約 431,301 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1133.html
643 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/21(水) 12 40 27.25 ID YdRy/eSS0 [2/4] SS簡単なお仕事─レベル2 「はは。こうしてると本当に可愛いんだけどな」 「ぅう…ん……京介ェ……だ……きぃ…」 「ったく、夢で何見ていやがるんだかな」 ──突然だが、俺のベッドには桐乃が寝ている。そして俺はと言うと、桐乃を手で守ってる状態だ。 何?訳わからねえって?…くっそぉ!ハッキリ言うよ。俺は桐乃を抱いているんだチクチョウ! …お前ら勘違いするなよな?さっきまでやってたエロゲが発端なんだ。俺は悪くねえ…はず。 じゃねぇ!?こんなこと言うと余計勘違いする輩が出てくるじゃねえか。 エロゲが発端なのは間違いないんだが、その展開で口論になっちまったのが本当の原因なんだよ…。 … … … … 『はあ?なんであんたはさおりちゃんの気持ちが分かんないの!』 『わ、分かる訳ねーだろ!一緒のベッドで寝るなんて狭いし暑いじゃねーか』 『むぐぐ…!あんたってほんっ…とう!に妹の気持ちが分かってないよね』 『だってよ…このゲームの今の日付って7月末だぜ?真夏の、しかも夜でこの間取りだ。 さおり…なんか親近感はあるな…じゃねえ、この子が熱中症にでもなったらどうする』 俺の言葉に桐乃は少し意外そうな顔を見せる。 『へえ。あんたってもしかして…本当は妹のコト大好きだったりするワケ?』 『ま、待て!そういう言い方だとなんか勘違いするじゃねーか』 【お兄ちゃん…寒いでござるよ…ぐすっ】 『待てぇい!お前本当にゲームキャラか?本当は隠しカメラで某マンションと繋がってんじゃねーのかオイ!』 『さおりちゃん泣きだしちゃったじゃないの!妹の気持ちってのは熱中症なんて話になんないんだから!』 『ワケわかんねーよ。こいつはなんでそこまで兄と一緒に寝たいんだよ…』 桐乃はそこで一瞬口をつぐみ─ 『…やっぱ好きだから、一緒にいたいんじゃん?』 『そっか…』 『あんた今日は素直に納得するね』 『いや…別に何かを考えた訳じゃないけどな。まあ、そう言う妹もいるんだろう』 『……で、でもあんたはまだまだ理解度が足りないようね』 『これでも色々あって成長してるつもりだぜ?まだ合格じゃないのかよ』 『……そ、そうだ!あんた今日一日…そ、そのあたしをだ…抱いて寝ればいいのよ!』 『ちょぉぉぉぉっとまったあぁぁ!お前それはさすがにヤバいだろ!?』 思いっきりうろたえる俺をよそに、何かふっ切った表情を見せる桐乃。 だがこのふっ切り方は見た事ねえ…目が思いっきり据わってやがる。 『……あんたが妹の気持ちを理解したら許してあげるから…』 『わ、分かった……でも今日だけだぞ?』 さ、さすがに何回もやられたら俺のリヴァイアサンが我慢できる訳がない。 ……桐乃こそ俺の気持ち分かってるってのかよ──俺は兄貴なんだぜ…。 … … … … ──と言う訳で今に至るって事だ。 …だがこの状態は本当にヤバイ。俺が理性をもった兄貴じゃなけりゃとっくに意識が飛んでる所だ。 何しろ、俺の知る中で最高の美少女が俺に抱きしめられているんだぜ。 相変わらずいい匂いがする髪、柔らかな体、そ、その…胸板に感じる2つの膨らみ。 真っ当な高校男子生徒にとってはまさしく天国とも地獄とも言える危うい状況だ。 桐乃はと言うと、すうすうと気持ちよく寝息を立てて眠っている。 その手は俺の体を掴むように─まるで逃げ出さないようにしているように感じる。 そんな事しなくても、俺はお前から離れないっての─そう誓ったからさ。 …だが、さすがに眠いな…ふわ…あ……じゃあな、桐乃、お休み……。 ──「…起きろこの変態!!」「ぬわあ!?」 ドガシャア! 気持ちよく眠ってたはずの俺は、いきなりベッドから蹴り落とされた。 …って、あやせ…さん? 俺の目の前には仁王立ちしたままオーラを立ち昇らせているあやせの姿があった。 桐乃─は少し離れた場所で正座して…させられている。その表情は半分夢うつつだ。 「えっと…あ、あやせさん…?なんでここにいらっしゃるのかな…」 「それはこっちのセリフです!全くこの変態は…わたしが少し油断するとこうなんだから!」 「じゃなくて。ここは一応俺の部屋なんだが」 「わたしが着いた時に、ちょうどご両親がお出かけする所だったんです!『まだ寝てるみたいだから 起こしてあげて。ごめんなさいねふふふふ』って言われたので、起こしに来たら…!」 つーかあのババア見に来てたのかよ!?兄妹のこんな所見てスルーしやがるご両親ぱねえわ! 「桐乃はこの通り意識が朦朧としてるし…お兄さん!一体何したんですか!?」 いやそれは…お前が無理やり起こしたからじゃねーのかよ。 「桐乃大丈夫?」 「……すけェ……やだ…もう…入んない…よ」 「この変態桐乃に何したしねェェェェェェェ!!」 ゴガッ!ゴゴガコン!…ドサリ 弁解するタイミングすら貰えず、まるでシスカリのごとき超必殺技を叩き込まれ崩れ落ちる俺…。 ぐ…あやせを隠しキャラにしたら最強なんじゃねーのか…。 「だ、だから何もしてねえっての!桐乃とゲームで口論して、あいつの思うどおりにしてやっただけだよ」 「本当に本当なんですね…?」(嘘だったらブチころしますよ…?) …ってあれ?俺いま幻聴が聞こえなかったか。 「ふわ…京介…?ちゃんと理解できたでしょうね…って、あれ…?」 桐乃はと言うと、ようやく現実に戻ってきたようだ。 目をぱちくりさせて目の前にいる親友にようやく気付く。 「あ…あやせ?なんであやせがここに…」 「桐乃…本当に大丈夫?」 「大丈夫って何が?」 「お兄さんにヘンな事されなかったよね」 「ヘン…って……あ…あああああああ!?」 ようやく状況をつかんだらしい桐乃は顔を真っ赤にさせていく。 つかちょっと待て!その反応は俺がなんかしたと思われるじゃねーか! ギギギギギ…という音と共にこちらをゆっくり振り返るあやせ。 「お兄さん…?やっぱり桐乃に…」(ブチ殺されないと分からないみたいですね) 「いやいやいやいや!っていうかお前なんか変だぞ!?なんで声が2つも聞こえる!?」 「それはお兄さんがわたしの逆鱗に触れたせいです」(桐乃に手を出すなと言っておいたはず) 「つか出してねえ!さっき言った通り桐乃の望みを叶えただけだって」 「桐乃の望み…?」 ふう…幻聴が消えた。あやせって何者なんだよ…。 「ねえ桐乃。お兄さんに何望んだの?」 「あ…ええっと…その…」 「き・り・の?」 「あう…そのね…一晩ギュッとして寝てって。でも、違うの!こいつがゲーム理解してくれないから それを理解させようと…えっと…その…つもり…で」 あやせに鋭い視線を向けられてしどろもどろになる桐乃。 …桐乃でも本気のあやせには逆らえねーんだな…。 「…ったく、最近わたしに全くセクハラしないからおかしいとは思ってたんです」 「…は?」 