だ。 そこからはまさに一進一退だった。 少し引いては少し戻される、を何度も繰り返し、その結果、東明の体は徐々に亜空間から出、今現在は右腕を除いて上半身がほとんどこちらに戻ってきていた。 しかし、同時に全員の表情に疲労がはっきりと見て取れるようになってもいて、このままでは間に合わないのではないかという焦りが沸いてくる。 (やはり何もかも都合よくは行かないか……) 「皆槻くん!これから東くんの体を一気に引き戻す! 私が合図したら1秒だけいい、全力でゲートを広げてくれ!」 「え!?1秒ってそれでどうにかなるんですか!?」 「ああ、大丈夫だ。すぐに彼女の体はこちらに戻る!」 少し考えてから私は皆槻直にそう指示を飛ばす。 その指示に疑問の声を上げたのは結城宮子だった。彼女の疑問は当然だが、私はきっぱり『戻る』と断言し会話を打ち切る。 「東くん、これから一気にこちらに戻ることになる。転んで怪我をしたりしないように注意しておきなさい」 「は、はい」 東明にそう言い聞かせ、私は彼女の体が亜空間に戻されないよう注意しながらに少しずつゲートに近づく。 「よし、皆槻くん!やってくれ!」 「はい!」 私の合図で一気にゲートが広げられ、その直径は2メートルにも及ぶほどになる。 既に東明の肉体が楽に通れるサイズだ。 それを確認した私は全力で東明を引っ張りながら反転し、一気に自分と彼女の位置を入れ替えた。 そして彼女が再び亜空間に飲まれることのないよう、力いっぱい突き飛ばす。 かくして東明は亜空間の牢獄からの脱出に成功した。 「先生!」 「ナオ!行って!」 東明の代わりに亜空間に飲まれそうになる私の耳に皆槻直と結城宮子の声が飛び込んでくる。 私が反射的に振り向いた瞬間、皆槻直が私の右腕を両手でつかんだ。 その体からは、亜空間に流れ込む空気に匹敵するほど多量の空気が噴射され、私と彼女を空中に留める。 それは皆槻直の異能『ワールウィンド』の効力だった。 「だめだ皆槻くん、離しなさい! 君まで引きずり込まれるぞ!」 「うるさい!いくらあんたが先生でも私たちをここまで利用しておいてどこかに行くなんて許さない! それに自分を犠牲にして人を救うなんてただの自己満足だ! 残される者の気持ちを考えろよ! それから言っておくけど……この勝負は私の勝ちだ!」 私の言葉を切って捨てると、彼女は高らかに勝利を宣言し、一気に空気の噴射量を増やす。その空気の奔流は、常識的に考えれば人一人の魂源力でどうにかできる範疇を超えているように見えた。 (なんてでたらめな容量だ……さながらジェットエンジンだな。 一体どうやってこれだけの量の空気を……まてよ。東くんの異能を基本に開いた亜空間ゲートは同時に皆槻くんの異能も用いていた……ということは) 「亜空間ゲートに流れ込む空気を、そのままワールウィンドの噴射能力に転用したのか!」 皆槻直の素晴らしい発想に私は思わず感嘆の声を上げ、彼女はその反応に満足げな笑顔を浮かべる。 「そういうこと!それじゃあ一気に脱出しますよ!」 そう言うと彼女は空気の噴射を両足の裏に一点集中させ、亜空間へ流れ込む空気の束縛を振り切った。 私の足元から遠ざかる亜空間ゲートに目をやると、魂源力の供給を失い徐々に歪みながら縮んでいた。 それに比例して空気の流れも弱まり、やがてはそよ風程度にまで収まる。 それは亜空間ゲートが閉じたことも意味していた。 「う!?」 その時、皆槻直が驚きの声を上げ、同時に私と彼女は糸の切れた操り人形のように地面に投げ出される。 そして脱出の勢いそのままにごろごろと岩場を転がった。 「っつー……。 あっさりタネ切れだあ……」 地面に転がる私のすぐそばで皆槻直がそう一人ごちる。 空気の供給源だった亜空間ゲートが閉じたことで、噴射に使える空気が一瞬で消費されてしまった結果、姿勢制御もままならなかったということだろう。 しかし今はそれよりも東明のことだ。 亜空間から開放された彼女と私、そして皆槻直は同じ方向に転がっていたので、東明の姿もすぐそばにあった。 「東くん、大丈夫かね?どこにも怪我はないか?」 私は上半身を起こしながら彼女にそう声をかける。 ちょうど結城宮子が彼女に駆け寄り、東明を抱き起こそうとしているところだった。 抱き起こされた彼女は弱々しい笑顔を浮かべて私に答えた。 「大丈夫です……でも、体に全然力が入らなくて……」 そう言う彼女の声は今にも消えてしまいそうなほどか細い。 それも当然だ。なにせ4日間も飲まず食わずの上に異能を使いっぱなしだったのだから、精も魂も尽き果てているだろう。 「そうだろうね。こんなこともあろうかと、コンビニで買ってきておいたスポーツドリンクとゼリータイプの栄養補給食があるよ。 とりあえず飲み物からどうぞ」 私は上着のポケットから飲食物を取り出して見せた。 そしてペットボトルのキャップをひねって開けると、東明の口元に差し出す。 「ありがとうございます……」 彼女は礼を言って飲み物に口をつける。 「それにしても二人が来てくれなければどうなっていたことやら……。 改めて礼を言わせてもらおう。皆槻くん、結城くん、本当にありがとう。」 「いえ、結果的に上手くいったんですから気にしないでください」 「ダメよナオ。私たち先生に騙されていたのよ。 『ナオが危ないかも』なんて言っておいて自分だけ危ない目に遭う位置にいたんだから」 礼を言う私に、皆槻直はさばさばとした態度で応える。 が、結城宮子は納得いかないようだ。しかしそれは一人で危険を抱え込もうとした私への非難で、相手に対する思いやりから出た言葉だった。 「そうだね……。確かに私は皆槻くんに危険があるとは言ったが、誰が最も危険かは言っていなかったし、その事は申し訳なく思っている。 本当にすまなかった。」 「ダメですよ、そう簡単には許しませんから。この埋め合わせはキッチリしてもらいます。 まずは東さんをゆっくり休める所まで背負って行ってあげてください」 結城宮子は私の謝罪をばっさりと切って捨てると、ニッコリと笑って指示を出す。 (将来この娘の旦那になる男は、確実に尻にしかれるな……) 私はそんな失礼なことを考えながら東明を背負う。 その時、パシャリと小さな水音があがり、私は磯に目を向けた。 そこには海面のすぐ下を泳ぐ、細長い星のような姿をした小さなラルヴァがいた。 ここのところ散歩に出るごとに『無害で小さな水棲ラルヴァを見られたらいいことがある』という願掛けにも似た行為を、私は繰り返していた。 (今日は久しぶりに見ることができたな) 一人、満足し立ち上がると、私は東明を研究棟の医務室に運ぶべく、ゆっくりと歩き出した。 トップに戻る 作品投稿場所に戻る