「お兄さんが…その…わたしに……してくれないじゃないですか」 「ちょ、ちょっと待て!その発言はなにかおかしいって」 振り向くと…桐乃の目に何かが灯っているのが見える。ああ…怒ってらっしゃる。 「あんた…まさかあたしの知らない所であやせになんかした?」 「してねーよ!?」 「じゃあなんであやせがこんななのよ?」 「だから変なのは元々なんだって…って痛ェ!」 思いっきり桐乃とあやせに殴られた。知らないところでどんだけチャラ男にされてんだよ。 「まあ…でも分かりました」 「そうか。分かってくれればいいんだ」 納得するあやせ──は、そのまま部屋を出ていく。 「あやせ?」 「ちょっと待っててね桐乃。…それとお兄さんも」 俺と桐乃はお互いに顔を見合わせる…が、あやせの意図は読めない。 「ねえ…あんた本当に何もやってないよね?」 「やってねえよ。そりゃ前は発言が少しオチャメだったかもしれんが」 「まあいいけど。で、寝た感想は?」 「最高だった」 「な……!」 「だけど大変だったぜ…まあ色々と…な」 「……キモ」 「うるせえ」 「…シスコン」 「悪かったな」 「…超シスコン」 「どんだけ俺ってシスコンなんだ」 「…ぷっ。でも少しスッキリした」 ─お互いどちらからともなく笑いだす。 と、カチャリと部屋のドアが開き──そこには 「あ…あやせ…さん?」 そこにいたのは、何故かパジャマに着替えたあやせが立っていた。 「じゃあ一緒に寝ましょうか」 「あ…あやせ。ええ…っと今何て?」 「もう!何度も言わせないで桐乃」 あやせは頬をほんのりと赤くさせる…なんでみんなこういう場面で俺を萌えさせようとするんだよ。 「わたしだって色々我慢してきたんですよ!だから2人にはバツとして同じ事をしてもらいますから」 「バツって…じゃなくて同じ事ってその……!まさかあやせって京介の事」 「……わたしは2人に強制的にお願いしてるんです」 強制かよ!それってもうお願いじゃないよね!断るとまた幻聴聞こえてきたりするんだよね!? ───かくして俺たちはあやせを満足させるべく再びベッドに潜りこんだ。 ちなみにそれぞれの位置はと言うと…俺が桐乃を抱き、桐乃はあやせを抱く形になる。 最初は2人であやせを挟むのかと思ったんだが『わたしに何をするつもりですか!ブチ殺しますよ! ──それだと気持ちが…揺らいでしまうから…だからこっちでいいんです!』なんて言われちまった。 「桐乃、暑くないか?」 「ん…平気。でもあんたの匂いさっきより強いね」 「…そりゃ3人で密着してる訳だしな。だけどあやせ、これで満足なのか?」 桐乃を挟んで向こう側に見えるあやせに問いかける。 「いいんですこれで。今までわたしにとって、凄く近くて──遠かったんですから」 「お前ってたまに難しい事言うよな」 「お兄さんが鈍感すぎるだけです」 「訳わかんねえ…ま、満足するってんならいいけどな」 …しかし…ふわ…ああ…また眠くなってきたな……このまま寝ちまおう…。 「じゃ…このまま寝るわ。まだ寝足りねえしな…」 「……お休み京介」 「お休みなさい…お兄さん」 ───ちなみに俺たちは夕方までそのままぐっすり眠っていたらしい。 帰ってきたお袋が、俺たちを見つけてその後どうなったかは───みんなの想像にお任せする。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/301.html
434 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 00 25 46 ID 87OHCuLG0 あやせ「桐乃~、何勉強してんの?」 桐乃「あたしたち今中三で来年から高校生じゃない?だからすんなり高校の勉強に馴染めるようにって」 あやせ「へ~、熱心だね桐乃」 桐乃「あと、兄貴がいっつも夕飯の時間にうだうだ言ってたからね」 あやせ「?何て?」 桐乃「『先生が・・・≪お前らは受験マイナス2年生だ!だから今から勉強するように!≫ってうるさいんだよ~』って」 あやせ「へ~、お兄さんらしいね!」 桐乃「で、いまあいつはせかせかしてるわけ。いい気味」 あやせ「で、桐乃は今から勉強してるんだ」 桐乃「そう!そこよ!あいつと同じ道なんて歩みたくないから!しっかり勉強して楽に高校生活を満喫して!」 あやせ「で、地元の大学に通うんでしょ?」 桐乃「ブッ!マジありえないから!あたしが地元の大学に通うなんて100%無いから!」 あやせ「でも、中学生のときは神童だった!って人も高校でやる気なくすって」 桐乃「だって小学校の応用で通じた中学校の応用が高校じゃん?難しいに決まってるって」 あやせ「だから桐乃は勉強してるんだ!」 桐乃「そう!あたしはあいつみたいにつまずきたくないから今から勉強してるの」 あやせ「で、地元の大学に通うんでしょ!」 桐乃「ブッ!だ~か~ら~ありえないって!あいつと同じ大学だなんて絶ッッッ対嫌だから!」 あやせ「上京するの?」 桐乃「そう!一人暮らし用のお金を貯めて!東京に移り住んで!」 あやせ「で、千葉県の大学に進学すると」 桐乃「ブッ!あのさぁ、あやせ?わざわざ東京出てまで千葉の大学になんか行きたくないから!!」 あやせ「ってことは東京に出なかったら進学するんだぁ、地元の大学」 桐乃「しないから!なんであやせはそんなに地元の大学にこだわるの?」 あやせ「たぶん、私が大学に行くとなるとそこになるかも」 桐乃「あ、そうなんだ」 あやせ「桐乃、一緒に来てくれるよね」 桐乃「え?」 あやせ「私が地元の大学に進学したら・・・・・・桐乃も私が進学した大学に一緒に来てくれるよね?」 桐乃「も・・・・・・もち」 あやせ「よかったぁ。桐乃が一緒に来ないと知らない人ばかりで心細くなっちゃうから」 桐乃「う・・・・・・うん」 あやせ「そういえば順調良くいけば桐乃のお兄さんが4年生のときに私たち、1年生だね!」 桐乃「そうね。変な噂ばら撒かないで平凡に大学生活送ってほしいわ」 あやせ「そうだね。私の今までの人生の中で桐乃のお兄さんが一番変態だった」 桐乃「あ!あたしたちが進学したときにあたしたちの同級生に手を出さないように釘を刺しておこ」 あやせ「そこまでロリコンだったら私はお兄さん、殺してしまうかも」 桐乃「そ、それはやりすぎ。でも変な噂ばら撒いてたら頭突きでは済まさないから」 あやせ「あはは、桐乃もやる気だね」 まだ二人は京介が学校でセクハラ先輩と呼ばれてることを知らない -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/725.html
571 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/22(日) 23 10 08.80 ID 7hdm3Jki0 【SS】佳乃さんの日記 1巻前: 5月×日 天気:晴れ 夕食:ポークカレー 相変わらず、京介と桐乃は仲が悪い。 京介はいっつも桐乃から目を逸らすし、桐乃はあからさまに京介を遠ざけているみたい。 ただ桐乃の方はいつも京介にキレイな姿を見せようとしているし、良い意味で意識しているのは間違いないわね。 大介さんは気にするなと言っているけど、なんとか昔みたいに仲良くできないかしら。 1巻中: 6月△日 天気:晴れのち雨 夕食:野菜カレー 最近桐乃が前にも増して明るくなった。 携帯で話している会話から、あの趣味に関して話し合えるお友達ができたみたいね。 京介をあからさまに遠ざけることも少なくなったし、京介がお兄ちゃんとして頑張ったのかしら。 ただ、話せる相手ができた分、油断が大きくなっているみたい。 大介さんにバレなければいいんだけれど。 1巻後: 6月▲日 天気:晴れ 夕食:シーフードカレー 京介はお兄ちゃんとして良く頑張りました。 いざとなったら私がお酒を使ったり色々動いたりして大介さんを止めるつもりだったけど、どうやら必要なかったみたいね。 桐乃の為に怒っている大介さんに向かっていけるなんて、知らないうちに成長していたのね。お母さん嬉しいわ。 京介のあんな姿を見るのは初めてだけど、やっぱり大介さんの血を受け継いでるってことなのかしら。 大介さんもお酒を飲みながら「これからは桐乃を京介に任せても大丈夫か」なんて、嬉しそうに語っちゃってほんと親馬鹿ね。 2巻中: 9月○日 天気:雨 夕食:キーマカレー 京介にまたカレー?と言われた。 さすがに作りすぎかしら。 大介さんにそれとなく聞いてみたけど、大介さんは満足そう。 それなら問題ないわね。 最近桐乃の元気がない。 京介も気にしているらしく、ちらちら桐乃のほうを見かけたり、桐乃の調子なんかをそれとなく聞いてくる。 本当に良いお兄ちゃんになってきたわね。 新垣さんの娘さんと一緒にいるところを見ないし、喧嘩でもしているのかしら。 2巻後: 10月▲日 天気:晴れ 夕食:クリームシチュー 久しぶりにクリームシチューにしてみたけれど、大介さんには不評みたい。 やっぱりカレーがいいのかしら。 桐乃が元気になりました。 と思ったら今度は桐乃が京介のほうをちらちらと見たりして、ずいぶん気にしているみたい。 また京介が頑張ったのかしら? このまま前みたいに仲良くなって欲しいわね。 3巻中: 1月×日 天気:曇り 夕食:カレーうどん 最近桐乃の調子が悪い。 風邪のひきはじめ見たいなんだけど、気にしないで携帯ばっかりいじくってる。 携帯小説っていうのを書いているみたいだけど、根を詰めすぎてはいないかしら。 注意しようかと思ったんだけど、大介さんが「京介に任せておけば問題ないだろう」って。 がんばれ、お兄ちゃん! ところで、イヴに京介と桐乃が一緒にどこかに出かけたのは問い詰めるべきなのかしら。 3巻後: 2月▲日 天気:晴れ 夕食:外食 今日は桐乃の小説発売を記念して、みんなで外食に行った。 大介さんはカレー、私はクラブサンド、京介はハンバークセット、桐乃はカルボナーラのパスタを注文した。 大介さんの呟き、聞き逃しませんでしたからね。 今度は何のカレーにしようかしら♪ 桐乃の小説は読んだけれど、少し過激じゃないかしら。 大介さんは顔をしかめながら何処が良いのかまるでわからんって呟いていたけど、私も同感。 イヴに二人でどこに行っていたのかと思っていたけど、渋谷に取材に行っていたのね。 あの日から桐乃は同じピアスばかりつけてるし、 指輪を貰った時よりピアスを貰ったときのリノの描写が詳しかったから、まず間違いないわね。 ずいぶんと仲良くなたのは嬉しいけど、まさか一緒にラブホテルまでは入っていないわよね・・・ あとがきを見る限り、今回もお兄ちゃんは頑張ったのね。 それにしてもあのあとがき、京介が読む可能性をまったく考えてないわね。 4巻中: 2月●日 天気:晴れ 夕食:カレイのカレーかけ もう少しで桐乃が海外に行ってしまう。 大介さんも二人の前だといつもどおりに振舞っているけど、お酒を飲むといつも桐乃の自慢と愚痴ばかり吐き出す。 その言葉を桐乃に直接伝えたらあの子も考え直すでしょうに。 そう言うと「桐乃が希望して、俺は条件を出した。桐乃はその条件をクリアした。俺はもう何も言えん」だなんて、 あの人の頑固は相変わらずね。 あの二人もそんなところばかり似なくても良いのに。 とりあえず録音しておいたから、桐乃の結婚式にでも流しましょうか。 それにしても桐乃は、ちゃんと京介に伝えられるかしら・・・ 4巻後: 3月▲日 天気:曇りのち雨 夕食:カレー鍋 京介の機嫌が悪い。 桐乃の友達が様子を見に来ても、そのときは元気になっても帰ると前よりも落ち込んでいるみたい。 桐乃のことを気にしているくせに、桐乃の話をしようとするとすぐに逃げる。 桐乃が何も伝えずに行ってしまったのがずいぶん答えているみたいね。 桐乃からしか近況を聞きたくないみたい。 桐乃も桐乃。複雑な気持ちはわかるけど、もう少しお兄ちゃんに優しくなれないのかしら。 けどそれ以上に大介さんの様子がひどい。 お酒も飲まなくなったし、休みの日も日がな一日ボーっとしてる。 カレーを食べているときだけ元気になるので、最近はほとんど毎日カレー。 桐乃、早く帰ってこないかしら・・・ 5巻中: 4月×日 天気:晴れ 夕食:カレーピラフ 桐乃のお友達が京介の後輩になりました。 京介もまんざらじゃないみたい。 最近はずいぶん明るくなってきた。 それにしても黒猫さん、あれは京介に気があるわね。 桐乃と同じくらい京介のことが好き、といった感じかしら。 桐乃が向こうで体調を崩しているみたい。 電話越しの声は元気だけど、あれは虚勢ね。 京介のことを話すとちょっと元気になるけど、自分から聞こうとはしない。 向こうに行って少しした時に京介が怒っていないか聞いてきたけど、あれが最初で最後だったわね。 ほんと、二人とも意地っ張りなんだから。 けど桐乃、意地を張るのは良いけど、つらかったらちゃんと言ってね? 大介さんなんて、桐乃が助けを求めたらその日中にアメリカまで行っちゃうわよ。 最近あの人は毎日毎日アメリカに行く用意をしているんだから。 5巻後: 6月×日 天気:晴れ 夕食:ポークカレー お帰り桐乃! さすがお兄ちゃん、大介さんでも無理だと思っていたのに、見事桐乃を説得してきました! 桐乃の身体が心配だったけど、思っていたより元気みたい。 いや、あれは元気になって帰ってきたのかしらね。 それにしても気になるのは桐乃の京介を見るあの目。 まさかとは思うけど京介、あの時の大介さんみたいに桐乃に迫ったんじゃないでしょうね。 確かに京介は大介さんの血を引いてるし、桐乃は私の血を引いてるわけだから、あんな風にされたら間違いなく落ちるわね。 もっとも、大介さんにあんな風に迫られて篭絡されない女の子はいないでしょうけど。 とにかく、京介が今桐乃に迫ったら間違いなく桐乃は受け入れちゃうから、京介が桐乃に手を出さないように見張っていなくちゃ。 とりあえず、もう無理はしないでね。 6巻中: 7月×日 天気:晴れ 夕食:カレー茶漬け 帰ってきた桐乃は前と同じように京介に接しようとしている。 近くで見ているとすごく京介を意識しているのがわかるのにね。 けど京介はそんなことに気がつかないで戸惑っているみたい。 詳しくは聞けなかったけど、無理やり連れ帰ってきたって言ってたし、嫌われたはずだとと思っているのかしら。 本当はその逆なのに。 最近大介さんの機嫌がすごく良い。 毎日毎日お酒を飲んで、京介と桐乃のことを褒めちぎっている。 「やはり最低でも京介位の男でなければ桐乃は任せらん」って、どれだけ京介と桐乃のことが好きなのかしら。 ちょっと妬けちゃう。 7巻中: 8月×日 天気:曇り 夕食:カレーチャーハン 桐乃が動き始めた。 京介をデートに誘ったみたい。 映画館行ってご飯食べて、ゲームセンターに行って、それだけなら普通の兄妹でいいんだけど・・・ 京介の新しいコレクション置き場にあったあのプリクラは何かしら? 百歩譲ってあのプリクラはいいとして、その隠し場所にある意味って・・・何かしら? 桐乃のコレクションの奥、その奥のさらに奥に12枚のトランクスを見つけた。 匂いからするとこれは京介のね。大介さんのじゃないから最低限の安心ではあるんだけど。 スカトロ*シスターズや無くなったはずのアルバムを見つけたとき以上の衝撃ね。 あの子だって年頃だから異性の下着に興味があるのはわかるんだけど・・・本当にそれだけかしら。 まさかくんかなんて・・・してないわよね。 とりあえず京介のトランクスを買い足して、桐乃にそれとなく注意しておかないと。 それにしても、使用済み下着コレクションってあんなに気持ち悪いのね。 大介さんのを洗濯して返しておきましょう。 8巻中: 天気:晴れ 夕食:カレーおにぎり 京介に彼女が出来た。 相手は京介の後輩で桐乃の友人の黒猫さん。 桐乃に負けないくらい京介のことを好きだとは思っていたけど、黒猫さんから告白するのは意外だったわ。 部屋で京介と楽しそうにしているところは何度か見たけど、桐乃のこともすごく気に掛けているみたい。 その桐乃だけど、最近はほとんど趣味のゲームもやらないでボーっとしている。 部屋の前を通ったときに泣き声も聞こえてきたし・・・ 京介に彼女が出来たこと納得はしているみたいだけど、体調崩したりしないかしら。 酷だけど、このまま普通の兄妹に戻ってくれると良いんだけれど。 黒猫さんは大介さんに気に入られているみたい。 この間京介と入れ違いで黒猫さんが来たとき、一時間くらい大介さんと話してたけど、そこで打ち解けたみたい。 話の内容がほとんど桐乃のことだったのが気になるけど。 「あの子は桐乃のことを良く考えてくれているようだな」って、やっぱり桐乃中心なのね、あの人は。 それにしても黒猫さんが時々見せる寂しそうな顔が気になる。 何を考えているのかしら。 8巻後: 天気:雨のち晴れ 夕食:カレー風クリームシチュー 京介が振られました。 最近元気がなかったのはそれが原因みたい。 黒猫さんが引っ越したからだって聞いたけど、あれは嘘ね。 桐乃と温泉に行ってから立ち直ったみたいでまた元気になった。 ついでに今まで恥ずかしがってた桐乃がずいぶんと素直になった。 温泉に行ったのは黒猫さんに会うためよね。 見ていて不安になるくらい京介と桐乃の仲が良い。 温泉に行ったのは黒猫さんに会うためよね。それ以上はないわよね。 まぁそれはともかく、桐乃の態度だけど前は「京介が好き」と「兄貴が好き」で揺れ動いていたみたいだけど、 今は「兄貴が好き」で落ち着いたみたいね。 まずは一安心かしら。 けど京介も桐乃もまだまだ自分の気持ちに整理がついていないみたいだし、 もうしばらくはキチンと見張っておかなくちゃ。 冷蔵庫のプリクラを見てから時々大介さんが何か言いたそうにしている。 あのプリクラについては「ずいぶんと仲が良くなったんだな」って的外れなことを言っていたけど。 今度大介さんと二人で温泉に行って、そこで一緒にプリクラをとりましょうか。 私は筆を置いて一息ついた。 一年前と比べ、二人について書く事が増えてきた。 それは二人が仲良くなった証拠なんだけど、その仲のよさを考えると少し複雑かしら。 昔も仲が良かったけど、それでも仲の良い兄妹以上ではなかったと思う。 京介も桐乃も、ずいぶんとお互いを無視し合っていたから、お互いの距離の取り方が解らなくなっているみたい。 あの日から桐乃が頑張るようになって、そのせいで京介と距離が出来て、今ではまた話すようになったけど、 お互いをどう扱っていいかわからず、戸惑いっぱなしなのね。 この夏休み二人で沢山の事を経験して、前よりも、ずっと前よりも解り合える様になったけど、 自分がどう考えているのか、どう想っているのか、どう扱って欲しいのかの整理がまだついていないんじゃないかしら。 早く自分に素直になって欲しいけど、兄妹として間違ってしまわないかちょっと不安。 私は日記を机にしまい鍵を掛けると、そっと部屋を出た。 目的地は二人の部屋。最近のこの時間帯は、どちらかがどちらかの部屋に遊びに行っている事が多い。 京介は受験勉強で忙しいので遠慮しているみたいだけど、何かをするわけでなくても二人で一緒にいたいのね。 今日は京介の部屋に桐乃が遊びに来ているみたい。 少しだけ開いた京介の部屋のドアから明かりが漏れているのが解る。 私はいつものようにドアにそっと近づき、中を覗いた。 京介は机に向かって勉強していて、桐乃は京介のベッドの上で横になっている。 ちょうどあそこは黒猫さんがよく転がっていた場所じゃないかしら。 桐乃はパソコンで何かをしているようだけど・・・あれは多分桐乃の最近のお気に入り『シスシス猛将伝』ね。 二人は何を話すでもなくお互いの作業に集中しているように見えるけど・・・やっぱり意識しているみたい。 ギスギスしているわけでも、桃色な雰囲気でもなく―ただそこにいるのを気にしているって感じ。 何もしないのに部屋に入り浸る。仲の良い兄妹ならギリギリセーフなのかしら。 しばらく観察し、何事も起こらないようなので引き返そうとしたとき、京介が口を開いた。 「なあ、桐乃」 桐乃はパソコンから目をそらさずに答える。 「なに?」 再びの静寂。私は息を殺しながらドアに密着して中を覗きこむ。 「―俺、お前に会えてよかった」 続く言葉に、喉から言葉が漏れそうになった。 部屋の空気に緊張感が漂い始める。 「・・・・・・」 桐乃は何も言わずにパソコンを見つめ続ける。 でも指はまったく動いていないし、後ろから見てもわかるくらいに耳が朱に染まっているのが解る。 ―変な事を言うようなら、すぐにでも飛び込まないといけないわね・・・ 「俺たち二人はさ、ずっと前に別れちまって、同じ家の中にいてもすれ違ってばかりで、お互いさえも見ないで、 ずっとこのままなんだと思ってた」 言葉を続ける京介の耳も、ここから見てもわかるくらいに染まっている。 「けど、一年と三ヶ月前、俺たち兄妹はようやく再会できたんだ」 去年の六月、桐乃は京介にあの趣味のことを知られてしまった。 その後色々とあって、兄妹はお互いを見るようになって、二人は長いときを経て、ようやく『出会った』。 清清しい京介の顔も、嬉しそうに、そして照れくさそうに京介の顔を見るの桐乃の姿も、昨日の事のように覚えている。 出会いをやり直して、ケンカをやり直して、すれ違いをやり直して、思いやりをやり直して、今兄妹はここにいる。 「前はお前のことなんか大嫌いで、どうでもいいって思ってたし、今だってお前のことは大嫌いだけど― ―今はもう、お前のことをどうでもいいとは思えない。 お前がいないと寂しいし、お前と―お前のおかげで出会えた奴らと一緒にいると楽しい。 何より桐乃が世界でたった一人の、掛け替えのない大切な妹だってわかったから― ―桐乃と再会できて、本当に良かったと思ってる。 桐乃のために頑張れて、本当に良かったと思ってる」 喉から言葉が漏れそうになった。けれど言葉が出なかった。 出せる言葉が思いつかなかった。 京介は、私が思った以上に正しいお兄ちゃんとして頑張っている。 それが、とても嬉しい。 「あんたさぁ、妹にいきなりそんなこと言い出して、恥ずかしくないの? このシスコンマジキモーい!」 桐乃が顔をパソコンに向けたまま、そう言う。 私たちの前では見せないくらい、嬉しそうにそう言う。 相変わらず、本当に素直なくらいに素直じゃないわね。 「シスコンはお互い様だろ?お前はそれに加えてブラコンじゃねーか」 「あたしはいいの!妹だから」 「妹だからいい、か。ブラコンってことは否定しねーんだな」 京介は相変わらず参考書に向かいながら、からかうようにそう言う。 「―しないよ。あたしも、その、あんたに会えてよかったから」 部屋の空気は穏やかなまま変わらない。 「・・・・・・」 京介は何も言わずに参考書に向かっている。 しばらく前からページをめくる音は聞こえてこない。 ここから見える二人の耳はもう赤くはなくて、その表情は柔らかなものだろうと感じさせる。 「あの時あんたに会えたから、あたしはずっとあたしのままでいられた。 あんたがいなかったら、あたしはたぶんどこかでダメになってたと思う」 京介はずっと桐乃のため頑張っていた。 いやなことも、つらいことも、認めたくないこともあったと思う。 本当に、母親として誇らしくなるくらいに、京介は頑張っていた。 そしてたぶん、その中で京介は妹を見つめなおして、桐乃は兄を見つめなおして、少しずつ兄妹に戻っていったのね。 「前はあんたのことなんか大嫌いで、あんたのことなんか知らないって思ってたし、今もあんたのことは大嫌いだけど― ―今はもう、あんたのことを無視できない。 あんたが悲しいとあたしも悲しいし、何とかしてあげたいと思う。 あたしの兄貴はあんたしかいないし、あたしは京介が大事だって気づけたから― ―京介と再会できて、本当に良かったと思ってる。 京介の一番で、本当に良かったと思ってる」 真っ直ぐではなくても、少し捩れていても、桐乃は京介のことを兄として慕っている。 たとえそれ以外の感情があったとしても、それは間違いなく本物だろう。 「これからも何度も喧嘩するし、すれ違うし、 もしかしたらあたしと京介にお互いに認められる彼氏彼女が出来るかも知れないし、 あたしがどっか遠くに行っちゃうかも知れない」 桐乃はパソコンから顔を離し、京介のほうを見て、 「でもどれだけ離れても、もう京介とは別れたくない」 そう口にした。 真剣そうな、心配そうな顔で京介を見つめる。 「そうか」 いつの間にか、京介も桐乃のほうを向いており、 「じゃあ俺と桐乃は、ずっと一緒だな」 嬉しそうに微笑んだ。 その言葉に桐乃は幸せそうに顔を染めると、京介の視線から逃れるようにパソコンへと向き直る。 「―ん。まぁ、そういうコト」 桐乃は猫が機嫌よく尻尾を振るように、足をばたばたとする。 京介は嬉しそうにそれを見ていたけど、しばらくして参考書に目線を戻した。 時間がたち、京介が参考書をめくる音と、桐乃がパソコンを操作する音が聞こえ始める。 まだお互いに意識しあっているけど、前よりも空気が和んでいるみたい。 私はゆっくりとドアから離れると、京介の部屋を後にした。 部屋に戻り一息つく。 まだ心臓は早鐘を打っているし、顔の赤さも取れていないと思う。 ―ずいぶんとまぁ、仲が良いところを見てしまったわね。 本当に仲が良すぎて心配してしまう。 でも、それでも 「どうした。ずいぶんと嬉しそうだな」 いつの間にかリビングから部屋に戻っていた大介さんにかけられた。 「あら、わかる?」 ―顔がにやけるのが止められない。 「ちょっと京介と桐乃が仲良さそうに話しているのを見ちゃって、 やっぱり兄妹っていいわねって思っていたのよ」 「そうか」 大介さんはそれだけ言うと視線を新聞に戻す。 大介さん。うまく隠したつもりなんでしょうけど、口元が嬉しそうなのは見逃しませんでしたからね。 二人が仲良くなりすぎるのは心配だけど、二人が仲良くなるのは嬉しい。 ―もともと、こうなってしまったのは私のせいなのだ。 二人が小さいとき、二人がどうにかするだろうと、二人が離れていくのを止めなかった。 二人が大きくなったとき、二人が仲良くなろうとしているのが嬉しくて、近づきすぎるのを止めなかった。 今まで、私は何もしなかった。 だからもう少し、そう―二人が再会するまで必要だった時間と同じ時間が過ぎるまで、静かに二人を見守ろうと思う。 それに、ひとつ考えがある。 「ねぇ、大介さん」 もっと嬉しく、楽しく、幸せになるための考え。 「なんだ?」 二人にとってお互いが掛け替えのないただ一人の兄妹なら― 大介さんにとって掛け替えのないたった一人の一番だった私が、掛け替えのない「三人」の一番の中の一人となってしまったように― 「もう一人、欲しくない?」 悩みも増えるだろうけど、きっともっとずっと楽しくなる。 -END- -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/194.html
861 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 15 14 30 ID c0ggDsgC0 [2/2] 今日は4月1日、エイプリルフールだ。 俺は今日こそ桐乃に一泡ふかせるべく策を練っていた。 思い出すのは以前、桐乃に偽告白でからかわれた時の記憶。 次は……俺の番だぜっ! 「桐乃、話がある」 「キモッ、なに改まっちゃって」 相変わらずの態度だが、そんな事言ってられるのも今のうちだ。 俺は桐乃に一歩近付き、両肩に手を乗せる。 「俺な……お前の事、好きになっちまったみたいなんだ」 「えっ……」 「お前の事ばかりいつもいつも考えちまって、もうどうしようもないんだよ」 「な……でも、だって……あ、あたしたち兄妹だし……」 慌てているのか顔を赤らめ、目を泳がせる桐乃。 よしよしもう一息だ。 「兄妹でこんなのいけないってのは分かってる。それでも俺はお前の事が……」 「そ、そうなんだ……じゃ、じゃあしょうがないかな……あんたがどうしてもって言うなら……」 目を潤ませて恥じらう桐乃。 あれ? なんか雲行きが怪しくねえ? こ、これはそろそろネタばらしをすべきかもしれん。 「ところで桐乃。今日は何月何日だ?」 「え? えっと……………………3月31日だけど?」 …………は? あの、マジで? 俺1日間違えた? 「今は日付なんてどうでも良いじゃん。ね、それより……あんたの気持ちは良く分かったよ」 「あ、いや、そのな……」 「あたしもね、前からあんたの事……その、好きだったよ」 そう言って一歩近付き、俺にすり寄ってくる桐乃。 い、今好きって言ったかコイツ? ど、どうすりゃ良いんだよ。いまさら嘘だったとか言えねえぞ……。 「あたしたちは兄妹だけど、お互いに好きなんだもん。仕方ないよね」 「お、あ、や、えと、桐乃。あのな――」 「それでね、どうしても聞いて欲しい事があるの……聞いて?」 俺にぴったりと寄り添いながら耳元に口を寄せてくる。 耳に息がかかるような距離で、桐乃はからかうような声音で囁いた。 「……今日4月1日で合ってるケド?」 チックショオオオオオオオオオ!!! End -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/28.html
53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/11(木) 13 18 13 ID jmYYWpCoP [1/2] 六話見て思ったのは 桐乃「これすごいでしょ~♪ どうしてもってんなら一回くらい抱きしめさせてあげてもいいよ?」 京介「いや、いいよ」 桐乃「むかつく。あんた分かってないようだから、やっぱ命令! 抱きしめなさい絶対良さ分かるから」 京介「やれやれ、こうか? ギュ」 桐乃「な、なななんでアタシを抱きしめちゃうのよぉぉ!?」 京介「違ったのか?」 桐乃「・・・・・・・・・・・・ち、違わない」 こんな薄い本が激しく読みたいということだ 73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/11(木) 14 21 21 ID v48AaDUx0 53 いや、こうだろ 桐乃「これすごいでしょ~♪ どうしてもってんなら一回くらい抱きしめさせてあげてもいいよ?」 京介「いや、いいよ」 桐乃「むかつく。あんた分かってないようだから、やっぱ命令! 抱きしめなさい絶対良さ分かるから」 京介「やれやれ、こうか? ギュ」 桐乃「そうそう、もっと強く! 顔を埋めてね、ちゃんと残り香がつくよ――ゲフンゲフン」 京介「ん、なんだって?」 桐乃「なんでもないわよ! うっさいわね! いいからあんたは今からその枕抱いて昼寝すること!」 ~その夜~ 「うふ、うふふふふふ、さぁ枕抱いて寝よっかな~♪」 「えぇ!? ここんとこ、ちょっとシメってる! 涎? まさか涎なの??」 「きったなっ! しんじらんない、超きもいんですけど!」 「新品の枕だったのにいきなり涎まみれだなんて、超最悪!」 「で、でも仕方ないわよね! 深夜だし洗うなんてできないし! が、がが我慢して涎枕使うしかないわよねっ」 「あ、そうだ、今日すっごい暑いし、クーラーとか体に悪いし裸で寝ようかな? べ、別に他意はないわよ、 暑いんだから仕方ないじゃない! そうよ暑いんだもの、自然なことなんだから!」 「で、で、では……き、きりの、いっきま~す!」 「ハァハァハァ……」 「兄貴の匂いすご……ハァハァハァ、この涎の部分……超すご……ハァハァハァ」 「ハァハァハァ、ハァハァハァ……………………ウッ」 ~次の日~ 桐乃「ねぇこの枕、すっごい安眠効果あったわよ、仕方ないから今日は兄貴に貸してあげる」 京介「へ? いや、いいよ別に」 桐乃「はぁ? 人が親切にいってやってんのに! いいから使いなさいってば! ほら! ほらほらほら!」 京介「んだよ、わかったよ、じゃあ使わせて貰うよ。じゃな」 桐乃「あ! そうそう、健康本で読んだんだけど暑い夜は裸で寝るといいらしいわよ?」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1213.html
484 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 16 29 46.57 ID l3vntX4M0 [2/9] 480 親バレを考えたらこうなった。 京介(俺はもしかして、桐乃を女として愛しちまってるのか? 桐乃も満更じゃねえみたいだし…… ……桐乃と二人で生きていくのも、それはそれでいいかも知れねえな。 けどよ、親父たちになんて言えばいいんだ?) 大介「おい、京介。 俺の部屋に来い。話がある」 京介「話?」 大介「………………」 京介(親父、滅茶苦茶怒ってるんだが……一体どうしたんだ?) 大介「……京介、お前とうとう桐乃に手を出したそうだな」 京介「は?」 大介「惚けるな。お母さんに聞いたぞ。 街中で腕を組んで歩いたり、抱き合ったり、人目も憚らずキスしたり、 ウェディングドレスを着せて連れまわしたり、ラブホテルに行ったり、 二泊三日の泊りがけで熱海に行ったりしたらしいな」 京介「親父!それは―」 バキッ 大介「言い訳をするな!見苦しいぞ、京介!」 京介(駄目だこの親父!頭に血が上って人の話を聞きやしねえ! そもそも、泊りがけの旅行なんてしてないって親父も知ってるはずだろ!) 大介「……おい、京介。 桐乃のことは好きか?」 京介「ああ。世界中の誰よりも大好きだ」 京介(まだ、この気持ちがただの兄妹愛なのかはわからねえんだけどな) 大介「そうか……そこまで言うのなら仕方がない。 お前たちの関係を認めてやる」 京介「え?」 大介「血が繋がっていないとはいえ、お前は俺の自慢の息子だ。 お前になら桐乃を任せられる」 京介(え?血が繋がってないって?桐乃を任せられるって? あれ?あれ?) 大介「孫か……桐乃に似て可愛いのだろうな…… 顔を見るのが楽しみだ」フフフ 京介(えー?) 桐乃「お父さん、なんだって? って、どうしたのその顔! すごい腫れてるよ!?」 京介「親父に殴られた」 桐乃「あんた、何かお父さんに怒られるようなことしたの? ほら、こっち来て。手当てしてあげるから」 京介「悪いな」 桐乃「それで、何があったの?」 京介「よくわからんが…… 俺と親父は血が繋がってなくて、桐乃を任せるから早く孫の顔が見たいらしい」 桐乃「なにそれ……わけわかんない」 京介「俺だってわけわからんぞ。 ……だが、桐乃を任せると言われて、悪い気分じゃないな」 桐乃「……シスコン」カァァァ 京介(確かに俺はシスコンなのかも知れねえけどな、それだけじゃなくて……) 京介「……なぁ桐乃、一つお前に言いたいことがあるんだ」 桐乃「なに?」 京介「俺は、おまえを―」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1690.html
722 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/04/23(火) 02 19 01.91 ID 9Qb03tbHO 壁バンッ! 京介「うわ驚いた!」 桐乃「…ねえ」 京介「桐乃!?な、なんだよいきなり!?」 桐乃「…昨日さ、4/22…『良い夫婦』の日だったんだって…知ってた?」 京介「あ、ああ。親父らも水入らずで出掛けたし、まぁ…知ってたよ」 桐乃「…」 京介「…桐乃?」 桐乃「…なんで…」 京介「へ?」 桐乃「…なんであたしを誘ってくれなかったのよっ!?」 京介「…は?」 桐乃「夫婦の日って別名『Cuple-day』でしょ!?なんであたしを連れ出してくれなかったのよ!!」 京介「…いやだってお前、前の日…」 桐乃「嫌だったの!?」 京介「言ってねーよ!?」 桐乃「い、今…いやだってって…(グス)」 京介「話を最後まで聞け!ああもうっ!!…いやだって、お前が前の日『明日は新作エロゲやるから話しかけないで』って言ったんじゃねーか!」 桐乃「…あ」 京介「…はぁ。…正直、エロゲに敗けたのかと、内心穏やかじゃなかったんだぜ?」 桐乃「あう………」 京介「…あのよ」 桐乃「あ、な、なに?」 京介「…今日は4/23だろ?」 桐乃「う、うん」 京介「…『良い兄さんの日』だからよ。仕方ねぇ…妹にサービスしてやるよ」 桐乃「…え?」 京介「…なにしたい?」 桐乃「…ちゃいちゃ…」 京介「ん?」 桐乃「い、イチャイチャ…したい…///」 京介「…はいよ(ギユッ)」 桐乃「…えへへ(すりすり)」 京介「満足か?」 桐乃「…頭なでなでも…」 京介「はいよ(なでなで)」 桐乃「ふひっ!ふひひひ」 佳乃「…お父さん」 大介「ほうっておきなさい」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1003.html
261 名前:【SS】影送り 1/2[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 16 01 18.10 ID VNV1NBp70 [1/3] 「京介、起きて」 身体を揺さぶられる感覚に目を覚ませば、何時かのように桐乃が俺に馬乗りになっていた。 ビンタで起こされなかっただけマシだよな、と思いつつ、ふと違和感を覚えた。 違和感の対象は桐乃の表情。あの時のような不機嫌そうな顔ではあるが、一点だけ違っている。 「おまえ、泣いてるのか?」 少しだけ、目じりに水滴が見えたような― 「~~~~!」 俺の言葉に、桐乃は慌てたように腕で顔をぬぐう。 「平気か?」 身体を起こしながら桐乃に尋ねる。 「うっさい!とにかく早く起きて」 桐乃はそう言うと俺の上から降りた。 俺に見られたくないだろう顔を見られたっていうのに、桐乃はあまり怒っていないようだ。 一体どうしたっていうんだ。 俺は桐乃に言われた通りにベッドから起き上がる。 それと同時に、桐乃が部屋のカーテンを開けた。 今日は晴天だ。青い空が寝起きの目に眩しい。 「ちょっとこっち来て」 桐乃に促され、窓際に立つ。 温かな陽光に体が包まれる。それ自体は気持ちがいいんだが、桐乃の様子がおかしいので気分は良くならない。 「・・・・・・ちゃんと影はある」 影?影がどうかしのか? 「おい桐乃、何のことだか説明してくれ」 「黙ってて」 桐乃はピシリとそう言うと、俺の体を触り始めた。 頭、顔、首、肩、腕、胸、腰、足・・・ そして最後に俺の手を強く握った。 「触れる」 そう言うと、桐乃はふぅと一息ついた。 桐乃が俺の手を握って安心してくれるのは嬉しいんだけどよ、何を心配していたのかわからなきゃ俺のほうが安心できねえじゃねえ か。 「一人で納得してないで俺にも説明しろ」 俺の言葉に、桐乃は言い辛そうに目をそらす。 「・・・・・・言いたくねえなら、無理には聞かねえけどよ。 でもな、俺はおまえの兄貴なんだから、おまえの力になってやりてえんだよ」 俺の言葉に、桐乃はおずおずと視線を俺に返した。 「・・・・・・変な夢を見たの」 桐乃がポツリと話し始める。 「変な夢?」 「うん。あたしと兄貴が公園で遊んでるんだけど、空がピカッと光ったと思ったら、兄貴が影だけ残して消えちゃったの」 「俺が影だけ残して消えた?」 「それでね、あたしはワケが分かんなくてずっと残った影を見てたんだけど、ふと空を見たらその影が空に浮かんでいっちゃったの 」 「・・・・・・」 「怖くなって家に帰ったんだけど、家に帰ってもお父さんとお母さんどころか家も無くなってるし・・・・・・ 寂しくなって一人で泣いてたら目が覚めたの」 それで不安になって俺のところに来て、俺の体と影を確認したのか。 子供っぽいと言っちゃそうなんだけどよ、夢の事を気にして俺を確かめに来るなんて、意外と可愛いと思ってやらなくもないな。 262 名前:【SS】影送り 2/2[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 16 01 51.49 ID VNV1NBp70 [2/3] それにしても、今の話どっかで― 『桐乃、いっしょに十まで数えるんだぞ』 晴天の空の下。他に誰もいない公園で。 そこで俺と桐乃は二人で手をつないで地面を見ていた。 『うん! いーち、にーい、さーん』 『しーい、ごーお、ろーく』 『しーち、はーち、きゅーう』 『『じゅう!』』 空を見上げると、空には仲良く手をつないだ二人の影が空に映し出されている。 『お兄ちゃん、すごーい!』 『桐乃、これは『影送り』って言ってな―』 そうか。今日は八月六日だから、そんな夢を見ちまったのか。 「ねえ京介。 京介は黙っていなくなったりしないよね」 桐乃は俯き、俺の手の感触を確かめるように、握ったままの手に少しだけ力を込めた。 「桐乃・・・・・・」 俺たちはずっと無視しあって来たけれど、俺たちはよく喧嘩するけれど、それでもこいつを不必要に思ったことは一度もない。 昔は煩わしく思ったこともあったけど、今はもう離れたいとは思わない。 そう、なにがあっても。 俺の手を握る桐乃の手。その手を握り返す。 「京介?」 「桐乃、俺は黙っていなくなったりしねえから。 もしどこかに行っちまっても、絶対におまえのところに帰ってくるから」 だから、おまえはそんな顔すんな」 もう一度、桐乃の手を握る手に力を込める。 「・・・・・・わかった。 あんたが帰ってくるって言うなら、あたしもずっと待ってるから」 桐乃も、握る手に力を込める。 あの戦争で、一体どれだけの恋人が、親子が、兄妹が、こんな約束を立てたんだろうか。 そして、一体どれだけの約束が果たされたんだろうか。 俺たちは、この約束を生涯守りきれるだろうか。 そんなことを考えながら、握る手に力を込めた。 「京介ー、桐乃ー、ご飯よー」 下からお袋が呼ぶ声が聞こえる。 「それじゃあ下に行くか」 「うん」 桐乃の手を握る手から力を抜く。 でも、握り合う手は放さない。 ご飯を食べたら、二人であの公園に行ってみよう。 そして、あの日のことを話しながら、あの日のように影送りをしてみよう。 空にはあの時のように、仲のいい兄妹が映るだろうか。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/949.html
879 名前:見ちゃった【SS】[sage] 投稿日:2011/07/19(火) 23 54 48.87 ID iknmxGjiO [3/3] 799氏の指導を自分なりに考えたらこんな感じに 「お母さん、ただいま」 「お帰りなさい、桐乃」 「もう汗でベタベタ、シャワー浴びるね」 (あ、そう言えば京介が先にシャワー浴びてたんだっけ、でもいい加減出てるでしょ。さてカレーの支度支度っと♪) 「キャアアアッッ」 バチーン!! ※※※ 俺は夜遅く、桐乃に部屋に呼び出された。昼間の件で話があるらしい。 桐乃はなかなか口を開かない。よほど腹に据えかねているのか?やがて桐乃がおもむろに口を開く。 「アンタ、あの時あたしに欲情しちゃったわけ?」 「な、何をいきなり…」 「あ、あたしの汗でスケスケなシャツ姿見たアンタは固まってたケド、アンタのその、あそこがだんだん大きく…」 「頼むから羞恥プレイは勘弁してくれよ」 「てかあんなの見せられたあたしが恥ずかしいっての。で、アンタは欲情してたかしてないか正直に答えればいいの」 「……してた」 「……そ、そう。やっぱそうなんだ……」 「てっきり怒られるかと思ってたんだが、冷静なんだな」 「…だって、おんなじだから…」 「えっ?」 「あ、あたしも、兄貴の全裸見て、ドキドキしちゃったから…」 「桐乃……」 「前に、兄貴が夜中に人生相談してきたことがあったじゃん。あの後、あたしね、あたし……」 桐乃は躊躇う素振りを見せたが、意を決したように話し出す。 「あたし、あの後、兄貴に襲われる夢を見るようになっちゃった……」 いきなりとんでもないことを語りだす桐乃。 「夢の中での兄貴は、それは乱暴にあたしを襲うの。まさに欲望むき出しって感じで。 今だから言うけど、昼間の兄貴の全裸の姿は、まさに夢のなかの姿そのものだった、だから怖くなって…思わず手がでちゃったの」 「………」 「あたし、何か怖いの。夢がエスカレートしていって、夢なのに、変な意識しちゃって、もうワケわかんなくなるし……」 「桐乃、すまなかったな」 「京介?」 「俺もあの人生相談の時のやり取りは、ぶっちゃけレイプ魔みたいだったなって、今思うとそんな気がする」 「……」 「お前にばかり恥ずかしい思いさせる訳にはいかないから俺も正直に思いをぶちまけちまうが、いいか?」 「う、うん。いいよ」 「今まではお前が俺の前でどんな姿しようと、どんなに体が触れようと問題なかったんだが 俺もいつの間にか、桐乃のことを変に意識するようになっちまってた」 「京介……」 「だから、昼間の桐乃のスケスケ姿を見たとき、内心嬉しかった。てか、もうちょっと遅く風呂場から出てたら もしかしたら桐乃の裸見れるんじゃないかと、そんな事まで思うようになっちまってた……」 「エッチ、エッチエッチ」 「そうだな、返す言葉もねえよ」 「でも、でも……京介。そんな欲望拗らせたままだといつか本当に取り返しのつかないことになりそうだから そうならないように、あたしが……」 字数制限がきたみたいだからこの後の話は省く。だから一言だけ、 桐乃の生まれたままの姿は、本当に綺麗だった。 あと、桐乃に言わせれば、俺の生まれたままの姿は、逞しくて素敵とのことだったぜ。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1060.html
657 名前:フライング【SS】[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00 18 27.68 ID 31Y7H6wDO [1/3] ボルト、フライングでまさかの失格。どうしてこうなった…… 「なあ、桐乃。一発で失格って、どうなんだよ」 「あたしに言われても。でも、これがルールなわけだし」 俺だけじゃない。スタジアムで、テレビで見ていた多くの人が、そう思ったに違いない。 「でも、フライングってしないに越したことはないでしょ」 「そりゃそうだけどさ」 「ボルトだってやりたくてしたわけじゃない。でもフライングが一発失格なルールは分かってるわけだし、 だからこそ選手は皆フライングしないように気をつけるわけだし、 残念だけど、これはボルトの自己責任としか言えないと思う」 なるほどな、陸上をやってる桐乃だから言える言葉だった。俺もそれで納得しようとした。が、 ※※※ 「フライングって、ホントいけないんだから」 突然声を上げる桐乃。 「なんだよいきなり」 「思い出したの。フライングの悪い例をいろいろとね」 「なんじゃそりゃ?」 「例えば、付き合ったばかりの女の子の胸を揉もうとしたり、そもそも付き合ってもいない妹の友達に結婚してくれと言ったり、 フライングにも程がある馬鹿兄貴のことを思い出したの!!」 まさかの展開に慌てる俺。てか、なんでそのことを知ってるの? 「桐乃、それはだな…」 「うっさい、これからあんたのことをフライング野郎って呼ぶから」 いつかのカリビアン(ryほどではないにしてもあんまりな言われようだ。 このまま言われっぱなしではマズイ。何か反撃のネタはないだろうか? へへっ、あったぜ!! ※※※ 「桐乃、人のことフライング野郎とか言う前に、自分のフライング行為を反省したらどうだ?」 「何の話?」 「こないだの人生相談の時にさ、俺奪われちゃったんだよね、お前にファーストキスを」 「ハア?何寝ぼけたこと言ってるの?」 「寝ぼけてたのはお前だけどな、いきなり『みやびちゃーん』とか言って、俺の唇を奪ったんだぜ」 ニヤッと笑いながら俺は言ってやる。 「あ、ああ……」 あの時のことを思い出したのか、桐乃の顔がみるみる紅くなっていく。 「桐乃のフライングだよな。妹に俺の初めてを奪われちまったんだぜ」 「ち、違うし、あれはみやびちゃん相手だったし…」 「でもさあ、実際に桐乃の唇が触れたのは、みやびちゃんじゃなくて俺の唇だぜ」 「ぐぬぬ……」 いい気味だぜ。これでフライング野郎呼ばわりされた分の仕返しは済んだな。そう思ってたんだが ※※※ 「あの時のキスがノーカンってことにすればいいんでしょ。それでフライングじゃなくなるわけだし!」 「へっ??」 俺がその言葉の意味を理解する間もなく 「京介、好きだよ」 俺は再び、桐乃に抱きしめられると、唇を奪われた。 柔らかく、温かい唇の感触があの時よりも長く、はっきりと伝わってくる…… 「……これで、フライングじゃなくなったからね」 桐乃がそう、呟いた。俺は、桐乃が愛しくて愛しくてもう、たまらなかった。だからこう言った。 「桐乃、俺の嫁になってくれ」 頷いてくれた桐乃に俺は、早速おっぱい触らせてくれと言ったわけだが その後どんな目にあったかは、気が向いたら話すことにするよ。 -------------